10/03/19 平成22年3月19日薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会議事録 1.日時及び場所   平成22年3月19日(金) 18:00〜 厚生労働省講堂 2.出席委員(14名)五十音順  ○五十嵐   隆、 石 井 則 久、  猪 熊 茂 子、 生 出 泉太郎、     大 野 泰 雄、 加 藤 進 昌、  木 下 勝 之、 倉 田 雅 子、   柴 川 雅 彦、 土 屋 文 人、  新 見 伸 吾、 日 野 治 子、  槇 田 浩 史 ◎松 本 和 則、     (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(8名)五十音順   安 達 知 子、 乾   賢 一、 工 藤 宏一郎、 國 頭 英 夫、     倉 山 英 昭、 藤 田 利 治、 三 宅 良 彦、 宮 村 達 男 3.行政機関出席者   森   和 彦(安全対策課長)、   佐 藤 大 作(安全使用推進室長)、   池 田 三 恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第二部長) 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○事務局 定刻になりましたので、平成21年度第3回医薬品等安全対策部会を開催させ ていただきます。  本日の部会は公開で行います。カメラ撮り等は議事に入るまでとさせていただきますの で、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。  また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」、 「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示にしたがうこと」など留意事項の厳守をお 願い申し上げます。  本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席をいただきまして誠 にありがとうございます。猪熊委員が10分程度、生出委員が30分程度遅れると伺ってお ります。  本日の会議は、安達委員、乾委員、工藤委員、國頭委員、倉山委員、藤田委員、三宅委 員、宮村委員より欠席の御連絡をいただいております。現在12名の委員に御出席いただ いておりまして、本部会の定員22名ですので定足数に達しております。  これより議事に入らせていただきますので、カメラ撮り等はここまでとさせていただき ます。本日の部会におきましては、個別の医薬品等の安全対策に係る審議はございません ので、すべての委員が審議及び議決に加わることができることを御報告させていただきま す。  それでは、以降の議事の進行を松本部会長にお願い申し上げます。 ○松本部会長 先生方におかれましては、お忙い中お集まりいただき、ありがとうござい ます。それでは、事務局より、本日の配付資料の確認をお願いします。 ○事務局 それでは資料の確認をさせていただきたいと存じます。お手元にお配りしてお ります資料ですが、一番上に座席表、その次に本日の議事次第、1枚めくっていただきま すと添付資料の一覧がございます。その次が、本安全対策部会の委員の名簿を1枚挟みま して、資料となっております。  資料1が一般用医薬品のリスク区分の関連資料、A4の1枚の資料。それから、参考資 料は1-1と1-2、いずれも資料1の関連の資料です。  資料2の関係が、資料2-1「医薬品等の使用上の注意の改訂について」のA4横の資料。 資料2-2がネクサバールの資料。資料2-3はジスチグミン臭化物の資料。資料2-4が新型 インフルエンザに対するワクチンと抗ウイルス薬の資料。資料2-5はサリドマイドの関連 資料。資料2-6はソフトコンタクトレンズの資料となっております。  資料3のグループですけれども、資料3-1が副作用・感染症等報告の概要をまとめまし たA4の1枚の資料。資料3-2は「国内副作用報告の状況(医療用医薬品)」の資料です。 資料3-3は同じく「国内副作用報告状況(一般用医薬品)」の方です。資料3-4は「国内感 染症報告の状況」の資料となっておりまして、資料3-5が外国における措置報告の資料。 資料3-6が「研究報告の報告状況」に関する資料。以上が資料3の関係です。  資料4の関係は、資料4-1は、「感染症定期報告感染症別文献一覧表」。資料4-2が、 「感染症定期報告の報告状況」、A4横の資料です。  資料5の関係は、5-1-1と5-1-2となっておりますものが「市販直後安全性情報収集事 業」の関連資料です。資料は以上でございます。不足等ございましたらお申し出いただけ ればと存じます。 ○松本部会長 よろしいでしょうか。よろしいようですので、早速、議題に入りたいと思 います。  まず、議題1の「一般用医薬品のリスク区分について」です。事務局から説明をお願い します。 ○事務局 それでは、一般用医薬品のリスク区分について説明させていただきます。資料 1、参考資料1-1、参考資料1-2を御用意ください。一般用医薬品のリスク区分の変更に つきましては、参考資料1-2として諮問書を付けさせていただいていますが、安全対策部 会での諮問事項となっております。また、リスク区分の変更方法につきましては、参考資 料1-1にありますとおり、調査審議事項の事前の整理を安全対策調査会に行わせるという ことを、昨年5月8日の安全対策部会でまとめていただいております。  それでは資料1を御覧ください。この度、製造販売後調査の結果が提出されたスイッチ OTCの成分など、現在のリスク区分が適当であるかを御検討いただきたい成分をあげて おりますので、御説明させていただきます。  今回あげさせていただいている成分はすべて、第1類医薬品として区分されています。  まず、スイッチOTCとして承認され、承認条件である3年間の製造販売後調査が終了し たため報告書の提出があった成分から御説明いたします。  1番目のアゼラスチン、これは医療用の代表的な製品としてアゼプチンがありますが、 そのスイッチOTCになります。それから3番目のケトチフェンの内服薬。ケトチフェン の点鼻剤については、前回の安全対策部会で第2類が適当であるとの答申をいただいたと ころですが、今回は同じ成分の内服薬となります。それから、4番目のケトプロフェン貼 付剤です。ケトプロフェンの塗り薬については既に第2類医薬品として区分されています が、今般、湿布薬の製造販売後調査の結果の提出があったため、あげさせていただいてお ります。それから5番目の、口内炎の貼り薬であるトリアムシノロンアセトニド、それか ら6番目の水虫の外用薬であるラノコナゾール、これは医療用ではアスタットのスイッチ OTCになります。  2番目のアデノシン三リン酸、ATPですが、これは承認は古いのですが、販売が開始 されたのが平成17年12月であったため、そこから製造販売業者による自主的な製造販売 後調査が行われ、その結果の提出があったため、今回あげさせていただいております。  最後に7番目のミノキシジルですが、この成分はスイッチOTCではなく、ダイレクト OTCで、製品名は「リアップ」になります。リアップの1%男性用につきましては既に 再審査が終了しており、平成18年7月の安全対策部会において医薬品医療機器総合機構 の再審査結果報告書を紹介させていただき、指定医薬品の解除は行わない旨、御了解をい ただいているところですが、今般、同成分同用量の「リアップレディ」の再審査結果が一 般用医薬品部会に報告されましたので、併せてあげさせていただいております。  以上、これらの成分のリスク区分について安全対策調査会において事前整理を行い、そ の後パブリックコメントを実施し、それらの結果を基に当部会へお諮りする予定としてお りますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。 ○松本部会長 ただ今の事務局からの説明に対しまして、御意見等ございますでしょう か。よろしいですか。  よろしいようでしたら、議題2に進みます。事務局から最初に説明をお願いします。そ の後、各事項まとめて御意見をいただくことにしたいと思っております。よろしくお願い します。 ○事務局 それでは議題2の「医薬品等の市販後安全対策について」説明させていただき ます。まずは「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、御説明したいと思いますので、 資料2-1を御覧ください。今回は、本年11月6日に開催されました第2回医薬品等安全 対策部会以降に改訂したものについて御報告いたします。使用上の注意の改訂につきまし ては、本部会の先生方に事前に改訂について御意見をいただいたものですが、改めて主な ものについて御報告いたします。  まず1ページの、平成21年11月18日の改訂指示発出分から説明させていただきます。 一番左のカラムは、2009年度の改訂指示した案件ごとの通し番号でございます。詳細は 資料2-2で説明しますが、64番として抗悪性腫瘍用薬ソラフェニブトシル酸塩に関して、 肝性脳症、肝不全に関する記載を追記しています。  次に12月1日改訂指示分ですが、66番や67番等にお示ししますように、抗精神病薬 全般において、血球減少や血糖異常に関する改訂指示が主なものになっています。  