09/09/30 第16回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第16回)議事録                日時:平成21年9月30日(水) 16:00 〜 18:30                場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 それでは、時間になりましたので、ただいまから、第16回になり ますが、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委 員会」を始めさせていただきます。  夏もありまして、ちょっと時間が空きましたけれども、よろしくお願いいた します。お忙しい中、御出席ありがとうございます。 今日は、公務御多忙の中、新たに着任されました長妻厚生労働大臣、山井厚 生労働大臣政務官、そして後ほど足立政務官に御出席いただくことになってお ります。  まず大臣の方から一言ごあいさつをお願いいたします。 ○長妻厚生労働大臣 皆様、こんにちは。私、このたび厚生労働大臣を拝命し ましたて長妻昭でございます。  本当に皆様方に感謝を申し上げるのは、お知恵をいただいて、そして日本の 国のため、あるいは国民の皆さんのため、患者さんのため、よりよい体制を築 き上げていくということで、オールジャパンで取組まなければいけない課題が 山積している中、勿論、私一人の力では微々たるものでございますので、多く の方の専門的なお知恵、あるいは現場を踏まえた御意見、課題、あるいは厚生 労働行政に対して歯に衣着せぬ御批判もどんどんいただく。そのことが、国民 の皆様方の生活も向上させ、医療レベルも上げ、薬害が起こらない社会をつく る道だと考えております。  今日は、本当に感慨深いのは、初めてごあいさつさせていただくということ と、福田衣里子さんがバッヂを付けて福田代議士に御就任され、国会の場で も、体制の整備、法案等々、取組むべき仕事が山積しておりますので、福田衣 里子さんともども、我々も全力を尽くして取り組んでまいりたい。厚生労働行 政に対しても、厳しい御指摘をいただくことが我々にとってありがたいことだ と心得ておりますので、今後とも御指導賜りますようお願い申し上げます。  大臣ごあいさつメモというのをせっかく事務方がつくっていただいたのです が、全く読まなかったので申しわけないです。メモとは違うことでございます けれども、是非皆様方の今後ともの御指導を伏してお願いいたしまして、私の 冒頭のごあいさつといたします。  どうもありがとうございます。 (拍手) ○寺野座長 どうもありがとうございました。  それでは、次に山井政務官、一言お願いいたします。 ○山井政務官 皆さん、こんにちは。このたび厚生労働大臣政務官に就任させ ていただきました山井和則です。  まず、何よりもこの検討会で薬害肝炎の再発防止・検証というものに対して、 また医薬品行政について日々検討を加えてくださっておりますことに心より敬 意を表したいと思っております。  私も、この薬害肝炎の問題にはずっと取組まさせていただいておりましたけ れども、1つ言えるのは、このたび政権交代ということが起こりましたが、そ の引き金の一つになったのが、私は実はこの薬害肝炎問題であったのではない だろうか。本来、国は国民の命を守るために存在する。にもかかわらず、国が 十分に国民の命を守れなかったのではないか。これは、勿論、薬害肝炎の患者 さん、被害者の方々の怒り、不安のみならず、国民の中に厚生労働省、厚生労 働行政は本当に国民の命を守ってくれるのだろうかという疑念を生じさせたの が、この薬害肝炎問題であったと思います。  薬害エイズという悲惨な出来事があったにもかかわらず、また薬害肝炎が起 こってしまった。また、その過程で隠ぺい等の問題もあったのではないか。本 当に重たい課題でありますが、その意味ではこの検討委員会で厚生労働省が、 まさに国民の命を先頭に立って守ってくれる、すばらしい国民にとって一番安 心の礎となる役所であること示していかねばならないと思います。そういう意 味では、まさに厚生労働行政にとって、この検討委員会というのは、私は最も 大切な信頼回復のための委員会だと思っております。その委員会に多くの方々 が御尽力くださっておりますことに、改めて御礼申し上げたいと思います。  また、残念ながら忘れてはなりませんのは、薬害肝炎の問題はまだまだ全く 解決しておりません。救済されていない被害者の方々、まだ自分の感染に気付 いておられない方々、あるいは感染に気づきながらもがん発症の恐怖に恐れお ののきながら暮らしておられる方々、また感染したことによって、例えば就職 でも差別を受けて、この仕事につきたいのに肝炎だというだけの理由で人生を 台無しにされようとしている方々が多くおられます。30万人の方々がフィブリ ノゲンを打たれたということですが、そのうち自分が打たれたことを告知され ている人は、まだ1万人にも満たない。  その意味では、薬害肝炎の問題、これからがまさに真相究明、そして救済の 本番であると思っておりますし、また薬害肝炎の原告の方々におかれましても、 薬害肝炎のみならず、300万人にも及ぶ肝炎の患者の方々の支援のために闘 われたのが、本日も原告代表の方々、そして御遺族の方がおられますが、その 思いであると思っております。  まさに300万人にも及び、1日120人が亡くなっておられるという肝炎 患者の方々の今後の幸せのために、委員の方々のこれからの御尽力を心よりお 願い申し上げますとともに、私自身も政府の1人として、皆さんの御指導のも とに働かせていただきたいと思います。どうか皆さん、よろしくお願いいたし ます。  ありがとうございます。  (拍手) ○寺野座長 山井政務官、ありがとうございます。  ちょっと遅れて足立政務官、いらっしゃいましたので、ごあいさつをよろし くお願いいたします。 ○足立政務官 皆さん、こんにちは。簡単に自己紹介させていただきます。御 案内の方もいらっしゃるかもしれません。  私は、医師になって3年目から、自分の専門の研究分野が肝がんに対する治 療でございまして、89年に学位論文をとったのも肝がんに対する治療です。 実際に手術もしておりましたし、止血剤という分類では違うのかもしれません が、フィブリノゲン製剤に関する使用の経験も勿論ございます。そういった面 で、これは自分自身にとって私は切り離せない問題であるという認識を強く持 っております。  その中で、原因が各地裁判決も判断がいろいろ違う中で、国としてはどうい う態度をとるべきなのかというのが、まさに今、我々に問われているところだ と思っておりますので、自分自身の経験と照らし合わせながら、また多くの方 々の意見をお伺いして、国としての対応をしっかり決めていきたい。その一員 になれればという思いでここに来させていただきました。  どうかよろしくお願いします。 (拍手) ○寺野座長 どうもありがとうございました。大臣とお二人の政務官から心強 い言葉をいただきましたが、公務のために途中退出されるということでので、 御承知おきください。  意見よろしいですか。 ○長妻厚生労働大臣 どうぞ。 ○寺野座長 では、坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 薬害肝炎原告の坂田です。今後ともよろしくお願いします。  この委員会に対しての決意表明、そして以前、舛添大臣はちゃんと新大臣に 引き継ぐということを言われていたのですけれども、そこら辺をちょっとお聞 かせいただけますでしょうか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○長妻厚生労働大臣 引き継ぎでございますけれども、引き継ぎ書類というも のをいただいて、かなり大きな項目、この案件も勿論引き継ぎをさせていただ いております。  この委員会は、薬害肝炎事件を契機に設置されたということで、昨年5月と 聞いておりまして、これまで感染された方や遺族の方々に苦痛を強いてきてい るということで、我々といたしましても皆様方が本当に御理解いただくような 仕組み、あるいは体制というのをつくりたいと考えておりまして、その中で皆 様方の御議論を我々、よくお聞きして、そして国会に法律を提出していく、そ して予算を付けていく。そして、二度と薬害が起こらないような体制も整備し ていく。 そして、厚生労働行政が今まで書類やデータを速やかに公表しない、皆様に 連絡しない。それによって、皆様に対する重大な裏切りのようなことが今まで 起こったのではないかという認識を持っておりますので、省内の体制も含めて 徹底的に見直していきたいという決意を持って臨んでいるところでございます ので、今までの経緯の議事録なども拝見させていただいておりますけれども、 今後とも御指導をいただきたいと認識しているところであります。 ○寺野座長 ありがとうございます。そのほか、泉委員。 ○泉委員 薬害肝炎事件の遺族委員であります泉と申します。  舛添大臣が最後のときに、大臣、引き継ぎをちゃんとしてくださいますねと 申し上げましたが、ちゃんとしますと言ってくださって、今、長妻大臣のお話 を聞き、そして政務官のお話を聞き、安堵はしましたけれども、この委員会は ずっとこれから永遠に続くわけではありませんので、この機会にやらなければ いけないことは大体定めております。  私たちは、肝炎だけではなくて、薬害をなくすための制度をつくろうとして いますので、第三者機関と言っていますが、私たちはそれに向かっていきます ので、厚労省の方も、大臣の方も私たちに協力していただいて、薬害がなくな るような仕組みをこの国からつくりたいと思いますので、よろしく御協力をお 願いいたします。 ○寺野座長 では、よろしいですね。 (「はい」と声あり) ○寺野座長 それでは、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願 いします。 (大臣、政務官退出) ○寺野座長 それでは、ただいまから会議に入りますが、まず開会に当たりま して資料の確認をお願いいたします。 ○医薬品副作用被害対策室長 今日、お手元にお配りしております資料は、議 事次第と座席票と名簿をお配りしておりますけれども、そのほかに右肩に資料 ナンバーの付けてある資料が資料1から資料8までございます。  水口委員から、今日の配付資料として2種類ありますので、これもあわせて お配りしております。  今日の資料の中で、資料8が、後でも時間があれば御紹介しますけれども、 本委員会でいただきました第一次提言に対して、パブリックコメントとして寄 せられた資料をまとめております。出された時期がちょっと前のものもござい ますけれども、今回まとめてお配りさせていただいております。これからは、 委員会の都度、そのときまでに寄せられたパブリックコメントを同じような形 で配付させていただきたいと思います。  それから、今日お配りしている資料は、これまでの委員会での各委員からの 意見なり宿題なりを受けて作成したものが含まれておりますけれども、前回い ただいている宿題の中で外国の状況、特にペティションについてどうなってい るかという宿題もいただいているのですが、これについては外国の情報を在外 公館を通じて収集中ですので、まだ作業中でございます。まとまりましたら、 次回に提出させていただきたいと思います。  資料は以上のような形になっていますので、足りないところがあれば御一報 いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○寺野座長 資料はよろしいですね。確認してください。  本日は、18時半までということで2時間半でございますけれども、4つの議 題がございます。  第1に、厚労省から第一次提言を受けた取組み、検討状況について説明を聞 いた上で御討議いただくということ。  第2番目に、再発防止対策のうちで、医薬品行政の監視・評価機関、いわゆ る第三者的組織に関する討議をしていただくこと。  それから、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、前回に引き続きまし て説明を伺った上で御討議いただくこと。  そして、堀内研究班の進捗状況を伺った上で、今後の議論の進め方とあわせ て意見を交換したいということであります。  この4つの議題がありまして、大変盛りだくさんになっていますので、議事 進行に御協力いただきたいと思います。6時半には終わりたいと思っておりま すので、御承知おきください。  では最初に、議題1、「第一次提言を受けた取組・検討状況等」に入りたい と思います。前回、宿題となっておりました事項を含めまして、事務局から資 料の説明を受けた上で御議論をお願いいたします。では、事務局、お願いいた します。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。初めに、資料説明ということで、 資料1から始めさせていただきます。  資料1は「第一次提言に関する対応状況」でございまして、前回の15回の会 合で比較的簡略なもので説明させていただきましたけれども、その後、冒頭に 書いてございますけれども、「本資料において平成22年度概算要求とされた部 分は、8月31日時点での予算に係る考え方を示したものである」という注釈は 付いてございますけれども、その後の予算要求等の状況も踏まえながら、内容 について現時点で現在の状況、そして今後の予定について可能な限りの、少し 詳しい記載ということで対応させていただきました資料でございます。  本編については、案の段階のものを委員の先生方には事前にお送りしており ますので、個々具体的な項目に関しての説明については割愛させていただきた いと思っておりますが、項目番号を各事項について全部付けさせていただいて おりまして、1ページ目の1番、医薬品行政に携わる者に求められる基本精神 及び法の見直しから、おのおの審査に関する部分、認証試験に関する部分、添 付文書、その他安全対策として、報告、監視、輸入。そして、最後、医療機関 での措置、企業に求められる精神まで、全体で88項目、各項目ごとに細分化い たしまして、それぞれ項目に対応した形での措置状況を記載させていただきま して、それに対する予定を書かせていただいているものでございます。  この資料1を作成するに当たりまして、事前に資料をお送りした段階での御 意見等もございまして、本日、可能な限りの対応ということで、資料1の27ペ ージ以降、手書きでページ番号が書かれてございますけれども、この資料1の 前段の部分で現在の措置状況の中で記載されている事項について、実際、今後 対応を検討するとか研究するという形で記載されておりますような研究班の課 題名とか研究の概要、研究機関について整理させていただいております。  関連する項目番号を右側に付けさせていただきまして、各項目の対応がわか るような形で28ページまで記載させていただいております。  29ページは、研究班とは性格が違いますけれども、例えば医薬品の安全対策 に関する医療関係データベースの懇談会等、検討会に関する現在の概要につい て記載させていただいております。  検討会関係の資料は、その後ろに開催要綱とか構成員の資料もあわせて本日 提出させていただいておりますので、議論の御参考にしていただければと思い ます。  また、この資料1につきましても、本日まで意見をいただいておりますので、 またこの後御議論いただければと思いますし、内容的には医薬品医療機器総合 機構に関わる進捗状況の部分は、この後、議題3の「医薬品医療機器総合機構 の取組等」の中でも一部紹介されるかと思いますので、よろしくお願いいたし ます。  