09/12/04 第19回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第19回)議事録 日時:平成21年12月4日(金) 15:00 〜 17:30 場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 定刻を過ぎましたけれども、ただいまから第19回の薬害肝炎事件 の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会を開催いたします。 もう19回になりました。委員の皆様、大変お忙しいところ、また、大分寒くな った中御出席いただき、ありがとうございます。  今日は山井政務官に御出席いただくことになっておりますが、いらしたら一 言お願いしたいと思います。  では、開催に当たりまして、資料の確認をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 まず、今日の御出欠ですけれども、欠席の委員 が花井委員、堀委員、山口委員ということになっています。近藤理事長が今日 は早めに所用で退席されるということを伺っております。 (配付資料確認) ○寺野座長 資料は大丈夫ですか。もし不足しているものがあるようでしたら 言ってください。  本日は17時半ごろまで、2時間半ぐらいの間に堀内研究班の進捗状況、実態 調査等、それから、医薬品の添付文書の在り方、リスクコミュニケーション等 の議題、それから、医薬品行政組織の在り方としまして、PMDA・厚生労働省に 対するアンケート調査が行われておりまして、その中間報告。そして、これま でやってきましたさまざまな議論の論点を整理したいということです。もう一 つは、第三者組織に関して、ただいまワーキンググループで作業していただい ておりますけれども、その御報告をいただきたいと思います。それから、いつ も最近やっていることですが、第一次提言を受けた取り組み検討状況について 事務局から説明があります。最後に、今後1月以降の冬の陣とでも言いますか、 取りまとめに向けた進め方を議論していただきたいと、そういうことを予定し ています。よろしく御協力をお願いします。  まず最初に、研究班の進捗状況になりますが、研究班から前回C型肝炎患者 実態調査の予定につきまして、ごく簡単に御紹介いただいたわけですが、今日 は担当の片平研究班員がいらしていますので、内容を御説明いただいて、意見 交換を行いたいと思っています。  では、最初に、片平研究班員から御報告をお願いできますか。 ○片平研究班員 分担研究者の片平洌彦です。お手元の資料1が調査の依頼状 で、御本人あてのものと、御遺族あてのものと2種類です。それから、調査票 については今お話のありましたように、前回配付されたということで、立てて ある資料の中に入っております。  被害者の方々の全国実態調査なんですけれども、準備に大分時間を要したん ですが、ようやく今、調査票が対象者のお手元に行って記入されて、ぼちぼち 返送されているところかなと思います。依頼状に書いてありますように、対象 とさせていただいたのは10月5日時点で和解が成立した原告の方ということで、 その数が依頼状には1,205名、合計の数しか書いてありませんけれども、その 内訳は御本人が1,144名、御遺族が61名、合わせて1,205名ということです。  この調査の手順などは、3ページは御本人あて、御遺族あても9ページに記 載してあるとおりです。特にプライバシーの確保にいろいろと注意をしなけれ ばいけませんので、その点最大限の理配慮をしているつもりです。  この調査は12月20日締め切りということでお願いしているんですが、どう しても締め切りに間に合わない方もおられるかもしれないので、最終的に年内 回収で考えております。調査票に関しては、立てたファイルのボックスの中に ありますが、御本人あての調査票が16ページにわたっておりまして、御遺族あ てが13ページにわたっております。内容は、ごらんいただければわかるわけで すが、御本人のいわゆるフェースシート、属性、それから、肝炎に関しての現 在の状態とか治療についての状況、それから、感染判明後から現在までの経験 とかお気持ち、4番目が現在の心身の健康、5番目が患者様が御自身の健康に ついてどのようにお考えでしょうかということについての質問、最後の6番目 が、現在の健康と今後の生活に対する気持ちや要望についてということで、最 後が自由記載の欄になっております。  御遺族あては少し短いんですけれども、回答者の属性と亡くなられた方につ いての基本的なことを伺っておりまして、それから、闘病中の付き添われた方 の経験とかお気持ちなどを書いていただいて、あと、現在の生活状況やお気持 ち、心身の健康や肝炎に関する周囲や社会からのまなざし、最後に薬害肝炎に 関する社会への要望についてということで、同様に最後に自由回答という形で 伺っております。  予定ですけれども、今後、年内回収に努力して来年1月になりましたら集計 を行い、解析を行うということで、2月8日のこの委員会に概要報告したいと 思っています。次回が1月18日ですので、これに間に合わせるのは無理かなと 思いますが、2月8日には概要だけでも報告したいと思っております。3月末 までにほかの先生方の報告書と一緒に、あるいは単独かまだ議論していません が、まとめて出したいと思っております。  以上です。 ○寺野座長 片平研究班員、ありがとうございました。大変な実態調査をして いただいておりますが、12月20日の締め切りということで、2月8日の会議で 報告していただくということだそうです。どなたか御質問ございますか。 ○堀内委員 追加させていただきたいと思います。先ほど寺野座長が1月冬の 陣が大事だとおっしゃいましたが、研究班としてはできるだけ早くデータをお 示し出来るよう作業をやっていますが、12月がさまざまなデータについて集積 する一番大事な時期だと思っております。今話がありましたように、このアン ケートについては12月いっぱいでデータを集積して、できるだけ早く解析する 予定ですが、解析ができ次第、検討会としては2月になってしまいますけれど も、その前にデータが出ればできるだけ早くお示ししたいと考えております。 また、これまでメーカーと厚生労働省等に質問状を出してきましたが、それを 基にこれからヒアリングをやることになっておりますが、具体的に誰にお願い するかについてもだんだん決まってきており、それもできれば12月中にやりた いと思っております。それから、医師についてもヒアリングをしますが、いろ いろな立場がありますので、両方の立場が入るような形でヒアリングをして、 当時のフィブリノゲンに対する考え方について医療側がどう考えていたかを明 確にしていくことを考えております。なかなか早くデータが出せないで申し訳 ないとは思っておりますが、どうぞ御理解をいただきたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  確かに、この実態調査と同時にヒアリングが行われているわけで、これも本 当に大変な作業だと思います。また、その結果も御報告いただきたいと思いま す。 ○堀内委員 もう一点だけ。先ほど対象者で原告団1,205名ということですが、 御遺族がもう61人になり、思ったより多くなっていると思います。こういうこ とは急いでやル必要がありますね。2002年に訴訟が行われておりますけれども、 それ以降既に60人の方が亡くなっているということで、びっくりいたしました。 早くいろいろなことを解決していかなければいけないなということを痛感いた しました。 ○寺野座長 どなたか御意見ございますか。 ○清水委員 医師に対するアンケート調査を行われるとか行われるはずという ことになっているようですが、そのアンケート項目に対する資料というのはお 見せいただいたんでしょうか。 ○堀内委員 これについては前にお見せしませんでしたかね、前々回のときに インターネットを使ったアンケート調査を行いました。それについて御報告を させていただきましたが、今、医師に対してどのくらいエビデンスが出てくる かなということを気にしておりまして、この前のアンケート調査以上のデータ が出てくるだろうかということを班会議では議論しているところでございます。 ○清水委員 医師にはいろいろな思惑があったり、いろいろな事例を念頭に置 いていますので、本音を聞き出すというのは意外と難しい部分があるのではな いかと思うんですね。したがいまして、設問には少し工夫が要るかもしれない という点をちょっと御検討いただいた方がよろしいかと思います。 ○堀内委員 したがいまして、これはヒアリングをやって、アンケートの限ら れたところで適切な回答が得られるかどうかを考えておりまして、先ほどもお 話ししましたが、ヒアリングをやって、そこで話し合いをしながら聞いていく という方が本音が出てくるかなと思っております。高木班員が中心になって行 っておりますが、何人か当たったところ、比較的フィブリノゲンの有用性につ いて評価している方が多いようです。これはこの前のインターネットでやった アンケートでも同様の結果が出ておりますが、それ以外の考え方もあると思い ますので、その辺を踏まえて優先してヒアリングをやりたいと考えております。 ○水口委員 ちょっと私自身が混乱したので確認させていただきたいんですが、 医師へのインターネットアンケートというのは既に17回の会議で結果が配られ たものですよね。これからはアンケートということではなくて、ヒアリングを やるということですが、改めて違うアンケートもやるということですか。 ○堀内委員 学会に依頼をしてアンケートをやろうということも計画はしてお りましたが、それについては時間的な問題と、今、清水先生がお話しになりま したが、どれだけきちんとした本音が聞けるかなということを今、班会議では 議論しておりまして、それよりもかえってヒアリングをやった方がいいのでは ないか、そっちを重視してやっていこうということを考えております。 ○水口委員 そうしますと、医師に対する新たなアンケート調査はやらないで、 ヒアリングだけになる可能性もあるという理解でよろしいでしょうか。 ○堀内委員 そうですね。両方やるというのは、時間的な問題と限られた人で やっておりますので、なかなか大変だと考えております。 ○水口委員 どのくらいの人数の方にどのようなヒアリングをするのかという 先ほどの清水先生の御質問にも共通することですが、全貌がどういう状況なの かということについては、どこか結果が出る前の段階で御報告いただくことは できないのでしょうか。 ○堀内委員 まだ最終的にどなたにヒアリングをするというのは固まっており ません。今お話があった清水委員からも推薦していただくようにお願いしてお りますし、それから、これまで高久先生からも紹介していただきました。更に、 「今日の医療」でフィブリノゲンについての記載の仕方が途中から変わってい るような著者の方とか、いろいろな観点でやろうと考えておりますが、フィブ リノゲンを評価する立場とそうでない立場の人もいるでしょうから、両方が入 るような構成にしたいということで今検討している最中です。また1月にはど ういう状況かお話しさせていただきたいと思います。 ○寺野座長 よろしいでしょうか。では、大変御苦労様ですけれども、よろし くお願いいたします。  それでは、次の議題に進みますが、添付文書の在り方やリスクコミュニケー ション、患者さんからの副作用報告等についてということなんですけれども、 まず、前々回の17回に水口委員から関連資料が提供されています。資料9−2 と9−3になるでしょうか、水口委員から御説明をお願いします。 ○水口委員 第17回の資料9−2と資料9−3という形で提出させていただい ていますが、資料9−2の方は、今日のリスクコミュニケーションについての 具体的なお話をする過程の中で改めて御説明させていただきたいと申し上げま した。資料9−3は、FDAのリスクコミュニケーションについてのガイダン スということで配付させていただきました。単体の資料だけを御説明させてい ただくよりは、今日、(リスクコミュニケーション)の全体像についての議論の 中で私がまとめたレジュメも提出させていただいていますので、それとの関係 で改めて御説明させていただいた方がいいのかなと思っております。 ○寺野座長 その方が都合がよければ、そのようにしてください。また後ほど お願いします。  では、事務局から資料が幾つか出されていますので、まずその御説明をお願 いしたいと思います。 ○安全使用推進室長 リスクコミュニケーションに関係するものといたしまし て、本日の事務局からは資料2、資料3、資料4ということで提出させていた だいております。資料2は水口委員の前回、前々回での御指摘にもございまし たような、患者からの副作用報告についてということで、諸外国でどのような 取扱いをしているかという参考の資料をまとめさせていただいております。  資料2につきましては、最初に英国の事例が入ってございまして、英国はも ともとイエローカードという仕組みで医療関係者からの副作用報告を受け取っ ていたわけですけれども、この制度を2008年に一般消費者向けの報告制度も含 む形での改定を行ったということでございまして、そういったものの中での成 果が書かれてございます。  次のページ以降に、実際の件数等のデータがつけられているものがございま す。  3ページがアメリカの事例でございますけれども、アメリカにおきましては MedWatchという仕組みがございまして、これは医療従事者、消費者、患者、い ろいろな方々、職種を訪わず電子報告ですとかFAX等で副作用報告を出せる ような仕組みになってございまして、全体で40万件ぐらいデータがございます けれども、そのうちの半分近くが消費者の方から入力された、また情報提供さ れたものという状況でございます。その統計的な部分の数字につきましては、 4ページに示せていただいております。また、アメリカでとっておりますよう なMedWatchの報告、ちょっとコピーがつぶれて見にくくなっておりますけれど も、こういった様式に消費者の方も御記載いただいてお出しいただけるような 仕組みで運用しているという資料でございます。  1ページ目に戻りますが、英国においてはこういった制度によって国民から のリスクに関するシグナルをより早く受け付けることが可能になるという成果 があると期待して、こういった仕組みを導入したということが書かれてござい ます。  資料3でございますけれども、前々回水口委員からも御提出いただきました 資料で、FDAに関する資料9−3がございまして、その中でいろいろなアラ ートというものが紹介されてございます。少し文献の情報ですとわかりにくい 部分もあるかと思いまして、米国で最近取り入れられている早期安全性情報、 アーリーコミュニケーションの提供ということで、その中身を御紹介させてい ただく資料として資料3を提出させていただいております。  これは2007年FDA改革法を受けまして2007年8月からFDAで導入して いる制度でございますが、そのデータが不確実ではあるものの、その時点で判 明しているようなリスクに関する情報を医師・患者に必要に応じて提供してい くというようなものでございまして、措置がすべて決定する以前の状態のもの に対して情報提供していくものでございます。それによって4つ目の「○」に ございますけれども、医療の専門家による安全性の監視がより注意喚起がされ て、FDAの報告が促進されることを期待するというようなことでございまし て、そういう取り組みをFDAも始めております。  