10/06/04 第7回 社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業所 調査及び就労条件総合調査の評価に関する検討会議事録 1 日 時  平成22年6月4日(金) 13:30〜15:00 2 場 所  経済産業省別館8階846号会議室 3 出席者 (委員)       今田幸子、西郷浩、篠原榮一、◎廣松毅      (五十音順、敬称略、◎;座長)     (事務局) 高原統計情報部長、岩崎企画課長、篠原社会統計課長、 小玉賃金福祉統計課長、上田統計企画調整室長、 亘社会統計課長補佐、佐藤社会統計課長補佐、 三村社会統計課長補佐、秋山賃金福祉統計課長補佐、 渡辺賃金福祉統計課長補佐、小此木統計企画調整室長補佐、 武田統計専門官、小貫統計業務民間委託管理専門官 4 議 題   (1)民間競争入札実施事業 社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業 所調査及び就労条件総合調査の実施状況について (2)その他 5 議 事 ○小貫統計業務民間委託管理専門官 それでは、議事を廣松座長にお渡しした いと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○廣松座長 それでは、ただいまから「第7回社会福祉施設等調査、介護サー ビス施設事業所調査及び就労条件総合調査の評価に関する検討会」を開催いた したいと思います。   本日の議事は公開でございまして、議事録につきましても後日、ホームペー ジに掲載させていただきますので、御了承をお願いいたします。   それでは、お手元の議事次第に基づきまして議事に入りたいと思います。   本日の議題でございます「民間競争入札実施事業 社会福祉施設等調査、介 護サービス施設・事業所調査及び就労条件総合調査の実施状況について」に入 る前に少し今回の取りまとめについて御説明をさせていただきます。   今回審議いただきます2つの事業は、平成21年度より複数年契約により実施 しております。今回は、それぞれその1年目の事業の報告ということになりま す。   また、実施状況につきましては毎年報告を行うこととされておりますが、資 料の1、2を見ていただきますとおわかりのとおり、取りまとめの内容に少し 違いがございます。   と言いますのは、資料1の就労条件総合調査は2年間の契約ですので、今回 の実績評価の結果を踏まえて次期事業の実施要項案の作成を控えておりますの で、詳細な報告を行う必要があることから、お手元にございますような厚さに なっております。   それ以外の3年間の契約であります社会福祉施設等調査、介護サービス施 設・事業所調査に関しては、事業の実施状況について最低限報告されるべき事 項を整理した簡単な報告様式になっております。これは、監理委員会の方に報 告する形式でございます。この2つの調査に関しましては、今回の内容を含め た詳細な報告は来年度まとめて行うことになっておりますので、今回の検討は A4の1枚の簡単な報告という形式になっております。   それを前提といたしまして、まず資料1にございます「民間競争入札実施事 業 就労条件総合調査の実施状況について(平成21年度分)」の説明を事務局 よりお願いをしたいと思います。では、小玉課長お願いいたします。 ○小玉賃金福祉統計課長 賃金福祉統計課長の小玉でございます。   資料の1で、就労条件総合調査の21年度の実施状況について説明いたします。 先ほど御説明がありましたように詳しい報告ということでございまして、20年 度の報告と同様の体裁でまとめております。   まず1ページの最初の四角の「事業の概要」のところですが、「1.委託業務 の内容」、これは前年度と同じです。   また、2番にありますように、21年度は22年度末までの2年間の契約となっ ています。   なお、21年度の「業務委託期間」は、昨年の9月17日から今年の3月末まで でございました。   次に、3番に書いていますように、21、22年度、2年間の「受託事業者」は 株式会社帝国データバンクでして、20年度と同じです。そういうこともありま すので、この資料ではできるだけ前年度である20年度と比較した形で整理をし ております。   では、Iの「確保すべき質の達成状況及び評価」の中の「1.有効回答率」で ございます。1ページの表は、企業規模別に有効回答率の推移と目標値などを まとめたものです。今回の調査の有効回答率の推移につきましては、左から調 査期間の終わりである1月末現在、委託期間が終わる3月末現在、最終結果と 整理しています。   なお、最終結果には4月以降に調査票が返送された分を含んでおります。   また、それぞれのセルの上の行が21年度の数値、下の行の括弧の中が20年 度の数値でございますが、20年度は一部、厚生労働省が督促を行いましたので、 その分を除いた数字を山括弧の中に示しております。   また、その右、最終結果の右は、最低限上回らなければならないとした水準 値、一番右は目標とする水準値です。後ほども説明いたしますが、21年度の有 効回答率の状況につきましては、委託期間が終わる3月末現在で、合計につい てもそれぞれの企業規模についても前年度を上回るとともに、最低限上回らな ければならない水準は上回り、目標とする水準値には達しておりませんが、こ れは最終結果でも同様であります。   次に、2ページを見ていただきたいと思います。2ページのグラフは、全体の 有効回答率の推移と督促等の手段と時期をグラフにしたものです。1週間ごと と、月末の時点の状況を表しています。   なお、下の方のグラフは、上のグラフの2月以降の部分を拡大して再掲をして いるものです。   表やグラフで表していることなどは、3ページの文章に書いております。3ペ ージをごらんいただきたいと思います。まず、最初のパラグラフにありますよ うに、業務委託期間が始まって間もない時期ですが、昨年の10月1日に当方か ら受託事業者に対し、早期に有効回答率の目標を達成することを最優先とする ように指示を行いました。   その次のパラグラフも調査実施前のことですが、受託事業者は20年度ではす べての調査客体に対して同一の挨拶状を送付していたわけですが、21年度では 対応を3種類に分けまして、前年度に有効回答が得られた客体には礼状兼挨拶 状を送付しまして、前年度に有効回答が得られなかった客体のうち、前年度の 実績が芳しくなかった5,000人以上の企業、そこと21年度に新たに客体となっ た企業に対しましては挨拶状を送るのではなくて、送付先の確認を兼ねて電話 で協力依頼を行いました。また、前年度に有効回答が得られなかった客体のう ち5,000人未満のところに対しては、前年度と同様の挨拶状を送付いたしまし た。   その下のパラグラフは1月のことでありまして、受託事業者は1回目の督促は がき、訪問による回収、1回目の電話督促を行っておりますが、この辺りは前 年度と同様です。   なお、1月末時点の有効回答率は、前年度よりは高いものの40%にも達して いませんでした。   