10/02/23 第20回社会保障審議会議事録 第20回社会保障審議会 ○ 日時   平成22年2月23日(火)17:00〜17:59 ○ 開催場所 厚生労働省 9階(省議室) ○ 出席者  (委員:五十音順、敬称略)         岩田正美、岩瀬達哉、大森 彌、貝塚啓明、大日向雅美、         加藤達夫、神田真秋、見城美枝子、木間昭子、齋藤英彦、         榊原智子、潮谷義子、庄司洋子、竹嶋康弘、糠谷真平、         廣松毅、米澤康博、渡辺俊介        (事務局)         間杉 純 政策統括官(社会保障担当)         伊岐典子 雇用均等・児童家庭局長         外口 崇 保険局長         伊奈川秀和参事官(社会保障担当)         木下賢志 参事官(総務担当)         大西康之 参事官(会計担当)         岩崎 修 統計情報部企画課長         岩渕 豊 医政局総務課長         鈴木俊彦 健康局総務課長         坂本耕一 社会・援護局総務課長         藤井康弘 社会・援護局障害保健福祉部企画課長         大澤範恭 老健局総務課長         古都賢一 年金局総務課長         宮本真司 年金局事業企画課長 ○ 議事内容 (貝塚会長)  それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきます。  本日は、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。  最初に、委員の出席状況について報告していただきます。どうぞ。 (伊奈川参事官)  事務局のほうから、出席状況等について報告させていただきます。  今日、前回の総会以降、新たに委員にご就任いただいた先生方がいらっしゃいますの で、まずそのご紹介をさせていただきます。  平成21年12月9日付けで、ジャーナリストの岩瀬達哉委員でございます。 (岩瀬委員)  どうも、よろしくお願いいたします。 (伊奈川参事官)  また、前回総会以降ご就任いただいた委員のうち、日本たばこ産業株式会社相談役の本 田勝彦委員につきましては、本日、ご都合によりご欠席でございます。  次に、本日の出席状況でございますけれども、本日は井出委員、稲上委員、翁委員、本 田委員、森委員のほか、先ほど山崎委員のほうからもご欠席という連絡がございました。 合計6名の委員がご欠席でいらっしゃいます。  また、本日は、連合及び町村会のほうから、中島局長、そして藤原部会長に代理出席を いただいております。よろしくお願いいたします。  なお、まだ何人か先生が遅れておられるようでございますけれども、ご欠席ということ での連絡はいただいておりませんので、トータルいたしますと委員総数26名のうちの3分 の1を超えておりますので、会議としては有効に成立しております。 (貝塚会長)  では、よろしいですか。 (伊奈川参事官)  はい。会長、お願いいたします。 (貝塚会長)  それでは、議事次第にありますように、本日の議事は3つございますが、議事の第1番 目の平成22年度厚生労働省関係予算案の概要、それから議事の2の通常国会提出(予定) 法案の概要、議事の3、社会保障を巡る最近の動向について、事務局から一括してご説明 願います。どうぞ。 (大西参事官)  会計課の参事官の大西でございます。会計課長は、用務のため、私のほうから代わって ご説明させていただきます。  予算の概要でございます。お手元の資料1というのをご覧いただきたいと思います。  何枚かめくっていただくと、目次というのがありまして、その後、ページが1から順に 振っておりまして、2ページをご覧いただきますと、平成22年度厚生労働省予算案でござ いますが、27兆5,561億円でございまして、対前年度増加2兆3,992億円、伸び率は9.5% ということになっております。これにつきましては、マニフェストの主要事項、あるいは 事項要求としていたものを中心に、必要な予算の確保に努めたところでございます。  その主要な内容は、さらにページをおめくりいただきまして、恐縮ですが、8ページを ご覧いただきたいと存じます。  8ページでございますが、1番が子ども手当の創設ということで、新規、1兆4,722億 円でございます。平成22年度につきましては、中学校修了までの児童1人につき月額1 万3,000円を支給、所得制限は設けないということになっております。  平成23年度における子ども手当の支給につきましては、平成23年度予算編成過程におい て、改めて検討するということになっております。  続きまして、2番が年金記録問題の解決、910億円でございます。これは、紙台帳につ きまして、コンピュータ記録との突合せを開始する等の内容でございます。  続いて、9ページの3番が雇用保険制度の見直しということで170億円。これは、セー フティネット機能強化の観点から雇用保険の適用範囲の拡大等を行うものでございます。  同じく9ページの4番でございますが、生活保護の母子加算の支給で183億円。これ は、平成21年12月から復活した母子加算について、平成22年度も継続して実施するという ものでございます。  次の5番、父子家庭への児童扶養手当の支給、これは新規で50億円でございます。これ は、これまで支給対象となっていなかったお父さんと子どもの家庭にも児童扶養手当を支 給するというもので、平成22年8月実施、12月からの支払いということになっておりま す。  