10/02/17 第8回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録                  1.日 時:平成22年2月17日(水)10:00〜11:23                 2.場 所:厚生労働省共用第6会議室(2階)   3.出席者:  <五十音順> 大川弥生委員、大橋謙策委員、河原和夫委員、木村隆次委員、齊藤秀樹委員、 佐藤久夫委員、藤田伸輔委員    4.議 題   (1)シンポジウム「生活機能分類の活用に向けて     −共通言語としてのICFの教育・普及を目指して−」について   (2)その他    5.議事内容 ○疾病傷害死因分類調査室長   それでは、予定の時刻となりましたので、第8回社会保障審議会統計分科会生活機能 分類専門委員会を開催いたします。各委員の先生方におかれましては、お忙しいとこ ろご出席賜りまして、誠にありがとうございます。  それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。  資料1−1は、シンポジウム当日の配布資料。  資料1−2は、アンケートの調査集計結果。  資料2は、報告書の構成案。  机上配布資料といたしまして、当日の速記録の暫定版。  アンケートの自由記入欄に書かれましたご意見の一覧をお配りしております。  資料の過不足がありましたら、お知らせください。   本日の欠席は安西委員、大日方委員、佐藤修一委員、中川委員の4名です。 ○大橋委員長   それでは、改めましておはようございます。お忙しい中をお集まりいただきまして、 ありがとうございました。  また1月24日のシンポジウムには大変お忙しいところ参加いただきまして、盛会 に終えることができました。ありがとうございました。いろんな方から声を寄せてい ただきまして、あのような会を何回もやってほしいという話が随分出ておりまして、 特に大川先生の話はもっとじっくりと聞かせてほしいというのがいっぱい出ており ました。今日は主に1月24日の総括と来年度に向けてどういう取組みが必要なのか ということを中心にお話をいただくことになるかと思っております。  それでは、まずアンケートの結果、資料1−2と今日の席上配布の自由記入欄から お願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長   資料1−1は当日の配布資料です。  資料1−2をご覧ください。  アンケートですが、当日は296名の方にご参加いただきまして、そのうち216名か ら回答を寄せていただきました。  1について、『開催をどのように知ったか』という質問では、「ホームページ」、 「知人、友人から教えてもらった」が多い回答でございました。  2の『参加された理由』は、「ICFに興味がある」という選択肢に集中いたしま した。  以降、おおむね良好な回答が得られておりまして、『全体の時間について』は「ち ょうどいい」が170名、『1人当たりの講演時間』についても「ちょうどいい」とい う意見が多く、『パネルディスカッションの時間』についても同様でございました。  それから、『シンポジウムの内容、テーマについて』ですが、「大変よく理解でき た」、「理解できた」を合わせると161名から回答を得ております。  『現在の活動または今後の活動や方向に向けて』という質問では、「大変参考にな る」、「少しは参考になる」、を合わせますと、ほとんどの方が参考になったと回答し ています。  『今後もICFに関するシンポジウムを希望しますか』という質問では、「希望す る」という方が157名いらっしゃいました。  『どのような形式の催し物に参加するか』という質問では、「講演」というのが多 い御意見でございました。  その他の質問は回答者のプロフィールに関するものです。  次はグラフ化したものです。  自由意見は机上配布資料です。様々な意見がありまして、主な意見としては「実に 参考になった」というご意見、「パワーポイントの資料がほしかった」との御意見が いくつか出ておりました。  以上です。 ○大橋委員長   ありがとうございました。  全体的には概して本当に皆さんよかったということだったと思います。  アンケートの自由記述の方では、大川先生のものを先にやっておいたことがよかっ たというのが何人かから出ていました。順序としてはそのとおりかもしれません。  当日参加したのは藤田委員、佐藤委員、木村委員、大川委員でしょうか。齋藤委員 も河原委員も参加できなかったですね。  藤田委員どうですか。何かございますか。 ○藤田委員   大変に盛り上がってうれしかったのですが、今ここで見させていただくと、やはり 新人向きでなかったとか、大川先生のものが最初の方がよかったということで、やは りターゲットとする層をもう一度考え直した方がいいという気がしました。 ○大橋委員長   佐藤先生いかがですか。 ○佐藤(久)委員   指定討論者も含めて皆さんすごくよく準備をされて、パンフレットとして発行する 予定があるようですけれども、是非それでもう一度勉強させてもらいたいと思います。 ○大橋委員長   木村先生いかがですか。 ○木村委員   感想というよりも、対象の方がいろいろな分野から集まっていたので、例えば私だ と私の介護予防のところに興味がある人はそこでOKだったと思いますけれども、違 うジャンルのところは、またわかりにくいとかだと思います。  私は反省点として、終わって取材を受けましたら、何を言いたかったのですかと言 われました。というのは、その方は18年改正の介護保険の概要を知らなかったんで す。要するに地域包括支援センターで行われている業務の内容はこういうICFとい う考え方でやっているのですということをお話したはずなのに、その制度そのものが わからないで聞いているものですから、どこに合致するのですかという話になりまし た。考えてみると、導入してから丸4年経ちました。導入時期のときには厚生労働省、 県庁、市町村もものすごい研修をしたのです。ところが、今はやっていないわけで、 取材する記者の方々もそうですけれども、現場にいる人たちも昔のことを覚えていな いで、A3シートという私が説明したことで何かやらせられているみたいな格好にな っているのだということを気づきました。ですから、常に介護予防マネージメントの 中にICFという理念が入っているということをずっと啓発していかないと、忘れら れてしまうのだということを当日のシンポジウムの後、感じたところであります。 ○大川委員   まずは厚労省の主催でこういう研修会が開かれたことに一番の意義があったので はないかと思います。