その下のパラグラフは2月のことでして、受託事業者は2回目の督促はがき、 2回目の電話督促を行っていますが、この辺りも前年度と同様です。   また、その間に、その下のパラグラフにありますように、2月19日に厚生労 働省から受託事業者へ督促を強化するように指示をいたしました。   その下のパラグラフにありますように、受託事業者は3月に入って3回目の電 話督促を行いましたが、前年度は2回ですので1回増やしたものでございます。   その下のパラグラフでございますが、これらによりまして委託期間が終了す る年度末時点で、合計についても、それぞれの企業規模についても、最低限上 回らなければならない水準は上回り、目標とする水準値には達していませんが、 これは最終結果でも同様であります。   なお、一番下のパラグラフに書いておりますが、20年度も21年度も有効回答 率が上回ることとする水準値、最低限上回らなければならない水準値を上回っ たのが3月中旬以降であったということなどから、厚生労働省としては今後と も、受託事業者には業務委託期間が終了する年度末に近い時期まで督促を行っ てもらう必要があると考えております。   次に、4ページをごらんください。2番の「照会対応」ですが、最初のパラ グラフの下から2行目にございますように、受託事業者への問合せや苦情は 1,040件で、前年度より376件増加しておりますが、このうち苦情は14件で、 前年度より24件減少しております。   それで、3つ目のパラグラフにありますように、このうち50の調査客体に対 しまして、調査客体が事業者に対して照会をしたときの受託事業者の対応状況 につきましてアンケートを行ったところ、3行目にありますように32の有効回 答がありました。   電話のつながり具合について1客体から「どちらかといえば待たされた」と いう回答が、照会等に対する説明内容について1客体から「どちらかといえば わかりづらい」という回答が、回答までの時間について4客体から「どちらか といえば長かった」、1客体から「その場での回答がなかった」という回答があ りましたが、それ以外の客体からは、各項目についてどちらかと言えば好意的 な回答が寄せられました。   その下のパラグラフにありますように、調査客体からの評価は前年度よりや や低下しているものの、照会対応については特段の苦情もなく、一定の有効回 答率も得られたわけですので、照会対応はおおむね円滑に実施されたと考えて おります。   3番の「その他」ですが、これは入札実施要項で確保されるべき質として「作 業方針、スケジュールに沿った確実な業務の実施」ということを求めていまし たので、その点を確認したということを書いています。   次に、5ページのIIの「実施経費の状況及び評価」ですが、21年度に受託事 業者が要した経費を当初見積額及び前年度の経費と対比をさせる形で、5ペー ジの表のように整理をしております。   なお、3番の「外注費」というのは再委託先別に整理をしているものです。   20年度の実施経費、一番右の数字と21年度の当初見積額とがどういう関係に あるのか、ちょっと難しい箇所もあるように考えておりますが、21年度の当初 見積額と21年度の実施経費の実績とに差が生じている要因については、表の中 で各項目別に備考欄に整理をしておりますが、時間の関係もありますので、両 者が50万円以上乖離しております1番の「人件費」と3の(4)の「電話督促・ 審査・疑義照会業務」、いわゆるコール業務、電話関係の業務の費用と、3の (5)の回収した調査票を電子画像化した審査をするというシステムの開発業 務の費用についてのみ説明をいたします。   これら3か所に共通する要因がございます。それは、20年度から21年度にか けまして、回収した調査票に関して事業者が行う審査につきまして、厚生労働 省が事業者に求める水準を上げたというわけでございますが、事業者の方がそ の点を見積もりにおいて十分反映できなかったということであります。   後ほどもう一度出てきますが、ここで正確に説明いたしますと、平成20年度 の事業についてのまさにこの報告書におきまして、平成21年度以降に実施する 事業においては、平成20年度の経験も踏まえ、受託事業者に対し、より高いレ ベルでの適切な審査等を求める個票審査要領を貸与したいと書いていました。   また、内閣府が行って官民競争入札等監理委員会が了承した実績評価におき ましても、個票審査については今回の経験を踏まえ、より高いレベルで行われ ることが期待されるというふうにあったことを踏まえまして、21年度の個票審 査要領のレベルを高くした上で、1の「人件費」のところの備考欄の1行目に ございますように、入札説明会で説明、配布をしていたのですが、受託事業者 がその内容を調査票を審査するというシステムの開発の計画などに十分反映で きなかったため、関連する業務において見積もりよりも作業量が増えて経費を 要したということが大きな要因になっております。   なお、1番の「人件費」につきましては、それ以外に備考欄の4行目からあ りますように、調査票の受付・管理業務につきまして、予定よりも派遣労働者 分を減らして自社従業員の実施分を増やしたことなども影響しておりますが、 審査の部分も含めまして、全体としては前年度よりも作業量は減少しておりま して、人件費も見積もりよりは上回っておりますが、前年度の経費よりは下回 っております。   次に、3の(4)の電話関係の業務につきましても、審査のレベルを上げま すと疑義照会の件数も増えるわけでございますが、その辺りを見積もりに十分 反映できなかったということに加えまして、3行目からありますように、当初 計画していなかった3回目の電話督促を行ったことなどから、再委託先におい てこれらの業務の作業量が予定よりも増えて、当初見積額も前年度の経費も上 回っております。   また、3の(5)につきましても個票審査要領の内容を十分に反映できなか ったため、システムの開発業務に予定よりも工数を要したというものでござい ますが、調査内容が前年度と変わっていない部分もございますので、前年度に 開発したものを活かせるという面もございます。そういうことで、前年度より は工数が減少しています。このため、費用も見積もりは上回っておりますが、 前年度の経費は下回っております。   以上、実施経費が見積もりよりも50万円以上、上回った項目について説明い たしましたが、21年度の全体の実施経費は一番下に合計欄にありますように約 2,532万円で、見積額の2,100万円を432万円ほど上回っておりますが、20年 度の実施経費の約2,728万円を196万円ほど下回っております。また、見積も りと実施経費の乖離の幅、これは前年度を91万円ほど下回っております。   なお、次の6ページをごらんいただきたいと思います。6ページの1つ目、 2つ目のパラグラフには今、申し上げたようなことを文章で書いております。   