09/08/06 第22回独立行政法人評価委員会年金部会議事録 開催日時:平成21年8月6日(木)09:02〜14:42 開催場所:厚生労働省専用第21会議室 出席者 :山口部会長、川北部会長代理、竹原委員、樋口委員、安達委員、大野委員、光多委員 ○政策評価官  定刻を過ぎましたので、ただいまから「第22回厚生労働省独立行政法人評価委員会年金部会」を開 催いたします。委員の皆様方にはお忙しい中、また大変お暑い中お集まりいただきまして、誠にあり がとうございます。  本日は新しい任期の下での第1回目の会合となりますので、後ほど委員の皆様方に部会長をご選出い ただきますが、それまでの間、政策評価官の塚アが議事進行をさせていただきます。どうぞよろしく お願いいたします。また、申し遅れましたが、私7月28日付で政策評価官を拝命しております。今後 ともどうぞよろしくお願い申し上げます。  事務局をご紹介します。室長補佐の廣井でございます。 ○政策評価官室長補佐  引き続きよろしくお願いします。 ○政策評価官  委員の皆様方をご紹介させていただきます。皆様には先に辞令を郵送いたしましたが、厚生労働省 独立行政法人評価委員会委員又は臨時委員として、本年6月30日付で厚生労働大臣の任命が発令され ています。また、7月29日に開かれました委員会総会におきまして、皆様方の年金部会への分属が正 式に決定しております。五十音順にご紹介させていただきます。お手元の資料1-1をご覧いただきたい と思います。上からご紹介させていただきます。川北英隆委員、竹原均委員、樋口惠子委員、山口修 委員です。安達茂夫委員におかれましては、少し遅れられるということです。大野早苗委員、光多長 温委員です。  議事に入ります。議事の(1)部会長、部会長代理の選出です。まず最初に、部会長のご選出をお願い いたします。選出手続ですが、お手元の資料1-3-1をご覧ください。厚生労働省独立行政法人評価委員 会令第5条第3項において、「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」と されています。したがいまして、委員の皆様方からご推薦をいただきたいと思います。 ○竹原委員  年金分野全般にわたって幅広いご見識をお持ちで、当年金部会設立以来の委員として活躍いただい ている山口委員が前期に引き続いて適任と思います。 ○政策評価官  どうもありがとうございます。ただいま竹原委員のほうから、山口委員を部会長にというご推薦が ございましたが、いかがでしょうか。                (異議なし) ○政策評価官  どうもありがとうございます。それでは、山口委員に部会長をお願いしたいと思います。以後の議 事進行については、山口委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○山口部会長  いまご選出いただきましたので、部会長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたし ます。引き続きまして、部会長代理を指名させていただきたいと思います。部会長代理は、先ほどの 評価委員会令の第5条第5項において、「部会長に事故あるとき、当該部会に属する委員の中から部会 長が予め指名する者が、その職務を代理すること」とされております。したがいまして、私、部会長 が指名することとされているところでございます。資産処分及び資産運用に関するご見識の高い川北 委員に、前期に引き続き部会長代理をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。                (異議なし) ○山口部会長  ありがとうございます。それでは部会長代理は、川北委員とさせていただきます。よろしくお願い をいたします。  議事の(2)平成20年度業務実績評価に当たっての評価方法の変更についてです。まず、評価の進め方 についてご説明をいただきまして、そのあと昨年度からの変更点について説明いただきます。事務局 のほうで、説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  説明させていただきます。お手元の資料1-5-1をご覧ください。年金積立金管理運用独立行政法人及 び年金・健康保険福祉施設整理機構の個別評価の手順についてご説明します。なお、農業者年金基金 にかかる評価の進め方については、別途所管課から説明していただきます。初めに、各法人の理事長 が年度業務実績の概要、重点事項について10分程度説明を行います。そのあと、評価項目全体を3、4 つのパートに分けまして、法人の担当部長から業務実績及び自己評価を説明いたします。委員の皆様 からの質疑と、その応答を行いつつ、委員の皆様においては評定記入用紙へ評価S、A、B、C、D及び理 由等を記入。記入が終わりましたら、次のパートの説明という流れで進めていきたいと思います。  なお、評価に当たりましては資料の留意点として点線で囲っておりますが、具体的な業務実績、目 標の達成度合を考慮し、それらと整合性のある、より客観的な評価となるようS〜Dまでの評価・評定 と、その理由を付していただきたいと思います。また、昨年度からの取組として、独立行政法人整理 合理化計画を受けまして、独立行政法人監事と連携した評価と国民の意見を踏まえた評価を行うこと としております。これらについても、評価への反映をお願いします。国民の意見を踏まえた評価につ いては、「独立行政法人の業務・マネジメント等に係る国民の意見募集について」ということで、7月 8日から8月7日まで、平成20年度業務報告書等についてパブリックコメントを実施しております。 現在、年金積立金管理運用法人に意見が1件寄せられていますので、後ほど担当部局よりご説明させて いただきます。  そのあと、委員の皆様の評価がすべて終わりましたら、事務局で集計を行います。評定記入用紙、 先ほども申しましたが資料3-1-(2)、資料4-1-(2)で、昨年までは評価シートに直接記入していただいて いたのですが、この評価シートの評定と評定理由を記入する部分だけを抜き出したものをご用意して いますので、それに記入いただいて提出いただきたいと思います。それを基に、評価書案を起草委員 と法人所管課とでご相談いただきながら作成いただく流れになります。そして、当該法人を次回審議 する部会、これを総合評価部会と申しておりますが、その部会において評価書案を皆様にご審議して いただき、評価書を決定します。以上が全体の流れとなっております。  資料1-5-2及び資料1-5-3は、業務実績に関する評価を行うための基準とその細則となっていまして、 これらに基づいて評価を行っているものです、資料1-5-4をご覧ください。各法人の評価書案を作成し ていただく起草委員について、これまでのご担当、ご専門等を踏まえまして、農業者年金基金につい ては安達委員、山口部会長。年金積立金管理運用独立行政法人については大野委員、竹原委員。年金 ・健康保険福祉施設整理機構については川北部会長代理、光多委員。財務諸表等会計に関する意見担 当については樋口委員として担当案を作成していますので、ご確認とご了承をいただければと思いま す。以上でございます。 ○山口部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局のほうから説明のありました起草担当案のとおりで、 ご了承いただけますか。               (各委員了承) ○山口部会長  ありがとうございます。次をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  次に、昨年度との変更点をご説明いたします。資料1-6-1をご覧ください。部会における法人の評価 結果については、政策評価・独立行政法人評価委員会、略して政・独委と言っておりますが、そこに 通知していまして、政・独委はこれを基に二次評価を行うことになっております。その二次評価の結 果については、意見という形で厚生労働省独立行政法人評価委員会に通知されることとなっておりま して、これを二次意見と言っております。その政・独委から平成21年3月30日付で、二次評価を実施 するに当たっての当面の視点、独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点が示されております。 内容については1-6-2として付けておりますので、あとでご覧いただきたいと思います。  資料1-6-3については、政・独委のほうがこの評価の視点に沿って二次評価を行うに当たっての具体 的な取組方針を示したものになっております。そのことを踏まえまして、これまでの法人の業務評価 シートに設けておりました評価の視点に加えまして、政・独委の評価の視点を新たな評価の視点とし て追加することとしております。各部会における業務実績評価を行っていただきたいと追加しており ますので、この部会においても業務実績評価を行っていただきたいと考えております。  各委員が行う評価の方法については、1-6-4の横表に「政・独委の評価の視点を盛り込んだ評価シー トのイメージ」というものが入っています。評価シートについては、これまでのものと大きな違いは ないですが、これまでありました評価の視点に加えまして、1-6-4の左側の中段頃に契約方式、契約に 係る規程類についてということで下線が引いてあると思いますが、これが政・独委の評価の視点にな っています。これをいままでの評価シートの中にも書き加えておりますので、その政・独委の評価の 視点も踏まえまして、評価項目ごとにS〜Dの評定と、その評定理由を記入していただきたいと思いま す。なお、政・独委の評価の視点の各事項を評価するため、昨年度も同様の資料を付けておりました が、業務実績評価シートの付属資料として1-6-5「平成20年度業務実績評価参考資料」というものを 添付することとしておりますので、よろしくお願いします。さらに、政・独委の評価の視点が評価シ ートの何頁目に盛り込まれているかがわかるようにするため、1-6-6の「対応一覧表」というものを机 上配付資料として参考に付けております。それぞれのものが別途机上に配付されております。以上、 ご説明しました内容を平成20年度の実績評価から行っていくことになっておりまして、7月29日の総 会でご了解をいただきました。つきましては、政・独委の評価の視点も踏まえたご評価をお願いいた します。よろしくお願いします。 ○山口部会長  ただいまの事務局からの説明に対しまして、ご質問等ございますか。よろしいでしょうか。ありが とうございます。次の議題に移りたいと思います。今後のスケジュール等についてお願いします。 ○政策評価官室長補佐  資料1-8をご覧ください。今後8月24日の開催と予備日1回を予定しております。予備日は、本日 の個別評価が時間内に終わらなかった場合等に行う予定としておりますが、皆様もご多忙ですので、 予備日は使わないように考えております。また、当初開催予定でありました8月25日は、開催しない こととさせていただきたいと思います。何とぞご出席のほう、よろしくお願いいたします。 ○山口部会長  ありがとうございました。新任期の第1回部会で行うべき事項というのは以上のとおりです。これま でのところ、何かご質問、ご意見はございますか。よろしいでしょうか。  それでは、農業者年金基金の平成20年度の業務実績にかかる意見を各委員の皆様からお伺いをする に先立ちまして、所管課及び法人より説明をお願いをいたします。 ○年金局企業年金国民年金基金課長  厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課長です。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日評価 をお願いすることについて、私のほうからご説明します。農業者年金基金に関する資料は、資料2-1か ら資料2-5までをご用意していますので、ご確認をお願いできればと思います。この独立行政法人農業 者年金基金ですが、農林水産省が主管の法人です。ご案内のように業務の一部、旧制度の給付にかか る業務に関する事項について、厚生労働省との共管という形になっています。したがいまして、この 業務実績の評価については、農林水産省の評価委員会で行っていただくことになりますが、その際に 農林水産省の評価委員会が厚生労働省の評価委員会の意見を聴取する仕組みになっています。以下、 資料に基づいてご説明申し上げます。  資料2-1は、農林水産省の独立行政法人評価委員会委員長から厚生労働省の委員長宛に、意見聴取の 公文の依頼が来ているというものですので、本日はこれに基づいてご審議をお願いしたいということ です。  資料2-3を先にご覧ください。「1.所管」と書いてあります。この農業者年金基金は、一般的な業務 運営に関する事項、新制度に係る事項については農林水産省の所管ということで、この資料で申し上 げれば(1)、(2)については農林水産省の所管となっております。一方(3)の旧制度の給付に係る業務に関 する事項について、厚生労働省と農林水産省は共管になっておりまして、この部分について本日ご議 論をお願いします。  「2.独立行政法人評価委員会」は、厚労省の評価委員会の役割ですが、まず農林水産省と厚生労働 省の評価委員会から、それぞれの所管に係る農業者年金基金の業務に関する(1)〜(4)について意見を聞 かなければならないと両大臣がされているものです。一方で、本日議題になっております実質的な評 価に関しては、その下の「また」以下ですが、共管に係る事項については農水省の評価委員会は、厚 労省評価委員会の意見を聞かなければならないとされているところです。本日、こういう形でご審議 をお願いしたいというものです。  次に、具体的な評価基準についてご説明を申し上げます。資料2-3の7頁をご覧いただければと思い ます。農業者年金基金は、農林水産省の主管法人ですので、この評価基準そのものは農林水産省の評 価委員会で策定をされたものに従って評価が行われることになります。1「評価の基本的考え方」の (2)の各事業年度の実績評価については、業務の実績の全体については後ほどご覧いただきますが、別 紙で細かな評価項目が定められています。その基金の中期計画の大、中、小の3段階に分かれておりま すが、その中項目を評価単位とし、中項目の評価を踏まえて大項目の評価をいただく。その上で、全 体の評価、総合評価をいただくという3段階の評価になっています。12、13頁に、具体的な各評価項 目が表になって付いております。それぞれいちばん右に大、中、小と分かれて1、2、3、4と出ていま すが、これが中項目です。小項目の積み上げで中項目、中項目の積み上げで大項目といった形で、全 体のご評価をするというものです。  7頁に戻ります。具体的な評価方法についてご説明を申し上げます。各段階ほぼ同じような形になっ ていますので、本日は中項目の評価方法に基づいてご説明を申し上げます。2の(1)です。先ほどご覧 いただいた各小項目について、達成度合がaと評価された小項目は2点、bとされた小項目は1点、c とされた小項目は0点と点数化し、それを集計するということですが、各小項目を2倍にして得た数を 基準として3段階で行うということになっています。その際s評価ということで、a評価に1点を加味 する。あるいはdということで、小項目でc評価とされたものについて、減点をすることもできる取扱 いになっています。  8頁です。その小項目の合計数値の割合が、基準となる数値の90%以上である場合がA、50%以上90 %未満の場合がB、50%未満の場合がCという評価基準になっています。その際、このA評価のうち特 に良い場合にはSという評価、C評価のうち要因を分析して、必要に応じてD評価とすることもできる ことになっています。以上、評価方法についてご説明申し上げました。  最後に、スケジュールについてご説明を申し上げます。資料2-2です。厚生労働省の評価委員会と農 林水産省の評価委員会の関係ですが、左側が厚生労働省の評価委員会の動き、右側が農林水産省の評 価委員会の動きになっております。農林水産省の評価委員会で、8月20日に農業分科会開催が予定を されていると伺っております。これから逆算をする形で、8月上旬には農林水産省の評価委員会に対し て、当省の評価委員会からご意見を提出していただくことが必要になりますので、それまでに意見案 作成などの作業を行うということになります。そういうことで、8月6日に網掛けをしていますが、本 日の年金部会で、ご審議をお願いするというスケジュールですので、よろしくお願い申し上げたいと 思います。私からの説明は以上です。ありがとうございました。 ○山口部会長  法人のほうからお願いします。 ○農業者年金基金理事  農業者年金基金理事の光内です。よろしくお願いします。今日は、お手元に資料2-5があると思いま すが、これに基づきましてご説明をさせていただきます。  まず業務運営の効率化という部門で、7頁の真ん中に「申出書等の見直し」という項目があります。 この項目は、平成20年度において見直しを計画しておりませんでした。したがって、評価指標も定め ていませんでしたが、いくつか細かな見直しを行っていますので、実績として報告しています。見直 しの内容は、年金受給者が生存していること、住所などを確認する現況届。これは年1回全員からご提 出いただいていますが、この提出に当たって受給権者が混乱しないような表現への修正。それから、 現況届を回収する業務受託機関の農業委員会が、事務処理をよりやりやすくするなどの細かな改正で す。  8頁の中段は、電子情報提供システムの利用促進についての項目です。電子情報提供システムは、業 務受託機関が窓口において相談、指導等を的確に行うため、被保険者の氏名、被保険者記録番号の検 索条件を入力し、加入記録、保険料納付等を確認して、年金額を試算できる機能、申出書の作成を支 援する機能を持つシステムです。この電子情報提供システムの利用を促進するため、基金主催の会議、 あるいは受託機関へ利用状況をお知らせする際に利用促進のお願いをし、また業務受託機関が開催し た業務担当者等への研修会へ基金の職員を派遣して、電子情報提供システムの利用方法等の説明を実 施しました。この結果、平成20年度のアクセス件数は前年度に比べて、54.5%増加の28万3,000件と なりました。自己評価について、アクセス件数が前年度の18万4,000件から平成20年度には28万 3,000件と大幅に増加したことから、a評価としました。  8頁の下、「電算システムの改善・整備の検討等」です。電算システムについては、事務処理の効率 化、迅速化、受給者等へのサービスの向上のため、優先順位の高いものから開発に着手してまいりま した。平成20年度においては、電子情報提供システムの利用登録や利用登録変更等の紙媒体による申 請を、オンライン申請でも可能とした改善。それから経営移譲年金の支払差止中の受給権者を事前に 農業委員会で把握できるよう、農業者年金受給権者現況届提出対象者一覧表に追加記載するなどのシ ステム開発に着手し、年度末までに開発を終了しました。自己評価について、システム利用者に関す る諸変更手続のオンライン申請など、電算システムの改善・整備の検討を行い、開発に着手し、終了 したことからa評価としました。  9頁のいちばん上は「実務者用マニュアルの見直し」という項目です。実務者用マニュアルの見直し については必要に応じて実施していますが、平成20年度は見直しの計画がありませんでしたために、 評価指標も設定されていません。  17頁のいちばん上は、業務運営能力の向上等に関する取組です。まず17頁の上の段、農業者年金基 金の職員に対する研修です。業務運営能力の向上のため、基金の新任職員については平成20年度4月 及び10月に、業務受託機関の指導を的確に行えるよう、農業者年金基金制度の内容、中期計画、適用 ・収納業務等に関する研修を対象職員30名全員が参加して実施しました。研修終了後のアンケートに よると、理解度は93.3%と制度の内容の理解が進みました。なお、この実績報告で用いている理解度 は、研修参加者のうち「理解できた」「おおむね理解できた」と回答した者の割合です。自己評価に ついては、基金職員の新任研修を計画どおりに実施し、おおむね理解が図られた者の割合が93.3%だ ったことからa評価といたしました。  18頁の下の段です。都道府県の業務受託機関である農業会議、農協中央会の担当者を対象として、 業務運営能力の向上を図るための会議、研修です。この会議、研修は、18頁下のいちばん右端のア、 平成20年4月に都道府県段階の業務受託機関の実務担当者及び相談員を対象として、平成20年度に取 り組むべき事項を内容とする会議を開催し、また平成21年3月には平成21年度に向けて、具体的な業 務の内容等について会議を開催しました。  19頁真ん中のイ、平成20年6月に都道府県段階の業務受託機関の新任担当者を対象とした研修会を 開催しました。研修終了後のアンケートによると、研修参加者の理解度は91.5%と、制度の内容等の 理解が進みました。19頁下のウ、平成20年10月、11月に全国6ブロックにおいて加入推進、年金業 務、年金資産の運用状況等を内容とする担当者会議を開催しました。自己評価については、都道府県 段階の業務受託機関の担当者を対象とした会議、研修において、計画どおりに実施し、新任担当者を 対象とした研修会について、おおむね理解が図られた者の割合が91.5%であったことからa評価とし ました。  20頁の中段です。市町村段階の業務受託機関である農業委員会、JAの担当者を対象とした会議、研 修です。都道府県段階の業務受託機関に対して、4月に開催した担当者会議、6月に実施した新任担当 者研修会及び10月に開催したブロック別担当者会議等において、その内容を市町村段階の業務受託機 関に周知するよう指導しました。また、都道府県段階の業務受託機関が実施する、市町村段階の業務 受託機関の実務担当者を対象とした研修会等について、派遣依頼のあった170件に対し、基金から役職 員を170件、延べ189名派遣しました。自己評価については、市町村段階の業務受託機関の担当者を対 象とした研修等について、派遣依頼件数170件に対し、対応割合は100%であったことからa評価とし ました。  21頁の中段、評価・点検等の実施の項目です。加入者の代表者等の意見の業務運営への反映につい ては、平成20年9月に農業者年金事業の実施状況、次期中期目標、中期計画及び平成20年度計画、平 成20年度農業者年金の加入推進、年金資産運用の基本方針の改正を議題に運営評議会を開催し、平成 21年3月に農業者年金事業の実施状況、農業者年金の加入推進、年金資産の運用状況、平成21年度計 画を議題に運営評議会を開催しました。この2回の運営評議会で出された委員の意見を踏まえ、平成 20年度加入推進特別対策として、女性農業委員及び加入推進部長を対象とした特別研修会を全国14会 場で開催しました。また、理事長名による「加入推進活動の一層の強化についてのお願い」を、全国 の加入推進部長約2,000名に対して文書を発出しました。自己評価については、運営評議会を年2回開 催し、そこで出された加入者の代表等の意見を踏まえ、女性農業委員及び加入推進部長を対象とした 特別研修会を全国14会場で開催するなど、業務運営に適切に反映させたことからa評価といたしまし た。  21頁の下の部分から22頁の上の部分にかけましては、業務受託機関の事務処理の適正化を図るため の考査指導に関してです。委託業務が適正かつ円滑に行われるよう点検指導する考査指導については、 北海道、岩手県など24道府県の業務受託機関を対象に実施する計画に対し、計画した24道府県のすべ てについて考査指導を実施しました。考査指導の結果、帳簿の整理等が必ずしも適切でない業務受託 機関が見受けられたことから、都道府県段階の担当者を集めた担当者会議において、事務の適正化を 周知徹底しました。また、平成20年度の考査指導結果は、平成21年4月に実施した担当者会議におい て、例えば申出書の受付から基金への送付を迅速に行うようにすることなど、所要の説明を行いまし た。自己評価については、24道府県の業務受託機関を対象に実施する考査指導計画に対し、計画した 24道府県のすべてについて考査指導を実施し、事後措置を要すると認められる事項についてフォロー アップを行うなど、当該結果を適切に業務に反映させたことからa評価としました。  22頁中段からは、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上です。24頁の中段は、申 出書等の迅速な処理についてです。申出書等の迅速な処理については、標準処理期間内で処理された 申出書等の割合は目標値の97%以上に対し、平成20年8月処理分が98.5%、平成21年2月の処理分 が99.1%で、標準処理期間内での処理は平均で98.8%でした。自己評価については、標準処理期間内 で処理された申出書等の割合は、目標値の97%に対し、平均で98.8%と達成率が101.9%であること からa評価としました。  24頁の下の部分、申出書等の返戻割合の減少です。基金における審査の段階で申出書等の不備が判 明した場合は、原則として審査した翌日に、該当の業務受託機関に返戻しました。また、返戻件数を 減少させる方策として、都道府県段階における業務受託機関を対象とした会議において、チェックシ ートの活用など各管下組織に対する指導の徹底を図るよう要請しました。その結果、返戻件数の割合 が前年度より8.9%減少しました。自己評価については、返戻件数が減少するように指導を行い、返戻 件数の割合が前年度より8.9%減少したことからa評価としました。  25頁の上段、申出書等の処理状況の調査・公表です。処理された申出書等の処理状況の調査結果に ついては、平成20年8月分の結果を9月30日に、平成21年2月分の結果を3月26日にそれぞれホー ムページで公表しました。