10/05/26 第1回石綿による疾病の認定基準に関する検討会議事録 第1回石綿認定基準検討会議事録(平成22年度第1回) 1 開催日時及び場所   開催日時:平成22年5月26日(水)午後4時〜午後6時   開催場所:労働基準局第1・第2会議室 2 出席者 参集者:岸本卓巳、三浦溥太郎、宮本顕二、森永謙二 厚生労働省:尾澤英夫、田中誠二、神保裕臣、渡辺輝生、幡野一成、柘植典久他 3 照会先  厚生労働省労働基準局労災補償部  補償課職業病認定対策室  (電話) 03(5253)1111  (内線) 5571 4 議事内容 ○柘植中央職業病認定調査官 定刻となりましたので、第1回石綿による疾病の認定基準に関する検討 会を開催したいと思いますが、検討会を開催する前に傍聴されている方にお願いがあります。携帯電 話などの電源は必ず切るか、マナーモードにしていただくようお願いします。そのほか、別途配付し ております留意事項をよくお読みの上、会議の間は、これらの事項を守って傍聴していただくようお 願い申し上げます。万一、留意事項に反するような行為があった場合は当会議から退室をお願いする ことがありますので、あらかじめご了承ください。  これより、第1回石綿による疾病の認定基準に関する検討会を開催いたします。本日は、大変お忙し い中、お集まりいただき感謝申し上げます。  まず、最初に本検討会にご参集いただきました先生方を五十音順にご紹介させていただきます。岸 本卓巳先生、三浦溥太郎先生、宮本顕二先生、森永謙二先生、なお、審良正則先生につきましては、 本日の検討会についてご欠席のご連絡をいただいております。  続きまして、事務局を紹介いたします。労災補償部長の尾澤です。補償課長の田中につきましては、 いま所用ではずしています。職業病認定対策室長の渡辺です。補償課長補佐の神保です。職業病認定 対策室長補佐の幡野です。職業病認定第二係長の斉藤です。なお、私は中央職業病認定調査官の柘植 と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  石綿による疾病の認定基準に関する検討会の開催に当たり、尾澤労災補償部長から挨拶をさせてい ただきます。尾澤部長よろしくお願いいたします。 ○尾澤労災補償部長 本日は、第1回石綿による疾病の認定基準に関する検討会に、先生方には大変お 忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。また、日頃より私ども労働基準行政に 関する労災補償行政の推進に当たりまして、格別のご理解、ご支援を賜っていますことを、この場を お借りして御礼申し上げたいと思っています。  さて、石綿による中皮腫や肺がんをはじめとする疾病につきましては、平成17年以来、大変な問題 になっているところでして、行政においても石綿による健康被害の問題、また、その対応については 行政上の非常に重要な課題ということで、現在も対応させていただいています。それ以来、石綿救済 法等々できてまいりましたけれども、今般も石綿救済法の中で中皮腫、肺がん以外の疾病、石綿肺、 びまん性胸膜肥厚について対象疾病に追加するという環境省の動きがあります。また、厚生労働省の 中の安全衛生部におきましても、じん肺法におけるじん肺健康診断のあり方について最新の医学的知 見等を踏まえた見直しの検討が行われ、それぞれにおいて今年の7月1日から実施される見込みになっ ています。  そうした中で、石綿による労災の認定の問題につきましては、平成17年の際にも専門家の先生方に お集まりいただきまして、石綿の疾病の認定基準の改定を平成18年2月に行ったところです。これに 基づき、現在も労災の認定をしているところですが、その後、4年進んでいる状況の中、また、先ほど 申し上げましたような石綿健康被害を取り巻く対応の変化が見られる中で、労災認定につきましても、 最新の医学的知見を踏まえて見直す必要があるのではないかと考えていまして、今回はその中で特に 肺機能検査の方法について至急検討を行っていただきたいと考えています。  また、その後におきましても現行の労災の認定基準全般にわたり、専門的見地から検討をお願いし たいと考えていますので、先生方には大変お忙しい中でございますけれども、是非、忌憚のないご意 見をお願いしつつ、また結論を取りまとめていただきますよう、よろしくお願い申し上げまして、検 討会の開催に当たり冒頭ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○柘植中央職業病認定調査官 続きまして、本検討会の座長を選出していただきたいと思います。ご 推薦いただけないでしょうか。 ○三浦委員 前回の検討会の座長をされました森永先生が適任だと思います。 ○柘植中央職業病認定調査官 ただいま森永先生に座長をというご意見がございましたが、いかがで しょうか。 (異議なし) ○柘植中央職業病認定調査官 森永先生、よろしくお願いします。大変申し訳ありませんが、森永先 生には座長席に移動していただくようお願いします。 ○森永座長 今回の石綿による疾病の認定基準に関する検討会の座長を務めさせていただきます森永 です。