09/07/28 第25回社会保障審議会少子化対策特別部会議事録 社会保障審議会 第25回少子化対策特別部会 議事録 日時:2009年7月28日(火) 16:30〜19:10 場所:厚生労働省 共用第8会議室 出席者:  委員   大日向部会長、岩渕部会長代理、内海委員、大石委員、清原委員   駒村委員、篠原委員、庄司委員、杉山委員、宮島委員、山縣委員  参考人(オブザーバー)   社団法人日本経済団体連合会経済政策本部長   藤原参考人(高尾委員代理)  参考人(ヒアリング)   日本総合研究所主任研究員           池本 美香参考人   淑徳大学総合福祉学部教授           柏女 霊峰参考人   全国学童保育連絡協議会事務局次長       真田 祐参考人   自治労保育部会幹事・八王子市公共サービス労働組合書記長                          檜山 順参考人  事務局   伊岐雇用均等・児童家庭局長、香取審議官、田河総務課長   堀井調査官、杉上虐待防止対策室長、朝川少子化対策企画室長   定塚職業家庭両立課長、藤原家庭福祉課長、真野育成環境課長   依田児童手当管理室長、今里保育課長、宮嵜母子保健課長 議題:  次世代育成支援のための新たな制度体系の設計について 等  ・放課後児童クラブについて 等 配付資料:  資料1  池本参考人提出資料  資料2  真田参考人提出資料  資料3  檜山参考人提出資料  資料4  柏女参考人提出資料  資料5  放課後児童クラブについて(1)  資料6  放課後児童クラブについて(1)参考資料 議事: ○大日向部会長  定刻になりましたので、ただ今から「第25回社会保障審議会少子化対策特別部会」を開 催いたします。委員の皆さま方におかれましては、ご多用のところお集まりくださいまして ありがとうございます。  会議に先立ちまして、人事異動に伴う幹部の交代について、事務局よりご紹介をお願いい たします。 ○朝川少子化対策室長  それでは、ご紹介申し上げます。  まず、雇用均等・児童家庭局長の伊岐典子です。 ○伊岐雇用均等・児童家庭局長  どうぞよろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  次に、大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭並びに少子化対策担当)の香取照幸です。 ○香取審議官  よろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  次に、総務課長の田河慶太です。 ○田河総務課長  よろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  次に、児童手当管理室長の依田 泰です。 ○依田児童手当管理室長  よろしくお願いします。 ○朝川少子化対策室長  以上でございます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。  続きまして、事務局より本日の資料の確認と委員の出席状況に関して、ご報告をお願いい たします。 ○朝川少子化対策室長  それでは、お手元に配布させていただいております資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第がございまして、その下に資料1としまして池本参考人から提出していた だいた資料、その下に資料2としまして真田参考人からご提出いただいた資料、その下に資 料3と、委員の机上には資料番号を付しておりませんがカラー刷りのパンフレットで檜山参 考人から提出していただいた資料、資料4としまして柏女参考人からご提出いただいた資料、 資料5は「放課後児童クラブについて(1)」と書いてあるものです。次の資料6は、その参 考資料でございます。もし不足等がございましたら、事務局へお声掛けいただければと思い ます。  委員の出席状況でございますが、本日は岩村委員、佐藤委員、高尾委員、野呂委員、山本 委員、吉田委員から、都合により欠席とのご連絡をいただいております。駒村委員、内海委 員、山縣委員が少し遅れておられます。なお、本日ご欠席の高尾委員の代理としまして、社 団法人日本経済団体連合会経済政策本部長の藤原清明参考人にご出席いただいております。  ご出席いただいております委員の皆さま方は定足数を超えておりますので、会議は成立し ております。  次に、本日のテーマである放課後児童クラブについての参考人としてご出席いただいてお ります有識者のご紹介をさせていただきます。  日本総合研究所主任研究員の池本美香参考人でございます。 ○池本参考人  よろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  全国学童保育連絡協議会事務局次長をされている真田 祐参考人です。 ○真田参考人  よろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  全日本自治団体労働組合保育部会幹事、八王子市公共サービス労働組合書記長で八王子市 社会福祉協議会にお勤めの檜山 順参考人でございます。 ○檜山参考人  よろしくお願いいたします。 ○朝川少子化対策室長  なお、もうお一方、淑徳大学総合福祉学部教授の柏女霊峰参考人をお招きしておりますが、 到着が遅れるとのご連絡をいただいております。  それから、池本参考人は途中で退席される予定と伺っております。  以上でございます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。  議事に入ります前に、本日ご欠席の高尾委員の代理としてご出席いただいております社団 法人日本経済団体連合会の藤原清明参考人のご出席についてお諮りいたします。  ご異議はありませんでしょうか。 (「異議なし」の声あり) ○大日向部会長  ありがとうございます。それでは、議事に入りたいと思います。  本日はまず、放課後児童クラブについて参考人の方々のご説明をいただき、続いて事務局 よりご説明をいただき、その後に皆さまにご議論をお願いいたします。参考人の方々には短 い時間で恐縮ですが、お一人、15分程度でよろしくお願い申し上げます。  それでは、はじめに日本総合研究所主任研究員の池本参考人よりお願いいたします。 ○池本参考人  ただ今、ご紹介いただきました日本総合研究所の池本と申します。どうぞよろしくお願い いたします。  今日は放課後児童クラブについての議論ということですけれども、私が今日持ってまいり ました資料は「諸外国の放課後対策について」というもので、放課後児童クラブ以外のおけ いこ事や遊び場など、その辺りも含めた概念で今回は諸外国の状況を調査しました。最初と いうことで、少し範囲を広げて情報提供させていただければと思っております。  これは日本総合研究所として「初等教育に関する調査研究プロジェクト」という名称で、 まず諸外国の放課後対策の状況を8か国について調べまして、それに現在、国内の新しい事 例なども収集しておりまして、年内ぐらいに最終報告書ということで出版を計画していると ころでございます。参考文献の一つ目に出しております冊子の最後の「まとめ」の論文のコ ピーとそのエッセンスを今回、パワーポイントの形で整理したものを用意しております。こ ちらの青いラインを引いた資料に沿って説明させていただきます。  今回は8か国で、各国の担当を決めまして文献および現地調査という形で情報を収集しま した。非常に広い範囲で、各国ともこの分野はなかなか情報が整理されていないというとこ ろもございまして、各国が同じ条件でどうなっているかという整理はできていない状況もご ざいますけれども、各国でこの部分についてどのような議論があるのか。また、具体的な情 報として、例えば人数のことですとか、どこの官庁がかかわっているのかという辺りの情報 をご提供できればと思っています。  まず、シート番号2番でフランスについてご紹介しています。フランスでは日本の放課後 児童クラブに相当するものとして「余暇センター」というものが全国に整備されているので すが、日本との違いでは対象が2歳半〜17歳までとなっています。また、対応しているの は主に学校が休みの水曜日・土曜日午前中・長期休暇中ということで、平日の放課後は学校 の課外活動ということで教育活動的なことが行われていまして、日本の放課後児童クラブと は少し範囲が違っているというところはありますけれども、そのような施設が整備されてい ます。そして、それは青少年スポーツ省の監査を受けて、指導員資格も国家資格となってお り、国としてこの分野の制度は、歴史としてもかなり前から確立しているということでござ います。施設の規模自体は300人規模のものまであるということですけれども、人数配置 について子ども12人に対して余暇指導員1人というような基準があったり、利用料金は保 護者の所得比例となっていますので、お金持ちの子どもが別の施設を利用するということで はなく、同じ質のものを低所得の家庭の子どもも利用できる環境になっています。それから もう一つ面白いのが、日常生活に利用する余暇センターの他に、長期休暇中にはやはり自然 環境の中で滞在型の集団的余暇活動を保障しようということで、長期休暇センターというも のも配備されているということでございます。フランスの場合は親の就労を支えるという目 的ではなく、あくまでも集団的余暇を子どもたちに保障する。それも親から離れた所で、そ してまた教育活動以外の集団的余暇を過ごすことが余暇センターの目的となっているとい うことで、制度の理念というか考え方自体も少し日本と異なるところがあると思います。ま た、平日の夕方に対応している地域もあるということですが、基本的に労働時間が短いので、 そこは親が対応しているということになっているようです。  次に、3枚目のシートでドイツに移らせていただきます。ドイツでは、法律上は義務教育 年齢の14歳未満の児童に保育の利用を保障すべきだということで、これも日本の小学校3 年生と比べますと、かなり範囲は広くなっているということです。そして、利用率は西ドイ ツと東ドイツでかなり差がありまして、旧西ドイツはどちらかというと家庭で母親がみると いうやり方ですので利用率に差があるのですが、最近は利用率が上がりつつあるということ です。また、国としての基準を設けていまして、1グループ25人を超えてはいけないとい うものがありますが、基本的にドイツでは州ごとにすべて決めるということですので、ここ に挙がっている事例などでは11人までは職員1人というような、かなり充実した配置を行 っている所もあるようです。ドイツで面白いのは近年、幼稚園が3歳未満と小学生にサービ スを拡大する形の施設が急増しているということで、これはドイツも日本と同様に少子化が 深刻で、幼稚園の園児数の減少に対応しまして、幼稚園が学童保育分野にも進出していると いうことなのですけれども、そのことが実は親の送迎負担を軽減しているということで、き ょうだいを別々の施設に行かせる必要がなくなることですとか、異年齢混合の教育的効果な どから、施設型に行っている子どもたちの半数ぐらいが、このように一貫した施設を利用し ているという特徴がございます。また、数が不足しているということで学校併設型の学童保 育も増える傾向にあります。それから、これは学童保育ということではないのですけれども、 放課後ということでみた場合に特徴的なのは、子どもを子どもだけにするのではなくて、子 どもから高齢者まで利用できる「多世代の家」というものを国が進めていることや、親たち が自主的にやるものを国なり企業がサポートするという形で、地域によって自主保育が広が っている所もありますし、会社員が自分たちで学童保育をやりたいといった場合に、会社か ら補助を受けて開設するという自主的な取組を支える事例なども目立っています。また、活 動内容として公立で音楽学校を地域に配置して、芸術などの特殊な素養がある子どもやお金 持ちの子どもだけではなく、誰でも楽器一つぐらいは弾けるようになるとか、バレエや音楽 といった芸術面が日常的に保障されているというところも興味深い事例です。ドイツもフラ ンスと同様に労働時間が短いということで、そもそも夏休みは30日ということで、そこに 保育のニーズがないことや、平日でも短時間正社員という働き方があるために、学童保育の ニーズがないということも報告されております。  次に、スウェーデンに移らせていただきます。スウェーデンのポイントとしては、もとも と学童保育は社会福祉の範疇ということで、社会サービスという概念の中で学校とは別の所 管でしたが、今は「学童余暇センター」という学童保育に当たるものが、ほとんど学校と同 一の理事会で運営され、ほとんどが学校の敷地内にあるということです。学校の中に学童保 育が入っていくような動きで、学童余暇センターは義務教育カリキュラムに沿って運営され ることになっていますし、そこの指導員の養成も学校教員や乳幼児期の保育教員と同じ養成 課程になるということで、教員と指導員間の連携促進も近年、急速に進んでいるところです。 それから、対象年齢も12歳までということで、日本よりも上の年齢まで学童保育を提供す る義務が課されているということです。スウェーデンは、かなり豊かな学童保育ということ で、1990年代ごろは1グループ当たり・職員1人当たりの子どもの数は少なかったのです けれども、国としての数値基準というものを持たないために、最近は学童保育の利用者数が 急増しているために、1グループ当たり・職員1人当たりの平均子ども数がかなり増えてし まっていることが今、問題になっているところです。  それから、次のフィンランドは、少子化対策の部分ではあまり出てこないのですけれども、 学力世界一ということで教育の分野では最近かなり注目されている国なので、その放課後が どうなっているかということで対象国として選んだのですけれども、ここではやはり学童保 育の制度自体はあまり前から行われていたわけではなく、むしろ日本よりも遅れて2003年、 2004年辺りに制度化されたばかりだということです。その制度化された背景としましては、 今は学力世界一で非常に良い国と見られていますが、現地では子どもの学校嫌いや社会的疎 外ということ、また、学校での銃乱射事件などが起こったりしていまして、子どもたちの情 緒的発達や社会的疎外を排除することや、落ち着いた環境の下でくつろいだりするというよ うな福祉的機能に対して、この学童保育への期待が高まっているということのようでござい ます。また、フィンランドもスウェーデンと同様に基準というものはなく、基本的に自治体 や現場の裁量が大きくなっているということが報告されています。それから、フィンランド で興味深かった話題としましては、やはり職員の雇用が半日ですので非常に不安定で、学童 保育の指導員だけでは生計が立てられないことから、学校のアシスタントと学童保育の指導 員の職務を統合してフルタイムの職とすることで良い人材をここに集めようということな どが検討されているということです。言い忘れましたが、フィンランドも国家教育委員会と いうことでスウェーデンのように学校と同じ所管となっております。  次はイギリスですけれども、イギリスでも学童保育の対象は15歳まで、障害がある場合 は17歳までということが、自治体に期待されています。先ほどスウェーデンで言い忘れた のですけれども、スウェーデンは家庭的保育から施設保育へという変化があるのですけれど も、イギリスの場合はかなり家庭的保育で小学生がみられているケースも多いということに なっています。