続きまして1月10日改訂分ですが、6ページの96番を御覧ください。インターフェロ ンアルファ製剤及びベータ製剤では、これまでうつ病に関しては注意喚起をしていました が、海外での措置や国内での副作用報告状況を踏まえまして、躁状態や攻撃的行動にも注 意するよう改訂指示を行ったものです。98番にお示ししますように、インターフェロン ガンマ製剤についても、類薬に関する情報として注意喚起を行っています。  最後に2月16日改訂指示分でございますが、7ページの100番を御覧ください。メト トレキサート製剤ですが、国内での症例集積状況等を踏まえまして、B型肝炎又はC型肝 炎のウイルスキャリアの患者に対して投与した場合に、重篤な肝炎や肝障害の発現がある という報告がありまして、また、投与終了後にB型肝炎ウイルスが再活生化することによ る肝炎の発現も報告されていたため、投与期間中や、さらには投与終了後にも継続して肝 機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うよう、注意するよう改訂指示を行 ったものです。使用上の注意の改訂については以上でございます。  続きまして「ネクサバール錠投与後の肝不全、肝性脳症について」、御説明いたします。 資料2-2を御覧ください。根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、切除不能な肝細胞癌の効 能・効果で使用されているネクサバールですが、肝不全、肝性脳症が報告されています。 2番目にお示しするように、肝不全、肝性脳症は適応である肝癌でも起こるため、因果関 係が必ずしも明らかではございませんでしたが、平成21年10月末までにネクサバール錠 投与後の肝不全が7例、肝性脳症、肝性脳症というのは肝性昏睡や脳症、代謝性脳症を含 んでいますが、28例、肝不全・肝性脳症の併発が1例、合計36例が報告されたことから、 使用上の注意の改訂を指示したものです。改訂内容は次のページの別紙のとおりですが、 併せて、3ページにお示しするような安全性情報を医療機関に配布するよう指示していま す。簡単ではございますが、以上でございます。 ○事務局 続きまして、資料2-3、ジスチグミン臭化物(経口剤)の安全対策のための製造 販売承認事項一部変更承認につきまして御説明申し上げます。  資料2-3を御用意ください。1ページを御覧ください。はじめに、本製剤の概要でござ いますけれども、本剤はジスチグミン臭化物、5mgを含有いたします錠剤でございまし て、後発品2製剤を含め3剤が上市されております。  本剤は、コリンエステラーゼを阻害するもので、「効能又は効果」は「重症筋無力症」 と「手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難」です。本剤の用法及び 用量は、従前では「ジスチグミン臭化物として、通常成人1日5〜20mgを1〜4回に分 割経口投与する。なお、症状により適宜増減する」となっておりました。  これまでにも、本剤につきましては、5ページの参考1にお示ししておりますように、 本剤の重大な副作用でございます「コリン作動性クリーゼ」の防止に関する注意喚起を順 次行ってきたところで、具体的には本文の1ページ中ほどの「・」のところにお示しして おります。1ページ戻っていただきたいと思いますが、 ・医師の厳重な管理の下に1日5mgから投与開始すること、 ・本剤の投与開始から2週間以内にコリン作動性クリーゼの発現が多く報告されているこ とから、特に投与開始から2週間以内はコリン作動性クリーゼの初期症状の発現に注意を すること、 ・患者に対し、初期症状が認められた場合には本剤の投与を中止し、速やかに医師等に相 談するよう説明をすること、 ・高齢者では1日5mgから投与を開始し、初期症状の発現に注意をしていただくこと、 ・症状が現れた場合には直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物を静脈内投与し、 必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保すること、 につきまして、添付文書に記載をするとともに、医療機関ですとか患者向けの資材等でも 注意喚起を行ってまいりました。  2ページを御覧ください。これまでにも医療機関への適正使用に関する周知を行ってま いりましたが、依然としてコリン作動性クリーゼの報告が減少しておらず、昨年の4月か ら本年1月5日までの間に「低緊張性膀胱による排尿困難」の患者への投与におきまして、 コリン作動性クリーゼに関連する副作用報告が44例報告され、そのうち4例の死亡例が 報告されておりました。「本剤の開始時の1日用量が10mg以上であった」ということを 踏まえまして、安全対策に係る措置を確実に実施するために、7ページに記載したとおり、 「低緊張性膀胱による排尿困難」に限り、用法・用量の変更に関する申出が製造販売業者 からなされております。  これを受けまして、9ページからにお示ししておりますが、安全対策措置を迅速に実施 する必要があることから、速やかな承認事項の一部変更の措置を早急に行わせるべく、ジ スチグミン臭化物(経口剤)の製造販売業者3社に対しまして、一部変更承認申請を行うよ う連絡し、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会におきまして、用法・用量の変更に関す る報告を行った上で、25ページから末尾のとおり、本年3月1日付けで用法・用量に係 る承認事項一部変更を承認しております。また、併せまして「警告」の新設を含めます「使 用上の注意」の改訂を行いました。  具体的なその変更点ですが、13ページから参考4として新旧対照表を、記載をしてご ざいます。また、21ページからの参考5には、改訂後の添付文書もお示ししております が、「警告」の新設を含む「使用上の注意」の改訂をしています。  最後になりますが、3ページにお戻りいただきたいと存じます。3ページの最後ですが、 今般の用法・用量の変更に係る承認事項一部変更に伴いまして、承認後より、本剤が適正 に使用されますよう各製造販売業者から医療機関に対しまして情報提供を行わせており ます。また、改訂後におけるコリン作動性クリーゼの発現状況に関する情報も集収してお り、コリン作動性クリーゼの発現状況につきまして、これからも注視してまいりたいと考 えております。御報告は以上でございます。 ○事務局 続きまして資料2-4「新型インフルエンザに対するワクチン及び抗ウイルス薬 の安全対策について」ということで、大変厚い資料で恐縮ですが、御説明いたします。  まず、資料目次として、新型インフルエンザワクチンの関連を1ページ〜282ページの 添付文書まで付けてありまして、303ページ以降が抗インフルエンザウイルス薬の関連と なっております。すべて詳細に御説明という訳にはまいりませんが、主要なところを簡潔 に御説明させていただきます。  1ページは本部会、前回が昨年の11月6日に開催させていただき、10月より接種の開 始が行われていましたところ、接種の実施要領ですとか、合同検討会で安全性の評価を実 施していくということの御報告を申し上げたところです。その後昨年11月21日より本年 3月12日まで計6回安全対策調査会と新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会を、 1ページ、2ページに記載しております先生方に参画いただき、合同検討会の開催を行い ました。  3ページは前回の本部会にも御報告をしました、迅速に副反応を収集し、速やかに評価 を行い、その公表を行っているというスキームの説明資料です。  4ページに、11月21日に合同検討会の第1回が開催された際の取りまとめについて、 資料をお付けいたしております。10月から医療従事者に接種の開始が行われたところで すが、11月に入り最優先の基礎疾患の方々に接種が開始され、また流行のピークが、振 り返って見ますと11月にあったところで、死亡報告などが11月に入って寄せられたとい うことで、それらに対する見解などを取りまとめたものです。この時点では11月19日ま でに877例の報告があり、20日までには死亡報告が21例ありました。  1.「ワクチンの基本的な安全性」に関して、先行して実施しておりました医療従事者 に対する2万例の健康状況調査とか、10月の副反応報告の状況などからは重大な懸念は 示されていなかったということと、従来の季節性インフルエンザワクチンに比べ、新型イ ンフルエンザワクチンで副反応、死亡報告の頻度が高い傾向にありましたけれども、因果 関係の如何にかかわらず報告対象とし、実施要領に基づいた契約で報告を求めているとい うようなこと。季節性での報告とはその対象としているものが、季節性では副反応におい て疑われるものを対象にしていることから若干違うというところ。社会的な関心なども理 由として考察をいただいておりましたが、引き続き接種規模を広げた場合の評価を継続す べしという評価をいただいております。  次の5ページは、11月に入って最優先の基礎疾患、特に高齢者の方々での死亡があっ た点について、呼吸器、心臓、腎臓などの基礎疾患、重度の基礎疾患の方々への接種が 11月から開始されているということと関連した事象であると考えられるということ。