前回の平成18年2月のときの取りまとめについても座長を務めさせていただきましたので、引 き続き最新の知見に基づいて、また厚生労働省と環境省と同じ基準でやるべきだという意見がありま すし、そういう経緯を踏まえて、今回、検討したいと思います。議事に入ります前に配付資料の確認 からお願いします。 ○柘植中央職業病認定調査官 資料確認の前に傍聴なさっている方にお願いがあります。写真撮影等 される方はこれで終了ということでよろしくお願いします。  それでは、資料の確認をお願いします。本日の資料ですが、まず資料1として、「石綿による疾病の 認定基準に関する検討会」の開催要綱です。資料2は「びまん性胸膜肥厚の肺機能検査について」の論 点です。同じく資料2ですが、横表のパワーポイントのものですが、「呼吸機能障害の判定方法のポイ ント」です。資料3は中央環境審議会報告書の「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え 方について」です。資料4は「じん肺法におけるじん肺健康診断等に関する検討会報告書」です。資料 5は「石綿による疾病の認定基準について」です。資料6は「石綿ばく露労働者に発生した疾病の認定 基準に関する検討会報告書(抄)」で、抜粋版です。資料7は「石綿による健康被害に係る医学的判断 に関する考え方報告書(抄)」で、抜粋版です。資料8は「石綿による疾病に係る臨床・病理・疫学等 に関する調査研究の報告書(抄)」で、抜粋版です。資料9は「労災保険法に基づくびまん性胸膜肥厚 に係る保険給付の請求・決定状況等」です。資料番号を振っていませんが、英文のHelsinki criteria の報告書、Consensus reportを入れさせていただいています。以上ですが、資料等の不足はあります か。よろしいですか。以上でございます。 ○森永座長 議事次第に沿って進行していきます。まず議事のア「びまん性胸膜肥厚の肺機能検査に ついて」、事務局から説明をお願いします。 ○幡野職業病認定対策室長補佐 まず、資料1から5まで説明させていただきます。  現在、びまん性胸膜肥厚につきましては、石綿による疾病の認定基準について、資料5の4頁の上の ほうに5として「びまん性胸膜肥厚」とあります。認定要件ですが、アとして「胸部エックス線写真 で」ということと、さらに「著しい肺機能障害を伴うこと」、それと従事歴を認定の要件としていま す。ここでいう「著しい肺機能障害」は、4頁の一番下ですが、第3の2のイで「上記」の「著しい肺 機能障害を伴うこと」につきましては、「じん肺法第4条でいう著しい肺機能障害と同様であること」 と規定しています。これで平成18年以来ずっと認定作業を行ってきたところですが、この度、部長か らの挨拶にもありましたけれども、環境省で石綿による健康被害の救済に関する改正と施行令の一部 を改正する政令ということで、この法令の対象疾病として、この度7月1日から著しい呼吸機能障害を 伴う石綿肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚ということで改正予定とされているところ です。そこで、これら著しい呼吸機能障害ということがここで定義されていますが、資料3の中央環境 審議会の救済制度のあり方の答申の4頁で、著しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方が示さ れています。ここで示されていますのは、石綿肺の呼吸機能障害は、基本的にびまん性の間質の線維 化に伴う拘束性障害であるということで、%肺活量が大きく低下している場合に著しい呼吸機能障害 があるものと判定すると。  続きまして、また書き以降ですが、「%肺活量が一定程度低下している場合には、閉塞性換気障害 や低酸素血症の状態を考慮して判定することが必要である」とされております。そこで、びまん性胸 膜肥厚についてですが、この答申の6頁の4番で「著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚にかか ったことを判定するための考え方について」という項が設けられていまして、7頁の(3)ですが、「著 しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方」で、びまん性胸膜肥厚による呼吸機能障害は拘束 性障害であることから、3(3)、すなわち先ほど申し上げました石綿肺で示された考え方と同様に扱う こととするということで答申されています。それを受けまして、私どもはその辺を考えていかなけれ ばならないだろう。  続きまして、じん肺法です。資料4、じん肺法におけるじん肺健康診断等に関する検討会報告書につ きましては、最新の医学的知見を取り込んだ形で改訂していくこととされています。その中で、5頁以 降が肺機能検査について示したものです。「肺機能検査の項目について」というものが(1)として6頁 にあります。じん肺の肺機能障害につきましては、「線維性増殖や気腫性変化を主体として拘束性障 害及び閉塞性障害をきたす」ということで定義され、それに基づいた判定方法が示されています。  