10/02/02 第8回厚生科学審議会生活環境水道部会議事録 第8回厚生科学審議会生活環境水道部会議事録  日  時:平成22年2月2日(火)13:00〜14:53  場  所:合同庁舎5号館 17階 厚生労働省専用第21会議室  出席委員:大垣委員、坂上委員、佐藤委員、沖委員、小笠原委員、岡部委員、       大住委員、大澤委員、大井田委員、安藤委員、佐野委員、瀬川委員、       津野委員、中野委員、永井委員、古米委員、御園委員 ○粕谷水道課長  それでは、定刻になりましたので、ただ今から厚生科学審議会生活環境部会を開催い たします。  委員の先生方には、大変ご多忙にも関わらずお集まりいただきまして、ありがとうご ざいます。議事に先立ちまして、上田健康局長よりご挨拶を申し上げます。 ○上田健康局長  健康局長の上田でございます。  本日は委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中ご出席をありがとうございま す。生活環境水道部会は健康局が所管している行政の中で、水道行政、生活衛生行政と いった分野を受け持っていただいております。本日の第8回部会では、2つの議題につ いてご意見をちょうだいしたく考えております。  まず1点目は、水質基準の見直し等についてでございます。平成15年の厚生科学審議 会答申を踏まえ、水質基準は最新の科学的知見に基づき逐次改正を行うこととしており ますが、今回カドミウムに関わる水質基準値の強化、水質管理目標設定項目の見直し等 について、皆様方のご意見をお伺いしたいと考えております。  2点目は、水道行政の最近の動向をご報告申し上げ、今後の施策推進へのご助言をい ただければと考えております。水道ビジョンの改定を踏まえ、各種施策を推進している ところでございます。本日はその概要をご説明させていただきたいと考えております。 具体的には、事業仕分けを踏まえました水道施設整備費の概要、資産管理、アセットマ ネジメントに関する取組、地方分権改革推進計画に基づく水道行政の対応、災害対策、 より安全な給水の確保対策などについてご説明を申し上げたいと考えております。これ らにつきまして、幅広い視点からご意見をちょうだいできればと考えております。  水道の水がより安全で安心でき、安定して供給されることを望む国民の期待は大変高 いと考えています。厚生労働省といたしましては、委員の皆様方からの貴重なご意見を とらまえながら、こうした期待に着実にこたえていくための施策を推進してまいりたい と考えております。  本日は何とぞご指導いただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 ○粕谷水道課長  それでは、配布資料の確認をさせていただきます。事務局のほうから説明いたします。 ○松田水道水質管理室室長補佐  それでは、事務局のほうから配布資料の確認をさせていただきます。  まず、最初の1枚目に議事次第がございまして、1枚めくりまして資料1−1、生活 環境水道部会委員名簿。また次に資料1−2、生活環境水道部会について(開催経緯)。 また1枚開いていただきまして、資料2−1、カドミウムに係る水質基準の見直し等に ついて。次にいきまして、資料2−2、「水質基準に関する省令」等及び水質管理目標 設定項目の一部改正案に関するパブリックコメントの結果とその対応について。次に、 資料3、今後の水質基準等の見直しについて。次にいきまして、資料4、水質基準項目 及び水質管理目標設定項目の分類の見直しについて。次に、資料5、水道行政の最近の 動向について。  併せて参考資料として3つございます。まず、参考資料の1が、厚生科学審議会及び 生活環境水道部会に係る関係法令等。また、参考資料2−1として、「水質基準に関す る省令」等の一部改正案に関する意見募集の結果について。また、参考資料2−2とし て、平成21年度第2回水質基準逐次改正検討会の議事要旨を付けております。  また、委員の方々には、この資料2から資料4までの資料の概要としてのパワーポイ ント資料について配布をしております。  以上、もし資料について不足等ございましたら、事務局のほうにお申し付けいただけ ればと思います。 ○粕谷水道課長  次に、本日の委員の出欠の状況についてご説明させていただきます。  本日ご欠席と連絡をいただいておりますのは、相澤委員、岸委員でございます。また、 大井田委員、岡部委員からは若干遅れるというご報告をいただいているところでござい ます。  本日でございますが、19名の委員中17名の委員がご出席、またはご出席予定というこ とでございまして、審議会令の規定によりまして定足数を満たしておりますので、本部 会は成立していることをご報告申し上げます。  なお、資料1−1の名簿の中で若干修正すべき点がございますので、ご報告申し上げ ます。委員名簿の下から4人目の中野委員でございますが、前任の都道府県の衛生部長 会推薦の委員の異動がございまして、後任の委員人選中ということでございまして、現 在まだ空席でございますので、ここはバーにしておいていただきたいと存じます。それ から、永井委員の所属でございますが、豊島区池袋保健所長からご異動になられてござ いますので、こちらにつきましても最新のものにしたものを後刻お席にお届けしたいと 思いますので、そちらを正式な委員名簿とさせていただきたいと思います。  続きまして、事務局の紹介でございますが、上田健康局長、今ご挨拶申し上げました が、所用で席を外したところでございます。  私、水道課長をしております粕谷でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○東水道計画指導室長  水道計画指導室長、東でございます。 ○粕谷水道課長  水道水質管理官、吉口でございます。 ○吉口水道水質管理官  吉口でございます。よろしくお願いします。 ○粕谷水道課長  それでは、以降の議事につきまして、大垣部会長、どうかよろしくお願いいたします。 ○大垣委員長  大垣でございます。座ったままで挨拶させていただきます。  地球環境の気候変動の問題が起きて、水供給が改めてまた重要な話題になっておりま して、世界から日本の優れた技術とシステムと運営が注目されていると思いますので、 この部会の審議も重要なものであると思います。ぜひ、よろしくご審議のほどお願いい たします。  それでは、早速議事に入ります。  本日は4つの議題を予定しています。議題1が厚生科学審議会生活環境水道部会につ いて、議題2が水質基準の見直し等について、議題3が水道行政の最近の動向について、 議題4がそのほかでございます。  まず、議題1の厚生科学審議会生活環境審議会についてですが、これまでの審議経過 それから検討状況等について、簡単に確認しておきたいと思います。事務局から資料に 沿って説明をお願いいたします。 ○粕谷水道課長  本部会は、厚生科学審議会の下に位置付けられた部会でございます。お手数ですが、 参考資料の1をご覧ください。  厚生科学審議会には多くの部会が設置されておりますが、本部会は、建築物衛生、そ の他生活衛生に係る、生活環境に関する重要事項及び水道に関する重要事項を調査審議 することとされています。  資料の1−2、前のほうに戻りますが、そちらをご覧いただきたいと存じます。これ までの開催の経緯等が記述されてございますが、これまでに本部会7回開催されており ます。前回は一昨年12月16日に開催され、TOCに係る水質基準の見直し等、及び今後 の水質基準等の見直しの方向性についてご審議いただいております。そのご審議の結果 を踏まえて、我々いろいろ作業をしてきているところでございます。よろしくお願いい たします。 ○大垣委員長  それでは、ただ今の説明に対するご質問等ございましたらお願いいたします。いかが でしょうか。  それでは特にないということで、次の議題に進みます。  議題の2、水質基準の見直し等についてであります。本議題では、前回部会で案を示 しました水質基準等のうち、カドミウムの基準改正等についてのその後の状況、それか ら2番目に、水質基準逐次改正についての検討の中で出てきました新たな見直し事項案、 3番目、最後に、検出状況に応じた水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類の見 直しについて、事務局から報告をいただきます。  資料2、資料3は毒性評価に基づいた水質基準等の見直し関係、それから資料4が検 出状況に基づいた水質基準等の分類の見直しについてと内容が分かれておりますので、 別々に審議いただきたいと思います。  それでは、まず資料3までについて事務局から報告をお願いします。それではお願い いたします。 ○吉口水道水質管理官  それでは、私のほうからご説明申し上げます。  最初に資料2−1、カドミウムに係る水質基準の見直しに等についてをご覧いただき たいと思います。また、説明内容の概略をまとめた、生活環境水道部会第8回資料概要 と題したパワーポイントを映し出しますとともに、各委員のお手元には打ち出し資料も 用意しておりますので、適宜ご覧いただければと存じます。  資料2−1の1ページに三層のピラミッドのような水質基準等の体系図を載せており ます。一番上が水道法に基づく遵守義務、検査義務がある水質基準であり、その下に水 質基準に準じた形で水質管理上留意すべきものとして、局長通知により検査を要請して いる水質管理目標設定項目がございます。一番下は、要検討項目であり、水質基準ある いは水質管理目標設定項目の候補になり得る物質として、情報・知見の収集に努めてい るものです。我が国の水道水質基準制度はこのような三層の体系となっており、平成15 年の厚生科学審議会答申を踏まえ、最新の科学的知見に応じて逐次に改正するという形 をとっているところでございます。  こうした中で、2ページにございますように、昨年のこの部会において水質基準等の 見直しについて(1)の表、(2)の表にある方向性を示していただきました。水質基 準に関しては、銅について、内閣府の食品安全委員会で許容摂取上限量が9mg/人/日 とされていることを踏まえ、飲料水からの摂取が多いと考えられる銅製の給水装置の使 用者を対象に、健康リスク評価を行い、その上で、基準改正の要否について検討を進め ていこうということでございました。  また、カドミウムについて、食品安全委員会から耐容週間摂取量が7μg/kg体重/週 と示されたことから、これを踏まえ水質基準値を0.003mg/Lに強化していくこととされ ました。関連して、水道の浄水処理で用いる薬品、水道施設で使用される資機材、さら に給水管や給水栓などの給水装置からの溶出について、データ収集・解析を進め、それ らに係る基準の見直しを検討することとされました。  水質管理目標設定項目に関しては、1,1,2−トリクロロエタンについて、食品安全委員 会の評価結果や、原水、浄水中の検出状況を勘案し、項目から削除することとされまし た。  