09/10/29 第17回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会 (第17回)議事録 日時:平成21年10月29日(木) 15:00 〜 17:30 場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第17回の「薬害 肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」を開催 し ます。 委員の皆様には、大変お忙しいところ、いつもありがとうございます。 今日は、途中になると思うのですが、後で山井政務官が御出席いただくという ことです。そのときにまた御紹介をいたします。 今日は、17時ぐらいまでに終わりたいと思っております。 では、泉さん、お願いします。 ○泉委員 皆様、こんにちは。本日は、傍聴席に毎回、薬害肝炎原告団及び患 者会の方が来られていますが、17時30分から大臣面談が入っております。した がいまして、恐れ入りますが、17時近辺で傍聴席の20名近くの傍聴人が退席い たします。失礼になるといけませんので、先にその御報告をさせていただきま す。どうぞよろしくお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。御了解ください。 それでは、最初に、会議の開会に当たりまして、資料の確認をお願いします。 ○横幕室長 事務局でございます。お手元の資料は、いつものとおり議事次第 と座席表と名簿がございますが、このほかに資料番号で1番から11番まで。そ のうち9番については枝番号が振ってございます。それから、坂田委員と水口 委員からは、資料番号が振ってあるもののほかに意見書の形で資料をいただい ておりますのでお配りをしております。 それから、前後しますが、今日は神田委員と花井委員が御欠席で、今、大熊委 員が遅れられているかなというふうに思います。 資料で足りないものがありましたらお知らせいただければと思います。よろし くお願いします。 ○寺野座長 資料がたくさんございますが、また後ほど御説明をいたします。 それでは、本日は17時ごろまでの間に、まず堀内研究班の進捗状況の御説明を お聞きして討議をしたいと思います。続きまして、第一次提言を受けまして、 その取組や検討状況等について委員からも意見をいただいておりますし、事務 局からの御報告もございますので、その点を検討したいということ。それから、 第3番目に、監視機関としてのワーキンググループを設置するということを先 般決めましたけれども、それについて御説明いたします。そして、最後に今後 の議論の進め方。そういう形で2時間程度で終わりたいと思いますので、御了 解をお願いします。 まず最初に、堀内委員から研究班の進捗状況を説明していただきます。先日、 傍聴の方と会ったら、どうも私が苦渋に満ちた顔でいつもやっているから、も っと明るい顔をしろと言われたんですけど、できるだけ明るい雰囲気になるよ うに議論を進めていただくとありがたいと思います。よろしくお願いします。 では、堀内委員の方から研究の進捗状況についてお願いしたいと思います。 ○堀内委員 それでは、御報告いたします。 今、研究班では、この前からこの検討会でも、途中経過でもできるだけ早く報 告をせよということを言われまして、これはなかなか大変ですが、みんなでき るだけ早く結果が出るようにということで検討を行なっている最中です。ただ、 討論しているといろいろな問題が出てきて、例えばアンケートの調査用紙の発 送がやや遅れるとか、いろいろなことが起こっておりますが、極力早くしよう ということでやっております。 現在、主として3つのことをやろうとしておりますが、まず患者に対する被害 実態のアンケート調査。これについては前回もお話をいたしましたけれども、 原告団として登録されている方に対するいろいろなことの被害実態について明 らかにするということ。それから、患者さん、あるいは遺族がどういうことを 求めているかということを明確にするということでやっておりまして、これは 原告団とも合意書を取り交わして、今、アンケート項目の最終の詰めをやって いるところです。これはちょっと時間がかかっているのですけれども、本当は もう送られたはずですけれども、ちょっと微調整をやっておりまして、もうす ぐ発送ができると思います。大体12月10日ごろをめどに回収をするというこ とを考えておりまして、その後すぐ解析に入るということで考えております。 本来、今日、アンケート用紙についても提示できればよかったのですけれども、 まだ微調整をやっておりますので、次回に御報告いたします。 それからもう1つは、企業とか厚労省に対する、昨年は文献等を中心に問題点 を検討してまいりましたけれども、今年はできるだけヒアリングとか、そうい う昨年できなかったことを中心に問題点を明らかにしようということでやって おりますが、まず、2つの企業と厚労省に対してヒアリングを行なう前段階と しての質問状を出して、昨年も質問状を出してやっているのですけれども、補 完する意味での質問状を出して、それに対する回答を求めております。これは、 やはり12月10日を期限にということで、間もなく回答がくるだろうと思って います。厚労省からは第一次の回答がきまして、それをもとに、もう一回質問 状を出してというようなことをやっておりますが、それをベースにして、関係 者に対してヒアリングをやるという予定になっておりますけれども、当時の関 係者、特に企業での関係者等に対してのヒアリングというのは、具体化をしよ うとするとそんなに簡単なことではないなと考えておりますけれども、できる だけ実践をしたいということでやっております。 それからもう1つは、医療関係者がどうだったかということを明確にしようと いうことでやっております。その一環として、本日、資料1にありますが、医 師に対するインターネットアンケート調査というのを行いましたので、それに ついて今日御報告させていただきますが、全体としては、これは当時の関係者、 あるいは使っていた医師等の問題意識などを明確にする前段階の調査というこ とでありまして、インターネットに登録をされている医師を対象に問題意識を 調査したということでありまして、これについては後で報告をいたします。 もう1つは、前回、清水委員からも御意見をいただきましたけれども、例えば 今日の治療指針等で、毎年出ているものですので、その中でフィブリノゲンの 使用に対して意見が変わってきているというような人に対して、どうなってい るかという面接をして御意見をいただくということをやろうということですが、 これについては、今調査をしているところですけれども、既に何人か記載に変 更のあった方がいらっしゃいますけれども、既に亡くなった方も何人かいると いうことですが、残っている方がいらっしゃいますので、今日はお名前は申し 上げませんけれども、その方に対するヒアリングをこれからやる予定にしてお ります。それから、高久先生からも何人か御推薦をいただきましたので、その 人に対するヒアリングをやろうということで計画をしているところです。 それでは、本日お配りした資料1に基づいて御報告をしたいと思います。 資料1は、調査の概要ということと、それから、本日は単純集計だけですので、 この後、もう少し解析はやる予定ですが、本日は単純集計だけということです。 速報ということでお考えいただければありがたいと思います。そのまとめと結 果の現時点での総括、それから一番最後にアンケート項目、これが41ぺージか ら入っております。 2ぺージのところを御覧いただきたいと思いますが、この調査は、年齢が50歳 以上で、産科、消化器外科、小児科、血液内科、胸部外科を専門としている医 師ということで、これらの診療科について各々20サンプル程度を確保できるよ うにというような割当てでやっておりまして、インターネットのアンケートで、 それに対してインターネットで回答をいただくということで、大体 100人とい うことを考えておりましたが、 103件。9月4日から9月14日まで10日間で 行いました。 3ぺージにありますように、どういうときに治療を行なっていたかということ でありますが、 50歳以上ということもありまして、さすがに昭和40年代は 13.6%と少なくて、昭和50年代、60年代に治療を行なっているということであ ります。ちなみに、加熱製剤が承認されているのは昭和62年ということであり ますから、50年代と60年代も今回の問題には関与するということになると思い ます。 次の4ぺージのところにありますが、これは問題になっている製剤を使用した ことがあるかどうかということでありますが、フィブリノゲン製剤については、 10症例以上が25%、9症例までが24%。大体50%、半分の人が使っていると いうことでございました。 次の5ぺージでございますが、フィブリン糊の使用経験があるかどうかという ことであります。これについてはやや問題がありまして、アンケート用紙の41 ぺージのところを御覧いただきたいと思いますが、フィブリン糊についての説 明をアンケート用紙のところに加えてあります。四角で囲ったところでありま すが、そこにボルヒールとか、ベリプラストというような商品名を挙げてしま いました。これは、いわゆるフィブリノゲンに第VIII因子を加えたものでありま すけれども、発売になったのが、ボルヒールというのは1991年でありまして、 ベリプラストは2003年ということですので、今回問題にしている製剤とはちょ っと違うのですけど、フィブリン糊と入れてしまいしまたが、これを使った人 もアンケートに使っていると回答しているということで、少し多めに出ている ということを御承知おきいただきたいと思います。フィブリン糊の使用経験全 体で45%ぐらいになっておりますけれども、これは多めに出ているだろうと思 いますので御了解いただきたいと思います。 それから、第IX因子についても、大体42〜43%の人が使っているということで あります。 どういうものに各製剤を使っているかということ、これは自由記載であります けれども、6ぺージから7ぺージにフィブリノゲン製剤、それから、8ぺージ からフィブリン糊について、10ぺージから第IX因子についての回答が記載して ありますが、フィブリン製剤については、これまで議論されておりましたよう に、分娩時、あるいは手術後、それから肝硬変とか、肝がんとか、DICもあ りますが、そのようなところに使われているということであります。商品名が 書いてあるのがありますけれども、これは何に使ったか余りはっきり覚えてい ないというようなものが多いだろうというように思います。 それから、フィブリン糊についても、これは肝切除とか胸部の手術、それから 心臓手術、産科の手術等に使っていたということであります。 それから、第IX因子につきましても、これは主として血友病関係ということで あります。 それから、12ぺージ、治療効果についてどのような認識であったかということ を聞いておりますが、これについては、例えばフィブリン製剤については37.3% で治療効果は高かったと。それから、治療効果はあったが治療効果の高い製剤 が存在したというのが約10%ということで、これも約半数の人は治療効果があ ったというように回答をしております。フィブリン糊については、更に70%の 人が治療効果は高かったというように回答をしております。それから、第IX因 子についても、53%が治療効果が高かったと。あったという人も入れますと約 6割になるということであります。 次に、15ぺージでありますけれども、予防的使用はどうだったかということで ありますが、フィブリン製剤については8%の人が予防的投与を行なっていた ということであります。それから、フィブリン糊につきましては約20%、第IX 因子については11%の人が予防的投与をした。 17ぺージは、製剤の使用時期でありますけれども、これは回答している医師の 活動時期が昭和50年代、60年代ということでありますので、昭和40年代の使 用というのは比較的少ない、そういうことをあらわしているだろうと思います。 それから、どういうところで使っていたかというのが18ぺージからございます が、多くが大学病院、3分の2が大学病院で使っていた。それから、国立病院。 公立病院がその次に2番目に多いというような感じでございます。 病床数、これはほとんど 100床以上の病院で使われているということでござい ます。 代替治療があったかどうかという認識のことを聞いておりますが、これは20ぺ ージからでありますが、昭和60年代以前は76.5%の人が代替治療法の選択は不 可能だったという回答をしております。60年以降はそれが38%に大幅に減って いるということであります。それから、フィブリン糊についても、やはり77% ぐらいの人は代替治療はなかったのではないかというのが60年以前の回答であ りまして、60年以降は半分ぐらいに減少しております。第IX因子も、60年前は もっと多くなりますが、大体同じ傾向を示しております。 それから、23ぺージから非A非B型肝がんの罹患についての認識ということを 聞いておりますが、60年以前ですと罹患をしないというような認識だったもの が12%程度。それから、罹患するけれども、ごく稀であるというのが32%。そ れから、半数程度が罹患するというように答えているのが 6.8%ということで、 7割以上が罹患するのは少ないということで、わからなかったというのが一番 多いのですけれども、41%ということで、これを見ますと、60年以降は半数程 度は罹患するという認識が増えておりますけれども、医師側の認識として、ノ ンAノンBにフィブリノゲン製剤を投与して罹患をするというように捉えてい る人はそれほど多くないということが言えるのではないかと思います。 糊について言いますと、もっとそういうことで、しないとしている人が60年以 後は21%。それから、わからないという人。ごく稀だという認識が23%。半数 以上が罹患するというように考えているのは 1.9%しかない。60年以降になる と、その認識はだいぶ変わってきているということになると思います。 25ぺージのところは、第IX因子について同様のことを聞いておりますけれども、 基本的には同じことが言えるだろうと思います。やはり罹患しないとか、感染 をしない、あるいはわからないという人が一番多い。ただ、60年以降はそれが 稀ではあるけれども感染をするという認識が増えているということだろうと思 います。 それから、当時の認識、当時どう思っていたかということでありますが、これ が26ぺージから27、28ぺージとありますけれども、これについては60年以前 だと血液製剤全体に対しては約28%の人が肝炎に感染をするリスクがあるとい うように認識をしていたということでありまして、一部は感染を認識するだろ うと。これは、全て感染するだろうという認識が28%で、一部を入れますと 70%。それが、60年以降は80%に増えているということであります。 予後の重篤性に対する認識ですけれども、これも死に至る重篤な疾患であると いう認識が、60年以前の18%から、60年以降ですと53%に増えているという ことであります。 28ぺージからは、当時の論文とか学会の発表論文で、この血液製剤の使用症例 が参考にされていたというように認識していたかどうかということを記憶の範 囲で聞いているわけでありますけれども、認識していたのは60年以前では25%、 60年以降では50%ということで、やはり半数程度ということで、既に論文が出 ているわけですけれども、必ずしも十分に参考にはされていなかったというこ とになります。 