それを取りまとめたのが資料2の横の表になっているものです。石綿健康被害救済制度における環境 省の呼吸機能障害の判定方法のポイントですが、こちらは答申にありましたとおり、拘束性障害に着 目して(1)で%肺活量が60%未満である場合、(2)として、60%以上80%未満、一定の拘束性障害があ る場合の判定の2つになっています。また、2番はじん肺法とも共通ですが、「肺活量の基準値の予測 式について日本人データを使用」となっています。現在、私どもの労災の認定につきまして、よって いますじん肺法4条の健康診断は外国人データを基とした予測式を使っているところですが、ここでは 日本人データを使用することとしています。  じん肺法における呼吸機能障害の新しい判定方法のポイントですが、(1)%肺活量が60%未満の場合 ということで、拘束性障害によっているものです。(2)ですが、1秒率が70%未満、かつ、%1秒量が 50%未満である場合は閉塞性の障害での機能障害を見ていると。(3)が[1][2][3]プラス血液関係の検査に よるとしていまして、主にはびまん性胸膜肥厚ですと肺活量ですので、[1]%肺活量が60%以上80%未 満であって、なおかつ血液検査の結果の限界値ということで判断するというところです。現行につき ましては、先ほど申し上げたとおり、肺活量基準値の予測式が外国人データとなっています。  それぞれ採用した場合の長所と短所を私ども事務局で簡単に取りまとめたものが、それぞれの右側 にあります。  石綿健康被害救済制度における呼吸機能障害の判定方法を取った場合ですが、これは最新の医学知 見に基づくことになるということです。先ほど申し上げましたとおり、答申でも示されていますが、 拘束性障害であるびまん性胸膜肥厚の病態に適合する判定方法となる。それと同時に、私どもの労災 補償の制度と石綿健康被害救済制度と同じ判定方法となることが言えるかと思います。短所といいま すか、これを取った場合、生ずる可能性があるのではないかと思われるものですが、%肺活量が80% 以上あると著しい肺機能障害と判定されなくなるということが1つあります。それと、先ほど申し上げ た新じん肺法における肺機能障害の判定方法ですが、これと若干異なる判定方法となるということで す。  じん肺法における肺機能障害の判定方法を取った場合ですが、報告書で取りまとめられました最新 の医学的知見に基づくものであるということが1つ。それと、従来と同様、%肺活量が80%以上でも 著しい呼吸機能障害と判定され得るものとなるということが1つあります。これを取った場合には、じ ん肺法上のじん肺と同じ判定方法となるということがあります。一方、拘束性障害でありますびまん 性胸膜肥厚の病態に適合しない面が見られるのではないかと考えられるところです。さらに、この方 法を取りますと、石綿健康被害救済制度における救済方法と労災保険の認定とで異なった判定方法と なるということになってこようかと考えています。  さらに、3つ目でありますが、現行のじん肺法における肺機能障害の判定方法をそのまま続けていっ た場合ということも一応考えていますが、特段メリットは見られない。一方は、環境省にしろ、じん 肺法の改正にしろ、それぞれの最新の医学的知見が示されていますので、それに基づかない判定方法 となってしまう。また、現在の予測値は外国人データを使用していまして、検査に当たり日本人デー タを使用することになりますと医療機関も当然、それに基づいた形でやられていく。これは、呼吸器 学会等のほうからもそういったものが出ているようですので、それをもとにしてさらに現状で外国人 データということになりますと当然、医療機関の混乱も考えられるとすると、認定の作業で遅滞等も 考えられるのではないかということが挙げられようかと思っています。  それをまとめましたのが資料2の1枚目でして、論点として整理させていただきますと、びまん性胸 膜肥厚が業務上疾病として療養の対象となる要件として、石綿による認定基準(平成18年版)におい て「著しい肺機能障害を伴うこと」を要件としています。この「著しい肺機能障害」は、現在じん肺 法第4条でいう著しい肺機能障害と同様としていますが、先ほど冒頭で申し上げましたとおり、環境省 のほうの石綿救済法の改正及びじん肺法における肺機能障害の測定方法の変更といった最新の医学的 知見に基づきましたものが出ていますので、私どもも業務上疾病として療養の対象となりますびまん 性胸膜肥厚の「著しい肺機能障害」の判定方法につきまして、救済制度における環境省の呼吸機能障 害の判定方法、[2]見直しが行われましたじん肺法における肺機能障害の判定方法、[3]その他の判定方 法のいずれとすべきかが論点になろうかと思っています。  さらに申し上げますと、蛇足的でありますが、環境省、じん肺法共に7月1日からということですの で、開催要綱の検討事項では本日行っていますびまん性胸膜肥厚の肺機能検査についてが1番で、2つ 目として、医学的事項に関する検証ということですが、肺機能検査についてのものをまずここでお願 いしたいところです。以上、事務局からの説明です。よろしくお願いします。 ○森永座長 事務局から資料について説明がありましたが、それに対して何か質問はございますか。 