1ページの下に最近の事例ということで、インシュリンのアナログ製剤、糖 尿病の治療薬の新しいものでございますけれども、こういうものに対するがん のリスクの増大に関するリスクコミュニケーションというような形で、情報と しては不確実性があるんだけれども、早い段階で情報提供しつつFDAも引き 続き調査を実施するというような取り組みを行っているという事例が示されて ございます。  2ページ目におきましても、同様のまた別の事例ということで御紹介させて いただいておりますが、こういうアーリーコミュニケーションという形でFD Aが対応してきたもの、11月25日現在ということですけれども、3ページ目に 主な対象の医薬品ということで御参考までにリストアップをさせていただいて いるところでございます。  資料4でございますけれども、前回の会議で水口委員からも御指摘いただき ました現行のPMDA(医薬品医療機器総合機構)における患者への情報提供の現 状ということで、実際どのくらいの事業を実施しているのかということと、ど のくらいの人数でそれを行っているのかということで、概要をおつくりさせて いただいたものが資料4でございます。  1ページ目でございますけれども、患者への情報提供の現状ということで、 医療用医薬品の患者向けの医薬品ガイドですとか、重篤副作用疾患対応別マニ ュアルですとか、一般用医薬品の添付文書、または薬相談という形で、こうい った件数を提供させていただいております。この医療用医薬品の患者向けの医 薬品ガイドは、いわゆる患者向けの添付文書に相当するものでございますけれ ども、これにつきましても前回第18回の会合でチャンピックスという、これは 禁煙補助剤でございますが、その事例について事務局の資料で御紹介させてい ただいているものではございますが、現在こういった成分について取り組みを 行っているというものでございます。  あと、コピーが小さくて見にくい部分がありますけれども、実際右の方にど んな形の情報提供をしているのかということで、重篤副作用対応マニュアルで あれば「アナフィラキシー」という文字が見えると思いますが、「患者の皆様へ」 ということで、こういった副作用にどういうポイントで気がつくかといったも ののガイドを提供しているものでございます。  裏側の2ページ目でございますが、患者への情報提供、PMDA安全部門の体制 ということでございますけれども、これは主に情報提供を行う部分での人員等 につきまして、ここにお示ししてございます。基本的に幾つかある業務の中で コアになっている部分と言いますのは、PMDAの医薬品医療機器情報提供ホーム ページということで、この図のちょうど真ん中にございますが、先ほどのマニ ュアルやそういった資材のホームページの公開に関する維持管理を行う業務と。 ここには4名という方の数がございますけれども、あと、情報のインプットと いうことではお薬相談ということで、こういった人数の方々を配置しておりま す。  また、実際中身のコンテンツをつくる部分の患者向けガイド作成ということ では、皆さんいろいろな業務と兼務されているということでございますけれど も、こういうリソースを使って現在やっているというような全体の体制の図と いうことでお示ししてございます。  リスクコミュニケーション関係は、事務局からは以上でございます。 ○寺野座長 では、続いてお願いします。 ○審査管理課長 続きまして資料5、資料6で未承認薬・適応外薬の状況につ いて御報告したいと思います。  資料5でございますが、未承認薬・適応外薬につきましては、意見・御要望 等について取りまとめているということで御報告させていただいておりますけ れども、まだ精査ができておりませんで中間段階のものでございますが、御意 見をいただいている概要について御報告させていただきたいと思います。  6〜8月にかけまして御意見等について募集いたしました。未承認薬に関す る要望については88件、適応外薬については284件でございます。この中身に ついても、重複等がないか更に精査中でございます。  未承認薬の一覧は、2ページの別添1でございます。それから、適応外薬に 関する要望につきましては4ページ目からでございます。未承認薬のうち要望 にある効能・効果につきまして、海外で承認されていることが確認されている ものは70件、このうち海外での承認が確認されているのは68件ということで ございます。一応、欧米4か国で初めて承認されてからの平成21年11月現在 までの経過期間については、とりあえず調べてみますと下の表のとおりでござ います。  今、精査中ではございますので、改めて精査したものにつきましては未承認 薬・適応外薬の有識者会議にお諮りいたしまして、科学的見地からまとめてい ただこうと思っております。  続きまして、資料6でございます。「小児薬物療法におけるデータネットワー クモデル研究について」ということでございまして、適応外薬の中で言ってみ れば小児用量に関するものでございますけれども、そういう調査はないかとい うことで調べさせていただきまして、一応こういうものがあったということで 御報告させていただきます。  この調査研究報告でございますが、2ページ目をごらんいただきますと「A. 研究目的」とございますが、ここには添付文書等で小児への投与に関する安全 性は確立されていないというのが38.5%、それから、小児への適応についての 情報が記載されていない33.3%、この当時でございますけれども、このような 状況の中で厚生労働省で適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて、そ れから、小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスが出たという ことを踏まえて、小児への適応を増やしていく取り組みをしようということで 初めて調査を行ったということです。  3ページをごらんいただくと、基本的には小児医療関係学会から既に要望が 出ていて、それに関しまして、子ども関係の病院関係機関にそれぞれ上位10品 目ぐらいまでの適応外、小児用量でございますけれども、どのようなものを処 方しているかということで調査を行った結果でございまして、その結果が20ペ ージの資料3にまとめられたという状況でございます。これらを拝見いたしま して、平成18年から小児薬物療法の検討会ということで始まったという経緯が ございます。なかなか適応外については難しくて、これについても今回行って おります未承認薬・適応外薬の調査と類似のものかと思っております。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。  資料をたくさんお示しいただいたんですが、水口委員のはまた後で御議論い ただくとして、事務局の方から提供された資料に関して、さまざまなものが入 っているんですけれども、どれからでもいいですが御議論をお願いいたします。 ○水口委員 資料についての質問です。資料4の患者への情報提供(2)で、患 者への提供の現状ということで図が描いてあるのですが、この図をどう理解し たらいいのかということでお伺いいたします。ホームページの維持管理業務と いうのは、基本的にホームページのシステムをきちんと管理していくというこ とで、そこにどういう中身を、特に、患者に提供する中身をつくるという仕事 そのものにはこの方々は携わっておらず、この表で言うと患者向けガイド作成 支援業務というところに書かれている方たちがそれをやっているという理解で よろしいのでしょうか。 ○松田安全管理監 PMDAからお答えいたします。まず、御質問の上の4名は、 おっしゃるようにホームページの維持をやっております。例えば、患者向けの ガイドであれば実際にコンテンツをつくっているのは左下の人間です。 ○水口委員 6名の兼任というのがあるりますが、これをどう見るかというこ となんですけれども、どの程度患者向けガイド作成支援業務に携わっていらっ しゃるんですか。 ○松田安全管理監 実情を申し上げますと、1ページの「*1」に注意書きが ありますが、患者向けガイドは御案内のとおり、すべての医薬品をつくってい るのではなくて、特に患者さんに注意を喚起すべきということで、例えば、警 告欄が設けてあるものとかそういうものをつくるということで今やっておりま す。現実は既に今ある薬については、既に全部終了しておりまして、実は今は 新規で承認になったものとか新たに警告がつくられたものと、業務量としては そういう状況に今はなっています。専任の1人というのは新しいものとか見直 しといったものを中心にやっております。6名というのは、各分野ごとに実際 に安全対策を担当している人間が細かい中身についてはサポートしているとい う形で運用しています。 ○寺野座長 よろしいですか。 ○水口委員 質問に対する答えとしてはわかりました。 ○清水委員 大変結構なシステムだと思うんですが、問題は中身だと思うんで す。ですから、重篤な副作用の早期発見を促すという重篤な副作用というもの をどういうシステムでPMDAの中で、これは患者情報として提供した方がいいと か、この程度の重傷度については様子を見るとか、いろいろなレベルのものが あると思うんですが、場合によっては今は警告的な症例しかなかったけれども、 1〜2年経ったら結構あれは重篤な問題であったとか、極めて重篤な問題だと 思っていたんだけれども1年経ったらそれほど問題にすることではなかったと いうような判断というのか、それを決めるシステムはどのように運用されてい るんですか。 ○松田安全管理監 先生がおっしゃっているのは、どういうものをつくるかの 判断基準ですね。細かい年月は忘れましたが、実は厚労省からこの事業を始め るときに通知が出ていまして、たしか警告欄とか幾つかクライテリアを決めて あったと思いますが、添付文書でこういう項目があるものについてつくりまし ょうという形で始まった事業なので、すべてについてはつくっていないという ことでございます。ただ、この件については今回の当委員会からの第一次提言 の中でも、その辺についていろいろ検討するようにというお話もいただいてい ますので、そこは将来的な課題だと思っております。 ○清水委員 もう一つ関連しまして、資料2で、英国と米国でこういう情報が 提供されているということは大変いいことだと思うんですが、やはり1万件、 2万件の中からセレクションするという作業は大変な仕事ではないかと思うん です。ですから、これを具体的にどのようにルール化するのか、あるいはシス テム化するのか、そういうところが具体的に見えるようなお話がもしできれば していただきたいということと、資料2の英国について、これだけの資料の中 からどれだけのデータが患者に提供されるようなものとしてピックアップされ たのか、そういうことをどのようにやっているのかということがもしわかれば、 資料をつくられた厚労省からも御説明をいただければと思いますし、もし、デ ータがないということであれば、調べられれば調べていただきたいと思うんで すけれども。 ○安全使用推進室長 厚労省でございます。イギリスのケースは、1年間の副 作用報告の件数が大体2万5,000件から3万件ぐらい、ちょうど日本で受け取 っている国内の副作用報告と同じくらいの規模でございます。そのうち患者さ んから来る副作用報告の数というのが全体の1割ぐらいの2,000件ぐらい、今 はちょっと増えていて2割近くになっているかと思いますけれども、そういう 状況でして、やはり患者様から来る情報という部分については、正直お医者さ んが書かれるような記載とは違いまして、医学的な情報が必ずしも十分ではな いという部分はあるわけですが、イギリスでの事例などを見てまいりますと、 中身の正確さはもとより、何か警告情報として患者さんの中で何か起こってい ることで気がつかないことがあるのかどうかとか、そういった部分をむしろピ ックアップするような形で使っておられるような、そういう使い方のように見 えます。  ただ、アメリカにつきましては相当件数が多うございまして、20万件とかそ ういった情報になっているわけですけれども、私どもの方でアメリカではどの ような使い方をしているのかについては、にわかに調べ切れていない部分では ございますけれども、やはり情報としてイギリスと同じようないろいろな制約 がある中での使い方をされているのではないかと思っております。  そこはまさしく清水先生御指摘のとおりでございまして、もし、こういった 仕組みを日本に入れていく場合においても、必ずしも医学的な情報について正 確さを期すわけではない情報かもしれないけれども、そういったものをどうい う形で安全対策の中に役に立てていくかということになろうかと思っておりま す。  ちなみに、アメリカの場合は、大体年間こういった副作用報告は40万件くら い受け取っておりますけれども、その中で実際の添付文書の改訂につながるも のは全体の500件ぐらいというのが大体の件数と統計上は我々も承知しており ます。  以上でございます。 ○大平委員 少し整理させていただきたいんですが、資料2と資料3は患者か らの報告という形での取扱いで、資料4は薬の相談というのが副作用情報とし て患者から来ていると理解してよろしいんでしょうか。この薬の相談というの がよくわからないんですが。 ○安全使用推進室長 今、御指摘いただいた点でございますけれども、資料2 は第一次提言にもございますように、患者さんからの副作用情報を集める仕組 みとしての外国の事例ということで紹介させていただいております。  資料3につきましては、これも第一次提言の中でグレー段階での情報でも提 供するという御指摘をいただいていまして、あと、前々回の水口委員提出の資 料にも、アラートという形でできるだけ早めに行政から何らかの情報を提供で きるかどうかと。むしろ、情報を提供する側でのお話ということで資料3は整 理させていただいております。いずれも現在、日本で行っていない外国での取 り組みの先例という形で、今日はリスクコミュニケーションの中で御紹介させ ていただいているというものでございます。  資料4の位置付けというのは、むしろ厚生労働省、PMDAの側から情報を出す 方の体制というお話でございますけれども、薬相談というものもいろいろな見 方はあると思うんですが、患者さんからのいろいろな情報をむしろ相談という 中で吸い上げていくと言いますか、その中からいろいろなものを抽出していく という部分もございますし、また一方では、相談を通じていろいろなお薬に関 する情報を一般の方々にも提供させていただくというような側面もあると思い ますので、そういう形でここでは取り上げさせていただいているものでござい ます。 ○大平委員 そうしますと、薬相談というのは、かなり広範な相談ととらえて よろしいのでしょうか。 ○松田安全管理監 今年間で大体1万件ぐらいお受けしておりますけれども、 基本的には全国から別に制限をかけることなく、何でも基本的にはお受けして います。例えば、薬の副作用の件とか、飲み合わせがどうだこうだとか、効き 目とかいろいろな相談を受けていますので、基本的には事業としては相談事業 ですが、その中から必要な情報、参考になるような情報があれば安全対策にも 活用できるのではないかということでさせていだたいているところでございま す。 ○水口委員 今の大平委員の質問は大変重要な質問だと思うんです。このお薬 相談で得た情報というのは、何かシステム的に集積されて、それを安全対策に 使うような形に組織されているのでしょうか。 ○松田安全管理監 一応、相談いただいた内容については、まとめて機構内で 安全対策を実際にやっている担当の人間も情報共有するような体制はとってお ります。 ○水口委員 具体的にそこから上がったもので安全対策にこういうふうに生か したというような例はございますか。 ○松田安全管理監 そこは今のところパッと出てくるものはございません。 ○水口委員 今までの御説明との関係で、今日私が出させていただいた資料と 先ほど御指摘があった資料の関係で少し説明させていただきたいのですけれど も、よろしいですか。