10/02/19 第4回 臓器移植に係る普及啓発に関する作業班議事録 第4回 臓器移植に係る普及啓発に関する作業班 日時 平成22年2月19日(金) 15:00〜 場所 金融庁904会議室 ○竹内補佐 第4回「臓器移植に係る普及啓発に関する作業班」を開催いたします。本日 は相川先生、有賀先生、岩田先生より欠席のご連絡をいただいております。小野先生は遅 れてのご出席です。  資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1「今後の検討課題について」、資料 2「課題1(意思表示方法)についての論点整理(たたき台)」、資料3「今後の普及啓発ス ケジュール(案)」、参考資料「臓器移植に関する世論調査について」です。それから「伝 わるこころ・つながる命」という一般向けのパンフレット及び意思表示カード。意思表示 シール一体型パンフレットと黄色で表示した意思表示シールが付いているパンフレット。 カードと説明書が一体になっている、よく市場に出回っているカードの見本をお配りして おります。以降の議事進行については篠崎班長にお願いいたします。 ○篠崎班長 本作業班においては、前回に引き続き、臓器提供意思表示カードや運転免許 証・健康保険証等での意思表示方法並びに改正法の施行に向けた周知徹底等の議論を進め ていきます。議事に入ります。初めに、今後の検討課題について事務局から説明をお願い いたします。 ○長岡補佐 資料1については、前回第3回作業班でも同じような資料をお出しいたしま したが、再度今後の検討課題ということで確認させていただきます。今後の検討課題の1 番目は、後ほど資料2でご説明いたしますが、臓器提供意思表示カード、運転免許証・健 康保険証等での意思表示方法をどのようにやっていくか。具体的な検討事項が2つありま す。1つ目は、運転免許証・健康保険証等における臓器提供の意思をどのように表示して いただくか。これは7月の全面施行後、運転免許証・健康保険証等において意思表示欄を 設けるなどの対策が求められていることもありますので、どのように表示していくのか。2 つ目は前回もご議論いただきましたが、親族優先提供の意思表示について、パンフレット 等の説明も含めてどのように取り扱っていくのか。  今後の検討課題の2番目は、後ほど資料3でご説明させていただきますが、改正法の施 行に向けた周知をどのように行っていくか。検討事項は、改正法の施行に伴い、小児から の脳死下での臓器提供が始まることも踏まえ、改正内容の周知、臓器移植に関する知識の 啓発・普及をどのように行っていくのか。内容については改正法の内容、それは法改正の 概要と、ただいまほかの作業班もしくは臓器移植委員会で議論している、7月施行分の制 度の詳細についてどのような周知を行っていくか。臓器移植に関する事項、知識の部分で すが、これらのうちどのようなところに重点を置いていくべきか。また、効果的な普及啓 発を行うため、対象者をどこに置いていくのか。  次は、周知のスケジュール及び周知媒体です。これは先ほどの周知内容に伴い、どのよ うなスケジュール、それから周知媒体を活用していくのか。特に、現行の啓発資料、これ は親族優先提供の際にもご議論いただきましたが、現行の周知媒体もありますので、それ らをどのように活用していくのか、また、ほかの媒体は活用できないのか。  今後の検討課題の3、意思登録システムの今後の活用方策については、改正法の施行を 踏まえ、インターネット上での臓器提供の意思表示のシステムをどのように図っていくの か。また、今後システムの見直しを考えたときにどういうことが考えられるか。  次の頁は、現状の課題として私ども事務局でまとめたものです。1番目は、15歳未満の 方が意思表示をどのように登録するのか。2番目は、インターネットが接続出来ない環境 にある方に対してはどのように対応するのか。3番目は、インターネットの登録情報を新 しい状態に保つにはどうするのか。4番目は前々回辺りで議論になりましたが、医療機関 による登録情報へのアクセスをどうしていくのか。以上が検討課題です。 ○篠崎班長 引き続き、本日の1つ目の検討事項である臓器提供意思表示カード、運転免 許証・健康保険証での意思表示方法について、前回第3回の皆様のご意見を踏まえた論点 整理を事務局にお願いしてありましたので、その説明をお願いたします。 ○長岡補佐 資料2は、先ほどご説明いたしました課題1に相当する部分です。(意思表示 方法)についての論点整理(たたき台)ということで取りまとめたものです。1つ目は、 現行の意思表示カード、健康保険証、運転免許証等に共通の論点として挙げております。2 枚目は具体的な臓器提供意思表示カード等の様式をどうしていくかということでまとめて おります。  順に説明していきます。1つ目は、意思表示方法に関する論点整理です。こちらは前回 もこの作業班でご議論いただきましたので、その考え方をベースにまとめたものです。  (1)は親族優先提供の意思表示の取扱いです。前回の議論でも、「○」を付ける方式とす ると、制度に関する十分な理解がないまま意思表示を行う方が増えるのではないか、そう いうおそれがあるのではないかというご指摘がありましたので、能動的に自筆で記載して いただくための記載欄を設けるということでよいかどうか。  2つ目は、親族優先提供の意思表示ができる旨の案内や、親族優先提供の意思表示を行 っていただく際に留意していただく事項は記載が必要であろうということです。ただカー ドのスペースを考慮すると、カード内への記載は難しいこともありますので、カード内に は記載せずに、パンフレットに記載していくことでよいかということで挙げております。  (2)提供する臓器についてです。現行カードについては、臓器移植法の対象となる臓器を 印字し、提供したい臓器を○で囲む(又は提供したくない臓器に×を付ける)方式で意思 表示を行っていただいています。これを、例えば提供したくない臓器を自筆で記載する方 式に変更した場合にどうするか。法の対象でない臓器が記載されること等により、現場で 混乱が生じる可能性があることから、今後も同じ取扱いとしてはどうかということで論点 として挙げております。  (3)家族署名欄の取扱いです。こちらも前回議論になりましたが、臓器移植法が求める書 面の有効性の要件ということですと、家族署名欄はその要件ではないのですけれども、カ ードの存在とか本人の臓器提供に関する意思を家族に知っていただけることから、家族署 名欄は有用とされてきましたが、今後はどうするのか。  また、意思表示シールや健康保険証においては、スペースの関係から家族署名欄を省略 した様式を用いておりますが、今後も同じような考え方でよいか。これについては5頁の 参考1のところに、カード、健康保険証、意思表示シールがあります。下の2つについて はい本人署名欄はあるのですが家族署名欄はないということです。今後このような取扱い を続けることでよいのか。  (4)臓器提供意思表示カードの配布方法等です。先ほどの親族優先提供にも絡む論点なの ですが、親族優先提供の制度内容については、パンフレットに十分な説明を記載していく 必要があるということです。配布に当たっても、カードを単独で配布するのではなくて、 カードとパンフレットを併せて配布することを原則としていく必要があるのではないかと いうことで論点整理しております。  2つ目は、臓器移植やその意思表示に関する情報へのアクセスを容易とするため、カー ドに問い合わせ先などを記載し、そういう情報へのアクセスを簡単にすることがよいので はないかということで論点整理に挙げています。  2頁は、これまでの論点整理の部分と一部重なる部分がありますが、様式について(た たき台)をまとめております。(1)臓器提供意思表示カード、従来から配布している一般向 けのカードの見直しについてです。厚生労働省と臓器移植ネットワークが作成・配布して いるものです。今般の改正法を踏まえ、以下のような見直しを検討してはどうかというこ とで[1]〜[3]を挙げております。  [1]親族優先提供の意思表示については、自筆で記入できるように備考欄等を設けてはど うか。[2]カードと併せて配布されるパンフレットにおいて、親族優先提供に関する留意事 項を丁寧かつ分かりやすく記載することでどうか。[3]カード記載者が必要な情報を得られ るように、問い合わせ先の周知等を図ってはどうか。これらに併せて配布方法の改善等も 検討してはどうかということでたたき台とさせていただきました。  3頁に、カード見直しのイメージということで、いまご紹介いたしました3点を挙げて おります。3つのパターンを作っておりますが同じように見えるかと思いますので説明さ せていただきます。ポイントとなる点は、3つのカードのいちばん下に赤の※で作った「記 入に際してはパンフレットをお読みください」という部分で、パンフレットを読んで記入 していただくほうに誘導するような文言。また、いちばん下の「臓器移植に関するお問い 合わせ先」ということで、これは記載に迷ったとか、記載の方法が分からないときにこの フリーダイヤルにかけていただくということで記載するもの。  [2]はバージョンが変わっていて、赤い注意書き部分がいちばん上に来ています。それか ら下から2番目の部分の家族署名欄を[1]では落としていたのですが、家族署名欄を残した 形にしているのが[2]です。  [3]は、備考欄と問い合わせ先は付けていますが、記入に際してはパンフレットをお読み くださいという部分が付いていません。  1つ紹介し忘れましたが、1.〜3.すべてにおいて、3番の「私は臓器を提供しません」の 下に「備考欄」を設け、ここに親族優先提供の意思を記載できるような形にしております。 これが、カード見直しのイメージです。  戻りまして2の(2)運転免許証や健康保険証等における標準的な記載事項です。いま申し 上げました臓器提供意思表示カード以外の運転免許証や健康保険証等については、基本的 に次の事項を盛り込む必要があるのではないかということでまとめております。ただし、 (参考1)の5頁のように、カードに比べると被保険者証や意思表示シールはスペースに 制約がありますので、やむを得ず省略する部分も出てくるであろうということで記載して おります。  具体的にはいちばん下の1)〜4)ですが、1)臓器提供に関する意思、2)本人の署名と署名 年月日、3)備考欄、4)記載上の注意及び臓器移植に関する問い合わせ先です。このうち、 3)と4)を省略する場合もあるかと思います。その場合は意思表示シールの台紙とか、同時 配布するパンフレット等を活用し、必要な情報を容易に入手できるようこちらに書き込ん でいくことでよろしいかということで、たたき台として挙げております。以上がカード、 運転免許証、健康保険証等における様式のたたき台です。  最後は4頁です。これらと一緒に、先ほど来申し上げております、配布するパンフレッ トのイメージで記載事項を書いております。[1]〜[4]が、これまで主にパンフレットに記載 されている事項です。[1]自分の意思に合う番号に○をしてください。これは1番又は2番 です。脳死後及び心停止後に提供してもいいと思われる方は1番と2番のところに○をし ていただきます。臓器を提供したくないと思っている方については3番に○をしていただ くということで解説しております。その他の欄に「すべて」とか、「皮膚」「心臓弁」「血管」 「骨」などを記載することができます。最後に本人の署名と署名年月日を記載していただ くということで、パンフレットに記載しております。  パンフレットの中には[2]の提供したくない部分についての説明記載が落ちているものも ありますが、こちらについては記載事項のイメージということで明記したほうがいいだろ うということで今回挙げております。  [5]以下は親族優先提供の部分です。こちらはパンフレットの中にも、前回ご紹介しまし たホームページを経由して意思登録をしていただく場合と同じような説明書きということ で記載をしております。そういうことも踏まえ、まずは「ホームページからの登録を推奨 しております」ということを書いた上で、親族への優先提供が行われる場合、それから留 意事項についてまとめています。  留意事項までをお読みいただき、ご理解いただいた上で優先提供の意思表示をされたい 方は、下から2段落目の備考欄に「親族優先」ということで自筆でご記入いただくという 案内しています。  最後は「なお」書きですが、これは現行カードの取扱いです。「なお、現在お持ちのカー ド・シールなど備考欄がないものをお持ちの場合は、カード内の空きスペース、余白欄に 親族優先の意思を記載することも可能です」ということで記載を設けています。これがパ ンフレットのイメージです。説明は以上です。 ○篠崎班長 意思表示方法の検討に入ります。まとめていただきましたが、何か漏れがあ るとか、こういう意見もあったはずだとか、今回こんなことを検討すればということがあ りましたら積極的なご意見をお願いいたします。  意思表示の論点整理の、親族優先の扱いについてはよろしいですか。これは積極的、能 動的にやるべきであるというのが皆さんのご意見だったということで、事務局はそれをち ゃんと把握した形になっていると思います。親族優先の内容について、これは重複する判 断かと思うのですが、後に出てくる「パンフレットをお読みください」というのを、カー ドとパンフレットを一緒に配る前提なのに書く必要があるのかというところについてご意 見はありますか。 ○大久保班員 こういう形にしようかという話ですよね。こういう形だと要らないです。 ○篠崎班長 要らないし、読めないですよね、裏側に出ています。 ○大久保班員 反対に、この記載欄が見えていてもいいと思うのです。裏側になっていて、 こちら側が見えなくても。よくあるパターンでは、そこのどこかに矢印を引いて、ここが 記載のところだという形にしたらもっと分かりやすいかと思います。だから、このような 羅列ではなくて、分かりやすい方法はいろいろなやり方があります。方法としては、こう いう一体型がいちばんいいのではないか。この厚さをどうするかというのはまた別の問題 として、パンフレットとカードが一体型になった形で配布するほうが、我々配布する側と しても非常にやりやすいので、これがいちばんいいと思います。そうすると、先ほど言っ たように、パンフレットを見てくださいという記載自体は要らなくなります。健康保険証 だとか運転免許証に、パンフレットを見てくださいと書かなければいけないということは 出てきます。 ○雁瀬班員 健康保険証や運転免許証のスペースについてですが、健康保険証はもうでき ていますので、臓器を入れても余白がありますので問題はないかもしれないです。運転免 許証に入れるときに、配布者が今回の運転免許証からこういう欄が設けてありますと、そ の説明書きにも入れていただくようなお願いが必要かと思います。保険者であれば、保険 者が今回あなたの健康保険証にはこういう欄が入っていますよ、この記入方法はこうです。 移植医療について質問がある人はこちらへということで、ネットワークのホームページで あったり電話番号であったりということを案内していただく。意思表示をする場合に、必 要な情報がすぐ手に入る情報を添えていただくことが大事なのかと思います。 ○篠崎班長 もう1つ意思表示シールの一体型があります。いままでのように、単体でこ れを配るというイメージよりは、パンフレット付きで運転免許証のシールも配布するとい うことです。これがこれに変わるイメージですか。事務局はどういうイメージでこのシー ルを作りましたか。 ○竹内補佐 既に意思表示シール一体型のパンフレットを発行しているという紹介と、こ ういう方法が有意義ではないかということで意思表示カードとパンフレットの一体型のイ メージ資料として出させていただいております。 ○篠崎班長 免許センターなどでこれはよく見ます。ですから、これであれば先ほどの問 題はクリアできるということですか。大久保班員がおっしゃった。 ○大久保班員 こういう方法で、運転免許証はシールではないですよね。運転免許証に貼 るものを作ってもいいわけでしょう、記載欄でもいいけれども。記載欄を作るとなると、 やはり運転免許証も健康保険証もパンフレットは別になります。健康保険証と一緒にパン フレットが行く。 ○篠崎班長 事務局はどういう整理をやっていますか。運転免許証の執行についてはどう いう形の施行が可能なのかを説明してください。 ○辺見室長 運転免許証についての様式の変更を、7月の施行に合わせる形で様式変更が されますと、それ以降更新される運転免許証が新しい様式になっていきますので、更新期 間までの5年間ぐらいは旧様式が市場に出回っている状況です。そういう点では、しばら くこれが必要だと考えます。 ○大久保班員 イメージとしては、運転免許証を交付するときに、その交付の運転免許証 と一緒にパンフレットを渡すということですか。 ○辺見室長 免許センターにおいてはそうです。 ○大久保班員 健康保険証はおそらく郵送されるのだろうと思うのですが、健康保険証の カードが送られるときにパンフレットが一緒に入るという形になりますね。 ○辺見室長 そうです。 ○大久保班員 こちらの場合は配布するときには一緒だけれども、どうしてもそういう形 になりますね。 ○辺見室長 はい、そうです。 ○篠崎班長 それであれば、いま話した3つの場合、このカードの場合でもパンフレット に付いている。それは、この委員会からのいい意見だと思うのだけれども、反対の方がい なければ。大久保班員がおっしゃっているのは、ここにこういう貼るものがあって、ここ の実際の表示に矢印があって、その説明が付いているような形がいいということですね。 ○大久保班員 それがいちばん分かりやすいです。 ○篠崎班長 それは、非常に親切だと思います。 ○大久保班員 そうです。 ○篠崎班長 だから、そういう説明の付いたパンフレットで、こういうカードは配布する ことが意見として出されましたので、その辺の付記をお願いいたします。運転免許証の場 合は、パンフレットとともに配布する、健康保険証の場合もパンフレット等簡便なもので もいいから説明を送る。それは、事実上健康保険証の配布に依頼する形になるのですか。 保険事務所に依頼するのですか。 ○長岡補佐 やり方はいくつかあると思います。運転免許証の場合、持っている人は定期 的に更新することになります。更新の際に、いろいろな資料を一緒にいただくと思います が、その中に臓器移植についての説明の紙を入れてくださいとお願いするやり方もあるで しょう。健康保険証の場合も、カードは送ってきたり、職場で配ったりということになり ますから、その際に一緒に紙を付けていただくことが考えられると思います。どちらにせ よ、いま篠崎班長がおっしゃったとおり、関連部局には私どもからお願いすることになる かと思います。 ○大久保班員 それは、いいと思うのです。もう1つはこの前もお話しました、備考欄に 優先提供という名前はカード自体には書かないということでいいのか、その辺の確認をし たほうがいいと思います。 ○篠崎班長 前回も、書くという方向の意見は出なかったと記憶しています。逆に、四角 で○を付けるような安易な方法はやらないほうがいいというご意見で、たぶんこのたたき 台にもそれが整理されているのかという気がしています。 ○大久保班員 これは確認してください。 ○篠崎班長 親族優先ということの扱いについて反対のご意見はありますか。旧カードか らの書き換えの方もいるということを考えると、ある程度スペースを使って書くことを啓 発していくこともすごく大事で、ご希望の方はそこに書いていただけると、同じ書式の扱 いでもいいのかなと。ただ、本当にその意味が分かっていないと困るというのが皆さんの ご意見だったように記憶しています。 ○石川班員 確認ですが、親族優先というふうに書きましょうというサンプルは提示する のですね。カードの中ではなくて、説明のパンフレットの中に。 ○篠崎班長 説明の中にです。 ○石川班員 そうしないと何を書くか分からないです。 ○篠崎班長 そうです。 ○辺見室長 そういうことですと、おそらく(1)のところにもう1つぐらいポツを起こしま して、資料の最後に前回お示ししたものを付けておりますが、(参考2)の3つ目のところ が親族優先提供意思記入欄を個別に設けた場合の事例になると思います。こういう書き方 をした場合は、カードだけ見て記入するおそれがあるので、欄の名前は備考欄とし、パン フレットを見た上で記入する。その際にどういうイメージでの記入になるのかということ をパンフレットでちゃんとお示しするということで、もう1つ項目を起こして書かせてい ただくということかと思います。 ○大久保班員 それはそれでいいです。 ○篠崎班長 書き方を示すというのは、それもこう書いてくださいみたいな説明にならな いような注意は必要だと思います。みんな分からずに親族優先と書いてしまわないように、 ある程度のちょっとした説明があって、サンプルを示すというイメージでよろしいでしょ うか。そのほか提供臓器についてはいかがですか。 ○大久保班員 ここに書いてあることがよく分からないのですが、提供したくない臓器を 自筆で記載するように変更した上、法の対象とならない臓器が記載されており、現場で混 乱が生じる可能性などというのはないと思います。そんなことは起こり得ないだろうと思 います。記載されていない臓器を書いたから混乱が生ずるかというと、混乱が生ずるとも 考えられない。  今は分からないですけれども、将来的に心停止で肝臓移植が行われる可能性も十分ある と思うのです。心臓移植もひょっとしたら行われる可能性もあるかもしれない。そういう 臓器を適当にこちらで書いてしまってというのも、それができないという、拒否をしたの ではないかというか、非常に難しいのです。  今回ここはなくなっていますけれども、脳死下での提供のところに○をして、心停止も 何も書いていなかったら、その人は心停止を拒否しているのかどうかというと拒否してい ないと思うのです。要するに意思を表示していないということなのです。その辺のところ をしっかりやらないと、要するに駄目だと言っていない限りは、それについて意思は不明 であるというのが、今度の新しい法律になっていると思うのです。このカード自体はもう 必須ではないのです。以前のカードとは全く違う考え方で、この意思表示カードを考えな いと、同じような考え方で駄目だとかいいとかと考えると、間違ってくるのではないかと いう気がしています。  だから、積極的に賛成しているということのためのカードであって、書いていないとい うことは、もちろん提供しないと書いてあったら、もちろん×を書いてある部分について は当然拒否の意思なのですけれども、それ以外のところは一切不明ということになる、と いうことを是非認識をしていただきたいと思います。  ここでは、臓器自体を書くよりは、普通一般の方の考え方として、脳死下で提供するか、 心停止で提供するかということで考えているのであって、細かく自分はどの臓器をどうし ようかと書いてあるからただ○をしているだけであって、その人のイメージの中で、ほと んどの方は、自分が亡くなったときには全部提供したいと思っているのが一般的です。最 終的にここのところは今でもそうですし、今後もそうですけれども、家族が提供するかし ないか、臓器を結果的に選ぶことになります。必ず全臓器をどうするかということを聞か れるわけですから、そこで選ぶのは家族なので、ここの意味で全部臓器を書くという意味 はそれほど大きくないと思います。特に今回の法改正によって、よりこれが必要があるか というと、必要ないのではないかと思っています。