09/09/14 第4回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会議事録 第4回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会 日時 平成21年9月14日(月) 17:00〜19:00 場所 合同庁舎第5号館5階共用第7会議室 ○医療安全推進室長 ただいまから「第4回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討 会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、本日ご多用の中、当検討会にご出席 いただき、誠にありがとうございます。 事務局側ですが、8月1日付けで塚原が、大臣官房参事官で医療安全を担当することになりま した。よろしくお願いいたします。以降の議事進行につきましては、楠岡座長にお願いいたし ます。 ○楠岡座長 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。時間も限られております ので、早速議事に入りたいと思います。まず事務局より、本日の配付資料につきまして確認を お願いいたします。 ○医療安全推進室長 お手元の資料のいちばん上は議事次第、その次が座席表、続いて委員の 先生方の名簿です。その次に資料1として、前回の主なご意見をまとめたもの。その次が資料 2として、処方せんの記載例。その後ろが資料3、報告書骨子案(論点整理)。その後ろが資料 4として、用法の標準化について(提案)です。会議の途中でも、欠落等があれば交換いたし ますが、いまの時点ではよろしいでしょうか。 ○楠岡座長 早速議題に入らせていただきます。前回の会議では委員の先生方からさまざまな ご意見をいただきました。今回は、まず資料1、資料2及び資料3につきまして事務局よりご 説明をいただきます。引き続きまして、資料4について土屋委員からご説明をいただく予定に なっております。最初に事務局から資料1、資料2、資料3のご説明をお願いいたします。 ○医療安全推進室長 それでは説明させていただきます。資料1は、前回第3回にいただいた 主な意見をまとめたものです。1頁目が処方せん記載方法の在り方について。2頁目が用法・ 用量に係る処方せん記載方法について。3頁目が処方に関する通知等について。4〜5頁目が 移行期間の対応について。6〜7頁目が医療情報システム(オーダリングシステム)について。 8頁目がその他(教育、添付文書)についてです。これは議論の際、前回どんな議論だったか というときに参考にしていただければと思います。また、前後の文脈があって意味をなす場合 も当然ございますので、少し趣旨が違うというのがあれば、必要に応じてご指摘いただければ と思います。以上が資料1です。 資料2、処方せん記載例ですが、前回第3回の検討会の際に、不均等分割投与の場合、また休 薬期間のある場合の例についてお示しいたしましたが、もっと一般的な例を出すべきではない かという宿題をいただきましたので、2枚目以降に均等処方の例を2つ、さらにスライド番号 5の散剤の場合、スライド番号6の液剤の場合という例を用意しております。以上が資料2で す。 続いて資料3です。これは前回座長から最後のところで、第4回では論点をまとめようという ご指摘がございましたので、それに沿って論点整理を行った上で「報告書骨子案」という資料 形態にしたものです。 資料3の1頁目は、本検討会の趣旨であります内服薬処方せん記載の在るべき姿というところ でまとめてあります。○の1つ目は医療安全の観点から、患者、医療者を含め、誰が見ても理 解できるような処方せんの記載方法を標準化し、我が国のあらゆる医療機関において統一的な 記載による処方せんが発行されることが望ましい。 ○の2つ目では、最も望ましいのは、分量として1回量と1日量、用法・用量として1日の服 用回数と服用時期、服用日数等の必要事項をすべて記載することであるが、現状では、限られ た時間で全体についてすべて記載することは困難である。 そして○の3つ目で「このため用法の記載について、一定のルールを設けて標準化を図る」と いう検討会のご趣旨に沿ったご議論をいただいたものをまとめたものです。次に、いままでい ただいたご意見の例をお示しいたしました。 同じ1頁目の下、いわば将来像に関わる部分ですが、1-1)で、単位量については、医薬品を 実際に内服する患者の解りやすさの観点から、最小単位である1回の内服量を処方せん記載の 基本とする。1-2)は散剤、液剤ですが、これは2類型あります。薬名を販売名で記載した場 合には分量を製剤量で記載する、薬名を一般名で記載した場合には分量を有効成分量で記載す るというまとめをしております。 2頁目は、内服薬処方せん記載方法の標準化に至るプロセス、経過です。短期的方策として、 単位量。2-1)では、これまでの「分3」「×3」「3×」といった記載を、日本語で明確に記 載する。そして散剤、液剤のところでは、「g記載は製剤量、mg記載は有効成分量」といった、 いわば暗黙の了解的な重量記載により記載してきたものを、薬名を販売名で記載した場合には 「製剤量」と明示の上製剤量で分量記載する。一般名で記載した場合には「原薬量」と明示の 上、有効成分量で分量記載をすることを標準にする、という書き方をしております。 「その他」という書き方ですが、2-3)はシステムの場合です。出力された処方せんの記載事 項については、処方オーダリングシステム等が1回量を基本とした入力、1日量を基本とした 入力、いずれの場合であっても、出力された処方せんには1回内服量と1日内服量が併記され るようにする。つまり、入力量はどちらであっても、出力された処方せんは、当分の間は併記 しようという文章です。 2-4)は手書きの場合です。手書き処方せんの場合、用法・用量については上記2-1)、2- 2)の対応を関係者に依頼し、調剤段階で、調剤においては必要に応じて疑義照会を徹底してい ただくことを手書き処方せんのプロセスとしてまとめております。 3頁目は長期的方策というカテゴリーでまとめております。まず医療情報システムですが、2- 5)にありますように、標準用法マスタの作成・配布を行うと書いております。 2-6)は入力です。入力の場合でも1回量を基本とした入力ができるようにしていただいたら どうか。 2-7)は看護システムです。看護システムにおいては、服用の最小単位である1回の服用量を 基本単位とすることを推進する。 2-8)は調剤薬局段階の話です。処方内容を再入力することによるエラーを防止するために、 二次元情報技術の導入について検討する、ということをまとめております。 次はソフトの面、教育等です。2-9)は卒前教育です。医師、歯科医師、薬剤師等の医療従事 者の養成機関における内服薬処方せんの標準的な記載方法に関する教育、場合によっては共用 試験や国家試験への出題についても留意が必要である。 2-10)は卒後教育に係るものです。医師、歯科医師、看護師等の臨床研修等の卒後教育にお いても、上記養成機関における対応を踏まえ、内服薬処方せんの標準的な記載方法に関する教 育について留意が必要である、としております。 2-11)は紙関係です。書籍や医薬品の添付文書の記載につきましても、本検討会の議論を踏 まえ、用法・用量等の記載方法について留意する必要があるというまとめ方をしております。 4頁は移行期間における対応です。実際に移行するのにどれぐらいかかるかというのは、その 下の「これまでの主なご意見」でもさまざまいただいています。まとめ方といたしましては、 遅くとも5年後に実施状況について把握し、対策について再検討するという書き方をしており ます。参考法令については、その頁に進んでから説明いたします。 5頁目は、内服薬処方せんの記載方法と記載例です。内服薬処方せんの記載方法といたしまし ては、錠剤とカプセル剤の場合は1回内服量を基本とする。必要に応じて1日内服量を記載し、 用法・用量として1日の服用回数、服用時期、服用日数を記載するとしております。散剤と液 剤については、販売名の場合は「製剤量」と明示の上製剤量で記載する。一般名の場合は「原 薬量」と明示の上有効成分量で記載すると書いております。その下の記載例については、資料 2を用いて改めて説明いたします。 6頁では、処方せんに関する法令の規定についてまとめております。医師法及び歯科医師法の 施行規則、これは省令レベルと呼ばれているものですが、ここには分量、用法・用量を記載し て署名しなければならないとなっております。また、保険上のルールである保険医療機関及び 保険医療養担当規則では、様式第2号又はこれに準ずる様式の処方せんに必要な事項を記載し なければならないとなっております。様式第2号についてはこの資料の8頁にありますが、こ れが保険のルール上の様式で、これに準ずる様式と定められております。 6頁には、保険のルールである診療報酬請求書等の記載要領等、記載要領通知と呼ばれている ものについても示されています。「処方」欄には所定単位ごとに記載します。一包化薬にあって は1剤1日分ごとに調剤した医薬品名と用量を、内服薬については1日用量を、それ以外のも のについては1回用量及び投薬全量を記載する。そして、剤形及び用法を記載するとなってお ります。また、医薬品名は原則として、調剤した薬剤の名称、剤形及び含量を記載することと なっております。 7頁は同じく記載要領に係るところです。第5の7の(1)では「医薬品名は、原則として薬価 基準に記載されている名称を記載することとするが、一般名による記載でも差し支えないこと」 というのが今の記載要領通知上の取扱いです。 (2)は「分量は」、(3)は「用法及び用量は」の説明書きです。同じ療担でも保険薬局及び保険 薬剤師の療担では、「保険医等の交付した処方せんに基づいて、患者の療養上妥当適切に調剤並 びに薬学的管理及び指導を行わなければならない」という書きぶりになっております。 資料2に戻っていただきます。この資料2は資料3の「報告書骨子案」と連動しておりまして、 最終版として報告書をいただく際の記載例にこれを反映できればと思っております。本日用意 した範囲では、アムロジンOD、リバロ、フロモックス、メジコン、ムコソルバン、インテバン SP、マイスリー。これは生活習慣病がある方が呼吸器感染症にかかったかなというケースかと 思いますが、そのときに先生方は、現在はこういう処方せんの書き方をしているであろうとい うのがスライド番号1。過渡期的な記載とすればスライド番号2やスライド番号3のような書 き方になるであろう。そしてスライド番号4が将来の形です。先ほどの報告書骨子案にある将 来型からすると、「アムロジンOD1錠1日1回 朝 7日分」、これは1日1回処方なので変わら ないのです。しかし、その次の処方2を前の頁の処方1と見比べていただきますと、前のほう では「3錠」と1日量で記載されていたものが、下の頁ですと「1錠、1日3回朝昼夜」とい う書き方になります。同様に処方3も「2C」となっていたものが「1カプセル1日2回朝夜」 という処方の仕方をしていただくことになるという事例です。 スライド番号5が散剤の場合です。テグレトール(一般名カルバマゼピン)は今、テグレトー ル細粒50%1.6、あるいは同じ名称のままで有効成分量の800mgと書かれているケース があろうかと思います。それが最終的には、下の将来像にある「テグレトール細粒50%」と なっているものについては、1回製剤量としての0.8g、それを1日2回朝夜。「カルバマゼピ ン」と一般名で処方する場合は、原薬量、有効成分量として400mg、1日2回朝夜になる。 次は過渡期的な例です。 スライド番号6が液剤の場合です。