09/12/25 第43回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録 第43回労働政策審議会職業能力開発分科会                      日時 平成21年12月25日(金)                         10:00〜                      場所 金融庁12階共用特別第二会議室 ○今野分科会長 時間ですので始めたいと思います。第43回労働政策審議会職業能力開 発分科会を開催いたします。本日は、井上委員、瀧澤委員、中村委員、山野委員、浦元 委員がご欠席です。次に、委員の交代がありますのでご紹介いたします。お手元の資料 の後ろに参考資料1というのがあります。そこをご覧になりながら聞いていただきたい と思います。花井委員に代わりまして、同じく日本労働組合総連合会の新谷委員が新た にご就任されました。 ○新谷委員 連合の新谷と申します。よろしくお願いいたします。 ○今野分科会長 それでは議事に入ります。本日は、「職業訓練を巡る現状と最近の動 向について」です。まず、事務局から資料の説明をいただいて議論をしたいと思います。 ○井上総務課長 それではお手元の資料1「職業訓練の現状について」をご覧ください。 ここでは職業訓練について、大きく公共職業訓練と基金訓練に分けて整理をしています。  まず、公共職業訓練からということで、2頁をご覧ください。2頁では公共職業訓練の 概要について整理しています。公共職業訓練につきましては、実施主体で見ますと、国、 具体的には雇用・能力開発機構ですが、国と都道府県に分かれています。また、下のほ うの3つの枠で分けていますように、訓練の対象者、訓練内容などに応じ、離職者訓練、 在職者訓練、学卒者訓練に区分しています。また、離職者訓練につきましては、雇用・ 能力開発機構、あるいは都道府県が自らの施設内で行う施設内訓練と民間教育訓練機関 等に委託して行う委託訓練に分かれています。  3頁をご覧ください。これは、平成20年度の公共職業訓練の実施状況でございまして、 実施主体別、訓練の種類別にクロスした形で受講者数と就職率を整理したものです。  続きまして5頁をご覧ください。公共職業訓練のうちの、離職者訓練、離職者訓練の うちの施設内訓練についてです。施設内訓練につきましては、国、都道府県で実施し ていますが、国は下の枠にもありますように、主にものづくり分野を中心とした訓練 を、それから、都道府県は地域の実情に応じた職業訓練をそれぞれ実施しています。  続きまして6頁をご覧ください。離職者訓練のうちの委託訓練です。これは、国、雇 用・能力開発機構から委託するものと、都道府県から委託するものがあります。委託先 につきましては、2.実施形態の委託先にありますように、専修学校、各種学校等々です。  7頁です。離職者訓練について、施設内訓練、委託訓練、それぞれを年度ごとに受講 者数と受講後の就職率をグラフで表したものです。  9頁、10頁です。これは平成20年度について、離職者訓練の訓練分野別の実施状況を 整理しています。9頁におきましては、それぞれの訓練分野別に受講者数と就職率を整 理しています。10頁においては、それぞれの応募倍率を整理しています。  11頁をご覧ください。離職者訓練の実施状況、現在進行中の平成21年度の状況です。 21年度におきましては、この表のいちばん左下にありますように、21万9,271人、約22 万人の規模で離職者訓練を考えています。  12頁です。離職者訓練につきましては、雇用・失業情勢が悪化した場合には、離職者 訓練の定員の拡充などを行っています。例えば、(1)の昨年12月の対策におきましては、 定員の3.5万人の追加を行っています。また(2)の平成21年度の補正予算につきましては 、19年度の約19万人の当初定員に2.7万人を加え、約22万人と拡充しています。  続きまして、在職者訓練をご説明いたします。14頁をご覧ください。この在職者訓練 につきましては、国、都道府県それぞれ行っておりますが、国はものづくり分野を中心 に、高度な技能及び知識を習得させるための訓練を、それから、都道府県は地域のニー ズに応じた基礎的な訓練を行っています。  15頁が年度別の受講者数の推移です。  続きまして学卒者訓練について、17頁をご覧ください。国、都道府県、それぞれで行 っております。国は、高度で専門的かつ応用的な技能・知識ということを目的といたし まして、職業能力開発大学校等において実施しております。具体的には、下のほうの専 門課程、応用課程を実施しています。都道府県は、高校卒業者などを対象に、基礎的な 技術・知識を習得させるための訓練、下のほうで見ますと、普通課程の訓練を主に行っ ています。  18頁は学卒者訓練の実施状況を、就職率と併せてお示ししています。  続きまして基金訓練です。20頁をご覧ください。20頁は、いまご説明いたしました公 共職業訓練のうちの離職者訓練と、本年の補正予算で設けられました緊急人材育成支援 事業、いわゆる基金訓練との対比ということです。基金訓練は雇用保険を受給できない 方などに対して訓練を行っていく。実施主体は民間の教育訓練機関などということです。 併せて訓練期間中に生活保障給付が支給されます。  21頁に、この基金訓練の現在の実施状況を書いています。1ですが、認定済み定員、5 万0,226人。これは今後実施されるものも含め、訓練定員をどれだけ確保しているか。受 講者、予定者数を含むとありますが、これは今後受講予定の方も含め、受講者の方がど れだけかということで、3万6,494名ということです。  22頁です。