09/08/26 第148回中央社会保険医療協議会総会議事録           (1)日時  平成21年8月26日(水)11:11〜12:21 (2)場所  はあといん乃木坂 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代 清水) 伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       藤原忠彦専門委員 大島伸一専門委員 坂本すが専門委員        住友雅人専門委員       <参考人>       加藤治文薬価算定組織委員長        <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        城保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○医薬品の薬価収載について       ○医療機器の保険適応について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  それでは、委員の皆様御着席でありますので、ただいまより第148回中央社会保険医 療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の出席状況について御報告をいたします。本日は高橋委員の代理で全日本海 員組合の清水保さんがお見えになっておられます。  それでは、議事に移らせていただきます。  まず、医薬品の薬価収載について議題としたいと思います。薬価算定組織の加藤委員長 より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○加藤委員長  薬価算定組織の委員長を務めております加藤でございます。私のほうから今回検討いた しました新医薬品の算定結果について報告をさせていただきます。  まず、資料の中医協総−1をごらんください。  今回報告いたします品目は、資料1ページの一覧表にありますとおり7成分11品目で あります。  それでは、算定内容について説明をします。  まず、レメロン錠、リフレックス錠についてでありますが、資料の2ページをごらんく ださい。レメロン錠、リフレックス錠はミルタザピンを有効成分とし、うつ病、うつ状態 を効能・効果とする内用薬であります。  資料3ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、本剤への類似性の高いのはパロキセチン塩酸塩水和物及 びミルナシプラン塩酸塩の2成分と考えられましたが、本剤とこれら2成分は海外の治療 ガイドラインでも同様の臨床的位置付けとされており、効能・効果、薬理作用、用法など のわずかな類似性の違いで最類似薬をいずれか一方に絞り込むことは適当でないと判断さ れたために、これら2成分を最類似薬として類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と 判断しました。また、補正加算についてはいずれの要件にも該当しないと判断いたしまし た。この当初算定案に対し、新薬収載希望者から本剤は既存の類似薬に比してうつ病患者 のQOL改善に関する有用性が検証されていること。2として既存の類似薬を対象薬とし た比較試験において、本剤の効果の発現が早いということが確認されていること。3つ目 として長期投与試験において寛解を安定的に維持することが検証されていることなどから、 治療方法の改善が客観的に示されており、有用性加算にA=10%を希望する旨の不服意 見が提出されました。  この不服意見について2回目の薬価算定組織において検討した結果、1のQOLの改善 及び2の早い効果発現に関しましては、薬事承認等において評価されていないこと。また、 3の長期投与における寛解の維持に関しましては、他の薬剤と比較したデータがないこと を踏まえて、本剤による治療方法の改善が客観的に示されているとは認められないと判断 し、当初の算定案どおりとすることといたしました。そして、この結果について新薬収載 希望者も了承いたしております。したがいまして、資料2ページに戻っていただき、本剤 の算定価格は最類似薬であるパキシル錠10mgとトレドミン錠25mgの1日薬価の相加平 均にあわせることにより、15mg1錠169.30円となりました。  次に、ラジレス錠についてでございますが、資料の4ページをごらんください。  ラジレス錠はアリスキレンフマル酸塩を有効成分とし、高血圧症を効能・効果とする内 用薬です。  資料5ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果などが類似するロサルタンカリウムを 最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加 算についてはいずれの要件にも該当しないと判断しました。したがいまして、資料4ペー ジに戻って、本剤の算定薬価は最類似薬であるニューロタン錠50mgとの1日薬価あわせ を行い、150mg1錠168.00円となりました。  次に、3番目としてカデュエット配合錠について説明をします。  資料の6ページをごらんください。  カデュエット配合錠は、アムロジピンべシル酸塩及びアトルバスタチンカルシウム水和 物を有効成分とし、これら2成分による治療が適切である患者、すなわち高血圧症または 狭心症と高コレステロール血症または家族性高コレステロール血症を併発している患者に 使用することを効能・効果とする内用薬です。薬事承認の審査においては、これら2成分 の併用により高血圧症治療及び高コレステロール血症治療の最終エンドポイント、これは 脳、心血管疾患の発症抑制というのがエンドポイントでございますが、これに対して各単 剤を上回る有効性が示されたということから、これら2成分を配合することに一定の化学 的合理性が認められるとされています。  資料7ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、本剤はアムロジピンとアトルバスタチンを配合すること による各単剤に対する上乗せ効果を期待し、開発されたという経緯も考慮し、これら2つ の成分の組み合わせを最類似薬とするのではなく、アトルバスタチンカルシウム水和物の みを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定を行うことが妥当と判断しました。 その上でアムロジピンベシル酸塩の要素については、補正加算で評価することが妥当と判 断しました。具体的には補正加算前の薬価には配合したアムロジピンベシル酸塩の要素が 全く含まれていないことを考慮して、その上乗せ効果について有用性加算(II)を適用す ることとし、その加算率としてはA=30%を適用することが適当と判断しました。した がいまして、資料6ページに戻ってください。本剤の算定薬価は最類似薬であるリピトー ル錠10mgとの1日薬価あわせに有用性加算にこの30%を適用し、カデュエット配合錠 4番が1錠179.90円となりますが、これは外国平均価格の4分の3を下回ることか ら外国平均価格調整による引き上げの対象なり、調整後の最終的な算定薬価はカデュエッ ト配合錠4番が1錠183.20円、規格間調整により同錠1番が1錠96.80円、同 錠2番が1錠153.20円、同錠3番が1錠126.80円となりました。