人 口動態統計から見ても、それらの方々の死亡の頻度というものは、一定程度の高い水準で 認められるということで、それらとの偶発的な重なりの可能性が否定できない。それから 個々の死亡事例に関しても先ほどの合同検討会の先生方にも評価をいただきまして、明確 な関連が認められた症例はその時点では特になかったということ。健康な医療従事者への ワクチンの接種の結果などから見れば、重大な安全性上の明確な問題があるとは考え難 い。ただし重度の基礎疾患を有する患者において、ワクチン接種が重篤な転帰につながる 可能性も完全に否定できないことから、接種時及び接種後の処置等において留意する必要 がある。また、感染リスクは低いというふうに高齢者では言われておりましたけれども、 感染した場合のリスクを考慮すると、相対的に接種のメリットも大きいというふうな考察 をいただいております。  3.「今後の対応について」は、ワクチンに限らず、重度の基礎疾患を持つ高齢者の副 作用の評価というものは非常に難しいところではありますが、これらの個別事例の評価以 外に集積した情報の中から、問題点や注意を要する情報の抽出に重点を置いて評価をする こと。また、実施要領にありますような心臓、腎臓又は呼吸器の機能に日常生活が極度に 制限される程度の障害を有する者等への接種に当たっては、接種の適否を慎重に判断する ということの徹底。それから、接種が行われた場合にも一定時間、状態の観察をするなど の注意喚起を図るというようなことの対応についての御意見をいただきました。  その結果が6ページです。行政側としまして、12月1日付けで各関係者に新型インフ ルエンザ対策推進本部事務局より、これら「基礎疾患を有する者への適切な接種の実施に ついて」の注意喚起を実施させていただいたところであります。その資料の詳細は、説明 を省略させていただきます。  13ページには、同じくその基礎疾患を有する方々への注意喚起ということで、「アレ ルギー・ぜんそくの既往のある方や重い基礎疾患をお持ちの患者さんへの接種の際の注意 事項について」の呼び掛け資料などを作成しておりましたので、これを資料として付けさ せていただいております。  14ページは先ほど冒頭で説明しました合同検討会の第5回目、2月12日に開催しまし た際に、それまでに報告されております、新型インフルエンザワクチンでの妊婦における 副反応の状況を取りまとめたものを報告させていただいておりますので、これを付けてお ります。臨床試験の方でも、妊婦に対して実施を行っておりますが、14ページの上の1 番目、妊娠8週〜32週までの健常妊婦131例に新型インフルエンザワクチンを接種しま して、重大な副反応は見られていなかったこと。2.「接種医療機関からの副反応報告の 状況」では、その時点、1月29日現在で37名ありまして、重篤な者は6名あったという ことです。(2)にありますように、妊婦の方と全体とで接種者数と報告頻度を比較した場 合にはほとんど相違なく、ほかの接種者集団と比べて特段、妊婦で違いがあるということ は認められなかったという評価でありました。  15ページからは、先ほど基礎疾患を有する高齢者の死亡などへの考察の中でも説明を いたしました、接種開始直後に開始した2万人を対象とした安全性研究についての中間報 告を行っていただいておりましたので、この資料を付けております。詳細は説明を省略い たしますが、季節性インフルエンザワクチンで見られているような副反応が、同様に見ら れたということでした。  35ページまで飛ばしまして、こちらからの資料は合同検討会の直近に開催されました 3月12日の第6回の分の資料を付けてあります。まず、35ページの「推定接種者数及び 副反応報告頻度について」です。[1]報告全体として、36ページまでわたっておりますが、 昨年10月から開始され、本年3月9日報告分まで、ワクチンの供給は成人1回分換算で すけれども全体で2,279万回接種、副反応の報告は2,389。うち重篤が402、死亡報告は そのうち131という状況です。報告頻度などを、接種回数を基に算出したものを記載して おります。  36、37ページにかけましては「関連有り」として報告されたもので、死亡が131件あ りましたが、医療機関からの「関連有り」という報告は37ページの右下の3件となって おります。38ページは「関連無し」「評価不能」として報告されたものの一覧です。  39ページです。今までの御説明は国産のワクチンですが、輸入ワクチンを1月に特例 承認という形で承認させていただきました。1月承認後2月において、それぞれ39ペー ジの中ほどの[4]の乳濁A型インフルエンザHAワクチンという方、こちらはGSKのワク チンですが、現在までに約550回接種分程度が医療機関に納入されておりまして、副反応 報告はまだ0件ということであります。39ページの一番下は、乳濁細胞培養A型インフ ルエンザHAワクチンはノバルティスの製品になりますけれども、こちらは2件、いずれ も非重篤ですが、副反応の報告があったということです。  40ページ以降は、実際に接種いただきました医療機関から接種者数の報告をいただき、 副反応報告頻度などをその母集団ごとに記載した表です。特に取り立てて、副反応の発生 頻度が高いという集団は見られなかったところです。  46ページまでまいりますが、死亡報告が見られた分について、時期的に示したものが 46ページ上段の資料です。11月を中心に死亡者数の報告が見られ、今年に入ってからは 散発的にしか見られていないという状況です。  46〜48ページにかけてです。国産ワクチンと申しましても、全部で4社のワクチンを 使用しております。またバイアルのサイズですとか、プレフィルドシリンジですとか、保 存剤に違いがありますけれども、各メーカーのロット別に頻度を見ましたところでも特段 大きな特徴と申しますか、取り分け大きな違いが見られたというものはございませんでし た。  50〜51ページにかけまして、副反応報告の性別、あるいは年齢別の報告頻度を集計し た資料を付けてあります。  55ページは、先ほど申し上げました重篤な副反応の報告について、ラインリストにし たものを合同検討会に提示しておりましたので、これを資料として付けております。60 ページまでが重篤症例の一覧で、61ページからが死亡症例の一覧です。死亡症例の方は、 詳細は御説明申し上げる時間がありませんが、ほとんどは御高齢の方で基礎疾患などがあ る方という状況になっており、こちらが72ページまで続いております。  74ページです。今回の新型インフルエンザワクチンの接種において、死亡の報告が130 数例寄せられておりますので、これらについての情報の整理です。死亡例の経過、あるい は基礎疾患の内訳等について整理を進めつつありますので、3月の合同検討会にお示しを したところであります。死亡報告の月別の報告頻度、発熱・増悪の割合、あるいは基礎疾 患の内訳が75〜80ページまで関連の資料となります。  81ページ以降の資料は、季節性インフルエンザワクチンと新型インフルエンザワクチ ンの重篤副反応を、件数の比較ができるように対比して比較したものです。  84ページからの資料は、先ほど重篤症例のラインリストの資料を御説明しましたが、 それぞれ逐一について症例の経過などをまとめ、随時、合同検討会に御報告、御検討をい ただいていたところです。それの直近の分179ページまで、トータル271症例の資料とな っております。  180ページがこれら個別症例の評価、死亡症例の評価も含め、合同検討会とそれ以外の 形で評価に御協力をいただいた専門家のリストになっております。  182ページが「死亡症例の概要」に関して、同様にそれぞれの症例の経過、主治医、あ るいは報告医の因果関係評価、専門家の意見ということで、コメントをいただいたものを すべての症例について資料としてまとめたものです。こちらが280ページまで続いており ます。  281ページの資料は、我が国以外の国におきましても、新型インフルエンザワクチンの 接種は行われておりましたが、それらについて公表されている資料などを基に集計したも のを資料として御報告しておりましたので、今回も添付しております。  282ページからは、新型インフルエンザワクチンの国産の分の添付文書を各社の分を添 付しております。294ページは輸入の分で、こちらはGSKの製品の添付文書です。アジ ュバントと抗原を用時調製をして用いるものですので、294ページの添付文書の右肩には 「用時調製」というようなことを大きく書かせていただいております。  300ページはノバルティス社のインフルエンザワクチンの添付文書になっております。 以上がワクチンの関連資料です。  非常に資料が多くて申し訳ございませんが、引き続き抗インフルエンザウイルス薬の関 連の御説明をいたします。抗インフルエンザウイルス薬に関しましても、新型インフルエ ンザの流行が8月に定点当たり1を超えたということから、9月に各製造販売業者に対 し、安全対策などを求める通知を出させていただきました旨、同様に前回の本部会に御報 告をいたしました。その後、各社並びにインフルエンザ疾患における異常行動の発生状況 を調査いただいております感染症情報センターの岡部先生の研究班などにおきまして、や はり患者数の増加に合わせ、異常行動の報告が増えてきたということがありましたので、 新型インフルエンザにおいても季節性同様の注意喚起を図る必要があるということで、11 月30日の合同検討会終了後に安全対策調査会という形で本件に関して御報告を申し上 げ、季節性インフルエンザ同様の注意喚起を図るべく、今回303ページに付けさせていた だいております事務連絡を関係機関に発出させていただいたものです。  