09/12/18 平成21年12月18日医道審議会医師分科会医師臨床研修部会議事録       医道審議会医師分科会医師臨床研修部会          日時 平成21年12月18日(金)          10:00〜          場所 厚生労働省共用第7会議室 ○臨床研修審査専門官 おはようございます。ただいまより「第3回医道審議会医師分科会 医師臨床研修部会」を開催いたします。本日は、年の瀬に、ご多忙のところご参集いただき まして、誠にありがとうございます。本日の委員の出欠ですが、西澤委員からご欠席とのお 話を伺っております。  まず、議事に入る前に、阿曽沼医政局長からご挨拶を申し上げます。 ○医政局長 おはようございます。医政局長の阿曽沼でございます。本日は、お忙しいとこ ろご参集いただきまして、ありがとうございます。  先生方には医師の臨床研修制度の運営に当たりまして、大変ご貴重なご意見を賜りまして、 改めてお礼を申し上げます。御陰様で、今年、制度の抜本的な見直しを行うことができまし た。10月29日に制度見直し後の研修医のマッチングの結果が公表されまして、来年度から 臨床研修を開始する研修医の動向などが明らかになったところでございます。制度の見直し をしまして、最初の動向ですので、私どもとしても大変注目をしているところでございまし て、今後、臨床研修制度をどのように運営していくのか、先生方のお知恵を十分拝借しなが ら、慎重に進めてまいりたいと考えております。この制度は、なかなかいろいろな問題があ りますけれども、先生方のなお一層のご指導、ご協力をいただきたいとお願い申し上げます。 開会に当たりまして、簡単ではございますが、ご挨拶に代えさせていただきます。よろしく お願い申し上げます。 ○臨床研修審査専門官 事務局から資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿、 座席表、資料1「平成22年度の研修実施体制について」、資料2「研修医の給与について」、 資料3「臨床研修に関する論点(案)」、資料4「今後のスケジュール(案)について」、参 考資料1「研修医マッチングの結果について」、参考資料2「初期臨床研修制度の評価のあ り方に関する研究について」となっております。資料に過不足がございましたら、事務局に お申し付けください。  それでは、部会長、引き続きよろしくお願いいたします。 ○部会長(相川) それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は、「臨床研修制度 の実施状況等について」と「その他」となっております。臨床研修制度につきましては、当 部会の審議を経て、本年4月に見直しを行いましたが、現在は見直した制度のもとで、ほと んどの医学生について来年度に臨床研修を行うプログラムが決定されたところです。まず、 事務局から、今回のマッチング結果に基づく臨床研修実施体制や臨床研修に関する論点案な どについて説明を受け、その後、皆様からご意見をお伺いしたいと思います。  それではまず、資料1「平成22年度の研修実施体制について」、及び資料2「研修医の給 与について」、事務局から説明をお願いします。 ○医師臨床研修推進室長 それでは、私から平成22年度の研修実施体制についてご説明を したいと思います。資料1をご覧ください。これは、10月下旬に研修医マッチングの結果 が発表されまして、平成22年度の研修実施体制がほぼ決まったもの、その内容を踏まえま して、研修プログラムを整理したものです。  研修プログラム全体の状況としては、(1)「研修プログラム数」ですが、今回の見直しを 踏まえた研修プログラムと、7診療科必修のいわゆるスーパーローテートのプログラムに分 けて整理をしております。(1)の合計欄にあるように、1,424のプログラムがありますが、 そのうち約7割、69.5%が今回の見直しを踏まえた研修プログラムで、30.5%、約3割が7 診療科の従来のプログラムでした。  (2)「募集定員数」は、今回の見直しを踏まえた研修プログラムのうち、左側にある3科 目必修のプログラムが50.4%となっております。全体で10,500人の募集定員があるうちで の5,296人、約5割となっております。必修の3科以外に必修科目を設けたプログラム、選 択必修科目がありましたけれども、こういったところから必修科目を設けたプログラムの募 集定員が1,920人、18.3%です。また、産科・小児科のプログラムを募集定員20名以上の 病院に義務づけをしておりますけれども、その定員が375人、3.6%の割合になります。合 計が7,591人、72.3%で、約7割ということです。7診療科必修のプログラムの募集定員は 2,909人、全体の27.7%となっております。おおむねプログラムの数と同様に、今回の見直 しを踏まえたプログラムと、従来のプログラムとでは、7対3の割合となっております。  (3)「マッチングによる内定者数」ですが、いま申し上げた募集定員と大体同様の傾向が あります。おおむね7対3の割合で、見直しを踏まえたプログラムと、そして7つの診療科 を必修にしたプログラムを学生さんが選び、そして研修先が決まっている状況です。  この全体の中で、必修の3科目以外に必修科を設けたプログラムが全部で280ほどある と申し上げましたが、その内訳が2頁にあります。その280のプログラムのうち、何を必 修にしているかを示しておりますけれども、外科で約6割、麻酔科で3割ちょっと、小児科 30%、産婦人科28.6%、精神科48.2%、その他11.8%のプログラムがそれぞれ必修になっ ております。その他のうち、1番多かったものは、地域保健でして、地域保健を必修にして いるものが33のうち12ほどありました。(3)の募集定員数、(4)マッチングによる内定者数 も、ほぼこのプログラムの数と同様の傾向にありますので、ご覧いただければと思います。 また、この必修3科以外の必修科の平均研修期間ですけれども、(2)に示しておりまして、 全体として必修3科目以外の必修科目の平均期間というのは、3.7カ月になっております。 それぞれの診療科の科目は、外科2.7カ月、麻酔科1.9カ月、小児科1.6カ月、産婦人科1.2 カ月、精神科1.0カ月、その他1.1カ月というような状況です。  3頁は、3「基幹型臨床研修病院の状況」です。(1)にマッチング参加病院の全体像、その 右側に参考として基幹型臨床研修病院全体の数を示しています。このうち、マッチングで決 まったものについて整理をしておりますが、基幹型臨床研修病院の指定基準については、新 しい基準を設けておりました。この新しい基準を満たさない所でも既に指定をされており、 一定の条件を満たす場合には指定を継続する取扱いをしておりましたが、そのうち(2)につ いては、研修医の受入実績があったため、指定を継続している病院の状況であり、対象とな る病院が92病院、そのうちマッチングで内定者が決まった病院が49病院で、内定者数は 132人となっております。  (3)については、受入実績はないけれども、都道府県からの要望を踏まえて指定を継続し ている病院で、22病院あり、内定者があった病院は7病院で、内定者数は9名という状況 になっております。以上がプログラムと基幹型臨床研修病院の状況です。  続きまして、資料2「研修医の給与について」です。全国の大学病院、臨床研修病院、い ずれも基幹型ですが、全ての施設を対象に平成19年度の研修医の平均給与を調べておりま す。これは、当直手当など、諸手当込みの数です。1年次の研修医の数は、7,560人(全数) でして、このグラフは給与の少ない研修医から右側に高い給与の研修医を並べたもので、平 均値が410万円です。また、2年次の研修医については、ほぼ全数を把握しておりまして、 平均値462万円となっております。これまでの議論では、研修医の給与が著しく高い所が あるのではないかというご指摘がありましたので、事務局で調査をしまして、このように整 理をしております。  募集定員に関しては、参考資料1をご覧ください。参考資料1については、研修医マッチ ングの結果として、既に公表した資料ですけれども、全体の状況が示されております。2頁 のグラフを見ていただきますと、6都府県と東京や神奈川以外の地方の研修医の割合が、臨 床研修制度導入時とほぼ同じくらいの割合になっているという結果です。その下には、マッ チ者数が増加した地方の県と6都府県の状況を示しております。  3頁は、大学病院と臨床研修病院別の状況でありまして、下のグラフを見ていただきます と、赤の大学病院と青の臨床研修病院の研修医の内定者は、ほぼ同数になっている状況です。  4頁は、研修医マッチングの結果を都道府県別に前年度と比較をしたもので、右側に増減 を示しております。  また、5頁は、臨床研修制度導入前の平成15年度の研修医の採用実績と、平成21年度直 近の採用実績を比較して、その増減を示しております。以上、事務局からの説明を終わりま す。 ○部会長 ただいま資料1、資料2、並びに参考資料1の説明がありました。なお、今後の 臨床研修制度に関するご意見やご質問については、資料3、資料4の説明の後に時間を設け たいと思いますので、まずは、ただいまの事務局の説明に関しまして、ご不明の点や確認し たい点をお伺いしたいと思います。どなたか、ご質問などございますでしょうか。 ○冨永委員 資料2ですが、著しく高い、いちばん高いところが1年次、2年次とも1,000 万円を超えているというような状況ですが、本俸は30万円程度にするという目安があった と思うのですが、諸手当、例えば2年目であれば当直手当とか、そういう諸手当が高いので しょうか。 ○医師臨床研修推進室長 そこの区分は設けておりません。ただ、1年次と2年次の分布の 状況を見ると、2年次には諸手当、当直料だとかで給与が全体として上がっているのではな いかという推測はできるかと思います。 ○冨永委員 そういう給与が高い地域は、わかっているのでしょうか、わからないのでしょ うか。 ○医師臨床研修推進室長 各病院に所属する研修医の平均給与を調べておりますので、その 分布はある程度わかっていますが、例えば1年次の給与で700万円以上のところになりま すと、例えば北海道や青森、福島、長野、岐阜、秋田といった地方の県が若干ございますし、 また東京都内も若干ございます。 ○部会長 よろしいですか。いまの地方の病院に関しては、大学病院ではなくて、主に臨床 研修病院ということでよろしいですか。 ○医師臨床研修推進室長 基本的に大学病院は、いまの700万円以上のところにはござい ません。一般の臨床研修病院でございます。 ○部会長 ほかにご質問、確認は。 ○長尾委員 資料1の2頁目ですけれども、必修3科以外の研修プログラムはいくつかの科 がそれぞれ書かれているのですが、これは2科目以上取っているところもあるのでしょうか、 この辺どの程度の重複があるのでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 資料1の2頁にございます必修3科目以外の必修科については それぞれ重複がございます。ですから、外科だけを必修にしている所、あるいは外科と麻酔 科を必修にしている所と、そういう所がございまして、そのプログラムごとの平均研修期間 が(2)にあります、全体としては3.7カ月ということです。 ○部会長 よろしいですか。 ○矢崎委員 3頁の基幹型研修病院の、基準に合わないけれども実績がある、内定者のあっ た49病院、それから都道府県からの要望で7病院でマッチ者があった。このプログラムの 内容というのは特徴があるのでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 これのプログラムの内容までは十分に把握はしておりませんが。 ○矢崎委員 スーパーローテート型なのか、あるいは産科・小児科に特化したプログラムな のか、参考までにお伺いします。 ○医師臨床研修推進室長 少なくともこういった病院は産科・小児科などに特化したプログ ラムではなくて、一般的なプログラムだと思っております。ただ、3科目必修だけなのか、 ほかに必修科目を設けたりしているのかというところは、まだ十分に見ておりません。こち らのほうでまた整理をしてご報告したいと思います。 ○部会長 ほかに。 ○小川(秀)委員 いまの矢崎先生と関連した質問なのですが、プログラムは把握されてい ないということなのですが、そのほかの給与を含めた処遇は、何か特徴がございますか。 ○医師臨床研修推進室長 こういった所の処遇について、特化して調べてはおりませんので、 これは先ほどの資料2とは調査時点が若干違いますので、また資料2のほうは実際に研修医 を受け入れている病院の研修医の給与で、実際にもらった平均給与ですので、マッチしてい ないようなところ、あるいは今回初めてマッチしているような所については、もし、調べる とすれば、改めてプログラムを見て内容を確認しなければいけないかと思います。 ○部会長 これは調べればデータは出てくる可能性はありますか。 ○医師臨床研修推進室長 データとして完全に、データベースとして把握をしているわけで はありませんが、プログラムはいただいておりますので、少し時間をいただければ整理をす ることはできると思います。 ○部会長 そうですか。小川先生、それでよろしいですか。 ○小川(秀)委員 はい。3頁の特に(3)ですが、いままで受入実績はないが、都道府県か らの要望を踏まえて指定を継続している病院というので、なかったのが出てきたわけですね。 それが一体何なのか、何か都道府県が少し給与面で補償するとか、宿舎を提供するとか、そ ういう工夫があるのかどうかが知りたいのです。  それから、できたら内部資料でもいいのですが、どのような病院か、地域の本当に根幹病 院であるかどうか、周辺の拠点病院との配置のバランスとか、都道府県がお決めになったこ とでしょうから、それなりの意義があってされたのだと思います。何か特別なコンシダレー ションがあるかないか、調べていただければと思います。 ○医師臨床研修推進室長 わかりました。 ○部会長 それは調べて後日、機会をもって報告してください。 ○吉岡委員 いまの処遇のことについては、いちばんの懸念は募集の時点でプログラムで公 表しているものと、実際に研修1年目、2年目の給与とに、乖離があるということを、大学 以外の研修医の何人かが訴えていたという実態があります。もし、こういう調査の場合にそ こがやはりいちばん大きなポイントではないか。予め公表した給与と実際の給与との間に乖 離があるとすれば、そこがいちばん大きな問題だと思います。 ○部会長 というご意見でした。ほかにいかがでしょうか。 ○小川(彰)委員 確認ですが、3頁の基幹型研修病院の状況というところで、右側の参考 の1,059病院というのと、マッチング参加病院の1,052というのが数が違うのですが、それ は基幹型研修病院として登録はしているけれども、マッチングに参加しなかったということ ですか。 ○医師臨床研修推進室長 はい、そのとおりです。 ○小川(彰)委員 それからもう1つは、今度新しい制度になって、昨年に比べて全体の数 そのものが減ったんですよね。 ○医師臨床研修推進室長 はい。 ○小川(彰)委員 その減ったというか、脱落したというか、やめたというか、そういう病 院の実情といいますか、内容については把握されていますか。要するにどういう病院だった か、どういう理由でやめたのか。 ○医師臨床研修推進室長 やめた所は基本的には研修医の受入実績がございませんで、これ 以上基幹型病院として継続しても研修医の受入れの見込みがないだろうということで、協力 型病院としてやるという所が大勢を占めていたと思います。 ○小川(彰)委員 もしよろしければ、その辺を、公表はしなくてもいいのですが、データ として出していただければありがたいなと思います。 ○部会長 これは、データは出ますか。 ○医師臨床研修推進室長 はい、整理をいたしましてから。 ○部会長 では、そのようなところでデータを出すようにしてください。小川先生、それで よろしいですか。 ○山下委員 参考資料1のほうで聞いてもよろしいですか。 ○部会長 はい、どうぞ。 ○山下委員 参考資料1の4頁に、去年と今年で大きく変わったのは都道府県枠を作ったと いうことなのですが、そこで特に減ったのは東京と神奈川、京都、大阪、福岡、北海道で、 おそらく全部が減っているというか、全体枠が減っているので、病院によっては減っている 所があると思うのです。そういうところで、マッチ数が例えば募集定員より増えたとか、例 えば100%になっているとか、それは把握できますか。 ○医師臨床研修推進室長 手元に病院ごとの資料がございませんので、いますぐにご説明は できませんが、そういうデータはございますので、整理してお示しすることは可能だと思い ます。ただ、全体の話を申し上げますと、前年度の内定者数を下回らないような形で募集定 員を設定しておりますので、各病院が意図的に定員を減らさなければ、大体前年度と同じ募 集定員になっていて、それが減るというのは、こちらのほうで定員を減らしたために減ると いうことではなくて、学生さんとのマッチングが合わなかったから減るというような形にな ろうかと思っています。 ○部会長 ということでよろしいですか。では、そのデータも含めて委員の方に後ほど情報 を提供してください。そのほかに、ではまず河野先生からどうぞ。 ○河野委員 資料1ですが、研修プログラム数を見ますと、大学病院と臨床研修病院の今回 の見直しを踏まえた研修プログラムというところでの分布がだいぶ違う、産科・小児科プロ グラム数などの割合というのは大学病院に比べて臨床研修病院のほうが極端に少ないので すが、これは何か病院の特徴というか、プログラムの差はあるのでしょうか。基本的には、 要望されている条件は同じですよね。 ○医師臨床研修推進室長 はい、この産科・小児科プログラムの項目は、募集定員20名以 上で義務づけた病院のプログラムですので、臨床研修病院でそういうふうに募集定員が20 名以上という所は、それほど数がございません。したがって、数として、あるいは定員とし て少なかったということになります。小児科・産科の研修を組み入れたプログラムという視 点で申し上げますと、ここの義務づけたプログラムと、7診療科必修の所は、産科・小児科 は必ず項目として入っておりますし、また、2頁にあります産科・小児科を必修として組み 入れているプログラムと、こういったところが対象になりますので、おおむね研修医ベース では10%ぐらいの方がそういうプログラムを選んでいるのではないかと考えております。 ○河野委員 そうしますと、このいわゆる医師不足分野で割り当ててきた小児科・産科等の プログラムの内容の割合ということで言うと、結局、大学病院と臨床研修病院のエリアで違 いはないと、そのような割合になるということでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 そうですね、産科・小児科に特化したプログラムという目で見る のがなかなか難しいわけですけれども、産科・小児科の研修を必修にしているプログラムで 言えば、ほぼ大学病院も臨床研修病院も大きな差はないようです。それもまたご説明できる 範囲で整理をしてお示しをしたいと思います。 ○部会長 よろしいですか。いまの件ですね、山口先生どうぞ。 ○山口委員 すみません、いまの話の続きを。この産科・小児科のプログラムは募集人員が 20名以上ということになりますから、10の臨床研修病院で今回最低2名が義務づけられた と理解します。この産科・小児科のプログラムというのは研修医のときにやる話ではなくて、 メインは後期研修であろうかと思いますから、そうすると、そういう病院は産科・小児科の かなりボリウムが大きくないと、なかなかこの人たちの後期に及ぶ研修を引き受けることは 難しい話かと思うのですが、実際にそういう病院では産科・小児科の非常に大きな科があっ て、これが可能だったわけでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 この小児科・産科のプログラムを用意しております臨床研修病院 のほうですが、全部でプログラムとしては10ございますが、いずれも病院としては500床 以上の病院でして、小児科・産科の後期研修のプログラムを用意しております。  常勤の医師数もいちばん少ない所で産婦人科が4名ということで、大体10名とか、ある いは6名、8名など、そのくらいの常勤医がいらっしゃる所になっています。これは個別の 話になりますので、また整理しておりますのでご覧いただくことはできるかと思います。 ○部会長 よろしいですか。 ○山口委員 例えば常勤の医師が4名で、毎年2名の研修医を取っていくという話があって、 後期研修まで入れると研修医、後期研修の医師が下手をすると5年で10名というような話 になるので、ちょっとどういう形でこれが成り立っているのかと思い少しお聞きしたのです。 ○部会長 というようなご質問の趣旨だということでございます。そのほかご質問、確認事 項はありますか。 ○冨永委員 先ほどご質問のあった4頁と2頁に関連してです。