09/10/13 第1回臓器移植に係る普及啓発に関する作業班議事録 第1回 臓器移植に係る普及啓発に関する作業班 日時 平成21年10月13日(火) 15:00〜 場所 経済産業省別館1038号会議室 ○長岡補佐 定刻になりましたので、ただいまより第1回「臓器移植に係る普及啓発に関 する作業班」を開催させていただきます。本作業班は、先の国会におきまして、「臓器の移 植に関する法律の一部を改正する法律」が成立したこと等を踏まえ、臓器移植に係る普及 啓発について、専門的な観点から検討を行うことを目的としております。  班員の先生方を五十音順にご紹介いたします。東邦大学医学部腎臓学教室教授の相川厚 先生です。昭和大学医学部教授の有賀徹先生です。株式会社マッキャンヘルスケアワール ドジャパン ストラテジック・プランナーの石川晴巳先生です。(財)福岡県メディカルセ ンター臓器移植係移植コーディネーターの岩田誠司先生です。特定非営利活動法人日本移 植者協議会理事長の大久保通方先生です。聖マリアンナ医科大学脳神経外科学医学博士の 小野元先生です。社団法人日本臓器移植ネットワーク広報・普及啓発部長の雁瀬美佐さん です。広島県教育委員会生涯学習部スポーツ振興課指導主事の黒田康弘先生です。東京歯 科大学市川総合病院角膜センター長の篠崎尚史先生です。  次に事務局職員を紹介させていただきます。健康局臓器移植対策室長の峯村です。同室 長補佐の竹内、大竹、長岡です。よろしくお願いいたします。  当班の班長の選出ですが、事務局としては篠崎先生にお願いしたいと考えておりますが、 班員の皆様はいかがでしょうか。 (異議なし) ○長岡補佐 ありがとうございます。以降の議事進行は、篠崎班長にお願いいたします。 篠崎班長は、班長席にお移りください。 ○篠崎班長 ご指名をいただきました篠崎です。皆様よろしくお願いいたします。いささ か大役ではございますが、精一杯務めさせていただきますので、ご協力のほどよろしくお 願いいたします。私は、東京歯科大学市川総合病院で角膜センターのセンター長を仰せつ かっております。  時間の関係もありますので、第1回臓器移植に係る普及啓発に関する作業班を進めてま いります。まず、資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○長岡補佐 資料の確認をさせていただきます。資料1「臓器の移植に関する法律の一部 を改正する法律の概要」、資料2-1「厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会について」、 資料2-2「改正法の施行に向けた検討課題及び検討体制について」、資料3「普及啓発の取 り組み状況について」で(1)が「国及び都道府県における普及啓発の現状」、(2)が「日本臓 器移植ネットワークの普及啓発の現状」、資料4「普及啓発についての検討課題」です。 ○篠崎班長 本作業班は、厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会のほうで審議に当 たり、専門的な観点から検討が必要な項目に関して議論を行うこととなっております。当 作業班での議論に先立ち、先般開催された臓器移植法の改正点、並びに委員会での議論に ついて事務局から説明をお願いいたします。 ○長岡補佐 資料1、資料2-1、資料2-2に基づいてご説明いたします。資料1は、臓器移 植委員会について説明する前に、先の通常国会で成立した、改正法の内容を概観するとい うことで付けております。2枚目の横長の表でわかりやすい図を用意してありますのでそ ちらをご覧ください。この図は、現行法と改正法の比較表になっております。これを用い てご説明いたします。  いちばん最初の部分は、親族に対する優先提供です。これまで現行制度においては、ガ イドラインで当面見合わせるということとなっておりましたが、これを認めるということ で改正がなされております。この部分の施行は平成22年1月17日で、公布日から6カ月 後となっております。  脳死判定・臓器摘出の要件です。改正法においては、現行法の本人の生前の書面による 意思表示があり、家族が拒否しない、又は家族がいないことを要件としておりましたが、 これに加えて2つ目の○の、本人の意思が不明、拒否の意思表示をしていない場合であっ て、家族の書面による承諾がある場合、こういう場合には脳死判定、臓器摘出ができるこ ととされております。  小児の取扱いについて、現行法ではガイドラインで、15歳以上の者の意思表示を有効と するということで取り扱っておりましたが、今後は年齢にかかわりなしということで、小 児からの臓器提供が可能となるということです。  被虐待児への対応というところですが、これは改正法で虐待を受けて死亡した児童から、 臓器が提供されることがないように適切に対応することとされております。  最後は、こちらの班にも大きく関係する、普及・啓発活動についてです。これも、改正 法で新しく条文が入り、運転免許証等への意思表示の記載を可能にする等の施策を講ずる こととされております。これらが、公布日から1年後ということで、平成22年7月17日 から施行になります。以上が改正法の概要です。  次は資料2です。9月15日に開催された、臓器移植委員会についてご説明いたします。 まずペーパーの臓器移植委員会における検討部分ですが、こちらは議事概要に入る前に、 臓器移植委員会の位置づけなどについて説明する部分です。厚生労働省では、臓器移植法 の運用に当たり、法に基づく手続などについて、厚生労働省令や、ガイドラインを定めて いるところです。これらを定める際には、専門家の意見を伺うということで、臓器移植委 員会を設けて議論をお願いしております。  今回の法律改正を受けた対応の部分です。先ほどもご説明いたしましたが、先の通常国 会で、一部改正法が可決・成立し、来年1月の親族優先提供に係る部分から順次施行とな ります。このため、年内にも親族優先提供の実施に必要な事項について、ガイドラインな どを改訂していくことが必要となります。その改正に当たっては、臓器移植委員会等にお ける、専門家のご議論をいただくとともに、パブリックコメントを経た上で行うというこ とで考えております。  2頁で議事概要についてご説明いたします。9月15日に、一部改正法の公布以来、初め て臓器移植委員会を開催させていただきました。資料2-2は委員会で議論したときの資料 です。委員会では、今後の施行に向けた検討課題を提示するとともに、課題ごとに作業班 や研究班を設け、専門的な検討を行う方針をお示しし、ご了承を得たところです。  それをわかりやすく示したものが資料2-2の最後の頁の表です。いちばん左が検討課題、 真ん中が検討体制です。こちらに示したとおり、I親族への優先提供、II小児からの臓器 提供、III本人意思が不明の場合の扱い、IV普及啓発、Vその他という形で検討課題をお示 しし、それらについて専門的な検討を行う体制を整備するということで、各作業班、厚生 労働科学研究を用いて、専門的な検討を行っていただくこととしております。その検討内 容は、臓器移植委員会に報告をし、臓器移植委員会での審議、パブリックコメントを経て、 最終的には省令、ガイドラインを策定していくということで検討体制をお示ししたもので す。  この中で、検討課題のIVの普及啓発等について、真ん中の検討体制の2つ目の普及啓発 等に関する作業班(仮称)について、本日の作業班において議論をする。その結果は臓器 移植委員会に報告をし、臓器移植委員会でご審議いただくということで進めていきたいと 考えております。このような検討課題と、検討方針をお示ししまして、委員会でご了承を 得たということです。今後、このような臓器移植委員会の作業班の役割分担に従い、作業 班で専門的な事項について議論をお願いし、その報告を臓器移植委員会にして、そちらで 議論していくという流れで進めていただければと思います。 ○篠崎班長 いまの説明についてご質問なり、ご議論をお願いいたします。時間的なリミ テーションがあるのかという気がしたのですが、いまの説明では、親族優先提供に係る部 分の法施行日が1月17日と。その下を見ますと、臓器移植委員会で決めて、施行が1月17 日として、パブリックコメントにかけるとなると、優先順位として、すべてをここで議論 してというよりは、ある程度優先的なところで話をしたほうがいいのかという気がしたの ですが、その点についてはどうですか。 ○長岡補佐 ご指摘のとおりで、1月17日にまず親族優先提供の部分が施行になります。 パブリックコメント期間は30日ありますので、それを逆算しますと、今月から来月にかけ ての議論ということになるかと思います。ここで、作業班と臓器移植委員会での議論をお 願いする形になります。こちらは普及啓発全般ということで、今後ご審議をお願いするこ とになるのですが、まずは親族優先提供の班の部分を中心にお願いできればと思います。 ○篠崎班長 了解いたしました。 ○大久保班員 親族優先提供は、親族優先提供のほうの作業班があります。その中で、ど ういう様式でなければ駄目だという話が出てこないと、カードが決められないというか、 その辺はどのようになっているのですか。 ○峯村室長 親族優先提供の普及の具体的な仕組みの中で、カードの様式の範囲について どのようにするかということについては、どういう記載内容を認めるかということを受け て議論していかないといけない部分はあります。基本的にどういう記載内容を盛り込めば いいのか、あるいはどういう記載であれば、意思表示として後日有効なのかという点につ いては、もう1つの意思表示に関する作業班のほうで、法律的な議論をしていただいてお りますので、その中で整理がされるのではないかと考えております。  したがって、この作業班においては、そういう内容については適宜情報を共有する必要 があると思います。具体的な普及啓発の内容として、特に優先提供といったところに、例 えばいちばん直近に来る内容について、どのような内容での普及啓発を図っていったらよ り効果的なのか、そういう内容についてご議論いただければと思っております。 ○大久保班員 カードの様式はここで決めるのですね。 ○峯村室長 様式については、ここで決めさせていただくことになると思います。