10/05/19 平成22年度第2回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 平成22年度第2回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成22年5月19日(水)15:00〜17:00 (2)場所  はあといん乃木坂 フルール(地下1階) (3)出席者 委員:西岡清分科会長、小山信彌分科会長代理、           池上直己委員、伊藤澄信委員、金田道弘委員、三上裕司委員、 熊本一朗委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、           難波貞夫委員、松田信哉委員、美原盤委員、山口俊晴委員、           吉田英機委員、邉見公雄オブザーバー        事務局:佐藤医療課長、迫井企画官、他 (4)議題  1 平成22年度診療報酬改定(DPC)における高額薬剤の取り扱いに関 する検討結果について        2 伏見研究班からの報告について        3 平成22年度調査に向けた様式1の見直し(案)について        4 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  それでは、時間になりましたので、ただいまから平成22年度第2回診療報酬調査専門 組織・DPC評価分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、相川委員、嶋森委員、山口直人委員、 それに辻村委員が御欠席ということでございます。  なお、本日は木下委員の代理で、日本医師会常任理事の三上裕司先生に御出席いただい ております。また、池上委員は少し遅れてお見えになるとの連絡を受けております。その 他の委員の皆様方は御出席でございますので、よろしくお願いします。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○事務局(丸山主査)  では事務局より失礼させていただきます。資料の確認でございます。まず冒頭に座席表 がございます。おめくりいただきまして、先生方の名簿の一覧でございます。  続きまして、おめくりいただきまして、診調組D−1のシリーズです。1−1が高額薬 剤の取り扱いに関する検討結果、次、D−1−2が横表になってございます、薬剤のリス トの一覧となってございます。1枚おめくりいただきまして、次はD−1−3、グラフが 縦に2つに書いてあると思います。こちらは、後で企画官のほうから説明させていただく 際、ごらんいただく都合、ホチキスどめをしておりません。2枚ございます。こちらがD −1−3でございます。次がD−1−4、ホチキスどめになっている資料でございます。 こちらが薬剤について細かく集計したものです。最後にD−1参考としてあるのが、診断 群分類のツリー図を取りまとめさせていただいたものになります。  次がD−2でして、こちらは、松田委員より発表いただく研究成果の一式資料になって ございます。このホチキスどめをめくりますと、次、両方とも横の資料になります。D− 3−1が様式1の見直し案を事務局案として提示させていただいているもの、次のホチキ スどめをめくりましてD−3−2が、そのもととなった伏見研究班からの御意見というこ とで、原版をつけさせていただいております。  資料としては以上でございます。過不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけ ください。 ○西岡分科会長  資料につきまして、よろしいでしょうか。  それでは、平成22年度診療報酬改定(DPC)における高額薬剤の取り扱いに関する 検討結果につきまして、事務局より御説明をお願いします。 ○事務局(企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、お手元の資料のD−1の枝番のシリーズの資料で御説明をさせていただきま す。D−1−1、2枚紙でホチキスでとじ込んでございますが、これをベースに御説明を したいと思います。  前回、DPC評価分科会で、この高額薬剤の取り扱いの中で、特にその前日の中医協で 御指摘を受けましたことも踏まえまして、平成20年改定以降22年の改定までで新規に 収載された薬剤のうち高額なものの取り扱いに関して少し整理が必要であると、必要な検 討をしていただきたいということで御報告をして作業いたしました。  概要はここに書いてございますが、D−1−1の1ページ目、1番でございます。リス トはこの次の資料のD−1−2にございますが、該当する薬剤、前回の分科会では23薬 剤と申し上げましたけれども、ここに一覧表にリストがございます。D−1−2の横表で ございます。  これを見ていただきながら御説明させていただきますが、製品といたしましては23で ございます。その中には容量等の違いもあるものもカウントしておりましたので延べ23 でございますが、実質的な薬剤といたしましては18です。ただ、その中には一部、効能 といいますか、効能・効果、対象となる疾患が複数あるものがありますので、最終的にそ の薬効あるいは対象疾患という意味で区別をしますと、真ん中の列にございますが、合計 19薬効になります。具体的に言いますと、2つ目の薬剤が2つの薬効を持っているとい うことでございます。  そこで、もとの資料の1ページ目の1.の2つ目の○ですが、診断群分類ごとの今回検 討でございますので、薬効別に再整理をさせていただきました。イ、ロ、ハ、つまりパタ ーンI、II、IIIに分けていますが、平成22年の改定で新規に診断群分類を設定したと いうのが12薬剤ございます。これは12の薬効、12薬剤、俗にパターンIとここで分 けております。  同様にロでございますが、既存の診断群分類に包括をしたというのがパターンII、4薬 剤でございます。  それから、パターンIII、最終的に改定時点でデータが十分になく、出来高の算定とし たというのが3薬剤ございます。  都合、ですから19薬剤、延べでございますが19薬剤につきまして22年改定での取 り扱いを今回、分析・整理をしたということでございます。  2.にその内容がまとめてございます。まず1つ目の○ですが、先ほど申し上げました ようなパターンI、II、IIIのうち、データが不足したIIIというのは、実質的にデータも ございませんし薬剤としては出来高算定となっておりますので、実質的にはこのパターン IとII、12薬剤と4薬剤について、主に比較をしながら分析をしたというものでござい ます。  どういう分析をしたかというのが[1]、[2]に記載をさせていただいております。まず1つ 目ですが、高額薬剤使用の有無でどのような変化が生じていたのかということを、まず新 規に診断群をつくった、つくらないにかかわらず、この12薬剤プラス4薬剤の合計16 薬剤につきまして、その状況を比較いたしました。  もう少し具体的に言いますと、[1]に書いてございますが、それぞれの診断群分類、それ ぞれのパターンに掲げております薬剤に関連する診断群分類、これは合計100前後ござ いますけれども、その診断群分類は当然該当する症例が多数ございます。それぞれの症例 につきまして、薬剤を使ったものと使わないものに分けて、在院日数の変化、それから投 入しました平均医療資源投入量の変化をプロットをいたしましたというのが第1の分析で す。これは後ほど御説明いたしますが、D−1−3の資料にございます3つのグラフでご ざいます。  それから、本体資料をおめくりいただきまして、もう一つ分析をいたしました。[2]でご ざいますが、特に今回問題になっておりますのはパターンIIの4薬剤、すなわち既存の包 括評価の中に含めて包括評価をしたという4薬剤の取り扱いですが、この4薬剤に関係す る診断群分類は、さらに細かく個々の症例ベースで比較をしてプロットいたしました。  それが資料でいきますとD−1−4の束にまとめてございます。これは後ほど細かく御 説明したいと思っております。以上のような分析を行いましたということでございます。  本体資料の2ページ、3.分析結果の概要を見ていただきながら、どんな結果になった かということを御説明したいと思います。  まず、グラフでいきますと、D−1−3の2枚の紙を見ていただきたいと思います。D −1−3は2枚ございまして、合計4つのグラフがございます。 D−1−3の一番最初のグラフに、これは凡例といいます、この見方を解説してございま す。ドットが幾つかありまして、それから線グラフ、点々がありまして、それからグラフ の軸を赤い線で区切っております。先ほど申しましたとおり、今回いろいろな比較、いろ いろな分析を試みまして、これが一番分かりやすかろうということで、その結果を御報告 するものですが、診断群分類の中にある薬剤を使ったグループと使わないグループで、平 均在院日数、それからコスト、それが医療資源投入量が変化をいたしますので、その変化 を比較いたしました。  まずX軸は平均在院日数がどれぐらい変化をしたか、Y軸は資源投入量がどれだけ変化 をしたかということを軸にとっています。ですから、薬剤を使ったほうの平均在院日数が 大きくなったという場合にはX軸が1以上になります。同様に、薬剤を使ったほうが資源 投入量が1入院当たりふえたという場合はY軸が1以上になります。従いまして、Xが1 のところとYの1のところに赤い線が引いてある理由は、そういう理由です。  そこでまずこのグラフをプロットしまして見ていただくんですが、まず言えることは、 ブルーの卵形の部分。ここの部分は、薬剤を使ったことで平均在院日数が短くなってコス トがふえているということになりますので、通常ですと、やはり別の診断群分類を設定す るのが当然ふさわしいと、こういうグループになります。  それから同様に、今度は下側のX軸の下にある黄色のグループ。これは薬剤を使ったら 平均在院日数が長くなって、かつコストが下がったということで、理論的には少し説明が 難しいといいますか、本当にあるのかと。なかなかそういうことは想定されないのではな いかというグループです。実際に結論から言いますと、そういうふうな診断群はございま せんでした。  都合、数学でいきますと、第1象限と第3象限になるような診断群分類、すなわち平均 在院日数が変化をして、それに見合った分その診療報酬といいますか、資源投入量がふえ たかどうかを比較するのが適切であろうと。特に、この1入院当たりの平均医療資源投入 量には、いわゆる入院基本料等の在院日数に比例をして変化をするものも含まれておりま すので、平均在院日数の影響をある程度除去するために、こういう比較をさせていただい ております。ですから、この図の見方の例というところに書いてあります、Y=Xの線に 近いところは、平均在院日数の伸びに従ったほぼ等しいので、余り薬剤の影響はないので はないのかと。  例えばこの凡例でいきますと、緑の三角のところは、比較的Y=Xに近いので、この診 断群分類においては大きな影響、薬剤の有無、使用の有無について変化はないのではない かと、そういう趣旨でございます。  逆に赤い四角のドットのところはそれよりもやや離れておりますので平均在院日数の変 化よりも、むしろ薬剤の有無のコストの変化のほうが大きいんじゃないのかと、こういう ふうにこのグラフを見てくださいという趣旨です。  