09/11/02 第23回医療情報ネットワーク基盤検討会議事録 第23回医療情報ネットワーク基盤検討会    日時 平成21年11月2日(月)                        10:00〜                    場所 中央合同庁舎第5号館 専用第21会議室                    ○秋山補佐  定刻になりましたので、ただいまから「第23回医療情報ネットワーク基盤検 討会」を開催させていただきます。構成員の皆さまにはご多忙のところお集ま りいただきまして誠にありがとうございます。本日は河原構成員からご欠席の 連絡をいただいております。  はじめに資料の確認をさせていただきます。資料1に永池構成員からのご意 見、資料2に矢野構成員からのご意見、資料3は保健医療福祉分野PKI認証局 認証用(人)証明書ポリシ(案)、資料4が保健医療福祉分野PKI認証局認証用 (組織)証明書ポリシ(案)、資料5が診療録等の保存を行う場所に関する提言 (案)です。  続きましてフラットファイルに綴じてあります参考資料ですが、前回までと 変わっておりませんが、参考資料1、(1)医療情報システムを安全に管理するため に。(2)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版。(3)「医療情 報システムの安全管理に関するガイドライン第4版」に関するQ&A。参考の2 がASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン、参考の3がASP・ SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン。参考4 の(1)医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドラインの告示。(2)パー ソナル情報研究会報告です。以上で資料の確認を終わりますが、資料の未配付 など不備がございましたら、事務局までお申し出いただけますようお願いいた します。以後の議事進行を大山座長にお願いいたします。 ○大山座長  本日の議事に移ります。早速ですが、本日構成員の皆さまにご検討いただく 事項につきまして、事務局から説明いただきたいと思います。お願いします。 ○秋山補佐  本日の検討事項につきましてご説明させていただきます。前回第22回の検討 会におきまして、「保健医療福祉分野PKI認証局認証用(人)証明書ポリシ(案)」、 「認証用(組織)証明書ポリシ(案)」及び「外部保存のあり方」につきまして、 構成員の皆様にご議論をいただきました。また、構成員の皆様のご了解をいた だきまして、2つのポリシ(案)及び「外部保存のあり方」につきまして、皆様 に一定期間ご検討をいただき、ご意見を提出いただく手続をとらせていただき ました。構成員の皆様からご提出いただきましたご意見につきましては、参考1 と2のとおりです。    これらのご意見につきましては、作業班でご検討をいただくとともに、資料 の3「認証用(人)証明書ポリシ(案)」の修正案及び資料の5に付けています 「診療録等の保存を行う場所に関する提言(案)」を作成いただきました。  資料4の「認証用(組織)証明書ポリシ(案)」につきましては、前回の検討 会でご検討いただきましたものと変更はございません。資料5につきましては、 構成員の皆様に事前にメールでご確認をいただいているものです。ご意見に対 する考え方や提言(案)につきましては、後ほど事務局と作業班長の山本構成 員からご説明をさせていただくこととしております。  本日事務局といたしましては、構成員の皆様に最終的なご議論をお願いし、 認証用(人)及び(組織)の両証明書ポリシ(案)及び、「診療録等の保存を行 う場所に関する提言(案)」につきまして、とりまとめをお願いしたいと考えて おります。以上です。 ○大山座長  ありがとうございました。いま説明いただきました内容につきまして構成員 の皆様からご意見・ご質問があればいただきたいと思いますが、いかがでしょ うか。人と組織の認証用ポリシの(案)ということが最後に出ておりましたが、 前回お話になっていただいたことを今日、案として出させていただいていると いうことだと思います。この件はよろしいですか。事務局からの説明がいまあ りましたように、前回の検討会以降、構成員の皆さんから意見を募集すると、 同時に作業班でも検討を行っていただきました。作業班の皆様には厚く御礼を 申し上げたいと思います。  これらを前提にまた本日の議論を踏まえまして、認証用(人)ポリシ(案) と、認証用(組織)証明書ポリシ(案)、さらには診療録等の保存を行う場所に 関する提言(案)につきまして、この検討会としてのとりまとめを行いたいと いうことになります。再確認ですがよろしいでしょうか。ありがとうございま す。  また、資料1永池構成員、資料2矢野構成員からのご意見につきましては、 後ほど対応をご説明いただけるということですので、本日の検討事項、それか らその時点までの手続につきまして、ご意見等があればいただきたいと思いま す。ここまでの話で何かございますか。  それでは本日の検討に入らせていただきたいと思います。まず、はじめに「認 証用ポリシ」につきまして、意見提出期間にご提出いただきましたご意見とそ の対応につきまして、事務局から説明をよろしくお願いします。 ○秋山補佐  認証用ポリシ(案)につきまして資料の1にHPKIについてということで、 看護協会の永池構成員からご意見をいただきました。これにつきまして事務局 から回答をさせていただきたいと思っております。  5つポツがありますが、最初のポツを飛ばしまして2つ目のご意見から回答を させていただきます。HPKIの利用範囲についてご質問をいただきましたが、こ ちらにつきましては現在策定しているものは、あくまで署名・認証の基盤構築 のポリシであり、現時点では就労数の把握など統計的な活用は予定はしており ません。  3つ目のご意見は、現在、紙ベースの医療機関に対して何らかの支援について のご質問をいただきましたが、現段階ではまずは基盤整備や基盤構築の必要性 からポリシの策定を行って検討をいただいているところです。その基盤の活 用・普及促進策につきましては別途検討が必要かと考えています。