10/03/31 第2回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議速記録 第2回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議  日  時:平成22年3月31日(水)16:00〜18:23  場  所:航空会館 大ホール  出席構成員:堀田構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、井上構成員、岩砂構成員        岩田構成員、大塚構成員、岡部構成員、小川構成員、落合構成員        後藤構成員、川西構成員、白幡構成員、樋口構成員、吉村構成員        山本構成員、村山構成員、藤原構成員  出席参考人:花岡参考人、小早川参考人、戸高参考人、中林参考人、宮崎参考人 安藤参考人、中川参考人、土田参考人、中村参考人 ○事務局  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第2回医療上の必要性の高い未承認 薬・適応外薬検討会議を開催いたします。  議事に入ります前に、本日の構成員の先生方の出欠状況についてご報告いたします。  現在のところ17名の構成員の方に出席いただいております。友池構成員、横谷構成員か らは欠席のご連絡をいただいているところであります。岡部構成員から遅れて到着される という連絡をいただいておりまして、計18名の構成員の方が出席予定でございます。  また本日、各ワーキンググループの検討状況をご報告するに当たりまして、各ワーキン ググループのメンバーから参考人としてご出席をいただいておられる先生方がおりますの でご紹介させていただきます。  私から見て右手の列の座席の中央ですが、代謝その他のワーキンググループから花岡先 生、到着が遅れていますが、小早川先生がご出席される予定です。循環器ワーキングにつ きましては戸高先生。精神神経ワーキングの中林先生。抗菌・抗炎症ワーキングの宮崎先 生。抗がんワーキングの安藤先生は遅れられて到着の予定です。生物ワーキングの中川先 生と土田先生であります。小児ワーキングの中村先生でございます。  カメラ撮影の方はこの辺でご退席をお願いしたいと思います。  それでは堀田先生、以降の議事進行をお願いしたいと思います。 〔プレス退席〕 ○堀田座長  それではただいまから審議に入りますけれども、本日は年度末の大変お忙しい中を構成 員の先生あるいは参考人の先生方、ご出席ありがとうございました。またこの間、非常に 精力的に作業を進めていただきましたことについても感謝申し上げたいと思います。  まず本日の配布資料の確認を事務局から行ってください。 ○事務局  配布資料の確認をさせていただきます。お手元にまず議事という1枚紙がございます。 その裏に配布資料一覧というものが書いてございます。その後に座席表がございます。更 に資料1といたしまして「検討会議における検討の進め方」というA4横の資料です。そ の次に資料2といたしまして「専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」という ものがございます。資料3−1については別でありまして、このA3横の大きなものがご ざいますが、3−1としまして「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門作 業班の評価というものがございます。更に3−1の別添という形で、これは3−1の中に すべて入っているのですが、小児WGが主に担当した品目として見やすいように抜き出し たものです。更に3−2といたしまして「医療上の必要性に係る基準」への該当性等に関 して、現在、専門作業班にて検討中の品目、というものがございます。  更に先ほどのA4縦に戻っていただきまして、「医療上の必要性に係る基準」への該当 性の評価報告書フォーマット(案)、というものが資料4として付いております。  その後、参考資料1は開催要項、参考資料2は構成員名簿、参考資料3は要望の公募に ついて。参考資料4−1として専門作業班(WG)の設置について。参考資料4−2とし て専門作業班(WG)メンバー、という資料を配布いたしております。資料の不足など、 何かございましたらお申し付けくださるよう、お願いいたします。 ○堀田座長  ありがとうございました。資料の落丁等がありましたら今お知らせ願いたいと思います。 よろしいでしょうか。  それでは、本日の具体的な議事に入ります。  本会議は2月8日に第1回を開催いたしまして、検討を開始してまいったわけですが、 その後の流れにつきまして事務局からご説明いただきます。 ○事務局  事務局からご説明いたします。  資料1の検討の進め方についてというものをご覧いただきたいと思います。横のカラー のものでございます。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議につきましては、 本年2月8日に第1回が開催されました。それに先立ちまして昨年、学会・患者会などの 要望を受け付けまして、要望があった374件の未承認薬・適応外薬のうち、欧米の4か国、 米・英・独・仏ですが、欧米4か国において、未承認薬については承認、適応外について は承認または公的医療保険制度の適用を含むという形で、その確認されたものについて医 療上の必要性を検討するということとしているところです。  また、医薬品ごとの個別具体的な検討につきましては、疾患分野ごとに設置されました 7つのWGにおいて分担して評価(案)を作成することとされまして、今月、各WGが開 催されているというところでございます。  本日はこれまでに行いましたWGの検討状況、すなわち開発の要望に挙げられた件につ いて、海外での承認、公的保険適用状況があるものというものについて、医療上の必要性 があるかどうかについての評価をWGで行った結果を中間報告させていただくということ であります。それに基づきましてご議論をいただきたいと考えております。  4月以降の進め方については、第1回の会議では3月末にある程度医療上の必要性の評 価を固めるような、目標として固めたいということで書かせていただいておりましたが、 ご覧いただくと分かりますとおり、かなり膨大な資料となるものでございまして、各グル ープ7つに分かれて、WG7つに分かれて鋭意検討を進めておりますが、作業量として大 変なところがございます。したがいまして予定としては当初の予定よりは一月程度後ろに ずれざるを得ないかなという状況であります。  したがいまして4月以降の進め方につきましては、本日のご議論の結果にもよりますが、 現在のところ、事務局(案)として考えているものは、4月に入りましたら本日のここで の会議結果、ご意見なども踏まえまして、各WGで医療上の必要性についての追加の検討 をしていきたいと考えておりまして、4月末を目標にして一定の結果をまとめ上げたいと 考えております。  当然のことながら4月末までに学会の方からの意見を聞きたいとか、企業から見解を求 めたいとか、いろいろな事情によって継続検討したいというものも出てくる可能性は十分 ありますが、それを待って検討をいつまでも検討を継続していくことも難しい状況もある かと思いますので、4月末の時点で一定の区切りを付けまして、医療上の必要性の評価に ついてWGでの案をまとめ上げまして、もう一度ここでの会議にかけたいというふうに考 えています。  その後、厚生労働省から検討会議の評価の結果を踏まえまして、関係企業に対して開発 の要請を行うという段取りを考えております。要請先となる企業のない品目、つまり海外 で未承認薬であるというもので、日本で関連する会社がない場合も当然想定し得ます。そ ういったものについてはこれまでもやってきたやり方ですが、厚生労働省のホームページ で開発の募集をするという形の手続きをしたいと思います。  その後の予定といたしましては企業から開発工程表、1つの企業でも複数の開発要請を 受ける企業があるかと思います。したがいまして、そこについてはどのような順番で、ど のように開発を進めていくのかということを開発工程表を作っていただいて提出いただく ことと、その後は公知申請または追加の臨床試験を実施するということについての企業か らの見解の提出を受けまして、順次、その評価結果を提示していくというような段取りを 踏みたいと思っております。  当面、検討の進め方といたしましては以上のとおりとなります。 ○堀田座長  ありがとうございました。ただいま検討の進め方についてあらまし今後の予定も含めて 出していただきました。この点についてご質問、コメントはありますでしょうか。  また今後の検討の仕方につきましてはWGの報告を受けた後で総合討論という形で予定 したいと思っていますので、そこでまたご意見をいただいても結構かと思います。  とりあえずWGの進捗状況についてご報告いただきます。それではよろしくお願いいた します。 ○事務局  個別のWGの内容については報告いただきますが、その前に全般的な話を事務局からさ せていただきたいと思います。資料2をご覧いただきますと、WGの検討状況の概要につ いて報告させていただきます。要望374件のうち、WGでの評価(案)が案としてまとまっ たところについては、ここにあります表の上が未承認薬の部分であります。下が適応外薬 であります。未承認薬の検討済みを右のところにずっと行っていただきますと43。適応外 薬の検討済みが48ございます。合わせて91件について資料3−1というところにまとめて います。今日はこちらについて各WGから報告いただきますので、構成員の皆様からはご 意見をいただければと考えております。  資料3−2ですが、検討中となっておりますが、ここにまとめ上げているものにつきま しては、見解の提出を求めた企業から欧米4か国での承認が確認されたとか、あるいは公 的保険適用があるのではないかということでいただいたものについて資料3−2にまとめ 上げています。ただ、公的医療保険の適用という部分は、確認しなければいけないので、 資料3−2の中の公的医療保険の適用がありそうだというものについては、今のところ確 認中ということにしてあります。  医療上の必要性についてはち3−2についてはいずれも検討中の状況です。  その他、表3−1と3−2の表に掲載されていないものもあります。それについては資 料2の先ほどの表でいうところの海外承認などを確認中と書いてあるものがあります。未 承認薬では15と書いてあります。適応外薬では海外承認等確認中が86と書いてあります。 それについてはこの表には今上がっていません。それは企業から承認または公的医療保険 制度の適用というのが確認できないということで報告がされているためということですが、 これについては慎重に再確認をしなければいけないということで、今再確認を進めている 状況です。  欧米での公的保険適用の有無というのは線引きが難しいところありまして、そこについ ては今のところ例えばですが、米国ではセンターズ・フォー・メディケア・アンド・メデ ィシン・サービス、CMSが保険適用の対象にしているものというものがございます。  英国ではMIMSに収載されているとか、ドイツであればLote Listeと呼ばれているも のに収載されているとか、フランスではVidalというものに収載されているものとか、少な くともそういった一定のラインに入るかどうかというような形で検討していきたいと考え ています。  資料2の下の方をご覧いただきますと、資料3を見る上での注意書きとして2点記して あります。これは留意点であります。小児科領域に関係する要望については、小児に関係 の列に○と◎と記載しているものがございますが、小児WGと各疾患分野のWGの双方が 評価を行っている。小児科領域の部分については小児WGと各疾患分野WGが両方で評価 を行っているのですが、◎の記載があるものは小児WGが主に担当するということで、事 務局として振り分けさせていただいているというもので、○として記載されているものは 各疾患分野のWGが主に担当し、小児WGの意見も聞くという形で進めているものという ことで、そういう印を付けています。  あと企業の意見につきましては、原則として未承認薬につきましては既に開発を行って いる企業ですとか、または開発権を有する外国企業と関連があると考えられる日本企業に 対して企業見解を求めています。  適応外薬については、これは明らかだと思いますが、基本的には先発医薬品としての承 認を取得している企業に見解を求めているという形をとっております。  通常の適応外薬につきましては、基本的に割り当てた企業が開発要請先企業となるかも しれませんが、未承認薬の部分についてはライセンス等の関係で検討も必要な部分もある かという状況です。  更に併せて資料4について説明いたします。これは検討会議の医療上の必要性に関する 評価について、資料4のフォーマットに埋め込んだものをこれから作成していこうという ことでございまして、今後、検討が終了していくものについては資料4のような形で個別 に整理していく様式をこのように考えているということであります。ご参考まででござい ます。以上になります。 ○堀田座長  ありがとうございました。今の説明にご質問、コメントはありますか。 ○吉村構成員  資料3のいろいろな議論に入る前に、資料3に書かれている内容について関係あるもの ですから、資料4の2ページの4について教えてください。「医療上の必要性に係る基 準」への該当性に関する専門作業班の評価というのがあって、上の方はそれぞれの分野の 先生方で評価できると思うのですが、下の方についてはまず医療上の有用性についての該 当性で、既存の療法が国内にないというものについては、今ここでは薬剤が問題になって いるために、薬剤というのは必ずしも療法と1対1に対応しないわけです。そういうのに ついて各WGに対してどういう注意をなしたかということが1つ。  