10/04/21 平成22年4月21日中央社会保険医療協議会総会議事録 10/04/21 中央社会保険医療協議会          第171回総会議事録 (1)日時  平成22年4月21日(水)10:00〜12:15 (2)場所  九段会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 関原健夫委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代理 田中) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○臨床検査の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○平成22年度診療報酬改定の結果の検証について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第171回中央社 会保険医療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況でございますけれども、本日は藤原専門委員が御欠席です。また、 高橋委員の代理で田中伸一さんがお見えになっておられます。勝村委員は少々遅れるとの 連絡を受けております。  それでは、議事に移らせていただきます。まず「医療機器の保険適用について」を議題 といたします。医療区分A2(特定包括)及びB(個別評価)について、また、4月1日 から新たに保険適用になったものにつきまして、事務局から資料が出ておりますので報告 をお願いしたいと思います。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  医療課企画官でございます。総−1を御覧いただきたいと思います。これは定例で御報 告をさせていただいているものですが、先ほど会長から御説明がございました4月1日か ら御説明がございました4月1日から保険適用を開始しております医療材料に関します一 覧表でございます。ページ数といたしまして4ページ両面でございますが、1枚目から2 枚目にかけまして、これは医科でございますが、A2という区分になっておりますが、特 定の診療報酬項目において包括的に評価されている区分、こういった評価に係る新規に保 険適用を開始されました個々の材料の一覧表でございます。1ページ目が区分のA2とい われております特定包括に係るもの。お捲りいただきまして2ページ目でございますが、 これは区分B、すなわち個別に個々の診療報酬の機能別分類が既に設定されておりまして、 そこに該当するということで、4月1日以降適用が開始された材料の具体的な品目のリス トでございます。  3ページでございます。その区分Bが一部続いておりまして、3行ほどございます。そ れから一応御説明しておきますが、その下に区分C1、C2と書いてございます。従来は これは個々に適用されるケースにつきましては区分Bの中に包括的に記載しておりました けれども、今回、記載の方法を改めましてC区分、C1、C2というC区分で収載された ものについては別に記載することといたしました。内容的には変わっておりません。  最後のページ、4ページは歯科の材料でございます。A2、区分B、それぞれに該当い たします個別の品目4月1日から適用開始となりました一覧表でございます。事務局から は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。定例の報告でありますけれども、記載方法が今御説明がありま したようにC1、C2を別枠で表記したということ。この方が分かりやすいと思われます ので、新しい箱を作ったものについては別途出したということになります。  御質問・御意見はございますか。  定例どおりということでありますので、特段御質問等ないようでありましたら、本件に 係る質疑はこのあたりにしたいと思います。  それでは、引き続きまして臨床検査の保険適用について議題としたいと思いますが、事 務局から引き続き報告をお願いいします。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  総−2「臨床検査の保険適用について」の資料を御覧いただきたいと思います。  今回、保険適用に係る品目といいますか検査区分が合計で区分といたしましては2つ、 それから適用されます製品につきまして合計3つございます。3つのうち2つが共通する 項目ですので、実質御議論いただくのはこの2つになろうと思いますが、まず1ページ目、 「区分E2」と記載してございます2つの表がございますが、ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋 白、測定方法はラテックス凝集法、主な測定目的は血清又は血漿中のヒト心臓由来脂肪酸 結合蛋白(H−FABP)の測定というものと、その下の表にございます、検査項目は同 様でございますが、測定方法が違いましてラテックス免疫比濁法、主な測定目的、点数は 同じでございます。  それぞれ業者さん、それから具体的な製品が違いますが、実質的に見ていただきますた めには次のページの裏の面、2ページで御説明をさせていただきたいと思います。2ペー ジ目をお開きいただきたいと思います。  まず、最初にこの検査項目でございますが、共通の項目といたしまして、今申し上げま したヒト心臓由来の脂肪酸結合蛋白(H−FABP)の測定でございます。有用性のとこ ろを御覧いただければと思いますが、本品は血清又は血漿中のH−FABPというものを、 これは既に保険適用されております酵素免疫測定法、いわゆるELISA法というものが ございますけれども、それと方法論が異なりまして、生化学検査用の自動分析装置でラテ ックス凝集法により測定をするというものでございます。  メリットとしまして短時間で定量的に結果が得られるということでございます。  具体的な測定方法を御参考いただくために次の3ページ、4ページにございますチャー トを見ていただければと思いますが、まず3ページでございます。これが最初の品目のラ テックス凝集法というものの原理でございますが、上の方にございますように抗体結合ラ テックスというものとH−FABPが結合いたしますと光を一定程度遮る。その光の遮る 度合い、吸光度でもってその濃度を測定するという原理がこのラテックス凝集法でござい ます。  お捲りいただきまして、同じ検査項目でございますが、もう1つの検査方法が4ページ の参考2でございますが、ラテックス免疫比濁法、似たような名称でございますが、原理 的には異なりますということですが、概略が書いてございます。こちらはこのラテックス を同様に使うものでございますけれども、濁度が時間の経過とともに変化をいたします。 その変化の度合いをこの反応曲線のところに書いてございますが、測定をいたしまして、 その経時的な濁度の変化で濃度を計測します。  もともとの説明の2ページ目に戻っていただきたいと思いますが、今見ていただきまし たような方法論で早期診断・早期治療に有効だということで今回製品化されたものでござ います。  有用性のところの下の段のパラグラフにございますが、AMI(急性心筋梗塞)が疑わ れる疾患群における既存検査との比較につきましても有病正診率、診断効率で優れている、 それから診断正確度でも優れているという評価でございます。  参考のところでこの測ろうとしております物質の概略が書いてございます。心筋梗塞に 係る診断に有効な検査だということでございます。以上がまず最初の2つの製品共通の項 目でございますが、血清又は血漿中のヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白の測定に係るものでご ざいます。  続きまして、もう1つの製品でございます。5ページをお開きいただきたいと思います。 「臨床検査の保険適用」というタイトルでございますが、この項目は測定項目自体が新し い品目になりますが、区分としましてはE3(新項目)となっております。測定する項目 は血清中の抗RNAポリメラーゼIII抗体、測定の方法は先ほどもちょっと出ましたが酵素 免疫測定法(ELISA法)と呼ばれているもので、測定の目的は血清中の抗RNAポリ メラーゼIII抗体を測定するものでございます。  今回まとめました整理案では保険の適用に関します参考点数といたしまして、D014 の10という抗Scl−70抗体精密測定検査、170点を参考にいたしております。  概要ですが、お捲りいただきまして6ページ目で御説明をさせていただきたいと思いま す。  今回の検査、血清中の抗RNAポリメラーゼIII抗体の測定でございますが、主な対象疾 患といたしましては強皮症が疑われる患者さん、これには類似した臨床症状を示す膠原病 患者の方も含まれます。  有用性に関する説明でございますが、この全身性の強皮症の患者さんの血清中に抗トポ イソメラーゼI、これは抗Scl−70の抗体でございますが、それから抗セントロメア抗 体など、こういった自己抗体と言われております、膠原病等でよく活用される抗体でござ いますが、この検出に非常に有用であるということでございます。  2パラグラフに書いてございますが、一方でこれらの抗体を活用いたしましたとしても なかなか診断が難しいと。特に3行目あたりに書いてございますが、この強皮症の中で diffuse型で比較的高い陽性率を示すというようなことで、従来よりは診断に極めて有効 な結果をもたらしているということが示されております。  それから、もう1つポイントといたしましては3パラグラフ目に書いてございますが、 特に腎クリーゼ合併症、重症化をするような患者さんに関しまして33%がこの抗RNA ポリメラーゼIII抗体と測定されるということで、内臓病変の出現でございますとか、重症 化に注意するということが可能になる。すなわち治療方針の確立にも有用であるというよ うな評価がなされております。  参考のところにこの対象となっております全身性強皮症の診断基準を掲げてございます ので、御参考にしていただければと思います。  以上、御説明したような観点で、今回、この3つ目の製品でございますけれども、血清 中抗RNAポリメラーゼIII抗体測定いたします測定法(ELISA法)の検査項目を今回 保険適用したらどうか、こういうことでございます。事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。以上、御報告ありましたように測定方法が新しい方法というも のが2件。それと項目そのものが新しくなるというものが1件報告されました。また点数 につきましては類似のものと同点数で設定されているわけですが、これについて御質問・ 御意見はございますでしょうか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  判断するのに必要なことなのでお聞きしたいのですが、このヒト心臓由来脂肪酸結合蛋 白はエンザイムとどっちが有意性があるのか教えてもらいたいんですが。これだと6時間 以内に重症化するわけですね。従来の血液の中で調べてきた酵素と何が違うのか。つまり 僕ら外科だったら動脈瘤のクリップ、新しいのが出た場合は古いクリップを使わない。前 の検査はどうするんですか。虚血のときの。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  極めて専門的な御質問でございまして、私どもで分かる範囲で簡単に御説明させていた だきたいと思っております。  まず、今御指摘がありました既存の心筋の機能なり障害に係るバイオマーカーの中で例 えばCKのMB、これはクレアチニンキナーゼのアイソザイム、3つありますが、その2 つ目になりますが、そういった酵素の測定と、AST等と今回のH−FABPとどう違う のかということでございますが、手元の資料によりますと従来のそういったいCK−MB 等よりも検査の反応といいますか、測定結果が得られる時間が比較的速い、比較としまし て速いということです。ただ、今御指摘がございましたが、先ほどの資料の総−2の2ペ ージに書いてございます。参考のところにございますが、速いのですが時間的には6時間 を要するといいますか、6時間以内に上昇するというケースが典型的ということでござい ますので、そこをどう臨床上活用していただくのかということはポイントになろうかと考 えております。簡単でございますが、事務局から以上でございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  僕は病院長をやっていたので、こういう機械にしろ検査にしろ、一減一増が原則なんで す。だから、それまで心筋梗塞の確定診断をするのに使っていた検査はこちらの方がいい のであれば、そっちは減らすという考えが保険の上でも必要だと思うのですが、いかがで すか。  それに6時間と言ったら、心筋梗塞だったらもう死んでしまっているよ。これで分かっ たときは。本当に患者さんのためを思うのだったら、もっと早期に上がる、これは確定診 断をするだけの内科医の自己満足の検査ではないのか。 ○遠藤会長  医療課企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  御質問は大きく2点ポイントとしてあろうかと理解しております。まず1点目ですが、 既存の検査項目、今回のように保険の適用を随時、特に検査項目に行いますのは新しい技 術を可能な限り臨床の現場で使っていただけるようにという対応でございますが、その一 方でさまざまな技術が既存の技術として活用されている実態も踏まえまして、どちらかと いいますと対応はスクラップ・アンド・ビルド的な対応ではなくて、新規のものを随時な るべく可能な限り導入をする中で、現場の意向状況を踏まえて、むしろ保険としては実態 に後から対応するような形で改訂も含めて対応していくというのが保険の基本的な考え方 と理解しております。これが1点目です。  2点目でございますが、これは繰り返しになってしまうかもしれませんが、総−2の2 ページのところの有用性のところの2つ目のパラグラフのところに書いてございますが、 基本的に既存の検査との比較におきまして一定程度の有用性があるということが今回の検 査のポイントでございますので、この検査自体にまだまだ改善なり、この疾患の診断に課 題はあろうかと思いますが、少なくとも既存の検査よりは有用性が高いという判断の下に 今回保険の適用を検討してきたところでございます。事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  多分、迫井さんが言っている方が正しいと思います。