こういう混乱が生じることはないと思 っています。 ○篠崎班長 非常に重要なポイントだと思います。今度の改正法施行後のことを考えると、 いままでの意思表示カードとは意味が大きく違いますので、その場合にどのようにこのカ ードを捉えるのかということの価値です。ちょっと哲学的な領域まで考えなければいけな いのかという気がするのですが、その価値についてです。  結局カードがなくてもいい、家族が承諾できるけれども、本人の意思を示すツールとし て、積極的なものと消極的なイエスで記載できなかったものの取扱いをどうするのかとい う場合に次の話題になって、否定するもの、絶対いやであるものを明確にする。このカー ドの持つ大きな意味の違い、あるいはこの会でも話すことになると思うのですが意思の登 録。海外の例を見ても、そのレジストリーで大きく2パターンあります。いわゆる提供し たい人をレジストリーでやったり、オプティングインタイプのレジストリーと。いわゆる オプティングインの国でも、ノーの意見だけは絶対に生かしましょうということで、ノー のノンドナーレジストリーといいまして、臓器提供したくない人の意思を登録している国 があります。  これは、いまWHOも含めていろいろな機関がかなり調査を進めています。どちらが理解 しやすいのか、どちらが有効に活用されているのか。提供の意思がない方で提供する、こ れは世界的にもこの類の事例、事項というのはあまり聞かないです、逆に少ないです。各 国政府が心配しているのは、提供したい意思が活かされない状況が生じるということで、 それでレジストリーをどう使うかというところです。  国民の皆さんに周知して知っていただく時間は必要だと思うのです。法律が変わりまし た、一気に全部システムを変えましょうというのはすごく難しいのかという気がします。 いま大久保班員から出た、カードの持つ意味が変わるという論点で少し議論をしていただ きたいと思います。 ○石川班員 ニュアンスというか角度、アプローチが変わってしまいますけれども、この 資料の内閣府がやった調査を見ていますと、実はこのカードの所持率は非常に低くて1割 です。しかも所持されていても記載がなかったりする。今後、健康保険証や運転免許証は 多くの人が携帯するのだと思うのです。私は常に両方とも携帯しています。今後5カ年と いうことを考えたときには、いずれこういうカードではなくて、ほとんどが健康保険証か 運転免許証に変わっていくだろうと予測できます。これを、それほど積極的に普及させる 意味というのはもはやないというのが私の考え方です。  これを積極的に普及させたことにより、これに自分は提供したくないという意思を書い ている人が携帯していないことによって、家族がそのカードの存在を知らないがゆえに、 先ほどこういう例は少ないだろうとご指摘がありましたが、レアケースであっても、移植 をしたくないという意思をこのカードに書いていたのだけれども、携帯していなかったが ために移植されてしまったというケースも、レアケースとしてはあり得なくはないわけで す。5年後にはこのカードの位置づけが非常に曖昧になってきます。  その5年後のところを見据えて考えたほうがいいとすれば、基本的には健康保険証と運 転免許証に書くことをスタンダードにする、基本はそれだと思うのです。このたたき台の 中にもありましたが、スペースの制約がありますから、書ける書けないというのが出てき ます。だけど、もう1つ本質的には、これは絶対に書かなければいけないという項目があ るわけですが、それは両方事情があるので、どちらか一方に偏った判断はできないと思う のです。私は、シンプルならシンプルのほうがいいのだろうと思っています。  それから、現行のカードを見たときに、1.か2.か3.か意思を表示してください、○を付 けてくださいと言った上で、臓器を○で囲んでくださいと言っている。臓器を○で囲むに は、おそらく知識が要求されるわけで、これはものすごくハードルが高い。臓器を選ぶこ と自体が一般的には難しいのではないか。ただ、自分がこれは提供したくないのだという のは、それは自分なりに理由がある可能性があるから、それに×を付けるのは分かるので すけれども、二重に意思を問うているような感じが、現行のカードではするのです。そう いう意味で、もっとシンプルにできないのか。  つまり、今は番号に○を付けて、さらに臓器に○を付ける形になっています。番号に○ を付けて、臓器に×を付けるだけでもいいのではないかという感じがするのです。先ほど の大久保班員のお話で、臓器のリストアップが今後どう変わるか分からないけれども、臓 器がリストアップされていると、こういう臓器が移植されるのだなというイメージがある ので、それはそれでいいのかとは思っています。それが非常に大まかな話ですけれども、 私が感じているところです。 ○篠崎班長 その論点について皆さんのご意見はどうですか。 ○黒田班員 児童・生徒は運転免許証も健康保険証も持たないので、5年後であっても意 思表示をするのであればこちらのカードが有効だと思います。これを全くなくすのはかな り心配だと考えます。運転免許証と健康保険証の両方に違う意思表示がされていた場合に は、どのように扱われるのかが心配でいまお聞きしていました。 ○篠崎班長 前者については、成人でも運転免許証を持っていない方もいるでしょう。有 事の際に健康保険証のアクセスがない方もいるでしょうから、こういうカードをなくすと いう論点では誰もお話をしていません。ただ意味合いが変わるということで、積極的にこ れを進める、いままでのように進めることについての疑問点が発生するという点だと思い ます。なくすことはないということですね。 ○大久保班員 全然ないです。 ○篠崎班長 要点としては二重に選ばせる、これはよく考えると不思議なことです。現状 で、社会で問題視されて大きく報道されたり何だりということは、なかったように記憶し ているのですが、ネットワークの統計を見ても、例えば臓器には○があったけれども、1 番に○がなくて提供できなかったということがありました。これも道義的に見て、一般常 識的に考えて、このカードを持っていて臓器に○が付いていて、署名までしてあって、1 番に○がなかったからといって、かなりの割合で提供できなかった例があったと思うので すが、その点について雁瀬班員はどうですか。 ○雁瀬班員 確かにありました。あとは、数字に○はあったけれども、臓器に○がない、 どう判断するか。複雑で、事例ごとにどう解釈していくかというのは非常に困難を要した ことがあって、その様式としてこう書かれたときにはこういうふうに解釈していきましょ う、という拡大解釈を議論していただいた後は、本人の意思を、家族からのヒアリングに よって補足して解釈できるような形になっていると思います。例えば、署名年月日も生年 月日を書いてしまって、これは有効ではないではないかというものも多かったように思い ます。 ○篠崎班長 先ほど石川班員からも出たように、臓器の名前がここに列挙されているとい うのは親切だと思うのです。もう1つは教育的なところで、これは大久保班員から出まし たように、いま既に海外の例を見ると、心停止下での肝移植の研究例、最近では特に心停 止下での心臓移植ができるのではないかということも、国際学会ではかなり議論になって いますので、いつそこに付加されるか分からない。今日のを持っていて、例えば来年から できるようになった場合に、それは心停止下では絶対に活かされないことになると、これ はまた問題なのかという気がします。長いスパンで見たときに、有効性の担保をできるも のということがたぶん重要なのかなと。  それに絡んで黒田班員から出た、たぶん2種類のものがあって、違う意思があった場合 というのは現状でもあり得ることで、これは間違っていたら指摘していただきたいのです が、署名した年月日のいちばん新しいものを最終の意思として、今は扱っているというこ とで間違いないですね。 ○大久保班員 間違いないです。 ○篠崎班長 皆さんの所にもサンプルがあると思うのですが、それを読み返してみると1 番で、「私は脳死の判定に従い、脳死後移植のために○で囲んだ臓器を提供します(×を付 けた臓器は提供しません)」と書いてありますが、これで○も×も付いていなかったものの 扱いは大変です。現状では意思が定まらなかったのでということになります。施行後はど うなるのかというのは別問題だと思います。いまは施行後を踏まえてご議論いただいてい るので、施行された場合、例えば○と×と両方並記する。どちらかを付けろというのでは なく、どちらか。サンプルを並べるのであれば、臓器を並べて、提供したくないものに× を付けてくれというほうが理解しやすいのではないでしょうか。 ○大久保班員 もし臓器の名前を入れるのであればね。×が付いているのであれば、先ほ どの話ではないけれども、心臓ができるようになっても、×がないわけだからできる可能 性はありますけれども、○をというと、積極的に○が付いていないから駄目だという話に なったときに、それは今後の問題として非常に難しいです。  いまの話ならいいけれども、今後7月17日以後にこの新しいものを配布したとして、こ れまた5年とか10年ではないけれども、少なくとも長い期間持つ。私が持っていて家に置 いているカードは10年ぐらい前のカードです。そういうカードはずっと残りますし、毎回 毎年書きませんから、ある程度長いスパンで、5年ぐらい先まで考えてカードは作らない と、次のカードをいくら新しく作り換えたとしても、前の古いカードがずっと生きてきま すから、その辺も考える必要があると思います。 ○篠崎班長 長期的なところで、施行時のことについては議論するのですが、将来的なと ころについてどうするか。石川班員からも出たように、運転免許証にこんなのが書けるわ けがないわけです。海外の例を見ても、私がアメリカで最初に運転免許証を取ったのは 1970年代でしたが、その当時は裏側に手で書くタイプで、10年もしないうちに自分の顔写 真の横に「ドナー」と印刷されてしまいました。  そのときの自己責任といいましょうか、運転免許証はそうそう変わりませんので、運転 免許証が変わらない間に意思を変えないという責任を同時に問うているわけです。その辺 も考えないと、今日変えたからというのは自己責任のところにも関わってきます。これは、 本人が自分で考えられることですので、その辺のところもある程度社会性として考えてい かないと、システムとしては成り立たないのかと思います。これは将来的な話をちょっと しました。  現実的なところに話を戻します。現状のカードで、おっしゃるように○も×も両方付け させる。提供したいものは○、提供したくないものは×を付けろというのは、システムと して不親切ではないかというご意見ですが、その点について皆さんも同じようなご意見で すか。 ○小野班員 私はちょっと違います。現場で混乱が生じるのは、本人の意思と家族の意思 が違う場合です。ドナーと表示している本人の意思がはっきりしていれば、何の臓器でも 提供できます、ということは現場ではきちんと説明させていただきます。それでは、いま の7月より前の段階の日本のシステムで、このカードが残っている現状においては、その 亡くなる方がどういう意思を持っていたかということは、きちんと把握したいというのが 現場の意見です。  これは摘出側、もしくは移植される側の方々において、その数の増加とか安全性の担保 についてはいろいろ議論があるかもしれませんが、ドナーが発生する救急救命センターに おいては、終末期の本人の意思が何であるかということはきちんと把握したい。このカー ドが○×ということで混乱が生じるというのであれば、もうちょっと分かりやすい方法で 表記する。スペースがないのであれば、先ほど大久保班員がおっしゃったような形で、該 当する1.、2.、3.