追加することはありますか。 ○岸本委員 もう十分だと思うのですが。 ○宮本委員 確認したいのですけれども、資料の2の2枚目で「見直しが行われたじん肺法における判 定法のポイント」の「見直しが行われた」というのは、これは過去形ですけれども、もう確定と考え てよろしいのですか。 ○幡野職業病認定対策室長補佐 見直し自体は報告書まで出ていまして、いろいろと行われているの ですが、施行といいますか、実施は7月1日です。 ○柘植中央職業病認定調査官 今、パブリックコメントをやっているところです。 ○森永座長 では、先生方のご意見をお伺いしたいと思うのですけれども、外国人の予測値を日本人 に変えようというのは、我々がむしろ言ってきた話だから、もういいですよね。 (異議なし) ○森永座長 やっとこうなったというのがむしろ現実なので、よろしいですよね。では、どちらを採 用するか、あるいは別の方法を採用するかということになりますが、現実的には7月1日に間に合わせ るということを考えると、どちらかを採用するのが望ましいことになるのかと思うのです。それぞれ の委員の先生方のご意見をお伺いしたいのですが、環境省で議論になったことがあると思いますので、 その話も含めて、そのときの委員である三浦先生と岸本先生からそれぞれご意見をいただけたらと思 います。 ○三浦委員 びまん性胸膜肥厚は、拘束性障害を基本とした肺機能障害であるということが議論の結 果、そこがスタートになりました。従いまして、最低でも%肺活量が正常未満ということで、%肺活 量が80%未満が対象となる。原則は、今までどおり著しい肺機能障害を呈するときに拘束性障害の基 準になっていました、%肺活量が60%未満。これは無条件でそのまま。それにプラス、多少閉塞性障 害が加わるとか、あるいは特に動くと苦しいという方がおられますので、そういったことを勘案した 上で血液ガスの値が、必ずしも%肺活量が60%未満でなくても正常でない%肺活量であれば閉塞性障 害、または低酸素血症によるものを追加するという考え方でまとめられました。 ○岸本委員 実は、びまん性胸膜肥厚を救済すべきかどうかというところで私は反対をしたのですけ れども、これが救済の対象になりました。私自身は、びまん性胸膜肥厚で労災認定された症例は非常 に少ないことは事実ですので、もっと全国調査をきちんとやった上で、その上で救済はすべきだと申 し上げました。救済法のところで議論にはならなかったのですが、びまん性胸膜肥厚はいま三浦委員 がおっしゃられましたように臓側胸膜の病変で壁側胸膜と癒着してきます。もともとは肺実質の病気 ではなくて臓側胸膜の病変が主体であることになるので拘束性障害、通常は横隔膜の動きが悪くなる ことになりますから拘束性障害で見ようということで、%肺活量が60%ということが基準になったの ではないかと思っています。  じん肺法は、もともと肺実質の病気ですから、肺が主体で胸膜病変があろうとなかろうと、肺実質 の障害で呼吸機能が悪くなったものを認定基準として認めましょうということになっていますので、 びまん性胸膜肥厚とじん肺を同じように考えないほうがいいのではないかと思っています。今、60% から80%までの軽い障害がある人を、血液ガスでPaO2が60Torr未満とかAaDO2が開大しているという ことで救うことになっているのですけれども、びまん性胸膜肥厚にその基準を入れることになると、 肺が悪い人を助けることになるのではないのかと思っています。そうすると、たばこを吸った人は肺 に障害があるので、60から80%で、%1秒量が50%未満になりやすい。たばこを吸ったことのない人 は、肺実質に障害がそれほど起こっていませんので、他の粉じんを吸っていないと仮定した場合です から、喫煙者を過剰に救ってしまうのではないのかというところだけに疑問を持っています。基本的 に日本人の基準のデータを用いて%肺活量60%未満ということでいいのではないかと思っています。 石綿肺とびまん性胸膜肥厚の著しい肺機能障害が同じような形になってしまうのがいいのかどうか、 その辺は私は疑問かと思っています。 ○森永座長 ここは救災関係の話と別に労災の話で議論していますので、その辺の意見は、向こうの 会議で先生、どうぞおっしゃっていただいて。呼吸機能の日本呼吸器学会でまとめたものがベースに なっていると思うのですが、宮本委員、何か意見はございますか。 ○宮本委員 日本人のデータを使うというのは当然のことだと思います。今までのBaldwinの式は日本 人の式に比べて予測値が小さくなるため、申請者にとっては非常に厳しい判定になりました。今まで 非常に苦しい人が救済されなかったのが、これによってやっと正常な状態になると思っています。  ただ、2番目のびまん性胸膜肥厚の肺機能検査については、じん肺法第4条でいう「著しい肺機能障 害と同様としている」という項目が少しひっかかります。びまん性胸膜肥厚だけであれば岸本委員が 言われたように胸膜だけの肥厚ですから、%肺活量の低下で、閉塞性障害は本来あまり出てこないも のがあります。じん肺法の基準では、閉塞性障害の方は、対象者はヘビースモーカーが多いですから、 そういう方で、かなり肺気腫の方もいくぶん救済に入ってしまうような感じで書かれていると思うの です。