このような 算定を行った結果、汎用規格のカデュエット配合錠4番の1日薬価は183.20円とな り、既存の各単剤の組み合わせを最類似薬として1日薬価あわせを行った場合の1日薬価 214.00円に比べますと低くなっていることを報告します。  それでは次に、4番目のアボルブカプセルについて説明をします。  資料の8ページをごらんください。  アボルブカプセルは、デュタステリドを有効成分とし、前立腺肥大症を効能・効果とす る内用薬です。  資料9ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、本剤については既収載品の中に同様の効能効果、薬理作 用などを持つ類似薬がないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。営 業利益率については、加算の理由を資料に記載しております。本剤は新規の作用機序を有 しており、前立腺肥大症の主たる症状である排尿障害の要因が幾つかある中で、本剤を治 療の選択肢の一つとして医療現場に提供する意義はあると判断し、平均的な営業利益率プ ラス20%の営業利益率を用いることが適当と判断しました。したがいまして、資料8ペ ージに戻り、本剤の算定薬価は0.5mg1カプセル206.50円となりました。  次に、5番目のルミガン点眼液です。  資料10ページをごらんください。  ルミガン点眼液は、ビマトプロストを有効成分とし、緑内障、高眼圧症を効能・効果と する外用薬です。  資料11ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、最類似薬については効能・効果、薬理作用などが類似す るトラボプロストを選定することが妥当と判断しました。また、補正加算についてはいず れの要件にも該当しないと判断しました。その結果、本剤については効能・効果、薬理作 用などが類似する外用薬が3つ以上ありますので、類似薬効比較方式(II)による算定が 妥当と判断しました。  資料の10ページに戻ってください。  薬価算定ルールに従いまして、最類似薬であるトラボプロストを比較薬として算定した 1日薬価、それから過去10年間に薬価収載された薬理作用、類似薬の平均1日薬価、そ して過去6年間に薬価収載された薬理作用類似薬の最低1日薬価のこの3つを比較した結 果、最も1日薬価が低いのが過去6年間に薬価収載された薬理作用類似薬の最低1日薬価 でありまして、具体的にはタプロス点眼液0.0015%の1日薬価であったことから、 これを選択して算定することとしました。したがいまして、本剤の算定薬価はタプロス点 眼液0.0015%との1日薬価あわせを行い、0.03%1ml、960.00円となり ました。  次に、アズマネックスツイストヘラーについて説明します。  資料の12ページをごらんください。  アズマネックスツイストヘラーは、モメタゾンフランカルボン酸エステルを有効成分と して、気管支喘息を効能・効果とする外用薬です。  資料13ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、最類似薬については効能・効果、薬理作用などが類似す るブデソニドを選定することが妥当と判断しました。また、補正加算についてはいずれの 要件にも該当しないと判断いたしました。その結果、本剤については効能・効果、薬理作 用などが類似する外用薬が3つ以上ありますので、類似薬効比較方式(II)による算定が 妥当と判断しました。  資料12ページに戻り、薬価算定ルールに従って、1つは最類似薬であるブデソニドを 比較薬として算定した1日薬価、2つ目には過去10年間に薬価収載された薬理作用類似 薬の平均1日薬価、そしてもう一つは過去6年間に薬価収載された薬理作用類似薬の最低 1日薬価のこの3つを比較した結果、最も1日薬価が低いのが過去6年間に薬価収載され た薬理作用類似薬の最低1日薬価でありました。具体的にはオルベスコ200μgインヘ ラー56吸入用の1日薬価であったことから、これを選択して算定することとしました。 また、本剤はキット製品ですが、ドライパウダーを吸入するタイプの既存のキット製品に 比し、薬剤の平均粒子径が小さくなるように設計されており、これにより末梢気道にも到 達し、治療の質を高めることが期待されることから、キット加算を適用することが妥当と 判断しました。したがいまして、本剤の算定薬価はオルベスコ200μgインヘラー56 吸入用の1日薬価あわせにキット特徴部分の原材料費を加え、さらにキット加算A=5% を適用し、6mg1キット2,547.20円となりました。  最後に、プリジスタナイーブ錠について説明します。  資料14ページをごらんください。  プリジスタナイーブ錠は、ダルナビルエタノール付加物を有効成分とし、HIV感染症 を効能・効果とする内用薬です。本品目は抗HIV薬であることから、緊急収載を行うも のです。  資料の15ページをごらんください。  薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果などが類似するホスアンプレナビルカ ルシウム水和物を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断しまし た。また、本剤は希少疾病用医薬品であり、市場性加算(I)の適用は認められると判断 しましたが、類似の薬理作用を有する抗HIV薬が既に多く収載されていることを踏まえ、 加算率A=10%を適用することが妥当と判断しました。  したがいまして、資料14ページに戻ってください。本剤の算定薬価は最類似薬である レクシヴァ錠700との1日薬価あわせに市場性加算(I)、A=10%を適用し、40 0mg1錠、851.80円となりますが、これは外国平均価格の4分の3を下回ることか ら、外国平均価格調整による引き上げの対象になります。調整後の最終的な算定薬価は4 00mg1錠、921.90円となりました。  以上で報告を終わります。 ○遠藤会長  ありがとうございました。事務局で何か補足はありますか。  では事務局、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。1つ補足をさせていただきたいんですが、カデュエット配合 錠、資料で申し上げますと6ページでございますが、これについてはこれまでこの場でた くさんの議論をいただいております配合剤で、新しいタイプの配合剤でございます。ごら んいただきますと、降圧剤と抗高コレステロール血症剤の成分を含有した異種効能の配合 剤ということで新しいタイプの配合剤でございます。算定の結果については今、委員長の お話しがあったとおりでございますけれども、本剤の算定につきましては、算定組織でも 長時間の御審議をいただきまして、中医協でのこれまでの御議論も踏まえて、現行ルール の中でどのような算定がなし得るかということで、長時間の御議論をいただいたところで ございます。結果的に今の御報告のとおりでございますが、これまでの運用のやり方です と214円というものが今回の算定で183円20銭ということで15%程度の減額の算 定をしたということでございます。それにつきましては、企業のほうもこれまでの中医協 の御議論も理解して、御納得いただいたということを補足させていただきます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。