10/02/25 第5回へき地保健医療対策検討会議事録 第5回 ヘき地保健医療対策検討会【議事録】                   日時 平成22年2月25日(木) 13:00〜15:10 場所 三田共用会議所3階大会議室 ○馬場医療確保対策専門官:大変、お忙しい中、ご出席を賜りまして誠にありがとう ございます。本日は羽田空港濃霧のため前田委員、角町委員、澤田委員、三阪委 員からは遅延のご連絡をいただいています。また高野委員、村瀬委員よりご都合 により欠席のご連絡をいただいています。高野委員の代理として全国離島振興協 議会の渡邊東事務局長にお出でいただいています。以降の進行は梶井座長にお願 いします。 ○梶井座長:それでは皆様、本日もよろしくお願いします。今日は今までのご議論及 び前回検討会終了後に、各委員の皆様からご提出いただいたご意見を基に、報告 書の内容を詰めていく作業をさせていただきたいと思います。時間も限られてい ますが、検討会報告書を取りまとめる重要な作業となりますので、委員の皆様に は活発な意見交換をお願いしたいと存じます。そのために事務局から予めご連絡 させていただいたとおり、当初、15時までになっていましたが、30分程度の延 長も見込んでいます。ご了承いただければと思います。  なお、本日の会議で報告書の素案に関する検討を概ね終了させた上で、事務局 から予備日とさせていただいている、3月19日(金)に第6回会合を開催させ ていただき、報告書を確定することとしたいと存じます。併せてご了承いただけ ればと存じます。それでは事務局より資料の確認をお願いします。 ○馬場医療確保対策専門官:資料の確認をさせていただきます。資料1が前回第4回 会合の議事概要(案)、資料2が本日の議論の材料となる検討会報告書の素案と、 その後、委員の先生方からいただいたご意見を整理して、掲載させていただいた ものです。左側の黒字で記載されているところは、これまでの検討会のご議論で、 概ね委員のご意見の合意のできた部分、右側の赤字で記載しているものは、前回 検討会終了後に委員からご提出いただいたご意見です。特に素案に直接関係ある ご意見は網掛けをした上で、黄色の矢印で案との対応関係を示しています。各委 員からいただいたご意見は、そのまま資料3としてセットしています。なお、資 料2の後半は、報告書へ添付する資料で、別添として「へき地医療に関する取組 の先進事例(案)」、参考資料1として、「へき地医療に着目した地域医療再生計 画の例(案)」、資料2が前回第4回会合に提出した、鈴川委員の研究班の報告書 となります。検討報告書参考資料1は、現在調整中となっています。以上です。 ○梶井座長:本日は資料2を見ながら、左側の素案の部分に右側の委員からの意見を どう反映させていくか、議論を進めていきたいと思います。また意見がないテー マもありますが、本日、新たに皆様のご意見を伺いながら肉付けをして、検討会 報告書を作りたいと考えています。資料2の冒頭部分で、「近年のへき地医療を 取り巻く状況の変化」については、今回、新たに加筆された部分ですけれども、 事務局より説明をお願いします。 ○馬場医療確保対策専門官:ご説明いたします。資料2の1頁目からですが、無医地 区・無歯科医地区の状況の変化として、5年に一度の無医地区・無歯科医地区調 査を行い、現在、平成21年度に行ったものを集計中で、まだ数字は確定してい ません。これは確定次第、数字が入るものと思われます。次にへき地保健医療対 策のこれまでの経緯があり、3頁にいって第9次のへき地医療支援機構とか、10 次のへき地保健医療計画の整備体制に関して書いています。  次に現況調査の結果で、1つ目の○は都道府県の取組について書いています。 2つ目の○はへき地で勤務する医師の確保について、自治医大の卒業生の動向、 奨学金制度、地域枠について書いています。3つ目の○は支援機構の現状ですが、 設置状況や専任担当官の活動、診療所との関わり等、これも現況調査の結果を載 せています。4つ目の○は、へき地診療所及びへき地医療拠点病院の現状につい て、これは医師の充足状況や拠点病院の必要な機能、同じく診療所の要望、ご意 見等を載せています。  7頁で5つ目の○は地域医療再生計画についてです。これは、「へき地医療に 関する事業が含まれている地域医療再生計画一覧」という参考資料がありますが、 対象地域を載せています。地域医療対策室で便宜上、へき地に関する記述がある ところをここに挙げていますけれども、へき地で行っているものを載せていて、 救急であれば救急のところに載せている所もありますから、今後、左側のへき地 医療に関係する地域医療再生計画について、現在はペンディングで調整中ですけ れども、ここについては再生計画の中から、ペンディングのように、へき地・離 島医療対策を重視した計画があったところは、梶井座長とともにまとめさせてい ただきたいと思います。以上です。 ○梶井座長:ありがとうございました。ただいまのご説明に何かご意見、ご質問はご ざいますか。まだペンディングの部分もありますけれども、これも後日、記入さ れていくということです。細部についての修正もあろうかと思いますが、これは 先ほど事務局から説明がありましたように座長にご一任いただければと思いま す。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは時間もありませんので次 に進みたいと思います。この後は順次、左側と、右側の今回新たにご意見をいた だいた部分を見比べながら、どういうように組み入れていくか、ご議論を進めて いきたいと思います。  議論に入っていただく前に、3つだけ予め議論しておきたいと思います。1つ 目の議論は、十分に意見の一致を見ていない総合医についてです。2つ目は学会 等の役割です。総合医については、10頁のいちばん上のところに「総合医」と いうのがあります。そのほかにも総合医という言葉は、あちこちに出てきますけ れども、この「総合医」という言葉をこの報告書の中でどういうふうに使ってい くか、皆さんのご見解を伺いたいと思います。それと11頁のところにあります が、いちばん上の学会等の役割についても、予め議論をしておきたいと思います。 3つ目は、これも前回の検討会のときには決めないでペンディングという形にし ましたが、へき地医療の専門医のお話です。この3つについて最初に皆様のご意 見を伺っておきたいと思います。よろしいでしょうか。  総合医について、今までの議論を踏まえて報告書には、「地域の医療を担う『総 合医』については、国が推進する必要がある」として、ここで総合医が前面に出 ていますけれども、いかがでしょうか。そこに対しての意見が右にあります。「『総 合医』については積極的に推進すべきであるが、むしろ医学教育全般の問題で、 必ずしも国の役割ではないのではないか」。これは国の役割として求められるこ とというところに書いてありましたので、こういうご意見が出ています。別のご 意見ですが、「総合医」の定義等が不明の現状で、国が推進していくことに反対 であるということで、国の推進という部分と総合医そのものの定義等について、 ご意見が出されています。この点について、どういうふうに報告書に盛り込んで いけばいいか。まず総合医について、いかがでしょうか。 ○吉新委員:世界的な傾向として、プライマリー・ケアの充実はいうまでもない。ア ルマータ宣言から見て随分経つわけです。その必要性も叫ばれ、効率的な医療に は必要だと言われていることですから、プライマリー・ケアを担う医師が総合医 かどうかの定義の問題はありますけれども、そういった幅広く地域の医療ニーズ に応える医師像としての総合医というものを、一歩出て、11次へき地保健医療と して是非進めていただきたいと、私は思います。 ○梶井座長:地域医療を担う医師像として、総合医ということを前面に出していくべ きであるというご意見でした。そのほかいかがでしょうか。日本では総合医、プ ライマリ・ケア医、家庭医、総合診療医等いろいろな名称があって、そこの部分 を総合医という1つの名称にしていいのかというご意見もあろうかと思いますが、 このあたり、いかがでしょうか。 ○内田委員:議論のたたき台になればと思いますが、私もいまの吉新先生のご意見に 賛成です。これから地域医療をどういう形でつくっていくのか、支えていくのか ということを考えると、当然、そういう初期の医療の段階で総合的な診療能力を 持った医師の役割が必要だと思っています。ただ、これを国が制度として推進す ることについては、またちょっと議論があるのかなと、いまの段階では思ってい ます。  特にへき地において、初期医療に携わる医師の役割を考えると、私は全般的な 初期の救急医療、第1段階の救急医療と、その次の段階でのトリアージという機 能をしっかり持った医師が、へき地において求められる総合医像になるのかなと 考えていますので、もしこの答申の中で総合医という言葉を使うのであれば、そ ういう意味づけをした上で使っていただくのが適当ではないか。その質について どう検証していくのか、どういう名称にするのか、あるいはそれをどこが認定す るのかについては、ペンディングにしていただいたほうがいいのかなという気で います。 ○梶井座長:お二方とも、総合医という言葉を使うことは問題ないのではないかとい うことですが、「ただし」という但し書が付いていました。内田委員にお聞きし たいのですが、もし、今おっしゃったことを入れ込むとしたら、これはどこの部 分になりますか。ここでは国となっていますけれども。 ○内田委員:これは国ではなくて、難しいところですね。あともう1つ整理が必要な のは、先ほど出ました3学会が今回統合されて、認定医あるいは専門医をつくっ ていく動きがありますので、先ほど申し上げたへき地における初期診療を担う医 師と、3学会が今後つくるであろう認定医、専門医との役割分担というか違いと いうのは、3学会のほうは、むしろ諸外国で使われているような、プライマリー・ ケアの専門医という位置づけになるのではないかと思います。ですから、現状の 日本ではそういうプライマリー・ケアの専門医ではなく、それぞれの専門性を持 って医療を提供しながら、その上で地域においては総合的な診療を担う役割を持 つ。おそらくそういう性格づけになっていると思いますので、そこのところを区 別してやるということ。今後の総合医の推進策について、どこが担うかというと、 私の気持としては日本医師会が担うべき役割ではないかと強く思っているので すが、その辺はまだこれからコンセンサスを作っていくべきところだと思ってい ます。 ○梶井座長:吉新委員はどうでしょうか。いまと同じ質問です。 ○吉新委員:この「総合医」という単語の持つイメージが、人によって相当バラツキ があって画一的なものでないのです。自治医大で昔、「総合的な診療能力を持っ た医師」という、一言ではなく長い定義づけで言われた時期がありますが、その 中には救急も入っています。もし総合医という単語が相当普及しているとすれば、 へき地離島の救急も含めた救急や総合診療科といったものを担う医師だとして、 是非、総合医というワードで押していただきたいのと、3学会の認定と、この委 員会の立場は少し違うのではないかと思います。我々はへき地保健医療計画の検 討をするわけですから、この委員会のオリジナルな医師像として、総合医という のは全然問題ないと私は思います。ですから3学会と無理に合わせる必要はない のではないか。へき地医療専門医について、もし総合医という名称で11次の委 員会で推すということになれば、それも含まれるということで、大きなイメージ での総合医という単語を使っていいのではないかと私は思います。 ○梶井座長:そのほかの委員の方、いかがでしょうか。 ○中村委員:前回会議の内容が書かれた資料1の3頁の上のほうで、総合医の4分類   つまり、北米型ER医、総合内科医、家庭医、へき地離島型総合医に関する私の     発言が出ていますが、あまり賛同を得られなかったようですね。私が思う総合医    のイメージには、初期診療、トリアージといった内田委員のおっしゃった内容以   外にも、生活習慣病の予防や健康づくり、慢性疾患の管理の占める割合が大きい    と思いますし、リハビリ、看取りもあります。そこも併せて、総合医というイメ     ージで自分自身は思っています。学会に関しては、これからどうなるのか、少し   様子を見てからでも遅くないと思っています。 ○梶井座長:そのほか、いかがでしょうか。いま、お三方とも、総合医という言葉を 使うことはやぶさかではないと、むしろそれを推進していこうではないかという ご意見だったと思います。いま出ましたことをまとめますと、へき地医療を担う 医師の役割像ということで、総合的な診療能力を有し、プライマリー・ケアを実 践できる。プライマリー・ケアとは初期の救急、その次の2次のトリアージ、予 防、慢性疾患の管理、看取り等というふうに入れれば、いまの3人の委員のご意 見が集約されるかと思います。