10/02/02 第3回臓器移植に係る普及啓発に関する作業班議事録 第3回 臓器移植に係る普及啓発に関する作業班 日時 平成22年2月2日(火) 15:00〜 場所 厚生労働省共用第7会議室 ○竹内補佐 定刻になりましたので、ただいまより第3回「臓器移植に係る普及啓発に関 する作業班」を開催させていただきます。本日は有賀委員から欠席のご連絡をいただいて おります。また、相川班員より遅れる旨のご連絡をいただいております。事務局に人事異 動がありましたのでご挨拶をさせていただきます。 ○辺見室長 1月1日付で着任いたしました、臓器移植対策室長の辺見です。どうぞよろ しくお願いいたします。7月の本格的な施行に向けて、非常に大切な時期だと思っており ます。先生方のご指導、ご協力をいただきながら頑張っていきたいと思っておりますので よろしくお願いいたします。 ○竹内補佐 資料の確認をさせていただきます。議事次第があります。資料1「臓器移植 に関する法律施行規則の一部を改正する省令について(概要)」、資料2「臓器移植に関す る法律の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正について」、資料3「臓器の移植に 関する法律の一部を改正する法律の概要」、資料4「改正法の施行に向けた検討課題及びス ケジュールについて」、資料5「今後の検討課題について」です。  参考資料1「臓器の移植に関する法律施行規則新旧対照表」、参考資料2「臓器の移植に 関する法律の運用に係る指針(ガイドライン)新旧対照表」、参考資料3「臓器提供意思登 録システムにおける親族優先提供意思の登録方法について」、参考資料4「改正法の一部施 行に関する普及啓発について」、参考資料5「学校教育における現状」です。以降の議事進 行は篠崎班長にお願いいたします。 ○篠崎班長 本作業班においては、昨年来改正法のうち、親族優先提供に係る課題につい て議論してまいりました。改正法のうちの、親族優先提供に関する規定については、1月 17日より施行されているところでありますが、それに併せてガイドラインも改正されまし た。本日は、ガイドライン等の改正内容について事務局から報告をいただき、その後改正 法の内容や、今後の検討課題を確認して検討に入っていきたいと考えております。省令・ ガイドラインの改正について事務局から報告をお願いいたします。 ○長岡補佐 資料1、資料2に基づいて改正の概要についてご報告申し上げます。資料1 は、親族優先提供に関して1月17日より改正された省令の内容です。改正の概要が2点あ ります。(1)の改正の概要のところで、脳死判定又は臓器摘出を行った医師が作成する記録 に関する規定です。脳死判定では、判定の日時、判定の結果、意思表示があった旨などを 記録することになっていましたが、これに新たに親族に対し臓器を優先的に提供する意思 に関する規定を加えるということで改正しております。  (2)はあっせん機関に関する規定です。臓器の摘出を受けた者が、生存中に親族に対し、 臓器を優先的に提供する意思を書面により表示していた場合であって、その意思に基づい て、当該親族が移植術を受けた場合には、その作成する帳簿の中に親族優先提供に関する 書面を添付していただくということで改正をしたものです。以上が省令の概要です。  資料2は、親族優先提供の実施に際して重要な事項を定めたガイドラインです。改正の 内容を順次説明いたします。(1)は親族の範囲についてです。親族の範囲については、立法 者の意思を踏まえて限定的に解釈し、配偶者、子及び父母とするということで定めを置い ております。※で配偶者ですけれども、いわゆる法律婚に限るとし、また子及び父母は、 養子及び養父母の場合には、特別養子縁組に限ってこれを認めるという定めを置いており ます。  (2)は親族優先提供の意思表示です。(1)は親族優先提供の意思ですけれども、こちらは臓 器提供の意思に併せて書面により表示していただくということで、これは法律の定めに沿 ったものですが、改めて定めを置いているものです。  (2)は優先提供する親族を指定した意思が表示されていた場合、これは個人名を記載して いた場合です。この場合であっても、その者を含む親族全体へ優先提供する意思として取 り扱うということで定めを置いております。  (3)は留意事項です。(1)は親族優先提供の意思表示があった場合であっても、医学的な理 由から必ずしも親族に対し、移植術が行われるとは限らないということを定めているもの です。 (2)は自殺です。親族優先提供を目的とした自殺を防ぐ必要があるため、レシピエント登録 をした親族がいる者が、親族優先提供の意思表示を行って自殺を図ったときには、親族へ の提供は行われないということで定めを置いているものです。※部分ですが、この場合は 親族も含めた移植希望者の全体から、医学的基準によって移植を受ける者を選定すること としております。  (3)は親族以外の者に対する優先提供の意思表示があった場合です。この場合には、優先 提供に係る意思表示については無効とすることとしております。  (4)は臓器の提供先を限定する意思表示です。臓器の提供先を限定し、その他の者への提 供を拒否する意思が明らかである場合には、親族に限定する場合も含め、脳死判定、臓器 摘出は見合わせるという定めを置いているところです。これら省令・ガイドラインが1月 17日より法律にあわせて施行となっております。ご報告は以上です。 ○竹内補佐 続きまして、臓器提供意思登録システムの説明をさせていただきます。参考 資料3になりますが、スクリーンのほうをご覧ください。 (パワーポイント開始)  こちらのほうに「1.私は脳死の判定に従い、脳死後移植のために○を選択した臓器を提 供します」というところにチェックをする。もしくは「2.私は心臓が停止した死後、移植 のために○を選択した臓器を提供します」というところ、1又は2、あるいは1と2にチェ ックをして、その下にある個人情報を入力して「次へ」をクリックすると、「臓器を提供す る意思を表示した方へ」という注意欄に進みます。こちらのほうで「平成22年1月17日 より、新たに親族への優先提供の意思表示を行うことが可能になりました。臓器を提供す る意思に併せて、親族に対し、臓器を優先的に提供する意思を書面により表示しますと、 以下の2つの条件を満たした場合に、その親族の方がほかの方より優先して移植を受けら れるようになります。社団法人日本臓器移植ネットワークに移植希望登録をしている親族 がいる場合、医学的な条件を満たしている場合」という文言が出ます。それに「同意」し て、「注意事項を読む」というところをクリックすると次の画面に行きます。  こちらの「親族優先提供を希望する場合の注意事項」という画面で、3つの注意事項に ついてご理解いただくこととしております。まず優先提供の意味について「子どもには提 供したいがほかの人には提供したくないとか、○○さんだけにしか提供したくないといっ たような、提供先を限定した場合は、親族の方を含め臓器提供は行われません」という注 意事項が出ます。  こちらに「同意」していただきますと、次の「優先提供の対象となる方」という画面へ 進みます。こちらでは対象者「(1)配偶者」「(2)子ども」「(3)父母」という具体的な明示がさ れております。こちらで「同意」をクリックすると、第3の注意事項の「優先提供されな い場合」があります。「親族に移植希望登録をしている方がいない場合、医学的条件を満た していない場合、自殺による提供の場合には親族優先では提供されません」という注意書 きが出て、そこで「同意する」というところをクリックすると、「親族優先提供の意思登録 を希望し、注意事項に同意された方へ、優先の意思を登録しますか」というところで初め て登録の意思を表明することになります。  こちらのほうで登録いたしますと、いままで1.脳死判定に従い、移植のために○で囲ん だ臓器を提供します。2.私は心臓が停止した死後、移植のために○で囲んだ臓器を提供し ます。3.私は臓器を提供しませんの下に「私は親族優先提供を希望する」という枠が初め て示されます。いままでのところで同意等をしないと、こちらの優先提供を希望するとい う表示が示されている画面には移りません。  その中で「送信する」というボタンをクリックすると、親族提供カードが皆さんの所に 届きます。カードの右上のところに「親族優先」という文言が入っているものが届くシス テムがいま稼働しています。カードは後ほど配らせていただきます。 (パワーポイント終了)  参考資料4をご説明いたします。改正法の一部施行に関する周知状況ということで、第 2回作業班でご議論いただいた内容に沿い、以下のとおり周知活動を実施しております。 改正法全般に関する周知としてポスター掲示を行いました。厚生労働省及び日本臓器移植 ネットワークのホームページにもいろいろ掲載しております。定期刊行物として、厚生労 働の12月号においても周知しております。  親族優先提供に関する周知としては、一般の方に対する周知として、厚生労働省、日本 臓器移植ネットワークのホームページへの記載、厚生労働省の動画チャンネルYouTubeの ほうで普及啓発をさせていただいております。自動車教習所に設置しているジャクラビジ ョンにおいても、親族優先に関する周知を行っております。意思表示カード設置箱用のポ ップ、定期刊行物では厚生労働2月号、政府広報として政府広報オンライン、テレビ番組 としては2月に2番組を予定しております。  2番目は、システム登録者へのお知らせです。メールアドレスを登録している方にはす べてメールを送らせていただいております。その他登録者にも、郵便を使ったお知らせを 行っております。  3番目は、レシピエント登録者のご家族へのお知らせです。1の周知に加え、ご家族用の パンフレットを各ご家庭に配布させていただいております。  4番目は、医療従事者への周知ということで、1の普及啓発に加え、関係学会のホームペ ージを通じた周知を行っております。  5番目は、都道府県担当者・都道府県コーディネーターに対する会議を開催しておりま す。  こちらのスクリーンで、厚生労働省のホームページのイメージを出しております。厚生 労働省の厚生労働省動画チャンネルYouTubeのほうで、臓器移植法改正のお知らせを載せ るとともに、政策レポートのところに今週のレポートということで臓器移植法の改正につ いてというものを載せております。  