それを判断できる現場の意向とい うか、この資料に出してもらわないと、専門委員会ではやっているのでしょうが、「はい はい」と言うしかないので、その資料を出していただかないとだめです。  あと、今、新技術を導入するというのはいいんですが、新技術を導入したのなら古い技 術はそれに凌駕されているわけだから、何年間ぐらい見て古い検査は保険点数に入れない という、心筋梗塞を診断する場合にはというふうにやらないと、外科の道具で言えば古い 道具は使いませんからね。古い道具もとっておいて、それで新しい道具もといったら、こ れは多分支払い側も納得しないのではないか。国民も納得しないと思うので、こういう検 査もその辺の基準を作ったらいいのではないかと思うのですが。なかなか型通りにはいか ないことが多いと思うのですが、ある程度のことをやっておかないと。  僕はこれを見て、虚血で、要するに血が行かなくなって心臓の遊離脂肪酸が出てくるの はよく分かるのですが、6時間というところが非常に気にかかっているんです。つまり心 筋梗塞だったら3時間以内ですよね、ゴールデンアワーは。3時間以内に診断しないと、 診断すれば助かる率はすごく高いわけです。わざわざ6と書いてあるのはちょっと気にな って、すごく遅いのではという感じがするので、だからさっき言ったように確定診断に有 用であって、本当に患者を助けるためにはそんなに有用ではないのかなというイメージが あるので、それが分かるような資料を今度から出してほしい。僕は間違っているかもしれ ない。勉強していないから。だけれども、それが分かるような資料を出してほしいという ことです。 ○遠藤会長  関連ですか。では安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今の嘉山委員の御質問に関連するので、もう少し具体的にデータがあれば教えていただ きたいのですが、確かに6時間以内というのは6時間待っているわけにはいかないわけで すので、こういう微量測定の場合、その時間単位で、例えば30分、1時間、2時間、そ れぞれの時間で、発症後ですがホーネスポジティブでホールスネガティブがどれだけある のか。それが従来の例えばCPKアイソザイムの由来剤に比べてどのぐらいの違いがある のかということがデータ的には大事なのではないかと思うということが1点でございます。  現実に、それでは保険適用する場合に、こういう短時間勝負の疾患でございますから、 例えばこれで保険適用にした場合に頻回の検査を認めることになるのか、1回目はネガテ ィブだけれども2回目は出るかもしれないということ。もう1つは、今、嘉山委員の御質 問にもありましたが、CPKアイソザイムとの併使を認めるのかどうか。それはホールス ネガティブの場合と関連すると思います。こっちがネガティブだがCPKアイソザイムが 陽性だったらそうだと言わなければならない。そういうレベルになっているのかどうか。 ここで議論をして承認しろと言われたらその辺が見せていただきたいデータではないです かと思いますが、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  ありがとうございます。概ね3つほどの御質問であったと思います。1つはデータの問 題ということです。もう1つは頻回で検査できるのか。あるいは複数の検査をやってもい いのか。つまり算定要件が何もついていないということなので、それでよいのかというこ との確認ということだと思います。もう1つはあまり使われていないような技術について、 いつまで保険上収載しているのかというようなこと、その辺のお話だったかと思いますが、 私の聞き漏らしてもあるかもしれませんので、事務局としてはむしろお二人の御意見に対 して御報告いただきたいと思います。では企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  お手元に資料、本来ですと詳細なものをおつけをすべきだったと若干反省いたしており まして、次回からはそういったことも踏まえて適切な対応をさせていただきたいと思って おりますが、私の手元にございます資料で、もう1回先ほどの嘉山委員の御質問への回答 と重複しますけれども、まず既存のCK−MBあるいはCKとの比較でございますが、本 当はグラフを見ていただくのが一番分かりやすいのですが、まず今回のH−FABPは概 ね6時間以内に上昇するということでございますが、比較の問題ですけれどもCK−MB につきましては手元のグラフによりますと大体14時間、CKも同様でございます。それ からASTもほぼ同様に14時間前後でピークを迎えるような検査値の上昇が見られます。  その検査値を使いましてどの程度、今度は臨床上診断なり精診率なりというデータにつ きまして手元にございませんので、あくまでもその検査値の立ち上がりでございますが、 既存の検査項目よりはそういった意味でより早期に立ち上がりが見られますので、臨床上 有用であろうと考えております。これがデータに関する1点目です。  それから2点目ですが、これは3点目とも関連をいたしますが、今回の保険適用の整理 といたしましては既存の現にございます項目に関しまして新しい方法を追加いたしますの で、既存の項目につきましてもそういった算定要件は特段ございませんので、その1方法 を今回追加したという形でございますから、本来、この検査の評価の在り方とか、活用の 仕方は基本的には臨床の現場でどのように活用していただくのかということとほぼ連動す るのではないかというふうに考えております。  ですから保険収載の考え方としまして、今回のように既存の項目があって、新しい方法 が追加されるようなケースにつきましては随時といいますか、適切なものについては随時 追加をする中で現場において基本的には並立をする方法でございますけれども、施設なり ドクターなりの選択に基本的には委ねる形で時間的にその技術の淘汰が行われる、こうい うふうに私どもで運用上理解をいたしております。以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。安達委員、どうぞ。 ○安達委員  学会の議論みたいなものをここで延々とやっていてもしようがないのですが、もしお手 元にそのグラフをお持ちならば、上昇の時間のピーク値までの時間までと今おっしゃった のですが、だけど臨床の現場は今、嘉山委員が御指摘のようにそんな時間まで待っている わけはないので、正常値よりも有意に高いということが最初に判別できる時間というのが CK−MBに比べてこちらの方が速いのかということが1点です。  もう1つは、CK−MBとこの方法とでそれぞれが補完的になるのか。どっちかがマイ ナスだけどこっちは出るというようことがデータ的にあるのか。その辺が議論だろうと思 うのですが、そのデータはありますか。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  誠に分かりにくくて、図示をさせていただくのが一番確実だと思うのですが、立ち上が りの数値の変化、立ち上がり明らかに、あくまでも手元のグラフでございますが、統計学 的な処理はしておりませんので、あくまでもグラフの上から見る限りでは、例えば1時間 後で明らかに既存の項目の変化はないにもかかわらず今回のH−FABPにつきましては 上昇が見られるということですので。しかも、これは定量的な検査でございましょうから 臨床上の有用性はそれなりにあろうかとこのグラフから見てとれると判断いたしておりま す。事務局からは以上です。 ○遠藤会長  安達委員、いかがでしょうか。よろしいですか。  では、関連で嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  だから簡単に言うと、これから既存のやつと、こういう場合にはセンシティビティとス ペシフィシティとディスクリミネーション、この3つデータを出せば結論づくから。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ただいまご専門の立場から御指摘がありまして、従来、このよ うな検査追加について、ここまで詳しい議論はなかなかなかったものですから非常に価値 のある議論があったと思います。  どういたしましょうか。そのデータはあるものはあるようですが、追加のデータの提出 は必要でございますか。  よろしいですか。  では、今後の課題ということにさせていただきまして、今口頭の御説明である程度理解 ができたということで、これにつきましては追加のデータは必要ないということにいたし ます。ほかの何か御意見はございますでしょうか。  よろしゅうございますか。ありがとうございます。  それでは、ほかに御質問等もないようであれば、本件に係る質疑はこのあたりにしたい と思います。  次に先進医療専門家会議の検討結果等について、を議題といたします。事務局から資料 が出されておりますので、これにつきましても説明をお願いしたいと思います。企画官、 どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  お手元の総−3を御覧いただきたいと思います。今回、御報告をさせていただきます先 進医療専門家会議における先進医療、今回の医療は高度医療に係るものでございますが、 評価結果を御報告いたしたいと思います。  横表でございますが、2つの技術でございます。これはいずれも第3項先進医療といっ ておりますが、備考のところに書いてございますが、これはいわゆる高度医療でございま して、一番下の備考のところに書いてございますが、薬事法上の未承認また適用外の使用 にあたります医薬品又は医療機器の使用、これにつきまして薬事法による申請等に繋がる ような科学的評価可能なデータ収集を迅速に行うという目的として保険の併用を行ってい るものでございます。  まず1点目の技術、まずこの横表で簡単に御説明しまして、具体的なものは後ろの方の 参考資料で御説明しますが、まず最初の技術はパクリタキセル、カルボプラチン及びベバ シズマブ併用療法並びにベバシズマブ維持療法というものでございます。  適応症といたしましては再発の卵巣癌、それから卵管癌または原発性の腹膜癌でござい ます。  細かく使用方法を後ほど御説明しますが、まず保険に係る費用の関係でございますが、 保険給付がされない費用、いわゆるこれは患者さんなり医療機関なりに負担していただく ものが21回使用という前提で計算いたしますと、922万9,000円でございます。 併用されます保険につきましては、ここに書いてございますとおり110万2,000円 ということでございます。  2つ目の技術は008の番号を振ってございますが、パクリタキセル静脈内投与及びカ ルボプラチンの腹腔内投与の併用療法でございます。この2つは適応症が似通っておりま すので少しややこしいのですが、適応症は上皮性の卵巣癌、卵管癌又は腹膜原発癌でござ います。  費用につきましては同じく保険給付されない患者さんの御負担あるいは医療機関の負担 が111万円、これは6回の使用ということで、標準的な使用で計算いたしております。 同様に保険から給付されるのは71万1,000円でございます。  それぞれ具体的な技術の内容を簡単に御説明します。お捲りいただきまして、まず2ペ ージでございますが、別紙1でまずこの技術の概略を御説明した後に、後ろの方の参考の 図で投与の様子を見ていただきますが、まず2ページでございますが、別紙1。今御説明 しましたとおり高度医療の名称はここに書いてございます内容です。適応症は再発の卵巣 癌ということでございます。また卵管癌、原発性の腹膜癌でございます。  内容のところを見ていただきたいのですが、この技術の特徴でございます。進行の卵巣 癌、卵管癌等々は必ずしも治療成績において十分なものがございませんで、60%ないし 70%が再発をするというのが現状でございます。しかも、3行目、4行目あたりですが、 現時点での標準的な治療法といたしましては化学療法でタキサン系の抗癌剤、プラチナ系 抗癌剤の再投与ということでございますけれども、依然として予後が不良の方が多いとい うことで、更なる治療法が望まれているというところでございます。  そこでこのベバシズマブ、商品名でいいますとアバスチンでございますが、これはここ に書いてございますようにVascular Endothelial Growth Factor、VEGFと呼ばれてお りますが、これに対するモノクローナル抗体でございますということで、腫瘍増殖を促す 血管新生を抑制をするということでございますが、現在、これは保険適用といたしまして 結腸・直腸癌と進行の肺癌がございます。しかしながら今回、適応しようとしております 再発の卵巣癌、腹膜癌、卵管癌については、ここに書いてございますが、基礎実験あるい は第II相の試験において有用性、これまでの抗腫瘍薬にはみられなかった高い有用性が示 されているということでございます。そこで今回、保険の併用によってこの使用法につき まして評価をしていこうというものでございます。  概要のところに書いてございますが、これは後ろの図を見ていただいた方が分かりやす いので、お捲りいただきまして7ページを御覧いただきたいと思います。  7ページでございますが、横表でございます。まず物質、薬剤でございますが、カルボ プラチン、パクリタキセル、これを3週間ごとに併用療法で行いますが、これにつきまし ては保険が既に適用されております。この図の見方、これは後ほどの技術も共通ですが、 下線を引いてあります部分が保険の適用にならない部分、すなわち今回で言えば先進医療、 高度医療の実際の内容でございますが、ベバシズマブを3週間ごとに投与するというもの を合計6サイクル、併用療法として行いますということでございます。その併用療法が終 わった後で、今度は維持期に入りまして、ベバシズマブの維持療法で3週間ごとに投与す るというものでございまして、このベバシズマブの部分が保険適用でない、すなわち高度 医療の対象となるというものでございます。  元の表に戻っていただきまして、2ページでございますが、こういった治療法につきま して概略書いてございます。21日間を1サイクルといたしまして6サイクル。それから 維持療法で3週間ごとの薬剤を使います、こういうことでございます。  高度医療に係る費用につきましては、今御説明しましたとおり合計21サイクル行うと いうことを前提に考えますと、1人当たりの費用、高度医療に係る費用は922万円でご ざいますが、このうち、この試験薬剤の費用につきましては国際共同治験の枠組みに則っ て米国のNCI、ナショナル・キャンサー・インスティチュートから無償提供されるとい うことでございますので、実質的には費用負担として13万9,000円ということでご ざいます。  