そういうプライマリー・ケアを実践できる総合医 と言ってしまってもいいのですが、まだここでは「いわゆる総合医」ということ で、以降は「いわゆる」を取って「総合医」ということで、この報告書の中に入 れ込めば、いいかなと思いながら聞かせていただきました。いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。では総合医については、そういうふうに皆さんの意見が一 致したということで、記載を新たにさせていただきます。  いま出ていた3学会のところですが、確かに内田委員のおっしゃるように、3 学会の推進しているところと今のところは必ずしも一致していない。これは吉新 委員のご意見でもそうでした。あくまでもこの検討会でイメージする総合医とい うことでしたが、いずれにしても、こういう総合医を日本に普及し推進していく ためには、3学会の役割も大きいと思いますし、医師会の役割も非常に大きいと 思いますので、プライマリー・ケア学会と関連3団体は、4月から日本プライマ リー・ケア連合学会として1つになりますが、そこだけでなく、医師会が中心に なってということで、どうぞ。 ○内田委員:3学会のほうは、学会の専門医あるいは認定医という形になりますよね。 医師会のほうは先ほど申し上げたように、それぞれの先生が専門医で研鑽を積ま れた後、開業されて地域医療に携わるときには、一般的、総合的な診療能力も必 要になってくるという意味で、医師会の生涯教育制度というのがありますので、 3学会とは明らかに違うという認識でいます。 ○梶井座長:わかりました。そういう認識でしたら、これは後の学会等の役割のとこ ろと切り離して議論を進めていきたいと思いますが、よろしいですか。皆さんの 意見を聞きながらと申し上げましたが、最後にお願いしたいと思います。  前回議論が分かれた、へき地医療の専門医のところについては、どこまで報告 書に盛り込んでいくかもありますので、皆様の忌憚のないご意見を聞かせていた だければと思います。 ○奥野委員:へき地医療について、一般の皆さんがどういう認識をされているか、ま ずそこから考えていかなければいけないと思います。へき地医療を担う医師とい うのは、以前でしたら奇特な医師、ちょっと変わった医師、夢ある将来を捨てて 挺身する医師、あるいは医師から見ると、専門性を持たない何かわからない人と いうようなイメージがあります。それがいますべて払拭されているかというと、 必ずしもそうではなくて、現状としては結構まだ、そういう意識で見られること も多々あるということです。  ただ、認知されつつあるということは、確かだと思います。それは全国のへき 地で頑張っている先生方の活動が少しずつ知られてきたということ。それからも っとはっきりしていることは、大学等でそういったものが講義されたり、学生等 に知られつつあるということで、へき地医療の正しい姿が認知されつつあるとは 思いますが、中途半端な段階でへき地医療を前に出して、その専門というふうに 表現することは、皆さんのご意見の中にもありましたように、例えばへき地医療 を担う医師に対してプラスに見る方もいれば、そうでない方もいる。そういう中 途半端な段階で、それが専門であるというふうに表現するのは時期が早いのでは ないか。  例えば脳外科は認知されつつあって、脳外科というのはすごいと、そういう技 術を持っている方は脳についての本当の専門家だというのは、何となく一般の 方々の中にコンセンサスがあり、脳外科の専門医というのは認識できると思いま すけれども、へき地医療の専門医というのは必ずしもそうではないということ。  それと、へき地医療は学問として成立するものであると私は思っていますけれ ども、まだそこに至っていない。そういった段階でそういうことを決めることに 関しては、例えばどういう線で引くのか、誰が決めるのか、どういう枠で決める のかというときに、たぶん非常に混乱を生じるのと膨大な作業を要するので、い ま行うということは時期が早いのかなと思います。  もう1つ、ではどういうふうなものであれば認識されやすいか。これは私の冗 談のような意見として聞いていただければと思いますが、へき地医療を表現する ものとして前にも私は言いましたけれども、地域の名前を付けた専門医であれば 一般の方でも理解しやすいのではないか。例えば私は○○島の専門医です、私は ○○地区の専門医ですというふうに表現すると、住民の人は「ああ、そうか、こ の人はこの地区をいちばんよく知っているお医者さんなんだ」となります。認定 する場合でも、その地域のことをどれだけ知っているか、文化、歴史、関わり合 い、どれだけの人を知っているか等をやれば可能性もあるということです。わか りやすいという意味では、そういうふうなことをしないといけない。いま、へき 地というものを表現して専門医を作ってしまうと、大混乱を生じてしまうのでは ないかというのが私の意見です。 ○梶井座長:そのほかの皆さん、いかがでしょうか。 ○鈴川委員:大きな表を作っておいて、何も言わないのはと思いますので申し上げま す。私自身、いまの専門医が取れるかというと取れないだろうと思っていますの で、そういうつもりで言うよりは、私たちの研究班の中で、もちろん自治医大の 卒業生の方もいらっしゃる中でいろいろ話をして、昨日も会議をやってきました。 もう一度、皆さんに「必要でしょうか」という質問を投げて、いま奥野先生がお っしゃったのはそのとおりだと思うのです。いま作って誰が認定するのか、内容 は何で何が専門なのか、どこが違うのですかというところが非常にネックになる ことはみんなわかった上で、でも、私たちがそこで9年なりもっとかけて働いて きたのだと。それは何か訳のわからないことをやったのではなく、へき地医療と いう専門をやったのだと、そういうものがほしいのだと、それを伝えてほしいと いうのが昨日のみんなの意見だったと思います。いますぐに慌てて作ることを言 いたいのではなくて、現場に行っていた人の何人かは、少なくともそういう思い を持っていたということは伝えておきたいと思います。 ○梶井座長:そのほか、いかがでしょうか。 ○吉新委員:専門性と言うと、専門でない素人を排除するという意味が若干あると思 います。一度、へき地の専門医の数が揃うと、「へき地の専門を持っていないか ら俺は行かないよ」となってしまう。本来であれば質を高めてる、保証するため にある専門制度が、逆に排他的に、へき地の専門医を持っていないと離島に行け ないとなり、ではどうやって専門の認定を取るのか、それはへき地に行かなけれ ばいけないぞということになって、鶏と卵になってしまい、おかしなことになら ないか。「私、ただいま、へき地専門医の研修コースの最中です」という医師ば かりになってしまうのではないか。いずれ「そんなものは要らないよ」となって しまう。専門性というのは逆に排他的な部分もあると思うので、逆作用するので はないかと心配です。 ○梶井座長:どうでしょう、吉新委員、先ほど来ご意見もありますけれども、これは 「ノー」ではなくて将来に向かっては検討を続けると。 ○吉新委員:私は奥野先生が言われたことは正解だと思います。環境ができてくれば いいと思いますが、社会が全然期待していないものをわざわざ11次の委員会で 提案するのは、ちょっとまだ早い。環境が熟していないという見方をしたほうが いいと思いますが、社会が非常にそういう医師像を求めて、希望者も多いという 状況になれば、これはまた別だと思います。ですから、いまはノットタイムリー というところかも知れませんね。 ○内田委員:大変興味深い話題ですが、先ほどから話が出ているように、総合的な診 療能力を持つ医師の養成が非常に重要だということ。それから、これだけメディ アが発達していますからインターネットなどを使い、例えば総合医あるいは3学 会の認定の資格を持っているところに、へき地で何年間勤務しました、こういう 所で働いていましたという経歴を入れれば、それを補完するものにはなるのかな という印象を持っています。ですから、あえてここで資格として認めなくてもい いのではないかと考えています。 ○梶井座長:というご意見も出ました。そのほかいかがでしょうか。総合医というこ とは、今日ご参加の委員全員の一致を見たと思いますし、総合医という文言を入 れることは大きな前進だと思います。その上で今回、いろいろなご議論があった 専門医については「ノー」ということではなく、へき地医療に関する専門医につ いては今後、さらに検討するという文言を付して報告書に入れさせていただくこ とで、よろしいでしょうか。何かご意見がございますでしょうか。それではその ように報告書には記載させていただきたいと思います。30分ほど時間を取りま したが重要な議論であったろうと思います。  それでは当初、お話申し上げていましたように、順次進めていきたいと思いま す。最初は3の(1)都道府県の役割として求められることですが、素案については 左側の黒字の部分です。これについては以前のものと変更はありません。これに 対して3つのご意見が提出されています。この3つのご意見について何か皆様か ら意見はございませんか。どのように反映させていくかという点です。  実は今日の報告書のいちばん最初の頁を見ていただくと、1 「はじめに」のと ころに(P)ペンディングが付いています。「はじめに」のところはまだ書かれてい ないのですが、ここの3つのご意見の中には、「はじめに」のところに反映すれ ばいいご意見もあるように思います。支援機構の役割が、ここに入ってきている ところもあるように思います。それぞれ「まえがき」のところに包含させる、あ るいは支援機構の役割のところに反映させるというか、もう反映されている部分 もあると思います。ここのところは、そういうふうに分けて考えれば解決できる ように思いますが、いかがでしょうか。 ○鈴川委員:質問してもよろしいですか。赤と黒の関係は、赤は新しい意見が出てき たということだけであって、この赤を黒に変えようという意味ではないのですね。 ○梶井座長:そうです。ですから赤を左側の現在の報告書の原案に盛り込んでいくか、 あるいは、これはこれで皆さんの意見をお聞きして、これはこういうところに反 映されているとか、これは入れなくていいのではないかとか、そういう議論を進 めていただければと思います。いま皆様からご意見がありませんでしたので、「ま えがき」のところに入れるとか、支援機構の役割に反映されているのではないか、 と私がいま申し上げましたが、そうなるとここの3つの意見を特段、(1)の都道府 県の役割として求められることに入れ込まなくてもいいのではないかと、私個人 として思ったという説明をさせていただきました。 ○澁谷委員:最初のところで、都道府県全体の医師の確保あるいは医療確保対策の中 で、というところを書いたのですが、別にここということではなく、総論的な意 味合いで書いていますので、へき地医療ということが付け足しの医療対策ではな く、全体の医療を確保する都道府県の計画の中で、きちんと位置づけられている ことが重要だろうと思います。最初のころに各都道府県の医療計画の資料を出し ていただき、先ほども地域再生計画なども出していただきましたが、そういうよ うな総論のところの考え方として、重要性を強調していただければいいかと思い ます。 ○梶井座長:そのほかいかがでしょうか。あえて、どなたからの意見というのは付し ていませんが、いま澁谷委員からご発言いただきましたように、その背景にある 気持の部分も、もしこの場で述べていただければ、よりわかりやすいかと思いま す。よろしいでしょうか。ではここの3つのご意見に関しては、そのように対応 させていただきたいと思います。  続いて(2)市町村(へき地の有する)の役割として求められることですが、左側 の黒字の素案は前回、私が提案した内容が2つ目に追加されているのみです。こ こについてのご意見をお願いしたいと思います。8頁と9頁の上段に4つの意見 が赤字で付されていますが、この4つの意見についてご意見を伺えればと思いま す。 ○中村委員:左のほうの2つ目の○で、福井県で1つの町が寄付講座を作っていると いうのは隣の町の高浜町ですが、町が寄付講座を作っているというのは、たぶん 全国で唯一だと思います。例えば私は町の職員で、高浜町のドクターも町の職員 で、私が外科系の総合医であり、高浜町のドクターは内科系の総合医だとします。 例えば週1回、お互いの診療所を行き来すると、すごくいい感じになると思いま す。でもそういうことをやろうとしても、町の職員の身分だと、そういったやり 取りが難しいですね。そういったことを市町村職員の身分を超えて、もっとフレ キシビリティをもってできないでしょうか。そこが市町村同士でうまくできれば いいなと、前から思っていました。 ○梶井座長:事務局、いかがでしょうか。 ○中山救急・周産期医療等対策室長:各自治体のやり方が当然ありますし、おそらく 個別の事情もあると思いますので、そこも踏まえて、もしそういう検討が必要だ ということであれば、それを報告書の中に入れていくことは可能かと思います。 ○梶井座長:ありがとうございました。 ○木村委員:いまのことに関しては、おそらく非常に簡単なことだと思います。盛り 込むかどうかとは別に、いまの先生のご質問に関しては、例えば自治法派遣で1 日だけ隣の職員になるということはできます。私は県職員ですが市町村の代診等 へ行きますし、1日身分をいただいてそこで働く。いま先生がおっしゃったのは 交換する話なので、例えば協定を結ぶということで、おそらく公務員と公務員だ と非常に簡単なことだと思います。 ○梶井座長:ありがとうございました。中村委員のご発言は、この意見の2つ目のと ころにも関わっていますでしょうか。市町村の枠を超えて医師確保を目指してい けるような協議の場を設ける。その上で実際の活動も行っていくことになるでし ょうか。もうちょっと突っ込んで「連合体」という言葉がここには入っています。 そのほかいかがでしょうか。 ○奥野委員:非常に基本的なところなのですが、勤務する医師あるいはコメディカル の生活環境、勤務環境、研修環境を整える。まだまだへき地では劣悪な環境の下 に勤務している人たちが少なくないので、非常に基本的なところですけれども、 そういうことをきちっと唱えておいてほしいと思います。 ○渡邊委員長代理:2つ目の○の市町村の連合体の件ですが、もし報告書に入れるの であれば、もうちょっとイメージがわかるような説明をいただきたい。まさに市 町村は医師がいないことが最大の問題ですから大変悩んでいるわけです。そうい った所だけが集まって連合体を作っても、供給側の部分に見込みがなければ機能 するかという心配があります。そうだとすると、一体どんなイメージの連合体と いうのをお考えなのか。その辺を明らかにした上で報告書に入れるなり、ご検討 いただきたいと思います。 ○梶井座長:この点につきましては、いかがでしょうか。 ○唐澤審議官:しばらくお休みしておりまして申し訳ございませんでした。いま、お 話のありました連合体のところは、例えば自治体間同士の組織をどうするかとい う問題と、例えば大きな話になれば事務組合を作るとか、あるいは広域連合みた いなものを作るというようなことが関係してきます。それから職員の身分のお話 が先ほど中村先生からもございましたが、常勤の公務員として両方の場所に同時 に存在するわけにもいきませんし、退職金の処理の問題などもありますので、こ の辺は渡邊委員長代理からもお話がありましたように、実務的に検討する必要が あるのではないかと思っています。少しその辺で、こういうものがすぐにできる というよりは、こうやるためにどういう検討をするかというご指摘をいただけれ ばと思っています。 ○梶井座長:いかがでしょうか。もしよろしければ、この意見を書いてくださった委 員の方、いかがでしょう。 ○中山救急・周産期医療等対策室長:まだいらしていないのです。 ○梶井座長:わかりました。たぶん、ここに連合体という単語が入ることによって、 ずいぶんイメージが変わってしまうのではないかと思うのですが、これは少しペ ンディングにしておきたいと思います。そのほかにご意見はございますか。それ では連合体という言葉についての説明の部分はありますが、よろしいでしょうか。 ありがとうございました。  続きまして、(3)国の役割として求められることですが、左側の素案は前回、私 や鈴川委員が提案した内容が2つ目に追加されているのみです。ここには3つの 意見をいただいています。いかがでしょうか。総合医については先ほど、どうい うふうな盛り込み方をするかということで結論は出ています。ですから、ご意見 の3つ目については定義まではいきませんが、総合医像というのは盛り込めるの ではないかと思います。国が推進していくという部分について、あるいは医学教 育全般の問題で、必ずしも国の役割ではないのではないかというご意見も出てい ます。先ほど内田委員からもそういう意見が出ました。ここについてはいかがで しょうか。 ○鈴川委員:国でなくて医師会でやってくださるのは、もちろん非常にいいのですが、 自治医大の卒業生や学生と話をしていて、いちばんいらいらしているなと思うの は、総合医というのを自治医大はつくっているけれども、どうもその認識という か社会的地位が非常に低いということで、それがいちばんネックになっている。 これを、もちろん医師会の先生にもお願いして、私たちもやらなければいけない けれども、総合医というものが国の基本的な医療を担っている医師なのだから、 これを国としては推進していきたいという強いエールがほしいという意味で、何 か制度的なものでどうのこうのというよりも、例えば小学校の教科書に入れて教 えることを含めて、支援をしていくべきではないか。いろいろ課題があるだろう と思います。総合医の定義がはっきりしないではないかとか、いろいろあるかも しれないけれども、でも皆さんの今の考えの中では、総合医というのは日本の医 療の基本的なところを担い、地域医療の基本的なところをやるという意味で総合 医が出てきて、それが最低限の安心・安全な国をつくっていくためのものであれ ば、これは何らかの形で国民の認識度を上げるような支援がほしいと思います。 ○梶井座長:そのほか、いかがでしょうか。 ○内田委員:この問題は1年半ぐらい前でしたか、医道審議会の中で診療科目の問題 があって、総合医というのを新たに認めるかどうかの議論がありました。このと きの議論で、麻酔科標榜医だけ国が認定する資格としてあるのですが、これと同 列で総合医を創設したらどうかという議論がありました。その議論は一応、ペン ディングにはなっているのですが、総合医が非常に広範な定義になってきた中で、 国が認定する診療科目というのには馴染まないのではないかと、私はその議論の 中でも申し上げたのです。ですから学会の専門医というのは1つはあっていいと、 もちろん思います。  この総合医について、どういう取扱いにするかというのは先ほどからの議論の 中でも、これを推進していく必要があるし、いまの日本の医療の中で、これから 非常に重要な位置を占めてくるという認識では一致していると思うので、これを 診療科として認める、あるいは国が認定するということではなく、例えば医療基 本法みたいなものの中の前文の中で、こういう医師を育てるということを盛り込 むとか、そういうのが方向性として私はいいと思います。これを標榜医、認定医 という形で、診療科として取り込んでいくと、そういうことではないような印象 を持っています。 ○吉新委員:いま内田先生が言われたように、医療の基本法まで第11次の委員会で もし提言できるのであれば、それこそ○○島には何人、総合医がいたほうがいい というような基本法ですね。要するにへき地をなくすためには、医師を強制的に でも配置することが大事なのですから、各県の医療計画には必ず○○島には何名 の総合医で、今年と来年は誰さんが行くというふうに決めればいいと思いますが、 そこまで言えないのが、日本の医療制度の辛いところです。方向性だけこの検討 会で言って終わってしまうという残念なところがあるわけです。その意味では、 ある程度踏み込んで総合医を使うことは、私はとても大切なことだと思います。  この検討会で、○○島に○○先生を何年張り付けるというところまで、本当は 言うべきなのかも知れないわけですが、これは実際できないわけです。基本的に いまの医療の法律ではそこまで権限はないわけですから、どうしても総合医のこ とを、この検討会としてきちんとすることがまず第一歩ではないか。それ以上は まだ早いのではないか。今まで「総合医」という単語はどこにも記載されていな いのです。初めて医療六法に出てくるということだけでも、大変画期的なことで はないかと思います。 ○梶井座長:いかがでしょうか。内田委員、養成するという言葉でしょうか。 ○内田委員:はい。 ○梶井座長:そのほか、いかがでしょう。国の役割のところには、先ほどの内田委員 からのは1つの提案ということでしょうか。かなり具体的な意見というか提案も なされましたけれども、いちばん大切なのは養成することを今回は盛り込むと、 そういう医師が必要であるという認識は一致していると思いますが、医師会のと ころはどうしましょうか。 ○内田委員:今回は外して頂いた方がよいと思います。おそらく医師会の中でも大変 な議論になると思います。 ○梶井座長:わかりました。そのほかご意見がなければ次に進みたいと思います。(4) 大学の役割として求められることです。ここは前回、特に変更はありませんでし た。これに対して4つの意見が出ています。このご意見を素案にどう反映させる か、皆さんのご意見を伺えればと思います。 ○内藤委員:大学の役割は、もう少し素案よりも深く踏み込んだほうがいいのではな いかと私は思います。もちろん卒前から卒後に至るシームレスな地域医療教育が 重要であることは、皆さんご承知のとおりですけれども、その部分が実際には行 われていないという現状があります。  1つの例ですけれども、私は京都府立医科大学において、文部科学省の現代GP の事業で平成18年度から3カ年にわたり、地域医療教育推進授業をさせていた だきました。これは医学科生と看護学科生がペアで地域医療をする。もう1つは、 地域滞在型の教育を行う。その中で、2つのテーマである地域医療とチーム医療 を学んでいただくことを3カ年行いました。この結果については非常に高く評価 できるとして、平成21年度(今年度)も実は京都府の事業として、これを継続 していただくようにしました。さらに来年度については医学科生の5年生全員、 看護学科生の4年生全員について事業化することとしています。これは文部科学 省でもおまとめになっておられると思いますが、こういった医学科のみならず看 護学科も含めた総合教育、地域医療教育が求められていると私は思いますので、 そのあたりまで踏み込んでいただければと思います。 ○梶井座長:今日はオブザーバーとして、文部科学省高等教育局医学教育課からいら していますので、ご意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。 ○文部科学省:今、おっしゃったように我々も援助しているものもありますし、大学 あるいは県の取組みの中でやっています。私ども、大学教育のさまざまな検討の 中で、例えば卒後の臨床実習、臨床研修で地域医療をやっていますけれども、卒 前の中でもむしろ大学だけでなく、その地域の医療機関と一緒になって、地域医 療、プライマリー・ケアというものも含む、基本的な診療能力を身に付けられる ような教育を、やっていくことを推進している立場です。  ただ、これは私どもがいろいろな医学教育の現場を見ていると、医学生全体に 求められることだという認識でやっています。いま、他方で地域枠のような形で、 卒業後にその地域に定着する医師をということもやっていますが、地域医療教育 というのは、おそらく全員に求められる基本的なことなのではないかと思ってい ます。そういった観点からさまざまな方策をやっていますし、いまの予算で大学 の教員の手当を出していますけれども、その趣旨も、地域医療教育を充実させて いくための手当ということでやっています。  そういった観点で、この中を読ませていただいて私どもが感じるのは、この地 域医療という問題で例えばへき地の現場、あるいは住民とともに医師教育をやっ ていくことは、全体として大切であるとともに、全国一律のカリキュラムで修了 証という形で出していくことが、果たしてそういったこととの関連でどう捉えて いくか。そこのところは少し議論がある感じはしています。とかく医学教育の先 にある地域医療の現場というのは、へき地を持つ都道府県と、大学あるいは地域 医療機関が一緒になって、それぞれの実態に合った現場重視の教育を推進してい くことが、大事ではないかと思っています。 ○梶井座長:医学教育モデル校はカリキュラムというのがあって、これは基本的には 80の大学医学部、医科大学において必修と位置づけられていると思います。そ の中に以前、この会議でも申し上げましたように地域医療が必修となって、講義 と地域での臨床実習が盛り込まれています。当時、これが導入されたころに入学 した人たちが、そろそろこの講義や実習を受ける時期になってきて、いま各大学 もいろいろ準備を進めていたり、もう既スタートしているところだと思います。 そういう中で内藤委員のお話された部分は、いま各大学がいろいろ考えておられ るようです。そういう講義や臨床実習を非常に実効あるものにしていくためには、 実際に地域医療、へき地医療の経験者が教員になっていくことも、ひとつ望まし いという意見ですが、確かにそのように思います。  もう1つは、地域の中で医学生が学ぶ教育環境を整備していくことも、同時に 大事かなと思います。いま文部科学省からご発言がありましたように、特定の一 部の人にこういう地域医療教育をではなく、全員にという意味では確かにいま、 そういう体制が築かれつつあると思います。