配合剤の価格設定につきましては、検討課題となっているわけ でありますけれども、算定組織といたしましては、ただいま御説明のあったような形で中 医協の意向を反映するような形で現行ルールのもとで配合剤の一つの価格をベースにしま して、あと有用性加算で少し加算をかけるという形で対応されたということであります。  何か御質問ございますでしょうか。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  今の配合剤について御説明いただきましたが、配合剤につきましては、配合意義につい て今回記載していただいたということは大変分かりやすくなっていいと思います。ただ、 配合剤そのものについてはジェネリック医薬品を阻害しかねない面があり、今お話がござ いましたけれども、これから算定ルールを決めていこうというタイミングで今回申請がな されたということには釈然としないものを感じております。  算定ルールの議論を急ぐ必要がありますが、算定ルールが決まるまでに駆け込みで申請 がなされるような状況がないかどうか、現在、配合剤のケースで薬価収載の申請見込みな どについて今分かる範囲でお教えいただけたらというふうに思います。 ○遠藤会長  それは御意見として承ってもよろしいですか。駆け込みの状況。 ○小林(剛)委員  申請の見込みについて、教えていただきたい。 ○遠藤会長  新しいルールを適用されたとしても、次回改定からということになると思いますので、 駆け込みのようなものがあるのかどうか。申請状況について分かる範囲で結構ですので、 よろしくお願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今薬価部会で御議論いただいている配合剤算定ルールの改正が行われた場合には、実際 に適用されますのが来年の4月収載分からということでございまして、現実には今回のも の、それからあと、12月にも収載の予定がございますので、そのときに出てくるかとい うことでございますが、薬事の審査の状況なんかを拝見していますと、これまで中医協で 議論のあった問題になるようなタイプの配合剤は今のところちょっと見当たらないという ふうに思っておりまして、今、委員おっしゃったような駆け込みのものは見当たらないと いうふうに認識しております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。小林委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。  それでは、山本委員、どうぞ。 ○山本委員  今のカデュエットの件でありますけれども、この審査報告書のほうに単剤での有効性が 上回ると書かれてしまうと、なかなかものが言いにくいのでありますが、先ほど管理官の 御説明で単剤2剤の場合は214円で15%ほど安くなったという御指摘であります。製 剤としての名称についても一言、二言言いたいんですが、それはちょっと置いておきまし て、仮にアトルバスタチンと昨年の8月にジェネリックが上市されたアムロジピンの後発 を使ったケースも当然あり得るだろうと思うんですね。それでも配合剤のほうがいいんだ ということですけれども、仮にそうであれば一体先ほど説明された4番の薬価214円と の薬価差1番から1、2、3、4と比べたときにどれほど差があるんでしょうか。実際に は先ほど小林委員も言われたように、後発品の使用阻害という面と、それから価格の面と 両方あると思うんですが、そのあたりはどのような価格づけになっているのかお教え下さ い。 ○遠藤会長  それでは、事務局お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の御質問に関しまして、資料の6ページで申し上げますと、これはアムロジピンとア トルバスタチン、商品名で言いますとアムロジピンの販売名がノルバスクというものとア ムロジンというのが出ております。アトルバスタチンについてはここに書いてございます リピトールという販売名で出ておりますが、このアムロジピンのほうが現在後発品が出て おりまして、この先発品の7割の薬価になってございます。リピトールのほうについては、 まだ後発品は出ておりませんので、このリピトールとアムロジピンの後発品を加えた薬価 について計算をいたしますと、一番汎用される規格の4番の容量で計算をいたしますと、 191円30銭になります。現在の算定薬価が183円20銭でありますので、今回の配 合錠薬価はアムロジピンの後発品を使った場合よりも若干安いとの算定結果になってござ いまして、後発品を使われるよりも若干安く抑えられるような結果になってございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。山本委員、よろしいですか。 ○山本委員  分かりました。そのあたり、今回のケースはたまたまそうなったのか、あるいは意図さ れたのか分かりませんけれども、後発品の使用促進ということと同時に価格の問題があり ますので、今後もし駆け込みのようなケースがあればご説明にあったようなことをぜひ御 検討いただきたいと思います。 ○遠藤会長  では、竹嶋委員、お待たせしました。どうぞ。 ○竹嶋委員  その配合剤に関係なくていいですか。 ○遠藤会長  はい。ただいまの説明の中に入っていれば結構ですよ。 ○竹嶋委員  いつもそう感じてきたんですが、また今日ちょうど数が少ないということもあって、ざ ーっと見ていったんですが、外国との比較をしますよね。米国、ドイツ、フランス、イギ リスといったところがいつも出てくるようですが、ずっと見ていまして、どうしてもアメ リカは高いですね。ものすごく高い。それから、それに引きずられてドイツが少し高いと いうことから、平均がその2つ、特にアメリカの価格に引きずられて上がっているという 数字上は出ているんですが、これは制度的な、経済的なものがバックにあるかもしれませ んが、こういうところで外国の平均価格を参考にするときにこのあたりの、要するにアメ リカの価格は飛び抜けて多いので、そこら辺のところへの配慮といいますか、そういうこ とがありますか。単純な質問でございます。 ○遠藤会長  現行ルールの中で飛び抜けて高い国があったときの算定のルールについてということだ と思いますので、事務局、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の竹嶋委員の御質問に関しまして、これは18年改定のときに外国価格調整の問題を いろいろ議論がありまして、外国価格調整のルールを一部変更してございます。幾つか変 更しておるんですが、竹嶋委員のお話しした関係でいけば、この4カ国を見まして例えば 1カ国が一番安い価格の国と一番高い価格の国で5倍以上開きがある場合については、5 倍以上の高いほうだけを除くと。引き上げ調整をする場合にはその3カ国で見まして、引 き上げ調整をするかどうかを決めると、こういうルールでなっておりまして、その4カ国 で非常に価格差が大きい場合については一番高い国は除くというようなルールを18年改 定のときに設けておるところでございます。 ○遠藤会長  たしか今回の1番目の薬がそれに該当しているという理解でよろしいでしょうか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  はい。 ○遠藤会長  竹嶋委員、よろしいでしょうか。  