3ページ、4ページ、5ページに今回の高度医療に係るプロトコルといいますか、さま ざまなデータなり、その評価をするにあたっての条件を専門家に御議論をいただきまして 詳細に詰めていただいた内容でございます。この内容につきましては説明は省略させてい ただきまして、最終的に6ページ、高度医療の評価を得た先進医療といたしまして専門家 の御議論を踏まえて結論的には総合判定として適という答えをいただいております。倫理 的な観点に問題はないということでございます。  それから罹患率、有病率から勘案して、当然のことながら普及はしていないというもの でございます。  効果につきましては、当然、今回のこの高度医療の結果も踏まえて、今後、当然、評価 をされるべきものと思われますが、コメントにもございますとおり有効な抗癌剤が乏しい という現状で十分な検討を行った上で、もし今後、保険適用のことを考えるのであれば検 討することが必要だ、そういう内容でございます。これがまず1点目の技術でございます。  2点目の技術を続けて御説明させていただきます。8ページをお開きいただきたいと思 います。パクリタキセル静脈内投与及びカルボプラチンの腹腔内の投与の併用療法です。 この腹腔内というところが今回のポイントになります。適応症は先ほど申し上げましたが、 上皮性卵巣癌、卵管癌及び原発性の腹膜癌でございます。  内容のところに書いてございますが、この特徴でございますが、これらの疾患に対しま す標準的な化学療法はパクリタキセル、カルボプラチンという抗悪性腫瘍剤、これを静脈 内に投与するということが標準的な治療法です。しかし、予後が不良なことが多くという ことで、更なる治療が望まれている中で、可能性として考えられる1つが腹腔内に直接こ ういった抗悪性腫瘍薬を投与するというものでございますが、シスプラチンの腹腔内投与 の有用性が示されているものの、と書いてございますが、標準治療としては毒性の問題等 で広まっていないということが現状でございます。そこでシスプラチンよりもより毒性の 低いカルボプラチンの腹腔内投与によります有用性を今回評価をしようという技術でござ います。  概要のところでございますが、これは腹腔内に直接投与でございますので、局所麻酔を いたしまして、あるいは硬膜外麻酔下で腹腔にポートを設置いたしまして、そこから投与 するというものでございますが、先ほどのように投与の様子につきましては資料の11ペ ージ、最後のページの模式図を見ていただきたいと思います。パクリタキセル静脈内投与 とカルボプラチンの腹腔内の投与、この併用するプロトコルはここに書いてございますと おり、まず初日に腹腔内にカルボプラチンを3週間ごとに行う、これが保険適用の外にな ります。それから静脈内投与でパクリタキセル、それが1週間ごとということでございま すが、ポイントになります2つ目はこのパクリタキセル1週間ごとというところに下線を 引いてございます。すなわち従来ですと3週間ごとの投与というふうなプロトコルで保険 適用がさまざまな癌に対して適応症がございますが、今回、このプロトコルで行うような 形の使い方につきましては保険収載されておりませんので、この1週間ごとに行うという ことを今回のプロトコルで採用されております。こういった使い方で今回、高度医療でこ の治療法につきまして評価をしていこうということでございます。  10ページを見ていただきまして、総括的な評価でございますが、先ほどとほぼ同様で ございますが、倫理的な問題等はない。それから罹患率、有病率から勘案してある程度の 普及はしているという御評価でございますが、やはり同様に今後、将来的に保険収載を行 うということにつきまして妥当でありますけれども、一定程度の評価を踏まえた後に行わ れるということでございましょうけれども、コメントといたしましては本試験につきまし てはパクリタキセルの毎週投与との併用に関する安全性、有効性を慎重に評価するという ことで、このII相、III相試験のデザインが採用されているという観点から適切であるとい うコメントをいただいております。  長くなりましたが、事務局からはこの2つの技術につきまして今回、先進医療専門家会 議の御議論を踏まえまして保険併用を開始いたしたいということで御報告をさせていただ きます。以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。両方とも薬が基本の話でありまして、最初の薬は適応の拡大と いうことで、もう1つが投与法を変えるということです。本来、治験が行われて保険収載 されるわけですが、その前段階として高度医療という形で行う。そういう位置付けだと理 解しますが、それでよろしいでしょうか、事務局。よろしいですか、はい。  ということでありますので、御質問・御意見はございますでしょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  まとまらないのですが、いろいろお教えいただきたいのですが、まず後のケースのカル ボプラチンの腹腔内投与は今までやっていないから、それは第3項評価ですね。静脈内投 与のパクリタキセルは3週ごとは今保険収載ですよね。それを1週ごとに変えるだけで、 これも第3項評価、つまり評価医療の対象になるんですか。  つまり対象疾患は同じで、使う薬剤の効果についても既に一定の結果は出ていて、投与 方法の変更だけですよね。それでも第3項評価ですか。 ○遠藤会長  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  基本的には今回、この2つ併せて1つのプロトコルとして申請がなされておりますので、 厳密にそれぞれについてどうかという議論がなじむかどうか分かりませんが、私どもの整 理といたしましては保険の適用の部分とそれから保険適用しない併用の部分について、ど う整理するかという中で御指摘のとおり標準的な投与方法ではございませんので、ここに ついては保険適用の外ということで高度医療の対象というふうに理解をいたしております。 ○遠藤会長  安達委員からは大変重要な御指摘をいただいております。要するに保険外併用療法の対 象になるわけでありますが、そのときに既に既存の薬については保険収載されている。そ れを併用する形で新しい薬を使ったときに全体がこの対象となるのかどうか、こういう御 指摘だと思いますので、費用負担の問題も絡む話でありますので、もし御意見があれば、 あるいはもう少し事務局から説明をしていただくということが問題を整理しやすくすると いうのであれば、もう少し事務局から追加の考え方を示していただいてもよろしいと思い ます。  では事務局、今のような問題意識でもう少し説明していただけますでしょうか。要する に一定の違和感があるという委員からの御指摘なわけです。1つはもう完全に保険収載さ れているもの。それと併用する形で使ったがために先進医療の対象になってしまう。既存 の保険収載薬もなってしまう、そういうことに対する違和感ということだと思います。そ の辺のところでもう少し分かりやすくお願いできますでしょうか。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  特に今回の技術に使われております抗癌剤につきましては、これも委員の皆さん、よく 御存じのことと思いますが、適応症とともにその毒性の問題もございますので、効果の問 題もございますので、効果というのはこのエフェクトという意味の効果でございますが、 適応症とともに、その使い方についてもかなり厳格といいますか、規定を細かくなされて いるケースが多ございます。ですから、今回この技術が一連のものとして当然腹腔内投与 と静脈内投与のトータルでの技術の活用になるわけでございますが、御指摘のパクリタキ セルの1週間ごとのこの使い方につきましては、現時点で保険適用の考え方には合致して いないという扱いでございます。 ○遠藤会長  安達委員、何かございますか。 ○安達委員  どこでどう議論していただいたら一番いいのか、私も今考えがまとまらないのですが、 要するに医療機関の勝手な裁量で3週ごとになっているのを毎週ジャブジャブやられて、 高額なものの支払いが増えるということは患者さんにとっても、もちろんお支払いになる 後の健康保険組合にとっても重大な問題なのだろうと思います。ただ、臨床現場は簡単に そういう判断をするわけではないのでありまして、例えば日本では抗癌剤の治療の使い方 というのは、例えば1回投与して2週、3週休んで次にいきなさい。例えばタキサンなど もそうだったわけです。ところが、外国文献等々があって、患者さんにやって、それでう まくいかない。だから例えば京都大学病院は週2回投与をごく少量でやった。だから薬事 法で決めた使い方と違ったんです。ですが、その方が外国文献に照らしてやって、その患 者さん、つまり日本で決めたルールどおりにやってもうまくいかなかった患者さんについ てはいい結果が出た。そのときはトータルで使った抗癌剤の量ももともとのルールよりは 少なかったので、保険者の皆さんから再審請求を私はいただいて審査をしたのですが、支 払いもトータル少なかったので保険者の御理解を得やすかった。それは通したわけです。 これは医療の現場における医療の裁量の問題です。ですから、これも簡単にジャブジャブ やってもらっては困るのはそうですが、日本のルールの方が国際基準に追いついていない 部分もある。そういうところでそのルールどおりやったらうまくいかない患者さんは救命 できないのだけれども、こうやったらうまくいくというケースは当然あります。特に3週 に1度なら通っているものを毎週やってみるという、これはひょっとすると量を減らして もうまくいく場合もあるかもしれませんが、そこら辺を3週の1度の保険適用があるもの を単に投与方法の変更だけで、それも全部保険適用外かと言われると、医療の現場として は非常に違和感は確かに強くある。これは抗癌剤の使用全般について以前からそうです。 前提は先ほど申し上げましたようにその医療機関が勝手に自己判断で、言ったらこれで効 かないからやろうというような判断ではなくて、それなりに外国文献等々も照らして論拠 がある中でうまくいかない患者さんを何とかしたいということでやるわけでありますから、 その辺の考え方のこととこれが私は今引っかかっているわけです。申し上げれば腹腔内投 与の方だけを評価医療、第3項にして、下は保険適用では駄目なんですかということを今 お伺いしているんです。  それは議論がいっぱいあるところで、事務局からお答えになれば基本的なルールはそう ですから、保険というものはそのルールでやってもらうしかないとおっしゃると思います。 だから、これは今後の議論の問題で、ここで決着がつく話ではないということではあると 思うけれどもということを申し上げておきたいと思いますということと、もう1点だけ御 質問します。  この両方2つ出ておりますが、これは今第3項評価ですが、これが有効という評価が出 たときに、当然、保険収載しますね。有効であれば、この2つとも。そのときはDPCで すよね、入院基本料は。そうすると、その前にも議論がありましたが、こういう高額なも の、これを保険適用したときはDPCの枠外で出来高算定可能にするのか、あるいは新し い枝を作ろうとされるのか、どっちなのでしょうか。 ○遠藤会長  最後の問題は御質問と理解してよろしいですか。ほかは御意見ということでよろしいで すか。 ○安達委員  あとは今は意見を述べさせていただくしか決着はつかないと思う。ルールはありますの で。 ○遠藤会長  大変重要な御指摘をいただいていると思います。最後の安達委員の御発言をもう少し整 理させていただきたいと思いますが、このタイミングで大変重要な御質問をされていると 思います。今まで中医協で承認いたしましたのは、高額な新薬につきましては次回の改定 時に、DPC対象病院の場合は原則として包括化するという考え方だったわけです。22 年改定が行われたわけですが、実態としてはそのまま包括化されているもの、あるいは枝 分かれして包括化されているもの。3つ目が相変わらず出来高評価をやっているもの。こ のように3タイプに分かれているようですが、まず実態としてそうなのかどうかというこ とが1つ。  2つ目はその3つのタイプに分かれるのはどういう根拠によって分かれているのかとい うことがあります。3つ目にお聞きしたいのは、出来高評価をしているものについては問 題ないのですが、包括化した場合にはその包括金額を新薬分だけ引き上げているわけです が、それはどういうような算定の考え方で包括金額を引き上げていくのか。以上の3つに ついてお伺いしたい。おそらくそれがはっきりすれば安達委員の御質問にもお答えするこ とになると思います。前提としましては高額医薬品をどうするのかという問題については DPC分科会で検討をしていただくということになっておりますが、現実問題は22年改 定のときに既にそういう処理をしているわけでありますので、どういう考え方で行われた のかという、そういう視点からの御質問ということで今の3つの質問をさせていただきま したので、事務局、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  幾つか御質問がございました。まず、会長から今御指摘がありました薬剤に関する取り 扱い、まず事実関係といたしましてはそのとおりですといいますか、もう1回確認でござ いますが、新規に保険収載される医薬品をDPCでどういうふうに取り扱っているのか。 特に今回この御議論の発端となりましたような抗癌剤、従来多くの製品が薬価としてはか なり高い薬価がつくケースが多ございますが、そういったものも含めまして保険収載され る医薬品をどう扱っているかということでございますけれども、まず改定と改定の間に随 時収載されます医薬品につきましては、当然のことながらその時点で保険適用しようとし た場合に、もしDPCの診断群に該当する場合、そのDPCで設定いたしております包括 点数の元データには新規に収載された薬剤は入ってございません。当然入ってございませ んから、一定のルールで既存の薬剤との薬価の比較をいたしまして、それほど大きく薬価 が変わらないのであれば従来の包括点数を使っていただく。逆に著しく高額な場合には次 回の改定までは出来高算定することを制度上認めております。それは一定のルールでござ いまして、これは何度か御報告をさせていただきましたが、具体的に申し上げますと、そ の医薬品の標準的な使用をいたしまして、薬価、薬剤費がどの程度かという見込みの金額 が当該医薬品を使わない、既存の薬剤費との比較で、平均値プラス標準偏差、1SDを超 えるか超えないかというルールで判定をいたしまして、超えている場合には出来高算定の 継続をする。そうでない場合には包括をするという取り扱いをするというのがまず保険収 載時点での取り扱いでございます。  