09/09/30 平成21年9月30日中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/09/30 中央社会保険医療協議会          第142回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年9月30日(水)10:37〜12:27 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 森田朗委員 対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員(代 清水)   伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本すが専門委員        <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 周産期・救急等について       ○ 社会医療診療行為別調査について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様御着席でありますので、ただいまより第142回中央社会保険医 療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。  まず、本日の出席状況でございますが、本日は高橋委員の代理で、全日本海員組合の清 水保さんがお見えになっておられます。  それでは、議事に移りたいと思います。  本日1番目の議題は周産期・救急等についてということでありますけれども、これまで 周産期・救急につきましては、7月に基本小委で実態についての報告がありまして、それ に基づいた議論をして、それに引き続くというものでありますけれども、本来、改定につ いての議論は社会保障審議会の医療部会・保険部会で決定された方針に基づいた議論とい うことでありますけれども、この両部会、基本方針についてはまだ検討中、審議中という ことでありますが、必要である、必ず問題になるであろうという内容については、中医協 のほうでも議論を進めるということの合意を得たわけでありますので、それについて7月 に引き続きまして、本日議論を進めていくということであります。  いよいよもって22年度改定に対して具体的な議論をしていきたいと思いますので、そ ういう意味ではより具体的な議論に移りたいと思います。今回改定に伴ってさまざまな課 題がございますので、効率的な議事の運営をしていきたいと思いますので、皆様にも御協 力のほどよろしくお願いいたします。  それでは、早速、周産期・救急等につきまして、事務局から資料が出されております。 7月にも資料は提出されているわけですけれども、それも含まれている資料のようですが、 追加されたものもありますので、これについて事務局から説明をいただきたいと思います ので、よろしくお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  資料は4種類ございます。まず、診−1−1という資料、それに関連する参考資料、そ れから、診―1―2という資料、それに関連する参考資料がついていると、こういう構成 になっています。テーマは大きく2つありまして、1つは、周産期医療体制というもの、 それから、後段のほうが救急医療一般ということになります。  まず、診−1−1、周産期医療体制の確保のほうから説明させていただきます。適宜、 参考資料を横に置いていただいて、両にらみでごらんいただければありがたいです。本文 のほうにも参考資料のページが振ってありますので、そういうことでよろしくお願いいた します。  参考資料でいいますと、1〜6ページぐらいのあたりになりますけれども、周産期医療 の医療体制ということでは、参考資料でいうとちょうど1になりますけれども、頂点に書 いてありますけれども、総合周産期母子医療センターというものが、45都道府県75カ 所で、その少し下に書いてありますけれども、地域周産期母子医療センターと言われると ころが39都道府県236カ所に整備されているということになります。また、総合周産 期あるいは地域周産期母子医療センターと言われるところには、新生児集中治療室があり ますけれども、そういうところで大体2,300床、お母さんも含めてやっていただける MFICUというところは約470床ということです。  それから、資料の2、3、これは何度かごらんいただいたかと思いますけれども、分娩 施設の推移で言いますと、病院も診療所も漸減傾向にある。もちろん出生数も漸減傾向に あるということが言えます。  もう一度本文ですけれども、昨年10月には東京都で産科合併症以外の合併症により妊 婦が亡くなった事案ということもありまして、周産期医療と、後ほど御説明いたします一 般的な救急医療の連携とか、あるいは、受入れ体制というものが非常に重要だということ で、整備指針の改定も行われると聞いております。  今後、整備指針の改定がありますれば、都道府県において総合周産期母子医療センター の体制強化などを含む新たな計画が策定されることになると聞いております。  先ほども御説明しましたように、現状と課題のところで、低出生体重児をはじめとして ハイリスク新生児の割合が増加しております。資料でいうと3番目のスライドになります。  それから、少しめくっていただきまして、救急搬送患者のうち周産期傷病者の医療機関 の受入状況でございますけれども、消防庁と厚生労働省が共同して調査をしたものを7ペ ージに書いてございます。そこにありますように、救急の中で産科・周産期の傷病者と言 われたものなんですけれども、ごらんいただきますように、1回で受け入れが決まったと ころが83.7%ですし、また、2回〜3回までというのは11.7%ですから、ざっと 言いますと95%ぐらいの例では3回目ぐらいまでの照会で決着がついているというか、 ちゃんと受け入れていただいているんですが、0.3%ぐらいの例では11回以上、受け 入れていただけますか、受け入れませんかというようなことになっているということが、 7番目のスライドの上の段でございます。  それから、現場に滞在した時間区分ごとの件数も書いてありまして、どこで受け入れて もらえるかということで、救急車をとめて現場で待機をした時間数なども書いてございま すけれども、大抵のケースでは30分未満、つまり15分と30分未満を足しますと、大 体93〜94%ぐらいありますけれども、大抵のケースでは30分未満なんですけれども、 120分以上なんていうのも0.04%ある。60分以上を入れますと、0.6〜0.7 %近くあると、こういうことになります。  それから、その下の日本地図ですけれども、一般の救急もそうでしょうし、産科救急も そうでしょうが、こうやって医療機関の受入れの照会に困難する例とか、あるいは、短い 時間で受入れ先が確保できない例というのは、大抵は医師不足があるんじゃないかとか、 医療機関の数が少ないからじゃないかというふうに思われがちなんですが、実を言います と、この図を見ていただきますと、ここでは4回以上の事案、30分以上の事案の割合が、 いずれも全国平均を上回る団体というのを地図上にマッピングしているわけですが、そう しますと、茨城とか一部の都道府県を除きますが、首都圏とか大阪圏のように比較的人口 が多く、医師も本来は多いはずで医療機関も多いはずのところで、4回以上の事案、30 分以上の事案となっておりますので、この問題は非常に難しいということが理解できると 思います。つまり、単純に医師が多ければすぐにすんなり受入れ先が決まるというわけで もないという、かなり難しい事案であるということがこの地図で見てとれると思います。  それから、本文にもう一度戻りますけれども、総合周産期母子医療センターの約8割に おいて、NICUの病床利用率が90%を超えております。母体、それから、新生児搬送 の受入れができなかった主な理由は「NICU満床」となっています。これはスライドで 申しますと、9番目のスライドになります。右側のところを見ていただきますと、受入れ ができなかった主な理由として、センター数49、NICU満床というのが92.5%。 もちろん診察可能なお医者さんがいなかったというのも、母体の場合で22.6%、新生 児の場合で11.9ですけれども、満床と言われる部分がかなり多いということのようで す。こういう中で、先ほども申しましたように、NICUの整備目標というのがつくられ ているということになります。  めくっていただきまして、4番になりますけれども、周産期母子医療センターにおける 受入れ体制の強化については、先ほどありましたように、NICUの空床確保のために後 方病床と呼ばれるところを確保していくということになります。あるいは、妊産婦や新生 児の搬送体制、これはご存じかと思いますけれども、母体を搬送するための特別の救急車 みたいなものが確保されているわけですけれども、こうした救急車ももちろんのこと、救 急車を含めた搬送体制を充実させることによって、地域の産科医療機関との連携や役割分 担が進むということになります。  それでは、本文の第3の現行の診療報酬上の評価の概要というところになりますけれど も……。失礼しました、直前の5の説明を忘れておりました。  周産期医療と一口に言いますけれども、正常妊娠や正常分娩については、疾病に対する 治療という位置付けになっておりませんので、健康保険法でいうところの療養の給付の対 象となっておりませんが、母子保健法の中では妊婦健診等の通常の母子保健対策が行われ ておりますし、また、健康保険法上は診療報酬ではありませんが、出産育児一時金が支給 されております。  今日は丁寧には説明しませんけれども、スライド番号で言いますと、19ページ、20 ページがその説明になります。ちょっと順番が逆になっていますけれども、妊婦健康診査 については、先ほども申しました母子保健法に基づいて公費負担がなされているわけです けれども、昭和44年度以来地方交付税措置で一般財源化されたりもしておりますが、回 数についての充実等がなされているというのが20ページ、それから、19枚目のスライ ドですけれども、先ほどから何度も申しておりますように、診療報酬上の話ではありませ んが、健康保険法上、出産育児一時金ということで、平成6年以降の経緯だけ取り出して 説明をしておりますけれども、支給額が逐次改善されているというような状況です。  失礼しました、もう一度、本文の第3のところに戻っていただきます。第3で現行の診 療報酬上の評価の概要です。先ほどから申し上げておりますように、正常妊娠や正常分娩 で終ってしまえば、これはいわゆる自由診療ですし、健康保険法上は出産育児一時金が支 給されて終ると、こういうことになりますけれども、何かリスクがあると言いますか、異 常分娩というようなことになりますと、診療報酬上で評価をされるということになります。 そこに書いておりますように、母体や胎児に合併症等の異常がある場合に行われる治療に ついて評価をしておりまして、A302が新生児特定集中治療室管理料、さっきから何度 も言っておりますが、NICU等については1日につき8,500点、それから、総合周 産期特定集中治療室管理料というところでは、母体・胎児集中治療室管理料、それから、 新生児集中治療室管理料が支払われるということになります。  それから、妊産婦が救急に搬送される場合、そして、それを受け入れた場合の入院加算、 それから、ハイリスクと言われる方についての妊娠管理加算について、平成20年には評 価をされました。それから、従前からありましたハイリスク分娩管理加算についても、前 置胎盤や心疾患、白血病等の疾患がある場合に、これをハイリスク分娩加算の対象として 拡大をして、評価の引き上げを行ったところであります。  資料がありますので、資料のほうでも御説明をいたしますけれども、スライドの16番 を見ていただきますと、平成18年度のハイリスク分娩管理加算の新設の時期には、ここ にありますように、6つの項目のある患者さんがハイリスクの分娩をされる場合にという ことで対象になっていたわけですけれども、平成20年度改定では、関係学会等の意見や 提言も受けまして、ここにありますように、ざっと10ぐらいの項目を追加したという状 況にあります。  