その意義を理解していただいて、非常にたくさんの方にご参加 いただいたことはありがたいことだと思っています。  かなり役に立ったとご回答いただいていますが、自由記載欄などを見ますと、もう 少し準備を十分にして、どういう意図でどういうところにポイントに絞ってこの会を 開くのかまで含めて、事前のアナウンスはした方がよかったのではないかということ は今後の課題として考えた方がいいと思います。  私個人としましては、自由記載欄に早口だとか、もっとゆっくり、とか書いてござ いまして、もともとものすごく早口ではあるのですけれども、急に予定を変更して、 ICFの全体像を話すことになって、しかしもともとの予定の時間も守らなければいけ ないと思い早くしゃべってしまいました。その点、反省しておりますが、一応お褒め もいただいているので、そこはそれなりに考えようと思っています。ただ、このよう な経過となったことも含めて前準備をもう少しした方がよかったと思います。  私個人には、結構おしかりのご連絡をちょうだいいたしました。というのは、具体 的な活用という本来のシンポジウムのテーマに関して、私はかなりいろんなことをや っているわけですが、それを聞きにきたのにレジュメもそうあるのに、そのことを全 く話していないのはけしからぬ、と。そのような意見が十数件きました。  それから、もう一つはほかのシンポジストの言葉をかなり真剣にとった方たちが、 ああいう発言があったけれども、それは正しいのか、とかどういう意図なのだろうか、 という質問もこれまた二十数件きました。私どもはICFに関するいろいろな問い合 わせ場所になっているところがあるものですから、頻回にご連絡していただく方もい らっしゃいますが、今回全く新しい方たちが探し当てて連絡をとっていただいたとい うのもありました。  いずれにしろ前向きに関心を持ってのご質問だったので効果的だったとは思うの ですが、このことも含めて次回に向けての課題があったことは確かだと思っています。  以上です。 ○大橋委員長   平成16年に銀座のヤマハホールで行ったあと、事実上私個人としては2回目のシ ンポジウムということになったのですが、厚生統計協会の支援があったにしても、実 質的に厚労省の主催の形でできたというのは、私はとてもよかったのではないか。300 人の方々の興味関心を1つにまとめるというのは無理な話ですので、1回目としては よかったのではないかと、ある意味では自画自賛しています。  その上で次回以降どうするか。今、大川先生から出ましたけれども、あるいは指定 討論者の場合も、精神保健の場合も、具体的な事例なり症例に即して、こういうふう に活用できて、そのことが共通認識を深めることになったのだという、かなり実用レ ベルで考えたいという階層が1つありました。  もう一つ、高校の先生方などからは、教える上ですごく整理できたという話もあり ました。  あるいは木村委員が言われたように、本当の初心者のグループもいたということで す。  4番目にもう少し突っ込んだ討論、私は今回のシンポジウムは相当論点は出てきて いると思っています。ただ、一つひとつの論点を深く深めるだけの時間的余裕がなか ったので、ある意味では出しっ放しにしてしまっている。私は座長をやりながら意識 してそこのところは考えましたし、一回で全部解決できると思っていませんから、論 点が出た、その論点をもっと多面的に検討したいというグループがあった。  大きく分けると大体4つぐらいのグループがあったと思っていたのですが、その辺 はどうですか。周りの方々から聞いていて、その辺が感じられたのかどうか。もう一 つほかのグループがあるのかどうかということです。  これは職種で医療と福祉を一緒にとってしまったから、属性のとり方としてはちょ っと違ったという感じはします。  もう一つ、私の感想として言うと、島野さんに出てきていただきましたが、やはり 日本社会福祉士会、あるいは日本精神保健福祉士協会、日本医療社会事業協会の参加 者がもう少しいてもよかったと思っていて、それはどこに問題があるのだろうか。私 どものPRのところに問題があるのか、実践現場でまだそこまで関心を深み切れてい ないのかどうかというのは、私個人は気になっていたところです。ただ、参加した人 たちは非常によかったと言ってくれているので、深まりと同時に広がりの部分が社会 福祉分野はあったというのが私の感想です。  大川先生に問い合わせがあったというのは、どういうところがポイントだったので すか。 ○大川委員   発言内容がおかしいのではないかとか、ICFはそんなことを言っていないという ことです。かなりICF自体についてご存知の方もいらっしゃいますので、シンポジ ストにはICFを使い始めたばかりの方もいらっしゃったこともあってか、あんなこ とはおかしいのではないかという確認が一番多かったのではないでしょうか。 ○大橋委員長   それは当日も終わってからも何人か意見を言ってきた人はいましたね。 ○大川委員   そうですね。その時にはICFを広めるための会だからいいのではないかと収めま した。 ○大橋委員長   解釈をめぐってとかありましたね。その辺はある意味では勘違いしやすいとらえ方 というか、誤解しやすい項目みたいなことで、そこはこういうふうに考えた方がいい というQ&Aみたいなものが出てくるといいのかもしれません。 ○大川委員   共通言語ということからしましても、参加者にはいろいろな職種の方がいらっしゃ います。私はいろいろなところで話す機会を頂戴して、こういう表現はこういうふう に誤解されるのだということで、私自身も検討会や講演などをしながら気づいたこと がたくさんあります。そういう経験がないと、むしろ破壊的な表現にすらとられる発 言もあると思います。例えば、ICFは使えないとかいう言葉ですね。具体的に、こ ういうときは使えないと自分は思うが、いかがかと提言していただいた方がよかった と思います。例での使い方に関しても根本的に間違っているのではないかという意見 もありました。  出席者数からすれば、ICFというものにやっと魅力を感じたという方たちも多か ったとは思います。ただ、本当に専門的にきちんとやっている人たちからすれば、も っと厳密性を持ってきちんと議論すべきというご指摘があったことに関しては、かな り大きな課題ではないかと思います。 ○大橋委員長   佐藤先生どうですか。 ○佐藤(久)委員   こういう表現は間違えなのではないかという意見が大川先生のところに寄せられ たということで、いろいろあるのだろうと思います。