09/11/30 平成21年度第14回中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 平成21年度第14回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年11月30日(月) 15:00〜17:00 (2)場所  はあといん乃木坂 フルール(地下1階) (3)出席者 委員:西岡清分科会長、小山信彌分科会長代理、相川直樹委員、           池上直己委員、伊藤澄信委員、金田道弘委員、木下勝之委員、           熊本一朗委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、           嶋森好子委員、辻村信正委員、難波貞夫委員、松田信哉委員、           美原盤委員、山口俊晴委員、山口直人委員        事務局:佐藤医療課長、迫井企画官、他 (4)議題  1 新たな機能評価係数の導入に係る対応について          [1]機能評価係数の設定          [2]包括対象からの除外        2 調整係数の段階的廃止について        3 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまより、平成21年度第14回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催 させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、吉田委員が御欠席ということになっております。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。 〇長谷川補佐  それでは、資料を確認させていただきます。  まず、議事次第を1枚めくっていただきまして、委員の一覧表と座席表、続きまして本 分科会の資料でございます。D−1、新たな機能評価係数の導入にかかる対応について、 D−2、機能評価係数の設定、D−3、[3]包括対象からの除外について、D−4、調整係 数の段階的廃止についてでございます。過不足等ございましたら事務局までお願いいたし ます。 ○西岡分科会長  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、審議に入りたいと思います。  初めに「新たな機能評価係数の導入にかかる対応について」の1、機能評価係数の設定 の議論に入りたいと思います。  事務局から資料の説明をお願いいたします。 〇長谷川補佐  それでは、D−1とD−2の資料を使いまして御説明いたします。  まずはD−1、新たな機能評価係数の導入にかかる対応についてでございます。  DPC制度においては、診断群分類の点数を基本として調整係数及び現行の機能評価係 数によって各医療機関の診療報酬を設定してまいりました。今後、現行の調整係数を新た な機能評価係数に移行することとなっております。また、従来の包括点数では十分に評価 できてこなかった医療機関の機能差等については、包括する項目で見直すことで対応する こととなっております。  本日、この資料は全体の方向性について再度確認という意味を込めまして作成してござ います。  以下、概念図でございます。こちら左側は「現行」、右側が「今後」でございます。  まず、左側の現行でございますが、大きく分けまして上の包括部分と下の出来高部分に 分かれてございます。包括部分につきましては、下から診断群分類の点数表に基づく点数 と、その上に現行の調整係数に基づく点数、さらにその上に現行の機能評価係数に基づく 点数という設定となっております。  今般、今後の方を見ていただきますと、こちらのような見直しとなりますが、まず1つ 目、[1]新たな機能評価係数の設定について御議論していただきました。次が[2]包括されて いた項目を係数に見直しをする必要があるのではないか。これは本日御提案をさせていた だきます。次[3]、包括された項目を出来高に移行するもの、こちらが[3]でございます。  今後についてでございますが、出来高・包括部分と分かれておりますが、包括部分につ いては下から従来の診断群分類の点数に基づく点数、またその上が新たに導入する機能評 価係数に基づく点数、さらにその上に出来高点数、加算等の評価に基づく点数と、従来あ ったものとの3段階となっております。このような形で今回現行から今後へと移行すると いうことをまず確認させていただければと思います。  次がD−2の資料でございます。先ほどのD−1の資料で申し上げますと[1]のところ、 新たな機能評価係数の設定のところでございますが、これは何度もお見せした資料でござ います。本日、事務局案として最終案としてお持ちしてございます。  まず、1から4の項目、上からDPC病院として正確なデータを提出していることの評 価、医療の質に係るデータを公開していることの評価、2番の効率化に対する評価、3番、 複雑性指数による評価、4番、診断群分類のカバー率による評価と、こちらも前回の議論 でもほぼこの項目については、基本問題小委のほうに項目として御提案するということが 決まっております。  次に、名称でございますが、前回の御議論を踏まえまして、先生方から御意見の出たも の、また事務局で思いつく限りで名称を記載してございます。本日、この名称の御議論を いただければと思っております。  次に、考え方でございます。1番のDPC、正確なデータと医療の質に関してでござい ますが、これは何度も御説明しておりますが、DPC対象病院において十分な体制が整備 され、詳細なデータが作成・提出され、そのデータが公開されることで、医療の標準化や 透明化が推進されることの評価でございます。  設定方法でございますが、これは前回お示ししたものと同じで、まずデータの提出の遅 滞があった場合、[2]部位の不明、詳細不明のICD10コード使用割合が40%以上の場 合に応じた定数で評価というものでございます。  次、2番、効率化に対する評価でございますが、平均在院日数の変動に伴い病棟業務量 が変化することから、患者の疾病構成の違いを補正した上で相対的な在院日数を評価と。 これは何度も繰り返しますが、平均在院日数の短縮化に伴って病棟の要は回転が早くなる ということの多忙さがありますので、その部分を評価したものでございまして、指数に関 しましては、右に書いてあるとおり、全DPC対象病院の平均在院日数を全DPC対象病 院と同じと仮定した場合の当該医療機関の平均在院日数で割ったものでございます。  こちらは、当該医療機関においては10症例、1カ月に1症例という考えでございまし て、以上ある診断群分類のみを計算対象としてはどうかと考えております。  その下でございます。今回初めてお示ししたものですが、包括評価の対象となっている 診断群分類のみを計算対象としてはどうかという考えでございます。こちらについてです が、現在包括化されていないものがございますが、そちらは症例数が少ないということと、 またはばらつきが大きいということと、そのどちらか、または両方に係る項目でございま すので、診断群分類でございますので、効率化の計算においてはそのようなものは除外を してはどうかということで、一定数以上のまたばらつきも集約化されたものを評価の対象 としてはどうかという御提案でございます。  次でございます。複雑性指数による評価と、これは全DPC対象病院の平均で補正した 一入院当たりの包括点数を用いた評価でございます。簡単に申し上げますと、難しい診断 群分類を多く引き受けている病院を評価するというものでございまして、指数の計算方法 でございますが、一入院当たりの包括点数が全DPC対象病院と同じと仮定した場合の平 均一入院当たりの包括点数を全病院の平均一入院当たりの包括点数で割ったものでござい ます。こちらも1カ月に最低1症例ということで、10症例以上ある診断群分類のみを計 算対象とする。  また、その下でございますが、包括評価の対象となっておる診断群分類のみを計算対象 としてはどうかということで、2番の効率化指数と同じ考えでございます。  続きまして4番でございます。診断群分類のカバー率による評価でございますが、考え 方としてはさまざまな疾患に対応できる総合的な体制を評価するものでございまして、指 数といたしましては、当該医療機関で一定症例数以上算定している診断群分類数を全診断 群分類で割ったものでございまして、こちらも10症例以上の診断群分類を対象としては どうかというものでございます。  こちらの対象については、2つ目の米印ですべての診断群分類を計算対象としてはどう かということでございます。こちらにつきましては、先ほどは上の2つに関しましては、 ある程度まとまった数のばらつきの小さい症例を対象とすべきということでございました が、こちらは幅広い症例を診ていることの評価でございますので、たとえ包括化されてい ない点数であっても評価すべきであるということで御提案申し上げております。  さらに、3つ目の米印でございますが、専門病院への対応です。前回は事務局のほうか ら専門病院に対して対応してはどうかという御提案で上げておりました。今回は案の1と 2ということで、案の1が特段の配慮を行わない、案の2が専門病院の定義を適切に行っ た上で評価となっております。前回、分科会におきまして、がん・子ども病院等々につい ては2番、3番、効率化や複雑性指数等々で対応が可能であろうということで、今回は見 送ってよいのではないかという意見が大勢だったと記憶してございます。  続きまして、1枚めくっていただきまして、5番目以降でございます。  5、6、7が前回新たな項目として御提案したものでございますが、まず5番目、救急 医療の入院初期診療に係る評価でございます。名称につきましては救急医療指数という名 称で御提案しております。  こちら考え方です。考DPCの包括点数では評価が難しい救急入院初期の検査等を評価 してはどうかというものでございまして、こちらは予定入院と緊急入院の差をきちんと評 価してはどうかというものでございます。考え方としては設定方法2つお示ししておりま す。  案の1、これは従来からお示ししたものですが、救急車あり、または入院初期の初診料 において時間外・休日・深夜加算ありのDPC対象患者数をDPC対象患者数で割ったも のでございまして、要は救急患者の割合を見たものでございます。こちらを差額、その予 定入院と緊急入院の差を係数化して、こちらで全入院患者に対して係数として追いかける ものが案の1でございます。  一方、案の2でございます。新たな機能評価係数では評価せずに、緊急入院の患者につ いては入院初日に何点かの点数を加算してはどうかというものを新たに御提案しておりま す。  案の1については、差額の分を係数で、案の2については差額の分をその診断群分類ご とに加算をつけてはどうかというこという御提案でございます。  なお、具体的方法については今後さらに検討が必要だと考えてございます。  次、6番でございます。医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評 価でございます。こちら名称につきましては、地域医療指数という御提案をしてございま す。  まず、考え方でございます。一番上の項目ですが、医療計画(4疾病・5事業)におい て、地域で一定の役割を担っていることを評価、4疾病はそれぞれ記載しているとおりで ございまして、5事業も記載のとおりでございます。  なお、前回、がんにつきまして特別の配慮が必要ではないかという御意見がございまし たので、下線を引いてございます。  評価のイメージでございますが、都道府県が策定する医療計画において、一定の役割を 位置づけられている施設に対して一定の指数による評価を行うということでございまして、 今後さらなる検討が必要となります。  次でございます。救急患者の受け入れ体制の評価でございます。こちらにつきましては、 5番が救急の予定入院と緊急入院、DPC独自の差によるものの評価を5番で対処するこ とになっておりますが、6番のほうでは体制の評価を取り上げたものでございます。具体 的なイメージでございますが、医療機関ごとの救急体制の提供実績及び体制に応じて段階 的に評価というものでございまして、評価のイメージは1から3の項目で示しております。  まず、一番上が一番要件としては厳しいもの、一番下の3が要件としては緩いものとな っておりまして、まず1番が、まず救急患者数が何人かという設定がそれぞれございます。 2つ目ですが、医師、看護師が救急部門に専従配置という要件、3つ目ですが、薬剤師、 臨床検査技師、放射線技師が専任で配置されていることとなってございます。  次に、2番目の要件でございますが、こちら真ん中の項目が専従ではなく専任での配置 となってございます。また、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師については専任ではなく オンコール対応となってございます。  さらに3つ目でございますが、職員の要件はありません。前回こちらの議論において、 都会の医療機関、大規模な医療機関ばかりを評価するのはいかがなものかということでご ざいましたので、きちんと地域において救急患者を受け入れている医療機関を評価できる ものを今回御提案しております。  