10/05/26 第172回中央社会保険医療協議会総会議事録 10/05/26 中央社会保険医療協議会          第172回総会議事録 (1)日時  平成22年5月26日(水)9:31〜12:12 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 関原健夫委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <参考人>       松本純夫保険医療材料専門組織委員長 西岡清DPC評価分科会長       <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 先進医療専門家会議の報告について       ○ 医療機器の保険適用について       ○ DPCについて        ・ 高額薬剤の取り扱いについて ・ 準備病院の募集等について       ○ 臨床検査の保険適用について       ○ 主な施設基準の届出状況等について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第172回中央社会保険医療協議会 総会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況でございますけれども、本日は西澤委員が御欠席でいらっしゃい ます。また、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられます。  それでは、議事に移らせていただきます。  まずは、先進医療専門家会議の検討結果等につきましてを議題としたいと思います。事 務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。事務局、どう ぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、お手元にございます総−1の資料で御説明をさせていただきたいと思います。  総−1の横紙をごらんいただきたいと思います。本日御報告をいたします技術は2つの 技術でございます。整理番号009、技術名は5−アミノレブリン酸溶解液の経口または 経尿道投与による蛍光膀胱鏡を用いた膀胱がんの光力学的診断。それから、整理番号01 0、腫瘍抗原ペプチドを用いたテーラーメイドがんワクチン療法、この2つでございます。  最初に1つ目の技術を御説明させていただきます。技術の概要はおめくりをいただきま して2ページ、別紙1という資料で簡単に御説明したいと思います。この技術、表の一番 上に書いてございますが、5−アミノレブリン酸溶解液の経口または経尿道投与による蛍 光力学的診断でございます。適応となる疾患は筋層非浸潤性膀胱がんということでござい ます。後ほど図で少し参照していただこうと思っておりますが。  内容を先進性のところにまとめてございます。この膀胱がんは基本的には膀胱鏡、膀胱 の中をのぞく検査によりまして観察をし、診断をして確定しますと。しかし、その膀胱鏡 検査でなかなか視認し得ないような病変の残存がその後の予後の大きな影響を及ぼすとい うものでございます。  後ろのほうの13ページに図がございますので、後ろの13ページをごらんいただきな がら御説明したいと思います。13ページ、それから14ページ、裏の14ページをまず ごらんいただきたいと思いますが。今御説明しましたとおり、これは実は今回御紹介いた します技術で見た写真と通常の写真とを比べております。上2つ、下2つが同じ病変でご ざいます。上2つの病変、通常の画像が左側でございますが、肉眼的に視認し得る病変、 具体的には右の上のほうに少し茎のような病変がございますが、これは今回の検査でもち ろん病変として認知できますし、肉眼的にもできるということです。ところが、下側の平 坦な腫瘍の場合、肉眼的にはなかなか通常組織との違いが視認し得ないのですが、今回の 技術を用いますと下の右側の図、矢印書いてございますが、赤く光る、容易に視認できる ということで、診断に非常に有効な手段となるという原理でございます。  1ページ戻っていただきまして13ページ、今のような画像を得るための今回の検査の 全体像でございます。ここに書いてございますとおり、通常の膀胱鏡の機器に一部今お話 をしたような光学的な観察ができるように光源の追加をし、それから今回この機器を用い るに当って使用します機器がここの膀胱鏡の部分でございます。  今のようなイメージを見ていただきながら、もとの2ページの縦の紙に戻っていただき たいと思います。今見ていただきましたとおり、残存する病変があるかないかで非常に予 後に大きな影響を及ぼすということでございます。先進性のところの下の5行のところに 書いてございますが、この診断法は特に小さな微小腫瘍あるいは上皮内がん、異形成とい ったような白色光源では視認が困難であるというふうにされております病変に対しまして 有用性が高いということでございまして。本法でしか検出・同定できなかった病変が約3 0%認められたということもございます。以上から、今後の有効な診断手法となり得ると いうことでございます。  概要のところに書いてございますが、この診断法は感受性物質でございます5−アミノ レブリン酸溶解液を口からまたは尿道から投与いたしまして今のような検出をするという ことでございます。  それから、本診断法を併用しまして切除術を行うことで、従来検出・切除できなかった 平坦病変の残存及びその残存腫瘍の発育を回避することができるということで。成績はそ こに記載されておりますけれども、一定の効果が認められたということでございます。  以上のようなことから、今回この一連の検査の中でここで用いられます1枚目の表に戻 っていただきますと、横表でございますが、使用いたします医薬品・医療機器の情報の中 で、この光学視管と言われておりますこの検査の機器につきましては、このような使用法 の薬事法上の承認がございませんので、今回これを薬事法の承認が得られていない技術の 保険併用ということで、高度医療という枠組みで高度医療評価会議におきまして検討して いただき、一定の検討を経て、今後有効性を確認していくということで、保険併用が適当 ではないかという結論を得たものでございます。  高度医療評価会議の議論を経まして、最終的に4ページをお開きいただきたいと思いま すが。先進医療専門家会議におきまして、保険併用についての検討をいただいております。 これが総括表、まとめていただいた表でございますが、4ページでございますが。社会的 妥当性、現時点での普及等まとめてございます。当然ですが、現時点でそれほど普及して いるものではございませんし、効率性につきましてはやや効率的という評価をいただいて おりますが、将来的にこういった検討を経て保険導入の可否について検討していくという ことを結論としていただいております。  以上が1つ目の技術、5−アミノレブリン酸溶解液の投与による光力学的診断技術でご ざいます。  続けて説明をさせていただきます。2つ目の技術、1枚目の表の2番目、010でござ いますが。腫瘍抗原ペプチドを用いたテーラーメイドがんワクチン療法でございます。技 術の概要につきましては後ろのほうのページですが、15ページの別紙2をお開きいただ きたいと思います。技術の名称、腫瘍抗原ペプチドを用いたテーラーメイドがんワクチン 療法でございます。  適応となる疾患でございますが、基本的には前立腺がんですが、幾つかの要件がござい ます。まず、薬剤でドセタキセル不適格という条件があります。それから、ホルモン不応 性、つまりホルモンに対する反応性がなく、それから再燃という幾つかの条件を絞ってこ ういった要件を満たす前立腺がんに対する適応ということでございます。  この技術の内容はその下の先進性というところに簡単にまとめてございますが。今幾つ かの要件を示した症例だということを申し上げましたけれども、前立腺がんの標準的な治 療法といたしまして、手術療法、放射線療法、ホルモン療法が行われるということでござ います。このうち、今御説明しましたような幾つかの要件が重なって最終的に再燃した前 立腺がんの場合には、抗悪性腫瘍剤を用いることが基本的には世界的な標準療法となると いうことでございますけれども、前立腺がんの患者さんは比較的高齢であるということで、 さまざまな要件から抗悪性腫瘍剤による治療が困難であるというようなことがございます。 その場合の標準療法は確立されていないということでございます。一応こういった前提で、 こういった患者さんに対しましてこの治療法は個別に選択をいたしましたがんペプチドを 用いた免疫の活用するがんの治療法ということになります。  つまり、ここで説明しようとしていることは2つポイントがありまして。特に高齢者を 中心といたします抗悪性腫瘍剤の使用はなかなかできないあるいは難しいといった条件の 比較的厳しい患者さんに対しまして、いわゆる免疫機能を活用いたしましたがんの免疫療 法の1つでございますけれども、がんの細胞を異物というふうに生体自身に認知をするこ とで免疫機能を活用して治療をすれば、もしそれが効果がある場合には手術等の侵襲はご ざいませんので、患者さんにとっては非常に負担の軽い治療法であるということでござい ます。今回ですからその治療法の1つを保険併用で今後評価をしたいということでござい ます。  前提といたしましては、その治療法につきまして効果はまだまだ今後の評価を必要とす るということで、高度医療評価会議におきましてさまざまな検討、議論をいただきました 後に、一定のフォローアップ、プロトコールのもとでフォローアップをするという前提で 認めていただいております。  先進性という意味でポイントとしましては2つございまして、今申し上げましたとおり、 免疫機能を活用しましたがんの免疫療法であるということが1点目。それから2つ目は、 この先進性の下のほうの3行に書いてございますけれども、この治療は特に免疫療法の中 でがんのペプチドによります免疫の提示を行うんですが、その際12種類のがんのペプチ ドの中でさらにそれぞれの個別の患者さんに応じて最も適切だろうと思われる最大4種類 のペプチドを選択して、いわば患者さんの個別の状況に応じたテーラーメイド的な治療で 対応するということに先進性があるということでございます。  今お話ししたような原理のもとで、概要のところに書いてございますけれども、具体的 には、ペプチドワクチンをそれぞれ週に1回皮下で投与して、計8回というのを第1クー ル、第1治療期間。以降、第2治療期間といたしまして2週間に1回の頻度で治療します と、こういうことでございます。  それから、概要の上の3行に書いてございますけれども、もう1つこの治療の前提とい たしましては、患者さん、それぞれの方々HLAという抗原のタイプをそれぞれ持ってお られますけれども、今回の治療の前提といたしましては、HLA−A24というタイプの 白血球抗原を持っておられる方が理論的には対象となりますので、そもそもこの抗原が陽 性でない場合にはこの治療の対象とはならないということが前提となっておりますので、 そのような表記をさせていただいているところでございます。  効果、現時点でわかっていることはここに書いてございますけれども、臨床研究の結果 24%の患者さんにPSAの値が50%以上低下したということが確認されたということ でございます。  おめくりいただきまして17ページ、以上のような技術、高度医療評価会議の検討、結 論を得まして、17ページ、先進医療専門家会議で保険併用につきまして議論いただいて おります。社会的妥当性、現時点での普及性等々評価がございますけれども、倫理的問題 等はないということでAとなっておりますが、普及性につきましてはここに記載しており ますが、当然のことながら今の時点で普及はしておりません。効率性につきましては、B というようなことになっております。  それから、最も議論として重要な点はA、保険の収載、将来の保険収載の必要性のとこ ろのAというところに記載されておりますけれども、括弧の中にございます。高度医療と いうものの性質上、現時点で有効性が必ずしも明確に確立されていないという段階の技術 でございますので、3行目あたりに書いてございますけれども、現時点では保険収載の可 能性について結論を出すということは適当ではないと考えられると。こういったことは高 度医療評価会議でも指摘をされておりますので、今後そういった症例の積み重ね、結果の 検討を経て再度検討することが必要だというコメントを得ております。  事務局からは、はなはだ簡単でございますが、以上2点の技術につきまして、今回先進 医療専門家会議の検討結果、保険の併用を認めるということを結論を得ましたので御報告 をさせていただきます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長 ありがとうございます。  ただいま、泌尿器科領域の2件の第3項先進医療が説明されたわけですけれども、これ について中医協としては意見を述べることはできますので、何か御質問御意見あれば承り たいと思います。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと質問させていただきたいんですが。最初のフォトダイナミックダイグノシスの 5−ALAのこれを高度医療にする場合の基準なんですが、部会では何例ぐらい臨床的な ものをやって、これ欧米と日本で1,000例というふうに書いてあるんですけれども、 今、ドラッグラグだけでなくてデバイスラグもあるので、今どのぐらいでこれを認可して いるのか、基準をちょっと教えてもらいたいと思うんです。 ○遠藤会長  それでは、事務局はどちらからお答えになられますか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これは先進医療専門家会議で保険併用の議論をしておりますけれども、今嘉山委員の御 質問は主に今後の技術評価に関することでございますので、高度医療評価会議におきます 議論の御紹介等も含めて、研究開発振興課のほうから御説明をさせていただきたいと思い ます。 ○遠藤会長  では、研究開発振興課、どうぞ。 ○事務局(千村研究開発振興課長)  研究開発振興課でございます。この技術に関しましては、まだ薬事法上、承認のない医 薬品、医療機器を用いる技術ということでございまして、これから臨床研究として開始さ れる技術として認められているものでございます。研究期間に関しましては、4年間を予 定としておりまして、研究機関に関しましては今後、今のところ1カ所なんですけれども、 協力医療機関の追加に関して、いわゆる要件というものが申請されていまして、基本的に は日本泌尿器学会専門医を持っていることと。実施者として10例以上持っていることと いった形で提示されております。  さらに、このアミノレブリンに関しましても、基本的には院内で調剤されるということ でございますが、薬剤部でいわゆる治験薬GMPに準じてきっちりとつくっていただいて 人に投与されるということでございまして、安全性にも配慮されたものとして評価を受け ているものでございます。  以上です。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  これはもう20年前にイタリアで一回全部やられて、一回ポシャッたんですよ、効果が ないということでね。また今リバイバルで頭でもいろいろな臓器でこれが出てきているん ですけれども。ですから、今後今のような基準で申請すれば、高度医療として認めるとい うふうに解釈していいんですね。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(千村研究開発振興課長)  こちらに関しましては、嘉山委員よく御存じであると思いますけれども、今ヨーロッパ においていわゆるグリオランというお薬が脳腫瘍領域ではもう既に薬事承認を受けており ます。ヨーロッパでは、一部の稀少疾病においては効果が確認されておりましたが、今、 それについて癌種を広げて、日本のほうでも脳腫瘍領域においては治験も予定されている という状況でございますが、他の癌種においてもその応用が今いろいろ検討されている段 階ということで、高度医療評価会議で認められるためには、適切な臨床研究で行われるこ とが必要です。いわゆる企業においても大分このアミノレブリンに関しましてはいろいろ 関心があるところですが、治験にはまだ至らない開発段階ということでございます。この 大学がかなり前から研究されていまして、いよいよ高度医療として有効性、安全性を確認 していきたいと、さらに治験へと前進していきたいと、こういう趣旨でございます。 ○嘉山委員  ちょっと私の質問が悪かったかもしれませんが。そうではなくて、これを保険に採用す るとしたら、高知大学医学部の附属病院、何例やれば保険採用するのか。それからあと、 多分これエンドポイントは変わらないと思うんですよ。診断率は上がると思うんですけれ ども、エンドポイントは変わらない。つまり、サバイブに余り影響しないことはもう明ら かなんですけれども。どちらが、診断率が何%ぐらい上がればというふうにこの高度医療 評価会議では基準を持っているんでしょうか。そこを聞きたいんですよ。 ○遠藤会長  わかりました。保険収載の話。 ○嘉山委員  ですよ、保険収載です。 ○遠藤会長  ですので、保険局のほうから回答をお願いしたいと思いますので。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  今回のこの技術、通常御報告いたしております先進医療専門家会議の結論を経た保険併 用と少し性質が違いまして、冒頭御説明したこと少し言葉足らずだったかもしれませんが。 今回のこの保険併用の技術は、わかりにくいんですけれども、総−1の一番上に第3項と 書いているんですけれども。いわゆる先進医療保険併用の技術には2種類ございまして、 1つは薬事法の承認を経ていない、いわゆるまだまだ有効性、安全性にさまざまな議論が あり得るもの、これにつきまして取り扱う高度医療というものと、通常保険併用というこ とで施設基準を設けまして手を挙げていただいて、その後保険の適否を議論するという第 2項と言われているものとございまして、これは第3項のほうでございますので。