09/08/10 第3回 慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会議事録 第3回 慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会 議事次第         日 時:平成21年8月10日(月) 10:00〜12:00         場 所:厚生労働省 共用第7会議室 1 開 会 2 議 事   1.慢性疾患対策の更なる充実に向けて(取りまとめ)   2.その他 3 閉 会 照会先:健康局総務課生活習慣病対策室(内線2971)     健康局疾病対策課(内線2981) ○生活習慣病対策室長 それでは、定刻となりましたので、第3回「慢性疾患対策の更なる充実 に向けた検討会」を開催させていただきたいと思います。  委員の皆様方には、本日、天候の悪い中、また、御多忙の折、お集まりいただきまして、あり がとうございます。  本委員会の委員の出席状況でございますが、福井委員がまだこちらにお見えになってございま せんけれども、ほどなくお見えになる予定でございます。  また、事務局の方からは、このたび人事異動がございまして、私どもの疾病対策課の岩崎課長 から難波課長に代わりました。 ○疾病対策課長 どうぞよろしくお願いいたします。難波と申します。 ○生活習慣病対策室長 そして、生活習慣病対策室も関から、私、木村に代わりましたので、今 後ともひとつよろしくお願い申し上げます。  それでは、以後の進行につきまして、久道座長の方にお願いしたいと思います。 ○久道座長 それでは、よろしくお願いします。本日の会議は第3回目でありますが、この検討 会設置の際に事務局より話がありましたように、今後の検討の方向性を明らかにするための本検 討会はこの3回目で終わることになっております。  本日は「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」の検討概要(案)という形で、今までの 意見を系統立てて列記したものにしたいと考えております。  それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○生活習慣病対策室長 承知いたしました。  それでは、まずお手元に、記事次第、座席表。  資料1といたしまして「『第2回慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会』における主な論 点やご意見(案)」。  資料2といたしまして「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会検討概要(案)」がそれぞ れお手元にあろうかと思います。もしなければ事務局の方までお申し出いただければと思います。 いかがでございましょうか。 ○久道座長 それでは、早速議事に移りたいと思います。  資料1については、前回第2回で皆様からいただいた御意見や論点をまとめたものになってお ります。委員の方々の意見が反映されていないということなどがありましたら、御意見いただけ ますでしょうか。前回の検討会での御意見です。ないようでしたら、これは確定ということにし たいと思います。  次の資料2は、前回までの論議を踏まえまして、検討概要(案)という形で、主な意見を列記 したものになっております。事務局から説明をお願いいたします。 ○生活習慣病対策室長 それでは、資料2について御説明申し上げさせていただきたいと思いま す。  資料2は委員の皆様方の前回までの御議論を基に、当検討委員会の最終に当たりまして、整理 させていただいたものでございます。検討会では通常、最後に当たりましては、検討会の報告書 のような形でとりまとめるために、報告書(案)のような事務局作成の書類を御議論していただ き、とりまとめさせていただく場合が多いようでございますけれども、今回の検討会におきまし ては、委員の皆様方の御議論を踏まえまして、今後のさらなる検討の際の議論における方向性を 与えるということが目的でございます。  したがいまして、当検討会におきましては、報告書をまとめるという形はあえて取らずに、今 までの議論の整理を図りまして、今後のさらなる具体的な検討の際の指針となるべき議論の方向 性を示すものとしての検討会の検討概要という形で、前回までの議事進行メモを拡充整理するこ ととさせたところでございます。  各委員の御意見の列挙と報告書との中間のような形で、慢性疾患対策のさらなる充実に向けま して、今後のさらなる具体的な検討を行うに当たっての議論の方向性を与えるものになるという ことを期待しているものでございます。  それでは、検討概要(案)の内容について、御説明申し上げさせていただきたいと思います。  項目といたしましては、これまでの検討会で御議論をする際に、その時点での議論のまとめと して用いておりました議事進行メモの項目立てと同じ形で対応させていただいております。検討 概要(案)の全体をまず眺めていただければと思いますけれども、章立てとしては6項目からな ってございます。  「1.国民生活と慢性疾患」「2.施策の現況」「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」「4.体系 的な施策展開の必要性」「5.対策の充実を検討すべき疾患・領域の具体例」「6.まとめ」と いう形を取ってございます。全体で5ページ程度の分量のやや簡潔な量の記載という形になって ございます。  1ページ目に戻っていただきまして「1.国民生活と慢性疾患」について御説明申し上げたい と思います。まずこの1でございますけれども、この部分は本検討会の開催の背景について記述 しているところでございまして、いわばこの検討概要の導入部分に当たっているところでござい ます。  上から1つ目と2つ目の○におきまして、近年の急性疾患から慢性疾患への疾病構造の変化に よって生活習慣病を始めとした慢性疾患の増加に伴い、慢性疾患に罹患し、日々生活している人 が我々の身近に少なからず見かけるようになってきたということ。それに伴って、日常生活にお ける健康管理を始めとする病状のさまざまな段階に応じて総合的な対策を図ることが、より必要 となってきている旨の現状を記載させていただいております。  これらのところにつきましては、前回の検討会におきまして、議事進行メモの記述を検討会開 催の背景がより明確になるようにとの委員の方々の御発言等がございましたので、それに伴いま して、この内容をより充実させて、このような形で対応させていただいたものでございます。  次に上から3つ目と4つ目の○でございます。ここにおきまして、当検討会の主要の論点とな りました痛みにつきまして、国民生活基礎調査における頻度の高い自覚症状としての位置づけ、 また米国における痛みに対する取組みにつきまして、検討会の中で紹介されました事柄を引用し て記述させていただきました。これによって議論の導入につなげていく形にいたしてございます。  一番下の○でございます。ここは世界保健機関WHOの統計や活動の紹介を通じまして、慢性 疾患の中でも特に非感染性疾患の増加が今後より懸念されるといったようなこと。また、2ペー ジの一番上の○になりますが、糖尿病を始めとします生活習慣病は、慢性疾患の中でも大きなウ ェートを占めている点について、記述させていただいております。  しかしながら、これらの慢性疾患は非常にその種類が多いという特徴もございまして、それぞ れの疾患に伴う支援のニーズも多様でありますことから、一律的な疾患対策は困難である旨の前 回の検討会での進行メモのサマリーの部分を引用させていただきまして、議論の導入部分の締め くくりとさせていただいているものでございます。  以上が「1.国民生活と慢性疾患」についての中身でございます。  次に「2.施策の現況」についてでございます。1つ目の○でございます。まずは施策の現況 としまして、医療の制度面について触れさせていただいております。  2つ目及び3つ目の○のところにおきまして、本検討会の議論の中心となります2つのテーマ、 すなわち慢性疾患の中で現在、結果として、ほとんど系統的な施策が行われていない疾患につい てと、もう一つのテーマでございます慢性疼痛に対する施策の現状についてをそれぞれ記述させ ていただいております。  具体的には2つ目の○におきましては、慢性疾患に対する施策の有無の観点から、疾患領域を 見てまいりますと、施策としての取組みがある程度進んでいる疾患領域と、必ずしもそうではな い疾患領域があるという認識を示させていただきまして、慢性疾患の中である程度系統的な取組 みがなされております生活習慣病や難治性疾患などの疾患と、これらに該当せず、かつ受診率な どが高い疾患である筋骨格系及び結合組織の疾患ですとか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など があることにつきまして、記述させていただいております。  