なお、米印でございますが、救急患者につきましては、救急車あり、または入院初日の 初診料において、時間外・休日・深夜加算ありのDPC対象患者数となっております。  次の項目でございます。周産期患者の受け入れ状況による評価、また小児救急患者の受 け入れ状況による評価については、今年の7月に実施しました特別調査において、これら の体制に係るデータは集めておりませんので、今後関係者と相談の上、検討をさせていた だくというものでございます。  最後に7番目でございます。医師、看護師、薬剤師等の人員配置(チーム医療)による 評価でございまして、名称としてはチーム医療指数でございます。考え方でございますが、 チーム医療の取り組みによる医療安全、勤務医負担軽減、医療の質等を評価となっており まして、設定方法については、具体的な方法を今後さらに検討というものでございます。  本日、事務局からお示ししたのは以上でございますが、具体的な設定方法が記載されて いないところもございますので、こちらについては本日分科会で御議論いただきまして、 もしなかなかいいアイデアが定まらないようであれば、分科会長預かりとしていただき、 項目は項目として分科会として提案するということを考えてございます。  次をおめくりください。3ページでございます。こちらは前回の議論において「次期診 療報酬改定では導入を見送る項目」ということで2つございますが、患者の年齢構成によ る評価、診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価、これらにつきましては、次の 次の診療報酬改定の際の導入を目指して今後議論いただくということになります。  続きまして、[2]でございます。「出来高点数の加算等に基づく機能評価係数」の議論で ございますが、こちらまたD−1の資料に戻っていただきまして、D−1の資料のうち、 今回、調整係数が廃止されて新たな勤務評価係数が導入されるということで、診断群分類 の精緻化であるとか包括範囲の見直しが必要となっております。まず、包括範囲の見直し が必要なもののうち、係数に持っていったほうがよいのではないかというものをこちらで 御提案したものでございます。  それでは、D−2の4ページにお戻りいただきまして、現在、出来高点数の加算に基づ いて機能評価係数が設定されております。それがローマ数字小文字の(i)の既存項目で ございまして、入院基本料のこれら4項目と入院基本料等加算、入院時医学管理加算、地 域医療支援病院入院加算等々が設定されてございます。今回新たに追加ということで、ロ ーマ数字の小文字の(ii)番でございます。検体検査管理加算というものを新たな係数と して御提案をしてございます。  考え方でございますが、現行の各診断群分類におきまして、点数において包括評価とな されておりますが、医療機関ごとにこれらの加算をとられていたり、とられていなかった りということで、それはある意味医療機関ごとの機能の違いを反映しておると考えており ます。このような項目のうち特に検体検査管理加算については、機能評価係数として評価 することがふさわしいのではないかということで、今般新たに御提案をさせていただきた いと思っております。  なお、検体検査管理加算1、2、3の項目でございますが、出来高の点数に合いました 係数をそれぞれ設定するということを御提案したいと考えております。  私のからは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  今の御説明について議論を行いたいと思います。最初の「機能評価係数導入にかかる対 応について」という項、これに関しましては特に問題はないと思うのですが、まず順番に いきたいと思いますので、これに関しまして御意見ございましたらお願いしたいと思いま す。  はい、どうぞ、酒巻先生。 〇酒巻委員  この図を見てみますと、「今後」というところで、一番上のところは出来高点数の加算 等の評価に基づく点数となっていますね。それから、その下も実は何とかの点数なのです けれども、係数ではなくて点数だということでしょうか。 〇長谷川補佐  点数と書きましたのは、要は診断群分類の点数に係数が掛けられて点数になりますので、 恐らく先生のおっしゃる意味と同じだと思うのですが、あくまで点数に係数を掛けたもの を今回この図表であらわしたものでございます。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。 〇酒巻委員  多分だから、最終的には係数として表現されるということですね。 ○西岡分科会長  ほかに何かございますか。  それでは、これはこういった対応の考え方でお認めいただくということにさせていただ いてよろしいでしょうか。もしまた何か問題がありましたら、さかのぼって御質問、御議 論をお願いしたいと思います。  次に、資料のD−2のほうでございます。「機能評価係数の設定」というところがござ います。これのまず1ページ目の1の新たに導入する機能評価係数の1、2、3、4です が、これにつきましては既に前回御議論いただいて、あらかたこういう考え方でいいので はないかということをちょうだいしているのでございますが、これについてさらに追加等 がございましたら御議論をお願いしたいと思います。  それからもう一つ、基本小委から宿題としていただいていますそれぞれの名称ですね、 これについても御意見をちょうだいできればというふうに思いますが、いかがでしょうか。 これは4つまとめて議論したいと思います。  これは前回でかなりいろいろ御議論いただきましたので。どうぞ、小山委員。 〇小山分科会長代理  これ、意見が出ないのは、基本的には最初の名称でいいと皆さん思っているのだと思う のですよ。だから、これは両方併記して持っていくしかないじゃないですか。こちらでこ っち決めたというよりも、両方を示して、意見はこうなりましたけれども、基本問題小委 員会ではどちらのほうが理解しやすいですかという問いかけをするしかないのではないで すかね。医療をやっている人たちはもうこれで十分だと思うのだけれども、恐らく医療を やっていない人たちがそれらの意見を言うのでしょうから、だからその方々が理解できる 言葉ということでもって、こういうことも考えてみましたけれども、逆に複雑になっちゃ っていますよね。  例えば、効率性指数が、相対平均在院日数指数なんて言うと、何かかえって分かりにく いじゃないかと思うので、でも素人の方が、このほうが分かりやすいと言うのならそれで もいいと思うのですけどね。その辺、両論でいったらどうでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇熊本委員  今の意見に賛成なのですけど、ただ複雑性指数のところで高度医療指数という言葉が出 てきているのですけど、これ自体は前も大分議論してきた別の計算式の指数があるかと思 いますので、ちょっとそれと混同するという気がいたしますので、これは適切ではないの ではないかなと思います。  それと、複雑性指数が一番分かりにくいと言われているのであれば、我々も最初のころ には本来は患者構成のことを見ていたということですので、ここは患者構成指数みたいな ことでもいいのではないかと思います。  2番に関しては、私も全く同意見でして、効率性指数のほうが分かりやすいのに、あえ て相対平均在院日数指数となんて言うと長ったらしくて、ちょっと意味はあらわしている のかもしれませんけれども、効率性指数で十分いいのではないかなと思います。意見的に は御判断いただければいいと思うのですけれども、ただ複雑性指数のところだけが一番問 題となっていたかと思いますので、高度医療指数だけはちょっと問題かと思います。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇美原委員  前回のこのたたき台というのがあったときに、複雑性の指数のところには平均1日当た りの点数というふうに記載されておりました。今回は包括点数になっているのかな。僕、 ここのときの理解はどういうのかというと、包括点数ではなくて、点数というのは、手術 をしたりリハビリテーションをしたり、いろいろなことをしていて一生懸命やっているか ら、それだけこれが高度医療かどうか分からないですが、そういうものが加味されるもの だろうと思ったわけです。  すなわち、例えば同じ脳卒中を診ていて、同じ点数がついているけれども、ある医療機 関では非常にリハビリテーションをやっていて、包括以外の出来高の部分がふえる。そう することによって点数がふえるわけですね。したがって、ここのところ点数が前回のとき はただ何にも書いていない点数であって、今回は包括点数となって出来高の部分が抜けて いるのですが、それはそれでよろしいのでしょうか。 ○西岡分科会長  では、ちょっと御説明をお願いします。 〇長谷川補佐  熊本先生からは2つ御質問がありました。  まず、以前、1日当たりの点数に関して高度医療指数というものがございました。今回 新たに設定したのは、美原先生の御質問に対する答えになりますが、こちらは出来高点数 を除いた包括点数のみの評価となっております。それで、まず高度医療指数に関しまして は、これはある意味複雑かつ難しい疾患ということで、ある意味高度な疾患であろうとい うことで、高度医療指数という名称も一つあるのではないかということで、事務局のほう から御提案差し上げた次第でございます。 ○西岡分科会長  これまでに出された高度指数とは別物だという考え方ですね。  どうぞ。 〇美原委員  ということは、これは新しい名称に高度指数というふうな名前がついているけど、それ とは全然別物であって、単なる患者構成指数というふうに考えてよろしいでしょうか。そ ういうような理解ですか。 〇長谷川補佐  そのとおりでございます。 〇熊本委員  もう一つの、前は点数だったので、私は勝手な解釈で出来高を除いた包括点数のことか と感じて、それで御質問もちょっと幾つかしたのですけれども、それを明確にここに包括 点数のみであるということをされたのかと思うのですけれども、それに関して美原先生か ら今御意見あったのですけれども、それに関してはいかがなのでしょうか。 〇長谷川補佐  こちらについては、あくまでDPCの対象となる診断群分類が対象でございますので、 そういう意味で包括のみが対象と考えております。 ○西岡分科会長  多分、美原先生のお考えでは、手術だとか処置なんかを入れたほうがより複雑性がはっ きりしてくるのではないかという御意見で、どうぞ企画官、お願いします。 〇迫井企画官  これは包括点数部分についての指数による評価を前提としております。御指摘のとおり 診療報酬全体で見ますと、手術とかそういったものを含めてというのも考え方としてあり 得ます。それは今いみじくも御議論があったように、どちらかといいますと高度医療指数 にむしろ近い形になるのですが、今議論しているのは包括範囲についての複雑性というこ とでございますから、当然包括範囲、主には入院基本料プラスアルファの部分のその資源 投入の量で評価をするということで、整合性という意味でも今回明確にさせていただいた ということでございます。 〇美原委員  そうすると、何か別に高度医療指数というのがあるわけですか。 〇小山分科会長代理  いや、今回見送っていますよね。 〇美原委員  そういうのを将来的に考える、わかりました。 ○西岡分科会長  これまでの議論で高度指数というのも候補で一つ上がっていたのですが、今回の改定の ときには対象としないということになっております。もともとこの効率化指数というのは 平均在院日数の指標と、それから複雑性指数というのは患者構成の指標というのでスター トしたのですが、途中からこの効率化とか複雑性指数のほうが分かりやすいということで そちらに変わったということでございます。ところが、基本小委では変わったほうが分か りにくいというお考えでございますので、もとへ戻すかなというところですけれども。  どうぞ、伊藤先生。 〇伊藤委員  高度医療指数というのが、例えば、平均在院日数の長い病気を診ている病院が高度であ って、例えば白内障だとかコモンディジーズをたくさん診ているところが高度な医療では ないというイメージを与えかねないので、避けたほうがいいのではないかというふうに思 います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  しゃ、これはちょっとペンディングにさせていただく。ありがとうございます。  それから、あと最後のカバー率のほうは、これはどうでしょうか。この間の議論のとき には、病院の総合性を示すものだというので、総合性指数みたいな言葉を使ったり、ある いは患者受け入れの多様性の指数というふうな形の考え方があったのですけれども、ある 程度候補を幾つか出しておいていただきまして、実際には基本小委のほうで一番分かりや すいのを選んでいただくという形がいいのではないかと思っているのですけれども。  はい、どうぞ。 ○池上委員  戻りますけど、1番目のデータ提出公開・公開指数となっております。