10/06/14 第10回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会議事録 10/6/14 第10回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会          日時 平成22年6月14日(月)          18:00〜          場所 厚生労働省共用第7階会議室 ○相澤部会長 それでは時間になりましたので、第10回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会を 開催させていただきます。  皆さまにおかれましては、大変お忙しい中、当部会にご出席いただきまして誠にありがとうござい ます。  本日は市川委員、川原委員、田上委員、金子委員からご欠席のご連絡をいただいておりますが、そ の他の委員はご出席いただいておりますので、労働政策審議会令第9条、第1項及び第3項により、定 足数を満たしております。  最初に、今回初めてご出席になりました神山委員と清川委員からお言葉をいただければと思います。 ○神山委員 東陽大学の神山です。前回、先約がありまして、どうしても出られなかったものですか ら、今回初めての出席になります。よろしくお願いします。 ○清川委員 初めてとの紹介を受けましたが、かなり前に出席していまして、いろいろとスケジュー ルと時間の関係で大変皆さま方にはご迷惑おかけしました。これからは若干スケジュールも空いてい るかと思いますので、ご迷惑かけないようにしたいと思います。 ○相澤部会長 大変失礼いたしました。  それでは議題に入る前に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。 ○主任中央じん肺診査医(桐生) それでは事務局ですが、資料の確認をさせていただきます。議事 次第、資料1「じん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについて」、資料2「じん 肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱に係る諮問文」、資料3「じん肺法施 行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(案)の概要」。別綴じになっていますが、上に (新)と書いてある様式第13号として綴じたものがあります。また、参考資料の1として「じん肺法 におけるじん肺健康診断等に関する検討会報告書(概要)」、参考資料2「じん肺法におけるじん肺健 康診断等に関する検討会報告書」、参考資料3「石綿健康被害救済制度の在り方について(1次答 申)」。最後に参考資料として、「労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会委員名簿」。以上の資 料ですが、不足等ありましたら事務局へお願いいたします。 ○相澤部会長 よろしいでしょうか。  本日の議題は、じん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについて、及びじん肺 法施行規則及び安全衛生規則の一部を改正する省令案についてです。省令案については厚生労働省大 臣から労働政策審議会会長あての諮問案件であり、当部会において審議を行うこととしたいと思いま す。  事務局からご説明をお願いいたします。 安全衛生部長(平野)「じん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについて」及び 「じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」についてご説明いたします。  前回4月の第9回のじん肺部会におきましてご説明いたしましたが、じん肺法におけるじん肺健康診 断等に関する検討会において、この5月にじん肺健康診断等のあり方について報告書が取りまとめられ たところです。じん肺法に基づくじん肺健康診断につきましては、昭和35年の制定時から粉じん作業 に従事されている労働者の健康管理のために行われてきたものでありますが、最新の医学的知見を基 に検討されました、検討会での検討結果を踏まえまして、今般、じん肺法施行規則及び労働安全衛生 規則の一部を改正する省令案について、所要の改正を行うと考えております。以上、詳細は担当のほ うからご説明いたしますので、よろしくご審議のほどをお願いいたします。 ○主任中央じん肺診査医 詳細について私のほうからまた説明させていただきます。資料としまして は、資料1のじん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについてになりますが、その 背景になる検討会についての説明を、参考資料の1と2を基に説明させていただきますので、おそれい りますが、参考資料1と2を手元にご用意ください。  参考資料2がじん肺法におけるじん肺健康診断等に関する検討会(報告書)ですが、この検討会は前 回のじん肺部会において、ご意見をいただいて設置された検討会です。