09/06/04 第14回社会保障審議会統計分科会議事録 第14回 社会保障審議会統計分科会 議事録 1 日  時  平成21年6月4日(木) 13:02〜14:50   2 場  所  厚生労働省17階専用第21会議室 3 出席者 (委員)          廣松分科会長、今田委員、西郷委員、土屋委員、          津谷委員、永瀬委員 (五十音順、敬称略)        (事務局)          高原統計情報部長、内野企画課長、柳澤統計企画調整室長、          野地審査解析室長、瀧村疾病傷害死因分類調査室長、          依田保健統計室長、篠原社会統計課長、          上田国民生活基礎調査室長 4 議  題   (1)平成22年国民生活基礎調査の調査計画案について   (2)WHO−FICインド会議報告について   (3)内科TAG検討状況について   (4)その他 5 議  事 ○内野企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第14回社会保障審議会 統計分科会を開会させていただきます。  委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうご ざいます。私は、統計情報部企画課長の内野でございます。よろしくお願いいたします。  次に、本日の出席状況でございますけれども、岩田委員、齋藤委員、大江委員、柏女委員、 そして中川委員が御欠席でございます。出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は 成立しておりますことを御報告申し上げます。  それでは、これからの進行を廣松分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いい たします。 ○廣松分科会長 委員の皆さん、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうご ざいます。  では、早速議事に入りたいと思いますが、本日の議題は、お手元の議事次第にございます とおり3つございまして、1つ目が平成22年国民生活基礎調査の調査計画案について、2 つ目がWHO−FICインド会議報告及び内科TAG検討状況について、それから、その他と いう形で進めたいと思います。  では、早速初めの議題でございます平成22年国民生活基礎調査の調査計画案について、 事務局から説明をお願いいたします。 ○上田国民生活基礎調査室長 国民生活基礎調査室長の上田でございます。私からは平成 22年国民生活基礎調査の調査計画案について御説明申し上げます。資料1−1〜1−6及 び参考資料1〜3までを適宜用いて御説明申し上げますので、どうかよろしくお願いいたし ます。  まず、資料1−1をご覧ください。「平成22年国民生活基礎調査の概要(案)」でござい ますけれども、私どもの調査の目的は、言うまでもなく厚生労働省の所掌事務に関して政策 の企画等に必要な基礎資料を得るということで、世帯面から保健、医療、福祉、年金、所得 などさまざまな属性を調査するということが1つあります。  もう一つは、厚生労働省では毎年幾つかの世帯調査が各部局によって行われておりますけ れども、その調査の調査客体を抽出するための標本を設定するという2つの目的によって私 どもの調査を行っております。  平成22年国民生活基礎調査は大規模調査に当たりまして、これは3年一度の大規模調査 ということになるわけでございますけれども、私ども大規模調査に当たって調査事項の見直 しを行ったり、あるいは調査内容の見直しを行ったりということをしております。調査方法 も見直しております。その際は、必ず統計委員会に諮問・答申をいただくわけでございます けれども、それに先だってこの場で御審議をいただくというものでございます。  調査の概要でございますが、調査対象といたしましては平成17年の国勢調査から無作為 で5,510地区を選び出して、そこにお住まいのすべての世帯と世帯員を調査客体として世帯 票と健康票という調査を実施いたします。介護票という調査票につきましては、この5,510 地区から更に無作為で2,500地区を抽出して、そこに在宅でお住まいの介護保険法上の要介 護者と要支援者を調査客体としております。更に所得票と貯蓄票という調査票につきまして は、5,510地区を細分いたしまして、およそ1万1,000の単位区といたしまして、そこから 無作為で2,000単位区を抽出して、そこにお住まいのすべての世帯と世帯員を調査客体とし て実施しております。来年6月3日に世帯票と健康票と介護票を調査し、7月15日に所得 票と貯蓄票を調査するという予定でございます。  調査票は世帯票につきましては、世帯の属性及び世帯員の属性、ご覧になっている事項を 情報として集める。健康票につきましては、心身の健康の状況でございますとか、健診の受 診状況について各世帯について情報を集める。介護票につきましては、介護が必要な方々の 属性あるいは居宅サービスの利用状況、あるいはコストがどれくらいかかったのかというよ うなことを介護票という調査票で集めます。所得票につきましては、各世帯について所得の 種類別金額や課税等の状況を調査いたします。貯蓄票につきましては、世帯の貯蓄総額現在 高及び借入金総額の残高を調査しております。  調査の方法でございますけれども、まず、準備調査ということで名簿づくりをいたします。 調査員が平成17年の国勢調査区要図に基づきまして、受け持ちの地区を巡回して地図と調 査世帯の名簿を作成いたします。その上で、調査員が調査票を世帯に配付し、世帯員の方々 が自ら御記入いただいて、後日、調査員が回収するという方法をとっております。なお、健 康票と貯蓄票については密封で回収し、所得票については密封でなければ提出しないという 方について、やむを得ず密封回収といたしております。  調査系統でございますけれども、この事務は厚生労働省から都道府県に委託しておりまし て、世帯票と健康票と介護票につきましては、保健所ルートで指導員・調査員を指揮監督し て調査を実施していただいております。所得票と貯蓄票につきましては、都道府県の福祉事 務所からの管理のもとで指導員・調査員が当たっているということでございます。  続きまして、調査体系を御説明申し上げますので、資料1−2をご覧ください。先ほど申 し上げましたとおり、私どもの調査を親標本として各部局がそれぞれの必要な情報を収集す るため、世帯調査を幾つか毎年実施しておりますけれども、その様子をご覧いただきたいわ けでございますが、繰り返しになるかもしれませんが、まず私どもの調査区というのは平成 17年の国勢調査による全地区、98万地区ございますけれども、この中から後置番号1、い わゆる一般調査区と後置番号8、50人以上の単身者が居住している寄宿舎・寮等のある区 域を抽出いたしますと約94万地区になります。その中から5,510地区を抽出して、名簿づ くりを行い、6月3日に世帯票と健康票と介護票を実施するということになっております。  7月15日には所得票と貯蓄票を実施し、これが私どもの本体調査として、その他6月に は国立社会保障・人口問題研究所が出生動向基本調査を行い、7月15日、私どもの調査と 同日で社会保障制度企画調査を政策統括官が実施し、生活実態に関する調査を社会・援護局 保護課が実施する。更に、10月には社会保険庁が公的年金加入状況等調査を行って、11月 には毎年行っている国民健康・栄養調査が行われるというふうにして平成22年度は私ども の調査を中心にして厚生労働省の世帯調査がこのように行われますという構造となってお ります。  続いて、資料1−3をご覧ください。今回の平成22年国民生活基礎調査の改正内容案に ついて御説明申し上げます。  まず、第1に調査方法を変更いたしております。所得票は、現在は面接他計方式をとって おります。つまり、調査員が世帯を訪問して、世帯員の方々と対面して所得は幾らあったん ですかとか、あるいは住民税は幾らあったんですかということを聞き取って、調査員が調査 票を作成するという方式だったわけでございますけれども、これまで統計審議会等で今日の ように個人情報に関するガードがかなりきつくなっているような状況では、いわば財布の中 身を全部さらけ出すような調査というのは、なかなか対面ではやりにくいのではないか。  一方で、当然回収率の低下ということがございまして、昭和61年から今のような形で調 査を行っておりますが、その当時では85%を超える回収率があったわけでございますけれ ども、最近では7割を切るかというところまで回収率が低下しております。この点につきま しては財務省からもこういうふうに回収率が低下するというのは、要するにかけたコストに 無駄が生じているので、回収率向上のためにやはり自計化というのは必要なのではないかと いうような意見も併せて頂戴しているということもあって、これは長く懸案として私どもも 何回か試験的な調査をやってきたところでございますけれども、昨年、試験調査をきちんと 実施いたしまして、調査員による関与を残した上での自計化ということであれば、何とか自 計化できるのではないかという結論に達しましたので、そういうことで自計方式へ変更する ということでございます。  試験調査の内容を御説明申し上げたいのですが、参考資料2をご覧いただきたいと思いま す。「平成20年国民生活基礎調査試験調査(所得票自計化)の結果概要」というものでご ざいます。  調査の対象及び客体は、平成20年国民生活基礎調査、当時指定統計調査でございました けれども、それが実施された調査区から25地区を選びまして1,250世帯、3,750人の世帯 員の方々を対象にして実施したものでございます。  実施方法でございますが、調査員の方々がどのように働いておられるかとか、あるいは新 しい調査票が有効であるかどうかということをきちんと確認するために、回収時に調査員の 方々に赤ペンを入れていただきました。きちんと聞き取りを行って合っている、合っていな い、間違っているとか、ここは本当は記入しなければいけないんだけれども何で記入してい ないでしょうかね。とか、参考書類がありませんとか、そういう面談をやりながら調査員が チェックして記入状況をすべて数字化した。併せてアンケート等もとったということで実施 いたしました。  その調査の結果でございますけれども、基本的に調査員による審査・補完が必要ですねと いうこととなりました。この試験調査の結果を出すに当たっては、有識者の先生方にお集ま りいただいて2回懇談会を開催いたしまして、そこには試験調査を実施した都道府県等から も出席してもらいまして、都道府県の意見も聞きながら、あるいは先生方の意見も聞いた上 で、こういう結論に至ったわけでございますが、やはり調査員の審査・補完は必要である。 世帯調査の特性として、あらゆる年齢層あるいはいろいろな方々が世帯員としていらっしゃ るわけですから、一律に自計化するということには結局至らない。 (1)高齢者への積極的な関与とございますけれども、まず調査票をお渡しして書いていただ けますかといったときに、何らかの介助要請があった世帯は全体の6分の1あり、そのうち 記入の仕方を教えてくれとおっしゃった方が94%ぐらいいらっしゃったわけです。ちょっ と文字が書きづらいんだけれどもとか、あるいは、文字が読めないとおっしゃった方がそれ ぞれ20%ぐらいいらっしゃった。