日本臓器移植ネットワークのホームページにも、「臓器移植法の一部が改正されます。詳 細はこちら」という画面を設け、そこをクリックすると親族提供に関する情報の掲載、ま たいろいろなものを取れるようなシステムになっています。具体的にはこちらのほうで親 族優先に関するパンフレット、それからほかのホームページから入るためのバナーを新し く作っております。臓器移植法が改正されますというポスター、設置箱用のポップを作り ました。  関係医療学会においても、日本救急医学会のホームページにおいて、臓器移植法の一部 が改正されますというもの、日本脳神経外科学会のホームページにも医療情報として掲載 していただきました。日本集中治療医学会のホームページにおいても、厚生労働省からの お知らせということで、トピックスに載せていただくとともに、日本臨床救急医学会のホ ームページに掲載していただきました。  この場をお借りいたしまして、ご協力いただきました各学会の方に御礼申し上げます。 どうもありがとうございました。参考資料の説明は以上です。 ○篠崎班長 関係各学会の皆様のご協力をいただきまして、周知徹底にご尽力いただきま してありがとうございます。座長といたしましても改めて御礼申し上げます。これは実際 に動き出しているわけですが、現状までの登録の状況は大体どの程度とか、把握している 範囲で結構なのですが教えていただけますか。 ○雁瀬班員 親族優先の意思登録ができるようになった1月15日以降、およそ1,800名が 新規登録を行い、そのときに親族優先意思を合わせて登録された方は約500名です。1月 末現在で、意思登録をされている現状の登録者数は約5万5,400名、そのうち親族優先提 供希望を登録されている方は約3,600名というのが現状です。 ○篠崎班長 15日以降で1,800名のうち500名が親族優先提供希望ということですが、こ れについてご意見やコメント等はありますか。 ○大久保班員 この前よりまた増えましたね。 ○雁瀬班員 増えています。報道などで知った方が、そのために訪れているという感覚が あります。この間の委員会のときに報告があって記事になって、それを見た人が訪れてき ているという山が少しあったような気がします。 ○大久保班員 ほとんどが、実際にいま登録している人のご家族でない人が圧倒的に多い のですか。 ○雁瀬班員 そこはわからないです。 ○大久保班員 前のときには5万なんぼのうちの2千何百名が登録したと言っていたでし ょう。 ○雁瀬班員 そうです。 ○大久保班員 だから、コーディネーターはかなり大変ですね。 ○篠崎班長 以前から議論に挙がっているように、現場で親族優先があった際の確認が大 変になってくる。それは臓器移植の場合も、角膜移植の場合も、現場のコーディネーター のストレスになるということです。普及啓発で一般の方に知っていただくことができると いうことをわかっていただくのはいいことですが、それに伴って医療側の整備であるとか、 ネットワーク側のある程度の担保がないとなかなか大変なことになってくるだろうと。現 状始まって、どの程度普及していくのかを少し見守っていく時期なのかと感じております。 ○石川班員 新規というのは、全部インターネット登録ですか。 ○雁瀬班員 意思登録はそうです。インターネットでの意思登録でしか数が把握できませ ん。 ○石川班員 インターネットを使えない人は、これでは登録できていないということです か。 ○雁瀬班員 はい。その方たちにはいままでのカードや、保険証の意思表示欄などの余白 に「親族優先と書くことができます」というお知らせをホームページ上などに出していま す。インターネットが使えない方については、登録サイトには登録できない状況になって います。 ○篠崎班長 こちらも月ベースでのアップデートで、何名ぐらいの登録でという推移を見 守っていく必要があるのではないかと思います。それも余計な手間かもしれませんが、一 般の方の登録状況を把握するのは大事だと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いい たします。  これより、7月の全面施行に向けて、それを踏まえた検討に入っていきます。まず法改 正の内容と、今後のスケジュールに関して確認していきます。事務局から説明をお願いい たします。 ○長岡補佐 資料3、資料4に基づいて改正法を再度確認するということと、今後のスケ ジュールの確認ということでご説明いたします。資料3の2枚目に表を付けておりますが、 改正法の概要をこれで改めて確認させていただきます。比較表と書いてありますが、1番 目の親族に対する優先提供については、1月17日より既に施行されておりますので、内容 については割愛いたします。  今後7月17日より施行されるものが2番から4番です。2番は脳死判定・臓器摘出の要 件と小児の取扱いについてです。脳死判定・臓器摘出の要件ですが、現行法では本人の生 前の書面による意思表示があって、家族が拒否しない、又は家族がいないことが要件とさ れていました。改正法においては、現行法の要件に加えて、「又は」以下ですが、本人の意 思が不明(拒否の意思表示をしていない場合)であり、家族の書面による承諾があること が新しく要件として加わってきます。このように、本人の意思が不明の場合に、家族の書 面による承諾によって臓器提供ができるという新しい要件が加わることから、その下の小 児の取扱いのところで、家族の書面による承諾によって、15歳未満の方からの臓器提供が 可能となります。  3番の普及・啓発活動については、後ほどこの班でご議論いただくところですが、改正 法で運転免許証等への意思表示の記載を可能とする等の施策を講じることが新しく規定さ れています。  4番の被虐待児への対応については、改正法の附則において、虐待を受けて死亡した児 童から臓器が提供されることのないよう適切に対応することが新しく規定されております。 これらが、7月17日より施行となります。以上が改正法の内容です。  資料4に基づいて、その検討課題とスケジュールについてご説明いたします。1頁では、 以上のような改正法の内容を踏まえ、今後の検討課題についてまとめたものです。Iは、 小児からの臓器提供に関する課題です。これについては、小児の脳死判定基準をどうする のか、被虐待児の取扱いをどうするのか、15歳未満の方による拒否の意思表示をどのよう に扱うのかということが検討課題です。  IIは、本人が意思表示していない場合における臓器提供に関する課題です。こちらにつ いては、意思表示していないことの確認をどうするのか、脳死判定・臓器摘出について承 諾をする家族・遺族の範囲をどうするのか、有効な意思表示ができない方をどのように取 り扱っていくのかということが検討課題です。  IIIはこちらの班に大きく関わることですが、普及啓発に関する課題として、臓器提供意 思表示カードをどのような様式にしていくのか、意思表示登録システムをどのように作っ ていくのか、今後の普及啓発の対象者、その方法についてどうしていくのか、その普及啓 発の内容についてどうしていくのか、ということが検討課題です。  IVは臓器移植の実施に係る課題です。1つ目はドナー適応基準、レシピエント選択基準 の見直しをどのように行っていくのか、臓器移植に係る体制整備をどのように行っていく のか、ということを課題として挙げております。  これらを踏まえて、改正法施行に向けたスケジュールを以下でご説明いたします。全面 施行は7月17日からですが、2枚目の別添1に7月に向けたスケジュール案を設けており ます。親族優先提供は既に1月17日に施行されているため今後は小児からの臓器提供に関 する課題、それから普及啓発に関する課題について議論をしていきたいと考えております。 小児からの臓器提供に関する課題とは、先ほどの脳死判定基準や虐待児の取扱いなどの課 題です。  こちらについては、厚生労働科学研究で、小児の脳死判定基準等に関する研究が年度末 までということで行われておりますので、これを踏まえた検討を臓器移植委員会で行って いきます。15歳未満の方の拒否の意思表示の取扱いなどについては、専門家の作業班があ りますので、そちらで議論を行った上で、こちらも臓器移植委員会に報告をして検討して いくということで考えております。  臓器移植委員会の検討の間に、省令やガイドラインの改正案という形で、親族優先提供 の場合と同じようにパブリックコメントを30日間実施することを考えております。これら を実施して、再度臓器移植委員会で議論した後、6月にも省令・ガイドラインを改正し、 関係機関への周知を図り、7月17日の施行に備えていくという形で考えております。  普及啓発のところについては、カード、システムをどうしていくのか、又は普及啓発の 手法などもありますので、上記の移植委員会の議論も随時見ながら、こちらの作業班で議 論をしていただき、省令・ガイドラインの公布までに、どういう周知を図られるのか、ま たガイドラインが出た後でどう周知していくのかということなどについて議論していただ くようなスケジュールで考えているところです。  3枚目は、第1回普及啓発作業班でご説明申し上げましたけれども、今後も親族優先提 供と同じような形で左側に挙げた検討課題について各作業班、それから厚生労働科学研究 の研究班で議論をし、その検討内容を臓器移植委員会に報告した上でそこで議論を行って いただき、さらにパブリックコメントを経た上で省令・ガイドラインを改正していくとい った流れで今後も進めてまいりたいと考えております。以上です。 ○篠崎班長 ここまでの説明に関してご質問、ご意見はございますか。とりあえずこの概 要に載った項目と、その施行日までのスケジュール、また施行後の検討に関して説明をし ていただいたわけですけれども、ここはよろしいでしょうか。よろしいようでしたら、具 体的にこの検討課題に関して噛み砕いたところ、並びに親部会であります臓器移植委員会 での発言等を事務局にまとめていただいていますのでその説明をお願いいたします。 ○辺見室長 資料5は、今後の検討課題についてということでまとめさせていただきまし た。1頁で課題1、臓器提供意思表示カードや、運転免許証・健康保険証等での意思表示方 法。2頁で課題2、改正法の施行に向けた周知等。その中ほどで課題3、意思登録システム、 先ほど親族優先の部分だけご覧いただきましたけれども、意思登録システムの今後の活用 方策ということで、大きく3つ用意させていただきました。  