それからもう1つは3番目で、欧米において標準的療法に位置付けられているというも のをどういう基準で考え、どういうふうにして確かめたかということ、これをWGに何ら かの基準を、あらかじめこういう基準で考えてくださいということを言ったかどうか。こ れを教えてください。 ○堀田座長  今の点について事務局からいかがですか。 ○事務局  まず1点目については、既存の療法というものについては、薬物には限らず、その他疾 患に対して、療法という観点で考えています。 ○吉村構成員  問題はWGがたくさんあるわけです。そのWGに対して共通の基準としてどこまで言っ たかということなんです。つまり療法といいましても、同じ薬に対しても重症度に関して はこうしろとか、何とかと併用しろとか、いろいろな場合があります。同じ薬であっても。 特にがんなどは併用療法が普通ですから、併用のやり方もずいぶん違うわけです。そうい うことに関してWGに対してどういう基準を事務局としては提示したかということです。 ○事務局  事務局としては、そこについての基準というものは明示していないということかと思い ます。ですから、そこについては確かにご指摘を踏まえ、次回以降についてはその辺につ いてもしっかり検討したいというふうに思います。  更に標準的療法というところについては、今日、WGからのご報告の中で抗がん剤グル ープについては、そこについてもここでの会議のご意見も踏まえて一応考えたいというよ うなことで話が上がっています。ただ、ほかの分野についてどこまで標準的療法の線を引 けるかどうかという部分については、そこまで具体的なものを明示したという状況ではな いという状況に今あります。 ○吉村構成員  そうしますと、各WGでアイウというふうになっているけれども、場合によっては将来 それを変更する可能性も出てきますね。 ○事務局  はい、その可能性はあると思います。 ○吉村構成員  少なくとも現段階においては各WGがバラバラに独自に評価している。特に標準的療法 というのは非常に微妙でして、非常に小さなグループで標準的と言っているときと、それ からより大きなグループで標準的といっているのと違う可能性は十分あると思います。だ から、その辺がきちっとした標準、こういうルールで分けてくださいということが今回は まだされていないということですね。 ○事務局  はい。明示するような形ではていないのですが、基本的には各分野独立で検討している とは言え、検討結果については各分野で、先生方はお忙しいので、それぞれであれですが、 事務局としては集まって情報は共有しております。ただ、そのような明示するような形で の議論はしておりませんので、そこについてもしっかり検討していきたいと思います。 ○堀田座長  そのほかいかがでしょうか。個別の報告を受ける前に確認しておきたいことはあります か。  もしなければ、WGから、個々の1品1品の検討は難しいと思いますが、まずWGの方 から順次5分程度で審査の内容についてご提示いただきたいと思います。  まず最初に花岡先生、代謝その他のWGですが、ご報告をお願いいたします。 ○花岡参考人  代謝、その他WGからご報告いたします。本WGは5名のメンバーで作業を行っており まして、座長代理は国立国際医療センター消化器科の小早川雅男委員にお願いしておりま す。  今回、代謝、その他の分野に関する要望書は未承認薬、適応外薬を合わせて63品目です が、このうち14についてはこの表の中で◎になっています。先ほどご説明がございました ように、小児のWGから報告していただくことになっています。  WGについては3月上旬に1回開催いたしまして、また本日の検討会議を踏まえて今後、 適宜打ち合わせを行いたいと考えています。  冒頭ご説明がありましたように、海外承認及び公的保険適用が確認された要望について 適応疾患の重篤性と医療上の有用性について、このアイウということについて定義に沿っ て評価をしてまいりました。3−1の資料の3ページをご覧いただきたいと思います。こ この右端の方にWG評価、(1)が適応疾病の重篤性、(2)が医療上の有用性というこ とで、一番上はア、アとなっておりますが、尿素サイクル異常疾患におれる急性発生時の 血中アンモニアの低下作用となっております。これについては、横を見ていきますと◎に なっていますし、3−1別添、これは小児の方でご報告をさせていただきますが、こちら のWGでも一応検討させていただいて、このような評価で出させていただいております。 このような形で本WGでは検討いたしました。  そして3−1で出させていただいたとおり、検討済みで出させていただいたのは10品目 でございます。そのうち代謝分野が1、その他の分野が9品目です。  資料3−2の方は医療上の必要性について検討中のものです。これについては20ありま す。そのうち代謝分野が4、その他の分野が16となっています。  また、そのほかに19品目については海外承認等の確認をしているところです。  3−1の中身を細かく見ていくのは座長が言うように時間がないかと思います。見てい ただくと分かるように、非常に小児の先天性の代謝疾患を中心として、症例数の少ない重 篤なものが多くを占めています。また、そのほか急性中毒に対するもの、あるいはプルト ニウム等に対するもので、緊急性の高いものも含まれております。このようなものを中心 にここでは検討済みとして医療上の適応性の重要性、あるいは有用性についてはア、ア等 で評価させていただいています。  そして、3−2の資料を見ていただきたいのですが、3−2の方は先ほど申し上げまし たように、検討中とさせていただいたものでございます。検討中というのは今回のWGで は医療上の有用性あるいは疾患の重篤性等についてはまだ確認でできなくて検討中という ふうにさせていただいたものでございます。  例えば最初のページ、3ページですが、一番下にメチラポンがございます。これについ ては販売名メトピロンカプセルでございますが、クッシング症候群において外科的な手術、 切除が十分でない場合に過剰のコルチゾール血症になるわけでございまして、この重篤性 については皆さんご存じのとおり教科書にあるようなことでございまして、高血圧、糖尿 病、高脂血症などが当然出てくるのは周知のとおりでございますが、一方で有用性につい ては現在、トリロスタンあるいはオペプリムなどの適応があるということ、あるいは海外 では他の薬剤で既承認となっているということで、内容についてはまだ十分確認できない ということで、こちらとしても専門家の意見を聞きたいということで、PMDAの専門家 に意見を文書でお尋ねさせていただいて回答をいただいたところ、これについては国内で は使用経験が豊富にあって、副作用についても比較的少ないということで、非常に有用性 が高いということです。ですので、これについては他剤との比較という問題が残っており ますので、この薬剤については今後もう少し精査をした上で上げていきたいと考えていま す。  以上、簡単でございますが、ご報告とさせていただきます。 ○堀田座長  ありがとうございました。検討中のものもかなり残していますが、現在までに検討が済 んだものについての報告をいただきました。  今の報告にご質問はございますか。 ○吉村構成員  先ほどの資料4の2ページの一番下に医療上の有用性についての該当性という評価があ ります。そうしますとアが既存の療法が国内にない。ウが欧米において標準的治療法に位 置付けられている。この2つの両方に該当する可能性があるものがあると思いますが、こ れについてはどちらに評価されたのでしょうか。  具体的に言うと、例えば資料の3ページの真ん中の段に275というのがあって、医療上の 必要性についての企業の意見のところでは有用性はウと判断するというふうになっている にもかかわらず、WGの評価はイになっているんです。この医療上の有用性についての該 当性に関してはアイウが排反的、イクスクルーシブではないものだから、同時に該当する 部分がいくつかあるのではないかと思うんです。そうした場合に、どれか1つを選ぶのか、 2つ、3つ同時に書いてしまうのか、そのことについてどういうルールにしたかを教えて いただきたいと思います。 ○花岡参考人  吉村先生、申し訳ありませんか、もう一度。 ○吉村構成員  資料4の2ページの一番下のところを見てください。医療上の有用性についての該当性 というのでアイウとあります。この3つはときにはすべてに該当する可能性も出てくると 思います。つまり既存の療法が国内にはないけれども、欧米では承認されているというと、 アとウの両方に該当するわけですね。 ○事務局  一般論からいいますと、基本的にはアイウにいずれにも該当するとすれば、その上位と いう意味ではないですが、イとウに該当するとすればイという形で基本的には整理すると いう形になっていると思います。ただ、今のこの評価の中でアにするのか、ウにするべき か迷うような場合もあって、そこで並記されているようなものがあると思いますが、基本 的にそのいずれにも該当するとすれば、優先的にはアイウの順番で評価するという形にし たいと思います。 ○堀田座長  今回の報告の中にアもしくはウという評価も現実にあります。 ○吉村構成員  少なくともこの第1WGでは。 ○花岡参考人  第1WGではより高い方を、例えば今回重なった場合は高い方を優先して書かせていた だきました。イとウにして今後の方向性が大きく変わるというふうには考えていなかった のですが、その中でWGとしてはどちらの方が高いだろうかということを考えて今回イと いうふうに書かせていただきました。 ○堀田座長  ありがとうございました。ほかに。 ○伊藤構成員  1つお願いですが、この代謝のグループのところは例えば小児だけでなくて、先天代謝 異常自身は成人でなる人が多くて、例えばホモシスチン尿症などは胎児の影響がかなり問 題になっていますし、だからそういうものを含めて小児だけではなくて成人も含めてやる とか、成人の方が出ているものに関してもやはり小児はあると思いますから、それも含め て十分に検討していただきたいと思います。 ○花岡参考人  そういうふうにさせていただきます。 ○堀田座長  今後の検討に反映させていただきたいと思います。  よろしいでしょうか。  それでは次に循環器WGの方にまいりたいと思います。先に事務局から説明事項がある ということです。 ○事務局  前後しますが、WGでご検討いただいて、医療上の評価というものを出していただいた というものを、今回、先生方にこの資料をお出しする前に検討中の方に回させていただい たものがあるので、それはWGの先生方というよりは事務局の方の事情だということで、 その辺については事前に説明させていただきたいと思っております。  資料3−2をご覧いただきますと、それの15ページの153という要望番号の下の方ですが、 ございます。これについては本品目についての要望は抗利尿ホルモン不適合症候群という ことですが、欧米4か国における承認は水制限では効果不十分であり、かつ肝硬変を合併 していない症例における悪性腫瘍によるSIADHに伴う慢性の低ナトリウム血症の治療 ということですが、これが英国にあるのみで、悪性腫瘍に限定した承認にはなっていると いうことであります。  また悪性腫瘍によるSIADHに対しては日本ではモザバプタンが同様の効能で承認さ れているということで、今回の要望が悪性腫瘍に限定した要望かどうかということについ て、日本内分泌学会に確認する必要があるため、こういった情報がないままにWGで議論 をしてしまったということもあって、そこを確認した上で最後WGで検討したいというこ とで検討中に回させていただいたということです。  更に体内診断薬の部分がありますが、これは21ページ、22ページです。これについても 医療上の有用性の判断を治療薬と同様に取り扱いとしてよいかどうかという整理をできな いままにWGで検討していただいたという状況がありまして、事務局の準備不足のまま議 論してしまったということがございまして、次回、WGで診断薬の取り扱いを整理した上 で、再度ご議論いただきたいということで、検討中の方にここは回させていただいたとい う状況がございます。以上です。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。それでは循環器WGの戸高先生、お願いいたします。 ○戸高参考人  循環器器官、生殖器器官体内診断薬分野を担当しております循環器WGの座長代理の戸 高と申します。最初に今の事務局からのご説明にもあったのですが、体内診の扱いについ て、報告の前で恐縮ですが、最初の吉村先生のご質問にも関連するのですが、判断基準に 「既存の療法がない」とか、「療法」という言葉がかなり明確に書いてあります。それに 関してこの体内診、診断薬は当WGに全て来ていますので、当WGだけで結論を出すという よりは、やはり一度この本会で診断薬について、これを読み替えていいのかということを ご議論いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○堀田座長  先ほどの事務局の説明では、それは含まないという整理だったのですか。 ○事務局  必ずしも含まないということではありません。 ○堀田座長  適応外の診断薬といっても体内診断薬ですね、あくまでも。 ○事務局  そうですね。 ○戸高参考人  1例、2例個別のものを見ていただいた方がイメージがわくかと思いますが、資料3− 2の19ページにいい例が2つ並んでいます。例えば19ページの上の方は5−アミノレブ リン酸塩酸塩です。脳腫瘍の治療に直結するような診断薬です。  2番目に関してはイオプルパンI123ということで、これはどちらかというとパーキンソ ンの診断を行うというもので、体内診断薬としてもかなり性格が違うものでございまして、 これをどういうふうに今回の基準として明示されている「療法」というものにあてはめる かということを若干大筋を示していただきましたら、あとはWGで議論したいと思います。 ○堀田座長  この点に関して特別にご意見のある方はいらっしゃるでしょうか。体内診断薬も検討対 象にするかどうかという話ですね。 ○樋口構成員  ここの診断薬のところはなかなか基準が、治療のラインで、治療と関係してというもの は当然あると思うのですが、例えばパーキンソン病の今の話に出た薬に関していいますと、 例えば今国際的な共同治験、グローバル治験が進んでいる中で、世界でこれは診断をする ときには治験の場合に使って治験をしている。そうしますと日本がもし、これは今採用さ れていないわけですが、グローバル治験に入れないという状況が生まれてきます。ですか ら、それ自体は必ずしも即治療ということには結びつかないのでしょうが、治療薬を開発 していくという上でのかなり意味は持っているのだろうと思いますので、そういう点も少 し考慮していただくといいかと思います。 ○堀田座長  審査管理課長。 ○成田審査管理課長  どうもありがとうございました。治験の段階で未承認薬を併用する場合もございますが、 それは一定の条件で、未承認薬だから治験で使えないという状況ではございませんので、 そこはプロトコルの中で適切なものであれば使っていただいてという形になっているかと 思いますので、そこは。 ○堀田座長  そうしますと戸高先生、WGでこれを評価するときに、2番目の医療上の有用性につい てというところをどこにするか非常に迷いますよね。実際そうでしたか。 ○戸高参考人  はい。WGでは療法というのを診断法というふうに読み替えてもいいのかなという感じ で前回は事前情報がないままに検討して、ある程度の結論は得たのですが、そこが決定し ていいなかったということで今回の報告では診断薬全部が検討中になったんです。ですか ら、大筋をどちらかに示していただいた方がよろしいかと思うんですが。 ○堀田座長  これはどう扱いましょうか。あくまで療法だから、治療薬としての位置付けで対象を絞 るのか、体内診断薬でも必要なものについては検討対象に含めていくのかのどちらかにご 意見のある方はありますか。 ○事務局  基本的には療法ということで規定はしていますが、あくまでも療法は診断法という形で 読み替えるということがよろしいかどうかという確認をさせていただきたい、そういうこ とで確認させていただきたいと思います。 ○堀田座長  基本的には今の発言ように、体内診断薬も療法という形で読み替えるという形で対象と するでよろしいでしょうか。特にご異議がなければ、そのようにいたします。 ○山本構成員  先ほど課長さんが言われた国際共同治験の場合に、そのときには未承認薬でも大丈夫だ というふうに言われましたが、そこはきちっと議論しておいた方がよくて、そういうベー スの薬として使われているものが日本で承認されていないから入れないという症例が結構 あります。それは入るか入らないかを決めるときには、既にそのベースの薬が入っていな いと共同治験に入れない。だから普通の治療薬として使っていないと国際共同治験に入れ ないという例もけっこうあるので、先ほど言われたような未承認薬だから、だけど国際共 同治験だったらいいということではないということは確認しておいていただきたいと思い ます。 ○成田審査管理課長  国際共同治験ということではなくて、治験の範囲内では使って、当然プロトコルがある と思いますので、プロトコルについては適正なプロトコルであれば使っていいという。 ○山本構成員  プロトコルに乗るか乗らないかでなくて、日本の中でその薬が使えないと、既に日本と いう国が国際共同治験に乗れないという事例はけっこうあるのだということ。だから、先 ほど言われたような議論だけで、乗れないものでも乗れるんだよという議論ではなくて、 そこのところだけは確認しておかないと、大きな違いなので。 ○堀田座長  そこは今後ドラッグラグの話もございますし、国際共同治験も進めなければいけません ので、開発企業に関してはそういう取り扱いであることは今までも周知していると思いま すが、誤解のないようにさせていただきたいと思っております。  今、山本先生がおっしゃったように、既に海外では通常に使われている薬で、標準薬な りあるいは標準療法のコンビネーションの中に入ってしまっている適応外薬が国際共同治 験で、新たな開発品目と併用になっているときに、その適応外薬が日本で使えないから国 際共同治験に入りにくいという話ですよね。そういったものこそ、こういう検討のところ に出して、本当に海外で標準的ないしは承認されているのであれば開発していくという流 れになっていくのだろうと思います。  よろしいでしょうか。  それでは戸高先生、よろしくお願いいたします。 ○戸高参考人  お時間をいただきまして、ありがとうございます。WGのメンバーは10名のメンバーに て作業を行っています。資料4−2にありますようなメンバーです。座長は本来、国立循 環器病センターの山本晴子先生ですが、本本日は欠席で、私が代理でご報告しております。  循環器WGの打ち合わせは現時点までに3月中旬に1回開催いたしまして、本日の会議 の検討を踏まえまして4月にもう1回WGの打ち合わせをしたいと考えております。  要望品につきましては配布資料2にございますように、未承認薬と適応外薬とあわせて 52要望ございます。そのうち海外での承認等が確認されなかった15を除外しまして、37品 目について検討を行いました。その中で現時点で要望された学会への確認が必要であるも のなどを、まだ確認中ということで検討中に回しまして、現在のところ、資料3−1の9 ページからにありますように21品目、有用性と疾患の重篤性などの確認がとれたというこ とで、上に上げる準備を行っております。  その検討中に回したものは、先ほど申し上げました体内診の7つも含めまして資料3− 2の13ページからありますように全体で16品目がまだ検討中という扱いにしております。 以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございます。報告に何かご質問は。 ○小川構成員  大変な作業をご苦労さまでした。先ほどの吉村先生の議論にも、ここでも係わってくる ですが、資料3−1の9ページにあります50番という薬剤、それ以外にも2、3あるんで すが、肺高血圧症に対する薬剤、これはプロスタサイクリン系の類似薬が既にあるんです が、用法が全く違う。中心静脈にしか入れられないフローランの代わりに吸入で使えると いう、これは療法が異なると判断していいかと僕は思っていたのですが。  そういう意味で例えば9ページ、医療上の有用性がウになっていますが、これはアでも よろしいのではないか。既にある薬剤の類似薬ではありますが、用法が全く異なりますの で、そういう形でよろしいかな。  それから11ページにも同じように、203番ですが、これはやはりフローランの類似薬です が、これは皮下注射ができる。これは中心静脈ではなくて皮下にできる。しかも半減期が 非常に長い薬剤というように用法が全く違うので、これもそういう意味ではアでいいかな。  その辺の先ほどの医療上の有用性の言葉の解釈が非常に微妙で、むしろアでもいいよう な気がいしました。  それから14ページの27番、アンカロンに関してですが、これは違う意味で適応疾病の重 篤性というところがウになっておりますが、これは私の判断ではやはり心不全の患者さん で心房細動が起こるということは非常に生命に重篤な影響を及ぼす疾患と理解してアでも よろしいのではないと読ませていただきました。  同じく医療上の有用性につきましても、これはウになっておりますが、イないしア。む しろアでもアンカロンの心房細動に対する適応が今日本にないわけですから、これはほか にもこれの薬を使う以外療法がないので、このアンカロンについても両方ともアでもいい かなというような、言葉の解釈で少し判定が変わってくるような気がいたしました。  それからもう1つは、これはご質問ですが、資料3−2の16ページにある362番、t-PAに 関して、これは申請をする理由が明確で、現在までの適応は脳梗塞の発症以内、3時間以 内しか投与してはいけないということですが、既にいろいろなエビデンスで3時間を超え た4時間半までの症例に使っても非常に有用性ということがエビデンスがある薬剤なので、 これは検討が遅れる理由が何かあればご説明いただければと思います。 ○堀田座長  この点について戸高先生からコメントはありますか。 ○戸高参考人  小川先生のご指摘のように、有用性など、この言葉の解釈は最初の吉村先生のご質問に も通じるのですが、明確な基準がないので、ある程度見るものの目で変わるのかなという ふうに思っております。先生がおっしゃったような見方も当然考えられるということで、 更にWGの方で検討させていただきたいと思います。  t-PAに関しては、これは若干個別の案件でございまして、傍聴人がいるのでなかなか説 明しにくいものがございまして、まず1つは承認が海外でないということです。それがか なり問題になっております。もちろん適応外の今回の検討の範囲内には入るのですが、そ ういったこともあってこの品目はかなり慎重に検討する必要があるということで、決して 単に先送りしているとか、ダメ出しをするつもりでここに入れているというわけではなく て、かなり慎重に検討しているという意味でございます。 ○堀田座長  ありがとうございます。個別の品目になると微妙なところもありますので、これ以上の 言及はご勘弁願いたいところもあります。  よろしいでしょうか。 ○成田審査管理課長  有用性のところの評価の件でございますけれども、ご指摘どうもありがとうございます。 たしかに有用性の評価の既存療法がないというところに関しましては、もうちょっとはっ きりした形で各WGと相談して、事務局(案)ということでご相談させていただきたい。 各WGと相談させていただきたいと思っております。  基本的には療法ないというところはご要望をいただいている疾患に関して、その薬剤以 外でもいろいろな療法を踏まえて疾患に対する治療法がないのかどうかというところが基 本ではないかと思っておりますけれども、そこら辺はまたWGとご相談させていただいて、 次回、改めてまたご説明させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○堀田座長  小川先生。 ○小川構成員  この肺高血圧の治療に関しましては、既存薬がいくつか出ているわけですが、非常に副 作用が多い、あるいは合併症が多いということでかなり制限されています、個々の患者さ んで。ですから既存薬の類似薬であっても、別のルートで合併症、副作用を減らせる薬剤 が出てきたのであれば、これはやはりかなり重要なポイントとして評価いただければと思 います。 ○成田審査管理課長  医療上の有用性でアイウが分類したとき、ウになったから医療上の必要性がないという 判断になるわけではございませんので。 ○小川構成員  先ほど順位という表現をされていた。 ○成田審査管理課長  順位というか。 ○堀田座長  表現上の問題でしょう。だから多分、アイウのどこにランクされたからもうだめという 仕分けではないように思っていますが。 ○成田審査管理課長  エになるとだめかもしれませんが、アイウならという、今のところ。 ○吉村構成員  個別のことに関しては僕は基本的にWGに全部任せるべきだと思うんです。だからここ の委員会ではむしろ一般原則みたいなものをはっきりさせることが必要だと思います。今 のお答えの中で各WGと相談してとおっしゃいましたが、それは逆で、各WGで苦労して いるところをここへ出していただいて、そういうのは一般原則としてこうすべきではない かということを、問題提起として出していただいて議論して、我々の方で結論を出す、そ ういう仕組みにしていただいた方がいいのではないかと僕は思います。  もう1つアイウエが順位うんぬんではなくて、該当するのが2つあれば、2つ該当しま す、こういうことを出していただければデータとしていいのではないかと私は思います。 ○堀田座長  今後の検討の中に先生のご意見も反映するという形で進めましょう。確かにそのとおり だと思います。  それから、やはりここでは個々品目についての話よりは、もう少し原則論といいますか、 そういったもので認識を一致させたいと思います。 ○山本構成員  小川先生に個々のことを話していただいたので、一応話題になるんですが、PHについ て、肺高血圧として話題にしていただいたからですが、循環器の先生方がこれだけいらし ても、おそらく肺高血圧症を身近に見ていらっしゃる先生方はこの中にいらっしゃらなか ったから小川先生と違う意見になられたと思うんです。WGに戻すのも重要ですが、ジェ ネラルな疾患ではなくて特殊な場合は、やはり特殊な専門家に意見を鋭く今求めないと、 せっかく重要なものが落とされてしまう可能性があるので、その辺をぜひよろしくお願い します。おそらくWGの方たちがそういう努力をしないと、だめだと思うんです。 ○堀田座長  なかなかWGも厳しくなってきましたね。  作業が大変でありますが、できるだけ評価を入れていただきたいとお願いいたします。  次に精神・神経WGから中林先生お願いいたします。 ○中林参考人  精神・神経WGの座長をしております中林と申します。よろしくお願いいたします。  精神・神経WGは配布資料の参考資料4−2にあります6名のメンバーで作業を行って おります。座長の代理は名古屋大学の医学部脳神経病態制御学講座の勝野先生にお願いし ております。  これまで精神・神経WGの打ち合わせは現時点で2回行っておりまして、3月上旬と中 旬に開催しました。本日の検討会議を踏まえ、4月に精神・神経WGの打ち合わせを行い たいと考えております。  まず要望数に関してですが、精神・神経用医薬分野の品目の関連する要望数は配布資料 2にありますように本邦における未承認薬、それから適応外薬を合わせて95要望ありまし た。一番多い分野であります。  