09/11/27 第151回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/11/27 中央社会保険医療協議会          第151回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年11月27日(金)9:12〜12:40 (2)場所  はあといん乃木坂 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員       伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <事務局>       唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官 磯部薬剤管理官       上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 特定機能病院について       ○ 病院勤務医負担軽減策について       ○ 明細書等について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、ただいまより第151回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会 を開催いたします。  まず、本日の出席状況について御報告をいたします。本日は、白石委員、高橋委員が御 欠席です。  また、森田委員は遅れて出席される旨の連絡を受けております。  なお、保険局長は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  また、審議官も遅れる旨の連絡を受けております。  それでは、議事に移らせていただきます。  まず、特定機能病院についてを議題といたします。事務局から資料が提出されておりま すので、説明をお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございます。資料は、診−1、それから参考資料がついております。  特定機能病院についてということですが、今日のこの項目ですけれども、御存じのよう に特定機能病院の入院につきましては、DPCという包括払いで対応がなされておりまし て、DPCという内容では、別途時間を設けて御議論いただくことにしておりますので、 今日のこの特定機能病院についてという項目は、事務局のほうからごくごく簡単に説明を させていただいて、詳しい話についてはDPCなりのところで御議論いただくこととした いと思います。  そういう整理で、参考資料を御覧ください。  特定機能病院とはという、こういう本当に重要なところだけを御説明しますが、特定機 能病院とは、高度の医療提供する能力を有していること。あるいは、高度の医療技術の開 発、それから研修、それに一定の指定する診療科を有している。400以上の患者を入院 させるための施設を有する等々の基準になっております。  それから、次のページ、2ページ目を御覧ください。ちょっとここ資料が間違っており ますけれども、病院、一般病院の一番左上の隅の医師、16対2となっておりますが、こ れ16対1の間違いです。大変失礼をいたしました。それに対しまして、特定機能病院は、 医師、8対1ということです。  それから、入院基本料につきましては、基本的に一般病院と特定機能病院と似ているん ですが、在院日数の点で違うということでございます。  このほか、4ページ以降は医療費の話をしております。4ページの右上でいいますと、 赤い、太いグラフが大学病院のグラフになっておりますが、近年、全体の病院、診療所の 医療費の伸びの中では、大学病院は比較的伸びが大きい部類に属しております。  それから、5ページの下も、おおむねそういう傾向を示しております。  それから、以下入院1施設当たり医療費、これは大学病院の特殊性で、1施設当たり医 療費あるいは1日当たり医療費の多いのは、ある意味当たり前でございますので、御覧い ただければと思います。  それから、8ページ目、9ページ目ですけれども、近年やっぱり外来で化学療法や放射 線療法を積極的に実施していただいておりますので、入院外施設当たりの医療費の伸びや 実質な額ももちろんのことですが、伸びもかなり顕著なものがあります。  しかし、医療費が伸びているということと収支がいいということは、また必ずしも一致 をいたしませんで、10ページから13ページまで、一般病院と特定機能病院の損益状況。 これは医療経済実態調査ですが、比較をしておりまして、12ページ、13ページは国公 立を除いて比較をしております。  こういう大きな病院の中、とりわけこの大学病院におきましては、収支は損益の状況を 見ますと、赤字基調が続いているというのが見てとれます。  それから、14ページ以降はDPCについてですので、今日はもう触れませんで、省略 をさせていただきます。  もう一度、本文に戻っていただきますが、1ページ目は一応今の説明で終わったという ことにさせていただきまして、2ページ目以降です。  Aの104ということで、特定機能病院入院基本料、1日につきということであれして おりますけれども、米印のところ、真ん中あたりに米印がありますので、ここだけ御注意 ください。特定機能病院入院基本料というものが設定をされていますが、冒頭にも申し上 げましたように、特定機能病院はDPCの対象ですので、この基本料が実際に算定される 場合というのは、ある意味特殊な状況でして、ここにありますように、DPCの平均より 大幅に入院期間が長くなったとか、新しい治療等でほかにデータがないとか、そういうと きに算定される特殊な点数ということです。  そういうことですので、次の3ページでも算定件数、実施件数等、比較的、この病院の 規模から見ると少ないということで御理解ください。  それから、3ページの下のほうですけれども、特定機能病院における高度な医療の提供、 紹介患者の受け入れ等の機能に着目しまして、平成18年度、20年度におきましては、 一般病棟の入院基本料の14日以内の部分の加算の引き上げを行っておりまして、652 点から712点ということです。  これも先ほど申しましたように、特定機能病院入院基本料が算定されるケースというの は特殊、この形で算定されるのは特殊ですので、実態としては機能評価係数としてDPC に反映されているということになっております。  以下、次の4ページですけれども、特定機能病院の役割にかんがみて、これこれの点数 等は算定できないことになっています。  それから、4番のですけれども、平成15年度から、先ほどから何度も繰り返しており ます、特定機能病院における入院医療を主としてDPCによる評価になっておりますとい うことです。例外的に出来高での算定となることがあるということ。それから、さっきも 申しましたけれども、入院期間に応じた加算等については、機能評価係数というものの中 で評価されまして、個別具体的には出来高の形で点数には出てこない形になっております。  それから、次のページですけれども、私のほうから言うまでもないことですけれども、 大学病院については診療報酬以外にも、運営交付金の交付とか、医師事務作業補助者の診 療報酬の点数が加算、点数がついていないことにかんがみまして、配置促進を含む大学病 院業務改善推進事業等の予算があるということです。  こうした中で、特定機能病院というのは、独自の役割を持っておられるわけですが、診 療報酬、論点にありますように、診療報酬上の評価を、今後どう考えていくのかというこ とでまとめております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。ただいま事務局の御説明、何か質問はありますか。  よろしゅうございますね。  それでは引き続きまして、嘉山委員より関連資料が提出されております。嘉山委員から 特定機能病院につきまして、本小委員会で議論したい旨の申し出がありまして、皆様にお 諮りしまして、特定機能病院についての実態等々を簡潔に御説明いただくということにな っておりますので、本日は嘉山委員から、その内容について御報告をいただきたいと思い ます。  また、本日はこのパワーポイントを使ってのプレゼンテーションということで、これは 極めて中医協としては珍しいことでありますので、1号側の委員の一部の方にも御内諾を いただきまして、説明の効率化のためには、このほうがよろしいのではないかということ で、嘉山委員にはこのような形でやっていただくことを、認めましたことを伝えさせてい ただきたいと思います。  それでは、嘉山委員よろしくお願いします。 ○嘉山委員  遠藤会長、どうもありがとうございます。  この中医協で、特定機能病院の現実が、直接かかわっている人間から話されたことは余 りありませんので、今日は白川委員の御許可も得たということなので、パワーポイントで、 そのほうが、時間が早くなりますので、現実を、正しい情報をお話しさせていただきます。  特定機能病院というのは、ナショナルセンター、つまり厚生労働省のがんセンターと、 あと大阪にあります国立循環器病センター、その他大学病院を含めた病院をいうわけです が、大学についていいますと、教育と研究と診療をやっております。  ただ、本日は、このうちの診療についてのみお話をさせていただきます。  例えば、教育ですと、我々は国家試験を合格させなければいけないので、国税でやって いる大学ですから、立派な医師を育てるというような仕事もしております。これは、私の 大学、医学部の国試の成績ですが、こういうふうに教育も毎日やっていると。  あと研究も、これは医学系では最も大きい、グローバルCOEというプログラムの研究 でございますが、昨年度14のプログラムが選ばれまして、大体15億円から20億円。 これは、私も研究者の主任代表でありまして、遺伝子の研究をやっております。こういう ような研究をやりながら、医療をやっているわけでございます。  私がちょうど、社会的な医療のことを問題、勉強を始めたのは、現場が当時の病院長と か、学部長というのは、はっきりいえばめくら判を押して、医学部の付属病院の経営なん かには一切携わってこなかったんですが、教室員がほとんど研究室に戻ってこなくなっち ゃったんですね、この2004年ぐらいから。これが、週刊朝日が最初に多分書いた名医 だとか、私名医だというのは大嫌いなんですけど、そんなのいるわけないので、自然を相 手にしている自然科学では、100%の医療なんかできるわけないんです。台風を絶対止 められる人がいないと同じように、自然科学というのはそんな甘いものではありません。  このころから、いろんな経済も含めて社会機構ですとか、いろんな勉強をさせていただ きました。特定機能病院がどうなっているのか、日本の医療はどのぐらいのレベルなのか と、私は脳外科が専門なんですが、脳外科の手術の腕であれば、大体国際学会では私イン バイテッドスピーカーで手術の腕を、ビデオを見せて、手術の技術を海外でも、今年もボ ストンのハーバード大学で、私インバイテッドスピーカーでしゃべってきました。  そういうようなことをやっていたんですけれども、一体じゃほかの医療はどうなんだろ うかというと見てみますと、これは足立政務官が最初の新委員が加わったときの中医協で 2000年というお話をされましたが、日本の医療は世界一というデータは、このスライ ドの内容しかなかったんですね。  そのとき日本は、ヘルスレベルでは1位、それからディストリビューションというのは、 要するに北海道も沖縄も東京も、その差がないよというので3位ですね。これはアクセス です。要するに、すぐに医者に診てもらえる。これは6位です。ディストリビューション というのは北海道から沖縄までちょっと差があるようで、38位というところもあるんで すね。  オーバーオール、これはお金です。お金でも、そんなにお金がかかっていないというこ とですね。総合でもトップです。このときには、まだこのヘルスレベルだから、公衆衛生 だとか、栄養だとか、そういうような問題も関係するだろうということだったんですが、 昨年度、2009年度ですね。最新のOECDのデータでは、ここに書いてありますよう に、いろいろな病気のレベル、つまり医療のレベルが出ています。つまり、がんであると か、例えばここですと新生児ですね。それからあと、ここですと糖尿病。これは全部Aな んですね。トータルでも、日本は第1位です。つまり、医療レベルでも、現時点でも、足 立政務官は2000年に戻りたいとおっしゃったんですが、現在でも現場では世界1位で、 アメリカは16位でございます。  したがいまして、アメリカの医療をまねすることは、私は全然ないと思っていますから。 技術的にも負けるつもりはありません。  大学、特定機能病院がどういうことをやっているかといいますと、やはり難易度の高い 医療をやっておりまして、これは20年度、大学病院以外は17年度のデータしかないん ですけれども、比べますと圧倒的に大学が高度先進医療を、機能を、国税をもらってやっ ているということであります。  これは、国大協が調べた数字なんですけれども、このE2、E1、D3というのは、こ れは難易度を示します。ですから、国立大学、あとDPCの対象病院、DPC試行病院で すね。それで見てみますと、その順番にやっぱり難しいものをやっていると。つまり、手 間のかかる医療、最後のとりでは大学があるいは特定機能病院がやっているということは、 統計学的にも明らかであります。  例えば、ここに生体部分肝移植があります。肝移植というのは、やはりかなりの高度な 医療ですが、国立大学が87%、私立大学が13%。大学病院以外では、生体部分肝移植 はゼロでございます。したがって、国民の最後のとりでの医療としてのとりでは機能して いると。肝門部分というのは、会長の、遠藤会長のおかげで、今度外科、消化器外科が来 ますので、ヒアリングにまいりますから、多分そのときにも話が出ると思いますが、肝門 部分の手術というのは、外科医にとっては非常に難しい部分です。その部分でもやはり、 特定機能病院が大きな部位を占めているということが言えます。  これは東大病院、東京大学でどのくらい、お金の話を少ししますと、背負っているかと いうと、新生児、つまり現在問題になっているNICUの入院患者がいるんですけれども、 そのうち1大学当たり、年間不採算部門ですね。今まで中医協で一度も大学が守られたこ とがないので、約4,896万円の赤字になっているという。つまり、難しい医療を大学 は赤字覚悟で背負っているということが、この表に出ております。  脳腫瘍の例を出します。私が日本のアウェーク・サージェリーといいまして、患者さん と、頭を開けてお話ししながら手術をする学会長の会長を5年連続、創設からやっており ます。「ER」というアメリカのドラマ、NHKでやっているドラマの主役が脳腫瘍にな ったんですけれども、この手術はニューヨークに行かなければできないというぐらいに、 アメリカでも非常な高度な医療であります。  42歳の女性で、言語、言葉が出にくいというような非常に難しい場所の手術です。  2009年8月に頭痛と、言葉が出にくいと。つまり、失語症というんですが、近くの 開業医の先生を受診して、MRIで脳腫瘍が疑われ、我々のところに来たわけです。  これが脳腫瘍です。これは、ちょうどこちらが前に、この辺に鼻がありまして、ここに 耳があると思ってください。こちらは後ろです。これはちょうど横からスイカを切ったよ うに診ているんですね。こっちは、今度は前後から切っていて、これが目です。この辺が 耳になります。ここに大きな脳腫瘍があります。  言語はどこにあるかというと、ここにあるんですね。つまり、脳腫瘍のぎりぎりのとこ ろに言語がある。ですから、言葉がしゃべれなくなった、分からなくなったと。こういう 患者さんは、従来ですと、ほとんど言語がだめになってしまうのがほとんどです。  ところが、お話ししながら、ここが言語の中枢かと。脳には、ここが言語ですよ、手足 ですよなんて地図がかいてありませんから、それはきちんと検査して、術中にやらなけれ ばいけない。手術場ですが、管入っていないですね。ですから、お話ができるんですよ。 これ、こっちは頭開いているんです。こっちが頭の表面です。  こういうものを見せながら、これはライオンと言えるかどうか。つまり、言語機能を調 べながら手術をすると。最先端の医療であります。  これに必要な人間の数は、例えば麻酔科も、これは医員ですから、大学の医員というの は、皆さん御存じないかもしれません。日日雇用です。私は32歳まで、日日雇用で正規 職員になっておりません。6年間の大学教育を受けて。ドイツ留学もその間していますが、 日日雇用で3月31日には保険が切れます。こういうような、非常に献身的な若いお医者 さんによって支えられているんですね。  邉見先生も、昔はこの第一助手の助教だったんじゃないかと思いますが、こういうふう な、医者は履歴をとってきます。このぐらいの手間はかけないと、安全に確実な手術はで きません。  これは、それをちょっと俯瞰図で見てみますと、邉見先生がよく主張されている臨床工 学技士、先ほど佐藤課長が大学は手厚い配置をしているというのは、それは配置している だけでありまして、そこにお金は一切もつけていただいておりません。基準だけは、大学 はこういうふうな基準でやりなさいというんですが、お金は一切もらっていません。  それで、脳波ですとか筋電図ですとか、すべてモニターをしなければ、手足が動くのか、 言語がしゃべれるのかというのは、手術場で分かりませんから、そういうような手間をか けている手術をしております。  手術スタッフは、今、先ほど2004年から教室、研究室に帰ってこないと。大体大学 の、これは余りこれを思い切って書いちゃいますと、労働基準局から踏み込まれると、私 か学長が逮捕されますので、余りあれなんですけれども、実際はこのくらい、要するに働 いています。つまり、外来機能から、病棟機能から、治験から、当直から、特に文書作成 が厚生労働省からたくさん、昨日の仕分けでも、文部科学省から来ているという話があり ましたが、たくさん医政局から来ます。患者さんへのお話、十分なお話。それから患者さ んは、最近は夜でしかお話を聞けないという方が多いので、夜も患者さんとお話をして、 手術のお話を十分にするというようなことをやっておりまして、大体朝6時に出てきて、 夜帰るのは9時か10時です。これが若い医師の現実です。  それで、大学の構成員ですけれども、大学の医師の構成員の過半数は日日雇用です。つ まり正社員はいません。  それで、収入のことは余り言いたくないんですが、高等学校が。これいい悪いじゃない です。エビデンスとして見てください。年収が大学の教授よりも高いわけですね。ここに いっぱいいらっしゃる記者さんたちよりは、ずっと安いわけです。あるいは、こちらの人 たちは、保険も要するに国家共済組合の保険に三十何歳まで入れません。多分、この前お 聞きしたところでは、安達先生は40歳近くまでこの日日雇用の生活を送っていられて、 今開業されているということでございます。  ですから、大学は人がいてうらやましがられますが、勉強のため、更に困難なことを得 ることを夢みる若い人々がいます。しかし、人件費はすごく安くされているんです。それ で患者さんは、こういうふうに元気でお帰りになると。これが最後のとりでの役割です。  この手術の点数で見てみますと、手術料は8万2,000点ですから、82万円です。 その中で、チーム医療として、邉見先生がよくお話しになっている、こういう臨床工学技 士ですとか、モニター担当ですとか、高次脳機能担当ですとか、こういう方々が、いわゆ るこの中医協のところには、なかなか出てまいりません。でも、こういう方も我々は必要 として、チームとしてやっております。ですから、この手術をやりますと、大体不採算部 門を大学が請け負っているとよく言われています。どのくらいかというと、大体19.3 %。20%弱の医療費が持ち出しになっております。普通の病院ですと、そんな難しいの をやりませんから、これも同じ脳腫瘍なんですけれども、ここにぽちょっと小さいのがあ りますけれども、これと比べれば明らかに違っている。一般病院ですと、これは3人ぐら いで、オペレーター、術者と看護師さんと、アシスタントが、助手がいて、しかしながら 同じ医療費であると。この現実から、技術料をと、私が強調しているゆえんであります。  では、処遇はどうなっているかといいますと、もうこのようなこと、会長の御配慮で次 回時間があればお話しさせていただきますが、残業代が払えないと。皆さんが、何で大学 というのはこんななんだということは、今からお話しします。  勤務時間も、この前の仕分けで使われたのは全くの恣意的な勤務時間でありまして、こ れが現実の時間であります。大体97時間から88時間。これは我々だけでなくても、ほ かの組織が調べたものでも、80時間から大体90時間は働いていると。この場では、研 究等は取ってしまえということになりますと、大体60時間以上は働いているということ になります。  それで、宿日直回数も、大学が、人数が多いじゃないかというイメージがございますが、 大学は各科で当直を置いておりますので、例えば内科であれば内科1、2、3で、各科で 当直を置いておりますので、普通の病院と同じ以上の当直の回数をこなさなければならな いというのが現実であります。  これが、実際の給与の実例でありまして、50歳の教授、既婚で手取りが39.5万円 です。34歳の助教、既婚ですが26.7万円。信用金庫の32歳の手取りの月額は31. 8万円であります。  したがって、この前の一番最初の開業の先生のお話なんていうのも、この辺のキャリア パスをすべて含めないと、点で見ますと、その業界、業種がプロの職業が疲弊していくと いうのが分かりますので、多方面から見る必要があるということを私は申し上げたわけで す。  それで、もちろん御存じのようにOECDの比率で見ますと、4.1兆円増加しなけれ ば平均にならないということでありますが、4.1兆円なんていうお金は現在日本にはあ りません。したがいまして、どういうふうにしたらいいかということを、ちょっと御提示 します。ただし、国民1人当たりの医療費が、現在ドイツ、フランス、一時イギリスが下 げたわけですが、サッチャー政権のときに、ほかの国はふやしているんですね。もちろん ほかの国の経済もよくありません。しかしながら、需要があるところに、不景気だからと いって必要なものにお金をかけない国はないわけで、日本だけが唯一医療費を下げている ということが現実であります。これは、必要なところにかければ、あとどういうふうにな るかということをお話しします。  医療の需要はどうなっているかといいますと、これはよく使われる表です。人口動態が 2005年、2030年、2055年。2030年ですと、ちょうど私は80歳ですが、 そのときには65歳以上の人口、それから65歳以下の人口、比率は1.7です。こうい うふうになりますと、どういうふうな病気のディマンドが出ますかというと、これは年齢 階級別の受療率といいまして、上が外来、下が入院でございますが、0歳から、0歳です ね、ここが0歳のところ。あと、こっちが90歳ですね。だんだん年齢がこうやって上が っていきますけれども、病気が、どういう病気をかかるかということが推計されているわ けです。  この年齢構成の推移と、これを掛け合わせますと、医療のディマンドが出てきます。つ まり、どのくらい医療が必要かというのが、ちょうど日本ですと、この推計ですと、20 30年に最高のディマンドが出る。したがいまして、昨年度の舛添大臣の安心と希望のビ ジョンの会議では、1.5倍というような医師の数をふやしたのは、このディマンドに合 わせて医師の数をふやすということをやったわけであります。  患者さんの増加と医療費の減少。この前、物価とのお話がございましたが、医療の需要 が、今のように完全にこれからふえていくのにもかかわらず、医療費が減っていけば、こ れは現場がクラッシュするのは当たり前であります。したがいまして、この辺は社会保障 会議でやるんでしょうけれども、我々としてもこれを知りながら、医療費を決めていかな ければいけないということが言えると思います。  これが物価と医療費ですけれども、これは物価です。この辺がバブルのときですね。医 療費は全然、医療はその恩恵は受けていません。かえって下げています。これは、まだこ のぐらいを100としますと、この前お話ししましたように142ですが、反対に医療費 は97で、1981年よりも低いということが言えます。  したがって、この三、四十年で医療費は総額で、がくっと減っているにもかかわらず、 ディマンドがふえている。したがいまして、そんなのは小学生でも分かることですが、医 療崩壊が起きたのは当たり前のお話です。  医師のキャリアパスでお話ししますと、この前からお話ししていますように、医学生が 一生懸命勉強して、6年間で国家試験を受けます。