09/12/11 第3回化学物質のリスク評価検討会(ばく露評価小検討会)議事録 化学物質のリスク評価検討会の「第3回ばく露評価小検討会」 日時 平成21年12月11日(金) 10:00〜 場所 経済産業省別館10階1038号会議室 (担当)厚生労働省労働基準局安全衛生部             化学物質対策課化学物質評価室 井上 〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2             TEL 03-5253-1111(内線5518)             FAX 03-3502-1598 ○井上労働衛生専門官 ただいまより、化学物質のリスク評価検討会の「第3回ばく露評価小検討会」 を開催させていただきます。本日は大変お忙しい中、先生方にはご参集いただきまして、誠にありが とうございます。以下の議事進行につきましては、名古屋座長にお願いします。 ○名古屋座長 それでは、議事に入る前に資料の確認をお願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料1-1「『労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン』の意見に対する 回答(案)」、資料1-2「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン(修正案)」、資料1-3「少 量製造・取扱い規制等に係る小検討会報告書」、資料2「有害物ばく露作業報告書の様式改正に係る 『労働安全衛生規則の一部を改正する省令』について」、資料3「今後の予定」、参考資料「平成22 年報告版有害物ばく露作業報告書の書き方(案)」を付けています。 ○名古屋座長 議事に入ります。第1の議題の「『労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン』に ついて」ということで、資料1-1から資料1-3までの説明をお願いします。 ○島田化学物質評価室長 「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」については、このばく 露評価小検討会に7月以降に検討を移管させていただき、その間ご検討いただきましたが、9月14日 から10月13日まで、パブリックコメントを取りました。基本的に、パブリックコメントとして出てき たものはほとんどありませんでしたが、実際のばく露評価に係る調査をしていただいている測定の関 係者から、測定部分に関するご意見をいただきました。それについて、私ども事務局の中で調整する には問題があるということでしたので、改めてこちらの検討会に諮らせていただき、今日最終的な確 認をいただければ、ガイドラインとして今後使わせていただきたいと思っています。  今日ご用意した資料は、資料1-1がいただいたご意見です。これについては、合計で1通ですが、全 体で16件のご意見がありました。その意見に関する回答についても、事務局で案として作成の上、ご 提示しています。案については資料1-2に見え消し版として反映させています。資料1-3については、 7月の検討会で承認をいただいた「少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会報告書」の付属2として ガイドラインが位置づけられているので、今回のガイドラインの修正がされた場合の修正後の姿を見 ていただきたいということで、資料1-3を付けています。この場でご意見等をいただいた場合には、適 宜事務局で修正させていただく形にしまして、併せて技術的な検討を引き続き必要というご指示をい ただくことであれば、それに関してはまた改めてご相談させていただきます。  資料1-1についてご説明します。ここに全体的なご意見とありますが、併せて事務局で修正が必要で はないかということで挙げたものが数点ありまして、それもこの場でご説明します。まず、ガイドラ インの修正案に係る資料1-2の3頁をご覧ください。30行目に表があります。表1は「有害物ばく露 報告書様式のイメージ」となっています。これについては、いままで簡単な票が付いていましたが、 正式な票が出来上がりました。今日の議題(2)で申し上げますが、別添として別の資料を付けることに なりました。  続いて意見の1で、6頁の1から7行目です。「(エ)1次調査対象期間及び調査のスケジュール」 ということで、下のほうにスケジュール表が付いています。前回までは、12月末までに第2次調査実 施を終えるということで、矢印が12月末で止まっていました。ただ、実務担当に話を伺ったところ、 現在でもう12月を引き続き調査が実施されるものがあるということですので、現在のスケジュールに しないと不整合が出てくるというご意見をいただきましたので、回答としては、2次調査期間について は、8月から12月に限定をせず、次年度においても継続するスケジュールに修正したいということで す。  続いて8頁です。このガイドラインに付いていた、記入様式等、調査様式等が、「調査様式のイメー ジ」という形で付いていましたが、これはイメージということではなくて、「調査票、とりまとめ様 式については、モデル様式として示したものであり、調査の都合に応じて見直すことは可能とする」 ということで、変更は当然実態に即してやっていただくわけですが、イメージということではなくて、 このような票を使って進めるという形に書き換えています。以下、すべての票に「イメージ」と書い てあるものについては削除しています。  続いて、意見の2です。11頁の35行目から45行目に2次調査のヒアリングに関する事前調査の調査 項目が書かれていますが、これに「全体換気量の項目を入れるべきではないか」というご意見をいた だきました。ただ、これについては6頁に1次調査の項目がありまして、この調査事項の24行目に、 全体換気の中に、排気能力が有るか無いかも見るという形で書いています。11頁の36行目を見ていた だきますと、1次調査の内容の確認を、この実態調査でもすることになっているので、実質的に調査項 目に組み込まれています。  ただ、ご指摘をいただいて関係の部分を見直したところ、1次調査の調査票にその辺りの項目が抜け ていましたので、8頁の5の「発散抑制装置」の中に、「全体換気設備」ということで、換気能力の項 目を入れました。これによって、いまのご指摘の点には対応できるかと思いますので、そのように修 正させていただきたいと思います。  13頁の3行目ですが事務局から修正をご提案申し上げます。ご検討の結果、「共存物質の有無の確 認」という項目を入れています。ただ、少し唐突な感じがしまして、ほかの部分には注釈が付いてい ることもありますので、bについては「作業環境中の共存物質の確認」という項目とさせていただいて、 その注釈として、「共存物質は測定・分析上、妨害物質となる可能性があるので、共存物質がある場 合には、対象物質の測定・分析が可能な方法を吟味する必要がある」と入れたらどうかという提案で す。  次に意見の3で、16頁の6行目から7行目で、検討の最後の段階で入れた文言です。「本精度要件 は主としてGC/FIDの使用を想定したもの」ということで、「GC/MS等を使用する場合の精度要件は別 途検討される必要がある」という意見があったわけですが、これは実際の測定の関係者にいただいた ご意見です。GC/MSを使用する場合の精度要件は別途検討されるという記述があるけれども、GC/FID、 GC/MSの両方とも使えるものではないかということで、これを記述する必要はないのではないかという ことでした。