どうい う意思表示が有効かどうかというのは、記載の不備が生じないようにするための、有効な 意思表示とは何かということについては、意思表示の作業班で決めることになると思いま す。 ○有賀班員 臓器の移植に関する法律というのは7月17日からということで、この表によ れば基本的にそれでいいのですね。私は一般的にそのように思っていたのですが、優先提 供を認めるというのは、それより半年前というのは、別添1にある法律の中に書いてある のですか。何がどうなってこうなったのかを教えてください。別添1に、国会会議録抜粋 というのがあって、河野太郎議員が何ぞやを発言していて、その後に*が付いていて・・・ の規定(1月17日)と書いてありますけれども、この第6条というのがおそらく法律です よね。半年前倒せと法律に書いてあるわけではないのでしょう。 ○峯村室長 法律の中に規定されているのですが、資料の中に改正法の新旧対照の中に盛 り込まれていなくて申し訳ありません。改正法の附則第1項に、施行期日として施行日が 書いてあります。それを読み上げますと、この法律は公布の日から、これは平成21年7月 17日になるわけですが、公布の日から起算して、1年を経過した日から施行する。平成22 年7月17日ということになります。  ただし書きが付いていて、ただし第6条の次に1条加える改正規定及び第7条の改正規 定並びに次項の規定はということで、これは優先提供にかかわる規定になります。これに ついては公布の日から起算して6カ月を経過した日から施行するという規定になっており ます。6カ月後ということで、平成22年1月17日から施行されるということです。 ○有賀班員 本当は、法律を全部読めばわかるのですね。 ○峯村室長 何か疑問な点があれば言ってください。 ○有賀班員 全部読むなどというのはよくわからないので。 ○峯村室長 ポイント、ポイントで。 ○有賀班員 法律に書いてあるのですね。 ○峯村室長 法律に記載されている内容は一応資料の中に盛り込まれているのですが、条 文の原文自体が漏れていました。申し訳ございませんでした。 ○篠崎班長 ちょっとでもクリアにしてからご議論したいと思いますので、どうぞ遠慮な くご質問していただければと思います。ほかに法律の内容、その臓器移植委員会での議論 についてご質問、コメントはございますか。 ○小野班員 普及啓発等についての作業班の下の「その他」の中に、臓器移植に係る体制 整備となっています。私ども現場の提供側の病院で話をさせていただくときに、このよう な中での普及というものもここで話し合われるのですか。それとも、ネットワークからだ けの普及なのか、そこだけ確認させてください。 ○峯村室長 院内での普及啓発の内容についてもご議論いただければと思います。 ○篠崎班長 もう一回確認しますと、とりあえず施行に基づいて行われなければいけない 普及啓発、その内容に関しては一般的な普及啓発もあれば、医療のところもある。ただし、 時間の問題もありますので、とりあえず親族優先提供の問題を先に検討すべきである。た だし内容の項目、提供の条件その他については別委員会で行っておりますので、当委員会 においてはそれが決まると。並行で動いていることをご認識いただいた上で、議論を進め ていただきたいのですが、並行で動いているにせよ、決まった段階で、すぐにも一般国民 に知らしめるための啓発方法などについて議論する、という方法論的なところであるとい うことで間違いないでしょうか。 ○峯村室長 間違いありません。 ○有賀班員 篠崎班員がおっしゃった、別の所というのはこの表でいうと、真ん中の検討 体制の上から3つ目の四角の中に入っているという意味でいいのですか。小野班員がお聞 きになったことは、いちばん左の、いちばん下ですよね。 ○篠崎班長 はい、そうです。その他となっているので、たぶん複数に跨るような項目も その他に入っているということですね。 ○峯村室長 はい、そういうことです。 ○篠崎班長 そういうことなので、普及啓発にかかわることは全般ここで行って、いずれ にせよここで行った議論を、委員会のほうに上げるわけですので、多少の重複があっても 構わないと思うのですが、とりあえず与えられた。 ○有賀班員 親族云々の基本的な骨格的なルールについては、検討体制の。 ○篠崎班長 左側のいちばん上にあります。 ○有賀班員 これは課題でしょう。 ○篠崎班長 はい。 ○有賀班員 課題は課題でいいのですけれども、いま班員がおっしゃった別の所で議論が 進んでいるという、その別の所というのは真ん中の検討体制の上から3つ目の四角の中に。 ○篠崎班長 検討体制のいちばん上に、親族の範囲についてというのがあります。 ○有賀班員 親族優先というのは3つ目にありますよ。 ○峯村室長 整理して申し上げますと。 ○有賀班員 これは整理されていないということですか。 ○峯村室長 そういうことではありません。検討課題がI〜Vまでありまして、例えば親 族への優先提供としてどんな検討課題があるか、あるいは小児からの臓器提供に関してど んな課題があるか、というのを網羅的に、施行に当たって必要な内容について、課題とし て掲げてあるものです。  これについて、専門的な検討を行って、論点を整理する受け皿をまず作る。真ん中にあ るのはその受け皿ということです。検討体制という形で4つの箱があるかと思います。全 部で9つの作業班と研究班が動くという体制になっております。具体的には意思表示等に 関する作業班(仮称)ですが、もう正式な名称は決まっています。普及啓発に関する作業 班が2つ目です。臓器ごとに関する作業班、これは臓器移植法に基づいて7臓器認められ ていますので、7つの作業班が設置されます。併せて作業班が9つです。  そのほかに、小児脳死判定基準等については、厚生労働科学研究の研究班で検討を行う。 こういう作業体制を組んでいます。いま有賀班員がおっしゃいました、親族の優先、小児 からの臓器提供等に伴うというところに親族優先というのがあり、いちばん最初のところ には親族の範囲というのがあり、これはどういう整理なのかという疑問かと思います。親 族優先提供ということで、今回親族に対して優先的に臓器を提供することが認められたわ けです。その親族の定義というのは法律上まだ置かれておりませんので、どの範囲を親族 とするのかといった、法律的な定義を検討する場がいちばん上の箱にある作業班です。  3番目にある臓器ごとによる作業班、親族優先、小児からの臓器提供等に伴うドナー適 用基準、レシピエント選択基準についてというのは、当然いちばん上の親族の範囲等につ いて、法律的な議論を行う作業班と連携するわけです。3番目の臓器毎の作業班では、レ シピエントの選択の際に、親族優先ということで、親族を優先順位としてどこに持ってい ったらいいのかという、いわば選択基準の位置づけを考えるのが3番目の箱です。当然そ の選択基準を考える際に、そもそも親族というのはどういうものかというのは、当然意思 表示班の議論を横目で見ながら、大体この範囲になりそうだというのを相互に意思疎通を 図りながら進めていくということです。 ○篠崎班長 おわかりいただけましたか。 ○有賀班員 わからない。いちばん上の四角の親族の範囲の親族というのは、ここでいう ところの親族に優先して提供しましょうね、というときの親族なのですね。 ○篠崎班長 いいえ、これは意思表示側です。これは、意思表示に関する作業班ですから。 意思表示カード。だから、ここにかかわるのは、たぶんそこのがいちばん大きいのかなと。 逆に3番目は選択のほうですので、選択基準で、したがってこれはネットワークの中でレ シピエントが選ぶ際ということでよろしいですね。 ○峯村室長 はい、そういうことです。 ○篠崎班長 ほかにご疑問はございますか。 (特に発言なし) ○篠崎班長 それでは、順に議論に入っていきます。臓器移植に係る普及啓発という専門 的な観点からご議論いただくわけですが、現状でどのようなことが行われているのかを把 握しておく必要があるかと思います。本日は、厚生労働省並びに社団法人臓器移植ネット ワークにおいて、現在どのような普及啓発に取り組んでいるかをご説明いただいて、皆さ んにご理解いただければと思います。まず、厚生労働省における取組みについての説明を お願いいたします。 ○峯村室長 資料3の(1)に基づき、厚生労働省における普及啓発に関する取組み状況につ いてご説明いたします。パワーポイントの資料が、上下それぞれ2つずつ付いています。1 頁の上は、厚生労働省において、移植医療の普及啓発に取り組んでいく、そのいちばん基 本的な考え方です。移植医療の特質として、通常の医療であれば、患者と医師ということ で、相対の関係で医療は基本的に関係づけられます。  移植医療の場合は、そのほかにドナーと、いわば臓器の提供があって初めて成り立つ医 療です。したがって、この臓器の提供ということについてかかわる内容、脳死とか移植全 般に関する国民の理解を深めながら進めていくというのが不可欠であるという問題意識で す。そういう問題意識の下で、社団法人日本臓器移植ネットワークに対する補助金、ある いは地方公共団体との連携を図りながら、普及啓発に向けた取組みを行ってきています。  現行法上、国と地方公共団体に関しては、普及啓発に関する責務規定が置かれておりま す。第3条で、移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努め なければならないとされています。まさにこの法律に根拠がある規定に基づき、責務とし て我々は普及啓発に取り組んでいます。また、今回の改正法において、新たにこの第3条 と合わせて、第17条の2ということで、移植医療に対する普及啓発という、いわば普及啓 発に個別に着目した規定が新たに置かれています。具体的には、国及び地方公共団体は、 国民があらゆる機会を通じて移植医療に対して理解を深めることができるよう、移植術に 使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思の有無を運転免許証及び医療保険の被 保険者証等に記載することができることとする等です。  従前は後ほどご説明いたします、運転免許証や医療保険の被保険者証の余白にシールを 貼るというような取組みで普及啓発がされてきました。ここでは、もう少し普及啓発につ いて、前面に強調した規定を置き、運転免許証に、そもそも欄を設けることができる、と いう法律上の根拠規定をここに置いています。  