注意喚起の内容は306ページにあります。「新型インフルエンザ治療に携わる医療関係 者の皆様へ」ということで、治療開始後の注意事項として、上から2つ目の○にあります ように、インフルエンザ罹患時の異常行動の研究班において、新型インフルエンザが99 %以上を占めます今期の流行においても、異常行動の報告が急増していると。これには抗 インフルエンザウイルス薬の処方を受けた例、並びに受けていない例が共に含まれるとと もに、転落などの事例も報告されていたというようなことから、一番下の○の新型インフ ルエンザの診療に際しても、季節性インフルエンザ同様に配慮いただきたくお願いいたし ますという内容です。    308ページからがその検討会、安全対策調査会に御報告いただきました岡部先生の研究 班の中間報告になっております。310ページの上の方にありますように患者報告数が、2009 年分ですが、これは年明けからの週数ですので、40週というのがちょうど10月ぐらいか らになると思いますけれども、10、11月にかけて、インフルエンザの患者さんが急増し ているという状況が御覧いただけるかと思います。  314ページの上段には、過去1、2、3シーズンと今回のシーズンにおいて、棒グラフ と折れ線になっておりますけれども、折れ線がインフルエンザの患者数、棒グラフが異常 行動の研究班に寄せられた報告数ということです。これまでと同様に、患者数の増加に合 わせて棒グラフに示される異常行動の報告が同様に見られるということから、先ほどの注 意喚起をさせていただいたものです。  319ページには「薬の組み合わせ」というものがあります。過去3シーズンと今シーズ ンのものがありますが、今シーズンはやはり新型インフルエンザということで、「全て服 用なし」という方々の割合が若干減っております。また、10代の方々の流行が大きかっ たというふうに言われている影響かと思いますけれども、ブルーで示されるリレンザの割 合が過去よりも増えているという状況がございました。  325ページには、その際の調査会にタミフルに関して、今期平成21年4月1日以降に 報告されています異常行動の事例の一覧と、329ページにリレンザの同様の一覧を資料と して、お諮りをしたものです。  334ページには、ワクチンの関連で妊婦の安全性に関する資料を、2月12日の合同検 討会にお示ししたと御報告いたしましたが、同様に抗インフルエンザウイルス薬について も、これまでの季節性インフルエンザにおける安全性の調査の情報と、新型インフルエン ザの流行以降の調査の状況を取りまとめて御報告をしております。妊婦に対して特段の安 全性上の懸念は、これまでの調査の中では示されていないという状況でした。  最後に336ページの抗インフルエンザ薬に関しましても、本年1月に従来のタミフル、 リレンザ、アマンタジンに加え、ペラミビル製剤が承認されたところでございました。1 月時点では流行終息傾向がうかがえていたところですが、その後流行状況はどうなるかと いうところもありましたので、製造販売後、安全対策として、調査を十分に行うようにと いう通知を出させていただいているものです。長くなりましたが資料2-4は以上です。 ○事務局 それでは続きまして、資料2-5「サリドマイドの安全対策について」御説明い たします。今回はTERMSの第三者評価委員会の現状、及び登録状況について、昨年の11 月6日に開催されました第2回医薬品等安全対策部会で報告した以降の状況を、別紙2、 別紙3で御報告するとともに、別紙1でTERMS等の安全管理手順等の審議の取扱いとし て、今後、安全対策調査会で行うことについて御相談するものであります。  まず、別紙2、別紙3について紹介いたします。別紙2-1、3ページですが、TERMSの 第三者評価委員会で、大阪大学の那須先生が行われている患者、医師及び薬剤師に対する アンケートの結果です。今回は新規に、医師及び薬剤師に対するアンケートが追加されて います。  別紙2-2、4ページを御覧ください。患者さんのアンケートでは、症状、副作用、薬価、 TERMSなどについて、今までと同様ではありますけれども、様々なコメントがまとめられ ています。次に6ページ別紙2-3は医師のアンケート、8ページの別紙2-4は責任薬剤師 へのアンケートがありまして、それぞれ新規投薬時の登録や説明に関する時間というもの が平均で言いますと、医師では1時間弱、薬剤師は20分前後という結果が得られており ます。  9ページの別紙3は、藤本製薬のホームページ上で公表されている登録施設数、医師数、 患者数について取りまとめたものです。なお、この患者数がトータルで2,700人ほどとな っておりますが、休薬中の患者さん等もいらっしゃいますので、そのような方を差し引い た現在治療中の患者さんは約1,400人程度ということであります。  お戻りいただいて2ページの別紙1を御覧ください。TERMSは平成20年9月30日の当 部会の審議を経て、同年10月16日に「サレドカプセル100」の承認条件とされたところ です。今回TERMS及びそれに類する安全管理方策の新規作成及び変更は、当部会の部会長 の了解を得た上で、安全対策調査会において事前整理及び調査審議等を行いたいと考えて おります。  承認以降、TERMSをこれまで運営してきた中で、改善点が明らかになってきております。 具体的には、急ぎの対応を要するものとして二点あります。一つ目は、10〜12ページの 参考資料1-1にあるように、昨年9月に、入院時に持参したサリドマイド製剤が別の患者 に誤投与された事例が発生したということがありまして、入院中の薬剤管理に関する規定 を追加する必要があるということ。二つ目は、13〜15ページの参考資料2-1、2-2、特に 15ページのTERMSの部分の記載に線を引いておりますが、現行のTERMSの規定では2週 間分しか処方することができないということで、患者さんの負担が非常に重くなっている ということがあります。そのため承認後一定期間が経過したことから、1回の最大処方量 の撤廃を行う必要があるというものです。これらについて、今後、順次改正に着手してい きたいと考えております。 ○事務局 続きまして資料2-6「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の適正使用等に関する 情報提供の徹底について」御説明いたします。ソフトコンタクトレンズの使用に当たって は、角膜感染症等の眼障害を防止するために適切にレンズの管理をすることが必要です。 ソフトコンタクトレンズのケアには医薬部外品たるソフトコンタクトレンズ用消毒剤を 用いますが、消毒剤にレンズを浸すだけでは角膜感染症の原因の一つであるアカントアメ ーバを完全に消毒することはできません。消毒剤が効果を発揮するためには、正しい方法 でレンズのこすり洗いを行うことが重要です。  昨年12月16日付けで独立行政法人国民生活センターより「ソフトコンタクトレンズ用 消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能-使用実態調査も踏まえて-」という報告書が 公表されております。当該報告書によれば、ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の消毒効果 のみでは、角膜感染症の原因となるアカントアメーバを完全には消毒できないこと。適切 な方法でケアを行っていない人は、ソフトコンタクトレンズのアカントアメーバ汚染率が 高い傾向であったこと等が示されております。  厚生労働省としてもソフトコンタクトレンズの使用に当たっては、角膜感染症等の発症 を防止するために、ソフトコンタクトレンズの正しい使用方法やケア方法を遵守すること が重要と考えておりまして、同日付けで日本コンタクトレンズ協会等に対して、ソフトコ ンタクトレンズ用消毒剤の適正使用に関する更なる注意喚起、適切な使用方法の啓発につ いて依頼をいたしました。  具体的には1枚目に記載されておりますとおり、ソフトコンタクトレンズ用消毒剤の使 用説明文書及び外箱において、レンズ脱着時の手指の洗浄、レンズのこすり洗いの徹底、 レンズケースの定期的な交換、眼とレンズの状態の確認のための定期的な検査の推奨、不 適切な使用による感染の危険性等、使用者に適正な使用を促すための情報を見やすい位置 に分かりやすく明示する等の注意喚起を行うこと、及びソフトコンタクトレンズ使用者に 対して、適切な使用方法の教育・啓発をさらに徹底することをお願いしました。  2枚目にあるように、日本眼科学会、日本眼科医会、日本眼感染症学会及び日本コンタ クトレンズ学会にも、ソフトコンタクトレンズ使用者に対して、消毒剤によるケア方法を 含めたソフトコンタクトレンズの適切な使用方法の教育・啓発をさらに徹底するよう、周 知をお願いいたしました。  なお、4枚目に参考として付けておりますけれども、ソフトコンタクトレンズの適切な 使用方法について、厚生労働省のホームページで紹介しております。この他、医薬品・医 療機器等安全性情報に紹介記事の掲載や、医薬品医療機器総合機構のホームページにも、 コンタクトレンズに関するQ&Aを掲載するなど、適正使用に向けた情報提供を行ってお ります。以上です。 ○松本部会長 ありがとうございました。