また、期間内に処理できなかった理由については、業務受託機関における 申出書等の書類の管理が不十分であることや、添付書類の提出待ちなどの原因が報告されております が、原因が業務受託機関に起因するものについては担当者会議等において、業務受託機関に対し申出 書を適正かつ早急に処理するよう指導しました。自己評価については、申出書等の処理状況の結果を 年2回公表し、期間内に処理するよう指導したことからa評価としました。以上です。 ○山口部会長  ありがとうございました。ただいまのご説明について、ご意見、ご質問等がありましたら、よろし くお願いします。 ○光多委員  制度をよく知っているわけではないので、教えてください。働きかけをやったとか書類を送付した というインプットのところはいろいろやっておられるわけですが、よくわからないのは年金基金の対 象となる畑がどのくらいいて、こういうことをおやりになった結果アウトプットというか、実際に加 入者がどのくらい増えたのかは基金の役割ではないかもしれませんが、どういうふうに考えておられ てやっているのかをお伺いします。 ○農業者年金基金理事  農業者年金はご承知と思いますが、旧制度と新制度とございまして、主に今日のご説明は旧制度の 年金の運用に関してのことです。旧制度は、現在受給者が50万人強いらっしゃいまして、この方々は 平成13年まで旧年金制度に加入していらして、いま現在その年金の給付を受けている方々です。正し く申し上げますと、59万8,000人です。旧制度の59万8,000人の方々の給付。それから、例えば高齢 の方が多いものですから、死亡であるとかが日常よく発生します。そうすると、支給を停止したりと いうことがあります。それから、先ほど冒頭に申し上げた現況届というのを年に一度頂戴しています が、それは現在の受給者が変更なしにといいますか、生存しているかどうか。それから、年金支給の 要件に合致しているかどうかを確認するための書類等です。これを現実に処理をしているのは業務受 託機関といいまして、都道府県、市町村の農業委員会並びにJAの窓口です。こちらは、受託機関総数 で約2,500程度ありますが、そこに対して59万人の方々が日常いろいろな相談であるとか、支給の変 更があったりといった場合にはご相談に参ります。その事務手続あるいは相談業務を適切に運営する ために、我々年金基金のほうから職員を派遣したり研修会を開催したりといったことでやっています。 旧制度については、そういったことです。  平成14年から始まりましたいまの新制度の加入者は、現在被保険者が5万7,000人です。5万7,000 人の方々に対して、既に加入された方々に対する事務手続をしているわけですが、先ほど委員から畑 というご質問がありましたが、何人ぐらいの対象者がいらっしゃるのかというご質問だと理解します。 対象者の数は、国民年金の1号被保険者であって、かつ農業に従事している方々が対象になります。現 在、農業は兼業でされている方がかなり多いこともあって、農業専業で国民年金の被保険者である方 の割合が全体で何人いるのかということは、正確には把握できていませんが、加入する資格のある方 は20歳以上60歳以下の方ですから、日本の農業人口の中で60歳以下の方々がおそらく30万人とか40 万人はいらっしゃるのではないかなとは思ってはいますが、正確な数値は把握できていません。その 加入者に対して、加入推進等の働きかけを行っています。 ○光多委員  実際に推進、呼びかけを行われて、どのくらいのアウトプットが出ているのですか。 ○農業者年金基金理事  アウトプットは、いま現在加入推進3カ年計画で10万人達成を目指していますが、先ほど5万 7,000人と申し上げたのは60歳以下の被保険者の方でございまして、現在60歳を越えた待機者の方も 含めますと9万2,000人に達しております。 ○光多委員  平成20年度に加入とかいろいろやられて、成果はどのくらい上がったのですか。 ○農業者年金基金理事  平成20年度は、3,700人に新たに加入いただきました。 ○農業者年金基金企画調整室長  ちょっと補足しますと、仕事は主に農業をやっていてというのは、農業統計上60歳未満が67万人と いう数字はわかっていますが、国民年金の被保険者は、あなたは1号被保険者ですかということを加入 推進をするために聞くということが個人情報に当たりできないものですから、正確な数字というのは 把握ができないのです。それをいま申し上げたわけです。 ○山口部会長  ほかにご意見、ご質問はありますか。 ○川北部会長代理  17頁には基金の新任職員に対して、19頁には都道府県段階での業務委託機関で新たに農業者年金を 担当するものに対して、研修会を開催されたということで、その理解度が新任職員の場合は93.3%、 新任担当者は91.5%と書いてあります。この数字はアンケートベースに基づいて出されたと先ほどお 聞きしましたが、実際に教えている経験上、本人が主観的に思っている理解度と、実際に簡単なペー パーテストならペーパーテストをやってみて、そのときの理解度とかなり違うと思いますが、ペーパ ーテストのようなものを研修会の後で実施されて、理解度を確認されたということはないのでしょう か。将来、そういう計画があるのかどうかもお聞きしたいです。 ○農業者年金基金理事  いまのご質問に対して、研修の対象者という方々がどういう方かというのをまずご説明します。基 金の職員に関してですが、基金の職員も出向者が非常に多いために、全体で80名弱の集団ですが、毎 年30名程度が新しく入れ替わるということで、農業者年金基金の中身を全くご存じなくて、来られる 方が大変多いというのが実情としてあります。それから、都道府県段階の職員の方々も、この業務を 専任でされているわけではなくて、いろいろな課題の中でこの職務もあるということから、毎年人も 入れ替わりますし、その理解度はどちらかというと薄く広くということかなと思います。  一方で、農業者年金の中身は旧年金と新年金と2つに分かれてありまして、しかも旧年金は何度も制 度の変更がありまして、かなり複雑な内容になっています。それから国の政策支援とか経営移譲年金 といった国策の補助が付いているために、この補助に該当するか、しないかということを現地に即し て、現実の農地の状況であるとか農業の本人の経営状況といった実態を把握しながら判断していく。 実務的には結構難解な仕事で、その古い歴史からずっと解き起こして、実際に窓口で質問が来るのは その辺です。非常に際どい質問というか、こういうケースはどうだろうかという80歳を過ぎたような 方からのご質問に対して、窓口では適正に答えていくわけです。そこの習熟度というのは、一定数経 験がないとなかなか難しいと思っていますが、現在やっているのは新任の方に対する研修です。一度 研修をやった方々は、あとは実務で窓口でやっていくわけです。そのために電算システムといったも ので適正な情報提供をしながら、間違いのないデータを基に正しい判断をして欲しいということでや っています。  先ほどの質問の答えに戻りますが、業務知識テストについては資産運用の部門に関しては一部テス トを実施しています。これは、わりと単純なものですからやっていますが、特に旧制度の理解に関し ては非常に複雑なものにわたりますので、ここは現在のところテストは実施していません。ただ、委 員のご指摘のように一部アンケートでやっていますので、どの程度の理解度があるのかを一度検討し てもよろしいかとは思います。 ○川北部会長代理  私にも年のいった両親がいて、農業年金ではないですが、あまり理解していない部分があって、窓 口とかで年金に関して対応していただいております。そのときに職員の方の習熟度によって、対応が すごく適切な場合と、たぶん新しく担当された方でベテランの方に聞かれて対応しておられ、時間が かかったり、説明が適切でない場合があり、かなり対応が違うと思いますので、さらに習熟度を高め るような工夫をしていただければ、非常にありがたいと思った次第です。 ○農業者年金基金理事  ご指摘のとおりだと思います。一生懸命やらせてもらいます。 ○大野委員  8頁の電算情報提供システムで、アクセス件数が54.5%増加したという記述がありますが、これによ って大幅に経費削減が達成されたといった、何かほかの成果というのはありますか。 ○農業者年金基金理事  電子情報提供システムはまだわりと新しい仕組みで、従来大半は紙ベースで情報提供を行っていた わけですが、できる範囲でどんどん開発を進めていまして、紙を使わずにオンラインで加入者のデー タや現況を確認できる仕組みです。これによって、どのくらい紙が減ったとか、どのくらいコストが 減ったかに関してまでは、まだカウントしていません。現在は、電子情報システムの導入をしていた だく段階で、全都道府県の市町村、JAの支所に対して普及を進めている段階です。現在のカバー率は 50%ぐらいです。受託機関ベースでは30%ですが、加入者ベースでは少し大きめの所が進んでいます ので、50%を越えたぐらいかと思いますが、もう少し加入の推進を図りまして、将来的には紙でのデ ータ提供といったものを極力減らして、オンラインでの実現を目指しています。繰り返しますが、先 ほどの委員のご質問のコストはどのくらい減ったかに関しては、申し訳ありませんがそこまでまだチ ェックしてございません。 ○農業者年金基金企画調整室長  コストというよりも利便性が向上したというか、速やかに答えられるようになった。被保険者や受 給者の方が相談に来るときに、非常に時間が短縮してその場で答えられますから、そういう利便性と いうことを提供する点では、明らかに向上していると思います。 ○大野委員  直接利用されるのは職員の方ですか。 ○農業者年金基金理事  これは業務受託機関の農業委員会、あるいはJAの職員の方。IDの識別をしていただいて、誰でも見 ることはできないような形でやっています。 ○大野委員  今年は、達成度合が100%以上である場合にa評価という評価項目がありますが、これは前年度に対 して、どのぐらい増加したかというのが達成度合ということで計られているのですか。 ○農業者年金基金理事  前年度より件数を増加させること自体を目標にしています。 ○大野委員  普及率ということですか。 ○農業者年金基金理事  ではないです。相談した1個ずつの件数です。 ○山口部会長  ほかにご意見、ご質問はありますか。よろしいですか。それでは農業者年金基金の平成20年度の業 務実績に関しまして、農林水産省の独立行政法人評価委員会に提出する意見については、本日のご議 論を踏まえまして私と農業者年金基金担当起草委員であります、まだお見えではありませんが安達委 員、さらに事務局と相談をいたしまして案をまとめまして、書面によりまして皆様にお諮りをするこ ととしたいと思います。そして、最終的には私のほうにご一任いただきたいと考えておりますが、そ れでよろしゅうございますか。               (各委員了承) ○山口部会長  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  なお、厚生労働省の評価委員会で、同運営規定によりまして各事業年度の実績評価に関する事項に ついては、部会の議決が評価委員会の議決となります。  それでは、これから年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価を行いたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  法人及び法人所管課の入れ替えがありますので、ここで5分ほど休憩を取りたいと思います。開始時 間は10時5分ごろでよろしくお願いします。                 (休憩)              (法人及び所管課入替) ○山口部会長  それでは年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価に入りたいと思います。個別評価に入ります 前に、先ほどお話がございましたパブリックコメントに寄せられた意見があったということでござい まして、これにつきまして、法人所管課から説明をお願いいたします。 ○大臣官房参事官  厚労省で参事官をしております八神と申します。よろしくお願いいたします。資料3-8の裏を返して いただきますと、別表ということで1つご意見をいただいています。ご意見の中身は表の右欄です。 「年金積立金の運用は、変動リスクの大きいもので運用をすることは禁止すべきではないか」と。 「国民の不安を生じさせるような手段は不適切ではないか」。これ自身は本日の独法の評価に直接か かわるものではないかなとは思っておりますが、ご意見をいただいておりますので、私どもの考え方 を簡単にご説明いたします。  年金積立金の運用は、長期的な観点から行ってございます。したがいまして、例えば昨今のように 短期的な収益、短期的な情勢におきましては、収益が減少するということもありますが、長期的には 経済成長を反映して、安定した収益が得られるものだと考えてございます。  現在も国内債券を中心とした、リスクを比較的抑えたポートフォリオで運用をし、また、市場に連 動しましたインデックス運用というものを中心としています。また、定期的に運用結果も公表すると いった運用を行っております。長期的な観点から安全かつ効率的な運用と、法律にも定められた方針 でやっています。運用対象から、例えば株式を外し国債など、リスクの低い資産のみで運用するとい うことにつきましては、経済成長による収益が期待できなくなるのではないか。また、物価や賃金の 上昇に対して、実質的な運用利回りの確保が困難になるといったことから、適切ではないと考えてい ます。これが私どもの考え方です。以上でございます。   ○山口部会長  ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問等ございますでし ょうか。よろしいですか。それでは、年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価に入ります。最初 に理事長から「年度業務実績の概要、重点事項」の説明をお願いいたします。  ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  理事長の川瀬でございます。今回法人にとりましても私にとりましても、3回目の評価ということに なりますが、どうぞよろしくお願いいたします。  詳しい説明に入る前に私から簡単にご挨拶を申し上げます。既にご存じのとおり、20年度の運用実 績は、前年度に引き続きマイナスになりました。私どもの資金量は巨大であるためにマイナス額自体 は9.3兆円と大きいのですが、マイナスの率は7.6%ということで、他の年金基金のマイナス20%前後 という数字と比べて、かなり低いものにとどまっておりまして、リスクを抑えた私どものポートフォ リオの特質がはっきり表われた運用結果だと思っています。  私どものようにあらかじめ定めたポートフォリオに基づき運用する場合には、全体の収益率は各資 産の収益率の加重平均になるわけですが、その各資産の収益率がそれぞれのマーケットの動向で違い ますから、収益率を短期間でコントロールすることは不可能でありますので、こうした年金運用結果 は長期的に評価をしていただくようにお願い申し上げます。  20年度は4年間の中期計画期間の3年目という中間年ですが、我々の運用業務上は大きな節目の年 でした。積立金のうち、財政預託分がニューマネーとして我々に移管されるプロセスが20年度末で終 了します。それに合わせて20年度末に「基本ポートフォリオ」を実現させるという年でありました。  この面で私どもの直面した大きな出来事は、昨年秋のいわゆるリーマン・ショック後の内外株価の 急激かつ大幅な下落と円高でありました。こうした市場価格の変動に伴い、資産構成がかなり変化す るわけで、これにどう対応するか考えなければなりませんが、私どものほうでは、ニューマネーの配 分で資産構成比率を調整する。そういうことによって、年度途中で資産の売却・購入という入替取引 を行うことなく、年度末には基本ポートフォリオを実現することができました。  ニューマネーはいま申し上げましたとおり、20年度で終了するのですが、市場の急変がまだニュー マネーがある間の出来事であったことは、ポートフォリオ管理上、ある意味で幸運だったと思ってい ます。ニューマネーがなくなるということは、21年度からは当面の年金積立支払いのために必要なキ ャッシュを、我々が供給するということになります。そのためには運用資産の一部を売却等により、 取り崩す必要がありますが、資産売却というのはこれまで我々が経験したことのない業務です。これ をいかに間違いなく、かつ市場への影響を最少限にとどめつつ実行するかということを、20年度下期 から相当詰めた議論をしてまいりました。また、私どもでは、22年度から基本ポートフォリオを見直 すことになっていますが、この作業も20年度下期から開始しております。年度計画では、必ずしもは っきり明記されていないこうした業務が加わって、20年度は大変多忙な年であったという印象です。  組織運営面では、より効率的な組織づくりを進めていくとともに、引き続き、組織の専門性を磨い ていくことが課題でした。このうち専門性向上については、職員の戦力向上のため研修の充実、ある いはジョブローテーションの工夫等を行っていますが、1つの柱が民間運用業務経験者の採用でした。 異った業務経験を持つ人たちの参加は、直接、戦力アップにもなりますし、組織全体に知的刺激を与 えてくれた効果も大きいと思います。20年度も引き続き採用を実施しました。  ただ、この結果、中途採用者を含めた、いわゆるプロパー比率は、足元90%まで上昇していまして、 今後出向者等との入換えの余地も低下をしています。もし、次の計画期間も今期と同様の一般管理費、 人件費の削減が課されることを想定しますと、中途採用者の採用は、限界に近くなってきていると言 わざるを得ない状況にあることを申し上げておきたいと思います。私からの挨拶は以上のとおりです。 これから20年度の実績を説明させていただきます。 ○山口部会長  ありがとうございました。これからの進め方ですが、年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価 につきましては、評価シートの個別項目を4つのグループに分けて、グループごとに評価を行っていき たいと思います。まず、第1グループ、項目1から5番ですが、「業務運営の効率化に関する事項」に つきまして評価を行います。ここに資料は付いていますが、第1グループ1〜5につきましては、法人 からの説明を大体15分ぐらいでやっていただきまして、委員の評定ならびに質疑につきまして大体15 分ぐらい、合計30分ぐらいを想定しております。そして、これを4つ行うという形で進めていきたい と考えております。 それでは、法人のほうからご説明をよろしくお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  審議役の玉木です、よろしくお願いいたします。本日、私からの実績の説明につきましては、資料 3-4「説明資料」を主に使ってまいりたいと思います。そのほか一部ですが資料3-1-(1)の「業務実績評 価シート」と、資料3-5の「業務概況書」につきましても、若干ですが言及することがあろうかと思い ます。  資料3-4の「説明資料」のパート1につきまして、簡単にご説明申し上げます。この資料の1頁に、 「業務運営の効率化」に関します5つのタイトルが並んでいます。こちらにつきましては、当方の自己 評価は1〜4がA、5がSということになっています。こちらにつきまして、頁に沿いまして順を追って ご説明申し上げてまいります。  2頁は「効率的な業務運営体制の確立」という項目のうち、「組織編成及び人員配置」に関するもの です。当方の内部におきまして、理事長の意思決定を支える体制というものがございまして、こちら は主に経営管理会議及び、企画会議を定期的に開催する形で行っています。この2つの会議の頻度につ きましては、資料の中にありますように経営管理会議であれば、昨事業年度中16回、企画会議であれ ば34回となっています。このほか「運営リスクの管理・情報セキュリティ対策」といった、ほかの項 目につきましては、必要に応じまして内部委員会を活用して行っているところです。  3頁は「人事評価等」の項目です。これにつきましては左側に「人事評価制度の目的」がありますが、 職員の能力の向上等があるわけです。こちらにつきましては、平成20年度におきまして、実績評価及 び能力評価を実施しています。ここの結果を奨励手当に反映させるといった具体的な措置にもつなが っているところです。以上が人事評価等に関する主な点です。  4頁は、2頁で申し上げました「内部委員会等」につきまして、組織図をお示ししております。左の ほうは各部室の普通の組織図ですが、右半分に情報管理体制、あるいは目的別組織横断的会議体とい うことで、そこにありますような各種の委員会があるということです。この頁は以上です。  5頁は次の項目になります。「業務運営能力の向上」です。5頁におきましては先ほど理事長からも 申し上げました、中途採用の状況について簡単に記しています。外部からの運用経験者等の中途採用 につきましては、昨年度中も積極的に取り組みまして、8人の採用に至っています。この8人のうち3 人は、20年度中に採用活動を行いまして、今年度4月初から実際に働いているということです。この 資料の右上のところに「応募総数158名」とありますが、8人の採用に対して約20倍に近い応募がご ざいまして、働き盛りの優秀な人材の採用ができたと自負しているところです。この中途採用は、昨 年度以前からやっておりまして、現在ストックというところで申し上げれば20人ほどでして、当法人、 実際におりますのは80人弱ですが、その4分の1以上に達しています。働いていただいていますポジ ションとしましては、各課の課員のレベルから何人かの課長レベル、あるいは部室長レベルといった ところまで分布していまして、まさに中核的な戦力として機能しているところです。  当法人は、もともと運用にかかわる組織としての経験は長いところですが、そこにこのような新た な、あるいはフレッシュな知見を有する人材がまとまった数で加わってまいりましたことによりまし て、ある意味、我々の接しております市場あるいは運用業界と、ある程度は伍していけるだけの戦力 を確保しつつあるのではないかなというふうに思いたいところです。ただ、先ほど理事長からも申し 上げましたように、こういった中途採用につきましては、給与、処遇等の面で予算制約の苦労はなき にしもあらずということです。以上が中途採用等です。  6頁、こちらは「職員の研修」です。この頁は非常に字が細かくなって恐縮ですが、右上のほうに 「研修回数86回」というのがありますが、非常に幅広くまた頻繁に実施しているところです。  7頁は証券アナリスト資格のことが書いてあります。もとより証券アナリストに求められる知識だけ が我々の専門性ではありませんが、1つの専門性の指標としましてよく言われているところです。昨年 度につきましても、前年度に比べて若干ですが有資格者が増加したということをご報告いたします。  8頁、ここから3.「業務管理の充実」になってまいります。8頁におきましては、我々中期計画及び 年度計画にしたがって、日常の事務を行っているわけですが、こういった長いスパンでの計画を実務 に落としていく上で、四半期ごとの進捗管理を行っているところです。実は本日も机の上に置いてい ます「業務実績評価シート」のような評価書、あるいはこういった書類は、このような四半期ごとの 進捗管理の延長として作成されているものでもございます。  9頁、「内部統制」です。これは内部に先ほど示しましたような目的別の委員会をいくつか設け、ま た、必要に応じて外部の専門家の力を借りて行っているというところをご報告申し上げておきます。  10頁は「独立行政法人整理合理化計画を踏まえた監事監査の取組状況」です。こちらにつきまして は、監事の監査を受ける立場に私はございますので、私からその内容について申すのは若干僭越では ございますが、この機会を借りてご説明を申し上げておきます。  まず、監事は例年、年度当初に監事監査計画を策定し、理事長に文書で通知します。これとともに、 経営管理会議におきまして監査計画の説明と、協力依頼を行っています。平成20年度の監事監査計画 におきましては、その前年の年末、19年12月ですが、こちらに策定されました独立行政法人整理合理 化計画を受けまして、従来からの重点事項のほか、契約の監査と給与水準の状況、内部統制の状況、 情報開示の状況の監査というように、大きく括られました2つの項目を追加した監査計画を立てて取り 組まれてきたところです。  まず、契約の監査につきましては、いまから申し上げます2つの方法で行われたところです。1つ目 が契約のつど行っている監査でして、即ち文書の閲覧を通じた監査です。監事が行う監査である以上、 事後的なチェックにならざるを得ないところですが、契約のつど、個々に回付されます契約に関する 決裁文書を閲覧し、契約担当者に追加資料や説明を求めながら、公正性、透明性、効率性の観点から、 契約方法や手続の適切性について監査が行われたところです。  契約に関する決裁文書と申し上げましたが、これを具体的に申しますと、契約関係規程の制定、改 訂に係る決裁、調達の実施に係る決裁、一般競争入札、企画競争、公募の公告に係る決裁、企画競争 の審査基準に係る決裁、開札結果、契約の締結に係る決裁、随意契約に係る決裁、契約審査会での審 議結果の供覧決裁です。  もう1つ契約に関する監査につきまして行われたことは、平成20年度の契約事務が終了した後の、 本年度に入ってから、4月から5月にかけて行われました総括的な監査です。平成20年度の少額随意 契約を除きますすべての契約、これは51件ありますが、これを一覧表にしまして、「随意契約の見直 し計画」の進捗の状況、個々の契約方法の妥当性、より競争性の高い契約への移行の可能性、公告期 間の妥当性などにつきまして、改めて監事が検証を行ったということです。  