09/09/18 平成21年9月18日中央社会保険医療協議会総会議事録          第149回総会議事録 (1)日時  平成21年9月18日(金)9:52〜10:42 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 小林麻理委員 白石小百合委員森田朗委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代 清水) 伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       大島伸一専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <参考人>       松本純夫保険医療材料専門組織委員長       <事務局>       外口保険局長 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        渡辺険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 医療機器の保険適用について       ○ 臨床検査の保険適用について       ○ 先進医療専門家会議の報告について       ○ DPCについて        ・ DPCからの退出について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、ただいまより、第149回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の出席状況について御報告をいたします。  本日は、牛丸委員、庄司委員、藤原専門委員が御欠席です。  また、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられます。  なお、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  次に、厚生労働省におきまして異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたし ます。 ○事務局(佐藤医療課長)  9月7日付けの異動がございましたので紹介させていただきます。渡辺由美子保険局医 療課保管医療企画調査室長でございます。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  それでは議事に移りたいと思います。  初めに、「医療機器の保険適用について」を議題といたします。  まず、C1(新機能)でありますが、C1について、保健医療材料専門組織の松本委員長 より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○松本委員長  それでは説明いたします。  今回の医療機器の保険適用は、C1が2つです。中医協 総−1−1の資料をごらんく ださい。  販売名はTALENT胸部ステントグラフトシステムです。  本ステントグラフトシステムは、経皮的に大動脈瘤のある胸部下行大動脈に留置され、 血流から動脈瘤を遮断すると同時に、患者の血管内において代替血管としての役割を果た すものです。  このシステムを用いた胸部大動脈瘤の治療において、全長13cmのメイン部分が既に 保険適用を受けているところですが、これに加え、複数のステントグラフトを組み合わせ た留置が必要となる場合もあり、本件はこのような場合に、メイン部分に追加する全長8 cmのステントグラフト、補助部分です。  ステントグラフトを使用するのは、メイン部分のみでは長さが足りずに大動脈瘤を覆い きれない場合や、血管の太さが変わり、ステントの径を変更する必要のある場合です。  また、本件は大きく分けて、心臓に近い中枢側と手足に近い末梢側が用意されており、 それぞれ中枢側は心臓の方向に、末梢側は手足の方向にワイヤーが延びており、血管の分 岐が近い部位での動脈流に対しても使用できるように設計されております。  既に腹部大動脈瘤ステントグラフトについてはメイン部分と補助部分が機能区分として 認められておりますので、腹部大動脈瘤用ステントグラフトの補助部分を類似機能部分と して評価いたしました。  本品は胸部大動脈瘤をステントグラフトの補助部分として機能区分を申請することとし、 区分C1と決定いたしました。  価格は類似機能区分と同じ28万6,000円で、外国平均価格との比は0.64倍と なっております。  続いて、2点目の説明をよろしいですか。   ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。 ○松本委員長  続きまして、アンジオスカルプトPTAバルーンカテーテルについて説明させていただ きます。  本品は経皮的血管形成術(PTA)における狭窄性血管又は透析シャントの狭窄部の拡張 及びステント留置時の後拡張において使用されるバルーンカテーテルです。  製品概要をごらんいただきたいのですが、一般的なバルーンカテーテルの上にスコアリ ングエレメントというニッケルチタン合金製のらせん状金属取りつけられており、これに より拡張時のスリッピングを軽減する工夫がなされているものです。スリッピング等を起 こして十分な拡張が得られないと想定される病変に対して使用することを目的に設計され ております。  