繰り返 しになるかもしれません、前提といたしましては、今回の吟味を経てすぐ保険適用という ことではなくて、一旦まず薬事の承認を経るプロセスをさらに経ていただいた後に、さら にプラスアルファで保険の適否の議論を積み重ねていただく必要があるということでござ います。  ですから、今回の技術が保険併用されて症例が積み重なって治験が得られたとしても、 そのことだけでもってまず保険の適否を議論するということではございません。そのこと は先ほど御説明いたしました総括表にも、重要な事項でございますが、括弧の中に記載さ せていただいてございますので、その点を御留意いただければというふうに考えておりま す。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  やはりこれはデバイスラグが起きるのは今もののみごとに表現されたんですけれども。 薬事を通らないとだめだと、しかしながら、向こうのほうでは欧米で安全性は確認されて いると。何で日本でそれで薬事通さなきゃいけないの。だからラグが起きるんですよ。 ○遠藤会長  お答えになりますか。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  まず大前提としまして、日本の保険医療で使用されます医薬品、医療材料、基本的には 一定の安全性、有効性があるというものを使っておりますので、その前提といたしまして こういった商業ベースで市場に流通するものは当然薬事法の承認を得ることを我々は求め ております。 ○嘉山委員  中医協ではもちろん会長がよくおっしゃるように、保険診療のことで議論しなさいとい うことを私いつもしかられているのでよくわかっているんですけれども。ただ、医政局の ほうに中医協からやはり意見を言うことはできるわけで。やはりこれ薬事があるのですご くラグが起きているわけですよ、デバイスラグがですね。それと同じ、欧米でもう使われ ているのに、お薬もそうなんですけれども、そこがネックになってて3年、4年と遅れて いるんですね。ですから、そこは中医協から医政局、もと外口局長がいらした医政局にき ちっと意見を外口さんのほうから降任の医政局長にお話を願いたいというふうに私は思い ます。 ○保険局長  医薬食品局になります。 ○嘉山委員  そうですか、すみません。 ○遠藤会長  御意見よくわかりました。 ○嘉山委員  もう1つ。2番目のこのテーラーメイドのがんワクチンの問題なんですが、今後この種 のことはたくさん出てきます。がんセンター、ちょっと今私自分の立場で申しわけないん ですが、国立がん研究センターでは先進医療をこれから一気に進めますので、がんに関す るワクチンをたくさん創製していく予定になっています。事実エビデンスにするつもりな んですけれども。  こういうものを、例えば先ほどのエンドポイントのところで、評価ですね、オーダーメ イドで24%でPSAが50%以上下がったということぐらいのレベルで先進医療として 認めちゃうのか。基準をちょっと教えてもらいたい、これも。 ○遠藤会長  保険局でよろしいですか。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  お答えする前提として、先ほどのように今回このプロトコールで今後さらに高度医療評 価会議で検討なり効果を判定していただくんですけれども、お答えする前提としまして、 さらにその先の保険診療の導入のことをお聞きになっておられるのか、この技術評価のこ とを聞いておられるのかで少しお答えぶりが変わると思うんですけれども。 ○嘉山委員  それは17ページの将来の保険収載の必要性のところでにじませていますよね。保険収 載する可能性が十分ありますよと。ということは保険収載に関係するので、基準もやはり 大事ですよね、まず第1段階を通して、それから次に保険収載になるわけですから。その 保険収載になる前の高度医療に認めるという判断の基準を、やはりそれはディスカッショ ンする必要があると思うので。そこを教えてもらいたいんですよ。  だから、この効果のレベルでここを認めれば、次に保険収載の議論にいくわけだから。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  まず、今回、少しくどい御説明になるかもしれませんけれども、あくまで高度医療評価 会議で、まだこれ薬事法の承認を得ておりません。これ薬事が絡む理由は、特にこのペプ チドにつきましては今後商業ベースで上市されるということを念頭に置かれておりますの で、薬事の承認がまず必要でございます。その手前の技術として、高度医療ということで 評価をしたいという申請があって今回こういう議論を経ております。  ですので、恐らく論点としては、現時点でのこの技術のエビデンスあるいは有効性でも ってこの高度医療として、評価段階といえどもこの評価段階の保険併用をどうして認めた のかというそういう御質問という理解でよろしゅうございますか。  そういたしますと、私ども原則としましては保険局のまず立場を御説明させていただき ます。もちろん一定程度の有効性が期待できるという前提で将来保険の導入の可否を議論 をするという枠組みを用意しているのがこの高度医療でございます。ですから、その入口 について、この土俵に乗るか乗らないかの吟味につきましては、別途医政局と私どもとで 事務局やっておりますけれども、高度医療評価会議で検討していただいて、この一定のプ ロトコール、一定の臨床研究であればエビデンス、その有効性の評価は可能であろうとい うものについて個別技術で認めていると、そういう枠組みでございます。  高度医療でどういう形でこれを御判断いただいたのかということにつきましては、医政 局のほうからできますれば御説明をさせていただきたいと考えております。 ○遠藤会長  それでは、研究開発振興課、お願いします。 ○事務局(千村研究開発振興課長)  こちらに関しましては高度医療評価会議で何度もじっくりと議論をしまして、基本的に はこれまでに147例という実績があるということで、その臨床研究成績に関しまして検 討が行われました。その結果、臨床研究計画を適切に修正していただいて、高度医療評価 会議としてはある程度の有効性、安全性が確認できるようなデザインになっているだろう といった判断で、先進医療専門家会議のほうに上げております。  高度医療評価会議としましても、最終には治験として、ペプチドワクチン投与群と投与 されていない群と、そこの部分でいわゆるランダマイズトライアルでもって有効性を証明 していくことは必要だろうと。今回のペプチドワクチンはまだそこまで治験の段階には至 っておりませんので、いわゆる前段階としての高度医療で、ある程度の有効性、安全性を 確認していくということでございます。  以上です。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  このくらいのレベルで通してもらえるんだったらば、今後どんどん通ってくると思うん ですね。そうすると、これを前回の中医協で話し合った抗がん剤の高額医療をどうすると いう問題にも入ってくるので、リンクするんですよ。ですから、その辺は総合的に考えて これをやっていかないと、医療費の、私立場上本当は通してもらいたいんですけれども、 全体を考えた場合にはやはり厳密に患者さんが本当に治っていくようなものだけを通すと いうようなことをしていかないととんでもないことになるので、その辺を言ったんです。  それからもう1つは、薬事が大きな壁になっていてラグが起きるよということを今展開 した、知っていただきたかったということで質問したんですが。よろしくその辺、分科会 のほうに伝えていただきたいと思います。 ○遠藤会長  薬事の絡みで申し上げますと、ドラッグラグについて、申請に伴うさまざまな時間のず れというものがあるということで、これは大分短縮されているわけです。多くの研究では ドラッグラグの最大の原因というのは、当該企業の日本市場での開発の着手が遅いという ところが一番の原因だろうということが言われているわけでありまして。そういう意味で は公知申請だとかブリッジングスタディを使うという形で申請企業の負担を軽減するよう な方向で進んでいるということがあるわけです。というのが基本的な流れとして、私の理 解ではそう思います。  それから、関連ですか、牛丸委員。では、牛丸委員、お願いします。 ○牛丸委員  今の2番目のほうです。17ページのところで、もう既に今のお答えの中に入っている のかもしれません。「効率性」のところに「やや効率的」とBが評価されております。そ れに対して「総評」の中にコメントが書いてありまして、「効率性」については評価が定 まっていない現時点で既に保険導入されている医療技術と比較して判断することは困難で あるが、有効な代替治療がないことを踏まえて評価したとあります。ということは、上の 部分の「効率性」のところに書いてある、「やや効率的」という評価はここ「総評」にお けるコメントに基づいてなったのでしょうか。読んでいて効率的なのかどうか分からない。 最終的に効率性に関してどういうふうになっているのかということを教えていただきたい のです。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  お答えになるかどうか少し不安を持ちつつお答えをさせていただきたいんですが。基本 的にこの技術の有効性につきましては今後吟味が必要である、評価が必要であるという前 提でその臨床研究をしていただきますと。その臨床研究をしていただくときに、保険の併 用を認めましょうと、こういうことでございます。ですから、一定程度効果、有効性がエ ビデンスとしてあがってきませんと、代替医療との比較も含めましてその有効性の度合い によりまして当然効率性あるいは保険導入の可否が変わってまいりますので、そういう趣 旨で今の時点でなかなかこの効率性というもの、例えば今Bというふうに書いていただい ておりますが、評価者としては備考の欄でBというのを書いたけれども、そこの部分につ いての評価はなかなか評価としては難しいということを踏まえて書きましたと、そういう 趣旨の総評のところのコメントでございます。  本来似たような趣旨で保険収載の必要性についても記載されておりますが、この点は特 に保険にかかる議論でございますので括弧書きで特に明記をされたということでございま すので、全般的に前提としましては今後この技術につきましては、有効性については特に 評価を経てさまざまな検討を経た後に、仮に保険収載するとすればそういった道のりを経 るということでございます。 ○遠藤会長  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  そうしますと、ここにあるようなコメントがない場合に比べて、今の評価は一応は効率 的と書いたけれども、今後の結果いかんでまた変わる可能性もあると、その含みを残して いると解釈してよろしいのですか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  はい。 ○遠藤会長  ほかにございますか。  では、ちょっと私からお聞きしたいのですけれども。今回のこの2件もそうであります し、それから前回総会にかかりました卵巣がんの抗がん剤の薬もそうなんですけれども、 第3項の先進医療ということで、承認のされていない薬あるいは機器というものが使われ るということが前提なんですが。もともとこの保険外併用療法の評価療養ですか、その中 にはものについては治験をその対象にしよう、技術については先進医療でやろうという、 そういう基本的なフレームワークがあったのではないかという理解をしているわけですが。 どうもこの第3項先進医療というのは評価の対象とするものは薬やあるいは機械のほうが 中心であって、技術そのものというよりも薬や機械であるという感じがします。本来技術 を承認されるまでの期間患者さんがアクセスしやすいように混合診療の特例にしようとい うそういう目的で評価療養にしているわけですけれども、そこに先進医療として治験を行 う前段階の薬や機器が入ってきているということがここ立て続けにおきています。  この事実についてどういう理解を事務局としてはされているのか、あるいは何か課題が あるのかどうかということですね。先ほどから嘉山委員がお話しされておりますように、 この第3項の先進医療である程度やっても、結局メーカーが治験を開始しなければ保険に はつながらないという話になるわけですから、その治験を着手する前に第3項でやるとい うことのメーカー側にとっての意味合いは何か。あるいはこの制度全体を見渡したときの 先ほどの役割分担ということから見て、どういうふうに考えればいいのか。最近類似のケ ースが出ているものですから、この場を借りて説明いただければと思います。  何か追加してお聞きになりたいことありますか。よろしいですか。  では、事務局、お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  大きく恐らく2つの論点といいますか問題点につきまして御指摘御質問があったと理解 しています。  まず1点目でございますが、運用上、この先進医療保険併用を認めております先進医療 に高度医療との関係も含めてどういうふうな整理になっているのかということを少し、再 度になりますが、御説明させていただきます。  まず、運用上この先進医療保険併用を認める技術というのを先進医療専門家会議におい て検討していただいて個別の技術ごとに判定しておりますけれども、基本的には技術の認 定とともに一定の施設要件を設けて、その施設要件に合致する場合には届出でもって実施 できるという枠組みが基本でございます。ですが、その後この枠組みの中で特に薬事法の 承認を得ていないような有効性に関して必ずしも十分な吟味がされていないものにつきま しての取り扱いを新たに高度医療という枠組みで設けまして、運用上すみ分けをしており ます。  それは何かと申し上げますと、特に高度医療の評価につきましては薬事法上の承認を経 ていない医薬品、機材につきまして使用する場合の評価の枠組みとして位置付けて運用し ております。  ですから、遠藤会長御指摘のとおり、高度医療評価会議で議論していただくものの大前 提は、医薬品なり医療機器、機材、そういった薬事法の承認を経ていないものが絡む技術 というのが前提になっているというのがまず事実関係、運用上の問題でございます。  そこで2点目でございますが、そういたしますと、薬事法の承認を経ていない医薬品、 医療機器が絡む技術につきましては、当然最終的に保険導入を目指して普及性なり医療の 国民への提供という観点から保険収載を目指して当然さまざまな検討をしていくことにな るわけですが、その際実態といたしましてはその薬事法の承認を得るための特に企業側の お考えなりあるいはその技術を開発したい、普及させたいと考える医療人、特に医師、研 究者の視点とさまざまな視点がございます。現時点では少なくともそれぞれ申請に基づき ましてさまざまなルート、いろいろなエビデンスの集積の仕方を基本的にはなるべく広く 促進といいますか得ることを我々としては制度的に位置付けておりまして。  したがいまして、企業がストレートにまず治験を行って、薬事の承認を経て保険適用に 至るというオーソドックスな道筋もありますけれども、疾患の性質、患者さんの数、ある いはさまざまなそういった機器の開発にかかるコスト等含めまして、企業のほうの御判断 で臨床研究のデータを得てから保険導入をする、臨床研究のデータを得て一定のめどが立 ったら治験を行う等々さまざまな道筋があるのも事実でございまして。現時点で我々とい たしましては、特にその申請を経て最も保険導入に近いというふうに選択をされた道筋に ついて適用を考えると、そういういわゆる申請主義に基づく対応をしているのが原則でご ざいます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  実態はそのとおりだと思うわけですけれども。そうすると、今のお話の中でありました ように、日本で上市をするその前段階プロセスとして治験よりももっと前段階で第3項先 進医療というものを入れることで、むしろ着手しやすくしているというポジティブなとら え方をしていると、このように受け止められたのですが、そういうふうに理解してよろし いですね。  はい、ありがとうございます。  関連して何かございますか。第3項先進医療を入れたときに基本的にはそういう仕組み が入っているということになりますので、技術の評価というよりもどちらかというともの の評価を先進医療の中でやっているようなことになっているのかなということで確認をし たということです。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  会長が明快にまとめていただいたので私もよくわかったんですが。ただ、やはりこれが 進んでいないというのは無理があるからだと思います、この制度に。ですから、これは国 家戦略として研究推進という別枠でこういうものを進めていかなきゃならないなというふ うに思いました。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  例えばこの27ページに、これは高度医療評価会議の評価担当構成員の方からの御意見 ですけれども、大変見識がございまして、1番の医療技術の有効性についての○3のとこ ろで、薬事申請・承認に結びつけるための治験の実施が必須であることから、引き受け企 業等は薬事承認を取得するまでロードマップを明示することと書かれている。こういう非 常に見識のある御判断がされているということは大変うれしく思うわけです。  ありがとうございました。  ほかにございますか、御意見。よろしゅうございますか。  それでは、多々御意見は出たわけでありますけれども、基本的にはただいま御紹介あり ました2件につきましては中医協といたしましては保険給付との併用を認めると、そのこ とについて特段の意見はないという理解でよろしゅうございますか。  はい。その附帯意見がいろいろ出ております。これは先進医療専門家会議に対してとい うだけではありませんので、しかるべき部署にそのようにお伝えいただければと思います。  それでは、そのような対応をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  引き続きまして、医療機器の保険適用についてを議題といたします。  