次の御質問といたしましては、ではそういった薬剤が改定時にどういう取り扱いを受け るのか、こういうことでございます。こういった薬剤につきましては、使用実績を踏まえ て検討することいたしております。改定時点では原則としては包括点数を設定しておりま すDPCに該当する場合には原則包括をすることで整理をすることとなっておりますが、 その際にポイントといたしましては、まず診断群分類を当然改定のときに見直しますので、 臨床の現場での使用方法なり使用実態なり、あるいはその活用の方法なりから鑑みて、診 断群分類の検討班で包括をされる場合に、その薬剤の導入を踏まえて別紙の診断群分類、 DPCを設定するかしないかという判断がまず分かれます。別立てのDPCを設定すると いう場合には当該薬剤の使用を念頭においたDPCが設定されます。それから、逆に当該 薬剤が導入されましたけれども、既存の薬剤なりと活用の方法は変わらない、あるいは先 ほどの検査と似たような議論ですが、現場のチョイスに委ねるべきだという場合には同一 の診断群の中に包括されて評価されるということが起こります。それは最終的な専門家の 御判断を見つつ判断するものでございます。  ところが、実際に包括評価しようとしたときに、使用件数があまり伸びない。例えば改 定の直前に保険導入するようなケースでは当然件数が足りませんので、一定程度件数がな ければ当該改定においては無理せず、引き続き出来高算定を継続するといったようなケー スがございます。ですから、冒頭、会長が御指摘なさいました大体3つのケースに分かれ るというものには今のような手続きで最終的に3つの形で保険上評価されるということで ございます。  ちなみに事実関係でございますが、22年改定、今回の改定におきましてこのような薬 剤に該当するものが23ございます。新たに分岐を設定いたしましたものが16薬剤でご ざいます。それからほかのものと同様に包括評価としたものが3薬剤でございます。それ から最終的にデータが整わない、足りないということで引き続き出来高算定という取り扱 いになったものが4薬剤、合計23薬剤ございます。そういった対応をいたしております。  最後にですが、会長から非常に重要な点を最後に御指摘いただいておりますが、こうい った抗癌剤の取り扱い、それからもっと言いますと抗癌剤の適用の広がり、あるいは保険 適用のスピード等々にどう適切に対応していくのか。それからこういったさまざまなバリ エーションがある中でそもそも包括評価というものをどう考えるのかという重要な問題提 起が前回の改定前にも御指摘いただきました。お手元の総会の資料ファイルで見ていただ ければ、例えば今年の1月27日の資料、ファイルの中にあろうかと思いますが、総−4 となっております。これは嘉山委員の御指摘もございまして、DPCにおける抗癌剤の取 り扱いについて、やはり議論、整理が必要ではないのかということでございまして、最後 の3.のところにございますが、DPCにおける抗癌剤の取り扱いについて、引き続き分 科会で検討するということで整理をいたしておりまして、こういった課題があるというこ とも十分事務局の方では認識をいたしているところでございまして、引き続き検討を要す る課題だと考えております。事務局からは以上であります。 ○遠藤会長  1点私からお尋ねしたことについてお答えいただいていないのは、その包括化あるいは 別のDPCにした場合の点数をどのような計算方法で考えているのか、その辺についてお 願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  すみません、1つ御説明の中に省略してしまったところがございます。先ほどの診断群 分類を、分岐をつけるのかつけないのかという、その手順はどうなっているのかというこ とを省略してしまいました。具体的にどういうふうに診断群分類をつけるのかつけないの かという判断につきましては、まず専門家、具体的にいいますと診断群分類検討班という 研究班会議で臨床的な見地から診断群分類への意見をいただきまして、それから患者さん に係る調査データの取りまとめを行いまして、これらを踏まえまして別の診断群分類を作 るのか作らないのかということを総合的に判断しているところでございます。これにつき ましてはやはり総合的な判断によらざるを得ませんで、一律に適用されるような数値的な 基準ということではないということでございます。  それから包括点数の設定でございますが、これは従来のDPCの包括評価の点数設定の 考え方と全く同じでございまして、改定と改定の間に新規に保険適用された薬剤がもし一 定程度データ、患者さんの数が、使用例があった場合には当該薬剤の薬価を含めた患者さ んのデータを活用いたしまして、診断群分類の通常の設定方法と同様でございまして、診 断群それぞれの包括範囲に係る費用の計算に則って設定しているところでございます。事 務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ちょっとしつこいようですが、例えば非常に高価な新薬があるけれど、使われている頻 度はそれほど多くはないという場合、その診断群分類の対象患者のデータの中で使われて いる頻度は必ずしもそれほど多くないという場合には、その新薬の薬価分がそのままオン されているのではなくて、むしろ平均値のような形でDPCの包括金額の上乗せになる、 そのようなイメージなのでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  結果といたしまして、それは薬剤の使用頻度なり、薬価の多寡にもよろうかと思います が、ほかの薬剤との関係で当該診断群分類で一定の薬剤が使用されているその頻度にもよ りますが、結論から申し上げますと、その薬剤に係る部分を該当いたします患者さんのデ ータを平均いたしまして設定する形になります。ですから、その際、非常に多くの薬剤を 使用される患者さんと非常に少ない、あるいはほとんど使わない患者さんがもしかして当 然混ざるわけでございますけれども、その混ざり方の度合いが同一の診断群に入れるべき か、入れないべきかという、まさに議論そのものになりまして、そこの部分につきまして は先ほどの説明に戻るのですが、現場の専門家を含めた臨床専門家の御意見と、それから 私どもでその時点で集計しておりますデータの様子を見て、基本的に大きなばらつきがあ るかないかということを踏まえて、ばらつきがない場合、あるいはばらつきが非常に薄い と判断された場合には、会長御指摘のとおり平均値で設定することになると考えておりま す。 ○遠藤会長  ありがとうございます。どのようにして包括化するかということについて、原則、包括 化ということでは中医協の中で合意を得ておりますけれども、その基本的なルールについ て明確な御説明が今のところなかったものですから、この場を借りて事務局から説明をし ていただきましたが、御意見を承りたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  多分、私の次の質問を想定しておられるのではないかというお答えをいただいたのだと 思うのですが、1月27日にこの議論があったときに、確かに高価なものが出てきて、そ のたびにDPCの枝分かれを作るというのは非常に煩雑でしょうねと。だから、ある一定 ルールでそれ以上高価なものについては横出しルールの方が現実に則するのではないかと いう議論があったことは私も記憶しております。その中で今、御説明があったように改定 中間年で承認が出た薬剤については、その高額なものはその間は横出しの扱いとして、次 の改定のときにその取り扱いを決める。つまり横出しのままいくのか、もう1つは今御説 明のあった、その疾患に対するDPCの中での薬剤費として算定されているものとの間で プラスマイナス1SDぐらいの差であれば、それも包括の中に入れてしまいましょうとい うルールがあるということですね。  それで今、卵巣癌の抗癌剤についてはこの新しい新規以外に中間年で横出しで認めたも のがありましたね。名前は忘れてしまった。プリマキシブだったか。でしたよね。それを 今回の改定で包括の中に入れてしまいましたよね。つまりプラスマイナス1SDの範囲だ という判定だったと思います。  実際には治療をお受けになる患者さん方から医療課の方にも御意見、お尋ねがあったは ずだろうと私は思いますが、実際はこれは6日間なりの入院でこのケモセラピーをやると 薬剤料からいうとDPCの点数だと医療機関は赤字です。つまりプラスマイナス1SDの 基礎になった、だから包括でいいという判定になった、そのもともとの薬剤費の算定の中 に実際の使われる状態と比べて考えてみれば大きな相違があるとしか言えない。現実には 赤字になるんですから、やる医療機関は。赤字になってやってくれるということは、それ ほど医療機関は経済的には余裕がない。だけど、目の前には治療の必要な患者さんがおら れる。どうするのかということで患者さん方にとっても医療機関にとっても極めて悩みの 大きい問題だと思います。  これは既にある種のインターネットメディアでは公開されているお話ですから、そこの 数字はあまり間違っていないと思います。たしか6日間の入院で25、6万円の赤字にな るというレベルの話でした。今すぐどうこうではないですが、もう1度確認していただい て、そういうことで患者さんの治療ができないというようなことは起こらないように。こ れは意見としてお願いを申し上げておきたい。 ○遠藤会長  大変重要な御指摘だと思います。包括化はメリット、デメリットございますけれども、 デメリットの最たるものは有効な医療が経済的な理由によって使われないということです。 これが一番気をつけなければいけないところですので、実際のところ、どういうふうにな っているのかということを精査していただくことは非常に重要だと思います。  先ほど安達委員がおっしゃられた中で、赤字になるということは先ほど包括の点数をど う決めるのかという私の話とも多少絡む話でありまして、例えば新しい新薬を使っている DPC対象の患者さんの割合がそれほど高くないと、ほかの患者さんと混ぜた平均値で薬 剤計算をするような形になりますと、高額薬剤費をせっかく保険収載しても、現場では逆 ざやになってしまうということが起こり、使用が抑制される可能性がある話なので、大変 重要な課題だと思います。値づけの問題も含めまして慎重に、かつ至急検討を進めていた だきたいと思いますけれども、皆さん、これに関して何か御意見はございますでしょうか。  そのような対応を事務局にしていただくということでよろしいですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、問題意識は共有できたと思いますので、その辺のところをお願いいたします。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  今の安達委員の後半の部分のお話に関しては、そのとおりでよいかと思いますが、前半 の部分で確認しておきたいのですが、先ほど例として挙げていただいた京大病院の、より 頻回に少量使うことでというような、そういう効果はなるほどと思いますが、今回出てい るものがどうなのか、よく分からないのですが、会長もおっしゃるように本来患者に使う ことが非常に有効だと分かっているのに杓子定規なルールがあるために遅れるということ があってはいけないとは思うのですが、一方で安全性の面で、それが十分に担保されてい ないということで保険収載を慎重にしなければいけないという観点ももちろんあると思い ますので。保険収載されるということは一定医療の標準化というか、医療の質の統一とい うか、そういうことにつながっていくと思います。今回出ている2つの事例は、1つ目は 保険給付されない費用の大半は研究施設が負担する。2つ目は、企業が負担するというこ とですから、このプロトコルでやる場合の安全性をしっかり確認した上でやっていきたい という面も含まれているのかなと思いますので、安全性を確保をしっかりとしつつ、無駄 なルールをうまく省いて迅速にという、この両面で検討をお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。そういう利益相反との関係もあるということで、十分検討して いただきたいという御意見だったと受け止めたいと思います。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  もう既に説明があったかもしれません。私の聞き漏らしかもしれませんので、確認をさ せていただきたいと思います。先ほど安達委員の質問に対しての回答といいますか、その 中でもう既にお話があったかもしれませんので、そうしたら申し訳ないのですが、2番目 のパクリタキセル、資料でいうと11ページに図がありましたが、今回、カルボプラチン を使うとともに併用ということで、従来、保険収載されているパクリタキセル3週間を1 週間に変えるということでした。一体化して認めたということでした。お聞きしたいのは、 従来、保険収載されていたこのパクリタキセル、これは3週間で認められているわけです が、これをカルボプラチンの3週間との併用で1週間に認めたわけですが、カルボプラチ ンを併用しない、パクリタキセルだけの使用といいますか、その場合には3週間のまま、 それしか認めていないというふうに解釈してよろしいのでしょうか。その点です。 ○遠藤会長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  結論は御理解のとおりです。すなわち今回のこの併用に際しまして設定されたプロトコ ルは、先ほどから御議論が出ておりましたこのパクリタキセル、3週間投与と比較しまし て少量を頻回に投与するというプロトコルを設定されております。標準的な使い方ですと、 今回のケースよりも少し用量は多いのですが3週間という形になっておりますので、保険 で適用されているケースについては、逆にいいますとそういった使用法の規定がございま す。そういうことでございます。 ○遠藤会長  牛丸委員、いかがでしょうか。よろしいですか。はい。  ほかに御意見はございますか。  よろしゅうございますか。それでは非常に重要な問題提起も御発言の中にはあったわけ でありますけれども、今回、御説明のありました技術につきましては保険給付との併用を 認めることについて中医協としては特段の意見はないということにさせていただきたいと 思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございました。  続きまして、平成22年度診療報酬改定の結果の検証について、を議題といたします。 この件につきましては3月31日の検証部会での議論を踏まえまして、皆様方に御議論を いただきたいと考えております。