その後、すぐに開業する人は、いても ほとんど例外的でありまして、99.9%の人はほとんど勤務医あるいは大学病院でトレ ーニングをするわけです。  その間、私もお話ししましたように32歳まで非常勤でございました。日日千何百円の お金をもらって、高度先進医療をやってきたわけです。したがいまして、大学がお金持ち であるわけではなくて、こういうふうな制度でやってきた。この中の一つでも崩れますと、 患者さんの流れが全部勤務医に行ったり大学に行ったりしますと、ここがまた崩壊してし まうということになります。  ですから医療は、こういうふうなセットで考えなければいけないということが言えます。  それで、病院と大学との関係は、大体こんな感じです。夜のこれ、大体4時半。時間も、 時計もちょうど指していますが、4時半から5時近くになると、患者さんの状態が悪くな ると、大学に1本の電話がかかって、大学はほとんど受けております。これで大学が拒否 することは、ほとんどないです。救急車は別ですけれども、こういうようなヒューマンコ ミュニケーションをとっているとき、あの昨年度の妊産婦のあれは、診療困難だったのは、 あれはITでやったからです。こういうふうにヒューマンコミュニケーションでやれば大 学はほとんど受けております。  これはちょっと余談ですけれども、もはや一般勤務医の生涯所得は一流企業の社員以下 というのは、週刊東洋経済が出していらっしゃいますので、白い巨塔のイメージは、国民 の皆さんには捨てていただきたいというふうに思います。  我々が、今度お金の話になりますが、不採算になりがちな、中医協に関係する話です。 不採算になりがちな難しい疾患を、先ほど一例をお見せしましたが、脳腫瘍で、こういう ふうな解離性大動脈、心筋梗塞ですとかこういうものをすべて大学が請け負っております。 その中で医療費は、先ほど出てまいりましたDPCは、これは医療費の内訳ですが、我々 がやっている特定機能病院は、4.6%のお金で最後の医療のとりでを守っているという ことになります。  しかしながら、実際は1.57兆円ではありません。なぜかというと、先ほどの若い医 師も、教授も、助教授の人件費は、医療費からは1円も出ていません。あれは医療費に入 っていませんから。そこを何で補っていたかというと、文部科学省が頑張って、東京大学 をはじめ、要するに補助金ですね。医療費を補っていた、つまり文部省が頑張っていてく れて、これ大学の、東京大学付属病院に占める医療費の中での補助金ですよ。半分弱が補 助金で東京大学の付属病院は行われていたんです。法人化以前は、補正予算でこれが補わ れていました。それ以降は、独立法人になりましたので、今やこの補助金は来ません。で すから、大学がほとんど今崩壊をしているというのが、現実であります。  これは、ある大学のお金の表ですけれども、医師の人件費は医療費では払われていない ということを、皆さん認識していただきたいと思います。  これが法人化以前です。法人化以前は、まだ大学が、文部省が大学病院を何とか面倒見 ていたわけですね。交付金で584億円ありました。2004年度です。ところが、平成 21年になりますと、584億円の病院への補助金が207億円に減っています。先ほど 佐藤課長が、大学は患者数がふえているというふうなお話をしましたが、あれは法人化と いうのを抜いて話しています。法人化になったときに、2%ずつ医療費をふやせと、その かわりに補助金を減らすと。だから、働けど働けど我が手、我が手楽にならずで、手術件 数をふやして、医療費が病院に入ると、その間補助金を減らされている。この姿が、この 6年間。ですから、補助金がなくなって、現在では、国立大学の交付金が21年度は20 7億円です。私立大学ももう私学助成金が1.1%と、つまり大学病院は国立も私立もも う死んでいます。  先ほど患者数がふえたというふうに佐藤課長はおっしゃいましたが、限界です、もう。 改革の限界を超えました。私も病院長をやりましたので、17種類あったイノゾンデを2 種類に変えて在庫を減らしたり、もう涙ぐましい、大学は今改革をやっておりますが、限 界ついに超えちゃったんですね。それで、ついに減りました。ここまでもう大学は追い込 まれています。  さらに、これが教育であるというならば、大学病院の、皆さん御存じでしたか。大学病 院のあの建物は、我々が働いた、診療報酬で借金を返していたんです。財務省が、もしも あれが教育なんだというのであれば、これも払ってください。1兆円の借金です。  旧7帝はおろか、全部の医学部のある大学は、病院の建物は我々の労働で、我々だけで なくて、看護師さん、事務官、その人たちが働いたお金で、この借金を返しているんです。 ですから、東京大学は、毎年病院から、病院で教官が、教官ですね。教官が働いたそのお 金で、大体50億円から60億円返しています。こういう状態です、今大学病院は。  したがって、私の山形大学も東洋経済で1位にランクされました。1位にランクされま したが、残念ながらもう限界が来まして、もはや赤字になりました。これが現実の姿です。  今年の9月1日号の「エコノミスト」に、依頼原稿が来ましたので、資料を使いまして、 来年度は8割の大学病院が赤字ですと書きました。今現在、大学は法人化になりましたの で、これは不渡手形を出すことになります。不渡手形を出すということは、一般企業でい いますと、これは破産です。  これからどうしたらいいかというと、包括、DPCで大学病院のほうは大体40%近く やっています。ただの入院料というのは、5%、6%弱です。一般病院は、DPCがこれ だけで、入院料がこういうふうになっております。  したがって、大学が健全に医療費でやるのであれば、特定機能病院の入院料を0.5倍、 DPC係数を、先ほど佐藤課長がおっしゃったDPC係数を厚くしてありますよって、当 然です。人件費、1円も出ていなかったんですから。DPC係数を1.9倍に増して、2, 996億円増をしますと、東京大学付属病院をはじめとする、あと私立大学をはじめとす る特定機能病院は、最後のとりでは何とかやっていけるということです。  この内訳は、チーム医療、医師にいくわけではなくて、栄養管理チームですとか、緩和 チーム。これは厚生省が、これをやれやれと言ってきますが、これにお金が一切ついてき ているわけではありません。医療安全に関しましても、山形大学が、私が病院長のときに、 今から8年前にやったときのお金を計算しますと、ボランティアで看護師、事務官、医師 が出て、こういう講習を受けたりしたら6,000万円です、計算すれば。民間でしたら、 それが計上されて製品の、商品の値段につくんでしょうけれども、我々は国家統制されて いますから、こういうのも全部ボランティアでやってまいりました。採算部門も含めて3 80億円。これを合わせますと、先ほどの約3,000億円弱になります。  これで見てみますと、私は2003年に厚生労働省の副大臣に呼ばれまして、卒後研修 制度をやったらどうなると言われました。あのときに、医療崩壊が起きますよと、地域が 崩壊しますと。科の偏在が起きますということを、2003年に申し上げました。そのと おりになりましたが、今日ここでお話ししたことも、私は心からデータエビデンスの上で、 こういうふうになる可能性がありますので、ここできちっとした議論をしなければならな いと、心に誓ったわけです。  もっと見てみますと、日本人は一体税負担をどれだけしているのか調べてみました。こ れは支払い側の白川委員も非常にお考えだと思います。それからあと北村委員もお考えだ と思いますが、日本人は税金を払っていません。日本の個人金融資産は1,800兆円あ ります。中で、団塊の世代を含めた50歳以上は1,200兆円持っていますが、これは 欧米では考えられないような貯金料です。しかしながら、安心と希望がないために、市場 にこれは出てきていません。  例えば、この前金融のお話をされた方がいらっしゃいましたが、スウェーデンですとか、 ベルギーなんていうのは、こういうような社会保障に十分なお金を使っていますので、イ ノベーション・技術競争力は2位、3位、4位を占めています。ですから、安心と希望を 与えれば、こういうふうな市場にも出てきますし、雇用も生めるということが、私は考え られるので、ここでのお金の配分というのは非常に大事ではないかというふうに思ってい ます。日本は、税負担は世界で25位であります。しかしながら、医療のレベルは世界1 位であります。  これが結論です。医療費以外の税金を使わずに、つまり大学特定機能病院は、医療費以 外の税金、つまり文部科学省があるいは私学が頑張って、あるいは自治体病院は、その市 町村がその税金を投入して医療をやってきたわけです。したがって、医療費で健全にでき る特定機能病院にすべきだというふうに考えています。  希望と安心を与えれば、先ほどのこの1,800兆円の個人金融資産が社会に出てくる し、雇用も生めるというふうに考えておりますので、今日委員の先生方を含めて、国民の 皆様に御理解を願いたいというふうに思っております。  どうもありがとうございました。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、ありがとうございました。  特定機能病院の実際の機能、あるいは財政状況について、具体的な事例等々をお示しに なりながら御説明をいただいたということでありますけれども、せっかくでございますの で、御意見、御質問あれば、承りたいと思いますけれども。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  私は今開業医ですけれども、私は京都ですので、京都大学付属病院におりました。ちょ うど年齢的に定年退職の時期でございますから、私の同級生が昨年まで病院長と副病院長 を務めていたわけであります。彼らによく相談を受けたんですけれども、例えば先ほど嘉 山先生がおっしゃいましたが、本当に人件費も含めて独法化に苦労している。その姿はも うつぶさに見てまいりました。  例えば、嘉山先生のところもそうなっているんだろうと思いますが、大学病院の中に、 各診療科にそれぞれの有給教官の配置人員があります。そのほかに、流動的に一つの診療 科が大変忙しくなったりすることがあるので、いわゆるコモンスペースみたいにして、フ リーの助手のポストを幾つか置いて、忙しくなったところへ持ち回りでそれを回していく というようなことをやって補っているわけでございますが、その補う指標について、とう とう独法化した病院長が各診療科に対して、先ほどの売り上げを2%上げろと、独法化し てというお話がありましたが、そのとおりで、それぞれの診療科がベッド稼働率を上げて、 診療報酬の請求額を、いただく診療報酬を上げろと。努力をして上げたところに、その持 ち回りの助手をあげますよというようなことまでしなくならなくなった。  かつて私は大学病院にいて、独法化する前の国家の予算でそれが補われていた時代に、 親方日の丸で無駄が多いというような会計院の指摘等々もあったことは存じておりますけ れども、しかしやっぱり大学病院が持っている全体の機能からいって、その持ち回りの助 手のポストを、単にその診療科の年間の診療報酬高に応じて回すというようなことをしな ければならないというのは、大変大きな大学病院としての危機だろうということを感じま した。  特に、今嘉山先生がおっしゃったのは、大学病院の機能は確かに教育があり、研究があ り、そして診療があるんですけれども、その診療と研究、診療と教育ということは決して 分けられるものではなくて一体でございますので、その中でその助手のポストを、ただ診 療費の年間の診療報酬高だけに応じて分けなきゃならない、そういう指示を各診療科に出 さなければいけないという状態に対しては、本当に暗然たる思いがしたということで、日 本の本当に先進部分。つまり、国民の皆さんの一番必要な医療の進歩というところを担う、 そういう意味でまさに最後のとりでですが、そこが今そんな苦労をしているということは、 本当に嘆かわしい事態だなということを思って見せていただきました。  それで、1つだけつけ加えて申し上げますけれども、以前にも毎月のあれは、年間でも いいんですが、毎月の診療報酬請求レセプトを、高いほうから順に並べていくとこうなり ますということを申し上げました。別の切り口でそれを眺めてみますと、高いほうの、特 に上位0.1%ぐらいのところに顕著ですが、そこの診療報酬請求額を高いほうへ、ずっ とたどっていきますと、その中で高くなるにつれて、顕著にその中に占める技術料の割合 が減ります。  例えば、大学病院DPCですが、臓器移植、先ほど嘉山先生がおっしゃいました生体肝 移植。こういう移植はDPC外ですから、今でも出来高請求でありますが、京大付属病院 が多分全国で一番たくさんやったろうと思いますけれども、移植をやった月、私は審査員 をしておりまして、実は非常につらい立場ですが、母校の診療報酬請求の査定をするわけ でありまして、白川委員等々のところから御依頼を受けている社会保険診療報酬支払基金 で審査をするわけで、それを見ておりますと、例えば生体肝移植をやりますと、そのやっ た月の診療報酬の金額でいうと600万円ぐらいになります。それは、物もすべて含めて です。その中で、技術料というのは60万円にすぎません。それが中央審査40満点以上 のところへ行って、ある一定の割合で削ることが常態化している審査を受けると、完全に 赤字になるわけであります。全く査定をされなくても60万円の中で、今嘉山先生がお示 しになっただけの数のスタッフが働いている。それでも合わないだろうなと思うのに、そ れが中央審査へ行けば、例えば残りの540万円の2割を中央審査で、画一的に切るとい うことをされると、それでやればやるだけ赤字だと。そういうことが起こる。  やはり、高度の医療のところの技術点数の評価の低さということが、基本的に日本の診 療報酬全体あるいは医療費全体を安く押さえているということだろうと思いますので、そ こは大きな改善が必要だろうということを常々感じてまいりましたので、つけ加えさせて いただきます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  私も以前から特定機能病院に関しましては、何かの手を打たないと、日本の医療のトッ プランナーの一角である特定機能病院が、このままではどんどんと悪くなっていくのでは ないかと。先ほどありましたように、運営交付金というのが、経営を少しでもよくし収入 がふえるごとに、その分を減らしていくというふうなシステムでありまして、先ほど安達 委員がおっしゃいました、あれはメリットシステムというんですね。収入を上げた講座に 対して人員を配置すると。そういうふうな一種のノルマ制度というか、そういうふうなこ とを大学病院がやっていると。  そうしますと、もともと点数、診療報酬の評価の低い小児科とか、歯科、口腔外科とい うふうなところへは人が配置できない、まだ減らそうと、全体的には。例えば、今京都大 学の話が出ましたけれども、私も京都大学の安達先生と同級生の院長から聞きましたが、 歯科口腔外科のデンタルチェア、治療台ですね。あれを10台あったら、そこは報酬が少 ないから7台にしようとか、そういうふうなことまでやって、必死になって経営の改善を していったんですね。  みんなへとへとになって仕事をしています。先ほどのスライドにもありましたように、 私はそういうふうな発言が中医協委員としてできなかったので、嘉山先生がしていただい て、皆さんにもよく分かったんではないかと思いますが、ああいうのを見ていますと、研 修医がまず大学病院に残らない。それで、ますます大学はしんどいと。だから、6年間ず っと見ているわけですね、学生は。そんなやから、大学に残っても、あんな生活が待って いるのであればということで、また外へ出ていってしまうし、大学へも戻らないというふ うな、どんどんと悪循環が続いていくというふうに思います。  だから、診療報酬、ここの診療報酬、あるいはまたほかの制度等々、別のとこも必要か も分かりませんが、まず最低限技術の評価とか、これは中医協で決めないといけないこと ですが、今まで取り残されてきた手術とかチーム医療とか、あるいはできるだけ早く高度 先進医療を保険に入れるとか、そういうふうなことをやらないと、この国の医療はどんど ん悪い方向へいくのではないかと。今のスライドを見て、再度考えたところでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  では、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  私個人としては、大学病院の話を聞くのは、実は今日が初めてなものですから、非常に 感銘を受けたというと言い過ぎですけれども、よく状況は理解をさせていただきました。  個々のデータで云々というようなことを始めてもしようがないので全体的な話ですが、 おっしゃるとおり運営交付金と診療費の伸びを相殺するような仕組みというのも、実は今 初めて知ったのでちょっと驚いてはおります。ただ、御存じのとおり、国全体が社会保障 についてどういう考え方をしていくのかが、残念ながらまだグランドデザインとして出さ れていない状況ですから、いろいろな分野の方がいろいろな提言をして、新しい政権が日 本の社会保障について、これからグランドデザインをまとめていくのだろうと思いますし、 その中で医療についても当然国としての大きな方針や具体的な計画を展開していくという ふうに思っております。  申し上げたかったのは、診療報酬ですべて解決がつかないというのは、委員の皆さんも 理解していると思いますけれども、ただ、そうはいっても診療報酬は何の役にも立たない かというと、そんなことはありません。大きな使命を持っていることも確かですので、い ろいろな問題について対処していかないといけないことも確かです。  私が前から申し上げているのは、いろいろな分野がいろいろな問題を抱えて非常に困っ ているわけでございまして、我々としては医療が崩壊してもらったら困るので、ともによ くしていきたいとは思っておりますけれども、限られた財源という問題がありますし、診 療報酬の改定率自体は、この中医協で決める話でもありませんので、要はどうめり張りを つけるかという話になると思います。  今日は大学病院、特定機能病院の話を伺いましたけれども、前回は小児科とか、産科の 話も伺いましたし、この次は外科の話も伺えるということを聞いておりますので、その辺 の御意見をいろいろいただきながら、診療側の委員の先生方とも相談をして、やはりめり 張りをつけていく、あるいは優先順位をつけていくしかないのかなというのが、私どもの 今のところの意見でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  大学病院を中心とする特定機能病院の経営状況の悪化については、私も昔、大学病院にい たわけですが、昔のころと随分変わったなというふうに考えております。驚いておりますが、 やはり病院の経営の苦しいというのは、国公立、民間を問わずでございまして、民間は補助 金がない分、すぐ経営破綻ということになってしまって、実際病院の数が減っているわけで すが、特定機能病院だけじゃなくて、民間の一般病院も非常に経営が厳しくなっている。4 回連続の診療報酬の実質的な引き下げによって、このデータについては、私次回提出させて いただきたいと思いますが、やはり入院医療が非常に疲弊しているということをぜひ御理解 いただきまして、むしろ大学病院は研究と教育がありますので、そちらのほうは診療報酬だ けじゃない予算も、ぜひまた復活していただいて、最も社会のセーフティネットの中で重要 と思われる医療や教育が、今までの政権でこのように引き下げられてきたということが大き な、医療においても社会問題になっているわけですから、これをぜひもう一回、セーフティ ネットの再構築ということの中で、ぜひ考えていただきたい。ぜひ、民間でも同じだという ことも御理解いただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  大体、2号側は意見が一致していると思いますが、本当に嘉山先生の今日の説明で、い かに大学病院が今危機的な状況にあるかということは、1号側の先生方も理解していただ いたと思っております。  ただ、見ていただくと、本当に今までの交付金がどんどん減らされて、そのかわりに診 療報酬で稼げみたいなことになっているということは、大きな意味で構造がおかしいので はないかと、やはりそのあたりをきちっと変えなきゃならない。  伊藤委員がいつもおっしゃっていますけれども、診療報酬だけでは限界があると。まさ しくそのとおりで、ほかの財源をどうするか、そのあたりもやっぱり私たち考えていかな ければならないと思っています。診療報酬の範囲だけでやれば、やはり今白川委員が言っ たように、もうめり張りみたいな議論しか出てこない。しかし、今までの説明で分かった とおり、大学病院は非常に大変ですけれども、ほかも全部大変だということであれば、も うめり張りの段階ではないんだと。全体的な底上げをしないと、もう医療崩壊は止まらな いと、その認識をぜひ1号側の委員の方々にも持っていただいて、今後の議論に臨んでい っていただきたいなと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  北村(光)委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  私も、この特定機能病院のこういう御説明を伺ったのは初めてでございます。幾つか、 いろいろな病院も見学はさせていただきましたが、私は特定機能病院の見学はまだでござ いました。  大変総合的な御説明で、現状を大変よく理解できたと思います。なかなかこの中医協の 場での権能と、役割からはなかなか解決が難しい問題が多々あることもよく分かりました が、これからやはりこういう点も、私どもも頭の底に置きながら、いろいろと考えさせて いかなければいけないなというふうに感じました。ありがとうございました。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。ほかに、どなたか御意見ございますか。  よろしゅうございますか。  本日は、何人かの委員からも御発言がありましたように、特定機能病院、分かっている ようで分かっていない側面が多いということで、嘉山委員から総合的なお話をいただきま した。特に現場で、何が起きているかということは、やはり共有の知識として知って議論 するべきだということで、各学会からのヒアリングを行うということを、今回試みでやっ ておりますので、今回の特定機能病院の御説明もその一環ということです。私もよく分か らなかったことが明らかになったりしまして、大変参考になったと思います。  そういうことでございますので、特に技術料をどう算定していくのか、評価していくの かとか、いろいろな問題が蓄積されております。  また、当然、中医協だけの議論では、いかんともしがたい問題も抱えているわけであり ますが、我々としましては、今後の中医協の議論の中に、ただいまの御報告の内容等々を 反映しながら、また議論を進めていきたいというふうに思います。  それでは、特定機能病院につきましては、本日はこのぐらいにさせていただきたいと思 います。  事務局におきましては、特定機能病院、あるいはDPC病院と関連してもいいのかもし れませんけれども、ただいまあったような議論も含めまして、また制度設計に関する試案 をつくるようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、病院勤務医の負担軽減についてを議題といたします。事務局より資料が出されて おりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  中医協の診−2が資料でして、その参考資料もつけております。  御存じのように、勤務医負担軽減につきましては、この基本小委はもちろんのこと、検 証部会でももう何度も御議論いただいておりますので、今日もそういう意味では幅広く御 議論いただくというのももちろんなんですけれども、調査を別途行いましたので、その調 査あるいはこれまでいただきました宿題に対しまして、いわゆる宿題をお返しするという 趣旨で資料を準備しましたので、そういうことでよろしくお願いをいたします。  まず、参考資料から先に御説明いたしますが、スライド番号でいう1番目ですが、勤務 医の負担の現状と負担軽減のための取組に係る調査ということです。めくっていただきま して、スライドの2ですが、先ほど申し上げましたように、実は検証部会で勤務医の負担 の現状ということで調査をいただき、分析もしていただいたんですけれども、今般そのノ ウハウを生かしてと申しますか、医療課で独自に後調査と申しますか、フォローの調査を いたしました。  