一応こういう目で、下のグラフ、これが全体の総括表ですけれども、今回、該当する診 断群分類は多数ございますが、薬剤を使った症例数が非常に少ないものは分析に値しませ んので、10症例以上あるものにつきましてピックアップをいたしました。  この1番目のグラフですが、青いダイヤモンドみたいなマークと赤い四角、それから黄 色で、青いダイヤモンドのマークは新規に診断群分類をつくったグループでございます。 赤いグループがドキソルビシンを除いて包括をしたグループ、黄色がドキソルビシンでご ざいます。  これで全体的にまず概観していただきたいのは、赤い包括をしたグループは、Y=Xに 比較的近いところに分布をしております。ダイヤモンドのブルーの分岐をつくったグルー プはかなり分布にばらつきがございまして、それから先ほど御説明しましたブルーの卵形 のようなものがある、すなわち薬剤を使ったことで平均在院日数が短くなってコストが上 がったというようなものについては、必然的に分岐をつくるのがふさわしいということで すが、現に分岐をつくっているものがほとんどであるということです。  こういう目で見ていただいたときに、実はドキソルビシン、オレンジの黄色のところで ございますが、比較的Y=Xから離れたところに分布しているということで、やはり他の 包括、他の薬剤3つとの比較で言いますと、少し取り扱いとしてはこのグループとしては なじまない可能性が高いということが示唆されます。  これをそれぞれ分けまして、同じプロットですけれども、薬剤別に分けたのが次の紙の 上のグラフと下のグラフでございます。上のグラフは新規に診断群分類をつくった、いわ ゆるパターンIにつきましての分布でございます。これは、まず先ほどの薬剤の使用に伴 って平均在院日数が短くなってコストも上がったという、数学でいうと第2象限に当たる ところですか、ここに当たるものもございますし、それからYイコールXからも離れてお りますので、新規に診断群分類をつくったという対応については適切、あるいはそういう ことかなと。  問題はパターンIIのほうでございますが、ここで見ていただくのは下のグラフでござい ますが、ドキソルビシンが×、それ以外の薬剤、3薬剤、それぞれプロットしてございま すが、これはやや直感的な評価になりますけれども、ドキソルビシンにつきまして、やは りY=Xから少し離れたところにある。ほかの薬剤は比較的それに近いところにあるとい うことで、ドキソルビシンについては、やはり同一の包括評価の中で使用の有無が大きく コストに影響しているということが示唆されますというのが、ここでまず全体の比較分析 の結果でございます。  次に[2]の第2の分析でございますが、D−1−4をお開きいただきたいと思います。今 度は4薬剤をさらに詳細に見てみましたというグラフでございます。D−1−4の2ペー ジ目から幾つかグラフがございます。これはまず何をやったかと言いますと、4つの薬剤 につきまして、関係する診断群分類が幾つかございます。その中で10症例以上の分析が 可能と思われる診断群分類につきまして、今度は個々の症例ごとにプロットしております。 これは単純に在院日数と、そのときの1入院当たりの点数、この個々のドットはそれぞれ の1症例、患者さんごとでございますが、ドキソルビシンを使ったものと使わないものと に分けて、○と×で色を変えてドットを打っております。  以下、同様にドキソルビシンにつきまして4つのグラフ、4つの診断群、それからそれ 以降、他の3剤、3つの薬剤につきまして、症例数の一定程度あるものをそれぞれ使った ものを○、緑色、使わなかったものを×、ブルーでドットを打っております。  まずドキソルビシンの最初の4つのグラフについて見ていただければ、直感的にすぐ分 かっていただけると思うんですが、○、×、あるいはブルー、グリーンが基本的には、も ちろんオーバーラップする部分はあるんですが、基本的には別の塊として描出されている のが見てとれるということでございます。  2ページ目、3ページ目、それから4ページ目のグラフ、いずれももちろん重複はある んですが、基本的には分かれた形の塊で分布が見てとれると。  同じように今度は5ページ目から見ていただきますと、他の3つの薬剤につきましては、 ○と×がそれぞれエリアとしては重なった形で分布をしております。5ページ、6ページ、 7ページ、症例数の数の問題、あるいは分布のもちろん広がりの面積の大きさの違いはご ざいますが、基本的にドキソルビシン以外のものにつきましては、おおむね同じようなエ リアについて分布をしているというふうに理解してよろしいのではないかというのが、こ の結果ではなかろうかというふうに考えております。  以上のグラフを見ていただきまして、本体の資料にもう一度戻っていただきますが、本 体の資料D−1−1の2ページ、3.の分析の結果でございます。1つ目の○は、先ほど の19薬剤のうちパターンI、パターンIIの16薬剤の評価でございますが、資源投入量、 平均在院日数の変動についてプロットしました。そうしますと、既存の包括評価をしまし たパターンIIは、ドキソルビシンを除いた3薬剤については、パターンIよりも変動が小 さい傾向が確認ができたというふうに言ってよろしいのではないかということでございま す。  それから2つ目の○ですが、細かく1症例ごとにドットを打ってお示しをしたものでご ざいますが、既存の包括評価に入れた4薬剤、パターンIIにつきましては、ドキソルビシ ンは、やはりその有無で資源投入量に明確な差が認められたというふうに評価していいの ではないのかと。その他の3薬剤については、必ずしも明確な差は認められなかったとい うふうに評価してよろしいのではないかという結論でございます。  以上を踏まえまして、事務局で整理をいたしました対応(案)でございます。(1)に 考え方、(2)に具体的な対応の案でございますが、まず(1)でございますが、今お示 しをし、見ていただきましたような結論から、ドキソルビシンにつきましては、平成22 年改定で、他の高額薬剤との比較から見ても、別の診断群分類を設定した包括評価の導入 について検討する必要があったものと考えられるという結論が1点目でございます。  それから、2つ目の対応(案)を考えるに当たって必要なファクターでございますが、 (1)の2つ目の○ですが、現に現在、診療報酬改定が終わっておりまして、仮にこの段 階で診断群分類を見直すということであれば改定の影響がございますので、見直しは財政 中立を基本とする必要がありますと。それからもう一つ大きな事務的な問題でございます が、医事会計システムの改修等、相当大きな対象病院の負担が生じますので、現場実務に 与える影響も著しく大きいということを十分考慮して、その対応を検討する必要があると いう、この原則をここで確認をしております。  以上を踏まえまして、3つの具体的な対応を御提案しております。まず1点目ですが、 診断群分類、これは基本的に関連する診断群分類は分けて見直したほうがいいという結論 だろうと思われますが、これは次回の診療報酬改定において対応するということを考えた らどうかということでございます。これが1つ目です。  2つ目。しかしながら、その間、平成24年にあるであろう見直しまでの間は、今回お 示しをしました診断群分類の中で該当する患者さん、該当する診断群分類につきましては 出来高算定としたらどうかと。ただしこの場合は、当該診断群分類に該当するドキソルビ シンを使用した患者さん、使用しない患者さん、いずれの場合も出来高算定をするという ことでございます。  それから3点目ですが、次のページ、最後のページになりますが、今回の事例も含めま して、抗がん剤をはじめとする高額薬剤の取り扱い、これはこのDPC分科会において検 討していただくことになっておりますので、特に診断群分類の見直しについても含めまし て、どのような考え方で対応すべきかということを御検討いただいたらどうかという対応 (案)でございます。  参考のところに、このドキソルビシンにつきまして、該当する診断群分類、5つござい ますので、この5つを記載させていただいているところでございます。  事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今の御説明に対しまして、御意見、御質問がございましたらち ょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。  特にパターンIIに属する薬剤のうちのドキソルビシンの部分が、使用した場合と使用し なかった場合で平均在院日数は余り変わらないんですが、医療費のところで差が出てくる ということが出てきたということです。しかも、その対応に関しましては、この診断群分 類だけ出来高払いに移行してはどうかというお考えですが、いかがでしょうか。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  これはいろんな化学療法の中で、ドキソルビシンがかなり特異的な分布を形成している ということですが、これはこの薬剤のどういう特性に由来したものと考えられるのですか。 ほかの薬剤とは違った特性を持っているように見えるのですが。 ○西岡分科会長  もし答えられるようでしたら、企画官、お願いします。 ○事務局(企画官)  私どもは今回の分析に当たりましては薬理学的な、あるいは臨床的意味合いということ よりも、むしろ我々のほうで本来、診療報酬改定時に診断群分類を設定するかしないかで、 どういうふうな影響があったかということを、特に診療報酬の面を中心に分析をしており ます。ですから、薬剤に係る臨床的な特性という意味では、我々のほうで特異的な特徴と いうのは整理をしておりません。あくまで、本来ですと23薬剤、改定と改定の間で新規 に高額薬剤として特定されているものですから、その取り扱いについては、こういう取り 扱いが可能だったのではないかということをレビューをしたということでございます。 ○齊藤委員  これは、臨床現場でも使い方に由来、あるいは入院期間の設定法とか、そういうものに 由来している部分もあるのかなと思うので、なぜこのドキソルビシンだけが特殊な分布を 形成するのかというのは、今後ほかの高額薬剤を考える場合にも大変重要な内容を含んで いるように思いますので、これは引き続き御検討いただくことでいいと思いますので、よ ろしくお願いします。 ○西岡分科会長  非常に貴重な御意見だと思いますが、もともとこの診断群分類をつくっていくときには、 我が国の独自の方法ということで、まず診断をして、それからいろんな処置を加えていっ て、どういった形の分岐ができるかというので進めてきておりましたので、そちらのほう が先になって、こういう形の処理になったのではないかというふうに考えられるのですが。 ○齊藤委員  これと直接関係するかどうか分からないのですが、最近やっぱり、がんの新しい化学療 法に関係している方の御意見を伺うと、入院期間がその薬剤については2日か3日あれば 十分だと。だけども、その期間は長く、いわゆる第I期間ですね。ローマ数字Iの期間が 長く設定してあって、その間在院しないとペイしないと。3日間だけで出ちゃったら全然 赤字になってどうにもならないというような事案もあって、これも一種のドラッグラグに 近いものかなと。