今回の見直しのひとつに、 いわゆる6都府県以外の地方と言っていいのでしょうか、そういう所に臨床研修医が少ない ということに対しての見直しもあったと思っておりますが、そういう意味では6都府県がや や少なくなった、従来に戻ったということはいいことだと思います。片方、2頁にあります ように山形、富山、石川、福井、鹿児島のようにマッチ数が増加した県と、少なくなってい る所があるのですが、20%も増えている県もあり、これはいろいろ努力された結果だとは 思うのですが、この内訳、例えば北陸3県であれば、いままで北陸3県から外へ出ていた研 修医が、自分の県にとどまったのか、あるいはいろいろな努力をされて、他県からもマッチ をされたのか、そういうことがわかれば教えていただきたいと思っています。私は滋賀県に おります。滋賀県でも努力したつもりですが昨年より下がっていますので、ノウハウがあれ ば参考にさせていただきたい。マッチングでこれまでの偏りが是正されたことを評価をして います。北陸3県、山形、鹿児島が増えているということを、どのようなことで見たらいい のかなと思っていますものですから。 ○部会長 これを分析する基のデータはいま持っていますか、それとも聞かなければ。 ○医師臨床研修推進室長 そういうふうにどこの大学の出身の方がどういうふうに行った のか、どこに行ったのかというのは我々のほうではちょっとわからない状況になっています。 現時点ではわからないのですが、2年間の臨床研修を修了した方に対しては、修了した時点 でアンケートを取るようにしていますので、そのときには出身大学と初期研修の場所、そし て3年目以降の後期研修の場所といったところもわかるようになっていますので、そういう データが把握できれば、きちんと整理をして、お示しできるかと思いますが、いまの時点で は網羅的に、全国的に把握をしたものはなくて、それぞれの大学や地域のほうで、おそらく 整理をされているのだろうと思っています。 ○部会長 よろしいですか、そのデータは現在では得られないということですが。 ○小川(秀)委員 この前の前のご質問と関連するのですが、資料1の、募集定員20名以 上の病院に、小児科と産科のプログラムを設置することを義務づけたわけで、これは国とし ても医療界としても産科・小児科が少ないから、是非こういうのをセットアップしてもらい たいという意味があって、やったことだと思います。現在、産科医に対してわずかな手当で すが、5万円ほど支給するということが公布されております。そして、国がその経費の3分 の1、受け入れる病院が3分の1、これは国のほうは確かに出しますと言っておられるので すが、都道府県の都は出すと言っておられますが、他の県でほとんどの県が出さない、予算 がないということで、もしそれをやるのだったら、病院のほうで3分の2払ってはいかがで しょうかというようなことが言われているのですが、国の持っていこうとする、あるいはこ の審議会で小児科と産科を何とかしようという思いでセットアップしている奨学金支給に 対して、各自治体・県が参加・小児科医を何とか増やして欲しいと言いながら3分の1も支 払わないということは何故でしょうか。後方支援として、いまの山口先生の後期研修のとこ ろの人に対する処遇ではありますが、その前段階の、この段階の人たちが、救急・麻酔・小 児科・産科など地域が補給を要請しているが報酬(奨学)金を3分の1も支給しないことは 来年度選択していくかどうかということに、極めて大きな影響を与えるファクターだと思う のです。  事務局のほうで、どのくらいの県がこの自治体として3分の1の助成を出すというように、 現在、表明されているのか。私の知る限りは、都は明確に支給するとされていると思います が、医師が少ない都の周辺の埼玉、千葉、静岡、茨城、岐阜等々では、まずそういうのは自 治体が出さないというような情報がきているのですが、これはいかがでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 いまのお話は臨床研修のことと直接関係がなくて、我々のほうで 所管しておりませんで、別の部署が所管しております。したがって、詳細は把握をしており ませんけれども、いまそういう計画を都道府県から聞いている状況だというように我々のほ うでは承知しておりますので、まだ具体的にどこがどうだということをご説明できるような 状況ではないと思います。 ○小川(秀)委員 このプログラムの継続と、さらなるバージョンアップ、あるいは充実を 図るとすれば、この問題は極めて重要なファクターだと思いますし、セクションが違ってい ても連動する問題ですので是非その実態を調べて、できれば自治体がそれに参画するという 方向で、この審議会でコメントが出たということを言っていただければと思います。 ○部会長 これはこの後のディスカッションにも関係することでございますけれども、いま の資料への質問としてお受けしてください。 ○医師臨床研修推進室長 はい。 ○部会長 よろしいでしょうか。 ○山下委員 先ほど冨永先生がおっしゃったことが非常にインプレッシブで、是非、前のデ ータとの比較ができるようにデータを作っていただければと思います。要するに今回、うま くいったみたいに見えるのは、最初から諦めてしまったということもあるかもしれないです ね。東京とか京都、大阪とか、わからないですよ、要するにもう上が詰まってしまったから、 もう最初から自信がない人はほかに逃げてしまったということもあり得るわけなので、本当 にこの方法が、そうすると永続的に、カンフル剤としてはよかったかもしれないけれども、 ほかにずっと、これからもいいのかどうか、私はよくないと思っているので、言っているの ですが、少なくとも前の平成16年からのどういう選択でどこに、例えば1つの県内で定着 するのが多いのか、これを機に相当動いたのであれば、別のファクターが動いた可能性があ ると思いますので、今年だけではなくて、前からのものも比較をして分析できるようなデー タをいただければと思います。 ○部会長 一部は参考資料1の1頁にデータはあるのですが、それをさらに詳細にというこ とですか。 ○山下委員 そうですね。 ○医師臨床研修推進室長 いまあるデータで、できるだけのことは整理をしたいと思います ので、山下先生、あと部会長とも相談しながら進めていきたいと思いますし、いまの時点で 出せないものについても、将来データが得られるものについては、引き続き整理をしてお出 ししていきたいと思います。 ○部会長 かなりご意見をいただきましたので、そろそろディスカッションに入りたいと思 いますが。 ○山口委員 ついでに、今ので、先ほどの研修プログラムと全国の分布がどうなったかとい うのが、是非知りたいと思います。各県で、都市部と地方でどういうプログラムの選択にな ったことが、こういう結果を生んだかというのを、是非知りたいと思います。 ○医師臨床研修推進室長 わかりました。それも一応プログラムごとに整理をしております ので、お時間をいただければ、それを都道府県別に整理ができると思います。 ○部会長 ただいま資料1、2及び参考資料1に関しまして、いろいろなご質問、確認事項、 あるいは追加のデータ、資料を求めるご意見がございましたので、それに対応していただき たいと思います。それではディスカッションに入る前に、次に資料3、臨床研修に関する論 点(案)、及び資料4の今後のスケジュール(案)について、事務局より説明を願います。 ○医師臨床研修推進室長 それでは資料3によりまして、「臨床研修に関する論点(案)」を ご説明いたします。これについては相川部会長とご相談しまして、今回ご議論になるであろ うという論点をあらかじめ整理をしたものです。まず、大きな1番目として、23年度以降 の臨床研修において、今回見直しをしたわけですが、今回の見直しでは当面の取扱いという ものを設けておりまして、23年度以降の臨床研修では、当面の取扱いの扱い方というのは、 はっきり決まっておりません。したがって、それをどのようにするのかということが1つの 論点になろうかと思います。具体的には当面の取扱いとしての激変緩和措置が4つあり、(1) として、基幹型臨床研修病院の新しい指定基準を満たさない病院についての指定の継続の問 題。(2)として、小児科・産科の研修プログラムを義務づけておりますが、これを義務づけた 場合には4名以上のプログラムを作っていただくことにしておりましたが、当面の取扱いと して2名以上という形にしていることの取扱い。(3)として、臨床研修病院の募集定員の上限 の取扱いを、前年度のマッチ者、内定者を下回らないような形で設定をするという取扱いを していますが、これをどのようにするのか。(4)として、都道府県別の募集定員の上限を人口 や医師養成数等から算出しておりますが、この値が各県の研修医受入実績から非常に下回る ような形、30%以上削減しないといけないような所もありますので、そういう所は10%に 当面とどめるという取扱いをしていますが、これをどのようにしていくのかということが、 論点として考えられるかと思います。  また、資料2にありましたように、研修医の給与等についてどういう対応を行うのか。※ でこれまでご議論いただいておりましたことについて整理をしていますが、不適切な事例に ついては一定の措置を講ずるというようなご意見をいただいていたかと思います。  また3のところについては、臨床研修に対する評価を今後どのようにして行っていくのか。 これについても※にありますように、さまざまなご指摘があったかと思いますので、それに ついてどのようにしていくのかということです。この3の「評価」については、参考資料2 という、いちばん最後にあります資料をご覧いただきたいと思います。「初期臨床研修制度 の評価のあり方に関する研究」として、今年度研究事業があります。国立国際医療センター の桐野総長を主任研究者として、臨床研修制度全般について、客観的に評価する方法を確立 することを目的として、研究が進められています。  いちばん下にありますように、分担研究者の中には、この部会の委員の先生方にもご参画 をいただいておりまして、この研究をある程度踏まえて、この部会でもご議論いただければ と考えているところです。  論点のほうに戻りますが、まだ足りない論点がございましたら、「その他」としてご指摘 をいただければと思っております。  続きまして資料4です。「今後のスケジュール(案)」ですが、いちばん下にありますよう に、通常ですと、23年度の開始の研修プログラムについては、来年の4月末までに届け出 をいただくという取扱いになっていますので、この研修部会でご議論いただいて、方針を出 すというのは2月ぐらいまでにある程度方向性を出していただきまして、3月中にはその取 扱いを通知等で明確化する必要があるのではないか、と考えているところです。 ○部会長 一応、論点(案)をお示ししました。特に1の激変緩和措置、当面の取扱いを今 後どうしていくのかということに関しましては、来年の2月ごろまでには決めておきません と、次のプログラムが組めないということにもなりますので、1の論点は是非、今日ディス カッションをして、方向性を決めていきたいのですが、そのほか2、3に関しても重要な件 だと思いますが、その他の是非やるべき論点で、ここが漏れているというようなご指摘はご ざいますでしょうか。差し当たってこの大きく1、2、3について、これからディスカッシ ョンさせていただいてよろしいですか。                   (賛同の声) ○部会長 ありがとうございます。まず、当面の取扱いについて議論をしたいと思います。 どうぞ委員の先生方からご自由に、積極的なご意見をいただきたいと思います。1つずつの ほうがわかりやすいでしょうか。それでまた場合によっては激変を2年、3年、5年とやら ないと、ということになるかと思いますが、まずは1つずつ、基幹型臨床研修病院の指定に ついてということでよろしいでしょうか。先ほどもいくつかの病院に関する質問事項もあり ましたが、いかがでございましょうか。 ○山下委員 やはりこれは3のところでもご議論はあると思うのですが、とにかくこの制度 の根幹にかかわるのは病院の質、要するに指導医の質ということになるのですが、病院とし てきちんとしたことをやっていってもらわなければ困るということで、激変緩和措置はわか るのですが、それがズルズルとやられると、ここで決めていることが全く意味をなさない。 いまの基幹病院のクライテリアというのはかなり甘いとは思っているのですが、それでも守 られていないようなところがチョコチョコとあるということで、これはなるべく早く、きち んと基幹型病院のクライテリアも、例えば来年からはきちんと守る。激変緩和措置で例えば 先ほどのいま受け入れている人がいるからどうのこうのということに関しては、もう時限を はっきりと示すべきであろうかと私は思います。 ○部会長 ありがとうございました。 ○飯沼委員 この資料3の議論に入る前に、マッチした段階では、初期の目的の地方へ行く とか、大学に研修医が行くということは出てきたのですが、最終的には4月、国家試験が終 わったときに実際どういう分布になっているかというほうが、本来は大事なはずなので、そ このところの議論を飛ばして、この人たちが全部合格するという前提でものをやってはまず いのではないでしょうか。だから、1割ぐらいの人が落ちるわけだから、そういう人たちの 分布まで見てやらないと、あまりに性急なことを言っても、例えば研修病院のほうが指導医 の質が悪いというような印象の発言は、私はちょっと間違っているような気がします。 ○部会長 というご意見もありましたが、そのようなこと。 ○山下委員 私はそういうことを言っているわけではなくて、病院の質に関しては、きちん と厚労省が国の基準を決めているのだから、まずそれを守ろうではないかということを言っ ているわけで、それに関して先生のおっしゃるようなことを私は言ったつもりはありません。 ○飯沼委員 結局は、どういう人がどこに行っているかということは最終的には4月までわ からないわけですよ。国家試験を合格しなければ行けないわけですから、そこまでものを考 えなければいけないので、この激変緩和というのは、今年の様子を見て、議論するというこ とが肝要であって、いまからそれをどうするという議論は私は間違っていると思います。 ○山下委員 だから、激変緩和自体が私は意味がないと言っているわけですよ。それは要す るに医療の質とか、教育の質であれを決めるべきであって、激変緩和のためにどうこうとい うのが、もし先生がおっしゃるようにまずいというのであれば、ここでポンと切ればいいの です。私はそう思います。 ○飯沼委員 私は激変緩和は大切だと言っているわけです。 ○山下委員 私は意味がないと思っています。 ○部会長 2つのご意見があります。確かに実際に臨床研修を始める医師数に関しては、い まの国家試験の合格率が過去においては大体9割程度です。ですから、仮に来年行われる国 家試験の合格率もほぼそれと同じだと仮定しますと、1割程度の方が落ちる。その中で同等 の分布があるかどうかということがございます。その辺のところのご意見もありますが、そ れを見て数パーセントの動きということはあるかもしれませんが、まず総論的に、この激変 緩和措置の総論的な意味で、多少は動くかもしれませんが、まずこの指定基準を満たさない 基幹型臨床研修病院を、今後、今回行ったと同じような取扱いをしていくべきか、少なくと ももう1年、あるいはもう数年というところに関しては、ある程度のご意見がいただけるの ではないかと推察いたしますが、そういうことで多少の変動があるということも踏まえて、 現時点でのマッチ数、内定数から考えてご意見をいただきたいと思います。よろしいでしょ うか。 ○冨永委員 いまの(1)に関してですが、資料1の3頁の(2)、(3)辺りがその論点になるのか なと思っておりますが、受入れ実数がなければ22年度末でいいのですが、昨年認めて、こ こにもありますようにマッチで内定者があるということになりますと、23年度末まで指定 しておかないと、途中で切ることになってしまいます。ですから、マッチしたところは少な くとも2年間認める。いままでマッチが何年間もなくて、現在も指定基準を満たしていない 所は22年度末で指定を取り消しということになるのかなと私は思ったのですが、いかがで しょうか。 ○部会長 資料1の3頁の(2)と(3)の内定者数で、(2)が49病院、(3)は7病院、合計56病 院はすでに内定者数がおりまして、いま飯沼先生がおっしゃったように、国家試験で落ちて しまうこともあるので、場合によってはこの病院も内定者でなくて実際に医師が就業する病 院としては減る可能性はありますが、大体50数病院がすでに内定者があるということです と、この病院に関しては激変緩和措置として、少なくとも次年度は認める。当然基準にマッ チするように努力はしていただくものの、基準に到達しなくても認めてはどうかというよう なご意見としてよろしいですか。 ○冨永委員 はい。 ○部会長 そのようなことで。 ○冨永委員 いまのは2年間の初期臨床研修です。 ○部会長 2年間ですか。 ○医師臨床研修推進室長 すみません、今回のマッチングでマッチした方というのは、もう すでに指定を継続するという取扱いをしておりますので、しかも2年間、この方たちが修了 するまでは基本的には指定を継続するという形にしています。ですから、いまご議論いただ くのは23年度から研修を始められる方について、募集ができるようにするのか、基幹型病 院として指定を継続することができるのかどうかということをご議論していただければと 思っています。 ○部会長 つまり内定者が、研修医がいるからという理由でさらにこの措置を継続するとい うことは必要ないということだそうでございます。そのほかにはいかがでしょうか。 ○河野委員 病院の扱いについては基本的に私は山下先生のお考えに賛成なのですが、ただ、 時期を考えますと、今回例えば大学病院と臨床研修病院との参考資料1の3頁目を見ますと、 臨床研修病院と大学病院の研修医の割合がかなり接近してきているというデータが出てい るのですが、国立大学附属病院長会議でいま国立大学の全部の状況を調べていまして、まだ データが55%ぐらいの回収率なのですが、個々の大学病院で見ると、必ずしもそんなよう な状況ではないのです。ですから、トータルの人数で見るとその動きが、比較的集まってい る病院もあるから、こういう動きになるのかもしれないのですが、今度は個々の大学数で見 直してみると、必ずしもこういった経過ではないのです。というのは、この今回のいろいろ な改変というものが悪かったということを言っているのではなくて、まだその行きわたりが、 効果の判定が十分になされていないのではないか、というような気もしているのです。です から、もう少し評価ということについては時間が必要だし、いま申し上げたようないろいろ な評価をまだまだしなくてはならない、情報を集めなくてはならない点があるのではないか。 ですから、これだけのデータで緩和措置をすることも、もともとその精神が決まった段階に おいて、それを考えますと、ちょっと時期については慎重な対応が必要ではないかというよ うな気がいたします。 ○長尾委員 私も確かに質を担保するために早く指定をして基準をきちんとするというこ とは当然のことだと思うのですが、やはり評価をどのようにやるかということも含めて、あ る程度の激変緩和措置の延長ということも考えるべきではないかというふうには思います ので、できるだけ早くそういう指定基準を満たすように、それぞれの研修指定病院に対して 要望していくことはもちろんですが、当面は時期を見てということでもいいのではないかと 思っております。 ○部会長 ありがとうございます。 ○小川(彰)委員 激変緩和措置で激変緩和、激変緩和と言っていけば、あっという間に5 年は過ぎてしまうのです。5年間の法律で決められた臨床研修の制度設計を、何のために去 年変えたかという理念からすれば、私は山下先生のおっしゃっているように、最低限の決め られているような指定基準というのがあるわけですから、これをいつまでも激変緩和といっ て先延ばしにすることは、何のために5年の見直しをやったのかがわからないということに なりかねないです。  もう1つ非常に重要な視点は、臨床研修病院群の形成を促進をすることを法律の中でも謳 っているわけです。だとすれば、きちんと基幹型臨床研修病院にならなくても、協力型の研 修病院にはなれるわけですから、どこまでその例外措置を継続していくのかということから すれば、いちばん大事な臨床研修病院群の形成を促進することを否定することになりかねな いわけですから、これはきちんとやっていただきたいと思っています。  今日の議論には入っていませんが、1点だけ申し上げたいのは、去年も言ったのですが、 現在の定員はプログラムを基本にした定員になっているので、先ほどいろいろご議論もあっ たように、例えば小児科・産科という特殊なものに関しては応募者ゼロというのがたくさん ある。そうすると、プログラムベースドの定員だと、いま現在先ほどのデータからすれば定 員が1万500人あって、マッチをする方が7,875人という数ですから、この定員と実際に マッチをする方々との人数の差をもう少し狭めなければ意味がないわけです。