スライドの2枚目にありますように、平成21年9月に調査を行いまして、発送数は検 証部会のときとほぼ同じ発送。そして、有効回答回収数は、これは10月30日現在です ので、余り芳しくないんですけれども、先般の検証部会の6割程度というような状況にな っております。  いずれにいたしましても、施設票、医師票ということで、基本的には検証部会のときの 調査をなぞる感じで、そのノウハウを生かした調査をしたということです。  それで、その下の3番目のスライドですけれども、調査対象施設についての概要です。 検証部会のときは覚えていただいていると思いますけれども、入院時医学管理加算とか、 ハイリスク分娩管理加算のように、3つの診療報酬の項目が取れている病院に限定をして 調査をかけたんですが、今回はむしろ取れていない病院も含んだほうが、全体の状況をよ くあらわすだろうということで、検証部会のノウハウを生かしつつも、対象をそういう点 数がとれていないところに広げて調査をしたというところです。  見ていただきますと、DPC対象病院がかなり多いということ、それから災害拠点病院、 がん診療の連携拠点病院、それから救命救急センターとか、地域医療支援病院といったと ころが、たくさん答えが返ってきているということです。  めくっていただきまして、調査対象施設の概要ですけれども、これもやっぱりどういう プロファイルだったかということですけれども、初期救急、二次救急をやっていただいて いるところが9割ぐらいあるということです。  それから、加算の届出の状況です。さっきも言いましたように、入院時医学管理加算な ど3つ。前回の検証部会の調査で、この3つが算定できているところに限定をしたんです けれども、今回はそうではないということが見て取れますが、医師事務作業補助体制では 半分ぐらい。ハイリスク分娩管理加算では半分ぐらいと、こういう形です。  それから、いよいよここからが、勤務医の勤務時間の把握等々、今度は施設がどういう ふうにやっているかということです。  これも検証部会のときにおおむねありましたけれども、従事する勤務医の勤務時間を把 握していますかというところ、5枚面のスライドにありますように、把握しているという ところが9割ですが、実際タイムレコーダーのような形で客観的に把握しているというと ころは3割ぐらいになりました。残りは医師による自己申告ということになります。  それから、次のスライドです。次のスライドは、従事する勤務医の業務量です。勤務時 間と業務量がどう違うかというところで、明確な定義をして調査をしたわけではないので すが、質みたいなものが入ってくるんだろうと思います。  そういう意味で把握しているところと、していないところの割合がブルーと赤で示した ような状況になっています。そうした中で、医師の自己申告というのが、やや多いかとい うことです。  その下ですけれども、業務の実態や要望を吸い上げる仕組みということですが、医局会 とか、定期的に開かれる部会などで意見交換をしているところが多いですし、またあと随 時というものが多いです。  それから、医師の勤務状況を把握・管理するための責任者の設置はどうですかというの が右側のスライドでして、設置しているというところが半分ぐらいということです。  以下、8番目のスライドが勤務医師の勤務実態について認識していますか等々について 聞いていまして、診療科、部門によっては業務負担が大きいというのが6割を超えるぐら い。全体的に見て、業務負担が多いというのは3割切るぐらいと、こういうことでござい ます。対応をとっているというところは、6割ぐらいということになっています。  今後必要な対策というのが9番目のスライドになりますけれども、当たり前といえば当 たり前ですが、医師の確保というところが8割を超えるぐらい。それから、医師の本来業 務以外の業務負担の軽減というところが7割ぐらい。以下、当直明けあるいは業務量その ものを減らしていくといったところが出てきております。  めくっていただきますと、医療機関の勤務医の勤務状況について、業務分担の取組状況 ですが、5割ぐらいで業務分担を進めているというところが出てきているようです。  それから、先ほど給与の話がありましたけれども、11番目のスライドでは、ではその 施設で経済的な処遇の改善をしていますかというのを聞いていまして、実施しているとい うところが8割になっています。これは、さっき言いました入院時医学管理加算、医師事 務作業補助体制加算、ハイリスク分娩加算を取っているところととっていないところで比 較をしておりますが、やっぱり取っているところでは、ハイリスク分娩管理加算を除きま して、取っているところでは、やっぱり経済的な処遇を改善しているようです。  それから、ハイリスク分娩管理加算については余り差がないように思えますけれども、 最近は自治体立病院でも、こういう加算をとっているかどうかにかかわらず、分娩に伴う 費用、経費と申しますか、ことに対して経済的処遇をしているというところが多いようで すので、差がないからよくないというわけではなくて、むしろ比較的出すようになってい るということではないかと思います。  それから、右下のところで、ちょっと図が小さいんですけれども、これもなかなか重要 な資料じゃないかと思いますが、平成19年度以前に処遇を改善していたところというの は少ないんですけれども、20年度あるいは21年度と見てみますと、やっぱり21年に なって改善したというところがかなりふえてきていますので、20年、21年で、その金 額の多寡はともかくといたしまして、この2年で相当に施設として取り組むところはふえ てきたというのが、この調査で見えると思います。  では12番のスライドですけれども、増額したもので、どういうものがありますかとい うと、当直手当、それから先ほどハイリスク分娩管理加算のところで言いましたけれども、 分娩手当を出すところというのは3割ぐらいというところですし、このほか残業手当、オ ンコール、手術、出張と続いております。  それで、手当の増額の対象とした医師ですが、全員というところも半分ありますし、特 定の診療科、特定の医師というところは3分の1ずつとなります。  先ほど申しましたように、手当を増額した診療科で見ますと、やっぱり産科または婦人 科というところが多いというのが、先ほど説明しました根拠になっています。  それから、13番目、次はちょっと違った視点でございまして、お医者さんに聞いてい るわけですけれども、患者1人1回当たり話し合い、先ほどいろんな業務があると言いま したが、その中での話し合いに費やす時間はどうですかと聞きますと、入院では、外科、 精神科、産科・婦人科といったところが多くなっております。  入院外については、麻酔科が一番多くて、なかなかこれは説明がつきづらいんですけれ ども、私どもの考えるところでは、ペインクリニックあたりで御丁寧に話を聞いていただ いているのかなという感じですけれども、麻酔科や精神科は、そういう意味でちょっと除 きますと、外科、小児科、脳外科といったところで、話し合いに費やす時間が多くなって いるというところが見てとれます。  それで、少し話し合いの話を少し、この調査で深めているんですけれども、14番目の スライド。話し合いに費やす時間がふえましたか、それとも余り変化はないですかと、こ う聞きますと、大幅に、それからやっぱり増えたというのを合わせますと、御覧いただき ますように、大体7割を超えるぐらいのところでふえたあるいは大幅にということになっ ています。  赤い点線の楕円で囲んでいますけれども、何でふえたと思いますかということを聞きま すと、診療内容が高度化した。あるいは、家族に、患者家族に治療方針の決定をお願いし なければならないので、やっぱりどうしても丁寧になるということ。  それから、やっぱりこういう状況、何か最近の状況なんでしょうか。家族などの利便を 優先して、診療時間という時間外での、診療時間内で話ができなくて、診療時間外に話し 合いがふえているということ。  それから、家族がたくさんいたりして、複数の家族が説明を求めるためみたいなところ も多くなってきております。  それから、診療科ごとに話し合いにふやす時間の変化というのは書いてあります。これ でちょっと何が言えるのか分かりませんけれども、こういう結果になっているということ です。  それから、次の16番のスライドですけれども、話し合いに対する負担感はどうですか と聞きますと、非常に負担が大きいというのと、負担が大きいというところを合わせます と、大体半分を超えるぐらいのところで、話し合いに対する負担が多いということになっ ています。  では、どうしたら話し合いに対する負担感を少しでも減らせますでしょうかというと、 ちょっと患者さんにだけ問題を投げかけているようには思えますけれども、17番のスラ イドで患者に協力してほしいことがやっぱりあるということでして、例えば軽症の場合は 近隣の診療所、先ほどの特定機能病院のところにもありましたけれども、軽症の場合。そ れから休日・夜間の受診はできれば避けてほしい。それから、業務多忙のときには、治療 方針などの説明の実施は、医師の都合にできれば合わせてほしいというのも、かなりあり ましたということです。ですから、患者と医師の共同作業みたいなことが重要になってく るんだろうと思います。  18、19は、先ほどから何度かありましたけれども、医師の勤務時間でございまして、 これも調査のやり方とか、聞き方とか、n数が多いか少ないかによっても、かなり違って くるので、こういう調査もいろいろとやられておりますが、参考ということになりましょ うが、右の端のほうには検証部会における結果も、参考までにつけております。ただ、客 体の性質は違います。さっきも言いましたように、検証部会の検証は3つの加算なり、点 数なりが算定できているところに限定しておりますが、今回は違いますので、そこには御 注意の上、この図を見ていただければと思います。  以下、当直回数、それから医師個人の勤務状況はどう変化しましたかというのが続いて いますので、このあたりは少し省略をさせていただきます。  それから、24番目のスライドですけれども、業務ごとの負担感で、どういうものが業 務ごとの負担感の中で大きいですかと聞いてみますが、非常にというのが外来とか救急が 大変とか、あるいは院内の診療外業務が大変というようなところが出ているようです。  なぜ業務に負担感を感じるんですかと、こう聞いているのが25番目のスライドで、外 来で、診療時間内の外来で聞くと、作業量がそもそも多いんだ、それから患者さんの要求 が高度化しているためというのが続いております。  それから、では診療時間外ではどうですかと聞きますと、やっぱり当たり前といえば当 たり前ですけれども、突発的に発生して、その後の予定に影響するためというのがある。  それから、今度は入院についても聞いていまして、同様に左側ですけれども、患者の要 求が高度化しているため、あるいは作業量そのものが大きいということです。それから、 手術についても聞いておりまして、手術については、これも当然かもしれませんけれども、 精神的負担が大きい、体力的負担が大きいというのが、専門化・高度化が続いております。  それで、今度は業務の内容ごとに聞いたのが27番目のスライドで、これも診断書、診 療録、あるいは処方箋の記載の補助みたいなものが、なかなか負担感が大きい。それから、 主治医の意見書、電子カルテの入力、意外に事務的な作業で結構大変だということのよう です。  それから、業務負担のための体制等々が28番目のスライド。29番目のスライドです が、勤務医負担軽減のために取り組みを進めた項目は何ですかということで、診療科の責 任者。これは病院によっても違いましょうが、部長と呼ばれていたり、課長、診療課長と 呼ばれていたりさまざまでしょうが、診療科の責任者に聞きますけれども、そうすると地 域の医師との連携を進めた、医師事務作業補助者の配置を進めた、連続当直を伴うような 勤務シフト、それから看護師等コメディカルへの移転というものが続いております。  それから、業務分担の実施状況、30番のスライドです。勤務状況は変化しましたかと いうのが31番目のスライドで、改善した、どちらかというと改善したというのは、入院 時医学管理加算や、医師事務作業補助体制加算を取っているところでは、やや改善したと いう声が大きいんじゃないかと思いますが、加算を取っていないところ、それから意外と いえば意外ですが、ハイリスク分娩管理加算を取っているところでは、余り改善したとい う声が聞かれなくて、変わらないあるいはどちらかというと悪化したという声も多いよう です。  以下、時間当たりの業務量や勤務時間は変化しましたかと聞いていますけれども、ちょ っと説明が長くなりますので省略をさせていただきます。  それから、以下34番目からは宿題事項になりますが、ちょっとこれは本文のほうで御 説明いたしますので、省略をさせていただきます。  本文にお戻りいただきます。本文診−2の1枚目から2枚目にかけましては、もうおお むねお答えをしたつもりでございますので、省略をさせていただきます。  それで第2番目の宿題事項でございますが、先般検証部会の検証結果等々をお示ししな がら説明したときに、入院時医学管理加算で病院勤務負担軽減にどのような効果があった のかということですから、参考資料の35のちょうど、お時間があれば見ていただくとし まして、こういう効果がありました。  それから、勤務医師においてどんな傾向が見られたかというのも(1)、(2)、(3)というよ う なことを書いております。  それから、宿題の2ですけれども、横須賀市立市民病院、済生会栗橋、藤沢市民は、そ もそもどうやって役所が選定したのか、事務局が選定したのかと。それから、前回の改定 により何か効果があったのかということでしたので、それぞれに答えを書いております。  結論をかいつまんで申しますと、地方厚生局に届いている、診療報酬の算定の際の添付 書類を見て、その中から地方厚生局が選んだというものもあれば、学会等で報告をされた ものの中から選んだものもあればということでして、必ずしもいわゆる厳密な抽出という わけではないんですが、それなりに効果を上げていただいているというところです。  それから、(2)に相当しますけれども、平均時間外勤務は前年と比較してどうですかみた いなことも聞いておりまして、相当に減少した。それから、例えば済生会栗橋みたいなと ころは、直接の関係があるかどうかというのは、検証はされていないのかもしれませんけ れども、増収になったというようなことが書かれております。  それで、今般はちょっとかなり限られた分野での調査を行って、その調査の結果と宿題 をお返ししましたが、一応論点も書いております。  病院勤務医の勤務負担軽減のために、医療機関が勤務医の勤務負担状況を把握して、こ うやって診療、適切な方策をとれているということについて、診療報酬上、今後どういう ふうにこれをサポートしていくかということが一つです。  それから、先ほどお話にもありましたように、今のような状況だと作業量が、入院外で も、それから入院でもそうでしたけれども、そもそも作業量がとても多いんだというよう な話がありましたので、こういう、なかなか簡単には改善できないところもありますけれ ども、患者さん、いや患者さんの家族との共同作業という点で改善できる点もあるのかな ということですから、患者さんや家族にある程度協力をお願いするということですけれど も、こうしたこともある程度、診療報酬の算定の中で、こういうのが生かせていくのかど うかということでございます。  それから、病院勤務医の勤務負担軽減のために、やはり軽症の患者さんがお仕事等の、 ちょっと適当な言葉かどうか分かりませんけれども、自己の都合ということで救急病院等 を比較的、気楽にというとまたこれも非常に語弊がありますけれども、時間外に受診され る場合がありますけれども、そうしたことについて、いろいろと御批判はあるとは思いま すけれども、患者さんに。やはり、お支払いという点で協力をお願いするというようなこ とを、例えば考えるとどうなるでしょうかということで、論点を3つ挙げております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。続きまして、北村(善)専門委員より関連資料が出されており ますので、説明をお願いします。 ○北村(善)専門委員  ありがとうございます。チーム医療、役割分担によって、いかに負担軽減できるかとい うこともありまして、現在チーム医療に関する評価という意味でも、ちょっと説明させて いただきます。  現在、医療機関においては、多くの医療専門職が、それぞれの専門性を生かして患者の 治療や療養に当たっており、その効果を上げております。現在の診療報酬体系においては、 このようなチーム医療の評価が余りされていないということをまず言わせていただきます。  現在医療機関では、必要に応じていろいろなチームが形成されています。代表的なチー ム医療の構成例を挙げております。業務分野・診療分野がありますが、病棟業務、入院・ 退院業務。それから救急業務には、構成職種のほかにソーシャルワーカーの存在も大きな ものがあります。また、医療安全、医療機器の安全、感染症、栄養管理、摂食嚥下、摂食 嚥下チームには歯科衛生士も加わってきております。それから、褥瘡管理、皮膚排泄ケア、 リハビリ、緩和ケア、糖尿病療養など多くのチームが結成されています。  さらには、呼吸ケアについては、看護師、理学療法士、臨床工学技士、歯科衛生士など と共同で、日々の人工呼吸管理や口腔ケア、呼吸リハビリ、肺葉症候群の予防の実践など 行われ、効果を上げているところでございます。  このように、多職種のかかわりによって医療効果を上げていますが、これはチーム医療 に係るそれぞれの職種の、資質の確保、向上が必要になってきます。資質の高い医療職種 によるチーム医療は、質が高く、より質の高い医療を実践していると、そういうところを 評価すべきと思っております。  このチーム医療に加わっている専門看護師、認定看護師、または各職能団体、協会で認 定している技士の評価も、それもされるべきであると考えております。  医療関係職種のその個別の技術、資質を評価することで、病院の中での、その専門性が 認識された状態で、各職能、職種が、仕事ができ、インセンティブも高まり、より質の高 い医療を患者に提供できる体制となると考えております。  そういう意味では、施設基準、施設要件ですね。チーム医療に加わる医療職種名を明記 することは、コメディカルにとって評価されたと認識することになります。  現在、厚労省の中のチーム医療の推進に関する検討会の推移を見ながら、さらに今後資 料の提出をしたいと考えております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ただいま事務局の報告と、北村(善)委員の関連資料の提出が、説明があったわけであ りますけれども、勤務医の負担軽減の話は既に1回やっておりまして、いろいろな御議論 が出たわけであります。  例えば、この入院時医学管理加算の算定要件についてを見直したらどうかというような 議論も出ましたし、さまざまなドクターズフィーも含めまして、いろいろな議論が出たと いうことでありまして、本日は事務局から検証部会の調査と比較的類似性が高いのですけ れども、調査対象はもっと拡大したということで、先ほどの医学管理料等を算定していな いところも含めて聞いたということで、なぜ算定しないのかというようなことが、ここか らあぶり出てくる可能性もあるということで、御報告をいただいたわけであります。  あとは宿題返しが幾つかあったということと、医師の負担軽減は、チーム医療と関連す るということで、北村(善)委員からチーム医療に関して、多職種に関連した資料が出て いるということであります。  病院勤務医の負担軽減の議論というのは非常に重要だと思っておりますので、本日出さ れた資料に基づくものでも結構ですし、そうでないものでも結構でございますので、御意 見、御質問承りたいと思います。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  宿題に対する回答、ありがとうございます。診−2の2ページの宿題2、確かにこれは 私が御質問した、その回答だと思います。改めて、御礼申し上げます。  ただ、どういう基準で選んだかということは、今お話を伺いまして分かりました。こう いう勤務に関する負担軽減のいろんな仕組みというか、それをどういうふうにやっていら っしゃるかということを情報として知るということは非常に大切だと思いますので、そう いう意味では非常にありがたかったと思います。  ただ、基準というか、選択した基準をお伺いしたもう一つの意味は、次のことにありま す。というのは、我々これから勤務医の方々の負担を軽減するためにどうしたらいいかと いうことを考えていく、加算等を含めまして。そのときに、実態はどうなっているかとい うことを少しでも知りたい。そこでこういう事例を出してくださったわけなんですが、そ れは参考になりましたけれども、これらが一体現在の病院勤務医の病院といいますか、ど ういうところに位置しているか、つまり平均的な姿なのか、あるいは非常に進んでいると ころが、こういうことをやっているのか。  私たち、これを見て、確かにこういうことが行われているなというのは分かりますが、 それを病院全体の中で、どういうふうに位置づけて考えたらいいかと、そこが分かりませ んので、そこをお伺いしたかったのです。  選択基準等を含めまして、これら今の全体の病院が…… ○遠藤小委員長  先生、もうちょっと大きい声で。 ○牛丸委員  入っていませんか。 ○遠藤小委員長  入っているんですが、事務局が耳に手をかざしていますので。 ○牛丸委員  失礼しました。今お話は聞けましたか。もう一回言いましょうか。  失礼いたしました。マイクが十分でなかったようで、もう一回繰り返してお伺いいたし ます。  この間示していただきました事例というのは、非常に参考になります。  私がお聞きしたかった選択基準というのもお答えいただきましたけれども、そのことだ けでなく、実際ここに出されました仕組みといいますか、こういう対応が、現在の病院の どういう位置にあるか。つまり、これが全体の病院の平均的な姿なのか、典型なのか、そ れともより進んでいるところなのか、もっともっとやれるけれどもやれないところがある から、あるいはやろうと思う、やれるのにやっていないところがあるのか、その辺が分か りませんので、そういうことでそのあたりのことを、もしお分かりならばお聞きしたいと いうことで、この間御質問したわけです。  もしお分かりになえばお教えください。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言いますと、選定した時期においては、トップランナーと思われるところを選 んだつもりでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  牛丸委員、よろしいですか。 ○牛丸委員  そうしますと、進んでいるというふうな解釈でよろしいんですね。平均的には、もっと こういうことは、余りやられていないと。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  そうだろうと思います。選定した時期においてはといった意味は、スライドの11番に もありますように、例えば、これ経済的処遇だけに着目をしておりますけれども、処遇を 改善した年度っていつですかと聞きますと、19年度以前というのは少なくて、やっぱり 20年度、21年度になって取り組んだというところでございます。  私どもは、こういう病院がある程度頑張っていらっしゃるというのを聞いたのは、もう 少し昔の話でございますので、そういう意味では時期的、内容はよく分かりませんけれど も、時期的には早い病院だったんじゃないかと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。ほかに何かありませんか。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  いろいろ資料の提供ありがとうございました。これ11ページでも、そうでありますが、 いろいろな加算の状況をやっていただいておりまして、これせっかく、大変加算というの が、後の11ページのものでもそうでありますが、かなり待遇改善のほうに寄与するとい うことが分かってきたわけでありまして、残念ながら入院時医学管理加算が、この上の救 急体制で多くの病院が参加しているにもかかわらず、ここが加算をされない。要するに救 急ではなくて、違う案件であって、排除をされているというところがあるんではなかろう かなということを思っております。