その後、関係者の方々にその辺りの状況を確認したところ、ガスクロマトグラフィ/質 量分析については、精度要件等の確認試験の中で、異なる確認手法として、内容標準分析法というこ とで、対象の化学物質でない類似の物質を実際に分析にかけてみて、その精度を確認するというよう な、内部標準の分析法というものが使われるのが一般的である。ただ、今回ここで実施するような、 対象物質の濃度を変えて標準物質として確認していくような方法も、使ってはいけない方法ではない ということなので、当該ガイドラインに示した試験方法を採用することも可能と、専門家の方からア ドバイスをいただいたので、この2行については外させていただいて、GC/FID、GC/MSの両方とも、こ の試験方法で使えるとして、ガイドラインで示したいと思います。  続いて、16頁の10行目です。これは十分この場でご検討いただいたものですが、回収率90%以上に ついてです。90%以上が理想であるということで、90%以上であること。ただし書きを付けまして、 分析法によっては回収率90%以上を求めることが困難な分析法があるので、その場合にはできるだけ 回収率が90%に近く、再現性のよい分析法を選定することとして、記述をしていただきました。  これに対するご意見の4としては、アメリカの産業衛生専門家会合のNIOSHでは、75%以上というこ とで、75%以下になった場合には定量下限値としてこれを求める。測定濃度が低くなるほど回収率も 低くなると考えられるため、試験濃度に指定することはなく、90%以上を達成することは容易ではな い。OSHAについての事例ですが、75%以上の回収率を義務づけている、90%以上が好ましいとして運 用していただいています。  そういうことで、90%以上というには、非常に低い濃度の測定なども入ってくる場合に困難である ということで、いちばん最後の「したがって」というところですが、「回収率は90%以上であること。 ただし、90%以上が困難な場合は75%以上とすること」ということで、このような書き換えにしてい ったらどうかということでした。  この検討会では、最初は80%以上ということに関して、80%では目標値としては低すぎるというこ とで、90%以上が望ましいというご見解をいただきました。ただ、難しい場合もあるので、その場合 にはできるだけ高い回収率、そして再現性のよい方法を選択すべきというご指摘をいただいて取りま とめられました。  NIOSHの回収率の75%、あるいはここで抜けていますが、OSHAの75%以上については、調べてみた ところ75%に根拠があるわけではなくて、できるだけ高い回収率が必要であるけれども、妥当なレベ ルとしてこのくらいではないかということでしたので、併せてこれについても、目標ということで捉 えることが可能かと思います。  ということで、この検討会では、90%以上を目標とすることをご提言いただいたわけですので、75 %とはせずに、回収率についてはこのままいきたいと思います。ただ、回収率については、技術の進 歩に伴って改善あるいは変更があるということですので、これについては引き続き情報を取っていき、 状況を踏まえて適宜対応していきたいと考えています。  次は、16頁の15行目から17行目です。ここでのご意見の5は、このガイドラインにおいては、回 収率を「捕集率と脱着率及び定量操作の各段階におけるいわゆる回収率の積」という形にしているけ れども、作業環境測定のガイドブックでは、回収率=捕集率という記述としているということで、こ れに合わせたらどうかというご提案でした。  これについては、回収率の定義をご検討いただいたときに、1つは「分析に供される試料溶液中の対 象物質」について、「試料空気中の対象物全量」で除したものという定義にしています。それから、 精度要件を明確化するために、それぞれの段階において努力目標を置こうということで、検討を進め ていただきました。定義としては、(1)(2)(3)を意識してご検討いただいたと理解しています。  (1)として試料空気の捕集における捕集率、(2)として固体捕集における脱着溶液(加熱)による脱着 においての脱着率、(3)としてその他の分析試料調整・保存過程における回収率という形で、それぞれ に要件を定めていただきましたので、こちらの検討を踏まえて、現行どおりとさせていただきたいと 思います。もちろん作業環境測定のガイドラインと一致しない部分はありますが、それにおいて問題 が出てくるとは思っておりません。この場では、それぞれの各段階をきちんと処理していただくため に、要件を置くとさせていただきます。  16頁の31行目から34行目に、ご意見の6の関連があります。27行目以降の「なお」から、34行目 までのところに、捕集に関する限界ということで、破過が起きる可能性があることを指摘する記述が あります。ただ、ここではあくまでも回収率に関する記述ということで、破過が起きるおそれがある と判断されるものについて、データを採用するかしないかの項目の部分ではないというご指摘をいた だきました。その確認方法についても、破過を生じないものの確認を明記すべきではないかというこ とです。それらを踏まえて、併せて別項立てということで対応すべきといただきました。  これについて検討させていただいたところで、ごもっともな点がありましたので、それについて15 頁の1行目から18行目のようにしています。これは測定のいちばん最後の部分で、ばく露濃度の実測 の個人ばく露濃度測定、作業環境測定、スポット測定に関する部分の変更に関する注釈として入れた 部分で、ここでは「サンプラーに使用する捕集剤については、捕集容量に限界があり、これを超えて 捕集すれば、破過(捕集剤を通過した試料気中に対象物質が漏れてくる現象)が起こり、正確な測定 ができない。このため、測定に当たっては、破過が生じない有効な捕集剤の選定が必要となる」とし て、捕集剤の選定に関する必要性を述べた形にしました。  それに関する捕集剤の有効性の確認方法については、以下のような形で、評価値の2倍の濃度の試料 空気を入れる方法を書いています。  最終的にはdで、この濃度で試験をした結果、捕集時間と捕集量のグラフを作成し、所定時間の2倍 の時間の捕集をした場合にも、捕集量の減衰が見られないような場合には、有効な捕集剤と評価した いと書いています。ご提案です。  続いて、ご意見の7です。16頁の36行目で、脱着率の90%以上の記述です。これについても、作業 環境測定ガイドブックでは、例えば回収率は示されているが、脱着率という形ではない。そのような 状況の中で、脱着率はスクリーニング的な脱着溶媒の選定試験に過ぎないということであって、必ず しも明確なクライテリアを設ける必要はないのではないか。設ける場合にあっても、OSHAの例を引い て、95%以上が好ましい。75%以上を許容できるということで、75%以上とすべきという義務規定を 置いたらどうかとなっています。  これに関しては、脱着率なりで75%以下は認めないことについては、検討会の中でも、難しいので はないかというご意見をいただきました。それから、75%という数字について、これも高い脱着率が 必要という認識の下に、この数字を置いていると解釈すると、75%という数字自体には根拠がないと いうことになるので、こちらの検討会でご議論いただいた90%以上を採用すべきではないかと考えて います。