ただ今事務局より三つの事項について説明をい ただきました。何か御質問、御意見等ございますでしょうか。 ○倉田委員 「新型インフルエンザに対するワクチン及び抗ウイルス薬の安全対策につい て」という、この資料2-4の13ページに患者向けのチラシがあるのですが、その文言に ついて幾つか気がついたのでお話させていただきます。  一番最初の「一般的な注意」の2行目に「適切な準備と対応をして接種に当たるよう注 意をお願いいたします」というふうに書いてありますが、これは具体的に適切な準備とは どういうことなのかということを書いていただいた方がよいと思いました。  それから二つ目の○ですが、「アレルギー・ぜんそくの既往のある方への接種について は、ワクチン接種後、少なくとも30分後までは、健康状態をご確認ください」と書いて ありますが、これは少し分かりにくくて。「30分後までは」というよりも、接種した施 設にそのままとどまってもらって、30分ぐらいはいてもらわないと、何か変化が起きた ときに対応できないからということを思ってこれを書いていらっしゃると思うので、その 辺を加味した文言が入ってもよいのではないかと思いました。  それと下の枠の中ですが、上の4行で十分ではないかと思いました。というのは、その 下の○以降を読んでみても、私のような素人にとってはこの表現がよく分からないので す。ここでは多分、基礎疾患を担当している主治医のところでワクチンを受けるならいい けれども、そうでない違う施設で接種をする場合は、本当に必要かどうかをよく調べた上 でないと危険ですよということが言いたいと思うので、その辺を考えた文言にしていただ ければと思います。  最後になりますが、厚生労働省のホームページが一番下に書いてありますが、これと同 様に健康被害救済制度の相談窓口の電話番号や、PMDAのWebなどを書いていただけ ればよいのではないかと思いました。以上です。 ○松本部会長 ありがとうございます。少し勘違いがあるみたいですが、事務局から説明 をお願いできますか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。いろいろと御指摘をいただきましてありがと うございます。今御指摘をいただきました13ページの資料は、説明が不十分だった部分 もあるのですが、これは厚生労働省のホームページのいわゆる医療従事者の方向けのとこ ろに載っている資料で、患者さんというよりは、実際に接種を担当される医療機関におけ る注意事項という形になっております。したがいまして、一般的な注意という部分で、こ ういう既往のある方に対する適切な準備という部分については、そこは医療従事者であれ ば特段こちらから細かい指摘をするまでもないだろうという、そういう前提で書かれてい る部分もあります。  また、30分後の健康状態の確認も、例えば施設にとどまるようにということを、余り 直接的に書いてしまいますと、開業医の先生のところも含めて、皆様が待合室にあふれて しまうような、逆にそういったことも起こりますので、むしろそこは健康状態の確認とい う部分について現場で対応しやすい形で御対応いただくようにということで、具体的には 書いていなかった部分もあります。確かに御指摘のように、そういうところを細かく書い た方が分かりやすいという部分もありますので、またこういった情報提供をするときに は、我々の方も注意をさせていただければというふうに思います。  またこういった情報提供をする際のリンク先ですが、御指摘のように被害救済制度の問 題ですとか、PMDAとか、そういった部分についても、こういったものを出すときには 今後注意をさせていただきたいと思いますので、また倉田先生の方で御覧いただいて、適 切なリスクのコミュニケーションという部分で御指摘があれば、いろいろと御意見を頂戴 できればと思っております。ありがとうございます。 ○倉田委員 これは患者向けに作ったものではないということですね。 ○安全使用推進室長 そういうことです。 ○倉田委員 患者向けにも作っていただけるとよいと思いますが。 ○安全使用推進室長 接種事業を進める中で、そういった点も考慮させていただければと 思っております。 ○松本部会長 よろしいですか。ほかにございますか。 ○日野委員 この資料の中に、企業から医療機関に十分に情報提供を行うようにという文 面が幾つかありました。例えばジスチグミン臭化物の資料2-3の3ページのところにもあ ります。ほかのところにも、企業からどこどこへ提供を行うようにというような文面が出 ているのですが、それが実際行われているかどうかは、厚生労働省は再チェックまでして いるのでしょうか。この件だけではなく、いろいろなところでそのような文面が出てくる けれども、それを再チェックしているかどうかということについて、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 実際にこういう情報提供の指示をした場合、それが確実に実行されてい ないと余り意味がないものですから、このジスチグミンのケースでも、どれだけの施設に、 どのように、いつからいつまで配付をしたのかということについて、具体的に報告を求め ております。一般的に、かなり重篤な副作用について現場に注意喚起をするということは、 確実にやっていないと意味がないものですから、まず配付の計画を企業に示してもらっ て、それが実際にどの程度きちんと行われたのかということの報告を、その後に求めると いうことをやっております。もっと言うならば、実際にその施設に私どもが問合せをして 「来ましたか」という確認をすることも時には考えてもいいのかもしれませんが、一般的 には、配付計画とその実施状況について報告を求めております。  それをさらに実際に現場でどのように活用していただいたのかということについては、 モデル事業のようなこともやっております。そうやって伝えたことが、現場で患者さんの モニタリングをどういうふうにするかとか、そういうことをどう変えることになったの か、それを調べたことがございます。病院薬剤師会の御協力を得て、我々が注意喚起をし た幾つかのケースについて、現場でそれがどのように実行されたかというのを調べていた だいたという調査事業もございますが、これの場合は、実際にそれぞれの施設に応じて対 応なさっているという様子が分かってまいりました。そういう調査の結果についても別途 公表してございますので、それを御紹介できる機会はあるかと思っております。 ○猪熊委員 副作用について重篤なものが困るのですけれども、死亡が関連してあり得る のが一番の問題だろうと思います。2,200万件ほど接種されていて131件の死亡がある。 50ページに年齢別の報告数がありまして、見ますと60代、70代、80代と、ぐんぐん数 が上がっているわけです。恐らく接種対象の人口そのものが上に行けば少なくなっている とは思いますけれども、例えば70代なら70代の接種者数分の死亡数は、一般における死 亡者数(Standard Mortality Ratio)と比較して、同じぐらいであるのかどうかというよう なデータがあると分かりやすいかと思いますが、いかがでしょうか。 ○安全使用推進室長 今の質問に関連して、資料2-4の75ページを御覧いただきますと、 今回の接種事業では、各基礎疾患を持っておられる方の年齢階層別とかという形で医療機 関の方から、実際に何人の方に接種をされたかという数字をいただいておりまして、そこ の統計がございます。75ページを御覧いただきますと、11月に接種をされた65歳以上の 基礎疾患を有する方は、全体で102.8万人いらっしゃいます。12月ですと、それが210.9 万人、1月になりますと83.6万人いらっしゃいました。そこの母数から見た死亡例の報 告頻度は、11月が対10万接種当たり6.6、12月は2.0、1月になりますと0.5、接種後 に報告された65歳以上の死亡者に関しての報告頻度は、こういう形で数字に出しており ます。  実際に、こういった年齢階層の方がどういう死亡の経緯をたどるかといったことを、統 計的にうまく比較できる数字があるわけでは必ずしもないのですが、80ページにあるの は人口動態統計から持ってきた数字です。これは死亡数と死亡率と割合という数字になっ ております。特に65歳以上の方々ですと、その死因ですとかその割合、死亡順位を順位 付けをしますと、このような数字になります。あとはワクチン接種後の死亡例の基礎疾患 による分類ということで、実際の死亡例の中で持っておられた基礎疾患を分類して、その 数的なものを比較すると、大体こういった形の状況になっております。精密にいろいろな 数字を出そうとしますと、いろいろな疫学的な調査等も今後必要になりますが、全体の傾 向としてはこういう状況になっております。  特に死亡の報告につきましては、65歳以上の基礎疾患をお持ちの方の接種は1月以降 もずっと続いてきたわけですが、報告頻度は年明けになってから急に減ってきているとい う状況もございます。実際、この安全対策調査会の議論の中でも10月、11月、特にイン フルエンザがピークになる時期には同時に接種していたような状況の中で、他の疾患です とか、そのときの状況におけるいろいろな紛れ込みとか、様々な周辺の環境要因というも のも、こういった報告には影響しているのではないかといった議論も調査会の中ではなさ れている状況です。事務局からは以上です。 ○松本部会長 猪熊委員、よろしいですか。 ○猪熊委員 11月から6.6、2.0、0.5と減っているのは、その時期の周辺の状況にもよ るという御説明だったと思うのですけれども、厚生労働省のリードがとてもよかった、こ ういう対策がよかったということがあるでしょうか。 ○安全使用推進室長 この死亡例につきましては、安全対策に関する調査会もかなりこの 時期頻繁に開催しておりまして、こういった報告例の評価をできるだけ早く行う。そうい う中で、重い基礎疾患を持っておられる高齢者の方に関して、慎重に接種をしようという 形での事務連絡や呼び掛けをするという対応も、11月から12月にかけてはしております が、そういう効果があったかどうかについては、厳密に評価できる数字ではございません ので、一応そういった事例ということで紹介させていただきました。 ○松本部会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問等はございませんか。 ○安全対策課長 サリドマイドの件で一言補足をさせていただきたいと思います。本日、 一応先ほどのような説明をさせていただきまして、当安全対策部会でも、市販後に非常に 厳重な安全管理を行うということでTERMSという管理の仕組みについて説明し、その後 も、実際にどのような管理状況にあるかということについて随時報告をしてきているとこ ろです。ただ、当初から非常に厳格なシステムですので、患者さんや医療従事者の方々に 非常に負担が大きい、大変なシステムであるということで、できるだけ現実を踏まえて改 良していくということも課題でした。  実際に発売になったのは昨年の2月からで、おおよそ1年を経過して、現実にお使いに なっている患者さんも今1,400人ぐらいいらっしゃるという状況です。その実際の使用の 実態について、大阪大学の那須先生が電話でアンケートをなさっているという調査のほ か、今年の1月から、できるだけ多くの患者さんに参加していただく実態調査ということ で、実際にどのような格好で服用されているかという服用状況の調査を行っております。  その調査の途中集計が先日来まして、概略を見ているところではございますが、TERMS 導入前はおおよそ1か月間隔ぐらいで受診をされていた方々が、TERMS導入後、処方日数 14日という上限がございますので、14日間隔でかなりきちんといらっしゃっています。 つまり通院間隔が半分になった、頻度が倍になったということが克明に現れております。 現場においても、2週ごとに非常に厳密なチェックを繰り返し行っているということが、 かなり確実に現れています。ただ一方で、それがものすごく負担になっているということ が非常にきれいに現れております。  こうした状況をこのまま続けるのは大変負担が重くて、ずっとそのまま継続するという ことが余りにも負担になるということが明らかになっておりますので、本日調査会の方で 実質的な検討をということで御了解をいただいて、近く調査会を開かせていただきます が、そちらに詳しい根拠データなどもお示しして、できるだけ速やかに改善できるところ は改善するということでお諮りをしたいと考えています。  一方、緩和するという部分だけではなくて、昨年仙台で起きました誤投与で別の人に飲 ませてしまったというような事態に対して、患者さんが入院された場合の薬剤の管理をき ちんとするということについて、もう少し規定をきちんとする必要がございますので、締 めるべきところは締め、緩和すべきところは緩和するということで、これも手当てを早く した方がよいと考えています。  以上、入院時の扱いと処方日数制限の緩和という二点をまず安全対策調査会にお諮りし たいと考えております。今後実態調査の結果等を踏まえますと、改善すべき点がほかにも ございますので、それについては、もう少し時間をかけて御審議をいただくという予定を 考えておりますので、重ねて説明させていただきました。 ○松本部会長 今、課長がおっしゃったことを、調査会で検討するということでよろしい わけですね。 ○安全対策課長 はい。そうです。 ○松本部会長 委員の先生方、何か御意見がありますか。 ○猪熊委員 1年経って、今は現況が明らかになったということですね。それで、例えば 14日を緩めるという措置を講じた場合に、それで安全がどうかということのメルクマー ルとなるべき調査項目は何かという見当は、大体ついているものでしょうか。 ○安全対策課長 今14日という日数で処方日数を制限しているということ自体、服用し ている数と管理をしている記録との間の整合性は、実態調査で非常にきちんと一致してい る状況です。その管理がそれだけ徹底しているのは、在宅での薬剤管理の管理者を置いて、 患者さんだけではなくてサポートしてやっているという今の仕組み自体が、きちんと機能 しているということを示していると考えております。日数をもう少し延ばした場合にどう であるかということについては、そうした場合の管理をフォローしなければいけません が、現実に今やっている仕組みできちんと管理ができているということが明らかですの で、その点が安全管理上非常に懸念される事態を引き起こすという可能性は、非常に低い と考えております。  この点につきましては、調査会の中における議論の中で十分御意見をいただいてやって まいりたいと思いますが、基本としては、患者さんに処方される薬剤の日数が少し増えた として、その場合に、受診の間隔が余り伸びると副作用の発生に気がつかなくなるのでは ないかといった部分については、次の受診日を処方される先生と確認するようなことが必 要ではないかという御意見もございます。実際に処方なさっている血液内科の専門家の先 生の御意見なども伺いながら、対策をどのようにするかということを決めていきたいと考 えています。 ○松本部会長 よろしいですか。それでは議題3について、事務局から説明をお願いしま す。 ○事務局 資料3-1〜3-6を用いて御説明を申し上げます。資料3-1は、副作用及び感染 症報告等の報告状況を取りまとめたものですので、資料3-1を基本として、資料3-2〜資 料3-6を照らし合わせながら説明を申し上げたいと存じます。  はじめに、今回取りまとめております資料3-1〜3-6の副作用及び感染症に関する報告 は、平成21年9月1日から同年12月31日までに、製造販売業者等及び医療関係者から 報告をいただいたものを集計・集約したものです。副作用及び感染症報告は、個別に医薬 品との因果関係を評価したものではありませんので、医薬品との因果関係が不明なものを 含めて報告数としてお示ししてあります。報告数の集計に当たりましては、同一の症例に 複数の被疑薬が存在したり、当該症例が複数の企業からそれぞれ報告された場合などは重 複して計数することとなります。また、1症例であっても複数の副作用が発現する場合も ございますので、報告件数を合計した数が報告症例数とはなりませんので、御理解のほど お願い申し上げます。  また、追加情報等によりまして報告医薬品との因果関係が否定され、報告期間内に報告 を取り下げた場合、あるいは重篤性が変更となったために報告対象外となった場合は、件 数から除外されておりますので、この点も御留意ください。  また、資料3全体を通して、報告していただく際、副作用名につきましては、用語の統 一を図るため、ICH国際医薬用語集の日本語版に収載されている用語を用いて報告をい ただいております。以上が見ていただくときの留意点ですが、これを踏まえて資料3-1か ら説明を申し上げます。  まず資料3-1の上段ですが、1の(1)にございます製造販売業者より報告のございまし た国内症例の報告数につきましては、医療用医薬品での副作用報告件数は1万735件、感 染症報告件数は31件でした。  また、一般用医薬品の副作用報告数は90件でしたので、副作用報告の合計は1万843 件、感染症報告は31件でした。それぞれの報告内容につきましては、資料3-2〜3-4に記 載してあります。  まず資料3-2を御覧いただきたいと思いますが、個別の医薬品ごとの副作用状況につい て記載をしてございます。内容は、各医薬品について掲載してありますので数が大変多く なっております。また、先生方には事前に郵送にてお届けをしておりますので説明は省略 させていただきますが、表の見方だけ説明させていただきます。1ページのタイトルを御 覧いただきたいと思います。左から順に、薬効分類番号、成分名、剤形、報告いただいた 副作用名とその件数を記載しております。  資料3-3は一般用医薬品の副作用報告の状況をまとめたものです。こちらも表の見方を 説明いたしますが、表紙をめくっていただきますと左から順に、薬効別、成分名、副作用 名と件数。こちらにつきましては、リスク区分も併せて記載してあります。成分名の表示 につきましては、有効成分とその含量も併せて記載しておりますので、御参照いただけれ ばと存じます。  資料3-4には感染症報告の状況につきまして記載をしてあります。左から順に、番号、 報告受領日、一般名、それから患者の背景に関する事項、感染症名や投与年月、検査結果 等々が記載してあります。  資料3-1に戻っていただきまして(2)です。製造販売業者より報告のありました外国症 例での報告数は、医療用及び一般用医薬品の合計で4万7,647件、感染症に関するものは 8件でした。  (3)にまいります。製造販売業者より外国において新たに講じた措置に関する報告は 405件ありますが、これらの具体的な内容は資料3-5にまとめてあります。