セルシン(一般名ジアゼパム)の場合、最終型では、セル シンシロップ0.1%のものを1回1.5mL(製剤量)1日2回。有効成分量で書くとすれば、 一般名ジアゼパム1.5mg1日2回シロップで朝夜、こういう書き方になるというものです。「シ ロップ」と剤形まで書いてあります。 スライド7は不均等分割投与の場合です。将来像のところで見ていただきますが、4、2、1 と分けて記載する、先ほどお示しした検討会報告書に従うと、こういう記載になります。 休薬期間がある場合も同様に将来像を、リウマトレックス1回1カプセル、週3回(日曜9時、 21時、月曜9時)服用を1つの周期として4周期分。検討会報告書ですと、こういう記載に 仕方になるという例を示したものです。こちらにつきましては、土屋委員から補足、修正等が ございましたらお願いいたします。私からの説明は以上です。 ○楠岡座長 ありがとうございました。引き続いて、土屋委員から資料4の説明をお願いいた します。 ○土屋委員 それでは資料4です。今までいろいろと議論をしてきた中で1つ、これは研究班 の報告書にも指摘してございますが、用法というものの標準化がなされていないために、いろ いろなことが問題になっているということがございます。実際、各病院において、多い所です と800ぐらいの用法が登録されている。実際にはその2割ぐらいしか使っていないという話 もあるのですが、そのようなことがあるという中で、昔は何でも均等に割ればいいということ があったかもしれませんが、製剤学上のいろいろな工夫でさまざまな剤形の薬が出てきたこと から1日1回の投与で済む。そういったことができるようになったことから用法を増やす。外 用薬の用法を見ますと多種多様です。それはほとんどフリーハンドで書くものですから、「目が しょぼしょぼしたとき」といった主観的な話等表現方法がいろいろ出てきているということが ございます。また、部位がいろいろあるものですから、そういったものを組み合わせると非常 に大きな数字になっているのです。実は上位10で8割以上だという話もあります。少なく見 積もっても、上位20ぐらいを取っても、実際の用法の8割ぐらいはそれでカバーされている ということがございます。また、最近は1回の製剤が増えたために、大体どの病院でも、処方 の3分の1ぐらいは「1日1回」というのが使われている。実は「1回量」と「1日量」は同 じで、現在でも3分の1は「1回量」と「1日量」が一緒になっているという状況にあります。 先生方にしてみると、面倒くさいものは「医師の指示どおり」と書くと便利なのですが、保険 薬局のほうにしてみますと、調剤をどうするかということがさまざまあるものですから、「医師 の指示どおり」とくると、どういうことですかと確認せざるを得なくなり、それをどう書けと 言うのだという話が出てきて、いろいろ混乱が起きているということから言うと、この際折角 内服薬の処方せんの記載方法の在り方の検討会なのだから、用法をきちんと決めるということ がいいのではないかと思います。 用法の標準化というのは誰でも言うと思います。前回のJAHISのところでも、用法の標準マス タが出来れば協力しますと書いてあります。皆さん、それが出来たら守りますという話はある のですが、誰が作るのだという話、それから、そもそも誰がどういう権限で作ったのだという のがすぐ問題になるのがこの世界です。そういった意味で、公的な所が作成して周知してくれ るということが望まれているのではないかというところがございます。 では実際にどうしようかということで、研究班でも、大学病院を初め、いくつかの病院からマ スタを手に入れまして、その整理をしたことがございます。したがいまして、大体800程度 で和集合を取りますから1,000ぐらいの言葉があるのですが、それをうまく整理すれば、細 かさがいろいろ分かれておりますので、回数の話や部位の話を含めてきちんと整理をしていく と、それほど難しい話ではないと思います。網羅性を持ったテーブルをまず作っておいて、そ れが各病院や診療所あるいは薬局でどうなのかというようなことを少しチェックをした上で標 準的な用法というものを決めて、今度は逆に、この言葉以外は使わないというルールを決めな ければいけないと思うのです。今までの議論にもありましたように「決まったことをきちんと 守る」ということを決めることが必要だと思いますので、まず用法に使われる言葉を、良い悪 いは別として、とにかく一義的に決める。それで足りなければ追加をすればいいわけですが、 それほど追加をしなくてはいけないものはないと思います。薬剤の新たな投与方法が出てくれ ば、それは登録するしかないのですが、メンテナンスに係る大変さというのは、薬の中身のデ ータベースに比べれば、用法というものはある程度限られておりますので、それほど大変なこ とではない。むしろ最初に作るのが大変なのですが、ここら辺は今の情報処理技術を使った上 で「えい・やあ」と作って、ここでオーソライズでもして、この用法の用語はこれ以外には使 わない。たとえ当分の間各病院では自分の所での文化の言葉を使ってもいいのですが、外とや り取りするとき、例えば紹介状のように外に出すものについては決まった言葉で必ず書くとい うことで対応をとるべきではないかということです。この際、たたかれ台は言い出しっぺが作 るしかないのかなということで作って、いろいろご批判いただいた上で、最終的に標準マスタ というものを作ることが必要だと思います。 いま医政局では保健医療情報標準化会議というものがあります。またHELICS協議会というのも ありまして厚生労働省の標準規格という話もあります。これはまだ決まっているわけではない のですが、そういう話もありますので、そういったところできちんと標準形式を定めて、それ をきちんとみんなで守るようにするという仕組みを今回作る。内服薬の処方せんの記載方法に ついては1回量、1日量というところによく議論がいっておりますが、それの基をなす用法の マスタをきちんとするということは極めて重要ではないかということで提案したいのです。 ○楠岡座長 ありがとうございました。ただいまご説明いただいた資料に関する質問も含めて いろいろご発言をいただき、その後資料3の報告書骨子案、これを検討会としてどういうふう にまとめていくかということをチェックしていく、今日はそういう段取りで進めていきたいと 思います。まず、先ほどの資料2、3、及び土屋委員から提示のありました資料4に関して、 何か質問はございますか。 ○土屋委員 この案は検討班の結論を反映させた案なのですが、散剤というのは、書き方につ いていちばん議論のあったところでした。何が何でも製剤量、何が何でも成分量というのがあ って、そういったところが実際事故にもつながっているところです。ですから、散剤の書き方 をどうするかということについては、一度この場でご議論いただいたほうがいいのかなという 気がいたします。 研究班が2年目に行った医育機関研修指定病院での調査によりますと、原薬量を書くというの が7割を超えておりました。しかし、三師会を中心とした3年目の調査では、ほとんどのもの が逆に製剤量で書かれている。これは保険の通知が製剤量になっているので、医育機関と研修 指定病院ではそれが守られていない、とは言いませんが、それはレセプトでは守られているの ですが、病院情報システムではその手前のところで処方せんを発行してしまっているので、処 方せんではそういう状況になっているのです。ここのところを少しご議論いただいたほうがい いのかなという気がいたします。 ○楠岡座長 先ほどの「骨子案」にも散剤、液剤に関する所がありますので、そこをまとめる 場合には当然議論する必要のあるところですが、これについて何かご意見はございませんか。 ○嶋森委員 原末と製剤というのは賦形の問題と一緒と考えていいのですか。製剤量だと、1 日3mL、2回だと1.5mLというふうに出てくるのですか。散薬と水薬で看護師がよく間違う のは、飲ませる量と処方せんに書いてある量とが違っているからということがあるのですが、 そこと関係があるのですか。 ○土屋委員 賦形の話はまた別です。記載のところで、要は10%散ですと1g中に100mg 原薬が含まれているわけですが、それを、重さで測った1gと書くか、原薬量の100mgとい うのを量として書くかというところです。10倍違っていると分かりやすいのですが、50% 散というのがあって、50%散ですと両方とも常用量の間に入ってくるものですから、その区 別がつかなくて事故っている。あるいは錠剤から散剤に変えたときに、その量を50%散にし たときの変換間違いも起きているのです。 ○楠岡座長 そこのところは資料3の骨子案を検討していく中でご議論いただくことにいたし ます。いままでの資料説明の中で、ほかに不明瞭な点等はございますか。 ○岩月委員 最後に土屋委員からご説明をいただいた資料4の用法の標準化ということが、実 はいちばん大事な話題ではないか。ここがしっかりしてくれば、1回量記載であっても、1日 量記載であっても間違いにくいというところになるのだろうと思うのです。そういうことを前 提にしたときに、今回資料2に出していただいた、例えば6の内容液剤の場合ですと製剤名で 書くのか、原薬名で書くのかという話になるのです。この場合、「以上1日量シロップで」とい うのが用法を標準化しようとするマスタに入るのか入らないのかというと、これはたぶん入ら ないと思うのです。成分名で書くと言ったときに、剤形が入らないと、粉も、シロップ剤もあ りますので。ですから、この書き方が直ちにこれでいいのかどうかについては、骨子案とこれ との関係でいうと、これはあくまでも例示なのだという捉え方でいいのではないか、私はそう 理解しましたけれども、そこはそれでよろしいのかというのをまず確認したいと思います。 分かりにくければ、もう一度申し上げます。ここに書いてあるのが仮に原薬量なのか成分名な のかという例であったとしても、用法のところで剤形が入ったりすると、例示としては資料3 に書いてあることと少し違ってくるので、あくまでも資料3の中身を具体的に表した例ではな いということを確認したいと思うのです。 ○土屋委員 剤形をどう決めるかというところに原薬量を。例えばジアゼパム1.5mgとくれ ば、少なくとも量としてはこの量だと。しかし現実として、形として言えば、錠剤もあれば、 散剤もあれば、シロップ剤もある。中には「シロップ」という名前と「液」という名前、いろ いろある。私が先ほど申し上げた「用法」は、剤形の指定は含みません。剤形の指定は2行目 にありますが、「シロップで」とか「散剤で」とかと。上のテグレトールも「散剤で」とかとど こかで指定しておかないと、原薬のときにはいけないのです。それは自由と言うのなら別です が、そういう剤形指定というのは、あって然るべきだろう。しかし、それは用法ではない。あ くまで製剤名を書いて製剤量、原薬名で原薬量という中で、原薬量の場合は剤形の選択という のが次に出てくるので、剤形の選択ということをしないといけない。そこはフリーだ、剤形は 自由だとかということもあり得るのかもしれませんが、一応、用法の範疇には入れておりませ ん。 ○岩月委員 これから資料3の骨子案をこの検討会でどういう形にまとめていくかといった場 合の例示としてはあまり適切ではないのではないかという気がいたします。私がこの検討会で 最初からずっとお話しているのは、いまでも薬価収載名で書きましょうという規則があるにも かかわらず、ここで新しい規則をダブルスタンダードのようにしてまた作ってしまっていいの かということです。話を進めていく上で、1回量を基本とするということであるならば、是非、 散剤とか液剤に関しても、製剤量を基本とするとかという形に収斂していかないと、かえって スタンダードが2つになる。