また、スライドの17を見ていただきますと、平成20年の改定において、分娩管理加 算だけではなくて、妊娠の時期を管理していただけるような場合については、こういう項 目が対象の患者としてリストアップされたわけです。  次のページの3ページになりますけれども、今申し上げましたハイリスク妊娠管理加算、 分娩管理加算、それに救急搬送入院加算の届出状況がどうかというのを参考までにつけて おります。これは先般、3月末日づけの届出報告をいたしました時にもお示ししたもので すが、参考までにごらんくださいということです。  それから、先ほどから何度かお話をしましたけれども、NICUが満床ということでご ざいますから、患者さんの病状に応じてということになりますけれども、できうることな らばNICUから退室していただくということが望まれるところであります。そういう意 味で、NICUから退室される方は、自宅に帰られる方もあるわけですけれども、一般に はGCUでありますとか、その他療育施設等に移行していかれるわけですけれども、そう いった方を見てくださる場合、例えば人工呼吸器だとか点滴だとかをした状態で、かなり 悪い状態で引き受けてくださる場合に、A212というところで示していますけれども、 超重症児(者)入院診療加算、あるいは、これに準ずる状態にある準超重症児(者)入院 診療加算というような点数を従前から設定しているわけですけれども、平成20年度にお いても相当程度加算をしたところであります。  それから、A212−2は、もしかすると超重症児の少し前の段階になるかもしれませ んけれども、いわゆるGCUと呼ばれるところで新生児入院医療管理加算というのを算定 できるわけですけれども、平成20年の改定では点数を少し上げたということになります。  こうしたところが一体どのくらいあるかということでありますけれども、算定の件数を、 平成20年6月審査分の件数を書いていますけれども、超重症児の6歳未満で466、6 歳以上で6,600ということですから、大体一月に7,000人ぐらいの方、それから、 準となりますと9,500人、ざっと1万ということになりますから、トータルしますと 1万7,000人ぐらいの方が、NICUを離脱してと申しますか、退室されて、こうい うところでケアをされているということになります。  それから、今、枠の中の話をしましたけれども、本文のほうになりますけれども、これ 以外にも、さっき申しました療育施設みたいなところで超重症児等を受け入れていただい ている場合には、障害者等入院基本料というのがとれるんですが、これに7対1の入院基 本料も新設されたということであります。  本文の4ページ目を開いていただきまして、第4の論点ということになります。これは、 これで決まりということではありませんで、御議論いただく上でたたき台が必要だろうと いうことで、事務局のほうで準備をしたものです。適宜、追加や御意見をいただくという ことで、とりあえずたたき台ということで準備をしたものであります。先ほどから申し上 げておりますように、増加するハイリスク児に対応するために、さらに整備が進められる こととされたNICUの診療報酬上の評価についてどう考えるかということがあります。  それから、2つ目は、産科合併症以外の合併症を有する妊婦の受入れの診療報酬上の評 価についてどう考えるか。これは、先ほど申しましたように、妊婦さんが基礎疾患を持っ ていらっしゃる場合ですね。  それから、3番目、たった今申しましたけれども、NICUの退室患者が病状に応じて そういう病床へ円滑に移行できるよう、手厚い看護体制など、重症児に対応できる診療体 制や在宅療養への支援等に対する診療報酬上の評価についてどう考えるかということです。  それから、4番目、先ほどから出ております総合であれ地域であれ、周産期母子医療施 センターと地域の産科医療機関との連携体制、あるいは、母体・新生児の施設間搬送を行 う医師等の活動について診療報酬上どう評価していくか、どう考えるか。  それから、ハイリスク分娩管理加算の要件等についてどう考えるかということになりま す。  これが本文になります。先ほど資料を簡単には説明しましたけれども、今、本文の説明 の中で触れなかったところについても、せっかく準備しましたので、少し補足をして説明 いたします。  スライド番号の11番をお開きください。先ほどからNICUが満床だとかいう話をし ましたけれども、厚生労働科学研究等でNICUの必要病床数等について分析がなされて おります。詳細は申し上げませんけれども、上の四角の囲いの中に黒ポツが3つあります が、その一番下の黒ポツを見ていただきますと、平成19年度厚労科学研究でのNICU 必要数は、出生1,000に対して約3床ということになっています。結論的なことでい うと、不足しているNICU病床の総数は700床〜1,000床ぐらい、うち早急に整 備すべき病床は200〜500床ということですので、こうしたところも診療報酬で応援 をしてもらえば整備ができるのではないかというのが、担当している部局の意見のようで ございます。  それから、ちょっと飛びますが、スライドの13を見ていただきたいと思います。こう したNICU、たった今お話をしましたけれども、出生1,000体で約3床ぐらいを準 備するといたしました時に、こうした入院児が一体どのくらい、どういうところに退室し たり、流れていっているのかということを推計したものが、この厚労科学研究のようでご ざいます。  紹介しておきますと、年間のNICU入院は、退院した人、まだいる人も含めて、3万6, 000例あるそうですけれども、抽出的な調査でやってみますと、12カ月以上の長期入 院に及ぶ人が、出生1万で2.2例だそうです。220例ぐらいになるわけですけれども、 こうした人がどうなっていくかということを推計していますけれども、死亡退院の方が約 15%、自宅へ退院できる方が約30%、そうしますと、残りの約55%、120名の症 例に対し、受入れ施設あるいは在宅支援体制を整える必要があるということなんだそうで す。しかし、こういう方も、120名だから120床でいいというわけではなくて、先ほ どお示ししました中に6歳未満、6歳以上とありましたが、5年、10年と長生きをされ る方がいらっしゃいますので、こうした方がだんだんと、言葉が適切かどうか分かりませ んけれども、蓄積すると言いますか、たまってくると言いますか、たくさんおいでになる ということになります。  こうしたことがありまして、14ページでございますけれども、整理をいたしましたの がこれでございます。平成20年3月31日の「周産期医療システム整備指針」における 総合周産期母子医療センターの必要病床数からみますと、現状ではNICUは2,341 床、必要数は3,000ということですから、大体700床とか、そのくらい足りないと いうことになるんでしょう。  それから、その後方施設としてGCUという言葉で代表していますが、その2倍という ことですから、6,000床ぐらいは必要なんじゃないかということのようです。  それから、先ほども申しましたが、社会医療診療行為別調査の6月審査分で見てみます と、新生児入院診療管理加算をとっているところが616件、こういうデータが出ていま す。これは一月分ですので、これだけでは参考にはできません。  最後ですが、スライド18をごらんください。これは、いろんな審議会等でもごらんい ただいたので、もう既に見たという方がいらっしゃるかもしれませんけれども、冒頭にも 申し上げましたように、ハイリスクのお子さまの受入れ一つとりましても、単純に診療報 酬だけで改善すべき部分だけではないということで、こういうマトリックスがつくられて おります。  縦方向に制度上の措置、この中には法律改正なんかもあるかもしれませんし、政令・省 令といった部分もあるかもしれませんし、通知の部分もあるかもしれません。それから、 2つ目は予算上の措置ということになります。一般的には補助金ということになりますで しょう。それから、一番下が診療報酬上の措置ということになります。  この横軸方向には、周産期のステージごと、最初は正常分娩、それから、地域周産期レ ベル、最も重症になりますと、総合周産期というところまでいくわけですけれども、そう いうところ。それから、一般的な小児科病床。あるいは、NICUを出た後の重度心身障 害施設、療育施設は先ほど申しましたけれども、そういった施設ということになります。  それから、周産期医療、あるいは、後ほど申し上げます救急医療でもそうですけれども、 医師を含めた医療従事者の過重労働とか負担、そういうことが話題になっておりますので、 ここではマンパワーをどうやって確保するかというようなカラムも特別に設けまして、そ れぞれのカラムごとにどういう対策がとられてきたのかということが一覧できるようにな っております。  また、※をつけたものは、平成20年4月以降の厚生労働省なりの施策ということにな ります。したがいまして、何度も繰り返しになりますが、ルールでできること、補助金で できること、そして、診療報酬でないとできないこと、こういったものをある程度見きわ めていただいて、診療報酬の議論に役立てていただくんだろうというふうに思います。  19、20は先ほど説明しましたので、省略させていただきます。  一挙に救急のほうも御説明させていただきます。救急につきましても、同様に本文、診 −1−2と参考資料という形式で準備をしておりますので、両方をにらみながらお聞きい ただきたいと思います。  スライド番号でいうと2になりますけれども、我が国の救急医療体制は、初期、二次、 三次という救急医療機関が階層的に整備されております。模式的に図にするとスライドの 1になるんでしょうけれども、初期、二次、三次というような形で運用されております。 初期というのは、読んで字のごとくでして、一次というのは風邪引き、腹痛程度、入院を 必要としない程度でございます。それに対して、二次というのは一般には、結果的に入院 としない場合もあるでしょうけれども、入院を要する程度の救急ということになります。 三次は直ちに手術をする、入院はもちろんのこと、直ちに手術や処置や重要な検査が必要 というようなものが三次救急ということになります。都道府県におきましては、医療連携 体制の構築を中心とした医療計画の中でこうした整備がなされているわけです。  また、スライドでいうと3になりますけれども、先般、消防法が改正されました。平成 21年5月1日ですけれども、消防法が一部改正されまして、昨今、いわゆる救急車の受 入れ不能事例、マスコミ的には「たらい回し」とおっしゃっているようですけれども、救 急患者の受入れに困難をする事例、受入れ不能事例が報道されたこともありまして、地域 の搬送受入れルールをあらかじめ策定しておくと、こういうことになったわけです。この 仕組みが簡単に3と4に書かれております。  本文に戻りまして、現状と課題ですが、我が国における救急搬送件数は、この10年間 で約1.5倍の年間約500万件まで急速に増加しているというわけです。この救急搬送 件数の増加ですけれども、実態をよく見てみますと、高齢者に多いと。それからまた、重 症度別では、軽症・中等度で多いとされております。  スライドでごらんいただきますと、5ページ目にありますように、X軸方向に元号で書 いてありまして、平成10年ぐらいからかなり急増しております。もちろんこの一、二年 ぐらいは恐らく救急車の適正利用みたいなPRが効いたんだろうと思いますけれども、幸 いなことにちょっと高どまりでプラトーになっておりますけれども、少なくとも平成10 年以降の10年ぐらいで見てみますと、急増したということであります。  それから、今、口頭でも説明しましたものがスライドにございます。