もちろん、この脱着率90%以上については、目標値ということで、先ほどの回収率と同様、 これが難しい場合にはできるだけ高い脱着率を目指すということを書いているので、75%も含めて、 できるだけ高いというところで、脱着率の要件を定めたということで、現行どおりいかせていただけ ればと思います。  ご意見の8です。17頁の6行目から9行目です。この検討会の中で、評価値が非常に低い場合、難 しい試験あるいは分析測定になるということがありましたので、そのときに加熱脱着の採用を考慮す べきではないかということがあり、検討したものです。ただ、ここでご意見をいただいたのは、高い 脱着率については加熱脱着ではなくて、例えば溶媒脱着であっても、そのようなものが必要であろう ということなので、加熱脱着に特化した記述は不要ではないかということでした。  具体的にはその下の記述で、「このため」以下です。「このため、対象化学物質と脱着溶媒の組合 せごとに脱着率を検討していくべきではないか」というご意見をいただきました。  ここで加熱脱着についてご議論いただいた点を紹介し、回答としようと思っているのが、回答部分 です。加熱脱着については、捕集管に捕集された対象化学物質を温度制御付きの加熱炉で加熱し、気 化した対象化学物質を冷却捕集機(コールドトラップ)等で濃縮し、再度気化させて、ガスクロマト グラフ分析装置に導入します。この方法だと、実際に捕集されたものがほぼ全量脱着できるので、全 量を濃縮捕集することができるため、非常に有効な方法であるということをご議論いただきました。  ただし、ご意見のように、溶媒脱着についても、高いものを必要とすることはそのとおりですので、 記述については両者を加味し、修正したらどうかというご提案です。下の鉤括弧ですが、「溶媒脱着 及び加熱脱着における脱着率は、以下の方法により検討を行う。なお、加熱脱着については、捕集管 に捕集された対象化学物質のほぼ全量を濃縮捕集することができるため、試料空気中の低濃度の化学 物質を分析する有効な方法である。ただし、熱分解しやすい物質や沸点が高く気化しにくい化学物質 には向かないことから、当該方法の採用に当たっては、対象化学物質の試料空気中の濃度、物理化学 的性質を考慮する必要がある」として、加熱脱着法の特徴を書くようなものにしたいということです。 先ほどの17頁の5行目から9行目を修正した形で、10行目から15行目について、新たに先ほどの記述 を挿入したらどうかということです。  続いて、ご意見の10です。これについては、「直接添加法」の記述が17頁の17行目から45行目ま であります。これは作業環境測定のガイドブックに照らして進められているものと、いま中災防で実 際の測定分析法をまとめる際のマニュアルを作っていただいていますが、その記述を融合させたよう な形になっているので、かえって試験法が不明確になり、間違いが起きているのではないかというこ とでした。  それを見たところ、確かにそのとおりですので、整理をしたところ、そこにあるようなもので、aの 「脱着溶媒を選定する」から、eの「脱着率は、以下の式により算定する」と変えたらどうかというこ とです。  具体的には、bの標準溶液を調整するというあとに、標準溶液を添加する作業の中で、直接添加する ことと、それを一定量の溶媒を蒸発させる作業を踏まえて、実際にこの試験を進めると書いています ので、筋は変わりませんが、内容を修正したということです。  18頁の11番目の意見です。4行目から27行目に関する加熱脱着についての記述です。これについて は、現行のご提案をいただいた加熱脱着の方式も、実際には有効なことは確認されているけれども、 一般化することが必要ではないかということでした。  例えば、いくつかの例としてご指摘いただいているのは、18頁の7行目に、薬品1μlの試料標準溶 液ということで、特定の量が記載されています。bでは、活性炭の捕集管ということで、特定の材質と いうものを入れています。その下にも「ポリマービーズ等」ということですので、そういったもので ない場合もあることを想定すれば、特に限定をかけるというよりは、一般化をしたほうがいいのでは ないかというご指摘でした。  こういったものを踏まえ、cに管理濃度についてありますが、管理濃度は規制物質に対して置かれる ものですので、いま対象となっているリスク評価をするべき物質については、ほとんどが規制対象に なっていないので、この管理濃度は実質的に使えないということで、例示であっても入れないほうが いいのではないかということを検討したところ、ご覧のような一般化のための修正をすることになり ました。特に内容自体は変えていないつもりですが、何かご指摘があれば、よろしくお願いします。  続いて、ご意見の12です。18頁の29行目から次の19頁にありますが、保存性の関係です。この場 でご検討いただいたのは、実際に測定したものを捕集し、溶媒により脱着をし、脱着溶媒の保存性に ついて確認すべきではないかということでしたが、実際の測定の場合には、固体に捕集した、サンプ リング後のサンプラーを何日か保存しておくこともされている、むしろそちらのほうが一般的である 可能性もあるということでしたので、固体捕集をしたサンプラーで保存する場合と、サンプラーを脱 着溶媒で脱着をして、その溶液を保存する場合と、2つの方法を併記すべきではないかということでし たので、そのように変えさせていただく表現をとらせていただきました。  併せて、保存性の部分に、目的となる期間において90%以上という記述だったのですが、そうする と目的となる期間に限定がかからないので、1日でもいいのではないかという誤解を受けるのは適当で はないのではないか、5日以上は必要ではないか。そうしないと、実際の測定の中では使いづらいとい うことがありました。そのようなご意見を踏まえ、1つは、保存性については、注釈として、目的とな る期間は5日以上となることが望ましいということで、実際の測定に利用できるような期間を踏まえて、 90%以上としてはどうか。それと、確認手法の中には、捕集溶液又は捕集剤の脱着溶液の保存性を確 認する場合というものと、捕集剤の保存性を確認する場合の2つを併記したらどうかというご提案です。  ご意見の13です。19頁の25行目から31行目です。分析手法の関係として、検量線の直線性をご議 論いただきました。これについては、特に相関係数が0.99以上のものについて、こちらでのご意見で は、特に有機化合物の場合は0.999以上が望ましいということでして、そこを書きました。  それに対してのご意見は、有機化合物0.999、金属0.99、それ以上ということについては、直線性が 得られない場合が多々あるということです。また、農薬等の分析の一部のもので、2次曲線となる可能 性があるということで、あまり直線性にこだわる意味はないのではないか。それから、直線性を追求 するあまり回収率が低下し、過補正となる場合が心配されるということで、0.999ではなくて0.99が 妥当ではないかというご意見をいただきました。  こちらのご検討をいただいたところでは、あえて有機化合物については0.999以上が望ましいという、 努力目標にしましょうということですので、その件については、引き続きそのような形で運用させて いただければと思っています。ただ、これを満足しないから一概に駄目だという記述にはなっていな いので、そこはある程度フレキシビリティを持った形で運用いただくことにしたいと思っています。  併せて、2次曲線を示すような物質ですが、基本的には直線性が確保される区間で分析を行うのが原 則であることをご相談させていただき、確認しましたので、その記述を入れています。  次は、ご意見の14です。21頁の3行目から7行目です。