今日付でリスクコミュニケーションという題で資料を出 させていただきました。先ほど御指摘があったように、情報を出す方と吸収す る方と両方の観点でリスクコミュニケーションは考えなくてはいけないと思っ ているんですね。結局、これは患者さんが最終的にはきちんと選択できるよう な情報を提供するということもあるし、それから、無用な副作用被害に遭わな いということもある。もう一つは広い意味でのリスクコミュニケーションとい えば、政策決定に参加していく基盤ということでもあると思うんです。この情 報提供の現状を私が見る限りは、やはり不十分なのではないか。それは幾つか の視点から見ていくと非常にわかりやすいと思って整理させていただきました。  2の(1)現状の課題ですが、医師と患者にパラレルに情報がちゃんと提供さ れているのか考えてみますと、やはり患者向け医薬品ガイドというのは、1つ の基準に従ったもので取捨選択されていて、一部のものについてのみである。 それから、これは添付文書を少しわかりやすくしたということで、例えば、医 師向けには新たに警告欄が加わりましたよというような情報提供の仕方があり ますが、そういったニュース性を持った提供の仕方は患者さんにはされていな いだろうと。それから、リスクだけではなくてベネフィットとのバランスでも のが考えられるような情報提供があるかというと、やはり不十分だろうと思い ます。それから、重要なことはアクセスしやすいかということだと思うんです。 今はPMDAのウェブサイトだけなんですが、PMDA自体を知らない方は残念ながら いらっしゃると思うんですね。何かあったら厚生労働省のホームページぐらい までは行こうかなと思うけれども、そこから先PMDAにダイレクトに行ける人が どれだけいるのかと。厚労省のホームページにアクセスしても、お薬について はこちらとPMDAに飛べるようなリンクがわかりやすいところにあるかというと、 それはやはりないんですよね。それから、ネットにアクセスできる人というの は限られていて、この辺も問題点はあるだろうと思います。  それから、早いかというと、やはり医療従事者に提供してから患者さんに提 供するまでのラグが大きいと思うんですね。前回私がチャンピックスを資料に 出しました。これは、自殺の関係等で警告欄が設けられた薬ですけれども、患 者向けガイドそのものがなかったわけですね。私がこの委員会で指摘させてい ただいて、次の委員会までの間には新しくガイドができたというような経過を たどっています。要するに、警告欄を持っているようなお薬でも、患者向けガ イドができるまでに結構時間がかかっているという現状があるし、網羅的では ない。ましてや警告欄でないものについてはフォローされていない。例えば、 パキシルという抗うつ剤がありますけれども、これについて妊婦が服用すると 先天異常が起きるという問題があるわけですが、今、パキシルの患者向けガイ ドを見てもそのことは書いていないんですね。これは警告欄記載だからではな いという判断で、ガイドはあるけれども書いていないという現状があるわけで す。実際に私どもがNGOでこの問題を提起したときに、ミクシーというフォ ーラムで一晩で1,700ぐらいコメントが立ち上がるぐらい患者さんはみんな知 らなくてびっくりしたというのが現実なわけです。そこはやはり課題があるだ ろうと。  あとは、双方向でないとコミュニケーションとは言わないので、そういう意 味では患者からの副作用の報告制度がないというのが非常に問題なのではない かと。患者からの副作用報告制度については、先ほどの説明を少し補足させて いただくと、イギリスで2001年に抗うつ剤SSRI、先ほど言ったパキシルほかの 副作用で自殺が誘発されるということが問題になったときに、イギリスがサリ ドマイドのときにつくった世界に誇るイエローカードシステムがこの副作用を 拾い上げられなかったわけですね。それはなぜかというと、医師が患者さんの 訴えを自分の言葉に書き直している過程で、うつ病だからもともと自殺衝動は あるんだろうということで、それをきちんと有害事象報告できなかった。とこ ろがBBC放送がネットで副作用報告を集めて全部検討したら、やはり非常に 大きな問題があったと。それからイギリスの患者向け副作用報告制度はできた わけで、医師を経由して入ってくる副作用報告の限界があるということが実証 されたから始まった制度なのです。やはり日本でも同じ問題はあり、患者さん が一番わかっている。だから、そこは軽視するべきではないし、先ほどいろい ろ課題はあるというお話はありましたけれども、確かにあるんですが、実際先 行して行われているところの評価としては、報告の質は医療者と遜色ないし、 システム的にも二重登録のチェックをすることが可能だとか、いろいろな工夫 は既に行われて克服されているわけです。さきほど言ったチャンピックスにつ いても、これはFDAがグレー情報を早く出すということをやっており、かつ、 患者からの有害事象報告がたくさん来たことによって問題点が明らかになった という非常に意味のある症例で、そういった意味で、これだけFDAは患者に 一生懸命情報を提供しようとしてやっていますよということを見ていただくた めに前回、資料を出したわけです。私は別にPMDAが怠けているとかそういうこ とを言っているわけではなくて、システムとして患者さんに情報をちゃんと伝 えるんだということをきちんと位置付けて、人をしっかりそこに配置するべき だと思うんです。1名プラス7兼任と出していらっしゃいましたけれども、年 がら年じゅうどうやったら患者さんに末端まで情報を提供できるのかというこ とを考え、チームで検討することができるというような専門の部門をPMDAの中 にきっちりつくって、予算も必要ならちゃんと要求していくべきです。第一次 提言をつくるときに中間報告のときに人が足りないと私たちは意見を出したで はないですか。人が足りないなら、そういうところにちゃんと人が必要だとい うことを言って、位置付けてやっていくべきなのだろうと思っています。全体 を見ると、患者さんに情報を提供することが優先課題なんだと位置付けてシス テムが動いているようには見えない。ちょっと「おまけ」のような位置付けに なっていると理解していますので、その辺を強調しておきたいと思います。  あと、広告の問題等あるんですが、余り1人で一方的に長く話すのはいけな いので、ここで一回終わりにします。 ○寺野座長 御自覚いただいて、ありがとうございます。今、水口委員から指 摘された点には、非常に大事なポイントだと思うんですね。この点なども中心 にして御議論いただければと思います。 ○小野委員 短くやります。先ほどの清水委員の質問に答えているようで答え ていないような、こんにゃく問答みたいになっていたと思うんですけれども、 あと300人増やすという議論のところで複数の委員がたびたび申し上げていた ことなんですが、実際に何万例も来てどう処理しているんですかということを 清水先生は最初におっしゃっていたような気がするんですけれども、それに対 してどう処理しているのか。例えば、一人当たり数百例見ることになりますよ ね。例えば、年間200日で割ったとして、もしかしたら一日100件とか200件 来ているものをどう処理しているのか、誰が何人ぐらいかかって、どのくらい のレベルの優秀な方か、あるいはペーペーの1年生か。それから、それに対し てどのくらい時間をかけて読んでいるのかとか、コピーは誰が取っているのか とか、最後どうするかという判断を、結果だけ見ればほとんどの場合は何もし ないで終わっていると思うんですけれども、わずかに対応しているのは例えば 何パーセントぐらいなのか。それから、データがそこで蓄積していくというの は、誰かの脳みその中に蓄積しているのか、結果として何かのシステムの中に 蓄積されるのか。脳みその中というのは危ないですよね。人が変わればすぐな くなってしまうわけで余り当てにならない。  それから、例えば、データマイニングなどをやっておられるのはわかります けれども、データマイニングなんてやってみればシグナルというのは必ず何件 か出るんですよ。これは椿先生のレベルに行かなくても私どもでもわかること で、今それに対して恐らく試行しているのだと思いますけれども、どう対応し ているのか。ほとんどは結果として握りつぶすという言葉が悪ければ、大した ことはないという判断で終わるんですけれども、そういうものを誰がどう判断 しているのか、今までにそういう例があるのだったら具体的に、例えば、安全 対策課長がこれはやらなくてもいいとデータだけ見て終わったのなら、そのデ ータをどういうふうに御判断いただいてやっているのかということを、これは 別に内情を暴くというのではなくて、何ができて何ができないか。一生懸命や っておられる仕事を是非外に見えるように見える化していただいて、ここは一 生懸命やっているけれども人間だからこれぐらいしかできないなと我々が思え ば、それに対して警戒して、当局というのはこのぐらいしかできないんだなと 行動する側面もありますよね。そういうことを1回説明いただけますか。一日 スタバで何時間コーヒーを飲んでとかそういう話も含めて、安全部の人たちの お仕事ぶりを我々にもわかるように。結果として、ほとんど何もしないという ことで終わっているんですよね。これは危ないかもしれないけれども、即全部 に対応したら世の中大変なことになりますから、ちょっと様子を見ようという ことになっていると思うんですけれども、次回にでも短い時間で結構ですから 御説明いただけないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○安全対策室長 今、小野委員がおっしゃったような点、まさしく今PMDAの安 全部門と私ども安全対策課で仕事の定式化、システム化を進めるべく整理をし ている最中でございます。実際どのくらいの数のものをどのようなレベルとか どのようなカテゴリーに分けて整理しているのかというのを見やすい格好に整 理していますので、できれば次回に向けて内容の整理をしたものを御説明した いと思います。人が増えている最中というところもあるので、今できること、 これからやりたいと思っているというようなところなども、その説明の中でも 解説させていただければと思います。 ○泉委員 ちょっと話が横にそれてしまうかもしれませんが、そういう調査報 告をしてくださるのであれば、続けてお伺いしたいことがありまして、第15回 と第16回の第一次提言で問題視されて、今こういう問題はこういうふうに解決 していく予定のような表が出たと思うんですが、その中で第15回で言えば資料 1の(4)市販後安全対策の5段目に、電子レセプトなどのデータベースを活用 して、医薬品使用者数や投薬情報を踏まえた安全対策、こういうものを情報基 盤を整理することを目指すと書かれています。これは「検討の方向(案)」とな って、「有識者会議において検討」と書いてあって、その下には高齢者医療のこ とが書いてあるんですけれども、高齢者医療は外して、現状は患者が知る権利 の中で電子レセプトというものが、第16回の第一次提言に関する資料1の63、 65に、例えば63は患者本人による使用された製剤名、ロットの記録・保存方法、 65に関してはレセプト情報を活用した患者本人の通知など、こういうものが今 検討中と書かれているんですが、この検討はどこまで進んでいるのかを御提示 していただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 今のような点も私ども安全対策課が事務局を務めて、医療関 連のデータベースを利用した安全対策の体制強化について検討会を開催してい るところでございますので、その検討状況について御紹介させていただければ と思います。併せて、このデータベースの整備や活用については、PMDAにおい ても専門家の会議を開催しているという状況でございますので、それも併せて 全体像として御紹介できるかと思います。 ○泉委員 多分お読みになった方がいらっしゃると思うんですが、つい最近の 日経新聞に中医協の話が出ていました。データベースに関しては2年くらい前 に薬害肝炎の患者も1人呼ばれて、そこでデータベースあるいはレセプトに関 して是非、私たちにとってそういうものがあればということも過去を振り返る とあるわけだから検討してもらいたいということを中医協で話をしています。 しかし、それから全く進むことなく、むしろ後退していて、どちらかといえば 患者さんは欲しくないだろうとか、紙のむだだという話もありながら、なかな かそういったところで中医協に関しては協力ができにくいというような状況が 新聞に報道されていましたけれども、こういうような現状はPMDAさんとか省内 ではどういうふうに協力関係をつくって持っていかれるかということまでをお 考えでいらっしゃるのかどうか、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 今データベースという切り口でのお話をしている中では、今 おっしゃられたいわゆる診療報酬の請求のために使われるレセプトを利用する というのが一つ有力なデータのソースとしてあることは皆さんよく御存じの話 です。  それから、それだけだとやった行為だけなので、例えば検査をやりました、 でも検査の結果はどうだったかがわからない。むしろ電子カルテとかそういっ た診療情報のデータがないと十分なことがわからないのではないかということ もございまして、データベースとして考えるときの対象はレセプト部分だけで はなくて、本当にやりたいことは副作用がどういうふうになっているかという ことを早く見つける、あるいは非常に低い頻度で起きているものをできるだけ 大きな母数の中できちんと補足する。それをできるだけリアルタイムに刻々と 見ていくというようなことをやりたいとみんな考えております。それを実現す るための手段として、一つは電子レセプト、データベースが構築されていくと いう、データベースは医療保険サイドでつくられるという話がありますので、 そこのデータを2次利用という形で医薬品の安全対策等に活用させていただく という展望を持って、利用方法の技術開発といった部分も含めて、当然それに はプライバシーの問題とか、あるいは患者さんにどうお伝えすることができる のか等、第一次提言の中にも挙げていただいている課題は当然我々としても実 現するべく検討課題として御議論いただいておりますので、そうしたことは整 理して御説明させていただきたいと思っています。 ○間宮委員 データベースの活用は勿論進めていただきたいんですけれども、 提言の中には明細書を発行するようにということで書いてあるんですね。この 間の新聞報道では、明細書の発行がなかなか進んでいないということで、国立 病院では無料で全員に発行するということが行われているわけですけれども、 ほかの病院については進んでいないわけです。これは薬害被害者が集まってい る薬被連の方でも結成以来、明細書の発行については要望していることですし、 その辺りの進捗状況を中医協でも話し合われていることだと思うので、資料を 出していただきたいなと思いまして、お願いできますでしょうか。 ○安全使用推進室長 私ども医薬食品局というよりは保険局での対応になりま すので、保険局はいろいろな諸通知等で明細書の発行についてのいろいろな行 政指導等が出ていると聞いておりますけれども、今の御指摘の資料について、 どこまでどういったものが出せるか、少し保険局とも相談させていただこうと 思っております。 ○泉委員 確かに、電子カルテと医療保険サイドで出す電子レセプトは、ちょ っと違うというか、中に組み込まれるものだとは思うんですけれども、電子レ セプトというのは患者個人が最初に手にするものであって、しかも、それを持 っていることで自分の薬は何が使われたかがわかる資料でもあるわけなので、 それは是非、厚生労働省としても団体にそういう話を聞いてもらって報告して もらえればとありがたく存じます。 ○寺野座長 いろいろ議論がありまして、時間が大分過ぎてはきているんです が、それぞれ新しく発言される方にお願いしたいと思います。 ○高橋委員 先ほどのお話ではないんですけれども、PMDAの知名度もあるんで すが、それに付随して患者向け医薬品ガイドの存在自体も知らない方が大変多 いと認識しているわけです。この品目数がこれで妥当かどうかも考えなくては いけないんですが、それ以上にこういったガイドがあるんだというところを知 らせる努力をしなければいけないのではないかと思っています。そういうこと でPMDAにお聞きしたいんですけれども、患者向け医薬品ガイドに対してどの程 度アクセス数があるのかを教えていただければと思います。 ○寺野座長 今わかりますか。 ○松田安全管理監 今、手元にデータがございませんので次回に。 ○寺野座長 では、次回に明らかにしてください。  坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 資料2なんですけれども、これは私にとってもとても興味深い資 料でして、例えば、3ページの上から7行目、患者からの副作用直接報告は1993 年に既に開始されているとか、最後の方で本ウェブサイトにおいて医療従事者 用の情報だけでなく、患者用の添付文書及び医薬品ガイドについても情報提供 がされているというところがとても興味深いです。  あと、4ページですけれども、上のグラフで濃い部分が多分医療従事者、薄 い方が消費者だと思うんですが、一つ厚労省にお願いなんですが、MedWatchな どはとても役立つというか知りたいところなんですけれども、日本語に直して もらってもっと鮮明なものをつくり直して見せていただけますでしょうか。横 文字はなるべく日本語にしていただきたいと思います。  それと、話がずれますけれども、委員の先生方の机の上に本が置いてあると 思いますが、皆様の御支援のおかげで、11月30日に肝炎対策基本法案が無事に 成立しました。本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。今 日は原告団から日ごろお世話になっております先生方に『薬害肝炎とのたたか い』という本を献本として感謝を込めて贈ります。山口代表からのメッセージ も挟んでありますので、是非ごらんください。 ○寺野座長 ありがとうございます。  椿委員、どうぞ。 ○椿委員 先ほど森さんもおっしゃられたことなんですけれども、最終的なリ スクコミュニケーションの目的は本当に危ない薬を投与された方に直接行くと いうことが理想的であることは言うまでもないことで、薬剤疫学的な方法で個 人情報を分析することは、いわゆる個人情報保護法とは別問題になっているん ですけれども、特定の方にそこへ情報が行くということに関しては、まだ恐ら く法的にいろいろな問題があると、先ほど森さんはおっしゃられたのはそのこ とだと思うんですね。やはり医薬品もそうですけれども、製品安全とか、とに かくその方自身が非常に危なくなっているという状況をその人に直接国なりき ちんとした権威の者が個人の情報使ってコミュニケーションを直接できるとい うことは、是非政権の方でそういうものを使えるんだということについての原 則を確立してほしいと強く思うところです。この薬害肝炎の事件というのは、 まさにそういうことを主張する根拠としても大変重要なものだと思うので、是 非そういうことを実現していただくように思う次第です。  第2点は、そのためにナショナルデータベース、健康に関しての話、これは ある意味でOECD諸国で持っていないのは日本だけと伺っていますし、アジアで も韓国や台湾は既に整備しているのに日本はできていないという非常に特異な 環境にあると伺っていますので、是非その辺も積極的に電子レセプトないしは 電子カルテの充実とともに図っていただきたいんですけれども、昨今、電子レ セプトに関しては仕分けの対象になって、非常に厳しい評価を得ていると若干 聞こえてきているところなんですが、それも本来はその目的をきちんと打ち出 せば納得いただけることだったのではないかと思っているところです。 ○水口委員 今の椿先生がおっしゃった直接最終的に危ない状況にある患者さ んにアクセスできるようにという話との関係で言うと、イギリスのイエローカ ードシステムで副作用報告した方へのフィードバックが一部行われているよう に伺っているので、事務局で調べていただいて御報告いただけるとありがたい と思っています。現にそういうことをやっているところがあるのではないかと いうことです。  それと、先ほど問題点だけ言って具体的提案をしていないので、最終提言と の関係で短く申し上げておきますと、ウェブ限定の今の患者向けガイドをどう 充実させるかという話に終始しないで、承認時に添付文書と患者向けの説明文 書を両方同じようにちゃんとつくって、パッケージでそれも併せて審査して、 承認されたときは両方そろっているという状況で薬局で患者さんに交付ができ るような体制を目指すべきではないか。最終提言には薬局での患者向けの添付 文書の交付、それから、作成時期も承認時には添付文書と一緒につくられてい るということを目指すことを提案したいと思います。  あとは時間がないので見ておいていただきたいんですが、詳細な患者向けの 情報をつくるときに、どこまで書いたらいいのかとか、いろいろ神経を使って おつくりになると思うのですが、そうやっている一方で、ずっとアクセスしや すくてわかりやすくて、情報がたくさん出されているのは、企業からの広告な んですね。ですから、広告の方をきっちりガイドラインをつくって規制してい かないといけない。例えば、最近は学術情報なのか広告なのかよくわからない ものがあります。実際に非常に副作用があるのにないと言ってたくさんの被害 を出したイレッサの例などがあるわけですね。それは今日、資料を出しておき ました。広告規制は第一次提言に盛り込んでいますけれども、更に何を広告と 見るかという定義自体を見直すことも、この委員会の提言に是非最終的には盛 り込んでいただかないと根本的な解決にはならないと思います。添付文書だけ ではなく外的な環境も併せてトータルに評価していくということをこの委員会 としては提案するべきではないかと思っています。 ○寺野座長 ありがとうございます。  報告と事務局からの資料と水口委員からの資料も含めましてたくさんの御意 見、サジェスチョン等々いただきました。事務局に大分宿題ができたことは確 かなんですが、次回にできるものは用意していただければありがたいと思いま す。  今、水口委員からも言われましたように、取りまとめのときに現在のような 問題を整理して入れていく必要があるだろうということは覚えておくべきだと 思います。  また御意見がありましたら、メール何なりそういう形で事務局に届けていた だければ結構かと思います。  次に、PMDAと厚労省の医薬食品局職員へのアンケート調査を現在行っていた だいております。その結果について、まだ中間でしょうけれども、これは椿委 員から、よろしくお願いいたします。 ○椿委員 本日、この調査を積極的に進めていただきました山口先生が欠席で すので、その代わりに私から御報告させていただきます。資料7並びに資料8 をごらんください。  資料7が、いわゆるPMDAと医薬品食品局に送りました調査票でございます。 内容は聞基本的に同じで、先般少し議論させていただいたところです。厚労省 は158名、PMDAには625名に対してこのアンケートが送付された形になってお ります。この締め切り自身が実は本日になっていますので、今日は全く現時点 の中間報告で、取りまとめにつきましては1月に山口先生からやっていただけ るのではないかと思います。  今回の報告、現在11月末時点で85名の方に回答していただいています。資 料8にございますが、内訳は厚生労働省13名、PMDA72名です。厚労省が8%の 回収率、PMDAが12%の回収率です。今回、各回答者の考え方に関しての秘匿、 セキュリティを守るために郵送ないしはどなたの回答がわからない形になるウ ェブを使ったんですけれども、郵送による回収が33名、ウェブによる回収が52 名です。  このアンケート自身は御承知のように、かなり自由記述を多く使っておりま す。1月に報告があると思いますけれども、非常に詳細な記述をちょうだいし ているところでして、業務が非常にお忙しいと思うんですが、真摯かつ貴重な 回答を寄せていただいたことにまず最初に感謝申し上げたいと思う次第です。 勿論このアンケート自体を支持する回答、やはりちょっと違うんだという回答、 さまざまな回答があることを承知しておりますけれども、それは次回以降に報 告したいと思います。  基本的に問題意識、第一次提言に対する認知も非常に幅広いものがありまし た。寄せられた意見文面の整理にもう少し時間をいただければということです。 今日が回答の締め切り日ですけれども、是非、近藤理事長初め、いろいろな意 見をもう少し収集させていただければ幸いだと思っておりますので、業務が多 忙だとは思いますけれども、引き続き調査に御協力いただければと思う次第で す。  今回、実は回答していただいた85名のうちの約7割は業務経験4年以下の方 です。これは厚労省、PMDAとも変わりません。最近入られた方が協力してたく さん出してくださっているという実情がございます。  2ページ以降に行っていただきますと、職務・職場に対する満足は厚労省、 PMDAとも傾向の差はございません。おおむね仕事のやりがいあるいは務め続け たいということに関しては6割ないし7割の方が積極的に仕事に対して誇りを 感じていらっしゃるのではないかと思います。  一方、この職場をあなたの後輩に勧めますかという質問に関しては、4割と 落ちるということはございますけれども、非常に職場に対する使命感等は持っ てやっていただいているのではないかと思います。今回の第一次提言に関して、 このアンケートが一種のコミュニケーションに役立ったかなと思うのは、この アンケートによって第一次提言を知ったという方が約3割いるということです。 知ってはいたが関心がなかったという方が同様に3割ぐらい、内容も把握して いる方が4割ぐらいで、この内容も把握しているという方の中心は先ほどの4 年以下の方よりは、むしろベテランの方々はこういうものに対してきちんと認 識していらっしゃるということかと思います。むしろ医薬品行政に携わった先 ほどのアンケートの回答の大勢を占めます4年以下の方に関して言うと、やは り三十数パーセントの方、あるいは5〜9年、10年以下の大体4割ぐらいの方 が今回初めて知ったというような回答をしているということで、ベテランの方 はほとんどそういうことがないという状況になっているかと思います。  今後、このアンケートにつきましてどういうふうに分析するかについては、 寄せられた文面の回答に関しては、できる限りそのまま出すという方針で進め たいと伺っております。さっき言いましたように、ベテランの方とかある意味 で業務に対していろいろな問題点を感じていらっしゃる方という形で、意見自 身を総別する必要があるのではないかと思いますけれども、いずれにせよそう いう形でできるだけあるがままの姿で分析していくという方針でおりますので、 よろしく御理解いただけばと思います。  私からは以上でございます。 ○寺野座長 急に実行した調査でしたので大変だったろうと思いますが、まだ 集計中ということですので、ごく一部の返答に基づく統計ですけれども、こう いう感じなのかなという大まかな感じは受け取れますね。まだごく一部ですの で、これもまた1月に御報告いただくんですが、記述式だからどういうふうに 解析していいか大変ですよね。そのまま出すと。 ○椿委員 はい、そのまま出すということでよろしいのではないかと。  水口先生、もし補足があればよろしくお願いいたします。 ○水口委員 今日が実は締め切りなのですね。先ほどちょっとワーキングチー ムの先にいらしていた方とお話ししたのですが、あと1週間ぐらい延長して、 もう一回近藤理事長などからも呼びかけていただいて収集することにしてはど うかなと。例えば来週の金曜日までとか、そのぐらいにしてはどうかと思いま す。今日の会議にトータルで全部報告しなくてはいけないということもあって 期限を早くした部分もあるんですが、かなり詳細にいろいろ書いてきてくださ っているので、やはり全部を整理して皆さんに御提供するのは次回の会議にな らざるを得ないという判断になったわけです。そうであれば、それほど時間が あるわけではありませんが、1週間ぐらい期限を延ばしてもいいのではないか と私は思ったのですが、いかがでしょうか。 ○寺野座長 特にいいんじゃないかと思います。  清水委員、どうぞ。 ○清水委員 もし延ばすのでしたら、もう一度催促を出されるとよろしいので はないかと思います。過去にいろいろなアンケート調査をやって、出しっ放し で1回で済みますと大体回収率は30%です。もう一回出しますと、大体60%か らうまくすると70%にいきます。3回目を出しても余り上がらないんですね。 ですから、そういう一般的な傾向がありますので、もし延長されるということ であれば、どういう形でやるかはともかくとして催促されることをお勧めした いと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。大事なことかもしれませんね。ちょっと 考慮してできますかね。 ○清澤委員 参考までにお聞きしたいんですけれども、何人くらいに出したん ですか。 ○椿委員 厚労省158名、PMDA625名ですから、今現在はまだ10%程度の回収 率です。 ○清澤委員 ちょっと1週間では無理かもしれないですね。 ○寺野座長 清水委員のサジェスチョンもありますし、もう一度皆さんにお誘 いして、1週間でも2週間でもその統計に困らない範囲内において、整理する のに困らない範囲において延ばすのはいいと思います。 ○小野委員 1週間というか、今週までに国会とかで大変だったと聞いていま すので、来週金曜日までぐらい。作業する側もありますので、そのぐらいでい かがでしょうかという気がするんですが。 ○大熊委員 それぞれメーリングリストがおありのようですので、もう一遍そ れをお使いくださって回してくださると。 ○寺野座長 そうですね。では、もう一度催促というのも何ですけれども、お 知らせしてできるだけ集計率が高いといいなと思います。御苦労様ですけれど も、よろしくお願いします。  それでは、次の議題で、これまでの議論がございますが、後ほどワーキング グループの御報告をいただくんですが、論点で今から取りまとめ等に向けてど うやっていくのかという後々の問題もあるんですけれども、本体組織について の議論をこの秋以降やっていないんですね。その代わりに第三者組織等が中心 になってきたんですが、この辺で重要な論点をおさらいしておいた方がいいだ ろうと。その上でワーキンググループの報告をいただきますけれども、これま での医薬品行政組織の変遷と考え方、本委員会におけるこれまでの議論という ものについて事務局で一応の整理をしてもらいましたので、今後の1月以降の 議論の参考にもなりますので、それを事務局から説明してください。資料9と 資料10ですね、お願いします。 ○総務課課長補佐 それでは、資料9と資料10につきまして、事務局から御説 明させていただきたいと思います。資料9が薬事行政組織等の変遷についてと いうことで、資料10が論点・検討課題になります。  まず、資料9でございますが、これまでの国の業務、機構の業務を中心とし て、時系列でまとめたものでございます。1〜7ページまでございますが、2 〜6ページは重複する部分、詳細版と言ってよろしいかと思いますので、時間 の都合もございますので、資料9の1ページ目を中心に御説明させていただけ ればと存じます。  