課題1は、現在広くコンビニ等でも入手可能な配布用の、ご自身で記入していただける ような意思登録カード、それから追加でお配りさせていただきました、オンライン登録し た後に送られてくる意思表示カード、これがいまは意思表示カードの中では大きな中心柱 となっています。これのほかに、今回の法改正において明記された、運転免許証、健康保 険証といったものについてはどうしていくかということです。  運転免許証や健康保険証に係るところについてですが、運転免許証については警察の内 閣府令とか、健康保険証については同じ省内ですけれども保険局が担当している健康保険 法等の省令での対応が必要となりますので、ペース的にはほかのものより少し早めに、で きれば今月中に本作業班での方向性をお示しいただいて、来月の早いうちに臓器移植委員 会に上げられればと考えています。  課題2と課題3の個別なものについては、場合によるとガイドライン等に影響するとこ ろがもしかしたら出てくるのかもしれませんけれども、大きく言えば実態的に広報活動な どをどうしていくかということですので、ものによっては7月に向けて、ものによっては 7月を超えてさらに継続的に、どういうふうにやっていくかということでご議論いただけ ればと思います。  個別にご説明いたします。課題1です。検討事項には鍵括弧を付けておりまして、その 下に括弧が2つ書いてあります。(1)運転免許証や健康保険証等における、臓器提供の意思 をどのように表示していただくか、標準的な記載事項は何か。もう少しよくおわかりいた だくために、この資料の5頁をご覧ください。この上に載っておりますのは、現行の臓器 提供意思表示カードです。一方、中段に載っておりますのは、全国健康保険協会の健康保 険被保険者証です。基本的に似たような項目で、必要な記載事項は書いている形になって いますけれども、よく比べると下のほうは家族署名欄は書かない形になっています。そも そもスペース的にも、既存のカードの場所の一部を活用しているものですから、カード一 面を使うということではなくて、3分の2ぐらいを使っている状況です。健康保険証につ いては、こういうカードタイプだけではなくて、昔からあります被保険者、被扶養者も全 部併せて載るような紙の保険証においても記載欄を設けていただいている例があるようで す。その場合については、家族の分だけ、教えていただいたのは6人分ぐらい同じような 枠が書いてあって、注書きは共通で書いてありました。  いずれにしても健康保険証が出てくる、運転免許証が出てくる、「等」と書いてあります のでそのほかも考えますと、いろいろな形があり得ます。現時点においては、いろいろな 所でご活用いただけるのであれば、それはウエルカムということです。ただ、そうしたと きにどういうところを押さえていただくのかというところを、基本的な考え方を整理して いただければということです。  (2)は、そうした中で1月に施行になりました親族優先提供の意思表示についてどのよう に取り扱うのかということです。この下に案(1)(2)(3)ということで、私ども事務方で作りま した案を3つほど書かせていただきました。この前提として、その下に書いてあります臓 器移植委員会における主な意見というのがありますのでそれをご紹介させていただきます。 4頁をご覧ください。前回の臓器移植委員会にお示しし、意思表示に関してこういう論点 がありますということでご議論いただいたときにご覧いただいた資料です。1のところは、 現在のカードとかシステムにはこういうものがありますということをお示ししたものです。  見直しに当たっての前提ということでお話をいたしましたのは、今回の法改正によって、 家族承諾による脳死判定・臓器摘出は可能となりました。これによって提供しないという 意思を表示していただくことが必要です。これによって臓器提供の意思の有無について表 示できる機会、環境というものをできるだけ多く整えていく必要があります。  2番については、親族優先提供の意思表示は可能となりましたので、これについて表示 する際には、その制度について十分理解した上で表示していただくことが必要となります。 運転免許証については、記入欄を設けることを想定し、標準的な記載事項を定めていただ く必要がありますということでお示ししました。  併せてより具体的に、例えば臓器提供する意思がないといった場合に、専用のカードを 作るべきかといった問いかけもさせていただきましたが、これは別のものを作る必要はな いだろうということでした。  2番と3番は若干近づいてくるのですけれども、親族優先提供の場合の制度について十 分理解した上でということについては基本的に前提だとして、どういう様式にしていくか ということについては、普及啓発作業班においてご議論いただいて案をいただきたいとい うことです。3番も併せて新しい制度に合わせた様式ということで、普及啓発作業班でご 議論いただければということです。  1頁に戻りまして、委員会における主な意見です。若干要約をさせていただいておりま して逐語ではありません。訂正等があればご指摘いただければと思います。大きな意見と しては5つです。1つ目は、親族優先提供は例外的な制度であり、特別な記載欄を設ける 必要はないと考える。空欄に書けるようにしておけばよいと考える。2つ目は、あえて専 用の記入欄を設ける必要はないと思う。しかし、親族優先提供の意思が表示できることを 知らせることは重要である。法律が変わったのに知らなかったというのはよくないと考え る。3つ目は、法律で認められた意思表示なのだから、それを記入する欄はあったほうが 良い。運転免許証であれ、健康保険証であれしっかりと書けるようにしておくほうが良い と考える。4つ目は○を付けるのと、例えば「親族優先」と筆を取って字で書くのとでは、 人間の行動として重みが異なってくると考えられる。5つ目は、臓器移植委員会でも先ほ どご覧いただいたようなプレゼンテーションをしております。それを踏まえた上で、初め から示さないということは良くないけれども、登録システムでかなり慎重に意思登録をす るような仕組みにしているのに、カードであれば「○」を付ければ簡単に意思表示ができ るということになると違和感があるといったご意見をいただいております。  1、2、3と3つありますけれども、ご覧いただきたいのは3頁に絵にしてありますので こちらをご覧ください。1つ目は、現行の意思表示カードの余白に優先提供の意思を表示 してもらうということ。ただ、パンフレットなどに親族優先提供についての注意事項はし っかり書き込んで、余白に書いてくださいということを書き込むというものです。  2つ目は、現行の意思表示カードの様式の余白に、優先提供の意思を表示できる旨の説 明を記載するということです。具体的には絵に書いてあるとおりなのですが、赤字のとこ ろが、いまカードにプラスしたものです。字が小さくて若干読みにくいものですから、矢 印の先に書いてあるところをご覧ください。注として、臓器提供の意思表示に併せて、親 族への臓器の優先提供の意思を表示することができます。説明書に記載されている親族優 先提供が行われる場合をご理解の上、空欄に親族優先とご記入くださいということで、詳 細な条件をここに書き入れるのはとても難しいものですから、説明書を読んでいただいて 書いてくださいとしてはどうかということです。  3つ目は欄を作るという案です。ご覧いただいているような絵柄になりますが、注書の ところは2の下に書くような感じです。2というのは脳死関係、心停止関係の1、2の下に 書いていくということです。注書きにありますように、臓器提供の意思表示に併せて、親 族への臓器の優先提供の意思を表示することができます。説明書に記載されていますこと をご理解の上、枠内に親族優先とご記入くださいということで専用の枠を設けるというこ とです。  最初に申し上げましたように、これは事務方でとりあえず作成いたしました案ですので、 これ以外の案もあると思いますし、またスペース等に応じて書ける場合と書けない場合が あると思いますので、その辺りは1か2か3ということではなくご議論いただければと思 います。  2頁の検討事項に戻ります。改正法の施行に向けた周知等ということです。周知する内 容、対象ということです。改正法により、15歳未満の場合でも家族同意で臓器提供が可能 となるということも踏まえ、どういうところに重点を置いてやっていくのかということで す。先日、意思表示の作業部会を開きましたときにも、法的に15歳未満であっても、拒否 の意思表示は有効に扱う方向でご議論いただく中で、それでは普及啓発はどの辺の年齢か らやっていくのだろうかといった議論もありました。そのようなことも踏まえ、どのよう に考えていくのかということです。  別にそこの部分だけではなくて、全体としてどのように考えていくのかということです。 (2)スケジュール及び周知媒体とありますが、それを整理させていただいたのが6頁の別添 3です。現時点での案ということですけれども、1月施行の際にも、こういう形でスケジュ ールを整理させていただいておりますが、上のほうの最初の段階は、制度についての周知 を行い、並行して各作業班、委員会などで議論を行い、制度の内容が決まった時点で、制 度の内容の周知は厚生労働省のホームページや、臓器移植ネットワークのホームページな どで詳細をお知らせしていくという大きな流れがあります。この流れの中で、それぞれの 対象分野について、どういう考え方をもって、どういう内容でやっていくのかということ を普及していく。それと併せて、実際の研修会、現場で活躍される方に対しての研修会も 並行して行っていくということでとりあえず整理しております。これは現時点での粗い整 理ですので、こういうものを今後より具体的なものを作っていく必要があると考えており ます。  その際に活用すべきマテリアルとして、7頁と8頁のような資料もあります。先ほど竹 内補佐からご説明させていただきました、1月施行の際の周知媒体の話といった辺りをご 参考にしていただければということです。また、本日一旦ご議論いただいた後に、黒田委 員から、現場の状況についてもご紹介いただけるということですので、そういうこともご 参考にしていただいてご議論いただければと思います。  課題3は、意思登録システムの今後の活用ということで、これまでにいろいろ議論され、 課題として取り上げられていることがありますので、こちらに4つほど挙げております。 見直しの方向性や、その方策等について具体的なご意見をいただきながら、見直しの方向 性について検討していければと考えております。