の○で囲んだなどという文章は外側に外してしまってもいいのではない でしょうか。それはパンフレットから矢印を持っていってそう書いてください。  最も大事なことは、誰がこれを普及啓発をするかということです。どういう方法で普及 啓発するかということです。石川班員がおっしゃった数の問題ではないと思っています。 このカード自体は、まさに遺書というか、亡くなる方の最後の気持ですから、この方々に どういう形で臓器提供が行われるのかとか、どういうことが移植の本質なのか。いちばん 最後の資料にありますとおり、国民がいちばん知りたいのは、移植医療の安全性です。カ ードが配られることではなくて、本人がいかにその事実を知るかということが大事なので、 誰がどういう形で普及啓発をするか。そして大久保班員がおっしゃったように、将来にわ たっては、よりシンプルな形でいい。そのためにはきちんとした説明をコーディネーター がしていくことが大事だと思います。 ○篠崎班長 いまのご意見について何かありますか。 ○大久保班員 おっしゃったとおりで、この80%というのはずっと変わっていないです。 理解が進んでいないわけではなくて、具体的なことが分からないのです。臓器提供に対す る具体的な説明が一切ないので、一般的に言うと、いまだに2年ほど前に我々が名古屋の 街頭でアンケート調査をやっても4割ぐらいの人が、提供した人がお金を貰っているので はないかと思っているのです。全く無償であるとか、もちろんここに、どういう形で身体 を返しますということが書いてあっても、一般的な問題としてはほとんど伝わっていない のです。  昨日も厚生労働省の方と話をしていて、前回とパーセンテージがほとんど変わらないと いうのはなぜなのだろうか。知りたいということ、知らないこと、関心があることが。非 常に具体的なものがイメージとして湧いてきていないのだと思うのです。だから、結果と して臓器移植というのは分かるし、臓器を提供してもいいよという人が半分もいるのだけ れども情報がないという状況なのだと思うのです。その辺のところの普及啓発作業班とし ては、一般の方に具体的なイメージとして臓器提供、臓器移植というのを知ってもらう努 力をやらなければいけないし、それを国なり自治体が中心にならなければいけないと思う のですけれども、どういう形でやるかというのは非常に大事だと思います。進んでいない というのはそこだと思います。 ○篠崎班長 カードから端を発して壮大な話になっていますがすごく大事なことです。今 回事務局が用意した事務局のツール、免許センターにあるジャクラビジョンという名前を 初めてここで知りました。いま行政側で用意できるツールは限られていると思うのです。 この班で検討したいのは、そもそもどうあるべきなのかというところも含めて、我々はそ のための作業班だと思いますのでご議論いただきたいと思います。施行に向けてというこ とでは、時間的にも予算的にもということがあると思うのです。施行だけではなくて、事 務局の今後のスケジュールを見ますと推進月間云々とあります。  そもそも我が国における臓器移植に対する普及啓発、あるいは教育という面でもせっか く黒田班員にも来ていただいていますので、どうあるべきなのか、何をすればもっと国民 に伝わるのかを真剣に考えなければいけない。話は戻るのですが、カードに何が書いてあ るかとか、このパンフレットに書く瞬間に何を見るのか以前に、もう少し人生観であると か大きなところから始まり、臓器移植の安全性のことであるとか、ニーズがある患者がど のぐらいいるのか。我々も厚生科研のドナーアクションのデータを見ても、医療従事者で さえ80%以上が、日本で臓器移植の待機をしている人が1万人以下だと。50%以上の医療 従事者は5,000人以下だと答えているのが現状です。その認識が低いというのは、とりも なおさず普及啓発、あるいは教育によるものだと思うのです。このあり方というのは、こ こで議論して結論を出しても、できることというのは限界があると思いますが、ある程度 しっかり議論すべきことだと思うのです。  もっと言わせてもらうと、海外との比較とか、アメリカでも国の機関であるハーシャー は、FDAが規制をかけると同時に、ハーシャーのほうではプロモーションしているのです。 こんないいことがある、例えばユーノスという臓器ネットワークのようなアメリカの機関 がありますが、そこに対する広報をかなり大きなバックグラウンドで支援しています。そ ういうモデルもその有効性、可能性、日本での有益性について、皆様のエキスパートとし てのご意見をいただきながら議論を進めていきたいと思っています。  それは本日の論点よりちょっと膨らんだ形になるので、次回、次々回、あるいは10月の 普及推進月間に向けての話、あるいはそもそも論の普及啓発に関したところで議論をいた だきたいと思うのです。また現実に引き戻して申し訳ないのですが、とりあえず今回この カード、健康保険証、運転免許証に関する意思表示の方法というのは、可能な限りシンプ ルであるべきである。  一般的な国民の皆様が理解している範囲で、先ほど大久保班員から出た意見では、臓器 ごとに理解して、臓器提供しようと思っている方がどのぐらいいるのか。要するに考え方 の問題だと思うのですが、臓器提供ということは一般にいいと思って、臓器を提供しよう という方が、これは私の個人的なことを言わせていただいているのですが、一般的には多 いのではないかという気がします。調査がないので、いまは何の結論も言えませんが、小 野班員がおっしゃっていたことはそういう内容で、一般的には臓器提供というふうに思っ ていると。ただ知識があって、この臓器はいろいろな理由で提供したくないという場合に 意思表示ができるのはいいと。 ○小野班員 それは臓器提供と法律に書いてあるとおり、臓器とは何であるかと明記され ています。 ○篠崎班長 先ほども意見として出ましたが、書いてあることの意味はある。それに○を 付けさせることの意味よりも、書いてあって何の臓器が移植できるのか。将来的な医療の 進歩によって、例えば心停止からの心臓、肝臓が出た場合なども、あえて書いていないか らできないということがないし、×を付けるほうがいいと。その点について反対意見なり 賛同意見はありますか。 ○小野班員 追加しますと、私は大久保班員の意見に賛成です。さらに、医療がどんどん 進んでいく中で、臓器提供でいろいろな場面で提供できるものが変わってくるだろうとい うのは私も理解できます。そのときのカードの記載内容が変わっていっても悪くない。加 えて大事なことを私はずっと思っているのですけれども、それよりも表面の絵柄はいつの 年代に書いたものかということがきちんと分かるように、何かの印もしくは色が必要です。 そうしないと、臓器提供の現場で脳死になった患者がいた場合、家族が突然カードを書い たりするということがあり得ます。本人が書いたものではなくて。だから、本人がいつの 時代に、どのカードに書いたかが必要なために、この表面に天使のデザインがありますが、 何年発行ということはしたほうがいいような気がします。 ○大久保班員 数字を入れるだけでもいいわけですね。 ○小野班員 数字だけ入れてもいいです。 ○大久保班員 だから、10の前半だったら10-Aとか、10の後半だったら10-Bとか。 ○小野班員 神奈川県で症例があったと思います。脳死になって、家族が「カードが見つ かりました」と言って持ってきました。そしたら、全然年代が別のもので話が食い違って いました。それは偽装だったわけです。表には出ていないと思います。 ○石川班員 7月以降、本人が意思表示しない場合でも、家族が決められるというケース になった場合はどうなるのですか、カードは必要ないですよね。 ○小野班員 そうですね、そのときにはもしかしたら必要ないかもしれません。本人の意 思カードが存在する上では、やはりそれが必要かと思います。 ○石川班員 本人の意思を偽造するのはけしからんと。 ○小野班員 そういう話です。 ○大久保班員 親族の提供のときにも偽造の話がいちばん大事でした。だから安易に作っ て、後で○をパッと書いたらできるというようなことだけはやめてくれ、というのが法律 家の話でした。だから、偽造の問題というのはずっと付いて回ることだと思うのです。 ○篠崎班長 そうですね。 ○大久保班員 臓器提供したいということでカードが出てきて、それを偽造して持ってき ても、今度はそれがなければ別に、本人の意思はありませんでしたが提供しますというこ とはできる。提供したくないというので、提供してあげないのに○をしたものを持ってく る可能性が今度はありますよね。 ○篠崎班長 もう1回その話の延長で将来的なことを言わせてもらうと、おそらく先ほど 言ったレジストリーというか、登録ですね。いまのネットワークで登録をするとこれを送 ってくるのではあまり意味がなくて、登録というものがどうあるべきなのか。それこそ登 録をした医師が万が一のときに、ちゃんと確認できる制度がなければ、これは登録ではな いですよね。ですから、それについても議論を深めていただきたいと思うのですね。ただ、 7月以降のことを言えば、いま石川班員から出たように、これがmust、必要十分条件では なくなるということを考えると、やはり一般の方に知っていただくツールとして、パーセ ンテージが低くても、特に未成年者就学児で免許証も保険証もない方には、自由だと思う のでツールとしてはいいと。  もう1回現実の話に戻ります。記載内容が難し過ぎるから、逆に理解を浅くしている。 あるいは理解できないようにしているのではないか。あるいは見たときにちょっと分から ない。私もときたまあるのですが、これではなくて、あまりにも記載内容が難しくて、種 類が多すぎて読まなくてはいけないと、読んで、ああいいや、今日はと言いますよね。判 断をすることにギブアップしてしまうのは、説明が多過ぎるとまずい。  逆に言うと先ほどの親族提供ではないけれども、理解できないのに意思を出すのもまず いというところが、それがバランスですね。水準として、理解度、普及啓発教育の問題と ご理解いただいたことの、本当の意味でのインフォームド・コンセントが成り立っている のかというところのバランスだと思うのですね。  例えばいま臓器提供をしますと、アメリカのようなドナー、臓器提供者、希望者という だけなのは、ちょっとまだ時期尚早なのかなという印象を持っているのですが、時間的に 将来的には変わっていく可能性がある。いまでもこれはちょっと不親切ではないか。◎、 二重肯定しないと臓器が提供できないシステムは不親切ではないかというご意見です。す ると○を付けることはやめて、とにかく否定なものだけ、臓器をリストアップしておいて、 ×を付けていただけるようなシステムのほうが親切ではないか。その点についてはどうで すか。 ○辺見室長 前回の会議でもこの範囲について、私から発言をさせていただいたのですが、 確かに○で囲んでください、×を付けてくださいというのは、手続的には手間がかかるも のでありますというご指摘は、そのとおりだと思いますし、カードの記載内容はできるだ けシンプルに分かりやすくすべきである、という点の方向性については全くそのとおりだ と思います。  前回私が申し上げさせていただいたのは、「臓器」と言ったときに、臓器移植法の定義さ れている臓器なのか、それ以外の組織も含めた広い意味での概念なのか、そこが「提供し た臓器をあげてください」と言われた人たちにとって、どちらなのか両方あり得るとする と、「私は提供したくない臓器はありません」と言っている人が、この7種類のものについ て「全部いいですよ」と言っているのか、それとも全てのものについて「いいですよ」と 言っているのか、本人の意思が分かりにくくなりますということを、前回申し上げたつも りです。  