では、藤原委員、どうぞ。 ○藤原(淳)委員  今回の配合剤に関してなんですが、降圧剤と高脂血症の薬との組み合わせの対応につい ては理解しました。でもといいますか、これまで同じ後発品同士の組み合わせがありまし たけれども、利尿剤とARBとの組み合わせ、今後こういった同じもの同士の組み合わせ の対応についてはどういうになるのか、その辺のお考えをお示しいただければと思います。 ○遠藤会長  これは専門組織にお尋ねですか、事務局に対する質問ですか。 ○藤原(淳)委員  事務局にまずお聞きしたいと思います。 ○遠藤会長  それでは、同じような効果のあるものの組み合わせの場合ですね。事務局、お願いいた します。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  これについては薬価部会での御議論かと思いますけれども、これまでの薬価部会での議 論については今の加藤委員長からの薬価算定組織からの意見書が出ておりますが、同種の 効能もしくは異種効能両方関係なくということだと思います。ある一定の配合剤について は2剤の合計薬価の一定額を減じて算定するということについてどうだろうかということ を薬価算定組織から意見をいただいておりますので、それをベースに薬価専門部会のほう で、では幾ら減じたらいいのかとか、どういうふうに算定したらいいのかということにつ いては、必ずしも同種効能、異種効能にかかわらず、議論を進めていくことになろうかと 思います。その上でうまくまとまれば来年4月の新薬の算定分から適用するという形にな ろうかと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。藤原委員、よろしいでしょうか。  それでは、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  配合剤に関して幾つか質問があったのですが、大体ほかの方から質問していただいて理 解できてきたのですが、もう少しお願いします。まずは、この配合剤について今議論が進 められている検討途中という過渡期においての今回の判断ということで、非常に工夫して いただいて、配慮して出していただいているということは理解をしているところなんです けれども、そもそもの質問なんですが、ここに、配合意義が上回る有効性が示されたと書 かれてあるんですけれども、ちょっと簡単に一般の人にも分かるようにメカニズムを教え ていただきたいです。別々のものを別々に、結果として同じ量を処方して同時に飲むこと と、1つの1錠の中に入れるということと何が違うのかなと思ってしまうんですけれども、 何かちょっと僕のほうで分かっていないことがあるのかも知れないので、改めてまず一つ 質問というか教えていただきたい。  さらにこういうパターンが今後議論が進んで一定のルールができたときに、配合剤とい うものが進んでいくかどうか。進めていくべきなのかどうかということの議論においては、 やはり価格のルールを決める議論こそが、やっぱり大きな影響を与えるコンセプトだと思 うんですよね。配合剤みたいなのがどんどん出てくることになったほうがいいのかどうな のかということなんですけれども、そのメリットということについては、素人的に見れば 2錠飲まなきゃいけないところが1錠で済むじゃないかというぐらいのことかなと思った りもしてしまうんですけれども、逆にデメリットとしては、薬に関しては、処方という段 階があるわけですから、そこで足すことはできても引くことはできないわけですから、新 しい薬自体が処方の領域に入ってきてどんどん新薬という形になってきたときに、副作用 が分かりにくくなるんじゃないかとか、または一般の薬でも投与するときに量の間違いの ようなケアレスミスなんかもよく起こっている中で、さらに成分比率のケアレスミスなん かも起こり得るんじゃないかとか、または流通のほうでこういう配合剤のほうが主流にな ってしまうということで、逆に処方の自由さや処方の重要性みたいなものが軽視されてい くようなことにならないのかとかが気になります。そもそもこういう配合剤そのものとい うものがどんな価格にするかを議論するに当たって、やっぱり患者の方にどんなメリット があるのかということを、今分かる範囲で教えていただけたらと思うんですけれども。 ○遠藤会長  では、デメリットについては随分藤原委員がかつておっしゃっていた内容と重なるとこ ろがあるかなと思うわけですけれども、最初の御質問はそれぞれ処方して飲むのと比較し て、配合したことによって生ずるメリットをどう考えるのかと。ここではこの配合意義は それぞれ単体として飲むよりは効果があると言っているわけで、別々の薬として飲むのと 配合剤にして飲むのとどちらが効果があるかという書き方はしていないわけです。よって この配合意義のところについてまず確認をさせていただきたいと思います。これは加藤委 員長、お願いします。 ○加藤委員長  今の御質問でこの両方の薬を飲んだほうがいいということは、もうよく分かっているわ けですよね。非常に大規模な長期にわたる臨床試験の結果がそういうふうに出てきている わけですから、これは科学的に証明できているんですが、ただ、1錠にしたときにコンプ ライアンスがよくなるだろうというふうに我々は単純に思うんだけれども、実際にはそれ に対するきちっとしたエビデンスが出ていないんです。けれども、特に心血管、脳血管の 発症抑制というような患者さんがけっこういらっしゃるんです。こういう方にとっては、 やはりばらばらに飲むよりも一回で飲んだほうが飲み忘れというのはなくなると思います ので、メリットがあるのではないかなと思います。 ○遠藤会長  勝村委員、よろしいですか。 ○勝村委員  まだこれから議論していくんでしょうけれども、ほかにも、もし配合剤のメリットとい うのがあれば今教えていただきたいのですが。もうそれだけなんでしょうか。 ○遠藤会長  コンプライアンスが向上するのがメリットだということが一つの考え方だということで すね。  ほかにございますか。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  2ページのレメロン錠と、それからリフレックス錠、これについてですが、2種類の比 較薬を用いて相加平均とするという例は今まで余りなかったように思いますが、先ほどち ょっと説明もございましたけれども、類似薬はこの2種類以外になかったのかどうか、あ るいは他にも類似薬があるとすれば、なぜこの2剤を対象として選ばれたのか、なぜ、価 格差があるこの2つで相加平均にしたのか、その考え方について教えていただきたいと思 います。 ○遠藤会長  そうすると、まず類似薬が3剤以上なかったのかということですね。これは類似薬効比 較方式(II)になってしまうんじゃないかと、そういうことを含めておっしゃっておられ るということですね。  それともう一つは、相加平均にしたということの考え方です。この2つについて、これ は事務局にお伺いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  類似薬としては、あとこの類似している薬としてありますのは、パキシルとほぼ同じよ うな系統の、このパキシルはうつ病の中でもSSRIと俗に呼ばれている分野の抗うつ剤 ですが、これに類似した薬でジェイゾロフトというのがございます。