既存の機能区分においては、スリッピングを防止する機能を評価した区分が存在しない ため、区分C1と決定しました。  類似機能区分は133、血管内手術用カテーテル、PTAバルーンカテーテル、一般・ 特殊型です。  価格は、類似機能区分と同じ11万8,000円で、外国平均価格との比は1.04倍 となっております。  C1については以上の2点でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして御意見、御質問ございますでしょうか。藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  最初の胸部ステントの件なんですが、外国と比べて0.64倍と、これまで出されるケ ースでは大体1.5とか2とか、もっと高い価格がついていたと思うのですが、この理由 について教えていただきたいと思います。 ○遠藤会長  これは事務局のほうがよろしゅうございますね。事務局、なぜ0.64倍になったのか ということで、場合によってはこれはメーカーに聞かなければ分からないということかも しれませんが、事務局、分かる範囲で何かありますか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  この価格設定は、資料の3ページにございますように、外国平均価格は44万9,28 5円ということなんですけれども、あくまで機能の区分として、1ページの類似機能区分、 大動脈用ステントグラフトの既存のものと比べて、機能区分にそのまま当てはまるわけで はないのですが、基本的にはこれと同等でいいであろうという材料専門組織の判断で同等 の価格、28万6,000円ということになったと理解してございます。その結果が先ほ どの外国平均価格と比べて、たまたま0.64倍となったということであって、意図して 0.64倍にしたということではないということだと理解してございますが、委員長それ でよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  ありがとうございます。藤原委員よろしいですか。 ○藤原委員  意図してできるのですか。 ○遠藤会長  意図しては……。基本的にはルールどおり適用しているわけでありますから。 ○松本委員長  意図してしたわけではなくて、類似機能区分でもう価格が決まったものがありましたの で、それと同等に扱うということございます。 ○遠藤会長 ありがとうございます。  ほかにございますか。よろしゅうございますか。  特に御問等ないようであれば、本件につきましては中医協として承認するということで よろしゅうございますか。ありがとうございます。  それでは、説明がありました件につきましては中医協として承認をいたします。  松本委員長におかれましては、長時間どうもありがとうございました。    〔松本委員長退席〕   ○遠藤会長  次に、区分のA2(特定包括)及びB(個別評価)につきまして、事務局から御報告をお 願いしたいと思います。   ○事務局(宇都宮医療課企画官)  それでは、資料総−1−2をごらんいただきたいと思います。  まず1ページ目、1番.医科でございます。これは今年の9月1日に保険適用開始とな ったものでございますが、まず区分A2(特定包括)(特定の診療報酬項目おいて包括的に 評価されている区分)ということで、ごらんのとおり34件でございます。  続きまして、2ページ、区分B(個別評価)(材料価格として個別に評価されている区分) ということで、2ページから3ページにわたって一覧が書かれております。ごらんのとお り32件ということでございます。  以上、医科につきましては合計66件でございます。  続きまして、4ページでございます。2番の歯科でございますが、A2についてはごら んのとおり2件でございます。その下、区分Bについては、ごらんのとおり7件でござい ます。  ということで、歯科については合計9件でございます。  医科、歯科あわせまして75件が今回の適用ということでございます。  なお、今回につきまして特段御説明申し上げるようなものについてはございません。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいま報告ありました内容につきまして何か御意見、御質問ございますか。ルールど おりの適用ということでありますが。よろしゅうございますか。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。  引き続きまして、「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。  事務局から報告をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料総−2をごらんいただきたいと思います。今回2件ございます。両方ともE2(新 方法)(測定方法が新しい項目)ということで挙がってございます。  まず1つ目でございますが、淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検 査ということで、測定方法は核酸増幅法がTMA法、検出法がHPA法及びDKA法の組 み合わせ。主な測定目的としては、核酸増幅法による尿、子宮頸管擦過物、男性尿道擦過 物又は咽頭擦過物の中の淋菌及びクラミジアトラコマチスの検出ということで、点数は3 00点ということでございます。  