まず、C1(新機能)及びC2(新機能・新技術)について、保険医療材料専門組織の 松本委員長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○松本材料専門組織委員長  それでは、説明させていただきます。  今回の医療機器の保険適用はC1が5つ、C2が3つです。中医協総−2−1の資料を ごらんください。  販売名、C1申請のイリゲーションカテーテル及びCool Path Duoイリゲ ーションカテーテル。本品は通常型心房粗動に対し、経皮的カテーテル心筋焼灼を行うた めのカテーテルです。  製品概要をごらんください。従来にも同様の製品はありましたが、本品は先端にある孔 から生理食塩水を流し、カテーテル先端を冷却しながら治療を行うことができます。これ により従来製品と比較し、冷却効果が得られがたい部位でも安定して焼灼することが可能 となり、またカテーテル先端での血栓形成が減少します。  本品につきましては、123経皮的カテーテル心筋焼灼実用カテーテルを類似区分とし、 また有用性加算5%を算定して、イリゲーションカテーテル、Cool Path Du oイリゲーションカテーテル、どちらも18万4,000円という価格設定をいたしまし た。外国平均価格はそれぞれ28万3,713円及び36万1,397円であり、0.6 5倍、0.51倍となっております。  続きまして、C1申請のセルシウスサーモクールについて説明いたします。本システム は1型心房粗動の治療を目的に、心臓理学的検査及び心筋焼灼術を行うためのカテーテル です。  製品概要をごらんください。本品も先ほどの製品と同様、心筋焼灼術を行う際に先端に ある孔から生理食塩水を流すことにより、先端を冷却しながら治療を行うことができます。 先ほどの製品と同様に、冷却効果が得られがたい部位でも安定して焼灼することが可能と なり、またカテーテル先端での血栓形成が減少します。  本品につきましては、123経皮的カテーテル心筋焼灼術用カテーテルを類似機能区分 とし、また有用性加算5%を算定して、18万4,000円という価格設定をいたしまし た。外国平均価格は17万8,430円であり、1.03倍となっております。  続きまして、C1申請のプライムアドバンストについて説明いたします。本品は脊髄硬 膜外に電気刺激を与え、各種疾患に伴う慢性難治性疼痛を緩和することを目的とした植込 み型疼痛緩和用神経刺激装置です。  製品概要をごらんください。対象となる疼痛は薬物療法、神経ブロック等によって十分 な鎮痛または除痛効果が得られない。体幹及び四肢の慢性難治性疼痛です。  既存製品の刺激装置は1チャンネル8極でしたが、本品は2チャンネル16極タイプで、 各チャンネルに各種パラメータを設定し、より多くの刺激パターンを得ることができます。 脊髄刺激装置用リードアダプタは現在植え込まれているリードを接続するアダプタとして 使用します。現在植え込まれているリードを用いてより多くの刺激表現を得ることができ ます。また、患者自ら体外的に刺激の程度や部位を調整することができます。  本品につきましてはプライムアドバンスト(本体)は087埋込型脳・脊髄電気装置 (2)、疼痛除去用(8極用)を類似機能区分とし、有用性加算10%として、160万 円。脊髄刺激装置用リードアダプタ113埋込式心臓ペースメーカー用リード(2)アダ プタを類似機能区分として、加算なしとし、3万5,000円という価格設定をしており ます。外国平均価格はそれぞれ163万4、688円、12万742円で、0.98倍、 0.29倍となっております。  次に、C1申請のQuattrodeリード(デュアルエクステンション)、Quat trodeリード(シングル及び他社製リード用エクステンション)です。本品は埋込型 の脊髄電気装置、疼痛除去用のリードです。  製品概要をごらんください。本品は、脊髄刺激装置及び脊髄刺激用リードを中継または 適合させる目的でリードするエクステンションリードです。本品につきましては、両品と も113埋込式心臓ペースメーカー用リード、(2)アダプタを類似機能区分として加算 なしとし、3万5,000円という価格設定をしております。外国平均価格はそれぞれ7 万9,417円、6万7,000円で、0.44倍、0.52倍となっております。  次に、C1申請のオプティセンスOptimのリードについて説明いたします。本品は 植え込み型心臓ペースメーカー用のリードとその付属品です。  製品概要をごらんください。本品は、不整脈の治療を目的とし、ペースメーカー等と接 続します。既存品と比べファーフィールドセンシングと呼ばれる心室収縮を誤って心房側 で感知する現象を軽減する設計となっております。これにより、不要なペーシングに伴う 血行動体の悪化や不整脈の可能性を軽減することができます。  本品につきましては、113植込み式心臓ペースメーカー用リード、(1)リード、[1] 経静脈リード、ア、標準型を類似機能区分として、改良加算5%とし、16万2,000 円という価格設定をしております。外国平均価格は13万4,499円、1.20倍とな っております。  ここまでがC1申請の製品でございます。  続けてよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  お願いします。 ○松本材料専門組織委員長  続きまして、C2申請の製品に移ります。  まず、C2申請の迷走神経刺激装置VNSシステムパルスジェネレータ、迷走神経刺激 VNSシステムリードでございます。本製品は、内科的、外科的治療が奏功しないてんか ん患者に対し、電気刺激によっててんかん発作を抑制する装置です。  製品概要をごらんください。まず、手術によってリードを左頚部の迷走神経束に巻きつ け固定します。そのリードを通じて電気刺激を脳へ送ることで、脳内の抑制系の活動を活 発にし、てんかん発作を抑制することができます。本品区分につきましては、従前にはな かった治療方法ですのでC2といたしました。  価格につきましては、パルスジェネレータ本体は087埋込型脳・脊髄電気刺激装置、 (3)振戦軽減用(4極用)を類似機能区分として、有用性加算を10%とし、164万 円。リードは、086脊髄刺激装置用リードセット(4極用)を類似機能区分として、有 用性加算5%とし、17万9,000円といたしました。外国平均価格はそれぞれ138 万1,436円、42万238円で、1.19倍、0.43倍となっております。  次に、C2申請のエキシマレーザ心内リード抜去システムについて説明いたします。本 品は、ペースメーカーまたは植込み型除細動器等を使用している症例のうち、心内リード の感染等によりその抜去を行う場合に用いる装置です。  製品概要をごらんください。本品は筒状になっており、その先端からレーザ光が照射さ れます。リードと血管が癒着し、リードを単純に抜去できなかった症例では、従前は開心 術を行う必要がありましたが、本品を用いることによって経静脈的に侵襲を少なく、癒着 を剥離することができます。これまでこのような手技、同様の原理を持つ製品はございま せんでしたので、本品につきましては区分C2と決定し、原価計算方式により29万7, 000円と決定いたしました。外国平均価格は30万3,855円であり、0.98倍と なっております。  最後に、C2申請の、コッドマンエンタープライズVRDです。本品は、脳動脈瘤の血 管内治療に用いるステントです。  製品概要をごらんください。本品は脳動脈瘤の中でも基部の径が広いもの、いわゆるワ イドネック型の動脈瘤に用います。従前であればこのようなワイドネック型の動脈瘤の場 合、コイルを挿入しようとしてもコイルが動脈内に逸脱してしまい血栓を形成する可能性 がありました。このステントをあらかじめ動脈に留置しておくことにより、ワイドネック 型の動脈瘤に対し、コイルによる治療が可能になりました。  既存のステントと比較し、留置するのは狭窄部ではなく、正常動脈である点、また国内 には同様の製品がなかった点を評価し、区分をC2と設定いたしました。原価計算方式に より、44万6,000円と価格設定いたしました。外国平均価格は42万8,237円 で、1.04倍です。  以上、8製品でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいま幾つかの保険医療材料が御報告いただきましたけれども、御質問御意見ござい ますでしょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  確認だけさせてください。エキシマレーザの心内リード抜去システムで、22ページに 価格決定に係る外国為替レートの参照が出ているんですが。他の製品に比べてこれだけが 古い時期の為替レートが出ていて、当然円安というか1ドルに対して円が高いですが。こ うなった理由だけ確認してください。 ○遠藤会長  それでは、事務局、お願いします。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  私どもが承知をいたしておりますこの状況でございますが、この薬事法の承認が得られ た後に、この機器が関連をいたします有害事象といいますか医療安全に係る事例がござい ました。結論的にはその吟味を経てこの製品に係る事故ではないという、事故といいます か症例ではないということだったようでございますので、その間の評価に時間を要した関 係で少しタイムラグが生じております。ですから、ほかの医療材料に関しましてはもう少 し現在の日付に近い為替レートの計算になっておりますけれども、この機器につきまして はそういった事情で少し前にさかのぼった為替レートの適用になっています。  これはルール上、薬事の承認を経て保険適用申請があった時期の為替レート、その時期 からさかのぼって1年間という為替レートの適用をルール上しておりますので、こういっ た違いが生じているということでございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ルール上適用するとそうなのですが、そのルールは適切なのか どうかということが御意見は当然あるかと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  当然会長がおっしゃいましたとおりで、認めるのは現時点ですから、申請があった時点 での為替レートでいいのかどうかというのは、逆にいうとこれ高くなる場合、安くなる場 合、両方あると思うんですね。双方に、つまり使う患者さんのほうの利益、不利益もある し、売るほうの業者の方々の問題もあるでしょうけれども。それで適切かと言われると、 本当は承認のところのルールにのっとった直近の為替レートのほうが妥当なのではないの かなと、素直に思えばそう思うんですけれども。 ○遠藤会長  ありがとうございます。そういう御意見ですが、ほかに何か御意見ございますか。  安達委員、ちょっと確認ですが、本件についてもそういうようなルール改正をした後の 再計算を求めているということではなくて、むしろ今後の議論という理解でよろしいです ね。 ○安達委員  今後の話として。1つだけ追加して申し上げれば、その時点でもし承認していたとした ら、今回の改定のときに多分価格見直し対象になっているんですよね、きっと。そういう ことも含めていうと、その時点での為替レートでやるということ、承認した時点での為替 レートでやるということが一番素直でわかりやすいのではないかということを意見として 申し上げて、今後の課題にしてください。 ○遠藤会長  わかりました。当然な御意見だと思いますので、それにつきましては材料部会のほうで 場合によっては議論するという形にしたいかと思います。  ほかに御意見ございますか。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと質問なんですが、C2の新機能・新技術、ページでいうと17ページのてんか ん焦点、要するに迷走神経刺激装置なんですけれども。これは従来は認めてた、C2とい うのは初めて認めたということですよね。僕これ19年前に手術しているんですよ。それ 以来ずっとお願いをしていて。僕もこの学会の理事なので、自分のことを言っちゃあれな んですけれども、ずっとお願いをしていて、今度ポンと通ったという報告がきて。機械も 原理も何も変わってないのに19年間患者は待たされたんですよね。何か基準が変わった のかどうか。要するに何で19年前に申し込んだのに、患者さんにも効果がもうそのころ 欧米では出てたり、私も手術自分でしました、これ、19年前にね。でも、全然保険で認 めてくれてなかった。今回原理も機械も何も変わってないのに突然天から降ったように承 認しますという結果がきたんですけれども、何かルールが変わったんですか。何で19年 も放っておいたのか。 ○遠藤会長  わかりました。それでは、企画官、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  この医療材料に関しましては、御指摘のとおり、臨床の関係学会等から保険適用あるい は薬事法の早期の承認、日本の保険導入が長きにわたって要望されていた1つの品目でご ざいます。問題は、今回このメーカーといいますかこの業者が保険適用の申請をしてきて おりますが、従来その間におきまして薬事法上の承認申請がなかったということでござい ます。それは恐らくさまざまな要因が関係しているものと思われます。患者さんの数の問 題でございますとか、治験に至らなかったというようなさまざまな問題があろうと思いま すけれども、事実関係といたしまして保険適用に至っていなかったということでございま して、私どもの基準とかそういったことが変わったということではございません。  以上でございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  また薬事がここで出てきたんだけれども、薬事がすごくもうこれで大体見えてきたんで すけれども、ドラッグラグとかデバイスラグの一番の問題が。ちょっとこれ僕知識がない ので、会長、いいですか、質問なんですけれども。薬事になぜ会社が、会社というか日本 光電だと思うんだけれども、これ、出さなかったという理由はわかりますか。 ○遠藤会長  ドラッグラグ、デバイスラグの大きな理由なんですけれども、申請が遅いという、その 理由ですね。 ○嘉山委員  業者は絶対に利益になると思えば、利益というか患者のためになるんですよ、これね。 ○遠藤会長  わかる範囲で結構ですけれども、お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  結論からいいますと、正確にはわかりません。現時点ではわかりませんが、手元の資料 によりますと、例えばこの年間どの程度の患者さんにこの適用があるかという推計でござ いますが、100例ということでございます。ですから、例えば治験に係るさまざまな症 例が得られなかった可能性がある、あるいはそういったことを勘案しても保険導入といい ますか薬事申請をして使用したとしても採算上の問題から業者のほうがそういったことを 考慮しなかったという可能性もございます。さまざまなそういった要因が複合的に絡んで いるものと考えられます。  以上でございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと会長しつこくて申しわけないんですが。そうすると、稀少ながんだとかそうい う病気ですね、日本に300例しかない、そういう病気の患者さんは放っておいてもいい と、極端なことをいうと放っておいてもいいというような規則になっているんですか。つ まり、やはりそういう患者さんにも光を当てるのが社会福祉だと思うんですよね。そうい う基準でいいんですか。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  今の直接のお答えよりも、少し今調べて追加で御説明させていただきますと。嘉山委員 御指摘のとおり、この機器につきましてはいわゆるデバイスラグといいますか、アメリカ 等でかなり臨床の現場で使われているにもかかわらず日本国内でこれが市場に出ていない ということで、個人輸入等で実際に臨床の現場では行われていたという実態がございます。  先ほど申し上げたようなさまざまな要因が絡んでこれを薬事申請をしてきた企業がなか ったということだろうと思われますが、そこについては詳細はわかりませんけれども、こ れ私ども担当部署ではございません、医薬局が担当になりますけれども。今嘉山委員御指 摘、私がちょっと申し上げましたような臨床現場、学会からの強い要望がございまして、 ニーズ検討会でこの機器について、やはり日本の医療に保険適用を目指して少しさまざま な努力をしてみるべきだということで、今回幾つかの機器につきましては臨床的なニーズ の観点から、企業を選定いたしまして申請を行っていただくようさまざまな働きかけをし た結果として、今日ここに至ったと、そういうことでございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうですか。 ○嘉山委員  ちょっとごまかされたような感じがしますが、大体、もういいです、会長、問題が浮か び上がったので。これ議事録に載れば、あと次の議論になりますから。 ○遠藤会長  では、関連で1つお伺いしたいんですが。薬のほうでは、公知申請の仕組みができ上が っておりますけれども、デバイスについてもそれは適用されるわけですか。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  同様な制度の枠組みはございます。ただ、私ども承知している範囲ではそういった事例 は現在のところございません。 ○遠藤会長  専門家が外国の有効性を認めれば、治験をせずに保険収載という仕組みは薬のほうでは あるわけですが、同様のものは材料でもあるけれども、実例はまだないという、そういう ことですね。はい。 ○嘉山委員  その辺を改善していくということが中医協としては必要じゃないかという意見を私は出 したいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。重要な御意見だと思います。  ほかにございますでしょうか。  