09/10/20 平成21年10月20日先進医療専門家会議議事録 第42回先進医療専門家会議 議事録 (1)開催日 平成21年10月20日(火) (2)場所  はあといん乃木坂 ソレイユの間(6階) (3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、赤川構成員、飯島構成員、加藤構成員、        北村構成員、竹中構成員、田中(憲)構成員、谷川原構成員、坪田構成員、        樋口構成員、福井構成員、渡邊構成員        事務局:医療課長、医療課企画官、歯科医療管理官、医療指導監査室長、            医薬食品局医療機器審査管理室長、佐藤課長補佐、他         (4)議題  ○新規届出技術の科学的評価等について        ○既評価技術(新規共同実施)の科学的評価等について (5)議事内容 午前10時30分 開会 ○猿田座長  ただ今より先進医療専門家会議を開催いたします。  まず、構成員の出欠状況ですが、新井構成員、岩砂構成員、金子構成員、笹子構成員、 田中良明構成員、辻構成員、戸山構成員、永井構成員がご欠席との連絡をいただいており ます。  続きまして、資料の確認を事務局からお願いします。 ○事務局  事務局でございます。  それではまず、資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料でございますけれども、まず議事次第、それから構成員の名簿、それから、 続きまして座席表、続きまして、先−1といたしまして、第2項先進医療の新規届出技術 について(届出状況/8月受付分)、それから、先−2といたしまして第2項先進医療の 新規届出技術(8月受付分)に対する事前評価結果等について、それから、それに伴いま す別紙1という左側をホチキスどめしたものと、それに伴います別紙1参考資料を机上配 布資料とさせていただいております。  続きまして、先−3といたしまして、第2項先進医療の新規届出技術について(届出状 況/9月受付分)、それから、続きまして、先−4といたしまして、先進医療における検 体検査の外部医療機関委託実施の取扱い、それから、先−5といたしまして、第2項先進 医療の新規共同実施について(届出状況/8月受付分)、それから、先−6、第2項先進 医療の新規共同実施(8月受付分)に対する事前評価結果等について、それから、それに 伴います別紙2という左側をホチキスどめしたものを机上配布資料とさせていただいてお ります。  資料の不足、乱丁等がございましたら事務局までお申し付けください。よろしいでしょ うか。  また、今回検討対象となる技術に関しまして、特別の関与がある事例はございませんで しょうか。  回答なしということでよろしいでしょうか。  では、お願いいたします。 ○猿田座長  資料のほう、よろしいでしょうか。  それでは、早速この議事次第に従いまして、議事に入りたいと思います。  まず、最初は新規届出技術の科学的評価等についてでございまして、8月受付分でござ います。よろしくお願いいたします。 ○事務局  事務局でございます。  先−1の資料をご覧ください。  第2項先進医療の新規届出技術について(届出状況/8月受付分)ということで資料を お出ししてございます。  整理番号182番、人工膵臓による周術期血糖管理、適応症等はご覧のとおりです。  183番、網膜芽細胞腫の遺伝子診断、適応症はご覧のとおりです。  整理番号184番、培養骨膜シートによる歯周組織再生法、適応症等はご覧のとおりで す。  185番、第V因子欠乏症の遺伝子診断、適応症はご覧のとおりです。  8月受付分は、この4件となっております。  続きまして、先−2の資料をご覧ください。  こちら、今ご紹介申し上げました4つの技術についての事前評価結果等について、まと めてございます。  まず、182番、人工膵臓による周術期血糖管理につきましては、書類不備ということ で返戻とさせていただいております。  続きまして183番、網膜芽細胞腫の遺伝子診断、こちらは坪田一男先生に事前評価を お願いいたしまして、総評としては「適」といただいております。  詳細につきましては、別紙1及び机上配布の資料をご覧くださいませ。  続きまして、184番、培養骨膜シートによる歯周組織再生法、こちらにつきましては 書類不備ということで返戻とさせていただいております。  185番、第V因子欠乏症の遺伝子診断、こちらも書類不備ということで返戻となって ございます。  事務局からは以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  ただ今ご説明いただきましたように、182、183、184、185と4件あったん ですけれども、相変わらず書類が不備のものが多いということで、結局183番だけとい うことで、網膜芽細胞腫の遺伝子診断でございますが、これは坪田先生に事前評価をいた だいておりますので、坪田先生のほうからご説明をよろしくお願いいたします。 ○坪田構成員  今回の申請は、網膜芽細胞腫といいまして、眼科の中ではがんは非常に珍しいんですけ れども、その中の珍しい悪性腫瘍の一つで、小児に発生します腫瘍の遺伝的な検査を行う という遺伝子診断の申請であります。  網膜芽細胞腫というのは大体出生1.6から2.0万人に1人ですね。結構、眼科医と しては一生の間に何人か見るという病気です。これに対しまして、染色体検査を行いまし て、さらに遺伝子診断を行うことによって、この申請によりますと、遺伝子診断の感度が 95%と向上することができると。また、医学的に家族性に発生することがありますので、 家族性に発生する可能性のある人の遺伝子診断をすることによって、早期発見、早期治療 が可能になるという効果をうたっています。  発端者というのは網膜細胞腫を発生した者を定義しておりますが、発端者の診断に15 万円の先進医療にかかる費用を計上しています。  それから、今度は可能性のある家族ですね。家族の診断に保因者として診断に4万8, 000円がかかると。これは主に遺伝子の、レチノブラストーマ遺伝子の全蛋白コード領 域及びプロモーター領域、それらの塩基性配列をPCRによって確定診断するというとこ ろに費用がかかるというふうにしています。  先進医療の評価第1号の「先進技術としての適格性」というところを見ていただきたいの ですが、適応症は妥当、有効性は従来の技術を用いるよりも大幅に有効です。安全性は問 題ないと思います。技術的成熟度としては、これについては少し検討の余地があると思い ます。社会的妥当性については倫理的問題については、かなりこれは配慮していく必要が あると思います。それから、現時点での普及性はありません。効率性としては適応症、有 効性と同じように大幅に効率的だと思います。これが将来的に非常に効果があるものであ れば、数もそんなに大きくありませんし、保険診療の経済的なインパクトなども考えても、 保険収載を行うことが妥当と考えました。  ということで、総合判定は「適」としましたが、このコメントのところに書かせていた だきましたが、今回の遺伝子診断についての詳細のデータが全く添付されていませんでし たので、それについては追加で資料を出してもらえるように言いました。今日の朝、その 資料は届いたようで、僕まだ全部見ていないんですが、これは精度というものが遺伝子診 断の場合に非常に重要になると思われます。これが本当に95%以上なのか、例えば7割 程度であれば、今度false−negative、false−positiveが当然出てきます。