10/03/31 平成21年度第1回化学物質のリスク評価検討会議事録 第1回化学物質のリスク評価検討会 (有害性評価小検討会、ばく露評価小検討会合同開催)          日時 平成22年3月31日(水)          14:00〜          場所 経済産業省別館1012号会議室 (担当)厚生労働省労働基準局安全衛生部    化学物質対策課化学物質評価室 井上    〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2    TEL 03-5253-1111(内線5518)    FAX 03-3502-1598 ○井上労働衛生専門官 それでは、定刻となりましたので、第1回化学物質のリスク評価検討会を開催 いたします。本日は、大変お忙しい中、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。  本日は、合同検討会の初回ですので、出席者をご紹介させていただきたいと思います。お手元に配 付してある資料1、開催要項の別紙1に参集者名簿を付けています。こちらも参考にしていただきなが ら、ご紹介させていただきたいと思います。  ご出席者をご紹介させていただく前に、出欠状況をご紹介したいと思います。本日は、所用により、 内山委員と西川委員については、欠席となっています。  それではご参集の委員を紹介させていただきます。  まず、横浜薬科大学臨床薬学科教授、池田委員です。 ○池田委員 池田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院産業中毒センター長、圓藤委 員です。 ○圓藤委員 圓藤です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループ主任研究員、 小嶋委員です。 ○小嶋委員 小嶋です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長、清水委員です。 ○清水委員 清水です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 聖マリアンナ医科大学医学部予防医学教室准教授、高田委員です。 ○高田委員 高田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 早稲田大学理工学術院教授、名古屋委員です。 ○名古屋委員 名古屋です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 慶応義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室教授、大前委員です。 ○大前委員 大前です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 独立行政法人産業技術総合研究所客員研究員、花井委員です。 ○花井委員 花井です。あと、日化協のほうで非常勤の嘱託で仕事をしています。よろしくお願いし ます。 ○井上労働衛生専門官 帝京平成大学地域医療学部教授、原委員です。 ○原委員 原です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 独立行政法人労働安全衛生総合研究所健康障害予防研究グループ上席研究員、 宮川委員です。 ○宮川委員 宮川です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 続きまして、有識者の紹介です。化学物質のリスク評価企画検討会座長、櫻 井委員です。 ○櫻井委員 櫻井です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 中央労働災害防止協会、棗田氏です。 ○棗田氏(中災防) 棗田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 次に、事務局側の紹介をします。化学物質対策課長、半田です。 ○半田化学物質対策課長 半田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 化学物質評価室長、島田です。 ○島田化学物質評価室長 島田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 化学物質対策課調査官、奥村です。 ○奥村化学物質対策課調査官 奥村です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 環境改善室副主任中央労働衛生専門官、徳田です。 ○徳田環境改善室副主任中央労働衛生専門官 徳田です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 化学物質評価室長補佐、長山です。 ○長山化学物質評価室長補佐 長山です。よろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 最後に、私、中央労働衛生専門官、井上です。よろしくお願いいたします。  次に、座長の選出を行いたいと思います。有害性評価小検討会の座長は、大前委員に、ばく露評価 小検討会の座長は、名古屋委員にそれぞれお願いしておりますが、合同検討会の座長として、事務局 としては名古屋先生にお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。                  (異議なし) ○井上労働衛生専門官 それでは、名古屋先生に座長をお願いすることとします。 ○名古屋座長 ただいま、ご指名いただきました、ばく露小検討委員会の座長をしております、名古 屋です。みなさんの協力により、合同の検討会の中でいい結果を導ければいいと思いますので、皆様 の協力をよろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 ありがとうございます。それでは、以下の議事進行については、座長にお願 いいたします。よろしくお願いします。 ○名古屋座長 それでは、議事進行に入りたいと思います。まず、最初に資料の確認を事務局よりお 願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料の確認です。お手元に配付している資料に沿い、確認をいたします。 資料1「化学物質のリスク評価検討会開催要綱及び参集者名簿」、資料2「平成21年度リスク評価の進 捗状況」、資料3「初期リスク評価書(案)」、アクリル酸エチル、アセトアルデヒド、インジウム及 びその化合物の3物質分です。資料4「今後の予定」、参考資料1「労働者の有害物によるばく露評価 ガイドライン」、参考資料2「リスク評価の手法(改訂版)」、参考資料3、これは机上のみ配付とさ せていただきますが、「平成21年度ばく露実態調査の結果」、非公開の扱いとさせていただきます。 資料については以上です。落丁等ございましたら、事務局に申出いただければと思います。 ○名古屋座長 よろしいですか。それでは、議事に入ります。議事に入る前に、検討会の開催要綱と リスク評価の進捗状況について、事務局より説明をお願いします。 ○井上労働衛生専門官 まず、資料1「化学物質のリスク評価検討会開催要綱」について説明します。  1 趣旨、目的。職場における化学物質の取り扱いによる健康障害の防止を図るためには、事業者が 自らの責務として、個々の事業場でのばく露状況等を把握してリスクを評価し、その結果に基づいて ばく露防止対策を講ずる等の自律的な化学物質管理を適切に実施することが基本です。しかしながら、 中小企業等においては、自律的な化学物質管理が必ずしも十分ではないことから、平成18年度から、 国は重篤な健康障害のおそれのある有害化学物質について、労働者のばく露状況等の関係情報に基づ き、リスク評価を行い、健康障害発生のリスクが高い作業等については、リスクの程度に応じて特別 規則による規制を行う等のリスク管理を講じてきているところです。このリスク評価を適切に行うた め、学識経験者からなる検討会を開催し、有害性が認められる化学物質について、有害性の評価及び 有害物ばく露作業報告等を活用した労働者のばく露レベルの評価から、労働者の健康障害防止に係る リスクの評価を行うこととする。  2 検討事項。(1)リスク評価対象物質の有害性の評価について、(2)リスク評価対象物質のばく露の 評価について、(3)リスク評価対象物質のリスクの判定について、(4)その他、です。  3 構成等、について。(1)本検討会は、別紙1の参集者により構成するものとする。また、別紙2の 参集者により構成する「有害性評価に係る小検討会」及び別紙3の参集者により構成する「ばく露評価 に係る小検討会」を開催することとする。(2)本検討会及び小検討会には座長を置き、座長は検討会又 は小検討会の議事を整理する。(3)本検討会及び小検討会では、必要に応じ別紙参集者以外の有識者の 参集を以頼できるものとする。(4)本検討会及び小検討会は、必要に応じ関係者からヒアリングを行う ことができるとするものとする。  4 その他。(1)本検討会及び小検討会は、原則として公開するものとする。ただし、個別企業等に係 る事案を取り扱うときは、非公開とする。(2)本検討会及び小検討会の事務は、厚生労働省労働基準局 安全衛生部化学物質対策課、化学物質評価室において行う。(3)本検討会は、平成21年度の検討事項に 関する報告書を取りまとめた時点で終了するものとする。  2頁以降については、別紙1〜別紙3までに掲げる参集者の名簿です。  資料2、「平成21年度リスク評価の進捗状況」です。机上配付分のみカラーで用意してあります。 傍聴の方におかれましては、白黒で配付させていただいておりますので、その点をご承知おきいただ きたいと思います。まず、平成20年度までの対応についてですが、平成21年1月〜3月に有害物ばく 露作業報告の対象とした物質の届け出が20物質あり、このうち報告があったものが18物質、報告がな かったものが2物質です。報告があった18物質については、平成21年度の欄の中で、初期リスク評価 に着手したものが(1)〜(9)までのうち7物質、下線については、二次評価値超えが見られたものです。残 りの11物質については、有害性評価のみ実施します。(3)のアンチモン及びその化合物から(20)のヘキサ クロロエタンまでが有害性評価の対象です。