1ページめくっていただきまして、2ページのところに概要が書いてございます。  今回のものにつきましては、今概要をお読みしましたが、要は、測定内容のところで下 線を引いてございますが、今回は咽頭擦過物においても新たに測定可能となったという、 ここの部分が新規ということでございまして、従来から尿、子宮頸管擦過物等については 認められていたということでございます。  主な対象として、淋菌及びクラミジアの重複感染が疑われる患者さんに対して使用する ということで、早期診断、早期治療。淋菌またはクラミジアの感染者における重複感染の 見落とし防止等に有用であるということでございます。  続きまして、2件目でございますが、また1ページ目にお戻りいただきまして、測定項 目としてはシスタチンC精密測定ということで、測定法はEIA法、主な測定目的として、 血清または血漿中のシスタチンCの測定ということで、点数は130点となってございま す。  これにつきましては3ページをごらんいただきたいと思いますが、これは腎機能の低下 が疑われる患者さんについての検査でございます。従来はネフェロメトリー法あるいはラ テックス免疫比濁法及び金コロイド比色法で測定できていたということですが、今回はE IA(Enzyme Immuno Assay)法でこのシスタチンCを測定できるよ うになったということでございます。  通常、腎機能低下については、血清クレアチニンというものを測定するのですけれども、 それに比べまして今回の検査は非常に軽度の症候群で診断の感度が高くて、早期診断に有 用であるということでございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。  特に御質問等もないようであれば、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。 よろしゅうございますか。  それでは、引き続きまして、「先進医療専門家会議の検討結果について」を議題といたし ます。  事務局から資料が出されておりますので、引き続き御説明をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料総−3をごらんいただきたいと思います。  まず、第2項先進医療として1つ挙がってきてございます。小児期悪性腫瘍に対するF DG−PET検査(神経芽腫、軟部肉腫、胚細胞性腫瘍、腎芽腫に限る。)ということでご ざいます。  先進医療費用としては12万4,000円、それから保険外併用療養費として1,19 2万1,000円と非常に高額になってございますが、これはそのすぐ下に※で注釈がご ざいます。当該症例は、悪性腫瘍の患者さんで、化学療法等を実施したため長期入院を要 した症例ということで、今回の場合325日の入院ということでまた非常に高額となって いるところでございます。  総評については適ということでございます。  1枚おめくりいただきまして、このFDG−PET検査につきましては、概要のところ に書いてございますが、ブドウ糖の誘導体を放射性同位元素でラベルしたもの、18−F DGを小児悪性腫瘍患者に経静脈的に投与して、PETカメラを用いて全身を撮影すると いうことでございます。腫瘍細胞の場合、糖代謝が非常に活発なので、この18−FDG というのが取り込まれて病変部を検出できるというものでございまして、これはもう既に こういった小児悪性腫瘍以外のものでも認められているものでございますが、今回はまだ 認められていない小児についても先進医療として申請したいということでございます。  3ページでございますが、適格性として、すべて妥当等に印がついて、総合判定として 適となってございます。  それから、4ページでございますが、「実施責任医師の要件」として、小児科、小児外 科、整形外科又は放射線科、経験年数5年以上とか、こちらに書いてございますような要 件がございます。  そして、一番下のほうの「その他」のところに書いてございますが、FDG製剤を院内に て製造できる体制を整えていること。つまり、今回につきましては薬事承認を得ていない ということから、院内製剤に限って先進医療として認める、そういうものでございます。 それが今回の件でございます。  続きまして、5ページでございますが、これは「先進医療専門家会議における第3項先 進医療から第2項先進医療へ継続される技術に対する科学的評価結果」ということで、第 3項の薬事承認を得ていなかった薬剤について、近いうちに薬事承認予定になったという ことで、第2項の先進医療に継続していきたいという、そういうものが4件挙がってござ います。  整理番号の1番と2番が1つセットで、これは乳がんにおける腋窩リンパ節郭清術前の センチネルリンパ節同定及び生検ということでございまして、1番と2番の違いは、1番 のほうは、下線を引いてございますが、放射性同位元素及び色素を用いて行う。2番のほ うは、放射性同位元素は用いず、色素のみを用いて行うということでございます。  それで、それぞれ先進医療費用として、1番のほうは8万円、2番のほうは46,00 0円、それから保険外併用療養費としては39万6,000円、2番のほうは46万5, 000円ということが出ております。両方適という総評になってございます。  それから、3番と4番がやはりセットでございまして、これは悪性黒色腫におけるセン  チネルリンパ節の同定と転移の検索。3番のほうについては遺伝子診断が入ってござい ます。4番のほうには入ってございません。