これを年齢階級別に見ると男女とも60歳以上の方々でそ うおっしゃる方が多かったということがございますので、やはり高齢者の方々へはこちらか ら積極的に関与しなければならない。調査票をお渡ししただけで、その後、回収に来ました では、高齢者の方々からの介助要請が高いわけでございますから、やはりこちらからも積極 的に関与する必要があるであろうと考えております。  一方、調査事項で積極的な審査・補完が必要なものは何かということで調べたわけでござ いますが、未記入・誤記入が高いというものは何かということで調べたのでございますが、 社会保険料支払額で未記入率が17.8%ございました。要するに、調査員が関与しなければ 2割近い事項が未記入のまま出されてしまうということでございます。世帯のアンケート結 果でも社会保険料の支払いについては6割くらいの方々が記入が難しいとおっしゃってい ますので、こういう未記入率が高い項目もそのままスルーで回収してしまったのでは精度が 落ちてしまいますので、こういう項目についても調査員の方々に、この項目は書くのは難し いですけれども書けましたかというように、積極的に関与していただく必要があるのではな いかと思っております。  参考までに回収率を掲げておりますけれども、この試験調査の回収率が82.3%でござい ました。平成19年調査、これは大規模年の要するに指定統計調査ですけれども、これが 67.7%でございました。それに比べると試験調査、当時の承認統計調査でございますが、非 常に高い割合であったということでございます。  調査員の補完状況でございますが、補完前には未記入が約10%近くあったものが、調査 員さんの働きで5%ぐらいにまで落としていただいた。誤って記入されたものが3.2%あっ て、それを全部修正していただけたというようなことから、結論といたしましては平成22 年調査からは調査員の関与を残した自計方式といたしたいという結論に至ったものでござ います。  資料1−3へお戻りください。試験調査の結果を踏まえて調査員による関与を残すという ことになったわけでございますけれども、参考までにそこに掲げたとおり、世帯票から貯蓄 票まで5つの調査票がすべて自計方式になった。所得票は調査員の関与はかなり残すという ことになりますけれども、こういうふうに自計化されてしまいますと、次は郵送化はどうす るんだとか、オンライン化はどうするんだという課題が当然出てくるわけでございます。実 は、この試験調査において郵送のテストも行ったわけでございます。郵送のテストを行った ところでは4〜5%ぐらい回収率を向上させるという結果が出たわけでございますけれど も、しかしながら未記入率が約3割ございました。未記入率が約3割あり、それで郵送で調 査員さんの審査をパスしてきてしまうと使い物にならないということで、この郵送のやり方 についてはもうちょっと工夫をしたいということがございます。  オンライン化につきましても、5つの調査票をオンライン化するというのはなかなか困難 なものがあると思っておりまして、幸い平成22年に国勢調査が一部の地区でオンラインを 行ってみるということがあるようでございますので、それらを参考にしながら5つの調査票 がオンライン化に馴染むか馴染まないかとか、あるいは中間年だけ行うか行わないか、そう いうことも併せてオンライン化と郵送化については今後の検討課題としております。  ちょっと横道に逸れましたけれども、調査事項の見直しでございますが、これまで統計審 議会等での指摘事項が幾つかございまして、それは今回、学歴を世帯票に追加するとか、あ るいは同居していない者の人数を世帯票に追加する、あるいは児童手当等を所得票に追加す るということで新しい項目を追加することといたしました。  また、政策ニーズということで、いわゆるメタボの健診が始まったということもございま すので、健診後の保健指導の状況を健康票に追加しております。それから、子宮がん、乳が んの過去2年間の受診状況を健康票に追加しております。  それから、制度等が変わったので必然的に変えざるを得なかった事項が幾つかございます。 例えば、協会けんぽが発足したとか、あるいは後期高齢者医療制度が始まった、いわゆる長 寿医療制度が始まったということで名称変更をしたものとか、あるいは職業を選んでいただ く選択項目、日本標準職業分類というものを使っておりますけれども、今は第5回の改訂の 最中ということでございますので、それを使う予定である、あるいは介護保険法が変わって、 経過期間が終了したので、その経過期間だけ有効であった選択肢を外した、あるいはこの4 月から所得段階区分が変更されたので、これは変えざるを得なかったというような変更でご ざいます。  それから、記入者負担軽減の観点から削除した事項でございますけれども、まず、一日の 平均片道通勤時間というものを削除いたしました。これは過去16年と19年の2回とった わけでございますので、特に変化もないということで削除した。  それから、別居している子の人数をとったわけでございますけれども、家族形態が複雑化 する中で、別居している子の人数をとることの意味がなかなか見出せないということもあり、 また、同居していない者の人数をとることにしたので、別居している子の人数は削除したと いうことがございます。  それから、所得票で世帯区分、単身世帯かどうかという情報をとっていたわけでございま すけれども、これについては世帯票からとることができるので、二重にとる必要はないので 所得票からは落としたというものでございます。  続いて、新旧対照表によって細かくどういうふうに変わりましたということを御説明申し 上げたいので、資料1−5をお出しいただけますでしょうか。  まず、新旧対照表の一番上でございますけれども、世帯票でございます。世−1の質問1 から世−2の質問5まででございますが、これは世帯に関する情報をA4の裏表でとるもの でございますが、ここにつきましては平成19年の欄をご覧いただきますとわかりますよう に、質問1、世帯員数、質問2、同居していない方の状況など質問のタイトルが掲げられて いたわけですけれども、これは一律落としました。  まず、質問1でございますが、記入対象がわかりやすいように、平成19年版では「世帯 員数が1人(単独世帯)である場合は」とあるのを「1人(単独世帯)の場合は」と直しま した。併せてこれを枠外に出しました。  それから、補問1−1では事項ごとに枠を分割いたしております。  質問2でございますけれども、先ほど調査事項の見直しというところで御説明したとおり、 同居していない方の状況を1〜6の選択のみとしておりましたが、今回はそれぞれの人数も あわせて把握することといたしました。また、それぞれに該当する方はこの調査の世帯員と はならないという注意書きも付け加えております。  続いて、世−2です。住居の状況でございますけれども、記入者がわかりやすいように事 項ごとに枠を2つ、右と左に住居の種類と建て方ということで分けたというものでございま す。  質問4でございますけれども、これも事項ごとに枠を間仕切りのようなものを入れて室数 と床面積を分けて、床面積の換算は枠外に出したというものでございます。  質問5でございますけれども、5月中の家計支出総額を記入してくださいという質問文を きちんとしたということと、それから、どの費用を家計支出に含めないのかということにつ いては枠外に出したということでございます。  世−3でございますけれども、補問5−1でございますが、育児にかかった費用というこ とでございますが、これは育児にかかった費用の注意書きを枠外に記載して、育児にかかっ た「金額」というものを「費用」という言葉に直した。更に、その費用の中に含まれる習い 事の費用も表示したということでございます。  補問5−2でございますけれども、平成19年版では「別居している親へ」とか「別居し ている子へ」と書かれてあったのでございますが、それを別居している親がいる場合、仕送 りありなしか、別居している子がいる場合、仕送りありなしかと直しました。それで枠を事 項ごとに分割いたしました。  それから、「あてはまる番号すべて」という言い方は「あてはまるすべての番号」という 言い方に変えておりますが、この言い方の変更はこの後すべてに当てはまります。  世−4でございますけれども、II質問1は世帯員の状況を把握する項目でございますけれ ども、最多所得者の項目でございますが、世帯員番号というタイトルをそれぞれの世帯員番 号欄に設けました。その世帯員番号欄で所得が最も多かった方「1名」という文言を入れて、 要するに2名、3名に○をしてくる方がいらっしゃいますので、1名だけ○をつけてくださ いということがわかるようにしました。  質問2と質問5でございますが、同じ趣旨でございますけれども、配偶者の説明で配偶者 については届出の云々に関係しない旨の説明を書き加えております。  世−5でございますけれども、医療保険の加入状況でございますが、これは制度が変わっ たので「協会けんぽ」と変えましたということと、長寿医療制度というふうに新しく追加さ れた制度を書き加えました。  続いて、公的年金・恩給の受給状況でございますけれども、なお書きのところで障害年金・ 遺族年金だけだったものを、他に寡婦年金等もあることから「遺族年金なども含めて」とい うことで「など」を追加したものでございます。  世−6でございますが、II質問8の「番号すべて」という言い方を「すべての番号」と統 一的に言い直しました。  質問9でございますが、ここで15歳未満の者は質問終了であることを明示的に書き加え ております。  補問9−1でございますが「最もあてはまるもの1つ」という言い方を「最もあてはまる 状況の番号1つ」ということで丁寧に書き直しております。  世−7でございますけれども、II補問9の2です。平成19年版では現在の自立状況になっ てからと言われているんですが、この自立状況というのは補問9−1で答えていただいた自 立状況をもって言うわけでございますので、それがわかるように補問9−1で答えたという 言葉を追加しております。  II補問9−3でございますけれども、40歳以上の方のみお答えくださいとなっておりま すが、この質問だけがということで後の質問には及びませんということで、「この質問は40 歳以上の方のみお答えください」と書き換えております。  補問9−4でございますけれども、誰の同別居であるのかわかりやすいように選択肢の上 に「主に手助けや見守りをしている方は」という言葉を入れて同居している場合は世帯員番 号に矢印で誘導したというものでございます。  世−8でございますけれども、誰から見た続柄であるのかがわかりやすいように、手助け や見守りが必要な方、御本人から見た続柄をお答えくださいという文言を追加しております。  II補問9−6でございますけれども、誰の性であるのかわかるよう「手助けや見守りをし ている方の性」と丁寧に書いております。  II質問10が、先ほど申し上げましたように新しく追加した項目、教育でございます。  II質問11でございますけれども、加入していない場合の言い方として「すでに老齢(退 職)年金」という言い方があいまいなので「すでに老齢年金または退職年金」と改めました。 それから、公的年金に加入している場合は1〜3の中から選択してくださいという意味で矢 印を付け加えています。  