それでは、特に御意見もないようであれば、ただいま御説明のありました内容につきま しては中医協として承認するということにしたいと思います。よろしいでしょうか。  はい、ありがとうございます。  それでは、松本委員長におかれましては、長時間本当にありがとうございました。  引き続きまして、区分A2(特定包括)とBの個別評価につきまして、事務局から報告 をお願いしたいと思います。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  総2−2、お手元横表がございます。これはいわゆる定例と言われております定期的に 保険収載に関しまして既に機能区分あるいは保険適用区分が設定されております区分Aあ るいは区分B等につきましてまとめているものでございます。  1枚目が、以下に係るいわゆる区分A2、特定包括と言われるものの区分に該当します 保険適用、5月1日から開始をいたしました機材でございます。  おめくりいただきまして2ページ目に区分Bと言われております個別に機能区分が設定 されております医療材料、保険適用開始5月1日からの具体的な材料でございます。  3ページが区分Bの材料の続きでございます。  最後のページ4ページは歯科関係のA2、それからBに該当する保険適用開始5月1日 の材料のリストでございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。特に特別な説明の必要なものはございませんですね。  はい。いかがでございましょうか、御意見御質問ちょうだいしたいと思います。  特に御意見もないということであれば、御報告の内容どおり承認したいと思います。よ ろしゅうございますか。  はい、ありがとうございます。  それでは、材料につきましてはひとまず終わりまして、次にDPCについての議論に移 りたいと思います。高額の薬剤の取り扱いにつきましてはこれまで議論になっておりまし て、前回の4月21日の総会におきまして指摘を受けたことであります。  具体的には何かといいますと、DPCにおいて高額薬剤として出来高算定をしていたわ けですけれども、今回改定におきまして3つに分けたということで。1つは、新しい診断 群分類をつくってその中の包括にしたということ。それから2つ目が、既存の診断群分類 の中に高額薬剤を入れると、それで包括評価をするというものが2つ目。3つ目は、引き 続き出来高算定を続ける、という3つに分けたわけでありますけれども。これを再度精査 するべきではないかというこういった御意見が出たわけであります。  また、該当する薬剤の中には現在の診断群分類に基づく評価では費用的に、薬剤費的に 十分薬剤費が反映されていないというような価格の問題もございました。こういったよう な御指摘がありましたので、DPC分科会におかれましてはこの部分について精査をして いただきまして、その結果が得られてということでありまして、資料が提出されておりま す。DPC分科会から、西岡分科会長においでいただいておりますので、御説明お願いし たいと思います。よろしくお願いします。 ○西岡DPC評価分科会長  中医協総−3−1の資料でございます。今会長から御説明がありましたように、高額薬 剤の薬剤費が十分反映されていない部分があるのでないかということで調査させていただ きました。高額薬剤につきましては、まず包括として新たに診断群分類を設定して包括評 価する12薬剤、それから既存の診断群分類の中で包括する4薬剤、それから十分なデー タが得られていないことから引き続き出来高算定する3薬剤と、この3つのパターンに分 類されます。  そのうち特に問題になりましたのは、既存の診断群分類の中で包括評価した4薬剤につ きましての評価が適切であったかどうかというご指摘です。1ページ目の下の2−1の[1] でございます。高額薬剤に使用した症例と使用していない症例とで資源投入の状況がどの 程度変動するかを比較するために、16種類の薬剤に関係する診断群分類それぞれについ て平均在院日数の変動及び1入院当たりの薬剤費を含む平均医療資源投与量の変動をプロ ットして分析しております。これがD−1−3でございます。  それから、次をめくっていただきまして、[2]でございます。パターンIIで包括評価した 4薬剤が関係する診断群分類に該当する全症例について高額薬剤の使用の有無を区別しつ つ、在院日数及び資源投入量をプロットして分析しております。これはD−1−4でござ います。  まず、D−1−3の図の一番最初の図を見ていただきたいと思います。横軸が在院日数 でございます。縦軸が資源投与量の比率でございます。ちょうどY=Xという形で、同じ ものであればこの線上に点が重なってくるという形でございます。Aで囲んだ部分、これ は高額薬剤を投与することによって平均在院日数が短くなってくるような場合でございま す。これにつきましては診断群分類の新たな分岐を考えるという形になります。それから、 Bの部分は、高額薬剤を投与することによって医療費が少なくなり、在院日数が長くなる 場合です。実際にはこれはないのでございますが、こういった部分が出てきた場合にも、 やはり診断群分類を分岐するということになります。  それで、問題となりますのは1の点で交差した線の内側の部分であります。ここで資源 量がどう違ってくるかということを分析しております。その結果でございますが、このグ リーンの三角の部分が本来のところにいれば包括をしても同じような形で出てくるという ものでございますが。これが赤の四角の部分になってきますと、薬剤費の影響によって資 源量が高くなってくるという、コストが高くなってくるということでございます。  その次の下の図でございます、包括したパターンIIと、それから分岐したパターンIと、 それからドキソルビシンという3つのものをそれぞれプロットしております。そうします と、分岐したものパターンIはやはり資源量が大きくなってまいりますので、それでこれ は分岐するということになります。この包括部分の四角の部分はこのY=X線上に近いと ころに存在するのですが、ドキソルビシンに関しましては、ややそれが少しずれていると いう形になってまいりました。  こういったものをさらに詳しく、その次のページの上の図ですが、3の図でございます。 これはそれぞれの高額薬剤について同じようにプロットしたものでございます。これはパ ターンIに相当いたします分岐したものですが、分岐したものはやはりY=Xよりも上の ほうにシフトしているというものでございます。  そこで、この4のところでございますが、4の4種類の薬剤、A型ボツリヌス毒素ほか でございますが。これをプロットいたしますと大部分はY=Xのところに近い分布をして いるのですが、ドキソルビシンだけがやはりY=Xから外れて高いところに位置するとい う結果が得られてまいりました。  これをさらに細かく精査いたしましたのが診調組D−1−4でございます。これでごら んいただきますように、1枚めくっていただきまして、卵巣癌に対するドキソルビシン塩 酸塩でございますが、グリーンの○がドキソルビシンを使った場合で、使ってない場合が ブルーの×でございます。そうしますと、このグリーンの部分が明らかに高いところに分 布し、医療資源量は高くなっているということが示されてございます。これをさらに細か くその他の診断群分類でも見てみますと、やはりグリーンの○のほうがブルーの×よりも 高い位置にあるということでございます。  これに対しまして、肝細胞癌に対するソラフェニブトシル酸塩では、グリーンもブルー も同じところに分布しているというのが5ページの図で認められます。それぞれの診断群 分類は6ページ、7ページ、8ページにわたって示しております。  それから、小児脳性麻痺患者に対するA型ボツリヌス毒素でも、これもやはり同じよう な形で使った場合と使わなかった場合が資源量としては同じところに分布するというのが 出ております。  また、イマチニブでございます、イマチニブ抵抗性消化管間質腫瘍に対するスニチニブ リンゴ酸塩ですが。これもやはり同じような形での分布を示しております。  ですから、今回の解析におきまして、ドキソルビシンだけが使用した場合とそうでない 場合の資源量が不一致であったということが出てまいりました。  そこで、実際の考え方でございますが、もとの資料に戻っていただきまして、4のとこ ろの対応がございますが、ここにありますように、特に具体的な、(2)でございますが、 ドキソルビシンだけが外れになってしまいましたので、DPCにおける高額薬剤の取り扱 いについては、引き続きDPC評価分科会で検討し、平成24年度改定において対応して いきたいと考えておりますが、現在こういったドキソルビシンの問題が出てまいりました ので、これに関しましては、この診断群分離だけをすべて出来高払いに移行してはどうか という提案です。既に診療報酬改定が済んでございますので、ここで手直しするというこ とは技術的に難しくなりますので、この部分のみ出来高に移行してはという提案です。  この出来高に移行する診断群分類でございますが、これは3ページのところをごらんい ただきますと、矢印がついたところに相当いたします。これはドキソルビシンを使ったも のもすべて包括した形で平均値として医療費が計算されておりますので、ドキソルビシン を使った症例も使わなかった症例もともに出来高の算定にするというのが分科会での結果 でございます。  以上です。 ○遠藤会長  西岡分科会長、ありがとうございました。  ただいまDPC評価分科会での本件に対する対応の方法が示されたわけですけれども。 御意見御質問ございますでしょうか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  1つ質問なんですけれども。これはパターンIIになったわけですね、一応、1、2、3 の中では、包括に。既存の包括に入れるということに。 ○西岡DPC評価分科会長  はい。 ○邉見委員  既存の包括に入れたところ、ドキソルビシンを使ったのがかなり高いコストになるとい うことなんですが。この包括に入れるか入れないかというのを決めるのは、私が知る限り ではDPC評価分科会では決めてないんですが、どなたがどういうふうな過程で決めるか というのを我々やはり知っていないと、4月に認めたわけですね。こういうふうに朝令暮 改的に変わるというのは、現場にも混乱しますし、患者さんにも迷惑ですので。どのよう な決め方をしているか、可視化というかそういうことをちょっと教えていただきたい。 ○遠藤会長  その問題大変重要な御意見だと思います。対応の中では、今後はこれをどうするかとい うことについて評価分科会である程度ルールを決めますという形で書かれていると理解で きますので、その辺のところは今後明らかになると思います。今のところパターンIにす るかパターンIIにするか、あるいは出来高評価を継続するといった場合でも、症例数が少 ないから評価できないからだというそういう説明を受けていますけれども、どのぐらいを 症例数が少ないと見ているのかとか、その辺のところは全く不透明だったわけなので、そ れを一体だれがどういう基準で決めたのかということについて、事後的になりますけれど も、御説明いただきたい、こういうことが邉見委員の御質問だと思いますので、これは事 務方にお聞きしたほうがよろしいと思いますので。事務局、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  必要がございましたら後日また整理をして御提示もさせていただきたいと思っておりま すが。改定時点で診断群分類を見直す作業をしております。御案内のとおりだと思います が。包括点数を設定することと同時平行で診断群分類を改定時に見直しをしております。 そのときにどれぐらいの数の症例があれば例えば診断群分類として包括点数を設定するの かといった基準は、資料上はお示しをしておりますけれども、明確に説明していないかも しれませんので、改めてお示しをすることはできると思っております。  その上で、見直しに際してどういった作業をしているのかという点につきましては、改 定時点で実際に臨床のさまざまな御意見を集約をする必要がございますので、現場の御意 見も含めて、学会の御意見も含めまして、臨床の専門家にお伺いすることにしております。 そういった作業はこのデータ処理をします過程で事務局のほうで処理をいたしております。 最終的に原案をつくりまして評価分科会と御相談をしながら、改定時点でDPCの見直し 案を確定をさせまして、それをお諮りをして包括点数を設定するという形になっておりま す。  個々の作業につきましては確かに邉見委員御指摘のとおり明確に御説明していない部分 もございますので、この点につきましては先ほど遠藤会長御指摘のとおり、今回の高額薬 剤の取り扱い、それから診断群分類の見直しに係るさまざまな検討の中で整理をして、ま た改めて御説明させていただきたいと思っております。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  わかりました。今回の改定は非常にタイトなスケジュールで、恐らく1月までに集まっ た症例を一所懸命やるというのもなかなか難しかったことが多かったと思いますので、こ ういうことも出る可能性は普段の改定よりは多かったというふうには思っておりますけれ ども。今後はやはりある程度全部の症例というよりも少しであっても症例をピックアップ してサンプリングすればある程度こういうふうなのが防げたのではないかなと私思います ので、そういうことも考えたらどうかと。余りたくさんの症例でなくてもやはり傾向とい うものは出るだろうと思いますので、そういうふうなこともお考えいただきたいと。今回 のことに関しましては、私はこのような対応でいいんじゃないかというふうに思っていま す。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  西岡分科会長、お願いします。 ○西岡DPC評価分科会長  ありがとうございます。実際にはこのドキソルビシンがどのような形で使用されている かというのを少し私のほうで聞かせていただきました。そうしますと、このドキソルビシ ンというのは、これはリボゾーム製剤になっておりますので、これまであったドキソルビ シンよりも副作用の発現が遅れてくるんだそうでございます。そのために大部分の症例… … ○遠藤会長  西岡先生、すみません、ちょっとマイクを近づけていただけますか。後ろの人たちが聞 こえないみたいです。 ○西岡DPC評価分科会長  失礼しました。申しわけございません。実際の現場ではかなり入院期間を十分とってこ の薬剤をお使いになったというのが現状でございまして、実際の現場では、入院期間が長 くなりますと差がカバーされてしまいますので、そこのところがあらわれてこなかったと いうのが1つの理由にはなるかというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかにいかがでございましょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません、ちょっと確認させてください。資料中医協総−3−3というのが今回決め たときのデータなんですね。3−4が今回新たに再調査を症例をふやしてやられた、そう いうことですか。 ○西岡DPC評価分科会長  いえ、違います。どちらも今回やらせていただいた。それ以外の分析もいろいろ事務局 のほうでやっていただいたんですが、最も結果がわかりやすい形の分析はこういう形であ るということで提示させていただいたのが現実でございます。 ○安達委員  3−3も今回やった。 ○西岡DPC評価分科会長  はい。 ○安達委員  わかりました。それだとすると、要するにこういう入院定数等に着目をしてプロットす れば、現在のルールで改定期間の中間年で新たに出てきたような化学療法剤が高額である 場合は一旦は横出しにする、次の改定で今の3つのパターンのどれかに入れるというふう に今ルーディングしているわけですが。そのパターン化をするときにもう少し、もともと こういうデータもあってやらないとこういうことが起こるんだろうということが今回明確 になったということだと思いますので。 ○遠藤会長  そういうことだと思います。 ○安達委員  そういう資料も重要視して。 ○遠藤会長  今のところどちらかというと臨床現場からの御意見を中心にお聞きになって分けている という印象を受けたわけですけれども、こういうようなデータの整理等々が今後入ってき て、何らかのルールがつくられていくんだろうと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  そのことを御要望しておきたいといいますか、それをやらないでおいたことの残念な結 果が1つこういうふうに出たということでありますので。当然これは医療機関にとっても 重要な問題でありますし、治療をお受けになる方にとってはさらにもっと大きな問題だろ うと思いますから、こういう指標を次の改定で入れるときには必ず評価できる数のデータ を集めて一緒に入れていただくということが必要なのではないかということを御要望して おきたいと思います。 ○遠藤会長  大変適切な御要望だと思います。ありがとうございます。  ほかにございますか。  そういたしますと、今回の具体的対応としましては、ただいまの3分類に分けるときの ルールを明確化することを分科会のほうで御検討いただくということと、今回のドキソル ビシンにつきましてはすべて出来高にするというそういう考え方ということで、よろしゅ うございますか。  1点だけ確認ですけれども、ドキソビルシン、出来高にするのですが、これはいつ段階 から出来高になるというふうに考えたらよろしいでしょうか。今後の具体的なスケジュー ルをちょっとお知らせいただきたいと思います。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  本日お認めいただきますれば、可及的速やかになるべく早く実施をいたしたいと考えて おりまして、できれば6月1日から実施させていただきたいなと考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  よろしゅうございますか。  はい、ありがとうございました。  それでは、本件につきましては中医協として承認するということにさせていただきたい と思います。  