この遺伝子の 有無によっては、これは実際にあることなんですが、1人目に網膜芽細胞腫が出てしまっ たと。2人目のお子さんを産むかどうかと、これはすごく大きなご家族の決断になりまし て、こういうことは本当に遺伝子診断をやっていきますと、それによってご家族なども判 断することになりますので、これについてはかなりの精度が必要になってくるというふう に思います。  それから、次のページの当該技術の医療機関の要件につきましては、主に眼科と、それ から今まで出されました遺伝子診断の例に基づきまして、事務局とも相談させていただき まして、妥当なところを提案させていただいております。  眼科と整合性が少し悪いなと思いますのは、当該診療科の経験年数が5年となっており まして、これは眼科の専門医の場合には4年なんですけれども、あえて今まで遺伝子診断 のところでは専門医で5年以上というふうな前例がありましたので、これは眼科というよ りは遺伝子診断ということを主に考えさせていただいて、5年以上の経験年数というふう にさせていただきました。  大体、以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、お話ありました、特に精度の問題と、これはあと届いた書類を見れば分かってきま すかね。先生、どうですか。 ○坪田構成員  拝見してみます。 ○事務局  補足させていただきます。  今坪田構成員のほうからご指摘がありました精度に関する資料として届いたばかりで恐 縮なんですけれども、机上配布の資料をご覧ください。  こちらにご用意したものも若干不備がございますが、まず1ページ目の自験例というと ころでそれがまとめてございまして、この届出医療機関での自験例でございますけれども、 75家系扱っていらっしゃるというふうに聞いております。その中で1ページ目の下半分、 自験例というところを読ませていただきますけれども、遺伝性と考えられる症例、これは 両眼性であるか、片眼性であっても家族歴があるかとありますが、これについての感度は 73%であったということで書いてございます。これの詳細につきまして、同じ資料の3 ページ目に表で示されておりますものが、この自験例をまとめたものとなってございます。  緑のラインで囲まれております部分が今の73%というところに当たりますが、まずこ れを先生方にご覧いただきまして、精度の上で問題があるというべきかどうか、ご議論い ただければと思います。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今のお話ですと、特に、3枚目のところのSubtotalというところで、73%と、坪田先 生、これどうですかね。先生が言ったように少し感度が問題ですが。 ○坪田構成員  これどうなんですかね。ほかの遺伝子の診断、例えばリスクファクターとしての遺伝子 の診断でしたら、多分このぐらいで十分だという気はするんですけれども、ここら辺、ど うなんでしょうか。実際、そういうものだというふうに理解されて、医療側、それから患 者様側が73%ぐらいなんだということを理解されて使われるのであればいいと思います が、これがもう完全にひとり歩きというか、網膜芽細胞腫の診断というふうになってくる と、73%というのは微妙な数字だというふうに思います。 ○猿田座長  これまでの染色体を使った検査と、それと併せてやれば感度として上がってくるのかと いうことですね。  すみません、渡邊先生、何かご意見ございますか。 ○渡邊構成員  ご存じの通り遺伝子検査というのは、疾患などにより感度、あるいは特異度が違います ので、それ相応に考えていかなくちゃいけないのだと思います。ですから、73%であれ ば、さっきおっしゃったほかの検査、あるいはいろいろなものと併せて診断したときにど うなるかということでよろしいのではないかと思いますが。 ○猿田座長  ありがとうございます。  では加藤構成員のほう、どうぞ。 ○加藤構成員  加藤でございます。  国立成育医療センターでは、年間この症例を約20例扱っておるということでございま すので、当院の眼科医に詳細に伺ってまいりました。ただ今ご発言にありましたが、この 遺伝子の検査は、ほかの遺伝子検査と違いまして、全配列を決めるという、こういう手法 でございますので、もしこれが可能であれば100%の診断がつくはずであるというふう に私は小児科医でありますけれども、理解いたしております。  次に述べますのは、坪田構成員の反論ではありませんけれども、一応、成育医療センタ ーの構成員といたしまして、ご意見を申し上げます。  網膜芽細胞遺伝子はがん抑制遺伝子でございまして、疾患はこの変異によって起こるも のでございます。発症年齢は大体ゼロ歳から3歳でございまして、症状は瞳が白いこと、 そして治療は大きければ眼球の摘出でありますし、小さければ化学療法、または放射線療 法でございます。  そして、この遺伝子検索は、先ほど申し上げましたとおり遺伝子は極めて大きい、要す るに配列が長いということでございますので、大変な労力を要するということでございま す。したがいまして、これを国内で行っているところはほとんどないという情報を得てお ります。したがいまして、これを行うことは極めて有用であるとは存じますが、レベルの 高い研究所、または外国に注文することによってのみこれが可能であろうという意見であ ります。この注文することによってかかる費用は約20万円と聞いてございます。  先ほど坪田構成員からは、2人目のお子さんのときにどうするかというご意見でござい ましたが、実はそうではございませんで、この患者さんが実際に大きくなられて、次の子 供を患者自身が産んだときに未発症の新生児、それを家系に患者がいる場合と、こう称し ますが、その新生児に行って将来の発病を予測するというところには意味があるという意 見でございます。しかし、既に発症した患者におきましては、検索をいたしまして、その 変異は見つかっても、その治療方法の選択でありますとか、以後の判定にはこの検査は寄 与いたしません。ここに書いてございます様式第4−1号、整理番号1の1歳の症例は、 この有効性に関して極めて疑問性を感じさせます。将来、この患者に子供ができた場合、 その子供に発症するか、その可能性を求める検索をする目的では、かかった本人が確固た る意思を持つ成人になってから行ったほうがよろしい。その可能性を本人がまだ子供のこ ろに行うべきではないというのが私どもの見解でございます。  また、出生前の診断につきましては、申請書に記されてはおりますが、行うべきではな いというのが基本的な考えでございます。  また、疾患の発症原因を知ることについては意義がございますが、先ほど坪田構成員も お話しになりましたとおり慎重に行う必要があろうかと思います。  そして、これらの例を将来的に保険収載まで持っていくということはなかなか難しいこ とではなかろうかというのが私の見解でございます。  以上です。 ○猿田座長  どうも貴重なご意見ありがとうございました。  検査としては非常に意義があるけれども、なかなか難しい検査。坪田先生、この施設で は自分のところでやっているんですかね。あるいは外国発注で。 ○坪田構成員  それについては記載がはっきりしないんですが、確かに今おっしゃったことも分かりま す。倫理的にいろいろと問題もあるということと、運用に対しては非常に必要、いろいろ 配慮しなきゃいけないんですが、もともと先進医療1つには新しい、僕はネガティブとい うか、73%をわざと低く表現したところもあるんですが、やはり新しいものを入れてい くというのが先進医療だとしたら、このようなことをしっかりと患者様が理解して、ドク ターも理解すれば、これを全部保険外でやれというふうになると、それはちょっと大変な のではないでしょうか。