次の国民に対する普及啓発のところですが、私どもは普及啓発に関する取組みとして、 大きくターゲットとして国民に対する普及啓発、それから医療機関と関係者への普及啓発 の2つの対象を念頭に置いて普及啓発を行っております。国民に対する普及啓発は(1)に書 いてあるとおり、臓器提供意思表示カード、シールの配付等ということで、いわゆるドナ ーカード、あるいはシールの配付に努めることを行っております。  この際には、当然ネットワークや地方公共団体と協力しながら行うということです。具 体的には、都道府県庁や市区町村役場、保健所等の公的機関、あるいは医療機関、コンビ ニ、スーパーなどの店舗へ配置したり、あるいは健康保険の保険者に対し、保険証更新の ときにシールを配付する、あるいはカードを配付するといった協力依頼をしています。  また、保険者独自の取組みとして、健康保険証に意思表示欄を設ける取組みをしていて、 政府管掌健康保険、現在の協会けんぽにおいて、意思表示の記入欄を設けるといった取組 みが一昨年1月から順次実施されている状況です。  カード、シールについては、これまで累計でカードが1億2,200万枚、シールは4,000 万枚を配付しています。また、カードの内容についても、平成17年10月にデザインを、 家族と本人と両方で持てるような形で2枚に変えました。新たな媒体として、臓器提供意 思登録システムということで、インターネットを通じて臓器提供の意思、この中には当然 拒否の意思も含まれるわけですが、その意思を登録するシステムを、ネットワークで平成 19年3月から運用を開始しています。  2点目は、さまざまな媒体、あるいは機会を通じた普及啓発です。大きな取組みとして は10月が臓器移植普及推進月間と位置づけていて、この期間を中心として普及啓発を行っ ています。平成11年から毎年臓器移植推進国民大会を持ち回りで各都道府県が開催地を決 め、そこで大会を実施しています。平成20年は大阪で世界移植デーが開催されたというこ とで、この移植デーの機会を通じた普及啓発もさせていただきました。  また、政府の広報媒体ということで、政府広報を通じた普及啓発も平成17年度から実施 しています。本年度の実施例、あるいは実施予定ということで下に書いてあります。テレ ビ、新聞、インターネット、あるいは厚生労働省の刊行物において、臓器移植に関する普 及啓発の内容について実施しています。  3点目は、教育現場等において普及啓発を行う取組みも併せてしております。現在、意 思表示は15歳以上の意思表示を有効とするとされていることを踏まえ、15歳の年齢に達 する全国の中学3年生を対象にパンフレットを配付し、さまざまな教育の機会に活用して いただく取組みを平成16年度から実施しています。例年8月に、平成19年度から行って いる、こども霞が関見学デーを、総合学習の一環という形で利用させていただいている取 組みがあります。この中でブースを設けて、普及啓発の取組みを行うこともしております。  2点目は、医療機関と関係者への普及啓発ということです。医療関係者に対する普及啓 発の取組みとして、例えば院内コーディネーターの設置支援、あるいは医療従事者に対す る研修、マニュアルの作成、改訂等の協力。また、院内で臓器移植のためのシミュレーシ ョンを実施するための支援を行っています。また、厚生労働大臣の感謝状を、臓器移植の 取組みをしていた団体に贈呈するという取組みもしております。臓器移植について、臓器 提供希望者の意思をできるだけ尊重できるシステムづくりの観点から、厚生労働科学研究 において、いわゆるDAPという仕組みについての取組みの研究をしています。  3頁は、コーディネーターによる病院啓発ということで、いま申し上げましたような取 組みについて、臓器移植のコーディネーターによる取組みによって、それを具体化してい ます。コーディネーターが、各病院をそれぞれ訪問することを通じ、実情の把握を行って いただきます。  その際に、院内体制の構築ということで、先ほど申し上げましたような勉強会なり、院 内マニュアル、シミュレーションの実施といった取組みにつなげていただく。あるいは、 医療従事者の知識、技術取得ということで、セミナーの開催、テキストの作成といったこ とを行っていただくということを通じて、患者や家族の臓器提供意思を活かす取組みを進 めているところです。  具体的な例として、移植用のポスターを掲げております。提供病院設置用の意思表示カ ードや冊子の例も4頁に載せております。選択提示のDVDとして、選択肢の提示を主治医 が行う際、どのような形で提供意思の選択肢の提示をしていくかについてのマニュアル素 材として作っております。また、院内ドナーのコーディネーター向けのテキストも作成し ているところです。  そのほか国ということではありませんが、国と併せて都道府県における臓器移植普及推 進月間を中心とした取組みも、5頁から紹介をしております。大きく集会とキャンペーン、 広報というカテゴリーで取組みがされています。集会であれば、さまざまな移植医療に関 する講座、フォーラム、スポーツ大会といったものが開催されております。キャンペーン としては、ドナーカード、パンフレットの配付、パネル展示、パレードの開催を行ってお ります。広報媒体としては、ポスター掲示や、県の広報番組、広報誌を通じた周知、ある いはケーブルテレビやバスの車体広告などを利用している自治体も見られます。その他と して、県の関係者で、移植対策協議会を形成したり、県知事の感謝状を独自に行っている といった取組みをしているところです。都道府県と国の取組みについては以上です。 ○篠崎班長 続いて、日本臓器移植ネットワークの取組み状況について、日本臓器移植ネ ットワーク広報・普及啓発部長の雁瀬班員からお願いいたします。 ○雁瀬班員 峯村室長には、病院啓発などについてもご紹介いただきました。私からは、 主に全国統一の一般向けの普及啓発について手短にご報告させていただきます。臓器移植 ネットワークの主な事業として、国内の死後の臓器提供に関する公平で適正なあっせん事 業、それから移植医療の推進を図るための普及啓発事業の2つの事業を主に行っておりま す。  移植コーディネーターを中心とした病院啓発、臓器提供情報への対応等、あっせん事業 を中心に行っております。普及啓発事業としては、私たち広報普及啓発部による、全国一 般の方々に向けた啓発、それから脳死臓器提供が行われたときの、マスコミに対する情報 公開も行っております。公平で適正なあっせんが行われていることを全国民に知ってもら う、信頼できるシステムがあるということを知ってもらうことも、重要な啓発内容だと捉 えております。  下のスライドですが、全国の一般啓発については3つの柱を持っています。移植に関す る正しい知識や権利の周知を行う。これは、自分の持っている、臓器移植に関する権利に ついて知らない方が不利益を被らないように、すべての方々に知っていただいて、それが 行使できる環境づくりを目指しています。  2番目に、臓器提供意思表示カード、シールの配付を行っています。これは平成19年3 月より、インターネットを通じた臓器提供意思登録システムの運用も加え、書面への意思 表示を促進しています。これは、現行法において、本人の書面による意思表示というのは、 脳死臓器提供には不可欠なものとして非常に重要視しておりますので、一生懸命配付に努 めています。  3番目は、子どもたち・学生への教育です。互いの意思が尊重できる家族と社会の成立 を目指しています。臓器移植というのは非常に難しいテーマで、社会の理解を得るのに時 間がかかってまいりましたけれども、子どもたちが社会に出たときに、臓器移植に関する 深い理解がある社会づくりを目指して、いまから学生たちに勉強していただく、知ってい ただくことに努めています。  次の頁は、それぞれの具体的な活動について触れております。1番は、ホームページで 情報発信。これは、新しい情報がある度に、皆さんに見ていただけるように更新作業をし ております。脳死臓器提供時のマスコミへの情報提供、これは毎回記者発表させていただ いています。新聞・雑誌、本、テレビ、ラジオ、映画等の取材協力をさせていただいてお ります。公共広告、ACとか、企業による支援キャンペーンの展開について、正しい知識が 伝わるようにということで深くかかわっております。  2番目は、意思表示カード、シールの配付です。カード、シールの設置箇所のメンテナ ンス、拡大というのは、毎年さらに拡大するように、きちんとメンテナンスが続くように 努めております。また、インターネットを使った意思登録システムにおいては、書面が必 要ですので、その登録カードを発行し、本人にきちんと自筆で署名していただけるところ まで結び付くように努力しております。免許証、保険証での意思表示も大変進んでいて、 その団体に対しては、意思表示欄の設置を促し、その設置をしたところの一人一人のメン バーに対しては、そこへきちんと記入していただけるように取り組んでおります。  3番目として、子どもたち・学生の教育に関しては、厚生労働省と連名で、中学3年生 用の小冊子を作ったり、講師用のCD付き解説セットを配付したり、学校への講師派遣をし たり、ネットワークへの学生訪問の受入れも行っております。また、小中学校に、写真を 中心とした掲示板用のニュースというのがあり、それを10月の推進月間を中心に、今年で 5年目になりますけれどもずっと行っております。  これらの媒体に対して、私たちのスタンスとしては、臓器を提供する権利、提供しない 権利、移植を受ける権利、受けない権利が平等にある。これらの自分たちの権利をよく知 り、自由に選択でき、その意思が尊重される社会を目指しております。決して、臓器提供 へ誘導するようなバイアスをかけないで、皆さんに権利として知っていただくという姿勢 で取り組んでおります。  次の頁は、実際の一般啓発用に配られている資材をお配りしております。これらの資材 がどういうものであって、どのぐらい作っていて、誰が対象で、どういう所で見られるか ということを上下の2枚の表に表しております。ご存じの先生方も非常に多いものですか ら、一つひとつの紹介は省略させていただきますけれども、このような資材を、常に全国 どこでも配付できるように、各団体の、あるいは個人において、その目的や規模に合わせ て無料で利用できるように、私たちのほうで常備していることになります。  