「その他の分析法における定量下限値の確 認方法」で、これについて、記述の中に「10分間捕集し得られる」とあります。これは作業環境測定 では10分間ですが、通常はこちらの未規制物質に関する測定の場合には、必ずしも10分間が特定され ているわけではないので、これについては直すべきではないかということでした。これはごもっとも ですので、10分間ではなくて、21頁の4行目からの記述のように、「各測定法における所定の吸引流 量あるいは吸引時間」というように、一般化をして、それぞれの測定方法に基づいて時間をセットし ていただければいいとしてはどうかというご提案です。  15のご意見で、21頁の10行目から15行目です。これについては、環境省で作っている「有害大気 汚染物質の測定の実際」という黒本と呼ばれているものです。これにおいては、必ずしも私どもがや っている、対象物質の標準試料について、その標準偏差をとって10倍にするという方法のみならず、 例えばブランク値があるものについては、ブランク試料用のものについて、それからつくられたもの との標準偏差なり、あるいはそれを求めて、その3倍あるいは10倍を定量下限値とするやり方をして います。それから、NIOSHでは、ブランクの10σ、または回収率の75%以上が確保される部分を定量 下限としているということで、いろいろなやり方があるというご説明をいただきまして、そういった ものも加味していくべきではないかということでした。  このご指摘を踏まえ、確認したところ、この検討の際に参考とした作業環境測定のガイドブックに おいても、10σの採用の中でいくつかの提案がなされていることがわかりました。(1)として、「管理 濃度の10分の1の濃度で得られる最終試料液濃度が、分析機器の標準的な定量下限値よりもかなり高 い場合には、検量線の作成時の最低濃度の標準溶液を用いて、定量下限を求めることが望ましい」と していて、最低濃度が高い場合には、このようなやり方もあるという例示をしています。併せてブラ ンク値がある場合には、ブランク試験用の溶液について、同様の操作を行って、その標準偏差から求 めるやり方もあります。そういったことを踏まえて、記述として、21頁の10行目から15行目のよう に直したいということです。  最初のパラグラフについては、評価値の10分の1の濃度で得られるものについて、かなり定量下限 値よりも高い場合には、先ほど提案したような方法で、検量線作成時の最低濃度の標準溶液を用いて、 定量下限を求めることが望ましいことと、併せて、環境省でやっているような、ブランク値がある場 合には、ブランク試験用の溶液について同様の操作を行う。そして、標準試料から求めたものと、こ のブランク値から求めたものの、いずれか大きなほうを用いて定量下限の10σを算出するということ です。そのようなご提案です。  試験法から離れますが、ご意見の16です。33頁の8行目から23行目で、リスク評価の手順です。 これについては、初期リスク評価の手順を踏襲するという書きぶりで、特段特定の記述はしていなか ったのですが、初期リスク評価の場合は、二次評価値よりも高い場合には、詳細評価に移るという表 現しかありません。一方で、こちらの部分については、二次評価値よりも高い場合については、リス ク低減措置が必要という判断をしていただく部分ですので、この辺りについては、きちんと明記した ほうがいいのではないかということでした。  おっしゃるとおりだということで、事務局としてはご指摘を踏まえ、リスク低減措置の要否に係る 基準として、以下を明記するということで、33頁の15行目から19行目で、(ア)当該TWAの8時間の 最大値が二次評価値を超える場合には、リスク低減措置が必要と判断される。措置の導入を前提とし て要因解析のほうに移るということで、要因解析を行うという書きぶりにしました。一方で、この値 が二次評価値以下である場合が(イ)で、現時点で直ちに問題となるリスクはないと判断されるとい うことで、自主的な対策の推進を前提として要因解析を行うという表現を明記してはどうかというこ とです。以上が出されたご意見です。  いまのご指摘を踏まえると、項目の番号が少しずれるので、そういったものについては事務局の判 断で直させていただきます。ここでそれをいちいちご議論いただくのも、先生方に恐縮ですので、そ こは直ってはいますが割愛させていただいています。  併せて資料1-3ついて、いちばん後ろにフロー図がありますが、中身が変わるとこの部分は変更され ますので、先生方のご意見をいただき、ご承認をいただければ、事務局の責任で直させていただきま す。以上です。 ○名古屋座長 ご意見、ご質問はありますか。 ○原委員 資料1-1の2頁の4ですが、NIOSHはNational Institute for Safety and Healthですから、 米国労働安全衛生研究所ですね。ACGIHの訳がまちがって書かれていますが、基本的にこのガイドライ ンはNIOSHのものですから、NIOSHは残して、訳を変えられたほうがいいかなと思います。  もう1つは18頁です。11行目だけ「吸着剤」を使っていて、あとは「捕集剤」ですので、捕集剤の ほうがいいかと思います。間違いではないのですが、統一したほうがいいと思います。 ○名古屋座長 最後のところは直したほうがいいかもしれませんね。 ○小嶋委員 資料1-1の「意見概要」の2番で、「作業環境の事前調査項目として、全体換気量m3/min の項目」云々とあるのですが、資料1-2の8頁の上から2番目の票で、全体換気量の換気能力で、 「m3/s」となっていますが、単位が違うので、これは毎分の間違いですよね。 ○名古屋座長 そうですね。ほかにございますか。 ○花井委員 資料1-2で2つあります。具体的なところでいうと、25頁に経皮ばく露があって、15行 目以下で、Lという計算式が2つあるのですが、この意味をもう少し解説しないといけないと思います。 そして、この単位が間違っているのではないでしょうか。少なくとも、上に書いてあるLというのは、 皮膚の上に付いたものは100%吸収されるもので、下に書いてあるLは、そのうちのある割合のものが 吸収されるということで、意味が違いますし、それをどう使うのかという解説がないとわかりません。  そして、この単位は、Qは取り扱う製品の量です。要するに、左と右のディメンジョンが合っていな いようなところがありますから、これは確認されたほうがいいと思います。 ○圓藤委員 合っていませんね。 ○名古屋座長 わかりました。 ○花井委員 Qの取り扱う製品の量というのは、ここでは濃度のように書いてありますが、体積か何か を表すようにならないと、左と右が合いません。  それも含めてなのですが、こういうガイドブックに、何に基づいてという引用資料がほとんどない と思うのですが、必要なところはあると思うので、それはきちんと書くようにしたほうがいいと思い ます。  それから、全体的に構成が多階層になっていて、どこかで見たら7階層あるのです。どのような構成 になっているかを追うのに苦労したのですが、今日の資料を見たら目次が付いていましたので、それ を参考にすればわかりやすくなっているかなと。 ○島田化学物質評価室長 ある程度成案ということでできましたので、資料1-3には目次を入れていま す。 ○花井委員 あと言葉で、これは昨年度に議論されたことだと思うのですが、「1次調査」「2次調 査」というのと、「一次評価」「二次評価」というのがあって、1次、2次を数字と漢字で区別してい るようなのですが、今日の資料の最初のところでも間違いがあったような気がするのです。