また、農薬類について、食品安全委員会から示された1日最大許容摂取量を踏まえ、 6物質に係る目標値をそれぞれ変更するということでございました。  こうした方向性の中で、眞柄泰基先生を座長とし、本部会の安藤委員にもご参加いた だいている水質基準逐次改正検討会において検討を進めていただき、3ページにござい ますように、銅に関しては銅製給水装置の使用者における飲料水からの摂取量を0.409mg /dayと推定されました。  曝露量評価の詳細は、6ページから参考として添付していますが、概略を紹介いたし ますと、新品あるいは使用中の銅製給水管を用い、室温水、90度の高温水、温水の各条 件の水を管内に滞留させて溶出量を比較し、最も溶出が多かった使用中の管に室温の水 を滞留させたケースのデータを用い、標準的な屋内給水管モデルを想定して曝露量を算 定しております。  これに対し、3ページの3つ目のポツにございますように、食品からの摂取量は、当 省の国民健康栄養調査により1.18mg/dayと調査結果が出ていますので、銅の摂取量にお ける飲料水の寄与率は概ね25%となり、これを用いますと健康影響の観点からの評価値 は1.16mg/Lと算定されました。現行の基準値は着色の観点から1.0mg/Lとなっており まして、この現行基準値のほうが低いことから、これを引き続き維持することが妥当で あると考えられたところでございます。  カドミウムに関しては、食品安全基本法で水道水質基準を変更するときには、食品安 全委員会の意見を聞くこととされていますので、改めて昨年秋に同委員会の意見を求め ております。その結果、7μg/kg体重/週という耐容週間摂取量に変更はないとの回答 を得まして、この部会の方針のとおり、水質基準を0.003mg/Lに改正するということで 了解されたところでございます。  なお、基準値の強化に対応した検査方法については、水質検査の専門家からなる水道 水質検査法検討会で検討いただき、その結果を踏まえ、必要な見直しを並行して進めて いるところでございます。また、水質基準改正等の方向性を受けた薬品、資機材、給水 装置といった関連基準の見直しの検討として、カドミウムについては、既往製品の浸出 性能試験の測定結果を勘案した上で、5ページの表中にありますように、各基準をそれ ぞれ強化することが適当であると考えられたところでございます。  新たな基準値は、従来の基本的な考え方どおり、薬品基準、資機材基準と、給水装置 のうち給水栓など末端給水用具の基準には水質基準の10分の1の数値を、また末端以外 の給水用具等の基準には水質基準値と同じ数値を適応したものです。一方、1,1,2−トリ クロロエタンについては、水質管理目標設定項目から削除することになりますので、薬 品等の各基準からも削除することが適当と考えられたところでございます。  以上のような一連の検討を踏まえた水質基準等の改正案につきまして、昨年10月半ば から1カ月間パブリックコメントの募集を行いました。寄せられたコメントの概要は資 料2−2、パブリックコメントの結果とその対応についての、2ページの表1及び表2 に整理しておりますが、給水栓など末端の給水用具の一部には、カドミウムの新たな基 準値を満たさないものがあるため、適用までに猶予期間が必要であるといった意見がご ざいました。  資料2−1の4ページにお戻りいただきまして、こうした意見を受けた対応について、 昨年12月に再び水質基準逐次改正検討会を開催して検討いただき、末端の給水用具に関 しては、カドミウム溶出の要因解明と対策を講ずるための準備期間として、改正基準値 の適用までに2年の猶予期間を設けることとされました。  なお、同検討会の議事要旨につきましては、参考までに資料の最後の1枚紙でありま すが、参考資料2−2として付けております。  以上をまとめますと、資料2−1の5ページの改正案の表のとおりとなりますが、本 日ご了承をいただければ、本年4月1日からの施行を目指し、各基準に係る省令改正の 手続を進めたいと考えてございます。  続きまして、資料3、今後の水質基準等の見直しについてをご覧いただきたいと思い ます。  前回の部会以降、食品安全委員会による新たな健康影響評価の知見が示されてきてい るところでございます。これを踏まえ水質基準逐次改正検討会において検討いただき、 次期の水質基準等の見直しの方向性を整理してまいりました。1ページから始まる表は、 農薬類以外の項目について、現行基準の設定の基となった平成15年の厚生科学審議会答 申ではどのような考え方であったのか、これに対して食品安全委員会の最新の評価内容 はどうなっているのか、それらを踏まえ水道水質基準等としてはどのような対応方針と すべきかを対比させたものでございます。  白抜きになっているところは、食品安全委員会の評価内容と従来の厚生科学審議会答 申の考え方が基本的に同じものであり、これらの項目については基準変更の必要はない ものと考えられるところでございます。他方、着色しているところは、食品安全委員会 の評価結果と平成15年答申の考え方が異なるものであり、対応の方向性について検討を 要する項目でございます。  水質基準項目としては、2ページにございますテトラクロロエチレンとトリクロロエ チレンが、また水質管理目標設定項目としては4ページにございますトルエンが該当い たします。それらについて少し詳しく整理したものを5ページから付けておりますので ご覧いただければと思います。  (1)のテトラクロロエチレンは、ドライクリーニング溶剤や金属部品の脱脂剤などに用 いられる物質でございます。食品安全委員会から示された耐容1日接種量、14μg/kg/ 日を用い算定しますと、評価値を0.04mg/Lに緩和することが考えられます。しかし、 このテトラクロロエチレンは、地下水汚染の代表的な原因物質として知られる難分解性 物質であり、水質基準を達成するために使用を中止している水道水源も少なくございま せん。  水道水の安全性の面からは、水道水質を現状から悪化させないよう対応すべきものと 考えられ、平成15年の水質基準見直しの際も、当時のWHOガイドラインの評価値が 0.04mg/Lであったものの、安全性の観点から評価値を0.01mg/Lに維持した経緯がご ざいます。こうしたことから、今般も評価値は0.01mg/Lを維持することが適当だろう と考えてございます。  また、近年の検出状況としましては、浄水から評価値の10%値を超えて、毎年20件前 後検出されているため、引き続き水質基準項目としての位置付けが妥当であると考えて おります。  次に、(2)のトリクロロエチレンは同様に金属の脱脂剤などに用いられる物質であり、 地下水汚染の原因として知られる物質でもあります。食品安全委員会は、耐容1日摂取 量を1.46μg/kg/日とするとともに、WHOガイドラインに倣って、飲料水の寄与率を 50%と仮定した場合の評価値、18.3μg/Lを参考値として示しております。  WHOガイドラインは、医薬品や末端商品中のトリクロロエチレンの使用が中止され、 それらによる曝露が減少したため、飲料水の寄与率を50%としているものですが、併せ て水道水からの蒸発に関して、シャワーや入浴の頻度が高い国では、基準設定の際にそ れらの追加曝露を考慮すべきと指摘しております。また、我が国の水道水中のトリクロ ロエチレン濃度を見ますと、6ページの表にありますように、汚染された地下水を原水 としている地域等において特異的に高く検出される場合があり、そのような水道水を摂 取する集団を想定して健康リスク評価を行うことが適当であると考えられるところです。  こうしたことから、11ページの別紙にまとめていますが、原水汚染がある場合の水道 水中の濃度レベルと、入浴の頻度が高い我が国のライフスタイルを考慮し、我が国のデ ータを活用することを基本に曝露評価を行っております。その結果、1人1日当たりの 総曝露量71.2μgに対し、水経由の曝露は経口飲用分、入浴による吸入経皮曝露分を合わ せて50μg、飲用水寄与率は70%と推定されました。この寄与率を用いて算定を行い、評 価値を0.01mg/Lに強化していくことが適当だろうと考えてございます。  6ページにお戻りいただきまして、今後は薬品や資機材からの溶出についてデータ収 集・解析を進め、それらに係る基準の見直しを検討するとともに、食品安全委員会に対 しても、水道水質基準の変更について意見を求めていきたいと考えております。  続いて、(3)のトルエンは、染料、香料、火薬、合成高分子材料などの原料として、工 業的に広範に用いられている物質でございます。食品安全委員会から示された耐容1日 摂取量、149μg/kg/日を踏まえて計算しますと、評価値は0.4mg/Lに緩和できると考 えられるところです。ただし、不確実係数が3,000と大きいことから、評価値は暫定値の 扱いになるものと考えております。  浄水における近年の検出状況としましては、ほとんどが新たな評価値の10%値以下に おさまっているところですが、検出事例が継続して見られることから、評価値を0.4mg/ Lに緩和した上で、引き続き水質管理上注意喚起していくことが適当であると考えてご ざいます。  なお、PRTR、化学物質排出移動量届出制度による集計結果を見ますと、トルエン の公共水域への排出割合は全体の1%未満であり、また減少傾向にあるところでござい ます。  次に、8ページでございますが、農薬類についても幾つか食品安全委員会から新しい 健康影響評価が示されております。表の見方は先ほどと同じで、着色しているところが 従来の評価値と変わってくるところでございます。農薬類につきましては、第1群とい うのが水質管理目標設定項目になっており、その下の第2群というのは検出されるおそ れがあるものの、現在のところ水道水に適した測定方法が確立されていないことから、 候補物質となっているものでございます。  第1群の4物質、第2群の1物質について食品安全委員会の最新のADI、1日最大 許容摂取量を踏まえ、評価値をそれぞれ緩和できるものと考えてございます。また、第 1群の4項目のいずれも、新たな評価値の10%値を超えて検出されていませんので、現 時点で水質基準項目への格上げは要しないものと考えております。  最後に9ページでございますが、浄水処理や下水処理での塩素処理によって生成する ことが報告されているNDMA、N−ニトロソジメチルアミンについては、前回の部会 でのご了承を経て、本年度から要検討項目に位置付けているところです。その後、水質 基準逐次改正検討会において、WHOやEPAの毒性評価を踏まえ、評価値の検討を進 めていただいてきました。  WHO、EPAは、ともにラットを用いた同じ発がん性試験の結果を用いて評価を行 っておりますが、EPAは1993年に全投与群のデータを基に0.007μg/Lを算出し、他 方WHOは良好なフィッティングを得ることができた低用量群を用い、ベンチマークド ース法により、ガイドライン値0.1μg/Lを2008年に設定しています。  