やはりどうしても知りたいと、本当に真剣に先ほどおっしゃった ように、自分のお子さん、それから実際今度兄弟を産むか、産まないかというときもやは り非常に重要になるんですね。ですから、両方とも知りたいといったときに、それは全部 自費ですよということはちょっとどうかなというところはありますので、ご配慮いただけ ればと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。  加藤先生、でも技術としてはこれ非常にいい技術ですね。 ○加藤構成員  私が伺ったところでは、技術の中身は渡邊先生のほうが詳しいと思いますけれども、要 するに非常に長い遺伝子でありますので、しかもその長い遺伝子を全て解析するというこ とです。一部の遺伝子を持ってきて解析して診断を付けるというものではないので、極め て大変な検査になるということでございまして、僕は75%ということは意外でして、全 ての遺伝子を調べるならば、これは100%になるはずであると思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ですから、75から100の間にして、ほかの検査と併せてやればかなり有効で、それ からもちろん患者さんの将来を考えたときには検査法としては意義があると。 ○加藤構成員  ほかの検査と併用しなくても、この検査方法が確実であるならば、この検査方法で10 0%診断がつくということです。 ○猿田座長  いけるということですね。ありがとうございました。  それでは、委員の先生方、ほかにご意見ございませんでしょうか。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  今ほど種々の議論がございましたように、この検査に対しては倫理的な問題が非常にあ るかと思います。そうしますと、遺伝カウンセリングの実施体制と書いてございますが、 具体的に、例えば認定カウンセラーがいるのかとか、カウンセリングの実施体制について、 もう少し詳しくお伺いできればと思っておりますが、いかがなものでございましょうか。 ○猿田座長  この点はどうでしょうか。付け加えるか、どこか坪田先生あれば。 ○坪田構成員  この点、先ほど加藤先生からもコメントがございましたように、出生診断とか、倫理的 な部分がかなりありますので、そこは僕も倫理的なものはかなり討論しなければいけない ということで、社会的妥当性については倫理的問題があるとさせていただいております。 ここはこの問題だけではなくて、遺伝子診断全体についての枠組みの中でご判断していた だければと思います。 ○猿田座長  ありがとうございます。  ほかに。加藤先生、今の点、何かご意見ございますか。 ○加藤構成員  倫理面に関しましては、坪田構成員と同感でございます。 ○猿田座長  ありがとうございます。  よろしいですかね。  ほかにご意見ございませんでしょうか。  どうぞ、事務局。 ○事務局  1点だけ、先ほど加藤構成員のお話に補足といいますか、申請、届出医療機関のほうか らはこのようなご説明もあるという紹介をさせていただきたいのですけれども、発端者に ついてのメリットというか、遺伝子検査をしたその方については、特段診療方針を変える ものではないというのが今のご指摘だったかと思うんですが、申請書類に、別紙1のほう の効果のところにも書いてございますけれども、二次がんというものが遺伝性網膜芽細胞 腫の場合は起こると。これについては遺伝性であるかどうかが分かったら、この二次がん である肉腫や骨肉腫等の早期発見に努める、きめ細やかなフォローアップをしていくとい うことが重要であるというふうに聞いてございますが、これについてはいかがでしょうか。 ○加藤構成員  その件に関しましては、坪田構成員がご専門ですので、私の出る幕ではございませんけ れども、このがんに関しましては、二次がんは硝子のがんのみでございまして、ほかの部 位のがんにはいきませんと伺っておりますが、坪田構成員のご意見は。 ○坪田構成員  レチノブラストーマというのはがん抑制遺伝子として見つかっておりますので、僕の理 解としては、全身のがんの発生率も高くなるというふうに理解していたんですが、僕も実 は角膜が専門なので、網膜腫瘍は専門じゃないんですが、自分が理解している範囲ではそ ういうふうに理解しておりましたが。 ○加藤構成員  私もそこは若干気になったところなので、十分精査してまいりました。 ○事務局  恐らく松果体の腫瘍と言われておりますのは、三側性網膜芽細胞腫と言われるような独 特なものではないかと思うんですけれども、骨肉腫や軟部腫瘍といったような、そういっ たものが起こるということで、一応いただいてはおります。補足でございます。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ほかにご意見ございますでしょうか。  きちんと診断すれば、今加藤先生のほうからありましたように100%近く診断がつく ということと、この技術としては明らかに最先端の技術であって、診断的な価値も、特に 臨床的な価値もあるということでございますので、もし、大きな反対がなければ、この技 術は通す方向に持っていきたいと思います。ただもう一回、施設のほうとはしっかり詰め させていただきますけれども、そういう方向でいきたいかと思うんですけれども、坪田先 生、どうですか。 ○坪田構成員  先ほど何回もご指摘されている倫理的なものというところの運用基準をある程度しっか りしていただければと思います。 ○猿田座長  ですから、事務局のほうで、その点と、それから先ほど自分のところでやっているのか、 外国のものか加藤先生がお話になった点を確認して下さい。いずれにしても、技術として は非常に最先端のものであって、患者さんにとっても大変役立つということで、この委員 会としては通す方向に持っていきたいと思うんですけれども、何かご意見ございますか。 ○事務局  まず、検査自体につきましては、当該医療機関のほうで行っているというふうに聞いて ございます。  もう一つは、施設要件のほうは特にこれで修正ないでしょうか。もしご指摘ありました ら、具体的な修正を加えたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○猿田座長  坪田先生、この施設要件、これで大体よろしいですよね。 ○坪田構成員  特に眼科的には問題ないと思います。遺伝子診断という面で、先生方のほうでちょっと 見ていただければと思います。 ○猿田座長  加藤先生、どうですか。施設のところ、眼科と、それから臨床遺伝専門医という。 ○加藤構成員  これは先ほどお話になりましたように、遺伝子専門医とそれから倫理の方が付いておら れて、眼科の先生がおられればよろしいかと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。  事務局、そういうことでよろしいですか。 ○事務局  今のお話は、眼科専門医及び臨床遺伝専門医が必要であるというご指摘になりますでし ょうか。「または」ではなくて。 ○猿田座長  または……。 ○加藤構成員  アンド。 ○猿田座長  アンドです。 ○事務局  分かりました。  では、実施責任医師の要件というところの資格につきましては、眼科専門医及び臨床遺 伝専門医ということで。ただ、実際にそういう……。 ○坪田構成員  いいんですけれども、臨床遺伝専門医というのはどういう、資格が完全にあるんですか。 ○事務局  はい。 ○坪田構成員  今、日本にどのくらいの人。いや、実際に運用ができなくなっちゃうといけないなと思 って。 ○事務局  眼科の先生で両方持たれている方が余り多くないんではないかと思いますので、何らか の形で、それぞれの医師がいる必要があるというふうに、入れるのであれば。 ○坪田構成員  少なくとも眼科の先生は絶対専門じゃなきゃいけないですね。 ○事務局  では、ローマ数字のIIの医療機関の要件のほうで他診療科の医師数なり、その他の要件 なり、いずれかの形で、臨床遺伝専門医が必ずいることというような加え方をすればよろ しいでしょうか。 ○坪田構成員  そこはどうですかね。診療科としては眼科ですよね、先生。 ○加藤構成員  オアでよろしいかと。 ○坪田構成員  そういうことはね。そうですね。診療科は眼科でいいと。ただ、資格とすれば両方あっ たほうがいいということですね。 ○事務局  そういう方が院内に必ずいらっしゃるところでないといけないという形でよろしいでし ょうか。 ○猿田座長  結局、これだけ難しい技術となると、やはり臨床遺伝専門医でないとできないんじゃな いでしょうか。だから、そういったことで、とりあえずそういう形をとったらということ ですね。資格としては。 ○事務局  承知いたしました。また具体的な施設要件の表現につきましては、座長ともご相談させ ていただきたいと思います。 ○猿田座長  その辺りも、もう一回、提出した機関とも相談よくしていただきたいと思います。 ○事務局  承知いたしました。 ○猿田座長  それから、あと先ほどからお話ありましたように、倫理委員会のところは大切だという ことですね。  どうぞ、北村先生。 ○北村構成員  自分の病院、あるいは自分の研究所を持っている病院等で解析する場合と外国に依頼す る場合とあって、それを確かめるというお話が出ていましたけれども、いずれの場合にお いても認可するという方向ですか。つまり、これがもし先進医療に通れば金額は変わると 思いますけれども、外国発注で診断して、先進医療としてやる病院も可能ですよね。です から、この場合、どちらの条件でないと駄目とするのか。 ○猿田座長  一応、今のお話では、この施設でやっているということなので、この施設のものでまず 通そうというふうに考えています。   ○北村構成員  条件ですけれども、自己の組織でできるということが必要条件になるのか、診断すると いうこと自身が先進医療で通れば、それはどこで遺伝子解析してもらってもいいじゃない かと。外国のほうはお金かかるのかもしれませんけれども、費用については各施設任せに されますところが先進医療にはありますので、それでもやってよいと。要するにレチノブ ラストーマの遺伝子診断という項目が先進医療に通れば、その診断をするのが自分のとこ ろであろうが、外国に依頼しようがよいという形になるんでしょうか。 ○事務局  今のご質問についてお答え申し上げますけれども、まず先進医療は制度として、原則と しておりますのが、その医療機関で自己完結型といいますか、そういったことを前提とし ております。その上で施設要件を定めているということでございますので、まず外国に発 注するということは、この先進医療の枠組みの中ではお認めしてございません。ただ、そ れは一切できないというのではなく、自由診療の枠組みでやっていただくことができるわ けでして、先進医療という評価療養の一環としてやっていただくのであれば、単独の医療 機関の中でやっていただくというのが原則でございます。 ○猿田座長  今日は遺伝子診断の委託の問題がありますね。これを今日議論させていただくんですけ れども、結局この施設でできるということであれば、今度この施設にほかのところから依 頼をしてやっていただくということができます。それを今日議論させていただく予定です。 ○坪田構成員  それありましたよね。よその施設に依頼してもよいというようなもの。 ○猿田座長  それはやはり非常に大切なものですから、今日もう一回議論したいと思いますので、よ ろしくお願いいたします。  もしよろしければ、それでは非常に貴重な技術ということと、役立つ技術であるという ことで、倫理的な問題はございますけれども、それはちゃんとやっていただくということ で、この案件はお認めいただくということでよろしいでしょうか。  坪田先生、どうもありがとうございました。また加藤先生、ありがとうございました。  それでは、こういう形でこの案件は通させていただくということにいたします。  それでは続きまして、9月受付分の届出状況についてお願いいたします。 ○事務局  事務局でございます。  先−3の資料をご覧ください。  第2項先進医療の新規届出技術について(届出状況/9月受付分)となってございます。  整理番号186番、網羅的迅速解析法を用いた造血細胞移植等後免疫不全患者に対する ウイルスモニタリング、適応症等はご覧のとおりです。  整理番号187番、腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術、適応症等は浸潤性膀胱癌となってご ざいます。  整理番号188番、肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法、適応症等はご覧のとおり です。  9月受付分については、以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  ただ今ご説明ありましたように、9月分としても3件出てきているということで、先生 方のところにまた評価が回ると思いますけれども、よろしくお願いいたします。  この点で何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。  事務局、ありますか。 ○事務局  すみません、もし9月受付分について、特にご意見ございませんでしたら、途中ではご ざいますけれども、事務局のほうから、本日付での人事異動がございましたので、ご紹介 させていただきます。  迫井正深保険局医療課企画官でございます。 ○事務局  本日付で着任をいたしました迫井正深でございます。どうぞよろしくお願い申し上げま す。 ○猿田座長  どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、今9月受付分はこの3件ということでございます。  続きまして、その次の議題のほうに移ります。  これは既に評価が認められている技術の新規共同実施の科学的評価等についてというこ とで、先ほど申し上げたようなことでございますが、それでは、事務局のほうからまずご 説明をお願いいたします。 ○事務局  事務局でございます。  先−4の資料をご覧ください。  ヘッダーが2つ付いている資料でございます。  この資料は、ヘッダーにございますとおり、21年4月9日の先進医療専門家会議でも お示しさせていただいた資料でございます。昨年来ご議論いただいておりました先進医療 における検体検査の外部医療機関委託実施の取扱いについてまとめたものでございます。 これについては、昨年度の時点でお認めいただいているものでございます。  このたび、新たに新規共同実施についての届出が参りましたので、ご評価をいただきた いというふうに存じますが、その前にこの取り扱いについて、もう一度、再度確認させて いただくということと、あと事前評価のやり方について、まだ先生方にお諮りしてござい ませんでしたので、まずそれについて資料をご説明した上でご議論いただければというふ うに存じます。  