イギリスはもともとはあまり保育分野というものが重視されていなかったの ですが、近年急速にこの分野で政策が動いているところで、保育について例えば1グループ の規模が26人を超えてはいけないとか、必ず責任を持って子どもの面倒をみる担任を定め ること、人数についても子ども8人に職員1人という配置。また、子どもと接する職員は必 ず犯罪歴などのチェックを受けて、安全な人物かどうか確認した上でなければ採用できない ということも学童保育の基準の中に定められており、非常に驚いたところです。また、学童 保育の質については、学校なども全てチェックする外部の公的な監査機関が学童保育につい ても入って、その監査レポートは全てホームページで公表されているということで、かなり 質をチェックする仕組みも整備されているところです。保育料補助は15歳未満共通で税額 控除の仕組みとなっております。イギリスの最近の動きとしまして、これはどう訳せばよい かわからないのですが「Extended School」というコンセプトで学校を拡張・拡大していく というような概念で、基本的には8〜18時までの学童保育というコアな部分があって、そ れだけではなく、さらにスポーツ・音楽などの放課後の活動、さらには親に対するサポート、 専門家のサービスへの取次ぎという機能、あるいは地域住民へ施設を開放する、成人教育を 行うことなどをやろうという動きになっています。このような学校を多機能化するような動 きは、学童保育の話とは別に、イギリスは1998年ごろから学習支援(Study Support)とい うコンセプトで、放課後の活動を充実させることで子どもの学力も向上するのだという議論 がかなりされてきた経緯がありまして、学童保育を先に考えるというよりは、むしろ学習支 援の概念に学童保育をつなげて全学校に整備していこうという動きになっているというこ とです。それから、面白いのは企業がそのような教育活動への協力をすることを促進するた めに、学校と企業をつなぐ組織が置かれていてプログラムのコーディネートなどが行われて いることで、企業の活動が活発になっているというところもございます。あと面白いところ では、2008年に「遊び」というテーマで初めて国家戦略が策定されたということで、要す るに放課後に勉強するという話もありますが、しっかり、たっぷり遊ぶということが、福祉 もそうですが学力という面でも非常に重要であるという考え方であって、遊び場づくりもそ うですが、遊べる道路づくりや子どもが安全に遊び場に移動できるための「子どもの自転車 講習制度」といった交通政策の分野まで含めての総合的な議論が今、されているということ です。イギリスは子どもの権利ということで「子どもコミッショナー」も置かれるようにな りましたし、省庁自体が2007年に「子ども・学校・家族省」を設置することで、福祉・教 育の縦割りを排除するという動きも出てきています。また、「すべての子ども」という視点 が非常に重要視されておりまして、障害を持つ子どもや里親などの社会的ケアを受けている 子どもの放課後が普通の子どもの放課後と比べて差があるのではないかといった、かなり細 かいところまで議論されている印象です。  それから、7枚目にアメリカについて簡単に紹介しております。アメリカは基本的には民 間ということで、公的な部分としては貧困層が多い地域を対象に放課後プログラムをやると いう程度です。ただ、イメージとしては親に子どもの保護・監督責任を定めている所もあり ますし、また、母子家庭が多く専業主婦の割合が非常に低いことから、かなり民間がこの部 分を担っているということです。基準なども「全国放課後協会」という、本当に民間レベル のところで幾つか基準が出されているという実態が確認できております。  それから、8枚目がオーストラリアです。オーストラリアは保育がかなり民営化されてい るということで今回、対象国に選んだのですけれども、学童保育も乳幼児保育と同じように 基本的には民間がやっていまして、それに対して国がかかわっている「全国保育認定協議会」 に必ず登録して、そこで保育の質が調査されるというチェック機能を持った民間主導の体制 になっています。オーストラリアも家庭的保育や保育園に小学生がいるというケースが多い という特徴があることと、基準としては普通は子ども15人にスタッフ1人だけれども、遠 足時は子ども8人に1人、水泳時は子ども5人に1人というように、かなりきめ細かくなっ ておりまして、ここでもスタッフの犯罪歴チェックが義務付けられています。それから、オ ーストラリアで興味深かったのは、場所がどうこうということではなくて、子どもが家族以 外の人とコミュニケーションをとるような、つながりを広げることが子どもにとって重要で はないかということで、昔ですと地域のおじさんやおばさんがいたのですが今はいないので、 それを「メンタリング・プログラム」という形で地域のおじさんやおばさんにつなぐことを 政府が補助金を出してやっているという事例がありました。それから、オーストラリアは中 学生以上の子どもについても、かなり積極的に対応しているという報告がございました。  最後は韓国です。韓国は日本以上に受験など教育熱が高い国で、驚いたのは低学年児童の 放課後の過ごし方で、塾に行っている割合が7割ということで、学童保育より前にまず塾と いうような状況がございます。ただ、それについては親の所得によって利用率に差があると いうことから、政府としましては教育格差の縮小や、私教育費の負担が非常に高いことが少 子化にもつながっているということで、その私教育費の負担を削減するという観点から、主 に家族政策的な視点で放課後について今、目を向け始めているということですが、まだ実態 としては、韓国も日本と似ていて幼保の所管が違うということで、学童保育もそれに対応し て保育園が行う放課後保育と学校で行われる学童保育的なものが二本建てになっていると いうことが報告されています。面白いところでは、かなり低所得家庭・貧困家庭への対応と いうところに今まで以上に目が向いているという印象を持っております。  もう時間になってしまったのですが、このような諸外国の状況を踏まえまして、簡単に私 が考えております放課後対策への期待という辺りについてお話しします。まず、諸外国では 親が働くために預かるということではなく、もう少し教育的な視点で放課後のことが議論さ れているという印象があります。ここでは「人づくり」という表現にしておりますけれども、 例えばもう少し放課後が充実すれば、今、子どもたちの学力低下が問題になっていますけれ ども、その分そこにも効いてくるという戦略的な発想が海外では幾つもあります。もう少し 「人づくり」という視点でその辺りを考える必要があるのではないかと考えました。要する に、放課後を生き生きと過ごすと学校の勉強も楽しくなってという良い効果があるのですが、 今の日本の場合は、学童保育はすし詰めで、学童保育に行ってストレスがたまってけがをし たりということで、学校の授業にも集中できなかったり、それから親に対しても本来地域や 家庭で解決できた問題をすべて学校に持ち込まれることで学校の先生が授業に専念できな い状況も起きているところで、そこは放課後対策の中でもっと対応していく必要があるので はないかということです。  「親に対する支援」としては、親側の問題を学校にすべて持ち込むのではなくて、ワンク ッションを放課後対策の中でできること、乳幼児についての子育て支援が盛んにいわれてい るわけですが、それを小学校以上にも広げていく必要があるのではないかということと、も う一つは、より高い年齢まで、高学年まで放課後対策を考える必要があるのではないかとい うことです。  それから、もう一つは格差の縮小です。社会から取り残される子どもをなくすことという ことが諸外国の考え方で、各所で出てきております。日本は格差のことが注目されておりま せん。最近そういう問題意識が出てきたところですが、今後の放課後対策には社会的統合と いう視点も必要になってくるだろうと思っております。  最後に具体的な解決策については、まだ先のことですので参考までに論点をいろいろと挙 げておりますけれども、待機児童解消につきましても、どのような手法をやっていくのか、 もう少し乳幼児期の施設の統合、企業の活用などもできたり、あるいは所得に応じた保育料 にすることでもう少し財源が確保できるのではないかというようなところも考えていると ころです。  あとは、とにかく放課後活動の内容の充実を図る必要があるだろうということで、職員の 問題あるいは質に関する情報公開、あるいは学童保育単独で充実させていくのか、イギリス のように学童保育という場を持ちながら、親が働いている働いていないにかかわらず、非常 に豊かな放課後にできるようなサービスなり、場があることによって、学童保育だけが頑張 らなくても、学童保育の子どもも豊かな放課後を得られるというやり方もあるのではないか というようなことも考えております。  学校と放課後活動が今はあまり職員間の情報なども共有されていませんけれども、放課後 でこんなに頑張っているということがもう少し学校の先生にわかったり、コミュニケーショ ンを取ることでそれぞれの活動がレベルアップするのはないかということです。  親の問題ではワーク・ライフ・バランス、小学生の親に対するサービスなども検討されて はどうかと思っております。  この括弧書きのところは、後の論文では紹介しておりませんけれども、放課後ということ を考えますと、もっと細かく例えばゲームやインターネットの問題や、昔は宗教などが担っ ていた教育的な部分を今後どうしていくのかなど、非常に幅広い論点があると思っておりま す。  長くなりましたが、後の資料は、要は小学生という時期が非常に子どもの成長にとって重 要な時期で、また教育投資をするに当たって収益率が高い時期であるということを報告させ ていただきました。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。  続きまして、全国学童保育連絡協議会事務局次長の真田参考人より、ご説明をお願いいた します。 ○真田参考人  全国学童保育連絡協議会の真田と申します。こういう機会を与えていただきまして、委員 の皆さま方に本当に御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。実は昨年の9 月にも学童保育の実態と課題についてお話しさせていただく機会を与えていただきまして、 ありがとうございました。それを第1次の報告の方にもかなり入れていただけたと思ってお ります。あらためて御礼を申し上げたいと思います。第1次報告にあるように、学童保育に ついては論点というか、課題が出されているかと思いますので、ぜひ十分にご議論いただき まして、良い制度ができるようにお願いしたいと思っております。第1次報告に出された論 点についての私ども全国学童保育連絡協議会の要望については、昨年の12月19日に皆さ まにお届けしたところですけれども、本日の資料にも若干概要を添付させていただいており ますので、ご覧いただければと思っております。  私どもは、学童保育に入れている保護者とそこで働いている指導員でつくっている団体で す。ですから親の願い、あるいは指導員の願い、そして全国に今、学童保育は1万9,000 箇所ぐらいありますけれども、その3割ぐらいは保護者自身が運営しておりますので、運営 者の立場ということも兼ねていると思います。共通するのは、やはり子どもたちにより良い 学童保育を保障したいという願いで団体として活動しているわけですけれども、今日のレジ ュメの1枚目に書きました表題にあるように、「学童保育の目的・役割がしっかりと果たせ る制度の確立を」お願いしたいということで、副題の一人ひとりの子どもたちに「安全で安 心して生活できる学童保育」を保障できるようにしていただきたいというのが保護者や指導 員そして運営者側の願いであろうと思っております。わずかな時間ですけれども、学童保育 の現状と課題、どういう制度を私どもが願っているのかを簡単に説明させていただきたいと 思います。  レジュメは四つの柱で作っております。一つ目は、そもそも学童保育はどういう施設なの かということについてです。前回お話しさせていただいたことと重なりますけれども、あら ためて確認したいと思っております。共働き家庭、今は母子家庭や父子家庭もかなり増えて いますけれども、小学校に上がっても父親や母親が家庭に帰ってくる時間が遅い。小学校低 学年のうちは早く学校が終わるので、夕方まで子どもたちだけで過ごさなければいけない。 あるいは、土曜日は学校がお休みですし、春休み・夏休み・冬休みも父親や母親は仕事に行 っている。その時間の子どもたちを安全に預かるというか、保育する場所が学童保育です。  この1の[2]に書きましたように、年間278日間、いわゆる日曜日と祝祭日を除く日は、 ほぼ学童保育は開いている。これは時間数にすると1,650時間にも及ぶという私どもの調査 結果があります。実際に小学校で子どもたちが勉強している時間が1,100時間ぐらいですか ら、大変長い時間を子どもたちは学童保育で過ごしています。ですから、私どもは学童保育 のことを「生活の場」あるいは第2の家庭というような言葉で説明しているところです。  この四角で囲った下に※印で「生活の場では」ということで少し書きましたが、もちろん 子どもたちの放課後の時間というのは遊びも大変大きな比重を占めていると思いますけれ ども、疲れたときに横になって休む、おやつを食べる、宿題をする、あるいは1日の保育の 場合にはお昼寝もやっていますし、指導員に今日学校であったことをいろいろと話して心を 落ち着かせるといったこともあります。学童保育から地域の公園や児童館に出掛けていって みんなで遊んだり、クラスの子どもたちと合同で遊ぶなど、いろいろな活動が行われていま す。もちろん通院している子どもは学童保育から病院に行って、また学童保育に戻ってくる。 あるいは塾に行っている子どもも学童保育から塾に行ってまた戻ってくるといったことで、 本当に家庭で普通に親が働いていない子どもたちが過ごすように、親が働いている子どもた ちの生活の場、あるいは生活の拠点というのが学童保育の基本ではないのかと思っておりま す。  その生活の場に欠かせないのが、ここに書きました三つの点です。一つは固定した子ども たち、今ですと入所を申込んで毎月保育料を払っている子どもたちというのは固定している わけです。その固定した子どもたちが1年間を通じて一緒に生活をしている。当然、生活を する場所である施設、建物というのは専用の場所が必要だ。そして親代わりになって1年間 面倒を見てくれる専任の指導員が必要だ。この3点が学童保育にどうしても欠かせない要件 ではないかと思っております。それは第1次報告の中にも、「放課後子ども教室」事業との 位置付けをどうするのかといった論点もあったと思いますけれども、遊び場をすべての子ど もたちに保障するという課題も、今の池本参考人のお話にもありましたが、非常に大きな課 題だと思います。同時に親が働いている子どもたちの毎日の生活の場としての学童保育を保 障するということも、やはり大きな課題になっているのではないかと思っております。です から、学童保育というのは、親が働いている子どもたちが毎日「ただいま」と帰ってきて、 指導員が「おかえり」と迎えてくれる第2の家庭だということを基本にして、私どもは学童 保育をつくり運営してきたと思います。  そこで一番大事なのは安心して生活できること。「ただいま」と帰ってきて、指導員に今 日学校であったいろいろな話を聞いてもらって、心を落ち着かせて、そして友達と遊び始め るというような、やはり子ども自身が学童保育で居場所があったり、そこで自分のすべてが 出せる、あるいは疲れたり、いろいろと大変なことがあれば指導員に頼れるなどということ がとても大事なのではないかと思います。