もちろん厚 生労働省ではHPKIの普及促進策を検討する必要がありますので、その中で支 援策のあり方について検討をしていきたいと考えております。  4つ目のご意見は、HPKIの適応範囲についてご質問をいただいておりますが、 まずは署名については、法令で署名または記名・押印が義務づけられた書類が ございますので、それらの取扱いにつきましてはガイドラインの第6.12章、フ ラットファイルに綴じてあります参考の1の(2)に「医療情報システムの安全管 理に関するガイドライン第4版」を付けていますが、そちらの頁で言いますと 73〜75頁に6.12章があります。そちらに記述してあるとおりですが、「厚生労 働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野PKI認証局もしくは認 定特定認証事業者等の発行する電子証明書を用いて電子署名を施すこと」とい うふうになっています。  他方、認証につきましては、内部独立システムでの機関内のみの運用であれ ば、その機関が必要な資格を認証する場合においては、他の認証方法を採用さ れても問題がないというふうに考えています。  最後に1つ目の「職種コードに、実務の必要上、看護師と准看護師を分けて 記入することはできないでしょうか」というご意見と、最後の5つ目、「医師の 麻薬管理、管理薬剤師等の情報をHPKIに付加する必要はないのか」というご 意見です。HPKIでの資格認証の仕組みは、「その人がその資格を持っているこ と」を把握していることが前提となりますが、国が把握している国家資格に限 っています。国で資格所有を把握している医師、あるいは管理薬剤師につきま してはポリシに組み込まれていますが、准看護師、麻薬施用者、麻薬管理者等 につきましては、都道府県知事の免許ですので、資格所有を把握しているのは 都道府県ということになります。したがいまして、現在策定中のポリシにおい て追加することは適切ではないと考えております。  しかしながら、今後、都道府県において認証局を構築するということも想定 されますので、それらに向けて作業班でご検討をいただきました結果、資料3 の保健医療福祉分野PKI認証局認証用(人)証明書ポリシ(案)の48頁に表 の7.1.3、HPKI資格名テーブルがございますが、そちらに現在「General Nurse」 となっていたものを「Registered Nurse」というふうに変更させていただくこ とといたしました。認証ポリシに関するご意見に対する対応は以上でございま す。 ○大山座長  いまの件でまだ追加のご質問があればお受けしますが、よろしいですか。す みません、不勉強で恐縮なのですが、教えていただけると有難いのですが、准 看護師さんで、いまの範囲の運用を考えるときに、この資格を明確にする署名 が必要となる例というのは、どのような場合があるとか、もし差し支えがなけ れば教えていただくことができますか。  都道府県も先ほど認証局がまだ立ち上がっていないというお話があったので すが、確かに都道府県が直接やっている例はないのですが、JPKIって、公的個 人認証サービスは都道府県が委託してやっているのですよね。その中と簡単に つながるとはもちろん思いませんが、可能性のある道はもちろん検討すべきか なということがあるので、お聞きしたいなと思って申し上げたのです。 ○永池構成員  ただいまご質問をいただいた件で、最初General Nurseという表現が気にな った点でございます。なぜこれがGeneral Nurseと訳されたのか、いろいろ考 えてみました。General Nurseではないほかの言葉が何なのかということを追 求して考えた際に、すぐに浮かんだのがこの質問書・意見書の中でも反映させ ています。また例えば訪問看護などの診療報酬、これがいちばん最初に思い浮 かびました。  例えば看護師が訪問した際と准看護師が訪問をした際では、点数が少し異な っております。誰が実施したということに関しての確認をしたいというときに は、准看護師と看護師を分けることが適切ではないかなと思いましたので、意 見として提出させていただきました。 ○大山座長  ここに書いてあることが現実に起きているということですね。ありがとうご ざいます。ほかの皆様方よろしいですか。 ○足立構成員  いまの事務局からの説明だと、看護師に対してはHPKIは発行できるけれど も、准看護師についてはこの仕組みでは発行できないという理解になります。 そうすると、実務上、准看護師がHPKIを使えないということで、不都合とい うのは現場では起こるのですか。 ○大山座長  そこが気になったのですね。先ほどの話は。 ○山本構成員  訪問看護ステーションからの診療報酬、医療の場合と介護の場合があります が、いずれも訪問看護ステーションの管理責任者の方から出てくるという意味 では、仕組みとして制度として、いまこれがないと動かないということではな いのだろうと思います。ただ、訪問看護ステーションの中で記録1、2を記載す る人が准看護師であるのか看護師であるのかという確認は、その施設の中では 信頼できる形で必要。全部電子化した場合には必要になると考えられますので、 その場合は、当面は先ほども申しましたように、ある閉じたドメインの中で確 認をするのであれば、まずわざわざHPKIを使っていただかなくても電子的に 行うことは可能だという、若干姑息な感じはしないでもないですが、そのこと で対応は不可能ではないと考えています。  ただ、都道府県資格であれ、医療の場で仕事を行う公的な資格であることに は違いはないので、いずれはそれは都道府県のPKIになるのかJPKIを応用す るのかという問題は別として、使えるようになるべきだと思っています。厚生 労働省としては、我々が厚生労働省の中でその資格を確認できる、できないと いう意味では、都道府県資格の場合は確認をする手段がないので、いまの厚生 労働省が信頼点を形成するスキームで作っているHPKIの中に、現状持ち込む ことは少し難しいというふうに考えています。 ○樋口構成員  私もこれは本当に十分ではなくて、全く理解できないのです。しかし、素人 が参加しているのも、きっとこの会のいいところなのだろうと思い発言させて いただきます。本当は大きなことをあとで申し上げるかもしれませんが、いま の脈絡、文脈の中でいうと、そう言いながらですが、これは基盤検討会という ことになっていて、情報管理上の基盤を作っているわけですよね。