まず、先−4の資料について、一通り読み上げさせていただきます。  先進医療における検体検査の外部医療機関委託実施の取扱い。  1、医療機関からの届出等。  (1)既評価技術を従前より実施し、かつ当該技術に係る業務受託に同意した保険医療 機関、受託側医療機関と呼ばせていただきます。これと連携した当該技術の共同実施を希 望する保険医療機関、以下「委託側医療機関」と呼ばせていただきます。これらは別途定 められた様式に従い、新規技術に係る届出に準じて、厚生労働大臣に届出を行う。  (2)、(1)の届出がなされた技術は、先進医療専門家会議において評価・検討を行 い、外部委託による共同実施が認められたものについては、厚生労働大臣が施設基準を設 定する。  (3)施設基準が告示された先進医療技術については、通常の既評価技術に準じて、委 託側医療機関が地方厚生(支)局長に当該施設基準に適合する旨の届出を行う。  こういった手続を経て、共同実施が可能になるということでございます。  この具体的なプロセスにつきましては、3ページにポンチ絵でご説明しております。こ れは既に先生方にもご覧いただいているものでございますけれども、こちらの3ページの 図ですけれども、まず上段のほうが外部委託で初めて既評価技術について、手を挙げてい ただいた場合のプロセスでございます。最初に手を挙げていただくところには、こちらの 先進医療専門家会議での議論をお願いして、それで大臣告示を出すと。その大臣告示は、 委託側医療機関の施設基準を設定した施設基準を設定するということでございます。  いったん告示が出されましたら、2つ目以降の医療機関については地方厚生局のほうに 届出をしていただくということで、事足りると。そういった仕組みになってございます。  これについて、もう一度1ページ目に戻っていただきまして、枠囲みにしておりますけ れども、先進医療専門家会議における科学的評価というところでございます。先進医療専 門家会議は、新規技術に係る届出に準じた方法により、以下の点に関する科学的評価を行 うものとすると。  (1)当該技術を外部委託により実施することの適否。  (2)委託側医療機関に求められる施設基準、これにつきまして、今回、4ページ目、 5ページ目に事前評価の評価用紙をこのような形で仮ですけれども、作成させていただき ました。これにつきましては、網かけになっている─4ページ目の第1−3号が各技術 についての適格性ということになりますけれども、ここは通常使っていただいているもの と表題を変えているだけでございます。共同実施により先進医療を実施することの適格性 についてと、網かけになっているところのみ変わっていると。観点としては同じような観 点でご評価いただくという、そういった趣旨でございます。  引き続きまして、5ページ目をご覧ください。  評価用紙第2−2号の案としてお示ししておりますが、これが表題にございますとおり、 共同実施による先進医療を実施可能とする委託側医療機関の要件として考えられるという ものでございます。  Iのところ、通常、実施責任医師の要件とのみ書いてあるところですが、ここは委託側 医療機関における実施責任医師の要件と。  IIのところは、委託側医療機関の要件、そのような形で明記してございます。今回は、 新しい技術が早速出てまいりましたので、仮ということでこの評価用紙を使わせていただ いておりますけれども、まずはこれでご議論いただいて、今後引き続きこういった届出が あった場合、このような評価用紙で事前評価いただけるかどうか、まずはご議論いただけ ますでしょうか。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  最初の部分は、この前まで皆様方と議論をさせていただいて、要するに患者さんの少し でも便宜を考えると、委託、あるいは受託の環境をしっかりさせれば、非常に簡易的に済 むだろうということです。今お話がありましたように、既に評価されている既評価技術に 関しましても、一応、もう一回今お話ありましたような形で共同実施により、先進医療を 実施することの適格性をまず評価し、それからもう一つは共同実施による先進医療を実施 可能とする委託側の医療機関の要件として、こういうようなことを事務局では考えている ということでございます。  それから、この絵に関しましては、今度の制度のやり方を分かりやすく絵にしてくださ ったということですが、どうぞご意見をいただきたいと思います。  加藤先生、どうぞ。 ○加藤構成員  加藤です。このいろいろな実施規則等は十分理解いたしまして、個人としてはこの案で 異論はございませんけれども、大変申しわけないことですが、これは前回もお話が出たと 思いますけれども、かかる費用につきましては、どちら側の支払いになるのでしょうか。 委託側が支払うのか、委託を受けたほうが支払うのか、半々になるのか。その辺までは決 まらないのでしょうか。 ○猿田座長  事務局のほうでよろしいでしょうか。今の費用の点ですね。 ○事務局  費用につきましては、委託側、受託側の合意ということでお願いしておりまして、通知 のほうで求めているのは、予め契約を行った文書を必ず添付をしてくださいと。それ以上 のことはこちらとしては求めない形になっております。 ○猿田座長  どうぞ。 ○加藤構成員  そういたしますと、この受け取る側がその能力があっても、それはかなりの仕事になる のでお断りしてよろしいということになります。 ○猿田座長  どうですか、その点。 ○事務局  それにつきましては、あくまで連携をするということが2つの医療機関の間で合意がな された場合にのみこういった共同実施というものは行われるものと理解しております。 ○加藤構成員  了解いたしました。 ○猿田座長  渡邊先生、何かそのやり方でご意見ございますか。 ○渡邊構成員  1−3の共同施設により先進医療を実施することの適格性についてというのですが、私、 実際この後の事前評価を行ったのですが、これが委託側なのか、要するに受託側なのか分 からなくて、2−2のほうは明らかに委託側の要件と書いてあるのですが、こっちは両方 なのかなという感じがありました。特に技術的成熟度のA、B、Cのところは、これはど っち側なのかよく分からなかったので、厚労省に聞いたら、これは委託側であるというこ とだったのです。これはもうちょっとはっきり書いていただいたほうがどっちの要件、両 方なのか、受託なのか、委託か、それをきちんとしたほうが分かりやすいと思ったのです が。 ○猿田座長  おっしゃるとおりだと思います。これは試作の段階でというについては、事務局のほう からどうですか。 ○事務局  ちょっと説明が足りておりませんで、大変失礼いたしました。  実は、第1−3号という4ページのほうは1ページにあります枠囲みの中の(1)当該 技術を外部委託により実施することの適否と、これをご判断いただくための評価用紙でご ざいまして、これは委託医療機関、受託医療機関という話ではなく、この技術自体が外部 委託というものになじむものなのかどうか、適切なのかどうかと、そういった観点でのご 評価をいただきたいという趣旨で設けてございます。 ○渡邊構成員  そうすると、さっき言いました技術的成熟度のところのA、B、Cは両方いるんですか。 委託側もちゃんと経験のある医者がいるし、受託側もいると。非常に評価しにくかったも のですから、そういうふうな意見を出させていただきました。 ○事務局  先生のご指摘ごもっともでございまして、技術的成熟度というところ、確かにこちらは 意図としては、確かにこの技術的成熟度のA、B、Cの選択肢としては、例えば委託する に当たって、知識をしっかり有していればいいと。