私どもはよく学童保育の子どもたちのことを「昼 間のきょうだい」と呼んだりします。つまり、みんな親が働いている子どもたちが1年間一 つ屋根の下で暮らす施設だという中で、非常に濃密な関係が培われる。現状では1年生から 3年生まで、あるいは1年生から6年生までの子どもたちが1年を通して一緒に生活してい ますので、非常に濃密な人間関係ができあがるということが、子どもの成長・発達にとって 非常に重要なことではないかと思っております。  そのような施設ですので、やはり国や自治体としても条件の整備を図っていただきたいと いうことが私どもの願いです。今日の資料の中の資料1に、今年の5月1日現在の学童保育 の実施状況調査の結果を4ページにわたって紹介させていただいているのですけれども、約 1万9,000箇所の学童保育に80万人を超える子どもたちが毎日「ただいま」と帰ってきて いる。そのような状況がありますが、まだまだ足りなくて学童保育に入れない子どもたちが いる。あるいは入れたとしても大規模の施設になって、非常に子どもたちがつらい思いをし ている。そのような現状がまだ解決していないということが今回の調査でもわかりました。 資料1の裏側の6ページに、実は今年入所児童が1万4,000人しか増えなかったという結果 になっています。昨年までは4万人、一昨年は6万人も入所児童が増えていたのですが、非 常に増え方が鈍ってしまっている。それはなぜかということで、私どもは自治体から聞き取 りなどをしながら分析をしたのが6ページなのです。実は厚生労働省は、71人以上の大規 模の学童保育については2010年度から補助金を廃止するということをいわれています。そ のこと自体は適正規模を求めている私たちにとっても非常に重要なことだとは思ってはい るのですけれども、実際に市町村の立場からすると、分割するためのお金がない、あるいは 施設を確保できないといったことで、分割に消極的にならざるを得ない。その結果、70人 以内に押さえてしまおうというような動きが全国各地で起きていました。新1年生が新たに 入所を申込んでも、ここは大規模だから入れません、あるいは高学年はもう自立できるから、 1人で留守番できるのだからと出ていってもらうなど、いろいろな形で入所の抑制が働いた 結果ではないかと思っております。  5ページ目の一番下に、実は入れない子どもたちが増えているのであれば、待機児童が増 えているのではないかと皆さま思われるかと思いますが、実は待機児童の数もそんなに増え ていなかったのです。それがなぜかというと5ページ目の下に書いてあるのですけれども、 実は認可保育園の場合は、すべて市町村に申込みをします。第1希望、第2希望を書いて、 入れなかったら待機してくださいという通知が来て、待機児童としてカウントされるわけで す。ところが学童保育の場合は入所システムがきちんと整備されていません。それは後でお 話ししますが、他の最低基準やいろいろなことの整備が大変遅れているわけです。ですから、 待機児童の把握自体ができていない所が多いわけです。特に公立公営が42%ぐらいあるの ですが、そこは市町村に申込むので、申込んだけれども入れませんでしたということで待機 児童はカウントできるのですけれども、それ以外の58%の民間の学童保育に対しては、特 に申込み方法が決まっているわけではないので、各施設によっていろいろな形で申込む。中 には、例えば今年の4月から1年生になるので、ぜひ学童保育でお世話になりたいと母親が その施設に行きます。そうすると、その指導員から大規模でいっぱいで入れないですと言わ れれば、その母親は申込みすらしないまま帰ってきてしまうといったような事例はたくさん あるわけです。それがこの待機児童という数にはカウントされていないということですから、 潜在的な待機児童はかなり増えてきているのではないか。必要はあっても実際には入れない まま我慢している家庭が増えているのではないかというのが今年の調査結果だったわけで す。  レジュメに戻ります。2ページ目に「学童保育に対する親の願い」を書きました。基本的 には働きながら子育てをするときに、保育園と同じように責任を持って預かってくれる場所 が必要、あるいは子どもの面倒を見てくれる大人が必要だと思っているわけです。けれども、 まだ学童保育が足りない、高学年でも必要としているのに入れない、あるいは障害のある子 どもが受け入れてもらえないなど、必要性があるのに利用できないという状況がまだまだあ ります。ですから、働く親たちにとっては、やはり必要性があれば必ず入れるようにしても らいたいという願いが強いと思います。同時に、入れたとしても、先ほど言いましたように、 非常に大規模化が進んでいることによって、子どもたちにつらい生活を強いるような現状が あったり、後でお話ししますけれども指導員の待遇が非常に悪いため、あるいは働く環境が 良くないために頻繁に辞めてしまう。そのことに対する不安も保護者は大きいです。やはり 特に子どもたちのための施設ですから、そこで子どもたちが元気に毎日生活できることが保 護者の切実な願いなのです。規模の問題や、子どもたちに直接かかわってくれる指導員がし ょっちゅう入れ替わることによる子どもたちへの影響を保護者はとても心配します。  同時に[2]では保育時間です。何時まで受け入れてくれるのかということも大きなことです。 ただ、これはここ5年間ぐらいで終わる時間が1時間ぐらい延びているのです。今、大体 18時半ぐらいまで学童保育を開いている所が多くなってきています。ただ、よく保育園な どでも、例えば19時、20時まで見てもらえないかという声があったりしますが、保育園と は少し異なるのかなと思うのは、子どもたちは翌日学校があるわけです。そうするとやはり 学校と学童保育と家庭という三つの生活の中で生きているわけですから、例えば夜遅くまで 学童保育で預かっていればよいとは必ずしも言えない部分もあるのではないか。やはりまだ 子どもが小さい家庭は、母親なり父親が早く帰れるようにしてもらいたいということがある のではないかと思います。  同時に、保育料の過重な負担というのが、この間、問題になってきています。今回の資料 でも資料5に私どもの調査結果の資料を添付しておりますけれど、運営形態によって保育料 がかなり違っています。例えば公立公営ですと5,000円以下ですけれども、保護者が運営し ている学童保育だと1万円ぐらいかかってしまう。しかも、例えば生活保護あるいは母子家 庭といったような家庭でも、必ずしも減免措置がされていない所もあるという状況がありま す。これは調査したことがないのですけれども、今、一つの学童保育に2〜3割の母子家庭 の方が入所されているのではないか。そういった所では保育園のときには保育料は無料で入 れたのに、学童保育になったら1万円払わなくてはいけなくなるといったような実態があっ て、本当に必要とする家庭が保育料のために入れないということも現実に起きている問題で す。親の願いを実現するためには、やはり国や自治体で必要な子どもたちが安心して利用で きるような条件整備を図っていただきたいと思います。  次のページにいきまして、「子どもにとって、どのような学童保育が必要か」ということ です。学童保育自体は働く親たちの切実な願いで生まれてきた施設です。けれども、毎日そ こで生活している子どもたちにとって、どのような生活、あるいはどのような環境を保障す ることが大事かということだと思います。先ほど冒頭で言いましたように、年間1,650時間 もの長い時間を学童保育という生活の場で子どもたちは過ごしています。その長い時間に、 どのような生活を送ることが必要なのかということを考えることが私たちにとって非常に 大事なことではないかと思っているわけですけれども、時間がありませんので簡単に言いま す。大きく言うと二つは絶対に必要だと思います。一つは適正規模にするということです。 先ほどから言っていますように、大規模化が非常に進行してきていて、子どもたちが落ち着 いて安心して生活ができない環境になってきている。ですから、一刻も早く子ども自身がそ こで安心して生活できるように適正規模にしていくことが何より求められていると思いま す。  もう一つは、この[3]に書きました直接子どもにかかわる指導員に係る課題をしっかりと整 備することではないかと思います。資料8では、指導員の働く条件が非常に劣悪だというこ とで、3年間で半数の指導員が入れ替わってしまっている実態が調査の中でわかっています。 子どもたち自身は3年間あるいは6年間を通して学童保育で生活し、成長していくわけです けれども、それにかかわる指導員が頻繁に入れ替わってしまっているということをなくして いかなくてはいけない。そのためには指導員の常勤配置、指導員1人当たりの子どもの人数、 あるいは働くための給料などの待遇の改善が必要だと思いますし、公的資格制度と養成機関 もどうしても必要ではないかと思っています。四角囲いの「参考」に書きましたけれど、今、 国は「新待機児童ゼロ作戦」で2017年までに利用児童を3倍に増やすと言っています。約 220〜230万人ぐらいの子どもたちが利用できるようにしようというわけですけれども、そ うすれば当然、指導員も3倍は必要になるわけです。今、6万4,000人ぐらいの指導員が働 いているわけですけれども、それを3倍しますと約20万人の指導員が必要になってくる。 20万人の職員で220万人の子どもたちが利用する施設と考えたときに、やはり小学校や保 育園、幼稚園並みに整備が必要なのではないか。もちろん小学校や保育園、幼稚園の先生た ちには、免許や国家資格が与えられているわけですけれども、学童保育の指導員は残念なが らまだ何もないといった状況の中で、これは絶対に解決していかなかったら、将来的に指導 員を安定的に確保することはできないのではないかと思っています。子どもたちにとってど のような学童保育が必要かと考えたときに、適正規模の問題と指導員の問題が一番大きな課 題ではないかと思っております。  次に4ページ目です。最後に、実際に運営する側、そして直接市町村が責任を負うという ことになっていると思いますけれども、市町村に責任を負えと言っても、今、各市町村も財 政的に厳しかったり、非常に難しい面がたくさんありますので、やはり国と市町村がどのよ うに協力をしながら移行的な責任の下で安定した運営ができるのかということを考えてい ただく必要があると思っています。  (1)は「運営者にとっては安定的・継続的に運営できることが最大の課題」と書きました けれども、実は公立公営が42%あります。ここは公的な責任で運営も安定していると思い ます。ただ、条件整備が大変遅れていて、例えば指導員の身分は非正規職員が圧倒的に多い ので、平均的な年収ですと150万円未満なのです。むしろ民間で正規職員の方が200万円 ぐらいもらっているわけですので、公立公営だからそれで十分だということではないと思い ます。まずそこはよくしなくてはいけない。併せて、民間でされている場合でも、やはり安 定的・継続的に運営ができるようにしなくてはいけないのではないかと思っています。そう いう点ではここに書いてある2点、あるいは(2)で書きましたように「市町村の責任の明確 化」。私どもからすると、やはり必要な子どもたちが入れるように条件整備を義務付けても らいたいと思っています。それから、どこの地域のどういう学童保育でも最低水準を確保で きるような制度的な仕組み。最低基準を決めるなど、設置・運営基準を策定することが必要 ではないか。  それから、やはり何よりも安全が求められている施設ですから、お手元の資料の後半の方 にありますが、国民生活センターが「学童保育の安全に関する調査研究」を2008年度に実 施しまして、提言を出しています。安全を確保するために何が必要かということで5点の提 言を出しているのですが、この5点は私どもとしてはぜひ実現していただきたい内容となっ ております。ですから、ぜひこの5点の実現も含めた学童保育の制度の拡充をお願いしたい と思っております。時間がなくなりましたので、以上で私からの説明は終わりにしたいと思 います。ぜひ、子どもたち一人一人が安心して生活できる学童保育ができるような制度の仕 組みをご検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 ○大日向部会長  ありがとうございました。  次に、全日本自治団体労働組合保育部会幹事で八王子市公共サービス労働組合書記長の檜 山参考人よりお願いしたいと思います。後半には質疑応答の時間も十分に確保したいと思っ ておりますので、大変申し訳ありませんが、15分程度でご説明いただければ幸いです。よ ろしくお願いいたします。 ○檜山参考人  ご紹介いただきました檜山です。私は指導員の労働組合の書記長という立場ですので、指 導員の立場から労働関係の問題について少し話をさせていただくのと、私自身も現場の指導 員ですので、今現場でどのようなことになっているのかも併せて少し話をさせていただけれ ばと思います。資料は少し立派な、後ろにはCD-ROMも付いているものがありますけれど も、こちらではなくて、それに付いている薄い方で少し話をさせていただければと思います。  これは2007年となっていますけれども、実際には2008年の年明けぐらいにまとまった 調査結果で、指導員の状況です。私は大体18年ぐらい学童保育の指導員をしているのです けれども、最初は自主学童というもので、いわゆる運営委員会で民間のボランティアの人た ちの集まりに雇われている状況でした。そしてだんだんと制度が整ってくるに従って、それ が社会福祉協議会の嘱託職員ということで1年ずつ雇用を更新していく職員となり、今は社 会福祉協議会の正規職員になっています。今、学童保育で働いている指導員の多くがそのよ うな状況で、今、常勤になっている職員は多くがそのような状況でいると思います。東京 23区など特別にお金がある所では、はじめから公務員というパターンの人です。多くの人 がそのような状況で働いています。  今の学童保育の状況の中では、このIですが、「職員の募集をしても人が集まらない」と いう状況が一番大きい問題として出ています。いくらやっても人が来ないのです。募集に誰 も来ないのだから、雇いようがないという状況。それ以外は取ってしまうと、その中の2 番目になっていますが、良い人材が集まらない。雇ってみたけれども、指導員としてどうな のかなという方になっているということです。さらに指導員としてどうかなと思って、一生 懸命いろいろと仕事を覚えていただいていると、先ほども真田参考人からお話がありました が、2、3年で辞めてしまうというところで、実は学童保育の仕事というのは、非常に専門 性が求められる比重が高くなってきている現場の状況があるのですが、その専門性を高める うんぬんの前に、人をそろえて運営していくだけでも手一杯という状況が今、現場では起こ っています。それは何なのかというと、私のように常勤で働けている人間というのは、学童 保育には募集がほとんどないのです。どういうことかというと、指定管理者制度などが入っ て雇用期間に定めのある、先ほどの補助期限の話もありますが、常勤単価では人が雇えない という状況がありますので、どんどん非正規化が進行しています。非正規化が進行していく という状況が、このIIの円グラフに入っていますが、学童保育の現場というのは、保育園や 学校を想像しながら現場を考えておられる方が多いと思いますが、全然違うことがありまし て、指導員しかいないのです。園長先生も校長も用務員も給食の人もいません。指導員オン リーでやっているところの指導員が非正規というのはどういうことかというと、「子どもと アルバイトしかいない」現場になってしまっているということです。時間に関していえば、 引用ばかりしてすみません。