内藤委員、いかがでしょうか。 ○内藤委員:実はコアカリキュラムの中にこれは入りまして、いくつかの大学につい て私も調べさせていただいたところ、なかなか実践できていない。クリニカルク ラークシップの形で、必ずしもへき地拠点病院のような地域にある病院での教育 につながっていないという現状もございます。やはり医学科生、看護学科生全員 がそうした地域に滞在するような形の教育というのは、ひとつ効果があるのでは ないかと思っております。  加えまして、今回地域医療再生計画によりまして、おそらく各都道府県に地域 医療学講座がすべてできると思っております。そうした中で学生教育、地域医療 教育というのをやはり根付かせていくことが重要ではないかと思っております。 ○梶井座長:再生計画の中で、確かにいまのような方向に行くと思います。既に、寄 付講座ができている県も随分ありますが、ほとんどの県にできるのではないかと 思います。何かこの点について、ご意見ありますか。  もう1つ、地域医療というのは将来へき地に赴くことを予想して、いろいろな ことを計画するということだけではなくて、臨床医を養成するにはやはり大学と いう非常に限られた教育資源の中で行うということだけではなくて、地域の中で より住民の生活に密着した形で学習していく。そういう意味では、全学生に私自 身も必要なことであろうと考えております。  さて、そうしますと先ほど出ました「地域医療修了医」、これも前回問題にな りまして、今回もご意見をいただいておりますが、いかがでしょうか。専門医の ことについては少しまた検討を続けていくとなりましたが、修了医についてはい かがでしょうか。 ○奥野委員:質問ですが、これは卒業した医者が受ける医学教育を受けた者が修了医 になるのですか。この文言ですと、「カリキュラムを履習した医師は」となって いますが、そうすると、医学部を卒業して医者になった者が何かのカリキュラム を受けたら、それが地域修了医になるという意味でしょうか。それとも、学生時 代に何かを受ければですか。 ○三阪委員:これはおそらく私が前に言った意見だと思います。これ、時期尚早であ れば、それでいいと思うのですね。ただ、我々が、この前もお話したように、現 場で困っているのはそういう地域医療をコーディネートするようなポテンシャ ルを持った人をピックアップできないという問題があって、その1つとしてこの 意見を出させていただいた。  産業医大のお話をしましたが、産業医大はその卒業と同時に日医が認定する認 定産業医と同じライセンスを持つという特別なものがあります。ただ、特殊な資 格をくれと言っているわけではないのです。現場で、例えば自治医大の卒業生、 地域枠の人たちが本当に現場で認識しづらくて。やはりそういう方々は地域医療 に対して意識は持っている。そういう方々を現場でどうピックアップして、利用 していくかの1つの方法として出させていただいたものです。そのコーディネー ターをどのように周りで認識するかという1つの案ですので、これを必ず入れて くれというわけでは決してない、1つの案です。やはり現場にいて、自治医大の 卒業生とか地域枠の学生さんたちも含めて意識が高いので、そういうポテンシャ ルを持った方々をピックアップしない手はないと思うのですが、それが全くいま できてない状況をどうするかの1つの案として出させていただいただけです。 ○梶井座長:いかがでしょうか。コーディネーターが明確になるということですね。 ○三阪委員:要するに、現場がわかりにくい。先ほどお話があったように、地域医療 で他職種で教育を受けたりというのが非常に有効だと思っています。意外と看護 師さん、薬剤師さんとかあるのですが、ではその中にいる医師がどういう人がそ ういうコアになってやっていくかとなると、やはりいまの医療現場の段階ではあ る程度地域枠をこなした人、自治医大の卒業生というのが取りあえず適任という か、そういう人が中に隠れている可能性の確率が高いというイメージは、医療現 場にいるとあります。そういう人たちをピックアップして、うまく他職種のそう いう教育とかに絡めていくというのが、いまの現実では非常に有効ではないかと いう実感というか、そういう考えは持っております。 ○鈴川委員:ある程度わかるところもあるのですが、1つは、まず地域枠といいます が、地域枠の人たちに特別な教育を本当にしているのかというと、必ずしもそう ではなくて、ただ人数が増えただけというようなところもある現状です。  それから、例えば自治医大生がこれを卒業と同時にもらったとしても、卒業証 書と同じではないですか、どこが違うのですかというようなことにもなる。専門 医のお話は、またありましたが、それは置いておき、個人的には産業医とはやは り違うと思うのです。産業医はこれがないと産業医の仕事ができないということ で、どちらかというとわかりやすいのです。では地域医療の修了を持っていない と地域で働けないかというと、そうでもないというのが一般的なので、そこは非 常に難しい話かとは思います。 ○三阪委員:あくまでこれ、先ほど専門医からもありましたが、それを持ってないと 地域で働けないというわけでは、そういう資格、そこに非常にディスクレパンシ ーが、先生方の考えと現場でもまれている私たちとはだいぶ違う。私たちはただ コーディネーター、医療現場をコーディネーションする人、そういう医師をどの ようにピックアップして周りに認識させるか。だから、何かのカリキュラムをコ アにやって何年働いてとか、そういうのは必ずしも必要とは現場では考えていま せん。  また話がややこしくなってしまうのですが、そういう意識があって、ある程度 能力ある人たちをいまの段階でもピックアップする、ほぼコーディネーターとし てのそういう能力をピックアップする方法はないかどうかと、そういう方法論の 問題の1つの考え方としてご理解いただければと思います。だから、それを持っ ていないと地域医療ができないとか、そういうイメージは全く持っておりません。 ○文部科学省:実は、いまの医学教育の中でさまざまな大学が取り組まれている中に、 そうした課題があるということは私どもも認識は持っております。それで、いろ いろな大学でいろいろな取組があるのですが、そうした核になる人たちが外から 見えないという話を解決する方法として、やはり卒前の医学教育の中で地域の現 場あるいは都道府県の行政にもその教育が見えるように、あるいは実際の医療現 場に学生を出して行って、彼らが、要するに大学の先生だけでない人たちがそう いうことを認識できるような、ある意味では開かれた形にしていくことで、そう した芽を見出していくということも、聞いたことがあります。  そういう意味で、大学の授業の中をさまざまな医療現場に実際に出向いて、開 いたものにしていくというのですか、そうしたことをしていくというのが1つの 解答になるのではないかと思います。いま地域枠がありますが、例えば18歳の ときに、この人の6年後の行末というものを決めてしまうようなものだけが、こ の地域医療というものを支えていく人材の養成というものではなくて、その教育 のプロセスの中でいろいろな人の目に触れる中で、いろいろな人材の芽というも のが見出されていくのではないかと思います。 ○梶井座長:三阪委員の意見、皆さんもよくおわかりになられたと思います。たぶん こういう称号ではなくて、そういうコーディネートしていく人、どなたがコーデ ィネートして、この人に任せればいいというような方をわかりやすくするという ことですね。その意味では、今日は総合医ということが1つ前面に出ましたので、 総合医で、なおかつ、医療だけではなくていろいろな保健とか福祉のところも含 めたコーディネーションができる人材ということになると、たぶんこれは試験も さることながら、現場で見ておられると、かなりわかるのではないかと思います。 ですから、そういう人たちが何か登録されるといいますか、指名されるようなも のが県の中、あるいは地域の中にあれば、必ずしもこういう専門医あるいは修了 医というのは専門医の前かもしれませんが、こういう形ではなくとも、いま対応 可能かと思います。将来的には専門医についての議論をさらに検討していくとい うことがありましたので、そこでまた検討を続けていただくということでもよろ しいでしょうか。  続きまして、(5)学会等の役割として求められることということです。澤田委員、 いまこの報告書の原案と、今回の意見についてどういうふうに考えていくかとい うことを順次進めております。それで3番の(5)に入ります。学会等の役割として 求められること、先ほど少しご議論をいたしましたが、3つ意見が出ております。 これについて、ご意見を伺えればと思います。最初のご意見は、3団体の認定制 度を拡充することには反対、総合医の認定がへき地対策になるかは疑問であると いう意見です。 ○吉新委員:学会といいますとすぐ認定専門医ということで、1つの臓器とか、限定 した領域の非常に深い話をする組織ですから、このへき地医療というのはもとも と先ほどの専門性や専門医が成り立たない、あるいは時期尚早ということですね。 やはりへき地医療を担う総合医の集まりというのは特殊な存在だと思うのです。 これを3学会との絡みで議論する必要はないと思うのです。ましてや、この委員 会では学会について議論する必要はないと思うのです。  従来はへき地医療の集まりすらなかったのです、自治医大の同窓会的な組織は ありましたが。ですから、へき地のノウハウを議論したりなんていうこともでき ませんし、代診もいなかったという時代もありました。  そういう意味では、この(5)の設問もよくわからないのですが、既存の学会と同 じものを求められることはなくてもいいと思うのですね。これからは、第11次 の以降は代診が活用され、支援機構がもっともっと活性化されることで、へき地 の医師の総合医という共通の集まりが生まれ、それを土台にした学会が、成立し てくるのだと思うのです。そういう意味で、(5)の設問が、もし既存の学会との絡 みでの学会に期待することということであれば、この設問は不要だと思います。 ○梶井座長:全く新しいご意見が出ました。内田委員は今日はお帰りになられました が、先ほどの意見を伺っていますと、同じような意見であったのかなと思います が、どうでしょうか。 ○奥野委員:この4月から1つの学会になるということだそうですが、新しくできる 学会ですから、それに対してまだいまの時点でどうのこうのと言える問題ではな いと思います。せめて12次まで待って、新しい学会ができて、どういう方向性 で何をするのかということを見極めた上からでも遅くないと思います。  ただ、いまの問題は、いま我々が使おうとしている総合医という名称と、この 3学会がどういう専門医の名称になるかもわかりませんが、もし、それに近いよ うな名称になるのであれば、混乱を生じる可能性があるので、その調整はしっか りしていかないといけないのではないかと思います。 ○梶井座長:吉新委員のほうから、ここの(5)はなくてもよいのではないかという意見 が出ました。そのほかの委員のご意見はいかがでしょうか。 ○吉新委員:ただいまの奥野先生の話で言うと、ちょっとまだ混乱して、地盤が柔か い段階ですから、あとこの3学会の絡みという報告書は1行入れる必要があるの かどうかというのは、私はないのではないかという意味で言いました。というの は、学会というのは、この専門医・認定医と関係でやっていることが多いと思う のです。へき地を担う総合医というようなことを打ち出そうとしている我々には、 既存の学会との関係を語る必要はないのではないかということです。 ○中村委員:実は、数年前から全自病協と国診協とで、地域包括医療ケア認定医ある いは認定施設という制度を立ち上げ始めたのです。私が所属する国診協の立場か らすると、入れていただきたい。あるいは外すなら、全部外していただきたいと いう感じです。 ○梶井座長:新たな意見が出てまいりました。 ○澁谷委員:私は、本来学会の活動というのは自由なもので、厚労省のこの検討会が 何かそこの活動に対してこうだという立場で意見を言うのはどうなのかなとい うふうに感じています。特に、ここは専門医の問題ということなのですが、我々 の検討会の立場としては、さまざまな学会があるのですが、そういう所の活動を 見守るとか、あるいは連携が取れるようなことを考えるとか、そういうことのス タンスならいいと思うのですが、その活動そのもの、総合医のあり方そのものが どうだということをこの報告書の中で言うのは少し立場が違うのかなという気 がします。 ○梶井座長:なかなかいい意見が出てきたのではないかと思いますが、そうしますと、 この3学会3団体のところと、それから中村委員が言われたそういう所との連携 を視野に入れておくということで、よろしいでしょうか。全くここをゼロにする という意見もあろうかと思いますが、いかがでしょうか。  ちょうど中立的といいますか、澁谷委員の意見が、私個人としては、もし記載 するとしたらいいのかなと思うのですが、全く記載しないほうがいいと言う方、 いらっしゃいますか。