ありがとうございました。  それでは、引き続きまして、準備病院の募集等についてを議題といたしたいと思います。 引き続きまして、西岡分科会長よりお願いいたします。 ○西岡DPC評価分科会長  DPCの準備病院の募集については、これまで診療報酬の改定の年度に沿って準備病院 を募集するという形で進んできたわけでございます。それで、今回改定いたしまして新た にDPCに参加される病院を募集したいと考えております。これまでの経緯で既に平成2 1年度にもやはり準備病院を募集した経緯がございますので、この下の図にございますよ うに、平成21年度に準備病院に入られた病院に関しましては、平成23年度にDPCの 対象病院になることができるということが以前のこの委員会で決められてございますので、 それを踏襲させていただきたいということ。  それと、今後は、DPCの準備病院の募集は診療報酬改定年度にあわせて行うことにし てはどうかということです。ですから、今回平成22年度で募集いたしますと、それは2 4年度に対象病院になりますが、23年度は募集はしないといった形でやらせていただけ ればという御提案でございます。  御審議をお願いいたします。 ○遠藤会長  どうもありがとうございます。  一番すっきりするのは、改定年次に参加していただくということなんですけれども、過 去の議論の経緯もありますもんですから、平成21年に準備病院になっている病院につき ましては23年度から対象病院にするということで、その後は改定年次とあわせるという 形にしたいと、そういうことでございますけれども。御意見ございますでしょうか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  これでいいんじゃないかと思います。といいますのは、実は21年業務も事務局は大変 難しいと、途中で改定またぎがあったんですけれども、公立病院が急にできないもんです から、体制がですね、診療情報管理士を雇うとか電子カルテを入れるというのが議会のこ ととかありまして、急に止めると困るということで、21年はお願いして入れてもらった という経緯もございますので。もう周知してそのことはクリアできたと思いますので、私 としては、途中でやると係数とかすべて変わってしまって非常にややこしくなると思いま すので、これでいいんじゃないかというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、このような形で募集をお願いしたいと思いますので、そのやり方としまして は中医協としては認めたということにさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。  西岡分科会長、どうもありがとうございます。失礼しました、まだございますか。  事務局から何か補足はありますか、準備病院につきまして。 ○事務局(迫井医療課企画官)  準備病院ではないんですが、その裏にございます調査の関係の、これは御報告といいま すか定期的にDPCに関しましては総−3−5の裏の肩番としまして2ページ、3ページ に調−D−5というふうな資料がございます。これもあわせて今回御報告御承認いただき たい案件でございますが、DPCに関しまして引き続き私どものほうで説明させていただ いてよろしいですか。 ○遠藤会長  失礼いたしました。どちらが御説明されたほうがよろしいでしょうか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  それでは、事務的な話ですので、私のほうから御説明させていただきます。事務局から 御説明させていただきます。  総−3−5の2ページ、3ページでございますが。DPCに関しましては制度導入以降、 その診療の内容、あるいはその後の診断群分類の見直し、それから包括点数の設定等につ きまして議論するために調査をいたしております。毎年度調査をいたしますが、その調査 内容につきましては中医協で御了解いただいて実施をするものでございまして。今回もこ の7月から今年度の調査に入りたいということで、通常行っております内容を整理をいた しまして、資料としてお示しをいたしております。  一昨年、昨年と違う事項といたしまして、1つ御留意いただくとすれば、2ページの[1] のところに書いてございますが、今後DPCの調査に関しましては、いわゆる通年調査、 連続した調査に移行することといたしておりまして、今年がそういう意味では移行年にな りますので、この7月から23年3月まで9カ月という変則的な実施期間になっておりま す。来年度以降はこれが連続して通年で行うという形になっておりますので、そういった 見直しもいたしております。  3ページには、これはもう既に御案内のことと思いますが、こういった医療機関を対象 としてということで、DPCの対象病院及び準備病院に対して行いますと、こういう内容 でございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまの調査の案につきまして、何か御意見ございますか。  これは具体的な質問項目等が固まった段階でまた中医協に報告をされるという、そうい う段取りにはなっているのでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これは調査を実施いたします関係上、事務局のほうで調査の事項については整理をいた しておりまして、新規に見直します項目については分科会のほうで、特に様式1について 追加あるいは整理をいたしましたけれども、その内容につきましてはそちらのほうでの内 容ということで御了解いただければというふうに考えております。 ○遠藤会長  従来どおりそういう対応をしていたので今回もそういう対応をしたいということであり ます。  何か御意見ございますか。  例えば先ほど議論になりました高額薬剤の使用などということはこの調査の中では取り 立ててやるということはないわけですか。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これは基本的にすべての診療内容につきましてデータとして既に登録をされております ので、むしろ調査をして得られた内容をどう抽出をして議論するかというその活用の部分 に関する御指摘だろうというふうに私どもでは理解をいたしております。 ○遠藤会長  そうすれば、データとしては既に補足できているのでということですね。  あともう1つ、[5]の医療の質に対する評価というのは、これも従来からやっていたこと でしょうか。具体的にどういう内容を質としてとらえていたのかということ、簡単にわか れば教えていただきたいと思います。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これはいわゆる様式1と言われておりますこの診断群分類の設定の議論にも絡むわけで ございますけれども、通常今までデータとして御提出いただいている内容とともに、例え ば診療録の内容からレセプト等の診療報酬請求関係で得られる情報とは別に、診療録等か ら引用あるいは抽出をしないと得られない情報につきまして、特にこういった整理で[5]の ような形で調査項目を設定をして、情報収集をしてその後の検討に資するということでご ざいます。  例えば、これはもともと導入時点でかなり関心を持って議論された内容の1つとして、 再入院率が例えば高くなったんじゃないのかとか、包括評価を導入した関係で医療の質が 変わったのではないのかと、そういったさまざまな視点が当然あろうと思いますけれども、 それを通常議論を経まして、様式1も含めまして設定している項目を複合的に評価をして、 医療の質に係る評価を行っているということでございます。 ○遠藤会長  従来より再入院率だとか転帰などは調査で聞いておられたと思いますけれども、そうい った従来どおりの質問項目を今回もおやりになるということなのか、あるいは何か質とし て指標として何か新しいお考えがあるのか、あるいは今のところまだ未定であるというレ ベルなのか、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思ったわけです。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  今回お示しをしております調査は大きく分けますと2段階ございまして、7月から継続 して診療情報をいただくという内容で、これはそういう意味では事務的にも急いでとりま とめをして、早速実施をする必要がある内容でございますが。その通常行っております評 価と、もう1つ特別調査という形で、特にテーマを設けてこういった内容でDPCに係る 調査をするという二段構えになっております。この[5]の内容につきましては両方に係る内 容でございまして、通常行っております調査に関しましては、従来行っておるものにプラ ス少し今回見直しをして充実させたらどうかということを分科会のほうで御議論いただき まして、先日項目が決定した内容でございます。  さらに、今後必要に応じて特別調査というのを実施をいたしますけれども、その際に特 に注目すべき、留意すべき内容につきまして、さらに分科会等で議論いただいて実施をす るという二段構えになっておる内容でございます。 ○遠藤会長  そうすると、質の評価として何をとらえるかというのは今後分科会で議論がされるとい う、そういう理解でよろしいわけですか。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  基本的にはそのとおりでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  西岡分科会、何か補足がございましたらお願いしたいと思います。 ○西岡DPC評価分科会長  医療の質に関しましていろいろな指標というのが既にいろいろな分野で出されてござい ます。私どものほうでは現在DPCの非常に詳細なデータがございます。それを分析した 形で松田、今伏見研究班になりましたが、その伏見研究班のほうで幾つかのひな形を出し てきていただいております。1つは、新たにそれを問うという形での特別調査になるかも しれませんが、現行ありますデータを細かく分析して、医療の質につながるものを追加し ていくという、形になろうかと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  会長、ちょっと質問。2ページの具体的な調査内容等について、この中医協では意見を 言えるんでしょうか。 ○遠藤会長  先ほどの従来の扱いでは分科会どまりだという話だったので、そういう話ですね。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  もちろん分科会はそもそも中医協の組織でございまして、中医協として意見を当然言っ ていただけるものと理解しております。ですが、これは例年といいますか定例的に実施し ておりますある種事業でございますので、やはり役割分担をしていただく必要がございま すから、細目につきましては分科会のほうで基本的に議論していただいて、項目の修正を 行っております。  もともとその根っこにありますこの実施時点では中医協、基本問題小委員会を中心に相 当な議論をしていただいて、調査項目等も設定されたというふうに理解しておりまして。 ですから、当然のことながら中医協として御意見いただくのはあり得べしというふうに事 務局では理解をいたしております。 ○遠藤会長  ということですから、報告をいただいて意見をいうというプロセスを1つ設けたいとい うふうに思いますけれども。 ○嘉山委員  会長、それは報告というのは項目の内容ですか、結果。 ○遠藤会長  調査内容ですね。  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  もちろん御意見、それから報告はさせていただきますけれども、今回ですから調査内容 を実際に御議論いただいて、もし修正するといたしますと7月からの実施ができなくなる 部分もあります。ですから、もし御意見いただくあるいは御議論いただく場合には、少し 整理をさせていただければと考えております。具体的には、7月から既に、これは従来か ら行っておりますDPCの見直し、あるいは診療報酬の評価、それから今回取り組んでお ります機能係数の見直し等々、作業を実際に行っております定例的な調査につきましては、 できますれば現在セットされております項目で実施をさせていただきたいと考えておりま す。それ以外に必要な対応等御意見ございましたら、特別調査等々で可能な限り反映させ ていただく、あるいは必要によっては来年の項目にそれを反映させていただく等の対応で お願いができないかというふうに事務局としては考えております。 ○遠藤会長  先ほどの質の評価を今伏見研究班で考えておられて、それを分科会のほうでいずれ開示 されて議論されるということですけれども、それは特別調査に入るわけですか。いわゆる 今企画官が言われた定例の調査というのに入るのですか、どっちなのかよくわからないで す。お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  そちらは両方に反映をさせるものでございます。定例に調査をしております内容のうち、 一部医療の質に係る内容も当然ございます。それから、定例以外に特別調査を行うものに つきましては、項目は今後の議論で対応可能ということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  少し質問させていただいて多少クリアになったかと思うんですけれども、嘉山委員、引 き続きどうぞ。 ○嘉山委員  昨年度もいろいろな調査結果が出てきたんですけれども、我々がディスカッションした いと思う項目がないというときに困ると思って、先に我々がその調査項目をチェックした いというふうに言ったんですが、無駄をしないために言ったんですよ。ですから、7月っ ていつもまた例によって時間がないとかということよりは、後で追加調査でもいいから我 々の中医協での議論の内容を反映していただいたほうが西岡先生も助かると思うんですよ ね、そのほうが。ですから、全部結果が出てから我々が項目をチェックしたらすごく遅れ ますよ。ですから、それをさせていただきたいと思うんですが。 ○遠藤会長  事務局はそれに対して、定例調査と言われるものについては従来どおりのほぼ同じ内容 で質問するのかなと思って聞いたんですけれども。若干そうではない点があったんですが、 それ以外に特別調査もやるから、そっちのほうは遅くても構わないというように私は理解 したので、そこで議論が反映できるのか。そこら辺が僕もよくわかりません。何が定例調 査で何があれなのかよくわからないので。  要するに中医協の意見が調査に反映されるかどうかということを御要望なわけですが、 それは可能なのかどうかというところをお聞きしているわけです。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  私の説明が少し足らないと反省をいたしておりますが。7月から実施をいたしますのは、 定例と申し上げますとおり、項目はほとんど変わりません。例年どおりです。少し正確に 申し上げたのは、その項目を若干修正するのは、診断群分類を見直したりする際に、こう いった項目が必要だということで項目を追加しているものでございますので、私の理解で はそこはかなり事務的な内容に近いということでございます。  それ以降、特別に実施をいたします調査につきましてはいろいろな課題、フォーカスを 当てて項目を設定いたしますので、その点につきましては改めてもう一回こちらで整理を して御報告をさせていただいて御意見をいただくということは可能であるということでご ざいます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  順番で、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  DPC導入後の調査は、以前は7月から11月とか期間限定でやっていたと思うんです が、それを通年に変えていこうというものの理由はどういったことなんでしょうか、教え ていただけますか。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これは診療報酬の設定にも絡む調査でございまして、特に季節変動、例えば冬場でござ いますと肺炎、インフルエンザ等の当然増加がございます。等々季節変動がございますの で、基本的には通年調査が望ましいという御意見がございました。そういったことを踏ま えまして、DPCの場合にはルーチンといいますか、参加していただくに当ってデータ提 出のお願いをしておりますし、電子媒体等でデータを提出いただいておりますので、そう いった御議論の中で現場の御理解もいただきながら通年調査に移行するという結論をいた だいたというふうに私どもでは理解をいたしております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  今季節変動ということをおっしゃっていただいたんですが、中医協でよく問題になる医 療経済実態調査も6月単月でいろいろな季節変動の問題があるということを各学会から言 われているんですが。ぜひそういった分野も通年調査というほうに変更していただければ と思います。 ○遠藤会長  DPCの調査の話ではなくですね。はい、ご意見わかりました。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと鈴木先生がぶれた質問をしたので、もとに戻しますけれども。中医協がちゃん と意見を言わないと、いくら分科会が調査項目を決めてもいろいろな問題が起きていると いうことはエビデンスなので、我々としては意見言いたいと思います。なぜかというと、 例えばこの2ページの2番の包括評価の実施に伴って医療サービスが低下していないか等 を検証するというふうに書いてありますね。そうなると、今までやってないことで、例え ば今日話題になっている高額医療費どのぐらいこのDPCやってるためにそういう問題が 起きているのかと。あるいは、未承認薬だとか適用外の薬品をどのぐらい使っているのか ということをディスカッションしなきゃいけないんですよ、DPCの会議の中でね。