検証部会を取りまとめられました牛丸部会長より前回の 検証部会での議論について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○牛丸委員  検証部会長の牛丸でございます。今、遠藤会長からお話がありましたように検証部会が 去る3月31日に開催されました。その際に22年度改定の結果検証の進め方についての フリーディスカッションを行いました。どういう内容のことをやったか。具体的な検証項 目に関しましては、本日お手元に中医協資料として用意しておきました。4枚ありますが、 その中の「検」という字のついている方、それが当日配られております。  そこに出されております内容ですが、これは本年2月12日の中医協の答申の付帯意見 において検証が必要とされた項目を中心にして11項目ほど選び出したものであります。 当日、検証部会ではいろいろ議論が行われまして、その結果としては項目として概ね適切 ではないかということで一応の意見の一致を見ました。  ただし、その意見交換の中で次のような意見が出ました。これまでですと検証部会であ る程度のものは決まりますと、その後、具体的な実施計画に入っていくわけですが、具体 的な実施計画を部会で議論をする前に項目の妥当性、調査実施の時期や優先順位、実施計 画に詰めていくにあたって留意すべき点、言ってみれば調査の大枠、そういうものについ て検証部会の委員だけではなく、中医協のほかの委員の方々、つまり1号、2号の委員の 方々にも御意見を伺った方がよろしいのではないか、そういう意見が多く出ました。そこ で本日、この総会という場で前回の検証部会で検討されたものをお出ししまして、その上 で皆さんの御意見をちょうだいしようということになったのです。一応今言いましたよう に本日は先般の検証部会で議論をした資料及び関連資料を事務局に用意させましたので、 これらを基に両方の方々から御意見をいただければ幸いです。  本日の総会で御意見がいろいろ出ると思いますが、それを参考にしまして、再度、検証 部会を開催いたしまして具体案を検討します。そのものはまた改めてこの総会に報告する という手続きをいたしたいと思っております。  より詳細な内容に関しましては事務局から説明をしていただきますのでよろしくお願い いたします。 ○遠藤会長  事務局、よろしくお願いいたします。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。ただいま部会長からも御説明ございましたけれど も、本日はこの検証の関係の資料として中医協総−4−1から4−4まで4種類の資料を 御用意してございます。4−1は先ほど部会長から御説明がございましたように31日の 検証部会で御議論いただきました11項目のリストでございます。この項目を選び出すに あたりましての参考ということで、本日はお手元の4−2と4−3という横紙の資料がご ざいますが、これを中心に簡単に補足説明をさせていただければと思います。まず、この 4−2でございますが、先ほど部会長からも御説明がございましたように、今回の検証項 目を選び出すにあたりましては、2月12日の答申の付帯意見、全体で表裏になっており ますが16項目ありますが、これをベースにいたしました。この付帯意見の中でもさまざ まな御意見がございますが、例えば右の方で検証部会というゴシック体になっているとこ ろが項目として選び出したものですが、この考え方といたしましては例えば大きな3とい うところを見ていただきますと、ここはNICUとか小児救急とか、いわゆる今回重点的 につけた救急のことが書いてございますが、ここで「見直しにおける影響を検証するとと もに、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること」というように、こうした形で検 証ということが明示的に付帯意見の中で指摘されているもの、これについては検証部会の 調査に当てようということで選び出しております。  ただ、御覧いただきますと、例えば一番上の1番のように検証ということも言われてい ると同時に、例えば1行目のところで基本診療料について、そもそも論としてその在り方 を検討するというようなことが併せて指摘されている項目もありますので、こういった項 目につきましては改定事項の検証と併せまして、どちらかというと並行的に御議論してい ただくことになるかと思いますが、基本小委での御議論ということもありまして、主な検 討・検証の場ということで検証部会と併せて基本小委ということで挙げさせていただいて おります。  それ以外の項目につきましては、これはほとんど改定項目に関連することですので、基 本小委で御議論いただくということになろうかと思いますが、例えば大きな2番、あるい は裏面の10番のようにそれぞれ慢性期の入院評価の分科会ですとか、あるいはDPCの 分科会のように既設の分科会があるものにつきましては、議論の進め方としては例えば基 本小委で大きな方向というか、決めていただいて、あとはDPCの評価分科会なりで御議 論いただくということになろうかと思います。  また、もちろん検証部会とだけ書いてある事項につきましても、その検証調査の結果に つきましては、この基本小委なり総会に御報告をさせていただいて、次回24年度改定の 議論の中で生かしていただくというようなことになろうかと思っております。  それから、続きましてその下に4−3という、やや細かい字で恐縮でございますけれど も、そもそもこの改定の結果検証ということは、当然、この検証部会が中心にはなってい くわけですが、もちろん検証の仕方もさまざまな視点、角度があろうということで、それ に係わる主な調査というものをここで改めて整理させていただいております。  まず、一番上の検証部会ですが、ここでは今後の議論としてはこの総会で大枠が決まり ましたら、具体的には22年度、23年度でやるものをそれぞれ振り分けまして、そして それぞれのトピックに関連した特別な調査というものを実施してまいります。この調査に つきましては、多くは医療機関あるいは医療機関等を通じて患者さんなどに書いていただ くアンケート調査が中心でございますので、形としては抽出調査というような方法になり ます。この特別調査におきましては、基本的な視点としましては、その左の調査の概要、 特徴というところに書いてございますが、今回の診療報酬改定によって新しく作られた項 目、あるいは例えば要件とかそういったものが見直された項目、これらを作ったときにそ もそも論としてこういうふうに医療機関や患者の行動が変わるだろうという、創設の意思 というのがあります。それが実際に医療現場あるいは患者の行動とか意識にどういう変化 を与えたか、そういったところを中心に見ていくというのがこの特別調査の特徴でござい ます。  具体的には一番右にございますけれども、先ほども申しましたが、2か年度に分けまし て、毎年度、大体5、6本ぐらいですので、トータルとしては10本前後ぐらい、10項 目ぐらいということになりますが、それぞれの調査を実施します。ただ、改定年度につき ましては当然年度前半は各医療機関は改定への対応で精一杯かと思いますので、基本的に は調査はできるだけ後ろ倒し、改定の翌年度につきましては今度は逆に次の改定の議論に 間に合わせないといけませんので、できるだけ年度前半に調査をして、秋ぐらいには速報 という形で改定の議論に使えるようにするという、そんな形で進めているということでご ざいます。  また、それ以外にももちろん診療報酬改定、医療費の改定でございますので、医療費そ もそもの動向がどうなったかということにつきましては、これは皆様ご案内の医療費の動 向調査、いわゆるメディアスがございまして、これは御案内のとおりレセプトの全数調査 でございまして、月次データと年度データがございます。これは文字通り医療費の動向と いうことで、制度別あるいは医療機関種類別の医療費の動向を見るという意味では一番正 確ではございますが、逆に個々の医療行為について、例えばこの点数の算定状況はどうか ということはこの調査では見ることができませんで、それはその下にあります社会医療診 療行為別調査、これは抽出調査にはなりますけれども、そういった個々の行為の算定状況 を見るデータとしてはこれが一番正確なものということでございます。  また、そのほかにも例えば個々の点数をとっていくときに、医療機関なりが人員体制と かハード面の体制を整えなければいけないということが要件になっているものがございま す。そういったものについて、そういった準備ができたということを各地方厚生局長に届 け出ていただくというものがございまして、この届出状況というのを、これは全数調査で ございますが、年に1回まとめておりまして、これは施設基準等の届出調査ということで、 例えば新しくできたこのNICUの点数をとるという条件に合致したどのぐらいの数の医 療機関が手を挙げているかというようなことはこの調査で見るということでございます。  それから、最後にこの医療機関あるいは保険薬局の収支に今回の改定なりがどういう影 響を与えたかということは、これも御案内の医療経済実態調査がございまして、これにつ きましては改定の翌年度に実施するということでございますので、これはまた秋以降、調 査実施小委で来年度の実施に向けての詳細を御議論いただくことになると思いますが、こ の中で見ていくということでございます。こういったさまざまな調査を組み合わせながら 結果を検証していくということで、その中での検証部会の特別調査という位置付けになる ということでございます。  お戻りいただきまして総4−1でございます。今のような背景資料をベースにいたしま して11項目ほど選び出しております。これは並び方としましては、昨年度の社会保障審 議会で出されました基本方針の大きな項目に沿ってございます。  上から御覧いただきますと、1点目はいわゆる救急関係の点数、今回かなり重点項目と して改正をしましたが、その見直しの影響。それから勤務医の負担軽減。これは前回の改 定後も調査をいたしましたが、今回の改定後、どういった効果が表れているかといった点。 それからチーム医療についても今回、NST、呼吸器ケアなど、幾つか新設の点数も作っ ておりますので、そういったあたりの変化。  それから個別の分野では精神医療、それから歯科の関係では付帯意見で2点ほど掲げら れておりまして、在宅歯科、障害者歯科、それから歯科技工加算、これは新設の点数でご ざいましたけれども、この影響。それから明細書の発行の原則義務化後の実施状況、それ から外来管理加算。これも前回、見ておりますけれども、今回、要件も見直しましたので、 この見直し、あるいは地域医療貢献加算の創設による影響。  それからリハビリテーション関係では、今回いろいろ要件を見直しました回復期リハと か、創設しましたがんリハとか、こういったあたりの影響調査。  それから在宅医療の実施、医療介護の連携、それから最後に後発医薬品の処方調剤とい うことで、先ほど御覧いただきましたこの4−2のゴシック体で検証部会で書かれたとこ ろを中心に選び出しております。  本日は先ほど部会長からもございましたように、こういった項目の妥当性、それからこ れは22年度と23年度に分けて調査を行っていきますので、例えばこの項目は少し早め に調査を開始した方がいいのではないかとか、あるいはもう少し医療機関なりの状況を見 て、来年度の早い時期にやった方がいいのではないかとか、あるいはこの項目を調査する にあたってはこういう視点、あるいは調査項目としてこういうことはぜひ忘れないでほし いとか、そういったあたりを中心にさまざまな御意見をいただければというふうに思って おります。事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。牛丸部会長、何か補足することはございますか。 ○牛丸委員 今、事務局から説明いただいたように、せっかく調査をするわけですから、 我々公益よりも現場といいますか、いろいろな情報を御存じだと思いますので、その視点 からいろいろな御意見をちょうだいしたいと思います。今日は大枠ということですけれど も、ある程度御意見をちょうだいしましたら、その後、また検証部会で練って、それをま たお出しします。実際の具体的な調査のやり方は更に調査検討会で決めますが、そこに関 してはより皆さんの方がいろいろな御意見をお持ちだと思います。それは急ぎませんが、 またそのときにもご協力をお願いしたいと思います。今日の段階では広くいろいろな御意 見をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ということでありますので、皆様から御意見をいただきたいと 思います。鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  今回の改定では付帯意見がたくさん出まして、検証部会で扱うもの、基本問題小委員会 で扱うものと分かれますが、それについてこういった形で議論されるということは非常に 重要だと思いますので、きちっと行っていただきたいと思いますが、その調査の在り方に ついて、私の方に日本眼科医会から今回意見が寄せられていまして、及び日本医師会の提 案を御紹介させていただきたいと思います。  ちなみに私は今回から日本医師会ということになったのですが、眼科医会は個人として いただいています。今回の改定で眼科が収載差額の高い診療科ということでやり玉に上が ったということもありまして、眼科の先生方は危機感をもってデータを本当にそうかとい うことでとられたということです。医療経済実態調査によると改定の翌年の6月の単月の データということですが、眼科の診療動向を見ますと、6月というのは検診の後で非常に 受診が多い。平均を100とすると106.1であるということで、非常に受診の多い月 にあたってしまっているということです。それを年内の変動を補正して、mediasのデータ を使って、内科と比べますと実際は、この補正前のデータだと内科が1,905万、眼科 が2,517万ですが、これが補正後では、これは眼科医会のデータですが、内科が2, 013万、眼科医が2,145万であまり差がないということが出ています。そういう理 由で単月のデータで全体をいうことは控えてほしいという要望でした。  それらも踏まえて日本医師会の方で検討していただきまして、医療経済実態調査と、そ れから社会医療診療行為別調査の問題点と提案ということです。まず医療経済実態調査の 問題点としましては、まず6月1か月分だけの調査であるということでありまして、また 病院には集計1、集計2とありますが、診療所は集計2だけなので、比較を行う場合には 集計2を使ってほしいということです。  それから試行的に定点観測の結果も行われているのですが、これは前回、今回と2回続 けて回答のあった施設を抽出したものなので対象施設が少ないという問題点があります。  