ということでござい ますけれども、実はこの算定について今回のこのレメロン錠、リフレックス錠がパキシル 錠はSSRIというセロトニン系の神経にきいて作用する薬でありますが、トレドミンと いうのはノルアドレナリン系の神経に作用する薬で、SNRIというタイプのものでござ います。今回のものはそのどちらとも違う作用機序のものでございまして、ただ類似薬が ないとまで言えないようなケースでございまして、類似薬がSSRIなのかSNRIなの かということで非常に判断に悩むところでございます。  それで、ごらんいただきますと、このパキシル錠の1日薬価が493円60銭と。それ から、トレドミン錠のほうが183円60銭ということで、1日薬価ベースで見ますと、 大きく差がついている状況でございます。これについてはパキシル錠を算定した際に、当 時は外国平均価格調整で、今は幾ら上がっても2倍までしかいかないルールになっておる んですが、非汎用規格の問題で、算定した薬価の2倍以上上がって、高額になってしまっ た事例でございます。このパキシルについては前回市場拡大再算定で10%下げてはいる んですが、それでも高額で、類似薬の中で大きく1日薬価に差があるというものでござい ます。ジェイゾロフトも同じ薬価になっているわけでありますが、企業のほうは当初パキ シル錠にあわせていただきたいということで非常に希望があったわけでありますけれども、 実際に類似性で見るとどちらがどうかというのはなかなか判断つけがたいというようなこ ともありまして、平成12年以降、このような形でやったことはないんですけれども、こ のように大きく薬価が違うようなケースについてどちらともなかなか言いがたいようなケ ースについては、両方をとりまして算定するのがよろしかろうということで、これについ ても薬価算定組織では大激論がございまして、このような形に落ち着いたということを申 し添えておきます。  それから、ジェイゾロフトもあるんですけれども、パキシルと非常に似通っております ので、それも加えてやりますと、SSRIのほうの比率が非常に高くなりますので、今回 についてはパキシル錠とトレドミン錠の平均をとったという形になってございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。よろしいですか。  それでは、本日御説明ありました内容につきましては、これ薬価算定組織で十分な御議 論を経た上でのものということで、これは中医協として承認するということでよろしゅう ございますか。  ありがとうございます。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  本日の医薬品の薬価収載の件ではございませんが、8月7日にこれ読売新聞の夕刊に今 年の2月25日の中医協の総会において価格決定が行われましたトレリーフ錠剤でござい ますが、これが薬価決定されたわけでございます。これ実はもともと抗てんかん薬として エクセグランという薬でほぼ同一ものとして販売をされております。これは新聞報道によ りますと、成分が同じで薬価が100倍を超えるという報道をされております。これは有 効成分、添加物も同じである医薬品が規格単位ごとですとか申請、効能効果が違えれば今 回のようなことがこれからも起こり得るのか。それからまた、先ほど御説明がありました これ2倍とかそういう程度の話じゃなくて、100倍を超える同じ重量にした場合、その ようなものになってきておるわけであります。新医薬品の薬価がこれ類似薬効比較方式 (I)または原価方式という算定となっておりますけれども、こうした見直しも本当はこ れ必要になってくるのではないだろうかというぐあいに思っております。エクセグランと いう薬は、これ副作用の報告義務期間というのも既に終わっておりますし、審査を終了し た医薬品でありますので、これは薬理作用に基づいた処方としてパーキンソン病への使用 も可能になるのではないかということであります。これは病名が違った場合にこのような 薬価が今年新たに収載されたわけでありますけれども、こういうことがどうして起こるの かということを一つ御説明をいただけるとありがたいというぐあいに思います。 ○遠藤会長  関連で小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  今のケースですが、保険者としては費用負担者の立場から納得できる範囲に薬価である ことが必要だと考えております。このケースのように同じ成分の薬が既に保険収載されて いて、極端に価格差が大きい場合の薬価算定についてどういう取り扱いを行うのがいいの か薬価部会等で議論すべきではないかと思います。今のお話にありましたトレリーフにつ いては、本年2月に総会において審議されておりますが、抗てんかん薬として既に薬価収 載されているという説明がないまま、審査されております。少なくとも薬価収載の議論を するに当たっては、本ケースのような場合には備考欄等に説明を記述するなど、そのこと が分かるように資料作成をいただけたらありがたいと思いますので要望します。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。加藤委員長、どうぞ。 ○加藤委員長  私も今突然言われてちょっとびっくりしているところでございますけれども、たしか3 月ぐらいでしたか、このトレリーフというのは、これはパーキンソン病の治療薬として新 たに承認された新薬であったというように記憶していますが、慎重な検討の結果こういう 値段がついたと報告をしたと思うんですが、詳しくは事務局のほうから。 ○遠藤会長  ただいまのお話ですね。簡単に整理をしますと、要するに抗てんかん薬で既に薬価のつ いている薬の効能拡大を行って、パーキンソンを適用にしたところ、これは類似薬があれ ば類似薬価比較方式が優先されますので、そこで類似薬がけっこう高かったということで、 同じものでありながら高い薬価がパーキンソン病に適用する場合にはついてしまったとい うケースなわけです。これは読売新聞で報道されたことで、重量ベースで同じにすると1 00倍の薬価の違いがあると。1日薬価で修正すると、もっと縮小するらしいのですけれ ども。つまり一般化しますと、なにがしかの別な用途で効能拡大をして、新しい銘柄で販 売するときにそういうこともあり得るわけです。これを今後どうするかということを薬価 部会で議論する必要がないかという御提案が1つと。  それから、もう一点が薬価部会で議論したときにこれが抗てんかん薬で既にこういう薬 価がついているということの報告がなかったということで、これは事務局に対するおしか りであります。今後その辺のところが分かるようにしてほしいという要望であります。ま ず事務局でこのときの経緯が簡単に分かるようであれば御説明いただいて、その後は薬価 部会で議論するかどうかはここで御議論したいと思います。  まずは事務局、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  それでは、各委員のお手元にこの総会のドッジファイルが置かれているかと思いますが、 それの今年の2月25日と書いた青い部分の総会がございますので、そこをお開きいただ きまして、議題があって最初が医薬品の薬価収載でありますので、その資料の総−1の2 ページ、3ページに今のトレリーフ錠の算定の資料が出てまいりますので、ちょっとごら んいただければと思います。  