そういったものの選択ができる選択肢 がないというような、そういうことになりますでしょうか。 ○渡邊構成員  もし、委託側であれば、そういう要件になってしまう。だから、これがどっちをあらわ しているのかは、それを受け取った側が、どういうふうに解釈するかがあるので、そこら 辺をきちんと整理したほうが実際に実施したときに分かりやすいのではないかと思いまし た。 ○猿田座長  実際、渡邊先生がやられてみて、渡邊先生が分からなければ、他の人も分からないと思 いますので、渡邊先生がおっしゃられたようにしてみてはということです。今日それをた たき台で出させていただいているものですから、先生方から御意見をいただきたいと思い ます。  どうぞ、谷川原先生。 ○谷川原構成員  私も渡邊先生のご意見に同感で、1−3号、ほとんどは技術そのものの評価なんですが、 技術的成熟度だけはそれを実施する担当医師の技術的な専門性を問うわけでして、例えば 他の医療機関から検査を受託する場合は、その検査に対して、非常に技術的に高く、信頼 できる結果を出せるという経験は必要ですが、委託するほうは特殊な検査ができないから 委託するわけであって、その検査の結果を正しく解釈して、診療に応用することができる ということで、その検査そのものができる能力と、それを使える能力というのはおのずか ら違いが出てきていいんじゃないかと思いました。 ○猿田座長  今クリアカットな説明していただきました。事務局のほうどうですか。 ○事務局  今のご議論を伺っておりまして、2つ選択肢があるかと思います。1つは外部委託に関 してはこの技術的成熟度というところを完全に割愛してしまうというのが1つ。もう一つ は、この技術的成熟度の技術をどう解釈するかということで、検体採取というところまで は技術として認めると。そこまでは少なくとも成熟度は必要なものというふうに考えて、 ここは検体採取の技術の、検体採取から、あるいは搬送も含めてかもしれませんが、その 技術的成熟度というふうに考えるか、その辺りでご検討いただければと思いますが、いか がでしょうか。 ○猿田座長  どうでしょうか。ほかに。 ○渡邊構成員  要するにその技術に関しては、これは搬送とか、採取方法とか、そういうふうな問題が 審議されるわけですね。ですから、やはりどちらかというとそっちをメーンにとって受託 する検査の技術のほうはここに書かないほうが、分かりやすいかなと、私は思いますが。 ○猿田座長  結局、検査するほうの側も既に認められた技術ということになっていますから、そうい うことなんですね。一番重要なことは、検体を送ってちゃんとやっていただけるかという そこのところですね。検体が変化していないかどうかとか、時間的な問題などです。 ○渡邊構成員  あるいはもしそれを受託側と委託側と両方やるんでしたら、その受託側と委託側と両方 分けて、要するに委託側の条件はこれであり、受託側はこうであるというふうに書くのが よろしいのではないかと思います。 ○猿田座長  確かにそのほうがすっきりはしますけれども。 ○渡邊構成員  それはご検討いただければと思います。 ○猿田座長  今お話ありましたように、ともかくこのやり方で進めることは国民にとっても非常にい いですし、患者さんに負担にならないという形でよいと思います。この委員会で何を評価 するかということをしっかりもう一回決めさせていただいて、それでいくということです。 今日、すでに渡邊先生に評価していただいたものがありますので、渡邊先生の見本をここ で議論させていただいて、そこで次に生かす形でどうでしょうか。そのほうが早いんじゃ ないでしょうか。何かご意見ございますでしょうか。 ○事務局  まずは個別の議論をご検討いただいた上で今後また座長及び渡邊先生ともご相談してい ただいて、少し体裁を整えられる部分は整えさせていただきます。 ○猿田座長  そうしたら渡邊先生に先にお話いただきたいと思います。先生の案件をお願いします。  整理番号の002。 ○事務局  では、先−5の資料をご覧ください。  第2項先進医療の新規共同実施について(届出状況/8月受付分)という資料でござい ます。  これは、あくまで既に評価をされている技術について、新規共同実施をされたいという ことで新たに届出があったものでございます。  整理番号001番、先進医療告示78番、先天性難聴の遺伝子診断、略称で失礼いたし ます。適応症としては遺伝性による先天性難聴が疑われるもの。隣の欄ですけれども、先 進医療費用として、委託に係る費用を含むという形で5万4,000円と書いてございま す。  続きまして、整理番号002番、先進医療告示19番、HDRA法又はCD−DST法 による抗悪性腫瘍感受性試験、これも略称で失礼いたします。適応症等はご覧のとおりと なってございます。  続きまして、先−6の資料をご覧ください。  この2つの技術についての事前評価結果等についてというものでございます。  整理番号001番、先天性難聴の遺伝子診断につきましては、書類不備ということで返 戻とさせていただいております。  整理番号002番につきましては、HDRA法又はCD−DST法による抗悪性腫瘍感 受性試験、これにつきましては、渡邊先生に事前評価を賜りまして、総評は「適」として いただいております。詳細は別紙2をご覧くださいませ。  事務局からは以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今お話ありましたように、8月受付分として、001の先天性難聴の遺伝子診断と、そ れから002としてHDRA法又はCD−DST法による抗悪性腫瘍感受性試験の2つが 出てきて、しかしながら001のほうはちょっと書類不備ということで返戻になって、0 02を渡邊先生に評価していただいて、一応「適」という返事をいただいたということで ございます。  それでは、渡邊先生、ご説明いただけますでしょうか。 ○渡邊構成員  別紙2の先進医療のHDRA法又はCD−DST法による抗悪性腫瘍感受性試験なんで す。一番後ろに、参考というところにありますが、この当該技術は既にこの先進医療で承 認されておりまして、現行行われているものでございます。これを先ほどのお話にありま したように、検体をほかの医療機関に搬送して、それで検査を行って、それでその結果報 告をまた依頼委託側の医療機関に戻して治療を行うというふうなものでございます。  別紙2の初めのほうは適応症はそこに書いてありますが、これは既にもう承認されてお ります。そこの消化器がんや頭頸部がん、乳がん、肺がん、がん性胸・腹膜炎、子宮頸が ん、子宮体がん又は卵巣がんということで、これは要するに3月にこの委員会で既に審議 されておりますので、詳細は省きます。抗悪性腫瘍剤による治療法が確立されていない領 域では、従来、治療担当医師個人の経験的判断に基づいた選択による抗悪性腫瘍剤投与が 行われてきましたが、その結果、選択した抗悪性腫瘍剤が効果を発揮する場合がある反面、 本来無効な薬剤が選択される可能性もあり、その際には副作用のみが発現することになり ます。これに対して、この方法は、個々の患者さんのがんの薬剤感受性を実験系で検査し、 適切な治療薬選択に資する技術であるということでございます。  技術の概要というのは、そこにありますように、HDRA法、つまりhistoculture drug response assay、ここに下に書いてありますが、また、このCollagen Gel Droplet Embedded Culture-drug Sensitivity Test、これも既に承認されていますので、詳細は説 明いたしません。