世−9でございますけれども、5月中の仕事の状況で全く仕事をしなかった場合はどうな るのかという説明を加えております。  それから、仕事ありと仕事なしだけに○をつけておしまいというケースがまま見られます ので、その場合はここから選ぶということを明示するために矢印を追加しております。  1週間の就業日数でございますけれども、複数の仕事をした場合は「それらを含め」とい う言い方であったのを「すべての合計」と変えております。  更に、一日平均の片道通勤時間は削除いたしました。  II質問16でございますけれども、仕事の内容を職業分類から選んでもらうところを日本 標準職業分類の改訂に併せて項目を変更する予定でございます。  また、II質問17の説明文の追加に伴い「主な仕事について、お答えください」という言 い方で統一的にしております。  世−10でございますけれども、今と同様「主な仕事について、お答えください」という 言い方で質問をしております。  それから「5、6、7と答えた方は」という部分を吹き出しにしております。  補問18−1でございますけれども、どのような形で仕事をしたいと思うかについては、 現在仕事を探していない方でもここは選択していただくということを丁寧に付け加えてお ります。  補問18−4については「あてはまる番号すべて」を「あてはまるすべての番号」と言い 換えました。  最後は、別居している子の人数でございますけれども、これは削除しております。ただし、 別居している子の有無と彼または彼女がどこに住んでいるかについては引き続き情報とし て把握する予定でございます。  続いて、健康票の新旧対照表で御説明申し上げたいと思います。まず、質問1でございま すが、記入者の性と出生年月でございますが、今まで質問1が落ちており、なかなかわかり づらかったということもありましたので、これはきちんとした質問ですよということで質問 1という番号をつけて、年月に枠を設けて記入しやすさを確保したということです。  質問2でございますけれども、調査時点が明確になるよう「現在」という文言を付け加え ております。  補問3−1と補問4−1でございますが、ICD分類準拠に伴って選択肢をくくる「尿路 性器系」という用語を「尿路生殖器系」という用語に変えております。  健−2でございますが、病気の予防のために支払った費用の範囲を明確にするために記載 対象をきちんと明確にいたしました。人間ドックや健診の受診、それから、新たに付け加わっ たこととして保健指導、予防接種、これで病気の予防であるということ。従前は「病気の予 防等」と若干あいまいなところがございましたけれども、「病気の予防で」と明確にいたし ました。更に保健指導等は医療機関だけで実施されるものではございませんので「医療機関 等に支払った」と言い換えをしております。  続いて、健診を受ける場でございますけれども、従前、市区町村で行う健診、職場におけ る健診、学校における健診ということでございましたが、市区町村が実施した、勤め先、又 は健保組合等が実施した、学校が実施したと実施主体を明示しております。併せて「直近」 という用語を「最後に」というふうにできるだけ一般的な用語にしております。  健−3でございますけれども、ここは一番大きく変わったところでございますが、今まで は健診等の結果、何らかの指導を受けて最終的に病院に行って受診したことがきっかけで自 分の健康管理に注意を払うようになったかという質問だったわけでございますが、メタボ指 導、生活習慣に関する保健指導というものが始まって、それへの参加状況あるいは健康管理 の意識への影響を把握するという必要性が出てまいりましたので、それに関する質問を追加 いたしました。それが補問12−3でございまして、健診等の結果が出た生活習慣の改善に 関して専門家のアドバイス・研修を受けるように勧められたの「はい」に対しては、その後 保健指導を受けたかという質問を追加いたしました。  更に、健康管理意識への影響を見るために、補問12−4で従前は「健診等」ということ だけであったのに「保健指導」を加えて「健診等や保健指導を受けたことを、きっかけに自 分の健康管理に注意を払うようになりましたか」ということといたしました。  これまで平成19年では医療機関を受診するようにということが2番目に来ていたのです けれども、こういう流れをつくりましたので、医療機関を受診するように勧められたかにつ いては、最終的にということで最後の補問12−5に持ってきております。  続いて、健−4です。がん検診でございますが、平成19年版をご覧いただきますとわか りますように、胃がん検診から大腸がん検診まで具体的ながんについての検診が挙がってい て、6として1〜5は受けていないということだったわけでございますけれども、PET等 新たな検診の受診状況を把握するということで、6のその他を設けました。受けた検診が胃 がん検診に当たるのか、子宮がん検診に当たるのかわからない場合もあるということで、そ れぞれの例示、胃カメラ、ファイバースコープであるとか、子宮の細胞診検査とかマンモグ ラフィという例示をそこに増やしたということでございます。  補問13−1が新たに追加した項目でございまして、子宮がん検診と乳がん検診は市町村 においては2年に1回行うこととされておりますので、これは2年間での検診の受診状況を 調べるということで、補問13−1を新たに設けました。  ここには書いていないのでございますけれども、現行の調査票ではページ数が4ページで ございます。それを実は7ページに増やしております。それはお手元にはないのでございま すが、ここでご覧いただいてもよくおわかりいただけないかもしれないですけれども、かな り密に文字が書かれておりまして、特にお年寄りの方々が見づらいということがありまして、 お年寄りの方々の未記入率がだんだん高くなってきているという状況がありますので、まず 調査票をご覧いただきますとわかりますように、ゆったりとした余裕があって、何となくゆ とりのあるような調査票をつくったということが1つあります。更に、よく見るとある漢字 にはふりがなが振ってあるわけですけれども、これもお年寄りにとっては目がちらつくとい うこともあって、お子さんが読める読めないとお年寄りが見やすいのとどちらをどうしま しょうということはいろいろ考えたのですが、お年寄りの記入状況が悪くなっているという ことも踏まえて、ふりがなは落としました。それで、全体としてゆったりとした見やすい調 査票づくりを心がけたということが、この新旧対照表にはない事項でございますが、このよ うな扱いといたしましたということを御報告いたします。  続いて、介護票の新旧対照表をご覧ください。介護票につきまして、まず質問1でござい ますが、「あてはまる番号に」とあるのを「1つに」と付け加えて、複数○をつけることを 防いだということでございます。  質問2も同様に「あてはまる番号1つに」として、それから、年月の記入箇所がわかりや すいように枠をきちんと設けました。  質問3でございますけれども、やはり「あてはまる番号1つに○をつけてください」とい うことと、平成18年4月の介護保険法改正に伴いまして、平成19年では欄の一番左端に ありますように経過的要介護あるいは経過的要介護(要支援)という選択肢が必要だったわ けでございますが、その経過期間が終了いたしましたので、これはもう選択する必要がない ので、その選択肢を落としたというものでございます。  続いて、介−2です。これは複数回答で番号に○をつけた中で主なものを1つ選んでいた だくわけですけれども、主な原因欄が若干わかりにくいので、それを特に取り出してわかり やすく記入しやすいように工夫をいたしました。  介−3でございますが、これは5月中に利用した居宅サービスでございます。「番号すべ て」という言い方を「すべての番号」と変えたことと、一日に複数回配食サービスや訪問系 サービスを利用した場合、どのようにカウントするのかということを注意書きできちんと書 きました。  それから、それぞれのサービスのところに例示的に訪問介護等といろいろ書いてあったわ けでございますが、少々紛らわしいということもあって、それを括弧でくくって、4番の小 規模多機能型居宅介護については例示をきちんと入れ、変更を加えております。  それから、介−4はご覧いただいたとおり選択肢が見やすいように罫線を削除しておりま す。  介−5でございますけれども、注意書きのところで「介護時間の程度が」とあるのを「介 護の頻度が」ということで、より正しい記述にしたということでございます。  質問8(1)でございますが、人数を記入しなさいと明示的に指示をいたしました。それか ら、その人数を記入する枠をきちんと設けました。  質問8(2)でございますが、「最も長い方の状況を記入してください」と指示していたわ けですけれども、その指示は以下の(2)〜(6)全体にかかっているんですよということがわ かるように「以下の(2)〜(6)にお答えください」としました。そして、あてはまる番号1 つを選んでくださいとしました。  それから、「同居している」と「同居していない」という文言でございますけれども、平 成19年版では「別居している」という文言を使っておりましたが、世帯票の表現と併せて 「同居していない」と変えております。  介−6でございますが、質問8(5)につきましては、続柄を聞いているわけですが、誰か ら見た続柄かよくわからないので「介護が必要な方(本人)から見た続柄」と書き換えてお ります。  質問9については、質問文をかなり改めておりまして「次のような介護を受けていますか、 また、どなたから受けていますか」と、よりわかりやすい内容にしております。  更に、下の書き方も「受けている介護内容のすべての番号に○をつけ、それぞれの介護に ついてどなたから受けているかあてはまるすべての番号に」としております。  それから、用語として「体を拭う」を「体をふく」と若干書き改めております。  介−7でございますが、5月中に事業者に支払った居宅サービスの自己負担額でございま すけれども、書き方は右詰にしてくださいということを明示しております。それから、記入 欄に単位を設けて書きやすくしております。  質問11が、制度の変更に伴って変えざるを得なかったところでございまして、平成19 年版では1〜6の非常にシンプルな選択肢であったわけでございますけれども、この4月か ら第4期の介護保険事業計画で介護保険料の所得段階区分が変更されましたので、左にあり ますような項目に変えております。これは制度が変わったので、こう変えざるを得ませんで したというものでございます。  質問12は、文言として「あてはまる番号すべて」を「あてはまるすべての番号に」に書 き換えたものでございます。  介護票につきましては以上でございます。  続いて、所得票でございますけれども、これは実際に自計化をしたときに申し上げました が、新しい調査票をつくりましたので、これは調査票をぜひご覧いただきたいと思います。 調査票のくくりの中にございますけれども、所得票という冊子形式の調査票がございます。 もう一つは参考資料3をご覧いただきたいのですが、現行の所得票でございます。新旧を見 るより、これでご覧いただいた方が一目瞭然かと思います。  参考資料3はご覧いただきましたとおり1枚で、4人の方について所得等を書いていただ けるわけでございますが、新しい冊子形式のものは1人で1冊を使って記入してもらうとい うものでございます。