09/06/24 第3回中小企業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関する検討会 議事録 第3回中小企業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関する検討会 議事録 1 日 時 平成21年6月24日(水)16:00〜17:40 2 場 所 中央合同庁舎第7号館第1414号会議室(14階) 3 出席者 [委 員]阿世賀委員、臼杵委員、坂部委員、笹島委員、橋本委員       [事務局]氏兼勤労者生活部長、吉本勤労者生活課長、 鈴井勤労者生活課長補佐       [参考人]清川勤労者退職金共済機構総務部長、 小林勤労者退職金共済機構契約業務部長 4 議 題 (1) 中小企業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関する検討について (2) その他 5 議事内容 ○笹島座長 皆さん、こんにちは。まだ若干予定の時刻に達していないかもし れませんが、臼杵委員は遅れて来るということを事務局から聞いておりま す。武内委員は本日は欠席と聞いておりますので、予定をしている委員全 員御出席ですので、ただいまから第3回「中小企業退職金共済制度の加入 対象者の範囲に関する検討会」を開催いたします。  議事に入る前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お願いい たします。 ○吉本勤労者生活課長 お手元の資料ですが、「中小企業退職金共済制度の加 入対象者の範囲に関する検討会報告書(案)」をお配りさせていただいて おります。これにつきましては、前回の会議でお示しいたしましたアンケ ートの調査結果、またそのときの論点整理、その際にいただきました御意 見、その後個別に御意見等を頂戴したものも踏まえまして、事務局で作成 させていただいたものです。本日の資料は以上でございます。 ○笹島座長 早速この検討会の報告書について、意見交換をさせていただきた いと思います。この報告書全体を意見交換するというのはなかなか大変で すので、いくつかの部分に分けて順次検討させていただきたいと思います。  それではまず、「1.はじめに」、「2.従業員の現行の取扱いについて」、 「3.アンケート調査結果」までのところにつきまして、事務局から読み上 げていただきまして、その後意見交換に移らせていただきたいと思います。 恐縮ですがお願いします。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 読み上げさせていただきます。 1.はじめに  中小企業退職金共済制度は、中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160 号。以下「中退法」という。)に基づき、独立行政法人勤労者退職金共済 機構(以下「機構」という。)及びその前身団体によって運営され、これ までも着実に中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与して きたところである。  これまで、中小企業退職金共済制度が適用されるものとして取り扱われ る「従業員」の範囲については、労働基準法(昭和22年法律第49号)等 が適用される労働者の範囲と同様であると整理されてきたところである が、中小企業を含む雇用・経済情勢が特に悪化し退職後の従業員の生活保 障の重要性が改めて認識される中で、現在加入対象とされていない者の中 に中退法の加入対象とされている「従業員」と同様の働き方をする者が少 なくないとの指摘があること等を踏まえ、本検討会においては、今年4月 以降、中小企業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関して、検討を行っ てきた。  検討においては、雇用環境を取り巻く様々な状況変化や税制上の取扱い を十分に踏まえる必要があることから、中小企業の従業員の働き方の実態 を把握するため機構において実施された「中小企業の従業員の働き方に関 するアンケート調査」の結果を踏まえ、今後の雇用経済情勢に対応できる よう議論してきたところであり、今般、ここに報告書を取りまとめるに至 った。  「※」の部分は省略させていただきます。 2.中小企業退職金共済制度における「従業員」の現行の取扱いについて  中退法においては、中小企業退職金共済制度の被共済者とされ得る者は、 中小企業者の従業員に限るものとされている。ただし、中退法においては、 「従業員」の定義について明文の規定はなく、これまでの実務においては、 事業主との間に雇用関係にあるものと解釈している。言い換えれば、使用 従属関係(事業主の指揮の下に労務を提供し、その提供した労務の対価と して事業主から賃金、給料その他これに準ずるものの支払を受けているも の。以下同じ。)にあることを要件としているものであり、この点で労働 基準法に規定する「労働者」と共通であると考えられることから、具体的 な範囲については、労働基準法等が適用される範囲と同様のものとして取 り扱ってきた。  労働基準法等の労働者の解釈においては、生計を一にする同居の親族に ついては、他の労働者を使用し、かつ、その勤務実態が他の労働者と同様 の場合には、労働者に該当するものとされているが、同居の親族のみを使 用する場合には労働基準法が適用されないこととされており(労働基準法 第116条第2項)、中小企業退職金共済制度における従業員についても同 様に取り扱っているところである。  具体的には、同居の親族のみを使用する事業については、使用従属関係 の有無やその確認方法について整理されていなかったため、中小企業退職 金共済制度への加入を認めてこなかったところである。 3.アンケート調査結果について  我が国の最近の中小企業を含む雇用の状況や経済情勢が悪化しているこ とから、退職後の従業員の生活保障の重要性が改めて認識されるとともに、 中小企業においては、現在中小企業退職金共済制度の加入対象となってい ない一定の同居親族についても、現行で加入対象となっている「従業員」 と同様の働き方をする者の必要性が高まり、現実にそのような者が少なく ないとの指摘があることを踏まえ、同居の親族のみを使用する事業におけ る従業員の働き方の実態を把握するため、機構において「中小企業の従業 員の働き方に関するアンケート調査」を実施した。  当該調査によると、同居の親族のみを使用する事業における従業員の働 き方の実態は、以下のとおりである。 ○ 同居の親族のみを使用する事業においても、 ・同居の親族の約8割が、仕事の内容・方法について、事業主に具 体的に指揮命令を受けていること。 ・同居の親族の9割弱が、事業主の指揮監督の下で行う労働に対し て報酬が支払われていること。 ・同居の親族の6割以上が事業主自身と同程度か、それ以上の時間 にわたり就労していること。  等が明らかになったことから、同居の親族との間で使用従属関係を認識 できる場合が少なくないと考えられる。 ○ なお、同居の親族のみを使用する事業主のうち、今後、中小企業退職 金共済制度に加入できるとしたら加入したいという事業主は約7割存 在する。  この結果から、同居の親族のみを使用する事業に使用される者であっても、 使用従属関係が認められる者が存在する可能性があることがわかる。  「1.」から「3.」のパートについては以上です。 ○笹島座長 どうもありがとうございました。ただいま読み上げていただいた 部分につきまして、簡単な質問事項等があれば御発言をお願いしたいと思 います。そのあと、内容に入りたいと思います。  では私のほうから1点だけ質問させていただきたいのですが、この部分 に限らず至るところに「労働基準法等」の「等」という言葉が付いている のですが、この「等」というのは何を指していらっしゃるのか。部分部分 によって違うのか、あるところで「労働基準法等」と言っていて、別のと ころでも言っていて、全く同じ内容なのか。場所ごとに「等」の意味が異 なってくるのか、その点も含めてお教えいただきたいと思います。 ○吉本勤労者生活課長 基本的な考え方としましては、そのあとのパートでま た出てまいります労災保険法であるとか、雇用保険法の2つも併せて「等」 と記載をしております。それに合っていないところは基本的にはなかろう かと思います。 ○笹島座長 わかりました。ありがとうございました。他にいかがですか。 ○坂部委員 4頁のいちばん最初に同居の親族の定義が書かれているのです が、この3行目の「事業主と居住及び生計を一にする」という文言ですが、 「生計を一にする」というのは、例えば税務上でいうと、そこに一緒に暮 らしていなくても、単身赴任とか、あるいは子どもが外に出た場合には「生 計を一にする」という定義づけがされているのですが、ここでいう「居住 及び生計を一にする」というのは、あくまでも、そこに必ず住んでいては じめて同居というものなのかどうか。その辺の感覚がわからないので。 ○吉本勤労者生活課長 それはまさに同居ということで、税法上は今おっしゃ ったようなことかもしれませんが、これは一緒に住んでいるということに なっています。 ○坂部委員 住んでいることが大前提だということですね。 ○吉本勤労者生活課長 前提だというように考えられます。 ○坂部委員 わかりました。 ○笹島座長 それでは中身について具体的に御意見を賜ることができればと思 いますが、いかがでしょうか。  では私のほうから。まず1つ目ですが、これは意見というほどでもない のかもしれませんが、2頁のいちばん下に※1がついているのですが、こ の※1のついた文章を受けて、注釈として次の頁に中退法の第2条3項が 書いてあるのですが、2頁のここの文章と、この注釈との関係が、どうも すんなりいかない感じが読んでいてするのですが、そんなことはございま せんでしょうか。中小企業の従業員に限るということを説明しているのだ ろうと思ってここを読むと、どうもしっくりこない、そんなことはないで すか。要するに中小企業について定義がしてあって、また何かこの中小企 業の従業員というのはこういう人ですよ、ということであればわかるので すが、何の注釈のどういう趣旨でのこの※1なのか。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 中退法においては、他の条文で誰に対して退職金 を支給するのかということが書いてありませんで、そのきっかけとなる条 文がこの第2条第3項の、「従業員の退職について…退職金を支給するこ とを約する契約」ということでございまして、中退制度の被共済者とされ 得る者がどういう者か、解釈できるようなきっかけがここにしかないとい うことで、この条文を掲げさせていただいております。 ○氏兼勤労者生活部長 中退法の第1条の目的規定ですが、「この法律は、 中小企業の従業員について、中小企業者の相互扶助の精神に基き、その拠出 による退職金共済制度を確立し、もつてこれらの従業員の福祉の増進と中 小企業の振興に寄与することを目的とする。」という目的規定ですが、ど うもこちらのほうが先生のおっしゃる趣旨には合致しているような気もし ます。ですから両方引くということがあり得るのかなと。 ○笹島座長 あるいは、もし3頁の冒頭の「※」の中小企業退職金共済法から 何も説明文がなく例示されていますが、その前に若干の文章を付け加えれ ばいいのかもしれませんね。「※」のあとにこういう趣旨で具体的に法律 を引用するとこうだよと。今、部長が言われたことだとか、そういう点を 御検討いただければと思います。細かな話で恐縮です。  他にはいかがでしょうか。もう1点、私のほうから出させていただきた いのですが、4頁の「3.アンケート調査結果について」の冒頭の文章なの ですが切れ目なくずっと文章が続いているのです。ほかにも9行切れ目な く続いている文章がありましたが、そちらの9行のほうは、非常に理路整 然となっているから、問題ないかなという気がしたのですが、この9行は 読んでいて、どうもすんなりこないのです。途中に「必要性が高まり」と いう言葉がどうもしっくりこないのです。いくつか文章を切って、しかも 「必要性が高まり」というのを除外すればすんなりいくのですが、切らな くても、「必要性が高まり」というのがなければ、何となく文章がつなが るのですが、「必要性が高まり」というのが入っていることによって、ど ういう趣旨のことを述べたがっているのか。要するに従業員の働き方を把 握するためということにつながっていくのでしょうけれども、文章がいま ひとつ、何度も考えても、やや気にかかるところがありまして、他の方が それで構わないといえば私は降りますけれども。 ○橋本委員 笹島座長がおっしゃったところをよく読んだら、確かこの「必要 性が高まる」は何の必要性かがはっきりしないのですよ。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 御指摘を踏まえまして修正させていただきます。 ○坂部委員 同じ4頁のアンケート調査結果についての上の3行です。「具体 的には、同居の親族のみを使用する事業については、使用従属関係の有無 やその確認方法について整理されていなかったため、中小企業退職金共済 制度への加入を認めてこなかった」というような形で述べられているので すけれども、つまり同居の親族のみを使用する事業については、当然、加 入を認めてこなかった理由をここで説明されているというように考えたと きに、使用従属関係の有無と、使用従属関係の確認方法などが、要するに 検討されてこなかったということですよね。例えばこの辺で、こういった ものが整理されると、と逆説に言えば、その辺が今回の検討の目的になる わけですよね。もっと他に何かありませんかという話なのですが。例えば 退職の事実は、同居の親族については非常に確認しづらいものですから、 そういったものがここに入ってくるとか、そういったことも含めてのこと のほうがよろしいですね。では「等」とかを入れたほうがということです。 ちょっと検討していただければ。 ○笹島座長 よろしいですか。もしお気づきの点が発生するようでしたら、後 ほどでも結構ですので、先に進めさせていただきたいと思います。  続きまして4.の「同居の親族に係る取扱いの変更に当たっての課題」の うち、「(1)他の労働関係法令」との関係です。そこまで意見交換した いと思います。では読み上げていただけますか。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 読み上げます。 4.同居の親族に係る取扱い変更に当たっての課題  上記アンケートの結果から、同居の親族のみを使用する事業に使用され る者についても、中退法上の「従業員」として中小企業退職金共済制度の 被共済者になり得るものとして取り扱うこととすることが考えられるが、 その場合、他の労働関係法令との整合性や実務上の取扱いを整理する必要 がある。そして、具体的に取扱いを改めるに当たっては、その課題と考え 方を以下のように整理した。 (1)他の労働関係法令との関係  労働基準法においては、「同居の親族のみを使用する事業」について適 用除外とし、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)及び雇用保 険法(昭和49年法律第116号)においては、それぞれ「この法律において は、労働者を使用する事業を適用事業とする」、「この法律においては、 労働者が雇用される事業を適用事業とする」と規定し、同居の親族のみを 使用する事業について明文の規定はないものの、適用事業はしない取扱い である。同居の親族のみを使用する事業がそれぞれの法の適用対象となる かどうかについては、上記の規定の趣旨及びそれぞれの法の位置付け等に かんがみ個別に判断を行うこととなる。 ○ 労働基準法が、同居の親族のみを使用する事業を適用対象としていな いことについては、通常の労働関係と異なった特徴を有する親族関係 にある者の労働関係について、国家による監督・規制という法の介入 が不適当であるためとされている。なお、労働基準法第116条第2項 は、同法の適用がない事業の範囲を規定するものであり、その条文か らも同居の親族のみの場合にも「使用し、又は使用される」関係があ り得ることは否定されていない。 ○ 次に労働者災害補償保険法における労働者災害補償保険制度につい ては、対象となる「労働者」の意義について明文の規定はないが、傷 病補償年金及び介護補償給付を除く業務災害に関する保険給付は労働 基準法に規定する災害補償の事由が生じた場合にこれを行う旨定めて いること、また、労働基準法と時を同じくして同法に規定する災害補 償の裏付けをする制度として発足した経緯等から、保険給付等の受益 者となる「労働者」は労働基準法に規定する「労働者」と同一と解さ れており、同居の親族のみを使用する事業又は家事使用人について同 様の適用がないものと解されている。 ○ また、雇用保険法における雇用保険制度は、失業救済のための保険事 業の運営を円滑に行うためには、その危険にさらされている一定範囲 のものを強制的に適用範囲として危険を分散させることが必要であ り、また、その範囲内で保険経済を一元的に管理することにより、刻々 変動する失業の発生に対応し得ることになるため、強制保険方式を採 用しており、個人事業の事業主と同居している親族については、原則 として、その被保険者としないこととされている。 ○ 一方、中退法は、従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するこ とを目的としているところであり、これに基づく中小企業退職金共済 制度は、国家による監督・規制を行い、又は強制適用すべき労働基準 法、労働者災害補償保険法又は雇用保険法に基づく各制度とはその目 的、趣旨を異にしている。 ○ さらに、より一般的に考えても、例えば [1] 現に労働関係について、国家が監督・規制する必要がある分野 [2] 保険事故に対して広く危険を分散する等を目的として国家が直接保険 制度を管掌し、強制適用する必要がある分野 [3] [1]の最低基準及び[2]の強制適用に加えて、労働者の福祉や経済的 地位の向上のための分野 では、法律の趣旨・目的に照らして、それぞれ制度の適用対象が決め られる。  このように、各々の制度において、その適用対象を異なるものとするこ とは法制上も許容され、同居の親族のみを雇用する事業であっても、その 者が真に事業に従事し使用従属関係にある従業員に該当し、その加入が従 業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するものであれば、中小企業退 職金共済制度の適用対象とすることが適当であると考えられる。  「4(1)」については以上でございます。 ○笹島座長 どうもありがとうございました。ただいまの読み上げていただい た部分につきまして、御質問、御意見を含めて御発言をしていただければ と思います。 ○橋本委員 7頁の真ん中ぐらいの「さらに、より一般的に考えても」という ところなのですが、具体的に6頁から労働基準法や労災保険法や雇用保険 法等が上がってきている中で、次に一般的にと話が広がっているのですが、 その下に「[1]」「[2]」「[3]」とあるのですが、もっと労働立法はたくさん あるわけですが、これ全部をこの3つに分類するという趣旨なのか。そう すると、労働組合法とか均等法や派遣法、職安法などいっぱいあるので、 例えば、組合法はこの3つのどれにも入らないと思いますし、やや広がっ てしまってどうかなという気がいたします。もしなくていいなら、あえて 一般化はしなくてもいいのではないかという気がしたのですが。 ○笹島座長 今の橋本委員の御趣旨は、「さらに」からずっと削ってしまう。 このパラグラフを削ってしまうということですか。 ○橋本委員 はい。 ○阿世賀委員 もしくはこの文は前の頁からの整理をまとめたようなところだ と言えますね。 ○橋本委員 はい。 ○吉本勤労者生活課長 確かに橋本委員のおっしゃるとおりの面はありまし て、特に典型的に比較の対象になるようなものを個別に基準法、労災保険 法、雇用保険法と比較検討してきたわけですが、ではその他すべて労働法 令を検討できるかというと、そうではないので、一般的に見てもというこ とで付け加えてみたという趣旨だったのですが、それが中途半端で網羅も できていないというようなところはおっしゃるとおりだと思いますので、 このパラグラフの位置付けについて、もう少し言い方を変えるのか、ある いはそれがうまくいかなければ削除させていただくというようなやり方で 検討させていただきたいと思います。 ○笹島座長 事務局が一番言いたいのは、この「[3]」の下の「法律の趣旨・目 的に照らして、それぞれの制度の適用対象が決められる」、ここを言いた いわけですよね。これさえある意味で残せるような形で、それが残るのは よろしいですね。 ○橋本委員 はい。 ○笹島座長 一般的にと言うと、労働法学者としてなかなか認めるわけにはい かないのでしょうね。 ○坂部委員 7頁の一番上、雇用保険法のところをずっと読んできて、最後の 2行のところにいきなり「個人事業の事業主と同居している親族について は、原則として、その被保険者としないこととされている」という。一般 の従業員は失業というリスクにさらされているからだというところがあっ て、強制保険が採用されているというあとに通ってきているので、制度の 適用対象がこういう理由でというような話と、何ら結びついていないので はないか。その辺をちょっと伺ってみたいという気がします。 ○笹島座長 どのように修正したらよろしいでしょうか。 ○坂部委員 修正は事務局にお任せしますが、要するに同居の親族について、 外された理由が明確になっていないような気がするのです。例えば労働基 準法というのは、国家による規制の介入は不適当。労災法はそれに準ずる と。最後の雇用保険法にきて、理由がなくて、いきなり採用しており、個 人事業をしないという、現象的なものだけ表現がされていて、理由を入れ たほうがわかりやすくなるというだけです。表現はお任せします。 ○吉本勤労者生活課長 雇用保険を担当している課とも改めて相談の上、 調整させていただければと思います。 ○笹島座長 雇用保険法の前身の失業保険法ができたのは、1947年ですかね。 労働基準法の発足とほぼ軌を一にしているから、やはり労働基準法の適用 対象と揃えたかもしれませんね。失業保険法がそのまま雇用保険法に切り 変わったわけですから。それではその辺は調整をよろしくお願いいたしま す。  ほかに何かお気づきの点はございますでしょうか。それでは、さらにお 気づきの点があれば、後ほど御発言をいただいて構いませんので、(2) に移りたいと思います。どんどん進んで、臼杵委員が意見を言う場がなく なっては困るのですが、(2)をお願いいたします。 ○鈴井勤労者生活課長補佐  (2)同居の親族のみ雇用する事業における雇用関係・「退職」の認定、 手続等について  「2」で述べたとおり、そもそも中退法における「従業員」とされるた めには、事業主との間に使用従属関係が必要であるところ、同居の親族の みを雇用する事業においては、事業主の同居親族が事業場で作業に従事し ているときでもそれが労働なのか労働以外の生活なのか不明確な場合が少 なくないこと、労働基準法が適用されないため同法に基づく就業規則や賃 金台帳等の作成義務はないこと等から使用従属関係の有無や雇用関係の終 了を客観的に判断することが困難である。したがって、これらを客観的に 確認するための仕組みや手続きを整備する必要がある。 イ 退職前まで使用従属関係があり、退職によって使用従属関係がなく なったことの確認  まず、加入時には、以下のような方法により、使用従属関係があること を確認することが必要である。なお、その具体的な方策については、今後 検討を進める必要がある。 ○ 事業主の指揮監督下で労務を提供していること及び事業主が当該同 居の親族に支払う賃金が労働の対償であることを、チェックシート等 により確認すること。 ○ 税務申告書類等により、実際に労務の対価の支払いがあることを確認 すること。  なお、労務の対価の適正性については、労務内容や掛金の額等を総合的 に勘案して判断することが考えられるが、その具体的な基準について今後 検討を進める必要がある。 ロ 雇用関係の終了の把握  「退職」とは、「雇用関係の終了」であるところ、同居の親族のみを雇 用する事業においては、退職と休職との相違が明確でないこと等、通常の 従業員とは異なる特性も有することから、この「雇用関係の終了」を客観 的に判断することが難しいことが少なくないことが考えられる。そこで、 同居の親族のみを雇用する事業において、どのような場合に「雇用関係の 終了」として認めるべきか問題となる。具体的には、その退職の認定に当 たっては、高齢、傷病・障害、転職、その他これらに準ずる事由を理由と して、その後当該事業において働く見込みがない場合における雇用関係の 終了が考えられる。このような雇用関係の終了には、以下の場合がある。 [1] 退職申入れによるもの、すなわち、契約当事者の一方である労働者 の発意によって雇用契約が解除される場合 [2] 解雇によるもの、すなわち、契約当事者の一方である事業主によっ て雇用契約が解除される場合 [3] 労働者が死亡した場合 [4] その他(雇用期間の満了(雇用契約の期間の終期の到来)、労務の 終了(雇用契約の目的とされた労務が履行され、雇用契約がその目的 を達して消滅すること)等により、雇用契約が終了する場合) また、対象となる雇用関係の終了の確認は、以下のような方法で行うこと が必要であり、その具体的方策については、今後検討を進める必要がある。 ○ 同居の親族のみを雇用する事業については、加入時に退職に該当する 雇用関係の終了について労働契約書、労働条件通知書又はこれに準ず るものにより明示し、機構に届け出ることとすること。 ○ 退職に該当する雇用関係の終了の事実を証する書面や賃金の支払  いがなくなったことを証する書面を機構に届け出ることとすること。 ハ その他  上記の「イ」及び「ロ」のほか、制度加入中に、当該事業が同居の親族 のみを雇用する事業か否か、また、事業主の同居の親族が中退法における 「従業員」の要件を満たし続けているか否かについて、以下のような措置 により、機構が把握しておく必要がある。なお、その具体的方策について は、今後検討を進める必要がある。 ○ 加入期間中使用従属関係が継続していることについて、定期的に報告 を求めることにより確認すること。 ○ 他の従業員の退職に伴い同居の親族のみを雇用する事業となった場 合、又は、他の従業員の雇用に伴い同居の親族のみを雇用する事業で なくなった場合、その旨の届出を要すること。 ニ 留意すべき点  上記「イ」から「ハ」までに述べた事項については、共済契約者や機構 の事務負担等の観点から、実行可能な仕組みとする必要があり、その実施 体制や具体的方策等については、引き続き検討を行う必要がある。  「4(2)」のパートにつきましては以上です。 ○笹島座長 どうもありがとうございました。ただいま読み上げていただいた 部分につきましてお気づきの点を御発言いただければと思います。この部 分は最も技術的に難しい部分で、ここが円滑にいくようであれば、非常に この制度もうまく新たな適応を拡大しても問題はないと思います。そうい う意味では1つ1つ非常に、実際に実務に移していくには多大な努力が必 要かとも思います。こういう点も留意すべきだと思うようなことも含めま して、できるだけ盛り込んでおいたほうがいいのではないかとも思います ので、ここにはどちらかと言いますと抽象的に書いてあるところが多いか とも思いますので、どんどん盛り込んでいただけたらと思います。 ○阿世賀委員 雇用関係の終了というところでは、今回の課題の趣旨では、雇 用経済情勢が特に悪化することもありますので、街の小規模事業なんかを 見ますと、非常に、今後廃業といいますか、そのリスクが非常に多くなっ ていると思いますので。雇用関係の終了というのは具体的には、そういっ たことが結構現実にあるのではないのか。そういった意味では自助努力で そういったものに対して対応していきましょうということで、そういうも のを盛ってもいいのかなと思いました。  あと、もう1つ具体的には、同居後の親族のみ雇用ですから、同居でな くなることが決定的なことでもあるのかと。簡単にいえば娘さんに手伝っ てもらっていたが、結婚してしまいましたとか。そういったことで事実は 結構あるのではないかと前回以降思った次第です。息子さんでしたら、ま た小規模共済にとかそういう話もありましたが、家族ではそういったもの があるかと思いました。 ○笹島座長 いま御発言の前半の部分は、具体的にはどの部分をどのようにし たら。 ○阿世賀委員 9頁の「雇用関係の終了」で、以下のような場合があるという ところに、いろいろ現実的な例の列挙をしていくのも説得力があるのかな と思っています。 ○笹島座長 事務局のほうも、あとで修文する関係上、各委員の方々の御発言 で不明確なところがありましたら御質問いただければと思います。 ○阿世賀委員 10頁の2つ目の「○」で、他の従業員の退職に伴い同居の親族 のみを雇用する事業となった場合、又は、その逆の場合に届出を要すると、 届出をしたあとにどのような効果が出てきますか。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 同居の親族のみの場合には、労働基準法が適用さ れませんので、従業員として働いているかどうかについて確認するための 書類として使用できるものが異なってくることが想定されまして、手続に 違いが出てくる場合があろうということがございます。 ○吉本勤労者生活課長 具体的に申し上げますと、入るときには「イ」のとこ ろにありますように、チェックシートのようなもので同居の親族だけです と、過去による使用従属関係の存在の確認をするということで、その他の ところで加入中も継続しているかを確認します。家族だけであれば。それ をどのようにやるかはこれからです。例えば、何年間に1回、「その状況 にお変わりはありませんか」といったようなことで往復はがき等で御照会 申し上げるといったようなことになるわけです。それは家族だけであるが ための取り扱いで、そこに他の労働者があとから入ったというような場合 であれば、そのチェックシートをいちいち出していただく必要はないので はないかという違いが出てくることを想定しています。 ○阿世賀委員 特別に確認するのか、それとも当然に入っていただくのかの違 いですと。当然に入っていただく場合には、今回の課題に期待するところ でもあります。その他の従業員も当然入れてくださいというのはほしいで す。 ○氏兼勤労者生活部長 一括加入というのは、法律上担保されている。 ○阿世賀委員 そうですね。あと8頁の「○」が2つあります上のほうの真ん 中に、「支払う賃金が労働の対償であることを」というところで、ここは 前回もやはり労働の対償と言ってしまった以上は、やはり最低賃金みたい なものとの整合性があるような、何かを示しておいたほうが、あとで総合 的に勘案してというより、曖昧にせずにあらかじめこういった枠組みです、 としたほうがよいと思いました。これはどのように確認していくおつもり ですか。 ○吉本勤労者生活課長 そこはこれからの検討課題の1つだと考えています が、チェックシートの中で一定額以上の賃金でなくてはいけないというと ころまで、求めることは想定はしておりません。といいますのは、使用従 属関係の有無と、労働時間の対価であるとか、賃金の対価は、この人たち は基準法とかが最賃法の適用にならない方ですので、それとは切り離して 考え得るのかという基本的な前提がありまして、仮にそうは言っても何ら かの目安が必要となったときに、具体的にどのような基準が引けるのかい うところが、いろいろ議論検討の余地があるところではないかと思います。 委員がおっしゃる最低賃金ぐらいはといったような考え方も重要な1つの 考え方として、その辺を検討させていただきたいと思います。  なお書きに書いていることも、いま委員がおっしゃったことに関連があ るところなのですが、これも難しいですが、単に節税のために、この制度 がきちんとした労務の提供あるいはそれに対する対価の支払いがないにも かかわらず、乱用されることがあってはならないと思いますので、そうい う意味で、掛金が3万円まで払えますが、掛金が3万円なのに賃金が例え ば3,000円しかないといったようなことはあまりにもおかしいのではない かということもありますので、そうした観点から何らかの線を引くことも 含めて考えさせていただければと思います。 ○阿世賀委員 逆転はまずいですね。少なくとも同額以上の賃金が欲しいとこ ろです。あまり極端ですと税務申告でも引っかかるのではないかという気 はします。前回坂部委員が、税務申告での適正性は、労働しているなり働 いているということは結構把握できるとおっしゃいましたが、実際私の同 業の専従者なんかも結構引っかかって否認されることがよくあるようで、 そちらのほうは結構それで整理をされるのではないかと思いました。対価 というところになりますとある程度のものは欲しいなというところです。 税務申告の調査で、かなりのものが結構厳しいチェックがされるというと ころなのですが、やはりこの8頁下のほうに退職と休職の相違ですが、こ こもやはり家族従業員である以上は、何かのことで実際は休職的になるこ とはよくあると思います。孫の世話をしているとか。そのときにどの程度 まで許せるのか、あまりぎちぎちにしてはあまり意味はなくなると思いま す。そういった許容範囲をある程度示してあげたほうがやさしいかとは思 います。  基本的に今回の課題は、前回部長が最後におっしゃいました、小規模共 済の改定と一緒に歩調を合わせてみたいな予定があることを聞きまして、 であるとするのならば、まったく考え方は変わってきたなと。むしろアメ リカにおけるこの401Kに対するIRAのような形で、個人退職勘定のように 漏れのないような形で、むしろ積極的にやるべきなのかと。そうしますと あまり細かくいろいろ制限を加えるよりは、本当に皆さんに入っていただ くと。