そこに、また 臨床研修病院群の話が出てきて、去年も1回はディスカッションに乗ったのですが、臨床研 修病院群の形成を促して促進をすることが法律で決まっているのであれば、臨床研修病院群 としてプログラムといいますか、定員を定めなければ意味がないわけです。去年この件に関 してサスペンディドになった理由は、いますぐマッチングのコンピュータシステムを変える のは難しいからという理由で延期になったわけで、これを今年きちんと議論をしないと、い つまでもいまと同じ形になりますから、法律で省令の中にきちんと入れられた臨床研修病院 群の形成が進んでいかないということだとしますと、今回の5年目の見直しのいちばん根幹 にかかわるところが、いつまでも進まないということになるわけですから、是非この辺に関 しては、前向きに検討していただきたいと思います。 ○部会長 ありがとうございました。いま、激変緩和措置の(1)のことを言っていたのですが、 非常に大事なご指摘を受けました。これは後ほど、臨床研修病院群の形成促進に対応した定 員とかマッチングということで議論したいと思いますが、よろしいでしょうか。                  (異議なし) ○部会長 ありがとうございます。基幹型研修病院で、指定基準を満たさない病院を次年度、 この次あるいはその次までどのようにするかというのは2つのご意見が分かれていますが、 さらにその点について。長尾先生。 ○長尾委員 3頁の(2)の臨床研修内定者数がある、指定基準を満たしていない病院の実際 の内容というか、そういうものをもう一度きちんと出していただくことはできますか。 ○医師臨床研修推進室長 具体的には、どういう病院かということをお示しをすると。 ○長尾委員 どういうところで指定基準を満たしていなくて、それがその地域でどういう機 能を果たしているのかとか、いろいろなことを総合的に考えるべきだと思うので、そういう ことがなしに切りましょうかという話でもどうかなと思いますので、もう少し内容をきちん と把握した上で決めるべきだろうと思います。 ○医師臨床研修推進室長 わかりました。もし定性的な資料であれば公開の場でも出せると 思いますが、個別の病院の名前が入ってくることになると公開の場では難しいかもしれませ んので、その辺は部会長と相談をしながら、どういう形でお示しをするのがいいのか。対象 となる病院はこちらでしっかり把握していますので、それを各先生方にご覧いただくことは 可能と思っています。 ○部会長 そうすると、それが出ないと最終的には決まらない可能性もありますか。 ○医師臨床研修推進室長 ここでは定性的なところをご議論いただいて、具体的な話は個別 に少しお話をしたり、何らかの形で皆さんでご議論できるようにして。 ○部会長 56病院に関しての大体の傾向というのはある程度把握しているのですか。受入 実績があった49病院と、7病院ですね。 ○医師臨床研修推進室長 大体の傾向というのは非常に難しいですが、たくさんの募集定員 があってフルマッチをしているような所もありますし。 ○部会長 基準を満たさなかったのは、どのような理由ですか。 ○医師臨床研修推進室長 基準を満たさなかったのは、1つは入院患者数年間3,000人が足 りないという所があります。あと、そういうところは達していて、大きな病院ではあるけれ ども、がんセンターのように少し診療に特化して規模は大きい所だけれども、救急医療をや っていないということで基準を満たしていない所があります。CPCもやっていない所があ りますが、そういう所は工夫すれば、指定基準を満たすような形というのは可能ではないか と思います。 ○部会長 がんセンターのように、1つのところに特化していますと変えようがないです。 CPCとか病床数も変えようがないですが、そういう場合は先ほど小川先生がおっしゃった ように、必ずしも基幹型にならなくてもいいのではないか。協力型として入ってという意見 もあります。いまここで得られる情報は、大体そのようなところですが、そういうことで少 しさらに方向性を決めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。基準を満たさない病院 を来年、場合によっては再来年まで続けて、さらにその後まで続けていくのか。認めていく のか。それとも、今回これ切りにしたほうがいいのかということです。非常に大事な問題で すので、これは今回決めたほうが。 ○医師臨床研修推進室長 今回は先生方のご意見を伺って、我々のほうで整理をして。 ○部会長 また追加の資料などをして、次回に最終的に決めてもよろしいということですね。 ○医師臨床研修推進室長 はい、結構です。 ○部会長 もう少しどうぞ。 ○小川(秀)委員 少しデータが足りないです。おっしゃっているように、資料1の3頁の (2)(3)のマッチングした受入れの実績があったため指定を継続していて、内定者があった所 となかった所の違いがあまり明確になっていません。地域的なこと、名前を伏せたにしても、 我々が判断する情報が足りないと思います。それから(3)のほうで、7病院はあったわけで すが、ほかの病院はいったいどうなのか。追加資料が必要だと思います。 ○部会長 わかりました。そのようなことで、今日は決めるということではありませんが、 さらに方向性としてのご意見、あるいは必要な資料、データのご意見をいただきたいと思い ます。 ○吉岡委員 私は今年度からですので、「激変緩和」という言葉が出たときの見通しについ ては、例えば今年度だけという限定だったのか、もう少し期間に余裕があったということな のかということが質問の1点。もう1点は、病院に対しては研修協力型で全く問題がないと 思っていますが、いちばんの問題は受ける学生、研修医です。研修医が管理型のこれらの病 院に行きたいと強く思っている人が、140何名というかなりの数がいたわけです。これを少 ないと見るのか多いと見るのかによって、彼らに対するアナウンスメントとか、いつごろを 目処に政府としては、なくしていきたいかということを、もう少し明確に予備的に話された 上でやるのがいいのかなという感じはします。 ○部会長 激変緩和措置に関しては今回だけではないということで、今回継続するかどうか を議論しているわけですよね。 ○医師臨床研修推進室長 そうです。もともと激変緩和措置は念頭に置きながら議論してい ただいたのですが、全然時限を区切っていない状況がありましたので、時限を区切るべきで あろうという話がありまして、どのぐらい時限を区切るかというところまでは議論ができま せんでした。とりあえず、まず1年間はこれでやりましょうということで、平成23年度以 降についてはまた改めて検討しましょうという取扱いにしました。 ○部会長 そのデータなどを見てということですね。そのほかの(2)(3)に関しても関連します ので、さらに(2)(3)について、特に小児科・産科の研修プログラムに関しては、これが駄目に なると定員が少なくなるという議論がありましたので、まず(2)の激変緩和措置を続けるかど うかというご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○山下委員 先生がいま問題提起をされた本旨と違うかもしれませんが、非常に問題になる のは、例えばお店を開けてもそこにアプライがないとか、国試に落ちたときに、そこが空い てしまいます。それは、次年度にまた影響してくるということがありまして、飯沼先生がお っしゃったように国試の段階で、ある程度のフレキシビリティがある、そうしないと、実情 に合わない。いまは国試の前のマッチングでもう決まっているわけですから、それが国試の あとに全部引きずってしまうシステムが無理になってきているのではないかと思います。こ れは院内でも大きな問題。例えばグループ分けをしたら、あるグループだけ2人落ちたとい うことになると、そこのグループがすごく辛い。教育は、なるべく少人数でたくさんの指導 医がいたほうがいいわけですから、均等にしたほうがいいにきまっているわけで、先ほどの 飯沼先生のご議論は非常に大事なことなので、どこかでフレキシビリティを持たせていただ けないかなと。そうすると、今度は小児科・産科のプログラムに関しても、少しアプライし やすくなって運用しやすくなるのではないかなと。いくらでも変えられることになると、こ れも制度の根幹を揺るがすことになる。その辺で私はいまは意見はないですが、ディスカッ ションがあればと思います。 ○部会長 ありがとうございます。小児科・産科のプログラム義務づけについて、どうぞ。 ○河野委員 前回のときも私はそれを申し上げましたが、先生がおっしゃるとおりで、それ はそのプログラムだけではなく病院間もそうです。地域でも減ります。ですから、何らかの 形でそこの後付けの再修正ができないと。前回お聞きしたときには、マッチングという集計 システム自体で、それは原則無理だというようなお話で終わりましたが、余談になりますが、 今回大学病院のアンケートを取りますと、何校かからマッチングという市場システムを排除 してほしいという、非常に根本的な意見も出ていますから、是非ご検討いただきたいと思い ます。 ○部会長 室長からどうぞ。 ○医師臨床研修推進室長 昨年度ご議論いただいたときに、マッチングのほうで定員の融通 ができるようにしてはどうかというご提案をいただいています。これについては、マッチン グ協議会のほうに検討していただいたのですが、そういう定員の融通をすると安定性が保て ないということがありましたので、マッチングの方法としては現在のやり方でやっていく。 もし、ここの小児科・産科のプログラムの義務づけの話について何らか対応するとなると、 こちらの制度のほうで対応していかなければいけないと思っています。 ○部会長 例えば定員の中に入れないで、外に付けるということもあり得ますか。 ○医師臨床研修推進室長 定員自体は全体で管理をしますが、例えば削減の対象にすること を、対象外にするということは、これまでも議論としてはいただいていましたので、そうい うこともこの場でご議論いただければと思っています。 ○山口委員 昨年もそのことを非常に懸念したのですが、実際にこの小児科あるいは産科の 枠を設けて応募がなかったために、それまではフルマッチしていた病院で、実際そこが00 で、例えば4名に減ったという病院は、どのぐらいあったのでしょうか。 ○医師臨床研修推進室長 そういう見方では、個別には見ていません。 ○部会長 これは調べれば、データは出ますか。 ○医師臨床研修推進室長 それは調べればわかると思います。