今の会長からお話のように、これについては成分がゾニサミドという成分でございまし て、パーキンソン病の薬でございますが、もともとこの薬の開発の経緯を言いますと、も ともとこの同じゾニサミドがエクセグランという販売名でてんかんの薬になってございま す。トレリーフはこのときに収載が本年3月でございますけれども、このエクセグランに つきましては、収載が20年前でございまして、1989年の5月に収載をされているも のでございまして、抗てんかん薬として認められ、薬価改定も数多く受けて現時点では薬 価としまして100mg1錠が出ておりますけれども、これで38円50銭という価格がつ いてございます。用法用量からいきますと、最初が100から200mg投与ですが、以後 通常用量で200から400mgを投与するということになってございまして、そういった ことから計算いたしますと、1日薬価で400mg使いますと154円というような価格の 薬でございます。これ資料をごらんいただきますと、このパーキンソン病の薬はそれより もかなり価格が高いこともございまして、類似薬効比較方式で算定し、1日薬価で見ます と1,084円90銭という価格がついてございます。用量単位で見ますと、このパーキ ンソン病の用量のほうがかなり低くなってございますので、先ほどの委員からお話のよう に、同じ100mg換算でいきますと100倍以上の差がついているのは事実でございます が、1日薬価で見ますと7倍という薬価の差になってございます。  それで、これについて先ほどの小林委員からお話がありましたそういった同じ有効成分 のものが既収載のものであれば、効能効果とか投与経緯にかかわらず記載するようにとい うことについては、それは今後ちゃんと対応するようにしたいというふうには思っており ます。  会長お話のように、確かにこういったケースについて類似薬効比較方式をとらないで例 えば原価計算方式をとるかどうかということについては、ひとつ御議論があろうかと思い ますけれども、事務局なりに考えますと、なかなか解決が難しい部分もあるかなという気 持ちもございまして、悩ましいところだなというのが正直事務局としての考えでございま す。 ○遠藤会長  ありがとうございます。悩ましいというのはどういう方法で行うかということがなかな か決めがたいと、そういう意味合いでしょうか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  はい。つまり私どものほうは類似薬、ここのケースでもごらんいただきますと、塩酸セ レギリン、販売名エフピーというものがあります。類似薬は間違いなくあるんだと。ある んだけれども、こういった類似薬があっても、こういうケースは原価計算方式をとるべき だと、そういった基準をつくる必要が出てくると思うんですね。そういうケースについて 原価をとるとすれば、原価計算で算定するのがたまたまこれはかなり安く抑えられるんじ ゃないかという認識があるので、そういう議論があると思うんですが、逆に原価計算上非 常に高くなるケースもあり得るわけでございます。そういった意味で同じような患者さん に使われて、同じような効果を示すということが類似薬でございますので、そういったも のの価格と全く違う価格になってくることが逆の意味で分かりやすいかということも含め てどうなのかなと。高い場合だったり安い場合、いろいろあるということもございますの で、そういう意味でうまく算定できるルールに変えるということが悩ましい部分があるか なという意味で、私が言ったのはそういう意味でございます。 ○遠藤会長  分かりました。ありがとうございます。そのような御意見も含めまして、どういたしま しょうか。大きく価格に差が生ずるようなケースがどのぐらいあるかということにもよる のですけれども、そういうことがあったということでありますから、薬価部会でどうする かということについて議論を進めたいと思いますけれども、いかがですか。つまりルール はつくらなくても、個別に算定組織にお任せして、ここで個別にチェックをするという考 え方が結論になる可能性もあります。いろいろな考え方がありましょうけれども、どうす るかということについて議論をするかどうかということです。したらよいと私は思います けれども、何か御意見ございますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  この場でということもあるんですけれども、せっかく薬価算定組織の加藤委員長もお見 えになっていますので、私としては薬価算定組織でもんでいただいて、それをこの総会の ほうに上げていただいてはどうかなと。総会で最初から議論というのはなかなかという感 じがするんですけれども、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  分かりました。基本的なルールをつくるのは専門部会のほうであって、それを実際に実 行するのが算定組織という一応割り振りであったものですから、そのように申し上げたわ けなのですけれども、もちろん算定組織からまず最初は御意見を伺うという考え方として よろしいかもしれません。まず算定組織から御意見を聞く、それに応じて専門部会として どう対応するかを考える、このような形で対応するということでよろしいでしょうか。  では、加藤委員長、そのような形でひとつ専門部会の中でも御意見を聴取したいと思い ますので。 ○加藤委員長  きちんと討論したいと思います。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。ありがとうございます。  それでは、薬価につきましてはこれで終了したいと思います。加藤委員長におかれまし ては、長い時間ありがとうございました。  引き続きまして、医療機器の保険適用についてを議題としたいと思います。  医療区分A2(特定包括)及びB(個別評価)について事務局から報告をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料中医協総−2をごらんいただきたいと思います。  8月1日付で保険適用を開始された材料でございます。  まず、1ページ目、医科の材料でございますが、区分A2(特定包括)(特定の診療報 酬項目において包括的に評価されている区分)ということで、ごらんのとおり27件でご ざいます。  続いて、2ページ目でございますが、区分B(個別評価)(材料価格として個別に評価 されている区分)ということで、ごらんのとおり23件でございます。  以上、医科につきましては合計50件ということでございます。  続きまして3ページ、歯科でございますが、歯科について区分A2はごらんのとおり1 件でございます。また、Bについてはごらんのとおり4件ということで、歯科については 合計5件、以上、医科・歯科合わせまして今回は55件ということでございます。  なお、今回は特段御報告するような材料についてはございません。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。これもルールどおりの適用でありますけれども、何か御質問、 御意見ございますか。よろしゅうございますか。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。  引き続きまして、先進医療専門家会議の検討結果について議題としたいと思います。