まず、表でございますが、横軸に時系列をとって、左軸に国の業務、基金・ 機構の業務、そして、財団医療機器センターがございましたので、その欄がご ざいます。医薬品機構につきましては御説明申し上げるまでもございませんが、 昭和54年に基金として設置され、その後昭和62年に研究振興業務を開始した ということでございまして、その後、平成5年以降、順次本省の業務を委託し て今に至っているという状況になってございますが、これにつきましては、ま ず平成5年に法律改正を行いまして、後発医薬品の承認審査に係る同一性調査 の開始ですとか、あるいは医薬品副作用情報データベース化業務といったもの を本省から医薬品機構に委託したということがまず一つの初めでございます。  引き続き平成6年に、今はもうございませんが、医療機器センターという財 団法人に医療機器について同一性調査等々を委託したということでございます。  また、平成8年に更に新医薬品の承認審査に係る信頼性調査業務等々を追加 した。そして、平成9年、国の業務でございますが、国立医薬品食品衛生研究 所医薬品医療機器審査センターというものを設置しまして、審査関連業務をこ こで行うようにして、併せてチーム審査を導入したのもこのときでございます。  そういった形で本省の業務を医薬品機構ですとか、財団法人医療機器センタ ー、あるいは国立医薬品食品衛生研究所に委託して専門性を高めていくという ことをやっていったわけですが、一方で、今申し上げましたとおり、いろいろ な組織にいろいろな業務を委託していったということもございまして、1つの 組織で総合的に実施した方がよかろうという議論もございまして、平成14年の 法律改正、実施は平成16年4月でございますが、ここで今のPMDAという形、 医薬品医療機器総合機構を設立しまして、今申し上げましたような業務を一元 的にPMDAで実施していくという今の基本的な姿が構築されたということでござ います。  平成17年には一部、研究開発振興業務を医薬基盤研究所に移管しまして、今 の医薬品医療機器総合機構の姿になったという経緯でございます。  こういった形で振り返ってみますと、これまで本省で一元的にやっていた業 務について、さまざまな業務をさまざまな組織に委託しながら、その業務につ いて幾つかの組織でやってたものを一つのPMDAという組織にまとめて今に至っ ているということが、ここ十数年の歴史的経緯ということでございまして、改 めまして一応御案内ということでございます。  7ページ目をごらんください。時間の都合がございますので、これについて は詳細には御説明申し上げませんが、本省と機構のそれぞれの業務、具体的に どのような業務をどこで実施しているのかということを一覧で整理した図でご ざいます。審査安全対策救済業務について、それぞれ本省と機構でごらんのよ うな分担で実施しているということでございます。これは現状の確認という意 味で御紹介させていただきました。  次に、資料10に移らせていただきます。「医薬品行政組織に係る論点・検討 課題(これまでの委員会における議論の整理)」ということで、夏ぐらいまでに いろいろ組織について御意見・御議論いただいたものを事務局で整理させてい ただいたというものでございます。  まず、これまでの意見を踏まえた主な論点・検討課題ということでございま すが、総論としては薬害を起こさないという予防原則に立って検討を進めるべ きではないか、あるいは国や国民の生命と健康を守る責任がある。あるいは中 立性とか透明性という観点が必要ではないかという御意見があったかと存じま す。  次に、組織の在り方についてでございますが、厚生労働省本省と総合機構で 責任体制があいまいになっているのではないか。どのような組織にしたとして も、最終的には国が責任を負う形とすべきではないか。安全対策を確保しつつ、 迅速な承認審査とのバランスを考慮すべきではないか。医療との連携なども視 野に入れるべきではないか。第三者による監視・評価機能が必要ではないか。 組織の在り方との関連で、医薬品機構のマネジメントの在り方ついても検討が 必要ではないか、このような議論があったかと思います。  2ページ目でございますが、人材の在り方につきましては、研究者、企業の 人材の活用を図るなど、人材の流動化を図るべきではないか。人材確保のため の環境整備、教育、採用、人事が必要ではないか。専門性の確保という観点が 大事ではないか。絶対的に人員が不足しているのではないか。  そして、役割に応じた財源の在り方につきましては、企業からの手数料に依 存し過ぎることは問題ではないか。あるいは一定程度の国費が投入されるべき ではないかという御意見が非常に集約した形でございますが、あったのかと承 知しております。  3ページ目でございますが、こうしたことを踏まえまして少し整理させてい ただきました。「あるべき薬事行政の構築に向けて」ということで、検討に当た っての基本的考え方としては、国民の健康と命を守るため、予防原則に基づい た安全対策を専門的で中立的な立場から迅速に実施するということでございま す。  検討の視点でございますが、これまでも薬事行政にかかわる職員については、 御案内のとおり逐次増加してきたわけですが、当然今後とも量的拡大を図って いく必要がある一方、質的改善ということが必要ではないかと。そのためには、 組織、人材、財源の3点を柱として検討してはどうかということでございます。 なお、今後の独立行政法人制度の在り方に関する今後の議論に留意する必要と いうことで、いろいろな議論が今後なされることもあり得ますので、そういっ たことも視野に入れる必要があるかということでございます。  参考までに、国・独立行政法人の定員について記載させていただいておりま す。  4ページ目でございますが「具体的な検討項目(案)」ということでございま して、これはあくまでも今までございました議論を事務局として整理させてい ただきました案でございます。  まず、組織の在り方につきましては、責任を担保し、適切に権限を行使でき る体制の構築。審査と安全性の関係。第三者監視・評価システムの構築、これ につきましてはワーキンググループを設置して議論されているところでござい ます。4つ目に、医薬品機構におけるマネジメントの課題。  人材の在り方につきましては、外部の人材を活用する手法。業務環境や教育 システム。専門家を育成する仕組み。  役割に応じた財源の在り方として、費用負担の在り方、こんなことが項目と しては考えられるのではないかということを事務局として整理させていただい たものでございます。  私からは以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。  今報告がありましたように、これはおさらいということで第一次提言から現 在に至るまでいろいろ議論した、ただ、夏以降この点については十分議論して おりませんので、7月以降の主な議論になるかなということで、ちょっと整理 しておいてもらいたいということで、今までの資料からピックアップして整理 していただいたものです。すべてが入っているわけではありませんし、まだま だ論点はあるかと思うんですけれども、中心的なところはその辺を議論してき たかなということでおさらいしていただきました。こういうものも、こういう ものもというのはたくさんあるかと思いますが、重要な点についてこれも加え ておくべきであるということがありましたら御指摘いただきたいんですが、新 しい政権のもとでの独立行政法人に対する考え方等がさっぱりわからないとい うことで、いろいろな話が出てきますので、我々が第一次提言で言いましたA 案、B案あるいはC案たる現状というものの議論の仕方が非常にやりにくくな っているわけです。ですけれども、結局提案の中ではA案かB案かという議論 も勿論あって結構だし、それも出していいんですが、何をやらなければいけな いかという本質論をきちんと整理して提言するという姿勢が必要かなというこ とで、このように整理していただきました。  何か御意見がございましたら、どうぞ。 ○水口委員 整理の仕方ですけれども、この委員会は議論して第一次提言を出 しているわけですね。ですから、第一次提言でこうするべきだとか、ある一定 の到達点に達している部分は、そういう前提で更にそこを深めるというような 議論にならなければいけないと思っています。余り細かいことを言うつもりは ないんですが、これを見ていると、また一から全部議論し直さなければいけな いのではないかという錯覚にとらわれるような整理の仕方で、ちょっとどうか なと思います。それと、例えば、人材の流動化云々という話も出ていますが、 一方、企業の人材活用の話については、第一次提言では有用であるという意見 がある一方で、慎重に対応すべきだという意見もあるというまとめ方をしてい るので、この辺のデリケートなところの整理の仕方についても、少し配慮した 上での論点整理であってほしかったなと思います。 ○寺野座長 これは決して第一次提言を繰り返そうということではありません で、こういうことがあったということで出しているので、ある意味で議論をし 尽くしたところも結構あることはあるんですが、そのほかにどういうところを 議論していくかということは、それぞれ御指摘いただきたいと思うんですね。 時間がともかく1月、2月、3月の3回しかないという中でまとめていかなけ ればいけませんので、しかも、第一次提言と重複した形ではやりたくないとい うことで、この際取りまとめのときには、少なくとも第一次提言で一応議論し 尽くしたこと以外の問題点を発掘して、それをまとめるべきであると。そして、 第一次提言と取りまとめを一緒にした提言になると私は解しているんですね。 そういうことを意識したんですが、一応おさらいという感じで単純に出したも のですので、御了解いただきたいと思います。  また、こういうことを中心に議論すべきだということに関しては、メール等 あるいはFAX等でおっしゃっていただければ、それをまた中に組み込んで、 第1回のときにこれとこれを更に取りまとめのときには中心にすべきだという 御意見をいただきたいと思っておりますので、これを参考にしていただいて、 一番最後にどういう取りまとめのたたき台をつくるか御相談いたしますけれど も、これを参考にしていただきたいということです。よろしいでしょうか。  それでは次に、先ほど言いました第三者監視・評価機関に関するワーキング グループなんですが、昨日第2回会合が開かれたわけです。これは森嶌先生に 主査としてまとめていただいておりますので中間報告ということになるかと思 いますが、お願いいたします。 ○森嶌座長代理 先ほどの論点整理の中にありました、このワーキンググルー プでは第三者による監視・評価機能が必要であるということから、本体の方で どういうふうに医薬品の安全確保をするかという点については、厚生労働省の 医薬品安全局、PMDAでやると。そこでどういうことをやっているのか、本当に ちゃんとやっているかについての第三者による監視・評価のための組織をどう つくるかを検討するためのワーキンググループでして、11月10日に第1回、こ れは寺野座長にも御出席いただきました。そして、昨日第2回で、12月21日に 第3回をやりまして、そこで結論を出すというよりも考え方をまとめまして、 1月の本委員会で検討していただくと。このワーキンググループでまとめてこ うなりましたのでという報告をするのではなくて、ワーキンググループはあく までも考え方を検討してここへ出すと。堀内先生のところは、そこでやってこ こに報告いただくということですけれども、私どもの方は、こういうふうにす ればこういう問題があります、これにはこういう問題がありますということを 整理し、なるべくここでは手短に議論をして方向性を出していただけるように したいということです。  第1回は、そのような監視・評価のための組織にはどういう問題点があるの かということで論点整理をいたしまして、第2回目に、それに基づきまして一 定の考え方だとどういう問題があるのかということでやりました。  資料11の中にいろいろ資料がありますけれども、1枚めくっていただきます と座席表がありまして、椿先生は昨日は御欠席でしたが、委員はこういうメン バーでございます。  資料1に大体議論する論点が書いてございますので、これをごらんいただき ながら聞いていただきたいと思いますけれども、まず、これは第三者ですので 厚生労働省やPMDAから独立性を保っていなければならない。しかも、これは監 視・評価をするわけですから、そこでPMDAなどの仕事に対してこれを評価でき るだけの専門性を持っている者でなければならない。そしてまた、患者等から のいろいろな疑問あるいは情報に対して、迅速に行動できるような機能性を持 っているものでなければならないという3つの機能を持っていることを前提に した上で、では、何をするのかということですが、1つは、個別の医薬品の安 全性ではなくて、むしろ先ほどから議論しておられるように、PMDAに集まって きている患者、場合によっては医療機関からの副作用情報の処理の仕方がいい のかどうか。更に、その中で重大な副作用があるという場合に、その情報の出 し方がいいのかどうか、そうした医薬品安全行政が実際にどう動いているか、 ちゃんと動いているかどうかをきちんと全般的な評価をしていくと。それにつ いての調査をするということです。  もう一つは、個別のAという医薬品について問題がありそうだというときに、 自分で収集するか、収集させるかはともかくとしまして、それについての情報 を収集し、自分のところで出すか、出させるかはともかくとして、それについ て情報出すという、大まかに言ってその2つがあります。  その際、一般的に言いますと、厚生科学審議会とか薬事・食品衛生審議会と いうものが既に存在しますが、それとの関係はどうかと。後で申しますが、審 議会をつくるとすればそういうことが問題になりますけれども、あくまでもこ れは監視・評価の機能を持っているものですから、私どもの意見では一種のオ ンブズマンであって、自分自身が食品安全行政をやるというよりも、やってい る者に対してチェックしていくという機能だから、一応同じ対象ではあるけれ ども別のことをやるんだという位置付けで現時点では議論しております。そう いう目的を持っていると。  そのようなチェックをし、評価する場合に、どのような権限を持つべきかと いうことですけれども、自ら調査することも必要ですが、先ほどのような2万 件に及ぶような副作用情報が出てくるときに、それを全部自分のところで集め て、自分のところで評価するというのはとてもできるわけではありませんから、 それを実際にやっているところに対して危なそうだと思ったらデータを出せと か、どういうふうにデータを集めているのか定期的に報告させるとか、そうい う実際に安全行政をやっているところに対して調査審議する。その結果、きち んとした安全行政をやっていないということであれば、厚生労働省に対して勧 告・建議をする、あるいは厚生労働省を通じて企業に対して一定の要請をする ということではどうだろうかと。具体的にどこまでやるかについては、まだ議 論しているところです。それから、具体的に資料を出せということで、地下室 の中に入っても資料を出せという話もありましたけれども、いろいろな資料の 提供もできるような権限があっていいのではないかと。  更に、ここには具体的には書いてございませんけれども、直接患者から医薬 品に関する情報、副作用だけではなくて、これはちょっとおかしいのではない かというような情報が直接寄せられた場合に、それを基にして厚生労働省や PMDAに対してこれはどうなっているのかということを求め、また、厚生労働省 等が適切な情報を患者等に出さない場合には、自ら出すというようなことも考 えてはどうかという議論も現在されているところです。