このとおりに残しておくという意見の方、いかがでしょう。  大多数の方は澁谷委員のご意見でよろしいということでしょうか。そうします と、澁谷委員のご意見を前面に出させていただいて、こういう意見もあったとい うことで、ここのところに関してはよろしいでしょうか。  続きまして(6)医療の提供を受ける住民側の役割として求められることですが、 これは追加がありました。2段落目の所です。これについて、2つのご意見が出 されました。実は、へき地医療支援機構の役割に入っているのではないか。もう 1つは、13頁、2)の専任担当官の項に入っているように思うのですが、もしそれ がご了解いただければ、ここの所は議論しなくてもいいと思いますが、いかがで しょうか。ご意見がなければ、次に進みたいと思います。  続きまして、4「へき地保健医療対策に係る具体的支援方策の検討」に入りま す。この項目は以前の骨子案のときには文末に記載の検討はありませんでしたが、 前回第4回目で、さまざまなご意見が出されましたので、検討を追加いたしまし た。その代わり、新たに29頁に、5「今後のへき地保健医療施策の方向性につい て」を作って、概ね意見の一致が得られたと思われる内容を記載させていただき ました。  まず、へき地医療支援機構についてですが、14頁までで3つの意見が出され ています。この意見について素案にどう反映させるか、ご意見をいただければと 思います。 ○内藤委員:これは、へき地医療対策に対する都道府県の役割と申しますか、その部 分とも大きく関連する部分だと思うのです。へき地医療支援機構について、実際 には未設置の所もあるようですが、実際には設置されていると言っても、ほとん ど機能してない、形だけのそうした県もたくさんあるように私は理解をしていま す。したがいまして、このへき地医療支援機構をきちっと機能させるという位置 づけでいくならば、これはやはり都道府県に義務づける。しっかりとへき地医療 支援機構を県の1つの組織として作ってもらう。その上で、医療法に定められて おります地域医療対策協議会等と連携をして、そうした医師派遣機能も含めた総 合的なへき地の医師確保対策を担ってもらうような権限を持った、1つの組織に すべきである。もう少し強い立場のほうがいいのではないかというのが、私の意 見です。 ○梶井座長:4頁の下から3行目をご覧ください。へき地を有する43都道府県のう ち、機構を設置しているのは39都道府県、91%である。ですけれども、従来か らこの議論は検討の中で出ていますように、かなり設置されている中でも温度差 があるというようなことですので、そういう所も含めてもっと強く内容に盛り込 んではどうかと、報告書に盛り込んではどうかというご意見だったと思います。 いかがでしょうか。 ○吉新委員:14頁のほうに行っていいですか。 ○梶井座長:どうぞ、そこも含まれています。 ○吉新委員:同じ4の中ですからいいですね。これは私が書いたつもりなのですが、 「へき地医療教育研修支援病院」という施設の提案です、へき地の診療所などの 一次医療の施設がありますね、そして小病院。その上に、二次医療のへき地医療 拠点病院群があるのですが、その上にある、いわばへき地の3次病院といいます か。そこは、へき地支援機構の事務局があって、専任担当官がいて、医師派遣機 能を持っている。通常は、その病院内の救急総合診療科をやって、総合医として そのトレーニングを積んでいる、積めるというような機能を持った病院を指して いるのです。  いままでの県の計画ですと、どうしてもすぐ県立中央病院とか、大きな病院、 600床、800床の病院が拠点病院みたいに選ばれてしまうことが多くて。実際、 救急総合診療科を設置するのにあまりにも専門細分化しすぎているケースが多 いのです。あと救急は救急だけの担当であったり、総合診療科はどちらかという とみんなが診ない、専門医が食べ残した疾患だけやっているというような部分が あります。ですからより小さい機動力のある病院がへき地医療の拠点に望ましい。  この間、専任担当官ではなくて兼任担当官が多いという話が出ました。どこと 兼任かといえば、どうやら県庁みたいですね。そうでなく、機構の事務局及び専 任担当官も一緒に同じ場所にいる。専任担当官自身が救急総合診療科で勤務して いたり、研修したり、仲間や後輩を指導したりする。へき地医療の資源である、 人・金・物・情報を集中して、ここに1箇所集中しているという状況が重要です。 先ほど言った、あまり大きくない病院、300床とか200床ぐらいの病院であるこ とが非常に重要であると思うのです。そういうものが各県に1つか2つあれば、 へき地のサポート体制の機能強化が図れるのではないかと思います。 ○梶井座長:吉新委員にお伺いしたいのですが、へき地医療支援機構は1つの独立し た組織ということでずっと議論が進められてきたと思うのです。そうすると、そ の関係に関して結果としてはそうなるにしても、へき地医療教育研修支援病院 (仮称)ということを、へき地医療支援機構が認可する、あくまでも基本的には 独立した関係にあるということを、いままでの議論の中では私は想像したのです が、どうでしょうか。 ○吉新委員:もちろん機構としては各県に1つで、へき地医療支援機構は前から言っ ているように意思決定機能、ファンクションなのです。ですから、ここは事務局 的な機能だろうし、情報を確保する所、手持ちの医療資源をどう利用するかとい った意思決定をする所でしょう。そして、医者を派遣してほしい自治体からの要 請を受ける窓口ということになると思います。ですから、県全体では機構のパー ト1、パート2といった部分があったり、大きな県ではたぶんそうなるのでしょ うし、そうでない小さい県、へき地がたくさんあるような所では1つの機構がち ゃんと事務局というか、意思決定機関として存在するというイメージです。 ○梶井座長:そうすると、このへき地医療教育研修支援病院、あとでも出てきますが、 そこがファンクションを持つような形ではなくて、基本的には独立したような記 載の仕方のほうがいいのかなと思うのです。 ○吉新委員:要するに、これはいろいろな側、いま行政的にへき地の道具なりへき地 医療の資源がたくさんあるわけです。それを1箇所に集中させたいというイメー ジです。 ○梶井座長:さっき県立中央病院クラスではということでしたが、県によってはそう いう所になるところもありますね。 ○吉新委員:ちょっとさっき奥野委員とも話したのですが、あまりにも巨大な病院だ とすると、人はいるのだけど、専門分化し過ぎていて、実際へき地に行ってくれ る人はほとんどいないというようなことが起こったり、病院全体がここはへき地 を支援する病院だということを認識しながら動くということが大事だと思うの です、職員で知らせる、職員が行動することが重要です。県立中央病院でも、小 さい所もあります。けれども西日本にあるような選任担当官が勤務する大きな病 院だと、あまり大きすぎて適切でないような所もある、一部の医師の仕事になっ てしまって病院全体では動きが取れないのではないかと思います。ですから、本 当に病院自体が県の医療の中央の病院としての機能を果たしている所はまさに それでいいと思うのですが、選定にあたっては最初の導入が難しいのではないか とも思います。ただ、へき地の支援が病院として当たり前になって、みんなに浸 透してくれば、機能として十分満たしているのであればいいと思います。最初の 導入が難しいでしょうね。院内で相当マイノリティな人たちが重い仕事を持つと いうような状況だと、かえって破綻してしまうと思います。適切な、へき地支援 の活動が浸透しやすい規模の病院がいいと思います。 ○梶井座長:こういうような支援病院を設けることについては、いかがでしょうか。 ○内藤委員:私、へき地医療拠点病院の項目で述べようかと思ったのですが、いまお 話が出ておりますので、一言拠点病院について考えを述べさせていただきたいと 思います。  以前に申し上げましたが、こういう地域医療がうまくいかなくなっている大き な理由の1つとして、地域の拠点病院が医師確保も含めて非常に困難な状況に陥 っている。特に、へき地を抱えるような医療県の中核的な医療機関というのは、 200床以下の病院が比較的多い。結局、派遣機能を求められるべき、へき地医療 拠点病院が実はそうした機能を失ってしまったために、県立中央病院クラスの各 都道府県の県庁所在地にあるような大病院にこれが振り替えられているという のが現状だと思います。各都道府県では保健医療計画で、各医療圏単位の拠点病 院の整備を進めていると思うのですが、やはりその部分を充実させていかないと、 本当の地域医療確保、あるいはへき地医療対策につながっていかないのではない かと思っております。したがいまして、各医療圏単位で拠点病院あるいは教育も 担えるような病院をしっかり作っていくことが重要ではないかと思っておりま す。 ○吉新委員:一昨日もある県のへき地医療策定会議に出ましたが、県によっては自治 医大も入れると地域医学の方が15人、20人、早い県ではもう4年生、5年生に なったと思いますが、彼らを流し込む仕組みが必要だと思うのです。県立中央病 院でそれが全部受けられるのであればいいのですが、一定期間他科ローテーショ ンすると、おそらく2、3年後には中小病院の勤務になってくると思うのです。 そこがちゃんとへき地医療の支援の受皿として機能するような仕組みを作らな いと、本来の目標である拠点病院群の周りのへき地に人が流れていかないと思う のです。地域枠の医師がばらばらになってしまうと、無駄に雲散霧消してしまう 危険性がある。この第11次として我々が作ったルールが、今後5年間、日本の へき地医療の施策に効いてくるわけですから、新しい地域医学の人たちが現地に 出るまでの問題点が解決されるような流し込みの仕組みを、今回作る必要あると 思うのです。その意味では、やはり従来からある拠点病院群を元気にする、へき 地医療支援病院を魅力的にすることをある程度ここで議論しておく必要がある かということで、中小病院を重視した発言をさせていただきました。 ○梶井座長:続きまして、15頁に移りたいと思います。15頁から17頁の前半、15 頁の最初のなお書きに、前回内藤委員からいただきましたご意見が載せてありま す。4つの意見をいただいておりますが、皆さんのご意見を伺いたいと思います。 15頁の赤丸は、拠点病院の所にも入ってきておりますので、むしろそちらでご 議論いただければと思います。そのほかの項目についてご意見を伺えればと思い ます。 ○奥野委員:文言の問題なのですが、これから以降も何回も出てくるのですが、「医 局的な」という表現がありますが、これは何を指しているのか、人によって受け 取り方が違いますし、よい取り方もありますし、そうでない取り方もあると思い ますので、この「医局的な」という表現はもうやめていただいて、医局的な中の 何を指して言っているのかを明確にしていただきたいと思います。 ○梶井座長:皆さんが集うという意味だと思うのですが、何か「医局的」に代わるよ うな、たぶん一部の人にはスッと通じるのでしょうが、通じない部分もあろうか と思います。 ○奥野委員:私ではなくて、私はこうだし、あの人はそうだし、一般の方はそうだし という意味で、こういうことは表現としては「医局的な」という表現は全然駄目 です。 ○梶井座長:ですから、奥野委員が考えられる何かいい文言があれば、あと皆さんに も聞いてみたいと思います。ではどうですか、全員の方にお聞きしたいと思いま す。どうしても従来のそういうような言葉に引っぱられてしまうところもありま す。 ○内藤委員:奥野委員のおっしゃることも十分理解できるのですが、良い面も悪い面 も含めて、「医局的」というのは非常に医療者にとってはわかりやすいのではな いかというのが、だから使っても、良い意味に取っても悪い意味に取っても、こ れは両面ございますので。 ○奥野委員:私は、その一般的な人がどう感じるかということに重点を置くわけです ね。だから、いままでの医局制度が悪かったから、相互補助が崩壊して、いまが あるという表現を使われるわけですが、一般的な方がこの報告書を見た場合に、 その医局的なというのは、これもまた復活かというふうな、我々医療者はよくわ かっていると思うのですが、一般的な目にさらされる場合には、こういう表現は どうかという意味です。 ○梶井座長:いかがでしょうか。 ○奥野委員:報告書の中に使われなければ、別にいいのですが。 ○梶井座長:少し考えていただきながら、いまお示しした所を次に進みながら、もう 一度お話を伺いたいと思います。  次の広域連合のところです。これはたぶん書き方かと思います。「機構だけで は限界があり」、左側の黒字のところです。「医師確保法の手法として」というと ころは、「市町村は長崎や島根のように広域連合を作り、臨床研修病院を持つな どしてマンパワーを確保する努力が必要である」。