これについては、 前回出していただいた資料では、データ提出というのは様式1の必須項目までということ であったのですけれど、それも明記していただいたほうがよろしいのではないかと思うの と、それから、公開指数というと何か別途病院側の努力によって公開するというような印 象を持たれるかもしれませんけれども、これはデータ提出すれば、即厚労省側のほうで公 開に結びつくという意味でありますので、ちょっとこれもこの設定方法のところで、どの 範囲のデータ提出かということと、それから、公開ということをあえて言うと、何か格段 の努力をすることがこの指数の要件という誤解を招くのではないかという気がしましたの で申し上げさせていただきました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。何かこれについてコメントはよろしいですか。この公開という のは、データを提出していただいた、先生がおっしゃるように、即それが公開になってし まうという意味合いでございますので。  じゃ、データ提出の指数だけでは何かちょっと落ちつかないのですが、何か候補はござ いますか。 ○池上委員  データ提供と。 ○西岡分科会長  データ提出とデータの質のですかね。 ○池上委員  提出というより提供、言葉じりですけれども。 〇小山分科会長代理  提出・公開指数で悪くないと思うのですけれど、やっぱりまずいですか。公開になって いないからということ。 ○池上委員  いや、公開に対して格段の対応を病院に求めているわけではないという意味ですので、 これはこの名称だけ見ると、何か特段の公開の努力をしなければ得られない指数であると いうふうに誤解を招くのではないかということを申し上げているわけです。 ○西岡分科会長  この提出・公開指数というのも一つの候補として残しておいて、もう一つ何かいい言葉 があれば、どうぞお願いします。 〇伊藤委員  データの質という意味から言えば、提出データの質、指数なんじゃないのでしょうか。 ○西岡分科会長  提出データの質の指数ですか。 〇伊藤委員  ええ、提出データ質……、すみません。 〇小山分科会長代理  やめたほうがいいじゃないですか。どうですかね。 ○西岡分科会長  要はデータの質に対する評価ですよね。 〇小山分科会長代理  余り言葉だから……。 ○西岡分科会長  一応候補を出しておかないと、多分どれも決まらずに戻ってくるのじゃないかなという 気がしたものですから、すみません。  じゃ、そうしましたらこの1から4に関してはこういった形でよろしいでしょうか。  じゃ、それをいい言葉にひとつ変えてお願いいたします。  じゃ、次の2ページ目に入ります。  はい、どうぞ。 〇美原委員  診断群分類のカバー率のところで、専門病院をどうするかというような議論があったと 思うのですが、その専門病院の定義は一体何なのかということで議論されていたと思うの ですが、今、今日いただいた資料の1番、この[2]というのに専門病院というのが入ってい ますね。これの定義はどういう定義なのでしょうか。 〇長谷川補佐  こちらの定義は、入院基本料の種類の中で、特定機能病院と専門病院、一般病院と分れ ておりますので、それで示されたものでございます。入院基本料の一つの項目でございま す。 ○西岡分科会長  企画官、お願いいたします。 〇迫井企画官  この専門病院はどの基本料を算定するかという、オプションとして提示された医療施設 の基準について、どちらかといいますとチョイスなり方向性なりを示せるということです ので、今議論されておりますケースミックスを考える上での専門病院と少し概念が違いま す。それで、これまでも御議論いただいたように、どういう形で整理をするのかというの はさまざまな切り口がありますが、あえて総括すれば、先ほど補佐が申し上げましたとお り、いろいろな御意見はあるのでしょうけれども、ここはあえてむしろ評価をしないとい うほうがフェアではないかというふうに理解いたしまして、一応事務局の案としては案の 1、つまり特段の手当てはしないということでいかがかと、こういうことでございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ですから、この後ろにあります専門病院とこれはちょっと種類 が違う概念になります。じゃ1から4はこのところでよろしいでしょうか。  じゃ、2ページ目のほうのまず5からまいります。救急医療の入院初期診療に係る評価 というというところで、案が2つ出されております。これについて御議論をお願いしたい のですが。 ○相川委員  ちょっとよろしいですか。まず確認ですが、案の1の場合の「救急車あり」というのは、 入院しなくても結果的にカウントされるのでしょうか。この文章からすると、入院しなく てもカウントするように読めちゃうのですけど。 〇相川委員  最後にDPC対象患者となる、わかりました。  それから、もう一つなのですけれども、時間外・休日・夜間加算のところですけれども、 これは例えば午後5時に来て、いろいろ検査した結果、入院したというのは、これは対象 にならないと、細かいことですけれども。 ○西岡分科会長  はい、お願いします。 〇長谷川補佐  先生のお尋ねの、5時に関しては適用になりません。これはあくまで診療報酬上の時間 外・休日・深夜の加算があったという方を対象としてございます。 〇相川委員  そういうことが分かっていればよろしいわけですけど。はい、わかりました。  ちょっと、意見。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 〇相川委員  よろしいですか。今の案1の分子がいわゆる緊急入院という定義でよろしいのでしょう か、つまり案の2の緊急入院という定義は、案の1の分子ということでしょうか。 〇長谷川補佐  案の2のほうにつきましては、こちらの緊急入院の定義は、予定外以外の入院の方を緊 急入院と定義してございます。 〇相川委員  わかりました。そうすると、案の2に関しては非常にあいまいなところがあって、何が 予定なのかとかということがあるので、実際にははっきりと緊急入院の患者を特定できな い、施設によっても考え方によっても違うということで、案の2は余り賛成できないかと 思います。名称については、私はこれでよろしいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇小山分科会長代理  今の相川先生の意見、そのとおりだと思うのですけけれども、もう一つの案1のほうに 対して少し難しいのは、救急車ありが全部入っちゃうということなんですね。救急車あり の中で予定入院はいるんですね。ですので、これを言い出すとどちらも同じようなことに なっちゃうのです。だから、もう少し広い視野でもって、案1と案2と、どちらがより今 の救急医療の疲弊しているのを助けられるかという観点から考えたほうがいいかなという ふうに思うのですけどね。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ、美原先生。 〇美原委員  この間もお話ししたのですが、いわゆる平日の時間帯の緊急入院はこれにはカウントし ないということですね。 ○西岡分科会長  案の1はね。2はカウントされます。 〇美原委員  2はカウント、ですから、1のほうにそれを持ってくるということはしないわけですね。 ○西岡分科会長  お願いします。 〇迫井企画官  ここで今ご議論を主にいただいているのは、どういう線を引いて緊急入院と見るかとい うことがポイントであろうかと思います。そこは線引きの問題ですから一長一短難しいと。 案1のほうは今の診療報酬の考え方に割り切って定義を求めています。ただ、これは今後、 特にDPCでは、データによりさまざまな突き合わせなり検証は可能ですので、ある種現 場と余り乖離をした運用はなされない、あるいはなされたとしても後で調査なりが可能な ので、全く完全に自己申告で、実態と乖離しちゃうよねという御心配は余り要らないのか なという前提で制度設計をしようとしています。そのときに、案の1と案の2の根本的な 見方の違いは、案の1は医療機関全体に薄くかけるということがポイントで、案の2は個 別の患者さんごとに加算をするということがポイントで、このよしあしをむしろ御議論い ただくほうが制度設計上は重要なのではないかなというふうに考えております。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇美原委員  僕も1のほうがいいと思っているのですが、そのときにいわゆる体制みたいなことを言 っている、体制というか、実際のそれだけ受け入れている体制というようなことをお話し しているのだろうと思うのですが、幾つか現場の意見として問題があると思うのですが、 ここのときに初診料を算定した患者様というのが入っていますが、実際に地方ですと、同 じ病院にずっと通っていて、突然入ってきた方は必ずしも初診料が算定されないのではな いのかなというふうに思っているのですが、その辺はいかがなのでしょうか。  すなわち、高血圧で通っていた方が突然脳出血で倒れました、そうしたときに緊急、そ れは初診料の発生はしないかもしれないですね。発生しないと思うのですよね。そうする と、そういうのを全部ここからカウントから外れてしまう可能性があるのですけど。 ○西岡分科会長  はい、お願いします。 〇長谷川補佐  私、先ほど診療報酬上の時間外・休日・深夜加算と申し上げましたが、そこの定義につ いてはDPC制度できちんとデータをとっておりますので、いかようにも運用可能だと思 いますので、むしろ先ほど申し上げた制度の本質の部分の御議論をいただければと思って おります。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇相川委員  案の1についても、私、前に救急の評価をするときに申し上げたのですが、深夜加算あ りということで、その点では診療報酬上加算されているものにさらに機能係数としてそれ を評価するという、一部二重に評価されているということもあるのですけど、私はそれで もよろしいと思うのですね。その点ではこれはよろしいと思っています。  それから、先ほどの美原委員の意見ですけど、私も前、救急医療と時間外診療とは似て 非なるものだと話したことがあります。つまり、例えば月曜日の午後2時に緊急で来た、 それも救急車で来なかったが緊急性のある患者さんをどう評価するか、この辺のところは 案の1では問題が起こりますけれども、しかしながら、例えば月曜日の午後2時に来た人 に関しては、救急車で来たということでかなりそこをキャッチできるということで、完璧 ではないですけれども、案の1はかなりでき上がったものではないかと思っています。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇熊本委員  だんだんと10日前の前のたたき台をちょっと思い出してきたのですけれども、ここの 部分では考え方1ということで、患者数の数え方の場合、6歳以下もしくは産科患者、精 神科のたしか入院精神療法の算定があったものという、この3つが例えば1.5倍にして カウントするとかいうお話でたたき台の御説明があったかと思うのですけれども、それを シンプルにして簡単にするために、多分今の周産期もしくは小児救急患者に関しては、医 療計画のこの6番のほうに書き込まれているのかなという思いを持ったのですけれども、 この大きなタイトルの中では精神科の入院医療も大変だということで上がっていたのです けれども、それに関しては今回のこの案では抜けてきているような気もするのですけれど も、その点はいかがなのでしょうか。 ○西岡分科会長  答えていただけますか。あるいは、ちょっとこれ、今次の段階へ入るところの話が先に 出ちゃったものですから、前もってこの最初の5番のところの1の形と2の形、これ、ど うぞお願いします。 〇長谷川補佐  まず、5番のほうについては、要はDPCゆえに起こる問題といいますか、予定入院と 緊急入院の差をしっかり見たいということで、その部分を抽出したものが5番の項目です。  一方で、小児に関しましては、6の下の項目で、下の小児の救急患者の受け入れ状況の 評価というところで、こちらのほうで見てはどうかと私どもでは考えております。  確かに精神につきましては抜け落ちておりますが、そこはここの分科会で御議論いただ ければと思います。 ○西岡分科会長  では、後ほどまた出してください。  では、今のところの御意見では、案の1のほうが適当ではないかというふうな形ですが、 案の2じゃやっぱりぐあい悪いですか。あっさりとそういった加算をつけてしまうという のだと、逆にこれは予定入院と緊急入院とフラッグが立てられますので、緊急入院だけ割 り出してそのデータをとって、実際その差額がどのくらいあるのかというのを出していっ て加算にしてしまうというのがこの案の2の考え方ですが、これだとやはり不都合がけっ こう多いでしょうか。 〇小山分科会長代理  一つ問題なのは、この点数をどうやって計算するかということだと思いますね。これが まさにいわゆる小規模の病院の点数と大規模の点数では大分違ってくると思います。ある いは専門病院の点数とも違ってくると思うのですね。つまり、中身はどんな中身をやるか、 それこそCTからMRIからシンカというのが全部できる病院と全くできない病院が同じ 点数の数の加算になってしまうと少し薄くなりすぎちゃうのかなという感じがするので、 2番のほうはそこら辺が少し問題点として残るかな。点数はこれは全部同じ点数を基本的 には加算するのですね。