10/06/04 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 平成22年6月4日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時:平成22年6月4日(金) 13:59〜16:13 ○場所:厚生労働省共用第8会議室 ○出席者: 委員 青木委員、尾崎委員、大野委員(部会長)、加藤委員、佐々木委員、志賀委員、豊田委員、 永山委員、松田委員、鰐渕委員 事務局 俵木基準審査課長、工藤課長補佐、茂野課長補佐、猿田課長補佐 関係省庁 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課農薬対策室 池田専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 今村係長 ○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分 科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中お集まりいただ きまして、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、生方委員、斉藤委員、佐藤委員、山添委員、吉池委員、由田委員、山内委員より御欠 席なさる旨の御連絡及び松田委員より30分ほど遅れる旨の御連絡をいただいておりますが、農 薬・動物用医薬品部会の委員17名中9名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達 しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを報告いたします。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、皆さん忙しいところですが、集まっていただいてありがとうございます。  議事に入らせていただきたいと思います。初めに、事務局から配付資料の説明をお願いいたし ます。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。  まず、1枚紙が5枚ございまして、議事次第、配付資料一覧、委員名簿、関係省庁出席者名簿、 座席表。  資料が1−1、1−2と、各2種類、8剤分。  それから、参考資料1。  そして、机上配付資料といたしまして「食品衛生分科会における確認事項」と、プロチオコナ ゾールの別紙2を本日配付させていただいております。  配付資料の不足等がありましたら、事務局までお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございました。  そろっておりますでしょうか。いいですか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 それでは、審議に入りたいと思います。  本日は、農薬6剤、動物用医薬品2剤について御審議していただくことにいたします。また、 報告書の作成に当たりましては、先生方に資料をお送りして、事前にいろいろコメントをいただ いて修正させていただいているところでございます。  それでは、議題の「(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について」の御審議をお願い いたします。  最初に、動物用医薬品のケトプロフェンの審議に入りたいと思います。事務局から資料の説明 をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料1−2に基づき説明させていただきます。  今般の残留基準の検討につきましては、食品中の動物用医薬品等のポジティブリスト制度導入 時に新たに設定された基準値(いわゆる暫定基準)の見直しについて、食品安全委員会において 食品健康影響評価がなされたことを踏まえまして、御審議いただくものでございます。  「1.概要」でございます。  「(1)品目名」はケトプロフェン。  「(2)用途」としましては、牛、豚、馬の抗炎症薬でございます。アリルプロピオン酸グルー プに属する非ステロイド性抗炎症薬でありまして、プロスタグランジンの合成を阻害することで 作用を示すというものでございます。  今、冒頭にアリルプロピオン酸としておりますけれども、事前に先生方にお送りしたときには アルカリとなっておりまして、松田委員から御指摘がありましたので、修正をしております。  日本では、ケトプロフェンを有効成分とする動物用医薬品につきましては、イヌ及びネコ用の 消炎剤として承認されているものでございます。  また、国内外でヒト用としても使用されているということでございます。  「(3)化学名」と「(4)構造式及び物性」につきましては、こちらに記載のとおりでござい ます。  2ページに「(5)適用方法及び用量」で、ケトプロフェンの使用対象動物及び使用方法等をお 示ししてございます。牛、泌乳牛、豚、馬につきまして、EU、カナダ、オーストラリア、ニュ ージーランド等において認められているということでございます。  「2.対象動物における残留試験」でございます。  「(1)分析の概要」でございますけれども「[1] 分析対象化合物」はケトプロフェン本体が測 定されております。  「[2] 分析法の概要」につきましては、こちらに記載のとおりでございます。  「(2)残留試験結果」でございます。こちらに実際に残留試験を行った結果をお示ししてござ います。牛、泌乳牛が試験をされておりまして、用法・用量に従って投与した結果、休薬期間の 後には検出限界未満なっております。  「3.許容一日摂取量(ADI)評価」でございます。  食品安全委員会の評価の結果、単回のウサギの経口投与試験の結果、無毒性量が0.1mg/kg体重 /日となっておりまして、これに安全係数100で除しました値が出されており、ADIとしまして 0.001mg/kg体重/日ということで評価されております。  3ページで「4.諸外国における状況等」でございます。  JECFAにおいては現在、まだ評価をされておりません。  米国、EU、豪州、カナダ及びニュージーランドについて調査をしました結果、オーストラリ アとカナダにおいては残留基準が現在設定されているということでございます。なお、EUにお いては、本剤が定期的に使用されるものではなく、また短時間で無毒化され排出されるといった ような理由から基準値を設定する必要がないものとして取り扱われているということでございま す。  「5.基準値案」でございます。  「(1)残留の規制対象」をお示ししております。本剤につきましては、オーストラリアにおい て、2-(phenyl 3-alpha-hydroxybenzoyl)propionic acid、以下、代謝物Aとしておりますけれども、 これに代謝されるケトプロフェンは、投与量のほとんどがケトプロフェンから代謝物Aとなりま して、体内から短時間で排出されるということから、ケトプロフェン本体のみを規制対象とする ということでオーストラリアでは評価されています。これを踏まえまして、残留の規制対象はケ トプロフェン本体のみとこちらでもさせていただきたいと考えております。  なお、この代謝物Aの薬理学的作用につきましては未変化体の10分の1〜100分の1というこ とで報告されております。  「(2)基準値案」でございます。こちらは4ページの別紙1に表でお示ししてございます。  豪州とカナダについて基準値があるということで、先ほど申し上げたとおりなんですけれども、 このカナダにつきましてはポジティブリスト制度の導入時には残留基準設定がされておりません でしたので、暫定基準設定の参考とはしておりません。豪州の値を参照して暫定基準を置いてい るということでございまして、今回提出されたデータから現行の暫定基準をそのまま本基準に設 定するという案にさせていただきたいと考えております。  また3ページに戻っていただきまして「(3)ADI比」ということで記載しておりますけれど も、ほかの評価書に合わせまして、この「ADI比」という言葉を「暴露評価」という言葉に修 正させていただきたいと思います。  こちらの表にTMDI/ADI比をお示ししておりますけれども、ADI比の80%以内に収ま っているというところでございます。  (4)で、本剤の取扱いについてでございますけれども、本剤につきましては、暫定基準が設 定されておりますが、今回の見直しに伴いまして、暫定基準は削除するとさせていただきたいと 考えております。  最後の7ページにまいりまして、答申(案)ということでお示ししております。現状の暫定基 準をそのまま本基準に見直すという答申(案)にさせていただきたいと考えております。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、順次、御審議いただきたいと思いま す。  最初に、薬理作用のところはいかがでしょうか。  どうぞ。 ○尾崎委員 言い回しで細かなことですけれども「グループに属する」という1行目のところで、 普通は何々系のというような言葉を使うと思うので、直した方がいいかなと思います。 ○大野部会長 そうですね。それでは、そのように修正をお願いします。  この「アルカリプロピオン酸」と間違えていたことには、全然気がつかなかったです。  ほかはよろしいでしょうか。  今日は山添先生がお休みなんですけれども、山添先生からほかの品目も含めて何かコメントは 来ていますでしょうか。特に来ておりませんか。 ○事務局 特には頂いておりません。 ○大野部会長 わかりました。  この化学名を見て、私は専門ではないので間違っているかもしれませんけれども、これ自身は 間違いないと思います。  あと、分析対象物質ですけれども、3ページに書いてございますが、ケトプロフェン本体であ るということです。それで、実際に食品安全委員会の資料を読みますと、代謝物は、この構造式 が出ている代謝物A、水酸化を受けたものであって、ケトプロフェンと代謝物を含めて非常に早 く排泄されるということが確認できました。そういうことで、暴露評価対象物質としては、この 親化合物だけでよろしいのではないかと思いました。  その辺について、何か御意見はございますでしょうか。  それでは、安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。 ○鰐渕委員 特に問題はないと思います。今回、毒性学的ADIについてはNOAELではなくて LOAELを用いているということなんですけれども、それで安全係数10を更にかけるというこ とで、1,000で取っている。これはマックスなので、毒性学的ADIは0.003ということになってお ります。これで結構かなと思います。 ○大野部会長 これは薬理作用に基づいて設定しているのではありませんでしたか。血液凝集抑 制作用に基づいて何とかということではありませんでしたか。 ○基準審査課長 毒性学的試験のLOAELからつくっていただいた毒性学的ADIの0.003より も、この薬理学的なADIの方が低くなってしまうということで、そちらを最終的には取ったと いうふうに理解しております。 ○大野部会長 食品安全委員会の報告書、資料1−1の20ページのところに、下から6〜5行目 にかけて、薬理作用のNOAELが0.1mg/kg体重であって、それの安全を見込んで100を割って 0.001に設定したと書いてありますね。それで、この値が動物実験での毒性試験でのLOAELに 比べると安全域が3,000倍であるということで。 ○鰐渕委員 そうです。 ○大野部会長 それで、生殖毒性が少し気になったんですけれども、胎児毒性のNOAELと比 べても2,000の安全域があるということなので、それでよろしいかなと思いました。  ほかに御意見はございますでしょうか。  永山先生、お願いします。 ○永山委員 2.