そういうふうに疑問を寄せた人 の方が間違っている場合と、そのとおりでこれは言い過ぎた、指摘をした方が正しい ということもあるだろうし、ICF自体がその点については明確にしていないので、 どちらが正しいとも正しくないとも言えないような部分もあるのかもしれません。 ○大川委員   その点に関しましては、私どもが受けた電話や連絡については、ほとんどはそのご 意見を言った方の方が明らかに正しいという内容です。 ○大橋委員長  ある意味で分類するわけだから、きちんとした考え方でやらなければいけないこと は事実だけれども、同時に考え方自体を普及させなくてはいけないということがある から、大川先生が言われたように、少し大らかに普及させながら、徐々に概念という か分類の枠をきちんと確立していく。ちょっと視点の置き方が違うところがある。あ あいうシンポジウムでは、どうしてもいろいろ幅のあるグループですから、概念その ものをめぐって論議をするわけにはいかないのかもしれないと受け止めるしかない ですね。 ○大川委員   ですから、最初に申し上げたように、アナウンスのときにその辺の意図をもう少し はっきりしておけば、そういう誤解も生じにくかったのではないかと思っています。 ○大橋委員長   広げるという意味で、私などは生活機能低下というかそういう考え方のところに関 心が出たというのは、すごく大事なことだったのではないか。それが共通言語化しや すい入口だと思います。言わば今まで頑張っていたのに何らかの要因で生活機能が低 下していくという、そこの持つ意味をどう考えるかという点では非常によかったと思 っています。そこから入ることが保健、医療、福祉の連携のポイントだと当日感覚的 に感じて、私は非常に感動しよかったと思いました。 ○大川委員   障害にとどまらず生活機能低下という概念は、私は強調している概念ですので、大 変うれしく思います。また頂いたご意見についての追加ですが、先生に座長をしてい ただいたおかげだと思うのですけれども、今まで私どもも何度も厚労科研費の推進事 業等々でICFの普及をやってきました。その中で1回は福祉にかなり重点を置いて 先生にもおいでいただいたのですが、今回やはり自己決定権にどうICFを使うのか とか、そういう観点でICFが議論されたのはよかったという声は、福祉関係者だけ ではなく頂戴しました。 ○大橋委員長   ありがとうございました。 ○大川委員   非常にいい観点だったのではないかと思います。 ○大橋委員長   なるほどね。自己決定権となると意欲とかいろいろな問題が出てくるから、ある意 味で一番難しい問題でもあります。 ○大川委員   難しい問題にICFが活用できるということを取り上げたことは、非常に意義があ ったのではないかと思います。 ○大橋委員長   そうすると、生活機能低下と自己決定権ぐらいのところが今回の一種のポイントで すね。  事務局でこんなことを思ったというのはありますか。 ○疾病傷害死因分類調査室長   確かに大橋先生がおっしゃったように、いろいろなレベルの方が参加されていたと 思います。レベルごとのセミナーのような形式が今後適切であると個人的には思って いたのですが、アンケートを見ますと、セミナーというよりは講演の方に希望が集ま ったので、意外でした。 ○佐藤(久)委員   ICFの解釈をめぐっていろんな評価が実際はあるんです。それをすごく強く感じ たのは、1月から内閣府に「障がい者制度改革推進会議」というものができて、障害 者団体のリーダーたちなどを中心にしながら議論をしているわけですけれども、私も それに参加させてもらっているのですが、社会モデルで障害を見なければいけないと か、障害者の範囲、定義を社会モデルの観点から考えなければいけないというような 議論がたくさん出ていまして、かなりの部分で社会モデルというのはイコールICF モデルだという意味で使っているのです。というのは、個人の問題として障害を見る のではなくて、環境との相互作用で障害を見なければいけないということから、IC Fイコール社会モデルだという考え方があって、ICF自体は社会モデルをそういう ふうに使っていなくて、専ら環境に問題があるという見方が社会モデルで、ICF自 体は医学モデルと社会モデルの統合モデルだと言っています。  しかし、実際ICFイコール社会モデルという考え方で間違えかというと、ICF はそうは言っていませんが、そういうふうに見る見方そのものを禁止するとか、いけ ないといっても、ちょっと話がうまくいかないので、この人はこういう意味で社会モ デルを使っているのだ、議論しているという状況でなかなか難しいです。正しいIC Fの理解の仕方はこれだということで決められない部分が結構ある。しかし、共通言 語からだんだん離れてしまうという危険性もあって、その辺はどう調和をとるのかと いうことです。 ○大橋委員長   これからの大きな課題だけれども、例えば介護支援専門員の方々の論議をやるとき に、私などはICFの視点でケアマネージメントといったときに、当然それは医学的 なこともきちんと押さえながら、なおかつ環境の問題もそうですし、自己決定権みた いな問題も含めてマネージメントするわけで、そういう意味ではICFイコール社会 モデルではないと思います。だから、そこは私も含めて福祉関係者がすごく情感的に 言っているところがあるので、先ほど言った概念として、あるいは分類の操作概念と して使うときの問題と実践上共通言語化していくときの理解の部分との違いがまだ あって、そこをぎしぎしと詰めていくのにはやや時期尚早だと思っています。そのぐ らいのところから始めて、あなたの言っているのはちょっと違うでしょうという形で はいかなくてもいいのではないかととりあえずは思いますけれども、ただ、機会があ れば、そういうふうに言っておいた方がいいということでしょう。特に障害者のケア マネージメントの場合には、高齢者以上に大きな課題になってくるかもしれないとい う点があります。 ○大川委員   恐らくはそのことに関して、今回の委員会は余り議論する場ではないと思います。 ただ、話題が出たのでお話を申し上げますと、佐藤先生がおっしゃった推進会議での 議論ですけれども、先生のお立場としては、やはり学識経験者、学者としてお出にな っているわけですから、そこは厳密にお言葉をお使いになるべきだと思います。まず それだけは切望します。その場合、ICFが社会モデルでないことは明らかなわけで すから、そこはきちんとしていただきたい。  それから、当事者を含め参加者の人たちが少しあいまいに使っているともとれるよ うな発言をなさいましたけれども、私は当事者が社会モデルとおっしゃるときでも、 きちんと概念がわかって発言している方たちは決して少なくないと思います。