前にも紹介させていただきましたが、緊急人材育成支援事業、いまの基金 訓練のスキームということで、下のほうに訓練実施機関、専修学校、各種学校等ありま すが、ここで訓練を実施しています。中央職業能力開発協会が、そうした教育訓練機関 の策定する訓練実施計画の認定、あるいは各種奨励金給付の支給を行う。そこで一部委 託と出ておりますが、雇用・能力開発機構が訓練機関の開拓や訓練実施計画の作成支援 を受託して行っております。  23頁が基金訓練の実施イメージです。大きく、基礎的能力の習得のための訓練と、実 践演習コースに分かれています。基礎的能力の習得のための訓練を終了した方が、必要 があれば実践演習コースあるいは公共職業訓練に移行することも想定しています。  24頁は訓練・生活支援給付のあらましです。  25頁です。基金訓練の目標値ということで、真ん中に21年12月末までに、2つ目のとこ ろに合計がありますが、訓練定員として5万人を確保すると。受講者数、予定者を含む数 について、3.3万人を確保するということで、これはクリアされています。  27頁です。これは基金訓練計画に、既に認定した分について、実践演習コースがどの ような分野にわたっているかを整理したものです。  28、29頁は、基金訓練の定員数、応募者数、あるいは給付の受給資格認定件数の月ご との推移です。  30頁です。これは21年度の補正予算の執行停止ということで、この基金事業はもとも と7,000億円あったわけですが、3,534億円を執行停止、いわゆる返上をしています。た だ、先ほどの基金訓練につきましては、23年度分のみ執行停止、返上となっており、22 年度までは基金による訓練を行っていく。そして23年度からは「求職者支援制度」を創 設し、そこにつなげていきたいと考えています。  続きまして資料2をご覧ください。「職業訓練を巡る最近の動向について」です。最 近打たれた緊急雇用対策についてです。2頁をご覧ください。これは10月に打たれた対 策でございまして、その中で、基金訓練の目標値、年内に約5万人分の定員を確保する ということが盛り込まれております。12月に策定されました対策では、「未就職卒業者 向け」の職業訓練の実施と、それらの者に対する訓練・生活支援給付の拡充が盛り込ま れています。それを図示したものが4頁です。  続きまして雇用・能力開発機構の廃止等についてということで、6頁をご覧ください。 11月10日に長妻厚生労働大臣から雇用・能力開発機構の廃止、高齢・障害者雇用支援機 構への業務移管についての今後の方向性を示したものです。雇用・能力開発機構につき ましては、昨年12月の閣議決定により廃止した上で、職業能力開発業務を高齢・障害者 雇用支援機構へ移管することとなっております。その閣議決定を踏まえた上で、2に書 いてありますように、今後は、求職者支援制度に不可欠な民間訓練機関の開拓・指導業 務、ものづくり訓練などの業務に特化していくという考え方です。  3では、徹底的な業務のスリム化を図る。その中で、予算については21年度の約半減 、人員については約2割減、組織についても必要最小限のもの以外は廃止、あるいは移 管ということを書いています。  7頁はそれを具体的に図示したものです。  9頁です。求職者支援制度につきまして整理したものです。これまでの施策等にあり ますように、労使及び各党の提案を踏まえ、現在は、「緊急人材育成・就職支援基金」 が設けられ、それにより基金訓練が行われております。求職者支援制度につきましては 、民主党マニフェストにありますように、訓練期間中に月10万円程度の手当を支給する 求職者支援制度を創設するというものです。  最後に、11月に行われました「事業仕分け」の結果についてご説明申し上げます。15 頁をご覧ください。雇用・能力開発機構の運営費交付金等、雇用・能力開発機構につき ましては、11月11日にいわゆる事業仕分けの対象となったところでございます。事業仕 分けに際しましては、厚生労働省から先ほどご説明した、見直し案を冒頭ご説明した上 で、見直し案の議論が行われたところです。とりまとめコメントのところにありますよ うに、この機構に関しては、廃止が決まっているが、それを前提として、業務の見直し をしてほしい等というコメントがされています。  16頁がそれについての厚労省の考え方です。2に書いていますように、厚生労働省か ら打ち出したスリム化案と、行政刷新会議から示された方向性は、基本的に一致してい ると認識しています。3ですが、今後の取組みとして、委託訓練の都道府県にシフトし ていくことや、ポリテクセンターの都道府県への移管への条件整備に努めると。あるい は職業能力開発総合大学校については、就職率の改善を図っていくといった内容です。 簡単ですが、資料の説明は以上です。 ○今野分科会長 ありがとうございました。それではいまの説明について、ご意見、ご 質問をお願いいたします。 ○高橋委員 ただいまご説明いただきました資料2の6頁にかかわるところです。それに ついて3点ほどご質問等をさせていただきたいと思います。まず1点目は、2の業務移管 したあとの新しい組織の名称ですが、仮称ということではありますが、高齢・障害・求 職者雇用支援機構というような名称ぶりになっておりますが、ただいまの課長からの説 明にもありましたように、公的訓練は、在職者訓練や学卒者訓練も当然行っているわけ でありまして、求職者雇用支援とだけ銘打つのは、組織の名称は非常に重要でございま して、どうして在職者訓練等を含むようなイメージの名称にされなかったのかというこ とについて、まだ仮称なので決まっていないということかもしれませんが、ご説明を賜 れればと思います。  