に戻って大変恐縮なんですが「(1)分析の概要」のところで「[1] 分析対象化 合物:ケトプロフェン本体」と入れられていますけれども、これは化合物なので「本体」は抜い ておいた方がよろしいかなと思うんですが、いかがでしょうか。  あと「[2] 分析法の概要」のところですが、このまま読んで、試験法的には間違いではないと は思うんですけれども、アセトニトリルで抽出して、ジクロロメタンに転溶して、高速液体クロ マトグラフで定量しているんだと思うんですが、農薬でかなり統一的な書き方に直しているとこ ろもありますので、もしその書き方で書くんだとすればということですけれども、例えば「試料 からアセトニトリルで抽出し、ジクロロメタンに転溶した後、高速液体クロマトグラフで定量す る」。こうすると統一性が取れるようになろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。  そうですね。アセトニトリルに物を移して、そこからジクロロメタンに移すということですね。 ○永山委員 はい。移し替えているんだと思うんです。ここで抽出を使っているので、若干わか りにくくなっていると思うんです。 ○大野部会長 そんな感じがしますね。  そういう修正ということでよろしいでしょうか。 ○基準審査課長 はい。 ○大野部会長 それでは、早速分析方法について御意見をいただきましたけれども、ほかに分析 方法について御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、分析方法については、今のところを修正してください。  あと、基準値の設定、その他のところで御意見はございますでしょうか。  少し思ったのは、オーストラリアではケトプロフェンについて暴露対象物質としたということ ですけれども、カナダも同じと考えてよろしいんですか。基準値を設定してあるので、何か対象 物質があるわけですね。 ○事務局 はい。カナダもケトプロフェンということで、親を対象にしております。 ○大野部会長 そうしたら、この3ページの5.の「(1)残留の規制対象」の「オーストラリア において」というところですが、オーストラリアしか書いてありませんけれども「オーストラリ ア及びカナダにおいて」としたらいかがでしょうか。  それから、基準値の方でいかがでしょうか。ADI比で最大65.4%で特に問題ないかなと思い ます。  それでは、全体を通して御意見はございますでしょうか。  若干、表現を修正させていただきましたけれども、それをもってこの部会の報告とさせていた だいてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。  それでは、次の品目のホスホマイシンについて御審議していただきたいと思います。また事務 局から資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、ホスホマイシン、資料2−2に基づき説明させていただきます。  今般の残留基準の検討につきましては、薬事法に基づく再審査申請及び食品中の動物用医薬品 等のポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値(いわゆる暫定基準)の見直しにつ いて、食品安全委員会において食品健康影響評価がなされたことを踏まえまして、御審議いただ くものでございます。  「1.概要」でございます。  「(1)品目名」はホスホマイシン。  (2)に用途を示しております。牛のパスツレラ性肺炎等、スズキ目魚類の類結節症の治療と いうものが用途になってございます。こちらに記載の菌の培養による産生または合成により製造 される抗菌性物質でございまして、細菌の細胞壁のペプチドグリカン合成を阻害することにより 作用を示すというものでございます。  ホスホマイシンはエポキシプロピル基にリン酸がC−P結合した構造を持つエポキシプロピル ホスホン酸であり、この遊離酸は不安定で室温に放置すると速やかに生物活性を失うため、実際 は一価または二価の安定な塩として存在するというところで記載してございます。  こちらのパラグラフにつきましても松田委員から御指摘がございまして、事前に先生方にお送 りした内容からは事務局において修正させていただいているというところでございます。  次のパラグラフに移りまして、日本では、牛のパスツレラ性肺炎、大腸菌性下痢及びサルモネ ラ症、マダイとかブリ等のスズキ目魚類の類結節症を適応症に承認されているというところでご ざいます。  また、国内ではヒト用医薬品としても用いられておりまして、眼科、耳鼻科、皮膚科等の感染 症に経口投与剤、注射剤、点耳薬として使用されているというところでございます。  こちらのパラグラフの途中に記載してございます「耳鼻科」という記載でございますけれども、 こちらも当初は抜けておりましたが「点耳薬」という言葉を入れるのであれば「耳鼻科」という 言葉も入れた方がよいのではないかということで松田委員から御指摘をいただいておりますので、 こちらも追加させていただいております。  「(3)化学名」と「(4)構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  2ページにまいりまして「(5)適用方法及び用量」で、国内でのホスホマイシンの使用対象動 物及び使用方法等をお示ししてございます。牛、泌乳牛、スズキ目魚類についてこちらの用法・ 用量で使用されるというところでございます。  「2.対象動物における残留試験」でございます。  「(1)分析の概要」で「[1] 分析対象化合物」につきましてはホスホマイシン本体が測定され ております。  「[2] 分析法の概要」につきましては、こちらも佐々木委員と松田委員から事前に御意見をい ただいておりまして、こういった記載にさせていただいているところでございます。  「(2)残留試験結果」でございます。牛、泌乳牛、ブリにつきまして残留試験の結果をお示し してございます。いずれも休薬期間よりも短時間で定量限界もしくは検出限界未満ということで 結果が報告されてございます。  「3.許容一日摂取量(ADI)評価」でございます。  食品安全委員会の評価におきましては、VICHガイドラインに基づく試算を行うに足る詳細 な知見が平成18年度の食品安全確保総合調査によりまして得られているということから、VIC H算出式により算出することができるということで、以下の微生物学的ADIを採用することが 適当と考えられると評価されております。  結果につきましては、ADIが0.019mg/kg体重/日ということで評価されております。  3ページで「4.諸外国における状況等」でございます。  JECFAにおいては現在、まだ評価はされておりません。  米国、EU、豪州、カナダ及びニュージーランドにつきまして調査をした結果、いずれの国に おいても残留基準は設定されていないという状況でございます。  「5.基準値案」でございます。  「(1)残留の規制対象」を示しておりますけれども、実験動物を用いた代謝試験の結果により、 ホスホマイシンは代謝されず排出されるといったことが考えられることから、残留の規制対象物 質につきましてはホスホマイシン本体のみとするということとさせていただきたいと考えており ます。  (2)に基準値案をお示ししてございます。こちらは4ページに表で記載してございます。  暫定基準につきましては、薬事法の定量限界・検出限界といったものを基に設定しております けれども、今般提出されたデータからそのまま、今ある暫定基準を本基準に移行させるという案 とさせていただいております。  3ページに戻りまして「(3)暴露評価」をお示ししてございます。ADI比につきましては、 こちらの表に記載しておりますように、低い占有率となってございます。  (4)に本剤の取扱いについてお示ししておりますけれども、本剤につきましては、残留基準 の見直しを行うことに伴いまして、暫定基準は削除されるということでございます。なお、本剤 につきましては、抗生物質でありますことから、基準値を設定しない食品に関しましては、食品 中に含有してはならないという規定が適用されるということでございます。  最後の7ページに移りまして、答申(案)でございます。ホスホマイシンの残留基準をこちら の表にお示しした答申(案)とさせていただいております。  事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。  今、読んでいて、先ほどの永山先生からのコメントで「本体」を除くということにしましたけ れども、先ほどのものも今度のものも、みんな「本体」というものが付いていますね。 ○永山委員 そうですね。化合物というふうに規定しているものですから、文章の中では「本体」 でよろしいかと思うんですけれども、ここは分析対象化合物ですので「ホスホマイシン」の方が 本来ですときちんと、その化合物そのものを表しているのではないかと思うんですが、いかがで しょうか。  ですから、後ろ側の5.では「本体」というものは別に全然差し支えがないと思うんです。 ○大野部会長 少し思ったのは、ここのホスホマイシンの1.の「(2)用途」のところに「実際 は一価または二価の安定な塩として存在する」ということで、実際に売られているものは塩とし て売られているんですか。 ○事務局 はい。承認も、ホスホマイシンナトリウム、ホスホマイシンカルシウムとして承認さ れているということでございます。 ○大野部会長 この場での規制の対象は、塩とかそういうものは含まない、そもそも本体として 規制しているということですね。  どうでしょうか。今回のものは、例えば2ページ目の「本体」を取って、5.の「(1)残留の 規制対象」の「ホスホマイシン本体とする」というものが、何かあれですね。 ○永山委員 5.の(1)の「ホスホマイシン本体とする」の次の行に「代謝試験の結果により、 ホスホマイシンは代謝されず」。このホスホマイシンというものが物質本体の名前になります。で すから、名称としてホスホマイシンを使うのか、より明確にということで「本体」を入れるのか というところかと思います。 ○大野部会長 何かここのところは、わざわざ強調するために「本体」ということにしたんでし ょうか。例えばナトリウム塩とかカリウム塩とか、いろいろなものがあるとすると、そういうも のを含んでいない本体そのものを分析対象物質なり規制対象物質としているんだ。そういう強調 の意味があるのかなと思って、それを削除していいんだろうかと思っているんですけれども、ど うですか。 ○永山委員 先生方の御意見に従って結構かと思うんですけれども、特に付いていてはいけない ということではなくて、化合物という形であれば、本体という化合物はないので、ただ強調する ためにより明確にということで入れるのであれば、特に問題はないと思っております。 ○大野部会長 どうしますか。 ○基準審査課長 大野先生の御指摘のとおり、代謝物との関係で、本体といいますか、この親化 合物といいますか、それを強調ということで、最近はこの本体というものを付けて、ここの分析 対象も、それから、この規制対象の方も書いてきているんだろうと思いますので、もしよろしけ れば、このままにさせていただければと思います。 ○大野部会長 答申(案)そのものの方は、7ページで書いてありますように「ホスホマイシン」 という形になっているわけですね。  いかがでしょうか。もし皆さんがよろしければ、いろんなものがあると思いますので、そうい う誤解を与えないために本タイトルに付けさせていただいて、今までのものと同じような感覚で すね。  よろしいですか。 ○永山委員 結構かと思います。農薬の方では特に付けていなかったものですから、そちらの意 識が少しあったものですから、恐れ入ります。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、先ほどのケトプロフェンも含めて本タイトルに残すということでよろしいでしょう か。