同じ点数を加算したときには、どっちにつけるかによりますけれ ども、いわゆる大規模な体制をいっぱい整えている病院と、それからほとんどそういう検 査方法がなくても緊急を受けている病院と同じ評価になっちゃうのは少し問題だと思いま す。  それから、案1のほうに、ここに、先ほど美原先生もおっしゃったように、初診料と書 いてあるのは、これは時間外・休日・深夜加算があればいいという考えでいいですよね。 今まで通院している患者さんが救急で来た場合も、その人数に入るというふうに考えてよ ろしいですよね。その確認だけちょっとすみません。 〇長谷川補佐  その部分については、本日ここで御議論いただければと思っております。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇酒巻委員  この場で議論というと、例えば案の1の部分での初診料においては正しくは評価されな いから、初診料を抜いていただくという結論に至ってもよいと、そういうことですね。初 日にという位置づけですよね。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇迫井企画官  冒頭に事務局のほうで御説明をさせていただいたことの繰り返しになるかもしれません。 まず大前提として、個々の評価の点数のレベルも含めて、これは基本小委で御議論いただ くマターでございますので、余りここでディテールに入っていただくのは必ずしも適当で はないかなという話がまず1点目です。そういう意味では、どっちが医療機関にとって診 療報酬のレベルとして望ましいか、期待できるかという視点というよりは、むしろ、個々 の患者さんごとにその差を明示的にして加算をつける、もっと言いますと、もちろんその 高額療養費等いろいろな制度がありますから、自己負担に必ずしも完全にはね返るかどう かわかりませんけれども、個々の患者さんごとにそういった報酬の差を設けることが適当 なのか、それとも究極的には緊急入院をしたしないにかかわらず、すべての患者さんに係 るような形で医療機関全体として評価することが適当なのか、ここについて現場の御意見 も含めて御議論いただければありがたいなというところでございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇酒巻委員  どうしても6番のところにある救急患者受け入れ体制というものと今の話はかぶってし まうので、これを切り離してはちょっとなかなか言いにくいのですけれども、つまり個々 の患者さんを中心にした評価と、それから体制そのものに対する評価と2種類ありますよ、 それをどういうふうに上側で個々の患者さんに対する評価をできるならやったほうがいい というような意味合いなのですか。ちょっとさっきからぼかしながら言っているものでな かなか理解できないですけど。ストレートに。 〇迫井企画官  いや、ストレートに申し上げているつもりですが、5のほうは従来からよく言われてお ります例えば24時間以内とか48時間以内とか、さまざまなその救急入院に係る特に検 査、そういった部分についての評価が十分ではないとのご指摘を受けて、今回それをむし ろ明示的にさせていただきたいという趣旨です。  じゃ、6は何かといいますと、緊急入院で採算がとれない云々の話とはまた別の時限で、 表現がいいかどうかわかりませんが、例えばピッチャーがボールを投げるときに、バッタ ーが構えていたら、実際にボールが打てなかったといいますか、空振りといいますか、体 制はとっていたのだけれども、空振りだったという場合の体制の評価というのが、特にこ の施設の大きな特定機能病院をはじめとするDPC病院で特に評価が求められていると、 そういう御趣旨でさまざまな議論があったと理解をいたしましたので、地域貢献にかかわ るようなものも含めまして、そういった指標を切り口として設けたらどうかということで すので、5と6はかなり本質的には評価の機軸が違うと、こういうことでございます。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇小山分科会長代理  だから僕、そういう意味では案の2がすばらしいと思うのですけれども、案の2の一番 の欠点はその○○点のその点数ですね。この点数の設定いかんだと思います。この点数設 定が大規模も小規模も専門病院も全部同じだということになると、少し問題が残るかなと いう感じがするのですよ。できるなら、これがそんなところに差がつけられるのならばい いけど、差がつけられないのだとすると、案1をとらざるを得ないのかなという感じを持 っています。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ、辻村委員。 〇辻村委員  同じ質問になるのですけれど、案の2を議論するには、やはり入院初日○○点を加算と いう考え方ですが、どういう考え方でこの差額を出していくのか、今後検討と書いてあり ますけれど、どういうものを加算、相対的にどれぐらいの差があるから加算ということに なると思いますけれど、もう少し具体的にどういう差を見て加算するというところがない と、なかなか案の2の議論にはならないのではないかなと思いますけど、その辺いかがで しょうか。 〇長谷川補佐  点数設定の方法でございますが、一例ですが、予定入院と緊急入院、それぞれフラグを 分けます。予定入院のほうは検査がありませんし、緊急入院のほうはいろんな検査をされ ます。そこの差額を計算いたしまして、その差額の部分を診断群分類ごとにそれぞれ計算 し、ある程度その差額がきちんと出た診断群分類について、ある程度グルーピングをして 点数をつけるというのが一つの考え方かと思います。  ですが、繰り返しになりますが、こちらの設定方法、具体的な点数の項目等々について は、基本は基本問題小委のほうでの御議論になりますので、あくまでこちらでの御議論は 意見といいますか、御提案というものにとどまりますので、この点よろしくお願いいたし ます。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 〇齊藤委員  診断群分類ごとに予定入院と緊急入院を分けていくということで、一方、さっき小山先 生が言われたように、大病院における緊急入院と、より中小病院における緊急入院と随分 違う。これはデータを見てみないと、ほとんどのこのDPCの点数はデータを見て一つの 群としてまとまっているかどうかと、そこからDPCの点数は決められているわけですね。 だから、いろんな病院をまぜたときに、雲霞のように雲のようにばらまかれるのであれば、 点数として定めることにほとんど意味を持ちにくくなってくるし、それからこの案2の部 分は、いわゆる病院機能評価係数とはちょっとイメージが違いますね。これは異質のもの ですね。ただ、救急を重視するという点で、機能評価係数と並列して出てくる問題ですが、 少しデータを見ないと、いかようにも申し上げらないのではないかと思います。 ○西岡分科会長  この部分は、もともとのDPCでの一番大きな問題だった緊急入院の場合に各施設がマ イナスになるという、それをいかに補てんできるかということになりますので、齊藤先生 おっしゃるように、まさしく多分データでずっと出てくると思いますので、そこのところ の決定のところは、基本小委のほうにお願いする形になろうかと思います。  ですから、考え方として、これを全くだめにするのか、あるいは一つの候補として残す のかということになろうかと思います。  どうぞ、酒巻委員。 〇酒巻委員  少しイメージがわいてきたのでちょっとだけ。  つまり、点数を加算するとありますけれども、例えば、そうすると病院ごとに緊急と、 それから予定のクランケが分けられていて、しかもDPCごとにその差が計算できるので あれば、それはそのまま点数を係数化するということは可能だということですよね、病院 ごとにやることができますから。だから、前年度実績に従って点数を係数化していくとい うのであれば、これは成り立つのではないかと思うのですけれども。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 〇松田委員  基本的には案1だけでいいじゃないかなというふうに思っています。案2に関しては、 現行の制度でも特定入院管理料とか、それから救急入院管理料とかがあって、結局例えば 救命救急管理料であれば1日から3日目、4日目から7日目、8日目から14日という形 で点数を変えてやっていますね。だから、多分そこの部分の加算が今もあるわけですので、 例えば救急入院管理料のところに、そういう何か日数によるグレーディングをつけてあげ るという形で対応したほうがここはいいのではないかなというふうに感じる。でないと、 結局今までの加算の上にさらに加算をこうやって加えるという形になって、そうするとや っぱり複雑になるのかなと思います。  むしろ大事なことは、小山先生が指摘されているように、その管理料を計算できる病院 の基準をしっかりすることだろうと思います。例えば、24時間体制で常勤で放射線技師 が対応できるとかなんとかできる。それで何か少しグレーディングをつけて加算を変えて あげるというやり方でやったほうがすっきりするのではないかなというふうに思います。  すべて、例えば加算を余り逆に重くしすぎてしまうと、患者さんに負担がかなり重くな ってくるということもありますので、その辺のバランスをどう考えるかという視点も必要 かなというふうに思います。ただ、いずれにしても、現行の加算を少し議論していただく ということでこの案2の対応はできると思いますので、それはそちらで対応したほうがす っきりするのではないかなというふうに個人的には思います。 ○西岡分科会長  先生のお考えとしては、案の1をとっておいて、案の2の部分は今の救急入院管理加算 のところで対応しようというお考えでよろしいのですか。 〇松田委員  そこを少し見直してもいいのではないですか。 ○西岡分科会長  見直しするということですか。  どうぞ。 〇熊本委員  齊藤先生、松田先生と同じ意見ですけど、この文章自体も「新たな機能評価係数では評 価せず、」と書いてあって、それで加算ということですから、ちょっと論議が違うところ に行ってしまうと思うのですね。ですから、今御趣旨のように問題があるということは、 違った方法でやっぱりちゃんと見ていくという方向がいいかと思いますので、この文章自 体もおかしくなってくるのではないかなと思います。 ○西岡分科会長  一応両論併記ということにして、それぞれについてこういうオプションがあるというこ とにさせていただいてよろしいですか。どちらも捨てがたいところがあるというふうな気 がしているのですけれども、多分先生方のご意見もそんなところがあるのではないかと思 いますが。  はい、どうぞ。 〇山口(俊)委員  熊本先生がおっしゃったとおりで、この2はここでは議論にならないので、案の1しか ないのではないでしょうか。案の2をとっちゃうとここに載らなくなるわけですから。皆 さん案1でいいと私は理解したのですけれども、ここで時間をとっていると次の議論がで きなくなる。 ○西岡分科会長  じゃ、もう今回はこれは省いてしまうというのでよろしいですか。それで現場が成り立 ちますか。そこのところが問題ですね。 〇相川委員  そもそも救急医療を評価するというところに、その施設が地域医療にどのように貢献し ているかという大きな考え方があり、今問題になっているのがその地域の救急医療だとい う考え方があって、それを個々の何人、一人一人の患者さんに点数をつけるというよりは、 病院の機能として評価しようという考えがあったと思います。そうすると、案の1はやは り機能係数に盛り込むわけであって、機能として評価する。案の2は一人一人の救急患者 をとったから、それに余計に点数をあげて機能としては評価しないということになるので はないかと思います。そういう点では、やはり案の1で地域医療に貢献している施設を機 能として評価しようというのでは案の1しかないと私は思っています。  ただ、案の1の場合、あえて言いますと、機能係数がついてしまいますと、救急でない 患者さんで入院している患者さんにも3割負担で多少負担がかかってしまうということも あるわけですよね。ですけど、それに関しては、どうして自分は救急と関係ないのに、そ の救急をしっかりやっている病院に行くと機能係数が高いので負担が増えてしまうことが ありえます。しかし、そのような患者さんの住んでいる地域においてそのような病院があ るので、今入院しているところでは負担が多少高くなるけれども、そのような施設を評価 しようという意味で、僕は案1が妥当だと思っています。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇伊藤委員  時間がなさそうなのですけど、5のほうはある意味でアウトカムズ評価をしていて、6 のほうはストラクチャーで評価をしているので、救急に関してはアウトカム、ストラクチ ャーと両方で評価するのだと言ってしまえば、この案の1でよろしいのではないでしょう か。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  大体この案の1で係数化しておいて、あとさらに今松田委員からのお話がありましたよ うな救急入院管理料というものを調整してはどうかということで、そういう御意見でよろ しいでしょうか。  