10/01/15  第160回中央社会保険医療協議会総会議事録          第160回総会議事録 (1)日時  平成22年1月15日(金) 9:00〜13:0 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 小林麻里委員 関原健夫委員 白石小百合委員         森田朗委員        小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員         北村光一委員 高橋健二委員(代理) 伊藤文郎委員        安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員        北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員        <事務局>        外口保険局長 唐澤審議官 神田総務課長 佐藤医療課長        迫井医療課企画官 渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官        上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○平成22年度診療報酬改定について(諮問)        ○平成22年度診療報酬改定に係る検討状況(現時点の骨子)(案)につ        いて        ○再診料及び外来管理加算について        ○地域の特性を考慮した診療報酬点数について        ○その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第160回中央社会保険医療協議会総 会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告をいたします。本日は牛丸委員及び藤原専門員が 御欠席です。  また、本日は高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられま す。またちょっと電車が遅れているということがありまして、森田委員、小林委員、北村 専門委員がやや遅れるということでございます。  それでは、議事に移ります。  本日は、厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、事務局より資料の説明をお願 いいたしたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長です。  資料は、中医協の総−1、それから別紙が1、2、3と続きます。ごらんいただきます ように、本日付で厚生労働大臣長妻昭名で中央社会保険医療協議会会長遠藤久夫殿あてで 諮問書でございます。ここは読み上げませんが、健康保険法及び関連各法の規定に基づき、 平成22年度診療報酬改定について、貴会の意見を求めますと書いてございます。  なお、答申に当たっては、今御紹介をいたしました別紙1「平成22年度診療報酬改定 について」、これは前回もごらんいただきましたけれども、改定の改定率、それから3ペ ージ目がそれにつながる予算大臣折衝の資料ですけれども、その文言、そして別紙2、こ れももう既に御高覧のことですが、医療保険部会と医療部会における基本方針、そして別 紙3としまして、一番最後のページになりますが、政務三役を中心とする御検討の結果で あります12月9日の厚生労働省公表資料「平成22年度診療報酬改定について」、これ らに基づき行っていただくよう求めますとなっております。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまの御説明につきまして、何か御意見あるいは御質問ございますでしょうか。よ ろしいでしょうか。  それでは、そのような諮問が行われましたので、それに沿って診療報酬の改定を検討し ていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  ここで御質問するのがいいのかどうか、後なのかなともちょっと迷っておりますが、以 下の方針に基づいて検討して答申せよということでございまして、前回にも確認させてい ただきましたけれども、今回の改定、3つの決定におきまして、特に医科については入院、 入院外ということで枠がはまって、およそ皆さんの御理解では計算上、入院が4,400 億円で、外来が400億円と、あらかたそういう数字だというふうに我々は理解をして、 議論をさせていただくわけでございますけれども、この4,400億円と400億円とい うのはその改定が全部仕上がった段階で4,400億円と400億円になっているという 意味だと私どもは理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  それでは、事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  私どもそのように理解をしております。 ○安達委員  ありがとうございます。 ○遠藤会長  ほかに御質問、御意見ございますか。よろしいですか。  ありがとうございます。  それでは、引き続きまして、平成22年度診療報酬改定に係る検討状況(現時点の骨 子)(案)、これを議題としたいと思います。前回の総会におきまして、事務局より提出 されたこれまでの議論整理案について御議論いただいたわけでありますけれども、いろい ろな意見が出まして、その前回の御議論を踏まえて、事務局よりまた資料が提出されてお りますので、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  資料は、総−2−1から、そして関連しますものとして2−2、2−3、2−4という ものをつけております。メーンは2−1になりますので、2−1をごらんください。  前回お示ししたものに、1ページ目、2ページ目とこれまでの議論の経緯をつけており ます。これは過去の経緯でございまして、16回にわたって御議論いただいたということ を書いたものでございますので、省略をさせていただきます。目次からは前回と同様でご ざいます。本文が5ページから始まります。時間の関係もございますので、前回御意見を いただいたり御指摘をいただいたりしたものの中で、前回と変更のあったところを中心に 御説明をしたいと思います。  少し飛んでいただきまして、最初に出てくるのは8ページでございます。8ページの (2)というところですけれども、前回の文章の中で、文言の問題ですけれども、急性期 医療とかいうような言葉で始まっている文章があったのでということでわかりづらい、こ ういうことでしたので、お示ししたような文章に変えております。(2)の(1)の前のこの 4行でございますけれども、「急性期医療を支えるためには、急性期医療の後方病床を確 保するとともに、在宅療養中の患者や介護保険施設の入所者を必要に応じて入院させられ る病床を確保することが重要であることから、地域医療を支える有床診療所や療養病棟に おいてこのような患者を受け入れた場合を評価する。」という文章にしております。  それから、所要の修正といたしまして、(1)のところですが、前回は「地域医療を支える 有床診療所における後方病床機能の評価として」となっておりましたが、「地域医療を支 える有床診療所の一般病床において、急性期の入院医療を経た患者、」とつながってまい ります。それから、文言の修正も、これも御指摘があったところだったので、「急性期の 入院医療を経た患者、在宅療養中の患者や介護保険施設の入所者を必要に応じて受け入れ た場合の入院早期の評価を新設する。」ということで修正をしております。それから、(2) のところですが、前の文章は「病院及び有床診療所の療養病床」となっておりましたが、 こういう文章ですと、病院全体がオーケーということになりますので、ちょっとくどい言 い方ですけれども、「病院の療養病床」、それから「有床診療所の療養病床において、」 ということで、きちっと書き分けて、それぞれ意味が通るようにしました。急性期の入院 医療を経た患者、在宅療養中の患者や介護保険施設の入所者を必要に応じて受け入れた場 合についての評価を新設する、こういう文章です。  それから、少し飛びまして、8ページの下のほうですけれども、(2)先進医療専門家会議 というところをつけ加えております。ちょっと読み上げますと、「(2)先進医療専門家会議 における検討結果を踏まえ、先進医療技術の評価を行い、新規手術の保険導入を行う。」 これは単純な追加ミスでございまして、ここは手術全体の適正な評価なんですけれども、 ちょっと前後を見ていただきますと、(1)では、手術報酬に関する外保連試案を活用しとい うことで、技術評価分科会で御議論いただいている内容をもとに「高度な専門性を必要と する手術をより高く評価する。」と言っているわけですが、この流れともう一つ先進医療 専門家会議で御議論いただいている結果を踏まえて導入を行うという部分が単純に抜けて おりましたので、おわびをして追加をさせていただきました。したがいまして、次の診療 報酬調査専門組織の云々というのが番号ずれで、(3)になったということであります。  それから、次は10ページでございまして、中ほどよりちょっと下のところでしょうか、 「地域の医療機関の連携に対する評価について」の(2)ですけれども、ここも文言の簡 単な修正をしておりまして、重点課題2−3の(2)の(2)ですけれども、「地域医療を支 える有床診療所において、急性期の入院医療を経た患者、」とつながります。それから、 ここも先ほどの言いぶりと合せまして、「在宅療養中の患者や介護保険施設の入所者を必 要に応じて受け入れた場合の入院早期の評価を新設する。」こういう形で修正をしており ます。  それから、めくっていただきまして11ページ、ここはがん対策基本計画等に基づく取 り組みの中で、キャンサーボードや院内がん登録の充実の話が出ましたので、ここは御意 見を踏まえて書き加えております。(1)のところですが、「がん医療については、がん 対策推進基本計画において、がん診療連携拠点病院が医療提供の拠点施設として位置付け られていることを踏まえ、がん診療連携拠点病院におけるキャンサーボードの開催、院内 がん登録の更なる充実も含めて、一層の評価を行うことを検討する。」という文章を挟み 込んでいます。それから、その次の行にかけてですが、また、がん診療連携拠点病院を中 心とした地域のここは「診療所等」となっておりましたが、これも御指摘を踏まえて「医 療機関との連携による」としております。このほか、ここでは所要の文言の調整をしてお りまして、「連携による一連の治療計画の整備が進んでおり、このように、患者が身近 な」というふうに修正しております。それから、「こうした取り組みの評価を行う。」を 「その評価を行う。」というふうに文言の修正をしております。  それから、少しめくっていただきまして、14ページの「歯科医療の充実について」の (3)ですけれども、これも単純な文言上の処理ですけれども、(3)の最初の文言、 「義歯修理等において、歯科技工士の技能を活用している」というところですが、「歯科 医療機関の取組の評価を検討する。」という文末の処理をしております。  それから、次は15ページでございます。15ページの「患者からみて分かりやすく納 得でき、」というIIのところですが、II−1「医療の透明化に対する評価について」とい うところで、ここではまだ議論が固まっていないということで、明細書の発行に当たって、 明細書の発行を無料にするのか。患者から求めがあった場合に発行するのか、それとも求 めがあろうとなかろうと発行するのかどうかということで御議論がありましたので、もと もとは「レセプト電子化の義務化拡大に沿って、患者から求めがあった場合に」と書いて いたんですが、前回の議論を踏まえまして、その1行を削除して、「明細書の発行が」と いう文章で始まる文章としております。  少し飛びまして、次は18ページの後段のほうから19ページの頭にかけてでございま す。ここは、18ページの終わりのほうというのはDPCの日額包括評価について書いて ありますが、その(1)とありまして、アとイとあって、「「イ」の役割について新たな機能 評価係数として評価する。」以降に次の文章を加えております。新たな機能評価係数とし て評価する場合の「具体的な指標として、データ提出、効率性、複雑性、カバー率につい て導入するとともに、救急医療及び地域医療について導入を検討する(指標の名称はいず れも仮称)。」こういうふうに書いております。「また、病棟薬剤師の配置に着目した評 価の導入について検討する。」という文言となっております。ここは少し解説をしておき ますと、イの役割、つまり新しい機能評価係数の中でどういうものを具体的な手法とする のかということで、4つについてはおおむね御理解が得られているんだけれども、救急医 療と地域医療については導入について検討するよということを明示したということです。 それから、御意見がありました病棟薬剤師の配置に着目した評価の導入については、御意 見があったことも踏まえて検討するということになります。  それから、次は19ページの一番最後の部分ですけれども、これは(2)のところに「再 掲」と書いてありますので、先ほどと文言を合せたということです。「病院及び有床診療 所の療養病床において、」となっていたのを「病院の療養病床及び有床診療所の」と続け ました。それから文末のほうですが、「入所者を必要に応じて受け入れた場合について」 と先ほどの文章の再掲ですので合せたということになります。  それから、次が21ページの文末ですが、ここも文章表現の問題ですが、病院や有床診 療所が、もともとの文章は「在宅医療の後方病床として入院を受け入れた場合の評価を新 設する。」としていましたが、「病院や有床診療所が入院を受け入れた場合の評価を新設 する。」という形で整理をしております。  それから23ページです。23ページのIII−6、(2)というところがありまして、「退 院後に介護サービスの導入や」とあります。もともとの文章は「介護保険サービス」とな っておりましたが、前後では介護保険のサービスのことを言うときには介護サービスと言 っておりますので、平仄を合わせて「介護サービス」ということで、「保険」をとって、 「退院後に介護サービス」と、こういうふうにしております。  修正点を中心に御説明しましたが、私からの説明は以上です。2−1に係る説明は以上 です。それで関連しまして、資料総2−2、2−3、2−4について補足的に説明をさせ ていただきます。  これは今御説明しましたところと直接関係のないところもありますので、ちょっとペー ジをまた申しますのでごらんいただきたいと思います。まず、総2−2は、10ページの 上段ですけれども、10ページの上段の一番上の(2)のところに、救急病院等を受診した軽 症患者について、一定の条件を満たした場合には医療保険の自己負担とは別に、患者から 特別な料金を徴収することを可能にすることを検討する、こういうことになっております。 前回も御議論いただいたんですけれども、そのときには一番大きかったのは、具体的にど ういう要件で考えているのか。それからまた要件のみならず、どんな事例が考えられるの かが少しイメージがわくといいということでしたので、中医協の総2−2に、これ全部読 み上げることはいたしませんけれども、前回口頭でお話をしましたような基本的考え方を 示し、それから具体的内容ということで、救命救急センターが1月1日現在で221施設 程度ありますから、こういったところに差し当たりは限定をして、この救急外来を受診し ようとする患者に関して、軽症であることが確認されれば、医療保険の自己負担とは別に 患者から特別の料金の徴収を可能とするということにしようと思っていますということで す。これは先般も中島委員から御質問がありましたけれども、類型としてはどれに近いで すかということでしたから、患者の意向によるものという区分に位置付けられるのではな いかと思っております。  今も申しましたが、具体的な要件としてどういうことを考えていますかということでし た。特に軽症患者はどうやって決めるんですかということでしたから、軽症患者に該当す るか否かは診察の前に判断するとか、あるいは軽症患者の基準とか、あるいは非常に重要 なことですが、特別な料金を徴収される可能性がある、あるいは特別な料金を徴収する旨 ということはそれぞれ診療前に患者側に伝えるとか、あるいは院内掲示するとか、それだ けではなくて、事前に知っていただかなければいけませんので、ホームページなぞで公表 をするということになります。それから、当然ですけれども、診療後に軽症の状態に当た らないとか、あるいは入院が必要となるような、やはり重症は重症なんですよという場合 には特別な料金は徴収できないということでございます。  それから、今も申し上げましたが、特別な料金の徴収対象とされる事例ということであ ると、ここに3つ掲げたような事例を書いております。それが総2−2です。  それから、総2−3は、先ほど修正点と言って御説明をいたしました11ページのI、 充実が求められる領域を適切に評価していく視点のI−1、がん医療の推進についての (1)の部分に関連するところです。先般、嘉山委員からキャンサーボードあるいは院内 がん登録の充実についてということで御意見がありましたので、文言は追加、修正をした ところですが、それに関連して、ちょっと現状等々を整理しております。前回お話しした 内容、口頭でお話をしたのでお分かりづらかった点もあるかと思いまして、改めて現状を 書いております。まず1つ目は、現行のがん診療連携拠点病院加算という加算を算定する ためには施設基準がありますが、その施設基準でがん診療連携拠点病院の整備についてと いう厚生労働省の健康局長の通知を引用しておりまして、そこに書かれている内容を満た すこととされております。この健康局長通知というのは、拠点病院の診療機能として、集 学的治療の提供体制、それから標準的治療等の提供というタイトルで基準を決めておりま して、この集学的治療の提供体制及び標準的治療等の提供の中に、さらにキャンサーボー ドの設置や院内がん登録の実施等を掲げているということになっております。それから、 またこうした事務、とりわけ院内がん登録に関する実施につきましては、現行の医師事務 作業補助体制加算におきましては、この加算の対象となる業務として例示をしておりまし て、その中に院内がん登録等の統計・調査業務というものがあります。また、こういった がん登録をする上では、病院内の診療記録の保管とか管理が行われている必要があるわけ ですが、ICD区分に沿って手術歴や患者さんのデータが出てくるような基盤的な体制整 備というものについては、現行の診療録管理体制加算においても評価されているというこ とです。今申しました1、2は前回口頭でも申し上げたところではあるんですが、ちょっ と分かりづらいところがあったかということで、2−3の形で整理をしたわけです。案の 2から案の3にかけましては、恐らくはさらに評価すべき院内がん登録もあるのかもしれ ないけれども、必ずしも十分でないのでさらに評価するべきということでありましょうか ら、提案の内容としては、先ほど文章で読み上げましたけれども、キャンサーボードの開 催、院内がん登録のさらなる充実ということも含めまして、このがん診療連携拠点病院の 加算等と一層の評価を行うことを検討するということで整理をさせていただいています。 これが2−3です。  それから、2−4は、先ほどDPCのところで御説明をいたしましたけれども、18ペ ージから19ページにかけてDPCの話が出てまいりますが、その19ページの1行目に なりましょうか。「病棟薬剤師の配置に着目した評価の導入について検討する。」という 文章が追加をされております。ここでは念のため、DPCにおいて病棟薬剤師配置の評価 についてどういう検討が行われ、どういう御理解であったのかということを経緯的にまと めております。この間から何度も申し上げておりますが、新しい機能評価係数の検討にお きましては、最終的に7つの具体的指標というものが提示をされました。このうちチーム 医療の評価については、次の丸にありますけれども、チーム医療の概念、定義あるいは具 体的な評価指標を設定するには、さらなる検討が必要であるということになりましたし、 また、いわゆるDPC病院だけの課題ではなくて、ある意味、出来高も含めた診療報酬全 体といいますか、病院全体で整理すべき問題ではないかという御意見もありました。そう いうことで、7つある項目のうち、この項目についてはやや異なった御理解の中で今後さ らに検討することとされたことであります。それから、3つ目の丸は前回での御意見であ りますのでこうやって整理をしているということです。  提案の内容としましては、こういう方向でどうかということで、まだ決定をしたわけで はないんですが、チーム医療の概念やその評価の在り方については、恐らく先ほどから説 明していますような流れで行くならば引き続き検討ということですから、平成22年の改 定以降、つまり少し時間をかけてDPC機能評価係数の在り方の中で議論をするような方 向なのではないでしょうかというふうに書いております。また、新しい機能評価係数の話 はそうであるとして、病棟における薬剤管理指導など、現行でもある程度、病棟薬剤師の 業務というものがありますが、そうした場合の病棟への薬剤師の配置ということに着目し て、何らかの評価指標あるいは評価を入れることができるのかどうかということで提案を しております。  資料は総2−4まででしたので、私からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  前回の御議論の中で修文が必要だというところを修文していただいたということと、御 議論の中でもう少し具体的な情報が必要であろうというものについては、追加的な情報提 供をしていただいたということですけれども、これについて御審議をいただきたいと思い ます。基本的には今回修文がされていたところを中心に御議論していくと効率的な議事の 運営ができるかと思いますけれども、もちろんそれ以外の部分であっても御発言いただい ても構いません。  それでは、前回同様、区分しながら御議論いただきたいと思いますけれども、それでは、 重点課題である救急、産科、小児科、外科等の医療の再建、及び病院勤務医の負担の軽減 (医療従事者の増員に努める医療機関への支援)、この2つの内容について、修正点を中 心に御意見をいただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  幾つかあるんですが、続けてずっといいですか。  まず、今、医療崩壊の中で、医療崩壊は実はすべての大学から始まって、病院、それか ら地方の中小病院、あと開業の先生まで今倒産しているような時代ですので、すべてにわ たって考えなきゃいけないんですけれども、それが最初のスタートだったと思います。中 医協の点数のつけ方をやる。それがやはり患者さんのために一番なるからです。  それで、まず5ページ目の(3)のところなんですけれども、救急搬入の入院時医学管理加 算料について、これは特定機能病院とか専門病院、例えば救急だけやっているというとこ ろはないんですけれども、例えば国立循環器病センターとか、そういうようなある専門病 院とか、あと特定機能病院はこれに含まれないんでしょうか。つまり、今の医療崩壊の一 番はそういう、もちろん地方の僻地の医療も崩壊しているんですけれども、トップランナ ーもやはり救ってあげなければ、勤務医の、あるいは救急、産科、小児、外科の医療の再 建にならないので、(3)のところで入院時医学管理加算料に、特定機能病院とか専門病院は 算定できるんですか。これは今まで議論してきて、私は主張してきたことなんですけど、 意見として述べてきたことなんで、それは確認です。  それから、次に同じように特定機能病院のところ、全然、鈴木先生も言ってくれないの で、私しか言う人がいないので言いますと、特定機能病院は全体の医療費の中で余りお金 を使っていないんですけれども、でもそこが崩れたらもう日本の医療は終わりですから、 9ページの重点課題の2−1の「入院医療の充実を図る観点」のところで、(1)の(2)に は「一般病棟入院基本料等」と書いてあるんですね。ところが、(1)には「一般病棟入院基 本料」としか書いていないんですよ。これは多分今言った国立循環器病センターとか、そ ういうところが入っていないんじゃないかと思いますが、これはやはり算定していただき たいというふうに私はずっと主張してきたので、ほかの委員の先生方も賛成していただい ていますので、ここに入れていただきたいというふうに思います。  それから、特にこの重点課題の2のところで、基本的な考え方なんですけれども、西澤 先生だけが喜ぶようなことが書いてあって困るんですけれども、つまり病院の収入が上が りますね、これ。だけども、今回は、職場環境ですとか、そういうことを処遇を改善する ということが舛添ビジョンでも出てきていますし、病院の経営者だけがもうかるような仕 組みではいけない。つまりこの大きな流れの中で、医療費を何とか民主党が6,000億 円弱上げていただけたので、その配分を、病院については、私以外はみんな病院長で経営 者なんですけど、そういう経営者だけが喜ぶのではなくて、やはり人件比率を今より下げ ずに、職場の本当の環境に使えるような1行を書き加えていただきたい。それはもう今ま での産婦人科、小児救急、救急のような参考人の方々もみんなおっしゃっていたことで、 それはもう当然だと思うんですね。ですから、医療崩壊を防ぐためには、それが一番いい ことなので、それが医者がやる気になるし、患者さんにもそれが一番はね返ってくること ですから、国民のためにも私はそれを1行入れていただきたいというふうに考えます。  それとあと、後発品のことでいつも大学が非常に矢面に立つんですが、今回はいろんな 後発品の問題は出たと思います。それは使っている医療人がやはりその後発品に対する質 の信頼をまだ置いていないということで、事実私自身も血圧の薬を使って、変えた場合に 全然下がらなかったという事実、エビデンスがありますので、それを新たにするにしても、 大学病院は今20%というような制限があるんですけれども、これが24ページになると 思いますが、後発品のところです。これが20%以上というふうに…… ○遠藤会長  嘉山委員、一応今のところは重点課題のところだけですので、それはまたそこのときに おっしゃってください。 ○嘉山委員  わかりました。すみません。 ○遠藤会長  以上でよろしいでしょうか。 ○嘉山委員  いいです。重点課題のところはそこまでで。 ○遠藤会長  それでは、質問とそれから御意見ということですけれども、御質問について事務局でお 答えできるところはお願いしたいと思います。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず最初の御質問は、5ページ目の重点課題1−1の(1)の(3)、3行目からの「なお、 入院時医学管理加算については、」というところにおいて、この入院時医学管理加算とい うのは現状では特定機能病院では算定できていないはずだが、今回も含めてその考えはど ういうことなんだろうということだろうと思います。  新しい内容での入院時医学管理加算というのは前回の改定でこの考え方が盛り込まれた わけですが、ちょっと私も議事録を今手元には持っておりませんが、言ってみれば、地域 において、大学とまではいかないけれども、大学に近いようなレベルで高度の医療を行い、 また救急医療を行うと、総合的な機能に着目をした加算であったというふうに理解をして おります。つまり、もともとのこの加算の設定の趣旨が、大学ほどではないが、大学に近 いレベルの能力を持った総合的な機能を持つ、あるいは救急も含めた総合的な機能を持つ 病院を評価するという加算の趣旨がそういうことでしたので、特定機能病院も含めた大学 というものはここでは想定をされていないということになります。  それから、2つ目の御質問は、9ページの恐らく重点課題の2−1、(1)の(1)と(2) を 両方を両にらみしていただいて御質問があったものだと思います。それは2−1の(1) の(1)は「一般病棟入院基本料」となっていて、(2)は「一般病棟入院基本料等」となってい ると。両者に違いがあるんだろうと。そうなると恐らく(2)の「一般病棟入院基本料等の」 といったときには、特定機能病院の入院基本料も含まれているだろうが、(1)の入院早期の 加算の引き上げについては特定機能病院入院基本料は含まれていないんだろう。そこにつ いての見解を問うということでしょうから、これまでの議論をまとめたものではあるんで すが、そもそも特定機能病院の入院基本料というのは、一般病棟の入院基本料よりあらか じめ高めに設定されております。あらかじめその加算自体が高めに設定をされております ので、今回は(1)の中では「一般病棟入院基本料において、入院早期の加算」ということで 整理をしているということです。  それから、3つ目の御質問は、病院勤務医の負担の軽減について踏み込んだ内容でとい うことだったと思います。10ページの一番冒頭の2行ですが、ここで嘉山委員の御質問 や御指摘に答えたことになるのかどうか分かりませんが、「病院勤務医の負担を軽減する 体制を要件とした診療報酬項目を拡大するとともに、より勤務医の負担軽減につながる体 制を要件とする。」ということを書いております。これは検証部会の検証の過程でも何度 か御議論がありましたし、私ども事務局からも申しましたが、現在は病院勤務医の負担を 軽減する体制を要件とするだけで、具体的にどういうことをしたら病院勤務医の負担を軽 減することになるのかというところまでは明示もしておりませんし、また、そうでなけれ ばならないとまでは書いていませんし、確認をする方法もありませんで、確実に客観的に 確認をする方法がありませんでしたけれども、今般はそういう要件をもう少し明確にして、 実際に勤務医の負担軽減につながる体制をより充実させていこうという趣旨でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  まず、今の答えは今までの中医協の議論を踏まえていないというふうに私は思うんです が、例えば5ページ目の救命救急入院料について、一般病院だけではなくて、やっている ところにちゃんと充てるというのをこの中医協でもずっと一貫した、私はそういうふうに 意見を言ってきたし、それで皆さんも納得していると思うので、施設によって変えるとい うのはやはり診療報酬としていかがなものかと思うので、この5ページの(1)のところです ね。これに「等」を入れて、国立循環器病センターですとか成育センターですとか、がん センターで救命救急をやっているかどうか分かりませんけれども、そういうような病院も 入れるべきだというふうに思います。これは入っていないのは事務局の手落ちじゃないか というふうに簡単に言えば思います。  それから、もっと言えば、そういう病院をなぜ外しているかというと、高い入院料を払 っているといっても、運営費交付金でずっとやられてきているわけですよね。それを健全 化するためというのも一つの中医協の仕事ですので、文部科学省がずっと苦労して運営費 交付金を出してきたんですが、もうそれが本当にゼロに近くなりましたので、それでは、 今までの保険局の考え方ではやっていけないので、私も意見を言いましたし、皆さんにも 納得していただいているので、ここには、国立循環器病センターなどは救急をどんどんや っていますので、そういうところを入れないとやはり運営ができないんじゃないかという ふうに思いますので、入れていただきたいと思います。  あと、一般病棟基本料についても同じ意見です。それからあと勤務医が今チーム医療と いうことを邉見先生ずっとおっしゃって、それは皆さんも納得されたと思うんですね。勤 務医の軽減負担ということはどういうことかというと、チーム医療を何とかする。チーム 医療というのは、例えば薬剤師さんだとか看護師さんだとか、あとソーシャルワーカーで すとか放射線技師の人、そういう人を雇うということですから、これは人件費なんですよ。 そこをきちんと明確化しない限り、日本の医療崩壊はさらにひどくなっていく。病院経営 というだけでは、すばらしい病院長の先生ばかりであればこんなことにはなっていないん じゃないかと思いますが、そこがやはりこの診療報酬の中で人件費率を今までより下げな いということです。何を言いたいかというと、ただ病院経営者にだけ入ってしまっては何 も意味がないので、要するに人を雇う。物より人にというところで、それを明確化してい ただきたいということです。  課長が10ページの一番上の「病院勤務医の負担を軽減する体制を要件とした診療報酬 項目を拡大するとともに、より勤務医の負担軽減につながる体制を要件とする。」という、 これは非常にあいまいですから、これは簡単に言えば、もう人件費率を今までより下げな いというふうに、上がった分を人に使うということを明記したほうが私は物事はきちんと 進むんじゃないかというふうに思います。それがチーム医療であって、勤務医の負担が軽 減することになります。そのほうが職場環境の改善になると思いますので、そこは明記し たほうがいいと。それは皆さん全部参考人の方々も言っていたことですから、ぜひとも入 れていただきたいというふうに思っております。 ○遠藤会長  私のほうから1つ御質問しますが、その3番目ですけれども、その人件費率を下げない というようなこと、どういう条件でその診療報酬の改定の中で考えていますか。 ○嘉山委員  例えばこのチーム医療でつけた分は、チーム医療で加算するときには、人件費率を下げ ないという条件のもとに、チーム医療に診療報酬をつければ済むことじゃないかというふ うに思います。 ○遠藤会長  わかりました。必ずしも十分理解できないところはありますが…… ○嘉山委員  先生、もっと簡単に言うと、私は病院長もやっているのでよく分かるんですけれども、 チーム医療をやれといった場合に、厚労省から来ますね。医政局からいろんな伝達が来る んですよ。こういうことをやってくださいと。これは医療の質を上げるよと。そのときに 人を雇うようなお金がないので、内部の人がまた負担するんですよ。仕事量、業務量がす ごくふえちゃうので、この前、関原先生がおっしゃっていただいた、安達先生もおっしゃ っていただいたんですが、キャンサートリートメントボードなんて10時、11時ですよ、 やっているのは。そういう業務量を減らすために、勤務医の負担を減らすためには人を雇 わなきゃいけない。別に医者に給料を上げるだけじゃなくて、そういうことにちゃんとき ちんと明確に明文化しない限り、日本の社会制度って今までそういうのを明文化していな いのできちんとやってこなかったんですよね。ですから、こういうあいまいな表現ではな くて、人件費率は下げない。要するに病院収入は上げるわけですから、これから。今回、 5千何百億円か医療費が上がるわけですから、病院には行きますけれども、それが人に向 かわなければならないので、そのルートだけはつけてほしい。ですから、それはあと院長 さんがどういうふうな比率で使うかは別にしても、少なくとも今の人件費率は、そうすれ ば雇用にもなりますから下げないというふうにして、それは勤務医としては当然の要求な んですよ。それが明記されなければ、今回の診療報酬改定は全く医療崩壊を防ぎませんの で、その辺はただ単に1行書くだけですから、書いていただきたいというふうに思います。 ○遠藤会長  そうすると、例えば人件費率が下がった場合にはある種の加算が適用できないとか、そ ういうような何か支払いの要件の中に人件費率というようなものを何か入れたらどうかと、 こういう御提案だと理解してよろしいですか。 ○嘉山委員  それが今回の職場改善とここに書いてある目的を達するには、それが一番です。何も機 械を買ってもなかなか職場の改善はできませんので、やはり人件費率は下げないというこ とを一つの条件にしていただきたいと思います。なければ、勤務医対策とここに書いてあ りますけど、何のための勤務医対策か。病院に収入が上がるだけで、勤務医は何にも喜ば ないということになりますと、今までそういう隷属的な関係で医者と勤務医の場合来てい るので、今回の中医協ではそれを明確にしていただきたいというふうに思います。 ○遠藤会長  わかりました。御提案でありますので、これと先ほどのさまざまな加算を特定機能病院 まで拡大するかどうかということ、この2つについてはここでお諮りをして、検討課題と するかどうかお諮りをしますけれども、西澤委員、ただいまの嘉山委員の御発言と関連す るお話だと思ってよろしいですね。  じゃ、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  2点ありますけれども、後者のほう、人件費率という話ですが、これは公益委員の方々 はお分かりだと思いますが、人件費率に縛りをかけるというのは、病院を経営する上で非 常に無理な話だと思います。嘉山委員が言っているのは、人件費率じゃなくて、人を多く したのだから、人件費用を上げていくようなという話だと思います。とすれば、今、私た ち病院ではここ数年、人件費はどんどん上がっております。これは職場環境、やはり人を たくさん入れて、勤務医あるいはほかの職種の方々の負担軽減をする。あるいは患者サー ビスの向上のために今どんどん人がふえて、人件費は上がっております。ただ、人件費率 ということになりますと、ほかの経費との案分ですから、それはそのときの事情でかなり 変動するということなので、それをここに織り込むのは難しい。ただ、そういう努力をす れということであればよろしいかなと思います。  それが一つ。  もう一つですが、特定機能病院をほかの病院並みにすれという主張であれば、事務局で データを出していただきたいんですが、私の感覚では、前回何で入れなかったかというと、 特定機能病院だけの高い加算がついていて、一般病院よりも特定機能病院のほうがたしか 有利な点数だったと思っております。あるいは、平均在院日数も有利な要件があったと思 います。その辺を出していただいて、もし特定機能病院と一般病院を同じ加算というので あれば、そこら辺も整理しなければならないと思いますので、データとして出していただ いてから議論すればと思います。  以上です。 ○遠藤会長  後者のほうは分かりました。最初のほうで人件費率は適切なインデックスではないけれ ども、人件費がふえるということはインデックスに入れたほうがいいという、そういうこ とでしょうか、西澤委員。ただ、それも単なる努力義務みたいなことで示せればいいとい う、そういう御発言だったのか、ちょっとその辺のところをはっきりとお聞きしたいと思 います。 ○西澤委員  ここに義務として入れるのは好ましくないと思います。ただ、今後例えば今の実態調査 等々を見ていると、明らかに人件費が上がっている、そういうエビデンスがもうあります ので、改めて入れなくても、もう今そういう状態にはなっているんじゃないかということ です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  では、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  先生、そういう状態になっているんだったら医療崩壊は起きていないですよ。勤務医が 立ち去り型になっているというのは、そういう状態でないから起きているんですよ。西澤 先生、そういうエビデンスに目をつぶっちゃいけないと思うんですけれども、私としては、 やはり悪徳病院経営者がもうかるようなシステムではなくて、やはり現場で働いている人 間に行くような制度をどこかに入れていただきたいというふうなことを主張したいんです。 ドクターズフィーも継続審議になっていますが、診療所の場合には安達先生に診療報酬が 上がればダイレクトに行くんです。ドクターズフィー、イコール、ホスピタルフィーなん だけど、勤務医の場合には、病院の収入が上がっても、それが人に行くかどうかというの は全然保障がされていないんです、今まで。したがって、ここで、皆さん、聞いてごらん なさい。じゃ、なぜ医療崩壊して立ち去ったかというと、そういう病院経営者がちゃんと 人的な保護をしていないから、職場関係をきちんとしていないから逃げ出したということ がもちろんあるんですよね。ですから、労働基準法を守らないような病院もあるし、です から、それをちゃんとするためにはやはり人に厚くというところを明確にすべきだと。僕 は、中医協がメッセージを医療現場に送るのが一番いい。医療崩壊を防ぐのに一番いいメ ッセージだというふうに考えています。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  嘉山委員の言う方向は正しいと思うんですね。ただ、どういうふうな方策をするかとい うのが難しいと思うんですね。確かに我々の団体、自治体病院ですが、人件費率は下げろ というふうに言われておるわけですね。これは公立病院改革プランで、人件費率は5年間 で減らさなくてはいけない。そうすると、外注とかいろんなことをやっていますし、田舎 の病院では雇おうと思っても、人がいないから雇えないという場合もありますね。だから、 そういう方向で努力している人をふやすという方向は絶対正しいと思います。今までこの 病院の医療崩壊が起こってきたのはどんどんとふえる、嘉山先生がよくおっしゃるデマン トがふえているわけですね。それに対するいろいろな職種がふえてきたのに、昔の医療の 体制と同じような評価しかしてこなかったから、手術とか救急とか入院とかチーム医療と かその他のハイリスクの部分が中心に崩壊してきたわけですね。ハイリスクの部門は大勢 の人がいるわけです。外来中心ではないわけですね。入院医療というのはたくさんの人が 力を合わせての共同ですから、これをするための人は絶対いるわけですが、ただ比率とか お金の問題へいきますと、ちょっと自治体病院は厳しいところがあります。 ○遠藤会長  ということは、そのような形のインデックス、どういう形であろうとも入れるのはなか なか難しいのではないかということですね。 ○邉見委員  ちょっと言います。何かそういうのをやるというふうなのを文言に入れるのはいいんで すけれども、やれなかった場合というか、わざとやらない悪徳病院経営者はいたんですけ れども、そうでなくて、やれないところ、また人が集まらないところですね。後のあれに もありますけれども、要件緩和ができないようなところ、ああいうところですね。そうい うふうなところへも配慮が必要なんじゃないかなと。大筋では私は嘉山先生のおっしゃっ ていることは正しいだろうと思います。 ○遠藤会長  わかりました。  嘉山委員、どうぞ ○嘉山委員  自治体病院に関して言いますと、私、山形県で自治体病院の評価委員長をしていますの で、大体、県の税金はある病院に25億円投入しているんです。それはほとんど人件費が 高いからです。それは従来の自治体病院は公務員なんですね。公務員ですから、職能制で 給料が決まっているわけじゃなくて、ずっと年功序列で上がっていっちゃう。それはもう 邉見先生、苦しんでいらっしゃるのはよく分かるんですけど、だから私が言いたいのは、 ぼんと言ったのは、こういうことはもうドラスチックに言わないとなかなか動いてくれな いの、社会が。ドラスチックに言いましたけど、要するに現場の人間のほう、自治体病院 の人件費比率が高いのは先生の努力が足りないんじゃないかと思いますけど、みんな法人 化してしまえばその辺一回切れるので、人件費は無駄な人件費の高いのがあることは明ら かなんです。それは経営努力だと思いますけど、そうじゃなくて、やはり本当に現場で働 いている勤務医にちゃんと職場改善できるように、医療費が上がった分を何かしらの明記 を工夫して、私の言い方が悪かったら、方法論も悪かったらあれなんですけども、何かし らメッセージを出さないと本当に勤務医がもう疲弊しますので、そこはお願いしたいとい うふうに思うんです。方法論、私の方法論がいいかどうかは別にして。 ○遠藤会長  お気持ち、了解いたしました。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  もし嘉山委員のように勤務医の報酬を必ず上げろというのでしたら、介護報酬のときの 介護従事者のように、一律幾らを加算するというようなことで別枠でつくっていただかな い限り、それは必ずせよというのは私は非常に難しいと思います。  病院経営というのは、公的病院の先生と民間病院の先生の違いは、やはり公的病院の先 生方はたとえ経営が赤字になっても、事実上倒産するような状態になっても、自分の財産 を全部投げ出したりとか、そういったことはないわけですよね。我々の民間病院では全部 個人の保証で借入もして経営をしているわけですから、赤字が2年続けば、金融機関から 資金が引き揚げられて倒産する。全財産を投げ出さなければならない。そういう全責任を 負って経営しているわけですから、当然私どもの病院も人件費は毎年ふえておりまして、 人件費率はもう60%を超えておりますよ。頑張っても、少しでも質をよくしようと思っ たら、人もふやし、お金もかかる。でも、今回の診療報酬改定で我々の病院にそれだけの ものが回ってくるかどうかわかりませんし、そういったものを事前に約束されるというよ うなことは、私は民間の企業の経営の方だったら当然お分かりいただけると思うんですけ れども、ぎりぎりのところで経営しておりますから、それで今回の改定ということに対し て臨んだわけですので、それを一方的に言われるのは、経営をしている方だったらお分か りだと思いますけど、それはちょっと難しい話だろうなというふうに私は思います。 ○遠藤会長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  ちょっと釈明しておきます。25億円いただいているという山形県の病院はどこか分か りますけれども、今5年間の公立病院改革プランの中途でありまして、ほとんどの病院が 3年間に人件費率を52%以下にするとか、あるいは病床稼働率70%以下のところはそ の病床を返上するとか、そういうふうな目標を持ってみんなやっております。私、もう引 退しましたけれども、私の病院は人件費率は47%です。だから、普通の民間病院とほと んど変わらないと思って言っておりますし、一人二役ということをお願いして1人のドク ターに、だからしんどいんですね。そういうことをいろいろやっておりますので、一応我 々の公立病院がばか呼ばわりされては困りますので、一言言っておきます。 ○遠藤会長  大体御意見は分かりましたので。 ○嘉山委員  ただ、病院経営という目線で見るんではなくて、患者目線で見てほしいんですよね、こ れはね。どういうふうな崩壊するか。例えば、今、鈴木先生が自分の全財産をとおっしゃ ったんですけど、それが国民にとって必要なものだというふうなことは思いますけれども、 本当にそうなのかということもあるし、経営が中心になっては僕はいけないと思います。 やはり医療が中心になって、必要な医療がそこにあって、それに対してお金を払うという ならいいけども、現実にはもう勤務医が立ち去り型になっているのはエビデンスで出てい るわけですから。銚子の市民病院もそうですし、みんなもう医者が嫌になっちゃうわけで すね、疲れ果てて。そこにやはり今度は勤務医の待遇改善ということを言っているので、 鈴木先生がもしも経営ができないと言うんだったら、僕ははっきり言えば、じゃ鈴木先生 はここまで言うつもりはなかったんですけど、先生の病院が必要とされているかどうかと いうのもまだ評価されていないし、そこまで言いたくなかったんです。先生がそこまで言 うからこういうふうに言わざるを得ないんだけど、経営中心でやっちゃったらそうなっち ゃうんですよ。私も経営がやれるように、診療報酬を上げてくれてというのは、これは国 民の目線から合わない。 ○遠藤会長  嘉山委員、わかりました。メッセージは非常によく分かりましたので、少し話をまとめ ていきたいと思います。このことは非常に重要な課題が絡んでいると同時に、多面的な議 論ができますので、時間は幾らでもかかると思います。今、嘉山委員がおっしゃっている ことは、診療報酬の引き上げが行われた場合でも、勤務医対策ということを考えれば、そ れは人的資源のほうにできるだけ還元されるということが望ましいのであるという強いメ ッセージをおっしゃっているわけですね。そのための方法論としてはさまざまな、例えば ドクターズフィーの話もそういう趣旨で御発言されているのだと思いますし、あるいは何 らかのその人件費率という指標を要件とする考え方もそうです。ただ、要件として決めて いくことにはさまざまな問題もあるかもしれない。22年改定に間に合わせるにはちょっ と難しいかもしれないですが、メッセージとしては比較的受け入れやすいメッセージであ ろうと理解いたします。したがってこれをどのように処理するかということになるかと思 います。これに関連して何か御意見ございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  この勤務医の負担軽減策として重点課題に幾つも並んでいるわけですから、そこでいろ いろ加算されたとか、そういう策が出たものが実際の現場で勤務医の負担軽減につながら ない危惧があるということをおっしゃっているんだとしたら、やはりそういうことにでき るだけならないように、今後の短冊の議論の中ではいろいろ方策をしていく必要があると 思います。実際、これまで病院勤務医の負担を軽減したために赤字になっている病院もあ るかもしれないし、割と病院勤務医に無理を強いたために、そういういろいろ困難な問題 があったりとか、その辺は非常に悩ましかった。だからこそ、そういうことをきちんとや れるだけのことをしていこうという趣旨で議論をしているんですから、本当にそれは病院 に行く支払いの診療報酬ですから、そこからうまくそこの現場までに動かない可能性があ るということであれば、中医協としてはできるだけそうならないように個別の議論の短冊 のつくりの中でそういう配慮は必要だと強く思います。 ○遠藤会長  何か統一的な基準インデックスというよりも、例えば加算だとかそういうことを決めて いくときの支払い要件の中に、医療崩壊を回避できるような、そういう支払い要件をつけ ていくべきだと、そういう解釈であれば、嘉山委員のおっしゃっていることもある程度2 2年改定でも対応できるだろうと、こういうふうな御発言ですね。 ○勝村委員  そうです ○遠藤会長  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  人件費の問題なんですけど、私、鈴木先生の御意見と全く同感なんですが、やはり経営 の責任というのはその経営を維持継続していかなくてはいけないわけですが、その中で人 件費というのは大変大きな要因を占めることは事実でございます。ただ、民間企業の場合 ですと、今こういう時期ですから、大変厳しい状況の中で本当につらい断腸の思いで人員 を削減するというような対策もとられているところが多々ございますが、医療の場合には そういう問題ではなく、崩壊を何とか食いとめて、さらに良くするために、どこまで人を 増やせたり、システムを変えたり、生産性を上げたりという御苦労が病院の経営の皆さん にあるんだろうと思います。そういう中で診療報酬あるいは今度の政府が決められた診療 報酬改定の増額があるわけですから、その中で人件費をお考えいただく以外ないと思いま す。「人件費を上げる」と経営者が話したら、その企業、病院も含めてアウトになります よ。私はそう思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今いろんな意見がありましたけども、基本的には嘉山先生が言うのが正しくて、今の医 療崩壊から何とか脱却するためには、やはりきちんと勤務医をはじめとする医療従事者、 かなり疲弊しておりますので、そこを何とかしなきゃならない。それは当たり前だと思い ます。ただ、それを本当に十分にするために今回の診療報酬改定のこの額だけでいいのか ということになるとなかなか難しい。しかしながら、この中で私たちは工夫しなければな らないと思います。我々は工夫する義務があると思っています。先ほど嘉山先生からかな り厳しいお言葉があったんですが、私たちは民間病院、決して経営者が悪徳だとか何かと いうことはなくて、本当に地域医療を守るために必死になってやっております。やはり国 民のことを、患者のことを考えると私たち民間病院も存在価値は十分あると思っています。  ですから、私たちの病院がつぶれてしまってはその地域医療が崩壊する、そういうつも りでやっております。そういうことでは、地域医療を崩壊させないためには、あるいは職 員にきちんと満足して働いてもらうために私たちは経営努力していると。ぎりぎりの中で やっております。赤字になったらつぶれるんです。つぶれたら、地域の方に迷惑をかける。 だからつぶれないように、私たちの病院を継続するために努力しています。診療報酬が上 がったら、私たち経営者の懐に入るというのは誤解です。今、医療法人の中には、非営利 性・公益性の高い法人がかなりあり、うちもそうでが、私は持ち分がありません。特定医 療法人です。給料制です。