ここの要約については、37ぺージから39ぺージのところに出ておりますので御 覧いただきたいと思いますけれども、余り細かくやっても時間を取りますので、 基本的には、当時のフィブリノゲン製剤、あるいはフィブリン糊等を使用した 医師の認識としては、必ずしもその危険性について十分認識をして使っていた わけではないということが明らかになってきているだろうと思います。 大体そんなところだと思いますが、何か御質問があればお答えいたします。 ○寺野座長 ありがとうございました。医師に対するインターネットによるア ンケート結果、まだ単純集計結果だということですが、堀内委員から御報告し ていただきました。さまざまな問題が含まれていると思うのですが、これはま たそれなりに解析されるんですね。 ○堀内委員 はい。解析をして、これをもとにして、特に使用頻度が高かった 分野の医師からのヒアリング等についても行いたいと考えています。 ○寺野座長 そういう段階であるということを認識していただいて、御質問が ありましたらお願いします。どなたか。 ○椿委員 非常に面白い結果、どうもありがとうございます。2つほど教えて いただきたいのですけれども、まず第1点は、今回の調査はインターネットで 行なわれた、いわゆるアクセスパネルといいますか、インターネットに登録さ れていらっしゃる方々に対して回収を試みたという形だと理解してよろしいか と思うのですけれども、特に医師を抽出したとか、割り当てたという言葉があ るのですけれども、それもあくまでアクセスパネルの中でそういう方々が応募 されたというか、そこの中で人数がきたら打ち切ったというような形でとって いたというふうな認識でよろしいのでしょうか。 ○堀内委員 おっしゃるとおりです。これは、こういうアンケートをとるのに 登録をしている医師の中から選んでおります。 ○椿委員 協力してくださる方と。あともう1点ですけれども、むしろこの調 査票自体の問題を伺いたいのですが、いわゆる60年以前と以降という形で分け て層別されて質問されておりますよね。常に60年という点をカットポイントに しての調査票という設計が行なわれているわけですけれども、この60年を基点 とするというか、分けるということにするのはかなりセンシティブな話で、こ れが例えば50とか、そこを動かすことによって、もともとこの種のアンケート だと前後ではすごく差が出てしまうということはよく言われていることですけ れども、60を選んだというのが相当重要な判断だったのではないかと思うので すけれども、この点に関しては何か研究班の中で議論等あったのでしょうか。 ○堀内委員 この中間報告書の年表のところに出ておりますけれども、先ほど も最初にちょっとお話をしましたが、加熱製剤が62年ぐらいから使われてきて いるということで、非加熱製剤を使っていた時期と、その後、余り変なところ で切るのもあれですので、50年代と60年代ということに大まかに分けたという ことですが、確かに切り方によってはいろいろ違いがあるとは思います。 それからもう1つは、要するに輸血用の血液の確保が変わってきているという ことで、一応そこで分けたということでご理解いただければと思います。中心 にこの部分をやったのは高木班員ですけれども、今日、本当は高木班員が来て 説明をする予定だったんですけれども、どうしても出席できないということで 代わりにお話ししております。 ○椿委員 むしろ今後、かなり多くの使用例を経験された医師へのヒアリング ということがある段階では、事実として何年ごろにこういう認識があったかと いうことを特に多く使われた方に対して聞いていただくということが必要なの かなというふうに思いました。一応コメントでございます。 ○堀内委員 ありがとうございます。 ○寺野座長 これは、年代はまたズラして検討できるようなことになっている のですか。これはこれで60年代前後だけでしか解析できないんですか。 ○堀内委員 はい。質問事項がそうなっておりますので、それを分けるわけに はいかないと思います。 ○清水委員 今の問題は私もちょっと気にしながら聞いていたのですが、確か に85年というのは、1つ、輸血の領域においてはエポックメーキングな年だっ たと思います。と申しますのは、85年に新しい採血基準が決まりまして、86年 から導入されております。それから、今、班長が申しましたように、85年に凝 固因子の加熱製剤が承認を受けている。そういうようなことで、85年(昭和60 年)で切るのは1つの合理性があるのではないかと思います。  それからもう1つ、更に言うと、これは清澤委員にもお伺いしたいのですが、 たしか清澤先生たちのグループが、非A非B型が10年、20年、30年たつと肝 がんになっていくということをボックスアグリーズに報告したのは1990年ぐら いでしたか、もうちょっと前でしたか。 ○清澤委員 もっと前です。 ○清水委員 そういう報告が出て、かなりそういうことで89年がC型肝炎に対 する抗体スクリーニングが導入されました。したがいまして、もう1つ提案し たいと思いますのは、 85年で切ることと、90年以降と以前、それから昭和60 年以前と10年後の平成2年以降というように、3つの時代に区切る方がより明 確な情報を得ることが可能ではないかというように思う次第です。 ○寺野座長 ありがとうございました。清澤委員、どうぞ。 ○清澤委員 これは今後の解析だと思うのですが、 103名の回答された方の年 齢分布、あるいは過密の分布、産科の先生がどのぐらいいたかとか、そういう のもまた検討された方がいいのではないか。特にインターネットをやる方はわ りかし若手の方が多いんじゃないかと思うので、本当に使った方はもう少し年 配の方が多いような印象を私は持っているものですから。 ○寺野座長 確かにそうですね。それは後で解析できますよね。 ○堀内委員 これは、主として、そういう年代というのを考えて、50代からと いうことでやっております。余り前の人だと経験がないということで。 ○清澤委員 むしろ年上の方が使っているんじゃないかという気がするんです。 ○堀内委員 クロス集計はこれからやりますので、今回は単純な集計だけです ので、大変大まかであれですけれども、その辺は明確に。それから、使用科に よって、専門性によって使用の認識とか、使用量とか、いろいろ変わってくる だろうと思いますけれども、それについては、これは急いで集計をしたという ところでございますので。 ○寺野座長 そうですね。23ぺージからの認識度というのは非常に重要ではな いかとは思いますが、そういう問題があります。 そのほか御質問、御意見はないでしょうか。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 質問事項の中でちょっと教えていただきたいのは、問10の「輸血 用血液がすぐに手に入らないときのためにフィブリノゲン製剤などの血液分画 製剤の止血薬を用いる医師」、そういう輸血用血液製剤がもし手に入ったら、そ れを優先的に使ったのかどうかというところが答えとしては中途半端かなと。 そこが出てこないのは、別にそこを評価として求めなかったということになる のでしょうか。 ○寺野座長 問10ですね。 ○堀内委員 済みません、もう一回。何が問題だったか。 ○大平委員 問10で、「『輸血用血液製剤は日本赤十字社がすぐには持ってきて くれないため、常備されている血液分画製剤を利用する』という意見について」 という問がありますね。それについて、すぐ手に入らないためにフィブリノゲ ン製剤などの血液製剤を使ったという医師が16%とか、そのような考えを持つ 医師が周囲にいたというのが20%というふうになっているのですけれども、そ うだとしましたら、輸血用血液製剤がすぐに手に入るような状態にあったら、 仮定ですけれども、そちらの方を優先的に使ったのかどうかというところが明 確になっていないということです。 ○堀内委員 設問の仕方の問題ですね。推測で、そういうことになるだろうと 思いますけれども、説明の仕方はもう少し明確に聞いた方がいいかもしれませ ん。推測から言えば、医師の立場から言えば、そうなるだろうと思いますけれ ども。 ○大平委員 それというのも、献血血液が、当時も献血が行なわれていたとこ ろもあるわけですけれども、売血が主体でプル血漿の製剤とか、そういうもの が製造されていたわけですけれども、日赤の献血血液がうまく利用されていた のかどうかというところは、今回の研究班の議論には余りなっていないみたい なことろが感じられるのですけれども、そういう点をちょっと感じて、今回の 設問についてもそこがちょっと気になって質問させていただきました。 ○堀内委員 これは清水先生がよく御存じのことじゃないかと思いますけれど も。 ○清水委員 この設問は、私もさっきちらっと見て、うーんと思ったのですが、 まず時代がいつの時代を設定しているかということと、地域が関係してくると 思うんです。ですから、その2点を明確にした上でないと、この設問を生かす ことはちょっと難しいのではないかというように思います。こういう事態もな かったとは言い切れませんが、どちらかというと、一般の臨床の場ではやはり 当時、昭和60年前後のことを想定しますと、まだフィブリノゲンを止血に優先 的に使うという認識の方が強かったのではないかというような思いがあります。 ただ、この設問の、そういう考えを持っていたとか、そのような医師が周囲に いたということ。これも、そういうことはあったとは思うのですが、どれだけ 一般化できるかということについては、これだけの設問ではちょっと不十分で はないかというふうに思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。その辺の1つの問題点があることは認識 しておられると。今はアンケートをとってしまったので、もう一度やるのは大 変ですけれども。 ○清澤委員 今、アンケートをとってしまったということで、 もし追加ができ るとしたら、脳外科領域をぜひ追加した方がいいかなと。脳外科は糊を非常に 多く使っているんです。クモ膜下出血とか、そういう手術のときに。 ○堀内委員 たしか脳外科の人も何人か入って。 ○清澤委員 2ぺージのところには、対象のところに脳外科は入っていないで すね。 ○寺野座長 これには書いていないけれども、事実上入っていますか。更にこ ういうアンケートをする必要が出たときの参考意見ということだと思うのです が。 ○堀内委員 わかりました。このアンケートは、同じようなアンケートをとる 予定はございませんけれども、ヒアリングをするところで誰かいれば、それに ついてやりたいと思います。 ○清水委員 今の件についてちょっと追加させていただきますと、1980年前後 だと思うのですが、脳外科というのは輸血をかなり大量に使うセクションの1 つだったんです。ところが、1980年の後半から1990年前後になると、余り大量 の輸血を使わなくなるというような、たぶん術式とか、患者の予後等に対する 検討結果でそういうように変わっていったのではないかと思われますので、も し何らかのチャンスでその問題を調べるということになりますと、1980年代の 半ば以前の状況の方がより明確な臨床的な立場での輸血の使い勝手というのは 明確にできるかもしれないと思います。 ○堀内委員 ありがとうございます。 ○寺野座長 堀内研究班の方で、医師に対してのアンケート調査というのは非 常に貴重だと思うんです。今までも医師の認識というのはよく検討してきませ んでしたので。もちろん、今言われたような1つの限界があることは事実です けれども、特に認識度においては非常に参考になるアンケートだろうというふ うに私は思うんです。もしもう一度こういうアンケートを、もう少し対象を増 やしたり、専門科を増やしたりするようなことがあるとすれば、今のような意 見を参考にしていただきたいということですが、今のところ、その予定はない というような話ですので、参考ということに留まるかと思います。 よろしいでしょうか。間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 35ぺージの「所属病医院の種別」となっているところですけれど も、下のところで、国立病院の医師というのは3%しかいないのですが、何か 理由があるのでしょうか。 ○堀内委員 わかりません。そこは回答がこういう結果になったということで、 ここをメインに分けておりませんので。 ○寺野座長 登録した人がそういう方だったということなのかなと思いますけ れども。そのほかございませんでしょうか。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 確かに認識を聞くのは非常に貴重だと思います。さらに 追加のヒアリングをされるわけですよね。有効性についても、危険性について も、ある程度客観的な知見というものがあって、それと認識とのズレがどうい うところで起きたのかということが、再発防止をこの検証委員会で検討する上 で非常に重要なポイントになるだろうということで、ぜひその点を深めるヒア リングをお願いしたいというふうに思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。堀内委員、今の意見も参考にしてくださ い。 それでは、よろしいでしょうか。これはまた解析をされるということですので、 また御報告があると思いますので、そのときに御質問いただければと思います。 ○大熊委員 今の追加ですけれども、なぜそのような認識になったかというこ とプラス、どうやったらそれを改善できると思うかというのを現場の人にも聞 いておいていただくと実効性があるかと思います。それだけです。 ○寺野座長 ありがとうございます。では、よろしくお願いします。 またこういう機会がありますので、そのときにまた御質問をしてください。 それでは、堀内先生以下、研究班の皆様、御苦労さまでした。 それでは、次に「第一次提言を受けた取組・検討状況等について」に進みます が、これはたくさん資料がございます。委員からもいろいろな意見、質問など がありまして、また、私の方から委員に御説明をお願いした分もあるわけです が、今日は、まず小野委員からドラッグラグについて私の方からもお願いした ところです。それから、事務局からさまざまな宿題に対しての報告があるとい うこと。そして最後に、水口委員の方からPMDAの職員アンケート調査等に ついての御説明があります。資料は、先ほど説明しましたが、非常にたくさん あります。資料2から資料9までありますし、それにちょっと追加分も出てま いります。一応これを一通り説明していただいて、その後で議論に入りたいと 思います。これはカテゴリーを分けた方がいいと思いますので、まずドラッグ ラグについて、その次にPMDAの職員アンケート調査等について、そして、 そのほか事務局から報告されますような第一次提言関係について。そしてまた、 坂田委員からも質問が出ておりますので、その辺も含めた形で一応分けて議論 を進めたいと思いますので、そのつもりでお聞きいただきたいと思います。 では最初に、「いわゆるドラッグラグについて」ということで小野委員にお願い してございますので、よろしくお願いします。 ○小野委員 前回いろいろディスカッションなり、データに余り基づかないや りとりがありましたので、データを整理しまして簡潔に紹介したいと思います。 まとめますと、ここに書いてあるようなことです。データだけで終わってしま うと何を言ったのかわからないので、言いたいことを整理しますと、まず定義 をちゃんとした議論が起きていないから、何か改善すると厚生省は言っている のですけれども、何を改善するのかわからないということが1つ。