4頁の上ですが、これらの資材は臓器移植ネットワークを中心として、行政であるとか、 一般の企業・団体による支援、地域での取組みなどと組み合わせながら全国で展開してい ます。特に行政との連携では、厚生労働省との普及啓発はもちろんのこと、全国の中学3 年生の小冊子配付については、文部科学省の協力をいただいております。また日本郵政、 いまは企業のほうに入りますが、郵便局でのカード設置、警察庁においては運転免許セン ター、警察などでの意思表示カードの設置について話合いをさせていただいて、具体的に 設置しています。  右上は、企業・団体による支援です。製薬会社や公共広告機構(AC)などによるキャンペ ーンの支援を受けたり、ローソン、セブンイレブンの社会貢献により、全国の店舗での意 思表示カードの設置を行っています。例えば、富国生命では、社員全員に意思表示カード を持たせる、あるいは生体、骨髄などのドナーになるにはドナー休暇を与えるなど、社員 へ移植医療の啓発を行っている団体も多くなってまいりました。キリンビールでは、いち 早くキリンビール組合健康保険で意思表示欄を設置し、社員の意思表示の促進に努めてい ます。こういうことに関しても積極的にかかわり、本部・本社同士で、全国で普及できる ような形での話合いをさせていただいて促進をしているところです。  こういうものとは別に、各地域で地域密着型の臓器移植の普及啓発も行われています。 都道府県、バンク、都道府県コーディネーターなどを中心に、都道府県庁や市区町村役場、 保健所などでのカード設置、国民健康保険の被保険者証への意思表示の取組み、成人式で のカード配付、都道府県コーディネーターによる学校等講演及び啓発活動などで全国を網 羅していることになります。  これら、意思表示カード、シールなどの普及啓発を主に進めてまいりましたけれども、 下の表は皆さんが亡くなったときに、意思表示カード、シールを持っていたということの 情報と、意思表示カード、シールの配付の関係を示した図になります。カードは、いまま でに1億3,000万枚、意思表示シールは約4,000万枚を配っています。そのカード、シー ルを持っていて亡くなられたという情報は、平成20年末までに延べ1,600件に及んでおり、 2008年末には、実際に脳死提供が76件、心停止が178件の情報に結び付いていることに なります。  次の頁ですが、このような普及啓発に取り組んでまいりまして、意思表示カード、シー ル等が24時間入手できるような環境というのは非常に重要です。いまでもローソン、イト ーヨーカドー、日本ホテル協会、サークルKサンクス、映画館4グループなど、24時間身 近な場所で意思表示ができるような環境づくりに努めております。先ほども紹介しました ように、平成19年3月よりインターネット、手元のパソコンや携帯電話から、自分の意思 表示が簡単にできるような体制を整備しております。インターネットでいただいた情報と いうのは、実際に家族が臓器提供について承諾した場合、本人が臓器を提供したくないと いう意思を登録していないかどうか、コーディネーターが一件ずつ検索をし、確認を行っ ております。今後、本人の意思確認をするに当たっては大変重要なデータとなります。  次の頁は、普及啓発の現状把握・分析を行っております。4つの主な方法があり、内閣 府の世論調査は2年に一度行われています。ここで国民の意識の把握をいたします。一般 マスコミ対応での現状把握、私たちが日常業務において、一般の方々やマスコミの方々か ら問合せを受ける内容により、私たちが出すべき情報発信、内容の必要性の把握をしてお ります。当社団には委員会制度があり、広報委員会を1年に1〜2回開き、その分析評価を 行っています。メンバーには、大手広告代理店のマーケティングプランナーや、臓器提供 家族、患者団体の代表、各支部エリアの現状に詳しい人を迎えて意見交換や、諮問を行っ ています。  また公共広告、企業によるキャンペーン、全国支援キャンペーンになりますが、こうい うものが実行されるときには、必ず広告代理店が市場調査、対象の設定、手法の選択など をしていますので、それらのCM、あるいはキャンペーンと共同しながら広く私たちの持っ ているルートを使いながら広めていっていることになります。  下には、平成16年以降に新たな取組みをしている具体例を示しております。内閣府の世 論調査で、平成16年には脳死判定後の家族の臓器提供意思を尊重し、提供を認めてもいい という方が67.2%いました。広報委員会では、臓器提供家族から、本人の意思を家族が理 解することがとても重要なのだというご意見をいただきまして、意思表示カード「2枚キ ャンペーン」を実施しております。この2枚のキャンペーンを行うに当たっては、先ほど もご紹介がありましたように、2枚で1組のようなデザインのものを新しく発行しており ます。世論調査において、保険証に意思表示欄があったほうがいいという意見も56%あり ました。そういうものを受けて、保険証裏面の意思表示欄の設置などを広く呼びかけて推 進しております。  広告代理店によるキャンペーンなどへの実行への調査、企画によって、抵抗感の払拭、 臓器移植に関する国民の抵抗感の払拭とカードとの接触機会が必要だという調査報告が出 ております。これは具体的には7頁の上のほうにその結果をお示しております。関心の有 無と、抵抗感の有無、2つのバイアスから5つの層に分けて必要な項目を分析しておりま す。それで6頁の下に戻りまして4番の、企業の支援によるthink transplantキャンペー ン、まずは自分のこととして考えて、家族にその気持を伝えておくことが重要であろうと いうことで、このキャンペーンを行い、全国5都市でのラジオ番組で呼びかけ、チャリテ ィーライブ、オリジナルカードの配付などを中心に行ってきました。  7頁からは、具体的にその絵、画像を紹介させていただきます。キャンペーンのターゲ ット構造とアプローチ方法、それから2枚キャンペーンのデザイン。8頁では保険証裏面 の意思表示欄。平成20年10月に政府管掌保険は協会けんぽという団体に変わっておりま すので、そこの取組みとして、新しい保険証が発行されています。平成21年9月末までに、 被保険者3,600万人の保険証はすべて臓器提供の意思表示欄があるものに変更されており ます。  その下の公共広告機構では、抵抗感の払拭という目的も兼ねて、移植者の元気な姿を紹 介していこうという、ACにとっても新たな一歩というのでしょうか、移植を受けた方たち を紹介していくという方向性を打ち出して、平成17年度、平成18年度、平成19年度とポ スターを作ってまいりました。  9頁は、先ほど申しましたthink transplantキャンペーンが、5都市のFM局を中心に行 われ、これによってラジオのナビゲーターが臓器移植推進月間の1カ月間リスナーに呼び かけ、リスナーからの質問であったり、対話であったりということを、双方向型で行うキ ャンペーンをしてまいりました。また、広くたくさんの人にそのキャンペーンを知っても らうためにWebも使って、健康サイトなどにその情報なども盛り込んで進めてまいりまし た。  下の、オリジナル意思表示カードは、臓器移植というテーマからではなくて、スポーツ であったり、自分の気に入ったラジオ番組であったり、いろいろな団体から、自分たちの カードを作り、そのファンに対して臓器提供について考えるきっかけづくりなども、こう いう形で行われてきています。  これらの新たな取組みというのは、10頁にありますように、平成20年の世論調査の結 果に反映されていると私たちは分析しております。特に平成16年度以降、脳死で臓器を提 供してもよいという方が非常に増えてまいりました。この辺は一般的な普及啓発が少しず つ実を結んできたのではないかと考えております。しかしながら下の表で見るように、意 思表示カードの所持率は8.4%、その持っている方の中でも、書いている方はその半分と いう現状を見ることにより、まだまだ臓器提供の意思表示は大変重要なのだ、と検討課題 として持っております。  次の頁ですが、所持率が低いと言っても、20代、30代の所持率は非常に高いものがあり ます。今後は40代以降にも理解を得られるような方向性も必要だと、普及啓発の方向性を 考えております。  これらの結果から、現在私たちは普及啓発の方向性を以下のように考えて取り組んでお ります。臓器提供に関する理解は、少しずつではあるが進んできているということ。個人 の意思表示の促進と、家族の理解が大変重要であるということ。臓器移植の正しい理解は もちろん重要であるけれども、臓器移植ということにこだわらず、広くいのちについてみ んなで話すことが非常に重要であるということを分析しており、最後の行に書いてあるよ うに、一人ひとりとが考える、think transplantキャンペーンの目標だけではなく、今後 より多くの人が話し合う大切さを伝える啓発というふうに姿勢を変えております。  最後の頁になりますが、私たちは今年度からグリーンリボンキャンペーンと題し、「話そ う大切な人と」と呼びかけております。これは、世代に関係なく受け入れられるように、 マラソンランナーの谷川真理さんというアスリートを選択し、彼女にメッセンジャーをし ていただくことにより、移植者の元気な姿、スポーツ大会などを通じて、移植者の元気な 姿を紹介し、家族と話し合う機会を増やそうというキャンペーンです。これらは、臓器移 植ネットワークのホームページにも、スペシャルサイトなどをリンクさせて、広く多くの 方々に参加していただいていることになります。私からは以上です。 ○篠崎班長 厚生労働省並びに臓器移植ネットワークからの説明に対してご質問がありま したらお願いいたします。現状で行われている普及啓発の方法ということで、一般啓発 (Public education)と呼ばれる部分と、あとは一部厚生労働省から説明がありましたよう に、病院を対象に啓発する部分、これは医療従事者啓発活動(Professional Education)の 2つの局面で行っているという説明だったと思います。 ○石川班員 厚生労働省は2つの局面でやっていて、臓器移植ネットワークも2つの局面 でやっているのですか。 ○雁瀬班員 そうです。