以上です。 ○篠崎班長 臓器提供意思表示カード及び臓器提供意思登録システムについて、ただいま の説明を踏まえてご意見、ご質問がありましたら協議をお願いいたします。カードに記載 する内容が、時間的なところからいきましてもいちばん急ぐ部分ではないかと思います。 インターネットでの掲載にかかったような、大体の概要というか、アイディアというのを 皆さんお持ちだと思いますので、具体的なところでここに事務局案として3つ書いてあり ます。これはあくまで事務局案ですので、これにこだわる必要はないと思うのですが、皆 さんでご議論していただき、意思表示カード上の案をご検討いただければと思います。 ○大久保班員 優先提供の欄をどうするかということは1つ考えなければいけないのです けれども、法律が変わった時点でいままでと同じような形での全臓器を書いて、細かく1 つずつ○をしてもらうという方式がいいのかどうか。一応心停止と脳死の提供が別の形で ありますので、脳死の臓器提供をするかしないか、心停止での臓器提供をするかしないか、 全部臓器提供しないという、ある程度簡略化する必要があるのではないかと思います。  健康保険証で3分の2ですけれども、おそらく運転免許証だと半分ぐらいしかない。そ の中でこの人の意見をしっかりと記入してもらうためには、1つずつの臓器をこのカード に書く必要はないのではないかと思っています。あとは空欄を付けて、臓器提供をしたく ないのだったらその空欄に提供したくない臓器を書くとか、その空欄に親族優先と書いて もいいという形で空欄を少し設けて、そこに自由に書ける形にしたほうがいいのではない かと思います。 ○篠崎班長 大久保班員からそのような意見が出ましたが、いまの段階の日本がどこにあ るかということも少し頭に置いてご議論いただく必要があるのではないかと思います。な ぜかというと海外と比較しても、海外ではただ「ドナー」と書いてあるだけで終わってい ます。その内容に関してはさまざまで、例えばヨーロッパの多くの国のように、国にレジ ストリー・システムがあってそこにレジストリーしておく。医療現場ではそれに介入して 見なさいというのを国民のコンセンサスを得ている国もあります。  いまの日本では、意思表示カードで始まり、健康保険証並びに運転免許証で始まって、 今度は書面でなくてもよくなったけれども、いま大久保班員から出た話は、提供する臓器、 あるいは脳死からの場合と心停止からの場合、あるいは臓器提供したくないというものを もう少し大まかに分けておいて、本人に書面で書いてもらうようなタイプが次のステップ ではないかというご意見です。これは慎重に議論する必要があると思います。  単なる書式の問題だけではなくて、国民のコンセンサスが得られているのか、国民への 普及啓発がどの程度進んでいるのかということを皆さんにご議論していただきながら、い ま現在においてどのような表示にするのか、ということは法施行までの間にきちんと決め ておかなければいけないことです。少なくとも意思表示に関してコンピューター登録以外 は余白に書いていただくということで既に施行されているわけですから、その点も踏まえ てもう少し幅広い議論をしていただきたいと思います。 ○相川班員 困ったことに、臓器提供する方の中には、腎臓はいいけれども角膜はいやだ とか、角膜の1つはいいけれども1つはいやだとか、そういう方が中にはいます。それを 家族の方に聞いて、どの程度正確に把握できるかというのは難しい問題だと思います。た だ篠崎班長がおっしゃったように、実際外国のカードは臓器別には書かれていなくて、書 かれているのは唯一日本のカードだけです。そのことを考えれば、脳死下で提供したいと いう方もいますし、脳死はいやだ私は心臓死で提供したいという方もいます。日本の事情 からしてみればこの2つは抜けないと思います。外国では脳死・心臓死の規定では区別さ れていません。日本の場合、この2つのチョイスは少なくとも必要だと思います。  臓器は、先ほど言ったような事情を考えながらどうするか検討すべきだと思います。た だ問題は、運転免許証に関してはほとんどスペースがないのです。これを全部書いた上で 親族優先提供をやるというのは現実的に無理な話です。しかも、違反をしたときなどには ここの備考欄を使いますので、これを全部取ってしまうわけにはいかないと思うのです。 これは向こうの事情なのでしょうけれども、それを考えると特に運転免許証に関してはあ る程度簡略化した形でやらざるを得ないと思うのです。だから、どの要点を取るかによっ て随分違ってくると思います。 ○篠崎班長 相川班員からの意見で、臓器ごとに書く・書かないという問題と同時に、脳 死かあるいは心停死か、これはたぶん日本の事情でという発言もありました。脳死でやる のと心停止であるかの区別でしょうか、脳死は人の死で、心停止でも脳死でも人の死です から、法律的には死であるということであっても、国民が理解するまでの時間は必要だと 考えます。そういうご意見ですね。 ○相川班員 そうです。 ○篠崎班長 ですから、欧米のような形に一緒にはいかないだろうと。これは、皆さん同 じご理解ではないかと思うのです。法施行の前なのに議論すること自体時期尚早かという 気もしますし、そのためにどう周知していくのかということに集中して議論すべきだと考 えます。そこは、いまの現状のフォームのままいくと、臓器を個別に書く・書かないの以 前に、もうちょっと大事なポイントとして、この優先提供の欄をどうするかということが 議案に挙がっています。最初はここに集中して一考していただけないかと思います。この 欄の記載に関してはどうでしょうか。 ○大久保班員 この前の臓器移植委員会の中でも、はっきりと結論は出ていないです。基 本的には特別な欄を設けると言っている意見のほうが少数意見だったという気がしていま す。私も先ほど申しましたように、記入欄を作ることは絶対に必要だと思います。そこに 優先提供だとか、自分は臓器を提供したくないといったことが書けるような欄を作ること でいいのではないか。  その下に、また細かく優先提供何かをするというのをその欄に書くというのも、1枚の 大きなこのカードだったらひょっとしたら可能かもしれないですけれども、健康保険証だ とか運転免許証だと無理だと思います。やはりパンフレットにも要件を細かく、いまイン ターネットでやっているのと同じような形で、こういう条件が整って初めて親族優先提供 ができるのだということをしっかり書いた形で、それを了承した上で親族優先提供をした いという人はそこに親族優先と書いてくれというのがいちばんいいのではないかと思いま す。  あの議論の中でも、安易に「親族優先○」というのは、法律家の委員の中でもそれは絶 対駄目だという意見が出ていました。親族優先に関しては、ここでも親族優先と自分で書 くことが必要ではないかと思います。 ○相川班員 親族優先と書いてあって、安易に○、×というのはあまりにも受動的なもの で、やはり親族優先提供というのは能動的に自分が理解した上でやっていただかないと困 ったことになってしまいます。しかも親族優先と親族が限定されていますので、そういう ことを理解した上で親族優先に賛成する、又は自分の意思で親族優先を選ぶという能動的 なものがこのものには必要だと思います。だから○、×というのは論外だと思います。  そうなると、状況的には案(2)か案(3)になってしまいます。又は案(1)にしておいて、その 説明書を別に設けるかどうかということになると思います。ただ、案(2)と案(3)に関しては 括弧があるかないかということで、括弧があるとある意味では強制とは言わないですけれ ども、何かここに書かざるを得ないという気持にはなりますので、それが能動的か受動的 かという意味では少し意味合いが違うということだと思います。 ○篠崎班長 いま非常に重要なポイントをお話していただいている気がするのです。普及 啓発で知っていただいた上で記載していただくというのが臓器提供の意思表示だと思いま す。ただ安易によく読みもせずに、例えば脳死に関しても現行法の状態でも、一般の方に 聞いても本当の意味で脳死ということを理解している人は100%にはほど遠い状況だった わけですから、もう少し理解していただくというアクティブなアクションがあってこそ、 特に親族優先提供というのは前から言っているように国際的に見たら希有な法律ですので、 これについては我々も考えるべきポイントではないかと思います。単なる四角を付けるか 付けないかという安易なことで議論すべきものではないでしょうし、これは国民が考える チャンスということで、もう少し皆さんに違う角度からのご議論をいただけたらと思いま す。特に普及啓発を実際にやっているコーディネーターの岩田班員はどのようにお感じで すか。 ○岩田班員 大久保班員とか相川班員の話の中にも出たのですけれども、案(1)(2)(3)を見た 中で○、×でするのは避けようというのは同じような意見だと思います。その考え方でい くと、案(3)のところにもし四角がポンとあると字が結構小さくなります。普通のカードの ときにも現場で出てきて多いのが、パッパッと見て○だけ付けたりする方が多いのです。  その勢いで言うと、いちばん上に○を付けてくださいみたいなことが書いてあるから、 流れで親族優先「あっ、この四角に○なんだ」という、いかに案内を書いていても、そう いうカードが出てきたときには厳しくなるのかなと。本人の意思が生かされないという可 能性が、字が小さいがゆえに出てくるのかと思いました。 ○篠崎班長 確かに何かを足せば足すほど限られた面積ですので、皆さんご存じのこの大 きさの中に、これだけの情報を入れて、臓器提供をさせるということで動いているわけで すので、非常に情報過多の状況です。ただ、内容的には非常に細かいところまで我々はい ま決めた上で、新たな法律を進めようという段階にあるので、知っていただくことは大事 なことです。こんな小さい字は、はっきりと私自身も非常に読むのが現状で辛いですので、 この先に行数をとって、さらに細かいものを入れて本当に理解できるのかというのが1つ です。  やはり、自発的に字で「親族優先」と書いていただく行為自体というものの価値を、も う少し文化的にも我々は考慮して考えるべきだという意見も出ました。それを○×でない ほうがいいということに関しては、皆さんの中で首を縦に振られた方が多かったので、ご 賛成の方が多いのかなと。積極的に字に書いていただく。それを間違えて誘導するような 四角を、あえて付けるべきではないと。