09/12/17 第14回日本年金機構設立委員会議事録 日本年金機構設立委員会(第14回)議事録 日 時:平成21年12月17日(木)10:00〜11:30 場 所:厚生労働省9階 省議室 出席委員:奥田委員長、磯村委員長代理、岩瀬委員、大熊委員、大山委員、紀陸委員、      古賀委員、小嶌委員、間瀬委員、水田委員、山崎委員 (奥田委員長)  それでは、引き続きまして議事を進めたいと思います。報告事項が数点あるというこ とでございますので、順次説明をお願いいたします。  最初に「お客様へのお約束10か条」でございますが、先日の懇談会でも委員の皆様 からご意見をいただきまして、それを踏まえて、紀陸理事長予定者の下で最終的な整理 が行われたということでございます。紀陸理事長予定者から報告をお願いいたします。 (紀陸理事長予定者)  お手元の資料1ですが、ご覧をいただきたいと存じます。前回の懇談会で皆様方から いろいろなご意見をいただきました。言い回しがこれで適切であるかどうか、また、特 にお客様へのお約束となっておりますけれども、相手先が本当にお客様だけなのか、事 務局の職員も含めてなのか、その辺、宛名がはっきりしていない内容になっているので はないか、かつ内容的にお約束はいいけれども、これがきちんと実践できる担保がある のか。いくつか貴重なご示唆をいただきました。  その後、改めて検討し直しまして、委員の皆様から改めてご意見をいただきながら、 この成案にさせていただいている次第です。  そもそもこの10か条は、イギリスのペンションサービス、カスタマーチャーターと いうのがあるようで、そういうものをこの機構でも出せないか、という岩瀬委員からの ご示唆がございまして、その後、準備を重ねてまいりまして、この成案に至っているわ けです。あくまでも機構の現場の職員がお客様に直接接する立場ですので、現場の職員 の方々の声がどういうものなのか、それをきちんと把握した上でないと、こういう10 か条が絵そらごとになってしまいますので、現場の人たちの意見も聞きながら、かつ作 成の過程で何回かボールをお互いの間で投げ合いながら、この案に立ち至っているよう な次第です。現場の声もきちんと聞いた上で、作成をいたしましたということです。  この資料1の一番上の四角のところに基本の私どもの姿勢がございます。当然のこと ながら、信頼回復のためには何といってもきちんと確実に年金をお支払いする、そのた めにどういうことをするか、誠意を持って対応し、正しく確実に業務を行う。これが全 体のメッセージでございますが、これをブレークダウンして下の1〜10の具体的な箇 条にいたしております。  先ほど申し上げましたように、この10か条は、あくまでお客様へのメッセージであ りますけれども、同時に全職員のいわば仕事を毎日していく上での基本的な立場を定め ていることにもなります。この10か条も職員向けにはもっと細かく解説しているもの もございますし、さらには特に接遇のところでは接遇のマニュアルを従来以上にブラッ シュアップしたものを準備いたしております。これは、現場(職場)の全職場に貼付す るのはもちろん、本部や事務所の窓口に貼る、さらにはいろんな形でこの内容をお客様 へのご案内の文書の中にも折り込んで外部向けにお知らせしてまいりたいと存じます。  この内容をきちんと実施するためには、当然ながら現場、事務センターからブロック の局、さらに本部、この間の連携がきちんとないといけませんし、さらには厚生労働省 との連携というのも不可欠でございまして、そういうことをきちんとこの後ろの方で、 このお約束を実践する担保といいますか、そういうものを手当てしながら取り組んでま いりたいと存じます。  内容的には、お客様へのまさに直接的な接遇、電話の応対、そういうものを書き記し ております。特に4番目とか5番目のあたりですが、きちんともっと何日以内とか、お 待たせ時間も何時間以内とか、明示できないかというご指摘もございましたけれども、 あまりこういうのを軽々しく掲げると、それが実現できなかった場合の反動というのも 考えなければいけませんので、できるだけきちんと行いながらというようなことで、こ の範囲にとどめさせていただいたわけでございます。  6とか7は、これはどちらかというと、本部とかバックヤードのほうで行うべきこと でございますが、この辺はまさに今申し上げた厚労省との連携とか、本部・プロックの 局がそれぞれ現場をサポートする必要があろうかというふうに存じます。  後ろへまいりまして、これは記録問題につきまして、現状をトークしていくという旨 を表明いたしております。併せてお客様にもご自身の記録の確認をお願いいたしており まして、これも、今、記録回復委員会でいろんな手だてをお考えいただいております。  