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。  それでは、このホスホマイシンについての薬理作用の辺りはいかがでしょうか。  まず尾崎先生、御意見がありましたらお願いしたいと思いますが、よろしいですか。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 これは専門と若干違うかもしれませんけれども、青木先生、志賀先生、何か御意 見はありますか。よろしいですか。 ○青木委員 はい。 ○志賀委員 結構です。 ○大野部会長 それから、化学名については間違いないのではないかと思います。  加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 「3.化学名」のところで「2R」の「R」と「3-Methyloxiranyl」の「M」は、「R」 の方はイタリックで、「M」の方は小文字がよろしいのではないでしょうか。今まではたしかそれ で、先ほどの剤も小文字になっています。 ○大野部会長 これは統一した方がいいですね。それでは、今までの報告書と併せて修正すると いうことでよろしいですか。 ○加藤委員 はい。そういう意味です。 ○大野部会長 それでは、この先頭のところを大文字にするかどうかということは、今までのと ころと統一するということで修正をお願いします。 ○事務局 はい。確認して修正させていただきます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  代謝の面では、私の方でも若干見たところでは、ラットなどでは代謝されないで、尿中にすぐ に排泄されるということです。ほとんどが尿中に排泄される。それから、イヌの場合には尿と糞 と併せて、大部分が親化合物のまま排泄されるということです。  そういうことで、ほとんど代謝されないで排泄されますので、規制対象物質としてもホスホマ イシンそのもので規制することでよろしいかと思います。  その辺で御意見はございますでしょうか。  それでは、安全性の面でいかがでしょうか。 ○鰐渕委員 特に問題ないと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、分析法についてはどうでしょうか。この方向でよろしいですか。  許容一日摂取量のADIの設定が、VICHのやり方に従って算定したということです。一般 的な方法でやられていて、どういうふうに計算したかというのはこの注に書いてありますので、 そのとおりでよろしいかなと思います。  ほかに、この基準値のところではいかがでしょうか。  TMDI/ADI比で、幼小児で5.1%で、かなり余裕があるということでございます。  全体として、先生方から御意見はございますでしょうか。 ○基準審査課長 済みません、先生、先ほどの「本体」の件ですけれども、永山先生が御指摘の とおり、農薬の方を見ましたら、剤によってもいろいろ「本体」が付いていたり、付かなかった り、後ろの規制対象の方も付いていたり、付かなかったり「親化合物」と書いてあったり、いろ いろのようなので、少し事務局の方できちんともう一回整理しまして、今日の御議論も踏まえて 統一したルールをつくろうと思いますので、いずれにしても修正したものを先生方に御確認する 際に、どうしたかということも含めて報告させていただきたいと思います。 ○大野部会長 わかりました。それでは、よろしくお願いいたします。  ほかに、全体を通して御意見はございますでしょうか。  豊田先生、お願いします。 ○豊田委員 3ページの「4.諸外国における状況等」というところの確認なんですけれども、 これは評価されていない、設定されていないということは、諸外国では使われていないというこ とでよろしいんでしょうか。 ○事務局 そういうことで聞いております。 ○豊田委員 わかりました。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、ほかにございますでしょうか。  もしないようでしたら、このホスホマイシンの報告書の案でございますけれども、これをこの 部会の報告としてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次は農薬についてですけれども、農薬のシエノピラフェンについて御審議していただきたいと 思います。また事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、農薬1剤目のシエノピラフェンについて説明いたします。資料3−2をご らんください。シエノピラフェンの部会報告書(案)でございます。  今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴 う基準値の設定でございます。  本剤は、プロペンニトリル骨格を有する殺ダニ剤であり、代謝産物がミトコンドリア電子伝達 系複合体IIに結合し、コハク酸からコエンザイムQへの電子の流れを阻害することにより作用す ると考えられています。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」については、記載のとおりでございます。  食品安全委員会の評価結果でございますが、資料3−1の農薬評価書の38ページをごらんくだ さい。下の表37に各種毒性試験がまとめられてございます。  本剤の影響は、主に肝臓、腎臓、子宮に見られております。また、催奇形性や遺伝毒性は認め られておりません。  ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験で、10000ppm以上という非常に高濃度の投与群の 雌で子宮の腺がんの発生頻度の増加が認められたということがございます。  34ページにお戻りいただきまして、この子宮における催腫瘍性の作用機序の解明のため、各種 試験が実施されています。  試験の結果ですが、遺伝子傷害性、直接的なエストロゲン作用や性ホルモンへの影響は認めら れなかったというものでございます。  これらの試験から、本剤による発がん性の機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難く、閾値が設 定できるという評価がなされています。  39ページをごらんください。ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の雄の無毒性量 5.1mg/kg体重/日と、ウサギの発生毒性試験の母動物の無毒性量5mg/kg体重/日の2つがADIの 設定の根拠とされており、いずれも安全係数100を除しまして、ADIは0.05mg/kg体重/日とい う評価でございました。この評価は、前回の評価結果と変更はございません。  それでは、部会報告書の方にお戻りいただきまして、2ページの2.をごらんください。本剤 の適用について記載しております。今般、ネクタリン、小粒核果類、ブドウ、メロンについて適 用拡大の申請がなされております。  「3.作物残留試験」でございますが、6ページの別紙1に記載してございます。今回の適用 拡大申請に係る試験結果については網かけ表示としております。  4ページにお戻りいただきまして「4.ADIの評価」でございますが、先ほど御説明いたし ましたとおり、0.05mg/kg体重/日と設定されております。  「5.諸外国における状況」でございますが、本剤につきましてはJMPRにおける評価はな されておらず、国際基準も設定されておりません。  また、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドにおきましても基準値の設定 はされておりません。  これらを踏まえまして「6.基準値案」といたしまして、シエノピラフェンにつきましては、 残留の規制対象を親化合物のみと設定する案としております。  食品安全委員会の評価におきましても、食品中の暴露評価対象物質をシエノピラフェン(親化 合物のみ)と設定されております。  「(2)基準値案」でございますが、7ページの別紙2をごらんください。申請のあったメロン 類、ネクタリン、小粒核果類、ブドウについて新たに基準値を設定してございます。また、イチ ゴ、その他のスパイスについて基準値を変更してございます。  これら基準値案により推定摂取量を算出いたしましたものが、8ページの別紙3でございます。 TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で25.1%のADI占有率となっております。  最後の10ページが答申(案)になりますが、今回新たに設定されました食品を含めまして記載 しております。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどをよろしくお願いします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、御審議をお願いいたします。  まず、この用途は殺虫剤としてですが、この薬理作用の辺りは、尾崎先生、いかがでしょうか。 よろしいですか。 ○尾崎委員 これで結構です。 ○大野部会長 ほかの先生もよろしいでしょうか。  それでは、代謝の面ですけれども、これが大体10時間以内の半減期で消失していくということ で、かなりのところが糞尿中に排泄されるということであったと思います。  代謝物としては、食品安全委員会の方の略語と、こちらの報告書の略語が少し違うんです。で きれば今後、これを統一していただけるとありがたいんです。 ○基準審査課長 申し訳ございません。 ○大野部会長 食品安全委員会の報告書では、糞中にTとかDとかOとか、そういう代謝物がラ ットで出ています。ただ、植物性の食品、ミカンとかナスとかイチゴとか、そういうものは大部 分が親化合物で、Bが若干出ているという状況です。  このBは、この次の3ページ目にある代謝物BP2です。その次のBP3が食品安全委員会で 言っているCで、BP4がDで、BP5がEです。そういうことで、食品中に残っている量とし て、残留放射線量のうちの10%を超えるものでは、特にミカンとかナスとかイチゴとか、そうい うものは親化合物だけなんですけれども、ここではそれ以外のものもこういうふうに測っていま す。  それで、実際に測っていた結果というものは食品安全委員会の報告書の別紙3に出ています。 そこで見ますと、ほとんどが親化合物よりかなり少ないというようなことが出ています。一部の 作物を除き、いずれの代謝物もシエノピラフェンと比べて十分に低い残留量であるというまとめ が今回の報告書の方に書いてありますけれども、一部の作物というものはお茶であったと思いま す。お茶の浸出液の中で若干含まれている。そういう親化合物より多いという結果が出ています けれども、それはごく一部ですので、また、ほかの代謝物についてもほとんど未検出であったり、 非常に少ないとか、そういうことで、親化合物だけの規制でよろしいかと思います。  その辺で何か御意見はございますでしょうか。  それでは、安全性の面で、今、腫瘍の発生の件について御説明がございましたけれども、その 辺も含めて、鰐渕先生、御意見はございますでしょうか。 ○鰐渕委員 いや、特に、食品安全委員会のとおりでいいと思います。 ○大野部会長 ありがとうございました。  分析法についてはいかがでしょうか。特に問題ないでしょうか。  基準値の設定のところではいかがでしょうか。よろしいですか。  それでは、全体を通して御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。どの場でも結構で す。  永山先生、お願いします。 ○永山委員 少し確認だけさせていただきたいんですが、3ページの「3.作物残留試験」の「(1) 分析の概要」の中の「[1]分析対象の化合物」の2つ目のポツの2行目の「ビニル」と「2,2−ジメ チルプロピオナート」の間に二本線が入っていますけれども、それから、4つ目のポツの2行目 の最初の二本線は必要な記号なんでしょうか。