両者を比較しますと、近年の評価の手法は、低用量域のフィッティングを重視し低用 量外挿に適したモデルの選択の観点からも、WHOガイドラインの評価手法がより適切 と考えられました。なお、EPAの2005年の発がん性評価のガイドラインの改定や、食 品添加物の国際専門家会合JECFA等での近年の遺伝毒性評価において、ベンチマー クドース法を用いて評価する事例が増加してきているところでもございます。  こうしたことから、WHOガイドラインの評価手法を踏まえ、NDMAに関する評価 値は0.1μg/Lと算定されたところです。今般ご了承いただきましたら、この評価値に 照らして、今後浄水の検出状況等を解析し、その上で水質管理目標設定項目への格上げ の必要性があるのかどうか検討をしていくこととしたいと考えてございます。  以上でございます。 ○大垣委員長  ありがとうございました。  今、事務局からカドミウムに係る水質基準の設定等について、前回の部会以降の対応 状況について、前回の部会での方向性を踏まえ、それからパブリックコメントへの対応 も含めて、今後の対応策について説明がございました。  また、トリクロロエチレンなどの水質基準等の見直しの方向性についても提案がござ いました。資料2−1と2−2と資料3の説明に対するご質問をお願いしたいと思いま す。ご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょ うか。  はい、どうぞ。 ○佐野委員  ちょっと分からないのでお聞きしたいのですが、参考資料2−2に書かれているとこ ろなんですけれども、カドミウムの0.01を0.003に強化するということに関しては賛成な んですが、お聞きしたいのは、ここのところの末端給水用具と書かれていますが、その 末端給水用具って一体具体的に何なのか分からないので教えていただきたい。  ここで書かれておりますのは821製品中52製品、約6%が基準値を超えていると、それ でそのためにこの2年間猶予を持ったのか。そうしたらその2年間の間に何をするのか。 この6%設置されているものを排除するのか、どういうことをするのか、なぜ2年間な のかというのを、そこら辺をご説明ください。 ○大垣委員長  よろしいですか。  参考資料2−2のほうですね、逐次改正検討の議事要旨のほうの問題です。 ○吉口水道水質管理官  まず、ご質問いただきました1点目の末端の給水用具という部分でございますが、水 道の関係施設・設備につきましては、公道の下に布設されている水道管までが水道事業 体が所有をいたします水道施設になりますが、そこから給水管というのが分岐して設け られておりまして、各家庭の蛇口まで続いているわけでございます。その部分のことを 給水装置と申します。給水装置の中で末端と申し上げているのは、蛇口、一番飲み口の ところでございまして、給水栓が代表になりますが、末端の部分の給水用具ということ になります。それ以外の部分は末端以外の給水用具と給水管ということになってござい まして、給水装置の構造、材質の基準は、末端部分と末端以外の部分に分けて規定をし ているということでございます。  先ほどの資料2−1の5ページの表にございますように、この末端部分と末端以外の 部分では、新しい基準値、10倍違うわけでございますが、水栓その他末端用具の部分に つきまして、一部の給水用具の中に直ちに基準に満たせないものがあるということが判 明をいたしました。それが参考資料2−2の6%という結果であったわけでございます。  6%であれば、それを排除する形で新しい基準を直ちに適用してもいいんじゃないか ということも考えられ、検討会でもそういったご意見があったんですが、実はこの末端 の部分にカドミウムが溶出してまいりますのは、末端の給水用具に使われております銅 合金の原料に亜鉛があるわけですが、その亜鉛の不純物としましてカドミウムが含まれ ている場合があるということでございます。これをうまくコントロールできればよろし いんですけれども、現在のところどういった溶出のメカニズムでどれだけの量が出てく るのか、それを制御するためにはどういう対策を講じればいいのかということが分かり ませんので、6%ということではありますが、それが出現するのがばらつきが出てくる ということでございます。  そこで、検討会でもご議論いただきましたが、原因を解明するとともに、それを踏ま えた対策を講ずる準備期間という意味で2年間をとった上で、新しい基準を適用してい こうということになったところでございます。 ○佐野委員  すみません。2年間メカニズムが分からないから、それをきちんと研究するのはいい んですけれども、じゃその6%のそれを持っている人は、そのままずっと待っているだ けなんでしょうか。 ○吉口水道水質管理官  まず、給水装置の構造、材質の基準につきましては、これまでもそうでございました けれども、新しい基準値は新しい製品から適用させていただくというスタイルをとって ございます。カドミウムにつきましても、新しい基準値は新しい製品から、これから使 っていく製品から適用させていただくという同じ考えをとっているところでございます。  ちなみに、現在の給水装置を通して水道水を飲んでいただいているわけですけれども、 蛇口から出てきます水道水の中にカドミウムはどれだけ含まれているかということでご ざいますが、新しい水質基準0.003mg/Lを超えているところはないというのが現状でご ざいます。既にお使いいただいている給水装置を引き続き使われたとしても、それが新 しい評価値を超えてしまうような水を飲むことにつながるというわけではございません。 ○大垣委員長  よろしいでしょうか。よろしいですか。  じゃ、ほかの観点でご質問とご意見ございますか。  今の関連。それじゃ、ちょっと。 ○安藤委員  ちょっと補足させていただきます。  この五百幾つというのは、新しい管で実験したときの状況だとこういうことでござい ますね。ですから、新しい管の場合はそれは困るわけですけれども、今布設している中、 そこではオーバーしているものはないということからして、これで2年間の猶予を与え てもいいんじゃないかと、そういう考え方です。その間にオーバーした分については、 なぜオーバーしたか、それをちゃんと検証してくださいよということになったというこ とです。  本来は、蛇口というのは非常に構造が複雑ですから、鉄そのものではできないんです ね。つまり必ず合金にしなきゃいけない。そこで、これを入れなきゃいけないというこ とになる。亜鉛を入れなきゃいけないと。亜鉛を入れるということは、必ず自然界で必 ずカドミウムも一緒についてきちゃうんですね。ですから、本来は亜鉛が入っていない、 そういう蛇口ができればいいんでしょうけれども、それが今のところ技術的にまだクリ アしていないということから若干の時間をいただきたいと、こういうお話だと思います。 ○大垣委員長  よろしいですか。  御園委員、どうぞ。 ○御園委員  資料2−1の3ページの銅の関係についてちょっとお伺いをします。  今回、現行どおりということで問題ないんですけれども、ちょっと教えていただきた いのは、1番の水質基準の4つ目のポツです。食品安全衛生委員会の食品健康影響評価 の上限摂取量が、許容上限が9mgとありますが、この辺は水道は着色の観点で1.0という ことでございますけれども、この食品健康影響ということで9mgという、この根拠を教 えていただきたいと思います。 ○大垣委員長  じゃ、お願いいたします。 ○松田水道水質管理室室長補佐  前回の水道部会においても提出をしたところですけれども、食品安全委員会の評価内 容としては、食品添加物のグルコンサン銅の人当リスク、許容上限摂取量を銅として評 価をしています。これが9mg/1日当たり/人当たりということだったということで、 この評価内容を踏まえて、今回の水道水質基準についての見直しが必要かのリスク評価 を行ってきたというところでございます。 ○御園委員  人間にとって必須摂取物質ということで銅は位置付けられていると思うんですが、毒 性があるんですか。毒性はどういう毒性なんですか。それがちょっとよく分からない。 ○吉口水道水質管理官  すみません、どういう毒性かということについて直ちにお答えはできないんですが、 御園委員おっしゃいましたように、この銅というのは必須物質であるということでござ いまして、資料の2−1の6ページから参考ということで、銅のリスク評価の概要を添 付させていただいておりますが、その7ページの下から半分の部分のところにもありま すように、銅の摂取の推奨量としましては0.75mg/人/dayということでございます。  今回、先ほど見ていただきましたように、水を由来して摂取いたしますのは0.409mg/ dayということでございます。併せて食品のほうから1.18mg/dayということでございま すので、1人1日当たり、その上の部分に書いてございますが、1.59mg/人/dayという ことでございます。  この曝露評価の結果から、推奨量は食品と水を経由してカバーをしていると言えます。 他方、許容上限摂取量のほうでございますが、9mg/人/dayということでございますの で、その範囲には十分おさまっているという曝露量評価の結果になってございます。 ○大垣委員長  よろしいですか。  はい、どうぞ。 ○安藤委員  ちょっとこれにも補足させていただきます。  銅は、御園先生おっしゃったように必須金属でございます。じゃ、必須金属というこ とは毒性がないのかとこういうお話になりますけれども、そういうことではなくて、例 えばマグネシウム、あるいはカルシウム、あるいは鉄、全て量がべらぼうに多くなれば 当然毒性というのは出てくるということになります。  またまたここで出てきた9mgという値は、先ほど事務局から申し上げましたグルコン サンに銅が付いているものでございます。これは食品添加物になっております。食品添 加物も多量に摂取させれば当然それに対する影響が出てくるという、それを目安にした ということでございます。  つまり、一般的な重金属の毒性というところから出したものではございませんけれど も、いずれにしてもその上限としてこのデータが使えるんじゃないかということで、こ れを使わせていただいたということでございます。 ○大垣委員長  ありがとうございました。  ほかの質問はございますか。いかがでしょうか。よろしいですか。  はい、どうぞ。 ○佐野委員  パブリックコメントのところでお聞きしたいんですけれども、資料2−2の4ページ のところですが、ここの上のところで、この改定には賛成できないと書かれています。 回答のほうでは「食品健康影響評価に基づき」と書かれていて、妥当な値であると。た だ、その左側のご意見のほうの賛成できない理由として、農薬登録保留基準等よりも高 く設定されているという。