最初の冊子形式の1ページ目に質問1、性・出生年月を書いていただ き、1枚おめくりいただきますと左側に質問2がある。現行の所得票の雇用者所得から財産 所得までがそこにはめ込まれていて、右側に参考書類が書かれています。用語の説明も書か れていて、この参考書類のこの部分をここに記入してくださいという指示がされています。 念のために申し上げておきますと、これは現在つくった時点での参考書類でございますので、 印刷段階では最新のものに差し替えます。様式の変更は若干あるかもしれませんので、これ はあくまで現段階の参考書類ということで御了解いただきたいと思います。  右側の参考書類を見ながら左側に数字を埋めていっていただくということになっていま す。  なお、ご覧いただきましたとおり、金額の記入欄が従前1,000万円単位までしかございま せんでしたが、億単位まで書けるようにいたしました。  もう1ページ開いていただきますと、公的年金・恩給からその他の所得までがある。その 他3番目の児童手当が新たに追加した事項でございます。  右側には年金振込通知書と雇用保険の受給資格者証があり、それぞれの記入先はここです ということが指示してあるというものです。ここのところは金額は4桁のままで、従前と同 じです。これはデータを取ってみると、とても5桁は超えないなという状況でございますの で、ここは4桁のままにしております。  続いて、6ページには平成21年分の所得税があります。右側には参考書類があり、給与 所得者の方の場合、公的年金の方、確定申告を行った方、それぞれの書類を見てここに書い てくださいという指示をしております。ここは、桁数を1けた増やしています。  住民税が8ページにございます。これも桁数を1つ増やしております。参考書類が右側に 書いてあり、この部分の金額をここに写し書いてくださいという御指示を申し上げました。  続いて、10ページが最初に試験調査のところで申し上げましたけれども、社会保険料で ございます。一番記入が難しいところでございます。試験調査は右側の記入の仕方に1ペー ジしか左側の説明を付け加えておらず、未記入率が17.8%あったわけでございますので、 これはもう少し工夫しなければいけないということで、11ページと12ページと13ページ、 要するに試験調査より3倍説明書きを増やしました。より丁寧につくり込んだつもりです。 参考書類も豊富に掲げて、総額はこういうふうにつくってください。しかも、給与所得者の 場合はこういうふうにしてください、給与所得者以外の方はこういうふうにしてくださいと、 なかなか説明自体が煩雑なんですけれども、ここまで御指示申し上げないときちんと書いて いただけない。なおかつ、試験調査のところで申し上げましたように、ここのところは調査 員さんがきちんとフォローしていただくと。書けましたか、書類はありましたか、数字は大 丈夫ですかということできちんとフォローしていただくということで、これだけの説明があ り、なおかつ調査員の方々にフォローしていただいて、このページが書けると考えています。  続いて、14ページには固定資産税と企業年金、個人年金がございます。  最後15ページには、世帯主または世帯を代表する方に生活意識を聞いているというもの でございます。  これは現行の調査票からこういうふうな新しい冊子形式の調査票に変わりましたという ものでございます。新旧対照表よりも現物で御説明させていただきました。  それから、貯蓄票でございます。新旧対照表をご覧いただきたいのでございますけれども、 ここは大きな変更はございません。より記入を手助けできるように説明を加えたというもの でございます。質問1でございますが、貯蓄がある場合は(1)から(4)の合計貯蓄現在高を 記入してくださいと明示しました。中の項目で制度等が変わったため、例えば郵便局からゆ うちょ銀行に変更したなど、かんぽ生命の発足に伴って郵便局の保険商品等々を削除してお ります。それから、合計貯蓄現在高をここに書いてくださいということを明記して、しかも、 金額の記入欄に単位を設けております。  質問2でも、貯蓄が減った場合は減少額、減少理由を記入してくださいということを明記 しています。減少額と文字も大きくして単位を記入しております。4桁から5桁に増やして います。  質問3も、借入金がある場合は合計借入金残高を記入してくださいということで、合計借 入金残高と明示して、そこに記入欄を設けて単位を出しております。  以上が、調査票の説明になります。最後に、前回平成19年大規模調査時に統計審議会に 諮問を申し上げたときに、その答申において幾つかの指摘事項、課題をいただいております ので、それにどのように対応したかということを最後に御説明申し上げたいと思います。  参考資料1をご覧ください。タイトルが「平成22年国民生活基礎調査の課題と対応」と なっておりますけれども、内容は先ほど申し上げましたように、平成19年度大規模調査の 諮問に対する答申でございます。  指摘事項、今後の課題として(1)調査の円滑な実施の確保ということで、所得票の自計申 告方式化が書かれております。自計申告方式に変更することについては、プライバシー意識 の高まり等統計調査をめぐる環境が厳しくなっているので、自計化をして報告者や調査員の 負担を軽減したらどうかということでございました。これは何度か御説明申し上げましたと おり、平成20年に試験調査を実施いたしました。その結果、記入困難な世帯等に対しては 調査員がきちんと関与するということで、従来と同様の記入状況が得られたので、平成22 年から調査員の関与を残した自計方式に変更することといたしました。  続いて、調査協力の確保でございます。国民生活基礎調査は一番最初に申し上げましたと おり、厚生労働省内の他部局で行う世帯調査の親標本の働きもなすわけでございますので、 それぞれの調査から私どもが作成したいろいろな情報もリンケージして使えるということ になるわけでございますけれども、私どもの調査がうまくいかないと後続調査の結果精度に 影響を与えるということで、きちんと広報を確保して回収率、結果精度の維持向上を図りな さいという御指摘でございましたけれども、広報はこれまでもやってきたわけでございます が、私どものような抽出調査で放送を使うというものは空振りの調査区が多く、財務省にも はっきりいってお金を認めてもらえないということがあります。それでも新聞に突き出しを 出したり、ラジオ放送に出したり、ホームページに出したりといろいろなことをやってきて おります。  ただ、再三申し上げましたように、回収率の低下については回復基調になかなか乗せるこ とができないということがございます。調査員の方々からの要望が多かった事項として、い きなり調査員さんが世帯を訪問しても、国民生活基礎調査って何ですかといきなり問われて しまう。いきなり来られてもわけがわからないよと言われてしまうということがございまし たので、平成21年度調査から世帯に対して調査員が訪問することを事前に知っていただく ようなお知らせの文書を配布することにしました。また、集合住宅などの管理人に対しては、 建物内に入れるようにお願いしたい。要は、管理組合の規則のようなものを盾にして、マン ションに立ち入ってはいけないということをおっしゃるケースが多いわけですけれども、そ れは違うと、だめなんですということで、協力依頼の文書も出すということを行いました。  平成22年調査以降も同様の方策を講じていきたい。更に、他の方策があるかどうかとい うことも検討していますということを対応として掲げております。  2ページですが、母集団の推定方法ということで、私どもの調査では都道府県別の推計人 口を使って比推定で母集団を推定する方法をとっております。例えば、国勢調査と世帯構造、 世帯類型あるいは単身世帯の世帯数などいろいろ比較しますと、若干乖離があるということ で、より適当な推定を行う観点から、ほかの標本調査でとられている推計方法との比較を行 う等して研究してみてはどうかという御指摘をいただきました。  私どもの推計方法は、調査開始時より都道府県別の推計人口に基づいて世帯人員数を補助 変数として比推定を行っています。当然、標本調査に伴う標準誤差も併せて表章して、精度 検証は行っております。ただ当然、回収率が低下して、年齢、世帯人員、世帯構造等におい て回収率の偏りから非標本誤差が大きくなっているということがございます。推計方法を工 夫して非標本誤差を少なくできないかということがございますけれども、まず、非標本誤差 の定量的評価をとってやってみようということで、住民基本台帳を使ったわけでございます。 ただし、そこにお住まいでも住基の登録をやっていない方もいらっしゃいますし、住基を市 区町村に行って閲覧するんですけれども、住基が世帯ごとになっていない。また同じ世帯で もバラバラに台帳が分かれているので、調査員の苦労は並大抵ではないと。更に、市区町村 もガードが堅くなって、総務大臣の印こがなければ見せられないということまで言われまし て、これはちょっと難しいということで、住基の閲覧というのはあきらめました。2回か3 回行ったと思いますが、あきらめざるを得ませんでした。  また、隣近所に聞いて、隣はどんな方がお住まいですか、単身ですか、それとも2人以上 世帯ですか、あるいは年齢層は20歳ぐらいですか、40歳ぐらいですか、60歳ぐらいです か、こういう情報を集めようとしました。けれども、古くからの集落などですと、隣におば あさんが1人で住んでいるんだけれども今入院していますなど、すぐ解かるのですが、新し くできたマンションなどでは隣が何をしていようが、誰が入っているか一切わからないとい うことで、とても解かりませんよというお答えがやはり調査員の方々から返ってきました。 そのようにして非標本誤差部分の情報を何とか集めて、補正に使えないかという努力は何回 かしたわけでございますけれども、できませんでした。  それで、他調査の推計方法の比較を行ってみたわけでございますけれども、これは専ら総 務省系の世帯調査で行われている方法でございますが、単独世帯と2人以上世帯に分けて調 査を行って、全世帯の数値を推計する場合には、直近の国勢調査の世帯割合に合わせにいっ ているわけでございます。  このような方法が国民生活基礎調査でもとれないか検討したわけでございますが、私ども はあらかじめ単独世帯と2人以上世帯のサンプルを集めるということを行っておりません。 エリアサンプリングでございますので、エリアを決めたらそこに調査に行って、そこで単独 世帯がこれだけあった、2人以上世帯がこれだけあった、トータルでこれだけありましたと いうことをやっています。無理に単独世帯と2人以上世帯に分けて集計して、国勢調査の人 口割で推計する場合も私どもは世帯構造や世帯類型も出しているわけでございます。3世代 世帯であるとか、単身世帯であるとか、あるいは高齢者世帯であるとか、あるいは母子世帯 であるとか、それぞれ推計を出しています。単独世帯が国勢調査のどこかに合ってきたなと いうと、今度は高齢者世帯が違ってきたりということがあるわけでございます。それは、若 い層の補足が困難という事情もあるわけでございますが、どこかを直せばどこかが歪んでく るという結果になってしまいまして、残念ながら正しい補正に至ることができませんでした。 