10/04/19 第1回乳幼児身体発育調査企画・評価研究会議事録 第1回乳幼児身体発育調査企画・評価研究会 議事録 日時:2010年4月19日(月) 10:30〜12:10 場所:中央合同庁舎7号館(金融庁)1320会議室 出席者:  委員   多田座長、柳澤座長代理、板橋委員、衞藤委員、加藤委員、児玉委員   住友委員、月本委員、南部委員、横山委員、吉池委員  厚生労働省   伊岐雇用均等・児童家庭局長、宮嵜母子保健課長、堀内母子保健課長補佐   森岡母子保健課長補佐、清野母子保健課栄養専門官 次第:1. 開会      挨拶      座長選出    2. 議題      (1) 乳幼児身体発育調査要綱(案)について      (2) 乳幼児身体発育調査票(案)について      (3) その他    3. 閉会 資料:   資料1 乳幼児身体発育調査企画・評価研究会開催要綱   資料2 乳幼児身体発育調査要綱(案)   資料3 乳幼児身体発育調査調査票(案)  参考資料1 今後の予定  参考資料2 平成12年乳幼児身体発育調査報告書 議事: ○宮嵜母子保健課長  定刻になりましたので、ただ今から「乳幼児身体発育調査企画・評価研究会」を開催いた します。委員の皆さまには、お忙しいところをご出席いただき誠にありがとうございます。  はじめに、開催に当たりまして雇用均等・児童家庭局の伊岐局長からご挨拶申し上げます。 ○伊岐雇用均等・児童家庭局長  皆さま、おはようございます。雇用均等・児童家庭局長の伊岐典子と申します。乳幼児身 体発育調査企画・評価研究会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。  本日は、大変お忙しい中を、また中には大変遠路をお運びいただいた方もいらっしゃるよ うでございますが、本研究会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、 各先生方におかれましては、日ごろより母子保健ならびに児童福祉の推進にご理解とご協力 を賜っておりますことを厚く御礼申し上げる次第でございます。  既にご承知のことと存じますが、この乳幼児身体発育調査は全国の乳幼児の身体発育の状 態を調査し、わが国の身体発育値を定めて、乳幼児の保健指導の改善に資することを目的と しております。そして、これは10年周期で実施されているものでございまして、そういう 意味ではこの10年の経過を皆さまに見ていただいて、新しい数値を作っていただくという ことでございます。そして、その調査結果につきましては、母子健康手帳の身体発育曲線や 日常の乳幼児の保健指導等に幅広く活用されるなど、非常に重要な役割を果たすものと考え ています。  本研究会におきましては、調査項目や実施方法あるいは集計結果の解析等について検討を 行っていただき、効果的な調査が実施され、有意義な報告書が取りまとめられることを期待 しております。委員の先生方におかれましては、それぞれのご専門の立場から十分にご意見 を頂戴いたしますようお願い申し上げます。  私もこの間、何十年ぶりかに母子健康手帳を見ました。私が子どもを産んだときに見てい た母子健康手帳から、かなり充実が図られているという印象があるわけですが、発育曲線も これほど精緻にできてきたのだという印象を持ちました。全国の母親がよすがにする大事な 資料ですので、よろしくお願いしたいと思います。  併せまして、今日お集まりの皆さまは、それぞれの分野で学識をお持ちの第一人者でいら っしゃいますことから、日ごろのご貢献、特に母子保健施策を含みます種々の施策の実現に ついて、忌憚ないご意見をいただく機会にできればと考えている次第でございますので、ど うぞ引き続いてご指導、ご協力を賜りますようお願いいたしまして、冒頭のご挨拶とさせて いただきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 ○宮嵜母子保健課長  伊岐雇用均等・児童家庭局長は国会等の他の所用がございますので、ここで退席させてい ただきますので、ご了承いただければと思います。  それでは、委員の先生方をご紹介させていただきます。お手元の資料1の2枚目に名簿が ございます。この順にご紹介させていただきます。  まず、昭和大学医学部小児科学教授の板橋家頭夫先生です。 ○板橋委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  社団法人日本小児保健協会会長の衞藤隆先生です。 ○衞藤委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  国立保健医療科学院生涯保健部長の加藤則子先生です。 ○加藤委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  帝京大学医学部小児科教授の児玉浩子先生です。 ○児玉委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  東京都福祉保健局保健政策部長の住友眞佐美先生です。 ○住友委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  東邦大学医学部名誉教授の多田裕先生です。 ○多田委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  済生会横浜市東部病院顧問の月本一郎先生です。 ○月本委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  福岡市東保健所長の南部由美子先生です。 ○南部委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  日本子ども家庭総合研究所所長の柳澤正義先生です。 ○柳澤委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  国立保健医療科学院人材育成部長の横山徹爾先生です。 ○横山委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  青森県立保健大学健康科学部教授の吉池信男先生です。 ○吉池委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  続きまして事務局でございますが、お手元に配席図がありますので、これを持ちましてご 紹介に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  はじめに、この研究会の座長の選出をお願いできればと思います。開催要綱に従いますと、 構成員の委員の皆さまの互選によりということになっておりますので、そのように決めたい と思います。座長の立候補やご推薦がありましたら、よろしくお願いいたします。 ○柳澤委員  東邦大学医学部名誉教授の多田先生に座長をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう か。 ○宮嵜母子保健課長  ただ今、柳澤委員から多田委員をご推薦いただきました。拍手もいただいたのですが、皆 さま、よろしいでしょうか。 (拍手で承認) ○宮嵜母子保健課長  それでは、多田委員に座長をお願いいたします。  続きまして、座長代理も決められればと思いますが、座長に決まりました多田委員からご 指名・ご推薦いただければと思います。 ○多田座長  日本子ども家庭総合研究所の柳澤所長に本研究会の座長代理をお願いしたいと思います けれど、いかがでしょうか。  (拍手で承認) ○宮嵜母子保健課長  それでは柳澤委員、座長代理をよろしくお願いいたします。  多田座長には座長席にご移動いただければと思います。恐縮ですが、一言ご挨拶いただけ ればと思います。 ○多田座長  ただ今、ご指名に預かりました多田でございます。私に務まるかどうか心配でございます が、先ほど伊岐雇用均等・児童家庭局長からご挨拶がありましたように、この研究会は各専 門の先生方が大勢お集まりでございますので、いろいろご援助をいただきながら進めていき たいと思います。