そのまま入れてしまうと、このびまん性胸膜肥厚、純粋の医学的な障害プラス喫煙の障害が入 ってしまうというのを少し危惧します。  ただ、それは考え方であって、やはり苦しい人は入れるべきだという考えであれば、あえて反対し ませんが、医学的には%肺活量が60%未満というのが、一番良いのかなという気がします。しかし、 あえて閉塞性障害を入れても、その対象者が限られているのであれば、考慮してもいいかなという気 はいたします。  3番目に、環境省のものには呼吸困難のほうをあえて入れませんでした。検討したときには、今は Hugh-Jones分類は使っておりませんので、MRC息切れ分類を使ったのですけれども、この環境省の石綿 肺の基準で、呼吸困難が高度の4度から5度の方は、十分これに該当したということも検討しました。 そういうこともあって、あえて非常に曖昧な表現は避けてもいいのではないかと、この判定の中に呼 吸困難を入れなかったというように理解しています。私個人の考えなので、正しいかどうかは別とし て、そのように理解しています。 ○森永座長 委員の先生方は、石綿のびまん性胸膜肥厚は拘束性の障害だから、原則%肺活量で見れ ばそれでいいではないかという意見ですね。事務局のほうで、Helsinki criteriaというConsensus reportを用意していただいていますが、313頁にちょうどそのことが書かれています。313頁の左側の Mesotheliomaの上がびまん性胸膜肥厚の記述になりまして、ここでも“restrictive pulmonary function defects”ということと、“higher exposure levels may be required”というような表現 が書かれていますので、皆様方が言っている話は、世界的に共通の認識であると。石綿によるびまん 性胸膜肥厚は、%肺活量は落ちるのだということですが、環境省の(2)はどのような理由で入ったのか ご存じですか。 ○三浦委員 実は%肺活量だけでいくというのが私の意見だったのですが、やはりかなり息切れのひ どい人もいるというところで、閉塞性障害の部分を加味してもいいのではないかというディスカッシ ョンになりました。最終的には画像上明らかにびまん性胸膜肥厚が認められるのであれば、結果的に は多少%肺活量が60%を超えていても、それによるものと見なしてもいいので、救済だからいいので あると。救済だからという文言が確かディスカッションの際にあったと思います。そうですよね。 ○岸本委員 三浦委員のおっしゃるとおりで、救済法は医学的な見地をないがしろにするとは言いま せんが、すべて救済という言葉で記録しようという話で、三浦先生と私は%肺活量は60%でと医学的 に言ったのですが、そうではない方もいらっしゃって、そちらのほうを広げてあげると救済される人 が多いという話になって、石綿肺と究極的には同じになってしまったということだと思います。  ただ、医学的に言うと、お三人の先生方がおっしゃられるとおりで、びまん性胸膜肥厚は肺実質の 障害は問わないし、むしろそれに著しい呼吸機能障害をきたすほどの病気というのは起こらない。む しろ胸膜の癒着だけということなので、そこをどのように皆様方がお考えになられるかというのが、 今日のメインイベントかなと私は思って参りました。 ○森永座長 まあ大変ですね。%肺活量で本当はいくべきですよね。 ○宮本委員 メインイベントかどうかわかりませんが、先ほどの、なぜ閉塞性障害のものが基準に入 ったかという、1つの根拠に追加したいのですが、一応石綿肺でも閉塞性障害が起こるという論文もあ りましたので、そういうことを加味して入れたというのが、(2)の[1]です。  それから、(2)の[2]のPaO2が60Torr以下というのは、%VCが60を少し超えても、低酸素の方がおら れます。やはり低酸素というのは、生体にとって非常に有害なもので、呼吸不全の定義でもあります。 そういう意味でPaO2が60ということを入れたということはあります。 ○森永座長 びまん性胸膜肥厚は進行しますね。そこのところが大事な話になると思いますので、% 肺活量が80未満であればという議論は、まあまあかなという考え方もあるのではないかと思います。 その辺は意見はないですか。いわゆるほかのじん肺と一緒にこのびまん性胸膜肥厚を取り扱うという のは基本的にはよくない、という意見は全員一致したという理解でよろしいですね。 (異議なし) ○森永座長 それは昔から瀬良先生が言っていたことなのですが、つまり、資料2の下のほうは採用し ないという意見は、皆さんの賛同は得られたというように取りまとめたいと思います。  それから、原則として、いずれも著しい呼吸機能障害を取るかということで、(1)と(2)を2つ立てた。 (2)は要らないのではないかと、こういう意見ですよね。だけれども、ゆくゆくは悪くなっていくこと を考えると、(2)を入れてもいいのかなという考え方もありますよね。 ○岸本委員 (2)も入れてみて、その辺りの追跡調査をして、どうなのかということを見ても私はいい のではないかなと思うのですが。どちらで労災補償されている方が多いのか。