一方、直近の事業年度の集計結果というものが追加されましたが、これは年間データで あり、比較的信頼性が高いのですが、前回のデータがないので経年比較が行われないとい うことがあります。  提案しましては、まず1番目として直近の事業年度の集計を柱としてほしい。現在、こ れは直近1年間のデータでありますが、直近2年間の年間データを補足することにより改 定前年と改定年の前後の2年間のデータを比較することができる。それに伴って6月単月 の調査を廃止してもいいのではないか。  それから2番目としては、日本医師会ではTKCの医業経営指標を提出をしております が、TKCには限らなくていいと思うのですが、このような信頼性の高い民間データも併 用したらどうかということで、数がそういったものの方が圧倒的に多い。例えば経営実態 調査では一般診療所では1,047に対してTKCでは6,494であるということです。  それから社会医療診療行為別調査の問題点としては、これも6月審査分のレセプトを対 象とした抽出調査であるという上に定点調査でもない。それからカテゴリーごとに抽出率 が異なっている。それから年によっても抽出率が異なっているということで経年比較には 適さないのではないか。また、前回改定に比べての増減は把握できない。抽出率が極めて 低いカテゴリーがあって、偏ったデータが集まりかねないというようなことがありまして、 具体的には平成18年の社会医療診療行為別調査の問題点として、mediasとの間に大きな 乖離があったということで、これのコメントとして昨年7月15日の中医協基本問題小委 員会議事録、佐藤課長のコメントだと思いますが、その原因として1つに人工腎臓、人工 透析を実施している内科診療所が前年に比べて多く抽出されてしまったのではないかとい うことが原因ではないかというようなことがあったという事実もありますので、今後とし てはレセプト電子化までの間は少なくともできるだけ偏りのない抽出方法を検討するか、 mediaと比較してできるだけ細かい分類で補正した結果を同時に示すべきであるという提 案をいただいておりますので、よろしく検討をお願いします。 ○遠藤会長  日本医師会からは従来から、そのような御発言があったかと思いますので、それをまた 整理していただいたということだと思います。ただ、実調につきましては今後、調査実施 小委を立ち上げて、どういう調査の仕方にするかということをまたお諮りいたしますので、 そのときの議論だと承っておきたいと思います。社会医療診療行為別調査につきまして、 例の補正のことを前回ちょっとやりましたので、そういうことも視点に入れながら、また 御意見を承ろうと思いますが、今回は……。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  検証部会でまとめていただきましたということで、今日は項目建てについての意見とい うふうに承知をしておりますが、項目につきましては付帯意見に則した形でうまくまとめ ていただきましたので、これについては異存はございません。実際にどういう調査をどう いうタイミングで実施するかということについては、今、牛丸先生のお話ですと、後ほど 議論する場があるというふうにおっしゃっておりましたので、その中で実際に見た上で意 見を述べさせていただきたいと思います。。ただ、全体の希望としては毎回そうかもしれ ないのですが、どうしても診療報酬改定の中身を実証するということになっていることも あって、患者側の意識みたいなものの調査項目が例年どちらかというと少ないというふう に思っておりまして、今回は明細書発行という項目もありますし、在宅医療の問題なども ありますので、ぜひ患者側がどう感じているかということも内容として調査をしていただ ければというふうに要望したいと思います。それが1点目でございます。  2つ目は、先ほど渡辺室長から22年度は診療報酬改定が落ち着いてからということで 後半に実施し、23年度は前半に行って、秋までには基本小委なり総会なりに報告したい、 こういう概略のスケジュールがございましたが、それで結構です。ただ、なるべく早めに 実施していただかないと、12月、1月になってデータをいただいて議論というともう手 遅れということもありますので、いろいろ事務局も大変かと思いますが、22年度は構わ ないのですが、ぜひとも23年度はなるべく前倒しで資料を提出いただくように御尽力い ただくようにお願いをいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。患者調査につきまして重視するべきだという御意見と、それか ら23年度調査につきましては基本的に我々の議論の中でも23年度調査はできるだけ前 倒しでというような考え方でいるという点では検証部会の方でもそういう議論になってい たということであります。  ほかにございますか。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  項目案については特に異論はありません。これでよろしいかと思います。スケジュール 等については白川委員からお話がありました方向でお願いできたらと思います。  2月12日の答申付帯意見の1番目に再診料や外来管理加算等については財政影響も含 めて見直しの影響を検証するとしておりますが、特に外来管理加算につきましては今回の 改定で5分要件が撤廃され、いわゆるお薬外来加算の算定対象から外されることになった ということで、特にこの財政影響についての検証は重要だと思いますので、ぜひお願いし たいと思います。ただ、先ほど御説明いただきましたように検証に関わる調査はいろいろ あって、検証部会の調査は医療機関等へのアンケート調査であり、抽出調査なので、ここ では財政影響を検証できるかどうか、分からないわけですが、具体的に財政影響を数字的 に確実に把握できる手立てはどこで行うことになるのか、教えていただけたらと思います。 ○遠藤会長  財政影響は従来、この検証部会の調査はサンプル数が他の例えば社会医療診療行為別調 査と比べると非常に少ないということもあって、基本的には財政的なものには踏み込まず に調査の対象からはずしてきたという経緯があるわけです。ここでやらないと仮にするな らば、それではどこでやるのか、こういう御質問だというふうに承りました。今のご質問 は特に外来管理加算についての影響ということに絞ってということになりますけれども。  その場合の財政影響を見るのは社会医療診療行為別調査だと思いますが、事務局、何か ございますか。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  ただいまの御質問で今、会長からお話がありましたように、そういった個別の点数の財 政影響ということではやはり個別の点数がどれだけ算定されたかという意味ではこの社会 医療診療行為別調査というものを使って推計なりを見ていくというのが一番正確だと思っ ております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  分かりました。 ○遠藤会長  ほかに御意見はございますか。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今回分かったんですが、この検証結果というか、データ、これでもってかなり議論が右 へ行ったり左へ行ったりする大きな影響があるので、私たちとしては先ほど白川先生がお っしゃったように改定の結果どういうふうになったかという検討項目については、これで いいと思います。  あと牛丸先生、鈴木先生が先ほど心配された方法論についても、これからディスカッシ ョンする場があるということなので、今日は何も言いません。  ただ、基本的問題で例えば財政面での、ここに挙がっている項目以外で検討しなければ ならない課題が私たちはあると思っていますので、今日はまだ全部整っていないのですが、 会長にお願いですが、この前の答申の後に我々は記者会見をやって、我々現場からの問題 点を掘り起こしてこの場に持ってきたい。それが一番患者さんのためになるというお話を させていただきましたので、今日はまとまっていないのですが、次回出すことを、それで 検討していただくことをお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  議題の提案については、両側、どちらから出ることについても私は拒むつもりはありま せんが、どういう内容の話が出てくるのでしょうか。 ○嘉山委員  例えば一番大きな問題としては、日本のベッド数がこれでいいとか悪いとかということ を、これは先生また、そういうことを話し合う場ではないよと言っても、やはり大きな1 つの枠組みがあるので、例えばこういうふうなシミュレーションをした場合にはこういう ふうになりますというようなことは言っておかないと、よくならないなというふうに私た ちは思っています。例えばの項目です。 ○遠藤会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  嘉山先生の御意見もごもっともなところがあります。事務局の方でもお話がありました とおり、基本問題小委員会である程度議論をして、その上でこういうデータをとったらど うかとか、こういうシミュレーションをやってみたらどうかというふうに整理するものも 幾つかあると思います。例えば地域別の加算の話などは何をどういうデータをとるか、ま だ全然議論をしておりませんので、嘉山先生おっしゃったことはそういう形で整理してい けばいいのかなと私は思っておりますが。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  もちろん蓋然的な議論をするつもりは全くないんです。財政的に影響するような項目を、 ベッド数と概念的なことを言いましたが、財政的に影響するような項目を挙げて検討する つもりでいます。 ○遠藤会長  中医協では、基本方針につきましては社保審で決めるということになっておりますので、 逆にいうと中医協での議論がかなり矮小化した議論にならざるを得なくなってきていると ころがあるのですが、医療というのは基本的には保険制度と提供体制とが重層的に絡みあ っていろいろな問題、効果を生み出しているわけでありますから、たとえ価格や算定要件 を決めるにしても、そういうバックグラウンドの議論はある程度必要だと思います。幸い にして改定は今年度はありませんから、こういう時期を使って、少し幅広い議論をすると いうことに対しては私は歓迎したいと思いますけれども、そういう方向でよろしいでしょ うか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。それでは西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今の嘉山委員の発言と繋がるのですが、1つ今回、4−2の資料を見ますと検証部会を 太字で書いて、あと基本問題小委員会となっています。前回出されたこの付帯意見の中で 検証するというものを今回全部引っ張りだして検証項目として今議論されていたと思いま すが、それに入っていない、特に「検討」と書いたものはまだ議論されておりませんが、 それは基本問題小委員会の役割だろうということになっております。これも私たちにして みればできるだけ早くしていただきたい。まだ基本小委は1回も開かれておりませんが、 早急に開いていただいて、検討するためには材料が必要ですから、その材料を得るために どのような調査をするとか、検討項目に関して、基本問題小委員会でどのようなスケジュ ールで議論をしていくとか、そういう具体的なものをできれば事務局に提供していただき たい。そういう意味で基本問題小委員会を早く開いていただいて、提言していただきたい と思います。そのときに今、嘉山委員が言ったような、この項目について2号側としても どうしたらいいというのを、できればそれまでにまとめて私たちも出したいし、また今回 のこの付帯事項に係わる検討項目以外にも、やはり検討すべきだと、今、嘉山委員が言っ たようなことがありますので、それを含めて基本問題小委員会で提言したいと思います。 以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。先ほどの順番ですと、安達委員が先でしたので、安達委員、ど うぞ。 ○安達委員  すみません、ちょっと手を挙げそびれたので話が前後して申し訳ないのですが、最初に 鈴木委員が指摘されたことの、もう少し具体的な追加をさせていただきたい。  1つは、いわゆる実調でございます。11月の中医協でも私は御指摘をさせていただき ましたが、従来の対象医療機関の拾い上げ、抽出方法だと、抽出した後の回答ということ になると、どうしても比較的に高点数医療機関に偏る可能性があるということを御指摘さ せていただきました。それについての要因もこういうことだろうということも申し上げま した。  それからそれを改善するためには抽出の方法として、こういう方法もあるのだというこ ともお示しをしております。これは是非抽出の段階で技術的に解決をしていただきたいと 思います。特に全体もそうですが、個々の診療所のデータなんていうのは30とか40と か50というような2桁の数字ですので、ここで抽出が偏ると非常に大きな偏りが出て、 そのことが特に今回は強く診療報酬改定にも影響した側面があると思いますので、この抽 出方法について11月段階で私が申し上げたことについては是非ご留意をいただいて、抽 出方法の変更・改善ということをお願いしたい。そのことによって、より実態に即したデ ータが出るということを我々は希望したいということが1つでございます。これは意見・ 希望・要望でございますので、どういうふうに変えるというのが決まったら教えていただ ければありがたい。これも現時点での要望でございます。  もう1つ申し上げます。社会医療診療行為別調査でございます。これは前回の調査は結 果的には本当にひどいことになりました。つまり相当偏った数字が出てしまって、鈴木委 員御指摘のようにmediasと大きな乖離が出ました。この原因は結局はサンプル数が少ない ということなのだろうと思います。これは毎年6月にやって、翌年度の6月に公表ですが、 お忙しいとは思いますが、あのサンプルの試料の集計に1年かかるとは私も理解できない ところがあって、もう少し結果が出るのではないか。そうするともう少しサンプル数を増 やさないと実態を把握する大事な試料であるにもかかわらず、非常に偏りが出る危険性を 常にはらんだ調査になるので、診療所の診療報酬請求も電子化するわけですから、これは 基本的義務化は7月ですから、7月以降なら例えば8月、9月あたりのデータをとってい ただいて集計を急いでいただければ、それでも翌年の6月には出るのではないか。