もう一つの観点といたしまして、受療頻度が高い疾患に共通する課題であって、当該患者のQ OLに少なからず影響を与えている慢性疼痛につきまして記述しており、この慢性疼痛につきま しては、全人的な対応アプローチが現在ほとんどなされていないといった旨の記述をさせていた だいているところでございます。以上が「2.施策の現況」についての記述でございます。  次に2ページの下にあります「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」についてでございます。この項 目におきましては、慢性疾患の全体像を俯瞰する際の方法論を記載させていただいているところ でございます。また、この項目では、既に前回の検討会までにかなり内容が詰められておりまし て、前回の進行メモの中でもやや詳しめにポイントが述べられておりますので、本検討概要にお きましても、その記述を踏襲させていただいているという形になってございます。  2ページ目の一番下の○でございます。まずは慢性疾患の全体像の中で、疾患や問題領域とな る重要分野を明らかにしていくということ。そして、これまで取られてきた施策の濃淡というこ とについても考慮に入れて検討するといったことを記載させていただきます。  3ページの一番上の○と、その次の2番目も併せてでございます。ここで対策の重要性を判断 する際には、死亡原因、受療状況、医療費、更にはQOLへの対応といったことなどを考慮しま して、総合的に判断する必要があるということ。  そして、重要分野に関しましては、系統を立てて総合的に今後検討していく必要があるといっ たようなこと。その重要分野の検討に当たりましては、適切に検討を今後とも重ねていく必要が あることもこの中で記載させていただいているところでございます。  以上が「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」の内容でございます。  次に「4.体系的な施策展開の必要性」についてでございます。この項目におきましては、体 系的な施策の展開の必要性を具体的に記述することによりまして、施策展開に関する今後の更な る検討に当たっての方向性、検討する際の視点といった内容を列記することによって、今後の施 策展開の具体事項に供していこうということをねらって記載させていただいております。  これらの項目につきましても、前回の検討会で議事進行メモの中でそれまでの議論の要点が比 較的わかりやすくまとまって記載されておりましたので、基本的にはこれらに記述を踏襲しなが ら、それらに肉付けを図った形で対応させていただいております。  4の1つ目の○でございます。慢性疾患の中で糖尿病対策などのように、既に現在、施策があ る程度取られている疾患領域にありましても、まだ不十分な面がないかどうか、十分検討してい く姿勢を持つことが必要であるということを記載させていただいております。  2つ目の○につきましては、検討した結果、重要分野と考えられるものの取組みが系統的にな されていない領域につきましては、当該領域に関する情報へのアクセス、QOL向上のための患 者のニーズにいかに答えていったらどうかという視点を持って施策を検討していくこと。  3番目と4番目の○におきまして、科学的根拠、いわゆるエビデンスや国際的な施策の動向と いったものにも留意を払っていく視点が必要であるということ。また、それらの施策の評価も非 常に重要なことであるといったことを記述させていただいております。  しかしながら、実際に行われておりますことと科学的なエビデンスとの間には、往々にして異 なる場合もありますことから、このような際にも留意して、施策を見直しながら進めるといった ことについても記載させていただいております。  3ページの最後から4ページにかけての○でございます。ここではさまざまな当事者が当事者 間において連携や協力を行っていくことの大切さをより具体的に記載させていただいておりま す。すなわち既存の社会、医療資源の活用を視野に入れながら、慢性疾患と向き合う個々の患者 を中心に据えまして、家族や医療機関ばかりでなく、患者会や学校行政、メディア、更にはNP Oや企業といった多種多様な関係者、関係機関が主体的にそれぞれ関与し、社会全体で個々の患 者を支えていくといった視点が必要であることを記載させていただいております。  更にその2つ目の○、また3つ目の○にも関連しますけれども、これらの視点を踏まえました 施策の検討の結果、患者自身が自ら取り組むことのできるガイドラインなども含めましたエビデ ンスに基づいた今後の先進事例となる患者支援のモデル体系といったものも今後具体的に示して いくことの必要性を記載させていただいております。  以上が4についての内容でございます。  次に4ページの真ん中にございます「5.対策の充実を検討すべき疾患・領域の具体例」につ いてでございます。ここの項目につきましては、特に対策の充実を今後検討すべき疾患領域の代 表事例といった形で記載させていただいております。  先ほど「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」において御説明申し上げましたように、ここに記載さ れております手順で、対象の重要分野を今後より詳細に検討していくわけでございますけれども、 現時点で本検討会の中で議論をされた重要分野には筋骨格系及び結合組織の疾患、慢性閉塞性肺 疾患(COPD)などは少なくとも該当していると考えられますので、また別の切り口から、患 者のQOLに少なからず影響を及ぼします慢性疼痛についても、今後検討していくことが求めら れておりますことから、これらを具体例として記載させていただいているところでございます。  しかしながら、今回はあくまで代表事例という形で記載させていただいておりまして、今後こ れらの代表事例の詳細のどこまでの範囲をしていくか等につきましては、また今後検討会を新た に立ち上げさせていただきまして、より詳細に検討させていただきたいと考えているところでご ざいます。  以上が全体の今までの検討概要の中身でございまして、これらをまとめたものが4ページの終 わりから5ページにかけての「6.まとめ」という形で対応させていただいております。したが いまして、先ほどの中身のエッセンスとも言うべき形で記載させていただいております。  1つ目の○でございます。慢性疾患はいまや身近な存在となった結果、日々の生活の中での健 康管理を始め、病状の段階に応じた総合的な対策の必要が増加してきているということに触れさ せていただいております。  2つ目の○におきまして、慢性疾患の発症予防から合併症対策に至るまでの一連の過程におけ る総合的な対策の視点。それらの知識の普及、保健医療サービスの質の向上の大切さといったも のについて、触れさせていただいております。  多種多様な関係者、関係機関が主体的に関与することによって、慢性疾患で悩む患者を社会全 体で支えていくといったことの大切さとして、それぞれの関係者の役割をより明確化して、施策 実施のための体系化を図ることなどの環境整備を国としても行っていくことの必要性を記述させ ていただいております。  5ページの1つ目の○のところにおきまして、慢性疾患の中にありまして、系統的な取組みが なされていない疾患の代表事例として、筋骨格系及び結合組織の疾患、慢性閉塞性肺疾患(CO PD)を挙げまして、これらの疾患を有する患者のニーズに応える視点からの今後のさらなる検 討の必要性を記載させていただいております。  その次の○におきまして、受療頻度の高い疾患に共通する課題であります慢性疼痛につきまし ても、全人的なアプローチの必要性を記載させていただいているところでございます。  3つ目の○でございます。ここにおきまして、既存の施策対象となっております糖尿病などに おきましても、その重症化や合併症によりQOLが低下しましたり、場合によっては死亡すると いったことも少なからずありますことから、これらの疾患に対する一層の施策の展開や関係機関 の連携などの必要につきまして、記載させていただいているところでございます。  以上が全体のまとめでございます。更に一番下の○で、ここは通常の報告書風に言えば、終わ りに当たる項目に相当するところでございますけれども、本検討会の議論の結果、明らかになり ました今後の検討の視点とか方向性を踏まえまして、更に詳細な検討が今後行われることを期待 する。  そのような一連の検討を通じまして、多様な慢性疾患を抱えるそれぞれの患者さんのニーズに きめ細かく応えることができるように、社会全体で取り組む意識の醸成と、その基盤づくりの実 現に期待する内容を結びの記述とさせていただいているところでございます。  