その多い分野で今どのようにWGを進めているかといいますと、多くの要望があったこ とから、まず本検討会議の対象基準である欧米のいずれかの国での承認、それから適用外 薬については公的保険制度の適用を確認し、次に致死的な疾患を対象とした品目、未承認 薬開発支援事業、これは平成21年度の補正予算で行われている事業でありますが、の開 発支援品目。現時点で大きな問題がなく、本邦での開発を進行させることが可能と考えら れる品目等について順次検討を進めているところであります。  なお、過去に臨床試験を実施した品目等で有効性及び安全性に懸念がある品目について は、実施した臨床試験の内容等も確認しながら、本邦における医療上の必要性について検 討を進めているため、検討に多少時間を要しております。  過去の開発経緯などについても、企業側に適宜確認をとりながら作業を進め、確認がと れ次第、本会議にて報告する予定です。  進行状況ですが、現時点までの進行状況については配布資料3−1に示しましたように、 現時点で医療上の必要性の基準の該当性評価については15要望、内訳としましては未承認 薬が9、適応外薬が6の検討を行ったところであります。  なお精神・神経用薬分野における要望につきましては、未承認薬開発支援事業の開発支 援品目に選定された明治製菓のスチルペントールとルフィナマイドが含まれていますが、 両薬剤とも配布資料3−1にて医療上の必要性の基準に該当の再評価を行った結果を今回 は提示しております。以上です。 ○堀田座長  ありがとうございます。それでは精神・神経WGの報告にご意見は。 ○大塚構成員  教えていただきたいのですが、3−1の資料の27の一番下の193のトピラマートについて です。個別のことはあまり適さないと思いますが、小児神経学会学、てんかん学会から要 望させていただいた薬なので、お聞きしたいのですが、評価のところにウで括弧して部分 発作と書いてあります。全般発作に関してはもう1つの3−2の検討の方へいくというこ となのでしょうか。 ○中林参考人  トピラマートにつきましては、たしか今、要望が2つ、効能としましては、対象としま しては2つ出ているということで、それぞれ別々に検討しております。検討が済んだもの については、今お示しさせていただいたという段階で、今後更に検討を加えていく予定で あります。 ○大塚構成員  それでは3−2にも加えておいてください。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。ほかに。 ○樋口構成員  今の資料の3−1の27ページですが、個別のことを申し上げるのはできるだけ控えたい と思いますが、WGに対する質問というよりは事務局にお聞きしたいと思った点がござい ます。ここに出てきているのはアトモキセチンということで、これは成人期のADHDの、 要するに18歳以上の方のADHDに使用するということでここに書かれていくわけですが、 私の記憶が間違っていなければ、ここにも書いてあります第一選択薬として欧米でNPH 製剤というのが既に認められています。このメチルフェニデートで、かつ徐放性製剤にな ったものがあって、コンサータという名称だったと思いますが、それについてこの新たに 改組される前の、直前最後の平成21年の3月だったのではないかと思いますが、そこで このコンサータに関しての検討がこの未承認薬検討会で行われて、一定の結論がそのとき に出たというふうに思ったのですが、その後、関連の学会の先生からどうなっているのか ということが言われたりして、明確なこうするという結論がないままに今日に至っている のではないか。もし私の理解が間違っていたら訂正していただきたいのですが。  もしそうだとすると、今回、ここには出てきていないんです。4つ5つの学会から既に 要望が出ていた薬剤ですが、それに既に決着がついているのだったら、それはそれでいい と思います。ただ決着がついていないとするとアトモキセチンと同じような扱いで検討さ れてしかるべきではないかというふうに思ったものですから、そこの経緯を事務局にお尋 ねしたい。 ○堀田座長  どうですか、実際要望が出ているものしかここには載っていないので、要望自体が今回 の6月から8月の募集期間に出ていないとこの俎上には乗ってこないんですね。 ○事務局  基本的には要望を学会から上げていただいたものについては、欧米での承認または公的 保険適用を確認されたものについて言えば3−1か3−2には入っているんです。その他 のここに盛り込まれていないものについては、要望があれば検討対象としては今進めてい るということでありますが、今おっしゃっていただいたのは要望としては上がっていない ということで、今回のこの要望には。 ○樋口構成員  今回には入っていないんです。ただし、その前に既に学会から要望されて検討会が検討 されてきた経緯がございますので、それに関しての決着がついているのだったら、もうそ れはそれでいいと思うのですが。 ○堀田座長  それは先生、適応外薬ですね、未承認薬ではなくて。適応外薬については今までの検討 会で正規に議題に乗せたことはないんです。未承認薬はやっていますが。今回、6月から 8月にかけて各学会や団体に要望を募ったときに、リストに盛り込まれていないと今回、 この対象にはなっていないという、そういうことになります。 ○大塚構成員  ちょっと関係あるかなと思うのですが、前の未承認薬使用問題検討会議のときに子ども のときから内服している方で、コンサータとアトモキセチンについて、それらの患者さん がキャリーオーバーされた場合に飲み続けるということができないかという要望は小児神 経学会などの3学会から出しまして、それに関しては使用説明書の改定という形で対応し ようかという動きがありました。そういう話題がございましたので、そのことを思ってい られるのかも分かりません。 ○成田審査管理課長  その件に関しましては、ご指摘をいただいた後、2つの薬剤、実際に小児期から継続使 用について事例がどのぐらいあるのかというところも調査させていただいておりまして、 どのような取り扱いにするかについては今検討中でございます。ただ、症例的には実際に はあまりないようなところだと聞いておりますが、検討させていただいているところであ ります。 ○伊藤構成員  大塚先生が言われたところに付け足しますが、製品名と適応症があります。あれを1つ の固まりとしてやっていただかないといけない。米、英、独、仏で認められた適応症が医 薬品に関して、あるものに関してはどうかというふうに分けていかないと、これを見ると そういうところがきっちりと分かれていないところがあると思います。この点を考えてほ しいと思います。 ○堀田座長  これについて事務局からありますか。 ○成田審査管理課長  そこは治療法としての考え方ではそうだと思いますが、ただ薬剤ごとにそれぞれ有効性 とまた副作用の関係がございますので、そこは基本的には今でも薬事法の考え方でいきま すと薬剤ごとにやっておりますので、今回は少なくともご要望いただいた中でやらさせて いただいています。  もし治療法からいくということであれば、治療法のガイドラインをどうするかとか、そ ういう方法からのアプローチではないのかなと。 ○伊藤構成員  そうではなくて適応症が認められているのを調べたときに、同じ薬であって、適応症が 認められているもと、認められていないものと同時に出ていた場合には、どう分類するか 問題になってしまうのではないですか。ちょっと説明が悪いかな。 ○堀田座長  同類の薬でも適応症の範囲が違うという。 ○伊藤構成員  例えばフルボキサミンでしたら強迫障害に関しては通っています。だけどうつ病に関し ては小児の適応は認められていないですね、米、英、独、仏のいずれかで医薬品の適応症 が認められていること前面に出すのだったら、これをしっかり適応のあるものを分けてや っていかないといけなくなるのではないかとの主旨で発言させてもらっているんです。 ○中林参考人  1点、補足の説明をさせていただいた方がよろしいかと思います。WGの方では1つの 品目に対してすべてに関して包括的に評価するというやり方ではなくて、1つの薬剤に対 して複数の効能に対して要望が上がってきたときに、それは個別に評価をしております。 ですから、今回ご指摘いただいたように必ずしもそこの評価が全部足並みがそろっている わけではなくて、1つについては検討は終わったけれども、もう1つについては同時にま だ検討中というものがどうしても発生してしまいまして、1つの薬剤に対して包括的に結 論を出すという形ではなくて、効能に紐付けといいますでしょうか、個別に判断したやり 方をとっております。 ○堀田座長  ありがとうございます。時間の関係もありますので次のWGの報告に移りたいのですが、 抗菌・抗炎症WG、宮崎先生、お願いします。 ○宮崎参考人  抗菌・抗炎症WGは参考資料4−2にありますように10名のメンバーで作業を行ってい ます。座長は埼玉医科大学の呼吸器病センターの金澤委員であります。座長代理は私宮崎 が務めております。  要望数についてですが、抗菌・抗炎症の品目に関連する要望数は合わせて73ですが、そ のうち23の要望につきましては対象疾患が主に小児であったことから小児WGでも議論を いただいているところです。したがいまして資料2では当WGの検討品目は50になってお ります。  打ち合わせの回数ですが、これまで抗菌・抗炎症分野は3月上旬に1回検討を行ってお ります。本会議の結果を受けまして、4月の上旬、中旬に第2回目のWGを予定しており ます。  進め方ですが、抗菌・抗炎症分野においてはまず本検討会議の対象基準にあります欧米 のいずれかの国での承認を確認いたしまして、次に適応疾患の重篤性、及び医療上の有用 性ということで先ほど来問題になっておりますが、初めの事務局(案)に従いまして基準 に照らして検討を進めているところです。  進行状況ですが、小児WGで報告されます23要望を省く50について、現時点までの進行 状況です。資料3−1に示しておりますのは、該当性の評価が完了した12品目であります。 欧米4か国のいずれの国でも承認されていないことが確認された12品目につきましては、 現在、公的医療保険制度の適用の有無について調査を行ってもらっているところでありま す。残りの26についてはまだ現在検討を継続しています。以上です。 ○堀田座長  ありがとうございます。それでは抗菌・抗炎症WGについてお願いします。後藤先生。 ○後藤構成員  抗菌薬に関しては、同種同効薬というのは非常に多いわけです。ですから例えば第一世 代セフェム、第二世代セフェム、同じような対象の菌に対して同じような効力を持つとい う状況の中で、例えば今回、この第三世代のAという薬剤が出ている。そうすると何ゆえ に第三世代のAだけをここで議論して、B、C、Dを議論しないかという問題が出てくる と思います。これが1つ。  2つ目は高用量を申請している。当然今、感染症で重症の患者さんに欧米と格差がある のは用量の問題です。用量の問題もこの中で、この1剤だけで高用量を申請しています。 そうするとそれだけに対してディスカッションするのはいびつだと思います。ほかの薬剤 も当然高用量が必要な状況にあって、何故にこの薬剤だけに関してWGでディスカッショ ンするのか。これが2つ目。  3つ目は、これは日本の感染症の中で大きな問題、輸入感染症、熱帯病関係に関する薬 剤のリストアップが欧米に関して劣っている状況の中で、例えばマラリアならマラリアと いう疾患に対して、今回、1つの薬剤が申請されて、その薬剤に関してディスカッション する。でも一番大事なのは我が国の医療体制の中でマラリアをどういう治療体系とするか。 治療薬はどういうものをリストアップして、どういうものを予防薬でリストアップが必要 だ。そういう議論がなしに、たまたま申請された1つの薬剤だけに関してWGでするとい うのは今後の感染症に対する治療体系を作る上でいびつな問題を残すと思います。そうい うところまできちんと議論をしていただければと思います。事務局はどう考えているかと いうところを教えていただきたいと思います。 ○堀田座長  先生のご指摘はもっともだと思いますが、その作業はこのWGに投げるのはあまりにも 大きくて、本来は学会が責任をもってやるべきことだと思うんです。学会がガイドライン を作るなり、あるいはきちんとした体系的な提案をするということなしに、各方面から要 望がポツポツと1個ずつ上がってくるというやり方でしか対応できていないところにむし ろ問題があるのではないかという気が私はします。勝手なことを言って申し訳ありません。  何かご意見はありますか。  今の後藤委員の意見もありますので、各領域において体系的な議論の中から提案してい ただければありがたいと思います。 ○後藤構成員  その点に関して事務局はどう考えているか、ちょっとお考えを。 ○成田審査管理課長  抗生物質の関係で高用量のものについても個別に現在でも申請が上がってきているもの がございます。それはそれで個別に判断でさせていただいているのが現状でございます。  抗生物質については数年前に効能効果をまとめてまき直しをさせていただいたようなこ とがございますし、そこはどうするかというのは、全体的にどうするかというのは学会の 先生方ともご相談させていただく必要があると思うのですが。  それと今回、要望いただいたものについてはどうするかというのは、基本的にはご要望 いただいたものについて個別に判断していくのが原則かと思いますが、WGともご相談さ せていただいて、その際にマラリアに関してご要望があったけれども、これが一番いいの かということもあろうかと思いますので、そこも含めてコメントがあれば付け加えていた だくような形で。 ○宮崎参考人  WGからよろしいでしょうか。今日いただいた意見を持ち帰りまして、こういった意見 が出たというお話はいたします。それで今、後藤先生がおっしゃられたようなガイドライ ン的な内容をWGでやるのは今回はなかなか難しいかと思うのですが、この会議としてど こまでやれということを決めていただければ、それをやるように鋭意努力したいと思いま す。 ○堀田座長  本当にそれを認めてしまっていいんですか。(笑) ○宮崎参考人  今やっている内容ではなかなか難しいと思いますが。 ○堀田座長  これは学会の方にもう1回投げ返したりもする予定ですよね。今後の、例えばWGから 学会の方に意見を求めるとか。 ○事務局  まずはこの374について処理をするということが、今おっしゃるようなことをやるのが理 想的ではありますが、そうしていくうちに時間がかかるわけです。ここは一月なり二月と いう間でまずは第一段階の開発要請をするという段取りにもありますので、まずはそこを クリアにしていく。  今回のこのような検討というのはこれからも継続的にはあると私は思っていますので、 そういった意味で学会からのそもそもの提案、要望についてはそういったことも考慮して いただいて、これからは検討していくとか、そういった観点で進めないと、網羅的な話に なってしまうと、そもそもの今の検討が進まなくなってしまうという状況があると思いま すので、そこはまずはこの374でどう考えていくかというところで対応させていただきたい と思います。 ○堀田座長  後藤先生の提案も意識しながら、その位置付けについて整理していただくということで、 今後の検討に生かしていただきたいと思います。 ○岩田構成員  先ほど宮崎先生のお話にもありましたように、抗菌物質等のところでは小児も関係して くるものが多くて、小児に関係するものは小児のWGに振ったということですが、今ここ で出ている中でも小児分野に関係というところにたまたま○がついていないものも、必ず しも関係ないわけではないというものも幾つかあるとは思うのですが、この辺は○が付い ていなくても、もし小児WGの方から何か意見があれば、一緒に検討するということもあ り得るというふうに考えてよろしいでしょうか。 ○宮崎参考人  ここに上がってきているものについては、当然検討の対象になると思っています。この 374品目でしょうか。 ○岩田構成員  たまたま小児の関連の学会から上がってきていないものもあるとは思うので、その辺は 少し柔軟に対応していただければと思います。 ○宮崎参考人  ということは1つの薬に新しく小児適応をという意味でございますか。 ○岩田構成員  必要なものがあればということです。 ○宮崎参考人  その辺は検討するのはかまわないのですが、事務局的にはいかがですか。 ○堀田座長  中村先生。 ○中村参考人  小児のWGの成育医療センターの中村です。後ほどまとめてご説明しようかと思いまし たが、今の点については私どもは各領域の小児に関係した薬を横断的に見ていますので、 その観点から見て、今、岩田先生、伊藤先生がおっしゃった点はあるなと感じています。 一番如実に感じるのは、中毒周りと感染症周りで、これは出された学会の先生方は適応症 で出してきているけれども、出された段階で成人だけなのか、小児であるかということの 区別をしないといけないという認識なく出されているものがあって、その感染症には例え ば、私も幾つかの品目について海外のFDAとかの承認でざっと見ましたが、FDAは小 児の適応があるものがいくつかあるということ確認しております。  今日個別の話はここでできませんが、そういったものについて、もし成人だけ適応拡大 を進めてしまうと、それがまた後で小児の適応拡大が必要だということで、この会で何度 も何度も繰り返すと製薬企業も含めて疲弊するということがありますので、明らかに小児 も必要なものについては、あとWGに盛んに皆さんは作業を振られますが、かなり大変で す。本務もありまして、この作業だけで給料をもらっているわけではございませんで、そ こはできるだけ海外、米英独仏の承認状況であるとか、学会での認識がきちっとしている ものについてはどんどん開発の必要性を客観的に認識して進めていくということで、WG といえどもすべての領域の専門家がそろっているわけではございませんし、親委員会にも すべての領域の専門家がそろっているわけではございませんで、そこあたりは淡々と進め させていただいた方が、我々としても負担なく、万が一このスキームが長引いても倒れず にやっていけるかなと思います。 ○堀田座長  吉村先生。 ○吉村構成員  私もWGにはなるべく単純な作業だけを求めて、あまり難しい話は持ち込まない方がい いと思います。そして、むしろWGからこれに関しては判断がつかない、難しい問題だと いうことを別記として出していただいて、それをここでどう取り扱うかを考えればいいの ではないかと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。そういう整理で進めさせていただきたいと思います。WGから も仕分け上、非常に困った点等があったらここに出していただくということにしたいと思 います。  それでは抗がんグループの方に移りたいと思います。安藤先生、お願いします。 ○安藤参考人  抗がんWGの座長の安藤と申します。よろしくお願いします。  抗がんWGは配布資料4にありますように、7人の委員で検討いたしました。品目数に 関しては全部で81品目、未承認薬が10、承認適応外のものが62品目ございます。先ほどか ら問題になっています医療上の必要性が高いと判断する基準についてどういうふうに考え たかということですが、まず適応疾患の重篤性に関しては、アの生命への重大な影響があ る疾患、致死的な疾患というのは悪性腫瘍の治療を対象とした品目であればすべて該当す るというふうに判断いたしました。  それから、病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす、あるいはその他 日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、イとウですが、に関しては例えば悪性胸水のコント ロールの治療に用いる薬剤とか、抗がん剤治療後の白血球が減少したときに用いるGCS 製剤などが該当するというふうに判断いたしました。  それから2の医療上の有用性に関して、アの既存の療法が国内にないというのに関して、 悪性腫瘍に対して医療では何らかの治療が実施されているけれども、国内で効能効果の承 認が該当する疾患にないというものが該当するというふうに判断しました。  それから、欧米の臨床試験において有効性、安全性等が既存の療法と比べて明らかに優 れているイについては、何らかの既存の治療との比較試験成績が示されているものを該当 といたしました。  ウの欧米について標準的療法と位置付けられているというものに関して、悪性腫瘍の治 療体系の中ではご存じのように標準的治療として確立されている治療法というのは非常に 限られていますので、明確にこれはいろいろな比較試験、臨床試験の結果から標準的治療 と位置付けされている薬剤はそうなんですが、それ以外のシングルアームで第二相試験レ ベルのエビデンスで、実地医療として汎用されているものも対象に含めました。  具体的にはどんなものを対象としたかというと、国際的な診療ガイドライン、米国のナ ショナル・コンプリヘンシブ・キャンサー・ネットワークといって米国の主要な21のがん センターで作っているガイドライン、これは国際的には非常に有名なものでありますが、 それの記載のあるものとか、それから今回、要望に上がっている中で血液疾患、本態性の 血小板増多症などは血液疾患で用いられている、例えばウィリアムズのヘマトロジーとか、 そういう有名な教科書に記載のあるものを該当というふうにいたしました。  具体的な検討結果でありますが、配布資料3−1をご覧ください。未承認薬の19症例の うち、検討済みのものが3品目です。それから国内で適応外のものが62品目のうちに6例、 つまり9品目について検討済みでございます。  先ほど個別の品目を出すなというお話がありましたが、これはおそらく抗がん剤の分野 で特異的なものだと思うのですが、配布資料3−1の44ページのパクリタキセルで、原発 不明がんに対する効能効果の要望が上がってきております。パクリタキセルというのは乳 がんをはじめ肺がんとか広いがん種で国内でも認められて、効能効果を持っている薬剤で ありますが、実は原発不明がんというのは、海外でも全く効能効果を承認している国があ りません。  原発不明がんというのは実は治療体系がまだ確立されていません。例えば肺がん、卵巣 がんという疾患数の多いがんで非常に幅広く用いられている抗がん剤が原発不明がんの治 療では幅広く用いられております。  実地医療ではどんなことが行われているかというと、原発不明がんでパクリタキセルを 使った場合に保険償還されないかというと、そこは保険償還されて、原発不明がんである ということを症状詳記を書くと認めていただける場合が多いです。だから切られることは 少ない。ただし、今回私たちが懸念したのは、もしパクリタキセルを、要望が上がってき ていますが、原発不明がんに対してこれを効能効果として承認するという方向に持ってい ってしまうと、ほかの薬剤、一般的に例えば肺がんとか卵巣がんで用いられているほかの 薬剤も原発不明がんでは非常に幅広く用いられているので、それらの薬剤がすべて保険で 切れてしまうということが起こってしまう。だから、この疾患自体も疾患概念としては確 立しているのですが、治療としてはまだ曖昧な治療体系の上で行われている疾患で、なお かつ保険診療も国内で非常にグレーなといいますか、症状詳記をちゃんと書けばほとんど 償還していただけるのですが、そういう非常に曖昧な状況で保険償還が行われている薬剤 に関して、今回のWGであえて取り上げて、国内で効能効果を認めていただくようにする のかというのは私たちは問題だと思いました。 ○堀田座長  ありがとうございます。承認取得前提とは違った意味で大変重要な問題提起であります。 原発不明がんのようなものに対して、現状は保険の中で何とか償還されているが、こうい うのを表に引きずりだしてくるといろいろな問題が起きてしまうという、逆にそういう問 題ですね。ですから、現状では保険の方の償還で何とかハンドリングしているという現状 をどう考えるかという問題だと思います。これはこれで非常に重要な問題だと思いますの で、あとで別途ご意見があれば、その点についてご意見をいただきたいと思います。  今の報告についてはよろしいでしょうか。  もしなければその次に移りたいと思います。  次は生物WGです。中川先生、お願いいたします。 ○中川参考人  生物分野のWGの中川でございます。生物分野のWGは資料4−2にございますように 4名のメンバーで構成されております。3月5日に1回目のWGを開催いたしました。生 物分野の品目は非常に少のうございまして、1回目の検討会で、検討中の2品目がござい ますが、7品目についてほぼ検討を終えましたので、個別の品目にまで触れさせていただ いて、ここで報告させてもらってよろしいでしょうか。  資料2にございますように、未承認薬が4つ、適応外が5つで、そのうち今申し上げま したように7品目が検討を終えました。生物分野は血液製剤とワクチンというふうに2つ の医薬品で構成されていますので、各々別々に報告させていただこうと思います。  血液製剤は5件要望がございました。そのうち海外承認あるいは公的保険適用を有する ことが確認できた要望が4件ございました。これら4件について、医療上の必要性を検討 いたしまして、そのうち必要性が高いとWGで判断したものは2件ございました。  1つは、資料3−1の47ページにあります番号372、人免疫グロブリンG、販売名ヴィヴ ァグロブリンに対する原発不性免疫不全症に関する要望。もう1つは48ページの69、1つ はエプタコグアルファ、活性型遺伝子組み換えで、販売名がノボセブン、これに対します 血小板膜蛋白GPIIb−IIIa、あるいはHLAに対する抗体を保有し、血小板輸血に対す る効果が見込めないグランツマン血小板無力症患者の出血抑制に関する要望、この2つで ございました。  エプタコグアルファで同じ品目ながら2件要望が上がってございまして、1つは産科危 機的出血の抑制に関する要望でございます。これはフランスで公的保険適用があるという ことですが、現在これについても確認中でございまして、一応海外での承認は今のところ はないというのと、ガイドライン、文献の報告も限られています。ただ適応疾患の重篤性 はかなり高い。これは極めて致死的なものと考えられますので、重篤性に対しては認める ことは可能ですが、現時点では有効性、安全性に関するエビデンスが十分にあるというふ うにはWGでは判断できませんで、医療上の有用性は高いとは判断いたしませんでした。  同じくエプタコグアルファの軽度ないし中等度の出血の場合に270μg/kg1回投与の用 量追加です。これに対する要望がございました。これは英仏独で既に承認されておりまし て、出血部位等により致死的な出血となることが考えられますので、適応疾患の重篤性は 高いというふうに判断いたしました。また、この用量でいきますと投与回数を減らすこと ができますので、患者さんのQOLが改善し得ることは非常によく理解できると思います。 ただ、既存の療法が存在しております。ノボセブン、ファイバといったものが存在するこ とと、国内外の臨床研究がいくつかありますが、有効性、安全性は90μg/kg3回の治療と ほぼ同程度であるということ。それと既存療法に比べて有用性、安全性等が明らかに優れ ているというふうには判断できませんでした。また、本用法・用量は欧州で既存の用法・ 用量に加えて承認されているんですが、標準的療法になっているというところまでは断言 できないと考えられまして、医療上の有用性が高いというふうには判断いたしませんでし た。したがいまして、この2件の要望に関しましては医療上の必要性が高いというふうに は判断したしませんでした。  ワクチンですが、4件要望がございました。そのうち海外で承認あるいは公的保険適用 を有することが確認できたものは3件がございます。