参考資料2の13頁をご覧くだ さい。検討会の参集者の名簿がここにありますけれども、この部会の委員であります、中原委員に座 長をお願いしまして、そのほかの委員として医学の専門家の先生方にお集りいただいて検討したとこ ろであります。下のほうにありますけれども、4月に2回検討会を開催し、じん肺の健康診断等に関し て在り方を検討いたしました。その検討結果の概要については、参考資料の1に(概要)がありますの で、これに基づいて簡単にご説明いたします。  参考資料1ですが、今回の見直しの背景として、最新の医学的知見や、環境省で検討が行われており ます、石綿健康被害救済法における石綿肺の取扱い、こういったことを踏まえ、じん肺健康診断につ いて検討したところであります。その結果について、1〜7までありますが、主要なところは5番の肺 機能検査の見直しです。既に委員の皆さま方には、事前に内容等をご説明させていただいております けれども、大きくは、従来外国人のデータを元にした肺機能の指標だったものを日本人のデータに基 づいた日本呼吸器学会の指標を基準にした評価に変わるといったところが大きな変更点です。肺機能 検査の見直し、それ以外の指摘事項としては、3番目の胸部臨床検査のところで、喫煙歴の情報を把握 することが重要であり、じん肺健康診断の結果に記載することが適当というご指摘をいただいたり、 また、2番目のエックス線検査について、胸部の単純エックス線検査の写真を基本として既に撮影され た胸部CT写真がある場合には、じん肺にかかる診断の参考に留めるというようなご指摘をいただきま した。そのほか、じん肺健康診断の項目にある職歴の調査や、合併症に関する検査、その他の検査等 については今後さらに知見の収集に努めることが必要というご指摘をいただいております。このよう な検査のじん肺健診についての報告書の概要をいただいたところです。  また、参考2に戻りますが、特に11頁をご覧いただきたいと思います。判定基準の見直しに伴って シュミレーションを行ったものがこちらの表になっております。この表は平成6年度のじん肺管理区分 決定の申請した方を対象にして、それを現在の基準と新しい見直しの基準の案で比較をしたものです。 この比較の前提条件といたしまして、1つはV25の判定の指標についてはこの試算ではその判定の影響 を加えていないということと、また、あくまでも機械的に計算しているということ。実際には判定医 師による総合的な判定がございますが、この試算では数値データを基にして機械的に判定しておりま す。その結果ですが、11頁の中ほどの表ですが、その見方として1番右下に計で21,618とあります、 これは平成6年度の管理区分決定の申請者数です。このうちの現行の基準で著しい肺機能障害とされた 方が右側の633名です。新しい基準で著しい肺機能障害とされた方は931名となっています。新規、新 しい基準で共に著しい肺機能障害とされる方は599名、現行の基準で著しい肺機能障害で、新しい基準 では、そうでないとされる方が34名。逆に現行の基準では正常または軽度障害とされるけれども新し い基準で著しい肺機能障害とされる方は332名、そういった表になっています。全体としては新しい基 準で著しい肺機能障害と判定される方が増えるというような試算になっております。以上が検討会の 報告書の概要です。  それを基に今回、お諮りする議題1が、資料1のじん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等 の見直しについて、これが先ほどの報告書を踏まえまして、じん肺健康診断の、特に肺機能検査を中 心にどのようなところを見直すかということについてまとめたものです。内容につきましては、先ほ どの報告書を踏まえたものになっております。1番に肺機能検査の判定の新しい見直した基準が書いて おります。説明いたしましたように、新しい日本人のデータを基にした基準予測式を用いることとし ております。また、1番下の(2)のイになりますが、従来V25という指標が用いられておりましたけれ ども、新たな見直し後はそれを判定には用いないこととされております。  3頁目、それ以外にもいくつかの留意事項等が書かれていますが、かいつまんで説明いたしますが、 判定にあたっては機械的に当てはめて判定するものではなくて、総合的に判定することというような ことや、検査については3回実施して、その最も良好なものを検査の値とすること、採用することとさ れています。  2番目のエックス線写真検査については、大陰影のみが石綿の場合には認められることはないという ことに留意することと書かれています。  次の4頁の4番目として、経過措置があります。既に現在の基準で管理区分が決定された方について は、新しい基準でも従来既に決定された区分がそのまま引き継がれるというようなことが謳われてお ります。 5番目として、この新しい制度の施行の期日としましては、7月1日を予定しているということです。  次の5頁目に肺機能検査のフローチャートがありますが、これは先ほどの1番にありました、肺機能 検査及び検査結果の判定についてをフローの図に表すと、こういったフローになるということです。 以上が資料1のじん健康診断の肺機能検査等の見直しです。