なにぶん、よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  それでは、この後の議事進行は多田座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいた します。 ○多田座長  それでは、議事を進めていきたいと思います。最初に、資料の確認を事務局からお願いし たいと思います。 ○清野栄養専門官  お手元にお配りしております資料の確認をしたいと思います。はじめに席次表がございま す。それから、1枚目が議事次第でございます。次に、資料1「開催要綱」でございます。 資料2は「調査要綱(案)」でございます。資料3として「調査票(案)」がございます。次に、 資料4「検討が必要と考えられる事項」という1枚紙がございます。参考資料1は「今後の 予定」、参考資料2は前回の報告書となっております。不足がございましたら、事務局にお 知らせください。 ○多田座長  よろしいですか。それでは、議事次第に従って議事を進めていきたいと思います。  最初に、本研究会の開催要綱についてご説明いただきます。 ○清野栄養専門官  資料1をご覧ください。本研究会の開催要綱についてご説明いたします。「乳幼児身体発 育調査企画・評価研究会開催要綱」です。「目的」といたしまして「乳幼児身体発育調査は、 全国の乳幼児の身体発育の状態を調査し、我が国の乳幼児の身体発育値を定めて、乳幼児の 保健指導の改善に資することを目的とし、10年周期で実施されているものである。乳幼児 の身体発育及び発達の状況について各月齢・各年齢における評価を行うとともに、その調査 結果は、母子健康手帳の身体発育曲線や日常の乳幼児の保健指導等に幅広く活用されている。 直近の発育値は平成12年のものであり、平成22年9月に調査の実施が予定されている。 このため、雇用均等・児童家庭局長が学識経験者に参集を求め、調査の実施に向けて調査内 容について検討を行うとともに、調査終了後の結果の公表に向けて解析内容について検討を 行うこととする」。  2の「構成」(1)は「研究会の構成員は別紙のとおりとする」ということで、次の別紙に 名簿がございます。(2)研究会に座長を置き、構成員の互選により定める。(3)座長代理は、 座長が指名する。  3「検討事項」の(1)は「乳幼児身体発育調査の調査内容について」、(2)「乳幼児身体発育 調査の解析内容について」。  4「運営」ですが(1)研究会は公開とする。(2)研究会の庶務は、雇用均等・児童家庭局母 子保健課が行う。  5「その他」として「この要綱に定めるもののほか、研究会の運営に関し必要な事項は、 座長が雇用均等・児童家庭局長と協議の上定める」ということになっております。  参考資料1をご覧いただきたいと思います。「今後の予定」となっておりますが、研究会 は本日開催いたしまして、結果の公表の前に開催し、集計の内容や解析の内容を検討してい ただいて、結果の公表まで継続して委員をお願いするという形になりますので、よろしくお 願いいたします。  なお、要綱にもございますが、本研究会は会議および議事録を公開とさせていただきたい と思いますが、よろしいでしょうか。  (「異議なし」の声あり) ○清野栄養専門官  ありがとうございます。それでは、本日の会議は公開とさせていただきますのでよろしく お願いいたします。 ○多田座長  それでは、最初の議題に入っていきたいと思います。乳幼児身体発育調査企画・評価研究 会開催要綱について、事務局よりご説明がありましたけれども、これはよろしいですね。  それでは、資料2の「乳幼児身体発育調査要綱(案)」についてご説明いただきたいと思い ます。 ○清野栄養専門官  資料2の「平成22年乳幼児身体発育調査要綱(案)」についてご説明いたします。  1「調査の目的」です。「この調査は、全国的に乳幼児の身体発育の状態を調査し、我が 国の乳幼児の身体発育値を定めて、乳幼児保健指導の改善に資することを目的とする」。  2「調査の対象及び客体」の(1)一般調査「この調査は、全国の乳幼児を対象として平成 17年国勢調査地区のなかの3,000地区内の調査実施日において生後14日以上2歳未満の乳 幼児及び3,000地区のうちから抽出した900地区内の2歳以上小学校就学前の幼児を調査 の客体とする」。(2)病院調査「この調査は、全国の産科病床を有する病院のうち、平成22 年医療施設基本ファイルから抽出した150病院で出生し、平成22年9月中にいわゆる1か 月健診を受診した乳児を調査の客体とする」。  3「調査の事項」は「乳幼児の身体発育値を定めるのに必要な事項等、乳幼児身体発育調 査、一般調査票および乳幼児身体発育調査・病院調査票に掲げる事項」。  4「調査の時期」の(1)一般調査は「平成22年9月1日から30日までの期間中に、保健所 の所長が日を定めて行う」。(2)病院調査は「平成22年9月1日から30日までの期間に行う」。  5「調査の方法及び経路」の(1)調査の企画は学識経験者の協力を得て、雇用均等・児童家 庭局が行う。(2)一般調査の実施は「一般調査における調査票の記入作成は、原則として乳 幼児の一斉健診の形式をとって実施する集団調査に基づいて行う。作成した調査票の報告経 路は次のとおりである」。厚生労働省から都道府県・保健所設置市・特別区を経て保健所へ、 そして調査班を作成し被調査世帯へという形になります。(3)病院調査の実施は「病院調査 における調査票の記入作成は、病院において行う。作成した調査票の報告経路は次のとおり である」ということで、厚生労働省から都道府県と病院を経て被調査乳児という形になりま す。  6「調査の集計及び公表は、雇用均等・児童家庭局が行う」という形になっております。  次のページをご覧ください。1は調査地区及び調査の対象者について図示したものでござ います。  2「調査票の記入」の一般調査は「乳幼児一斉健康診査の形式に従って、集団調査により 実施する。実施に当たっては、調査地区ごとに医師(できる限り小児科医)、保健師(又は助 産師、看護師)、助手をもって調査班を構成し、調査の実施にあたる。実際に計測した計数 の記入、問診による回答の記入、母子健康手帳からの転記。(調査班員が調査票を作成する)」。 病院調査は「9月1日から30日までの期間中に当該病院で行われる1か月健康診査の機会 を利用して実施する。実際に計測した計数の記入、問診による回答の記入、対象となった乳 児の入院中の状況を病院記録から転記(病院の職員が記入)」。  3「調査の時期」の一般調査の期日は9月1日から30日までの期間中に保健所長が日を定め て行う(1日)。病院調査は9月1日から30日までの期間中に当該病院で行われる1か月健康診 査の日(1日)。  以上でございます。 ○多田座長  ありがとうございました。それでは、委員の皆さまから、ご質問やご意見をいただければ と思います。  柳澤委員。 ○柳澤委員  ただ今、乳幼児身体発育調査要綱(案)についてご説明いただきましたが、今は個人情報 の保護ということが非常に厳しく問われる時代ですので、発育調査の個別の調査票というも のがどのように取り扱われるかということの原則というか、基本的なところを要綱で触れて おいた方が良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。記載されていませんので、 その点を意見として申し上げたいと思います。 ○多田座長  いかがでしょうか。事務局、お答えいただけますか。 ○清野栄養専門官  その点、記載できるようにしたいと思います。 ○多田座長  委員の皆さまからも、この件に関してご意見はございますか。なければ、それ以外のこと でも結構です。何かご意見があれば、いただきたいと思います。 ○住友委員  この手の調査は、国民健康・栄養調査でもそうですけれども、今は住民の方のご協力が大 変得られにくくなっているのですが、やはり調査手法は、少なくとも今回はそうですし今後 ともこの手法で続けていくという考え方なのでしょうか。 ○多田座長  いかがですか。 ○清野栄養専門官  調査の継続性の観点から、基本的にこの調査方法でと考えております。 ○多田座長  住友委員、よろしいですか。他にございますか。  板橋委員。 ○板橋委員  最近は低出生体重児の割合が10%近くになっているわけですが、それをどのようにこの 調査の中に組み込むのか。