これは非 常に混乱を招きます。例えば最初のばく露調査の中の、「1次調査」「2次調査」という言葉は使わな くても、例えば作業実態調査あるいはばく露実態調査という言葉だけでいったほうが、文字で見れば わかるのでしょうけれども、それでも混乱しやすいし、話をしているときに1次、2次というのは混乱 する可能性があるので、提案としては、「1次調査」「2次調査」というのは取ってもいいのではない かという気がしました。 ○名古屋座長 確かに字はダブッて書かれているので、そこは検討します。 ○半田化学物質対策課長 「1次調査」「2次調査」というのは、必ずしも先生方からご提案をいただ いて入れたわけではなく、事務局が便宜的に使った言葉ですので、外させていただいたほうが。 ○名古屋座長 前の委員会ではそんなに混乱もなく、すっといったのがありますよね。事前調査なの かどうかということで、スクリーニングを1次でかけて、そこで2次に移りましょうという使い方をし ているので、前回の我々のときにはそれほどなくて、1次スクリーニングをかけて、そこでできたもの が2次に移っていくのだなということのほうが、言葉の羅列としてはいいかと思って使った部分があっ たのです。 ○島田化学物質評価室長 花井先生のお話は混同がないようにということだと思いますので、その趣 旨を踏まえてご相談をさせていただきたいと思います。 ○名古屋座長 ほかにございますか。 ○花井委員 分析の手法に関しては、私は何十年も前に勉強して、その後は勉強もしていないのでわ からないのですが、非常に細かいところまで規定している印象を受けます。実際にこれに基づいて分 析する立場の人たちは、そのような担当部門が了解しているような記述であればいいのですが、先ほ どの直線性の0.999といっても、かなり無理があるのではないかという気がするのですが、その辺は。 ○名古屋座長 これは委員会の中では無理だろうということで、中災防にサブの分析をつくっていた だいて、そこの意見も反映させて上げている部分もありますので、この委員会だけでこれを決めてい るわけではなくて、中災防で分析があるので、そこの意見も反映されています。 ○花井委員 ある程度のレベルの分析機関であれば、この内容に関しては特に問題なく実施できると いう理解でいいのでしょうか。 ○名古屋座長 作った1つの趣旨は、いまのところ中災防が分析しているから、その部分には問題はな いだろうと。しかしながら、競争入札になってくると、そうではない部分も入ってくる。そうすると、 ある程度の分析はきちんとしておかないと、最低レベルはちゃんとしておかないとまずいということ で作ったということですので、せめてこのぐらいはクリアするところが受けてほしいということだと 思います。特に有機の99は、粉じんでも99だし、アスベストでも99なので、そこと有機を考えたと きに、やはり99ではまずいでしょうということですから、ある程度直線性のあるところでやるという のは、測定士の技量としては最低限のマナーだと思うので、0.99としたのだと私は思います。 ○花井委員 あと対象物質が大体限定されていて、新たに分析法を開発しなければいけないという状 況ではないという理解でいいのですね。 ○名古屋座長 CASナンバーのあものを使っているので、それを使って分析されるところはトレースし てみて、先ほど言いましたように99にいかないものはたくさんあるので、その中であまり下をかけて しまうと、分析手法そのものとしては駄目になってしまいます。できるだけいいところで、前回だと 20ぐらいの再現性のところがありましたが、そこがそれしかないというのだったらしようがないとい う形にして、75という規制はかけるのをやめようということで、努力目標として90以上にしましょう となったと思います。 ○棗田中災防 999に関して、うちの委員会では、単純にうちのやっている濃度幅でいくと難しい。逆 に、そこの範囲では実際に測定した場合には、例えば濃縮するなり薄めるなりして、幅を狭くする。 要は検量線を取る場所の問題なので、どうしてもポリマーに近いものというのは、必ず寝てくるので す。ただ、これは残念ながら、環境省をはじめJISもそうなのですが、2次曲線はいまのところ認めて いないので、寝るのはわかっているのですが、2次をかけてしまうとすべてのものは2次曲線に乗りや すいところがあるので、基本は直線性の範囲で、少なくとも再現性の高いものをやりましょうという ことで、うちの中でも合意は取れています。目指すけれども、必ず999ができるかどうかというのは、 我々のほうでも定かではないです。  すでに測定法のないものが大半になってきていますので、今後はより一層難しいところがあるので はないかと思います。 ○花井委員 いまのお話で思い出したのですが、1次調査の調査票で、化学物質の調査対象物の名称が あります。名称を書くとなっているのですが、以前のこの委員会かで申し上げたのですが、名称だけ でやることは間違える可能性があります。例えばCASの番号とか、構造式を書くことにしたらどうかと いうお話をしました。そのときは、そんなのは無理だとか、それは無駄だというご意見はいただかな かったようなのですが、そういう意味では、こういったところは工夫していただきたいと思います。  具体的な例でいうと、PRTR法でノニルフェノールというものが挙がっていたのですが、それに対し てある団体が付けたCAS番号は、4の1に直鎖のノネル基が付いたような番号が付いています。実際に 世の中に出ているのはそうではなくて、かなり枝分かれがあって、置換位置もわからないようなもの がノニルフェノールであるとなると、かなり実態と違ったようなことになってきますので、実態をき ちんと表すような情報あるいは構造式を、こういったところにも積極的に使う形にしたほうがいいの ではないかと思うのです。CASの番号を使うというのは、お役所では考えられないことなのでしょうか。 ○原委員 使っていますよね。 ○島田化学物質評価室長 事務局としては、そこは何もヘジテイトするところはありません。実質的 には使っています。これはあくまでも現場に行って調査をして、埋める様式ということで、この化学 物質の名称の隣にあるコードというのが、実際にはコード番号ということで、物質を特定できる番号 を役所の中で入れたものです。そのコード番号に示されたものが、あとでご説明しますが、告示とし て物質を示したものがここに書いてあり、それにはCAS番号が付いています。そのように番号を別のと ころでしております。ただ、CAS番号の項目を入れるということでは問題はないと思います。 ○名古屋座長 わかりました。ほかにございますか。 ○棗田中災防 単純に場所の問題ですが、14〜15頁のサンプラーの選定という項目に新たに有効性の 確認方法を入れられているのですが、実際の調査の話でいうと、測定に行く際というか、調査に行く 際には測定法が完成していて、対象物質とサンプラーは基本的にわかっているはずです。この部分は 最初の、測定方法の精度要件の最初の部分の測定手法の所に捕集剤のサンプラーの選定という所をつ くって、有効性の確認方法という所までを入れておかないといけないのではないかと思うのですが。 単純に場所、最初にどこでもいいのですが、ここに入ってしまうと少し意味合い的におかしな話かと。 ○名古屋座長 手順ではないと。 ○棗田中災防 はい。 ○名古屋座長 これは検討させてもらいますか。 ○棗田中災防 はい。 ○名古屋座長 位置的にはどこがよろしいのですか。一応、参考までに言ってください。 ○棗田中災防 これは測定法の精度要件の所のいちばん最初の部分に、測定手法のいちばん最初の所 にサンプラーの選定という形で、「回収率」の前か何かに持ってくるのか、回収率の一部なのかはっ きりしませんが、そのどこかに入れないといけない話かと。 ○名古屋座長 精度要件の所ですね。 ○棗田中災防 そうです。特にn、ここに書いてあるのは、何回やってこれで超えなければいいのだと いう話ですので。あとは破過に関しては確かに測定の部分にも入れておかなければいけないのですが、 ただ有効性の確認の部分が測定の手順の中に入ってきてしまうのは、いかがなものかと。 ○名古屋座長 わかりました。それは検討させてもらいましょう。これは精度要件の中だよね。位置 とするとどこなのだろうね。 ○棗田中災防 たぶんもともとうちの意見は、回収率の中に文章が入っていたので、そうではなくて 項立てをしてくれという意見です。ですから、回収率ではなくて、「破過」という項目をこの中に、 たぶん回収率の下でもいいとは思うのですが、または脱着なのか、最後の項目に移るのかわからない ですが、たぶん破過の所の確認ということで、有効性の確認方法ではないですが、何か名前を付けて ここに入れてほしいということだったのだと思うのですが、こちらに行ってしまうと、いったいいつ やるのかという話に、たぶんこの文章になってしまうと。 ○名古屋座長 脱着率は加熱も全部入っているから、そうすると保存性の前。 ○棗田中災防 そうですね、そうではないかと思います。 ○名古屋座長 やるとしたら、その辺だよね。 ○棗田中災防 はい。 ○名古屋座長 では、そこは検討させてください。事務局とまた。 ○島田化学物質評価室長 いまのご指摘を踏まえて、いわゆるサンプラーとして有効な捕集剤の選定 が必要だということだけ前の文を残して、その確認方法については改めて後ろのほうに項立てをする ということでよろしいですね。 ○名古屋座長 はい。あとお気づきの点はありますか。 ○小嶋委員 資料1-2の15頁のいちばん下の所でいま気がついたのですが、「測定場所の換気量 (m3/h)についても可能な範囲で確認する」と、この換気量は全体換気量のことですか、「局所排気」の 所に書いてありますが。 ○島田化学物質評価室長 これは実際に中災防で測定をする場合は、全体換気の場合の風の向きなり。 ○細田中災防 これはモデルで使う場合の最低でもこのぐらいの情報ということで入っているのです が、原先生、これは。 ○原委員 私がその要望を出したのですが、たぶん局所排気装置のデータはないと思うのです。です から、最低でも全体換気流量があった方がモデルを使った濃度推定にいいのではないかということで す。 ○細田中災防 流量で出して、量ではなくて流量でよろしいのですか。分当たりの量ということで。 ○原委員 これは時間当たりではなくて、統一するのであればミニッツでいいと思うのです。 ○小嶋委員 このままでよろしいですか。 ○原委員 もし可能であれば個別の一つひとつの局所排気装置の。 ○棗田中災防 排風量。 ○原委員 排気量がわかればいいのですが、たぶんわからないのではないでしょうか。 ○棗田中災防 理屈上では設置届が出ていれば排風量はわかるのですが、実際、聞くとなかったりと かするのがあります。ただ、たしか、いま排風量は直排のは聞いてもらっていますね。 ○細田中災防 困るのは、直排ではなくて天井扇が回っているだけだとかです。そのときに全体の換 気量をデータで出すというのは、なかなか難しいですね。 ○圓藤委員 実際に換気量がわかるのは、中央制御が付いているビルだけですよね。 ○棗田中災防 そうですね、中央制御方式ならわかるのですが、工場だとあまり。あとはクリーンル ームはわかるのです。 ○名古屋座長 でも、これは流速を測定させるのは、それからある程度の換気量を求めるから流速を 測定させているのでしょう。それはそれでいいではないですかということです。または、測定場所に おける全体換気量があるから、それを添付しましょうということだから、そのところは換気量という と全体換気にしておいたほうがいいのかな。どうですか、換気量はやはり全体換気ではないほうがい いですか、難しいかな。どうなのだろう、全体の換気の部分はあるから。 ○原委員 現場的には、できるのであれば、全体換気量と局所排気の換気量、両方とも書いたほうが いいと思うのですが、たぶんそれはできないと思うので、最低限把握しているどちらかの換気量でい いかと思ったのです。 ○名古屋座長 「または」と書いてあるから、あと測定場所の換気量のほうがいいのかな。全体換気 にすると難しいですよね。ファンが回っているだけだと、別に全体換気と思ってないけれども付けて いて、それを全体換気に置き替えている場合はあるから。ただ、時間だけは変えておきましょうか。 やはり統一しておいたほうがいいでしょう、換気量、1時間当たりと毎分、書く人はどちらがいいのだ ろう。 ○原委員 普通はミニッツだと思います。 ○名古屋座長 先ほどのはそうなって小嶋さんに直してもらったのだから、そこの所を同じにしてお いたほうがいいでしょうね、全体換気量を票の中で直してもらったのだから。 ○圓藤委員 「1時間当たり何回換気する」みたいのはありますからね。 ○原委員 実務をやっている者は、あまりに厳密な定義で求められると回答されないというのがある と思います。 ○圓藤委員 設置者に聞かないとわからないというのは結構あるので。 ○名古屋座長 そうすると、このままのほうがいいのか。 ○圓藤委員 「可能な範囲」という言葉があるからいいのではないですかね。 ○名古屋座長 このままでいいですか。 ○島田化学物質評価室長 時間当たりを分当たりに直すという修正。 ○名古屋座長 いや、時間のほうがいいという。換気の回数があるので、とりあえず書いてもらう所 では、現状ではこのままがいいかということでよろしいですか。 ○花井委員 このデータは換気量のデータをどう使うかという意味では、上に「有効性の確認」と書 いてありますよね。ですから、その有効性を何で測る。 ○細田中災防 それを2つに分けないとね。これは局排の有効性を確認しているのですよね。いまの換 気量の議論は、将来、モデルでもって推定するときにこの部屋の中の。 ○花井委員 部屋全体の換気量の話です。 ○細田中災防 はい。何回変わっているかという話ですから。 ○名古屋座長 モデルもそうなのだけれども、換気が回っていれば、ないよりは出ているのだから、 有効性の確認にはなると。風が動いているということの確認があるから、大きく書ければ局排もそう なのだけれども、全体換気で動いていれば、それは動かしてくれているので、有効性の確認になると いうほうに考えても。それとプラスアルファが、何かモデルを考えたときにそれを使うという拡大解 釈をして、このままにしておきませんか。たぶん実際にやられるときにはそういうことが出てくるの だと思うのですが、ここまで細かく書いてしまうとなかなか扱いが難しいかもしれないので。 ○圓藤委員 分かっているようで分かってないですからね。 ○名古屋座長 現場の人が書くのは辛いかもしれませんよね。では、申し訳ありませんが、拡大解釈 してこのままということにして。あと、ほかに何かありますか。一応、この報告書あるいは付属のガ イドラインについては、本検討会で了解されたということですが、一部、先ほど文章の修正等はあり ましたので、これはまた事務局と相談して進めたいと思いますが、よろしいですか。                   (了承) ○名古屋座長 次の課題(2)「有害物ばく露作業報告について」ということで、これも事務局からご説 明をよろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料2について説明します。