あるいは逆に勢いで○を付けてしまう可能性が増 えて。自動的にいくと、○を付けろと上に書いてありますから、たぶん○を付けてしまう と思うので、それは無効になります。そういった不明な意思表示を防ぐ目的でも、積極的 に字で書いていただく方向に持っていくということですが、その件に関して何かほかにご 意見はありますか。 ○石川班員 確認ですが、3つの案のうち下2つで主要の部分を読むと、「説明書に記載さ れています何々をご理解の上」、つまり、これは説明書があってというのが前提ですよね。 ○篠崎班長 そうです。 ○石川班員 3番目も説明書を理解しろと。ここは要するに説明書を読めと言っているだ けなのですよね。ただ、(3)は説明書を読めと言っているわりには記入欄があるから、ちょ っと誘導されてしまうかもしれないという話になっていますよね。  そもそもの議論は「親族優先」というタイトルを付けてここに出すべきかどうか、とい う議論をいまここでされているのだと思うのです。「親族優先」と明記した形でのスペース を取るべきかどうかです。(3)は明記してあります。(2)も細かい字で書いてあるのですが、 欄としてはないわけです。正直言って(2)を読むと「空欄に」と言って、空欄がどこだかわ からないのです。これは注の文章の手直しが必要だなと思います。ここにない案で言えば、 説明書というものがセットで考えられるのであれば、あえてここに「親族優先」と言わず に、その他記入欄というようなものを作っておいて、そこに書いてくださいと。それに気 付かない方は書かないというだけのような、そういう手もあるのかなと思ったのです。  つまり、絶対に書くには説明書を読まなければいけない。というのは、インターネット のほうはそうなっていますよね。むしろ、振い落とすような仕組みになっているわけです。 なぜここではそういう仕組みをとらないのか。インターネットの振い落としに近い発想か ら言えば、比較した場合、3番はあまりにも丁寧なことをやり過ぎているのです。むしろ、 2番だろうと思うのですが、ただ、2番の場合は、空欄とあって、その空欄がどこだかわか らないというのが、空欄と言えば空欄だという意見もあると思うのですが、あまりにも空 欄というのは、文字が書いていない所以外はすべて空欄ですから、こういう指示そのもの が必要かどうか、ということも議論になるのかと思います。 ○篠崎班長 ありがとうございます。石川委員のほうから、この記載自体の有効性、ある いは必要性に関して言及がありまして、基本的にはほとんど説明書付きで、薄いビニール 袋に入った意思表示カードです。書き換え用にただ積んでいる場合もありますが、ほとん どの場合の配付は説明書は入っています。なぜかと言うと、(1)や(2)に○がない方が多発し て、提供したい臓器に○だけ付いていたというのが、たぶん多くあったので、その辺から シフトチェンジした歴史があるのだと思います。  説明書にはもっと読める字で、申し訳ないけれども、私はこの字は読めないのです。読 めと言われたらどうしようかなと思ったら、下に置き換えてあったのでホッとしたのです。 こんな小さい字で書いておくよりも、説明書の記載欄にサンプルが付いています。ちゃん と○を付けなさいとかいうサンプルが付いていましたよね。  ですから、そのサンプルとして「親族優先提供を望む方の場合は」というのは、この空 白に書いてくださいというのは、ちゃんとした形ですよね。それも積極的に文字で「親族 優先」を書くことにも合致していますし、読める文字で書くことにも合致していると思い ます。それについて何かご意見はありますか。賛否両論。 ○大久保班員 私の意見は、いま石川班員がおっしゃったのと同じです。私はその他の欄 に、その上に「親族優先欄」と書いてくれるとは思っていなかったので、いわゆる空欄で 自由記入欄を作っておいて、説明書で、親族優先もこうこうこういう形では親族優先もで きますので、ご希望の方は親族優先と書いてくださいと。もしも、自分の臓器で提供した くない臓器があれば、その空欄に「何々はしたくない」と書いてください、というような ことを全部書いて、それをここに記入できる欄をそれなりの大きさで作ってあげる。それ をいま言ったように、各臓器ごとに臓器をズラッと並べなければ、「脳死下での提供をしま す」「心停止で提供します、提供しません」という欄だけであれば、自由記入欄ができるの ではないか。その他の記入欄に。そこに優先提供も書けるし、提供したくない臓器も書け るし、そんな形が非常にシンプルでいいのではないかと思います。当然説明書を見なけれ ば、何を書いていいかわからないので、当然説明書は見ると思います。 ○篠崎班長 この意思表示が、書面による自分の臓器の提供の意思表示が必要十分条件で はなくなるということを踏まえて、書くとき、あるいは免許等でも、自分の意思表示を出 すときの行為というものを少し考えてもらう、というアクションを入れなければ、このま まただあまり考えずに、イエスでもノーでもしてしまうことの恐ろしさというのが、文化 的に波及することが、ここできっちり考えてもらうために、何かのアクションは必要では ないかというのは、いまお三方から出た意見だと思います。  あとは現場のデータから四角を付けていくと、勢いで○を付けてしまうというのも考え ないということの1つ。あるいは意思表示をしたつもりが○だったと。これは不当ですか ら、その意思は活きませんので、そういった誤記載を防ぐこともすごく大事だと思います。  最後の大久保委員の意見でふと気付いたのですが、なぜか提供する方の話ばかりが優先 しつつあって、したくない臓器を記載すると、逆にそれは同等に必要な我々の権利だと思 うのです。提供したい権利としたくない権利というのがあると思います。  いままであまり論じられていなかった角度のご意見ではないかと思ったのですが、その 点について皆さんはどうですか。提供したくない臓器を明確に書いてもらうと、発想的に は同じになるのかもしれませんが、明確にこの臓器はしたくないとしたい臓器に○を付け ろと言っても、それこそ付け忘れたら臓器提供はできませんよね。あるいは先ほど岩田委 員からもあったように、あまり考えずに○○○としてしまう方がいる場合。 ○岩田班員 臓器自体が何なのかとか、どれが提供できる臓器で、提供できないものなの か。例えば、よく胃は提供できるのかとか、そういったことで言うと、提供できないもの を書くときに、どこまでそれを書けばいいかも、たぶんわからない人はわからないと思う のです。この範囲の中で、選択肢がこれだけであれば、この中で選べばいいのですが、何 も選択肢がないと、その他の脾臓だったり、十二指腸とか、いろいろなものがあると思い ます。そういったことは、わかっていない方にしたら、そこまで書かないと全部取られて しまうのかと逆に思ってしまわれる方もあるのかなと思ったのです。 ○篠崎班長 それも確かに2段階で考えるべきでしょうね。臓器提供意思を出す段階で、 それこそ何の臓器が提供できるかを知らない方がいる場合の前提で話すのか、やはり、こ れは普及啓発ですから、意思表示カードに書いていただく段階では、少なくとも臓器提供、 あるいは組織でもそうだと思いますが、提供できるものに関して、自分で何ができるか知 った上でやってほしいというスタンダードでいくのかによって、たぶんノーの意思と臓器 ごとに言うのか、言わないのか、あるいはイエスのところだけ付ければいいのか。あるい は選択させればいいのかというところです。これは普及のレベルによっても、どの辺まで 知っていただいて意思表示をしていただくのかという辺りが、すごく大きな問題になるの ではないかと思います。この点について、積極的なご議論をお願いします。 ○小野班員 岩田さんがおっしゃったような形は、確かにあると思います。私はいつも思 うのですが、いま4類型の病院にいますので、1番も2番も3番もどれでもご本人の意思を 叶えることは可能な施設になります。これは1番と2番では現状では摘出できる臓器が全 く違うのです。要するに心停止下では、腎臓、膵臓、眼球、その他と書いてあります。こ ういう違いをきちんと記入する人がわかっていてくださるというのは、明記されているこ とでいいような、そういう啓蒙にはなっているのかなと現場では思います。  岩田さんがおっしゃったとおり、ご本人はこのカードで意思を示していても、ご家族は 全くわからなくて、先生の所は何の臓器が提供できるのですかと聞かれる場合がよくあり ます。そういう意味では、○×の件はありますが、臓器が書いてあるのは一般の人にはわ かりやすいのかなと私は思います。 ○相川班員 説明書にこの臓器は脳死下で提供できます。この臓器は心停止下で提供でき ます。心停止下でしか提供できません。そういうふうに説明書に書いてあるだけでは不十 分ですよね。実際のカード自身に書いていないと駄目ですかね。 ○小野班員 先生わかりました。そのときカードを書かれたご本人がパンフレットを自分 でお読みになって、記入されているのであれば、その事実がわかれば、我々もよく理解で きると思います。ごめんなさい、先生、現場にいる我々は、カードしか表れてこない。本 人の意思はそこにしかない。どうだったのか、諮る余地もないというのが実際のところで す。先生がおっしゃっている内容は現実的だと思います。本来、スペースを作るためにも なくてもいいような気がします。 ○相川班員 その上で大久保班員が言ったように、提供しない臓器を「その他」の欄に書 いてもらうというのが、いちばんいいかもしれません。 ○大久保班員 それともう1つは、基本的に自分で判断してしまう人もいるのです。要す るに、酒飲みで肝臓は駄目だろうかとか、自分はちょっと糖尿の気があるかもしれないか ら、膵臓は駄目だろうとか。実際にそうなってみないとわからないのに、本人はもう駄目 だろうと思って×にしてしまう、ということもこの部分では起こり得るのではないかと思 います。  だから、一部の方は目だけは嫌だとか、実際にご家族でもそういう方はいらっしゃるし、 心臓だけは嫌だという方もいらっしゃるかもしれないが、大体数の方は臓器提供をしたい と思ったときには、いいですよ、どれでも使えるものは全部使ってくださいと思っておっ しゃる方だと思います。中で例外的に目だけは嫌だとか、心臓だけは嫌だという人に書い ていただくということで、我々としては普及啓発としてしっかりと臓器移植というものを 理解した上で書いてくださいと、もう少し強く打ち出していくほうがいいのではないかと 思います。  これは免許証のようなものには書けないと思うのです。