これらについては、初期リスク評価を行った7物質につい ては、次年度の対応としては詳細リスク評価に移行するもの、または終了するものに分かれます。真 ん中の有害性評価のみ実施した11物質については、来年度以降ばく露調査を予定していて、初期リス ク評価に移行する予定です。報告がなかった2物質については、有害性情報の収集を平成21年度に行 うという整理にしています。この2物質と有害性評価のみ実施したもののうち、(20)のヘキサクロロエタ ンの合計3物質については、平成22年有害物ばく露作業報告の対象とする整理にしています。  次に裏の、(その2)。こちらは、平成20年1月〜3月までに報告を受けた対象物質44物質です。 この中で、20年度の間に報告があったもの24物質のうち20の物質について、初期リスク評価を実施 しました。残り4の物質については、有害性評価までを実施したものです。また、報告がなかったもの が20物質あったところです。この初期リスク評価、平成20年度に実施いたしました20物質につきま しては、今年度この中で高いばく露が確認されたものについて、7物質が詳細リスク評価に移行したと ころです。その詳細リスク評価移行物質の追加調査状況については、右側の四角の中に整理している ところです。有害性評価を平成20年度までに実施している4物質については、初期リスク評価に着手 という予定で、そのうち(3)の1,2ジブロモエタンについては、調査終了。その他については、未了とな っていて、引き続き初期リスク評価に向けた対応を取るところです。報告がなかった20物質について は、有害性ばく露情報の収集を平成21年度に行ってまいりました。このうち、緑色で示したもの、具 体的には(15)ヘキサクロロベンゼンと(19)のリン化インジウムの2物質を除く物質については、先ほどあり ました平成22年の有害物ばく露作業報告の対象物質に移行させるということです。詳細リスク評価に 移行した物質については、次年度以降の詳細評価に持っていくものも出てまいりますが、今年度中の 詳細リスク評価結果を踏まえて対応するということ、また有害性評価を実施した4物質については、来 年度は終了するもの、もしくは高いばく露があったものについては、詳細リスク評価に移行するとい うこと、有害性ばく露情報を有する20物質については、終了するものと又来年度以降初期リスク評価 に移行するものに分かれるところです。以上でございます。 ○名古屋座長 ありがとうございました。ただいまの説明、資料1、資料2、現状報告と進捗状況につ いて、ご意見、ご質問等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に入りま す。平成21年度リスク評価対象物質のリスク評価ということで、これも事務局のほうでよろしくお願 いします。 ○井上労働衛生専門官 本日は、資料3にあるとおり、アクリル酸エチル、アセトアルデヒド、インジ ウム及びその化合物の3物質についてご検討いただきます。物質ごとに区切って説明させていただき、 それぞれご議論、ご検討いただければと存じます。  まず、アクリル酸エチルについて、ご説明します。資料3、初期リスク評価書(案)の中の1物質目 です。初期リスク評価書(案)で、ナンバーリングについては空欄としていますが、これはこれまで のリスク評価書が年度ごとの振り方ではなくて、通しで番号1から振ってきていますので、その整理を 含めてある時点でまとめた形で番号を振り出し、お示ししたいと考えています。今日の時点では、空 欄ということです。  まず、アクリル酸エチルの初期リスク評価書の構成です。本文と別添1から4となっています。構成 を確認しますが、本文1頁で、1番目が物理的性状等、2番目が有害性評価、3番目がばく露実態評価、 4番目、リスクの判定及び今後の対応を整理しています。5頁、個人ばく露測定、作業環境測定を行っ たうち、A測定の結果についてグラフに示したもの、また、測定を行ったものを6頁には用途別に多い ものから並び換えたものをそれぞれ用意しています。別添1は、有害生総合評価表、別添2、有害性評 価書、こちらについては、有害性評価小検討会でご議論いただいた内容を取りまとめたものです。別 添3、ばく露作業報告集計表で、作業の順番に事業場数、作業数とか労働者数、取扱い量とか作業時間、 換気設備の設置状況、保護具の使用状況などを整理したものになっています。別添4、標準測定分析法 となっています。  初期リスク評価書の構成については、以上です。この説明については、今回机上配付のみで、非公 開資料とする予定の参考資料3と併せて説明していきます。  初期リスク評価書の本文1頁目から説明しますが、1番目と2番目については、有害性評価小検討会 でご議論いただいた内容を集約したものです。こちらについては、長山からこれまでの検討の手続き を含めて説明したいと思います。 ○長山室長補佐 それでは1頁目、アクリル酸エチルの初期リスク評価、物理的性状等と書いています。 基本的に構成としては、この部分で物の化学式や物理的化学性状、液体であるとか気体であるとか、 どういった形でばく露し易いのか、生産・輸入料、使用料、用途を書いています。アクリル酸エチル については、名称としてはアクリル酸エチル、別名2-プロペン酸エチルという形で、このような化学 式分子量を持ったものです。2番目の、化学的物理的性状として、主な点で言うと、外観としては刺激 臭のある、無色の液体で、沸点が99度、融点が-71度で、通常使われるばく露の想定される形体とし ては液体の状態での取り扱いが考えられるというものになります。3番目の生産・輸入、使用、用途で すが、生産量も4000トン、輸入量も約20000トンで、かなり多くの使用量が見込まれる物質となって います。また、用途も各種粘・接着剤の原料、塗料の原料等、各種原料に使われるという用途となっ ています。  2番目、有害性評価ですが、こちらについては有害性の小検討会においてそれぞれの物質について文 献情報等を基に、いろいろ取りまとめたものです。詳細を別添1及び別添2に添付がありまして、詳し くは本日説明しませんけれども、別添1として、有害性の総合評価表があり、GHS区分の急性毒性とか 各種毒性においてどういった有害性の評価がなされているかが表に取りまとめてあります。その中で、 ACGIHとか産衛学会とか、そういった許容濃度など、そういったものが設定されているものについても、 この表の中で各種記載しています。別添2として、11頁から有害性評価書があります。こちらについ ては、先ほど申したような物理的化学的性状等と、総合評価表の基となるような各種情報なども盛り 込んでいるものとなっています。別添1、別添2の中の特にエッセンスの部分を本文に盛り込んでいる という作りになっています。  それでは、1頁に戻って、アクリル酸エチルについて説明します。こちらについて、主に平成18年 から平成21年までのばく露リスク評価対象物質については、特にIARCで発がん性が認められたものを 中心に選んできていることもありますので、主に有害性の中でも(1)発がん性、(2)発がん性以外の有 害性という形で整理して記載しています。  まず、毒性からですが、発がん性としては、発がん性ありということで、こちらの物質はIARCにお いても2Bで、産衛でも第2群に入っていることから、発がん性ありという整理としています。次に、 閾値の有無の判断とありますが、こちらについては各種変異原性の試験等を行ったところ、陰性の報 告がある一方で陽性との報告もあるということで、こちらについては判断として不明となされていま す。(2)、発がん性以外の有害性としては、その他として急性毒性とか皮膚腐食性/刺激性、目に対す る重篤な損傷性/刺激性とか、皮膚感作性、生殖毒性、全身毒性として、単回ばく露、反復ばく露に対 しても有害性を有する物質となっています。また、(3)許容濃度等ですが、ACGIHでTWAで5ppmとSTAL で15ppmのほうが設定されているものとなっています。(4)に評価値とあり、一次評価値と二次評価値 があります。こちらについては、後で3番、4番について説明していくリスクの判定に使うときにまた 説明しますけれども、ばく露のガイドラインに従ってこういった評価値に照らし合わせて超えるもの かどうかというところを、それを基に判定していく指標となるようなものです。こちらについて記載 していますけれども、評価値の設定の仕方については、お手元の資料参考2に「リスク評価の手法(改 訂版)」があります。こちらについて、有害性の小検討会において議論いただいて、特にどういった 有害性を評価していくか、また一次評価値、二次評価値の判定に当たっての指標をどのように定めて いくかの定め方の手順を示したものとなっています。このリスク評価の手法で、1頁からいろいろあり ますが、1頁目は、どういった有害性の種類、程度の把握はどうするかが記載されているし、2頁目か らはそれぞれの毒性、臓器毒性や全身毒性など、それぞれの毒性において、どの辺を把握すべきかに ついて記載されています。  4頁、13行目の(4)リスクの判定方法等とあり、こちらから先ほど申した一次評価値、二次評価値をど ういった手純で定めていくかを書いています。一次評価値について考えるに当たり、今回、これから の物質、発がん性で特に着目して考えていますので、そのようなときに発がん性のある物質の一次評 価値を考えるにあたり、閾値のない物質と閾値のある物質、閾値の有無が判断できない、不明な場合 と3パターンありますが、それぞれについてどのような形で一次評価値を考えていくかについての手順 を示しています。  アの一次評価値、aで発がん性の閾値がないと見なされる場合については、ユニットリスクを用いて、 がんの過剰発生率を考えて、一次評価値を作っていくパターン。b、閾値があると見なされる場合は、 無毒性量に不確実性係数を考慮して、そういった評価レベルを一次評価値とする。c、閾値の有無が不 明な場合については、一次評価値は設定せず、次の二次評価に移行するという手順で考えています。 アクリル酸エチルの場合ですが、今回の場合、閾値の有無としては判断不明となりますので、cの不明 な場合という形になります。一次評価は評価値は設定なしに該当することになります。  イの(ア)二次評価値の決定ですが、この設定の仕方としては許容濃度又はTLVが設定されている場 合であれば、いずれかの濃度を設定すること、また、両者の値が一致している場合はその値を取り、 両者の値が異なっている場合は最新の知験を考慮して、いずれかの値を取っていく手順で考えていま す。