その違いでございます。  先進医療費用については、3番が9万2,000円、4番が8万6,000円、保険外 併用療養費につきましては、3番が91万4,000円、4番が47万5,000円とい うことでございます。  これらの違いについて、次の6ページのところで一覧表にして概要が説明されてござい ます。  まず、乳がんの腋窩リンパ節のセンチネルリンパ節生検についてでございますが、1番 は放射性同位元素を用いるということから、一番右側に特長として書いてございます。放 射性同位元素を用いてセンチネルリンパ節の部位を術前に同定できるため、小さい皮膚切 開で実施することができるというメリットがございます。ただ、まだ放射性同位元素を用 いてできる施設が限られてございますので、2番は放射性同位元素を用いることができな い施設でも実施することができるということで、こちらのほうが非常に普及性が高いとい うことでございます。つまり、1番だけに限ってしまうと、乳がんの患者さんは非常に多 いのですけれども、この生検が間に合わない、すべて行うのはちょっと不可能なので、普 及性の高い2番のほうも同時に認めるということでございます。それで、また生検による 同定率については1番と2番でそれほど差がないということでございます。  それから、3番と4番でございますが、3番につきましては、やはり特徴のところに書 いてございますように、病理組織診断にPCR法を併用することによって微少転移の検出 感度が向上するということでございます。やはりこれも先ほどの1番と同じように施設が まだ限られてございますので、あわせまして4番のほうの、遺伝子診断まではいきません が、普及性の高いこういった生検を行うというようなことでございます。  続きまして、7ページでございます。今ご説明したようなことが7ページの概要のとこ ろに書いてございます。   こちらにございますように、まず下線部にありますようにこちらは放射性同位元素及 び色素を用いて行うということで、小さい皮膚切開で短時間で行うことができるというメ リットがある。  それから、効果のところですが、リンパ節転移陰性の患者さんに対して、同定率99. 2%で不要なリンパ節郭清を回避できるという、そういうメリットがあるということでご ざいます。  続いて、8ページでございますが、「妥当」、「大幅に効率的」等々印がついてござい まして、総評適となってございます。  それから、9ページでございますが、「実施責任医師の要件」等について、こちらに書 いてございますように乳腺外科又は外科、あるいは経験年数5年以上、当該技術の経験年 数は2年以上等々、こちらにございますような要件が設定されてございます。  続きまして、10ページでございますが、こちらは放射性同位元素を用いないほうでご ざいますが、これにつきましてやはり先進性、概要はほぼ同様でございますけれども、効 果のところをごらんいただきたいのですが、こちらでも同定率が97.1%ということで、 先ほどの放射性同位元素を用いた場合は99.2ということで、若干こちらのほうが低い といえば低いのですけれども、それでも97%という非常に高い割合で診断できるという ことですので、普及性の観点からこちらについても認めるというようなことだと思います。  そして、「先進技術としての適格性」、11ページですが、やはり適となってございま して、12ページの要件、先ほどと同様な要件が設定されてございます。  続きまして、13ページですが、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定でござ います。こちらについて、やはり病理診断に加えて遺伝子診断を行うことで微少転移の検 出感度の向上が期待できるということになってございまして、14ページでございますが、 やはり総合的には判定適となってございます。  それで、15ページにございますように、実施責任医師あるいは医療機関の要件という ものが設定されてございます。  それから、16ページでございますが、こちらは遺伝子診断をしない症例でございます けれども、先ほどと同様の理由で、普及性という観点からこちらについても判定は適とな ってございまして、18ページのような要件が設定されているというところでございます。  説明については以上でございます。   ○遠藤会長  ありがとうございます。  1つは小児を対象としたPET検査についてということで、あとの1つは第3項先進医 療から第2項先進医療へかわるという4つの技術について先進医療機関で議論されている ので、それについての御報告だったのですけれども、1つ御質問させていただきたいので すが、この第3項先進医療から第2項先進医療へ移るというのは、初めてのような気がす るのですけれども、第3項先進医療が認められたときに、同じ内容を中医協で報告されて いるものなのかどうか。つまり、現状第3項先進医療としてこの4つの技術は動いている わけですね。それが薬事承認される可能性があるので第2項に移すということなので、今 後もこういうことは出てくると思うのですが、ちょっとその辺のところの関係を分かりや すく説明していただきたいと思います。   ○事務局(宇都宮医療課企画官)  すみません、失礼しました。  