一方でこのカードをしみじみと見て、○を付けなくていいです、×を付けた臓器は提供 しませんとしたときに、いまの私の定義の話というのは、その他の括弧のところが微妙な 位置づけになってまいりまして、7種類について×を付けた場合には、その臓器を提供し ませんというのは、ある意味で明確なのですが、その後ろに付いている「その他」という のは、「その他」に×が付いていない場合は、その他は提供してよいと解釈するのか、それ とも「その他」というのは、その他の中身に何かを書いてくださいという意味だったのか。 その他のうち骨だけ嫌な場合には、「その他」に「骨」と書いて×を書くという話なのか、 その辺りの細かい話ですが、運用上の問題は出てくると思います。  したがいまして、方向性としては非常に重要なご指摘だと思いますが、これをどういう ふうに変えていくかということについては、いろいろな側面から検討をした上でのほうが いいのかなというふうに考えているところでございます。 ○大久保班員 いまの議論で○を付ける。全く一緒だと思うのです。骨とか皮膚、各部位。 骨は書いてないのだから基本的に臓器でもないわけでしょう。ここのところをどういうふ うに思っているかは、実は誰も分からないわけですよね。これはだから○を付ける。いま の状態でも分からない。  それを反対にいま言ったように、では、×を付けたものだけは提供しませんとなったと きにでも同じことであって、○を付けない×だけにしたとしても、それ以外のことについ ては、結果的に誰も分からない。本人が骨とか皮膚を提供したいとか、提供したくないと かと書いていれば分かりますが、現状ですら分からないし、今後の問題でもどちらにして も結果的には、それ以外の臓器については分からない。最終的にはそれは家族が決めるし かない。方式が変わったとしてもそれは変わらないと思うのです。  基本的には家族が骨まで提供するか、提供しないか。それから皮膚も提供するかしない かも最終的には家族が決めなければいけない。これはいまの状態でもそうですし、今後も 変わらない。これは○で囲んでなおかつ×を付けなさいとしても、反対に×だけにしても 変わらないと私は思います。 ○篠崎班長 大久保班員に質問をしたいのですが、例えば今回、家族が臓器提供をする、 しないの意思を言えるわけですね。家族だからある程度理解している。人間も哲学も分か った上で、家族が判断できる状況にした場合、例えば自分の家族が分からない。普通一般 に見たらイエスなのかノーなのか分からないかもしれませんが、家族だったらある程度、 書いてあることによって理解できる。これきっと嫌だという意味で書いたのか、イエスと いう意味で書いたのかぐらいは理解できるという意味で、家族が選択する場合でも「その 他」の扱いがあってもいいのかなと思います。 ○大久保班員 「その他」の欄は絶対置いておいてもいいと思うのだけれども、要するに ○を付けた状況で臓器を提供し、×を付けた臓器は提供しませんという記載にしていても、 基本的に皮膚だとか骨については誰も分からないですよ。それからこれを反対に×を付け たものは提供をしませんというだけにしたところで、結果として、骨についても皮膚につ いても記載がなければ結果は分からない。基本的には家族が決める。だから、どちらにし たからって、それ以外の臓器についての不都合が起こるとは私は思わない。  基本的に今度の法律は何がいちばん変わったかというと、要するに拒否のものをどう尊 重するか、どう拾うかなのです。提供する、しないも含めて、臓器も含めて、いままでは イエスをどう拾うかだったのですが、これ全く変わっているのです。あそこにも書いてい ますが、拒否の権利をすごく言われていて、あの国会答弁でも拒否のことだけ、あれだけ 言われているわけですよ。だから拒否している人をどう拾うかということが、すごく大事 で、そこを重点に置くべきだと。いままではイエスですが、今回は拒否のものをどう拾い 上げるかが非常に大事だと思います。医師として。 ○篠崎班長 そうですね。それも出だしに海外でも普及しつつある、いわゆるオプティン グインの国でさえ、インドナーレジストリーを始めているというのは、いま大久保班員が 言われたとおりだと思います。嫌な意思のほうを国として明確に押えておく、そこのレジ ストリーをどう使うのか、これも大事なポイントで、これは先ほどいった調査が進んでい ますが、やっても全然臓器提供が伸びない、生かされない国というのがあります。ですか ら、その辺の調査をする必要があると思うのです。本当にこの考えの法律でいちばん大事 なのは、ノーの意思をどう生かすのかというところに、我々は目を向け直さざるを得ない 重要なときだと思うのです。  なぜかというと、やはり本人の意思というものがあったわけですから、それがすごく重 要であり、かつ、それを家族が決めなければいけないという時代がもう来るわけですから、 その際に本人がどう思っていたか。先ほど小野班員からもあったように、現場でもまずそ れを知りたい。それに従って家族にも話ができる。そこで家族が拒否する、それは権利と して残されるのだと思うのですね。そういう概念があって、このカードに関しても検討課 題として簡易化する理解を進めるということと同時に、そういったノーの意思を明確に拾 い上げるべきではないかという方向で、皆さんにご議論をいただいたということでよろし いのでしょうか。  その件も上の委員会にも、できればきちんと附記した形で上げていただくと。なるべく シンプルにすると、または今後の施行においてノーの意思を十分生かせるような施策にし ていただきたいということです。何かほかにありますか。 ○石川班員 シンプルにするという点については何ら私は異存がありませんが、この7月 以降の施行で、ノーをどう拾い上げるかというご指摘で、更に言うと普及啓発の環境が全 く変わるわけですね。先ほどの話でもちょっと指摘させていただいたように、保険証は既 にあるのですね。運転免許証だとか、自動的に配られるものにも意思を記載するスペース が漏れなく付いているわけですよね。この意思カードそのものと言ってもいいものが、自 動的に付いてきちゃうわけです。だから説明書さえしっかりしていれば、ご自分の意見、 態度がはっきり表明できるわけです。  いままではカードをどこかで取らなければいけなかったのですが、そうではなくて送ら れてきてしまうわけですから、ある意味でこれは強制なのですよ。こんな普及啓発という のは実はないのです。新型インフルエンザだってそんなうまい普及啓発はできません。自 動的に送られてきてしまうというのは、意思を表明するように、ある意味で求められてし まうということです。5年後にはほとんどの運転免許証が、意思を表明するようにという 欄を持ってしまうわけです。そうすると、どこに置いたら有効にカードを取ってもらえる かしら、と考えなければならない環境ではなくなって、自動的に送られていくものに対し て、どういう説明をプラスしましょうかという環境になってくるので、まるで環境が違っ てくる。  いままでのマニュアルはほとんど記入マニュアルなのですね。マニュアルをカードに附 属させていたのですが、記入するための解説ももうあまり必要がないと思います。以前お 作りになったリーフレットを見ますと、相当程度説明ができていて、こちらのほうが私に は望ましいかなと個人的には思ったのです。これはまだいろいろなカードがなかったから 記入方法の説明をする必要がなかったのでという話でしょうけど、今後は免許なら免許、 保険証なら保険証で、カードのあり方が非常にフィックスできるわけだから、その人たち にはこういった説明の十分行き届いたリーフレットなり何なりをお送りすればいいのでは ないか。記入が分かりやすいとか何とかというレベルは、乗り越えているという感じがす るのですね。むしろ臓器移植についての説明が試される。  先ほど基本的にノーを表明するために、例えば免許証に「ドナー」と記載されてしまう のは、時期尚早ではないかというお話がありましたが、それはもう明らかで、十分情報が 得られているとは思わない。83%の人がまだ情報が不十分だと言っているときに、いきな り免許証に「ドナー」というのはあり得ないですよね。アンケート結果として、もう十分 に情報が得られていると思うという人が80%だったらまだ分かりますが、今後はカードの 所持率だ何だとかと言うよりも、ここがいかに上がっていくかというところに最大の眼目 があるのだろうと思います。  では何が十分得られていないかというと、その下の項目で、臓器移植の安全性とか費用 とかについての説明です。ですからごくごく基本的なことをいかに分かりやすく説明する かだし、あと自動的に意思表示の欄が免許証とかに付いてしまうのですから、半強制的な 普及啓発を行うことになるということを考慮する必要があると思います。  できるだけ分りやすくまとめるというのは、多くの人に「1冊専門書を読んでください」 と言ってもそれは無理なのです。ほとんどの人はたぶんそういう時間がないのだろうと思 います。だから3分とか5分とかでも、基本だけのセットを正しく理解できる。間違った 理解にはいかない。そういうコミュニケーションの経済性というか、各人にとって時間は 非常に大事なので、それも考えた上でのメッセージというか、コンテンツというものを構 築していかなければいけない、という段階に入っているのだろうと思います。 ○篠崎班長 非常に貴重なご意見で、逆に言えば、これは7月施行までは脳死過程の臓器 提供によって、必要十分条件であるはずのカードは、我々携帯義務もなければ、強制的に 送り付けられて来るわけでもない。この意思表示をするかしないかは自由にせよ、これを 持つということの法律で定まっている義務があったと思うのですが、それがなかった。  逆にこれが必要十分条件ではなくなった瞬間に、皆さんに送り付けてくることになりま すと、普及啓発の点では非常に素晴らしいでしょうし、ただ、同時におっしゃるとおりマ ニュアルではなく、この意味を理解していただく時期が、ようやくスタートするのかなと 思います。ただ、マニュアルはマニュアルで必要だと思うのですね。意思があるのに、臓 器提供の意思があろうがなかろうがの誤記載を避けるためのマニュアルであったりという ことは、特に親族優先もありますので重要だと思うのですが、マニュアル以前に臓器提供 というものが、どういう意味があるのかと、何が起こるのかということを説明するのはす ごく大事だと思います。これはたぶん異論がある方はいらっしゃらないのではないかと思 いますがいかがですか。当りまえと言えば自明の理です。 ○小野班員 当りまえですね。ポイントは病院内もしくは県で普及啓発をして、医療者側 がその情報教育を受けた場合に、どれぐらい理解しているか。先生もご理解されていると 思いますが、一般の方を考えれば半強制的に送られてくるというこの情報やパンフレット ですが、とても理解できるとは思えないと私は思っています。 ○篠崎班長 ですから、そこの教育がまずありきであると、それはたぶん根本的に同じこ とだと思うのです。ですから、こういうものでいま出来るこの内容はどうするかというこ となので、ここには誤記載を防ぐようなマニュアル、プラス、少し臓器移植が分かるよう なことも書くべきであると。あるいは別であってもそういったものも積極的に配布し、周 知徹底するべきであると。先生がおっしゃるように、逆に言うと医療従事者に関しても、 ある程度のちゃんとしたツールなり教育手段を持つべきである。これ医療従事者が結構多 いので、逆に一般国民に対してというか、教育過程においてでもいいのですが、その辺の 教育の重要性がいま議論されていると思うのですが、それについて黒田先生何かご意見が ありませんか。 ○黒田班員 いま小野さんが言われた医療従事者もよく分かっていないということですが、 私たちはそんなことは思っていなくて、普通にはみんなどのお医者さんも知っているのだ と思っているところで、いま聞いてびっくりしたのです。 ○小野班員 逆に臓器提供なんてやるべきではないというドクターだって多いわけです。 耳をふさいでいる医療スタッフはいっぱいいるわけです。 ○黒田班員 そういうことですか。 ○小野班員 それなのにこういったいろいろなツールを使って、国民の方々に理解をいた だくことがどれほど大変なことか、そして何年間も全く意思が変わっていないということ が、どれだけ移植を待っている方々を不幸にしているかということだと思っています。で すから先生、教育というところで、たぶん学校でいろいろなツールを使われるように、我々 もそれを使いたいと思いますし、学校教育とは言いますが、我々から言わせれば医者の教 育がまず第一、そのようにも思っています。 ○篠崎班長 今日は欠席ですが、今回の法施行においても、有賀班員から救急関係のホー ムページの活用とか、積極的にご協力をいただけるようになってきましたし、国民が臓器 移植についてのご理解を示してきているわけですから、医療従事者に関してもここ数年で 救急側の先生がここまで積極的に、こういった委員会にもおいでいただいたり、法律に関 しての周知を学会のホームページを使ったりしてくださったようで進んでいると思います ので、そういったところもうまく活用しながら進めていくことで、将来の普及啓発の手段 等については、後々にもこれ議論を深めていきたいと思います。  今日の議論に話を戻させていただきます。先ほどの議論をいただかなくてはいけないと ころで、その1つがなるべくシンプル化するように委員会にも上げていただくことと、や はり大事なポイントで、このカードの持つ意義、意味というものが、改正法施行後は変わ るので、その辺についての、1つは意思表示の仕方、あるいはそれに対する普及啓発の仕 方、ツールに関しても、もっと考えるべきであるというのが1つです。  もう1つが細かいことになって申し訳ないのですが、運転免許証・保険証等における記 載に関しては、記載書式ということで現状のものがありますよね。その備考欄を設ける、 これ前回も話したと思うのですが、これはいまでも読めないのに、ここにまた新たに備考 欄と書いても、備考欄という字すら読めないような気がするのですが、たぶん備考欄が必 要なのは親族優先の話だと思うのですが、その点について皆様どういうご意見でしょうか。 ○大久保班員 備考欄は親族提供だと思います。全部臓器を書くのであればですね。 ○篠崎班長 ですから逆に、保険証とかに関しての必要性。先ほどのカードの話に戻しま すと、書き方のサンプルをどこかに書くべきであるというのがありましたので、これをご 覧いただいて、こういうものをお配りする場合のシールがありますよね。そこにいうなり、 免許証のときにパンフレットにこの辺に書けますということを書くなり、ご指示するとい うこと。要は備考欄を設けるか設けないかだけです。 ○大久保班員 これは備考欄ではないですが、署名欄の上に空いてはいるのですよ。そこ に書けないことはないです。 ○篠崎班長 ですからそこに書いたサンプルを示しているとかですね。 ○大久保班員 書くことはできます。それから、1つずうっと思っていたのですが、今度 の法律が変わったので「脳死判定に従い」というのがいるのですかね。本人、脳死判定の 承諾というのは、あれ家族が承諾するかどうかという話はあるけれども、本人が脳死判定 を承諾するということ、今回の法律で確実に必須になっていますか。これ書いていません けれども。 ○篠崎班長 事務局、法的解釈はどうですか。 ○大久保班員 脳死判定について家族の同意が必要だというのは出ていますが、それ以外 のところで、脳死判定について本人が承諾しているかいないかということは、法律の中に はないのだと思うのです。その辺、確認なのです。脳死後提供しようと思ったら、脳死判 定をしなければ提供できないのだから、脳死判定を承諾するか、承諾しないかというのは 家族のところではあるけれども、本人のところで脳死判定自体を本人が承諾しているかし ていないかというのは、無意味ではないかなと思います。脳死判定を承諾しないで脳死カ ードの提供なんかできないわけだから、脳死判定をするかしないかというよりは、これ当 然脳死後で臓器を提供しますというのと、私は心停止後で臓器を提供しますという、どち らかの2つでいいのだと思うのです。ここの部分が前回というか、いまのあれと変わって いないのですけれども。 ○辺見室長 お配りしている紙ファイルの第3項の写しをご覧ください。 ○大久保班員 これいちばん最初の臓器の摘出のところに、医師は死亡した者の生存中、 臓器の移植用に使用するために、提供する意思を書面により承知している場合であって、 その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき、または遺族がないときは、 この法律に基づき、移植用に使用するための臓器死体(脳死したものの身体を含む)以下 同じから、摘出することができると書いてありますから、そこには脳死判定自体のことに ついては書いてますけど。これまだ第3項に残っているので、これを残しているのか。こ れ第6条の第3項が残っているので、そのまま残している。分かりました。この第3項の 文言を削らないでそのまま残したのだ。できるだけ変えないように。  ○篠崎班長 まあ、いいでしょう。そこもよろしいですか、いまの間違いないですね。 ○長岡補佐 はい、現行法において、脳死判定を行うには、ご本人が臓器提供の意思を表 示している場合であって、脳死判定の意思に従うということを更に表示していただくこと が必要です。この規定については、法律第6条第3項が残っております。  新しい場合は、第3項の第1号となりますが、前項の判定に従う、この前項の判定とい うのは、脳死判定なのですが、脳死判定に従う意思がないことを表示している場合、つま り脳死判定に従うかどうかの意思が不明な場合、この場合はご家族がその判定を拒まない ときに脳死判定が可能ということになりますので、法改正後は第6条第3項第1号の脳死 判定を行うことが可能となる要件部分については、脳死判定に従うことのほかに脳死判定 に従うかどうか不明な場合も加わるということです。 ○篠崎班長 ということは、一応それもこの記載項目に関わってくることなので、法律に あることはそのまま書いていただく。よろしいですか。それ以外でもう1点、備考欄のこ とと、先ほど問い合わせ先が裏にある必要がないとおっしゃいましたよね。おっしゃると おりですよね。あと、できればその期間も書いたほうがいいのではないかというご意見も いただいたので。 ○大久保班員 だから表紙に書けるところは表紙に書いて、少しでも裏の部分の字を大き くするところは考えたほうがいいと思います。 ○篠崎班長 これも確かいろいろな地域版といいますか、球団バージョンとかいろいろな のを私見たことがあるのですが、あの場合の例えば表のデザインに例えば連絡先、URLを 書くのはいいと思うのです。電話番号を記載してくださいというような。 ○雁瀬班員 あります。それで図柄は変えることができるけれども、必須項目として、こ れは臓器提供意思表示カードですということ。それから厚生労働省と日本臓器移植ネット ワークが定めている書面である。その裏面は絶対に変えないということですね。ドナー情 報を全国共通連絡先というのを必ず入れていただいています。発行団体が変わるというこ とですね。  ですので、今後いろいろな団体が自分たちの周辺に対して、意思表示を広めようといっ たときに、私たちのほうに聞いてくださいますので、これは入れてください、これはこの まま印刷してくださいということは、お伝えできると考えています。 ○篠崎班長 資料2の3頁にありますサンプルを見て話していますが、表面はこの3つみ んな同じですね。何か違うのですか。 ○竹内補佐 同じです。 ○篠崎班長 同じで、 雁瀬班員が言われた発行元というのは、この場合でいうといちば ん下に書いてある社団法人日本臓器移植ネットワークというのが、このカードの発行元と いう意味ですか。 ○雁瀬班員 そうですね。 ○竹内補佐 カードの臓器提供意思カードという黄色い字の下に、厚生労働省・社団法人 日本臓器移植ネットワークと書いてありますが発行元です。このいちばん下の日本臓器移 植ネットワークというのは、ネットワークのホームページから移植に関する情報を得やす くするために入れました。いろいろ聞いてもらうためのツールということで、新しくでき ました。 ○篠崎班長 分かりました。やっと理解できました。そうしますと違う自治体等で発行を する場合は、厚生労働省・社団法人臓器移植ネットワークが、例えば何とか県であったり する場合がある。いま言っているのは裏側のいちばん下に入っているフリーダイヤルとい うのは表に書けるのではないかということで、逆にいうと、それをここで決めても他の発 行者の場合に、それを必須項目としてお願いできるのかということになってきてしまう。 それは事務的に可能なことなのでしょうか。例えばドナー情報用の番号の並びで、URLと 一緒に電話番号を書く。 ○辺見室長 この問い合わせ先として想定しているのが、このフリーダイヤルで、これ全 国共通ですので、発行元が何々県であったとしても、同じ番号を書いていただけることか と思います。それは既に健康保険証などに記載欄を設けている団体等で、このフリーダイ ヤルを書いているところも既にございますので、前例もあるということです。 ○篠崎班長 いまの議論は何かといいますと、3頁のイメージの中で、皆さんのご意見を 聞いていると、まず「パンフレットをお読みください」は、たぶんいらないだろう。なぜ かというと、ほとんどの場合がパンフレットは一緒だから。これご異論ありませんか。よ ろしいですね。次になるべく行を減らして、もう少し見やすくしようというアイディアだ けなのですが、すると、1番、3番ぐらいのイメージがいいのかなというところに落ち着い ているのかな。サンプルとして委員会に上げるのはいいと思うのですが、この委員会の意 見としてはいちばん下、かつ、このフリーダイヤルも表面記載にできるのではないだろう か。 ○黒田班員 ドナー情報用全国共通連絡先というのは、表に書いてありますよね。 ○篠崎班長 はい。 ○黒田班員 番号が違いますよね。番号が違うものが2つあったらどちらに。 ○篠崎班長 問い合わせ。ここがまた難しいところで、情報の問い合わせ、私もアイバン クをやっていますので分かるのですが、24時間ドナーが発生したときにもらえる電話とい うのは、実は1カ所なくてはいけなくて、それが表に書いてあるものです。後ろに書いて ある番号、1069のほうは事務所ですので、通常はネットワークに限らず世界中、9時〜5 時でやっているオフィスに問い合わせいただくようになっています。その番号です。 ○黒田班員 それは臓器移植ネットワークではないのですか。 ○篠崎班長 ネットワークです。 ○黒田班員 下の欄に臓器移植ネットワークのホームページの番号が書いてありますが、 そこに番号だけをフリーダイヤルとかと書くわけにはいかないのですか。 ○篠崎班長 そういう傾向でいいのではないかと思いますね。 ○小野班員 表にある共通連絡先、ドナー情報の連絡先22-0149はいるのですか。 ○篠崎班長 いります。万が一のときに連絡するところですね。今後たぶん必要だと思う のです。なぜかというと、こういう番号ってあちこちにあったほうがいいと思うのです。 先生、ちなみに裏側の記載のいちばん下はオフィス番号ですので、9時〜5時です。 ○雁瀬班員 そうです。9時〜5時半です。 ○篠崎班長 9時〜5時半に訂正しますが、9時〜5時半の電話番号で、夜中でも何でも、 あるいはどこの病院でも、医療機関で先生にこのカードを「はい」と見せられたときに、 どこに電話をしていいか分からない場合ってあり得ますよね。 ○小野班員 現場の医者のために書いてある。 ○雁瀬班員 このカードが医療現場に出てきたときに、知らせるところのフリーダイヤル。 ○大久保班員 先生の所みたいに臓器提供をしているところは知っているけど初めて出さ れたところは、どこに連絡していいか分からないから書いてある。 ○雁瀬班員 これは移植コーディネーターが24時間受け付けます。 ○篠崎班長 発生時用の連絡先というのがあるのですね。 ○雁瀬班員 でもやはり、いまみたいな議論をいただくと、2つあるということはどうな のかなと、いまふと思って。このパンフレット一体型ということがいま前提に少しなりつ つあるので、そのときにいまでもパンフレットには臓器移植ネットワークの電話番号とか、 フリーダイヤルからファックスの番号、ホームページまであるのですが、カードの中から 省くということは、シンプルにしていくということはパンフレットのほうで十分に話をし ていかなくてはいけない。そのバランスの適正な部分というのをご議論いただきたい。 ○篠崎班長 どうでしょうか。パンフレットで説明するのだから、一般的な問い合わせは パンフレットに書けばいいだろうと、正論ですね。 ○雁瀬班員 そこだけでも逆にいまどうしてこの2つがあるのというのが、ちょっと見え たものですから、やはりシンプルなほうがいいのかなと思いました。 ○大久保班員 パンフレットで、分からないときはここに電話しろみたいに、大きく書い てあればそれでいいとは思いますけどね。だからできるだけカードの字を大きくしてほし いと思うから、なるべく記載は少なくしたほうがいいのではないかなという気はします。 ○辺見室長 おそらくいまの電話番号の話は、書くか書かないかという話と、端的に言え ば裏はカードを提供の意思を表明したい方用、もしくは提供したくない意思を表明したい 方用。表はドナーカードを見つけた医療機関用ということが、役割が分かるように書くの は、それともどちらかいらないのだったら、いらないものは省くかということかと思いま す。  一方、そのカードを書く方用に問い合わせが必要となる場面は、先ほど私が触れました が、保険証にフリーダイヤルが記載されている事例がございまして、今後、保険証や免許 証について、こちらのカードは一体型にして、こういう形でやるようにすれば、隣りに電 話番号が付いていますというような工夫、要はその台紙に書けばいいという形ができてく ると思います。  一方で免許証や保険証を考えたときに、どうするのかという配慮も必要なのかと思って います。いま私どもがたたき台として整理したものが、そういったことに対応できるよう な書きぶりになっていないので、そういった点で書き直すべきところはあるかと思います が、考え方としては、これ用の話と免許証用の話と両面あるのかなと思っています。ただ、 一方で免許証とかにすると、今度また場所が少なくなるという話もありますので、そうい う意味で、どう効率的にしていくかという面はあるかと思っています。 ○大久保班員 いまこの健康保険証と、いま見本で置いてあるのであって3分の2もない ぐらい、6割ぐらいで、おそらく免許証だって半分ぐらいになるから、もっと厳しい状況 になる。これは家族の署名欄がなくなっていますよね。ここに当然、備考欄が出てきて、 備考欄を作らなければいけないというのがあって、そこにフリーダイヤルを入れると、か なり厳しい状況になってくるのではないかなという気はするのですよ。でも、これ以上字 を小さくできないでしょうね、見えない。 ○篠崎班長 いまその方向ではなくて、なるべく大きくしていく方向で、シンプル化でき ないか。ですからシンプル化するときに国民の誤解を生むような、あるいは誤記載を生む ようなことを極力避ける方向でいくということですね。その方向でご議論をいただき、ど うしても必要なものは書くと。 ○大久保班員 だから「提供する臓器を○で囲んでください」というのがなくなると、1 つ少なくなって、「提供したくなければ×をしなさい」になると、少し字が少なくなるかな という気はします。あと、備考欄をどうしても作らなければいけないから、フリーダイヤ ルを全部入れるのは、かなり厳しい状況になってくるのではないか。特に免許証と保険証 については。 ○篠崎班長 参考の5頁にいきましょう。この健康保険証と免許証に関してですね。これ 現状のもので、これもかなり小さい、カード以上に議論が必要なところだと思うのです。 現状では限られたスペースしかないわけです。これはどういうふうに行っていくのか。ち なみに今日の議論になっているのは、現状で家族署名がこの保険証ならびに免許証タイプ ではないと。それをいかがするかと。このままでいいのか、あるいはあえてそこに作るべ きなのかというのが第一の議論です。 ○大久保班員 場所がないので、これはちょっと無理だよね。これだけのことを入れよう と思うと。 ○篠崎班長 いわゆる普及啓発というか、意思を家族で知り合っていくという意味で、家 族欄ってたぶん重要なのだと思うのです。だからその提供の現場では今後家族が決めるこ とになりますので、その現場での家族意思云々ということには、特殊なケースを除いては たぶんならないのだろうなという気がするのです。 ○石川班員 カードを持っていますよということを家族に知らせておくという意味では、 これは分かりますが、免許証とか保険証は持っているかどうか分かりますよね。 ○大久保班員 そうです。すぐ出てきますからね。 ○石川班員 その意味で家族が「あの人免許証持っていたっけ」と迷うことは、たぶんな いと思うのですよ。現状のカードの場合はあり得ますね。だからなくても仕方ないのかな と。 ○篠崎班長 この下の2つについてはいかがですか、家族欄ならびに備考欄に関しては。 ○大久保班員 備考欄はやはりいるでしょうね。シールはともかくとして、シールはたぶ ん余白があるから、余白に書いてくださいぐらいで、健康保険証だとか免許証は基本的に 優先提供をどこか書く欄は、小さくても備考欄は作っておかなければまずいのではないか なという気はするのです。 ○篠崎班長 保険証にもですね、保険証に関して備考欄に関するご意見は。 ○大久保班員 シールは無理です。 ○篠崎班長 先ほどの議論だと、そこにはサンプルを示すということで。でも保険証の場 合もこういったものも一緒に配ると。 ○大久保班員 これだけあれば、ここに書けますよでもいいかな。 ○雁瀬班員 例えば協会建保さんが3,800万人でしたか。保険証に意思表示欄を入れて配 っていただいたのですが、その書き方とか、なぜこれが入ったかという説明がなくて、保 険証を入れて個人に渡す台紙に「臓器移植に関するお問い合わせはこちら」という電話番 号がフリーの、一般啓発用の番号が入って配られた。たぶん今回からこういう意思表示欄 が入っていますよというのは、その団体の保険証を受け取る例えば総務とかいうところは 知っているのだけれども、それが個人個人になかなかいけなくて、結局「この表示欄は何」 と言ったときに、保険証問い合わせ先がそこにないので、全部こちらにかかってくるとい うか、保険証についての質問もずいぶんかかってきた時期が多くて。保険証を配るときと か、免許証を配るとき、この免許証、保険証に対する問い合わせはこちらというのが、実 はあまりなかったりして、送り先の所在地とか電話番号が封筒にあるぐらいだったりする ことも結構あるのですね。  だから私としては、その意思表示欄が設置されたものが配られるときの、その同封文書 にうちのものを入れるのがいいのか、やはり保険証はこういう意味があって、こういう意 思表示欄を設置して、書くか書かないかはともかく皆さんこの注意書きを読んで、きちん と理解をして持ってくださいねという、それ自体の発行文書ですよね。そこに適切に入れ てもらうことも非常に大事だと思いますし、その発行されている新しいものではない方た ちが、年々少しずつ減っていくとして、いまこの免許証にどう表示していけばいいかとい ったら、私たちのものが手に入るということと、並行してその環境を作っていかなければ いけないと思うのですが、新たに意思表示欄の設置されるものに対しては、少なくともそ の発行元がそれを送るときに、ある程度の情報を一緒に入れていただければと思っていま す。そこについてのお取組みについても、一応こちらからも是非お願いしていきたいなと 思うのです。  そうすると例えば、シンプルにしていっても、ある程度新しいものについては、パンフ レットをきちんと添付されていって、今回の保険証とか免許証についての記載欄について、 理解をした上で書いていただけるのかなと思います。 ○篠崎班長 いままでのご意見を聞いていると大体2つのポイント。1つはこういったカ ードはパンフレット型でカードが取れるものにし、記載方法も含めてなるべく皆さんが間 違いなく理解できるものにしていくと。単なるマニュアルだけではなく、ある程度の臓器 提供に関する情報があるようなものにするのが望ましい。それが第1点。  第2点に関しましては、保険証ならびに小さい免許証等のものに関しては、それも極力 パンフレット等を一緒に配布する形が望ましい。したがって、保険組合等には依頼をして、 内容に関しても少し発行元が理解できる、普及啓発されている形で発行していただけるよ うな方向で努力をしていただく、こういうご意見です。これについて何かご意見がありま すか。 ○雁瀬班員 あともう1つ、例えば今後出るものに関しては、一体型だと。なるべくカー ドをシンプルにしてパンフレットに書けばいいという、そのバランスは先ほども大事だと 思うとお伝えしたのですが、例えば臓器はこういう臓器がある、それからその他、組織に ついてはこういうものが上げられると、その中で例えば提供したくない臓器があれば備考 欄にきちんと記載をしておいてくださいとかということで、共通に設けた備考欄が非常に 大きくて、例えばそこに親族優先と書いたり、提供したくない臓器・組織をきちんと理解 した上で書くということがどうなのか。 ○篠崎班長 まあ、備考ですので、組織提供云々のことも 逆に記載可能ですよね。それに ついて、どこまでどのパンフレットなりに関して書くべきなのかというのは、たぶんそれ は組合によったり、あるいは頒布元によって異なるでしょうから、全体として組織上も含 めて、こういったものが提供できるのだということを理解していただく。それも普及啓発 の一環だと思いますので、それも資料などを入れて一緒に極力依頼をしていく。例えば組 織に関しても組織委員会のパンフレットがありますから、例えば保険組合等に送るときに は可能な限りご協力をいただけるように依頼するとか。 ○雁瀬班員 それは基本的に意思表示カード、そういうふうにシンプルにするというとこ ろがどこまでできるか。たぶん臓器移植ネットワークはカードもパンフレットも実行部隊 になっていくので、そこを今後皆さんのご意見をいただいて決めていく、作っていく段階 です。 ○大久保班員 だから記載事項も保険者なり免許証も含めて、最低限これだけ入れてくだ さいというので、もしもスペースがあるのだったら、またもう少しこういう形で広げて説 明をしてくださいとかと作らないと、絶対これだけは入れてくださいということを書いて おかないと駄目なので、この辺をきちんと。 ○篠崎班長 先ほど石川班員からも時期尚早の問題が、時期的な問題というのがあると思 うのですね。今回は法律が変わって施行に向けてどこを周知しなければいけないのかとい うので、親族優先だけでもかなりご理解をいただくのは大変だと思いますし、その概念的 なといいますか、意思表示の方法、いままでの必要十分要件だったものから、家族の意思 表示が重要になってくるというところを、皆さんに周知徹底していただき、ご理解をいた だく作業が、たぶんいちばん大事ではないかと思うのですね。  ほかにも提供できる組織等がある、すごく大事な情報だと思うのです。