これは環境全体のことだと思いますが、なぜ水質基準が農薬 登録保留基準よりも高くてもいいのかというのがちょっとよく分からないので、説明し ていただきたいんですけれども。 ○大垣委員長  お願いします。 ○松田水道水質管理室室長補佐  基本的には水道水質基準というものにつきましては、最新の科学的知見に基づきまし て、適宜見直しをしていくということがまず前提になっているということです。それで、 内閣府の食品安全委員会におきまして、食べ物や水など口に入れるものについての様々 な物質についての毒性評価というのを、近年、平成15年以降ずっといろいろな物質につ いて行っておりまして、それで今回示されているこれらの物質について、ごく最近まで の科学的知見、最新の科学的知見を踏まえた評価というのを行っていただいています。  水道水質基準というものについては、この水質管理目標設定項目もそうですが、基本 的にはこの食品健康影響評価の国内外の最新の科学的知見を踏まえて、評価値を検討し ていくという方向で検討しておりまして、そこで、今回この内閣府の食品安全委員会の 評価を踏まえて、今回水道水の評価値を見直しするのは妥当ではないかということで考 えているということで、ここで示しております。  一方で、環境省のほうでも、このような農薬登録保留基準等ございますけれども、こ れらにおいても、そういった水産動植物に対する被害という観点で基準が決められてい るということだと思うのですが、基本的には飲料水に関する基準ということですので、 ヒトの摂取ということを考慮した食品安全委員会の食品健康影響評価に重きを置いたと いうことでございます。 ○大垣委員長  どうぞ。 ○佐野委員  ご説明は分かりましたが、私はお水と環境ってぷっつり切れるものではないと思って いまして、できるだけ広く考えるべきではないかと思います。  それで、今ご質問したんですけれど、私はできるだけいろいろな基準に整合性を持た せながら考えていったほうが、特に口に入るものですから、いいのではないかなと考え ています。 ○大垣委員長  どなたか詳しい方。  はい、どうぞ。 ○安藤委員  この農薬登録保留基準にも私参加しておりまして、その状況、これが正確だったかど うだか分かりません。ですが、一般的なお話をいたします。  まず第一に、農薬登録保留基準よりもほかの値が、あるいは環境基準が高い場合、そ ういうことがございます。幾つもございます。それはどういうところから出てくるかと いうと、一つは安全を出すための毒性の基のデータが違うということが一つ。もう一つ は、同じデータでも考え方の時期のずれがある、そういうことがございます。その結果、 環境省が農薬登録保留基準で出したときの値と今回の食品安全委員会が出した値という のは、時期的なずれがあったんじゃないかなと私は思っております。  そういうことからすると、こういう一般的にいうと、当然環境の値よりもむしろ水の 値は低いほうがいいじゃないかと、こういう考え方が成り立つと思うんですが、それは あくまでいわゆる科学的な知見、つまり毒性データに基づいて我々はどのぐらいに設定 すべきだということを考えておりますので、新しいデータで値が高くても大丈夫だとい うデータが出ればそちらに動くと、こういうことだと思います。一般的なお話といたし ましてはそういうことでございます。 ○大垣委員長  よろしいでしょうか。  ほかの点よろしいですか。  はい、どうぞ。 ○古米委員  水質基準項目のテトラクロロエチレンの件でお聞きしたいと思います。現行基準が 0.01ということで、きっとこれは水質環境基準とも連動した形で今設定されていると。 今回の食品安全委員会での評価値としては0.04ということなので、もう少し高い濃度で も影響はないだろうということで、緩和するようなことも考えられると。しかしながら、 今日のご説明ですと、地下水汚染の物質で重要であるということも踏まえ、なおかつ現 状非悪化ということで、0.01ということで厳しい数値を継続することは、ある意味まだ 地下水汚染が進んでいて、それが水源になっていて、それが水道原水になっているとい う意味においては正しい方向だと思います。しかし、いずれ環境基準もその達成が十分 に進んでくれば基準等項目としては外れていく可能性もあるわけですよね。  そういったときには、この評価値というものが0.01から0.04というような形で、将来 的には変わっていくのかどうか。そこら辺の考え方、要は水源となっている地下水汚染 の実態とどの程度まで連動しながら、この基準値をどのタイミングで緩和するのかとい う考え方。今回は、現状維持で問題ないと思うんですけれども、いずれは地下水汚染が 改善されていくと、その達成がされているという状況になってくると、水道水質基準と して緩和するというような方向にいくんでしょうか。そこら辺の考え方をちょっとお聞 きしたいのと。  場合によっては、以前にも同じような基準緩和の検討があったときに、やはり緩和を しないで現状維持だという例があったのであれば、それがどういう関連で適用されてい るのかをご説明いただくと非常に分かりやすいかと思います。 ○大垣委員長  お願いします。 ○吉口水道水質管理官  検出の現状につきましては、資料3の5ページでございますけれども、原水と浄水に おける過去4年分の検出状況を掲載いたしております。  原水のほうは評価値自体を超過しているもの、それから浄水のほうは評価値の10%を 超過しているものということで整理してございますが、近年の状況を見ておりますと、 浄水ですと10%値を超えるものが20件前後で推移している状況となっております。原水 のほうも、状況は同じ傾向が続いているのかなということでございます。こうした水源 の状況、それから浄水での状況を踏まえますと、当面はまだこういった状況が続くのか なというような感じではないかと考えてございます。ストック汚染、難分解性の物質と いうことでございますので、直ちに環境中の汚染状況が改善に向かうのかどうかという ことはございますけれども、今委員おっしゃいましたように、検出の状況等が今後変化 していく、環境からそもそもテトラクロロエチレンという汚染問題が相当改善される、 今後水道水源において、この項目について改善が見られ、もうそれほど懸念される状況 にはないということがあった場合には、この基準自体の在り方について再度点検してい くということもあり得るかと思います。 ○大垣委員長  よろしいですか。  はい、どうぞ。 ○古米委員  そうなってくると、要は評価値としては0.04が新しく値となってくると、単純にいう とそれを水質環境基準にすると、それの10%値となると、0.004という数値が新しい状況 を判断する基準に変わりうるわけですよね。そうすると、現状で0.01の状態で10%値を 議論するのと、将来0.04になったときに同じように10%値の議論になると、今現在とし て原水として10%値を超えているのが6だとか幾つか出ているのが、実際上0.04を超えて いるかどうかというのが非常に気になる点です。それが0.04っを超えている状態であれ ば、今回は緩和しなくていいという議論に非常にすんなりいくんですが、そこら辺は今 回の測定地点に関する検出の状況というのは、あくまでも0.01での評価した統計値です。 私自身はこれでもいいとは思うんですけれども、それが0.04に対して、それ以下になっ ていたときに、かなり早い段階で判断をするようなこともあり得るのかなという気がす るんですが、そこら辺はどう考えるんでしょうか。 ○粕谷水道課長  単に今ある0.01や0.001を超えるかどうかということだけで見ているのではなくて、そ こに0.04というファクターも入れた上で、実際の分布がどうかとか、あるいは同じ定点で 見たときにどういう挙動をしているとか、もう少し詳しく見た上でいろいろ、いずれにし ても判断していくということになろうかと思います。 ○大垣委員長  それは次へのステップの過程であるということ。 ○粕谷水道課長  少し詳しく分析を今後していく必要があると思います。 ○大垣委員長  ということでよろしいでしょうか。  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ。 ○安藤委員  今のことについても、ちょっと私なりの考え方ですが。  この化合物は当然地下水の中では変わっていくものですね。つまり、これがチクロロ エチレンだとか、あるいは塩化ビニールだとか、そういうふうに変わっていく可能性が ある。そういう観点からするとなるべく下まで、しかも地下水というのは流れが非常に 緩やかですから、場合によると100年かかってやっと到達するというぐらいかかりますの で、長い間やっぱり見ていくというのが非常に大事だろうということから、こういうふ うな値でいこうということだと思います。  それからもう一つは、もしそれでもなくなったらどうかという考え方については、私 は私個人の話ですけれども、なくなってもいいかなというふうには思うんですが。つま り、農薬でもそうなんですが、失効農薬というのがあります。つまり農薬としては認め ませんよというような、使ってはいけませんよというものがございます。例えばBHC がそうでした。DDTがそうでした。それからCNPがそうです。パラチオンがそうで す。そういうものは失効農薬として全て関係ないから農薬から全部外しちゃうという考 え方がありますので、当然そういう考え方ということも出てきてもいいじゃないかなと、 そういうふうに考えています。 ○大垣委員長  ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。  ないようでしたら、先ほどいろんな観点からご意見がございましたが、基本的には事 務局の案についてご了解いただけたということでよろしいでしょうか。  水質基準逐次改正検討会からの報告に基づくものでもありますし、先ほどのカドミウ ムの件もありますが、よろしいでしょうか。  それでは、どうもありがとうございました。  続きまして、資料の4に移りたいと思います。資料の4は過去の検出状況を踏まえた、 今後の水質基準及び水質管理目標設定項目の分類の見直しの考え方についてであります。 では、説明をお願いいたします。 ○吉口水道水質管理官  それでは資料4、水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類の見直しについてを ご覧いただきたいと思います。  既に水質基準項目あるいは水質管理目標設定項目となっている物質につきましても、 その使用状況等に応じて、水道水から検出されます濃度あるいは頻度が変化していくこ とが想定されるわけでございます。比較的高濃度かつ高頻度で検出されるようになった 物質は、水質基準項目としていくなど、浄水等からの検出状況に応じて、位置付けの変 更の要否について計画的にレビューを行うことが必要となってまいります。  