この3項から2項に上がってきたこれらについては、高度先進医療時代からのものでご ざいまして、ですから高度先進の一覧表がございましたけれども、その中で一括して説明 されているものでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ということで、高度先進医療がなくなりまして、それが先進医療の中にどっと流れ込ん でいるわけですので、その中で薬剤の承認がされてなかったものが自動的に第3項先進医 療になっていたわけですけれども、薬剤の承認ができる可能性があるので第2項に移った、 そういうことの御説明だと、そういうことでありますけれども、以上につきまして何か御 質問、御意見ございますでしょうか。  特に御質問、御意見ないようであれば、御説明ありました技術につきましては保険給付 との併用を認めることについて、中医協として特段の意見はないということでよろしいで しょうか。 〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。 それでは、引き続きまして、「DPCからの退出について」を議題といたしたいと思いま す。  事務局から資料が提出されておりますので報告をお願いいたしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  中医協総−4の資料をごらんいただきたいと思います。  本件につきましては、後ほど御説明いたしますが、退出ルールに当たって特別な場合と いうことで中医協の承認が必要、その手続きについての案でございますが、この案の中で 「基本問題小委員会での了承をもって総会の了承を得られたものとみなす」内容となって ございますため、総会のほうでの了承もいただきたいということで、こちらに出させてい ただいたということでございます。  総−4に入ります前に、そのすぐ後ろに参考資料というのがあると思いますけれども、 6月3日の基本問題小委員会の資料でございます。「DPC対象病院への参加及び退出の ルール等について(案)」ということでございます。  このときに御承認いただいたこの案でございますが、2ページをごらんいただきたいと 思います。「DPC対象病院から退出する場合」となってございますが、(1)番「退出 の要件」として、その上のほうに書いてございますような対象病院の基準のいずれかを満 たせなくなった場合、(2)の「退出の手続き等」でありますが、基準のいずれかを満た せなくなった場合は、速やかに厚生労働省に報告し、退出する。なお、ア、イ、ウの基準 を満たせない場合、3カ月の猶予期間を設けて退出ということが書いてございます。  続きまして、3ページでございますが、DPC対象病院の基準を満たしていても、改定 の5カ月前までにその理由等を添えて厚生労働省に届出を行えば、当該改定の前年度末に 退出することができるという、これが基本的なルールでございます。そのすぐ下に黒い四 角で囲ってございますように、「なお、特別の理由があり、当該診療報酬改定の前年度末 以外に、緊急にDPC対象病院から退出する必要がある場合は、退出の認否について、中 医協において判断する。」ということでございます。特別の理由の例としてその下に2つ ほど書いてございます。  この黒い四角の「中医協において判断する。」という部分についての手続きの案を今回 提出させていただいたということで、総−4をごらんいただきたいと思います。これは先 ほど基本問題小委員会のほうで御了解いただきました案でございます。  それで、「特別の理由があり、診療報酬改定の前年度末以外に、緊急にDPC対象病院 から退出する必要がある場合、退出の可否については中央社会保険医療協議会において判 断することとなっている。」とございますが、まず1番、「審査会の設置及びメンバー構 成」で、(1)「基本問題小委員会のもとに「DPC退出審査会(仮称)を設置する。」 (2)「審査会のメンバー構成は支払側2名、診療側2名、公益側3名、全体で7名とす る。」ということでございます。  続きまして、「退出審査会(仮称)の運用方法」でございます。まず、「基本問題小委 員会から審査会へ、退出の可否の審査・決定を委任」するということでございます。そし て、「審査会は原則非公開」ということでございまして、その理由として2つございます。  1つ目は「当該医療機関の経営状況等、機微な情報を取り扱うため」ということでござ います。2つ目は「公平かつ中立な審議に支障を及ぼすおそれがあるため」ということで ございます。  続きまして、(3)でございますが、「審査会は、専門的見地から退出の可否を審査・ 決定し、審査結果を基本問題小委員会へ報告」ということで、この審査会で最終的な決定 をしてしまうということで、その後基本問題小委員会で議論いただいて決定ということで はないということでございます。  (4)「審査結果は、基本問題小委員会へ報告する前に当該医療機関に通知」、(5) 「当該医療機関は、審査会の審査結果に不服がある場合、1回に限り「不服意見書」を提 出できる」ということでございます。そして(6)「希望があれば当該医療機関の責任者 からヒアリングを実施するということでございます。  3番でございますが、「不服意見書が提出された場合」、「審査会で再審査を行い、審 査結果を基本問題小委員会へ報告」「再審査結果は、基本問題小委員会へ報告する前に当 該医療機関に通知」ということで、1回だけは不服を述べることができるということでご ざいます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  特別な理由でDPCを退出する場合の手続きについてでありますけれども、この内容に つきましては、先ほど開催されました基本問題小委員会で、既に基本問題小委員会として は承認したものであります。  