例えば、全身麻酔の件数であるとか、このいろんな加 算要件がいっぱい入っておりました。こういうものが、やはり少し今の勤務医の待遇改善 というところ、負担軽減というところには、少しちょっと厳しすぎたのかなと。もう少し、 このあたりのところを緩やかにして、せっかくいいアイデアでしたので、この加算条件が つけやすいようにしていくのが、非常によろしいのかなと思っております。  それから、最後のもう一つでありますが、ドクターのほうから協力してほしい内容とい うことでありますけれども、これはやはり患者の教育というのが非常に大事だなと思って おりますので、これは点数というのは、もちろんそれはそれで結構でありますけれども、 私は自治体の長も兼ねておりますので、各自治体の中でぜひ日本に教育を、こういう教育 を進めていこうというぐあいに考えておりますので、またもし適切な御指導がいただける なら、また皆様のほうからも御意見を伺いたいと思っております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今の伊藤委員の御意見は、非常に現場をとらえている意見で、そのとおりだと思います。  従来、この中医協で決めてきたいろんな点数の決め方というか、それがやっぱり数です とか、それからあと手術件数だとか、そういうことで箱の大きさで値段が高い、低いを決 めてきたんですね。それが地域医療を崩壊させてきた一つの原因じゃないかというふうに 思っていますので、実際は、一番最初、白川委員と私は同じ意見じゃないかと、本当は心 の中では思っているんですけれども、要するに業務、やった業務に対して、医療の対価を つけていくというのをまず基本にしていただいて、ただし地域では患者さんの数が少ない ので、アメリカのようにそこに係数を掛けると、地方でも例えば麻酔かけるということを 一つとっても崩壊しないんですね。  ですから、医療のまず業務単位に対してこれだけの医療費をつけますよと。だけども都 会では人数が多いから、相当すごい数になっちゃうので、そっちに医師が集まりすぎる。 だけども地域でもやっぱり、おじいちゃん、おばちゃんがいるわけですから、そこには係 数を掛けて、反対のことを今までこの中医協でやってきちゃったんじゃないかと思うんで すよ。つまり、さっきから佐藤課長は数で、大きな病院だと医療点数を高くというんです けれども、逆じゃないかなと私はずっと思っていたんですね。もちろん、数をやれば手術 が上手になるというのはアメリカの話で、上が下を教えているんですよ、日本は。ところ がアメリカは自分のコンペティショナーですから、教授は助教授を教えないんですよ。な ぜかといえば、自分のポジションが取られたら、その収入がなくなっちゃうからです。  ところが、日本の場合には教授が助教授を教えて、助教授が講師を教える。普通の病院 であれば、部長が普通の医師を教えると、こういうふうにアメリカという国と違うので、 ですからホスピタルボリューム、つまり症例数とかで、日本の学会はちゃんと公的に発表 していますが、動脈瘤の数は手術件数に結果は一致しないと。つまり、手術の数が少なく とも、手術の数が多くとも、手術結果は同じであるというのを、科学的に出しております。 それは日本の教育のせいだと思うんですけれども、その辺のことをアメリカ的にやり過ぎ たので、地域の医療がかなり崩壊したんじゃないかと思いますので、今の伊藤委員の御意 見は本当に大事な意見なので、中医協でも考えていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  同じ関連の話ですか、邉見委員。  邉見委員、どうぞ。邉見委員も、この指針についてお話を前回されましたので、よろし くお願いします。 ○邉見委員  今の入院時医学管理料につきましては、前は88カ所と、四国と同じだと言っていまし たが、今は170超えたということで、ふえてはおるんですけれども、やはり特定の所、 二次医療圏ですね、350ぐらいの。そこにも1カ所もないところがいっぱいあるという のが、やはりちょっと本当はそういう制度は生きていないと、机上の空論であるというふ うなことで、算定要件をやはり緩やかにすべきであろうと。少なくとも、医療計画にある ところに1つぐらいは、みんななければ、そういうのは医療計画がよくないのか、こっち がよくないのか、どちらかだと思いますね。  それからもう一つ、伊藤委員の話で、やはり広報というか市民の啓発というのが、医療 費の無駄とか、あるいは病院勤務医の負担軽減というのにも役に立つのではないかという ふうに思います。シャープ8000がほとんど全国47都道府県、あと1つか2つしか、 ないところはないということになりましたので、そういうのを、いつも私は思うんですが、 天気予報の後にでも、少し政府広報で入れていただければ、その夜の小児科が呼ばれる率 は大分減るんじゃないかというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。ちょっと整理させてください。  いろいろ話があちこちといいますか、これを中心にいろいろ多様な議論になっておりま すけれども、少し整理をいたしますと、一言でいうならば、地域特性によって、その要件 というものをどう考えるかということに尽きるのかなと思います。  従来は、余り地域の特性によって支払いの要件であるとか施設基準だとかということは、 余り考えずに来ました。その考え方というのは、同じサービスであれば同じ価格であるべ きだろうという、そういう考え方が一つあったということと、そのような基準をクリアで きないような場合は、選択と集中というコンセプトで、調整されるべきではないかという 考え方も底流にはあったと思います。  それから、具体的な問題として、地域、地方の場合のコストが都会とどう違うのかとい うところの議論も、なかなか難しいところがありまして、地方ですと医師のコストは高い けれども、その他の施設等々のコストは安いとかいうものがあったものですから、そこら 辺も議論がいろいろと錯綜したというようなこともありまして、基本的には余り地域差と いうことを考えずに点数をつけてきたということですけれども、先ほど来のお話にありま すように、地域の格差、特にリソースの配置の格差みたいなものはかなり大きくなってき ている傾向がありますし、今回もせっかく勤務医対策でつけた点数が、まだ明確なデータ はないわけですけれども、それでも一部の大都市の病院のほうに恩恵が行き過ぎているの ではないかという御議論が出ておりますので、今後その支払い要件とか、場合によっては 点数も含めて、地域差というものを反映させるかどうか。反映させるとすればどういう方 法でいくか、これを22年改定の中に組み入れるとするならば、早急に議論をしていかな ければいけないと思います。  皆さん方のお話を承っておりますと、やはりそれは22年改定の中にそういうものを含 めるべきだという印象を受けるわけですけれども、それについてどういうお考えがあるか ということをお聞きしたいと思います。いかがでございましょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今、会長に整理していただいたことを、この2年間、日本医師会診療報酬検討委員会も、 懸命に議論をしてまいりました。まだ最終結論が出せないほど、会長が御指摘あったいろ いろなファクターがあって、説明、結論を出しにくいと、軽々にはという部分はございま すけれども、簡単に申しますと、前期の改定が病院支援だった。これは医療崩壊の危機が 一番そこにあるということで、正しかったと我々も思っています。  ただ、それが特定の病院に行き過ぎたと、言葉じりだけとらえて申しわけごさいません が、会長はそういうふうに御表現になりましたが、我々はそう思っていなくて、それでも まだその特定の部分すら足りていないでしょうね、きっとと思いますが、病院支援の第一 弾としてそこにいったのではないか。第二弾がいるのではないかということを考えており まして、その第二弾がやはり地方だろうと思います。  地方というのは、公的あるいは民間を問わず、そこが基幹病院になっていて、そこが倒 れると、非常に受診者にとっては、医療提供の平等性というのが根本から崩れるような現 象が起こってしまうということが懸念されるわけでありますので、ここから先は私のまだ 私見でございますけれども、例えば人口が幾らで、ある一定のエリアの中に、それ以上の 特定機能病院等の、大病院がないところとか、そういうような条件付けを割り付けること で、特定の入院基本料等々に配慮するというような考え方が、一つはあるのではないかと いうふうに現在思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  例えば、二次医療圏の中での、高機能病院がないような場合には、特定の算定要件を緩 めるといったような、そういうイメージでよろしいわけですね。  いかがでございましょうか。自由にどうぞ。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  管理加算が勤務医の負担軽減に、いろんなものも管理加算が、これは実質として改善に 出ているというのは、これはもうかなり正確ではないかなと。  ただ、問題は、それがうまく利用されていないわけでありますので、そこに問題がある のかなというぐあいに思っています。  その問題が、それが何なのかということが、その要件を満たせないのがどういうことな のかということを、少しハードルを下げるような状況にしませんと、なかなかこれが本当 にアイデアとして、すばらしいアイデアであっても、当初の目的は達成できないのかなと いうぐあいに考えます。  ですから、これどこにあるのか、もう少ししっかりと事務局のほうで調べていただくと いうことも、これはどうして何が取りにくいのか、これだけの救急医療を標榜してみえる 病院が3,800あって、1,800ほどが、今前回の調査では参加していただいている んです。しかし、そのうちのまた20%ほどしか、これが管理加算が取れていないという のは、少し非常に何か問題があるのかなということを思っております。 ○遠藤小委員長  事務局にお尋ねしますけれども、その加算が取れなかった内容、理由というのは、検証 部会では、すべて加算を取ったところが対象ということですが、今回の調査は加算を取っ ていないところも聞いているわけですが、そこで何か今の伊藤委員の御発言と関連する、 お答えになるようなところはありますか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  今、遠藤委員長からお話がありましたように、検証部会の検証は加算が取れた病院から とっておりますので、客観的なデータでというのはありませんでしたけれども、自由記載 欄の中で、どこが大変でしたかというのがありまして、その中では産科とか小児科とか、 あるいは麻酔、全身麻酔ができるということ。あるいは、必要に応じて24時間精神科医 が、コンサルができるようになっているというような要件がついておりまして、どちらか というと、言葉が適切かどうか分かりませんけれども、総合病院的な機能を重視しており ましたので、そういう診療科の要件が厳しかったのかもしれません。  それからちょっと、ついでに事実関係だけお話をさせていただきたいと思います。  先ほど邉見委員からも話がありましたように、前回までは210で取れていましたけれ ども、今は172というところで取れておりまして、数は確かに少なくなっております。  ただ、要件がどうであるということと、話の中で都市部と地方とでというような話があ りましたけれども、都市部と地方ということでいうと明確な関係はありません。例えば、 九州の南部のほうは、確かに前回と今回といいますか、平成20年度以降で変化がありま して少なくなっておりますが、むしろ都心部で少なくなった県もありますし、ふえたとこ ろを見てみますと、石川とか福井とか長野とか徳島とか、むしろ地方部でふえたところも ありまして、むしろ地方のほうが病院の数が少なかったりして、総合病院型のところが多 くて取れるというケースもあるようには見受けられました。むしろ、都心部で専門分化が 進んでいる中で、取りづらくなったというところもあるのかなというのが、データから見 ると見受けられます。 ○遠藤小委員長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  今、佐藤課長のおっしゃったとおりで、例えば政令指定都市、多分川崎はゼロであった んじゃないかと思うんですが、地域完結型の医療をするために、産科、小児科はどこかに お任せしてというふうなところが取れないとか、それから逆に地方では全身麻酔800件 というのがございましたね。あれは780件で取れないというのが、県立奄美大島病院で すね。あと20だったら取れると。だけど、よその島から来る人もいないでしょうから、 本島から。あと20が取れないと言って嘆いていますね。そういうふうなのは、先ほどの 係数で1に対しては0.7つけるとか、私そういうふうな、DPCでもこういう案が出て いますけれども、オール・オア・ナッシングではおかしいんじゃないかと。800と78 0でどんな意味があるでしょうかね。そういうふうな感じがちょっといたします。  だから、少しそういうふうなところを目配りしていただけると、そこの病院はかなり救 われるのではないかと。 ○遠藤小委員長  どういう基準で救う病院を選ぶのかという、そういう話だと思うのです。  事務局にお尋ねしますけれども、そうすると、今回の勤務医対策の諸加算の算定の状況 は、ある程度地域的に、今のお話ですと把握できているように伺いましたけれども、把握 できているのであれば整理して、ここで出していただくと議論はしやすいと思うのですけ れども、いかがなものでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  前回までといいますか、平成20年の改定以前に取れていた病院と、20年以降に取れ た病院のリストというものは、比較的簡単に出せると思います。  ただ、その中でどういう理由で前回取れていたところ、どういう理由でというのはちょ っと調査そのものが。 ○遠藤小委員長  いや、理由ではなくて地域別ですね。地域別。 ○事務局(佐藤医療課長)  はい。できると思います。少し…… ○遠藤小委員長  ただ、その地域は、どの単位の地域なのか、つまり田舎と都会という感覚で議論してい ますから、そこら辺をどのレベルの……。田舎って言っちゃいけないんですかね。 ○事務局(佐藤医療課長)  同じ都道府県でも、県庁所在地的なところなのか、そうじゃないのかという意味でござ いましょうか。 ○遠藤小委員長  いかがでしょうか。皆さんが地方とか、地域とかなかなか慎重に使われているので、微 妙なので私があえて田舎と申し上げたのですが、どの辺のところと比較をするのが有意義 だと思われますか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  このことに関しては、各県に地域医療協議会というのを厚生労働省がつくっていて、そ れは県とあとこれは、本来は総務省と文部科学省と、それから厚生労働省でつくって、た しか7年ぐらい前になっていると思うんですけれども、ここがほとんど機能していないん じゃないかと思うんです。  そこで、今会長がおっしゃったような件数を決めることは、私は可能だと思います。い ろんな部会が3つか4つありますので、そこで各病院の機能を、実際にそこで医療を担っ ている医師のあるいは病院の能力がどのぐらいかというのは判定はできますから、そこで さっき邉見先生がおっしゃったようなわずか20件しかなくても、ここは救急病院として 指定しても、十分機能を発揮すると、患者さんにとって機能を発揮するということは、地 域医療協議会でできると思うんですが、佐藤さんどうですか、そういうところ。 ○遠藤小委員長  要するに診療報酬の決定に関する、地域医療協議会の位置付けということになると思う のですけれども、現状はどうなっているんですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  地域医療協議会の意味が、ちょっと私どももよく分からない部分もあるんですが、厚生 部や衛生部、あるいは保健福祉部と呼ばれている県庁が主催する医療計画や医療計画に伴 う病床の配置に関するような部分、あるいはそういう部分のことであれば、そこでなかな か診療報酬の点数を決めるというのは難しいかと思います。  それから、別途中央社会保険医療協議会とは別に、地域医療社会保険協議会というのが 設けられておりますから、そのことだとすると、そこでまた基準を決めるというのはなか なか難しいかもしれません。  ただし、2つありましたけれども、1つ目の医療保険審議会とか医療保険協議会という 名前ですかね、地域医療対策協議会とか、そういう名前で決めているところでは、現行の いわゆる4疾病5事業の医療計画を立てて、その立てたときにそれぞれの病院の名前を登 録をして、公表することにしておりますから、そうした4疾病5事業に書かれている医療 機関というものについて、診療報酬上、何か特別な手当てをするということは、それはこ の中医協でも御議論いただければ可能かと思います。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。関連して。 ○嘉山委員  山形県では、山形県医療協議会というのを日本で最初に立ち上げたんですよ。立ち上げ たというか、そういう指示が来たときに。それでやっていることは、今のような仕事以外 にも、がんのことからITのことから、すべての医療のことを、行政も入っているし、大 学も入っているし、病院も入っているし、医師会長さんも入っているし、看護の方も入っ ているということで、ですから会長、そこに委託するようなことは中医協からできるんで すか、できないんですか。 ○遠藤小委員長  ちょっと、今その辺を確認しようと思います。  ―邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  たしか、中央社会保険医療協議会の下部組織として47都道府県に、地方社会保険医療 協議会というのがあったんですが、協会健保ができた、あの社会保険庁のときに廃止にな っているはずなんですね。  そして、何か厚生局ですか、地方厚生局のほうに別の協議会ができた。あそこで保険医 の登録とか、そういう審査、皆やっていたわけですけれども、多分あそこでやったら、そ のまますぐにお願いしたら、ある程度出るかと思うんですが、もう一つの、今嘉山先生お っしゃっていました地域医療協議会ですか、そこのほうで政策的なものとか、そういうふ うな病床計画とか病床数とかいろいろ決めていますので、そこへ委託するということはで きるかも分かりませんが、地方社会保険医療協議会は多分つぶれているんじゃないかと思 うんですが。  ありますか。 ○遠藤小委員長  不確かな情報で、いろいろ議論しても問題ですので、一つの考え方としては、要するに それぞれの地域の属性に合わせたような形で、いろいろ考えてここでつくるというのも一 つの案ではあるけれども、そういうことと同時に、むしろ地方のほうに、その辺のある種 の裁量権を与えられないかという、そういう御意見だと思いますので、それは現行制度上 どこまで可能なのかというところをやはり少し調べてから議論をしないと始まりませんの で、それはちょっとしっかり調べていただきたいと思います。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  前回の改定のときに、入院時医学管理加算というのができたわけですが、我々現場でこ れを見ていて、何でこういうものをつくったのかなという気が正直いたしました。  一方では、機能分化と連携と言いながら、こういうものをつくるということは、総合病 院というものを、制度上廃止しておきながら、そういった病院に加算をつけるような流れ がまた出てきたのかなということで、せっかく機能分化して連携しながらやっているところ が、精神科が24時間じゃないからとかそういうようなことで、こういうものが取れないと か、そういうことが出てきている。  どうしてこういうものが出てきたのか、例えば救急といっても、総合病院がみんな診て いるわけじゃありません。日本の救急の54%は民間病院が診ているわけですから、そう いうもので解決する問題ではないんじゃないかなという気がいたしますし、それから地域 性というのは、やはり非常に大きな要素だと思うんです。ぜひ、そういう入院時医学管理 加算を取れている病院の、全国の二次医療圏ごとぐらいのマップがお示しいただけたらあ りがたいと思うんですが、やっぱり地域の医師数とか看護師数、そういうものによってか なり違ってくるんじゃないのかなと思います。私どものところのように、非常に医師数の 少ない、看護師数も少ないところでは、本当に7対1とか、そういったものも非常に苦労 してやっているような現状、基幹病院でも取れないというようなことで、取っているところ は病床を減らして取っているとか、いろんな工夫をして何とかやっているような状況ですの で、やっぱりそういう機能分化と連携といいながら、一方では総合化を求めていくような流 れはどうしてなのかというのがちょっと理解できなかった。いまだにちょっと理解できませ んが、それとそういう地域差ですね。医療従事者の数によってかなり違ってくるんじゃない かというようなことで、そういった視点はぜひ入れていただければと思います。 ○遠藤小委員長  前回の御発言と同趣旨の御発言だと思います。  先ほどの話なんですけれども、事務局に先ほど地域ごとの教えていただきたいというこ とを申し上げましたけれども、例えばそれは二次医療圏ごとにとか、そういうまとめ方は できるんでしょうか。二次医療圏ごとにどのぐらい病床があって、それに対してどのぐら いの病院が、この加算を取っているかと。要するにエリアごとに、ある程度細かく見てい かないと、都道府県レベルでとか、そのレベルが出てきても余り意味がないので、その辺 のところをちょっと確認いただきたい。 ○事務局(佐藤医療課長)  少し時間をいただければ資料、再整理して御提示できると。 ○遠藤小委員長  今回、この加算の問題だけではなくて、要するによかれと思ってつけている加算が、必 ずしも地方などでは、かなり重要な機能を持っている病院でも加算が取れていないんじゃ ないかという御意見が随分出ておりますので、それが実態としてどうなのかというのは、 やはりある程度知っておきたいと思いますので、少し時間がかかっても結構ですので、そ れに関連することも含めて結構ですから、ちょっとまとめて何か出していただくと、大変 助かるなと思いますが、いかがでございましょうか。  中島委員、どうぞ。 ○中島委員  ありがとうございます。私も私見が入りますけれども、地域的な要素を補正するという ことは、今の地域の医療の現状を考えますと非常に重要だと思いますので、ぜひそのデー タをお出しいただけるとありがたいと思います。僻地ですとか島嶼というのは非常に、邉 見先生もおっしゃいましたように、一定の状況がつかめますけれども、その他について、 やはりどういう単位で補正をするのが一番適切かという意味で、少なくとも二次医療圏単 位というところは押さえていただければありがたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局、何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  いえ、ありません。 ○遠藤小委員長  いいですか。ほかに本件について。小林(剛)委員。 ○小林(剛)委員  本件とは別ですが。 ○遠藤小委員長  本件といいますか、広い意味での勤務医対策で。  小林(剛)委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  論点の1、これは勤務医の皆さんの負担軽減のために、勤務負担の状況を把握して、削 減策を作成・周知し、適切な方策がとれるように診療報酬上の工夫を行うという方向で見 直すのはいいことだと思います。  例えば、具体的には今回の医療課調査、これはスライド28ですか。勤務医の負担軽減 のための体制のところで、問題のある場合の改善を図るための仕組みについて特に仕組み はないというのが43.8%と非常に少ない。検証部会の検証結果でも、計画が周知され ていないという結果が多かったかと。したがって、せっかく計画をしても、それが実行さ れないケースがあるのではないかと感じます。  そういう意味では、具体的な計画を作成し、それから周知するといったものに加えて、 例えば計画の実施状況を把握して、実際に計画の遂行だとか達成に問題がある場合、これ については改善を図るための仕組みを設けたといったことを評価の対象にしたらどうかと 考えます。  