09/06/23 平成21年6月23日薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録 1.日時及び場所    平成21年6月23日(火) 14:00〜    ホテルオークラ東京本館2階エメラルドルーム 2.出席委員(14名)  五十音順    天 笠 光 雄、○荒 井 保 明、 石 井 明 子、 石 山 陽 事、    小 田   豊、◎笠 貫   宏、 川 上 正 舒、 北 村 惣一郎、    倉 根 一 郎、 塩 川 芳 昭、 正 田 良 介、 勝 呂   徹、    寺 崎 浩 子、 松 岡 厚 子  (注) ◎部会長 ○部会長代理   欠席委員(3名)五十音順    荒 川 義 弘、 飯 沼 雅 朗、 武 谷 雄 二 3.行政機関出席者    岸 田 修 一(大臣官房審議官)、    俵 木 登美子(医療機器審査管理室長)、    豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、    望 月   靖(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、他 4.備考    この会議は、個別案件は企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催され、個    別案件以外は公開で開催された。 ○医療機器審査管理室長 定刻となりましたので、医療機器・体外診断薬部会を開催させ ていただきます。委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただきましてあり がとうございます。御出席予定の先生はもう少しお見えいただける予定ですが、本日17 名の委員の先生のうち11名の先生に御出席をいただいておりますので、審議会令に基づ きます定足数は満たしておりますことを御報告させていただきます。  初めに部会の委員の異動がございましたので、事務局の方から御報告させていただきま す。4月1日付けで国立医薬品食品衛生研究所の療品部長が土屋先生から松岡先生に替わ りまして、本日から松岡先生に委員をお願いしております。よろしくお願いいたします。 ○松岡委員 国立医薬品食品衛生研究所の松岡でございます。どうぞよろしくお願いいた します。 ○医療機器審査管理室長 本日の議題のうち、議題1〜3の基準の関係につきましては、 審議会の決議に基づきまして、会議を公開とさせていただくことにしております。公開案 件終了後に個別品目の審議等がございますので、その部分については非公開とさせていた だきます。それでは、部会長よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 それでは部会を始めさせていただきます。初めに事務局から資料の確認を お願いいたします。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。公開案件の資料といたしましては、先生方 の左側にございますが、議事次第と座席表、一番裏に委員の名簿が記されたものでござい ます。それと資料の確認に際しまして、次の1枚紙に配付資料の一覧がございますので、 これに基づきまして資料の確認をさせていただきます。 1.公開案件の資料ですが、資料1-1といたしまして、「歯科用空気駆動式ハンドピース 認証基準の制定に伴い追加する一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器 等の指定について」の「諮問書」でございます。  次に資料2-1ですが、「医療機器の承認基準案について」ということで、約50ページ ぐらいの冊子になったものでございます。資料2の参考資料といたしまして、参考資料 2-1が「医療機器の認証基準に関する基本的考え方について」というものです。次に参考 資料2-2「神経内視鏡承認基準(他1基準)について」がございます。参考資料2-3「承認 基準において引用する日本工業規格」があります。  その次、資料3-1「医療機器の認証基準案について」がございます。その次、資料3-2 「第三者認証制度の認証基準における引用JIS規格の改正に伴う経過措置について」とい う資料です。その次が資料3-3「第三者認証制度の認証基準の一部改正について」という ものです。この資料3に付属する参考資料として、参考資料3-1「医療機器の認証基準に 関する基本的考え方について」です。最後に参考資料3-2「認証基準において引用する日 本工業規格」という資料でございます。  公開案件の資料につきましては以上でございますが、お手元に資料のない先生がいらっ しゃいましたら事務局までお知らせいただきますよう、よろしくお願いいたします。○笠 貫部会長 資料の方はお揃いでしょうか。それでは続きまして公開案件のうち、審議案件 に関する薬事分科会審議参加規定に基づく審議参加の可否について、事務局の方から御報 告をお願いします。 ○事務局 御報告させていただきます。審議案件の歯科用空気駆動式ハンドピース認証基 準の制定に伴い追加する一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指 定について。これは資料1-1ですが、これに関しまして御報告させていただきます。  歯科用空気駆動式のハンドピースについて、既に製造販売承認を受けている3社から、 過去3年間における寄付金等の受取状況について、各委員の先生方に御確認させていただ きましたところ、本議題は個別の医療機器に関する審議ではありませんので、すべての委 員が審議及び議決に加わることができることを御報告させていただきます。以上でござい ます。 ○笠貫部会長 ただ今の事務局の御報告に、何か特段の御意見はございますでしょうか。 ございませんでしたら、議題の方に入りたいと思います。議題の1は議題の3と一緒に御 審議いただきたいと思いますので、まず議題の2「医療機器の承認基準案について」事務 局より御報告をお願いします。 ○事務局 医療機器の承認基準案について、簡単に御説明させていただきます。資料2-1 と参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料2-3が、今回の資料になっております。  「医療機器の承認基準に関する基本的考え方について」は、参考資料2-1として先生方 には配付させていただいておりまして、これまで何度か部会の方で御説明させていただき ましたけれども、この承認基準といいますのは、その基準への適合を確認することによっ て、承認審査が行われるよう、一定の範囲の医療機器について定められている基準でござ います。  今回、御報告申し上げる承認基準の案は二つございまして、「神経内視鏡承認基準(案)」 と「血管内視鏡承認基準(案)」になっております。各基準案の概要等につきましては、基 準案の調査を行いました医薬品医療機器総合機構より御説明させていただきます。 ○機構 総合機構から御説明を申し上げます。資料2-1をご覧ください。資料の1ページ からが「神経内視鏡承認基準(案)」で、11ページからが神経内視鏡についての基本要件 適合性チェックリストとなっております。また、23ページからが「血管内視鏡承認基準 (案)」、35ページからが血管内視鏡についての基本要件適合性チェックリストとなって おります。  まず、神経内視鏡承認基準について説明いたします。参考資料2-2を御覧ください。こ ちらにて説明させていただきます。本基準案の適用範囲は、脳、髄膜、脳下垂体及び脊髄 等の中枢神経系の診断又は治療のための画像を提供する未滅菌で供給される再使用可能 な神経内視鏡に適用するとしております。対象となる医療機器の一般的名称は、軟性神経 内視鏡以下合計七つでありまして、一般的名称の定義は、3ページの〔参考〕に記載され たとおりとなっております。  1ページに戻っていただきまして、平成17年3月25日に改正された日本工業規格JIS T 1553、光学及び光学器械ー医用内視鏡及び内視鏡用処置具:一般要求事項、及び平成 17年3月25日に制定されました、日本工業規格JIS T 0601-2-18、医用電気機器-第2-18 部:内視鏡機器の安全に関する個別要求事項に基づきまして、技術要件を定め、承認基準 を作成するものでございます。  この基準の要求事項は2ページ目の〔別紙1〕に示しました14項目としております。 誠に申し訳ありません。ここで誤記がありますので訂正をお願いいたします。12項、こ れが生体適合性型の生物学的安全性、13のエンドトキシンが削除になっていますので、 修正の方をよろしくお願いいたします。  1ページ目に戻っていただきまして、また、基準の使用目的、効能又は効果は、脳、髄 膜、脳下垂体および脊髄等の中枢神経系の診断又は治療のための画像を提供することとし ております。ここで一部訂正がございます。ここに使用目的、効能又は効果の欄のところ で、「体内に挿入し」というのがありますが、ここの削除をお願いいたします。  本認証基準案については、平成21年4月10日、総合機構で開催されました医療機器承 認基準等審議委員会におきまして、御審議いただき、未滅菌品で出荷される製品では、使 用前に各施設で滅菌されるので、エンドトキシンの項目を特出しする必要はなく、生物学 的安全の評価でよいのではないかとの意見等がございまして、その後、専門家と御相談の 上、御意見をまとめさせていただきました。今回はそれを反映させて承認されたものを提 示してございます。また、平成21年6月21日〜7月21日までパブリックコメントの募 集を行っているところでございます。  続きまして、参考資料2-2の5ページをご覧ください。血管内視鏡承認基準(案)の適用 範囲は、血管内及び心臓内の診断又は治療のための画像を提供する滅菌済みで供給される 血管内視鏡又は未滅菌で供給される再使用可能な血管内視鏡に適用する。ただし、1)頭頸 部の血管に用いるもの。2)バルーン付きのもの。3)わん曲部を有する内視鏡で冠動脈に 用いるものについては適用対象外としています。