まだ具体的にどこまで どうするかということは現時点では議論されておりませんけれども、そのよう な議論がなされておるところです。  それから3番目、それをどう仕組みでやるのかということです。現時点では、 審議会とか委員会とか具体的な国家行政組織法上の形はともかくとして、委員 共同で審議するような形のものにする、しかも、それは余り大所帯ではなくて、 しかるべき数、10人なのか5人なのかというところはありますが。そして、昨 日の審議では、全員が非常勤ではなくて1人か2人かわかりませんけれども、 常勤の委員を置いて常にウオッチする、あるいは常に問題を把握している委員 を置くことも必要ではないかと。そうでなければ、非常勤であるとなかなか全 体を常時見通すというわけにはいかないだろうと。更に、それには厚生労働省 やPMDAから機能的に独立した事務局を配置して、それがこの被害者委員会を支 える必要があると。これが非常に重要で、独立性を保てるかどうかというのは、 まさに委員が独立性を保てるかどうかに係るということです。その場合に、委 員会だけ置くあるいは事務局を置くというわけにはいきません。全く政府の外 に置く、国会のところに置くということは考えられないではありませんけれど も、現在議論されておりますのは内閣府に置くということが一つ。もう一つは 厚生労働省の中に置くと。厚生労働省の中に置くときには、例えば、大臣官房 に置くという形で一応、独立性を保つと。しかし、現場から遠くなればなるほ ど情報収集をしたりするときに問題が生ずるのではないかということで、これ も、昨日はかなりいろいろ議論をしておりますが、次回までに各委員からもう 少し考え方を詰めて出していただきたいということで、どこに置くかというこ とによって情報収集、それから、対立構造というよりも、むしろお互いに協力 をしながら薬害防止ということもあるのではないかという御意見もありまして、 近い方がいい、やはり遠い方がいいといういろいろな意見もございました。こ れも、いずれある程度のまとめができたところで皆さんにこの検討委員会で御 議論いただきたいと思います。  そして、本体で具体的にどこまでどういうことをやるのかというのは、今、 座長がおっしゃいましたように、きちんとした議論がまだ進んでおりませんの で、そことの関係を厚生労働省内に置くか、内閣府に置くかにもかかわってく るわけですので、実はこの3番目は本体の方で議論されておりませんので、ほ とんど議論しておりません。  そこで、4番目の問題は、現実的にできれば来年度に向けて走らせるとすれ ば、法律をつくるということになりますと非常に実現可能性が難しいと。法律 をつくらないでやれる方法となるとどういう方法があるか。これはかなりテク ニカルなことでございますけれども、今日は御報告いたしませんが、水口委員 や私、西埜委員など法律家がおりますので、今までお話ししたような実際の機 能、実際の権限等を確保できるような方法で、かつ、何年もかかって結果的に は報告書だけしか残らなかったということにならないためにはどういう方法が あるかということを検討して、ほかの審議会と重複しないような形で監視・評 価のための第三者組織をつくりたいと思います。次回に、できるだけある程度 のまとめと言っても、ワーキンググループで一本化した答えを、かなり近い答 えまで出るのではないかと思いますけれども、ワーキンググループはこういう 結論になりましたということには私はならないというか、しない方がいいと思 っています。そういうことで、次回までにある程度そういう形で整理をいたし まして、1月の検討会で御議論いただきたいと思います。  追加があれば委員の方からどうぞ。 (山井政務官 入室) ○寺野座長 ただいま御多忙の中、山井政務官に来ていただきましたので、こ こで一言ごあいさつをいただきたいと思います。 ○山井政務官 皆さんこんにちは。ただいま御紹介いただきました政務官の山 井和則でございます。今日は遅れてきて、また途中で中座することをお許しい ただければと思います。この検討会は本当に定期的に精力的に続けてくださっ ておりますこと、そして、大変お忙しい中、委員の方々にお集まりいただいて おりますことに、心より感謝を申し上げたいと思います。  皆さんももう御存じだと思いますが、1つ御報告申し上げたいのは、今週月 曜日に肝炎対策基本法が成立いたしました。振り返りますと、民主党が肝炎対 策の国の責任を明記した法案を、まさに薬害肝炎の原告の方々に押される形で 家西参議院議員などを中心につくったのが2年前の9月でした。そういう意味 では、法律が成立するまでに2年3か月もかかってしまったんだなということ をつくづく痛感しております。この間、薬害肝炎の原告の方々、今日も泉さん も、坂田さんも、お越しになっておられますけれども、泉さんのお姉さんも残 念ながら今は天国におられるわけですが、原告の方々の思いというのは2つだ と思います。1つは、何としても再発を防止してほしいという願い。それとも う一つは、薬害ということのみならず、多くの苦しんでおられる肝炎感染者あ るいは350万人と言われる肝炎のリスクを抱えたすべての方々が治療を受けら れるようにという願いであったかと思います。  肝炎治療ということに関しては、肝炎対策法で第一歩を踏み出すことができ ました。もう一つ、この薬害を二度と起こさないということに関しては、皆様 方がこれからもC型肝炎患者の方々の実態調査もやっていただけるということ に、本当に心より感謝申し上げたいと思います。  今日もう一つ御報告させていただきたいのは、党の議員連盟のことですが、 本日、民主党の中に肝炎対策本部の議員連盟が新たにスタートいたしました。 何をやったのかといいますと、実は肝炎対策基本法というのは基本法でして、 残念ながらすぐに治療費助成の予算が取れるというものではありません。今も 財務省と交渉しておりますが、実はなかなか難航しておりまして、今日の議員 連盟では、せっかく肝炎対策基本法が成立したのに治療費助成の予算が全く増 えないというのは、やはりどう考えてもおかしいということで、早速今日、福 田議員等を中心に小沢幹事長のもとへ、何としてもそういう患者の方々、原告 の方々の思いを込めて、肝炎対策基本法がせっかく成立したんだから何として も治療費助成の予算を増やしてほしいという要望に、今日も議員の方々が行か れたようであります。  多くの肝炎患者の方々が適切な医療を受けられるように、そして、二度とこ の薬害が再発することがないように、このことは私たちに課せられた大きな使 命であると思っております。こうやって皆様方が大変お忙しい中、継続して議 論を重ねてくださっていることに心より御礼申し上げながら、厚生労働省とし ても肝炎を初めとする御病気、そして、薬害の方々の支援のために全力で取り 組むことを約束して、私からのお礼と決意のごあいさつとさせていただきます。 本日は本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 山井政務官、ありがとうございました。 ○大熊委員 お役所の方に伺ってもお答えできないと思うので、政務官がいら っしゃるときに伺いたいんですけれども、これまで薬害を早期に見つけて、誰 がどんな薬を使っていたかというのを的確にやっていくためには、レセプトの オンラインであるとか、電子カルテのオンラインが大事だという話が今日、話 し合われてきました。これがもともと義務化だったのが原則化になり、手挙げ 方式になり、これはどうも民主党の考えであるようで、山井さんが進めていら っしゃるこういうものを根絶するとか、カルテがないためにどうにもならない 人たちを救うためには、レセプトオンラインというのは是非とも民主党に考え 直していただきたいと思うので、申し上げたいと思います。 ○泉委員 今日はどうもありがとうございました。今、大熊先生がまさにおっ しゃった話と、もう一つ、今、森嶌先生がワーキンググループで第三者機関を つくることを分会の形でしているわけですけれども、法律をつくるのは非常に 大変なことだというのは素人の私も聞かされていますが、再発防止を一体これ まで何人の厚生労働大臣もしくは関係者が言ってきたかということを考えると、 やはりここは準拠する法律をつくってでも第三者機関でやる形を進めないとな らないかなという思いがあります。ですから、ワーキンググループでもう少し 話をまとめますが、決して安易に厚労省の中に置いてすぐどこかに属してやる というようなことは私たちは考えていませんので、政務官もそのおつもりで協 力していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○山井政務官 どうもありがとうございます。このレセプトのオンライン化に 関しましては、今まで義務化であったものを民主党のマニフェストで原則化と 変えまして、方向性は変えていないんですけれども、それによってスピードが 鈍ったと。もう一つ、御存じかと思いますが、今回例の事業仕分けで削られて しまいまして、私たちは今、大熊委員がおっしゃった意味もありますので、今 回また財務省と復活折衝に挑むことになっています。スピードは落ちるとはい え、その方向性で私たちは頑張っていきたいと思っております。  それと、泉委員がおっしゃってくださったことは非常に重要なことでありま して、私たちも今回の肝炎対策基本法もそうなんですけれども、肝炎対策を進 める上で理想的なものを、しかし、同時にいかにスピーディーにやっていける かということをいつも悩んでいるんですが、そういう意味では、新しい法案を つくるというのが確かに理想的な面もありますけれども、法案をつくるだけは 簡単なんですが、成立させるには1〜3年がかりになる可能性がどうしてもあ りまして、その辺りをいかにスピーディーに制度をつくるかということと、今、 泉委員がおっしゃった独立性の高いものにするかというところの兼ね合いだと 思いますので、また、省内で検討させていただきたいと思います。 ○間宮委員 さっきも言ったんですけれども、病院での明細書の発行がどうも 遅れているという報道がありましたので、これはしっかり言っていってほしい なと思います。  それと、第三者組織なんですが、監視組織ということで考えているわけです けれども、今までと同じようなものではだめなんですよね。やはり本気で薬害 をとめるとか、被害を最小限にとどめるということで機能するものでないとい けないと思いますので、その辺りは本当に、まず、厚生労働省もPMDAも第三者 組織も同じ理念で行動できるような形にしてほしいと願っています。 ○山井政務官 御要望として承ります、どうもありがとうございます。 ○清水委員 一言だけ。今回の本委員会も血液製剤から発生しているんですね。 昭和39年に閣議決定という形で血液事業が献血に切り替わったんですが、それ 以後の我が国の血液事業の発展というものは非常に責任の所在があいまいな形 で進展してきました。それぞれのセクションの方たちの並々ならぬ努力があっ たことは事実なんですけれども、本当にそれがきちんと行政レベルで的確に対 処できるようになったのは、2002年に成立しましたいわゆる血液法と称してい るものですね。したがいまして、この薬害肝炎の問題も今、御意見がありまし たように、できることなら法律に基づいてきちんと位置付けて、その上で対策 を根本的に講じていくということが血液事業の発展の中における血液法の位置 付けという観点から見まして、これは必須なことではないかと思っております。 ただ、迅速性ということになるといろいろな意見が出てくると思うんですが、 最終目標は多少の紆余曲折はあるにしましても、薬害防止法というようなもの をきっちりと法律で位置付けていただく方向性は目指していただきたいと思い ます。 ○山井政務官 どうも御意見ありがとうございました。 ○坂田委員 お願いなんですけれども、以前から言っていますが、是非、薬害 資料館をつくっていただきたいんですよ。地元・熊本でも水俣市立の水俣病資 料館とかありますし、やはり厚生労働省、PMDA、医療従事者、それと国民をつ なぐパイプ役として、いわゆる研究、教育機能を付与した薬剤資料館が必要だ と思いますので是非御検討いただきたいと思います。 ○山井政務官 御意見どうもありがとうございます。  本当でしたら私もずっといたいんですが、今まさに予算折衝の時期でして、 肝炎の治療費助成を含め、障害者の方々の自己負担を軽くするとか、まさに診 療報酬を手厚くして、もっと医療を重視できるようにするとか、そういうこと を今、長妻大臣中心に担当の方々とともにやっておりまして、またこれで中座 させていただきますが、これからもよろしくお願いいたします。本当にどうも ありがとうございました。 ○寺野座長 ありがとうございました。頑張ってください。応援していますか ら。 (山井政務官 退室) ○寺野座長 大変お忙しいそうなので、もっと御要望もあるかと思いますけれ ども、また次回も出席していただけると思うので、今の仕分けなどでうまくや っていただかなければ困るということですよね。  それでは、先ほどの第三者組織の話題に戻りたいと思いますが、ただいま森 嶌委員の方から報告がありましたけれども、それほど時間もとれませんし、も う少しまとまったものを次回に報告していただくんですが、今どうしても言っ ておきたいことがございましたら、御質問なり御意見なりいただきたいと思い ます。いかがでしょうか。 ○森嶌座長代理 なお、ワーキンググループは公開で、委員も公開されており ます。12月21日に開きますので、御意見がおありでしたら是非出席いただいて、 ワーキンググループのメンバーでなくても意見をおっしゃっていただければと 思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○寺野座長 そうですね、オープンになっていますので、場所とか時間は事務 局にお聞きいただければわかりますので御参加ください。よろしいですか。  それでは、このワーキンググループ、第三者監視・評価機関に関する説明と 質疑応答はこのぐらいにいたします。  次に、第一次提言を受けた取り組み・検討状況等についての御質問もまだ残 っております。これを事務局から説明していただきたいと思います。 ○安全対策課長 資料12でございます。こちらにまとめてございますのは、前 回の会議の際に、第一次提言に対する対応状況につきまして整理した資料をお 出ししたところについて、主に坂田委員から追加の御質問をいただきました。 それについて取りまとめたものでございます。既に事前にお送りしてございま すので、これをごらんになっていただいた上で何かございましたら、御指摘を いただければと思います。  以上です。 ○寺野座長 坂田委員、何か御意見ございますか。 ○坂田委員 つくっていただいて本当にありがとうございました。ちょっとわ からない点がありますので教えていただけますでしょうか。17番で一番右に「品 目の範囲」とあるんですが、品目ではないと思うんですね。品目の範囲をやっ てしまうと、一部の品目に関しては何も情報が得られない可能性が出てきます。 そうではなくて、その内容ではないでしょうか。やはりFDAみたいに原則公 開という形で、一定の条件以外は公開という形でやっていただければ、とても いいんじゃないかと思います。  あと、26番ですけれども「有識者会議で検討した上で支援する他」と書いて ありますが、この「支援する」というのは誰を支援するのでしょうか。メーカ ーさんなのか、そこを教えてください。  あと、27番、28番、29番なんですけれども「委員の方々に研究結果を文書に て報告する予定です」とありますが、この委員とは何者ですか。どういう組織 の委員になりますか。厚生科学研究であれば意見を言う機会はないですし、検 証委員会の検討には反映されないのではないかと思います。  