以上が本検討会の検討概要(案)の全体内容でございます。繰り返しになりますけれども、本 検討会は慢性疾患の対策のさらなる充実に向けまして、今後詳細に議論をしていく際の議論の視 点や施策の方向性を明らかにするということが一応の着地点と考えてございまして、言わば今後 の議論の入り口に当たるということでございますので、検討会の報告書という形態をあえて取ら ずに、本検討会の御議論の要点を、前回までの検討会でその都度まとめていただきました議事進 行メモの骨格というものを踏襲して、要点を箇条書きに列挙して記載した形を取らせていただい ているものでございます。よろしく御検討のほど、お願い申し上げます。  資料2につきましては、以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございました。今、説明がありましたように、この検討会でまと める検討概要(案)で、この資料2に記載されているとおりですが、皆様から各項目ごとに意見 がまだ載っていないとか、あるいは皆様の考え方から見て、どうもこれはおかしいということが ありましたら、また修正をすることになります。これは事務局とやり取りは一とおりしていまし たね。 ○生活習慣病対策室長 はい。 ○久道座長 委員の方々もごらんになっていると思いますが、なおここで一つ御議論いただきた いと思います。  それでは、最初の項目の「1.国民生活と慢性疾患」。これは○が7つございますが、1ペー ジから2ページの上の方にかけての項目です。何か御意見はございませんでしょうか。いかがで すか。  各項目ごとにやりますけれども、また思い出したら振り返ってやりますので、そのときに御意 見を頂戴したいと思います。  それでは、2ページの「2.施策の現況」。慢性疾患に対する現在の施策の状況について、こ ういう認識でいるということが記載されているわけですが、いかがでしょうか。どうぞ。 ○池田委員 医療制度について書かれていますが、いわゆる高額療養費といった、要するに長期 に高額の薬剤などを使うような方に対して一定の補助があるということとか、あるいは特定疾患 の領域に関しても日本は非常に充実した制度がありますので、そういったものについても言及を されてはどうかと思います。  ただ、それが今、十分であるかどうかという問題がまた後で議論されなければいけないと思い ますが、そういうものもあるということの紹介も入れてはどうかと思いました。 ○久道座長 入れるとしたら、どこでしょうか。 ○池田委員 医療制度のところに国民皆保険のことが書いてございますが、特に難病とか高額の 支払いを必要とするものについては、そうした手厚い制度があるということも記載してはどうか と思いましたが、いかがでしょうか。 ○久道座長 この○の1つ目ですね。今回は検討会の最後ですが、報告書あるいは提案書という 形でまとめるわけではないですが、検討概要ということで項目を立てて記述しておく必要がある のですが、池田委員から、こういう文言にしたらどうかというのをおっしゃっていただくと非常 にありがたいです。 ○池田委員 考えておきます。せっかくこうした制度があることの紹介ですので、、特に慢性疾 患といったものに対しての手厚いものが基本的にあるということを、関連で記載してもいいので はないかと思いました。 ○久道座長 それは理解できます。事務局で考えてください。 ○生活習慣病対策室長 わかりました。また座長と御相談させていただきまして、内容について は考えさせていただきますが、基本的にはこの中に盛り込む方向で対応させていただきたいと思 います。 ○久道座長 できることであれば、ここでもう決めてしまいたいと思います。ですから、案があ れば、後でまた言っていただき、その表現を入れてほしいのです。 では、戸山委員。 ○戸山委員 この「2.施策の現状」ですけれども、例えばここのところの○の一番上のところ には制度が書いてありますが、国の方としては、例えば「健康日本21」とか新健康フロンティア という形で動いているのもあります。特にそれがまだ終わっていないので、こういう形で少し動 いているのですよということをここに入れておくかどうかということが1つ。  先に戻って1ページのところで、これは議事として、しっかり残る形になるのでしょうから、 ○の4つ目のアメリカのデータで、社会的損失が年間約9兆円と書かれていますけれども、たし かこれはスライドを見て、650億ドルとか700億ドルでしたね。その当時に換算してか、兆円がど うなのかということは、数値ははっきり正確なものを載せた方がいいと思います。 ○久道座長 最初の項目に戻ったのは、数値の確認をしていただくということ。それから「2. 施策の現状」のところで、国の制度としてのいろいろな医療保険制度、あるいは健康増進疾病予 防対策の制度、「健康日本21」とかですね。そういうことについての記載をする必要があるかど うかという御意見だったと思うのですが、いかがでしょうか。  この件は事務局から何かありますか。ここに書かなくてもいいのか、あるいは書いておいた方 がいいのか。 ○生活習慣病対策室長 確かに慢性疾患とのつながりをより明確にさせるために、記述自体はさ せていただきたいと思っております。今のところ事務局の案としては、特に高額な支払いを必要 とする場合には、高額療養費や特定疾患等の政策があるといったような内容のものを盛り込ませ ていただければと考えております。 ○久道座長 それは池田委員からの意見に対する表現の仕方ですね。今の戸山委員からの意見の いわゆる制度の記載ですね。それはどうしますか。 ○生活習慣病対策室長 「健康日本21」につきましても、ここは医療費のところでは少し入りに くいところがございますので、前段の「1.国民生活の慢性疾患」の中で特に3つ目と4つ目の ○の間のところに「健康日本21」のような、いわゆる予防的な活動も行っているという記載を入 れさせていただくことで対応させていただければと思います。 ○久道座長 その方が入りやすいですね。戸山委員、今のはどうですか。1項目の方がいいので はないでしょうか。 ○戸山委員 結構です。 ○久道座長 ほかにいかがですか。どうぞ。 ○葛原委員 私は初めて出席したので、中身について御質問です。「2.施策の現況」の2つ目 の3行目の難治性疾患が書いてございますが、これは現在のいわゆる厚生労働省で言っている難 病のようなものを指していらっしゃるのかどうかということが1つ。  もう一つは、ここにいろいろな病気が並んでいるのですが、例えば加齢性の認知症とか、そう いうものはこの中には含まれていないのかどうかについて、既に検討しておれば教えていただき たいです。 ○久道座長 どうぞ。 ○疾病対策課長 難治性疾患の中には難病等も含んで考えております。 ○葛原委員 例えば認知症とか、個々には脳卒中とか脳血管障害とか、いろいろなそういう病気 とか、あるいは結合組織の病気でも多分これは骨粗鬆症が関係したようなものが入るのではない かと思うのですが、要するに治りにくい病気、慢性疾患というのは脳の加齢などの病気も入って いますので、そういうものは慢性疾患という中に含まれているのかどうかということについての 御質問です。 ○生活習慣病対策室長 この切り口にもよるわけですけれども、ここで私どもが出しているのは 生活習慣病といったことで、ここで脳卒中とかそういうのが入ってきます。その中には日常的な 症状のようなものも含んで、今のところは考えて、この中に記載させていただいてございます。 ○健康局長 縦割りで申し訳ないのですが、認知症は老健局の方がこれまでに相当議論をされて いまして、去年にも報告書が出ています。勿論その境界領域のところは私どもとして書き込んで も何の問題もないので、そういう仕分けを前提に少し書き込めるかどうかを、書けばいいという ことだけですが、どういうふうに書くかということについて、少し検討させていただければと思 います。 ○久道座長 ほかにございませんか。よろしいでしょうか。  それでは「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」ということで、2ページの終わりから3ページの上 段。ここの記載はどうでしょうか。どうぞ。 ○辻本委員 このたびの報告が漠としたものであるということは十分承知の上ですけれども、や はり国民、患者の立場としては、こうした疾患を抱えて日々悩んでいる人にとって、何とかして くれるという期待をどうしても膨らませてしまう部分だと思います。しかし、医療の持つ限界や 不確実性ということを共通認識していくというような、ある種の患者側の覚悟みたいなことも、 厳しいようですけれども、やはり明確にすることが患者と医療者が同じ座標軸に座れることにつ ながるのだと思います。  