これにつきましてお諮りしてご了解いただ いた場合には通達として示す予定で考えております。以上でございます。 ○相澤部会長 ありがとうございました。いまのご説明に対して、ご質問等がありましたらよろしく お願いいたします。 ○町田委員 ちょっとお聞きしたいのですが、喫煙歴が今度は新たに入っているとなっていますが、 これで喫煙と自覚症状が関連することとか、喫煙歴の範囲は、じん肺患者の健康管理上、重要である ということについてはそのとおりだと思います。また、石綿肺の鑑別として、喫煙歴の情報が必要で あるということについても十分承知をしているつもりなのですが、文字どおりじん肺患者の健康管理 であるとか、生活指導や、治療等に役立てるための改定であるべきではないかというふうに見ている のですが、そのことによってこの改定によって、喫煙歴があることを理由に、慢性気管支炎の原因が 喫煙歴があるとして、労災補償の見直しの方向などの運用で悪用されるというおそれがないのかとい うことを1つ心配しています。じん肺はこの喫煙が原因で罹患するものではありませんし、じん肺に罹 患することが気管支炎を合併させることとか、咳、痰等の自覚症状を引き起こすことは明らかである 以上、じん肺所見があり、気管支炎に合併したもの、自覚症状がある患者については、仮に喫煙歴が あったとしても、じん肺が原因であることをあくまでも前提にすべきではないかというふうに考えて います。そして石綿肺の鑑別についても例えばレントゲン写真の続影について、喫煙歴があるものは 異常陰影は喫煙が影響したと安易に判断するなど、こういう石綿肺の診断を否定する方向での運用に なりはしないかと思っていますので、もしそういったことがあるのであれば、教えていただきたいし、 そうでないということであればそういう話について一度お伺いしたいと考えています。 ○相澤委員 はい、ありがとうございます。いかがでしょうか。 ○主任中央じん肺診査医 私のほうからご説明いたします。検討会での経緯とをご説明いたします。 じん肺健康診断の検討会においても、この喫煙歴について議論があったところです。その報告書の中 で先ほどの参考資料の2ですが、じん肺健康診断においては、じん肺及びじん肺の合併症の健康管理に 役立てるため、喫煙歴の情報を把握することは重要であり、じん肺健康診断の結果に記載することが 適当であると、そういった報告をいただいているところです。喫煙については、じん肺における病状 の進行や、また肺癌等の合併症の発症に大きく関与するということは医学的に明らかになっていると ころですが、じん肺健康診断において喫煙歴の情報を把握した医師から必要な指導をいただく等、そ の方の健康管理を図ることが大変重要であると考えています。そういった視点から検討会の意見をい ただきまして、委員のご懸念のあります、じん肺の管理区分の決定等におきまして、喫煙歴の有無に よって著しい肺機能障害とか、また続発性気管支炎、そういった判定が左右されることはないと考え ております。  またエックス線写真の評価についての鑑別につきましても、じん肺の所見があるかないか、そうい ったことについては慎重に審査を行い、喫煙による特徴的な所見なのか、じん肺による所見なのかそ ういったことは慎重に判断をされるというふうに考えております。 ○相澤部会長 いまのご解答でよろしいでしょうか。 ○町田委員 いまのじん肺と喫煙という関係で、先ほど言われた健康管理であるとか、生活指導、治 療などに役立てるということについては必要だと思うのですが、実際にじん肺が喫煙が原因で罹患す るというものではないと思うので、なぜここでこの問題が出てきているのかというふうに思って、ち ょっとわからなかったものですから。先ほど言われたいろいろな判断の中には、その喫煙歴というの は関係ないんだよということであれば、判断にしないということであれば、入れる必要はないのでは ないかと思っています。何かの目的があるからここに入れられるというふうに思いますので、そこは ちょっと理解できなかったわけです。 ○橋中委員 少なくともじん肺の症状を悪化させる因子としては働くのではないですか。 ○町田委員 それはそうですね。だからそれは生活指導とか、治療などをする際にあなたは喫煙歴あ りますかとかいうのはいいと思うのです。だけど元々のじん肺に喫煙が原因だということは違うと思 うので。僕は煙草を吸ったことが一回もないので、個人的に言えば、それはアスベストにかかる者も 煙草を吸っていたらものすごい倍率ですよね、アスベスト肺になる可能性について。それと喫煙の問 題とは病気になるならないとの問題とは別だと思うのですが、どれだけ多く出るかはありますけど。 そういうことではないのですか。 ○清川委員 問診をすることについては間違いないですね。 ○加藤委員 ましてじん肺にかかった人に対して、やはり喫煙を続けることは身体によくないという、 生活指導の足しにもなるだろうし、これは必要だと思います。 ○町田委員 それは正解ですね。 ○加藤委員 これは必要だと思うのです。かかった人がこのまま喫煙を続けていけばさらに悪化させ ますよという予防のためにもですね。 ○町田委員 それは予防ですね。