下には、具体的にどういうところにお問い合わせいただくかというようなことも書き あげております。  さらにこのお約束が、お約束だけにとどまらないで、本当の意味でPDCAのサイク ルが回るように、毎年6月、7月ごろに年次報告、アニュアルレポートのようなものを 出させていただき、機構として、実際こういうことをやってきたけれども、その評価は いかがですかと、そういうような評価の内容も織り込んだ報告も敢行してまいりたいと 思っております。この10か条は1つの象徴でございますけれども、これを出すだけで はなくて、実際の実践活動と様々な仕掛けを機能的に回していく準備をしていきたいと 存じますので、よろしくご了承いただければ幸いかと存じます。  ご報告でございますが、以上にさせていただきたいと存じます。 (奥田委員長)  ありがとうございました。この「お客様へのお約束」は、本部と現場とが一体となっ てすべての職員が共有する。また、一人ひとりが実行することが大変重要になりますの で、紀陸理事長予定者には、実践面でのご指導をよろしくお願いいたします。  この件について、何かご質問、ご異議ございますか。 (「異議なし」との声あり)  それでは、次に進みたいと思います。次に厚生労働大臣が機構に示す「中期目標」に 関しまして、先般、社会保障審議会日本年金機構評価部会で議論が行われたということ でございますので、議論の概要等について事務局からの説明をお願いいたします。 (長田管理官)  失礼いたします。それでは、私から資料2に基づきまして、中期目標についてご説明 を申し上げたいと存じます。  まず、ちょっとおさらい的になりますが、右肩に「第1回社会保障審議会日本年金機 構評価部会 資料1」という表紙のついているものの表紙をおめくりいただきまして、 「日本年金機構の中期目標、中期計画、年度計画について」という資料をご覧いただき たいと思います。  そもそも法律上の中期目標、中期計画等の位置づけ、関係について整理をしたのがこ の2ページの資料でございます。左肩の箱にございますように、厚生労働大臣は中期目 標というものを定めまして、これを日本年金機構に対して指示をいたします。そして、 それを受けて日本年金機構の側では、中期計画、さらに中期計画に基づく年度単位の取 組を整理をした年度計画というものをそれぞれつくりまして、これらの計画について厚 生労働大臣に対して認可申請を行い、認可を得るというような仕組みになっております。  また大臣が中期目標を定めるに当たりましては、あらかじめ社会保障審議会に諮問を し、答申を得た上で中期目標をまとめることとなっております。また、中期目標の中身、 どんなことを書くかということに関しては、中ほどに吹き出しがございますが、法律上 掲げられていますのは、ここの吹き出しに掲げられた4つの点ということでございまし て、まず中期目標の期間を何年と定めるのかということ。 (大熊委員入室)  これについては法律上は3年〜5年の間で定めることになっております。  以下、提供するサービスの質の向上の関係、業務運営の効率化に関するもの、業務運 営の公正性・透明性等に関する重要事項というようなことが定められてございます。  この中期目標の中身をどういうふうにしていくかということに関しましては、以前、 当設立委員会におきましても、この横資料で5ページというページがついているところ に骨子ということで、7月28日の設立委員会の段階で、事務方のイメージとしての骨 子案をお示しさせていただきましたが、その後、実際にこの中期目標の議論を行う社会 保障審議会の中に日本年金機構評価部会というものが設けられまして、去る12月9日 からこれに関連する審議が開始をされているということでございます。  なお、参考でございますが、評価部会のメンバーにつきましては、この資料の一番最 後のページにございます。ご覧いただきましたとおりでございますが、当設立委員会の 先生方の中で、岩瀬委員、大山委員、長沼委員の3人がこの評価部会の委員としてもご 参画をいただいております。また、日本年金機構の職員採用審査会の委員でもいらっし ゃいました斎藤聖美委員もご参画をされております。  なお、部会長につきましては、日本年金機構の当面の業務運営の基本計画の策定づく りにかかわりました年金業務・組織再生会議の座長を務められておりましたJT相談役 の本田様が評価部会長となっておられます。  この評価部会につきましてでございますが、横紙のほうのページの4ページ、「日本 年金機構評価部会の業務について」ということで整理をされてございます。そもそも中 期目標の諮問を受けるということでございますが、それだけがこの評価部会の機能では ございません。