事 務局より資料が提出されておりますから、説明をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料中医協総−3をごらんいただきたいと思います。  今回、先進医療専門家会議から1件上がってきてございます。先進医療名としまして、 リアルタイムPCRを用いた迅速診断(単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイル ス感染症に係るものであって、免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なものに係 るものに限る)ということでございます。こちら先進医療費用としまして2万2,000 円とございますが、その隣の保険外併用療養費568万5,000円と非常に高額になっ てございます。これは免疫不全状態の患者さんのこの場合、ある膠原病なんでございます が、6カ月入院しているケースにつきまして、その治療費が568万円もかかったという ことでございますので、今回の評価対象の診断検査と直接かかわるものではないというか、 そういったバックグラウンドがあるということを御了解いただきたいと思います。総評は 適ということでございます。  続きまして、2ページでございますが、先進性のところをごらんいただきたいと思いま す。  従来の帯状疱疹及び単純疱疹の診断は、Tzanck testという細胞診の一種でございます が、これによりましてウイルス性巨細胞を証明できるかどうかということで診断を行って ございましたが、これはあくまで細胞を見るということでございまして、ウイルスタイプ の同定まではできませんでした。また、血中抗体価測定法というのは急性期、発病初期と 回復期の両方の血清を見て比較して診断するということですので、大変時間がかかるとい うことでございました。また、ウイルス抗原を直接見るモノクローナル抗体法については、 感度が非常に低いと。それぞれの検査法についてそれぞれの問題があったわけでございま すが、今回のリアルタイムPCR法を用いた検査につきましては、水泡のみならずびらん 等の診断も可能ですし、また、ウイルスのタイプが直接同定できるということでございま す。さらに所要時間が2時間半と非常に短いということで、早く正確な診断ができるとい うことで有効だということでございます。  その下の概要でございますが、こういったウイルスが免疫抑制状態の患者さんに感染し た場合、重篤な症状を来すことがあるということで、こういった迅速かつ正確な診断が非 常に重要となるということでございます。  続いて、3ページでございますが、先進技術としての適格性はごらんのように適という ことで、総評のコメントのところに書いてございますが、先ほどの繰り返しになりますけ れども、迅速・高感度で特異性の高い検出を行うということができるので、特に免疫抑制 患者における迅速診断、治療という臨床的有用性が大いに期待できるということでござい ます。  続きまして、最後の4ページでございますが、施設要件といたしましては皮膚科の専門 医をお持ちの先生がいるということで、経験年数5年以上等々このような要件というもの が設定されてございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ただいま御説明のありました内容につきまして御意見、御質問 等ございますか。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  保険外併用療養費、保険給付、今回非常に高いというのがこの検査ということよりも免 疫不全の治療費、それに要した費用だと分かりました。今回この検査を入れたことによる 保険への影響とか、ほとんどないんでしょうが、そういう形の数字とか、あるいは数字が 出ないにしても今、口頭で言われましたけれども、何らかの形で書いていただくとよく分 かるんです。全部治療費がここに載ってしまっていますので、そういう区別というか、そ の辺はできるのか、できないのか。その辺はいかがでしょうか。 ○遠藤会長  保険給付の内容を分けられるのかどうかというような御質問だと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  ただいまの御指摘の点については非常に難しいと考えてございます。特にこういった慢 性的なものにつきましては、どうしてもそういうものをある程度典型症例として書かざる を得ないということで、また、これは届け出の医療機関のほうから上がってくる症例でご ざいますので、そちらのほうで別の症例がない場合に、違った症例で出してくださいとい うのもなかなか難しくて、ちょっと困難ではないかというふうに思います。 ○遠藤会長  病気ですので、治療もすべて総合的、連続的にしているわけですから、なかなか申請者 がそこだけ分けるのが難しいというのが実態ではないか。よって個別に説明するという形 で対応したいというのが事務局の意見だと思いますけれども、よろしゅうございますか。 ありがとうございます。  ほかに御意見、御質問ございますか。  特にないようでありましたらば、説明のありました技術につきましては、保険給付との 併用を認めることについて、中医協として特段の意見はないということにさせていただき たいと思います。ありがとうございます。  それでは、次にその他ということですけれども、事務局から社会医療行為別調査の検証 に関する資料が出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございます。  資料は中医協総−4−1、4−2、4−3を使います。  既に基本問題小委に御出席の方はお聞き及びのことと存じますが、社会医療診療個別調 査とメディアスのデータの間で乖離が生じておりましたので、ワーキンググループを設置 して今データの検証を行っております。その様子を中間的に報告しようというものです。  総−4−1に書きましたように、これ基本問題小委の先生方にとっては繰り返しになり ますが、平成20年データが先般発表されたんですが、これを見ますと、社会医療とメデ ィアスを比較して大きな乖離が生じていたということです。特に入院外について乖離が大 きくなっていて、1件当たり伸び率で13.2%、1日当たり伸び率で10.3%の差が 見られたということです。そこで、この時点においても原因の一つとして人工腎臓を実施 している内科の診療所が例年に比べて多く抽出されているので、これが原因ではないかと いうことが予想されたわけです。  そこで、次の総−4−2、基本小委には7月29日に出した資料でございますけれども、 ワーキンググループを設置いたしまして検討内容等のところにありますように、社会医療 診療行為別調査とメディアスとの乖離の程度、それから原因等に関する検証を行うという 目的でワーキンググループが設置をされたわけでございまして、裏のページを見ていただ きますと、池田先生から遠藤、白石、森の4委員に入っていただきまして現在検討してい るという状況です。  その中間的な報告になるわけですが、総−4−3です。そこに丸が7つ並んでおります けれども、医科のみならず歯科、調剤についても念のため比較を行っていただきましたが、 歯科、調剤については大きな乖離は認めなかったということでした。ただし、医科につい ては冒頭に申し上げましたように、入院外で大きな乖離があった。しかも、入院外の中で は診療所でしたということです。