それ がまだ調査されていませんから、そういうことを調査項目に入れてほしいということなん です。でないと、また国民を置き去りにしたディスカッションしかできない材料しか上が ってこないので、それで私ははっきりと。  それから、こういうことは余り品がないから言いたくないんですけれども、やはり中医 協のほうが、会長、上位なんですよね。 ○遠藤会長  もちろんそうです。要するに法律の根拠のある審議会は中医協でありまして。評価分科 会については法的なバックボーンはないわけです。そういう意味では明らかです。中医協 というのは正確に言うならば、この総会と部会、小委員会だけですから。調査専門組織は 違いますので。 ○嘉山委員  そうであればこそ、やはり我々は意見を言える立場なので。 ○遠藤会長  もちろんそうです。 ○嘉山委員  我々の意見を、先生方からとりまとめた調査項目を我々に一回見せていただいて、そし てそれにつけ加えたいと思うんですが。 ○遠藤会長  わかりました。1号側、今の御意見についてどういうふうにお考えになられますか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  定例ものはどういう分析をしていくかということを主眼に、アウトプットを見て議論す ればいいと思いますので。時間の問題もあるでしょうから、ぜひ予定どおり7月ですか、 進めていただければと思います。嘉山先生のおっしゃるとおり、ちょっと違う見方で新た に調査が必要だというのは確かに、我々もあるかもしれませんし、2号側の先生方もある かと思いますので、それはしかるべき場で議論をすればいいと思います。  ただ、ちょっと私自身も不勉強で大変申しわけないんですが、昨年の定例ものの分析結 果とかその辺を少し私どもも勉強し直した上で議論をしませんと、嘉山先生の思いと私ど もの思いが少しずれているといいますか、お互いに今までのアウトプットというのをよく 分析してみて、やはりこういう面が抜けているなということを踏まえて議論したほうがい いのではないかなというふうに考えます。 ○嘉山委員  我々は議論済みなんです。 ○遠藤会長  ありがとうございます。そうしますと、要するに定例ものと特例調査というんですか、 特例もの、特例ものは議論をする時間は十分あり得るという話になるわけですね。定例も のはもう過去のとおり基本的におやりになるということですので、定例ものについては従 来どおりのやり方でやるということでしょうか。  関連いたしますか。では、牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  定例ものというのは既に毎年やっているものですね。そうするとひな形がもうできてい るわけですね。今白川委員から御意見ありましたように、私たちも昨年のを忘れていると いうこともありますので、結果も踏まえてどういう質問だったのかというのはすぐに我々 いただけるんじゃないですか。それを見て、定例ものに関してもすぐに意見があれば言え ると、7月に十分間に合うんじゃないんでしょうか。特別調査というのはこれからいろい ろ分科会で検討して新たないろいろなやっていきますのでこれからの話でしょうけれども、 定例ものというのはもうでき上がっているものがあるわけですから。どうでしょうか。 ○遠藤会長  前回調査の報告はしていただいているわけですよね、昨年度に。それは何月ぐらいにや ったんでしたか。それをもう一回ここで御報告をしていただく、委員も大分代わりました のでということだと思います。それをやった上で意見があればそれを反映した形で定例も のにも一部修正が加えられないかという、そういう御発言だと思いますが。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  御指摘のとおり、年度年度で調査を実施したその集計といいますか結果は毎年報告をさ せていただいております。昨年につきまして、ちょうど5月の終わりごろに中医協に御報 告をさせていただいております。本年につきましても、今後近い中医協のどこか適当な場 所で御報告させていただく予定でおります。ですから、そのときにこういった項目を調査 を、そもそもこういう調査をしています、項目も含めて、それと結果こうですということ を御報告をさせていただいて、その際に御議論いただくということがもちろん可能だろう と思っております。  私どもとして一言どうしても確認とお願いを込めて申し上げさせていただきたいのは、 7月から実施をするためには、項目を固めて、事務的な準備がどうしても必要でございま して、実は既にもう項目的に固めなければいけないほぼクロスしつつあるということでご ざいます。ですから、牛丸委員の御指摘につきましては大変残念なんですが、もし7月に 実施をするとしますと、今日の時点で一定程度項目については固める必要がございます。 ですから、繰り返しになりますが、通常の調査につきましては技術的な項目の変更はござ いますが、基本的には大きな内容的な項目の変更はございませんので、定例のものについ てはできますれば7月でやらせていただくことで準備をさせていただきたい。  しかしながら、非常に御関心も高いということもよくわかりますし、委員も多く代わら れましたので、次回今のところ6月の終わりか7月を予定しておりますけれども、適当な 中医協の場所で今回の今年度の報告をさせていただく中で調査の項目等も改めて説明させ ていただいて、そのときに御意見等いただいて次々回に反映させていただくことでいかが かというふうに考えております。 ○遠藤会長  そのような事務的な制約があるということですね。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  個人的には今の御説明でよろしいのかなと思うのですが。1点、それを受けて新たに質 問しておきたいのですけれども。この2ページ、3ページの調査案についてです。前回の 調査の際にも同様に調査案というのが出ていたのかと思うんですけれども。この2ページ に具体的な調査内容等々が[1]から[5]までありますけれども、前回の調査案の段階のときと 今回の調査案でこの[1]から[5]がどのように今変わって出てきているのか。例えば[1]は期間 が今回から通年になりましたとか、[4]のところには置き換えを検討するための特別調査を 実施すると書いてあるんですけれども。例えば特別調査というのは前回はあったのかどう かとか。そのあたりを少し教えていただければと思います。 ○遠藤会長  前回の案の段階との違いということですね。はい、お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  今、前回の資料を少し確認できるかどうかチェックをしておりますが、その間に説明を させていただきますと。具体的な調査内容等につきまして項目なり表現を整理をしている 部分がございます。それは、少なくとも期間の問題と、それからもう1つは例えば[4]にご ざいますが、調整係数を新たな機能評価係数に見直すための調査がどうしても重点的にさ らに追加が必要になっております。ですから、そこについては少なくとも説明、定性的に この項目の表現ぶりは少なくとも変えております。当然のことながら具体的な項目として そういった内容も意識をして調査をしてきております。  現在手元には去年の資料がございませんので、もし必要があれば確認をして御説明させ ていただきたいと思っております。 ○遠藤会長  勝村委員、御発言の趣旨というか目的をお聞きしたいと思います。 ○勝村委員  [4]のところが今回新たに入ったのだろうなということを確認したかったということと、 [1]については今回から変わった部分はわかるのですけれども、[5]みたいな書き方は前回の ときもしていたのかどうかということなども一応参考のために聞いておきたいということ です。 ○遠藤会長  今手元に資料ありますか。バインダーみたいなの、我々の手元にはなかった。  西岡分科会長、どうぞ。 ○西岡DPC評価分科会長  今回の調査では御指摘のごとく、新たに入っておりますのは[4]と[5]でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、よろしいでしょうか。  はい、ありがとうございます。  ということですが、1つ確認ですが、特別調査というのは、その調査の客体も本調査と ほぼ同じぐらい確保できるとか、要するにそこそこのボリュームの調査も可能であるとい うふうに理解してよろしいかどうか、ちょっと教えてください。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  いずれも客体は3ページに書いてございますが、イの対象医療機関でございます。です から、調査時期あるいは調査の項目は違いますけれども、客体となる医療機関につきまし ては同じでございます。もちろん絞り込むことも含めて対応は可能でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  これは郵送で聞くんですか、それとも電子メールで聞く調査でしたでしょうか。 ○西岡DPC評価分科会長  特別調査と定例調査の違いなんですが、今までございますように、例えば在院日数がど うなったかとか、再入院の比率がどうであったかといったようなことが定例調査で常に出 しているものでございます。特別調査で今までやってまいりましたのは、再入院の詳細を 調べております。再入院及び再転棟、どういった疾患が多いのか、どのような期間でそう いったことが起こっているのかです。1例でございますが、そういうものを特別調査とし てやってきております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。イメージが少しクリアになったと思いますので。ただ、私が申 し上げましたのは、今後こういうことも聞きたいああいうことも聞きたいとたくさん出て きた場合に、それは特別調査ではそのボリュームは対応できませんということは当然あり 得ると思うんですが、どのぐらいのことが聞けるのかなと。そうであるならば本調査で聞 いておけばよかったというような話にならないようにどのぐらい聞けるのかなということ をちょっとお聞きしたかったのですが。それも含めて電子メールで聞いているのならボリ ュームは余り関係ないですけれども、紙で聞いているならばそれは予算上の問題が出てく るということでお聞きしたのです。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  基本的な媒体は電子メールをベースにいたしております。  それから、調査項目に関しましては、これはある種デリケートな議論でございまして、 御案内だと思いますけれども、実施を始めてそれなりに年月たっておりますが、やはり医 療の現場におきましては調査の項目1つふやすこと自体がそれなりの事務負担も生じます。 ですから、一定の必要性なり目的なりを御理解をいただきながら今日の項目に至ったとい うのがこれ実態でございます。ですから、中医協のお立場からしますとさまざまな調査、 さまざまなデータを得て吟味をしたいという御意向は当然あろうと思いますけれども、受 けていただく医療機関におきましてはそれなりの負担もやはりある中で、どういった形で それを御理解を得るのかということも1つ念頭において御議論いただきたいというふうに 考えております。 ○遠藤会長  それは当然のことだと思います。どうもありがとうございました。  そういたしますと、定例調査につきましては、先ほどお話ありましたように、でき上が ったものについての報告はしていただくということにして、中身についての議論は特別調 査で行うという形でまとめさせていただきたいと思いますけれども、そういう対応でよろ しゅうございますか。  ありがとうございます。  では、西岡分科会長、そのようにさせていただきたいと思いますので、ひとつよろしく お願いいたします。ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  DPCの調査のお話、議論は終わったんだろうと思いますが。その他で申し上げてもい いんですけれども、同じ調査の話なので関連してお願いを申し上げたいことがございます。  それは、この後公益の先生方御議論になる検証部会でございます。今回も5つの検証項 目が挙がっております。私も前年度の改定の後の1つの検証部会の委員として参加をさせ ていただいた経験もございますけれども、その時点で委員にはあらかじめ一応プロトコル ができた質問項目について追加や変更の御意見はありますかということは委員は意見を述 べることはできます。できますが、述べて変えていただいた経験は一切ございません。つ まり、これは基本的には事務局がこれまでの経験等に基づいて作成されたものを公益委員 の先生方が検証部会で御検討になってこの項目でいきましょうというそういう手続きを踏 んで決まるんだと思います。  ですから、その検証部会のいわゆる調査項目、質問項目についてもやはりできれば中医 協で同じようにその内容を一度お出しになる前に、それぞれの検証委員会、部会にお出し になる前に検討させていただきたい、これも要望でございます。  アンケート形式ですから、特に意識調査なんていうやつは。これは政治のアンケート調 査と全部同じでして、設問の仕方によって結果は想定できるという場合もあるし、誘導し ようと思えば誘導できる。その悪意を疑うわけじゃありませんが。ですから、そういうと ころでやはり適正な必要なデータが、先ほどの嘉山委員の御議論と同じですが、出るよう な設問項目を用意していただきたいという意味で、中医協委員として意見を述べさせてい ただく場をいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。検証部会の話になりましたので、検証部会長の牛丸委員、もし 御意見があれば。 ○牛丸委員  今安達委員から御指摘ありましたように、この後検証部会開きまして、22年度の検証 の項目を決め、その内容は次回の総会にお諮りしようと思っております。  前回の総会でもお話ししましたように、せっかく検証部会でいろいろな検証を行います ので、我々公益委員が一応案をつくりますが、それだけで推し進めていくのではなくて、 中医協の委員の1号、2号の両先生方、特に現場を御存じの方々の御意見を反映した形の ものをつくって行いたいと思っております。  来週の総会では今日恐らく了承されるであろう、どの調査を行うかという項目ぐらいの 話になるかと思いますが、具体的にその後この検証部会の下に委員会がつくられまして、 具体的な業者を決めて細かい作業に入っていきますけれども、そこで、今安達委員からお 話あったようないろいろな細かいことを、これについても中医協の先生方、委員の皆さん 方にも御意見をちょうだいしたいと思っています。  もし早い段階で御意見があれば、下のところで検討するところに生かしていきたいと思 います。どこの段階でどう出していくかはまだ定かではありませんが、事務局とも相談し なければなりませんが、なるべくやるからには意味のある調査をやりたいと思っています ので、私というか、検証部会としては各委員の先生方の御意見をなるべく反映するように したいと思っています。予算のこともありますし、それから時期の問題もありますから全 部ということは無理かもしれませんが、一応はお諮りするつもりです。ただし、ほかの調 査は検証部会と違いますので、そこはわかりませんけれども、検証部会関係ではそのよう に考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいでしょうか。 ○安達委員  結構でございます。 ○遠藤会長  ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。  どうもありがとうございました。  それでは、DPCに関連いたしましてはそのように対応させていただきたいと思います。  引き続きまして、臨床検査の保険適用についてを事務局から報告していただきたいと思 います。お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  総−4−1の1枚紙を見ていただきたいと思います。今回、臨床検査に関しまして、区 分E3(新項目)ということでございますが、測定項目が新しい品目で保険収載のお願い をいたしております。  検査の概要につきまして、裏の2ページを見ていただければと思います。今回保険適用 希望があった新規の検査項目の概要でございますが、名称はインタクトI型プロコラーゲ ン−N−プロペプチドでございます。主な対象疾患といたしましては、代謝性骨疾患、主 に骨粗鬆症の患者さんでございます。  参考のところの下に表がございます。既存の保険収載の検査項目といたしまして、酵素 活性の血清BAPという項目がございます。骨形成マーカーにつきましては既存の項目に 加えて、今回新たにコラーゲン代謝の血清Intact PINPを新規収載を希望する ということでございます。  有用性のところに戻って見ていただきまして、この検査項目の意味、意義でございます が、対象疾患は先ほど申し上げましたような代謝性骨疾患でございますけれども、骨粗鬆 症におきます治療効果の判定、それから経過の観察につきまして、[2]に書いてありますと おり、既存の項目BAPに比較をいたしまして、最も早い段階から産生される物質をディ テクトするということでございまして、骨形成をより早期から鋭敏に反映させることがで きるという臨床的な意義があるというふうに言われております。  表の紙に戻っていただきまして、検査の項目といたしまして、今のような内容で測定方 法はRIA法でございます。保険適用に関します点数でございますが、今御説明したよう な趣旨、意義から、既存の項目と同じ点数、具体的に申し上げますとD008の内分泌学 的検査14の骨型アルカリホスファターゼ(BAP)でございますが、170点を準用す るということでございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  このような臨床検査を保険適用したいということですが、点数的には類似検査と同じで あるということですが。何か御質問御意見ございますか。  特に御質問ないようであれば、お認めするという形にさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。  