ですから、診療報酬が上がったからといって、私の給料が一銭 もふえるわけじゃないんです。その中でどのようにバランスを考えて、どれだけ人件費に 回すか、あるいはほかのところにどのように回すか、あるいはどこの経費をどうやって下 げるか、そういうバランスでぎりぎりでやっております。これでもし赤字が続いても、ま たきちんと人件費も十分に出して、結果赤字を出したら例えば補助金で補てんしてくれる というんであれば、私たちは楽です。でも、どこも補てんしてくれません。赤字が2年続 いたら、銀行からの資金もストップされます。そういう中でやっているという事情もぜひ 御理解いただきたいなと思っております。  ただ、今回この診療報酬改定の重要項目として、勤務医の疲弊がありますので、そうい うことに配慮するということを入れることには反対でございませんし、当然、私もそのつ もりでおります。  以上です。 ○遠藤会長  嘉山委員、手短にお願いします。 ○嘉山委員  私は先生方のことをやらないとかやるとかいうことを言ったんじゃなくて、ワンセット だというふうに言いましたので、開業の先生から大学まで全部ワンセットであると、医療 は。どこがつぶれても全部だめだということは最初の前提です、それは。ただし、勤務医 対策と言いながら、その方向性が余りにも出ていないので、それをベクトルとして入れて ほしいということで大体まとめていただければと思います。 ○遠藤会長  その場合、もちろん我々は勤務医対策ということが大きな目的としておりますので、そ れは大前提として考えていたわけですけれども、それをむしろここの中に明示したほうが よいということ、そのように理解してよろしいですね。個別具体的な方向については個別 の議論をする中で、できるだけその方向になるような検討をすると、そのような理解でよ ろしいですか。 ○嘉山委員  もう一つ。あと特定機能病院のことなんですが。 ○遠藤会長  それはこれからやりますので。  では、ただいまの嘉山委員の御発言については、どういう文章にするかは決めなければ いけないわけですけれども、文章を入れるような方向で対応するということはいかがでご ざいましょうか。  1号側でまだ御発言がない方もいらっしゃいますが、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  今までの議論を伺っておりまして、嘉山先生のお気持ちはよく分かるんですが、診療報 酬の中で何ができるかというのをこの中医協で議論しているわけして、そういう意味では 9ページの重点課題2−1の(2)の「手厚い人員体制により、多職種が連携したより質 の高い医療の提供や、病院勤務医の負担軽減にも寄与するような取組を評価する。」と、 これがやはり中医協としての意見ということで、嘉山先生がおっしゃっているのはこうい う趣旨だというふうに私は理解するのですけれども、この表現でよろしいのではないかな というふうには私は思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。既にこの中にそのようなものが入っているということですね。  嘉山委員、何か御意見ございますか。  小林委員、どうぞ。ちょっと、嘉山委員、小林委員が先に手を挙げられましたので、す みません。 ○小林(麻)委員  今、先ほど両者から言われていることはよく理解できたと思うんですけれども、人件費 という言葉にしますと、人件費というのは会計的に言うと形態別の分類なので、そこにい ろんなものが入ってきてしまうというちょっと不透明な部分があると思うんですね。勤務 医の負担を軽減するということはすごく重要なことで、それをどうやって評価していくか といったときには、やはり人的資源が担っている機能というものに着目して、その機能を どう果たしているのかということについて報酬の評価をしていくというようなことが重要 なんじゃないか。だから、機能別に見ていくということが非常に重要なんじゃないかとい うふうに思います。だから、人件費という言葉の中にはいろんな要素が含まれてくるので、 人はいろんなアクティビティーをやるわけですから、そのアクティビティーによっていろ んな良質な医療が提供され、負担も軽減されるわけですから、そのアクティビティーとか 機能ということに着目して、なるべくそういうパフォーマンスを評価していくということ の方向で検討したらいかがかというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  議論がここまで上がったということだけで私は十分に実は満足しています。今までの日 本の医療体制、医療の中は、北村委員はよく経営のことをお話しになるし、白川委員もお 話しになるんですが、そういうところとは全く別世界の能力全く無視、技術料も無視とい うような社会だったんですよ。それをそろそろ健全化したいなと私は思っているので、で すから、外保連の人たちも技術料のことをお話しになりましたし、そろそろ日本の医療界 が健全な雇用形式というか、それをやっていかない限り、今までただ我慢せい、我慢せい でやってきた勤務医たちの声をここで反映させることは、委員の先生方に少し認識してい ただけたので、それでいいのかなというふうには思いますが、今回無理だとしても、今後 形の上で医療の技術とか、そういうものに対する評価をきちんとしていただければという ふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。既に9ページあたりに書かれている内容が、嘉山委員のおっし ゃっている内容とある意味非常に似ている内容が書かれているということでありますので、 しかも嘉山委員のおっしゃっていることは中医協の各委員にも大変よく理解できるという ことだと思いますので、あとは個別の診療報酬を決めていく過程において、できるだけそ ういう方向性が達成できるような、そういう視点からの議論を進めていくという形で対応 させていただきたいと思います。  嘉山委員、そんなところでよろしいですか。 ○嘉山委員  もし白川委員に御理解願えれば、そのときに例えば業務量が多い場合には、うちではそ れを手当としてつけているんですけれども、全国の大学では唯一、手当としてつけていま すが、金額は大きくないんですけれども、そういうことを何か経営の御専門の1号側の委 員の先生方の中から、文言でいいですから入れていただければなと。そうすれば現場の勤 務医は非常にモチベーションが上がると思うんですね。あるいは勤務医だけじゃなくて、 看護師さんも含めて、例えば専門看護師だとか認定看護師に何にもインセンティブがない んですよ。それはみんな患者さんのために犠牲を払ってやっているわけですね、個人個人 が。そのインセンティブを今までの日本の医療界では一切無視されてきたので、そこは白 川委員がおっしゃるように評価をここにするというふうに、「取組を評価する。」とは書 いてありますが、もうちょっと個人個人の努力に見合った―会社だったらそれをやって いるわけですよね、査定という意味でね。ですから、それを健全化、適正化する社会にし てほしいと思って、今、何とか経営の専門の1号の委員の先生方から文言を考えていただ けませんかね。 ○遠藤会長  今のお話、少し整理をしますと、要するに同じ医療者であっても、例えば能力あるいは 資格といったようなもの、それによって報酬を変えるというようなことと、それから以前 からおっしゃっておられますような報酬が医師に直接行くというドクターズフィー的な要 素、2つ絡んでおりますか、今のお話は。 ○嘉山委員  ですから、それを制度として導入するといろんな病院の経営が関係しますので、病院管 理者というんですか、経営者が考慮するぐらいのことを入れていただけたらすごいモチベ ーションが上がるんですよね。 ○遠藤会長  わかりました。診療報酬の直接の金額云々、支払い要件ではないけれども、何か医師の 考え方みたいなものを入れてほしいと、そういうイメージでよろしいわけですね。  白川委員、何か具体的なお名前が上がってしまったんですけれども、何か御意見があれ ば。 ○白川委員  この件については私も言いたいことがたくさんあるんですが、ちょっと時間の関係もあ るので割愛しますが、前にも申し上げたとおり、嘉山先生のお気持ちもよく分かりますし、 最終的には企業でも病院でもみんな同じだと思いますが、そこに働いている方々がどうい うモチベーションで動いていただけるかということにかかっているというのは十分理解し ておりますし、そのために、給与だけではないと思いますが、いろんなモラルアップのた めの施策を考えなくてはいけないというのは十分分かっております。ただ、診療報酬の基 本的な考え方は、今そういったところを評価して、医療機関が配分を決めていただくとい うのが基本理念になっておりますので、そこまで踏み込んで要件を決めるというのは現実 的には非常に難しいのではないかなというふうに個人的には思っております。ただ、悪徳 病院経営者と先生おっしゃいました。冗談でおっしゃったのだと思いますけれども、基本 的には病院の経営者の方々も善意に―経営者が一番悩んでいるのは、勤務医の先生方が 能力以上に苦労されているということは確かだと思いますし、経営者としては当然、先ほ ど申し上げたとおり、従業員、職員の方々にどれだけモラル高くやっていただくかという ことが最大の関心事だと思いますので、その辺は病院経営者の良心にゆだねることは体制 としては間違っていないのではないかなというふうに思っております。 ○嘉山委員  1つだけ。 ○遠藤会長  手短にお願いいたします。 ○嘉山委員  そうしたら、この9ページの(2)のところですが、ここに「手厚い人員体制により、 多職種が連携したより質の高い医療の提供や、インセンティブを含む」というのをどこか に入れていただきたいのですが。つまり、外口保険局長が医政局長時代に、安心と希望の ビジョンの、要するにあれは日本の医療骨格ですね、舛添大臣がつくった。あそこにはき ちんと「インセンティブ」という言葉が入っているんですよ。「インセンティブを付加す る」ということが入っています、あれは。したがって、ここで手厚い人員体制、その中に インセンティブという言葉を一つ入れていただくだけで、モチベーションが全然違ってき ますから、これは病院経営者が大変だということは私もよく分かっていますので、それを 病院経営者がどういうふうに扱うかという制限はしないで、インセンティブという言葉を (2)のところに入れていただくだけでも具体性が出てきますので、それは先生、入れて も別にそんなに大きな問題はないと思いますので、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  これは文章を素直に読めば、「取組」というものの中にもその「インセンティブ」とい うのが入っているというのが素直な読み方ではないかと私は思っているわけですけれども、 それをあえて「インセンティブ」というのを取り出して書くということで強くアピールす るということでしょうか。 ○嘉山委員  先生が同じだというふうに解釈されるなら、私、勤務医の代表として言わせていただけ れば、「インセンティブ」という言葉を入れていたほうが、先生が同じだとおっしゃった んですから、「インセンティブ」ということを入れていただいたほうが勤務医としてはモ チベーションが上がるというふうに思います。 ○遠藤会長  具体的提案として出ているわけでありますが、「取組」という文章の内容については別 として、「インセンティブ」という言葉を入れてほしいという提案です。実はこれは今日 じゅうに決めないとパブコメをかけられませんので、修文も含めてお諮りいたします。  事務局、何かありますか。どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  事務局で意見を言うということではないんですが、現状というか、この趣旨だけ申し上 げておきますと、9ページの下のほうの(2)のところでというふうにお話が出ているよ うですけれども、ここはここで書かれている内容というのは場所とそれから位置付けなん ですが、ここで書かれている内容(1)、(2)を読んでいただきますと、具体的には必ずしも医 師ではなくて、「看護補助者の配置の評価」であったり「多職種からなるチームによる取 組」と、こうなっておりまして、今御意見をいただいているような内容から考えれば、ち ょっと差し出がましいようですが、場所としては次の9ページの下から10ページの頭に かけての重点課題の2−2、もし医師ということで、しかもインセンティブという言葉を お使いになりましたが、何らかの促進効果をお持ちになるということであれば、場所とし ては重点課題の2−2、(1)なのか、2−2の冒頭なのか分かりませんが、そうしたと ころなのかなということが一つです。  それから2つ目は、仮にこの骨子の段階でインセンティブという言葉を使いますと、恐 らく具体的にはかなり短冊で議論をすることになりますが、そのときには加算みたいなも のがある程度明示される形にならないといけないのではないかと思います。そういう意味 では、これは現状だけ申し上げておきますが、9ページの後ろから10ページの頭にかけ ての「診療報酬項目を拡大するとともに、より勤務医の負担軽減につながる体制を要件と する。」と言っているところは、前回もお示しをしましたように、加算というよりはむし ろ現状で勤務体制をきちんと組むこととか、勤務条件を改善することとか、勤務体制の要 件を病院内できちんと決めておくことみたいなような割と抽象的な表現にとどまっていた ものを、先ほどから何度も申しますように、客観的にもう少し具体的に示すこととしては どうかということです。  ですから、インセンティブという言葉で、今後、骨子から短冊の議論、あるいは点数の 議論になったときに、加算が入れられるかどうかというとちょっと難しいので、繰り返し になりますが、差し出がましいことを申せば、インセンティブというか、「実効性のあ る」とか、例えば「より勤務医の負担軽減において、より実効性のあるような要件を設定 していく」とか、そういうような「実効性のある」というような言葉で少し広がりのある 言葉で、この骨子の段階でお許しをいただければ非常にありがたいなと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。重要な御指摘をいただきました。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  このインセンティブの件ですけど、この段階でインセンティブという表現をここに入れ ると、やはりこれをこれから読まれる方が、じゃ具体的にどうなんだろうというようなお 気持ちを持つ可能性があると思うんですね。それよりも、嘉山先生がおっしゃっているイ ンセンティブ、この資料全体を検討するというのと、それから適正化するという、その2 つの表現を除いた残る部分、動詞の原形の部分とそれから評価する、これがインセンティ ブの具体化されたものだと思うんですね。  ですから、今回の改定では、ここに書いてある内容がそのインセンティブの具体的内容 であるというふうにお考えいただけませんでしょうかね。私はそう思うんですが。 ○遠藤会長  今、お二方からの御発言で、まず先ほど来の嘉山委員のおっしゃっているようなことを 明らかにするための文章上の位置としては、10ページのほうがいいんじゃないかという ことでありますが、多分それはそのとおりだというふうに理解いたしますので、そこに若 干の修文を行うという方向でいかがと思います。  もう一つは、「インセンティブ」というのはやはりかなり狭い範囲になってしまうとい うことで、もっと多様なことまでも議論しているということなので、ここではあえて文言 に入れなくてもよろしいのではないか。議事録にも残るというようなことで、というよう なことが考えられますが、嘉山委員、それでいかがでしょうか。弱いですか。 ○嘉山委員  いや、やはり現場の本当に疲れ果てている勤務医から見ると、勤務医の負担軽減につな がる体制を要件とするということでは非常に弱いんじゃないかと思います。なぜかという と個人に来ないんですよ。モチベーションというのはやはり公共心と個人ですよね。その 両方から成り立っていると思うんですけれども、つまり私個人で頑張るよというのと公共 のために頑張るよと、この2つで我々成り立っているんですよ。その公共心はもうみんな 持っていて医学部へ入ってきて頑張っているわけですけど、個人的にもう疲れちゃったと いうところがあるので、そこで去年の安心と希望のビジョンでは、個人にということでイ ンセンティブという言葉を入れたんです。外口局長、そうですよね、あれね。  ですから、今、うなずいていただきましたので、局長からうなずいていただくとすごく うれしいんですけど、ですからより勤務医のインセンティブを含む負担軽減というんです か、応援をするよと。別に幾ら出せよとここに書いてあるわけじゃないですから、そのく らいのことは入れていただいていいんじゃないかと思うんですけれども。 ○遠藤会長  それはまたドクターズフィーの話になってしまうわけで、これは継続的に議論をしてい こうと思っているわけですが、負担軽減のインセンティブと言ったときには、例えば事務 管理補助の人の点数を上げるというようなやり方であっても、その医師の負担は軽減され るわけですから、必ずしも医師の手取りがふえるということとは直結しない話ですよね。 ○嘉山委員  そうです。ですから、インセンティブは狭い意味もあるし、広い意味もあるんですよ。 つまり、ご褒美という意味がある。頑張っているねという、よくやっているねというのも あるし、お金という非常に具体的な狭い場所もあるんですけど、ただ概念として入れると いうのは別に悪いことじゃないと思うんですが、何か不都合がありますか。 ○遠藤会長  今、不都合を感じました。嘉山委員がおっしゃっているインセンティブというのは、医 師に報酬が直接行くということをイメージされていると受けとめたのですが、私が申し上 げましたように、必ずしもそうではない勤務医対策のインセンティブもあります。ある意 味、診療報酬改定、みんなインセンティブの塊みたいなものですから、そういう話になり ますので、そうするとあえて入れる必要もないかなと思っておりまして、むしろ嘉山委員 のお考えは、まだ継続審議になっておりますドクターズフィーをどう考えるかということ での議論になるのかなと思います。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  嘉山先生は大学病院の中で、研究、教育、診療と3つにおいてすばらしい業績を上げら れていると思います。特に研究とか教育はもう我々ができないところですから、これはも う他の追随を許さない業績を上げられています。診療においてもそうだと思うんですけど、 大学病院で嘉山先生がやられたことは、でも実際の民間病院ではもっと一般的に経営努力 されているところはやられていることもかなり入っていると思うんですね。その中にイン センティブというふうに言われることになるのかもしれませんが、やはり人事考課なんか を含めて、頑張る先生にはさらに応援するとか、そういうことを当然より厳しい条件下で やっておりますので、そういったものをあえて入れなくても、要するに医師としてじゃな くて、経営者から見ればそういったことをやることはある意味では当然ということだと思 いますので、あえて入れる必要もないし、もしどういったことがやられているのか、実際 にお知りになりたければ、そういうことをされている先生方にいらしていただいてお話を 聞かれたら、むしろそういうことをしていない公立病院、国立病院の先生方に参考になる んではないのかなという気がいたしますけれども、我々としてはそういうものは当然行っ ているということを前提に考えておりますので、あえて入れる必要はないというふうに思 います。 ○遠藤会長  ということでありまして、いかがでしょうか。先ほど事務局から出ました10ページ、 課題の2−2のところで、この体制の要件というところをもう少し強めるような形で、嘉 山委員のお考えを集約したという形で対応させていただこうということについて。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  もう一度、中医協始まってからの新体制になってからの議論をずっと議事録を見ていた だきたいんですけれども、参考として来た救急医療だとか、特に勤務医が疲弊していると ころ、科の偏在が起きているところの先生方は、ドクターズフィーのことは今日はいいで すけれども、ドクターズフィーが先生は近いとおっしゃったんですけど、彼らは全部それ に賛成したんですよ。全員、あのときに、僕が質問したときにね。議事録に載っています から。先生は誤解されて、あのときに、一部と言っていますけど、全員でしたよ、海野さ んから、田村さんから。全員、ドクターズフィーはあったほうがいいということをちゃん と議事録に書いてありますから。 ○遠藤会長  でも、外保連代表は賛成しませんでした。 ○嘉山委員  ああいうことをトップが格好つけて言っちゃうから、若い人が離れちゃったんですよ。 社会的地位が上がれば上がるほど、御用学者になってきてだめになっていくんですよね。 現場の声を反映しない。だから崩れてきちゃうんです。そうでなければ、現場の声をちゃ んとトップが反映していれば崩れてこないですよ。ただ山口さんだけですよ、賛成されな かったのは。だから、ほかの実際の救急医学だとか産科だとかの人たちは全員賛成したわ けですよね。ですから、あれが現場の声なんですよ、先生。  ですから、もし入れても入れなくても同じだということではなくて、入れたほうがモチ ベーションが上がって、具体性を持たせないのであれば、入れるのに何で悪いことがある のか、僕はよく分からないんですけどね、議論上。 ○遠藤会長  今のお話は、ですからドクターズフィーの問題も一方で絡んでいる話です。それは今回 は入れないということですね。なぜ入れないかというと、個々の医師の経済的インセンテ ィブとしてどうするかというのは、先ほど来のお話ですと、個々の病院の管理者が経営上 考えて行うことであって、診療報酬の支払いの中で考えるというのは適切ではないのでは ないかという意見が1つと、その問題をやるときにはどうしてもドクターズフィー的な、 直接的に医師に診療報酬が行くというような体系を考えることが必要になってくるので、 そこについてはまだ十分な議論が整えられていないのではないかと、多分そういうことだ と理解するのですけれども、ですから、今後の課題として入れることについては全く反対 しているわけではないわけです。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ですから、今、鈴木先生はうちはやっているよと。要するに勤務医の負担もやっている よというのであれば、別に入れても何も私のところではやっているんだから、論理的には 何も先生は困らないわけですから、入れたって構わないと思うんですが、なぜ反対するの か僕には分からないですね。 ○遠藤会長  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  私も病院の設置者としては、勤務医の負担軽減というよりも待遇改善ではないかなと思 うんでありますが、これが入ることは非常にありがたいわけでありますけど、今回の負担 の軽減というのは業務も含めてというお話であるというぐあいに思っておりまして、業務 も含めて、いわゆる勤務医の待遇が少し悪いのではないかということを嘉山先生はおっし ゃりたいというぐあいに思っております。私自身たちもそう思っておりまして、公立病院 の設置者としては、ドクターを含めて、ほかの医療従事者に来ていただくためにどういう 形の待遇を改善していったらいいかということは、給与の面はもちろんそうでありますし、 勤務状況の面、勤務形態の面等々も含めて、幅広く今いろんなところで多分どの病院の経 営者の方も医療従事者を来ていただくための努力というのは大変してみえると思っており ますので、その点についてはこの中に私は十分含まれておるんではないかな。  ただ、今、嘉山先生がもしおっしゃられることであれば、これは業務ではなくて、別個 に勤務医の待遇改善という項目を新たに入れてお話をされるのは私はやぶさかではないと いうぐあいに思っております。負担ではなくて、待遇改善という項目を一つ入れるという のは、私は今のお話の中では妥当ではないかなというふうに思います。 ○遠藤会長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  私は基本的に個人診療所の者なので黙って聞かせていただきましたけれども、これがや はり中医協委員のかわったことの大きな意味だろうなと思っておりまして、時間はかかっ ていますけれども、2号側が建設的な意識の中でお互いに意見を言わせていただいている という、大変意味のある議論をさせていただいていると思うんです。  それで、嘉山先生のおっしゃるのはドクターズフィーだけではないので、皆さんの御意 見も入れると、10ページ、一番上の(1)、(2)、「病院勤務医の負担を軽減する体制を要件 とした診療報酬項目を拡大するとともに、」と書いてありますね。その次に「より勤務医 の負担軽減につながる」と書いてありますから、その「負担軽減」の前に「より勤務医の 意欲の向上及び負担軽減につながる体制を要件とする」と、そういうふうに修文されるこ とで、あとはドクターズフィーも含めた短冊の今後の議論にゆだねていただくと、そうい うことでいかがでしょうか。  私は病院のどの立場の病院でもないので、同じ2号側ではあるけれども、公平な立場で 今の議論を聞かせていただいているんですけれども、そういうことではいかがでしょうか。 ○遠藤会長  ありがとうございます。うまくまとめていただいたと思うんですが、先ほど事務局から 出たような、このところを少し強化するという意味合いの流れと同じところで、さらに適 切な言葉をいただいたと思いますけれども。  北村委員、関連でどうぞ。 ○北村(光)委員  せっかくまとまりかけたのをまたあれのようですが、今のところですと、9ページの下 から2行目の(1)をごらんいただくと、軽症救急の増加云々により、勤務医の方々の軽 減ということですから、ここは軽症救急増加についての(1)、(2)が対応策なので、まさか嘉 山先生がおっしゃっている意味は、そういう狭められた話じゃないと思うんですよね。 ○遠藤会長  なるほど。そうすると例えば、伊藤委員がおっしゃいましたように、勤務医だけではな いと思いますけれども、病院勤務者の待遇改善といったようなことをどこかに一つ入れる かどうかということでありますが、これについてお諮りしたいと思います。