続きまして、資料の10ページでございますが、診療報酬改定でございます。医療の危機 的な状況を解消して、国民に安心感を与える医療を実現するため、配分の見直しや後発医 薬品の使用促進を図り、10年ぶりにネットプラス改定を実施ということでございます。全 体でプラス0.19%、内訳はその中に書いてあるとおりでございます。  また、急性期入院医療に概ね4,000億円程度を配分して、再診料や診療科間の配分見直 しを含め、従来以上に大幅な配分見直しを行い、救急・産科・小児・外科等の充実を図る こととしております。  続きまして、資料の11ページでございますが、資料11ページの11番、肝炎対策の充実で 180億円でございます。  また、12番の障害者の利用者負担軽減ということで107億円でございます。これは、そ こに書いてありますとおり、新たな総合的な制度ができるまでの間、低所得の障害者の方 々について、福祉サービス及び補装具にかかる利用者負担を無料化するというものでござ います。  続きまして、資料の12ページと13ページでございますが、これは緊急雇用対策というこ とでございますが、点線で囲んでおりますが、これは平成21年度の補正予算で予算がつい たものを参考に掲載させていただいております。  最後でございますが、14ページでございます。協会けんぽ国庫負担割合の引上げという ことでございます。これにつきましては、被用者保険に係る後期高齢者支援金総額の3分 の1を総報酬割とするということ、もう一つは、国庫補助率を13%から16.4%に引き上げ る、平成22年7月実施ということでございます。これにより、平成22年度の保険料率の上 昇を0.6%分抑制するというようなことになっているところでございます。  以下、15ページ以降は、主要事項について細かく資料がございますが、説明のほうは省 略させていただきます。  以上でございます。 (木下参事官)  官房総務課の参事官をしております木下でございます。  続きまして、今国会、174回国会に提出予定の法案につきましてご説明いたします。  資料は2でございます。  1ページをご覧いただきたいと思います。  厚生労働省全体で、9件ございます。そのうち「※」、これは予算関連というものでご ざいますが5件、その他非関連が4件ということになっております。  具体的な件名につきましては、以下1ページと2ページに出ておりますけれども、内容 につきましては4ページの後の5ページ以降、横にしていただきましてご覧いただきたい と思います。この資料に基づきまして、ご説明いたしたいと思います。  まず、雇用保険法の一部を改正する法律案、これは21年度補正予算におきまして提出 し、去る1月28日に国会におきまして成立いたしました法律でございます。  横長の1ページ目のところをご覧いただきますと、雇用保険制度の安定のために、21年 度補正予算で、下線が引いておりますけれども、3,500億円の一般財源を投入するという ものでございます。  下のほうの「参考」のところに、元々、雇用保険の失業等給付につきましては、国庫負 担が4分の1というのが本則に掲げられております。しかし、「骨太方針」の2006年によ り、これが55%にカットされておりまして、13.75%で投入されておりまして、これを4 分の1に戻すために一般財源を投入し、21年度、22年度にかけて4分の1相当分を投入す るものが3,500億円というものでございます。  それから次に、2つ目でございますが、2ページをご覧いただきたいと思います。22年 度における子ども手当の支給に関する法律案というものでございます。  ご承知のように、民主党のマニフェストにおかれまして掲げられた政策の大きな目玉で ございますけれども、次代の社会を担う子どもの育ちを支援するために、22年度におい て、中学校修了前までの子どもについて支給する制度ということでございます。  概要の(1)にございますように、中学校修了までの子どもにつき月額1万3,000円、 所得制限なしで子ども手当を父母等に支給ということでございます。  現在、児童手当、例えばゼロ歳から3歳未満につきましては1万円を支給し、それから 3歳から小学校修了まで、1子、2子であれば5,000円、それから3子以降であれば1万 円支給されておりますけれども、それらの子どもさんに対しまして、さらに例えばゼロか ら3子でいいますとプラス3,000円という形で、これを全部国費で見るというものでござ います。(2)にございますように、子ども手当については子ども手当分を児童手当法の 規定に基づき、国、地方、事業主が費用を負担し、それ以外の費用については、全額国庫 が負担ということになっております。  したがいまして、例えば所得制限において支給が停止されている方に対しましても1万 3,000円を支給するということになろうかと思います。これらの支払い期月は、(1)に ございます6月、10月と2月ということになっておりまして、22年4月1日施行でござい ますから、6月からの支給ということになります。  それから、3ページ目でございます。介護保険法施行法の一部を改正する法律案でござ います。  これは、介護保険が施行いたしました12年4月1日以前の特別養護老人ホームに入所さ れている方につきましては、措置費という形で支給され、その費用に関しまして一部負担 がございます。これは、所得に応じての費用徴収でございました。