あと、35番ですけれども、いわゆる文部科学省の関係なんですが、厚生労働 省は何もアプローチできないのでしょうか、これが限界なんでしょうか。その 辺は厚労省からも是非アプローチをお願いしたいと思います。  あと66番なんですが、「製造販売業者に対して」ではなくて現場に対して行 うべきではないでしょうか。その点に関してどのようにお考えなのかを是非教 えていただきたいです。  あと82番なんですけれども、適用外使用の実体調査なんですが「行う予定は ありません」とありますけれども、とても消極的に感じますし、本当に予定は ないのでしょうか。予定がなくてもいいと思われているのか教えてください。  以上です。 ○安全対策課長 ありがとうございました。御指摘の点はまた整理させていた だいて御報告させていただきたいと思います。 ○寺野座長 整理して、また御返答ということですね。 ○水口委員 今の適用外使用のところなんですが、私が同じ質問をしたときは、 必要に応じて調査を実施していくことを検討したいという、よくわからないお 返事で、更に深く聞いていくと現在は予定がないというお答えの対応関係にな っているという辺りは、私の質問に答えていただいたことについて、こちらが 善解していろいろ理解している基盤が崩れてくるということになります。もう 少しその辺丁寧にきちとん、とりあえず検討というような形でお答えいただい ている部分について、もう少し具体的に全般にお願いしたいというのが1つ。  今、坂田委員の御発言にもあったんですが、第一次提言で出した提案につい て、厚生科学研究の研究班を設置し、そこでの検討をお願いしたという形にな っているものが幾つかあると思うんですね。それについて前に一覧表を出して いただきたいということで、事務局からそれぞれについてこういう予算で、こ ういう研究班が設置されましたという表は出していただきました。しかし、先 ほども指摘があったように、私は政策課題を具体化する過程で、厚生科学研究 に投げるというやり方が本当にいいのかどうかというのは疑問を持っているん ですね。なぜかというと、中が見えないからなんです。報告書が出てくるまで 予算はつきますけれども、結局どのくらい進捗していて、どういう資料が出さ れているのか分かりません。今日のリスクコミュニケーションにしても研究班 はあるわけですが、研究班の議論と、この検討会の議論とはどういう関係にな っていいるのか知りたい、研究班である程度調査が進んでいるのであれば、そ の資料もこちらにいただきたいと思っても、ネットで入手できるような形には 基本的にはなっていないわけですね。そういう意味で、課題との関係で厚生科 学研究班が設置されたものについては、もう少し詳しく成果を私どもが共有で きるような形にしていただけないかと。そうしないと、私たちも二度手間の調 査と検討をしなければならないことになって、非常残念だと思うのです。その 点是非、工夫していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 何か返事はありますか。そのとおりということで。 ○安全対策課長 そのような対応をできるだけする方策で検討させていただき たいと思います。 ○清水委員 今の厚生科学研究を一時期やっていたという立場から申し上げま すと、班員を集めましても、毎月毎月、堀内班のような仕事はとてもできませ ん。ですから、テーマにもよると思うんですが、大体一般的には年2回テーマ を出してOKが出ましたよ、予算がつきましたよ、それから、スタートなんで す。最近は大分早くなりましたが、極端な場合は年度初めに出して、予算が実 際に来るのは12月、下手すると翌年の1月になっています。1〜2か月で予算 を使い切ることを初めとして研究がスタートできるはずがないんですね。あく までも一般論ですよ。したがって、もし、水口委員がこういう情報を研究班の 中から欲しいんだということになりますと、今までの通常の常識での厚生科学 研究班の在り方ではだめだと、そこから得られないと認識しておいていただい た方がよろしいということになります。 ○水口委員 一覧表を見ますと、例えば、リスクコミュニケーションは2年間 設定されているわけですね。実際によく見ると、第1回がいついつで、第2回 がいつの予定とすごくスパンが開いている。ほかの課題もそうですが、そうす ると、この話は2年この調子でかかって、それを待って検討して進めていくこ とになると、そんなスパンで話が進んでいくのかと不安を感じてしまったわけ ですね。今のお話でますます不安になって、そういう意味では、ここの提言の 中にも研究の在り方ということについても、政策課題の検討の仕方もひょっと したら課題なのかもしれませんね。 ○清水委員 一言いいですか。もし、そういうような御希望だったら、従来の 厚生科学研究費の活用をした研究の在り方ではだめだと、新しい研究の在り方、 運営の在り方を考えていただかなくてはいけないと。誰が考えるかはともかく として、そういうことになるということです。 ○水口委員 では、私たちはそういう意見をやはり提言の中に。せっかく一次 提言を出し、ここの研究班で研究していただいていますと検討ということでお 返事が来ていても、そこではそういうゆっくりしたペースで話が進んでいると したら、1か月に1回、あくせくしてここで議論している私たちは一体何なの かということになるわけですから、そこも課題の一つかなと思います。 ○寺野座長 そうですね、研究の現実問題としては、確かに単年度主義という のは大変障害がありまして、この辺は是非、国家的に考えていただかなければ いけないと言っているんですけれども、ちょっと問題が大き過ぎて、そう簡単 には片付きそうもない。 ○間宮委員 35番の大学での疫学統計の専門家の養成で「文部科学省に確認し たところ」ということで、物すごく他人事みたいな感じになってしまっている んですけれども、もともと疫学とかそういうことをやっている研究室等が少な いんだという認識は、厚生労働省もPMDAも持っているはずなんですよね。それ について何か手だてを考えようという気がこの文面からは全く受け取れないん ですね。各大学から薬剤規約や生物統計に関する教育研究分野の充実に向けて の要請等があれば検討すると文部科学省は言っているんですから、各大学には 厚生労働省にお勤めになっていた方々が結構行っているわけですから、連絡を とって検討したらどうなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。直接アプ ローチしてはいけないんですか。文部科学省の領域になってしまっているから ということなんですかね。 ○安全対策課長 一言だけ。生物統計の分野の専門家が非常に数が限られてい るということは、PMDAにいて仕事をしているときにも痛感しておりましたし、 我々の本省サイドにおいてもそうした専門家のお力を借りることがよくありま すので、そういう方々の人材の層がはっきり言って薄い、人が少ないというこ とは日ごろ痛感しております。勿論これは文部科学省のことですと言っている わけではなくて、教育という意味では文部科学省の方ではどう考えているかに ついてお尋ねしたらこうですよということですが、私どもの方でもそういう人 材が必要であり、そういう方々を育てるということに対して、できる限り声も 上げていきたいと。むしろ、そういう方々を頼りにする側の立場でもございま すので、間宮委員がおっしゃるように、我々の方としても声を上げて人の養成 についてお願いもし、こちらでできる協力はできるだけするということは全く そのとおりでございます。この書きぶりにその辺りの意気込みが読み取れない という御指摘いただいている点については、もう少し書き方を前向きにという ところはあると思いますが、気持ちとしてどうなのかということに関しては、 ここではっきり申し上げておきますけれども、そういう人材、そういう専門家 の養成が大事であるということについては全く同じ思いです。その点だけは、 はっきり申し上げておきたいと思います。 ○寺野座長 なかなか人事交流とかそういう問題もあるのだろうと思うんです けれども、最近はちょっと流動的になってきたみたいですね。 ○大平委員 全般的なお話でよろしいですか。ここの委員会というのは、割と 早くいろいろな審議が進んでいるのだろうと思うんですが、これまで第一次提 言されて、そして2年目を迎えて進んでくるわけですけれども、スピーディー にいろいろ物事が動いているのか、動いていないのかというところが大変気に かかるところで、英国の患者からの副作用報告等を見ますと、何か問題点があ ってこういう対策を立てようとしたときに、小さな規模でもいいのでパイロッ トスタディをどんどん広げていって、結果をある程度出していかないと、常に 架空の議論みたいな形で、物事が進んでいかないと。その中で医薬の安全性を 保っていくというのは、私たち、患者や消費者にとっては大変しんどい話では ないかと思うんですね。ですから、もう少しいろいろなデータマインドとかそ ういうものについても、スピードを上げて何かできることというのは、もっと 英知を傾ければ進んでいくのではないかと思うんです。ここの最終的な結果を 得て、すべての成果を出していかなければいけないというよりは、これをやっ ている中で評価できるものはどんどん進めていくという何か課題を是非持って いただいて、これまで政権が変わったというところでは、私たちもどういう評 価を与えていいかわかりませんけれども、より身近な政策ができるのではない かという、かなり圧倒的に新しい政権への期待を示したのだろうと私は勝手な がら思っているんですが、そういう身近で、また、スピード感がある医薬の安 全性の確保、また将来のいろいろな課題に対応していくというものをここから 発信していけるように是非お願いしたいと思います。これは私自身の自戒でも ありますけれども、よろしくお願いします。 ○寺野座長 もっともな御意見で、もともとこの委員会の発足時点からの問題 なんですけれども、基本的には1年で、今2年目になっているわけですが、提 言するというのが基本なんですね。ですから、実行部隊としての性格付けが全 くされていないと。その中でも、堀内研究班を初めとして研究そのものはかな り重厚なものをやってきたと思うんですよ。最近はヒアリングなどもやってい ただいているし、先ほどの森嶌先生の第三者機関を具体的につくっていこうと いうのもそうですし、アンケート調査もそうですし、言ってみればこの委員会 の枠を少し超えたかなというぐらいのところまではやっているつもりはあるん ですね。ですから、提言を出していくためには意見をどんどんいただいて、提 言書の中に1つ1つの提言を出して、その実行は国が中心になるのでしょうけ れども、PMDAでできるところはそうでしょうし、そういうところにこういうこ とをやるべきだということを具体的に提言していくのがこの委員会の役割だと 思います。ですから、大平委員などから見て、ちょっとまどろっこしいなと思 われるというのはよくわかっているんですが、なかなか実行するような組織も ありませんので、座長としてもじくじたるところがあるのは確かなんです。そ の点御理解いただきたいと思います。 ○水口委員 大平委員がおっしゃったのはこの委員会だけではなくて、厚生労 働省が提案したことでできることはどんどん進めてほしいという趣旨もおあり になったのだと私は理解しています。私も同感です。  先ほどの生物統計の専門家等の人材育成ですけれども、私どもの第一次提言 では、薬剤・疫学や生物統計学など医薬品業界の専門家を育成するために必要 な大学の講座を増やす必要があると明確にかなり具体的な提案を、それが具体 的かどうかという議論はあるかもしれませんが、私どもが提案した数少ないこ との一つですよね。要するに、今の大学の講座は非常に限られているわけで、 そういう人材を育成するための大学講座を増やすべきだということは、かなり シンプルにはっきり言っているわけです。この委員会は厚労省の委員会ですけ れども、教育に携わることは文科省との関係もありますので、もう少しこうい うふうに提言されているんだということで具体的に交渉していただいて、その 結果をちゃんとこっちへ返していただきたい。そうしましたら、私たちが最終 提言を出した後どういうアクションをとるのかということも含めて、何を更に つけ加えたらいいかということを私たちは考えていくことができるので、それ は非常な重要な課題だと思うんですね。  PMDAが発足したときに、厚生労働大臣は国会の答弁の中で人材育成の話はし ているわけです。それから、この間の企業出身者の就業制限の話も含めて、生 物統計は余りにも専門家が少ないので、その枠組みについて例外を設けたりし てきたわけですよね。ですからこの問題は今はじまった話ではなくて、これか ら先もこの問題がカバーできなければ日本の薬事行政はじり貧になっていくと いうぐらい重要な問題だと思っています。是非、次回会議までに文科省と交渉 して、会議ではこのように提言されているんだけれどもということで、何が障 害になるのかということを是非、御報告いただければありがたいと思います。 ○森嶌座長代理 大学にいた人間として、私は学部長もやりましたし、研究課 長もやりましたけれども、講座を増やすというのは並大抵なことではないわけ です。向こうはお答えにくいだろうから私からお答えしますが、厚生労働省が こう言ったからといってもなかなかできませんので、私も水口さんのおっしゃ ることはよくわかるし、今までの議論もよくわかりますから、むしろ我々はち ゃんとした最終提言を出して、そこにきちんと書く。そうすると役所も、ここ の検討会で最終報告というか最終提案としてこれが出たと。そこで政治家がそ れを受けて省としてやらないといけない。こう言うと、別にそこにいる人たち が偉くないというわけではありませんけれども、お役所の人がお役所に言った って、しかも、第一次提言といういわば中間的なもので、言っても絶対できま せん。ですから、先ほど申し上げたように、つくるのだとしたら、とにかくで きるものは何か。そして、更に先へ進むにはどうするかという戦略も考えてや らないといけないと。その意味では、私は水口さんのおっしゃりたいことはよ くわかるので、我々が提言するまでに交渉してこいというよりも、我々が役所 あるいは厚生労働省関係の政治家が、これだけの理屈があるんだから必要なん だから、マニフェストでどう言ったかはともかくとして、今、文科省の予算ま で減りそうな状況ですから、それにもかかわらず、これはやらなくてはならな いんだということを持っていけるようなしっかりとした提言をつくることが、 3か月か4か月か先になりますけれども、そのことが大事なので、別にあそこ にいる人たちを責めるなということを言っているわけではなくて、むしろ我々 に向かって、我々としてはきちんとしたものをつくろうではないかということ をこの人材育成だけではなくて、ほかのことも含めてですけれども、それを申 し上げたいと思います。  この先はちょっと余計なことになりますが、先々の理想論もありますが、我々 の命は来年3月まで。そこで出したものが、ここの政治家がよそへ持っていっ て、これだけのことがあるんだから今からやらなければと言えるようなものを 我々はきっちり用意することが大事なので、いずれはおっしゃるとおりいいこ とですねということを言ってそれでおしまいになったら、私もいろいろな立法 にかかわってきましたけれども、いずれというようなことで殺された法律案は 幾つもあるんですね。ですから、ここで1年、2年やってきたら、せめてこれ だけのことはやりたいということを何とかみんなで考えようではありませんか ということを座長に代わって申し上げます。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○椿委員 時間がないところ申し訳ないんですけれども、文部科学省に問い合 わせるときに、既存の大学院設置基準ではなくて、専門職大学院設置基準に対 して必ず申し入れていただければと思います。