以上でございます。 ○審査管理課長 続きまして、資料2の「医薬品開発と承認審査の現状」につ いて御説明させていただきたいと思います。  1枚目でございますけれども、現状を簡単にまとめたものでございます。例 えば、低分子医薬から、現在では抗体、核酸、再生医療、ワクチンなどの生物 学的なものへの流れがあるということでございまして、ここに書いてあるとお りでございます。  1枚おめくりいただきますと、欧米と日本の医薬品の上市場状況についての 説明でございます。これは2004年の世界におけます売り上げ上位100製 品の中から、同一成分の重複等を除きました88製品のうち、例えば日本で商 品販売されているものについて、ほかの国で最初に承認されたときとの差を平 均値で求めたものでございます。アメリカですと500日くらい、日本ですと 1,400日くらいということで、この差が900日くらいあるわけでござい ますけれども、これがドラッグ・ラグ2.5年と言われているものでございま す。  3ページをごらんください。2ページは2004年の状況でございましたけ れども、3ページでは2007年の世界売り上げ上位100品目につきまして、 それがどのような状況になったかということを御説明させていただく資料でご ざいます。2007年では、100品目のうち、重複等を除きますと90品目 ございまして、そのうち69品目が承認済みで、21品目が未承認の状況でご ざいました。  2009年、現状が右の方のグラフでございます。5品目が承認されて、1 0品目が未承認であるのですけれども、同種同効薬がある状況でございます。 残り6品目が未承認の状況でございます。  1枚おめくりいただきまして、4ページ目でございますが、これが国内での 未承認の内訳でございます。2の「その他(6品目)」の方をごらんいただき たいと思いますが、肺炎球菌ワクチンにつきましては、昨日の薬事分科会で答 申をいただいております。それから、ヒトパピローマウイルスワクチンでござ いますけれども、この品目とは異なりますけれども、同種同効品につきまして、 昨日の薬事審議会で答申をいただいているところでございます。残り4品目の うち2品目は審査中、それから残り2品目が開発中という状況になってござい ます。  このような未承認薬の問題でございますけれども、5ページ目をごらんくだ さい。欧米諸国で承認されているけれども、国内では未承認の医薬品の使用機 会、安全性確保を図る目的といたしまして未承認薬使用問題検討会議を平成1 7年から開催させていただいております。会議では、未承認薬の定期的な把握、 未承認薬につきまして、医療上、特に必要性が高いものを選定する。それらを 確実に治験実施につなげていくことをやっておりまして、これまでに45品目 が選定されております。  右のグラフをごらんいただきたいと思いますけれども、45品目のうち21 品目が承認されておりまして、審査中が2品目、治験実施中が9品目、治験計 画等の検討中が10、開発企業募集中が3という状況でございます。直近の現 状でいきますと、開発企業募集中が1という状況になってございます。  1枚おめくりいただきまして、6ページ目でございますけれども、未承認薬 につきましては、最優先で審査を迅速化して質の向上を図ることが不可欠だろ うということで、未承認薬を最優先で審査するトラックの構築など、医療上必 要な未承認薬を迅速かつ効率的に審査するための審査体制を充実するというこ との検討を進めさせていただいているところでございます。  7ページでございますけれども、具体的にどのような未承認薬があるのか、 この6月から8月の2か月間、学会等にお願いいたしまして要望等を調査させ ていただいております。  下の左にございますように、約200の団体・個人から約600の御要望い ただきまして、重複等をまとめますと、薬剤と効能・効果の組み合わせで約3 70の要望をいただいているところでございます。これに対応する製薬企業が ございますので、それらについての企業の考え方がどうかを依頼しておりまし て、これらをあわせまして未承認薬使用問題検討会議と小児薬物療法検討会議 を改組いたしまして、設置予定の有識者会議で御意見をいただき、開発の促進 と質の向上を進めていきたいと思っております。  以上でございます。 ○寺野座長 それでは、資料3。 ○医薬品副作用被害対策室長 資料3をごらんください。副作用救済制度です が、前回、PMDAから御説明した後の意見交換の中で、この仕組みについて の御質問がありましたので、その部分を御説明したいと思います。  2ページに請求から支給までの流れがございます。前回の御質問は、1つは、 PMDAと厚生労働省の役割はどう分担されているのかということでございま す。これは事業としては、申し上げるまでもなく機構の事業でございますけれ ども、法律上、医学・薬学的判定は、必ず厚生労働大臣に申し出ることになっ ていまして、更にこれについて厚生労働省は審議会の意見を聞くという流れに なっております。ですので、専門的なことについては、この審議会での調査・ 審議を踏まえて判定されるということになり、また、これにさきだって、PM DAでは、これが円滑かつ迅速にできるようにするということで、事前に事実 関係の調査・整理を行う。このために外部の専門家の意見を聞いていくという 仕組みになってございます。  4ページに制度ができて以来の請求件数、支給件数をグラフ化したものがご ざいます。近年、件数が増えてきていることがごらんいただけるのではないか と思います。  同じページの下の表は、生物由来製品の感染救済給付、平成16年度に新し くできたものですが、こちらの方は新しくできたということもあって、件数は まだそう多くない状況です。  5ページには、更にこの被害救済制度を知っていただくように、PMDAを 中心としていろいろな広報活動が行われていますので、その最近の例を御紹介 しています。20年度には、一般用医薬品の外箱に救済制度のことを記載する。 今年度は、薬局に救済制度に関する解説を掲示するということも行われており ます。  それから、最後のページをごらんいただきますと、不服申立てができること になっております。機構が行った支給に関する決定について不服がある場合に 審査を申し立てることができるわけですが、これは法律に基づいて厚生労働大 臣の方に申し立てることになっています。  厚生労働省の方では、これは法律上、特に規定はございませんけれども、医 学・薬学的な知見について専門家の御意見を伺うということで検討会の意見を 伺っていまして、これに基づいて理由を付して裁決を行うという流れになって います。  以上です。 ○寺野座長 事務局の方から、第一次提言に関する対応状況と、医薬品開発と 承認審査の状況、医薬品副作用被害救済制度について御説明いただいたわけで す。これは、第一次提言を受けた取組み、検討状況等についての議論というこ とでございますので、本委員会で今後重点的に議論すべき点に絞って、範囲が 非常に広いものですから、少し範囲を絞りながら御発言いただければと思いま す。いつものとおり、できるだけたくさんの方に御意見をいただきたいので、 御発言は簡潔にお願いしたいと思います。    では、御発言ください。  最初に、水口委員、御意見いただいていますね。 ○水口委員 では、今日は意見書をと、事務局の方から御説明いただいた表を 加工して簡単なコメントを書いた表と、2つ提出させていただいております。 余り1人でしゃべり過ぎてはいけないので、短くと思って書面を用意いたしま した。  まず、表の方です。基本的に私どもが確認しなくてはいけないのは、私ども の提案に基づいて研究班なり検討班なりが早速設置されたことについては、大 変結構なことで、是非詳しく検討をよろしくお願いしたいと思っておりますが、 その問題について、別の研究班が設置されたから、私どもがそれ以上議論しな くていいということには基本的にはならないと思います。この検討会は検討会 として、最終提言の中にもう少し具体的に盛り込むべき課題や視点があれば、 それは同じ論点について研究班が設置されていても、そこの討議状況などの資 料もいただきながら、しかし、私どもとして最終意見はきちっと出していくこ とはしなければならない。このことは、まず確認させていただきたいと思って おります。  その上で、一々読み上げませんが、まずこの表はどういう趣旨でつくったか と申しますと、個々の説明で御説明が不足していると思われる部分について、 追加の資料や説明をお願いしたいものを全部右端に書きました。研究班のもの については事前に御連絡させていただきましたので、今日、研究班の検討概要 がわかるような表を作成提出していただきましてありがとうございます。しか し、もうちょっと中身がわかる資料を、せめて検討会についての資料と同じぐ らいのものを出していただければと思っております。  そのほかに説明をお願いしたいと書いてあるものは米印を付けておりますの で、この点について、今日難しければ、次回でも書面できちっと書いて御説明 をお願いできればと思っております。それがこの最初の表です。  もう一つの「意見」と書きましたものは、いただきました検討状況や、その 後の議論の経過を踏まえまして、私が今後、この検討委員会の限られた時間で 討議すべき課題を幾つか具体的に挙げさせていただいたものです。これも全部 は読み上げませんが、項目だけ申し上げますと、今日、討議予定になっており ます第三者監視評価機関の問題が1つです。  それから、本体の組織のあり方について。これは以前、医薬品庁か、そうで ない形かという議論をしましたが、組織文化という視点も非常に大きくあると 思います。PMDAなり厚生労働省で働いていらっしゃる方が、国民の命を最 優先にしてきちっと取り組めるような組織の文化になっているのかということ を私どもは問題提起させていただきましたが、これに対する今回の取組状況の コメント表では何のコメントもないので、ここは重要なポイントとして更なる 議論が必要ではないか。必要に応じてアンケートなどを実施することも検討の 余地があるだろうということで御提案させていただきました。  ちなみに、FDAの再生法をつくったときの基礎になった報告書をまとめた 米国アカデミー研究所は、この「組織文化」というものを非常に重視して、十 分な聞き取りを行っています。そういったことまでできないとしても、何らか の対応は必要ではないかと考えております。  あと、本体の組織の中の自立的な監視システムの論点、それから応答義務と 苦情解決窓口の論点、それから人材育成、そしてリスクコミュニケーション、 添付文書の位置づけ、ICHE2Eの問題、それから臨床試験、公的基金、救 済制度、薬事法の問題点ということを挙げさせていただきました。全部読んで いるととても時間がかかりますので、一たんこれで終わりますが、特に研究班 報告書の提言の中で触れられて、かなり踏み込んだ提案がありながら、こちら の第一次提言の方には入っていないものについて、そういう点はどうするのか ということを検討する必要があるだろうという問題意識を基本的に持っており ます。  それから、パブリックコメントで指摘されたことについても、私どもは耳を 傾け、討議が不足な点を入れていくべきだろうと考えて、そのような観点から この意見をまとめさせていただきました。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。水口委員の方から追加といいますか、 整理していただいたわけですが、第一次提言、最初に事務局から出されたもの についての不足分とか、もうちょっと突っ込んだ部分についていろいろと説明 いただきました。時間がないので簡潔だったのですが、これも踏まえまして御 議論をお願いいたします。どなたからでも。間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 資料2で、意見というか、申し上げたいのですけれども、1枚め くったところに2004年の世界売上ベスト100の医薬品について比較の対 象としたというのがあります。これはどこかの会議でも言ったのですけれども、 売上上位の薬が本当に必要な薬かどうかは、それがイコールであるとは言えな いわけで、それを対象にした集計でドラッグ・ラグが2.5年というのは、こうい う書き方をされるとちょっと納得いかないです。  あと、4ページ目に、どういうドラッグ・ラグの対象になっていたものがあ るか教えてほしいということで、この資料を出してもらったのですけれども、 私、医薬品の専門家ではないので、この医薬品が何の病気のものなのか、さっ ぱりわからないので、この辺、もうちょっと説明してほしかったです。  あと、未承認薬の問題は大事なのですけれども、7ページを見ると、今後、 有識者会議をつくって検討していくということですけれども、200の団体・ 個人から600の要望が出て、まとめると370の要望だということは、勿論 会議の中で明らかにはなるのでしょうけれども、私の感覚ではちょっと怖い。 この有識者会議というのは、今、実際にある未承認薬使用問題検討会議とか小 児薬物療法検討会議を発展的に改組するということなのですけれども、ただ単 に改組するということだけでなくて、薬害被害者を入れるということを考えて もらいたい。ちょっと砕けた言い方をすれば、行け行けどんどんみたいな感じ の人たちばかりが集まって、どんどん進めていく形になってしまうと非常に怖 いなと思っています。  まとまりがないのですけれども、以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。今の間宮委員の意見に対して、事務局は 何か回答はありますか。 ○審査管理課長 どうもありがとうございました。  まず、2ページ目のドラッグ・ラグでございますけれども、これは製薬協の 医薬品産業政策研究所がまとめた資料でございまして、ある一つの指標として はこうなるかと理解しております。ですので、御指摘ありましたように、売り 上げ100でどうなのか。世界の売り上げで考えますと、アメリカが45%の 市場を持っていますので、それが強く出てしまいます。そういうことで、どう 考えるのかということがございます。  御指摘がありましたように、これは売り上げの上位でございますけれども、 もう一つ、私どもが問題意識を持っておりますのが、医療上ニーズがあるけれ ども、まだ承認されていないものと思っておりまして、そのために未承認薬使 用問題検討会議を始めさせていただいております。その取組みを強化させてい ただきたいということで、6ページ目、7ページ目の取組みをさせていただい ているところでございます。  また、有識者会議につきましては、370ほどの要望を御検討いただくわけ でございますけれども、それについては透明性を確保するような形で考えさせ ていただきたいと思っております。  また、先ほど御指摘がありました、どういう効能かという4ページの表でご ざいますけれども、後ほど薬効群を補足しまして御連絡させていただければと 思っております。 ○寺野座長 よろしいということもないですけれども、花井委員、どうぞ。 ○花井委員 今の間宮委員の発言に関連してですが、資料2の7ページを見る と、ここでは「欧米で使用が認められているが、国内で承認されていない医療 上必要な医薬品」と書いてあります。2ページ目のドラッグ・ラグの500の 算出根拠は一指標だとは言うけれども、この中でオーファンも含めて必要なも のがどれだけ遅れているかという推論はどこにもデータがないわけで、それを 同列では比較できないでしょうけれども、またそういう数字がないのかもしれ ないですが、これを最初に出してきてしまうと、ドラッグ・ラグの根拠はこれ だとなってしまいますので、この中でオーファンも含めて必要なものがどれだ け遅れているかという意味でのラグというものと、ここで記述されているドラ ッグ・ラグというのは違う数字として出ていないと、こんなに遅れているのだ という話になってしまうのではないかと思います。  