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  そうすると、9ページの一番上の重点課題2のところへ「負担の軽減」の前に「病院勤 務医の意欲の向上、負担の軽減」と、安達先生のをそのまま入れたらいかがでしょうか。  待遇改善のところです。そこへ。 ○嘉山委員  待遇改善って、労働も入るから。労働基準法に違反しているんだもの、はっきり言えば。 ○邉見委員  すべてのところに行くとすれば、この一番大きい重点課題2のところに入れるのが一番 いいんじゃないんでしょうか、先ほどの北村委員の指摘からすれば。 ○遠藤会長  具体的には、その待遇改善の話とそれから間に負担の前に「意欲の向上」というのを入 れるわけですけれども、それはどういうふうにまぜますかね。  それともう一つは、これは病院勤務医だけで言っていますが、それでいいかどうか、さ らに。 ○邉見委員  勤務者にしたらどうですか。 ○遠藤会長  病院勤務者。なるほど。大体話がまとまりかけていますので。 ○嘉山委員  伊藤先生の意見で僕は賛成します。というのは、もうこれははっきり言わせてもらいま すけど、大学によって非常にひどいところがまだあって、完全に労働基準法違反なんです よ。例えば無給救急医がいる大学もまだあります。そういう人たちを僕はもう見ていられ ないんですよね。ですから、そういう人たちの処遇改善も含めて、ほとんどもうコンビニ のアルバイターよりも安いような感じのところもあるので、そこはそろそろ本当に…… ○遠藤会長  よく実態は私も承知しております。  そうすると、今、主に2号側の御意見だけを聞いておりますが、重点課題の2のところ のテーマをそのように修文すれば一通りそのお考えは含まれていると、こう理解してよろ しゅうございますか。  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  前回も申し上げましたけれども、構成とか項目立てについては基本は、特にこの重要な 項目立てについては基本方針の中で決まった項目でしたので、そういう意味ではここを変 えるというのはちょっといかがかと思います。  それで、あえてまた申し上げれば、先ほどの9ページの下のほうの重点課題の2−2の ところで、いろいろなどなたかの委員がおっしゃったように、軽症救急の増加等だけでこ ういうふうになっているわけではないと、ちょっと誤解を招く表現でしたし、また場所の 問題もいろいろありましたので、「軽症救急の増加等により、」をまず切って、「病院勤 務医の勤務状況が未だ厳しいことから、」で始めて、そしてそのところに意欲の向上にな るのかどうかはちょっと別として、「負担を軽減する」の前に、意欲の向上になるのか、 あるいは待遇の改善になるのか御議論いただくとして、そういう修文の案がと思っており ます。 ○遠藤会長  わかりました。なかなか制約条件があるようで、これは我々決められないというところ なので、今のような修文をするとよろしいのではないかという事務局案が出たわけですが、 西澤委員、関連でどうぞ。 ○西澤委員  私はそれでいいと思っています。今、議論で、どうも嘉山先生と私たちと違うように聞 こえますが、病院勤務医の負担軽減ということに関しては、私たち2号側は一致している と思っております。どのような形で入れるかの違いだと思います。  それともう一つ、嘉山先生から民間病院に対していろいろ非常に厳しいお言葉があった んですが、実は民間病院の場合は医者がいないとつぶれるわけですから、処遇改善は常に していて、医者が離れないように努力はしております。そういう中で、バランスのある経 営をやっていると。だから、そういう文言も、今までやっていますから入れていただいて 結構だと思います。  問題はやはり大学病院だとか公立病院が本当に組織としておかしい。そういう中では、 今、特に医療職は例えば大学病院なんかは、教育職の給与の中で医療をさせられていると か、それから今言った、本当にアルバイトより安いとか、それは大学という組織の問題だ と思います。これは厚労省だけじゃなくて、文科省も絡みますし、そういうあたりの改善 をしなければ、診療報酬でどのような文言を入れたって改善しないと思いますので、こっ ちからの発信として、そちらの組織の改善ということをぜひやっていただきたい。恐らく 嘉山委員が一番望んでいるのはそこじゃないかなと思います。ただ、診療報酬でも何らか のそこに対するメッセージは出せますし、少しは力になれると思いますので、それについ ては私も賛成したいと思います。  以上です。 ○遠藤会長  それでは、住友専門委員、どうぞ。 ○住友専門委員  歯科大学の附属病院でございますが、今回のこの改定率、病院歯科の評価を行うという ことが北村委員が言われたように、これは現場の声として、かなり意欲の向上というか期 待感があらわれております。ですから、いまの書き込みの話は別として、今回の評価とい うのは、これは大変重要な意味があるというふうに私自身は思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、さまざまな制約条件もあるので、修文も余り自由度は高くないわけですけれ ども、先ほど事務局から出ましたように、9ページの「軽症救急の増加等により、」この 辺を切って、その後、(1)、これはより勤務医の、先ほど安達委員から御発言がありました 意欲の向上というものを入れると。「意欲の向上及び負担軽減につながるように」という 形で対応させていただくというのはよろしゅうございますか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  いや、安達先生、最後は伊藤委員の意見に賛成して、処遇改善という言葉でいいんじゃ ないか。 ○遠藤会長  処遇改善。 ○嘉山委員  ええ。先生、若者から見れば、意欲の向上なんて何だと言いますよ、先生、具体的に。 そんなきれいごとじゃないですよ、これは。処遇改善という言葉をきれいに使うべきです よ。意欲の向上なんて、本当にその辺の伊藤委員、多分医者を集めるのに大変だと思うん ですが、意欲の向上を図るようなことをしますよなどと言ったって、何言っているのでお しまいですよ。 ○遠藤会長  インセンティブとおっしゃったので、意欲の向上ということを多分安達委員が使用され たのだと思うんですが、そうすると、負担軽減につながるというのではなくて、待遇改善 ですか。それとも待遇改善及び負担軽減。処遇改善。  ここで時間をかけてもどうしようもありませんので、ではそこら辺のところ、処遇の改 善と負担の軽減絡みで少し修文をさせていただくという形でここはよろしゅうございます か。  失礼しました。(1)のところに入れるということですね。では、そこに処遇改善及び 負担軽減ということを入れるということで、ちょっと事務局案を今考えていただきたいと 思います。  話を次に行きますが、実は嘉山委員の御指摘にはもう一つありました。要するに幾つか の加算及び今回の入院早期の加算の引き上げ、この対象に特定機能病院も入れるべきでは ないかということを検討してほしいということであります。検討すること自体はおかしな ことではないとは思うのですが、ただ西澤委員はそのときに、特定機能病院は別途優遇さ れているのであるからという、その辺の資料があったはずだから、それを示してほしいと いうことをおっしゃられました。特定機能病院に拡大することを検討するかどうかという ことついて御意見いただきたいと思います。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  そういう資料を出していただけるのでしたら、検討はやぶさかではございませんが、具 体的には9ページの(1)の(1)のところを「一般病棟入院基本料において、入院早期の加 算の引上げを行う。」とはっきり書いておりますが、その場合には「等において加算につ いて検討する。」ということにするという意味でしょうか。 ○遠藤会長  事務局、この(1)については引き上げを行うということは検討事項でなくて、決定事項で すか。 ○事務局(佐藤医療課長)  はい。 ○遠藤会長  そういうことですね。ですから、それを特定機能病院まで拡大するかどうかということ が検討事項になるという形になるわけです。  そういう意味ですね、嘉山委員。 ○嘉山委員  この不採算部門を特定機能病院がやっているというのは、私、データで数字で出させて いただきましたから、それを補っているのは文部科学省が頑張ってくれて、いわゆる運営 費交付金を今まで病院に入れていたわけですね、医療の場合。それを健全化してほしいと いうのが私の意見なんです。 ○白川委員  御意見はよく分かるんですが、この文章を固めなくてはいけないという状況なものです から、そのときにこれは特定機能病院を除いては加算するということをはっきり書いてい るわけですけれども、西澤先生が御指摘になったように、特定機能病院をここに入れるの であれば、データを見て検討しなくてはいけないと思いますので、ここの「引上げを行 う。」の文章を「検討する。」という文章に直せという意味ですか、というのが私の質問 でございます。中医協で決まったんですか。 ○遠藤会長  事務局に聞いたほうがよろしいかと思います。 ○嘉山委員  特定機能病院を入れないなんて一体いつ結論をしました。 ○遠藤会長  わかりました。修文の問題として事務局にお聞きしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言いますと、特定機能病院入院基本料についても御検討いただくのであれば、 「一般病棟入院基本料等において、」として、末尾を「入院早期の加算の引上げについて 検討を行う。」あるいは「検討する。」というような。 ○遠藤会長  そういう形で行うということですが、それが1つと、それ以外に入院時医学管理加算と かそういう話も何かおっしゃっていたようですけど、それについてはよろしいですか。5 ページ。 ○嘉山委員  10ページはまだですね。 ○遠藤会長  よろしければそっちで言っていただければありがたいです。 ○嘉山委員  そこまでで結構です。 ○遠藤会長  結構ですか。  それでは、改めてお諮りしたいと思いますが、今のような御意見があるので、9ページ のところですね。そこの(1)の(1)を「一般病棟入院基本料等において、入院早期の加算 の引上げを検討する。」ということで修文するということでよろしいですか。  1号側、よろしゅうございますか。 ○白川委員  結構です。 ○遠藤会長  わかりました。そこの場で議論いたしますので、必要な資料等は事務局のほうとしてよ ろしくお願いいたします。  事務局、何か質問ありますか。よろしいですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今の部分に関してはありません。 ○嘉山委員  先生、もう一つ、最初に質問したことで、5ページの(3)のところで、入院時医学管理加 算なんですけれども、これが特定機能病院を算定なぜできないのかよく分からないんです けど、専門病院と特定機能病院は算定できないんですね。これをやっているのは主に特定 機能病院です。専門病院だと思うんですけど。 ○遠藤会長  これはなぜ算定できなかったのか。先ほど西澤委員がおっしゃられたような話と絡むわ けでありますけれども、これは御質問ということですね。なぜ算定しなかったのかと、前 回改定でということですね。 ○事務局(佐藤医療課長)  先ほども御説明いたしましたけれども、入院時医学管理加算を平成20年度にこういう 形に整理しましたときに、地域の中核病院であって、十分な人員配置や設備を整える。そ して、産科や小児科や救急、場合によっては精神科も含めた総合的な機能を持つというよ うなことを想定して、点数そのものはそういう設定でつくられているということです。そ うはっきりとは書いていませんが、大学ではないけれども、大学に近い、あるいは大学に 準ずるような形で地域でそういうとりでとなっていただいている病院を評価するという点 数だったので、こういう加算と点数設定というか要件になっているということです。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ですから、業務内容は同じ業務内容をやっているのに差別化するのはいかがなものか。 外来、最新医療も統一したほうがいいだろうと、一つのことに、一項目が同じ値段だとい うのであれば外す必要はないんではないか。 ○遠藤会長  ですから、嘉山委員の御主張は、私も先ほど5ページでお聞きしたのですけれども、入 院時医学管理加算の対象として特定機能病院も含めたらどうかということを検討してほし いという、こういう御主張だと理解してよろしいですか。 ○嘉山委員  本当は入れるべきだというふうに思うんですが、なぜ外しているのか分からないし、業 務内容は同じなのに、入れることがだめだというのであれば検討するということでも構い ませんけれども、でも入れるべきだと思いますけれども。 ○遠藤会長  この場でもう入れる、入れないの結論を出すことは不可能なわけですので、とりあえず これを今年度中の検討事項として上げるかどうか。上げるべきだという御主張をされてい るわけなので、これについてはいかがでございましょうか。先ほどと同じようなことです けれども。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  嘉山先生の御意見、ちょっと私、本末転倒だと思います。もともと特定機能病院には点 数がついていて、一方、地域の中核病院には何も点数がついていなかったので、前回の改 定でこの入院時医学管理加算というのをつくったわけでして、それに特定機能病院をまた 入れろというのはちょっと何か本末転倒だというふうに私は思います。 ○嘉山委員  先生、特定機能病院のDPCだとか高いというのは、目に見えないものがあるから高い んですよ。医療の質も違うしね。だから、そっちが高いんだから、こっちを入れないよと 言ったら、特定機能病院じゃなくなっちゃうんですよ。特定機能病院は目に見えない、ク オリティーの高い、例えば同じ盲腸でも全然複雑な盲腸をやっているので高くするよとい うのがコンセンサスです。それなのに、こっちはだから…… ○嘉山委員  わかりました。もう既にその検討の議論に入ってしまっておりますが、一度その当時の データ等々を使って検討するかどうかということなんですが、検討を一回いたしますか。  1号側、いかがですか。検討にも値しないという話であればやってもしようがないわけ ですが。 ○白川委員  正直、率直に申し上げれば検討にも値しないというふうに、私の論理ではそうなります。 ○嘉山委員  先生の論理、破綻していますよ。どういうことかというと、特定機能病院は、例えば同 じ盲腸でABCなんてないんですよ。同じ点数なんですよね。だけれども、特定機能病院 には大体大学以外のところは、大学だけじゃないですよ、大きな病院には、国立循環器病 センターでもがんセンターでもいいんですけど、複雑なものが来るわけですね。そこには 手間がかかるんですよ。ですから、特定機能病院は点数が高くついているよと、それはい いんです。ところが、だからついているんだから、この(3)のところの入院時医学管理加算 料を削るといったら、特定機能病院は同じ業務をやっているのに、特定機能病院を上げた 分が減っちゃうんですよ。確かに西澤先生…… ○遠藤会長  嘉山委員、わかりました。 ○嘉山委員  私の論理は分かっていただけたと思うんですけど、それだったら特定機能病院に上げた 理由が何にもなくなっちゃうわけじゃないですか。 ○遠藤会長  ほかの方からのちょっと御意見を承りたいと思いますけども、拡大することについて検 討するかどうかということですけれども、2号側でほかの委員でいかがでしょうか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私、前回というか、それができたときの経緯は存じ上げませんが、特に入院時医学管理 加算はとれる病院が私どもの県は1カ所もないということで話をしたということですが、 話を聞きますと、もともと特定機能病院がもう一番上にあって、その下の要するに加算の 2段階目の加算みたいな形でつくったというふうな今お話を聞きましたので、さらにその 1段目の上にさらにそれをまた加算するというような話になっちゃうのかなというふうに 思いますので……。 ○嘉山委員  西澤先生から伺ったので、要するに特定機能病院を高くしたから、こっちでこっちを上 げるよということで調整したというふうに私は聞いているんですけど、それだと特定機能 病院を高くしている理由が何にもならないんじゃないかと思うんですけどね。そんなに簡 単な論理が何で分からないのかな。 ○遠藤会長  わかりました。そのデータもない段階で既に議論が始まっておりますので、これはやは り決着はどうなるにせよ、一回議論したほうがいいかと思いますので、これはどこかに検 討項目として入れたいと思いますけれども、いかがですか、1号側。  どうもどういう点数になっているのかということが、必ずしも皆さん御存じでないわけ で。 ○白川委員  そうですね。ですから、検討を一度やるということについては賛成いたしますが、ちょ っと文章まで手を入れるということについては反対しますので、この文章のままというこ とにさせていただければと思います。 ○遠藤会長  わかりました。  では、文章はこのままでありますけれども、検討はするということにさせていただきた いと思います。ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  9ページ目の(1)、(1)ですが、当初の文章は「一般病棟入院基本料において、入院早 期の加算の引上げを行う。」ということなんですけれども、これは「行う。」はそのまま にしていただいて、「特定機能病院については検討する。」というふうにしていただかな いと、全部を検討するというふうになってしまうと、それはまた問題だと思いますので、 よろしくお願いします。 ○遠藤会長  ただ、心としては分かっているわけですから、文章上の問題だということでよろしいじ ゃないですか。検討することには反対は今出ていないわけですから。ということで理解さ せてください。  それでは、先ほどの処遇改善のところ、事務局案が出てまいりましたので、私も今拝見 したところ、これでよいかと思いますので、これでどうでしょう。  9ページの重点課題2−2、(1)のところですが、前半部分を消しまして、「病院勤 務医の勤務状況が未だ厳しいことから、その処遇を改善し、負担を軽減するための取組を 推進するため、以下の見直しを行う。」ということで、次ページの(1)、「病院勤務医の負 担を軽減する体制を要件とした診療報酬項目を拡大するとともに、より勤務医の処遇改善 及び負担軽減につながる体制を要件とする。」もう一度最後のところだけ読みますと「病 院勤務医の負担を軽減する体制を要件とした診療報酬項目を拡大するとともに、より勤務 医の処遇改善及び負担軽減につながる体制を要件とする。」  これでよろしゅうございますか。  じゃ、そのようにまとめさせていただきます。  それでは、重点課題1については思いのほか時間を食ってしまいましたが、重点課題で すから大事なところだと思いますが、よろしゅうございますか。  事務局が修文したような内容についても、これでよろしいですか。  それでは、続きまして、Iの充実が求められる領域を適切に評価して……。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  重点課題の別の項目のところで、10ページの一番上から3行目の(2)なんですけれども、 繰り返し自分の立場を言っておきますが、僕はこの重点課題の1も2も方向性として大賛 成ですし、前回や前々回の改定からこの方向で進めるべきと言い続け、かつ方向性だけじ ゃなくてダイナミックにもっと進めるべきだと言ってきているということがまず前提なん ですけれども、それでもこの(2)に関しては手法が安易で、いろいろ問題が生じるのではな いかという危惧をしていて、より何らかのいい方法や工夫なり考えていただけないかとい うことをお願いしたんですけれども、今日見るところによるとやはりお金を取る以外ない ということなんですが、よくないと思います。例えば、こういうお金をとるということを しなければ、お金に余裕もある人もそうじゃない人も軽症で救急には、できるだけ行くべ きではないということになりますけれども、こういう文言にして、例えば言い方を変えれ ば、お金に余裕がある人は軽症でも夜間の救急に行ってよいというようになってしまうよ うな解釈にもなりかねないわけですよね。または、そもそも僕は軽症かどうかというのは みんな分からないときに病院に行くわけで、その判断が不安な段階で行くことを自制しな きゃいけないという、かかりたいのに何か変にかからないような気持ちが出てきてしまう 可能性がある。それは非常に危険だし、ましてそれが経済的に余裕のない人により強く効 くような形にこれはなりかねないということで、よくないと思います。  そこで、今日出していただいた総−2−2の文章なんですけど、その第1の基本的考え 方の上の4行まではもちろん同意するんですけど、だからこそそれ以降のところでもう少 しいいアイデアがないものかということをお願いしたんですが、これではちょっとイメー ジが分からないので質問なのですが、受診して軽症だと判断した後でと書いてあるんです けど、軽症かどうかの判断というのはやはり医師がするわけですよね。本当は重症なのに 軽症だと解してしまったら大変なことになりますから、軽症だと判断して、その後で、で もこれを治療するとお金がかかりますよということを言うわけですよね。じゃ、もういい ですとその段階で帰ったら無料なんですか。そのあたりのイメージとか、そもそも救急車 を呼んだら、救急車のほうでここに連れていってもらったと、だけどこういう対応を受け たときどうなのかとか、何かわかりにくいです。そもそも実際にその差額ベッドと同じ扱 いということですが、お金に余裕がある人は差額ベッドの個室に入るでしょうけど、余裕 のない人は大部屋、と言われても一応入院はできるわけですけど、何かこういう発想の進 め方というのは、お金を取ると言えば一気にうまくいきそうに安易に考えてしまう気持ち も分かるんですけど、非常に何かいろいろな意味で、僕は差額ベッドと同じように救急を 受けるということにすることが不安です。本来ならば、近所の診療所が夜もやってくれて いるところが一つの町に一つでもあればそっちへ行けるものがという部分を改善していく という方向性のほうがよりよいのではないかと思って、何か気持ちは分かるんですけど、 手法に関してもっと工夫してほしいということを重ねてちょっとお願いしたいなと思うん です。 ○遠藤会長  お気持ちは分かりますが、これは検討するという項目でありますので、そのときの議論 という形にしたいと思いますので。 ○勝村委員  それで、検討するにしても、イメージがわかないということをお願いしていたので、今 日、総−2−2の資料を出していただいたんですけど、ここに書いてあるイメージ、第2 の具体的内容のことについて分からない点があるので、ちょっとより詳しく教えていただ きたいということです。 ○遠藤会長  内容の説明ということですか。別の案を考えてほしいというように聞こえたわけですが。 ○勝村委員  別の案を考えてほしいということを意見をして言っておいて、今日のところは総−2− 2の第2の具体的な内容に書いてあるところに関して、例えば今僕がちょっとお尋ねした ような2つのようなケースだったら、僕のイメージどおりなのか。例えば診断した結果、 軽症ですから、それでも受けるというんだったら高くなりますよと言われた段階で、じゃ いいですと、家へ帰って寝ておきますといった場合には無料になるんですか。 ○遠藤会長  中身の説明ということで、事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  具体的内容のところで、多少文言で工夫をしたつもりでございまして、「救命救急セン ター」で始まる文章ですけれども、「救急外来を受診しようとする」と、こういう表現を 使っておりまして、その後少し下を見ていただきますと「可能性があることを説明したに もかかわらず、患者の選択により診療を実施した場合について」と、こう書き分けており まして、そういう意味では、書いた事務局側の意図としましては、トリアージをされるの かどうかは分かりませんけれども、これこれこういう状況にありますよということを説明 したのに、患者の選択で、じゃお願いしますと言ったところから診療ということが始まる というふうに理解をしております。  ちょっと話が長くなりましたが、そういう意味では、勝村委員がおっしゃったように、 じゃいいですと言って帰ったら、基本的にはここでは無料という考えにしております。た だ、もちろんこれ、トリアージと言いましたけど、トリアージが常に行われるわけでもな いかもしれない。ここで想定しているようなトリアージが行われるかどうか分かりません し、看護師だったらそうかもしれないなという気がしますけど、じゃ、医師だったら、そ れは診療行為の一環と言えないのか。種々問題はあるかもしれませんが、ここでは典型的 な例、典型的なというか、公式風に言えば、じゃいいですと言って帰れば、そこでは診療 は行われなかったというふうに理解できるような文章上の工夫をしたつもりです。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  それだったら、やはり軽症ですよという判断をしなきゃいけないわけで、診断を。それ をしても無料だということだったら、勤務医の負担軽減にならないんじゃないんですか。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  繰り返しになりますけれども、「受診しようとする」ということですから、本当の、本 当のと言うと怒られますけれども、実際の診察が行われ始めてからが診療だというふうに しております。それから、実際、基本小委の中で関係者の御意見をお伺いした際も、こう いうやり方で実施をして、途中で、余り待たせるので怒って帰ったりする人もいるみたい な事例もありましたが、そういう事例で初診料や再診料を取っているというのは聞いてお りませんので、恐らく実態でもそういうことで行われているのではないかと思います。 ○遠藤会長  あくまでも事務局の案を説明したわけでありますので、それに対してまた意見があれば、 今後検討するときにやっていただければと思います。よろしくお願いします。  