専門職大学院設置基準は決して 国立大学法人ないしは学校法人の傘下でつくる必要はないんですね。もう既に 株式会社でつくっていたり、そういうことがあるわけです。それはあくまでア カデミックリサーチをするための人員を要請するのではなくて、プロフェッシ ョナルを養成する教育制度というのが既にできてきておりますので、今般の話 というのはむしろそちら側に近いのではないかと思います。そもそも厚生労働 省は非常に珍しいケースですけれども、マスター・オブ・パブリック・ヘルス を文部科学省の指導下に置かずに学位を出しているはずですので、むしろそう いうところが積極的に専門職大学院になっていくことも可能ではないかと思う ので、ちょっと参考情報までです。 ○寺野座長 ありがとうございました。それを参考にしてください。  それでは、この第一次提言の議論はそこまでにしまして、1月以降の取りま とめに向けての重要な議論にも入ってまいりましたので、今日最後の議題にな りますけれども、今後の議論の進め方として、今も御指摘がありましたように、 1月から最終提言の議論に入りまして、3月には取りまとめる必要があるとい うことで、この委員会は今年度いっぱいであるというお約束になっております ので、具体的にどうまとめていくかということなんですが、いろいろなまとめ 方はあるのだろうと思います。委員の方でワーキンググループをつくって、そ こまで取りまとめをするのか、いわゆる事務局案という形もあり得るのでしょ うけれども、これはかなり反発をいただきますので、事務局案ということでは なくて、一応たたき台を事務局に用意していただいて、それを皆さんで検討し て、原形をとどめなくなるかもしれませんけれども、それでも構わないのでそ ういう形でやっていくことにするか、どちらかだと思うんですね。それをどう いうふうにしようかということですが、御意見をいただければと思います。私 がまとめると言っている人がいれば一番いいんですけれども。 ○泉委員 済みません、その前に、資料13について意見を述べてもよろしいで しょうか。  資料13は、第一次提言に対するパブリックコメントの意見書の2つの例が出 ています。せっかくですからこれを寄せてくださった方あるいは団体に対して、 厚生労働省にお願いしたいことがあります。まず、最初のページは未承認薬に 関して意見書が出ておりまして、個人輸入というものは約款証明でデータベー ス化をするべきだというような話と、問題が1つ、私も気づかなかったことが ありまして、逆輸入している形で販売しているサイトがありますということが 出ています。個人輸入代行を装って実質的に未承認医薬品の広告販売を行って いるものの取り締まりも強化すべきだということが書いてありますけれども、 現実的には回答が1に「他国に所在がある個人輸入代行業者の場合、監視して も取り締まりは不可能だと考えます」と書いてありますが、これは厚生労働省 からもそういう発言を聞いております。これは私が出したわけではないんです けれども、例えば、日本側の対処として医薬品の個人輸入を更に制限する必要 があると書いてあるんですが、実際個人輸入代行の場合、法人化されているの が海外にあって、国内に出先機関があって販売している会社というのは大手の 会社であるんですね。これは大学病院とか病院の先生方が実際に使っている会 社でもあります。アメリカのロサンゼルスとかハワイに法人を置いて実は国内 でそういった未承認薬を取り扱う会社さんがあるわけですけれども、例えばそ ういうところに対して、このままどうにもできないということなのか、何とか 方法が講じられないかどうか、つまり海外の会社だから、以前、厚生労働省か ら聞いたときには日本語で出すこと自体は違反なんだけれども、海外から日本 語で出されたらどうしようもないという返事があったんですね。インターネッ トでほとんどみんな載せていらっしゃいまして、海外にそういうところを置い ておいて、現実国内あるいは海外からインターネットでやりとりをしながら、 個人輸入の形でそれぞれの方に医薬品を海外から扱っている人が送るわけです から、例えば1つの案として、約款証明というのは厚生労働省にかかってきま すけれども、完全な個人輸入の場合は関税当局と話を詰めないといけないこと にもなって、個人であれば1か月間使用が認められているということがありま す。これを財務省の関税当局に聞くと、厚生労働省がそれを認めているからで あって、こちらが別に規制しているわけではありません、許可しているわけで もありませんという話も出てくるので、ここをもう少し何らかの方法ができな いかどうかの進捗状況というわけではないんですが、どういうふうに考えられ ているかというのを後日また教えていただければと思います。  2つ目、実は日本弁護士連合会から1998年に出ています人権大会の決議のい わゆるパブコメなんですけれども、3枚目の「第4.市民が参加した監視機関 の創設」と11年前に出ているんですよね。こういうものを聞く耳を是非今回、 森嶌先生が中心となって委員会の方にかけたいと思いますので、皆さんも厚生 労働省もこの設立に向かって協力していただきたいなと思います。よろしくお 願いします。 ○寺野座長 ありがとうございます。いい御意見をいただきました。  坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 今年最後ですので、どうしても聞きたいのでお願いなんですけれ ども、4月でしたか、その後また意見書で10月に載せていますが、バイファ社 の試験データ改ざん事件についてですけれども、もうしばらく待ってください と以前言われたんですが、是非今日教えていただけますか。 ○監視指導・麻薬対策課長 まず、バイファ社の件につきましては指摘がござ いまして現在調査をしておりまして、これについては製造業者だけではなくて、 それを取り扱っている製販の業者についても事情を聞いて、どのような形が問 題かについて現在調査中でございます。  それから、未承認のものの薬監証明、いわゆる個人輸入の関係ですけれども、 データベースについては御指摘がございましたので、現在、来年度予算の概算 要求の中に入れておりまして、医薬品だけではなくて医療機器についても進め ているところでございます。  あと、個人輸入の代行業を装った関係でのいろいろな未承認医薬品の輸入と いうことですが、ここに記載もございますように、監視の取り締まり強化を進 めておりまして、海外のものについても警告メールなどを出させていただいて います。いずれにせよ、進捗状況についてはもう一度整理した上で御報告した いと思っております。  以上です。 ○間宮委員 個人輸入の問題というのは、もう何年も前からあるんですけれど も、薬に値段をつけてインターネットで紹介していること自体販売だとみなす べきだと思うんですね。それと、やはり一番問題なのは、インターネットで広 告まがいのことをやりながら商売を続けている場合に、インターネットでそう いう広告まがいのことをやっていると注意すると。注意すると一旦はそのサイ トはなくなるんだけれども、また1か月もすると復活すると。そういうことを 許しているということは、どうもやはりおかしいなと思うんですね。実際、万 引き1つしただけでもすぐ警察に連れていかれるわけですけれども、そういう 違反をした業者については、インターネット上から削除したらそれでおとがめ なしというのはおかしいと思うんですね。実際、そういうところには捜査と言 っていいのかわかりませんが、実際調べに入れば何か出てくるんじゃないかと 思いますし、あとは、本社が外国にあるとか何とかという言い訳をして規制を 逃れようというような業者があると聞いていますけれども、それについてもそ の会社のいわゆる事業実態、収入をどうしているのかというのを調査すれば、 主にどこで商売しているのかというのはわかるはずなので、実際に外国に本社 があるとか外国の会社だと言ったって、結局は実体がないという事例が今まで 幾つもあったと思いますので、その辺りは厚生労働省だけの話ではないと思い ますけれども、規制という意味で警察に告訴するとかということを視野に入れ てやっていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○監視指導・麻薬対策課長 実際上の取り締まりの部分というのは、マンパワ ーの問題もあって難しい問題がございますが、まず、私ども一つのアプローチ として個人輸入自身についていろいろなリスクがあるということをできるだけ 伝えること。もう一つは、今いわゆるインターネットのプロバイダの主要な4 協会と話し合いをして、こういった未承認医薬品の広告やこういう事例は問題 があると、これは未承認医薬品だけではなくていろいろな薬物も含めてなんで すけれども、こういったものはこういうことで載せると法律上の違反になると いうものをわかりやすくするような形のガイドラインの作成を今進めておりま して、そういった中で、載せようと思っても適切ではないものは載せないとい う形のアプローチも進めております。  以上です。 ○寺野座長 この問題はまた次回に入っても構わないと思いますし、一方でド ラッグ・ラグの問題もこの間もありましたので、その辺との関連でも全体的に 考えていかなければいけないと思います。 ○間宮委員 一言。どこかでちらっと見たんですけれども、バイアグラの成分 がしようもないものがいっぱいあるということなので、入っていても別に問題 がないようなものだったらいいんでしょうけれども、やはり薬としてちゃんし たものだけが入ってくればいいんですが、そうではないで被害が起こると、そ れこそ救済も受けられないわけですし、その辺りも考えに入れていただきたい なと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  それでは、具体的な話は時間がないので、先ほど申しましたように、今後の 議論の進め方として十分議論できませんが、いわゆるたたき台的なものを事務 局に一応用意していただいて、それを骨子にして皆さんで議論して取りまとめ の案をつくっていく、提言をつくっていくという方向でよろしいですか。特に 私がどうしてもやりたいという人がいなければ、そのようにさせていただくし かないかなと思うんですが。では、そのような方向でさせてください。  時間が大分過ぎてしまったんですけれども、先ほど森嶌先生からも言われま したが、確かにこの委員会は具体的な提言、実行できる提言をきちんと出そう ということだと思うんです。これが1月からの議論になると思います。それで 提言を出したら出しっ放しで終わってどこかに埋もれてしまうようなことでは 困るということでして、それがきちんと実行できるかどうかを何らかの形で監 視する必要があるんですが、私たちは2年近くやってきて、こういうことは本 当は座長として言ってはいけないんですけれども、ちょっと欲求不満があるの であえて言わせてもらうと、やはり私たちは舛添さんを信用してきたという気 持ちがあると思うんですね。やはりあの舛添大臣の意気込みでこういう提言を 出せば実行してくれるだろうという信頼のもとに進んできたわけなので、政権 交代が起こったときに、私は自民党を応援しているわけでは全然ないですよ、 そういう意味では全然ないですが、やはり意気込みというか、やる気の問題と いうのは我々はよく見ていく必要があるだろうと。これはあえて座長として言 うべきことではないかもしれないけれども、今、森嶌先生のお話を聞いていて 思いました。是非、この提言を実行できるものにするということと、そして、 提言を出した限りにおいては実行していただくという政府の非常に積極的な態 度を希望したいと、一言だけ付け加えておきたいと思います。  それでは、予定の時間が来ましたので、事務局から次回の説明等々、CRO の視察等もあるようですので御説明をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回は1月18日の15時を予定しております。 場所は未定ですが、よろしくお願いします。あと、御連絡をしていますが、2 月は8日、3月も8日をお願いしております。  それから、今、座長からお話がありましたが、来週12月8日にCROの視察 をするということで御連絡をしております。都内ですので、まだ御連絡をいた だいていない方で参加したいという方がもしいらっしゃったら、本日中に御連 絡をいただければまだ対応可能かと思います。  それから、さっき森嶌先生からワーキンググループを公開でやっていますと いう話がありましたが、12月21日、夕方5時から省内の会議室で行いますので、 見たいという方は御連絡をいただければと思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  水口委員、どうぞ。 ○水口委員 1月1回、2月1回、3月1回という形で日程が入っているんで すが、3月は8日なんですね。これから最終提言に向けたたたき台をつくって いただいても、多分いろいろ意見が出ると思います。それぞれ皆さん思い入れ を持ってここまで議論してきたので。そうすると、ひょっとしたら3月8日で まとめて、はい終わりというのはすごく難しいんじゃないか。できれば3月の 終わりの方にもう一回ぐらい日程を、要らなくなればキャンセルするというこ とで入れておいた方がいいのではないかと。もう一つ研究班報告書が出てくる のが多分2月ですよね。その中身を踏まえての検証と、それを踏まえての再発 防止があるわけですから。私としては最後まできちんとやりたいということを 考えると、もう一回、もし委員の皆さんの日程が合うようでしたら終わりの方 に入れるぐらいにしないと。この前みたいにメールだけで調整していると物す ごく調整も難しいし、ストレスもたまるので。是非、御検討いただければと思 います。本当は事務局にたたき台をお任せしないで、つくると言いたいぐらい なのですが、自分の忙しさを考えると今はちょっと厳しいかなと決断できない 状況があるのですが、たたき台を出していただいたら積極的に修正意見等を出 していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 その件は検討させていただいて御相談いたします。今ここで決め るわけにもいかないので、必要に応じてということはあり得るだろうとは思っ ています。経過ではなかなかできないので、やるならやるということで1月の 段階で決めてしまうということですね。それはまた御相談いたします。 ○水口委員 それと、もう一つだけいいですか。議論し残したことはまだあり ます。来年の課題ということでいいのですが、非常に大きいところで研究班報 告書でも出ていて、薬剤疫学会からも出ている論点で、薬剤疫学的な手法によ る評価と安全対策の関係です。ICH E2Eとかいろいろ出ているんですが、難し くて、委員の中で共有できていない部分があるのではないかと思うので、研究 班でそこを担当された方に次回、短時間でいいので御説明いただけないかと思 います。研究班の報告書で提言されていることについての議論は大体できたか なと思うんですが、そこだけ残ってしまっているんですよね。気になるので、 検討していただければと思います。 ○堀内委員 担当している人がおりますので、課題に上がって今やっている最 中です。 ○寺野座長 では、次回にでもということで。よろしいでしょうか。時間も大 分過ぎまして、もう6時を回りましたので、これで終わります。外は寒いです から、気をつけてお帰りください。  以上で、委員会を終わります。ありがとうございました。 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)