意見として申し上げます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに。よろしいですか。では、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  論点の2番、3番についてなんですけれども、もちろん私は救急医療を特に充実してい くべきだと思っていますので、それを担っておられる病院勤務医の負担軽減ということを、 強くやっていかなければいけないという立場なんですが、ですけれども、この論点の2番、 3番のような動きに関しては、僕は慎重にしてほしいという意味で、意見を述べさせてい ただきます。  私は高校の教員をしておるんですが、生徒たちの中には一見大した悩みではないと思え るような悩みを繰り返し相談に来る生徒がいたり、非常に物分かりがよくて手間のかから ない俗に言う優等生のような生徒もおります。また、保護者懇談は夕方6時までというこ とで希望時間を聞きますが、どうしても夜の8時か9時とかにやってもらえないかという 保護者もいるわけです。それがわがままだというふうに思ってしまうか、そういう生徒や そういう保護者がいるために、教師の仕事は大変なんだ、何とかそういう生徒やそういう 保護者がいなくなれば教師は楽なのになというふうな発想というのは、ちょっと学校では 持ちえないと思うんです。  やはり、そういう生徒も、そういう保護者にもいろいろな背景や家庭環境、経済状況が あり、例えば修学旅行費が払えないというような生徒も、かなり出てきていて、そういう ところから実は生徒や家族の背景がいろいろ分かってくるということがあります。なので、 学校の教師が、例えば、繰り返し説明をしなければいけない生徒がいなくなれば、自分た ちはもっと楽になれるのにとか、本来の仕事に戻れるのにというふうに、そのような仕事 を仕事ではないと思ってしまうと人間を相手にする仕事としてはよくないと思います。や はり医療も教育も僕は人間を相手にする仕事だと思いますので、そういう患者がほかの患 者と差別されてしまうというようなことになってほしくないという思いがあります。  なので、例えばそういう何度も説明を求める患者や、複数の家族にどうしても別々に説 明をしなければいけなくというようなケースですが、もちろん時間調整していただくよう に努力してもらったらいいでしょうし、お医者さんの都合はこうです、家族の都合はこう です、では何時にしましょうとやっていくのでしょうけれども、それでもうまく調整しき れないようなケースがいろいろあるでしょう。だから、そんな患者や家族にどんなハンデ ィを背負わせるかという発想ではなく、だからこそ勤務医は大変だ、だからこそ勤務医に 対して手厚くしようというふうな発想になってほしいなと思うのです。そういう方向であ るからこそ、患者も、医療者や特に勤務医を応援しようという気持ちになっていけると思 いますので。  実は、一、二年前ですけど、僕は救急車を呼んだことがあるんですけれども、たまたま 朝から痛くなっていたのを我慢して、その日は仕事を休んで病院に行こうと思っていたん ですが、どうしても急激に7時か8時ごろにはものすごく激痛が走って、僕がのたうち回 ったので、家族が救急車を呼んで近くの公立病院に運ばれたんです。そうしたら、ちょう ど込み始めるころだったので、看護師から救急車で来たら順番並ばなくてもいいと思った のか、というような言い方をされて、僕はそれは多分尿路結石だと思っていたので、こん な病院はいやだと思い、ボルタレンをもらってすぐに帰らせてもらったということがあり ました。それは、たまたまそれで実際よかったんですけれども、何かそういう普通の患者 に対して、自分たちがしんどいと思っている勤務医や医療者が敵視してしまうようなこと はよくないと思うのです。  学校も非常に荒れてきたときに、教員が、一部の生活指導的になかなか大変だった生徒 を敵視してしまうというようなことではダメだ、という考え方が主流でした。やはり、そ のような生徒もいろいろと事情を抱えた生徒であるように、やっぱり患者を振り分けるよ うになって欲しくないし、そうなると、普通の患者にまで偏見をもってしまうこともあっ たりするので、ちょっとそのあたり、そんなふうになってしまわないような慎重さという のをお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  勝村委員、一つだけ確認させていただきたい。2と3両方なんですね。  2のほうについてはよく分かったわけで、3番については、尿路結石であれば軽症とは 多分ならないと思うんです。 ○勝村委員  そうですね。途中で。仕事の都合で、どうしても保護者の方が、うちだけは夜の8時、 9時に懇談をしてもらえませんかということはあるわけですよね。それが、その保護者の わがままかというと、よく聞いてみると…… ○遠藤小委員長  お話は理解できました。それは分かりました。2番の話として。  3番のほうも、反対という御意見なわけですか。2と3とおっしゃったような気がした ものですから。その確認だけしたいということです。 ○勝村委員  これも、ちょっと先ほどの例え話でいうと、一見大した悩みではないと思うような悩み を、毎日毎日相談に来るような生徒もおります。その子にとっては、やっぱりそれが大事 で必要だったりするわけです。そもそも軽症という判断もなかなかしにくいですし、もち ろん一定何らかの手立て、例えばお母さん方が子供のことで不安にならないように、例え ば救急車を呼ぶ前に何か相談にのってくれる電話番号があるとか、そういうのはいろいろ と工夫して大いに広げて行ってもらったら結構だと思うんですけれども。  勤務医が大変なのは、軽症なのに救急に来る患者だ、だから医療提供体制よりも患者を 変えろと言われても、ちょっとそういうふうに決めつけてしまったときに、そのあたりの 判断というか、患者と医師とのコミュニケーションというのが、やはりそういうふうに、 軽症で来る患者が勤務医の敵だみたいな前提で会話がされるような感じは、極端にいうと ですね、そういうふうになってほしくないという、そういうふうにならないような慎重さ をお願いしたいということです。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。御意見よく分かりました。  それでは、お手をお挙げの。西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今の勝村委員の言っていること、全くそのとおりだと、よく分かります。  ただ、今までいろんなデータ、今日嘉山先生も出しましたように、勤務医の労働条件と いうのは、申しわけないですけれどもほかの業界では考えられないぐらいの状況です。こ のままいくと、やはり勤務医が疲弊して、どんどん出ていくと、何か起きるかというと、 やはり国民の方々にいい医療を提供できなくなってしまうんですね。  ですから、ぜひ考えていただきたいのは、私たち医師も医療資源だと思ってください。 いかに国民の方が、医療資源を有効に使うかということを考えていただきたいと思うんで す。  ここに、文書で患者に協力をお願いすると書いているんですけれども、私は違うだろう と。これは、国民、患者さん、1号側が、私たち医療資源を適正に使うためにどうしたら いいかということで、1号側からの提案じゃないかなと思っております。  そういうことでは、この2、3はぜひ、1号側でどうしたらいいかを考えていただけれ ばと思っています。  よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  やはり医療を受ける方の不満の1番が待ち時間。2番が説明の少なさというのが、ずっ と統計で出ているわけですね。それから納得診療といいますか、数年前の医療法の改定で、 医療を提供する者は、医療を受ける者に対して十分な説明を行い、納得して診療に当たる というふうなことがありましたので、うちの病院も分かりやすい医療というのを一番のテ ーマに置いています。  ただ、私は外科なんですが、手術は大体7時、8時ごろまでありますと、6時ごろに終 わった方が来て、そのたびに下へ待たせても悪いかと思って行ったりすると、やっている 手術が中断まではしませんけれども、少し遅れるとか、ほかへあるので、両方の意味でう ちの病院は手術なしデーをつくりました、外科に関しては。毎週火曜日、手術をしないで、 全員回診して、その後、そういういろんな相談に来る人は、カンファレンス中に来てもら うと。カンファレンスが大体6時から9時ごろまでありますので、その間に来てもらって、 ちょうどそのときカンファレンスであればナースも全部おりますので、手術受け持ちのナ ースとか、そういう人も皆出てやると。そうすれば、病院の職員も楽になるし、患者さん、 家族にもいいんじゃないかというふうに思って、そういうふうなことをやっております。  ただ、どうしても田舎のまちですので、御長男とか同居している人は、そういう6時の ところに来られるんですけれども、お嫁に行っている方とか、次男、三男の方なんかは、 患者さんが悪くなったり、手術なんかになると土日とか、やっぱり大阪から来られたり神 戸から来ると、8時、9時とかに来られて、家に帰ってふろへ入ろうかというふうなとき に来られて、大阪から帰ってこられたら出ていかないかんかとか、そういうふうなことも いっぱいありますので、多分この2というのは、そういうふうなことじゃないかと。  そういうことかなと思ったりするんですけれども。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  最後に、ちょっとだけなんですけれども、僕も大阪の高校で、余りこんな話はどうかと 思いますけれども、非常に中途退学する生徒が、大阪で一番多いかというような高校に勤 務していたことがあります。  そのときは、本当に家に帰るときに0時が回っていたということはざらにありました。 なので、本当に勤務医の皆さんも、今ああいう状況じゃないかというふうに想像するわけ で、今そういう高校が、それから15年ほどたって、大阪府では他校と比べると中途退学 の生徒が多いような高校は、教諭の数が1.5倍ぐらい配置されるというふうに、当時か ら変わってきている。そういうことは、ぜひ僕は医療の世界でもやっていくべきだと思う んです。勤務医の負担軽減は賛成です。ただ、そうではなく、生徒を退学させれば教員が 楽になる、というような考え方ではないと思います。  一見、そういう学校におりますと、そこの学校の生徒が、教師にこんな言い方をしてい る、こんな言動をしている、そういう学校の保護者はこういうことを言っている、こうい う言動をしているということだけをここでお話ししたら、何とそれはわがままな人たちだ というふうに、だれもが思うようなことは結構あると思います。  だから、その人たちが悪いんだということじゃなくて、だけど何でそういうふうになっ てしまっているのかと、ではその人たちとはどういうふうにコミュニケーションしていく とよいのかと、だから時間がかかるわけで、だからこそ、そういうところにたくさんの教 師、教員を配置していくべきだという発想であって、あくまでもやっぱり患者本位、生徒 本位で、医療や教育はどうあるべきかと考えていってほしいというのが、先ほどのお願い です。 ○遠藤小委員長  確認ですが、勝村委員。3番のほうですけれども、ここの書き方は、多少幅広く書いて あるわけですけれども、例えばしばしば出てくる議論で、救急車による搬送というのはか なりあると。しかし、その中の軽症者はかなり多いということは、消防庁のデータなので 何回か中医協で出されておりますね。  そういうことに対して、例えばそれをこれに適用して考えれば、診断した結果、軽症で あった場合にはある種自己負担を払っていただくというような、こういうことにも読み取 れるわけですが、そういう制度もまかりならんと、そういう意味合いでしょうか。 ○勝村委員  全部が全部というふうに、僕もここの文章のイメージが完全にはわかないんですけれど も、不安な点とすれば、例えば母親と子どもと2人だけの家族があると、ちょっと修学旅 行の費用が払えないので、しばらく待ってほしいと言っているとします。そういう保護者 が、だから例えば、特別に不安、ほかよりもいろんな意味で不安を抱えておられて、そん な心配要らないのにと思うことで相談にきたりとか、時間外に対応してほしいとかいうこ とがあったりとかいうことがあって、何か一見非常識に思えることが、実はその家族にと ってはかなり悪意のない大事な問題だということがあったり、経済的にちょっと困ってい る人たちが、何かちょっとイレギュラーな言動をされるという行動に関しても、時間外だ ったり、何でこんなことで一々聞きにくるんだろうということがあったりすることがある ということがあるようなケースもあるので、そのあたりをかなり上から否定したり…… ○遠藤小委員長  御懸念があるということですね。 ○勝村委員  そうですね。だから例えば、何か事情があって経済的に困っている人たちに、より経済 的な負担を強いるみたいな制度にもなってしまうのだったら、よくないということがあり ます。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。  中島委員、先ほどお手を挙げられておりましたので、どうぞ。 ○中島委員  ありがとうございます。  勝村委員の懸念というのも、すごくよく分かっている上でということになりますけれど も、患者、利用者の側に情報がないために、やはり不安やあるいは安易な使い方をしてし まうということがあるのは事実だというふうに思っております。  すぐに医師数がふえるということでもないわけですから、基本的には今ある限られた貴 重な人材、資源をどうやって協力をし合って有効に使うかという観点は、やはり非常に重 要ではないかというふうに思います。  私も、労働組合ということでございますので、勤務医さんの、これは看護師ももちろん 含みますけれども、労働条件の厳しさというのは十二分に見せていただいておりまして、 特に労働災害で、本当に若い世代のドクターたちが過労死したりあるいは自殺をされてい るというふうな状況も、何件も実際に私は仕事として扱ってきていることがあります。  やはり、今の過剰な働き方を放置いたしますと、結局それが患者の安全にもつながると いう観点もあるというふうに思いますので、例えば、どうしても患者の側は不安ですので、 直接ドクターに話を聞きたいとか直接会いたいというのは当然だと思うんですけれども、 例えば看護師さんであるとかあるいはMSWであるとか、やはり聞いてほしいということ も、相当程度に状態によってはあると思いますので、やはり何か、そういう具体的な方策 を考えていくということが一番大事だというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。看護師の話が出たので、ちょっと坂本専門委員から嘉山委員と いきます。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  論点の2ですけれども、勝村委員がおっしゃったことは、すごくよく分かります。  スライド27をちょっと見ていただきたいと思うんですが、やはりドクターにすべて直 接いってしまうと、ドクターが疲弊してしまいます。私も病院勤務していたのでよく分か っていて、本当に過労死するというか、先生方はいつ休んでいるんだろうというふうに思 うぐらい働いています。  そういう意味からすると、このスライド27の負担感をできるだけ取ってあげなくては いけないのではないかというふうに思うんです。それで、その方策を出さないといけない ということと、看護師というふうに考えてみると、療養生活上の説明とか、患者の退院先 の調整業務などは、全部先生方にある程度は聞きながらも含めて、やっぱり違う職種にや ってもらわなければ、何でもかんでもやっているドクターは、疲弊してしまいますよね。 そういうところに対してちゃんと方策をとるべきだと思います。  それから論点2の、患者さんや家族への説明については、家族が来て、時間があいた夕 方に、先生にお話聞くということは、病院の先生方は重々承知で、その時間をとってお話 を聞いています。  しかし、そこにいくまでの過程で、もう少し何らかの形で、家族が何を聞きたいのかと か、どういうことを心配されているのかというような、先生のところに突然いくのではな くて、いろんな状況で少しコーディネートはできるんじゃないかというふうに思います。  そういうことも含めて、不安を取りながら、本当にドクターがやらなくてはいけないこ とは、この救急のこともそうですけれども、やっていただかなければいけないというふう に思っております。  そういう意味では、この27ページをどのように軽減させていくかということが、私は まずやらなくてはいけないんじゃないかというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  うちでは、この論点の2番と3番はきちんと対応しています。  それは、今皆さんがおっしゃったように、いわゆるソフトが、医療におけるソフト。医 師、看護師の数が足りなくて労働過多になっていますから、そこはやっぱり一方的なこと を言っても始まらないわけで、ある程度の、今、看護の部門で坂本委員がおっしゃったよ うに、ある程度の歯止めはかけないと。つまり、看護師にしても医師にしても、過労しす ぎると、今度は適切な医療を受ける患者さんの権利を奪うことになるんですよ。それは一 方的に進めていると。  勝村委員のおっしゃることはもっともです。自分が、例えばお腹が痛いときに、軽くで すね、これが重症なのか軽症なのか分からない。だから病院に来るのは、それはいいんで すけれども、ただ、もうちょっと大人になって、赤ちゃんじゃないんだから、このぐらい だったらどうだろうというのを、やっぱりお互いに勉強し合うことは必要で、うちでは3 番の軽症の場合という、山形大学の医者はすごく優しいのでほとんど取っていませんが、 一応8,400円取っています。取っているというか、掲げています。でも、ほとんど取 っていません。それによって、患者さんのほうも、みんな大変なんだ。お互いが思いやり を持つようになりました。むやみやたらに受ける、今中島委員が本当にいいことを言って いただいたんですけれども、むやみやたらというのを一歩、患者さんのほうも考えるし、 医師のほうも考えるということですから、2番、3番の論点はきちっとある程度形にしな いと放らつな社会をつくることになりますので、ある程度のことはやっていただきたいと いうふうに思います。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、ちょっと質問ですが、8,400円を取るということを患者さんには告知し ているわけですが、そのときに軽症であればということは、どういう表現をしているので すか。 ○嘉山委員  すべて経営、各講座で病気によって違いますので、どういうふうに考えるかということ は。ですから、各科によって、文書化して表示してあります。 ○遠藤小委員長  こういう病気であればとか、そういうふうに書いてある。なるほど、そういうことです か。分かりました。 ○嘉山委員  ですから、緊急に命に関係するようなものであればとか、外科系であればですね。全部 書いて。 ○遠藤小委員長  分かりました。ありがとうございます。 ○嘉山委員  あとインターフェロンなんかですと、毎日打たなきゃいけないという人がいますので、 ですから日曜日でも打たなきゃいけない、それは救急にはなっちゃうんですけれども、そ の場合には一銭も取らない。要するに病気中心で医療をやっていると。 ○遠藤小委員長  なるほど、分かりました。  もう一つ、坂本専門委員にお聞きしたいんですけれども、確かに医師に直接行くのでは なくて、その間に看護師が入るというようなことは重要だということで、しかもそういう ものを看護師が代替することによって負担軽減するんだというふうにおっしゃって、27 ページのグラフを出されたわけですけれども、これは法律上といいますか、保助看法上ど うのということは全く関係なく、今坂本専門委員がおっしゃったことは、やろうと思えば、 院内でやろうと思えばできるような内容だと理解してよろしいわけですか。 ○坂本専門委員  そうだと思います。ただ、やっていいんだよといったときに、恐らくその看護部等の話 し合いの中で、忙しい状況でみんな仕事している中では、看護部がやってよとか、いやそ んなのやれないよというような話がされるんだと思います。  そういうふうな病院の中での取り決めの中での、ある意味では調整というのをしていか ないといけないので、もう少し誘導するような何らかの形があれば、動く方は動きやすい んじゃないかと思います。 ○遠藤小委員長  なるほど。分かりました。  北村(光)委員、どうぞ。お待たせしました。 ○北村(光)委員  勤務医の働く大変なところの論議がずっと進んできまして、いよいよ最後の場面になろ うと思うんですけれども、そこで今論議されているのが患者さんとの関係、あるいは話し 合いとの関係と、勤務医の先生の関係という問題だろうと思うんですね。  これは大変重要な問題だと思うんですが、例えば私がこの間経験したのは、患者さんが ずっと待っているわけですが、時間を決めると遅れるということで不満が起きるので、た だ順番だけ決めると。そうすると、時間がないから遅れたという印象は持たない。そのか わり遅れてもじっと我慢して待つと。ですから、さっき西澤委員から1号側でとおっしゃ られるのを、そうおっしゃらずに、やはりお医者さんが直接患者さんと対話されるので、 ですからここはやはり1号、2号一緒に、何か対話策とか緩和策とか考えられないのかな というふうに思います。  第3は、これはお金の問題でしょうから、ちょっとまた別にします。 ○遠藤小委員長  ぜひ、そういう議論を深めていきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いし ます。  次の案件もあるものですから、手短にお願いしたいと思います。  順番からいきますと、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私も地域の中核病院に定期的に外来を行っておりまして、20年間定点観測をある意味で はしているわけなんですが、やはり我々の実際に勤務していたころに比べて書類が膨大にふ えて、説明も非常に丁寧に、一々同意書をとるとか、非常にそういった時間がふえていると いうのは実感しております。  そういった病院の先生なんかにもお話を聞いたんですが、2番に関しては、これが大変 だからといって、何か自己負担をふやすようなことは、これはちょっと難しいだろうとい うことで、やはり現場ではいろいろ工夫していまして、例えば1回しか話をしないという のもなんだし、何回来てもいつでも話しますというのもちょっと難しいしということで、 キーパーソンをその病院では決めてもらって、その人には話すと。それで、その人がだれ か連れてくればその人にも話す、一緒にですね。そういうようなことで、現実的に対応して、 解決というか、何とかおさめているようなので、そういったことも参考になるのかなと。  3番に関しては、やはりある程度、少し待っていただくとか、自己負担が少し高くなると か、軽症の場合、例えば入院しないとか、そういったことはやむを得ないのかなというよう なお話でしたので、それとともにやはり医師の雑用というか、診療以外の、治療以外の部分 をできるだけやはり分担してあげるということが、基本的には大事なのかなというふうに思 います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  手短に申し上げます。主は勝村委員の御意見に対する反論でございます。  そういう条件にある方、経済的弱者にある方、例えば勤務時間が忙しいので、時間外で なければ説明が聞けないあるいは救急にも来れない。これは分かります。これは、我々は 何にも拒否する理由はないんです。医療ですから当たり前でありまして、銀行みたいに3 時に閉まって、あとはお金を出せないという話じゃないんです。3時を過ぎれば疾病が起 きないということはあり得ないわけですから、それはそれで我々の医療者の使命としては、 それでいい。  なのに、ここにこの2つの2番と3番の論点が出た意味は何かということは、やっぱり 基本的に考えなきゃいけなくて、そうでない方がたくさん出てきたということが現実なの でこの論点が出てきているという視点が必要であって、それはある意味では確かにわがま まですよ。それをやるのは、診療報酬の点数じゃなくて、むしろ社会的教育の問題じゃな いでしょうかという意味で、西澤委員は1号の皆さん方にもお願いをしたいと言われたわ けであります。  