現行は保険上のルールが1個しかないにもかかわらず、現場の意 見を尊重するとスタンダードが2つ出来てしまうという議論になるのか。ここの検討会の趣旨 からすると、ちょっと違うのかなという気がいたします。したがって、そこは今から皆さんに 議論していただければいいと思いますが、例というものと骨子案との関係が不明確だと思いま したので、あえて指摘をさせていただきました。 ○楠岡座長 基本的な問題として、剤形をどこに記載するかということですね。この例は用法 に入っているのだが、本来ならば、薬を指定したときに剤形も一緒に指定するべきだろう。例 えば「ジアゼパムシロップ」という書き方であるべきだというお考えですね。ただ、製品の場 合はセルシンシロップというものがあるので書けるのですが、ジアゼパムになると、そこに製 剤というのをどう書き込むかというところがあります。大原委員、システム上この辺はどうな りますか。 ○大原委員 システム上は、薬剤名のところに剤形も含まれる。要するに、剤形が2種類あれ ば、マスタ上は2個薬剤が並ぶことになります。用法のところにシロップだとか何とかという のはそぐわないと思います。 ○楠岡座長 いま大原委員がおっしゃるように、剤形も含めた形でマスタが作られるので、ど ちらかというと、用法に剤形を記すというよりも、最初の「薬剤名」のところに剤形も含んだ 表示が、たぶん現在もそういう形で受け入れられているので、あえてこれを変える必要は何も ないということだと思うのです。その点はいかがですか。 ○大原委員 加えると、複数の剤形を持つ薬剤があると、マスタではそういうふうに設定する のですが、それ自体で事故が起こる可能性はありますので、私のところでは、なるべく1製剤 1剤形を推奨しています。そういう形に持っていけば、なおさら事故は減る。ただし、いろい ろな診療科がありますので、現実的には複数存在するということも事実です。 ○楠岡座長 いまの大原委員のご意見は運用上の問題に入り、記載の問題からは少し離れてし まうと思います。土屋委員、どうぞ。 ○土屋委員 昔コンピューターがないころには規格について、濃さは薬剤師が全体の嵩を見な がら選択をしていた。だから原薬名で原薬量というのがあったのですが、オーダリングシステ ムになってからは製剤名で処方するようになったものですから、そこで製剤量はきちんとする。 ただし、手書きの場合にはそこが混在しているというのがあると思うのです。選択するときに は剤形を基本的には決めておりますのでいいのですが、手書きのときにそれをどう書くかとい う話は残っているということはございます。ただ、いまの医薬品名は、医療安全のために、ブ ランド名と剤形と規格の3要素を必ず含むようにしろということで、現実に、以前はこれがな いものがいっぱいあったのですが、ほとんどの薬がこのルールに則って名前が変わりました。 現在の販売名はブランド名と剤形と規格という3要素をほぼ含んだ形になっている。そのこと も昔とは違ってきているのです。 ○安全使用推進室長 いま土屋委員がおっしゃったように、今の医薬品の名前はブランド名と 剤形と成分含量を一緒にその名前の中に入れるという形ですが、一方で後発品の場合は一般名 処方、一般名で名前を書くというのを医療安全上求められています。いわゆる原薬名のような、 一般名と剤形と含量という形になりますので、その部分で若干紛れがないかなと心配するとこ ろはあります。 ○楠岡座長 そうですね、そこが1つ残る問題です。 ○土屋委員 販売名上から言えば、一般名+会社名で、それはブランドだという見方をいたし ます。それをどう見るかは別として、少なくとも整理上はそうなっています。では、会社名が 書いてないときに、それは一般名を言ったのか、どうなのかということが分からなくなってい るのが後発品の使用推進のことでいろいろ出てきているのは事実です。原薬名で原薬量という 言い方をすべきかどうかということについて言えば、実は検討班でも、そこはどうしようかと いう話が毎年あるのです。最初は両方書いて、次は製剤名だけという話にしたのです。しかし、 いろいろ世間の話を聞くと、「とりあえず、ちょっと書いておくか」ということで原薬名と原 薬量も書いておりますが、製剤名を書いて製剤量を書くというのが今としては基本なのだろう ということになっているのです。 ○岩月委員 事程左様にこの処方例、特に2とか3については資料3の骨子案に書いてあると ころと少し違うので、ここの部分の書き方だけが一人歩きしないように。これがこれからの議 論の中の1つの例示であるという取扱いでなければ、分かりにくい例として残していただいて もいいのかなと思います。これが骨子案を反映したものではない、受ける側としてはそういっ たことを心配しているということをご理解いただければと思います。 ○医療安全推進室長 いまの岩月委員のご指摘どおり、もともと資料3の5頁の記載例(資料 2参照)というので、意図的か非意図的かは別として、確かにスライド番号5とスライド番号 6は違うのです。事例としてどうかというものを最終的に報告書としてまとめる際には、ここ について適切事例、もしくは不適切事例の例も含めて、委員の先生方には別途提示のご相談を したいと思っております。 ○楠岡座長 この例に関しては、これからの議論を含めて、最終案ではそのままではなくて修 正は必要だと思います。ほかにご意見はございますか。 ○江里口委員 同じ頁にある過渡的記載例が非常に読みにくい。これを表示することによって、 かえって混乱があるのではないか。「以上」だとか「に分けて」とかという文章が入っている。 これが1枚ですと注意して読めるのですが、処方せんは多数出されたときに薬剤部ではこうい う文章が入ることによって、かえってエラーが出てくるのではないか。この「過渡的記載例」 は逆に必要なくて、現行と理想像というか将来像というか、そういうものを出して、途中の段 階は各委員で考えてもらうというのがいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。 ○楠岡座長 「以上1日量」という書き方もある。錠剤の場合は「1日量」という書き方のみ で「以上1日量」という書き方がないものもあります。その辺は必ずしも統一されてないので、 それはこの後の議論の中で考えていく。あるいは、時間が足りなければ、まず基本骨格が決ま らないとここを議論しても意味がありませんので、修正案は基本骨格に合わせて作っていただ くことにしたいと思います。ほかによろしければ、時間の関係もありますので、資料3の骨子 案に関して順番に進めていきたいと思います。まず1頁目の1番目「内服薬処方せん記載の在 るべき姿」の最初の○、2番目の○、3番目の○、この3つの○に関しては特にご異存がない かと思いますが、よろしいですか。 ○隈本委員 2番目の○で現状を分析して、現状では、限られた時間で全体についてすべて記 載することは困難であると、現状の認識を示しているのですが、これを受け取った方は、これ がこの委員会の見解だと受け取ると思うのです。そうすると、困難であるのだということを我々 が認めているような印象の言葉にならないかということが心配です。困難であるという指摘が あったり、あるいは困難であるという反対論があるというのが正しい認識なのです。我々自身 がトータルとして、これは困難だと判断しているというような意思が入っているように感じら れるので、このまま文章にするのは、ちょっと心配だなと思います。 ○楠岡座長 すべて記載することは困難であるという指摘もある、というような表現にする。 ○隈本委員 そういうのが現状で正しいのです。 ○楠岡座長 そのことにはご異存がないと思いますので、そこのところを少し考えてください。 ○飯沼委員 「在るべき姿」と言うのですが、現状では健康保険法上の問題も絡んできている ので、そこら辺のところの絡みをはっきりしておかないといけないのではないかという気がし ますので、1項加えていただきたいと思います。 ○楠岡座長 具体的にはどういう形にしますか。 ○飯沼委員 健康保険法との整合性。 ○医療安全推進室長 いまの飯沼委員のご指摘を現状と書くのか、それとも将来のところに書 くのかというのがありますが、例えば○の3つ目のところで「このため用法の記載について健 康保険法等の関連法との整合性を含め、一定のルールを設けて標準化を図る」と、将来に向か ってのところで関係法規との整合性というところを入れ込むのはいかがでしょうか。 ○楠岡座長 飯沼委員、そういうご意見でよろしいですか。 ○飯沼委員 それでいいと思います。 ○楠岡座長 では、その点を事務局にお願いいたします。 ○大原委員 3番目の○の「このため」というのが何を受けているのかが全く分からないので す。「このため」というのは、1番の「望ましい」ため、用法の記載について標準化を図ると言 っているのか、「困難なため」記載を標準化するのか。どちらを受けているのか全く不明確なの で、「このため」というのは要らないのではないかと思います。 ○楠岡座長 「このため」はなしで、感じとしては並列というようなことですので「また」ぐ らいですね。 ○隈本委員 逆に、その1段目が「望ましい」ものがある。しかし全部書いている人はいない という現状があって、それを限られた時間で書くのはつらいという声もある。だから、現状よ りももっと簡単なもので標準化する。その三段論法だったら、一応成立するのではないですか。 ○楠岡座長 ただ、ここは「用法の記載」と用法に限定されているのです。 ○隈本委員 用法の記載のみではなくて、いわゆる処方せんの記載の標準化という意味では、 在るべき姿がある。しかし、それを全部書くのは時間がないから大変だという声がある。そこ で書きやすい標準化、誰もが間違えない標準化をする、そういう三段論法なら、「このため」は あり得るのではないですか。 ○楠岡座長 先ほど飯沼委員からも指摘があった健康保険上の問題も、実はここではなくて、 むしろ1番目の○の2行目、「我が国のあらゆる医療機関において統一的な記載による処方せん が発行されることが望ましい」のところに、「我が国のあらゆる医療機関において、健康保険法 等との整合性のとれた統一的記載」というような。健康保険法の問題は用法だけの問題ではな いので、むしろそれに入れる。用法の標準化というのは付随的な問題、特に統一化が残ってい る問題としては用法であるということが分かるような書き方ですね。 ○隈本委員 そういう意味では、用法に限定して標準化を図るという印象になる。「用法の記載 について」と限定してしまうのはまずいと。 ○楠岡座長 特に用法については非常に千差万別の記載があるので、標準化が図られないとい けない1つのポイントにはなると思うのです。ほかのところは逆に言うと、製剤名とか一般名 とかということで決まっているのに対して、「用法」というところは、用法という括りはあるの ですが、その中身は800通りとか1,000通りとかと、まちまちのところがあります。 ○土屋委員 ここで用法の記載と言っているのは、(2)で、「分量」では1日量を書き(3)で1 回量も書くという話があるのです。上の○を通して1回量、1日量を書くというのは用法の記 載だというのがいまのにあるので、そのような書き方になっているのだと思いますが、最終的 な話としては、その前に1つ○を付けて、用法も多岐にわたるので標準化が必要だと言った上 で最後に一言、記載方法については一定のルールを設けて標準化を図るというように書くのが よいのではないでしょうか。 ○楠岡座長 それがいちばん明確です。では4番目に改めて、処方せん記載の統一ルールとい うことを記載していただく。この部分はこれでよろしいでしょうか。 次は1-1)単位量です。これは1回の内服量を処方せん記載の基本とする。在るべき姿として は、これでよろしいでしょうか。いままでのご意見の中でも、大体集約はされているかと思う のですが、よろしいですか。 