結局のとこ ろは基盤の上に何を作るのかという話で。そうすると、現状という話と将来と いう話があって、将来、議論に関する電子情報化がこのぐらい進んだ将来像と 現状という話がある。  例えば第1点のいまのRegistered Nurseと准看護師という話も、現状ではこ うですという話ですよね。だからそういうふうにお答えになって、それでこう いう会としては十分なのかもしれませんが、将来的にちゃんとこういうものも 准看護師であれ、先ほど結局ほかの問題もあるので、ほかの資格で国家資格と はなっていないものについても、いくつか例示がありましたよね。そういうこ とも含めて当然、厚生労働省としては、ここでは考えないといけないわけです。  ですから、そういうものも含めての上なのですが、やはりこういう基盤の上 に乗せていくことが望ましいという話で、しかし、それがいまはできない、そ れはなぜかという。何かそういうことなのか。そもそもすべきではないという こともありますよね。そういうことがこのケースではどうも考えられないよう な気がしますが、そういう話なのかどうかというのを、もう少し私にも分かる ようにご説明いただければ。ついでに言うと、例えば2つ目もそうなのですね。 「利用範囲を広げる予定はない」、「そうですか」というのでとりあえずは終っ てしまっていいのですが、しかし、これ利用範囲を広げることが本当は望まし いのだけれども、何らかの形で現状としてはできないのか、あるいはすべきで はないのか、そもそも考えていなかったというだけの話なのかという、もう少 し補足をして説明をしていただきたい。これで永池さんのほうはもう十分です とおっしゃるのなら私が言うのも何だかという感じなのですが、そういう感じ なのです。2つだけ例示をしましたが、もう少し説明を補足していただくと助か ります。 ○秋山補佐  説明不足で大変失礼いたしました。このHPKIの仕組み、資料2つ目のポツ についてもお答えしましたが、あくまでまだ基盤構築、いま認証用のポリシの 策定をしているところでして、それをどう活用するかというところまではまだ 議論の途上であるとご理解いただきたいと思います。  そもそも資格付与権者によって、資格証明が必要な場合に用いるものですの で、資格付与権、つまりその資格を与える者が国なのか都道府県かによって与 えるものも違ってまいりますので、それを1つに括って証明書を出すのは現状 では仕組みとしては難しいということです。General Nurseというところを Registered NurseとVocational Nurse、今後作られるかもわかりませんが、分 けたのは今後そういった仕組みが出てくる可能性も踏まえて、まず国として整 備する仕組みの中では、そこの部分は変更しようということでやりましたので、 ここで決してポリシ策定は終わりということではなくて、今後必要に応じてメ ンテナンスしていくということです。 ○山本構成員  付け加えれば、永池構成員の質問の中の1つ目と、最後の5つ目。ちょっと 意味が違って、最後の質問に関して言うと、これは既にHPKIで薬剤師である とか管理薬剤師であるとか、医師であるとかということが、認証であれ署名で あれ、可能な条件の下でそれにプラス属性なのですね。したがって、これはHPKI の基盤が完成されてうまく運用されれば、比較的容易に実現が可能であって、 例えば都道府県がこの人は麻薬施用者であるということを、その証明書の下に 属性を、証明書の形にするかどうかは別として付け加えれはすむだけの話なの ですね。  1つ目の場合は、Registered Nurseの資格と、Vocational Nurseと別れてい ますので、これは都道府県で改めて考えていただくか、そもそも制度そのもの を考えなおすか、どちらかをしないとちょっと難しいですね。ただ、現実に医 療の現場、介護の現場で働いていらっしゃるので、これはこれで継続的に検討 をしなければならないだろうと思います。 ○大山座長  樋口先生満足しましたか、まだ考え中。 ○樋口構成員  ありがとうございました。 ○大山座長  認証の話というのは理屈の上ですむものと実態とで、結構乖離してしまう場 合があって、費用がかかりすぎているのではないかと、ほかではさんざん批判 を受けていることもありますので、現実はうまいユースケースとか実際に使わ れる状況が見えてくるときにうまく合わせてサービスインにしないと難しいの かなと。現状、都道府県ではこういう話をしたことの例を聞いたことはまだな いのですが、どなたかございますか。都道府県はこっちまでいっていないので はないかなという気がするのですが、まだ憶測の域を出ません。  この件はよろしいですか。次に外部保存に関する意見をいただいていますの で、この件については山本構成員からお願いします。 ○山本構成員  資料2矢野構成員から4点のご意見をいただいております。これは診療録等 の保存場所に関するところの意見です。1が場所だけの検討ではなく、電子化さ れた医療情報をどう保護するか。また、その担保の仕方や情報漏洩を前提とし て、その保証をどうするべきか、とりまとめるべきか。  これはこの検討会でご議論をいただいて既に4版までリリースをしています 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン。個人情報保護法から見れ ば個人情報保護法を施行するに当たって、厚生労働大臣が斟酌するガイドライ ンという立場になるわけですが、その中で最初第2版でネットワークの安全管 理のところで、責任分界点という概念を導入いたしました。それで、第2版で はネットワークで情報をやりとりする場合だけだったのですが、第3版ではネ ットワークで情報をやりとりするだけではなくて、医療機関内で電子化情報を 扱う場合、ネットワークだけではなくて媒体等を通じて交換する場合等も含め て、責任分界のあり方、責任のあり方を整理して、第4版ではさらにそれをわ かりやすい形にまとめ直して、医療機関の管理者向けのこのガイドラインの読 み方を出した際にも、その点については処方を明確に強調したところでして、 ガイドラインの中では、この責任のあり方、保証をどうすべきかということに も言及をしております。  ただ、とは申しましても、一応ガイドラインはガイドラインですので、この ことに関して、さらなる検討が必要であれば、当然作業班ならびにこの検討会 で今後ご議論をいただきたいと思います。  