可能性として、この案の1と2と両方とも基本問題小委のほうにはお出しすることにな りますが、理解としてはそういう理解ということにさせていただきます。  それから、次の6番目のところで、今度はストラクチャーのほうでございますが、これ について御意見をお願いします。  どうぞ。 〇小山分科会長代理  これは結局、がんを入れるということですよね、下線が引いてあるのは。 〇長谷川補佐  下線を入れましたのは、前回ここで入れたほうがいいのではないかという御提案があり ましたので入れております。もしこの分科会の御提案として入れるべきだということであ れば、御提案として、まとめて頂ければと思います。 ○西岡分科会長  いかがでしょうか。  どうぞ、美原委員。 〇美原委員  これは医療計画に載っているということが、もしそれが要件になるとすると、地域医療 計画への掲載基準って各都道府県でかなり差があると思います。例えば、TPAがとれる かとれないかって地域医療に入れましょうといったときに、群馬県では全部それまでのデ ータをとったのですが、とったけども、それは地域医療に全然反映されなくて、手挙げ方 式でその地域医療計画に載っている病院になっちゃっているわけです。でも、それをすご くしっかり真剣にやって、全部データをとって出している都道府県もあるわけです。  そうしたときに、じゃ本当にやっているのはどんなのかなというふうに思うと、例えば 実際にこれは点数がかぶってしまいますけれども、がんだったらがん診療連携拠点病院加 算だとか、TPAだったら超急性期脳卒中加算だとか、そういう点数が全部ついているわ けですね。それでカバーされているからいいのだというのも一つだし、いやいや、それで カバーされていて、かつ地域医療に載っているというのであったならば、地域医療計画の 掲載病院であるということで、一つある程度のハードルができるかもしれないなと。いず れにせよ、地域医療に頑張っているということは、何らかの形で評価していただけたらい いかなということを僕は思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。この医療計画のほうはそういった御意見でよろしいでしょうか。 またさかのぼっていただいたて結構です。  その次の受け入れ体制のほうは、こういった形でのご提案でございますが、これは今ま でいただいた御意見をかなりまとめていただいたという形で出ておりますので、これはこ れでよろしいでしょうか。  はい、美原委員、どうぞ。 〇美原委員  僕、これはとてもいいと思うのですが、やはり2番、1、2、3とあったときに、2の ところのオンコールと24時間ずっと勤めていると、薬剤師あるいは臨床検査技師が24 時間いるのとオンコールでは全然意味合いが違ってくると思います。例えば、先ほども言 いましたけど、我々TPA3時間以内に治療しなくてはいけないときに、オンコールでい ますというのと、オンコールではいませんというのは全く違うので、ここはちょっと差を つけてもいいのではないかなというような印象があります。 〇相川委員  これは確認ですけど、これは1、2、3というような段階で評価するということですよ ね。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇長谷川補佐  あくまでイメージでございますが、私どものほうでは一応3段階という御提案でござい ます。 〇相川委員  ですから、この1、2、3を選ぶということではなくて1、2、3という。それで、も う一回確認ですけれども、この専従とか専任あるいはオンコールというのは、24時間に おいてということ、そうするとオンコールというのは成立しなくなっちゃうのですけれど も。そうすると、やはりこれは時間外あるいは深夜における体制なのでしょうか。そこの ところはやはり救急医療と時間外診療とは似て非なるものだということになるかと思うの ですが。 ○西岡分科会長  お願いします。 〇長谷川補佐   実は、1番、専従と専任については、これは24時間の対応でございまして、オンコ ールについては言葉足らずでございまして、これは夜間でございます。夜間の体制がオン コールであるということをこちらでは書いてございます。言葉足らずでございました。 〇相川委員  一応これはイメージとしては24時間体制をこのような形で評価していると、わかりま した。よろしいと思います。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ、酒巻委員。 〇酒巻委員  段階的に評価ということの詳細がちょっと分からないのですけれども、これはそうする と3、2、1の順に段階的なのですか。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 〇長谷川補佐  そのとおりでございます。 ○西岡分科会長  よろしいですか。大体イメージとしておつかみいただければいいと思います。これの細 かいところの数値その他については、さらにこれからの検討事項になろうかと思いますが、 大体こんな形のイメージではどうかということです。その点に関してはよろしいでしょう か。  じゃ、その次に周産期医療と小児救急と、あと精神科医療という問題が出てくるのです が、これについては今回7月に行いました調査では、残念ながらそれを入れていなかった ものですから、これを各方面と検討しながら入れていくと、ここへ精神科を入れるという ことではよろしいでしょうか。  これは事務局としては、特に精神科を省かれたということは何かあるのでしょうか。お 願いします。 〇迫井企画官  これは議論のもともとの発端が、精神医療というより救急医療の体制を評価するに当た って、救急医療の負担は一体どのようなものが大きな負担になっているかという医療機関 の御認識をいろいろな形でお聞きをしたところ、精神科救急については、対応していると ころとしていないところで全く負担が違うということが出発点で救急を入れております。 逆に、こういう形で5と6で整理を進めておりますので、私どもの認識では、最初どちら かというと評価したかった救急医療の中のコンポーネントだったものですから、精神科救 急、精神科医療というものを個別にというよりは、むしろさまざまな御議論があるところ でございますので、最初に第1段階で導入するとすれば、医療計画で評価されているいわ ゆる4疾病・5事業というふうに整理をさせていただいたほうが、コンセンサスが得られ やすいのかなと、こう思いまして、今回の資料では整理をした段階で精神科医療、精神科 緊急については記載をさせていただかなかったと、こういう趣旨でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。 〇熊本委員  もちろん今の御発言、企画官のお話は分かるのですけれども、ただ大きな項目に精神科 医療という言葉がずっと残ってきていたということと、ヒアリング等の中でも精神科の救 急、もしくはその精神科に関連した患者さんが入院することによって、それをやっぱり機 能評価係数等で見てもらいたいということが、今年の初めのころのヒアリング等でもかな りあったから、それで項目として名前が残っていたのかなと思いますので、地域医療計画 の中に入っていないというのは非常に理屈としては理解したのですけれども、本当にここ でぱっとこれが消えていいのか、関係者との相談の上検討するとかいう言葉がほかの2つ には入っているのですけれども、そのような意味で、今後本当にそれでいいのかなという 思いをちょっと持ったので、気づきましたので発言いたしました。意見としてです。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇小山分科会長代理  私もどちらかというとこの精神科を入れてほしいのですけれども、入れるとするとかえ って5番のほうなのかなと思います。5番の中のその救急医療指数の中にやっぱり精神科 は、もしあえて入れるならこっち、その計画の中に入っていないというのであればこちら なのかなという感じはします。精神科が今本当にひどい目に遭っていますね。すごく要望 が強いので、やっぱりちょっとどこかで何か評価をする方法を考えておいたほうがいいの ではないかなという感じは持っています。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇相川委員  私も精神科救急についてはぜひ評価をしてほしいと思います。これを6番の小児救急の 下に入れるか、あるいは今のような5番のところに入れるかは別として、評価するべきだ と思っています。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ、お願いします。 〇長谷川補佐  5番の話に戻って恐縮なのですが、5番はあくまでDPC固有の問題でして、案の1、 案の2も両方通じるのですが、要は予定入院と緊急入院の差が点数として明らかに出ます。 その差を係数で戻すのが案の1、案の2は加算で戻すというものでございます。精神科救 急に関しましてはどちらかというと、例えば救急の受け入れ体制の評価になるのではない かなと考えております。 〇相川委員  それで結構です、入れていただければ。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇酒巻委員  私も精神科の受け入れについては評価したほうがいいと思っています。それで、それは やっぱりこの6番でしか評価ができないのではないかと思いますので、周産期、小児、そ れから精神科という並列で評価の方法を考えていただくのがベストだと思いますけれども。 ○西岡分科会長  じゃ、これは精神科救急に限ったということですよね。ちょっと精神科全体とかなりこ んがらがっているところがありますので、精神科救急の受け入れということなのですが。  よろしいですか、どうぞ。 〇長谷川補佐  そうしましたら、事務局からの提案ですが、6の例えば救急患者の受け入れ体制の評価、 3段階設定しておりましたが、その中で精神科救急の関係の要件を入れる等々検討してみ るのが一の考えかと思いますが、いかがでしょうか。 〇小山分科会長代理  僕は、この中にどこでもいいですから、精神科の言葉が入っていればもうそれ以上は今 回望みません。 ○西岡分科会長  では、わかりました。じゃ、ここへ入れていただきまして、その最終的な評価は基本問 題小委員会のほうでお決めいただくということになりますが、候補としてここへ精神科救 急を入れさせていただくということにさせていただきます。  はい、どうぞ、松田委員。 〇松田委員  多分、用語はしっかり定義しておいたほうがいいと思うのですけれども、あくまでやっ ぱり総合病院における救急部門における精神科の患者さんの対応だということだと思いま す。それに関しては今のファイルから、一応それに対応する加算がとれますので、ですか らその周産期と救急も一緒だと思うのですけれども、ハイリスク妊娠管理加算とか、ハイ リスク運転管理加算とか、小児救急入院加算とか、精神科の加算とかありますので、その 状況をとりあえずまず集計するという作業から始めて、そのデータに基づいて分析は検討 するということにしたほうがいいように思います。 ○西岡分科会長  じゃ、そういった形で。どうぞ。 〇池上委員  じゃ、それが決着したところでちょっと戻りますけれども、4疾病・5事業の評価につ いて、前回は5事業だけ評価するというのが一応の結論で、今回は前回がんという要望も あったけど、どうするかという課題が事務局から投げられたのですけど、がんについては どのように対応するというのがここの分科会の方針なのでしょうか。 ○西岡分科会長  御議論いただいて、これが一つの提案としてがんも入れてはどうかという、前回のとき にはがんもというふうなお話が出ておりましたので。 〇池上委員  いや、それについて都道府県によって、がんというのを病域の中にその当該病院が記載 されるかされないかというのは、異なる基準が採用されている可能性があるということも ありますので、これは5事業についてもそうですけれども、そういうことを抜きにして医 療計画上に当該病院の記載があれば、それだけでこれは加算の要件を満たすというのが、 ここの分科会の一つの考え方ということでよろしいのでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口委員。 〇山口(俊)委員  私がちょっと前回発言しましたのは、がん対策基本法ができまして、地域でいろんな計 画が立てられていますけれども、必ずしも十分じゃないということで、特にこういうDP Cにがん専門病院の主要なところは入っていないという現実があって、今のままでは入り 切れないという現実があるということです。そこのところはやはりこういう加算である程 度DPCに参加すればやっていけるということを一度示していただくと、大変そのあたり がスムーズに進むのではないかということです。  私も、がん専門病院で大変申し上げにくいのですけれども、全がん協なんかの意見も聞 いていますと、かなりがんセンターもはじめ、なかなか申されませんけれども、苦しい状 況です。