時間の指定は、学校よりもずっと長い時間、子どもたちが生活 している現場が、実はそういう状況にあるということです。その指導員の労働条件に関して も、8割が900円以下の時給で働いている人です。いわゆるどこかのハンバーガー屋さんの バイトの方と全く変わらない労働条件でやっている。ハンバーガー屋さんと違うところは、 更衣室がろくにないとか、自分用の机がないとか、マニュアルが存在しないとか、ほとんど の現場がそういう状況です。学童保育は非常に内容の充実が求められている一方では、そう いうことがむしろ進行している状況が今あるというのが現場の実態です。  そういうところで、この下に書いてありますが、子どもたちの安心・安全な生活の場、環 境をきちんと整備していくためには、まずそれを支える指導員の賃金・雇用形態をきちんと 改善していただきたい。少なくとも各学童保育所において、複数の常勤が配置される状況を つくっていかないと、誰も責任者のいない状況で、子どもたちが放課後という時間を過ごす ことになってしまうのではないかということを非常に危惧しています。学童保育というのは、 あくまでも対人サービスを提供する仕事ですので、そこにいる人の質が、そのまま学童保育 の質になっていきますので、そういう意味では、内容の充実は、すなわち指導員の雇用条件 の充実だと言い切ってしまっても過言ではないだろうと考えています。  現場の話も少ししなさいということでしたので、子どもたちの状況をもう少しお話しした いと思います。先ほど、大規模化という話があったのですが、この写真を見ていただけると よいかと思うのですが、これは私が働いている八王子市の学童保育の状況ですが、すごい密 度で子どもがいますでしょう。この学童保育所は定員が140人です。前は120人だったの です。ガイドラインができて、70名以下にしないと補助金を出さないよと言いました。70 名以下にするということになると、二つに分けます。120人を二つに分けると60人です。 120人で保留になって、国の制度でいうと入所待機になっていた子どもがいたのです。それ を二つに分けるという話になったときに、なぜ二つに分けるのだと。70人にしないと補助 金が出ないのです。それでは70人が二つだったら、140人入れるのではないかという議論 になっていくということです。ここが20人増えて、140人になることになりました。これ に写っているのは一部なので、まだここには多分80人くらいしか子どもが写っていないと 思いますが、もし70人だとしても、部屋が狭ければこういう状況ですね。こういう状況で 学童保育をするとどうなるかというと、先ほどと変わらないように見えますが、ここに指導 員が1人います。おやつの説明をしているのですが、こうやって説明をしています。子ども がたくさんいて、詰め込まれているとどうなるかというと、対話にはならないのです。もう 指示です。日々マイクで語りかけられる生活です。今日もたくさんの人がいて、あまりたく さんの大人の前でしゃべることが少ないものですから。驚いたのは、大人はたくさんいても 静かなのですね。素晴らしいと思います。こういう状況で、マイクで指示をしながら指導す る内容を子どもたちに伝えるということです。これは二つに分けて、この施設も実際には中 に壁があります。スライドウォールという可動式の壁があるので、それで二つに分けること ができるのですが、運営上、これを二つに分けてもあまりうまくないのです。一緒にやらな いと、子どもたちが一緒に遊んでしまいますから、この二つの意味で、あなたは1クラブの 子だから、こちらで遊びなさいよ。2クラブの子だから、こちらだよ。一緒に混ざってはい けませんよということは、同じ学校の中にある施設で、実際にはできないのです。一緒にや るのだから、指導員は当然ですが、子ども一人一人全員140人を覚えなければいけない。 覚えた子どもたちの様子を日々こうやっていて、保護者の方から、「ちょっとうちの子のこ とで聞きたいのですが」と言われたときに、さてその子のことをその日見ていたのは誰でし ょう。絶対にわかりません。子どもがたくさんいる施設というと、学校や保育園を想像され ると思いますが、学童保育所というのは子どもがたくさんいるのですが、学校でいうと「常 に休み時間」という現状です。子どもたちが自由に自分のスタイルで生活をする場所を保障 できないと、「放課後」という言い方はちょっと実態と違っていて、学童が開いている日の 3分の1くらいは学校のない日ですから、放課後という言い方よりも「生活の場」とおっし ゃったことが、本当にぴったりだと思いますが、そういう意味では、非常に子どもたちの自 由闊達な生活を保障するというのは大変なことです。特に70名という数では厳しいなとい うのが、現場の感想としてあります。  もう一方は今ある現状として、子どもたちが学校から学童に帰ってくる途中、あるいは学 童から家に帰る途中で不審者に会ったという情報が日常的に起こっていますし、今、お子さ んのいる方はよくおわかりだと思いますが、学校関係の不審者メールは、週に1回は必ず来 るような状況です。ほとんどが子どもの方が怯えていることからくる見間違いとか勘違いと いうことが多いのですが、そういう社会状況があるので、学童の方にはどんどん人が来てい ます。そのようにどんどん子どもが来ている状況で、実態としては、この密度で生活するわ けですから、子どもたちの環境はどんどんつらくなっていくという状況はあると思います。 ここはまだ学校の中なのでよいのです。学校の中で生活をするということは、この部屋だけ ではなくて、体育館やグラウンドをある程度利用できる可能性があるので、ここはまだよい のですが、こちらになってしまうと、もう雨が降ったら狭い部屋に皆で閉じ込められる。全 国的には施設基準があまりないというお話でしたが、八王子市には一応施設基準がありまし て、子ども1人につき1.11平方メートルという最低基準があります。1.11平方メートルと いうと1メートル掛ける1メートル10ですから、寝転がるとはみ出るので、全員来たらと りあえず寝転がらないでねと言う。これは嘘ですが、そういうお話になってしまうような広 さです。それでも基準があるので、何とかとどまっています。これで基準がなければ、入り たい子は全員入れろという話になれば、それを超えている施設は全国的にはたくさんあると いうのが現状だと思います。とりあえず時間もない中ですので、実態としてそういう状況が あるというところの話でした。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。次に、淑徳大学総合福祉学科教授の柏女参考人、お願いいたし ます。 ○柏女参考人  今回、お声を掛けていただいてありがとうございました。柏女と申します。15分という ことで、かいつまんで報告させていただきます。資料は「放課後児童クラブの今後のあり方 〜ガイドラインの作成に携わって〜」という資料4を用意させていただいています。今、檜 山参考人からお話がありましたが、私も自分がかかわっている市の放課後児童クラブに、つ いこの間行ってきました。夏休みですので、夕方でしたけれども、100人定員のところに 70人の子どもたちが、本当にすし詰め状態で、マイクを使ってお話ししていましたが、マ イクを使っても、子どもたちには聞こえない。空いた5メートル四方くらいのスペースで、 子どもたちは紙で作った球で野球をするわけですが、子どもたちが一生懸命打つと、球が飛 んでいきます。そうすると職員に叱られて、加減しなさいと言われて、子どもは思いっきり 打ちたいだろうと思いました。野球をしているすぐ側のマットの上で具合の悪い子どもが横 になっている。踏み潰されそうな状況になっていて、とても心配でした。職員も声が枯れて いました。夕方で70人くらいの子どもたちがいる。それが朝から晩まで夏休みはいなけれ ばならない。7時過ぎには子どもたちが来て、7時半過ぎに開くのを入り口のところで待っ ている状況でした。とても厳しい状況で続けておられるということを感じました。  私自身は子ども家庭福祉のサービス供給体制を専門にしています。子どもの政策を考えて いくときに、乳幼児から成人に至るまでを、切れ目なく考えていかなければいけないと思っ ていて、政策立案に当たって、三つの視点をとても大事にしています。一つは「広さ」とい うことです。つまり子どもを育てることによって人と人とがつながっていく。広がりをもっ ていくことが大事だと思っています。それから、二つ目が「奥行き」ということです。つま り子どもたちが育っていくプロセスのどこかに切れ目があってはならない。切れ目のない支 援を考えていかなければいけないと思います。三つ目が「深さ」ということです。それは 100人のうちの1人の子どものことをしっかりと念頭に置いておかなければいけないと思 っています。そう考えると、この学童期の特に前半部分のところが、政策的にかなりのエア ポケットになっている部分ではないかと感じています。その代表が先ほど来お話にあります、 いわゆる小1の壁であったり、これが切れ目になるのですが、あとは子どもの側から見ると 小1プロブレムと呼ばれる、就学前の子どもたちは生活と遊びを通して発達保障が行われて いたわけですが、小学校に入ったとたん、教科教育を通して発達の保障を行っていく。遊び と生活というものが切り取られてしまって、子ども自身が就学前の保育の場から学校生活に スムーズに移っていくことができない。これが小1プロブレムということだろうと思います。 親から見た問題と子どもから見た問題、この二つの克服を考えていかなければならないと感 じています。  そのために、放課後児童クラブのガイドラインの作成に携わらせていただきました。4ペ ージ目以降がそのガイドラインということになります。これはみずほ情報総研が研究を受託 し、そこが作った検討会に私は座長としてかかわらせていただきました。7ページの最後の ところをご覧いただきますと、メンバーの一覧があります。このガイドライン作成に携わっ た経験を基にしながら、少し話題提供をしたいと思います。  1番のところで「ガイドライン作成の背景」ということで、放課後児童クラブの課題につ いて網羅的に挙げてみました。既に前の3人の参考人からさまざまなご報告がありましたの で、省略はしたいと思いますが、「設置箇所数の不足」それから「大規模化」「活動時間・内 容の課題」地域の安心・安全が保たれなくなるに従って、行動・自由の制限を行っていかな ければならないという問題も指摘されています。それから、「実施場所、事業主体の多様化」 「施設設備の課題」で、一部屋しかないクラブの問題、今申し上げた事例もそうですが、静 養室がない。具合の悪い子どももそこに一緒にいなければいけないという問題もあります。 職員体制、利用児童の多様化という点についてですが、障害を持った子どもたち、あるいは 家庭基盤の脆弱な子どもたちが増えつつあるのが現状ではないかと思います。「学校(教育) との連携」も大きな課題です。それから地域や子育て支援サービスとの連携で、安全上の問 題では送迎の問題なども課題になると思います。また「保護者との協力関係」「幼稚園・保 育所との連携」「他の類似サービスとの関係整理」も必要になってくると思います。  こうしたことの前提を踏まえた上で、ガイドラインを作成することにしたわけですが、そ のガイドラインをどのような性格のものにするのかということで、まず暗礁に乗り上げてし まいました。最低基準という形で考えてみたのですが、実はこの放課後児童クラブというの は、歴史的に保護者の自主的な運動として始まっています。そのため、非常に多様な運営形 態があるということになって、過去の政策も昭和51年くらいから始まったわけですが、過 去の多様性を包み込む政策を採ってきたということがあります。そんな中で事業主体や運営 の多様化が進んで、最低基準作成が困難である。一定の基準を作れば、そこから落ちてしま う所がたくさん出てしまう。かといって、一番下のところに、例えば先ほどの八王子市のよ うな、子ども1人当たり1.1平方メートルを最低基準にするといったようなことは、子ども の健全育成を考えると、それはできないだろうということを考えますと、最低基準作成が非 常に困難だということがわかりました。従いまして、この基準では望ましい水準に誘導して いくための現実的な基準。そういう形にする必要があるということで作成しました。今後、 国で最低基準等を作成する場合には、認可外保育施設を認可保育所にしていくのと同じよう な一定期間の最低基準到達支援が必要なのだろうと思います。それから、放課後児童クラブ 運営のために抑えておくべき事項を12カテゴリー・35項目にまとめました。子どもの生活 支援サービスとしての質をクリアするためには、この程度の基準が必要ではないかと思いま した。このガイドライン作成中に「放課後子どもプラン」が突然立ち上がったわけですが、 私たちはその放課後子どもプランそのものの大切さということについては認識をしながら も、その中に埋もれてしまわない生活の場ということを大事にしようということで作ってき ました。  「保障すべきいくつかの原理」ということですが、ここにあります切れ目のない支援。そ れから親子関係では、さまざまな養育基盤の弱い子どもたちがいますので、そこで親子関係 の絆の形成と、あるいは紡ぎ直しをしていく専門職としてのかかわりが必要であろう。多様 な人とのかかわりを保障していくことが必要であろうと考えました。  4番目に学齢期の子どもの豊かな放課後生活を保障するということから、子どもの社会生 活の現状はどうなっているのか。あるいは、子どもの小学校の低学年の発達の特徴はどうい うことなのかを整理しました。(2)をご覧いただきたいのですけれども、「学童期低学年期の 発達的特長」をまず整理しました。比較的安定的な時期だと考えられているために、施策も ここがエアポケットになりがちだと感じられました。そこで五つのポイントを挙げて、これ らを保障することを考えていこうと思いました。[1]から[3]までは主として発達の保障の視点 から考えられたものです。「大人とのかかわりにおける子どもの意識・感情」ということで、 低学年から高学年にかけて大人の意味・比重が変化していきます。そうした発達の特徴を踏 まえて、指導者には適宜子どもに最初は深くかかわり、だんだん距離をおいていく。そうし たかかわりが必要になってくるだろう。[2]として、子どもたちに他者認識や交渉方略などの 対人関係、コミュニケーションの基礎を習熟させる時期である。この時期には遊び込むこと が必要だということ。それを保障していこう。それからコミュニケーションや人間関係にお ける社会性として、親との垂直的な絆を基にして、友人との水平的な関係を通して社会性を 学ぶ時期でもある。そういう意味では、友人関係に対する支援が必要であるといったことを 考えました。そして、四つ目、五つ目は特に安全の視点です。好奇心や興味が安全意識に勝 ってしまうために、配慮が必要だということ。それから、子どもの時間感覚の未発達が思わ ぬ事故を招いてしまう。そうしたことも考えなければならないだろうということです。  「大人の一定の配慮のもと子どもの生活全体を安定的に維持し、子ども一人ひとりと子ど も集団全体の生活と経験の内容を豊かにしていくことが必要とされる。その際、多様な人と の関わりを保障することが必要。また、小学校生活によって削り取られてしまった『遊び』 の補完が必要とされる」ということです。  5番目として、今度は保護者の視点から考えたときに「小1の壁の克服」。保護者の就労 状況の多様化が進み、家庭の養育基盤・機能が弱体化する傾向がある。生活保護の受給割合 なども増えてきている傾向がありました。加えて、地域のつながりの希薄化や倫理観の欠如 が進行し、地域の安心・安全が阻害される。