作業班としては現状、2版、3版、4版で企業を含め、それから医療機関なり を含めて情報の、誰がどこまで責任をとって、しかも不都合な事態が起こった 場合にどう対処すべきかということも、かなり詳細に記載をしたつもりでおり ますので、これでたぶん動かして大丈夫だろうと作業班としては考えています が、当然ながら引き続き現状をモニターして、必要に応じて検討をするべきだ と考えております。  2点目、三省のガイドラインを確実に検証し、抜け(不備)があることが判明 した場合、速やかに見直しや別の手段のあり方を、個人情報保護法の個別法の 制定も含めて検討をする。これはおっしゃるとおりで継続的に検討をするつも りですが、前回の作業班で、経済産業省のガイドライン、総務省のガイドライ ン、厚生労働省のガイドラインを一応検討いたしまして、現状、経済産業省の ガイドラインができたのは1年少し前ですので、参照している厚生労働省のガ イドラインが第3版になっているということで、そういうテクニカルな不一致 はありますものの、守るべきセキュリティ基準とか、そういう実務的なことに 関しては、現状、整合性がとれている。むしろ厚生労働省のガイドラインの第4 版では、第3版で特に電子保存に関しては、推奨すべきガイドラインを大幅に 削除しました。つまり、やったほうがいいというのではなくて、もうやらなけ ればいけないものだけをきちんと書こうということで検討をして、お認めいた だいたわけです。  経済産業省のガイドラインはどちらかというと、やったほうがいいというよ りも全部やらなければいけないというふうに、かなり厳しいガイドラインにな っています。もちろん安易に緩めることは問題かと思いますので、その点も含 めて経済産業省で検討をして改訂をしていただくことを、先日の作業班の席で もお約束をいただいております。そういう意味では現状は齟齬はない、抜けは ないと作業班としては考えておりますが、これも技術の進歩等で、継続的に見 直さなければいけない事項ですので、見直していくことにしております。  3番目の医療情報を第三者が診療の目的以外に活用をすることのあり方。そも そも扱ってよいか、扱う場合の基準、匿名化をどうするかについてとりまとめ、 必要に応じて法律等の整備もすべきということですが、実はこのネットワーク 基盤検討会の今年度の2つ目の大きなテーマでして、作業班でもその都度この 問題を議論をしております。  ただしこの問題は、診療録等の保存場所に関する問題とは切り離して考えて おります。つまり保存場所を変えること自体は、情報をいままでと違う使い方 をすることは一切前提にしていないです。あくまでも医療機関等とそれから患 者等の間で合意された内容に基づいて、情報を使うことだけを想定しておりま して、それ以外の利活用を特に言及しているわけでもないし、変更することも 述べてはおりません。ただ、とはいうものの、電子化された情報はそれなりに 利用価値があるわけで、例えば公衆衛生上の問題であるとか、パンデミックな 際の情報の収集であるとか、そういった極めて重要な利活用の方法が存在する わけで、その問題に関しましては引き続き検討を続けていって、それなりの指 針あるいはもう少し強制力のある法令等の整備が必要かもしれませんが、それ は引き続き検討をさせていただければ幸いに存じます。  4、日本の医療分野においてITというグローバルな技術を使うことに対して、 特性や体系を踏まえて議論をすべき。これも当然であると思いますが、継続し て考慮していくべき問題であろうと考えていますが、今回のご意見をお伺いし た保存場所等に関する点では、先ほども申しましたように、単に場所の問題で ありまして、情報の使い方自体には、従来と変えることは一切含まれていない という点では、今回の検討の中でこれに大きな影響を与えないものではない。 とはいえ、非常に重要な点ですので、継続して議論をすべきだと考えています。 一応前回の作業班で資料2に対するご意見をまとめさせていただいたのは以上 です。 ○大山座長  ありがとうございます。いまの件を山本班長からお話がありましたが、矢野 さんから何かこの件について追加、あるいはご質問があればと思います。 ○矢野構成員    私も作業班員ですので、いまのお話は伺っております。逆にいうときちんと この場でご回答をいただくことも重要かと思っています。そういう意味で1と2 に関してはいまお話しいただいたとおりなのですが、例えば実効性のあり方を どう考えていくか。通知が変わるというのは、ガイドラインの上位にある通知 が今回変わることになるので、改めて実効性をきちんとどうしていくかという ことだと思います。当然ガイドラインがありますので、まずこれをきちんと回 転させてみることを前提として、今後どうしていくかというのも引き続きご検 討をいただきたいのが1点です。  3、4に関しては、今回の議事の(2)に入っていますので、引き続き検討をされ るということで、再度、検討を引き続ききちんとしていただくことを要請した い。そういう意味では確認になりますが、今回の外部保存の議論は保存場所の あり方の検討がされ、利活用については今後3、4を含めて検討を継続してされ ていく。そこでガイドラインの見直しも含め、個別法というのはちょっと行き 過ぎるかもしれませんが、そのようなものも見据えた議論を今後継続していた だければということをこの意見で出させていただいております。 ○大山座長  ありがとうございました。個別法の話が出ましたが樋口先生何かございます か。 ○樋口構成員  特にこの段階では。 ○大山座長  それではいまの件について皆様方からご意見等をお伺いしたいと思います。 矢野構成員からはいま言っていただいたとおりで、原点に戻れば、やはり患者 と医療従事者あるいは医療機関、医者を含んだ方との信頼関係があって、それ が個別の利益と公としての利益の2つの側面をもって、そこをうまく電子化に よっても従来の信頼関係が保たれた中で動くようにという基本に戻っている話 を、しっかりと作り上げようということではないかとは思うのです。もちろん2 番目にあった「三省のガイドラインを確実に検証し」という抜けの部分、ここ は非常に注意が必要で、世の中が変化していくときには、ここは大きく環境が 変わっていくことがありますので、その意味では三省の協力を密に今後も続け ていただければと思います。