そういう方々の経過を 見て、どのようになっていくのか。いずれ%肺活量が60%を割るようなことになっていくのであれば、 早い時点から補償しておくというのも、リーズナブルだと思います。そういう意味では、びまん性胸 膜肥厚は、先ほど申しましたように、日本ではそれほど補償されておりません。この病態もよくわか っていませんので、そういう面で医学的に追跡をしていくということであれば、意義があるのではな いかなと思うのですが。 ○三浦委員 やはり問題は閉塞性障害の部分をどう考えるかということで、(2)のうちの動脈血酸素分 圧については低いものがありますので、それは補償の対象にしたほうがいいと思います。やはり閉塞 性の部分、(2)の[1]のほうが問題で、これは大部分がたばこ肺になると思います。昔のじん肺ですと、 じん肺だけでもこういうことが起きたわけですが、びまん性胸膜肥厚だけではこういうことはまず、 病理学的にといいますか、生理学的には起きてこないことですから、ここをどう考えるか。走ってか ら元に戻すか、この辺は曖昧にしておいて、あとからデータが揃ったら認めるかということで。 ○岸本委員 たぶん救済はこうですから、労災と救済の基準を変えるというのは問題になるし、この 認定基準を一応認めておいて、なおかつそういう方に関しては、補償されて療養されるわけですから、 その経過を追うことを条件としていただけるといいのではないかなと思います。確かにじん肺法も粉 じんによって閉塞性障害がくるということになっていますが、その中のかなり多くの人はたばこも吸 っていまして、たばこの因子を完全に外しているわけではないので、そういう観点から見ると、両方 認めてみる。ただ、三浦委員がおっしゃられるように、びまん性胸膜肥厚だけで閉塞性障害がくると いうことは医学的にはないわけなので、それはそうなのですが、日本のびまん性胸膜肥厚の症例は非 常にマイナーかもしれませんが、どういう方がどうでどうなのか、実は医学的にほとんど検討がなさ れていなくて、日本語の論文も出ていないような現状なので、私はもっと医学的に明らかにするとい うことも含めて、救済法と同じような形でと思ってやってまいりました。以上です。 ○森永座長 認定基準というのは、労災でもいろいろな情報を総合的に、最終的に判断するというこ とでやっていますよね。そうではなかったでしょうか。 ○渡辺職業病認定対策室長 そういう部分もありますし、この数値を満たさなければ駄目というよう な基準になっているものもあって、なかなか数値だけでは決められない部分があるという場合には、 ほかの要素も総合的に考慮して判断するというような書き方になっています。両方あります。 ○森永座長 基本的には救済法もこの基準をとりあえず採用するということで、ただし、たばこの影 響はどうしても、特に閉塞性の場合は無視できないのは事実ですし、一定のCTを撮れば、その部分の 評価もある程度できますので、やはり画像も含めて総合判断をするというのが本当は必要なのではな いかなと思うのですが、どうなのですか。 ○岸本委員 座長のおっしゃるとおりだと思います。 ○森永座長 ただ単に肺機能の数値だけをストレートに当てはめるというのは、機械的すぎてあまり よくないのかなと思いますが。とりあえず呼吸機能のことをまず急いで決めなければいけないという 状況ですから、大体救済法の呼吸機能障害の判定の方法を参考にしつつ、次回までに案を取りまとめ るということでよろしいでしょうか。 ○宮本委員 ちょっと追加でいいですか。先ほどの救済法の%肺活量が60%以上80%未満を入れたも う1つの理由は、例えば%肺活量が61%とか62%でぎりぎりの人が何人かいたのです。そういう人を 調べるとかなり悪い人がいて、やはり60%できっちり切ると、そういう方が救済されないということ もあって、60%から80%の幅の方を救済しようということになりました。ただ、医学的には60%未満 でいいのですが、61%や62%とかそういう方を考えると、何かそういうものを入れるべきかなと。そ うすると、今の救済法のような形も考慮しないといけないのかなという気もいたします。 ○岸本委員 よろしいですか。私もたくさんこういう症例を見ていまして、実際に呼吸困難度も強く て、息切れもかなりの程度なのですけれども、肺機能検査をやるといった場合、一生懸命やるのです。 ちょっと手を抜けば60%を切るのに、一生懸命おやりになるので68%とか65%になって基準を満たさ ないというような方もいらっしゃるのです。80%近いものについては私もどうかと思うのですが、70 %を切るような方では、確かに血液ガスが悪い方もいらっしゃるので、そういうことを加味してとい うことで、この案を中心に検討いただければと思います。 ○渡辺職業病認定対策室長 いまの関連で質問があるのですが、環境省のほうの資料3、4頁の(3)のな お書きで、「なお、これらに係る判定基準をわずかに満たさない場合であっても」というのが、いま 先生方がおっしゃったことの意味かなと思っているのですが、わずかに達しないというのは60%に達 しないということなのか、それとも最終的に80%にわずかに達しないということまで意図したものな のかということです。