ですか ら、その方たちが社会モデルと言っているのであれば、社会モデルといってもいろい ろなものがありますから、どういうことなのかということはきちんと理解するように 努めるべきだと私は思います。そこをきちんと理解しようとしないで、何となくあい まいに社会モデルと言っているけれどもICFと同じようなものだととってしまう と、きちんとした議論ができないと思います。やはりきちんと専門家と当事者とが議 論すべきであると思います。  そのときにICFというのは良いたたき台になることは確かです。あいまいにして いくとICFもあいまいに誤解されます。またICFが完璧なわけではなくて、それ をもっといい方向にするためにも障害者関係の議論というのは役立つと思いますか ら、そこは是非厳密に議論していただくことを私は切に希望いたします。 ○大橋委員長   高齢者以上に障害者分野のマネージメントというのは大変重要なことで、それを抜 きにして制度設計というのはなかかなしにくいだろうと思うので、是非そこは十分踏 まえていただければと思います。 ○木村委員   先ほどのアンケートの自由記入欄にもあるように、少なくとも介護現場という話を すると、今日も出ていますけれども、12ページの大川先生のICFの活用の原則とい うところでまだ網羅的に理解できていないのだと思います。だから、理念はわかるけ れども活用できないのだという言葉が出てきてしまうわけです。それを具体的にする には、この間からお話しているA3シートの中でそこをやっていけば、自動的にいわ ゆるアセスメントの視点から、今ほど座長がおっしゃったように医学的な方からも視 点が入っていったり、住宅関係からも目が入っていったり、漏れがない、落ちがない ということです。そういうことの理解がまだ薄かったという感じがあるので、もう一 回、先ほど最初に言った教育というところから、常に基本に立ち返ってずっと継続し てやっていくことが、私どものジャンルでは大事だと思いました。  ○藤田委員  海外の状況を見てもやはり混沌としているところは結構あって、イタリアなどは社 会の整備基盤として福祉がちゃんとできているのか、町の環境整備ができているのか というツールとしてICFを使おう。それはICFのごく一部だけを取り出して使っ ているわけです。東南アジアの国々は、症状の部分だけを取り出してICDの代わり に使おうという動きもあるわけです。それは本当にICFを部分的に切り出したパイ の1部分だけで勝負しているわけで、そういう視点がよくないのか、あるいはそうい うことを紹介することもよくないのかもしれないのですけれども、いろいろな使い方 があって、そこから始まって、向こう側にICFはまだまだあるということをわかっ てもらうのも1つの作戦だと思いますので、いろんなやり方を紹介するのも1つの手 だと私自身は思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長   当日、WHOからのビデオレターが届いていまして、  ご覧になっていない方がいらっしゃるので、御披露したいと思います。 (ビデオレター上映) ○大橋委員長   今日の配布資料1−1と資料2に基づいて、当日の終わった後も少し話をさせてい ただきましたが、できれば報告書としてまとめて配布できればと思っています。それ について、少し意見交換をしていただければありがたいと思っております。  まず資料1−1、当日の配布資料ですが、状況によってはこれも先生方に少し変え ていただく、手を入れていただくということがあるのかもしれないけれども、とりあ えず当日のものは資料1−1だということです。これはこのままです。  大川先生にはこのものとちょっと変えてお話をいただいたから、逆に言えば大変で もリード的にもう一つつけ足していただくといいという課題が残っているかもしれ ない。忙しい中で申し訳ないのですが、もし可能ならばお願いしたいということが1 つあります。  資料2に基づいて考えますと、もし報告書を出すとすれば、シンポジウムのレジュ メとして各先生方の当日配布資料を入れる。先ほど述べましたように、大川先生のも のは入門部分と実際の活用部分の2本立てにして、断り書きをして入れさせていただ ければありがたい。  それから、第2部がシンポジウムで使用したパワーポイントということです。  第3部がシンポジウムの速記録で、お手元にあるかと思いますが、私もまだ目を通 していないのですけれども、これを少し手直しいただくということです。  あと、初めての方等も含めているとすれば、ICFそのものについては大川先生の 本とか、あるいは上田先生の本とかわかりやすいものも出ているので、余りそれとバ ッティングしてはいけないのですけれども、何かICFの説明的なものを資料として 入れられればと思っています。私個人としては、平成16年にヤマハホールで行った 労働科学研究費推進事業の資料も使えれば、参考資料的に載せていただけるとありが たいと思っております。  とりあえずご意見をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。  ただ、こういうものをつくってしまうと、また問い合わせ先が全部大川先生になっ てしまう可能性があります。 ○大川委員   こちらも勉強させていただいています。 ○大橋委員長   一手に窓口を引き受けてもらっている感じで申し訳ないです。 ○大橋委員長   例えば当日高校の先生方、校長会の副会長も来ていて、高校の先生方はほしいと言 っています。多分高校で福祉科などがあるところは全部ほしい。それから、高校福祉 が250ぐらい、福祉系大学は190ぐらいあるのです。社会福祉士の養成校といったら もっと多くなります。精神保健も入れたら約400になってしまうのです。あとは各団 体とか組織ということになりますが、そのぐらいのボリュームでも印刷代は大丈夫で すか。 ○国際統計標準分類専門官   国の予算も限られておりまして、白表紙で関係者にお配りする程度しかできないと 思います。そういう意味では、今回ご協力いただきました厚生統計協会などとまたご 相談しながら、有料配布を考えたいと思っています。 ○大橋委員長   厚生統計協会から出版物として出していただけるなら、それが一番いいかもしれな いですね。 ○国際統計標準分類専門官   基本的には国の事業に関して、普及啓発を図るところが厚生統計協会ですので、そ れはご相談できると思います。 ○大橋委員長  それでは、基本的に報告書を出すということでよろしいでしょうか。是非お願いい たします。 自分たちがしゃべったものを手直しするのは嫌なものです。そちらの方がかえって時 間がかかったりして嫌なのですが、是非ご協力していただければと思います。  