このため、水質基準逐次改正検討会で検討いただきまして、水質基準項目と水質管理 目標設定項目の分類の考え方を整理し、その明確化を行ったところでございます。  こうした定期見直しの作業は、水質基準項目としての位置付けを維持すべきもの、逆 に水質管理目標設定項目としての位置付けを維持すべきものがあることから、そうした 項目を外して、作業対象を一定程度絞り込んだ上で進めることが適当であると考えられ ます。  2ページの(1)の表でございますが、水質基準項目に据え置くべき物質を示してご ざいます。水道法第4条の例示項目、環境中に広く存在し少なくない水道事業体におい て対策を要している項目、飲料水の水質としての基本的指標と考えられる項目などが、 ここに該当するものと考えられます。  他方、(2)の表は、水質管理目標設定項目に据え置くべき物質を示しておりまして、 評価値が暫定という扱いになっている項目、水質基準を補完して設定されている、そう いった性格を持っている項目、より望ましい水の目標値としての項目などが、ここに該 当するものと考えられます。  さらに、3ページの下の表にございます、社会的関心が高い物質、あるいは塩素処理 やオゾン処理といった浄水工程で副生成される物質も、最新の科学的知見に基づき専門 家の議論で確認いただくべきではございますものの、水質基準項目に据え置く方向で考 え、当面分類見直しの作業対象から外してよいのではないかと考えられます。  したがいまして、分類見直し作業の対象物質としましては、4ページの表にあります 水質基準項目から14項目、及び水質管理目標設定項目から11項目が挙げられるところで ございます。  見直しの際に使用する水質検査データにつきましては、一時的な検出に左右されるの ではなく、検出の傾向を的確にとらえることが重要であることから、近年の単年度だけ ではなく、5年程度の検査データを収集整理し用いる必要があると考えてございます。  水質基準等の分類要件の考え方につきましては、これまでの厚生科学審議会の平成15 年答申や平成4年答申において示された考え方を基礎とし整理がなされました。5ペー ジの上の表にございますように、平成15年答申では、評価値の10%値を超える検出が見 られることといった要件が、また平成4年答申では、評価値の10%値を超えるものが一 定程度検出されるとともに、最大値が評価値の50%値を超えていることといった要件が 水質基準項目の分類要件として示されております。  これらの考え方を参考にしまして、今般、水質基準項目を水質管理目標設定項目へ格 下げするか否かの目安としましては分類要件1を、また、水質管理目標設定項目を水質 基準項目に格上げするか否かの目安としましては分類要件2を設定することとしたいと 考えております。  5ページの下の表にございますとおり、見直しの際に水質基準項目であるものについ ては、最近3カ年継続して評価値の10%値を超過した地点が1地点以上残されている場 合には、水質基準項目としての位置付けを維持することとし、そうした状況に該当しな くなった場合には、水質管理目標設定項目への格下げを行います。見直しの際に、水質 管理目標設定項目であるものにつきましては、最近3カ年継続して評価値の50%値を超 過した地点が1地点以上出現するか、あるいは最近5カ年間に評価値自体を超過してし まうような地点が出現するようになった場合には、水質基準項目への格上げを行いたい と考えております。  ただし、6ページに記しておりますように、検出状況の変動だけから機械的に分類す るのではなく、環境汚染の推移の状況でありますとか、あるいは浄水処理サイドにおい て除去技術の進展の状況、こういったことも含めまして総合的に評価することが大切で あると考えてございます。また、直ちに対策を要するような状況が生じた項目につきま しては、随時水質基準項目への格上げを検討すべきであると考えております。  本日ご了承いただければ、今後分類見直しの年次計画を作成しまして、計画的に見直 し作業を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○大垣委員長  ありがとうございました。  今、各種項目の分類の見直しの考え方について提案がございました。資料4の説明に 関しまして、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。  はい、どうぞ。 ○佐藤委員  先ほどの項とも関連をしますけれども、基準の見直し等々に関わっては、これは決し て否定するものではないんですけれども、問題は検査体制の在り方について、もしご承 知であれば、ここ5年10年ぐらいでどういう状況になっているのか。つまり、何を聞き たいかというと、事業体独自で行っているところ、また20条機関で行っているところ、 それぞれもしデータがあれば、それの推移が分かればお教えをいただきたい。  なぜそういうことをお伺いするかというと、事業体が本来やるべきだということにつ いては、労働組合の立場からもこれは主張してきておりますけれども、残念ながら中小 規模が多いと、小規模が多いというような状況の中で、20条機関にゆだねるということ なんですけれども、最近私ちらっとインターネットを見ますと、このデフレ時代を反映 しているのかなというような見間違うような内容、つまり検査、他社は24万円、当社は 8万円だとか、それから5割引だとかと、本当に人の安心・安全、命を担保するにふさ わしい検査体制なのかなというようなものが、堂々とインターネットに載っているとい うこと自体、極めて問題がありはしないかということで、その辺の今現在の検査体制が どうなっているのか、さらにはその20条機関も数多いというふうに思うんですけれども、 そこに対する厚生労働省としての指導体制だとか働きかけだとか何かあれば、併せてお 伺いしておきたいなというふうに思います。 ○大垣委員長  よろしくお願いします。 ○吉口水道水質管理官  まず、水質検査体制の実情でございますけれども、私どものほうで大臣認可の水道事 業体、それから北海道のほうは道州制特区ということで、北海道が直接指導監督してご ざいますが、北海道の中の5万人以上の水道事業体、合わせまして490ぐらいの事業体の 状況を調査をいたしましたところ、全項目自主検査している、あるいは共同で検査して いるというところもございましたが、全体の68%ぐらいが一部もしくは全部水質検査を 委託されているという実情にございました。  これに対しまして、委託されているのが水道法20条に基づきます登録検査機関という ことでございます。こういった20条の検査機関が、その料金設定をどういうふうに設定 するか、いろいろな幅があるものと理解してございますが、それはその機関がどんな実 施体制でやっているかとか、あるいは検査の単価がどうかとか、さらには機関によって は一定の経営戦略をもって戦略的な料金を設定されているということもあろうかと思い ますので、価格設定自体に幅が存在するのはある意味いたし方ないといいますか、それ 自体が問題ということではないのかなと思います。その一方で、水道法に基づいて水質 検査を適切に実施いただけなかったことによって、検査の価格が不当に下げられている ということがあってはならないというふうに考えておりまして、仮に20条機関において 不適切な水質検査が行われ、それが判明した場合には、水道法の中でも改善指導を行う という規定もございますし、また改善指導に基づいた改善が見られない場合には、業務 の停止でありますとか登録の取り消しといった措置も対応できることになっているとこ ろでございます。  水質検査というのは、需要者の方が直接口にされる水の安全性を最終的に確認するも のでございますので、正確さと高い信頼性をもってやっていただくということが必要で あると考えておりまして、ずさんな検査は排除されなければならないと、私どももその ように認識しております。そういったことで、厚生労働省では水質検査の精度管理の向 上を目的にしまして、外部精度管理調査というのを例年実施をしてきておりまして、調 査結果に基づいて登録検査機関の階層化、またそれを公表するといったことを行うとと もに、検査結果のばらつきの大きいような機関に対しましては、原因等改善策を調査す るといったことで、実地にも調査をするといったこともやってきているところでござい ます。  そうしたことを通じまして、水の安全性確保をする上での最終チェックである水質検 査が適正に実施されるように取組を進めてきているところでございます。 ○大垣委員長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかには。  はい、どうぞ。 ○安藤委員  今、佐藤委員からお話があったことに関した問題です。私も実はこれは非常に危惧し ております。と申しますのは、今の水道検査体制はどうなっているのかと、これを考え なければいけない。  いわゆる本来は、水道事業体が自前で検査をして、それが安全だという保証をしなさ いよと、これが水道法ですよね。今、実際はどうなっているかと。今は多分1万4,000ぐ らいに水道事業体は減っているんでしょうか、で自前でできるのはたかだか150か、いっ ても200かなというふうに思うんですね。そこは自分の水道ですから自分でしっかり調べ ます。  平成十四、五年まではどうであったかというと、水質の指定検査機関、つまり厚労省 が認めた検査機関がやっていた。これは都道府県に大体1個ずつあった。それが全部で 政令指定都市も含めると70近かった。このときは非常にデータはよかった。なぜいいか というと、地方の水道の実情を知っているということ。それから、トラブルに対して対 応する、そういうこともやっていた。こういうことなんです。ところが、制度が変わり ました。それは規制緩和という名の下に、全部国が見るべきものは民間が導入していい ですよと、こういうふうになってきたということです。  この水質検査体制というのもどうなったかというと、指定検査機関から登録検査機関 になった。登録ということは、民間が参入していいということになりました。今まで70 あったのが、今度は210になった。ということは3倍になったということなんです。これ は民間が参入してきたと、こういうことなんです。そこで、大きな問題が生じてきたな というふうに思っております。  つまり、民間が参入するということは、登録ですから手を挙げればいいということで す。もちろん手を挙げるということは、ある程度の縛りがあります。それは全部書類で 審査ですね。それでオーケーになっちゃった。こういうことなんです。  そこで、その登録制度はちょっと問題があるな、私自身当然これを答申したときはそ ういう考え方に立ちましたから、ただそこで問題なのは、登録したところに対してある 程度の枠をつくらなきゃいけないだろうと、こういうふうに思いました。そこでできた のが、先ほどの精度管理の問題です。これは精度管理であって、データが正しいか否か だけなんですね。