こちらも数が 多くなっておりますので、表の読み方を説明いたします。資料3-5を1枚めくっていただ きますと、左から順に番号、医薬品名、措置概要、措置を行った国名を記載しております。 報告されている措置概要につきましては、同一の措置内容に対して、同一成分の後発医薬 品ですとか、当該措置に関する複数の製品がございます関係で、複数の製造販売業者より 報告されたケースがございます。  例示ですが、1ページの4番は塩酸ラモセトロンにつきまして記載してありますが、こ のように(他1報)といった形で複数の報告があった旨を示してあります。2ページの16 番にあるリン酸コデインのように、同種同効能薬において同一の措置を講じているものが ありますので、医薬品名の欄に複数の成分名を列記するといった形で記載してあります。  資料3-1の(4)に戻っていただいて、製造販売業者より研究報告として報告がございま した件数は305件でした。その具体的な内容は資料3-6にまとめてあります。こちらも左 から順に、番号、一般的名称、それから研究報告の概要を記載してあります。例えば4ペ ージの43番を御覧いただきたいと思いますが、こちらについても資料3-5と同様に、複 数の報告があるものは一般的名称の欄にまとめて記載してありますので、報告件数とは一 致しないこととなりますので御留意いただきたいと存じます。  最後に資料3-1に戻っていただきたいと思います。2.に、医療関係者から直接国へ報 告がございました医療用及び一般用医薬品の副作用報告と、医療用医薬品の感染症報告の 合算の数字が1,068でした。また、新型インフルエンザ予防接種後副反応報告の件数も今 回から入っておりますが、これについては1,985件、合計では3,053件でしたので御報告 を申し上げます。内容を省略いたしましたが、説明は以上です。 ○松本部会長 ありがとうございました。随分見やすくなりました。何か御質問等ござい ませんか。 ○猪熊委員 基本的なことで恐縮なのですけれども、4か月で1万件副作用報告があるわ けですから、1年で3万件ぐらい副作用報告があって大量だと思いますが、あがってきた 副作用報告のその後の流れというか、例えば機構から専門委員に行って、それが返ってき てどうなるということを、ざっとお示しいただけると有り難いと思います。もし皆さんが 分かっているのなら結構ですが。 ○松本部会長 何回か説明してもらったような気もするのですけれども、事務局からお願 いします。 ○安全使用推進室長 副作用報告の流れですが、御指摘のように、医療用医薬品ですと、 企業報告は年間に3万件という形で件数がございます。これらはPMDAの中で一度全部 データベースに入る形になっておりまして、常にPMDAの職員が、入ってきている情報 を週単位で確認しております。その中で、同じような重篤で未知な症例がたまってきてい るかとか、実際にその中で因果関係が疑われるものがあるかというような情報を、常に精 査している状況になっています。  そういった精査をしているものの中で、何らか使用上の注意の改訂ですとか、注意喚起 が必要だというものがシグナルとして出てまいりますと、企業と実際に相談を始めると か、そういうステップにだんだん流れていきます。その中で因果関係評価をしていく。そ して、実際に対応が必要だろうという段階になってまいりますと、実際にその専門家の先 生方の御意見をPMDAの方でお伺いするようなステップに入っていきまして、使用上の 注意の中身ですとか、そういった措置内容が決まっていくというプロセスになってまいり ます。  PMDAの中で、これは注意喚起をしなければならないというものが認識されてから、 実際に厚生労働省の方に上がってくるまでに、企業との実際の相談ですとか、専門家との 協議といったプロセスが入ってまいりますけれども、それが1か月から40日ぐらいのサ イクルでずっと回っているような格好になっています。使用上の注意改訂ということで本 日資料2で御紹介しましたけれども、そういうものがアウトプットとして月単位で出てく るというような流れになってまいります。使用上の注意は年間3万件の中から、平均しま すと年150件ぐらい改訂という件数が3万件のアウトプットという形で出てきておりま して、その状況をこの部会でも御紹介するといった流れになってまいります。 ○安全対策課長 今のような仕組みを言葉でずっと言っていると頭の中でこんがらがっ てしまうものですから、最近図として整理したものがございますので、後ほど先生方にお 配りして御参考に供していただければと思います。PMDAの体制が整ってきましたの で、ようやくそういったシステマティックな処理の流れというのをお見せできるような格 好になりましたので、これはまた御覧いただければと思います。 ○松本部会長 ほかにございますか。 ○木下委員 資料3-3ですが、スティーブンス・ジョンソン症候群というのは、いつも一 般の副作用と同列に置かれているのです。頻度も少ないし、めったに起こらないこととは いえ、非常に重篤な副作用だと思います。例えば1ページでは、成分は、解熱鎮痛消炎剤 の中でアセトアミノフェン、イブプロフェンがいつも共通である。2ページも、成分から すると総合感冒薬がいつも気になるのですが、アセトアミノフェンとイブプロフェンが、 いつもどこかで関連しているように思います。  スティーブンス・ジョンソン症候群は、少ない症例では分からないのですが、今までの 事例を集めて御覧になって、特徴を調べてほしいのです。今はゲノム解析でどういう人に 起こりやすいかというのが分かりつつあるわけでありまして、HLAとの関係も含めて明 らかになりつつあります。同時に、成分についてみると、全然起こらないものもあるかと 思えば、このように特殊な薬品では起こる。そういうことも含めて、スティーブンス・ジ ョンソン症候群だけを集めて成分との関係をみてほしいのです。ただ羅列でこういうもの がありましたと言うだけでは考える資料にはならないわけですので、そんな見方もしてい ただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○生出委員 外国の報告状況についてお尋ねしたいのです。資料3-5、2ページの14番 ですが、一般用医薬品の鎮痛・消炎薬について、右側の措置の概要を見ると「ピロキシカ ムの処方せん薬について、安全レビューを行い」とありますが、どういう因果関係でこう いう概要説明があるのか。左側の一般用医薬品、例えばAという製品があって、どうして 要処方せん薬の安全レビューをして、どういうふうに結び付いたのか、因果関係がよく分 からないので教えていただきたいと思います。 ○松本部会長 事務局の方で答えられますか。 ○安全使用推進室長 簡単に御説明いたしますと、外国における新たな措置報告というこ とで、医薬品名として左側に欄がございます。そして、実際の措置概要という中身が真ん 中に書いてあるわけですが、このHealth Canadaでの措置というのは、ピロキシカムの処 方せん薬についての安全性レビューでありまして、このレビューは処方せん薬のレビュー をしている。しかしながら、この報告は外国における措置報告ということで、ピロキシカ ム等は一般用でも圧倒的に使われているという状況でありまして、一般用医薬品でお使い いただいている企業からその報告が上がってくると、こういう形で紹介されるということ です。 ○生出委員 カナダの症例は、承認薬等々も含めて、結構日本の企業に反映されることが 多いので、ちょっと危惧してお尋ねしました。 ○安全対策課長 ピロキシカムの重篤な皮膚反応は多分、TENやスティーブンス・ジョ ンソン症候群だと思います。それから、胃腸の有害事象も、もともと消化器系の消化管出 血等の障害が結構強いということが非常によく分かっている薬ですので、日本では外用剤 も含めて、かなり前にかなり厳しい注意喚起をやっております。日本でも既に対応をとっ ている話ですので、一応御紹介しておきます。 ○松本部会長 ほかにございませんか。 ○安全使用推進室長 先ほど猪熊委員から御指摘をいただきました安全対策の流れにつ いて、今お手元に資料を配付しております。先ほど私が口頭で申し上げたことですが、実 際に副作用報告を受け取ってから、どういう流れでこの安全対策部会まで流れてくるのか というのが、このフローを御覧いただくと分かるようになっております。これを御覧いた だいて何か分からないこと等ございましたら御説明いたします。 ○松本部会長 では議題4に進ませていただきます。事務局から説明をお願いいたしま す。 ○事務局 お手元の資料4-1と4-2を御用意いただければと存じます。これは薬事法第 68条の8に基づいて報告される医薬品の感染症定期報告の関連報告です。今回は先ほど の副作用・感染症の報告等と同様に、平成21年9月〜12月末までに報告された感染症定 期報告を取りまとめておりまして、資料4-2に、148ページにわたって440件の報告をい ただいております。資料4-2は感染症定期報告の医薬品医療機器総合機構からの整理・調 査結果ですが、医薬品原材料ごとになっております。感染症単位でまとまっておらず、同 じ文献が何度も出てくるということもありますので、資料4-1に感染症別に文献整理いた しましたので、こちらで御説明させていただきます。  資料4-1では、文献あるいは報道案件など全部で139件新規のものがございました。