続きまして給与水準、内部統制、情報開示に関する監査につきましては、第3、第4四半期にかけて の一連の業務監査の中で行われました。また、内部統制や情報開示に関しては、書面に関する監査の ほか、各管理者の認識も重要であるという考え方から、個別の面談にも多くの時間が割かれたところ です。具体的に申し上げますと、まず、第1段階として、監事が具体的な質問事項を示した上で、関係 規定や資料の提出を求め、関係課長クラスからヒアリングを行い、先ほど申し上げた独立行政法人整 理合理化計画に掲げられている観点で、それぞれの課題の現状把握を行ったところです。そののち、 第2段階として、監事が各部室長と個別の面談を行い、これら課題に対する少し上のレベルでの現状認 識の確認を行ったということです。以上が監事監査の取組の状況です。  11頁は「内部監査」です。やや旧聞にはなりますが平成18年4月に、理事長直属の監査室という組 織を設けまして、組織内の内部監査を行っているところです。実施の状況につきましては、右半分の 右端の真ん中辺に回数が書いてありますが、19回、20回といった形で行われています。  12頁はシステムのことについて書いています。「事務の効率的な処理」という項目ですが、説明の 主たるところはシステムです。当法人のシステムにつきましては、最適化計画を19年3月に公表しま した。ここで目指されたものは何であるかといいますと、「統合データベースの整備・高度化」です。 統合データベースと申しますのは、各資産管理機関がそれぞれの方法で保有していますデータの形式 の統一、正規化、あるいは異常処理などを行いますデータクレンジングという上流の工程と、データ の取り込み、集約、検索を可能にする、こういったデータ処理という、下流の工程から構成されるも のです。  従来の上流工程と申しますと、各資産管理機関からデータが磁気テープを物理的に運んでくる、そ ういう方法によりまして、月に1回日次のデータを取得して、これをクレンジングするというものでし た。  これに対して、新システムの上流工程は、資産管理機関が集約されたことの効果も踏まえながら、 データの授受を磁気テープの物理的な搬送によるものから、ネットワーク伝送にする、送られるデー タの標準化を進めるなど、上流の工程を抜本的に見直すものです。このような見直しの具体的なメリ ットとしますと、データの入手が早期化する、あるいはその頻度が従来は月1回であったものが毎日に 向上するといったところがあります。この上流工程につきましては本年6月から本番運用に至っている ところです。上流はこのように本番に入っていますが、下流は現在作業中です。どのフェーズかと申 しますと、本年8月から総合テストフェーズに入っていまして、発注先の作業に関して、当法人からい ろいろ申し上げながら、作業に注力をしているということです。  13頁、5番で「業務運営の効率化に伴う経費削減」です。こちらにつきましては、2つの頁にわたっ て申し上げます。まず、13頁ですが、一般管理費と業務経費です。一般管理費は17年度予算が13億 円ほどでして、うち約7割が人件費という経費構造です。これにつきまして、4年間で12%、うち人件 費は4%削減という中期目標につきまして、いろいろ努力を重ねてまいりました。その中には一般競争 入札の実施に努めるといったもの、あるいは各種節約を推進するといったことがありまして、目標を 達成しました。中期計画途中ではありますが、20年度の水準は中期の目標を達成しました。  他方、業務経費につきましては、17年度予算が10億強です。これを中期目標では4%削減というこ とですが、これも一般管理費と同様な形で達成されているということです。  14頁、実は当法人が払っています経費としましては、圧倒的に大きいもの、最大のものは管理運用 委託手数料です。頁左のほうの棒グラフに管理運用委託手数料の総額の推移が出ていますが、300億円 前後でここ数年推移しているところです。  これにつきましては節減を進めていますが、その節減のルートは3つございます。この頁の右側のほ うです。まず、(1)の資産管理機関の集約です。これは同じ資料の52頁に資産管理機関の集約の概念図 が出ています。集約前にはA社、B社、C社、D社、それぞれに4つのアセットクラスの管理が行われ ていたわけですが、これをアセットクラスごとに1つの資産管理信託銀行にまとめていく。これが資産 管理機関の集約です。  これによりまして、当法人内部の管理効率が改善されたばかりでなく、管理委託手数料の大幅な引 き下げが実現いたしました。この効果を定量化するとしますとどうなるかですが、この改善の効果は 20年度中12億円でした。これはファンドの移管を安全を期して年度を通して、五月雨式に行いました ことにより、節減の効果がフルには発揮されておりませんので、この程度の数字にとどまっています が、仮に年度を通してフルに発揮されたとするならば、46億円程度というふうに見込んでいるところ です。これが第1のルートです。  第2のルートは既存の運用委託機関の手数料引き下げでして、各種の機会を捉えまして手数料の引き 下げを図り、その成果は3億円ということです。このほか新規に私どもが運用を委託しました先につき まして、手数料の節減を推進しました。こちらについては0.5億円の効果があったと考えているところ です。以上、14頁まででパート1の説明とさせていただきます。以上でございます。 ○山口部会長  ありがとうございました。評定記入用紙が今回から独立した形でございます。こちらの資料で3-1- (2)です。委員の皆さまはこちらの用紙に評定等の記入をお願いしたいと思います。並行して、ただい まのご説明につきまして、質問等がございましたら適宜ご発言をお願いしたいと思います。ご質問等 ありますでしょうか。 ○大野委員  いまご説明いただきました、管理運用委託手数料の件なのですが、資料でいいますと14頁になるか と思います。左側の表に手数料の料率が直近で0.02、2%まで下がったといったグラフがあるのですが、 同様のものかどうかまず1点、確認させていただきたいのです。業務概況書、資料3-5の101頁に、運 用手数料の推移という(4)のところに表があるのですが、まず、こちらと資料3-4の14頁のものが同じ ものというふうに理解してよろしいかどうかというところを、まずいちばん最初に確認させていただ きたいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  委員ご指摘のとおり、この業務概況書とこの資料は全く同じものでございます。 ○大野委員  資料3-5の101頁には、平成13年度からの推移というのがありまして、そして、運用手数料率のほ うで見ますと、平成13年度で0.11から平成20年度で0.02まで下がったということでございますが、 毎年毎年低下傾向で効率化を図られていらっしゃるということでございまして、その効果が資料3-4で いいますと、(1)(2)(3)の3つのルートが考えられるということです。平成20年度において特にその3つ のルートの中で、どういったところの効果が大きいというふうに判断されていらっしゃるのですか。 もう少し長期的に見ますと、平成13年度が0.11から大きく下がってきているわけですが、今年度、こ こについてS評価という評価をされていらっしゃるわけですが、ずうっと長期的にその料率が引き下げ ということをやっていらして、今年度において特に強調されたい点といいますか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  13年度からというお話でございますが、概括的に申し上げますと、その同じ概況書の101頁に(3)と いうアクティブ、パッシブ比率の推移がございます。合計のところで見ますと、平成13年度のころは ようやくパッシブというものが日本でも少し出てきたような状況でありましたが私ども何とかパッシ ブ中心にもっていこうということで、ただ、その時点でも半々ぐらいでございました。その後、私ど もは急速にバッシィブの比率を上げていっております。  手数料としては当然、アクティブのほうが、もちろんパッシブよりも手数料は高いわけです。13年 度以降はそういうパッシブ比率を上げていく中で、さらに運用機関の間で入替えをする際に、より競 争的に手数料を引き下げていった効果が現われております。19年度から20年度の部分に関しましては、 資料3-4の実績評価シート説明書の14頁に3つございますが、特に大きいのはやはり運用機関という よりは資産管理機関の集約の効果が大きかった。ですから、これまではどちらかというと、運用機関 ベースでパッシブ中心にし、さらにその中で競争していただいた。今回は特に資産管理機関の集約の 効果が非常に大きかったということが、20年度の私どもとして強調させていただくというか、ご理解 いただきたい点でございます。 ○光多委員  すみません、事務的な話ですが、これをお出しするのですが、これは今日出さなければいけないわ けではなくて。 ○山口部会長  事務局からご説明いただきたいのです。   ○政策評価官室長補佐  評定記入用紙につきましては、一応10日にこちらに着くように郵送していただければと思います。 お持ち帰りになっていろいろメモをして。 ○山口部会長  前回もお話があったように、全部書けないというのがございましたので、あとで出していただいて も、できるだけ今日、書けるところまで書いていただいてということで、お願いしたいと思います。 ○光多委員  いまの資産管理機関のところで確認ですが、いまの説明は分かりましたが、資料3のA3でいくと、 23頁の(5)にありますが、これは集約したのが19年度ですね。それで、20年度は手数料を下げたとい うことですね。この辺のところですが、集約して「新たな管理委託手数料の適用時期について交渉を 行い、当初提案の適用時期を前倒しし、早期適用を実現」、この辺について、もう少しコメントして いただけませんでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  これにつきましては、当初資産管理機関は選定そのものは19年度にやっていまして、そのときにこ の時期ぐらいに集約をいたしますというお話で、「では、そのころに手数料の引下げを行うのでしょ うかね」というお話をしていましたが、実際にやる過程では、もう少しそれを前倒しをして、手数料 の引下げを行っていただくということを、実際に交渉いたしまして、そういう努力もさせていただい たということでございます。ただ、いずれにしましても、その時期はさみだれで、そもそもが移管が 非常に多くのファンドがございましたので、順次やりましたので、効果としては全部発揮するに至っ ていませんが、それが12億であったということです。 ○光多委員  これ52頁だと、4機関ですが、このうちの3機関について実現して、1機関はまだという解釈ですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  いえ、4つとも順次移管をしてきております。ですから、例えば国内株式にしても国内債券にしても、 年度を通して例えば4月、5月ぐらいから、順々に複数の運用機関に分けて資産管理機関を、1つに集 約をしていったということでございます。 ○光多委員  その1機関はもう既に下げていて、3機関については早めたと、この23頁の意味はそういう解釈で すか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  はい。これは実際の適用時期を早めたのが3つであったということです。ただ、集約の作業は順次や ってきています。 ○光多委員  集約は19年度やっているのでしょう。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  19年度は実は事務的にはまだ、方針を決めただけでございまして、作業をしたのは20年度からでご ざいます。 ○光多委員  要するに「3機関については前倒しをしたのだけれども、1機関が」、この辺の表現はどうなってい るのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  これは資産管理機関の集約のスケジュールを前倒しをしたとかいうことではなくて、新しい手数料 率の適用時期でございます。 ○光多委員  それが3機関なのか、4機関なのか。23頁の表現はどういう意味なのですか。4機関ですよね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  はい、4機関でそのうち適用時期を前倒しをしたのが3機関である。 ○光多委員  1機関はどうなっているのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  1機関は19年度に提案があった適用時期を、そのまま適用しています。 ○光多委員  最初からやっているということですね。  ○樋口委員   13頁の人件費の一般管理費のところなのですが、その前の説明で民間から積極的に人を採用してい るということで、民間のレベルと独法の給与レベルというのは、どれぐらいの差があるのですか。同 じぐらい。概略で結構ですので、採用をした実績で結構ですが、同じぐらいなのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  管理部長でございます。採用したレベルによりまして、部長、課長クラス、それから第2新卒クラス といったところでは、だいぶ民間との比較が違ってくるのでございますが、若い人につきましては、 民間と比べまして私どもの給料がそんなに大きくは違っていないということは言えるわけです。中堅 層ぐらいになってまいりますと、これは民間のほうはかなり成果連動型でやっている所もございまし て、かなりのバラツキがございます。そういった中で、民間と比べて一概には、1.5倍とか2倍とかい うことは、ちょっとできにくいかと思いますが、ざっとしたイメージで言いますと40代ぐらいになっ てまいりますと5割程度ぐらい、場合によっては違う方もいらっしゃいます。ただ、そういった中でこ ちらの法人の使命に賛同していただいていると、そういった方を何とかピックアップして給料のほう は若干、ご負担を強いる形で参加していただいているとこういったことでございます。 ○樋口委員  そうしますと、削減の効果のところに、対前年度、17年度とか比較していますが、累積でずいぶん 増えているわけですよね。いまおっしゃるように、高い人たちが何をやられているかは分かりません が、そうすると結果的に削減のあれは人数なのですか。人員というのは既存の人員の削減ですか。退 職。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  お金の面での削減が13頁に書いてあります。 ○樋口委員  金額でしょうけれども、その人数、単価×数量という意味で言えば、結局、数量で削減効果が出て いるのですか。平均単価ではなくて。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  中途採用を始めまして、ここ2、3年でございますが、これも先ほど18年度、19年度と順番に入っ てきておりますので、中途の方の給料がフルに年度で寄与してくるといったところが、これは19年度、 20年度と若干五月雨式に出てきてきますので。 ○樋口委員  ちょっと勘違いしないでください。私は人件費は安ければいいと思っているわけではなくて、成果 が上がることが第一だと思っておりまして、民間から優秀な人材を採るには、どうしても低い給料で は優秀な人たちは一般的に考えると来ないのではないかと思ってお尋ねして、どれぐらい高いのかな と。その効果って、ただ、削減しているということは、誰がという言い方はないですが、何が原因で 下がっているのかなと。若い人たちのほうが圧倒的に入って来ているからそんなに違わないのだとお っしゃるなら私はすぐに分かりますが、その辺が分からないからお尋ねしたわけなのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  第2新卒、30代にいかない25、6歳の方が結構ここ2年ほどで入って来た。これ自体は法人全体の 給与水準そのものについては、若干下がる。と申しますのは、それまで出向者を抱えていましたが、 出向の方が厚労省なり社会保険庁にお帰りになられて、その分、若干給料の振り替わりという金額面 で見ますと、マイナスの方向に寄与した部分もあったというのが1つでございます。 ○樋口委員  分かりました。つまりは戻った方と新規に入られた方との差というのは、結果的にはあまりないと。 人数として戻った方のほうが多いから削減されたと、そんなふうに理解していいのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  それも1つございます。 ○竹原委員  業務システムに関して3点お聞きしたいのです。まず1点目として、先ほどのご説明で当初は磁気テ ープで月1回のデータ提供であったということなのですが、少なくとも私が知るかぎり、少し前から、 かなり前からかもしれませんが、ネットワーク上で日次のデータ配信にもう切り替わっていると思う のですが、具体的にいつの時点まで磁気テープでの月1回のデータ提供で、それが日次のネットワーク 上での提供に変わった時期がいつかというのを教えてください。  2点目ですが、その間の提供を受けたデータ、特に保有明細等を使って、それを現段階でのリスク管 理等の目的で、有効利用がなされているのかどうかについて、お聞かせください。  3点目ですが、これから多分データ処理の下流とおっしゃった部分が完成してくると思うのですが、 その下流部分のデータ処理の部分が完成した際に、提供を受けた日次の保有明細を含むデータが、リ スク管理上どのような分析に使われる予定なのか、具体像を少し教えていただきたいと思います。   ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  ネットワークが出来たのが6月です。本年6月からですので。 ○竹原委員  それ以前は、もう完全に月1回の磁気テープだけということですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  そうです。保有明細、いろいろなデータがあるわけですが、こちらは後ほどご説明しますが、私ど もが内部的に「リスク管理」「リスク管理」と言っていますが、例えばトラッキングエラーの把握を するとかそういったところは、毎月毎月やっていまして、これにもちろん使われていくということで す。  3番目のご質問の有効利用というのも、そういった利用の仕方を高度化していくということになって いくと理解しております。 ○川北部会長代理  多少話が戻るのですが、中途採用されているということなのですが、どういう分野での中途採用を されているのか。それから、先ほどある程度お答えいただいたと思っているのですが、どの程度のキ ャリアを積んだ方なのかをお教えいただければと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  中途採用は先ほど「この間約20名ほど」と言ったところですが、階層別に見ますと部長、課長レベ ルが5名程度、課長代理レベルが8名程度。それから先ほど私は「第2新卒」というふうに申し上げま したが、比較的若い30代より前、20代ぐらいの方、これが7、8名と、このような状況でした。課長 代理職以上については、基本的には年金の運用と金融証券の分野におきまして、実際に投資をしたり ファンドの運営に携わった経験のある者といったところでして、資格としましては、証券アナリスト の資格は必須のものとしてやっていますが、基本的には銀行あるいは証券会社等で経験されて、日本 のみならず、海外等においても活躍されたと、それから、中にはMBAの資格を持っている方も数名いる という状況です。  若手につきましては、証券アナリストの資格を持つといったレベルに達してはいない者ですが、比 較的民間の金融機関等にいたと。ただし、これは実際に入って社会人としての経験を満たしたレベル の方ですので、公的年金の運用といった社会的使命そのもの、「やる気」といったところを重視して 採用してきております。 ○川北部会長代理  配属されているのは自家運用の部署でしょうか。   ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  基本的に私ども運用部門と申しておりますのは、運用部、それから全体の企画をしていまして、運 用の企画も携わっていますから企画部、インハウス運用室といったところ、その辺に中心です。それ から、ポートフォリオの基本を作っております調査室といったところが対象です。 ○光多委員  それに関係して、確かに優秀な人を採用していると思いますが、これだけ研修をやって、証券アナ リスト資格を取得して、それで実績を積んで、GPIFでやったという経験でサッと逃げられてしまうと 大変困ってしまいますよね。ですから、本当言うと、これだけ応募者が多ければもう研修も要らない、 証券アナリストをみんな持っていると、そのくらいの資格を採用できないのかなという感じもするの です。いちばん問題なのは、私がいた会社でもそうなのですが、とにかく採用をして研修を受けて3年 でいなくなる。いちばんこれ困るのです。その辺、なかなか引き留められはしないでしょうが、難し い問題と思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  もちろん逃げられないほうがいいということなのですが、いまの時代はとめられる時代でもないし、 私どもの所で3年なり5年なりいて、キャリアを積んでどこかに行くというようなことが、絶対いけな いということもないし。あるいはそのぐらいの市場価値のある人に我々育てられれば非常にいいなと 思っていまして、あまり逃げられることを気にしてもどうかと思っています。もともと入って来てい る人も、先ほど申し上げましたように、給与のところをある程度犠牲にして入って来られて、それは 我々の公共という使命に賛同されることもあるし、ここでまた新しい経験とか知識を得てということ がありますので、私は1年ですぐということになるとあれなのですが、5年とかということだと仕方な い面があって、むしろそういう人にとって働き甲斐のあるような職場に、どうやってしていくかとい うことだと思います。だから無駄な研修などやめたらどうかというふうには考えません。 ○山口部会長  1つだけ確認していいですか。業務運営の効率化に伴う経費削減の関係ですが、これはもともと経費 という形で管理運用委託手数料を払っていた、それが減ったということなのか。あるいは信託財産か ら払っていた、それが減った、どちらだったのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  お金の流れというのは前者。 ○山口部会長  別立てで各運営機関に払っていた。その予算が少なくてすんだということで理解していいのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  運用を委託するお金。 ○山口部会長  運用委託手数料が減ったという話ですよね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  はい。 ○山口部会長  その手数料はどこから払っていたのですかという質問です。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  それは私どものいわゆる費用として払っていると、そういったことでございます。 ○山口部会長  では、信託財産から控除していたのではなくて、直接払っていたから、その分ストレートに経費が 削減できた。   ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  はい、そうです。 ○山口部会長  時間の関係もございまして、先に進みたいと思います。次に第2グループ、項目6から9です。「業 務の質の向上及び財務に関する事項」について評価を行いたいと思います。所要時間は法人から15分 ぐらいで説明していただきまして、あと委員の評定と質疑で15分、合計30分ぐらいを目途に行いたい と思っています。では、法人からご説明をお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  先ほどの評価シート説明資料の15頁をご覧ください。こちらはパート2の項目が並んでいまして、 受託者責任の徹底以下が並んでいます。評価項目6、7、8、9、それぞれ我々の自己評価はAというこ とです。  17頁、「受託者責任の徹底」の項目です。これにつきましては、当法人の内部では理事長によりま す決定が必要な判断材料を提供された上で行われ、また、そうした決定が適切に実施されるよう経営 管理会議、企画会議等、先ほど申し上げたような仕組みを通じまして行うといった業務の体制が構築 されているところです。  更に運用受託機関、資産管理機関につきましても、我々のほうから「受託者責任を果たしてくださ い」ときちんと求めていく、これが我々の責務であろうかと認識しているところです。  こういった観点から、運用受託機関に対しまして、運用手法や運用体制、資産の管理の方法、そう した体制の変更に関する事前の連絡、法令遵守体制の確立、リスク管理指標の管理目標値に沿った運 用、売買執行等の事務処理におけるオペレーショナル・リスクへの配慮、その他のリスクの管理、長 期的な株主等の利益の最大化に向けた議決権の行使、こういったものを含めて、さまざまなところに つきまして、当法人が求めるものを運用受託機関、資産管理機関との契約、あるいはガイドラインに よってきちんと示しまして、その徹底を求めているということです。  