もう一つは精度保証ということもやってくださいよと、こういうふう に言いました。それについては、20条の登録機関はやりました。やりましたが、中身が 伴っていないということが実情です。  大きい水道事業体はどうなっているかというと、やはりそれも将来はこのGLP体制 というものをやっていただかなければ困りますよというふうな答申をしました。その結 果、日本水道協会の中にGLPの委員会ができて、やっていただいているということで す。今50ぐらいの機関でしょうか。水道事業体もGLPを取っています。  そういう状況なんですが、問題はそのほかに、検査をするということはお金がかかり ますので、そうすると中小の水道事業体はやっていけませんよとこういうことになる。 で、厚労省はどういう考え方にしたかというと、検査頻度を下げてもいいですよ。つま り、きれいな水のところはですね、それが一つ。もう一つは、検査項目を減らしていい ですよ、これもつくりました。これはもちろん、その周りの状況を踏まえての問題です ね。それから、水道の検査計画、これをつくってくださいね、こういう制度も全部つく りました。  ところが、一つは、私もちょっとどうなってこうなったのかなということを調べまし たらば、総務省から一つ法律が出ていまして、競争の導入による公共サービスの改善に 関する法律、これが出ている。つまり、競争の原理を導入しなさいよと、こういうふう になっていると。これが、つまり水の安全性という一番大事なところ、そこに入っちゃ ったと、こういうことなんですね。これが大きな問題になったなと。  その210にもなったそういう登録検査機関は、我も我もといって手を挙げて、それでダ ンピングになりかねない。私は具体的にそういう事情がどうだというのは、何となくう わさは聞いておりますが、よく分かりませんけれども、いずれにしてもそういう状況に なってきたということでございます。  したがって、これから20条の登録制度というところをもう一回見直していただきたい なということが一つ。  それから、やはりGLPという、そういうものを本当に履行していただく、こういう ことにしないと、つまりISOの17000というそういうものがありますけれども、そうい うものを履行していただきたいなということ。  それから、もう一つは中小の水道事業体、ここも問題だと私は思っております。つま り小さな水道事業体は安ければいいわけですから。ここに安いところと一緒になっちゃ うととんでもないことになっちゃう。つまり、中小の水道事業体にして、安全性という ものについて強く教育をしていただければありがたいなということが、どちらかという と御園先生にお願いする部分ですけれども、そういうことをやっていただきたいなとい うことが、今ついでに出ましたのでちょっと申し上げた次第です。 ○御園委員  今、安藤先生から詳しくご説明いただきました。  私どもも水道GLPという水道法の20条検査機関もGLPに参加しつつございます。 それから、水道事業体ももう60ぐらいになりましたですかね。非常に申請が多くて、ま だまだ拡大をしておりまして、私どもは最低でも二、三百の事業体に拡大していきたい なと思いますし、中小も今のところ20条機関に委託をしたり、あるいはその大きな事業 体にGLPを取得しているような事業体に委託をしたり、そういう状況も生まれており ます。  したがいまして、私ども実は今水道事業の広域化というのもやっておりまして、中小 の水道事業できるだけ多くなって、財政的にも経営的にもうまくやろうというような中 で、水質検査というのは意外と広域化ができるかなというふうな感じがしておりますの で、安藤先生にはいつもお世話になっておりますけれども、我々もこれからそういう検 査の精度の確保といいますか、それについて努力していきたいと思っています。よろし くお願いいたします。 ○大垣委員長  ありがとうございます。  見直しのことで、話が少し検査そのものなんで、国として重要なことですので、ぜひ この点に関しても間違いなく進めていただきたいと思います。  それでは、資料4はこれでよろしいでしょうか。  簡潔にお願いします。 ○古米委員  資料の中で3年とか5年というのが、基本的には検査結果の保存義務年限が過去5年 であるという、どこかに法律上か何か制度があって、それが関係しているのかと想像し ます。しかし、考えてみれば、昔の時代であれば紙のベースでしっかり残さなくちゃい けない時代であったものが、電子化が進んだ時代において、こういった年限をもうそろ そろ考え直してもいい時代になっているんじゃないかなと。特に安全性を確保するため には、長い期間の情報を見ながら判断することが求められる分野であるにも関わらず、 いわゆる文書の保存年限によって、最近5年というような期間設定ではなく、もう少し 積極的に貴重な水質データを残すべきだという方向性へそろそろ向いてもいいのかなと 感じます。ぜひどこかの場所でご検討いただくといいのかなと思います。特にご回答は 要りませんけれども、そういう感想を持ちました。 ○大垣委員長  多分より広く、公的なデータの保存の議論とも関係してくることなのかなという気が しますが、水質の観点から、ではご検討をどこか別のところで考えていただくというこ とでよろしいですか。別のところというか、改めて。 ○吉口水道水質管理官  今回の分類見直しに当たっても水質の観点から判断していくためには、中長期的にデ ータを見た上で考えていかなければならないという考えでございまして、少なくとも5 年というぐらいのデータは集めた上でということを記しているところでございます。少 なくても5年は集めた上で、5年間の中で値が出てくるとか、3年間継続して出てくる とかといったようなことを把握しながら、的確に作業を進めていければと思ってござい ます。ご趣旨を踏まえた形で考えていきたいと思います。 ○大垣委員長  それでは、資料4につきまして、項目の分類の見直し案はこれでよろしいでしょうか。  じゃ、ご了解いただけたということにいたします。  議題3に移りますが、議題2に関して事務局から特に加えて説明することはございま すか。 ○松田水道水質管理室室長補佐  先ほど御園委員からのご指摘があった、銅の健康影響ということでございますが、当 時の食品安全委員会の報告の中では、肝臓への障害という部分についての影響というこ とを見ているということでございます。  以上、補足でございます。 ○大垣委員長  ありがとうございます。よろしいですか。  それでは、議題3の水道行政の最近の動向についてに入ります。水道ビジョンの改定 を踏まえて様々な取組が進んでいると聞いております。ここでは、前回の水道部会から 約1年間の水道行政の動向についてご報告をしていただきます。よろしくお願いします。 ○粕谷水道課長  ようやくスクリーンが復帰しましたので、あちらを見ていただければと思います。  まず平成22年度、今国会でご審議いただいている予算の中での水道施設整備費関係の 予算でございますが、見ていただきますと、平成21年度水道施設整備、これは水道事業 に対する公共事業としての補助金ですが、958億から737億ということで、対前年比76.9 %と、相当減少しているところでございます。この理由といたしまして、昨年10月に概 算要求をやり直すということになった時点で、厚生労働省計上分につきまして、他の事 業との関わり合いから、要求段階で20%減で要求をするということに加えまして、事業 仕分けの対象ということにも取り上げられました結果として、76.9%という額的には相 当減った額になってございますが、一方で、事業仕分けの結果も踏まえまして、国庫補 助事業の重点化を相当行ったわけでございます。  事業仕分けの中で、水道の補助について言われたのは、補助対象としている市町村の 範囲が、概ね全国の半数ぐらいの水道事業体を補助しようということで取り組んでいた んですけれども、少し広過ぎるのではないかと。もう少し集中して本当に水道料金が高 いとか、そういうところに絞った補助にすべきではないかと。一方で、格差を是正する こと、あるいは耐震化を進めることといったような部分については、仕分けの先生方か らもご理解をいただいて、そこに重点化をすべきではないかというようなご意見がござ いましたので、この図にありますように、資本単価要件を見直すとか行いまして少し減 らした上で、「ハリ」の部分にありますように、老朽管の更新事業については補助率を 改善させる。それから、補助対象施設を追加するというようなことも行いました。併せ まして、「ハリ」の部分の3つ目にありますような、水道の広域化促進事業というもの も創設をしたところでございます。  これは先ほどの議題の中で御園委員からもお話がありましたように、水道の広域化と いうのはどうしても進めていかなければいけない政策なものですから、それを進めるた めの補助制度というのも創設をいたしました。具体的にはこの図にありますように、小 規模水道事業を大規模な水道事業、あるいは水道用水供給事業へ統合しようという場合 に、これまでは統合される側の小規模水道事業にのみ補助をするというケースが多かっ たわけですけれども、こうしたものを引き受ける大規模側にも何らかのインセンティブ が要るだろうということで、小規模水道のほうで行う事業費に相当する部分については、 大規模事業のほうにも補助をしようということで、統合を促進しようというものです。 これによって、水道事業の運営基盤を強化して、様々な課題に取り組んでいってもらお うという施策を具体的に展開していこうということにいたしました。  次が、水道の最大の課題の一つが、水道施設の更新をいかに進めていくかということ でございます。グラフの左側にございますように、水道に対する投資は昭和50年前後と、 平成10年ごろにかなりのピークを見た施設の投資が行われてございますが、平成10年以 降、施設の投資額が減ってきています。それは、この右側にありますように給水量、給 水収入などが横ばいから減少に転じてきているということで、なかなか施設の投資に回 す費用がないということでございますが、一方でこうした状況が続くとどうなるかとい うのをシミュレーションしたのがこの図でございまして、赤の棒グラフが、いわばこれ から更新をしていかなければいけない事業費でございます。一方で、今のペースで施設 への投資が減ってまいりますと、平成30年代半ばには、今ある施設を更新することさえ できなくなっていくというような事態が想定されるということでございまして、何とか 的確な更新をしてもらわなければいけないということで、昨年度からアセットマネジメ ントということを始めているところでございます。  昨年7月にアセットマネジメントの手引きというものを公表いたしました。