また、3つ目のパラグラフにございますように、これで実施経費の結果が2 年間得られましたので、次の入札は23年度になるわけですが、今後の民間事業 者の合理的な予定価格の設定に資することができればと考えております。   次に、そのページのIIIの「1.実施体制」、すなわち業務量についてでござい ますが、12の業務に分けまして表にまとめています。業務には、受託事業者が 自ら行った分と再委託先が行った分があるわけでございますが、実施体制の欄 には両者の合計を掲載し、その右にそれぞれの内訳を書いています。   なお、受託事業者分については、20年度の数値もこれは計測していましたの で、その数字を右側の括弧内に書いています。   また、受託事業者の欄で、上下2行になっている業務は派遣労働者を用いた 業務でございまして、上の行には自社従業員分と派遣労働者分を合算した、い わゆる受託事業者の指揮命令分の業務量を掲載し、下の行の山括弧の中は派遣 労働者分を除いた自社従業員分のみの業務量を掲載しています。   内容についての説明は省略いたしますが、前のページの経費の状況の補足と してもごらんいただければと考えます。   次に、7ページの2番の「督促等の状況」ですが、アの「事前の挨拶状等の 発送及び電話による協力依頼の実施」につきましては先ほど説明申し上げたも ので、すべての調査客体に事前に同一の挨拶状を送るのではなく、前年度の調 査票の提出状況等に応じて表に整理してあるような3種類の対応を行ったもの です。21年度の新たな対応でございます。   その下のイの第1回督促はがきにつきましては、前年度と同様です。   次に、8ページをごらんください。ウの「訪問による回収等」ですが、受託 事業者は前年度よりは対象を絞りまして、開始時点で調査票が未回収である調 査客体のうち、東京都内の5,000人以上のすべての企業、159を訪問による回収 の対象といたしまして、まず電話により連絡をしたところ、結果的には下から 3行目にありますが、119の有効回答が得られたわけでございますが、そのうち 訪問して回収したのは16件で、残りは調査票が郵送されてきたものでございま す。   その下のエの「第1回電話督促の実施」、オの「第2回督促はがきの発送」、 カの「第2回電話督促の実施」につきましては、前年度と同様であります。   次の9ページ、キの「第3回電話督促の実施(新規)」でございますが、これ は企画書にはなかったものを有効回答率の状況を踏まえて実施したものでござ います。   それで、(2)に書いていますように、受託事業者が督促を行った相手方であ る50の調査客体に対しまして、オペレータの応対態度とオペレータの説明によ る調査の趣旨、重要性の理解度等についてアンケートをしたところ、31の有効 回答がありました。   このうち、オペレータの応対態度については3客体から「どちらかといえば悪 い」という回答が、オペレータの説明による調査の趣旨・重要性の理解度の変 化につきましては、9客体から「変わらなかった」という回答がありましたが、 それ以外の客体からは各項目について、どちらかと言えば好意的な回答が寄せ られました。   督促の際の応対態度につきましては、前年度よりやや評価が低下しております が、全体としてはおおむね適切に行われたと評価できるところであります。   また、督促の際の説明内容が調査客体に理解されたかにつきましても、おおむ ね良好であったと評価できますが、22年度においては更に理解が得られる説明 を行うことが期待されます。   次に、3番の疑義照会です。まず、先ほどの経費のところで説明申し上げま したように、21年度に受託事業者に貸与した個票審査要領のレベルを前年度よ り高いものといたしました。これは、前年度の事業において、受託事業者が納 品した調査票を厚生労働省が内検を行いますと、個票審査要領は満たしている ものの、更に問題点が見受けられたものが多々あったというようなことから、 前年度の事業についてのこの報告書などで指摘をされていたものでございます。   その下のパラグラフには、受託事業者が前年度と同様、回収した調査票を電 子画像化して、プログラムにより審査を行うということができるシステムを開 発・活用したということを書いております。   それから、審査の状況ですが、その下のパラグラフにありますように、今回 の調査では4,406の企業から有効回答をいただいたわけですが、うち4,097の 企業については厚生労働省が貸与した個票審査要領に基づいて受託事業者が審 査を行ったところ、回答の一部について1箇所でも未記入、または誤記入があ った調査票は3,892件で、これを回答箇所ベースに直すと、述べ4万8,223箇 所でございます。審査レベルを上げたために、前年度よりかなり増えています。   なお、次の10ページの1行目の括弧の中に未記入と誤記入を区分した数値を 掲載しておりますが、前年度についてはこれを区分するように事業者に依頼し ておりませんでしたので、該当する数値はございません。   (2)の「疑義照会」ですが、先ほど申し上げた4万8,223箇所について受 託事業者は疑義照会を行いました。その結果、4行目からありますように、未 記入については3万7,556箇所のうち2万7,771箇所、誤記入については1万 667箇所のうち1万273箇所、合計で4万8,223箇所のうち3万8,044箇所につ いて確認できたという結果になっています。前年度と比べて、疑義照会の箇所 自体が大幅に増加している中で、疑義照会を行った箇所に占める確認できた箇 所の割合というのが上昇しておりますので、疑義照会は順調に実施されたもの と考えております。    次に、11ページをご覧ください。4番の「その他の業務の状況」ですが、こ れにつきましては1番から3番以外の業務について流れの順番に沿って整理を したものです。   (1)の「調査関係用品の印刷・配布(送付を含む。)」ですが、アでは「調 査対象企業名簿の整備」について触れています。   まず、(ア)にありますように、受託事業者は前年度と同様、自ら保有するデ ータベースを活用して企業規模が調査対象外になったなどによりまして調査客 体としての条件を満たさないということを把握した場合には、厚生労働省に連 絡して追加抽出を受けるなどによりまして調査対象企業名簿を修正しました。   (イ)も、前年度と同様、調査対象企業の電話番号の状況を、専用システム を用いて相手方の呼び出し音を鳴らすことなく確認し、名簿を修正したという ものです。   また、(ウ)も前年度と同様、挨拶状の発送等によって調査客体としての条件 を満たさないということが判明した企業について、厚生労働省から追加抽出を 受けて名簿を修正したというものです。   それで、(エ)にありますように、(ア)及び(ウ)による追加抽出は20年度 から開始したものですが、21年度は224件の追加抽出を行って86件の有効回答 を得られたところでございまして、有効回答率を1.4%分引き上げるという効果 がございました。   「イ 調査関係用品の印刷」ですが、(ア)の「挨拶状、礼状兼挨拶状」につ きましては前年度と同様、挨拶文などに加えて問合せの多い質問と回答をあら かじめ記載するなどの工夫を行ったものです。   