前 回からそういう傾向が出てまいりましたけれども、今回もインフルエンザの関係が新型で 46件、従来のインフルエンザで15件、計61件ございまして、半分近くがインフルエン ザ関係となりました。そのほかでは、1枚目にあるように、A,B,C,Eというような ウイルス性の肝炎が8件、HIVが5件、BSE、CJDの関係が9件、その他熱帯感染 症などでのデング熱や口蹄疫が各7件、これらが比較的多かったところです。  今回もこちらの資料につきまして、それぞれの文献の写しも含めて、事前に本部会の宮 村先生、石井先生、新見先生に御検討・御確認をいただいておりまして、今回新たに安全 対策措置を講ずるものは特段なかったということです。今後も情報収集が必要なものとし て、E型肝炎の関係と異常プリオン蛋白の関係について、それぞれ1報ずつコメントをい ただけるということでしたので、石井先生、新見先生からコメントをいただければと存じ ます。よろしくお願いいたします。 ○石井委員 文献7のE型肝炎について紹介させていただきます。このE型肝炎につい て、多くは不顕性、一過性の感染経過をとるとされております。まれに劇症化することが あるとも言われておりますが、最近は不顕性感染が一般的とされる遺伝子型3型のウイル スにも、比較的毒性の高い4型と同じ塩基置換が認められるヘリカーゼを持っているもの があって、毒性の高いものが見つかったとの文献です。当面は、こういったE型肝炎ウイ ルスの広がりはどのようになっているのか等の公衆衛生学的な対策等が検討課題であり ますが、医薬品や輸血安全対策等についても関連してくるものですので、引き続き情報収 集が必要だと考えております。E型肝炎については以上です。 ○松本部会長 新見先生からお願いいたします。 ○新見委員 私からは116番の文献について紹介させていただきます。この文献は、異常 プリオン蛋白質と特異的に結合する親和性クロマトグラフィに関する文献です。この論文 では、このクロマトグラフィの技術を血漿分画製剤の製造工程に導入しまして、製剤の有 効性に影響を与えないで、異常プリオン蛋白質を1,000倍以上除去できることを示してお りまして、CJD対策として有効な手段となり得る可能性があります。一方、異常プリオ ン蛋白質の除去性能の評価、あるいは除去後の成分の安全性評価等非常に難しい課題はあ りますが、安全性向上に期待できる方法の一つとして考えられます。以上です。 ○松本部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問、御意見等ござい ますか。ないようですので次に進ませていただきます。議題5について事務局から説明を お願いいたします。 ○事務局 その他といたしまして、「市販直後安全性情報収集事業の結果について」御報 告させていただきます。まず資料5-1-1及び5-1-2を御用意ください。今回はレミッチカ プセル(一般名ナルフラフィン塩酸塩)とストラテラカプセル(一般名アトモキセチン塩酸 塩)の2品目について、調査が終了いたしましたので御報告いたします。  まず資料5-1-1、レミッチカプセルについて御報告いたします。製造販売業者は東レ株 式会社。販売は鳥居薬品が行っております。効能効果は「血液透析患者におけるそう痒症 の改善」です。調査に御協力いただいたのは資料の中ほどに記載しております5施設で、 当該医薬品の使用状況や重篤な副作用、及び発現頻度が高いなど気になった副作用の情 報、また製造販売業者による安全性情報の提供状況などについて報告をいただいておりま す。  調査期間は平成21年3月24日から6か月間、毎月1回御報告いただきました。使用状 況はすべての医療機関で採用され、58名の患者さんに使用されております。副作用など の発現状況ですが、既知の副作用の「動悸」が1件報告されたのみです。なお、当該薬は 選択的なオピオイドκ受容体作働薬であることから、調査に当たり服用中止時の症状など について注意して見ていただきましたが、特にその件についての報告はありませんでし た。また、製造販売業者による情報提供活動につきましては、調査期間中は定期的に情報 提供が行われたという報告です。  続いて資料5-1-2、ストラテラカプセルについて御報告いたします。製造販売業者は、 日本イーライリリー株式会社。効能効果は「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」 です。調査に御協力いただいたのは資料の中ほどに記載しております5施設で、販売が開 始された昨年の6月19日から6か月間実施いたしました。使用状況はすべての医療機関 で採用され、延べ190名の患者さんに使用されました。  報告があった副作用は、食欲低下が3件、不安感の増加が1件、腹痛が1件であり、重 篤なもの及び未知のものはありませんでした。製造販売業者による情報提供活動について は、調査期間中定期的に情報提供は行われていたとの報告です。市販直後安全性情報収集 事業結果については以上です。 ○松本部会長 ただ今事務局から市販直後安全性情報収集事業の結果について説明を受 けましたが、委員の先生方、何か御質問、御意見等はございますか。 ○日野委員 レミッチという薬なのですが、これは飲み続けていればよいのですが、いっ たん飲むのをやめてしまうとその段階で、そう痒を再燃するということはよく知られてい ることなのです。つまり、ずっと飲み続けていなければならない薬を、半年間の検査期間 で済ませてしまっていていいのかということが一つです。また、その後のフォローアップ はどうなさっているのか、それを伺いたいのです。 ○安全使用推進室長 最初に、市販直後安全性情報収集事業について少し御説明申し上げ ます。一般的に新医薬品として新薬が承認されますと半年間、市販直後調査という形で、 いわゆるその安全性の重点的なモニタリングですとか、重点的な医療機関に対する情報提 供を行っております。これは長期の観察という意図ではなくて、むしろ、一般的に新薬は 承認された直後に、その治験のときに経験されている患者数よりも多い患者に使われると か、治験のときに比べれば、いろいろと背景が複雑な患者さんにお使いいただけるという 状況になるものですから、承認されて6か月間は要注意ということでございまして、その 期間に起きる安全性の問題について、できるだけ早くキャッチするとか、その期間内にで きるだけ適正使用の情報を医療現場にも届けて安全にお使いいただこう、というのが市販 直後調査のそもそもの趣旨です。  この収集事業は、そういった市販直後調査というものが、企業の方が医療機関に実際に 行かれて、きちんと情報提供をしているかとか、その情報は徹底しているかということを、 抜き打ち的にこの5つの医療機関にお願いをして、実際に企業が来てきちんとやっている かどうかというところを覆面調査のような形で調査をしています。市販直後調査をきちん とやっているかどうかをモニターするための調査、そういう定点観測事業です。  レミッチについても、これは新薬として承認されたということで市販直後調査をやって いるわけですが、定点できちんとやられているかを調査した、その報告でございます。し たがいまして、先生が御指摘のように、市販直後調査という目的とはまた別に、長期使用 される医薬品の安全性の確保という部分については、これとはまた別の次元におきまして きちんとフォローアップをして、安全対策を講じていくということかと思っております。 事務局からは以上です。 ○日野委員 別の次元のフォローアップということもされていらっしゃるのですか。 ○安全使用推進室長 基本的には、こういったものも重点的に6か月ということで見てお りますけれども、長期に使用される医薬品ということですので、その中で上がってくる副 作用の報告等については適宜フォローして、この中で安全性において懸念される事項がな いかということは、副作用報告を見る中で、我々の方もきちんと引き続きモニターをして いこうということでございます。 ○日野委員 それは企業に任せないで、厚生労働省が統括してフォローアップしていこう というシステムがあるからですか。 ○安全対策課長 基本的に、慢性疾患で長期に使われることが大体予定されている新薬の 場合は、一般的な使用成績調査と言われる調査のほかに、特別調査と言っている調査の中 で、長期投与についての調査計画について計画書を出させていて、その計画どおりに調査 が行われているかどうかをフォローするようになっております。この薬も一応そういう計 画を立ててやっているということですので、先生御懸念の点は我々も同じ思いであります ので、こういった薬を長く使った場合にどういうことが起きてくるかというのは審査の際 にも検討はされておりますし、市販後の調査の宿題ということで掛かっているという状況 です。今回のものは、直後の情報提供活動がきちんとやられているかどうかを、こちらの 側でしっかりフォローするという形でやっているものです。 ○日野委員 特にこの二つが今後長期間飲み続けなければならない薬剤なので、あえて伺 ったのです。 ○松本部会長 ほかに御質問等はよろしいですか。事務局はほかに何かありますか。 ○事務局 ほかには特にございません。 ○松本部会長 本日用意いたしました議題はこれですべてです。全体を通じて御発言はご ざいませんか。ないようでしたら、これで本日の部会を終了とさせていただきます。長い 時間ありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 安全対策課 課長補佐 日田(内線2748)