スライドの上のほ うで、小児、成人、高齢者と大きく年齢層を3区分いたしまして、それぞれごとに軽症、 中等症、重症と3区分して、それぞれがこの10年ぐらいでどのパートでと言いますか、 どの区分でふえたかというのをお示ししておりますけれども、小児、成人はもちろんのこ と、高齢者においては軽症、中等症における利用の伸びが多いということになっておりま す。これがそうでございますね。  もう一度本文に戻っていただきます。救急患者の受入れ状況ですが、重症以上の傷病者 の場合で、照会回数4回以上の事案が約4%ある。100回のうち4回、別な言い方をす ると25回に1回ぐらいは4回以上問い合わせをしなければいけないということになりま す。  スライド7をごらんください。先ほどの周産期医療の場合とほぼ似たような分析をして おりますので、あまり細かくは申し上げませんけれども、大抵の事例では3回目まで、9 5%ぐらいの事例では3回目までの問い合わせ、照会で受け入れられているんですけれど も、11回を超える例が0.2%程度あるということです。それから、さっきの現場滞在 時間、現場到着から現場出発までの時間も、大抵の事例では30分未満で何とかなってい るんですけれども、それを超える事例があるということです。  それから、その下の地図も先ほど周産期の救急のところで申し上げましたとおりです。 この地図を見ていただいてもお分かりですが、宮城県だとか茨城県だとか一部の例外はあ りますけれども、4回以上問い合わせをした事例、30分以上かかった事例が、全国平均 を上回ったところというのは、一般的にいうと医師が多い病院が多い地域に多いというこ とですから、単純に医師をふやすとか、単純に医療機関をふやすというだけでは、こうし た問い合わせの事例を減らすということはなかなか難しい。別な言い方をすると、先ほど から何度も言っていますように、診療報酬だけでこうしたことを解決するというのは非常 に難しいということが分かっていただけると思います。  もう一度本文に戻っていただきますが、最終的に救命救急センターで受入れに至った事 案において、医療機関に照会するんだけれども、結局受け入れしてもらえなかった理由と しては、手術中とか、患者対応中とか、ベッド満床とか、処置困難、専門外というような ことが主な理由になっております。  これはスライドでいうと8になります。ちょっと表が見にくいので、ごらんいただきた いところに○の輪っかをつけておりますけれども、例えば三次救急という区分で見てみま すと、何で受け入れられなかったのかというと、ベッド満床が25%、つまり4分の1は ベッドは満床でしたということですし、手術や患者の対応中でしたというのが3分の1ぐ らい、32.6%あります。それから、二次救急以下のところでは、処置困難23.6%、 あるいは、専門外ですよというのが18.8%、こういうことです。  手術中や患者対応中とか、自分のところでは手に負えませんという意味でしょう、多分、 処置困難とか専門外ということについては。これは一朝一夕には解決しませんで、先ほど の話でいうと、ルールを変えるとか、体制を整備するとか、あるいは、補助金とか、そう いういろんな方法でやってもらわなきゃいけませんし、もしかしたら医師の適正配置とい うのもあるかもしれません。それに対してベッド満床というところは、ある程度人知を尽 くせば改善できる余地もあるだろうということで、ベッド満床みたいなものが改善するよ うにというのが関係者の希望のようでございます。  本文に戻りますけれども、照会回数が11回以上に及ぶ事案については、夜間や早朝の 時間に多く発生していると言われております。  スライドでいうと9になります。重症以上の傷病者を含めて4区分に分けて、照会回数、 つまり問い合わせの回数が11回以上の事案について分布を見ております。小児の傷病者 を除きますと、非常に受入れに困難をした条例というのは、早朝とか深夜ということで、 日中は比較的大丈夫ということのようです。これに対しまして、子供さんは、恐らくは学 校から帰ってきてとか、あるいは、御両親が御自宅に帰ってこられてということがあるん でしょう、比較的夜、それも比較的早い時間帯に生じているというのが特徴でございます。  もう一度本文に戻っていただきます。先ほど初期、二次、三次と3区分の救急医療機関 が存在すると申しましたけれども、最近よく言われることは、三次の救命救急センター等 が過重労働だとかその他もろもろで大変難渋しているという声を聞きます。そうなります と、二次救急医療機関の役割が大変重要になってまいります。  そうした中で、3,000を超える二次医療機関がありまして、よく頑張っていただい ているんですが、その状況について、スライド番号でいいますと10番にお示しをしてお ります。ぱっとごらんいただきますと、何のことだというふうなグラフになっております けれども、X軸に施設の数をとっております。施設の数が大体3,400ぐらい、これは 二次医療機関の中に輪番群の産科病院とか共同利用型病院、あるいは、告示病院を入れて おりますので、いわゆる二次救急医療機関の数とちょっとずれてきておりまして、ちょっ と多いんですけれども、それにしても3,400ぐらいがありまして、Y軸方向に年間の 搬送患者数を書いております。  3,400もありますので、ちょっと読みづらいんですけれども、最もたくさん受け入 れている病院というのは、1年間に1万1,000台を超える救急車を受けているという ことになります。365ということですから、ざっと言えば1日30台〜40台を受け入 れているすごい病院がある。そうかと思いますと、一応二次救急医療機関ということで名 前を上げていただいているんですけれども、0というところもあるということになります。  ただ、御注意いただきたいのは、二次救急医療機関と看板は上げていながら、全く受け 入れてないというだけではなくて、これは調査上の問題もありまして、輪番病院になって いて、1週間に1回とか2回だけ手を挙げて当番が回ってくると、たまたま当番になって いた1週間に1回とか2回とかいうときに救急車が来なかったと。その結果0になったと いうこともあるので、サボっているけしからん救急医療機関があるということではありま せんので、データの読み方は御注意いただくということでお願いしたいと思います。しか し、それにしましても、救急車の受入れが1,000台や2,000台を超えるところか ら、比較的裾野が広いグラフになっていて、受入れが少ない医療機関もあるということで す。  それから、もう一度本文に戻っていただきます。本文の2ページでございますけれども、 そうしたことを背景にしながら、現行の診療報酬上の評価の概要について御説明をしたい と思います。救急医療に対する評価としましては、先ほどから何度も申しておりますが、 二次救急医療機関以上、主に入院が必要な救急医療について評価をしておりまして、一定 の基準を満たす医療機関について、救急医療管理加算、乳幼児救急医療管理加算というも のをつけておりまして、600点と150点ということになります。  さらに、2に書いておりますように、平成20年度の診療報酬改定においては、救命救 急入院料、先ほどの話でいうと三次救急と呼ばれるところですけれども、全国に200ち ょっとありますけれども、そういうところでやっていただいている救命救急入院料につい て3日以内、つまりごくごく早期のものと、それから4日〜7日以内とに分けまして、特 に極早期の入院医療の評価の引き上げを行ったところでございます。A300として書い たのがそれです。  それから、さらに、患者さんを救急用の自動車等で保険医療機関に搬送する際に、お医 者さんが乗ってくださった場合、同乗してくださった場合ということでも、改定前は65 0点だったんですけれども、平成20年度の改定では1,300点と倍増いたしました。  少し先を急ぎますけれども、論点ということになりますが、急激に増加している救急搬 送症例ということですので、こうしたことに迅速に対応するために、地域の搬送を受け入 れる、先ほど申しました消防庁が決めるような、あらかじめ決めている搬送受入れルール に従って救急搬送を積極的に受け入れる医療機関というものが平成21年5月以降決めら れたわけですから、そうした制度を踏まえて診療報酬上も今後評価していくのかどうかと いうことになります。  それから、2つ目、救急医療機関の「出口の問題」、「出口」という言葉がいきなり出 てきて、ちょっとお分かりづらいかもしれませんけれども、先ほど申しましたように、や っぱり周産期医療と同様でして、救急医療機関においても4分の1ぐらいの事例ではベッ ドが満床ということのようですから、救命救急センターや二次救急医療機関で一番危ない 時期と言いますか、危険な時期を脱した方については、他の病室等に移行していただく必 要が出てくるし、もちろん自宅に帰る方、あるいは、介護系の施設に移動される方等いら っしゃると思いますけれども、そうしたことを引っくるめて「出口の問題」というふうに 言うならば、救急医療機関から危機的な状態を脱して他の病室等に移行していただくとい うことに結びつけていくために、医療機関の役割に応じて、例えば他の病院とか他の施設 等に紹介をしていく必要があるわけですけれども、そうした場合について診療報酬上どう 評価していくべきなのでしょうかということです。  それから、1番目とちょっと似ていますが、3番目は、こういうあらかじめ決めたルー ルに合致するかどうかは別として、二次救急医療機関というところだけ取り出してみまし ても、全国に3,000を超える施設がある中で、大変に積極的に活動していただいてい るところがあるようですから、そうした実績も踏まえて診療報酬上どう評価していくかと いうことが、今後検討されるのではないかと思います。  本文は以上でございます。  先ほども申し上げましたように、資料を準備いたしまして、ポイントだけ補足をさせて いただきます。  スライドの最後のページ、13をごらんいただきたいと思います。これもさっきの周産 期医療のところとほぼ同様でございますので、あまり細かくは説明いたしませんが、縦軸 方向に制度上の措置、予算上、それから、診療報酬上と分けまして、横軸方向に初期、二 次、三次、そして、出口と書きましたが、この出口というのは危機的な状態を脱して一般 病棟に移っていただく、あるいは、一般病院、あるいは療養病床ということもあるのかも しれません、そういったところに移っていただく。また、幸運な方は自宅ということもあ るんでしょうけれども、そういった「出口の問題」をどうするか。  それから、周産期のところでも申しましたように、救急医療においては、過重労働等が 問題になっておりますし、マンパワーの不足等も話題になっておりますので、別立てで医 師等の医療従事者に対する対策をどうしているかということを、カラムを設けまして整理 をしたものでございます。こうした視点で、診療報酬上どうすれば足らざるところが補え るかということで御議論いただければと思います。  以上が資料の説明でございます。なお、先ほどの周産期医療のところで補足をしておき ますと、一般的な小児科については除外をしておりまして、また別な時間に御議論いただ くべく、別なコマで御議論いただくべく、今日は出産の前後にかかわる小児科ということ で書かせていただいております。  説明は以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  御丁寧な説明でありました、よく分かりましたが、同時に時間のほうもなくなってまい りました(笑声)。ただ、非常に重要な案件でございますので、大変に申しわけありませ んけれども、あまりデッドラインを決めずに十分な議論を進めたいと思いますので、よろ しく御協力のほどお願いしたいと思います。  効率的な議論をするために、まずは周産期医療のほうから御質問、御意見を承りたいと 思います。今回事務局から提案された資料の中では、論点が出てきたというのが新しい点 でありますので、基本的にはこの論点を巡っての議論になっていくだろう思います。ほか に追加すべき内容、あるいは違う視点から行うことはあるかないか、あるいは、ここの論 点についてどういう考え方を持つのかというようなことが議論のベースになるかと思いま す。