「方法もある、その際にご意見 をいただいたような十分な配慮が必要であるとの意見もあった」という書き方で は、どうでしょうか。何かあまり必要であるとかというようになってしまうと、 いろいろな意見が出てきそうな感じがします。1つの策として、手法として方策 としてこういうことがありますと、そのときにこういうような課題もありますと いうことを付記したような形にすれば、ここの意見はクリアできるかなと思いま すが、いかがでしょう。もし、ご異論がなければ、次に進ませていただきたいと 思います。  その次については、総合医あるいは地域医療修了医については、先ほどご議論 が終わりましたので、割愛させていただきます。  先ほどの「医局的」というところはいかがでしょうか。もう一度お聞きしたい と思います。 ○澤田委員:第3回の検討会の場で発言させていただいた、「医局的」という言葉の 裏に込めた意味としては、一定の人材を育成しプールすることにより、人事配置 に関して権限を有することと、派遣される医師に対して「往復切符」を持たせて 現地に派遣し、必ず何年先には確実に戻って来られるという約束のもとに、派遣 決定がなされるというイメージでお伝えしました。また、所属しているドクター は、複数医師のいるグループの中で守られているため孤立もしません。それらの ことも包括して「医局的な」というイメージで表現を用いました。特にへき地医 療というのは、一旦、派遣されたら派遣されっぱなしで、自分自身で後任医師を 見つけない限り転勤もできないのでは…、といった不安や心配が拭い去れないこ となどが最大のネックになっているのではないでしょうか。その意味も含めて、 将来のことを心配せずに、へき地の現場に派遣してもらえるというイメージで説 明させていただいた次第です。もしも、「医局的な」という言葉に代わるものが あれば、それに越したことはないのですが、少し補足をさせていただきます。 ○中村委員:医局機能の中の人材バンク的な意味あいと捉えていいのですか。 ○澤田委員:そうですね、人材をプールし、組織として人事機能を発揮するという意 味で捉えております。 ○中村委員:教育機能は含めてだと、やはり医局的な、人材バンク的なものだけだっ たら。 ○澤田委員:もちろん教育機能としての役割も欠かせないと思います。 ○中村委員:すると、やはり医局的ですか。指導者がいて、後輩を教育していくとい う意味では、やはり教育的なところもあるとは思います。ただ、この場面で使う 文章としては、「医局的な」を省いても意味は十分に通じると思いますね。 ○吉新委員:へき地の現場にいると、総引き上げだとか、医局間抗争があったり、医 局の総引き上げがあったり、医局の何とかって、あんまりいい単語でない場合が 多いのですね。本来の医局のイメージ、古き良き医局をイメージする方と、迷惑 な組織だというようなことと、いろいろあると思うのです。医局的というのは、 あまりにも曖昧なのではないかと思います。ですから教育研修の機能を持った医 師派遣のできるドクタープールとか、そういうことでいった表現がいいのではな いかと思います。 ○梶井座長:という提案が出されました、奥野委員いかがでしょう。 ○奥野委員:私は、あくまで一般的な方が受けとるイメージというのと、それからも う1つ付け加えるとすれば、大学の人がどう見るかです。また国なり県なりが公 的な医局を作るのかというような捉え方もされなくもないのです。私ももちろん いいほうのでお話をしているということは重々承知の上なのですが、そういうよ うな無駄な受け取られ方をするような表現をあえてする必要はないと思います。 ○梶井座長:そういうことも踏まえて吉新委員から提案がありましたが、もしよろし ければ、その医局的という言葉を使わないで、吉新委員ご提案のような文言を入 れさせていただくということで、よろしいでしょうか。  続きまして、(2)へき地医療への動機付けとキャリアパスの構築について、1) の医師の育成過程等におけるへき地医療への動機付けのあり方についてです。こ れも前回と変更ありませんが、5つの意見が出ています。そのうちの2つについ ては、先ほど既にご議論は終わっています。あとの3つについてはいかがでしょ うか。3つ目も、大学の役割のところで終わっているかと思います。  4つ目と5つ目です。地元高校生を対象として、へき地医療に関する授業を教 育カリキュラムに組み込んではどうか、これについてはどうでしょう。いきなり 組み込むというのもいかがなものかと思うのですが、かなりいま早期体験学習的 な取組み、そこに中学生も含めて高校生等が行って、実際に医療現場を見せてい ただく。あるいはいろいろな医師をはじめとする医療スタッフの活動を見せてい ただくというような取組みが全国でいま起こってきているように思います。そう いうレベルからではどうでしょうか。地域の中でも、地域を担う自分たちの、将 来担ってくれる医師あるいは医療スタッフとなる人たちを夢見ながらやってい る所も、いくつもあります。ですから、そういうことをここに盛り込ませていた だくということで、いかがでしょうか。ありがとうございます。  5つ目のご意見ですが、地域医療実習を都道府県が大学と連携して実施する場 合に、補助金が受けられるような制度を求める。これは実際にはどうですか。木 村委員、県のほうで補助金というか、支援をしておられる所がありますね。 ○木村委員:島根県では大学への委託事業としてやっていますが、そういう意味で言 えば県が大学に支援しています。その事業費を国が支援するような形を作ってい ただければ良いと思います。 ○吉新委員:いまもあると思うのですが、昔、長崎の離島医療圏組合の、県主催のワ ークショップは2分の1補償だったと思います。金額100万円ぐらいだったと思 います、随分古い話、昭和52、3年ぐらいの時期に、国の補助制度で出ていまし た。まだ残っているのかな。地域医療を担う医学生のワークショップに関わる補 助事業、それと同じような運用です。 ○梶井座長:それについては後で調べていただきます。そのほかなければ、次に移り たいと思います。  2)安心して勤務・生活できるキャリアパスの構築、アのキャリアパスのあり方 ついてです。これは19頁の2つ目の○以降に、前回鈴川研究班が提案されまし たキャリアデザインのモデル案と、そのときにいただいた意見を踏まえて策定し たモデル例が載せてあります。これについて、何かご意見ございませんか。  特に無いようでしたら、次に21頁、イのキャリアを評価する仕組みについて に入ります。ここも鈴川研究班の検討結果が示され、いろいろご意見をいただい ておりますので、そのまま掲載しております。2つの意見をいただいております。 この意見を素案にどう反映させていくか、皆さんのご意見をお伺いしたいと思い ます。 ○澤田委員:このコメントは、私から提示させていただいたものですが、これまでの 議論も含めて「総合医」というものの定義づけは非常に難しいものがあります。 へき地だけでなく、都市部や大規模病院で活躍されている総合医も大勢いらっし ゃるわけです。専門医という名称についても自分なりに考えてみますと、この言 葉の背景には、やはり「病気を治す」とか「病気と戦う」立場に重きを置いた医 療を担う医師というイメージが強いように感じます。それでは総合医というと、 どちらかと言えば病気と戦う医療も提供しながら、それ以上に「生活に寄り添う」 とか「生活を支える」といった立場に重きを置いた医療を実践する医師のイメー ジを持っております。高知県では、鈴川先生の資料にもありましたとおり、「高 知諸診医会」という組織を作っています。外科や内科も最初から存在した言葉で はないわけで、新しく作る診療科や医師像を示す言葉を生み出すことは大変に難 しいものです。「諸診医」という言葉は、「諸々を診る」という総合医の造語であ って、この「諸」という字は万(よろず)という意味もあって、比較的中国語に 詳しい方から見ても「総合」とか「何でも屋」みたいなイメージで捉えることが できるそうです。医療だけでなく、保健福祉や生活のことなど、あらゆることに 関して幅広くという意味で「諸」という言葉を用いました。混乱をさせるようで 申し訳ないと思ったのですが、総合医とはまた少しニュアンスの異なる、「諸診 医」という言葉もあるという事例として提示させていただきました。 ○梶井座長:今日の皆さんのご意見では、ここまでで「総合医」ということは出して いこうということになっていますので、澤田委員どうでしょうか。こういうふう に使っている所もあるというご意見を入れさせていただくということでよろし いでしょうか。 ○澤田委員:はい。 ○梶井座長:その次の意見に、へき地医療専門医と名前が付くと、「単にへき地に専 門に行ってくれるお医者さんぐらいにしか思わないのではないかと懸念する」。 これも、今日の議論の最初のところで意見がありましたので、こういうことも踏 まえて総合医、専門医制度については今後検討を重ねていくということになりま した。  それからウに入りたいと思います。ここでは2つの案、3つの意見が出ており ます。最初の意見は、キャリアデザインの中に入っていると思います。それから、 公務員であることがインセンティブになるかどうかわからないという意見もあ ります。これは以前に奥野委員から、やはり若い人たちは公務員であることがイ ンセンティブになるということのご発言があったと思うのです。そもそも支援機 構に所属しているということは、基本的には県職の身分がその時点では付与され るということになろうかと思います。そして機構が人事権を保有していくという ことになろうかと思いますが、いかがでしょう。 ○吉新委員:沖縄県では、私どもの協会が機構を受託していますので、民間人の場合 もあると思います。 ○梶井座長:という意見もありましたが、ほとんどが現時点では県職ということでし ょうか。 ○吉新委員: だと思いますが、公務員ではないケースもある。 ○梶井座長:ですから、県職の身分がということでPRに使いたい所は、それはそれ でインセンティブにつながるということで使っていただくということは問題な いですね。では、ここはそういうことでよろしいでしょうか。  次に(3)へき地等における医療提供体制の支援についての1)へき地医療拠点病 院の見直しと新たな支援方策についてに入ります。ここは前回、23頁の最後の 行から澤田委員のご提案が示され、さまざまな意見が出されましたので、新たに 記載をいたしました。ここでは2つの意見をいただいております。この意見につ いて、皆さんのご意見を伺えればと思います。  2つ目の意見ですが、へき地医療拠点病院等の中核的な病院への支援について は、医師の集約など、他の病院等から医師の引き抜き、これらの病院の廃止や診 療所化を招くことにつながる。それは、地域住民の医療へのアクセスの狭小化を 招きかねない。地域の医療機関に配慮し、慎重に進めるべきである。再掲となっ ております。ここで議論しましょうということで、先に出たところでは議論しま せんでしたが、これは「慎重に進めるべきである」という文言が付されています ので、確かにこういうようなことに注意しながら、配慮しながらということで問 題はなかろうかと思いますが、よろしいでしょうか。  そうしますと、最初の意見については、先ほど吉新委員が話されていました、 へき地医療教育研修拠点病院の創設。ここで、先ほど議論しまして、これについ てはご異論なかったようですが、ただし、そのへき地医療支援機構との独立性に ついて、この意見だと、もうそこに入ってしまうというような感じになりますが、 あくまでも独立という下で、こういうような機能を持っていくということで、よ ろしいでしょうか。 ○吉新委員:これは全く支援機構の下部組織であることには変わりはないので、それ がどのような関係で、濃い関係なのか、一体的に運用しているのか、全く別なの かというのは地域でやはり違うのだと思います。基本的には機構があって、そこ の手足といいますか、医師をプールしていて、スピードを重視し非常に強力なへ き地医療のサポート医師団としてこの病院位置づけられるという理解をしてい ただければいいと思います。 ○梶井座長:そうしますと、ここに書いてあるいくつかの要件の中のいくつかのもの は、機構にそのままくっつけていけばいいということでしょうか。 ○吉新委員:おそらくそれは都道府県の状況で違うと思います。二次医療圏がたくさ んあったり、へき地が県全体に散在していたり、その運用の仕方が違うのだと思 います。 ○澤田委員:前回の検討会でへき地医療拠点病院をI、IIというように2群に分ける という案を提示させていただきました。私は、吉新先生がご提案された「へき地 医療教育研修支援病院」のイメージと、私の思い描いている「へき地医療拠点病 院I」のイメージが、かなりオーバラップしているように思います。ですので、 しっかり医師を集約して、地域に派遣できる総合医を育成・教育し、必要とされ る地域にきちんと総合医を派遣することができる機能を持つ、そういった役割を 担うへき地医療拠点病院には、大きなインセンティブが与えられるようになれば、 という思いでおります。