特徴としましては、審査・決定を委任するということが1つと、それから中身について 原則非公開であるというところ、これが特徴でありますけれども、いかがでございましょ うか。非公開というのは、薬価専門組織であるとか材料専門組織も、これは企業秘密の問 題を扱うということで非公開にしているというような前例もありますので、いかがでござ いましょうか。よろしゅうございますか。  それでは、本件につきましては中医協として承認するということにしたいと思います。 ありがとうございます。  それでは、「その他」ということでありますけれども、事務局から、新インフルエンザ 対策に関する資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは、資料は中医協の総−5でございます。  新型インフルエンザ対策につきましては既にマスコミ等でも御存じのことかと思います けれども、厚生労働省内に対策推進本部を設置いたしまして、そこを中心にさまざまな対 応を行っております。その一環として、診療報酬関連でも所要の対応を行うこととして、 先日医療課長通知を発出しましたので、議論をいただくというよりは御参考までに御報告 をするものであります。  ごらんいただきますように、インフルエンザの流行を想定した診療報酬上の臨時的措置 ということになります。  まず、入院基本料、入院診療に係る分でございます。御存じかと思いますが、入院基本 料の施設基準に係ります考え方あるいは詳細な計算方法について、現行では医療課長通知 で規定をしているわけですが、インフルエンザの流行時にはこれらの入院基本料の考え方 や計算方法を厳格に当てはめますと、施設基準を満たせなくなるケースがあるだろうと、 そういうケースはどういうケーズかということで、1ページ目の一番下のところに[1][2][3] としてお示しをしております。  簡単に紹介しますと、入院患者が急増することによって、結果的には例えば7対1とか 10対1とかいったような配置基準を満たせなくなる場合。それから、今度は看護職員自 身が多数インフルエンザに罹患し欠員が生じることで、7対1、10対1を満たさなくな ることがあるのではないか。[1][2]に関連するのですが、[3]としまして、結果として、ある いは流れの中で夜勤配置を増やすことで夜勤回数が増加して、月平均夜勤時間数が72時 間を超える場合があるのではないかというふうに考えられます。  そこで、対応の結論になるわけですが、2ページ目の(3)の「今回導入する措置」と 書かれましたところに[1][2][3]と対応を書いております。まず1つ目の「入院患者の急増へ の対応」といたしましては、インフルエンザが流行している地域及び期間を限定いたしま して、インフルエンザ患者については、7対1、10対1等々を計算する場合の直近一年 間の平均入院患者数に算入をしない、カウントをしないという措置が1つ目でございます。  それから、2つ目の「看護職員がインフルエンザに多数罹患した場合の対応」について は、現行では、1日当たり勤務する看護職員の数について,「暦月1ヶ月を超えない期間 の1割以内の一時的な変動」の特例がありますが、この特例をインフルエンザの流行して いる地域と期間を限定して、2割以内まで認めることとしております。  3番目の「夜勤回数の増加への対応」についても、現行では「暦月で3ヶ月を超えない 期間の1割以内の一時的な変動」という特例がありますが、この特例をインフルエンザの 流行している地域、期間に限って、2割以内まで認めるというふうにしたいと考えており ます。  それで、注1と注2も簡単に説明しておきますと、インフルエンザの流行している地域 や期間をどういうふうに限定するのだということになりますが、御承知の方もおられると 思います、厚生労働省の感染症サーベイランス事業で、国立感染症研究所がモニターをし ておりまして、病院を決めて定点観測をしているのですが、都道府県単位で定点観測が1 0を超えた時点で「注意報・警報」を発している、こういう仕組みになっているのですが、 それに連動させるということにしました。具体的には、「注意報・警報」が出されている 都道府県において、「注意報・警報」の発出されている日の属する月の実績の算出の場合 にカウントしないということになり、また緩和措置をするということになります。  それから、注2は、現行の中でも一時的な変動については認めているわけですが、先ほ ども申しましたが、こういう2つの○に書いたような緩和措置を、現行でもあるのですけ れども、これをさらに緩めるというものです。  それから、次のページ、3ページになりますが、同様に外来診療についても特段の措置 をとりました。例えばインフルエンザ患者が時間外に連続して受診をするという場合を想 定いたしますと、現行の取扱いというものを遵守すれば、時間外加算が算定できないとい う場合もあり得ると思います。そこで、結論を急ぎますけれども、(3)にありますよう に、臨時的な対応として、都道府県、保健所設置市、特別区等からの依頼を受けてインフ ルエンザの外来診療を行っている場合には、患者が連続して受診をした場合でも時間外加 算を算定できるようにいたしました。これは初診の場合も再診の場合も同様です。また、 診療所だけではなくて、診療所においでになれば薬もということになりましょうから、保 険薬局についても同様の対応といたしました。  