次が散剤と液剤の場合です。これが先ほど来議論になっている二本立てでいいのかというとこ ろで、どちらか目指す方向というか、主たるほうを決めてということがございました。この点 に関して委員の皆さんからご意見をいただきたいと思いますが、岩月委員、もう一度お話くだ さい。 ○岩月委員 先ほど飯沼委員からもご指摘がありましたように、現行のルールが、いわゆる薬 価収載名を記載して秤量する量を記載するという書き方になっておりますので、原則としては、 1-2)であれば、a)の販売名という言い方が適当なのかどうかは別として、1-1)の単位量と いう記載に倣えば、「基本とする」としたほうが分かりやすいのではないか。 現状、小児科の医師の先生方等「これではできないよ」という方もいらっしゃると思いますが、 先ほど皆さん方からご議論があった「内服薬処方せん記載の在るべき姿」の基本が、事故防止、 あるいは患者さんに分かりやすい処方せんにするのだという大前提を活かすとすれば、ここは そういった形にまとめていただく。今後の展開でどうするかという工夫は必要になると思いま すが、基本的にはそういう形が受ける私どもにとっても、実際に処方せんを見る患者さんにと っても分かりやすいという気がいたします。 ○土屋委員 私もそう思います。ただ、資料3の7頁に「原則として薬価基準に記載されてい る名称を記載することとするが、一般名による記載でも差し支えないこと」と書いてあるため に、どこの部分を一般名にするという話なのかというのがいまは曖昧であるということはある と思うのです。これは、処方せんをブランド名だけではなくて一般名処方にしたほうがいいの ではないかとか、いろいろな話があって、「一般名でも差し支えない」という書き方だと一般名 にしなさいとも言っていないのですが。いま後発品をいろいろ使う中において、ここのところ が少し引っかかってきて、原則どおり「薬価基準に記載されている名称」が本当は正しいので すが、そうすると「2mgセルシン錠」と書かなくてはいけなくなって、「セルシン2mg錠」は 駄目という話になってしまいます。しかし、そこら辺はアロワンスの中でと考えて、製剤名を 書いて製剤量を書くというのが散剤の基本だということはあるのだと思うのです。 ○楠岡座長 ここはa)ではなくて、薬品を販売名で記載し、分量は製剤量、薬剤としての重量 で記載する。これが基本としてあって、例外的事項として、薬名を一般名で記載した場合、分 量は有効成分量で記載する。もう1つ、これは次の「過渡的処置」にも関わるのですが、どう してもクロスする場合もあり得るので、有効成分量で処方した場合には、必ず有効成分量であ ることを記載する。 ○飯沼委員 ゆくゆくのことを考えますと、a)だけを原則とするぐらいにして、b)はないほう がいいと思います。 ○嶋森委員 b)がないと困る事例というのはないのですか。いま併記しているというのは何か 事例があったからではなくて、なくてもいいのですか。 ○楠岡座長 処方する立場から申しますと、一般名あるいは原薬名で記載して、その後がどう なっているか。例えば10倍散でも100倍散でも構わない。要は、この成分が何ミリグラム 含まれればいいというような記載をせざるを得ない場合もあります。手元に薬価基準のような ものがあってチェックして出せば、それは書けるという話ですが、実行上、それはなかなか大 変なところがあるのです。病院などの場合も、マスタの中にそれを入れてしまえばできるかも しれないのですが、手書き等を考えると、そこまで縛るのは非常に難しいところがあるのです。 上のものだけにしてしまった場合は、逆に現場、特に処方側は非常に混乱するところなのです。 例えばリン酸コデインの場合は10倍散と100倍散と両方存在している。処方側は60mgが 有効量という形で教育を受けていて、リン酸コデイン100倍散6gとか、10倍散600mg とかと書くよりも「リン酸コデイン60mg」と書くほうが実際上現場としてフレキシブルなの です。患者さんが実際に処方せんを持っていく場合も、リン酸コデインは適切な例ではないの ですが、処方せんを持っていった先がどちらを持っているかによって最終的な製剤量が想定で きないという実際上の問題もあるのです。当然、今それは薬剤師の判断で変更は可能になって いますが、そういう事例もないわけではないので、絶対駄目と言ってしまうと少し困難はある。 できるだけ避けるに越したことはないけれども、現場としては、残っていないと困るというと ころがあります。 ○土屋委員 おそらく薬理学を学ぶときは原薬名、原薬量で学んでいる。学部にいたときはそ うなのだけれども、臨床に出た途端に製剤名というのが出てくるというのが現実だと思います。 そこで、原則は「販売名」を「製剤名」に直しておいて、薬名を製剤名で記載した場合、分量 は製剤量で書くのがルールなのだ。ただし、どうしても原薬量で書いたときには、原薬量であ ることを明記することによって、例外的にはそれは許されるよ、という考え方でいいのではな いかと思います。 ○楠岡座長 上は、製剤名で記載した場合には、製剤量で記載する。これだと製剤名の中に必 ず何パーセントとか全部指定されていますから決まる。例外的に薬名を一般名、原薬名で記載 した場合には、分量は有効成分量で記載し、原薬量であることを明示するというような形にす る。 ○土屋委員 それは、おそらく薬名のところで言わずに、分量のところで原薬量でどうしても 書きたかったらということで、後ろのほうの散剤の書き方のところで、量については、散剤、 液剤というのは特殊な剤形ですので、そこでルールを決めておけば、こちらの原則は1個のほ うがいいと思います。 ○楠岡座長 わかりました。この薬名を原薬名で記載した場合は、分量は有効成分によって記 載するという、その形で例外的なものとしてということですか。 ○嶋森委員 その下にいくのですね。 ○土屋委員 ここのところの名称としてはa)だけを残して、どうしても書きたい人はどうぞそ ういうことに変えてくださいということでいいのではないかと思います。先ほど岩月委員、飯 沼委員がおっしゃったように、原則をあまり複数にしておかないほうが無難だと思いますので、 原則は原則だという1つにしておくことがよいかと思います。 ○楠岡座長 次の2-2)で吸収するということですね。 ○土屋委員 はい、それでいいと思います。 ○楠岡座長 いまのご意見はいかがでしょうか。 ○伴委員 先ほどデータを取られたときに研修病院でしたか、原薬量で書いているパーセンテ ージが高いと。これは先ほど土屋委員がおっしゃったような経緯で習っているので書いている のだと思うのです。けれども、彼らの頭は結構フレキシブルですから、実際に現場へ出ていっ たら、こういうふうな形で統一されるのだと言えば、それはそんなに困難ではないと思います。 ○医薬食品局総務課課長補佐 事務局から失礼します。いまの2-2)のほうで整理するという ご指摘の件なのですが、1の部分は在るべき姿であって、2のほうは途中のプロセスだという 点で、ちょっと位置づけが違うのかなと思うのです。その辺も踏まえてご議論いただいたほう がいいかなと思いまして発言申し上げました。 ○楠岡座長 私もそれが気になっていたのですが、このプロセスというのは、要するに将来は 消えてしまうものなのか、それとも残るものなのかによって少し違うのではないか。ですから 2-2)、プロセスそのものが将来消えてしまう、完成した時点で消えるとなると、この1に記 載する必要が出てくるという、論理上の問題ということになってしまいます。 ○岩月委員 単位量に関して、例えば医療安全上の観点から言えば、1回量と1日量と、もっ と言えば投薬総量まで全部書いてあって、手書きの先生方はどうするかというのはまた別の話 として、機械でやるのだったら、投与総量も全部書いてあれば、それはいちばん安全性が高ま るわけです。特に、特殊な服用をするものに関しては、投与総量がわかればなお安全であると いうことでありますから、安全を目指してここで検討していて、両方書いてあって、全部でき たから、どちらかは削ってもいいよねという話になるのかならないのかはまた別の将来的な議 論だろうと思うのです。 したがって、原則はこういうふうにしたけれども、いま仮定で両方やって安全性が保されてい るのが、先ほど5年を目処に検証するというのが入っていましたので、ここに書いたから全部 やめてしまうのではなくて、やはり現場の実際の使われ方を見ながら、全部書いてあるから安 全が担保できるという結果は出るかもしれないと思うのです。したがって、そこは様子を見な がらになると思いますけれども、少なくとも原則と言った場合には、原則が2量併記というの は、いまよりも後退してしまう懸念があるので、そこはちょっと危惧するところがあります。 ○楠岡座長 オーダリングに移行しますと、いちばん上の最も望ましいものとしてという項目 は全部入れられることと、当然のことながらそのために手間が増えるのではなくて、あるとこ ろは自動計算であると。当然1回量を記載していけば、1日量はその中で計算できるところも あります。在るべき姿として、いちばん上に最も望ましいというのを挙げて、いまは困難だけ れども、将来はここへ持っていくということは1つはっきりさせておく。ただし、そのときの 基本としては、1回量記載であるとか、あるいは散剤、液剤に関しては、販売名、製剤量であ るという形を基本として残す。 ○土屋委員 基本となるのが、医師法の施行規則だとするならば、ここのまとめ方は単位量と かそういう書き方ではなくて、最初にまず薬名というものがあって、薬名については製剤名を 書くのだということを原則とする。そして、ここの分量、用法・用量の書き方がどう在るべき かというところで、1回量が単位としては1回量なのでしょうとか、そういう書き方に見たほ うが、どうしても薬名と分量とか、そういうのがペアの関係になってきますので、薬名として は何を書くのかといったら、製剤名を書くのだという原則を決め、そして分量、用法・用量と いう言葉は、まさに保険の通知の(2)(3)のところでいろいろなあれがあるので、そこをあえ て分量として書いて、用法と書いて、用量と書くとかえって混乱する。そこは一緒にまとめた ところで、こう書くというまとめ方もあるのではないかという気がいたします。 ○楠岡座長 ここはどうでしょうか。 ○嶋森委員 私も、原則は1つにして、先ほどご指摘のあった、短期的方策に入れる中身も、 この間に検討した結果で、それを残すかどうかを決めていくという考え方でいってみたらどう かと思います。それに賛成です。 ○楠岡座長 結局プロセスの捉え方ですけれども、プロセスの短期的なところには入っていま すけれども、結果的にそのほうが間違いがない。2番目に、技術的問題として、対応ができる、 いますぐには対応できないけれども、今後の中でそれが対応できるのであれば、5年経ったか らやめましょうという話にはならないので、そこはそのまま続けるという基本姿勢ということ で、あえていまの1のほうにはそこまでは書かないで置いておくということでよろしいですか。 先ほど土屋先生がおっしゃったような形、要は薬名の中に、先ほどの剤形の話もここに入って くるかと思うのですけれども、そこのところを少しきっちり表現しておくということ。 ○土屋委員 ここの1のところで、「内服薬処方せん記載の在るべき姿」ですので、1-1)が単 位量で、1-2)が散剤、液剤という書き方ではなくて、1-1)が薬名で、1-2)が分量、用法・ 用量というタイトルにしておいて、そしてここに書いてあること、薬名は製剤名を原則とする。 用法のところへいけば、最小単位である1回の内服量を処方せん記載の基本とするという在る べき姿はきちんと出した上で、教育もこれからはそうやっていきますよというのを示す。