こういった求めるところ、担保するために定期的な報告を取る、あるいは、ミーティングをいろい ろ行うことによりまして、運用受託機関、資産管理機関におけます業務の実施の状況を、きめ細かく 日常的にモニターしているということです。  18頁、当法人が受託者責任を果たしつつ、業務を遂行していく上で非常に重要なところですが、運 用委員会によりますガバナンスです。この運用委員会は左側の表にありますとおり金融工学あるいは ファイナンス理論の専門家、主にアカデミックなほうの専門家の方々、あるいは我々と同じように資 金を市場で運用する機関投資家における長い経験を持たれた専門家、その他別の分野の方々も含めて 構成されており、こちらの委員会に対しては私どもからおおむね月に1回ですけれども運用資産のリス クの状況、その他の各種の事項に関してご報告を行います他、最近ですと次期基本ポートフォリオに 関してかなり突っ込んだ議論を行っていただく、このようになっているところです。  19頁は先ほど申し上げました中途採用の話とダブるところがありますので飛ばして20頁です。こち らは専門性の向上という項目ではあるのですけれども、私どもの内部では先ほどからご説明しており ますような運用実務家等の中途採用、あるいは頻繁、継続的な研修等によります当法人内部の職員の レベルの向上、こういった努力に加えて外部の専門家の高度な知見を取り入れるための調査研究、こ れも精力的に行っています。そちらにありますように基本ポートフォリオやコーポレート・ガバナン スに関するものがあるわけですけれども、私どもとしては例えば現在の大きなテーマであります次期 基本ポートフォリオの策定に、直接的にせよ間接的にせよこういった調査研究の成果が生かされるこ とを期待するところです。  続きまして情報公開に関するものです。お手持の資料では21頁です。私どもの情報公開、様々なル ートで行っていますけれども、例えば一つの手段がいまお手元にありますこういった業務概況書です。 こちらについては年度ベースの運用状況の開示について情報を極力豊富、かつ、使いやすくするよう 年々改良を施しているところです。また、こういったコンテンツをいくら作りましても一般社会にお いてこれが利用されるためには、我々のホームページの使い勝手の良さが必要です。私どもでは限ら れた資源の下ですけれども、ホームページの改善にいろいろな工夫を凝らしているところです。こう いった使い勝手の改善の成果についてはなかなか定量化は容易ではありませんが、私どものホームペ ージに対しますアクセスの件数はここ数年度間にわたって着実に増加している他、使い勝手という点 に限りますと21頁の資料の右下にありますけれども、あるメディアの会社によります調査では、独立 行政法人のウエブサイトの中では比較的使いやすいほうであるというような利用者の評価があったと いう情報もあります。  22頁になりますと、公表資料等の充実、四半期ごとに運用成果を公表する、場合によっては資料に ついて英語版も作るといった形で、情報公開に関しますツールの充実を図っているところです。  23頁に予算収支計画、資金計画がありますが、中身として一般管理費、業務経費の節減とかなりか かわるところですので、概要はすでに説明済みですが、そちらにありますとおり予算の執行率等は21、 23頁の表のような形になっています。パート2についての当方からの説明は、簡単ですが以上です。 ○山口部会長  ありがとうございました。委員の皆さまは評定記入用紙に評定等の記入をお願いしたいと思います。 ただいまのご説明に関してご質問等ございましたらご発言いただければと思います。 ○竹原委員  20頁の管理運用手法の高度化という頁に関してですが、主な調査研究等で基本ポートフォリオの策 定に係るコンサルティング、他いくつか挙げられていますが、こういったものはこれまでも継続して 行われてきたテーマが多いと思うのですが、特に重点をおいて、例えば今年であれば金融危機後であ ればこういう研究が必要とか重点領域は考えていらっしゃるのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立法人調査室長  調査室長です。次期基本ポートフォリオの策定に向けて、20年度に限らずその前年という形で継続 的に調査研究を行っているということで、いまご指摘のあった金融危機の件についてはこの調査研究 とは若干離して内部的に、例えばガーチ・モデル、そのようなモデルの工夫、そういう形で内部的に 研究を進めているという状況です。 ○竹原委員  内部の組織としてはどの部署が担当されるのですか。 ○年金積立金管理運用独立法人調査室長  調査室です。 ○竹原委員  わかりました。 ○川北部会長代理  21頁のホームページ、情報公開のところでアクセス件数が増えてるということですが、どういう目 的のアクセスが増えているとか、そういう分析はされておられるのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  もう一つの資料、実績評価シートの39〜40頁をご覧いただけますでしょうか。39頁の右のほうにト ップページへのアクセスがあります。これがトップページで、次の頁にいきますと似たような表が3つ あります。一番上に「積立金全体の管理及び運用の仕組みについて」とあります。それから次は「管 理運用に関する基本的方針・遵守事項」がありまして、一番最後が「運用実績」です。この数字、絶 対値を比べていただきますと、やはり一番最後の運用実績について多くのアクセスがあるということ です。 ○川北部会長代理  これに対する情報の質の向上や内容の充実に関する工夫を行っておられると、この統計から考えて よろしいのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  アクセス件数だけから、例えばアクセスされた方々の関心がどこにあるか、なかなか読みにくいと ころはありますが、他方で私どもがメディアに公表などをした場合のご質問のパターン、こういった ところは記憶に残して次に生かしていくというような、そういったサイクルは働いております。もう1 点、Q&Aについては最近作りましてアップしています。こちらについても今後ですけどもある期間取 って、アクセスの動向などいろいろな角度からみてまいりたいと思っております。 ○山口部会長  こちらは大きな評価シートの35頁に、「運用受託機関等に対しても関係法令等遵守違反等の場合に は資金配分停止等のペナルティを課すなど」と書いてありますが、これは実際に行われたということ ですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  昨年度の場合はそういったものはありません。 ○山口部会長  課すなど遵守の徹底と確認を行ったと書いてありますが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  確認を行ったといいますのは、まず私ども毎年度当初に運用機関に対する説明会をやっており、そ の中で徹底を行っております。それ以外では、定期ミーティング等の機会でそこの状況を確認し、ま た報告を受けて、ただ後は金融庁の処分の情報などがあれば、そこに対して適宜やっております。そ ういう意味で、トータルに私どもは運用機関に目を通し、また情報も把握し、何かあれば適切な対応 を行うということをやっております。 ○山口部会長  他に何かご質問ありますか。 ○光多委員  いまのそのペナルティを課すなどという、こういう形をやってという話は、ちょっと表現からする とこういう形を課すということを前提としてこういうことをやった、そういうことですね。これでい くと「課すなどしてこういうことを行った」となっているのですが、実際にやっているのですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  そのスキームといいましょうか、そういうことがあればそういうことを課すのだというスキームの もとで徹底を図っている、そういうことです。 ○光多委員  もう1点36頁ですが、運用委員会が月に1遍やっておられるわけですが、これは例えばどんな議論 が行われて、これは全部はできないでしょうけれど議事録は公開しておられるのか、それから、この 運用委員会が理事長に建議した実績はあるのか、36頁で「この委員会における議論を踏まえた結果を 業務に反映することができた」とありますが、具体的にどういう形でこの運用委員会を活用しておら れるのか、その辺についてお話をお伺いしたいのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  まず議事要旨はウエブサイトで公表しています。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  それから、建議というのは本筋かどうかわからないのですけれども、昨年事務所移転の問題があり まして、そのときに運用委員会としても何とか神奈川県に移ることに反対の意思表示はできないのか ということがありまして、そのときにどうするというので、本当は大臣か何かに出すのでしょうけれ ど、とりあえず建議という形でやるからそれを大臣に伝えるということで、それが1回ありますけども、 その他ではありません。  それから、どのように生かすかというのはそれぞれですけども、例えば外国債券のアクティブにつ いてどういうベンチマークにするとか、あるいはどういう形でマネージャー・ストラクチャーを組ん だらいいのかというようなことは、1回最初に我々の案みたいな、あるいは選択肢を出してそこで出た 意見を参考にして変えるというようなことはいくつもあります。ただ、運用委員会は決定機関ではな いものですから、そこで伺った話を参考に我々として考えてやるということになるわけですけれども、 それはいろいろな局面で結構あります。 ○山口部会長  ほかに。よろしいでしょうか。それでは、次に第3グループ、項目10〜15、年金積立金の管理及び 運用に関する事項(1)について評価を行いたいと思います。所要時間は先ほどと同じように法人からは 15分、委員の評定と質疑で大体15分、合計30分程度を想定しております。それでは、法人のほうか らご説明をお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  説明資料の24頁をご覧ください。こちらがパート3の項目です。上から運用の基本的な考え方、最 後は基本ポートフォリオの見直しとなっていますが、私どもの自己評価はAAAASAということです。  25頁です。運用の基本的な考え方、あるいは運用の目標に関する説明を何頁かにわたって申し上げ ます。当法人の責務というのは、中期目標にありますとおり、実質的な運用利回りを確保するよう長 期的に維持するべき資産構成割合、すなわち基本ポートフォリオを定めて、これに基づき管理運用を 行うことにあります。また、このような考え方の背後にありますものは、年金財政は実質的な運用利 回り、すなわち対賃金上昇率での実質的利回りですけれども、これが確保されていれば基本的には影 響を受けないというものです。  これを具体的に申し上げますと、基本ポートフォリオを維持するよう、例えば昨年度であれば、各 資産クラスの構成割合が市場、市況の変動で時々刻々また大きく変化していく中にありまして、新規 寄託にかかる資金、いわゆるニューマネーの配分を行うことが第1のステップです。そのうえで、各資 産クラスごとのベンチマーク収益率を意識しながら運用受託機関の選定及び管理を行っていく、こう いうことになるわけです。  いま申し上げました運用受託機関の選定、管理等について26頁です。運用受託機関は、正直に申し 上げてかなりの手間暇をかけて選定しているところです。外国株式アクティブ運用について、既存先 の入れ替えを含めた選定を行いました。頁の右下にありますように、最終的に選定されたものの数倍 の応募先の中から一次、二次、三次と数次にわたる審査を経て選定しています。こちらで選定する際、 応募してくる各社それぞれ我こそはと自らの運用手法等について他社比優位性をアピールしてくるわ けで、その中から選定するので、当然のことながらこちらにも相当程度の専門性が必要になるところ です。この選定の結果ですが、運用を委託しております先のリストについては、こちらの業務概況書 の後ろのほうですけども委託運用している金額、あるいはパフォーマンスも含めて公表しています。  続きまして27頁です。運用受託機関の管理ですけれども、運用の実績、あるいはそれぞれの運用受 託機関がいろいろな投資行動を取っておりますが、そこでテイクされているリスクについて定期的、 かつ細かく報告を受けており、これを当法人において分析し、また、定期的にあるいは必要に応じ緊 急に運用受託機関とのミーティングを行っているところです。  さらに、特定のファンドあるいは市場全体に関して特段の事情がある場合、そういう場合には随時 情報を集めるわけですが、特に後者の市場全体に関します特段の事情ということでは、昨年のリーマ ン・ショックがすぐ思い浮かぶところです。このときは特にアクティブファンドですが、そういった ファンドの投資行動あるいはリスク管理状況を詳しく調べるために、緊急にミーティングを行い、突 っ込んだ議論を行うといった対応を行ったところです。こうして、ある意味日常的な管理は、当法人 におけるそれぞれのファンドの評価につながっていくわけです。  27頁の右半分にありますように、毎年度何十かありますファンドの一つひとつについて、定性、定 量の両面から評価を行い、その結果は運用を委託する金額の増減、場合によっては資金配分停止ある いは解約につながりうる、そういう形になっているところです。昨年度の例については、ニューマネ ーが毎月何千億と入ってきている状況でしたので、多くのファンドに資金が配分されていたわけです が、中には新規資金配分の停止に至ったものもあります。  28頁ですけども、ここで自家運用、インハウス運用についてご説明を申し上げておきます。運用資 産のうち短期資産、あるいは引き受けました財投債及び一部の国内債券、パッシブ運用については当 法人の中に実は小さなディーリングルームがありまして、こちらを使って行っています。ただ、財投 債についてはこれは満期保有ですのでディーリングルームはいりませんが、短期資産、資金及びパッ シブ運用についてはそうです。  短期資金は、時として非常に大きな金額になります。1兆円を超えることもありまして、これを短期 金融市場で安全かつ効率的に運用していくためには、それなりの専門性あるいは事務体制が必要です。 また、国内債券のパッシブ運用については、これはパッシブですので相場観を持たずに市場に付いて いく、こういうスタイルですけども、従来の運用実績をみますと民間の運用機関と比べて特に遜色の ないものが残っているところです。また、自家運用についても先ほど申し上げた民間の運用受託先と 似たような評価を行っているところです。  続いて29頁です。機関投資家の運用実務については、29頁のタイトルの中にもありますように、ベ ンチマークというものの存在は非常に大きいです。私どもは各年度、各資産ごとのベンチマーク収益 率を確保するよう努めることになっているわけです。20年度のベンチマーク対比の収益率、超過収益 率が頁の左のほうにありますけれども、国内債券ではおおむねベンチマークなみ、外国株式及び短期 資産ではプラス、国内株式及び外国債券ではマイナス、こういうことになります。このようなベンチ マークからの乖離については、その時々の市場の変動あるいはアクティブ・マネージャーの判断によ るところが大きいわけですけれども、特に昨年度については、リーマン・ショック以降、まさに100年 に一度の大変動の中で運用受託機関が行います銘柄選択、これが効果をやや発揮しにくい、そういっ た状況もあったところです。  こういった状況を踏まえて先ほど少し申し上げましたが、リーマン・ショックの後は緊急に運用受 託機関のミーティングを開きましたが、さらに年末にかけてある意味定期的に行っているものですが、 リスク管理ミーティングと呼ばれるミーティングを行って、そちらでも投資行動の確認を行うなど市 場の動向に応じた対応を取ったところです。  国内株式あるいは外国債券については、先ほども申し上げましたが昨年ベンチマーク対比マイナス になったわけですが、今年度に入ってからの数か月間について感触だけ申し上げますと、マーケット が全般にこの春から落ち着きを見せる中にあり、ベンチマーク対比の収益率が相当程度回復している、 こうなっています。リーマン・ショックのような非常に大きなインパクトが市場に加わりますと、市 場は大きな変動に見舞われるわけですけれども、この変動が一往復するといいますか、あるいは初期 の大きな変動が段々減衰していくためにはかなりの時間がかかるようで、この間はどうしてもベンチ マーク対比の収益率が大きく振れやすいということもあるのではないかと思っています。  以上各資産クラスについてのベンチマーク対比の収益率について申し上げましたが、1点だけベンチ マーク自体について、ややテクニカルな事情について申し上げておきます。これは外国株式に関する ものです。各アセットクラスのベンチマークは次の30頁に列挙していますけれども、上から国内債券 とある表の下から2行目、外国株式という欄をご覧いただきますと、モルガン・スタンレー・キャピタ ル・インターナショナル・KOKUSAIとあります。その中に「円貨換算、配当込み」、さらに「GROSS」 と書いてあります。  どういうことかといいますと、配当に関する源泉徴収込みというのがGROSSの意味です。私どもの場 合、保有しております運用対象の株式の配当については、源泉徴収がある国とない国があります。世 の中にありますベンチマークには、GROSSとネットがありますけれども、私どものように国による場合 のベンチマークはありません。このベンチマークを狙って運用しているというのは、私どもの成果が 評価しやすい、わかりやすいということが目的ですので、ベンチマークについてあまり誰も使ってい ないもの、あるいは自分で勝手に作るというわけにはなかなかまいりませんので、いまのところはベ ンチマークについては若干我々については成績が悪く出やすいGROSSのほうでやっています。この悪く 出やすい度合いというのは、感触ですけれども0.2%程度とみています。この点については、いずれに せよ私どもの運用上の立場に適合したベンチマークがほしいところで、今後ベンチマークとして何が いいのかということについて、問題意識を持って取り組んでいるところです。  31頁、市場及び民間の活動への影響に対する配慮です。当法人は、しばしば池の中の鯨と評されま すが、その意味するところはいくつかありますが、その一つはこういうことです。例えば大量の資金 を今日からこれこれの資産をこういう手法で運用してくれと運用機関に委託して、運用機関がその日 のうちにそれを市場に持っていって何か買おうとしますと、当法人に起因する買と逆方向の取引、買 いの相手方、つまり売手が足りなくて、その結果我々が十分に買うためには売りを誘うために価格が 上がってしまうということがあります。  こうした事態はある意味市場攪乱的であるばかりではなく、何よりも当法人の運用パフォーマンス にマイナスですので、我々としては市場の一種キャパシティーを過去の経験等から慎重に見極めなが ら投資行動していく。例えば1日当たりの金額でどれぐらいまでだったら大丈夫か、こういったところ を判断しているわけです。また、民間への配慮という点については、特に株式運用において当法人自 らが個別銘柄の選択は行わないとか、運営委託先にこの銘柄を買い、売れ、こういった指図は行わな いこととしているところです。  年金給付のための流動性の見直しというのがありますが、こちらについては私ども従来は財政融資 資金、預託金が償還されて、それが特別会計から私どもに寄託されてくる、まずキャッシュがくると いう状況の下でしたけれども、今後は先ほど理事長からも申し上げましたようにそういった新しいニ ューマネーがないということですので、流動性の確保については非常に真剣に取り組んでいかねばな らないと考えているところです。  お手元の資料の34頁をご覧いただきますと、基本ポートフォリオの見直しというところがあります。 来年度から新しい中期目標の期間に入りますので、実は昨年度から次の基本ポートフォリオの策定に 向けた作業に鋭意取り組んでいるところです。この作業は国内債券、外国株式など特性の異なる資産 のそれぞれの特性を定量的に把握しつつ資産構成割合を決定していくもので、非常に高度なファイナ ンス理論や数理的な処理を必要とするものです。当法人でこれを自らが行って決定していくというプ ロセスはじつは今回が初めてで、組織としてはそういった作業自体についての経験はないわけですけ れども、様々な試行錯誤をしながら取り組んでいるところです。実際にやっていますのは当法人の中 で数理的な知識の豊富なスタッフが中心ですけれども、運用委員会の一部の委員には特にお世話にな りながら精力的に取り組んでいるところです。  こういったポートフォリオの策定というのは、じつは多くの機関投資家等でも行われておりますし、 そのための各種理論的な研究成果などが多く存在するわけですが、当法人のニーズには非常に巨大で あるとか、公的年金で賦課方式であるといったような独特なものがあることもありまして、基礎的な 調査研究から始めねばならない部分もあります。こうした観点から、我々としてはあまり従来の考え 方にとらわれることなく、公的年金財政との関連あるいは諸外国の公的年金におけます基本ポートフ ォリオ構築の動向、こういったものにも目を配りながら検討を進めているところです。我々の運用の パフォーマンスは基本ポートフォリオ次第で大きく左右されますので、極めて当然のことではありま すけれども真剣に取り組んでいる、こういったところをご報告申し上げておきます。パート3について のご報告、以上です。 ○山口部会長  ありがとうございました。委員の皆様は、先ほどと同じように評定記入用紙に評定等のご記入をお 願いいたします。ただいまの法人からのご説明に関しまして、質問等ございましたらご発言をお願い いたします。 ○大野委員  ニューマネーが今後は流入がなくなるというお話で、昨年度お話をいただいたようにも思うのです が、短期借入金の導入をこれから新たに実施されるというお話があったかと思うのですが、それはそ のようにということでよろしいのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   短期借入金は、何を売ってキャッシュを作るということにはあまり関係がなくて、非常に短期です から、ごく短期のブリッジみたいなことで考えたのです。それで例えば、年金のためのお金が15日に 要ると、それで20日に満期償還金があるという場合に、この5日間とか1週間をブリッジするために 借入を使えないかということで、これは厚生労働省の中期計画の変更になりますので申請をしている のですけれども、今までのところ返事は頂いていないという状況です。 ○大臣官房参事官   厚生労働省からでよろしいですか。 ○山口部会長   はい、どうぞ。 ○大臣官房参事官  短期借入金につきまして、ニューマネーがなくなるということで、この4月に評価委員会の皆様の所 に短期借入金を中期計画上位置付けるためにご了解をいただきたいということで、各委員に個別にご 相談をし、皆様からご理解をいただき、それを踏まえて財務省とも私ども相談をしてきてございます。 ただ、いまのところ、中期計画自身は非常に重たいものであるので、なかなか簡単に、変えることは 現時点では認めていただいていない状況でございます。  そういう意味で今年の年金給付を、4、6、8月と2か月に一度現実に、現在何とか給付に滞りがない ようにやっていただけているので、差し当たっていまの時点ですぐに中期計画を変更するところまで は至っていないことから、変更しなくてもよいのではないかというようなことを言われている。ただ し、私どもとしては、少なくとも次期中期目標期間、中期計画期間の中では、これは何としても万一 のことも考えますと必要な手段ではなかろうかというふうに考えています。また皆様にお諮りをする というようなことが出てくるかと思いますので、よろしくお願いします。 ○山口部会長   この10番の項目の所はパフォーマンスの評価という部分ですね。法人のほうの自己評価がAという ことになっているわけですが、厚生労働省の判定基準ですとAというのは中期計画を上回っているとい うことですね。それで中期計画に概ね合致しているというのがBだということなのですが、今回のパフ ォーマンスを見るとそれはどういうふうに判断すればいいのでしょうか。上回っているという点につ いて。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  25頁をご覧いただけますでしょうか。こちらの上のほうに中期目標が簡単に書いてございますけれ ども、こちらにありますのは「実質的な運用利回りを確保するよう、長期的に維持すべき資産構成割 合を定め、これに基づき管理運用を行うこと」というのが我々の使命でございます。こちらにつきま してパフォーマンスとは何かと言いますと、これに基づき管理運用を行うことでございまして、必ず しも先ほど理事長のほうから申し上げた9.3兆とかといったものと10番がニュメリカルにつながって いるわけではないというふうに考えております。 ○山口部会長  この法人の評価というのは毎年やっているわけですね。今年の平成20年4月から21年3月の年率の 超過収益率に関して言うと、資産クラス5つあってそのうち3つにおいて超過収益率がマイナスであっ たということですね。