北村(光)委員御指摘のとおり、私どもは医療の現場で常々そう申し上げております。 例えば、ここで地域の医療機関と連携をとれば楽になるというのが出ていますが、確かに そうでして、例えば私が外来診療をして、大学病院に手術をお願いする。説明を聞いて帰 ってきた患者さんが、まだ不安だ。だから私は時間外に説明しますが、説明したら今度は またおばあちゃんが来る。何で一緒に来ないんですかと言ったら、嫁とは仲が悪いと。こ んなことを言われるととんでもない話なので、そういうところは両方で共同してやりまし ょうですが、余り1号のほうから保険の参加者というか、組合の皆さんに対して、そうい うアナウンスをしていただいたような形跡を、我々は余りお見かけしたことがないので、 改めてお願いをしていると、そういうことだというふうに御理解いただければと思います。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  おおむね僕は同意をしているつもりで、皆さんがおっしゃることに対して、特に反論は ありませんけれども、だからこそ安達委員もおっしゃったほとんどのケースはこうなんだ という話だから、だからこそ、だけどこういう人たちがいてることを忘れないでほしいと いうことを僕は言っているのです。  やっぱりどうしても仕事が休めないという保護者は経済的に、この日に休むと本当に生 活が死活問題なんだと。休むことですぐ仕事が無くなってしまうというようなところに勤 めておられる方とか、やっぱりそういうケースがあり得るわけだし、それから、生徒にし ても、患者にしても、すごくわがままっぽく言うようになってしまうのは、どうしても普 通に暮らしていくのが大変なので、ぎりぎりのところで生きているから、いろんなところ にいろんな要求を出していかないと普通に生きていけないみたいなところに追い込まれて いるからこそ、一見いろいろわがままなことを言っているという部分もありえます。それ が、ある種すごく経済的に追い込まれた人たちの生命力のように感じるときも僕はあるわ けで、だからそういう人たちを、敵視してしまうということがないように配慮をしてほし いと思っているわけで、おばあちゃんと仲が悪いからという話に関してもそういう事情に 配慮したり、何とか工夫したシステムをしてもらったらいいと思いますけれども、すべて がそうではないということに配慮して、慎重にこういうことはやってほしいということで す。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。慎重に議論するべきだと伺いました。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  いろいろな議論が出ておりますけれども、この書きぶりが少しいかがなものかなと、事 務局にちょっと苦言を申したいんです。  別にどちらがいいとか、悪いとかいう議論ではなくて、確かに救急に行く必要もないぐ らい軽度の方がたくさん行ってるとか、核家族になっているものですから、いろんな親族 が医師のところに押しかけて時間をとるとかいうのは、これは1号側も2号側もなくて、 社会全体で考えなくてはいけない問題だというふうに思っております。  ただ、論点の3番につきましては、この書きぶりが悪いと申し上げた。我々が申し上げ ているのは、軽症とか自己都合とかいう判断が、それはなかなか難しいでしょうと。嘉山 先生は、ちょっと勉強してよというふうにおっしゃいましたけれども、そうはいってもお 子さんがある症状を起こしたときに、これは軽症かどうかというのは、素人ではなかなか 分からないのが現実だと思います。そうした状況があることが分からないような書きぶり になっているので、ちょっとおかしいのではないですかというふうに申し上げているんで す。  一方では、ある年齢以下の小児については無料で診療という市町村がどんどんふえてい るようですから、診療報酬で差をつけても、そういう方々は減らないと、痛くもかゆくも ないというようなことも現実としてはあるわけですので、それよりはむしろ全体的な病院 勤務医の方々の負担軽減とか、救急医療に対する手当を厚くするとか、そちらのほう全体 で考えるべきことではないかなというふうに、私の意見を申し上げたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。関連ということで。 ○嘉山委員  白川委員、我々はもう全面的な、私なんて患者さんから愛されたりしたいですから、そ んなことは絶対にしていません。  そうではなくて、やっぱりとんでもない人がいるんですよ。ですから、僕はさっきから 言っているのは、北村(光)委員がすごくいいことを言っていただいたんですが、お互い にこれやっていかなきゃいけないことなんですよ。  ですから、勝村さんにお願いしたいのは、一方的な言い方をさっきからされているので、 我々も分かっているので、ですから本当に薬だけ取りに来て、本当にコンビニのように使 う人がいる、そういう人だけです、取っているのは。ほかはもう、軽くても頭痛があれば、 心配だろうからと。そのときは、うちの救急の医者は取っていませんから、一切。ですか ら、本当にそういう意味で。でもそういう人がいるから、やっぱりちょっとは歯止めをか けなきゃいけないということでやっていますので、御理解願いたいというふうに思います。 ○遠藤小委員長  運用上、そのような対応を現在やっておるというようなお話です。  ちょうどお話は大体承りましたので、事務局に対しても幾つかお願いをしましたので、 本日この件につきましてはこのあたりで終わりにしたいと思いますが、事務局宿題をまた しかるときに出していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  引き続きまして、明細書についてを議題といたします。事務局から資料が出されており ますので、よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  本文は診−3、そして参考資料がついております。タイトルでは明細書の発行などにつ いてと書いてありますが、構成上は3つから成っていまして、1つは領収証と明細書。そ して2つ目がオンライン請求義務化。それから電子化加算と、この3つから成っておりま す。  それで、領収証と明細書と、それからオンライン、あるいは電子化加算というような、 直接には関係しないんですけれども、実態としては領収証、特に明細書を発行する場合に は、やっぱり電子化されているかどうかということとある程度リンクをしますので、ここ で御議論いただくこととしております。  参考資料のほうから見ていただきますけれども、領収証の交付についてですが、少し歴 史的な経緯ですけれども、平成18年度の改定で、保険医療機関は領収証を無償で交付し なければならないということになっておりまして、保険薬局についても同様の規則が定め られたということです。  それから、言うまでもないことですので、見ていただければ分かると思いますけれども、 領収証というのはこういうようなもので、医科が3番目。歯科が4番目、それから調剤報 酬の場合が5番目のスライドということになっております。訪問看護の場合にも、このよ うな6番目のようなスライドです。  一方、明細書と領収証は似ているようですけれども、明細書はちょっと違っておりまし て、平成20年度改定で、保険医療機関及び保険医療養担当規則を改正しまして、患者か ら求めがあった場合に明細書の交付をするということを義務化いたしました。  それで、第5条の2にありますように、さっきは単純な義務化だったんですけれども、 今度は患者から求められたときは、しかも当該費用の計算が基礎となった項目ごとに記載 した明細書を交付すると、こういうことになっております。  見ていただきますと、8番目のスライドがその例ですけれども、ちょうど支払基金や国 保連に提出するレセプトとかなり近似したような形のもの。これが明細書でございまして、 繰り返しになりますけれども、患者から求めがあった場合には出すと、こういうことにな っています。  それで、9番目以降は、さきの検証部会に出したスライドですので、御覧になった方も 多いと思いますが、まず明細書の発行の状況ですけれども、すべての患者に対して発行と いうのは、全体で、トータルで7.5%。それから、一部の患者のみに発行が31.4% という状況になっております。  次ですけれども、10番目のスライド。明細書の発行依頼の頻度ですけれども、ほとん どないというところが80%でございまして、一方でほぼ毎日とか、週に数回というとこ ろも多少はあるようですけれども、大抵のところは、そんなに頻繁には出していないとい うことです。  ただ、ではなぜ発行していないのかという理由を聞きますと、希望する患者がいないと いうことが、これは複数回答ではありますけれども9割を超えていますし、希望する患者 が少ないと合わせますと、もう97%ぐらい。これは複数回答ですが、97%ぐらいが希 望する患者がいないということになっております。  明細書は、今後どうしますかと聞きますと、やっぱり先ほどの規則に倣う形で、依頼が あれば発行という形のところが多いということです。  それから、明細書の発行が一部義務化になっているわけですけれども、希望する患者が いないという答えが92%もある中で、では患者さんへ周知していますかと聞きますと、 半分ぐらいの医療機関、施設で、実は特に何もしていないということになっています。し かし、一方で支払窓口に明記されていること、窓口にポスターを掲示されているというと ころもあるということです。  それから、明細書を発行するようになってからの変化ですけれども、ここに御覧いただ きますように、「大変深まった」から「変わらなかった」まで、こんなような状況です。  それから、患者との信頼関係についても「大変深まった」から「やや深まった」まで、 あるいは「変わらなかった」まで、こんなような状況です。深まったというところは、そ れほどは多くないのかもしれません。  それから、次に14番のスライドですけれども、明細書の様式はどうですかというと、 先ほども説明しましたように、レセプトと同じ様式というところが、トータルで見ますと 4分の1ぐらいですし、自施設で独自に作成した様式というところがありますと。  それから、明細書の費用徴収の方法ですけれども、1件ごとに定額を徴収というところ は、平均してみますと23%です。それから、ページ数ごとに定額徴収、その他、それか ら徴収していないというところもかなりあります。トータルで見ますと70%。訪問看護 ステーションなどでは、もうほとんど徴収をしていないということのようです。  それから、次の16番のスライドですけれども、明細書発行の希望を、今度は患者さん に聞いているわけですけれども、患者さんに聞きますと、楕円形で囲っておりますけれど も、金額によらず希望する、実費相当であれば希望する、無料であれば希望するという方 を含めますと50%、半分を超える方が希望されております。無料であればという人が多 いというのは、一定の特徴かもしれません。  明細書を受け取った経験はありますかと聞きますと、受け取ったことはないという方が 半分を超えているというのが、17番のスライドです。  それから認知度ですが、先ほどやっぱり、特別な周知をしていないという医療機関が多 かったわけですけれども、やっぱり患者さんに聞いても知らないという人が6割ぐらいい らっしゃるということです。  では、逆に知った人は何で知ったんですかと聞くと、掲示板とかパンフレットとか、あ るいはインターネットで見たということです。  明細書を受け取ってよかったですかといって患者さんに聞くと、医療費の内訳が分かり やすくなったとか、治療・検査内容が分かりやすくなったという声があるということです。  以下、病院・一般診療所、それから保険薬局で聞いていますが、ちょっと時間の関係も ありますので省略させていただいて、22番のスライドですが、明細書が治療の内容の理 解のために役立つと思うかと聞きますと、役立つと思うという人が半分を超えていました。  ここで、領収証と明細書の話は一たん切れまして、オンライン請求義務化の見直しです。 これは直接には診療報酬とは結びつかないんですけれども、先ほどお話をしましたように、 特に明細書を発行する場合に、レセプトの様式をそのまま準用していらっしゃる。これは 機械のソフトだとか、機械の種類、構造とも関係するわけです。ソフト等との関係もあり まして、オンライン請求をしていたり、後に申しますが、電子化をしているところでは、 比較的この明細書が発行しやすいということと関連しておりますので、ここでお話をした わけでございます。  24番目のスライドで、レセプト電子化のスケジュールを書いておりますし、また電算 処理システム普及状況の内訳を書いておりますが、先ほども申し上げましたように、診療 報酬あるいは明細書の話とは直接には結びつきませんので、この細かな状況については割 愛させていただきます。  それから、電子化加算も、先ほども申しましたように、直接には領収証やあるいは明細 書の話とは結びつかないんですけれども、電子化が進んでいるということで、領収証、明 細書が出しやすくなるという部分がありますので、関連をしてお話をするわけです。  少し復習をしていただきますと、平成22年度までの時限的措置として、要件を満たし ている場合に初診料に加算ですよということで3点、つまり30円がついているわけです けれども、その施設基準がありますように、許可病床数が400床未満の保険医療機関で、 こういうところについて、次のいずれにも該当している場合にこの算定ができますよとい うことで、一つは診療報酬請求に係る電算処理を導入している。個別の費用ごとに区分し て記載した領収証を無償で交付しているということになっています。  次のいずれかに該当するということで、1から10までの基準が示されていると、こう いうことであります。  それで、その届け出の状況についてもお示しをしております。  本文にもう一度戻っていただきます。今申し上げましたことをできる限り繰り返しをせ ずにと思いますけれども、診−3の1枚目は大体御説明いたしましたので省略させていた だきます。  それで、2ページ目の3のレセプトオンライン請求のところですが、これも先ほど申し ましたように、オンライン請求につきましては、直接関係はありませんが、11月25日 に改正を行い、11月26日に新しい取り決めでのレセプトオンライン請求の在り方につ いて施行いたしましたので、1から5まで御紹介をするということです。  ポイントだけ申しますと、お医者さんがすべて高齢者であるとか、そういう方を中心に 義務付けを免除したり、あるいはオンライン請求を義務化していたわけですけれども、電 子媒体またはオンラインによる請求でもいいよということで、選択制へ変更したというよ うなところがポイントになります。  論点になるわけですけれども、まず1つ目は、1、明細書の発行についてということで、 保険医療機関に対する明細書発行義務化について、今後どう考えていきますかということ です。それから、保険薬局についても同様です。また、明細書発行の患者への周知方法、 なかなか知られていないというデータがありましたので、周知方法についてどう考えるか ということになります。  それから、2番目の診療報酬上の措置ですが、先ほどから繰り返し申し上げております ように直接には結びつかないですが、明細書の発行を推進するためには、医療機関のIT 化というのが重要な役割を果たすということでして、今電子化加算というものを設けてお りますが、これはレセプト電子請求、オンラインと直接には関係なく、電子化を進めると いうことに着目して点数をつけているわけですが、一方で明細書発行が義務化されている 保険医療機関は対象外となっておりました。  せっかくこういう点数もつき、また明細書、領収証も今後発行ということですから、こ うしたこととも絡めながら、診療報酬上どう評価していくか、それから先ほど申しました ように、一定的に、時限的、暫定的措置ということになっておりますが、これについても どう考えるかということについて、御議論いただければと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。続きまして、勝村委員から資料が出されておりますので、この 資料について御説明があれば、勝村委員、よろしくお願いします。 ○勝村委員  すみません。まず資料A4判の2枚お配りいただきました。資料に関しては、事前に委 員の皆様に配付、伝わっている状況でというマナーがあるにもかかわらず、ちょっと昨晩 というか、深夜に無理にお願いをしまして、既成の文書であるということと、ちょっとこ の明細書の議論が今度いつあるかよく分からないという点、そして自分が読み上げるかわ りに、ちょっと見ていただけるというために使わせていただくということで、ちょっと無 理に資料の配付をお願いしましたことを、認めていただいたことを感謝いたします。また、 緊急に資料を出させていただいたことをおわび申し上げます。  この明細書の件なんですけれども、以前から中医協改革という話があって、患者の視点 を重視するということを上げてもらっていたわけです。  その方向でいろんなことが議論されてきましたが、私は以前より患者視点を重視という ときに、この明細書が医療を受けて、医療機関の窓口で自己負担を支払う際に、すべての 患者が無料で受け取ることができるということが、患者の視点重視の根幹ではないかとい うことでお願いをしてきました。  中医協が決めている、まさにいろんな加算であるとか、いろんな単価というものを、医 療を受けるたびに患者の皆様に見ていただくことで、国民すべてというか、すべての患者 が中医協の委員になれるというか、いろいろ意見や感想を持つことができるということで、 それが患者視点を重視することになるということで、強くお願いしてきたところです。今 回のこの資料は、そういうある種、私の知る限り、いろいろな医療にかかわる患者団体や、 市民グループとかが明細書発行に皆さん要望しているところだと思いますが、特に、薬害 の被害者団体も強く要望されているのだということを、ちょっとお伝えしたくて、資料を お願いしたところです。  1つ目が、中医協が患者の視点重視を謳ってから、過去に2年に一度、2回公聴会とい うのを開いているわけですが、前回の公聴会で10人の方から話を聞く中で、1人、肝炎 の病気を患いながらも、公聴会で発言していただいた浅倉さんという方なんですけれども、 その発言の時間すべてを明細書発行に関する要望に割かれて、薬害の再発防止には欠かせ ないんだということをお話しされたということです。  また、今回も公聴会があるのかもしれませんが、同じ意見を何度も発言してもらうとい うことよりも一度された発言を生かすために、また、これも議事録にしか載っていないの で、なかなか議事録も長いので読みこなせませんし、私は感銘を受けた議事録ですので、 新たに委員になられた方もおられるので、ぜひ浅倉さんの気持ちが多くの方に伝わればと いうことでまた読んでいただけたらと思ったものです。  もう一つは、これはやっぱり前回改定の直前になると思うんですけれども、全国薬害被 害者団体連絡協議会が、当時の舛添大臣に出した要望書です。ここには、患者が請求をし た場合だけじゃなくて、すべての患者に明細書を発行してほしい。それから、無料で発行 してほしい。DPCの場合でも、使った製剤名とか、血液製剤とか、薬剤とかが分かるよ うにしてほしいということを、要望されていたということです。  18年改訂、20年改訂とある意味なかなかこの議論が進まないというふうな評価をす る人もいますし、少しずつ皆さんの御尽力で進んできたという評価もあるわけですけれど も、今回は、明細書発行していくことで患者視点を重視するということで議論を進めて3 回目の改訂になりますので、私としては、この全国薬害被害者団体連絡協議会が出してい る要望と全く同じ気持ちで、全患者に無料で、DPCの中身も含めて発行してほしいとい うことを、再度お願いするところです。  それで、続けて一つ質問なんですけれども、この、当時の舛添大臣への要望を受けて、 その年の年度末の国会で、舛添大臣が国立大学、国立系の医療機関は明細書発行に関して 見本を見せていかなきゃいけないということで、国立の医療機関は全患者へのDPCの中 身も含めた無料発行を進めていくんだというふうに国会で答弁されたという事実を聞いて おりますが、その後国立系のところで、それはどれぐらい進んでいるのかということを一 つお聞きしたい。  特に、今年になってから薬害再発防止のための医薬品行政の見直しという、第一次提言 というのが今年の4月に出されているんですけれども、そこでも患者本人が使用された製 剤名を保存していくことができるように、明細書を完全に交付する必要がある旨が書かれ ておりますし、民主党の政策集2009インデックスにも、医療費の内容と単価が分かる 領収証が発行されるようにします、と書かれていて、ぜひ国立系ではとりあえず見本とし て進んでいることも期待したいんですが、もしその当たりも分かる範囲で教えていただけ ればということと、意見と質問と一つずつですが、以上です。ありがとうございました。 ○遠藤小委員長  コメントの御説明だけでなく、御主張と質問もついでにあったわけでありますけれども、 これから議論に移りたいと思いますけれども、ただいま勝村委員から国立の医療機関にお いての、この明細書の発行状況についてはどうなっているかというお尋ねですが、これは 把握しておりますでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  先ほど、特定機能病院のところでお話がありましたけれども、いわゆる高度医療センタ ー、ナショナルセンターというところでの発行状況ですけれども、ナショナルセンターは 全国に6施設、8病院ございまして、すべての施設で患者の求めの有無にかかわらず、全 患者に無料発行をしているという状況です。  それから、2つ目は、そのナショナルセンター以外の国立で、これは、今は国立病院機 構というところに属しておりますけれども、国立病院機構での発行状況ですが、今145 病院ございます。平成20年度の末時点ということなので、ちょっと古いデータで申しわ けありません。つまり21年3月の時点の調査で大変申しわけありませんが、全患者に対 して発行しているのは8病院ということです。  順次、拡大の予定をしております。残りの137病院、8病院が全患者に対して発行し ているんですが、残りの137病院は、患者から求めがあった場合には無料で発行してい るということです。  何で137病院は、全患者に対して無料で、今の時点で発行できないかというと、医事 会計システム。先ほどから何度か申しましたが、電子化やオンラインと関係をしておりま して、やっぱり国立病院機構もそれぞれ医事会計システムを持っていまして、リース期間 があるということだそうです。そのリース期間が、大体おおむね5年なので、そのリース 期間の終了のタイミングに合わせては、そういう意向に従おうとしているけれども、今は 買い換えのタイミングを待っている。買い換えなりリース契約のタイミングを待っている ということでございます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  一つ、私のほうからお伺いしますが、ナショナルセンターとあと幾つか145の国病機 構の話がありますけれども、これDPC対象病院も中に入っているわけですね。  それは、DPCについても、先ほどの患者団体からの要望書の中には、詳細な内容を明 らかにしてほしいとありますが、これはどんな感じでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  国立病院機構については、ちょっと状況が分からないんですけれども、国立高度医療セ ンター、ナショナルセンターについては状況が分かっておりまして、DPCについての投 薬や検査の項目についても記載をしているということです。 ○遠藤小委員長  いわゆるEFファイルの開示ということでよろしいわけですね。  勝村委員、よろしいでしょうか。そういう状態です。  それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  まず順番にですけれども、勝村委員が御提出いただいた資料の、いわゆる浅倉氏のお書 きになったもの、これは大変重要な意味があったと思います。これが証明できない方が、 フィブリノゲンのいわゆる肝炎と認定されないわけですよね。これは大変重要な問題なん ですけれども、今後は、今こうやって電算化義務化が決まって、電子媒体等々でも全部請 求を上げていくというのは、もう急速に日本には全医療機関のほとんどを網羅することに なっていくと思うので、そうするともう最終的に請求を、我々が出すレセプト、請求書と いうのは、保険者のほうに全部登録されて入っていくわけですから、記録は残っていくと いうことで、こういうことは今後ないんじゃないのかなというふうに、期待したいという ことがあるということが一つです。  