あと は、実際には、認められる過渡期の例外的な話とか、そういうことがいいのではないかと思い ます。 ○永池委員 私も同じ意見です。その観点から資料3を拝見させていただきますと、日本語で 明確に記載するというのも、これは在るべき姿の中にきちんと明示していただけることが望ま しいのではないかと思いますので、そのことを提案させていただきます。 ○楠岡座長 もう一度すみません、どの部分でしょうか。 ○永池委員 資料3の2頁の2の標準化に至るプロセスのところに、「日本語で明確に記載す る」という文言が入っておりますが、これを過渡期ということではなく、いま土屋委員がお話 された、原則として、前の文の中に入れていただきたいという提案です。 それから、2を標準化に至るプロセスとするのであれば、参考例としていただいた資料2には、 「以上1日量分2」とか、「2回に分けて」という、さまざまな表現がありますので、これも整 合性を取れた形にしていただきたいと思います。「以上1日量分2」というような言葉は過渡期 においても使わない方向で、「1日2回に分けて」と書くことを過渡期にも推進していただけれ ばと思います。 日本語ですべて書かなければいけないというのは、とても大変なことかと思います。あるいは 「2回に分けて」と書くことは大変なことかと思いますが、是非とも関係者の方にはご協力を いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○楠岡座長 いまのご意見はよろしいでしょうか。 ○岩月委員 先ほど土屋先生からご提案のありました、用法のマスタを作って統一化するとい うのは真っ先に取り組むべきだと思います。そうなってくると、例えば医薬品が病院の採用薬 だから、うちは原薬名でしか登録しませんよということになると、せっかく用法をマスタで統 一したにもかかわらず、それと違う用法にない医薬品が発生することになると思うのです。し たがって、ルールを決めるのであるならば、それが徹底されないのがいまの現状を招いている わけですので、やはり医薬品の登録には将来的には必ず製剤名でやる。すぐにできなければ、 過渡期としてそういう原末量があるかもしれないけれども、ルールとしては全部薬価に収載し た名前でという、先ほど飯沼委員からご指摘があったように現状でもルールがあるわけですか ら、そのルールに合わせていく。 その上でいま永池委員からご指摘があったのは、例えば「×3」とか「3×」というのは全然 意味がわからないからそれはやめましょうと。「分2」はわかりにくくて、「2回に分ける」と いうのはわかりやすいかというと、そこはちょっと難しいところがあると思うのです。基本的 には土屋委員からご指摘がありました、用法を統一すれば、そこのところはたぶん問題なくな るはずなのです。その用法にしか、でしか使えないといいますか、言い方がおかしいのですけ れども、その用法に合った医薬品の名称ということになってくるはずだと思うのです。原末量 としてとか、先ほどの例にあったシロップでということはなくなってしまうと思われますので、 まずその用法の文言を標準マスタにしてテーブル化することができれば、自ずと医薬品名とか は付いてくるのではないかという気がいたします。 ○嶋森委員 もう少し説明していただかないと理解しにくいです。付いてくるという意味がよ くわからないので、説明していただけますか。 ○岩月委員 資料2の6の例で申し上げますと、過渡期であろうが、将来像であろうが、処方 例3の内服液剤の場合の6の例で申し上げますと、将来像としてセルシンシロップ0.1%とい うのは、この書き方がジアゼパム1.5mg(1回原薬量)と書いてあったと。どちらでもいいで すよというのがいまの議論なのですけれども、1日2回、シロップで朝夕、これは食後なのか 食前なのか書いていないので、これもたぶん不適切なのですけれども、この用法が将来的にテ ーブルに乗らなければ、この上のジアゼパムという書き方はあり得ないのです。ジアゼパムシ ロップと、0.1%なのか、それこそ(原薬)と書くのかというのは別ですけれども、用法を統 一すれば、自動的にこういうものは排除されると思うのです。 したがって、医薬品名が製剤名に限りなく近づいていかないと、この用法を統一した意味がな くなってしまいます。10倍に薄めてという用法が、そもそもマスタになければ、いわゆるで きた製剤の形で医薬品名を表記しないと、そこは整合が取れなくなる可能性が非常に高くなる と思いますので、まずルールを決めたら、そのルールに収斂していくということを皆さんが理 解することが大事ではないかと思います。ルールは決めたのだけれども、ここは違うやり方で やりますよということになると、これは決めたルールが違うことになるということで、いま意 見を言わせていただきました。 ○楠岡座長 具体的にはどのように記載すれば。いまのところは、先ほど土屋委員が言われた 薬名とか、用法・用量という形で、この単位量、散剤、液剤という形は書き直して、その中で いまおっしゃったことは反映されているということでしょうか。 ○岩月委員 私は、先ほど土屋委員がおっしゃったような形で、明確に分量と用法の表記の仕 方を分ければ、そこは明確になるのではないかと理解いたします。 ○楠岡座長 よろしいでしょうか。先ほどのプロセスの問題、2頁で標準化に至るプロセスで ありますが、この点はプロセスではありますけれども、プロセスの中でいいものはそのまま残 すというか、それが在るべき姿につながっていくことになる。その点はプロセスではあるけれ ども、消滅するものではないということは少し記載しておいていただいたほうが。単純に捉え 方の問題ですけれども、一過性のものではない。  例えば、基本的に製剤量で記載するので、製剤量ということが当たり前にはなるわけですけ れども、どうしても原薬量で書かざるを得ないというような場合に関しては、原薬量であるこ とを明示する。これはプロセスの段階で取り入れて、その後そのまま残すようなルールという ことで考えるということでよろしいでしょうか。 ○土屋委員 いま検討班の結論でも出しているのですが、1日量を書きながら、「1日3回」と いう言葉だけはいまでもやめてくださいと。これは紛らわしいのです。1日量を書くのだった ら、必ずそれは3回に分けてか、「分3」かどちらかを使わなければいけないのであって、「1 日3回」と書けば掛け算をする人は必ず出てくるので、現行においても直せることは、少なく とも1日量を書いたら、1日何回という書き方はやめましょうということは明確に言っておか ないといけないのではないかという気がいたします。 ○楠岡座長 ちょっと先に進んでいますけれども。まずプロセスの取扱いということはいまの 合意の上で、短期的方策の単位量でありますが、2-1)で「分3」「×3」「3×」等はやめて、 日本語で明確に記載するということ。「1日3回均等に分けて」というのを、「1日」を取って、 むしろ「3回均等に分けて」のほうがいいかどうかです。 ○土屋委員 「分3」というのは悪くないのではないかと思っています。「分3」と言われたら、 誰だって3つに分けるのであって、「3回」は先ほど言ったようにまずいのですが、「分3」は 文化としても残しておいていいのではないかという気がいたします。誰も誤解をしないのでは ないか。ただし、1回量を書いて「分3」はないと思います。「×3」「3×」は確かに事故事 例といいますか、そういうのが出ておりますが、「分3」は後ろのほうにしてあげたいという気 がいたします。 ○飯沼委員 オーダリングの場合はどれでもいいかもしれませんが、手書きになりましたら、 いま土屋先生がおっしゃったとおり、日医はとても「分3」を外されたら、この議論から外さ せていただきます。 ○楠岡座長 「分3」をオーソライズはできないけれども、過渡的なものとしては、まだ「分 3」は残るということになるかと思うのですがどうでしょうか。 ○大原委員 大事なのは、誤解を招く表現をいかに削除するかであって、間違わなければ残す ことは全く問題はないと思います。「1日量」を残すのであれば、「分3」は全く誰も間違えな いと思います。 ところが、なんと読むのかわかりませんが、「カケル3」とか「バツ3」とか、「3バツ」とか というのは間違える。そのことはシステム上でも、どんな病院でも登録されているマスタを見 直せば、本日にでも着手できる話なのです。ですから、そこのところは、早急にやるべきこと は、誤解を招く表現を排除する。こういう表現が誤解を招くのだという例示をきちんと示して おけば、かなり問題はなくなると思います。 ○楠岡座長 「分3」というのを、処方せんの記載から仮に駆逐しても、現場としては「分3 でね」とか、「分1でね」というのは、指示の仕方として残ってしまうので、逆に、むしろ「分 3」という字で書けば間違いないわけですし、それはあってもいいのかもしれないという気が いたします。 ○永池委員 これは、誰が見てもわかりやすい記載の方法という点では、利用者である患者・ 家族の目線で考えたいと思うのです。医療従事者以外の委員の方がどう思われるか少しご意見 を頂戴したいと思います。 ○楠岡座長 花井委員いかがでしょうか。 ○花井委員 一般的には「分3」ということは業界標準で、おそらく患者というか、あまり医 療に携わっていない人はそんなにわからない。ただ、いま問題なのはそれが問題ではなく、先 ほどから議論にあるように、「1日量」を排除して「1回量」にすれば「分3」は本当は原理的 にあり得ないのです。「分3」というのは事故につながっているかどうかというところが重要な のです。 このプロセスでいちばん重視していただきたいのは、事故につながっている表現については使 うな、という強い口調でこのプロセスのところに盛り込んでいただく、ということです。その 「分3」を禁止すること自体はそんなに主たる目的ではなくて、1回量になっていけば、自ず と、もしかしたら淘汰されるかもしれないし、やはりこれはいままでの伝統によって、これは 誤りのない良い書き方として残るかもしれないのですが、そこは別にお任せしても、患者の利 益をすぐ損なうということはないと思います。 ただ、わかりやすいか、わかりにくいかと言われれば、それはわからない人もいるでしょうと。 それよりも、むしろこのリスクを避けるほうにプライオリティを置くとすれば、繰り返しにな りますが、危ない表現は使うなという記述を、このプロセスのところに積極的に書いていただ きたいと思います。 ○楠岡座長 佐相委員、隈本委員はいかがでしょうか。 ○佐相委員 この「分3」ですけれども、素人でもなんとなく連想できてしまう表現だと思い ます。問題なのは、患者に「分3」を見せるというよりも、医師と薬剤師の間で「分3」がわ かるかどうかだと思います。ですから、そちらのほうで「分3」がわかれば、事例がなければ いいのかなと。 患者に対してですが、私は薬を貰うほうの立場ですけれども、1日3回に分けてではなくて、 1包ずつ飲めという指示を別途いただきますので、患者のほうは特に気にしなくてもいいのか と思います。 ○隈本委員 このプロセスのところは、1回量にしたほうがいいのだけれども、1日量を書き たい人もいるだろうから、1日量併記はいいでしょうという、この委員会での合意となると思 います。そうすると、基本は1回量ですということを明確にPRするためには、このプロセスは いずれ消えていくのだと、過渡的に「1日量」「分3」の併記を認めるけれども、いずれは消え ていってほしいというメッセージをどこかに盛り込まないと、両方書いてもいいのだという話 になったら標準化できないことになるのではないか、という若干の心配があります。私自身は そのように思っています。 ルールはなるべく単純のほうがいい。先ほど、情報量が多ければ間違いが少ないので、なるべ くたくさん書き込めば間違いは少ないと言いましたが、コンピューターはそうなのでしょうけ れども、人間はたくさん書いてあると間違える人も出てくる部分もあると思うのです。