それから、 ドラッグラグというのは資本主義が効率的だから、ある意味、企業の人にとっ ては、効率を追求していった結果生まれているようなものなんです。ですから、 悪いもの退治といったような、舛添大臣も言っておられたのかもしれませんが、 悪いもの退治という発想ではこんなものは解決するわけがないということと、 我々は日本に生まれて不幸なんですね。この点に関しては、日本人であること が非常に不幸な状況にある。その上でどうするかを考えなければいけないとい うこと。それから、もう1つ簡単に言うと、ラグをなくすとか、簡単に早く承 認するとか言っていますが、今の状況では、日本人へのお薬の使い方を手抜き するというのとほぼ同義であるということです。ここをごまかしてはいかんと いうことです。すぐごまかすんです。グローバル化とか、多様なデータとかい って簡単にごまかしてくれるんですけれども、本当はここはごまかせないとこ ろで、両天秤にかけなければいけないところだということを申し上げておきま す。 1枚めくっていただいて、説明は簡単にいたします。2ぺージ目です。2枚目 のスライドがデータに基づくお薬の遅れです。出てくる新薬については4〜5 年遅れてくるということですが、途中ブレークダウンしていくと、着手時期が 3年とかかなり遅れている。これが非常に大きくて、開発期間もちょっと差が あって、審査期間も若干差があるということです。 ただ、これだけで普通は議論が終わってしまうんですけど、3枚目を見ていた だくとわかるとおり、これは数字が出てくるのはまだたちがいいお薬なんです。 そもそも土俵に乗らないもの、どちらかでしか売られない、アメリカだけでし か売られないなどというのが、山ほどとは言いませんけれども、かなりある。 右側のカラムのところがそうですね。これらは、 4.5年とか5年という数字す ら出てきておりませんので、よく考えなければいけないということです。資料 3でこの先、14品目、国内未承認というのを厚生省の方が説明すると思います けれども、14やそこらの話じゃないですよね。これがずっと積み重なっている ということです。 次めくっていただいて、4ぺージ目、これが今ラグの議論で一切抜け落ちてい るところですけれども、改善しつつあるのか悪化しているのかという話です。 厚生省の説明を聞くと、それは政策をやっているのだから改善しつつあるに決 まっていると思うかもしれませんけれども、これが現実でして、全部のお薬を 並べてみるんです。開発中のお薬を2009年とか2008年時点でどのぐらい遅れ ているかというのを、これは開発途中の品目です。これは成功しているわけじ ゃなくて、まだ開発中のものですが、要は、ずっと遅れているんです。この下 側が遅れているということです。イギリス、アメリカからこれだけ遅れている という話です。つまり、例えば2009年の今の時点を見ても、開発中というのは、 これからくるものは遅れているということです。どういうことかというと、ド ラッグラグは改善していなくて、悪化するのが少し弱まっているというのが正 しい解釈だということです。悪化し続けていますという可能性があるというこ とを示唆するデータだと思います。 それから5ぺージ目、新薬の臨床開発期間です。この間、審査管理課長からも 御回答がありましたけれども、お薬の開発というのは、2枚目のスライドにあ るとおり、臨床開発をやって、審査をやって世の中に出るわけですけれども、 その臨床試験などをやっている臨床開発の期間、これは日本もそんなに遅れて いるわけじゃないということです。なぜかというと、日本はチョロいんです。 データを少ししか出さなくて承認されるわけだから、その分、短くなるに決ま っているという意味で、別に臨床開発に手間ひまかけているというわけではな い。チョロいということでもう1つ言うと、日本人のデータがどんどん減って いる。外国人のデータをボンと出せば承認してくれる国ですから、そういう方 針をとっていますから、そういう形で臨床開発期間は長いわけではありません。 6ぺージ目にいきまして、これはまさに審査総合機構というところのパフォー マンスです。事務処理をどのぐらいでやっているかということですが、これは だいぶ落ちついてきまして、昔はもっとべらぼうに長かったのですが、 1.5年 ぐらい、19カ月、20カ月ぐらいになっています。これをどんどん短くしていく 努力をもちろん機構は今されているというふうに聞いています。ただ、今の時 点でも半年ぐらいは海外に比べると遅いということです。これは人を増やせば 解決するかというと、そうではないというデータもいろいろありまして、要は インセンティブの持たせ方ですね。例えばFDAの人たちは、約束した期間内 に審査を終わらせないと金が企業からもらえなくなってクビになるというよう なことも関係している。日本の当局の人たちは幾ら延びてもクビにはならない ですよね。そういうことですが、ただ、それはもちろんそういうところに危険 があるじゃないかと言われればそのとおりで、これは一概にいい悪いを語れる ものではありません。 7ぺージ目にいきまして、当局の方々は、いわゆるドラッグラグは定義がない のですが、ドラッグラグというのを短くしようと気合いを入れていろいろなこ とをやっているのですが、いろいろ分析してみると、ここでややこしい結果は 申し述べませんが、期間が長くなる要因、短くなる要因というのをいろいろ分 析してみると、例えば、わかりやすいところを見ると、左側のカラムの中に申 請前相談というのがあって、厚生省と申請前にいろいろ相談をするんです。そ うすると、審査期間が、要は世の中に出るのが早くなるか遅くなるかという話 ですが、右側ですが、臨床開発期間は長くなるんです。11カ月ぐらい長くなる。 要は、開発によけい時間がかかるようになる。しかし、審査期間は−6.6ですか ら短くなる。相殺されて、結果としては世の中に出るまでの期間は変わらない というような1つの結果があります。これは期間だけの話をしていまして、実 際開発が成功するかどうかなどという別の要因があってそう簡単ではないので すが、私が申し上げたいことは、企業の人たち、あるいは世の中というのは、 厚生省がこうしろと思ったとおりに動かないんです。こうしろと思ったら、反 作用で逆の方向に動いたりする。例えば6カ月の最短コースをつくる。審査を 早くする別ルートをつくって、それでドラッグラグが短くなりますなんて簡単 におっしゃっていましたけれども、その前提で企業は動きますから、6カ月コ ースがあるんだなという安心感でグズグズして、最後、6カ月オーケーと。私 がもし会社の社長なら、そういうコースを取るでしょうね。そういう行動を皆 さんとりますから、思ったとおりの政策、こうやったからこうなるという一手 の読みみたいなことは絶対通じないということです。 続いて8ぺージ目へいきまして、実際、企業の方々、これは後ほど高橋委員か らコメントがあったら言っていただいてもいいのですが、実際の企業がどう開 発しているかというのをまた見ればいいんです。ドラッグラグが短くなるかど うかというのに関してですけれども、そうすると、これは短くなりっこないと いう開発の仕方をしています。なぜかというと、例えばファイザー、グラクソ、 サノフィなどという大きい外資系企業は、海外で例えば 100個とか 200個とか 開発していたら、日本ではその中から30個とか50個とか60個とか、海外から 3割とか2割を選んで開発するんです。残りの 140個とか 120個はどこへいく のかというと、それは遅れるわけです。ずっとこの状態が今も続いている。今 現在の話を申し上げているのですけれども、続いているわけですから、少なく とも追いつきっこないですよね。中小企業の場合は、本社からこれやれと言わ れるだけですが、なぜそうしているかというと、リソースの問題があったり、 そうしないと日本企業、日本affiliateがうまくいかないからやっているわけ ですね。一方、武田、アステラス、エーザイですとか、そういうところはどう かとういうと、彼らもーアメリカにまず行くんです。アメリカに行って承認を 取って、そのデータで東南アジアとか、そういうところでFDAの承認が得ら れれば承認がもらえるありがたい国に行って、それから日本を考えるなどとい うことを戦略として考えていますから、ここも壊滅的ですね。そういうことで、 こういう現実を見れば、そう解決が簡単にできますよとか、こういう呼び水を ちょっと流せばすぐよくなりますよなどという世界ではないということです。 9ぺージ目へまいりまして、実際、さっきこういう選択を取るのはなぜかとい う話ですけれども、これはお薬の開発というのが 1,000個に1個とか、 100個 に1個しか成功しないんです。ほとんど失敗するという世界なので、開発がう まくいくということ自体かすごく価値があるんです。日本では、アメリカで先 に進めて、日本へは遅らせば遅らせるほど日本での成功確率が上がっていくと いうデータです。これは企業にとってはものすごくうれしい話ですね。遅らせ ればうまくいくわけですから。それはなぜかというと、これも企業の方々はほ ぼ納得いうか、当たり前じゃないかと思っているのですけれども、グズグズし ているとデータがたまるのが1つと、グズグズしているとみんなが安心になる ということです。厚生労働省が承認を下ろすのは安心ですよね。FDAが承認 を持っているという状態で、日本で最初になどということになると、イレッサ ですとか、いろいろなことがあって大変だった記憶が過去の悪夢のように蘇っ てくるのかもしれませんけれども。そういうことで、皆さん、合理的に行動し ているわけです。ですから、叩けばいいというものではないということです。 次に、10ぺージ目にまいりまして、グローバル企業はグローバルに公平に接し ているかという問題ですが、全然そんなことはありません。グローバル企業と いっても、地場企業と一緒で、例えばファイザーはアメリカがかわいいんです ね。それから、グラクソなどという女王様の会社は恐らくイギリスがかわいい と思って開発している。そういうことが開発の順番とか優先順位という目でも 確実に見てとれるということです。 詳細は省略します。 それからもう1つ、その下に1行書いていますけれども、国境とか、言語とか、 こういうものがきちんとした分析をするとお薬の遅れに効いてくるということ で、これはデータとしてあるんです。つまり日本人とか、日本を挟んでいる海 とか、そういうものが確実に影響しています。これを何も考えないで、我々は 不利な状況にあるということを考えない対策というのはそもそもあり得ないと いうことです。 11枚目にいきまして、では、早くするために臨床試験などはやる必要がない、 ポンポン持ってくればいいじゃないか、海外で承認されていればいいじゃない かと。アメリカへ行けば、旅行者はアメリカ人と同じ用量飲むんだろうなんて ナンセンスなことを言う人がいますけれども、ここに示したのは、これまでの 臨床試験という、ある意味化学によって、その結果で用量がどういうふうに決 まっているか。日本人とアメリカ人の用量という目で見たときに、大体4割ぐ らいはアメリカ人と日本人で最適なドース、臨床試験をやった結果が違ってい るという、これは事実としてのデータです。海外と同じにしたら、この部分が 全部同じになるんです。「同様」という一番下のカラムで塗りつぶされるという ことになります。皆さん、これはどう思われますかということです。危ないと 思われる方が多いとは思うのですが、これを全然危なくないと思う方もいるか もしれませんね。もし仮にそういう方もいるとすれば、その分、お薬が早くす るわけですね。早くくるメリットと、この部分が真っ白になってこういうとこ ろが分析されなくなる危険と、これを天秤にかけてどう考えますかということ を考えなければいけない。それが今スッポリ抜けている。さっきグローバル化 とか、データの多様化という、全然見当外れのコメントで物事をグローバル化 と言っておられる方が多いんですけど、これは危ないということを申し上げて おきます。 それから最後に、実際の数でそれを見るとこうなるということで、これも見解 は分かれるかもしれませんが、これはデータです。今1つ新薬が承認されるの に、平均して日本人が臨床試験だけで何人ぐらい参加しているか、何人ぐらい お薬を飲んでいるかという話ですが、 300人ですね。 300人の日本人に飲ませ て、あとは大体海外の方です。それで、世の中に出てくるということです。昔 は 1,500とか 2,000とか、昔、日本人だけでやっていたころはそのぐらいでし た。 1,500とか 2,000だって大したことはないのですが、今は 300です。この あたりも一回真剣に考えないといけないのですが、考えていないんじゃないで しょうかということを申し上げて、要は、最後に申し上げたいことは、こうい う非常に難しい問題で解決なんか一朝一夕でできるわけなんですよ。できっこ ないことを簡単にできるようにみんなが思わないようにしたいということと、 簡単に解決できるような説明をしているというのはちょっと犯罪行為に近いん じゃないかということです。 今、インフルエンザワクチンの用量設定をどうするかなどという話でもめたり しているのも、実は根っこはこういうところにつながっていると思うのですけ れども、わかるところとわからないところがあって、わからないところはわか らないと言わないといけない。できもしないことは、それは難しいと言わなけ ればいけないということを申し上げておきたいと思います。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。ドラッグラグについて、いろいろ議論 があったので、小野委員が専門ということで説明を受けましたが、わかりやす く説明していただいたんですけど、いろいろな問題点があるだろうと思うんで す。この委員会でこういうふうに再発防止ということの対策をいろいろ考えて いる中で、第一次提言などを読んで、インターネット等で、どうもこの委員会 は、いろいろ慎重にしなければいけないということでラグを大きくしているん じゃないかという認識がたぶん一部の人にあって、そうなってくると、このラ グに基づく被害というか、そういうものも多くなってくるので、一方的にこち らの委員会で今のような形でやるのは問題だ、我々にも発言させろというふう な意見がありました。そういうことも含めて、このラグの問題は我々も真剣に 考えなければいけないかなということで説明をしていただいたのですが、御意 見、 御質問がありましたらどうぞ。高橋委員、お願いします。 ○高橋委員 小野委員から名前を言われたので、一言話をしないといけないか なと思います。 このドラッグラグは小野さんが言われるように確かに難しい問題で、企業とし ても、できるだけラグがなくなるということは、患者さんのためにも当然必要 なことだろうというふうに思っています。しかしながら、今の開発のやり方と いうのは、ここに小野さんはある程度典型的な形で書いていらっしゃると思う のですけど、開発の仕方についても、以前は確かに欧米優先で、スピードの面、 いろいろな形で海外でまず開発をして、日本でその後というのもかなり考え方 としては戦略的にはあったと思います。しかしながら、最近は、各企業それぞ れ市場性の問題、いろいろな形もあって、日本でも早くなっているということ もあります。それから、国際的な共同治験をして、世界同時申請、同時承認と いうところを目指して、今、開発が進められているのではないかというふうに 思っています。