たまたまその環境についての説明がありましたので、質問、御意見、御自由にお願い したいと思います。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  座長から最初に時間のだめ押しを言われたので苦しいんですが、おっしゃったように、 この周産期の救急医療というのは、まさに医療の原点というか、地域医療提供体制全部を 含めた極めて重大な問題ですので、ここはしっかり中医協の在り方を問われる一つの、今 からの大きな基本的な問題がここに書かれているというような気がしますので、発言をさ せていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。 ○竹嶋委員  本当によくおまとめいただいてありがとうございました。周産期医療のところからとい ことでございますけれども、これは説明の裏にはそういうお考えがあったと思うのですが、 資料の7ですね、救急搬送におけます医療機関の受入状況の分布の地図がここに示してあ ります。長くなって恐縮なのですが、私は先週、秋田県を2日間回りました。それから、 その前の前の週は北海道の網走、あのあたりを2日間回りました。地域にはいろんな、病 院もありますし、診療所もあります、そういうところの皆さんの状況とお話を聞いてきた のですが、1つは、4回以上受入れがないという、そのとおりなんですね、本当にこうい うところは。そこで言われたことはどういうことかと言いますと、自分たちは救命救急の 周産期も扱う、受けざるを得ないんだと、ここだけしかない。あとは後方のちゃんとした 病院の整備がなされていないと。だから、ここを死守するしかないということでやってい るのだということを言われました。  それからもう1つ、全国医学部長病院長会議というのがございますが。そこの会長をし ておられますのが岩手医大の教授の小川教授ですが、私どもが1時間ほどレクチャーを受 けました時に、怒るように言われたことを忘れません。同じようなことなんです。現場を 回った時と同じように、自分たちがここでとめなければどうしょうもないのだということ ですね。ですから、そこのところを中医協の、私も中医協をいまだに分からないんです、 何をするところなんだろうと。決められたところを分けるだけではなくて、一番現場を分 かる、それから、患者さんの側に立ったところもよく分かる方々が集まって激しく議論す る場だと私は思っていますので、こういうところでしっかりこういう貴重なデータに基づ いてまずはやっていきたいということを一つは考えているということ。  それから、端々に事務局のほうも言われました。診療報酬だけでこういうことが解決さ れるかということなんです。中医協ではそこは議論しないと言われるのだけれども、こう いう問題を議論する中で、診療報酬の検討だけでは無理だと私は思うのです。やっぱりこ れは政策的にやっていかなくてはいけないということで、これは別なところで考えなくて はならない。こういうものを出していく中医協の務めというのは一つあるだろうと思うん ですね。  だから、周産期医療に関しましては、都会ではなかなか、受入れができないというのは、 まだどこか受け入れ病院があるということでしょう。しかし、地方は本当にないのですよ。 私はつぶさに見てきました。そこら辺を。全国の、地方に住んでいる人もできるだけ公平 に医療を受けられるという体制をつくるというところにいかなくては、ここでいろいろ議 論されることは、決められた診療報酬の中でそれを右にやったり左にやったりするだけで 終るということです。まずは周産期のところでそう思いました。  論点のところでは、そういう意味からは、3番目にお書きになっていらっしゃいますが、 円滑に進むように受け皿も含めてどうあるべきかと。だから、ある程度は政策面もここで きちっと出すということ。今日、聞いていても本当にそこしかないというふうに思います ので、基本的にはそういう考えで議論を進めていただけたらと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。非常に重要で本質的な御意見だったと思います。  全国さまざまな状況がありますから、そういうものを配慮した形の議論が必要であろう ということと、診療報酬だけでは当然解決できない問題もあるわけですから、その辺のこ とも考えながらの議論だと。場合によっては中医協としても診療報酬以外のことについて の意見を述べてもいいのではないかというような意味合いも含まれていたように思います。  ただいまのは御意見ということですけれども、ほかにありますか。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  ちょっと流れを教えていただきたいんですが、確かにNICUでお子さんたちがずっと いて、そのお子さんはGCUのようなところにいくか、HCUようなところに入って、最 終的には障害者施設もしくは自宅のほうに帰られるということですが、その中における入 院基本料や看護配置というのはどのようになっているかを教えていただきたいんですが。 ○遠藤小委員長  ただいまの質問、そもそもこの資料の中にはNICUからどのように連携させていくか という流れの話が出ているわけですけれども、それぞれの診療報酬及びその看護配置等々 について、その辺の流れが分かるような形で示してほしいという御意見だと思いますけれ ども、いかがでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  本当に丁寧な、細かいところまではちょっとお示しできていませんけれども、基本的に は本文の3ページの3というところのA212、あるいは、A212−2といったところ がその内容になっております。まず超重症児入院診療加算ということで、先ほども申し上 げましたが、300点あったものが、平成20年度の改定では6歳未満でその倍の600 点になった、あるいは、準超重症児でも2倍になったということで対応しております。そ れから、A212−2は、新生児入院医療管理加算ということで、750点を800点に しておりまして、ここは6対1の看護配置になっております。  それから、先ほど申しましたが、この四角の枠の直上にも書いてありますけれども、障 害者施設等入院基本料というのは、通常の基本料のように10対1、13対1とあるわけ ですけれども、これまでは7対1がありませんでしたので、7対1をつけ加えたというこ とになります。超重症児と準超重症児の配置の基準は特別にありません。これは加算です ので、現行の基本診療料の7対1とか、10対1とか15対1の上にこの加算が乗ってく るということです。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  坂本専門委員、いかがでしょうか。 ○坂本専門委員  診−1−1の4ページの論点1と3に関係してくるんですが、NICUに入られたお子 さんというのは大変手がかかり、また家族とのかかわりというのも大変重要になって、最 終的には家族が受け入れられない状況も起こってくると思うんです。それに対する対応と いうのは、単純にNICUから出ていくということではなくて、家族が受け入れられるよ う関わっていくというのが重要になると思うんですね。それらに対して診療報酬を厚くす るという方法、看護配置を厚くするという方法など、機能的に何らかのサポートをしてい かないと難しいというふうに私は思います。  例えば、ここに対して訪問看護ステーションなどが入ってきた時に、訪問看護ステーシ ョンのほうは診療報酬がもらえるけれども、病院のほうは評価がないということであれば、 訪問看護ステーションでケアしながら、在宅でサポートしていくというような仕組みに対 して、病院と訪問看護ステーションとの連携にも診療報酬を加算して、つなぎ目が途切れ ないというようなケアが大変重要になるんだと思うんです。そして、母親に対するケアと 言いますか、どのようにケアしていけばいいかというサポートが大きいと思いますので、 そういうケアに対して評価できるような仕組みをつくっていくということをぜひ希望した いと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  御提案でありまして、3番に該当するわけでしょうか。そこで訪問看護ステーションか らの看護師のサービスに対する報酬の在り方を検討したらどうかという御意見だと思いま す。  坂本専門委員の先ほどの前半の御質問の中で、重症の患者さんがNICUから出ていっ た、その過程で診療報酬がどういうふうに変わっていくのかということがありました。い ろんなケースがあると思うんですけれども、その辺のところが分かるような形で資料をつ くっていただければ、我々としても勉強になりますので、お願いいたします。  ほかにございますか。西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  周産期医療だけに関して言いますが、この論点に書いてあるのはそのとおりで、すべて をこれから議論して、評価していくことは大事だと思っています。でも、基本的考え方等、 前回もかなり評価したにもかかわらず、数が減っているんですよね。要するに、いくら診 療報酬でみても、体制の整備ができていなければ、意味ないということだと思います。と すれば、この中医協での限界もあると思いますので、ほかのしっかりしたところ、例えば 医療部会とか、そういうところで制度上のことをきちっと議論していただいて、もっと体 制をしっかりつくると。それから、これは政府ですが、予算でも別な補助とかをつけると、 そういうことがあってはじめてこの中医協で診療報酬はどこを持つかという議論ができる んじゃないかと。  まだそこら辺がはっきりしないまま中医協で、どこまで診療報酬の議論をしていいのか というのは私は分からない。できるだけすべての議論を、できるだけ点数を上げろしか言 えないと非常にむなしい思いをしています。そこら辺の議論をぜひほかのところでやって いただいて、それを中医協に出していただいて、それを基にして有効な診療報酬上の対応 を私たちはしていければと思いますので、お願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  おっしゃることは先ほど竹嶋委員のおっしゃったことと同じで、私もそういう面は非常 に強いと思います。基本方針は両部会で決まりますけれども、どこまでを補助金でやるの か、どこまでを法律的な制度の改革でやるのか、あるいは、診療報酬でやるのかというこ とについては、不明確な段階で診療報酬を決めてきているというのが実態でありますので、 役所の仕組みはよく分かりませんけれども、その辺がある程度はっきりするようになると、 我々の議論も非常に効率的な議論ができるだろうということにもなります。確かに我々も 改定率が分からない段階での議論をしているということから言えば、極めて不確実性の高 い議論をしているわけでありますけれども、そういう意味でもできるだけ情報は豊富なほ うがありがたいということです。貴重な御意見だと思います。  ほかにございますか。小島委員、どうぞ。 ○小島委員  では、私も関連して。前回の診療報酬改定のところでも、NICU等を含めて周産期医 療について、それなりの評価をしてきておりますけれども、そうはいってもなかなか現実 は、先ほど説明いただいたデータの中でも厳しいと、NICUも700床ぐらい不足して いるというようなデータも出ています。それについては今、御意見出されましたように、 診療報酬だけでは解決できないということもありますので、ここは今、社会保障審議会の 医療部会なり医療保険部会のほうで議論されております診療報酬改定の基本方針、その中 でまさに課題、これはこの間2回の診療報酬改定の基本方針の中でも、特に前回の改定の 時には救急医療についても重要な課題という形で、視点のところに入っておりますので。  