だから 単純化して、例外は少ないという原則のほうに話を持っていっていただきたいというのが私の 立場です。 ○土屋委員 実際の事故事例としては、病院において患者に処方せんのコピーを渡したところ、 「3錠1日3回」と書いてあったために、1回3錠ずつ飲んでしまったという事例の報告はあ ります。ですから、1日量を書いて、1日3回、これは絶対駄目ということをはっきりして、 「分3」という言葉はもともと「1日3回均等に分けて」という言葉の短縮形として「分3」 という言葉がありますので、これはそれでいいのではないかと思います。 ○楠岡座長 そうしますと、ここの例示も「朝昼夕1日3回均等に分けて」を付けないと、「1 日3回」で終わってしまうと、元の木阿弥ということになるわけで、それであれば「分3」も 許容範囲と。 ○医療安全推進室長 いまのところなのですが、どういう記載にするかは例示のところに持っ てきて、文章上は先ほどの飯沼委員、花井委員、隈本委員等のご指摘を踏まえ、例えば「事故 防止の観点から、これまで『×3』『3×』等の誤解を招く表現により記載してきたものを、日 本語で明確に記載すること等により、紛らわしい記載を速やかに是正する」というのを、まず 取り組むべきはということを書き込んで、例示は例示コーナーに持っていったらどうかと思い ますがいかがでしょうか。 ○楠岡座長 さらに、そこでも1日量で記載する場合は、回数に分けて飲む場合に関しては分 けて飲むことを明示し、1日量を1回に飲むのでないことが明確になるような記載をする、と いうことを基本として入れておけばまず問題はないかと思いますが、よろしいでしょうか。 次は、散剤、液剤の部分で2-2)です。「g記載は製剤量、mg記載は有効成分量」といった重量 単位により記載しているものは駄目と。販売名で記載している場合には製剤量と明示の上製剤 量で、一般名で記載している場合は原薬量と明示の上、有効成分量で記載する。これは、先ほ どの議論から、最終的には販売名と製剤量でしたけれども、過渡的なもので原薬量の場合は、 原薬量の明示をするという、この書き方でよろしいでしょうか。 ○伴委員 先ほど、望ましい姿について、その望ましいものに速やかに移行する人たちはそれ でよろしいということでした。そうしますと、販売名というのは製剤名に直す、という土屋委 員のお話がありました。製剤名で記載した場合には、製剤量の明示は要らないのではないでし ょうか。 ○楠岡座長 そこはまずないと思うのですが。 ○伴委員 手書きは結構大変です。 ○楠岡座長 この過渡的な場合のところで、いかがでしょうか。 ○江里口委員 単純なほうがミスがないということで、製剤量の場合はなくして、原薬量とい う言葉を生かしたほうがいいかもしれないです。 ○楠岡座長 この点はなかなか微妙なところで、書いていなければ製剤量と解釈するというル ールですよね。それが徹底するかどうかというところですが。 ○土屋委員 それは両方とも書いているとなかなかいかないと思いますので、製剤量のときに は、将来在るべき姿の書き方をしているときには、そこは少し楽ができますよと。だけど、ど うしても主張したくて原薬量でいきたい人はちゃんと原薬量と書いてね、という考え方でいい のではないかという気がいたします。 ○楠岡座長 ただ、スリップミスみたいなものを考えると、先ほどから議論があります50% 散みたいなところで、製剤量でなく、自分は原薬量のつもりで書いているというようなミスの ところをどうするかということがちょっと残ります。 ○土屋委員 おそらく薬剤師は疑義照会します。 ○楠岡座長 ただ、はっきりとドースが違うのは疑義照会の対象になるのですが、先ほどの5 0%散などの場合で、特にセルシンなどは1gも十分あり得るし、2gもあり得る量というこ とになってきたときに。 ○土屋委員 そこで量的におかしいときには、もちろん常用量に入るときもそうですが、やは り確認をすると思います。ですから、原則製剤量だと決まっていれば、今度は、どうもこれは 少ないのではないかとか、薬歴などを見ながらチェックしていくというようなことからいくと、 そこはできるのではないか。むしろ、何でもかんでもいっぱい書くというのはあまりにも大変 かという気がいたします。 ○楠岡座長 岩月委員、この点についてはいかがですか。 ○岩月委員 処方せんをお書きになる先生方がどう思っていらっしゃるか、というのはものす ごく大事だと思うのです。受けるほうがわかりやすいという処方せんが、私どもとしてはお願 いしたいところであります。その場合に、先ほどから何回も申し上げておりますが、私がいま お話をしているのは、先ほど土屋委員からご提案のありました、用法を統一するという前提が あれば、たぶんそれは必ずその方向に収斂するだろうと思うのです。先ほどの「倍散」の話も そうですけれども、製剤というと、いわゆる「100倍散」とまで書かないと製剤にならない。 先ほど、座長がリンコデはまずいとおっしゃいましたけれども、確かにあれは10倍散は麻薬 ですし、100倍散は非麻薬ですので全く対応が違ってきます。 例えば、ジゴシンのような非常に使用量の少ない医薬品の場合は、先生方のほうでこれは10 倍散なのか100倍散なのか、あるいは1,000倍散なのかということは、最終的にはそこま で患者の顔を思い浮かべて、1,000倍散ではちょっと量が多いと思っていただいたら、その ように書いていただけると、私どもとしては間違のない理解が生まれやすいと思います。 何回も申し上げますけれども、前提として用法をまず統一するのだということがあれば、必ず そこへそういう形で収斂していくと理解したいと思います。 ○楠岡座長 省略すれば製剤量と解釈するということでよろしいですか。フェールセーフから 考えると、製剤量というので解釈すれば、少なくとも意図した量よりも多くなることは絶対に ない。ただし足りない場合はあり得るので、どちらがフェールセーフかというのは微妙な問題 があります。少なくとも過剰投与は防げるということはあります。あとは、どう考えてもおか しいのは当然のことながら疑義照会になると思います。 ○岩月委員 付け加えますと、ちなみに販売名がスタンダードになれば、先ほどからある、要 件が1点でも欠ければ薬剤師は疑義照会しなければならないことになりますので、それは原薬 名で書いてあるのかが理解できないということになりますので、そこはそういう意味では安全 性は高まると理解しております。 ○楠岡座長 2-2)に関しては、いまの点を加えるということで、次の2-3)です。出力され た処方せんの記載事項については、処方オーダリングシステム等が、1回量を基本とした入力、 1日量を基本とした入力のいずれの入力方法であっても、出力された処方せんには、1回内服 量と、1日内服量が併記されるようにする。これは、確かに理想的なのですが、プロセスとし てこれはゴールに近いような格好にならないかというのがちょっと気になります。 ○大原委員 現行のシステムは1日量を入力するものが多いので、その場合は1回量が出力さ れることは必要だと思います。1回量を入力する在るべき姿になったときには、1日量は別に 出す必要はないと思います。 ○楠岡座長 この辺は考え方ですね。 ○森山委員 私は耳鼻科なのですけれども、小児から老人まで扱っています。小児の場合には、 1回量云々よりも、1日量をすごく大事にします。1日量のマックスを大事にするから、処方 せんに1日の量が出てこないと、医療安全上それはまずいと思います。この委員会の基本方針 は、患者にわかりやすくするというのは2番手で、いかに医療安全上事故がないようにするか ということがプライオリティのナンバー1ですから、そこは1日量と1回量と両方書くべきだ と思います。 それが最終ゴールであって、確かに開業医の先生は1回量と1日量の両方を書くのは大変かも わからないけれども、そこは我慢してもらう。そのぐらいは協力していただかないと、我々は 病院だから、オーダリングだからいいだろうという話ではないのです。やはり両方書くという ことが、患者の安全にもつながるし、患者もよく理解できる。例えば、朝8時にある薬を1回 飲まなかった。忘れてしまったのだけれども、10時に気がついたのでどうしようかと。1日 に3錠とか6錠出ているときに、患者によってはそれを10時に飲んで、3時に飲んで、少し ずつずらしながら飲むこともできる。処方せんを見れば、朝昼晩と書いてあるから、そのよう にすることもできるのですけれども、患者もわかりやすいし、ドクターもそこで自分が処方し て、1日量を確認できるということは非常に大事なことだと思います。特に小児科領域では、 それはかなりクリティカルな問題だと思います。 ○土屋委員 まさに、そここそ散剤、液剤というところの書き方の話になります。錠剤の場合 はさすがにわかるので、そこまで書けという話ではなくて、やはり内服薬で剤形として危ない といったら液剤と散剤ですので、そこはといような形での書き方があるのではないかという気 がいたします。 ○楠岡座長 手書きの場合に関しては2-3)は「オーダリングシステム」という言葉が入って いますし、手書きの場合は2-4)のところでは2-1)、2-2)を対象にということになってい ます。手書きの場合も、1日量と1回量と両方書きなさいということに、いまこの中ではなっ ていないので、その辺はよろしいかと思います。  あとはオーダリングの中ですが、出力だけではなくて、画面上もそれを見られたほうが、い まのご意見どおりそれがいちばん安全性があります。これができるようになれば、ほとんどシ ステムが1回量入力に切り替わっているということになってくるとは思うのです。そのプロセ スの中で併記ということまで求めるのかどうかなのです。 ○岩月委員 先ほどから申し上げていますけれども、過渡期であるがゆえに、1回量で入力し た場合には、1日量をわざわざ出さなくてもいいでしょうということになると、たぶん様式が 2種類、3種類という形で増える可能性があります。ここは過渡期であっても、せっかく機械 を使うのですから、錠剤だから無駄ではなくて、様式としては全部同じ様式にしていただいた ほうが混乱は少なかろうと思います。 ○土屋委員 特にここはオーダリングシステムの話ですので、オーダリングシステムについて は1回量のときには必ず1日量も画面上見えるようにする。確認のために画面上見えるように するということは要求しておくべきことだと思います。確認しながら、それを最終的にプリン トアウトするかどうかはまた別かもしれませんが、少なくとも先生方が処方されるときに、1 日量も確認することはすごく大事なことだと思いますので、そういうことはオーダリング側の 要求事項として入れておいてもいいかもしれないです。 ○楠岡座長 いまのご意見からすると、2-3)はプロセスだけではなくて、将来的にも1日量、 1回量、プリントアウトも必要だし、画面上も必要であるということ。画面のほうは書かれて いないので、どちらかというと次の医療情報システムのところに関わってくるかもしれません ので、画面上の問題は追加する。2-3)に関してはこの形で、1回内服量と1日内服量が残る ような形で印刷されるようにするということでよろしいでしょうか。 次は3頁の長期的対策です。医療情報システムで、2-5)医療情報システムにおける標準用法 マスタの作成・配布を行う。これはよろしいでしょうか。それから2-6)処方オーダリングシ ステムにおいては1回量を基本とした入力方法に対応できる、処方入力画面を装備するよう関 係者に働きかける。ここに、先ほどの1日量も、画面上出るようにお願いしたいということで す。 2-7)処方せんによる投薬指示が患者に確実に実施されるために、看護システムにおいては、 服用の最小単位である1回の服用量を基本単位とすることを推進する。