個人なり個人事業主の御家族に入っていただくのを前提に考えても いいのではないかと思いました。 ○氏兼勤労者生活部長 今の点について申し上げますと、税務当局との関係で は、我々もいまの段階では税務当局というより税制当局といろいろ相談を しながらやっているわけです。もちろん我々の制度と税制とは概念的には 別ものです。我々の制度に入っていたものが即税務調査で認められるとか そのようなものではなく、税務調査で否認されることは十分にあり得るの です。ただ所得税法上、我々のものが必要経費に算入されることになって いますので、望ましいのは一致するに越したことはありません。したがっ て、そこはいろいろ税制当局と打合せをしながら、なるべく委員のおっし ゃられた雇用関係の終了でありますとか、この制度の加入の要件とか、我々 の入った限りでは税務当局もそれを尊重していただけるという方向で調整 を進めているところです。 ○阿世賀委員 税務当局に否認されて、よってこちらには使用従属関係ないか ら出ていけみたいなことはあり得ますか。 ○氏兼勤労者生活部長 それは概念的にはあり得ると思います。今でもあり得 ることで、いまは同居の親族のみの場合は、入れてはいません。例えば、 他人の従業員でまったく架空の従業員を雇ったことにして掛金を払ったり ということは、それは税務当局は否認をしますから、それはいまでもあり 得る話です。 ○阿世賀委員 実務的に機構のほうが、それで対応できますか。 ○清川総務部長(勤労者退職金共済機構) その辺りにつきましては、具体的 に業務実施にあたって、私どもも本部一カ所でやっておりまして、地方に 手足がないことから、例えば実際に行って審査をしたり、調査をすること は不可能な実態にあるわけです。できる限りどういった形であれば、業務 実施上可能な範囲で行うことができるのかは、これからも厚生労働省とも いろいろと話をさせていただきながら、詰めていくのかとは思っています。 ○阿世賀委員 実際にもし該当しなくなったとしましても、それでもって確認 するのは実際に不可能だと思います。かつ、ぎちぎちにしてそれで出てい けというのも今回の趣旨に合いませんので、例えば何か指摘があったとき には改善勧告をして認めていくみたいな。できるだけ管理コストは少ない ほうがいいです。 ○氏兼勤労者生活部長 おっしゃるとおりだと思います。 ○阿世賀委員 同時に壁を、いろいろ要件を多くすると、当然に外れてしまう と実際に加入者にとりましては、不正になりますので、逆に壁がなくなる と不正もなくなるといいますか、不正とは言いすぎかもしれませんが、不 適格がなくなるので、なるべく簡便に普及してほしいなというところであ ります。 ○氏兼勤労者生活部長 そこはやはり我々は実態を見て、中退制度に入ってい ただけるかどうかということだと思います。是正勧告もいいですが、是正 勧告をして、いやだと言えばそれはもう仕様がない話です。実体が先にあ りまして、それに適合する方には入っていただける、そういうものかなと いう気がしています。  もう1点、委員御指摘の小規模企業共済との関係では、中小企業庁のほ うでいま、向こうは法律を作らないと、共同経営者という概念はいま入れ ないことになってますので。新たに法律を作ることで作成作業をしていま して、近々たぶん国会に提出されることになろうかとは思います。その上 で我々がまさにここでいろいろ議論していただいているような適用の対象 とか、具体的にどのような手続で行うかを今後成立したあと、政省令を各 段階で検討が進められると思います。それに合わせまして、整合性をとり ながらやって行きたいと思います。 ○阿世賀委員 是非歩調が合うような形だったら非常に波及効果があると思い ます。また、全部のことがうまくいけば本当にインパクトが強いのではな いかと思っています。 ○笹島座長 ありがとうございました。他にはいかがですか、お気づきの点が ありましたらお願いしたいと思います。 ○坂部委員 8頁、先ほど橋本先生もいろいろとお話をされていたところなの ですが、「賃金は労働の対償であること」。先ほど最低賃金云々という話 がありましたが、実務的にみまして、そこの入口の部分で、まず使用従属 関係があることをきちんと確認した上で入ってきたということが趣旨とい う話であると、「賃金は労働の対償であること」と少し表現を変えたほう がいいような、具体的にどうというアイデアはないのですが、チェックシ ートで簡便に同居の親族でありましても、第三者の従業員さんは同じよう な、あるいは場合によってはそれ以上の使用従属関係にあるということが チェックシート等で簡便にまずは確認をさせていただくと。それが入口と いう話であれば、この辺、同居の親族に支払う「賃金が労働の対償である こと」を少し工夫していただいたほうがいいような気がいたします。「賃 金は労働の対償であること」が使用従属関係にあるのは一概に結びつかな い気がします。文言の問題です。  先ほどの税務上の話でもいろいろと出ていますが、実際の現場に出ます と例えば専従者給与という形で、同居の親族に対してお給料が払われるの ですが、それは所得税がかかります。給与所得を超えた場合は。ただ、こ この中退共はもともと完全に必要経費になりますから、本来払うべき金額 を削って余分に払うのは得ではないですか。将来退職金に対して課税はさ れますが、いま現在を見ると、本来である所得税を削って、5,000円でいい ところを12,000円を払って7,000円のほうは節税になる。そういう発想は 現実にはあると思いますが、それは一部のほうの許容する範囲という意味 では考えられますし、将来退職金課税がかかわりますから、大きな問題に はならないのかと思っています。  あと気がついたことというと10頁の「○」が2つありまして、上の「○」 のほう「使用従属関係が継続していることについて、定期的に報告を求め る」。おそらく簡単にはがきか何かと一緒に送りまして、状況はいかがで すかとそういう確認の仕方だと。そういった意味ですか。そういった話で あれば、あまりギチギチにされて税務署に届けが出ているかどうか、それ までに求められては少し嫌なだけの話です。 ○阿世賀委員 何かこの辺りの確認はあまりわかっていない人が書きますとか えって墓穴を掘ってしまって、こちらの方も困りますということもあると 思います。ただ一定の使用従属関係にあることは、逆にいいますと、それ ほどきつい考え方ではなく、共同経営者ではないというような発想でよい のではないか。共同経営者であれば小規模共済のほうですよということで、 それ以外ですねというぐらいのではないかと。あまり指揮命令を受けてど うのこうのというとそれは家族の場合。そういうものではないことは前回 出ていたところです。 ○坂部委員 あと8頁の下の「○」の「税務申告書類等によって」とあります が、たぶん使用従属関係、同居の親族の方が退職まで就労の事実があると いうことを、1つ確認したいという趣旨だと思うのですが、税務上は就労 という事実の存在とその対価の適正性ということで、その金額が必要経費 に認められるという感覚なのです。ただ、これはすべて、まず一時的に申 告上は、税務調査などではあくまでも申告者の意思に任せているわけです から、それが適正だということはわからないです。ただ税務調査というの は当然、前提に税務行政上はありますから、徒にそれが逸脱するような金 額は、おそらく出ないはずですので、これは1つの目安になるかなと、確 認することができる書類なのかなという気はします。 ○笹島座長 今はこういう適正性と言うか、税務申告上で国税庁というか税務 署は、データをインプットして、コンピュータでまずは弾いてしまうので すか。一定のベンチから外れると自動的に弾いて、あとは税務署員が1つ ずつ点検するとか、そういうやり方ですか。 ○坂部委員 個人の場合は3月15日に申告が出されて、大体それから2カ月ぐ らいは、税務署の中でいろいろと。最近はコンピュータに入れていますの でソートをかけて、いわゆる資料箋を作るのと同時に、確認の作業を行う という話になっています。そこの中で、やはり今は数値分析がされますか ら、そこで統計上徒に外れている部分は調査対象になって、部署でいうと 統括官という方が、これはちょっと行ってきたほうがいいと言うと、調査 部の方が行かれます。そんな話なので、何となくそれは、計算は働いてい ると。 ○笹島座長 ありがとうございました。 ○吉本勤労者生活課長 1点だけよろしいですか。