お手元にあります資料2については、先日、11 月30日に労働政策審議会安全衛生分科会において提出しました資料を一部改正案の様式、新旧を差し 替えた形で用意した次第です。  今日お集まりの皆様方はご承知だと思いますが、有害物ばく露作業報告については、資料1頁の1の 趣旨に概略説明しているように、労働安全衛生法第100条第1項の規定に基づく義務報告です。労働安 全衛生規則第95条の6の規定に基づき、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で、大臣が定める ものを製造し、又は取り扱う場合は、報告をすべきこととされており、その報告様式が労働安全衛生 規則において定められているところです。  今回の見直しにおいては、主に有害物ばく露作業報告のリスク評価への活用の視点から行った次第 ですが、その見直しの必要性については、昨年の7月から開始された少量製造・取扱いの規制等に係る 小検討会、先ほど資料1関係でも付けている検討会で問題提起され、検討されたところです。その検討 結果として有害物ばく露作業報告の内容の見直しが提案されたことから、このようなご意見を踏まえ て様式の改正をした次第です。  改正の内容については、1頁の2に概要を書いてありますが、「作業1回当たりの製造・取扱い量」 と「1日当たりの作業時間」を新たな報告項目とするということ、また、「保護具の使用状況」などの 報告項目について報告項目から削除するといった所要の改正を行っているところです。ポイントは、 いま申しました報告項目の見直しと、もう1つが報告対象期間の見直しです。  現行の様式については資料7〜8頁で、現行の様式が定められているところです。見直しを予定して いますが、改正案についてはその前の5〜6頁に有害物ばく露作業報告書の表面と裏面とを掲げており ます。  資料2頁から3頁にかけては、今回の有害物ばく露作業報告書の様式の改正の概要を書いています。 2頁の2、「改正の内容」(1)として「報告項目の追加」ということで、先ほど申し上げた2つの項目を 追加しております。ばく露濃度レベルの推定においては、作業ごとの短時間ばく露の評価が必要とな るということから、新たに「作業1回当たりの製造・取扱い量」を追加したということと、また現行で 1カ月当たりの作業時間を報告いただいているわけですが、通常、労働者のばく露レベルは1日(8時 間)当たりの個人ばく露測定により評価されるということですので、1カ月当たりの作業時間を「1日 当たりの作業時間」に見直す形で追加という位置づけにしているところです。  これらの項目の回答については、報告者の負担軽減を図るという観点から選択方式としております し、その選択肢については、ばく露推定モデルの1つである「コントロール・バンディング」の区分を 参考に設定しています。  2頁の下の(2)については「報告項目の変更」ということで、これは平仄を合わせるとか表現の適正 化を図るといったことで見直しを行っています。また、一部の項目については、選択方式を採用する ということで、負担軽減にも配慮している次第です。  3頁の真ん中下のほうに(3)「報告項目の削除」ということで、これも負担軽減の観点などから、製 剤等の製造量又は消費量、含有率、1カ月当たりの作業従事時間、保護具の使用状況の4項目について は削除していて、これらについては今月中に公布を行い、平成22年1月1日の施行を予定していると ころです。  報告項目の見直しに併せて、もう1つ報告対象期間の見直しがあります。資料にはその旨書いていま せんが、現行の報告については、毎年、年末に対象物質を告示し、前年度の対象作業を遡って報告い ただいていましたが、事業者があらかじめ対象物質であることを確認した上で作業記録を取っていた だくとするために、これに基づいて報告できるよう遡及方式を見直すということにします。  次回の報告を例に取ると、本年12月中に対象物質名を告示し、平成22年1月1日から12月31日ま での1年間を報告対象期間として、この間に行われた対象作業についての報告を平成23年1月から3 月までの間に報告いただく方式とします。細かい話ですが、これに伴い様式の報告対象期間の記載に ついて「年度」という項目があるのですが、そちらを「年」に見直したところです。この報告対象期 間については、別途、年内に告示する「報告対象物質と定める告示」において規定するといった運び になります。  今般の改正により、事業者の方々からより確実な報告がいただけるように、改正の内容と具体的な 手順について周知徹底をするつもりです。資料2の説明については、以上です。 ○名古屋座長 これについて何かご意見、ご質問等はありますか。 ○花井委員 1つ教えていただきたいのですが、2頁のいちばん最後に「他の報告項目と何々を合わ せ」と書いてあるのですが、私は初めてこの言葉を見たのですが、何と読むのですか。 ○井上労働衛生専門官 ひょうそく(平仄)と読みます。 ○花井委員 どういう意味ですか。 ○井上労働衛生専門官 平仄というのは、要は簡単に申しますと、書きぶり、並びなどを合わせると いうことで、よく行政機関で使われる言葉です。 ○花井委員 そこで使う言葉ですね。人生で初めて見ました。使わないほうがいいと思いますが、こ ういう言葉はやはり必要ですか。 ○井上労働衛生専門官 これは技術的な話ではあるのですが、労働安全衛生規則という法令の中で様 式を定めているということですので、しっかりとした言葉の意味が間違ってとられることがないよう に、書きぶりについてもきちんとその整合性が図られたものに直していくということで、平仄を取っ ています。 ○島田化学物質評価室長 先生、これはあくまでこの場で審議会の中で引かれた資料をお持ちしたと いう部分で、外に出してはこちらのパンフレットを使ってPRします。 ○花井委員 外には出ない言葉ですか。 ○島田化学物質評価室長 出るものではありません。 ○花井委員 では、審議会資料ですね。わかりました。 ○井上労働衛生専門官 ただいま資料2について説明しましたが、参考資料で「平成22年版有害物ば く露作業報告書の書き方(案)」を用意しました。こちらについても、簡単にですが説明をしたいと 思います。  毎年、有害物ばく露作業報告書の対象物質が定まりました際に、書き方についてのパンフレットを 作り、報告対象者となる事業者・事業者団体に広く周知しているところです。今回、報告のスケジュ ールが変わったということと、報告内容、またその様式が変わったということがあるので、その注意 事項もこれをご覧になる方がよりわかる形でいま鋭意作成しているところです。  1頁については、いま申し上げた変更点2点について明示しているということ、また報告対象物の年 間500kg以上の製造取扱いがある事業場については報告が必要です、ということをはっきりと書いてい るところです。新たな様式のイメージを表紙に付ける形で、表紙は整理しています。  2頁については、その報告の目的ということで、リスク評価の概要と、その中で有害物ばく露作業報 告が活用されるという位置づけになっている、ということも報告される方に対してわかりやすくお示 ししているところです。  3頁の「報告の概要」については、報告が必要な事業者、また報告が必要な対象期間、今回の場合で すと平成22年1月1日から12月31日までの1年間の作業についての報告になりますと。報告対象物 については、4頁から掲げている43の物質ということです。物質については、先ほど花井委員からご 指摘がありました物質名の中でCASナンバーを付ける形で明記しているところです。