それが現実どこまで一緒にできるかというのは今、試行錯誤し ているところで、海外のプロトコールをそのまま日本で当てはめるというのは なかなか難しい点を一方にあって、欧米と同じように進めるというのは、まだ まだ日本では難しい状況にあると思いますけれども、今そういう方向で各社、 日本の内資系の企業としては考えているのではないかということで、少なくと も海外とラグをなくす形、それから同時承認という形で進んでいるというのが 今の現状、今の考え方だろうというふうに思っています。ですから、ここに書 いてある海外優先というのは、ちょっと前までのやり方はそういうふうに考え ていたのではないかというふうに思っています。 それ以外、ここに書いてあることは、数字も資料として出されていますので、 現実こういう形だろうというふうに思っていますけれども、企業としては、よ りよい薬剤を早く患者さんに届けるという1つの使命がありますので、早く開 発をして、早く承認を取って市販していきたいというのは考えとしてはあると 思います。余り答えになっていませんけれども、一応、以上が企業としての考 え方だというふうに思います。 ○寺野座長 そうですね。企業側の考え方もお示しいただきたいのですけど。 近藤理事長に来ていただいていますので、御発言いただけますか。 ○近藤理事長 近藤でございます。私がPMDAに着任したときの大きな任務 は、ドラッグラグの解消でございます。実を言うと、今日、医薬品行政のあり 方、それから肝炎検証その他で、どうしたら薬の害を減らすかという原点から 考えまして、私は医者であり続けたわけですけれども、かつての治験というの は、やはりレベルの低い治験が多かったと思います。例えばプロトコールも非 常に問題だったし、患者さんに同意を得るとか、そんなことは基本的に余り定 かでなかった時代だと思います。 そういう時代から、やはり世界的にお薬のつくり方、治験のあり方に関しては、 しっかりとした国際的な取り決めの中でGCPというのができてきたと思いま す。そういうGCPが1990年代にできまして、それ前に、やはりIRBなどを つくらなければいけませんから、病院の治験の仕組みがかなり遅れをとってい たことは事実だと思いますし、そういう欧米に遅れた治験の体制というのは、 やはり日本で治験をする、つまり新薬を導入するという体制にやや遅れをとっ ていた。表を見てみますと、ちょうど1990年代から2000年にかけてすごいへ こみがあるんです。そのへこみというのは、いわゆるドラッグラグの1つの原 因ではないかと思っています。今日的に言うと、研発課を含めて、いろいろな 努力によって治験の体制がずいぶん補助されて、多くの病院で治験がしっかり できるような体制ができてきて、やっと今日的に治験ができるようになってき たのだろうと。欧米並みの治験の体制ができたんだなと思っております。した がいまして、一概にドラッグラグがモタモタしていたわけではなくて、我が国 の医療体制そのものが治験に対して不十分だったということがあって、やっと 今日まできたと思うんです。それから、今日、肝炎事件の検証、再発防止のた めの行政のあり方云々、その1つの影がそういうところにあったのだろうかと 思うところです。 それともう1つは、今申し上げたのは、あくまでもお薬が我が国に取り入れら れるのが遅れたということでありますけれども、あとは、今、PMDAが一生 懸命やっていることは、やはり審査を丁寧にやるとか、安全面をしっかりフォ ローするとか、そういう本来の医薬行政のあり方を真面目にやっているという ことです。決してムチを打って早くやるということではないと思います。した がいまして、新しい薬を出すためにムチを入れるというのは大きな間違いであ ろうかと今でも私は思っています。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。そのほか。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 私は今、近藤理事長の御発言を聞いて頼もしく思いました。 要するに、ただ早ければいいというものではないという御趣旨だと思うのです が、今日の小野委員の御説明でも、ドラッグラグと一言で言うけれども、その 原因も内容も実に複雑なものがあるということが指摘されたわけですね。先ほ ど高橋委員は、よりよい薬を早く届けるとおっしゃった、この「よりよい薬」 という、フレーズが実は重要で、要するに、遅れているといっても、それが本 当によい薬なのかということをきちんと吟味するというところがまずポイント として押さえられなければいけないということです。とかくラグを解消するた めに、ただ審査を早くすればいいんだということで審査期間の短縮ということ ばかりが強調されているような気がするわけです。しかし、例えば米国のFD Aは、ユーザーフィーの法のもとで、製品の90%に10カ月以内、要請審査品目 では6カ月以内、そういう期限をつけられて承認してきたわけですが、その研 究で1992年から2005年までですが、承認された 313品目を見たときに、承認 期間が2カ月早く承認された薬は、市場からの回収率が6倍、安全警告の発令 が4倍多かったという報告もあるわけです。 ですから、いろいろな要因が複雑に絡み合ってラグができているという状況の 中で、やはりきちんと冷静に、ただ審査期間をムチ打って短くすれば何か問題 が解決するのだというふうに考えるのはやはり私も間違いだろうと思います。 本当に必要な薬がラグのために患者さんに届けられないという、その現状をき ちんと改善するということは大切ですけれども、対象薬の中身やその原因をき ちんと冷静に受けとめて対策を立てる、ここのところをこの委員会では再確認 しなければいけないのではないかと思っております。 ○寺野座長 ありがとうございます。最初にちょっと申し上げたのは、一通り 説明があってから議論しようということにしていたのですけれども、新鮮なう ちにということで、今、ドラッグラグについては議論していただいているので すが、後ずっと続いていますので、説明を先に求めたいのですけれども。大平 委員、御発言があればどうぞ。 ○大平委員 PMDAの方でも、ムチを入れるという問題と、今、水口委員が おっしゃいました、やはり対象が、かなり必要な対象の人と、一般的な客観的 な見方で進めていく問題と多様な問題があると思うんです。 ですから、一概に ドラッグラグを進めるということ、それ自体はいろいろ見方で判断していかな いといけないというところでは、もう少しそこは考慮していただきたいという ふうに思います。私の個人的なあれですけれども、HIVの薬ですとか、また、 がんの薬ですとか、そういうものについては患者さんからの要望というのはか なり強くて、では、ドラッグラグをなくして、HIVは2カ月ぐらいの承認で 入ってきますけれども、それについて今度、国内できちんと日本人に合った適 格量というのをきちんとやっていく研究と、そしてまた、問題が起きないよう にというきちんとしたフォローアップができないと、それが成立しないとなか なかうまくいかないのではないかたというふうに思うんです。ですから、そこ が今、私などから見ますと欠けているところで、ただ言葉だけが走っていると いうところはよくないことですけれども、その批判の中で逆にそれが止まって しまうということも患者としては懸念して、そこはやはりもっと総体的に考え ていただきたいというふうに思いました。 ○寺野座長 それでは、また後で議論の時間をつくりたいと思いますので、次 に資料3「国内未承認14品目の内訳」ということで、事務局の方からお願いし ます。 ○成田課長 資料3の御説明をさせていただきます。 前回の検討委員会でドラッグラグについて御紹介させていただきました。その ときに、世界2007年の売上 100品目の中で、2007年当時、未承認のものが、 2009年、国内で承認されていなかったものについて、国内で未承認だったもの の内訳を資料3ということで御紹介させていただいておりましたけれども、そ れぞれについてちょっとわかりにくいということで、主な効能効果をつけ加え させていただいております。それから、承認の確認をさせていただきまして、 2品目承認されておりますので削除させていただいておりまして、前回の資料 の差替えということで提出させていただいております。 以上です。 ○寺野座長 それでは、それはまた後で質問があればお受けするとして、資料 4「臨床試験の登録に関する比較」ということで、これは井本さん、お願いし ます。 ○井本課長補佐 資料4について御報告させていただきます。 1枚目に比較表という形で提出させていただきましたが、主なものとして、ヘ ルシンキ宣言に盛り込まれているということ。ヘルシンキ宣言のB19というと ころに、概要に記載させていただいたような記載根拠がございます。我が国に おきましては、臨床研究に関する倫理指針の第2章の2の(5)のところに、下の 概要のところに書かせていただいているような形で侵襲性のある介入研究につ いて、公開性のあるデータベースに登録するように義務づけたところでござい ます。 また、米国におきましては、FDAの改正法というのが最新出ておりまして、 そちらについては、I相以外の全ての臨床試験についてシステムが義務づけら れたというふうに聞いております。 欧州につきましては、いろいろ手を尽くしたのですが、参考文献を根拠に調べ させていただいたものでございますけれども、2008年の文献では、欧州につい て、そのような公開データベースに載せていくというようなものは見つけられ ませんでした。 ぺージをめくっていただきまして、アメリカについてはかなり細かい情報が出 ておりましたので、参考までに調べたものを載せさせていただいた状態です。 これもまだ最終的には案の状態で動いていると聞いているのですけれども、公 開データベースの項目別のリストになってございます。その読み方でございま すが、*がついているのが現時点での要求事項、FDAとあるのが改正前の法 律の要求事項、FDAAAと書いているものが現在、案として動いていて、詳 細なものを入れようとされている状況だというふうに認識してございます。 更に別の動きでございますが、最後のぺージにIFPMA(国際製薬工業会) というところが出している臨床試験の登録簿及びデータベース化したときの開 示の範囲みたいなものを共同声明文として昨年の12月に出されておりまして、 英語文と日本語文がありましたので、こちらについては日本語文の方を引用さ せていただいた状況でございます。 資料の報告としては以上でございます。 ○寺野座長 よく読むにはちょっと時間がないのですが、参考にさせていただ きたい。 それでは、資料5で「『第一次提言に関する対応状況』についての委員からの 意見への対応」について、佐藤室長、お願いします。 ○佐藤室長 事務局でございます。引き続きまして、資料5以降について簡単 に説明をさせていただきます。 資料5でございますけれども、これは前回お示しいたしました第一次提言に対 する対応状況につきまして、各委員の先生方から書面または議論の中でいただ いた意見を整理いたしまして、それに対する現在の状況ですとか対応というも のを右側の欄の方にまとめさせていただいたものでございます。最初のぺージ は、主に職員に対する教育といった部分の現状ですとか、医学部・薬学部等に おけるカリキュラムといった部分での対応という部分が書かれてございます。 2ぺージ以降でございますけれども、主に臨床研究の倫理等に関する部分での 対応ですとか、現在の補償といった部分ですとか、3ぺージ目の方にまいりま して、政府による臨床試験に関する支援の部分等々が書かれてございます。 あと、3ぺージ、17番のところで、外国の事例ということでFDAの諮問委員 会において公開で行なっている会議のやり方等につきまして御紹介いただいた 部分についての回答を書いてございます。 4ぺージ以降でございますけれども、それぞれ行政の依頼によるガイドライン 作成に関する事項ですとか、内規の部分ですとか、そういった宿題についての 回答ということでございます。 あと、それぞれ第一次提言の対応の中で、研究班等の進捗状況という部分につ いて、もう少し状況がきちんとわかる説明をしてほしいというようなリクエス トがございましたので、22番ですとか24番がそうでございますが、研究班の進 捗状況については、この後ろの方に別表をつけ加えてございますので、そこは まとめて御紹介をさせていただこうというふうに思っております。 また、5ぺージ目以降については、効能効果の関係ですとか、エビデンスに基 づきというようなことで、医療機能評価機構に関するガイドラインのまとめと か、こういったことを回答させていただいております。 6ぺージ以降については、外国との連携の関係の情報ですとか、現在のPMD Aにおける専門職から成るチームの構成の現状ですとか、そういった部分。あ と、ファーマコゲノミクスに関するお問い合わせ。7ぺージでございますけれ ども、あとはリスク最小化に関する部分。水口委員からも後で御意見をいただ いているようでございますけれども、この現状ということで、簡単ではござい ますけれども整理をしております。 7ぺージの51番から次のぺージ、更にまたその次の9ぺージに続く60番まで のところが全体的にちょっと長いシリーズになってございますけれども、リス クコミュニケーションについてどう扱うかといった御質問をいただいていた部 分でございます。リスクコミュニケーションは非常に大きな課題だというふう に我々も認識をしておりまして、現在、研究班を立てているところではござい ますが、この第一次提言をいただいてスタートしている部分でもございまして、 実はまだ余り研究班としての進行が進んでいるものではございません。8ぺー ジの方に書いてございますが、こういった(1)、(2)にあるような課題で現在進め ているところでございまして、またこういった部分について当検証委員会の方 から、こういった課題について加えるべき視点等をいただければ、またそちら を反映した形で対応させていただきたいというふうに考えているところでござ います。 この後また水口委員の方の資料で御紹介があるかと思いますが、9ぺージのと ころですが、バレニクリン酒石酸塩、商品名「チャンピックス」でございます けれども、こちらについては、日本の情報提供の資材等がプアーではないかと いった御指摘をいただいていた部分でございますが、この部分は、日本におい ても、PMDAにおいて患者向け医薬品ガイトを作成中であるというふうに書 かせていただいておりますが、つい先日、10月26日でございますが、済みませ ん、今日は資料が間に合っておりませんけれども、PMDAの方から患者向け のメディケーションガイド(医薬品ガイド)を交付しているところでございま して、ようやくそこの部分が実施されたということでございます。その点、ち ょっと報告をさせていただきます。 あと、母子手帳に関するお話も御指摘をいただいた部分でございますが、陣痛 促進剤を含めた医薬品に対する注意喚起について検討を進めているというとこ ろでございます。 あと、64番以降、レセプトの関係も含めてでございますけれども、また後ろの 方の別表で整理をいたしております。 10ぺージ以降でございますけれども、主にこの中で救済制度に関する部分等、 御指摘をいただいております。75番でございますが、こちらはまだ研究班は立 ち上がっておりませんで、これから研究班を立ち上げようということで準備を 進めているという状況でございますので、そこは御理解をいただければという ふうに思っております。 