勿論、この7ページの有識者会議が検討しないと明らかにならないのかもし れませんが、そこはこの資料が雑なので、それを分けた上で必要な薬がどれだ け遅れているのだという指標を検討してもらえませんか。 ○寺野座長 どうですか。 ○審理管理課長 まず、2ページの売上上位100品目の比較の表につきまし ては、一つの指標ということを申し上げましたけれども、実際にどのようなも のが未承認かということは4ページ目に示してございまして、9年の状況でご ざいますので、2年後の状況でございますが、未承認のものは6品目、あとは ほとんど開発中ということで、それなりにフォローアップしている状況であろ うかと思っております。  それで、未承認薬検討会でもいろいろ検討させていただいておりますので、 この取組みについて、開発の方もございますけれども、対応させていただけれ ばと思ってございます。 ○寺野座長 大平委員。 ○大平委員 今、未承認薬の問題、実際には患者の感覚からしますと、大変遅 れているというのが実感です。これだけ要望が出ているということは、もっと 多くの要望が出ていると思います。  また、未承認薬の16品目の内訳が書いてありますけれども、これだけでは 足らないだろうと思います。いかにドラッグ・ラグ、期間を短く承認できるか という問題と、それを迅速に治験していく。それが安全かどうかということを 国内でも補完していくスピーディーな管理体制がセットであってしかるべきか と。そういう問題について、全体としての機関がシステムとしてどう担ってい くかということが大事だと思います。  患者としましては、いろいろな問題があっても、それについて先送りという ことで、かなり多くの患者さんたちが待っているということもありますし、ま た適応外薬の要望についてということもありますけれども、こういう問題につ いても、適応外でそこの審査が滞っている問題も多く聞きます。ですから、そ ういう問題について、審査体制の問題としてはスムーズにいくような形をとる のが一番基本だろうと思います。  それについて、安全性とか救済の問題をどう補完していくかということとセ ットで考えていかないと、間宮委員の言われるような、それ行けどんどんみた いな形になっても困るのですけれども、実際には患者のニーズとしてはかなり 要望が高いという認識は持って、そしてどういう形が一番いいのかを検討して いただければと思います。 ○寺野座長 パブリックオピニオンでもドラッグ・ラグに関してはいただいて おりまして、皆さんお読みいただいておると思いますが、そういうものを参考 にしていただきたい。はい、どうぞ。 ○椿委員 この問題のニーズが大きいということは十分承知した上で、いろい ろ教えていただきたいと思うのですけれども、基本的にこのドラッグ・ラグの 問題というのは、我が国独自で何か承認に関するエビデンスをつくるかつくら ないかという問題に強く依存していると思います。つまり、治験を我が国独自 で行うか行わないか。当然、企業戦略として考えた場合、ある国で承認がとれ た後に我が国で治験を行うことは十分あり得るわけで、その場合のドラッグ・ ラグというのは、むしろ製薬企業側が世界同時開発をしないで、あるところで まず承認を得るということから生じてくることではないかと容易に想像される わけです。  そうすると、非常に必要な領域の薬において、我が国独自のエビデンスのレ ベルを落として、有効性に関するエビデンス、ないしは安全性に関するエビデ ンス、あるいは市販後の監視ということに関して、どういう体制をとるかとい うことと、この問題は完全にリンクしていると理解すべきだと思います。恐ら く、先ほどいただいた資料も、実際に現在治験実施中となっていたり、治験計 画中となっていて遅れている。これは、審査側が怠慢であるということよりは、 もう少し大きな枠組みの問題ではないかと理解しています。 ○寺野座長 そのほか御意見。清水委員、どうぞ。 ○清水委員 今の椿委員の意見を踏まえますと、PMDAに申請が出てからの タイムラグというのがどんなものなのかを調べることが一番肝心なことではな いかと思います。ですから、申請が出るか出ないかまでは、これは製薬企業の 責任の範囲内だと思います。申請が出てから、実際に許可が出るまでの間、P MDAで審査して、それが薬事審議会に上がって、そこで承認される。それぞ れのステップが3つくらいあるかと思いますが、それぞれの段階でどのぐらい の期間がかかっているかをきちっと押さえることが一番肝心なことではないか と思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。間宮委員。 ○間宮委員 申請が出てから承認までの期間というのは非常に重要で、それを 集計して数字にするのも大事だと思いますけれども、私が言いたいのは、ドラ ッグ・ラグがこういう状況なのだというグラフを出すに当たって、何で自分で やらないのというのがあります。これも日本製薬工業協会がつくったもので、 私は国が国民を守るという意味では、どういう病気の人がどれだけいて、どう いう状況にあるのか把握した上で、薬の開発についても促進とか、製薬企業に チャレンジしてくださいとお願いするのも役割の一つなのですから、ドラッグ ・ラグがどういう状況にあるのかというのを自分たちで把握して調べて数字に するべきではないかと思います。なので、今後はそういう形で調査を促進して ほしいなと思います。 ○寺野座長 事務局、何か意見ありますか。 ○審理管理課長 ありがとうございます。ドラッグ・ラグの表を用いましたの は、ドラッグ・ラグということで象徴的に挙げられたのがこの表だということ で、これをまず御説明させていただいたところでございます。  それで、審査期間の関係につきましては、今、PMDAでも5か年計画、中 期計画を立てて年次的に審査期間の短縮に努めているところでございますし、 厚労省とも連携いたしまして実質的な申請から許可までの期間については対応 させていただきたいと思います。  また、ドラッグ・ラグに関しましては、申請期間もございますけれども、開 発期間の問題もございまして、これに関しましては企業等の協力、あるいは開 発におけます相談とか指導の体制を強化することによって、全体的に承認まで の期間を短くしていこうということで取組みをさせていただいているところで ございます。  それから、間宮委員から御指摘ございましたけれども、全くそのとおりでご ざいまして、未承認薬ということで十何年かやっておりましたけれども、適応 外へ範囲を広げまして、今回、調査をさせていただきまして、継続的にやりた いと思っております。  また、今回、適応外あるいは未承認ということで、かなりのものを御要望い ただいております。これを精査させていただきますけれども、それなりの数が あるのではないかと思っておりまして、その数をできるだけ迅速に、かつ安全 性を確保しつつ処理するということに関しましては、PMDAの体制強化が必 要ではないかと思っておりまして、そのセットでできれば考えさせていただき たいと思っております。 ○寺野座長 堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 ドラッグ・ラグの話は、長いことずっと議論されていることであ って、既に未承認薬の検討会等も踏まえて、PMDAも含めてドラッグ・ラグ をできるだけ解消する努力はかなりされてきているのではないかと思っている のですけれども、そのデータがきちんと出ていないから、ここへ出ているデー タが余り適切ではないということで、その辺をきちんと出してもらえば理解が できることではないかと思っております。 ○寺野座長 小野委員、どうぞ。 ○小野委員 たまたまこの分野を研究しているものですから、申し上げると、 先ほど審査期間が遅いのではないか。おっしゃるとおりで、半年ぐらい遅いで す。そういうデータは全部ありますので、次回でも日数まで、年数まで含めて、 先ほど清水委員が御指摘のあった点については、確かに遅いのだけれども、半 年ぐらい。たかが半年、されど半年かもしれません。  それから、課長が開発期間だと言いましたけれども、開発期間はそんなに変 わりません。これも統計がとうにあります。もしあれでしたら、次回お持ちし ますが、開発をいつ始めるかというところです。期間ではなくて、そこが大き く違うというのが研究者の常識です。  それで、開発を始めるのがなぜ遅いかですけれども、いろいろ分析しますと、 ビジネスの要件がいろいろあります。ライセンスをすると2年ぐらい遅くなっ たりするというデータがもう出ています。ストラテジの問題がいろいろある。 つまり、資本主義のゆがみと言えばゆがみです。日本からすればゆがみで、ア メリカからすればゆがみでなくて逆ですけれども、要は日本というのは置いて いかれるようになっていて、置いていった方が企業がもうかる、開発が楽にな る、開発の成功率が高くなるというデータもあります。  そういう仕組みの中にこの世界があるわけで、先ほど来、データを見れば、 大体解決しているとか、もういろいろ対策が打たれているという声もあります。 確かに幾つかの対策はとられていますが、基本的には後追いの対策です。ドラ ッグ・ラグがこの後、ずっと遅れていくわけです。50年も100年も遅れた ままの状態に必死で追いついていこという話はあるのですが、根本論、日本は 置いておかれる国だ、そういう構造だと、かわいそうな国なのです。そこのと ころの対策が全くとられていないというか、そういうアドレスをしていないか らとりようがないのでしょうけれども、もしやるのだったら、徹底的に経産省 とでも組んでやっていただきたいと思います。 ○寺野座長 ドラッグ・ラグの件、皆さん、大分御感心があると思いますけれ ども、本委員会の方向性といいますか、基本的な部分、安全性の確保、再発防 止ということから考えた立場と、ラグ被害者というものを考えた立場で大分違 う感じがします。その辺のぶつかりがパブリックオピニオンとここの議論の間 にあるような感じが私はするのですけれども、ドラッグ・ラグは非常に重要な ので、小野委員が専門で研究しておられるようなので、余り時間もとれないけ れども、一度整理してきていただけますか。どこに本質的なものがあるのか、 それがどうも皆さんの意見と違うのです。事務局の方でもよろしくお願いした いと思います。  この点についての議論も今後は必要だと思いますので、当然出てきますが、 ここで議論していただいているのは、どういうことを今後議論していくかとい う問題点を提起していただくということでございますので、このドラッグ・ラ グ以外のことでもしありましたら。清澤委員、どうぞ。 ○清澤委員 資料1ですが、水口委員から詳細なコメントがいろいろあります が、私が気がついたところだけ言わせていただくと、項目5に教育のことが書 いてあります。右の欄の丸の2つ目に国家試験のことが触れられています。こ れは医師の国家試験にも非常に重要な項目ではないかと思っております。たし か私の記憶では、今までの医師の国家試験の出題基準にこのことが触れられて いたかどうか、ちょっとあやふやなのですが、是非確認して、もしなかったら 次回の出題基準に入れていただいた方が、教育上はいいのではないかと思いま した。  あと、86で学会との関係が触れられているのですが、医師の生涯教育の中 でこういう薬害のことについて勉強する項目がそんなにはないと思います。特 に、専門医の更新のときに、学会へどれだけ出席したかということで評価され ていると思うのですが、今度、専門医認定機構というのが新しくできましたよ ね。慶応の池田教授が理事長をやっていると思いますが、そういうところとコ ンタクトをとって、薬害というのも毎年新しい情報があると思います。だから、 そういった情報も是非勉強するような仕組みをつくっていった方がいいので はないか。これは、私、医療者側の考えです。やった方がいいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 今の清澤先生の御意見、賛成ですけれども、特に5の一番右側に、 6年制の薬剤師国家試験の検討の中で、その取り扱いについて検討するとなっ ていますけれども、国家試験というのはコアカリキュラムがあって、その中か ら出題することになっているようです。そのコアカリキュラムの中に、薬害と かの問題について十分な記載がない。だから、教育が十分されない可能性があ って、試験の中にも出てこない可能性が、いろいろ見てみますとありますので、 このことについては、コアカリキュラムというのは、そのときの状況によって 変わっていかないといけないものだと思っておりますけれども、5年ぐらい前 にできたものですので、当然のことながら変えていかなければいけないと思い ますけれども、この検討会等からも意見を出していただけるとありがたいと思 っています。  病院の中で薬剤師が薬害の防止とか副作用の防止に、当然のことながら関わ っていかないといけないわけでありまして、十分に理解していることが重要だ ろうと思います。これは医師の場合も当然ですけれども、薬剤師についても同 じことが言えるだろうと思います。 ○寺野座長 ありがとうございました。友池委員、どうぞ。 ○友池委員 資料1について少しお尋ねいたします。  5番が出ましたが、6番についても、医薬品適正使用に関する生涯学習を行 うというところに、薬剤師の生涯学習に集中して記述がありますが、広く医療 職ととらえた方がいいのではないかと思いますので、そこをお尋ねしたいと思 います。  それから、10番に、治験以外の臨床研究と治験を一貫して管理する法制度 の整備とございます。基本的な精神としては賛同いたしますけれども、治験と 臨床研究は基本的に目標も違いますし、方法も違います。実際の臨床の現場で 行われるボリュームを見ましても、治験1に対して臨床研究は恐らく100と か、そういうオーダーで行われていまして、臨床研究も、薬剤に関するものか ら、病態生理の解明までさまざまなものがございますので、十把一絡げではな くて、もう少し臨床研究をカテゴリーに分けて、それぞれについて一度検討し た上で法制度のことを考えていただきたいと思います。  それから、33番に国際連携という記述がございます。ここの記載を拝見す ると欧米諸国のデータベースを購入して検討ともとられかねないのですけれど も、情報収集、意見交換という場合には、一種のバーター取引といいましょう か、私どもが持っている情報を海外の諸国と交換しながらというのが常識的な 方法です。そうなってくると、海外との連携ということの背景には、日本にお ける情報をどのようにデータベース化するか、あるいは活用できる情報にする かということも前提になると思いますので、その方面からの検討も33には含 まれるべきではないかと思います。  それから、48番に大変重要なことが書かれています。これは、電子レセプ トを活用して、電子レセプトのデータベースから薬剤疫学的な評価基盤の整備。 これは、多くの医療者が期待しているところですけれども、個人情報とか、そ れぞれ担当している部署の縦割りの問題もございまして、そう簡単に実現でき ない。数十年前から、こういう基本的な方向は言われているのですけれども、 できなかった。ですから、この件も記述としてはそうだと思いますけれども、 具体的に個人情報の問題を含めて、実用化できる方向で解決を図っていただき たい、解決を図らなければいけないのではないかと思います。  