2点目として、確かに閣議決定は承知していますが、雇用・失業情勢が大変厳しい中で 、公的な職業訓練の重要性がますます高まっているという観点からしますと、単独の独 立行政法人として、職業能力の向上に特化して、非常にコンパクトな独立行政法人とし て能開機構を生まれ変わらせるという考え方もあるのではないかと思いますが、それに ついてご検討されたかどうかという質問が2点目です。  3点目は、今日は水町先生がいらっしゃるので、ご専門の観点から、水町先生にお答え を賜ればと思います。6頁の4の(4)にかかわるところなのですが、私は不勉強で正しい理 解か、それ自身も不安なところがあるのですが、能開機構が廃止をされて、その業務に かかわる職員の方々が解雇という形になるかと思います。それによって受ける形の高・ 障機構のほうで、こうした形の試験をして不採用ということになりますと、ある意味、 整理解雇に類似した側面があるのではないかという印象を持ちますので、それに関し まて、水町先生のほうからコメント、ご見解なりをいただければと思います。以上で す。 ○今野分科会長 それではよろしくお願いいたします。 ○杉浦審議官 それでは私から、1点目と2点目を中心にお答えさせていただきます。 その前に、本来ならば局長の小野が出席する予定でしたが、急遽大臣に呼ばれまして 、役所に留どまっていなければならなくなりまして、大変失礼いたしました。私から お答えをさせていただきたいと思います。  6頁は、実はその翌日の11月11日に「事業仕分け」がありまして、それに向けていろ いろ準備をしている中で、大臣、あるいは政務三役のほうから強いご指示がありまし て、「事業仕分け」でいろいろ指摘を受けて対応するというよりも、積極的に改革案 を提示して、それに臨むべきだという方針の下に、前日に大臣のほうから直接記者発 表という形で出したものです。そういう意味で、大臣はじめ政務三役の意見を取り入 れた形で主張がなされている部分があるわけです。  名称につきましても、確かにおっしゃるとおり、求職者という言葉だけだと、在職 者、学卒者に対して、対象から外れるのではないかというご懸念もあるのですが、段 落の2、3行上に書いてありますように、民主党のマニフェストで、23年度から求職者 支援制度を創設するというのが非常に大きな項目として主張されています。そういっ たところを反映させるという趣旨だろうと思いますが、是非こういう形でやったらど うかということで、名称を付けているわけです。おっしゃるように、次の通常国会に 向けて法案を整備していく、法案として提案させていただく中でご議論いただくと思 います。もちろんその前に、審議会の中でも法案について審議をいただくわけですが、 現段階での仮称ということで、厳密に言えば、その対象者が外れてくる部分もあろう かと思いますが、やっていることは、能力開発を中心に、その業務を移管するという ことですので、できるだけその趣旨を踏まえてやっていきたいと思っています。これ でよいかということは、法制的な審査等々、いろいろな手続きがありますので、皆様 方のご意見も賜りたいと思っています。  公共職業訓練の重要性はおっしゃるとおりです。雇用・失業情勢が大変厳しい中で、 いま説明がありましたように、拡充をしているところです。やはり求職者支援制度も 含めて職業訓練をやる組織のあり方については、正直申し上げて、おっしゃられたよ うに、単独の法人の形で専門的に行う組織も大変重要ではないかという検討も中では したわけです。  一方で、新しい政権になりまして、大臣はじめ新しい閣僚、政府としてどのように 閣議決定を受け止めて進めていくか、議論になったわけですが、特に長妻大臣のお考 えは、閣議決定は閣議決定として尊重して、さらにそれを進めるような形でやるべき だというお考えが非常に強うございます。下のほうに書いてありますが、組織、ある いは予算等についてのスリム化を行いながら、閣議決定の趣旨に沿った形で進めるべ きではないかというようなお考えでございまして、組織のあり方としましては、雇用 ・能力開発機構の廃止はそのまま進める中で、組織はさらにスリム化する。もちろん 能力開発業務は高齢・障害者機構に移管するという方針は踏襲するということになっ ております。 ○水町委員 雇用・能力開発機構は独立行政法人で、労基法、労働契約法の適応下に あります。移る場合についても、別法人に移りますので、転籍というので同意が必要 ですし、移らないで切るというのは、まさに解雇に当たりますので、よほど強い高度 な人員削減の必要性、適正な手続きがない限り、解雇は違法、無効とされるというよ うに私は理解しています。 ○今野分科会長 ほかにございますか。 ○荒委員 資料1の25頁です。この表について質問させていただきたいのですが、基金 訓練コース別目標値で、目標値の根拠となった数字、背景はなんでしょうかというの が1点です。というのは、特に実践演習のほうで、介護系と医療事務系、情報系で1万 人、0.5万人、1.7万人となっていますが、このように目標が分けられている、このベ ースとなったものはどういうことでしょうかというのが1点です。  もう1点は、平成21年12月末時点で、合計5万人で、平成22年3月末で10万人というこ となのですが、単純に考えますとその3カ月間で5万人増えるということですが、私は 奇異に感じたのですが、その点をお伺いしたいと思います。 ○田畑能力開発課長 まず目標値ですが、今年の8月に中央訓練協議会ということで 、労使、民間教育訓練機関の方にお集まりいただいて、あのときは、基金3年間とい うことでしたが、そういったこともベースに置きながら、年間の開拓目標数について ご議論いただいて数字を決定していただきました。