まず中期目標の策定にかかわる議論をいただき諮問・答申を得るという のがまず出発点でございますが、当然目標を設定したら、その目標に対して実績をきち んと評価をしていくというPDCAサイクルを回していくというようなことが必要でご ざいます。併せまして、この評価部会では目標設定にかかわる議論を行いますとともに、 実績評価にかかわるご審議もいただくということでございまして、4ページの箱の2つ 目、3つ目にございますように、各年度の業績評価、あるいは中期目標期間における業 績評価についての諮問も受けるというような構成になってございます。また、併せまし て、一番最後の箱の部分でございますが、万が一、機構に対し大臣が業務改善命令を行 うというような必要性を判断された場合には、その際にこの評価部会の意見も聴くとい うようなことなどが定められているところでございます。  以下、資料をおめくりいただきまして、縦書きの「第1回 社会保障審議会日本年金 機構評価部会 資料3」という紙が出てまいります。これが去る12月9日の年金機構 評価部会に提示をされました中期目標を策定するに当たっての論点というものでござい ます。この中身について少しご説明をさせていただきます。  まず「中期目標の期間」でございますが、年金記録問題の対応を平成25年度までの 「国家プロジェクト」と位置付けていることから、「平成22年1日1日から平成26 年3月31日までの4年3か月」としてはどうかというような整理になってございます。  なお、当設立委員会の7月段階の議論におきましては、法律上3年を目途の検討規定 というのが置かれていることとの関係で、3年3か月の想定というようなご説明を事務 方から申し上げさせていただきましたが、この年金記録問題対応の4年間の国家プロジ ェクト期間との整合性という観点から、むしろ4年3か月とするほうが適当ではないか ということから、このような論点提起と修正をさせていただいている次第でございます。  それから、2番目に「年金記録問題への対応」ということを掲げさせていただいてお ります。先ほど法律上掲げるべき事項としまして、中期目標の期間のほか、サービスの 質、効率化、公正性・透明性ということの柱を掲げておりますが、年金記録問題は当面 最優先課題として取り組むことから、そういった法律事項にとらわれず、サービスの質 の向上等の前の位置づけのところで年金記録問題の対応というのを1つの大きな柱とし て位置づけてはどうかということでございます。これにつきましては、4年間の国家プ ロジェクト、とりわけ当初の2年間における集中的な取組という厚生労働省・国の方針 とも密接に連携をしながら最重要課題として取り組むということ。  具体的な取組の内容につきましては、ここに参考でいくつか掲げておりますが、ご案 内のとおり、年金記録回復委員会という磯村委員長代理が座長を務められております委 員会のほうで精力的な議論をいただいておりますが、そこで行われております様々な記 録問題にかかわります諸課題をベースにしながら計画的に取り組むことが必要ではない かというような論点提起となってございます。  それから、3番目の提供するサービス質の向上の関係でございますが、これにつきま しては、いわゆる公的年金業務におけるコア業務としての適用の関係、保険料の収納の 関係、年金給付の関係、また、年金給付と一体となった相談の関係について、各事項に ついて方向性というようなことで論点が示されているところでございます。  また、先ほど紀陸理事長予定者から、「お客様へのお約束」の報告もあり、機構とし ては、お客様目線のサービス向上にとりわけ重点的に取り組んでいくという方向づけが なされておりますが、そういった国民の声を反映させる取組に関する事項ということで、 そういった声をしっかりと吸収をし、また実際にそれをサービス改善につなげていく仕 組みの導入、実際の改善を図ることが必要ではないかということ。それから、それもき ちんと評価をし、情報開示をしていくことが必要ではないかといったことが掲げられて いるところでございます。  それから、4番目の効率化の関係でございますが、効率化につきましては、まず1点 目としまして、効率的な業務運営体制に関する事項ということで、業務の合理化・効率 化、その前提となる標準化をより一層進めることが必要ではないかということ。  当面の機構発足時における組織体制は、当設立委員会のご議論も踏まえて整理をさせ ていただいておりますが、将来的なさらなる事務集約化の関係でございますとか、当面 今のままの場所でスタートします年金事務所について、その配置が適正かといったよう なことも含めたことを触れてございます。  それから、運営経費の抑制について、まず人員体制につきましては、基本計画で定め られた枠組みに沿った効率化・合理化の一方で、当面は年金記録問題の対応というもの には必要な体制確保というものが必要ではないかということ。  