基本的に産衛学会の許容濃度、または、ACGIHアメリカの産業衛生専門家会議の提言しているばく 露限界値TLVのどちらかの値を選んでいく。その手順としては、そのようなものがない場合、海外の値 を使っていく。また、ほかの一般環境に関する濃度基準を使うなど、類似物質を推定して設定してい くなど、二次評価値の設定の仕方が記載されています。今回、アクリル酸エチルについては、ACGIHの TWAが5ppmが設定されている物質でしたので、有害性の小検討会においても二次評価値としては5ppm を採用してはと結論付けられております。よって、評価値としては、一次評価値は評価値なし、二次 評価値はACGIHの5ppmを判断の材料に使っていくということで、本文にそちらのエッセンスを記載し ています。  では、次のばく露実態評価の説明にまいります。 ○井上労働衛生専門官 本文の3番目のばく露実態評価ですが、このばく露実態評価に入る前に、ばく ろ評価の考え方になるものとしまして、本日参考の1として配りました「労働者の有害物によるばく露 評価ガイドライン」があります。この中のポイントになる点だけを掻い摘んで説明させていただきた いと思います。参考1のガイドラインの1頁目です。このガイドラインは昨年12月に策定したもので す。ガイドラインの位置付けにつきましては、1頁目の冒頭に触れてありますが、有害物による労働者 の健康障害を防止するために国が実施するリスク評価のうち、ばく露調査、及びこれを踏まえたばく 露評価の手順を明確化する目的で定めたものです。この国によるリスク評価と申しますのは、対象化 学物質の現状でのリスクの有無を判定する初期リスク評価、及び当該評価において問題となるリスク が確認された場合に行う詳細リスク評価と、この2つから構成されるわけですが、本ガイドラインは、 その両者に係るばく露評価の手順を明確化するものです。今日お出しした3物質につきましては、図の 1の2段階評価のスキームのうち、左側にある初期リスク評価に位置付けられるものです。この初期リ スク評価につきましては、有害物ばく露作業報告を踏まえてばく露調査を行うもの、有害性情報を収 集して有害性評価書を作成するものがあります。このばく露調査の中には、二次調査で今回お出しす るばく露実態調査の結果が示されているわけでして、この有害性調査、ばく露調査の2つからリスクを 判定するわけです。このリスクの判定と申しますのは、ばく露濃度とばく露限界値との比較でして、 一次評価値以下のばく露濃度につきましては、リスクは低い、自主的対策の維持と位置付けられるも の、二次評価値を超えるばく露濃度があるものについては、問題となるリスクを確認して、詳細なリ スク評価へ移行するという手順になるわけです。現時点で一次評価値と二次評価値の間にあるもの、 ここでは一次を超え二次評価値以下のばく露濃度につきましては、現時点でリスクは高くないという ことで、引き続き適切に管理していこうというふうに3つに大きく分類するというわけです。今回3物 質をお出ししていますが、資料2のほうにも進捗状況という形で書いてありますが、初期リスク評価に 着手した物質のうち、二次評価値を超えるものについては、資料2の中で下線を引いています。今回お 出しするアクリル酸エチル、アセトアルデヒドについては、二次評価値を超えていないというもの。2、 3段目に紹介するインジウム及びその化合物につきましては、二次評価値を超えているというものです。 このガイドライン1頁目の図の1の「リスク評価のスキームの初期リスク評価の中の二次評価値を超え た場合の問題となるリスクを確認、詳細リスク評価へ移行」という所がありますが、こちらにつきま しては、要因解析という解析をここで用いるわけです。要因解析につきましては、ガイドラインの28 頁目に触れています。この28頁に至るまでには、やはり必要なデータ数、また、測定する際の要件な どが詳細にガイドラインとして示しているところでして、この28頁のウの要因解析の所で、「二次評 価において、二次評価値を超える高い個人ばく露濃度を示した要因を評価し、事業場に個有のものか、 作業工程に共通した問題かを分析する」こととされています。この分析は、高い個人ばく露を示した 作業者について、事前調査の聞取り、作業環境測定、スポット測定の結果を基に、個々に解析を行い、 この結果を踏まえて詳細リスク評価の実施の必要性、リスク低減措置の必要性を考慮するというもの です。この詳細リスク評価が必要と判断された場合には、追加調査が必要な事業場、対象作業、調査 手法に係る方針、すなわち詳細リスク評価方針を作成するということで、29頁の表の16がその整理し たイメージです。今回この要因解析の整理表というものを示しているわけではないですが、3番目に紹 介するインジウム及びその化合物につきましては、二次評価値を超える高いばく露が確認されていま すので、この整理表の基になる考え方もリスク評価書の本文(案)に入れているところです。非常に簡 単ですが、ガイドラインにおける初期リスク評価の位置付けと、要因解析のあり方について説明させ ていただきました。  これを踏まえまして、初期リスク評価書(案)の本文3の2頁に戻っていただきたいと思います。2頁 の32行目からです。3番目のばく露実態評価の(1)有害物ばく露作業報告の提出状況です。詳細は別添 3、参考3としてありますが、別添3の誤りですので、事務局にて修正させていただきたいと思います。 平成21年におけるアクリル酸エチルの有害物ばく露作業報告は、合計87事業場から174作業について なされ、作業従事労働者数の合計は、延べ1,899人、対象物質の取扱い量の合計は延べ約6万トンでし た。主な用途としましては、別添の3を見ていただくと早いのですけれども、他の製剤等の製造を目的 とした原料としての使用であり、主な作業は、アクリル酸エチルを原料としてポリマーを合成する作 業でした。174ある作業のうち、これも別添の3に出てくるわけですが、作業時間が20時間/月以下の 作業が68%、局所排気装置の設置がなされている作業が56%、防毒マスクの着用がなされている作業 が22%でした。  3頁の4行目です。(2)のばく露実態調査の結果です。対象事業場については、報告のあったアクリ ル酸エチルを製造し、または取り扱っている事業場のうち、ガイドラインに基づきまして、ばく露予 測モデルであるコントロールバンディングを用いてばく露モデルが高いと推定される事業場を選定し たところです。対象事業場においては、作業実態の聞取り調査を行うとともに、以下の測定分析法に より、対象作業に従事する労働者の個人ばく露測定を行うとともに、対象作業について作業環境測定 基準に基づくA測定、及びスポット測定を実施しています。また、個人ばく露測定につきましては、こ のガイドラインに基づきまして、8時間加重平均濃度(8時間TWA)というものを算定しまして、統計的 手法を用いて最大値の推定を行い、実測値の最大値と当該推定値のいずれか大きいほうを最大値とす るというふうに、ガイドラインに沿った調査になっているところです。以下の2物質についても共通し ています。測定分析方法につきましては、別添4に簡易な1枚紙のみを今回添付させていただいていま す。個人ばく露測定からスポット測定までは、補集剤にポンプを使用して補集するというもの、分析 法につきましては、ガスクロマトグラフ法によるものです。21行目からの測定結果です。ばく露実態 調査は、有害物ばく露作業報告のあった事業場のうち、7事業場の特定の作業に従事する18人の労働 者に対する個人ばく露測定を行いました。36単位作業場において作業環境測定基準に基づくA測定、 またスポット測定を実施しています。ここでA測定の単位作業場の数が書いてありますが、ちょっと正 確性を欠いていますので、こちらにつきましても確認しまして後ほど修正させていただきたいと思い ます。この個人ばく露測定、また、作業環境測定の結果につきましては、参考の3として付けました机 上配付資料とさせていただいている資料の中にA3の紙で付けている「ばく露プロフィール」、こちら のほうを後ほど確認いただきつつ、説明してまいりたいと思います。  本文の3頁、26行目に戻りまして、この主な用途は、「他の製剤等の製造を目的とした原料として の使用」でして、主な作業は、「軽業、配合、注入、投入又は小分けの作業」、または「サンプリン グ、分析、試験又は研究の作業」でした。労働者18人の個人ばく露測定結果の幾何平均値(8時間TWA) ですが、0.093ppm、測定データの最大値が0.460ppm、その中身は、括弧書きで書いてありますが、ア クリル系塗料製造のための原料としての使用で、原料仕込み、滴下槽原料混合作業でした。また、全 データを用いて信頼率90%でデータを区間推定した上限値、上側5%ですが、1.003ppmでした。この ことから、高いほうの数値を採用しますので、推定ばく露最大値を採用しまして、最大値として 1.003ppmになるわけです。個人ばく露測定において最大値、すなわち高いばく露を示した労働者が作 業した作業場は、(1)と(2)の2つあります。(1)は、アクリル酸エチルを滴下槽に液送用ポンプで吸引液送 する場、もう1つが、ポンプで液送できなかった残液などを滴下槽に直接投入する場と2つあります。 この(1)のほうで行ったA測定の測定結果の幾何平均値は0.051ppm、最大値は0.641ppmでした。この作 業場においては、局所排気装置は設置されていないわけですが、高いばく露は確認されなかったとこ ろです。ちなみに比較として使っています評価値につきましては、2頁の28、9行目に一次評価値、二 次評価値が書かれていまして、二次評価値については5ppmとなっています。一次評価値については評 価値なしです。ここでは二次評価値の5ppmと比較して書いているところです。本文に戻りまして、当 該作業場においては、いま申し上げましたとおりです。また書きの呼吸用保護具として有機ガス用防 毒マスクを使用していることから、当該作業に従事した労働者のばく露レベルは高くはないと考えら れるところです。また、先ほどの(1)の作業場でのスポット測定の幾何平均値ですが、こちらは 0.441ppm、最大値は0.591ppm、もう1つの(2)の作業場での同幾何平均値は0.925ppm、最大値は 1.10ppmでした。