私たち患者、国民は、半分はわかっていても、頭のどこかで国が何とかしてくれる、医療が何 とかしてくれるはずだという漠然とした期待感を捨て切れずにいるのが現実だと思います。しか し、現実にはどうにもならない部分もあるのだと思います。社会全体でと美しい言葉がたくさん 出ていますけれども、具体的にそれをどういうふうに社会全体で支えていってくれるのか。  そういったことをせめてもう少し明確にしていただき、その中には患者の私たちも、引き受け るべくは引き受けなければいけないのだというような覚悟を持った、次の一歩二歩が歩み出せる ような勇気を支えてもらえると感じられる、そういう内容のものもきちんと示していただくこと が3の中には必要ではないのかなということを、全体を読ませていただいて感じました。是非御 検討をいただきたいと思います。 ○久道座長 今、辻本さんから出た意見は、私は余り聞いたことはないですね。患者の覚悟とい う表現をしましたけれども、いろいろな施策を考えるときに、例えば国の責任とか地方自治体の 責任とか医療者の責任、そして住民の責任という言葉はよく出るのですが、患者の責任というか、 患者の覚悟みたいなことは余り聞いたことがないです。今、ああそうかと思ったのですが、患者 さんに対する表現としては、覚悟という表現は厳しいような気はしますが、辻本さんが考えられ て、適当だと表現できるような言葉があれば、ここに入れたいと思いますので、辻本さんに考え ていただきたいと思います。時間を取っていただいて結構ですので、考えておいてください。お 願いします。 ○辻本委員 わかりました。 ○久道座長 今のことについて、何か御意見はございませんか。どうぞ。 ○池田委員 今、言われたことは大変重要なことだと思いますが、例えば3ページのところに「当 該分野に関する情報へのアクセス」という表現がございます。患者さんにそういった医療の不確 実性、限界、対応ができるかどうか、エビデンスというものをこの情報という中に関連づけて考 えることもできるのでしょうか。医療の限界、不確実性も含めて正しい情報を持つと、そんなよ うな考え方でよろしいですか。 ○辻本委員 かつて患者には情報がなく、期待だけ膨らませて幻想を抱いていたというのが現実 でしたが、最近はインターネットなどでいろいろな情報が患者にも入るようになりました。  ただ、情報が入るようになって気づいたことは、情報がありさえすればハッピーになれるとい うことではないのです。その情報をどうかみ砕いて、しかもその情報の必要な部分をどういうふ うに利用活用していくか。そういったことを一人ひとり患者が理解して納得してという、そのプ ロセスが必要です。そのプロセスに人がどう関わってくれるか、医療がどう関わってくれるか、 国がどう関わってくれるかというようなことが必要で、情報さえあればいいんですねという形に なってしまったら、突き放された気分になってしまうと思います。  さっき覚悟ということが患者にとっては厳し過ぎるというお話でしたが、私も患者の立場であ りながら、そういう言葉をあえて申し上げたのですが、覚悟というよりも納得と置き換えた方が いいかなと瞬時に思いました。納得に至るためには、賢く妥協しながら、賢く諦めながら、それ でもなお一緒に考えてくれる人がそばにいて、溢れる情報や複数の治療方法の中でもより納得の できる賢い選択ができるような支援の仕組み、そういったことが必要だなと。ですから、情報だ けではないというようなことは明らかにしておいていただきたいと思います。 ○久道座長 今の情報に関するところは第4項目ですので、また議論いたしますが、辻本委員に は今のようなお考えを「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」のところで入れるようにしたいと思いま すので、お願いいたします。  ほかに何かございませんか。第3項目です。よろしいでしょうか。  それでは「4.体系的な施策展開の必要性」で、これは3ページから4ページです。どうぞ。 ○内田委員 慢性疾患対策ということを考えますと、この4の体系的な施策展開というところで は、是非一次予防の重要性について触れる必要があるだろうと思っています。ここに書いてあり ますのは、既にでき上がった患者さんに対する体制整備といったようなことが中心になっている ように思いますが、慢性疾患ということを考えますと、喫煙であるとか飲酒であるとか、あるい は運動習慣であるとか食習慣であるとか、そういったところの一次予防という視点が非常に重要 になってくると思っております。  これは生まれたときからの対策ということで、行政的な立場から言いますと、縦割りになって 学童期の教育というのが全く抜けてしまいますので、そこを是非盛り込んで系統的に取り組むと いうものを入れていただきたいと思います。  特に今後の対策の中で、文科省や総務省といったところの関連省庁も入っていただくことによ って、問題意識も共有していただけるし、体系的な対策が立つというふうに向かっていくと思い ますので、是非そこのところの文言を加えていただければと思います。 ○久道座長 よろしいですね。 ○生活習慣病対策室長 まさにその点については了解しております。ただ、4ページの1つ目の ○のところで、さまざまな視点を踏まえた検討の結果ということで、疾患の発生予防から早期発 見といった一次予防のところも、やや抽象的な表現ではございますけれども、視野に入れて、こ れをやる必要があると。今までの疾患だけではなくて、疾患の発生予防のところにも重点を置く 必要があるということを一応書かせていただいてはおります。  3ページの一番下の○のところで、いろいろなセクターがかかっていく中には、学校という1 つの重要なセクターもあるだろうということで、そういう認識の中で、ここについても書かせて いただいておりますけれども、表現的なところは更にもう少し膨らむような形で対応させていた だきたいと思います。 ○久道座長 それはお願いします。どうぞ。 ○戸山委員 一次予防は私も大事だとは思いますけれども、例えば「健康日本21」はどちらかと いうと啓発啓蒙で、食事からたばこからいろいろなことをやりましょうというのがかなり盛り込 まれてあったわけです。私の理解は、今までやってきた中で、まだ足りないよというものを拾い 上げて、それを健康増進とか国民の健康につなげようということで、そうであれば、少し住み分 けをしてもいいのかなと。何でも入れてしまうと物すごく広くなりますね。それはには意見があ ります。 ○久道座長 その点はいかがですか。 ○生活習慣病対策室長 確かに今回のは一次予防を主体にやっているわけではなく、川の流れか ら言いますと、やや中流から下流に向けての部分で、まずは慢性疾患になった方々に対して、ど のように社会全体でサポートしていくかというところがこの議論の中心ではありますけれども、 先ほど一次予防のところについても全く触れないという整理の中では、そこのところについても 触れて、上流のところもしっかりやりましょうというところも、この中では記述させていただけ ればと思っています。 ○久道座長 どうぞ。 ○内田委員 私も医師会でこの慢性疾患、生活習慣病対策を3年ほど担当しておりますが、今、 一番欠けているのは、私は一次予防に対する系統的な取組みが不十分だという認識でいますので、 ここは是非取り込んではいただきたい。個々の疾患に対する対策であるとか、でき上がった方に 関する難病対策とか特定疾患対策、あるいは糖尿病対策とか、さまざまな施策は個別には行われ ていますが、根幹になるところを中長期的に考えれば一番重要になってくるのではないかという 視点も盛り込む必要があるということです。 ○久道座長 一次予防という表現も是非入れた方がいいですね。こういった疾病の発生予防から ということだけではなくて、その方が強調していいのではないでしょうか。  ほかにいかがでしょうか。井伊委員。 ○井伊委員 前回の議論の中でも、地域住民の参加とか患者さん自身の参加とか、そういう話題 があったと思いますが、4の施策の中で3ページの一番下に、幅広くメディアとかNPOとか企 業など、さまざまな人たちが参加するんだという表現があります。  それから、1個飛ばして4の一番最後に「患者が自ら取り組むことのできる内容を記したガイ ドライン等により」ということで書かれているので、これで既に表現されているのかなとは思い ますが、先ほど辻本委員がおっしゃったこととの関連でもあるかと思いますけれども、患者さん たちの主体的な取組みといいますか、ガイドラインをつくるにしても当事者がそこにどのくらい 参加をして、自分たちを助けるための内容を入れていくかということが重要ですし、慢性疾患は 与えられるだけではなくて、自分がどこか主体的にこのことに取り組んで、同時にそれは社会的 な発信も必要になったりするだろうと思います。  