それでは、「Iの充実が求められる領域を適切に評価していく視点」というところで、 幾つかの修文が行われております。いかがでございましょうか。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  がん医療の推進について、これは以前も申し上げましたが、がん対策については国民の関 心の高い分野であり、また克服が急がれる分野ということですので、がん医療の充実につな がるものであれば基本的には評価していくべきであると考えております。  前回議論がありました外科医、放射線療法あるいは化学療法にかかわる専門医から成るキ ャンサーボードにおいて治療方針を決めるということについては、データがちょっと分から ないので、今一つ治療の効果が分かりづらい面はありますが、ここで治療方針を決めること で治療効果がより高まるということであれば、評価していく方向で検討を進めるということ でいいと思います。がん登録のデータ整備については、今後の検討ということで結構だと思 います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。修文された内容で、これで結構だというお話です。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  文章はこれでよろしいのですが、前回キャンサートリーメントボードに関してどういう 効果があるかとか、あるいはがんだけでいいのですかというような、それに関連する資料 を検討のときに出していただければとお願いをいたしましたが、がん登録につきましても 何が課題で進まないのかというのは、私にもちょっとよく理解していないものですから、 そういうまとめたものがございましたら、次回の検討のときに出していただければという お願いをしたいと思います。 ○遠藤会長  これは事務局及び嘉山委員にお尋ねしたいと思います。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  事務局にもキャンサートリーメントボードをやれば、大幅な治療成績の向上があるとい うのは、「キャンサー」という世界で最も権威のあるペーパーを含めまして、全部資料を 出してあります。  もう一つ、登録に関してなんですが、現在、登録数が大体30万ちょっとなんですよ、 がんの登録が。ところが、実際のがんの患者さんは60万人です。毎年新しい。  これはやはり進まないのは、この前、関原先生がおっしゃっていただいていたんですが、 がん拠点病院だけではなくて、普通の専門病院じゃないところでもがんの治療をやらざる を得ないんですね、拠点病院だけでは受け付けられないから。そういうところではやはり 人員も少ないし、ということで、登録がきちんとされていないんです、まだ日本では。で すから、登録をまず一歩進めるときには、わずか10円つけただけで600万ですから、 年間。60万人ですから、がんの新しい患者さんは。ですから、そこからスタートすれば、 日本のがん医療はネットワークが―要するに今一番がん医療のクオリティーを上げると すれば、どういうがん治療をどの医者がやっているかということがオープンになることな んですよ。そのためには登録が第一歩で必要なので、わずか60万人ですから、60万人 で10円つけても600万ですから、白川先生の…… ○遠藤会長  嘉山先生、白川委員がおっしゃっているのは、基本的に何がネックでその60万人か3 0万人か…… ○嘉山委員  モチベーションが上がっていないんじゃないか。 ○白川委員  ですから、私が申し上げたのは、何が課題で進まないのかが分かるような資料をいただ けないかというお願いだけでございます。 ○嘉山委員  わかりました。そのキャンサーボードに関してはもう出してあります。 ○遠藤会長  事務局、もし何かそれに関連するものがあれば、ぜひ出していただきたいと思いますけ れども。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  今日手元にございませんけれども、院内がん登録も恐らくキャンサーボードについても、 効果については一定の先ほど御説明のありましたような論文も含めた評価がなされている と思いますので、次回以降御提示できると思います。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。白川委員、よろしゅうございますか。 ○白川委員  はい。 ○遠藤会長  ほかにIで。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  14ページのI−6です。この歯科医療の充実については、このパブリックコメントに 出されるこの文面については、前回の発言が一部反映されております。これで結構だと思 いますが、実質的に、先日もお話ししましたが、歯科医療についての協議をする場が1回、 11月にあっただけでございますので、一昨日お話しした中にも、歯科の意見を出した内 容を、重要項目を反映していただきたいというお話を申し上げましたので、短冊の提案の 折にはそれらを踏まえて、十分に踏まえた提案をお願いしたいということを一言申し上げ たいと思います。 ○遠藤会長  事務局、いかがでしょうか。今の渡辺委員の御発言について、何かあればコメントをい ただきたいと思います。 ○事務局(迫井医療課企画官)  一度議論は確かに既にさせていただいておりますけれども、もちろん短冊の上でも今ま でいただいた御発言等も踏まえて、少し充実した形で実際短冊のほうで示させていただけ ればというふうに考えております。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  ほかにございますか。I番ですが。  それでは、I番はこれでよいということにさせていただきたいと思います。  次ですけれども、残りの部分については余り修文の箇所もないので、IIからVまで全部 まとめていきたいと思いますが……。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  一昨日も申し上げまして、修文のお願いまではっきり踏み込んで申し上げればよかった なと思っておりますけれども、15ページ、II−2の(1)の再診料のところですね。統 一の方向で検討する。これからの議論だという意味だということですから、それで結構な んでございますけれども、もともとの議論の中で非常に短い時間の中で統一の議論がされ たときに私ども申し上げましたのは、過去にその点数の格差には差があったのに、いろい ろな理由の説明がされてきたと。だけれども、それは非常に分かりにくい部分もございま すねということで、統一の方向については個人診療所のほうの71点を下げるという環境 にはないと我々考えるので、71点で統合されるならばあえて異議は申し上げないと、議 事録ではそうなっているはずでございますので、何点であっても統一する方向でという議 論をした覚えはございませんので、検討するということになっているのでいいんですが、 この中に、ただし統一の点数については意見の一致を見ていないとかいうことは書き加え ていただきたい。白川先生のほうの22日にお出しになった要望書は、片っ方上げて、片 っ方下げて統一しようという御要望であった。私どもがお出しした要望は、統一について は触れておりませんが、むしろ初診料、再診料を引き上げてほしいという要望をさせてい ただいているわけで、その引き上げじゃなくても統一については最低限71点が統一する ということについての私どもが申し上げたい要望であるということをずっと申し上げてき たわけでございますので、我々の言うことは途中変わっているわけじゃなくて、ずっとそ ういうことを言ってきたんだけれども、十分御理解いただいていないのかと思うので、そ れをお願いしたい。これについては13日の議論について、何だか私が孤軍奮闘みたいな 報道もあるようでございますが、2号側の意見としては完全に一致をいたしておりますの で、それを個人診療所にかかわる部分だから、私が代表で申し上げているだけでございま すので、これについては先ほどのように意見が違うわけではございません。 ○遠藤会長  そうしますと、安達委員が先ほどちょっと話の中で具体的にこのように修文してほしい ということをおっしゃいましたね。もう一度お聞かせいただけますか。 ○安達委員  ただし統合の点数については意見の一致を見ているわけではない。だから、今後の議論 だというふうに入れていただいたほうが分かりやすい。というのは、13日にも申し上げ ましたが、多くのマスコミの方々が、点数に関係なく統合では意見が一致しているんだと いうふうなとらえ方になるような記事をたくさん最近は何か掲載されていらっしゃいます ので、私どもはそういうことまで合意をしたわけではございませんということを改めて確 認していただきたい、そういうことでございます。 ○遠藤会長  このような御発言が安達委員からございましたけれども、1号側、いかがでございまし ょうか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  安達委員のお気持ちはそうかもしれませんが、たしかこの平場で統一するということで 会長に回答したと。そのときにある条件をつけて回答したというふうに私は記憶をしてお りませんけれども。 ○安達委員  その短い時間の中で私の説明が十分でなかったのであれば、それはおわびを申し上げま すが、議事録を私もう一度読み返しましたけれども、71点統合であれば異議は申さない と、私はそう申し上げておりますので、71点という数字も議事録には記載、私の発言ど おり残っております。重ねて申し上げますが、私だけではございません。2号側は基本的 にそういったつもりでいるということで、それが要望書の中に初診料、再診料を引き上げ ていただきたいという形での要望が出ているということとも関連するかというふうに思い ます。だから、文字どおりここで検討すると書いてあるので、これから議論させていただ くことだろうと、私はそう思っております。 ○遠藤会長  実質的にはまさにこの議論、どの点数でやるかという議論にこれからなるわけでありま すが、まだ文言上の問題だけだと思いますので、例えば再診料を統一する方向で検討する という間に、再診料を統一する方向でその具体的な内容を検討するという一文を入れると いうのでは…… ○安達委員  内容ということが点数を指すという理解であれば、それでも結構でございます。いずれ にせよ、検討するということになっていますのでよろしいんですが、何度も申し上げます けど、マスコミの方々の報道が我々の意図とは少し違った形で今報道されていろんな解説 をされるので、非常にその点は我々はマスコミの影響は大きいですから、じくじたる思い でいるということでございます。 ○遠藤会長  わかりました。  それでは、もう一度繰り返しますが、再診料を統一する方向で、「その具体的な内容 を」というのを入れます。「その具体的な内容を検討する。」と、このような修文でよろ しゅうございますか。1号側、よろしゅうございますか。  じゃ、そのように修文させていただきます。  さて、ほかにはございますか。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  18ページから19ページにかけまして、また資料のII−4につきましてですが、この わずかの時間の中で考え方をきちんと整理していただき、また御提案いただいたことにつ きまして、事務局のほうにまず感謝を申し上げたいというふうに思います。ぜひこれで進 めていただければというふうに考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  先生、IIIでもいいですか。 ○遠藤会長  結構です。もう全部Vまで結構です。 ○嘉山委員  このDPCのところなんですが、参考で呼ばれた救急医療だとか小児救急の先生方の意 見は、委員の先生方皆さん納得されたと思うんですが、この厚生労働省の医療計画の5事 業、つまり救急、小児、産婦人科、それから災害、あと僻地医療に関して、DPCでそれ を重くするというようなことがこの中に入っているというふうに考えてよろしいですか。 これは事務局への質問なんですけれども、ちょっと僕読んでいて、その5大事業がせっか く参考人が来て説明をしてくれたのに、余り取り上げられているのかなとちょっとクリア でないところがあるものですから。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  医療課企画官でございます。  18ページの修正いたしました下から2行目、3行目になるんですけれども、具体的な 指標ということで明示をさせていただいております。その中に4つの事項については、こ れは導入の前提で作業と。その後ろの2つ、救急医療及び地域医療、嘉山委員御指摘の点 は詳細には書いてございませんけれども、この地域医療の貢献の部分を念頭に置いており ますのは、主に4疾病5事業を中心とするさまざまな医療の地域貢献の観点から評価をし ていくということで、次回シミュレーションとともにその具体案をお示しをするというこ とで現在作業をしているところでございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  もう一度確認しますが、小児救急と、それから周産期医療、救急医療、災害医療、地域 医療じゃなくて僻地医療ですよ、5作業は。ちょっと間違っているんじゃないの。その5 つはきちんと5作業として医療計画に厚生省つくっているはずなんで、それをDPCで厚 くするということでこの前呼んだわけですよね。彼らの意見は皆さん納得されたので、そ れは厚くしていただいて明文化されていますかということです。 ○遠藤会長  この間お呼びしたのは、DPCの機能係数として厚くするということでお呼びしたわけ ではなくて、全体としてそこを厚くしていくということであったわけで、もしそうであれ ばDPC分科会のほうで議論をされなければいけないという、そういう段取りになってお ります。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  では、単なる質問でいいです。呼んだからという意味でなくても結構です。その5事業 についてDPCを厚くしてありますかという質問です。 ○遠藤会長  重要な領域だということでお呼びしたわけですが、それがDPCの機能係数についてど ういう反映のされ方をしているのかということの御質問だということだと思います。  お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  救急医療及び地域医療と、その地域医療と呼んでいる内容について少し明確にお答えし なければいけなかったとちょっと反省をしておりますが、ここで指している地域医療、書 いてはございませんけれども、4疾病5事業を中心とする医療計画等で記載をされており ますその内容を評価するということは含まれております。これは次の機会に、次回のとい う意味ではなくて、次にシミュレーションをお出しするときにこの項目の具体案を御説明 させていただきますが、嘉山委員御指摘の理解で私どももおりまして、僻地医療、災害医 療、それから周産期、救急等のいわゆる地域医療計画で記載されております4疾病5事業 を中心とした何らかの地域医療への貢献という軸で評価ができないかということを現在作 業を進めているということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  じゃ、よろしくお願いします。  それからもう一つ。このDPCのところで、これはまだオンゴーイングというか、ディ スカッションがオンゴーイングなんで、まだ係数も分からないし、先のものが全然見えな いんですけれども、例えばさっき白川委員が特定機能病院とか専門病院は高くしてあるよ と言っても、今のところ何も見えないので、反対にかえって特定機能病院が全然とれてい ないものとして、例えばがんの診断料は全く確定診断を行っても点数がついていないんで すよ、特定機能病院は。あと、新生児に関しても、管理料の算定期間が非常に短かったり、 そういうようなことでつけていないものがあるんですね、特定機能病院だからという理由 で。  ということは、このDPCのほうではかなりそういうことも含んできちんと対処してい ただかないと、そういうものが全然とられていないと同じにされたら、今まで以上に崩壊 しますからね。そこはどういうふうにお考えですか、DPCの中で。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  まず、DPCの包括範囲につきましては、これは御案内のことと思いますが、もう一回 簡単に申し上げますと、入院基本料をはじめといたします基本的な入院に係る部分、それ から薬剤、それからセンテイイガイの処置等でございます。それ以外の例えばいわゆる技 術料的な部分、手術でございますとかさまざまな管理料、判断料につきましては別途原則 として算定をするというシステムになっておりますので、特定機能病院だけDPCで算定 できていないということでは必ずしもないというのがまず全般的なルールになってござい ます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  そうではなくて、がん医療を推進するという観点から見ると、悪性腫瘍の疑いでほかの 病院から紹介された場合、がん診療連携拠点病院においては加算料は取れないんですよね。 それは多分、白川先生がおっしゃっているように、特定機能病院はもともと高いんだから というその帳じり合せだというふうに僕は思えてしようがないんですよ。ですから、本来 であればそのDPCの係数は別にして、まずやったことはちゃんと特定機能病院だろうと 認めて、今までのパイのとり合いの結果だと思っているんですけど、実は。そうではなく て、やったことをまず認めてその上で大学病院はDPC係数をどのぐらいにしますよとい うことを言えばクリアなんですよ。ブラックボックスは何にもなくなるんですよ。ですか ら、ほかの病院と同じように、特定機能病院だからこれはつけない、これは認めないとい うようなやり方ではなくて、まず認めてその上で特定機能病院というのはこういう機能を 持っているから機能係数を少しつけますよということであればみんな納得するんですけど、 こっちは減らす、こっちは上げる。もう本当に何をやっているのという感じなんで。 ○遠藤会長  わかりました。  したがいまして、今の嘉山委員の御質問に対してお答えいただければと思いますので、 事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  まず、多分御指摘の点はがん診療連携拠点病院の加算の取り扱いをおっしゃっているん だと思います。まず、DPCの担当の立場で御説明しますと、これは結論から言うと算定 できるといいますか、ちゃんと評価をしております。多分御指摘の点は、問題は他の施設 で確定診断なりを得て、その後いわゆる紹介を受けて、これは大学病院に限らず、二次的 に診療されます施設でこの加算がとれないという多分御指摘なんだろうと思います。現状 の算定ルールでそれは確かに算定が認められていないケースがあると思われますが、これ はDPCの問題ではなくて、その加算の取り扱いの問題になります。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  もっとちゃんとぶっちゃけて言ってほしいんだけど、DPCのところで高いからこれは 払いませんよということで、従来この中医協では話し合われてきたという歴史があるとい うふうに聞いたんですけれども、じゃなぜわざわざ払わないの、特定機能病院とかそうい うところに。払わない理由はないじゃない。 ○事務局(佐藤医療課長)  今DPCの話とがん診療連携拠点病院の加算の話がちょっと複雑になりましたが、がん 診療連携拠点病院の加算は基本的にはDPCであれ出来高病院であれとれるんですが、今、 サコウが言いかけましたように、1つ目に行ったがん診療連携拠点病院で加算をとって診 断をしてしまうと、念のためと言って、あるいはさらに高度な判断が必要ということで、 例えばそれが大学のような特定機能病院であれ、市中の病院であれ、行けば2つ目のとこ ろでは加算がとれないという仕組みになっております。それがいいかどうかというのは置 くとしまして、だからといって、特定機能病院と通常の出来高の病院と差別をしたり区別 をしたりしているわけではないということは現状でお伝えをしておきます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  さっきの私が質問した入院、本当の加算料でしたっけ。あれ、入院時医学管理加算、こ れなんて本当に普通の病院でやっていることを特定機能病院だからといってとれないのは 僕はおかしい。今、プリンシプルの話をしているんですけど。やはりやったことは認めて もらって、その後で特定機能病院はいろんなファンクションがあるから、DPCを決めて ほしい。決めるというふうなシステムにしないと、今までのこの中医協の在り方なんです けど、パイの切り合いで、こっちは高いんだから、これはとらないよというふうにやって きたはずですよ。それはもう正直に言いなさい。ですから、それはもうやめて、医療業務 にちゃんと点数をつけて、その上で特定機能病院の機能はDPCで調整しますよというこ とに本当にしなければ、これは税制と同じで何が何だか分からなくて、国民が納得しない と思うんですね。ですから、そこはもうクリアに今後していただきたい。DPCのところ で言ったのは関係するからですよ。だって、みんな同じじゃないですか、医療費は診療報 酬の中で分けているんだから。 ○遠藤会長  御意見承りました。  ほかにございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  15ページの医療の透明化の(1)の明細書の件なんですけれども、ちょっとはっきり申し 上げておいたほうがいいのかなと思うので、思いをはっきりというかしっかり言いたいと 思うんですけど、ちょっとこのペーパーに関して、今回この明細書に関する部分の出され 方には非常に僕は問題というか不信感を持っているというか、そういう思いがあります。 私、中医協の委員になってからもう数年間経ちますが、実はこの間、中医協では平場でど んな議論をしても、事務方の方が全然違う文面を出してきて、それで決まってしまってい るんじゃないのですかみたいな言い方をされる人がたくさんおりました、意外にも。僕は そんなことは全然ないと。僕は個人的に、いろいろと事務方は本当に一生懸命されておる し、そんなことはない、健全に議論されておると思ってそう言ってきましたけど、昨年末 に3回の改定にわたっての経緯などいろいろ議論してきて、僕は当初から全患者への無料 発行をお願いしてきて、一歩ずつというふうに前会長から言われて、今回もかつ発言の時 間が十分なかったから、今回、発言の時間をいただきたいと言ってお願いをして来て、そ れで会長に昨年お時間をいただいて、2年前の公聴会で薬害肝炎の被害者の方が、時間の すべてを割いて、全患者に無料発行を訴えられたということとか、全国薬害被害者団体連 絡協議会、スモン、サリドマイド、薬害エイズの被害者団体が初めて1つになって10年 前から厚労大臣と文科大臣にこの全患者に無料発行の要望書を出されているとか、富士見 産婦人科病院の事件、まさに悪徳な医療機関の被害に遭った方たちが25年前国会でこれ の必要性を訴えられていたんだとか。いろんな患者がそれを言ってきて、今回これをきち んとやってくださいということを言っていて、かつ12月22日の1号側がまとめた文書 の中には、全患者の無料発行を1号側全員の連名としてやってほしいと書いていただいて、 時間のない中、白川委員はその部分だけ……、ちょっとすみません。その部分だけ読み上 げていただいているんですよ。それで、何でこんな出され方なんですか。ちょっと僕は全 く理解できないです。検討するとさえ書けないとはどういうことなんですか、全患者への 無料発行。今、僕が知っているだけで50の病院がやっています、約50の病院が。すぐ にやろうとしているとこも数えるとこれは100あります、僕が知っている範囲で。それ を全部の医療機関に広めていこうと。どの事務の方に聞いても、今は義務化されていると ころなんかほとんどじゃないですか。だけど今は請求があれば発行は義務化されているけ ど、発行できることを知らないから、だれも請求していないから発行していないけど、実 際に請求したら発行できるという紙を張るぐらいだったら、どの病院の事務の人も、僕は 話を聞きますけど、それだったら全員に発行させてくれとおっしゃいます、みんな。  だって、請求をする人が例えば1割の人が請求に来たら、そのために窓口を置いて、受 付を置いて300円取ったところで、その人の分だけを打ち出して、とやっていたら、す ごく手間がかかるから、それだったら今多くの病院がやり始めているように、明細書にそ のまま最初から書かせてくれと。その方が手間はかからない。手間は一緒だと。そうやっ ていくつかの医療機関で実績を積んできてやってきているわけでしょう。僕はこの5年間 何しに来ているんですか、ここへ。最後の1カ月でこれも議論しないなんていうことを言 われたら、だから僕はもうちょっと前に、この制度のペーパーの意味もかなりお話しさせ ていただきましたけど、それでも気持ちを抑えて議論していこうと思っていますけど、こ の件に関して事務局の意欲のなさというか、僕たちの思いを受けて検討していこう、あと 1カ月間、議論が始まったらいろんな議論が出るでしょうけど、その議論の場をつくろう という思いを持っていただいていないことに非常に憤慨しています。  以上です。 ○遠藤会長  私から事務局にちょっとお聞きしますけれども、ここでの議論はまだ平行線だったわけ でして、無料化するかどうかということについては意見がまだ分かれていた状態だと思い ます。それから、要求した人に払うのか、そうでないのかというところ、まだ議論があっ たと思うんですが、その際、勝村委員の御指摘は、検討事項という形でここに書いていな いということがおかしいんではないかと、こういう御意見ですね、集約すれば。ここの書 きようとして、そう書いていないのはなぜかということですが、何か御意見ありますか、 事務局。 ○事務局(佐藤医療課長)  特別ありません。