なお、次の12ページの(イ)の「調査票」から、そのページの下のウの「調 査関係用品の発送」、13ページの(3)、(4)、この辺りは基本的に前年度と同 様ですので説明を省略させていただきます。   また、14ページと15ページの別紙ですが、14ページは受託事業者に対して 照会を行った企業のうち50の客体に対して、また、15ページは受託事業者が督 促を行った企業のうち50の客体に対してアンケートを行った結果でありますが、 内容につきましては本文中に出てきましたので、説明は省略いたします。説明 は以上です。 ○廣松座長 ありがとうございました。   それでは、ただいまの「就労条件総合調査の実施状況について(平成21年度 分)」の資料の説明に関しまして、御質問、御意見をいただければと思いますが、 いかがでしょうか。 ○篠原委員 まず1点目は、これは調査するときに当然読むと、統計的な調査 は意味があるということで発送件数等を決めているのですが、私は事業仕分け を傍聴してどういう質問をするかなと、同じような質問をすると、これは何回 か督促して非常に費用がかかっているのだったら最初から発送件数を増やして おいて、2回か3回で手を抜くという方法もあるかなということ。文部省の試 験のときに一部になったという、私などは全体が必要なような気がするのです が、統計的ならばもっと少なくていいのではないかという発想が、これから恐 らく事業仕分けとか省内で出てくるような気がするのです。いわゆる全体の状 況を知りたいという部分が強いのではないかなという気はするのだけれども、 その目的を明確にしているかということ。   それから、当然これは調査すると、私などは回答がこない方がいろいろと情 報は欲しい。だから、そこはある意味で人間が行って調査するとか、そういう ことがこれから求められるのかなと思いますが、その辺はいかがですか。 ○小玉賃金福祉統計課長 冒頭から難しい御質問ですが、最初に御指摘のあっ た客体を増やして督促の回数等を減らすということは、客体を増やした場合に 最初に郵送費等のコストもございますので、今、直ちにどちらの方がコストが どうのこうのということにはならないかと思います。   それから、督促については有効回答率の状況に応じて、非常に順調であれば やはり減らすということもできますので、どちらかと言えば無駄になることと いうと失礼でございますが、無駄になることを承知で非常に大きな客体を対象 として、督促に手を抜くというよりは、督促を柔軟にやった方がいい部分もあ るかと思います。   もちろん、調査の精度という面で調査客体を増やすという必要性が別途ある と思いますが、それは別の議論だと思いますので、有効回答率の確保だけから 言うとそういう点も言えるのではないかと考えております。 ○小此木統計企画調整室室長補佐 一般的な話になりますけれども、統計の調 査客体数につきましては、統計学的に誤差率とか、そういったものを加味しな がら計算して出しています。   統計数字を出すに当たっては、そのサンプルが数百から1,000ぐらいあれば 十分じゃないかということをよく言われますけれども、それは統計をつくるに 当たってどういう単位で見たいのか、この調査で言いますと、例えば事業の種 類別、事業の規模別にそれぞれ見たいということになれば、その業種のその規 模でそれなりのサンプルを集めてこないと、そこの数字が目指す精度が得られ ないということになりますので、見たい単位がどういう単位になるのかという のを見て、必要なサンプル数を積み上げていくと、それなりの数を集めないと 調査としてはなかなかできないということになります。   それから、回収率の関係で、回収率を100%出すためには督促などをしてお金 がかかってしまうので、その分、最初から多目に出しておけばいいのではない かという御指摘ですけれども、統計的にちょっと集めれば大体全体がわかりま すというのは、あくまでも全体の中から無作為に抽出してきたときの状態であ って、回答する意思がある事業所だけを集計すると無作為という状態ではなく なってしまうので、一度選ばれた事業所は基本的には答えていただくという整 理でやっていかないと統計的な誤差が出てきてしまうという事情がございます。 一般論ですけれども、よろしくお願いいたします。 ○廣松座長 ありがとうございました。   西郷さん、何か今の件に関してコメントございますか。 ○西郷委員 教科書どおりのもので、正答であったというふうに思います。 ○廣松座長 現状を申しますと、資料1の1ページの表にもありますとおり、 こういう場合、事業所数としてはどうしても小さいところが多くなります。そ れをとらえるというのが大変難しい。コストもかかるということです。確かに ひと通りのプロセスをご覧いただいて、かなりコストを要しているところが目 立つところですが、今、御説明いただいたような形で今までやってきた、これ から本当にどうするかということは、確かに少し真剣に考えなければいけない ところがあろうかと思います。   他にいかがでしょうか。 ○篠原委員 では、もう一つ、前回も質問させていただいたのですが、この費 用の内訳を見ると、例えば私は防衛庁の仕事をすると、大体費用に対して5% か10%、利益というのを入れるのです。これは、ないじゃないですか。   恐らく前回も言ったように、想像だと人件費の中に入っているのではないか。 例えば、我々監査事務所だと実費に対して大体、2.5とか3を掛けるから、それ でやると事務費から全部出るような計算になっているのです。そうすると、こ の辺の単価をどう計算しているのかというのは利益が出ないじゃないか。奉仕 作業業務かという感じもしてしまうので、この辺の人件費の単価をどういうふ うに出せという指示をされているかです。 ○小玉賃金福祉統計課長 まず、この事業者に関して申し上げますと、社内規 程等も確認させてもらったのですが、人件費は計上する。それで、それ以外に 旅費等を計上することもあるし、一般管理費を計上するということもあるよう なのですが、この調査、この事業に関しては一般管理費はまず計上しておりま せん。それは事実でございます。   それから、今回は5ページに経費を整理して、6ページに実施体制というこ とで、作業量というか、人日ということで整理をさせていただきました。もち ろん、経費につきましては基本的に受託事業者の方でどういうふうに処理して いるかということでございますので、厳密には私の方がお答えする立場にはな いと考えておりますが、事実関係だけ申し上げますと今、申し上げた5ページ と6ページの数字から計算されれば、人件費1日当たり6万円という数字が出 てくる。   これは計算したら出てくるわけでございますが、そういう金額になるという ことと、あとは人件費の部分というのは、5ページの表で言いますと2番の事 業費のように実費の部分、あるいは3番の外注費のように再委託先に支払うと いう費用の部分とは異なりまして、受託事業者の中で処理することができる経 費だと理解できます。   