また、保育所から小学校入学とともに「仕事と 子育ての両立」問題が深刻化するという、小1の壁の問題があるということです。  次に6番目として放課後児童クラブは、どのような特性を持っていなければならないのか ということで、整理をしました。子どもが選ぶことのできない共同社会であるということで、 部活や塾とは基本的に違うのだということです。放課後児童クラブで過ごすという保護者と 子どもとの了解があるということなどです。こうしたことを踏まえて作ってきました。考え てまいりました。できたものが先ほど申し上げた4ページからの35項目ということになり ます。一つ一つの説明は省略させていただきたいと思いますが、これを基にして、国の放課 後児童クラブのガイドラインが14項目ということで作成されて通知されているのはご案内 のとおりです。  8番ですが、現在、子ども未来財団からみずほ情報総研が助成を受けて実証研究を進めて います。まだ研究が始まったばかりですが、その中の一つとして、「放課後児童クラブと全 児童対策・放課後子ども教室との一体的実施」についての調査を行っています。まだ数字が 確定していませんが、5自治体に対するインタビュー調査などを行っています。その中間報 告を聞いた段階での私見で、まだ結果ではありませんけれども、放課後児童クラブと放課後 子ども教室は目的・機能が異なるため、一体的実施は困難だろうと思います。全児童対策と 放課後児童クラブは一体的に実施している所はありましたけれども、放課後子ども教室は夏 休みも毎日、朝から晩まで開くということを想定した事業ではありませんので、これは無理 だろうということです。つまり、放課後子ども教室をもって放課後児童クラブのニーズに応 えるのは困難であるということです。全児童対策として、放課後児童クラブを包含した仕組 みとするというものはありましたけれども、その場合には放課後児童クラブ児童に対する配 慮が必要であろう。そうしないと、子どもの生活という視点や保護者の仕事と子育ての両立 機能が阻害されてしまう。つまり、早く終わってしまうということがありますので阻害され てしまう可能性があるだろうということです。  最後に9番目ですが、「放課後児童クラブの充実のために」ということで、一つは「量的・ 質的整備」ということですが、ここでは三つの視点が必要だろうと思います。子どもの育ち の保障の資源、保護者の子育て支援の資源、地域再生の資源の三つの視点が必要だろうと思 います。特に「保護者の子育て支援の資源」では、先ほど申し上げましたように、養育基盤 の非常に不安定な子どもたちがいるということを考えますと、ソーシャルワーク的な視点が 特に大事になってくるだろうと思います。こうした家庭機能の弱い子どもたちの支援という ことが大事になると思います。それからもう一つは、障害を持った子どもたちの放課後生活 を豊かにしていくということが欠かせないことではないかと思います。残念ながら廃案にな ってしまいましたが、障害者自立支援法の法案の中に障害を持った子どもたちの豊かな放課 後生活を保障するためのデイサービスを提案されていましたが、こうした視点が大事になっ てくると思います。(2)の「学校教育との有機的連携の保障」ですが、学校にはさまざまな豊 かな設備があり、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、養護教諭などのさ まざまな専門職が配置されています。保健室もあります。こうしたところとしっかりとつな がることが大事だと思います。先ほど申し上げましたように、基準を作成していくためには 到達支援が必要だろうということです。最後に、基本的には、次世代育成支援のための新体 系において導入が検討されている保育所利用システムと同様の仕組みとして考えていく必 要があるのではないかと感じています。  時間になりましたので、私の報告をこれで終わらせていただきます。よろしくお願いしま す。 ○大日向部会長  ありがとうございました。参考人からのご説明は以上です。  最後に、事務局より「放課後児童クラブについて」ご説明をお願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  時間の関係もありますので、ちなみに次回も放課後児童クラブをテーマにご議論いただこ うと思っていますので、事務局からの説明を今日は簡潔にさせていただきます。  資料5を見ていただきまして、1ページ目が第1次報告で、2月におまとめいただいた内 容を簡単に振り返っているものです。一つ目の丸で、就学前の保育と並んで、両立支援系の サービスとして全国的にしっかりとやっていくべきであるというのが一つ。二つ目が、小学 校全期を対象として、量的拡大を図っていくことが重要であるということ。三つ目が、場所 の確保として、小学校の積極的活用。四つ目が、人材確保も重要な課題でありますので、職 員の処遇改善などを図っていくことが必要。五つ目が、サービスの質の維持・向上を図って いく必要があるために、現在は法令上の基準はほとんどない状態ですが、その基準を設ける かどうか。さらに基準を設ける場合について、そのあり方、担保の方法を検討していくべき。 最後のところは、制度上の位置づけも保育と比べますと非常に弱い位置づけになっています ので、市町村の実施責任でありますとか利用方式、給付方式、その他財源のあり方をさらに 検討していくべきとまとめています。  もう1枚おめくりいただいて、現在の放課後児童クラブ事業の法律上の位置づけですが、 一つ目の丸にありますように、平成9年に法律上の事業になっています。2行目を見ていた だきますと、保護者が労働等により昼間家庭にいない児童を対象としているということ。さ らに、サービスの内容としては、適切な遊び及び生活の場を与えるということ。目的として は、児童の健全な育成を図る事業であるということになっています。  さらに1枚おめくりいただいて、今回、論点としてお示ししているのは量的拡大について のみですが、その際に、一つ目の丸の2行目にありますが、潜在需要の高まりを踏まえて、 スピード感のある提供量の抜本的拡充を図る必要がある。二つ目の丸で、そのためには以下 の二つの側面からの検討が必要ではないかということで、アプローチの仕方として二つ書い ています。一つ目のアプローチの仕方としては、基盤整備をどのように進めていくか。事業 者としての参入をいかに担い手を促していくかということです。今は場所の確保の問題や予 算、人材確保の問題でいろいろな制約がかかっていて、基盤整備が進まない側面があります が、その抑制要因をできるだけ取り除いていく仕組みとして、どのようなものが適当かとい うアプローチが一つです。もう一つは、同じようにサービスが抑制されることなく、潜在需 要も含めて保障していく仕組みとして、給付の仕組みとして、どのようなものが適当かとい うアプローチ、二つの側面があるとしています。  さらに1枚おめくりいただいて、その一つ目のアプローチである担い手を増やしていく手 法について、一つ目の丸は現在の制度は、実施主体である市町村の努力義務という形になっ ていますが、二つ目の丸のように、自治体に対して何らかの責務を課す必要がないかどうか。 三つ目の丸は、そういう責務を課していく際に二つの手法が考えられて、一つは自治体に対 して、必要な子ども数を勘案して、整備計画などを作って、提供体制の確保責務を法律上課 すというやり方が一つ考えられます。もう一つは、事業者に対する費用を支払う仕組みとし て、客観的に一定の基準を満たす事業者に対しては、費用の支払いの対象としていくという、 二つの仕組みが考えられるということです。これは組み合わせでもよいとは思いますが。こ の一つ目の丸につきましては、他制度でもそういう仕組みが採られていて一定の効果はある わけですが、これだけでスピード感ある量的拡大ができるかというと、これだけではなかな か難しい側面があるというのが一つです。[2]の枠組み・仕組みとしましては、現状でいきま すと公立公営が4割強で公設民営が4割強、したがって公が設置しているものが8割くらい あります。民営の場合も、主体は社会福祉法人であったり保護者の集まりであったり、そう いうものが中心になっています。場所についても学校内が約5割という状況です。そういう 状況を踏まえますと、仮に[2]のような仕組みを考えた場合でも、それだけで量的拡大が果た して図れるかという課題がございます。一番下の丸は、場所をどうしていくかということに 関連して保護者のニーズを聞いてみますと、学校での実施を望む声が非常に多いという状況 です。一方で、サービスを受けているのは子どもで、その子どもの健全育成の観点から、学 校でずっと朝から夕方遅くまで過ごすことについて何か留意事項がないかどうかというこ とです。  もう一枚おめくりいただいて、二つ目のアプローチの仕方について、給付の仕組みをどう していくかという点につきまして、現行制度は市町村が自ら実施するか、あるいは委託して 実施するかのどちらかになっています。二つ目の丸にありますが、現行制度の保育の仕組み のように、個々の子どもに対応する給付という形で仕組んでいくことも一つ考えられます。 その場合は、保育に欠ける要件の判断のように、給付が必要かどうかという判断を市町村が やっていくという仕組みも考えられます。一方で、三つ目の丸ですが、この放課後児童クラ ブのサービスは、少なくとも夏季休暇や長期休暇以外は放課後を中心としたもので、利用時 間あるいは年齢によって求められるサービスの内容等も異なる側面がありますので、柔軟な 利用法を前提に置いた方が良いのではないかという側面もございます。あとは現行の仕組み が個々の子どもに対して市町村が個別に判断してサービスを提供するという仕組みになっ ていないこととの関係で、給付の仕組みについて今後どう考えていくかという論点を出させ ていただきました。  もう1枚おめくりいただいて、本日は量の拡大について簡単に論点の紹介をしていますが、 参考人の皆さまにご意見をいただいたとおり、この問題は量の拡充の問題だけではなくて質 の確保の問題や人材確保の問題、あるいは利用方式の問題、財源をどうしていくか、あるい は全児童対策との関係をどう整理していくかと、大きく分けてもこのような問題があります ので、次回までにもう少し掘り下げた資料を用意させていただきたいと思います。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、ただ今いただきました4人の参考人のご意見、そし て事務局のご説明を受けまして、ご質問等を含め委員の皆さまと議論を進めていきたいと思 います。一問一答でなく、幾つかご意見やご質問をいただいてお答えいただくという形にし たいと思います。  なお、池本参考人は保育園のお迎えがおありだとうかがっております。ぜひ遅れずに行っ ていただきたいと思いますので、先に池本参考人にご質問等あればお願いいたします。杉山 委員、お願いいたします。 ○杉山委員  ありがとうございます。私が関心があるのが、学童保育と全児童対策の関係です。池本参 考人の資料で興味深いキーワードとしては「教育福祉」というものが挙げられて、本当に事 務レベルの一本化ということではなくて、子どもの健全な育ちというものを教育と一緒にな って考えていこうという思い切ったことを、この小学校の学童期の子どもたちにも必要なの ではないかというアプローチがあるだろうと思うのです。それに関して、各参考人の方たち にも、どう思いますかということをお聞きしたいのですけれども、それに関して池本参考人 から何か補足のご意見があればということと、併せて他の皆さんの考えをお伺いできればと 思います。  もう一つが、併せて事務局に質問ですけれども、この第1次報告が出てから数か月経って いると思いますが、文部科学省とのやり取りというか、これをどうしていきましょうかとい う連携に関して今どうなっているのか。全児童対策がどうなっているのか、申し訳ないので すが私の方で把握できていないので、情報提供いただければと思います。以上です。 ○大日向部会長  他にありますか。では、宮島委員。 ○宮島委員  池本参考人に特化した質問です。海外の大変興味深い話をありがとうございました。確認 ですけれども、今お調べになった中で、それぞれの国において日本にあるような待機という か、本来は受け皿が必要なのに受け皿がないというような状況があるのかどうか。ないとす ればそれは例えば財源が多く投入されているとか仕組みが違うというような、どこにポイン トがあるのか。もちろん国によってはそもそも労働時間が短いというのがポイントだと思い ますけれども、労働時間がある程度長い人はいるのでしょうから、その人たちにも待機がな いというのはどういう点がポイントだろうかと。  あとは学校や地域や高齢者との連携を伺いたいのですが、フィンランドでは学校との連携 があるというお話がありましたけれども、他の地域でも例えば地域や地域の高齢者などとの 連携において見るべきところや参考になるようなところがあるかどうかを伺いたいと思い ます。 ○大日向部会長  もうお一人くらい大丈夫です。篠原委員。 ○篠原委員  今日は本当にありがとうございました。池本参考人と他の方々にも簡単にお伺いしたいの ですが、今日は事例ということで8か国の事例を聞かせていただいたのですけれども、今の 日本の状況からすると、池本参考人から見てどういう国が日本としては一番参考にすべきだ ということがありましたら、その辺りをお聞かせいただきたいと思います。 ○大日向部会長  それでは、この辺りで池本参考人にお答えいただいてよろしいですか。 ○池本参考人  まず、一つ目の「教育福祉」というのは韓国などではかなり言われていることで、要する に教育を良くするためには福祉の部分が良くならなければいけないし、福祉を良くするため には教育を良くしなければいけないという、お互い助け合う関係が放課後対策の議論の中で 非常に目につきました。フィンランドの学力向上と福祉の面の両方を良くしないといけない ですとか、私は今回イギリスを担当したのですけれども、イギリスがまさに福祉的なところ がうまく行っていなければ学力だけ高めようとしても無理だということで、逆に学力を高め れば就職できなくて福祉に頼るということも防げるという、お互い連携して省庁も一元化し たということがあるのですが、どの国が参考になるかということでは、私が調べた関係もあ りますけれども、イギリスが日本同様あまり進んでいなかったのがこれから追いつこうとい うところでは、いろいろな工夫があるものですから参考になるのではないかと思います。が っちりと過去からの蓄積で青少年教育という分野を確立している国などもありますし、スウ ェーデンのように教育という形で保育を公的に保障していくというやり方もあればよいと 思いますけれども、近いところでは個人的にはイギリスに今非常に注目しているところです。  それから、待機の問題については、今回いろいろ調べたのですけれど、その話題があまり 出てこなくて、いろいろ質問も受けるのですけれど、それがなぜなのかというところまでは よくわからないのです。労働環境の問題もありますし、フランスなどではよほどそういう必 要がある方は保育ママなどプライベートな部分でカバーするというような話は伺っている ところです。また、例えばスウェーデンであればきちんと法律で義務を課していますので、 多少は人数が増えて条件は悪くなっても、取りあえずは受けるということでカバーされてい ると思います。  学校との連携と高齢者との連携というのは、学校との関係でもフィンランド、スウェーデ ンなどがかなり教育と放課後を一体的にやっていて、所管をそろえるという意味では非常に 強い関係があるのですけれど、逆にフランスは分離する、それぞれが充実していくことでよ いのだというやり方でやっていたように思います。