また不十分な点があれば、わかり次第すぐに対応 策を講じていただくことも必須だろうとは考えていますが、皆様方いかがでし ょうか。何かご意見等がございますか。  資料1と資料2でいただいた意見に対する回答のような形を含めて、いま少 し検討を、即ち議事次第(1)に当たっているのですが、この内容について、関係 する今日の検討会としてはっきりさせていかなければならないのは、資料3と 資料4についてです。まずこの内容で、このポリシ案をこの先どうするかとい うことになってまいりますが、事務局からまず何かありますか。 ○秋山補佐  資料3と資料4に付けています認証用(人)及び(組織)の両証明書ボリシ につきましては、本日皆様方からご了解を得られましたあとは、厚生労働省で 「保健医療福祉分野における公開鍵基盤認証局の整備と運営に関する専門家会 議」をもっておりますので、そちらでメンテナンスしていくというふうに考え ています。 ○大山座長  いまお話いただきましたように、専門家会議があるということですので、そ ちらにこのあとポリシの取扱いについてはお任せしていくということですが、 その件を含めてお諮り申し上げなければいけないのですが、その前にまだご意 見等があれば承りたいたいと思いますがいかがでしょうか。よろしいですか。  それではいまの件について、まず確認させていただきます。この両ポリシ案 及びこれらを今後専門家会議でメンテナンスを行っていただくということにつ いて、ご了解いただけますでしょうか。                  (了解) ○大山座長  ありがとうございます。あとここに残っている資料では資料の5になります が、こちらについて事務局側から何か先にご説明がございますか。 ○山本構成員  前回のこの検討会でのご指示を踏まえまして、作業班を開催いたしました。 先ほども申し上げましたが、三省のガイドラインの整合性に関して点検をして まいりました。それで先ほど申し上げたように、経済産業省のガイドラインは 一応事務的な作業として三省合意点を厚生労働省のガイドラインの4版に直し ていただいて、若干3版から4版によって違いのある部分に、必要に応じて対 応をしていただくということをお約束いただいております。  その結論を踏まえまして、資料5の(案)を策定してまいりました。あらか じめ構成員の方々にはメールで配付をしていますが、短いものですので読ませ ていただきたいと思います。  診療録等の保存を行う場所に関する提言。医療情報ネットワーク基盤検討会 では、平成15年6月より医療情報の電子化について、その技術的側面及び運用 管理上の課題解決や推進のための制度基盤について検討を行っているところで ある。平成16年9月には「今後の医療情報ネットワーク基盤のあり方について」 をとりまとめ、個々の文書について必要な要件を明らかにしつつ電子化を進め るべきであることや、診療録等を医療機関等以外の場所へ電気通信回線を通じ て外部保存する場合の要件等について提言を行った。  この提言により、「診療録等の保存を行う場所について」(平成14年の通知) の一部改正が行われ現在に至っている。外部保存通知には診療録等の保存を行 う場所の基準として、病院又は診療所その他それに準ずるものとして医療法人 等が適切に管理する場所、行政機関等が開設したデータセンター等及び医療機 関等が震災対策等の危機管理上の目的で確保した安全な場所が示されておりま す。  このような基準となったのは、以下の課題を解決するための手立てが必要と の理由からです。患者等の情報が瞬時に大量に漏洩する危険性があること。漏 洩した場所や責任者の特定の困難性が増し、常にリスク分析を行いつつ万全の 対策を講じる必要性があること。一層の情報改ざん防止等の措置の必要性(責 任の所在明確化、経路のセキュリティ確保、真正性保証など)により、医療施 設等の責任が相対的に大きいこと。蓄積された情報の外部保存を受託する機関 等が独自に利活用することへの国民等の危惧が存在すること。以上の4点です。  これらの課題に対応するため、平成18年度以降関係省庁によって議論が行わ れ、厚生労働省のほか、総務省及び経済産業省において、以下のガイドライン が整備された。この検討会でご議論をいただいて制定をいただきました医療情 報システムの安全管理に関するガイドライン第4版で、医療機関等において情 報システムを導入し、医療情報を管理する際の遵守すべき事項を規定。医療機 関等の管理者向けになります。  2つ目がASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に対するガイ ドライン。今年7月に公布されていますが、ネットワークを利用したソフトウ エアで、医療情報を処理する事業者が遵守すべき事項を規定。事業者向けであ ります。医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン、平成20年。 医療機関から情報処理業務を受託し、医療情報を管理する事業者が遵守すべき 事項を規定しています。  これらのガイドラインが整備されたことにより、医療情報を電子的に取り扱 う際の責任分界のあり方や、患者の同意を得ない診療情報の分析・解析の禁止 等、医療機関等及び事業者が遵守するべき事項が明確化されたことにより、外 部保存通知において保存先の基準が設けられる際の課題への対応が明確になっ たと考えられます。  以上を踏まえ、現在外部保存通知で規制されている診療録等の保存場所に関 する基準のうち、「震災対策等の危機管理上の目的で確保した安全な場所」とし ているものを「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」、「ASP・ SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン」及び 「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」の遵守を前提と して、「民間事業者等との契約に基づいて確保した安全な場所」へと改訂すべき との提言を行うものであります。  