私も余り詳しくはないので、少し確認だけしたか ったんです。 ○事務局 事前に御指摘いただきまして、申請者の方に確認を取りましたところ、日本化学会の 命名法に基づき、この二本線の記号は付けているというふうに回答を得ておりますので、申請者 の申請どおりの記載としております。 ○永山委員 ありがとうございます。 ○大野部会長 日本化学会ではこれを使うということですね。ありがとうございます。  そういうことでよろしいでしょうか。 ○永山委員 余り詳しくないので、それでよろしければということです。 ○大野部会長 私も事前に、うちの有機の人に聞こうかなと思っていて忘れてしまっていたとこ ろです。ありがとうございます。  加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 3ページ目の代謝物BP4に相当する方の、最初にイコールが付いている方です。 これは付けるとしても、本当は前の行の後ろに付くべきものではないんですか。 ○永山委員 私の理解ですと、続く印の代わりに付けていると思っていたものですから、これが 必要な記号ではないという理解で質問させていただいたんです。 ○基準審査課長 それでは、日本化学会にルールがあるのかどうかも含めて、もう一回、確認い たします。 ○大野部会長 お願いいたします。 ○加藤委員 それから、もう一つ、つまらないことなんですけれども、2ページ目の[2]の方です。 「ピリダベンを含む農薬の総使用回数」で、これはこの剤の審議には関係ないので、ここだけは 消した方がよろしいのではないでしょうか。 ○基準審査課長 済みません。  それから、今、先生方のお手元に配り直させていただきましたけれども、食品安全委員会の方 の農薬評価書ですが、先ほど説明しました、ADIを導きました食品健康影響評価結果には何の 変更もないんですけれども、評価書として1バージョン古いものをお配りしてしまいましたので、 今、新しい方のバージョンを机に配付させていただきました。申し訳ございません。評価結果の 内容そのものについては変更ございません。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、今の修正は2ページ目の2.の3行目からのところの表現の変更ということですか。 ○基準審査課長 今の加藤先生の御指摘ですか。 ○大野部会長 はい。 ○基準審査課長 2ページ目の2.の下の段の[2]の表がございますが、その一番右端に「ピリダ ベンを含む農薬の総使用回数」で「2回以内」という欄があるんですけれども、今回の審議はピ リダベンについては関係がないので削除するようにということで、削除したいと思います。 ○大野部会長 わかりました。ありがとうございます。  それでは、今、分析法についてお願いして、それから、ほかの基準値の設定のところはいかが でしょうか。これは全体のTMDI比で、幼小児で25.1%ということで、まだ余裕があるという ことです。  幾つか修正等、確認の必要があるところがございましたけれども、これは確認して、修正すべ きでしたら修正させていただくというところも了解の上で、この報告書の案をこの部会の報告と してよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次の品目ですけれども、農薬のプロピリスルフロンについて審議していただきたいと思います。 事務局からまた説明をお願いします。 ○事務局 それでは、農薬2剤目のプロピリスルフロンでございます。資料4−2をごらんくだ さい。部会報告書(案)でございます。  本剤に関わる今般の残留基準の検討につきましては、国内登録申請に伴う残留基準の新規設定、 農林水産省より厚生労働省への農薬登録申請に関わる米、魚介類への基準設定依頼が対象となっ ております。  本剤は、スルホニルウレア系除草剤でございます。作用機構は分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイ シン及びイソロイシン)の生合成の初期段階に関与するアセトラクテート合成酵素(ALS)の 活性阻害と考えられております。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  次に「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。  剤形は、0.9%プロピリスルフロン粒剤と、1.7%プロピリスルフロンフロアブルの2種類がござ います。  使用方法に関しましては、水田における発生前から生育初期の雑草などに用います。  詳しい内容に関しましては、表を御参照ください。0.9%プロピリスルフロン粒剤と、1.7%プロ ピリスルフロンフロアブルで、ほぼ同様でございます。  次の3ページにまいりまして「3.作物残留試験」でございます。  分析の対象化合物は、プロピリスルフロンと、その代謝産物の3種類でございます。  構造式、分析法の概要に関しましては、記載のとおりでございます。  作物残留試験の試験結果におきましては、6ページの別紙1の記載のとおりでございます。  次に4ページですけれども「4.魚介類への推定残留量」でPECは0.062ppbでございます。  本農薬は魚類濃縮性試験が実施されていないことから、生物濃縮係数(BCF)を相関式を用 いて63と算出されました。  以上の値により、推定残留量は0.02ppmと算出されました。  「5.ADIの評価」でございますが、資料4−1の食品健康影響評価により評価されており ます。  資料4−1の26ページをごらんください。下から2つ目の段落でございます。各種毒性試験の 結果から、プロピリスルフロン投与における影響は、主に肝臓(小葉中心性肝細胞肥大等)及び 血液(貧血、イヌのみ)に認められました。発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝 毒性は認められませんでした。  それらを踏まえたADIでございますが、28ページをごらんください。無毒性量は1.11mg/kg 体重/日、動物種はイヌ、投与方法は混餌、試験の種類は慢性毒性試験、期間は1年間、安全係数 は100。これらの結果により、ADIは0.011mg/kg体重/日と設定されております。  資料4−2の部会報告の4ページに戻っていただきまして、そのADIについて記載させてい ただいております。  5ページに移りまして「6.諸外国における状況」ですが、国際基準及び主要5か国において 基準値は設定されておりません。  これらを踏まえました基準値案といたしまして、規制対象は、作物残留試験において代謝物B、 代謝物P及び代謝物Wが測定されておりますが、いずれの代謝物も各試験区において定量限界未 満であったことから、規制対象化合物としてはプロピリスルフロン本体のみとすることにいたし ました。  なお、食品安全委員会によって作成された食品健康影響評価においては、暴露評価対象物質と してプロピリスルフロン(親化合物のみ)と設定されております。  具体的な基準値案に関してでございますが、7ページの別紙2をごらんください。米が0.05ppm、 魚介類が0.02ppmでございます。  これらの基準値案を踏まえまして暴露評価を行った結果を、次の8ページの別紙3の推定摂取 量の表に記載させていただいております。本剤はTMDI試算を行っております。その結果、一 番高い幼小児で3.3%という占有率になっております。  最後の10ページが答申(案)となります。基準値が設定されているものを記載しております。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどをよろしくお願いします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、薬理作用、用途の辺りについていか がでしょうか。  よろしいですか。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 ほかの先生もよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。  化学名のところは、何も申し上げられません。  代謝のところでは、これは半減期が23〜27時間と、結構長いんですね。食品安全委員会の報告 書の26ページでは「排泄は速やかであり」と書いてあるんですけれども、血中半減期が24時間 ぐらいであった。それほど早いとは言えないのではないかと思います。それで、糞中に排泄され るということです。  それから、代謝では、代謝物が部会の報告書の案に載っていますけれども、代謝物B、代謝物 P、代謝物Wで、その辺がいろいろ出てくるようです。ただ、実際のイネの残留量は、玄米中で はそれほど多くありません。未抽出の残渣がほとんどです。  そういうことで、特にこの代謝物B、代謝物P、代謝物Wについて残留試験をやらなくてもい いのではないのかと思っているんですけれども、実際にはこの残留試験をやっておりまして、食 品安全委員会の報告書の32ページに載っていますが、このプロピリスルフロン、親化合物と、代 謝物B、代謝物P、代謝物Wについてで、この使用条件下ですべて未検出ということです。  そういうことで、規制対象物質としては「7.基準値案」に書いてございますように、いずれ の代謝物も各試験区において定量限界未満であったことから、規制対象化合物としてはプロピリ スルフロン本体のみとするということでよろしいかと思います。  そのほか、先生方からこの辺で御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、安全性の面では御意見はございますでしょうか。よろしいですか。 ○鰐渕委員 はい。 ○大野部会長 ありがとうございます。  分析法の辺りはいかがでしょうか。  お願いいたします。 ○永山委員 それでは、1か所だけ、3.の「(1)分析の概要」の[2]の最後に「高速液体クロマ トグラフ付質量分析計(LC/MS/MS)」と表記されていますけれども、LC/MS/MSが付いたときに は「高速」は余り付けないのが一般的なので、まず「高速」を取っていただいて、あとは「付質 量分析計」というのは、こういう表現は余り使わないので、ここは「付」を削除して、スラッシ ュでよろしいかと思います。 ○大野部会長 それでは、そういった一般的な表現にするということでよろしいでしょうか。  永山先生、お願いします。 ○永山委員 済みません、もう一つ、今、気がついたんですけれども(LC/MS/MS)になっていま すので、これはタンデム型ですね。普通の質量分析計だけですと、どうしてもシングルMSとい う形の意識もありますので、できれば「タンデム型」というものを付けて「タンデム型質量分析 計」にすれば略称名と一致するかと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。高速液体クロマトグラフのスラッシュの後を「タンデム 型質量分析計」ということですね。 ○永山委員 はい。そうです。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかの先生、いかがでしょうか。よろしいですか。  基準値の設定についてはいかがでしょうか。  もうみんな未検出ということで、米では0.05ppm、魚介類については通常の推定方法に従って 推定して0.02ppmでございます。よろしいでしょうか。  全体を通して御意見はございますでしょうか。  それでは、若干、表現が変更されましたけれども、それをもってこの部会の答申(案)として よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次の品目ですけれども、農薬のメトキシフェノジドについて御審議をお願いいたします。