高齢者のところはドイツの話が非常に面 白かったのですけれども、他の所ではまだそこまで情報がありません。  この分野は研究者があまり多くないので、非常に短期間に各国それぞれ違う分野の先生に このテーマで調査をしてほしいという依頼をかけて、先生方も初めて調べるということなの で、今後も引き続き調査をしていきたいと思います。本当に簡単な答えですみません。 ○大日向部会長    他に、池本参考人に対してはよろしいですか。池本参考人、本当にありがとうございまし た。お気を付けてお迎えに行ってください。それでは、先ほど杉山委員から他の参考人にも お答えいただきたいことと、事務局からもお答えいただきたいことがありましたので。  では、真田参考人から。 ○真田参考人  杉山委員のご質問ですけれども、私の現場を見ていますと、先ほど池本参考人が言われた ように、子どもが落ち着いていない生活の中で勉強をやろうと思ってもなかなか勉強自体に 取り組めないという実態が多分あると思います。ですから、今の子どもたちの現状を見ます と、学校だけでは子どもは育たないのではないか。やはり安心できる生活の基盤がなかった ら子どもは勉強にもきちんと取り組めないのではないかという実感をとても持っています。 そういう点で、多分それは学童保育の子どもたちだけではなくて、すべての子どもたちに安 定した生活と安心できる生活があって、それで学校に行って勉強に打ち込めるという生活を 保障しなくてはいけないのではないかと思います。すべての子どもたちにとって、今は本当 に学校しかないわけです。放課後は自由にコンビニの前でたむろしていたり、あるいは塾通 いとテレビ漬けのような生活の中で生きているところがありますから、やはりすべての子ど もたちに放課後も安心して生活できるような環境を整えることがとても大事だと思います。  そういう点で、池本参考人のお話にあったような諸外国などはかなり参考になると思いま すけれども、同時に固有のニーズがある部分については丁寧に対応していかなくてはいけな いのではないか。例えば全児童対策と一体的でもよいのではないかと言われても、柏女参考 人も言われたように、例えば養育基盤の弱い家庭に対する特別な援助であるとか、障害児に 対する特別な援助、あるいは親が昼間いないことによる寂しさなどを抱えた子どもたちであ るとか、それは私たちの言葉で言えば「生活の場」をきちんと保障した上で、地域の子ども たちと遊べるような環境をつくっていくことが必要ではないかと思っています。すべての子 どもたちの健全な育成ができるような環境になっていないことに、私たちはとても心を痛め ています。 ○大日向部会長  ありがとうございます。あとお二人の参考人は何かお答えがありますか。では、檜山参考 人お願いいたします。 ○檜山参考人  調査したということはないのですけれども、きちんと常勤が配置されている学童保育所の 多くでは、学期に1回程度は子どもたちのことを学校の担任の先生と話す機会を持っていま して、それは非常に有効だと思います。特に何かしら困難を抱えている家庭、完全にケース になっているような場合にはそのための会議が開かれるので別によいのですけれど、そうで ない家庭、多くは孤独な子育てに陥りがちな家庭などに関しては、そうやって学校の先生と きちんとコミュニケートを取ることで、学校で「この子がこんなことをしましたよ」、学童 保育所で「お宅のお子さんは」というように、両方から責められることがないように配慮す ることから始まって、年間を通して総合的に子育てを支えていくようなことができるし、そ ういうことが非常に有効かと思います。 ○柏女参考人  基本的には就学前の部分は、要は保育所に代表されるように養護と教育が一体として提供 されているわけですし、中学生以上は部活も含めて教育の分野が非常に比重が高くなってい て、子どもの生活のかなりの部分を占めているわけですが、小学校生活の特に低学年の部分 というのは放課後の生活というのが削られてしまっていて、ここに社会が関心を寄せていな い。そういう問題があって、この部分が欠落しているのだろうと思います。就学前に養護と 教育が保障されるのであれば、就学後の特に低学年の辺りでは養護と教育が両方保障される べきだと思うし、それが教育と福祉という意味合いなのだろうと思います。以上です。 ○真野育成環境課長  育成環境課長です。文部科学省との連携ですが、少し古いのですけれども平成19年12 月で、小学校区で全児童対策と放課後児童クラブを実施している小学校区が約2割。全体が 2万2,000ほどあるのですけれども、そのうちの2,100という状況でなかなか進まない状況 がございます。その進まない状況の理由ですが、やはり財源がないということもございます。 それから場所がないということもございます。文部科学省とも連携しまして、平成20年度 の第2次補正予算においては学校の改修費を計上いたしました。また、平成21年度の第1 次補正予算におきましても、例えば学校の改修費ですとか賃借料、これを安心こども基金の 中で実施できるような形で補正予算に計上しております。また、場所の関係で、どうしても 学校が使いにくいといいますか、使わせてくれないという事情がありましたので、文部科学 省から学校の施設を利用できるようにということで全国の教育委員会に通知したところで す。 ○大日向部会長  よろしいでしょうか。それでは、また幾つかご質問をいただきたいと思います。清原委員 お願いいたします。 ○清原委員  ありがとうございます。三鷹市の学童保育所の特徴が幾つかあるのですが、私から2点だ け紹介させていただいた上で、柏女参考人に質問させていただきたいと思います。三鷹市は 人口約17万9,000人の自治体で、1982年(昭和57年)には市内15の小学校区すべてに学童 保育所の設置を終えました。その後、児童数が増加するとともに、やはり就労支援のサービ スを拡充するということで、9校では2箇所の学童保育所を持っております。全体では今 24箇所あります。平成20年のデータでは小学校1年生の33%、2年生の32%、3年生の 24%が学童保育所に入所しているということで、児童の3分の1が過ごしている大切な場 所だという認識を持っています。  実は私は市長になって7年目ですが、この間、学校の隣接の所に新設したり、学校用地内 に学校外のものを移して3箇所新設したり、私自身は安全確保のために学校用地内あるいは 学校隣地にある方が良いという思いで、なるべく学校の中に持ってくるか、あるいは隣接地 を探して学童保育施設を整備してきたのですけれども、柏女参考人がガイドラインを作られ るときに、放課後児童クラブの場所として学校用地内が良いか悪いかということについて、 どのように議論をされたのでしょうか。例えば、先ほど子どもたちの安全のためには学校用 地内が良いというご指摘もあったのですが、暮らしの場、遊びの場として考えるならば学校 現場とは離した所で暮らしの感覚を持ってもらった方が良いという考え方もあるかもしれ ません。私は安全上の問題と、これからお話しします学校との連携を尊重して、学校という 施設内か、あるいは学校の校地内か隣接に整備するという努力をしてきたのですが、その辺 についてのご議論を教えていただければというのが1点目です。  2点目に三鷹市の特徴は、実は私が市長になりました平成15年度から学童保育事務は教 育委員会に所管してもらっています。それは私自身の考え方として、教育委員会が学校とと もに進めています校庭開放事業、学校図書室の活用や土曜の地域開放、また放課後の地域子 どもクラブ事業と連携をしてもらう意味でも、やはり先ほど申し上げました学校施設の中、 校地の中に学童保育所をつくることを推進するためにも、教育委員会に所管してもらってき たのですけれども、その中で実は地域子どもクラブ事業との積極的な連携事業も行われてい ます。児童も地域子どもクラブの事業がかなりの回数開かれているのですが、それにも参加 してくれているのです。先ほど柏女参考人は、今5自治体へのヒアリング等をやっていらし て、まだ最終的な結論ではないけれども、地域子どもクラブ事業と放課後児童クラブの事業 について、私は一緒にするということではないのですけれども同じ場所で有機的に連携して 実施することが有効だと思っているのですが、「それぞれは目的が違うので一緒になれない のではないか」という所感を持っているとおっしゃいました。私としてはできる限り子ども の安全を確保しつつ、暮らしの観点も尊重しつつ、放課後児童クラブの子どもたちだけが孤 立しないようなあり方を模索できないかと思っている立場なので、柏女参考人の「一緒は駄 目ではないか」ということについてはもう少しお聞きしなければいけないのではないかと思 いました。  以上2点を、東京の一つの自治体の特徴からの質問で恐縮ですが、この論点にかかわると 思いますのでお聞かせいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。 ○大日向部会長  他に、関連して質問があれば頂戴します。篠原委員、お願いいたします。 ○篠原委員  真田参考人と檜山参考人にお伺いしたいと思います。まずはじめに、真田参考人からいた だきました資料2の指導員の常勤配置の関係ですけれども、3ページの[3]に「指導員は常勤 配置」ということで、その下の段に「年間2000時間を超えて勤務」と掲載されていますけ れども、この数字は常勤の方なのか、もしくは他のフルタイムなどを含めた全体的な数字な のかどうかお話しいただきたい。あとは細かいところで、15ページの一つ目の丸の最後の 行に「独自の公的資格制度の必要性を提案」とあるのですけれども、この辺りのお話を少し いただければありがたいと思っています。その2点です。  それから檜山参考人には、一つはパンフレットに具体的に細かい中身があって非常にわか りやすいと思いました。非正規の方々が非常に増えているというお話があったわけですけれ ども、私の理解不足ですが、その非正規の方はかけもちのようなことをされているのかどう かということ。あと私は学童保育所を見学させていただいたことがあって、そのときに校庭 を使うとか学校の施設を使うことは校長先生の采配が非常に強いという印象を持ちました。 実際にお仕事をされていて、その辺りの関係はどうなのかということを少しお話しいただき たいと思います。 ○大日向部会長  それでは柏女参考人、真田参考人、檜山参考人の順にお願いいたします。 ○柏女参考人  ご質問ありがとうございます。1番目ですけれども、結論から言えば議論はしませんでし た。学校の中が良いのか外が良いのか、それについては議論しておりません。と言いますの は、私たちがガイドラインを作成するときには現実的な基準を作ろうということでしたので、 学校の中でやっているものを学校の外に追い出すという基準を作るほど学校の中でやって いることの弊害は指摘されていませんでしたので、学校の中でやるのであれば学校の中でや るのも良いだろう、外でやるなら外でやるのも良いだろうということで、それについては議 論はしていませんでした。  2点目は、私が言葉足らずだったのかもしれないですけれど、放課後子ども教室と放課後 児童クラブが同じ所でともに活動するのは大事なことだと私は思います。ただし、放課後子 ども教室が放課後児童クラブの代替をすることはお金の面も含めてできない。できない以上、 一体実施はないだろうということです。つまり、一体的に全部の子どもが放課後児童クラブ のような1年に280日290日、朝から晩まで夏休みもやる、そこにすべての子どもたちが 通えるようなことをするのか、あるいは親が働いている子どもであっても週に3日しかいら れないような放課後子ども教室を基本にするのか、それはあり得ないだろうということです。 一緒にやることまで否定するつもりはありません。以上です。 ○真田参考人  篠原委員の質問で、2000時間の件ですけれど、お持ちした資料7に「指導員の年間勤務 時間と仕事内容」という調査があります。これは今年の3月に行った調査で、運営形態の違 う幾つかの市町村を選んでそこの指導員全員にアンケートを取って調べた調査ですけれど、 基本的に2000時間を超えると回答していただいたのは常勤の方々です。このデータには入 れていないのですけれども、例えば同じ北海道K市の中でも、常勤の方と非常勤の方の回 答があって、非常勤の方の場合にはやはり1600時間というような数字になっています。で すから、私が2000時間を超えていると言ったのは基本的に常勤配置されていらっしゃる 方々の1年間の勤務時間ということになります。  それともう一つ、「独自の公的資格制度の必要を提案しています」というのは、全国学童 保育連絡協議会が2003年6月に「私たちが求める学童保育の設置・運営基準」という基準 案を作って提言をしているわけです。そこに独自の資格制度が必要だということで、「学童 保育指導員は、学童保育指導員職(学童保育士)の資格を持つ者とする」「学童保育指導職と しての資格を取得するための養成機関および養成内容を下記のとおりとする」ということで、 養成機関は「保育士、幼稚園教諭、小学校教諭を養成する機関に準じる」、養成内容につい ては「保育士、幼稚園教諭、小学校教諭を養成する内容に加えて、下記の内容を履修するこ と」として、「学童保育原論」であるとか「学童保育の生活内容」、あるいは「学童保育実習」 といったカリキュラムを加えることで「学童保育士」という資格制度を作れるのではないか という提案をしています。  もう一つ、学校の校長先生の問題ですけれど、実態は校長先生によって対応ががらりと変 わることがよくあります。学校内で例えば運動場や体育館をかなり自由に使わせていただけ る校長先生が異動になったとたんに、校庭も体育館も使えないといったことが結構現場では 起きています。ですから、校長先生の異動によってかなり内容が変わってきてしまうという 現実があります。 ○檜山参考人  ご質問にあった非正規職員の副業についてですけれど、副業しているかどうかという調査 は一緒にしていないのですけれども、副業しないと生活できないレベルの賃金であることは 確かですので、一つにはいわゆる扶養の範囲内で働く方、もう一つは何かしら他の仕事をや りながら、それで生活をしていこうと考える方とに分かれていると思います。どちらにして も、これだけで生活をすることはできませんので、これだけでやっていくと両立支援系のサ ービスを提供しているのだけれども、本人がワーキングプアーということになってしまうと 思います。  校長先生の裁量の話については、先ほどおっしゃったとおりで、例えば同じ市内にある学 校でも、夏休みの使わない時期に指導員が管理するという形でプールを貸していただけると ころもあれば、もう全くそういうことのできない施設もある。地域の方が体育館を借りてい るときには、学童は使えないということで、グランドに関してもそうです。そうすると、部 屋の中で暮らすしかないというようなところで、相当ばらばらです。中に入るということに 対する抵抗感は、先ほどお話があったとおり、少し薄れたように思いますけれども、中での 運営の方法については、学童の部屋以外の使用については学校の判断に委ねられている状況 がありますので、そこまでを含めて一緒にやるのだということがきちんと決まれば、現場と してはやりやすくなるのではないのかと思います。 ○大日向部会長  山縣委員、お願いいたします。その後、大石委員にお願いいたします。 ○山縣委員  真田参考人と檜山参考人に共通のことを2点教えていただきたいと思います。今日はどう もありがとうございました。お二方とも特には触れられなかったと思いますが、利用対象を、 現行制度を前提にして今後も考えていくことについて、どのようにお考えなのか。