それから、要望書の、この1番の意味、あと2番、3番はただ無料で出せと言われてお られるだけなので、それは御要望でしょうけれども、なぜということの理由が余り書いて いないので、よく分かりません。  1番に関しては、一番最後にその理由らしきものが書いてあって、医療安全対策や薬害 防止対策に大きく矛盾すると書いてあるんですけれども、これはよく分からない。薬害防 止対策に関しては今申し上げたとおりで、ほとんどそういうことはなくなるはずだろうと。 システム的に思うということであります。  それに関して、事務局にちょっとお伺いしますが、参考資料の22、スライド22です か。明細書が治療内容の理解のために役立つか、このとおりの設問文章だったんですか。 アンケートの設問文章は。 ○事務局(佐藤医療課長)  ちょっと今すぐ確認します。しばらくお待ちください。  原文を読み上げます。「治療内容をより深く理解するために明細書は役立つと思います か」という質問に対して「思う」「思わない」「どちらともいえない」でマルは1つと。 ○安達委員  ありがとうございます。  本当は、明細書というのは、治療だけじゃなくて診断も入っているので、診療内容とい うふうに聞かれたほうは、多分受け取られたのではないのかなというふうに思いますけれ ども、明細書というのは何の検査をしたか、どこの診断料を請求したかということが書い てあるだけなので、診断・治療の内容という本当の意味は、例えば請求書が、この柱を1 本、この床板を1枚といったときの柱の長さや大きさや色であるし、床板の幅広さや形で あると思いますので、それを理解してお答えいただいた、これは答えなのかということを、 大変回答と質問の意味がずれるんじゃないかということを申し上げております。  私が何を申し上げているかというと、この詳細な明細書の発行をすること、例えば個人 医療機関にも少なくとも、電算化レセプトを持っているところは全部義務化しようという お話であると、基本的に反対でないんですけれども、費用よりもむしろとんでもない手間 がかかって患者さん方の待ち時間が大変長くなってしまうということが、結果的に起こり ます。つまり、1台のレセプトコンピュータで患者さんがおいでになって診療すると、そ の内容を全部入力しているわけですが、その場でもしくれと言われたら、そのレセコンを 一度今度は、いわゆるレセプト発行モードに変えて、その上で保険別、種別を分類して、 患者さんを特定して、この分を出しなさいといって印字して出さなきゃいけないんです。  だから、紙の大きさやインク代は知れていますけれども、一たん診療が終わって入力す るときの、多分お一人について倍の時間がかかる。  病院なんかでは、ちょっと待ってくださいねというか、後から取りに来てくださいね、 まとめて出しますからという対応もなさっているようですけれども、それでもやっぱりそ れにかかる時間があるということであって、だから請求の中身を全部見られたからって、 診療内容が分かるわけではないということが1点と、薬害等々のことの御懸念は、今後は 特にでしょうが、電算化される中で保険者のほうにデータが全部蓄積されますねと。  もともと保険組合の加入員としては、現在でも御自分の診療報酬レセプトについては加 入組合に請求されることは可能なのでありますから、全員がそれを必要とされるというふ うに我々は臨床現場で理解しないし、お出ししたところで診療内容の理解が深まるという のは基本的に違うと思うし、そうであれば必要のある方は、そういう医療機関でも、それ はもちろん結構ですけれども、御自分の加入組合に御請求になってもいいわけだし、それ でいいんじゃないですかと。  ここでは、そういう議論は出ておりませんけれども、かつては前政権の規制改革会議だ ったと思いますが、などでは、そもそも国家の経済活動について、物を売って内容、請求 書を全部示さないのはおかしいというような議論までされたんですが、それも我々は違う と思います。それは、自由競争で同じ物を売っても価格が違う場合に、その中身を示して、 こうですということは必要なんでしょうけれども、医療の保険点数というのは公定価格で ございますから、どこでやっても一つの検査、一つの診断については同じ価格なので、基 本的に。だからそれはおかしな議論だろうというふうに思っておりましたということをま とめて、ちょっと意見を言わせていただきました。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  幾つかのことをおっしゃられましたけれども、勝村委員へのお話だったので、特にデー タは保険者に行くのであるから、保険者に請求したらいかがかと。病院に請求しても構わ ないけれども、保険者への請求ということに対してどう考えるかと、ここ一言、この辺に ついてお聞かせいただけますか。 ○勝村委員  まず保険者に送られるのは1カ月単位のデータが、二、三カ月遅れで届く形なので、患 者に開示されるようになるまでにはタイムラグとかもあり、その日の分が分かりにくいと いうことがあります。  私が、最初に中医協の議論の場を情報公開するだけじゃなしに、患者たちが自分たちの 受けた医療に関して、中医協が決めた単価を、医療を受けるたびに見ることによって、本 当の情報公開したことになるんだというふうにお願いしたときに、当時の厚労省の担当課 の方は、それならば診療報酬の点数表という分厚い本を見ればよいとか、それをインター ネットで公開してもよいとかおっしゃったんですけれども、例えば行ったことのないレス トランのメニューを見せられて、この値段でいいですかと言われても、食べてもいないも のの値段が適切かどうかが分からないのと同じように、やっぱり、その日の医療を受けた 直後、その日救急医療を受けた直後、その日、退院するときに、実はこういう加算がつい て、こういう単価で、この薬が、この検査がというふうになって表示されていることで、 1万人に1人でも、そのことからいろんなことを思い、更に発言しようという人が出てく れば、中医協の委員を1万人、2万人とふやしていけるわけで、そういうのが患者の視点 の重視じゃないかというのが、僕の従来の意見なのです。  やはり、健康保険組合でもらうんじゃなくて、医療機関の窓口でその都度もらうという ことが、患者の視点の重視には欠かせないというのが1つの重要なポイントです。それか ら非常に手間がかかるということに関しては、今の状態のままですぐにやってくれてとい ったのならば手間がかかるんだろうと思います、おっしゃるとおり。  なので、先ほども、国立病院機構でしたか、コンピュータのソフト更新のタイミングに 合わせてということなので、少し実施が遅れているところもあるという話でしたけれども、 窓口で払うときに、今日は何百何十円ですと言えるということは、もう全ての明細の入力 が終わっているわけですから、今出している領収書などを発行しているプリンターの設定 をどこかで変える機会をつくってもらって、それで領収明細書みたいなのが、より細かな ものが出せるという形でやってもらうということで、できるだけ手間のかからないように、 医療機関によっては、少し時間の猶予など中期的な面で見てもいいですから、僕は結果と して全てでやってほしいということです。  それから、最初の要望書の件ですが、要望書の理由に対して僕が答える立場でないかも しれませんが、医療安全対策、薬害防止対策という意味でしたら、やはり今もなかなか、 病院の中で受けた点滴名とか、投与された血液製剤というのは、家に持って帰る薬じゃな いので、その正式名称を知ることがなかなか困難だということと、それから本当に知りた いときにはカルテ開示とかが今はあるのですが、それをするきっかけになるものでもあり というか、いろいろと医療費のお金の支払いのことも書いてあるわけですから、とりあえ ず請求ときだけ見せてもらえる情報というのももちろん必要でしょうが、その前提として、 とりあえずこれは全員に必ず出しておくという情報も必要だという区切りでは、明細書と いうのは後者に当たるのではないかというふうに考えています。  医療安全対策という意味では、患者と医療者は情報を共有することによって、医療安全 が高まるということが、いろんな文書とともに医療安全対策の厚労省が作った報告書など に出てきているところで、その際に患者が情報共有するきっかけとなるのが、これではな いかという、きっかけとしての働きにもなるのではないかというようなことで、考えてい ます。  以上です。 ○遠藤小委員長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  繰り返し申し上げますが、私は発行したくないと申し上げているのではないという立場 が基本でございますので、だから勝村委員のおっしゃっていることも私の言っていること も基本的に変わらないと思うけれども、必要度と手間とのバランスで、どっちとりますか という話なので、最後のほうでおっしゃった、例えば医療安全に資するというのはどうか というのは、例えば薬害肝炎みたいな話は、それこそ保険者に御自分のレセプトを開示請 求されれば出てくるわけですから、そこでも多分費用が少し発生しているんだろうと、今 思いますけれども、2カ月ちょっとでそれは出てくる話。  ですから、一つは勝村委員にお伺いしたいのは、もし把握しておられるならば、2カ月 もしくは3カ月という期間が間に合わなくて、それが見られていたら何か対処できたとい うような事例がどのぐらいあるのかということを、把握しておられるのかどうか。つまり、 そんなに急ぐケースがたくさんありますかというふうには、我々医療現場から見ていると 思えないなということがあるということです。  もう一つは、先ほどレセコンのモードを変えてとおっしゃったんですけれども、私はこ れ業者じゃないから分かりませんけれども、ずっとこれまでレセコン何台も買いかえてき ていますが、基本的には入力モードとレセプト発行モードはやっぱり切りかえなきゃなら ないです。同じ器械でできますけど。だから、そうすると今みたいな、手間が余分に非常 にかかるので、そのことの問題と、その必要度の問題とのバランスの話だろうというふう に思うので、そのことをまずお伺いします。  緊急に要る、これがあったらよかったのにと。その月に、そこで出ていればねというよ うなケースが、非常にたくさんあるんですかということです。 ○勝村委員  時間もないと言われてますので、僕は、ここご意見をお聞きしてそれに対してお話しし たいことが切りがないほどあるんですけれども、端的に御質問だけに答えられるかどうか 分かりませんけれども、とにかく、すぐに見ないとやっぱり分からないということはある と思います。どんなものでも、二、三カ月たってしまって、しかも1カ月まとまって記載 されているものを見て、どれがどれに対応しているのかというのは非常にやっぱり分かり にくい。その日にすぐ見るということであれば、ああやってもらったことが、これなんだ な、とわかるわけです。  それと、レセプトに書かれているような単価を患者に見せるということは、僕はごく普 通に一生懸命に患者のためと思っている医療者を絶対応援することになると思っていて、 僕はレセプトを見た患者たちが、なぜ救急がこれほど安いのかという声を上げているのは、 そういうことが分かってきているからであって、もっと人件費に、あれだけやってもらっ たのに何でこんなに安いんだというような声は上がってくるわけで、そういう患者の価値 観というのは、患者のために医療をしたいと思っているお医者さんからすれば、本当にぜ ひ使っていただけると思っています。こんな単価になっているんですよと。もっとここは 上げるべきだと思わないですかと、問いかけることにもなるのです。 ○遠藤小委員長  勝村委員、要するに緊急性があるのかどうかという御質問だったわけですので、分かり ました。  一つ、安達委員にお聞きしますが、レセコンの領収書の発行モードと、それからレセプ トの発行モードを切りかえなきゃいけないと、こういうことですね。 ○安達委員  そうです。領収書発行モードは、こういうふうに区分できますので、印字する範囲が狭 いので、小さな印刷機もそれでも費用は発生しますけれども。 ○遠藤小委員長  印刷機も違う可能性、異なる可能性もある。 ○安達委員  もうレセコンも、もちろん違います。レセコンをプリントアウトする機器は、別にござ います。 ○遠藤小委員長  ただ、いずれにしても、それがソフト上、同時に2枚出てくるようになれば、余り手間 はかからないと、こう理解してよろしいですかね。 ○安達委員  それはそうですね。ただ、今までの、それはこういう義務化がなかったからなのかもし れないけれども、当然我々何回もレセコン買いかえてきているわけですが。 ○遠藤小委員長  多分、そういうこれ義務化がなかったからだと思っていますからね。 ○安達委員  そういう機能はなかったですね。 ○遠藤小委員長  レセコンのその状況について、何か事務局は把握しておりますか。つまり、要するに領 収書とレセプトに近いような、明細書が一緒に出てくるようにすれば手間は余りかからな いと思うんですが、その辺大体業界はどういう対応しているのか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  おおむねもう安達委員からお話があったような感じなんですけれども、結論からいうと、 レセコンベンダー1つとか2つとかではないし、そういう視点で調査をしたこともないの で分かりませんけれども、最近販売しているレセコンでは明細書発行機能というのも標準 装備されているんじゃないかというのが、レセコンベンダーたち、メーカーたちの意見で ございます。 ○遠藤小委員長  標準装備されているものもあるということ。 ○事務局(佐藤医療課長)  多いのではないかというふうに。 ○遠藤小委員長  なるほど。新しいものだとあるかもしれないと、こういう話ですね。 ○安達委員  ありがとうございます。ちょっと、それは私まだ、最近買いかえていないので知りませ んでした。今までなかったということで。  一つだけ会長、追加させていただきます。これ以上言っていてもしようがないので、こ れは議論が長くなると思います。  さっきの患者さん方が治療内容を、これによって分かるようになったという御回答にな ったということと、それから明細書発行の必要理由ということで言われていることについ ていいますと、私どもは基本的に臨床の現場で、患者さんに例えば一つの検査をするとき、 あるいは一つの投薬をするとき、その中身は説明するわけですよね。  さらに、おいでになったときに、検査の結果については、その項目も説明をする。お薬 については、その服用されたかの結果を問診あるいは診察によって確認をしながら次の段 階へいくということなので、この明細書発行が本当に診療内容が分かる手だてになるのか というのは、素朴にいうと少し違うんじゃないかと思っているということを申し上げたい。 ○遠藤小委員長  1号側の白川委員、どうぞ。 ○白川委員  大変失礼ですが、それは随分乱暴な論理だと思います。私どもは、医者にかかって治療 を受けるわけですから、それがどういう内容だったかというのを知る権利があると思って います。  したがって、それは明細書という形でしか当面はないということで、それが必要かどう か、どういう役に立つんだというような議論は非常に乱暴な議論でございまして、私ども は患者としては、ごく当然の要求をしていると考えています。  明細書発行というのは義務付けていただいて、不要であれば不要と申し出るというよう な形が一般の社会では普通だと思うんですが、発行の手間がかかるとかそういう理由で、 あるいは何の役に立つんだという言われ方はちょっと乱暴だというふうに、私は感じます。 ○安達委員  よろしいですか。 ○遠藤小委員長  安達委員の御発言なので安達委員。 ○安達委員  その部分だけ。白川委員に誤解をされると申しわけないので申し上げますが、最初から 申し上げておりますように、発行したくないと申し上げているわけではございませんとい うことを申し上げていることが一つでございます。  それから、中身は公定価格ですから、全部同じ価格ですねということも申し上げている。 必要ならば保険者からもらっていただくという手もあるし、今のような新しいレセコンが 出てくると、それは十分対応可能だということもあるということでありますが、それは治 療内容の説明ではないですねと。経費の説明ですねということを申し上げたと。そういう ことでございます。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私どもの病院もオンライン化しておりますから、明細書の発行は求められれば義務化と いうことなんですが、その明細書というものは、要するに患者さんに説明するために、つく られたものではないので、基本的にですね。ですから、分かりにくいというのが一つあると 思うんです、御覧になっても。  私は、国保の審査員もしているんですけれども、あれは病名が書いてあるから、そういう ところを突き合せながら見るから分かるので、自分の病名だから分かると言われればそうか もしれませんけれども、やはり薬とかあるいは入院なんかですと物すごい量になりますから、 それをわっと見ても、私でもそこだけ見ても、病名がないとちょっと意味が理解できないこ とも多々ございますので、ですからそれを全員にというのは、私は果たして必要とされる方 が全員なのかどうか、それはちょっと疑問かなという気がいたします。  ですから、必要な方にはお出しするのはいいとは思うんですけれども、やはりそれは全 員に無料でということには、すぐにはつながらないのではないのかなというふうに思いま す。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  うちの大学では、大学病院としては日本で最初に明細を出しました。それは舛添ビジョ ンのおかげで、舛添さんと話していて、当然だよということ、私も当然だと思うので発行 しましたが、ただ意外と要望が少ないんですよ、実際は。  我々も、さっきレストランの話が出ましたが、レストランで領収書をもらっても捨てち ゃう、捨てちゃうって余り中身なんか見ないで、材料が何かなんて見ることもないので。 ですから、やはりここは現場というか、現実的には要求する方には出すということで、全 員義務化というのは、僕は全く紙の、今のエコの時代じゃないですけれども、必要もない でしょうし、それからあと医療の内容を、お金を払う人ですと、患者さんと違うことがあ るんですよ。そのときに、自分の病気が何かというのを知られたくないという方もいらっ しゃるので、全部義務化というよりは、やはり知りたい、患者さんがオーケーと言った人 は出しますよと。私は医療の原則は情報開示だと思っています。全部を開示することだと 思いますが、ただ、そこにプライバシーですとかいろんな問題が入りますので、その辺の 歯止めをかける必要があるというふうに考えております。  うちでは、今希望した人には出していますが、意外に少ないと。 ○遠藤小委員長  勝村委員が、ずっとこの主張をされているのは、2つの御主張だと思うのです。  一つは、ある種の啓蒙であって、実際に医療の中身はこういう金額で運営されているん だということを、患者に対するある種の啓蒙する意味合いがあるのではないかということ と、もう一つは、欲しい人だけということは、なかなかもらいづらいとか、そういうよう な2つのことを、いろいろとおっしゃっているのかなと、私なりに理解をしているわけな んですね。それは御本人から言っていただいたほうがよろしいです。すみません、余計な ことを申し上げて。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  もう遠藤会長には、何度も僕の発言を何年間も聞いていただいてその通りなのです。本 当に同じような繰り返しになるかも知れませんけれども、一つ鈴木委員が仰った、見せる とこんなことがという話なんですけれども、僕がたまたま5年ほど前の何かの新聞で読ん だんですが、トヨタ記念病院というとことがかなり早くからこれをやっていたというのを 僕は新聞記事で知ったんですが、初めて実施した日に、その病院の事務長さんが、初めて そんなものを全員に発行するから、医療費の問い合わせがすごくふえるんじゃないかと、 いつもよりふえるんじゃないかと思って、窓口にスタッフをたくさん置いたけど、いつも よりも減ったと。逆に医療費に対しての問い合わせは減ったんだというような主旨のコメ ントが、新聞記事で書いてあったのを見たことがあります。なので、だから一つの病院で どうかというのは分からないけれども、今や国立の医療センターとかでは2年近く既にや ってくれているみたいなので、そういう危惧に関しても多分大丈夫じゃないかと思います。  それから、先ほど安達委員からあった、医療安全や薬害防止にどれほど貢献するのかと いうことに関しては、僕がうまくお答えできたかどうか分からないので、全国薬害被害者 団体連絡協議会というのは、結成した10年前からずっと一貫して厚労大臣にこの要望を 出しておりますので、もし本当に意味をご質問していただくなら、この代表世話人の花井 さんとか、多分、国会でレセプト並みの明細書発行が大事であるということが、最初に、 20年以上前に論議されたときの質問には、富士見産婦人科病院事件などを繰り返さない ために、みたいな発言で始まったと聞いておりますので、その富士見産婦人科病院の被害 者同盟の方とかが、なぜこれを求めておるのかという意見陳述の場とかもあったほうが、 僕が代弁するよりもいいのではないかな思います。私の思い、全員発行が大事だというこ とは、私も初めて行くスーパーに行ったときとか、初めて行くレストランではチェックを 見るし、同じものが2枚目、3枚目だったら要らないなと思ってしまうときもあるかもし れない。だけど、あくまでも、くれようとするから見て、要らないというような場面も出 てくるわけです。  白川委員がおっしゃったように原則発行していただいて、やっぱり不要なときには、エ コの時代だから要らないということは、言えることはあってもいいと思うんです。原則全 員発行という形だからこそできることで、患者たちにとっては、それを初めて見ることに なるという患者の立場からすると、ぜひそこは大きな違いなんだということを御理解いた だきたいと思うんです。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  同じことを。うちはもう情報開示いつでもしますよと。今、勝村委員がおっしゃったよ うに、心臓マッサージ2,900円というのが分かれば、国民もいかに我々がちゃんとや っているだろうと分かってもらえるので、そのほうがずっといいわけです。  ただ、例えばそれを知りたくないという人もいるので、ですから発行はいつでもできま すよと、スタンバイはいいけれども、義務というか、何か強制というのはなかなか、何て いうんだ、何ていうんでしょうね。その辺は出せますから、いつでもどうぞぐらいではだ めなんですかね。義務というと、強制労働、強制労働というか、強制と可能性があるのは、 随分違うような感じがするんですけれども。  あと、紙がすごくエコでもったいなくなりますよ。だから、欲しい人にはいつでもあげ ますよと言っているんだから、別にそれで、義務って、義務というのは、僕はちょっと気 になるんだな。 ○遠藤小委員長  白川委員。 ○白川委員  いえ、嘉山先生。今は明細書をもらうとすると、お金を払わなければいけないという話 になっているものですから、それがおかしいんじゃないですかと申し上げているんです。 ○嘉山委員  うちは、ただ。 ○白川委員  先生の病院はどうか知りませんが、一応そうなっていますよね。ここにもちょっと例が 出ていますけど、5,000円取られたという例があるというようなこともあるわけです。 私が言っているのは、義務化ということにしていただいて、不要な人は別に明細書は結構 ですと言えばいいと。必要な方もいるわけですから、それは必要と言えばいいと。  それから、鈴木先生もおっしゃったとおり、長期の入院になると明細書が2m、3mに なるという話も承知はしております。ですから、それはもう結構ですという患者さんもい らっしゃると思いますし、その辺は患者側の選択に任せていただけませんかということを 申し上げているわけです。 ○遠藤小委員長  現状は、欲しいと言われた場合には出さなければいけない。ただし有料でもいいと、こ ういう状態ですよね。  では、それは西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと過去の経緯なんですけれども、明細書というのはあくまでも私たちが保険請求 のために保険者に出すものだというふうにとらえております。  