つまり、情報が十分反映されない格好で設定されているためにというこ となのかもしれないのですが、この高額薬剤はいろんな内容を含んでおりますので、慎重 な分析をお願いしたいと思います。 ○西岡分科会長  実際にはそういった診断群分類をつくるのは、これは齊藤先生の班でやっていただいて いるのですが、それをむしろ現場のドクターの方々からいろんな御意見をちょうだいして つくってきたという経緯がございます。それを実際の実証は後追いみたいな形になってい たので、こういったことが起こったのではないかと考えられます。  どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  ここでいうドキソルビシンというのは、これはドキシルのことですよね。ドキシルとい うのは、副作用が普通のドキソルビシンに比べて非常に低いということが売りです。です から恐らく価格は高いけれども在院期間が短くなるので、こういうことが起きるのではな いかと思います。ですから、普通のドキソルビシンと違うという、それが理由だろうと思 います。  それから、今、齊藤先生がおっしゃったことは非常に重要なことで、新しい薬が出ると、 やはりどうしても最初のころは入院期間が長くなります。というのは、やっぱり慎重に使 いますし、大丈夫ということを確認してからやるので、最初の調査のときにはすごく長い 入院期間になってしまって、それに対応した値づけをしていくと合わないので置いておく と。したがって、実際にそれが施行されたときには無理無理置いておくというばかげたこ とが起きることになるので、ぜひ年次ごと、例えば1年目、2年目、3年目と連続して調 査されて、それが変わってこないかどうかということもぜひ検討されたら、非常にこれは いい方法だと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。確かに、使い始めたときと、しば らく使ってなれてきたときとで、かなり大きな差が出てくるのではないかと思います。  ほかに御意見ちょうだいできますでしょうか。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  よろしいでしょうか。  D−1−4を見せていただくと大変おもしろいなと思うのですけれども、この緑色の部 分とブルーの部分とで平行移動しているのか、そうではなくて傾きが違っているのか、ど っちなのかなとずっと見ているのですけれども、何かドキソルビシンだけは平行移動して いるようにも見えるのですけれども、ほかのは傾きが随分違っているのではないか。  ということは、新しいこういう薬を使うところが、ある程度、医療資源をたくさん投入 する群で、薬のせいで違っているのか、それからこういう薬を使う施設で違っているのか、 どっちなのかなというふうに思うのですけれども、そこら辺は分析をされたことがあるの でしょうか。 ○西岡分科会長  企画官、お願いします。 ○事務局(企画官)  今、見ていただいたD−1−4のグラフだと思います。これは最初のグラフを平均在院 日数との比較でこういうプロットをしましたという話と同じなのですが、結論から言いま すと、傾きなり、それからその要因は何なのかということにつきましては、今後ここで御 議論いただくときに一定程度の整理は必要かなと考えております。  このグラフがこういう傾きを持っている一つの理由は、説明のときにも申し上げました が、主に入院基本料をはじめとします日にちに影響するような、日にちにほぼ比例するよ うな、日数に比例するような診療報酬が含まれております関係で一定の傾きがまずベース にあって、それに薬剤がどう関与するかで、その傾きへの影響がさらに変わっていくとい うことだろうと思われますけれども、そこの詳細な確定的な分析は現時点ではしておりま せんで、むしろ今後引き続き、そこの部分について検討を進めていただきたいと考えてお ります。  事務局から以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ。 ○伊藤委員  余り混乱させるのは好きではないのですけれども、これはもし平行移動であるのだとし たら、薬剤の価格の部分だけ上に平行移動するのだろうなというふうに思います。  そうだとすると、分岐を分けるよりは、特定の薬剤だけ上乗せで出来高算定をすると。 すべてを出来高算定ではない形にするほうがきれいかなと思ったりもするものですから、 この傾きが違っているのか、平行移動なのかというのは、今後の方向が随分違うのかなと 思うので確認をさせていただいた次第です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。  今回のこの資料というのは、これから高額薬剤を考えていくための非常にいい資料にな るものだというふうに考えておりますが、さらに分析をしていただいて、どういった側面 が出るかということで、これから2年間かけてやらなければいけませんので、どうぞよろ しくお願いします。  ほかによろしいでしょうか。  このドキソルビシンに関しましては、こういった形で、現時点ではもう診療報酬改定が 済んでおりますので、この診断群分類のみ出来高にするという形での御提案ですが、それ でよろしいでしょうか。  じゃ、そのような形で御報告させていただきたいと思います。どうもありがとうござい ました。  それでは続きまして、伏見研究班からの報告につきまして議論を行いたいと思います。 松田委員からの御説明をお願いします。 ○松田委員  前回、様式1等の関連で、どのような研究が成果があるのかということの御質問があり ましたので、現在、伏見研究班のほうでこれまでやってきた成果を少し御紹介させていた だきたいと思います。  診調組D−2というのが資料になっております。  1枚めくっていただきまして、この医療の質のところはよろしいかと思いますので読み とばしていただきたいのですけれども、ただ、私たちの分析の視点というのは、あくまで 医療の質というものをどういうふうに評価するかということでやっておりますので、一応 これをつけさせていただきました。  次をめくっていただきますと、DPCデータとは何かということが書いてあります。こ れは藤森委員が、研究者がまとめてくれたものですけれども、私たちはDPCデータを分 析可能な全国統一形式の患者臨床情報と診療行為の電子データセットというふうにとらえ ております。患者臨床情報というのは、いわゆる様式1でございますけれども、これが簡 易ディスチャージサマリーみたいなものでして、ここに患者の基本情報、病名、術式、各 種のスコア・ステージ分類が入っている。  これに加えて、EFファイルというものをいただいておりますので、診療行為の情報が 詳しくもらえる。この中には診療行為、医薬品、医療材料、それをいつ行ったのか、どの くらい行ったのか、何回やったのか、それが診療科別、病棟別、保険種別に記載されてい る。こういうものを分析することによって、1入院中のプロセス、いつ、何を、どれだけ 行ったのかが分かるというのが、これがDPCデータセットというふうに考えております。  次に、DPCデータをもとに診療プロセスが分析できるということで、藤森先生がまと めてくれたものを出しておりますけれども、これは実際いただいたデータから放射線の画 像診断というものに着目して、どのようなプロセスで医療を受けたのかということを再現 したものです。このような医療プロセスが再現できるというのが、DPCデータのまず一 つの特徴だろうと思います。  続きまして、めくっていただきますと、調査対象病院のギランバレー症候群の状況とい うのが1枚紙でありますけれども、これは平成20年度のデータで、フィッシャー症候群 とギランバレー症候群と、どのぐらいDPCデータでつかまえているのかといいますと、 全体で大体709例つかまえております。これは人口10万人当たりで年間発生率を単純 集計しますと、大体1.18になりまして、これはウサミ先生たちのグループがやった神 経難病研究班で大体年間1.14ということですので、こういう単相性の入院を必要とす るような急性疾患に関しては、今、DPCのデータベースでほほ100%つかまえられて いるということで、いわゆる急性期病院のいろんな評価をするための、ほぼ急性期病院を 網羅しているデータベースになっているというふうに認識をしております。  このようにプロセスが見られるということと網羅性が非常に高いデータベースになって いるということが、このDPCデータの特徴であろうかと思います。  続きまして、様式1に関連しての項目で、どのような分析ができるのかということにつ いて少し御説明させていただきます。  これをめくっていただきますと、例えばKillipでどんなことができるのかという ことですが、一応Killipで入っているものは、大体、そんなにないのですけれども 1万弱ぐらいのデータがあります。それに基づきまして、Killipのスコアで1、2、 3、4、それぞれで在院日数と出来高換算コスト、これはEFファイルから計算しており ますけれども、どのぐらい差があるのかということを見てみると、非常に外れ値が大きい のであれですけれども、一応平均して見ますと、スコアが上がるにつれてコストがかかっ ていると、こういう分析も、入れていただければ、こういう分析ができるということです。  同じように050130、これは心不全ですけれども、心不全についてNYHAの分類 に基づいて、スコア別に出来高換算コスト、在院日数を見て見ますと、これも明らかに、 これも外れ値が非常に多いのですけれども、データが多いこともありますけれども、スコ アが上がるにつれ、重症度が上がるにつれて、医療資源の必要度が上がっているというデ ータになっております。  このように臨床科のほうから、こういう分類を入れるべきだということでいただいたス コアの分類を使って分析をしますと、ある程度こういう医療資源の必要度みたいなものが 分かれてきますので、将来、各病院がどのような重症度の患者さんを診ているのかという ことに基づいた機能評価でありますとか、あるいはその分類の見直しにもしかすると使え るかもしれませんけれども、このようなスコアはやはりそれなりに意味があるものだろう というふうに考えております。  続きまして、これは研究班の今中先生と林田先生がやっている分析ですけれども、例え ば心筋梗塞について、このようなKillip分類ですとか、あるいは年齢ですとか、あ るいは合併症とか、そういうものを含めて予測死亡率みたいなものを推計するということ も、まだこれは完全なものではありませんけれども、試行的にやられております。  これは諸外国等でも、いわゆるリスクを調整した上でのアウトカム評価みたいなことが やられておりますので、そういうことにも使えるということで、実際、様式1にいただい ているデータでこのようなことができるということをお示しさせていただいております。  続きまして、すみません、これは藤森先生がつくってくれたものですけれども、がん種 を入れるのを忘れて、大腸がんでございます。  大腸がんで、例えば、実際ステージ分類を入れているのが非常に少ないわけでございま すけれども、記載なしが64%ということですが、ステージで入れてあるものを見ますと、 このような形でゼロが2%、1が10%、2が11%、3が10%、4が3%という形に なっております。