これらの方法を用いて、この患者さんから手術によって採取した腫瘍組 織を検体としてその腫瘍の細胞を培養して、その各種抗がん剤悪性腫瘍を振りかけまして、 バイアビリティがどうなのかということをチェックして、悪性腫瘍の薬に対する感受性を 見るという技術でございます。  技術の効果といいますと、個々の患者さんに応じた適切な抗悪性腫瘍剤を選択でき、ま た、不要な薬剤投与による副作用も防止できるということであります。  ここまではもう既にここの先進医療専門家会議で討議されておりますので、認められて おります。その次ですが、今度は委託側医療機関において、腫瘍細胞をとったら、組織封 入容器に入れまして、それを搬送容器に格納した上で、今度受託側の医療機関に冷蔵搬送 する。その際、個人情報の保護の観点から、検査依頼書の受託側控えには、患者の識別番 号のみが表示されるようにする。  受託側機関では、検体を受領後、腫瘍細胞の培養処理を行って、この本検査を実施する。 そこで得られた結果を、報告書で委託側の医療機関に郵送する。委託側の担当医は、届い た結果を確認し、患者さんに対して、検査結果を踏まえた今後の治療方針について説明を 行うというものでございます。  この費用は、技術プラス、委託にかかる費用ということで両方ありまして、これが8万 3,000円ということでございます。  それで、次のページの1−3、これはさっき出ましたものですから、今後どうなるか解 りませんけれども、ここで記載させていただきました。  先進医療の名称はさっき述べたとおりでございまして、大体受託側が以前通ったものと 全く同様にしておりますが、今度、委託側で必要なものだけ書いてあります。  適応症は妥当である。有効性は従来の技術を用いるよりもやや有効である。これは搬送 してありますので、少し有効かなと思います。そして、安全性は、ほとんど副作用、合併 症なし、安全に届けられればほとんど問題なしということでございます。技術的成熟度は、 今回、私は委託側のものを記載させていただきました。当該分野を専門とし数多く経験を 積んだ医師又は医師の指導下であれば行えるということにいたしました。  社会的妥当性は倫理的問題があるというのは後でコメントのところでお話しいたします。  現時点での普及性は、この技術はある程度普及しているということで、Bにいたしまし た。  効率性は、これやれば少し効率的になるということで、やや効率的。  将来、これが要するにきちんとできるようになれば保険収載を行うことが妥当というふ うなことでAとさせていただきました。  総合判定は「適」です。  やはり本技術で細胞をとってから、そこの受託側に検査するまでの腫瘍細胞の viabilityが非常に重要なものですが、その維持をできるかどうかは大変重要ではないか と思います。そのために、検体は冷蔵保存にて適切な容器を用い搬送いたしまして、採血 後48時間以内に検査を行うことが望ましい。これがなかなか難しいので、一応エビデン スが少しありまして、学会発表とか、72時間でもオーケーという報告もあります。しか し、一応検討してあるものでは48時間というのが一番多くありましたので、一応48時 間以内に行うことが望ましいということを書かせていただきました。また、搬送が適切に なされていないと、検査結果に影響を与えますので、その可能性が否定できませんことか ら、また患者さんの個人情報が、外に出ていますので、委託側機関においては患者さんに 対する倫理的な配慮が必要と考えました。  その次のページの2−2のところでございますけれども、これは先進医療の内容は同じ でございます。それから、診療科は全て既に認められているものと全く同じにさせていた だきました。ただ、4番目の当該技術の経験年数、当該技術の経験症例数というのは、こ こはこちら委託側で受託側じゃないものですから、この技術の経験はなくてもいいという ことで、不要と。経験も不要ということにいたしました。ここは議論をしていただきたい と思います。  2番目の委託側医療機関の要件は要で、これは同じでございます。  それから、実施診療科の医師は常勤が1名以上いればいいと。それから、他診療科の医 師数は不要。その他医療従事者の配置につきましては、これはもともと薬剤師の配置が規 定されておりましたので、そのようにさせていただきました。あと病床数、看護配置、当 直体制は不要、緊急手術の実施体制は要、院内検査及び他の医療機関との連絡体制は不要、 医療機器の保守管理体制、これは委託するときにいろいろ要ると思いますので、要。それ から倫理委員会に対する審査体制は要、審査の開催の条件は届出後当該療養を初めて実施 するときは、必ず事前に開催することということにしております。  それから、医療安全管理委員会の設置は要、医療機関としての当該技術の実施症例数は 不要。その他、さっき言いました搬送体制を確保しているということをその他の要件とさ せていただきました。  最後に頻回の実績報告は不要ということでございます。  以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  よく分かりました。今お話を伺っていると、やはり一番大切なことは、別紙2の第1ペ ージ目では下の部分ですね。共同実施の概要、送ることの条件、そのほかのところのチェ ックと、それからその次のところでは最後のところですよね。検体をどういうふうに保管 するかということ。それから委託側の条件でしょうかね。受託側はもともともうちゃんと したところですので。随分クローズアップされたと思うんですけれども、まずは今お話あ りました渡邊先生のご説明に対して、どなたかご質問ございませんでしょうか。  遺伝子診断の場合にはやっている施設が限られますから、辻先生が以前に言われたよう に神経領域ではそういったものがかなりあるということでございましたが、樋口先生のと ころもそうかもしれないですね。まず渡邊先生の本日の案件について。  どうぞ、北村先生。 ○北村構成員  そうだと思うんですが、確認だけ。共同実施を行う場合の検体受託機関は当該の先進医 療を実施している機関でなければならないですね。それでは全て外国とか、そういうのが 除去できますよね。分かりました。 ○猿田座長  よろしいですね。 ○事務局  そのとおりでございます。 ○猿田座長  ほかにご意見ございませんでしょうか。  まず今日は先生がお認めいただいたとおりで、これをお認めいただいて、問題はこれか らのこの書類を、どういうふうにしたらいいかです。渡邊先生がやられて確かだと思うん です。無駄なところはもう二度評価してもしょうがありませんから。その技術を委託して もいいという形のところの条件と、それから施設の条件。そういった点と、どうでしょう か。もしよろしければ、その形をもう一回事務局のほうで整理していただいて、渡邊先生 にもう一回見ていただいて、しっかりと評価できる形の書類につくりかえていただき、そ れをもう一回、出していただくのがよろしいのではないでしょうか。渡邊先生にはご迷惑 かけるかもしれませんけれども、どうかよろしくお願いします。何かございますでしょう か。 ○渡邊構成員  特にございません。 ○猿田座長  すみませんけれども、事務局のほうもそれでよろしいですか。私ももちろん一緒にやら せていただきますけれども、要するに無駄のないようにして、しかしきちんと評価すると いう形にさせていただければと思います。  委員の先生方、ほかにご意見ございませんでしょうか。  どうぞ、樋口先生。 ○樋口構成員  教えていただきたいんですが、左のほうの共同実施により先進医療を実施することの適 格性についてという評価がございましたですね。