先ほど坂部委員、阿世賀委 員のほうからも関連のお話はあったと思うのですが、使用従属関係の確認、 チェックシート、あとその書き振りの所ですが、小規模企業共済のほうは 共同経営者というメルクマールで、それを確認するに当たっては、経営契 約のような書面の取り交わしがあるといったことを前提に考えるといった ことを伺っています。共同経営者、共同で経営に参画しているのがメルク マール。  それに対して、私どもが従業員と認めるメルクマールとして、使用従属 関係ということで整理することを考えますと、使用従属関係は何かという ことになると、3頁の※2には、結局立ち戻ることになるわけでありまし て、8頁の「イ」の「○」1つ目で書いている何々であること、何々であ ることというのは、まさにこの2つの大きな項目に沿って書かせていただ いているということで、御理解いただければと思います。  もちろんチェックシートにはそれだけではなくて、小さい「・」で書い てあるようなことも含めて、チェックできるようなものをイメージしたわ けです。 ○坂部委員 共同経営者というのと雇用者であることの線引きというのは、極 めて難しいです。だからどちらかが入ると当然どちらも入るとか、ある日 そんな話になるかもしれません。だから現実的に後継者と目される人と、 おそらく小規模企業共済の対象になるのは、配偶者と、いわゆる後継者と 目されるお子さんを言うぐらいです。それ以外は、言ってみると使用従属 関係にある子どもの中で後継者に目されない人は、当然それから外れてこ ちらの中退共の対象になってくる。感覚的にはそんな話になります。  現実的に時系列というか期間で考えると、ある一定事例からそれは当然、 変わってきます。あるときまでは一従業員。お父さんに叱られながら仕事 を覚えている。そこから先はお前に任せるという話になることもあります から、それは具体的な書面で確認するのは極めて難しいのですが、それは 事務局のほうにお任せします。 ○吉本勤労者生活課長 一応外見上はそこはどう切り分けたらいいかというこ とで、いま中企庁と相談しているメルクマールが、先ほど申し上げたとこ ろです。もちろん実態上は、重複加入を排除するといった形で、そこは切 り分ける。それが省令等によってきちんと重複加入ができないように担保 する予定にしています。 ○笹島座長 なかなか技術的に難しいところでありますが、まだ御意見があれ ば後ほど出していただいて結構ですので、(3)の最後の所まで、意見交 換をさせていただきたいと思います。では、まず読み上げていただけます でしょうか。 ○鈴井勤労者生活課長補佐  (3)小規模企業共済制度との関係  小規模企業共済制度は、小規模企業経営者が、相互扶助の精神に基づき 廃業、退職、転業等に備えて、生活の安定や事業の再建の資金を準備する ための制度である。同制度の加入資格を有する者は、「小規模企業者」と されており、個人事業形態の場合は、現在、個人事業主のみ加入できると されているところである。  先般、中小企業庁の「中小企業政策審議会経営安定部会」における「小 規模企業共済制度の見直し」において、新規加入対象者として、個人事業 主の「共同経営者」を認める方向で検討を進めることが適切であるとされ た。この「共同経営者」のメルクマールは、事業の経営に参画している者 であって「従業員に対して指揮監督権限を有する者」であることとされて いるが、今回、中小企業退職金共済制度において「従業員」として取り扱 うこととする者は、事業主との使用従属関係が認められる者であるため、 小規模企業共済制度の加入対象が拡大した場合でも、一般には中小企業退 職金共済制度と小規模企業共済制度との間で、加入資格に概念上の重複は 生じないと考えられる。  しかしながら、実体上も加入者範囲に重複が生じることなく、両制度が 整合的に運用されるよう、中小企業庁との間で連携を図ることが必要であ る。また、小規模企業共済制度の加入者を被共済者とする共済契約の申し 込みを機構が拒絶できることを制度上明確化することが適当である。  5.今後の取扱い変更の方向性  上記のとおり、「3」のアンケート調査結果により同居の親族のみを使 用する事業に使用される者であっても使用従属関係が認められる者が存在 し得ることが把握され、かつ、「4」においては、そのような事業に中退 法を適用する場合の課題について一定の整理を行うことができた。したが って、これらの課題に対して適切な対応策を講じることにより、同居の親 族のみを使用する事業に使用される者であっても、使用従属関係が認めら れる者については、中退法上の「従業員」として、中小企業退職金共済制 度の被共済者になり得るものとして取り扱うこととすることが適当であ る。今後、取扱いを改めるために必要な担保措置の詳細等について、さら なる検討が進められることを期待する。  以上です。 ○笹島座長 ありがとうございました。いま読み上げていただいた部分に関し て、お気付きの点がありましたら御発言お願いします。  本日の日経新聞に、経産省の小規模企業共済の法案を国会に提出すると か何とか報道がありましたが、その動きとここの文章は、問題ないですね。 ○吉本勤労者生活課長 報道にございましたとおり、昨日与党の手続が1つ終 わったということで、ああいう形の報道になったのかと思います。その内 容は、ここにあるとおりです。 ○坂部委員 小規模企業共済の掛金と中退共の掛金で、税制上は引く場所が違 うのです。要するに、中退共は、事業所得の必要経費、小規模企業共済の 掛金は、所得控除といって、その後の計算になる。  もう1つ言うと、小規模企業共済のほうは、実際に自分の退職金を掛け た、なおかつその方が自分の同居の親族に経費があるから、つまりその方 のみの必要な経費になります。要するに、税制上の優遇になるという話で す。だから同居親族の方にとっては、将来の退職金をもらえるという話で、 控除する場所も違うから、そこで、ちょっとうまく整理できないのですが、 何らかの調整が必要というよりも、何かアイデアが。 ○氏兼勤労者生活部長 そこは小規模企業共済のほうは、共同経営者が今回加 入で、要するに同居の親族の方がお支払いになると。我々の中退共のほう は、事業主が負担するということなのです。そこは払う主体が違うという ことだと思います。 ○坂部委員 そうですね。では、そこは問題ないと。 ○氏兼勤労者生活部長 ええ、そこは問題ないです。 ○坂部委員 重複するという話もないですね。 ○笹島座長 課税効果はどちらでも同じですか、所得税の関係は。いまのお話 のように、本人負担でも、あるいは事業経費でも所得で。 ○坂部委員 最終的には課税所得ではないのです。 ○笹島座長 課税所得はね。 ○坂部委員 ただあまり所得がなくて、所得控除に切り捨てられるというケー スはあるのですが、先ほど言ったように対象は違いますから、事業主ので はなくて、今回は同居の親族の所得控除の話になるから、そういった心配 はないです。 ○阿世賀委員 文章上の問題ですが、11頁の最後から4行目の「被共済者にな り得るものとして取り扱うこととすることが適当である」というのが、こ の文章の1つの結論だとすると、5頁の「課題」の下の3行目の「被共済 者になり得るものとして取り扱うこととすることが考えられるが」という 所が、ちょっとしっくりいかないと言いますか、アンケートの結果、これ が検討課題となるということで、他の労働関連法令との関連や実務上のこ とを考えて、最後の結論が「適当である」と結ぶのであれば、5頁の所が 「考えられるが」というのは、ちょっとしっくりこない所かなと思ったと ころです。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 そちらの表現ぶりについては、さまざまな課題に ついて問題が解消できるかどうかという検討を「4.」でしており、その検 討の前においては、まだ適当であるかどうかを結論付けられないので、「ア ンケート結果だけを見ると、そのように取り扱うこととすることが『考え られる』が、さまざまな問題について一定の整理ができることが確認され たので、最終的にこのように取り扱うことが『適当である』」というよう に書き分ける意図でございました。 ○阿世賀委員 前のほうは何か「考えられるが」というのは、もう結論ありき のように見えてしまって、検討しなければならないという必要性があるよ うなところで、いろいろ考えて適当であるというほうが、しっくりくるか なと思っています。5頁の所が、ちょっと気にかかった所です。そのよう な文章スタイルであるならば、意味はわかります。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 具体的な修文につきましては、後ほど御相談させ ていただきます。 ○笹島座長 そうですね。いまの御発言のように、前のほうは検討するという ような趣旨が入っていればいいわけですね。そういう趣旨を入れて修文す ることが可能かどうか、ちょっと御検討いただければと思います。 ○臼杵委員 遅くなり申し訳ありません。 ○笹島座長 ずっと本日は報告書の案を読み上げていただいて、意見交換をし てきております。すでに最後の部分までいまは到達しております。事前に このペーパーは読まれましたか。 ○臼杵委員 いただいています。 ○笹島座長 そうであれば、お気付きの点を冒頭のところからすべて、どこで も結構ですので御発言いただければ。 ○臼杵委員 御説明いただいて、実際にやっていく上では、実務上の問題はま た出てくるということはありますが、これでよろしいのではないかなと思 います。 ○笹島座長 ただ具体的に文章で、この点はこう改めたほうがいいのではない かとか、そういう点があれば御発言いただければ。 ○臼杵委員 そこまでは。 ○笹島座長 そうですか、わかりました。ほかにお気付きの点はございますで しょうか。 ○坂部委員 9頁の「[1]」から「[4]」までで、雇用関係の終了の確認というの は、実務的にはかなり見えづらいところだと思うのですが、「[1]」「[2]」 は一方的な双方からの申し入れで、「[4]」がその他になっているのですが、 これは当初約束された双方の意思が合致したときということのニュアンス でお書きになっていますか。「[1]」が同居親族からの申入れ、「[2]」が事 業主から、もういいと、「[3]」が死亡とか廃業が入っていると思うのです が、「[4]」のその他という位置付けがよくわからない。ほかにいろいろあ るでしょうという話の中に、ここに一番最初に簡単な約束で、例えばもう 60歳で私は辞めますというような話を最初やっておけば、それは1つの事 実として対象事例として受け入れると、そういった位置付けでよろしいで しょうか。「[1]」「[2]」「[4]」は、ある意味ワンセットの話ですね。 ○橋本委員 「[4]」も引っかかっていたのですが、「その他」の「労務の終了」 の前に「その他(雇用期間の満了)」というのは、有期契約の話だと思う のです。1年契約というのは1年経てば当然終わるというところなのです。 「労務の終了」というのは、ここでは「目的とされた労務が履行され、雇 用契約がその目的を達して消滅すること」と書いてあるのですが、これは 有期契約であれば最初の雇用期間の満了に入りますし、期間の定めがなけ れば「[1]」の退職か「[2]」の解雇のどちらかになるので、ここは「労務の 終了」がわかりにくいように思いました。 ○坂部委員 私の感覚では、これは相互の申し出の中で決められたことが実行 されたときに退職とされるというように思ったのですが、ちょっと確かに 括弧書きが、こういうのってあるのかな、という感じになってしまいます ね。 ○阿世賀委員 「労務の終了」というのは、何か道路を作ったりとか、ダム造 りが終わったからもう終わるよ、というあれですね。期間ではなくて、こ の場合には意味が分かれると。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 典型的な例ではないとは思うのですが、坂部委員 がおっしゃったとおり、雇用関係終了の契機が期間で決められているか、 労務で決められているかということだと思います。「労務の終了」の方は、 請負のように仕事の完成までの労務提供が終了するというようなイメージ だと思うのですが、請負と異なるのは仕事の完成まで任せつつ仕事の結果 に対して報酬を与えるわけではなくて、労務の終了まで使用従属関係の下 に労務を提供するということであり、そのような目的となる労務が予め決 められているもの、期間ではなくて労務で決められているものという認識 でした。 ○笹島座長 いまの橋本委員や坂部委員の御発言からすると、「その他」は「[5]」 ぐらいにしておいて、「[4]」は別の何か雇用期間の満了、労務の終了とい うような、何か別の言葉を立てたほうがいいですか。 ○橋本委員 意味がわかれば、もうそれでいいです。 ○笹島座長 よろしいですか。 ○橋本委員 はい。 ○坂部委員 その他のマニュアルか何かの感じで、独立していたほうがわかり やすいかなと。表現が必要なのではないかな、という気がします。 ○笹島座長 2頁から最後まで全体を通して、改めてお気付きの点をどんなこ とでも結構ですので、今日御発言をできるだけいただいたほうが、また今 日終了しても期間を限って御意見を賜ることは可能かとは思うのですが、 可能な限りこの場で御発言いただければと思います。 ○臼杵委員 1つは、いまの9頁に関係するのですが、雇用関係の終了は確か にそうかもしれませんが、中退に加入しなくなるという理由としては、事 業主そのものが廃業してしまうということが、たぶん考えられるのではな いかと思うのです。別に親族だけを使用する場合だけではなくて、一般的 にそういうことがあり得るかと思うのですが、それはどのように処理をさ れて、ここでは特に触れなくてもいいという理解でよろしいのでしょうか。 ○吉本勤労者生活課長 廃業に伴う雇用関係の終了ということもあり得ると思 いますので、そうしたことも含めて書いたほうがいいということでしたら、 ちょっと工夫させていただければと思います。 ○坂部委員 あってもいいという気はします。 ○阿世賀委員 理論的には、「[2]」の廃業による解雇の所に入るのでしょうか ね。 ○臼杵委員 あと8頁の「イ」の「○」の1つ目ですが、これは賃金という言 葉で、もうここでは考えてよろしいのですか。賃金というのは、またそれ でいろいろな定義があるかなという気はするのですが。例えば3頁の中退 法の所に関しては、「賃金、給料、その他これに準ずる者が支払いを受け ている」というような書き方がされているのですが、こちらでは「賃金」 と一言書かれているのですが、それはコンテクストが違うからこのように 書かれたという理解ですが、それでよろしいのですか。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 意味合いとして想定しているものは同じです。 ○笹島座長 ほかにいかがでしょうか。何かお気付きの点、どんなことでも結 構です。 ○坂部委員 8頁のいちばん下にある「雇用関係の終了の把握」の下から2行 目ですが、個人事業の特性として、要するに退職と休職とか、あるいは同 居、非同居というのが結構繰り返される可能性があるし、把握しづらいの です。昨日まで同居していたが、突然別居になることはごく自然にありま すから、その辺を何か制度的というか、言ってみれば親族でも他の従業員 さんと同じような働く人の福祉とか、将来の保障とかを考えて入らせても らうというのが趣旨だとすれば、あまりこだわる必要はないと思うのです。 途中で別居したのが介護が必要になって同居したという対応なども、ある 程度基準を設けたほうがいいような気がします。途中で何か確認するとき に、はがき関係でちょっと聞くような形なのですかね。  実務的にそれはどうのこうのという話ではないのですが、ただしそうな ったとしても、趣旨からすれば、それはもう継続して完了してもかまわな いという話で、実務的には問題ないと思っています。税制上揃えれば税務 上差し障りはないという話は、問題にならないと思うのですが、その特殊 性は、ちょっと加味するほうがいいのではないかと。 ○笹島座長 いまの御発言は、同居と別居で、あるとき同居したり、あるとき 別居したり、そういうことがしばしば発生するから、同居、別居のことに ついてあまりこだわる必要がないのではないかということですか。 ○坂部委員 ちょっと感覚的ですよね、その問題は。 ○阿世賀委員 本当に娘さんが結婚して家を出て行ったとか、そういうことで したらそれは退職要件として非常にメリットがあることですが。 ○坂部委員 退職というか、そのまま継続される場合のほうが。 ○阿世賀委員 そうでない、例えば御夫婦の場合は、それはいちいち把握でき ないものは把握する努力はしないほうが、それはあるのだということで。 ○坂部委員 当事者というか、実際に離れる方から見ると、なるべく継続して 掛けたほうが、それは事業主にとっても同居者にとっても税制上有利です。 だからそれを前提に考えて、出たり入ったりするメリットは、事業主にし ても同居者にしてもそんなにないはずですから、そういうことを考えて。 ただあくまでも同居の親族というのは限られていますから、それが解消さ れるケースというのはいくらでも出てくると思いますので、それはちょっ と念頭に置いて、制度設計をしないといけないかなとは思います。 ○笹島座長 いまの御発言は、別居になった場合は、いまの制度でカバーでき ているわけですか。 ○坂部委員 別居になったらいまの制度でカバーできるから、そのまま継続で きるようにすればいいと思います。 ○笹島座長 継続できるわけね、そうですよね。 ○坂部委員 それは問題ない。 ○吉本勤労者生活課長 そうです。もしこういうことがあるかどうかはわかり ませんが、ちょっと今の具体的なケースが出たときに、まずどういうこと があり得るのかを少し考えてみたいと思います。例えば別居の親族だった 方が一緒に働いていて加入していたということは、あり得るわけですよね。 ○坂部委員 ありますね、実際。 ○吉本勤労者生活課長 その方が何らかのことで同居されたといった途端に、 同居の家族だけの事業になってしまうということで、ぎりぎり言えば、い ままでの考え方としては駄目だったのが、今般それがよくなるということ ですので、そういう意味での問題は、なくなっていくのかなと。  ただ先ほど言いましたように、細かい書類の取扱いは、どうしても同居 の家族だけかそうではないかということで、分けなければならない部分が 出てくるかと思いますので、その移動については届出をいただくか、何ら かの定期的な御確認の中で把握させていただくことになるのかなと思いま す。 ○坂部委員 実務で言えば、例えば結婚されていて奥様が一生懸命働いておら れたのですが、離婚をされたと。でもそのまま継続してお手伝いさんを続 けるということは、当然あり得る。そういったケースもいまの制度で大体 カバーできます。これでカバーされて別居になって、その継続は可能なの で、これは問題ないです。 ○吉本勤労者生活課長 そうです。 ○阿世賀委員 離婚したら、一般従業員ではないですかね。 ○坂部委員 ごめんなさい、そうですね。 ○阿世賀委員 一般従業員か、もしくははっきり退職という形で給付をいただ くか。 ○坂部委員 同居が一般従業員に変わるという話です。 ○阿世賀委員 でも長期出張のような別居と言いますか、それは別居には入ら ないよというぐらいにやってもらわないと、それは切りがないですよね。 ○坂部委員 そういった意味では、長期の休職のとき、例えば「私はしばらく 休みたい」というような、変な話ですが、自由にできるわけですから、孫 の面倒を見たり。そうしたときは、先ほど言ったように別の次元の話にな ります。これはそのままでも。 ○氏兼勤労者生活部長 いまおっしゃったところは、長期の休職みたいなとこ ろですね。 ○坂部委員 そうです。 ○氏兼勤労者生活部長 ここを退職と見るのか、休職と見るのかということだ けなのですね。 ○坂部委員 そういったケースですね。 ○阿世賀委員 その場合は賃金が払われてなくとも、いわゆる加入したままで いられるかというところですよね、実務的には。 ○氏兼勤労者生活部長 そこはいまでも当然、普通の従業員になります。休職 期間というのはあり得るので、認めているわけなので、同じように認める ということだと思うのです。だからそこで休職というのはむしろ退職だと いうように言われて、退職金の支払いを受けられて、税制上のメリットだ けを取っていかれるというのは、いかがなものかというところはあるわけ です。 ○笹島座長 いまの中退共制度で休職の場合、その間雇い主は、掛金をかけ続 けられるのですか。掛け続けられるのですね。 ○小林契約業務部長(勤労者退職金共済機構) 事業主の口座から掛金の振替 をしています。 ○笹島座長 本来は、それはいけないのですか。それともそうではなくて、要 するにチェックしてないから継続している形になっているのであって、本 来は掛金を納付することは、制度上は好ましくないということなのですか。 その点はどうですか。 ○小林契約業務部長(勤労者退職金共済機構) 休職によっても、給与等は支 払われている場合もあります。そういう意味では、事業主が掛けるか掛け ないか。例えば長期未納申告というのがありますが、そういう欠勤が2分 の1続いた場合については、要は掛けなくてもいいということを申請すれ ば、ここは掛金を払わない制度もあります。 ○坂部委員 税務上の専従者給与で青色専従者給与も、要件の中に年の半分以 上を就業してという話があって認められています。手足を使って働くだけ ではなくて、休業を相談するのを含めての話になりますから、それは。  ただちょっと気になるのは、事業として個人事業で青色申告と白色申告 とありますね。青色申告の場合には届出が出て、適正額というのがぎりぎ り税務署のほうから言われますが、白色申告の場合には別にそれはなくて、 専従者控除でいって、一定額だけ必要経費にできるという規定があるので す。だからその辺は、証明性はないかもしれません。だから流用できない かなと思います。 ○笹島座長 ほかにいかがでしょうか。概ね御意見はかなり出尽くしたのでは ないかと思いますが、事務局として各委員が本日の資料を持ち帰って、こ ういうことも言っておくべきだったと思ったときに、この案を整理するに 当たって、どのくらいゆとりがありますか。要するに各委員が、例えば一 両日中とか2、3日とか。 ○吉本勤労者生活課長 一応月内を目標にとりまとめできればと思っています ので、ちょっと調整の時間等を考えますと、恐縮ですが、明日中ぐらいに お伺いできるとありがたいなと思います。 ○笹島座長 それでは、いま事務局から説明がありましたように、まだ御意見 を出す機会があるということですので、時間は限られますが、お気付きの 点があれば、事務局のほうに御連絡をいただくという形で処理させていた だいて、よろしいでしょうか。もちろん今、御発言があれば、それは一向 に構わないのですが、臼杵委員よろしいですか。 ○臼杵委員 また何かありましたら。 ○笹島座長 それでは、各委員から本日出た御意見と、それから一両日中に出 されるであろう御意見を踏まえまして、事務局のほうで修文していただく と。  その後の取扱いですが、重要な変更があれば、もちろん各委員に持ち回 りの形で御意見を伺うことがあろうかと思いますが、できる限り事務局と 私のほうで、このあとの修文作業は進めさせていただきたいと思います。 そういう意味で、今日出た御意見の範囲内であれば、私のほうに御一任い ただければと思いますが、そういう形で処理させていただいてよろしいで すか。                   (了承) ○笹島座長 それでは、そのような形でこのあと処理させていただきたいと思 います。報告書につきましては、私が事務局から聞いている話では、時期 を見て公表させていただきたいと伺っていますので、その点もよろしくお 願いしたいと思います。  事務局を代表して、勤労者生活部長の氏兼部長から、一言御挨拶をいた だくことになっていますので、お願いします。 ○氏兼勤労者生活部長 それでは閉会に当たりまして、一言御挨拶申し上げま す。この検討会では今年の4月から2カ月余りの間、3回という短い回数 ではありましたが、大変精力的に御議論いただいた結果として、先ほど座 長がまとめていただいたとおり、報告書という形にできるという運びとな りました。この間の笹島座長を初め委員の皆様方の御努力に対しまして、 改めて感謝を申し上げたいと思います。  報告書の中にも書かれておりますが、中小企業を含む雇用経済情勢は、 非常に厳しい状況にあります。退職後の家族を含む従業員の生活保障の重 要性が、改めて認識される中で、今般中退共の加入対象の拡大を図るとい うことで、従来整理されてこなかった部分を非常に論理的にすっきりした 形で整理いただきまして、大変ありがとうございました。大変有意義な報 告書をいただいたと思っています。  皆様方のこれまでの御協力に改めて感謝と御礼を申し上げますととも に、いただいた報告書に従いまして、中小企業庁とも協力しながら、加入 対象者の拡大に向けて、さらなる詳細な検討を進めてまいりたいと思いま すので、今後ともよろしく御指導の程お願い申し上げます。甚だ簡単では ございますが、最後の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございま した。 ○笹島座長 ありがとうございました。以上をもちまして、第3回目の中小企 業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関する検討会を終了させていただ きます。参集者の皆様には御多忙の中、貴重な御意見をいただきまして誠 にありがとうございました。 照会先:厚生労働省 労働基準局 勤労者生活部 勤労者生活課 調査係、企画係  (内線5374、5376)