こういうステージ分類に基づいて何が分析できるのかというと、例えば ですけれども、どのようなアプローチで手術をしているのかという分析をすることができ ます。  1枚めくっていただきますと、開腹と腹腔鏡手術との割合が棒グラフで示されておりま すけれども、やはりステージの低いところでは腹腔鏡手術が多いですけれども、だんだん ステージが2、3、4と上がるにつれて開腹手術がふえているというように、やはりその ステージによってアプローチが違うという結果が出ております。  あと、次が在院日数ですけれども、腹腔鏡と開腹で見てみますと、腹腔鏡でやる場合に はステージによる差というのはないのですけれども、開腹でやる場合には少し、腹腔鏡と 開腹ですと開腹のほうが長いですし、ステージが上がるにつれて開腹の場合には少し在院 日数も長くなっているような、そういうことがあります。こういう形でステージ分類みた いなものが入っておりますと、どのような手術選択を行っているのか、あるいは今回示し ておりませんけれども、どのような化学療法の選択を行っているのか、あるいはどのよう な医療資源必要量で、投入量であるかという、そういう細かい分析もできますので、やは り有用な情報であるというふうに考えております。  ただ、がんのステージにつきましては、再発例についてステージを決めるというのはな かなか難しいと思いますので、初発例についてだけでもこのようなデータがあると、かな り踏み込んだ分析ができるというふうに考えております。  次を見ていただきますと、ICD10というのは、そもそもいろいろの問題点があるわ けですけれども、その問題を回避するために付加コードというのを前々回入れていただい て、これがどのような形で使われるのかといいますと、これも実際に研究班の桑原先生が 分析していただいたのですけれども、付加コードが入ったことによって小細胞がんである のか非小細胞がんであるのかということが分かるようになって、それによって、例えばそ の年齢がどうであるのか、性別がどうであるのか、あるいはがんのステージ分類がどうな っているのかというようなことが分析できるということになるわけです。これを見ていた だきますと、小細胞がんでは明らかにステージ3、4、が多いという形で、やはり非常に 進んだがんが、これはもちろん見つかりにくいということもあると思いますけれども、あ ろうかと思います。  あと補助治療の状況などというのも、こういう分析が出ますので、こういうステージと 付加コードを組み合わせることによって、がんの治療手段の選択の分析、あるいは各病院 がどのような重症度のがんを診ているのかという細かい分析ができるということで、この ステージ分類、付加コードというのは非常にやっぱり有用な情報であるというふうに考え ております。  実際にこういう付加コードがあることによって、がんの化学療法が実際に病理診断別に どのような形でやられているのかという細かい分析ができるというのが、そこにあります 病理別化学療法使用レジメというものであります。非常に、やはりこういう付加コードが あることによって化学療法の選択に関する細かい分析ができますので、先ほど事務局のほ うから話がありましたような高額薬剤の使用の詳細な分析にも非常に有用なものであると 思いますので、この付加コードからステージ分類というのは、やはり有用なものだという ふうに考えております。  1枚めくっていただきますと、ちょっと古いデータで恐縮ですが、ヘルニアの記載のな い腸閉塞に関して術後感染症がどのぐらい発生しているのかということを、これを入院後 続発症のデータをもとにして分析したものです。これはそういうデータを確実に入れてい ただきますと、こういうものについてどのくらい術後感染症が発生しているのかという分 析もできますので、それもやはり医療の質の評価にとっては非常に重要だと思いますので、 非常に有用なデータであるというふうに考えています。  続きまして、乳がん患者におけるうつ関連症状の治療の現状というのがありますけれど も、これは何かといいますと、乳がんの患者さんについて、入院時併存症、入院後続発症 のところで、いわゆるF3、F4。F3がいわゆる気分障害、F4が不安症、神経症です けれども、それがあった症例がどのくらいあって、そのうちにどのくらい抗うつ剤が投与 されているのか、あるいは精神科専門療法をやられているのかというようなことを見たも のです。  精神科専門療法につきましては、これは出来高ですので、やれば必ず入っているはずで すけれども、例えば乳がん患者さんで、うつ症状に関連する副傷病があるにもかかわらず 精神科専門療法が入っているというものは10%にも満たないという状況ですので、こう いうものも急性期医療における医療の質の評価、あるいは急性期病院における精神科医療 の評価というところに使えるデータだと思いますので、そういう意味でも入院時併存症、 入院後続発症というものをきちんと入れているというのは非常に重要だろうというふうに 考えております。  続きまして、いろいろと議論の多いADLのデータを使った分析です。一応、今のDP Cの調査では、脳梗塞、脳血管障害に関して、いつ発症したのかというデータがありませ んので、急性期の症例であるのか慢性期の症例であるのかということが分かりません。た だ、一応、慢性期の症例にエダラボンは使うことはないだろうということで、一応、エダ ラボンが使われた症例につきましてはこれを急性期とみなして、入院時のリハビリ、 Barthel indexではかったADLと入院後のBarthel indexではかったADLの差を見まし て、その改善の程度に何が関係しているのかというものを分析したようなものです。  これを見ますと、やはりリハの開始日が早いほど、それからリハの日数が多いほど改善 の程度が高いということ。あるいは高齢者であると非常に改善の程度が低いと、こんなこ とが見えてきます。このようにBarthel indexを今のDPCの様式1でとっておりますの で、その変化を比較することによって、各病院のリハの状況ですとか、その効果というも のも分析できますので、このADLの情報というのも非常に貴重なデータというふうに考 えております。このADLに関しましては、いわゆる看護規則のA表に相当するものです ので、日常業務で看護師さんのほうがとられているデータですので、引き続きこのデータ もとっていただけたらというふうに考えております。  続きまして、今度はAISのほうですけれども、AISは非常に入力率が悪いというの がちょっと問題になっているのですけれども、ただ、入れていただけると、こういうデー タがとれます。これはカテゴリー別に、桑原先生がまとめてくれたものですけれども、1 点から9点、10から15点、16から24点、25点から35点、36点以上というこ とで、どのぐらいの重症度の患者さんが救急にかかっているのかというようなことを分析 できています。  例えば、1点から9点、いわゆる軽症のものはやっぱり77%ぐらいで、非常に重症の ものは足しても5%ぐらい未満ということが分かります。死亡確率は確かに、退院時転帰 のところを見ていただければ分かりますけれども、36点以上では25.3%以上が死亡 するというように、やはり重症度が高いところで死亡するということが分かります。  1枚めくっていただきますと、このカテゴリー別に外傷がどういう外傷であるのか、意 識状態がどうであるのか、輸血の頻度がどのぐらいであるのかというようなことまで、一 応分析はできます。いずれも重症度が高くなれば意識の状態も悪いですし、輸血の頻度も 非常に多くなるという結果になっております。  それから救急車搬送とかもそうですけれども、やはり当たり前ですけれども、重症度が 高いところでは84.6%の方たちが救急車搬送ということですので、各病院の重症度、 受け入れている患者さんの重症度も分かろうかと思います。  あと1枚めくっていただきますと、在院日数と総点数というところでどのぐらいになっ ているかということですが、これは外れ値が特に軽症の低いところのほうで非常に多いで すので、何ともいえない部分があるのですけれども、一応、統計学的に、やはりAISの スコアが高いほど在院日数も総点数も大きくなるという、そういう傾向が出ております。 このように一応入れていただければ、それなりに様式1で、今集めているデータをもとに して、各病院から見て患者さんの重症度、あるいはその分類の精緻化に有用な情報が得ら れるかと思います。  ただ、この中で、やはりAISに関しましては入力率が大体2%を切っている状況です ので、切っている状況というのが後ろ側にデータをとるのが非常にやはり事務的に難しい ということがございますので、こういう分析ができますけれども、なかなかちょっとしん どい情報だろうなというふうに考えております。  続きまして、地域医療の評価というものについて御説明させていただきます。これは先 般より患者住所地(郵便番号)を入れていただきたいというお願いをしているわけですけ れども、それをなぜ、そういうものが必要だというふうに私たちが考えているかというこ とを今までの分析結果について、今から御説明をさせていただきます。  1枚めくっていただきますと、これはDPCの、これは厚生労働省のほうのデータをも とにして研究班の石川先生がGIS分析、地図情報システムを使って分析した結果を見た ものです。ちょっと見にくいかと思いますが、重だったがん、それからクモ膜下出血とか 脳血管障害、それから心筋梗塞、狭心症について、DPC対象病院に何分で各地域の住民 がアクセスできるのかということを分析した結果を示しています。  最初の図は、これは岩手県でございます。これで見ますと、緑のところが30分以内に かかれる地域の住民ということになるわけですけれども、東北新幹線沿いにスポッティー にあるだけで、ほとんどの患者さんは60分以上、90分以上かからないとDPC対象病 院にかかれない状況ということになっております。中でもクモ膜下出血でいいますと、3 0分以内にかかれる患者さんというのは人口の30%しかいないという状況になっており ます。それを右側のほうでは市区町村別に30分以内にかかれる方が何%ぐらいいるのか ということで計算をしてくれております。これを見ていただきますと、やはり三陸海岸沿 いのところで非常にアクセスが悪いという状況が分かるかと思います。  一方で、1枚めくっていただきますと、今度はこれは東京都の状況です。当たり前です けれども、奥のほうを除けば、ほとんどの方が30分以内にどこかの病院にかかれるとい う状況になっているというのが、この東京の例です。このようにDPCデータを用いるこ とをGISで分析することによって、医療資源の配分に関してこれが適切なのかどうなの か、患者さんの側から見たときにアクセスシビリティーについてどうなのか、こういう分 析ができるわけであります。ただし、このデータは、いわゆる国勢調査のデータに基づい てやっておりますので、実際の患者さんのデータでやっているわけではございません。  次のページを見ていただきますと、4疾病5事業への対応状況という形で、これも石川 先生がまとめてくれているものですけれども、各都道府県別にどこの病院ががんをたくさ ん見ているのか、脳卒中をどのぐらい見ているのか、心筋梗塞をどこが診ているかという 形で、一応症例数というものが見えるようになっています。  ただ、これで別に多いところがいいというわけではないだろうというふうに考えており ます。