これらの3件につきましては医療上 の必要性を検討しましたところ、医療上の必要性が高いと考えられたものは2件ございま した。  1つはチフス菌Vi多糖体抗原ワクチン、販売名ティフィンViに対する成人及び2歳 以上の小児の腸チフスの感染予防に関する要望、もう1つは髄膜炎菌、グループA、C、 Yand W−135、多糖体ジフテリアテキソイド結合体、販売名メナクトラに対する meningitides serogroups A、C、YとW−135による侵襲性の髄膜炎菌感染症の予防、こ れも2歳から55歳に関する予防でございました。  ガーダシルに関するヒトパピローマウイルス、16型及び18型に起因する子宮頸がん等の 予防等に関する予防は、ヒトパピローマウイルス、HPV16型及び18型感染に起因する子 宮頸がん、偏平上皮細胞がん、腺がん及びその前駆病変、子宮頸部上皮内腫瘍、CIN2 及び3の予防を効能効果とするワクチン、サーバリックスですが、これが既に本邦におい て承認されていますので、医療上の必要性が高いと判断できませんでした。以上でござい ます。 ○堀田座長  ありがとうございました。生物製剤につきましては個々に性格が非常に違うものですか ら、個別に報告していただきましたが、この点につきまして何か。 ○白幡構成員  今、個別に説明していただいたので非常に分かりやすかったと思いますが、医療上の既 存の治療法がないという、既存の治療法が非常に不便で、それに対して利便性が優れたと いうのが当然臨床上の有用性があるわけですね。分かりやすく言いますと、例えばインタ ーフェロンは昔、週3回が週1回になったというのは有用性があると思いますが、私も前 回の会議でWGに血液製剤分野の専門家がいないことを危惧するご発言させていただいた のですが、医療の現場にいる者として、血友病の患者さんに不足している凝固因子製剤を 使いますと、2割ぐらいの、重症の血友病の患者さんにすと2歳ぐらいまでに製剤中の凝 固因子を不活化する、同種抗体ができてしまう。そうすると8因子、あるいは9因子の製 剤をが効かなくなるのでノボセブンを使うんですが、この場合に早く使わないといけない ということで、家庭で主にお母さんですが、お母さんが注射する。静脈注射をする。それ を2〜3時間おきに3回続けてやらなければいけないというのは相当なストレスになりま す。そういったことから、家族の要望も受けて我が国でも医師主導で、これは大変苦労し たのですが治験を実施した。ということは、そういう背景がなければそれだけ苦労して治 験する意味がなかったわけです。それで我が国の治験ではより早く止血が得られるという 結果が出ております。そういったQOLの観点から考えるとが、有用性は相当あると考え ます。  もう1つ、標準的治療というのは治療方法全体がそっちに向くというのが一般的な意味 での標準的治療なのでしょうが、この場合には今までやっていた治療で対応できる場合も ある。3回使わなければいけない場合に1回で済ませるという、やり方を選択しているの で、確かにヨーロッパでは3割ぐらいがこの方法になっていますが、それは標準的治療に なっていないという意味ではなくて、標準的治療の選択肢の1つになっているというふう に理解していただきたい。そう考えると、私の立場からするとこの判定はミスジャッジと いう気がします。 ○中川参考人  厳しいご意見ありがとうございます。私も当然、小児科の現場でやっておりまして、同 じく私どもの血液の医師とも話はさせていただきました。確かに先生おっしゃるように3 回の注射を1回で済ませるということは患者さんにとってのストレスは大変軽減できます。 ただ安全性に関する、血栓症という問題がございまして、これをクリアできているかどう かということになりますと、若干疑念があるということ。  それから、先生が臨床研究されたのを僕は存じていますが、治験ではなくて治験以外の 臨床試験だったと思いますが、それを見ましても明らかに3回の投与に優るだけの有用性 と安全性が科学的にいいますと、利便性ということは除いてですが証明されていなかった のかと、失礼ですが読ませていただきました。そういうことでこのような判断をWGとし てはさせていただいたということです。 ○白幡構成員  1つだけ言いますと、あくまでもこの治験は有効性を証明するものではなくて、利便性 を証明するための研究であって、その目的は十分果たしたと思っておりますが。 ○堀田座長  分かりました。ありがとうございました。 ○中川参考人  WGの意見ですので、この検討会議でもう一度検討いただいて、そのように変えていた だいても私どもは全然問題はございません。私どもの意見としてはそういうことです。 ○堀田座長  確かにここの区分けの基準の中に効果、安全性で優れているかどうかという項目はある けれども、利便性という項目は確かにないので、特記事項にそれは書いていただいてもか まわないと思います。 ○吉村構成員  質問です。48ページの上の段の右端の医療上の有用性のところにマイナスの記号があり ますが、これはどういう意味でしょうか。 ○中川参考人  最初、これはアに該当する、既存の療法が国内にないというふうに、確かに産科的な危 機的出血に対して、現在、輸血をどんどんやってということしか既存の治療法がないので、 こういうふうに考えたのですが、これが第一選択となるだけの治療法かどうかということ に対してのエビデンスが得られなかったので、該当しないとも書けないので、このような 表現になっています。 ○吉村構成員  よく分からないのですが、WGに求められている要求はアイウエのどれかというのが求 められたと思うんですが、それに関する回答がないということでしょうか。 ○中川参考人  私どもの判断としては、無理やり付けるとしたらアではないかというふうには思います。 ただし、この品目がここに当てはまってくるかということに関しての、自信を持ってそう であるというふうには言えなかったということで、既存の治療法がないということに関し ては、強いて言うならばアになるだろうと思います。 ○堀田座長  完全に意思決定ができない状況にあるということであれば、引き続き検討項目の中に入 れていただくということでもよろしいかと思います。 ○吉村構成員  それだったら検討中ぐらいの方がまだいいのではないでしょうか。  それから該当しないというのはエのことなのか、それともそれ以外のことなのかはっき りしない。 ○中川参考人  すみません、検討しても答えは僕らには出せないです。正直いいますと。 ○吉村構成員  該当しないというのは。 ○中川参考人  答えが出せないんです。要するに既存の治療法が本当にあるならば、探して見つかるな らば、輸血をどんどんやるということ以外にあるならば、それでいいんですが、これに対 して明らかにここでアに変えさせていただきます、今後検討してアになりますと断言はで きない。 ○吉村構成員  今、私がお聞きしているのは、その次の下の段に該当しないと書いてあるのですが、こ れはエのことでしょうか、それとも別のことでしょうか。 ○中川参考人  これはそういうことです。アイウのどれにも当てはまらないということです。すみませ ん、申し訳ありません。 ○吉村構成員  エではないんですか。 ○中川参考人  エです。 ○吉村構成員  WGから出してくださるデータは、我々はこれだけしか見ませんから、誤解のないよう な記述をお願いしたいと思います。 ○堀田座長  厳しいご指摘をいただいていますが、できるだけ提案するときにはどこかに当てはめて 出していただいて、それについて意見をいただくことにしたいと思います。 ○事務局  資料については委員ご指摘のとおりに整備していきたいと思います。 ○岡部構成員  ワクチンに関して3つ意見とコメントがあります。これは今までの流れと違って、治療で はなくて予防についてであると思います。これの判断のときもおそらくは医療上の必要性 に係る基準のところのアイウエも「療法」のところを「予防」と読んでいただいて今の判 定にしていただいたのだろうと思うのですが、今後、ワクチンもここに入ってくるのなら、 この用語はそういう読み方をしていいのであるということを確認しておく必要があるので はないかというのが1つです。  それからHPVワクチンについて、これは該当しない方になっていますが、確かに既存 のワクチンとしてはサーバリックスがあって、これは16、18型で承認をされているのです が、このガーダシルの場合は6と11型でしたか。16、18が共通で、たしか6と11が尖形コ ンジロームに対するものというところでワクチンの意味合いが違うのですが、これについ てサーバリックスがあるから今回承認しないというところはどうやってご説明されるかお 尋ねしたいと思います。 ○中川参考人  先生ご指摘のようにサーバリックスよりも多価のワクチンであるということは重々承知 しております。そういうことで検討させてもらったのですが、そういう意味では本当はこ れに関しましては医療上の必要性を認めたいのですが、既存の治療法としてのワクチンと、 それから現在、承認審査を実施中ということで検討対象と考えませんでした。 ○岡部構成員  これは子宮頸がんワクチンだからということで検討されたのかと思ってお尋ねしたとこ ろであります。  最後の1点ですが、ワクチンが今回検討外のものを含めて4種類あったのですが、話が 前に戻ってしまうかもしれないのですが、要望の公募についての条件が未承認薬、適応外 薬となっており、今ちょっと申し上げた評価のときの既存の療法であるとか、安全性、有 効性が既存の療法に比べて、あるいは標準的に療法に位置付けられてというところですと、 ワクチンに関してこれは最初から対象外だと考えた方が多いのではないかと思うのですが、 事務局いかがでしょうか。 ○事務局  そういうふうにとられたかどうかというのは分からないところがありますが、あくまで 先ほどの体内診断薬の話でもそうでしたが、基本的には診断、治療、予防といいますか、 療法という代表的なところだけで表現してしまったのはまずかったかもしれませんが、予 防とか診断とか、そういったことも含むという形で出したつもりではおりました。 ○岡部構成員  今回は動いているのでこれだと思いますが、もしセカンドラウンドみたいなものがある ようでしたら、そこのところも考慮していただければと思います。 ○堀田座長  ワクチンについても日本はワクチンラグとかと言われる問題が、別途、非常に深刻な問 題としてあります。しかし、今回はそういうものも対象に入れるという整理で、先ほどの 体内診断薬も含めて扱わせていただきました。そうすると「当初はそんなつもりでなかっ たから要望として出さなかった」と言われる部分については第2ラウンドで出していただ くということでよろしいでしょうか。 ○落合構成員  先ほどのエプタコグの件ですが産科の危機的出血の備考を拝見いたしますと、現時点で 十分なエビデンスがあるとは言えないということですが、これは非常に難しい問題です。 産科的危機出血の対応法については症例報告やそれを集計したものなどエビデンスレベル の非常に低いものしか出しようがないわけです。したがってこういったような疾患に対し て、備考のところでエビデンスがないから、というような書きぶりは少し抵抗を感じるの ですが、いかがでしょうか。 。 ○中川参考人  ご指摘のとおりでございまして、私どもも検討のとき、そういうところかなり悩みまし た。ただ、学会から出されていますガイドラインとかそういうのを見ましても、これが明 らかに選択肢として上がってきているということが読めませんでしたので、エビデンスと してそれを評価できなかった。 ○落合構成員  ただ新しいガイドラインではこういったようなものを用いるべきだというような話も今 検討されているところでございまして、既存のものではまだこういうところまで配慮され ていなかったということだと思います。 ○中川参考人  そういうところだと思います。 ○堀田座長  いろいろご意見があるかもしれませんが、時間の関係で最後の小児の方に移らせていた だいてよろしいでしょうか。中村先生、お願いいたします。 ○中村参考人  小児WGの座長の中村でございます。お手柔らかによろしくお願いいたします。  小児WGは横におられます土田先生、中川先生、その他2名のメンバーです。資料2に ありますように今回ご報告するものは未承認薬の検討済み11、適応外薬検討済み7以外に もう1つ未承認薬の中で◎でなく○になっておりますが、明らかに先天疾患ということで、 成人が一部含まれているので○になっていますが、これも併せて私どもから報告させてい ただきます。  お手元の資料は資料3−1の別添をご覧いただきたいとお願いいたします。まず未承認 薬ですが、1ページ目3品目ございます。このうちシステアミンについては支援が決定し ておりますので言及いたしません。42番の安息香酸ナトリウム・フェニエル酢酸ナトリウ ム配合剤。それからカルグルミック酸、この2つについては臨床上の必要性は高いと判断 しています。  次にいきましてフェニエル酪酸ナトリウム、ベタイン、これも支援が決定しているもの でございます。  ニチシノン、これは既に未承認薬使用問題検討会議で1回検討されて、症例が1症例で、 無償提供されているということで、一旦その後の開発要請はしないことで結論付けられる と理解しておりますが、4年たっているということで、そのままでよろしいかということ もありまして、一応ここに上げさせていただいております。  それからミグルスタットでございます。これはニーマン・ピック病C型、それから成人 のゴーシェ病ということで、これも臨床上非常に必要性が高いというものです。  次のページにいきましてカナキヌマブ、これにつきましてはクリオピリン関連周期性発 熱症候群ということで、臨床上の必要性は非常に高いということでございます。  このものについては現在、EUで最近承認済みということで、国内での治験も進んでい るということですので、そのことを付記させていただきます。  