以上です。 ○寺野座長 いろいろな問題点を指摘していただきまして、今後の議論の方向 性というものを示していただいているわけですが、この段階としては、事務局 が整理してくれた問題点を更に皆さん御検討いただいて、今後の議論を深めて いきたいと思っています。今日のところは、この段階を終わりまして。では、 簡潔にお願いします。 ○水口委員 私が出した意見書の中に、今後の議論のために御用意いただきた い資料を書かせていただきましたし、表の中にも書かせていただいたのです。 これについて、今すぐ用意できるかできないかという御回答をいただくのは無 理としても、是非御検討いただいて、遅くない時期に、どれが用意できて、ど れが用意できないということをお返事いただけますでしょうか。その点だけこ こで確認させていただきたいと思います。 ○寺野座長 事務局の方から。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。いろいろ貴重な御指摘、御意見を いただきましてありがとうございました。  ただいまの水口委員からの御指摘でございますが、次回の開催の前の早い段 階で資料をお送りする際に、この部分はできる、この部分は現在検討中という ことも含めてお示しさせていただく形で対応したいと思っております。どうも ありがとうございます。 ○寺野座長 議論する内容はどうしても非常に多岐にわたるわけです。最初か ら御指摘いただいているように、この委員会そのものの期間的な制限もありま して、すべてを深めた議論はできないかもしれませんが、できるだけ効率的に 資料等を整理していただきたいと思います。高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 予算要求の件ですけれども、8月時点の予算要求というのは、考 えを示したものであるということはわかるのですけれども、ここで出ている議 論の中で、来年度にはこういうものが必要なのだという要求をしようとしたこ とで、8月時点と今後が変わっていくとは考えられないのですけれども、今後 の予算要求の中で今、出されているものが変わってくる可能性があるという解 釈なのでしょうか。それとも、そこは絶対的に要求していこうと考えているの でしょうか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○総務課長 医薬食品局としては、8月31日でかような予算措置を是非獲得 したいということで財務省に要求しております。ただ、新聞報道等でも御案内 のとおり、政治的な話で概算要求は一たん白紙みたいな話もあって、再度とい う話も聞いております。    具体的にどう動くか、我々はまだ伺っておりませんので、何とも申し上げら れませんけれども、私どもの思いとしては、何とか獲得したいと思ってござい ます。今日、退席されましたけれども、大臣以下の御意向もございますので、 そこは必ずとか、申し上げにくいところでございますが、お察しいただければ と思っております。 ○寺野座長 予算の面は、今なかなか難しい状況であることは確かですけれど も、本質的なところが変わるかどうかは、高橋委員、おっしゃるとおりかもし れません。それでは、よろしいですね。  次の議題に移りたいと思います。次の議題は、再発防止対策のうちで、医薬 品行政の監視評価機関、いわゆる第三者的組織に関する問題です。これは、前 から水口委員の方からもいろいろ御意見いただいておりましたので、議論はし ましたけれども、時間不足でしたから、今回、引き続き議論することに時間を とりたいということであります。  事務局の方で資料を用意しておりますので、簡潔に御説明ください。 ○医薬品副作用被害対策室長 資料4が御参考までに用意したものでございま す。  前回、水口委員から、消費者委員会の御紹介がありましたけれども、それに 関連して政府部内でいろいろな第三者的機能だろうと思われる機能を持つ委員 会なりがあるわけですけれども、網羅的ではありませんが、例えばとして御紹 介するのが1ページ、2ページです。  2ページに挙げられている委員会の機能を法律ベースで、小さい字で恐縮で すけれども、書いたものがございますけれども、一番初めの消費者委員会は、 前回お話があったとおり、自ら研究するとか、いろいろなところへ勧告したり 報告を要求したりすることができるという位置づけです。  これと似たようなもので食品安全委員会があり、また、運輸安全委員会がご ざいます。これは、最近ちょっと世の中をにぎわせている、JR関係で問題に なっているところです。航空事故とか鉄道事故が起こった場合に調査して、そ の問題を洗い出して改善方策などを勧告するというものですが、ほかと違うの は、役所に言うだけではなくて、事故の関係者、つまり鉄道会社とか飛行機会 社に調査したり意見を行ったりすることができるようになっているという位置 づけが特徴的なものです。そういう意味で、ほかのいわば審議会等とは違う位 置づけになっています。  一番下2つは私どもの薬事・食品衛生審議会ですが、平成14年の薬事法改 正のときに審議会のあり方が国会でも議論になりまして、法案が国会で修正さ れたという経緯がございました。2ページの下から2つ目の欄をごらんいただ きますと、米印の付いているところが2つあります。大臣から個別のことにつ いて審議会に諮問して意見をもらうというのが普通のパターンですが、それだ けではなくて、大臣から毎年、審議会に報告する。必要があれば審議会で意見 を大臣の方に出していくということが追加されています。  更に、それだけではなくて、大臣から言われようが言われまいが、自ら調査 ・審議して大臣に意見を言っていくことも追加されたという経緯がありまして、 消費者委員会とは組織的な位置づけはかなり違うわけですけれども、機能とし ては同じような議論が平成14年にあった。  その1つ下をごらんいただきますと、薬食審の中に血液事業部会がありまし て、これは法令上の根拠があるものではありませんが、その中に運営委員会と いう組織があります。これも平成14年の薬事法改正、国会審議を契機として設 置されているものでして、いわば審議会がより望ましい機能を十分発揮しても らえるようにしたいということで、定期的に血液事業がきちんと行われている かどうか確認する。それだけではなくて、緊急時にはぱっと集まって、ぱっと 行動できるようにしようという発想でつくられております。  その中には、血液製剤を使う方の立場にある方にも入っていただくというこ とが14年の法律改正を契機として運営されていますので、御参考までに資料 として用意しました。  3ページ、4ページは前回と同じ資料でございまして、第三者組織のみなら ず、医薬品行政組織全体のあり方について議論する際に、こういうことを念頭 に置いて議論すべきではないかという御意見を踏まえて整理した資料でござい ます。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございます。この点については、水口委員の方からも いろいろ御意見をいただいて、第三者的組織はこの委員会としてはどうしても 具体化するべきではないかという御意見もあったと思います。今、事務局の方 から、現在ある第三者的機能を有する組織の例を示していただきましたし、医 療安全でも第三者組織をつくろうとして、なかなかできないのが現状ですけれ ども、この委員会としても、薬害防止という観点から医薬品行政の監視評価機 関としてどういうものが可能かを検討しておく必要がある。非常に重要なポイ ントだと思います。  どなたか御意見いただきたいと思います。水口委員。 ○水口委員 質問で、今、御説明いただいた第三者的機能を有する組織の例の うち、薬事・食品衛生審議会が自ら調査審議・厚生労働大臣に意見を発するこ とができるということを、平成14年の薬事法改正で追加されたということなの ですが、諮問されていない事項について、薬食審自ら発議して提案したという ことは今までどのぐらいあるのでしょうか。 ○安全使用推進室長 現状、この場ですぐに把握できる数字を持ち合わせてお りませんけれども、私どもの方で少し調べさせていただきまして、また次回の 議論の参考にさせていただきたいと思います。 ○水口委員 では、御報告をお待ちします。  私は前回までにメモを出させていただきましたが、これについて少し御意見 をいただいたので、今日、出しました意見書の2ページに、若干の調整をいた しまして再度書かせていただきました。  内容は、提言の内容をまず確認させていただいたということと、公に既に確 認済みの要素というものです。済みません、番号が「(1)、(2)、(3)、(4)」となっ ていますが、「(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)」と番号を付けかえていただきたいの ですが、6つの要素があるということです。  そして、私は前から申し上げていますが、この検討会が終わったら、そのイ メージを共有して、すぐ立法作業に入れるような具体的な記載を更に最終提言 に盛り込めないか、またそうするべきであろうと思っておりまして、そのイメ ージを共有するために、一つの提案として改めてそこに書かせていただきまし た。  機能するのかどうかについての疑問に対しては、前回、NGOでの私の経験 や具体的例を挙げて御説明させていただきましたので、改めては記載しません が、若干修正して再掲いたしましたので、参考になさっていただければと思い ます。 ○寺野座長 ありがとうございます。水口委員の意見書の中で、第2の1の (1)第三者監視評価組織というところで、具体的に確認済みの点と、それか ら具体化するのにどうするか、それから組織を書いていただいたのですけれど も、これを踏み台にして御意見をいただきたいと思います。いかがでしょう。 大平委員、どうぞ。 ○大平委員 今、踏み台という座長からのお話だったのですけれども、これは もう一応決定済みで、多くの委員の賛同を得て、設置する方向に行ったという 確認です。ですから、それをどう機能させていくか、どういう構成にするかに 焦点が行く話だと思います。 ○寺野座長 具体化のね。 ○大平委員 はい。特に、薬害エイズ訴訟の原告の遺族の方からも強い要望が ありまして、こういう第三者機関をきちっとつくって、そしてそれに対してか なり普通の市民がいろいろ情報を訴えやすい、それから情報を得やすいシステ ムをつくってほしいという要望がありました。そういったものも反映させてい ただいて、もう具体的な作業に入っていただきたいというのが本音です。です から、もうそれができるかできないかという議論ではないのではないかと思い ます。 ○寺野座長 今おっしゃったとおりですが、水口委員に整理してもらったこと と、その具体化の問題で、どういう形でワーキンググループ、小委員会をつく って、この全体でやっていてもなかなか具体化は難しいと思います。その段階 に来ていると皆さんが認識していただいておれば、具体的なワーキンググルー プ的なものをつくって進めていくことになります。水口委員、この辺はいかが ですか。 ○水口委員 具体化のための更なる詰めをするワーキンググループをつくると いうことであれば、私は名乗りを上げたいと思います。 ○寺野座長 この辺り、御意見はどうですか。堀委員、どうぞ。 ○堀委員 具体化のところで、構成の中で、前回の議論を踏まえて医師・薬剤 師も入れていただいたのだと思いますけれども、いろいろな集団の代表を見て みると、被害者の方も勿論患者さんなのですけれども、薬害という視点とはま た別の患者さんが抜けているような気がします。「等」と入っているので、幾 らでも追加できるかもしれませんが、これは安全対策ということに関してもそ うですが、それ以外の医薬品全般を見ていくのであれば、それが患者団体の具 体的にどこかというのは、今ちょっとここではわかりませんけれども、患者さ んの立場からの意見というのも入れるためには、構成の中に入れるべきではな いかと思います。 ○寺野座長 森嶌委員、何か御意見ございませんか。 ○森嶌座長代理 私は、審議事項というよりか、むしろ監視するためには、調 査とかデータを、先ほどお話もありましたけれども、データを持っていなけれ ばならないわけで、肝炎だけでしたら、堀内委員などの調査がありますけれど も、一般的にこれからあるかもしれないことについてとなりますと、例えばP MDAの持っているデータとのアクセスをどうするかということがあるので、 委員10人でいざ動き出すときに、それを支える日ごろのデータ、収集をどうす るかを少し詰めておかないと、委員はいるけれども、実際にその委員がきちっ とした判断をするためのものがないとなると、期待は大きいけれども、第三者 機関として第三者的な判断ができないのではないかと思いますので、これから 検討するときに、第三者機関が第三者機関としてきちっとした判断ができるた めの、判断の基礎となるようなものをどういう形でやるのか。  ここでは、役所の人間を余り入れるなと言いますけれども、委員の中に入れ るのは問題はありますけれども、役所からのデータなり情報なりが入らない状 況で、委員会がきちっとした行動ができるかどうか。あるいは、どこかへ行っ て調査するとにきちっとした調査ができるかどうかという点も考えなければい けないわけで、パフォーマンスだけやっていたのではきちっとしたことはでき ませんので、私も以前に水口委員のあれをいただいて、本当に働かせようと思 うとなかなか大変だなと。  国土交通省がやるときには、ある事故が起きたときにいろいろなものが入っ てきて、この間、いろいろありましたけれども、そこには元国鉄とか、似たよ うなものが入ってきてやったりしますから、どういう形でこの第三者委員会が きちっとしたデータを持って、しかもこれは何か事故が起きてからというより も、むしろ起きないように日ごろちゃんとデータを持っていて行動するわけで すから、あるいは大学辺りとリンケージをとっているのか、その辺は何かお考 えはおありでしょうか。そのための予算措置とか、そこまであなたが考えろと 言うつもりはありませんけれども。 ○寺野座長 どうぞ。 ○水口委員 非常に重要な指摘だと思います。今、私が書いているのは、事務 局に常勤の専門知識と調査能力を持つスタッフを置くということです。このス タッフの人数と規模と能力だと思います。  もう一つは、機構が持っているデータベースにアクセスできるとか、こうい う情報について、こういう視点から、何日の間に収集して報告してほしいと言 ったら、こちらの調査要望に従ってきちっと報告を上げてもらうとか、いろ いろな工夫があると思います。  それから、今回の提言の中にもあります、患者からの副作用報告制度で上が ってくるデータにもきちんとアクセスできるとか、患者やいろいろな方たちか らの苦情受付窓口をつくりますから、そうしたところに集積される情報につい てもアクセスできることが必要です。また、データは、ただ近づければいいと いうだけでなくて、一定の視点を持って整理できないといけないわけですから、 それができて、しかもそれを使える仕組みをどうつくるかというのは、安全対 策の全体の仕組みと有機的に関連付けた仕組みをつくるということは、大きな 課題だと思っています。  ただ、前回、私がお話しさせていただいたように、そんなに悲観しておりま せん。なぜかというと、例えば消費者庁の消費者委員会などは、消費者庁自体 に例えばPMDAの安全対策部みたいな、データを全部収集して日々検討する 部署があるかというと、今はそれはないわけです。だから、それをこの消費者 委員会でやらなければいけない。   