具体的に は年齢です。3年生で終了するという点について。それから利用要件、いわゆる「保育に欠 ける」ということについて、どのようにお考えなのかを教えてください。  2点目は、真田参考人の資料2の2ページ目の[1]の※印の最後の2行ですが、「『200人定 員の学童保育』があったとしたら、『40人規模』の生活集団(クラス)が5つある」、そこに 職員を配置されたら良いというような文章が一つ入っています。一方で、檜山参考人は、そ れをやっても無理だというようなことを、写真を使ってお話しされたような記憶があるので すが、環境が非常に重要であるということは十分認識した上で、その辺のことについてどの ようにお考えなのか、再度教えていただければと思います。 ○大日向部会長  続いて、大石委員、お願いいたします。 ○大石委員  ありがとうございます。お二人に共通でお伺いしたいことが一つと、真田参考人にお伺い したいことが一つです。  まず、学童の場合ですと、基本的には子どもが自分で行かなければいけない所なので、歩 いて行ける範囲になければいけないということで、保育所の場合とは違いまして、それが放 課後児童クラブの提供のあり方をある程度規定すると思います。ところで、実際にはどのよ うにして学童保育所が選ばれているのでしょうか。小学校に隣接されているのでしたら当然 そこに行くのかもしれませんが、例えば地域に複数の学童保育所がある場合に、どのような ことを優先して選んでいるのか。それから、保護者のお迎えなどというものがある程度必要 とされる自治体があるようですが、どの程度の自治体や放課後児童クラブでそのようなこと が行われているのかについてお伺いしたいということが1点です。  もう一つは、真田参考人のお話で、入所児童数がそれほど増えなかった理由の一つに保育 料の有料化や高額化の問題があるというお話がありました。一方、池本参考人の方では、所 得比例での保育料を徴収してもよいのではないかという提案がありました。これも大変興味 深いと思うのですが、なぜ一律の保育料となったのか。それは例えば保護者が共同で開設し たからというような歴史的な経緯によるものなのか。もしも、所得比例の保育料を導入する としたら、どのような問題が生じると思われるのかといったことをお伺いしたいと思います。 ○大日向部会長  それでは、真田参考人、檜山参考人、よろしくお願いいたします。 ○真田参考人  最初の山縣委員からのご質問ですけれども、対象学年をどう考えるかということですが、 法律上は「概ね10歳未満」という条文になっておりますけれども、この事業の実施要綱で は、「その他健全育成上必要とする子どもも対象にすることができる」ということで、特別 支援学校の生徒であるとか、4年生以降の高学年も対象にすることができることになってお りますので、実際に国の補助金も児童数に応じて金額が違うのですが、その場合の児童数の 中には高学年の人数も含めて計算されています。今日、お出しした資料の18ページに、保 護者のニーズのあり方というのは難しいので取っていないのですけれども、2002年に行っ たニーズ調査では、必要であれば6年生まで受け入れてほしというのが保護者の多くの声で す。実際には、4〜6年生まで入っている子どもは、全体の1割強くらいですから、3年生 から4年生にかけて多くの子どもたちは退所していくわけですけれども、家庭によっては6 年生まで預かってもらわないと、とても心配だという家庭がありますので、そういう必要性 があれば入所できるようにするべきではないかと考えています。6年生全部が、親が働いて いたなら学童保育に行かなければいけないということではなくて、必要とする高学年の子ど もたちも受け入れられるような制度にしてもらいたいという考えを私たちは持っています。 基本的には、保護者が働いている家庭の子どもというのは、現時点では必要なことかと思い ますけれども、池本参考人などの話を聞きますと、ヨーロッパの進んだところは大半の子ど もの保護者が働いている。つまり、母親が働いている家庭が8割くらいになっているような 国も結構あるということで、その子どもたち皆が学童保育に行っているというお話を聞きま すと、先ほどの杉山委員のご質問にもあったように、親が働いていない子どもでも安定した 生活を保障するということが将来的に可能であれば良いかと思いますけれども、今はやはり 親が働いている家庭の子どもという要件は必要ではないかと思っています。  それから、定員200名のところで5クラスというのも、今現在、多分日本の中ではこう いう学童保育はないのです。多分それぞれの独立した施設が、例えば大規模化になったので 2箇所に分割するという形でやってきているものがあるくらいで、例えば保育園のように一 定の敷地があって、そこに教室が幾つもあって、その全体の定員が200名で、学校ではあ りませんが第1クラブ、第2クラブ、第3クラブというように、一つの大きな施設の中で営 まれているというのは、実はそういう実体もなかったので私たちも想定はしていないのです けれど、基本的に私たちが大事にしているのは、子どもたちの生活集団の基礎単位を、例え ば40名以下にする。これは池本参考人のリポートでいうと、グループであるとか、クラス という概念だと思うのです。私たちは、大規模になって二つに分割するときに、別の場所で 分割するという方法でも構わないですし、隣同士に分割するという方法でも構いませんと。 ただし、今日のリポートの1枚目に三つの要件を書きましたけれども、固定した子どもたち と専用の施設と専任の指導員がきちんと分かれていて初めて分割したと言えると思ってい ますので、例えば教室が隣同士だとしてもそういう分け方をしていれば、かなりそれは40 人以下の規模でスムーズに運営ができる。例えば遊ぶ時間は合同で遊ぶとか、合同でできる ものはたくさんありますので、生活の拠点はそれぞれ第1クラブ、第2クラブに分かれてい ても、遊ぶ時間は合同で遊ぶということなども、工夫して十分にできると思います。実際、 既にかなりの学童保育で1校区に2箇所とか、1校区に3箇所になっているところは、施設 が隣接していてもそれぞれ独自にそれぞれの単位として運営ができているという実態があ りますので、相当いろいろな工夫や配慮が要るとは思いますけれども、基本的にはそういう あり方も可能ではないかと思っています。  大石委員のご質問ですけれど、現状は例えば同じ校区の中に企業の学童保育があり、公立 の学童保育があり、あるいは保護者がやっている学童保育があるというような状況というの は、まだ圧倒的に少ないのです。ですから、この校区であればこの学童保育しかないという 実態がありますので、まだどれを選んで行くかというようなことはあまり例がないと思いま す。保護者の中で結構問題になるのは、分割したときにどちらの学童保育に行くのかという ことで、例えば分割の仕方についても保護者同士で意見が分かれていたり、例えば保育園か らの友だちと同じクラブにしたいというように、分け方について揉めるというのはよくある のです。基本的には、地域別にしていくことが必要だと思ってはいるのですけれども、どち らかのクラブを選ぶというよりも、その校区の子どもたちでこの地域に住んでいる子どもは こちらのクラブですというような分け方というのが、今のところの現実的なことではないか と思います。将来的に、それこそ3倍の施設ができたときに、同じ校区の中にいろいろな運 営形態の学童保育があったときに、どこをどのように選ぶかという問題が出てくるかもしれ ませんけれども、今現在はそういった事例はほとんどないのではないかと思います。  保護者のお迎えについては、かつては東京であれば17時に終わって、子どもたちは自分 たちで家庭に帰るということが多かったのですけれども、2004年辺りから下校時に子ども が殺されてしまうような痛ましい事件が相次いだこともあって、保護者もお迎えに来たいと いう希望がとても強くなっています。お迎えに行こうと思うと、やはり18時〜19時半まで 学童保育を開いてもらわなければ困るということで、この間、急激に開設時間が延びてきて いると思います。これも調査したことはないのですけれども、かなりお迎えが多くなってい ると思います。そのことは結局、保育園もそうなので、保育園感覚で学童保育を利用する親 たちが多数になってきている。指導員もお迎えに来た母親にその日の様子をお話しできると いうことで、結構、保護者と指導員のコミュニケーションもできるようになってきたという 状況はあると思います。  保育料の問題ですが、12ページの資料5の「保育料の決め方」という表を見ますと、「一 律」というのが圧倒的に多いわけですけれども、その下の(注)に「民営の場合、所得別には 徴収できない」と書いてあるのですが、これも多分学童保育の歴史にもかかわると思います けれども、やはり最初に保護者の方々が運営を始めた。そうすると親同士でお互いの家庭の 所得が幾らだというような把握はできなかったと思います。した方が良いというよりも、皆 で力を合わせて運営していますし、父母会長になった方も親の一人だということで、多分民 間ではここのお宅は税金を幾ら納めているのかというような形での把握ができないために、 そういうことをしてこなかったのが多いのではないかと思います。公立のところですと、現 在でも所得別の保育料を徴収しているところがあります。ですから、今後、民間がまだ6 割くらいある中で、それをどのようにしていくのかということがあると思いますし、保育料 の決め方ということについても、これから検討が要る気はします。 ○大日向部会長  ありがとうございます。檜山参考人、お願いいたします。 ○檜山参考人  退所年齢の話ですけれど、10年ぐらい前の社会不安が増大するまでは、割と3年生まで で卒所体制が整う傾向があったのですけれども、最近は3年生ぎりぎりいっぱいまで来る方 が多くなりまして、実は私の職場の関係では、決まりは一応3年生までなのですけれども、 3年生以降も子どもボランティアという形で登録して来られるようにしています。そのよう にしておくと、4年生の特に女子児童は相当な利用率で来ます。夏休み過ぎくらいまではだ いぶ来ていまして、そこからだんだん5年生になるまでの間に、自分で生活をするような形 を作っていくという方が多いので、まだ待機児童の問題が出てきますので、せめて4年生ま で学童保育の利用ができるようになると、相当今のニーズには答えられると思います。でき れば6年生までということにして、本人の意思で辞めていっていただくことが学童保育のあ り方としては一番適切かと思います。とにかく、今日いきなり辞めなさいと言われても、子 どもとしては困るだけなので、どちらにしても何かしらソフトランディングする方法を保護 者や学童保育所の方でもいろいろ考えるのですけれども、その時期がだんだん遅くなってい って、もしかしたらこれからもさらに年齢が高くなっていくのかとは感じます。障害のある 子どもについては、全く別の問題としていつまでも必要だという部分があると思います。  大規模化の分割の問題は、違うようにとられると申し訳なかったと思いますけれども、基 本的には今の状況での分割化というのは現場にとってはあまり芳しくない。なぜかというと、 分割しても職員数というか常勤数が増えないのです。そうすると責任者がいないので、結局 その施設の責任者の誰か一人が、その全部を見ていくという状況が全然変わらないので、そ ういう意味では小さい施設がたくさん集まっているのだという職員の配置がきちんとされ ることと、ハードの面がそのように充足していくということが非常に重要だろうと思います。 それができれば可能ではあると思いますけれども、できれば200人が同じ学校敷地内にあ るのはやはり好ましくはないだろうと考えます。  同じ学校に学童保育所があったときに選ぶことの範囲ということですけれども、実は3 月までそういう学童保育所にいたのです。同じ小学校区なのですけれども、一つは学校の中 にあって、もう一つは学校の外にあるというように、いろいろあるのですが、外の方を選ぶ 人もいるのですが、多くの人がやはり学校内を選びます。一番の理由は安全性です。もう一 つは自宅までの距離。自宅までの距離が近いのでと外の方を選ぶ方がいらっしゃいます。も う一つは、施設の内容です。学校内ですけれども、学校内の施設自体は大抵狭いのです。学 校を間借りしている状況なので。学校の外にあるものは、専用の庭が付いていたり、部屋自 体も広かったりということがあって、そちらの方がよく遊べそうだということで選ばれる方 がいらっしゃいました。現場で感じるところは、そういうところです。  所得比例については、先ほど真田参考人からお話があったとおりだと思います。きちんと 減免措置さえされれば、それが可能なら事務的に全然問題はないのではないかと考えていま す。  お迎えの件に関しては、八王子市では基本的に全員お迎えということでやっていますけれ ども、だんだんお迎えではなくなってきています。一時期ショックがあったときはほとんど お迎えでしたけれども、親の方もだんだん慣れてきて、だんだんお迎えではなくなってきて、 地域でまた何かあるとまたお迎えの比率が上がるということで、今の社会状況としては「す べてお迎えです」ときちんと決めてしまって、「一人では帰しません」と言ってしまっても 苦情は来ないという状況ではあります。施設の中にはそのようにしている施設もありますの で、そういう状況はあります。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他にありますか。駒村委員、庄司委員の順にお願いいたします。 ○駒村委員  大変ありがとうございました。勉強になりました。お三方に二つほど教えていただきたい のですが、現状のさまざまな問題点を教えていただいたわけですけれども、指導員について は、スタッフ全員が常勤である必要は必ずしもないように思えるのです。もちろん労働時間 の実態が、先ほど真田参考人が出された資料というのは、あくまでケースに限定されていて、 どうも全数調査というわけではないようなので、非正規の方がどのような時間なのかはよく わからないようなのですけれども、1クラスで見るべきか児童数で見るべきかは難しいかも しれませんけれども、理想のスタッフ構成というのでしょうか、スタッフに対して正規がこ れくらいいて、この人数程度のクラスを持てれば理想の状態なのだと、日ごと現場を見て思 われているので、この理想のスタッフ構成についてお聞かせ願いたいと思います。  先ほど檜山参考人からも専門性の要請が高まっているというお話があったのですけれど も、お話を聞いていてやはり少なくとも正職員の方については専門性を評価していかなけれ ばならないと思いますけれども、一方、これまで専門性を軽視されていたのは、どういうと ころに専門性があるのかということに対して認識が広がっていないのではないかと思いま すので、この仕事の専門性の重要性というようなことを少し強調していただければ大変助か ると思います。 ○庄司委員  手短に、お尋ねしたいことがございます。特に、真田参考人の資料の1ページを拝見して いて感じたことですが、よろしければ併せて檜山参考人からもお答えいただけるとありがた いと思います。放課後児童クラブあるいは学童保育の位置付けといいますか、性格付けにか かわることと大変深く関係していると思うのですが、資料の1ページに「家庭に代わる毎日 の『生活の場』」とあり、確かにそのとおりで子どもにとってはそれが必要であるというの は大変よくわかりますが、この放課後児童クラブをそのように位置付けきるかどうかという のは、一つ議論があってよいのではないかという気がいたします。