そういう患者さんの主体的な取組みについて、これがちゃんとサポートされるような施策であ るべきなのだろうと私は思いますけれども、そのことが3ページの一番下と4ページの一番最後 のころで含まれているのかどうかというのは、ちょっと疑問です。全体のニュアンスとしては、 患者さんというのはあくまでも受け身で、立場に立ってもらって何か与えられるという書きぶり なのではないかと思ったりします。  ですので、最後のところに、自ら取り組むことができる内容を示したガイドラインと同時に、 患者さんたち自身がこうしたことに対して主体的に取り組む活動をサポートするという表現を加 えていただければいいのではないかと思いました。  それと同時に、一般の人々に対して理解を深めるような施策ということについても、3ページ の最後の啓発だけでいいのかというのが、ちょっと疑問だなと思いますので、それも含めて、患 者さんたちの主体的な取組みがサポートされる施策というのをはっきり明記していただきたいと 思います。 ○久道座長 今のところは、患者さんの主体的な取組みの表現を最後の○のところに入れるとい う御意見。最後の啓発のところは、場所はどこでしたか。 ○井伊委員 啓発のことは書かれているので、それはそれで結構ですけれども、漠然とした啓発 ではなくて、実があることにするには、患者さんたちの発信ということが重要だと思いますので、 そういう意味でも患者さんたちの主体的な取組みがきちんとサポートされるべきであるという言 葉が必要かなと思いました。 ○久道座長 事務局、文案をつくれますか。 ○生活習慣病対策室長 もともと4は3ページから4ページの頭のところまで、前回の御議論の 議事メモをそのまま、あるいはそれを少し核にした形になっていまして、その後の2つの○が以 後の議論のことも加味して追加させていただいたという構成になってございます。  前回までの御議論を見ますと、どちらかと言うと患者さん自身というところは大前提としなが ら、それをいかにサポートしていくかというサポートの仕方の部分がかなり御議論の中心であっ たかのように思ってございまして、そういう観点から3ページの物の見方が、いかにその患者を みんなで支援していくかといった論点からの書き方になっているかと思います。  確かに今、申しましたように患者自身の自発的な取組みのところからの視点といったものも、 最後のところもございますので、少し加えさせていただきたいと思います。 ○久道座長 岡村委員、どうぞ。 ○岡村委員 今の部分と関わってくるのかもしれないのですが、ガイドライン等というところで、 これは等の中に含まれているかとは思いますけれども、予防ということを前提にすると、これは 主語が患者になっていますね。患者だったら、当然それはガイドラインから入っていくのですけ れども、どちらか言えば予防になると、患者の前の人も含んでいく表現になるので、例えばここ は主語が国民くらいになるのかなとは少し思ったところです。  文言としては全然問題ないのですけれども、ガイドラインというのは結局、診療用のものとか、 保健従事者用のものとか、国民自身がセルフヘルプでやるものとか、幾つかのものがありますの で、そこのところを明記しておいた方がいいのかどうかも勿論あるのですが、一番聞きたかった のは、最初からもう患者のところからスタートしているのかなというのが、ちょっと気にはかか りました。 ○久道座長 先生は「患者」を「国民」とした方がいいという御意見ですか。 ○岡村委員 はい。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○押野委員 今回のまとめの中で、3ページの一番下ですが、そこに患者会、学校、メディア、 企業とか、これまでにない団体が入っているというのは、私は一つ評価したいと思います。この 慢性疾患対策をこの次に実際に具体的に進めていくときに、文科省とか企業とどう連携するのか というところが非常に大きな議題になるだろうと思いますけれども、これは明確に挙げていくと いうことは、今回の非常に前向きな姿勢かなと思いました。  4ページに入って、実際にこれを私たち日本栄養士会がこの報告書を受けて、団体として何が できるのかということを考えみたときに、今、私たちが進めている栄養ケアステーションが本当 に先進事例になるのかとか、支援モデルになり得るのかということを考えたりもしました。  そして、ガイドラインの作成については、国はこれまで予防にウェートをかけた疾病対策をし てきているわけですが、慢性疾患対策として、どのようなガイドラインをつくるかというところ に視点が当たったときに、私たち専門職は、どんな関わりができるのかということも考えました。  慢性疾患対策を疾患別に見たときに、一次予防でどうするのか、重症化予防でどうするのかと いうことを対象者別につくることが可能なら、そういうふうにしていくことがいいのではないか と思いました。つまり、一次予防があって、二次予防があって、そして合併症対策までのガイド ラインを疾患別につくっていくことが必要なのかなと思いました。  もう一点、これは今後に対する要望になろうかと思いますが、これを本当に具体的に進めてい っていただきたい。予算のためにこの3回で検討会が終わるのではなくて、先ほど木村先生がお っしゃったように、これを機にして、入り口にして、進めていっていただきたいということを強 く要望したいと思います。 ○久道座長 今後の詳細な検討が引き続き行われるようにという記載は、一番最後のまとめのと ころにもあるのですが、それをもう少し強く表現したいということですね。 ○押野委員 はい。 ○久道座長 あとでまとめのところに行きますので、考えておいていただけませんか。  ほかに第4項目でございませんか。なければ「5.対策の充実を検討すべき疾患・領域の具体 例」という項目です。2つの○がございますけれども、ここはいかがでしょうか。どうぞ。 ○内田委員 資料を配っていますので、ほかの方の発言をどうぞ。 ○久道座長 内田委員の資料を今、配っていますが、何か別の方でほかに御意見はございません か。どうぞ。 ○柴田委員 私も今日初めて参加させていただいたので、不案内なところがあったかと思います けれども、慢性疼痛についてですが、5の○の2つ目に「受療頻度が高く、当該疾病を有する者 のQOLに大きな影響を与え」と記載されていると思いますけれども、確かに有訴率からします と、腰痛や頭痛が上位に上がっておりまして、頻度が高いということを示しておるわけですが、 一方で、神経難病に伴う痛みですとか、特殊な痛みの疾患が幾つかございますので、その頻度の 高いものと、頻度が低いけれどもQOLの低下が著しいものと分けて記載される方がよかろうか と思いますが、いかがでしょうか。 ○久道座長 ここをどうしますか。 ○柴田委員 この記載ですと、受療頻度が高いのでというふうに記載されているのですが、慢性 疼痛が問題になるのは、腰痛や頭痛のように、頻度が高いけれども、不十分な面が一つある一方 で、議論されたかどうかわかりませんが、線維筋痛症ですとか複雑性局所疼痛症候群ですとか、 取扱いの困難な病態群が問題になってきておりまして、そういうものに対しての取組みとは少し 方向性が違うように思いますので、受療頻度が高くというものだけではなくて、難治性の慢性疼 痛疾患といったような記載を二本立てといいますか、そういうふうに記載されてはいかがかと思 うのですが、いかがでしょうか。 ○久道座長 事務局はどうですか。 ○生活習慣病対策室長 これまでの検討会の御議論では、1つはある疾患というカテゴリーの中 で、従来、慢性疾患の中で、生活習慣病対策である程度、この行政の施策が取られているもの。 それから、いわゆる難病と取られているものを除いた中で、やはり何かあるのではないかといっ た考え方の議論の中で出てきたのが、筋骨格系及び結合組織のような疾患やCOPDです。  もう一つ、それを縦軸とすると、今度は横軸というようなイメージで、慢性疼痛として痛みの 中でも特に持続的に続いて患者さん自体を悩ましていくようなものに対して、何らかの取組みが 行くのではないかということで、ここはどちらかというと疾患という概念よりも、むしろその症 状という一つの新しい切り口で検討会で御検討をされて、そういう方向で今後そういうものに対 応していこうという切り口の中での位置づけになってきてございます。  確かに横軸ではいろいろな疾患が出てくると思いますけれども、それは次の各論を検討する検 討会の中で、より詳しく検討させていただけたらと、事務局としては思ってございます。 ○柴田委員 よくわかりました。 ○久道座長 よろしいですか。どうぞ。 ○葛原委員 私もこれを読んだときに、初めてだったせいか同じような感じを受けたのですが、 さっき難病のことを聞きましたけれども、筋骨格系とか結合組織の疾患というと、今は難病に入 っているものが相当あるわけですね。SLEとかリウマチ系統ですね。  