その他の一般管理費なり業務経費については、効率化努力というものを図っていくこ とが必要ではないかということでございます。  オンラインシステムの関係につきましては、一方で新たな年金制度の設計という大き な課題もございまして、そういったことも十分念頭に置きながら必要なシステムの見直 しによる業務の効率化ということを図っていくことが必要ではないかということでござ います。  その他としまして、契約の透明性・競争性等の確保によりまして、調達コストの削減 に努めることが必要ではないかという論点提起となっております。  最後、5番目の公正性・透明性の関係でございますが、1番目は、当設立委員会でも 相当ご議論、ご示唆いただきました内部統制の構築の関係につきましてしっかりとした 体制の構築が必要ではないかということ。また、年金記録問題との関連も含めまして、 文書の保存・管理の徹底ということにつきましても触れられているところでございます。  次のページにまいりまして、情報公開の関係でございます。やはり国民の皆様の信頼 確保という観点から、きちんと説明責任を果たしていくことが重要であろうかと思いま すが、そういったことをアニュアルレポートというような形で公開することが必要では ないか。  また、現在大臣の指示の下に取組を進めておりますけれども、年金記録問題の対応状 況というものを定期的に情報提供し、どれだけ進捗をしてきたかというような取組につ いても引き続き機構においても必要ではないかということでございます。  それから、人事・人材の関係でございますけれども、これも三層構造問題の反省を踏 まえた必要な人事制度、キャリアパターンの確立、能力・実績本位の人材登用や給与体 系の確立、また、それを裏づけるきちんとした人事評価制度の導入といったことが掲げ られております。  最後、個人情報保護の関係が挙げられているところでございます。  こういった論点が、日本年金機構評価部会におきまして提示をされまして、それを踏 まえまして先日議論がなされてございます。その議論のいくつかをご紹介させていただ きたいと思いますが、まず目標全体にかかわるご意見といたしまして、機構になって変 わったということがわかるよう、何でもかんでもということではなくて戦略的な優先順 位づけをきちんとしながら取り組むことが必要ではないかということ。  また、なかなか機構というのは競争相手のいない組織というようなことでもあります ので、類似の諸外国の機関の比較の中で目標を考えていってはどうかということ。それ から、制度面の改善でございますとか、現場の実態などといったものを機構からしっか りと制度を所管いたします厚生労働省にきちんとフィードバックをして、必要とあらば 改善を求めていくといったようなことも必要ではないかといったご意見などがございま した。  また、サービスの質の向上にかかわります個別の論点につきましては、特に厚生年金 の適用について、まず未適用事業所がどのくらいあるかという現状把握が必要ではない だろうか。その上でどう底上げをすべきか考えるべきであって、現状の厚生年金の収納 率はあくまで適用された事業所について調停決定額に対してどれぐらい収納されたかと いう数字でございますので、そういった数字はその外側に未適用事業所があるというこ とを前提に見ていかないといけないのではないか。そうでないとミスリードしてしまう のではないかということ。また、未適用事業所の適用努力ということを併せて評価しな いと、いわば未適用事業所対策を積極的にやればやるほど瞬間的には収納率が落ちると いうような構造になりますので、そういったところが取組の矛盾とならないように考え ていく必要があるのではないか、そういったようなご趣旨のご意見であったかと思って おります。  それから、国民年金の納付率の関係につきましては、現行の80%という目標という のは、現実的には困難な面があるのではないか。当設立委員会でもご指摘のあった点で ございますが、実現可能性というものを考慮しながら目標を考えていくべきではないか。 また、具体の目標設定に当たって、例えば国民健康保険の納付状況だとか、比較的近い 類似のものの数値というものなどを参酌をしながら考えてもよいのではないか。そうい ったようなご議論がございました。  それから、せっかく新しい機構として出発をするというようなことでございますので、 社会保険庁ではできなかったけれども、機構になったからできたのだというようなこと も中期目標に盛り込むということを考えてはどうかというようなことがございました。 また、市民との連携というものも何か考えられないかといったようなこと。