さらに細かく見てみますと、この診療所の入院外のうち 処置の部分が例年と比較して大きく増加しておりました。そして、さらにこれを統計情報 部の協力も得まして検討したとしころ、人工腎臓の実施に伴うレセプトが大きな影響を与 えると考えられました。  この医科診療所、入院外の処置についてさらに診療科別に見ますと、幾つかの診療科で 差は出ているんですけれども、内科の処置の点数の伸びが全体の処置に影響を与えたと考 えられました。それで、これも冒頭で予測の範囲で申し上げましたけれども、その予測が ある程度裏づけられたわけですけれども、レセプト抽出状況を見ましたところ、内科診療 所において有償無償いずれにおいても、例年と比較しまして人口腎臓を算定しているレセ プトが多く抽出されていたという状況でした。  それから、これは補足になりますけれども、診療所の入院外を見てみますと、処置以外 にもリハビリテーションや精神科専門療法などが前年と比較して大きな伸びを示しており ました。したがいまして、これも念のため委員の先生に見ていただきましたけれども、そ もそものこの項目自体の点数が小さくて、いずれも全体には特段の影響を与えていないと いうことがこれは経年変化によっても確認ができましたので、この点は問題ないだろうと 思います。  いずれにしましても、検討すべきあるいは問題となっているところは医科診療所の入院 外の処置、それも人工腎臓だということになります。今検証を進めているところですが、 こういう今申し上げましたような推論、推察が正しいかどうかについては、試行的に特別 集計のような形で、例えばデータを除外してみるというような方法でもって最終的には検 証して、この問題を分析していくということになりますけれども、現状ちょっと手間取っ ております。どういうことかと思いますと、先ほど白丸の下から3つ目でも申しましたよ うに、主として影響を及ぼしているのは内科診療所なわけですけれども、細かく見ていき ますと、外科であるとかあるいはその他という区分に分類される診療所においても多少増 減があるものですから、こうしたところの調整をどうしていくのか。それから、本来平成 20年のデータがどの程度の増加だったらある程度理屈に合うリーズナブルなものだと言 えるのかということを検証するために少し細かく時間をかけて調査をお願いしているとい う状況です。  報告は以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。これにつきまして何か御意見、御質問ございますか。  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  前もお聞きしましたが、このワーキンググループでこういう調査を経年変化を見るとい うことの是非についての議論はあったんでしょうか。 ○遠藤会長  これは事務局に対してのお尋ねですか。 ○中川委員  はい。 ○遠藤会長  では、事務局、お答えください。 ○事務局(佐藤医療課長)  あったと思います。あったと記憶しておりますし、また、抽出率が今回問題になりまし たので、抽出がいいかどうかということについても議論があったと承知をしております。 ○遠藤会長  中川委員。 ○中川委員  どういう議論ですか。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  本来のミッションがこの社会医療診療行為別調査の統計の手法とか抽出のやり方そのも のについての議論ではなかったと理解しておりましたので、深い議論にはなりませんでし たけれども、今後社会医療診療行為別調査を行っていく上で、あるいはそもそもこうした レセプトによる診療行為の調査を行う上でどうすべきかということはある程度本格的な議 論という形ではありませんでしたけれども、例えばずばり申し上げますと、レセプトオン ラインのようなものが本格的に動き始めれば全数の形でデータがとれるようになりますし、 そういったところにも本質的な議論ではないとは思いますが、言及があったと理解してお ります。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ということでありますが、中川委員、どうぞ。 ○中川委員  資料の総−4−3の下の丸2つなんですけれども、例えばですよ、処置の点数が非常に 大きいからいろいろ問題だと。これを除外するといったことで検証してみると。それに対 して、例えば処置以外にもリハビリテーション、精神科専門療法等大きな伸びを示してい たが、項目自体の総点数が小さくと書いてありますね。大きく伸びているのに点数が小さ いから、それはそのままでいいと。処置は点数が大きいから問題だというのでは、これは やっぱり統計学的な手法として非常に問題になるのではないかと思うのですが、ワーキン ググループでは、その辺の討論はないのでしょうかね。 ○遠藤会長  これはだれがお答えしましょうか。 ○中川委員  できればワーキンググループ。 ○遠藤会長  私もメンバーなのですが、白石委員が委員長ですが、どういたしましょうか。私がお答 えするか、委員長からお答え。  では、私からお答えします。ここに書かれている内容は、結局のところ最終的に点数が 診療所外来は非常に大きくなっているということについての分析ということでやっている わけでありますから、比率で見れば対前年で大きく変化するものはあるのですけれども、 そもそもの金額そのものが小さい場合には、最終目的からするならば、なぜ変動があった のかという原因を追及しても余り意味がないわけです。多い点数のところの変化を見るの が効果的だろうということで、そこに絞っているということです。ですから、厳密に言う ならば、一定範囲で変化しているすべての行為を見なきゃいけませんけれども、それなり の努力をしても、結果として最終的な点数の差には余り大きく影響しないことはもう分か っているわけですね。したがって、この部分については議論の対象にしていないというこ とをここで書いていると、そういうことなんです。 ○中川委員  すみません、私の言いたいのは社会医療診療行為別調査の意義を拡大しすぎていると思 うんですよ。そもそもやっぱり経年変化には適さないものだと思っています。それを対前 年同月比など、いろんな分析をして、事務局から当初公表してしまったことがいろんな波 紋を呼んでいるわけですからこの辺のところはやっぱり原点に立ち戻って考えるべきでは ないかなと思います。 ○遠藤会長  御主張はよく分かっております。と同時に、またその御議論は総会なり何なりで御意見 をいただければと思います。このワーキンググループのミッションは、そこまでのミッシ ョンはないわけでありまして、今回不連続な変化があるので、その原因は何かというとこ ろを探れということがミッションだったものですから、そのレベルのことしかやっていな いということであります。よろしいですか。  ほかにございますか。よろしいですか。  ありがとうございます。それでは、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。次回 の日程等につきまして、事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  9月中旬を予定しております。詳細は決定次第、また連絡はさせていただきます。よろ しくお願いします。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)