そういう意味では、下部組織をたくさん持たなければいけない委員会になっ ているわけです。  私、意見書でも申し上げましたが、基本的なシステムは情報収集して、検討 して、動くという本体の組織にあるわけです。ここがまずきちっとやる。これ は大前提で、しかし、それでは不十分なところがあるから、この第三者機関が 補完的に動くというところがありますので、その本体組織が持っている、いろ いろな情報収集や集積したものを整理するシステムを、こちらの委員会が十分 に活用できる体制をつくることが重要と思います。  もう一つは、私は医薬品の監視のためのNGOの事務局長を10年やってまい りました。ここは、調査能力はあるつもりでいますが、手足は余り持っていな いのです。それから、情報をとろうと思ったら情報公開請求するとか、非常に 迂遠なことをやって情報入手しなければいけない。しかし、それでもいろいろ なシグナルはたくさんあって、ほかに仕事を持っていながらボランティアで1 0年やってきているメンバーは、それなりに意見を出したり問題意識を持った りして対応してきているわけです。  ですから、ここに情報にアクセスできる能力とスタッフをきちっと付けても らえたら、どんなにいいだろうと思うことがいつもあるわけです。それを公的 な機関が手足を持ってできることになれば、私は相当なことができるだろうと 思っていて、それほど悲観していない。チャレンジですので、これから詰めて いかなければなりませんが、今、御指摘の点は重要な検討課題として、ワーキ ンググループが立ち上げられて、私がそのメンバーになりましたら検討したい と思っております。 ○森嶌座長代理 私の申し上げたいことは、今おっしゃったように、何から何 まで、ここでデータを持って、ここで解析してというのは全く無意味なことで すので、つくるのでしたら、本体の方の、この後でやります薬害防止をどうい うふうにして、PMDAがやるのか厚生労働省がやるのか、そういうところが あって、そこに法律上の権限を持って、どうアクセスするのかということ。先 ほどおっしゃったNGOですと、情報公開でやらなければならないけれども、 ちゃんと法律上、そこへきちっとアクセスできる、とれる。場合によっては、 分析もさせて、その結果をチェックできるスタッフを持つということで、ミニ マムな仕組みでちゃんと監視できる。  そういう仕組みをおつくりになるときにきちっと仕組んでおかないと、今、 消費者委員会ができても、あれは何ほどのことができるかというシニカルな見 方もあるわけですから、本当に薬害防止をして、その他の第三者委員会をつく るのでしたら、機動的に動けるような仕組みを法的にきちっと組み込んで、し かも法的な権限を持ってやれるということをワーキンググループで是非お考え いただかないと、機関はつくったけれども、実際には動かない、あるいは動こ うと思っても隔靴掻痒の感ということになりますので、私が知らん顔するつも りはありませんけれども、是非そこはお考えいただきたいと思います。 ○寺野座長 この第三者的組織、名前が何となるかわかりませんが、それはつ くろうということは皆さんのコンセンサスがある。そして、この委員会として の非常に大事な役割であるということは私も認識しておりまして、それはその 方向でいくわけですが、具体的に今のような議論を全体でやるのは大変難しい ということで、そういう意味で、第三者機関をどうつくるかということのワー キンググループが欲しいということです。  ですから、今ここでだれとだれにやっていただくというわけにはいきません ので、御了解も必要ですので、事務局の方で次回までに折衝していただいて、 五、六人レベルのワーキンググループをつくって具体的に検討していただいて、 ここに出していただいて、全体で討議するということで、少なくとも今年度い っぱいに具体的にそれを立ち上げる方向で持っていきたいと思います。その中 に少なくとも水口委員はもう立候補されておりますので、お入りになると思い ますし、森嶌先生も組織論から言って入っていただかざるを得ないと思います が、時間があるかどうかわりませんが、そのほかにもどうしても私もやりたい、 そのワーキンググループに入りたいという方がいらっしゃったら申し出ていた だいて、余りたくさんになると検討できないので、五、六人のレベルでワーキ ンググループをつくるという方向で事務局の方で検討していただけますか。 ○医薬品副作用被害対策室長 確認なのですけれども、御指示に従ってやろう と思いますが、1つは、第三者組織のようなところに視点を絞ってやるのか、 そもそもずっと続いてきている組織本体のあり方との関係もあると思いますけ れども、その辺をどう考えていくのか。 ○寺野座長 それは、第三者ということに絞っていただいて、もともとA案、 B案という組織論がありますけれども、これは全体で考えていかざるを得ない。 ただ、全く無関係ではないので、勿論それには関係してはくると思いますけれ ども、第三者組織に絞ったワーキンググループにしていただきたい。というの は、もう時間も限られていますので、恐らく今年いっぱいぐらいにしかできな いのではないかと思うので、そういうことで理解してもらいたいと思います。 ○医薬品副作用被害対策室長 そうすると、今年いっぱいぐらいで、この委員 会で具体的なあり方について議論できるための材料をつくっていただく。 ○寺野座長 そうですね。委員会としての総意としては、今年度いっぱいとい うことになります。1月から3月までは時間がありますね。そういう形で可能 ではないかと思いますけれども、どうでしょうか。 ○森嶌座長代理 よろしいですか。 ○寺野座長 はい。 ○森嶌座長代理 先ほども申しましたけれども、第三者がオールマイティーで 300人のスタッフを持って全部やるということは、これはとてもできないし、 無意味なことでもありますから、本体の方はどうなるかということは今、座長 がおっしゃったように、こちらで議論していただくにしても、本体の方で、例 えばデータを集めたり、あるいは評価する人が要るであろう、そういうことが できるであろう。それが厚生労働省に付くのか、PMDAになるのかというこ とは置いておいて。  ですから、第三者機関は、一方でそれを利用する、あるいはそこから情報を 得たり、あるいはそこにきちっと命令すると言うと語弊がありますけれども、 そこと連携してやるということを前提にしながら、場合によっては、こういう 場合にはというある程度のオルタナティブを考えて、そして最小限度のスタッ フで最も効率的に第三者機関としての役割を担えるのはどういう仕組みかとい うことを、最も有能な水口さんのアイデアで考えていくことにしたいと思いま す。その意味では、こちらの方の議論は前提に置きながら、第三者機関の議論 をしていくことにしたいと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○医薬品副作用被害対策室長 御趣旨を一応理解したつもりですので、進め方 も含めて、座長、座長代理と御相談させていただいて、参加されたいという方 の御希望を募るというか、意向を伺う必要もあると思いますので、その辺、進 め方も含めて御相談させていただきたいと思います。 ○寺野座長 大体、そういう段階に来ているということを皆さん御理解いただ きたい。花井委員。 ○花井委員 事務局の理解が先ほどから後退しています。ここで議論する材料 をワーキンググループがやるのではなく、最終報告書に載せるたたき台ぐらい までをワーキングがつくるという理解ですね。 ○森嶌座長代理 そうです。 ○花井委員 だから、議論の材料ではなく、それはもう決まっているので、こ こがこの委員会で最終報告書に載せられるたたき台をつくっていただく。最後 にここでもんだ上で、それを載せるぐらいのものをワーキングでお願いしたい ということですね。 ○寺野座長 そうです。材料と言ったのは、そこで議論する材料を用意する。 ○花井委員 材料でこういう論点がありますと出てきても困るので、もうつく るのは決まっているので、最終報告書にこの形で載せましょうというたたき台 でお願いしたい。 ○寺野座長 そういう理解でおります。水口委員。 ○水口委員 率直に申し上げて、私も御説明が後退しているような印象を受け ました。確かに議論の材料の提供ではなくて、この委員会として法案として出 すのに、こういう形でこういうスタイルでというところまで詰める。それを皆 さんに提供して、議論の過程でこういう論点がありましたということは、勿論 御提供して、そこでまた皆さんの意見をいただいて調整するという、とにかく 形のあるものにしていくためのプロジェクトチームだと理解しております。  それから、進め方についても、私の希望としては、まずメンバーについては 希望者を募っていただく。余り希望が多ければ調整は必要になるかもしれませ ん。そして、そのチームがどう進めるかというのは、そのメンバーが集まって 決めるべきことではないかと私は思うので、その辺もある程度弾力的に対応い ただければと思っております。 ○寺野座長 そこのチーフをだれにやっていただくかとか、そういうことは中 で決めていただいて結構ですが、堀内班の研究委員会もありますし、余り重複 すると皆さん大変なので、できるだけ重複しないような形で関心のある方に集 まっていただく。余りたくさんの人数ではない。ただし、ワーキンググループ で議論していただいたことに関して、ある程度具体化されると思いますけれど も、本委員会の方でそれがいいかどうかは最終的に判断させていただかざるを 得ないということでよろしいでしょうか。  ちょっと難しい点もありますけれども、まずワーキンググループを立ち上げ て、そして具体的にどうやっていくか、先ほどのような話に持っていく方向で いきましょう。いいですね。 (「はい」と声あり) ○寺野座長 はい。  それでは、時間も大分過ぎましたので、次の議題に移ります。次は、医薬品 医療機器総合機構(PMDA)の取組み等について、先般、近藤理事長におい でいただきまして御説明いただいたのですけれども、本日、前回に続きまして、 PMDAの理事長と松田安全管理監から安全対策等の取組みについて御説明い ただきまして、その後議論にも参加いただきたいと思います。大体15分ぐら いの時間的な限度はありますが、お話いただきまして、その後皆さんに御議論 いただきたいと思います。では、近藤理事長、よろしくお願いします。 ○近藤理事長 PMDAの理事長の近藤でございます。前回に続いて2回目の 出席をさせていただいております。  前回においては、PMDAの医薬品の安全対策に対して、どれだけ積極的に 私たちが関わっているかということを、私の考え方などについて述べさせてい ただきましたけれども、複数点の御質問をいただきました。今回は、それにつ きまして御返答といいますか、御説明させていただきたいと思います。内容が 少し詳細になることと、それから具体的になりますので、当PMDAの安全管 理監の松田に詳しく報告させていただきたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○松田安全管理監 PMDAの松田でございます。それでは、私の方から資料 5に基づきまして、PMDAにおける安全対策の取組み状況についてお話しさ せていただきます。本日の資料1で、第一次提言に関する対応状況ということ で、若干説明が重複する部分がございますけれども、できるだけ簡単に調整し て御説明したいと思います。  めくっていただいて2ページ目ですが、安全対策の強化・充実ということで、 第一次提言でもいただいておりますが、副作用情報の分析・評価については、 チーム制による分析・評価体制の構築が必要だということで、これまで、21 年7月以前は、安全部の中に課長さんがいて、その課長をヘッドに2チームで いろいろ分析・評価してきたところでございます。今年7月からは、組織を柔 軟に運用するために、課長制ではなくて調査役という名前に課長を変えまして、 現在5チームで審査部門にできるだけ対応する形で薬効分類等を踏まえたチー ム編成でやっております。  ただし、まだ職員も薬学の出身の人間が中心でございます。将来的に23年 度までには、ここに書いてありますが、12チームまで増やしたいと思ってお りますし、御提言にありますように、医学・薬学等の各種の専門性のある職員 からなるチームで分析・評価できる体制を構築したいと思っております。  次、3ページ目でございますが、御提言の中で、承認から市販後の一貫した 分析・評価体制というお話もございました。私どもの方でも、安全部の中にリ スクマネージャー業務をやる人間をつくろうと検討しているところでございま す。このリスクマネージャー業務は、ここに書いてありますけれども、開発か ら市販後、製造・販売後までの安全性情報を一貫して見れる体制をとるための 役割を担う人材ということで考えております。  下の枠の中に、今考えておるリスクマネージャーの行う業務を幾つか書いて おりますけれども、どういう業務をリスクマネージャーにやってもらうか、今、 検討している状況でございます。  続いて、4枚目、電子診療情報の安全対策への活用についてということで、 本日の資料1にも、レセプトデータ等の電子診療情報を安全対策に活用するに 当たって、厚生労働省、またPMDAの方でも懇談会・検討会を設けさせてい ただいているとあったところでございます。また、厚生労働科学研究費での研 究班も進捗しているところでございます。こういったところをいろいろな役割 を担いながら、私どもPMDAにおきましては、ここにも書いてありますが、 既にあるいろいろな医療情報を使って、試行を踏まえてどう業務に使っていけ るか、検討を進めているところでございます。  5ページ目に、レセプト等の診療情報を使って、どう安全対策に活用してい くかというイメージを書かせていただいたところでございます。診療情報デー タで得られる情報で一番期待していることは、副作用の発現頻度の情報が得ら れることだと思っております。  左にありますとおり、同じ薬効群で薬剤ごとの特定の副作用についての発現 頻度の比較とか、もしくは真ん中にありますように、疾患によっては、その疾 患の随伴症状で起きるいろいろな症状がございますけれども、それが本当に薬 による副作用なのか、それとももともと随伴症状として起きるものなのかをち ゃんと比較して、薬の影響を確認したいということ。また、いろいろな安全対 策を講じたときに、一番右になりますけれども、講じた結果、副作用の発現頻 度が下がっていくという、安全対策の効果が見えるようなことにも活用できな いかということを念頭に置きながら検討しているところでございます。  6枚目、ファーマコゲノミクスの安全対策への活用という資料を出させてい ただきました。多くの患者さんがいますと、個人個人で遺伝子の配列に微妙な 違いがあるということが、SNPで遺伝子的に例えば薬物代謝酵素を持ってい る人、持っていない人がわかってきております。仮に代謝酵素を持っていない と、血中濃度が予想以上に上がってしまう。そうすると、予想しなかったよう な副作用が起きるわけでございます。そういった遺伝子情報がもし事前にわか れば、適切な投与量を設定することにも使えるのではないか。ここに「予測」 ・「予防」型の安全対策と書かせていただきましたけれども、そういうことを 念頭に置いて検討を進めていきたいと思っております。  現在は、国立医薬品食品衛生研究所に職員などを派遣したり、また欧米の規 制当局と、例えばICHでガイドラインを検討するような動きもございますの で、そういったところで連携を深めている状況でございます。  7枚目は、特に患者様への情報の発信の状況について少しまとめさせていた だきました。