そういう中で、今日いただいた資料の最後に制度上の措置、あるいは、予算上の措置、 そして、診療報酬の措置という、こういう3つの観点からの現在行われている対策、これ らをまさに診療報酬に向けての基本方針の中で、緊急課題、あるいは、この周産期医療の 課題についてどう解消していくかという全体的な方向性を示していただいて、その中で担 うべき診療報酬の役割というのがきちっと整理されれば、この中医協での議論がもっと建 設的な言いますか、前向きの議論になるんだろうというふうに思います。  中医協のほうからも両部会のほうに返しておくということも必要じゃないかと。まさに 周産期医療、救急医療をどう解決するのかという全体的な制度上の措置なり、予算上の措 置、診療報酬上の措置ということの役割をきちっと明確にさせるという中で、中医協に対 しては、診療報酬でこういう方向で検討すべきだということを示してもらうことがまずは 必要だろうというふうに思っています。実は私も医療部会のほうのメンバーでありますの で、自分で言って自分に返すような話なんですけれども、そういうことで私も受けとめた いと思います。  今日示された論点のほうでも、これも前回の改定でもそれなりに評価、配慮したところ でありますけれども、まだまだ不足しているところがあるということでありますので、今 回出されている4点ないし5点についても、これを中心に周産期についての見直しという ことは必要だろうというふうに思っております。特にNICUが今不足しているというこ とでありますので、ここは早急に増設するといってもなかなか難しいということであれば、 そこを支える後方支援のところについての評価、支援ということも手厚くしていくという ことも、今回極めて十分なテーマではないかというふうに思っています。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  皆様のお話ですと、論点として事務局が出されている中身については、基本的には診療 報酬をこのような視点から考えていこうという。その考え方についてはおおむね合意が得 られていると。中身についてはまだこれからの議論でありますけれども、そのように理解 してよろしゅうございますか。  ありがとうございます。  5番のハイリスク分娩管理加算につきましては、検証部会の検証対象になっていたわけ ですね、確か。ですから、かなり加算についての効果と言いましょうか、それについては 調査報告が出ておりますので、また改めてここで出していただいて見ていきたいと思いま す。  ほかは検証したものはないですね、事務局は。 ○事務局(佐藤医療課長)  ハイリスクもそうなんですけれども、総合周産期母子医療センター等々は、医師の勤務 軽減という観点で調査をしましたので、そういう意味では総合周産期とか、それからその 後になります救命救急センターなども調査の対象にはなっています。ただ、そこでは、繰 り返しになりますけれども、医師の勤務改善、勤務の状況という視点からでしたので、こ の点そのもの、この点数の本来持っていた役割が発揮されているかどうかというところは、 実は検証でも分析できておりません。 ○遠藤小委員長  そうですか。はい、分かりました。それでも間接的な意味合いがありますので、必要で あればぜひ出してください。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  数字の確認をさせてください。参考資料のスライド7ですね、先ほど御説明がありまし た11回以上の件数ですね、それが47ということで、割合0.3%というお話がありま した。その次の8ページ、その下に照会回数11回以上の事案における受入れに至らなか った理由と件数とありまして、同じく産科・周産期傷病者をみますと、一番右を見ると6 24という数字が出ているんですね。この624という数字と先ほどの7ページの47、 この数字の違いはどういうことか説明をお願いいたします。 ○遠藤小委員長  事務局、分かりましたらば、ひとつよろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  これは実は消防庁のデータを医政局の指導課がもらって、言ってみれば転記の形にして おりますので、今日この段階で分かりませんけれども、確認をして次回以降御説明したい と思います。 ○遠藤小委員長  その対応で結構ですので、よろしくお願いします。  牛丸委員、それでよろしいですか。  ありがとうございます。  ほかに、データの読み方で結構でございますが。山本委員、どうぞ。 ○山本委員  先ほど坂本専門委員から論点の3、NICUを退室した方々が地域へ行った折りの訪問 看護等からのお話がございましたが、退室の後地域に移行すると、医療機関以上にチーム 医療が必要になります。もしそうしたデータを出すのであれば、地域の中でどんな形でチ ーム医療が進んでいくかという評価の仕方についても、訪問看護だけではなく他の関係職 種の関わりも把握が出来るような情報もあれば、議論の参考になると思うので、そのあた りもよろしくお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局、今の山本委員の御発言に何か確認することはありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  いや、確認というほどでもないんですが、先ほど坂本委員の御質問、それから、今の山 本委員の御質問に共通するんですが、スライドの15でも。ちょっとスキップしまして、 御説明しませんでしたけれども、これも厚生労働科学研究の中で分析をされていまして、 例えばでというとNICU入院中に長期人工換気患者が退院できない理由というのが、研 究班レベルでは分析されているようでして、家族が退院を希望しないという事例を無理無 理というのはなかなか難しいかもしれませんし、また、家庭環境や経済的理由もなかなか 難しいですけれども、例えば地域のサポート体制不備だとか、あるいは、家族の受入れ不 良というものの中に、何か改善できる要素があるのか。先ほどのお話ですけれども、MS Wなのか、あるいは、訪問看護ステーションなのか分かりませんけれども、そうした診療 報酬上の対応も含めて対応できるものがあるのかどうか等々も少し探ってみたいとは思っ ております。いずれにしましても、今日のところはそういう状況です。 ○遠藤小委員長  山本委員、よろしいでしょうか。  今この調査報告のことを言及されたのですけれど、これは質問項目そのものが家族の受 入れ不良と、こういう書き方をされているんでしょうか。それとも、もう少し具体的なこ とが書かれていて、表にまとめるときに簡潔にまとめたものなのですか。つまり、原典に 当たればいいだけの話なんですけれども、もしあればそれをまたどこかの段階で出してい ただければ。厚生科研ですから、公表されているのではないかと思いますので。 ○事務局(佐藤医療課長)  そうですね、はい。大変申しわけありません。これも母子保健課の所管の事業のデータ をいただいてきたので、次回以降、資料が整えば御報告させていただきます。 ○遠藤小委員長  お願いします。  ほかにございますか。坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  今のところですけれども、やはり家族の受入れ不良というところを私自身も感じていま した。早期にかかわることによって6割ぐらい退院させられるというデータを出している 病院があります。そこではNICUにいる時期の早くからソーシャルワーカーも含めて家 族にかかわっていくことによって成功しているわけですので、そういうところを厚く評価 していくというのが私は大事だと思います。  それからもう1点なんですが。参考資料の8ページ、今度は入口の話なんですけれども、 受入れに至らなかった理由ごとの件数の中に、ドクターが手術中とか患者対応中という理 由がございますけれども、これはどういう患者さんを対応されていたのか。例えば、正常 分娩であったのか、何らかの異常事態があって受け入れられなかったのかということの詳 しい内容は分かるでしょうか。  もしこれが手術中、患者対応中で受け入れられないとなれば、恐らく患者さんや一般国 民の側から見れば、受け入れてくれない可能性があるということをいつも不安に思ってい なくちゃいけないわけですので。そのため、ベッドの満床は何らかの形で退室をさせてい くという出口の問題をサポートをしていくということと、もう1つは入口のところで受け 入れる対応というのをどのように改善していくかということも大変重要だと思います。も しここが分かりましたら、教えてください。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長です。結論から言いますと、実は分からないんです。と申しますのが、この調 査は消防庁が何年かにわたって継続して行っている調査でして、消防庁が消防庁独自の調 査項目を設けて調査をしているものです。もっと具体的に申しますと、各消防隊員と言い ますか、救急隊員が患者さんの搬送を担当して、例えば受入れがなかなか難しかったとい う場合に、どの項目に該当するかというのを、個々の救急隊員等が個人の主観的な判断で やっております。  そういう意味でいうと、救急救命士のように専門的な方もいらっしゃいますけれども、 必ずしも医学・医療の専門家でない方が、看護師さんや、あるいは、そこで応対したお医 者さんに聞いて、なぜだめなんですかとか、あるいは、電話でなぜだめなんですかと、こ ういう受け答えがあった時に、何度も言いますが、救急隊員や救急救命士が自分の判断で、 これは手術中、患者対応中だなとチェックをしておりますので、本当のところはなかなか 分かりません。  今日あまりはっきりしたことは申せませんが、平成19年の終りか20年ごろに、この あたりをもう少し丁寧に分析してみようということで、消防庁が企画をしたやに聞いてお りまして、この中身をもう少し分析したものがあるのであれば入手したいと思いますが、 今日のこの時点では長年にわたってこの項目で調査しているものであって、それも主観的 に救急隊員等々がチェックをされたものを集計したものと聞いております。  そういう意味で、先ほどの説明の中でも申しましたので、これは蛇足になりますけれど も、私どもがこの分類によるデータだけ見て対応できるものはベッド満床のあたりだろう かなということで、こういうベッド満床を改善するような方策ならこのデータからでも対 応できるのかなということで、幾つかの資料をつけた次第です。よろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  その御趣旨はよく分かりますが、先ほど来坂本専門委員がおっしゃっておられるのは、 入口と出口のさまざまな受入れ困難になっている理由が、もう少しきちんと明らかにして おくべきであり、それであれば適正な報酬もそこにつけられるのではないかと、そういう ことなので、そこのところを何度もおっしゃっているわけです。  事務局、どうぞ。 ○事務局(中山救急・周産期医療等対策室長)  救急・周産期医療等対策室長でございます。先ほど御質問いただいた件で理由が分かっ たのがございましたので、この場で御紹介させいただきます。スライドの7とスライドの 8について、11回以上の件数が、スライド7では47となっていたのが、スライド8で は624というところでのなぜ違うかという御指摘につきまして。スライド7につきまし ては、最終的に受け入れた件数ということで47と。スライド8については、それまでに 至るに断った各医療機関の合計がこの数字として上がっているということになっておりま すので、当然10倍以上になっている、11倍以上になっているということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  牛丸委員、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  ほかに、周産期につきまして、御意見ございますか。