その数字をにらみつつ、この目標 を置いたのは、実際に事業もある程度始まっておりましたので、その事業の開拓状況 の実績も見ながら、内部で議論をして、こういう数字を置かせていただいたというこ とです。それぞれ開拓の状況、中央訓練協議会の議論を踏まえて、こういう形で置か せていただいたものです。  それから、年末まで5万人、3月末まで10万人ということで、そのまま引っ張ると、 届かないのではないかということなのだろうと思いますが、制度が始まって以降、雇 用・能力開発機構に開拓業務をお願いをして、ここ11月、12月は、かなりたくさんの 数字の開拓をいただいております。26頁に認定月別の数字を掲げていますが、11月で 1万2,000人、12月は22日時点ですが1万2,500人ということで、これに数字が積み上が るということで、月で1万5,000人ずつ開拓をしていくと3カ月で4万5,000人というこ とですので、さらに努力をして、10万ということで、目標値を置かせていただいてい ます。 ○荒委員 もう1点なのですが、いまの話で、介護系、医療事務系、情報系のベースは 討議した結果ということなのですが、これは要するに、ニーズがこういう感じでしょ うということなのでしょうか。 ○田畑能力開発課長 中央訓練協議会の中の議論では、そういった人材ニーズがこれ ぐらいあるだろうということで議論いただいて、これぐらいの訓練コースの設定をす べきではないかということで、8月時点での人材ニーズなりをベースに議論していた だいて、決めていただいた数字だと認識しております。 ○大久保委員 すみません。基金訓練のことで伺いたいのですが、資料1の20から21 頁の辺りですが、今年度は5万人ということで、いまは3万数千人きているというお 話なのですが、この基金訓練が政策的に立案された背景は、雇用保険の対象になっ ていない非正規の失職者に対して、セーフティネットを用意するという趣旨が非常 に強かったのです。この制度自体はそれだけではなくて、失業給付が切れてしまっ た長期失業者も救済するということになっていると思いますが、もともとの趣旨で あった、非正規からの失職者に対して、この基金訓練が十分に機能しているのかど うか、大変気にしております。  先ほどの数字の3万数千人というのは、全体を合算したものだと思うのですが、 いわゆる非正規からの雇用保険の対象になっていない人たちが、どのぐらいこの 訓練の受講者になっているかということと、もう1つは、このような基金訓練の受 講者については、ハローワークからこの受講の流れが組まれていると思うのですが 、もともと雇用保険の対象者でない非正規の失職者に対して、本当にハローワーク からのルートが十分機能するのか。雇用保険を受給しに行くというのが大きな目的 でないわけですから、ハローワーク経由でサービスの流れが引き継がれるのかとい うことを、大変不安に思っています。そのことについて1つお聞きしたいと思ってい ます。  もう1つは、同じ質問なのですが、受講予定者3万6,494人のうち、給付の認定件数 が1万3,584件となっております。私のもともとの認識は、かなり給付が非常に位置 づけとして大きくて、ごく一部世帯主でない人たちを除けば、大半の方々が受給資 格を当然給付を求めている人たちだと思っていたのですが、ここには随分数字のギ ャップがありますが、実態はこういうことなのか、それとも単純に時間のギャップ によってこの数字が生まれているのか、この辺りの状況をご説明いただければと思 うのですが。 ○田畑能力開発課長 1点目が、雇用保険を受けている方と受けていない方とがど れぐらいの割合かということだと思います。手元にある12月20日までの数値で、こ れは受講される方にハローワークから受講勧奨通知という書類をお渡しして訓練に 行っていただくということですが。 ○今野分科会長 資料だと何頁を見ればいいのですか。 ○田畑能力開発課長 ここの資料には載ってない数字なので、口頭で説明をします 。これが1万6,000人分交付をしていますが、そのうち1万3,805人は雇用保険の受給 資格なし、2,272人は雇用保険の受給資格ありということです。受給資格なしの方 は、長期失業者であったり、非正規の方であったり、労働市場に1回も出てこない、 専業主婦をずっとやられていたとか、いろいろな方がおられるのだと思います。そ この詳細の内訳までは数字がありませんが、多くの方は雇用保険の受給資格のない 方が行っているのだということで、非正規の方を対象とした基金訓練の意義という か、そういったことを目的として設定をした基金訓練がそういった目的のために活 用されていることだと考えています。  2点目が、ハローワークにそういった非正規の方があまり来ないのではないかと いうお話だったと思います。いま説明したように、受給資格のない方がかなり行か れているということで、こういった訓練を受講することでハローワークが使われて いる、ということもかなりあるのではないかと思っています。確かになかなかハロ ーワークに来づらい方もいると思いますので、そういった方にいろいろ周知をする ということで、福祉機関にもいろいろな相談が来たときに、こういった訓練がある ということを周知をしてくださいというお願いもしています。駅にポスターを貼っ たりとか、そういったことのPRもしているので、できる限り多くの方にこういった 訓練があるということで、ハローワークに普段なかなかいらっしゃらない方にも情 報が行き渡るように、引き続き努力をしてまいりたいと思っています。  