対象となる医療機器の一般的名称は、軟 性血管鏡と軟性動脈鏡の二つで、一般的名称の定義は、7ページの〔参考〕に記載された とおりとなっております。  平成17年3月25日に改正されました、日本工業規格JIS T 1553、光学及び光学器械 ー医用内視鏡及び内視鏡用処置具:一般要求事項、平成17年3月25日に制定されました 日本工業規格JIS T 0601-2-18、医用電気機器-第2-18部:内視鏡機器の安全に関する個 別要求事項に基づきまして、技術要件を定めて承認基準を作成するものでございます。  基準の要求事項は6ページの〔別紙1〕に示したとおりです。ここで先ほどと同じよう に、13番ですが、生物学的安全性ということで、訂正をお願いいたします。  また、使用目的、効能又は効果は、血管内及び心臓内の診断又は治療のための画像を提 供することとなっております。本承認基準案については、平成21年4月10日総合機構に おきまして開催されました医療機器承認基準等審議委員会において、御審議いただき、画 質試験の記載に診察の文言があり、不適切ではないかということ、また、エンドトキシン の項目で、試験条件を見直す等御意見がございまして、その意見を反映させたものです。  また、平成21年6月22日〜平成21年7月21日まで、パブリックコメントの募集を行 っているところでございます。御報告は以上でございます。 ○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは、本基準案につきまして、御質問・御 意見はございませんでしょうか。 ○勝呂委員 今、特に硬膜を見るなり、あるいは触知したものの滅菌方法は、かなり問題 になっているのではないかと思うのです。それはヤコブ氏病のことがあって、何年後に発 症するか分からないので、一応硬膜に接触したものの消毒法が指定されつつあるのではな いかと思うのです。そうしますと、この内視鏡というのは、繰り返し滅菌というけれども、 今、我々として問題になっているのは、クロイツフェルトヤコブに対応する消毒をすると、 内視鏡というのはじきに駄目になってしまうのです。  ですから、そういった点を特に脳神経をやる場合には、繰り返し滅菌だけど、どういう 滅菌をするか、当然のごとくヤコブ氏病のことを考えた滅菌方法で、これを繰り返し使用 すると、多分それほどもたないのではないかと思われます。その辺のところを御検討なさ った上で、したのかどうか知りたいと思うのです。特に我々、脊髄を操作するグループと いうのは、実はこれは大きな問題になりつつあって、頻繁に機械を買い換えなければいけ ないということがあるので、今の医療費ではとても買えない。ですから、どういう滅菌法 でこれは繰り返し、特に頭部の所では、大きな問題になるのではないか。ユーザーが買っ た、消毒をしたらすぐ壊れたといったら、メーカーが保証しきれるのかどうかということ になりますよね。その点はいかがでしょうか。少し知りたいと思ったのです。 ○笠貫部会長 事務局の方で、御検討はされているでしょうか。 ○機構 メーカーが指定した滅菌方法ということで。 ○勝呂委員 ですから、それはそうだけれども、国が指定していますよね。特に硬膜に触 れるところの滅菌法は、ヤコブ氏病を考えて発症していなくてもその可能性があるので、 硬膜にタッチする機器はどういう消毒をしなさいというのは、確か国が指定を出してたは ずですから、これはメーカー先導ではなくて国側から、そういう場合にどうするかという 繰り返し滅菌法を規定すべきだと思うのですけれども。 ○塩川委員 脳外科の塩川と申しますが、脳外科学会が今の御指摘のプリオン病ですね、 クロイツフェルトヤコブについては、滅菌方法を一応提唱しているのですけれども、現実 的にはこの光学系のものはそれに従って行うと、詳細は少々失念しましたけれども、まあ、 難しいのが現状ですね。 ○勝呂委員 もたないですよね。 ○塩川委員 そこのトレーの中、記載の配慮などをされたらよろしいかと思って聞いてい ました。 ○勝呂委員 これも絶対に必要だと思いますよね。  ○医療機器審査管理室長 ヤコブ病の患者さんに使用した手術器具等についての、滅菌の 方法については、厚生労働省で医政局であったか、健康局だったかですが、通知を出して おります。かなり過酷な滅菌を要求しているのは事実でございまして、確かに軟性の内視 鏡のようなものについては、どうしても御指摘のとおりだと思います。用事滅菌というこ とで、通常の滅菌法を推奨して販売されていると思うのですが、特に脳外の分野について は、どういう実態、どういう滅菌方法になっているのか、企業の方にも確認をしたいと思 います。 ○勝呂委員 非常に発症までの期間が長いので分かりませんよね。ですから、その可能性 を考えて、滅菌方法をこうしなさいという指令が今出て、実態、臨床では困っているのが 現実なのです。ですから、多分脊髄より脳の方で内視鏡をたくさん使われるのではないか と思うので、やはりその辺のところの耐用性をどうするかということを明確にしておいて あげないと、メーカーも困るし、ユーザーも困るのではないかと思うのです。 ○笠貫部会長 勝呂委員の御指摘は、発症してからという、発症した患者さんでない場合 のということですね。 ○勝呂委員 ですから、潜伏期が非常に長いので、臨床の現場では脳外科の先生などは、 ライオデュラを使ってしまってとか、そういうのがあって、10年後とか15年後に発症し ているのは証明できないですよね。 ○笠貫部会長 ありますか。 ○塩川委員 正確な数字は記憶ないのですが、特定の期間に脳と脊髄の手術の実施歴のあ る患者さんについては、プリオン病というかヤコブ病として対応すべしというようなこと が、脳外科学会では言っております。あと神経内視鏡という学会があるのですが、神経の 内視鏡に特化した会がありまして、そこはいろいろな実際の運用面のルールなどを作っ て、脳外科学会と協議しているので、そういうところと整合性をとるというか、現実を確 認されるとよろしいのではないかと思います。 ○勝呂委員 同じように脊髄、脊椎病の方も、やはり我々ヘルニアでは硬膜に接触するし、 必要によっては開けますので、ほぼ、脳外とか全体的に同じような動きになっているはず なのです。ですから、もしそうなって分からない場合には、使ったからいいやではなくて、 例えばヘルニアの手術を受けていて、やはり硬膜を一応触っているわけですから、もう、 全く分からないのですよね。ですから、そういうところも含めて、この内視鏡の消毒方法 というのは、十分含みを残しておくべきだとは思います。 ○笠貫部会長 大事な御指摘ですけれども、事務局としてはどのようにお考えですか。 ○医療機器審査管理室長 今御紹介いただいた学会の先生とも連絡を取らせていただい て、承認時点での対応についても、もう1回整理をさせていただきたいと思います。 ○笠貫部会長 これまで出た指導と、ヤコブ氏病の潜伏期を含めて、どのような滅菌法を するのか、特に硬膜に触れるような内視鏡の場合にどうするかを整理して、基準の中でも 滅菌法として御検討をいただくということでお願いしたいと思います。それ以外にはござ いますでしょうか。ほかに御意見等がございませんでしたら、次の議題に移らせていただ きます。続きまして、議題3、「医療機器の認証基準案について」、事務局の方から御報 告をお願いします。 ○事務局 それでは議題3、医療機器の認証基準案につきまして、御説明させていただき ます。資料は3-1ですが、こちらの認証基準というものですが、平成17年4月に、薬事 法が改正されまして、いわゆる管理医療機器、人体のリスクが比較的低いと考えられる管 理医療機器につきましては、これまでは個別に厚労大臣の製造販売の承認というものがご ざいましたけれども、これに代えまして厚生労働省大臣の登録を受けた認証機関による第 三者認証制度というものが導入されています。この管理医療機器のうち、今から御説明い たします認証基準が定められていて、これに適合する医療機器については、その製造販売 に当たりまして、第三者認証機関の認証を受けなければならないというふうになっている ものです。  今回、御報告申し上げます認証基準(案)は、この資料の3-1にもありますように、六つ の基準がございます。据置型診断用X線発生装置等認証基準(案)、以下五つのものがござ います。こちらの基準(案)につきましては、この案の調査を行いました総合機構の方から 御説明を申し上げます。なお、この機構の説明のあとに、この認証基準の中にあります一 番最後の歯科用空気駆動式ハンドピースの認証基準の案につきましては、この基準が制定 されることによりまして、一般的名称を追加しなければいけないということがございます ので、ここにつきましては、機構の説明の後に事務局の方から御説明させていただきまし て、御審議をいただく予定でございます。それでは機構の方よろしくお願いいたします。 ○機構 それでは機構の方から説明申し上げます。まず、資料は3-1です。まず、据置型 診断用X線発生装置等認証基準(案)から御説明いたします。  資料3-1の1ページを御覧ください。据置型診断用X線発生装置等認証基準は、既に作 成済みの当該X線発生装置を組み込みました、移動型アナログ式汎用X線診断装置等認証 基準から、据置型診断用X線発生装置等認証基準に必要な要求項目を整理いたしまして、 診断用X線高電圧装置の安全に関する日本工業規格JIS Z 4751-2-7をJIS基準といたし まして、基準を作成するものです。  基準の対象となる医療機器の一般的名称は、据置型診断用X線発生装置、移動型診断用 X線発生装置、ポータブル診断用X線発生装置で、使用目的、効能又は効果がX線管装置 に加えるための高電圧を発生し、かつ、それを制御すること。治療用を除くとしておりま す。また、対象となる医療機器の一般的名称の定義は、1ページの下の方に記載されたと おりとなっております。  本基準は、平成21年4月10日の総合機構で開催されました、医療機器承認基準等審議 委員会にて了承されたものです。また、パブリックコメントにつきましては、これから募 集を行うこととしております。  次に歯科関係の5基準について御説明いたします。