その2つのことから、委員の皆様が御推測というか、そういう材料になるの ではないかというふうに考えております。それ以上のコメントは差し控えさせ ていただきたいと思います。 ○篠原委員 今の話だと、我々の仕事とほぼ1日の単価は変わらないのです。 ということは、その中に利益が入っていると私は思ったのです。   というより、通常給料は大体5割増しじゃないといろいろな福利厚生費があ るのですから、その部分をやりますよね。ですから、6万というのは今、一般 管理費が私は入っていると思います。だって、我々専門職で平均6万くらいで すから、恐らく入っていると思います。これを外注に出すときに、その辺をど こまで含めるかはっきりしないと比較もできなくなり、ただ安いか高いかとい う将来可能性がある。   監査法人等は、大体入れる。これは決まっているような気がするのだけれど も、一般のこういうものは人件費がどこまでというのは我々には見えづらいと いうか、余り発表したくないというのもわかるのですけれども。 ○小玉賃金福祉統計課長 お答えにはなっていないと思いますが、追加して事 実関係を申し上げますと、人件費1人日当たり6万円と、もちろん見積もりも それに従って行われているということと、6ページの実施体制には計画の方は 記載しておりませんが、見積もりも1人日6万円ということで行われていると いうことと、この事業者に関してはこの調査だけではなくて、一般的に官公庁 等との委託契約等におきまして人件費の見積もり及び実施経費を1人日当たり 6万円としておりまして、それは社内規程によるものであるということは確認 しております。それ以上のことはわかりません。 ○廣松座長 今、御指摘の点は、内閣府の官民競争入札等監理委員会の中に入 札監理小委員会というのがあり、そこが実施要項、それから実績評価を行うわ けですが、そこでも、常に議論になります。   少なくとも今までの民間競争入札の場合、御指摘の利益は一切表面に出して おりません。別の言い方をすると、そういう形での実施要項にはなっておりま せん。その点は確かに今後統計調査のレベルではなくて、民間競争入札事業そ のものの在り方としてどうするかということに関係する問題ではないかと思っ ております。   他にどうぞ。   ○今田委員 基本的な考え方ということですが、要するに国がやっていた従来 の調査を民間でやるということで、そのとき国でやってきた調査の精度を落と さないということがまず大前提で、そのためにこれだけのいろいろな作業のプ ログラムをつくって実施した。そういう意味では今、御説明いただいたように 各プロセスでいろいろな努力をしながら、費用もかけ、人的なコストもかけて、 当初の精度を落とさないということでやってきましたという御報告だったと思 うのですね。   それで、今、篠原委員のおっしゃるような議論で、ではこれだけやってきて いるのに非常に無駄じゃないか。もっと効率的にやれないかというのは、どこ をどういう観点で無駄と考えて、どういう観点で効率と考えるのかということ になるわけで、最初の前提でこれだけの精度を維持するということを取り払っ たら幾らでも効率的に合理的にできるわけで、こういう検討会で、ではどこを 議論するのかということになるわけですね。   例えば、サンプル数もそれだけ要るのだったらたくさん取って、あとはごち ゃごちゃせずにそれでいいじゃないかと。そんなことをしたら精度はがた落ち です。統計の基礎知識を出すまでもなく、多くのデータが採取されたとしても、 ポピュレーションとサンプルの関係が重要で、悉皆調査というのならば別です けれども、サンプル調査ということになると回収率ということがクリティカル になる。   国がやっていた調査の精度を維持して、なおかつ民間がやればもっと効率的 に合理的にやれるのではないかということだった。そのスタンスを外したら検 討のやりようがないと思うのですが。   ここでの議論では、無駄なことがあるじゃないかという議論は必要だと思い ます。ただいまの説明を聞いた限りでは非常にきちんとおやりになっていて、 目標とするところの各段階のチェックもきちんとおやりになっているようで、 当初心配された回収率も問題はないし、費用の面も1回目は当初見積もりより も多くなってしまって、これは見積もりが甘いのではないかという議論があり ましたが、今度はそれを前提にしてやった結果として改善が見られている。   心配されたことは、解決されながら改良されて進んでいるのかなという印象 です。書かれたことの問題点を指摘するのは難しいぐらいによくでき上がって いるのかなというのが私の感想です。 ○篠原委員 こういう質問をしたのは、事業仕分けを聞いていると私が言った ような疑問が出てきますよ。だから、今までのように当然ということはないで すよ。その時きちんとその部分の理論武装しておいてください。そうしないと、 恐らく今のような説明だったら、私は事業仕分けはもっとつつきますよ。つつ けるということは、ここは、目的はっきりしていないのではないかと。そうい うことで、もうちょっと理論武装しないと耐えられないのではないかという気 がします。   結構、きついですよ。それは皆さんも聞いているとわかると思うのですが、 やはり視点を変えたとか、いろいろな部分が出てくるので、事業仕分けなどで は今までこうやっていたからという説明が、私が聞いていると多過ぎるのです。 やはりそれだとだめよという点からきているから、これも今、言ったように恐 らく私の質問だと、困っちゃったな、変な質問だなと。それも重々わかりなが ら質問させていただいているのです。今後いろいろな意味でチャレンジされる やり方が変わってくる部分があるのではないかという気がするので、今、解決 してくれという話ではなくて、ある程度頭に入れていただければということで す。 ○廣松座長 大変、厳しい御指摘だと思います。   ただ、統計を作成するということに関しては、やはり継続性というのも大変 重要な要素で、今、今田委員は質という言い方をされましたけれども、それを どう担保しつつ効率化するか。そこが一番難しいところです。大きな流れで言 いますと、今までの行政改革とか臨調まで含めてそうですが、流れとしては統 計の予算・人員はずっと削られてきたという経緯があります。   だからと言って、今回言われている仕分けで、過去そうだったからという理 由で逃げられるかというと決してそうではないことはまさに、御指摘のとおり だと思います。その点、これからも決して環境としては甘くはないということ は事実だろうと思います。   この資料1に関しまして、何か他にございますか。 ○西郷委員 大変、丁寧な御報告をどうもありがとうございます。   1点だけ質問させていただきたいのは、調査票の審査というのは事業者の方 にやってもらったのでしたか。それとも、厚労省さんの側でやられたのでした か。それとも、マニュアルを渡して向こうがやるという形でしたか。 ○小玉賃金福祉統計課長 個票審査要領、すなわちこういうレベルで、こうい う形で審査をやってくださいという要領をお渡しして、正確には貸与して、そ れに基づいて事業者にやっていただくというのが基本的な仕組みでございます。 