以前の5〜6%の時代に比べれば、その2倍近く含まれてきてい るわけですので、そのデータの取り込み方によっては、セキュラートレンドも大きく変わっ てくる可能性があると思います。その辺りの議論はしておいた方が良いのではないかと思い ます。 ○多田座長  事務局および委員の皆さまから、ご意見があればいただきたいと思います。  加藤委員。 ○加藤委員  低出生体重児の割合は、基本的に20年ほど前から徐々に増加してきておりまして、身体 発育基準値もその影響を受けてやや小さめになってきております関係で、従来通りの想定を すれば、特に1歳くらいまでの間はさらに小さい基準値になることが予想されます。このよ うに増えてきている低出生体重児に関してどのように扱うかについては、委員の皆さま方の お知恵を拝借したいと思います。 ○多田座長  他にご意見はございますか。従来、10年前との移り変わりを見ているわけですから、そ ういう意味では同じ手法ということも一つの大事なことになるような気もいたしますし、そ のように増えたことを何らかで表すのは別の手段があるのか、その辺について委員の皆さま のご意見はいかがでしょうか。  児玉委員。 ○児玉委員  それに関しては、調査票の内容でしょうか。全点調査をして、その中でそれをどのように 分析していくかというところで大きな問題になると思います。対象の人たちが3,000地区と 書いてあるのですが、人数的な見当が付かないのですけれども、その辺りはどのようになっ ているのでしょうか。それから、1か月健診だけに集中すると、ばらつきですね。人数は、 それぞれの年齢でどれぐらいを対象と考えているのか、概要を教えていただきたいと思いま す。 ○清野栄養専門官  前回の調査の結果ですと、3,000地区および900地区内の乳幼児ということで、一般調査 の方では約1万人でした。それから、病院調査の方につきましては、1か月健診を受診した 乳児ということで、4,094名となっております。 ○多田座長  よろしいですか。他にございますか。  吉池委員、お願いします。 ○吉池委員  先ほどから話が出ている調査協力についてですが、国民健康・栄養調査の場合は毎年行っ ているので、そのつど時代の変化等を考えながら工夫しているということです。一方、今回 の調査は10年ぶりということですので、その辺はかなり十分な準備をする必要があると思 います。前回調査の報告書を見ますと、回収率が81.4%と、かなり精度の高い標本が得ら れておりますが、恐らく時代の移り変わりだけではなくて、母親の世代の意識の移り変わり も10年間で大きいのではないかと思っております。いろいろな手を尽くしてできるだけ協 力率が上がるようなことは考える必要があると思います。 ○多田座長  ありがとうございます。他にございますか。大変重要なことをいろいろいただいておりま すので、事務局でも検討いただきたいと思います。  では、今の点が具体的には調査票の方でも出てくるかと思いますので、次に「乳幼児身体 発育調査調査票(案)」について、ご説明いただきたいと思います。 ○清野栄養専門官  お手元に資料3および資料4をご準備いただきたいと思います。本日は、一般調査票と病 院調査票の案についてご議論いただきたいと思います。記入方法及び測定方法の案につきま しては、委員の皆さま方にお持ち帰りいただいて、後日、事務局にご意見をいただくという 形にしたいと思います。  資料3と資料4を併せてご覧いただければと思います。まず、一般調査票の案についてご 説明します。基本的に前回を踏襲した形の調査票になっております。はじめに「調査方法」 として調査日と集団調査なのか訪問調査なのかということ。それから(1)性別、(2)生年月日、 (3)計測値は体重、身長、胸囲、頭囲。(4)は運動・言語機能(1歳7か月未満の乳幼児全員) ということで首すわり、ねがえり、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩き、 言葉を話しますかということになります。(5)現症および既往症のaは計測に直接支障ある 状態、bは発育・発達に影響を及ぼしていると思われる疾病・異常の有無。  「栄養等」として、(6)は「乳汁(全員に聴取のこと。該当する乳汁を与えていた月齢を○ で囲む)」ということで、資料4と併せて見ていただきたいのですが、こちらにつきまして は、前回は12か月まで把握しておりましたけれども、離乳の完了の時期である1歳半ぐら い、あるいは24か月までということで実際に母乳あるいは人工乳を飲んでいる子どももい ますので、幅を広げてはどうかということにしております。(7)の「離乳(全員に聴取のこと)」 で1.未開始、2として開始時期と、未完了の場合は離乳の回数、何か月後に完了したかとい う月齢を書くことになっています。  「妊娠・出産」の枠として、(8)出生順位、(9)妊娠期間、(10)胎児数、(11)妊婦健診受診 回数、(12)妊娠中の異常、こちらについては以前は妊娠中毒症という言葉になっていました が、「妊娠高血圧症候群」と変更しております。(13)の喫煙歴は、以前は妊娠中の喫煙のみ を調査しておりましたが、妊娠前の喫煙についても把握してはどうかということで1段設け ております。次は、以前は「母親学級の受講」という記載がありましたけれども、今回は削 除しております。次に(14)の妊娠中の飲酒ですが、こちらは変更ありません。(15)の出生場 所は以前は4番目の選択肢として母子健康センターでの出産が挙げられていましたが、こち らは非常に数が少ないので「その他」に含めてはどうかということで選択肢としては削除し ております。それから、出生時の状態として(16)の計測値は体重、身長、胸囲、頭囲という 形になっています。  「家族環境」として、(17)対象児の母の身長、体重。こちらは普段の体重ですが、追加し て妊娠中の体重の増加を見てはどうかということで、「出産直前の体重」の枠を新たに設け ております。(18)出産時の母の年齢、(19)母親の就業状態となっております。  1枚めくっていただきますと、病院調査の調査票(案)となっております。こちらの調査票 につきましては、(1)性別、(2)生年月日、(3)妊娠期間、(4)胎児数、(5)出生順位、(6)娩出方 法、(7)出生時の特記すべき所見、(8)新生児期の特記すべき所見。  「母の状況」として、(9)生年月日、(10)身長、体重。こちらは前回は身長のみでしたが、 「体重」として普段の体重と出産直前の体重を記入してはどうかと考えております。(11) 既往分娩、(13)妊娠中の異常、こちらも以前は妊娠中毒症と記載されておりましたが、「妊 娠高血圧症候群」と変更しております。  (14)として、出生時から10日あるいは退院時の体重、身長、胸囲、頭囲、栄養法の把握 となっております。その下に、新たに「母乳を最初に飲ませた時間」が何時間何分後という 形で記入欄を設けております。  次に「1か月健診時の状態」ということで、(15)調査日、(16)月・日齢、(17)計測値、(18) 栄養法、(19)特記すべき所見。  以上です。 ○多田座長  ありがとうございました。それでは、これについてご意見をいただければと思います。  板橋委員。 ○板橋委員  小児科学会新生児委員会では母乳推進運動を栄養委員会と一緒にやっています。そのおり に母乳栄養、母乳育児の言葉の定義等についてかなり議論になりました。この栄養等に関す る調査、特に乳汁の調査に関して、最終的にはこの対象の母乳栄養率が何%とか、混合栄養 率が何%ということが公表されるわけですが、この辺り、委員の特に過去のこれにかかわっ ていらっしゃる先生方のご意見をお伺いできればと思います。 ○多田座長  事務局あるいは過去にこれに関係してくださった方が加藤委員や吉池委員でしょうか。そ の辺のディスカッション、以前のこととどうなのかという何かご意見があればお答えいただ きたいのですが。  加藤委員。 ○加藤委員  この栄養法につきましては思い出し法で、どちらかに丸を付けるということですが、結局 これは生後14日から6歳に至るまで全員が記入しますので、比較的正確に付ける年・月齢 の場合もあれば、5年前6年前のことを書いている場合もありますので、今回集計するとき にあまり過去で不正確になっていると思われる場合を除いて集計するとか、何か工夫をすべ きという議論が確か研究班等で行われたような気がしています。 ○児玉委員  私も板橋委員と一緒に小児科学会の母乳推進のことで一緒に今まとめているところです が、思い出し法にすると非常に曖昧になってしまう。ですから、これは1万何人の子どもた ちの6歳までですが、主に乳幼児が中心になりますので、その時点での例えば3か月で見た とき、今の時点で母乳をどれくらいやっているかとか、人工乳がどれくらいか。いろいろな 月齢の方がいらっしゃると思いますので、今の時点を書いていただければ、これはかなり正 確なデータが得られるのではないかと思います。そのときも母乳を大体半分くらいなのか、 10%くらいなのか、80%以上なのかぐらいは、今の時点であればかなり正確に書いていた だけると思いますので、そのような調査の方がより正確な情報が得られるのではないかと思 いますが、いかがでしょうか。 ○多田座長  いかがでしょうか。各委員の先生あるいは事務局の方で、調査項目を先ほど板橋委員がお っしゃるように諸外国と比較するとか非常に正確にということもあると思いますし、従来の 方法とどのように変わったかというのが、あまり変わってしまっても母乳率がどう変わった かは、いずれにしても大雑把なところになるかとも思いますし、どこまで正確性を期するか というのも一つ問題があるかもしれないのですが、その辺はいかがでしょうか。  吉池委員、お願いします。 ○吉池委員  やはり思い出しの部分については、事後的に解説の中で考え得るバイアスについて考察す るということになると思います。また、比較的直近の母乳栄養法についてのデータは乳幼児 栄養調査の方で断面的なデータが得られていますので、それらとの対応も含めて、今回の課 題についてはしっかりとデータを解析するということで、まず対応する。少なくとも過去と の比較性ということを重視するのであれば、この方式はそのまま置いておく必要があるので はないかと思います。 ○多田座長  ありがとうございました。ただ今のご意見について、他にございますか。今のようなこと を検討して解析のときに少し考慮していただくということが大事かと思いますが、その他の 項目でも結構ですが。  吉池委員。 ○吉池委員  喫煙のことが気になって見ていました。参考資料、平成12年の調査報告書の42ページ の表17-1、2、3というところをお開きください。今回は喫煙歴について妊娠前・妊娠中に 分けてということで、特に父親および同居者についてのデータ上の解釈について考えていま した。前回報告書の表17-1で母親の喫煙歴あり・なしと、父親および同居者の喫煙につい てのクロス集計をし、その後母親の喫煙がない場合について、父親及び同居者の喫煙に関し てドーズ・レスポンス的な形で体格とのデータを見るという意図で組まれている質問かと思 います。そのように考えると喫煙をしていない母親の環境、たばこへの暴露の指標というこ とになるかと思いますが、特にこの10年の状況の中で、喫煙はしていても家では吸わせて もらえないという父親の存在は多くなっているのだろうと思います。このような意図でとら えるのであれば、父親の喫煙歴というよりは、むしろもう少し直接的に母親のたばこ暴露に ついて聞いた方が目的にかなうのではないか。また少なくとも妊娠中・妊娠前のところで分 けて、これを聞く意味はあるのではないかと思いました。以上です。 ○多田座長  ただ今のご意見について、他の委員の先生方あるいは事務局は何かご意見はありますか。 いかがでしょうか。保健所その他でもいろいろと検討されていることがあるかもしれません が、この形で出てくるものについてというご意見だと思いますが。 ○南部委員  今の喫煙のところでしょうか。確かにおっしゃるように、暴露というのはどのような聞き 方で聞くのが一番聞きやすいのかを今考えていたのですが、そのような聞き方の方が役に立 つのではないかという気はします。 ○多田座長  他はございますか。いかがでしょうか。課長、お願いします。 ○宮嵜母子保健課長  受動喫煙というか、妊婦の喫煙の暴露の関係は、このような調査票でどのような状況だっ たら暴露している暴露していないとは実は吉池委員が言われるとおりに取っていくと難し いのではないか。例えばベランダに出ていれば良いけれども、換気扇の下であれば駄目だと かよいとか、難しくなるので、ある程度単純化して、父親や同居者が吸っていれば暴露する 可能性が高いのではないかということで割り切って調査した方が、調査をする方や内容を取 るときに良いのではないかと事務局としては考えています。今回前も取った方が良いのでは ないかというのは、前に吸っているけれども奥さんが妊娠しているときは止めて、また子ど もが生まれたら吸うという人がいるのかどうかはわかりませんが、そのようなところがわか ると良いのかなということで、妊娠中だけではなくて、前という項目を付けました。先生方 にいろいろとご意見をいただければと思います。 ○多田座長  いかがでしょうか。住友委員。 ○住友委員  今の喫煙のところで、これはあくまでも妊娠・出産というところにあるので、妊娠中の影 響ということで取る項目なのです。ただ、本当は6歳くらいまでの子どもがいらっしゃるわ けですから、現在親がお吸いになっているのかどうかが本当は知りたいところですが、そう するとこの欄ではまずいのかなという気もしますが、そこはお取りになる考えはないという ことでしょうか。 ○多田座長  いかがですか。 ○清野栄養専門官  今回は、妊娠に関わる事項として把握する整理しており、現在の状況については取る予定 はありません。 ○多田座長  一つは乳幼児身体発育調査ということからある程度限られて、長いところの喫煙というこ とに焦点を当てているのではないということかもしれないと思いますが、よろしいですか。  吉池委員。 ○吉池委員  先ほどの課長の話を伺って、なるほどと思っていました。医学的な暴露状況をこのような 質問をしてとらえるのは非常に困難であって、どうするのだといわれると私も良い案がない のですが、むしろ暴露を評価するというよりは、妊娠に伴う行動の変化を見るということで あれば、このようなことで良いと思います。  ただし、後のデータの解釈で私が気になったのは、むしろ前回の集計のような形でドー ズ・レスポンス、すなわち受動喫煙が何か影響があるということをこのデータから言おうと して、データが独り歩きするのは少し困ると思います。当然父親のさまざまな背景因子も、 交絡因子もあってのことだと思いますので、むしろデータの解釈上、限定的にとらえていた だいて、行動を見ると割り切っていただければ良いのだろうと思います。 ○多田座長  ありがとうございました。そういうことでよろしいでしょうか。他にございますか。  衞藤委員。 ○衞藤委員  父親、母親の一方が外国籍という場合も現在ではそれほど珍しいことではなくなってきて、 この調査対象者にどれぐらい入るのかは別問題として、そのことは考慮しなくてよいかどう かを確認していただきたいと思います。 ○多田座長  それも最近では大変大きな問題かもしれませんが、事務局ではどのようにお考えになって いますか。一つは従来はどのような取扱いになっていたのでしょうか。 ○南部委員  私が仕事しております所は九州大学が管轄にありまして、そのような意味では外国の方は いろいろといらっしゃるのですが、国によって体格もいろいろで、確かに外国、その辺はど のように考えたらよいのかということはとても難しい問題だと思います。 ○多田座長  衞藤委員。 ○衞藤委員  そのことを調査票に入れることによって、今度は個人情報などで回答しづらいところがあ るのかどうかを考える一方で、例えばアメリカのCDCのデータですと、大体白人か黒人か ヒスパニックかと、ほとんど全部データが解析されていることがありまして、そのことも考 えるとどうなのかと思った次第で、影響があると思います。 ○加藤委員  CDCは一応エスニックもデータには入っていますが、CDCの最終版は全米に住むすべて の人の代表ということで、エスニックを全米に住む方々の按分比例で出してあるものなので、 中間データとしてエスニックなものがわからなくても、最終産物としては、つまり国勢調査 の対象となった方々の中にどれだけ外国人がいるかということは、今、日本に住む人たちの 代表性がそれで担保されるという意味で、CDCと同じくらい正確なものが最終的には出る と理解してよいのかとその点については思っていました。いかがでしょうか。 ○多田座長  従来もそのような形で取扱われてきたのでしょうか。 ○清野栄養専門官  国勢調査対象地区に住んでいる方を対象にしていますので、外国籍の方も入っての調査と いう形です。また、国籍等を把握していませんので、集計の段階で除外ということは行って いません。 ○多田座長  従来はそのようなことのようですが、よろしいですか。衞藤委員、いかがでしょうか。他 にございますか。  板橋委員、先にお願いします。 ○板橋委員  病院調査の調査票のところで、妊娠高血圧症候群(PIH)などが入ってきたのはとても良 いことだと思いますが、基本的に妊娠週数の正確性が大事になるのではないかと思います。 せっかく病院調査を行うのであれば、超音波での妊娠初期の確認なりを項目に入れておくこ とで、より精度は増すのではないかと思います。ほとんどの場合は病院でお産する方はチェ ックされていると思うので、それを前提に聞かなくてもよいということでもあるのかもしれ ませんが、精度をより高めるのであれば、そのような項目を1項目、母の状況の中で入れて おいてもよいのではないかとは思います。 ○多田座長  ただ今のご意見は、いかがでしょうか。 ○清野栄養専門官  妊娠週数というのは妊娠期間(週・日)の記入の部分でしょうか。対象は出産後1か月健 診に来た児が対象で調査日の月・日齢も記載するという形になるのですが。 ○板橋委員  1か月であっても週数がそんなに極端には違わないだろうとは思いますが、厳密にいえば 違うと思います。もう一つは初産・経産でも違うと思います。私どもがこの前厚生労働科学 研究でやりました新しい在胎期間別の出生時体格値でも初産・経産で当然のことながら40 週でも出生体重が違うわけで、それが1か月健診に影響する可能性がないとはいえないので はないかと思ったのです。煩雑になるという側面がありますので、1か月の成長だけを見る という意味では妊娠週数は関係ないということであれば、そのままでもよいと思います。 ○多田座長  いかがでしょうか。あまり違っていたら確かに問題があるかもしれませんが、大部分の成 熟児で必ずしもチェックをしていない場合もあることを考えると、むしろ記載のところでそ の辺があまり違っている場合はどのようにするのか。今はどうなっているのですか。それは 必ず大体の週数で書いて、ここに月数の問題で何週まで何日まで、どれだけ正確に把握され ているかという問題でもあると思いますが。 ○宮嵜母子保健課長  よろしいですか。事務局の方でもあまり理解していないのかもしれないのですが、病院調 査票の上の方の(3)で妊娠期間を取らせていただいて、単胎か双胎か3胎以上かとか、出生 順位、それから一番下の1か月健診のところで何か月何日かの月日齢を取っていますので、 その辺のところで生まれたときや測ったときがどれぐらいかが取れるので、データ処理する ときとか、後の検討のときにその辺の項に入ってくればどうにかなるという思いもあるので すが、いかがですか。 ○板橋委員  それでよろしいかと思います。妊娠期間のところで通常は病院出産の場合は最初からフォ ローしていれば、チェックがほとんど入っていますので、逆にもれるのが例外的と考えて判 断してもよろしいかと思います。 ○多田座長  よろしいですか。では、児玉委員。 ○児玉委員  先ほどの母乳と人工乳の話に戻るのですが、吉池委員が言われました平成17年度の乳幼 児栄養調査で非常に詳細な母乳や人工乳、混合栄養が書かれた。あの調査は10年ごとにあ ると認識しているのですが、これも10年ごとで今考えてみましたら、ちょうど真ん中のと ころです。今の社会状況は随分変動が激しいので、ここに出されている項目は前の10年後 の比較ということでは非常に大事だと思いますが、もう少し項目を増やして平成17年度の 乳幼児栄養調査のエキス的なところをここに入れていただけますと、5年ごとの変動がわか るので良いのではないかということで、もう一度そこをご検討していただきたいということ。  もう一つは、母親がアンケートに答える内容だと思いますが、離乳の完了というのをどの 程度認識しているかも、ある程度統一していただける方が良いと思います。アンケート項目 を付けるときの注意として、どのようなところが離乳の完了かというところを説明に加えて いただけたらよいということと母親からのアンケートとなりますと、妊娠・出産で妊娠中の 異常として妊娠高血圧症候群が軽症と重症に分かれていますが、私も産科のことはよくわか らないのですが、これはガイドラインではっきり重症と軽症に分かれていて、それがきちん と母子健康手帳に記載されているかどうかも確認させていただきたいと思います。 ○多田座長  事務局からお答えいただきましょうか。 ○清野栄養専門官  まず離乳の完了の部分からですが、これについては基本的に調査員が面接をする形になり ますので、調査員の記入要領にわかりやすく記載したいと思います。  それから、乳幼児栄養調査の方の調査のエキス的なところということですが、母乳の実施 率の把握という観点でよろしいでしょうか。 ○児玉委員  この聞き取り、思い出し調査ではなくて、その時点でどれくらい母乳をやっているかとか、 人工乳とか。そのデータというのが日本の正確なデータがないものですから、ぜひそのよう な思い出し調査ではなくて、その時点での母乳と人工乳の割合や混合栄養にしたらどれくら いの割合でという項目を一つ付け加えていただければ、かなり良いデータが出るのではない かと思いますが。 ○清野栄養専門官  平成17年の乳幼児栄養調査での把握の方法は、母乳、人工乳、離乳食について思い出し で開始月数と完了の月数、それと現在継続中かどうかということを聞いています。従って、 今回もし同様の集計をする場合には、この月齢のところに丸が付きますが、その月齢でどう かということで解析の段階で乳幼児栄養調査と同じような集計をすることになってくると 考えています。 ○多田座長  吉池委員からは、何かご意見がありますか。 ○吉池委員  思い出しの期間をどこまで考えるかということだと思います。かなり年齢が上になってか ら随分前のことを聞かれてもという議論だと思うので、そのような意味では乳幼児栄養調査 でも短い数か月ですが、ある程度思い出し的なものは聞いているので、その対象集団の区切 りを近い形にして、解析上ほぼ同様のデータの見方をし、解釈するということだと思います。 その場合に、それプラス何か1問でも2問でも加える必要があるかということが児玉委員の ご意見だと思いますが、今、調査票が私の頭の中にないので、はっきりとしたことは言えま せんが、おおよそは同じような数値は出せると思います。 ○多田座長  項目を足すというのは伺うと大変なことだそうですので、解析である程度そのような実態 が明らかになるというものであれば、なるべくそのようにしていただく。具体的なこと、例 えば離乳なり母乳の完了の時期などのことでご意見がありましたら、このようなことを手引 書に書いて聞いてもらった方がよいということ。特に現時点で3か月の方なら3か月のとき の母乳と人工乳のときは、このような場合は母乳に入れて良い悪いということをきちんとマ ニュアルに記載していただいて、それでよければこのままでという吉池委員のご意見もあり ました。そのようなことで、いかがでしょうか。なるべく正確であった方が良いのですが、 あまり細かくし過ぎてもという気がします。  他の先生方、衞藤委員。 ○衞藤委員  病院調査の方で(14)の新生児期の発育・栄養の一番下の欄に赤い字で新しく記入されたと ころで、母乳を最初に飲ませた時間ということで、何時間何分後とありますが、この「母乳 を最初に飲ませた時間」という表現が曖昧さを含んでいるように思いまして、時間というの はタイムとデュレーションの両方の意味がありますので、いつから何時間何分後かというの も明確ではないので、「出生後母乳を最初に飲ませた時期」という表現の方がより明確では ないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○多田座長  よろしいですか。