それをいま一義 的にこれを配らなくてはいけない、最初のマテリアルの中に書くのかどうかというのは、 これ書くものの内容と、例えばこの大きさだったらたぶん無理で、この大きさだったら少 しぐらいは書けるのかなとか、いろいろあると思うのです。けれども、それよりも優先度 で、何が重要なのかということがパンフレットになってまとまると見えてくるものだとは 思うのです。それの議論も一応この作業班から親部会にある程度周知できるような方向で、 可能なかぎり提供できる組織等についても普及啓発を依頼していくというところでいかが でしょうか。  よろしければいままでご議論いただきましたが、話があちこちに飛んだのでまとめるの が大変かもしれませんが、事務局に総括していただいて、全体的には、とにかく誤解のな いようシンプル化していく方法でとりまとめていただき、可能なかぎり文字を大きく読み やすいものにしていただくということ、それが第1点です。  第2点に関しては、保険証・免許証等を配布する場合には、その配布元に対して、単な るシール等を送るのではなく、その際にパンフレット等の同封を依頼する、大きく分けま してそのようなところでしょうか。  あと、普及啓発の将来展望に関しては、この会もたぶんあと1回以上は必ずやること、 施行までに1回以上やることになっていますし、それ以降もこの会は続いていきますので、 皆さんに議論を深めていただきたいと思う次第でございます。あとはよろしいでしょうか。 ○石川班員 7月施行に向けて、先ほどどの情報を誰に、どういう優先順位をつけてきち んと伝達していくべきかというのがあったと思うのです。7月に向けてということで言っ たら、先ほどの小野班員のお話を聞いていると、やはり医療従事者というのは非常に大事 ですよね。つまり、いまこれにも書いてありますが、年間、脳死が7,000件ぐらいあると。 今後は亡くなるご本人の意思が残されていなくても、ご家族の判断で移植が可能になると いうことになってくると、これは現場の医療従事者の方がまずそれをきちんと理解してい なければいけないことだろうし、もちろんこれは全国民が理解しておくことが望ましいと はいえ、何せ1億2,800万人にすぐ知らせるというのは、大変難しいことですから、そこ は7月までということで言った場合、医療従事者向けの情報提供をかなり早急に、どうい う内容のことを、どういう誤解のないコンテンツとして形成していくのかということが、 かなり重要になってくるのではないか。  もちろん7月というのはありますが、10月の臓器移植普及推進月間とか、普及に向けて は何らかのムーブメントなり何なりというのは1つ置かないと、絶えず濃淡もなくずっと やり続けるというのは、なかなか難しいでしょうから、そこは来年度ですかね、4月以降 の年度に関しては、そういう2つのピークみたいなものを作るというのが、いま示されて いる案だと思うのです。7月に向けてということだったら、そのステークホルダーとして 大事なのは医療従事者かなという感じですね。 ○篠崎班長 第1点目のこの表示に関しましては、一応これでとりまとめさせていただき まして、委員会に上げたいと思いますので、私と事務局とでご一任いただきまして、もう 1回精査させていただきまして、それを委員会に上げて、委員会のほうでもご意見をいた だくという形にしていただきます。  いま石川班員から出ました今後のスケジュールに関しまして、第2番目の検討事項です ので、事務局からこの説明をお願いいたします。 ○竹内補佐 資料3をご覧ください。今後の普及啓発スケジュール(案)です。既に皆様 からご議論をいただいているところですが、今回は「目的」ということで新しい制度の普 及と、広く普及啓発の充実という2つのカテゴリーがあるのかなと考えております。  既に石川班員からもお話がございましたように、7月17日の施行に向けては、テーマと しては、新しい制度を施設などの医療関係者等に適切に周知をしていくことが重要になっ ていくのかなと考えています。その中で重点項目として、小児の脳死判定基準の周知であ るとか、虐待を受けた児童の取扱いなどについては、きっちりと周知をしていかなければ いけないと考えています。活用する媒体としましては、厚生労働省のホームページ、日本 臓器移植ネットワークのホームページ、また1月の施行に向けてもご協力いただきました 関係学会のホームページにまたお願いするのも1つの案だと考えていますし、医療機関等 への周知の必須、担当者会議というものは、現状のツールで行うことを考えているところ です。  普及啓発の充実ということでは、新しい制度の対象者を踏まえ、広く臓器移植に関する 理解を深めていただくことが大きなテーマになってくるのだろうと考えています。重点事 項としましては、7月ぐらいから新しい臓器提供意思カード、運転免許証・健康保険証の 配布が開始されますので、それに伴いまして、新しい臓器提供意思表示方法の普及啓発。 あと10月に開催されます臓器移植普及推進月間を踏まえまして、世論調査結果に基づく情 報の提供、小児に対する普及啓発をやっていきたいと考えています。  また、臓器提供意思登録システムの見直しも併せて、今後、検討していかなければいけ ないと考えています。また、活用をする媒体につきましても、厚生労働省ホームページ、 厚生労働省の動画チャンネル(You Tube)ですね。あと『厚生労働』といった定期刊行物、 日本臓器移植ネットワークのホームページ、ジャクラビジョン、既存のポスター用のタッ クシールなどが、いま事務局で考えているところですが、これ以外にも皆様からいろいろ なご意見をいただければと考えております。以上でございます。  ○篠崎班長 ありがとうございました。ここで出ましたね。とにかくいま大至急医療関係 のところにやるのが重要である。一般普及啓発に関しては、ここでできるツールは限られ ていますので、積極的にそういったネットワークの、あるいは厚生労働省のホームページ 等で周知していただくということと、もう1つが関係学会のホームページ、これは前回救 急がやっていただいたのですが、これは当然のことながら移植関係学会にも協力を求める べきだと思うのです。この前の提供施設がまとめた、学会の連合みたいのがありましたね。 ○大久保班員 医師関連学会33でしたか、34だったか。あそこに各会に、いまちょうど ワーキング3をやっていますので、あの提言が3月に始まると、今度はそのガイドライン も含めて、周知するほうも関係学会にはお願いできると思うのです。 ○篠崎班長 これはできます。できればそういった方向で救急のほうも小野班員ならびに 有賀班員にもご協力いただいて、7月17日施行というのは、非常に大きなことだと思いま すし、直接、救急の先生方は特に大変なことになると思いますので、できれば内容も含め て我々必要なものを、事務局等に問い合わせいただくということで、ご協力をいただくこ とでご検討いただけたらと思うのです。 ○大久保班員 おそらくガイドラインが決まった段階で、全国の提供施設を集めた各ブロ ックごとの会議を、全部やらなければいけないでしょう。 ○篠崎班長 そうですね。事務局で考えている医療機関等への通知というのは、何を具体 的にお考えですか。 ○竹内補佐 1月の政令改正のときにも、省令、ガイドラインの改正通知のほうを発出し ておりますので、それに準じたものになると考えておりますが。 ○篠崎班長 なるほど、とにかく医療機関にはこの通知が出る。そうすると、あとは学会 でのもう少し詳細な情報が必要であるということですね。できればそういったところも関 連学会ならびに救急のほうも前回同様にご協力をいただくということで、たぶん先生を通 じて有賀先生のほうにもこの辺の打診を、前回親族優先のときにご協力いただいているの で可能かと思うのですが、そういったところの周知ですね。ほかに何かツール、先生方あ りますか。 ○石川班員 時間がもう過ぎているので恐縮なのですが、先ほど小野班員が医療従事者だ って理解をしていない方が多いと、そのいちばんのバリアは何なのですか。例えばご自分 が脳死のこととかいろいろ考えがあって、移植に反対であるという方はいらっしゃる。そ れはそれで、そういうことだと思うのですが、理解されていないというのは、その手前の 問題ですよね。 ○小野班員 まあ、そうですね。いちばん大きな点は救急医療における、いわゆる終末期 になってしまう予後不良の方々が、結局ドナーとなる。いままでの状況ではそうなのです が。ドナーとなる前に救急医や脳外科医たちは、その患者さんを助けるというための医学 としての教育を受けているので、まず、その方に対するドナーとしての見方がまるでない のです。  当然、救急医療でご家族とお話をして、この患者様をどうやって助けようかという話に 終始徹底していって、最後は究極の医療を受けていただいたのだけれども、それでも亡く なってしまいましたという話で、国民の方がご理解いただけるのがいままでの医療だった のですが、それをいま家族が了承すればドナーとして、もしくは臓器を提供できる場面に なる。その転換がとても医者の頭の中ではできないのです。これは一般の方にはなかなか ご理解いただけないかもしれませんが。 ○篠崎班長 簡単に申し上げると医学教育の中で例えば救急の現場であったり、脳外科の 症状であったり、治療は教えますが、そういう形で臓器提供ができるような状況、いわゆ るポテンシャルドナーとなった状況からどうするかというのは、たぶんいまの救急に限ら ず、全体の医学教育の中でも具体的には行われていないですし、国家試験の問題にもあま り出てきませんので、そういう意味で教育が足りていない。  したがって一般の方が思うように、なぜ救急の現場からスムーズに移行できないのかと 言うのですが、救急の先生方は命を助けるということまでが救急医学のいままでの歴史で す。それを急にやれというのは無理だと。したがってそういう医学教育のことも含めて、 ある程度既に現場にいらっしゃる先生方に周知することと同時に、今後の医学教育にも反 映することが必要であると、こういうのがたぶん現実だと思います。これは一般の方にも そうなのだと、我々の限界もあるのだということをご理解いただくことはすごく重要だと 思います。その上で我々がいま何をできるかを考えていく。 ○小野班員 そうですね。石川班員、医療者側への普及啓発ということについては、とて も重要な問題を含んでいまして、どれだけ正しく理解してもらうかが大事だと思います。 ○篠崎班長 すみません。私のあれで時間がずいぶん過ぎてしまいまして、事務局にもご 迷惑をかけました、とりあえず今日、いままでの議論をいただきまして、スケジュール等 を整理して、また普及啓発の順序、できるものから着手していただくということで、事務 局にも今日のとりまとめをしていただいて、委員会に上げていただきたいと思います。先 ほど申し上げたように、たぶん施行までの間に1回もしくは複数回開けるのではないかと 思いますので、いまのような教育等、あるいは学会等関連の周知等についても議論を深め ていきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。次回の日程につい て事務局からお願いいたします。 ○竹内補佐 本日はどうもありがとうございました。次回の日程につきましては、各委員 の先生方の日程を調整させていただき、文書にてご連絡いたします。先生方におかれまし てはお忙しいところを恐縮ですが、日程の確保方、どうぞよろしくお願いいたします。 ○篠崎班長 私の不手際で時間が遅れて大変皆様に申し訳ないと思います。それでは会議 を終了させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 【照会先】  厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室  代表 : 03(5253)1111  内線 : 2366 ・ 2365