6月で なくても7月でもいいのかな。白川委員の先ほどの御指摘もありますが、ギリギリになっ て出されると大変困りますが、具体的な改定内容の議論は例年9月ごろから始まるのだと 思いますので。社会医療診療行為別調査については電子化データを使って、もっと広範囲 なサンプル数でやっていただきたい。これは非常に強い要望でございます。前回の偏りを 踏まえての経験を踏まえて強い要望だということを申し上げておきたいと思います。 ○遠藤会長  御意見として承りました。実調につきましては中医協で行う調査でありますので、予算 等々の制約があるにせよ、ある程度の改良改善ということは可能だと思いますけれども、 社会医療診療行為別調査については、既存の調査を中医協で使っているというところがあ るので、どこまでできるのか、私の口からも言えませんので、その辺も事務局としては一 応御意見があったと受け止めておいていただきたいと思います。確かに前回の場合は、透 析というのが非常に件数が少ないので、倍率を高くして推計しているわけですが、そのた めサンプリングバイアスが非常に拡大されて全体に影響を及ぼしました。原因が明らかに なっているわけなので、それについての改善案はもう出ていますが、全体としてどうする のかということも1つ御意見としてあったと受け止めておきたいと思います。  渡辺委員、お待たせいたしました。どうぞ。 ○渡辺委員  今回のこの検証について、会長または部会長から実際に検証に入る前に十分それぞれの 立場の意見を聞きたいというお話で進められるということは大変結構だというふうに認識 しております。歯科の方で2点ほど意見とお願いというふうに考えております。  1つは、総−4−1の中で2.の(1)で歯科の方で、在宅歯科医療及び障害者歯科医 療の実施状況とあります。在宅歯科医療は今回の改定でもシステム的に内容的に変わった ところがあります。在宅医療については、それが浸透していくというのにはすごく時間が かかるんです。これが変わったからすぐやりましょうというのは、普通の診療所と違って、 診療所の中ですと制度が変われば、すぐ対応するのですが、なかなかそうできないんです。 そういう意味で、ここができたらもし次年度の方に回して、次年度早々にしていただくと いう方が実態が出てくるのかなと考えております。  そのときに、今年度だからといって全くないということではなく、(3)の在宅医療の 実施状況及び医療と介護の連携状況という、その連携ということにおいては、当然、医科、 歯科、介護という、そういった形での連携というのが対象だと思いますので、そこではそ うした内容を入れていただいて、更にそれを踏まえて在宅歯科医療に特化したものを次に 更に調査を進めると内容が非常に充実してくるのかなというふうな考えを持っております。  それからもう1点、(2)の明細書発行の義務化後の実施状況及び影響の調査ですが、 総−4−2であります答申の中に出た付帯意見の15番にこの明細書についてのことがあ るわけですが、検証するために結果を踏まえて、また在り方を検討するということですが、 実は御存じのように歯科における明細書の義務化そのものが23年度以降になりますし、 実際に今電子レセプト化しているところは1%前後という状況の中で、歯科に係る部分が なかなか出てこないだろうと思います。そういう意味では歯科の診療上の状況に近いのが、 ある意味では小規模な医科の診療所の状況がそれに近い状況があるのかな。そういうとこ ろを十分、また調査設計の中で意見を述べさせていただきたいと思いますが、そういうと ころを十分に把握できるようなものであってほしいなという希望を申し上げたいというふ うに考えております。そういうことによって実は歯科の方が更に規模の小さいところが多 いものですから、その状況を今後反映するのにはそうした調査の内容が必要ではないかと いうふうに考えておりますので、また制度設計の段階でも意見を述べさせていただきたい と考えております。以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。また、そのときになりましたら御意見をいただきたいと思いま す。  ただいま検証項目について御意見がありましたが、これについて御意見はございますか。 これは是非とも22年度やるべきだと。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  今の話と合うかどうか分からないのですが、最初の牛丸部会長のお話をふまえれば、思 っていることを言っておいた方がいいかなと思ったので、お話しさせていただきます。  今話に出た明細書発行の検証ですが、今回、決定された明細書発行と全く同じことは、 結構多くの病院でパイロット的というか、嘉山先生のところもですが、かなりやっていた だいていて、どういう感じになるのかという情報が既に一定集まった後で決定されました。 そういう中でこういうのはどうなのだろうと思っていたことが2つあります。そのうちの 1つは、こういう中医協の議論にもっと患者の視点を入れていくためにはどんな方法があ るのかな。そういうことのヒントみたいなものが得られることはないかなと思っています。 患者としてというよりも国民として。5年ほど前に中医協改革というのがあって、そのと きに患者の視点を重視して議論していくといことがうたわれていたと思います。だからこ そ、その直後の診療報酬改定で同じ明細書の発行が全医療機関に努力義務という形でなさ れました。インフラが整備していなかったので、努力義務でしたが、そこの原点に戻って、 例えば患者の皆さんが中医協を知っているのかとか、診療報酬はどうやって決まっている のかとか、患者の視点、国民の視点を重視していくためには診療報酬体系とか、医療保険 制度または医療制度、そういうことに対するリテラシーというものを患者、国民に高めて、 少しずつでもいいのでしょうが、もう少し高まってもいいのではないかなということです。 そういうことをしていくためにはどうしたらいいのかというヒントになるような調査とい うか、非常に難しい話かもしれませんが、僕も具体的なイメージはまだないのですが、そ ういうものの何かヒントが得られないかなと思っていたということが1つです。  もう1つは、こういう話をするときに出てくるのはベンダーというか、レセコン業者と いうか、そういうところがどういう仕組みになっているのかが分かりにくい。例えば薬だ ったら卸業者さんみたいなものが間に入っていて、どれぐらいの規模の業者がどういうふ うに入っていて、どんな流通になっているのかと同じように、電子化という話をするとき にどういう規模で、どういうふうになっていて、またどういう統一性がなされていて、実 はバラバラで統一感がないレセコンのシステムになっているのか。または、ベンダーによ って少し明細書を発行できるようにレセコンのソフトを変える際に、ベンダーが医療機関 に請求する費用がどう違うのかとか、そのあたりがどういう感じなのかというのも知りた いなと思っていたりしていたので、その点も発言しておきます。以上です。 ○遠藤会長  2点御意見として承りますが、患者の視点を中医協の議論の中に反映するという御発言 について私なりに1点申し上げたいと思います。我々公益は視点として患者の視点という ものについては非常に重視したつもりでおりますし、議論をされる中でも例えば1号側の 皆さんはやはり患者の視点、患者の代表というようなお考えでお話しされることも多い。 2号側の委員の方々も患者の利益ということの前提において御発言されているわけですか ら、中医協の議論が患者の利益から乖離した議論がされているということでは決してない と私は理解しておりますけれども、一層そのような努力は努めていきたいと思いますが、 同時に患者の会の代表かどうかよく知りませんが、勝村委員の御活躍をますます期待した いと思います。 ○勝村委員  ちょっと誤解があるのかもしれません。そういう趣旨ではなしに、ここに出てきている 実調とか社会医療診療行為別調査というのは医療機関の実態を探るわけです。患者の実態 というのは、それぞれ患者会というのが病気によってあったり、いろいろあるわけですが、 いろいろな声がいろいろな報道を通じたりとか、団体としてされていたりしていますが、 検証では、患者団体を越えた国民の声が集まります。例えば僕が思っているのは、医療関 係者が現場で例えば救急はこれだけ大変なんだよとか、ここはこうなんだと言っているも のと同じような感覚が国民の側にも実はあるということが何かデータというか、そういう 調査的なもので証明できないかなという思いがあって、僕はそういうふうな感じがしてい るのですが、それにエビデンスがあるかというと、そういうものもはっきりとはないので、 何かそういうふうにこれだったらもっと救急にお金を回してもいいのではないかとか、嘉 山先生がおっしゃったのは心肺蘇生にこんな点数というのはどうなのだろうか。そういう ふうな感覚が普通に一致してくるというようなものが、何かエビデンスとしてこういう機 会に、全員から聞くわけではないですが、確かにそうだねというので出てくるということ があればいいのになという趣旨でして、僕は特に今の中医協のメンバーの皆さんの議論に は非常に敬意を評しておりますので、そういう点に不満があって言っているということで は全然ありませんので。誤解を招いたとしたら申し訳ありません。 ○遠藤会長  ありがとうございます。その件につきましては、先ほど白川委員から御指摘がありまし たように、やはり患者さんからも聞くべきであるという話がありました。そういう方向で また議論がされると思います。  坂本専門委員、お待たせしました。 ○坂本専門委員  総−4−2の付帯意見に関する6番です。意見を述べさせていただきます。診療報酬結 果検証部会で前回、公益の小林委員からもお話いただきましたが、基本問題小委員会でさ れるということについては、私はそれでいいと思います。しかし22年度改定の議論の中 では、看護師を集められない病院の大変な問題と、地域によって看護師の不足がずいぶん 問題になりました。それに対して、72時間の要件を少し緩和しながら対応したわけです ので、この6の項目だけでいろいろな条件を見ていくわけではなくて、複雑なものが絡み あっていて看護師の労働勤務実態ということに関係しているということを踏まえて、今回 十分に議論をしていきたいと思っております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  その議論のときにはまた是非積極的な御発言をいただきたいと思います。  北村委員、どうぞ。 ○北村委員  1つ意見です。この検証項目について、私は全く異存はないのですが、この4−2では 付帯意見に関する今後の検討・検証の場、それから4−1では検証項目ということで検証 になっております。例えば私が一番関心の高い4−1の1.(3)の在宅医療と介護の連 携の状況などを考えますと、この検証項目ばかりではなくて、基本問題小委員会でこれか ら論議が始まると思いますが、今想定される、今後起こり得る問題を解決するための調査 を行おうという項目もここに入っていると思います。特に2年後の介護と医療の問題を考 えますと大変重要な問題ですので、是非例えばこの4−2を見ますと2番、8番、11番、 12番、16番の(2)と非常に多く関連する項目があるように思います。  それから、私は詳しく存じ上げませんが、介護は担当の部署も違うと伺っております。 医療と介護の連携の前に組織内の連携を考えていただいて、その上でどういう調査をした らいいのかという案をお示しいただき、基本小委で議論できるようにしていただけるとい いなと考えております。以上です。 ○遠藤会長  これも大変重要な御指摘をいただいております。検証部会は独自の調査をするわけです が、基本はやはり改定の効果を見るということであります。したがって、今後の診療報酬 の体系はどうあるべきかというような議論をするときとは若干調査の目的が乖離する場合 があります。そういう場合の調査をこれまでは特段検証部会でやっていたわけではありま せんで、適宜、事務局が調査をするということがあったり、あるいは他の審議会などで行 われた調査をそのまま使うというような使い方をしてきたわけです。場合によって基本小 委で検証効果だけではなくて、もう少し幅広い調査をするべきだというようなことがあれ ば、やってはどうかというような御発言だったと思います。  類似でございましょうか。では邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  私も北村委員と同じように思っています。特に答申の付帯意見の1番の、いつも申し上 げております再診療の中の複数化受診などは早くにやらないと、どのようなことをやると データが出てくるかというのが分からないと思います、今のレセプトの中では。複数科を 受けても2科めはゼロですから。そういうことをどのようにするかという、基本問題小委 員会の問題だとは思いますが。  それから先ほどの看護でうまくいかなかった地域特性ですが、こういうのもどのような ものであればいいのかという、項目を挙げて1つずつ、これはいけない、これはいけない ということで言って、一番みんなの合意が得られるものは何かということになると、2つ 3つの調査をやらないといけないのではないか。この間せっかく事務局に忙しい中やって いただいたのですが、あれではやはり皆さんの同意が得られなかったので、こういうこと であれば支払側も診療側も、あるいは公益の先生方もいけるかなというふうなのが出てく るまでには幾つかの調査をしなくてはいけないのではないかというふうに思ったりしてい ます。  それからもう1つは、やはり一番根本的になります診察料とか技術料とか入院基本料で すね。今回、加算でかなりつけていただいて、病院勤務者等の評価は私が参加した中医協 の中では高い評価をいただいて、私はうれしく思っておりますけれども、やはり基本料が 基本だと思います。加算、加算という今のやり方は私は邪道だと思いますので、是非この ようなところの検討も早くに始めて、これも基本問題小委員会だと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。基本小委の議論を早く開始すべきだという御発言がありました ので、類似の御発言だと思います。それで基本小委の中で必要な場合には調査をするとい うようなことをやってはどうかということでありますが、これは予算とマンパワーの問題 が絡む話ですが、御意見として強くあったということを受け止めておきたいと思いますの で、これはまた事務局と相談をしたいと思います。  ほかに何かございますか。