こちらには書いてある、こちら には書いていないと、あるよりはある程度全体として、日本の臓器提供意思表示カードは こういう形ですよというのは、統一に近い形にしたほうがよりいいのではないかと考えま す。 ○篠崎班長 事務局のほうで何かありますか、。 ○辺見室長 これまでの意見で2点ほどございます。1つは、1と2の区別の話です。現行 の日本の法令上でいきますと、脳死に関しての同意と臓器移植の意思表示とありますので、 そういう点から踏まえますと、我が国のいまの国民世論の考え方がどうかということもあ りますが、法律の法制からしても、そこのところは2つの形が必要だろうと思っておりま す。  もう1つは、提供臓器の種類の話を法律的な観点から考えたときに、現行を臓器移植法 で対象となっている臓器の種類というのがあります。それ以外のものは組織の類で、皮膚、 血管、骨、心臓弁というのは、法令の対象なっていませんが、それに準ずる形でガイドラ インでやってくださいといった形になっている状況です。おそらく、この欄の「その他」 のところに書くのは、骨、皮膚、血管ということを書かれていて、それは臓器移植法の移 植ではないが、ガイドラインに沿った形で移植をという話になってくる。  そういったベースがある前提で、現場に移植したくない臓器を書く方が、臓器移植法の 移植を念頭に置かれて「心臓」と書く人もいるかもしれない。いやいや、ガイドラインも あり得るので、皮膚とか心臓弁とかも全部書いておこうという人もいるかもしれないし、 というのが現れてきたときに、現場の判断について、我々はどのようなガイダンスを与え ていくのか、ここは考えなければいけなくて、正直言うと難しいなと思っています。 ○篠崎班長 その辺も今後の検討課題では非常に重要なポイントだと思います。例えば、 眼球は臓器移植法の臓器というのが我が国の状況ですが、角膜移植が臓器移植に値してし まう国は、私の知る限り日本しかないので、現行法である日本の歴史がこういうところに 出ているのだと思います。独自の文化を我々は持ってきて、歴史を持ってきているわけで すから、それを活かしつつ、今できることをもう少し明確に議論する必要があると思いま す。  いま室長からもあったように、現状では組織移植に関しては、出だしの法律では付則に 「社会通念を認めるところにより行われること」と書いてあります。いま組織移植学会の ほうでもかなり厳格なガイドラインで動いているということはあります。  例えば、ネットワークの臓器提供の意思確認のときにも、やはり、組織移植の組織と連 携しながら何とかうまく真似してやっていただいているということがあるのです。これも たぶん歴史的に解決する部分は非常に多いと思います。とりあえず、もう1回話を引き戻 して申し訳ないのですが、現行法で法改正までの間に、この書面に書く内容を、いまある 臓器を明記してある状況に、組織のことも意思表示できるように可能にしたのが「その他」 の欄であると。したがって、「その他」というところに臓器提供できない意思を書くという 趣旨では本来ないものであります。カード自体のあり方が、提供したくない臓器を書くよ うな趣旨ではもともとないということです。 ○辺見室長 ただこのカード自体はそうで、提供したくない臓器を書くような書き方も、 書き方としてはあるのだとは思うのですが、法律やガイドライン上の位置づけとして、ど ういうものなのかと考えると、ちょっと整理は容易ではないなと思います。 ○篠崎班長 この辺の意見で、もともとのカードの意思が。 ○相川班員 日本の法律自身がオプティングインですから、いま言っていることはオプテ ィングアウトなのです。確かに合致しないと言えば合致しないのかもしれません。  ただ、ご本人の意思を能動的に表す1つの手段だと私は思います。 ○篠崎班長 そうですね。記載してもらうということですね。臓器ごとの記載をする、し ないという問題以前に、もう1回だけご検討をいただきたいのは、優先提供の欄を設ける か、設けないか。四角は皆さんのご意見でないほうがいいというご意見が強かったと思い ます。この記載自体をカードに行うのか、あるいはいま事務局が配ったように、必ず入っ ていますので、特に真ん中の所の書き方の説明、いわゆる番号に○がなかったカードが多 発し、いまはほとんどこういう形に移行したと思います。私も最初、カードが箱に積んで あった記憶がありますが、いまはお金もかけてこういうのが入っているわけです。この中 での説明というものにして、積極的に書いていただくという意見が多数あったのですが、 それに対する反対のご意見はまだ出ていないようですが、何かそれについて反対の意見の 方はいらっしゃいますか。  説明しておいて、記入例をここに出すと。「親族優先の方は」というのは記入例を出して、 例えば、このカードの余白の部分に、こういうふうに書けますよという案内を付けておい て、積極的に自筆で書かせる。というのがいま出ている意見の大局かと思いますが、いか がですか。  これは臓器移植専門委員会のほうでも、1回普及啓発のほうで話し合って、もう1回戻 してほしいというご意見なので、これはここで出た意見をもう1回親委員会に戻し、かつ、 それはパブリックコメントに書かれているところですので、特に普及啓発に関してはエキ スパートの先生方が多いので、できれば多角的な角度からお話をもう少し詰めてもらえれ ばと思った次第です。  とりあえず、いまのところ何となくコンセンサス的には欄で誘導するようなやり方はや める。できれば積極的に理解してもらった上で、自筆で書いていただくべきものではない か。実務的なことを言うと、カードにこれ以上の量を増やしていくのは、字をますます小 さくして読めない。そういうことをするのであれば、ちゃんと説明書に明記して、例まで 挙げて、カードに書く場合には自筆で書いていただく、ということが大勢という気がする のですが、何かそうではないという意見はないですか。あまりみんなが一致するのはちょ っと議論に値しない話だったのかなという気がしてしまうので。 ○長岡補佐 事務局から確認をしたいのですが、現在、こういったカードとパンフレット がセットとなった形で配られることが多いとお伺いをしているのですが、例えば、今後は 免許証や保険証というのがありますので、その場合は、パンフレットが入るとは限らない です。また、別のものを配っていただく。これはお願いになるのかもしれません。  もう1点は、現在のカードを単独で配っているケースはあるのでしょうか。ということ でしたら、もう少し表現ぶりを簡略化した上で、何らかの文言を入れてもいいのかなとい う気はしたのですが。 ○雁瀬班員 配付状況ですが、非常に多くの数が出ていますので、基本的にはバラです。 このセロファンセットというのは、コンビニエンスストアなどの流通経路に乗せるために 行っているものと、成人式などにいろいろな封入物があるときに紛れてしまわないように、 成人式での配付用に作っていると、むしろ、特別なものと捉えていただいたほうがよろし いかと思います。 ○大久保班員 我々も街頭配付でもほとんどパンフレットと一緒に配っていました。以前 はカードだけだったのですが、これができてからは、できるだけ全部必ずカードと添えて 渡すという形に全部なっています。  毎年、中之島でやっているときは大体3万部ぐらい配りますが、全部一緒に必ず渡して います。 ○篠崎班長 例えば、昔、コンビニなどでカードだけ入れたものがありましたが、最近あ まり見ないのですが、この間数年ぶりに肉まんの上に積んであるのを見ましたが、昔裸の カードを配った時代があったと思います。あの形というのは、いまだに配付しているとい うことですね。 ○雁瀬班員 例えば、病院とか市役所、区役所、保健所、そういう所は基本的にバラです。 あと患者団体さんが街頭で配ったりするのも、独自で組み合わせていただかないと、私た ちがこのセロファンセットに入れて流通させる量というのは、手作業ということもあって、 非常に限られている量しか作れていない。 ○小野班員 よく野球の団体が表にあって、裏はこう書いてある。そういうスポンサーで はないですが、ああいうのが付いているのも全部バラですよね。 ○篠崎班長 基本はですね。 ○小野班員 あれは各地ですごく普及しましたよね。ですから、大半はカードだけではな いのですか。もちろん、病院とか、そういうのもあるのですが、これが付いてくるのはあ まり多くないような現状がいままであったと思います。 ○雁瀬班員 ただバラですが、基本的にはシールとパンフレットとカードというのは、一 緒に配っていただく環境で箱と一緒にお渡ししているのです。ただ、先ほどおっしゃった オリジナルカードを球場で配るというのも、私たちがわかる範囲では是非パンフレットも 一緒に配ってくださいとお願いは行っていますが、必ずしもカードがパンフレットとセッ トになって皆さんの手に渡るということではないということです。 ○篠崎班長 逆に、国民の皆さんが内容がわかって、書き方がわかって、理解した上で意 思がちゃんと表示できて、それがちゃんと活かされるシステムであればいいわけですね。 そこをもう1回真剣に考えて、カード1枚1枚に書けるために、すべての情報がこの1枚 のカードになるのは不可能です。それこそ脳死と心臓死の違いまでこのカード1枚で知ら せるのは不可能なので、何かの教育なり、啓発母体があって、それこそインターネットか 何かがあって、それをうまく利用しながら国民が理解し、そこで記載するというアクショ ンのうち、いま話しているのは、このカードを見た瞬間、カードだけで理解できるレベル がどの程度かという話だと思うのです。それをいろいろ言い出すと行数が増えて、これ以 上増えると読めない方のほうが多くなってしまいますので、ご高齢の方、私も含めて読め なくなるので、どの辺まで簡素化するかという概念というのは1つあります。  逆に、みんなに知ってもらう情報をどこに置くのか。例えば、パンフレットを盾に、ど こどこへ行けば情報は載っていますと書くのもいいと思います。それがインターネットを 使えない方はどうするのかというのは、何らか別の広報活動で知らしめると。もう少し枝 分けしていかないと、このカードにどこまで載せるかに集中すると、ちょっと違うのかな という気がするのです。ただ、現状では裸のカードもかなり配られていると。ただし、カ ードだけ積んである状況はないですよね。カードだけをどこかのカウンターに積んである のはあまり見たことがなくて、何かのケースに入っているもの、もしくはイベントの際に 配るタイプだと思います。