そのようなことを考慮して字句の検討をしてくださいますか。 ○児玉委員  今のことで、搾乳してやったのか直母なのかも多分記載される人は非常に迷われると思い ますので、その注意事項にどちらにするかということも書いていただく方がアンケートをや りやすいと思います。 ○清野栄養専門官  はい。 ○多田座長  どちらでもよいと一応考えて。そして例えば出生直後にふくませているだけ、「ふくませ た」というのは母乳の中に入るのか入らないのかという問題が出てくるかもしれませんが、 その辺は委員の先生方、いかがでしょうか。 ○板橋委員  この調査項目はKMC(カンガルー・マザー・ケア)を意識しているのか。その意図がよ くわからないのですが、何時間で飲ませたら母乳栄養率が高くなるという解析のためのデー タなのですか。 ○清野栄養専門官  カンガルー・マザー・ケアを意識しているわけではなくて、母乳の栄養法の支援との観点 で入れています。 ○板橋委員  もしその意図であれば、最初に与えたものは何かというのも併せて聞くべきではないかと 思います。生まれてからの時間の問題もあります。最初に糖液や蒸留水を与えたり、何も与 えないやり方もありますし。もし、最終的に母乳栄養率、母乳育児率との関連で評価するの であれば、併せてそれを聞いた方がより説得力があるのではないかと思います。 ○柳澤委員  今の問題は例えば「授乳・離乳支援ガイド」に、生まれて30分以内に母乳を飲ませまし たかと。「飲ませる」ということが記述の中にある。そのようなことを意識して、ここにそ の項目を作ったのではないかと想像されるのですが。 ○清野栄養専門官  「授乳・離乳支援ガイド」を平成19年にまとめまして、その中で母乳育児の支援を進め るポイントとして、「出産後はできるだけ早く母子が触れ合って母乳を飲めるように支援し ましょう」という言葉を入れています。 ○板橋委員  そのようなことであれば、例えば出生後1時間以内あるいは30分以内に母乳を与えるこ とができましたかという質問だけで済むのではないかと思います。 ○多田座長  時間が早くなっているか、あるいは初期授乳がかなり遅くなって従来のように最初はミル クをあげておいて母乳が出てきてからあげることとの違いという意味で時間を書いたらよ いのではないかと私は思ったのですが。板橋委員がおっしゃるように、最初に糖液をあげる かどうかという問題もあるのですが、それは0日目のところが糖液になるので、その辺で区 別するしか仕方がないかと。あまり細かくしてもという気がしましたが、各委員はいかがで しょうか。  吉池委員、お願いします。 ○吉池委員  回答者の立場と、またデータを解析することを考えると、あまり細かく数字で書けと言わ れても難しい。そうすると、先ほど話が出た30分ということがあれば、それに該当するか どうかということをきくことで目的はかなうように思います。 ○多田座長  事務局は、よろしいでしょうか。 ○清野栄養専門官  委員のご指摘のとおり修正したいと思います。 ○多田座長  文章はお考えいただきますけれども、30分以内にそれが実現できたかどうかということ に一応考えていただく。他に、何かご意見はありますか。  加藤委員、お願いいたします。 ○加藤委員  栄養法に関連して、糖液が3番として書いてあるのですが、最近はどうなのでしょうか。 糖液なのでしょうか、それとも蒸留水のようなものでしょうか。母乳、人工乳以外のものと して、糖液でよいのかどうかということを教えていただきたいのです。 ○多田座長  どのような表現か。確かに蒸留水のこともあると思いますし、あまり甘いのはという意見 もあるのかもしれませんが。  板橋委員、その辺はいかがですか。 ○板橋委員  今のところ、糖液がよい、蒸留水がよいという明確なエビデンスはないと思います。むし ろ最初は正期産に限っては与えるべきではないという方もいらっしゃいます。その辺りは明 確なものはないので、少し難しいです。 ○多田座長  この表現は糖液でよいですか。要するに、今。 ○板橋委員  「乳汁以外のもの」という表現。そうするとK2シロップはどうなるかという話になるの ですけれども。 ○多田座長  薄めたK2シロップであったら何に入るかという気もしましたけれども。 ○板橋委員  「乳汁以外のもの」という聞き方で大きな間違いはないのではないか。 ○多田座長  それをここでは糖液という表現に変えさせていただくということに。それが集計上どちら でもあまり影響がないのであれば、聞く方ではその辺も含めて糖液のところに丸を付けると いうことにしていただいてよろしいでしょうか。  加藤委員、よろしいでしょうか。 ○加藤委員  わかりました。一応、記入方法のところで説明ということに。 ○多田座長  はい。糖液の中にはただの蒸留水を含むと。 ○加藤委員  そのようなものも入ると。わかりました。 ○多田座長  他にありますか。  児玉委員。 ○児玉委員  病院調査の方ですが、新生児期の出生時から10日まで毎日体重と身長は当然測っている と思いますが、胸囲と頭囲も毎日記載するようになっていますが、このような項目が必要で しょうか。 ○多田座長  加藤委員、お願いいたします。 ○加藤委員  頭囲と胸囲はほとんど2〜6日目ぐらいまではありません。白紙で返ってきます。 ○柳澤委員  これは今、児玉委員が言われたことで。1か月健診で来た子どもについて、そこでカルテ を見て調査者が記録されているデータを入れるということですから、胸囲と頭囲もそうです し、身長と体重についても、ところどころ抜けているということはあり得るということだと 思います。 ○多田座長  それでよろしいですよね。あらかじめ病院にはどれぐらい前にこの月の調査の対象になる 子どもだと、あなたの病院のだという連絡は普通いつごろあるのですか。 ○清野栄養専門官  対象となる病院を抽出しまして、そこから都道府県等の担当者への説明は6月ごろを考え ておりますので、それ以降に。大体6月末もしくは7月ぐらいには病院に調査の実施につい ての依頼という形になります。ですから、調査実施の2か月前には病院には届いています。 ○多田座長  そうすると、これから1か月健診に来るのは。 ○清野栄養専門官  病院に調査の依頼が行った後、その後に出生した子どもです。 ○多田座長  いつ生まれたかがわかっているから、毎日はやらないかもしれませんけれども、ある程度 チェックを入れて、ずさんではないようにすることは可能なのですね。 ○児玉委員  むしろ、このアンケート調査は病院の方が見て、毎日頭囲と胸囲を測らなければいけない とすると非常にご負担になると思いますけれども。もし必要ない項目であれば削除される方 が。 ○多田座長  ただ、どこを。1回だけというのも不正確になると思いますし、もし測っておられたら、 その施設がいつ測ったのかということもわからないということが少し隘路なのかもしれま せん。 ○柳澤委員  この記入方法の、測定方法の病院調査の方の新生児期のケースに関しては、病院に入院中 に計測が行われた項目についてのみ、病院の記録から転記することになっておりますので、 このときだけ特別扱いということもなく、通常の産科入院中のカルテに書かれているものを 1か月健診に来たときに、あるいはその前にここに記入しておくということですから、それ ほど不都合ではないと思います。 ○多田座長  今、加藤委員からかなり抜けているという話が出ました。その辺を実行している病院が多 くて、あまり杓子定規にはやっていないのかもしれないと思いますが。 ○吉池委員  頭囲と胸囲の話が出て、とても細かい話で恐縮ですが、前回調査の参考資料2の47ペー ジをご覧ください。「測定器具及び測定方法」の記載があります。「巻き尺」のところで「布 製の新しい巻き尺を準備する」ということですが、近ごろはどうなのでしょうか。現場では 布製を使っているのか、それとも合成樹脂なのか。清潔さを考えると、合成樹脂のもので、 酒精綿で拭いてという方が多いと思いますし、また精度を考えるとグラスファイバーが入っ た合成樹脂のものが国民健康・栄養調査でも推奨されていると思いますので、その辺もご検 討いただけたらと思います。 ○清野栄養専門官  その辺は最新のものに修正したいと思います。 ○多田座長  他にありますか。  加藤委員。 ○加藤委員  病院調査の(6)の娩出方法ですが、研究班での議論で結論が出なかったのですが、正常、 骨盤位、帝王切開、吸引、鉗子とありますが、「正常」という選択肢が曖昧であるという議 論がされました。骨盤位や帝王切開、吸引、鉗子、その他以外であれば「正常」に丸を付け ればよいのか。何か正常という境目がとらえにくい、書きにくいかと。何か少しそのような 感じがしました。 ○多田座長  このごろは正常というのがなかなか難しい時代になったので、そのようなご意見です。  住友委員。 ○住友委員  私も非常にここに矛盾を感じていたのですが、娩出方法であれば、経膣分娩、帝王切開と なるのかと思いますし、そこの吸引、鉗子があるのが変ですし、骨盤位ですと他を聞くので あれば頭位や顔位などの体位を聞かなければいけないですし、ここはいろいろなものがごち ゃ混ぜになって入ってしまって整理されていなくて、答える方が一つだけでなく二つ、三つ 丸を付けるということになるかと思いますが、どのような整理のされ方をしているのでしょ うか。 ○多田座長  従来のやり方は、集計もあると思いますが、いかがでしょうか。 ○清野栄養専門官  従来から同様の方法で聞いておりまして、複数回答で複数の選択肢に丸が付いている場合 もあります。 ○多田座長  そうすると、今おっしゃったように、いろいろな方法があると思いますが、正常というこ との定義になります。除外して、このようなものがあるのは正常でないかというと、また問 題が少しあるかもしれませんが。他に、そのところではどのような表現の記載方法がありま すか。正常あるいはその辺でないとして、経膣といっても骨盤位もありますし、吸引もあり ますし、みんな入ってしまいますよね。ですから、複数が来るということを前提に経膣を入 れておくということになるでしょうか。どなたか、ご意見はありますか。 ○板橋委員  新生児をやっている人間にとっては、あまり違和感はないのです。確かに正常とは何かと いう定義をせよと言われると逆に難しいのですが、我々の施設での娩出方法も割とこのよう な表現に近いのです。難しく考えると気になるのですが、パッと見ると、パッと付けられて しまうという感じだと思います。ですから、やはり解説のところに正常は「異常分娩以外の ものを正常という」というようなニュアンスのことを書いておけば、それほど混乱はないの ではないかと思います。 ○多田座長  よろしいでしょうか。月本委員は何かご意見は。 ○月本委員  今のこの件に関してですが、実はこの帝王切開は恐らくこの10年間で増えているのでは ないかと思います。私も新しい病院に行ってびっくりしました。大体30〜40%は帝王切開 をしてしまう。このようなばかな話があってよいのだろうかと思ったりするのですが、帝王 切開になぜなったかという具体的な理由がもしわかれば、この次の10年間で役に立つので はないかと思います。なぜ帝王切開をされたかということ。かなり多いです。 ○多田座長  これは今、月本委員がおっしゃるように、大変大きな問題だと思いますけれども、この全 国調査でそこまで従来どおりやるかどうかという問題は別として、他にも何かあると思いま すし、母子保健課の方でぜひご検討いただきたい項目ということにして、ここには正常と帝 王切開という形でどれぐらい増えているかという月本委員のおっしゃるような実態を明ら かにするということでご検討いただければと思います。月本委員はそれでよろしいでしょう か。 ○月本委員  結構です。 ○多田座長  他にありますか。  吉池委員、お願いいたします。 ○吉池委員  喫煙のところで、私は少し誤解しておりました。父親および同居者については調査マニュ アルですか、参考資料の3ページの(13)のところで、「父親および同居者の喫煙については 同室における合計喫煙本数を記入します」とマニュアル上はなっていて、それと調査票の標 記がイメージしにくいので、今回仮に(13)を本人の喫煙歴で、妊娠前・妊娠中にして、(14) として「父親および同居者の同室での喫煙」ということで、妊娠前・妊娠中と聞けば、すっ きりとするのではないか。少なくとも同室での喫煙という行動と「喫煙歴」というのは内容 が異なると思いますので、スペースが許す限り、そのように実際に聞いていることがわかる ような調査票にしていただけるとよいのではないかと思います。 ○多田座長  よろしいでしょうか。その辺はご検討いただければと思います。行数としては変わらない わけですよね。少し組み替えをしていただくことになるかもしれません。他にありますか。 ○清野栄養専門官  すみません。先ほど児玉委員からご質問のあった妊娠高血圧症候群の把握の件ですが、母 子健康手帳に「妊娠中の経過」というところで、血圧と尿蛋白の把握がありますので、そち らから判断するという形になっております。 ○児玉委員  ありがとうございました。 ○多田座長  定義に従って、それで判断していただくということでよろしいわけですね。他にあります か。  板橋委員。 ○板橋委員  母子保健の主なる調査のデータを見ますと、正期産SGAで生まれているケースが絶対数 として増えてきていると思います。それが恐らくメインで日本の子どもたちの平均出生体重 が下がってきているのではないかと推測されるのですが、この調査のときに、細かいことに なりますけれども、これは解析のときに考えればよいのかもしれませんが、出生時に何SD で生まれた、何パーセンタイルで生まれたというのは、実際にはこの曲線作成するに当たっ て、過去の調査では考慮はされているのでしょうか。 ○多田座長  いかがでしょうか、加藤委員。 ○加藤委員  基本的に言うと、妊娠週数に比べて小さくなりつつあるわけで、それがそのまま調査結果 に反映されている形で集計されています。特に週数別やSGAであるかどうかについて別に 区別していません。 ○板橋委員  ありがとうございます。 ○多田座長  他にありますか。大体の項目としては今、各委員にいろいろと議論していただきましたが、 他に何か全体のことでありますか。項目としては前回の経過もありますし、なかなか難しい と思いますが。またこの書き方もまたあまり変わってもいけないのですが、ある程度正確に 聞いていただくことが必要になりますが、先ほどの記入方法および測定方法などにつきまし ては、ここで議論しても長くなりますので、各委員にお目通しいただいて、このようなこと を追加した方がよい、本日の議論にあったようなことについてもこのように書いていただい たらどうかということがありましたら、事務局にご提出いただければと思います。他に何か ありますか。 ○月本委員  全体を通じてでよろしいでしょうか。最初の調査対象が、特に病院調査ですけれども、大 体4,000例ぐらいだと書いてありますが、ここの最初の表では、9月1日から30日までの 期間中に1か月健診と書いてありますから、対象は1日と書いてあるのですが、1日でやる のですか。150病院でたった1日で1か月健診の子どもが4,000例集まるでしょうか。 ○清野栄養専門官  30日の間に健診自体は1日ではなくて、その子どもにとって1日ということです。 ○月本委員  その一人一人の子どもが1日だけだと。1か月間で来た子ども全員ということですね。そ れで4,000例になると。 ○清野栄養専門官  はい。 ○月本委員  それでわかりました。 ○多田座長  他にありますか。児玉委員、お願いいたします。 ○児玉委員  一般調査で家庭環境のところですけれども、母親が働いているかどうかという調査をされ ているのですが、保育園に行っているかどうかぐらいが一番子どもの側の環境を理解する役 に立つのではないかと思いますけれども、子ども自身が保育園に行っているか、それとも自 宅で母親がケアしているかという程度のアンケートの追加はいかがでしょうか。母親のこれ を聞いても、あまり子どもの健康状態には関係がないような気もするのですが。 ○多田座長  いかがでしょうか。その時点だと現時点になりますか。そうすると保育園とは限らないで 幼稚園などいろいろなものが入ってきてしまうという問題が一つあるのかもしれません。そ の辺は、他の調査でそのようなものに代わる調査はあるのでしょうか。 ○森岡課長補佐  今年、幼児健康度調査を厚生労働科学研究により日本小児保健協会の方で実施することに なっています。先日、その案について日本小児保健協会の方からいただいたのですが、その 中には子どもをどこに預けていますか、または家族以外の人に面倒を見てもらっていますか という質問などがありますので、そちらの方で状況の把握は可能かと思います。 ○多田座長  よろしいでしょうか。確かにそれも知りたい事実ですけれども、曲線にどれぐらい影響す るかということにあまり大きな影響がなければ細かいことはそちらの方にお任せして、ここ は大雑把になるかもしれませんけれども、きちんとした曲線をつくっていただければと思い ます。他にありますか。  この個別の調査票だけではなくて結構ですので、何かあれば各委員からご意見をいただけ ればと思います。横山委員、解析もいろいろとこれから出てきますが、何かご意見があれば。 このままで大丈夫なのか、いろいろな問題があるのか。 ○横山委員  基本的にはこの調査の方法はよいと思いますけれども、最初のころは議論に出ましたけれ ども、協力率がいろいろな調査で下がっていっている現状があるわけですが、これに対して は放っておくと下がりっぱなしになると思いますけれども、何か対策といいますか、他の調 査でも実際に難しいことですけれども、考えていらっしゃるのでしょうか。 ○多田座長  お答えいただけますか。 ○清野栄養専門官  調査を実施する自治体の方々にご協力いただいて、各調査の対象になる所に早めにお願い に行っていただきご協力いただくという形になると思います。全国の説明会なども以前より もなるべく早めに国で開催したいと思っております。そういったところで、まずは第一段階 ということで協力率を上げる手段と考えております。 ○多田座長  よろしくお願いいたします。他にありますか。 ○月本委員  実は、私は病院協会の代表で来たのですが、病院への協力依頼の説明は今までどのような ご説明が今まであったのでしょうか。 ○多田座長  具体的に説明ということですか。 ○清野栄養専門官  都道府県から各病院に依頼して記録していただく形になっています。 ○月本委員  ここに書いた順番で選ばれてくるということですね。わかりました。  それで協力を得られない所は当然、次のときには削ってあるわけですよね。それはわから なければよいと思いますけれども。 ○多田座長  多分、ご協力をいただくのだと思いますけれども。柳澤委員。 ○柳澤委員  今、森岡母子保健課長補佐から幼児健康度調査という話が出たので、そのことをここで話 してよいのかわかりませんけれども、10年ごとに幼児の生活状況などについての調査が行 われています。そちらは厚生労働科学研究費で行われる。その調査とこの乳児身体発育調査 のデータを突き合わせて解析をするということはできるような仕組みになっているのでし ょうか。 ○森岡母子保健課長補佐  そちらの方は日本小児保健協会の方から調査票を突き合わせるようにしてほしいという 要望はいただいておりまして、それぞれ調査した票に地区番号や世帯番号、乳幼児番号を付 けますけれども、その番号を2つの調査票で一致させるような形を検討しています。一致さ せておけば、またそれぞれの調査の調査票を日本小児保健協会からこの乳幼児身体発育調査 の調査票について閲覧したいと申請していただければ、調査票の番号がそれぞれ一致してい れば突き合わせることは可能だと思いますので、そのように、進めているところです。 ○多田座長  よろしいでしょうか。他にありますか。最初にありましたようにプライバシーは十分に考 慮しながらも、せっかくの調査ですので有効に生かしていただければと思います。  板橋委員。 ○板橋委員  根本的なところの確認ですが、この曲線といいますか、チャートは基準値なのか、標準値 なのか。つまり標準値であれば望ましい成長を表すという意味になりますし、基準値という ことであれば今の我が国の状態はこうですということを単に表しているわけです。従来どお りのやり方でいけば恐らく基準値でということだろうと思いますが、その辺りはむしろ事務 局ではどのようなスタンスでいくのかということを教えていただきたいのですが。 ○多田座長  お願いいたします。 ○清野栄養専門官  基本的に前回と同様に基準値という形で考えております。 ○板橋委員  基準値ということであれば、それに沿って育つことを勧めているわけではないというニュ アンスでよろしいですね。 ○多田座長  加藤委員、その辺は何か追加することはありますか。 ○加藤委員  事務局と同じです。標準値は今のところ考えには入れにくい状況だと思います。つまり基 準値、すなわち実態値。実態調査の結果が出るというところだと思います。 ○多田座長  他にありますか。もしよろしければ今のようなご意見が他に全体になければ、一応これで 説明していただいた項目の議事については終わりたいと思いますけれども、その他に何かあ りますか。後はご意見がありましたら、実際に測定方法に目を通していただいて、また細か いことがあるかもしれません。しかし、その場合も従来の10年前に則ってやっております ので、あまり変えてしまうのは問題があると思いますが、ご意見はぜひいただいて、そして 事務局でご検討いただければと思います。その他に関しても何かご意見があれば、いただけ ればと思います。  そのようなことで一応ここでの議題ということでは終わらせていただきたいと思います けれども、事務局から、その他について何かありますか。 ○宮嵜母子保健課長  本日は本当にいろいろとご意見をいただきましてありがとうございます。調査票につきま しては、いただいたご意見を踏まえまして修正するところは修正して、また委員方に見てい ただくような形にさせていただければと思います。また、資料3の3枚目からの記入方法お よび測定方法のところにいただいたご意見をきちんと反映できるように整理させていただ ければと思っております。  先のことも話させていただきます。委員方には次回ということで5月7日の日程を取って いただいていると思いますけれども、またお集まりいただいて議論するほどでもないかと事 務局の方では思っておりまして、委員方もお忙しいでしょうから、今、申し上げましたよう に調査票は修正するところはして委員方に聞いて、また記入方法のところもいただいたご意 見を反映させていただいて、委員方にチェックいただくという形で進められたらと思ってお ります。もし、それでご了解いただけましたら、その形で実際にその先の調査の段取りを進 めさせていただきまして、参考資料1にありますが、これから先はこのような調査をしてよ いかという協議を総務省とした後に、実際に説明会を開催させていただいて、9月に調査さ せていただくという段取りになりますので、その後で調査を集めてある程度集計して解析と いうことになりますから、もしご了解いただければ、このような全体の会合というのは調査 票が集まって集計をしてからということですので、今年度末から来年度の初めぐらいという ことになると思います。以上です。 ○多田座長  ありがとうございました。今、宮嵜母子保健課長からご説明がありました。今ところ、非 常に大きく次回に検討しなければいけないこともはっきりとしておりませんが、またお目通 しいただきまして、事務局にご意見をいただき、またさらに検討する必要があれば、事務局 と私あるいは柳澤委員ともご相談して決めさせていただきますし、そのようなことがなけれ ば事務局にお任せして先に進めさせていただきたいと思いますが、そのようなことでご了承 いただけますか。もしよろしければ、ぜひともそのようにお願いしたいと思います。  それでは、本日の検討は終わりたいと思いますので、事務局にお戻しいたします。 ○宮嵜母子保健課長  多田座長、どうもありがとうございました。今、多田座長にお運びいただいたようなこと で進めさせていただければと思います。これをもちまして、第1回「乳幼児身体発育調査企 画・評価研究会」を閉会させていただければと思います。本日はお忙しいところをどうもあ りがとうございました。 照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局     母子保健課     03−5253−1111(代)     (内線:7934)