健康管理であるとか、生活指導とか、そういったところについては 必要だというふうに思うのですけれども。 ○労働衛生課長 参考資料2の4頁の3番の胸部臨床検査の項目のうち、第2段落には環境省の石綿健 康被害救済小委員会においては、石綿への鑑別として喫煙歴の情報が必要であるとの言及がなされた とあります。これは、まさに診断のために喫煙歴の情報を入手するということですが、この検討会に おいては、次の3段落目のじん肺健康診断においては、じん肺及びじん肺の合併症の健康管理に役立て るため喫煙歴の情報を把握することは重要でありということですので、そのために診断結果に記載し ていただくということですから、いまご議論になったようなじん肺の悪化を防ぐ等々の生活習慣の指 導のために情報をいただくということであって、これで何か診断を左右する情報に使うことは記載し ておりませんので、委員がご懸念の1つ目の件は今回の目的はそうではないです。もし、そういうもの に使われるようなことが起こりそうであれば、あるいはそういう実態があれば、直ちにあくまでも診 断自体は胸部レントゲンによって行うということで、その趣旨は徹底したいと思います。  従来から、喫煙により起こってくるような所見についても踏まえてやっているわけですから、これ でことさら何かが強調されることがないと思います。労災の判定等々については、直接、我々の所管 ではありませんし、これをもし流用するというのは、それはそのときにここにお諮りして、それを使 っていいかどうか、使う場合はどういう処理をするのかもきちんとご説明した上で、了承を取らなけ れば従来の目的と違うことになりますので、それを勝手にやるということは事務局としては厳に慎む べきであると思います。 ○町田委員 わかりました。 ○相澤部会長 ありがとうございました。ほかにはご意見、ご質問ございますか。 ○神田委員 一委員という立場ではありませんが、連合労働者側委員という立場で少し連合のほうで まとめていますので、要望なりお願いをしておきたいと思います。今回の見直しの関係は、じん肺管 理区部の判定で著しい肺機能障害と判定される労働者がより的確に判定されるということで連合全体 としても概ね妥当だという判断をしています。周知などに当たりまして7月施行ということですので、 より慎重、かつ確実な対応が求められると思っていますので、医療機関はもとよりですけれども、作 業に従事している労働者、ご家族の皆さん、こうしたところにしっかり周知していただきたいと思っ ていますので、何らかの具体的なわかりやすい方策を是非ご検討いただきたいと思っています。  いまほどのやり取りもそうでしょうが、中央環境審議会のやり取りの関係で少し時間がなかったの ではないか、我々もいろいろな形で説明を受けつつも少し時間が短かかったのではないかと、ご案内 のとおり、今日、我々労働者側委員が5名のうちの2名しか出席していませんので、こういった日程調 整そのものも一言言っておいてくれということでございましたので、この点を是非、調整方にお願い しておきたいと思っています。今後、来年3月までに石綿健康被害救済制度のあり方の見直しがされる ことになっていますけれども、こうした点を含めて厚労省の取扱いをよろしくお願いしておきたいと 思います。以上です。 ○相澤部会長 ありがとうございました。ご要望ということでよろしいですか。 ○労働衛生課長 2点ご要望いただきました。まず、周知につきましては何分、いわゆる現場における 二重基準による混乱を防ぐために環境省の動向を見据えつつ準備をしてきたわけですが、具体的に部 会にお諮りして、かつ検討会で詳細を検討する時間が限られた中で行ったということで、いろいろ委 員の皆さま方にも十分なご理解をいただくのにご苦労をおかけしたこともございますので、いずれに しても現場の健診を担当する医師や、あるいは労働者、家族の方にもわかりやすい方策で周知するこ とは今後、できる限り進めていきたいと思います。また、医療機関に関しましては、報告が上がって くる場合にも労働局のほうで、いわゆる古い基準で判定していないかチェックいたしまして、もしそ れが疑われる場合にはきちんと現場に照会をして、誤った判定が行われないように留意したいと思っ ています。  今回は、石綿肺と石綿肺を含むじん肺全般ということで、どのように一緒に進めていいか我々未経 験の部分がありましたので、今後、環境省といかに連携を図りながら、なるべく平行して双方が情報 を共有しながら一緒に結論を得て、かつ施行までに十分な時間的ゆとりを持って、進められるように やり方についても前向きに検討していきたいと思いますので、その辺についてはよろしくお願いいた します。 ○相澤部会長 ありがとうございました。ほかにはご意見、ご質問ありますか。 ○加藤委員 1つ要望なのですが、資料1の3頁目の3の留意事項では地方じん肺診査医の診断又は審 査となっています。新しい改善法にあたっては全国統一でどこの病院で受診しても同じような結果が 出るという感じで公平な診断をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○相澤部会長 ありがとうございました。よろしいですか。ほかにはありませんでしょうか。 ○主任中央じん肺診査医 事務局から若干、文言の修正についてご説明させていただきます。資料1で すが、その中で3点ほどなのですけれども、まず、2頁の下から6行目にFletcher-Hugh-Jonesの分類 があります。「呼吸困難度がFletcher-Hugh-Jonesの分類により、第III度以上である場合であって」と いうようなことがありますけれども、これについて若干意見、コメントを事前にいただいていたとこ ろでして、じん肺ハンドブックにある分類がFletcher-Hugh-Jones分類そのものではなく、それを若干 修正した分類を用いているということで表現として、より正確にということで「Fletcher-Hugh-Jones に基づく分類」というような表現にさせていただきたいと思います。  2点目ですが、3頁のウに「動脈血液ガスの測定に先立って耳朶血の酸素分圧の測定を要しないこ と」とありまして、続いて「動脈血液ガスの測定を行った場合であっても、その結果により動脈血採 血を省略し、『著しい肺機能障害がない』と判定しないこと」とありますけれども、2番目の文章の 「動脈血液ガスの測定を行った場合であっても」というところなのですけれども、「耳朶血による酸 素分圧の測定を行った場合でも」という趣旨ですので、若干、誤解されかねない表現であると考えて いまして、その表現についても検討したいと思っています。  3点目として、中程のケに「1次検査により拘束性障害や閉塞性障害が認められないが呼吸困難を呈 する場合は、心電図検査により心疾患等の可能性も考慮した上で適切な判断を行うこと」とあります。 心電図検査ですけれども、2つの視点があります。1点目は、心疾患の可能性を考慮するのに医学的に 見た場合に心電図検査以外の各種の検査、例えば超音波の検査とか、そういった検査もあるところが、 ここは心電図検査だけ書かれています。もう1点は、制度的なものですけれども、心電図検査はじん肺 法に基づくじん肺健康診断の検査項目としては含まれていない検査になっています。そういったこと から、ここに書いてあると、じん肺健康診断の中で実施するというふうに誤解されかねないこともあ りますので、ここについては「心電図検査により」というところを削除して、「心疾患の可能性も考 慮した上で適切な判断を行うことということ」にさせていただきたいと思っています。以上、3点ほど 修正もかねてご説明させていただきました。 ○相澤部会長 3か所訂正ということですが、よろしいでしょうか。「Fletcher-Hugh-Jonesに基づ く」ということ。それから、「耳朶血による血液ガスの測定を行った場合であっても」、「心電図検 査を削除」ということです。よろしいでしょうか。                  (異義なし) ○相澤部会長 ありがとうございました。ほかにご発言等がございませんでしたら「じん肺健康診断 の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについて」について当部会としてご了解いただくという ことでよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○相澤部会長 ありがとうございました。続きまして、じん肺法の施行規則及び安全衛生規則の一部 を改正する省令案についてです。本件は、厚生労働大臣から労働政策審議会会長あての諮問案件です。 まず、事務局からご説明をお願いいたします。 ○主任中央じん肺診査医 諮問案件ですけれども、資料2及び資料3に基づいてご説明させていただき ます。資料2ですけれども、こちらが先ほど部会長からありました厚生労働大臣から労働政策審議会会 長あての諮問文です。厚生労働省設置法第9条第1項第1号の規定に基づき、別紙「じん肺法施行規則 及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について貴会の意見を求めるということで本日 づけの諮問となっています。具体的な諮問の内容につきましては、別紙です。じん肺法の施行規則及 び労働安全衛生規則を改正する省令案の要綱ということで、省令の改正の案ですけれども、内容につ きましては本文の修正ではなく、様式の変更になっています。第一、第二、第三とありますけれども、 第一はじん肺法施行規則の様式の変更。第二は労働安全衛生規則の様式の変更になっています。第三 として、施行日として7月1日から施行するということと、必要な経過措置を設けるということになっ ています。第一、第二につきましては、資料3がわかりやすい様式なので、資料3に基づいてご説明さ せていただきたいと思います。  資料3、12頁の、じん肺施行規則の様式第3号(新)に基づいて説明させていただきたいと思います。 じん肺健康診断結果証明書の様式になっています。改正部分は、太い枠で書いてあるところです。順 に見ていきますと、胸部に関する臨床検査のところに先ほどご議論いただきました喫煙歴があります。 これを新たに追加するということが1点です。右にいっていただいて、肺機能検査の指標として指標を いくつか追加していまして、1点は1秒量の予測値を追加しています。一次検査として%1秒量の項目 を追加しています。  