シンプルな形でまとめようということで、全患者無料発行ということ については、今、遠藤会長からもお話がありましたように、全会一致のような形ではなか ったように私ども記憶しましたので、シンプルに表現するとこうなのかなと思いましたけ れども、先ほどの再診料じゃないですけれども、検討の方向ぐらいはという御意見がこの 会の御意見であれば、これがベストとは思っておりませんので、御意見をちょうだいでき ればと思います。 ○遠藤会長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  僕が遠藤会長にお時間をいただいて、資料の説明の時間もいただいたときに、その日は 余り時間がないから改めて議論をするからということを事前に僕はお聞きしていました、 事務局の方からも。だから、僕はその日、できるだけのレクチャーをさせていただいてて、 もう一度議論があるんだと思っていました。僕があのときに訴えたのは全患者への無料発 行のことだけです。強打されているこのペーパーはこれからの議論の土俵なんですから、 12月22日というのは1月13日の1回前の中医協ですよね。そこで1号側のほうが、 これを全患者に無料発行というのを求めて、白川委員が声に出してまで言っていただいた のに、それが、その次の検討、今後1カ月間の中で議論するテーマになっているかととい うと、それが省かれている。急に出てきた話じゃないです、これは。ずっとお願いしてき ているわけで、民主党のインデックスにも載っているし、薬害肝炎の検証部会でもです。 縦割りかもしれませんが、肝炎の検証部会の中間報告でもこれをやると言っているわけで しょう。だれがこういうペーパーにしたのか。そういう思い、僕が言わなければ検討もし ないつもりだったんじゃないのかということが不信だと僕は言っているわけなんで、何で こんないきさつになっているのか、もし背景があるなら教えてください。 ○遠藤会長  両側の結論が出ていない。特に短冊の段階で議論をするという案件がいっぱいある中で、 検討するという文言にここでなっていないのは不信を持つというような御意見だったわけ ですが、何か意見がございますか。なければ文言修正を検討しますけれども。  どうぞ何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  深い意図はありませんので、そういうことであれば、またまたがつながりますから、ち ょっと日本語的には修正するとして、またその要件や具体的な方法については検討するみ たいな文章を入れさせていただければいかがかと思います。 ○遠藤会長  ほかの方にもちょっとお諮りしなきゃいけないんですが、嘉山委員、関連でお願いいた します。 ○嘉山委員  僕はもう勝村委員の意見に賛成で、去年の舛添ビジョンの会でも、これは明文化してあ りますので、明細は無料で発行すべきだと。それはまだ機会がないとか、そういうところ があるので、それは今すぐ断定するのは無理です。要するにフィージビリティーという実 現性がまだないので断定はできないでしょうけど、それをやらなきゃならないということ は明文化すべきだと思います。検討するということですね。 ○遠藤会長  関原委員、どうぞ。 ○関原委員  私も、今回初めて議論するわけですが、これを出すのはごく当たり前の話です。物でも サービスでも支払に対してその明細を出すというのは、アカウンタビリティーの点からも 当然の話です。ただしそれをやることのためにコストがえらいかかるとかというんであれ ば、対応するとして、もしそういうことじゃなかったら、別に出すということは自動的に 機械で出る時代です。私自身、大体診療を受けると必ず見ています。明細書を見ることで 医療に対する国民の意識とかレベルを上げることになるし、医療をよくしていく上の原点 だと僕は思うんです。これは先程出た人件費の比率と同様に患者側から見たら原点なもの です。別に何か議論するような話じゃないように僕は今日この議論に初めて出て思いまし た。 ○遠藤会長  大体分かりましたので。要するにここでは「拡大する」という書き方になっている。そ の拡大するということは、すべての病院に拡大するということを検討するという意味合い が入っているわけですが、無償化するかどうかということについて一切触れられていない じゃないかということなんですね。先ほど事務局の修文のように、検討するとするのが適 当だと思います。会としての結論はまだ出しておりませんから。そのように修文をしたい と思いますが。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今、関原委員からも、コストがかかるのであればというお話があって、病院はこれはも う対応できると思うんですね、電子化は全部義務化ですから。前回、白川委員からも過去 の宿題みたいな御質問があって、私もそれをまだお聞きしていなくて、この間いただいた 御返事はちょっと合わない御返事だったんですけれども、現在使われている個人診療所な んかの小さなレセコンで、新しいタイプのものはこれに対応すると思うんですけれども、 そういうものが今何%ぐらいの割合で使われているんですかというのが御質問だった。そ れだけ分かっていれば教えてください。 ○事務局(佐藤医療課長)  私ども、調査をしているんですが、ちょっと余りにも、すみません、白川委員の御質問 から数えるとかなりの時間がたっておりましたが、水曜からちょっとまだ余り時間がなか ったものですから、当たってはいるんですけれども、会社別でどんな会社があるかという のは分かっているんですけれども、現在使われているものの中で何%、個々の機械ごとに 何%というのが分かりませんので、調査でき次第、機会を見て…… ○遠藤会長  短冊の議論をするときにできるだけそれ間に合うようにお願いしたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  参考になるかどうか知りませんが、いわゆる電子化の義務化のときに症例等が出たわけ でございますが、それがすぐ対応するのかどうか分からないけれども、個人診療所のレセ コンで既に電子化ソフトを有しているものについてはもう来年からスタートするよと、義 務化ですよということになったんですね。それ以外のものについては、買いかえるまでは 待ってあげましょうみたいなことになって、つまりそれはソフトを買うと費用が発生する からなんです。だから、その電子化の機能があるということと、それですぐ出せるという ことが1対1にほぼ対応するという理解でいいのならば、私の理解ではその電子化機能を 持っているレセコンを使っている個人診療所というのは全体の中でおよそ3分の1です。 今まだ2対1ぐらいの数の割合だ。それだけちょっと申し上げておきます。 ○遠藤会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  すみません。余り中身まで入るつもりはなかったんですが、我々としてはここの文章は、 医療機関の対象を拡大するということではなくて、前々から申し上げているとおり、全医 療機関が明細書を発行するように義務付けると、その方向で検討するという書きぶりにし ていただきたいんです。ただ、中身は2つありまして、ぜひ2号側の先生方の合意の上で、 その方向でやるのだという合意を得たいというのが1つと、あと具体的にそれをどう進め るかについては、安達先生がおっしゃるとおり、いろんなコストの問題もあるでしょうし、 またレセコンすら持ってない先生もおられるとお聞きしておりますので、それを具体的に どうするかはまた別の話というふうに考えておりまして、今回はとりあえず合意だけはぜ ひとも得たいというふうに考えております。 ○安達委員  それで結構でございます。あと、コストの話は現実の問題としては起こるので、そこは また個別の内容のところで御検討いただければいいのかと、そう思います。 ○遠藤会長  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  合意って、今のちょっと非常にはっきりしないところでの合意なので、実は歯科の場合 にはまず小規模ですよね。本当に小規模で、まずレセコンの普及度も低いし、当然それに ついての開発も会としての開発も検討して今進めているんですけれども、まだまだそれは 十分でありません。ということから、その合意というのが今ちょっとはっきり見えなかっ たのでどういう意味合いなのか、そういう発行。  それから、もう一つ、明細といった場合に、この前、一時、検討された場合に、歯科の 明細というのをお見せしましたけれども、持ってきましたけれども、かえって項目ごとに 分けた分類で書く内容の分かる領収書ですね。それのほうがかえって明確に分かりやすい という具体的なものもあるんですね。本来の明細書ですと、本当にもうあのペーパーの中 だけで100からもっと多い項目が書かれていて、さらにその中で書いていくと分からな い状態になってしまうという現実がありますので、一概にこの明細書という形で規定され ることについては、現場がとても対応が今無理な状態だというふうに感じています。 ○遠藤会長  ちょっと待ってください。具体的な検討に入ってしまっているのですが、今やりたいこ とは、ここの文言修正して、これは検討課題として残しますよということを明らかにする ことの合意を得られればいいだけの話ですので。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  私が合意ですと申し上げたのは、病院のほうは全部体制があるので合意でしょうと。個 人診療所どうなんですかという話ですから、基本的なコンセプトについては白川先生のお っしゃるとおりで合意でございますよと。あとコストの件は内容でお話ししてくださいと。 だから、医科についてはそうだと。歯科は確かにそういう状態なんです。だから、それも 含めて、その中に内容をも含めて検討するということなので、そこで検討していただけれ ばいいのかなと思います。 ○遠藤会長  もちろん、これはまだ全然すり合っていない話ですので、きちんとやるつもりでおりま したので、そういうことを前提としてこの修文をしたいと思いますが、先ほどちょっと事 務局が何か具体的な修文案をおっしゃっていただきましたけれども、それをもし出せるの であれば出していただきたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  もう一度読み上げますと、またまたで重なるとちょっとあれなんで、最後に「なお、」 として、「なお、その要件や具体的な内容については検討する」というちょっと短い文章 ですが、そういう形でいかがでしょうか。 ○遠藤会長  よろしいですか。 ○勝村委員  はい。 ○遠藤会長  では、そのように修文をさせていただくということで、その時期になりましたらまた御 議論いただきたいと思います。  ほかにございますか。最後まで結構ですので。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  前回、19ページのIII−1の(3)の麻酔のことを申し上げましたね。ちょっと私の 言っていることがうまく伝わっていなかったんじゃないかと思って言わせていただきます。  これは麻酔学会の先生とか、あるいは各病院の先生からの要望でございます。今まで麻 酔管理料が取れていたのは、5人以上の麻酔の標榜医がいて、それを届け出て、その標榜 医が麻酔をかけた場合にもらえていたんです。そうしますと、研修医がした場合はもらえ ていなかったんですね。研修医、たくさん地方へ来るようになりました、今まで大学病院 だけで主におった方々。その方たちを教えることによって、麻酔管理料も皆もらえないと いうふうなことになっていたのでそれをつけた。それと同じように地域の救命救急士も1 人30例をやらないと救命救急士の実習が成立しないのです。普通の病院だったら、30 例、大体年間5人ぐらい実習をやるわけです。引き受けるところが余りありませんので、 主に自治体病院が引き受けているわけです。そうすると、30人で5人引き受けると、年 間150人分のそういうふうな管理料が皆いただけないというふうなこともあって、地域 医療を守るためにはそういうふうなのをつけていただきたいというのが麻酔学会のお願い です。  だから、医師でない者が麻酔をかけるとか、そういうことは重々承知をしているわけで すけれども、地域医療を守るためにそういうことを、ここは法律にかなり関係することで すから難しいとは思いますけれども、今後検討ぐらいはしていただきたいというふうな意 味でございます。  以上です。 ○遠藤会長  よくわかりました。ということで、ということで、今後の検討ということではあります けれども、22年度ということではないということで、ここの中の文言修正を必要とする ものではないと考えてよろしゅうございますか。 ○邉見委員  それで結構なんですが、この間のお話では、何か誤解とか、嘉山委員は間違っていると か、いろんなことを言われましたので、間違っていないということをちゃんと議事録に残 していただきたい。 ○遠藤会長  実際のトレーニングをしているための負荷が発生しているのに、その報酬が適正に払わ れていないという実態があるので、これは改善してほしいという、そういう御要望だとい うことですね。これはきちんと議事録にも残りますし、確認も今伺ったということですの で、今後の検討課題ということにしたいと思います。  ほかにございますか。  Vの後期高齢者の診療報酬までありますけれども、特段、前回も余り修文の箇所はなか ったところでもありますので、それでは特に御意見もないということであれば、この資料 をもちまして、修文をした後の資料ということになりますけれども、パブリックコメント にかけるということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  ありがとうございました。  それでは、そのようにさせていただきますので、事務局としましては本日修正したとこ ろをもう一度確認した上でパブコメにかけていただきたいと思いますので、よろしくお願 いいたします。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  総−5は終わったんですか。 ○遠藤会長  全部…… ○邉見委員  総−5をちょっと言わせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  総−5はまだです。ごめんなさい。これからです。  それでは、ちょうどお話が来ましたので、一たん休憩を入れようかと思ったんですが、 入れたほうがいいですか。  じゃ、ちょっと休みましょう。それでは、50分から開始をしたいと思いますので、1 0分間休憩したいと思います。 〔午前11時38分 休憩〕 〔午前11時50分 再開〕 ○遠藤会長  それでは、時間になりましたので再開したいと思います。  次に、「再診料及び外来管理加算について」を議題といたします。  現時点の骨子につきましてはただいま御了承いただいたところでありますけれども、こ の中で最も大きなテーマでありますところの再診料、外来管理加算、これについては多少 踏み込んだ議論をしたいと思います。まだ短冊レベルまでは行っておりませんが、その少 し手前で議論をしたいと思いますので、本日この御議論をいただきたいと思います。  事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  資料は総−4なんですが、その資料で説明する前にちょっと先ほど説明が漏れておりま したので簡単に御紹介しておきます。総−2の一連の資料の後に総−3がついておりまし たが、最終的な修正案は今同時並行で作成中でございますが、もしこれで会長はじめ、会 長等の御了解が得られれば、こういう形でいわゆるパブリックコメントということで御意 見の募集をいたします。ここに書いてありますように、今日御了解いただければ、こうい う形でパブリックコメントで募集をいたしますので、もう全部説明をすることはいたしま せんが、御了承をいただければと思います。  以上でございます。  それで、総−4に戻ります。  ただいま遠藤会長からもお話がありましたように、骨子についての御議論が進んだ後で、 短冊に行く前のやや中間地点になるのかもしれませんけど、1枚物を準備させていただき ました。もうごらんいただくとおりではありますけれども、かなり重要な議論でございま すので、少し読み上げも交えながらポイントを御説明いたします。  まず1号側、2号側から12月22日に資料を提出していただいております。1号側に ついては、基本診療料については同一サービスは同一の報酬という観点から、病診格差が ある再診料については、具体的に書いてありまして、診療所を引き下げ、病院を引き上げ る形で統一を図るべきであると、こういうふうに書いております。それから、外来管理加 算については、患者の視点に立って、懇切丁寧な診察・説明等を担保する「5分要件」の 代替措置をなり得る要件を設定すべきであると書いてあります。それから、その在り方に ついては廃止も含めて必要な見直しを行っていくべきだと書いてあります。  2号側は、箇条書きになっておりましたので、ここにごらんいただくとおりでございま すが、再診料の引き上げ、初診料も含まして、初・再診料の引き上げということで御意見 をいただいております。  こうしたことも踏まえて、前回までの議論、いろんな意見をいただいているんですが、 重立ったものを抜き出させていただきますと、まず、12月16日に遠藤委員長のほうか ら、病院と診療所の再診料については、一物一価であることから、統一するということで は1号側と2号側の合意が得られたと判断するということになっております。その後とい うわけではなくて、その場でも安達委員が御発言になりましたし、また、それをさらに念 を押す形で1月13日にも、再診料の統一については71点でそろえるということを条件 に、つまり診療所を下げるのではなくて、病院を引き上げることでという意味だろうと思 いますが、そろえることを条件に同意したのであって、例えば診療所の点数を引き下げて 統一するということに同意したものではないという御意見が入念的に御発言がありました。  そういうことですので、論点を仮に事務局のほうで書かせていただきますと、再診料、 外来管理加算ともに相当の財政影響がございます。冒頭にも安達委員からお話がありまし たように、外来の改定財源が0.31%、金額にすると400億円程度という条件の中で、 次の2点についてどう考えるか。ある程度、制約がかかった中でどう考えるかということ で、1つは、統一をするとした場合にどういう方法で、先ほど骨子の中の議論でもありま したけれども、再診料の点数をどう設定していくのかということが1つです。  それから、(2)の外来管理加算の5分要件廃止につきましては、仮に5分要件を廃止 するとすれば、先ほどの1号側の話にもありましたように、例えば点数はどうするのかと か、あるいは算定要件をどうするのかということについて、踏み込んで御議論をいただく ことになるだろうということで資料を準備しました。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。議論のしやすいようにということで、これまでの議論を簡潔に まとめていただいたわけでありますけれども、これについて御質問、御意見ございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  かなり正確に表現していただきましてので、それで結構なんでございますが、一つ私が おわび申し上げるとすれば、71点であれば異議はないと申し上げたというのは議事録の とおりで、遠藤会長が12月16日にこういうふうにくくられたときに、もう一度それを 申し上げるべきだったんだろうなと思っておりまして、それについてはふなれということ もあり、時間もなかったということもありますけれども、おわび申し上げますが、我々2 号側の意見はあくまで統合する場合は71点ですということで、基本的な我々の意見とさ せていただきたい。その上での議論をお願いしたいということがまず第1点でございます。  それで、ちょっとだけお時間をいただきたいんですが、今、御説明ありましたように、 要するに外来400億円という枠がはまった中で議論をしなければならない。この考え方 についての批判はあるかもしれませんが、これは中医協の議論ではないので、中医協とし てはこの枠でやりなさいということですから、その範囲の中で私の統一した考え方を両方 について申し上げたい。財源に関連があるので、再診料と外来管理加算、両方について御 提案や考え方を述べさせていただきたいと思います。  まず、再診料に関しましては、74点であったのがほんのわずか前であります。それが 機関改定という異例のことで1年後に、平成15年でしたか、73点にした。その後の改 定で71点にして、前回改定は本体プラスでございましたけれども、病院仕入れの財源が 足りないという中で、71点は据え置かれたものの、そこに軽微な処置を含んだ。実質的 には値下げでございます。そういう条件がある中で、本体プラス並びにネットプラスの改 定が実現した中でもここを下げるという議論は私どもとしては御勘弁願いたい。容認しに くいということをまず申し上げます。  診療所全体としては、御承知のように再診料というのは診療報酬収入の約8%ぐらいを 占めているわけでございまして、これはどの科にかかわらず診療所にとっての言ったら基 礎年金みたいな話でございますので、これを下げられるということは非常に耐えがたいと いうことを申し上げるということがまず1つでございます。ですから、繰り返しになりま すが、統一するのならば71点でというのがここに関する私どの意見でございます。  それに関連しまして、財源に関係あるもので外来管理加算でございます。これについて 私どもの意見を申し上げ、御提案もしたいと思います。基本的にはこの外来管理加算でこ の20年度改定以前に比べて、20年度以降、その算定が減っている対象というのは具体 的にはどういうものなのか。ここは法律との関係もあって微妙ですけれども、前回私はそ の大半は未受診投薬要請に対する対応であるという表現をさせていただいたと思います。 つまり、これはどういうことかというと、患者方が我々は地域で顔が見えていて、その日 たまたま忙しい、いろんな要件などで、当初からあるいは待合室でお待ちの中でも時間が 来て、用事があるとかいろんな要件の中で、投薬だけをしてくれという御要請は現実には ございます。それをそのままやりますと、これははっきり言って法律違反でございますの で、私どもはどうするかというと、非常に簡単な問診ですね。変わりがないのかとか、前 回言っていた症状はもう今は軽快しているのかとか、そういうようなことの確認だけで済 ませて、投薬の時間がないという中での御要請に応じているということが現実の形でござ います。つまり、何度も申しますが、私どもがこれを誘導するということは決してござい ませんで、それはあくまで患者さんの御都合による御要望で、それについて地域で顔が見 えている中で、我々が配慮をしているというのが実態でございます。この部分が5分間と、 おおむねではありますけれども、5分間という要件がはまったことでそれぞれの医療機関 が算定してはいけないだろうなということでしなかった分が現在の減少分だろうと、それ が実態だろうと私は思っております。  でありますので、ここにも書いてあります、白川委員からお話があったその「5分間」 というのは、1号側も最初から御賛成ではなかったと思います。これはあくまで診療の実 態に即しませんので、3分で終るかもしれないけど、次は15分かかるというようなこと がある中で、画一の5分間というのは非常に変な規定だということで、これはぜひ撤廃し ていただきたいというふうに思いますが、撤廃するについて何らかの要件が必要であると いうことが、白川委員が代表して言われたと思いますが、1号側の御意見だろうと私は理 解しております。  私はこの要件設定に賛同させていただきたいと思います。どういう要件を設定するかと いうことであります。今のいわゆる投薬のみの要請に対して我々がぎりぎりのところでこ たえているもの、未受診投薬要請と言ってもいいですし、マスコミの方々はお薬受診とい う言葉を使われる場合もあるかもしれません。この場合には外来管理加算は算定できない という要件を入れていただきたい。そのことで、点数を変えなくても実質的にほぼ現状と 同様の算定回数のまま推移するであろうと私は思います。加えて、その設定をすることは、 本来の医師法に規定されている無診投薬の禁止条項に向かって、我々が患者さんに対して それを説明し、説得をするという努力をこれまでもしてまいりましたけれども、明らかに それを書いていただくことによって、より強いそういう注意喚起を患者さんに対しても我 々が医療者の立場としてしていくと、医療のあるべき姿というのはこうだということで説 得をしていくというインセンティブにもなるというふうに考えておりますので、そういう ふうな条件設定をしていただきたい。そうすると、100%ではないかもしれませんが、 ほんのわずか戻るかもしれないけれども、算定回数はほぼ現状に近い形で推移するだろう と。  つまり、400億円という限られた財源の中で議論をせよと言われたら、この部分につ いての財源影響を限りなくゼロに近い形で設定するという要件をつくってくださいという ことをあえて申し上げているわけでございます。そのことも加味した上で、再診料は71 点を下げる環境にはない。こういう要件を設定したら、なおさらそういう環境にはないの ではないかということを、個人診療所の代表でというか、ほかに個人診療所がおりません ので、個人診療所の立場から私の意見として提案をさせていただきたい、そういうことで ございます。  すみません。もう一つあります。  それで、そういうことをやったときに懸念されますことは、例えば個人診療所が患者さ んの皆さん方に対して、それは余りいい形態ではないから、時間をつくってなるべく受診 されたほうがいいですよと。そのほうがあなたの健康状態全体のチェックにとっても有意 なんであるからということの御説明等々をしていくとしますと、そうするとなおさら一方 には病院に非常に長期の投薬があります、3カ月とか。そういうところへまた患者さんが シフトされる可能性があって、それは勤務医の負担軽減という先ほどから議論になった点 からいっても、さらにそれ以前からずっと言われてきた病院は入院、個人診療所で外来を やりましょうというような基本コンセプトにも反する流れをつくることになりますので、 病院の長期投薬ということについても一定の歯どめの枠をぜひ御検討いただきたい。