いま、看護システムの ほうはどうなっていますか。たぶんまちまちなところはあると思うのですが。 ○嶋森委員 看護システムでは医師のオーダーのとおりに出ますので、1日量が出て、それを 「分3」とか「分2」という感じでやっています。 ○楠岡座長 大原先生、看護システムでは。 ○大原委員 これは両方あると思います。内服薬まで実施入力をしている所では、1回量に必 ず分割して出ているはずです。患者に自己管理をお願いしているようなシステムでは、1日量 で出ているのもあると思います。だから、出すほうが1回量でいくのであれば、受けるほうも 1回量ということがよろしいのではないですか。 ○永池委員 1回量の服用量を基本単位とすることは必要だと思いますが、小児科のような例 ですと、看護職も実際1日量としてどのぐらい行っているのかという、薬剤の反応を見ながら 小児のアセスメント等をしなければいけないと思います。やはり、1日量もあったほうが、い ろいろアセスメントに使えるのではないか思っています。 ○楠岡座長 この看護システムという言葉の定義なのですけれども、看護システムにおける、 これはたぶん指示簿とか、経過表的なものを言っているのではないかと思うのです。当然看護 システムのほうから処方内容を見に行けて、そこのところには1日量も当然記載されている。 看護システムの中にそれを反映させるかどうか。させるのはそんなに難しくはないと思うので す。 ○永池委員 実施記録としての看護システムということであれば、一回量のみの記載で了承で す。 ○楠岡座長 そこは言葉として、看護システムの中のどういうところかということ。看護シス テムというと非常に幅広いものも含んでしまいますので、少し説明を加えていただくことにい たします。 ○土屋委員 最初からずっと嶋森委員がおっしゃっている賦形の話は、ここで1回の基本単位 とするのだけれども、ここではまさに薬剤部から来る薬が、いわゆる基本単位とは違う量にな っているということでありますので、賦形についてはということをここに書いておく。薬剤で 賦形した場合にはその量をきちんと反映させるというようなことを言っておかないと、その話 はいつまで経っても永遠に残ってしまいそうです。 ○楠岡座長 指示簿では、何ミリリットルとか原薬量で書かれているけれども、実際は1目盛 りという話になってきますよね。これをシステム上で何か、薬剤のほうから出すときには、そ の指示簿に追記というようなことはどうなのですか。 ○土屋委員 おそらく調剤量をちゃんと伝える形になると思います。いままでは調剤量という ものが、情報システムの中で戻ったことがないです。本来は調剤量をきちんと出すことが、処 方せんでこうやったときに、これにシロップを何cc足してということをやって、総量がわかっ ているわけですから、それで1回が1目盛りだとか、2ccだという形で戻ります。これは、特 にシステムの話をしていますので、システムでは調剤量をきちんと戻すことということを書い ておいたほうがいいのではないでしょうか。 ○楠岡座長 方向はそれでよしとして、対応として新しいシステムはそれを考えて作っていた だくぐらいのところにはなるかと思います。 ○土屋委員 それと同時に私は病院薬剤師会ですので、病院薬剤師は調剤したときに、元の量 を賦形したときには、それを医療職内できちんと情報伝達をするということは決めておく。い ままでは、薬剤師の常識だから、誰でもわかってもらえるだろうというのではなくて、チーム としてそこに齟齬があるわけですから、そういう賦形をしたとか、そういうことについては調 剤量をきちんと伝達することということは、システムがあろうがなかろうがやらなくてはいけ ないのだと思います。 ○楠岡座長 岩月委員、病院の中ではこういう話ですけれども、院外処方せんで患者に渡す場 合は、当然1袋というような単位になるので、そこはあまり問題にはならないとか、あるいは 1目盛りとかそういう形ですか。 ○岩月委員 賦形するものが、仮に乳糖、澱粉の類であっても、私どもはその原材料費をいた だかなければいけませんので、それは必ず保険請求に付いて回りますから、そのことを含めた 量として患者に説明しないと、なんでこんなに量が多いのだということになってしまいますか ら、それは必ず実施されております。 ○楠岡座長 調剤量を戻すということを追加するということでよろしいでしょうか。次は2- 8)で、今度は調剤薬局において処方内容を再入力することによる情報伝達エラーを防止し、院 外処方せんの利便性の向上に資するような二次元情報技術の導入について検討する。これは実 際に試行されていますが、いかがですか。 ○岩月委員 確かにこれですと誤入力は減るのですけれども、医師の中には1回1錠1日3回 という薬が3種類出ていて、もう1つ足したいということになると、別の処方番号を付けて、 そのことを追加することがあります。薬局のほうは、服用時点が同じものは全部1つにまとめ なければいけないものですから、実はQRコードでそのとおりに出てきても、薬局で入力のし直 しということになります。それほどということはありますけれども、もちろん安全上は十分に 有用性があると思います。ただ2-8)で言うのならば、2-5)は長期ではなくて、先ほどの話 のすぐにやってほしいところに戻していただきたいと思います。2-5)が2-8)と同じ並びで あるのはちょっと違うという気がいたします。 ○楠岡座長 それは後ほど言おうと思っていたのですが、2-5)はどちらかというと短期的な ほうへ移しておいていただくほうがいいかと思います。2-8)はこのままにしておいて、あと は取り込んだ後の編集機能とか、システムがどれだけ良くなるかにかかるということです。次 は教育等のところです。2-9)医師、歯科医師、薬剤師等の医療従事者の養成機関における、 内服薬処方せんの標準的な記載方法に関する教育、共用試験や国家試験への出題について留意 が必要です。 ○望月委員 2-9)と2-10)なのですが、2-9)が薬剤師等で、2-10)が看護師等という ことで、微妙に薬剤師と看護師を分けて考えているのですが、これは考える必要はないと思い ますので、両方とも入れたほうがいいような気がするのです。 ○楠岡座長 特に分けた理由はあるのですか。 ○医療安全推進室長 他意はございません。 ○江里口委員 これも長期方策の中に入っているのですけれども、検討会の中でもこれは随分 問題になりました。まずは教育機関において早く標準化することにより、雪崩が起きるように、 ほかの医療機関が全部動くと思うのです。これを長期で持っていくと、なかなかうまくいかな いと思うのです。これを短期に早く標準化して、我々委員のほうに雪崩を落とすほうが、検討 会の役割が出てくるのではないかと思います。 ○伴委員 先ほどの言葉のことと、いまの江里口先生のお話で、後者のほうは先ほどのとおり で、早目に短期のほうに入れていただいたほうがいいのではないか。言葉のほうは、共用試験 が看護のほうにはないことも配慮して、そのような言葉の使い分けをされているのかと思った のですがそうではないのですか。 ○医療安全推進室長 それもあるのですが、例えば共用試験の前の記載方法に関する教育とい う意味では、確かに積極的に排除するものではないという意味で他意はないという表現をしま した。 ○楠岡座長 2-9)と2-10)はお任せしますので、関係者に公平に記載していただきます。 2-11)も含めて、教育等は短期のところにも、とにかく決まれば周知徹底が必要ですので、 それは短期のほうへ入れていただくということでよろしいでしょうか。 4番目は、移行期間における対応で、遅くとも5年後に実施状況について把握し、対策につい て再検討する。5年という数字が出てきたのは、システムの入換え等を考えると、やはりスパ ンとして5年は考えないといけないだろうということで出てきたわけです。これは、遅くとも と書かれているのですが、5年後には絶対するとして、本当いうと2、3年後ぐらいに進捗状 況を見ていただいたほうが。事務局側は大変になるかもしれないのですが、どのような調査を するか方法はいろいろあるかと思います。2、3年後に中間見直し、中間評価を一度入れてい ただいて、5年後には推進策に関してはもう一度対応を考えるということでよろしいでしょう か。事務局もそれでよろしいですか。 ○医療安全推進室長 はい、結構です。 ○楠岡座長 参考法令は先ほどあったところです。 ○永池委員 いまの移行期間の中間評価にも少し関係があることかと思うのですが、移行期間 中に、何らかの事前検証といったようなデータがあればよろしいのかと思います。予算措置を 講じてモデル事業ということもあるかもしれませんが、現行の医療機能評価機構で実施してい る、医療事故情報収集等事業の情報をさらに充実させ、関係医療機関からの報告をさらに強化 していただき、移行期の事故、誤薬に関しての事故の推移がどのようになっているのかをまと めていただくのも1つの方法かと思うのです。そうした方策も、何らかの形でとっていただき ながら、移行時の評価ができるように進めていただくことを文言として入れていただくことは いかがでしょうか。 ○楠岡座長 事務局はいかがですか。 ○医療安全推進室長 先ほどご指摘いただいた、中間評価的なものの把握方法、例えばシステ ム上の反映状況等も含め、そこはいまの永池委員の事故収集事業、ヒヤリハット収集事業等い ろいろあるのですが、それも含めて読み込んで、その方法論は最終報告書をまとめる等の過程 の中で検討したいと思っております。決してやらないという意味ではないのですが、ほかのパ ーツも含めていろいろ考えたときにという意味です。それ以上の他意はないです。 ○楠岡座長 次の報告書のところでということで。 ○隈本委員 次の章に行ってしまうと記載例のほうに行ってしまうと思うのです。短期的な対 策として、私の思いとしてはいまの処方せんの書式が、これは複数の委員から指摘があったと 思うのですが、処方せんの処方のところが真っ白で、抜けているものがあっても気がつかない、 あるいは心理的な障壁がないということがあると思います。標準化の原則が決まって、皆さん に提示した時点で、この処方のところに縦線を入れるなりして、何かここを埋めないと標準の 処方せんの書き方になっていないということを意識させるような改善を行うというのを、短期 的なのか、長期的なのかわかりませんけれども、入れていただきたいと思います。 ○楠岡座長 実際上各病院などで使っている処方せんは、手書きの処方せんの場合も、8頁に ある見本のように「処方」と書いて、全く空欄というのはあまりなくて、薬品名、分量、用法、 日数が上にあって、少なくとも縦に点線が書かれていて、箇条書きと横の並びがわかるような 体裁になっています。これは安全のほうではなくて保険局マターになるかもしれないのですけ れども、その見本を、いまのような薬品名、用法・用量、日数というような、ほとんどの病院 が今使っているようなものにしていただく。上にタイトルがあって、点線で区切ったような、 少なくとも必ずその項目は埋めていく。もっと細かいものを求めるとちょっと難しいかもしれ ないのですけれども、その点はできるのではないかと思うのです。 ○隈本委員 ほとんどそうだったらあまり問題はないのですけれども、前回出てきた調査でも、 診療所の9割がまだ手書きだということです。法律で、様式第2号によることと書いてあるわ けですから、この様式第2号がこれである以上、それ以上はプラスのサービスということにな ります。そうではなくて、この様式第2号を、保険局のほうに言って改めていただいて、縦線 があって、ましてや備考1に書いてあるのです。薬名、分量、用法・用量を記載することと書 いてあります。これを見ながら処方せんを書く人はあまりいないと思うのです。