一方、削除したものとして、V25の指標について従来あったものを削除しています。それ以外の細か い変更として、下の第二次検査とありまして、酸素分圧や炭酸ガス分圧については従来と同じですけ れども、単位のTorrという単位を大文字で書いていたものを小文字に変更しています。下のほうにい きまして、エックス線特殊撮影について検査を実施した日付の記入欄を新たに設けています。この様 式第3号についてはそのような変更になっています。  13頁が現在の様式になっています。14頁につきましては、労働安全衛生規則の様式第8号というこ とですが、この様式は健康管理手帳のじん肺手帳の記入案の様式になっています。先ほどのじん肺健 診の結果の証明書と同様に必要な項目を追加しています。健康管理手帳につきましては、喫煙歴の項 目が既に入っていますので、肺機能検査の項目を追加しています。第一次検査として、%1秒量を追加 しています。また、第二次検査として酸素分圧の欄を追加しています。16頁ですが、じん肺健康管理 手帳の記載欄の部分で、5頁以降に様式がずっと続いていますけれども、この様式につきましても同様 に肺機能検査について%1秒量と酸素分圧の欄を追加しています。そのような様式の変更についてお諮 りするということです。以上でございます。 ○相澤部会長 ありがとうございました。ただいまのご説明につきましてご質問、ご意見があったら よろしくお願いいたします。  酸素分圧のところの四角はいいですか。 ○主任中央じん肺診査医 部会長ご指摘の酸素分圧は、資料12頁の右側の肺機能検査の第二次検査の 項目がありまして、酸素分圧に四角を入れたらどうかというご指摘をいただいているところです。こ れは、判定の審査に用いる指標についてほかのところも四角があるので、同様な記載にしたらどうか というご指摘をいただいていたところです。事務局的に期間が短かい範囲で見直しができるかどうか、 法令の審査の点から担当者と確認したいと思っていますけれども、日程的に厳しいところもあるので、 その日程次第で検討させていただければと思っています。 ○相澤部会長 ほかにご発言がなければ、じん肺法施行規則及び労働安全衛生法の規則の一部を改正 する省令案要綱につきましては、当部会として妥当と認めるということでよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○相澤部会長 ありがとうございました。異議がないようですので、この件につきましては労働政策 審議会令第9条第2項に基づいて議決したものとさせていただきます。以上の審議の結果、じん肺法施 行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について当部会として妥当と認めることに なりましたので、その旨の報告を私から労働政策審議会安全衛生部会長あてに行うこととしたいと思 いますが、いかがでしょうか。                  (異議なし) ○相澤部会長 ありがとうございました。そのようにさせていただきます。また、先ほど訂正があり ました件等につきましては、私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○相澤部会長 ありがとうございました。そのようにさせていただきます。そのほか、何か委員の方 々からご意見等ございますか。よろしいですか。なければ以上で本日の議題に関する議事はすべて終 えたことになります。最後に安全衛生部長からご挨拶があります。よろしくお願いいたします。 ○安全衛生部長 ただいま、じん肺健康診断の肺機能検査及び検査結果の判定等の見直しについてご 了解をいただきますとともに、じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱 につきまして妥当と認めていただきました。どうもありがとうございます。これを踏まえまして、速 やかに省令の改正作業等を行いまして円滑な施行に努めてまいりたいと考えています。じん肺につき ましては、新規の有所見者数が長期的には減少傾向にございますけれども、現在も40万人を超える労 働者が粉じん作業に従事している。未だに5千人を超える方が、じん肺有所見者ということで、今なお、 重要な職業性の疾病と考えています。今後とも、皆さま方のご協力を得まして、じん肺の予防対策、 健康管理対策を推進してまいりたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。 ○相澤部会長 ありがとうございました。本日の会議は以上をもって終了いたします。なお、議事録 についてですが、労働政策審議会運営規定第6条第1項によりまして、議事録には部会長の私と私の指 名する委員お二方が署名することとされています。署名は、労使代表1名ずつとしたいと思います。本 日の議事録署名委員は、神田委員と清川委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたし ます。皆さん、お忙しいところ今日はどうもありがとうございました。以上をもって閉会させていた だきます。ありがとうございました。 照会先:労働基準局安全衛生部労働衛生課(内線5493)