引き続きまして、主な施設基準の届出状況等について、議題としたいと思います。事務 局から資料が出ておりますので、説明をお願いします。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  それでは、総−5−1、総−5−2、簡単に御説明をさせていただきます。これは例年 保険医療機関施設基準あるいは選定療養の届出を義務付けておりまして、その報告を地方 厚生局経由で行っておりますが、全国集計をいたしまして年に一度御報告をしております、 いわゆる定例的な御報告でございます。  総−5−1の束が施設基準に係るものでございまして、さまざまな加算あるいはほかの 診療報酬項目に係るものでございます。1ページ目から順番に、初診料関係から始まりま して、2ページ目、入院基本料関係の基本料の基準を満たす施設、あるいは3ページ以降 さまざまな加算等々が整理をされております。  数字の整理といたしましては、経年変化で平成19年、20年、21年ということで、 3年にわたっての数字が並べてございます。特掲診療料関係も含めて全部で19ページの 表でございます。  それから、総−5−2でございますが、こちらは選定療養に係るものでございまして、 いわゆる特別の療養環境の提供、いわゆる特別差額室料の関係から始まりまして、1ペー ジ目、2ページ目。表のつくり方は先ほどの施設基準とは異なりまして、この特別の療養 環境の提供に関しましては、例えば何人室、部屋の規模、それから価格帯に応じて数字が まとめられております。3ページ以降は同様に金額と病院数、それから4ページ以降、予 約に基づく診療、それから診療時間外の時間における診療に係る選定療養等は全国規模の 数字等々まとめております。全部で6枚の選定療養に係る報告状況でございます。  簡単でございますが、事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。例年この時期に御報告をいただいているものでありますし、い ろいろな情報が入っておりますのでいくらでも議論はできるわけですけれども。何かお気 づきの点、御質問あればお聞きしたいと思いますが。  20年、21年の間でありますから、改定年次ということではないということもありま して余り大きな変化もないわけでありますけれども。在宅療養支援診療所もそれほどふえ ていないという、頭打ちかなという、こういうのが見てとれるかと思います。  よろしいでしょうか。これはまたお持ち帰りいただいて、これをベースにしながら今後 の議論に反映していただくという形でさせていただきたいと思います。  何かありますか、安達委員、嘉山委員、何かございますか、質問等。 ○安達委員  特には今の段階ではございません。 ○遠藤会長  ありがとうございました。それでは、お持ち帰ってよくごらんになっていただければと いうふうに思います。  それでは、次にその他でございますけれども、2号側より今後の検討課題等に関する御 提案が出されておりますので、これにつきまして御説明お願いしたいと思います。邉見委 員どうぞ。 ○邉見委員  大変お疲れのところ時間をいただきまして申しわけございませんが。見ていただくだけ でもわかるんですけれども、霞が関用語ではなくて、平坦な日本語で書いていますので、 お読みいただいたらわかるんですが。  実は我々2号側はもう水曜日は中医協があるものと思って集まって勉強することに大体 しております。これまだ数回の集まりによりまして、まだ完全にブラッシュアップしたも のではございませんけれども、一応今後の中医協の議論に資したいものをまとめてみまし た。附帯意見に大体沿ったものでございますが、どのような調査をしていただきたいかと いう検証部会以外のこともございますので、出してみました。  まず1つ目は、これは順番どおりにはなっていませんが、一応再診料、外来管理加算、 入院基本料、この在り方と検討ということで、技術とモノの評価の分離。それから、建物 設備等のキャピタル・コストや人件費等のオペレーティング・コスト、あるいは技術料の 積算根拠の明確化と原価計算。それから、加算でなくてやはり基本料あるいは特掲料等の 引き上げによる対応をしていただきたい。それから、以前から持ち越しになっております 病院における複数科同日受診の再診療の算定等々でございます。  このような下のほうで医療技術評価分科会とかコスト調査分科会とかお願いすると。  また、近々予想される消費税が値上げされました場合、これはかなり医療界、特に病院 はやっていけないだろう。病院の三大損失と言われております消費税、未収金、査定減と いう中で一番大きなマイナスでございますので、この消費税の損税をどのようにやってい くかということも、ちょっとここだけではないとは思いますけれども、やっていただきた いというふうなことです。  それから、再診料の意味合い、再診料というのはもともとはどういうものかということ をちゃんと議論しないとなかなか難しい、弁護士さんの相談料と同じようなものもござい ますので、安心料とかいろいろな意味がございますので、薬とかそういうもの以外のもの があるんではないかというふうなことが議題になっております。  2つ目は、附帯意見の4番目にありましたドクターヘリの導入とか、勤務医の負担軽減、 これは先ほどもございましたように、下のほうにあります手術料の評価の引き上げによっ てどのように労働環境がよくなっているかというのはこれは検証部会でもしていただける ということになっております。そういうふうなことを中心にお願いいたしたいというふう に思っております。  それから、附帯意見の10番にありました調整係数の廃止とか新たな機能評価係数の導 入について、その影響がどのようになったかというふうなこと。また、先ほども問題にな りました高額薬剤の取り扱い等につきましても御検討をお願いしたいということでござい ます。  先ほども申し上げました、決定プロセスの可視化とか、あるいは抗がん剤の適切な取り 扱い等々でございまして。  一番下にありますクリニカルリサーチにおけるDPCの弊害の調査、これは特定機能病 院を中心に研究をやっているところがDPCによって治験とか研究がかなり阻害されてい るのではないかという意見がございましたので、このようなことも少し議題として出した い。  それから、12番は地域特性でございます。前回の改定ではうまくいきませんでしたが、 何か地方で頑張っている人たちを救うような医療資源の過小な地域における算定要件の緩 和できるような指標がないかというのをぜひこの協議会で御検討いただきたい。  あるいは都道府県に対して一部裁量権を与えてはどうか。こういう意見も一部ございま したけれども、ぜひ検討していただきたいということで。  こういうふうな医療提供と需要の実態を調べていただきたい。今度厚生労働省の一部の 部局が医師の実態調査を初めてやるようですが、これをぜひやっていただきたい。  それから、6番は看護職員の厳しい勤務実態でございまして、やはり看護師の多様な雇 用形態とか労働形態の検討とか、潜在看護師の復職支援策とか、こういうふうなことを勤 務実態調査とかヒアリングなどをやって現場を知りたいということでございます。  おめくりいただきまして、7番目はチーム医療です。これはDPCのチーム医療を認め るかという中で、最後の問題になりました薬剤師の病棟配置等を筆頭としまして、いろい ろな歯科関係のかかわりとかそういうふうなことを全部入れて、例えば一番下のポツには 脳卒中及び頭頸部疾患等における歯科医療のかかわりの実態調査。これは脳卒中の方々の 誤嚥性肺炎とか頭頸部の手術等の後における歯科医あるいは歯科衛生士等の方々のチーム 医療参加実態などがどのように退院を早くしているかとかそういうふうなことを調べてい ただきたい。  次は訪問看護でございます。次回改定は医療と介護の同時改定でございますので、今ち ょっと行き詰っております訪問看護ステーションがもう少しふえていくような方策は何か ないものかというふうなものでございます。  次のページは、これも同じでございますが、医療と介護のシームレスなサービスという ことで、これももっと慢性期医療だけでなく、後ろの居住系サービスとか、前の維持期と か亜急性とかそういうものも調べまして、連携を調べていきたいということです。これは 下の2番の慢性期入院医療のところとも関連いたしますが。一番下に一般病棟や療養病棟、 障害者病棟、介護施設を含めた横断的な実態調査というふうなことをぜひしていただきた い。これは慢性期入院評価分科会でお願いできるというふうに思っていますし。また、認 知症とか精神病棟とか最近ふえてきている疾患についてもやっていただきたい。  その次の12ページといいますか次のページは明細書でございます。明細書がせっかく 発行されたわけですから、実態はどのようになっているか。それから、我々が心配してお りました悪性腫瘍ですね、悪性疾患管理料、○悪と言われるものですが、このようなもの で問題は起きてないだろうか、今のところないようですけれども、そういうふうなものと か。あるいは、患者さんのニーズを調査するとか。  それに関連しまして13番目では、名称のわかりやすい診療報酬体系、あるいはだれで もわかるような名前、簡素化・合理化等についても御検討いただきたいということでござ います。  それから次のページは救急医療でございます。これは軽微なというのが一応フリーアク セスを阻害するということで見送りになりましたけれども、実際本当におるのかどうか、 軽微なことで救急車を利用したり救急医療機関、特に3次救急などを利用している人がど れぐらいおるものであろうかというふうなことも調べたらいいのではないかということで ございます。  これは皆今までは附帯意見にあったものでございますが、下の3つはその他我々が考え たものでございます。これはお読みいただいたらいいんですが。例えば終末期医療につい ての国民的議論。1回ありましたが、凍結とか廃止になりましたけれども、こういうふう なこととか。4疾病5事業への評価とか。総合入院体制加算の要件緩和、これもずっと前 から言っております。それから、歯科の医学管理の在り方、あるいは在宅歯科。後発品医 薬品のほうが高いというふうなものがどれぐらいあるかというふうなこと。  それから、審議の進め方に関しましては、医療経済実態調査、先ほど安達委員のほうか らございましたけれども、これをもっと充実させるか、定点で全例にするかとか、通年に するかとか。それから、パブコメ、公聴会の在り方もアリバイづくり的な今のやり方では ちょっといけないのではないか。もう少し地方の意見とか広い意見が必要ではないか。そ れから、時期的なものももう少し考えるべきではないか。答申と施行の時期の見直しです。 現場からは余りにも近すぎると、もう少し余裕が欲しいということをいつも言われており ますので、これなかなか予算の関係、国会の関係とかで難しいとは思いますけれども。こ れはフランス人の私の友人に見せますと、これもクレージーといわれました。手術手数料 の低さと同じく)フランスではこんなのでは暴動が起こるというふうなことも言っており ました。そういうふうなことも含めて。  またここの場では関係ないかもわかりません、後で事務局とお話しすることかもわかり ませんが、資料はもう少し早くいただいてゆっくりと検討したいとか、あるいは1カ月の スケジュールぐらいは前もって言っていただきたいと。今のところ私はもう水曜日全部空 けていますからいいんですけれども、やはり患者さんとかいろいろな人に迷惑をかけます ので、ぜひそういうことも御検討願いたいというふうに思います。  以上でございます。長く時間をいただきましてありがとうございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  関連で、渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  歯科の関係でちょっと一言申し上げたいと思っています。今、邉見委員のほうから御説 明していただいたこの大筋でお願いしたいと思っております。前の最終答申に際しても、 歯科のほうからも歯科の基本診療料の在り方とか、また医学管理の在り方、また適切な技 術料の評価等についての要望をお願いしておりますが。このまとめられた提案の中で医科、 歯科共通の部分についてはそのそれぞれの項目において医科、歯科共通というメモを付け させていただいておりますので、その項目等の調査に当って歯科に係るものもあわせて調 査検討をお願いしたいと思っております。  特にモノと技術の評価という件につきまして、手術とか処置とかいう内容については基 本的には医科、歯科共通なんですが、いわゆる歯科特有のものとしてまさに皆さんわかり にくいという補綴(ホテツ)物という言葉ですが、いわゆる入れ歯とか冠をかぶせるとか ブリッジを入れるとかというそのものについては技術料とともに、大変そのモノ自体につ いての評価、さらにその補綴(ホテツ)物そのものの中にも技術料がかかわっていきます ので、そうした歯科特有の部分がございますので、そうしたモノの分析等行われるときに は補綴(ホテツ)物という部分を歯科については注目して調査していただきたいなという ことが要望でございます。  また、それぞれの細かな検討項目が検討される調査設計の中でまた御意見を申し上げた いというふうに考えております。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  私のほうも1点だけ、7番の薬剤師の病棟配置の評価を含め、チーム医療に関する評価 について検討を行うということにつきまして、先ほど邉見先生が附帯意見として出ている 中で前回DPCの話をされましたけれども、今回はそのDPCだけではなくて、一応全病 院における薬剤師の病棟配置の評価の在り方についても御審議をお願いしたいということ でありますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  附帯意見等には直接は含まれていないんですが、ぜひ幅広く検討していただきたい問題 として、女性医師の活用をぜひ積極的に行っていただきたい。女性医師が、要するに出産、 育児をしながらも勤務ができる体制をどのように構築していったらいいかをぜひ考えてい ただきたいと思っています。  といいますのは、潜在看護師も同じでしょうが、一たん勤務を離れてしまうと、復帰す る場合にもなかなかもとの急性期の病棟に復帰しづらい、しにくい状況がございます。特 に今厳しい状況にある産科、小児科において、若い世代においては女性医師が非常にふえ ておりますので、その方々が急性期の病院の勤務を途切れさせないでそのまま職場復帰し ていただけるような方策をぜひ考えていただきたいと思います。  具体的には、例えば今回の診療報酬改定の小児入院医療管理料において、24時間程度 の勤務が最低の所定労働時間ということでしたが、これを例えば12時間、半分、週3日、 午前中の外来を4日間するということも一部でも入れていただければ、その病院に勤務す る女性医師がそのまままた復帰できるということがしやすくなるというふうに考えられま すので、ぜひそういったことも検討していただければと思います。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと細かいことをあとおっしゃったので本当はいらなかったんですけれども。この 勉強会は今までいろいろな日本医師会とか分かれてたんですけれども、やはり国民の医療 をいかによくするかということで全員が入った勉強会なので、もしつけ加えますと、日本 看護協会の専門の坂本スガ委員も次回からこの勉強会に入っていただけて勉強することに なりました。それを公にしたいと思います。  ですから、1号側ももしお入りになりたければ、我々と一緒に国民のための勉強会です ので、ウェルカムですので、どうぞいつでも入っていただければと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  勧誘を受けましてありがとうございます。私どもも、嘉山先生がおっしゃるとおり、国 民のために役に立つ医療提供体制をつくろうという思いは同じでございます。でも、勧誘 はいただきましたが、別の場で勉強させていただきます。  2号側の先生方、勉強会まで開いてこういう形で議題にすべきということで御提案いた だきましたが、私どもで少し中身を検討させていただいて、多分次回か次々回ぐらいには 私どもとしての意見もこの場で述べさせていただければと思います。今日は1項目ずつに ついてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  初めて出たということもありますので、基本的には今白川委員がおっしゃられたような 対応を本日はさせていただきたいと思います。  森田委員、どうぞ。 ○森田委員  お時間をとって恐縮ですけれども、私勉強会に参加する資格あるかどうかわかりません けれども、ちょっと印象だけ言わせていただきます。これいずれも御質問の項目、お勉強 の目的というものは結構だと思いますけれども、ここで挙がっております調査の項目、内 容ですが、この後検証部会があるのかもしれませんけれども、これを実際調査をするとい うことが現実的に可能かどうかといいますと、これまでのところでも調査をされる側の御 負担の問題であるとか、これまでも出てきたところでいいますと、回収率が低いとやはり サンプルとして不適切ではないかとか、サンプルバイアスがあるのではないかとか、そう いう御議論があったわけですけれども、このそれぞれこういう調査をされると確かに勉強 の成果は進むと思いますし、エビデンスが得られると思いますが、現実に調査をすること 自体かなり非現実的ではないかなという気がいたします。  そこで、むしろこれ嘉山委員のほうに伺いたいんですが、私どももちょっとやっており ますけれども、この間勉強したところによりますと、海外でも同じような問題が起こって いるときに、やはり医療の電子化といいましょうか、IT技術を使って情報を集めるとか 解析するとか、それをかなり活用するということが行われているようです。検証部会のほ うでもこれを紙ベースでやっていたらとてもじゃないけれどもできる話じゃないと思うん ですね。