3点目、先ほど3万6,494人、25頁の資料で受講者数ということで、これは予定者数 ということで、これから受講する方も含んだ数字です。いま実際に受講されている 方、28頁に細かい表で恐縮ですが、いちばん下に、これまで開講されたコースの受 講者数が1万2,440人という数字があります。これが実際にすでに訓練を受講されて いる方です。これら受講されている方などが、給付金の資格申請をしていただいて 、実際に認定をされているということです。  29頁に受給資格決定件数がありますが、基金の受講は7,211人です。ここの1万2, 000人、これから直近に始まる方が若干いますが、それに対する割合として7,211人 ということですので、現場の感覚としては、おおむね半分ぐらいの方がこういった 給付金を受けられているのかと。ざっくりした数字で恐縮ですが、そういった感じ です。実際に専業主婦の方とか、そういったことで、主たる生計者でない方が受講 されていたりするケースも少なくないということですので、そういう意味では必要 とされている方にそれなりに給付は行き渡っているのかという印象も持っていると ころです。もしかして漏れがありましたら、またご質問いただければと思います。 ○大久保委員 1点目の話はよくわからないのですが、つまり給付の資格を持って ない人たちという大括りですが、長期失業になって給付が切れてしまった人たちの 数が非常に多いですよね。これらも39万人とご発表があったかと思うのですが、そ うでなくて、最初、雇用保険にもともと対象になってなかった非正規からの失職者 に対しての数を、実はきちんと把握するべきだと思っていて、それは政策で説明す る必要があるのではないかと。その人たちが給付を含めてどういう実態になってい るかというところが、これは基金訓練の施策の本質的な部分として、きちんと数字 を出して政策のチェックをされることを、私はお願いしたいと思います。 ○上原委員 いまのことの関連で1つあるのですが、日本の雇用政策は非常に厚い と思うのです。基金のもの、全国中央会の方で訓練の現場を見に行かれた方がい るのですが、若手は比較的新たな職業に就こうということで訓練を前向きに受け ているけれども、年配の方が、年齢で切るのはいかがかなものかとは思いますが、 本当に就職しようという気があるのかという方も見受けられる。生活保護との関 連で、とりあえず、つなぎでそういうことを受ける可能性があるのかないのか私 はよくわかりませんが、同じ所内での作業だと思うので、その辺の入口なり出口 なりのいろいろ細かい要件があるのだと思うのですが、その辺は大丈夫か、とい うのが1つです。  企業サイドからすると、訓練をいろいろやって、就職してもらうということで、 総体的な失業率を下げていくことになるわけですが、厚生労働省だけの政策だと 限界があるのだと思うのです。国のどういう分野にどういう人材を教育訓練した らいいのかという全体的な戦略なり何かがあって、それを受けて、経産省なら経 産省のほうでこういう分野にこれぐらいだね、あれぐらいだね、ということで、 結果として、それをブレークダウンをしたもので、こういうふうにどの分野にど うだ、ということで職業訓練を設計していくことになってないと、手当てだけ施 策をいっぱい打っても。例えばの話ですが、アメリカなどは、あの分野とこの分 野で80万ぐらい雇用を拡大するなどということは方針に出ていますが。総体とし て、そういうところは連携という部分が少し見えないのかと、そのような気がす るのです。  一方で、ミクロの話で言えば、個別でいろいろ相談を受けた方が、ハローワー クへ行ってみると、いろいろなことがありますということで、昨今、昨日か一昨 日の2回目のワンストップデーなどがありますよね。ああいうので行っていろいろ 苦労していたけれども、入口が見つかった、よかったという声も2、3聞くのも事 実です。だから、戦略としては、いま言った前段の作業が必要ではないかという 気がします。だから2つ。 ○杉浦審議官 1点目については、私どももそういった話はときどき聞いている話 でして、たしかに就職口がない、つなぎとして、本当はそれほど就職意欲はない のにというか、そこの訓練を受けてその職種に就きたいという意欲が必ずしもな いのにそこの訓練を受けている事例があったりとか、という話も聞くのですが、 確かにそこはなかなか本人の真の意思というか、そういったところもよく確かめ なければならないという意味では、ハローワークの段階で、よくキャリア・コン サルティングをやるとか、本当にどういったことをやりたいのかと、コンサルテ ィングをやりながら適当な訓練の職種、あるいはコースがあるかどうかを相談し て決めていくのがまさに大事だと思うので、そこはまたよく安定局とも話をして 、できるだけそういったことのないようにしたいとは思っています。  ただし、非常に大人数の中では、本人が雇用保険でもそういった事例は実はな いわけでもないとは思うのですが、必ずしも全部そういったものを排除するわけ にはなかなかいかないと思いますが、できるだけそこはきちんと本人の目的に合 った訓練をして就職に結びつけることを、入口の段階だけではなくて、訓練の出 口の段階でも、職業紹介とかそういう段階でもよくそこはやっていきたいと思っ ています。  2点目の話もまさにおっしゃるとおりで、オールジャパンとして産業動向を見な がら的確に、例えば人材の人数が多い所にできるだけ就職してもらうという意味 では、8月に中央訓練協議会をやり、関係団体の方々、あるいは連合の方々等にも ご参加いただきましたが、その中で経済産業省の推奨とか、国交省、文科省とい う人たちにもお集まりをいただき、その前に事前に、先ほどご質問のありました 職種というか経営業種別の目標人数みたいなものを出すに当たっても、そちらと 話をしながら決めつつあったのも事実で、まさに我々が勝手にハローワークの状 況だけを見ながらということでもないわけです。  