峯村室長から報告があった部分は、実際には移植コーディネータ ーが現場に赴いて病院啓発などを行っています。 ○石川班員 いま説明していただいたのは、どちらかというと一般向けですね。 ○雁瀬班員 はい、全国一般向けです。本日は、新しい制度になったときに、全国民にど うやって周知していくのだろうかという議論も中心になるとお聞きしていましたので、主 に私のほうからはこの辺についてご紹介させていただきました。 ○石川班員 一般向けではなく、医療機関等の啓発に関してですが、例えば厚生労働科学 研究による取組みは、具体的にスペインでの取組みを参考にしたと書いてあります。私も 海外がどうなっているのかはわからないのですが、それは海外の様子を調べて研究してい るということなのですか。 ○篠崎班長 これの代表研究者は私なので、私事になってしまいますが、協力研究者の方 もおられるので、あとで付け加えて説明していただきたいと思います。端的に申し上げる と、過去15年の間で有意に伸びた国があります。これは世界保健機関も認めていて、先ほ どスペインという例がありましたが、スペインはいちばん伸びが高かったのです。この研 究班は10年以上やっているのですが、そこで解析を行った結果、先ほどの世論調査ではあ りませんが、取組みの方法で数をデータベース化しました。医療機関の中で、提供の可能 性があった人たちの数を調査しました。それを使って、医療従事者並びにコーディネータ ーの教育をするプログラムがありました。これは公的な報告書もあるので、もし質問があ れば、いま大至急という議論ではなくて、次の大きな議論になると思います。それに「ド ナーアクション」という名前が付いていますが、それはプログラムのほうです。それだけ では駄目なので、スペインで行っているのは、教育方法も身につけなくてはいけないとい うものです。話すと長くなるので私からはこのくらいにしておきますが、一緒にやられて いる先生からご意見があればお願いします。 ○相川班員 私もドナーアクションプログラムの協力者になっています。これは非常に実 践的なプログラムで、スペインのものをそのまま日本に導入しようというものではないの です。日本の風土、習慣というものがあるので、ある程度モディファイした段階で、そう は言ってもデータはきちんと把握して、どの時点で、例えば本当は脳死下の臓器提供がで きるはずだったと思われるような状態の方、またはその診療機関のどの時点でそれが阻ま れているかの調査をします。具体的にはカルテを見たり、スタッフの方々からお話を聞い て調査をして、その点を改善していきます。  もう1つは小野班員のほうが詳しいかもしれませんが、ある意味では病院の中のリスク マネジメントに関して、有効に機能するのです。そのような安全委員会または臓器移植委 員会というものを、組織立ててつくって、病院自体がそのようなリスクマネジメントをで きるようにする。  もう1つは、実際に働いている職員並びに事務員の意識調査を、何回かに分けてやりま す。啓蒙活動をした前後によって、どのくらい意識が変わっているかを具体的な数字で出 しています。これをヨーロッパの医療関係者、職員及び事務員と比較をして、どのような 点で日本の医療関係者の意識が違っているのかを明確に出しています。  この結果については各学会で発表済みで、資料もあるのですが、具体的な核になるのは、 院内コーディネーターと都道府県コーディネーターです。これに絡んで、当然臓器移植ネ ットワークのコーディネーターが協力してやるわけです。その点については岩田班員のほ うが詳しいと思います。 ○岩田班員 病院の中に臓器提供にかかわる担当者ということで、主にドナーにかかわる 可能性のある救急の先生、脳外科の先生、もしくは看護師に、そのような担当者になって いただいています。  先ほどスペインの教育プログラムということで、篠崎班長から話もあって、話もつなが るのですが、スペインは院内コーディネーターの活躍によって非常に伸びています。そう いうことで、日本からもスペインに行って、それをそのまま日本に持ち込むのではなく、 日本の状況に合わせて取り入れていく。今後の発展の鍵は、院内コーディネーターの協力 なしでは得られないというところは感じています。 ○相川班員 それがまた、実績としてうまく機能しているところは、特に九州、沖縄地区、 去年からは北海道です。ここ数年ですごい伸び方をしているのです。この方法論はそれほ ど間違っていないのではないかと思います。 ○篠崎班長 これはあくまでも、まだ厚生労働省の研究事業でやっていまして来年度まで 続きます。そこで出たものを入れます。このような研究事業と一緒に、例えば学会が協力 して、いろいろな臨床の先生方に、関係病院をネットワークすることなど、臓器移植ネッ トワークの先生はいま人数が本当に少なくて申し訳ないのですが、もともとその方々が地 域の病院、特に北海道などというのは、このようなネットワークのところもありますし、 救急の先生が頑張って、コーディネーターが行って盛り上げているという例もあるわけで す。そういったことの複合体として、上がってきていると思うのです。  ただ、あくまでも研究事業で、いくつかの病院を選ぶ段階はいいと思うのです。それで すが、これをどう事業化していくのかという段階になると、体力も要るので、まだ大きな 議論が必要になるのではないかと考えます。何かございますか。 ○小野班員 病院内のいろいろな働き掛けということで、我々もドナーアクションプログ ラムというのを取り入れてみてはあるのです。ポイントとしては、いま厚生労働省の方と ネットワークの方が普及啓発について働いていることをお聞きしましたが、普及啓発に対 して都道府県ごとに格差があるのです。いま雁瀬班員がおっしゃったように、普及啓発し ているというのですが、できない地域もたくさんあるし、していない地域もたくさんある のです。  それから厚生労働省の言われた、県ごとで院内コーディネーターが出ますと言いますが、 院内コーディネーターは病院にいる看護師、検査技師が兼務なのです。全くインセンティ ブも権限もなくて、普及啓発について弱いところはたくさんあります。  そういうところで、我々の病院では、患者を守る、もしくは患者の家族を守る、それに 加えて病院職員を守るということで、リスクマネジメント管理をしています。  これは広い意味のリスクマネジメントと同じで、臓器提供というのは本当に善意から始 まる医療なのですが、管理は先端医療ですので、救急医療の根本にありますが、そこを踏 まえて、普及啓発はきちんとしたものにしないと、いくら法改正をしてもなかなか進まな いと考えています。 ○相川班員 多角的にそれぞれが活動して、それが複合的に組み合わさってうまくいって いるということになると思います。 ○峯村室長 いま石川班員からお話があったとおり、普及啓発には意思表示をしやすくす る、増やしていく取組みと合わせて、臓器提供の意思を、いかに移植希望者につなげるか という取組みという、大きな側面があるかと思います。いまお話のあった医療機関の中で のそういった取組みとして、例えば先ほどから話の出ている厚生労働科学研究における取 組みも、科学的知見に基づいた提供意思を活かす取組みという形で、我々として実施して いきたいと考えています。 ○小野班員 私の意見としては、先ほど峯村さんがお出しになったデータの中で、日本全 国でカード8%所持ということで、約半分以上が無関心である人たちです。現場にいらっ しゃる患者は、無関心の方がほとんど、もしくはカードを持っていない人がほとんどです。 つまり、その中で誰が第一歩を踏み出すかというと、現場にいる主治医、担当医、救急医 なのです。ここへの働き掛けは、ここでも是非議論していただきたいと思っています。 ○篠崎班長 非常に大事なポイントだと思います。いまの話の研究事業は、そのスペイン モデルを日本に変えてというのは研究事業です。これが功を奏するかはもう少し見ていか なければいけません。ただし、相川班員が言ったように、かなりのエビデンスは出てきて います。ただ、いま現場はどうしているのか。実際に上がっているわけですが、例えばネ ットワークのコーディネーターの人たちが病院へ行って、特定の医療機関でそういったご 協力をいただいているという形でやっています。  これははっきり言いますと、臓器提供に関してはボランティアベースでやっていただい ています。研究事業のうちはいいのですが、それはきっちりとした制度にしていかないと いけません。これをどのような形でいくのかは重要課題として考えていかなければいけま せん。この件について何かありますか。今日はこのほかに、現状の普及啓発方法を知り、 親族優先提供の話をしたいのですが、この点については親族提供の件が落ち着いたあとで、 皆さんに本当にご議論いただかなければいけなくなると思うので、そのときにまた活発な ご意見をいただければと思いますが、よろしいですか。是非頭の中に留めておいていただ いて、いろいろな質問等も事前にしていただいて構いませんので、日本にあるべき方法、 国民が理解しやすい、臓器提供したい方、したくない方、その意思をどう活かすのか、ど う表示するのか、あるいは医療現場でそういう方の意思をどう活かすのか。臓器提供をし たい方、したくない方、臓器移植を受けたい方、受けたくない方の4つの権利は重要な国 民の権利ですので、それが担保される形での法律はできました。したがって、次はどうや ってそれが現場で活かされていくかはすごく大事なことだと思いますので、そういった観 点からご議論を深めていただければと思います。  それでは、普及啓発の厚生労働省並びに臓器移植ネットワークで行われていることを議 論していただいたわけですが、これらを踏まえて、近々に直面する問題である親族への優 先提供という項目が決定した場合、これらの媒体プラス、これからどういった形で国民に 周知していくべきかについて、ご議論いただきます。ネットワークから出た資料の中で、 いままでの臓器提供意思表示カードの存在を頭に置いていただきます。なぜかというと、 今度は提供する場合の条件が変わるので、それをどういう扱いにしていくのかです。内容 ではなくて、カードの記載内容をどう変えるかは先ほどのベース委員会でやっていますの で、その新しいものが決まったときに、新たなカードなりをどのように提示するか、ある いは普及させていくのかについて、広くご意見をいただきたいと思います。 ○大久保班員 予算の補正は組んでいるのでしたか。お金がなかったら何もできないので、 実際にそのお金があるのでしょうか。お金によって全然やり方が違ってくると思います。 ○峯村室長 臓器移植の関係で補正の予算組みはまだしていません。来年度要求で行って いる予算は、体制整備、普及啓発のための予算をどの程度当初予算に盛り込めるかの要求 を進めているところです。 ○大久保班員 優先提供に関しては、今年度の予算ですよね。今年度の報告だから、今年 度の中でどれだけのお金があるかですね。いまやらなければいけないのは1月17日だから、 それは今年度にどうするかですよね。そのときに、おそらくネットワークはもうほとんど お金がないだろうから、お金がなかったら絶対に動かないですからね。お金に関係なく、 ここまでやろうと出してしまっていいのかどうかです。 ○篠崎班長 その辺については理想と現実の狭間は大きいのではないかと思いますが、新 しい親族提供という法が決まって、それをどのように伝えるべきなのかのディスカッショ ンを大まかにしていただきます。その中で現実的なものは何かということです。なぜかと 言いますと、この会も来年に終わるわけではないので、継続的にずっとディスカッション をしなければいけません。その中ですので、予算云々からスタートせずに、まずどうある べきかについてご議論いただき、その中で、いまできそうなものを探す以外にはないと考 えますが、その辺でご意見はないでしょうか。 ○石川班員 1月17日は近づいていますから、スケジュールへの配慮も必要でしょう。 ○篠崎班長 先ほどのパブリックコメントは1カ月ということでした。そうしますと、11 月末だと手遅れですよね。 ○峯村室長 そうなります。1月17日に施行になりますが、その前にガイドラインあるい は省令の改正が行われます。間に年末、年始も挟まることも考えてスケジュールを組みま す。また、30日間のパブリックコメントの時期をきちんと取る形にすると、内容について 詰めて、そのタイミングでどのような形で普及啓発の取組みをしていくのかを考えなけれ ばいけないと考えています。 ○篠崎班長 ただし、ここでいまやっているのは、その方法論をディスカッションしてい ますので、パブリックコメントが終わって、ある程度決まって、施行の1月17日までの間、 決まらないとなかなか広報もできないでしょうから、それに関してのタイミングというと、 パブリックコメントが終わって、最終案が決まったと同時にすぐに動ける体制が必要だと 思います。  そうすると、広報的な観点から、使える媒体、そこから印刷して1,000万部というのは あり得ない話なのだと思うのです。とりあえずタイムスケジュールの中で、そのような感 覚を感じたのですが、スケジューリングの上でいかがでしょうか。 ○雁瀬班員 基本的に何かきちんと決まった文書を印刷して配る、その日から全員に周知 するのは非常に難しいと思います。いままでの意思表示カードを無効にせず、どのような 内容にしても、そこに書き添えることによって、有効であるという形を取っていくことが、 まずは半年間。7月から意思表示カードの内容そのものが変わるかもしれませんが、その 前にまた変わってしまうと、もう混乱してしまいますので、いままで持っていただいた 1,000万人ぐらいの方がいるので、その方たちのいままでの意思表示カードを無効にせず に、上手に書き添えていただくことをインフォメーションします。それは例えばHPとか、 政府広報をしていただいたり、そのような媒体で全国民に知っていただく。  ただ、印刷物を作って、いままでの意思表示カードのように、12年間も配って8.4%の 数字ですので、同じ手法では難しいと思います。 ○大久保班員 やるとしたら、新聞などに広告を出すしかないと思います。今年のぎりぎ りに終わって、17日だったら少なくとも17日に出さなければいけないです。そうすると、 新聞を押さえておいて、そこに広告を出す。どれだけ予算があるかは別ですが、5段で出 すとか。そのぐらいしかないと思います。  テレビというのはなかなか見られないので、インターネットはそれでいいですが、具体 的に文字で説明するなら新聞に広告を出すしかないと思います。 ○相川班員 現場からお話をしますと、こういうカードに、名前とか、「妻」とか、具体的 に書いておいてくれたほうが、現場では非常に楽です。口頭でというのは難しいことがあ って、できればこのようなカードに記載するか、いまwebで臓器移植ネットワークに登録 になっているので、ご親族の方、連れ合いの方、息子、娘が臓器移植で待機しているとい う方であれば、まずwebにその旨を登録していただくのがいいと思います。 ○大久保班員 臓器移植の法律的な縛り、こうでなければ駄目だというのはかなり厳しい ものが出てくると思います。インターネットの登録では絶対に無理だと思います。書いた ものでないと通らないと思います。 ○小野班員 もう1つ現場からお願いがあります。家族への提供となると、我々の救急の 話からすると、現場で、お母さんは、お父さんの腎臓は私の長男にやる、次男にやると、 そのようなことをやられると困るので、できたらきちんと自分で記載したもの、きちんと した意思がないと、我々は困ってしまうのです。逆にそういうものは提供できない形にな るかもしれません。 ○岩田班員 現場でコーディネーションをしている立場でお話をさせていただきます。そ のような意思のある方はよくいらっしゃいます。特に透析を受けている患者が増えている 事情もあるかと思うのですが、稀にカードを持って来られて、そこに自由意思でいろいろ なことを書かれています。例えば「若い人に提供したい」「自分の妻にあげたい」といった カードもありました。そうしたときに、決まったフォームでないがために、解釈の仕方で、 これはこの提供に至らない場合は提供しないという意味なのか、どうなのだろうと、非常 に迷うケースもありました。理想で言うと、親族への優先提供に関しては、きちんと有効 な表示方法を決めていただいて、それを登録をして、かつ登録しただけでは意味がないの で、それをいまの登録制と同じように自宅に送っていただいて、そこでサインをして署名 をする形式でスタートするのも、1つなのかなと思います。いちばん懸念しているのは、 いろいろなことを書かれたカードが現場に出てきたときの対応で、おそらく混乱が出るの かなと思いました。 ○雁瀬班員 表示内容はもう1つの作業班できちんと決めていただかないと、コーディネ ーターも大変迷うという思いがあります。いまのインターネットによる意思登録というの は、インターネットを使う人しか登録ができないのです。私たちが電話対応をしていると、 携帯も持っているけれども通話しかできない。細かい作業ができないから、どうにかこの 電話であなたから登録しておいてほしいというのもあるのですが、それはご本人による登 録が必要だということで、ルール上できないことになっています。それによって、皆さん が持っている権利が平等でなくなるかもしれないことが1つの心配です。  もう1つは、今回の法律で、親族優先の提供の意思表示は臓器を提供する意思表示に書 き添えるということになっているので、現在のカードの1番とか2番の横に、親族優先の 意思を書き添える。書き添え方はほかのところで決めていただくのですが、そういうこと ですので、意思表示カードはいま以上に必要になってくるのかと思います。 ○篠崎班長 議論を聞いていると私も簡単な項目だけではないと思います。そういったも のを文書なり何なりで見えるようにする形が、まず1つです。それがいちばん大きな内容 だと思います。新聞に出すなどいろいろありますが、国民に広く周知していただける方法 についても、議論をある程度進めたいと思います。  もう1つは、現場での意思表示にかかわるところがあって、それはカードなり何なりの 在り方です。カードに何十行も書いてありますし、いまでも私は読めません。これ以上行 数を増やすことは不可能だと思います。ですから、そこに簡便な形での意思表示方法を付 けることは、本当に考えなければいけません。  私がイントロに言ったことに戻すと、現状にあるカードをどうするかという議論が1つ です。あとは、興味はあるけれども積極的にカードを持っていない方は、国民にかなりい ます。逆に、ノーの意思表示もあるので、その辺を分けて考えていただいて、現状でカー ドを持っている人、あるいはこれからカードを持つ可能性のある方という場合の、カード での意思表示をどうするかが1つです。もう1つが内容に関してです。みんなに知っても らうためのある程度の文書をどうするか。3つ目として、先ほども出たように、インター ネットを使えない方がいますので、それは現状でも同じだと思うのですが、そういった方 に、カード自身あるいは意思表示自身のアクセサビリティをどう高めるかです。登録する のでも、例えば先ほどのネットワークに電話で掛かってきて、コンューターが使えないと いうのがあります。私が思い出したのは、アメリカ入国に登録しないといけなくなって、 ビザのほかにも必要ですとなったときも、多くの海外旅行者は自分ではコンピューターは 使えないということで、それの代行をやっています。それは家族が代行したときにどうす るのかというのはありますが、誰でも代行できるというのはまずいと思います。例えばネ ットワークのコーディネーターあるいはあっせん業の資格を持っている人であればやれる とか、ある程度のルール化は必要になるかもしれません。  ただ、もう1回話を戻しますが、いまは親族の優先提供に関するところで、そこにフォ ーカスを絞って考えます。できれば現状でのカードをどうするか。あとはいろいろな条項 なりが出たときの文書を、皆さんにどのように開示していくかの普及啓発の部分と、コン ピューターにアクセスできない人について考えていただいて、議論を進めていただければ と思います。いかがでしょうか。 ○岩田班員 いまあるカードの中で、外国のカードで、よく「Yes」「No」とあったりしますが、 ご家族と臓器提供の説明をしたときに、臓器ごとにイメージを持っていて、例えば心臓は 魂が宿るから嫌だけれども、腎臓はいいですとか、眼球は三途の川が見えなくなるからと か、日本の方はそういったイメージを持たれているという感じがあります。