それは、例えばここでは 「学童保育のはじまりは『ただいま』『おかえり』」とありますけれども、現実的に今の条件、 環境の中では子どもにとってここが「ただいま」という場、「おかえり」といってもらう場 であるというのが、そぐうかどうかという問題もあると思うのです。ただ、理念的にはもし かすると放課後児童クラブないしは学童保育というのは、子どもにとって発達段階からいう と「第3の場」というような、つまり学校でも家庭でもないもう一つの場という位置付けが あり得るのではないかということもあって、そういう議論があるのかどうか、そういうこと をお尋ねしたいというのが一つです。  もう一つは、この資料の「※『生活の場』では」とありますが、例えば地域に子どもが出 かけて遊びたくても放課後児童クラブの子はできないとか、学校や児童館などで他の子ども と同じ空間の中で遊んでいるような場合に、放課後児童クラブの子どもだけがおやつの時間 として食べるというようなことが起こってくるわけです。近所のおばさんの家に「ただいま」 と言って「おかえり」と言ってもらうというような環境では、そのようにはならないだろう ということが、クラブでは現実にどうしても起こります。まして今の職員体制、そして数十 人単位という子どもの集団規模などを考えると、現実にも無理だし、理論的にはもう少し検 討に値することなのではないかという気もするのです。また、例えば、親も通院や塾通いな どそれぞれ放課後をどのように過ごさせたいかというといろいろな希望があると思うので すが、そこで共通に放課後児童クラブが受けとめられる働きというものをどう位置付けるか ということについて、現実にどのような問題が起きているかということと併せて、こういう ことをめぐる議論があれば、お尋ねしてみたいという気がいたしました。以上です。 ○大日向部会長  それでは時間の関係で、ご質問は以上として、真田参考人、檜山参考人、柏女参考人の順 にお答えいただければと思います。 ○真田参考人  駒村委員のご質問ですけれど、全員が常勤である必要があるかどうか、あるいは理想のス タッフの構成はということですが、私どもの提言の中にも書いているのですが、常勤の方が、 常時複数配置が必要だという言い方をしています。現実的には大規模化が非常に進んできて しまっているので、一つの施設に5人や6人の職員が勤めていらっしゃるのです。しかし一 方では、補助金がそれほど多くはないために残念ながら常勤の方が2人で、残りの方がパー トタイマーであったり非正規の方であったりというようなことが、現実にはかなり多くなっ ています。学校や保育園と違うのは、例えば40人の子どもたちが一緒に生活していて、指 導員の方は2人ないし5〜6人が一緒になって見ているわけです。ですから、今日の資料で も2000時間の勤務の調査の下の方に書いてあるのですけれど、子どもがいない時間に打ち 合わせをしたり、事実の共有をするといったことで、チームワークとして仕事をしている職 場なのです。多分今までの施設の中ではそれほど多くはないのかと。例えば、児童自立支援 施設のようなそういった施設がそうなのかもしれませんけれども、例えば保育園や学校とは 少し違う、つまり40人の子どもたちに複数の指導員がいつも付いて見ている。当然、その 複数の指導員同士での打ち合わせ、あるいは情報の共有といったことがとても大事になって きているので、私どもは基本的には常勤の指導員が午前中の子どもたちのいない時間からお 互いに打ち合わせをしながら、両方が責任を持って対応できるようなことが必要ではないか と思っています。例えば子どもの人数が40人だと3人の指導員が必要だと提言しているの ですけれども、基本的にはそれは常勤配置を前提にした提言をしているところです。先ほど 言いましたように、実際に午前中から常勤の方が2人で、午後からパートタイマーの方が4 人いらしている学童保育も、実際にはたくさんあるわけですけれども、パートタイマーの 方々も同じような責任を負っているような部分がありますので、現場ではそれはやりづらい と。同じ子どもたちを見ているのに常勤の方には情報が共有されているけれど、パートタイ マーの方々は共有されていないのでやりづらいというような声はたくさん聞きます。ですか ら、基本的には常勤の方の配置が必要ではないかと思っています。  専門性ということですが、学校の先生をされていた方々や保育士をされていた方が一度退 職されて学童保育に再就職されることも結構あるのですが、少なくないな方々は学校などと は違った難しさがあると言われます。それは例えば、先ほど檜山参考人は学校でいうと遊び 時間が一日中続いているようだとおっしゃいましたが、つまり一律に座らせて何かをさせる というような生活ではないわけです。基本的には子どもたちが毎日自由に生活しながら、だ けれども集団のルールなどを守りながら、皆が楽しく生活できるような生活を作っていく。 当然、今の子どもたちは例えば家庭にいろいろな困難を抱えていてストレスをためている子 どもたち、あるいはいろいろな困難を抱えている子どもたちがたくさんいます。そういう子 どもたちに対して、例えば一律に何かさせるというのはなかなか難しいし、その子どもがな ぜそうするのかという相当内面に踏み込んだ理解が求められてきている。一方で、その子ど もたちの背景にいる家庭の問題などにも触れ、指導員には家庭を支える仕事が分量的にも非 常に多くなっていますし、難しくなっています。先ほど柏女参考人がおっしゃった、ソーシ ャルワーカー的な役割も求められてきているということなのです。今まではどちらかという と、学童保育は遊び場でないかと。だから子どもたちと元気に楽しく遊んでいればよいので はないか、ですから指導員は専門的な仕事ではないのではないかと言われ続けてきたのです けれども、実際の現場は昔からそうですけれども、楽しく遊んでいるだけではないし、先ほ ど私が勉強の例で言いましたけれど、生活が安定しないと子どもたちは遊べないのです。で すから「みんなでこの遊びをやろうよ」と言って、すぐに反応が来て「よし、やろうよ」と いうのは多分相当昔の話で、今は指導員が少し声掛けしたぐらいでは全然子どもたちは動か ないというような状況がありますので、やはり子どもたちが本当に思い切って遊べる環境自 体が、例えば自己肯定感があって受け止められている、ここが自分の安心できる生活の場だ という実感があって初めて友達と遊べるというような環境になっているのではないかと思 います。そういう意味では、非常にソーシャルワーカー的なもの、あるいは児童心理などと いったことも、子ども理解の深さが非常に指導員の資質には求められてきているのではない かということを強く思います。  それから庄司委員の質問ですけれど、私のレジュメが非常に情緒的なもので、それでどう なのかというようなことなのですけれども、「第3の場」という理解も当然私はあると思い ます。学校、家庭そして学童保育という、例えば時間的にも非常に大きなウエートを占める 世界ですよね。ですから、そこをどうするのかということですから、家庭に代わるというよ うに片付けてよいのかということは確かにあると思います。私たちが言っているのは、家庭 的な雰囲気、アットホームな生活が必要なのではないかと。当然そこでは子どもたちの発達 を保障したり、健全育成が図れるように、相当生活の質を豊かにしていかなかったら駄目な のではないかというような理解をしていて、単に家庭に代わるというような意味合いだけで 言っているわけではないのです。けれども、子どもにとってここは帰る家なのだという安心 感があって、毎日「ただいま」と帰ってきてその日が始まるということがとても大事なこと なのではないかということで、やや情緒的な言い方をしているのですけれども、ぜひ学問的 にもきちんとした位置付けをしていただければと思っております。現実的にも「ただいま」 「おかえり」と言うのは、指導員が努力はしているのですけれども、それがとても難しくな っているので、やはり適正規模が必要なのだということだと思います。単なる遊び場であれ ば、たくさんの子どもたちを遊ばせることはできますけれども、まさに生活の場ですので、 やはり適正規模の方を問題にしなかったら、基本的に求められている役割が保障できないの ではないかと考えているところです。 ○檜山参考人  スタッフの理想の構成ということですけれど、先ほどお話があったように、1ユニットと いうように考えるのがよいと思いますけれども、常勤の方が3人必要だと思います。一つに は学童保育所が空いている時間が11時間や11時間半で、1人の人間ではその時間全部はカ バーできない。命を預かる場所ですから、少なくとも責任者は絶対に1人いないと。そうい うことから考えると、1日に2人はいないといけないので、予備の人が1人入って、全部で 3人の常勤の人がいないといけないだろう。子どもに対応するためには、それプラス必要な 人員が非常勤の方で補完されていけば、本当の理想を言えば全員常勤がよいのでしょうけれ ども、そのような荒唐無稽のことを言っていても仕方がないですが、そういうことになると 思います。ただ、季節労働者的な時間給で働く方はできるだけ避けた方がよく、それは子ど もの方からすると、先ほど最大5人ぐらいとおっしゃいましたけれども、八王子では12人 ぐらい働いている学童保育所もあるのです。曜日によって人が違ったり、時給の方だと毎日 はなかなか来ていただけないものですから。12人いると子どもの方も指導員を覚えるのが 大変なのです。障害児に対応したスタッフなども含めると本当にたくさんになってしまうの です。そしてスタッフの方もなかなか子どもの顔と名前が一致しないというようなこともあ りますので、そういう部分では、そうではない方で構成されていることが良いと思います。  専門性の部分に関して言うと、これが非常に確立していないのは、現場の指導員にもその 意識が非常に希薄というか、でこぼこが非常に大きいことが原因だと思うのです。それは庄 司委員から質問のあった家庭に代わる場所なのか、家庭ともう一つ違うところではないかと いうのは非常にマッチしているところだと思いますけれども、私は現場の職員には、母親の 代わりにはなれないからということをよく言います。家の代わりだけなら、それほど問題で はないのですけれども、家に帰ってから行く場所の分まで学童保育というのは、そこから出 さないわけですからやっているわけです。ですから、学校から「ただいま」と帰ってきて、 家に着いてランドセルを放りだして遊びに行く空き地や空き地にある土管などまでは全部 学童保育の方でカバーしているわけですので、そういう部分が一番専門性としてはあるのか なというところで、遊びの部分だと思っています。  柏女参考人の方で用意されていた資料の中にも、「遊び込むことが必要」というところが あって、専門家の方にもそのようにおっしゃっていただける時代になってきてよかったと思 います。遊びには三つの間が必要だとよく言うのですけれども、「時間」「空間」「仲間」で す。この三つのことをコーディネートするということが非常にありまして、さらに言うと、 1〜3年生までというのは遊び込むという年齢にはまだ少し若いのです。そこには常にスタ ッフが一緒に入って遊び込むことを一緒にサポートしてあげないと、3年生までの集団だと なかなか持続しない部分がありますので、きちんと遊び込ませるためには相当なスキルが必 要になってきます。これは今、この場で説明するのはなかなか難しいのですけれども。そう いうところで研修も相当数必要になってきていますし、またそういう意識をきちんと持って やってもらうことが大事なので、そういう部分の専門性が一番大きいと思います。  他にも今、現場の指導員がよくお世話になる所は法テラスです。「自己破産したいのです が、どうすればいいですか」と母親から相談を受けるのです。法テラス、それから生活保護 のケースワーカー、もちろん児童相談所や主任児童委員は当然ですけれども、そのようにさ まざまないろいろな事態に対応するための知識と経験というのは、やはりどうしても必要に なってきていて、そういう部分での専門性ということも、もちろんあるだろうと思いますし、 先ほど言った遊びの関係のこともそうです。  あとは、子ども自身にも問題を抱えている子どもが増えてきているのか、そういう子ども の利用が多くなってきているのかはわかりませんけれども、学校の方でも今年のこの学年の 子どもたちは本当に大変です、学校のすべての力を注いでこの子どもたちの面倒を見ていま すという学年が時々現れるのです。そうすると、来る子ども来る子どもがみんなまともに帰 ってこないというところから始まるようなこともありまして、そのことに対する専門性とい うのも、叱るだけではもう駄目な時代になってきていますので、そういう子どもの特性に対 する理解というか、知識も非常に重要だと思います。  「生活の場」ということに関して言えば、そういう部分で子どもたちが豊かに生活できる ようにするためには、家庭の代わりというよりは健全育成という視点が非常に重要だと考え ています。長くなりますのでこのぐらいで。 ○柏女参考人  時間が過ぎており、お二人の参考人からも随分とお話がありましたので、簡潔に申し上げ たいと思います。放課後児童クラブがどのような場なのかというのは私のレジュメの2ペー ジの6番のところに書かせていただいております。これを「第3の場」と言うかどうかは別 にして、こうした機能が発揮できる場であることが大事だろうと思っております。  専門性という点では、こうした機能が発揮できるためには、どのような専門職のコンピテ ンスが必要なのかということについての合意がされていないのだろうと思います。従って、 今は学校の教員や保育士あるいは社会福祉士、それから当事者といった多様なバックを持つ 人が集まってきている。それぞれが補完し合っているというのが現状なのではないかと思い ます。これを考えていくためには、やはり学童機能、こうした場を保障していくための専門 職のコンピテンスはいったい何なのかということについてのしっかりとした議論をしてい く必要があります。  保育士は今、18歳までの支援者であるはずなのですけれども、現実的には就学前に特化 されてしまっていますし、養成課程もそこが中心になっていますので、学童期の支援という ことの専門性はどうやってつくっていく必要があるのか。養成課程を含めて検討していかな くてはならないだろうと思っております。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。本日は4人の参考人から大変貴重なご意見をいただきました。 放課後児童クラブの問題は、子どもの育ちの保障、保護者の子育て支援、地域の再生の観点 からも就学前の保育と並んで大変重要な課題であると考えております。今日は通常の審議の 時間を30分長く用意しましたが、それでも足りないぐらい大変貴重なご意見をいただきま したことに、あらためて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。この部会でも 本日いただきましたご意見を参考に、今後制度の具体的設計の議論を進めてまいりたいと思 います。  それでは、事務局から次回の日程につきまして、説明をお願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  本日は誠にありがとうございました。次回の日程につきましては、あらためて事務局から ご連絡申し上げます。引き続き、今日の議論の継続で、放課後児童クラブについてのご議論 をお願いしたいと思っております。お忙しいところ恐縮ですが、ご出席いただきますようよ ろしくお願いいたします。 ○大日向部会長  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。 (照会先)  厚生労働省  雇用均等・児童家庭局総務課  少子化対策企画室  (内線7944)