特にがんセンターでさえそうですので、地域の医療計画をやっているところでは、 がん基本対策法が本当に今順調に進んでいるとは言えないという状況ですので、ぜひこう いう制度の中に入れるような形にしていただければありがたいということで発言させてい ただきました。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。企画官。 〇迫井企画官  御議論の前提といたまして、まずこれは今回のいただいた項目だけでは直ちに実務とし ては難しい。当然、ですから他部局、特に医政局指導課とよくよく技術的な協議はする必 要が当然ございます。どういう形で実際に、特に4疾病については評価をしていくのかと。 そのときに、いみじくも今御指摘がありましたが、考え方としては2軸ございまして、基 準を全国一律ですべきだと、全国でフェアにすべきだという考え方がございます。これは もちろんDPCに限らず診療報酬全般が抱える課題だと思います。  他方、特にこれは前回御議論があったというふうに私どもは理解しておりますが、全国 一律の基準で逆になじまない、例えば都心にあるようなマンパワーを確保できるような施 設、そういう環境にある施設と、地域にあってマンパワーもない、しかし事実上役割を担 っている、そういったことが俗に言うよくやっている、頑張っているところ、こういった ところの評価が上がってこないじゃないかと、こういう御指摘があります。結局究極的に 詰めると、地場で御判断いただくしかなくて、地域の尺度でピアーで見ていただくしかな い。ですから、今後そういった視点をぜひ御議論いただく必要があろうかと思いまして、 今回地域医療評価といいますか、地域医療に貢献している度合いをはかると、そういう意 味づけでこういう項目の御提案をさせていただいているのが理解です。  ですから、池上委員御指摘の点、前回御議論あったし、御指摘あったと思うのですが、 そこはあえて絶対尺度と言われる地域での役割貢献、これが単純にマンパワーとか施設基 準とか、そういったものでははかれない、そういった貢献度を評価していこう。それが私 どもの理解では山口委員御指摘のところにもつながっていくのではないのかなと。ただ、 単に載っていればいいとか、そういうことじゃないのも当然でございますから、今後技術 的に少し詰めさせていただきたいなと、こういうことでございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。そういった御説明でよろしいでしょうか。  むしろこの項目というのは、確かに地域医療を地域で頑張っていらっしゃるところを評 価しようというふうな形で取り組みがなされてきたもので、どうぞ、金田委員。 〇金田委員  今の企画官の御意見に本当に元気をいただきました。帰って、来週また岡山県内の地域 医療病院の会議がありますので、みんなに報告したいと思います。ありがとうございまし た。 ○西岡分科会長  いや、まだこれがそのまますんなり通るかどうかわかりませんので、そんなに急がれる と困るのですが、今の企画官のお考えのような形で、我々としては提案させていただきた いということで、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、最後の7番目のチーム医療のところにつきましてはいかがでしょうか。  どうぞ。 〇佐藤委員  まず確認なのですが、今回の7番の評価はチーム医療の取り組みということで、医療安 全とか勤務医負担軽減、医療の質等を評価するということで、前回等もいろいろ議論され ました。広い意味でコメディカル職種が多分平等に配置されるとか、いろいろな医療の質 の向上とか頑張っていると思うのですが、医師と看護師等とのチームで行うというのは、 そういう広い意味の定義で考えてもよろしいわけですよね。  そうしますと、一応、コメディカル、かなり多数の職種がございます。いろいろそれぞ れの職業のもとで、病棟においても、あるいはチーム医療でもさまざまな医療行為を行っ ておいて、それぞれ評価があると思うのですが、今回の議論の中では、7月のこの特別調 査という案件の中で、たまたまでしょうか、社会福祉士と管理栄養士と薬剤師とが選ばれ て、その中でいろいろ御議論されているわけです。そういう議論の中で管理栄養士とか社 会福祉士もそれぞれ平等に評価されるということですが、その中で特に例えば薬剤師を病 棟に配置することで、かなりいいのではないかというような御議論も多数の委員からいた だいたというふうに思っております。そういうことを限定した話でお話し申し上げたいの ですが、そうしますと、例えば薬剤師も御存じのとおり、従来の個々の患者を対象とした 薬剤管理指導業務ということでは非常に評価はされております。一方、薬剤師が、この特 別調査の中でも議論されたように、病棟では常駐することによって、例えば医師、看護師 など医療スタッフへの医薬品情報の提供とか、薬剤師は、今はまだ処方ももちろんできま せんが、医師が処方する際に、その処方医へ薬学的見地から処方支援を行うとか処方設計 を行うとか、あるいは病棟での医薬品管理等々、いわゆる薬剤に関しての業務とは違って、 個々の業務では診療報酬上、評価が難しい多様な業務を行うというようなことが、多分特 別調査とか日本病院薬剤師会の調査で出てきたのではないかというふうに私は感じており ます。それで少しそういう面でいくと、このチーム医療への評価というものもいろいろ御 議論があるとは思うのですが、こういう病棟に配置することによって、もし医師、看護師 を含めたチーム医療というものの評価がなされるということであれば、まず薬剤師が例え ば病棟におることの評価というものを、いろいろ御議論があると思うのですが、試行とい うような形で行ってはいかがかなということが私の提案でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。病棟薬剤師をその一つの指標にしてはどうかということなので すが、ただ病棟薬剤師だけを指標にするというのはなかなか難しいことでございます。病 院全体としての評価にならなければいけないかなと思うのですが、この7番の項目につき ます御意見、これは実際には具体的にどういうふうな形で取り組むかというのはまだはっ きりした形は出てきておりませんが、今の御意見も十分取り入れさせていただいて検討し ていくということでよろしいでしょうか。  はい、どうぞ。 〇嶋森委員  薬剤師さんが病棟に配置されるということは、薬剤治療の質を上げるという意味で非常 に重要だと思いますし、医師や看護師の、医師の業務負担の軽減という意味でも非常に重 要ではないかと思います。薬剤師さんだけではなくて、中小病院では非専門職を配置して いることを評価されているところがあるわけですけれども、そういういろんな形で医師の 業務を支援するような形の体制が大きな病院でもけっこうとられ始めていますので、そう いうことについて今後きちっと調査をして、そういう中身を入れていくということは重要 ではないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  はい。 〇相川委員  非専門職あるいは病棟クラークなどもいいのですが、そうするとチーム医療という概念 からはかなり広くなってしまうと。ここは、ですから医師の負担軽減とか、そういう点で は非専門職もいいのですけど、ここでは私はチーム医療にある程度絞ったほうがいいので はないかとも思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、美原委員。 〇美原委員  今、薬剤師の方の病棟専任ですか、それ以外の役職者、チーム医療ということを考えた 場合に、栄養士さん、それからMSW、例えばNSTの活動だとか褥瘡カイヒのさまざま なことがやられていて、それらは必ずしも点数上に算定されていないのは事実だろうと思 います。そうしたときに、例えばそれが医療の質にきちんと貢献するのだろうか。例えば、 MSWの貢献って一体何だろうかといったときに、平均在院日数の問題、退院を調整する とかにはMSWの力ってすごく大きなものが現実的にはあると思います。あるいは、薬剤 師の方がいることによって、実際にどんなことが起きているかというと、これは個人的な というか、たまたまうちのデータですが、ヒヤリハットに関して薬剤に関するヒヤリハッ トの報告ががくんと減るのですね。そういうようなことを考えると、確かにそれは意味が あると思います。  この間のときも言いましたけれども、チーム医療をどうやって医療の質が上がったのを 見える化するかというのが多分なかなか難しいことは事実なのですが、やはりここのとこ ろで薬剤師の方だけではなくて、例えば各ある単位病棟50床当たりに1人のMSWがい る、1人の管理栄養士がいる、1人の薬剤師がいるということを評価するというようなこ とになれば、恐らく全国の病院に広まって、今求められているチーム医療がさらに進むこ とが期待されるのではないかと思うので、ぜひこれは入れていただければいいかなという ふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  はい、どうぞ、山口委員。 〇山口(俊)委員  チーム医療というものの目的というのは、ひとつは医療安全です。それから医療の質を 上げる、これも間違いない。もう一つはやっぱり効率化だと思います。ですから、それが 勤務医の負担軽減につながるので、効率化というむしろ言葉にすることはいいと思います。  もう一つは、チーム医療で一番大事なのはやっぱり医療の透明化ということで、みんな が見て、相互に監視して、きちっと患者さんのために医療ができるということです。その 4つぐらいに絞って、今の薬剤師さんがどうだとかこうだとかいうような具体的方法につ いては今後さらに検討と書いてあるので、それに含まれていると理解していいじゃないで すか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。  じゃ、今のような御意見をちょうだいするということにさせていただきたいと思います。  あと、3ページ目のところにございます8と9なのですが、この8のほうは前回のとこ ろで、決して高齢者だけが医療費が高くなるのではないというデータが示されておりまし たので、ちょっとこれは今回採用するのは難しいだろうということと、それから、9の診 療ガイドラインなのですが、7月に行いました調査では、ほとんどすべての病院がガイド ラインに準拠しているということを申告されておられますので、ちょっとこれももう少し 掘り下げて検討して、再度出していったほうがいいのではないかということで、これはこ こでなくなってしまうのではなくて、これは非常に重要なことでございますので、今回の 改定じゃない、その次の改定のときまでに持ち越しさせていただきたいということになっ ております。これでよろしいでしょうか。  それでは、今の御議論をいただきましたので、これに関しまして事務局のほうで再度ま とめていただきまして、基本問題小委員会のほうへ私のほうから報告させていただきたい と思います。それでよろしいでしょうか。  ありがとうございました。  続きまして、「包括対象からの除外」の議論に移りたいと思います。  どうぞ。 〇長谷川補佐  分科会長、こちら4ページ目が残っております。 ○西岡分科会長  失礼しました。4ページ目のところの「出来高点数の加算等に基づく機能評価係数」で ございます。  これにつきましては、検体検査管理加算というのが、これは病院全体にかかわってきま すし、DPC病院ではこれをとっていないところは全くないというふうに考えられますの で、これを機能係数のほうに導入するという形にさせていただきたいということですが、 これに関してよろしいでしょうか。  ありがとうございます。これも基本問題小委員会のほうに提案させていただきたいと思 います。  それでは、その次の「包括対象からの除外」のほうの議論でございます。これについて 御説明をお願いします。 〇長谷川補佐  それでは、D−3番、「包括対象からの除外」でございます。  先ほどのD−1番で数字が書いてございましたが、その[3]に当たる部分でございまして、 従来は調整係数等々でうまく対応されていたものでございますが、今回段階的廃止という ことで、さらに精緻化を図っていくというものの一環でございます。  D−3のペーパーでございますが、現在、個別の患者の実施状況が大きく異なる項目の うち、特に下の2つについては出来高に評価してはどうかというのが事務局の提案でござ います。  まず、1つが無菌製剤処理料、2つ目が術中の迅速病理組織標本作製でございます。こ れらについては出来高での評価をしてはどうかという御提案でございます。  2番目でございます。現在、現行の診断群分類の適用では、医療資源を最も投入した傷 病名とその治療内容等によって決定をしているところでございますが、そのため、当該診 断群の治療とは直接関係はないが、高額な費用のかかる慢性疾患の治療については、包括 評価で反映させることが難しいというものでございます。  このため、以下の3つの項目ですが、これらについて薬剤等について出来高評価しては どうかというのが事務局の提案でございまして、1つがHIVの感染症に使用する抗ウイ ルス薬関係、2番目が血友病に使用する血液凝固因子製剤、3番目が慢性腎不全で定期的 に実施する人工腎臓でございます。  