4ページ目から8ページ目までは、具体的に看護配置の算出方法が現状どうなっていて、 例えば患者さんが急に増えた場合にどうなるかということをシミュレートしたものでござ いますので、説明は省略いたしますが、時間のあるときに御高覧をいただければと思いま す。  9ページからは、実際に発出しました通知でございまして、今申し上げましたようなこ とを文言にしたということになります。詳細は御説明いたしませんけれども、ちょっとポ イントになるところだけ御説明いたします。  9ページの一番下を御覧いただきたいのですけれども、先ほども申し上げましたように、 基本診療料の算定に係る人員配置の基準その他についての特例は設けたのですけれども、 一番下のカラムにありますように、この特例的な取扱いというのは、新型インフルエンザ 患者を受け入れた保険医療機関の診療報酬上の評価を適切に行うという観点から行うもの であって、特例だからといって、看護要員の労働時間が適切であるということは当然のこ とであります。例えば非常勤職員を新たに採用するなど、看護要員の過重労働の防止に配 慮すべきであるということは言うまでもありませんので、こういう特例だからといって、 看護職員はもちろんコメディカル全般もそうでございますけれども、過重労働にならない ように気はつけていただくということになりましょう。  以下、9月14日の部分が9ページから13ページまで続きます。これが入院でござい ます。それから、先ほど説明しました外来の部分が9月15日に発出しましたもので、1 4ページから15ページとなります。  このほか、参考まで、別添という形にしていますけれども、16ページ以降で「新型イ ンフルエンザ患者数の増加に向けた医療提供体制の確保について」というのが、既に8月 28日に推進本部から出ております。  大変かけ足でございましたけれども、そういう対応をしましたので、御参考まで御報告 をいたします。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  この新型インフルエンザに関しての診療報酬上の課題、対策ということを、入院と外来 と薬局に対して行った、それを課長通知で通知したということの報告でありますけれども、 それに関して御質問、御意見ございますでしょうか。坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  今回のインフルエンザに関しましては、沖縄の大流行もありまして、私どもといたしま しても全面的に、積極的にかかわっていきたいというふうに思っております。  ただ、職員のことに関しまして3つ質問させていただきます。  1つは期間ですが、警報と注意報が発生しているところで少しこの縛りを緩めるとお聞 きしましたが、どのように連動させていくか、届出制になるのかどうかということが1つ。  それからもう1点は、恐らく病棟で、このシミュレーションの割合からいくと、資料の シミュレーションでは入院患者全体の25〜29%が新型インフルエンザとなっており正 しい数字を計算しますと600床の場合は、「150から174人」となりますので、文 章を削除した方がよろしいかと存じますがいかがでしょうか。恐らく看護師が足りなくな るような状況になると思いますが、それに対してパートを雇うとか短時間勤務をふやすと いうような場合、コスト面でのサポートはあるのか。  それからもう1点は、都道府県に対する補助金等があるならば、病院まで行き渡るよう な方法をどのようにしてつくられているのかお聞きしたいと思います。 ○遠藤会長  それでは事務局、今の3点についてお答えいただければと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず1つ目の質問は、期間、注意報、警報が出たときということですが、届出制かとい うことでございましたが、届出制ではありません。しかしながら、通知の11ページをお 開きください。11ページにありますように、「別紙様式」と書いてありまして、新型イ ンフルエンザの入院患者の整理表というのをつくっていただいて、これで資料としてはま とめておいていただくという形にしたいと思います。また、※で書いておりますように、 こういう様式の内容であればいいので、このままでなくてもいいということです。  それから、2つ目でございますが、2つ目はコストの御質問だったと思います。コスト につきましては、この措置の中身を理解していただければお分かりいただけると思います けれども、例えば100床の病院があって、そこに10床多めに110人を、例えば2人 部屋に4人入れる等々の対応で10人分増やす、こういうことになるのでしょうけれども、 その増えた10人についても、例えば7対1とか10対1とかの診療報酬が支払われるこ とになりますので、その中には、全額かどうかは別として、看護師の雇い上げに係る費用、 雇用に係る費用というのは込められているというふうに考えられますし、また、出来高の 部分につきましても通常通り支払われるということでございますので、これで完璧か、例 えば個々のケースにおいて臨時に雇う場合にそれで十分かと言われると、なかなか難しい 部分もあるかもしれませんけれども、診療報酬表の対応としてはコスト面ではこれで対応 できると思います。  それから、すみません、3つ目につきましては、2つ目の答えを考えておりましたので、 もう一度お聞かせいただければと思います。 ○遠藤会長  坂本専門委員、補助金についてもう一度お願いいたします。 ○坂本専門委員 例えば今回新型インフルエンザに対する補助金等の考え方があると思い ますけれども、都道府県がそれを管轄するということになれば、都道府県から病院、診療 所等までどのように行き渡るのか。 ○遠藤会長  事務局お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  申しわけございません。私どももインフルエンザ対策推進本部なり、あるいは健康局の ところで所管をしております補助金の流れ方、それからその決定の仕組み、特に自治体に おける決定の仕組みについて関与はしておりませんけれども、おそらくはこの推進本部か ら出ております各種の通知を見ましても、都道府県でありますとか保健所設置市、特別区 単位で適切な医療体制を整えることとなっておりますので、この中で個々の医療機関と、 また都道府県等自治体との間で綿密は打合せなり調整が行われて、必要な補助金もそこへ 支出されるものと承知をしております。 ○遠藤会長  坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  その件に関しましては分かりましたが、この9ページの「新型インフルエンザの流行に 伴う診療報酬上の臨時的な取扱いについて」ということですが、一番下の行に、「例えば、 非常勤職員を新たに採用するなど、看護要員の過重労働の防止に配慮すべきであることを 申し添える。」とあります。看護師が、例えば保育所等で子供が感染するとか本人が感染 して休む状況にあって、非常勤を雇う場合、それは診療報酬で手当て済みということでは なくて、これは中医協の話ではないかもわかりませんが、新たに非常勤を雇うということ に対するサポートもしていただくべきだと思っておりますので、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  そのような御意見につきまして事務局としてはどうお考えになるかということですね。 よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課からも対策推進本部その他関係部局へ御要望といいますか御意見の趣旨を伝えた いと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  坂本専門委員よろしいですか。はい、ありがとうございます。  ほかに。邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  恐らく流行しますと、一番よく来る自治体病院。田舎の、地方の自治体病院の状況を言 いますと、今でも看護師さんは、雇おうと思ってもいないのです。文章に書くのは簡単で すけれども、現実はほとんどいないですから、私はやはり予防のほうに力を入れるべきだ と思います。これは中医協とは別のことですが。  そうするときに、ワクチンを病院、診療所で射たないように、できるだけ保健所とか別 のところでワクチンの注射ができるようにして、病院の動線を変えるというよりも、初め に人の動線を変えていただくのが地方では一番いいのではないかと思っておりますので、 別のことですけれども、この場をかりて言わせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。このような御意見があったということも、先ほどと同じように また関係部署に、中医協の委員からの意見があったということをお伝えいただければと思 います。  ほかにございますか。よろしいですか。  それでは、既に課長通知で通達されているわけでありますけれども、このような対応が なされているということであります。  それでは、このほかに事務局より、社会保障審議会の医療部会と保険部会につきまして の議事概要が提出されておりますので、これにつきまして御説明をお願いしたいと思いま す。 ○事務局(佐藤医療課長)  もう御説明はいたしませんが、資料だけ御紹介をしておきます。  総−6ですけれども、第9回の社会保障審議会医療部会が21年8月26日に開催され ましたので、2ページ目から7ページ目にかけまして、お名前入りで意見の概要を付けて おります。  それから、8ページからは、社会保障審議会医療保険部会、これは第33回になります けれども、8月27日に開催されましたものを、各委員の発言要旨という形で付けており ますので、今後の中医協における議論の参考にしていただきたいと存じます。  以上です。   ○遠藤会長  ありがとうございます。  まだ両部会とも審議の途中ということでありますけれども、本件につきまして何かござ いますか。よろしゅうございますか。  それでは、両部会の審議の経過を見ながら、この結果を待って診療報酬改定の議論を進 めていきたいと思います。  それでは、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして事務局から何かありますか。   ○事務局(佐藤医療課長)  次回開催日時は未定でございますけれども、決定次第また連絡をさせていただきます。 よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  それでは、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。ありがとうございました。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)