それ では、また事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 農薬3剤目のメトキシフェノジドでございます。資料5−2をごらんください。メト キシフェノジドの部会報告書(案)でございます。  本剤に関わる今般の残留基準の検討につきましては、適用拡大の申請に伴う基準値の設定依頼 が農林水産省より厚生労働省へなされたことに伴いまして、農薬登録申請に関わるブロッコリー の基準設定依頼が対象となっております。なお、暫定基準の見直し等は平成19年12月12日の薬 事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会において審議されております。  詳細な説明に移ります。本剤は、ベンゾイルヒドラジン系殺虫剤でございます。作用機構とし ては、昆虫の脱皮ホルモン(エクダイソン)様作用を示し、幼虫における異常脱皮を促すことに より効果を発現すると考えられております。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  次の2ページに進んでいただきまして「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。  適用拡大された部分は、3ページ目のブロッコリーの「使用時期」の部分でございます。収穫 14日前までだったものが収穫3日前までに変更になっております。  次の4ページに進んでいただきまして「3.作物残留試験結果」でございます。  分析対象化合物は、メトキシフェノジドと、その代謝物の2種類でございます。  構造式、分析法の概要は、資料を御参照ください。  作物残留試験の結果といたしましては、10ページの別紙1のとおりでございます。  ブロッコリーに関しましては、作物残留試験の希釈倍数が登録申請の内容と比較して過剰処理 になっております。登録申請内容は、20%フロアブル剤4,000倍希釈150〜300L/10aから収穫3日 前まで2回以内、希釈液中の有効成分濃度が50ppmとなっているのに対し、作物残留試験の成績 は20%フロアブル剤2,000倍希釈200L/10aから収穫3日前まで2回以内、希釈液中の有効成分濃 度は100ppmとなっております。  この件に関しましては、本剤の開発段階においては当初、2,000倍希釈で薬効・薬害試験を実施 して生物効果を確認したので、平成17年度に作物残留試験を2,000倍希釈で実施しました。しか し、その後の試験で4,000倍希釈でも生物効果があることが確認できたことから、今回の登録申請 内容となったという経緯がございます。  5〜6ページに戻っていただきまして「4.魚介類への推定残留量」「5.乳牛における残留試 験」、その次の7ページの「6.産卵鶏における残留試験」でございますが、前回行われた部会報 告と同様でございます。  「7.ADIの評価」でございますが、資料5−1の食品健康影響評価により評価されており ます。  資料5−1の29ページの5段落目をごらんください。ADI値に関しましては0.098mg/kg体 重/日で、前回と変更はございません。  資料5−2の8ページに戻っていただきまして、先ほどのADI、0.098mg/kg体重/日が記載さ れております。  「8.諸外国における状況」ですけれども、国際基準及び主要5か国において基準値設定がさ れております。ブロッコリーに関しましては、国際基準で設定がされております。  これらを踏まえました基準値案といたしまして、規制の対象は、作物残留試験においてメトキ シフェノジド、A環フェノール体及びB環アルコール体の分析が行われておりますが、A環フェ ノール体及びB環アルコール体はメトキシフェノジドと比較して十分に低い残留量であることか ら、農産物の規制対象としてはA環フェノール体及びB環アルコール体を含めないこととしまし た。  また、畜産物については、家きんの脂肪を除き国際基準を採用することとしておりまして、J MPRにおいて畜産物の規制対象はメトキシフェノジド(親化合物のみ)と評価されております。  なお、食品安全委員会によって作成された食品健康影響評価においては、暴露評価対象物質と してメトキシフェノジド(親化合物のみ)を設定しております。  基準値案でございますが、11ページの別紙2をごらんください。現行基準値に対して異なる値 を提案しておりますのがブロッコリーでございます。ブロッコリーに関しましては、先ほどの作 物残留試験成績を基に5ppmという値を設定しております。  これらの基準値案を踏まえまして暴露評価を行った結果を、13ページの別紙3の推定摂取量の 表に記載させていただいております。本剤はTMDI試算を行っております。その結果、一番高 い幼小児で75.1%という占有率になっております。  15ページに進みまして、答申(案)となっております。基準値が設定されているものを記載し ております。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどをよろしくお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、これについて御審議をお願いいたし ます。  まず、薬理作用のところではいかがでしょうか。  よろしいですか。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生はよろしいでしょうか。  志賀先生もよろしいですか。 ○志賀委員 はい。 ○大野部会長 それから、代謝のところですけれども、これは食品安全委員会の報告に書いてあ りますように、代謝は結構、半減期が長かった。26時間で、α相は非常に短いですけれども、β 相の方は15〜30時間以上で、若干長いかなと思います。  代謝物としては、今、何回か説明がございましたように、このベンゼン環のところの代謝、メ チルが取れたり、メチル基が水酸化されたりとか、そういった代謝物がラットでは結構出ていま す。ただ、ヤギなどですと、ヤギの筋肉とか脂肪とか乳の中ではほとんど親化合物が中心です。 ただ、肝臓ですと若干、L体と言っていますけれども、この水酸化されたものが更に抱合を受け たようなものが残留していました。あと、お米では、どちらがA環であったか、B環であったか、 忘れましたけれども、どちらか水酸化されたものが結構出ています。メチル基が取れたものが物 によっては10%ぐらい残留していました。  そういうことで、規制対象物質として気になるのは、この辺のBとか、フェノール基の水酸化 体とか、2つのベンゼン環が代謝されたもの、その辺の代謝物とその抱合体がどのくらい残って いるかということが気になります。ただ、これを調べてみますと、食品安全委員会の報告書の35 〜36ページにございますけれども、親化合物と比べて非常に少ないということでございます。  そういうことで、この規制対象物質では、この報告書の案に書いてございますように、親化合 物、メトキシフェノジド本体のみでよろしいかと思います。  これらについて、御意見はございますでしょうか。  それから、ほかのリンゴとかブドウとか綿の実とか、そういったものでは代謝物は非常に少な かったという結果が出ております。  ほかに御意見はございますでしょうか。  それでは、安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。 ○鰐渕委員 このとおりで結構かと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。  分析法について、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  この基準値の設定、今回は若干変更されただけでございますけれども、これについてはいかが でしょうか。  それでは、TMDI比でも幼小児で75.1%ということで、若干の余裕があるということですけ れども、全体としての御意見はございますでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 最後の答申(案)ですけれども、小豆やハクサイでけた数が少し足りないのでは ないかと思うので、例えば小豆ですと4.0ppmが正しいのではないかと思うんです。 ○大野部会長 15ページですね。 ○佐々木委員 はい。 ○大野部会長 いかがでしょうか。4ppmということですね。 ○基準審査課長 4.0ppmでございます。申し訳ございません。 ○佐々木委員 そのほか、幾つかございます。 ○大野部会長 クレソン、はくさいとかキャベツとかですね。 ○基準審査課長 7.0ppmですね。わかりました。同様に修正させていただきます。申し訳ござい ません。 ○佐々木委員 お願いします。 ○大野部会長 それでは、そのように修正をお願いいたします。  リンゴとか、そちらもそうですか。日本なしとかそういうものも2ppmという値だけですけれ ども。 ○佐々木委員 いや、全部がそうというわけではなくて、まじっているので難しいんです。 ○基準審査課長 参照している基準によって小数点以下のところが有効数字になっているものも ありまして、それに併せたいと思います。 ○大野部会長 それでは、そのように修正をお願いいたします。  お願いします。 ○佐々木委員 もう一点なんですけれども「これまでの経緯」の中には、前回の告示の前にこの 部会に諮られて決まったかと思いますので、その記載がある方がわかりやすいのかと思うんです が、魚介類の基準等を決めたこの部会が平成20年6月以前にあったのかなと思うんですけれども、 今回、ブロッコリーだけのことで審議されていますので。 ○基準審査課長 経緯のところを今回整理させていただきまして、諮問、答申に関することと、 それから、法的な告示についての過去の経緯を書いた上で、今回の審議に当たっては部会がいつ であったのかということを、最後のところですけれども、書かせていただくことに少し整理をさ せていただきました。  したがって、平成20年6月の告示が、部会での御評価を受けて、魚介類も含めた告示になった ということで、それ以降の経緯については詳細に書かせていただいているということでございま す。 ○佐々木委員 それでは、最後の部会だけを記載するということですね。 ○基準審査課長 はい。今回の部会だけを経緯に書いていくことにしようかなと思っております。 よろしいでしょうか。 ○佐々木委員 わかりました。 ○大野部会長 よろしいですか。  ほかにいかがでしょうか。  全体を見渡して、ほかに御意見はございますでしょうか。  それでは、この答申(案)をもってこの部会の報告としてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次の品目ですけれども、農薬のシフルメトフェンについて審議したいと思います。事務局から 資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、農薬4剤目のシフルメトフェンでございます。資料6−2の部会報告書(案) をごらんください。  今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定が 対象となっております。  本剤は、アシルアセトニトリル系殺ダニ剤でございます。作用機構は解明されておりませんが、 ハダニに対して選択的に作用することにより、殺ダニ作用を示すと考えられております。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  こちらの評価結果でございますが、資料6−1の食品安全委員会における食品健康影響評価書 の34ページをごらんください。こちらは第2版ということでございますが、前回の評価結果から 変更はございません。  それでは、資料6−2の2ページをごらんください。本剤の適用について記載しております。 枠囲みをしております作物及び適用病害虫が今回の適用拡大申請の対象となっております。  「3.