なお、3番につきましては、診断群分類点数表出来高の項目をもとに点数設定や分類の 決定を行っておりますので、出来高での人工腎臓の項目において、慢性腎不全で定期的に 実施した場合と急性腎不全の場合を分けなければ評価が困難でございますので、区別がで きるように出来高での対応が必要になってくるというものでございます。  事務局からは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。これは部分的には今までこの会のディスカッションで出てきた ものをおまとめいただいているような形でございますが、これにつきまして、まず、最初 の無菌製剤処理料と術中迅速病理組織標本作製、これを外出しにするという形でございま す。これに対しまして御意見いかがでしょうか。  はい、どうぞ。 〇佐藤委員  どなたもいらっしゃらないので、私が発言いたします。1番の無菌製剤処理料に関して、 事務局の提案に大賛成でございます。これまでは、DPC対象病院のみが無菌調製に関し て、いわゆるマルメということで評価されず、一方、ほかの出来高の病院は、がんの関係 ですと50点とか、それ以外が40点と評価がございました。病院の経営者とかそういう 側からも何とかしてほしいという言葉が出ておりますので、ぜひこれはお願いしたいと思 います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。この2つに関しましてはよろしいでしょうか。  じゃ、そのような形で提案させていただきます。  それから、2の項目の高額な薬剤が常時必要になってくる、慢性的になるような疾患あ るいは手技でございます。この3つの項目が上がっておりますが、これについてはいかが でしょうか。これはもうよろしいですね。  どうぞ。 〇小山分科会長代理  その透析のほうなのですけれども、これは使用する材料もという話ですね、この出来高 の点数とやるということは。 〇長谷川補佐  そのとおりでございます。 ○西岡分科会長  薬剤等の中に入るということでございますが、これについてよろしいでしょうか。  じゃ、これについても提案させていただくということにさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。  続きまして、「調整係数の段階的廃止について」の議論に入りたいと思います。  事務局からの説明をお願いします。 〇長谷川補佐  それでは、D−4のペーパー、「調整係数の段階的廃止について」を用いて御説明いた します。  経緯については、もう先生方御承知のとおり、調整係数の廃止については激変緩和を目 的として段階的に廃止するということが基本問題小委において合意されておりまして、そ の具体的方法については当分科会で検討するようにという指示がおりてきております。  まず、段階的廃止についての事務局案を御説明いたします。まず、下のイメージ図でご ざいますが、そちらとあわせてごらんください。  まず、調整係数を診療報酬の改定ごとに下の図のように一定割合ずつ減じてはどうかと 考えております。それにかわりまして新たな調整係数を置きかえていくというのが事務局 の案でございます。この際、ある程度の最低水準を保証する基礎係数を設定してはどうか と。これはイメージ図の一番右でございますが、「平成××年」と書いております。その 右、その下でございますが、基礎係数を設定してはどうかというものでございます。  ここで御提案しているもの、イメージ図で言いますと、まずは現行が一番左で、現行の 調整係数と現行の機能評価係数、2つで評価されておりますが、次期改定、平成22年度 におきましては、暫定的な調整係数を一番下に置き、さらに今回新たに導入する機能評価 係数と従来の出来高点数での加算等に基づく機能評価係数、置きかえの部分の係数の3つ で評価してはどうかと考えております。  さらに、24年度におきまして、その機能評価係数の割合を徐々に増やしていき、最終 的に基礎係数ということで、新たな機能評価係数の2段階に持っていくというものでござ います。これはあくまでイメージ図でございまして、下に注で書いてございますが、医療 機関ごとに設定される医療機関別係数、これは機能評価係数も含まれますが、それらの数 が一定に保たれることをあらわしています。機能評価係数については、今後の御議論の中 で次期改定、次々期改定で、増えたり項目が減ったりということもあろうかと思いますの で、一定に保たれるわけではないということでございます。事務局からは、少なくとも平 成24年に1回中間を入れたいという御提案でございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  御議論をお願いいたします。  どうぞ、熊本委員。 〇熊本委員  数学的な数字の話になってくるのですけど、基礎係数というのが新しく出てきたのかな という思いを持ったのですけれども、多分D−1のところでは点数で上積みするという形 で、同じ色合いの中でこれが出ていますけれども、これは係数ですから、従来であれば一 応基準にして前年度になるようにして、機能評価係数を引いたりして、その病院の医療機 関係数が決まったわけですけれども、これが調整係数がなくなるということで、ゼロから 積み上げるということになったときに、極めて評価係数をとれなかったら、本当に5割減 とかそういったことになりかねないシミュレーションだってあり得るのかなと思ったので すけれども、そういった意味を支えるというか、そういうことが余り起こらないようにと いう意味ですか、この基礎係数ということが出てきたのは。数字的な問題かなと思って。 ○西岡分科会長  企画官、お願いします。 〇迫井企画官  これ、資料を直前までいろいろ議論してつくっておりまして、少し表現がわかりにくい 部分があることに今気づいた部分もありますので、今の御質問に答える形で御説明したい と思うのですが、最終的に落ちつくべき数字なり係数といいますか基準点というのが必ず 議論していただく必要があるということをまず、ゴールまでの平成××年と書いています が、それを仮に基礎係数と呼ぼうと。この数字の設定仕方そのものについてさまざまな議 論がある。これは承知をいたしておりますし、それを今むしろ結論を出すのではなくて、 そこに目指してどういうステップを切るのかということです。  それで、分かりやすくするためにもう一度解説をさせていただきますと、2の「この 際、」というところにある「ある程度の最低水準を保証する基礎係数」という意味は、こ れはどちらかといいますと暫定調整係数の説明です。「この際、」というのは移行するま での間に最低水準を保証するということですので、最後の絵姿が基礎係数であって、その 基礎係数に至るまでの間、ある程度の最低水準を保証する基礎係数、これは図でいけば (1)、(2)のことを指しています。  ですから、すみません、少しこれはやや日本語としては適当ではなかったかもしれませ んので、訂正ということでさせていただいても構わないのですが、間に暫定調整係数のよ うなものを設定させていただきたい、ただし最後の絵姿、つまりあるべき姿の結論は得ら れていないというふうに私どもは承知をしておりまして、今後議論していきましょうと、 こういう趣旨でございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇酒巻委員  そうすると、これはもう訂正というふうにはっきり言っていただいたということですね。 ここの「この際、ある程度の最低水準を」云々のところの基礎係数は暫定調整係数である というふうに訂正したというふうに理解していいわけですね。 〇迫井企画官  訂正というふうに理解していただいても構わないと思います。といいますのは、ここで 言っている基礎係数が、最後の絵姿を基礎係数というふうに私どもでは考えていたのです が、文章は「この際、」というふうになって、「この際、」とはすなわち移行期間のこと を指しているのは明らかですので、少し矛盾をいたしますので。  すみません。ですから、具体的に訂正をさせていただくとすれば、この際、ある程度の 最低水準を保証する基礎をとっていただいて係数を設定してはどうかと。その係数とはす なわち暫定調整係数のことですと、こういうことです。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇相川委員  間違っているといけないのですけれども、この青の現行の調整係数、これは医療機関に よって数字が違うわけですよね。それから、平成22年の暫定調整係数の(1)ですけれ ども、パーセントでいくと、例えばある施設、Aという施設の現行の調整係数から暫定調 整係数になるのは、現行100%とすると、例えば70%に落ちていると。Bという施設 でも、パーセントで言えば70%に落ちるのですか。すべての施設が現行の調整係数のそ れぞれの調整係数に対して暫定は例えば70%になるという理解でよろしいのですか。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。お願いします。 〇長谷川補佐  最終的には点数の設定に関しましては基本問題小委のマターではありますが、実は一概 に100が70になるとは限らないと思っております。例えば現在、調整係数が1.05 の医療機関が下に落ちることもあるだろうし、上に上がることもあろうかと思います。 〇相川委員  暫定調整係数においてです。そこもそうということですね。それは変化していきながら ということですね。つまり現行の調整係数の、はっきり言えば、考え方としては調整係数 をどのぐらい新しい機能係数で置きかえるかという置きかえるパーセンテージも違ってく るわけですか。置きかえるパーセンテージは同じになるのですか。そのことを聞いている のです。つまり、年度ごとによって調整係数は変わってきますけれども、その置きかえる パーセンテージを聞いているのです。 ○西岡分科会長  よろしいですか。お願いします。 〇迫井企画官  そこは計算の仕方だと思いますので、激変緩和の仕方をどういうふうに設定するかで条 件が変わります。恐らく相川委員がおっしゃっているのは、イメージ的に単純に加重平均 をとるとか、そういったイメージのほうが分かりやすいのだろうなと思いますが、それは 今の考え方としては一つの案だと思いますが、必ずしもそれはここでは決められませんと いうのが1点。  それから、もう一つは、どういう形で激変緩和をとるのかというそのものでございます ので、いろんな考え方がそこはあろうかと思います。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 〇熊本委員  全く数字的なことなのですけれども、この暫定という言葉がついていますからよろしい のですけど、暫定調整係数というのは、計算式は全く今までと違うということになるのか なと思います。前年度保証のところは同じですけど、今の調整係数はたしか現行の機能係 数を引いてやっていますね。その部分がここに上積みされてくるわけですから、ここの暫 定調整係数がどういった計算式で出てくるのかというのが、明確にまた知りたくなるとい うことかと思います。その中でまた激変緩和措置をどうとっていくかということになるの かなと思います。 ○西岡分科会長  何かお答えございますか。なかなかこれは答えにくいところでございます。 〇迫井企画官  いや、そうではなくて今おっしゃる、御指摘のとおりだと思いますね。ここは数字の設 定の仕方いかんだと思いまして、それがどうなるかというのにすごく関心があるのは当然 でございます。それは、ですからここで御議論いただくことをお願いしたいと思いますし、 最終的に基本小委の議論で決定をしていくと、そういうことだろうなと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、辻村委員。 〇辻村委員  事務局に確認なのですが、調整係数の廃止については、今まで現行の調整係数を廃止し て、移行措置はとるにしても、機能係数で置きかえるということで検討してきたというふ うな理解をしております。今回、基礎係数という新たな概念が突如というか出てきて、そ れはそれでいいのですが、基礎係数の考え方をしっかりしていただかないと、その平成× ×年にあるべき姿ということで、基礎係数等入ってきたのですが、これが現行の調整係数 とのどのような関係になるのか、その辺は基本的な姿勢にかかわる問題だと思いますので、 その辺ちょっと御説明いただければと思います。 ○西岡分科会長  よろしいですか。お願いします。 〇長谷川補佐  すみません。私の説明不足でありましたが、現在のところは暫定的な調整係数を設定し ますが、最終的な絵姿については、今後時間をかけて、22年、24年と時間をかけてあ るべき姿の議論をこの分科会においてやっていただき、最終的に基本問題小委に御提案す るというふうに考えてございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇酒巻委員  ということは、まず、最初にやらなくてはいけないことは、この平成22年度に向かっ て激変緩和を含めてどのようにやるのかということがまず第1番目にやらなければいけな いことで、ただ余り変なことをやると、その最終の目的地といいますか、到着地点がおか しなことになってしまうので、ある程度の全体像というのは示しておかなくちゃいけない、 そういうふうに議論の方向をすればいいでしょうか。 ○西岡分科会長  それともう一つ御提案のところで、最低2回はそういった形のものを挟みながら、ある べき姿を模索してはどうかという御提案があるわけですが。どうぞ。 〇小山分科会長代理  やっぱり一番問題なのは、暫定調整係数をどうやって計算するかというところが一番問 題だと思いますね。ヒアリングのときにも問題になりましたけれども、医療機関の医療の 信用は大きく変化したというようなところでもってヒアリングがあったと思うのですけれ ども、やはりあのときに問題になったのは、ベースになるところが最初のいわゆる準備期 間のところをベースにして、そこがずうっと今引きずっているから問題であるというよう な議論がされていましたけれども、この暫定調整係数の場合にはそこら辺の議論は反映さ れる予定なのでしょうか。 ○西岡分科会長  お願いします。 〇長谷川補佐  その先生の御意見も、いろいろ御意見いただきまして、最終的な絵姿については基本問 題小委のほうで御議論いただくことになりますが、こちらの分科会で御提案をいただけれ ばと思っております。先生の御提案も一つあろうかと思います。 〇木下委員  この図を見ますと、現行と将来あるべき姿のところの全体像というのは、調整係数は現 在と全く変わらないようになっています。つまり、暫定調整係数でありますと非常に少な くなって、最初の私たちのイメージとしては、新たな機能係数を導入することによって、 暫定機能係数のほうが20〜30%ぐらいになり、最終的にはそれもゼロになっていくの ではないかと思っていました。  全体として今の調整係数と最後も同じだとするならば、なぜ変えなければいけないかと 思います。調整ケースと全く同じにしていくというふうなイメージであるならば、機能係 数をこれだけの時間をかけて議論する必要はなくて、今までどおりで構わないではないか ということになってしまうと思います。  先ほど、1.05程度であるならば、多少上がったり下がったりすることもあると説明 されましたが、下がったり上がったりしてもいいし、その差がすごく少なくなればいいの ではないかと思うので、この図自体が非常に誤解を招くように思うのですが、実際はその ような考え方ではないと思うのですけど、どうでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいですか。お願いします。 〇長谷川補佐  このイメージ図につきましては、個々の医療機関を示したものでなくて、DPC制度全 体を示したものでございます。上がったり下がったりする医療機関もありますが、全体と して平均で見た場合はこのような下がりぐあいとなります。 〇木下委員  じゃ、逆に言いますと、今後の方向としては今の調整係数ともうほとんど変わらないよ うな係数に最終的にはしていって、どこの病院にも不安はないのだということの考え方な わけですね。 ○西岡分科会長  どうぞ、企画官、お願いします。 〇迫井企画官  これは辻村委員御指摘のこともあわせてお答えしておきたいのですが、何か突如降って わいてきたというふうに御指摘をされるとちょっとつらいところがあるのですが、テクニ カルに考えても、今回いろいろ御議論いただいて、基本的にはさまざまな指標で調整係数 というやや透明感が少しないんじゃないかというような御指摘も含めまして、さまざまな その評価をする指標に置きかえていこうというのですが、ただこれらですべての係数を置 きかえることができないことは、自明だと思われます。つまり、やはりベースになる急性 期病院の医療機関が担っている機能的なファクターがあって、それが定数なのか、それか 機能に応じてなのか、いろんな御意見があるのもこれは承知しておりますので、この点に ついて少なくとも22年改定までに合意を得られることはちょっと難しかろうと思います ので、最後に目指すところを名称として突然降ってわいたかもしれませんが、お示しした のであって、何かブラックボックスを設定するというつもりで御提案しているわけではご ざいません。その前提で、そこに至るまでに2段階プロセスを踏んで軟着陸をしていこう ということでございます。ですから、今までと変わらない、ということは少なくともない のかなというふうに考えております。 〇熊本委員  これは単なる数字的な問題のような、数式の世界のような気がして、本質はもちろんあ るのですけれども、調整係数というのはとにかく前年度と同じようにするということでい ろいろ工夫されているのですけれども、この機能評価係数で今まで議論してきたものをゼ ロから積み上げるとすると、それを1までやるとなると大変なことになるわけですね。診 断群分類の点数表に掛けるわけですから、その数値が出てくるわけです。だから、それを 1までできない部分に関して基礎的なものがあるのかなと私はこのイメージ図は見て納得 したのですけれども、名称が悪いだけであって、機能評価係数でその1の中のものをどれ だけの範囲を見るかということがまた議論して決めて、その中でこの基礎というのがある という考え方かなと思うのですけど。名称が悪いというのはやや言い過ぎかもしれません けど。 ○西岡分科会長  どうぞ、酒巻委員。 〇酒巻委員  私も、基礎係数という名称とか、こういう置き方自体はこういうものでもよいとは思う のですけれども、一つやはり考えておかなくてはいけないは、私たちの未来像といいます か、当然医療そのものも高度化して膨らんでいく、急性期医療は特に非常に大きな進歩が あるだろうと思うので、その部分について天井がついたようなことはちょっとまずいと思 うのですね。だから、どうやって広がっていくのかということもイメージ図の中に入れて ほしいという気がするのですけど。 〇小山分科会長代理  入っている。 〇酒巻委員  入っているのですかね。 〇小山分科会長代理  これを一度見たとき、すごく僕は安心というか喜んだ。ということは、ずっとこれは議 論をしていたわけですね。今までの調整係数のうち、パーセントはいろいろ議論もあるで しょうけれども、機能係数として恐らく70%ぐらい、前年の収入で30%ぐらい寄与し ているのかなと思っていたのです。その70%を精緻化して全部するのだけれども、すべ て機能係数にするということは、これはどう議論しても難しいと思いますね。そういった 意味で、考え方としてこの基礎係数ということを正式にここで認めてもらえたということ は、ある意味DPCをやっている病院にとっては一安心かなという思いはします。機能は 機能でちゃんと評価していただいて、その機能で十分評価できないところを基礎係数とい う形でもって評価するのだというふうに僕は今理解したのですよね。  そういう意味では、非常に先生が今心配されているところが、まさにこれによって担保 されているというふうに私は理解しています。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口委員。 〇山口(直)委員  基礎係数というので2つ質問がありまして、1つは、基礎係数というのは、今お話を聞 いていると、施設によって違う係数という前提で皆さんお話ししているのですが、そうい うことでよろしいのですか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇長谷川補佐  私どもはあくまで本日御提案したもので、先ほどから繰り返しますが、基礎係数の絵姿 はここの分科会でまさに御議論いただく内容だと思っておりますので、どうぞその点よろ しくお願いいたします。  私ども、まだ具体的な案を持っておるとかそういうものではなく、先生方の御自由な御 議論の中で今後決めていただければと思います。 〇山口(直)委員  もう一つ質問で、今回診療ガイドラインは却下ということで、まあ納得はしているので すが、この図を見ますと、継続的に新たに導入する機能評価係数を検討していくという中 で、この中でそういう検討がまたなされる、あるいは今回決めたこともまた変更もあり得 るというふうな理解で、引き続き診療ガイドラインの整備に努力していきたいと思ってい るのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。先ほど熊本委員がおっしゃったように、調整係数、暫定調整係 数、基礎係数と並べると、一般のところではちょっと裏を探られるようなところがありま すので、それのいいネーミングもやはり考えていただく必要があるかと思います。  それともう一つは、こういった形での考え方を出してはどうかという御提案でございま すので、もしこの考え方がいいだろうというふうなことになりましたら、さらにこの基礎 係数の部分をもっと議論を詰めていくと形になろうかと思います。これに対してさらに理 論武装をしないと、調整係数に戻っただけじゃないかというふうなことを言われることが あります。実際にはどうしても機能係数に変えられないものがあるというのは、多分この 委員会の先生方、皆さんお気づきのことでございますし、それとやはりそれぞれの医療機 関の特徴ないしはその活動に対して評価しなければいけないというのがございますので、 そういったものをぜひとも考えて議論していただけたらと思うのですが、企画官、追加を お願いします。 〇迫井企画官  補佐は少し遠慮ぎみで言った部分は確かにないわけではないのですが、私の理解では、 この基礎係数で例えば一番分かりやすく言えば1.0、つまり定数ですというふうに設定 をするのが一般的には一番分かりやすいのだろうと思います。しかし、今少なくともこの 5分ぐらいでコメントがあったように、それはさまざまな御意見があるように思います。 今、明らかに脱却しようとしているのは、単純に過去の前年度あるいは過去の実績を単純 に補てんするシステムからは脱却をしようじゃないかということが明示できるようにシス テムを移行していきたいと、そういうことなのだろうと思います。  この基礎係数の設定の仕方は、繰り返しになりますが、単純に定数というやり方もある でしょうし、あるいは全く同じ人員、全く同じ箱物をバーチャルに、例えば東京のど真ん 中にあるものを突然過疎地に持っていったときに、同じようなパフォーマンス、同じよう な医療ができるわけがないわけでございますので、そういった在り方をどう評価するのか という、ここが本質論だろうと思いますから、そういったことをやはり時間をかけて議論 していかないと最後の絵姿が見えてこないと、そういうことで理解をいたしまして、そう いうことのオプションの提示も含めまして、今後少し議論をしていく必要があるのではな いかと、こういうことでございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 〇酒巻委員  すみません、しつこくて。前年度の保証ということで今まであった調整係数だというこ とであれば、新たな調整、新たな調整係数と言ったらおかしいですね。新たな基礎係数に ついて、こういう係数設定についてはある意味での未来を保障する、保障するのではいけ ないですね、未来を切り開くような点数設計にしてほしいと、そこが一番重要なことだと 思いますね。前年度を保証するのではなくて、前向きに物事を持っていくような仕掛けに する。そうじゃないと、私たちが一生懸命議論してきた救急医療に対するいろいろな手だ てとか、そういうものがやっぱり台なしになってしまうので、あくまでも未来に向かって 動きたいというというのが私の強い希望です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに、ぜひともこの場で言っておきたいという方はいらっし ゃいませんでしょうか。  はい、どうぞ。 〇伊藤委員  やっぱり所得保障、係数ではないというのはもう言わないと、ここ今まで何年も議論し てきたのが、この間何をやっていたのと言われるのではないか。そこは違うのだというの はどこかで言い切っていただきたいなというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。大事なことだと思います。  ほかに御意見ございませんでしょうか。  そういたしましたら、この最後の表については、基本小委に説明するときにかなり理論 武装をしなければいけないのではないかというふうに自覚しておりますが、今日いただき ました御意見を事務局のほうでまとめていただきまして、それをまた私のほうで確認させ ていただいて、基本問題小委のほうに御報告させていただきたいと思いますが、それでよ ろしいでしょうか。  ありがとうございました。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。  事務局のほうから連絡事項等ございましたらお願いします。 〇長谷川補佐  次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第14回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させ ていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。                              −了― 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3298)