2ページを御覧ください。電動式歯 科用ファイル認証基準は、ハンドピースの先端に装着される往復運動等で、根管の拡大等 を行う歯科用器具であることから、医療機器の生物学的評価に関する日本工業規格JIS T 0993-1を技術基準といたしまして、基準を作成するものです。基準の対象となる医療機 器の一般的名称は、電動式歯科用ファイルで、使用目的、効能又は効果は、振動、回転、 回転反復、上下運動及び、それらの複合運動をする能動型機器に接続し、上下方向の往復 運動又は引上げ動作をすることによる切削・研磨で、根管を拡大し、根管壁を平滑にする こととしております。また、対象となる医療機器の一般的名称の定義は、記載されたとお りとなっております。  続きまして3ページを御覧ください。電動式歯科用根管リーマ認証基準は、ハンドピー スの先端に装着される根管拡大等を行う回転式歯科用器具であることから、先端の電動用 歯科用ファイルと同じ医療機器の生物学的評価に関する日本工業規格JIS T 0993-1を技 術基準として、基準を作成するものでございます。基準の対象となる医療機器の一般的名 称は、電動式歯科用根管リーマで、使用目的、効能又は効果は、能動型機器に接続して回 転させ、サイドカットによる根管の拡大及び清掃のために用いることとしております。ま た、対象となる医療機器の一般的名称の定義は記載のとおりでございます。  4ページを御覧ください。ストレート・ギアードアングルハンドピース認証基準は、厚 生労働省告示第112号、平成17年3月25日にて制定されておりますが、このたび一般的 名称の定義をより明確化するために改正をしました。それに伴い使用目的、効能又は効果 は、駆動源からの回転を等速又は変速して、歯又は義歯等を切削又は研磨する歯科用バー、 リーマなどに回転、振動等の動作を伝達することとしております。  対象となる医療機器の一般的名称は、ストレート・ギアードアングルハンドピースで、 その一般的名称の定義は、記載のとおりでございます。対象となるストレート・ギアード アングルハンドピースは、下段の写真のように、アングルの付いたギアードアングルハン ドピース、ストレート状のストレートハンドピースで、それぞれ歯科用電気回転駆動装置 や、歯科用空気回転駆動装置と接続して使用するものでございまして、一般的名称の定義 をより明確化し、改正案に記載されたように、変更させていただくこととしております。 次に5ページを御覧ください。歯科用電動式ハンドピース認証基準は、ハンドピースと駆 動モータが一体となったものから、歯科用ハンドピースに要求される日本工業規格JIS T 5907と、歯科用ハンドピースの歯科用低電圧モータに要求される日本工業規格JIS T 5909 の二つの規格を技術基準といたしまして、基準を作成するものです。基準の対象となる医 療機器の一般的名称は、歯科用電動式ハンドピースで、使用目的、効能又は効果は、先端 に歯科用バー、リーマ等の回転器具、往復運動器具等を接続し、歯、義歯、人工歯冠等の 切削、研磨に用いることとしております。また、対象となる医療機器の一般的名称の定義 は、記載したとおりでございます。基準作成時、一般的名称の定義がストレート及びギア ードアングルハンドピースと電動式ハンドピースが混在する表現であったので、明確化を 図るために定義の変更をさせていただくものでございます。  次に6ページを御覧ください。歯科用空気駆動式ハンドピース認証基準は、ハンドピー スと、空気駆動モータが一体となったものであるから、歯科用ハンドピースに要求される 日本工業規格JIS T 5907と、歯科用ハンドピースの歯科用エアモータに要求される日本 工業規格JIS T 5908の二つのJIS基準を、技術基準として作成するものでございます。 基準の対象となる医療機器の一般的名称は、歯科用空気駆動式ハンドピースで、使用目的、 効能又は効果は、先端に歯科用バー、リーマ等の回転器具、往復運動器具等を接続し、歯、 義歯、人工歯冠等の切削、研磨に用いることとなっております。また、対象となる医療機 器の一般的名称の定義は、記載のとおりでございます。後ほど審議をお願いすることとな っておりますが、この認証基準を作成するに当たり、新たに歯科用空気駆動式ハンドピー スという一般的名称の創設を御提案させていただいております。  歯科関係5基準は、平成21年4月10日、総合機構で開催されました医療機器承認基準 と審議委員会にて審議され、電動式歯科用根管リーマ認証基準、歯科用電動式ハンドピー ス認証基準、歯科用駆動式ハンドピース認証基準にて、基準と引用する日本工業規格が整 合されていないという御意見がございましたけれども、検討また整理をいたしまして、今 回お示した内容にて承認されたものでございます。また、パブリックコメントにつきまし ては、これから募集を行うこととしております。報告は以上でございます。 ○事務局 引続きまして、先ほど笠貫部会長の方からも議題1を議題3と一緒にやるとい うふうに言われたかと思いますが、今総合機構の方から説明がございました最後の認証基 準の歯科用空気駆動式ハンドピース認証基準(案)、これを作るにあたりまして、この一般 的名称というものを作っていかなければいけない。併せてこれのクラス分類をどうするの か。特定保守管理医療機器、あるいは生物由来等に該当するのかということにつきまして は、先生方に御審議いただいて、議決をいただくというような形になっておりますので、 ここにつきましては、資料1-1に戻っていただきます。資料1-1「諮問書」がございます が、こちらの2ページですが、今回の「歯科用空気駆動式ハンドピース」をどうするのか ということについて、まず御審議いただきたいと思います。これについて簡単に御説明さ せていただきますが、歯科用空気駆動式ハンドピースというものにつきましては、先ほど 機構の方から説明があったとおりでございます。  これらをどうするのかということですが、医療機器の中には高度管理医療機器、管理医 療機器、一般医療機器というものがございまして、それのうちのどれに指定するのかとい うことですが、リスク等を、あるいは何か副作用や機能の障害とか生じた場合の影響等を 考えまして、管理医療機器として新たに指定するということでいかがかということです。  2番目の特定保守管理医療機器の指定についてですが、当該医療機器につきましては保 守点検、修理その他の管理を必要とするものですので、特定保守管理医療機器として指定 するということでございます。それと3番目の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定 についてですが、これは人やその他の生物に由来するものではございませんので非該当と いうことで、先生方にお諮りしたいということです。以上でございます。 ○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から、ただ今の議題1に ついての御質問、御意見がございますでしょうか。 ○天笠委員 天笠と申します。今の話からお伺いしたいのですが、クラス分類iiはいいの ですが、特定保守管理というのは、業者が保守管理を定期的にやらなければいけないとい う意味でしょうか。あるいは必要に応じて保守管理をするということでしょうか。 ○事務局 この保守管理医療機器ですが、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識と か技能を必要とするものでございますので、これに指定するというものですが、先生の御 指摘はこの保守管理を業者が行うのか、それとも使用者が行うのかということでしょう か。 ○天笠委員 機械によっては定期的に、例えば3か月に一回、半年に一回点検を行う機械 がありますが、期間を決めて点検をするのか、それとも必要に応じてなのかというところ が、分からなかったものですから、教えてください。 ○医療機器審査管理室長 これは機器に応じて必ずしも一定の期間が定まっているわけ ではございませんので、ただ、少なくともディスポーザブルな製品ではないものについて は、基本的にこの保守管理、又は修理が必要だということで、そういうものに指定をして いくということです。 ○天笠委員 分かりました。 ○笠貫部会長 ほかにはございますか。 ○天笠委員 先ほどの承認基準、認証基準案ですが、耐用性とか強度とかの基準を決める ものではなく、用語の問題として理解してよろしいでしょうか。リーマとか、ファイルと いうものは、非常に軟らかい強度の弱いものなので、手動でやっていることが多いわけで すが、電動ももちろんこれまでもあったわけです。今の話の認証基準については名称、使 用目的、形状がこのようなものであるということで理解してよろしいでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 強度等の性能については、その後ろにチェックリストが付いて いますが、医療機器全体としてはもちろん有効で安全でなければなりませんので、基準の 中味としては、このJIS T 0993-1に適合することと、この使用目的の範囲を限定してお りますけれども、チェックリストを用いまして、その性能等についてはチェックをしてい ただくことを、指導していく予定にしております。 ○天笠委員 リーマ、ファイルというものは、非常に繊細なもので、手動が多いわけです。 その中で機械トルクが強いとリーマ、ファイルが折れやすいことがあります。細かなこと ですが、実際の使用に当たっての注意事項などが記載されるのかと思い申し上げました。 ありがとうございました。 ○笠貫部会長 よろしいでしょうか。ただ今のチェックリストで、先ほどリーマについて 御指摘がありましたが、それは個々のについて基準とか、注意を促すというふうに考えて よろしいですか。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○笠貫部会長 ほかにございますか。 ○小田委員 今の議論の続きなのですがよろしいですか。 ○笠貫部会長 続けてください。 ○小田委員 実は、いわゆる手動のものは一般医療機器として存在しておりまして、今回 の電動式のものは、能動型機器につながるリーマファイルですので、認証基準の要る、管 理医療機器にしているのですね。管理医療機器の中で、このチェックリストのところを見 ますと、歯科器械のガイドラインを利用して、きちんとそこのところは見ていくと定めて おりますので、問題はないと私は考えております。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。議題1の案件について、御意見がほかにございま せんでしたら議決に入りたいと思うのですが、議題1に限っては御意見ございませんでし ょうか。それでは議決に入りたいと思います。歯科用空気駆動式ハンドピースについては、 本部会として、管理医療機器及び特定保守管理医療機器として指定し、生物由来製品及び 特定生物由来製品への指定は不用ということでよろしいでしょうか。御異議がないようで すので、そのように議決させていただきます。この審議結果につきましては、次回の薬事 分科会の方に報告させていただきます。  それでは、引続きまして、議題3の認証基準について御意見・御質問を。先ほど天笠委 員の方からは、リーマの強度につきまして御指摘いただいたと思いますが、ほかに御意見 はございませんでしょうか。特にございませんでしたら、引続き議題3についての御報告 をお願いいたします。 ○事務局 引続き議題3につきまして、御説明させていただきたいと思います。まず、先 生方のお手元の資料3-2です。「第三者認証制度の認証基準における引用JIS規格の改 正に伴う経過措置について」というものですが、先ほどから先生方に認証基準の中味につ いて御審議いただきました。そもそもこの認証基準は、この管理医療機器を製造販売しよ うとする者が、品目ごとにこの認証基準に沿った認証を求められるというものでございま すが、先ほどの認証基準の中にも、日本工業規格(JIS)というものを引いているところ ですが、今回、引用するJISが改正された場合に、どのような対応をとるのかというこ とですが、JISが改正された場合の改正前のJISに適合する製品の取扱いについて、 一定の経過措置期間を設けようというものでございます。  改正の内容ですが、引用するJISが改正された場合には、原則として3年間の経過措 置期間を設けて、その間は改正前のJISでも、認証基準という形でみなしていいという ような経過措置を設けたいというものです。当然その改正の内容で経過措置を設けないと いう場合もあるほか、3年より短い、あるいは長い経過措置期間を設けるというようなこ とにしてはいかがかというものでございます。  別表1、別表2を資料として付けさせていただいておりますが、今回、JISの番号が 変わるものが別表1でございます。引用するJISの番号は変わらないのですが、内容が 変わる場合を、別表2ということで整理させていただいています。ここでまず、原則的に 3年というふうに言わせていただきましたが、この原則的に3年の根拠ですが、もともと 医療機器のJIS等の改正があった場合、いわゆる規格の改正があった場合に、例えば安 全上すぐに対応をとらなければいけないようなもの、あるいは非常に広い大きな規格で、 その一定の経過措置の期間をかなり長く取らなければいけないようなもの、それと、いわ ゆる技術的に改良を加えたようなものまで、いろいろなものがあるのではないかと思いま す。  その中で原則3年とさせていただいたのは、国際的にもGHTFの方でも大体3年とい うふうになっておりますし、EUの官報等でもこういう基準が変わって、経過措置期間は 大体3年ということで置いていますし、他方で電気安全法でも、3年間の経過措置を置く というような基準がありますので、原則3年ということで置かせていただきたいというも のです。この経過措置の件につきましては、今後先生方に御報告した後にパブリックコメ ントをかけて、告示の改正を行っていくというスケジュールで進めさせていただきたいと 考えています。  続きまして資料3-3でございます。「第三者認証制度の認証基準の一部改正について」 というものでございます。改正の概要につきましては、そちらにございますが認証のこと が書いてあります。今回改正するところは次の別表ですが、ここに記載されています医療 機器につきまして、使用目的、効能又は効果の欄を旧のものから新のものに改正するとい うものです。  この改正の理由ですが、これにつきましては現行の医療機器等に合ったような形で、こ の使用目的、効能又は効果の欄を改正するというものです。抜本的に何かが変わったとい うものではございませんで、現行の医療機器の使用目的にうまく合わせていくというよう な改正です。以上でございます。 ○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは委員の皆様方から、御意見・御質問が ございますでしょうか。原則として3年というのがポイントだと思いますが、これについ ては機器によって差があるということと、グローバリゼーションの中で、3年だというこ とですね。大体3年というのは、バラつきがあるのですか。この「原則として」というの は、原則ではないかどうかは、個別に判断するということですね。 ○医療機器審査管理室長 今後JISの改正の場合、その改正の中味に応じて、3年置い ては長過ぎるもの、また3年では対応しきれないものもあろうかと思いますので、それは 個別に3年でいいかどうかを御確認いただくということになろうかと思います。 ○笠貫部会長 いかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。それでは特に御意見 がございませんでしたら、これで公開案件は終わらせていただきます。 ○事務局 ありがとうございました。それでは以後の議題は非公開とさせていただきます ので、傍聴者の皆さまは御退席をお願いいたします。非公開案件の審議・報告につきまし ては、3時から開始させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 これからは非公開の案件を始めさせていただきます。事務局の方からお願 いします。 ○事務局 非公開案件の分の資料の確認をさせていただきます。先ほどの配付資料一覧の 2の非公開案件の資料ですが、資料4-1は医療機器「MRガイド下集束超音波治療器 ExAblate2000」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否 及び再審査期間の指定についてです。資料4-2は「MRガイド下集束超音波治療器 ExAblate2000の審査報告」です。  資料5-1は医療機器「血球細胞除去用浄化器」の希少疾病用医療機器としての指定の可 否についてです。この資料5については、参考資料として、参考資料5-1「希少疾病用医 薬品及び希少疾病用医療機器の指定制度」を付けております。  資料6-1は「新たに追加する医療機器の一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理 医療機器等の指定について」です。この資料についても、参考資料6-1として「医療機器 のクラス分類ルールについて」を配付しております。  資料7-1は「医療機器・体外診断薬部会報告品目」です。資料8-1は「優先審査品目に ついて(報告)」です。資料9-1も1枚紙ですが、「競合品目・競合企業リスト」です。こ れについては参考資料として、参考資料9-1「薬事分科会審議参加規程」を配付しており ます。以上です。 ○笠貫部会長 資料はお揃いでしょうか。続きまして、本日、審議事項に関与された委員 と利益相反に関する申出状況について、事務局の方から御報告をお願いします。 ○事務局 御報告申し上げます。本日の審議対象となっている品目については、申請資料 及び利用資料の作成に関与された委員の先生方はいらっしゃいませんでした。競合品目に ついては、先ほどの資料9-1「競合品目・競合企業リスト」ですが、今回の申請品目「M Rガイド下集束超音波治療器ExAblate2000」の競合品目としては2品目あり、そちらの 競合企業の名前を記しております。これらの審議品目の製造販売業者又は競合企業につい ては、委員の皆様、参考人の方から寄付金、契約金等の受取状況を伺ったところ、本日の 審議品目については御退室いただく委員、議決に御参加いただけない委員の先生方はいら っしゃいませんでした。したがって、本日の議題については、すべての委員が審議及び議 決に加わることができますことを御報告いたします。 ○笠貫部会長 ただ今の事務局の御説明に、特に御意見はありませんか。それでは、議題 に入ります。議題4「医療機器MRガイド下集束超音波治療器ExAblate2000」の製造販 売承認の可否等について、審議を行います。審議品目の概要については、事務局から御説 明をお願いいたします。 ○事務局 事務局より御説明申し上げます。該当資料ですが、資料4-1及び資料4-2です。 まず、事務局より本機器の概要について説明申し上げます。申請企業ですが、ジーイー横 河メディカルシステム株式会社です。販売名は「MRガイド下集束超音波治療器 ExAblate2000」です。本品目ですが、症候性子宮筋腫の患者を対象として、筋腫に伴う、 症状の改善を目的として使用されるものです。使用方法としては、腹部体外から子宮筋腫 組織に集束超音波を照射することにより、子宮組織を局所的に加熱し、壊死させる医療機 器です。  原理ですが、凹状のトランスデューサより照射される超音波を表面積の焦点に集束させ ることにより、焦点組織の温度を上昇させ、壊死させるという医療機器です。なお、本医 療機器ですが、MR装置と接続することが可能となっており、治療計画をMR画像上で行 うこと、治療中もMR装置から得られる画像データを基に、照射部位の位置、温度等を実 時間モニタリングしつつ、位置及び熱線量の検証を行いつつ治療を実施するという医療機 器です。審査の概要については、本品目の審査を行いました医薬品医療機器総合機構より 御説明申し上げます。 ○機構 医薬品医療機器総合機構より、「MRガイド下集束超音波治療器ExAblate2000 の審査報告」をいたします。専門協議は、御覧の4名の委員にお願いしました。本品目は、 MRガイド下で体外からスポット的に集束超音波を照射することにより、子宮筋腫組織を 局所的に加熱、壊死させることで、子宮筋腫の症状の改善を目的として使用する装置です。  本治療は、根治療法や薬物治療とは異なり、低侵襲の温存治療です。MR装置を併用す ることにより、焦点温度をモニタできるようになったことが開発の発端です。欧州では、 2002年にCEマークを取得し、米国では2004年にPMA承認を取得しています。これま での設置台数は、米国を中心に56台です。これまでの市販後不具合としては、限られた 頻度ですが、皮膚熱傷等が発現しております。なお、死亡例はありません。電気的安全性、 電磁両立性、電気システム安全性の試験結果が提出され、対応するJISのあるIEC規 格に適合していることにより、機構はこれを了承しました。御覧のような非臨床試験の試 験結果が提出され、機構はこれを了承しました。  機構より照会した事項としては、第1にMR画像の均一性と温度計測法の精度です。許 容範囲内の誤差にとどまりました。第2には、本品の治療計画領域とMR画像の熱損傷領 域がほぼ一致し、適切な治療計画が重要であると理解されました。第3に患者の体動によ る誤照射を防ぐモニタ機構と予防策を確認して、以上の性能試験及び申請者回答を了承し ました。臨床試験では、子宮筋腫の症状を有し、出産計画を終了した女性を対象に、有効 性及び安全性が評価されました。有効性は、患者の主観を尋ねるUFS-QOL質問票のスコア 改善度で評価し、安全性は有害事象の解析によることとしました。  臨床試験は海外4か国で実施されたもので、治験の制限としてのガイドラインを緩和し た試験、異なる人種を対象とした試験、高出力MR装置を用いた試験等が順次実施されま した。治療ガイドラインには、治療体積、治療時間、制限領域、再治療などが設定され、 順次緩和された後に、安全確認のとれた最終ガイドラインで本件が申請されております。  臨床試験結果における有効性評価として、UFS-QOLのうち、症状重症度スコアは治療前 から治療後にかけて、この図のように、いずれも20ポイント以上改善しており、試験開 始前に設定した有効性判定基準10ポイント以上の改善をした患者が70%を超えておりま す。ここにデータが表示されています。この割合は、治療満足度を尋ねたアンケート結果 にも一致するものでした。  臨床試験結果における安全性評価として、有害事象が解析されました。大部分の事象は、 既存の治療法でも起きるものですが、手技に起因する皮膚熱傷、あるいは神経損傷には対 策が必要です。図中、この欄に表示されております。重度の神経損傷1例については、仙 骨神経が照射経路に入ってしまったために生じたもので、以後、制限領域として治療ガイ ドラインに加えられました。ここにある重度月経、あるいは貧血といった症状は、初期の ガイドラインに基づく治療不足に起因すると考えられます。試験の途中で、3T-MR装置を 使用することが可としましたが、3T-MR装置を使用した場合にも安全上の問題はありませ んでした。  臨床試験における論点1ですが、本治療法の臨床的な位置付けについてです。副作用の ある薬物治療や根治ながら感染リスクのある外科手術とは異なり、本治療は症状の改善を 目的とすることを使用目的欄及び添付文書に明記することとしました。  論点2は、海外臨床試験の日本人への外挿性ですが、臨床試験結果に人種差が認められ ず、国内臨床研究(参考資料として添付)でも、類似のスコア改善度が出ているということ から、日本人にも外挿できると判断しました。  論点3は有害事象の発生防止対策についてですが、神経損傷や皮膚熱傷等の手技に関わ る有害事象の防止には、適切な治療計画や患者モニタリングの経験技術の習得が重要であ るため、講習(トレーニング)の受講等を承認条件として付し、添付文書にも明記すること としました。  論点4は再治療の妥当性と長期有効性・安全性ですが、臨床試験では十分なデータの蓄 積はないことから、市販後調査を実施することといたします。  論点5は妊娠に対する扱いですが、本臨床試験では将来の妊娠に対する安全性は検証さ れていません。そこで、添付文書の効果・効能欄に「将来妊娠を希望する患者については 本治療を行わない」旨を明記することとしました。ただし、海外では市販後、治療後に 51名の妊娠報告があったということから、本品の市販後調査において妊娠報告があった 場合には追跡調査を行うこととしました。  総合評価として、使用目的は子宮筋腫に伴う症状の改善を目的として使用することに限 定し、承認条件として使用者に講習の受講等を課し、医師に十分な知識と経験を提供する ように適切な措置を講ずることを条件としました。再審査期間は3年、生物由来製品には 非該当としました。以上です。  引き続き、先生のコメントを御紹介します。2件の先生のコメントです。まず、寺崎委 員の御意見として、1「手術とは異なり、病理所見がとれないことに一般個人として不安 が残るかもしれない。筋腫と鑑別しにくい条件の症例は避けるべきではないか」。これに 対して、子宮頚部は臨床例がほとんどないので、症状の表に加えました。一方、子宮筋腫 か子宮癌かの診断には注意が必要であり、慎重に診断を行った上で、良性の場合に限り超 音波照射を行うことを添付文書内に盛り込むように変更したいと存じます。2「施行時妊 娠を希望しなくとも、後に希望することもあり得ること、妊娠が不可能になる可能性も否 定できないこと等、現時点では年齢制限をある程度設けなくてよろしいか」。これに対し て、あくまでも患者の個別状況に応じて判断するのが適当ではないかと思われますが、手 術時には妊娠を希望しない患者を対象とし、それでも妊娠が確認された症例については、 市販後調査で重点的に追跡調査をすることにしております。  次に、川上先生からのコメントがあります。総合評価及び海外の臨床試験の日本への外 挿性について、「UFS-QOLについて、より丁寧な説明が必要と思われる、このような評価 基準で外国において実証した試験結果を日本に外挿するのは妥当と言えるのか」。これに 対しては、本臨床試験において用いたUFS-QOLは、37項目からなる質問票に対する患者 の主観的評価を基にした有効性評価法であり、卓上に参考配付いたしました。和訳は、厚 い資料4-1の末尾の「市販後調査計画」の中に入っております。そのうちの8項目は、子 宮筋腫の症状・重症度に関するものでした。人種差によらない臨床試験結果も踏まえて、 産婦人科の先生にも御参加いただいた専門協議では、我が国での子宮筋腫の評価に一般化 できるであろうとの御判断をいただきました。以上です。 ○笠貫部会長 御意見、御質問はありませんか。 ○荒井部会長代理 国立がんセンターの荒井です。審査の過程、内容に関して特に異議が あるわけではないのですが、最初にお示しになった「起原又は発見の経緯」という所が少 しひっかかります。欧米では手術療法のほかに子宮筋腫の治療として子宮動脈塞栓術があ りますが、日本では現在これが行えないという状況の違いがバックグラウンドにありま す。数で言えば欧米では、動脈塞栓術の方が圧倒的に多い。臨床試験でかなり大きな無作 為化比較試験も行われています。そういったバックグラウンドを考えると、このデータ自 体は問題ないとしても、厚生労働省として考えた場合に、海外で行われているもののメジ ャーな方を認めないでおいて、マイナーなものだけ認めるということになります。この辺 はこの部会でディスカッションする項目かどうか分かりませんが正直ちょっと引っかか ります。この辺の考え方についてお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 先生が御指摘のUAEについては、医療ニーズの高い医療機器 等の早期導入の検討会でも、関係学会からも塞栓療法のいわゆるビーズ材などについては 御要望もいただいていて、日本への導入を御協力いただける企業を募集して進めていると ころでもあります。残念ながら、まだ日本ではUAEに使える材料の承認はありませんが、 今後、申請をいただいて進めていくのだろうと考えております。そういう意味では、日本 は一つオプションがないということで、今回のこのExAblateについても、子宮筋腫の根 治療法ではありませんが、治療法オプションの一つとして位置付けられるものかと理解し ているところです。 ○荒井部会長代理 承認申請、その他のいろいろな時間的な経緯があるということは私も 十分分かっております。臨床側からは治療のオプションが増えるのはありがたいことです し、患者の利益にもつながることですから、基本的な方向性は良いのですが、欧米と格差 があるのは事実です。日本でも早急にこの格差を埋めることが厚生労働省としての大事な 姿勢ではないかと思ったので、追加させていただきました。 ○正田委員 ガイドラインを緩いものにすると、有害事象が減ったということの理由が、 今だに明確に分からないのですが、初めから緩いガイドラインを使うという形でよろしい のでしょうか。それはつまり厳しいガイドラインで向こうでいろいろやった上で緩いもの になったので、よりうまくいったのではないかという考えがあるので、その点がちょっと よく理解できないのですが、どうでしょうか。 ○機構 最初のガイドラインは、厳しいものをあえて設定した。そのために、治療不足が 生じたということがありました。しかし、その後、手技の向上等もあり不具合事象が減る ということと、それから先生が言われましたようなガイドラインの制限を緩めていくこと によって、生じるであろう不具合事象というものが相殺して、結局、不具合事象が増えな かったという結果だと思っています。 ○正田委員 ということは、厳しい基準でやって、手技が向上したがゆえに、次の緩いガ イドラインでもよかったということになるのですが、当初から一挙に緩いガイドラインを 入れてしまうということがいいのかどうか、ちょっと分からなかったのです。