80%をちょっと超すという人もこの基準を満たすというように考えるのだろう なと私は読んだのですが、意図していたことはどういうことなのでしょうか。 ○森永座長 二人の委員の方。 ○岸本委員 これは宮本先生が言われた61%とか、そういうところで。 ○渡辺職業病認定対策室長 そうすると、例えば80%未満ですから、ちょうど80%というのは、これ は満たさないということで駄目と考えていると。いま岸本先生は、80%に近いのはもう駄目というよ うなおっしゃり方をされたのですが。 ○宮本委員 私のほうから答えさせていただきますが、60%から80%は大きく救う。その中で[1]と[2] があって、かなり絞り込むと。絞り込むときに、例えば%肺活量が61%の方に対しては総合的に判断 するということで、%肺活量が81%とかそういう方は論外。例えば79%であっても、[1]と[2]を満たす 方はまずないと思います。ですから[1][2]で厳しく判定するときに、余裕をもって総合的に判断しよう ということですので、あくまで60%から80%は大きく救って絞り込もうということです。 ○渡辺職業病認定対策室長 ありがとうございました。 ○森永座長 現場では61%だから業務外というようにはしてきていないと思いますよ、我々の経験か ら言いまして、きちんと肺機能検査ができていた場合は、61%だから業務外だということではなく、 業務上にしていますよ。そういう意味では、総合的な判断は非常に大事なのです。そういうところも 少し考慮した表現でまとめるほうがいいかなと私は思います。ですが、石綿のびまん性胸膜肥厚はじ ん肺とは違うので、基本的には石綿健康被害救済制度の考え方でいいということで、著しい呼吸機能 障害も大体その形に沿ってまとめていくということで、皆様方のご意見は大体そういう話だったので、 今日の議論を踏まえて、私と事務局のほうで報告書(案)を作って、次の検討会に提出したいと思い ますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○森永座長 では今日は議論としてもこの辺りで。 ○渡辺職業病認定対策室長 もう1点だけ。本質的な問題ではないのだろうと思うのですが、機能障害 の名前が、環境省のほうでは「呼吸機能障害」という言い方をし、じん肺法のほうは「肺機能障害」 という言い方をしているのですが、これは意味が違うということではないのだろうと思うのですが、 どちらを使うべきなのかというのがちょっと。 ○宮本委員 実はそれも話題になったのですけれども、昔は「肺機能」という言い方をしていたので すが、最近は「呼吸機能」というのが呼吸器学会の中では一般的になりました。時代の流れに合わせ ようということで、環境省の救済は新しく作るということでありましたので、あえて「呼吸機能」と いうことを提案させていただいたという経緯があります。そのことも議論になって、あのときの委員 会でもどちらかということは問題提起して、「呼吸機能」を使いたいということにした経緯がありま す。中身は全く同じです。今の時代の流れとして、「呼吸機能」という言い方になっています。 ○岸本委員 昭和35年のじん肺法では「呼吸機能」と書いてありません。法律の文言は「肺機能」と なっております。これは改めることができないだろうということで、じん肺法の労働衛生課のほうの 委員会では、法律の文言が「肺機能」になっているのです。今、宮本先生が言われた「呼吸機能」と いう言葉が一般的ですが、「肺機能」となっています。 ○神保補償課長補佐 1点だけ質問です。次のときにまとめるということの関係で、環境省の資料3の 6頁の4の(1)、びまん性胸膜肥厚の総論で、びまん性胸膜肥厚であるか否かとその重症度の評価とい うのは、胸部CT写真を含む画像所見、呼吸機能検査所見といった情報をもとに、総合的に行うことが 必要であるというようなことが書いてありまして、先ほど座長がおまとめになったものも、このよう なことだと理解したらよろしいのでしょうか。 ○森永座長 そうですよ。画像所見も大事になってきますし、やはりある意味肋横角がつぶれている というのは、1つの大きな要素になると思いますので、そういうことも含めて判定していかないといけ ないということは事実です。ただ、ここはそこのところの詰めができていないといいますか、びまん 性胸膜肥厚については平成15年に指定疾病に追加したわけですが、やはり著しい肺機能障害をもたら すこと、重症例については間違いないので、そういう人たちは補償の対象にしましょうという議論に なったときに、では著しい肺機能障害とは何なのだというときに予測値の問題が出たわけです。それ は補償課の範疇ではない、労働衛生課の範疇だから言えなかったわけです。触れることができなかっ たから、ずっとここまできているわけですから、今回そこのところは直すということですが、拘束性 の呼吸機能障害をもたらすということは、確かにHelsinki criteriaのConsensus reportにも書いて ありますが、いくつかイギリスの認定基準についての報告もありますので、そういう報告も取りまと めて、次回の報告書では出すほうがいいのだろうなと思います。  