あと、81番以降の部分ですけれども、薬剤師に関する機能という部分で、清水 委員からも御指摘をいただいた部分でございますけれども、薬剤師法の24条関 係のお話、また、医療法に基づく部分等について、今、こういった手順書等を 設けてやっている部分でございますけれども、その紹介をさせていただいてい るところでございます。 その他、ここには回答申し上げませんけれども、こういった部分での御指摘に ついての回答をしております。 12ぺージ以降が現時点での研究班の進捗状況というところでございまして、全 て状況をつぶさに具体的に御紹介できるものとは限りませんけれども、一応、 右側の欄に21年度の開催状況、進捗状況というものを整理させていただきまし て一覧とさせていただいておりますので、御覧をいただければというふうに思 います。 あと、資料6でございますが、前回の対応状況における資料は、8月31日時点 での21年度予算要求ということで書かせていただいておりました。その後、22 年度の予算要求については、御案内のとおり、いろいろな政府内での議論がご ざいまして、改めて10月に予算を出し直させていただいているわけでございま すけれども、その状況として、今の最新の形での10月の予算の概算要求の額と いう形で、改めて資料6の方に整理をさせていただいて御紹介をさせていただ いているのがこの資料6でございます。 事項としましては、前回の9月の検証検討委員会での資料に書かれていた事項 は変更ございませんが、当初の要求と比べて額的な部分で変わっているものが ございますけれども、基本的に項目として何かなくなっているもの、消されて しまったもの等はないという形でございますので、この資料6で御紹介をさせ ていただきます。 あと、資料7でございます。これは、夏前に当委員会で御指摘をいただきまし て、欧米諸国における医薬品規制当局に対する請願、英語ではペティションと いうふうに呼んでおりますけれども、こちらについて、各国在外公館等を通じ て調査をさせていただいたものの結果ということで、ちょっとお時間がかかっ て申しわけなかったんですけれども、資料7で紹介をさせていただいておりま す。基本的に医薬品規制当局に対する請願ということで、制度が存在するのは ここに書いてございます主要4カ国のうちアメリカのみということでございま して、アメリカにおいては、FDA改革法という2007年の法律に基づいて、180 日以内にFDAが請願に対して回答するというような制度が制度化されている ということでございます。その以前にも、FDAにおいては、こういった請願 について、下の方のその他に書いてございますような処理件数でやってきてい る部分でございますけれども、それが2007年の法律の制定により、よりかっち りとした形で位置づけられているといった状況がこの制度についての1枚目で ございます。 2枚目以降でございますけれども、アメリカにおける提言・監視を行なう組織 についての参考情報ということでございますが、アメリカにおいて、Governme nt Accountability Office(GAO)、政府説明責任局というような和訳がついて いるようでございますけれども、アメリカにおいては、議会に対して連邦政府 の行なっている活動等を監査して、勧告・報告を行なうという形で、GAOと いうこういった組織がありまして、実際、FDAの市販後の意志決定等に関す る部分でもレポートを出している。また、医療事故関係のものでも2000年にレ ポートを出したり、そういう活動を行なっている政府内の機関というものがあ るということを御紹介させていただいております。 あと、3ぺージは参考情報でございますけれども、今日も後の水口委員の方の 資料にも出てまいりますけれども、アメリカにはNPOという形になりますけ れども、IOM、日本名では医学研究所と訳すのがいいのかどうかわかりませ んけれども、こういう民間の調査を行なうような権威ある機関でございますけ れども、そういうところがFDA改革法に対するいろいろな提言とか、そうい った部分を行なっているということで、IOMというものがあったり、あと医 療事故関係ではISMPというものがあったり、あとは市民のいろいろな形で のペティションを出されたりしているところではございますけれども、Public Citizenといった団体もあるということで、この資料7の請願に関する資料と いうことに合わせて、こういったものを紹介をさせていただいております。 資料7までは以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。では、資料8の方を続けてお願いしま す。 ○横幕室長 資料8も前回宿題としていただいているものですが、前回の本部 会で資料として薬事・食品衛生審議会に関するものをお出しした中で、この審 議会は平成14年の法律改正によって、大臣からの諮問がなくても、自ら調査・ 審議したり、意見を出したりすることができるような規定があるというところ がございまして、実際にそういうものがどれぐらいあったのかなかったのかと いう御紹介をいただいていましたので、最近の主なものを並べてみたというこ とです。 上半分の方が血液事業部会の運営委員会になっておりますが、これそのものも 平成14年の国会での議論を通じて設置されたものですけれども、この運営委員 会における委員から具体的な提案があって、議論をして、それは一定の調査結 果になるとか、そういった経緯があったということでございます。 それから、下半分の方は安全対策調査会ということになりますけれども、学会 等からの要望書を踏まえて審議・検討が行なわれたという例を挙げさせていた だいたところでございます。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。いろいろな宿題をいただいた結果を事 務局の方から報告していただきましたが、後ほど議論するといたしまして、そ の前に、水口委員の方からPMDAのアンケート調査等々についての御説明を いただきたいと思います。お願いします。 ○水口委員 資料は、資料9−1、それと、今日別途配られた、直前になって 事務局の方には御迷惑をおかけしたのですが、1枚の別刷りで配付されている もの、この2つを御覧いただきたいと思います。 別刷りの一枚ものに書いてございますように、アメリカではFDA再生法の基 礎となった報告書をまとめたIOMが「組織文化」というものが改革において 非常に重要な論点であるということから、非常に精力的に面接調査を行なった わけです。私どもの委員会は、時間的にも、それから人的な点でも制約がござ いますが、やはり何らかの形で現に医薬品の審査、安全対策に当たっている方 たちに対するアンケート、その方の御意見を伺うということもやはりするべき ではないかと。  薬事行政の組織をどうするかという議論があって、A案、B案とか議論した わけですが、どういう組織にするにしても、やはり「組織文化」というものは 非常に重要であろうと思います。この点についてさらに検討するとすれば、 「アンケート」という方法があるのではないかということを前回提案させてい ただきました。もうこの委員会のもち時間が限られておりますので、もしやる とすれば、今日、皆さんに、やるかどうかということも御意見をいただかなけ ればいけないわけです。そこで、やるとすれば、こういう形ではどうでしょう かというイメージを持っていただくための「案」というものをつくってみまし た。  それが資料9−1の2枚目です。座長のお名前で勝手ながら「お願い文書」 案を作成しました。そしてアンケート項目案ですが、組織文化に焦点を当てた 質問が1つ。それから、第一次提言についての質問が1つという、非常にシン プルで集計等は必要がない自由記載欄のみのアンケートではどうかということ で提案させていただきます。資料9−11枚目のところに、実施するかどうか も含めて検討するに当たって、議論が必要であるという項目を挙げてみました。 まず調査対象ですけれども、PMDAの全職員の方だけでいいのか、あるいは 本省の方も対象にするべきなのかどうかというところが1つあると思います。 それから、どのような方法で行なうかということですけれども、例えばPMD Aの職員の方に対して実施する場合には、PMDAを通じて全職員にこれが行 き渡るようにしていただいた上で、回答は匿名でもいいということにしたいと 思います。  送付先はどこか。恐らくあり得る選択としては3つぐらいしかないと思うん です。 厚生労働省か、あるいは、もしやっていただけるのであれば研究班の事 務局である野村総研か、あるいは、この検証委員会の委員のどなたかが所属す る組織あてに郵送で書いて送っていただくということです。  分析については、やはりどこか事務局的なことを引き受けてくださるところ が、自由記載ですから回答を全部入力して一覧で見られるようにして、あとは、 それをそのままこの委員会に提出することがいいのか、あるいは少し検討して 内容を整理して提案する方がいいのかということなどを検討するチームをつく りまして、そこで検討して、この委員会に結果を上げて議論の資料にする。こ ういう形ですので、やるとしたらすぐやって、短い期間ですぐ回収して、その 後の事務作業に入って、年内の討議に生かすというような形かなというふうに 思っております。  そういったことで御検討いただければということで御提案させていただきま す。 ○寺野座長 それでは、そのほか資料はよろしいですね。資料9−2とか。 ○水口委員 では、資料の説明だけさせてください。今日提出させていただき ました資料については別刷りの紙に書きました。  1つは今のアンケート関連、もう1つはリスクコミュニケーションに関する 資料です。この資料は大部になって恐縮だったのですが。私は、前回、患者へ の情報提供、医療関係者への情報提供も含めて、情報提供のあり方に関して、 チャンピックスというお薬を挙げました。最近、警告欄で、精神障害などを警 告するという添付文書改定が行なわれた薬です。これを具体例に挙げて検討す ると問題点がわかるのではないかというふうに発言しました。しかし、抽象的 な発言だったので、具体例をお示しした方がいいというふうに考えまして、今 日、FDAとPMDAのチャンピックスに関する資料、発信されている情報そ のものを全部翻訳したものと原文の英文と、ちょっと枚数は多いのですが、資 料として提出させていただきました。それで、全体が見える表もつけているわ けですが、これは次にリスクコミュニケーションについて、討議する機会の討 議資料にぜひしていただきたい。先ほどチャンピックスの患者向け医薬品ガイ ドが前回会議から今日までの間にPMDAのホームぺージにアップされたとい うお話がありまして、それは大変よかったと思います。 ただ、私が申し上げたいのは、日本で患者向けに情報提供している媒体が、こ のガイドと重篤副作用マニュアル、この2つであって、そのシステム自体がや はり不十分な部分があるのではないかということを申し上げたいわけです。そ この紙に書きましたように、FDAが焦点を絞った情報提供や速報性、多様性、そ れからグレー段階での情報提供、それから患者からの副作用報告制度の成果を 活用したという点で、このチャンピックスというのは題材として非常にわかり やすいだろうと。また、中身をどうするかということだけではなくて、もう少 し広い視野で、わかりやすく情報を提供するために、十分なスタッフと、それ に特化した専門部門ぐらいつくってもいいのではないか。この委員会としては、 そのぐらいの提案をしましょうということで、資料を配付させていただきまし た。  FDAの現状について分析した良い論文がネット上で見つかりましたので、 これも提出いたします。  それから、前回も会議で言及がありました薬害教育と国家試験の問題につい て。薬剤師試験に薬害の問題を出さなければならないようにきちんと規定する ということについて、私が事務局長をしておりますNGOで具体的な意見を出 させていただきましたので、前回の討議事項との関係で資料を出しました。  もう1点だけ言わせてください。先ほど事務局から御報告があったのですが、 まず対応状況については、時間がないので細かく疑問な点や追加資料をお願い したい点を出したいと思います。  それから、研究班についてですが、これは堀内先生の研究班ではなくて、厚 生科学研究班のことですが、この検討会が出した第一次提言を受ける形で、そ の具体化のための研究班が幾つか設定されていて、それの進捗状況について御 報告いただいたのですが、結局、こういうふうにして報告してくださいという ふうにお願いしない限り、厚生科学研究というものに割り振られると、進捗も わからない。要するに最終報告が出るまでみんなが情報を共有できないという 問題点があると思うんです。ですから、その辺も今後この委員会で検討課題に すべき問題があるのではないか。例えば、先ほど救済制度についてこれから研 究班をつくりますということでしたけれども、そういったものはやはり公開の 場所できちんとみんなの意見を吸収しながら議論できることが必要ではないか という問題意識を申し上げておきたいと思います。 済みません、時間を取りました。 ○寺野座長 ありがとうございます。いろいろ水口委員の方から資料もいただ いて御説明いただいたのですが、今日全てやるわけにいかないので、今の点は また議事録の方に入りますので後で検討させていただくとして、以上で資料の 説明は終わるのですが、議論の時間がそんなにないんですけれども、さっき約 束しましたように、ドラッグラグの問題、それから今の水口委員のアンケート 調査の問題、そのほかの問題ということで分けて進めたいということですが、 まずドラッグラグについて、更に議論の方。泉委員、どうぞ。 ○泉委員 小野先生、どうもありがとうございました。事務局というか、厚労 省の方に確認したいのですが、今、この検証委員会でドラッグラグをこのよう な形で先生から資料をいただき検討した中で、例えば日本人向けの薬の使い方 の検討を手抜きにすると同義の可能性があるという、そういう危うさを秘めて いるということとか、それからあとは、いわゆる日本企業が外に出て行ってし まう。 つまり、通常はまずアメリカで開発するけれども、次は順次開発が進め やすいところで進めるということであれば、それから日本という、そういう中 で、実は厚生労働省の今までの資料を見ていると、ドラッグラグを未承認薬を 申請するように急ぎ検討しなければいけないという話と、小野先生にお話しい ただいたのは非常に大切なポイントを突いていると思うのですけれども、この 先、この検討委員会でこれをずっと続けることは私は難しいと思うんです。こ れはこれだけでもっと大切なポイントとして厚労省の方に1つの部会がもしな いのであれば、それでお考えいただきたい。ここの中で早急に考えて何かを決 定するというような内容ではないように思います。そういうことで、厚労省の お考えをちょっと聞きたいです。 ○寺野座長 事務局の方、いかがですか。誰か専門というか、いましたら。 ○泉委員 追加でいいですか。たしか前々回でしたでしょうか、アメリカから 未承認薬に関して、日米が協力して云々というビデオか何かに少し出たと思う のですけれども、ここはやはり他国に揺るがされることなく、日本人として、 日本のいわゆる健康を守るためにはどういうふうにすべきかという用量のお話 もありましたけれども、まずは治験が日本で余りなくなっていくだろうという ような現状もありまして、そういうようなことを踏まえて、それは確かに必要 な人たちはいるのですが、かといって、そのまま早急にすべき案件ではないと いうふうに私と思うのですが、厚生労働省、いかがでしょうか。 ○寺野座長 誰が答えますか。 ○佐藤室長 審査管理課長が今退席してしまっているものですから、代わりに お答えいたしますけれども、泉委員がおっしゃるとおり、ここで専門的な議論 を深めても、たぶん難しい部分はあるだろうと思います。一方で、ドラッグラ グの問題というのは、単に審査のスピードということですとか、申請をしてい ただく、開発をどうするかということだけではなくて、言ってみれば、必要な 医薬品がきちんと日本で必要な患者さんに届くかどうかという、そういったこ の場でも御指摘をいただいた点を踏まえて対応すべき問題だと思っていまして、 それをここで詰めてもしようがない部分もあるかと思いますし、そういった御 提言をいただいたことを我々も真摯に受けとめておりまして、未承認薬検討委 員会ですとか、そういった別の枠組みがございますので、そういう専門的な議 論をする場に今の泉委員からも御指摘がありましたような問題意識というもの を十分伝えた上で、 厚生労働省、PMDAと連携して、そういった問題意識を 踏まえた形でのドラッグラグの問題というものに対処していきたいというふう に思っております。 ○寺野座長 ほかに。今の未承認薬検討委員会というものもあるようですけれ ども、そういうところへここでの議論等も、もちろん提言書の中に入れていい のですけれども、ぜひ出していただいて、これはなかなか難しい問題なわけで、 ぜひ入れていただきたいと思います。間宮委員。 ○間宮委員 どうしてもドラッグラグの問題になると発言したくなってしまう のですが、小野先生がすごくわかりやすく資料をまとめていただいたのですけ れども、ここで一旦、国として整理してほしいんですよね。それは何かという と、昔からある病気がありますよね。それに対して薬が全くないもの、これは 開発を進めるべきだと思います。それと、その次の段階で、昔からある病気だ けれども、外国ではそれに対する薬があるということが問題であるというのが ドラッグラグだと私は認識していて、それに対して、最近では、今まで病気で なかったものが病気として病名がついて、それは病気ですから病院に行って薬 をもらいましょうというか、治療しましょうというような流れになっているわ けですよね。そのあたりというのは分けて考えられないのかということを提案 したいと思います。 それから、さっき水口委員がおっしゃっていたように、開発が早かったものに ついて、問題が起きる頻度が高いというデータがあるんですよね。 ○水口委員 アメリカの状況についてのそういう論文があるということです。 ○間宮委員 そういうのがあるということは、日本でももちろん添付文書だけ じゃなく、問題がある薬があったということであれば、その検証というのも必 要ではないかと思うんですよね。それが審査期間が短かったからそういう問題 だったんだということに結論づけるつもりは全くないですけれども、そういう 事例についてもやはり検証していくときじゃないかというふうに思うのですけ れども。 ○寺野座長 ありがとうございます。ドラッグラグの問題も、これは来年1月 から3月にかけて提言の内容をどういうふうにするかという議論をするわけで すが、今のような議論を更に深めた議論も出てくると思いますので、それはぜ ひ提言の中に入れていきたいというふうに思っています。 堀委員、どうぞ。 ○堀委員 ドラッグラグのところですけれども、実はこれは安全性の問題とそ んなに分けて考えるべきところでもないというふうに私は思っていて、ドラッ グラグの原因は、疾患の背景などによってもいろいろあると思うし、あとは、 小野さんがおっしゃっていたように、これは一朝一夕で解決する問題ではなく て、理由とか解決策とかいろいろあるにせよ、現にドラッグラグというのがあ る今この日本の国で、では今後、薬害を起こさないためにどうしたらいいかと いう議論は私は大いにここに関係あると思っているので、ドラッグラグは別の ものだから無視とか、そういう話ではないし、かといって、安全性と深く関わ るところで、今後起こさないという視点からは、やはり私は議論してもいい問 題ではないかと思います。ドラッグラグの背景を議論するところではないかも しれないけれども、そこが今あるような現状で、今後起こさないための方針と いう意味では大いに関係があるんじゃないかというふうに思います。 あともう1点だけ。さっき疾患によってという御指摘はいろいろな方から出て いて、それはそのとおりなんですよね。確かに間宮さんがおっしゃっていたよ うに、昔は病気じゃなかったものが病気になっている側面という部分も確かに わかりやすい極論としてはあるし、一方、ただし、実際にそういう場合の病気 は別として、疾患にかかっている人から見れば、要る要らないという議論とい うのはすごく難しいところで、その病気の患者さんにとって、その薬が現時点 で完璧ではないかもしれないけれども、こういうリスクぐらいだったら受け入 れますという議論ができるかどうかとか、すごくいろいろな問題が含まれると ころだと思うので、要る薬、要らない薬というのはもう少し注意して考えてい くべきところじゃないかというふうに聞いていて感じました。 ○寺野座長 この問題は非常に重要な問題であることは皆さんの認識は一致し ているわけですが、この議論は相当深める必要があって、先ほど泉委員の方か らも提案がありましたように、別の委員会の方でしっかり議論していただくけ れども、ただ、安全性という面からはやはり切り離せない問題ですから、この 点においては、また1月以降の中で議論をしていただくということにしたいと 思います。 間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 済みません、もう1点。薬が世に出る過程というのももちろん問 題ですけれども、多くの薬害の場合は、やはり止められなくて被害が倍になっ たりしたわけですよね。その対策というのは、やはりこの委員会でどういうふ うにしていくかというのは議論した方がいいのかなというか、ぜひしてもらい たいという部分です。どう止めるのかというのが非常に大事なところだと思い ます。 ○寺野座長 特に薬害肝炎に関しては、まさにその点で、みんな頭の中ではそ のことを頭に置いた上で議論はしているのですけれども、そういうふうにドラ ッグラグと実際、市販後の使用状況の中で出てくる問題とを必ずしも分けてい なかったということで、今、ドラッグラグの話が出ましたので、これはまた、 今の間宮委員のような形での置き方で議論する必要はあると思っています。 大平委員、どうぞ。 ○大平委員 堀委員がおっしゃられたように、やはりここの中では、規制の問 題としていろいろ議論されていて、その中で本当に必要を感じている当事者と か、今、患者のいろいろなニーズというのが強く世界でも働きかけられている ところで、それを、安全性の問題とニーズの問題、そしてまた、市販後のいろ いろなフォローをしていくという、そういう問題について、それはここでちゃ んと議論すべき問題ではないかというふうに私は思います。そうしませんと、 薬害再発防止の観点というところでは、何かそこは切り捨てていいものかどう かというところはかなり疑問がありますので、ぜひそこは、ドラッグラグの委 員会があるという話ですけれども、そこに本当に患者の要望が届いているのか どうかもわかりませんし、ここは一番そういう議論のできるところだというふ うに思いますので、そこの反映をきちんと、どういう形で行なっていくかわか りませんけれども、報告をして、そして改善策としてのきちんとした体系の中 に組み込んでいただきたいというふうに思います。 ○寺野座長 そうですね。後で出てきます監視機構としてのワーキンググルー プの話にも関係してくるのですけれども、それは市販後のものに関しての調査、 あるいは監督がどこまでできているかというようなこともそこでやることにな ると思いますので、この点は、一応資料はいろいろいただいたので、皆さん、 読んできていただいて、次回以降というか、1月以降になると思いますが、提 言にどのような形で出すかということは議論を深めていきたいと思います。 それでは、次に、たくさんあるのですが、時間がありませんので、水口委員の 方から出されたPMDAへの職員アンケート調査をやるべきかどうかという問 題と、もしやるとしても、内容はそれでいいのかという問題と、目的はもちろ んそうですけれども、そのほか、それをどこがやるのか、どこが解析するのか というふうな問題点があるわけです。この辺について、時間はそれほどないで すけれども、皆さんの御意見を聞いて、やるとすれば時期的には早くやらなけ れば意味がないということなるんです。ですから、それをちょっと御議論いた だきたいのですが、どこからの切り口でもいいですが、御意見をお願いします。 近藤理事長、お願いします。 (追加資料配付) ○近藤理事長 私は昨年4月に着任いたしまして、PMDAという組織の多様 性についてまずびっくりしたわけですけれども、それは、設立されて5年たっ ているわけですが、もともと多くの組織の集合体であったということで、中に おられる一人一人は立派な方でも、バラバラな出身母体の方であるということ で、やはりPMDAとしては1つのまとまったものの考え方であるとか、それ から常々考え方を人に対しては共通のベクトルを持たなければいけないという ことで、多くの人に声かけをして、理念というのをつくったわけです。お配り しておりますけれども。 水口委員がこういうアンケートをお出しになったのは私も非常に共感するとこ ろでありまして、こういうものはやはり組織を見るときにとても重要なわけで ございます。私はアンケートはとりませんでしたけれども、職員全員に向かっ て、皆さん方にいろいろ考え方を出していただいて、どういう方向で組織を動 かそうかということで、御提案をいただいて約半年かけてつくり上げたわけで す。つまり、これは現状では、私は組織文化でやろうと思っているところであ ります。 5つの大きなところがありますけれども、真っ先には、国民の命と健康を守る という絶対的な使命感ですね。これで全てやる。 それから、より有効で、より安全な医薬品・医療機器を、より早く医療現場に 届けることにより、要するに患者さんにより早く、よりよい医療を提供しよう じゃないかと。 それから、最新の専門知識と叡知をもった人材を育みながら、つまりボーッと していてはいけなくて、やはり新しい知識と知恵をいつもそろえておかなけれ ばいけません、科学的判断ができなければいけません。 それから、国際調和、つまり世界の中の日本でございますから、日本だけ島国 ではあり得ませんので、やはり世界と共通の役割を演ずるということです。 それから、一番大事なことですけれども、過去の多くの教訓を生かして、社会 に信頼される事業運営を行います。 こういうことで組織は一応ネームカードの中には入っておりまして、折に触れ て動くような仕組みになっております。今流で言えば、これは5種類の混合ワ クチンを職員の中に精神的に与えた、こういうふうに私は思っておりまして、 このワクチンが半年で効くのか、だめなのかわかりませんけれども、いずれに しろ、折に触れてこれは呼びかけているところでございます。 したがいまして、今回このアンケートをいただいて、どれだけの内容のばらつ きがあるか興味深いところではありますけれども、少なくとも外向きの対応は 原則としてこの理念に基づいて動くはずでございます。したがいまして、これ から外れた自分勝手な動きというのは基本的にはあり得ないと私は理解してお ります。その点を私はPMDAの理事長として議論の始まる前にお話しさせて いただきたいと思いました。 以上であります。 ○寺野座長 ありがとうございます。もっともな話でありまして、PMDAに 対してのアンケートということですから、厚労省全体に対してというのもある のですが、理事長の御意見は当然聞かなければいけないと思っておるのですが、 PMDAの方ではまだアンケートまではやっていないということですか。 ○近藤理事長 やっておりません。 ○寺野座長 そうですよね。ですから、これが共通してできるようなものとし てのアンケートになるのかどうか。もしPMDAもおやりになりたいというこ とであれば。あるいは、それとは全く関係なくやるべきなのかどうか。水口委 員、どうですか。 ○水口委員 今、理事長が外向きの対応はこうであるというふうに力強くお話 になられたのですが、それは承知しておりますが、要するに、現実にそこに働 く皆さんが能力を発揮していける、そして使命感を持って働いていけるという ことを私たちは期待しているわけで、その生の声をきちんと届けていただきた いという部分もあるんです。建前ではない部分も含めて、やはりきちんとアン ケートをしてみたいという気持ちもありまして提案させていただいているので、 外向きの対応はこれしかあり得ないから、みんなこのとおりと言うことであれ ば余りやる意味はない。そうでない部分も、そういう意味では、率直にお答え いただいて、私たちが気づかなかったいろいろな視点も提供していただきたい ということで実施を提案させていただいているということです。 ○森嶌座長代理 水口委員のお気持ちはわかるんですけれども、私は今まで多 くの社会調査、あるいは意識調査をやってきましたけれども、まず第一に、こ れから我々に残されている時間というのは、半年なら半年の間に医薬品の安全 対策といいましょうか、組織づくりも含めて、それを具体的に提案するという 仕事は我々の仕事ですね。そこで、その場合に、今、近藤理事長がああいうこ とを言われたのでよけいそうなんですけれども、しかも、こういう漠然とした 理念的なものがあって、どういうものが返ってくることをこのアンケートで予 定しているのか。そして、仮にいろいろな意見が返ってきたときに、どんな本 音か建前か知りませんけれども、返ってきたときに、我々はそのアンケートの 結果、それでは来年の2月、3月までに、そこからどういうことを酌み取れる ということを予想しておられるのか。そして、それが第三者機関なり、あるい はPMDAの安全対策なり、あるいは本省との関係なり、あるいはコミュニケ ーションなり、そういうものをきちんと組み立てていくというのに、アンケー トはどういうふうに役立つだろうということを想定しておられるのか。やはり 調査をやるからには、その調査がそういうものにどう役立つだろうかというこ とをやっておかなければ、ただやるというのは、ある意味では国民の税金を無 駄遣いするということになるわけですから、私はやること自身の意味というの は認めますけれども、我々に残されている時間、我々のやること、それから、 これから考えられる効果、そして私の今までの経験から言って、このようなア ンケートで出てくるであろう結果ということから考えますと、私は、そうでな くてもいろいろやることがあるのに、こういうことをやるのだったら、むしろ 水口さんがPMDAにいらっしゃって、ヒアリングをなさって、そして、その ヒアリングの結果を持ってこられた方が私はいいと思いますので、この委員会 として水口さんをPMDAに派遣して、職員の方にヒアリングをなさるという ことならば私はお勧めします。そして、近藤理事長の公式的な見解に毒されず に本音を聞いてこいということなら私はオーケーですけれども、これ以上の時 間と労力と事務局の手間ひま、そしてまた、国の予算を割くということについ ては私は反対をします。それは効果の面から見て。だから、やることに意味が ないというのではなくて、その効果という点で問題があると思いますので、お やりになるのでしたら、ぜひとももう少し考えて、最小の労力と最小の人材を 使って、それには水口さんがボランティアとしてぜひおやりいただくのがいい と思います。