そも そも14日縛りを外したときの意味は、こんな長期投薬は想定していなかったと思います し、外すべきだという議論は、例えば東北大学が監査を受けられた、これは甲状腺なんか の慢性長期の方で14日縛りがあるために1日の処方せんを倍量処方する形で、結果的に 1カ月もつような処方をされた。そういうことに対して厚生労働省から厳しいおしかりが あったというようなことに端を発したものでありまして、今日のような状況を想定したも のではないということも含めて、そこら辺の是正はあわせて必要なのではないかというこ ともあわせて申し上げます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。御提案が出たわけでありますけれども、それに関連してでも結 構でありますし、そうでなくても結構でございますので、御意見を承りたいと思います。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  私どもの考え方は、資料にあるとおりでございますので、改めて繰り返し言わないので すけれども、安達先生もおっしゃった0.31%、外来の引き上げが約400億円という 中で、当然のことながら病院の外来、診療所の外来と両方あるわけで、しかもここには書 いておりませんが、全体の方向としては勤務医の負担軽減をはじめ、病院側に手厚くとい うのが基本姿勢というふうに認識をしておりますので、その財源をどうするかというとこ ろが最大の問題だろうというふうに私どもは感じております。安達先生の御意見はその辺 も考慮して御提言されたのだと思いますけれども、そういう具体的なご提案を議論する前 に、幾つか数字を教えていただきたい。共通の数字といいますかデータを持った上で議論 したほうがよろしいのではないかなと思いますので、私が申し上げること以外もあるかも しれませんので、後で皆さん方の御意見も伺いたいと思いますが、1つは、再診料につい て診療所、例えば1点下げるということにすれば、財源的には幾らなんでしょうか。逆に、 病院を上げるとしたら幾ら必要なんでしょうか。それから、外来管理加算につきまして、 総額がたしか1,300億円だというふうにも聞きましたが、ちょっと正確な数字をいた だきたいなということと、たしか前回の5分要件設定のときに、一応財源的には約240 億円程度を削減できるという話があったやに聞いておりますが、現実面ではもう少しきい ているといいますか、額が大きいんだという話も医師会等は主張されているようですので、 その辺、実態はどうなんだろうかと。そういったデータ、数字をいただきたい。多分、今 日は多少は議論するのでしょうけど、結論を出すということではなくて、そういう基礎デ ータをもとに次回もう少し詰めた議論をさせていただければなというふうに考えておりま す。 ○遠藤会長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今、白川先生が最後におっしゃったとおりで、数字の議論はこの後なんだろうと思いま す。ただ、私が今の5分間要件を廃止した後の要件をこういうふうにしてくださいと申し 上げている意味は、もともとの公約からすると、我々があれを読んだときに何を思ったか と。そこは3行しか書いていないんですね、詳細版には。5分間要件は医療の実態に即さ ないので廃止をする。廃止をしたことによって医師の負担を軽減する。3行、そう書いて あるだけなんです。普通に読みますと、20年度改定以前の状態に戻るんだろうなと、普 通に読めばそう思う。そういうところからして、今、財源が400億円にセットされた中 で、今減っている分はほとんどそのまま減っていても、実態から言えば結構でございます と私は申し上げたわけでございまして、その辺の定性的な議論としてはそういうことを申 し上げた。  それから、400億円と白川委員はおっしゃいましたけど、外来管理加算で出す分は2 40億円というのが最初の説明で、それは後からボトムだけですよみたいな話になって、 今おっしゃるように、もう少したくさんきいているねというふうなことは実態としてある かと思います。そういうことも含めて、5分間要件で減った分の基本は私が今説明させて いただいたとおりでございまして、これが現場の実態としても本当にそのとおりだと思っ ておりますが、その分はほぼ据え置くような5分間要件にかかわる新たな要件設定を、文 章の書き方は非常に微妙でございますけれども、事務局のほうでもよく考えていただいて、 設定していただいた上で、だから5分間要件の撤廃による財源影響というものはほとんど ないものだというベースで議論をしたいということを今御提案した。再度、追加して御説 明すればそういうことでございます。 ○遠藤会長  ただいま白川委員から、基礎的な財政上のデータの提出が必要ではないかというお話で あったので、これは事務局のほうが適切なデータを出せると思いますけれども、本日じゃ なくて結構ですが、1点上げた場合の財政影響といったようなもの、広く共有の知識とし たいものですから、外来管理加算に伴う費用も含めまして、関連したものを次回以降出し ていただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。もし安達委員のほうでも何 か独自のデータをお出しになりたいということであれば結構でございますので。 ○安達委員  数字ですか。 ○遠藤会長  数字です。 ○安達委員  数字がなかったら、私、基本的にはこんな議論をするんで、400億円という枠をはめ られましたから、基本的に全部承知しておりますけれども、私の理解が不正確であるとい けないので、それは事務局からお出しいただきたいと思います。 ○遠藤会長  わかりました。では、事務局、よろしくお願いします。  ほかにございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今の安達委員の提案に私たちも賛成いたします。また、そういうことと同時に、再診料 は統一ということでございますので、病院の再診料は71点ということをあわせてお願い したいと思います。  以上です。 ○遠藤会長  ほかにございますか。  何というか、嵐の前の静けさという感じで……。そういうことで、では本日はお互いの 意見を述べ合ったということで、必要な材料を今日以降…… ○安達委員  会長、最後に。一応皆様方にもお願いを申し上げたいと思います。  これ、マスコミの方がどうお受け取りになるか、あるいは報道されたものを全国の個人 診療所の方が読んで、私に石つぶてが飛んでくるだろうか、それは分かりませんけれども、 要するに枠をはめられたという条件の中で議論をしなきゃならないということの中で申し 上げていますし、再診料52点についても、その点数を減らして平準化した上で戻してい ただくのがいいか、52点はそのままにして、ちゃんと診療がきっちり行われたものにつ いての意味としてつけていただくのがいいかということを基本的に考え、なおかつ、医師 法の基本的な方針である無診診療の禁止ということに抵触する疑いがあるような診療の形 態は、患者さんにとってもよくないし、我々にとってもよくないということで、正直言う と私は相当今半分ぐらい切腹したような気分でおるわけでございますけれども、そういう 中での御提案をさせていただいているということは御理解をいただいて、また、今後の議 論をしていただきたいということでお願いを申し上げます。 ○遠藤会長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  安達先生の同一価格という71点以上というのは安達先生だけでございません。マスコ ミはそういうふうに書かれましたので、私も同じ意見ということを述べさせていただきた いと思います。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私が介入しているわけじゃないんですけれども、医師としての最低限のプライドとして、 例えば私が介入したら今度値段が下がっちゃうとか上がっちゃうというのはおかしいと思 っていますので、同じ患者さんを診た場合には、再診料は開業の先生方にとっては最低限 の自分の技術の評価になりますので、同じ値段でやるというのは我々も同じ考えです。こ れを偏するということになると、やはり医師としてのプライドが大きく傷つけられて、や はり職業としての萎縮になりますので、我々としても安達先生の意見に大賛成です。 ○遠藤会長  了解いたしました。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  診療側の意見が統一されているということを確認するために、我々も安達先生の考えに 賛成であると、ただ病院側の再診料は落とすという理念で考え方として挙げてほしいとい うことになります。そして、外来管理加算については、私は安達先生の御提案はある意味 で非常に勇気の御提案だと思いますので、そういう方向で話が進んでいけば現実的にまと まるのではないのかなというふうに考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございました。それでは、次回以降またこの議論は進めていきたいと思いま す。また、事務局のほうとしても必要な資料の提出のほうをよろしくお願いいたします。  それでは、次に「地域の特性を考慮した診療報酬点数について」を議題といたします。  事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  資料は、中医協の総−5と、それから関連する参考資料でございます。前回も申し上げ ましたように、骨子が進んでしまい、もう初再診については短冊の一歩手前ぐらいまで来 ている段階で、ちょっと置いてきぼりを食った感じになっておりますが、先般、宿題もい ただきましたし、御意見も交錯しておりましたので、そういうことで整理をしてもう一度 再提出をさせていただいております。  1ページ目ですけれども、事務局案として、先般13日に、一般病床のみで構成される 患者100人当たりの看護職員数が著しく少ない2次医療圏というものを算出しまして、 そうしたところについては病院に対して必要な看護職員数が不足した場合の緩和措置とい うものが現状ありますので、これを拡大して適用するということでいかがでしょうかとい うことで御提案をしましたら、以下のような意見がございました。今も申しましたように、 賛成する意見、ありがたい、ありがたいという意見が出る一方で、見送るべきであるとか、 反対であるとか、あるいはトライアルをしても仕方がない。もう少し具体的には、2次医 療圏とか、あるいは地域というものの選定をどうするのか、あるいは過疎地で看護師を確 保するのに1カ月か3カ月で意味があるのだろうかというような種々の御議論が出ました。  まとめて言いますと、2ページ目の冒頭にありますように、次期診療報酬改定における 対応案として現在の事務局案を出したわけですけれども、これでは十分ではないんじゃな いかという意見が多かったと思います。また、せっかくだから、例えば一般病床に限定し たのはなぜなのかとか、もうちょっと広げて議論すべきじゃなかったのかというような御 質問もありました。  そこで、非常に短いでは時間ではありましたが、第2の1ポツにありますように、質問 があったということも踏まえして、追加的に、療養病床を含めました一般病院、ここで精 神とか結核は除くんですけれども、療養病床を含む一般病院ということで、療養病床を含 めて再計算をしてみて、同様に1日平均在院患者数100人当たりの看護職員数を算出い たしまして、その数が少ない2次医療圏を割り出すということを一応やってみました。や ってみた結果が、参考資料を見ていただいたほうがもう分かりがいいかもしれませんので、 参考資料の2、3、4ページをごらんいただきたいと思いますが、この3つの医療圏が割 り出されました。  この静岡県賀茂保健医療権は、覚えていただいていると思いますけど、前回の一般病床 のみでやったときの医療圏と同一でございました。その下、愛知県尾張中部医療圏ですけ れども、これは本文の中にも書いてありますように、隣接している都市や医療圏に医療従 事者が多くて、結果的に看護職員が少なくてもいい、あるいは少ない傾向にあるんじゃな いかと思います。また、これも過疎4法による対応がされているかどうかも調べましたけ れども、離島や山間地域ではもともとありませんので、こういう対応もありません。した がいまして、この3つを比べた中で尾張中部医療圏というのが何か特別な配慮をしなけれ ばいけないほどの状況にあるとは言えないのではないかというふうに考えます。  また、山口県の柳井医療圏というのが4番目のスライドにあります。ここは一見します と島ですし、また、過疎4法での対応もあるわけですけれども、実際に病院のあるところ を星印でドットしてみますと、周防大島というところにだけ病院がある。ここは島に見え ますけれども、実は橋がかかっている。こういう構造ですので、先般からお話をしました 小笠原だとか奄美だとか沖縄だとか、あるいは一般的に言われる離島に比べると、こうい う言い方が妥当かどうか分かりませんけれども、全国の離島の中でとりたてて条件が悪い というよりは、むしろいい部類に属するのではないかというふうに考えられました。  そうしたことをまとめまして、もう一度本文に戻っていただきますけれども、2ページ 目の第2の2ポツ下の7行ほどになりますけど、13日に提示しました療養病床を含まな いグループ、それから今回の療養病床を含んだグループで11医療圏、これは静岡県賀茂 保健医療権が重複するので12にならないわけですけれども、11医療圏というものが割 り出して選別されたということで、今日もしましたし、前回もそうしたように個々の圏域 ごとに地理的な要件とか過疎4法による対応の対象となっているのかどうかということも 検討をいたしました。  そうしてみますと、今日の3つのうちダブりが1つ、それから(2)、(3)も、都市であった り、単に離島といっても事実上地続きに近い離島というような部分でありまして、先般1 3日に準備をいたしました7つの医療圏については、これですべてだということではない んでしょうけども、ある程度御理解はいただけたように思いましたけれども、それでもな お実際の実感とは異なる。例えば豪雪地帯のようなものを例に出されまして、西日本に偏 っているのではないかとか、数字の上では問題なそうだけれども、やはり実態と異なるよ などという意見がありました。いずれにしても、事務局が勝手にまとめてしまってもいけ ないんでしょうが、事務局がこうやって検討した結果で言うと、地域の特性というのは非 常に多様でして、今回の資料を見ただけではなかなか診療報酬上の緩和措置等を検討する ものの十分な示唆が得られたとは言いがたい。もう時期が時期ですので、かなり事務局と しても踏み込んで書いてありますが、得られなかったように感じられました。  そこで、3ページの論点になりますが、診療報酬体系における地域特性の評価について は、例えば次のような点も考慮しながら、今後引き続き検討をしていくということでいか がかと考えております。その際、やはり私どもがやりました2次医療圏とかいうものが、 本当に医療圏と一致しているのかどうかということもありますし、またそれを割り出して いくときに今回のように、実際の患者さんではあったものの、一般病床の患者さんの10 0人当たりの看護師数ということでやりましたが、そういう割り出しでよかったのかどう か。  それから、もともとの緩和措置というのは100床未満ということで、医療機関の規模 を限定して、そこで緩和を設けているわけですが、こういったことを検討する前に、医療 機関の規模とか、あるいは果たしている役割、特性みたいなものも今後は検討していくの ではないかと思います。また、今回はたまたま看護師でしたが、先般の議論の中でも、看 護師だけではないんじゃないかという議論もありましたので職種とか、今回は配置といい ますか、人的な、数的な配置だけでやってみましたが、これでいいのかどうか等も含めて、 やや後退した印象を持たれるかもしれませんけれども、この2回で御提示した内容をまと めると、例えばこういうふうな点を考慮しながら御検討いただくのかなというように思い ます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。1つだけ確認させてください。  この論点のところで、以下の点を考慮しながらというのは、次年度以降の検討というこ とを念頭に置いているのですか。それとも22年改定に間に合うというもくろみのもとで おっしゃっておられるんでしょうか。それを確認したいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論からいうと、いずれでも読み取れるように書いたつもりでございます。と申します のは、かなり今回の資料では踏み込んで書いたつもりではありますが、それでも事務局の やった計算と申しますか、事務局のやった選別と申しますか、振るい分けはあくまでトラ イアルだという認識のもとでやりましたし、そういう意味で、前回の御意見も必ずしもこ れですべてではないということだったと思います。ですから、2ページ目の最後の3行に ついてはかなり踏み込んで「得られなかった。」と書いております。ただ、そうだとして、 第3の論点、少し玉虫色に書いてしまいましたけれども、いやいや、それでもなお前回や 今回とあわせて考えれば非常にいいトライアルなのでやってみるべきということであれば、 それでも読み取れるようにしましたし、いやいや、この程度のデータで、しかも結果的に やってみると、さまざまな地理的な要件等々を考えると、例えばですけれども、西に偏っ ているじゃないかとか、あるいは看護師だけでいいのかとか、そういうような御意見もあ ろうかと思いましたので、次々期改定以降でも対応すべきという御意見なのならば、そう も読めるように論点を書いております。 ○遠藤会長  今年度改定にまた資するように新たなシミュレーションができるのですかということで すね。 ○事務局(佐藤医療課長)  そういう意味では、対案といいますか、どういう形であれば地域の範囲が限定できるで しょうというようなこともさりげなく、私は、失礼な言い方ですが、投げかけたつもりで はあったんですが、対案的なものはちょうだいしなかったようで、トライアルはトライア ルなんだろうな。きっかけになればということなのかなと、こういうふうにおっしゃいま したので、これ以上何かほかの方法でやるとしても、案もありませんし、時間もないとい うのが正直なところです。 ○遠藤会長  わかりました。ありがとうございます。  では、邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  意見が交錯した。特に2号側の中でも、新しい試みですので、方法論等、あるいは地域 の実態と合わないとか、なぜ看護師だけかとか、いろんな意見が出て、さらに後退という か、意見が取り入れられない方向へ行ってしまったと思うんですね。私、2号側の先生方 とよくお話ししまして、私は中医協3期目でして、会長以外では勝村委員と私だけなんで すが、この過去2回の改定で地域の医療崩壊を全くとめられていないんですね。嘉山先生 のおっしゃるとおりです。それにはトップランナーのことも大事ですけれども、こういう 地域医療に対する目配りが霞が関の視点というか、この辺の中央の視点だけでやられてい るから、いつが来てもよくならないんだろうというふうに思います。  トライアルですから、もし時間がないんだったら、もうこの間のものだけでも一回やっ てみるのは何にも悪くはない。例えば、何か救いが来るか待っておぼれかけている漁船の 人に爆音だけでも聞こえる。何か救助の飛行機が来るんじゃないかと、そういうメッセー ジが先ほどのインセンティブとか同じですね、処遇改善と。そういうのでもいいんじゃな いか。大きな予算を食うわけでないですし、ぜひそれぐらいのことは中医協でお考えいた だきたいというふうに思います。 ○遠藤会長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私も今回、本当に中医協で地域に対して目を向けていただいたということで、非常にう れしく思っております。私、秋田県の茨城県の2次医療圏ごとに比べてみたんですが、確 かに事務局の出してきた案は考え抜かれたものだとは思うんですが、例えば看護師数だけ じゃなくて、やはり医療過疎の県は当然ですけど、医師数も少ない。あるいは医療費が乏 しいところは人口が少なくて面積が広い。すなわち人口密度が低い。そういったことが一 つ指標として入れるんだったらあるのではないのかな。  それと、前回の資料で、医療保険と介護保険で比較したときに、入院基本料の減算の特 例と介護保険の特別地域加算、これで離島の部分は追加するということだったんですけど、 一つ豪雪地帯及び特別豪雪地帯というのがありまして、今年は雪が多くて、私が相談をし た先生はその特別豪雪地帯の公立病院の院長で、今年は雪が多くてもう1メートル以上の 雪の中で本当に地域医療に貢献されていて、しかも1カ月、10対1が守れなくて、13 対1にされて減算されたというようなことを言われまして、そういったところが少しでも 救われれば、診療報酬上はほとんど変わらないわけでありますから、前回のものプラス豪 雪地帯、特別豪雪地帯だけでも結構ですけれども、そういったところでも入れてもらえる と違うのかなと。時間があれば人口密度も入れたりして出されると、もうちょっと実態に 合ったような感じになるのかなという気がいたしました。何とぞよろしくお願いします。 ○遠藤会長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今の邉見先生と鈴木先生と全く同じで、今回ぜひこれはしていただきたいということで ございます。ただ、要件等々は、私たちが言ったのは、もっとこういうところに着目した ほうがいいんじゃないか、入れることを前提に建設的に言ったつもりで、反対ということ で意見を言ったんじゃないと私たち認識しております。そういうことでは、これを入れて いただくことによって、恐らくこの議論が各医療圏でも起きると思うんですね。自分たち はこういう状況にある、そういう事を集めることによって、さらに条件設定ができる。こ れを入れることによって、そのきっかけになるということでは非常にいいことだと思いま すので、ぜひ今回入れる方向で検討をよろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ということが2号側の御意見ということでありますけれども。  それでは、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  邉見先生が爆音が聞こえるだけでも効果があるとおっしゃるお気持ちは分かるんですが、 ただこういう要件を決める場合は、公平の観点とか理論づけといいますか、大方の人が御 理解、納得いただけるような理屈づけが必要だと思うんですけれども、今回の案に限定し ますと、看護師配置の問題だけということで、これで大方の理解が得られるかというと、 私どもはそうは思っておりません。私自身がまず納得いっておりません。この適用を受け た地域の病院の先生方はもちろん満足でしょうが、それ以外の地域の先生から見ると、西 澤先生も北海道はもっと何か別の地域が大変だというような話もありましたし、鈴木先生 も今、秋田の豪雪地帯があるというような話もございましたし、こういうことをやること 自体は私どもは反対しておりませんが、やはり納得感が得られるような仕組みをきちんと 議論をした上で入れないと、妙に不公平感だけ招来する懸念があります。私の意見として は検討事項ということで、次々回改定までに本気で検討する、そういう爆音を聞かせると いうほうが私は意味があるのではないかなというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  この2つ目の尾張中部医療圏というのは、ちょっとこの左下の津島市というところが私 の出身地でございます。愛知県に有識者会議というのがございまして、地域医療を考えて いただく、愛知県がつくっていただいた会でありまして、そうした委員会がございます。 そこの中で地域医療を検討していただいておりますけれども、先般出てまいりました北三 河北部、こちらのほうにつきましては確かにそういう事情もあるということで、私ども全 県を挙げて応援をしていくということで、有識者会議のほうでもなっておりますが、この 尾張中部医療圏というのは、これは全く困っていない医療圏だという認識でありまして、 どこも悲鳴が上がっていないということであります。  実はこれはいろんな面があるんですが、近隣の病院へ、実はここの当該2市2町という のが医療費は全部中学校3年生まで無料化しておりまして、救急もほとんどやってみえな いと思います。近隣のところへ行くという、今そういう施策をとりながら近隣のところを やっていく。こういう形だけで、今、白川委員もおっしゃいましたが、看護師さんの要す るに配置、人数だけで取り上げていくのはちょっといささか問題があるだろうなというこ とは思います。  今回、療養病床まで広げられたということでありますので、そういう形の広げ方、ファ クターをもう少し幾つかそろえた中で本当に困ってみえるところ、先ほど鈴木委員が言わ れた、私は人口密度というのはもっと大事だろうなと思っています。本当に遠いところへ 行かれるときに、過疎地のところ、これをやはり重点的に地域の配置をすべきではなかろ うかなということを思っております。今回たまたまこうしたデータが挙がってしまって、 ここが困っていると、数字だけで見ると困っていますが、ここの住民も自治体も何も困っ ていないと、基本的はそういう状況があると思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、1号側から意見が出ましたが、私も北海道ですから、前回入っていた地域よりもも っと大変なところがあるといった、そのとおりなんですが、ただ、どのようなデータがい いかだとか、それを全部出してからというと、本当にすべての人が納得できるようなもの を次回でも入れられるのかというと、私はちょっときついなと。とりあえず第1歩を踏み 出すことのほうが大事じゃないか。かなり不公平感はある。それは認めた上でやる。入る ことによっていろんな議論ができて、それでいろんな資料も集まり、こういう方法がいい という意見が出て、いいものがこの次、さらにいいものがその次と入っていくと思うんで すね。そのきっかけということでお願いしたいと思います。  特に今回のこれは入ることによって、すぐその地域のその病院がよかったということに なるのか。