その次のカフェインクエン酸塩、これは未熟児の無呼吸発作に対するものですが、既存 の薬よりもはるかに有用といいますか、これはアではないですね。既存の薬に比べて有用 性が高いという表現が微妙ですが、血中濃度も安定しますし、使いやすい。世界的には標 準というところでございます。  その下のドルナーゼアルファ、膵嚢胞線維症、これも臨床上非常に必要性が高いという ことでございます。  次にまいります。ボラクタントアルファでございます。これはここに載せておりますが、 これは既存のものが牛成分由来であるのに対してブタ成分由来ということでございますが、 専門家の先生に今確認していることもありますので、ここの資料の上には残っております が、引き続きの検討ということで次回報告させていただくということでお許しいただきた いとお願いいたします。  最後にリロナセプトでございます。これも先ほどのカナキヌマブと同じクリオピリン関 連周期性熱症候群のうちという長い説明が付いておりますが、でございます。これは海外 で既に承認されているアナキンダのペグ化したものということで、先ほどのカナキヌマブ はIL1βのモノクロナル抗体、こちらのリロナセプトはIL1ベータのレセプターアン タゴニストということでございまして、この2剤につきましては、今の国内での開発状況 からするとカナキヌマブの方が国内での治験の結果によりますが、より承認に近いという ことが言えるかと思いますので、そこあたりの順番といいますか、そこあたりについては WGの判断というよりも事務局の判断かなというふうに考えております。以上、ここまで が未承認薬でございます。  次が適応外薬です。まずレボカルニチン塩化物、これはエルカルチン錠と書いてありま すが、元の資料を確認しまして、これは錠剤だけではなくて液剤と注射剤についても要望 が上がっておりまして、WGとしては必要性はそのすべてについてあるだろうと判断して おります。  次のビンブラスチン硫酸塩。ランゲンハンス細胞組織球症については、かなりさまざま な薬が必要ということで上がっている中で、欧米での承認状況がはっきり確認できている ということで今回、ビンブラスチン硫酸塩が上がっております。  それから、未熟児新生児のメナテトレン、ビタミンのK2の製剤です。海外ではビタミ ンK1ということでございますが、基本的に効果に差はないというふうなことを専門家の 先生がおっしゃっていると認識しておりまして、臨床上必要ということです。  リュープロレリンも臨床上の必要性が高い。  その下のフルコナゾールでございますが、これにつきましては世界保健機関の小児のエ ッセンシャルリストにも載っているような、小児の剤型が必要だと言われている薬の中で 数少ない、日本に存在しない薬でございまして、ぜひ小児の製剤も含めての開発が必要と 考えております。  次にボリコナゾールでございます。これも抗真菌薬でございますけれども、フルコナゾ ールとボリコナゾールでは臨床的な役割が違う。フルコナゾールはズイケイキコウ等がよ い等のことがありますし、ボリコナゾールは重症のアスペルギリスで肺に菌球がいるよう な場合はむしろこっちの方が他の治療法よりよいというデータがあると理解しております ので、この両方とも適応としては似ていますが、ボリコナゾールとフルコナゾール、これ は両方必要と判断しました。  それからアザチオプリン、これは臨床上必要ということで、以上のものが小児の検討の 品目でございます。  臨床上の必要性と疾患の重篤性のところで、吉村先生のご配慮には非常に感謝するので すが、例えば安藤先生がおっしゃったようながんのようにきちっと切り分けられるほど小 児の方は例えばガイドライン1本にしても、それが臨床試験にしてもフェーズIIをやって いますよというわけではないものも多くあり、疾患領域によって少々判断基準が変わるの で、事務局で先に判断基準を示されると小児WGでは判断に困ることが出てくるのでない かということを危惧しております。  例えば小児の薬剤療法検討会議で既に承認までいった薬でアセトアミノフェン、これは 解熱鎮痛です。何がいけなかったかといいますと、過去は解熱の適用しかなくて、添付文 書上には1日1回とか2回しか使えないと書いてあったんです。実際に現場の先生は今で も1日1回とか2回しか処方されない先生方がおられる。何か起きているかというと、熱 が高いだけできついのに、熱を下げてもらえない子どもが食べられない、眠れない。そう すると親も疲れて疲弊する。そういうことが起きているということで、海外どおりの1日 5、6回使えるような、それで適応疾患の重篤性、解熱鎮痛で、そんなこと当てはまるか と言われるのですが、我々小児科としてはその他日常生活に著しい影響を及ぼすというこ とで、小児薬物療法検討会議の方でご検討いただいて、適用拡大に至ったという経緯もあ ります。そこあたりは少しグレーのアイデアがあって線が引きにくい中でWGの中でもそ ういったことも勘案しながらベストを尽くしていることはご理解いただきたいと思います。 以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございます。小児の場合、既承認薬のほとんどは成人で治験をやって、成人 の適応はとれているけれども小児では安全性は確立していないみたいな1行がいつもつい ているというところをどう考えるかという問題が基本的にあります。特に必要性の高いも のを今回こうやって挙げていただいていますが、そういったものを個々に小児の治験なり、 あるいは追加的な治験なり公知申請なりという形でやっていくのが不可欠かどうかという ことについて先生のお考えは。 ○中村参考人  これは安藤先生の問題提起につながるところがありまして、親委員会もはじめ、この国 全体議論いただくべきだと思いますが、保険適用、保険でとりあえず通っているからいい じゃないのということをおっしゃるのですが、だからといって医師が訴訟で訴えられる可 能性がゼロではないし、特定共同指導で、こういうことを言っていいのか分かりませんが、 入った瞬間に保険できられるけれども通常はきられていないということが起きているわけ でございます。保険できられない薬の定義が非常に微妙で、それを小児科の先生は非常に 負担に思っておられるということもありますので。  あと副作用被害救済制度は大丈夫かとか、いくつかの点が気になっていますから、そう いった点も含めて解決いただける、あるいは高度医療制度というものをもうちょっと柔軟 に運用するとか、そういったいくつかのことが同時進行できちっと議論されないと、全部 が全部適用拡大、企業にというのはむしろ企業が体力的に持ちこたえるかということも危 惧はしております。 ○堀田座長  ありがとうございます。今、順番にWGの報告をしていただきましたが、いくつかの問 題が挙げられてきました。これを今後、WGの検討対象の中でまた生かしていただく部分 もありますが、今後の進め方として、当然企業への開発要請という形を基本的にはとるの だけれども、それだけで対応できるのかという話も今のようにあるし、先ほどの安藤先生 からの提案もあります。  時間はちょっと迫っておりますが、この問題についての意見交換をさせていただければ と思いますので、ご意見のある方はぜひお願いいたします。 ○吉村構成員  議論の進め方について1つ意見があります。私でさえ、ここに上がっている品目の中に は臨床試験に関与したり、薬剤の開発に関与した部分があります。それから学会の中では 自分が要望書を作成したという方もきっといらっしゃると思う。そういうものを個別の私 の経験ではこうとか、私が開発した薬ではこうだというような議論はここではしない方が いいと僕は思うんです。一般的ルールとして、個別のものは原則して議論しない。一般論 として、例えばこんな薬剤に関してはこういう問題が起こっているから、この問題は一般 的にどうするのかという議論をした方がいいと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。当初、この会を始めるとき、構成員はそれぞれ専門の立場があ りますが、この検討会は基本的に専門の立場も踏まえた上で領域の利益代表ではなく、公 正に議論していくことをお約束いただいたかと思っております。 ○村山構成員  昭和大学病院の村山です。今日のWGの先生方のご報告をお聞きして、また議論をお聞 きしていまして、またこちらの資料を大分内容が厚い資料を拝見していまして、基本的に 必要性についてWGからのご意見と、それから医療上の必要性について企業のご意見とか なりリンクしているといいますか、矛盾のないものについては用法用量のところの記載が なかったり、効能効果の承認ということは用法用量も含めてのお話だと、セットだと思っ ているのですが、このコンセンサスが得られるようなものについては基本的によろしいの ではないかという印象を強く持っています。  ところが一方、ご意見のないもの、先ほどの中村先生のお話の中でも尿素サイクルのフ ェニエル酢酸ナトリウム、こちらの257番とありますが、こちらでは要望は確かに両方とも アとアになっていますから医療上の必要性もうんと高い。だけどメーカーさんについての、 必要性についての企業の意見はないので、こういうものを一体どういうふうに進めるのか というところがこの検討会で重要なポイントになってくるかなという印象を持っています。  ですから基準としましては、これは進められるのだというものについて、どう進めるか ということと、こういった足並みがそろわないところをどういうふうに進めるかを次回ま でに私も考えてみたいなと思うのですが、その辺かなという気がします。 ○事務局  1つ説明させていただきますと、今例として挙げていただきました257番につきましては、 海外承認になって、海外にある企業が開発しているということで、企業見解として日本国 内で聞かせてもらう対象となる会社がなかったというものであります。そういうタイプの もので記載なしというのは全体にかなりあります。  あと記載ぶりが見解として少ない。書きぶりが十分でないという部分もあるとは思いま すが、ここの部分についてはそういうものだということであります。 ○村山構成員  そういうように理解していますが、実際にできるのかという話になると、ここの記載が ないと厳しいかなというところもありますので、こういったところも含めて考えていきた いと思ったんですが。 ○堀田座長  そうですね。 ○藤原構成員  全体を見まして、この資料1で先ほど私どもの検討会議で今後やっていく作業の流れと いうのが示されています。今日のお話を聞いていても、私は第1回の会議でも申し上げま したが、公知申請と承認申請、一変申請というのが最終的なアウトプットとして書かれて いるのみです。この300何十品目の多くのものが今保険病名をつけて現場では対応されてい るものであったり、既に海外では薬事法の承認はなくても使われているものも山ほどあり ます。薬事の承認にこだわる公知申請、承認申請というトラックに加えて、日本の国内で も支払基金が既に保険で認めている品目があるわけですから、そのトラックも作っていた だいて、そっちに流れる要件も設けた方が非常に自然なような気がするのですが。 ○堀田座長  確かにそうですね。既に現状ではある程度認められて保険償還されているものはけっこ うあるので、それもわざわざ承認を取るような形に持っていくのか。そのワークロードを 考えたら、それはどんなものだという意見は当然ありますね。これについては、私も保険 償還で現状がいろいろな県で温度差はあるにしても、ある県で認めている適応外薬は全体 で認めてはどうかかというような議論はあると考えます。保険局の方ではどのようにお考 えか、見解をお願いします。 ○磯部薬剤管理官  見解と言えるほど、私からどれだけのことがお話しできるかということはあるんですが、 藤原先生からのご意見ですから、当然局内に持ち帰って、どういうことができるか検討し てみたいと思っております。  ただ、いわゆるトラックを整理する上で公知申請と55年通知で認めるものをどういうふ うに切り分けるかというのは、基準を考えていけばいくほど知恵が出ない世界でもあるの も正直なところです。しかも先ほど安藤先生のお話まで聞いていくと、一体どうしたらい いのだろうかと思います。どちらかというと55年通知の問題は個々の症例ごとに現実にこ ういった症状のこの患者さんに保険を認めるかどうかという、個別の対応については審査 の段階で柔軟に対応するということを示しているものでございまして、一律例えば原発不 明がんを全部認めるとか認めないとか、そういう類のものでは本来はないはずでございま す。そういったものをきちっと整理をどこまでできるかというのは正直自信がないところ がございます。ただ、ご意見もございましたので、どんなやり方があり得るのかは持ち帰 って検討してみたいと思います。  もう1つ、その話でいきますと、抗がん剤の分野と小児の分野で違うと思いますが、中 村先生からお話がございました、もともと新薬創出加算を作る議論の中で、特に小児科の 分野では適応外が多くなっています。症状詳記を書くのに、今一番守らなければいけない 小児の勤務医の方々に非常にご苦労をかけているというのは、非常に気にしていることで ございます。そういったことをいかに早く解消するかということも1つ大事なことだと思 っております。  抗がん剤の分野と小児の分野とは違うのかもしもれませんが、そういったことから解放 するためには、今保険で症状詳記で認められているものであっても薬事でちゃんと認めて、 ストレスなく使える形にするということも大事だというふうに思っています。  ただ先ほどの抗がん剤の分野でいきますと、優先順位の問題から、全く今保険でも認め られない。非常に緊急性が高い。こういったものは早く要請をして開発していくという優 先順位の考え方というのもあるのではないかと思います。  議論はいろいろあると思いますので、保険局内で議論してみたいと思います。 ○藤原構成員  いくら議論をしても堂々巡りになるだけです。