それであと2つはプラスであったと、トータルとしてそのベンチマークを上回る という成績にはなっていないということですけれども、Aであるという理由がどこにありますかという 質問なのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役  ベンチマークにつきまして詳しく申し上げますと、これやはり平成20年度におきます我々の運用の 環境というものは、先ほどから再三申し上げておりますけれども、非常に大きな変動があったわけで ございまして、そこにおきまして我々がどういう行動をとったのかといったところでございますが、 もちろん9月におきましたリーマン・ショック、あるいはその後のfree-fallと呼ばれます経済の大変 動とかいったものはもちろん予測はされておりませんでしたので、実際に起きてから我々はいろいろ な行動をとったわけでございます。  その際に対処として、先ほどから運用機関の対応を確認したとかいうふうなことをいろいろ申し上 げておりますが、このような流れというのは、市場の変動が例えば1回ショックが加わってその効果が 1週間で減衰するようなパターンもあれば、1年も2年もかかるという場合もございます。場合によっ てはもちろん10年も続くショックもあるかもしれませんが、どうもリーマン・ショックにつきまして は、9、10月に大きな変動があった後、その下向きのショックのスイングというのは、どうも2、3月 辺りで行き尽くしたところがあるというのは、おそらく一般的な市場の評価ではないかと思います。  その後4月以降いろいろな意味で市場に落着きが取り戻されてくる、市場の株価等の相場だけではな くて市場の動向、あるいは地合いと言ったらいいのでしょうか、緊張感を表わすような様々な指標が あるのですけれども、そういった指標も2、3月にある意味いろいろな意味でピークをつけまして、か なり落着きを取り戻しつつございます。その過程で私どもの運用委託先の行動は、ベンチマーク収益 率がかなりプラスになるような方向に機能しております。ということで、我々としましては、一連の 経済の、あるいは市場の動きを受けた我々の運用委託先の行動を、それなりに管理できてきたのだろ うというふうにいま考えているところでございます。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   評価委員会の方の評価が、単にこの超過収益率がプラスであったかマイナスであったかということ で評価されるのではないと思っているのです。そうであればもう何も言わさないで数字が出ましたと、 はいABということになるので、そのプロセスをご覧になって評価をされるのだろうと、こういうふう に思っておりますので、いま申し上げましたように、私どもこの間のプロセスを昨年と同じように踏 んで、ただ結果としてはこうだけれども評価としては数字がプラスかマイナスかという単純な判断で はないのだろうと、こういうふうに思っているということでございます。 ○山口部会長   そうだと思うのですが、中期計画を上回る行動をしたというふうに主張されているわけですね、い まおっしゃったのは。だからいまお話になった、ご説明になった中でどこが中期計画を上回る行動で したかという質問をしているのです。総合的に判断するのはそれで私もいいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  はい。それは昨年のリーマン・ショック以降、これがマイナスになるような過程で私どもは定期ミ ーティング、緊急ミーティングを開いてどうなっているのだと、あるいは運用方針を変えるのかどう かというようなことを改めて確認をするとか、そういうふうなことで、もちろん中期計画とか、ある いは年度計画がどこまでそういうことを想定しているのだということにはよるわけでございますけれ ども、私どもが昨年の秋以降やった対応というのは、そういう状況に対応しながら平時には想定され ていない対応をしたというふうに私どもは思っているということです。 ○光多委員  それと関連して2つお伺いしたいのです。1つは、この評価シートのほうでいくと51頁なのですが、 先ほどのこちらのほうでも27頁にありますが、実際の運用する先で平成19年度でいろいろ総合評価を して、20年度にそれを評価して、これだけ資金配分停止を行ったとあります。これは例えば20年度に 行ったところで21年度にそういうことを行ったということがあるのかどうかというのが1つ目の質問 です。  それから2番目ですが、いまの部会長の質問と関係しますが、先ほどのこの評価シートA3でいくと Aの所で、「あらかじめ定めた基準に基づき公募を行い、運用コンサルティング会社を活用しながら選 定を行って適切に管理を行った」と、そういう表現でAだということなのですが、こちらのほうの業務 概況書に、どういう所に委託したかという一覧表がございます。その委託した所の運用の手数料は年 間でいくらぐらいだったのか、逆に行きますと、これだけ一流所に運用を委託して、しかもその結果 でベンチマーク収益率に対してマイナスだったということになると、ストレートに言いますと、もう トピックス連動型でスパッと外部に委託しなくておやりになったほうがよかったという、そういう表 現もできるわけです。この2つ、お伺いしたいのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長   先生は2点おっしゃって、1点目は平成20年度中にパフォーマンスがいろいろ動いたので、それを 踏まえて総合評価を改めて緊急に行ったかというご質問ということでございましょうか。 ○光多委員  違います。こちらのほうの27頁に「資金配分停止を行った」と書いてあります。これ平成19年度の 運用について20年度に行われたわけですね。だから20年度について21年度に行われたというのはあ るのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  通常、この総合評価につきましては前年度までの定量データ、それから直近までのいろいろな状況 を踏まえまして、基本的に年度の前半で全て作業を終えてしまいますので、27頁にあります総合評価 というのは、平成19年度までの定量データと、様々な状況によります定性評価で。 ○光多委員  だから平成19年のについて20年度のだったのだけれど。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  ですから平成20年度までのデータにつきましては、まさにいま定期ミーティングをこの第1クォー ターから。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  一応同じようにやりますけれども、資金配分の停止というのは、平成20年度までは月に2回ニュー マネーがくると、そのときに配分するときに停止ということをやったのですけれども、21年度ニュー マネーがなくなりますので、この配分停止という概念がほとんどなくなるのです。だから20年度の評 価というのはいまもう最終段階なのですけれども、そこで同じようになった所についてどうするのか、 前は配分停止ということでペナルティというか差を付けたのですけれども、21年度はそれができなく なるので、それをどうするかというのは考えてみなければいけないと思っております。 ○光多委員  要するに、平成19年度までの運用結果で20年度に運用停止を10何社やったと、これがひとつの評 価になっているわけですね。自己評価になっているわけですね。それはいまのところ20年度の経過に ついてはいま検討中だということですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   検討中ですが、同じように出ても配分停止ということが平成20年度までと同じようには使えない、 使えないというか概念がなくなるなと、こういうふうに思っています。 ○光多委員  2番目の質問についてお願いします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  それから2番目のアクティブの所というのは、いつもこの超過収益率がマイナスになると、手数料を 無駄に払っているではないかということで、そういう議論が出て、そのこと自体についてはなかなか 抗弁し難い所があるのですけれども、1つはさっき申し上げましたように、例えば国内の株式について、 平成20年度マイナスだった所が21年の4-6ぐらいだとかなりプラスを取り戻しているというふうに少 し長く見るという必要があるということが1つあります。  それと私ども元々アクティブ比率というのが他所の年金に比べて非常に低いのです。この中にパッ シブ中心にあるということで大体2割ぐらいで、他の所はどうでしょうか、海外の所も含めれば4割と か7割とかといって、そこでアクティブリスクを取っている。世の中にこれだけアクティブというもの が行われて他の年金基金なんかはアクティブリターンを取ろうとしている。それから世の中にこれだ けアクティブ・マネージャーが存在しているということは、それだけ世の中がやはりみんなそれを利 用しているわけです。そういう中で我々はアクティブの比率、パッシブとアクティブの比率が非常に 低い所をやっているので、そこでもって大分アクティブの高い手数料を払っているという所は調整は していると思って、20年度がマイナスだからすぐにもう21年度なしにしようというふうには考えなく ていいと思っています。 ○光多委員  いまおっしゃった所がこの53頁のあらかじめ定めた基準に基づいて、パッシブ、アクティブとかそ ういう基準に基づいて公募を行って、それで活用しながら適正に運用したからA評価だと、そういう解 釈なのでしょうか。今年度に入って戻しているのは、これ22年度の評価ですからちょっとこれは枠外 だと思うのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  いやいやさっき先生が、アクティブについてこんなにマイナスなのに払っているのはおかしいでは ないかということを言われたので、いやいやそれは単年度のことで評価するのではなくて少し長い目 で見てください、あるいは見ましょうということを言うために今年の4-6月の話を言ったわけです。 ○樋口委員   S評価をしている所でちょっとお尋ねしたいのです。次期基本ポートフォリオの、どういう基準でS と考えるのですか、これは。と同時にもう1つ続けてそれに関連してお尋ねしたいのですが、先ほど何 度も大変なショックの下でまだまだ安定しない状況にあってというのをおっしゃっていますが、そう いう状況で10カ年計画は成り立つのかなという気がするのです。通常の企業においてはいま3カ年も 難しいと言われているような状況で、10カ年計画というのは、どれほどご苦労なさってもどれほどの 意味があるのかなという正直な気持ちで、大変失礼な言い方かもしれませんが、どういうふうにそれ をお考えなのかなと。  さらに言えば、現状で言えば賃金上昇率はきっとマイナスの数字が出ているはずですし、来期にか けてマイナスではないかと言われている状況で、名目賃金上昇率が2.1%ですとか、こういうものを10 年間基本に置いて我々は運用していると、実績と評価しますということを言われても何か昔のことと 比較しているような気がします。今期の評価もそういうことなのですけれども、何となく1.1%が名目 運用利回りだと言われると、名目賃金上昇率は過去の数字で出たのだからこれでしょうがないけれど も、それに沿っているのだと言われればそうかなと思いますけれども、果たしてその前提条件がそれ でいいのかなと思って、非常に素朴なのですが10年の基本というのを何でここで立てるのかなという 気がします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長   まず1点目でございますが、35頁をお開きいただければと思います。冒頭理事長からもありました とおり、次期基本ポートフォリオを策定するということ自体は、実は中期目標にいま全く書いてない という。ただこれは実際には今後厚生労働省のほうから次期の中期目標というのが出て、それを受け て管理運用法人として次期の基本ポートフォリオを策定するという、そういう手続きに入るのだろう と。いま現在この2月に厚生労働省の財政検証が行われたということで、大体の目標みたいなものが明 らかになりつつある中で、私どもとしては、前倒しで次期基本ポートフォリオに向けて様々な検討を 行っているということがまず前提でございます。  そういう中で、先ほど申し上げましたけれども、35頁で、従来の考え方にあまり捕われることなく 調査研究等も含めまして鋭意検討を進めているということでございます。特に事務局を中心にこれを 検討しているわけでございますが、運用委員の方々の中にはまさにその金融工学とか、あるいはファ イナンスの専門家がいらっしゃいますので、かなりそういう方の参加も受けながら検討を進めている と、こういう状況でございます。  2点目でございます。10年ということでございますけれども、実は私ども。 ○樋口委員   ごめんなさい。評価項目に入るのですか、そういうことが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長  ですからそういう意味からいたしますと、次期。 ○樋口委員   まだ決まっていない話で。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長   はい。次期基本ポートフォリオの構築というのは、中期目標に書いていない項目でございますので。 ただ当然これはやらなくてはいけないということを受けて、実際に平成20年度から次期基本ポートフ ォリオの検討をしているという意味においては、それはある意味中期目標、あるいは中期計画を超え ているのだろうと、こういうことでございます。   ○山口部会長  ただ、中期目標に書いていないというのは、もしかしたら中期目標そのものを訂正しなければいけ なかったという話ではないのですか。もともと、2009年に財政検証があり、その結果を受けてポート フォリオの見直しが必要になる可能性があるということは、当初から当然考えればわかりますよね。 それなのに中期計画に書いてなかったから、それを理由にS評価だというのは何かなかなか納得しにく いですよね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   我々としてはそこに相当の労力を費やした、運用委員の先生も労力を注いだので、なかなかそうい う所を書く所がないし、そういう労力を注いでやったということを評価をしてもらえれば有り難いな ということで付けているということです。 ○樋口委員   だから基本的には当法人の基本的な使命なわけですね、それは。次期のポートフォリオを考えたり、 素晴しい人材を揃えていろいろと努力しているということは。だからそれの結果が出て評価をすると いうのはわかりますけれども、作ったから評価するというのは項目になるのかなというのでお尋ねし ました。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  それはおっしゃるとおりで、そこに書いてある所、かなり中期計画にない所にエネルギーを割いて いるので、どこかで評価をしてくれないかなということです。それから基本ポートフォリオは10年計 画とおっしゃいましたけれども10年計画ではないのですが、実際には基本ポートフォリオを長い目で 作ってどうするのだということですね、おっしゃっているのは。 ○樋口委員  はい、どうするのだというよりも、やり方として見直しをしないと。予算を作ってすぐに修正予算 を出すと同じように、10年の数字をいまここで明確にしても、とりあえず足元で実態に合わないです よね。だからそうすると。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   10年とおっしゃるか、もうちょっと長い30年とかと。 ○樋口委員  いいえ違います。いま大変。 ○年金積立金管理運用独立行政法人審議役   確かに経済の前提等が。 ○樋口委員  10年というのは、何かこの前財務諸表のあれのときに渡されて、長期の前提でというので渡されて これですのでよろしくと言われて、よく話を聞いていないので私が勘違いをしているのでしたら、10 年でないならそれでよろしいのです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長   長い目ですね。厚生労働省の方から話していただいた方が…。 ○大臣官房参事官  厚生労働省から説明したほうがよろしいかと思います。2点目の、いまの例えば賃金上昇率の話をさ れました。そうしますと34頁。 ○樋口委員  いやいやその前に、では渡されたこの長期の前提と、こういう表を渡してくださったのですけれど も、これは関係ないのですか。たしかこの前月曜日に来たときに渡してくれましたね。 ○大臣官房参事官  そのときちょっとご説明ができなかったので、改めてご説明しなければいけなかったのですが。 ○樋口委員  でも皆さんに話していないのでしたら、どうぞもう時間、カットしていただいて結構です。 ○大臣官房参事官  いや、結構大事な話だと思うので、もしよろしければ少し、また改めてご説明をする機会もあれば と思いますが。先ほどの例えば賃金上昇率2.1%というような話がございました。34頁に出ている経済 前提のところでございます。この経済前提のところを法人に多分お話をされても、それは私ども厚労 省のほうで年金財政を考えるときに作っております経済前提ですので、それはむしろ私どもの話にな るかと思います。  年金財政から必要だと考えているのは、ここにもございますが実質的な運用利回り1.1%でありまし て、その下に名目運用利回り3.2%とか、名目賃金上昇率2.1%とありますが、どんな経済情勢におい ても名目運用利回り3.2%が欲しいということを年金財政は求めているわけでは、全くございません。 そういう意味では、名目賃金上昇率2.1%、いまは賃金上昇率むしろマイナスぐらいの情勢でございま すので、ここに出ている数字というのは、あくまで平成16年に財政再計算をしましたときに、平成21 年度以降に物価が1%の上昇率で、名目長期金利は3%で、賃金上昇率が2.1%、このときに名目3.2% になるだろうという前提をあくまで置いて作ったもので、3.2%年金財政で欲しいですといったもので はございませんので、そこは評価するときにはいずれ運用報告書という形で私のほうがまたご説明を しますが、この1.1%が年金財政にとって必要だということでございます。また、次の中期目標を考え るときに実質的な運用利回りの話を申し上げますけれども、そういうことでございますのでご理解を いただければと思います。 ○山口部会長  私もメンバーになっている社会保障審議会の年金部会の専門委員会の方で財政検証をやりましたの で、ちょっと補足させてもらいますと、財政検証の方は100年ぐらいの見込みでやっている話なので、 ここでの運用の話と年金財政の話とはストレートには結び付いてはいないのです。ただ、運用計画を 作る背景にあって、それを意識してお作りになるのですが、直接的にこれらを結び付けるというふう に考えるとちょっと理解し難いと思います。 ○樋口委員  はい、わかりました。そうするといままで何か評価をするときに、中期計画の数字に併せて運用利 回りが、年度ではマイナスであっても、長期のタームで見れば中長期計画に合っているのですという ふうな説明というか、我々もそう、私もそう理解してきたのですが、それに用いられている数字がこ れなのですね、1.1が出てくる。この1.1が出てくる2つの前提条件が崩れていたら1.1は出てこない のですよね。1.1でいいではないかと言われて、計画を立てたとき、1.1なのだから実績がマイナスで あったとしても、6年間を通せばちゃんと2%にいっているではないかと言われればそうですねという 話になってしまいますから、やはりこの前提条件というのは別なのですと言われても、素人考えでは とても。 ○山口部会長  短期的な評価のメルクマールと長期的な評価のメルクマールというのは、たぶん両方押さえておら れる話なのだと思うのです。短期的には市場と比べて相対的にどうだったかということを見ていらっ しゃるのだと、それがベンチマーク対比です。  財政との影響という意味では、いまご指摘になったように長い目で見て、年金財政に影響を与える ようなことはないだろうかということです。ただそちらのほうは先ほど言いましたように、100年とい うことでやっていますので、あまり厳密にどうだこうだと言ってもあまりピンとこないので、どちら かといえば短期的なものでチェックしていくことに重きを置くほうになるのではないかと、私なんか もそう考えているのですが、すみません。 ○樋口委員  わかりました。その話はしてもしようがないから、取り下げましょう。ただ最初の項目だけでSとい うのは不思議ですねという話だけで、質問は終わらせていただきます。失礼しました。 ○大臣官房参事官  補足します。法人が出されている資料3-5の業務概況書の11頁に、法人からも財政再計算の長期的 な運用利回りとの比較という表が出ています。ここで法人も、先ほどの実質的な運用利回り1.1%と比 較をして、運用上過去6年間で見て、これを上回る運用実績を上げていますということを報告されてい ます。そういう意味では年金財政にとって、これはクリアをしているということです。私ども年金財 政との関係で評価をさせていただくときには、ここで年金財政との関係は評価をすると。その意味で は、上回っているということです。  さらにもう1点だけ申しますと、これはいま1.1と比較をしておりますが、足元の数字は、実はもっ と低い数字と比較していい。ちょっとややこしくなるのでこれ以上は申しませんが、少し高い基準と 比較しても上回っていますよということが、ここで書かれているということだけ、ちょっとご理解を いただければと思います。 ○川北部会長代理  あまり時間がないのですが、1点だけ教えていただきたいと思います。29頁では対ベンチマークとの 比較で要因分析をされているわけですが、外国債券では社債セクターの時価構成割合が高かったと説 明をされている。その関係なのですが、外国債券の中には、去年の9月以降に大きな損失をもたらした ものとしてデリバティブ関係や証券化商品関係、国で言うとアイスランドの債券などがあったと思い ます。こういうものは組み入れられていたのかどうか、またその状況を把握されているのかを教えて いただきたいのですが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  外国債券でご指摘の、おそらくCDOあるいはMBS、それからアイスランドのような国ということです。 順次申し上げます。  まずCDOについては、私どもは組入れは一切行っておりません。MBSについては、私どもが使ってい るベンチマークで申し上げますと、外債アクティブではシティのBIGというのを使っておりますが、そ れの中には当然ベンチマークとしてもともと組み入れられておりますので、ある程度それに対してオ ーバーであったか、アンダーであったかという違いはありますが、一定程度は、当然持っております。  アイスランドにつきましては、私ども外国債券につきましては、先進22カ国というのがシティのベ ンチマークで、それ以外の国の保有は認めておりませんので、アイスランドを外債で保有していると いうようなことはありませんでした。 ○大野委員  いまの川北委員と非常に関連している点なのですが、昨年秋に金融危機が起こりまして、ファニー メイ、フレディマックとか、ああいった暗黙の政府保証が付いていてとはいっても、公的管理下に入 ったというようなものが起こって、おそらくそういったものが運用対象の中に入っていたのではない かと推測されるのです。実際に運用しているのが運用受託機関で、そういった所から随時ミーティン グなり情報を提供して、現状把握をされていらっしゃったということなのですが、そういった昨年に はさまざまな、これまで考えられなかった状況が覆されるようなことがいろいろ起こったかと思うの ですが、その中で運用方針として、御法人としてはこのように方針を変えたとか、あるいは受託機関 にこのようにやってほしいというような要望を出したとか、ミーティングが行われたということが27 頁にも書いてあるのですが、具体的にどういった検討が行われて、どのような意思決定がなされたの かということについて、お聞かせいただけますか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  これまでもリーマン後に緊急なミーティングをやったとか、11月から年末にかけてリスク管理ミー ティングを行ったというご説明をさせていただいております。その中では特に今回は金融セクターか らまず起こってきておりますので、金融セクターに対してどういう見方をするのか。それからMBSをど のように評価するのか、そういったものを確認します。もちろんこれは社によって個々ですが、ただ MBSなどは一旦はちょっと下落しましたが、かなりパフォーマンスは戻ってきている中で、それをどう 評価するのか。金融セクター、クレジットリスクがあるものに対して、やや抑制的にしますという運 用機関もあります。  逆に、いまは非常に値が安く付きすぎているので、ある程度持って、戻りを待ちますという運用機 関もあります。各社はそれぞれでして、むしろそういう投資行動が彼らの運用スタイルに照らしてお かしくないのかどうか。むしろかえってああいう危機的な状況の中で動揺して、何でもいいから叩き 売ってしまえというのは、私どもにとっては逆にロスになってしまいますので、私どもとしておかし な行動をとっていないかどうかを十分ミーティングして、それぞれの考え方を確認しております。  逆に言うと、その結果新年度に入りまして、外債でかなり、もともと本来であればこんなに安くな らないものと言われるものを少し持っていた社が、いわばもう1回価格上昇が社債で起こってきまして、 そういった中で、むしろアルファーが取れてきているという状況が生じています。