18年度の認定基準の改正のときは、言い訳になりますが、大変短期間の間に救済と労災と一緒にや ったと。そういうときですから、正直言いまして、石綿肺やびまん性胸膜肥厚まで検討できる時間も 十分なかったわけです。ちょうど改めて検討する機会になったので、ここは呼吸機能だけでなく、画 像も含めてもう一度きちんとやっていったらいいと思うのですが、行政の足並みという問題もありま すから、とりあえず7月1日までに動かなければいけないということは理解していますので、石綿の健 康被害救済の考え方をそのまま準用するというか、そういう形に取りまとめていくという、委員の先 生方もそういう意見でいいということですので、次回までに報告書(案)を取りまとめたいと思いま す。  次回について事務局のほうからお願いします。 ○柘植中央職業病認定調査官 次回の検討会ですが、6月22日(火)の5時半から開催させていただ きたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○岸本委員 「その他」というのがあったので、一言だけよろしいですか。実は、平成15年のときの びまん性胸膜肥厚の検討会に15例の症例が出ていたのは、私と三浦委員の症例です。びまん性胸膜肥 厚の考え方なのですが、良性石綿胸水の後に発生することが多いということもわかっているのですが、 びまん性胸膜肥厚という、胸水が全くなくなって胸膜の肥厚だけになる症例も確かにあるのですけれ ども、そうではなくて、年余にわたって胸水が貯留して器質化してしまって、典型的なびまん性胸膜 肥厚にならない症例があります。我々の機構本部でやっている確定診断委員会でもそういう例があり ます。そういう例が呼吸不全でなくなってしまうということも我々は経験をしていまして、画像上の 基準は今回の検討には入っておりませんが、どこかの時点で是非検討していただきたいと思います。 このびまん性胸膜肥厚は、平成18年以降は地方局で労災を認定してもよろしいという基準があります が、水が溜まって呼吸不全になって在宅酸素療法をしている人というのは、良性石綿胸水で治療する 必要はないけれども呼吸不全になっているということで、びまん性胸膜肥厚として認められないのか どうかということがありますので、よろしくお願いいたします。検討会は、7月以降もありますので、 そういうときに、検討していただければと思います。以上です。 ○宮本委員 私も「その他」で1つだけ。いま、事務局のほうからCTの話が出ましたが、先ほどの呼 吸機能検査は、あくまで胸部写真で石綿による病変があるという大前提があって、呼吸機能検査の話 になると思います。ですから、この呼吸機能検査の数値だけがひとり歩きするのは非常に危険です。 あくまでそういう大前提があっての話です。そこのところを誤解すると非常にまずいかなという気が しますので追加させていただきます。 ○三浦委員 先ほどの良性石綿胸水が続いていると臓側胸膜が厚くなる症例はかなりあります。それ は逆に言えば、びまん性胸膜肥厚で本来は認定されるべきものが、いまだに見逃されているものが結 構あるというように私は解釈しています。今のCTを使った画像診断でいけば、それが元へ戻る胸水な のか、戻ることができない胸水なのか、臓側胸膜がどれだけ厚くなっているか。臓側胸膜が線維化し ていると考えられるかですね。そういったことがわりあい明確に診断できますので。先ほどの岸本委 員の話ですが、逆にまだまだ良性石綿胸水として見られていた著しい呼吸機能障害を呈したびまん性 胸膜肥厚という概念で見られていないので、そこはもう少し浸透すれば、びまん性胸膜肥厚の症例が 増えてくるだろうと私は考えています。 ○岸本委員 今、三浦委員のおっしゃられるとおりで、三浦委員や私はこういう病気をよく知ってい ます。画像がこの段階になって、水を抜いても肺は膨張しないということは呼吸器の専門の先生でも わかっているのですが、ただ、労災の認定基準にはそれはどこにも書いていないというようなことを おっしゃられる方がいらっしゃいます。水が器質化して、年余にわたって戻らない症例もびまん性胸 膜肥厚に入れるということを考慮してほしい。では何年見ればとか実際難しいのですけれども、地方 で労災委員をやっている先生方に私も時々行って申し上げるのですが、それが受け入れられないとい うことになると、各労働局も、本来は在宅酸素もやっていて、認めてあげたいなと思いながら、労災 委員の先生方がこれは違うと言われると、そのようにならない事案が実際に現場にあるということを 本省の皆様方に知っておいていただきたいということで、申し上げておきます。 ○森永座長 とりあえず呼吸機能は時期的な問題がありますから急いでやりますけれども、引き続い て、画像も含めてもう一度きちんと検討するということでないといけないというように、私は3人の委 員の意見を理解しました。私もそう思います。ですが、6月22日は呼吸機能だけをとりあえずまとめ ると。引き続き検討するべきだということなので、そういうこともできたら入れるようにして、22日 は取りまとめたいと思います。それでは今日はこれで所定の検討課題が終わりましたので、お開きに したいと思います。どうも皆さんご協力ありがとうございました。