ですから、これは非標本誤差を少なくするということで、まず回収率の向上を図るというこ とで、先ほど御指摘の2番目に立ち返るわけでございますけれども、調査協力を何とか確保 して非標本誤差を小さくしたい、回収率の向上を図りたいという対応をとりたいと思ってお ります。  続いて、3ページでございますけれども、データ利用の拡大ということで、平成18年当 時は試験的な匿名標本データの作成も行われていたわけでございますけれども、国民生活基 礎調査でも学術研究目的等の二次的利用の推進のために、そういう検討・研究を進めたらい かがか、必要ではないのかと言われたわけでございますが、現在平成16年調査のデータを 提供するということで、匿名化に関する検討・研究を進めております。何とか今年度中にき ちんとした方策を固めて、できるだけ早くに匿名データの研究を行いたいと考えています。 その後は、調査年をどんどん広げていければと考えているところでございます。  最後に調査事項ということでございますけれども、社会経済情勢が多様化して、国民生活 自体が多様化してきますということで、学歴や所得と健康状態の変化を把握する事項等の追 加の必要性について検討しなさいという御指摘でございますけれども、世帯票に学歴・教育 という事項で、学歴を補足するための事項を追加いたしました。  ただ、所得と健康状態の変化を把握するということでございますが、過去の情報、特に健 康状態が例えば1年前はどうでしたかというようなことを記憶に基づいて再構成するなど、 思い出して頂くということは記入者負担も大きいというか、精度にも十分なものが期待でき ないのではないかと思っております。幸いなことに厚生労働省では3本のパネルが動いてお りますので、やはり所得と健康状態の変化をきちんと把握するという意味であれば、横断調 査よりもそういうパネル調査を御利用いただければと考えております。  ちょっと長くなりましたが、以上でございます。 ○廣松分科会長 ありがとうございました。  それでは、早速委員の先生方から御意見等を伺いたいと思いますが、かなり量が多いもの ですから、とりあえず個別の調査票の議論は後でしていただくことにしまして、資料1−1 から1−3までの、国民生活基礎調査の全体的な枠組み及び調査方法等に関しまして、とり あえず何か御質問・御意見がございましたら御発言いただきたいと思いますが、いかがで しょうか。  確認ですが、たしか前回の調査に関する統計審議会からの諮問で、5調査同時実施に関す るコメントがあったように思いますが、今回はそれは行わないんですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 所得の自計化と併せて試験調査でも5票同時実施を試験調 査いたしました。同時実施でございますから、一番最初に申し上げましたように、保健所ルー トと社会福祉事務所ルートを使っておりますが、そのルートも一本化するということで試験 調査を実施いたしました。都道府県の方は、ルートを一本化することについては基本的には 保健所ルートでいいのではないかというところが多かったわけでございますけれども、では、 5つの調査票を同時にやってみたらどうかということで、やはり一番大きな問題としては未 記入率がすごく高かったということでございます。それはちょっと使い物にならないなとい う状況でございますので、やはりこれだけのボリュームがありますと1世帯の方々の負担感 というのは非常に厳しいものがあるのではないかという気がいたしました。ですから、今回 は見送ることといたしました。  ただ、当然、メリットは都道府県にとっても、コスト削減という意味にとっても、あるい は郵送化なども5票一遍の方がやりやすいわけでございますし、オンライン化もそうだと思 いますので、そういうメリットはございますので、同時実施をやるということもまだ完全に ゼロということではなくて、今後も検討いたしたいと思いますが、今回は見送らせていただ きました。 ○廣松分科会長 わかりました。他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、具体的に個別の調査票の議論に移りたいと思います。  まず、世帯票でございます。世帯全体の世帯票と、世帯員の状況について個別の世帯員ご とに記入していただく調査票と2つに分かれております。これに関して何か御意見ございま すか。  これも確認ですが、すべての調査票に共通して調査員記入欄のところに地区番号、単位区 番号、世帯番号というのがありますが、これでいわばリンケージが可能になると考えればよ ろしいですね。それと世帯票の世帯員の状況のところで、A3版で世帯番号の後ろにもう一 つ枠がありますね。これは、その世帯票が何枚目という意味ですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 はい。これは3人しか書けませんので、複数枚になる場合が ございますので。 ○今田委員 具体的には、この世帯票に書き写して出すのですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 1枚は世帯の状況でございますので、これは世帯主さんにお 書きいただきます。これについては、個々人の状況を書いていただきますけれども、基本的 には世帯主さんが全部書いていただくということになろうかと思います。 ○津谷委員 本当にくだらないことかもしれないんですけれども、世帯票のA4の裏側の質 問の4で、部屋数なんですが、ただし書きがありまして「玄関や風呂等」と書いてあるのは 恐らくトイレもこれに入っているのかなと思いましたが、要は居住している部屋の数ですよ ね。今は間仕切りがなくて、1つの吹き抜けのような感じになっていたりもするので、玄関、 風呂場、トイレは含まない。ただし、例えば、台所は含むのかなとか、余り部屋数にこだわ らなければいいのかもしれないんですけれども、ひょっとして書くときに迷われる方が出る のではないかと思いましたので。 ○上田国民生活基礎調査室長 もっと明示した方が。 ○津谷委員 つまり、この部屋数でどういう情報が欲しいのか。昔ながらの日本家屋でした ら、はっきりとそういうことはわかるのではないかと思いますが、今は非常にいろいろな建 て方の住居も多くなってきているように思いますので、書かれる方が迷わないように、自分 の判断でこんなものかなといってしまいますと情報自身が、これは部屋の数ですので、バリ エーションの総数、単位が変わってしまうかなと思ったので。余り詳しくやり過ぎてしまう と、かえって混乱を引き起こすということもあるのかもしれませんが。 ○上田国民生活基礎調査室長 実は、こういう記入の仕方というものをお配りしていて、な かなかここまでお読みいただけるかどうかということはあろうかと思いますけれども、ここ にはかなり詳しく、室数に含めるのは居間、茶の間、寝室、客間、書斎、応接間、仏間、食 事室ということで、3畳以上のダイニングキッチンは含めるんですけれども、玄関、台所、 トイレ、浴室、廊下、土間は含めませんということで一応御指示はしておりますが、本当に これを読んでいただけるかどうかということはちょっと懸念いたしますが。ここまで調査票 に書いてしまいますと、やはり解かりづらいかなと。 ○永瀬委員 前回の会議のときに、若い人の職業訓練等のデータが世帯レベルではないので、 できればこの調査に入ると一番いいのではないかということを発言したと思うのですが、調 査項目も大変多いというところは理解いたしますけれども、例えば、教育のすぐ下辺りに職 業訓練を過去1年に受けたかといったようなものを入れたらどうでしょうか。一番下の失業 のところでこれはILO方式になっていると思うんですけれども、質問18で就業規模の有 無とすぐに仕事に就けるかと仕事を探しているかがILOでは失業の定義ですが、就業構造 基本調査等はこの18−2が実は抜けてしまって、就業規模の有無と仕事探しをしているか だけで労働力調査及び就業構造基本統計調査失業の定義にしてしまっていますので、あった 方がいいのでしょうけれども、18−2はほかの統計と合わせるという意味では、別になく ても合うことになるので、かわりにその1問を抜いて職業訓練を入れる。教育訓練の効果は 失業者のみに聞くと、訓練の効果がわかりませんので、全体について過去1年間で職業訓練 を受けたかどうかといったようなものが入ることを検討はできないのかということを ちょっと伺いたいと思います。 ○上田国民生活基礎調査室長 これは、あくまで世帯の機能としてどういうものがあるのか と。世帯の基本的な属性は何があるのかということで調査を組み立てているということがご ざいます。職業訓練を受けたかどうかというのは本当に一部分の例えば、中卒の方はほとん どいないから高卒の方や、あるいは大学をドロップアウトしてということになるのかなと思 うわけです。そこをきちんと把握する必要性があるかどうかということで、残念ながら原局 の方からはそういう必要性は上がってきていないというところがございます。ですから、で きるだけ個別の対象者だけにとどまるような事項については後回しにしたい、優先度は低く したいと考えていまして、教育も在学中もあれば卒業者も全部含めていますので、基本的に は世帯員全体の属性に関することですから、それは入れましょうということがあります。  それから、就業規模の有無のところで、すぐにでも仕事に就けますかが、例えば就調には ないということでございました。これは18−3と18−4との関係で何でつけないんだとい うことで、それは出産や育児、介護、看護、健康問題など、まさに世帯の属性として後半に きちんと押さえるべき事項かなと思うわけでございますので、若年層のところで職業訓練を 去年1年間受けたかどうかをこの中に入れるというのは、例えば教育に比べると優先度が低 いなという気がいたしました。更に、こういうボリュームでございますので、ちょっとそこ は見送ったということでございます。 ○永瀬委員 こういうことは続けて言うことに意義があると聞いておりますので、続けて議 事録に残ればと思って発言させていただきます。今回も政府によりさまざまな雇用対策が行 われておりますが、実際誰にそれが届いて、どのくらいの人がどういう雇用対策面での援助 を受けているのかということはデータではよくわからないです。これまでは失業対策を公共 事業に主に頼ってきましたけれども、これからは職業訓練等によって、より安定した雇用に 入っていくというニーズが高まっていくであろうと思われますので、今後の検討課題として 是非そのようなものも入れることをお考えいただくようにお願いしたいなと思います。  というのは、今回、就業構造基本統計調査の質問項目の中に実は訓練がちょっと入ったの ですけれども、ただ不十分と考えます。厚生労働省の中で世帯統計というと国民生活基礎調 査になります。高齢者のところも大変重要ですが、若年者のところも大変重要になっており ますので、ここでは失業保険はどれだけ給付を受けたかということは詳しく聞いております が、その他に企業から受ける職業訓練、ハローワーク等からの公共的な職業訓練、自分自身 で学校に行くような職業訓練、それから自分自身で自学自習のような形で行う職業訓練、そ ういったことの効果というものも測定できるような調査があった方がより望ましいと思い まして、そして、それは厚生労働省の行政で今後非常に重要な部分になっていくと思われま すので、是非今後検討いただければと思いますので発言させていただきます。 ○上田国民生活基礎調査室長 先生から就業票という票を1つつくったらどうかというお 考えもお聞きしたところでございますけれども、若年層は私どもの調査で一番補足率が悪い ところでございまして、例えば、介護票でございますと在宅の要介護者・要支援者というの は名簿づくりの段階で何千あって、そこからこれだけ回収しましたと、九十数パーセントの 回収率が実はあります。サンプル数自体は少ないんですが、九十数パーセントぐらいの回収 率があるわけでございます。  若年の方というのは、本当に勉強の仕方も多様だし、お住まいの仕方も多様だと思うんで すね。都会に出てきて専門学校に入っているとか、家にいて何かやっているとか、本当に多 様だと思うんですけれども、特に都会に出て来られて専門学校に通っているということにな りますと、多分ほとんど補足できないんじゃないかと思います。そこはどういう回収方法を 考えなければいけないか、回収方法のマルチ化と併せて、若年層をきちんと補足するという ことを考えたいとは思うわけでございますけれども、そういう中でまた平成25年に向けて いろいろ考えていただきたいと思います。 ○永瀬委員 今のと関連してちょっと伺いたいんですけれども、世帯票の質問2の1で「単 身赴任で世帯を離れている者がいる」というのは、単身赴任というとイメージとしては、ま ず夫の単身赴任を想像するんですけれども、例えば、地元に仕事がなくて東京に出ていると いうケースもあると思うんですが、その辺り、東京に定住していると自分で思うのか、それ とも仕事がないので東京に行ったと見るのかによっても違うと思うのですが、その辺はどう いうガイドになっているのでしょうか。 ○上田国民生活基礎調査室長 ここは、あくまで単身赴任で家を離れてとにかく働いていま すと。おおむね三月以上だと思います。三月以内だと出張という場合もあろうかと思います ので、長期にわたって1人で世帯を置いて稼ぎに行っている、仕事に出て行っている。それ を世帯員の中にカウントしませんのは、そういう方は出先で世帯員としてカウントされると いう場合もありますので、ここでは人数にはカウントしなくて、とにかく住まいと財布を 持って外に出ていますという場合です。 ○永瀬委員 では、結婚していない子どもというものも含まれるということですね。 ○上田国民生活基礎調査室長 これも記入の手引きにあるんですけれども、単身赴任者とい うのは、配偶者または扶養親族のいる人が転勤に伴って住居を移していると、出稼ぎ者を含 みますということでございます。 ○西郷委員 純粋に興味の質問なんですけれども、世帯票の世帯人員の状況という調査票の 中で、質問13と14との関係についてで、質問13では5月中ということで一月のことを聞 いていて、質問14では月末1週間のことを聞いているので、例えば、質問13の方で仕事 ありと答えておきながら、質問14で就業日数・時間ともゼロということはあり得るという 理解でよろしいですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 はい。 ○廣松分科会長 これも質問ですが、教育の調査項目が入ったのは大変いいことだと思いま すが、ちょっと見ていて違和感があったのは「1 在学中」「2 卒業」はいいとして、「3  在学したことがない」というのは具体的にはどういうことですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 例えば、学歴がない方がお年寄りの中で多分いらっしゃった のではないかと。無学歴とかですね。 ○廣松分科会長 それはかなり高齢の方ですよね。 ○津谷委員 ということは、学校に一度も行ったことがないという意味ですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 はい。 ○永瀬委員 3歳児とかも、ここに書くんですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 いえ、ここは15歳以上の方への質問でございますので、と にかくお年寄りで学校に行けなかったという。 ○廣松分科会長 勿論そういうケースはあると思いますけれども、次回にはこの項目はなく てもいいんじゃないかなという気がいたします。  それでは、さらにお気付きの点がございましたらあとでまとめて御発言いただくことにい たしまして、次に健康票でございます。これに関しましては、いかがでしょうか。  これも確認ですけれども、当然各調査票には色がつくんですね。 ○上田国民生活基礎調査室長 現在こういう色でございまして、ある方の御意見で、これは 白内障の方には余りよくない色の組み合わせだということをお聞きしまして、更に所得票は カラーでかなり華やかにつくったのですが、色使いにつきましてはカラーコーディネーター さんの専門的な御意見をお聞きしようと思っておりますので、色自体も変わる可能性が実は ございますので、あらかじめお断り申し上げておきます。 ○廣松分科会長 いかがでしょうか。この健康票に関しては、特に質問5、予防等のために 支払った費用をとるようになりました。ただし、前回ちょっと議論になったのは注1ですけ れども、正常な妊娠・分娩のための費用は含まないという点です。それでいいのかあるいは 含めた方がいいという意見もあったような記憶があります。 ○上田国民生活基礎調査室長 これは従前から正常な妊娠・分娩についてはとっておりませ んでしたし、それに戻りがある場合もございますので。 ○廣松分科会長 出現率という意味でもそんなに多くはないだろうと思いますので、過去 とってこなかったという意味で今回も致し方ないかなと思います。 ○津谷委員 これはあくまでも私の意見なんですけれども、実はお答えになる方の質問に よって年齢の区分が3つほど、例えば4ページからは6歳以上の方、ここからは12歳以上 の方、そして20歳以上の方とグラデーションができているんですが、これは勿論サンプル ですので白黒ですが、カラーでやるとおっしゃっていらしたのですけれども、ここからの質 問は6歳以上の方にお答えくださいというような表記は、実際の質問のフォントのサイズよ りもちょっと小さいですよね。私はとにかく調査票はできるだけスペースがあって、大きな 字で書いてあるというのがいいと思っています。回答者の方はスペースがいっぱいあって、 本当に答えやすいというものがお好きなようで、何か達成感が簡単にできてあるようなんで すけれども、ただ、これは年齢で区分をされていますので、例えば、先ほどの所得票は色使 いを非常に工夫されて目立つようになっておりましたよね。ただ、この紙の色を目に優しい ようになさることも大変大事だと思うんですが、ベースを白にしてもよいので浮き立たせた い部分、英語でコンティンジェンシーといいますが、どこかで引っかかってしまったりする とよろしくないと思いますので、なるべく混乱しないように、こういう条件の方はここでお 願いしますということを的確に目立ちやすくなさった方がよろしいかなと思いまして、こう いう部分を囲ってあるので、文字の大きさとか色使いのコンビネーションで。そうすると、 答えるべき方が全員お答えになれるかなと思いますが。 ○上田国民生活基礎調査室長 現行は非常にわかりづらくなっておりまして、例えばこうい う感じになっているんですが、それで囲みをつけたわけでございますけれども、もっと何か 工夫があるか、それは考えたいと思います。 ○廣松分科会長 他にいかがでしょうか。  土屋先生、何か健康票に関して御意見ございませんか。 ○土屋委員 今のところはありません。 ○永瀬委員 いろいろ質問して申し訳ないんですけれども、不登校ですとか引きこもり、こ れもやはりすごく現代的な問題だと思うんですが、そういう問題がある場合には恐らく介護 票と同じように家族はかなりの関心を持って回答するのではないかと思うんですけれども、 その辺については、この健康票には全く問題意識はないんですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 それは平成16年調査の統計審議会でも引きこもりをとった らどうかという御意見をいただきました。ただ、その場合、関心は持って結果はご覧になる かもしれませんけれども、本当に引きこもりの方を抱えていて、いろいろ問題に直面してい らっしゃる方々にきちんと書いていただけるのだろうか。それは多分、相談ベースで相談所 等にいろいろなケースが寄せられていまして、そちらサイドでの集計のようなものはあると 思うんですね。ですけれども、本当にきちんと書いていただけるかどうか、引きこもりをとっ たらどうかという御意見をいただいたときに、そこは少々懸念されます。お配りしても、引 きこもりとか不登校について本当に書いていただけるのか、正しいデータがきちんと集まる のでしょうか。それよりも、行政として引きこもりに対応するというような機関がございま すので、データを集めるとすれば、そちらからの方がいいのではないでしょうかということ で、その時点ではお答えをさせていただいていますし、今も本当にそういう微妙な問題をど れくらい書いていただけるのかということがちょっと自信がないところがあります。 ○永瀬委員 問題意識として前回も出たのであれば、記入上の問題ということであれば、例 えば、封書のような形にするなりしてとるということがあってもよいのかなと考えるという ことを申し上げたいと思います。 ○上田国民生活基礎調査室長 わかりました。とるかとらないか、今のところちょっととれ ないなと思うんですけれども、そこは関係者ともいろいろ話をしてみたいと思います。 ○廣松分科会長 今の御指摘に関しては、この調査票世帯員1人ずつなんですね。だから、 御本人に書いてもらわないと、それは直接には出てこないんですね。 ○永瀬委員 介護票みたいな形じゃないと出てこないですよね。 ○廣松分科会長 ですから、健康票の聞き方というか、書き方を少し工夫しないとなかなか うまく引き出せないという形には現在なっています。 ○今田委員 引きこもりの御本人については御本人が書くことになるのですよね。 ○上田国民生活基礎調査室長 一応個票でございますので、1人1冊ずつ記入してください ということでございます。当然、記入上の注意にありますように、御自分で記入できない方 については御家族の方、または介護している方が記入を手伝ってくださいということなんで すけれども、そうすると、親が引きこもっている子についてきちんと書いてくれるかなど。 ○今田委員 御本人が書くかもしれない、病気だということで。 ○上田国民生活基礎調査室長 それはちょっとわからないですから。 ○廣松分科会長 とりあえず健康票に関しましてはこの程度にして、次に介護票です。介護 票に関しては、主として制度的な変更に伴う変更と、問5でそれぞれのサービスに関して、 下の括弧の中に具体的なものを書いていただいたということでございますが、いかがでしょ うか。  とりあえずは、よろしいでしょうか。それでは、もしお気付きの点がございましたら、後 ほどいただくことにいたしまして、次に何度も説明が出てきましたが、所得票でございます。 今回の調査で平成19年の調査と比べて一番大きく変わったものです。この点に関しまして、 御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。 ○今田委員 これは密封じゃないんですよね。 ○上田国民生活基礎調査室長 基本は開封で調査員さんが審査してさしあげる。ただ、一番 最初に申し上げましたとおり、微妙な調査でございますので、調査員さんがお書きになりま したか、わからないところはありませんでしたかとおっしゃったときに、俺はおまえなんか には見せない、封をするからこのまま持って帰ってくれと言う人には、それで集めざるを得 ないなと思っています。お出しになる意思がある以上は、密封でと言われてしまえば、それ はそのようにせざるを得ないかなと思っています。 ○今田委員 高齢者などサポートが必要な人というのは調査員が判断するわけですよね。 ○上田国民生活基礎調査室長 最初、調査票を配付したときに、この方は絶対に必要だなな ど、高齢者の方々は基本的にわからないところがありましたらお助けしますよ、いつでも 言ってくださいねと最初に申し上げた上で、回収のときに再度わからないところはありまし たか、社会保険料は難しいのできちんと書けましたかというような形です。 ○今田委員 家族の分が複数あるわけでしょう。お年寄りもいれば若い人もいる。リストの ようなものがあって、おたくは何人という形で確認して、個別に一人一人に密封してもらう。 ○上田国民生活基礎調査室長 密封の仕方というのは決めていないんですけれども、基本的 には多分親にも見せたくないということがあるのであれば、1人ずつ密封ということになろ うかと思います。予算をこれから組み立てなければいけないので、そこはいろいろ考えてお ります。 ○今田委員 回収率を上げるためにそういうプライバシーを確保するというのが一つの目 的だとしたら、やはり家族でも知らせたくなければ密封するということをしないと、全部ま とめてとなるとプライバシーが守られない。目的と手段について検討が必要なのかなと思う んですけれども。 ○上田国民生活基礎調査室長 健康票は1人ずつ密封していますので、それと同様に所得票 も1人ずつ密封と。 ○今田委員 それでまとめて袋か何かに入れると。  サポートが必要だというのは調査員が判断してですか。御高齢だからとか。 ○上田国民生活基礎調査室長 調査員の判断と申し入れというか。 ○今田委員 被調査者がちょっとわからないですと言った場合などですかね。 ○上田国民生活基礎調査室長 それ以前に、例えば社会保険料のところはきちんとお書きに なれましたかというのは、こちらから積極的に聞くということです。 ○今田委員 この調査票を見た限りでは非常に難しいですよね。きちんと理解して書くとい うのは、本当に書けるのか。以前のように確認しながら記入するのと各自に書いてもらうの とでは大きく異なるわけで、かなりサポートしないと正確なデータはとれないという御判断 だろうと思うので非常に難しいだろうなと思います。 ○上田国民生活基礎調査室長 未記入率、誤記入率合わせて十数パーセントが調査員のおか げでうまく書けたわけですから、それをそのままにしておいてはやはり精度が悪いというこ とですので、どこかで他計部分といいますか、それは残さざるを得ない。それは項目に応じ て、あるいはお書きになられるおばあさんやおじいさん、あるいは目が余りよくお見えにな らない方など、本当にいろいろな方がいらっしゃると思うんですけれども、お申し出には必 ず対応します。これはわかりづらい項目だから、これについては必ず聞くと調査員さんにし ていただきたいと思っています。 ○津谷委員 もう一度、今田先生の御質問の確認ですが、先生がおっしゃるように、私も ちょっと見てちゃんと答えるのは相当大変だなと。いろいろな書類も探し出して用意をしな ければいけない。ただ、やはり大変大事な情報ですから、これはとるべきだと私も思います。 ただ、一応基本的には特に高齢者の方には、まずこちらからオファーをするわけですよね。 もし、助けが必要ならばやりますよと。それを向こうに結構と言われればそれまでです。た だし、社会保険については必ず確認して書けましたでしょうかと言うということですよね。  先ほどから封をするかどうかについては、結論から申しますと、お決めになった方針でい いと思うんです。国調なども御存じだと思いますけれども、昔は調査員がもらってきて、書 いていませんよとやっていたらしいんですが、まず封筒を渡し、それでも中身を見られるの が嫌だからというのでシールを渡した。そうすると、何が多発したかというと、答えないで シールを張ってしまうというのと、答えてもどうみてもナンセンスと、ちょっと悪く読めば、 わざととっても考えられないようなことを書いてくるというのが大変多発しました。そう なってしまいますと、ある意味コストがかかった分無駄が出た分マイナスだったということ になってしまいますので、当然プライバシーの保護ということは大変大事なわけですが、こ ういうお金に関する情報というもののとり方というのは、そうでなくても難しい調査が更に 難しくなっていますので、私はやはり自計プラスある程度のそういうクオリティコントロー ルの方策を、プライバシーの侵害ととられないような形で。そうなってくると調査員さんの 対応がある意味教育が必要になって、もしこちらがお助けできるならいたしますよというふ うにやらないと、ある意味要求をしたり、指示したりととられてしまうと今大変難しくなっ ているので、そちらの方で調査員さんをきちんとトレーニングなさって、皆さんが同じよう な対応をなさるというふうにすれば、大変よくなるんじゃないかなと思いました。 ○上田国民生活基礎調査室長 それは懇談会で報告書をつくりましたけれども、やはり調査 員さんをきちんと働かせるのは国の仕事ですし、国の責任なんですよということを各先生方 からおっしゃられましたので、そこはきちんと一定の水準で調査員さんが仕事をしていただ けるように、こちらから訓練というわけではございませんけれども、御指示するなり何なり きちんと文書でいたしたいと思っております。 ○土屋委員 真剣にやると大変難しいんですけれども、私は国家公務員で指定職なものです から、国家公務員倫理法で時々この建物の人事課から確定申告の写しを寄越せという要求が あるんですね。私的な情報も何もあったものではないんですが、考えてみるとこれは税務署 に聞けば全部正確にわかるわけですね。これだけ手間暇かけて人員もお金もかけてなぜ調べ なければならないんだと。本当に国民生活に必要なデータであれば、匿名化して、勿論個人 個人突合した上でですけれども、外に出ないということでそこからいただいたらコンピュー タだけで処理できて、手間暇は要らない、お金も要らないと。今日ここの場では無理ですけ れども、統計法をせっかく変えたのであれば、それぐらい思い切ったことをやらないと、せっ かくやっても正確なデータは出てこない。どんなにやってもこのやり方では正確なものは出 てこないので、その辺を何かの形で持ち上げるか、あるいはパブリックコメントのような形 でまた内閣府に言わないといけないのか、そういうこともどこかでお考えいただけたらと思 います。 ○上田国民生活基礎調査室長 本当に渡して書いていただくと中身の精度が落ちるかもし れない。ガチガチやろうとすると嫌がられて回収率が下がる、その辺のジレンマがございま して、当然私どもも国税庁にデータを出してもらえるかということは1回確認したわけでご ざいますけれども、国税庁はその時点で絶対出さないと、出すわけないじゃないかとけんも ほろろに扱われてしまいました。  もう一つありますのは、所得票だけで成り立っているわけではありませんで、貯蓄票もあ れば健康票もあり世帯票もあり、それぞれどこからどのように持ってくるか。所得票は持っ てこられるでしょうと、国税から持ってきて、社保庁から持ってきてとやればいい。その場 合、キーをどうやってマッチングさせるかなど、いろいろな問題がありますので、先生がおっ しゃることは本当にベストな方法かなと思いますけれども、すごく大きな話として考えなけ ればいけないかなと思っております。 ○土屋委員 行き着く先は背番号をつけたいということになってしまうと思うんですね。そ うしたら、貯蓄の方もそれですべて解決し、健康票も今はDPCですけれども、DRGでやっ ていただければ全部コンピュータで処理できますので、その辺はここで議論してもしようが ないですけれども、ちょっとコメントということで。 ○廣松分科会長 ありがとうございました。その点に関しては、統計委員会でも何度も議論 になりながら、本当に残念ながら総論賛成、各論反対というのが圧倒的な多数でございまし て、具体的にこれこれの行政記録情報を統計に使いたいと言った途端、ドアがバシャッと閉 まってしまうという現状でございまして、我々も何とか変えたいと思っておりますが、少し 時間がかかることかとも思います。  それから、先ほど津谷委員もおっしゃっていましたけれども、これも細かい点ですが、所 得票の1ページ目の記入上の注意の2番目ですが「もし記入方法がわからなかった場合は、 調査員が受け取りに伺ったときにお尋ねください」というのは、ここだけ色を変えてもいい んじゃないですか。  これは5月でしたか、平成20年の結果がプレスリリースされたときに、所得分布の状況 が新聞に大変大きく報道された、その意味で社会的にも大変関心を持たれている調査ではあ るんですが、調査の実施という意味では大変難しいところがあるということでございます。  それでは、次に貯蓄票でございますが、これはいかがでしょうか。これはよろしゅうござ いますか。  それでは、世帯票から貯蓄票まで5つの調査票があるわけでございますが、全体を通して 何か御意見はございますか。 ○土屋委員 世帯票の世帯員の状況なんですけれども、確かに世帯票ということで1枚にお まとめということはよくわかるんですが、健康票その他が1人ずつの記入のものが1つに なっていますね。そういうことからいくと、縦に記入していくというのは意外と自分でやる とやりにくいです。最終的にはコンピュータに入れるのでしょうから、バラバラであったら 不自由かどうか。確かに夫婦あるいは親子関係のある方から順に、これは別々でも積み重ね を変えればいい話なので、それが検討できないかなという気がするんですが。扱う方として は一覧になっていた方が世帯票としていいんですが、記入する身になると、別々に一人一人 書いた方がやりいいかなという気がしました。 ○上田国民生活基礎調査室長 そこはもう少し大きめの問題として、例えば、貯蓄票が今世 帯で1枚ということで書いていただいているわけでございますけれども、当然個計化という ことを考えていまして、今まさに1つのテーブルにみんなが預金通帳を持ち寄って合計額を 出して記入するという風景は当然想定しがたいわけでして、では、やはり1人ずつに情報を きちんと集約して記載していただくというような方式にならざるを得ないわけでございま すので、そういう中で世帯票も、最終的に世帯主が全部お書きになるにしても、1人ずつ別々 でというようなことは当然検討対象だと思っております。 ○今田委員 国勢調査もそうですけれども、こういう1つのフォーマットで情報が同じだか ら、一人書いたら次に同じことを隣の欄に書くので書きやすいという面はありますよね。個 別に一人一人分かれた方がいいのかどうか、テストしてみたらどうなんでしょうかね。こち らの方が書きやすい面はありますよね。 ○津谷委員 この世帯票というのは、最初はとにかく世帯単位で世帯全体にかかわることを どなたか1人がお書きになる。