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  当然、調査というのはデータ化が大事なことであります。また傷病名の中にまだ未コー ド化のものが相当数あります。分析をしていく上では、これは非常に障害になるものであ るので、これはぜひ事務局の方は積極的に進めてコード化を是非進めていただいて、より 精度の高い分析に繋がるような形にしていただけたらなということを思っております。私 からは以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それではよろしゅうございますか。検証部会に対する意見だけでない、さまざまな御意 見も出ましたが、検証部会におかれましては今の御意見を参考にいたしまして、更に検討 いただきたいと思いますが、牛丸委員、何かございますか。 ○牛丸委員  いろいろ御意見をちょうだいいたしましてありがとうございました。先ほど遠藤会長か らもお話がありましたように、お手元の総−4−3を見ていただきたいと思います。既に 事務局から御説明がありましたように、現在の私が係わっております検証部会の調査とい うのはこういうふうに区分けされております。先ほど今日の総会ということでいろいろな 御意見をちょうだいしましたが、医療経済実態調査、社会医療診療行為別調査、こういっ たものは今後の医療の在り方を考える上で非常に重要なものですが、一応これまで検証部 会の対象ではないということですので、おそらく今後、基本問題小委員会か、あるいは総 会で議論されて、今日いただいたようなことが更に深まっていくと思います。少なくとも 現状においてはここに書いてありますように、一番上ですが、診療報酬改定により新設改 正された項目のうち、主なものについて当該改正等が医療機関や患者等の行動様式の変化 等に与えた影響等を中心に調査するものであります。  そういうことで調査表を使って、これまでやってきたわけです。今回、付帯意見に基づ いてこういう項目を用意したということで、それに関して大枠の御意見をちょうだいしよ うということでしたが、その範囲外の御意見もちょうだいしました。何人かの方から御意 見がありましたように、必ずしも今回の新設改正項目ではないが、今後の医療の在り方を 考える上に重要であり、その調査が必要であるということであるならば基本問題小委員会 か、あるいは総会で議論をしていただいて、それでもし調査が必要というときにはここが やるかどうか分かりませんけれども、そういうことで少なくとも現状においてはこの範囲 内で動いているということです。  これまで1号、2号の皆さんから具体的なお話を聞いた上でということはなかったもの で、今回、一応項目を策定した段階で御意見をちょうだいし、更に細かく具体的な調査表 を作るときにはもう少しいろいろ御意見を、あるいはアドバイスをいただこうということ でやらせていただきました。ですからやれる範囲といいますか、今のところはこういう範 囲であるということで、ここを超えた部分に関しては基本問題小委員会あるいは総会でお 願いしたいと思います。そちらからこちらへ回ってくる可能性もあります。  ただし検証部会で行える調査というのは、先ほど遠藤会長が言いましたように予算の問 題もあります。予算があって、2年間で行う。幾つできるか。新たにもしそれを上げると すれば従来あるものを落とさなければならない。それから優先順位というのは予算の問題 とも関係しまして、2年間というけれども1年ごとにある程度予算消化しなければならな い。あんまり先に延ばしてしまうと予算の関係でまずい。かといって効果が出るためには あまりはやくはできない。その辺、我々としては予算との絡みで考えましたが、実際改定 があった効果をどこで見たらいいか。これは現場の皆さんの方がお詳しいと思いますので、 今日も何人の方から御意見がありました。その辺のことを含めて具体的な案を出すときに はアドバイスをいただきたいということです。  今日いただきました御意見を踏まえまして、事務局と相談して、改めて案といいますか、 それを決めまして、再度総会に上げようと思っております。具体的なことに関しては再度 お聞きすると思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  それでは牛丸部会長、よろしくお願いいたします。  本日、事務局が用意しました案件については以上でございますけれども、皆様から何か ございますか。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  これは中医協でお話する内容かどうかよく分かりませんけれども、医薬品の承認に係わ ることでもありますので、一言発言させていただきたいのですが、先般、虚偽のデータを 用いて医薬品を医療現場に提供するという薬事法違反を起こした製薬会社がありました。 また後発品のメーカーにおいても内容は少し違いますが、医薬品の信頼を損なうような事 例がありました。我々医薬品に携わる仕事をしている者として、また国民の一人としても 今後、こういうことが二度と起きないということを強く要望したいと考えております。こ れについては事務局から発言を求めるものではありませんけれども、そういうふうに考え ております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。大きな事件だったと思います。  北村委員、どうぞ。 ○北村委員  ただいまの件については私も全く同じ気持ちで同感でございます。それから今日配られ ている資料、4−4がありますが、この御説明はないのですか。これがあれば1つお伺い したいことがあったものですから。 ○遠藤会長  調査室長、どうぞ。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  すみません。4−4は前回の改定の後に行った調査ということで、全体として先ほど申 しましたように調査項目としては10項目前後ということですので、その参考例というこ とで、既に実施した調査ですので、すみません、説明は省略させていただきました。 ○遠藤会長  北村委員、どうぞ。 ○北村委員  よく分かりました。これが予算とか、調査に時間がかかるということで、この21年分 というのはいつオープンになるんですか。 ○遠藤会長  これは既にオープンになっているわけですけれども、企画室長、どうぞ。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  21年度の調査につきましては、昨年11月にオープンにしました。ただ、本来であれ ば速報ということで検証部会に報告して、その後、総会でもう1度やるべきだったところ ですが、御案内のとおり大変時間が迫っておりましたので、総会での細かい御報告は省略 させていただきまして、具体的な基本小委での個別の議論のときに、その調査結果を使わ せていただいておりました。ただ、最終報告は当然まとめるということになりますので、 今細かい数字の精査をしておりますので、昨年11月に御報告したものとほぼ同じもので はございますが、今回は少し時間もございますので、まず次回の検証部会で御報告をした 後、次にこちらの総会に図るときに併せて最終報告につきましても確認的な意味になりま すが、御報告をさせていただこうと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。北村委員、どうぞ。 ○北村委員  よく分かりました。実は喫煙の件ですが、本件については私しか発言する人がおりませ んので、ここで一言申し上げます。これまで数度調査をしていただいていますので、これ 以上調査ということを申し上げるつもりではありませんが、次回最終報告を取りまとめら れるときに費用対効果というのでしょうか、5回の診療を受けた後の喫煙率、総額の費用、 うまくいっている人の比率とか、その辺の数字を教えていただければと思っております。 それだけですけれども。もう出ていますか。 ○遠藤会長  調査室長、どうぞ。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  具体的な調査の中では費用対効果というような項目は入っておりませんで、あくまでも 禁煙の成功率ということでございましたので、それについて今回少し多変量の解析なども 加えて分析しておりますので、検証部会としてはその御報告になると思います。ただ、お っしゃるようなことにつきましては、また次回以降の改定への議論の中で、この禁煙につ きましてはいろいろ学会なども調査研究もしておりますので、そういう中でそういうデー タがあるかどうか。私どもとしても探してみますが、検証部会としてはそういう成功率と いうことに主眼をおいた調査であったということを御理解いただきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。北村委員、よろしいですか。はい。  ほかにございますか。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今、三浦先生がおっしゃったことは非常に大きなことで、なぜかというと我々は磯部さ んが言っていたことを信じてここで議論をしてきたわけです。それがでたらめだったとい うことは今、三浦先生のことで分かったわけです。事務局としては今後、ジェネリックあ るいは薬のデータをどうやって解釈するのか。20%も違ったらエフェクトなんか全然違 うよ。あなたはずっと大丈夫だ、大丈夫だと言っていたけれども見破れなかったのだから、 それを。今後、どういう対応をとるかということを言わないと中医協、薬の値段を決めて いるところで、そのデータを信用してやってきたんですから、三浦先生は国民に対して大 事なことを言ったので、こっちの方がずっと申し訳ないですが北村委員の発言よりは大事 なことなのできちっとしてもらいたい。 ○遠藤会長  どうもありがとうございました。私も同感であります。そういう御意見があったという こと、根幹に係わる議論ということですね。  ほかにございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  屋上屋を重ねますが、大変重要な問題なので申し上げさせていただきます。この話だけ ではなかったですよね。この前にも後発医薬品会社の同じような虚偽データあるいはデー タ改ざんがありました。中医協のマターでは直接ないのかもしれないけれども、少なくと もそれについての薬価はここで決めているわけです。その基は有効性、今、嘉山委員がお っしゃったことでありまして、生物学的同等性等々であります。これは出てきたデータを 我々は信用するしかないので認めるのですが、認めた責任は我々にある。ですけど、その データが虚偽かどうかは検証のしようがない。だとしたら大丈夫だと言われた磯部課長に 集中砲火で申し訳ないけれども、大丈夫だと言われる前提が崩れていると我々は思わざる を得ないんです。であれば1つは業界指導でしょうし、もう1つは医療の現場から有効性 に疑問があると言われたものについて、今の外部検証機構の中で非常に速やかにその検証 を出していただいて対応していただくということで、そのタイムラグができないようにと いうことが大事なのだろう。  併せて言えば、これは私の個人的意見ですが、今回のこの処分は極めて軽いと思ってお ります。特に本社本体ではなくて、実際の作成をされた企業については申し訳ないですが 前歴があるわけであります。その経験が生かされていなくて払拭されていない中で、同じ ことをやられたということの罪は極めて重い。それがたったこれだけの営業期間停止で終 わりですかというのが、これは私の実感でございます。ということも併せて申し上げます。 この件については中医協の権限外の話だろうとは思いますけれどもということでございま す。 ○遠藤会長  ありがとうございます。御意見として承りました。勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  同じ主旨ですが、改ざんというのは最も信頼を損ねる行為なので、根底から崩れていき ますので、この中医協だけの議論ではないと思いますが、このように多くの方が正しい情 報を基に議論していきたいと思っておられるので、やはりこの場でも厚労省としての今後 そういうことが二度と起こらないためにどんな防止策をとるのかということなどをきちん と説明していただきたいし、そのような形をより深めてやっていただきたいと要望してお きます。 ○遠藤会長  中医協としてできるというのは、そういう不祥事があった会社の製品は一律特例引き下 げとか、そういう議論はできるわけですが。するという話ではありませんが。  ほかにございますでしょうか。  それでは、本日の議論はこのぐらいで終了したいと思いますけれども、先ほど来、早急 に基本小委を開催しろというお話が出ておりますけれども、今後の開催予定について事務 局としてどんなお考えがあるか御発言いただけますでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  5月に予定をしております。先般来、できる限り改定年でないときでも月に2回ペース ということでお伺いしておりましたが、諸般の上場、つまり事務局の準備の都合その他、 あるいは定例ものの報告の時期等々を考えまして、5月は1回で予定しております。その かわりというわけではないですが、6月以降は夏休みを除けば月2回ペースぐらいで議論 をしたいと考えておりました。 ○遠藤会長  ありがとうございます。事務局はそういうようなお考えだということであります。5月 は1回、6月から夏休みまでは2回、そんなペースでよろしいですか。もう少し基本小委 の議論を早めろという御意見があれば。ただ、事務局としては用意するものは特にないの でということですから、むしろこちらから出していただくという話になるかと思いますが、 いかがでしょうか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  次回5月のときまでに私たちなりの考えとかそういうものを出しますので、そのときに また開催の回数まで含めて私たちの方から御提案させていただきたいと思います。 ○遠藤会長  1号側、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、そのようにさせていただきたいと思います。  それでは、これをもちまして本日の総会は終了したいと思います。次回の開催予定につ きましては……。 ○事務局(佐藤医療課長)  今申し上げましたように日程はまだ決まっておりませんが、5月を予定しておりますの で、決定次第またご連絡をいたします。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)