当該物質のスポット測定の最大値は、別の事業場でして、アクリル酸エチルを原料と したポリマーの製造でして、原料、仕込み後の洗浄戻り液の投入作業を行った場所で40.2ppmであり、 唯一二次評価値を上回っています。しかしながら、当該作業に従事した労働者の当該作業時間が1日1 分と短かったこともありまして、個人ばく露測定の結果は二次評価値を下回っています。この作業場 においては、局所排気装置が設置されていない。また、呼吸用保護具も使用されていないということ から、当該作業に従事した労働者のばく露レベルは高い可能性があると考えられるところです。  以上を踏まえて、4番目のリスクの判定及び今後の対応ですが、アクリル酸エチルにつきましては、 有害物ばく露作業報告の84提出事業場のうち、比較的ばく露が高いと推定した7事業場で測定を実施。 一次評価値の設定がないわけですが、個人ばく露測定においては18人全員が二次評価値以下でした。 また、個人ばく露測定全データから求めた区間推定上側限界値信頼率90%につきましては、1.003ppm で二次評価値5ppmを下回っています。この調査結果からは、5ppmを超える高いばく露が発生するリス クは低いと考えるところです。以上のことから、当該物質の製造取扱い事業所におけるリスクは低い と考えられるわけですが、当該物質は発がん性を有する物質でして、また特にアクリル酸エチルは反 応層で原料仕込みとして混合させる作業については、二次評価値ではあるけれども、調査した中で最 も高いばく露が認められているので、事業者は、当該作業に従事する労働者等を対象として、自主的 なリスク管理を行うことが必要と考えるという整理です。本文につきましては以上ですが、以降、そ の別添1に有害性総合評価書、別添の2に有害性評価書が載っています。こちらにつきましては、本文 で概要は言い尽くしていますので、説明は省略させていただきたいと思います。21頁の別添の3につ きましては、資料の体裁としまして、作業の種類と用途の間がこれは昨年まで使われていた改正前の 旧様式によるものでして、作業と用途を合わせる形で見やすくするなど工夫を凝らして次回以降提出 したいと思います。それで、別添の4につきましては、標準測定分析法の1枚紙を載せているという状 況です。この本文の3と4のお考え、議論をいただくに当たって、机上配付としています参考3のほう をご覧いただきたいと思います。参考の3につきましては、物質の順番に調査結果を載せています。い まお付けしていますグラフについては、それぞれ委員の方々でまず確認いただきたいと思います。こ の中で説明させていただきますのは、ばく露評価ガイドラインに基づきますばく露プロフィールの結 果です。A3の1枚紙になっています。アクリル酸エチルにつきましては、一次評価値が設定なし、二 次評価値については5ppmとなっていまして、表につきましては、事業場名、これはイニシャルにして いますので、特定されない配慮をさせていただいています。事業場名と用途、用途の中の取扱い作業 の概要、また、個人ばく露測定結果とスポット測定、A測定の結果をそれぞれ載せていまして、個人ば く露測定結果につきましても、被測定者、サンプリング、就業時間、ばく露の可能性のある作業、ま たその測定中の実施時間、測定値と8時間TWAの値。スポット測定につきましても、作業内容、作業場、 作業時間、作業者数、屋内か屋外か、局排の設置状況、また、呼吸用保護具の使用状況、スポット測 定につきましては、データ数、またその最大値、A測定につきましても、3点のみですが、データ数、 幾何平均値、幾何標準偏差最大値を付けています。今回、個人ばく露測定の8時間TWAの値が最も高か ったものはA社でして、用途につきましては、唯一2番目の他の製剤等の製造を目的とした原料として の使用以外です。この4番目につきましては、製剤等の溶剤、希釈、または溶媒としての使用というこ とで、その取扱い作業の概要としては、アクリル系塗料、製造のための原料としての使用ということ で、被測定者数がそこに出ている、振られたとおりでして、この4番目のほうにつきましては、サンプ リング時間が490分、就業時間がその右に出ています。ばく露の可能性のある作業として、原料仕込み、 また、滴下槽原料混合ということで40分行っています。この4番目の方につきましては、測定値が 0.451、8時間TWAが0.460ということで、この中では最大の値です。作業内容につきましては、本文 にも書かれている2つの作業があるわけですが、1つが工場の1階、会社のほうで行っている作業で、 アクリル酸エチル60kgを滴下槽Aに液送用ポンプで吸引液送する場合、これは1日1回6分のみです。 もう1つが、階上の工場2階でして、ポンプで液送できなかった残液などを滴下槽Bに直接投入すると いうもので、これも1日1回8分の作業です。いずれも屋内の作業、また局排は設置されていませんが、 呼吸用保護具といたしましては、有機ガス用防毒マスクを使用していると。スポット測定については、 それぞれ最大値が0.591、1.10となっています。A測定の結果につきましては、3つの場所に限って行 われていまして、それぞれの値も1ppmを超えるようなものは見られなかったところで、最大値につき ましても、1ppmを超えるようなものは見られなかった状況です。B社以下の作業につきましては、用途 につきましては、大きな2番目として共通していまして、ポリマーの製造化、合成ゴムの製造化、また それ以外の製造化ということで、製造する物自体は異なっていますけれども、用途、作業としては大 枠共通したものです。原料の仕込み、分析ですとか、サンプリングといった作業などが出ています。 いずれも二次評価値の5ppmを超えるものではないということと、先ほど申し上げた、0.460ppmが最大 の8時間TWAの値だったという状況です。測定結果と併せてリスク評価書(案)の本文については以上で す。 ○名古屋座長 ありがとうございました。ガイドラインのルールに従うと、二次評価値を超えている のが1カ所40.2ppmとありますけれども、ここは要因分析から考えると1日1分ぐらい短いということ があるので、最終評価と言うよりは個別の自主的なリスク管理のほうにいいだろうという形の結論に なっているのだと思います。これに関しまして、説明、あるいは質問等ありましたらどうぞよろしく お願いいたします。 ○花井委員 ちょっと1つ教えていただきたいのです。本文2頁の上の所に、有害性評価でユニットリ スクを用いたリスクレベルの算出云々ということで、それで具体的な数字が出ているのですが、これ がよく意味がわからないのです。この後ろのほうの有害性評価の具体的なデータを見ると、どうもこ の2頁の上のほうでは、NOAELの値から数字を出しているみたいなのですけれども、これは閾値がある 場合に当たるわけですし、ここの記述が何だか間違っているのではないかなという気がするのですが、 どうでしょうか。それで、結論としては、閾値の有無の判断が不明なので、一次評価値は設定しない、 評価値なしと、それでいいのでしょうけれども。 ○長山室長補佐 こちらについては、ちょっと転記ミスでして、こちら2頁目のユニットリスクを用い た、これはおっしゃるとおり閾値がない場合のものなので、参考の値となります。別添1の有害性総合 評価表の8頁目になりますけれども、こちらにカ、発がん性の所が、7頁目から8頁目にかけてありま すけれども、こちらの物質は閾値の有無としては不明ということになりますので、結論としては評価 値なしとなります。参考としてその閾値がある場合だと、NOAELから換算して、この場合はこういう値 になるだろうという参考として書かしていただいたものなので、本文中にはこれはあくまで参考とい う形で書かしていただくべきものであったので、ちょっとここは(参考)と書くか、もしくはもう不明 のほうだけ活かしてこちらを削除するか、誤解のないように体裁を整えたいと思います。 ○花井委員 そうですね、そこをはっきりしないと、ここで何かひっかかってしまうと、あとに進め なくなってしまう。 ○長山室長補佐 そうですね、両方どっちだという話になってしまいますので。 ○花井委員 それから閾値がない、8頁目のその中の表現でもいいのですが、ちょうど真ん中あたりの、 NOAELの後で、評価レベルのRLというのだからリスクレベルですか。 ○長山室長補佐 はい。 ○花井委員 これを10-4と書くのは、これはちょっとまずいのではないかと思うのですが、あくまで もNOAELからUFでRFCだかRFDだか、それを出すレベルで止めておいたほうがいいのではないかと思 いますが。 ○長山室長補佐 そうですね、そこはまた考えます。 ○名古屋座長 ちょっとご検討ください。 ○櫻井企画検討会座長 私も全く同意見です。10-4というのは、閾値がないことを前提とした表現です から、RL10-4というのは意味がないと思います。 ○名古屋座長 評価の(案)の所の中に、本来的に閾値がなかったときの出し方が書いてある。でもそ れに該当しないから無いと書かれている、ちょっと矛盾しますね。 ○長山室長補佐 閾値がある場合とない場合で、NOAELとユニットリスクのほうで、ちょっと混在しな いように。 ○名古屋座長 わかりました。ではよろしくお願いします。 ○長山室長補佐 また大前先生とちょっと相談していただいて。 ○名古屋座長 先生、お願いします。 ○大前委員 いまの2頁のいちばん上の、ここは閾値がある場合、ない場合と書いてあるので、これは ある場合ですね。それから先ほども10-4は書くと、それはそれでされるということでいいと思います。 ○花井委員 それからその下の4の評価値をまとめた所で、一次評価値、評価値なしというのは、こう いった議論を踏まえればわかるのですが、これだけでポッと読むとわからないと言うか、わかりにく いので、例えば閾値の有無の判断ができないからとか、閾値があるデータに関しての吸入ばく露では 影響がなさそうだし、経口ばく露しか濃度がないと簡単に根拠を書いていただくと、なぜそういう判 断になったかわかりやすいと思うので、その辺も工夫していただければありがたいと思います。内部 で議論している経過を踏まえれば当たり前の話かもしれませんが、リスク評価書として世に出たとき に、それを読む立場から言うともうちょっと根拠というか、ストーリーを書いていただければありが たい。よろしくお願いします。 ○長山室長補佐 そこの本文と、あと別添の書きぶりを工夫させていただきたいと思います。 ○名古屋座長 2頁のユニットリスクの評価の式は、ここには載せないということですか。別添のほう で見ろという形にしますか。 ○長山室長補佐 ユニットリスクのほうは、あえて別添に委ねてしまっていいと思います。 ○名古屋座長 書いてあるから、そちらで見てくださいというほうが誤解しないかもしれませんね。 ○長山室長補佐 本文は少しわかりやすい表現にしたいと思います。 ○名古屋座長 それで、よろしくお願いします。 ○櫻井企画検討会座長 いまのことに関連するのですが、8頁の真ん中で計算式は100の不確実性係数 を使って、2.3mg/m3と出ています。その下に7行ぐらい書いてあるのは、さらにそこから閾値がない と想定して、労働年数45年を75年で割るということをやっているのですが、これは意味がないので削 除したほうがいいと思います。これは閾値があるかないかわからないし、閾値があるという前提で不 確実性係数を使って出しているわけです。  もう1つ、その不確実性係数75から100で割る場合の根拠を、「種差」と「発がん性」と書いてあ りますね。種差は誰もが納得すると思いますが、発がん性というのは、この場合、スタートとなって いるNOAEL=75ppmは、発がんではなくて体重減少といった所見がない濃度として75ppmを使っていま す。にもかかわらず、発がん性を根拠にして10という不確実性係数を追加しているのは、あくまで慎 重を期すということで使っている意味であることを覚えておいていただきたい。 ○名古屋座長 文章的に、「なお」以下のところは消すということですね。 ○櫻井企画検討会座長 はい。それとRL(10-4)を消すということ。それだけでいいかなと思います。 ○名古屋座長 これは事務局で、よろしくお願いします。あとは何かありますか。そうしますと、い まお話しましたようにリスクの最終的な結論としては、要するに二次評価値をかなり下回っているの は1つありますが、要因分析をしてみると1日1分で短いということがあり、しかし、それは有害性が 高いということなので自主的管理という形で落ち着かせてもらって、よろしいでしょうか。ではアク リル酸エチルはそのようにしたいと思います。次にアセトアルデヒド、またよろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 それでは初期リスク評価書(案)アセトアルデヒドについて、ご説明します。 ○長山室長補佐 1の物理的性状等ですが、(1)の基本情報としてアセトアルデヒド、化学式、分子量 のあたりを記載しています。(2)の物理的化学的性状ですが、外観としては刺激臭のある、気体又は無 色の液体ということで、沸点が20.2℃、融点は-123℃ということで、大体20℃前後という形なので気 体又は無色の液体という、そのあたりの状態の取扱いというところになっていきます。(3)の生産・輸 入量、使用量、用途ですが、生産量としては約36万トンで、かなり多く使われています。用途として も各種製造原料としていろいろな原料に使われています。  2の有害性評価ですが、(1)の発がん性としては、ヒトに対する発がん性が疑われるということで、 根拠としてもIARCは2Bの整理となっています。閾値の有無の判断としては変異原性が認められたとい うことで閾値なしとなります。この場合、閾値なしという形になりますので、ユニットリスクを用い たリスクレベルの算出で、一次評価値を決めていくということです。これについてはIRIS吸入発がん 性試験の結果を基に、その値に労働補正を加えて計算し、最終的に0.14ppmという値が、ユニットリス クから求めた値として算出されています。  (2)の発がん性以外の有害性としては、急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/刺 激性などです。皮膚感作性、生殖毒性は報告なしですけれども、全身毒性については単回、反復のど ちらもありで、毒性を有するものになっています。  (3)の許容濃度等ですが、ACGIHは天井値として25ppm、日本産衛学会のほうは天井値が50ppmと、2 つの濃度が出されています。この場合、一致しない形になりますので、時期は大体同じ時期なのです が、若干、ACGIHのほうが新しく、あと安全が低い値であることを加味して考えています。  (4)の評価値ですが、一次評価値は閾値なしで、ユニットリスクを用いて0.14ppmという値を算出し ています。二次評価値は新しく安全側のほうで、ACGIHの天井値の25ppmを採用してはどうかと結論づ けられたものです。次の3に移ります。 ○井上労働衛生専門官 本文の3のばく露実態評価です。19頁の別添3に(1)のばく露作業報告の提出 状況の内訳を示しています。こちらも適宜ご覧いただきながら見ていただければと思います。また先 ほどのアクリル酸エチルのときにも見ていただきましたが、参考3としてお配りしているアセトアルデ ヒドのA3の資料に、ガイドラインに基づいたマクロプロフィールを付けています。これもお開きにな った上で本文2頁の3以下の説明をお聞きいただければと思います。  2頁の33行目以下ですが、平成21年の報告数は合計28事業場、10作業、延べ751人、取扱量延べ 約52万トンでした。主な用途は他の製剤等の製造を目的とした原料としての使用であり、主な作業は、 「サンプリング、分析、試験又は研究の作業」でした。10作業のうち、作業時間が20時間/月以下の ものが大半を占める93%、局排の設置が43%、防毒マスクの着用が20%という状況でした。  3頁の4行目からですが、(2)のばく露実態調査結果については、アクリル酸エチルと共通していま すので省略します。16行目の測定分析法の詳細については別添4に1枚紙で添付しています。個人ば く露測定についてはパッシブサンプラーを用いているということ。作業環境測定とスポット測定につ いては、ここに掲げる補集剤にポンプを使用しての補集ということ。分析法についてはHPLC法に基づ く測定分析でした。  測定結果ですが、ばく露実態調査は、報告のあった5事業場の特定の作業に従事する15人の労働者 に対して個人ばく露測定を行いました。また作業環境測定基準に基づくA測定とスポット測定を実施し ています。この内数については正確性を欠いていますので、事務局のほうで確認させていただき修正 させていただきたいと思います。  アセトアルデヒドの主な用途は、繰り返しになりますが、ほかの製剤等の製造を目的とした原料と しての使用であり、主な作業は、「サンプリング、分析、試験又は研究の作業」です。さらに今回の 測定では、周辺作業と考えられるローリーの出荷立会い、パトロール・計器監視も含めています。  労働者15人の個人ばく露測定結果の幾何平均値(8時間TWA)は0.35ppm、測定データの最大値は 1.64ppmで、これはサンプリング・分析作業でした。また全データを用いた区間推定上限値は3.803ppm であり、高いほうを最大値として採用しますので、ばく露最大値は後者の3.0803ppmとなるわけです。  この個人ばく露測定において、最大値を示した労働者が作業した作業場において行われたA測定の結 果では、サンプリング・分析作業が行われた作業場は、屋外の作業場と屋内の分析室の2つあるわけで すが、そこにおける幾何平均値は1.81ppm、最大値は3.62ppmとなっています。このA測定が行ってい るのは屋外と屋内のうち、屋内のほうの分析室ということです。この作業場においては局排は設置さ れていません。また比較的高いばく露が確認された可能性があると考えられるわけです。呼吸用保護 具も使用されていないことから、当該作業に従事した労働者のばく露レベルは高いと考えられます。 この作業場でのスポット測定の幾何平均値は12.7ppm、最大値は13.0ppmでした。当該物質のスポット 測定の最大値は別の事業場で、パラアルデヒド製品の入ったタンク液におけるサンプリング作業です が、20.0ppmでした。当該作業に従事した個人ばく露の測定結果は二次評価値を下回っています。  4のリスクの判定及び今後の対応ですが、アセトアルデヒドについては、報告提出事業場28に対し、 比較的ばく露が高いと推定されたのは5事業場です。繰り返し訂正になって申し訳ありませんが、事務 局のほうで追って訂正させていただきたいと思います。アセトアルデヒドについては、個人ばく露測 定において、15人中8人が一次評価値を超えていたが、すべて二次評価値以下でした。内訳はここに 書いているとおりです。また区間推定上側限界値信頼率90%については2.52ppmで、二次評価値25ppm を下回っており、この調査結果からは、25ppmを超える高いばく露が発生するリスクは低いと考えられ るところです。  以上のことから、アセトアルデヒドの製造・取扱い事業場におけるリスクは低いと考えられるわけ ですが、発がん性物質であり、特にアセトアルデヒドの入った反応槽からサンプリングをする作業に ついては、一次評価値を超えるばく露が認められているので、これらの労働者等を対象として、自主 的なリスク管理を行うことが必要と考える、という整理にしています。いま申し上げたばく露測定の 結果については、参考資料3のばく露プロフィールのA3の1枚紙を確認いただきたいと思います。  繰り返しになりますが、一次評価値は0.14ppm、二次評価値は25ppmということで、A社からE社ま での5社で、それぞれ測定しています。この中で4番目のD社で、他の製剤等の製造目的とした原料と しての使用で、括弧書きの中に取扱い作業の概要を示しています。この中で3人の労働者がいて、3番 目のD3の方が415分のサンプリング時間、サンプリング分析作業30分を行うということです。測定値、 8時間TWAは、それぞれ1.90ppm、1.64ppmということで、8時間TWAの最大値となっています。この方 についてはサンプリングと、希釈・中和滴定の2つの作業を行っていて、それぞれ1日1回、6分と7 分の作業となっています。それぞれの作業場は、右側に移行していただいてサンプリング作業場とい うことで屋外です。希釈・中和滴定のほうは分析室で屋内です。この屋内のほうにおいて、スポット 測定だけでなくA測定を行っています。そのうち最大値の3.62ppmを出しているところです。スポット 測定についても、この屋内の分析室での最大値が13.0ppmということです。この方の場合は、その作業 場においての局所排気装置の設置がないということ。