そういうことで、たしか保険者に請求すれば、被保険者、要するに患者さんは明細書を もらうことができるというルールがあったと思いますが、今その現状、被保険者から保険 者へはどの程度そのような請求が来ているのか、白川委員、お分かりになれば教えていた だければと思います。 ○遠藤小委員長  すぐにお分かりになりますか。 ○白川委員  私が、以前所属していた健康保険組合でいうと、そんなに件数はありません。それから、 さらに申し上げれば、加入者からレセプト開示の請求がある場合も医師の同意が必要とい うことになっておりますので、その手続も嫌がって、言ってこないという患者さんとか加 入者がいたことも事実です。  件数は、そんなに多くございません。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  白川先生、お金のことなんですけれども、やっぱりレストランと、勝村委員、全然違う ところは、我々がレストランと違うことは、自由に私の手術は5,000万円と言えない んですよ。82万円としか言えないんですよね、全部。私がやろうが、だれが手術しよう が、同じ値段なんですよね。そこがレストランと全く違うことを、よくお考えになってい ただきたいんです。  ですから、うちはただで出していますけれども、やっぱりそうでない病院もあるので、 これはIT化の問題にもかかわるので、全体で何かしらしないと、無理な、大変な部分が 出てくると思います。 ○遠藤小委員長  無料化のほうの話では、どういうお考えですか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今、白川委員がおっしゃったこと、一つ私申し上げようと思っていたんですけれども、 義務化にするときには、そういう新しいタイプのレセコンがもしあるとすれば、そういう ものがかなり普及してこないと、かなり現場は混乱するだろうし、患者さんの皆さんにも かえって御迷惑がかかるだろうということを、さっき申し上げた。それが一つですね。  それから、もう一つは、確かに組合員の方が健康保険組合に請求されたときは、医師の 同意が要るとなっていますよね。あれの意味は、私は一つしかないと思っていまして、例 えばこれは日本の文化の話であって、例えばがん性病変の病名がついていると。御家族と 我々が相談をするときに、本当に意気消沈して危ないから言わないほうがいいと、言わな いでくれというような御家族の御判断、最終的なのがあると、それは御本人には病名言っ ていない場合ってあるわけですよね。それが、レセプトだとそのまま出てきてしまうとい うようなことで、医師の同意が要るということに多分なっているというふうに私は理解し ているんです。  ですから、これも電算機の機能として、同じレセプトを出しなさいだと病名も出てきて しまうということがあるので、それは注意が要るなというふうに思っていますということ が1点。  私、過去の記憶では、組合員の方が健康保険組合に御自分のレセプトの請求、開示請求 された場合、それは費用負担が発生していませんでしたかね。 ○白川委員  していないと。 ○安達委員  たしか無料じゃなかったように私は記憶しているんですけれども、違いますか。 ○白川委員  していないと思います。 ○遠藤小委員長  それはまたお調べいただいて、いずれということで。  西澤委員、関連ですか。 ○西澤委員  先ほど同じ質問しようと思ったんですが、事務局が分かれば教えていただければと思う んですが、保険者に請求したときに対して手数料。以前はたしか取っていたと思うんです が、今は取っていないんでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お分かりになりますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  ちょっと、事実は分かるんですけれども、費用についてちょっと調べておりませんので、 ちょっと今日は。 ○遠藤小委員長  では、同じように後ほどまたお願いしたいと思います。 ○西澤委員  保険者のこと分かりませんか。 ○遠藤小委員長  分かりました。事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  通達上は手数料を徴収することはできるというふうになっていて、手数料を徴収する場 合には、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において定めた額ということな ので、取れるということになっているということについては変わりがないけれども、実態 としてあまり取っていないんじゃないかとは思います。 ○遠藤小委員長  分かりました。西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  そういうことですね。保険者に請求したら取ることができるとなっているのに、保険者 の方々から医療機関で出すときには無料にしてくれというのは、何となくちょっと違うよ うな気もしますので、そこら辺は。  いや、勝村君じゃなくて保険者の方におっしゃっているので、ちょっとどうかなと思い ました。 ○遠藤小委員長  分かりました。 ○勝村委員  ちょっと理屈が違っているように思いますので、ちょっと一言。 ○遠藤小委員長  では本当に一言で。 ○勝村委員  今、比較しなきゃいけないのは、医療機関が7割分の医療費を請求するときには、その 請求書を発行するときに、無料で保険者に7割分の請求、レセプトを発行していますよね。 ○西澤委員  保険者にですか。 ○勝村委員  医療機関が保険者に対して7割の医療費を請求するためにレセプトを発行するときに、 まさにレセプトですが、7割を払ってもらう保険者にレセプトを無料で発行しているのと 同じように、3割を払っている患者にもと、いう趣旨なので、比較するのはやっぱりそこ の2つで比較すべきだというふうに思います。 ○嘉山委員  レストランと全然違うじゃない。 ○遠藤小委員長  この種の。 ○勝村委員  レストランに関する、嘉山委員の僕に対するご意見にもちょっと誤解があるかと思うの ですが、もう時間がないので。 ○遠藤小委員長  勝村委員、分かりました。  そういう意味で、情報の開示という点では非常に歩み寄っているわけですけれども、や はり微妙な、最終的な有料化の問題と原則義務化ということについては、まだ意見の一致 は見ていないところです。  牛丸委員、どうぞ。手短にお願いします。 ○牛丸委員  患者の知りたい権利から、求める人に対しては知らせるというのは、それはいいと思い ます。  ただ、この間の検証部会で、この調査を読ませていただいたときに、お医者さんの自由 記載欄の中に一つあったのが気になっておりまして、これをどういうふうにしたらいいの かと。今、安達委員からもお話がありましたように、知りたい権利を満たすのはいいので すが、病気によっては本人に知らせたくない。それをどう対処したらいいかという、この 問題がうまく処理された形で、知りたい患者に知らせる。この工夫が、どういうふうにし たらいいか、ここにちょっと引っかかったので、何かこの辺についても、うまく対処して いただきたいという希望を持っております。 ○遠藤小委員長  それは以前より議論にもなっていることでもありますので、重要な御指摘をまた喚起し ていただいたということで。  渡辺委員は、もしあれば簡潔にお願いします。 ○渡辺委員  この話が進んでいけば、それは当然診療所という形で、一般診療所、歯科診療所も同じ ようにという流れがあろうかと思います。  そこで、歯科の状況をまずお話ししたいと思うんですけれども、まず治療の内容が患者 さんに分かるようにという話ですけれども、歯科の場合、当日の治療というのは、患者さ ん自身が一番よく分かっておると思います。今日どこの歯を、どのようなことをしたんだ ということ。当然、やる前にはお話しして、こうしますよということでやるわけですから。 あるいは入れ歯を入れました。それは、患者さん自身が、それは十分それをちゃんと入れ てお帰りになっている。よく分かることなので。  そういうことで、内容が分かるようにということは、少なくとも歯科においては、当日 発行される領収書で、その金額が分かれば、ほとんどその中身は把握されるだろうという ふうに思います。 ○遠藤小委員長  渡辺委員、先ほど来一号側が言われているのは、そういうことかもしれないけれども、 役に立つかどうかはこっちの判断なんだから、とりあえず出してくださいと、こういう話 なわけですね。 ○渡辺委員  それに対しては、先ほどお話がありましたように、発行する側、診療側の体制といたし まして、すべてがレセコン等でやっているということではありません。領収書にしても、 手書きでやっているところは多数ございます。それをまた、明細を書くということになり ますと大変な作業になりますので、とてもそれは無理ではないかというふうに思います。  それで、実はこのカルテ、ではなくてレセプトでもいいという話がありますね。実は歯 科のレセプトというので見ますと、かえって分からなくなります。100項目ぐらいの項 目がありまして、そこにそれぞれの数を書いていくという形です。かえって領収証で、こ の領収証の項目を分かりやすくすることによって、さらに患者さんにとっては、そのほう が分かりやすい内容の把握になるだろうというふうに私は思いますので、歯科としてまず この義務化ということにはちょっと同意ができないということと、義務化することは当然 すべての方に発行するのが大前提になりますので、その体制がとてもとれないという、効 果もかえってないというふうにお話ししたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。特に、歯科の場合は、比較的小規模なクリニックが多いという こともおありになるでしょうし、診療内容についてもということで、歯科のほうからそう いう御意見だったと。  また、ここから議論しますと、今の繰り返しになりますので。 ○嘉山委員  会長、一言だけ。  やっぱり、これは、僕は情報開示なので、請求書は出さなきゃいけないと思います、我 々が。ただし、やっぱりいろいろなこと、超えなきゃいけない問題があるようなので、例 えば先生がおっしゃったようなプライバシーの問題ですね。患者本人からやっぱり同意を とらなければ、出せばそのお薬から、どういう治療をしているか、みんな分かりますから。 ただし、それを全部ただでやるかどうかは、レストランではないので、この辺のことをま た会長、整理してやるというしかないと思います。  あと、勝村先生、我々にそういう要求は、私はそれで大賛成なんですけれども、そうい うことが積もり積もって、結局どこか省けるところがあればよかったんですけれども、先 ほど坂本委員もおっしゃったように、疲弊しちゃっているんですよ、そういう書類で。で すから、その辺を何とか整理していただければいいと思うんです。それはITを使ったり なんかすればできると思うんですが、そういうことも積もっていますよということも、御 理解願いたいと思います。  私は、原則としては出すのに賛成です。 ○遠藤小委員長  そういうことで、情報の開示という点では合意を得ているわけですけれども、細部につ いては、まだ今後の議論ということにさせていただきたいと思います。  事務局に一つお願いがあります。ちょっと、ベンダーに聞いていただいて、レセプトと 明細書が同時発行できるような、そういうようなシステムを搭載したレセコンみたいなも のは出ているのか、あるいは今後どうなっていくのかというようなこと、もし分かるよう であればちょっとヒアリングをしていただければというふうに思いますが、よろしいでし ょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  承知いたしました。 ○遠藤小委員長  お願いします。ありがとうございます。  それでは、まだまだお話はあるかと思いますけれども、明細書につきましてはこれをも ちまして終了したいと思います。  ほかに何かございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません。先ほど総会のところでお聞きするべきだったんですけれども、社会保障審 議会の医療保険部会の資料を今日初めて拝見したので、読んでいるうちに総会が終了して しまいまして、事務局にちょっと確認させていただきたい点があります。  4ページです。IIIの後期高齢者医療の診療報酬についてということで、この部会の御 意見として、この診療報酬体系とおっしゃっているのは、いわゆる包括の後期高齢者診療 料のことですよね。という理解でよろしいですね。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  それを含めた17項目ということです。 ○安達委員  後期高齢者診療料も含めてですか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  後期高齢者という名前のつく診療報酬項目が17ぐらいありまして、それをここでは体 系という言い方で表現をしております。 ○安達委員  分かりました。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。 ○安達委員  そうすると、一つだけお伺いしますが、後期高齢者診療料も含んでいるということであ れば、最後の結論は、このような診療報酬が設けられた趣旨、目的にも配慮しつつ、具体 的な報酬設定を検討することとすべきであるとなっておりますが、ということは、その中 に含まれている後期高齢者診療料みたいな包括点数を一度見直して、別途また包括点数で 設定しようということが必要だと、そういう御意見になっていると、そう理解していいん でしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  部会でも同様な意見が出ましたけれども、完全廃止という意味ではないという点は、御 了解をいただいたようです。つまり、こういう項目を全部廃止するということではない。 後段のところにありますように、趣旨や目的は一定の意味があるだろうということでした ので、例えばということで私どものほうから申し上げたのは、年齢を拡大するということ もあるでしょうし、また逆に項目そのものを全部廃止するということもありましょうし、 また別な観点から別な名前と、別な要件で項目が設定されることもあるかもしれません。  しかし、いずれにしても後期高齢者という年齢に着目をした項目と、それからその名前 については、一たん廃止をしようというような議論になったと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいですか。 ○安達委員  はい、もう長くなりますので結構です ○遠藤小委員長  また、これまとまった段階で、御報告があるわけですので、そのときにまた御意見いた だければと思います。  それでは、本日の小委員会、これにて閉会いたしたいと思います。  どうぞ、伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  このレセプトオンライン化の請求についてでありますけれども、これは請求省令の改正 についてということで、かなり後退をしてしまったという感が否めないわけでありますけ れども、この4番目の平成26年度の末までとか、請求を、義務を出すと。これは何とな く分かるんでありますけれども、余りにも義務付けのほかに免除項目が多くて、これ実は 支払い側から申し上げますと、例えば請求の、要するに突き合わせでありますね、審査を いたしますが、手書きがふえるということで、これはまさに事務経費の拡大ということに なっておりまして、これは診療報酬とは全く違うところでありますけれども、これは何と かひとつ御協力をお願いしたいということであります。  審査の迅速化を目指したりとか、それから我々のいわゆる保険者の中の、要するに保険 料金ということにも、このあたりの幾らかのものは入っておりますので、ぜひひとつ、こ れは前へ進めるためにも、努力義務ではありますが、何とかひとつお進めいただけるよう に御努力をいただきたいということを思っております。 ○遠藤小委員長  まず関連ですので、北村(光)委員から2号側にお願いします。 ○北村(光)委員  今の件について、ちょっと一言。国民皆保険がきちんとこの国では守られているのは、 やはり医療に関連する方たちの協力体制とシステムがきちんとしていることだろうと思い ますが、2カ月で大体金額が支払われていると伺っております。  普通、一般企業では4カ月から5カ月、下手すると6カ月超えて、ましてや不渡りが来 るという危険がある。お金が入らなければ商売は成り立ちません、私たち経営は。ですか ら、だからって、いいですなということを言っているんじゃなくて、そういうことで関連 する方々が、2カ月で診療側にもお金が行くように皆さんが協力し合って、この国の国民 皆保険を守っているんですから、ぜひ透明性を高めていただいて、オンラインというのは ちょっと後退しちゃいましたけれども、ぜひIT化とか、そういうその請求方式、請求に やっぱり透明性を持っていただきたい。  払うほうとしても、一生懸命2カ月であれ、もしかするとそれをさらに短縮できるかも しれないわけですから、そうなれば。  ぜひこの点を御理解いただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  お二人の御意見、まず北村委員の後段の御意見は、我々は2カ月でお支払いただかない ともたないほど脆弱な資本体系なんでございますと言うほうが正しいだろうと思っており ますけれども、それをいいなというわけじゃないとおっしゃいますので、それはいい。  それで、あと透明性の話と、伊藤委員の御指摘のお話は、基本的に我々は、例えば日本 医師会の情報化委員会を通じて、日本医師会全体は、この診療報酬請求の電算化というこ とはどうしても必要であるということで、賛成であり、積極推進の立場でごさいました。 請求方法としてラインを使う必要はないんじゃないか、むしろ経費はかかるし、しかもデ ータ漏えいの心配が高いということで、これは要らないのではないでしょうかということ は申し上げてまいりました。今回の改定は、それをどう聞いていただいたのか分からない けれども、そういう趣旨に沿った改定をしていただいたと思います。  あと、伊藤委員御指摘の手書き医療機関の話でございますが、御承知のように、この数 年だけでも、いわゆる電算機を、レセコンを持たない手書きのレセプトというのは急速に そのパーセンテージを減少してきておりまして、今全体の診療報酬請求の数%を占めるだ けになっていると思います。  これがやっている医療機関というのは、ほとんどがある程度以上の高齢の、しかも地方 のいわゆる過疎地に近いようなところの医療機関が圧倒的に多いわけでございまして、そ れを我々がいろいろアンケート調査をしますと、そこまでもう電算化ということで、不慣 な電算化をやることや、その経費の負担の問題や、あるいは実は機器の経費負担だけを補 助していただいても、その後、稼働させる人件費の問題やそういうこともあって、もうそ れじゃ医療機関を閉じたいという方が、非常に多くなりました。  これは、そういう特に地方の過疎地が多いので、そういう条件で医療機関がそこを閉じ てしまわれますと、そこに医療をお受けになる方に対して非常に大きな医療提供体制の不 平等というか、穴が開くということがあるということも勘案した上で、我々はできれば、 それは免除にしていただけませんかということをお願い申し上げてきたわけでございます。  それも、どこが聞いていただいたのか分からないけれども、今回はそうなりましたとい うことで、手書き医療機関はもう、あっという間になくなります。それから、日本の診療 報酬請求全体のデータベースをとる上で、現在でも、その数%ぐらいの枚数にすると、ト コロンデータとれないからといって、全体傾向が把握できないということでもないだろう と思いますので、手書き医療機関を免除されたというのは、医療の透明化に非常に大きな さおを差しているというふうには我々は感じておりませんし、むしろ首相が所信表明で言 われた、弱者にも温かい手を差し伸べるという政策の延長の話ではないのかなと、私はそ ういうふうに理解をいたしております。 ○遠藤小委員長  はい、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  今の安達委員のお話と同じなんですが、やはり地方では、御高齢で80代で、その地域 で唯一の開業医とか、そういう先生もいらっしゃって、やはりここにこういう全員65歳 以上みたいにいうと、何か信じられないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、 そういう現実があるということで。それはやはり実情を御理解いただきたいということです。 それと我々はもう既にオンライン化してしまいましたが、それも全部非常に厳しい経営の中 で、みずからそういったものを投資をしたということでありますので、2カ月で早いか遅い かということはありますが、我々からしたら、経営上は本当にもっと早く、オンライン化と いうか、電子化になったんだったら、もっと早く、少しでもしていただけないかというつも りでございます。ある程度規模が大きくなりますと、月末の入金までの間につなぎ融資とか そういったものを受けないと厳しい場合もございますので、今回少しは御協力させていただ いたということですので、ぜひそういう早期の支払いも御協力いただければというふうに思 います。 ○遠藤小委員長  渡辺委員、どうぞ。手短にお願いします。 ○渡辺委員  日本歯科医師会の基本姿勢は、医療におけるIT化の推進というのが、これは必要でし ょうという認識でございます。  ただ、今回のことは義務化という形で、やっぱりそれには、基本的にはこれ手挙げ方式 で、やれるところはどんどんやっていただいて、どうしてもできないところまで義務化と いうのが、無理でしょうということを主張してまいりました。  そういう結果でございますので、御理解いただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。それでは、この議論はまた継続してやっていきたいと思います ので、よろしくお願いいたします。  では、本日の…… ○嘉山委員  先生ちょっと。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  本日は、この小委員会は勤務医負担軽減策だったので、大学のことを今日お話しさせて いただきましたが、最後のとりでの。ぜひとも、先ほどの大学の教官が、医学部の教官が あれだけやっているということを、1号側の先生方には御理解願いたいと思います。  もう大学に残りたくないという教官が本当に多いです。この辺は考えていただかないと、 現実ですから。私も幾ら若い人に学問の楽しさとか、そういうのだけを言っても、なかな か現場がついてこれないです。  これ、今日は教育のことをお話しすると白川先生あたりに叱られると思ったので、教育、 研究のことは、余りお話ししませんでしたが、東京大学でも研究者が昨年度は1人、その 前の年はゼロです。  やっぱりこれは中医協で、こういうのは医療費のつけ方をつけてきたために、大学のほ うはすごく負担が来ちゃった結果が一部あると思いますので、処遇も含めて、1号の先生 方には御理解願いたいと、今日発表を聞いてですね。  あと、会長にはお話ししてあるんですが、うちでいろんな工夫を、勤務医のですね、工 夫を今していますので、そのことは後日また会長から諮っていただいて、お願いをしたい と思います。 ○遠藤小委員長  勤務医の負担軽減のところで、ちょっとお話しいただこうかなと思っていたんですけれ ども、ちょっと今日は時間もないものですから、山形大学で勤務医負担軽減と絡むような 取り組みということで、一連のお話を短い時間していただこうかなと思っています。よろ しくお願いいたします。  それでは、これをもちまして、小委員会を終わりにしたいと思いますけれども、次回の 日程等につきまして、何かございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  12月2日を予定しております。決定し次第、また連絡させていただきます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。  それでは、これをもちまして小委員会を終了いたしたいと思います。  ありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)