ですから、ああいう関節痛は多分それで扱われているのではないかと思うのと、あとは慢性疼 痛の一つである頭痛に関しても現在は厚生労働省にも研究班がありますし、いろいろな病態の解 明もかなり進んでいると思いますから、そういう既に取り組まれている筋骨格系とか結合組織、 あるいは慢性疼痛の病気から外れているような原因不明の病気という形で明確にしておいた方が 取組みやすいのではないかと、これを拝読して思いましたので、私もその辺は区別した方がいい のではないかと思いました。以上です。 ○久道座長 いかがですか。うまく区別できそうですか。 ○福井委員 あいまいな言葉が多くて、私もどのようにしていいかよくわからないのですけれど も、恐らく今おっしゃったことをやろうとすると、これは次の段階の作業が必要ではないかと思 います。疾病の仕分けなど、次の道筋を早急に示していただければありがたい。 ○久道座長 どうぞ。 ○戸山委員 私は福井委員と全く同じ意見で、慢性疼痛、その中で選ぶ重要分野というところは 非常に難しいです。ここで議論というよりは、ここはその上の段階で、こういう形でというとこ ろまででとどめて、あとは各論というか、多分できるでしょうから、そこで落として集中的にや っていただくことが一番だと思います。 ○久道座長 そうですね。各疾患を羅列するようになると、どうも収拾が付かなくなるというこ ともありますので、今ここに記載されているのは、曖昧模糊としたところがありますが、気持ち としてはそうですね。 ○生活習慣病対策室長 おっしゃるとおりでございまして、私ども事務局としましては、今回の この検討会の時点におきましては、一つの方向性を示させていただくということで、その方向性 の中にどの程度の範囲を今後やっていくかというのは、また改めまして、各論を議論する検討会 を立ち上げさせていただきまして、十分御議論をさせていただければと思ってございます。 ○柴田委員 私が申し上げたかったのは、頻度が高いだけが取り組む理由ではないですよという ことだけです。 ○久道座長 そうですか。 ○岡村委員 今後取り組むべき方向性の話になるので、特にこの筋骨格系とか結合組織、一部は COPDも関わってきますが、これで並んでいると何か痛みだけが問題なのかと取られてしまっ て、実際は運動機能とか実際の身体活動か何かに影響を与えるので、それは生活習慣病とも絡ん で重要だという視点が恐らくあるのかと思います。  恐らく上段の方に文脈としては入っているのかなと思うのですけれども、特に筋骨格系は痛み だけではなくて、例えば運動機能にも影響を与えるので、その辺も重要だという視点はどこかに 入れておいた方がいいのかなという気はします。 ○内田委員 QOLのところに入っているのですね。 ○岡村委員 これは痛みだけにどうも焦点が行ってしまうのかなというのが、気にはなりました。 ○久道座長 この表現を直すところはありますか。そういう意味ですね。  では、内田委員、どうぞ。 ○内田委員 追加の資料でございます。これまでの議論の中でも出ましたし、今日の厚生労働省 の用意した資料の中にもCOPDが含まれておりますけれども、私ども日本医師会、呼吸器学会、 結核予防会の三者で8月6日に上田局長あてに、COPDを是非取り上げていただきたいという 要望書を出しましたので、御提出させていただきました。  最初のページの1、2番については、当初、厚生労働省がお示しいただいたデータでは、外来 患者数であるとか、あるいは今後の慢性疾患対策のイメージを厚生労働省で示された図ではCO PDが一番下にあったけれども、COPDはなかなか的確にとらえられていないと。年齢である とか、たばこのせいであるという形で出されているところもあるので、今後の疾病対策としては 非常に重要になってくるということで、4に挙げてございますように、統計的には8.6%くらいの 有病率であると。72歳以上では210万人がCOPDに罹患しているし、今後更にどんどん増えて いくのではないかというようなことでの要望書を出しました。  後半部分に関しましては、結核予防会、呼吸器学会の方からの資料として、お出しさせていた だいているものです。後でお目通しいただければと思います。  以上です。 ○久道座長 どうもありがとうございます。5番目の項目で、ほかにございませんでしょうか。 なければ、次はまとめですが、まとめは5番までの表現を重複する形で簡単にまとめたというこ とですので、とりあえずもう一度前に戻って、宿題があったと思うのですが、いかがでしょうか。 前の方に戻って思い出して、何かございましたら。  池田委員にお願いしていたのがありましたね。2番目のところですか。社会的損失の9兆円に ついて、1ドル何円かの換算は後でいいですね。 ○福井委員 すみません。今、読んでいて気が付いたのですけれども、1ページの一番最初の○ ですが、平均寿命は男女合わせると今でも世界一ですか。男性は世界で4番に落ちましたね。 ○生活習慣病対策室長 女性が世界で1位ですが、男女合わせれば世界一です。 ○久道座長 正確に書いた方がいいのではないですか。これは男女の合計でしょう。 ○生活習慣病対策室長 はい。 ○久道座長 「2.施策の現況」のところで、医療制度のところの表現を考えていただくように お願いしましたが、ここにうまく入りますか。 ○池田委員 今、悩んでおりますのは、高額療養費あるいは特定疾患、そういった制度があって 対応できているということを1つ目の○に書くのか、あるいはこれはあるけれども、まだそれか ら外れている疾患もあるわけですね。例えばリウマチなどは高額薬剤等で今、治療法が進んでい るけれども、特定疾患からは悪性リウマチ以外は外されておりますので、患者さんにとっての負 担が非常に高額になっているという問題が実はある。また、高額療養費の方もこれは大変いい制 度だとは思いますけれども、それでも患者さんの負担は、慢性疾患で長期にわたるので、相当な ものになるわけです。  1つ目のところに書くと、これは非常にいい制度なので十分だと、どちらかというと読めるわ けですが、そうではなくて、2番目の○の方あるいは独立して、これについての制度上、十分に これではカバーされない部分があるというような、あるいは患者さんの負担の点でまだ問題があ るということを別途書くのか、どちらがいいかを悩んでおりまして、先生方の御意見等をいただ ければと思っています。 ○久道座長 いかがでしょうか。池田委員から逆に意見を求められたのですが、問題点もあるこ とを考えれば、別立ての方がいい感じもしますね。 ○内田委員 「医療保険制度(国民皆保険制度)がある」の後に、高額療養制度や難病・特定疾 患対策等による制度もあるが、不十分な点も残っているという表現にすればいいのではないでし ょうか。 ○久道座長 いかがですか。 ○生活習慣病対策室長 事務局で今のところを考えておりますのは、○の1に続けるような形で、 2行目の国民会保険制度があると。その次に、特に高額な支払いを必要とする場合には、高額療 養費や特定疾患等の制度を利用することにより、支援を受けることができる。しかしながら、患 者の負担がいまだ大きいなどの問題点もあるという形で、問題点についても指摘するような記述 の形でいかがでございましょうか。 ○久道座長 今の表現なら、よろしいのではないでしょうか。 ○池田委員 結構だと思います。 ○久道座長 辻本委員の宿題はどこでしたか。 ○辻本委員 3ページの上から2つ目の○のところに加えていただければということで、提案を させていただきます。2行目の「問題意識を関係者全員が共有しつつ」の後に、医療の限界、不 確実性を引き受ける患者の“安心・納得”の支援など。  勿論、別の表現ということでも結構ですけれども、むしろここではっきりお示しいただいた方 がいいのではないかと思うのは、医療の限界、不確実性という言葉を書いていただくことが前向 きかなと考えます。 ○久道座長 事務局、フォローできましたか。 ○生活習慣病対策室長 その言葉自体を検討会として入れていいのかどうか、まず御議論いただ ければと思います。 ○久道座長 そのことが必要ですね。いかがでしょうか。今、辻本委員からの提案です。もう一 度ゆっくり言ってくれませんか。 ○辻本委員 「共有しつつ」の後に、医療の限界、不確実性を引き受ける患者の“安心・納得” の支援など。患者もこういう覚悟が必要ですけれども、医療現場も治せないものは治せないのだ という本音や弱音を明確に吐いていただく覚悟も必要だと私は考えておりまして、あえて申し上 げました。 ○久道座長 いかがでしょうか。クオーテーションマークはどこに付けるのでしたか。 ○辻本委員 “安心・納得”の部分です。 ○久道座長 普通は余りこういうのを付けないのですが。 ○辻本委員 そこはどうぞお諮りいただいて。 ○久道座長 御意見をいただけますでしょうか。いかがですか。 ○戸山委員 少し冒頭でお話ししましたように、幅広く行き過ぎると、非常にわからない点が増 えてくると私は認識しています。  