また呼吸用保護具の使用もないところですが、 二次評価値の25ppmは下回る状況でした。その他の事業場についても、1の対象物質の製造、または2 の他の製剤等の製造を目的とした原料としての使用ということで、8時間TWAの値も25ppmを大きく下 回っている。このような内容ではないかと考えています。作業内容についても、サンプリングを中心 とするような作業に集中している状況です。測定結果、また本文の内容については以上です。 ○名古屋座長 ありがとうございました。ここもばく露の測定結果によって二次評価値を超えている ものはないということ。そうは言っても一次評価値を超えている作業者が約4割ぐらいありますので、 やはり自主的な管理は必要ということでまとめていると思います。これに関して質問、意見等ありま すでしょうか。 ○圓藤委員 本文の3頁の35行目でしょうか、数字の桁数が3.8030ppmとありますが、こんなに桁数 が出るのですか。 ○名古屋座長 これは分析のほうで、どうでしょう。 ○圓藤委員 桁数を揃える必要はないのでしょうか。 ○名古屋座長 2桁か4桁か、これは事務局で。 ○島田化学物質評価室長 事務局のほうでも、そのあたりは有効数字をどのぐらいまで取るべきか議 論させていただいたのですが、過去にそういう議論が実はされていませんので、同様に取れる範囲の データを出させていただいている状況です。逆にこういう場合に一般的な処理の仕方として、どうい う形で本来は処理するべきなのか、もしアドバイスをいただければ、我々も気になっている部分では あるのですけれども、なかなか答えが出なかった部分です。 ○圓藤委員 いちばん悪いのに揃えるのですか。 ○名古屋座長 棗田さんたちが出していますが、定量下限も考えると8030までいくよということで書 かれているのか、ただ単に計算で出てきたのか、その辺はちょっと微妙ですよね。いずれにしても揃 えたほうがいいと思います。要するに評価値は2ですね、それと比べて、それより下があってもあまり 意味がないです。 ○圓藤委員 これだけの桁数が出ないと思うのです。 ○棗田氏(中災防) ここまでは、たぶん出ていないです。これはたぶん、単純に90%条件時で計算 しているので、標準偏差もおそらく単純に計算値が出ているのではないかと思います。ここは定量下 限値に合わせて変えるような形がいいのではないかと思います。 ○島田化学物質評価室長 分析方法は、一応、基準値の10分の1まで測れるようなレベルで測定して いただいていますので、1桁下がった形で例えば0.1ということであれば、もう1つ桁を増やしたぐら いの桁数かなと、我々も考えを持っていたのです。 ○名古屋座長 だから参考3のところのアセトアルデヒドのところが。3.303で止めて0はないのです。 だからここに合わせたほうがいい。皆さんの資料ですと6頁に最大上限値を求めているところで 3.3803となっていて、本文は0が付いているからたぶん4桁になってしまいますが、この3桁です。 いまの説明だと定量下限のところを2桁にして、それよりもう1桁余分ということで3桁という形にな ります。 ○島田化学物質評価室長 そういう形で整理をさせていただいた上で、またご相談させていただきま す。ただ、一次評価値の場合、非常に低いものがありますので、それをまた1桁下げることができるか どうかはあります。 ○名古屋座長 わかります。定量下限から考えてね。二次評価値のところは、そういう形でいいかな と思います。 ○花井委員 ついでに関連して希望を言わせていただきたいのですが、この文章の中の数字の全角、 半角の扱いです。特に小数点が付いたような実数を、こういう全角で書くと間延びしてしまうのです。 これはいつも悩むところなのですが、全角なのか半角なのか、英文もそうですけれども、こういう数 字は半角で書いたほうが間延びしなくて、少し締まって見えるのではないか。それは好みの問題です からお任せしますが、希望として申し上げます。 ○名古屋座長 例えば2頁のところの許容濃度のところは半角になっていて、評価値が全角になってい るというのもありますので、見ているときは半角のほうが見やすいですね。その辺は事務局、よろし くお願いします。 ○原委員 1点だけ、先ほどの物質の議論で終わっているのかもしれませんが、わからないので教えて いただきたいと思います。2頁の計算式でRL(10-4)=2.5×102はいいのですが、その下の式は、RLを 1/10で割って同じ値になるというのが、よくわからないのです。これは10/20×240/360×45/75は 1/10になると、ですけど10倍になるような気がする。先ほどの議論がわからなかったので、この根拠 というか理由がわからないのです。 ○花井委員 45/75は、75年と45年の違いですよね。 ○名古屋座長 そう。 ○花井委員 240/360は、年間360日が実質240日と、10/20というのは呼吸量、立米か何かの違いで すか。 ○名古屋座長 そうです。7頁のところに書いてあるのと同じであればいいわけです。7頁の有害性総 合評価表の男性の下の所に書いてある、この数値と同じであれば問題ないと思います。ここに呼吸量 とばく露比と。 ○原委員 これ割り算ではないのですか。その掛け算は10分の1になって、10分の1で前のRL(10-4) を割ると10倍になるはずだと思います。私が理解していないだけなのかもしれませんが、計算上で言 うと違うような気がします。いいのですか。 ○花井委員 これ、呼吸量の10と20というのは、一般の人は20で、作業者が10ということですか。 ○櫻井企画検討会座長 一般の人が1日で20、作業者は8時間で10。 ○圓藤委員 365というのを360日にしているのですか。 ○宮川委員 正確ならば365ですね。 ○大前委員 この間、360にしようと。 ○圓藤委員 そうですよね。 ○大前委員 もともとIRISでとっているので、一般環境のデータを持ってきていますので、割るので はなく掛けるで、それはいいのですけれども。 ○宮川委員 たぶん原先生の疑問は、この10行目、11行目で労働補正のRL(10-4)はこうだと書いてあ って、その後、計算したのに何で同じ値になるかという疑問であると思いますが、それはそうではな くて、他の同様の箇所も全部がそうなのですが、下の方の計算式で計算をした結果、上の労働補正の 値が出ましたよという書き方になっているということです。 ○名古屋座長 そういうことです。表記方法ですね、誤解を受けます。 ○櫻井企画検討会座長 いつも必ず「えっ」と思って、その後で「そうだった」という。 ○名古屋座長 表記方法の問題です。 ○原委員 ありがとうございます。 ○名古屋座長 これは考えたほうがいいですね。 ○花井委員 関連ですが、その上に当リスク評価事業における前提条件というのが書いてあります。 これは、こういったパラメータを採用しますという根拠が、どこかに表になってあるのですか。 ○名古屋座長 別添1にはないのです。 ○花井委員 これは基本的なところなので、どこかに1つちゃんと付けておいたほうがいいように思い ます。 ○大前委員 この中にはないのですが、実際に評価書を作っていただくときのルールとしてあるので す。だから、これの細則みたいなものがあります。 ○棗田氏(中災防) たぶん、この基になっているのが中災防でやっている委員会の報告書の文書に なっていますので、中災防の委員会報告書には、実はこの前提になる条件が決められていて、それが 一覧表になっているのです。それが国のほうのこの委員会に上がって来る際には、ここがなくなって いるので、たぶん花井先生はそういう疑問を持っているのだと思いますから、それをどこかに付けな ければいけないのかなと思います。 ○名古屋座長 リスク評価手法の改訂版のところに入れておけば、いちばんわかりやすいですね。 ○棗田氏(中災防) 入れるとすると、そこですね。 ○名古屋座長 参考資料で入れていただけると、いまの問題は解決する。 ○花井委員 国の資料だけでもいいし、あるいは簡単な表だったら表を付けてくださったほうがいい と思います。 ○名古屋座長 参考資料のところに入れていただくという形で、処理させてもらってよろしいですか。 わかりました。 ○宮川委員 一般論になってしまうのですが、ばく露評価のほうのガイドラインか何かに書いてある かもしれませんけれども、例えばいまの物質で3頁の33行目あたりで、90%の信頼区間を推定すると きに全データを使っています。全データというのは、いろいろな作業場に行って、いろいろな条件の 作業者があって、それを全部使ったときに、そこを基に推定したということなので、日本全体でいろ いろ作業していると考えられるところの正規分布を基に、95%のところがこうだろうという推定をす ると、そういう基本的な方針があるということでよろしいですか。 ○名古屋座長 ガイドラインに従ってやっています。 ○宮川委員 ちょっと気になったのは、分布というのは各作業の様態によって違う可能性があって、 比較的高いばく露を受けるような作業場の中で実際に働いている人たちの分布がどうなっていて、そ の中でも高いほうのばく露はどうなのかというのが問題になる可能性があると思いました。そうでは なくて、日本全体でもって分布を考え、その中でばく露レベルが高いところを推定し、評価値を超え ているかどうかを見るということでしょうか。 ○櫻井企画検討会座長 日本全体ということを意識していませんよね。最初からサンプリングは高い 所を選んでいます。ですから日本全体を調べたら、もっと遥かに分布は広くなるのですが、比較的高 い所を狙っています。でもその中でプラクティカルにこういう手法を使って、さらに95%帯のところ を計算している。 ○名古屋座長 事前のところでデータを集めてきていますから、たぶんいちばん高い所のデータが集 まるときは、その中の高い所でたぶん全国的に見ても、イレギュラーがないような形の統計処理を今 回のガイドラインはしていますので、よろしいでしょうか。そうすると、これは従来どおりというこ とで、自主的なリスク管理のところに落ち着き、最終評価までいかない形でまとめさせていただきま す。よろしくお願いします。最後のインジウム及びその化合物です。時間が押して申し訳ありません が、よろしくお願いします。 ○長山室長補佐 それではインジウム及びその化合物について、1頁の1の物理的性状等から説明しま す。これについてはインジウム及びその化合物ということで、インジウムと、あとその化合物として4 つ挙げていますが、リン化インジウム、酸化インジウム、三塩化インジウム、水酸化インジウムです。  