この事業者については、それを目視ではなくてシステム的にチェックできるよ うなものをつくったということでございます。   なお、先ほど疑義照会のところで説明いたしましたが、疑義照会がどうして もできなかったというものがございますし、調査票が返送されるのが遅いもの は事業者の審査に間に合っていませんし、それらはすべて厚生労働省がやる。   それから、事業者から納品されたものにつきましては、サンプル的ではござ いますが、製品の抜き打ちチェックみたいなことを我々でやっているというこ とでございます。 ○西郷委員 民間活用というところでよく焦点になるのは、統計調査というの は経験と蓄積というのが非常に大切なので、特にその審査のところを今回のよ うにマニュアルをきちんとつくるとは言え、経験のない事業者さんに任せて本 当に大丈夫なのだろうかということがよく話題になるわけですけれども、今回 の経験からすると、少なくともこの調査に関してはマニュアルがきちんとでき ていたお陰で、それなりに信頼性の高いチェックが行われたようだという評価 になりますか。 ○小玉賃金福祉統計課長 まず事業者を選定するときに、価格だけでなくて技 術点を付けますので、そのときに事業者には過去の調査の経験等を出させてい ただいております。   もちろん一般的には民間事業者の調査の経験は国よりは少ないという整理に はなるのでしょうけれども、技術点を付ける際に過去の調査の経験も配慮して おりますので、あながち民間事業者が全く経験がないというか、非常に経験が 少ないとか、そういうことは一概には言えないのではないかというのがまず1 点です。   それから、そういう事業者について一定の審査要領を貸与してやってもらっ たということで、実はこの調査は1月末が調査の締切りで、集計して公表する 前なのでまだ我々が全部チェックできているわけではないのですけれども、も ちろん一定レベルのものはできるのだろうなと。   最初に説明いたしましたように、この事業者が21年度でもう一度落札いたし ました、20年度と連続しているということがありますので、他の事業者につい て該当するかどうかは別といたしまして、この事業者については一定の経験、 ノウハウを活かして一定レベルのものができているというふうには評価してお ります。 ○西郷委員 事業者の質がよかったから審査のレベルをちょっと上げたのだけ れども、私は審査のレベルを上げるともっと費用がかかるものなのかなという ふうに思っていたのですが、比較的うまくあちらが対応したというような感じ にも見えるのですけれども、選んだ相手がよかったということもあるのでしょ うか。 ○小玉賃金福祉統計課長 言い方は難しいのですが、21年度にレベルを上げた 程度までならばやっていただけるだろうという考えからやったということでご ざいます。 ○西郷委員 どうもありがとうございます。 ○廣松座長 どうぞ。 ○篠原委員 疑義照会システム開発費用と出ていますね。これは、こちら側の システムですか。それとも民間事業者のシステムですか。   というのは、費用を出しているとなると、2年か3年しかやらないで他に事 業が移ってしまうと、また新しいものをつくるということになりますが、この 辺はどういう対応ですか。権利はこちらが持っているのでしょうかという質問 です。 ○小玉賃金福祉統計課長 このシステムは、あくまでも委託した民間事業者の ものでございます。もちろん、篠原先生がおっしゃったように、次は23年度の 入札になりますが、この事業者が手を挙げたけれども落札できなかったという ことになれば無駄になる。   事業者にとっては無駄になるところかもしれませんが、当方としてはとにか くその時点で最良の業者にお願いして、一定の精度の審査をしていただくとい うことが一番であるというふうに考えております。 ○廣松座長 今の点も大変大きな問題です。民間への委託という事業そのもの が矛盾するところでありまして、少なくとも民間事業者に対して入札という形 式を取るわけです。そうすると、そこには当然、特定の業者にずっと続けさせ るわけではないという前提が入っています。   ところが、今の審査の技術的なノウハウとか、そのためのシステムをつくっ た場合に、それらが果たして民間の方にちゃんと蓄積されていくかということ に関しては大変大きな問題があります。特にコストの面でいくと、業者が変わ る度に別々のシステムをつくるというのは、ある意味で無駄です。   それを回避する方法の1つの考え方として、今おっしゃった政府側がそのよ うなシステムを開発して、それを民間事業者に受託した統計調査に対応する形 で使ってもらうというやり方もあると思うのですが、今は残念ながらそういう 形になっていません。   政府では、統計調査に関して政府統計共同利用システムというのを開発して います。それがもう少し充実して柔軟性を持たせられるようなシステムになる と、受けた民間の事業者にそのシステムを使ってもらうというような方法も将 来的にはあり得ると思います。 ○小玉賃金福祉統計課長 ちょっと話がそれるかもしれませんが、説明が不十 分だったかもしれないので1点だけ補足をさせていただきます。   この事業者は、審査をプログラム上でシステムを組んでやるということで企 画書にも書いていて、それを一定の方式で技術点を付けて選んだわけでござい ますが、一般的には、あるいはこの業者を選ぶ際のほかの業者の提案等々を見 ますと、システムで審査をやるというのは少数派であろう。要領に従って目視 でやっていくというのが一般的であろうと考えております。この事業者が例外 的というふうにお考えいただければと考えます。 ○廣松座長 他にいかがでしょうか。   私個人の意見として、今回のこの調査の実施状況に関しては、3ページの方 にもありますけれども、厚生労働省の方で事業者に対して早期に目標を達成す るようにかなり指導をいただいたということを評価したいと思います。今まで いろいろな調査の実施状況やその報告を見ていますと、最後の段階になって目 標に達しない。そこで、慌てて人をどっと投入して、その分コストが大変かか って、結果的に赤字になるというケースが大変多かったからです。   今回は少し赤字ではありますが、そこはある程度厚生労働省側と、それから 民間事業者側との連携というか、コミュニケーションが比較的うまくとれてい て、最後のどたばたはなくて、最終的な有効回答率も上回ることとされていた 水準を達成できたというふうに評価できるように思います。   他に、この就労条件総合調査の実施状況に関して御意見、御質問等ございま せんでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、あと2つ資料が用意されておりますので、それぞれに関して御説 明いただきたいと思います。   まず資料2でございますが、「社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業 所調査の実施状況報告(平成21年度分)」に関して御説明をお願いいたします。 ○篠原社会統計課長 社会統計課長の篠原でございます。   それでは、資料2に基づきまして、社会福祉施設等調査、介護サービス施設・ 事業所調査の実施状況について御報告させていただきます。   冒頭、座長からお話がありましたとおり、この契約は平成21年から23年ま での3年契約で、その1年目についてはまだあと2年ありますので、1年目に ついては中間的に簡潔な報告ということにさせていただいておりまして、来年 には2年分を詳細に評価した上で御報告したいと思います。   それで、この2つの調査ですね。社会福祉施設等と介護サービス施設・事業 所調査ですが、社会福祉の方は保育所とか障害者施設等の現状といったものを 明らかにする。それから、介護サービスの方は、介護保険の施設とか事業所の やはり現状を明らかにするという調査でございまして、別の調査なのですけれ ども、契約としては1つの契約で実施をしております。   実際に委託した内容ですけれども、そこに書いてありますとおり調査関係用 品の印刷、調査票の送付、回収、受付、督促、照会対応、個票審査、データ入 力ということでございます。   もう一つ、その以前に名簿の作成というのが実施要項上あるのですけれども、 1年目は名簿の方は国が実施をしております。それは、その下の2番のところ で実施期間が平成21年8月17日からとなっております。これは、本当はもう 少し早く始めたかったのですけれども、1回目の入札が不調に終わりまして、 実施要項を改定の上、もう一度入札をしたということがありまして、実施のス タートがずれたということもありまして、名簿については22年、23年の実施と いうことになっております。   2番に「確保すべき対象公共サービスの質の確保の状況」でございます。   実施期間は今、申し上げましたように、21年度分については8月から3月の 末日までということでございます。   それから、事業者名ですけれども、株式会社インテージリサーチです。これ は、20年とは事業者が変わったということでございます。   回収率の関係が、その下に示してございます。20年までと21年で委託してい る内容が違います。20年の段階では、それまで国が直轄で郵送調査をしていた ものだけを民間委託するという形でしたけれども、21年からはそれまで地方自 治体に委託して実施していた分も国の郵送調査として引き上げた上で、全体を 市場化テストということで委託をしたということになります。   実施要項上、示された目標がそこに書いてありますとおり、これは全数調査 ですので目標は100%であるということでありまして、以下の回収率を上回らな ければならないということで、基本的には調査票ごとに80%を超えるというふ うに設定しております。平成20年に民間委託の実績があるところについては、 その実績を超えるということでございまして、具体的には障害福祉サービス等 事業所票の76.0%、それから居宅サービス事業所(福祉関係)票74.8%、これ を超えるように、上回らなければならないという水準として設定をしておりま す。   それに対する実績でございますけれども、ご覧いただきますとわかりますと おり、調査票によって幅はありますが、おおむね9割前後、90%台の後半まで いっているものもあります。こういう状況、こういう結果が出ているというこ とでございます。   そこに注記事項が幾つかありますけれども、回収率は12月末ですが、その後 に到着したものも若干ありますが、これが大きく動くほどのものがきていると いうことではございません。実績を大きく上回っているというところですけれ ども、20年の実績がないものについては単純になかなか比較するものがない。 それまで地方自治体に委託してやっていた段階では、それこそ98%とか、100% に近い数字が出ております。それは、もちろん地方自治体のいろいろな権限が あるとか、そういったことを背景にしているところもありますので単純な比較 はできません。   ただし、平成20年の実績のある障害福祉サービス等事業所票、居宅サービス 事業所票、この2つと比較した場合に、障害福祉の方は76.0%が87.9%、それか ら居宅サービスの福祉関係票については74.8%が89.2%ということで、ここのと ころは比較すると大きく上回っていると言えます。この要因は詳細にまた分析 しなければいけませんが、督促、それから照会対応がしっかりできたというこ となのではないかと考えております。   一番下に、3番の「対象公共サービスの実施に要した経費」ということでご ざいます。これは実際に支払った金額、3年契約ですので、その3年契約の全 体が4億5,000万円ほどでございますけれども、そのうちの1億5,000万弱を 21年度についてはお支払いをしたということでございます。   大変簡単ですが、以上でございます。 ○廣松座長 ありがとうございました。   これに関しましては、最初に申し上げましたとおり、まだ契約途中でござい ますので、とりあえず平成21年度分のみについてこういう形でまとめていただ いたということでございます。御質問、御意見をいただければと思いますが、 いかがでしょうか。 ○篠原委員 20年度を見ると76.0%ということで、就労条件総合調査の企業と 大して変わらないのですけれども、今度は10%ぐらい高いのですよね。何とな く直感的に言うと、こういう社会福祉とか介護というのは企業よりは小さいは ずで、手間は大変だから回答が少ないのではないかと、意外と管理というか、 こういう面が行き届いているから回答するのか。   先ほど、増えた部分には詳細に来年報告ということですけれども、この違い は何だと考えていますか。 ○篠原社会統計課長 一般企業に比べて高いかどうかというのはいろいろ評価 もあろうかと思うのですけれども、1つの要因としては、これは全数調査です。 それで、毎年の調査です。時期も毎年同じなので、そういう意味では毎年調査 が来るので、また来たと。   従来ですと、事業者にそれを自治体が、お願いしますと言って送ってくるな り、また事業者に持ってくるなりするわけです。それに対して事業者は、いつ もの調査ですねと言って答えるような形がある程度できているのかなというと ころもあります。   もちろん、一方で介護事業者とか、いろいろと書類ばかりで負担が多いとい う議論はありますが、ただ、そのくらい、行政に対する報告というのにある程 度慣れているのかもしれません。 ○廣松座長 よろしいでしょうか。他にいかがですか。 ○今田委員 ご説明のように事業者はこれまでに学習し、慣れている。だから、 今後時間が経過するとそれとともに公的な調査という枠が薄れていく。それに よって調査の回収率は下がっていくということが予想されますね。   そういう意味で驚異的な、本当に民間でやって90%超というのは大変な値だ けれども、これで安心するわけにはいかないということはありますね。民間が やるという観念に各事業所が慣れてくると。   もう一つは、新しく参入してくる事業者にとっては、そういう公的な調査が 従来行われていたというのは知らないわけですね。