確かに雇用対策というかこういうものについては、産業政策、あるいは日本全 体の景気の問題は非常に大きな問題があって、もちろんそちらのほうが大きいの ではないかという話もありますが、当面、雇用対策として私どもが対応するに当 たっては、そういった業種・職種ごとの受給状況は、当然、非常に大事なことで すので、そちらの官庁ともよく話をしながら決めていきたいと思っています。 ○三村委員 資料2の4頁で「未就職卒業者向け」の職業訓練実施及び訓練生活支 給給付の拡充について、昨今の高卒の就職者に対する求人倍率の低下は本当に憂 うべきことがあり、私も高等学校の教員をやった経験もあり、高等学校の進路指 導の担当者でよく情報交換しています。非常に憂うべき状況です。こうした子ど もたちが就職時点で無業で出ていくことに対する救済措置かとも思うので、そこ で質問します。  特に高卒に特化して考えていただければと思うのですが、訓練カリキュラムに つなぐ民間訓練機関に、高校を卒業した無業の卒業者たちをどのようにつなげて いくか。高等学校の進路指導担当者が、こうした機関を卒業者に紹介する方策を どのような形で立てているかをお伺いしたいと思います。制度はあってもそれを 周知されていなければ、こうした機会を失うかと思います。  これにかかわってですが、非常に無理な状況で就職を決めて卒業する状況がか なりの率であると聞いています。そうすると、おそらく4月、5月で離職という状 況も出てくるので、そういったものも含めて、それは離職者と扱うのか、それと も未就職の卒業者向けの職業訓練の機会として救っていくのかと、その辺の判断 についてお伺いしたいと思います。  3点目ですが、高卒者は非常にキャリア形成は不十分です。職業訓練とキャリ ア形成は車の両輪みたいなもので、その部分が非常に不十分で、これを拝見する と、キャリア・コンサルティングで訓練中3回実施すると書いてあります。これ は民間の教育訓練機関に委託するわけですので、キャリア・コンサルティングの あり方におけるガイドラインみたいなものがあるのかどうか。そして、高校の進 路指導の担当者と民間の教育訓練機関の人が、いわゆるPAというパーソナル・ア ドバイザーとして継続して個人に寄り添うことができるのかどうかと、その辺も 含めてお伺いしたいと思います。 ○田畑能力開発課長 1点目が学校との連携ということですので、地域でそれぞ れこれの開拓も雇用・能力開発機構にお願いしていくことにしていますが、そこ と学校機関とが連携をして、こういった訓練が適正に設定されるように十分連携 を図りながらそれぞれの地域のニーズに則って設定をしていくということで考え ています。  すみません、2点目は質問を聞き漏らしてしまいました。 ○三村委員 1点目のいまのお答えで、具体性が全くないので、どういうふうに高 等学校の進路指導の担当者とそれをつなげて、それを周知して、こういう機会が あることをつなげていくという周知の方法の具体的なものを。 ○田畑能力開発課長 未就職の方は、ハローワークにおいでになることになると思 います。まずは学校、教育機関にもこういったものがありますということを通知し 、こういったそれぞれの進路指導の中で、必要に応じてこういったものも設定をす るので使ってくださいということを学校機関でもお願いをすることだと思います。 実際にいま2月、3月、就職が決まらない方がハローワークにおいでになるので、ハ ローワークのキャリア・コンサルティングの中でその方の適性に応じて、いろいろ な就職支援のメニューがあります。ここには書いてありませんが、新たにトライア ル雇用のメニューも未就職学生者対策室として設けています。その人の適性に応じ て訓練に行くのか、そういった雇用のメニューを使うのかと、そういったことで相 談をしながらつなげていくということで、いろいろそういったコンサルティングの 場面などでこういったものがあることをお知らせいただくように学校機関にはお願 いをしていくと、そういったことで考えています。そういった答えでよろしいです か。 ○三村委員 徹底していただければと思います。2点目は、不本意で、就職率を上げ るために、就職先は決まった状況は高校現場ではいまはわりとあるのです。そうい う子どもたちは、進路指導担当者が言うのは問題ですが、おそらく続かないだろう と。そうすると、4月、5月の段階でかなりの数の離職がまた出てくると思うのです。 そういう子どもたちをこの期間で未就職として扱うのか、それとも離職者として扱 うのかと、その辺の救済措置はどうなっているか。 ○田畑能力開発課長 そこの詳細な取扱いは、これから詰めていかないといけない と思います。今年度の未就職者を対象にすると、次の春の、そこはそういう方向に しようと思っていますが、4月、5月で辞めた場合の取扱いをどうするかは、これか ら検討したいと思っています。いずれにしてもいろいろな訓練コースは設定をする ので、訓練のほうには行っていただくことになると思いますが、給付金の取扱いを どういう取扱いにするかはまだそこまでは詳細を詰めていないところです。  申し訳ありませんが3点目は。 ○三村委員 3点目は、民間教育訓練機関でキャリア・コンサルティングということ で、キャリア形成と職業訓練は並行して行っていただけるということですが、それ は民間に委託するわけですね。そのあり方のガイドライン、あるいは高等学校の進 路指導の担当者とどうパーソナル・アドバイザーとしてつながった形で対象の卒業 者に支援していくかと、その辺のお考えは。 ○田畑能力開発課長 これから具体的な所を詰めていくので、キャリア・コンサル ティングの担当の部局ともどういう形で具体的に進めていくかを調整したいと思っ ています。現時点ではそこまで詳細はまだ詰めきってないということでご了承いた だければと思います。 ○杉浦審議官 この方針が決められたのは12月初旬で、まだ10日ぐらいしか経って ないものですから、おっしゃるとおり、現実に新しいコースを設定して、来年の春 にうまく就職ができなかった学生のためのコースをつくっていくということなもの ですから、能力・開発機構でも新しいコースをつくらなくてはいけない、いままで にないものをやらなくてはいけないということで、非常にいろいろな方々の話を聞 きながら進めていかなくてはいけないのはおっしゃるとおりです。  特に学校などにこういったものがありますということの案内をして、一方で具体 的にそういった方々に合った訓練はどういうものがいいか、あるいはキャリア・コ ンサルティングを、ここにどのぐらい具体的に取り込んでいく、カリキュラムをつ くるかも、これからしっかり詰めまして、ハローワークにもそういった内容ですと いうことの提示をさせて、一方でまた訓練をやってもらう機関にも開拓をこれから していかなくてはいけないものですから、あと3カ月ぐらいの中で精力的にやらなく てはいけないと思っていますが、よくお話の趣旨を踏まえて進めていきたいと思い ます。 ○三村委員 学校進路指導の文化の中で、卒業時でカタをつけなくてはいけないのが 非常に強いのです。ですが、こうした案内をされると、少し卒業時点でカタをつけな いで、無理にミスマッチを起こすような就職先に就職させるのではなくて、こうした 訓練の機関を通して長い目で卒業生を見ていこうと、その追指導の部分の意識はこれ で広がるといいかと思います。よろしくお願いします。 ○伊藤キャリア形成支援室長 キャリア・コンサルティングの実務の観点で、いまの 三村委員のご指摘について、少し補足の説明を申し上げたいと思います。基金訓練の 要件という観点に言うと、4頁の後ろにあるように、訓練期間中に3回以上のキャリア ・コンサルティングの実施をする。そこでのキャリア・コンサルタントの質としては 、これまで整備をしてまいりました、標準キャリア・コンサルタント以上のレベルの もので、可能な限り基金訓練の実施機関自らがキャリア・コンサルティングの体制を 整えることを期待しているわけですが、これまでこういった民間教育訓練機関にあっ ては、キャリア・コンサルタントの配置等のキャリア・コンサルティング体制整備は 、必ずしも十分ではないという側面もあることから、外部機関との連携、あるいは機 構からの派遣、いろいろな形態を当面は許容していこうという形です。  ただ、中期的にはそれぞれの教育機関自らのキャリア・コンサルティング体制の整 備が必要ということで、基金訓練スキームの中でも、基金訓練の実施機関のスタッフ を対象としたジョブ・カード講習も実施をしており、当面はそういった措置によって キャリア・コンサルティング体制の底上げを図っていきたいという考え方です。  また、いま三村委員からご指摘がありました、高校生レベルの発達課題に対応とい う観点では、未就職卒業者向けというところまで、当初から念頭に置いたわけではあ りませんので、キャリア・コンサルティング体制は、現状では不十分な部分はあるか と思います。三村委員には、いま中学・高校段階でのキャリア教育の推進について、 別途、キャリア・コンサルティング研究会でも、委員としてご参画いただき、いろい ろなご指摘もいただいているところですが、そういった成果を、これはむしろ中長期 的な課題ですが、現状の標準キャリア・コンサルタントの養成の中では、中学・高校 生レベルの発達課題に対応したキャリア・コンサルティングという観点は不十分な側 面もあることは事実ですので、いま三村委員にご参画をいただいているそういう研究 の成果を、少し時間をかけてそういった標準的なスキームの中に反映をしていくこと も、併せてこれから検討していきたいと考えているところです。 ○今野分科会長 11時で終わりたいと思っているので、短くお願いします。 ○新谷委員 実はたくさん質問したい点がありましたが、手短にお話ししたいと思い ます。3頁に就職率を施設内訓練と委託訓練に分けて記載していただいていますが、 これは、先ほどの就職支援との関係も出てくるのですが、委託訓練の就職率が概して 低い。これは委託訓練先の就職支援体制がどうなっているのか。これは、たぶん業者 にお支払いになる奨励金との関係で、どういうインセンティブを付けておられるのか 、その辺のPDCAをどう回しておられるのか等々についてお聞きをしたいと思っていま す。  次に政府の成長戦略、緊急雇用対策の中でも、農林水産業への新規の雇用創造が謳 われていますが、今回、これを拝見したコース別の訓練コースの内容を見ると、農林 水産業、農林のコースが非常に少ない。特に造園とかはあるのですが、林業がなく、 この辺の訓練コースの設定をどうお考えになっているのか、お聞きをしたいと思って います。  15頁に「在職者訓練」がありますが、これは特に機構が行う在職者訓練は急激に減 ってきていますが、これはいったいどういった背景があって減ってしまったのか、理 由があればお聞きしたいと思っています。  次に基金訓練ですが、これは非常に重要な政策と思っています。民主党のマニフェ ストにも出ているし、今後、これは来年度以降の恒久化に向けていろいろな側面から 考えていく必要があると思います。