そういった意 味と、そういった大きな括りは無理だろうということで、せっかく普及しているので、い まの現状のまま続けていただきたいと思います。  優先提供に関しては、ある程度特化してもいいと思っているのですが、いまのカードに それを追加して配ってしまうと、スペースの問題もあって小さくなるのもそうなのですが、 概ね移植待機者の患者が現地にいるのはごくわずかだと思うのです。そんな中でそれを広 く普及してしまうと、例えば親族への優先提供を希望しますという項目があると、概ね関 係のない方々も、まずそれはチェックされると思います。そうなると、現場で、それぞれ の親族の方にそういった方はいないのかといった確認も、非常に煩雑になってくると思い ます。  例えば点字用のカードが必要な方はネットワークに電話をして取り寄せたり、英文は取 り寄せたりと、それは専用のカードがあると思うのですが、例えば親族優先をしたい人に は、そういうカードができたということで、そういうことで新しく作ってもいいと思いま す。それを新聞や既存の啓発媒体で紹介していくのもいいかなと思いました。 ○峯村室長 すでに臓器提供の意思をお持ちの方等も含めて、そういった方々に既存の媒 体を使ってどのようなやり方をするのか。また、webなど、より広い媒体を使って、どの ような内容を行っていくのか。その中で、ネットワークへのアクセスができない人への取 組みはどうするのかという議論がありました。  資料4で、既存の枠組み、特にカードということもあるのですが、普及啓発ということ で、カードと併せて手段として考えられるもの、その際の内容をどのように考えたらいい のかをまとめたものを付けていますので、補足的に説明します。  目的としては、先ほど班長からありましたとおり、1月17日から親族への優先提供の規 定が施行されます。これは法律の規定にあるとおり、従前の臓器提供の意思表示に併せて、 優先提供の意思を表示することができるとなっています。それに対して、どのような、効 果的な普及啓発活動を行うのか。内容と手段を検討する必要があると考えています。  対象としては、先ほど話が出たとおり、すでに意思表示カードを持っていて、既存のカ ードに書き込んでいただくという表示の仕方のところと、このように内容が変わっていく ということを、その人たちに、短期間にどのように啓発をしていくかは検討する必要があ ります。  普及啓発の盛り込む情報としては、カードの内容と併せて、webにしろインフォメーシ ョンとして流すにしろ、最低限必要な事項として、どのようなものを挙げられるか。平成 21年1月17日の優先提供の施行期日はきちんと教えないといけないと考えています。そ れから優先提供ということが新たに盛り込まれたという、法律に記載されている事項につ いてもお示しします。親族の範囲、意思表示の方法もお示ししないといけないのですが、 これについては別の班の検討内容も見て、それを踏まえつつ内容が固まってからお示しす る形になると思います。どのような範囲の方が、どのような意思表示をすることが有効な のかをお示しします。  留意点ということでは、制度に関して誤解なく、手続的に瑕疵のないようにするために、 細かい話も少し書き添えなくてはいけません。例えば確認にはこのような書類が必要だ、 このようなものが求められるということです。もう1つ例として書いていますが、優先提 供として示された親族は、事前に患者としての登録が必要だといった、紙に書けばそれで 済むという誤解を解いておかなければいけないということも含めて、示さないといけない と考えています。  手段については、先ほど有意義な議論もありましたが、印刷していくのも必要はあると 思うのですが、より短期間に広く国民に対して、どういった手段で行うのが望ましいか。 HPという話もありました。案として書いているのは、ネットワークのHPを活用します。 この中に意思登録のシステムも含めて位置づけています。そのほか、ポスター、パンフレ ット、リーフレットも、印刷物ということで少し時間がかかりますが、こういった媒体も 既存媒体として考えられます。  ジャグラビジョンがあるわけですが、運転免許試験場で、運転免許の学校に来られる方 は若い世代が多いわけですが、そういった層を狙っての広報の仕組みを活用します。それ から、先ほど大久保班員からお話がありましたが、新聞広告を打つ手段もあります。過去 に用いた手段としては、CMあるいはフューチャービジョンです。フューチャービジョンと いうのは、空港の待合室にテレビが置いてあって、そこに広報の内容を示すもので、これ を活用した例があります。年末、年始の移動時期ということを考えて、そういった媒体も 考えられます。シール、ステッカーのようなものも併せて使ってみることも、案として載 せています。  内容との関係で、短期間のうち、どのような手段をどのような組合せでやるのがいいか について、ご意見をいただければと考えています。 ○篠崎班長 前半でお話をしたように、項目に関してはある程度別の班で内容が決まりま す。その中で、これだけは確実に伝えておくべきこと、例えば親族の範囲です。一般に知 らない方は、一族郎党を親族だと思う方もいるでしょうし、そこは何親等とか決まった場 合に、それは熟知していただく必要があります。いまの厚生労働省からの説明にあったよ うに、提供される側、移植を受ける方との関係、その方がどのような状態、待機患者とし て登録されていなければ載ってくるはずもないです。登録されていても、医学的に移植で きない場合もご理解いただかなければいけません。そういったことは項目が決まれば決ま ります。いま言っただけでも、1枚のカードには書ききれない内容になるので、その辺の 媒体をどうするかのほうが心配だと思います。いかがでしょうか。  2つ必要だということは、現状のカードをどうするのかということと、皆さんに知って いただく。それをある程度の媒体を使わざるを得ないのか。すべての国民が見るものとい うのはなかなかないでしょうから、効果的かつ時間的、予算のこともありますので、その 辺で現実的なところからスタートし、いちばん重要な親族優先についてこの法律で初めに スタートする部分ですので、ここでの国民の誤解あるいは勘違いで提供できないとなって、 心を痛められる事件のないように、可能な限り告知すべきだと思うので、メディアの協力 も重要だと思いますが、現実的に自分たちでできるものを見つけていく作業が重要だと思 います。ほかにご意見はありますか。 ○大久保班員 来年の7月17日から新しいカードを作らなければいけないから、それまで の半年間だけ別のカードを作るというのは、非現実的な問題なので、いまのカードはとり あえずそのままで、その別に考えるほうが早いと思います。  親族の優先提供も書き込めるようなカードを作るかの議論は先でもいいかなと思います。 いまのカードで、どれを加えればできるかの話を具体的にしておいたほうがいいと思いま す。 ○小野班員 カードをお持ちの患者がいて、その中で親族に上げたいとなると、提供する ことと、臓器を親族に移したいという2つの意思を示すことになります。これは現場の医 師からすると、結構大変な話なのです。それで、医師への普及啓発をきちんとしていただ きたいのです。これは国民に対する普及啓発の中身は非常にいいと思うのですが、結局こ れを先に取り上げるのは現場の医師で、職員なのです。そこにきちんとした医学教育なり、 普及啓発をしておかないと、かなりの混乱が生じると思います。 ○大久保班員 詳しいパンフレットが必要です。 ○峯村室長 貴重なご意見をありがとうございます。資料4は国民一般に対する普及啓発 を念頭に置いたものになっていますが、医療機関なりに対してどのようなやり方で普及啓 発をするかということも当然あります。説明会がいいのか、webでやるのか。医療関係者 に対してはどのようなやり方が望ましいのかという意見もお聞かせいただければ、ありが たいと思います。 ○小野班員 いま思いつくだけでもいろいろあります。例えば救急医学会、脳神経医学会、 集中治療学会、医師会、諸々の機関団体があります。1月からやるのであれば、早々に医 師に向けての強いメッセージを与えなければならないと思います。webでもそうですが、 今度は子ども臓器提供も入ってくるので、私は大変なことになると考えています。  これから法律が進むと思いますが、医師が臓器提供のカードを持っている、持っていな い、きちんと臓器提供の意思があるかどうかに注視する、医師としてきちんと患者への担 保をしなければならないと考えています。 ○篠崎班長 個々の医療機関での普及啓発という、医学的なところもありますが、一般論 で言わせていただいて、科学研究事業の中でもそうですが、いままで救急の方が臓器提供 を行うことは、従来の医療の認識ではお持ちでなかったのです。それがいろいろ研究して、 啓発していくことによって、ここで自分たちが動かなければ、臓器移植を待っている患者 までいかない。しかも、国民で希望されている方がいて、その意思を活かすのだという概 念に変わっていただくというのは、非常に時間のかかった作業です。  これはあくまでも研究事業で、数病院を対象に、各都道府県でということをやったもの ですから、ここでこの法律が変わると同時に、皆さんにそれを大きく普及啓発することは 大事だと思います。  特に小野班員からあったように、救急の現場というと、そこの先生方がアクセスするよ うなものというのは、ある程度限られてくるし、ある程度専門性があるので、その点につ いては、学会の開催日等もあるでしょうし、これが1月までにどこまでできるかは別とし て、その辺も皆さんでご議論いただきながら、法律がスタートするのは決まっていますの で、できる範囲でベストを尽くす以外にありません。その間にできるものでベストを尽く す。従前から申し上げているような、特に医療関係者の部分と、国民への普及啓発を分け て、いままでのディスカッションは次回までに事務局がまとめて、直して、上げてくれま すので、何か追加の発言がありましたらお願いします。 ○石川班員 私は臓器移植に関して専門的な知識はなく、専門はコミュニケーションのほ うですが、そちらの観点から、いまの議論をお聞きした感想を申し上げます。国民に周知 というのは簡単に言いますが、絶対に難しいのです。関心のある人にしか情報は届きませ ん。いくら新聞に載せても、関心のない人は読みません。