構成ですが、まず第1部のシンポジウムのレジュメのところは大川先生いいですか。 当日の速記録などを見ていただきながら、このレジュメとは違うもう一枚のレジュメ みたいなものを用意していただいた方がいいという思いがしました。 ○大川委員   この冊子をどういう目的の冊子とするのかですが、シンポジウムの単なる議事録的 な位置づけだということがはっきりすれば、それに合ったものということで。ただ、 やはりICFの全体像がわからなければいけないはずなので、全体像がわかるようなも のを最初に入れるということは努力します。 ○大橋委員長   そうしていただければと思います。それが序の部分、それで第1部があって、大川 先生のレジュメのところは当日の打ち合わせの中で変えた。次回にこういう話をして もらうという断り書きを入れる。ほかの先生方はそのままということで  パワーポイントについてはそのまま掲載するということですね。 ○木村委員   1部と2部というのは、結局話したパワーポイントのまさにレジュメがレジュメな ので、分離しないでそれぞれのところにくっ付けた形でいった方が読みやすいのでは ないですか。 ○大橋委員長   なるほど。確かにそれは編集上可能でしょう。それは厚生統計協会に協力していた だければ、お願いしてやってもらえばいいですね。  この構成でいくということにして、速記録などはいつごろまでに直すのですか。 ○国際統計標準分類専門官   今年度費用では多分負担ができないと思いますので、来年度予算の中での執行にな るかと思います。改めてご連絡いたします。 ○大橋委員長   わかりました。  それでは、出す方向で今日は確認ができたということで、よろしくお願いいたしま す。 ○大川委員   1つだけリクエストですけれども、事務局で是非全体をお目通しいただきまして、 適切な表現であるか、間違えがないかだけの確認はやっていただきたいと思います。 やはり内容的に正しい内容であることが不可欠だと思いますので、よろしくお願いし ます。 ○大橋委員長   それから、少し編集をしてから送ってくれた方が助かります。要望でございます。 いずれにしても出して普及させるということです。  平成16年のヤマハホールでやったものも可能ですか。 ○大川委員   資料は事務局にお渡ししていますけれども、やはり推進事業で行ったということと の兼ね合いがあるのではないかと思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長   推進事業は研究成果を普及をさせるということが目的ですので、冊子を販売して利 益を得た場合には国庫に返還しなければならないそうです。事実上そういった形で販 売している例は余りないようです。  それから、日本障害者リハビリテーション協会のホームページに既に載っているの で、そちらのアドレスをご紹介する程度ではいかがかと思います。 ○大橋委員長   今日のその他の事項ですが、来年度に向けて、先ほどの自由アンケートとかアンケ ートでは、講演が聞きたいという話がありましたけれども、講演でいくのかあるいは 幾つかの分科会に分かれて論議をするのか、そんなことも意見をいただければと思い ます。  私は来年度もやるということを前提にしてしゃべっていましたけれども、もう来年 度はやめるという話になるのか、その辺はどうなのですか。予算が通らないとか補助 金ももらえないとか。 ○疾病傷害死因分類調査室長   予算につきましては、今後検討しますので、本日はご意見をいただければと思いま す。 ○大橋委員長   趣旨は、ICFの考え方はすごく大事だから、何としてもこの機会に広げたいとい うことなのです。社会保障審議会の専門委員会だけれども、同じようにICF普及研 究会などをつくって、そこが主催で、こちらの方は講演とか協賛にして、その研究会 でどこかから補助金をもらってくるというのなら、いろんなところに申請してもらう ということはあり得ると思うのですが、そういうことは難しいですか。  ○大川委員   恐らくはその形はまだちょっと早いのではないかと思います。今回のようにもし開 催するのであれば、厚労省できちんとやった方がいいのではないかと思います。  関連することですが、ICIDHからICFへの改定作業の時、特に後半の5年間 や、また採択後すぐから日本障害者リハビリテーション協会の活動の方針の中にIC Fの普及があり、これまでいろいろと啓発をしてもらっています。たしか大橋先生も 評議員ですね。はやくからそういう位置づけもありますけれども、リハビリテーショ ン協会は厚労省との関係をかなり考えてながらやっていらっしゃるので、そことのバ ランスはきちんととるべきではないかと思います。 ○藤田委員   私も大川先生と同意見で、こういうものを厚労省がやるということが非常に重要で、 それを毎年やるということがもっと重要なことだと思います。ほかの金銭を使って会 をやるというのは、どの委員の方々にとっても簡単な方法だとは思うのですけれども、 それは別立てで、ここでやるものはやはり厚労省でやるべきだと思います。それが軌 道に乗ったら、もっといろいろな活動に手を広げていくというのはいい方法だとは思 います。  どなたかが資金を調達されて、前日に1つ研究会をされて、翌日に厚労省主催のも のがあるとか、地方の方だと一遍に済んでしまうみたいなやり方はあるかとは思うの ですけれども、あくまでも厚労省のものは厚労省として続けていただくのが日本に普 及させるキーポイントだと感じます。 ○大橋委員長   ありがとうございました。  来年度も厚労省主催で継続的にやるという方向で、是非予算面も工面をいただくと いうことにしましょう。問題はそのやり方になりますが、1人の講演ではもったいな い。アンケートの結果の講演というのはチェーンレクチャー的に何人かの人の講演で やれということなのですか。1人ということなのですか。講演とシンポジウムと書い てあるから中身はわからないね。講演みたいなものがあって、その後テーマ別に少し 分けて、テーマに分ければターゲットが絞りやすくなるので、分科会的にやるという こともいいと思うのですが、その辺はどうですか。 ○河原委員   当日所用があったため欠席させていただきました。失礼いたしました。  今日の御意見とアンケートの内容を初めて拝見しまして、やはり委員長がおっしゃ ったように、このアンケートの自由記載などを見ても講演の希望が多かったですが、 シンポジウムとか1方向ではなくて、多方向の議論が必要ではないかということで、 大きなテーマで講演はあっても、やはり分科会的なシンポジウムとかセミナーとか、 そういう形式も取り入れるのが必要だと感じました。 ○大橋委員長   日程的には午前、午後というのはあり得るのでしょうか。 ○国際統計標準分類専門官   今回も最初の案では1日でしたが、それこそターゲットの問題もあり、ちょっと絞 り切れなかったので、最初なので半日にしてみましょうということだったのです。で すから、例えば1日か2日ということであれば、またそれはそれで規模を考え直すこ とになると思います。 ○大橋委員長   例えば午前中は基調報告的な、あるいは国際的な動向も踏まえてどなたかに1時 間半ぐらい話をいただくということがあって、午後はシンポジウムになるか、あるい は分科会になるのかということですね。シンポジウムを3つぐらい同時並行でやって もいいでしょうから、それは工夫の仕方だと思います。 ○佐藤(久)委員   講演を望むという声が割合多かったというのは、恐らくいろんな人たちがICFを 活用し始めている段階で、職種別に少しずつ目的や場面が違ったり、介護にしても介 護予防と介護とではまたちょっと違ったりとか、そういう点があるので、自己決定と ICFとか、活動と参加の区分けとか、評価点をどうするかとか、プラスとマイナス の加減をどうするかとか、共通したテーマで深めるにはもうちょっと活用を進めてい ないと、なかなかシンポジウムでは難しいと思います。  座長が幾つか柱を立てて共通テーマでできるようにということで、いろいろ努力さ れていたのですが、やはりまだ活用の初めなので、十分なディスカションをするには ちょっと早い。それよりもこの分野でどういう実践を具体的にどうやっているのか。 シートなども具体的にプリントで目の前に置いて、活用の仕方などをじっくり聞きた いという声が、もうちょっと時間をかけた詳しい講演を聞きたいということになって いるのではないかという印象があります。 ○大橋委員長   講演の中身の問題ね。確かにシンポジウムの20分なり25分というのは短かったと いうことがあって、例えばそれを40分なら40分にして、講演というのは活用法をわ かりやすく説明してほしいという意味なのかね。講演の中身がわからないね。 ○疾病傷害死因分類調査室長   それしか選択肢を設定していがなかったものですから、すみません。 ○藤田委員   私自身の反省としては、後であったパネルのときにやる話をもう少し前にやってお けば、発表の内容、パネルに出てきたことにフォーカスを当てた発表ができたのでは ないかというのが反省点としてあって、フォーカスが違うまま皆さんしゃべられたの で、全体として何を聞いたかわかりにくい印象を与えたと思います。ですから、パネ ルの予行演習みたいなものをシンポジウムの前に1回やって、それから講演準備に入 った方がいいと思います。 ○大橋委員長   確かに座長をやっていて、みんなに一言ずつ共通にしゃべってもらうというのは結 構大変です。 ○河原委員   基本的なことなのですが、アンケートの結果を見ると、参加者の年齢階級がきれい に分布していると思うのですが、意図した対象者というのは今回来られているんです か。 ○大橋委員長   こちらがターゲットを絞っていないのです。こちら側自体も何しろ普及だから多面 的にいっているのです。声をかけて来てくれるところを探す。最初の出足は余りよく なかったしね。そういうことなのです。 ○河原委員   そこがやはり難しいと思います。 ○大川委員   1回目のこの会は開催するということに一番の意義があったということで、そうい う意味では成功でしょう。  2回目ですが、この委員会自体が今後どういうことを議論するのかということにも 関係すると思います。一応このシンポジウムは、正しい啓発を図るというこの委員会 自体の目的を果たすものだという位置づけを明確にして、その時期に啓発をすべきこ とはどういうところかをこの委員会できちんと議論をして明確にした上でプログラ ムを組む。するとある程度参加者のターゲットは決めざるを得ないと思います。ただ し、ほかの分野の人たちも学ぶべきことはたくさんあるわけですから、そうなるよう な進行になるように心がけたシンポジウムをやれば、いろいろな方たちにも効果的だ と思います。いかがでしょうか。 ○大橋委員長   なかなか難しいですけれども、今回は人数の関係もあって領域的には看護分野が事 実上ないのです。その分、例えば指定討論者にリハビリテーションの真柄先生に出て きていただいて、大川先生と違う立場でリハビリテーションの関係者を通して保健医 療福祉連携教育学会の方に少しウイングを広げられたと思っています。島野さんに来 ていただいて日本社会福祉士会にもっとICFの活用について広げようと思ったの ですが、一応派遣をしていただきましたけれども、どれだけ広がったかということが あるのです。それから、精神保健分野は安西先生に出ていただきましたけれども、精 神分野のソーシャルワーカーの人たちの関心はどうだったのかということがちょっ と気にはなっているのです。  それから、もう一つは、社会福祉サイドにはきつ過ぎるかもしれませんけれども、 特に私はICFという問題を、これから始まるだろう障害者分野のマネージメントを 考えると、障害当事者たち、サービス利用者たちがどういうふうに考えるのかという ことも押さえておかなければいけないということもあって、状況によってはもう一回 そういうメンバーも入れて論議するということも1つあるかもしれない。  何しろ関係者、組織、団体を通じて、とりあえず関心を持ってもらうというところ もまだでき切れていない。個々の組織、団体の構成メンバーがより活用して実践的に これでいこうというところまでいくにももう少し時間がかかる。ましてや初心者の方 はICFの理解そのものも進んでいない。まだそんなレベルなのかと思っているので、 今、大川先生が言われたことをどういうふうにやるかということになるのですが、来 年度はそもそもこの委員会は何回ぐらいやる予定ですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長   2回を予定しております。 ○大川委員   私が具体的に考えているのは、例えば今の先生のお話からすると、1つは福祉分野 にどういうふうに啓発をしていくのかということ。  それから、介護分野について木村委員が強調されていますが、恐らく余り皆様に伝 わっていないのではないかと思うところがあるのです。それはどういうことかという と、介護分野のことだけをお話になっているように一見聞こえるかもしれないけれど も、実は制度的に教育も含めて、ある時期集中的にICFをもとにいろいろなシステム が組まれたのは介護分野なのです。ということで、時間も経たので、ICFの活用例と して一度かえりみて次の展開を考えてもいいのではないかという位置づけで強調な さっている、そういうことですね。 ○木村委員   そうです。 ○大川委員   余り介護を狭い範囲でとらない方がいいと思います。ICFについてこれからという 福祉とある程度やったという介護の2つは実は関係もあるものですから、そこに今回 は焦点を当てるとか、ある程度決める。そして、具体的にどういう内容を啓発するべ きかという内容を議論する。そしてほかの分野の人にも、何を知ってほしいかとかの 議論もやっていけば、シンポジウムでのポイントはかなりはっきりしてくるのではな いかと思います。 ○大橋委員長  要するに大川先生の当初のレジュメにもあるように、介護予防も含めた生活機能低 下をどう抑制していくかというところが非常に大事な問題なのです。介護予防という 言葉を使ってしまったから何となく違うので、私はやはり生活機能低下の予防という か抑制というか、それはすごく大事なポイントだと思っているので、その辺が介護支 援専門員の方々にどれだけこれから入っていくか。それはある意味では障害分野でも 同じことが言えるし、逆に言えば社会参加、活動を促進することによって、より可能 性が出てくることもある。その辺を焦点にするということはあり得るかもしれません。 ○大川委員   そうすると、その当事者として齋藤委員の老人クラブはかなり大事なわけです。そ ういうふうに、いろいろな方たちが1つのテーマで関与できると思います。 ○大橋委員長   そうすると、精神保健分野も出てくるのですね。ただ、看護はちょっと難しいかも しれないね。ただ、訪問看護もあるからいいでしょうか。 ○大川委員   そういうことをここで1回はきちんと議論してシンポジウムに持っていくと深ま るし、この委員会としても議論していく中でもそれなりの普遍化できる内容が出てく るのではないかと思います。 ○大橋委員長  私は組織とかよくわからないからいけないのかもしれないけれども、そういうとき にオブザーバー的にその人たちに来てもらって、そういうシンポジウムをやる、関係 組織、団体として一緒にやってくれるかみたいなことを決めてしまってからやるとい うのはなかなか難しいのです。やはりこういうところに来てもらって、わいわい、が やがややりながら重要性に気がついてくれて取り組むというのと何かあるのだよね。 ただ、これは国の委員会だから、先ほどのお金の問題といい、簡単に人数を増やすと いうことは難しいのかもしれないけれども、臨時委員とかオブザーバーとか専門委員 という形で、可能ならば当初の段階からそういう人に来てもらうというのはあり得る と思います。その場合に老人クラブは難しいですね。 ○齋藤委員   少し難しいかもしれません。  この自由回答は非常に面白いと思って読ませていただいたのですが、共通している 幾つかの中で、大川先生の話を前にもってきて基本的なことを知りたかったという声 が非常に多いのです。その後の先生たちがそれぞれの分野からご発表しているものも 大事だけれども、総括的なことを一度おさらいさせていただきたいといいますか、き っちり理解して帰りたい。更に現場の利用法というのはどういう利用法があるのです かというのが、この流れの中でくみとれる感じがあるのです。そういう意味では、講 演という言葉がどうかわかりませんけれども、まとまった説明が1つほしい。  それから、地方開催を望んでいる声があるということも非常にありがたい話ではな いかと思っています。しかし、一方で自治体の参加者がほとんどないような状況があ りまして、今、厚生労働省が国としてICFの問題を非常に大事にとらえて、いろい ろな分野でこの活用を図ろうとしたときに、言わば一番理解を共有していただきたい 自治体の関係者というものが少し欠落しているような感じがするのです。もし自治体 関係者が理解を示していくとなれば、そんなに多くはなくても、いろいろなところで 地方開催みたいなものもあって、またそこに関わっていく人たちが参加をしていける。 普及という意味では大事なポイントだという感じがしまして、是非これは普及拡大と いうところに力点を置いて、深めることも大事でしょうけれども、薄くてもいいから とにかく幅を広げるということに力点をしばらく置いていただければありがたいと いう感じで自由回答を読ませていただきました。 ○大橋委員長   自治体というのはどういうイメージですか。 ○齋藤委員   厚生労働省はやっていますけれども、私は都道府県的なところをイメージしていま す。 ○大橋委員長  多分都道府県の部長会議とか所管課長会議をやってもICFはなかなか入りませ ん。使い勝手が難しい。つまり、専門職能団体のようなところや実践現場でやってい る人たちはかなり入るわけです。けれども、制度と違うわけだから、部課長レベルで はわからない。もし入るとすれば、地域福祉計画などの計画をつくる立場の人たちの ところには知っておいてもらいたいということがある。だから、かつての機関委任事 務のときのように、自治体を通せば全部広がるという時代では今はないので、特にこ ういう分野であればあるほどなかなかそこのところは難しいのです。  そういう意味で、全国に広げるためには1つ職能団体とかそういうところからやっ ていくしかない。問題は地域福祉支援計画とか地域福祉計画とか障害福祉計画のとこ ろにICFというのがきちんと入っていく、あるいは介護保険事業計画に入っていく といった、そういうことはいいけれども、ただ、その場合も理念なのです。気をつけ ないと、基本目標みたいな形でICFの視点でということが入ってくるだけで、それ を具現化するのはちょっと別なファクターのものだからね。  それはそれとして、実際に広げる場合にどういうふうにやったらいいかというのは、 また次回までに少し考えていただきたいと思います。 ○木村委員   聞いていて、今、社会で実践している人たちに直接ここから語りかけるには、網を かけるにはものすごい難しい話だと思います。大事なのは社会でいろんなジャンルで 頑張っている人たちと研修をやるときの講師陣がポイントだと思います。今回のアン ケートを読んでも、私が逆にお願いした形になるのですけれども、大川先生のああい う形のお話を本当にちゃんと聞いた人たちというのは、数的になかなかいないのだと 思います。この専門委員会でやらなければいけないのは、きっちりこの理念を教えら れる人たちをどうやって育てていくかということで、それをやった方が、遠いように 感じるけれども早道だと思います。  具体的にいうと、今回来た中に49名の教育関連施設の方々がいるわけです。理事 長さんとか学校長さんではなく、本当に教える教授陣に来てもらうようなことを考え て、養成校、大学の中でもやりつつ、その人たちが学生たちに教えるわけです。