例えば2ページ目の「2.施策の現況」に関して、国の制度が一つあると。今度は国民側に立 って、それが例えばそういうふうにお金も含めて、医療制度等々もここに入れてしまう。そこの 2番目の○は、いわゆる病態であるとか疫学とか科学的なものとか、そういうふうなものをやっ て、チームを組んで病態を解明して、それが患者さんのためになるというふうな、それは大分違 うと思うのです。  幅広くこの会がそれをとらえる形にして、その次の部会がどれを中心にして落とすかというこ とになると、基本的には2番目の○の例えば免疫アレルギーで病態解明をして、疫学を取ってと いう形に落とすのであれば、やはりその辺のところが中心かなと私は取るのです。全部入れてし まうと、とても広い範囲になろうかなと思うので、その方向性が見えないというのが私の率直な 意見です。 ○久道座長 順番を変えるというのはどうですか。この「2.施策の現況」のところに3つあり ますね。先生が強調したいのは2番目ですね。 ○戸山委員 多分それの方向がこれから一番取り組まなければいけないというところで、それが 最終的には国民のためになるし、それがその次のプラスに入っていくのではないかと認識してい るので、この案が非常に幅広くなってしまって、結局はぼやけてしまうような感じがいたします。 ○久道座長 しかしながら、医療制度も大事だという意見もあります。 ○内田委員 私の感覚では、今回のこの会は3回でまとめるという非常に大変な作業だと思いま すが、一方では、総論的なものをみんな並べてしまえよという議論でもあったのかなという認識 でいます。  疾患別であるとか、あるいは症候別という話もありましたけれども、その検討会はさまざまに あって、対策も取られているので、それはそれで今後ここから出された議論を踏まえて、どうい う疾患を対象にどういう対策を立てていくかという議論がもう一つあって、この会は3回限りで すが、この答申を出して終わりということではなくて、更にその慢性疾患全体を俯瞰するような 立場で、どういう施策を展開していく必要があるのかという提言であるとか、あるいは施策の検 証であるとか、そういうことを継続してやっていけばいいのではないかというイメージを持って います。 ○久道座長 これが最初に局長さんが述べられたことですね。全体を俯瞰するような格好になる ために、逆に焦点がぼけるというのもあると思います。  今、話題が辻本委員の表現が外れてきたのですが、先ほどの意見に戻ります。医療の限界、不 確実性を引き受ける患者の安心“安心・納得”の支援など。いかがでしょうか。よろしいですか。 クオーテーションマークは私は要らないような気がします。それでは、今の辻本委員の表現を入 れることにいたします。  「4.体系的な施策展開の必要性」で事務局にお願いしたものがありましたね。 ○生活習慣病対策室長 議論の中で4ページの1つ目の○をごらんいただければと思います。そ こで先ほど内田委員の方からもございましたように、一次的な予防というものをより明確にどこ かで表現を入れるべきだということがございました。  中身の文言の修正だけで恐縮でございますけれども、4ページの1つ目の○の1行目の「疾患 の発生予防」を一次予防からという形で明確な言葉にすることによって、より表させていただけ ればと思っております。  2つ目の○でございますけれども、ここが患者なのか国民なのかという議論がございました。 しかしながら、ここはやはり患者自身にとっても対応していくことが必要でございますし、翻っ て国民全体の観点からも必要でございますので、ここはすごくぼやっとして恐縮でございますけ れども、また国民や患者がという形で、両方併記するような形で対応させていただければ、御意 見の中身を取り得た形になるのかなと思ってございます。 ○久道座長 岡村委員、よろしいですか。あと、ガイドラインの後に何か文言が入るような意見 はなかったですか。 ○岡村委員 等となっていますので、これはいろいろなものが含有されているという認識であれ ば、全く問題ないかと思います。 ○久道座長 認識の確認だけでしたね。ほかにございませんでしょうか。どうぞ。 ○井伊委員 私は患者が主体となって活動することをサポートするというような。 ○久道座長 何ページですか。 ○井伊委員 4ページの一番最後です。今の国民や患者となると、そこには入らないのかと思い ます。 ○久道座長 4ページの4項目の最後のですか。 ○井伊委員 はい。患者さんたちが主体的に活動できることをどうサポートするかという意味を 入れていただきたいという意見を申し上げました。 ○久道座長 それは井伊委員に考えてもらいますか。いい表現はないですか。 ○押野委員 5ページの一番最後の終わりにところにさっき宿題がありまして、下から2行目に なります。更なる充実に向けた支援体制を構築し、患者主体となる慢性疾患対策に社会全体で取 り組む意識の醸成と、というふうにして入れたらいかがでしょうか。 ○久道座長 今の井伊委員の意見も入るのですか。 ○井伊委員 ですので、私が申し上げたのは、4ページの上から2つ目の○の中には入れないで、 最後にした方がよろしいのではないかという御意見をいただいているということです。 ○久道座長 今の押野委員の表現が、よろしいのではないでしょうか。 ○井伊委員 いずれどこかで欲しいと思ったので。 ○久道座長 詳細な検討が引き続き行われるという表現をもっと強くという意見がありました ね。あれも押野委員に宿題をお願いしたような気がしますが、事務局でつくりましたか。 ○生活習慣病対策室 先ほど、押野先生に確認を。 ○久道座長 では、春日委員。 ○春日委員 皆さんの御議論をお伺いしていて、私が思いますのは、基本的に慢性疾患といって も非常に幅広くて、いわゆる生活習慣病と難治性疾患では、その病気の発症メカニズムといいま すか、あるいは患者さん個人の関わり、主体性がその発症・進展に及ぼす影響というものが随分 違うと思います。  今回はその慢性疾患ということで、そのすべてを包含しておりますので、例えば先ほど井伊委 員がおっしゃられたようなことは、生活習慣病では非常に重要だと思いますし、押野委員がおっ しゃられたことも、生活習慣病では非常に重要だと思いますが、それでは難治性疾患でどの程度 重要かと言いますと、必ずしも、というところもあります。  先ほど辻本委員のおっしゃったことも、そういう意味ではすべての慢性疾患に適用できるもの かどうかが違和感を覚えるところがあるので、この検討概要にどうまとめるかが難しいのではな いかという印象を受けます。 ○久道座長 どうしましょうか。何かいいアイデアはないですか。タイトル自体が大変幅の広く て、専門家が果たして慢性疾患の定義をどうすると言ったら大変です。そういうくらい漠然とし たところがありますがの、厚生労働省が今までやってきた対応、いろいろな疾病ごとの対応から 外れている分野がまだあるんだという意味で、広く慢性疾患ととらえたのだと思います。  ですから、どうも集約できないところがあるけれども、方向づけとしてはここでまとめて、検 討概要を羅列して、次の専門的な委員会できちんと議論していただきたいということでとどめる ほかにないのではないかと思います。いろいろな意見があっても、それをまたどうしたらいいか というアイデアが生まれてこないと、まとめられないというところがあります。  それでは、押野委員、できましたか。 ○押野委員 ここの部分は、先ほど内田先生や他の先生方がおっしゃっているように、この委員 会で検討するべき事項があり、それを更に進めていって、それぞれの部会であったり、委員会で あったり、専門部会であったりというものが構築されて、そこで初めて慢性疾患対策となるので はないかと思います。それぞれのものをより進めていっていただけたらという意味合いで、何と 書いたらいいかなと思っています。 ○久道座長 一番大事なところですね。最後のまとめのパラグラフですから。 ○生活習慣病対策室長 それでは、今、押野委員の御意向なども尊重しながら、まだ抽象的な言 葉になるかもしれませんが、1行目から、今後速やかにより重点対象とすべき疾患分野や施策対 象とすべき領域ごとに、それぞれの特徴に配慮した詳細な検討が引き続き行われるということで、 この分野は幅が広くて、それぞれの分野や疾患、対象とすべき分野が違いますので、それぞれの 特徴に配慮したという表現で、ここのところの詳細な検討という中身を表現させていただければ と思います。 ○久道座長 いかがですか。それともう一つ、下から2行目の「更なる充実に向けた支援」で、 さっき井伊委員が述べたものです。 ○生活習慣病対策室長 そこにつきましては、対策の更なる充実に向けた支援体制を構築し、患 者主体となる慢性疾患対策にということで、ここで患者主体となるという表現で御意向を入れさ せていただければと思います。 ○久道座長 いいですか。どうもありがとうございました。  