それを見たものが、1ページめくっていただきますと、先ほどの福岡県におけるカ バー率、岩手県、東京都でやったのと同じようなものが出ておりますけれども、こういう 分析ができるのですが、ところが先ほどと同じものですので、これは飛ばしていただきま して、次をめくっていただきますと、同じ分析を急性心筋梗塞について今度は熊本県でや ったものがございます。  これを見ていただきますと、順位でいいますと、熊本赤十字病院が月に13.7例とい うことで一番たくさんやっていると。この占有率は何かといいますと、30分以内の、い わゆる診療圏域で、どのぐらいの患者さんが、人口がカバーできているのかということを 示したものです。そうしますと、熊本日赤というのは、あるいは済生会熊本病院というの は、それぞれ月に13.7、11.8ということで非常に多くの患者さんを見ているわけ でございますけれども、地域の中で見ますと人口に対するカバー率というのはそれぞれ3 0%、25.6%ということになるわけです。一方で、天草郡市医師会立天草地域医療セ ンターというのは、月の症例は4.7人ですが、その地域においては100%のカバー率 を見ているということで、要するにその地域医療に対する貢献が非常に大きいということ が分析できようかと思います。  このようにDPCデータをGISに当てはめて分析することによって、それぞれの病院 が各地域においてどのような役割を果たしているのかということの分析ができるというふ うになります。これは先般、金田委員のほうから、その地域において頑張って、中小病院 等でも評価をしてほしいという御意見がございましたけれども、そういうDPCのデータ を使うことによって、このように各病院がそれぞれの地域においてどのような役割を果た しているのかということが傷病別に詳細に分析できるということが非常に大きなポイント だと思います。これはもちろん、今DPC対象施設というのが1,500を越したという 状況ですのでできることではありますけれども、こういうことの分析をさらに詳細にやる ことによって、地域医療指数みたいなものの精緻化にもつなげられるというふうに考えて おります。  1枚めくっていただきますと、これが占有率をグラフにしたものですけれども、先ほど 来ありますように、例えば天草、水俣の病院というのは、このように100%、あるいは 70%という地域での占有率ですので、それぞれの病院が各地域において、この急性心筋 梗塞の医療においては非常に重要な役割を果たしていることが、こういう分析から分かろ うかと思います。  1枚めくっていただきますと、これは伏見先生が患者調査のデータを組み合わせて、こ ういう占有率を分析するという手法を開発されておりますけれども、こういう分析もでき るようになるということです。ここで非常に重要なポイントは、患者調査のほうのデータ というのは、患者の住所地情報がございますので、より詳細なもの、正確な分析ができま す。これができるのは、やはり地図情報が、患者さんの住所地情報があるからできるとい うことなのですが、1枚めくっていただきますと、これも石川先生がまとめてくださった ものですが、それぞれの医療機関の30分圏内での診療圏域というものをこういう形で図 示することもできます。ただ、やはり、こういう分析をもう少し詳細に患者ベースでやっ ていこうとすると、どうしても患者さんの住所地情報が必要になります。  一応、今日は参考資料として、後でまた回収させていただきたいのですが、北九州市で、 ある病院の眼科の患者さんの診療圏のGIS分析をやった結果というのをお示ししており ます。これは色が赤に近いところほど、そこの地域からたくさん患者さんがきているとい うことですけれども、こういう分析をやることによって傷病別に、あるいはMDC別に、 各病院がどういう圏域の患者さんを診ているのか、そういう分析をやることによって、そ の地域におけるその病院の役割、いわゆる医療計画との整合性を見ながら各病院の機能と いうものを評価できることになりますので、こういう地域医療指数の精緻化にもつながる 問題だと思いますので、ぜひこういう分析ができるということを御理解いただいて、郵便 番号の様式1への追加を改めてお願いしたいというふうに考えております。  一応、これが私どもが今までこの様式1等の見直しに関しまして分析をしてきた例の一 例でございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。病院の医療施設の役割等について、特に様式1の情報との関 連でこういうことができると、特に医療の質の向上といった意味で価値を持ってくるとい うことを御報告いただきました。  どうぞ御質問、御意見お願いします。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  大変膨大なデータから精細な解析をなさった研究班の皆様に、まず深甚な敬意を表した いと思いますが、ここから見えてくるものは恐らく氷山の一角というか、一つの在り方を お示しいただいたということで、例えば診断群分類の2,000、3,000といった疾 病それぞれについて、このような細かい解析が必要であれば可能だと、そういうふうに考 えてよいのかということと、これの実際的な利用法として、我が国の医療の制度設計をし ていくときに、この部分はどうなっているのだろうかという問題提起にこたえるという側 面と、それからDPCの制度設計において、この部分はどうなっているのだろうかという、 やっぱり問題提起に続発してこういうことが可能だと、そういう研究と理解してよろしい んでしょうか。 ○松田委員  目的としまして、やはり2つありますが、1つは分類の精緻化そのものをやっていきた いということと、それからもう一つは、今、先生が後半でおっしゃられたように、医療シ ステムといいますか、医療提供体制そのものを適正化するためのデータベースとしてつく っていけないかと。後半はどちらかというと、私どもの研究班の思いではあるわけですが、 そういうことでずっとやってきております。  例えば、先ほどの最後にお示ししました地図情報を使った分析に関しましては、これは 研究班の中では、九州大学の桑原先生がやってくれているのですけれども、例えば放射線 治療をやっている施設をこの地域に1つつくったならば、患者さんのアクセスがどのぐら い変わってくるのかというのは、そういうシミュレーションまで実はできております。そ ういうデータをお示ししながら、既に1,500病院が入っているわけですので、その先 生たちに考えていただいて、医療資源の適正配置といいますか、その機能分化をどうやっ ていくのかということを考えていただくようなデータをつくっていきたいということで、 こういうことをやっているということでございます。 ○齊藤委員  ちょっと私事で申しわけないのですが、今日から国会で地域医療機能推進機構法案とい うのが、これは社会保険病院、厚生年金病院、船保病院の存続を固める、そして、地域医 療の制度設計をこれから求めていこうという思いが込められた法案です。そういうときに、 どこにどういうDPC病院を配置すべきかとか、そういう地域医療の制度設計に先生の研 究なんかが活用できればすばらしいなというふうに思っておりますので、これはコメント です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。  どうぞ、金田委員。 ○金田委員  金田です。先月の私の発言に応えていただいたものもあり、本当にうれしく思っており ます。岩手では、「中小病院の役割」というものの重要性について言われました。また熊 本での、天草の病院の「地域における役割」の評価というのがやはりすばらしいものがあ るなと思いました。「医療の質の評価」と共に、「地域における役割」の評価がこれで可 能となり、医療資源の適正配置につながるというお話がありました。  中小病院の立場から申しますと、最も苦労しているのは医師の確保であります。その医 療資源の適正配置というときに、医療の役割の分担は国、あるいは県でできるかと思うの ですが、医師の派遣は大学がやはり重要な役割を果たしている、いまだに握っているわけ であります。今後さらに大学の役目は大きくなると思いますので、やはり分析する側であ る行政と、医師の派遣を実際に行っている大学とが乖離しないような都道府県ごとの医師 の適正配置に向けた協議会の設置というようなものの検討も今後必要になってくると考え ます。非常に重要な、貴重な分析をありがとうございました。 ○西岡分科会長  コメントということで、よろしいでしょうか。  ほかに。どうぞ。 ○小山分科会長代理  大変すばらしいデータで非常に参考になるのですけれども、これは松田先生に御質問す るよりも、厚生労働省に御質問したほうかがよろしいかと思いますけれども、これから、 この様式1が変わって、いろんな分析ができるようになりますよね。  今、問題になっているのは、厚生労働省の管轄下の中でいろんな分析をやっていくこと はよろしいと思います。でも、今動き出しているのは、いろいろな学会が学会独自の中で もっていろいろな分析をしようとしています。実際にやっているところもあるのですけれ ども、本来の目的が各病院は、そういう目的ではない形でもってそのデータを出している わけですよね。それが学会ごとにいろんな分析をしながら、ああだこうだという話になっ てくるのですけれども、これからはその方向性はどういうふうにお考えなのでしょうか。 どんどん使ってもいいのか、あるいは……。  というのは、いろんな人のデータを使うわけですよね。じゃ、どこまでやったらいいの かという、そこら辺のルールをある程度決めておかないと、やたらある学会から病院に、 おたくのこのデータを使いたいからこのデータをよこせみたいな話になってきているんで すよ。これは何か歯どめというのですか、何か考えはございますでしょうか。 ○西岡分科会長  企画官、お願いします。 ○事務局(企画官)  直接のお答えになるかどうか分かりませんけれども、このDPCの取り組みが始まりま して一定程度時間が経過しておりまして、松田委員が御紹介されましたように、さまざま な角度で医療システム、あるいは医療のさまざまな分析ができるという状況になっており まして、この情報をむしろ医療全体、あるいは場合によっては社会全体でさまざまな利活 用すべきだという御指摘はいただいておりまして、むしろ政府全体で、内閣官房中心に厚 生労働省を含めまして、このDPCに限らずですが、さまざまな医療の情報については活 用を推進するという取り組みを私どもも参画してやっております。  ですから、政府の外の研究者含め、あるいは学会含め、いろんな取り組みなり情報なり を進めていかれることに対して、今の時点で規制的な話をするのは差し控えさせていただ くのですが、むしろこういった国の取り組みの中で得られる情報を最大限使っていただけ れば、重複した調査でございますとか、施設に対してのワークロードもむしろ効率化でき るのではないかと、そういう視点で、我々としては既存の枠組みをなるべく活用していた だくようにと考えております。  ただ、その前提としましては、医療の改善といいますか、質的な改善は主に社会にとっ ての裨益が重要であって、その公益性というものを基本的には前提として政府として取り 組むという理解で、私どもの省も含めまして取り組んでいるという状況でございます。 ○西岡分科会長  ほかに御質問等、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。  非常にすばらしいデータを出していただきまして、本日の松田委員からのお話を受けて、 次の様式1の検討のほうに入っていきたいと思います。  それでは、平成22年度調査に向けた様式1の見直し(案)につきまして、議論を行い たいと思います。事務局からの御説明をお願いします。 ○事務局(丸山主査)  事務局から失礼させていただきます。  お手元に横書きの資料、D−3−1とD−3−2を御用意ください。今、伏見研究班の ほうから前回の分科会からの付託で出された意見につきましては、診調組D−3−2の横 紙の両面でございます、こちらのほうにエッセンスとしてまとめさせていただきました。  こちらを踏まえまして、前回DPC評価分科会のほうで非必須の項目については基本的 になくす方向で、廃止をするか、もしくは疾患を限定するなどして、きちんとデータをと って、きちんと解析をしようということだったと理解をしておりますので、そちらの一番 上でございます。基本的な考え方としては、調査項目全般につきまして、現行調査で既に 項目が設定されていること。院内の情報システムで既に把握している情報であること。こ の2条件を満たしている上で、検討を加えさせていただきました。非必須項目については 廃止をするか、疾患を限定するなどとして必須という形で、こちらの表に記載をさせてい ただいています。  表の見方でございますが、前回、大変小さい文字だったので、今回拡大をさせていただ きました。一番右側の列に追加の列を設けさせていただきまして、平成22年度調査以降 はこのような入力条件に変更してはいかがでしょうかという形で事務局(案)を記載させ ていただいております。順々に御紹介をさせていただきます。  まず1枚目としましては、2の、少し網かけで新と書いてございます。先ほど松田委員 からの御発表にもありました、患者住所地域の郵便番号をこちらに入れてはどうか。  おめくりいただきまして2ページでございます。(1)で退院先に老健施設への入所、 独居であるか否かを追加してはどうか。(14)と(15)は、退院年月日などについては前回入 院などがあれば基本的にお書きいただくと。  3ページ目でございます。5番の手術情報については、前回、山口委員からICD9− CMコードについては、現行使われておらず、余り活用の余地がなくて、現在、外保連コ ードのほうを整備していただいているということでございましたので、ここのカラムにつ いては原則廃止をいたしますが、外保連コードが将来整備されるため空欄として残してお きまして、外保連コードがしっかり制定されたら、そちらのほうを入力していただいては どうかという御提案でございます。  4ページ目は同じものが続きますので説明は割愛させていただきまして、5ページ目で ございます。6の診療情報が一番の注目のところでございますが、まずは網かけの新と書 いてある身長と体重、前回御議論いただいた喫煙指数、こちらを必須とさせていただきま した。入院時のADLスコアも、こちらも必須とさせていただいております。退院時のA DLスコア、ここは必須のところが網かけしてあって右側に☆がついておりますが、こち らは後で松田委員から少しコメントをちょうだいできればと思いますが、伏見研究班での 意見と若干食い違う点については、一番右側に☆印をつけさせていただいております。  引き続き、事務局案を説明させていただきます。  NPUAP分類の褥瘡のステージ分類については必須ではなくて、御意見が特になかっ たので廃止と。がんについては、TNM分類のほうを採用させていただいて必須。逆にお めくりいただきまして、6ページ目のステージ分類については廃止をすると。  (15)、(16)のがん患者のパフォーマンス・ステータス、脊髄麻痺患者については廃止を し、新しい項目として、脳卒中の指標としてModified Rankin Scaleを入退院時、そして 脳卒中の発症時期について、疾患を限定いたしまして必須と。ここから先、幾つかの Hugh-Jonesなどの循環器系、また新しい肺炎の重症度分類などについては、順次疾患を限 定して必須というふうに変更案を記載させていただいています。  7ページ目でございます。(23)から(25)の白血病関係のものについては廃止とし、(27)、 (28)、ここだけ特殊でございます。その他の重症度分類ということで、特に何を入力して いただきたいという規定はないのですが、病院が独自に使用して解析する欄として使われ ているという御指摘がありましたので空欄として残しますが、ここも原則廃止と。残りの (29)から(35)、こちらも特段御意見はなくて廃止。  8ページ目について、精神関係の指標については、疾患を限定として必須化。(43)から (52)、先ほどの発表にもありましたが、外傷については非必須項目で入力率が低いこと、 入力の手間暇がかかることなどを踏まえ、廃止ということで事務局(案)を提示させてい ただく次第です。  事務局(案)としては以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは、これについて御議論をお願いしたいと思います。  既に必須の部分はそのまま残すということは前回のときに決めていただいておりますの で、今日新たに御指摘いただきましたものについて御議論をお願いしたいと思います。  最初に、2のところの新となっている、網かけになっている部分でございますが、患者 住所地の郵便番号を入れていただくと。これは余り大きな作業にはならないと思います。 既にあるものを入れるだけですし、それと、実際には今、松田委員からお話しいただきま したように、医療施設の分布だとか、これからの医療政策そのものにも非常に重要になっ てくるということで、これは採用ということでよろしいでしょうか。  それでは、それから2ページ目の(11)番のところで、老健施設への入所、独居であるか 否かというのを、それがある場合にはそれを記入するということでございますが、これは いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  どうぞ、お願いします。 ○酒巻委員  ちょっと疑問が2つありますけれども、独居であるか否かということを入力する必要は 一体どこにあるのかというのが1つと、もう一つは、実は意外と退院先というのはあいま いなところがあって、自院と他院の両方の外来に通院するように退院していたり、あるい はここで言えば、独居で自院の外来というのはどうするのか、一体何に優先順位をつけて 入力をしたらいいのかというのに困るところがあると思うのですが、その辺の考え方を整 理していただけると。 ○西岡分科会長  これは、何かお答えできますでしょうか。松田委員のほうから、お願いします。 ○松田委員  すみません、ちょっと見落としていたのですけれども、独居であるか否かというのは、 多分これは要らないと思います。恐らく、退院先ですので、問題になったのが、その他の ところに介護施設が大分入っちゃっているということで、そこを分離したいということが 問題意識だったと思いますので、ここは老健施設などだと思いますけれども、入所という ことでよろしいかと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山分科会長代理  松田先生、これはそうすると、転院というのはあくまでも違う病院で、6番はあくまで も自院という話でよろしいのですか。 ○松田委員  そうですね、(11)はその他病棟への転棟という。実は、昨日またMDCの01の先生 のほうから御意見があったのですけれども、この「その他病棟への転棟」のところで、回 復リハビリテーション病棟とか、急性期病棟とか、療養病棟は分けていただきたいという ようなことを実はいただいておりますけれども、それは自院ということでよろしいかと思 います。 ○小山分科会長代理  他院のところは、じゃ、何でもいいの。他院だったら全部分類なし。他のリハビリテー ションの、他のいわゆる老健施設だとかといった場合は、転院で全部一緒ですか。 ○松田委員  それも分けて実はとれたらいいなとは思います。ただ、それがどのくらい事務作業的に するというのであると思うので、介護施設等への入所というのは、かなり把握しやすい情 報だと思いますので。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○美原委員  退院のことですが、これは直接DPCに関係するかどうか分からないのですが、回復期 リハビリテーション病棟から退院するときに、自宅退院とそれから自宅でない退院という ので、いろいろな区分が変わってくるんですね。回復期リハビリテーション病棟から老健 に退院する。老健にいるときは、それは自宅退院にはならないですね。しかしながら、老 健ではないところ、例えば特養であるとか、何かいろいろなのがある。高専賃は、僕はよ く分からないのですが、そういうところは自宅になるのですね。それは一体何が違うのだ というようなことをとても僕は疑問に思っています。  ここのところで、老健の入所、独居であるか云々、これはどうだか分からないです。何 を言いたいのかということだろうと思います。同時に入院のときの、これは、この間ちょ っとお話ししたのですが、入院のもと、入院先はどこかと言ったときに、自宅から入院す るのと、施設から入院するのと、ほかの病院から入院するのと、ほかの病院、例えば療養 型の病院から入院するのを、急性期の病院に入院するのを、一般のDPCの急性期に入院 するのと同じにしていいのかというのは、僕はちょっと議論があってもいいのではないか というふうに思っています。  ですから2つあって、入院の元となるところはこのままの分類でよろしいのでしょうか ということと、それから退院をする退院先のところで、老健は別に扱うのは一体どうして なのでしょうかというのが、ちょっと疑問に思いました。 ○西岡分科会長  事務局のほうから、御意見ございますか。どうぞ。 ○事務局(企画官)  今の美原委員の御指摘の中には、例えば診療報酬算定、あるいはさまざまな今の制度上 の取り扱いの課題を御指摘になっておりますので、この調査の拾うべき、調査すべき事項 と今の御指摘とは必ずしもリンクしない部分もありますので、少しそこは分けて御議論を いただきたいということでございます。  その上で、今さまざまな御指摘がございました。特に入院、それから退院に係る内容で、 従来の診療報酬の算定のよしあしの話は別としまして、このDPC調査において必要な事 項はどれかということを御議論いただいて、ぜひとも今日フィックスをしていただきたい ということでございます。 ○西岡分科会長  美原委員、よろしいでしょうか。  そうした場合に、この老健施設の入所も入れるという形での御提案ですが。 ○松田委員  私たちは老健施設等というふうにしていますけれども、基本的には介護施設への入所と いうことを別に把握できればというふうに、研究班としては考えております。 ○西岡分科会長  そうしたら、そういう項目をここへ入れておく必要がございますね。それは老健施設と 介護施設と、また別に扱うということですか。 ○松田委員  やはり介護施設にそういうものがきちんとある地域と、そうじゃないところでは、当然 入院期間も違ってくると思いますし、そういうこともありますので、介護施設、あと、す みません、今日は出していないのですけれども、その他への退院、脳梗塞の患者で見てみ ますと転院、それから外来に行くパターンと、その他というところがちょっと違ったパタ ーンですね。診療内容とかADLの変化とかも違いますので、多分それが何なのかという ことをきちんと分からないといけませんので、介護施設への入所というのは別に分けてい ただけたらというふうに考えております。 ○小山分科会長代理  わかりました。そうすると、7番ですね。 ○松田委員  7として介護施設への入所です。 ○小山分科会長代理  介護施設等、それとも介護施設。 ○松田委員  介護施設です。 ○小山分科会長代理  介護施設。あとは全部、転院でいいわけですね。 ○松田委員  そうです。 ○小山分科会長代理  7番ですね。 ○松田委員  7番です。 ○美原委員  先生の言っている介護施設というのは。 ○松田委員  介護保険の施設です。 ○美原委員  介護保険の施設ですか。わかりました。 ○松田委員  ですから、多分それを明記するのであれば、介護療養病床がちょっと難しいですけれど も、いわゆる3施設をも併記していただいたほうがよろしいのかもしれません。 ○西岡分科会長  どうぞ、三上委員。 ○三上委員(木下委員代理)  介護施設については、今4施設、転換老健がありますので4施設になっていると思いま すけれども、それ以外にも介護施設というのは、介護保険施設以外にもたくさんあります し、またその医療と介護の世界で在宅という扱いが違っている部分がございますので、こ れは1つずつ細かく書いておかないと混乱するのではないかというふうに思います。 ○松田委員  細かくとれれば、それが一番だと思いますけれども、多分、先ほども美原委員のほうか らも話がありましたけれども、それがいわゆるケア対応施設なのか、あるいは高専賃なの かとか、いろんなことを聞き出してしまうとすごく大変なことになってしまうので、とり あえず介護保険で定められている入所施設だけを一応今回把握できれば、それであれば病 院側としても把握している情報ですので、そういう形でやれればいいのかなというふうに 考えております。それ以外は、一応、在宅という分類、区分でよろしいのではないかとい うふうに私たちは考えております。 ○三上委員(木下委員代理)  今、療養病床についても介護と医療と2つあるものを同時に調査をすると、患者特性等 についても調査をするというふうになっていますので、本来は、要は急性期が終わった後 の方々が、どのようなところへ行かれて、どういう治療を受けておられるかということが 分かるほうがいいので、できれば細かくというか、分かるようにしていただきたいなと思 います。 ○西岡分科会長  項目としてはずっと並んでいて、それのうちの1つを選ぶということになりますので、 そこのところはうまく整理すれば、三上委員のおっしゃるようなご要望も入ってくると思 いますし、松田委員のほうもそれであれば分類してつくれるわけですね。  ちょっと、たくさん並んでしまうことになりますかね。そこのところは、うまく事務局 のほうで整理して並べていただけますでしょうか。いずれにしても、これは医療行政的に 非常に重要なデータになりますので、お願いしたいと思います。  それで、その次が(14)の前回退院年月日を、これはある場合は必須と。これは言葉だけ で、かつてなかったもので、必須ではないということで出していたのですが、前に入院し ていたことがある場合には、それは必ず入れてくださいということになるかと思うのです が、それでよろしいでしょうか。  それと、(15)番に関しても同じこと。 ○小山分科会長代理  (15)は大変ですね。松田先生、(15)はけっこう大変ですよね。 ○松田委員  私たちの研究班のほうでは、これに関しては議論が分かれましたけれども、不明という ものを認めるということで、9が8つ並ぶ99999999というものを入れることで必 須としたらどうだというふうな、一応議論にはなりました。  ただ、これは研究班としては、この部分が必須だというふうには結論は出していません。 これは多分、MDCのほうから出された意見だろうとは思うのですが。 ○小山分科会長代理  これは大変ですよ。 ○西岡分科会長  だから調べられる場合はいいのですけれども、かなり歴史が長くなってきていると出て こない可能性がありますので、そういった場合には不明というのも入れてもらう。 ○小山分科会長代理  不明というのはどうするのですか。 ○西岡分科会長  これは別ですので、不明というのをちゃんと入れたということにすればよろしいですか ね。その線でよろしいでしょうか。  MDCの研究班のほうでは、そんなのでよろしいのでしょうか。  どうしても分からない場合が出てまいりますので、ですから前回退院年月日というのは、 これはあれば入れていただくと。それから、前回同一疾患で自院入院の有無というのがあ れば、これも入れていただくと。それがかなり時間が長く、間があいてしまっている場合 には、見つからない場合は不明ということも起こってくるということですね。  ありがとうございます。  それでは、それから診療情報ですね。診療情報のところは、これは必須になっています ので、この部分は問題ないだろうと思います。  それから、次の手術情報のところで、5の手術情報のICD9−CMコードというのは、 これが外保連のほうでコードが新たにつくられるということで、それができたらここに入 れるということで、この部分を空のままで置くということで、それでよろしいでしょうか。  その次が、5ページ目になります。5ページ目の診療情報のところで、身長・体重を入 れるというのが提案されておりますが、これはいかがでしょうか。これは松田班のほうか らですか。 ○松田委員  やはり化学療法剤等で、やはり体重に応じてというのがありますので、ここを入れてい ただきたいということが、これはカルテに必ず書いている情報ですので、入れていただけ たらというふうに考えております。 ○西岡分科会長  これは全員が入れるということですね。化学療法でなくても。 ○松田委員  これも不明がある場合には不明は99、何か000でいいと思うんですけれども、それ を許すということで入れていただけたらというふうに考えております。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 ○酒巻委員  確認ですけれども、入院時ですよね。 ○西岡分科会長  これは入院時、身長・体重ですね。 ○松田委員  はい、お願いします。 ○西岡分科会長  じゃ、これは採用させていただくということで、その次に喫煙指数というのを、これを 必須として入れようということですが、これはいかがでしょうか。今の流れとして、これ は健康診断でも必ず聞かれるようになってきておりますので、よろしいでしょうか。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  ちょっと話の途中のような感じがするのですが、この様式1の持つべき役割というもの がきちんとしないと例えば喫煙を書くべきかどうかというのも分からないのですが、1つ はレセプトの症状詳記とか、それに近いような患者の病像をはっきりと示して診療報酬の 裏づけにするという役割と、もう一つは先ほど先生の研究班でお示ししたように、様式1 から非常にたくさんのことから見えてくるわけですね。そこでどちらを期待するのでしょ うか。両方をこの様式1に求めると、非常に幅広い機能を要求して、これによって日本の 医療の制度設計までやっていこうということであると、喫煙とかそういうものも当然入れ なければならないことになるとは思うのですが、その辺、先生の研究班での様式1の役割、 期待というものはどういうふうに位置付けられているのでしょうか。 ○松田委員  基本的には分類の精緻化と、それからこの後本格化していくであろう、いわゆる係数の 検討のためのデータであるというふうに考えています。  例えば、喫煙指数は研究班の中でも本当に意味があるのかとか、いろんな議論があった のですけれども、例えば外科の先生から、ヘビースモーカーの手術というのは非常にやっ ぱり立ち上がりが悪いとか、やはりヘビースモーカーの方たちの内科的ないろんな治療と いうのは非常にやはり手間がかかるのだと、そういう疑問が出されたときに、やはりそれ に答えるための分析ができるような体制はとっておかないといけないと思いますので、ヘ ビースモーカーの問題につきましては、呼吸器あるいは循環器のほうの先生からそういう 御意見をいただいておりますので、やはりそれに答えるための情報はやはり入れておいた ほうがいいのではないかというふうに考えております。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  じゃ、これは採用するということで。  それから次に問題になりますのが、入院時のADLスコア、退院時ADLスコアでござ いますが、特に研究班のほうでは退院時のADLスコアに関しては議論が分かれていると いうふうに伺ったのですが、いかがでしょうか。 ○松田委員  研究班としては、実際データを見てみますと、入院時のADLスコアを入れている施設 では、退院時が死亡でない限りADLスコアが大体入っておりますので、これが入ること によって、その病院のいろんな分析ができますので、リハビリの分析ですとか、あるいは どういう状態で次に行っているのかとかいうことも分かりますので、modified Rankin Scaleと組み合わせて分析することになるかと思いますけれども、ぜひ、できれば退院時 のADLスコアも欲しいというのが研究班の今の意見です。 ○西岡分科会長  実際に既に記入されているということ、多くの施設でやられているということであれば、 そのまま入れておいたほうが、後々のための分析には非常に役に立つということでござい ますが、それでよろしいでしょうか。  じゃ、この入院時及び退院時のADLスコアを記載していただくということです。  それからあと、がんの初発再発等は、これはそのまま、がんの人の場合には必ず入れる とかという、疾患を特定した形で必須になっております。 ○池上委員  ちょっとADLで。 ○西岡分科会長  ADL、どうぞ。 ○池上委員  遅れて参りまして、どうも失礼しました。  ADLについて前回申し上げましたことですけれども、慢性期におけるADLの分類の 仕方と、ここのやり方とでは異なっておりますので、それは異なる理由は分かりますが、 何らかの形で整合性をつけることはできないでしょうか。 ○西岡分科会長  松田委員、お願いします。 ○松田委員  現行がやはり今使われているものが、Barthel indexが急性期病院で使われているとい うことで、そこに今から新しいものを入れるということに関して、時間的にはやっぱり難 しいだろうと思いますので、池上委員の御意見もごもっともだと思いますが、これは多分 これから2年間ぐらいかけて、その整合性を図るための取り組みをしていただくというこ とでよろしいのではないかと思います。  それは多分、僕たち研究班として、それをどうこうというよりも、いわゆる入院患者の ADLをどのようにはかるのかということに関して、多分これは病院会のほうで決めてい ただくことではないかなというふうに考えております。