一方、 社会で、例えば先ほどから言っている介護予防のところはだれが教えているかという と、今ほど老人グラブの齋藤さんがおっしゃったように、市町村職員が地域包括支援 センターの職員研修をやるんです。市町村職員で1人すごく厳しいことを書いていた 人がいましたけれども、全然理解していない。ケアマネージャーとか課題分析者だけ ではなくて、ヘルパーさんとかそういう方々にも伝わっていないのです。だから、教 える側、指導者の立場というところにスポットを当てて、そこをどこにするかという ことをここで議論されればいいのだと思います。そして、システマチックというか、 指導者が下にみたいな形でやっていく方が早いと思います。ですから、シンポジウム の組み立てというものも、不特定多数ではなくて、教育的、指導的なところに絞りな がらやっていくこともすごく大事ではないか思います。それを全国に回っていけば、 かなりのスピードでこの理念、概念というのは進んでいくと思います。  ちょっとジャンルは違いますけれども、今、認知症のことが物すごく問題になって いて、そこの指導者の研修のスタイルというのは、老健局の中で指導者をどうやって 育てていくかということを3段階に分けて、検討ではなくてそれが仕組みとしてあっ て、本当に指導者に対してどういうカリキュラムでやるかということまで検討が進ん でいるのです。そういうことからもヒントがあると思うので、仕組みを考えていくこ とをここでやられたらいいのではないかと思います。 ○大橋委員長   ほかのところではそういうことをやっているけれども、講師陣の育成ということで すね。 ○木村委員   結局わからないというのがわかったと思うのです。 ○大橋委員長   なるほど。それはあり得るかもね。学校連盟とか社養協のセミナーでそういうこと を提案するというのは可能ですね。ここが直接やらなくても、それは可能だと思いま す。その辺になると、大川先生、佐藤先生に負担がいってしまうかもしれないけれど も、介護支援専門員のときは大川先生に来てもらってかなりやったんですね。 ○大川委員   それはもうかなりやりました。最初に厚労省で指導者となる人たちにしました。教 える方も講師も教え方について点数評価されました。細かいコメントも全部後になっ て採点表が来ました。そういうものをやって、その後、全国でもいろんなところに呼 んでいただいて、それが5〜6年前です。 ○木村委員   もう一つ、お一人でやられる限界というのもかなりあるのですが、あれから5年経 って、この間、要介護認定の改定があっていろいろ混乱したわけです。その後に私ど もの協会からお願いして厚生労働省の方が講演されているものを、そのままダイレク トにDVDにして、どこでも見られるようにするとか、逆にそこを見ると担当者が語 ることですのですっと入ってきて、それが現場で実践されるということがはっきりわ かったんです。それは根拠があるのですが、そういうことをちゃんと勉強した人たち には、要介護認定の内容がよくわかって、本来ねらっているところの要介護認定の答 えが出た。ところが、そういう研修を受けていないところは、ばらけて、本来の答え が出なかったことがちゃんと数字で出ているのです。  ですから、佐藤先生とか大川先生は大変かもしれませんけれども、どこかで講演さ れるものを動画で撮ってそれを配信するとか、DVDを研修機関に渡すとか、そうい うこともやりながら、更にその後、私の頭の中では、例えば90分なら90分やってい ただいて、今、見ましたねといって、その会場にいるシンポジストの皆さんにそれを 引き受けてやっていくとか、そういうふうにやれば、そんなに負担ではなくなるので はないかという思いがします。それは組み合わせです。そういうこともやっていただ ければと思います。 ○大橋委員長   ありがとうございました。  これはどちらかに絞るということはなくて、必要性では両方ともやらざるを得ない。 ただ、限られた予算と人員の中でどうできるかということですが、確かにいろいろな ところで指導者養成が始まっているから、広げるというのはそういうことでしょうね。 昔のように制度の周知とちょっと違うから、指導できる人をどういうふうに養成して 全国配置していくかというのは、そのとおりでしょう。特に介護実習などの実習指導 者の中にもこういうものが入ってこなくてはいけないとか、社会福祉士あるいは精神 保健福祉士の実習指導者の中に入ってこなくてはいけないということもあるから、そ ういう意味ではシンポジウムだけではなかなか難しいということはあるかもしれな いですね。 ○疾病傷害死因分類調査室長   1つ確認させていただきたいのですが、今年は1月にシンポジウムを行いましたが、 時期的な問題はいかがでしょうか。 ○大橋委員長   学会などのことを考えると、意外と1月というのはよかったと思っていたのです。 やるとすれば、どう見ても12月か1月になってしまうという感じは持っていて、た だ、社会福祉士の国家試験との関係とセンター入試との関係なども配慮しなくてはい けないというのは今年感じました。だけれども、学会等を含めて11月ぐらいまでは 多分無理でしょう。だから、やるとしたら12月か1月なのです。その辺も含めて、 来年度に入って早々に日程を決めてやるということではないのでしょうかと私は思 っていたのですが、いかがですか。やはり1月の半ばが一番ではないかという感じは します。明治大学のリバティーホールもよかったです。 ○大橋委員長  いっぱい来てくれたという感じはすごくしてよかったです。  あとは少し事務局で整理していただいて、また相談したいと思います。  ○疾病傷害死因分類調査室長  次回につきましては、次年度に入りましてから、またご連絡させていただきます。 ○大橋委員長   まだ予算も決まっていないしね。だけれども、大体いつごろになりますか。今みた いな感じでいくと、できるだけ早い方がいいということですね。5月か6月ぐらいに 準備はしておいた方がいいということかもしれないです。 ○国際統計標準分類専門官   専門委員会委員の任期が2年ですから、今年は7月に任期交代がございますので、 このメンバーで行えるのは7月までです。ですから、その間に1回はさせていただけ ればとは思っております。 ○大橋委員長   せっかくやっているのだから、やったことは発信した方がいいですね。  次回について事務局は御検討ください。  本当にありがとうございました。お疲れ様でした。 照会先     厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課  疾病傷害死因分類調査室  電話:(代表)03-5253-1111(内線)7493