そして、どうやれば効果的に意識調査ができるかということにつ いては、私がアドバイスしても結構であります。 ○水口委員 私がヒアリングに行って本音が出るというふうに副座長は思って いらっしゃるわけですか。 ○森嶌座長代理 弁護士さんですから、人の心が読めないようでは弁護士さん はできないと私は思っております。 ○水口委員 ひょっとしたら私は一番話したくない人かもしれない。私も、副 座長がおっしゃる残り少ない時間の中で優先順位をどうつけていくかという視 点はあると思います。ですから、何が何でも実施しなければいけないと、そん な強いこだわりを持っているわけではありませんが、やはり組織のこととか、 人材の育成や確保について、これだけ議論をしていて、当のその組織で働いて いらっしゃる方々のお話を全然聞かないままにこの委員会が終わってしまうと いうのでいいのかという気持ちがあって、提案したわけです。一番労力が少な くて、集計などの負担がないやり方で、問題意識のある方が何か書いてきてく ださることがあるのではないかということで提案させていただいているのです。  私が今日提案したやり方は、それほどすごく大きな労力を使ったり、お金を たくさん使ったりするようなアンケートではないというふうには思っているの ですが、これをやるには、やはりこの委員会のメンバーの中に一肌脱ごうとい う人がいなければ進まないわけです。そういう意味では、私自身は第三者委員 会の方のワーキンググームのメンバーでもありますので、その辺のところを両 方抱えてどうなのかなと、その不安はあるわけです。ですから、今日提案はさ せていただきますので、ほかの委員の方の率直な御意見を伺って、実施するか どうか。するとした場合、どうするかということを今日決めていただいたらい いと思います。やるとしたら、たぶん今日決めないともう時間的には間に合わ ないだろうということで、そのために、議論がしやすいように具体的な案とい う形で出させていただいているということです。 ○山口委員 私、最初にこの御提案を見たときに、本音は書いてくれないだろ うなというような印象を持ったのですけれども、ただ、これまでの議論を思い 出していただきたいのですが、全てとは言いませんけれども、今回こういう委 員会が立ち上がった原因、そういうものの根源が1つ組織文化にある。そうい う観点と、我々は結局、実際、現場で審査なりをやっていらっしゃるPMDA の方々が、もちろん個人的にはありますけれども、例えば第一次提言に対して どういう印象を持ったか、どういう感想を持ったかとか、正直、ここで話して いることが本当に机上の空論になるのではないかとか、そういう御意見とか、 実際の審査会の生の声というのは聞けていないんですよね。そういうものを取 り入れない限り、そんな偉そうなこととか綱紀めいたことを言っていても、正 直、私はしようがないと思うんです。そういう意味で、どういうやり方とか、 どういう質問項目にするかというのは考えなければいけないとは思うんですけ れども、個人的には、私は実際の審査に当たっているPMDAの先生方の声を 聞くというのは私は賛成です。 ○寺野座長 では、大熊委員。簡単にお願いします。 ○大熊委員 山口先生に賛成です。今、この委員会のことを一番真剣に見守っ ているのはPMDAの方たちであるので、やはり当事者が一番真剣に考えてい ると思います。ただ、質問の仕方を、どう思いますかというのだとやはりおっ くうになると思うので、たまたま今、近藤先生が出してくださった5つの理念 を掲げて、こういうことになっているけれども、できないとしたら、その壁は 何かという設問にしていけばよいのではないか。  それから、理事長が、みんなは本当のことを書いてくれよという号令をかけ られるということで、私も内部に何人か知り合いがおりますので、本当に近藤 先生がそういう号令をかけられたのか、その後、小声で「変なことを書くなよ」 とおっしゃったかはちゃんとわかる仕組みになっておりますので。そういうふ うに思いました。 あと、切手を貼るというのが結構バリアで、切手というのは身の回りに余りな いので、もし何とか承認といってただで入れる方法がありますが、ああいうの ができるならその方がいいし、メールでというと誰かがわかるということにな るから難しいけれども、一肌脱がなければいけないというと大変なのでちょっ と躊躇しながら発言しております。 ○寺野座長 一肌脱ぐ気はないんですか。 ○大熊委員 半分ぐらい。誰かと一緒に。 ○寺野座長 小野委員。 ○小野委員 私もアンケートをやるのに賛成です。理由は、先ほど来言われて いることですけれども、審査をやっている人の声を聞く。今まで一回も聞いて いないですものね。審査の現場にいる人の声ですよ。もちろんトップマネジメ ントの先生方の声は聞いていますけれども、聞いたことないで話が済むとはと ても思えません。それから、隠れた声を聞くということですね。面談では絶対 出てこない。水口先生、そうですよね。こんなもの、目の前にいる人に対して、 機構はどうです、どうですとぼろくそなことを言うわけがないわけで、あるい は、言うとしたら、それはある意味、逆の側の不平不満分子みたいなものでし ょうから、そういうことを考えると、匿名の紙で一枚よこしてくださいと。こ れの費用対効果がどう悪いのかが私には全然理解できません。オブリゲーショ ンでもないわけですよね。忙しい人は書かなくてもいいわけですから。そいう こと。それで、我々の気づいていないことを気づかせてもらうということで、 もしそれが出てくるのが恐いようなら、我々は委員を全員辞めなければいけな いですよね。そのぐらいの覚悟でやるのだと私は思います。 それから、お金がどのぐらいかかるかは実際計算してみればいいと思うんです けど、そう大してかからないんじゃないですか。あと、費用、コストがかから ないというのだったら、みんなで協力して何人かでやりますけど。切手貼りぐ らいなら、私の時給は大したことないですから、切手貼りでしたら私やります。 ○寺野座長 切手は大丈夫ですけど。坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 私も意見書の3番目に書いていますけど、この意見には大賛成で す。今がチャンスだと思います。やはり現場主義でなければいけないと思いま す。  それで、厚労省にちょっと質問ですけど、この場合、野村総研の方に電子デ ータ化していただくとか、そこら辺は実際的にできるのでしょうか。 ○寺野座長 お願いします。 ○横幕室長 正確なところは野村総研さんに改めて聞く必要がありますけれど も、そこまで一般的にというところでは、今年度はギリギリいっぱいのところ でやっているというふうに何度も聞いていますので、簡単にやってもらえそう というふうには言えないかなと思います。 ○寺野座長 森嶌委員の方から、実際の委員会の運営上、これはなかなか大変 だと。考え方は御理解いただいているわけですけれども、どうかという御意見 だったのですが、ほかの委員の多数からは、アンケート自体はやった方がいい んじゃないかという意見の方が多いんですよね。水口委員は、提案していてど ちらでもいいと言われてしまうので困ってしまうのですけれども。 ○水口委員 言った以上は自分が一肌脱がなければいけないという主義なんで すが、私は、第三者機関の方も相当気合いを入れて頑張らなければいけないと いうことなので、安請け合いはどうかと。もちろん、ワーキンググループのメ ンバーに入るのはいいですが、実務作業を、よし、引き受けましょうと言うと、 ちょっと体を壊すかなという感じが、今しています。 ○森嶌座長代理 私も、アンケートというか、現場の意見を聞くことに反対を しているわけではなくて、ただ、今のこの案では、皆さん、簡単におっしゃっ たけれども、例えば野村総研に全部電子化させるのだって、野村総研もただで 働いているわけじゃないわけですね。切手貼りをすればコストがかからないと いうわけではなくて、私はこういう調査をずいぶんやっていますけれども、そ れは皆さんが考えるほど簡単じゃないわけです。その意味で私は申し上げてい るので、もしもアンケートをやるのだとしたら、どう言えばいいかということ をきちんと考えてやらなければならない。それで、私が考えているのは、やは り本来やらなければならない仕事は、先ほど申しましたけれども、たくさんあ るので、そこをきっちりやれるというプランを立てた上で。 ○山口委員 これが本来やらなければいけない仕事の1つじゃないんですか。 私はそういうふうに認識していますけれども。 ○森嶌座長代理 そうおっしゃるならそれでいいんですけれども、私はそうい うことも考えた上で申し上げているつもりです。 ○寺野座長 森嶌先生は、別に反対ということではなくて、今から3月までに できるのかなという問題点で言われていると思うんです。 むしろそれは座長の 責任でもありますけど、この問題が今の段階で出てくるのがおかしいので、本 来ならば、もっと早く、1年前でも出すべきことであったことは確かで、近藤 理事長にも最近になって来ていただいていますけれども、意見はもっともっと 聞かなくてはいけない問題であるということは、特に1月以降の議論でも非常 に重要になってくると思うんです。ですけれども、実際にできるのかという物 理的な問題というのがありますので、それも考えていただきたいと思うのです が。 椿委員、どうぞ。 ○椿委員 どうもありがとうございます。先ほど森嶌先生がおっしゃられたこ とに関連して、まず私も現場の先ほどの状況や意見を聞く。それによって、こ の委員会が考えている対策が本当に有効であるかどうかということを検証する というのは必要かと存じます。 一方で、アンケートの案に関しては、先ほど大熊先生がおっしゃられたのが非 常に私は賛成なんですけれども、基本的にこのPMDAの理念というものは5 つあって、これに対するハザードといいますか、何が今問題であるかというこ と。その問題はどういう経緯で起きているか。これに対して、この委員会があ る程度打ち出しているような方針・方策というものが有効であるかどうかとい うこと。これは現在の原案の1はきちんとそこのハザードに関する、どこに問 題点があるのかという組織の中の認識には、一方でそれに対するいろいろな方 策に関する有効性ということに関する現場の認識、フィージビリティー、その 他もろもろの、これが仮に有効でないとすれば、なぜなのかというようなこと を専門的な立場から聞くのはかなり有効なことではないかと思います。 これを、匿名性等を確保するということに関しては、一定の集計の事務局とい いますか、必ず個人の情報を秘匿するということを宣言した事務局をどこかで 設けていただければというふうに思うのですが、それをどこかでやれというよ うなことがあれば、御指名があればいろいろ考えることもありますけれども。 ○山口委員 分析とか、細かいところは私、別にやっても構いませんので。 ○小野委員 私も協力できます。 ○堀委員 さっきどなたかの発言で、この検討会の議論に一番注目している当 事者という表現があったと思うんですけど、私、逆にそれならまだ安心なんで すが、一番恐いなと思っているのは、この委員会に注目しているのは、委員会 の委員である我々と本省の方とか、あとは出席されている上の方の方々だけで、 現場の審査員の人たちが、あなたの組織がこういうところでこういう議論のネ タになっているんですよということを知っているかどうかを私、実は一番心配 しています。だから、そういう意味で、アンケートという言葉を借りてですけ れども、こういう議論があなたの組織についてされていますということを知ら しめる効果というのは実は大事じゃないかと思っているのが1点と、あと、聞 くときに、ああいう仕事をされている方たちなので、本音を言え、意見を言え と言われたら、たぶん相当書いてはくれると思うんです。ただ、背景がわから ないと書きようがないし、あとは、もしコンテンツ、例えば一次提言について どう思うかとか、あるいは理事長先生が出されている理念についてどう思うか とか、何か具体があれば確かにもっと書きやすい点もあって、そういう工夫を するということを、ここの会とは別に、確かにできれば、前向きなことは何か できるのではないかというふうに思います。 あともう一個が解析ですけれども、特にフリー記載にした場合に、別に誰かを 疑って言っているわけではないのですが、誰が見るかによって結構見方が変わ ってしまうと非常に危険なので、そこの解析のところは慎重に考えた方がいい んじゃないかというふうに思います。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 昨年、PMDAに行ってまいりまして中を拝見させてもらって、非 常に理路整然と説明してくださったのですが、 やはり本音というか、きちんと 形がハマッていたので、むしろそれ以外のポロッとしたものを聞きたかったの ですが、そういうことは私たちにも知識がなかったし、聞くことができません でした。そして、水口先生が今日の提出資料にありますように、このアンケー トをなぜするかというところに、FDAが実はこういうことをして、こういう ことになっていますよという事例が入っていますよね。大変いいことというか、 それでFDAの再生法の制定の基礎になった報告ですから、そういうことを考 えると、先生方も協力するとおっしゃってくださっている先生がいるので、こ の委員会の限られた時間があることを前提として、例えば大熊先生のように、 文筆に非常に優れた方が、どういう質問がいいのかとか、皆さんで協力して、 この委員会の遅きにならないような形でするのであれば可能かなというふうに 思うのですが、いかがでしょうか。 ○寺野座長 わかりました。時間がないのですが、やるかどうかについては今 日決めないととてもできないということで、森嶌先生は実際の我々のエネルギ ーからみて心配していただいているのですが、皆さん、自分がやってもいいと いう人もいるということで、このアンケート自身は近藤理事長の御協力も必要 ですけれども、座長として一応やってみたいと思います。 ○泉委員 もう1つ。先生の方から、本省をどうするかという御質問もついて いますよね。それも一緒にここであれしてしまった方がいいのでしょうか。 ○寺野座長 本省。 ○泉委員 本省というのは、審査管理課、安全対策課、監視指導課など、いわ ゆるPMDAではなくて、厚労省の方ということですね。 ○水口委員 はい。要するに、本省にいらっしゃる方がPMDAに行き、そし てまたちょっとしたらすぐ戻ってくる。「この間までいた総務課長さんはPM DAですか。」みたいな。それで、「安全対策課長さんはPMDAにおいでに なったんですか。」とか行ったり来たりがあるので、そうしたことも含めて、 その意味を聞くということもあると思うので、本当は本省の方もアンケートの 対象にした方がいいだろうということで提案をさせていただいています。 ○寺野座長 本当はね。なかなか大変は大変だろうと思うのですが、これはち ょっとここで詰められないので、一応アンケートはやりましょうということに させていただいて、具体的にアンケートの内容等、それから対象をどうするか ということについては、今、指名いたしますので、反対の人はそれでいいです けれども、そこで一度集まっていただいて検討し、そして、やはり事務的な処 理は厚労省の事務局でやっていただかなければたぶんできないと思うのですが、 これは反対の方がいらっしゃらなければ私お願いしたいと思うんです。