それから、 国民の皆様の声を聞くというのは当然非常に重要なことでありますが、国民の皆様の声 にじかに接している現場の職員の声を業務運営に反映させていくという仕組みをしっか りとつくり込んでいくことが大変重要ではないかといったようなこと。それから、お客 様のとりわけ苦情というものを丁寧に記録、読み込み分析をして、問題点を見逃さない というようなことが重要であるといったようなことなどがございました。  このほか、電子申請の推進についてぜひ中期目標に盛り込むべきではないかといった ようなこと。それから、職員の教育・研修といったものについて力を入れていくことが 必要ではないか等、非常に多岐にわたりますご意見をいただいたところでございます。  また、これらの各委員のご意見を受けて、最後に本田部会長からは、大臣に対してお 願いというような言い方をされておりましたが、機構は国民生活の非常に重要な組織で あるので、機構の職員が使命感と誇りを持って明るく元気な気持ちでスタートを切るこ とができるような中期目標としてほしいといったようなご意見がございました。  こういったご意見もろもろを踏まえまして、現在中期目標の案を整理している段階で ございまして、次回12月21日に第2回の日本年金機構評価部会が予定されておりま す。その21日の段階では厚生労働大臣から、評価部会に対して中期目標の案が諮問さ れる運びというふうになってございます。  私からのご説明は以上でございます。 (奥田委員長)  ただいまご説明がございましたが、今後、大臣から中期目標が機構に提示されると。 その後、機構としては、目標を踏まえた「中期計画案」及び単年度ごとの「年度計画案」 を策定して、大臣の認可を得て業務を行うことになりますので、機構の円滑な業務の実 施に支障がないようにぜひ準備をよろしくお願いしたいと思います。  これ以外に報告事項として紀陸委員のほうから、資料3に基づいて何かありますか。 (紀陸理事長予定者)  資料3でございますけれども、今般こういうメンバーで機構のボードをつくり上げる ことになりました。民間の方も入っていただきまして、この最後のほうに、私のメッセ ージみたいなものがございますが、1枚紙で書いてございますけれども、これは紙でこ ういうふうに書いてありますけど、本当に社保庁の方々の中でもベストの人材がそれぞ れの適材適所という形でもって新しい機構の仕事を請け負っていただくということにな りました。民間の方もお三方、CIOの方は既に発出の段階からお仕事をしていただい て、特に9月以降でございますけれども、いろいろ準備に携わっていただいております。 あと2人民間の方も追加いたしまして、本当の意味で適材適所だというふうに思います。 かつ非常勤の理事の方、4名の方にお入りいただきまして、いわゆる民間でいえば、社 外役員と申しますか、そういう方々でございますけれども、特に磯村先生にこの委員会 からご参画をしていただきまして、これまでのこの委員会におけるいろんなご論議を新 しい機構の中で引き継いでご示唆・ご指導いただければというふうに存じます。この非 常勤の方々もそれぞれ得意な分野と申しますか、お持ちの方々でございまして、それぞ れのお立場からそれぞれのご所見を機構の運営に関して、単に大所高所からということ だけではなくて、これは磯村先生からお話があったのですが、単なるお目付役でなくて、 実際機構の運営に際して目となり耳となり、時には愛のむちもいただければというよう なことでもって常勤の職員の方、役員の方、非常勤の4名の方々についていろいろご示 唆いただきたいと思っておりますが、こういうボードが発足いたしましたということで 報告のみさせていただきたいというふうに存じます。 (奥田委員長)  もう一つ、報告事項でございますが、私からの談話ということで、これを公表させて いただきたいと思います。ご存じのように、昨年の10月に設立委員に任命されて以来、 公的年金の運営という大変重要な役割を担う日本年金機構が国民の皆様方の期待に応え られる組織となるように、委員の皆様ともども多くの議論を重ねてまいりました。その 過程で出された意見を踏まえまして、機構あるいは厚生労働省等に対し希望することを 磯村委員長代理にお骨折りいただきましてまとめたものでございます。  それでは、この談話を事務局から読み上げていただきたいと思います。 (事務局)  それでは読ませていただきます。               日本年金機構設立委員会委員長談話 ○ 日本年金機構設立委員会は、平成20年11月12日の第1回委員会以来、本日ま  でに14回の委員会及び10回の懇談会を開催するなど、精力的に審議を重ねてきた。   