介護保険が施行されま して、原則1割負担という形になるとともに、食費、居住費等の負担もお願いしているわ けでありますけれども、こういった1割の負担によって、負担が大幅に増額する方がおら れたわけでありまして、そういった方々、当時15万人ほどおられましたけれども、従来の 費用徴収と同レベルに合わせるように減額するという措置でございまして、これが5年間 のいわゆる時限的な措置でございましたが、それを「当分の間」ということで伸ばしてい くということでございます。  それから次に、4ページでございますけれども、雇用保険の改正法案でございまして、 これは非正規雇用、非正規労働者に対する適用範囲の拡大ということで、(1)にござい ますように、「6か月以上」を「31日以上」の雇用見込みに拡大していくというものが主 なものでございます。  それともう一つは、下にございますように、雇用保険二事業についての財政基盤の強化 のために、失業給付等の積立金が繰り入れられるようにする措置を講じるものでございま す。  それから次に、5ページ目でございますけれども、医療保険制度の安定的運営を図るた めの国民健康保険法等の改正でございまして、これは国保の基盤安定化のための保険料負 担軽減措置のために、例えば高額レセプトに関しまして共同支援事業等々を実施するもの でございまして、5年の時限措置でございましたのを、また延長するものでございます。  それから、大きな2番目にございますように、協会けんぽに係る国庫補助割合を16.4% に引き上げるもの等でございます。  それから、6ページ目が児童扶養手当等の一部を改正する法律案でございます。  これは、これまで児童扶養手当は母子家庭のみでありまして、これを父子家庭に拡大す るものでございます。  それから、7ページ目でございますが、年金改善法案であります。これは、将来の無年 金、低年金の発生を防止するために、少しでも年金給付に結びつけるために、例えば1番 目にございますように、滞納した場合の納付可能期間について2年から10年に引き上げる といったようなものですとか、あるいは2つ目にあります確定拠出年金のマッチング拠出 で、従業員本人が拠出できるようにするものでございます。  それから、8ページ目でございますが、労働者派遣業法の改正でございまして、原則1 年以上の常用雇用以外は、派遣は原則禁止するということでございます。登録型派遣も原 則禁止でございますけれども、専門26業種は例外ということになっております。それか ら、製造業派遣は、これは原則禁止ということでございます。そういった改正の内容でご ざいます。  9ページ目でございますが、新型インフルエンザに係る予防接種法の一部を改正する法 律案ということでございます。  これは、現在、予防接種法の中に新型インフルエンザを位置づけて、新たな臨時接種の 枠組み等を構築するものでございます。  それから、これは継続になっておりますけれども、10ページ目にございますように、社 会保険病院、厚生年金病院につきまして、現在、独立行政法人の年金・健康保険福祉施設 整理機構というものに全て移譲して運営しているわけでございますが、この法人が今年10 月で廃止となりますので、新たに独立行政法人地域医療機能推進機構が受け皿となって、 引き続きこれにつきまして運営するというものでございます。  以上でございます。ありがとうございます。 (伊奈川参事官)  引き続きまして、事務局の社会保障担当参事官をしております伊奈川のほうから説明さ せていただきます。  お手元、資料3、「社会保障を巡る最近の動向」ということで、社会保障全体に関わり ます大きな動きについてまとめております。  まず、社会保障政策の現状と課題ということで、2ページでございます。これは、もう ご承知のとおりの少子・高齢社会、そして人口減少社会ということでの数字でございます。  次の3ページ、社会保障給付費の推移ということでございます。直近の実績といたしま しては、まだ平成19年でございますけれども、2009年の予算ベースで見ますと、トータル 98.7兆円といったような100兆円に迫る規模でございます。内訳といたしましては、従来と 同じように年金が半分、医療が3割、その他福祉関係も含めまして16.2%、あるいは16.4 %という状態でございます。  次の4ページでございます。社会保障の給付と負担の現状ということで、この98.7兆円 の財源的な内訳でございます。国庫負担25.5兆円ということで、3分の2が保険料、そし て地方負担なども含めまして、残りの部分が公的な負担ということでございます。  次に、5ページ、6ページに社会保障給付の国際比較、特に国民負担率の関係のデータ を載せております。直近、発表されましたデータでございますと、我が国の国民負担率は 39.0%ということで、この2010年度でありますけれども、前年度に比べると0.2%上がって いるといったような状況でございます。  次の7ページでございます。成長戦略の関係で、昨年12月30日に出されました政府全体 の「新成長戦略」の基本方針というものであります。全体といたしましては、この基本方 針に基づきまして、本年6月ごろまでに新成長戦略の最終的な取りまとめを行うと。その 中では、工程表といったような形で具体化を図っていくというようなことでございます。  厚生労働省関係といたしましては、次の8ページあるいは9ページに書いてございます ように、幾つかある柱のうちの1つが「健康(医療・介護)」という分野でございますし、 また「成長を支えるプラットフォーム」ということでの「雇用・人材戦略」というような ことで、この柱になっているわけでございます。9ページのほうを見ていただきますと、 それぞれについて2020年までの目標というものが設定されているところであります。  