これのね らいは、この図の下にございますように、技術的な根拠を持った上で、なおかつ財源の 裏付けがある更新計画を策定して実行していただこうというものでございまして、施設 の更新の需要、それから財政収支の見通しを、両方バランスさせるような形でシミュレ ーションをして、30年から40年先の中期的な様子を見通していただこうというものでご ざいます。  具体的なアセットマネジメントのイメージというものをここに示してございますけれ ども、左上のグラフにありますように、緑のこれが更新需要であったとしたときに、棒 グラフは直線的に減ってございます投資可能額というものと比べたときに、投資可能額 を上回っている部分は、上回って更新をしてしまいますと財政事情が悪化します。ある いは30年後のように、投資可能額に対して更新需要が著しく大きいときは、もう更新需 要に対応できないという事態になります。こうした状態で推移いたしますと、上の右側 にありますように、あるときから急激に施設の健全度が低下していってしまいます。そ の結果として、耐震化率もなかなか上昇しないということになります。  それを、アセットマネジメントという一種シミュレーションをやっていただくことに よって、投資の山をならすとか、あるいは料金の改定をして適切な金額としての自己収 入を得る工夫をするというようなことで、施設面、財政両面で健全性を維持して持続可 能な事業にしていただこうということを、自ら築いていただこうということでこの手引 きを示したところでございます。  例えば、更新需要見通しの検討のイメージですけれども、これは人口7万人程度の事 業体を想定して、将来の更新需要を年単位で把握したわけでございますけれども、2026 年から30年あるいは2040年ごろに少し固まっているものを、重要度なり耐震化を反映し て前倒しをすることで平準化もできるというようなことを検討するとか、あるいはその 次にありますように、料金収入、財源確保をどうするかということにつきましても、何 もしないようなやり方ですと、ある年から急激に起債の比率が高まって借金が多くなっ てしまうものを、適切な料金改定をすることで起債の比率もある程度に抑えようという ようなことができると。  こうしたことをいろいろやっていただこうというものでございまして、最終的にこう したシミュレーションをやる結果、30年、40年先の更新需要と財政収支を見通した上で、 それをバックキャストする形で、地域水道ビジョン、十数年先の目標をどう立てていく かということに反映させてもらって、それを基に水道の利用者の方に、自らの水道の課 題なり将来計画をご説明して、ご理解・協力を得ていく手段にしようということに活用 できるのではないかと思っているところでございます。  こうした地域水道ビジョンの着手、とりあえずデータがなくても何らかの形でシミュ レーションしてもらいたいということをお願いいたしていまして、概ね大臣認可の事業 体であれば、7割程度のところが何らかの取組をしていだたいているという状況でござ まして、現在その分析を行っているところでございます。  次に、話題が変わりますけれども、地方分権改革でございます。水道の関係でもこの 分権で幾つか勧告がなされてございます。1次、2次、3次という3回の勧告がござい ますけれども、第1次勧告では、現在都道府県あるいは保健所設置市が行っている専用 水道・簡易専用水道に係る事務を、基礎的自治体である市に委譲すべきという勧告が第 1次でございます。  第2次勧告は、認可制度あるいは料金の届出制の廃止ですとか、給水開始前の届出廃 止など、非常に多くの項目にわたっての勧告が得られています。  第3次勧告は、第2次勧告の中でさらに地方要望があったものですとか、特に重要と みなされたものについて勧告がなされてございまして、水道技術管理者の資格基準を条 例に委任すべし、あるいは布設工事監督者の配置基準を委任するとか、水道事業の認可 制度を事前届出に見直すべきだというような勧告が得られました。  このうち、今申し上げました中で、第3次勧告の地方要望があったものというものを 重点的に政府部内で議論がなされまして、昨年12月15日に地方分権改革推進計画という ことで閣議決定をされてございます。勧告の中では、認可制度を事前届出ということで、 認可を廃止すべしというふうにされましたけれども、水道事業の経営に事前規制という ことで、ある一定程度国が関与する必要があるということが、我々の主張が認められま して、一方で地方公共団体による事業認可に係る申請事務の簡素化ですとか、事業の変 更を行う場合の厚生労働大臣の認可を要しない軽微な変更の範囲を拡大というようなこ とで、閣議決定がされているところでございます。  したがいまして、今後軽微変更の範囲を拡大するなどの措置をとっていくことになろ うかと思います。  なお、第1次勧告で行われました基礎的自治体への専用水道・簡易専用水道の権限委 譲を行うことにつきまして、現在政府の内部で議論が始まっているところでございます。  次にまいりまして、災害対策でございます。毎年のように水道施設も被災しているわ けでございますけれども、昨年の災害として特徴があったのは、豪雨災害の影響を受け たということでございます。21年7月、中国・九州地方の豪雨で、山口県などでは浄水 場が浸水をするという被害がありました。最大断水戸数が8万7,000戸で11日間の断水と いうことでございました。幾つかの教訓が得られてございますので、こうしたことも我 々また施策に反映していきたいと思います。  一昨年になりますが、地震の被害というものも相変わらず出ているところでございま す。  このような課題も明らかになってございますし、耐震化の促進ということでは、平成 20年に通知もしてございます。  次でございますが、これは基幹管路について耐震適合性のある管の割合というものを 都道府県別に見たものでございます。全国平均で見れば、平成20年度の速報ということ では、約28%でございますが、都道府県別に見ていただきますと、神奈川県のように非 常に高いところから、山梨ですとか徳島のように10%に満たないようなところもござい まして、かなりの差があるということでございます。引き続き、耐震化を進めるという ような施策に対しては力を入れていきたいと思っているところでございます。  次が、クリプトスポリジウム等の耐塩素性病原生物対策の充実でございます。これに つきまして、原水の性状と指標菌の検出の有無によって4段階のレベルを決めて、レベ ルごとに対策を明示しているところでございます。水質検査計画の中へ指標菌検査を位 置付けるなどの対策を引き続き講じていきたいと思っています。  水安全計画の普及につきましても、平成20年に様々なガイドラインですとか、作成支 援ツールというものを示してまいりましたので、これに基づいて水安全計画の策定を促 していきたいと思っております。  次は、飲料水の健康危機管理の観点でございます。かねてより飲料水の健康危機管理 実施要領というものを定めまして、国民の健康に影響があるような事態につきましては、 私どもに報告をしていただくというようなことを決めておりましたけれども、それに加 えまして、消費者安全法が施行されまして、消費者庁へ通知をする必要があることにな りました。重大事故ですとか、被害拡大のおそれがある消費者事故等につきましては、 消費者庁への通知義務というものが課されましたので、これにつきましても各都道府県 の担当部局から私どもに報告をいただいて、私どもから消費者庁へ伝達をすることを基 本として、これを徹底していこうと思っているところでございます。  鉛製の給水管につきましては、ご承知のとおり平成15年から水質基準を強化いたしま して、水道ビジョンの中でも、鉛製給水管の総延長をできるだけ早期にゼロにするとい うようなことを示しております。鉛製給水管の適切な対策ということで、ここにあるよ うな3点を課長を通じても示しているところでございますが、なかなか進んでいないこ ともございますので、平成22年度の予算案の中で、こうした鉛製給水管の更新を促進す るにはどういうふうにしたらより効果的な更新ができるか、どういうところを優先的に 対策すべきかというようなことの手引きを22、23年かけてつくっていこうという予算を、 現在の予算案の中に計上しているところでございます。  次に、給水装置工事のトラブル防止というところが大きな話題としてございます。こ れは様々なトラブルがありまして、例えば悪質商法というようなもので、本当に安くや りますよと言われているんだけれども、実際工事をしてもらったら高いお金を請求され るとか、いろんなケースがございますので、こうしたことをいろいろ防ぐために需要者 への情報提供ですとか、水道局側と指定工事店が連携して、様々な対策をしていく必要 があるということが確認されましたので、日本水道協会におかれましても、ここにあり ますような「水道水の安全のために」というようなリーフレットをつくって、各水道局 を通して消費者に情報提供をしていこうというような運動を行っているところでござい ます。  地域水道ビジョンというものを、各水道事業体につくっていただいて、それを水道利 用者に示すなり、あるいは事業体の関係議員に説明するなどして、水道をよりよいもの にしていこうという取組をやっているところでございます。平成17年ぐらいから策定が 始まりまして、21年4月には426、今年の1月には504ということで、一応数は増えてき ているところでございますけれども、次を見ていただきますと、事業の大規模か中小規 模かによって策定済みの割合が大きく変わっているところでございます。  事業体の数で見たときに、全体では、左側のグラフにあります35%程度のところで策 定が進んでございますけれども、大臣認可、知事認可で分けた場合、すなわち大規模か 中小規模かということで分けたときに、知事認可の事業体のほうでは余り進んでいない ということでございます。こうしたところでの策定をこれから促していく必要があると 思っているところでございます。  今後21年度、22年度、アンケート調査を行った結果、それぞれ水道事業者、大臣認可、 知事認可、今後策定するというところが増えようとしてございますので、こうした結果 も見守りつつ、より早い段階での策定を促していきたいというふうに思っています。  もう一つは、水道の広域化の推進でございます。先ほど申し上げました新たな国庫補 助制度を活用するほか、これまでにも様々な手引きを示してきてございますので、こう したものを活用して、何とか水道の経営基盤を強化して、様々な課題に取り組める体制 をつくっていきたいと思っているところでございますし、最後、大臣認可の水道事業体、 水道用水供給事業体に対しましては、毎年一定の数抽出いたしまして立入検査を行って いるところでございます。平成20年度も60カ所弱の事業体に立入を行いました。  その結果、水質検査のことですとか、技術管理者、布設工事監督者などの規定が十分 でないとか、幾つかの指摘も行っているところでございまして、こうしたものを通じて、 具体的に水道事業者に対する指導というものも今後ますます充実させていきたいと思っ ているところでございます。  