総務省のガイドラインは実はこの前にASP・SaaS事業者におけるセキュリテ ィガイドラインが前の年に作られまして、その際にも健康情報、医療情報が一 応対象には入って、特別にその扱い方が決められていたわけですが、やはり事 業者が見るときに際して、やるべきことが明確にわかるということにしたほう がいいだろうということで、総務省で医療情報等を取り扱う。これはもちろん 医療健康介護情報が含まれるわけですが、医療情報等を取り扱う際の安全管理 に関するガイドラインを別立てで作っていただいております。  作業班でこれら3つのガイドラインで医療機関と情報の取扱いを受託する事 業者との間で、誤解が生じない明確な契約の制定が可能である。それから、い ずれのガイドラインも事業者の要件が定められていまして、財務諸表等の外形 要因であるとか、それから第三者認証を受けるべきであるとか、そういった一 定の担保を行う仕組みを導入されていることから、このそれぞれのガイドライ ンにしたがって適切な契約を結ぶことによって、情報を安全に管理することは 十分確保しなければいけない。  それから先ほども申し上げましたが、あくまでもこれは場所だけの問題であ って、情報そのものを取り扱うのは医療機関である。したがって受託された事 業者が、医療機関の意に反して情報を取り扱うことは厳に禁止されていること を踏まえて、危機管理上の目的でというのではなくて、情報の取扱いの中で契 約に基づいて確保した安全な場所と、書き換えて差し支えないというように作 業班では考えています。以上です。ご議論をお願いします。 ○大山座長  ありがとうございました。ただいまいただきました説明につきまして、ご意 見・ご質問等があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○稲垣構成員  電子化された医療情報、大変重要な情報であるということで、外部保存の場 所は一定の制限がいままで付いてきた状況ですが、今回この三省の各種ガイド ラインが発出されたことで、ここに書いてあるような課題に対して、一定の解 決ができたのかなと思っています。  場所としては、やはり民間のデータセンター等というのは、そのガイドライ ンを遵守するということで、一定の問題は解決されたと思っています。ただ、 場所だけではなくて、先ほども問題になりましたように、どのような医療機関 等が事業者を選択するのか、あるいは契約がどういうことになるのか。あと実 際にそれが実行されるかどうか。あるいは実行されたとしてその見直しがどう なされるか等、その辺が今後の課題なのかなと感じております。  先ほどの矢野構成員の意見の3と4ですが、いくら安全管理に関する基盤整 備がなされても、これらの問題はそれだけでは解決しないので、先ほどの利用 とか、あるいは更に司法・医療法との関係については、その基盤検討会だけで は限界があるかなという形で、もう少し広い範囲で検討をする必要があると感 じています。以上のような前提はあるのですが、現状では、外部保存をこの提 言のように広げていくことに私は賛成をします。以上です。 ○大山座長  ありがとうございます。最初のきっかけの1つであった情報の安全性の確保 とか、それこそ患者さんのことを考えれば24時間対応できるようにするための 現実的な方策等を考えると、医療機関が必ずしもすべて担うのではなく、外で 対応できるような方法というのも将来的には必要なのだろうなと、そのような こともあったと思います。いま稲垣構成員が言われましたように、方向として は三省が協力をしてやっとここまで体制がとれたのかなと私自身も思っていま す。皆様方ほかに何かご意見等がございますか。 ○足立構成員  この提言については私も異論はございません。ただ、今後の問題として医療 機関が委託して保存するのではなく、患者個人が自らの情報を委託する。これ はアメリカの中ではグーグル・ヘルスでもう始まっていますが、今後こういう のをどうするのかという議論をやはり。この場なのかどこかはわかりませんが、 是非していってほしいなと思います。以前もお話したかと思いますが、個人の 情報を一カ所にまとめておくことって、今後の医療について重要だと思ってい ますので、それがやるやらないは別として個人の意思にあると思いますので、 やりたい方がどうしたらできるのかという仕組みはやはり考えないといけない のだろうなとは思います。 ○大山座長  (2)のところにも関係していますが、山本先生何か。 ○山本構成員  官房のほうで検討を予定されているのではないでしょうか。 ○大山座長  状況は止まっているのではないでしょうか。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  「i-Japan戦略2015」におきまして、日本版EHRが課題になってございま す。現在、政権交代の状況のため、ちょっと歯切れの悪いことしか申し上げら れない状況です。しかし、本件は重要な課題だと思っておりまして、我々もな にがしか貢献したいと思っております。 ○大山座長  ほかはいかがですか。自治体などでも同じような、あるいは中央政府、行政 のほうの情報も同じような議論がやはり出てくると思いますので、そちらとも 運用の仕方、あるいは安全性の確保の仕方は、お互いに参考にできるのではな いかなという気がします。この提言の案につきましては、この後の取扱いにつ いて事務局側から何か先にお話がございますか。 ○秋山補佐  本日、皆様方からこの提言につきましてご了解いただいて案がとれましたら、 これに沿った形で厚生労働省の内部で現在出している外部保存通知の改訂に向 けて動きたいと考えております。その過程において、先ほど山本作業班長から もお話がございましたが、ガイドラインの一部改訂作業が出てまいりますので、 それについては、引き続き作業班のほうにご指示をいただけたらと考えていま す。 ○大山座長  そうですね。少し先走りすぎかもしれませんが、ガイドラインの改訂を行う 作業を含めて環境が整うといいますか、一応準備ができるのは年明けぐらい、 もう少し先にいきますか。 ○山本構成員  やってみないとどれぐらいの作業量かというのはですが、それほど大きくは ないと思います。 ○大山座長  そうですね。 ○山本構成員  むしろ三省のガイドラインの整合性のチェック、少しでも変えるとやはりも う一度チェックしないといけないので、その時間がたぶんかかるだろうと思い ます。 ○大山座長  ほかの省のほうに波及する可能性があるのですね。