それに関連いたしまして、10ページでありますけれども、これは厚生労働省内に「未来 への投資」プロジェクトチームというものをつくりまして、今後の成長分野とされており ます医療・介護・保育分野等の成長シナリオというものを検討するということで、現在、 検討を進めているところでございます。  次の11ページからが、相対的貧困率の推移でございます。これは、既に昨年10月から11 月にかけて発表したものでございますけれども、ここでは特に相対的貧困率ということで 年次推移を挙げております。トータルで見ますと15.7%、子どもで14.2%、そして大人が 1人の子どもがいる現役世代で見ますと54.3%ということで、特に最後の数字については、 OECD30カ国中の30位といったような状況でございます。  12ページ、13ページ、14ページは、今申し上げた関係の資料でございます。  15ページになりますけれども、そういった中でナショナルミニマム研究会ということで、 ここにございますような有識者の方、あるいはこれらの分野に詳しい方に入っていただき まして、大臣の主催によりまして、現在、生存権保障、憲法25条に基づくナショナルミニ マムということが何なのかということを、今、検討しているところでございます。今年に 入りましてから、今後の進め方に書いてございますけれども、各先生からヒアリングをし ているというような状況でございます。  次に、税制改正関係であります。  17ページから18ページにかけてでございますけれども、先ほど来、説明がございました 法律関連の非課税措置等のものがございますけれども、それ以外といたしましては、特に 今年は、4にあります健康増進の観点からのたばこ税の引上げということで、特に健康増 進ということでのたばこの税の引上げということが予定されております。具体的には、18 ページにございますように、一般的なたばこについていいますと300円が400円ということ でございます。  次の関係は、地方分権関係ということであります。  20ページから、これまでの平成19年の地方分権改革推進法以来の経緯が書いてございま すけれども、特にここでは21ページにありますように、地方分権改革推進計画ということ で、その中の「第3次勧告」に盛り込まれております「施設等の基準の見直し」というと ころについて、簡単に触れさせていただきたいと思います。  福祉あるいは医療の関係では、最低基準といったような形で人の配置、あるいは施設に ついてのいろいろな基準がございますけれども、これについて、従来、国が決めてきたと いうものにつきまして、条例に委任すると。そして、自治体のほうで条例で定めるという ことでありますけれども、その定めるに当たりまして「従うべき基準」、「標準」、「参 酌基準」といったような形で定めていただくということでございまして、右側にございま すように、特に福祉関係につきましては、人員配置基準であるとか、あるいは居室面積、 人権に直結するような運営基準に限り、「従うべき基準」とするということであります。  ただし、保育所については、東京等に限り、待機児童解消までの一時的措置として、居 室面積について標準といったような内容が盛り込まれておりまして、現在、法律の作業を 進めているといったような状況でございます。  なお、ここにはございませんけれども、それ以外の最近の動きとしましては、新聞報道 等にもございますけれども、社会保障、税に係る番号制度ということについて、この2月 に検討会が設置され、そして現在、検討を進めているといったような状況でございます。  以上でございます。 (貝塚会長)  どうもありがとうございました。  それでは、ただ今の説明を巡って、あるいはそれ以外でも結構ですが、ご意見、ご質問 がございましたら、どうぞご自由にご発言ください。どなたからでも結構です。いかがで すか。  ご発言がないので、私からちょっと。  私は、最近、しばらく前に日本経済新聞に書いたのですが、日本の社会保険制度が完全 に曲がり角に来ているという状況にあって、要するに、社会保険に入っていない人がかな り増えているわけですね。その問題が一番難しい問題で、それをどうするかというのが、 本当は次の課題ではないかと思っておりますが、そういうふうな関心を持っております。  それから、あとはもしご質問があれば、ナショナルミニマムの研究会の方もここにおら れますので、多分、さっきご説明がありましたけれども、ご関心、ご質問がありましたら、 どうぞご自由に。 (渡辺委員)  基本的なことで、伊奈川参事官のご説明の新成長戦略のところで、これも既に報道もさ れていますが、先ほどの9ページで新規市場、医療・介護では約45兆円となっていますね。 これは、どういうふうに解釈したらよいのか。つまり、今まで医療・介護というと、ほと んど公的給付ということでカウントされてきたわけですが、ここでいう45兆円というのは どういう概念というのか。  あと、もう1点だけ、新規雇用280万人、これも大ざっぱな医療・介護の内訳的なものが、 もしあれば教えてください。 (貝塚会長)  ただ今の渡辺委員のご質問に、どうぞ、事務局。 (伊奈川参事官)  お手元の資料3の9ページにございます2020年の目標というものは、これは昨年まとめ られました社会保障の国民会議の際に、年金・医療・介護について2025年に向けてのシミ ュレーションというものを出しております。それで、その中で一定の制度の見直しといい ますか、いろいろと社会保障を変えていった場合にどうなるかという数字を出したわけで ありますけれども、それに基づいて、これを2025年ではなくて2020年にした場合にどうか というのが基になっております。  