報告の手順につい ても、手順に沿って書き直しているということ。電子報告については、いま現在、すでに電子政府の 総合窓口「e-Gov」と通称言われていますが、そこにアクセスすることによって電子報告を行えますと いうことの紹介も明示しています。  4頁から6頁までが新たな対象物質で、7頁については、平成21年、平成20年からの継続報告分と いう形で、もう一度報告を受けることがわかる形で整理しています。  9頁については、IARC、GHS、ACGIHなどの解説というか注釈も付けているところで、10頁には報告 書の書き方ということです。字が小さくなっているのですが、11頁の新しい報告書の様式の番号に沿 って、「報告書の書き方」の各項目の記入方法について1対1の形で解説を加えております。  12頁以降については、Q&Aという形で、これまで計4回有害物ばく露作業報告の報告を受けてきたと ころでして、これまでもいろいろなご質問、疑義が出ているところでして、私どもも報告者の方によ り便利なものであるものにするために、優先順位の高いものからQ&Aという形でここに追記というか新 たに書いているところです。これについては、いま現在、いま時点のものということです。本日の午 後にリスクコミュニケーション第2回を開催しますが、今後、そこで出た意見などもQ&Aに追加するこ とを含めてより使いやすいものに変えていくということで、なるべく早い時点での印刷に持っていき たいと考えています。参考資料については以上です。 ○名古屋座長 いまのご報告等について、何かご質問はありますか。よろしいですか。 ○棗田中災防 私も不確かですが、パンフレットの中で「エチレングリコールモノメチルエーテルア セテート、日本産業衛生学会の5ppm」は変わったのではないですか。圓藤先生、覚えてますか。今回 ので新しいのは出ていませんでしたか。確認をしていただいて、最新の今回の9月に載っていた気がす るのですが。 ○圓藤委員 見直ししたかもしれない。グルタールも産衛に出しているはずなのだけれども。弗化ナ トリウムはフッ化水素でしたか、3ppm?ちょっと高いですね、いま資料を持ってないので判りません が・・・。 ○名古屋座長 これは出す側としたら大切でしょうね。 ○細田中災防 今年のは反映されてなかったですね。 ○圓藤委員 グルタールは随分前に作った気がするのですが。提案した気がするのだけれども。 ○井上労働衛生専門官 ご指摘を踏まえて、再度確認、精査をしたいと思います。ご指摘、ありがと うございました。 ○棗田中災防 大変申し訳ないのですが、もう1個、12頁の問5の解説は非常によろしいかと思うの ですが、どこか参考にできる、例えば同一方式では何とかと書かれているのですが、どこかを見にい くことができる形になってないので、どこかで落とせるのであれば、そういったものを書いてあげた ほうがより親切ではないかと思うのですが。 ○名古屋座長 それは先ほどのご指摘と一緒ですよね。見るときに何か文献があったほうがいいとい うことかもしれません。可能な限りで。長くなってしまって。 ○内山委員 パンフレットの表の例えば5頁に「経度皮ふ侵入の危険」と書いてあるのですが、この 「経度」はどういう言葉ですか。例えば5頁の「クロロメタン」の有害性情報に「ACGIH50ppm(経度皮 ふ侵入の危険)」、「ケイ」というのは「経る」という字が書いてあるのですが。そういうのがずう っとあって、7頁の24の記載で、これはミスプリだと思うのだけれども「経度ふ侵入の危険」と書い てあるのだけれども。これは「皮膚」の「皮」が抜けているだけだと思うのですが、ただ「経度」と いうのは、「経皮膚」、経るという意味で書いてあるのが「度」が入ってしまっているか、「軽度」、 軽いか、何を書かれたのかわからないのですが。 ○原委員 経皮。 ○内山委員 経皮吸収を書いたのですかね。 ○原委員 そうですね、それに間違いないですね。 ○内山委員 それを何か一般の方にもわかりやすくするために「皮ふ侵入」と直されたのが、途中の どこかでミスプリになってしまっているのかと思うのですが。 ○名古屋座長 侵入か。 ○圓藤委員 経皮吸収。 ○名古屋座長 吸収ですよね。侵入はおかしいですものね。 ○内山委員 あと「皮ふ」の「皮」が抜けている物質もあるので、もう1回、可能であれば校正してく ださい。 ○名古屋座長 ありがとうございました。 ○井上労働衛生専門官 ご指摘ありがとうございました。また改めてしっかり確認します。 ○花井委員 あと、先ほどもありましたが、ACGIHとか値が何年版に準拠しているか、そこはきちんと 書いたほうがいいと思います。GHSも誰が判定したものかという情報がいるのでしょう。これは若干違 いがあるケースもあるという話も聞きますから、何に基づくかぐらいは書いておいたほうがいいので はないでしょうか。 ○圓藤委員 行政判断。 ○花井委員 ああ、行政判断。 ○棗田中災防 これはプラス環境省ですね。 ○名古屋座長 確かにACGIHは何年版かは括弧で入れたほうがいいでしょうね。 ○圓藤委員 いや、2009年版を使うしかないのですね。ちょっと見て送ります。 ○原委員 9頁にまとめて書かれたほうがよろしいのではないかと思います。 ○花井委員 そうですね、一つひとつ書く必要はなくて、最後の参考文献の所に書けばいいかと思い ます。 ○名古屋座長 はい。あと、ほかにお気づきの点はよろしいですか、特にこれは印刷して出しますの で。 ○花井委員 最後のコード番号は、化合物に付いている番号という意味ですね。 ○島田化学物質評価室長 これは告示の番号でして、私どもは告示でこの物質についてやってくださ いという所の横にそれぞれの化学物質ごとにコードが付くので、その番号です。これは報告者が利便 性があるようにということで、どの物質について回答しているのかということで分かるようにしてい るもので、化学物質そのものに関するものではありません。我々の告示の手続に関するものです。 ○花井委員 「従来と異なるので」というのは、前回の報告書で使ったコードと違いますよという意 味ですか。 ○島田化学物質評価室長 そういうことです。歴年でやっているので勘違いされる場合があるという ことで、同じ物質が出ているので。 ○花井委員 そういう意味ではコードが別の条件を、用途や作業を入れるときも「コード」という言 葉が出て、これはしょうがないのですかね。 ○島田化学物質評価室長 はい、わかりました。 ○名古屋座長 あとはよろしいですか。そうしたら議題の中の資料2が終わりましたので、「その他」 ということで、今後の予定ということで、これも事務局からよろしくお願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料3に基づく今後の予定です。ばく露評価小検討会については、今年度は残 り3回を予定していて、第4回については2月26日の14時から16時まで、議事については「平成21 年度ばく露評価について等」ということにしています。第5回については3月12日(金)10時から12 時、議事については同じく「平成21年度ばく露評価について等」ということです。最後の「第6回ば く露評価小検討会」は、「有害性評価小検討会」との合同開催を予定していて、3月31日、14時から 16時、議事については「平成21年度リスク評価について」ということで、有害性評価と併せたリスク 評価を議事にする予定です。よろしくお願いします。 ○名古屋座長 あとはよろしいですか。以上で第3回ばく露濃度小検討委員会を終わります。どうもあ りがとうございました。