これからまさに国民のための医療の質を高めていくためにはそうしたエビデンス を合理的に収集して、できるだけサンプル数多く、できれば全数でやるというような方法 もあろうかと思うんです。私はむしろそこを伺いたいところなんですけれども、大体どう いう方法があるのか、どれぐらい可能なのか、それについて一度情報提供していただく。 そうしますとかなり現実的な話になるんじゃないかなと思うので、その点は提案させてい ただきたいと思いますので、御意見伺えればと思います。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  先生はまさに一番の日本の医療の弱点をお話になって、つまりエビデンスがないんです よね。エビデンスがないところで雰囲気で、風で政策を決めてきたところがあります。こ こにある項目はすべてエビデンスを出したいんですが、先生おっしゃるように、方法論、 フィージビリティ、実現性が本当に全部あるのかと言われればなかなか難しい問題もあり ます。  ただ、我々が出した中で9ページ目のスライドの9。11のところにIT化や日本版利 用、Regional Health Information Organizati onというのを書いてあります。これを取り組む、やりたいんですが、私自身の今の立場 でいいますと、がん登録をGoogle型のITメソトロジーですね、を使ってやろうと 思っていますので。  先生がもしもどういうふうにやるんだと言われれば、反対に先生の東京大学の政策大学 院のほうとも一緒に、日本版のRHIOを創成すればこういう問題は徐々に解決していく んじゃないかと思っています。  あるゾーンではもはやこのRHIOを例えば脳卒中について、愛知県では始めています。 愛知県だけでなくて北海道、東北というのはゾーンでやり始めていますので、一歩でも先 生がおっしゃるような情報をきちっととれるようなシステム化を、中医協ができるかどう かわからないんですが、別の分野ではやっていますのでできるんじゃないかと思っていま すが。まさに進めなきゃいけないと思っています。 ○遠藤会長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  関連なんですけれども、私もこれ全部やるということは、受ける医療機関も大変ですし、 事務局も、あるいは業者に丸投げしたとしても大変だと思います。何といってもやはりお 金がいりますので、今概算要求の時期ですから、ある意味厚生労働省にこの場で我々がエ ールを贈るというか、頑張ってほしいと、中医協ではこんなにデータが欲しいと言ってい るということを。今の政権はエビデンスベーストポリティクスをやりたいと言っておりま すので、エビデンスがなかったらポリティクスはできませんよということをやるために今 の時期に出させていただきました。だから、かなり乱雑というか、まだブラッシュアップ していないというのはそういう意味もございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  では、坂本専門委員、手短かにお願いいたします。 ○坂本専門委員  勉強会に入れて頂くという事で、どうもありがとうございます。1号側委員の方がこの 検討案に関しましてまた御意見を出されるということで、推移を見せていただきたいと思 います。  この6番についてぜひ発言させて頂きたいと思います。診療報酬を決めるところである 中医協の考え方の中に、やはり根底にはそれぞれ働くスタッフの労働条件及び勤務状態を 守るということを根底に置いて、労働の質を考えなければ、私はやはりコストを決めてい く中では大変問題があるというふうに思っております。  そういう意味ではこの検討案で「勤務状況を十分把握した上で軽減をさせよう」と6番 では言っておきながら、一方で「72時間要件の抜本的な見直し」とあります。これにつ いては、もっといろいろな方面から検討するべきと思います。労働状況の悪化にならない ようにしていただきたい。今度御意見を出される1号側の委員の方々にもお話ししておき たいと思います。  それからもう1点は11番です。11番については新たな意見を発言させていただきま す。診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、切れ目のないような方法をとるということ におきましては、今現場で大変困っているのは、介護とか居住サービスをしている中での 突然起こる余り重くない急性期の問題であります。そういう意味での医療と介護をつなぐ というところを急性期の大きな病院とかそういうことではなくて、どのように考えていく か、連携させていくか、ということも大変重要だというふうに思っておりますので、意見 を述べさせていただきます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  いろいろ御意見承りました。今回2号側からこのようなものを提出していただきまして、 大変思いは皆さん伝わったと思いますけれども。中医協としてどこまでできるのかという 問題もありますので、これにつきましては白川委員御発言のとおり、次回あるいは次々回 ぐらいにまた1号側としての御意見も述べられるということでありますので、今後検討を 続けていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございま した。  それでは、本件も含めまして、今後の審議スケジュール等を事務局で少し整理をしてい ただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません、お時間をとってと皆さんおっしゃるので恐縮なんですが。私も概算請求の 時期だということを踏まえてお願いを申し上げておきたいと思います。  1つは、社会医療行為別調査です。前回もお願いしました。6月でやるという当初の御 予定だったと伺いましたが、6月だと従来どおりのサンプリングになります。7月からは 個人診療所も電子化請求が義務化されます。ぜひ7月、8月以降のデータで全数に近い多 くの症例を集めて調査をしていただきたい。  これをやるべき理由が1つできました、社会的にも。つまり、ある民間団体が手挙げ方 式とは言いながら個人情報をきれいに消して登録をすることで、電子化請求データに基づ いた独自の社会医療行為別調査をやろうとしております。非常に大きな会員数を擁する団 体でありますから。そういう団体がおやりになる中で、中医協本体が相変わらずの電子化 データを使わずに従来の少数の抽出データだけでやるということはあり得ないと思います ので、今日的な意味がそこにもある。当然調査対象を広げるということは予算もいること でありましょうから、この時期概算請求に向かってしっかりと要望していただきたい。  医療経営実態調査もそうでございます。診療所の経営実態を示すものとして代表性に欠 けるのではないかという指摘は既に中医協で私もさせていただきました。日本医師会とし ても鈴木常務理事からも前回、改定年を含む前年と次の年の年間データでやっていただき たいという要望が出ております。しかも、それぞれの診療科のプラスマイナスというよう なことを論じるということになるんだとすれば、前回のようなこれまでのような非常に例 数の少ないデータでそんな議論はあり得ないわけでございますので。究極の形は全医療機 関調査で改定の前後年を含む年間データだろうと、そこにどれだけ近づけるかということ の努力を予算面の処置も含めてぜひお願いをしておきたいということでございます。  以上、要望でございます。 ○遠藤会長  1点、社会医療行為別調査、7、8月でという話は、これは23年度に行われる調査に ついてという意味合いですか、つまり来年度。 ○安達委員  いや、今年度の分も、7月からは義務化ですよね、診療所は。例外を除いて。ですから、 そこに電子化データはもう既に7月の請求分から、つまり7月診療分の8月請求分からは そのデータは上がってくるわけですから。 ○遠藤会長  申し上げたのは、要するに次回改定に使うときにはその23年度のデータを使うわけで すから、その23年度の話として承ればそんなに急ぐ話ではないかなと思ってお聞きした わけです。 ○安達委員  改定した年の6月のデータを1年かけて分析して、次の改定に使っていませんか、今ま で。 ○遠藤会長  そうでしたね、失礼しました。 ○安達委員  そうでしょう。だから、22年の6月の分を従来の方式だと24年の改定に使われるん ですね。それ電子化データだから分析も多分少し簡略化できる部分もあるんだろうしと、 そういう意味も含めて。 ○遠藤会長  これは事務局の話ですけれども、統計情報はいらっしゃらないと思うんですが、そうい うことは可能なのかどうかという御意見ですけれども。いかがですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  お答えになるかどうかわかりませんけれども、電子化請求に伴いましてデータが収集さ れるということに伴ってそれを分析する、また活用するということについては別途十分考 えております。また、そのことと社会医療診療行為別調査を完全にこれでリプレースでき るかどうかということは、ちょっともう少し時間をいただかないと難しいと思います。今 統計情報部から聞いているところでは、現状では必ずしもリプレースできないんじゃない かということで聞いておりまして、しばらくは社会医療診療行為別調査と電子化請求によ るデータとで補完しながらデータを使っていくということになると思います。  それから、実態上といいますか、現在の省内の手続きの関係からいいますと、恐らく社 会医療診療行為別調査は、今年度については従来の方向でやることになるんじゃないかと 思います。  話は繰り返しになりますけれども、電子化請求のほうで出てきたデータというのは恐ら くは次期改定をするころにはそれなりに分析可能なものが出てくるでしょうから、そこで 参考として御高覧いただくという形になるのではないかと思います。  それから、医療経済実態調査について私どもも、予算の制約があり、またこれから財務 省等に予算要求していく過程で重要な問題とは認識しております。結果が伴ってくるかど うかというのはまた別な問題でございますけれども、前回の反省も含めて、どういう方向 でやれば効率的にまた抽出率が上がるような調査になるか考えていきたいと思っています。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  抽象的に言われたので反論のしようがありませんが。社会医療診療行為別調査が従来の 調査方法と電子化データを使うことで、電子化データを使った方法では補完できない部分 があるとおっしゃいました。ならば理由は明示していただきたいと思います。同じデータ であって全数が多いほうがいいに決まっているわけで、前回のような透析医療機関がたく さん入ってしまうというようなバイヤスのかかるデータが従来の方法だと起こるわけであ りますから。 ○遠藤会長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず、電子化請求についてですが、病院については確かに95%を超えるぐらいの形で 電子化請求進んでおりますが、診療所についてはまだようやく50%を超えた、もっと高 い、60ぐらい。 ○事務局(神田総務課長)  現状でいいますと、薬局はほぼ100%、それから病院は98%ぐらい、それから診療 所についていいますと、今4分の3、75%ぐらいまでは既に電子化されております。医 科全体でいうとちょうど80%ぐらいまで今きているという状況かと思いますけれども。  ただ、今の例外措置でいいますと、高齢だけの診療所とか現状で手書きの所については 義務が免除されるというふうになっておりますので、多分標本として非常に小規模なとこ ろですとかそういうところが対象から漏れるとかそういったバイアスがかかるというよう な点はあるのではないかというふうに思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  それから補足をいたしますと、また先生が御指摘になりました透析の関係でいいますと、 透析こそはある程度フラグを立てて別立てにして内科に入れないというような形の、いっ てみれば目視といいますか作業をしておりますので、そうしたことも絡んできますので、 現行の電子化請求の現状だけで完全に社会医療診療行為別調査をリプレースして参考にで きるのかどうかもう少し検討の時間をいただきたいと思います。 ○遠藤会長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  2つの理由とも私には理解できません。承服できません。75%が請求していて少数が 落ちると言われるけれども、じゃあ今までの抽出例数幾らですか。そのほうがはるかに落 ちていたんじゃないんですか。何言ってるんですかという話です。  透析を外すって、それは電子化したデータから透析という項目を外すとプログラムを1 つだけ入れれば済む話で、何でそれがリプレースできないのかということについては全く 理解できません。 ○遠藤会長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  繰り返しになりますけれども、これまでの経年的な変化を見るということではやはり社 会医療診療行為別調査を活用していただいたと思いますし、今回6月請求分であれ、社会 医療診療行為別調査をとることで、無駄かどうかという話は別としましても、それなりに 意義があるだろうと思います。また、電子化請求のデータが集まってくるので、それを活 用して、次の改定では社会医療診療行為別調査によらずに電子化請求だけで議論するんだ ということであれば、それはそれでまた別の議論でしょうから、完全に先生おっしゃるよ うにリプレースできて、こっちでやったほうがいいんだというここの中医協の総会も含め て御同意が得られれば次の改定でそれを活用すればいいと思います。  それから、何度も言いますように、透析に関してみると、標榜診療科名だけで、標榜診 療科名で分析をやっておりますとどうしても問題が出てまいりますので、例えば内科とい う形で標榜診療科名が掲げられてあっても、その中で透析が含まれていれば、これまでは ひと手間作業をつけ加えまして、これをその他という形で外出しで分類をしてまいりまし た。社会医療診療行為別調査ではそういう作業をひとコマ入れてやっていたわけですが、 電子化請求の中にもその手間が入れるかどうか等についてもまたちょっと別途検討させて いただきたいと思います。 ○遠藤会長  2つ入手できるわけですから、次回改定にどっち使うかというのをここで決めればいい という話だというのが事務局の考え方でありますので。 ○安達委員  これ以上お時間とってここで議論するつもりはございません。 ○遠藤会長  そのデータの特徴をもう少し調べながら、どういうふうに利用するかということをまた ここで考えていけばよろしいわけではないでしょうかね。 ○安達委員  少なくとも両方やって比べてくださいということが1つです。しかし…… ○遠藤会長 それはやることはやるんですか、電子化データは。 ○事務局(佐藤医療課長)  集計だけはできますので、そこから先どういう形で分析するかについては今後医療課を 含めた局内で議論していくということになると思います。 ○遠藤会長  わかりました。情報は集めるということです。 ○安達委員  ただ、1つ我々苦い経験が既にあるんじゃないかと思うんです。医療経済実態調査につ いても、年間データ比較は必要だという主張は以前から私どもはさせていただいた。前回 の医療経済実態調査は部分的にそれおやりになりましたよね。だけれども、大差ありませ んという一言で片付けられた。だけれども、年間調査データの例数というのは非常に少な かったんじゃないかと思うんであります。でありますから、そういうことにならないよう に、具体的にはこれだけのたくさんのデータが電子化情報として集まると、処理もしやす いし分析もしやすいはずだということを前提において、なおかつ民間の団体までがやろう とするときに、中医協がそんなデータでやっていていいのかということも踏まえて、ぜひ 前向きな検討が必要なんだろうというふうに思うと、そういうことでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  今のような御発言を受けて、1号側の方もいろいろお考えをいずれちょうだいしたいと 思いますので、また事務的なさまざまな制約等々も具体的にもお聞きしたいと思いますか ら、今後この議論につきましては継続審議をさせていただきたいと思います。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  1つ、前回の改定、今回の改定においての問題点の1つとして挙がってきているものを 1つお話しさせていただきたいと思います。それは、他科受診の際の3割減算等の問題で ございます。これは決してまれなことではなくて、例えば有床診療所、中小病院、また精 神科の病院、これは単科が多いわけですが、そういったところでは大体80%前後の方が 他科受診をしているという現状もあるということでありまして。1つはその減算の幅の問 題。もう1つはそのやりとりの煩雑さの問題、こういった問題があるかと思いますので、 現場が混乱しないように現実的な対応をお願いしたいと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。入院患者の他科受診という話ですか。 ○鈴木委員  はい。 ○遠藤会長  はい。ありがとうございます。  いろいろと御意見ちょうだいいたしましたけれども、それを含めまして今後の議論を深 めていきたいと考えております。  それでは、本日の総会、これにて閉会といたしたいと思いますが。次回の日程等につき まして、事務局からありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  6月2日を予定しております。時間、場所等については改めて御連絡をいたします。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会、これにて閉会としたいと思います。  どうもありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)