ですから私どもと しては、運用機関が行っている投資行動をきちんと把握して、それがおかしくないかどうかを点検し た上で、むしろ新年度に入って、そこがアルファーを稼いでいるというのを確認をしてきていると、 そういう状況です。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  私どもは大体そういうベンチマークを与えて、それでやっているわけで、その中の一部をどうこう しろということは言ってません。もともとベンチマークにいわゆるサブプライムみたいな非常にリス クが高いものが入ってないので、もともとは安定的だと思ったのが、おっしゃるようにファニーメイ 等が少し信用が動揺したのです。だから我々のほうでファニーメイを外せとか、あるいはどこか金融 機関を外せということは、言っておりません。我々が決定しているわけではなくて、それは彼らの判 断でやってもらうと。それであとは運用部長が言ったように、それをどのような態度でやっているの でということを我々も確認をしながら、我々が非常に気にしていることを向こうに伝えて考えてもら うということで、我々のほうで何かベンチマークからこれを外せ、ということはやっていません。 ○光多委員  この業務概況書に運用受託機関別の実績収益率一覧というのがありますが、これは3年と5年になっ ていますが、去年のものというのは把握しておられるのでしょうか。それと、これは公表されるので しょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  当然私どもは、毎月運用機関から報告を受けておりまして、日次あるいは年度というのは把握をし ております。  ただ公表する場合のデータの扱いにつきましては、非常に短年度というのは振れが大きいものです から、一般的な国際的なルールで、やはり5年ぐらいないと情報としていかがなものかというお話もあ る中で、私どもとしてはある程度長いということで、3年と5年というものを公表しています。 ○光多委員  平成20年度の評価をしようとしているので、できれば1年単位で20年度のものがあると、本当はあ りがたいのですが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  運用機関別は3年ないし5年で出しておりますが、もちろん各資産クラスごとでのアクティブ、パッ シブというかたまりとしては、それぞれのデータで公表させていただいているということです。 ○光多委員  これは公表しているのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  これは業務概況書の49、50頁ですが。 ○光多委員  いや、だから運用機関別。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  運用機関別には、非常に振れが単年度では大きいということで。 ○光多委員  それは、しないということですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  はい。 ○山口部会長  よろしいでしょうか。ちょっと時間の関係もありまして、次に進めたいと思います。  次に第4グループ、項目の16から20番ですが、年金積立金の管理及び運用に関する事項の(2)につい て、評価を行いたいと思います。所要時間は15分、15分で合計30分ということで、よろしくお願い します。それでは、法人からご説明をお願いします。 ○年金積立金管理運用独立法人審議役  お手元の説明資料37頁です。パート4、移行ポートフォリオの管理、その他リスク管理から始まっ ています。評価項目16から20、当方の自己評価はAAABAでした。  38頁は、移行ポートのリスク管理です。昨年度は移行ポートフォリオの最終年度、即ち基本ポート フォリオを達成する年度でした。預託金の償還に伴うニューマネーは毎月入ってくるため、毎月の資 産構成割合が市場での株式や債券の時価変動で大きく動く中で、基本ポートの達成に向けた資金配分 を行っていったということです。  具体的には、年度前半は基本ポートからの乖離状況がプラスでした国内債券を中心に、資金配分を 行いました。9月にリーマン・ショックが起きまして、その後世界的な金融資本市場の混乱が激化する 中で、内外株式の相場下落、ウェイト低下が生じましたので、こちら2つの3カ月につきましては、乖 離状況がマイナスとなりましたので、11月以降は国内債券への配分はゼロ、内外株式等には毎月数千 億円ずつ配分するというパターンが、3月まで続いたわけです。この結果3月末の資産構成割合は、基 本ポートフォリオを達成したものとなったということです。  いままでご説明した部分と若干重複する資料もありますので、43頁に飛んでください。43頁は、リ スク管理の部分です。資金を配分して保有することとなりました資産につきましては、これは常時時 価変動を続けるものです。こうした保有資産のリスクの状況を定量的、継続的に把握することが、実 際の取引は運用機関に委託するその裏側で、当法人におきまして、常時行わなければならない重要な 業務です。  実は先ほどパート1のところで、当法人のシステムの状況についていろいろ申し上げましたが、シス テムも相当程度、いま申し上げたリスク管理のために持っている、あるいは整備しつつあるものです。 具体的に把握する管理指標としては、時価変動の標準偏差で表されるリスク量、あるいはトラッキン グエラー、あるいは債券の残存期間に関する指標であるデュレーション、こういったものを把握して います。その辺は、お手元の資料の44、45頁辺りにいろいろなグラフがありますが、もちろん当法人 で定量的に把握し、分析の対象としておりますデータ系列はこの中にもたくさんありますが、その中 でも主なものはこのような形で、ある程度の頻度で把握されているということです。もう時間もあり ませんので、リスク管理については以上です。  あと47頁を見ていただきますと、運用機関に対するリスク管理のプロセスです。まずはこれを委託 する際に、相手に対して運用のガイドラインを提示しまして、運用の基本的な手法、あるいは使って いい金融商品の範囲といったものに枠がはめられます。同時に、当該運用機関に対しまして、このベ ンチマークを狙ってくれという形で、ベンチマークを指定します。そうして運用の委託を開始します が、その後は定期的にフォローしまして、要するに委託したときに頼んだような方法でちゃんとやっ ているのかどうかといったことを、かなりの頻度で相当程度定量的に、またこちらの人的なものにつ きましても、先方とあまり変わらないものを備えて、点検しているということです。  あと委託先におきまして、主要なファンドマネージャーが異動する、あるいは組織が変わってしま う、あるいは合併等がある、こういった大きな組織的な異動があることもありまして、こういった場 合には、私どもの法人の資金の運用の委託に関しましても、その委託を受けた側の体制も影響を受け ます。このためこういった運営の体制につきましては、変更があった場合は迅速に把握しまして、我 々としては変更後も委託を継続してよいのか、それなりに判断をしているということです。  もう1点だけまとまった説明をするのが、議決権行使です。こちらにつきましてはいままで使ってき た説明シート評価資料では54頁ですが、もう1つA3の横長の評価シートの83頁をご覧いただきたい と思います。  議決権行使につきましては大変大きな問題でして、中期目標及び中期計画におきまして、比較的ク リアな形で指示、あるいは我々の計画が書いてあります。  83頁の左下をご覧いただきますと、縦に中期目標というのがあります。3.「年金積立金の管理及び 運用に関し遵守すべき事項」の(3)その他がありまして、こちらの3つ目の・です。企業経営等に与える 影響を考慮しつつ、長期的な株主等の利益の最大化を目指す観点から株主議決権の行使などの適切な 対応を行うこと、これが主務大臣が当法人に出してきた中期目標です。  そのすぐ右をご覧いただきますと、これが当法人の中期計画です。企業経営に直接影響を与えると の懸念を生じさせないよう、株主の議決権の行使は直接行わず、運用を委託した民間運用機関の判断 に委ねる。ただし運用受託機関への委託に際し、コーポレートガバナンスの重要性を認識し、議決権 行使の目的が長期的な株主利益の最大化を目指すものであることを示すとともに、運用受託機関にお ける議決権行使の方針や行使状況について、報告を求める。これが中期目標、中期計画です。  54頁をご覧いただきますと、私どものいま申し上げた中期計画の実施の枠組みが書いてあります。 左半分のほうをご覧いただきますと、運用受託機関の議決権行使の取組に関する管理という所で、先 ほどの目標計画にありますとおり、個々の事案に対する判断を当法人としては行わない。その上で矢 印の下ですが、運用受託機関において、議決権行使ガイドラインを作成するよう求めるということで すが、ガイドラインについては当法人が指定する15の項目、例えば社外役員の独立性といったものに 関して、何らかの判断基準を含めたもの、そういった15項目があることを求めまして、作ってもらっ ております。このガイドラインは、個々の議決権行使に使えるように、ちゃんとしているものである ことがもちろん必要です。当法人としては、ガイドラインをきちんと策定していること、それに従っ て行使していることを実際に点検しておりまして、必要があれば対応するところです。  昨年の事例を若干申し上げますと、ガイドラインの具体的内容がやや曖昧で、実際の議決権行使に はちょっと適応しがたいというものがありましたので、当該運用受託機関に対しては、改善を求めた ところです。こうした議決権行使の実際の状況につきましては、お手元の業務概況書の97、98頁をご 覧いただきますと、開示されております。実際にどのような形で開示されているかということですが、 例えば97頁には国内株式、98頁には外国株式につきまして、同じようなフォーマットで開示しており ますが、株主総会にかけられました議案を、取締役選任等の会社機関、あるいは役員報酬と資本政策、 定款変更、買収防衛策等、こういったものに分類しまして、会社提案、あるいは株主提案に対する私 ども運用受託機関の賛成、反対の比率、こういったものを含めた表にしているわけです。  ご覧いただきますと、国内株、外国株とも会社提案に対する反対、あるいは株主提案に対する賛成、 こういったものがそれなりの比率で存在しているといったことを示しています。パート4についての事 務局からの説明は、以上です。 ○山口部会長  ありがとうございました。それでは委員の皆様は、評価記入用紙への評定等の記入をお願いします。 ただいまの法人からのご説明につきまして、質問等がございましたらご発言をいただきたいと思いま す。 ○川北部会長代理  いまの議決権行使に関しまして、54頁にミーティングを実施すると、右の上の箱に書いてあるので すが、これは具体的にどういうミーティングをされたのか、お教えいただければと思うのですが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  これにつきましては、まずそこにございますが、議決権行使の方針をまず出していただきまして、 行使状況の報告をいただきます。その中で私どもとして、やはりガイドラインの作成状況がちょっと よくないなとか、それから行使状況にややよろしくない点があるのではないかというところを特にい くつか選びまして、少し集中的にヒアリングをさせていただいて、その中で改善を求めたり、それを 最終的に評価に結び付けていく、というやり方をしています。 ○川北部会長代理  ついでで申し訳ないですが、先ほどの議決権行使に関する業務概況書の98頁に、行使しなかった運 用受託機関数23社(30ファンド)と書いてあるのですが、行使しなかった理由というのは、具体的に どういうところなのでしょうか。  ごめんなさい、これは行使したですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  行使しなかった社は、さすがにございません。ただ行使のやり方がちょっといろいろあるというの が。 ○竹原委員  50頁にパッシブ・アクティブ比率で、国内株式がたぶん25%、外国債券が30%、外国株式が15%と いうのが、決められた値のように見受けられるのですが、この比率というのはどのように決定してい るのでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  この比率自体は、平成21年3月末の着地の実績の比率で、この比率自体を決めているわけではなく て、これは結果なのです。だからパッシブ・アクティブの運用のパフォーマンスによって、基本比率 は変わってくると。だけど大体アクティブファンドを設定するときに、あるいは配分するときに、お およそのところは我々のほうで決めていまして、大体全体としては8割、2割ぐらいは見えています。 ただその中で、8割、2割はどうして決めているのかというと、これはなかなか理論的に言うことは難 しいのですが、前からの流れの中で、基本的にはパッシブでやろうと。しかしアクティブも少しやっ ていこうと。そのときにいいマネージャーがいるのかどうかとか、そういうことをやって選定をして、 決まっていくということになります。 ○竹原委員  いまの説明はちょっと納得できないのですが、これはどう見ても25%、30%、15%ですよね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  はい。 ○竹原委員  違うのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長  例えば、実際ですとマネージャー・ストラクチャーを3年に1回ぐらいやるわけでして、そのマネス トのときに、じゃあアクティブ比率をどのくらいにしようかということを、当然議論をして決めると いうことです。  例えば外国株式につきましては、従来は20%ぐらいで、前回のマネスト数字が20%が目標だったの ですが、検討の中で15ぐらいに下げようという形で、現在はこの形になっているということです。 ○竹原委員  その15%は、どういう基準で決められているのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長  そこは、いわゆるリスク・バジェットという概念がなかなか私どもとしては設定できないので、非 常に悩ましいところではあるのですが、まさに過去の経緯、あるいは実際の実績に照らして、おおよ そという形で実際に決めているというのが実態です。 ○光多委員  いまの点ですが、この辺の比率は運用委員会ではずいぶん議論しておられて、そこの例えば理論的 なとか、その辺のところのご意見をいただいてやっているのですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長  当然運用委員会で、次のマネージャーストラクチャーはこうしますよという形で、議論で意見をい ただいて決めていくのです。ただ比率について、まさに数量的に根拠という話になりますと、その中 でも実際に企業年金と違って、まさにリスク・バジェットというものがなかなか概念的に設定しにく い公的年金の運用ということですので、おおよそと言いますか、いろいろなアスペクトから議論の結 果、例えば数字が決まってくるというようにご理解いただければと思います。 ○山口部会長  ほかによろしいでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  すみません。先ほどパート2の所で部会長からも1点、A3の35頁で資金配分停止等のペナルティと いうお話があって、配分停止というのは実態としてなかったということを申し上げたのです。補足で すが、資料32頁以下にいろいろな例を付けていますが、例えば軽微なガイドライン違反があったので、 改善策を求めたとか、あと証券会社につきまして金融庁の処分が下ったので、きちんとその改善が確 認されるまでは取引をインハウスの取引先として、証券会社と取引停止といったものがありますので、 ちょっと私どものほうで狭い意味でお答えしたのですが、広い意味ではいろいろ個別に問題があれば しっかり対応しているということでございますので、ちょっと補足をさせていただきます。 ○山口部会長  文章表現が、何々しと書いてあったのですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  そうです。そこはちょっと。 ○山口部会長  ですから、それを実際に行ったというようにその文章だと解釈されるから、先ほど光多委員からも ありましたが、やや文章をちょっと考えたらどうですか、といったような意味ですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  はい、実態としてはそういうことです。 ○山口部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは、引き続き記入を続けていただきつつ、資料3-7につい て、法人所管課のほうから説明をお願いしたいと思います。 ○大臣官房参事官  資料3-7は、1枚紙です。「年金積立金管理運用独立行政法人の総合評価について」と書かれていま す。囲みの中ですが、この法人の総合評価につきましては、本日ご説明がありました個別評価の分析 結果と併せまして、年金積立金の運用が年金財政に与える影響についての検証報告の内容を考慮して、 総合評価を行っていただくということになっています。下は条文ですので、割愛します。  資料の袋の中にもう1つ、厚生労働省の袋に入った資料があります。ちょっとお開きください。2種 類入っているうちのぶ厚いほうですが、たたき台で原案ですので、取扱いをご注意いただければと思 いますが、平成20年度年金積立金運用報告書(案)とあります。これは先ほど少し触れましたが、年 金財政に与える影響はどうかということを、まとめています。昨年度は本日の個別評価のときには間 に合いませんで、追っかけ郵送をさせていただきまして、あまりご覧いただく時間がなくて大変申し 訳ございませんでした。今年は一応原案ですが、何とか間に合わせましたので、次回8月の下旬だった と思います。その際に私のほうから改めて内容をご説明しますが、とりあえず報告書(案)を現時点 でお渡しをしたいと。これを踏まえて、次回また評価をお願いしたい。  もう1点、後ろに薄い2枚紙が付いています。こちらは今年度ではなくて、次期中期目標に向かって、 見直しの当初案の、これはまた、たたき台です。これもまた改めてご議論をいただきたいと思ってお りますが、現時点でのたたき台をご参考に付けています。またご議論をいただくことになりますが、 もし何かこういう観点とかご意見がありましたら、お早目にいただければ次回またお示しをするとき に修正なりをしてご議論をいただければと思います。もちろん議論をしていただく当日に、たくさん ご議論をいただければと思っていますが、事前に何かございましたら、例えばお盆明けぐらいまでに いただければ、また次回のときに直した形でお示しできますので、ご一読いただければと思います。 いずれも取扱い注意ということで、お願いします。以上です。 ○山口部会長  これは確認ですが、24日に独法評価委員会年金部会がありますが、そのときにこれをやるというよ うなことですか。 ○大臣官房参事官  というように、私どもは伺っています。 ○山口部会長  それでは、事務局のほうからお願いします。 ○政策評価官室長補佐  では、記入が終わっていない委員の方につきましては、本部会が終了した後に会場にお残りいただ いて記入していただいてもよろしいですし、先ほども申しましたように、評定記入用紙、評価シート 等をお持ち帰りになって記入していただいても結構ですので、その場合には本部会終了後に、事務局 にお声をお掛けください。  それから、評価シートといまの評定記入用紙、どちらにも委員の先生方のお名前だけを記入してい ただければと思います。そこだけ抜けのないようにお願いします。  次の議題に入る前に、お昼休憩とさせていただきたいと思います。お弁当は用意しております。こ れからお配りしますので、どうぞ。次の開始は1時間ほど休憩を取ってということで、1時半からでも よろしいですか。 ○山口部会長  予定どおりでいいです。 ○政策評価官室長補佐  それでは、1時20分からとしたいと思いますので、時間になりましたらご着席ください。よろしく お願いします。                 (休憩) (法人及び所管課入替) ○山口部会長  少し時間が早いですが、始めさせていただきます。それでは、年金・健康保険福祉施設整理機構の 個別評価に入ります。最初に、理事長から年度業務実績の概要についてご説明をお願いします。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  水島でございます。評価委員の先生方には、私どもの業務に関しまして大変ご指導をいただいてき ておりますことに対しまして、まず御礼を申し上げる次第でございます。  当機構の平成20年度の実績についてご説明しますが、私からはかいつまんで3点ご説明したいと思 います。まず施設譲渡の実績ですが、平成20年度は73施設を520億円で譲渡しております。年度別に 言いますと、平成17年が63億円、平成18年が286億円、平成19年が460億円ですので、昨年度は 520億円ということで、発足以来237施設を1,330億円で譲渡したということです。譲渡対象施設は現 在299ですので、平成21年度以降に残った施設は62施設、約80%を3年半で譲渡したということです。  この譲渡額は平成20年度、通期いずれも同じですが、売却原価、すなわちおおむね直近の不動産鑑 定価格に対しては約2倍で売ってきております。国からの当機構の出資価格に対しては、約1.2倍です。 詳しくはのちほど申し上げますが、平成20年度についてもほぼ従来並みの実績は維持をしたと考えて おります。  しかし、平成20年度後半に入り、環境が激変しました。まず経済環境が激変したわけですが、私ど もの仕事に関連して言うと、従来の主要な買手の1つであった不動産のディベロッパー、新興のサービ ス産業、一部ファンドも入ってきておりましたが、このような買手は11月ぐらいに瞬間蒸発して、ほ とんど買手として消えてしまうという状況に至ったということです。一方社会的な環境としては、も ちろん私どもの機構の目的は高く売ることですが、譲渡の内容が問われる状況になってきたと考えて います。すなわち、単に高い価格で譲渡ができればよしとするのではなく、譲渡後の各施設の利用形 態が地域の納得を得られるかという点について、より一層意を用いなければならない状況になってき たということです。  このような環境の中で、譲渡額に関しては計画を上回ったわけですが、譲渡施設数は90を計画して おりました。それに対して73施設にとどまりました。とどまった要因は、1つは私どもとしては事業 譲渡を原則にしてきているわけですが、事業収益を改善しながら地域の要請に応えるという観点から、 当該自治体でまだ支援策が出ていなかった自治体に対して、再度支援策を要請しました。その結果、 かなりの自治体で支援策を出していただけることになりました。これらの支援策は議会を通す必要が ありますので、それまで待つという意味で、入札を延期したものが12施設あったと思います。また、 出資費のマイナスが大きくなる施設があります。これに関しては、最悪の時点での譲渡を避ける観点 から延期をしたものがあります。このようなことが要因で、非常に大きな環境変化でしたが、昨年に ついては何とか泳ぎ切ったという感じを持っております。問題は本年度だと思っていますが、それは のちほど申し上げます。  平成20年度について申し上げるべき点の第2点目ですが、いわゆるホール付きの大型会館が全国に 7カ所あります。これは札幌、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、北九州の7つです。これに関しては 地域に与える影響が非常に大きいということで、対応を協議してきたわけですが、昨年度中にほぼ譲 渡方針が決着しました。このうち、自治体が収用で取得すると、現在の機能のまま取得するとおっし ゃっている所が北九州と広島の2会館です。自治体の支援策等によってホールの機能が維持されるとい う所が、札幌、大阪、金沢の3会館です。一般競争入札によって譲渡するということになったのが東京 と名古屋の2会館です。先ほど申し上げたように、これらの大型会館はそれぞれの各地域において文化 面、あるいはコンベンション機能等で大きな役割を果たしてきているわけです。したがって、当機構 に許された手法の範囲内で慎重に協議を重ねてきましたが、おおむね各地域及び関係者の納得を得ら れる決着になったと考えております。  第3点目ですが、当機構としては発足当初予定されていなかった社会保険病院53病院が出資をされ ました。厚生年金病院が10病院ありますので、全部では63病院が出資されたわけです。これらの病院 の譲渡については厚生労働大臣の指示によるとされており、現状では、指示があったのは社会保険浜 松病院1病院です。この病院については7月末に入札公告を公示しており、10月に買手先を決定した いと考えております。譲渡については、この指示に基づいてせいせいと対応していく方針ですが、こ の出資に伴って私ども機構に病院の管理・運営責任が発生しております。これらの病院については、 ご存じのとおり平成14年以降原則として整備等が停止されてきております。このことを初めとして、 種々の問題点があることは認識しております。少なくとも、当機構が所管している期間において病院 の劣化が進むことがないように、可能な、私どもとしてできる努力は行っていきたいと考えておりま す。以上の3点が、平成20年度のポイントです。  平成21年度も、極めて厳しい状況が続いています。