見方として新たに設けたけれ ども、埋まらなかったというのは出ると思いますが、従来から小児科・産科を設けていた所 もあって、そういう所が埋まらなかったような事例もありますので、それをどう見るのかと いうのはいろいろ難しいことはありますが、データとして整理することは可能であると思っ ています。 ○山口委員 その辺は細かく見ていただかないといけないと思います。義務づけたことで、 それまであった定員を小児科・産科に割り振らざるを得なかった、割り振ったら、その分だ け減った。これは問題だと思います。研修医が多く集まるような病院は、優秀で、それなり に実績もあると思うので、そういう意味ではできるだけこういう所に集まってもらいたいこ とは方向として間違っていないと思います。それから言いますと、普通の従来の定員枠を外 すような形ででも増やせるような格好であれば、そういう弊害は防げるのかなと思いますの で、是非ご検討いただきたいです。 ○小川(秀)委員 私も昨年、山口先生のあとに小児科と産科を増やしたいという思いで 20名以上の所にはやってほしいとセットしたわけですから、これがマッチングしないから 削減の対象になるというのは、理に適っていないと思います。  もう1つは、なぜマッチングしなかったのかということを検証していただきたいです。そ のone of themとして、国が現場で働く産科医にインセンティブを若干ではあるけれども与 えようといって、助成金の制度を作ったのがうまく働いていないことは、やはり何か対策を 立てるべきだと。それを少なくともやってほしいという提言はできると思います。 ○河野委員 ただいまの産科・小児科のマッチングの国立の個々の大学の情報を見ますと、 大学によってかなり違います。一定の傾向がないです。小川先生がおっしゃられたどんな条 件が個々で違うのか。地域性やらいろいろなプログラムの内容、いろいろなことがあると思 うので、なかなか難しい問題かなとは思いますが、私が見たところでは一定の傾向がありま せんでした。  もう1点は、今回の資料1を見ますと、先ほど申し上げたことに関連しますが、結果的に はある程度必修化というかプログラムが作られたコース、コースを作られたところというこ とで考えますと、大学病院と臨床研修病院の間で、結構プログラムに特徴的な違いがあるの ではないか。要するに、大学病院型のプログラムと臨床研修病院型のプログラムというのは、 結果的にできているのではないかという気がします。これを見ると、かなりの違いがありま すから、それによる人の動きとか、その辺のところも踏まえて総体で見ると、このような特 別コースを作ったことの1つの傍証にもなるのかなという気がしますので、よろしくお願い します。 ○部会長 確かに、今回の見直しを踏まえた研修プログラム、資料1の1頁ですが、大学病 院のほうが従来型から踏まえた研修プログラム、かつ多様になっていることもあるかと思い ます。もちろん、病床数とか定員数にも違いがあると思います。  そのほか、(3)(4)も含めてご意見をいただきたいと思います。臨床研修病院の応募定員です。 小児科・産科に戻っても結構ですが、臨床研修病院の応募定員、都道府県別の応募定員に関 しまして、ご意見をいただきたいと思います。これも、激変緩和措置に関して、これをどう するかということです。先ほど言いましたが、今回入った方に関しては、その病院に関して 2年間は削らないということですが、将来もこのような激変緩和措置をどこまで続けるのか。 激変緩和措置ですから、ずっと続けることはあり得ないわけですから、来年はもうやめるの か、再来年にやめるのか、5年先なのかということですが、いかがでしょうか。 ○長尾委員 募集定員の上限について、前は過去3年間の分でしたよね。 ○医師臨床研修推進室長 定員を設定する原則は、過去3年間の受入実績を基本にするとい うことにしています。 ○長尾委員 ここには、平成21年度研修の研修募集者の実績を勘案することになっていま すが。 ○医師臨床研修推進室長 過去3年間の実績を基にするというのは基本でありまして、激変 緩和措置として、前年度の内定者数を下回らないような形にしているということです。 ○長尾委員 わかりました。ある部分、激変緩和というのは少し続けてもらいたいというの がある。ある年度でポンと何らかの要因で下がっても、きちんとした指導をすることによっ て、またプログラム、その病院にまた戻っていくこともあり得るので、1、2年非常に減っ たからということで、完全にそれを切ってしまうのがいいのかどうかというのは問題だろう と思いますので、その辺をどう考えるかというのはよく議論してもらいたいと思います。 ○部会長 いかがでしょうか。山下先生、どうぞ。 ○山下委員 これも議論が先生の提示された問題とずれるかもしれないので申し訳ないで すが、先ほど小川彰先生がおっしゃったネットワーク化というか、病院群形成に関してのス コープをこの辺で出していったほうがいいのではないかと思います。要するに、いろいろな 特徴のある病院を1つの群にして、それを1つ指定して、そういうところにどんどん人を集 めていって、みんなで教育するのだというようなことで。これはイメージだけかもしれない ですが、基幹病院が定数を設定しているところには、例えば非常に特徴のある中小の病院が 弾き飛ばされたというイメージがどうしても出てきます。先ほど小川先生がおっしゃったよ うな病院群を形成するのはいきなりはできないと思いますが、そういう議論はやっていかな いといけないと思います。 ○部会長 一応は、激変緩和措置をいつまで継続するかというところでやっていますので、 もちろんいまのことも含めて、激変緩和措置をいつまで続けるかということをお考えいただ くのですが、それは後ほど病院群のところでということでよろしいですか。 ○冨永委員 募集定員をどれぐらいが適当か。1万人弱ぐらいが適当かというお話が昨年度 あったように思いますが、1万900人ですか。 ○医師臨床研修推進室長 1万699人になります。 ○冨永委員 それぐらいになったので、もうそれでよしとするのか、さらにこれを削減して いくのかということになるかと思います。激変緩和措置は確かに都道府県の上限設定の場合 には大事だと思っていました。というのは、片方で厚生労働省と文科省の検討委員会でも、 大学の医師派遣機能を高めるということが報告書にも出ていたと思います。都道府県内で完 結するということならばいいですが、古い大学によっては複数あるいは10以上の都道府県 に医師を配置している大学もあるわけですから、その都道府県の人口割、学生数割だけで定 数を決めれば、どんどん削減せざるを得ないことになります。現実がどうなのか。状況が変 化して、都道府県内で医師の配置が完結する事態になればいいですが、いまは経過中という か、むしろ大学の機能を高めるという話もあったわけですから、人口割、大学の医学生数だ けで定数を決めるのはいかがなものかと思っています。 ○部会長 ありがとうございました。いまのは(4)にも関係しますし、また非常に大事な医師 派遣機能を評価することにも関係したご意見だと思います。そのほかにいかがでしょうか。 まず、臨床研修病院の定員の上限に関する激変緩和措置について、今回だけにするのか、さ らに1年なり2年なり数年延長するのかということに関して、あるいは個々に年限を設ける のではなくて、(1)(2)(3)(4)が全く同じ年に、もう激変緩和措置はないのだということにするの か。そんなことも含めて、ご意見をいただきたいと思います。 ○飯沼委員 激変緩和は大事だと思いますが、1万人を大幅に超えているというのが多少問 題があるような気がします。ただ、激変緩和措置をそのまま残して、how-toがもしおあり になれば。トータルは減らしたい、激変緩和はいきたいということで、何かhow-toがあり ますか。 ○医師臨床研修推進室長 それは本日のご意見を踏まえて、いろいろ検討を進めていきたい と思います。 ○部会長 先ほど小川彰委員からも定員のことと実際のプログラムの差が大きすぎるから ということもありました。これは、激変緩和措置を続けていれば、当然、定員は増えてしま うということもあります。  都道府県別の募集定員についても激変緩和措置が行われていますが、これについてもご意 見をいただきたいと思います。先ほど実態が少し出てきました、いくつかの都道府県では増 えている所もある。それから6つの都会型の都府県に関しては、愛知県を除いて減っていた。 この実態も踏まえて、これをどのようにしていくかということですが、いかがでしょうか。 いままでの中にも、いくつかそれに関連するご意見はいただきましたが、特にご意見がなけ れば、ほかのさらに必要なデータを委員の方々にお示しした上で、次回に決めていくという ことでよろしいですか。まだ、いくつか議題が残っていますので、そのようにさせていただ きます。  続きまして、研修医の処遇、給与等についてどのような対応を行っていくかということで、 先ほどご意見といくつかの質問が出ました。大変高給を取っている方もあるそうですが、問 題はプログラムに実際に書いてあるけれども、行ってみるとほかに手当が出ていたり、超勤 が非常に多かったりということで、実際の年収は随分違う。場合によっては少なくなってい る部分もあるかもしれません。 ○冨永委員 医師の給与に関しても、いわゆる正規職員ですね。地域、地域によって違う実 態があります。都道府県で研修医を含め、医師を確保したい。なんとかして、特に勤務医を 確保していきたいという願いが地方ではあると思います。ですから、同じ給与であれば都会 に行くということはあると思います。もちろん研修プログラム、指導医の質ということは非 常に大事ですが、プログラムも一緒で、指導医の質も一緒だったら、都会に住みたいという 若い方が多いわけですから、それをカバーする意味である程度の給与の差というのはやむを 得ないのかなと思っていますが、3倍も4倍もというのはいかがなものかなと思っています ので、妥当の範囲がどれぐらいなのかは見当はつきませんが、ある程度の幅はやむを得ない のかなと思っています。 ○小川(彰)委員 これは非常に大きな問題だと思いますし、ただいまのご発言も非常によ くわかりますが、ある程度一定化しないとまずいのではないかなと思います。ただ、先ほど 来ご意見が出ているように、データが足りないのです。ですから、どういう病院がたくさん 出していて、それはけしからん病院なのか、どういう理由なのかのデータを、もちろん個人 情報にも関係することですから、病院名や何かは公表できないでしょうけれども、その辺の データを出してもらわないと、これは議論できないのではないかなと思います。 ○部会長 例えば典型的なA病院、B病院、地方が何件で、病床数がいくつでということ は、いまここでは無理かと思いますが、それで募集のときにはいくらと書いてあって、実際 の具体的な年収がこういう方がいたという典型的なデータを作ることは可能ですか。それを 次回までにお配りすることは。 ○医師臨床研修推進室長 少し工夫してみて、また部会長とご相談して整理をしていきたい と思います。 ○部会長 私自身も、マッチ率について非常に興味があります。高い俸給を出す所は非常に 高くマッチしたとか、逆に病院としてはそういう希望者を受け入れなかったといろいろなこ とがありますので、いろいろなデータを次までに用意する。そのことを含めてですが、さら に先生方にお聞きしたいのは、最小値が1年次が204万円、2年次が218万円というデー タがありましたが、そもそも研修医制度の発足の時点で、将来目標として年俸で360万円 程度という目標があったかと思います。これは矢崎先生が委員長をなさっていたときに、そ のような方向で行ったのではないかと思いますが、この最小値と最初の目標が実際にはそこ に到達していない病院がいくつかありそうですが、その辺についてはどうするかというご意 見を伺いたいと思います。高いほうは、先ほどいくつかご意見をいただきました。どうです か。 ○河野委員 これはお調べいただくときに、その額設定の根拠。いま、低いほうと高いほう とを含めて、シニアレジデントの給与もあるし、常勤医の給与もあると思います。それとの 相対比較もあって、ただこの最大値の1,300云々というのと、シニアレジデントはこれでい くらで、常勤医がいくらになってしまうのだろうという気もしますが、その辺の地域性や何 か。先ほど700万円以上のところに、東京都内もあるとおっしゃいましたよね。ですから、 単なる田舎だからというわけでもなさそうですし、その辺のところを踏まえて議論をしない とならないかと思います。よろしくお願いします。 ○部会長 ありがとうございます。最小値360万円を大きく割っているものに関しては、 考え方としていかがするかというのも、できれば先生方のご意見をお伺いしたいです。 ○小川(秀)委員 事情をもう少し知らせていただきたいと思います。逆の見方をすれば非 常に低い手当であるけれども、なぜ若者が行くか。その理由によりけりだと思いますが、素 晴らしいカリキュラムがあって、効率的に仕事ができるというものがあれば参考にすべきだ と思います。基本的には、当初我々のグループで設定した300数十万円のところに収束す べきだと思いますが、高い所と低い所の特徴のようなものを次回データで出していただけれ ばと思います。 ○医師臨床研修推進室長 わかりました。低い所については少し定性的に申し上げますと、 300万円以下の所では、東京都内が若干多いかなという印象を持っています。こういう所は、 宿舎とか現物のものがあったりするので、手当としては少ないということも考えられるので はないかと思います。 ○部会長 そういうデータは、あるものに関しては出ますか。宿舎とか、そのほかのフリン ジベネフィットですね。 ○医師臨床研修推進室長 少し作業の時間がかかるかと思いますが、いろいろと工夫をした いと思います。 ○飯沼委員 基本給と諸手当とも分けてほしいです。 ○医師臨床研修推進室長 この調査をしたときに、実際に支払った給与を調べていますので、 それで分けることはできないですが、推測する形としては公募のときにどういう形で公募を しているのかということは公表することになっていますので、それを改めて見て、それと比 較をすることはあり得るのかなと思います。 ○矢崎委員 30万円支給というのは、細かい区分けなどをしないで、トータルで30万円で アルバイトしないでできるようなというのが基準で30万円になったのです。それが本給な のか、手当も含めた額なのか、居住費を支給することをその中に入れるかどうかという議論 は一切なかったと記憶していますので、もう少し30万円という基準がどういう捉え方で、 どう対応されているかというのは、いま振り返って調べて、もう一度給与のあり方というの を考えないといけないかもしれません。 ○部会長 たしか私も、矢崎先生の下で委員をしていましたときに、確かにアルバイトをし なくても、研修が続けられるお金として月に30万円程度で、そのときに超勤が含まれるか どうかは議論していませんでしたね。 ○矢崎委員 それと地域によって、アルバイトをしないで生活できる生活費は違うかもしれ ませんので、そういうことも考慮して、あるべき支給額というのは、改めて基準額みたいな ものを示したほうがいいかもしれません。 ○小川(彰)委員 もちろん、研修医個人に行く給与等に関して議論することも極めて大事 ですが、病院に対する国からのお金の下り方が全然違います。例えば、国立大学と公立大学 と私立大学と市中病院では、全然補助のやり方が違いますので、そこに大変な格差が生じて いる事実があります。したがって、私立大学あたりであれば、かなり自己負担で出さなけれ ば到底出ない。そちら側の問題も、病院に対する補助の出し方で、その差みたいなものもデ ータとして出していただかないと議論できないと思います。 ○部会長 それでは、個々の病院の事例のときに、そういう方向に。 ○医師臨床研修推進室長 出し方については、またご相談をさせていただきます。 ○部会長 ご意見をありがとうございます。 ○吉岡委員 小川先生から公立の話が出まして、公立大学のいわゆる運営費交付金の出方に ついて、いま先生がおっしゃったように政府から直接のものが一切なくて、総務省から地方 交付税という形から来てます。いまおっしゃっている研修医の手当についての政府からの臨 床研修医補助金は、確かに県を一旦経由していると思いますが、私ども奈良医大については そのままの数字で来ていますので、その辺での調整はないというところが公立大学の実態に 近いと思います。 ○部会長 よろしいでしょうか。その辺のことも勘案するということですが、いかがでしょ うか。この研修医の処遇で、将来的に次回の会議でも、不適切になった場合に、どのように してそれを是正していただくかも、いろいろな方法論等もあるかと思います。いかがでしょ うか。 ○山口委員 実感として、例えば200万円というのは、月給15万円で180万円、あと当直 を1回5,000円ということで200万円という数字になると思います。これは、普通に大学 を卒業して普通の会社に勤めた人よりは明らかに低い評価なので、高いのも問題ですが、低 いのも不適切という判断を示していただきたいと思います。どういう対応がいいかは別にし て、その方向性は是非示していただきたいと思います。 ○部会長 ありがとうございます。よろしいですか。激変緩和措置、処遇について大体ご意 見をいただきました。この次は、臨床研修に対する評価についてご議論いただきます。 ○長尾委員 早退しますので、一言だけ言わせていただきます。評価のところと今回の臨床 研修制度の変更で、必修課目の問題と到達目標は達成することが一応決まったわけです。た だ、その到達目標については、いくつかのプログラムの中では必修課目として盛り込まれて はいないけれども、その到達目標をきちんと達成するということがあると思います。例えば 精神科のほうでも、そういう達成目標は入院患者の統合失調症、認知症、気分障害について、 入院症例をもってレポートを出すことになっていますが、その到達目標がきちんと達成でき るのかどうかということを検証していかなければいけないと思います。  私が聞いた部分では、ある病院では精神科の入院ベッドを持っていませんから、ある精神 科の病院に1週間だけ行く形でプログラムが組まれている。その総合病院では、専門官との 話の中かどうかはわかりませんが、その病院である部分少し他科でも入院している人もある でしょう、だから、その部分はそれも評価しながら、そちらの精神科の病院では1週間でも いいのではないかという言い方がされたのか、どちらがどうなったのかはわかりませんが、 そういうことを間接的に聞いたことがあります。そういうことで、本当にきちんとした指導 体制が取れて、きちんと到達ができるのかということは、非常に疑問に思います。そういっ たことを含めて、まだこの研修制度は始まっていませんからあれですが、この到達目標を本 当にどうやって達成するのか、達成されているのかということをきちんと今後検証していっ ていただきたい。もし、仮にそういうような指導がされているのであれば、これは以ての外 であると思いますので、そういうことも含めて、厚労省も含めてきちんと考えていただきた いと思います。 ○部会長 ありがとうございます。非常に大事なご意見をいただきました。そのほかにいか がでしょうか。 ○山下委員 この研修制度に対しての評価というのが非常に大事で、今日の議題で例えば病 院の質とかプログラムとか募集定員に関して、臨床研修の目的は良い医師を作るということ ですから、そのコンセプトが本当にこの制度でいいかどうかということをきちんとこれから 定常的にモニターし、また提言することがやはり必要。これは非常に大事なことだと思って いまして、2つのことをお願いしたい。  1つは長尾先生もおっしゃいましたが、プログラムの到達目標というのが実際に研修制度 とずれてしまって、非常に現場での対応に苦慮しています。この到達目標が本当にベストな ものを探り当てるのはなかなか難しいかもしれませんが、それの努力はすべきであろう。そ ういう検証をきちんとしていく。この理念は、頻繁にみる病気をきちんとみられる能力、人 格の涵養の2つですが、頻繁にみる病気というのは簡単な病気というだけではなくて、がん、 脳卒中、心筋梗塞で60万人が死んでいるわけですから、頻繁にみる可能性があるわけです。 そういうものをきちんと、少なくとも自分で最初にみたときに適切な対応ができるというフ ァーストエイドの考え方はやはり必要。もう1つは、文科省、厚労省が一緒になって、卒前 教育との整合性を取って連携して、より良い教育のシステムを作っていくのだと、これは提 言で出しているわけですから、そちらの方向でプログラムをきちんと考えていくことをお願 いしたい。  もう1つは、受入病院の評価です。ここに書いてありますが、その際に必要なのがきちん とした教育をきちんとやるには、どういうシステムがいいか。ここで言うのが適切かもしれ ませんが、小川先生がおっしゃいましたように基幹病院があって、そこに協力病院があって、 全体でそれをどうやって教育するのがいいのかということを検証し、かつ長尾先生が最初に おっしゃいましたが、どの基準で病院を規定していくかというのはこういう検討の中からし か出てこないと思いますので、エビデンスをもって国民に対して、こういう病院でこういう 教育をしているから、いい医師の教育ができています、しかも、それが初期臨床研修だけを 切り取ると非常に難しいわけで、専門医の教育をするとき、非常にいい医師が何年後かには たくさんできていますよということが、あとになって説明できるように。