関心のある人には確実に届ける のが、まず第一の課題だと考えます。  それから、ここに啓発内容の案がありますが、誤解をされたら困るという話がありまし た。つまり、親族優先とは何なのか、この点に関して誤解のない基本的なメッセージとい うか、コピーライティングを確定しなければいけません。それをどう広報するかというと、 最終的にはかなり丁寧な資料が必要になると思います。一般的にその役割をになっている のが、インターネットだと思います。紙の媒体は、配るのが大変ですから、結局非常にお 金がかかるし、ロスが多い。ですから、インターネットという資産を持っているのであれ ば、最終的にはそこがホームになると思います。インターネットにアクセスできない人に 対しては、プリントしたものをお送りするか、請求があればそれを渡せるようにする。ま ず情報を届けるのが第一だとすれば、きちんとした印刷物でなくても、カラーコピーでも いいような気がするのです。  どうやって告知するのかとなると、新聞などの多くの人が見ている媒体を、使う必要が あるのでしょうけれども、これはお金の問題などが出てきますから、いまポスターが貼っ てあるのでしたら、そこにシールを貼るなり、すでに登録している人にはメールを送るな り、既存の媒体で使えるものをフル活用するのがまず最低限やることだと思うのです。あ とは予算との兼ね合いだと思います。  告知をして、お知らせをするという2段階があり、告知がそのまま情報提供ではなく、 お知らせをするというのは、「これを見てください」というインターネット上の情報への誘 導だと思うのです。インターネットのない方には情報請求に対して差し上げる形になると 思います。情報提供上の課題としては、誤解を防ぐことが、いまのところ大事なのかなと いうのが、私の感想です。 ○篠崎班長 非常に重要なポイントだと思います。とにかく誤解を防ぐ。書き方にもよる のだと思いますが、何行もたくさん書いてしまったり、出だしの意思表示カードもそうな のですが、番号のところに丸を付ける作業と、提供をする・しないのところで書く作業と 2つに分かれていて、片方を落とす方は意外と多いという報告を聞いたことがあるので、 それで成立しなかったというのがあるのです。それは本来の本人の意思は大体常識の範囲 で見るとわかるわけですが、記載漏れという形で扱われるというのは、あってはならない、 あるべきでない現状があったと思います。特に、提供したくないという「ノー」の意見を 明確にするのは大事だと思うのですが、「イエス」がおろそかにされた部分が少なからずあ ったのかなという気がするので、その辺でも今回は特に複雑な問題がそこに加わってきま すから、誤解のない内容は大切です。  いま一生懸命やっていたのは、現状でのカードに追加する場合に、追加できる場所はあ るのでしょうか。裏側を利用しているものはあるのでしょうか。 ○大久保班員 表側に書いても構わないです。ただ、さっき言ったように健康保険です。 協会けんぽが3,800万枚いっていて、これは裏しかないのです。こちら側しかないので、 そういったところに記載を考えなければ。これだったら、こちらに書いても構わないわけ です。協会けんぽのようなものになってくると、また違います。 ○相川班員 本人の署名と家族の署名のところで、これは私のものですが、このように長 い名前の人はあまりいないと思うので、そこにも書けないことはないかなと思います。 ○石川班員 必ずしも現場でカードを持っている方ばかりではないというお話でした。来 年7月に施行される内容も踏まえて、カードの在り方は大きな問題になるでしょうが、現 段階ではカードに関しては暫定的だということです。これを1月に施行される親族優先に 関して、利用できるかできないかの議論の中でもしできるのであれば、スペースはあるの かという議論をしているのだと思うのですが、大前提としてカードありきで考えなくても いいのではないでしょうか。いちばん明確にしなければならないのは、親族優先に関する 意思表示の方法とはどのようなものなのか。意思表示の方法にカードが必須だということ になったら、大議論になると思うのですが、必ずしも必須ではないですよね。 ○大久保班員 来年の7月17日までは、とりあえずこれに提供を書いて、なおかつ優先提 供がないと提供はできません。来年の7月17日を過ぎれば、提供するか、しないかについ ては、カードがなくてもできるようになりますが、今度の委員会で、書いたものがないと 家族優先はできなくなると思うのです。だから7月17日と、その以後は少し違ってくるの で、とりあえず7月17日まではこのカードは完全に生きていますから、その辺で議論は両 方併せて考えないといけないと思います。 ○相川班員 意思表示というのは口頭では駄目ですから、いまのところはこのカードと遺 書しかないですよね。 ○小野班員 いつも思うのは、保険証の番号はセキュリティのある番号で、その情報が医 療者側にわかると、本当にそのときはわかりやすいのです。これを我々が探すのは大変な のです。だけどこれを持っている人は本当に少なくて。 ○相川班員 問題なのは、心停止下の提供の場合は、カードがなくても提供はできますか ら、腎臓に関しては考えなければいけません。 ○大久保班員 でも、優先提供するという意思表示が文書でなければ絶対に駄目です。 ○相川班員 おそらく非常に混乱します。 ○大久保班員 今回のガイドラインでは絶対に認めないと思います。 ○相川班員 もう1つは、親族の方が登録しているのが絶対条件です。 ○大久保班員 おそらく書いたものがないと駄目だというガイドラインになるとは思いま す。 ○相川班員 いちばん効率がいいのは、登録している患者の家族に出すのがいいのですが、 それだとかなり問題があると思うのです。というのは、本来臓器提供というのは本人意思 の問題であって、こちらから「どうですか」と登録した人だけに出すというのは、問題が あるのではないかと思います。効率はいいと思うのですが。 ○小野班員 あとは4類型の問題がありますね。心臓を自分の息子に提供したい場合、4 類型に行かなかったらできないという現状は、とても大変な作業です。 ○長岡補佐 いまのご議論ですが、まず親族の範囲については、親族というと非常に広い 範囲になるので、ガイドラインで何らかの縛りをかける必要があるということで議論をし ています。ここは法律家の議論を待っていただきたいと思います。  そのほかの事項については、普及啓発全般については、特にどういった形で情報を出し ていくかが中心になるので、その方法論については、特にパブリックコメント事項という ことはないのです。そこの議論はどんどん今後もしていただきたいと思います。  もう1つは、小野班員からありましたこが、親族優先提供は家族はできないということ です。家族が親族優先提供の意思を表示することはできないということですので、そこは 先ほどのご指摘で、例えばそういった点は周知啓発に入れたほうがいいとなれば、考えた いと思います。  また、先ほど相川班員からご指摘のあった心停止下についてですが、現行の法律では、 ご遺族の承諾のみでできるという旧角腎法の規定が有効で、それが残っているので、その 場合にはドナーカードなしでも、病院がご遺族にお話をして、摘出に至ることはいまも何 件かあると思います。 ○篠崎班長 来年1月17日以降、心停止下でのいわゆる献腎と呼ばれますが、臓器提供で は優先提供のことが先にスタートして、7月17日に全体の法律が変わるので、そのタイム ラグがいちばんの問題です。最初の大きな議論というのは、来年7月以降すべてが新しい 法律に変わったときということでいいと思うのです。細かい話で申し訳ないのですが、そ こまでの2つのphaseということでお話をさせていただいて、その内容並びに媒体につい て議論をいただくということです。 ○長岡補佐 もう1点、先ほど石川班員からお話のあった「正確な知識を」ということで すが、ある程度まとまったものということになると、先ほど来の大体のスケジュール感と いうことでご指摘は出ていたと思いますが、先ほどの親族の範囲も含めてとなると、パブ リックコメント以降の12月に入ってからというのが、現在の正直なスケジュール感です。 その時点で、すべての情報を誤りなく、どこかの場所ですべて出ているということでは、 どのような形がいいか。先ほど石川班員からは、HPがいちばんいいという話でしたが、そ の点についてもご議論をいただければと思います。 ○大久保班員 パブリックコメントを求めるのが12月の初め頃になるのか、もう少し前に なるのでしょうか。そのときにはパブリックコメントに出す内容が決まっているわけで、 それから大きくは変わらないと思うので、そこで考えられると思うのです。もう1つの班 の結論が出るのが、11月末の予定をされているのですか。 ○篠崎班長 でも、臓器移植委員会が終らないと駄目ですから、それが終わって、そこで パブリックコメントに出すのが決まった段階が。 ○大久保班員 11月30日でしたか、その辺りに。 ○峯村室長 まだ日程は確定していませんが、11月半ばくらいから12月半ばくらいまで かけていくのではないかと思っています。 ○大久保班員 11月中頃に決まるのだったら、こちらは。 ○篠崎班長 ただ、議論はどんどん進めたほうがいいので、媒体等については進めたいと 思います。今日は第1回目ということで、広範なご議論並びにいろいろな角度、現場から お話をいただきました。今日はこの程度にさせていただきまして、次回以降、事務局に出 たものをまとめていただいて、制度の方向が見え次第、どんどんこの班でも啓発の方向、 特に親族優先提供にかかわる内容、方法について、具体的に決めていけると思うので、や っていきたいと思います。事務局は今日の議論をまとめて、ご意見を踏まえた上で、案を 1回作っていただいて、たたき台として検討したいと思いますので、よろしくお願いしま す。事務局から次回の日程をお願いします。 ○峯村室長 次回以降の日程については、各位の日程を調整させていただき、決まり次第 ご連絡を差し上げますので、よろしくお願いします。 ○篠崎班長 今日はありがとうございました。 【照会先】  厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室  代表 : 03(5253)1111  内線 : 2366 ・ 2365