当機構の活動の特色を4点で言うと、まず一つ ひとつの施設を丁寧に対応していくことを基本としています。第2に、地域の納得を得る形で譲渡して いく。第3点目としては、自ら買受者を探す。それによって、それぞれの施設についてマーケットを我 々自身が作っていく。この4点を基本にしております。当機構も、残すところあと1年です。平成21 年度は、施設譲渡については決着をつける年だと思っております。幸い、地方の赤字施設や売りにく い施設に関しては先行して譲渡してもらったので、現在残っている施設はそれぞれ問題がないという ことではありませんが、おおむね譲渡できるのではないかと思っております。  一方金額面ですが、いま出資対比で200数十億円の貯金を持っております。そもそもこの貯金を減ら さないように運営したいと考えておりましたが、こういう経済情勢で、最近ややマーケットの同意が 出てきていると思っていますが、価格は全然動いていない状況です。したがって、いま申し上げたよ うな活動方針を堅持し、何としても全件譲渡、出資費のプラスを維持するという方針で、機構の運営 に当たっていきたいと考えております。約40名弱で、ほとんど民間人ですが、みんな非常によくやっ てくれており、いま申し上げた目的を果たすために最大限の努力をしていきたいと考えております。 何とぞ引き続きのご指導、ご支援をお願い申し上げます。 ○山口部会長  どうもありがとうございました。これからの進め方ですが、年金・健康保険福祉施設整理機構の個 別評価については、評価シートの個別項目を3つのグループに分けて、グループごとに評価を行ってい きたいと思います。  第1のグループは項目1〜3「組織・運営関係」ですが、これについて評価を行いたいと思います。 所要時間は法人からのご説明が15分程度、委員の評定と質疑を15分程度、合わせて30分ぐらいを想 定しております。それでは、法人からご説明をお願いします。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  審議役の松田です。お手元の資料「業務実績評価シート」に沿って、私どもの平成20年度の取組に ついて説明します。  最初に、1グループ「組織・運営」に関する評価項目である1〜3について説明します。評価項目の1 番目、「効率的な業務運営体制の確立」の関係です。平成20年度の業務については、先ほど理事長か らも話がありましたが、新しい業務として社会保険病院、厚生年金病院が昨年10月に出資をされてお り、これに伴う組織の改廃等を行っております。組織の新設については、企画部に病院チームを、専 門の職員を当てて設置しており、病院の運営管理について対応する体制を整備したところです。  「組織の廃止・統合」の関係ですが、組織として施設の譲渡に関する売却手法についてさまざまな 問題を検討するということで、特に一括譲渡について検討するために、「特命担当部」を昨年4月に設 置しております。これについては(3)の下のほうに書いてありますように、種々検討してきましたが、 私どもの施設譲渡の考え方として原則個別売却による譲渡が適当ではないかと判断し、この特命担当 部は廃止をしております。  もう1点、「戦略マーケティング部」。これも先ほど理事長から話がありましたが、ホール付きの大 型会館の譲渡についてその方針を検討するために設置していたものですが、おおむね方針の策定がで きたということで、「戦略マーケティング部」を廃止しております。組織の改廃についてはこのよう な対応をしております。  2頁をご覧ください。「外部委託の活用」の関係です。新規外部委託の関係ですが、これは昨年10 月の病院の出資に関係するもので、まずは出資準備の一環としてエンジニアリングレポートを作成す るということで、アドバイザーの選定、具体的な作成業務について外部の業者を活用するということ で委託をしております。さらに、病院の関係で施設整備の案件について迅速に審査・承認をするとい うことで、これについてもアドバイザーを選定しております。さらに、宿舎の関係ですが、今年度か ら本格的に売却を進めており、具体的な売却手法等について検討するためにアドバイザーを選定しま した。  次に、既存の外部委託の関係です。私どもは、施設を売却するにあたって売却業務について委託を しております。この売却業務について業者に手数料を支払う際には、インセンティブ方式を平成19年 度から適用しているわけですが、不動産市況の状況を踏まえながら、インセンティブ方式について具 体的に料率を設定する際に基礎になる基礎価格、期待価格について機動的な見直しを行いました。さ らに、新規売却業務委託先については指導をする等改善を図っているところです。  3頁に自己評価が書いてありますが、まずは4頁をご覧ください。これは政・独委の評価の視点で追 加されたものですが、内部統制の評価の事項です。役職員の職務執行、財務報告の信頼性の確保とい った内部統制の関係ですが、これについては外部の監査、内部の監査、監事による監査ですが、こう いった監査、定例の会議に監事等にご参加いただいていろいろご指摘をいただくということで、内部 統制については適確に対応できているものと考えております。さらに下の表ですが、業務改善のため の具体的なイニシアティブの関係で、あとからも出てきますが、私ども機構においては、原則毎朝理 事長をはじめ全職員が参加をした打合会を開催しております。この場でいろいろな問題について報告 をし、理事長の基本的な方針を出していただきながら対応しており、こういった観点から職員の積極 的な業務への取組が促されているのではないかと考えております。  3頁に戻ります。こういったことで、私どもとしては効率的な業務運営体制の確立については、自己 評価をSとしております。  5頁です。評価項目の2番目「業務管理の充実」の関係です。これについては計画的に業務を推進す るということですが、平成19年度、全施設を対象にして物品、権利関係等について悉皆調査を行って おります。平成20年度においては、こうした調査結果をデータベースに取り込んで、業務に活用でき るような形にしております。さらに、昨年出資をされている病院等についても基本的な情報をデータ ベース化して、業務に活用できる形にしているということです。また、従来と引き続き同じものです が、計画的な業務推進、あるいは進捗管理ということで、会議による管理、これは幹部会、役員会等 の定例の会議に加えて、先ほども報告しましたが、原則毎朝開く業務打合会を開催することにより、 進捗管理等をやっております。システムによる管理も引き続きやっております。  (3)ですが、業務遂行によって生じ得るいろいろなリスクにどう対応するかです。入札に関していろ いろなリスクがありますが、私どもとしてはこれらを適確に把握をし、対応していると考えておりま す。特にいわゆる偽情報というか、我々の施設について優先的に譲渡ができるとか、あるいは随契が できるといった情報は、我々は把握する都度ホームページ等にアップして注意喚起をすることで、何 らかの被害が出ることがないような形で対応しております。  6頁に自己評価を書いていますが、これらの実績を踏まえて、私どもとしてはSという評価をしてお ります。  7頁です。評価項目3「業務運営の効率化に伴う経費節減」の関係です。一般管理費ですが、平成20 年度の決算額は、ここに表が書いてありますが2,900万となっております。私どもとしては必要最小限 の経費執行に努めるということで、平成17年度との比較で言うと30%の節減ができております。また、 (2)業務経費については、予算が87億1,900万円ですが、実績が17億2,300万ということで、69億 9,600万節減ができております。ここに節減ができた主な要因が書いてありますが、施設解体費につい て27億円の節減ができていること、あるいは災害復旧費用について不要になったものがあるというこ とで、このような節減ができているということです。  (3)の役職員の給与の関係ですが、これらについては国家公務員に準拠した形で必要な見直しを進め ております。  8頁です。「評価の視点」の下から2つ目の欄ですが、人員の抑制の関係です。私どもについては、 平成17年度に比べて4%以上の人員の削減を行うことを目標として設定されております。  資料4-2の4頁をご覧ください。私どもの取組がどうなっているかですが、4頁にある表は、総務省 の整理に沿って平成17年度末の36人をベースに整備したものです。そういう意味では、この表では 36人を基準として削減を考えるという表になっているわけですが、この36という数字は平成17年度 末の数字で、私どもの機構発足後業務が本格化する前の人員ということで考えており、さらに言えば、 昨年には想定していなかった社会保険病院の出資もあったということで、業務量としては大変大きく 増大しております。したがって、注の2つ目に書いてあるように、私どもとしては基準とすべき定員数 は41人が適当ではないかと考えております。そうしますと、表の下段に書いてありますが、人員純減 率(平成20年度)はマイナス4.9という状況になっております。私どもとしては業務量が非常に増大 している中にあっても、人員を抑制しながら業務を進めているということです。  9頁です。これも政・独委の評価の視点ですが、いちばん上の欄にラスパイレス指数の関係が整理し てあります。この表を見ると、平成20年度のラスパイレス指数(対国家公務員111.6)ということで、 平成19年度に比べると少し高くなっております。そもそも算定する人員が非常に少ない中で、また、 そもそも給与の下押し要員であった年齢の高い方等が今回算定対象にならなかったということで、若 干高くなっておりますが、こうした要素を勘案すると104.3ということで、平成19年度並みの数字に なっていると理解しております。さらに、2つ目の欄以下に契約の関係について評価の視点が入ってお りますが、契約方式の見直し、あるいは契約事務手続に関する執行体制等については、適格に対応で きていると考えております。随契の見直し計画の関係ですが、これも平成18年度に随契の見直し計画 を策定しております。これらについては、平成20年度にすべて競争性のある契約への移行が完了して おります。  8頁ですが、こういった取組を踏まえ、評価項目3についてはSの評価を満たしております。以上が 1グループの説明です。 ○山口部会長  ありがとうございました。委員の皆様は、評価記入用紙へ評定等の記入をお願いします。また、た だいま法人からご説明いただいた事項について、質問等がありましたら適宜ご発言をお願いします。 ○光多委員  細かいことですが、A3の7頁の業務経費の削減について、「売上手数料8億円が翌年度に繰り延べ られた」と書いてあります。これは、独法の場合はキャッシュベースですか。売却手数料が翌年度に 繰延べになったというのは、この年度に売買されたものの売却手数料だけがキャッシュベースで翌年 度になったということですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうです。 ○光多委員  これは、独法の場合はキャッシュベースですか、発生ベースではなくて。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  キャッシュベースです。 ○光多委員  そうすると、逆に言うと平成21年度の減益要因になるわけですね、こちらは売却がなくて。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そういうことです。 ○光多委員  しょうがないのですが、少し違和感がありますね。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  発生ベースではないと、ということですか。 ○光多委員  この年に売られたものの売却手数料がキャッシュベースなので、増益になったということですよね。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  ただ、インセンティブ方式を取っておりますので、最終は全部売れないとインセンティブが確定し ないですね。ですから、本来1件ずつ契約を結んで、終わったらいくらで払うということであれば手数 料は確定するわけですが、我々の契約はインセンティブ方式で、大体10件ぐらいありますが、まず10 件を全部売ることが前提です。売ることが前提で、全部売れて手数料が確定しますので、それが確定 しないということなのです。 ○光多委員  売却だけはそれで平成20年度に乗せられたわけですね。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうですね。 ○竹原委員  人員の削減の問題では、私も41名が算定基準になると考えております。そういう厳しい条件の中で、 今回企画部に病院チームを設置されたということですが、具体的に企画部8名のうち何名が。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  3名です。 ○竹原委員  それは、どういうバックグラウンドの方なのでしょうか。中途採用をされた。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  3名とも出向者です。1名は医療コンサル、1名は製薬会社、1名は国立病院機構です。 ○樋口委員  いま光多委員がご質問になったことで、少し確認したいのですが、この売却手数料は、インセンテ ィブ部分がわからないから翌期に繰り延べているというか、確定してから計上するとおっしゃいまし たが、売却手数料は全部が確定しなかったのですか。というのは、基本的には会計は発生ベースでや っていますから、売上げに対応する手数料は当然同じときに計上されて、インセンティブ部分だけが わからなかったという話ですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  払っていない。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構事務局  払っていないと思います。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  でも、インセンティブ部分は確定してから払っているのでしょう。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構事務局  全部売り切らないと額が確定されませんので支払いが出来ません。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  基礎料率というのがあって、大体0.1%なのですが、この部分に関しては契約の時点で払っています。 ○樋口委員  いや、払っても払っていなくてもいいのですが、経費として計上されているのですか、されていな いのですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  基礎部分は経費として計上されています。 ○樋口委員  未確定の部分について計上されていない。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そういうことです。 ○樋口委員  そうすると、それはいままでずっと同じやり方をしてきているのですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  はい。 ○樋口委員  全く計算できないものなのですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  全く計算できません。インセンティブの表がありますが、そもそも基礎料率で入札を行って、そこ から期待価格まで行ったら3%まで払いますと、こういう契約になっております。したがって、すべて が売れないとインセンティブ部分がいくらになるかということは確定しません。 ○樋口委員  おっしゃっているすべてというのは、先ほど個別で物件を売るのだというご説明がありましたが、 委託先の。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  委託をするのは、10物件ぐらいまとめてします。 ○樋口委員  その委託先が当初の契約の10物件を終わるまでは、インセンティブが確定しませんと。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そういうことです。 ○光多委員  キャッシュベースでやっているというのはしょうがないけれど。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  ですから、発生はしているのですが、確定していないのです。 ○光多委員  でも、物件に合わせて大体の概算をして、もし少し違ったら損益修正をやるというのが私たちの考 えなのです。8億円というのは金額が大きいですから。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  実際には、残っているものの価格でものすごく振れるのです。平成19年度のインセンティブの実績 は2.2%前後あるのです。払った額です。去年の実績は0.74しかない。ということは、インセンティ ブがほとんどゼロだった所もかなりあるわけです。要するに、基礎料率の0.1しか払っていない所です。 ご存じのとおり、そもそもこのような方式を導入したのは、繰り返しになりますが、一般的に公的な 資産を譲渡しているときに取られている方式は、当方の委託業者が買い手側から手数料を収受するこ とについて、大体はそれを認めているのです。しかし、これに関して不透明だというご指摘があって、 収受を禁止したのです。禁止をして、その代わり我々が手数料を払ってあげますよ、という体系にし たのです。そのときに努力をどう折り込むかということがこの方式で、この方式が良いかどうかはわ からないです。 ○光多委員  私は悪いと言っているわけではなくて、経費を節減したと。節減した理由が、手数料が翌年度に繰 延べだというので、表現がどうかなということです。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  この部分は極めて小さな部分で、書かなくてもいいのですが、正直に書いているということです。 ○山口部会長  ほかにご質問等ございますか。この社会保険病院等の出資に関わる出資価格等というのは、どこか に出ているのですか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  この中にはないのではないでしょうか。出資価格は、全部で985億円です。 ○山口部会長  ほかにご質問はいかがですか。よろしいでしょうか。  それでは、続きまして第2グループ、項目4〜8「施設売却関係」について評価を行います。先ほど 申し上げたように、法人からの説明15分、委員の評定と質疑15分の合計30分程度を想定しておりま す。法人からご説明をお願いします。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  施設売却関係の評価項目、2グループについてご説明します。評価項目4ですが、「各施設の経営状 況等の把握と地方公共団体への説明」の関係です。各施設の経営状況等の把握については、これまで も種々の事業調査等をやっており、こうしたものを私どもとしてはデータベースに集約して、共有し ながらやっております。引き続きこういったものを活用しながら、マーケティング活動に活かしてお ります。さらに、経営状況については決算の都度その情報の更新を行っています。病院の関係ですが、 昨年10月に出資をされておりますが、病院についても先ほど説明したエンジニアリングレポートを活 用しながら、病院の老朽度を把握するとともに財務内容を分析し、経営状況の把握に努めております。  次に、機構の業務内容に関する地方公共団体への説明です。機構の業務内容については自治体に縷 々説明をしているところですが、特に自治体に対しては譲渡価格、いわゆる付加価値を向上させる、 あるいは雇用の確保を地元の存続要望に応えるといった観点から、自治体の支援策の取り付けを確保 していくことが極めて重要なポイントになっております。したがって、こういった観点から私どもと しては自治体と精力的に協議等を進めております。その際も、理事長が自ら自治体に赴き、自治体の トップと面談をしながら支援策の要請等を行っております。その結果がここにも書いてありますが、 ここにありますようないわゆる支援策、これは固定資産税の減免等ですが、支援策の取り付けができ ております。  11頁ですが、こうした取組により、評価項目4については、私どもとしては自己評価をSとしてお ります。  12頁をご覧ください。「年金福祉施設等の譲渡又は廃止」の評価項目です。平成20年度の譲渡実績 ですが、下の表にありますように、実績として売却額521億円になっており、これは計画費で91億円 のプラスとなっています。さらに、売却原価の対比で約2.1倍、出資価格対比で約1.2倍となっており、 昨年度の年度後半から急速に経済環境が悪化したわけですが、売却実績としては従来と同様遜色のな い水準の確保ができていると考えております。2つ目の表に、特に平成20年度の上期と下期を分けて、 売却額の売却原価比、出資価格比を書いてありますが、下期においては経済環境が悪化して、それぞ れの原価・出資価格比はかなり低い数字になっていることが見て取れるかと思います。  次に、譲渡施設数の関係です。計画では90の施設を譲渡することを計画しておりましたが、実績は 73となっており、計画比マイナス17という状況になっています。その要因が下の表に整理してありま すが、主な要因としては経済環境の悪化を踏まえた形で、入札不成立となった施設が10施設というこ とで、これが直接的な要因ではなかったかと思っております。さらに、これも理事長から冒頭にお話 がありましたが、自治体から支援策が期待される施設については支援策が出るのを待つということで、 こういった施設について譲渡を先延ばししたと。こういった施設が17施設あったということで、こう いった要因により計画比マイナス17という状況になっております。  13頁です。上に表がありますが、平成20年度の実績を踏まえて、通期の譲渡実績ですが、譲渡施設 数は237となっております。譲渡対象の施設299に対して、進捗率は79%、残りの施設が62施設とい う状況です。なお、譲渡施設数について従来は302施設と説明をしてきたかと思いますが、今年の3月 に病院の譲渡方針が厚生労働省から示された際に、保養ホームについては厚生年金病院と一体の整理 をするという指示をいただいているので、これら3施設を控除すると、譲渡対象施設数は299になると いうことです。  次に、(2)契約の方法の関係です。これは原則一般競争入札の形になっておりますが、収用に応じた ここに書いてある3施設を除いて、すべて一般競争入札で対応しております。  (3)譲渡条件の関係です。譲渡条件付きの施設譲渡については、中期目標で健康管理センター、老人 ホーム等について指示がされているわけですが、健康管理センター、老人ホームについては5年間の機 能維持ということで、平成20年度も譲渡を行っております。さらに、平成20年度においては、北海道 厚生年金会館についてはホール機能の維持が目標に示されておりましたが、こういった条件で競争入 札を行い、譲渡をしております。  (4)譲渡価格です。譲渡価格については、最低売却価格ということで平成19年度から全件開示を行い ながら進めているわけですが、価格の設定は不動産鑑定評価の手法に基づいて設定しております。設 定をする際には、理事長がすべての譲渡施設に実際に行った上で、調査をして設定をしております。  14頁です。(7)雇用への配慮の関係です。平成20年度の実績で、事業継続がどのようになったかと いうことですが、上の表に書いてあるように、平成20年度で事業継続ができた譲渡施設は80%となっ ております。こういった状況を踏まえ、雇用の継続については、一部採用を含めて平成20年度単年度 で77%の譲渡施設において雇用が継続できたということです。これらの数字は、いずれも平成19年度 に比べると若干上回っている状況で、平成20年度後半は非常に市況が悪化をした状況ですが、こうい った状況は事業継続なり雇用継続にはむしろプラスに働いているのではないかと理解しております。  (8)地方公共団体との相談です。先ほども触れましたが、私どもは支援策の取り付けが極めて大事と いうことで、自治体とも非常に緊密に精力的に協議をして、支援策についても約60団体から表明がな されました。こういった状況で、平成20年度後半からは非常に経済環境が悪い中ではありましたが、 自治体との協議を進め、支援策も取り付ける中で、実績としては十分なものが確保できたのではない かと考えております。15頁ですが、したがってこの評価項目についてはSの自己評価をしております。  次に、評価項目6「年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全」の関係です。18頁をご覧ください。 私どもとしては、施設の管理・運営、あるいは資産価値の保全の観点から適確に対応しているわけで すが、特に昨年度病院の出資があったということで、63病院の運営について十分意を用いながら取り 組みを進めました。具体的には、病院の管理・運営に伴っていろいろな施設整備も必要になってくる わけで、病院機能を劣化させないようにするために、私どもとしても必要な施設整備をするというこ とで、必要な手続なり施設整備の基準を委託先の公益法人とも協議をしながら設定しております。  (2)に実際の施設管理の状況が書いてありますが、病院についても私どもが設定した基準に基づいて 必要な整備を行いました。(1)が委託契約に基づいて委託先の負担で行った施設整備の関係ですが、病 院については約33億円の整備承認を行っております。  