その流通の数は存じ上げないのですが。 ○相川班員 このカードに臓器移植ネットワークのwebのQRコードを記載しておく。 ○雁瀬班員 カードには入っています。携帯でスキャンしていただくとホームページに飛 べるようにはなっています。 ○辺見室長 5頁の上のものは入っているのですが、真ん中のものは保険証なので入って いないのです。上のものは入っています。 ○大久保班員 保険証とか免許証というのは実際に手渡しなので、基本的にはおそらくこ れが一緒に配られると思うのです。街頭に置いてあるというと、これしかいかない可能性 はあるのですが、基本的にこちらでもキャンペーンのときは催しも全部含めてこれを一緒 に配ります。おそらく保険証とか、免許証のときはいろいろなものをもらいますから、そ のときに一緒にカードの説明書を配ることは問題なくできると思います。 ○雁瀬班員 保険証などは、保険証を配るときのパンフレットの中に今回から意思表示欄 が入っていますよ、という説明が一緒に印刷されているものを、保険者のほうで作られて います。 ○石川班員 ちょっと疑問ですが、カードが単独で配られるというのはショッキングな感 じです。というのは、結局、普及啓発をするときに、どういう方に登録してもらいたいか。 どういう方というのは、我々がこういう方とタイプを限定するわけではないですが、理解 した方に登録していただきたいわけです。数を増やしたいわけではないと思うのです。  その意味で、カードだけ置いておいて記入してもらって、記入者の数が増えること自体 は、あまり好ましくないと思うのです。その意味では単独でまくというのは、基本的には やめたほうがいいと思うのです。 ○雁瀬班員 単独でまいているのではなく、パンフレットとシールとカードというのは、 バラでしかお渡しできないことがあって、それは1つの箱に一緒に全部をセットできるの です。例えば、パンフレットが先になくなって、カードだけが多少残っているという事態 はたまにあったとしても、カードだけをバラまくという方法は全く勧めていないです。基 本的には一緒ですが、こうやってバラバラにならない方法として、すべてセロハンセット にできるわけではないということです。 ○石川班員 だから、それも含めて考えなければいけないと思うのです。つまり、分離で きること自体が危険性をはらんでいるので、それを強要してはいけないと思うのです。  それは予算の都合でできないとか、いろいろあるのだとしても、どういう人に登録して もらいたいという考え方さえ押さえておけば、そうはならないとちょっと思ったのが1つ です。  別に登録者の数を増やすこと自体が絶対至上命題ではないと思うので、まず理解しても らう。カードというのは、その人の意思をシンプルに表現していればいいわけですよね。 ただそのとき思ったのは、医療の現場で、いや、シンプルに表現してあるといろいろ問題 があるということになった場合は、それを聞かなければいけないなと先ほど思ったのです。 カード自体はできればシンプルなものがいちばんいいわけです。あまり記述を増やしてい くというのは、逆行しているというか。 ○篠崎班長 誤解を生みやすいですね。記載ミスも生じます。語弊があったわけではない のですが、イベントというのは野球の試合とか、我々も実は裸のカードをもらうことがあ ります。それはどこでかというと、医学部とか医療系の大学や公衆衛生的な所で講義をし たときにみんなに配って、例えば脳死の概念はこうだと、こういうものがあると。まず、 君らで持っている人が何人いるか調査をかけまして、それで配る。ただ街頭で配るイメー ジが間違われたのなら訂正したほうがいいかなと思ったので。ネットワークも街頭で配っ ていることはなくて、我々は裸のカードを使って配る。ある程度のサプリメントの情報を 与えた上でやっていると。ですから、その辺の情報の与え方が十分なのかどうか、ご理解 をいただいているのかどうかという辺りも含めて、ご検討をいただいたほうがいいのかな と思ったのです。 ○相川班員 先ほど石川班員が言ったのは、非常に重要なことです。いままではこのカー ドがない限りは脳死下臓器提供はできなかったのです。だから、こういうふうになったの です。その意味で、持っていないとその意思はないということで区別をしていたのです。 一般的な臓器提供意思カードという、外国で言う意思カードは、これはあくまでもツール なのです。手段ではないのです。  例えば、私がこのカードを記載して、この趣旨に沿って臓器提供をしたいと言って、こ のカードを持って行って、家に帰って夕食のときに娘に「お父さんは、こういうのを登録 したんだよ。お前はどう思う」と。そういうツールのほうがもっと有効であるということ を、実際にイギリスの情報センター長は言っているのです。証明書で、日本はいままでこ ういうふうにやっていたわけですが、いまは法律的にも変わったわけで、意思がない方で も家族の承諾があれば、不明な場合でも臓器提供はできるということですから、いままで のイメージは捨てないといけないと思います。ですから、石川班員が言ったことは、すご く大きなことだと思います。いままでのカードのイメージを捨てた上で、啓発にもう少し 考慮しないといけないでしょうね。どうしてもいままでのイメージに引っ張られていると 思います。 ○篠崎班長 誠におっしゃるとおりです。やはり、施行の瞬間に施行規則、ガイドライン 等も連動して変えるというのもありますし、ある程度書面で載ってしまって、現行で動い ている部分が現行法であるわけですから、そことの整合性を見ながら、発行するタイミン グも法改正して一気にすべて変えるというようなことが現実的に可能かどうかも踏まえて、 少し検討する必要があるのかなという気がします。  本日は皆さんからいろいろなご議論をいただきましたので、現行法の法令等の関連なら びに新たなアイデアとか、概念的なディスカッションをいただきましたので、我々はすべ て法令を知り尽くして言っているわけではない部分もあるので、事務局のほうでいま出た ような意見をもう少し精査して並べていただいて、すべて法律上は問題ないと思います。 例えば、現行の法令との関連ならびに概念。あるいはこれが法施行に至るまでの議論の中 で、国会等でこれがコンセンサスを得て通った部分というのがあると思うのです。それを 1回まとめていただき、委員の皆様には今日の議論を踏まえて、時代が変わるのだという ご意見もありました。法律は法律ですから遵法でいきますが、本来どうあるべきなのかと、 相川委員からも非常に貴重な意見をいただきました。  逆に大久保委員からはノーの意思も尊重しないといけないという意見が出ました。法律 も大事ですが、倫理上の問題からもある程度何か意思表示できるようにするシステム。例 えば海外のシステムでもいろいろなシステムがあるわけです。オプティングイン、オプテ ィングアウト、プリズームコンセントとあるわけです。最近ヨーロッパではプリズームの ほうでも3種類ぐらい分かれてハードオプトアウト、ソフトオプトアウトと国の規制があ るかないか、レジストリーがあるかないか、いろいろな形に分かれています。明らかに有 効性、国民への普及の度合、あるいは臓器提供の数など明らかに有効性が違うことも徐々 に判明しつつあります。もう少し我々もそういったものを何かの機会に参考人に話してい ただいたりとか、そのようなことも考えつつ、本日の議論は来月で間に合うのですか。結 論は今日急ぐ必要はないですね。 ○辺見室長 申し訳ございませんが、今月はもう1回作業班をお願いするかもしれません ので。 ○篠崎班長 わかりました。優先提供に関しての記載というのは、サプリメントの情報を 与え、ここに書いてもあまり有効でないと。欄を設けることは逆に違った意思を誘導する、 というのがたぶん今日のコンセンサスですよね。というのが、我々がこのテーブルで得た 感覚ではないかと思います。  それも踏まえて、それ以外の記載状況に関しては事務局のほうでもう1回法令等を見て 考えていただいて、今後の検討事項をまとめていただくということでよろしいですか。 ○辺見室長 はい。いまの座長からの話も踏まえまして、どんなことが考えられるかご相 談させていただいてから、次の資料を作成できればと思っています。 ○大久保班員 一応、脳死と心停止と拒否の欄を3つに分けるというのは、班長いいので すよね。それもオーケーですね。 ○相川班員 臓器以外を入れるかどうかはまだですか。 ○篠崎班長 まだ、今後の課題ということです。ただ、親族優先に対しての誘導するよう な事務局で作った案(3)のような案はちょっとやり過ぎで、本来はいまのままでちゃんとサ プリメントの情報を付けるべきではないか。ただし、カードだけが配られる場合に関して の取扱いをどうするべきなのか。逆に、そういうことは局力避ける方向で配付方法まで少 し検討していくべきではないか。あるいはもう少し記載することだと思います。記載に関 しては、たぶん皆さんもこれ以上文字を書き込むことには、懸念を示しているという理解 でよろしいかと思うのですがいかがですか。それに対して何か反対意見の方はいらっしゃ いますか。 ○雁瀬班員 反対意見ではなくて、2つだけいままでの議論の中でお伝えしておきたい現 場のことがあります。1つは、「その他」の欄についてはこのカードではなくて、パンフレ ットにその書き方を示すことによって、その他に何を書けばいいかを皆さんが理解し記入 してきたという経緯があります。  臓器の選択に関しては、7月以降はご本人の意思が不明でも、ご家族の承諾によって提 供することになります。実際、ご本人が意思表示カードに書いていた臓器名と、新たにご 家族がその中で承諾する臓器というのは承諾書の中で明記していきますので、今後もご家 族が承諾するときにどの臓器を提供するかということを選ぶタイミングがある、というこ とをお伝えして今後の議論に役立てていただければと思います。 ○大久保班員 本人が意思表示していても、家族が駄目だったら、今後も駄目なのですね。 ○石川班員 ある臓器が嫌だとおっしゃる、そもそもの考えというか、なぜ嫌だとおっし ゃるのか。そこの原因をきちんと調べたほうがいいのかなと思うのですが。つまり、それ は情報が十分提供されていないから、感覚的に嫌だと答えているのか、それともどういう 背景があるのか、それがなしで議論していてもらちが開かないような気がするのです。 ○篠崎班長 これは作業班のレベルでは駄目ですね。例えば、スペインでは家族が拒否す るということに関して、スペインは国の命令で本人が提供すると言ったら、家族が拒否す る権利があるのか。