よろしいですか。もちろん周産期 の議論は今日がまさに始まりでありますので、今後ずっとやりますので、またじっくりと やっていきたいと思います。  もう1つ残っております。それでは、救急のほうに移りたいと思います。救急につきま して、御質問、御意見ございますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  救急の論点ですけれども、ここに書かれているのは全体にそういう方向かと思うんです が、救急と言いますと、例えばICUとか、ハイケアユニットがイメージとしてすぐ浮か びます。ハイケアユニットの評価は平成16年度に入れたんですが、利用している施設は 確か70ぐらいだったと思うんですね。そういったハイケアユニットとかICUとかの評 価も含めて広く厚く検討する。もちろん財源との関係がありますので、なかなかそうはい かないところがあるかもしれませんけれども。  いずれにせよ今までやってきた積み重ねの中で財源的な制約があって必ずしも十分でき なかったので、それをもう少し前に出すということがあれば検討したい。と言いますのは、 救急についてはあまり採算に合わないとか、救急をやればやるほど赤字になるとかいう話 がよくあるわけですよね。そのあたりはできることなら払拭できればと思いますので、そ のあたりを含めて検討いただければと思います。 ○遠藤小委員長  それに関して何か資料の要求といったことはございますか。 ○対馬委員  資料の要求ということでは必ずしもないんですけれども、特にハイケアユニットなどが なぜ進まないのかということの実態を押さえておられて、点数が少ないのか、それとも例 えば要件が厳しいとかの要因なのかといったようなことも含めて、分かれば教えていただ ければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局、その辺について、特にこれは検証部会の対象にはなってなかったと思いますけ れども、何らかの形の情報がもしあれば、それをまた出していただきたいし、また我々の 今後の議論の中でもそういう範囲の話もしていきたいと思います。  事務局、よろしいですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  御指示のとおり少し努力をしてみます。ちなみにですけれども、例の部門別収支計算の 議論の時にもそうだったんですけれども、救急であれ、あるいは、こうした特定入院医療 の部分であれ、これだけを取り出して収支を見るというのはなかなか難しくて、お金の収 支の点からこの問題点をあぶり出すことはなかなか難しかったというふうに記憶をしてお ります。そうした中で、今御指摘のありました基準の点では、いろいろな学会であるとか、 あるいは、個別にも基準が厳しすぎるとかいう意見を聞くこともありますので、機会があ ればそうしたものを整理をして御提示をしたいと思います。 ○遠藤小委員長  そういうデータだけでも非常に重要ですので、ぜひそういうヒアリング調査も含めて対 応をお願いしたいと思います。  ほかにございますでしょうか。伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  まず二次救急医療機関で3,400ほどあるわけでありますけれども、救急医療加算を 600点という、この点数を受けている医療施設というのはどの程度あるんでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  救命救急入院料等ですと、届出の対象になっておりますので、すぐ数字が分かるんです けれども、救急医療管理加算は一応基準はあるんですけれども、届出という形になりませ んで、請求さえすればいいという形になっています。今日ちょっと準備をしておりません で、社会医療診療行為別調査では、件数、回数等が分かりますので、次回御提示したいと 思います。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  伊藤委員、よろしいですか。 ○伊藤委員  はい。 ○遠藤小委員長  ほかにございますか。救急医療の中で。坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  参考資料の10ページを見せていただいた時に大変びっくりしました。1万何件以上、 1日に換算しても大変な数の患者さんを受け入れている施設があり、軽症と中等度の高齢 者の方がふえているということですが、すべてにおいて医師が全面的にかかわっていかな くても、ある程度医師との役割分担は置きながら、患者さんをケアしていくということも 必要だと思います。  前に舛添前大臣にお話を伺った時に、役割分担についてすごく力を入れて検討されてい た時がありました。そのときに調べた結果、後でもいいような患者さん、それから、早く 見なくちゃいけない患者さんに対して、看護師がプライマリケアを采配しているという施 設がありました。そういう仕組みに対して、ぜひ議論していただきたいというふうに思い ます。見なくちゃいけない患者さんは早く見るということやドクターの疲弊度に対してド クターの側からも大変好意的な意見がございました。  では、だれでもいいのかということですが、ナースとレジデントとドクターの采配した 状況の後の査定をしてみますと、ドクターまでは及びませんでしたけれども、そんなに差 がなかったという結果も出ておりますので、看護師等がトリアージしているところに対す る評価を認めていただきたいというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  救急患者のトリアージを看護師がやった場合には何らかの報酬上の評価をしてほしいと、 そういうようなお話だったというふうに受けとめます。トリアージそのものは看護師であ ってもできるわけでありますので、いわゆるスキルミックスの議論とはまた別の議論とし て議論ができますので、そういう御要望だったということでございます。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今のことに少し関連するかもわかりません。やや個別的なことになりますけれども、2 ページの3の項目で、自動車に同乗する医師にはかなり高い点数がついているんですが、 実際に現場では必ずしも医師が同乗しなくてよいようなあまり重症でないケースでありな がら少なくとも看護師の同乗を求められるケースがあるんですけれども、そういった場合 の加算も考えていただきたいなと。実際に病院へ行ってから帰る時の例えばタクシー代と かも出せないような状況の中で、そういったこともちょっと考えていただければ、現場は スムーズにいくんじゃないかなと思っています。 ○遠藤小委員長  したがって、医師だけではなくて、同乗した看護師にまでというような御意見もあった ということですね。帰りの交通費まで持てと、そういう話ではないですね(笑声)。 ○藤原委員  いやいや、そこに点数をつけていただければ。 ○遠藤小委員長  よく伺います。特に若い医師などが財布を持たずに出ていって、行きは救急車で行って、 帰りはお金がないのでタクシーで帰ってきたというような話は聞く(笑声)。 ○竹嶋委員  ちょっといいですか、坂本専門委員に質問なんですが、御趣旨はよく分かりました。医 師不足というのはいろんなところでデータを出して、偏在を含めまして、大方の皆さんの 認識はそういうことに行き着いているのですが、私はいろんなところで看護職の充足はど うなのだろうかとお尋ねしています。先ほどの話にちょっと戻りまして申しわけないんで すが、地域によっては看護職が足らない足らないと悲鳴を上げているところもあるわけで すね。そのあたりのデータが、先ほどのお話のあったところでは出ているのでしょうかね。 出ていれば、こういうところでお出しいただけたらと思います。 ○遠藤小委員長  分かりました。御趣旨は、診療報酬での問題だけではない問題も多々あるだろうという 話が出ておりまして、その中で医師の偏在ではなくて看護師の偏在と言いましょうか、そ ういう問題についてもできれば共通認識として持ちたいので、看護協会としてその辺のこ とをまとめおられるだろうと、多分まとめているとは思うのですけれども、あるいは、看 護課がお持ちかもしれませんが、その辺の資料を出していただきたいと、そういうことで よろしいですね。  坂本専門委員、何かございますか。 ○坂本専門委員  看護協会だけの資料というよりも、看護課と相談させていただいて、出させていただき ます。 ○遠藤小委員長  ひとつよろしくお願いいたします。  ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。  それでは、こちらも今後議論をするという話でありますので、今日はそのキックオフと いうことにさせいただきたいと思います。  ただいま周産期と救急につきまして御意見を賜ったわけでありますが、お話を承りまし て、私から皆様にお諮りしたいことがあるんですが。ただいまお話を承って、現場でどう いうことが起きているのかということは非常に重要な情報だということは感じました。先 ほど来事務局から出されていますデータは非常にマクロ的で、大変鳥瞰的によく分かるし、 正しい判断するための有用なデータでありますけれども、同時に、先ほど坂本専門委員が 幾つか具体例を出されましたけれども、現場でどういう状況に今なっているのかというこ とも、これまた我々共通認識として知っておく必要があるのではないかと思いました。  そこで、もし皆様の御同意がいただけるのであるならば、中医協の基本小委としては、 従来やったことがないのかもしれませんが、ここで一度関係者からヒアリングをしたいと いうふうに考えているのですけれども、いかがでございましょうか。関係者というのは、 医療関係者、場合によっては、適切な方がいらっしゃれば患者さんの代表するような方で よろしいわけです。恐らくすべての事情を代表するようなお話は承れないかもしれません けれども、それは我々が補足すればいい話でありまして、むしろ現実に起こっている生々 しいことが我々の認識としてあれば、また具体的に何をすればいいかということにもつな がってくるので、基本小委としてぜひそのようなヒアリングの場を設けたいというのが私 の提案でございますけれども、いかがでございましょうか。  薬の会社からはヒアリングはしているわけでありまして(笑声)、専門委員を出して、 かつヒアリングまでしているわけでありますから、これはある意味でやってこなかったと いうことと、それは慣習として適切だったのかということもあるものですから、いかがで ございますか。 ○渡辺委員  それはテーマを限ってやるんですか。 ○遠藤小委員長  もちろんです。ただいま周産期と救急に関してということでありまして。これは18年 度改定、20年改定、また22年度改定と、非常に重要なテーマでずっと続いているわけ でありますし、また国民的にも非常に重要だということでありますのでね。そういう非常 に大きな課題でありますから、ある意味、特別にということであって、すべての点数改正 について関連の人たちからヒアリングをしていったら、来年度は改定は時間的に不可能に なりますので、そこら辺は多少バランスを考えながらと思いますけども。  そういう意味で周産期、救急について、しかるべき方からヒアリングをするということ でよろしゅうございますでしょうか。  1号側、よろしゅうございますか。  2号側もよろしゅうございますか。  人選等々の問題もありますけれども、私は全く腹案はありませんが、私に御一任させて いただくという形にさせていただいて、場合によっては1号側、2号側の方と御相談させ ていただくこともあるかもしれません。このくらいのことしか言えないんですけれども。  事務局、そういう話になってしまいましたが(笑声)、対応は可能でしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  決まったようですから、努力いたします。