先ほどの渡邊先生のレポートを伺ってい ると、ほとんど、それは既にこの技術が評価されて、先進医療として認められたときの評 価とほぼ内容としては余り変わらないというふうなお話だったように伺ったんですが。 ○渡邊構成員  そうですね。だから、これは要するにどこまでを意味しているかというのは分からない のですね。委託するときか、それから搬送も含めるのか、それから受託の技術もさっき言 いましたように分からない。ですから、全体を言いますとそれに近いのですが、そういう 搬送とか、そこの部分はちょっと違う書き方かなというふうに思うのですが。 ○樋口構成員  特に、だから適応症とか有効性とか、安全性とか、こういった項目が改めてここで本当 に必要なのかという辺りも検討しておいていただいたほうがいいかなと思ったんです。 ○渡邊構成員  おっしゃるとおりだと思います。私もそう思ったのですが、その安全性や搬送の問題が ありますから、適応症とかその辺は変えた方が良いです。おっしゃるとおりだと思います が。私がお答えするのも何かちょっと…… ○猿田座長  どうぞ、福井先生。 ○福井構成員  今のご意見と同じことですが、結局、この技術を物理的に離れている組織で行うにあた っての問題点のみここに挙げればいいのではないでしょうか。受託するほうはすでに承認 していて、委託側は3ページでチェックするということですので、そのやりとりをすると ころの問題点だけをピックアップしたほうが分かりやすいと思います。 ○飯島構成員  確認をしておきたいんですが、先進医療に係る費用が委託にかかる費用を含む、これは よく理解できますし、受託側が例えばこれを5万円で始めた技術について委託する場合に 幾らにするかというのは、多分受託側と委託側の相互の契約で。これは料金はいいんです が、先−5の資料に書いてある全ての症例で同額を要するとは限らないって、これはどう いう意味でございましょうか。先−5の一番下端に書いてあります全ての症例、同額。そ れは施設の中で金額が異なるケースがあるということでいいんでしょうか。それとも、こ れが共同実施の1番目、そしてこれが告示されますね。そうすると、2番目、3番目、4 番目の場合には費用が違ってくるという意味でしょうか。 ○事務局  この先進医療の費用の部分はこの共同実施だけではなくて、通常の技術も同じような表 記にさせていただいておりまして、あくまで典型的な一症例にかかった費用についてお書 きいただいているというものにすぎません。もちろん、患者さんによって、場合によって は例えば費用は異なることもあり得るかと思います。それを一律にすることを求めている ものではございません。 ○飯島構成員  ちょっと僕勘違いしていましたけれども、必ずこういった場合、病院等で告示をして掲 示をして患者さんにお話をさせていただいて、あなたは幾らですって予め申し上げるんで、 あなたは個々のケースで一つずつ違うというふうに説明するんですか。ここ僕ちょっと勘 違いしていましたけれども。保険診療等で、例えばこういった場合、病院等で掲示をしな きゃならない。三宅室長がおられますので、多分、その辺のことは一番お詳しいと思うん ですが、個人個人違う場合に、そういう病院の経営って異なってもよろしいんですか。そ こ勘違いしていましたけれども。全部料金が違うということですか。  繰り返し、三宅室長、要するに、先進医療の場合にあなたは5万円です、あなたは8万 円ですよと言っていいかどうかということ。これは掲示は普通、例えば8万3,000円 と8万3,000円という掲示出しますね。そうすると、多分その施設で全部8万3,0 00円でやるという理解だったんですが、症例ごとに全部違いますという場合、どういう 扱いになりますでしょうか。僕、その辺よく分からなかったんですが。 ○猿田座長  確かに差があるんですね。それどうですかね。 ○審議官  保険診療では、飯島先生のお話のように、これは点数が決まっております。先進医療の 費用は国が決めておりませんので、金額を決めることは病院で決めていただいて自由です。 ただし、先生のお話のように、今日来た患者さんと明日来た同じ病院の患者さんが値段が 余り違うというのはそれは病院としてはいかがかということがありますけれども、例えば 個々の患者さんによって多少金額が変動することがありますというようなことを書いてい ただくことが、違法かというと違法ということはないと思います。ここに書いてございま すのは、主にむしろ保険診療、そういう意味で書いてありまして、どんどん変えてくださ いという意味ではございませんので、恐縮でございます。 ○猿田座長  実際、飯島先生が見られたように、先進医療の場合には出てきた施設によって違ってい るんですよね、かなり計算の仕方もございますし、そういったことで。よろしいですね。  ほかにございませんでしょうか。  どうぞ。 ○吉田座長代理  先ほど加藤先生、北村先生おっしゃったみたいに、先進医療といえど共同実施になって いきますと、レセプトが発生しますよね。それで、療養担当規則では、委託の場合に、例 えば画像診断なんかの場合、委託した側がレセプトをつくると決まっているんですよ。委 託したほうは相手側と値段交渉してやると。レセプト上、多分混乱するんですね。各医療 機関、同時に両方出してくるんですよ。審査委員会は分からないんですね。保険者から返 ってきて、初めて同じ患者で同じ検査でもって両方出たというのが分かるんで、どこかに これ対診の法則に乗って請求しなさいということを明記しないと。実際、PETのときに、 全国で困りまして、各医療機関全部初診料を取ったり、それから検査料も複数の機関で同 じ検査出したんですね。問題になったんで、例の対診の法則というものをここに明記して いただかないと、多分医療機関は分からないんじゃないですか。 ○猿田座長  ありがとうございました。非常に貴重なご意見。分かります。 ○吉田座長代理  たしか画像診断かなんかで出ていますよね、往診とかでも対診と書いてあって。あの療 養担当規則を入れておかないと、多分医療機関分かっていないから両方で請求するんです ね。だから、明記したほうがいいんじゃないですかね。 ○猿田座長  よろしいですか。 ○事務局  ご指摘ありがとうございます。費用のところにつきましては、今のご指摘も踏まえて、 少し表現のほうを工夫できるところは工夫していくようにしていきますので、よろしくお 願いいたします。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ほかにご意見ございませんでしょうか。  そうすると、先ほどいただいた宿題をもう一回渡邊先生とも相談させていただいて、事 務局とでもう一回きちんとフォームをつくっていただいて、もう一回かけさせていただく ということです。では、この件は全てお認めいただいたということにさせていただきます。  そういたしますと、今日議論するところはそれだけでしたですね。  あと今後の予定に関しまして、事務局のほうから。 ○事務局  次回は11月の開催を予定しておりますが、日程の詳細が決まりましたら、またご連絡 させていただきます。  よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  先生方、ほかにご意見ございませんでしょうか。  もしございませんようでしたら、これで第42回の先進医療会議を終わらせていただき ます。  どうもご協力ありがとうございました。 午前11時47分 閉会 【照会先】 厚生労働省保険局医療課医療係 代表 03−5253−1111(内線3276)