むしろこの処 方せんの欄内に、いわば処方せんの基本型のところに、用法・用量を書きなさいということを 印象づけるようなものを書いておいて、しかも先ほど議論になった、薬剤名で書きなさいとか、 販売名で書きなさいというのは、販売名(薬価収載名で書くこと)ということをここに書いて おけばいいのではないですか。そういうことは短期的にやれることなのではないかという気が するのです。それは、保険局と医政局が相談すればできることなのではないですか。 ○楠岡座長 確かに縦線を入れることと、上に書くべき項目を例示する。本当は横線も必要で、 斜めに書かれては読めないという話も実際にあるので、縦線、横線は単なる体裁だけの問題な のですが、実際は有効な手段だと思うのですが、この点はいかがですか。 ○医療安全推進室長 いまのご指摘の点は、例えば資料3の8頁と、あとは6頁の関係になる のですけれども、準ずる様式というところで、果たして現状が読み込めなくて、本当に情報伝 達エラーが発生する事例があるのか。また、こう書くのだという指摘については、記載要領通 知の工夫で済むのかどうか。検討させていただきたいと思います。いずれにせよ、隈本委員ご 指摘の趣旨は非常に重要ですので、いかに記載する際に迷わない仕掛けが必要かという点で、 もう少し研究したいと思います。 ○隈本委員 短期的ないし長期的のところに、それを具体的に報告書の中に書いていただきた いという意見です。 ○楠岡座長 ある意味フレキシビリティを保証する意味で真っ白になっているところもあるの ですが、それではあまりのところもあるので、少しは縛ってもいいかと思います。飯沼委員そ の辺はいかがですか。 ○飯沼委員 先生方の中には、大きな字の人も、小さな字の人もいますので、ラフなラインな らいいですけれども、あまりパッとしたものだと難しいのではないですか。 ○楠岡座長 最低限のところだけ、少し枠を作っていただければ、そこはかなり良くなるので はないかと思います。それは検討をお願いいたします。 ○隈本委員 しつこいようですけれども、この委員会のメッセージが国民、あるいは医療界全 体に伝わるかどうかというのは、やはり変わったという印象を与えることが大事なのです。そ ういう意味で言えば、いつも書いている処方せんの書式が変わった、という印象を与えること がすごく大事で、確かに書きにくくなるというご指摘があるかもしれないのですけれども、変 わったという印象を与えることがすごく大事だと思います。 いつも引き合いに出して恐縮なのですけれども、後発医薬品推進のためには、わざわざ欄まで 作って、サインして、印鑑を押さないと駄目というぐらいまでしているわけですから、これぐ らいのことは、患者の事故防止のためには、もうちょっとやってもいいのではないかというの が私の感覚です。 ○永池委員 土屋委員から提出いただいた資料4の位置づけは、報告書の関係からいくとどう いう取扱いになるのかを事務局から説明していただけますか。希望といたしましては、こうし た中立、公的な機関が作成し、それを更新していくというところまで関与するという考え方は とてもよいのではないかと思いますので、何らかの形で報告書の中に、検討会の意見として記 載することが可能であるかどうかをお伺いします。 ○楠岡座長 用法の標準化に関しては、いちばん最初の議論の中にありましたように、標準化 するということは盛り込まれます。あとは、具体的な内容としてこの提案の中で、特にマスタ のオーソライズ、メンテナンスの点まで書き込むかというところですが、まず委員のご意見は いかがでしょうか。特に反対意見はないと思うのですが、事務局のほうではいかがですか。 ○医療安全推進室長 ここにつきましては、標準用法マスタを作って、オーソライズ、メンテ ナンスとありますけれども、そのオーソライズするのに、本当に役所だけでよいのか。例えば、 前回参考人としてご出席いただいたJAHISとの調整であったり、そのほかシステムを作ってい る機関との調整をどうするかというディテールのところはありますが、総論としてオーソライ ズ、メンテナンスをどう考えるかということ自体は不可避な議論かと思います。 そこはいま申し上げました、どこまで巻き込むかというのは別として、何らかの形でこの中に 盛り込むべきというご指摘があれば、そのように対応したいと思います。 ○楠岡座長 報告書の中には、標準化は早急に必要であるということは書き込んで、資料4の 中の必要性と背景はまとめて入っていることになるのですが、作成手順、それからメンテナン スのところはどの辺まで書き込むかは、実際事務局のほうで検討していただいて、報告書で拝 見させていただくということでよろしいでしょうか。 ○土屋委員 ここに2カ月と書いてありますので、それが完成品かどうかは別として、少なく とも具体的な例が出てこないといけないかと思いますので、それは作るかなと思っております。 ○永池委員 移行期に、いかに安全に経過できるかというところで、やはりこの標準マスタが いかに早く作られるかということが大きな影響因子ではないかと思いますので、是非とも早目 にお願いしたいと思います。 ○隈本委員 私も大賛成というか、この委員会が世の中に役に立つ情報を出すという面ではす ごく形になるものだと思います。私もお伺いしたところ、各病院のシステムに合わせて、メー カーの人が一生懸命やっている。それは国の基準がないから、そうやってそれぞれのオーダー に応じて作っているわけです。国の基準がポンとあれば、こういうふうにして、こういうふう にしてという細かい要望があっても、これが国の基準ですからと言って、メーカーのほうはこ の1個のものを基にできるという意味では、国の基準をポンと出すということは、この委員会 が役に立っていると国民に思ってもらえる1つのメッセージだと思います。 ○楠岡座長 いまのことでよろしいでしょうか。具体的なプロセスはまた事務局で考えていた だくとして、一応標準化を早急に取り込むということは報告書の中に入れていただくというこ と。 次は、5頁の処方せん記載方法と記載例の話で資料2になります。いままでいろいろご意見を いただきましたので、資料2の手直しがだいぶ必要になってまいります。いまここで議論を始 めても、もう時間も過ぎておりますので、これは一旦事務局に預かっていただいて、いまの議 論で骨子案に沿って、もう一度訂正をしたものを、委員の方々にもう一回見ていただいて例と するという取扱いをさせていただきたいと思います。事務局もそれでよろしいですか。 本日の中で、骨子案の大まかな方向づけは決まりましたので、それを整理していただいて、今 後進めていくことになります。報告書骨子案の最終案は、本日の議論を踏まえて、事務局で一 度整理していただいたものをメールで検討していただき、抜けている点、あるいは言葉の点に 関して、もう少し追加等をしていただきたいところがあるとか、メールベースの検討とさせて いただきます。事務局もそれでよろしいですか。 ○医療安全推進室長 はい、承知いたしました。 ○楠岡座長 医療者は見ればわかるのですが、花井委員、佐相委員、隈本委員に、これは一般 の人が見ても何の意味かわからないというところは是非ご指摘いただきたいと思います。要は、 この問題にかなり関わっている者のディスカッションですので、いくつかの前提的なものがす っ飛んだ議論をして骨子案になってしまっていると、いままで関わっていない医師、薬剤師、 看護師が見たときに、一体これは何だということになっては困ります。要は、全くベースのな い方に見ていただいてもわかるような文章でないと、一般の医師にちゃんと伝わらない可能性 も十分あるということになりますので、是非お願いしたいと思います。 この言葉はちゃんと定義しないと、先ほどから調剤名とか、一般名が飛び交っていますけれど も、たぶんいきなり普通の医師に聞いても、その区別と言われてもなかなか説明できないこと もあると思いますので、これはちゃんと定義したほうがいいというようなところがあれば、そ れもご指摘いただければと思います。過剰な仕事を押しつけるつもりは毛頭ありませんが。 ○花井委員 そういう意味において、製剤名という表現はわからないです。いま座長の話を聞 いていて意外に思ったのは、いまここで話されていることは、専門家であればほぼ理解できる 領域だと私どもは理解していました。一般の感覚はもっと多様ですので、そこはある程度専門 家同士でミスの少ない前提ができて、それプラス一般の人もわかるというところで理解してい たのです。 先ほどの処方せんの標準書式については、今度、処方せんの例示について議論するわけです。 それにおいても、ある程度ここは大事なポイントだというのがあれば、それはワーディングを 載せるなり、注意書きをするということは、この検討会でもう一回戻って検討して、ほかの課 との調整もあるかもしれないけれども、ここで何らかこうすべきではないかということは盛り 込んでいただきたいと思います。 ○楠岡座長 佐相委員、隈本委員からコメントはございますか。 ○お二人 特にないです。 ○楠岡座長 本日の骨子案に関してほかにはよろしいですか。さらに追加しておかなければな らない点はありますか。 (特に発言なし) ○楠岡座長 特にないようですので、それでは事務局からお願いいたします。 ○医療安全推進室長 本日はご議論いただきましてありがとうございました。次回は11月3 0日(月)の17時から19時を予定しております。それまでの間、先生方には3つのことを お願いいたします。1点目は、今回の報告書骨子案及び事例のところでご確認をいただきたい ということです。2点目は、次回報告書案を作成いたしましてお示しいたしますので、そのプ ロセスにおいていろいろとご指摘いただきたいと思います。3点目は、先ほど楠岡座長からも ご指摘のありました、また花井委員からもご指摘がありました、ここに出席していない人たち も本当にわかるのかというのは非常に重要な観点ですので、そのためにはどういう所を見たら いいのか、こういう所を見たらどうかとか、こういう所に話を聞きに行ったらどうかというご 教示をいただければ、これまでの間2カ月ほどありますので、事務局としてもそこへ行ってみ たいと思いますので、そういう所を教えていただければと思います。 ○楠岡座長 いまいちばん最後にありました、小児領域の問題とか、我々があまりよく知らな い、それぞれの診療科での独特の問題があるかもしれませんので、骨子案ができたところで、 いろいろな所のご意見を伺おうという方向で考えております。もし、いままでの経緯を見てコ メントがあるという方があれば、事務局のほうへコメントを出してください。また、近くの方 でそういう方をご存じでしたら是非お願いしたいと思います。そうでないと、また追加をしな いといけないということになりますと問題がありますので、その点はよろしくお願いいたしま す。 ○伴委員 次回に案が出るということなのですけれども、それが出てからパブリックコメント などで意見を求める予定なのでしょうか。 ○医療安全推進室長 いま私どもが考えておりますのは、例えば診療報酬に関連する諸々、先 ほどの通知等との関係からすれば、11月30日にご議論いただく際には、基本的に検討会と してはおまとめいただきたいと思っております。そこでパブリックコメントと申しますか、さ まざまな立場の方からのご意見の反映のさせ方ですが、可能であればいま申し上げました、次 回までの2カ月の間に、できるだけ吸収していきたいと思っております。 ○楠岡座長 時間的に少しタイトになっておりますけれども、是非よろしくお願いいたします。 これで本日の会議を終了させていただきます。どうもお忙しいところをご出席いただきまして ありがとうございました。 ○医療安全推進室長 ありがとうございました。 (照会先)  厚生労働省医政局総務課  医療安全推進室   03−5253−1111(2579、2580)