そのために、 訓練した人しかやらせないというような文言が入っているのかもしれませんが、本当にそ れでいいかどうか、ちょっと確認をしたかったので聞いたのですけれども。 ○機構 御説明させていただきます。開発の経緯から言いますと、まず子宮筋腫の体積の うち、少ない体積を焼いても大丈夫かどうかというのが、最初の規模たるガイドラインで す。そのあと、照射の体積を増やしていって、あるいはぎりぎり外側まで焼いても大丈夫 かというところで、だんだん治療する体積を増やしていくに従って、拡大ガイドライン、 申請ガイドラインというようにガイドラインが拡大されて、一言で言うとガイドラインが 緩くなっていった格好になります。先ほど申し上げたように、ぎりぎりまで焼いていって も安全であるということと、ぎりぎりまで焼くことによって、より大きな体積の筋腫を壊 死に至らせることができるので、治療不足によって、例えば逆に疼痛が生じてしまうとか、 月経過多が多くなってしまうなどということが減っていくということがありましたので、 有効性も期待できるということで、ガイドラインが拡大されていって、かつ安全性も期待 をされているところで、現在、情報が得られていますので、この段階で承認をして差し支 えないという判断です。 ○正田委員 1点だけ確認したいのは、小さいものというのは最初のガイドラインでやっ たものですが、小さいものは逆に難しいかもしれないわけですよね。それも含めて全部承 認してしまうということ。そうですよね。小さいものは難しいのではないですか。大きい ものだとたくさん照射できれば、当てる場所も広いし、症状もとりやすいし、その中に当 たりやすいから副作用も少ないのかもしれないという考えはなくていいのですか。 ○機構 もともと小さく焼くというのではなくて、ある筋腫の大きさのある割合を焼く、 外側からのマージンを設定して焼くということですので、ある程度の大きさがないと症候 性ではないわけなのですが、ある大きさのもののある割合を焼くことによって、症状の軽 減を図るという場合に、より広くの体積を治療した方がいいでしょうということで、余り 小さいものは治療のターゲットになりにくくて、ある程度の大きさのものの筋腫のどの割 合を治療するかということが、ガイドラインで拡大されていった経緯ということです。 ○正田委員 分かりました。きちんと訓練された状態でやるというのが条件であれば、と いうことになると思うのですけれども。 ○荒井部会長代理 私自身は、個人的には現場も見たことがありますし、知っているので すが、小さいのは実は問題がなくてという認識をしております。「でかだま」というので すが、大きいものを狙い始めますと、周りの腸管との距離がとれなくなってきて、このと きがいちばん危ないということです。これは大きな機械ですが、実際には照射を始める段 階の設定のところが完全に技術的なレベルでラーニングカーブがありますので、基本的に は私はこれの最終的な要件は賛成なのですが、最初のラーニングカーブが必ず国内でもあ ると思います。そこの一定期間のフォローというのは、相当きちんと要求しなくてはいけ ないと思います。 ○笠貫部会長 ただ今の件について、ほかにご意見ご質問はございませんでしょうか。 ○勝呂委員 講習を受ける、トレーニングを受けるというようにしか書いていないのです が、具体的にはどなたがこれを使用者にトレーニングするというものをある程度規定して おかなくては。業者がトレーニングするのですか。それとも、これをある程度専任に行っ ている学会指導でトレーニングをオブリゲーションにするのか、ということがよく分から なかったのです。これだと製造業者がトレーニングするというだけか、それでよろしいの かという印象だったのです。 ○機構 トレーニング、稽古についてはこの資料に添付されておりますが、ここに示され ているのは業者が行うステージで、最後にオンサイトトレーニングまでを含むということ になっております。 ○勝呂委員 それは大丈夫なのですか。例えばラーニングカーブがどのぐらい、何例必要 かというのは、私は分かりませんけれども、臨床家が病態を知って、なおかつ一定数が必 要なのを、単なる業者のクオリティというのはどこが担保しているのか分からないという 形で、よろしいのでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 トレーニングの計画については、責任は企業が持ってやってい ただくというか、製品自体の特性も踏まえて、どういう患者を選んで、どういう治療計画 を立てるかについては、基本的には企業に講習をやっていただくことになると思うので す。もちろん先生もおっしゃるように、現場の病態も含めて、よく御存じの先生の御協力 をいただきながら、実際にはやっていくことにはなるのだと思うのです。ただ、そこが学 会として御協力いただけるのかどうかについては、そのようには聞いておりませんので、 個別に企業が国内の専門家の協力を得て、講習をやっていくのだと思います。アメリカで も同様で、企業が中心となったトレーニングをやってきておりますので、その経験も踏ま えて、日本国内の専門の先生の御協力をいただきながら進めていくのだろうと思います。 トレーニングの内容については、もう一度、企業の方にもう少し詳細にヒアリングをして、 確認をしておきたいと思います。 ○笠貫部会長 先ほど背景の所で塞栓術の話も出ました。しかも最初にこの手技は、医療 技術は基本的にはQOLを改善するもので決して生命予後を目的にしてないということ になると、非常に適用は厳しくないといけないと思います。選択肢の中に、まだ日本では 塞栓術が入っていないということを患者側も知らないといけないかもしれません。急がな いものは待っていればいいかもしれません。そうすると、まだ治療技術がどんどん進歩し ている過程で、日本と海外とのある程度の差が出てくるのは仕方がないと思いますが、格 差が出てくるのは仕方がないと思いますが、その時点で治療ガイドラインも、研修を受け るというのも基本的には学会が関与していないと、業者が新しいものを入れることで、進 めるのは、リスクを伴わないかという御指摘が共通だと思うのです。それについて、新た に学会の関与をここで求めるということは、可能でしょうか。 ○医療機器審査管理室長 それはもちろん可能だと思いますので、学会とは話をしてみた いと思います。学会としての治療ガイドラインのようなものを作っていただけるのであれ ば、もちろんなおいいとは思います。 ○北村委員 こういう高度医療機器というのが、米国で開発されて比較的容易に導入して いただく事態になって、日本で治験なしで導入してくると、日本の医師たちで機械に慣れ ている人は極めて少数であるということですよね。しかし、アメリカでは開発にもちろん 医師が関与して出来上がっていますから、こういう研修を受けさせるときに、企業が米国 人を招いたりするのだと思いますが、やはりそれはどういうものなのかを明確にする必要 があると思うのですね。こういう高度の医療機器の研修をどうさせていくのかということ は、PMDAにとっても大きな問題であろうと思うのです。  おっしゃられたとおりで、認可はするけれども、よく分かった人にやってもらえという ことは書き上げてありますが、どのように教育していくかというのはいろいろな所で問題 があって、日本として、例えばこの機械のように米国製のものを導入して、それに習熟し た医師が大変少ない状況で、企業はどこまでの研修をさせる義務があるのかということで す。承認する以前にどういう研修をどこまで日本の医師にやらせますか?あるいは、もし かしたらそれはもう企業の範囲を超えているという問題であれば、PMDA等々が承認に 当たっては何らかの研修をやらせる学会とか、あるいは米国の医師を招請させる(金は企 業から出させたらいいと思いますが)そういう場所を提供するなどということは、やはり やっていく時代だろうと思うのですね。  いろいろなところでこの話が出ていて、例えば評価機構のようなところで、こういう高 度医療機器の研修システムを作れないか、あるいはPMDAの新たな事業として、そうい う研修を引き受けて、もちろん研修を受ける先生からはお金をもらったらいい。研修代を もらう、企業からも出してもらうという中で、少しは公費も注ぎ込んで医師を育てるとい うことの事業を考えてはどうかという話が、あちこちで出てくるのです。私も相談された ことがあるのですが、この機械は直接関係ありませんが、それはやはり考えて、先生が御 心配になられたように、承認の前にどれだけ研修を企業に義務付けるのか。その点は全く 話し合っていないけれども機械は承認しようというのは、医療側にとっては多少無責任か なという気は、誰もする時代に入っていると思うのです。そう思いました。回答は要りま せん。 ○笠貫部会長 今後の、大きな問題です。先ほども少し言いましたが、この機器の特徴は、 一つは生命ではなく、QOLの改善だということで、軽く考えてはいけない。逆に適用は 厳しくないといけないということです。もう一つは、高度な技術を要することで、先ほど のラーニングカーブがあったのは、大きな問題で、特に直視下ではなくて、焼くというこ とは侵襲があり、リスクも逆に高いということです。そのような高度な技術を伴うことと、 まだ患者サイドで治療の選択肢の中で、日本ではオプションのすべてを持っていないこ と。それが近い将来変わるかもしれません。具体的に、その背景から、適用から、技術か ら、この機器については学会が強く関与すべきではないかということで、是非この認可に 当たっては企業よりも学会主導の方に御検討いただけないか、と思います。そういうこと でよろしいでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 関係学会と御相談をさせていただきたいと思います。 ○笠貫部会長 そういうことで、よろしいでしょうか。それでは、この機器について、議 決に入りたいと思います。 ○石山委員 先生、よろしいですか。申請のやり方なのですが、実はこれは超音波ハイパ ーシステムの中には、現在申請中のMRIと一緒のシステムとしての機械なのですね。 ○医療機器審査管理室長 一緒というか、一緒に使います。 ○石山委員 システムの中には、MRI装置そのものが入っているわけですから。これは 個別ではないですね。 ○医療機器審査管理室長 一緒に使うのですが、一応、承認の対象としてはMRIはMR Iです。 ○石山委員 MRIはまだ申請中ではないのですか。 ○医療機器審査管理室長 それはもちろん同時に承認をすることになります。 ○石山委員 それがないと、このシステムは承認というわけにはいかないですね。 ○機構 本件に同時申請として指定された2機種のMR装置の承認申請が出ており、既に 審査終了しております。このExAblate専用に、2機種がここで審査終了だけしておりま す。 ○石山委員 してあるわけですね。分かりました。 ○機構 承認はまだです。 ○北村委員 二つ併せて販売させていいのですか。それはいけないのでしょう。二つの機 種を、これとこれは一緒に使ってもらわないとうまく動きませんという形で承認した場合 に、企業から言えば、それが二つ併せた形の販売になると。それは併せた二つを別々に承 認しながら、二つを併せて販売するという形はとってはいけないという商法があるのでは ないのですか。 ○医療機器審査管理室長 いえ、それはないと思いますが。 ○北村委員 構わないのですか。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○石山委員 これはジーイーの機械だけしか使えないのですね。それがちょっと気になり ます。 ○医療機器審査管理室長 そうですね。承認の中にも、今、同時申請中のジーイーの何々 と併せて使うということが。 ○石山委員 1.5と3.0TのMRIだけの機械でいいですね。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○機構 この機械との接続関係しか安全性を確認しておりませんという申請になってお りますので、ほかの機械はまだ。 ○石山委員 他のメーカーとは一緒に使えないわけですね。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○機構 確認がとれればまた、別です。 ○石山委員 先にMRIの申請がOKというのであれば、それは少し納得しますが、もし 申請がまだOKではないのに、こちらのシステム(装置)が先に通ってしまうと、少し問 題があると思ったものですけれども。 ○医療機器審査管理室長 それはないです。 ○笠貫部会長 この議決に入りたいと思います。本部会として、この審査報告にある条件 を付して、あるいは今日審議に出た条件を加味させていただいて、承認を与えて差し支え ないものとして、再審査期間は3年間として、生物由来製品及び特定生物由来製品への指 定は不要ということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないよう ですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分 科会に報告をすることにいたします。  続きまして、議題5医療機器「血球細胞除去用浄化器」を希少疾病用医療機器として指 定することの可否について、審議を行います。まずは、希少疾病医療機器に関する制度の 概要について、事務局の方から御説明をお願いします。 ○事務局 事務局より御説明申し上げます。参考資料5-1です。本制度ですが、希少疾病 に対する医療機器の開発を促進するための制度です。この制度ですが、指定された医療機 器に対しての開発の支援がなされるもので、本指定をもって承認をされるものではないと いうものです。参考資料5-1の「指定基準」をご覧ください。本制度の指定に当たり、三 つの指定基準があります。[1]として対象者数、本邦において5万人未満であること。[2]の 医療上の必要性、[3]の開発の可能性。この三つに該当するものであれば、希少疾病用医療 機器に指定してもいいのではないかというものです。指定されることにより、本制度の特 色として、2.の「制度の概要」の下の方ですが、助成金の交付、税制措置、試験研究に 関する指導等の支援措置が講じられるという制度です。以上です。 ○笠貫部会長 審議品目の概要について、事務局から御説明をお願いします。 ○事務局 資料5-1の「希少疾病用医療機器概要」を用いて説明申し上げます。名称が「血 球細胞除去用浄化器」、申請者名が株式会社JIMROです。本品目ですが、膿疱性乾癬患者 の臨床症状の改善目的とした医療機器です。対象疾患ですが、本邦における汎発型の膿疱 性乾癬患者数ですが、2,300人と推定されており、この点から先ほどの指定基準の5万人 未満を満たすというものです。  膿疱性の乾癬ですが、再燃と寛解を繰り返す原因不明の皮膚疾患で、難病指定をされて いるような疾患です。本治療法としては、薬物療法、外用薬の塗布、光線療法等が行われ ておりますが、治療の選択幅が少なくて、新たな開発が望まれているものです。本品目の 臨床試験では、既存治療法が効果を示さなかった膿疱性乾癬患者に対して臨床症状が改善 したということが報告されており、この内容からすると医療上の必要性はあるのではない かと考えております。  膿疱性乾癬ですが、末梢血単球のリポ多糖刺激による炎症性のサイトカインの産生能の 亢進や、血清中の炎症性サイトカインの濃度の上昇、又は血管内皮細胞上の接着分子発現 亢進が見られることが報告されております。本品ですが、体外循環により末梢血管中の顆 粒球や単球などを吸着除去する血球細胞除去用浄化器で、これによる白血球細胞の組織浸 潤の抑制や炎症性サイトカイン産生能の抑制が報告されております。このことから、膿疱 性乾癬に対する効果が示唆されているというものです。  なお、本品に関しては、既に「潰瘍性大腸炎の活動期における緩解促進のための顆粒球 吸着用白血球除去カラム」及び「栄養療法及び既存の薬物療法が無効又は適用できない、 大腸の病変に起因する明らかな臨床症状が残る中等症から重症の活動期クローン病患者 の緩解促進に使用する」という効能効果をとり、既に承認されているものを新たにその適 用追加したいというものです。この点から申しますと、開発の可能性は高いと考えており ます。以上、御審議のほどよろしくお願いします。 ○笠貫部会長 本医療機器について、委員の先生方から御質問等はありませんでしょう か。安全性については、もう既に確立されているということで、こういった特定疾患に対 して適用を拡大したいということですが、よろしいでしょうか。 ○勝呂委員 私もいろいろ調べてみたのですが、これは酢酸セルロースの技術ですよね。 それと同じようなのは、日本からもポリエステルの不織布で同じように顆粒球の吸着があ りますよね。これは効能的に、クローンとか、今までどちらも適用は同じですよね。そう すると、そういったのもここで又、オーファンに出てくることを前提に、どちらがどのぐ らい顆粒球の吸着率の効果があるのか。私はこのアダカラムというのは余り勉強しなかっ たのでよく分からないのですが、そのデータ等をお持ちで、例えばサイトカインの産生抑 制は、顆粒球を抑えてサイトカインを抑制したとしても、このデータからいくとほんの一 過性なのですよね。しかも、これは5回やってそれ以上効果がなかったときに、その後ど うするかということも、やはり非常に高いものなのですよね。大体5回やると100万円以 上かかってしまうのかな。だから、そういうところを憂えて、医療効果対というので、確 かに効かない人にはこれは一つの方法だと思うのですが、そういうところまで含めて検討 したのか。  今、欧米だとバイオロジクス、生物学製剤の適用というのを結構やってきていますよね。 ですから、同じコストをかけるならそちらの方は、1年間で100万から150万円の費用対 で、これは5回で同じぐらいの値段がかかるかというと、どちらがいいかちょっとよく分 からないところです。あとLキャップ療法との差というのを、もし誰かデータを持ってい たら教えていただきたいと思います。 ○機構 お答えいたします。今御質問の白血球除去療法ですが、御指摘のLキャップと本 品のGキャップ、又、数種ありますが、いずれも効能的には同等です。安全性も、ほぼ同 等です。医療費の面ですが、本品は1回14万、生物製剤、インフリキシマブが現在クロ ーン病に承認を受けておりますが、1回40万円。これは初期の段階で40万円の治療を3 回いたします。それで120万円かかっております。その後、持続療法を行うとすると、8 週間ごとに40万かかってまいります。また本品の適用は軽症ではなくて中等症以上の白 血球がかなり炎症性に惹起された状態において、白血球が除去されることで効能を発揮す るというように考えられております。ただ、この抗サイトカイン療法の効果についてはま だ議論中で、明らかな効果というものは確認されておりません。本品が承認を受けており ます、あるいは公に認められておりますのは炎症性に惹起された白血球、主に顆粒球です が、それを除去することにより抗炎症作用に効果があると考えられております。先ほどの Lキャップの方は、白血球を全般的に顆粒球も含めて、リンパ球も除去するようになって おり、Lキャップの方は血小板もかなり多量に除去しますので、その点が本品とはかなり 大きく異なります。 ○勝呂委員 きちんとした答えにはなってないけれど。大体、説明を聞いて私も分かりま したが、一つの治療法としてはこのアダカラムというのは認可、とは思います。ただ、や はり適用を明確にしておかないと。膿疱性の熱加乾癬ということを明確に書いておくべき であって、その適用拡大というのが、いずれ普通の乾癬まで適用させるのには少し問題か というように思って、その点だけを明確にしていただきたいと。それから、いずれ広がっ てしまうのですね。病名を付ければ広がることですから。 ○機構 お答えさせていただきますと、膿疱性乾癬と申しますのは、通常の乾癬とは全く 病態が異なっており、いわゆる尋常性乾癬などとは完全に異なる病態です。ですから、そ ういう尋常性乾癬にはこの適用は全くないと思います。 ○勝呂委員 全く病態は違うのですが、やはり乾癬という一つの広い範囲の中で治療され ているので、その病態を明確にしていただくことが必要だと。