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。  ということで、周産期・救急につきましては終了したいと思います。  引き続きまして、これも懸案事項であります社会医療診療行為調査、ワーキング・グル ープの報告書ができましたので、ワーキング・グループの座長でありました白石委員から 報告をいただきたいと思います。  よろしくお願いします。 ○白石委員  それでは、社会医療診療行為別調査の検証等に関するワーキング・グループの検討結果 がまとまりましたので、ここで御報告いたします。資料のほうは全部で4つありまして、 診−2−1と、その参考資料として1、診−2−2とその参考資料2という二部構成にな っております。  まず、診−2−1から御説明します。参考資料1も同時に御参照いただければと存じま す。こちらは、社会医療診療行為別調査と医療費メディアスとの平成20年の調査結果の 乖離について、その原因を分析し、御報告しているものです。実は以前この基本小委でも 御報告した内容と重複する部分もありますが、改めて御説明をさせていただきます。  資料はおつけしておりませんけれども、以前御報告しましたとおり、社会医療診療行為 別調査のデータとメディアスのデータ、医科、歯科、調剤それぞれについて比較を行いま したが、歯科と調剤については例年と比較して大きな乖離は認められませんでした。  そこで、医科についてその内訳を見てみました。参考資料1の2ページ目になりますが、 過去4年間について、社会医療とメディアスを伸び率で比較しております。上段は入院で すが、特に大きな乖離というものは認められません。下段の入院外は、点線で囲ってある とおり、平成20年度について大きな乖離がみられます。  続きまして、3ページ目ですけれども、上段の病院ではメディアスも社会医療も同じよ うな動きをしているということですが、下段の診療所につきましては、社会医療がメディ アスを大きく上回っているという状況が確認できます。  以上より、医科の入院外で大きな乖離がありまして、その原因は診療所の入院外にある ものと考えられました。  参考資料4ページ目に移りますが、上段で診療所入院外につきまして、診療行為別にそ の伸び率を見ております。放射線治療でありますとか、処置、リハビリ等が前年と比較し て伸び率が大きかったのですが、下段のとおり、1日当たりの点数ということで見ますと、 処置以外は項目自体の総点数が小さく全体に与える影響というのは小さいのですが、特に 処置については項目自体の総点数が大きく全体に与えた影響は大きいと考えられました。  参考資料1の5ページになりますけれども、上段で診療所の入院外処置というものを診 療科別に見ております。そうしましたところ、特に内科において、外科もありますけれど も、大きな伸びをしておりまして、ちょっと駆け足で恐縮です、参考資料の6ページ目で すが、その処置の中でも人工腎臓が大きな伸びをしておりました。これを診療所の有床・ 無床別に見たのが参考資料1の7ページ目になります。駆け足で大変恐縮ですが、有床・ 無床別、ともに伸び率でも、下段の1日あたり点数でも、いずれにおいても大きく伸びて いるということが分かりました。  以上より、今回の社会医療とメディアスとの乖離の原因というものは、入院外の内科診 療所における人工腎臓の大きな伸びにあるということが考えられました。それでは、なぜ 入院外の内科診療所において人工腎臓の伸びが全体にこれほど大きな影響を与えたのかと いう、その原因ですけれども、2つ要因がございます。  まず1つ目は、調査の抽出率の問題です。参考資料1の8ページ目になります。ちょっ と細かい表になっておりますけれども、社会医療診療行為別調査では、調査対象とする医 療機関の抽出にあたって、診療所の中で内科がほかよりも数が多いということを考慮しま して、以前から内科の抽出率を低く設定しているということです。特に無床診療所の内科、 8ページ目でいいますと、第一次抽出率というのが100分の1になっているのですが、 このように抽出率が低いことから、集計作業で実際の診療科ごとの診療所数の比率に合う ようにデータを調整すると、内科診療所として抽出された1件のレセプトの影響というも のが、ほかの種類の診療所よりも大きく扱われるということになります。  要因の2つ目ですけれども、今回の内科診療所の抽出状況につきまして、レセプトベー スで抽出するというものを確認しましたところ、例年と比較しまして、今回は確かに人工 腎臓のレセプトが多く抽出されているということがありました。  以上から、内科診療所においてそもそも人工腎臓の抽出が多かったということと、内科 診療所における抽出率の問題が影響を拡大して、社会医療調査全体に大きな影響を与える 結果になったということが結論として分かったということです。  以上、駆け足で大変恐縮だったのですが、次、診−2−2のほうに移らせていただきま す。これは以前、8月26日の総会でも、遠藤会長から御報告があったと思いますが、乖 離の原因というものを検証することを目的としまして、ワーキング・グループのほうで社 会医療の特別集計を行いましたので、本日はその集計結果を御報告させていただきます。 こちらも参考診療2を同時に御参照ください。  特別集計を行う理由ですが、診−2−2、Iとしまして、社会医療とメディアスとの乖 離の原因が、先ほどもご覧いただきましたとおり、平成20年社会医療診療行為別調査に おいては、人工腎臓を算定しているレセプトが過剰に抽出されたためということがありま したので、この影響を除外するという形で特別調査を行いました。つまり、人工腎臓の過 剰に抽出された分というものを除いて再集計したものとメディアスが同じ動きということ になれば、乖離の原因はやはり人工腎臓のレセプトだったということが確かめられるわけ です。  IIとしまして具体的な内容ですが、まず1として、除外対象を特定化しました。先ほど も述べましたとおり、特に内科診療所入院外において人工腎臓点数が例年より多くなって いるということが、今回の乖離の原因と考えられることから、有床と無床別に内科診療所 入院外で人工腎臓を算定しているものを、過剰と考えられる分だけ一定程度を除外するこ ととしました。  次に、2としまして除外単位です。除外単位としましては、レセプト単位というものと 人工腎臓を算定している医療機関単位で除外するという2つの方法が考えられたのですが、 レセプト単位での除外というのは、作業量が多く、時間の関係もあり、実現困難というこ とでしたので、有床・無床別に医療機関単位で除外することとしました。なお、除外の作 業においては、医療機関単位での除外ということになりますので、透析を含んでいないレ セプトも除外されるということになりました。  3としまして除外の目安ですけれども、近年、透析の患者さんというのは一貫して増加 しているということから、この伸びをある程度考慮する必要があると考えられました。そ こで、適切な目安というものをいろいろ検討しました結果、内科診療所入院外のレセプト 総件数に占める人工腎臓の算定レセプト件数の割合を目安として使用することとしました。  参考資料2の1ページ目は、平成14年から20年につきまして、先ほど申しました割 合、「人工腎臓算定レセプト件数÷総レセプト件数」の推移を有床・無床別に示しており ますが、このグラフで平成16年から19年については推移が比較的安定しているという ふうにご覧いただけるかと思います。  その割合、平成16年から19年の平均値を、先ほどから申し上げております医療機関 を除外する目安としました。この割合を選択した理由というのは、ご覧いただいていると おり平成16年から19年の割合の推移が安定的であり、その平均値を平成20年の予測 値、すなわち除外の目安として用いるのが最も妥当と考えられたためです。  4としまして、除外の手法ですが、平成20年社会医療診療行為別調査の内科診療所入 院外において、有床・無床別に、人工腎臓算定のあった医療機関を、先ほど申した割合、 「人工腎臓算定レセプト件数÷総レセプト件数」が、平成16年から平成19年の4年度 かの平均値と近似するまでランダムに医療機関単位で除外することとしました。  IIIとしまして、以上、特別集計の結果としましては、医科入院外でメディアスとの乖離 は著しく縮小しました。  参考資料2の4ページ目でございますけれども、上段の集計後、赤線のメディアスと青 線の社会医療との格差が、下段の集計前と比べて縮小しているということがお分かりいた だけると思います。  5ページ目は1日当たりで、同様に、メディアスと社会医療との乖離というもの、格差 というものが集計前よりも集計後には縮小しているということが御確認いただけるかと思 います。  なお、今回の作業では、除外というものを医科診療所入院外について行ったということ で、医科診療所入院外の集計前後の変化というものを参考資料の6ページ目以降でお示し しておりますので、後ほどご覧ください。  報告は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  これはワーキング・グループのほうで何回か議論をいたしまして、このような結果にな ったわけでありますが、振り返りますと、ワーキング・グループの使命は、このメディア スと社会医療との乖離、とりわけ診療所の入院外の乖離についてどう考えるかと、その原 因を究明しろということがミッションであったわけであります。その結果は、透析のレセ プトが主たる診療科目が内科というところで例年よりも非常に多く出てきたということで あったわけです。  透析のレセプトは、本来、透析専門の医療機関であるならば、主たる診療科目がその他 というところに出てくるわけなのですが、いろいろな主たる診療科でも透析をやっていれ ば出てくる可能性もあるわけです。今回は例年になく内科というところに非常に多く出て きたと。そうすると、内科は数が多いものですから、先ほど御説明があったように抽出率 の関係で100分の1しか調べていない。そうなると、100倍にしないと実態が出ませ んので、大きくなってしまうわけですね。その他に出現した場合と、内科診療所にレセプ トが出てきた場合では、同じ透析であっても全然ウエートが違うということになる。今回 はどうもそれが原因ではないだろうかというお話だったわけです。  そこで、それを検証するために、そのレセプトに占める透析のレセプトの比率が、過去 4年非常に安定したものですから、それと同じような比率で出現したとするならばどうだ ったろうかということで、幾つかの診療所を無作為に抜くことによってその比率に合わせ たんですね。そうして計算してみたところ、診療所入院外がメディアスと極めて近似した 値になったので、恐らくそれが原因ではないかということを、白石委員のほうから御報告 があったということであります。  以上につきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。  では、藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  ただいまの御報告から考えますと、外来管理加算の算定回数に及ぼす影響はあまりなか ったと理解してよろしいんでしょうか。要するに、1件当たりの点数が大きい人工透析が 入っていたということですから、全体の数値に対してはあまり大きな影響を及ぼしていな いというふうな理解でよろしいのかということですね。 ○遠藤小委員長  外来管理加算については特に何も分析の対象にはしておりませんが。 ○藤原委員  数字をいじることによってその辺も多少影響してくることはありますよね。 ○遠藤小委員長  そうですね。要するに幾つかをランダムで抜いていますから、抜いたことによってほか の科目も少しは変わっているわけなんですね。それで外来管理加算がどのくらい変わった かということは特段、我々のミッションではありませんから、やっていません。 ○藤原委員  影響してないと考えていいですね。