2頁で(2)の物理的化学的性状ですが、いずれも金属、結晶という形で、扱われ方としては固体で扱 われるものになっています。(3)の生産・輸入量、使用量、用途ですが、インジウムとしては生産量50 トンですが、リサイクルでかなり回収されていて、そちらのほうが多く、約500トンを超えています。 インジウムについては各種合金の原料として使われます。3頁で、例えばリン化インジウムですと半導 体関係の材料として、また三塩化インジウム、透明電極用の原料など、各種原料としてさまざまなと ころで使われています。  2の有害性評価で(1)の発がん性ですが、発がん性としてはヒトに対しておそらく発がん性があり、 IARCではリン化インジウムは2Aの評価がなされていますし、その他は2Bとなっています。閾値の有 無の判断は閾値ありとしています。閾値の算出は根拠に書いてあるとおり、アメリカの国家毒性プロ グラムにおいてリン化インジウムの試験をやっていて、その中でリン化インジウムのラット、マウス に投与した実験を行い、LOAELを算出していますが、有意に影響のあったLOAELの値に対し、不確実係 数を加味した値を1000としています。LOAELをNOAELに変換する(10)、種差の(10)、がんの重大性 (10)として不確実係数を掛けて計算しています。評価レベルは3.0×10-5mg/m3となっています。これが 閾値ありのパターンでの不確実性係数を加味した値として算出されています。(2)の発がん性以外の有 害性としては、急性毒性はあり、皮膚腐食性/刺激性は報告なし、眼に対する重篤な損傷性/刺激性は あり、皮膚感作性は報告なし、生殖毒性は不明となっています。(3)の許容濃度等は、ACGIHがTLV-TWA :0.1mg/m3で、これもインジウムの値としての0.1mg/m3が設定されています。(4)の評価値ですが、一 次評価値は先ほどの計算式から3.0×10-5mg/m3(インジウムとして)、二次評価値はACGIHの値をとり、 0.1mg/m3(インジウムとして)が算出されています。 ○井上労働衛生専門官 続きまして3のばく露実態評価です。(1)の報告の提出状況については23頁の 別添3をご参照いただきたいと思います。また参考3に付けているインジウムのばく露プロフィールの ほうもお開きになった上で、以下の説明をお聞きいただきたいと思います。  4頁の23行目以下です。報告の件数ですが、38事業場、145作業です。1,225延べ労働者、延べ約 0.9万トンの取扱量がありました。主な用途と作業は対象物の製造又は他の製剤等の製造を目的とした 原料としての使用で、作業については、計量、配合、注入、投入又は小分けの作業、破砕、粉砕又は ふるいわけの作業などでした。これら145作業のうち、20時間/月以下の作業が49%、局所排気装置の 設置については、これら3物質の中では比較的高い64%、防じんマスクの着用がなされている作業が 29%でした。4頁の34行以下については共通した事項ですので省略させていただきます。  5頁の7行目、測定分析法です。詳細は別添4に添付していて、個人ばく露測定、作業環境測定、ス ポット測定のいずれも、ここに掲げるものを使った補集剤にポンプを使用しての補集です。分析法に ついてはICP-MS法を使っています。  測定結果ですが、報告のあった事業場のうち、8事業場の特定の作業に従事する59人の労働者に対 する個人ばく露測定を行うとともに、16単位作業場においてA測定、また51地点についてスポット測 定をそれぞれ実施しています。繰り返しになりますが、主な用途については対象物質の製造(ITOター ゲットの製造)、また「他の製剤等の製造を目的とした原料としての使用」です。主な作業について も、ここに掲げる作業です。  労働者59人の個人ばく露測定の結果ですが、8時間TWAの幾何平均値は0.099mg/m3、最大値は 1.42mg/m3です。これは括弧書きに書いているとおり、表面処理又は防錆を目的とした使用で、集じん 機に回収された酸化インジウムのペール缶回収でした。また、全データを用いて区間推定した上限値 は0.544mg/m3でした。このことから、最大値は1.42mg/m3となり、二次評価値を超えている状況です。 なお二次評価値については、4頁の17行目にあるインジウムとしての値で0.1mg/m3です。  5頁の28行目からですが、この個人ばく露測定において最大値1.42mg/m3を示した労働者が作業した 作業場において行ったA測定の測定結果では、幾何平均は0.213mg/m3、最大値は0.801mg/m3となって います。この作業場においては局排は設置されていません。高いばく露が確認された可能性があると 考えられます。一方で、呼吸用保護具としての防じんマスクを使用していました。また、この作業場 でのスポット測定の幾何平均値は、階上、階下からなる2単位作業場で行い、階上のほうは2.97mg/m3 で、最大値は5.84mg/m3、階下では1.51mg/m3で、最大値は2.43mg/m3であり、いずれも二次評価値を 上回っています。当該物質のスポット測定の最大値ですが、この作業場であり、階上のほうの 5.84mg/m3という結果でした。  6頁で4のリスクの判定及び今後の対応です。インジウム及びその化合物については、個人ばく露測 定59人全員が一次評価値を超えています。50人が一次評価値を超え二次評価値以下であり、9人が二 次評価値を超える状況でした。この結果から高いばく露が発生するリスクは高いと考えられるところ です。以上から、インジウム及びその化合物の製造・取扱い事業場におけるリスクは高いと考えられ ます。当該物質は発がん性を有する物質であり、特に酸化インジウムの秤量、袋詰め作業、粉じんの 回収作業については、二次評価値を超えており、高いばく露が認められているので、今後、さらに詳 細なリスク評価が必要と考える。また、詳細なリスク評価の実施に関わらず、事業場は当該作業に従 事する労働者等を対象として、自主的なリスク管理を行うことが必要と考えるとしています。  8行目の「今後、さらに詳細なリスク評価が必要である」については、この検討会の委員の方々にご 判断いただくところですが、その測定結果の内容については、参考3のばく露プロフィールのほうでお 配りしている内容です。A3の紙が2枚あって印刷の関係から字が非常に小さくなっています。これに ついては次回以降、少しでも見やすくする観点から工夫をさらに凝らしたいと思いますが、今日は体 裁が十分にとれていませんので、その点をご承知おきいただければと思います。A社からそれぞれあり ますが、A3の1枚目の裏側にI社が出てきます。これについては用途のところで、6に表面処理又は防 錆を目的とした使用とあり、取扱い作業の概要については括弧書きの中に書いたとおりです。  集じん機にに回収された酸化インジウムのペール缶回収ということで、被測定者が9人いますけれど も、このうち8人目の方はサンプリング時間は44分、就業時間は480分、ばく露の可能性がある作業 は、この集じん機に回収された酸化インジウムのペール缶回収で、8時間TWAが1.42となっています。 測定値は15.5と高い数字になっていますが、8時間換算して1.42となっているところです。このほう は、それぞれ2階と1階でクリーナー、集じん機内の粉じんをペール缶に回収する作業で、作業時間は ここに書いたとおりです。作業頻度については事業場の機密事項ということです。同一人物が1階と2 階でそれぞれの回収作業を行っているわけで、場所は屋内、局排はなく、防じんマスクを使用してい ます。  それぞれのスポット測定の結果については、上が2階、下が1階ですが、スポット測定の最大値が 5.84と2.43となっています。A測定の結果についても幾何平均値が0.213、最大値で0.801となって いるところです。今回、二次評価値を超えているわけですが、この労働者だけでなく、9人の労働者が 二次評価値を超えているところです。いま申し上げた作業者のほうの直近の下に、同じくペール缶回 収を行う方がもう1人いて、その方も比較的高い数値が出ている状況です。  いまお配りしている参考3について、個々の内容については説明しませんが、11頁にはワーストの データをいくつか集約して選んでいます。これを見ても、事業場数にばらつきがあるところで、少な くともこの二次評価値を超えるところを確認すると、この表を見ただけでも5社程度は二次評価値を超 える結果が、個人ばく露測定の結果から見られた状況です。  なお、いま申し上げた8時間TWAが1.42を示した事業場で、高いばく露があったのは2人だったわ けですが、その他の高いばく露があった作業場で1例紹介すると、1枚目の表側にB社があります。こ ちらは8人の労働者がいるわけですが、ばく露作業報告対象物質の製造で、括弧内に書いた作業が取扱 い作業の概要です。8人いる作業者のうちB6については323分のサンプリング時間で、ばく露の可能 性のある作業として書いた酸化インジウムの秤量、袋詰め作業などを行っていて、測定値、8時間TWA がそれぞれ示した数字になっています。この中でも特にばく露の可能性が高いと考えられる作業とし て、スポット測定、A測定の対象をリストアップだけしているわけですが、この製品である酸化インジ ウムの秤量、袋詰め作業が高いと考えられるとして、作業時間について確認したところ、1日1回、15 分程度、屋内で局所排気装置外付で、有効性についてはないのではないかということです。呼吸用保 護具については防じんマスクを使用していることが確認されています。 ○名古屋座長 ありがとうございました。 ○長山室長補佐 説明漏れがありましたので申し上げます。4頁の最初の一次評価値の計算で不確実係 数を1000とし、3行目でも1000のみならず労働補正を行っています。この実験は1日6時間、週5日 間ということで、別添2の17頁の中段に書いてありますが、あと労働障害の年数を補正し、不確実係 数と労働補正を行って3.0×10-5mg/m3となっているものです。 ○名古屋座長 わかりました。これは合わせたほうがいいですね。