そういう意味では、今後の 問題としてはこのパーセントを維持するというのは、そう楽ではないかもしれ ないということです。 ○篠原委員 介護とか、この辺は規制が厳しくてすぐ取り消されるとか、これ が民間だったら余り関係なく、儲かっていればいいだろうという感じがある。 その違いというのはあるのでしょうか。いわゆるいろいろな規制とか、指導と か。 ○篠原社会統計課長 規制というか、もちろん介護保険法とか、福祉の関係だ とそれぞれ根拠になる法律がありまして、それぞれ指定だとか認可だとか、そ ういったものはあります。   ただ、では参入はないかと言えば、特に介護に関して言えば参入というのは 常にありますし、逆に撤退しているところもある。それは一般の産業に比べて 多いのか、少ないのか、何とも言えませんけれども、ずっと固定しているとか、 そういったことはないと思います。 ○篠原委員 ここまで言うと失礼かなという感じもあるのですが、この調査の 小さいところは、私などもある利用で、公民館とかですね。そういう意味で、 こういうデータは本当に実際とどのぐらい違うかということのチェックも一部 やるのでしょうか。   というのは、例えば公民館の利用などを見ていると、恐らく膨らましている なと。私たちが利用者で、例えば10人使ったら20人にするとかあるのですよ。 向こう側は多い方がいいから、実数を知っていても文句を言わない。そういう 都合のいい部分もあるので、本当に政策などのところは精度が高くないと間違 ってしまう部分があるので、その辺のチェックというか、ここまで言ってしま うと何だと言われそうな気もするのですけれども。 ○篠原社会統計課長 これ自体は統計調査でございまして、要するに一件一件 の、例えば公民館が役に立っているかどうかという話とは全然違いますので、 そういう意味では基本的には正直に書いていただいているのかなと思います。 それで、別に本当かなどというチェックは、審査の過程で書いていることに矛 盾があるとか、そういうときは別にして、正しいかどうかというチェックはい たしておりませんし、水増しをするメリットは何もないと思いますので、そう いうこともないのではないかと考えております。 ○廣松座長 よろしいでしょうか。   この調査の実施状況に関しては、確かに21年度は大変回収率が高くなってい て、これは大変喜ばしいことだと思います。ただ、先ほど御説明があったとお り、これからは名簿整備も民間の事業者にやってもらうということですので、 今、今田委員からも御指摘があったとおり、新規参入とか退出のとらえ方とい うのが結構重要なポイントではないかなという気がします。   その意味で、先ほどの就労条件総合調査のところで言うのを忘れたのですけ れども、こちらの方に関しては、民間事業者が自前の独自の名簿も使って調査 に役立てているということで、その点は評価すべき点だろうと思います。それ を参考に、この社会福祉施設等調査、それから介護サービス施設・事業所調査 に関しても、名簿整備のところで是非民間事業者の方のこれからの努力に期待 したいと思います。23年度以降でないと実績が出てこないわけですが、厚生労 働省側としても是非民間事業者とのコミュニケーションをよくして、円滑な実 施ができるように努力をお願いしたいと思います。   ほかに、西郷さんの方で何かございますか。よろしいですか。   それでは、資料1、資料2の2つの資料につきましての審議はこれまでとさ せていただきたいと思いますが、それぞれに関しまして特に強く修正を要する という御意見はございませんでしたので、この実施状況、平成21年度分に関し ては資料1、資料2の原案どおりということでよろしゅうございますか。 (委員 異議なし) ○廣松座長 ありがとうございました。   もちろん、先ほど委員の方々からいろいろ全般的な、あるいは統計調査一般 に関わる問題に関して御指摘をいただきました。その点については、厚生労働 省側の方でも十分認識をした上で、今後も是非この民間競争入札実施事業に対 応していただければと思います。   そのほか、何か御意見、御発言ございますか。よろしいでしょうか。   それでは、事務局の方から民間競争入札実施事業に関わる今後のスケジュー ルについて、御説明をお願いします。 ○岩崎企画課長 委員の皆様には、長時間にわたり御審議いただきましてあり がとうございます。   本日、御議論いただきました3調査の平成21年度事業の実施状況につきまし ては、この後、内閣府に提出をいたします。就労条件総合調査については、内 閣府作成の実績評価案により、入札監理小委員会、官民競争入札等監理委員会 にお諮りしていくことになります。   3調査の事業につきましては、実施要項策定に当たり、さまざまな御意見を 賜るところから始まり、本日、事業の実施状況を取りまとめるに至りましたこ と、事務局より改めて委員の皆様、関係各位に対し、厚く御礼を申し上げます。   今後のスケジュールでございますが、資料3にございますように、就労条件 総合調査につきましては23年度以降複数年契約に向けた実施要項案を作成いた しまして、23年2月ごろを目途に本検討会にて御審議いただく予定といたして おります。   また、3調査の平成22年度の実施状況案につきましては、23年3月末以降に 取りまとめを開始し、今回と同時期になりますが、6月ごろ御審議いただくこ ととなりますので、各委員におかれましては引き続き審議への御協力方、よろ しくお願い申し上げます。 ○廣松座長 ありがとうございました。   今、御説明がありましたとおり、就労条件総合調査に関してはこれから実施 要項案を作成するという作業が待っているということです。それに関しまして は、でき上がり次第、またこの検討委員会で御審議いただきたいと存じます。   これはちょっと余計なことですけれども、ここで審議したものを、今ござい ましたとおり内閣府の入札監理小委員会の方に提出する ことになります。私はそちらにも関係しているのですが、かなり数が増えてき たこと、かつ、実施要項に関してはほぼどういうものを盛り込んでどういう情 報を開示すべきかということに関して、ほぼ定型の形ができたというような評 価をしておりまして、これから2期目、3期目で出てくるものを今までどおり 一々審議をするのはもう大変だねというような雰囲気もございます。   そういう意味で、この検討会で十分詰めたものであれば、入札監理小委員会 の方で、例えば持ち回り審議というような形の審議の方法に変えるようなこと もあり得るという状況です。   本日の審議に関しましては以上でございます。   それでは、少し予定していた時間よりも早目ではございますが、本日の「第 7回社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業所調査及び就労条件総合調 査の評価に関する検討会」をこれで終わらせていただきます。   どうも御協力ありがとうございました。 照会先 厚生労働省 大臣官房統計情報部 企画課 統計企画調整室 電話 03-5253-1111(内線7378)