ほかにございませんか。何しろ今日が最後ですので、最終的には座長一任にしてくださいとい う表現で皆さんの了解をもらうことになっているのですが、それまでに少し固めてほしいという ことがあって、皆さんに一言一句をお願いしているわけですが、全体を通じて、最初の「1.国 民生活と慢性疾患」のところはよろしいでしょうか。  今日は時間より早めに終わることもよかろうということで、多分早めに終わりますので、1項 目はよろしいですか。  2ページの「2.施策の現況」。これも修正が一部入りましたけれども、よろしいですか。  「3.慢性疾患の全体像の俯瞰」。 ○生活習慣病対策室長 これについての一番最後の3ページの終わりの○でございます。ここは 先ほど、辻本委員の方からありました御意見を踏まえまして、関係者全員が共有しつつ、患者が 医療の限界、不確実性も納得しながら、安心して支援を受けられるよう、慢性疾患対策のさらな る充実を図っていくという表現にさせていただければと思います。 ○久道座長 辻本委員、よろしいですか。よくなりましたね。 ○辻本委員 はい。 ○久道座長 「4.体系的な施策展開の必要性」です。ここは非常に細かい各分野の参画を得て 対応するということで、こういう表現はいいという評価をいただきました。それから、一次予防 という表現。国民や患者ということも一部修正しました。ほかにございませんか。  なければ「5.対策の充実を検討すべき疾患・領域の具体例」です。ここは治療頻度だけでは ないのではないかという意見がありましたが、理解はそういうことではあるけれども、この表現 のままということにしたと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、まとめですが、まとめは一番最後の項目が詳細な検討が引き続き行われるというと ころに、それぞれの特徴に配慮したという表現を前に付けるということ。患者主体になる慢性疾 患といった表現を入れることにしました。  まとめのところは当然ながら、前段のところで一部修正していますので、まとめのところも同 じように直すことになろうかと思いますが、これはいちいち確認しなくもよろしいかと思います が、よろしいですね。 (「はい」と声あり) ○久道座長 全体を見渡して、以上のとおり今回の案を直していただきました。いかがでしょう か。今、思い付いたということがありましたら、どうぞ。 ○柴田委員 恐縮ですが、資料1に関してです。 ○久道座長 資料1は前回の会議のまとめですね。それに関してですか。 ○柴田委員 私はこの資料1のときに出席できなかったので意見が言えなかったのですが、非常 に重箱の隅を突くようなことで恐縮ですけれども、資料1の「慢性疼痛対策について」の1つ目 の○です。  「痛みの強さや質を客観的に評価する方法について、今後も検討・研究していくことが必要」 と記載されています。これも先ほどの議論と少し重なるのですが、こういうことができたらいい なと皆さんは思われるかと思うんですが、痛みというのは一応定義というのがございまして、国 際疼痛学会が痛みというものを定義して、そこの中で、痛みというのは常に主観的であると記載 されております。  厳密に言いますと、痛みを客観的に評価することは不可能なことです。しかし、できるだけ客 観的に評価した方がいいのは言うまでもないことですので、評価というのは間接的に客観的とい うことを含んでいるので、客観的にという文言は外された方がいいのではないかと思います。 ○久道座長 これはこういう表現で議論があったということの記録ですので、これを言った人に 発言の表現を撤回しろというようなものです。ですから、これは何もこの検討会の意見としてま とめるとかではなくて、最終的な議論の概要をまとめるに当たっての第1回目、第2回目の検討 会で、委員の方々がどういう発言をしたかということを、ただ記録しただけです。ですから、こ れは修正も何もないのだと思います。自分はこんなことを言ったと思う人、何か御意見はありま すか。なければいいですね。  それでは、ほかになければ、今回のこの検討会をこれで終了したいと思います。今日御議論を いただいたところについては、事務局から先ほど修正した文を表現していただきましたけれども、 そのほかに見直しをして、何か修正するところがあるかもしれませんので、その点は座長と事務 局に御一任いただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○久道座長 どうもありがとうございます。  それでは、3回という大変短い会合でしたけれども、皆さんの御協力で、このくらいの形にま とめさせていただきました。どうもありがとうございます。  最後に局長さんからごあいさつをお願いしたいと思います。 ○健康局長 着席のままで御礼を申し上げたいと思います。実は3回でまとめていただきたいと いうのは、予算要求等々の都合がございまして、是非この時期までにということで3回になりま した。本当は5月の連休明けからこの検討会を予定していたのですが、例の新型インフルエンザ で局の仕事が全然回らなくなってしまいまして、開始が遅れてしまったわけで、どうしても3回 ということでお願いをしたということでございます。いずれにしましても、1つの方向性をいた だいたと思っております。ただ、先生方には本当に今日はむしろ本質的な議論が出たと思います けれども、3回という極めて短い期間で大変失礼をしたと思っております。  これは1回目にもそういうことを少し申し上げたつもりですが、慢性疾患という言葉は確かに 概念がいろいろとございまして、我々としては感染性の疾患以外のものということで、その中に 生活習慣病があるわけです。  その中で特にがんの方は、今、がん対策基本法ができていまして、患者さんもいわゆる審議会 に参加をしていただいて、いろいろな議論をしていただいています。これは非常にいいことだと 思っています。  ただ、がんが慢性疾患かどうかと言ったら、ちょっと別にしましても、がん以外の疾患につい ては、そういう体系的な対策を取れるような構図、モデルがなかなかないということで、何とか そういうがんでやっているようなことを、ほかの慢性疾患にも広げていきたい。患者会が参加す るような仕組みを導入するには、どうしたらいいかということが1つ、考え方としてあったと思 っています。  もう一つは、やはりこの慢性疾患の問題の中で、我々として、声なき声が聞こえていないので はないかということで、全体を俯瞰した場合にこういう分野が抜けているのではないかというこ とを我々も十分把握をしなければいけないということで、御議論をしていただきまして、今回、 慢性疼痛あるいは筋骨格系といいますか、そういう分野が1つ。それから、COPDの分野があ るということを明確にしていただいたと思っています。  ですから、こういう声なき声を聞き、あるいは我々が気付かなかった分野というものに対して、 この秋以降、1つはより具体的な対策をどうするか。それを先ほど申し上げたような、がんでつ くられているモデルを参考にしながら、今まで手を付けていなかった分野も含めて、いかにモデ ルを構築していくかということが大事な問題かと思っています。  もう一点、余り議論がなかったのですが、糖尿病とか慢性腎疾患などで、数百万あるいは一千 万人の障害を持っておられる方がおられるわけでございまして、こういう方を一次予防から三次 予防まで、いかに体系的に支援をしていくかということがこれから重要だと思っています。  今日は余り議論にございませんでしたけれども、そういうこともこの報告書に書かれていると 思っておりまして、これは秋以降、恐らく糖尿病が第一のモデルになると思いますが、一次予防 から三次予防まで体系化をしっかり図っていこうという具体的な、これは検討会になるか対策と なるかは、私どもとしても、まだ決めておりませんけれども、そういうものをひとつモデル化し て、ほかのボリュームのある疾患群、要するに慢性腎疾患とか高血圧症とか、そういう多くの国 民が今、抱えておられる疾病に対して取組みを進めていくという方向性を今回は打ち出していた だいたと思っております。  そういうことで、この検討会の報告書はまとまりまして、我々としては秋以降に、今日御議論 いただきました本質的なことを踏まえながら、更に検討会をやるなり、施策の充実をしていきた いと考えおりますので、今後とも先生方には御協力、御指導のほど、お願いをいたしまして、御 礼の言葉に代えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ○生活習慣病対策室長 それでは、第3回「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」をこれ で終わりにさせていただきたいと思います。  本日は委員の先生方、誠にありがとうございました。