例えば薬事の方ではICH対応という国 際整合性をいつも言われているのであれば、保険の領域であっても、日本以外の国は薬事 法の承認と保険償還を切り分けて運用しているわけですから、今さらにそれに乗らなくて、 日本だけ薬事法の承認と保険償還を1対1で運用するというのは筋が通らないと思います。 ですから、これを機会に重篤な疾患とか致死的な疾患については、既に支払基金でそうい う仕組みを作っていらっしゃるのだから、それを利用する。あるいは学会の先生方に、今 まで学会の先生方はけっこうお客様的に欲しい欲しいと言うだけで、要望書の内容を見て みたら非常に稚拙な内容しか書いていない学会がたくさんありました。そういった方たち にもきちっと責任をとらせる意味で、あなたたちがサーティファイする、例えばガイドラ インを作るようなレベルでエビデンスがあるようなものを要望措置としてまとめてきたら、 それを保険で償還することを認めますというふうにしていけば、学会の先生方ももう少し 責任感を持って、書く内容も考えてこられるでしょう。また、例えば保険償還後に、責任 を問われたら学会にも責任が来ますよと言われたら、ますます皆さん緊張して要望書を書 くかもしれません。そのぐらいの緊張感をプロフェッショナルな人たちに与えて運用して いかないと、いつまでたっても先ほど事務局がおっしゃっていましたが、2年後、3年後 に同じようなことを永遠に繰り返しいくということになり、それは懲り懲りです。システ ム的にオーバーホールして国際的に同じような仕組みを日本に導入していただきたいと私 は思います。 ○大塚構成員  こういう会議でいろいろ議論して、最終的には企業に開発を要請するということになる ときに、今回は公知申請を大いに取り入れようということがすごく新しいことだと思いま す。この公知申請の基準についてある程度決めようということがこの前の会議であったの ではないか。私は欠席していて申し訳ないのですが、例えば公知申請で6か月以内には申 請できるということが書いてあります。今まで公知申請が難しかったときの厳しい基準で 既に治験をしているとか、治験をしようとしているような薬もあったりするわけです。そ うしますと、公知申請に一般的に何が必要なのかとか、ある程度薬を分類した上で、どう いうものを資料として加えなければならないということを決めて、それを公表していただ くということが必要なのではないか。今までのこととこれからのことの連続性の問題もあ りますのでお願いいたします。 ○堀田座長  基準の話ですね。公知申請は二課長通知といわれる104号通知ですが、書かれているのは 具体的な基準は書いていないんです。基準としては平成17年に「抗がん剤併用療法検討 会」がで国際的に標準的な癌化学療法ができないのは問題だということで組織されたとき に、標準的化学療法をスクリーニングするための条件として出されたものなのです。それ がおそらく今日までずっと続いてきていると思います。その条件にはランダム比較試験が あるとか、ピュアレビュージャーナルに創設として載っているとか、国際的ガイドライン に載っているとか、そういったような条件でした。この条件を全部クリアするような併用 化学療法は少なかったのです。この検討会議のもそのままの基準でいいのかということに ついては、先回も問題が提起されたと私は理解しています。この辺は審査管理課長はどう 考えられますか。 ○成田審査管理課長  公知申請の取り扱いについては平成11年ですか、通知をさせていただいているところで ございます。その後も公知申請についても何件か、毎年数件出てくる状況です。それにつ いてどうやってきたかといいますと、先ほど座長をはじめ紹介いただいた基準といいます のは、抗がん剤の併用療法のときにとりあえずどうするかということで、とりあえずそれ を扱うということで決めさせていただいたものだと思っております。  基準ということでいろいろご指摘をいただくのですが、各疾患ごとにこれだったらいい という基準は基本的になかなか難しいというふうに思っております。最終的には個々の薬 剤について、この疾患についてどうするかというところのエビデンス判断をさせていただ くしかないのではなかろうかということでございます。  それからもう1つは、今回、要請したときに最終的には薬事審議会にかけるものもある かもしれませんが、承認をさせていただくプロセスを踏むわけでございますが、そのとき には公知申請であろうが、治験でやっていただくであろうが、実際に臨床の場で使ってい ただくときの用法用量、効能効果についてのエビデンスを示すということでありますので、 それに足る資料があるかどうか個別の判断ということで、最終的にはならざるを得ないの ではないかと思っております。  逆に基準を明確にすることが、それを作ることがなかなか難しいというところになって くるのかなと思っておりまして。 ○堀田座長  審査側としては出された資料についていろいろ個別の議論をしなければいけないでしょ うが、申請側としてはどれぐらいの資料があったら公知申請に出せるのかということがは っきりしないと、申請さえもできないという、そういう話になりかねない。 ○成田審査管理課長  まずは今回開発要請をさせていただく品目については、まず企業からの見解をいただく わけですので、それで公知でいけるのではないかという、要請があればそれについて、そ れでいけるのかどうかという議論みたいなことになると思います。  それから実際に先生おっしゃるように公知でいけるのか、治験でやるのか境目が実際に はいろいろあると思うのですが、そこは治験といってもダブルブラインドの大規模試験が 必要なのか。症例の安全性の確認のための小規模試験は必要なのかというところの判断は また別にありますと思いますので、治験が必要だから非常に大変、申請できないとか、そ ういう話にはならないと思っておりまして、そこはあくまでも疾患に関してどういうエビ デンスがあって、どこが必要なのかというところの判断を個別にやっていくということで はないかと思っております。 ○堀田座長  そうすると今回、医療上の必要性を判断して、必要性ありとしたときに、その次のステ ップとしてどういうふうに進めるか。追加的な治験がいるのか、公知申請でいいのかとい うのはどこがどうやって判断するのですか。 ○事務局  手続きとしては開発の要請をした後に、その開発の要請を受けた企業から公知申請の妥 当性、または追加臨床試験はこういうのをやると考えるというような見解を出していただ いて、それについて今、医療上の必要性の検討でWGの方々にはお世話になっております が、今度は公知申請の妥当性、追加臨床試験の内容の妥当性、その最初の入り口のところ の妥当性について検討をいただいて、有識者会議でそれについてご意見をいただくという ような手続きを踏むことにしています。  ですから公知申請でいけそうかどうかということについては、この有識者会議において 一定の方向性は示すという流れになる予定です。 ○堀田座長  藤原先生。 ○藤原構成員  2点ほどですが、資料の整理の仕方を見ていますと、薬事法の承認と保険償還が分けら れていないので、いろいろな人たちがこの資料を見たとき、海外における薬事法の承認の 有無と保険の償還の有無の区別がつかないのです。厳然と区分けて、さらに海外の規制当 局が当該国の薬事法の承認の元で承認している品目とできれば効能効果の内容も書いた方 が良いと思います。海外の効能効果は非常に限定的で、例えばがんの領域でいけば胃がん という大雑把な書きぶりで効能は絶対に与えていない。簡単なガイドライン的にいろいろ な条件付けをした対象患者にしか、その薬は使えませんというような薬事法の承認になっ ています。しかし、診療の現場では保険が非常に弾力的に運用されていて、薬事承認より 幅広で使えるようになっている実態をもう少しいろいろな人に認知してもらうために、そ の書きぶりを資料で工夫していただきたいなと思います。  それから、不承認というか、空欄になっているところがあります。海外で承認されてい ない品目が見受けられます。その中にはアメリカのFDAは承認しているが、EUのEM EAは不承認なんて品目もあるのです。最近EUでは、承認しませんとか、承認申請を取 り下げないさいといって、わざわざレポートを書いて公表してくれています。そういう実 態のあることを見た患者さんが、これはFDAは通っているけれども、なぜヨーロッパで は不承認になっているのだろうと興味を持って資料を見ていただくと、その品目の有用性 がもう少しはっきりわかってもらえるのではないでしょうか。これは第1回目のときにも 言ったんですが、資料を最後にまとめるときにはその辺、いろいろな人に見てもらって、 正確な判断ができる記載にしていただきたいというのがあります。  最後、今回は小児とか難病の疾患を見てみると患者数が日本の中に10人とか100人、 1,000人とか、薬事法のオーファンの規定は2万人とかそんなものですが、数百人以下のよ うな人たちに、これから先もずっとそういう新薬が出てくるので、その人たちに治験を始 めるまでの、治験を始めろと言ったって1年ぐらいはかかります。その1年間待たせるの かということを危惧します。この中に上がっているような既に非常に困っているものであ れば、海外ではコンパッショネートユースという仕組みをわざわざ設けて、国が官製輸入 というか、個人輸入を管理して薬を輸入して、ウルトラオーファンの人たちには薬を流す 仕組みを持っているわけですから、わざわざこの会議で公知申請をする、治験を改めてさ せるというような判断をする時間を待たずに、例外的な使用を国の管理下で認めるという セーフティネットを設けておいた方が非常に時間は稼げるのかなという気がします。この 2点です。 ○堀田座長  ありがとうございます。おそらくそういう意見をかなりの人が持っているのだろうと思 います。今困っている人をどうやって救済できるかということも含めて考える必要がある。 悠長なことを言っている場合ではないだろうということでしょう。  もう1つは、どこかで根本的にシステムを変えないと考えないと、ドラッグラグ対策の は結局は後追いで解決しないのではないかという危惧を持っている人たちは多いように思 います。  この検討会でそれを全面的に解決できるかというと、そこまでのミッションは与えられ ているのかというのはなかなか難しいところではあります。しかし、せっかくの機会であ り、ほかには対応できないので、この検討会で引き続き議論をしていくべきでしょう。日 本でドラッグラグを本当に発生させないでおこうと思ったら、日本が世界に先がけて治験 をやってどんどん承認をとるしかないわけだけど、現状そういうわけにはいかないので、 どれだけキャッチーアップが構造としてできるかという議論をしないといけないだろうと 思います。  引き続きいろいろご意見をいただいて、この検討会を重ねる中で詰めていきたいと思い ます。 ○落合構成員  時間が過ぎている中で申し訳ないのですが、最後に確認だけしておきたいと思います。 今回の議論は大前提があって、俎上に上がらなかった大変有用な薬があります。例えば妊 婦さんや、小児にもちいる薬で、承認はされているけれども適用外として用いられている ものに関して、これからどういうような道筋を経れば、それが普通に使えるようになるか ということ明確にしていただきたい。実際に適応となる患者さんがいらっしゃるわけなの で、この検討会の付記にでも加えていただくか、また何らかの機会に検討していただけた らと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。ほかにご意見はありますか。 ○戸高参考人  実務的なことで確認だけ。参考資料3にあるような、(2)の医療上の有用性が次のい ずれかの場合、先ほど来話題になっていますが、アイウの仕分けですね。これの基準は厳 格にしない方がいいというご意見もあったと思いますが、これのどれかにすることによっ て、この後品目が多うございますので優先順位に係わってくるかと思いますが、それに影 響すると考えてよろしいのでしょうか。  あとは、例えば私どものWGはイにするためにはRCTで有用性がはっきり1対1で示 されなければいけないということを示されたのですが、そういった基準でどのWGも見て いるのかということ。  それから吉村先生の意見にありますように、アイウのどれかを並記することもあるので はないか。そういったのをある程度筋道を立てていただかないと、各WGの判断がちょっ とバラバラになるかなと思います。 ○堀田座長  その点で事務局からご意見はありますか。  そこで問題になってくるのはこの項目が、例えば欧米の臨床試験で有効性が明らかに優 れている、例えばランダム化比較試験があれば、公知申請へ持っていけるという判断にな る、そんなように使えるかどうかです。そういう意味合いではないですか。 ○成田審査管理課長  明らかに有用性が高いというところの、例えばイになった場合にどうかという話ですが、 そこは公知にするかどうかの判断は、開発を要請するかどうかの判断を今回行うのであっ て、それから企業からの見解をいただいて、改めてそこは公知できるかどうかという話に なると思います。 ○堀田座長  ということは基本的には対象外にならない限りは開発要請をすると考えていいんですね。 ○戸高参考人  並記してもとにかくかまわないという形で。 ○成田審査管理課長  そうですね。それからWGの横並びというところにつきましては、WGの代表の方々と 相談させていただきたいと思っております。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。不手際で延長して申し訳ございませんでした。しかし大変重要な 議題でありますので、これに懲りず次回ご出席いただきますようによろしくお願いいたし ます。  それでは本日はこれで終了いたします。 (了) (照会先)  厚生労働省医薬食品局審査管理課  代表:03(5253)1111  内線:4221