PMD A自身だと、皆さんもちょっと問題かなと思われると思うので、たぶん厚労省 も今、政変の後で大変だけれども、これはやはり何らかの形でお出しいただか なければいけないと思います。 ですから、今積極的に言っていただいた山口委員、小野委員、それから大熊委 員も入っていただけますか。それから、水口委員は言い出しですから仕方がな いですね。あと、椿先生もやっていただいてもいいという御発言でしたね。余 りたくさんでも困りますので、この5人にワーキンググループで集まっていた だいて、内容と、それから厚労省まで含めてやるのかどうかというふうなこと をお願いしたい。そして、近藤先生にもぜひ意見をお聞きして御協力をいただ きたいと思います。 その辺をいつ集まってどうするかということ、これは厚 労省の事務局と相談していただいて、小野先生、当面の世話になってください。 ○小野委員 承知しました。 ○寺野座長 では、そういうことにさせていただきます。よろしいでしょうか。 まだそのほかにもありまして、事務局の方からいろいろ出していただいたので すが、何かこれについてぜひ言っておかなくてはいけないというようなことが ございますか。いろいろ委員の要請に応じて事務局の方で用意してくれたので すが、急に出されたものですから、これはよく読んでいただいて、またありま したら次回でも結構ですので意見をいただきたいというふうに思います。 それで、次に移りますが、前回決めていただきました医薬品行政の第三者監視・ 評価機関に関するワーギンググループ」というのが、仮称ですが立ち上がると いうことになっております。その準備状況について、まず事務局の方からお願 いできますか。資料10ですね。 ○横幕室長 資料10ですが、大分前に委員の皆様にお送りしていますけれども、 前回の決定を受けて委員の皆様に御意向を伺ったところ、今日の資料の2ぺー ジにございますが、9人の方から参加したいという御連絡をいただいたので、 この9人の方を座長から指名をしていただいて、ワーキンググループというこ とで第三者監視・評価機関の具体的なあり方を詰めていただくということを事 務局としては予定をしているということでございます。第1回目は11月10日 が皆さん集まれそうということですので、この日を予定しております。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。このワーキンクグループについては、 まず委員の方は私の方で決めさせていただきましたが、そのワーキンググルー プの中で森嶌委員にチーフになっていただくということで、まず11月10日、 第1回ですが、集まっていただいて今後の方針を決めていただきたい。ただ、 時間がありませんので、本当にしょっちゅう集まらなくてはいけなくて申しわ けないと思うのですが、よろしくお願いしたいと思います。この問題に関して は、どういう形にするか、本委員会の提言の中の具体的な成果のことになりま すので、具体的に提言の下に政府の方できちんとそれをつくっていただくとい うふうな形で報告いただけることになると思います。ただ、この委員会の中で、 これを公開制にするかとか、いろいろな問題がございますけれども、これは委 員長を一応、森嶌先生にお願いはしますけれども、その中で決めていただいて、 そして公開制にするのかどうかということについてもそのワーキンググループ の中で検討していただくということにしたいと思います。そういうことで、ま ず第1回をやっていただきたいということです。私も第1回は出る予定ですけ れども、お願いしたいと思います。 ○水口委員 柔軟な作業という点から言うと、公開でやるときには、いろいろ 資料の準備などがあるので、この検討会と同じように仰々しくというふうには 申し上げませんが、結局、このワーキングチームには、この委員会の大体半分 ぐらいが入るわけですよね。9人ですから。そして、この委員会にとって非常 に重要な課題ですので、やはり基本的には公開でやっていくべきだろうと。全 部議事録をつくるかどうかとか、その辺は検討の余地はあると思いますが、そ こも含めて、結局、第1回をどうするかということがありますので、私は、こ の委員会としてどうするかを決めるべきで、チームの人間が決めることではな いのではないかと。なぜかというと、この委員会の決めたことを実行化するた めのワーキングチームだからというふうに思っております。 ○寺野座長 そういうお考えは当然あるわけで、こちらの方で公開制にするか どうかを決めるということであれば、私はもう少し突っ込んだ議論があってか らの方がいいかなと思ったのですけれども。では、ちょっと御意見を伺いまし ょう。 ○森嶌座長代理 半分とはいいながら、公開というか、結構たくさんの傍聴の 方が来られると、事前に資料などを用意したり、それをあれするのは事務局の 方が大変なので、私は、だからといってクローズにするのはトランスペアレン シィーという点から見てよくないと思いますので、資料も何部かは用意するけ れども大量には用意しない。それから、部屋も必ずしも大きくないので、場合 によっては、来られた方に失礼になるかもしれないけれども、これだけの部屋 というのはなかなかないわけですから、委員と何人かの方は入れて、出入り自 由と言うとあれですけれども、つまりクローズドにはしないけれども、しかし、 事務局に余り手間ひまをかけたり資料のあれを余りしないという程度で、つま り透明性を保つという意味での公開というのはいいのではないか。しかも、こ れは少し先の方にいったら、たぶん月に何回も開かなければならないかもしれ ません。そうすると、公開にすると、事前に通知を出すとか、いろいろなこと があるように思いますので、私としては、クローズにしてもいいかもしれない。 クローズにすることによって、かえって透明性についての疑義を持たれるとい うこともありますので、その意味では、どなたが入ってこられても構わないけ れども、そのためにいろいろなことを事務局に負担がかかる。あるいは、事前 に多くの資料を用意するというのは迅速なワーキンググループの運営に支障を きたしますので、かといって、私はほかでもそうですけれども、環境のときも そうですけれども、別にクローズにしなければならないような議論は何もして いないし、たぶん水口委員が入られたらクローズにしたくてもできないことは 確かですから、その意味で座長と、クローズにするかどうかは、ワーキンググ ループをどれだけ迅速に動けるかという観点から議論しましょうということで したけれども、今の御意見がありましたので。そうだとすると、ワーキンググ ループが迅速に動ける、そして事務局の負担を少なくする。しかし、同時に透 明性は保つという点から、今のようなことで外部から参加をされる方に、そう いう趣旨だから御了解いただくということで、それは患者の会などにも御了解 いただくということで、そういう趣旨の公開ということでいかがだろうかと思 います。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○水口委員 今日提出の書面に、私もそういう柔軟性は維持しつつと書きまし たので、それは結構です。 ○寺野座長 セミクローズドというふうな言い方にしなくても、今言われたよ うなオープンでいいと思いますね。そういう御意見で納得していただければ、 委員会としては、そのような形の公開制ということを担保したいと思いますが、 よろしいですか。 後のことについては、またワーキンググループの中でいろいろ議論していただ くということにしたいと思いますので、よろしくお願いします。 もう時間もきました。議論の進め方ということで、今からどういう形で進めて いくか。毎回やっているわけですけれども。これは資料11でございますけれど も、横幕室長、お願いします。 ○横幕室長 資料11ですが、年内は11月16日と12月4日に予定しております。 この紙にございますとおり、毎回、堀内先生の研究班からの報告に基づく議論 と、それから、先ほどのワーキンググループでの議論を含めた医薬品行政組織 のあり方というのが入ってこようと思います。今日は余り立ち入っていただけ ませんでしたが、第一次提言をめぐるいろいろなテーマがありますので、どれ ということに特定することなく、第一次提言を受けた取組・検討状況というの も毎回というふうに思っておりますが、それ以外に、ここ数回のこの委員会の 中でわりに大きく議論すべきと取り上げられたもの、かつ、どういう形で議論 されるのかというのがある程度イメージがありそうかなというものを挙げてお りまして、第18回については適応外使用とか臨床試験、第19回については添付 文書のあり方ですとかた、水口先生から御指摘がありましたリスクコミュニケ ーションとか、それから、ここにPMDAの組織文化と書いてございますのは、 もしアンケート調査をするのであれば、その結果なりを12月に見られたらいい かなということで書いておりました。 それで、年が明けて1月から3月にかけては、研究班の検証をベースとしなが ら取りまとめに向けた議論をいただくというところが1つのたたき台というこ とでございます。 ○寺野座長 スケジュールとしては大体こんな形ぐらいでしかできないという ことで言えば、あと5回ぐらいしかできないということですが、その間にワー キンググループ、今日できた委員会もありますので、そういうところでしっか り議論していただきたいということです。 それで、1つ、これは坂田委員から意見書が出されておりまして、本当は今日 の委員会への意見書でございますけれども、日付けが28日になって昨日なんで すよね。これは88項目の質問状がありまして、これを見ていただいて、事務局 としても対応できるものは次回までに一応対応していただいて、一つ一つ詳し く回答できるかどうかわかりませんが、重点的に考えさせていただいて、次回 に説明していただくということで。 ○坂田委員 上の6項目だけちょっと説明させていただいてよろしいですか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○坂田委員 それでは、下の方の「対応個別項目への意見」というのは、これ は88あるのではなくて、前回資料を提示していただいたのと、今回、資料5に 対する、一番左側に番号が振ってありますが、それに対する私がわからない部 分をピックアップした部分ですので、ぜひ次回までにいろいろな形でお返事い ただければと思います。 それと、最初の方の○の1番から6番までですけれども、前回、バイファー社 について調査中ということで私が一度お聞きしたときに言われました。それで、 どうなっているのかなというのがちょっと気になる点。 2番目が、いわゆるCROの見学をさせてくださいと言っていましたけれども、 全くナシのつぶて。 それと3番目が、さっき水口委員が言われましたアンケートの件です。 4番目が、薬害資料館も以前、私が提案しておりました。莫大な予算を使えと 言っているわけではないんですよ。例えば、一例ですが、PMDAの中につく っていただくとか、やはり皆さんで話していろいろなアイデアが出てくると思 いますので、これもぜひ予算化していただきたいと思います。 それと、5番目ですが、本日、資料5の12ぺージ以降に記載されているように、 多くの22年度以降の検討があります。研究班の意見をもとにして検証委員会が 練り上げるのが本来の姿ではないかと思います。具体的な内容を出さず、概念 的なことばかり言っても、いつまでも薬害に終止符を打てないのではないかと 思います。第三者組織ができるまでにそれを一体誰がフォローするのか。もう 考える時期にきているのではないかと思います。 それと、最後6番目ですけれども、51から75、飛び飛びですが、この項目に関 してはやはり受け手側の問題だと思うんです。国やメーカー、行政側の立場か らしか見ていないのではないかと思います。もっと国民側の意見を取り入れて から検討すべき問題だと思います。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。これは私も受け取ったばかりでわから ないので読ませていただいて、一つ一つの坂田委員が疑問に思われることに関 しては、それぞれわかる範囲内においては御返答いたしますが、また、今、○ のところで言われたことに関しては、以後の本委員会でも議論すべき価値のあ ることももちろんあるわけですから、それは含めて議論していきたいと思いま す。 あとはよろしいでしょうか。 ○泉委員 遅い時間に済みません。資料11のところに「第一次提言を受けた取 組・検討状況(続き)」とありますが、例えば今日いただいた資料5、それから 資料6、これの質問、進捗状況を更に詳しくということも含まれますでしょう か。 ○寺野座長 事務局の方、どうですか。 ○横幕室長 今日、例えば時間がなくて言えなかったとか、言い足りなかった ということもあるという声もどなたかおっしゃっていましたので、既にもう出 していただいたものもありますから、そういったものも含めて、次回以降、更 にできるものからと思っています。ですから、例えば今日言えなかったという ことがあれば、また述べていただいて。 ○泉委員 坂田さんが言われたように、具体的に知りたいところが幾つもある んです。どこの課がやりますか、いつからやりますかというものを提出できる ものは教えていただきたいというのが幾つかありますので、質問として出しま すので、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 そうですね。事務局からたくさん資料を出していただいたのです けれども、十分な議論の時間が取れませんでしたので、また次回、その時間を 取りたいと思います。 ○水口委員 1点、次回準備の関係でお話ししたいのですが、私が公的臨床試 験の基金の問題を提案させていただいたことが次回の会議の検討課題として入 っているのですが、資料が英語の文献なんですよね。資料を提供していただき たいという話もちょっと事務局の方からいただいているのですが、そうものは 翻訳をお願いしていいですよね。それから、今日配られた資料に英語のまま出 ているものがあるんですが、やはり基本的に翻訳して出していただきたい。今 日、私はリスクコミュニケーションの資料を翻訳して出したわけですが、事務 局の方もぜひお願いしたいということです。 ○寺野座長 できますか。 ○横幕室長 翻訳については、それにかかる費用を手当てをしていないという 問題がありますので。あと時間の問題と、直ちに御要望にお応えし切れないん じゃないかという問題がございます。 ○寺野座長 大量の文章を翻訳するのは大変なことですが、簡単なものは間違 いのない程度の翻訳でやってもらった方がいいかもしれませんね。確かに、今 日出てきた文献で1ぺージありましたね。そればありますけど、可能な限りと いうことで考えさせていただかないとちょっと無理かもしれませんね。ちょっ と中途半端ですけれども。 そういうことで、今日はもう3時間近くになりましたので、また次回に持ち越 しのものがありまして申しわけありません。ちっとも明るい顔になれないまま で終わってしまいましたけれども、なかなか難しい問題ですね。 次回は11月16日、15時、同じこの部屋で行なうということになります。また、 今日は資料がたくさんきましたので、よく読んでいただいて、事務局の方もで きるだけ可能な限りの対応をしていただきたいと思いますので、よろしくお願 いします。 それでは、これで終わります。どうもありがとうございました。                                 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)