私どもPMDAでは、いろいろなツールで患者様向けの情報提供 をさせていただいておりますが、ここに御紹介させていただいたように、医療 用医薬品の患者向けの医薬品ガイド、もしくは重篤な副作用のマニュアル、あ と一般用の医薬品の添付文書についても多くのものが見れるようにしておりま す。また、くすり相談ということで、機構に薬剤師等の職員が常駐して、一般 の方々からのいろいろな相談を受ける体制にしております。見ていただくとお り、毎年、相談件数も増えておりますし、ガイドとかマニュアルの掲載の充実 を図っているところでございます。ここについても、今回御提言の中で、もっ と活用しやすいようなというお話もございましたので、そういった点も含めて 検討を進めていきたいと思っております。  8ページは、学会との連携ということで、最近始めました。学会からいろい ろ出されております医薬品の適正使用に関する情報について、PMDAのホー ムページにもリンクを張って、できるだけ広く情報が伝わるようにということ で、こんな取組みも始めたところでございます。  9枚目は、医薬品医療機器情報配信サービス、プッシュメールということで やっているものでございます。これについても、できるだけこれを実際の医療 現場の方に使っていただくということについて検討するようにと御提言いただ いているところでございます。今、配信内容といたしましては、ここにありま す緊急安全性情報とか、厚生労働省が出しております医薬品・医療機器等安全 性情報という内容について、登録いただいた方々にメールで配信しているとこ ろでございます。  10ページ目に、その実績等を示させていただいております。平成20年度 は107件の情報について、プッシュメールという形で配信サービスをさせて いただいたところでございます。今、登録いただいている方が棒グラフになっ ております。17年8月にスタートしましたので、8月を起点にグラフ化して おりますけれども、現在、21年8月時点で約2万4,000人弱の方に登録 いただいているところでございます。  右にありますけれども、もっと多くの方に登録いただきたいということで、 PMDAの第2期中期計画におきましても、23年度中に6万件、25年度中 に15万件という方に登録いただこうということで、目標を設定したところで ございます。そのための取組みといたしましては、PMDAのホームページを 通じて登録いただいているわけでございますけれども、その方法の簡素化とか、 あとは配信する内容をより有効なものに、見て参考になるようなものに充実し たいと思っております。また、厚労省とも連携しつつ、また関係団体にも協力 いただきながら、医薬品安全管理責任者の登録も促進していきたいと思ってお ります。  続いて、職員の採用等の関係の資料を付けさせていただきました。11ペー ジ目は、前回の資料にもあったとおりでございますが、現時点のPMDAの職 員の数、そして安全対策については現在57名でございますけれども、増員に努 めている状況でございます。  12ページに今後の採用の見込みについての資料を付けさせていただきまし た。平成21年9月1日時点で内定しておる人間は、79名でございます。その うち21年度中に採用予定が8名、来年4月採用予定が71名でございます。  内定者の内訳ですが、薬学が65名、工学1名等々、こういう内訳になってお ります。注にもありますとおり、医師とか生物統計の専門の職員の記載がござ いませんが、医師及び生物統計につきましては、随時募集をかけ、採用してい るところでございますので、とりあえずここには書いていません。  あと、内定者の経歴の内訳は、ここに書いてあるとおりでございます。  あと、職員の採用ということで、13ページ目にございます。内定している 人間が79名いるわけでございますけれども、今後も安全対策や審査等の職員 を増やしていくことが組織を強化していくためには必要なわけでございます。 今後の予定といたしましては、今年度中もあと2回の募集を予定しております。 ここに今年1回目からの応募者数と内定者の数、またそれに当たっての業務説 明会の開催の実績等を示させていただきましたけれども、こういった形で今年 度中もあと2回、特に技術系職については募集をかけたいと思っております。  14ページ目、採用した職員をどういう形で研修、人材育成を進めているか について簡単に御説明させていただきたいと思います。人材の育成に関しまし ては、提言の中でも、医学・薬学等の専門性の向上のみならず、科学・社会全 般に関する広い視野を持ってほしいとか、命に関わる仕事でございますので、 高い倫理観を持ってほしいとか、医療現場等の現場感覚を養うことが重要と、 いろいろ御提言いただいたところでございます。  私ども、こういう形で職員の研修を進めているわけでございます。職員の研 修につきましては、一般体系コースと専門体系コースという2つのコースに分 けて研修を進めております。これは、平成19年度よりこういう形の研修の体系 にしたわけでございますけれども、新任者につきましては、一般体系コースは すべて受けていただいて、あと英会話研修とかをやらせていただいています。 専門体系のコースも、実地研修とか、もっとレベルの高い専門研修、あとは国 内外の派遣も組み合わせながらやってきている状況でございます。  特に、新任研修につきましては、15ページと16ページに今年の実績につ いて紹介させていただいております。今年の4月から6月の初めにかけまして、 新任者には、ここにありますような理念とか業務内容の基礎という内容で研修 したところでございます。特に業務内容の基礎については、ここに抜粋という ことで、健康被害救済業務とか安全対策業務、こういう内容の研修をしました。  また、16ページ目には、順番がもしかしたら逆なのかもしれませんが、P MDAの職員の、特に新任社員に対して、職員として一番大事な心構えを最初 に植えつけるのが非常に大事でございますので、検討会の委員の先生にも御協 力いただきながら、こういう内容の研修もやったところでございます。  17ページ、18ページには、データマイニング関係の資料を付けさせてい ただいていますけれども、これは昨年9月にPMDAに委員の先生方に訪問い ただいたときに御説明させていただいた資料そのままでございますので、説明 は割愛させていただきますけれども、データマイニングにつきましては、今年 度から実装して業務に活用している状況でございます。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。PMDAの安全対策という方面に絞っ て、詳細に御報告いただいたのですが、御討議をお願いしたいと思います。御 質問のある方、どうぞ。小野委員。 ○小野委員 質問を松田さんと、それから山口先生にも是非お答えいただきた いのですが、これだけ見ると、もうこれでやることはないな、副作用というの は全部見つかって、副作用はなくならないにしても、世の中から変なことはな くなるのだろう。見事な作戦をとっているわけですけれども、海外でとられて いる作戦ともパラレルだということはわかりますが、できないことも勿論たく さんあるわけですね。今の体制でできないこと、どだいそれはという話が山ほ どあるわけで、できることばかり書かれると、ああ、なるほどと思いますが、 できないことも是非プレゼンしていただけると、我々素人はすごく安心して聞 けるのですけれども、例えば国民に重大な影響を与えるできないことはどうい うものがあるでしょうか。というのを松田さんにお答えいただきたいのですが。 ありますよね。私が言ってよければ幾らでも言いますけれども、お答えいただ いた方がいいので。 ○寺野座長 どうしますか、松田さん。 ○小野委員 これが動いていれば、すべてもう何も起きないですか。そんなわ けはないですよね。そこをはっきり言っていただいた方が、むしろ国民は納得 するし、委員も勿論納得するしという話になるのですが、これができる、あれ ができると並べられると、説明を聞いていて何となく眠くなる効果はあるので すが、お願いします。 ○近藤理事長 私はちょっと素人くさいですけれども、答えさせていただきま す。  その1つは、今、人数が少ないということもさることながら、職員のスキル がまだまだ不十分である。これは、先ほど松田管理監からお話いたしましたけ れども、兵隊さんであれば、まだまだ新兵ぐらいの感じです。だから、徹底的 な教育機関をつくっていかなければいけないだろう。体系立った、しごき上げ るような仕組みをつくっていかなければいけない。そうすると、皆様方にとっ て納得いくような形の審査する人であるとか安全管理する人になっていくだろ う。だから、鍛え上げる仕組みを将来つくっていきたい。教育ですね。  もう一つは、水口委員初め、皆さんおっしゃっている第三者機関云々があり ますね。これは、総論としてだれも反対する人はいないと思います。ただ、デ ータベースとして、どれだけこれをしっかりとれるかどうかが勝負だと思いま す。私は前に病院にいましたから、データベース化したいと思って物すごく苦 労したことがあります。だけれども、一番大きなネックになるのは、透明性の 確保をしようと思うと個人情報が漏れてしまう。そこですべてとまってしまう。 みんな情報だけ欲しいのだけれども、与えるというところで非常にネックにな ってくる。  PMDAとしては、その両方を乗り越えるような仕組みをつくって、データ ベース化して、今後の第三者機関云々についても提供できるような仕組みをつ くっていきたいと思っていますけれども、それなりの知恵が必要だろうと思い ます。かなりインテリジェンスが必要だと思う。大体、国民総背番号制自体が うまくいっていないことを見ればわかるとおり、我が国は総論賛成で、各論で いろいろなところでネックになるわけです。だから、我々はすべて透明でやる のだというぐらいのつもりでないと、この仕組みはうまくいかないのではない か。国民的なコンセンサスをどうやって得ていくかが重要かと思っています。 ○小野委員 職員の教育とか訓練とか、まさにおっしゃるとおりだと思います。 そういうところをますます力を入れていくのは必要な世界で、それを外に見え るようにしていくということは重要だと思いますが、一方で、これはテクニカ ルな話になるかもしれません。ですから、理念の高いところの話から下に低く なって恐縮ですが、例えば何か事があると華々しくデータマイニングと言うの ですけれども、山口先生、実際うまくいって、これがプロスぺクティブに何か を予測できて、国民が救われた、助かった、ありがとう言われた例はどのぐら いあるのですか。 ○山口委員 御指名ですので。余りないと思います。幾つかは挙げられません けれども、そんなにはないと思います。なので、前から申し上げているとおり で、ワン・オブだと思います。だから、安全性対策でいろいろな対策があって、 そのうちの一つにすぎない。うまくいけば、言葉は悪いですけれども、めっけ 物じゃないですけれども、そのぐらいで考えているぐらいの方が。だから、過 度に期待すべきでは。勿論、やらないよりは、当然やった方がいいでしょうし、 有効な武器にはなると思いますけれども、専門的な見地から言うとそういうふ うに思っています。 ○小野委員 ですから、その限界みたいなものも一緒に御説明いただけると、 よりその方が安心するのではないかと思って申し上げているわけです。  それから、ついでですが、青森で肝炎の集団感染があったというのは、これ は今、全く同じようなパラレルなことが起きたら確実に拾えますねと、例えば そういう質問が出たときに、どのぐらいの確率で拾えますかという質問の方が いいのかもしれませんが、例えばお医者さんがちょっと手を抜いただとか、製 薬企業の方がいや、これは違うのだと誤った解釈をするだとか、どこかがとま ればこの機能がすべてとまってしまうのか、あるいは今のPMDAならそれが すべて拾えるのか、その辺に関してはどんな感じなのでしょうか。率直なとこ ろをお聞きしたいのですが。 ○松田安全管理監 それは、あの当時に比べると、法的な、例えば感染症報告 という制度も当時は明確には位置づけられていませんでしたし、例えばモニタ ー制度、医療機関報告についても、あの当時はボランタリーな報告でしたけれ ども、今は薬事法に基づく義務ということで報告いただいていますので、前よ りは当然レベルは上がっていると私は思いますが、いずれにしても、医療関係 者が安全対策のためにちゃんと報告するのだという意識を持っていただいて、 国なり企業に情報提供していただけないと、何とも始まりませんし、私どもの 方も、今は一例一例ちゃんとチェックして、それで原料段階に至るまで本当に 問題ないのかといったところもいろいろ評価して、こういった感染症というの は見ておりますので、前よりは相当高いレベルで対策は講じていると思います が、いずれにしてもそういったところをちゃんといただかないと始まらないと 思っています。 ○寺野座長 簡単に。 ○小野委員 はい。もう一点だけ。安全部の方々が仕事をされているのはわか るのですが、具体的に日々、どういう1日を、スタバとか昼間行って、お茶飲 んでとかまでは要らないのですが、こういう仕事をして世の中の役に立ってい ますということが見えにくくて、人が増えた、これはすばらしいことだと私も 思うのですが、是非胸を張って、こういう仕事をしていて、私の1日はこうで すということを、今回でなくていいのですが、具体的に何か説明いただいた方 が、限界も一緒に見えてきますので、ありがたいのではないかという提案です。 ○寺野座長 別の機会でもいいでしょう。今すぐというわけにはいかないでし ょうから。  では、友池委員、どうぞ。 ○友池委員 副作用報告は積極的に上げさせていただいているのですけれども、 これは薬剤師さんの力が大変大きいのですが、理想論かもしれませんけれども、 病院から上がる副作用報告のあり方は、恐らく全数調査ではないかと思います。 先ほど電子レセプトの件がありましたけれども、どこかで全数を押さえながら 病院から上がってくる安全と対比することで、副作用が未然に見えてくる。今 までは市販後調査とか、非常に限られたフィールドといいましょうか、パネル で、限られた集団だけで副作用がどれぐらいあるかを調査していましたけれど も、それは偏ったデータが出る可能性があります。副作用報告を私どもが上げ る仕組みをPMDAの方につくっていただいたので、その分上がってきている と思いますけれども、全体がどうかということになると、全数調査と対比する ことで、副作用の発生に気付かない医療施設にいかがかという問い合わせもで きるようになる。ひとつのあり方として述べさせて頂きました。 ○寺野座長 椿委員、それから高橋委員。 ○椿委員 恐らく、日々、各職員がスタバには行かずに非常に頑張っていらっ しゃると信じたいわけですけれども、一方でそういうことを担保するためには、 あるいは第三者がそういうことを信用するためには、マネジメントシステムな りプロセスが監査可能な形で確立していなければならないということを前、申 し上げたことがあるわけです。私、以前、機構さんがISO9000や何かの 研修をやっていたことを若干存じ上げているのですけれども、そういう形で今 後、第三者に対して胸を張れる、自分たちの仕事に対しての信用感を与えられ るシステム構築をやるような計画はないか。  これは、今、品質マネジメントシステムばかり申し上げましたけれども、恐 らくもう既にやられているのかもしれませんけれども、ISMS、情報セキュ リティーマネジメントみたいなシステムも第三者認証の対象になっているわけ ですけれども、これは病院側、データを提供する側からすれば、そういうきち んとしたシステムがあるところならば安心してデータを出せるという話につな がってくるわけですので、何かその種の取組みがどういう状況かということに は大変な関心があるところです。 ○寺野座長 高橋委員。 ○高橋委員 10ページの配信サービスのところですけれども、この中を見て いただくとわかるように、診療所とか病院の登録数が3割ぐらいだろうと思い ます。それで、目標として出されている6万件とか15万件というのが、医療機 関側での配信先をできるだけ多くするところに主眼を置いていただいていると 思いますので、この病院・診療所の割合をもっと高くする努力を是非進めてい ただきたいと思います。  それで、横の棒グラフを見ると、1年間で8,000件ぐらいの登録で、か なり伸びているように見えるのですけれども、実際8,000件の中身として、 医療機関側の登録が何割ぐらいを占めているのかを見ていただかないと、製造 販売業者としての登録も当然もっとしていかなければいけないのですけれども、 そこばかり増えているのであれば、配信サービスとしての機能をもう少し充実 させる意味で方向が違うと思いますので、是非そこをやっていただきたいとい うことと、8,000件の内訳がどういう比率になっているのか教えていただ ければと思います。 ○松田安全管理監 8,000件の内訳については、今、手元にございません ので、後ほど御説明したいと思います。  あと、高橋委員おっしゃったとおり、これから一番増やさなければならない のは、医療関係者だと思っています。ここに書いてありますけれども、安全管 理責任者の方々には是非入っていただくという取組みを進めていきたいと思っ ております。  あと、椿委員の方から先ほどお話ありました評価のシステムということにつ いても、実はうちの中の安全対策の業務の手順とか、どういうプロセスで進め ていくかについては、しっかりとしたものをつくっていこうと中でもいろいろ 検討しておりますので、先生の御指摘のところについては多少こたえられるの ではないかと思っています。 ○寺野座長 そのほかございますか。間宮委員。 ○間宮委員 7ページです。患者への情報発信等の現状のくすり相談のところ でお聞きしたいのですけれども、基本的に電話だと思いますが、受付は電話だ けでしょうか。   ほかにメールとか、できれば対面とか、現状と今後、例えば対面とか出張お くすり相談とか、そういうことは考えておられるかどうか、お聞きしたいです。 ○松田安全管理監 現状は電話のみでございます。  出張の件は、今度も薬害根絶デーのイベントのときに、昨年もそうですが、 今回も出張でいろいろやらさせていただきたいと思います。今お話いただいた 点については、今後どういうふうにするか、少し検討させていただきたいと思 います。 ○間宮委員 相談の部分においてのバリアフリーというのは大事だと思います。 電話を使えない方、耳が不自由な方はいらっしゃるわけですから、何か対策を 早急にしてほしいというお願いです。 ○寺野座長 ありがとうございます。山口委員。 ○山口委員 では、手短に。先ほど近藤先生がおっしゃった点について、若干 コメントさせてください。  まず、人の問題ですけれども、機構さんの方でどうにか教育してというお話 があったと思いますけれども、それ以前に、この検討会でも何度も話が出てい ますけれども、そもそも候補となるような人材の育成がほとんど日本ではなさ れていない現状があると思います。例えば薬剤疫学に関して、旧帝大で講座が あるのは東大、しかも寄附講座だけ。東大と京大にあるぐらいで、あとは薬学 部とか、あるいは医学部の公衆衛生とか疫学で薬剤疫学をやっている人間がい ますけれども、その辺の問題をどうにかしないと、なかなか思うようには、去 年100人とここで提言しましたけれども、到底集まるわけないと個人的に思 っていたのですけれども、実際、薬剤疫学一つとってもそんな状況ですので、 その辺は御認識していただけるとありがたいと思います。   それから、パブコメとか友池先生などから御意見ありましたけれども、レ セプトのデータベースの話です。先ほど松田さんの方からちょっと話があった、 懇談会の方で少し話が出ていますけれども、個人情報の問題をどうにかしない となかなか先には進まないと思います。懇談会の方でも話が出ていると思いま すけれども、プライバシーとか個人情報を保護しつつ、情報基盤を構築して有 効に活用するという方向性を見出していただかないと、この後行き詰まってし まうと思いますので、その辺御検討いただければと思います。  それから、データマイニングの件、先ほど小野さんからちょっと突っ込まれ ましたけれども、全然だめと言っているわけではなくて、データマイニングの 目的があると思いますので、その辺をうまく利用しながら使っていけばいいと いう点、補足ですけれども、以上です。 ○寺野座長 では、水口委員。 ○水口委員 今、山口委員から出た人材育成の問題は、今後この検討委員会で 今年度中にもう少し議論すべき大きな問題だろうと私も思っております。  それと、今日、PMDAからいただいた資料の中に、安全情報の提供と伝達 というものがございますが、医療用医薬品について患者に対する情報発信とい うのは、まだ非常に弱い。医療用医薬品の患者向け医薬品ガイドというのと、 重篤副作用疾患別対応マニュアルというものを私も拝見しましたけれども。私、 今日、意見書の中でチャンピックスという例を挙げました。この一つの薬をと って、日本での対応と海外の対応を比べたりすると、違いは歴然としていいま す。患者さんはリスク情報だけではなくて、ベネフィットとバランスの中で薬 を選択していかなければいけないので、そういう困っている方が本当にアクセ スしてQ&Aの形でずっと見ていくと疑問に答えるような親切なつくりには、 まだまだ遠いし、情報発信の方法もインターネットだけであったり、対象品目 も限られていたりということがあります。一次提言に対する一覧表の回答の中 で、何かこの2つ、医療用医薬品の患者向け医薬品ガイドというのと、重篤副 作用疾患別対応マニュアルがあればよいようなニュアンスで考えていらっしゃ るのかなと思えるところがありましたので、今後、この委員会で情報提供のこ とは更に突っ込んで議論していきたい課題です。そのことを申し上げておきた いと思います。 ○寺野座長 教育と情報提供ですね。情報提供に関しては、医療安全でもそう ですけれども、どんどんたくさん情報が入ってきても、どういうふうにそれを 解析していくか。集まるだけ集まっても、何をやっているのだというのが非常 に大きな問題なので、この辺もPMDAとしてどういうふうに解析方法を考え られているのかということと。  余り座長は質問してはいけないのだそうですけれども、1つ、さっきドラッ グ・ラグの問題がありました。それと安全性のための慎重な審査と、その間 のコンフリクトがあるわけですね。その辺を近藤理事長、どういう観点で考え ておられるのか、簡単にいかないかもしれませんが、ちょっとコメントいただ きたい。 ○近藤理事長 今のドラッグ・ラグに関しては、欧米でもう既に認可されてい るお薬に追いつくという意味では、別にそんなに大きな厳しいことはないのか なと思うのですけれども、日本がこれから世界のトップに立って医薬品を開発 しようということになると、審査というのは物すごく厳しくなるし、クオリテ ィーをもっと高めていかなければならないと思います。  そうしたときに、私としてはそんなにドラッグ・ラグというのは意識するの ではなくて、どうやって正しく審査するかということに入っていった方がいい のではないかと思います。それをしないと、多くの安全は維持できないと思う。 ですから、私自身、医者として見て、多くの薬は結構いい線行っていると思う のですけれども、いろいろな情報を見ると、この薬があればいいなと思う領域 がありますね。痴呆とかの薬は、これから前衛的にやっていかなければいけな いだろうと思うし、そうすると結構厳しい開発環境かと思うし、でき上がった お薬が厳しい側面を持っているかもしれないと思うと、よほどの覚悟を持って 我が国は臨まなければいけないと思っています。  ですから、PMDAも厚生労働省もそうだと思いますけれども、これから本 腰を上げて新薬に向かっていく姿勢を持つならば、それだけの人材をしっかり そろえる、例えばFDAぐらいの人間をそろえるぐらいの覚悟を持ってやらな いとできないのではないかという気がいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。清水委員。 ○清水委員 副作用の全数調査というお話もありましたけれども、これはある 程度の規模の医療機関だと医薬品管理者が機能できると思います。ですけれど も、もうちょっと中小病院を相手にするかしないかという議論も必要かと思い ますけれども、何が副作用なのかというところから定義していかないと、なか なか大変です。  今は、原則的にはボランタリーな申告ですから、果たしてボランタリーでい いのか。場合によっては、これを法的に義務付けるかということも踏まえませ んと、本当の意味での副作用情報をきちっと把握することは非常に難しいので はないか。ある薬剤が出たら、その副作用はこういうものが問題なのだという 形で提示してあげませんと、医療現場はなかなかそれに付いていかれないだろ うという問題があります。言っていることが大事なことはよくわかります。  ただ、それが副作用を本当にきちっと把握できるかどうか、また全然別な問 題です。  私の専門としている輸血の領域でも、最近になってやっと厚生省の研究班で、 5年目にして初めて、輸血副作用はこういう症状の出たものは集計しましょう ということでございまして、輸血副作用というのは、限られた製剤だけについ ても全数、副作用を輸血部に報告させているという医療機関はほんの一握りし かないです。そういう状況を踏まえたときに、副作用情報をどうやって把握す るのかということは、一つきちっと議論する必要があるのではないかと思いま す。 ○寺野座長 ヒヤリハットもそうです。把握と解析の仕方が問題だと思います。  西埜委員、どうぞ。 ○西埜委員 些細なことですが、資料13ページの最後に注書きに「内定辞退 者を含む」となっていますが、内定辞退者はこの内定者数の中に何人ぐらいい るのですか。 ○寺野座長 13ページ、米印のところですね。 ○松田安全管理監 この40人の中では、辞退されたのはお一人です。 ○西埜委員 そうですか。いや、四、五人もいたら大変だなという感じがしま して、1名だけでしたら、いろいろな事情がありますからどうということはな いと思います。  それで、採用の試験は面接があるのですか。 ○松田安全管理監 PMDAの採用試験ですが、3段階に分かれていまして、 第1次が書類選考をやらさせていただいています。その次に面接と小論文。1 回目の面接は、実際の業務をやっている部長とか審議役クラスでさせていただ きます。それで合格した応募者につきましては、最終的には、理事長をトップ に幹部職員で面接するという3段階でやっているところでございます。 ○寺野座長 まだ御意見があると思いますが、また近藤理事長を初め、松田管 理管も来ていただけると思います。お忙しいとは思いますけれども、PMDA の方に出ていただいていることは非常に重要でございますので、その都度議論 に御参加いただくことも考えていきたいと思いますので、PMDAに関しては、 もう時間が来ましたので、この辺りにしたいと思います。近藤理事長、松田管 理監、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。  では、最後の議題、本当は6時半に終わりたいと言ったのですけれども、い つものとおりですけれども、そういうわけにいかない。研究班の進捗状況と今 後の議論の進め方で、堀内研究班の今年度の進捗状況について、時間がなくて 申しわけないのですが、堀内委員の方から。 ○堀内委員 簡単に。 ○寺野座長 あまり時間は気にしなくていいですから、説明して下さい。 ○堀内委員 研究班が何をやっているかをきちんと出してほしいという要望も ありまして、各分担研究者及び研究協力者がどんなことをやっているかをまと めました。これまで、今年度に入って7回の班会議を行っておりまして、かな り突っ込んだ議論をやっております。  昨年度は、特に薬害肝炎の検証と開発防止のために資料を可及的に収集して、 それに基づいて検証を行いましたけれども、今年はまだ積み残されている部分、 特に関係者に対するヒアリングは昨年度できませんでしたので、それを行うと ともに、特に薬害肝炎の被害患者や家族の被害実態、これは健康上、精神的、 経済的、社会的な問題などについて詳細に調査して、その実態と被害救済のあ るべき姿について検討を行おうということで議論してまいりました。調査の方 向性と具体的なことが大体まとまりまして、これから具体的に調査を行う段階 にあります。  特に、患者の被害実態を調査するということですが、これもかなりの時間を かけて議論いたしました。特に、どういう患者に対して調査をするかというこ とがかなり問題になりました。原告団等になっている方々、それから先ほども 議論がありましたけれども、名前も出せない、いろいろな悩みを持っていらっ しゃる。そういう方々も含めて調査するか、できれば幅広くということを考え ましたが、具体的にはなかなかそこまで手を回すこと、だれが患者かも十分 わからないとか、それがどういう状況にあるかも十分でないということで、結 局和解が成立した被害者と、遺族がいらっしゃる場合には遺族ということで、 1,100人を対象にして全国調査を行う。  これについては、全国原告団、それから弁護団の方々に大変な御協力をいた だいて実施する。それに対して覚書を作成して、取り交わしている最中であり ます。  それから、調査票の作成について議論したということで、これについては片 平分担研究者と山本研究協力者が中心になって、それに患者でもある坂田、泉 分担研究者が加わってやることになっております。  それ以外の部分については、細かくやっていいですか。 ○寺野座長 いいですよ。基本的には30分予定しているわけですから、7時 にはぴたっと終わります。 ○堀内委員 2ページ、津谷分担研究者は、特に承認システムについて日米の 比較とか、安全性の向上に対する行政のあり方について、いろいろな資料に基 づいて、特に外国との比較等についても行う。外国にも行って、承認システム について、実際にどのようなことがやられていることについても検討してくる。 特に、日本において問題になった1962年〜64年のころ、外国でどうだっ たかも調べたいということでありますけれども、これはなかなか難しい話だろ うと思っておりますけれども、調査したいと考えております。  それから、高木分担研究者は、特に問題になった医薬品の使用に関して、医 療側から、特に医師の立場からの問題点をアンケート等によって明らかにした い。どういう問題意識を持っていたか。医療側からの問題意識と責任の問題も あるかもしれませんけれども、考察したいということであります。これは、主 としてアンケート調査を行うということです。  それから、磯部分担研究者は、法学者の立場として情報保障のあり方とか薬 事行政におけるリスク対応のあり方等について、論理的に考察を行っていきた いということ。それから、薬事行政の動き等の評価研究を、海外でどうだった かということを情報収集して比較するということを行いたいということであり まして、これは松下研究協力者と一緒に研究をやっておりますけれども、松下 協力者の場合は、特に薬害裁判における問題点、それから先ほども出ておりま したけれども、医薬品の添付文書のあり方について考察したいということであ ります。  