私の予想では、吉新先生が提唱されます、この「へき地 医療教育研修支援病院」の認定を受ける病院というのが、県内では、おそらく最 初に「へき地医療拠点病院I」の指定を取る病院なのだと考えております。それ らの指定基準等に関しては、これから研究班などで検討を重ねていく必要がある と考えています。 ○梶井座長:ありがとうございました。前回の意見から、今日のこの意見についての 流れが明確になったと思います。そのほかございませんでしょうか。  続きまして、2)へき地診療所に対する支援について。ここは今回は意見はいた だいておりません。そして、前回までの意見は、へき地診療所での施設整備の拡 充についてということ、この1点だけが記載できる項目でした。そのほか何か、 皆様のご意見を伺って追加できるかと思いますが、いかがですか。 ○中村委員:へき地の診療所は医療機器や医師住宅に関する補助金の制度はいくつか あるのですが、わりと困るのは代診医の先生方に泊まってもらう施設だとか、見 学や研修に来る学生さんや研修医が泊まる施設などに対しての補助金は私は見 たことがないのです。そういったものがあるともっと広がりが出てくると思いま すね。例えばDr.コトーで有名になった鹿児島県下甑島の瀬戸口先生の所の診療 所もそうですし、先ほど話題に出ましたが、町が寄付講座を作った福井県高浜町 もそうで、医学生の研修用の宿泊施設が充実しているのです。それだけではない のでしょうが、宿泊施設があることは、学生や研修医が多く集まってくる大きな 要因になると思います。例えば市町村の立場から言うと、10年前から医学生や 研修医の教育をやっていても、それは中村の趣味だろうとしか思われてないので す。本当は日本の医療のためにやっているのですけどね。財政が厳しい市町村で は、職員でもない彼らのために単独事業で宿泊施設を建てるというのは難しいの で、補助をしていただけたら助かると思います。 ○梶井座長:ありがとうございました。何かいまのご意見、あるいはその他のご意見 ございませんか。 ○内藤委員:26頁の4)にドクターヘリの活用についてがあります。これまで我が国 ではドクターヘリについては、いわゆる救命救急センターを持つ大病院が運航す る形で、実はこれまでへき地を抱えるような日本海側には全くドクターヘリはな かったのです。来年度、今年の4月からこれは全く新しい試みですが、兵庫県、 京都府、鳥取県の3県で日本海側での北部地域のドクターヘリの運航を始めます が、やはりへき地医療をサポートする体制としては、ドクターヘリは非常に有用 だと思いますので、広域で県が協力し合って運航するようなことも、今後、推し 進めていく必要があると思っております。 ○梶井座長:ありがとうございました。いまドクターヘリのご意見をいただいたので すが、2)へき地診療所に対する支援のところでその他ご意見ございませんか。 ○奥野委員:この参考資料3は、これは決まりということでよろしいのですよね。医 師住宅や看護師住宅の補助の平米数が変わったという。 ○事務局:参考資料3に付けさせていただいております「へき地診療所等の医師住宅 の拡充について」ですが、こちらにつきましては財務省との協議を終了いたしま して、平成22年度の予算通過後に、来年度からの予算事業では基準面積の拡充 及び単価を上げさせていただくという形になりました。これにつきましては、前 回奥野先生とご提案いただいたことと、検討会の議論を踏まえて財務省との調整 を行いまして、明日の全国医政関係主管課長会議で、各都道府県にもこれをお知 らせするという予定になっております。 ○奥野委員:もう1つは、先ほどの研修医に関しては、臨床研修に係る補助か何かで 研修医を泊める住宅の補助があったような記憶があるのですが。 ○事務局:医師住宅に関する補助事業はございますが、中村先生がおっしゃるような へき地診療所内における宿舎のようなものに対する補助制度は、現在のところは ございません。住宅という形で医師が居住することが前提なので、一泊とか短期 間滞在されるようなものという想定ではございません。臨床研修病院のほうは臨 床研修病院研修環境整備事業という形で研修医の宿舎整備に対する補助事業が あるのですけれども、へき地診療所での施設整備という形ではございません。 ○梶井座長:ありがとうございました。よろしいでしょうか。もしなければ次にいき たいと思います。  3)情報通信技術(IT)による診療支援についてですが、これは前回、村瀬委員に プレゼンテーションをいただいた内容を載せております。これに対して3つの意 見をいただいております。  村瀬委員から、今日は出席できないというご連絡をいただいているのですが、 2つ目の○を見ていただきまして、「コールセンターと、データベースのクラウド システムの構築により、センター化とローカライズを同時に実現することで」と いうところを、このように変えていただきたいという連絡を受けております。「の クラウドシステム」から「実現」、ここまでを削除してくださいということです。 「コールセンターと相談データベースを活用することで」というように変えてい ただきたいという連絡を受けております。村瀬先生からのご報告は以上ですけれ ども、3つの意見につきましてはどうでしょうか。  いちばん目の意見については、できるだけブロードバンド環境、光ファイバー 網であることが望ましいということは、ある程度検証はされているのでしょうか。 ○吉新委員:先日の東京都のへき地医療策定会議で、小笠原の母島まで、もう光ファ イバーが行っているということなので、相当改善されているなと思います。ただ、 そこで広尾病院の先生がおっしゃっていましたけれども、いま、タイと日本の間 で九州大学のダ・ビンチというオペをするロボットを、電子コントロール、要す るにリモートコントロールをして、アッペの手術などをやった例があるという話 を聞きました。東京都では簡単なウェブ会議と、画像伝送がペアになって、これ は当然のシステムということで、これから揃えるというようなことをおっしゃっ ていて、かなり進んでいるところは、レベルの高いシステムを入れるということ です。できればこの委員会が望ましいかどうかわかりませんが、こういった事例 があるというような事例集を出していただいたりするといいのではないか。要す るに変えるならばこういうレベルですよと。へき地医療における新しい通信技術 はここまでいっていますよということが、どこかでわかるといいのではないかと 思います。 ○鈴川委員:ちょっと一般論で申し訳ないのですが、IT化が非常に進んでいるとい うのは私もよくわかっていますが、実際にそれを動かすには人と金が必要なので す。そのことを言わずにこういう技術を並べても、全然動かないと私は思ってい て、たくさんつぶれている事例を見ています。そのことを注意して、IT化の推 進ということを書くのだったら、それを両方書かないと、お金をたくさん無駄に してしまうと私は思っています。 ○梶井座長:ありがとうございました。いまの一言は大切だと思います。 ○中村委員:実は私が現場でやっている感じでは、特定保健指導などで、栄養士や保 健師による指導にITがすごく有効なのです。ちなみに平成19年度の「厚生労働 白書」に旧名田庄村で携帯電話を使った取組みを掲載していただきましたが、保 健指導で非常に有効なのです。  ただ問題なのは、ここで話題にすべきことかどうかわかりませんが、いまの特 定保健指導との初回の面談は、直接対面式ではないと駄目なのです。そこを緩和 して、携帯電話のテレビ電話機能やパソコンのWebカメラを使ったITでの面接 でよいことにしていただけると、へき地のマンパワーの不足を大手のコールセン ターで補えるのです。今後、へき地でも多くの人に特定保健指導を受けてもらい たいので、初回面接のITでの許可は非常に大事だと思います。 ○梶井座長:ITの技術については、国レベルでいろいろな取組みがなされています よね。 ○吉新委員:そういう議論が出たということを私は言っているので、ここでいろいろ な紹介をしてもいいのではないかなと思います。実際、どの程度までブロードバ ンドの実態はどうなのだろうという話があったときに、どこにブロードバンドが 引かれているかということを担当者に聞くとご存じない方が多いと思うのです。 ADSLなのか光なのか。ですから、ちゃんとやるのであればそこまできっちり調 べなくてはいけませんねという話です。 ○梶井座長:ありがとうございました。 ○澤田委員:へき地診療所は、距離的・時間的ハンディが大きいところが多くて、光 ファイバーの環境がまだ整っていない、もしくは今後10年経っても採算性など の問題のため、おそらく整備されないだろうと言われている地域が多くあります。 ただ、役場とか小中学校については、意外と光環境が整っている場合が多いので す。高知県の場合は、へき地診療所の傍に位置する役場まで来ている光ファイバ ーを、分配して利用させてもらうといった工夫をしてみました。へき地診療所な どが、単独で光ファイバーを引き込むというのは、財政的な意味も含めて大変難 しいことだと思いますが、近隣まで来ている公共の施設などを調査して、そこか ら回線を分けてもらうなどの運用イメージも、一つの対応策として情報提供して いくことも必要ではないかと思います。 ○梶井座長:ありがとうございました。いろいろなご意見が出ましたが、よろしいで しょうか。いまのご意見を踏まえた報告書への盛り込みをさせていただきたいと 思います。  先ほど少し出ました、ドクターヘリの活用についてですが、これまでの検討会 では特に意見交換がなかったテーマなのですが、こういう4つの意見が出ました。 そして先ほどのご意見をいただきました。また鈴川委員も意見をということでし たので、鈴川委員、お願いします。 ○鈴川委員:ヘリコプターは非常にいいと思うのですけれども、いわゆるドクターヘ リ法案で考えているドクターヘリをそのままへき地医療に有効かということに ついては、よく考えていただきたいと思います。例えばドクターヘリは指令があ ってから何分で飛び立つということばかりを非常に気にしていますが、もう少し ヘリコプターを柔軟に活用することができれば、例えば資材を運ぶ、そんなに重 症ではないけれども患者さんを運ぶとか、もう少し広い使い方ができるような、 例えばドクターだけを専門科診療で運んでもいいとか、もう少し柔軟なヘリコプ ターの活用。私たちは昔研究班の中の報告書では、へき地医療支援ヘリコプター みたいな言い方をしたと思いますが、もう少し楽な活用方法を考えていただけれ ばと思います。いまの救急医学会で考えているようなドクターヘリではなくて、 もう少し活用度の広いヘリコプターの提案をしていただけると、もっと動くので はないかという気がしております。 ○内藤委員:私ども、鳥取県、京都府を含めまして、基幹施設となる兵庫県とも、現 在具体的なそういった基準作りを進めているのですが、鈴川委員がおっしゃると おり、日本海側でこれまでできなかった理由の1つは、気象条件等もありますが、 人口密度が低い、なおかつ医療過疎地域だからうまくいかなかった部分がありま す。そういった意味では、今回、私どもが目指しているのは、まさしく地域医療 支援型のドクターヘリを目指していきたい。したがいまして、これまではいろい ろなドクターヘリの運用では、50km圏域、これしか効果がないのだよと言われ ていたのを、最大100kmまで飛ばしましょうとか、いろいろな形でやっていこ うと思っています。夜間等についてもドクターヘリは現在日本では夜明けから日 没まで、有視界飛行しかできませんので、ドクターヘリと合わせてドクターカー も運用していこうと。それによって傷病者に対するドクターの接触時間を短縮す る。こういったことを進めていこうと思っています。 ○吉新委員:たぶん、第9次からヘリを巡回診療に使おうという話は出ていますし、 基準額はちょっと忘れましたが、補助も9,000万ぐらいですね。国は2分の1、 あとは自治体と県という負担額だと思いましたが、ドクターを運ぶというのはな いのです。巡回診療するというのはあるのですが。これは私たちも長崎でやろう と思って、まだ十分準備ができていないのですが、結局、私どもの運営している 施設が、神経内科といくつかの科が厳原と上五島と福江島に巡回診療をしている のです。移動に時間を取られてドクターが気の毒でしょうがないのですが、飛行 機だと1日で済むのですが、船だと1週間ぐらいかかるのです。そういうような ことが、いま鈴川先生がおっしゃったように、非常に効率よくできるのだと思い ます。ヘリがそれをやると年間1億5,000万かかると聞いています。大半はガソ リン代です。そのガソリンの半分以上が税金なのです。日本のガソリンはアメリ カの倍以上するのですが、ガソリンの税金をへき地医療に限ってはただにすると いうような仕組みはできないのでしょうか。非常に原価は安いわけですから、そ うすれば皆が気軽にヘリコプターを使えると思うのです。