あるいは入ったけれども、実は何も影響ない、そんなことしてもらわなくても いいという病院もこの中にまじっていると思うんですが、そういうことも含めて、今回デ ータを集めるといいましょうか、そういう意味では入れていただくとすごく非常にいいイ ンセンティブとなり、地方にとっては、本当に地域ごとの実情に応じた配慮を今後診療報 酬ではしてもらえるんだと、そのメッセージになるというんで、そのあたりでぜひ何とか お願いしたいなと思っています。 ○遠藤会長  御意見はよく分かりました。  白川委員、いかがでございましょうか。どうしてもシンボリックな意味合いで、こうい う内容ではちょっと難しいですが、また別な視点から何らかの対象地域を選別した場合に は、それをベースにした御議論を22年改定を前提としておやりになることはやぶさかで はないと、こういう理解でよろしいでしょうか。 ○白川委員  そうなんですが、じゃ具体的にどういう要件を対象に検討するのか、考慮するのかとか いったことは、はっきり言えば私の一存でいくわけではなくて、皆様方の合意が当然必要 なことでしょうから、この段階で新しい要件、新しい資料を出されて合意ができるかどう かというのは私もよく分かりません。 ○遠藤会長  そうすると、確認いたしますと、今の看護師数で割り出した対象地域では納得はできな いということははっきりしているわけですね。 ○白川委員  西澤先生の今の御意見で、確かにどういう効果があるか。トライアルだからやってみた らという御意見もあるかと思いますが、それでしたらデータをとればいいんじゃないです かという反論もあるわけですね。要は看護師配置の問題だけですから、どういう経緯をた どっているんだという配置についてのデータをとれば、ある程度分かるということになる と思うので、早い段階でどういうデータをとるべきかとか、どういう地域を対象にすべき だということは、やはりきちんと検討して、データをとって議論するという本道を歩いた ほうが私はよろしいのではないかなというふうに思いますけど。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  邉見委員と同じころに僕は中医協の委員になって、邉見委員はもうずっと地域医療を守 る立場で発言されてきて、そのことに僕はずっと同意して、賛成意見を言い続けてきたと いう記憶があるんですが、ちょっと今回に関しては、思いは本当に一緒なんですけれども、 手法として、やってみて、そこに公平性がないとか、なぜここだけなんだということの説 明はつかないけれども、というやり方は、非常にそれでも、救助の飛行機の轟音になるか というと、逆にすごく不安を抱かせることにもなりかねないと思うので、僕はやはり慎重 に、ぜひ次々回ではやるべきだと思うんですけれども。  もう一つは、地域医療ってやはり物すごく大事なことで、すべての患者はどこかの地域 なんですから、その病院の経営がというよりも、患者の立場からしてその地域の患者にど んなニーズがあって、だからどういう病院が絶対必要で、絶対つぶれてもらっては困って、 どういうのが必要だということのニーズは、2号側の皆さん、ぜひ総力を挙げて、厚労省 もぜひデータ収集して、データを築き上げていっていただいて、その上で、だからきちん とやりましょうということになれば、もうだれもが納得がいく形になっていくので、軽率 にスタートするよりは、僕は、必ずやるという方向性だけは今回メッセージとして伝える 努力はした上で、しんどいことだけれども、大事なことなので、ぜひきちんとやっていっ てほしいなというふうに要望したいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  私も地域の特性を考慮した診療報酬点数についてどうしていくかということについては、 大賛成です。ただ、看護職員が緩和措置をして集まるまで緩和措置をするということが、 本当にその地域にまた看護師が来るのかどうかということもまだ疑問であるわけですので、 そういうことがもし地域や僻地という限定されたときには、違う手当でやはり救っていく ということを考えなければいけないんだと思いますので、看護職員の基準で病院の洗い出 しをしていただいたわけですけれども、もう少し多方面から見ていただきたいというふう に思います。 ○遠藤会長  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  地域医療が非常に大変で、配慮が必要だということはよく分かります。ただ、この問題 については、今まで検討する期間というのは非常に短かったということと、それからデー タが十分ではないと思うんですね。診療報酬体系の考え方というのは、同一医療サービス は全国で同一価格だということがベースにあり、この基本的な考え方をどういうふうにし ていくのかということはもっとじっくり、要するに地域の実態をあらわす的確な指標とい ったものがやはり必要になってくると思いますし、24年度の改定に向けて、データに基 づく分析、検討を慎重にした上で、進めていくべきではないかと考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  次の次の改定というところでは、医療と介護の連携というようなことも言われているわ けですが、介護保険ではその特別地域加算というようなものが地域がもう決まっているわ けですね。それと必ずしも医療保険が一致していないところがあって、さっき離島は合わ せるということでしたけれども、豪雪地帯、特別豪雪地帯が挙がっていないとか、そうい ったこともありますし、できればやはり看護師数だけじゃなくて、医師数が私は一番医療 従事者の中の数等を見るには、一番過疎地帯には医師が少ないんですよ。ですから、医師 数を見ることと人口密度、そういったことで今あるデータで2次医療圏別でもう一回デー タを出していただけるかどうか、それは間に合うかどうか、ちょっとお聞きしたいんです けど、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  事務局にお聞きします。2次医療圏別の医師数、これはすぐ集まりますね。それと人口 密度ですか。これも集まりますね。それだけでいいんですか。 ○鈴木委員  看護師数も。 ○遠藤会長  看護師数はもう集めていますから。それだけでよろしいわけですか。 ○鈴木委員  もう時間がないということであれば、すぐ出るデータということで。 ○遠藤会長  ですから、もう少し分析対象を広げたいということで、人口密度や医師数などを2次医 療圏ごとに集めるという作業はできますかと。これはできますね。  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  だから、それぞれの相互関係を見ながら、最終的にそれぞれの地域の色分けをしていく というところまでいきますとなかなかもう難しいかと思います。とりあえず2次医療圏ご とのデータを出してこい、医師についてはこうこうとか、看護師についてはこうこうとい う、地域なり医療圏に限定して、それぞれの要素がその地域でどうなのかという分析まで 含めたものになりますと、ちょっともう他の診療項目の検討から見ますと、できるかでき ないかというと、できるかもしれませんけれども、他の診療報酬の項目の検討にも相当影 響を及ぼすほどの状況だろうと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  鈴木委員、事務局の回答はそのような回答ですが。 ○鈴木委員  それは何かやればできるというふうに私には聞こえるんですけど、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  今おっしゃったことは、なかなか大変だということですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  そのとおりです。データを出すということとデータを見て何かを御判断いただくような データに分析をして持っていくというのは別問題ですので、何度も言いますように、2次 医療圏ごとの医師数はどうですかとか、人口密度はどうですかというのをそれぞれごとに ぱっぱっぱっとお見せするのは、これは可能ですけれども、じゃAというデータとBとい うデータとCというデータを重ね合わせたときに、ある医療圏についてどういう特性があ るということが分かりましたかという分析にたえ、評価にたえ、最終的には評価につなが るようなデータまで出せと言われると、正直申しまして難しい。他の診療報酬項目の検討 に影響を及ぼすほどの大変さだろうというふうに考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  鈴木委員、そういうことです。したがって、今のような比較的簡単な指標であっても、 きちんとまとめるためには、他の作業にも影響を及ぼすぐらい負荷が生ずるということで すので、現在あるものを認められないということであれば、事実上見送りということにな るとうかがったわけですけれども、それについて何か2号側ございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今日、時間をかけても平行線だと思いますので、一応検討事項、次回入れるかどうかを 含めた検討ということで今日は締めていただければと思います。 ○遠藤会長  わかりました。  それでは、まだここで締めたくないというお気持ちもありますので、もう一度検討をと いうことでありますので、また1号側の先生を御納得していただけるような材料があれば、 またぜひ出していただきたいということで。  嘉山委員、関連でお願いします。 ○嘉山委員  地域医療で一番問題になるのは、やはり看護師さんが集まりにくいとか、医師が集まり にくいということなんですよね。ただし、患者さんの目線から見れば、やはりサービスの 質が下がってはいけないんですよね。ただし、サービスの質は同じで、少ない看護師だと か少ない医師で同じ医療サービスをするということになれば、先生方はそれで診療報酬が、 例えば10対1だとか、7対1と同じような診療報酬を10対1で出すとすれば、看護師 さんも医師も業務内容がふえるわけですよね、同じ質の医療を保つとしたら。そうしたら、 先生方は看護師さんの給料を上げたり医師の給料を上げますか。それでなければ、同じ質 なんて保てないですよ。診療報酬を上げろ、上げろと言っているのはいいんだけれども、 ただ同じ業務内容でなければ無理でしょう。違うって、先生方、強行しているけど、さっ き勤務医のところで、あれ僕は勤務医のほうが僅々だと思っているんだけれども、そのイ ンセンティブという言葉さえも反対したのに、こんな無駄なことに金を使うような、地域 医療に対しては無駄じゃないですよ。今回のデータが出てきている病院につけるというこ とは無駄と言っているんですよ、私は。  それはちょっと強行過ぎると思うんですよね。ですから、やはりこれは次回の診療報酬 改定で、地域医療に目を向けて手厚くすることが必要ではあるということは認識は一致し ているんですよ。ただし、この基準では無理なので、次回の改定までにコンセンサスが得 られるような基準をつくって進めるということでいいんじゃないんですか。 ○遠藤会長  そこはもうもちろん両側とも合意が得ているところですけれども、まだもう一回トライ アルをしたいというお気持ちがおありになりますので、そこで1回だけ手短に議論をさせ ていただいて、そこで結論を得たいと思いますので、2号側の賛成されている委員の方々 はそれなりの説得のできるようなものがあれば、ぜひ御努力をいただきたいというふうに 思います。  中島委員、どうぞ。 ○中島委員  今の座長のまとめで賛成でございますけれども、エールの送り方というのはあると思い ますので、何らかの灯台の光が見えるかなというくらいの、具体的にどこに落とすという ことではなくて、そういう姿勢はやはり伝わるようにしていただくということがあればい いのかなと思います。  それで、1つ質問なんですけれども、前回の資料につけていただいた医療保険と介護保 険との比較の表があったと思うんですけれども、その中で、さっきちょっと鈴木先生もコ メントされていたと思うんですけれども、離島についてはたしか漏れているので何らかの 形でカバーできるというふうなコメントを事務局のほうからいただいたように私勝手に理 解をしていたんですけれども、ここの漏れているところについて、今回例えば何らかの措 置をするということも一つのアピールになるのかなと思うんですが、ここら辺の御判断を 伺えればと思います。 ○遠藤会長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  できるだけ手短にお話をしますが、経緯から申しますと、この資料を提出したのは恐ら く西澤委員だったかと思いますけれども、西澤委員か鈴木委員だったかと思いますが、医 療保険と介護保険との比較で、地域に対する加算について差があるんじゃないかというこ とだったので、その資料を出してくれと言われたので資料を準備したというのがまず経緯 です。その過程でよくよく見ていると、やはりこういうのはやってみるものだなと思いま したけれども、よくよく見ているとなぜ差があるんだろうということに思い至りました。 それで、一番右のほうの中山間地域に居住する者へのサービス、提供加算とか、その次の 話はその医療保険と差があっても説明はできのかなと思いましたが、その中で医療保険の 右側にあります入院基本料の減算の特例を見ておりますと、離島振興法はオーケーなのに、 奄振とか小笠原とか沖特といったようなところが漏れていたので、これは何でだろうと思 ってちょっと考えておりましたら、はっきり申しますと、事務局側の漏れというか、ミス というか、そういうものじゃないかなと思いましたので、これはある意味御議論いただく までもなく、当時、こういう離島に関する入院基本料の減算の特例を考えたときに、離島 ということで全部読み込めると思っていたんだけれども、こういうところが漏れていたん だろうということなので、それは今あっているような地域をどうこうというよりは、かつ てやった離島に対する対策というものの、言い方が妥当かどうか分かりませんけれども、 漏れを今ふさごうという、その程度で御報告をしました。  以上です。 ○遠藤会長  中島委員、よろしいですか。続けてどうぞ。 ○中島委員  恐らくこれはそれぞれ復帰されているところなので、そういう経過の中で漏れたのかな というふうに、手続上の漏れかなというふうに理解をしたんですけれども、もし是正をい ただければ望ましいかと思いますが。 ○遠藤会長  事務局、いかがでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  その方向で考えております。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  ほかに。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  地域医療を守るということは大変なことでありますので、例えばこういう言い方をする と大変不遜かもしれませんが、大きな社会的実験ととらえまして、3地区ほどをピックア ップして、そこのところで、なおかつ次々回の改定に向けてしっかりと検証する。果たし て今地域医療に対する緩和をすることによって、そこの例えば3地区ほどがしっかりと検 証されて、まさに効果があるということであれば、これは多分3地区ぐらいに絞れば、モ デルとしてやれば、効果はすぐ分かると思いますので、そういう方法というのはひとつと れないものなんでしょうか。全国一律公平というわけにはまいらないかもしれませんが、 今、少なくとも鈴木先生のほうから出ました豪雪地帯ですとか、たまたまこの看護師数で は幾つかがありましたが、ここから1つとか、いろんな案件から1つずつぐらいを選んで、 社会的実験をやるというのも一つの方法ではないかなということも思います。 ○遠藤会長  モデル地区というような形で、24年度に結びつけるという意味合いも含めてやるとい うことですね。非常に重要な御指摘をいただいていると思いますので。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私も今の伊藤委員の意見には賛成なんです。なぜかというと、今まで事務局が出してき た基準ではもうだれも納得しないんで、それを強引にやろうとするのはだめだよと。だけ ど、地域は非常に困っているところがあるので、やはりモデル事業で―ですから、本当 は鈴木先生が何か対案を出せばいいんですけど、こういうような方法があるので、これで モデル事業をやったらいいんじゃないかということを。ですから、先生は一番悪いんです よ。ちゃんと対案を出さないで、ただ文句ばかり、やれやれと言ってね。だけど、やるこ とは必要なので、私は今やるのは、伊藤委員の意見に賛成で、やはり邉見先生が言ったよ うに、のろしは形があったほうがいいので、幻影だったらば雲をつかむようになっちゃう ので、やはり形を一つ出すという意味では、鈴木先生は次回までに対案を出して、そして、 それを皆さんが納得すれば、試みとしてやるというようなことはいいんじゃないかという ふうに思います。 ○遠藤会長  鈴木先生がというふうに限定はいたしませんけれども、モデル地区を選ぶということで あるならば、それほど代表性とか公平性ということを気にしなくてもできる部分もありま すので、そこでもし出てくれば一度お諮りして、御納得いただければそれを試行的にやる というような形で今後議論していきたいと思いますが、よろしゅうございますか。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  それは賛成ですが、とにかくこの看護師のいない状況の要件緩和ということを何らかの 形で違う形にしていただきたいんですね。看護師のところに不足したものをつけ加えると いう形ではなくて、モデルをやった結果、どういうものの要件があるかということは議論 していただきたいと思います。 ○遠藤会長  それはまた具体的な議論をするときにそういう議論をしていきたいと思います。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  今の意見はそれでということで、もう一つ、今の件に関しての質問なんですけれども、 今、中島委員から出た前回の比較表なんですけど、この比較表の入院基本料の減算の特定 の欄の2、3、4、6の4つに新たに丸を入れるという理解でいいんでしょうか。 ○遠藤会長  医療課長、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  先ほどから申し上げておりますように、離島という点に着目しますので、2、3、4で す。 ○勝村委員  先ほどの課長のお話だと、6も違っていますよね。6に関しては入らないんですか。 ○遠藤会長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  私、先ほどから何遍も申し上げておりますように、物事に対するスタンスなり対応を変 えるという意味ではなくて、離島といったときに離島の中に奄美や沖縄や小笠原が入って いると思っていたら、離島振興法という言葉の中からこの3つが抜け出てていたので、こ れはある意味漏れなので、そこだけは埋めておきたいといったことを申し上げたのであっ て、今までやっている対策とか対応とかを変えることでお願いしますと申し上げたわけで はないということを御理解ください。これをもし本当に変えるということであれば、改め てまた本当に議論を。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  一昨日の課長のお話だと、1のところに丸が入っている。離島で入っているのに、2、 3、4に丸が入っているのはおかしいので入れたいというふうに僕は理解したんですけど、 今日の話だと、介護保険のほうの特別地域加算のところで丸が入っているのに、入院基本 料のほうに丸が入っていないのはおかしいというふうにも聞こえたんですが、そうではな いということなんですね。 ○遠藤会長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  この間も、十分かどうかは分かりませんが、介護保険と医療保険のなぜこういう差が出 たのかというのにはるる説明したつもりでありまして、一方が基本的には病院を念頭に置 いていることに対しまして、介護のほうは、サービス全体を見ていたり、あるいはサービ スのごくごく小さな一部あるいは小規模のものというところを念頭に置いておりますから、 そういう意味では、事務局から少し踏み込んで言いますと、介護保険と医療保険との間で 差があることそれ自体に現時点で不合理はないと思います。もちろん医療保険のほうもそ のくらい踏み込むべきだ、入院だけじゃなくて外来もあるんだということは、これはまた 別な議論ですが、少なくとも現時点において制度上こういうふうに対応しているというこ とについて大きな不合理はないと思います。ただ、その過程で見つけたのは、入院基本料 の減算の中で離島の対策をとろうと思っていたのに、この2、3、4の部分が抜けていた ようなので、これはいわば事務的に対応させていただきたいと申したつもりです。 ○遠藤会長  審議官、どうぞ。 ○事務局(唐津審議官)  ちょっと地域開発立法の話になりましたので少し触れさせていただきますが、離島振興 法とか小笠原、沖縄、奄美ということになると、非常に狭いエリアの島についての振興を 問題にしておりますけれども、この表を見ていただきますと、後ろのほうになりますと過 疎とか山村ということで、非常に広い範囲をカバーしますので、これはちょっと離島とは 趣旨が変わってまいります。したがって、非常に広い範囲をカバーするところに特例を設 けるということになりますと、先ほどからこれはお話に出ているように、まさにトライア ルをして、そして検証して検討すべきじゃないかということではないかというふうに理解 をしております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  要するに、豪雪地帯だけが変わってくるということになりますよね、豪雪地帯を入れる、 入れないだけが。特別地域加算と入院基本料の減算の特例ということでは、介護の場合は 特に行き来するということがあるけれども、病院の場合はそれがないからという趣旨で理 解したらいいんですかね。それはそれで。  もう一つ質問なんですけど、ここの欄の上に、医療法を標準を一定の割合で満たさない 場合の減算の割合を緩和するということが、つまりここで緩和があるわけですよね。ここ で言う緩和と今トライアルとして出てきている病院に関して緩和しようという緩和と同じ ことなんですか。どのあたりがどう違うんでしょうか。 ○遠藤会長  医療課長、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  これは、1度ならず2度ほど表にしてお示しをしましたが、違います。今回については、 看護師に限定をしているとか、それから看護師が不足している場合の期間のとり方等々に ついて、100床未満ということを限定して、猶予的なことを考えてあげているわけです けど、そういう意味で、意味が違います。こちらでは減算ですから、もろにずばりお金に 絡む話になります。これは一度表にもお示ししましたが、ちょっと読み上げてみますと、 例えば離島の場合で言いますと、医師または歯科医師の員数の基準は、100分の70以 下だったら、例えば離島等の所在する保険医療機関だったら100分の98で済みます。 つまり、あらゆる点でちょっと変わっていると思います。もう一度整理しますと、医師な のかそれ以外なのかとか、あるいは純粋にお金の話に絡むのか絡まないのかという点で違 います。これはあくまでも標準を満たしているか、基準を満たしているかというのを判断 をするときに、少しその判断の基準を猶予したり緩めてあげるよという意味ですので、大 いに違うと思います。 ○遠藤会長  勝村委員、よろしいですか。 ○勝村委員  ちょっとよく分からない面もあるんですけど、余り時間ないと思いますので、またにし ます。 ○遠藤会長  わかりました。  ということでありますので、次回この議論が行われるまでに、基本的にはデータを一番 持っておられるのは事務局ですので、事務局と御相談をしてということでも結構でござい ますので、何らかの案をつくって、何らかのモデル的なものを出されるのであれば、それ を出していただいて議論をするということにしたいと思います。  事務局からは自発的にはもう出てきません。あれが限界だとおっしゃっているわけです ので。よろしいですか。でもサポートはしていただきたいと思いますけれども、データが そんなに豊富にはないでしょうから。  ということで、次回、最終的に決着をつけたいというふうに思いますので、よろしくお 願いいたします。  最後ですけれども、公聴会の開催についてということを議題にいたします。  事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  時間も押しておりますので、手短に御説明させていただきます。中医協の総−6をごら んいただきたいと思います。  前回の改定のときも行っておりますが、今回も公聴会ということで、国民の皆様の声を 中医協委員の先生方が聞く機会を設定するということを目的に開催いたします。具体的に は、もう来週になりますが、1月22日金曜日1時から3時までということで、場所は福 島県文化センターの大ホールということを予定しております。出席者は、中医協委員のほ か、現在、手続中でございますが、公募による10名程度の意見発表者の方からの意見を 伺うということで、議事等につきましてはそこにありますとおりでございますが、主とし ましてこの10名程度の方々からの御意見を聞くということを中心に進めていきたいとい うふうに考えております。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、本日の総会はこれにて閉会としたいと思いますけれども、次回の日程等につ きまして御報告をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  1月20日を予定しております。よろしくお願いします。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。  どうも長時間ありがとうございました。 【照会先】  厚生労働省保険局医療課企画法令第1係  代表 03−5253−1111(内3288)