それから、泉分担研究者、坂田分担研究者の2人には患者の立場で加わって いただいておりますけれども、特に泉分担研究者にはC型肝炎の被害者実態調 査に全面的に協力していただく。この調査研究は、先ほど申し上げましたよう に、原告団、弁護団等の協力を得ないとできないことでありますけれども、そ の中で分担研究者として入っていただいているので、実際にいろいろやってい ただくということ。  それから、特に監視機関のあり方に関する調査ということで、先ほどから議 論が出ておりますけれども、そのことについて。  それから、企業への質問等について、これまで企業に文書ではいろいろ回答 をいただいていますけれども、関係者に対してできればヒアリング等を行って、 もう少しいろいろな問題点を明らかにしていきたいということです。  それから、坂田分担研究者については、関与した人たちからヒアリングを行 って問題点を明らかにしていくということでありますけれども、その前段階と して、厚労省、田辺三菱製薬、日本製薬に質問状を出して、それを基にして、 当時の関係者にどのくらい当たることができるか、時期がたってしまっており ますので、難しい点もございますけれども、今やらないとやるチャンスはなく なるだろうということで、ヒアリングをできるだけやる形で取組むことを考え ております。  それで、これに関わる研究費についても話をしてほしいということでありま したが、これは口頭で申し上げます。今年度の研究費は、全体で3,500万 円に最終的に決定いたしました。その中で、先ほどお話ししましたインタビュ ーは、謝金とか交通費を含めて650万円程度、それから海外渡航費が30万 円ということを考えています。それから、被害者のアンケートに関する研究は 260万円程度。それから、医師に対するアンケート、これはインターネット のアンケートとヒアリングをやる予定ですが、インターネットアンケートだけ で140万円ぐらいかかるということであります。それから、各研究者に対す る研究費としましては、私がやっている主任経費、これは事務費などを含めて 200万円、あとの分担研究者には100万円、研究協力者は60万円程度で、 これは昨年並みであります。残りの1,800万円を野村総研に委託するとい うことで考えております。  こういう研究はかなり人件費がかかりますので、お金がかかる。十分だとは 思いませんけれども、こういう体制でやりたいと考えております。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。堀内委員から研究班の進捗状況につい てお話をいただきましたが、委員の方も含めて御意見を伺います。清水委員。 ○清水委員 3ページの高木分担研究者ですが、以前「今日の治療指針」とい う本にフィブリノゲンの適応について、適応ありなしということを一覧表にし た表が出されていました。私、事務局にはコメントしたのですが、ヒアリング するならば、その中で以前は適応ありとしていた人が、後ほどなしと変わって きている。同じ著者で変わってきている人がいます。そういう人が複数人いた と思いますので、その方に是非ヒアリングをしていただいて、その変わってい ったプロセスを、根拠があったのか、なくてもいいのですけれども、そういう ことを把握することよって、医師のメンタリティーと言うと言い過ぎかもしれ ませんが、対応のあり方がかなり明らかにできるのではないかと思いますので、 是非それを検討していただきたいと思います。 ○堀内委員 ありがとうございます。「今日の治療指針」については、昨年の 中間報告でも、それが変わってきたことについては整理させていただきました けれども、今のように著者がどうかというのはおもしろい観点だと思いますの で、検討させていただきたいと思います。 ○寺野座長 そのほか御意見ございませんか。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 質問です。松下研究協力者が検討されようとしている具体的な内 容が、読んでもいま一つイメージがつかめないのですが、どういうことをされ ようとしているのか、もうちょっとだけ御説明いただけないでしょうか。 ○堀内委員 基本的には、磯部分担研究者と一緒に、薬事行政におけるリスク 対応のあり方がメーン。それから、今、特に問題にされたのは薬害判決のこと でしょうか。 ○水口委員 はい。たしか研究班では、前年度の提言では添付文書を承認事項 に含めるという提言をしていらっしゃいますが、そういったことと関係がある ということなのでしょうか。 ○堀内委員 「薬害判決の見直し」とここに書いてありますけれども、ちょっ と私も問題があるなと思って見ていたのですけれども、薬害の判決については 関与しないことになっておりますので、この点についてはもう少し表現の仕方 を考えたいと思います。いろいろな判決を比較するというニュアンスだと思い まして、「薬害判決の見直し」というと、これはよかったか悪かったかという 話になるので、それをやるつもりは毛頭ないと思います。最初の班会議での確 認事項になっておりますので、それはないと思っております。もう少しここを 整理して、次回に提出させていただきたいと思います。 ○水口委員 もう一つお願いなのですが、これから大変な調査をなさろうとし ているので、難しい部分はあると思いますが、私どもの委員会は、今年度は最 終提言になるわけです。前年度は、研究班の報告書を私どもがいただいて拝見 したのは第一次提言の後になり、余り反映できなかったという部分が率直に言 ってあると思います。今回、私が今年度の検討課題と提案させていただいたも のの中にも、後から研究班報告書の提言をよく読むと、更に私たちの提言に盛 り込んだり、あるいは議論を深めておくべきだったという論点が幾つもあった わけです。  そういうことを考えますと、非常に貴重な調査をしていただくわけですから、 何とか調査結果が私どもの本体の委員会の最終報告書の内容にきちっと反映で きるようなタイミングで提供していただく工夫を御願いします。せっかくやっ ていただいたものが全然最終報告書に反映されないということであれば残念で すので、是非ともそこの工夫をお願いしたいと思っております。 ○堀内委員 ごもっともな御指摘だと思っております。班会でも頻繁に早く具 体化しようということでやってきたところですけれども、いろいろな問題があ りまして、実際に患者被害のアンケートをとろうと思ってもいろいろな問題が 出て、それを議論していたりしてここに至ってしまったということでありまし て、そうは言いながら、できるだけ早く、スピードを上げたいと思っておりま すけれども、どれだけ早くアンケートが帰ってくるかでディペンドするかと思 っております。原告団と弁護団は大変協力してくださっているので、何とか早 く集めて解析したいと思っております。 ○寺野座長 大変な作業で、エネルギーも時間も大変なのですが、それを最終 提言に生かさなければいけないにもかかわらず、まさに難しいところがありま すね。でも、できるだけそういう方向で可能な限り努力したい。堀内研究班長 とも相談していきたいと思っています。 ○水口委員 最終報告書が、また再発防止と肝炎の検証と2つに分かれる構成 になるわけですね。そこも議論しなければいけないのですが、それがないと肝 炎の検証の部分は、第一次提言と何も変わらないものをもう一遍出すことにな りかねないわけですね。ですから、そういった意味で是非ともよろしくお願い します。 ○寺野座長 坂田委員。 ○坂田委員 検証をやる中で、当時はこうだった、でも現在はこう変わってい るという意味合いで、現在の厚労省の官僚の方々とPMDAの職員の方々に対 するヒアリングは、とても必要だと感じております。事が事だけに、研究班で そこの部分をやるのではなくて、この委員会に出てきていただいて、ヒアリン グというよりも意見交換会みたいな形でやっていったらどうかと思いますけ れども、いかがでしょうか。 ○寺野座長 その点は、今までも御意見を何人かからいただいているわけです けれども、時間的な制限がどうしてもありまして、ただ単に10分ぐらいお話 を聞くだけでは十分でないし、意見交換というと、1人について30分ぐらい かけなければいけない。しかし、かなり時間的な制限があるということで、こ の辺は研究班の方でかなり意見交換していただいた上で、それを出していただ いて、更にこの委員会で意見を申し上げるという形でないと、ちょっと無理で はないかと私は思います。もっと回数を増やすとか時間を延ばすなら別ですけ れども、今までもぎりぎりの時間でやっていますので、その点はちょっと御理 解いただかざるを得ないかと思いますが、いかがでしょうか。    小野委員、どうぞ。 ○小野委員 今日、PMDAの代表の理事長以下の大変な方々におかけいただ いて意見交換ができたと思うので、少なくともこういう形で次回以降も、お忙 しいのは十分理解しているのですが、先ほどの長妻先生ではないですが、台本 にない意見交換をきちんとできる形にしていただくのはいいのではないかと思 います。それは、坂田委員の発言とも合うのではないかと思います。 ○寺野座長 それはいいのですが、当時の関係者の意見のヒアリングとかは、 個人情報的なものもあって難しいところがあるのではないかと思います。可能 なものでこちらの時間が許せば、それは入れますけれども、その辺は研究班と の相談の上でやっていくしかないと思います。 ○堀内委員 私もそう思います。特に、当時の関係者と話し合いをするのは、 オープンの場では極めて難しいだろうと思いますので、御理解いただきたい。 ○坂田委員 私が言っているのは、当時ではないです。現在です。これができ るのかできないのか、今日みたいな話でやっていけたら、以前も何人かの委員 が是非聞きたいという意見もありましたし、そういった形でできればと思って います。 ○寺野座長 それは勿論考えています。ですから、ここでやるべきことである と考えたものに関して、言っていただければ検討させていただいて、時間との 相談の上で行いたいと思います。  そのほかよろしいでしょうか。花井委員。 ○花井委員 高木分担研究者の研究デザインですけれども、前回、(3)の肝 炎の重篤性に関する治験の進展と医療現場への伝達状況は、かなり文献的にも 網羅してやったと思うんですけれども、今回、アンケート調査を実際使用した 方にやられるということで、さっき清水委員の話にも出ていたのですけれども、 時間的にかなり期間がある中で、アンケートとしてどの辺まで射程に入れてい るのかなということがもう少し詳しくあれば。  つまり、期限的にある認識が移り変わっていく時間的な進行があるわけです ね。アンケート調査において、このときに効くと思ったから使った、効きまし た、効きませんでした。リスクがこの程度だから、使う方を選びました。以上 というアンケートになれば、輪切りでその時点での認識なのですが、去年の研 究は、そこがかなり重層的な研究になっており、それに反映させた形での今回 のアンケートであれば、それなりに工夫されたアンケートになるのか、ちょっ とそこまでは難しいと考えているのか、どの辺まで考えていますか。 ○堀内委員 これも当時の使っていた人たちがかなりの年齢になっております。 ですから、2つ考えています。1つは、インターネットアンケート、インター ネットに登録している医師、これは当たり的な意味があるのですけれども、ど ういう考え方をしていたか、若い人たちも入ると思いますので、その辺の分析 をやって、その上で当時使っていたと考える人、あるいは産婦人科学会とか、 たくさん使った学会に所属している人とか医師に対してリストアップを、特に 学会に協力していただいて、その人たちに対するアンケートを行うことを考え ているところであります。 ○花井委員 ありがとうございました。意外に知識世界というのはフラットに 広がっていなくて、私ども、エイズのときの調査で思ったのですけれども、意 外にある専門領域の人たちは、そこに閉じられた形であるので、一般の知識世 界と閉じられた集団との距離感が多分わかればいいのではないか。 ○堀内委員 時代、時期によって考え方が大分変わってきていると思いますの で、その辺を踏まえてやることになります。 ○寺野座長 ありがとうございます。堀内研究班については、毎回、委員会の 方で報告していただいて、皆さんの御要望をお聞きいただくことになると思い ますので、今日はこの辺りで終わらせていただきたいと思います。  最後に、今後の議論の進め方について事務局の方から。 ○医薬品副作用被害対策室長 お手元の資料7です。今後の議論の進め方は委 員の皆さんがどういうふうにしたいと考えられるかということによるわけです けれども、事務局の方では、とりあえず今の段階でやらなければいけないこと を固まりとして整理しました。  年内は、月1回のペースで3回、大分無理をお願いしている形になっていま すが、こういった日程でお願いしております。  年度中に最終的に御意見を改めてとりまとめていただくということですので、 昨年のことを考えても、年明けにはそれを意識したような御議論に入っていた だく。第二次提言(仮称)と書いてありますけれども、最終報告に向けた具体 的な議論が年明け以降になろうかと思いますので、そうだとすると、年内に主 な論点については一通りしておくということが前提になろうかと思います。  固まりで言うと、今、堀内委員から御紹介があった研究班の検証作業が1つ。  2つ目は、第一次提言に関する取組み状況などを、私どもとPMDAとあわ せて御説明していますけれども、それで足りないところなどがある。  3つ目に行政組織のあり方で、今日は特に第三者機関のことについては別途 詰めようということをいただいていますので、それはそれで随時こちらの方に 報告なり説明をいただく。  4つ目とヒアリングと書いてあるところは、これは時間的な配分もあろうか と思いますので、委員の皆さんがどう考えるかによると思います。  この1、2、3は、各回どういう形でやるというよりは、それぞれについて 委員の皆さんの御意見に沿って毎回それぞれやることになるかと思っておりま すけれども、 皆さんの御意見なり御指導に従って日程を考えてまいります。 ○寺野座長 ありがとうございます。7時に終わるという約束をしたので終わ りたいと思いますけれども、最初に新しい厚労大臣にも来ていただいたわけで すが、政治状況がかなり大きく変わったということもありまして、この委員会 もそれに無関係ではありません。かなり影響されると思いますけれども、これ はこれで、我々として淡々と進めていくしかないと思います。ですから、これ までどおりの形で、政治状況を見ながら進めてまいりたいと思いますので、皆 さんに御協力を是非お願いしたい。  先ほどの第三者的組織ということに関しては、具体的にそのワーキンググル ープの委員を希望される方は申し出ていただきたいと思いますが、ほかの委員 をやっておられる方は大変ですから、できるだけそれと重複しない形でお願い して、たくさんの場合には我々の方で考えさせていただいて、五、六人という レベルでワーキンググループをしたいと思っておりますので、御了解いたきた いと思います。  では、本当に長い時間、30分も超過してしまいましたが、いつものことで すので我慢していただいて、これ以上は延ばさないつもりですので、また今後 ともよろしくお願いします。今年じゅうでも、まだ3回あるということですね。 大変ですけれども、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。                                 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)