さらに、こういった私どもで所管しておりますような医療保険、介護保険に関連するよ うな雇用とか、あるいは市場というもの以外に、それにカバーされないものがありますけ れども、それについては経済産業省などのほうで出されたものを含めまして、今回、出し ている次第でございます。 (渡辺委員)  今の段階では分からないのでしょうが、今、「医療・介護市場」という言葉は、私自身、 あまり好きではないところがあるんだけれども、要するに、例えば医療でいうと34兆円、 介護でいうと7兆円規模ですよね、今おっしゃった公的保険、利用者負担を含めてでも。 ここでいう新規市場45兆円というのは、今おっしゃったように全くこれとは関係ない、民 間ベースという意味ですかということを伺ったんです。 (貝塚会長)  どうぞ。 (伊奈川参事官)  そういう点からいいますと、現在あります医療・介護保険、これをベースにして、その 中に入っているものが既にあるわけですけれども、それがさらに伸びていくという形での プラスアルファ分を、ここでは「新規」という形で出しております。 (間杉政策統括官)  恐れ入ります。統括官ですが、補足させていただきますと、これはあくまでも中心にな っておりますのは公的医療保険であり、公的介護保険です。それで、特に考え方としては、 去年の社会保障国民会議で取りまとめていただいたんですが、そのときにやはり日本の医 療というのは、非常に1ベッド当たりのスタッフ数が少ないとか、急性・慢性期が非常に 混在しているとか、いろいろな問題があるわけですけれども、そこを思い切って急性期の 病床に人を集める。そのことによって、早期退院を促す。そうすると、早く地域に戻れま すから、今度は地域でリハビリテーションだとか、あるいは在宅医療、在宅介護と。そう いうふうな一連の流れをシミュレートしまして、それをやってどのぐらい人が増えるのか と。ただ、これはあくまでも公的な保険でございます。  それに、少し内実を申しますと、今、ちょっと手元に内訳がなくて恐縮でございますけ れども、経済産業省のほうで健康関連サービスみたいなものもございますものですから、 そういったものも組み合わせて数字をつくったということでございますが、大半の部分は 公的な保険でございます。 (貝塚会長)  ほかに。 (大森会長代理)  直接のことではなく、今、社会保障国民会議の話題が出ましたので、あの中間報告と最 終報告を受けまして、前政権のときに閣議決定で「中期プログラム」をつくりましたね。 「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」」で、その中 に社会保障の機能強化の工程表も含めまして、あれは閣議決定だったんですけれども、あ の閣議決定は、現在はどういう扱いになっていますか。あれは、一応、凍結されています か、廃止か。ちょっと、それは重要なものだから。 (間杉政策統括官)  特に、廃止とかという意思決定はされておりません。  ただ、1つ、申し上げなければなりませんのは、今、先生のご指摘の中に社会保障の工 程表がございました。その中で、実は今の新成長戦略が前提としております医療・介護の 充実というふうなことは、そのまま引き継がれておりますし、それから、特にあの中で強 調されておりますけれども、2年後に医療保険と介護保険の双方の診療報酬、介護報酬の 同時改定時期を迎えると。そこに向かってやはり歩みを進めていかなくちゃいけないとい うふうなことも、引き継がれているというふうに私は考えております。  ただ、あの中には消費税の部分がございました。3年間状況を見て、消費税率を引き上 げるというふうなことまで閣議決定されておったわけでございますけれども、今回の政権 は、任期期間中は消費税を上げないというふうな政権だと。だから、そこは違いがあるん だろうというふうに思っております。 (大森会長代理)  そうすると、今の消費税の箇所以外のところは、大筋としてまだあれは生きていると。 生きているというのも難しいんですけれども、あとは大臣にお聞きしないと分からないと 思うんだけれども、一応、事務方としては、まだあれは否定されていないというふうに考 えていますか。 (間杉政策統括官)  特にそこを、この新政権との間で何か議論しているわけではございません。  ただ、現実問題として、今申し上げましたように、成長戦略などの一部にはそういった ものが使われている、そんな状況でございます。 (大森会長代理)  分かりました、はい。 (貝塚会長)  別の言葉でいえば、旧政権のプログラムは大体残ったままで、とりあえずあるというこ とですよね。そう解釈したほうがいいと思うんですが、ほかにプログラムを新しく変える となれば、また民主党政権のあれですが。  どうぞ、ご自由にご発言ください。ご質問、その他がありましたら。どうぞ。 (見城委員)  年金のことでお聞きいたします。年金の記録問題等、まだ課題がいろいろありますけれ ども、心機一転、実際どういう状況になっているのか。二十歳を過ぎますと、国民年金と いうのは納める時期が来ますので、とにかく結果が見えない状況でもスタートしなければ ならないわけですね。そういう新規に年金に加入する人たちを受け入れながら、信頼でき る答えがちょっと見えていないのではないかと思いますので、その辺がこういった予算と 実際の実働部隊との、ちょっと差があるのではないかと思うんですが、実際どのような状 況を目指していらっしゃるのか、ちょっとお聞きしたいんです。 (貝塚会長)  いかがでしょうか。特に、年金局のほうでは。 (古都年金局総務課長)  年金局の総務課長でございます。年金記録問題が一番国民の年金制度に対する信頼を揺 るがした問題であるという非常に強い問題意識を持って、長妻大臣を先頭に、国民の信頼 を失わせしめたこの問題を何とか解決しなきゃいかぬということで、今、全力でいろいろ な工夫をしながらやっていこうとしております。これについては、前からもいろいろやっ てきましたが、9月以降、岩瀬委員もおられますけれども、新たに年金記録回復委員会と いうものを、磯村先生などを委員長にして設け、より個別具体的にどういう問題があって、 どういう制度的手当てをしなきゃならぬのか、あるいはどういう運用の手当てをしなきゃ いかぬのか、そういうことも明らかにしながら、厚生労働省と、社会保険庁を廃止いたし まして、1月1日からスタートいたしました日本年金機構が一緒になって、深い反省に立 ちつつ、心機一転、記録問題をまずは解決していくということに全力を挙げているところ でございます。  そういう中で、信頼をまず回復していこうではないかということですので、来年度予算 案では、先ほどありましたけれども910億円というような形で、紙台帳との突合せ等々、様 々なことをやることにしております。1期4年の間に、できるだけ年金記録の回復問題に ついて、きちっとめどを立てていこうではないかということで取り組んでいます。そうい うことが、広く被保険者になる方々にも理解されていくということが大切だと思っていま すし、併せて、マニフェストにもございますけれども、新しい年金制度案というものを、 この4年の間にきちんとつくりまして法案を出していくという、この2つの取組をやるこ とによって、安心だというものを何とかつくっていきたいというふうに考えているところ でございます。 (見城委員)  20代の若い世代が、なかなか年金に対して積極的ではないというか、信頼がなかなかで きないというところとつながっていると思います。対策というのは何かお考えですか。年 金は、やはり国民皆保険、皆年金で、皆さん入っていって成り立つものです。若い世代で 年金離れ、不信ということが一番大きいと思うんですけれども、それで公平な年金制度と いうのが10兆1,260億円という予算が立っていますが、この数字が若いこれからの年金を積 んでくる人たちに信頼されるための資金として十分なんでしょうか。その辺、どうでしょ うか。 (古都年金局総務課長)  まず、この10兆円と申しますのは、いわゆる基礎年金の国庫負担を2分の1に昨年度引 き上げましたので、今年度もその手当てをしている、そのための予算がこの大宗でござい ます。あとは、多くの方の保険料というものをきちんといただきながら、適切な給付をし ていくということになっております。20歳になられた方について、被保険者になったこと をちゃんとお知らせするなり、あるいは第一線の窓口で、分かりやすく丁寧にご説明する なりする。日本年金機構ではお客様10カ条というような形で、きちっとサービスとして対 応していこうというふうに努力いたしております。このような1個1個の取組を積み重ね ることによって、若い方々に理解していただきながらやっていこうと考えております。 (貝塚会長)  ほかに、どうぞ、ご質問。 (潮谷委員)  1つは、社会保障の給付と負担の現況についてですけれども、この問題で4ページのと ころを見ますと、まさに給付と負担のバランスが崩れているということは一目瞭然であり ます。マニフェストの中では税等々の問題が、4年間は凍結というような方向性が示され ています。与党のほうでは論議を始めるというような動き等々もありますが、厚生労働省 として、この社会保障の給付と負担の問題、さらには部門別の国際的な比較、こういった ものを見てまいりましたときに、内部としてどのような論議が、今後、なされようとして いるのか、あるいはそのままなのか、その辺りのことも含めて、お聞かせ願えればと思い ます。  以上です。 (伊奈川参事官)  政府全体のことではなくて、厚生労働省という点から申し上げますと、先ほどかなり説 明をはしょってしまいましたけれども、社会保障全体、これを単にコストととらえずに、 これが投資であるという、成長戦略にも絡みますけれども、そういう観点から医療・介護、 そして保育等について検討してみようと、これが先ほど申しましたプロジェクトチームの 基本的なコンセプトでございます。そういうアプローチが1つ。  それともう一つは、そういった中でナショナルミニマムとして何をきちんと保障してい かなくてはいけないのかということも、やはり検討することが必要なのではないかという ことが、ナショナルミニマムの研究会というものの出発点でございます。そういう成長し ていくという観点からとらえる、そしてもう一つはベーシックなところできちんと押さえ ていくというようなことで、必ずしも経済とかと相反するものではないといったようなこ とで社会保障を考えてみようというのが、今、動いている状況でございます。 (貝塚会長)  どうぞ。 (潮谷委員)  お話は、筋論としてはよく分かります。現実に国庫負担は、一般歳出の48%を占めてい るという大変厳しい状況の中にあります。「未来への投資」という方向性は重要です。し かし、その財源ということがやはり明確になって、あるいは明確でなくても、将来的な方 向性というようなものが見えてこないと、私は、問題をはらんでくるのではないかと。そ れぞれの社会保障の審議会に関わられるメンバーの皆さんたちが、論議は論議としてされ ていらっしゃいます。一般歳出の48%を占めているという中で、どんな形で打開を図っ ていこうというのか、その辺りのところはやや気になるところでございます。 (神田委員)  質問というより意見なものですから、政務三役に申し上げるべきことかなと思って、ち ょっと躊躇しておりましたが、今、潮谷委員から財源論などのお話がありましたので、そ れに触発されるような格好になりますけれども、少しお話ししたいと思います。  まず初めに、22年度予算について、ご高承のとおり、子ども手当の財源問題、あるいは 後期高齢者医療制度の保険料の増加抑制などにつきましては、私ども現場をあずかる地方 自治体の立場では、厚労省に対していろいろ苦言を申し上げなければならないことがたく さんあることは、ご承知のとおりであります。  今後、やはり地方負担に関わる問題については、これはもう再三再四、知事会などから 申し上げているわけでありますけれども、ちょうど今、国と地方の協議の場も法制化され ようと動き出したところでありますので、必ずそういうところを通していただくだとか、 あるいは私ども、不定期ではありますけれども、大臣との直接ひざを交えた協議の場など も、年間1回か2回のことではありますが、つくっていただいておりますので、できるだ けそういう場所を通していただきたいというのが、まず前提にございます。  さて、そこで、今の潮谷委員の話にも関連するんですが、社会保障という大きな枠組み の中ではありますけれども、少子化対策、年金、あるいは介護、医療、様々な分野トータ ルとして、これから、22年度予算もそうでありますけれども、我々の粗っぽい試算でいう と、ここ5年ぐらいのうちに大体10兆円ぐらい増えていくんですね。例えば年金でも、基 礎年金の国庫負担が2分の1になったわけでありますけれども、これも財源はちょっと暫 定的な、特例的な手法をとられましたが、やはりきちんとした財源確保が23年度以降どう なるのかということは、とても心配しております。加えて、医療あるいは介護関係の給付 費、これはもうどんどん増えていくばかりであります。それから子ども手当も、マニフェ ストどおりで仮にいくとすれば、23年は年間5.3兆円、とてつもない大きなお金が関わっ てまいりますし、それから子ども・子育てビジョンによれば、様々なサービス給付も充実 するという点で、大きな財源負担になってまいります。こうしたものを、ざっと私ども、 粗っぽい計算でありますけれども、アバウトで10兆円ぐらい、ここ5年ぐらいのうちに増 えていくだろうということであります。  問題は、これは知事会も心配しておりますし、国民の多くも一番心配しておるのは、そ うした確かな財源をどう賄っていくのか。これが、ただ「無駄を省いて」というだけでは とても心配で、本当にいいのかな、うまく回っていくんだろうかと、不安ばかりが募って くるわけでございます。これは、政務三役に申し上げるべきことなのかも分かりませんけ れども、潮谷委員がおっしゃるように、やはり財源というものの見通し、あるいは確固た る裏づけというものを出していただくことが、どうしても必要だろうと思っ ております。  菅副総理が、いよいよ消費税の議論も始めるということで、恐らくここら辺の兼ね合い で、社会保障と、あるいは消費税の目的税化などの議論ともつながってくるんだろうとは 思いますけれども、ぜひともそういうものがないととても不安だというような、それはも う国民の声だと思いますので、社会保障審議会のこの社会保障という大きな枠組みの中で、 やはり5年後、10年後、20年後、そういう展望を示していただくことが、今後、とても重 要だろうと思っております。意見です。 (貝塚会長)  どうぞ。 (廣松委員)  資料3「社会保障を巡る最近の動向」に関して、単なるコメントなんですが、2つ申し 上げます。まず、1つ目は、今の将来展望に関して2ページに将来人口の推計が出ており ますが、これは2005年の国勢調査に基づく推計でございまして、ご存じのとおり、今年10 月に国勢調査が行われ、そのデータに基づいて、改めて将来人口推計の作業が行われます。 現在のところ、そんなに大きくこの人口ピラミッドの図が変わるとは考えられないんです が、ただ、少し合計特殊出生率が上がっている。それから、死亡数が予想よりも少し増え ているという状況でございまして、推計作業そのものは来年行われますが、恐らく総人口 の減少幅は、もう少し大きくなる見込みというか可能性があるように思います。それが1 点目でございます。  2点目は、11ページのところに相対貧困率が出ております。これは、昨年の秋、公表さ れたときに、いろいろなメディアで報道され、注目を浴びた図でございますが、一言だけ 補足いたしますと、この横軸を見ていただけるとお分かりのとおり、3年ごとになってお ります。その理由は、この基になった統計データが、国民生活基礎調査のものでございま して、この調査は3年に一度、大規模調査が行われるからです。平成22年、今年その大規 模調査が行われることになっており新しい数値が追加されるということでございます。  これが公表されたときに、いろいろご批判があったことも事実ですが、ただ、この分野 の研究者の方が試算された水準も、やはり大体15%程度になっておりますので、そんなに 外れた数値ではないと思います。ただ、1つだけ統計の立場から気になりますのは、この 貧困率は国民生活基礎調査の所得票に基づいて計算されているわけですが、残念ながら、 その回答率がどうも低下傾向にあります。回答率が下がれば、それだけ12ページにあるよ うな形で計算された指標は精度が落ちるということになります。その意味で、実施部局で は今年の調査に関して、回収率を上げるべく努力していただくことになっております。