作物残留試験結果」でございますが、分析の対象といたしましてはシフルメトフェン親 化合物及び代謝物B−1となっておりまして、試験結果といたしましては5ページの別紙1に記 載のとおりでございます。  3ページに戻りまして「4.ADI評価」でございますが、先ほどの評価書に記されていると おり、無毒性量の最小値につきまして、ラットを用いた2世代繁殖試験の9.21mg/kg体重/日だっ たということから、こちらの値を安全係数100で除しまして、ADIとして0.092mg/kg体重/日と 設定されております。  本剤の諸外国における状況でございますが、本剤につきましてはJMPRにおける評価はなさ れておらず、国際基準も設定されておりません。  米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドにおいて、基準値の設定はされて おりません。  「6.基準値案」でございますが、本剤シフルメトフェンにつきまして、残留の規制対象をシ フルメトフェン本体及び代謝物B−1と設定する案としております。  基準値案の詳細でございますが、6ページの別紙2をごらんください。「登録有無」の欄に「申」 と記載のある農作物が今回の適用拡大申請の対象です。国内の作物残留試験成績を根拠に基準値 案を置いております。  これらの基準値案により推定摂取量を算出いたしましたものが、7ページの別紙3でございま す。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で16.4%のADI占有率となっております。  最後の9ページが答申(案)となります。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどをお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございました。それでは、このシフルメトフェンの薬理作用について いかがでしょうか。  特にないですか。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 ありがとうございます。  志賀先生、お願いします。 ○志賀委員 「(2)用途」で、作用機構のところですけれども、要するにこちらの食品安全委員 会の書きぶりを見ても長いだけで、何もわからないと書いてあるに等しいみたいな、従来の殺虫・ 殺ダニ剤とは違うらしいということしか書いていないと思うので、このくらいでしかしようがな いと思うんですが、ただ、文字面のことですけれども「作用」という字が3つもつながっている ので、どうせ簡単にと言ったら失礼かもしれませんが「作用機構は不明であるが、ハダニに対し て選択的に作用すると考えられている」ぐらいでいいのではないでしょうか。 ○事務局 そのように修正させていただきます。 ○大野部会長 よろしくお願いいたします。  ほかにこの辺でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、代謝の面ですけれども、代謝はラットでは半減期が半日ぐらいで、まあまあだそう です。排泄も糞尿中に72時間中にほとんど排泄されるということが食品安全委員会の報告に載っ ています。  代謝については、いろんな代謝物が生成しています。ただ、植物はナスとミカンとリンゴにつ いての報告が食品安全委員会の報告に載っていますけれども、ほぼB−1が中心であるというこ とです。  そういうことで、B−1が10%以上生じているものが結構、ナスなどでも出ている。ミカンで も10%以上になっているということで、ほかの代謝物と比べるとB−1が多いということで、こ の規制対象物質がシフルメトフェン本体とB−1を含めた規制になっているということについて、 これで特に問題はないかと思います。  この辺で御意見はございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、これも適用拡大で、以前に安全性について審議していただきましたけれども、鰐渕 先生の方から追加とかそういうものはございますでしょうか。 ○鰐渕委員 特にないです。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、これについての分析法はいかがでしょうか。  お願いします。 ○永山委員 簡単な言葉じりだけなんですけれども、液体クロマトグラフで、これは通常、こち らは「高速」を入れます。それで、質量分析計の方の液体クロマトグラフは「高速」を抜くとい うのがよく使われている言葉ですので、一般的には「高速」を、手前の方を「高速液体クロマト グラフ(UV)」、それから「液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)」にして いただければと思います。 ○大野部会長 それでは、そのように修正をお願いいたします。  ほかの先生、よろしいでしょうか。  ほかに、分析法に関して御意見はございますでしょうか。  それでは、規制値についていかがでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 質問なんですけれども、6ページのアンズの場合、これは梅を参照して10ppmと なっているんですが、アンズは梅を参照するというふうに決まっているのか。それとも、このグ ループの中で一番高い基準値に併せて作物を参照するのか。どちらなんでしょうか。例えばスモ モを参照するとかネクタリンを参照すると、違う値になるかと思うんです。 ○基準審査課長 お願いします。 ○農林水産省 こちらの登録は小粒核果類となっておりまして、小粒核果類は梅とアンズとスモ モでございます。作物残留性試験は、梅ともう一種類の作物、つまり、アンズかスモモで作残試 験をやっていただき、作物残留性試験を実施していない作物は、その高い方の残留値で今までも 基準値をつくっていただいております。 ○佐々木委員 梅ともう一種類の作物の中で高い方ですか。 ○農林水産省 はい。今回は、梅の残留値が高かったので、梅の残留値を参照して頂いておりま す。   ○大野部会長 それでは、よろしいでしょうか。 ○佐々木委員 はい。 ○大野部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますでしょうか。  全体を通して御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、若干、分析法のところで表現の変更がございましたけれども、その変更したという ことを踏まえて、この報告書(案)をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次は、農薬のパクロブトラゾールについて審議をしていただきたいと思います。事務局から資 料の説明をお願いいたします。 ○事務局 農薬5剤目のパクロブトラゾールでございます。資料7−2の部会報告書(案)をご らんください。  今般の残留基準の検討につきましては、魚介類への基準値設定及びポジティブリスト制度導入 時に設定されたいわゆる暫定基準の見直しが対象となっております。  本剤は、トリアゾール系植物成長調整剤でございます。植物体内におけるジベレリンの生合成 を阻害し、植物の内性ジベレリン含量を低下させて矮化作用を発現すると考えられています。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  こちらの評価結果でございますが、資料7−1の食品安全委員会における食品健康影響評価書 の25ページをごらんください。動物体内運命試験、植物体内運命試験及び各種毒性試験が行われ ております。これらの結果から、パクロブトラゾール投与による影響は主に体重増加及び肝臓に 認められております。発がん性、繁殖能に対する影響及び遺伝毒性は認められておりません。  発生毒性試験において、ラット及びウサギでは骨格変異及び内臟異常が認められましたが、奇 形の増加は認められなかったことから、催奇形性はないと考えられております。  各種試験結果から、食品安全委員会におきまして、農産物中の暴露評価対象物質をパクロブト ラゾール(親化合物のみ)と設定されております。  26ページをごらんください。無毒性量の最小値につきましては、ラットを用いた2年間の慢性 毒性/発がん性併合試験の2.0mg/kg体重/日であったということから、こちらの値を安全係数100 で除しまして、ADIとして0.02mg/kg体重/日と設定されております。  それでは、資料7−2の2ページをごらんください。本剤の適用について記載しております。  「3.作物残留試験結果」でございますが、分析の対象といたしましてはパクロブトラゾール 親化合物のみになっておりまして、試験結果といたしましては6ページの別紙1に記載のとおり でございます。  3ページに戻っていただきまして「4.魚介類への推定残留量」となっておりますが、本農薬 につきましては魚介類への基準値設定依頼がなされておりますことから検討してございます。  この農薬につきましては水田及び非水田において使用されることから、水田PEC及び非水田 PECを算出いたしまして、高値である水田PECの0.21ppbを採用いたしました。  また、生物濃縮係数でございますが、ブルーギルを用いた14日間の取込期間を設定した濃縮性 試験が実施されておりまして、この分析結果から、BCFSSは34と算出されております。  これらの結果から推定残留量を算出してございますが、水産動植物被害予測濃度として0.21ppb、 BCFとして34という数値を採用いたしまして、最終的には推定残留量としておよそ0.036ppm という数値を算出してございます。  「4.ADI評価」でございますが、先ほど申し上げたとおり、0.02mg/kg体重/日と評価され ております。  本剤の諸外国における状況でございますが、JMPRにおける毒性評価はなされておらず、国 際基準は設定されておりません。  EUにおきましてイチゴ、ラズベリー、ブラックベリー等に、オーストラリアにおいてアボガ ド、マンゴー等に、ニュージーランドにおいて核果類等に基準値が設定されております。  これらを踏まえました基準値案といたしまして、パクロブトラゾールにつきましては、残留の 規制対象を親化合物のみとする案としております。  基準値案の詳細でございますが、7ページの別紙2をごらんください。「基準値現行」の欄で網 かけをしているものは、ポジティブリスト制度導入時に設定された、いわゆる暫定基準です。今 回、暫定基準の見直しに当たって、下から2番目の「その他のスパイス」につきましては、ミカ ンの果皮の作物残留試験成績を基に基準値案を0.2ppmといたしました。一方、スイカ等の暫定基 準の置かれている農作物につきましては、基準値設定の根拠となるデータがございませんでした ため、基準値を削除し、一律基準0.01ppmを適用する案といたしました。  登録のある本基準につきましても、作物残留試験成績等を基に見直しを行っております。また、 先ほどの推定残留量から、魚介類に対して0.04ppmという値を設定する案とさせていただいてお ります。  これらの基準値案により推定摂取量を算出いたしましたものが、8ページの別紙3でございま す。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で9.7%のADI占有率となっております。  最後の10ページが答申(案)となります。  事務局からの説明は以上です。御審議のほどをお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、御審議をお願いいたします。  まず、このパクロブトラゾールの薬理作用についていかがでしょうか。よろしいでしょうか。  お願いします。 ○尾崎委員 1.の「(2)用途」の2行目の「内性」という言葉がよくわからなかったんですが、 ここは1行目から言いますと「ジベレリンの生合成を阻害して、矮化作用を発現する」とコンパ クトにしてしまえばいいのかなと思いました。 ○大野部会長 ありがとうございます。それでよろしいでしょうか。 ○事務局 そのように修正いたします。 ○大野部会長 その次の「(3)化学名」のところで、2つ目のCASの化学名のところで、これ は二重線、イコールがあるんです。ここは少しおかしいかなと私は思っていたんです。先ほどの 説明ですと、日本語に直す場合にはイコールで表現するということだったかなと思うんですけれ ども、CASでもイコールはもともと付いているんでしょうか。  ないですか。それでは、今日の資料にはないんですか。 ○事務局 はい。御指摘を受けまして、ハイフンに修正いたしました。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、代謝の方面ですけれども、代謝については、半減期は大体10時間前後で、比較的早 い方かなと思いました。  それから、代謝物としてはラットでCとかBとかいろいろ出ていますけれども、植物ではBの 抱合体、イソプロピル基というんでしょうか、この一番右側のところが、メチル基が水酸化を受 けたBで、それから、更に酸化を受けてカルボン酸になったCというものが出ています。それか ら、米とかリンゴとか、そういった面ではそれ以外にも、まさにそれが切れたトリアゾールにな って、それがアラニンと抱合したものとかができていました。  それで残留試験結果のところで、食品安全委員会の報告書の31〜32ページにかけて、抱合体と、 主な代謝物であるB、D、E、Fについて残留試験を稲とか桃、それから、桜桃、山桃について やっています。それで、少しあれだったのは、代謝物Bが親化合物と同じぐらい水稲の稲ワラで 出ているんですけれども、これは玄米ではないので、よろしいかなと思います。ただ、桃はほぼ 同じ程度出ています。あと、代謝物Eのトリアゾールのアラニンと抱合したものが結構出ている んですけれども、そんなところです。  そういうことで、米の中では、わらには代謝物Bは出ていますけれども、玄米にはそれほど出 ていない。それで、桃では若干出ているんですが、それほど多くない。それで全体の、今日計算 したADI比ですと、TMDI比で大体30.6%ということで、若干、代謝物BとかEを入れたと しても、それほど暴露評価としては影響ないのではないかと思いました。特にトリアゾールアラ ニンというものが毒性が強いとか、そういうことがあれば別なんですけれども、少しその辺は確 認ができていないんですが、その辺は鰐渕先生の意見もお伺いしてからいろいろ考えたいと思う んですけれども、この辺は毒性学的にはいかがでしょうか。 ○鰐渕委員 特に調べられていないので、はっきりわからないんですけれども、大丈夫かなと思 います。 ○大野部会長 加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 この手の剤は全部、トリアゾールアラニン、それから、トリアゾール酢酸、その手 の一連の化合物が共通でできるわけです。それで国際的にも、3年か4年前であったと思います けれども、JMPRで国際的な評価をしていまして、それでは毒性上全く問題ないという評価が されていたと思います。レポートになって出ています。 ○大野部会長 ありがとうございます。どうやって評価したらいいかなと思っていたんですけれ ども、安心しました。  それでは、そういうことで、暴露対象物質としては安全性についてトリアゾールアラニンとか、 アセティックアシッドの懸念はないということが、鰐渕先生も加藤先生もそういうふうに想定し てよろしいのではないかということですので、親化合物を暴露対象物質としているということで よろしいかなと思います。  その辺について、ほかに先生方から御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  分析法についてはいかがでしょうか。よろしいですか。  基準の設定はいかがでしょうか。よろしいですか。  それでは、全体を通して御意見はございますでしょうか。  松田先生、お願いします。 ○松田委員 確認なんですが、4ページの「6.諸外国における状況」というところにイチゴと かラズベリーとかブラックベリーがEUで基準があるとか、アボガドとかマンゴーはオーストラ リアに基準があると書いてあるんですが、7ページの別紙2には外国基準値が何も書いていない のですけれども、これはいつもは書いてあるような気がするんです。 ○事務局 その件につきまして、今回、作物残留試験を基に基準値案としているものにつきまし て、外国基準値はあるものであっても紛らわしいのではないかということで、基準値案の根拠と なる外国データなどについてのみ記載するということにいたしております。  暫定基準導入時に参照した海外基準といたしましてはカキのみとなっておりまして、豪州の基 準を参照しております。 ○基準審査課長 それ以外はどこを対象にしているのか報告してください。 ○事務局 登録保留基準です。 ○基準審査課長 この「参考基準値」の中の「外国基準値」の欄は、暫定基準を策定したときに 参照した外国基準と、改めて見直したときに参照する外国基準がある場合には書かれているんで すけれども、このパクロブトラゾールについては、カキのところが記載ミスでございますが、カ キだけが当時、豪州の0.01ppmという基準値を参照して0.01ppmと置いておりますので、ここに 豪州の0.01ppmという基準値を追記しておきたいと思いますけれども、それ以外のイチゴ、ラズ ベリー等については、諸外国での基準値を参照して策定された基準値でないので、ここの「参考 基準値」の欄は空欄になっているということでございます。 ○松田委員 わかりました。 ○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかに、基準値について御意見はございますでしょうか。  全体を通して、この報告書について御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、若干変更がございましたけれども、その修正をした上で、この報告書の案をこの部 会の報告としてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。  それでは、今日の最後の品目でございますけれども、農薬のアゾキシストロビンについて御審 議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 アゾキシストロビンについて説明いたします。資料8−2をごらんください。  本剤は、農薬取締法に基づき、バナナ、エダマメ、ショウガに適用拡大申請がなされたもので す。  本剤は、ストロビルリン系殺菌剤です。エネルギー生成に重要な役割を果たしているミトコン ドリアの電子伝達系の中のコハク酸−CoQリダクターゼ間の電子伝達を阻害することにより作 用するものと考えられています。  「(3)化学名」及び「(4)構造式及び物性」につきましては、資料に記載のとおりでござい ます。  2〜9ページが「2.適用病害虫の範囲及び使用方法」でございます。適用拡大申請がなされ た作物を四角で囲っております。  10ページをごらんください。「3.作物残留試験結果」でございます。  「[1]分析対象の化合物」は、アゾキシストロビンです。  「(2)作物残留試験結果」は14〜24ページの別紙1−1、別紙1−2のとおりです。  「4.魚介類への推定残留量」でございますが、これにつきましては既に部会で御審議いただ いている内容と変わりございません。  また「5.乳牛における残留試験」「6.産卵鶏における残留試験」につきましても既に部会に て御審議いただいておりますが、JMPRで新たに最大理論的飼料由来負荷(MTDB)が、牛 で72ppm、鶏で22ppmと評価されておりますので、それを追記してございます。  「7.ADIの評価」でございますが、食品安全委員会の食品健康影響評価によりまして、ラ ットの2年間の慢性毒性/発がん性併合試験によりADIは0.18mg/kg体重/日と評価いただいて おります。  「8.諸外国における状況」でございますが、2009年にコーデックス基準が設定されておりま す。また、米国におきましてショウガ、エダマメ等に、オーストラリアにおいてバナナ、アボガ ド等に、ニュージーランドにおいて大豆、ブドウ等に、カナダにおいてブドウ、菜種等に、EU においてショウガ、エダマメ等において基準値が設定されております。  「9.基準値案」でございます。  残留の規制対象を、アゾキシストロビン本体といたしております。  海外の作物残留試験におきましてZ体が検出されており、米国等におきましてもZ体も含めて 規制を行っておりますが、海外の作物残留試験成績のうち大部分が10%未満にとどまっているこ と、それから、国内の作物残留試験においてZ体について分析を行った試験において、いずれも 定量限界未満であることから、Z体について規制対象として含めないことといたしたいと思いま す。  また、食品安全委員会において暴露評価対象物質としてアゾキシストロビン(親化合物のみ) を設定しており、またJMPRの勧告による国際基準の規制対象もアゾキシストロビン(親化合 物のみ)とされております。  「(2)基準値案」でございますが、国内の作残データ、国際基準等に基づきまして、別紙2の とおりとさせていただいております。別紙2につきましては、25〜28ページでございます。昨年、 国際基準ができておりまして、基準値案への国際基準の反映が遅れたために、事前に先生方にお 配りした資料から基準値案が大きく変更されております。  それから、資料の訂正がございます。28ページの別紙2で「その他の陸棲哺乳類に属する動物 の筋肉」につきましてですが、国際基準のところで0.05ppmとなっておりますけれども、国際基 準はございませんので、削除いただきますよう、よろしくお願いいたします。  12ページに戻っていただきまして「(3)暴露評価」でございますが、国民平均でADI比が 31.3%、幼小児で58.7%でございます。  最後の34〜36ページは、答申(案)といたしまして、基準値を置かせていただく作物について 記載しております。  事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、御審議をお願いいたします。  この薬理作用のところはいかがでしょうか。  よろしいですか。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 ほかの先生で、薬理作用のところはよろしいですか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 代謝面については、ラットでも大体24時間前後で血中の半減期で、代謝ではいろ いろな代謝物に代謝されるんですけれども、特にこれが多いというような代謝物はございません でした。特に10%TARを超えるものはないということです。  それから、排泄は主に糞中に行われていまして、尿中にも出ていますけれども、大体168時間 ぐらい、1週間ぐらいでほぼ100%近く排泄されます。  植物体内での代謝では、ほとんどが糖とか脂肪酸とかそういうものになってしまうということ です。そういうものは稲と麦、ブドウ、落花生といったもので調べておりまして、そういうこと で、ほとんど炭酸ガスになったものが通常の生化学的な過程を経て糖とか脂肪酸に取りこまれる ということが記載されています。そういった淘汰したものを除けば親化合物が中心、ほとんどが それであるということです。  そういうことで、先ほどの御説明にもございましたけれども、アメリカではZ体も含めて規制 しているということですが、このZ体というものは食品安全委員会の報告書の中では代謝物Dで あると思うんですけれども、それもそんなに多くないということが残留試験で確認されています。 そういうことで、親化合物だけを規制対象物質とするということは問題ないかと思います。  