これはWHOでもいちばん大事な人権の問題点と言って挙げています。 何が理由かわからないというのはおっしゃるとおりで、実は、研究事業でやっていまして、 これは年単位でかかるらしいのです。やはり、我々も知る作業として重要だとは思うので すが、これは別の組織に別の機会でやっていただくことは大事だと思います。たぶんこの 作業班中に結論を出すのは厳しいでしょうし、逆に言うと、そういった研究があれば法施 行云々の問題ではなく、どなたか参考人に来ていただいて、将来、我々が知る。したがっ て、国民の皆様にも知っていただくという形が取れればと思います。非常に貴重な意見だ と思います。 ○相川班員 いろいろあるのです。例えば、角膜1つ残しておけば、あの世に行っても見 られるのではないかとか。そういう事情を岩田君はよく知っていると思うのです。 ○岩田班員 それでご家族があとで後悔しないということであれば、その要因が何であれ、 いまはそれを選択しておくという感じになります。 ○相川班員 あまりそういうふうに言われると、普通は2つとも提供してと言わないです よね。私は医学的な問題ではないと思います。 ○篠崎班長 よろしいですか。活発な議論をありがとうございました。本日の意見をまと めまして、次回もさらに議論をいただきたいと思います。意思表示カードに関する項目に つきましては、次回の会合において臓器移植委員会に提出できるような形に取りまとめた いと思います。本日はほとんどの表示欄、親族に関してのところ、あるいは臓器に対して はどうするかという辺りは、皆さんにお考えいただきまして、事務局のほうで取りまとめ 案、現行省令等を踏まえた上での案を作り、次回は取りまとめたいと思いますので、ご協 力をよろしくお願いします。  実は法改正を踏まえて、15歳未満の小児の方が臓器提供対象となることも踏まえて、今 後の臓器提供の普及啓発に向けた具体的な方策をご検討いただくことになります。班員で ある黒田委員のほうから、教育に対する広島県の教育委員会生涯学習部スポーツ振興課と いうところで実践されている事業に関してご紹介をいただけるということで、ここでお時 間をいただきまして、黒田委員からお願いしたいと思います。 ○黒田班員 「学校教育における現状」について少し紹介させていただきたいということ で依頼がありまして、用意してきたのが参考資料5です。「小学校、中学校での現状」につ いては、はじめに大前提から申しますと、学校で行われる教育の内容というのは、文部科 学省が告示する小学校、中学校の学習指導要領に示されております。こちらがその原物で す。  小学校、中学校の学習指導要領には残念ながら「臓器移植」という言葉は記載されてお りません。ですから、小学校、中学校では直接的に臓器移植とは何かを学習する機会はあ りません。ちなみに高等学校では保健体育の保健で国内の医療制度を扱う内容に献血など と同じように、適宜触れることになっており、臓器移植とは何かを学ぶ機会があります。 では小学校、中学校における現状をお話します。  先ほど述べましたように、学習指導要領には、道徳の時間が示されております。臓器移 植に関連する事柄を扱う場合は、この時間に扱われることが多いです。道徳の時間の内容 の詳細についてはここでは話しませんが、いくつかの内容のうちの1つに中学校で言えば、 「生命の尊さを理解し、掛けがえのない自他の生命を尊重する」という内容があり、これ を学習することになっております。道徳の時間の資料として、主に活用されている民間会 社発行の中学校の副読本の中には、扱う資料の1つとして、臓器移植にかかわった人の手 記などを取り上げています。今日、いくつか資料として付けております。  資料が掲載された副読本を選定するかどうかは、教育委員会や各学校の判断により、ま た、この資料を取り上げるかどうかは各学校の道徳教育の指導方針に基づいて決められて います。これまでこの判断の材料に厚生労働省や臓器移植ネットワークの広報活動で作成 された資料や配付物が参考にされ、大変役に立っているということです。  それでは学校での普及への課題に少し触れます。生徒は担当の教師の言動に左右されや すいものです。また、家に帰り、学校での話題を家族に話し、意見を求めることがありま す。学校でこのような資料を扱うときには、性教育などと同様に保護者に対して事前に内 容を示した手紙を渡すなり、保護者会で説明するなりして、理解を得ながらの対応を要し ます。  特に保護者の強い反対が予想される内容については、より慎重になる傾向があります。 学校や教育委員会は公教育としての側面が強いものです。学校や教育委員会はいろいろな 考え方を持つ生徒、保護者に対して説明責任が生じたとき、学校指導要領の確かな根拠が ある場合とそうでない場合を大きく対応が違ってきます。どのくらいの実施率かというデ ータは持ち合わせていませんが、道徳の生命の尊さを理解し、掛けがえのない自他の生命 を尊重する内容では、ほかの資料を使っても狙いを達成できることから、臓器移植を資料 に扱う学校が少ないのが現状です。  しかしながら、私の地元では中学校のほとんどが、今日載せている某社の副読本を使っ ておりますので、臓器移植を資料に実施していることが考えられます。  そこで次のようなことを普及啓発へのアプローチとして私の意見を挙げております。小 学校、中学校へは学習指導要領の内容の範囲で扱えるよう、ここでこういうことはちょっ と難しいのですが、ドナー登録をしましょうという授業の展開というのは難しいです。生 命の尊さ、自他の生命の尊重を前面にした普及啓発資料ということになろうかと思います。  教師に対する学習資料は、継続して提供していただきたい。その際も学習指導要領の内 容の範囲を意識したものにしていただきたい。  次に、現在も親子向けの啓発資料がありますが、保護者に対する学習資料の提供につい ても、学校で扱うものとして作成すると非常に子どもに話せる。最後に道徳の副読本には、 現在も手記などが掲載されています。副読本にも載っているということが、学校で扱う根 拠になっていることから、継続して載せることができるよう、関係出版社へ情報提供など を協力していただきたいということです。  ここに挙げたアプローチというのはあくまで私の私見ですが、現状、学校でここに関す る授業を展開する上ではこのようなことが必要かと思います。以上で、私からの学校教育 における現状についての話を終わります。 ○篠崎班長 どうもありがとうございました。いままでの教育現場ではセンシティブなと ころは我々もわかっていて、何を理解していただくのかという観点によって、これは非常 にセンシティブな問題になってみたり、あるいは法律に照らし合わせて、法律に書いてあ る「生前の意思は活かされなければならない」という我が国家の法律ですから、その意思 をどのように皆さんに持っていただけるのかというのは、これは法律上認められているこ とです。しかも、医療機関の中での普及啓発、いわゆる病院開発等の現場のコーディネー ターが必ず出だしに直面する問題と同じで、現場のストレスを調べてみますと、いま研究 班のデータを見ましてもそうですが、臓器移植を進めるインフォメーションをきちんと整 えるとすると、これはプロフェッショナル・エデュケーションの話です。いわゆる一般普 及啓発の話とパラレルでやるのですが、やはり、臓器提供を進めるのだと思っている方は、 臓器提供意思を確認することがすごくストレスになってしまいます。やはり、これは必ず そういった病院は長持ちせずに、長続きせずに運動がだんだん萎んでいく。これは国民の 権利ですから、医療従事者は聞く義務があるのだという概念で進めていただかないと。で すから、イエスであろうとノーであろうと答えが出なくても、それは国民、あるいは患者 様、ご家族のご意見ですので、それを尊重しなければいけないというスタンスがわかって いるとストレスではないのです。  教育のほうでも普及啓発する場合にも、その辺も我々は多少国民の全体の意見もこの数 年でシフトしているということも強く認識すべきで、医療機関にいるとどうしても我々が 自ら認めることはないかもしれませんが、ちょっと偏ったスペシャリストとして閉鎖空間 にいる分、世の中のこととちょっと遅れをとる部分がありますので、やはり、世論調査等 でよく実態を見ながら、特に教育に関しても普及啓発のところでは一般の方、特に学校教 育という大変重要なところで行う啓蒙教育に関しては、少し皆様の知見を頂戴しつつ、先 ほどの事務局の説明にもあったように、これは別に法施行を目処に何とかという問題では 決してないので、これは継続的にディスカッションしなければいけない問題だと思います。 いろいろな角度から、例えば、患者会の立場、あるいはコーディネーターの立場、広報的 な活動、移植施設、あるいは提供施設といろいろな角度で行ってきたものを集合しながら 少し議論を進めていきたいと思います。非常に良いヒントをいただいたし、こういった専 門家もいますし、法律の人もいますので、逆に教育の現場から挙げていただくということ で、もう少しどんな啓発をどことリンクしてやったらいいのかというのは、法施行まで議 論したいと思います。  今日は時間がないので1人で話していますが、今日の話題は提供していただきまして、 貴重な資料をいただきましたので、これを元に今後検討を進めていきたいと思います。本 当に貴重な時間をありがとうございました。取りあえず、意思表示カードの点に関しても、 皆様から貴重なご意見を頂戴しましたので、事務局のほうでおまとめいただきまして、次 回から具体的に周知すべき内容とか、あるいは周知媒体等について検討を進めたいと思い ます。また日程調整が事務局からあると思いますが、先生方にはご多忙の折申し訳ありま せんが、また親身なご審議をいただきますようよろしくお願いします。次回以降の日程に ついて、事務局からよろしくお願いします。 ○長岡補佐 次回以降の日程につきましては、本日はいろいろ議論もいただきましたので、 また日程調整をさせていただいた上で、文書にてご連絡を差し上げます。先生方におかれ ましては、日程の確保をよろしくお願いいたします。 ○篠崎班長 それでは会議はこれで終了したいと思います。長い時間をどうもありがとう ございました。 【照会先】  厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室  代表 : 03(5253)1111  内線 : 2366 ・ 2365