全部整ってから、その辺 はまずは厚生労働省で判断いただいて、通知を実際に出していただくというこ とでしょうか。そのような考え方になりますが、何かご意見等がございますか。 確認をいたしますが、資料の5にありますように、「診療録等の保存を行う場所 に関する提言」の(案)をお認めいただけますでしょうか。                  (了承) ○大山座長  ありがとうございます。それではこの(案)をとらせていただきまして、事 務局側にこの紙をお渡しすることでトリガーを引かせていただくことになるか と思います。ありがとうございます。  (2)の個人が自らの云々というのは、いままでの議論にももちろん入ってはい るのですが、足立構成員からのお話でいうと、結構グーグル・ヘルスの話が出 てきまして、個別の名前がいいのかどうかは別にさせていただいて、(2)につい て山本先生何か、ここ議論の仕方というのは。 ○山本構成員  昨年度の最後の基盤検討会に一応、現状のまとめのペーパーをお出しさせて いただきましたが、それはどちらかというと医療機関が個人に情報を提供する 際に、どういったことを考慮すべきであるかとか、その際の責任のあり方等に ついてのペーパーを出させていただいています。ただ、いま野口参事官から現 状まだ我が国では若干遅れているという話がありましたが、そういった基盤が 一部の実証実験、三省連携でやられている浦添市でありますとか、経済産業省 でやられているいくつかの地域とか、総務省でやられているいくつかの地域で、 ごく小規模な実験が行われているだけですので、具体的に大きな問題が生じて いるわけではありませんが、これは引き続き検討をもし作業班でさせていただ ければ、前回のこの検討会ではここだけで検討をするのではなくてということ で、ほかの場所でというお話もあったのですが、やはり任せっきりというとお かしいですが、ここで議論のたたき台をある程度作ったほうがいいかもしれま せんので、引き続き検討をさせていただければと考えております。 ○大山座長  ありがとうございます、いま山本班長からここでもう少し議論を深めるとい うお話がございましたが、足立構成員、そういう方向でよろしいですか。 ○足立構成員  全く私は異論はありません。 ○大山座長  何かこの件についてご意見がございますか。そうはいっても今日は材料がな いですね。事務局側からいまの件、何かありますか。 ○秋山補佐  実はこの議事次第の(1)、(2)は、前回皆様にもお話しましたが、昨年度と同じ 内容になっています。これは昨年度から引き続きご議論をいただいている形に なっています。先ほど議論にありましたが、外部保存の場所の議論と、その後 の利活用に関する議論を一緒にしてしまうと、誤解を招く可能性もあるという ことであえて分けて、まずは外部保存のあり方についてご議論をいただきまし た。(2)の個人の利活用に関しても、まずその前提となる基盤整備について、ネ ットワーク基盤検討会ですのでHPKIの認証のあり方を(2)のテーマとしてご 議論をいただいたところです。昨年度も利活用のあり方、具体的にいうと医療 機関から個人情報を本人への出し方については、まだまだ制度上の不備もあり ますので、皆様にご意見をいただきながら、提言という形で出したところです。  それを踏まえてどういう議論をしていくか、このネットワーク基盤検討会の 場がいいか、どこで議論をするのがいいかということも含めて、いま検討をし ているところですし、先ほど内閣官房から話がありましたが、日本版EHRの議 論もいま途上ですので、どこでどういう議論をしていくかということについて、 まだ少し検討をさせていただきたいと考えています。 ○大山座長  事務局側からの回答はいまのようなことになりますが、非常に大事なことだ と思いますので、ここにお集まりの構成員の皆様方には必ず状況をお伝えいた だくことと、然るべきタイミングで意見が述べられるようには、それだけは確 保していただきたいなと。もし官房で進める場合にも、必ずどなたかにお入り いただいてという形をお願いしたいと思います。大体今日予定していた議事は 終わりになりますが、皆様方何か全体を通してご意見等がございますか。 ○稲垣構成員  (2)なのですが、医療情報の管理・活用ということなのですが、ここに個人と いう形が出ているのですが、これは例えば医療機関、あとその他の機関、ある いは国、個人と、それぞれ対象が違うのだと思うのです。それぞれの情報基盤 の整備状況、その他が違いますので、いきなり個人といかないで、そういうふ うに対象をきちんと分けて議論をする必要があるのかなと思っています。それ がまだ抜けているような気がするのです。また、それは医療情報ネットワーク 基盤検討会でするのか、あるいはそれだけでいいのかというのも、まだ検討の 余地があるかなと思っています。 ○大山座長  ありがとうございます。いまのご意見だと内閣官房のほうでも対応をしよう とはしていない状況になってしまいますね。だから、また別のところにという か、もう少し厚生労働省全体でお考えいただくのか。医政局の中でといっても、 ものによっても違うかもしれません。非常に大事な指摘をいただいたと思いま す。確かに環境に違いがあるのではないかということです。何か発言あります か。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  不勉強なのですが、医療情報というものが誰に属するのかによって、議論が 分かれるのかなと思っているのですが、まだ整理をしていないので(はっきり としたことは申し上げられません)。 ○大山座長  個人が使える使えないという議論をしているのではなくて、それぞれの目的 ごとに医療情報の利活用の仕方はあるので、そうすると、それぞれの医療機関、 地域の医師会さんもそうですし、いろいろなレベルで分けたときに、それぞれ の目的がどうか。それと同時に環境が整っているかと、こういうことをきちん と調べなければいけないということを、稲垣構成員が言われていたのだろうと 思います。確かに今回、医療機関からの情報の保存の時には受け口はどうかと かいう議論だけはまとめたのですが、それ以外を、全体を考えるときにまだ不 十分ということなのだろうなと、明らかになっていないということだろうと思 います。いまのことはメモに残していただいて、この先、議論をするタイミン グが出るときには、必ず思い出していただくと、そういう取扱いでよろしいで しょうか。                 (了承) ○大山座長  ありがとうございます。 ○樋口講成員  また例によってうまくまとまらない話になるかもしれないのですが、ここに おられる方はその関係の方が多いのであれなのですが、前にこの情報化に関す るグランドデザインというのが、最近の流行の言葉でいえば、一種のマニフェ ストなのだろうと思うのです。4年でできるかという話ではなくて、もっと大き なものだと思うのですが、あそこで一種、夢を語って、やはりこういう情報化 が進むと、国民にとってもこういう利便性という言葉でもいいかもしれません が、国民だけではなくて国全体のために非常にいいことがあるという話でやっ ているわけです。  あのグランドデザインという作文ですが、それと照らし合わせて我々はいま どこにいるのだろう。どの時点にいるのだろうということを確認するというか。 簡単に、ではこういう地点の中のこのA地点にいますよというふうに、指し示 すことができるのかどうかというのは、私、専門でないのでわからないのです が、しかし、何らかのことは、ここにおられるような専門家であれば、このく らいの段階まできましたという話が示せるかもしれない。  いちばん先に言うべきかもしれないのですが、この検討会でやることなのか どうかは常に先ほどから問題になっているのです。どこであれという話でこれ からのことを申し上げますが、そういうことを少しどこかでやっていただくと 有難いというのが1つです。  2つ目は、いまの稲垣さんの話と関係すると思うのです。山本さんもいくつか 小規模であるけれども実証実験というのが、例えば総務省がお金を付けたり、 いろいろな自治体であったり、私も関与まではいっていないのですが少しお話 を聞いているところがあったりもします。それは個人の利活用だけでもなくて、 例えば遠隔医療であるとか、いろいろな形での利活用を考えよう。この地域で はこういうことをやってみようというようなことが、いろいろな形でやられて いる。  しかし、そういう情報が共有されているかというと、知っている人は知って いる、しかし知らない人は知らなくて、たぶん知らない人のほうが大部分なの です。その地域だけで、しかもこの部分だけやっているから、ほかの部分につ いてはまた別のところでやっていたりという話なので、そういう実験がいまど の程度行われていて、かつ簡単に成功、○×と付けろという意味ではないので すが、そういう形でうまくいっていたり、うまくいっていなかったりというこ とを資料として、厚生労働省だけの話にならないと思うのですが、もう少し大 きなところでいろいろ関与していると思うのですが、そういうことが出てきて、 それを素材にして、こういうような利用の仕方。その総合的な何かが議論でき るといいのではないかなというふうに感じました。  ○大山座長  ありがとうございました。ちょうど医療評価委員会の話かなという気も。山 本先生何かコメントがありますか。 ○山本構成員  おっしゃるとおりで、それをやっていくのがたぶん内閣官房の医療評価委員 会で、いろいろな省庁の試みを縦断・横断的に活かしていただいて、やってい ることに抜けがないか、重複がないか、それから成果としてちゃんと埋まって いるかみたいなことをやってご報告をするのが委員会の仕事だと思っています。 ですから、今年度もその方針で。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  そうですね。医療評価委員会の座長がそうおっしゃるので、今日いただいた ご意見を踏まえて事務局としても検討をしていきたいと思います。 ○大山座長  ほかに何かございますか。それでは今日の内容について簡単に確認というか まとめをさせていただきます。資料の3と4につきましては報告書として公開 していくことになります。そして、そのあとそのメンテナンスの方法につきま しては保健医療福祉分野における公開鍵基盤認証局の整備と運営に関する専門 家会議がございますので、そちらにお願いをするということです。  資料の5にありました提言につきましては案をとらせていただきまして、と りあえず事務局へ出させていただいた上で、事務局側から然るべき対応をして いただく。当然のことながら作業班には恐縮ですが、これに伴って必要なガイ ドラインの修正・補正等はあると思いますので、そちらの作業をお願いしたい ということです。  それから医療情報の管理・活用のための方策等に関しては、個人が自らとい うのが付くという話に対しても、いろいろご意見がありましたが、引き続きこ れは事務局側がまず体制を、あるいは検討の場をお考えいただくと同時に、皆 様方には適宜必要な情報を提供していただくようにお願いさせていただくとい うことかと思います。事務局方このあとのスケジュール等につきまして何かご ざいますか。 ○秋山補佐  本日ご了解いただきました両ポリシにつきまして案をとらせていただいた形 で、厚生労働省のホームページに掲載させていただきたいと思っております。 先ほど座長からお話いただきましたが、引き続きメンテナンスにつきましては 専門家会議で実施させていただきます。  次回のスケジュールについてですが、ガイドラインのメンテナンス改訂作業 が必要となりますので、それを早速に作業班にて調整をして実施させていただ きます。その見直し作業を行った結果、構成員の皆様方にお集まりいただいて ご議論をいただくような必要性が生じましたら、おおよそ1月を目処に開催し たいと考えております。ただ、改訂作業が大幅な変更ではありませんので、軽 微な修正で終わりました場合には、皆様方には回覧の形で回させていただきま して、必要に応じてパブコメ等の手続をとった上で、通知の改訂・周知を行っ ていきたいと考えています。以上です。 ○大山座長  ありがとうございます。何かご質問等がございますか。構成員の皆様方どう もありがとうございました。皆様方、全体を通して最後に何かご発言がござい ますでしょうか。よろしいですか。事務局よろしいですか。 ○秋山補佐  はい。 ○大山座長  それではこれで閉会いたします。本日は熱心なご議論をいただきまして誠に ありがとうございます。閉会いたします。 (了) 照会先 医政局 政策医療課 医療技術情報推進室 企画開発係 山瀬 TEL 03-5253-1111(内 2682) FAX 03-3501-5712