この結果、機構職員の労働条件及び採用基準を決定し、その基準に基づく累計22,  713名(正規職員10,800名、有期雇用職員11,913名)の職員採用を決  定したほか、業務方法書、制裁規程等の諸規程について厚生労働大臣に認可申請を行  うなど、日本年金機構法が予定する設立委員の任務を全うすることができた。 ○ 日本年金機構の設立準備に関する今後の事務は、理事長予定者に引き継がれること  になる。   残された時間は極めて限られているが、社会保険庁等の関係者は、理事長予定者の  指示を仰ぎながら、平成22年1月1日の機構設立が混乱なく円滑に行われるよう、  準備に万全を期してもらいたい。 ○ もとより日本年金機構の設立目的は、公的年金制度の運営体制を再構築し、失われ  た国民の信頼を回復することである。   年金業務・社会保険庁監視等委員会、年金業務・組織再生会議及び本委員会におけ  る審議等に基づき、正確な年金給付、組織ガバナンスの確立、有為の人材登用、お客  様に対するサービス改善、業務効率化等に向けた様々な取組みの制度設計が行われて  いるが、これらの取組みが真に機能するか否かは、機構発足後における不断の努力に  かかっている。機構の役職員一同が高い使命感と改革意欲を常に保持し、業務に邁進  することを強く期待してやまない。   なお、日本年金機構においては、民間労働法制が完全に適用されることになるが、  労使共に、お客様本位の良質なサービス提供こそが共通の存立基盤であることを認識  し、健全な労使関係の構築に努めることを望む。 ○ 本委員会での議論にもあったが、日本年金機構が期待される役割を果たしていくた  めには、厚生労働省の全面的な支援と協力が必要であることは言うまでもない。   今後、厚生労働省が、年金制度の改善企画とその実施面での責務を果たすこと及び  機構運営に関する理事長の主体性を尊重することを期待する。   特に、日本年金機構設立当初の最重要課題である年金記録問題への対応に関して国  民の皆様の期待に応えるためには、厚生労働省が、機構と緊密な連携を図りつつ、必  要な法令・制度の改正と人員・予算の確保に尽力することが必要である。                (長妻大臣入室) ○ また、年金制度の一番の当事者である国民の皆様におかれては、機構運営に対する  監視とともに、大切な自分の財産である年金記録について、まずは自らチェックする  など、財産を自分で守る意識を高めていただき、ねんきん特別便・定期便等を活用し、  少しでも疑問かあれば遠慮なく機構に問い合わせていただきたい。   これらに対応するため、機構としては窓口相談体制を充実するほか、市町村等との  連携にも積極的に取り組まれたい。 ○ 最後に、審議にご協力いただいた設立委員の皆様、採用業務に関してご尽力いただ  いた職員採用審査会委員の皆様、さらには、採用面接にご協力いただいた多数の民間  出身者の皆様に対して、心からの御礼を申し上げる次第である。  平成21年12月17日                   日本年金機構設立委員会委員長 奥 田  碩 (奥田委員長)  ありがとうございました。それでは、最後になりますが、本日までの日本年金機構設 立委員会での議論の成果を設立委員を代表いたしまして、私から紀陸理事長予定者へ引 き継ぎたいと思います。よろしくお願いいたします。        (委員長より、大臣・理事長予定者へ資料等の手渡し) (奥田委員長)  ここで、紀陸理事長予定者より発言を求められておりますので、お願いします。 (紀陸理事長予定者)  機会をいただきましてありがとうございました。  ただいま、奥田委員長から事務の引き継ぎを受けまして、改めて身が引き締まる思い でございます。来年1月4日から機構がいわば店開きをいたします。時間があまりござ いませんけれども、最後の準備を詰めてスムーズな誤りなき発足に全力を尽くしたいと いうふうに考えております。機構の全員がその準備に今努めているところでございます。  また、委員長から、今お話ございましたように、昨年の11月からこの委員会が発足 されまして、日本年金機構の組織のあり方、人員の構成、さらに業務をどうやって公正 にかつ効率的に行うか、様々な問題につきまして委員の皆様に本当にお忙しい中、真摯 なご論議をいただきました。今、その成果が委員長からいただいたこの中に入っている かと存じますが、これを今後の機構の運営に活かしてまいりたいというふうに存じます。 本当に委員の皆様方のご尽力に重ねて御礼を申し上げる次第でございます。  機構の前途には様々な課題があろうかと存じます。