ほかに、この辺に関して先生方で御意見はございますでしょうか。  それでは、安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。よろしいですか。 ○鰐渕委員 結構です。 ○大野部会長 ありがとうございます。  分析法の面ではいかがでしょうか。特に問題ないでしょうか。  それでは、基準値の方では御意見はございますでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 26ページの下から4段目のセロリですけれども、国際基準が5ppmとありますが、 アメリカの基準のままになるんでしょうか。 ○事務局 これにつきましては、現行基準がアメリカの30.0ppmの基準でつくられておりますの で、そのアメリカの基準を参照いたしまして30.0ppmとさせていただいております。これにつき ましては、現行基準をつくるときに30ppmとしておりましたが、参照としているアメリカの基準 値が30.0ppmとなっておりますので、有効数字を併せて30.0ppmというふうに今回は変えさせて いただきたいと思っております。 ○佐々木委員 コーデックス基準が優先するということはないんですか。 ○基準審査課長 基本的にはコーデックスを優先してつくるといいますか、コーデックス基準が ある場合には、コーデックスをまず採用するということで考えておりますけれども、根拠となる 作残データがあって、例えば国内の作残データがあって、国際基準より高い。または、諸外国か ら提供された作残データがあって、その根拠に基づく諸外国の基準が高い場合には、これまでも より高い方を採用して、対ADI比を確認しながら設定してきているという状況でございます。 ○佐々木委員 わかりました。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。  ほかにございますでしょうか。  加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 つまらないことで、前にも申し上げたことと同じように、7〜9ページ目の表の一 番右側で、この剤と直接関係のないものが入っております。それは外された方がいいと思います。  もう一つ、これは農水省にお伺いしたいんですけれども、5ページ目の10.0%アゾキシストロ ビンフロアブル剤のリンゴの適用で、品種名が非常に細かく書かれていますね。これで、「世界一」 (リンゴの種類名)では使ってはいけないのか。どういう扱いになるんでしょうか。これは、こ こでつくったリンゴの基準値の扱いと、ここに載っていない品種のリンゴにおける残留の規制に ついて、登録上の問題というものはどういうふうになっているんでしょうか。 ○農林水産省 恐らく、これは薬害の観点から品種が限定されているのだと思います。今すぐに は確認できませんので、調べてご連絡いたします。 ○加藤委員 許容範囲という意味での、普通の品種名とは違うということですか。 ○農林水産省 安全性の観点から、品種を限定しているのではないと思いますので、調べて、ま た事務局を通して連絡したいと思います。 ○大野部会長 そういうことでしたら、この括弧の中は削除してしまってもいいということです か。 ○農林水産省 そうですね。確認の結果、薬害の観点での限定であれば、この資料には記載しな いという判断であれば、削除していただいても良いと思います。 ○大野部会長 それでは、確認をお願いいたします。  ほかにございますでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 細かいことなんですが、7ページの[6]ですけれども、TPNはクロロタロニルに した方がよろしいかと思います。 ○事務局 そのように訂正いたします。 ○大野部会長 それでは、お願いいたします。 ○佐々木委員 それから、もう一点、先ほどの11ページの下から6行目ぐらいに「JMPR」が 「INPR」になっています。 ○事務局 申し訳ございません。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。  どうぞ。 ○基準審査課長 済みません、先ほどの基準値の件ですけれども、まずは国際基準を基本的に採 用して考えているんですが、例えば先ほど御説明があったかもしれませんけれども、26ページの タマネギのような基準については、国際基準が10ppmということで設定されているんですが、今 回の基準値案は1.0ppmということで、結果的にはアメリカの基準値を参照した形になっておりま すけれども、国際基準を必ずしも採用していないんですが、ここについてはコーデックスの基準 がバルブ作物についてのグループMRLとして置かれております。  それで、根拠の作物残留試験を確認しましたところ、いわゆるタマネギというよりも上のネギ の部分に対しての残留データを基につくっておりましたので、土の中に入る部分についての残留 データについては、アメリカの残留データを参照して基準値を置いております。ニンニクについ ても同様で、これは国内の作残データに基づきまして現行基準と同じ0.1ppmを置くということで、 必ずしも国際基準を準用していないということでございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかに、この基準値の設定について御意見はございますでしょうか。  全体を通して、先生方から御意見はございますでしょうか。  それでは、若干、言葉の表現の修正と、カラムの一部不要なところの削除ということはござい ましたけれども、それを踏まえた上で、この報告書案をこの部会の報告としてよろしいでしょう か。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  一応、これで本日予定した審議品目について御審議は終了いたしましたけれども、今後の手続 について事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 本日御審議いただきました動物用医薬品2剤、農薬6剤につきましては食品安全委員 会からの通知を受けていることから、本案をもって部会報告書とさせていただきます。  なお、今後の手続につきましては、パブリック・コメント、WTO通報、消費者庁協議等の必 要な手続を進める予定としております。 ○事務局 それから、本年3月3日に了解されております「食品衛生分科会における確認事項」 に基づきまして、本日の当部会で御審議いただきました動物用医薬品2剤、農薬6剤につきまし て食品衛生分科会での審議または報告の取扱案を作成いただくわけでございますけれども、僭越 ながら事務局の方で原案を御用意させていただいております。  本日、御審議いただいた品目のうち、農薬プロピリスルフロンにつきましては、新たに残留基 準を設定するものということでございまして、区分1として分科会での取扱いとしては「審議」 ということでいかがでしょうか。  また、動物用医薬品ケトプロフェン及びホスホマイシン並びに農薬パクロブトラゾールにつき ましては、暫定基準等の既に設定されている残留基準の一部改正でございまして、区分4または 5に該当しないということで、区分3として分科会の取扱いとしては「報告」ということではい かがかと考えております。いずれも「ただし、その用途、毒性等からみて慎重に審議する必要が ある」というものには当たらないというものではないかと思われます。  あと、残りの農薬シエノピラフェン、メトキシフェノジド、アゾキシストロビン及びシフルメ トフェンにつきましてはいずれも、食品安全委員会での評価が2回目または3回目で、ADIの 評価等に変更がないということで、区分4として分科会での取扱いといたしましては「文書配布 による報告」ということではいかがかと考えております。こちらも、いずれについても「ただし、 その用途、毒性等からみて慎重に審議する必要がある」というものではないのではないかと思わ れます。  以上です。 ○大野部会長 ありがとうございます。分科会での審議をこの後にしていただくわけですけれど も、そのときに全部について審議するということではなくて、ある程度、分類しまして、慎重に 審議するものについては審議していただいて、報告をきちっとした上でというものについては報 告、それ以外については単に文書配布だけという形で、分類してやっていただくと審議が非常に 効率的に行われるということで、事務局でこういった提案をしていただきました。  また、その分類についてこういうふうに提案していただいたわけですけれども、これについて 先生方から御意見はございますでしょうか。これについて、分科会で特に審議を慎重にした方が いいというものがあればそうさせていただきたいと思いますけれども、基本的に新規のものにつ いては分科会で審議ということでいっています。それから、何か問題があるようなものとか慎重 に審議していただきたいもの自体、やはり審議という形でやることになると思います。  よろしいでしょうか。もしよろしければ、こういう形で分科会長の承認を得て分科会での審議 を進めたいと思います。  よろしいですか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかに議事はございますでしょうか。  どうぞ。 ○事務局 それでは、事務局より本年3月24日の部会で御審議をいただきました農薬プロチオコ ナゾールの部会報告書につきまして、部会後の修正点につきまして報告申し上げます。先ほどお 配りしました資料をごらんください。  本剤は米国からのインポートトレランス要請に伴いまして新たに基準を設定したものですが、 部会終了後に国際基準として、その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分に0.2ppm、その他の 陸棲哺乳類に属する動物の脂肪に0.01ppmの基準値が設定されていることがわかりましたため、 今月2日の分科会におきましては国際基準を追記し、基準値案を改正した報告書案を報告いたし たい旨、先生方に連絡をさせていただいたところです。  その後、加藤先生より御指摘をいただきまして、2008年、2009年のJMPR評価書を確認いた しましたところ、筋肉での残留量は脂肪よりも低いことが報告されておりました。それによりま して、基準値案につきましては、牛及びその他の陸棲哺乳類の筋肉については米国基準値の 0.02ppm、豚の筋肉につきましては豚の脂肪を参照し、0.01ppmと修正させていただきたいと存 じます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。ただいまの説明について御質問・御意見はございますで しょうか。  それでは、御了承願えますでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。そういうことで、この修正をもってこの部会の報告とい う形にさせていただきます。  ほかに議事はございますでしょうか。 ○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成22年6月30日水曜日の午後を予定し ております。後日、委員の日程につきまして確認させていただきたいと存じます。詳細につきま しては、追って連絡申し上げます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  そのほかに何かございますでしょうか。 ○事務局 ほかに議事はございません。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。先生方の御協力、どうも ありがとうございました。    照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係  (03−5253−1111 内線4281、2487、2489)