そ の意味で、この数値そのもの、例えば平成19年の15.7%という数値そのものには、あまり 大きな意味はないというか、水準として見ていただくほうが、この貧困率の計算の過程か らして妥当な見方であると言えます。  以上、2点、コメントでございます。 (貝塚会長)  何かありますか。 (間杉政策統括官)  今の点に対して、コメントをよろしゅうございますでしょうか。 (貝塚会長)  コメント、役所側から。  どうぞ。手短にお願いします。 (岩崎統計情報部企画課長)  統計情報部の企画課長でございますが、今、廣松委員のほうからご指摘がございました ように、国民生活基礎調査につきましては、やはり非常に重要な調査でございますので、 今後とも精度をしっかり保てるように努力してまいりたいと考えております。 (見城委員)  別なことでいいですか。 (貝塚会長)  どうぞ。手短に。 (見城委員)  では、7の食の安全・安心の確保のところなんですが、食品偽装やら、いろいろな問題 が多く、非常に食の安全が脅かされてきたんですけれども、ここでの輸入食品のところで、 やはり監視体制が不足しているのではないかと思います。去年、一昨年といろいろ事件が 続く中で言われてまいりましたか、この150億円という予算をつけられて、この辺のちょう ど海の際で入っていくもの、これから出ていくものに対する食の安全・安心の確保という のはどうなんでしょうか。お話を伺いたいと思います。例えば職員が少ないとか、いろい ろな問題があったと思うんですが、そういった体制はどうでしょうか。―今、いらっし ゃらない?  それと、食のことですので農林水産省との連携とか、そういう点もお聞きしたかったん です。限られた予算の中で、農林水産省とどのような連携をしているのでしょうか。 (間杉政策統括官)  ちょっと食品の担当を呼んでおくのを忘失しておりまして、誠に申しわけございません。 今の点は、必ず文書でお返事を書かせていただきますので、何とぞお許しくださいませ。 (貝塚会長)  ほかに。まだ多少、時間がございますが。どうぞ。 (竹嶋委員)  やはりお2方が言われたように、ここは厚生労働省も恐らくそのつもりだと思うんです よね。立ちどまってよく考えなきゃいけないと思うんです、財源をどうするかということ を、勇気を出して。民主党の今の政権が、マニフェストではもちろん書いていなかったと いうことで4年間は議論しないと言っていますが、さっきおっしゃったように、そのこと に少し入らざるを得ないと。当然そうだと思うんですね。  この社会保障審議会では、お1人お1人が国民の代表で出ていると思うので、やはりそ ういう国民を代表した形で、我々は提言しないといけないだろうと思います。ここに資料 が、5ページ、6ページに出ていますよね。これは、よく出る社会保障給付の国民負担の 国際比較、これはどこに行っても私どもも見ますし、出しますが、これを見て本当に、日 本はこれで多くを望んでいってよいのかと。平成24年、もうあと2年しましたら、団塊の 世代の方が65歳を迎えますね。そういうときに、やはりもう本当にここで考えなきゃ、勇 気を出して考えるときがないと思うんですね。  それと、もう一つは不安ということで、確かに不安です。我々医療を提供している立場 からいっても不安です。財源がないところで、要するに、財政中立であっちからこっちに 持っていく、こっちからあっちに持っていくということをやるだけですから、大変不安定 ですね。  だけど、不安、不安と言っててもしょうがないので、いつかも私、この審議会の中で申 したと思うんですが、私は日本医師会の副会長ですが、私どもは日医総研という政策シン クタンクを持っています。そこで調べさせてみまして、例えば61歳から64歳まで、そこの ところの就労率が、2005年の発表で、その人口の51%あるんですよね。それから65歳から 70歳未満までが、その時点で19.2%あるということです。ですから生産年齢を、今、65歳 未満にしていますけれども、「70歳未満ぐらいまで、みんなでしっかり働こう」というふ うなことをやっていきまして、そのパーセントを維持していくか、上げていくこと。65歳 以上の団塊の世代が本当にたくさん出てきますが、まだ皆さん、お元気だと思うんですね。 だから、そういうふうなことも、我々は考えていかなければいかぬだろうと思うんですね。  それともう一つは、先ほど出ていますように、消費税はこれまで上げなければいかぬ機 会が2回ぐらいあったんですね。ご専門家はお分かりだと思いますが、いわば企業の競争 ということの中で、それをそのままにしてきた。しかも、法人税も下げるし、所得税も下 げるというふうなことの中で、消費税も今のままで来たわけですが、やはり世界の各国を 見ても5%というところは、主な先進国と言われる国で、あと1つか2つの国くらいです。 ですから、やはりこの辺りはみんなで考えて、そしてそういう意見を、無駄を省けという ことは大事なことなのだけれども、おっしゃったように、もう10兆円から超す財源をどこ から捻出してくるかということになりますから、現実的に私は考えなきゃいけないだろう と、国民の一人としてそう思います。 (貝塚会長)  恐縮ですが、もう大臣がお見えになると思いますので、これで審議会のほうを終わらせ ていただきます。  どうもありがとうございました。                                       以上 照会先 政策統括官付社会保障担当参事官室 政策第一係 代)03−5253−1111(内線7692) ダ)03−3595−2159