前の2つと違ってばく露濃度が高い のと、要因分析をすると先ほどありましたように1つの事業場でなく、かなり大きな所の事業場にまた がっているということで、最初のリスク評価が必要なのだろうという取りまとめになると思いますが、 これに関して皆さんのご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○宮川委員 一般的な方が、この報告書を最終的なものとして見る可能性があると思いますので、ち ょっと注意が必要だと思ったのは、個人ばく露測定でもって一次あるいは二次評価値を超えている人 が結構いる書き方になっていて、これがあたかも濃度を超えた実際の粉じんを吸入している人たちが たくさんいると読めてしまう可能性があることです。これはそうではなくて実際はマスクをしている。 そのそばの呼吸域でもってサンプリングをした結果ということなので、そういうことがわかるような 書きぶりが特に出すときには必要だと思います。もう1点は、別の資料の大きな紙の上のところで単位 がppmと書いてあります。8時間TWAは粉じんの例は直さないと駄目です。 ○名古屋座長 そうですね。確かにほとんどの所が全部防じんマスクをしていますね。そこのところ は記載しておいていただきたいと思います。ほかにお気づきの点等ありますか。  大前先生にお聞きしたいのですが、これは各種インジウムがありますが、一応、評価するのは酸化 インジウムで測定していて、個別のところの毒性との違いというのはどうしますか。 ○大前委員 例えば眼に対する刺激性とか書いてあるのですが、これは水溶性のものだと思います。 いま問題になっている呼吸器に対する毒性は、水溶性のものもないことはないと思いますが、むしろ 不溶性、難溶性の粉じんなものですから、難溶性という意味ではこのITOも酸化インジウムも、あるい はインジウムリムも難溶性なので、そこら辺はひとまとめに考えていいのではないかと思います。  ただ、可溶性のものに関しては、ちょっと別に考えなければいけないのかなと思うのですが、そん なしっかりしたデータがあるわけではないので、とりあえず今は、このままインジウム及びその化合 物でいくしかないのではないかと思います。今回、調べられたこの8社は、どちらかというと難溶性の 粉じんのタイプの化合物です。あまり可溶性のインジウムは、この中に入っていないのではないかと 思います。 ○名古屋座長 例えばこの後の最終評価を考えたときに、その辺のところも当たっておいたほうがい いのか、それはどうですか。 ○大前委員 それは当たったほうがいいと思います。もう1つは、粉体はみんなそうですけれども粒径 の問題があるので、詳細評価はどういうことをやるのかまだ私は基本的にないのですが、粒径分布み たいなことを更に情報として付け加えれば、よりベターだと思います。 ○名古屋座長 そうですね。その辺のところの詳細評価にいったときは、ばく露のところでそれを検 討すればいいわけですよね。そういうのを下してもらって、詳細評価のところでもう一度、測定のと ころに対してはどういう所でやるか、どういう物質でやるかは、粒径分布も含めてやるという形で下 ろしていけばよろしいですか。 ○島田化学物質評価室長 詳細評価に移るものについては、詳細評価の方針というのをまたご検討い ただくことになりますので、その場でこういうご意見はまとめさせていただいて、またご相談をさせ ていただきます。 ○名古屋座長 あと何かお気づきの点はありますか。 ○大前委員 こうやって見ていますと、会社ごとにずいぶん差があるなと思います。比較的低い所が いくつかあり、先ほどの会社のようにずいぶん高い所があるということで、企業間の差が大きい感じ はしますね。 ○名古屋座長 ここで言うべきかどうかよくわからないですが、例えば比較的高かった所は、そのた めに合わせて測定している部分があるという報告がありました。例えば集じん機からの回収のところ なんかは通常の作業として考えて、その時にやってくれたと考えてよろしかったでしたか。 ○棗田氏(中災防) 要は測定に行くと、例えば集じん機からの集じん作業でペール缶に移すという のは、たぶん1カ月に1回とか2カ月に1回しかない作業ですので、そこの事業場はその作業がいちば ん高いというのがわかっていて、我々に合わせてその作業をしていただいているのです。ですからメ ンテナンスと書いてあるところもそうなのですが、通常、毎日あるわけではなくて1週間に1回しかな いというのも、すべて今回、インジウムをやっている所は協力していただいています。実質的には特 殊ではなく、通常の作業ではないけれども1週間に1回ある、1カ月に1回あるという作業も、すべて 調整して測定していますので、我々から見ても高そうなものは、おそらくうまく取れているのではな いかと思います。 ○名古屋座長 だから、そのことを評価して詳細評価のときに、どういうふうにやるかを盛り込んで いければいいと思います。ここに関してはばく露が高いのと、業種がかなり多岐にわたっていますが、 詳細リスク評価のほうにいくという形でよろしいでしょうか。それにかかわらず、ここに掲げている 自主的な管理というところは、事業主に対応して自主的な管理を行う必要があることも加味するのだ と思いますが、いずれにしても詳細リスク評価に、インジウム及びその化合物はいくということです。 ○圓藤委員 あと最後に、頻度が非常に低いけれども高かったという表記があっても良いのではない でしょうか。 ○名古屋座長 いまのところはですね。 ○櫻井企画検討会座長 2頁で、用途のいちばん最初に銀ロウというのが出ていますが、これは今回、 報告がなかったのかもしれませんけれども、どうなのか。あれはカドミウムとか銀が主体で、銀と銅 とカドミウムが長く使われていましたが、インジウムが使われているのかと、これを見て初めて思い ました。銀ロウを作るときに、どれぐらいのヒュームが出るかなど、ちょっと気がかりではあります。 ○名古屋座長 いまのところは、詳細のところでまた議論することにします。 ○大前委員 インジウム自体は沸点が高いので、あまりたくさんヒュームは出ないと思いますが、た だ、酸化しますので、酸化インジウムの粉じんは結構出るのではないか。ここにもありますが、ハン ダのような形で使っている作業者のデータがありますけれども、ヒュームが出るはずがないレベルの 温度で、思っているよりも高いのです。融点は低いのですね。 ○櫻井企画検討会座長 融点は156℃で、沸点は2000℃ですから、これは沸点は高いです。 ○大前委員 沸点は高いです。融点が低いのでヒュームは出ないと思いますけれども。 ○櫻井企画検討会座長 途中の温度で、どれぐらいヒュームが出るかということです。 ○名古屋座長 もし調べられるのだったら、金属ヒュームがいちばん出るのは沸点も融点もそうです が、蒸気圧がいちばん絡んでくるのです。そのデータがないので蒸気圧は書いてもらうとありがたい です。よろしいですか。 ○清水委員 本文の4頁を見ると、防じんマスクの着用がなされているのは29%ということですね。 この表を見るとほとんど。 ○名古屋座長 ゼロと書いてありますね、その辺はどうなんですか。 ○清水委員 その辺が、実際には防じんマスクをしないで作業している所のほうが多いということ。 ○名古屋座長 たぶん詳細評価のところと、ここのデータの違いですか。 ○島田化学物質評価室長 そうですね。報告ですので、どちらかというと、すべておしなべて使って いる所については29%で、今回はばく露が高い所にターゲットを絞っていっていますので、そういっ た所は事業場自体がわかっているということだと思います。 ○圓藤委員 それも書いておいたほうがいいのではないでしょうか。 ○名古屋座長 そうですね。誤解を受けますね。マスクの着用率は、要するに一次評価値として取っ たときのデータはそういう形で、でも行った所のデータは何か違いますねという形です。 ○宮川委員 いまのところで確認です。ガイドラインに書いてあるのかもしれませんが、例えばいま の4頁の24行目に145作業とあり、作業というのが単位のように使われていますけれども、これは実 際、たぶんある工場で袋詰め作業とか集じん作業とか、1つの測定の対象を1作業という立て方をして いると思います。その辺はどこかに説明はあるのでしょうか。 ○名古屋座長 それは対象事業場のことではないのですね、作業でいいのですね。これは棗田さんに 聞かないとわからないけれど。 ○井上労働衛生専門官 これは有害物ばく露作業報告の報告事項が、用途と作業と報告いただいてい ますので、それを1つずつ数えて。 ○宮川委員 そうすると、報告書にある作業の種類の数ということ。 ○井上労働衛生専門官 そのとおりです。 ○大前委員 いや、たぶん違うと思います。例えばいくつかの会社で同じ作業というのは必ずあるの で、作業の種類ではなくて、たぶん数です。 ○宮川委員 パーセントの計算なんかをしていますね。 ○名古屋座長 それを事務局において、表記がわかるような形にお願いしたいと思います。時間もま いりましたが、今日、ここのところだけはきちっと終わらせたいので、あと何かほかにありますか。 よろしいですか。そうしましたら本日予定していた3物質について、皆さんに検討いただきましてあり がとうございました。最後に資料4を使って、今後の予定を事務局からお願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料4の今後の予定です。今後の予定をご説明する前に、今日、ご議論いただ いたリスク評価書の取りまとめ時期について、予めご説明しておきたいと思います。今回、ご議論い ただいているリスク評価書については、初期と詳細とそれぞれお作りいただくことになっていて、お およそ6月中を目処に取りまとめ、公表を考えています。また事業場への指導についても委員の方から ご懸念がありましたが、行政指導という形も並行して、リスク評価書を取りまとめて公表した後に発 出していくという流れです。  以上を踏まえまして資料4の今後の予定です。第2回化学物質のリスク評価検討会ですが、4月16 日(金)、午後4時から午後6時、場所は経産省別館10階1014会議室です。議事につきましては「平 成21年度リスク評価対象物質のリスク評価について」です。このリスク評価検討会に合わせて、ばく 露評価小検討会の先生方におかれましては、ばく露プロフィール等を中心にした事前の打合せを、調 整させていただく場合がありますので、大変恐縮ですが、予め1時間程度の時間を確保しておいていた だければと思います。よろしくお願いします。 ○名古屋座長 ありがとうございました。皆様方の協力を得まして3物質を決めることができました。 本当にありがとうございました。以上をもちまして第1回化学物質のリスク評価検討会を閉会したいと 思います。ありがとうございました。