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今回は大きな乖離があったということで、ワーキング・グループでその原因を追求して、 さらに今回影響を除外した特別集計の方法をしたわけなんですけれども、今回している範 囲内のことでは妥当だなと思うんですが、そもそもこういうことをしなければならない調 査というのはどうなのかを一度考えていただきたい。要するに、社会医療診療行為別調査 の在り方というものを一度議論したらどうかと思います。抽出することに問題があるので あれば、全例調査ということもそろそろ可能じゃないかという気もしておりますし。そう いうことも含めて議論を一度お願いしたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  類似の議論は既に出ておりましたので、中長期的にはレセプトオンラインという形にな っていった段階で全数調査をする形になるので、いずれかの段階でそちらにコンバートし ていくんだろうということは議論としてはありうると思っているわけですが。ただ、もう 1つの問題は、そこに移行するまでの問題で、同じようなことがもう一度起きる可能性も なきにしもあらずなのでということの御質問だと思います。それについても議論をしてお りますので、これについて事務局からお願いします。統計情報部になるのでしょうか。  それでは、医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長からお答えしておきますが、抽出に当たって少し丁寧に層化抽出をしているわ けですけれども、抽出に当たって留意しなければいけないなということで、幾つか細かな 統計情報部なりの考え方もあるようでしたので、今後、ユーザーである医療課もよく話し 合って、よりよい調査になるようにしていきたいと思っております。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  お願いで締めたいと思うのですが。先ほどの救急医療の資料のところでもちょっと議論 の中に出ましたけれども、消防庁の資料が出ていますね、ああいうところに対しまして、 坂本専門委員からも出たのですが、出口と入口の細やかなところ。厚生労働省のほうも今 後ぜひぜひそういうデータを出してほしい。  それと似たようなことで、今度のことはまずはすぐワーキング・グループをつくってい ただいて、対応していただいたことは感謝申し上げたいと思います。同じようなことで、 こういう公の議論の場に出るわけですので、資料の内容とか、出し方をどうぞ今後ともき ちんと十分選別して出していただきたい。これも要望、最後にさせていただきたいと思い ます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  ちょっと御質問したいんですが。データのとり方によって、従来と同じような頻度でと ったらこうでしたというのが新しく出ましたね。そうしますと、この20年度の調査結果 として、これを今後使われるんですか。それとも、従来のものは従来で使える、そこのと ころの御説明をいただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  それはこれから審議しようと思ったところです。ワーキング・グループは乖離の原因を 探れということが使命だったので、その御報告をさせていただきました。とりあえずその 点についてよろしゅうございますか。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  今の御質問とも関係しますが、私、専門外ですから分かりませんが、とにかくワーキン グ・グループ、御苦労さまでした。今回こうやったことに関して私はやむを得ないと思い ます。そこで今の質問とも関係いたしますが、2つお伺いしたいと思います。  1つは、仕方なしにこういう修正をしたということですので、今回の中でのこの値はい いんですが、今御質問ありましたように、過去とは全く違うものなんですよね。ですから、 それは過去の数字と比較する時にはどうなるんだろうということが1つ。  もう1つは、そもそも特異な現象が起こったわけですけれども、見ていくと抽出の、内 科の100分の1にここにも一つ原因があったと。そうすると、今後これを考えていくの か、ここをどういうふうに生かしていくのか。長期的なことをこれから検討するというお 話がありましたけれども、細かい話ですぐに、100分の1という抽出に関しても今後問 題にするのかどうか。この辺についてお伺いいたします。  以上2点です。 ○遠藤小委員長  後者については、議論は先ほど途中で、細かい話まではいきませんでしたけれども、要 するに内科診療所にそのように透析レセプトが混じり込まないような工夫を考えていると いうことで対応すると。恐らく100分の1抽出というのは、数から出ているわけですか ら、そのまま使うことになるのだと思うのですけれども、透析のレセプトがちゃんとその 他に入ってくるようにというような、できるだけそういう配慮をすると、そういう理解で よろしかったですね。  それから、過去との違いということは、確かに過去は手をつけていないのですが、過去 は、先ほど言ったレセプトに占める透析の比率が比較的安定はしています。ただ、安定し ていない時もあるんですけれども。そういう意味では、今回がかなり異常だったので、異 常補正のようなことをしたということで、厳密に言えば確かに過去もそういう問題はあっ たのかもしれないですね。  事務局として何かお考えがあればどうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  これは中医協で御意見をいただければいいんだろうと思いますが、ワーキング・グルー プの事務局も務めた事務局の立場として申し上げますと、幸いなことにと申しますか、処 置で、それも診療所で、それも内科で、そしてさらに、その処置の中で人工腎臓、人工透 析という、やや特殊というと怒られますけれども、やや特徴的な診療行為のみと、それを 行っている診療所がたくさん抽出されたという現象でしたので、その全体、例えば入院は もちろんのことですが、入院外も個々の、例えば検査だとかあるいは手術だとか、そうい うところにはそれほど影響を及ぼしてないように思いましたので、原則としては今までど おりきちっと、通常どおり報告されたものを使うということになるんだろうと思います。  ただ、処置に関していうと、この話の発端にもなった……。 ○遠藤小委員長  課長、そこの話はまだ今後の議論の話ですから。 ○事務局(佐藤医療課長)  分かりました。ただ、過去と比較をできるかというと比較をできる部分が多いというこ と、処置以外の部分については比較はできると思いますし、入院もできると思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ワーキングの結果につきましてはよろしゅうございますか。  そこで、このように過去の比率に合わせて、幾つかはランダムに診療所を除いたような 形のものができ上がっているわけなんですが、これを今回の改定の時の、影響度表等々で 社会医療調査を使うわけですけれども、そのものを使うのかどうかということはここで決 めるということになっておりましたので、これについてはどうお考えになりますでしょう か。御意見、承りたいと思います。  かつては1号側から、あまりそういう手を加えたものは使うべきでないという御趣旨の 御意見も出たかと思いますけれども、いかがでございましょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  医療経済実態調査でも、いろんな形でもって、なかなか数字的にうまくいかない時に、 それなりの補正なり特別調査なりをやることはあるわけですね。ですから、今回もそうい う意味ではデータはデータとして社会医療診療行為別調査として出して、必要があればこ の特別調査もつけるということでよろしいんじゃないかと思うんですけれども。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  2号側はいかがでしょうか。何かありますか。  必要であればというようなところはなかなか微妙なところもあるわけですけれども、御 同意が得られたというふうに理解させていただきます。  公益、何かございますか、よろしゅうございますか。  どうぞ。 ○森田委員  今回の件についてはそれでよろしいのではないかと私は思いますけれども、サンプルの バイアスがこういうことを引き起こすということは今後もありうると懸念いたします。ま た、そういう形で先例としていいのでしょうか。これ以上申しませんけれども、今回の場 合はきれいに要因が特定できたケースだと思いますが。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  確かに今回は透析が内科に入っていたということで、犯人探しがしっかりできたという ところなんだけれども、今後そうでない場合もありうるので、そういうお話でございます ね。とりあえず内科に透析のレセプトが大量に入ってくるということは除くような調査の 仕組みを今構築中であるということでありますので、その細かなことはよろしいですね。 事務局はその辺のアイデアをもう既に持っておられるようですけれども、その説明は必要 ですか。 ○森田委員  いや、そういう懸念を持ったということです。 ○遠藤小委員長  はい。ということで、いずれにしましても。ありがとうございます。特に透析は金額が 大きいということと、先ほどの定数の問題があるものですから、非常に大きく出てくると。 実は研究者の中には過去もそういうことがあったんだということを指摘している人もおら れるぐらいなのですけれども、その問題がはっきりましたので、今後きちっと整理されて いくと思います。  それでは、そのような形でよろしゅうございますでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、本日予定されていた議題はすべて終了いたしましたが、実は我々の中医協委 員として一番長くからお務めされております対馬委員が本日は最後の中医協ということに なりました。  対馬委員、最後に一言、御挨拶をいただきたいと思います。 ○対馬委員  6年間ということで、中医協の仕組みも変わりましたし、医療の現場、それから、我々 保険者、本当に様変わりと言いますか、激動の6年間でしたけれども、任期6年間満了で きました。これは本当に委員長をはじめとしまして、関係者の皆様のおかげだということ で、心からお礼を申し上げたいと思います。  中医協は、御承知のとおり当事者としての合意形勢の努力がないと一歩も前に進まない ということでございますので、ここ三、四年、データでありますとか、エビデンスに基づ く議論、それから、建設的な議論ということでやってまいりましたけれども、少し前に進 んでいるんじゃないかなと、こういうふうに思います。今後ともぜひそういった方向での 議論を重ねていただきまして、患者、国家、国民のためによりよい中医協ということで御 尽力をいただければ大変ありがたいと思います。  本当にどうもありがとうございました。(拍手) ○遠藤小委員長  対馬委員、どうもありがとうございました。私のほうからもお礼を申し上げたいと思い ます。  それでは、本日の中医協、これにて終了したいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かございますでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  未定ですけれども、決定次第、早急に御連絡をさせていただきます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  それでば、どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)