もう当然のことなのです。 ですが、今、一般の乾癬に対しては生物学製剤はたくさん使っているわけですし、臨床治 験が入って近々終わるはずですから、その辺のところを明確にしておくべきであある。 ○笠貫部会長 今回、膿疱性乾癬患者に限定してという案でどうか、ディバイスでどうか という御議論と御検討いただくことと、これからほかのものについても十分検討をされて いくことは、これからの在り方としてで結構だと思います。議決に入らせていただきたい と思うのですが、勝呂委員、よろしいでしょうか。 ○勝呂委員 これはこれで非常に有効ですから。 ○笠貫部会長 分かりました。それでは、この医療機器血球細胞除去用浄化器について、 本部会として希少疾病用医療機器として指定して差し支えないものとして、よろしいでし ょうか。御異議がないようですので、指定を可とします。この審議結果については、次回 の薬事分科会において報告することにいたします。  続きまして、議題6「新たに追加する医療機器の一般的名称に係るクラス分類及び特定 保守管理医療機器等の指定について」、事務局より御説明をお願いいたします。 ○事務局 事務局より御説明申し上げます。資料6-1及び参考資料6-1を御覧ください。 資料6-1ですが、本来、一般的名称は、品目の審議の際に合わせて創設させていただくも のです。ところが、今回こちらで御提出した2品目に関してですが、新規性はない医療機 器と判断されたのですが、現行のルールの中で一般的名称が存在していないもので、新た にこのものについて創設する必要があるのではないかということで、本日御提出しており ます。  品目ですが、「グルコースモニタシステム」と「血管狭窄部貫通用カテーテル」です。 資料6-1の4ページですが、まずグルコースモニタシステムの概要を御説明申し上げま す。本品目ですが、間質液中のグルコース濃度を連続的に記録するような装置で、センサ 部分、モニタ部分、接続ケーブル、この3種の構成となっております。このものについて は、皮下にセンサ部分を挿入して、それによりグルコース濃度を測定して、モニタ部分で 換算をして表示するという機器です。この物を高度管理医療機器、管理医療機器、又一般 医療機器で考えた場合には、副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び 健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要であるものと考 えられるため、高度管理医療機器として新たに設定したいと考えております。  特定保守管理医療機器の指定についてですが、保守点検、修理その他の管理を必要とす るものであると考えられることから、特定保守管理医療機器として指定したいと考えてお ります。生物由来製品又は特定生物由来製品の指定ですが、本品目はセンサ部分の内部に 膜があり、その膜の内側にアルブミンを微量塗布しております。そのようなことから、ヒ ト血清アルブミンを含有しておりますので、生体には直接接触はしないですが、主製分と して使用されるものでないため、生物由来製品及び特定生物由来製品として指定しないこ とと考えております。これらの検討結果を踏まえて、一般的名称をグルコースモニタシス テム、クラスをIII、特定保守管理には該当、生物由来製品又は特定生物由来製品は非該当 と考えております。  続きまして、血管の管貫通用カテーテルですが、7ページに外観が載っております。本 品目ですが、冠動脈及び頭蓋内の脳血管を除く動脈、静脈又はシャントの狭窄部にガイド ワイヤの通過が困難な患者に対して、経皮的血管形成術を実施する場合に用いるガイドワ イヤの通過部を確保するために使用するためのカテーテルです。先ほど来申し上げている 高度なのか、管理なのか、一般なのかというところですが、副作用又は機能の障害が生じ た場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、その適 切な管理の必要があると考えて、高度管理医療機器として新たに指定したいと考えており ます。  次に特定保守管理ですが、保守点検、修理その他の管理を必要とするものであるとは考 えられないため、特定保守管理医療機器としては指定しないことではどうかと考えており ます。生物由来又は特定生物由来の指定ですが、本品目に関しては原料又は材料としては 生物由来の物が使われていないことから、非該当と考えております。これら検討結果を踏 まえて、一般的名称を血管狭窄部貫通用カテーテル、クラス分類をIV、特定保守管理を非 該当、生物由来製品又は特定生物由来製品を非該当という形で設定したいと考えておりま す。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。委員の方々から、何か御意見・御質問はあります か。 ○石山委員 グルコースセンサは、このセンサ部はディスポなのですか。これは特定保守 管理非該当なのですか。 ○医療機器審査管理室長 特定保守は、モニタ部が機械ですので。 ○石山委員 ですから、これは非該当ですか。これは該当でしょう。非となっていますが。 私の資料は間違っていますね。ここに載っているのが非になっているのです。差し替えな のですね。 ○事務局 申し訳ございません。該当です。当日差し替えになっております。 ○石山委員 ついでにこの二つの、クラス分類ルールの中に置いてあるものですから、ど れを適用したかを説明していただけますか。 ○事務局 申し訳ございません。グルコースモニタの方ですが、参考資料6-1の8.「す べての植込み型機器および長期外科的侵襲型機器」という所のカテゴリーに該当するとこ ろとですね。 ○石山委員 違います。これは植込み型ですか。裏の分析機器になるのではないですか。 ○事務局 申し訳ございません。これは4ページの2の「分析機器のクラス分類のルール」 クラスIIIの所です。ここをとりまして、「誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及 び健康に重大な影響を与えるおそれがある検査項目を測定する分析機器」という所で見 て、クラスIII、すなわち高度管理医療機器ということでやっております。  管貫通用のカテーテルですが、2ページの6-[5]に該当するという判断で、クラスを設 定しているということです。 ○笠貫部会長 それでは、議決に入りたいと思います。本部会として、グルコースモニタ システムについては、高度管理用医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指 定し、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要とし、血管狭窄部貫通用カテー テルについては高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器への指定は不要と し、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要として、よろしいでしょうか。あ りがとうございます。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。 この審議結果については、次回の薬事分科会で報告することにいたします。  議題7の「部会報告品目について」入りたいと思います。事務局より御説明をお願いい たします。 ○事務局 説明いたします。資料7-1「医療機器・体外診断薬部会報告品目」です。本年 の1月1日〜4月30日までの4か月間で、承認された品目のうち、本部会への報告対象 となった品目について報告いたします。医療機器は14品目あります。体外診断用薬品に ついては承認品目はありません。なお、これらについては事前に資料7-1をお送りしてお りますので、詳細な説明は割愛させていただきます。以上です。 ○笠貫部会長 この報告品目について、御質問はありませんか。特にないようでしたら、 本議題はこれで終了とさせていただきます。  次に、議題8の「優先審査品目について」です。これについても、事務局から御説明を お願いいたします。 ○事務局 説明申し上げます。資料8-1「優先審査品目について(報告)」です。本品目で すが、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会において御検討いただい て、我が国において早期に導入すべき医療機器だという御判断をいただいた品目です。検 討結果の概略を若干説明させていただくと、5ページの【検討結果】の1)「有用性と早 期導入に関して」です。この内容からすると、やはりこの品目に関しては、難治性てんか んの患者にとって導入することに非常に有益なものであるという観点から、早期導入を進 めてほしいという結論に至りました。  これらの検討結果を踏まえて、申請企業は日本光電工業株式会社、販売名は迷走神経刺 激装置VNSシステム。この品目について、優先品目として指定して審査をしている状況 です。以上、御報告でした。 ○笠貫部会長 了解いたしました。この品目について、御質問はありますか。ほかに特に ありませんでしたら、この議題は終了といたします。これで本日の議題は終了しましたの で、事務局から何か連絡事項がありましたらお願いいたします。 ○事務局 1点あります。次回の部会については、事前に御連絡のとおり9月8日(火)、 時間は14時からということで開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。 連絡事項は以上です。 ○医療機器審査管理室長 以上で本日の部会を終了させていただきます。たくさんの議題 について御審議いただきまして、大変ありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先:医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 江原(内線 2912)      - 1 -