施設管理の関係ですが、いま申し上げたように必要な施設整備の基準・方針を策定するとともに、 私どもとしては財務状況なり老朽度等の把握をしながら、施設の管理・運営に十分意を用いたところ です。  19頁に自己評価が書いてありますが、いま申し上げたような取組を踏まえてSという評価をしてお ります。  20頁です。評価項目7「買受需要の把握及び開拓」です。買受人の発掘を自ら行うというのは、私ど もの機構の特色になっておりますが、こういったマーケティングに十分注力しながら買受需要の開拓 に努めております。特に平成20年度においては、これも理事長からお話がありましたが、地元におい て関心が高く影響も大きいホール付き大型会館について、関係方面と十分協議しながら譲渡方針を策 定しました。(3)の表に書いてあるように、7施設についてこのような譲渡方針を整備しております。 平成20年度においては、愛知の厚生年金会館、石川の厚生年金会館、北海道の厚生年金会館について、 この方針に沿って譲渡を進めております。これらについては地元にもおおむね納得いただく形で、大 きな混乱もなく、円滑な譲渡ができたのではないかと考えております。  (4)ですが、昨年度後半以降、経済環境が非常に悪化し、20頁の右から2つ目の欄に成約率と入札参 加者数の推移が書いてありますが、平成20年度の成約率は88%ということで、従来と比べると若干低 くなっておりますが、私どもとしてはマーケティング活動に注力することにより、それほど大きく差 があることなく成約率を確保できたのではないかと考えております。ちなみに、ここに上期と下期を 記載しておりますが、下期においては83%ということで、上期は比較的好調でしたが、低い状況にな っているということです。  21頁です。自己評価ですが、私どもとしては非常に急速に経済環境が悪化する中でも、マーケティ ング活動に注力する中で高い成約率を維持することができたのではないかということで、この評価項 目はSとしております。  22頁です。評価項目8「情報の提供」の関係です。(1)機構の運営状況に関する情報提供です。これ は従来から取り組んでいることですが、(1)から(5)まであって、こういった情報はホームページに載せ る形で、引き続き積極的な情報開示に努めております。また、(2)にありますように、私どもはいろい ろな媒体を使いながら情報提供しておりますが、ホームページについては利用者がより見やすい形で 工夫を加えるなど、利用者の利便を向上させるような取組を進めております。実際のホームページの 利用状況は、(3)の記載のとおりになっております。  23頁に自己評価が書いてありますが、私どもとしてはこの項目についてはAの評価としております。 2グループの評価項目の説明は以上です。 ○山口部会長  ありがとうございました。委員の皆様は、評定記入用紙へ評定等の記入をお願いします。質問等あ りましたら適宜ご発言ください。 ○大野委員  自治体からの支援が期待できる物件については、平成21年度に売却を見送るというご説明がありま したが、理事長の冒頭のご説明では、議会を通らないと支援が受けられるかどうかは最終的には決ま らないというお話だったかと思うのです。見送られたのが12施設ある中で、議会を通って支援が確定 的に受けられることが決まったものはあるのでしょうか。 ○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  具体的には、支援が確定したのは7施設です。この中には、自治体が自ら入札に参加すると意向表明 をなさったものも含まれております。自ら取得するとおっしゃっているのが2件、収用が先ほど申し上 げた広島と北九州の2件です。支援策が結局出ないということになったのが、たぶん2施設だと思いま す。千葉の休暇センターと札幌の健康づくりセンターの2つはないと思います。まだ現在協議中のもの が4施設です。ほとんど決まっておりますが、議会を通さなければ確定しないというものが4施設とい うことです。 ○樋口委員  つかぬ事をお伺いしますが、いまの最後のだけが自己評価でAになりますけれども、どこがSとAの 違いでしょうか。自己評価で本来この最後がSになるには、何が足りなかったのか、ちょっとご参考ま でに。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  情報の提供については、可能な限りやっているつもりです。前年の自己評価はAだったのです。今年 新しくやったものは、ホームページの改定なのです。さらに追加的にやったことは、ホームページの 改定でSにするのは申し訳ないと思いまして。したがいまして、事務方からSで出てきましたが、これ はAにしておきなさいと私が指示をしたということです。 ○樋口委員  どうもありがとうございました。 ○川北部会長代理  14頁では雇用の維持ということで18年度以降、単年度の雇用で見ると67から77ぐらいで推移して いるわけですけれども、このうち過年度のものに対してフォローアップみたいなものをされたのでし ょうか。その後、施設の運営がうまくいかなくなって、急に雇用が継続されなくなったとかそういう 状況がないのかどうかなのですが。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  厳密な意味でフォローはしておりません。既に私どもの管理から離れていますので、いまどういう 状況になっているかということを利用形態が好ましくないものでない限り、その内容について調査権 限がありませんので、やってはおりません。ご指摘のとおり、先般、3施設ほど購入をされた、比較的 先ほど申し上げました範疇でいけば、新興サービス産業に入るわけです。そこがお辞めになるという 情報も入ってきています。これは、私どもとしては、率直に申し上げて手が届かないところで、心は 痛みますが、やむを得ざるところである。私どもでできるのが、事業継続によって、その時点ででき るだけ多くの方の再雇用をお願いして、それを実現するというところまでしか、私どもも力を及ばな いと思っています。 ○樋口委員  最初にもおっしゃっていらして、病院の管理・運用責任が今度当法人に帰属するとおっしゃった。 運営、施設の追加的な整備というのは、現在の運用をしているところが行ったという説明を伺いまし たけれども、管理・運用責任とは、具体的にどういうことなのでしょうか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  非常に難しいところだと、私どもとしても悩んでいるところです。具体的に申し上げると、いま私 どもが現在の社会保険病院、厚生年金病院に関して、最大の問題点であると認識していますのが、特 に社会保険病院に関しては、それぞれの病院が単独で運営をされているため、何が起きているかとい うと、いい病院は自主整備ができるわけですが、悪い病院はお金がないので自分ではできないという ことになるわけです。したがって、今年度に入って、整備計画を取ってみると、いい病院は大変大き な投資計画が出てきたわけですが、赤字病院に関してはほとんど出てこないというのが実態です。  したがって、そこを踏まえて、現在やっているのが、いままで私どもが、予算上整備費等に関して は、極力必要なもの以外は譲渡する施設ですので、どうしても必要なもの以外について支出は抑制を してきましたが、病院に関してはこの2年間で約100億円の予算を使用可能な予算としていただいてい ます。ここに関しては、赤字病院に関して、私どもがお金を出してできる整備条件が決まっているわ けですが、私どもから積極的に整備条件に照らして私どもができるものがないかということを、いま 調査をしています。順次上がってきていまして、約50億円ぐらいは出てくるのではないかと思ってい ます。これを、いま実際にやるかを、今来月中に決定をして、私どもの期間が来年の9月までですので、 1年間で工事が完了するかどうかというところをきちっと見積り、行う予定です。それが管理責任とい う面であることに関しては、私どもとしては、そこまではなんとかやりたい。   ○樋口委員  さっき100億円の予算が付くとおっしゃってらっしゃいますが、100億円というのは、出先はどこな のですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  施設解体はしませんでしたので、50億余りました、60億余りましたと申し上げましたね。それが、 約150億ぐらいあるのです、もともと5年間の予算として。実は、そのうち50億は返しているのです。 細かい話ですが、独法の見直しの中で、半分ぐらい返したのです。それで、100億残してこれを病院に 万が一のことがあると困りますので、そのための予算として私どもとしてリザーブしているというこ となのです。ですから、そもそもの。 ○樋口委員  厚労省に予算があるということなのですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  おっしゃるとおり、売却益の枠からの予算です。売却益というのは、売却額の中から、その分を支 出するということです。どこかからお金をいただいているということではありません。 ○樋口委員  わかりました。 ○山口部会長  ちょっといいですか。これは社会保険庁に聞いたほうがいいのかもしれないのですが、これまでの 施設は、それぞれ健康保険とかあるいは厚生年金とか、どういう会計から支出して作ったということ が、非常に明確だったと思うのですが、病院というのは、厚生年金病院は年金から多分出していると 思うのですが、社会保険病院というのはいま言ったような関係があるのですか。 ○社会保険庁運営部企画課施設整理推進室長  社会保険病院は、健康保険のほうから。 ○山口部会長  社会保険病院というのは、昔の陸軍病院ではないのですか。 ○社会保険長運営部企画課施設整理推進室長  陸軍病院とは違います。 ○山口部会長  違うのですか。では、ほとんどが健康保険から出ているのですか。 ○社会保険長運営部企画課施設整理推進室長  健康保険です。 ○山口部会長  今後、法人が1年で終わりですね。病院というのは、多分それまでに解決しない、売却するばかりで はなくて、存続させるというのもあると思うのですが、先ほど伺った985億というお金は、年金会計と か健康保険の会計に病院が存続する場合も戻る形となるのですか。 ○社会保険長運営部企画課施設整理推進室長  そこは、先ほど理事長からもお話がありましたように、RFOが来年9月いっぱいで存続が終わるとい うことですので、社会保険病院、厚生年金病院63病院出資したわけですが、こちらについてもその後 の取り扱いについて、どういった形にするかといったことが、今後検討を進めていくという状況です。 これからということですね。 ○山口部会長  まだ、よくわからない。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  ですから、いま出資勘定が載っているわけですね、特別会計に。それで、私どもがなくなったとき に、それをそのまま出資、そのまま移せば、それはそちらの出資に変わるだけです。売った場合には、 それぞれの出資額に応じて差額が発生してくることになるわけです。ですから、売ればお金が戻りま すね、特別会計に。売らなければ、それはお金は戻らないということになります。 ○山口部会長  もともとが年金会計のお金についていえば、年金給付のためにだけ使うということだったわけです ね。厚生年金病院についても然りだとするならば、病院施設を継続するとしても、それはどこかから お金を払ってもらって、その施設に相当する金を年金会計に入れていただくということでないと、終 始一貫しないと考えるわけですけれども、その辺のところは、さっきおっしゃったように、まだわか らないと。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  はい。まだ、これから検討を進めていく段階で、どういう取り扱いになるかというのは、まだ見え てないという状況です。 ○光多委員  すみません。時間の関係で短くやりますが、だんだん評価から離れてきているのですけれども、先 ほど施設について雇用の維持を図る、病院についてもその辺を考えておられるのかもしれませんが、 その辺の話。それから、もし病院として居抜きで売る場合、雇用を図るとすれば先ほどのガバナンス をどの辺まで発揮するかということですけれども、例えばガバナンスのときに、いまの雇用の人たち の体制まで含めて、ガバナンスを発揮されるのか。先ほども備品の修繕投資も大きいのですけれども、 中の経営のどの辺までそこをポテンシャルを上げて売っていくのか、その辺は非常に難しい話で、先 ほどたった3名だけで本当にやれるのかというのが、心配になってきますね。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  とてもできません。ですから、病院チーム3人とはいっていますが、施設体制面についてお答えしま すと、施設整備に関しては別に管理部がありまして、そこも実際にやっているのは1、2名ですけれど も、人員としては逼迫しています。ですから、そもそもあと1年しかありませんので、新しい人を採る といっても無理なのです。ですから、できることはやっていくしかないと理解いただかなければなら ないと思うのですが、どういう売り方をするかに関して言えば、地域医療を損なうことがないことを 前提にして、一般競争入札を行うというのが売り方で、その範囲内で私どもとしては、いろいろ地元 自治体と協議をしながら仕組みを作っていくことになります。したがって、例えば、浜松病院ですと、 雇用は条件になっていません。雇用について配慮をしてほしいというお願いをしていますが、雇用は 条件に致していません。今後、病院について売りとなった場合にどうなるかということは、また別で すけれども、いずれにしても、現時点ではそういう売り方になっているということです。 ○山口部会長  他にありますか。 ○大野委員  医者が退職をしてしまうとか医療サービスの劣化、移行期間の間でそういったことがどこかの病院 で起こっているとか、そういうことはないのでしょうか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  現時点で顕在的にそういうことが起きているということは、私どもとしては把握をしていません。 報告もありません。ですから先ほど来、今後どうするのかというご議論がありますけれども、ここに ついては多くの人たちが早く方向を決めないと、ハードをいくらやっても駄目なわけですから、病院 が劣化するということはあるのでしょうね。そこは、社会保険庁において、適切に結論が出されると いうことを、我々として期待をしているということです。私どもは、与えられたツールの中でベスト を尽すということです。 ○山口部会長  よろしいでしょうか。それでは、次に3グループ、項目9〜13、決算関係について、評価を行います。 所要時間は説明15分、質疑、評定が15分、概ね30分を予定しています。それでは、法人から説明を お願いします。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構審議役  それでは3グループ、決算等の関係について、評価項目です。  まず、評価項目9番目、「財務内容の改善に関する事項」です。予算収支計画、資金計画の関係です けれども、資料4-3、財務諸表等ということで資料を提出していますので、後ほどご覧いただければと 思います。なお、こういう決算の関係については、外部の会計監査人からも適正である旨の意見をい ただいているところです。決算実積ですけれども、総利益として25頁に書いてありますが、287億円 の総利益となっていまして、予算と比べると302億円上回っている状況になっています。先ほども説明 しましたが、施設の譲渡収入が、実積が519億ということで、予算対比90億円で、大幅に上回ってい ること、さらに経費節減を図ったことにより、総利益287億円という形になっているところです。  短期借入金、重要な財産の譲渡等については、ここに記載のとおりですが、剰余金の使途ですけれ ども、私どもの法人の使命というのは、譲渡で得た収入等については、必要経費を引いた上で国庫納 付をする、これが我々の役割で、25頁の下に書いてありますが、剰余については翌年度に必要な運営 経費を留保した上で法令に基づいて国庫納付をするということで、適切に対応をしているところです。 評価項目の9については、自己評価Sとしています。  26頁、評価項目10番目「人事に関する計画」の関係です。まず、勤務成績を考慮した人事評価の関 係です。これについては、私どもは勤務成績を考慮した人事評価を行っていました。的確に対応をし ていると考えています。職員数の抑制の関係ですけれども、これについても先ほどから説明していま すが、昨年10月に病院の出資ということで業務量も非常に増えていますが、業務を効率化し人員を抑 制しながら、できるだけ円滑に業務が進められるように工夫しながら対応をしているところです。こ の評価項目については、自己評価Aとしています。  次に評価項目11番、「国庫納付金の納付に関する事項」です。平成20年度の国庫納付です。403億 円納付していますけれども、これは予算対比プラス68億円になっていまして、決算結了後、速やかに 国庫納付を完了したところです。国庫納付の関係については、先ほども説明しましたけれども、これ に基づいて国庫納付金の額についても規定等ありまして、これに乗っ取って適正に対応をしていると ころです。この評価項目について自己評価Aとしています。  次に、12番目の評価項目、「外部の有識者からなる機関に関する事項」の関係です。私どもの機構 においては、各施設の具体的な譲渡に関して、外部の有識者からいろいろ意見を聞くということで、 それを聞きながら業務面に反映させていくということで、「譲渡業務諮問委員会」という委員会を設 置しています。従来、3人の委員からなっていた委員会ですが、平成20年10月に病院が出資されたと いうことで、病院の管理運営等に関しても議論ができるように、病院経営あるいは医療の関係に知見 がある2人の委員を新たに追加して、機能を拡充して、病院の管理運営等についても議論いただけるよ うな形に整理したところです。平成20年度において、5回開催をしていますけれども、個別の施設の 譲渡、あるいは病院の関係について、ここに主な審議事項等を書いてありますけれども、いろいろ議 論をいただいて、その意見も我々の業務運営にできるだけ反映しながら業務を進めているところです。 このような取組を進めたということで、私どもとしては、この評価項目については自己評価Sとしてい ます。  最後の評価項目ですけれども、13番目、「機構の保有する個人情報の保護に関する事項」の関係で す。個人情報の保護に関する事項、これは平成19年度に対応する担当課として、法務文書課を設置し ているところですけれども、引き続き的確に対応していまして、特段、情報の漏洩があるとか、そう いった問題は一切起きていないということで、的確な対応はできていると考えています。ここの項目 について、自己評価Aとしています。  グループ3の評価項目については、以上です。最後に監事の取組について、説明したいと思います。 監事の意見については、資料4-3、財務諸表等に監事の意見ということで、報告書を付けていますけれ ども、監事の取組としては、非常勤の監事が当機構には2名置かれていますけれども、私どもが定例で やっている幹部会、月に2回開催していますが、それから役員会、これは月に1回開催していますけれ ども、これらの定例の会議には、常に出席いただくとともに、週1回、監事には機構にきていただいて いますけれども、すべての決済等について見ていただくという扱いにしていまして、いろいろご指摘 いただければ、それらを的確に業務に反映させながら業務を進めているということで、監事にはそう いった取組をいただいています。私からの説明は以上です。 ○山口部会長  はい、ありがとうございました。それでは、委員の皆様は、評定記入用紙への評定等の記入をお願 いします。また、ただいまの説明について、質問等ありましたら、適宜ご発言をお願いします。 ○光多委員  ちょっと細かな話ですけれども、いまの監事の監査意見ですけれど、原価法から低価法に変更した と書いてありますが、お宅の場合には、もう出資額があって、評価を変えているので、特にバランス シートを低価法に変えたわけではないのですよね。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  原則として我々低価法なのですね。低価法の適用の方法は、売るときに評価のし直しをして、そこ で簿価を変えているわけですね。ただし、この3月から全てを評価変えしなければ。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構企画部長  販売用不動産の評価方法が変わったのです。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  販売用不動産については、低価法を採用しなさいということになったのです。ですから、全部やら なければならない、やることにしたのです。 ○光多委員  そうすると、いま、マーケットが下がっていますけれども、先ほどの出資の後で評価をし直してま すよね。いまの段階でもう1度いまの時価に合わせて、そこでやられるのですか。売るときだけやるの であれば、同じですね。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  本当はそれでいいと思うのですが、ルールが変わったからそうやらなければならないということだ から、そうしたのです。 ○光多委員  そうですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  おっしゃるとおり、いまは売るときにもう1回評価をすればその時点で出るわけですから、それでよ いと思いますが、民間会計と。そうですよね、樋口先生。 ○樋口委員  お答えくだされば。 ○光多委員  何か、発生手法と減価手法がごちゃごちゃになってる。 ○樋口委員  基準が変わったので。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  独法会計基準を見直しするようにという指示があって、3月に。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構企画部長  資料の64頁に記載してありますが、独立行政法人会計基準等の改訂に伴い。 ○光多委員  それはわかりますけれど、いま出資があり、簿価に比べていくら利益が出ましたかという話になっ ているのだけれども、今度は、そこで低価法に変えてしまって、低くしたのです。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  なるほどね。 ○光多委員  という形にするのですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  それはわかりますね。だから、低価法に変えると、1番低いところになってしまうのではないかとい うことですね。 ○光多委員  その中で、1度損失を出して、そうなって売れたときに、また利益を出すというやり方をおやりにな るのですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  いままではやっていないのですけれども、これをやれということになると、そうなりますね。 ○光多委員  そうですか。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  なります。なりますけれども、我々は、そもそも出資体制からなっていますから、そこのところを もう1回そこで取り直しますので。評価は変えませんけれども、その時点での評価に対していくらぐら いで売れたのかについては、全てフォローをしていきます。 ○光多委員  どちらにしても、21年度からですね。20年度までは影響していませんね。 ○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長  はい、してません。 ○光多委員  はい。 ○山口部会長  ほかに、何かございますか。それでは、評定等の記入は大体終わりましたでしょうか。それでは、 事務局からお願いします。 ○政策評価官室長補佐  最後になりますけれども、記入が終わっていない委員の方については、この場でお残りになって記 入していただいてもよろしいですし、お持ち帰りになっても結構ですが、10日までに着くように返送 をお願いします。評価シートと評定記入用紙のお名前の方も、よろしくお願いします。お持ち帰りの 場合は、帰る際に本部会終了後に事務局にひと声かけてください。よろしくお願いします。 ○山口部会長  それでは、本日の議事は、以上となります。次回の開催等について、事務局からご案内をお願いし ます。 ○政策評価官室長補佐  次回の開催は、8月24日13時からとなっています。場所は、経済産業省の1014会議室となってい ます。議題は、「総合評価」、「年金積立金管理運用独立行政法人の暫定評価」、先ほど説明があり ました「組織・業務の見直し当初案」等となっています。また、8月25日は開催しないこととなって いますので、よろしくお願いします。なお、開催通知を封筒の中に入れてお配りしていますので、期 日までに提出をお願いしたいと思います。以上です。 ○山口部会長  それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間に渡り、熱心なご審議をいただき、ありがと うございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)