そちらのほうで例えばこのスコア がいいということであれば、それを急性期から慢性期まで全部のところで使うという形で 合意がとれればいいというふうに考えております。 ○池上委員  あともう一つは、介護認定を入院前あるいは入院中に受けているかどうかということを、 これは今後の切れ目のないケアを行う上で重要な視点となりますので、介護認定というの をここに加えることはできないでしょうか。 ○松田委員  例えば事務方のほうの意見として、その要介護認定の情報を新たにとるというのはやは りちょっと厳しいということですので。それとあと、例えば脳梗塞なんかが典型的だと思 いますけれども、入ってきたときが一番重いわけですけれども、そこで要介護認定を申請 するわけではありませんので、ですから、やはりその情報をどのように使うかということ が事務方としては見えないという意見がかなりヒアリングをした結果では出てきておりま すので、今回、現在とれている情報ではないということで、今回の提案からは外させてい ただいております。  ただ、将来的にそれの情報がどうしても必要だということが病院会全体として出てくれ ば、やはりそれを加えるという方向で我々としてはいいのではないかというふうに考えま すけれども、現時点でやはりとれていない情報だということで、この短い期間でこれから 改修、それからその情報をとるという体制を各病院にとっていただくことをお願いするこ とを考えると、追加の情報というのはなるべく少ないというほうがよろしいのではないか というふうに考えております。 ○西岡分科会長  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  場所がちょっと違いますけれども、ごめんなさい。  この(6)の退院時のComa Scaleですけれども、今これは必須ではない、括弧書きとい うのがちょっとどういう意味なのかが読み取れないのですけれども、これはどういう意味 ですか。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○事務局(丸山主査)  すみません、これは事務局側の書き損じでございます。原則、非必須はなしということ でございますので、こちらも必須ということでございます。 ○西岡分科会長  これは6の(6)番です。退院時意識障害がある場合のJCS、これは必須。死亡退院 のときは、なしになります。  酒巻委員、よろしいでしょうか。  それでは、次の、これは記載していただく方、施設でかなり労力が要るということもあ りますので、そこも考えながら話を進めなければいけないと思います。  次は入院時、退院時のmodified Rankin Scaleの問題ですが、これにつきましてはいか がでしょうか。これを入れることのメリット・デメリット。入院時は必須ということにな って、退院時は必須ではないと。だから、入院時だけ記入するということですが。これに はついて、松田委員のほうからお願いします。 ○松田委員  これは学会のほうから出てきたものですけれども、その連携パスのことなんかを考えま すと、やはり退院時のmodified Rankin Scaleがあったほうがいいのではないかというの が、これは研究班というよりも私個人の意見であります。 ○西岡分科会長  これはいかがでしょうか。  美原委員のほうは、これが関係してきたりする分野だと思いますが、御意見いかがです か。 ○美原委員  NIHSSよりは、modified Rankin Scaleをつけることは事務作業としてはそれほど 大変ではないと思いますが、入院時それから退院時、平均在院日数を考えると、かなりそ の後変わってしまう、あるいは病院によって、平均在院日数の短い長いで、最初の一月間 ぐらいで非常に動きますので、10日間の病院と30日間の病院では出てくる結果という のが、退院時のは大幅に違って、それを同じに扱っていいのかということはちょっと疑問 に思いますが、書くこと自体に関しては、僕は別に大したことはないと思います。 ○西岡分科会長  ほかにいかがでしょうか、これに関して。  じゃ、一応、入院時・退院時ともに、事務局のほうからの提案では必須ではないとなっ ているのですが、いかがですか。これについては両方入れるかどうかという、今、美原委 員のほうから、それをつけること自身は事務的にはそんなに大変なものではないという御 意見をちょうだいしたのですが、特に連携パスというのは、保険の点数がついているもの 以外の分野でも、今、連携パスが各施設でたくさん行われるようになっておりますので、 そういった意味で、記入できるものであれば記入していただくということでいかがでしょ うか。  じゃ、この2つは今お話しいただいたところで、どちらも必須とするという形にさせて いただきます。  それから、脳卒中の発症時期、これが新たに加わっていることですが、これはいかがで しょうか。 ○松田委員  これもなかなか難しい症例があると思いますので、不明の99999999という9の 8けたを許すということで、ぜひ入れていただけたらというふうに考えております。 ○西岡分科会長  じゃ、これも必須として入れさせていただくということです。  それから、その次が、新たに加わっております肺炎の重症度分類、これもぜひともある ほうがいいのではないかと思うのですが。  はい、どうぞ。 ○酒巻委員  頭の中が整理できなかったので質問できなかったのですけれども、脳卒中の発症時期と いうのは日にちまで入れる発症時期ということを考えているのですか、それとも月までで すか、あるいは何日後ということを考えているのですか。 ○松田委員  多分パターンが3つあるだろうと思っています。全部不明な9が8つ並ぶものと、それ から年は大体何年だけれども、月と日が分からないものの999と、それからあと、月ま では分かるけれども日が分からない、最後の2けたが99になるものという、そんな形で やっていただければいいのではないかと思っております。 ○酒巻委員  それが9999の意味ですね。 ○松田委員  はい。その理由は、やはり分析をしてみますと、脳卒中で、脳梗塞で手術ありというと ころに、例えば胃ろうの増設だけだったりと、胃ろうの抜去だったりとか、あるいはその 創傷の処置だったりとか、明らかに慢性期の脳梗塞の患者さんに、そういうマイナーサー ジェリーをやって脳梗塞でその他手術ありになっている症例がありますので、多分それと 急性期の脳卒中の患者さんとは違うだろうと思いますので、そういう意味でもこれをぜひ、 発症時期というのはやはり各病院の機能を見る上で重要だと思いますので、ぜひお願いし たいというふうに思います。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  そうしたら、この脳卒中の発症時期というのを今の御説明に従った形で記入していただ くと。  それから、その次の肺炎の重症度分類ですが、これも肺炎の場合には入れていただくと。 この場合でも肺炎になると必ず敗血症になるとか、何かそういったコーディングが出てき たりしておりましたので、これも医療の質のところにかかわってまいりますので、これは 入れていただくということにいたします。  それから、その次が7ページ目に移りまして、(27)、(28)なんですが、これはいろんな 施設でこういうところを利用して指標をおつくりになっていらっしゃるということと、そ れからあと、番号がばらばらになってしまうということで、この部分は空欄にして置いて おくということでよろしいでしょうか。  それから、8ページ目に移りまして、退院時GAF尺度でございますが、これは必須で はないということですか。 ○松田委員  退院は。入院時は必須です。 ○西岡分科会長  退院時は、もう必要ないということでよろしいですか。これは、削除するということに なります。  それで、あと、ここから廃止の部分がずらっと並んでおりまして、最後まで廃止になり ます。  それから、あと最後の化学療法の有無、テモゾロミドの有無というのは、これはもとも と必須ですから、そのまま残るということになりますが、大体こういう形でございますが、 よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それで、最後のこの1枚分の資料ですが、これで大体まとめが入っているんですよね。 ○事務局(丸山主査)  D−3−2は、そのエッセンスということでございます。 ○小山分科会長代理  今のエッセンスの7番の術後創感染は、どこにあるんですか。 ○事務局(丸山主査)  7番の術後創感染については、新たに項目を立てるというわけではなくて、入院後続発 症の記載欄が既にございますので、そこにおいて、今回DPC病院にお配りするマニュア ルにおいて、このような順位で記載をしていただきたいという形で対応をとらせていただ ければと思っております。 ○小山分科会長代理  マニュアルですね。 ○事務局(丸山主査)  今、御指摘いただいたので引き続き失礼させていただきますが、同じように、その裏面 でございますけれども、整理番号でいうと28番と29番でございます。精神疾患をしっ かり、入院時に併存していたり入院後発症したら記載していただきたいということに関し ては、これも入院時併存症、もしくは続発症の欄が既にございますので、精神疾患があれ ば優先順位を上げて記載をしていただきたいといったマニュアルでの対応をとらせていた だければと考えております。 ○西岡分科会長  この精神疾患というのは、既にそういう診断がつけられているというのを前提での話で すね。 ○事務局(丸山主査)  28番がそうでございまして、29番が入院後に発症したものという区別をしてござい ます。 ○西岡分科会長  ということでございますが、一応こういうまとめを今やっていただいたので、もしよろ しければ、こういった形での様式1を決定させていただきたいと思いますが、よろしいで しょうか。  ありがとうございました。  これに関しまして、できるだけ急いで作業をしなければいけませんので、一応、今日御 議論いただいたものの形で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  本日予定しておりましたのは以上でございます。  事務局のほうから何か連絡事項等、お願いします。 ○事務局(丸山主査)  次回の開催でございますが、現在、日程の最終確認をさせていただいておりますが、基 本的に6月23日午後、現時点では予定させていただいております。  もう一度繰り返させていただきます。6月23日午後、時間は追って御連絡差し上げま すが、午後を予定させていただいております。 ○西岡分科会長  わかりました。水曜日になると思いますので、その時間をあけておいていただけるとあ りがたいと思います。詳細につきましては、また事務局のほうから御連絡が行くと思いま すので、よろしくお願いします。  それでは、予定より少し早く進行したのですが、平成22年度第2回診療報酬調査専門 組織(DPC評価分科会)を終了させていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうご ざいました。 午後4時42分 閉会 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3289)