以上、ちょっと急ぎましたが、簡単に報告させていただきました。 ○大垣委員長  今、資料5を説明いただきましたが、資料5に関しましてご質問、あるいはご意見ご ざいましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。多岐にわたる政策に関係し ますが、いかがでしょうか。  特にご意見がないということでよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○大住委員  ちょっと教えていただきたいんですけれども、今日ご報告いただいた内容については、 すばらしいことをやっていただいているという、全体の方向性としてはそういうことだ と思うんですけれども、二、三気になることがあるんです。冒頭、予算の話をここで取 り上げるのはどうかという意見もあると思うんですが、公共事業の予算が全体で20%減 を前提とした要求ということになっていましたので、かなり水道施設整備費を含めても かなり厳しい形で予算の要求をせざるを得なくなったということがありますし、さらに 事業仕分けについてのご説明を、仕分けをされた側から説明するというのも何ともいわ く言い難いものがあるかと思いますけれども、仕分けの結果についてはそれなりにきち っとした理由もあるし、政策の重点化ということで十分説明はできるかと思うのですが。  ただ、今日ご報告いただいたアセットマネジメントやあるいは水道事業者自体の広域 化で、この予算の減額を十分吸収できるのかどうか。ひょっとすると、これまでは水道 ビジョン自体も、どちらかというと大規模な事業者さんが中心となってつくられていた ので、恐らく言うまでもなくアセットマネジメント的な観点での論点はきちっと踏まえ ておられると思うんですけれども、今後つくられるであろう、あるいは今年度も含めて かもしれませんけれども、作業されました事業者さん、中規模な事業者さん、かなりあ ると思うんですね。そうなってきますと、そうした事業者の方々に、例えば広域化のた めのインセンティブを付与するという意味での、来年度の予算の説明がありましたけれ ども、どのぐらいの国庫補助の予算が前提としていただけるのかとか、あるいは仮に国 からの予算、補助が不十分であるとしますと、場合によっては水道料金の改定、起債と、 こういったところにも全て及んでくるかと思うのですけれども、そういった部分につい ての中期的な見通しというんでしょうか、そういうものはあるんでしょうか。 ○大垣委員長  お願いします。 ○粕谷水道課長  現在の予算額において、実のところ平成10年前後の……もう少し後かもしれません、 かなり補正予算を計上したときがございます。その補正予算の分が玉突き状態で残って、 翌年繰り越しという形できてございますので、現在大幅に予算が足らないということで はなくて、むしろ少しまだ翌年に繰り越すというような状態が続いてきています。そう いう中で、今までは水需要が増える中で新たな施設整備というのがかなり出てきたわけ ですけれども、それが落ちついてきたものですから、ここにあるような更新事業のほう に重点的に向けていこうとか、あるいは広域化をして体力を付けるほうに向けていこう ということで、何とかうまくシフトさせながら軟着陸をしていくように持っていきたい ということで、ここ数年の全国の事業者から補助金の見通し要請を聞きながら、そうし た毎年毎年の張り付けを少しやっていこうということで考えているところでございます。 ○大住委員  確認なんですけれども、現状ではそれほど不足しているというわけではないと、これ でも十分対応できるということでしょうか。 ○粕谷水道課長  もともと全ての水道事業に補助しているわけではございませんので、何とか今の額で 足りているというような状況でございますが、今後今みたいな予算の低下がどんどん進 んでいくと、なかなか厳しくなるというのはもちろんあるかと思います。 ○大垣委員長  よろしいでしょうか。  はい、どうぞ。 ○津野委員  ただ今水道の今後のというような展開についての話をいただきまして、いずれも非常 にこれからの展開をいろいろ考えたということはよく理解できるんですが、水道事業を これからも健全で適正なものとして維持するためには、重要な2つの要点をどうしても 満たさなきゃ駄目だろうと思います。  1つは、やはり水道事業に関わる、あるいは水道関係に関わる方々が、今後若い方を 含め、ずっと使命を持ってこれを継続する方々が出てこないといけないということが1 点だろうと思うんです。これはただ営々とあるものをマニュアルに沿って動かしていけ ばいいというわけではなくて、いろんな要望も、それから直面する環境もいろいろ変わ ってきますので、やはりそれをやるのはマニュアルだけで対応できるものではなくて、 そういったような知恵を結集してやらなければならない。  それからもう1つが、そういったような努力が今度は水道を利用する側に、常に理解 をしていただかなければならないということだろうと思うんです。これまで、必ずしも それを十分にやってきたかどうかというのは、疑問に思わざるを得ないようなところも なきにしもあるだろうと思うんですね。この2点について、こういう施策に加えて、い ろんなことを今後もぜひ考えていっていただきたいと思います。これは、厚生労働省の みでなくて、ほかの省庁とも連携して、この水道事業だけでなくてほかの事業、社会基 盤を支える事業全般に関わる話だろうと思うんですが、ぜひそういうこともお考えいた だくと誠にありがたいかと思います。 ○大垣委員長  人材の育成の話と、それから社会への理解というか周知というか、そういうことかと。  どうぞ。 ○粕谷水道課長  人材の育成、様々な研修ですとかそういうものが考えられるわけですけれども、水道 協会などと連携しながら充実をしていきたいと思ってございます。  それから、地域水道ビジョンのお話を申し上げましたけれども、あれも大きな目的は それをつくることによって、あるいはつくる過程そのものにおいて、水道利用者の方に 水道局が今どういう現状にあって、これから何をしていかなければいけないかというこ とを、よく分かっていただこうという道具にしたいという思いが強うございますので、 そうしたよりよい地域水道ビジョンになるように、これからもいろいろ全国の状況を分 析しながら、適宜発信をしていきたいと思っています。 ○津野委員  全面の話はおっしゃるとおりで、既についている方々の研修等もいいですが、やはり 小学生が例えば「私は将来水道マンになるんだ」というぐらいのそういうようなことが あるように、もう少し楽しく希望がもてる面もみえるようなピーアールをしても良いの ではないかと思います。 ○大垣委員長  魅力的な職業領域になるようにという。  ほかには。  よろしいですか、それじゃ。 ○大澤委員  厳しい話ばかりでしたので、ちょっと明るいほうの情報を一つ。   私どもは建築衛生という観点から、利用者側で水に関わっておりまして、最近デー タがまとまりましたので、ご報告いたします。  私たち建築の側では、環境衛生・環境監視などを継続的に行っております。先ほどあ った水栓のカドミウムとか鉛配管の話などに関しても水質を損なわないように努力して おり、最終的に水質検査と言う形でチェックしています。簡易なものではありますが、 不適率の水準は非常に安定しており、良好な水準が保たれ、動向としても良い方に向か っていると見ています。水質改善の努力、供給側の努力が反映されていると思いますの で、ご報告いたします。  以上です。 ○大垣委員長  ありがとうございます。  ほかには。  瀬川さん。 ○瀬川委員  ちょっと細かい話で恐縮なんですけれども、アセットマネジメントの実践の8番のパ ワーポイントので、緑の線が法定耐用年数を基にということでやっておられます。それ から10番のほうで、耐震のほうなんですけれども、重要度・優先度の高い施設という形 でやっておられますけれども、我々ビルをやっている者にとってみますと、法定耐用年 数よりは実際のものを判断して、いかに長く使っていくかということのほうも大事なも のですから、その辺の考え方も少し取り入れて、このカーブをなだらかにするのもそっ ちのほうでもできるはずなんですよね。特に維持管理をやっていけばということもあり ますので、全国の事業者にその辺の視野も入れたような、ガイドライン的なものを出せ ればよろしいんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。 ○粕谷水道課長  瀬川先生のおっしゃるとおりだと思います。法定耐用年数、水道管でいえば40年なん ですが、これは公営企業としての会計処理上の年数でございますので、必ずしもその年 限で悪くなってしまうわけではございませんが、過去の値を統計処理する上ではそれし かなかったものですからこういうふうになってございますが、先生のおっしゃるとおり、 診断マニュアルとか、更新のマニュアルとか、そういったものを充実させていく必要が あるということで取り組んでいるところでございます。 ○大垣委員長  ありがとうございました。  ほかにはございますか。よろしいですか。  それでは、どうもありがとうございました。大変貴重なご意見をいただきました。  それでは、議題の4のその他に移ります。今後の予定そのほかについて、事務局から 説明をお願いいたします。 ○粕谷水道課長  その他で予定しているものは特にございません。  本日は先生方、本当に熱心なご審議、ご議論を賜りありがとうございました。  いろいろご指摘いただきました点につきましては、今後の我々の政策に反映させてい きたいと思います。ご説明申し上げた資料に沿って対応してまいりたいと思います。  なお、この部会につきましては、基本的には今後とも年1回程度の頻度での開催を予 定しておりますが、必要を生じた場合には、部会長と相談させていただきまして、また 適切な時期に開催をさせていただきたいと存じます。その節はよろしくお願い申し上げ ます。 ○大垣委員長  最後に当たって、何かご質問あるいはご意見等ございますでしょうか。 ○粕谷水道課長  委員名簿、幾つかミスがございましたので、今修正したものをお配りいたします。 ○大垣委員長  今配布中ですが、そのほか何か。 ○粕谷水道課長  特にございません。 ○大垣委員長  よろしいですか。  委員の方々特にご意見、ご質問等、なければこれで終わりにしたいと思います。  大変貴重なご意見をありがとうございました。ご指摘等を事務局のほうでも踏まえて いただいて、今後の行政に生かしていただきたいと思います。  それでは、第8回生活環境水道部会をこれで閉会とさせていただきます。長時間どう もありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省健康局水道課 TEL:03−5253−1111 (内線4025)