先ほど大久保委員からも出されていましたが、今 後の恒久化に向けてもう少し詳細なデータを集めなければ、なかなか政策評価しにく いのではないかと思っています。  例えば、いま給付を受けている方、あるいは受講されている方の年収別や世帯の状 況別等々、あるいは就職へのつなぎをどういうふうにしていくのか、就職率の問題と いった内容の詳細な分析が要るのではないかと思っています。  もう1つは、この資料が出るときには、いつも生活給付ということで、個人のユーザ ー側の給付の内容、10万円や12万円というのが出てくるのですが、サービサーのほう の委託訓練先に出ていくお金の表がいつも出てなくて、たぶん巨額な金が流れていっ ていると思うのです。特に新規の訓練設定の奨励金といった、1件当たり300万円とか 、あるいは今度出てくる社会的事業者に対する第2種の奨励金、マックス800万円とい うお金が1コース当たり出てくるはずですが、その辺の詳細な資料も、できたら次回 お示しいただければと思っています。  最後に、先ほども三村委員がおっしゃっていましたが、基金訓練の中に未就職卒業 者のコースを新設されるというのが12月8日に出てきたわけですが、これに対して連合 としては懸念を申し上げておきたいと思います。というのも、これは第2の就職氷河 期をつくらないということから考えたときには緊急避難として仕方がないとはいう面 を持っていますが、新卒の方々はこれから長いキャリア形成をしていくという中で、 半年間ここにあって、また訓練を受けてもらって、そのときの就職の支援の問題、 先ほどもキャリアコンサルティングの話が出ていましたが、ここをうまくつないで 行かないと、また非正規のグループに入ってしまって、そこからなかなか抜け出せ ないという第2の就職氷河期の方々をつくってしまう懸念もあり、そこの就職のマッ チングの機能を強力にやっていただくことが不可欠です。これは職業能力開発局だ けではなくて職業安定局とも連携を取ってやっていただきたいわけですが、その点 について十分な体制をつくっていただかないとうまく機能しないのではないか、と いう懸念を申し上げておきたいと思います。  今後、第2のセーフティネットの恒久化について、この分科会での運営をどうお考 えになっているのかも併せてお聞きをしたいと思います。長くなりましたが、以上 です。 ○田畑能力開発課長 時間もないので手短にお答えします。委託訓練の就職率の関係 で、6頁の「委託費」の所に、受講者1人当たり月6万円の委託料を払っていますが、 就職率に応じて1万円から2万円のインセンティブを付けるということで、こういった 運営をしていて、就職率を上げていただく努力を訓練機関にお願いしています。また 、訓練機関に対して都道府県なり雇用・能力開発機構から、訓練直前にハローワーク に行く時間を取っていただくとか、就職情報を提供するとか、そういった努力を促す ことをしており、また訓練修了後はハローワークにきちんと相談をしていくというこ とで、就職の率を高めるように努力をしているところです。  2点目、農林水産業の訓練の設定ですが、中央訓練協議会に農水省の方々も入って いただいており、農水省と十分な連携を図りつつ、農水省の協力を得ながら訓練の設 定に努力をしてまいりたい。また、そういった働きかけをしてまいりたいと考えてい ます。  在職者訓練が減っている理由ですが、雇用・能力開発機構の分が特に減っているわ けですが、これについては特殊法人の整理・合理化計画や独法の目標などで、ものづ くりを中心に真に高度なものに限定をして在職者訓練も実施をするということで、い ままで事務分野やものづくり以外でやっていた在職訓練を削減、絞ったということで 、こういった数字になっているものです。  4点目で細かい数字をこれからということですので、今後の審議会のこの場に必要な ものをお出しするようにデータをそろえていきたいと考えています。  未就職者の件についても、いまのご指摘を踏まえて今後のキャリア・コンサルティン グを、伊藤室長からもお話がありましたが、そういったことできちんと正規雇用につな がるように、ハローワークと連携を取りながらやっていく必要があると考えています。 いまのご指摘を踏まえて取り組んでまいりたいと考えています。 ○杉浦審議官 最後の事柄について簡単に。私から最後に申し上げようと思っていたの ですが、実は今日の夕方にでも予算の閣議がされて決定される運びになろうかと思いま すが、年が明けると、いまいろいろお話が出ていたように、求職者支援制度の平成23年 度からの恒久化に向けての法案や雇用・能力開発機構の廃止に係る法案といったものを 、次の通常国会に出すべく準備を進めていく必要が出てこようかと思うので、また年が 明けたらそれぞれについてテーマごとにご議論いただこうかと考えています。今日はそ ういう意味では、現状とこれまでの動きということで、委員の方々にそういった認識を していただくという意味合いがあったわけですが、また年が明けたらそういったことで 本格的にご議論をお願いすることになると思うので、是非よろしくお願いします。 ○今野分科会長 まだご質問があるかと思いますが、時間ですのでこの辺で終わりにし ます。ただ、私も一言ぐらい言いたいと思っています。最後の新卒者の問題は、ここで もいろいろ議論されていましたが、企業も変われよと、そういう感じはします。新卒大 好きというのはちょっと変えたらというのがないと、なかなか難しいかもしれないと。 今日はこれで終わりにします。署名ですが、労働側委員は大江委員、使用者側委員は荒 委員でお願いをします。終わります。ありがとうございました。 【照会先】職業能力開発局総務課総括係(5738)