そこはへき地医療の名 ではならないですか。 ○梶井座長:なかなか即答はできかねることだと思いますが、吉新委員の言われた、 ドクターを運ぶドクターヘリという。 ○吉新委員:ヘリによる巡回診療です。 ○梶井座長:ドクターヘリと一緒になってしまいますね。 ○奥野委員:もう1つお聞きしたいのですが、今回は検討いたしまして、予算規模が 限られていますよね。毎年を見てみますと、ドクターヘリが増えてから、全体の へき地のその検討に関わる予算の中でドクターヘリに取られるお金というのは たくさんありますね。というのは、ドクターヘリ独特の法案があって、そちらの ほうにへき地として潜り込ませていただいて、いろいろな議論をさせていただい て、いまの用途などもお願いするということで、ここでへき地対策のほうから限 られた予算の中でこれを持って帰ろうとすると、ほかの部分が引っ込んでしまう ので、是非、ドクターヘリがほかに全くなくて、ここで組み立てないといけない のであれば、こちらからお金を出さないといけないと思うのですが。もっともお 金がどんどんあって、上乗せできるのであればいいと思うのですが、ちょっとそ の辺のお金のからくりがわからないので、検討委員会全体でどれぐらいの予算規 模で、どれがどう配分されるのか、もともとわかっていないので難しいところな のですが、ドクターヘリというのは、ほかに議論する場所があるのであれば、そ こでしっかりやってもらって、こちらから出すお金を少なくするということはで きないのでしょうか。 ○梶井座長:いかがでしょうか。 ○唐澤審議官:同じ指導課の予算だと思いますので、そんなにご心配しなくてもいい と思います。ふんだんに取れるわけではないと思うのですが。 ○梶井座長:当初全く記載のなかったドクターヘリについて随分記載項目が増えまし た。どうもありがとうございました。  続きまして、5)に移りたいと思います。ここでは1つ意見が出ていました。こ の意見に関しましては、拠点病院の項に記載されていると思います。さらに、人、 物、お金を投入してしっかりテコ入れする必要があるということも書いてありま して、これは今後、研究班等でさらに検討していただければと思いますが、よろ しいでしょうか。 ○奥野委員:これも1つ現実ですが、管理型の臨床研修が小さいところで連続して3 年以上研修医の応募がなかった場合には、応募権から外されるのです。実は現実 にそういう病院があったわけですが、へき地では臨床研修に来ていただきたいと 努力しても、なかなか来ていただけない。だから来ないとそこで指定が受けられ ないというような形になりますと、田舎でなかなか実際、小さいところで臨床研 修を行う、もちろんいろいろな要件を満たさないといけないので、ほかとのタイ アップということがあって、協力型という理由もわかるのですが、そういうこと も勘案していただきたいと思います。 ○梶井座長:ありがとうございました。そのほかご意見いかがでしょうか。 ○前田委員:先ほどの奥野委員の意見なのですが、長崎のほうも離島の中小病院で研 修医が来なくて、指定を外れるというような恐れが出てきております。これは、 学生、あるいは若い研修医をその現場に連れて行って紹介することによって、そ の地域の中小病院に研修医として興味を持つという現象もありますので、卒前教 育が少し地域医療教育に傾いていけば、もしかすると出てくる可能性があります。 いまの段階で、3年間なかったから切るというのは、まだ早いのではないかなと 思います。是非盛り込んでいただきたいと思います。 ○梶井座長:前田委員のご意見、ありがとうございました。そのほかございますか。 よろしいでしょうか。  続きまして、(4)のへき地等における歯科医療体制についてですが、前回のご提 言をベースに素案が作られています。これに対して特にご意見をいただいており ませんので、時間の関係もありますし、次にいってよろしいでしょうか。  ありがとうございます。次に(5)へき地等の医療機関に従事する、以前は「コメ ディカル」となっていたのですが、「医療スタッフ」という言葉のほうが良いで しょうということで、「医療スタッフ」と言い替えさせていただきましたが、こ こは春山参考人のプレゼンテーションを踏まえて掲載させていただいておりま す。ここでは3つの意見をいただいております。このご意見についていかがでし ょうか。 ○神野委員:私もどこかに看護師等のスタッフについての具体策をいままでの10次 の中では、あまり具体的なことは書かれていなかったのかなと思ったのですが、 今回の11次で、医師以外の医療スタッフの分をどの程度盛り込んでいくのかな というところが、皆さんも含めて、いろいろなご意見が出ていたと思います。派 遣についてなのですが、看護師の例を北海道でちょっとご紹介しますと、これま でも看護師は1回たりとも、充足しているということは全然ありませんで、毎年 ずっと増加しているのですけれども、不足だということは言ってきたのですが、 この3年ぐらいで、議会議論の中でもたくさんの質問が出て、いよいよ看護師も 派遣制度ができないのかといった議論が出てきています。来年度、北海道は非常 に実現するのも人材確保という部分では難しさがあるというのはわかりつつ、検 討会を設置することにしています。ほかの都道府県の皆様も、看護職員の確保対 策は、トータルとしてどこもなされていると思うのですが、やはりへき地医療と して特化した形での対策というところが、いままであまり焦点化されてこなかっ たかなと思うので、何らかの書き込みをしていただければと思います。 ○梶井座長:例えば、具体的にこういう書き込みをというご意見がありましたら。 ○神野委員:私の意見ではないのですが、先ほど支援機構のところにも、看護師やほ かのスタッフのことも、機能として盛り込むべきではないかというご意見も書い てあったのですが。14頁の「新たな支援機構の役割」のところに、「医師だけで なく看護師、保健師らコメディカルに対しても機能の役割を拡大すべきではない か」ということと、このことがどの辺りを落としどころで書いたらいいかが、私 もちょっと迷っているところです。 ○梶井座長:ここで個別に書いていくという方法もあるでしょうし、やはり支援機構 ということを、もっと強化していこうというのが、この検討会での最初からの骨 子だったと思うのです。ですから、「ではないか」というところの書きようかな とも思いますが、どうでしょう。 ○神野委員:よろしくお願いします。 ○梶井座長:もちろんここに、いま春山参考人の意見を踏まえて書かれていることも 非常に大切ですよね。今回いただいたご意見について、これは書き加えるべきで はないというようなご意見はないと思うのですが、この項についていかがでしょ うか。 ○前野委員:14頁の、コメディカルに対しての機構の役割を拡大すべきというのは、 私が付けたものだと思うのですが、いま指摘がありましたように、医療スタッフ の充実というのを、今回はどこかに触れておいたほうがよろしいのではないかと 思います。 ○梶井座長:前野委員から、ただいまのご発言もありましたし、先ほどの神野委員の ご発言も踏まえて、支援機構のところできちんと述べておくということでよろし いでしょうか。  ありがとうございます。ということで、(5)の議論を終えまして、時間になって しまいましたので、5の「今後のへき地保健医療施策の方向性について」です。 これまでの検討を踏まえて、一定の方向性が示されたと思う内容を載せておりま す。本日のご意見を踏まえて、次回までに手を加えることになりますが、この場 で特にご意見等がありましたらお願いします。 ○三阪委員:いまのへき地等の医療機関に関する地域医療スタッフについてもトータ ルでなのですが、へき地の拠点病院の立場から、非常に危惧をしているのが、今 回これが策定されても、いま拠点病院で抱えている、いったい誰がやるのか、ど ういう仕組みでやるのかというのは、たぶん上から降りてきても解決されないの だろうなという危惧があります。その1つとして、医師に対して何かインセンテ ィブという話もあったのですが、これが無理なら、やはり拠点病院同士で何か作 るというのも、1つの案だと思います。話を蒸し返して非常に申し訳ないのです が。例えばがん診療連携拠点病院の場合は、予算が下りてがん相談室を作って、 コーディネータを作るということで、非常に機能が始まっている。そうなると、 窓口がどこで、誰がするんだということを明確にしてもらうために、文言は、へ き地地域医療支援室だとか、何でもいいと思うのです。あるいは病院によっては 地域医療連携室とバンドルさせてもいいと思います。支援室に室長、誰か医師を 置くなり、あるいはその支援室のメンバーを看護師、薬剤師、コメディカルを拠 点病院として置く。支援機構の命令系統をその各室が伝えて、各コメディカルの 問題点やネットワークをそこで作っていくというような仕組作りをしていただ かないと、おそらくいま誰がどうしてどのようにやるのか、支援機構がこうだよ と言われて、拠点病院がこういう役割をしなさいよと言われても、これはおそら く窓口がないまま終わってしまうというところです。  ですから、予算の配分がありましたが、場合によっては、拠点病院に支援室を 作るような予算を配分して、室長を作り、コメディカルのスタッフを作るという ような、現場の仕組みを何とかしていただくようにできないか。その中で教育の ネットワークなども各県で作るというようになってくると、医療機関に従事する 医療スタッフ、先ほど看護師の問題もありましたが、看護師も支援室のメンバー になっていただいて、県全体で広域的にネットワヘークを作って、情報交換をす ると、そのような仕組みが必要だと思います。いままでの議論ではなかったので すが、蒸し返すようで申し訳ないですが、その辺の仕組みを作っていただかない ことには、拠点病院は動きようがないかなというイメージを持っております。 ○梶井座長:ただいまの意見についていかがでしょう。 ○中村委員:例えば地域包括支援センターのように、社会福祉士、保健師、主任ケア マネが1名ずつといったような絵があるといいですかね。こういった職種が何人 いてという絵を描くとわかりやすいですね。 ○三阪委員:そうですね。確かにそういう絵を描いて、それを広域的に全県的に拠点 病院でネットワークを組んで、各室が窓口になってやるような窓口の機能という のが、いま一切無いので。 ○中村委員:専任のドクターがいて、専任のコメディカルスタッフがいてという、そ んな絵があると少しわかりやすいと思います。確かにそういうのは全然ないです よね。 ○梶井座長:澤田委員、いかがでしょうか、実際にやっておられる立場で。 ○澤田委員:確かにご指摘の部分は大切なことだと思います。へき地医療拠点病院に 対して、支援機構から代診依頼をするにしても、やはり院内調整役といいましょ うか、いわゆる窓口となる担当の部署や担当医師などが決まっていると、依頼も しやすくなると思います。私が所属する高知医療センターでは、「へき地医療支 援室」を設けて、窓口を担当しているわけですが、この部屋があることによって、 へき地医療拠点病院としての姿勢や役割を明確にすることができておりますし、 院内スタッフからも、私が担うへき地支援業務に対する認知を高めることにもつ ながると思います。以上のことから、へき地医療の窓口となる部署を院内に設置 することについては、それなりの意義があるものと考えております。 ○梶井座長:ありがとうございました。新たなご意見でしたが、少し皆様のディスカ ッションを進めていただきました。そのほかございませんか。今日は長時間にわ たりありがとうございました。時間を10分近く超過してしまいました。誠に申 し訳ございませんでした。  振り返りますとこのへき地保健医療対策検討会は、昨年の7月以降、これまで に5回にわたって、へき地保健医療対策に関わるさまざまな事項を議論してまい りました。特に、今回の検討会におきましては、報告書の素案の中身について、 非常に熱心に真摯なご議論をいただきました。  当初お話しましたように、次回の検討会をもう一度開きますが、その際には本 日の議論を反映させた検討会報告書(案)を提出させていただき、最終的にご確 認をいただいた上で、この検討会の報告書として取りまとめたいと思います。そ れでは次回のスケジュールにつきまして事務局からご案内をお願いします。 ○馬場医療確保対策専門官:次回の検討会ですが、既に予備日として調整させていた だいておりました、3月19日(金)の13時から開催をいたします。場所は未定 です。これにつきましては、開催通知にて、正式にご案内申し上げます。本日の 議事録につきましては、前回と同様に各委員のご確認をいただいた上で、厚生労 働省ホームページに掲載させていただきます。ありがとうございました。 ○梶井座長:ありがとうございました。 (了) 照会先:厚生労働省医政局指導課      救急・周産期医療等対策室         助成係長 田川 幸太 電話:03−5253−1111(2550)