そのためには、こ の臨床研修の評価というのは非常に大事だと思いますので、プログラムのことと病院の質の ことをお願いしたいと思います。 ○部会長 わかりました。評価に関する到達目標のこと、病院の質のことというご意見です。 そのほかにいかがでしょうか。参考資料2の平成21年度から始まった厚生労働科学特別研 究事業は、桐野総長が主任研究者ですが、小川彰先生と今日ご欠席の西澤先生と山下先生が 分担研究者ということでお入りになっていますので、まず平成21年度の報告に関しては 近々出てくるということですが、それも踏まえてということにはなるかと思いますが、この 委員会でのご意見をさらにお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。あとは先ほど、小 川彰先生からお話がありました病院群形成についてというディスカッションも論点として 追加したいと思いますので、評価については先ほどのご意見を踏まえて、次回にさらに検討 していくということでよろしいですか。  最後に、臨床研修病院群の形成の促進を含めて、今回の論点に関係するところも含めてご 意見をいただきたいと思います。まず先ほど小川先生からお話がありましたが、それに関し ていかがでしょうか。 ○矢崎委員 医師の育成というのは地域で医師を育成しないと、全国的なトップダウン式で は、なかなか実効性あるシステムが作れないのではないかということです。地域医療再生基 金も趣旨は、どこかに大きな県立病院をボンと建てて終わりではなくて、ソフトにお金を使 ってくださいという趣旨でありまして、したがって先ほど激変緩和というお話がありました が、これはある程度の基準を作ったので、それに沿うような対応をしないといけないのでは ないか。残念ながら基準に合わないけれども、非常に研修医に評価の高い病院を地域の中で、 「もうあなたは受入れ駄目ですよ」ということではなくて、小川先生がおっしゃったように 重要な関連病院の1つとして、しっかり地域で位置づけるようにすれば、いつまでと期限を 切ってどうのというよりは、むしろ地域の中でそういう病院をいかに受け入れるかという体 制を整えるのが激変緩和であって、そういう趣旨で前々から申し上げていますが、研修病院 なら研修病院、あるいは大学とコンソーシアムを作って、地域の中で専門医までを育てるよ うなシステムを構築しない限り、機械的に都道府県で定員を振り分けても、実効性はなかな か。  例えば、ある県ではすごく研修医が多いと言われて減らしますが、実際はその県の南部に 多いけれども、北部には医師がなかなか派遣されないということがあります。地域で医師を 育てるという住民の意識も向上していただいて、この機会ですから本当に後期研修のキャリ アパスも含めたシステムを、これを発端にして後期研修までを含めた医師の育成のあり方と いうのを議論していただくと、大変ありがたいと思っています。 ○部会長 ありがとうございました。また大変貴重なご意見です。小川彰先生、どうぞ。 ○小川(彰)委員 いま矢崎先生に大変力強いお言葉をいただいて、素晴らしいなと思って います。地域においては、大学病院だけではできないさまざまなことがありますし、コモン ディジーズとか、そういうものに関しては地域の研修病院のほうが、ずっといい研修をやっ てくれる所も当然あるわけで、この数年間の間に地域の一般病院の中で、指導できる方々が 非常に増えたことも当然あるわけです。そういう意味では、大学だけではなくて地域の基幹 病院も含めて、いろいろな研修病院が連携して医師を育てるシステムになるのが臨床研修病 院群だと思っています。そのためには、政策誘導をしてもらわないと、なかなかそうはいか ないということと、例えばいままでどおり個々の臨床研修病院で定員を作ってやっていたの では進まないわけで、そういう意味では臨床研修病院群としてコンソーシアムが定員を作っ て、募集をするような格好になっていっていただかないと困るわけです。  去年これを問題にしたときに、マッチング協議会のコンピュータシステムの問題で、これ を臨床研修病院群とすると非常に難しいという話がありました。あるいは、先ほどの議論の 中でプログラムベースドの定員があって、それを少し流動化、転用できないかということに 関して、マッチング協議会のほうが難しいと言っているというお話がありましたが、そうな ると本末転倒です。政策誘導をする政策そのものを決めるいちばん親の委員会が医道審議会 ですから、医道審議会で方針を決めて、こういうプログラムを作ってください、こういうプ ログラムでないと困るよという言い方をしないと。プログラムができないからそういうこと ができないのだというのは本末転倒で、何がいちばん求められているのかを決めて、それに 合わせてシステムを決めていくわけですから、是非そういう議論のほうに持っていっていた だければと思います。 ○部会長 ありがとうございました。これは大変重要なご発言だと思います。事務局から何 か現時点でどうですか。 ○医師臨床研修推進室長 マッチング協議会のほうでのできない理由について補足します と、技術的にできないというよりも、作ってしまうと病院や学生に不公平が生じてしまう。 それを受け入れるのであればもちろん作ることはできるけれども、下の順位の人が上の人が 希望しているものとは違う形で入れ替わったりしている。それが学生たちに受け入れられる のかどうか。実際に不満が出てきているので、安定したプログラムというのは、そういう不 満のない形でいまのアルゴリズムができているので、もしそれでいいということであれば作 るけれども、そうするとマッチング自体が全部できなくなって、いろいろな問題が生じます よと言われています。ですから、やれと言えばもちろんできますが、いろいろな学生たち、 病院の不満のことを考えれば、それはいい選択ではないだろうと思っています。 ○部会長 わかりました。それは、テクニカルには可能である。アルゴリズムはできると。 ○医師臨床研修推進室長 はい。 ○部会長 そうすると、具体的にこういう事例があり得るとか、こういうことがあり得ると いう仮の1つの事例みたいなものを、何か小さい資料でもよろしいので作ってこちらに示し ていただければ。仮定の状況で。 ○医師臨床研修推進室長 わかりました。 ○小川(彰)委員 そういうような意味での問題点があるのであれば、それをどうやって解 決すればいいのかということになるわけですから、別にそういう問題を抱えながらこれをや れというつもりは、たぶん我々のどなたもいらっしゃらないと思いますから、それを解決し ながらどうするのだということだろうと思いますので、是非その辺のデータも出していただ ければ。 ○部会長 これは、マッチングプログラムの根本的な考え方にも影響しますが、現時点での 施設ごとの定員ごとのマッチングということから、仮に病院群とかコンソーシアムを考えて マッチングした場合には、どういうデメリットがあるのか、どういう不公平があるのかとい うことの事例を示していただいて、さらに委員で検討していただくということでよろしいで すか。事務局は大変ですが。 ○矢崎委員 私も少し融通性を持って、マッチング制度をやったほうがいいのではないかと いうことだったのですが、マッチングのアルゴリズムの担当の方々にお聞きすると、いま室 長が言われたように大変な不公平が起こる。その実例をコンピュータで動画で、もしそうい うフレキシビリティを持った場合に、こういう事例がありますよと非常にわかりやすい説明 を聞きました。ですから、もし時間を取っていただければ僅かな時間ですから、なかなか難 しいということを先生方にわかっていただける非常に良い方法だと思いますので、提案しま す。 ○冨永委員 今度の指定基準の中に、病院群を作って研修をするということが書かれていま す。その地域で医師を育てるということは初期研修だけではなくて、いわゆる専門研修にお いても重要なことですから、当然、地域で医師を育てることは大事だと思っています。しか し、いまいろいろな難しい点があるならば、臨床研修病院群はそのグループの中で、研修医 を募集しなければ成り立たないということではないのではないか。少し柔軟に考えれば、複 数の病院の連携によって病院群を作りなさいよと指導すれば、そこの中でローテートしなが ら研修できるのではないかと思っています。いまは単独型、管理型から基幹型になりました が、それを核にして、いろいろな周囲の病院がいいところを出し合ってやるシステムを地域 で作れということでいいのではないか。いかがでしょうか。 ○部会長 これはいまから4年後に見直すこともありまして、その辺のところの視野を含め て、ただいまのようなご意見も参考にしたいと思います。 ○山下委員 いま矢崎先生と冨永先生のおっしゃったことは非常に大事なことなので、そう すると都道府県で区切るというのがまたファクターを1つ加えてきます。これは撤廃してほ しい。そうすると冨永先生がおっしゃったように、古い大学だと県の境目を越えてネットワ ークを作っているのはいくらでもあるわけですから、あまりにも複雑になりすぎるので、あ れは撤廃してほしいです。 ○部会長 ありがとうございます。司会の不手際で時間が来てしまいましたが、予定の時間 が参りましたので、本日はここまでとさせていただきます。本日いただいた貴重なご意見を 踏まえまして、事務局は次回の会議までに、今後の方針についてたたき台のようなものを用 意していただきたいと思い、かつ本日要請のありました資料についても、できる限り具体的 な資料を用意していただきたいと思います。事務局から最後に何かありますか。 ○臨床研修審査専門官 次回の日程は、2月3日(水)10時から12時を予定しています。場 所等は決まり次第、改めましてご連絡させていただきたいと思います。今後とも、どうぞよ ろしくお願いします。以上です。 ○部会長 本日、大変お忙しいところ、また貴重なご意見をありがとうございました。次回 についても、どうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。 (照会先)                   厚生労働省医政局医事課                      医師臨床研修推進室                    (代表)03−5253−1111                   (内線4123)