国民の皆様の信頼を回復するため にいろいろな準備をいたしておりますけれども、特にサービスの機関たることが第一の 課題、これは大臣からもお話を受けておりますけれども、日本にいろいろなサービスの 機関がございますけれども、機構が日本一のサービスの機関であると、そういうような 評価をいずれ国民の皆様からいただけるように、職員がその目標を共有して、組織の間 の距離を短くするとかというような仕組みを考えながらその実現に全力を尽くしてまい りたいと存じます。特に今、奥田委員長の談話の中にございましたけれども、高い改革 の意欲、使命感、そういうものをみんなで保持して、まさに上下心を一にしてと思って おります。  最後でございますけれども、機構の最大の仕事、信頼回復のためということで重要な のは記録の回復の問題でございます。国民の皆様方から非常に関心を持って注視されて いる問題でございます。とりわけ厚生労働省と連携を密にして、できるだけ早くこの解 決にめどをつけてまいりたいと存じます。引き続き皆様のご支援をいただければ幸いか と存じます。よろしくお願いいたします。 (奥田委員長)  ありがとうございました。それでは、最後になりますが、本日、ご出席をいただいて おります長妻厚生労働大臣からご挨拶を一言いただきたいと思います。大臣よろしくお 願いします。 (長妻厚生労働大臣)  どうも皆様、大変長きにわたりまして、この設立委員会の中でご議論をいただきまし て本当に心より感謝をいたします。奥田委員長はじめ委員各位におかれましては、昨年 11月の第1回設立委員会からこれまで14回の委員会、そして10回の懇談会、ある いは個別にもご指導をいただきまして大変感謝をしているところでございます。  途中には政権交代ということもございまして、さらにこの年金記録問題をはじめサー ビスの向上に努めてまいりたいというふうに考えているところであります。  そして、今、挨拶をいただきました紀陸理事長予定者も連日、この役所に来られ、担 当者の方と精力的に議論をしておられるということで強いリーダーシップを発揮してい ただいているところであります。皆様方がつくっていただきました人事の骨格、あるい は業務の骨格というものは非常にすばらしいものがあるというふうに考えております。 その中で役員の方もすべて内定をいたしまして、先日、第1回の顔合わせをさせていた だいたところであります。  そして、私自身もこの前の土曜日、この役所の建物の中で、民間から応募した管理職 の内定者の方、百数十人の方が研修に来られるということで、私もおじゃまをしてご挨 拶を申し上げました。皆様方の基準に基づいて採用された方々で、私がちょっと聞いて みました。民間の管理職候補の皆さんに対して、皆様方、営業経験をされた方はどのぐ らいいらっしゃいましょうか、とお伺いして、お手を挙げていただきましたところ、ほ とんどの方が手を挙げていただいたということで、履歴書だけでは営業経験かどうかと いうわかりにくい部分もございましたけれども、民間の方々は多くの方がお客様とじか に接する営業経験を持っておられる方がかなり多いということもわかり、意を強くして いるところでございます。  いずれにいたしましても、お客様の目線に立ってサービスが本当に変わった、充実し た、これは日本年金機構になった翌日からすぐに変わるということはなかなか難しいか もしれませんけれども、1つひとつ積み上げて、将来的に国民の皆様方に本当にサービ スが一定程度ご評価いただけるような組織になっていきたいということで、紀陸理事長 予定者を先頭に組織の準備固めをしているところでございます。  厚生労働省といたしましても、年金局に担当の審議官、そして担当の組織を設置をい たしまして、万全なバックアップ体制をとってまいりたいというふうに考えております。 海外でもアメリカの内国歳入庁、イギリスのペンションエージェンシー等々似たような 組織があり、サービスは一定程度国民に評価されている組織もありますので、今後とも 海外の事例、民間企業の事例も参照しながら、不断の努力を続けて国民の皆さんの信頼 を回復してまいりたいというふうに考えております。  本当に皆様方、長期にわたりまして、微に入り細に入りのご指導をいただきまして心 から感謝をいたします。これから紀陸理事長予定者を先頭に私どもが引き継いで頑張っ てまいりますので、末永いご指導も賜りますようお願い申し上げます。ありがとうござ いました。 (奥田委員長)  どうもありがとうございました。本日の審議、最後になりますが、日本年金機構設立 委員会はこれで終了したいと思います。委員の皆様方におかれましては、非常に長い間、 ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。それでは、以上で会を終了いた します。 (長妻厚生労働大臣)  御苦労さまでした。 (奥田委員長)  どうもありがとうございました。 (連絡先) 厚生労働省年金局総務課 03-5253-1111(内線3315)