2つ目は、俗に言うハウスホールド・ロースターと呼ばれる もので、個人単位のものでもまず最初に世帯全員の基本的な属性について網をかけるという ことで、これは本当によくやられていることなんです。そのときに通常は誰か1人がお書き になる。ただ、聞くときには当然ですけれども、1人の人がほかの世帯員についても判断で きるような客観的な、誰が答えたかによって答えが大きく変わってくるものではだめで、本 当に基本的な客観的なこと、それをある意味非常に拡充させたと私は読みました。  今田先生がおっしゃったように、実はこれ縦と横が両方に、勿論各人員は縦列なのですけ れども、質問は横列になってくる。そうすると、書き方が恐らくその人について1回ずっと 上から下までやらないで、1つのことについて、例えば夫婦の世帯でしたら一遍に書いてし まう。例えば、世帯主に対して配偶者、つまり横でやってしまう、質問1回で読むのも1回 で済むわけですよね。ですから、こういうふうにマトリックスの形式で質問を読むのは1回 で、世帯についてざっと書いてしまう。これは実は大変時間の節約になりまして記憶に残る ということで、できる限り余り質問を複雑にしない方が、何となく勢いで皆さんお書きに なってしまえるようです。ただ、余り単純化してしまいますと誤解されてしまうというジレ ンマがあるわけですよね。ですから、一々個人にやりますとみんなが1回ずつ読まなくては いけない。客観的なことでしたら1人の方がお書きになった方がある意味もっといいデータ がとれて、これは全員が書いてくれればいいんですけれども、世帯の中の何人かは書いてい ないということになると、かえって落ちてしまいますので、私はこれでよろしいのではない かと。ただし、先ほど言いましたように、本当に誰が答えても違いのないような客観的なも のに絞って、できる限り見やすくシンプルにしていくということを考えながらも、いいデー タをとっていくということなので、私はこの形式自身は踏襲されるべきではないかと思いま す。  ただし、さっき言いましたように、質問項目によります。ほかのことは当然、各人に聞か ないとわからないことですので、これは一人一人にどうしたって調査票を渡すしかないとい うことではないかと思います。  以上です。 ○廣松分科会長 ありがとうございました。  大体予定しておりました時間でございます。この平成22年国民生活基礎調査の調査計画 案につきましては、この後、総務省の審査や統計委員会の審議を経ることになっております。 今日は特に説明はいただきませんでしたが、資料1−6でご覧いただきますとおり、結果表 一覧がございます。これは正確に数えていませんけれども、合わせると幾つですか。 ○上田国民生活基礎調査室長 683表です。 ○廣松分科会長 膨大なものでございます。後ほどお時間がおありのときにご覧いただいて、 お気付きの点がございますれば事務局にお知らせいただきたいと思います。  今申し上げましたとおり、総務省の審査、それから、統計委員会の審議を経ることになり ます。したがいまして、本日いただいた御意見につきましては、それが十分反映できるよう に厚生労働省の事務局としても御努力をいただきたいと思います。  今後の扱いについてでございますが、スケジュールの関係もあり、当分科会を改めて開催 して御議論いただく時間をとるのはなかなか難しいような状況でございます。本調査計画案 の修正等に関しましては、分科会長であります私に御一任いただき、適宜各委員にも御報告 するような形で進めたいと思いますが、そのような進め方でよろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○廣松分科会長 ありがとうございます。それでは、委員の方々から御了承いただいたとい うことで、本日御審議いただいた調査計画案について、所要の手続を進めさせていただくこ とにしたいと存じます。どうもありがとうございました。  それでは、とりあえず平成22年国民生活基礎調査に関します議題はここで終わらせてい ただきまして、続きまして2つ目、報告でございますが、WHO−FICインド会議の報告及 び内科TAG検討状況についてでございます。この2つに関して、事務局より御報告をお願 いいたします。 ○瀧村疾病傷害死因分類調査室長 疾病傷害死因分類調査室長、瀧村と申します。よろしく お願いいたします。座って失礼させていただきます。  WHO−FICインド会議報告につきましては、資料2−1をご覧ください。主催はWHO とWHO−FICインド協力センターの共催となっております。昨年10月25日から11月5 日にかけて行われまして、会場はインド国デリーです。参加者はWHO、WHOの協力セン ター、各国の厚生、統計関係部局、オブザーバー等約100名が参加しております。  主な議題につきましては、かいつまんで御説明申し上げます。  (2)各種委員会報告でございますけれども、1つ目のCouncilのところでございます。ま ず、新規研究協力センター登録国の紹介がございました。これはWHOの方針が最近変わり まして、協力センターでなければ各議案に対する投票権を与えないという方針がありますの で、今まで協力センターでなかった国が新規登録しております。これには日本も含まれてお ります。  2番目ですけれども、次回の諮問会議、3番目の年次会議の日程等の報告がありました。  4つ目の、各レファレンスグループの共同議長選挙の報告がありました。レファレンスグ ループと申しますのは、2つ目以降の「●」の各委員会のグループでございます。  5点目ですけれども、ICNP(国際看護分類)をWHO−FICの中の関連分類として正式 に承認しております。  次のページをご覧ください。分類改正改訂委員会、URCと申しておりますけれども、こ ちらにおきましてはICDの毎年行っております一部改正について審議が行われています。 今回は133の提案が提出されております。改正が承諾されたものは、小改正が毎年、大改 正につきましては3年に1回適用が勧告されておりまして、ICD−11の改訂が行われます 2015年までに2010年、2013年、2016年の3回実施が予定されております。  電子媒体委員会につきましては、ICD−11の改訂作業を電子的に行おうという方針が打 ち出されておりまして、その作業ツールの開発報告が行われています。  次のページでございますが、生活機能分類グループ(FDRG)におきましては、ICF−CY、 ICFの児童版の追加項目による改訂作業の施行開始の報告がされております。  それから、第3回アジア・パシフィックネットワークミーティングにおきましては、アジ ア地域における各死亡統計や疾病統計の精度向上に向けた取り組みに関する報告が行われ ました。  最後に、ICD−11に向けての改訂の動向ですけれども、1つ目に筋・骨格系TAG、皮 膚TAGの設置の了解とございます。これはICD−11の改訂に向けてRSGと申しており ます改訂運営会議をアドホックに設けております。RSGの構成としましては、各専門分野 のTAGと呼ばれております検討グループに分かれておりまして、2007年4月からスター トしております。スタート当初は精神のグループ、まれな疾患のグループ、外因、腫瘍、内 科の5つの専門部会であったわけですけれども、今回筋・骨格系と皮膚のグループが設置了 解されたということです。  2点目ですけれども、RSG改訂運営会議の議長よりインフォメーションモデルの最新版 に関する報告がありました。  3点目ですけれども、内科TAGに関しましては、日本からは部会長が出ておりまして、 菅野自治医科大学内科学主任教授が着任されておりますが、菅野委員からインフォメーショ ンモデルの問題点に関する報告がなされております。  4点目ですけれども、今年の4月に日本においてWHO内科TAGの国際会議を開催して おりまして、その報告をいたしております。  関連いたしまして資料2−2をご覧ください。ただいま申し上げましたように、RSGの 中に構成されております内科TAGにつきましては、日本から部会長が出ておりますので、 我が国としてそれを全面的に支援する組織をつくっております。そのメンバーにつきまして は、日本内学会、消化器病学会、呼吸器学会、日本医療情報学会等各学会から推薦された専 門委員と国際ワーキンググループ協力員によって構成されております。我が国の全面的に支 援する組織で、資料2−2にありますような内科TAG検討委員会というものを設けており まして、その状況をお示ししております。  主な議事といたしましては、WHOの会議の報告ですとか、まれな疾患、他のTAGと内 科TAGとの重複部分の検討、それから、URCの投票について、インフォメーションモデ ルの検討について等が議題となっております。  最後のページでございますけれども、WHO内科TAGの国際会議を開催しておりますの で、その御報告でございます。議事はそこにありますようなICD改訂について、それから、 コンテントモデルについて、今後の作業の流れについて等となっております。  最後に、ICD−11の改訂のスケジュールでございますが、今のところ示されたスケジュー ルはこのようになっておりまして、2010年にまずα版と申します第1版を公開することと なっております。そして、公開された後にこれを基に協議を重ねまして、次に2011年にβ 版と申しまして、フィールドテスト用の草案を公開することになっております。  そして、2014年のWHO総会へ提出、承認。そして2015年以降、勧告、各国が導入す るというスケジュールになっております。  以上でございます。 ○廣松分科会長 ありがとうございました。ただいまの御報告に関しまして、何か御質問ご ざいますか。よろしいでしょうか。  それでは、2番目の議題は以上にさせていただきまして、その他でございます。事務局か ら御説明をお願いいたします。 ○内野企画課長 この統計分科会の委員の皆様のうち臨時委員の方々におかれましては、本 年8月31日をもちまして任期満了となります。私どもといたしましては、現在の委員の方々 に再任をお願いいたしまして、御了解いただきたいと考えております。つきましては、近日 中に事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○廣松分科会長 ということですので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  以上、本日予定しておりました議題は終了いたしました。  それでは、今後のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いします。 ○内野企画課長 長時間にわたりまして御審議いただきまして、誠にありがとうございまし た。次回の統計分科会の開催につきましては、今申しましたように、臨時委員の任期といっ たこともございますので、別途日程調整をさせていただき、改めて御案内させていただきた いと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○廣松分科会長 それでは、本日の統計分科会はこれで終了させていただきます。  どうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省 大臣官房 統計情報部 企画課 統計企画調整室 統計企画係 電話 03-5253-1111(内線7373)