09/06/01 第9回日本年金機構設立委員会議事録 日本年金機構設立委員会(第9回)議事録 日時:平成21年6月1日(月)16:00〜17:40 場所:厚生労働省17階 専用第18〜20会議室 出席委員:奥田委員長、磯村委員長代理、岩瀬委員、江利川委員、大山委員、岸井委 員、紀陸委員、小嶌委員、長沼委員、野村委員、間瀬委員、山崎委員、      竹詰代理人(古賀委員) ○奥田委員長 若干時間は早いのですが、皆様おそろいのようですので、ただいまか ら第9回「日本年金機構設立委員会」を開催いたします。委員の皆様におかれまして は御多忙中、御出席いただきまして、ありがとうございます。それでは、本日の出欠 状況について事務局から報告をお願いいたします。 ○八神大臣官房参事官 本日は古賀委員から御欠席という旨の御連絡をいただいて おります。また、大熊委員、江利川委員から所用により遅れるという御連絡をいただ いております。本日、御出席いただいている委員数は13名でございますので、定足 数を満たしております。以上です。 ○奥田委員長 本日、欠席される古賀委員より日本労働組合連合会の総合施策局、竹 詰部長を代理人として出席させたいとの申し出がありましたので、各委員にお諮りを いたしたいと思います。古賀委員の代理人の出席を了承してよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○奥田委員長 ありがとうございました。それでは、委員会規則第7条第1項の規定 によりまして、代理人としての出席を了承いたします。  本日の議題でございますが、御案内のとおり、全国社会保険労務士会連合会からの ヒアリング、それから「制裁規程」及び「日本年金機構法の関連制令案」についてで ございます。議事に入る前に、紀陸委員から発言を求められておりますので、紀陸委 員から、どうぞ。 ○紀陸委員 ありがとうございます。日本年金機構の理事指名に関する御報告でござ います。日本年金機構の理事となるべき者につきましては、理事長予定者が厚生労働 大臣の認可を受けて指名する旨、日本年金機構法の附則に規定されております。  理事のうち、システム管理部門担当理事、いわゆるCIOと称しておりますが、に つきましては大臣の認可をいただきまして、5月29日付で喜入博氏を指名させてい ただきました。  喜入氏の御略歴はお手元に配布のとりでございますので、設立委員の皆様にこの場 をお借りして御報告をさせていただく次第でございます。よろしくお願いをいたしま す。 ○奥田委員長 ありがとうございました。それでは、議事次第に沿って進めてまいり ます。  初めに全国社会保険労務士会連合会からのヒアリングでございますが、本日は日本 年金機構設立委員会規則第8条の規定に基づきまして、全国社会保険労務士会連合会 から大槻会長、堀谷副会長、金田副会長、及び大山副会長にそれぞれ御出席をいただ いております。  あらかじめ、資料を提出していただいておりますので、御説明をお願いいたしまし て、その後、御説明に対する質疑を行いたいと思います。それでは、大槻会長、よろ しくお願いいたします。 ○大槻会長 本日は大変貴重な時間を私どものヒアリングのためにお与えいただき ましたことを、心から厚く御礼を申し上げます。本日、私どものお願い申し上げるこ とは、22年1月から日本年金機構が設立、実施されるに当たりまして、現在、全国 27都道府県にございます51か所の年金相談センター、この業務を委託する方向で、 ひとつ、お願いをするということと、併せまして、これを国民の皆様の立場に立って、 私どもが十分にその役割を果たすためには、街角の年金相談センター構想を実現する ことにあるということをお願いするということで、伺ったところでございます。  社会保険労務士試験も今年は8月23日に実施されるところでございますが、5月 29日5時をもって締め切りましたところ、現在、精査中でございますが、既に史上最 高の約6万7,000人を超えるという状況にございます。  現在、4月末の会員数は約3万4,000人、開業が約2万1,000人、勤務等が1万3,000 人弱という構成でございますが、これより説明はお手元に配布させていただいており ます「日本年金機構設立委員会(第9回)ヒアリング資料」に基づいて、説明をさせ ていただきます。  まず、1ページをごらんいただきたいと思います。「社会保険労務士が提案する年 金相談」。これにつきましては、社会保険庁の考え方につきましては、来訪による年 金相談についてはわかりやすいお知らせの郵送、電話、インターネット等により、お 客様が年金事務所、現在のところは社会保険事務所でございますが、できるだけお越 しいただかなくてもよくすることがサービス向上の基本方向ということで、まとめら れておりますが、このことについてあえて否定するわけではございませんけれども、 今、日本の公的年金制度について国民の皆さんの信頼を回復するためには、年金相談、 それも対面相談ということが大変重要であるということを、言ってみれば、この社会 保険庁の考え方と、少々、違いがあるのではないかと。  こういうことで、国民の目線で見ますと、そもそも年金制度は法改正、あるいは政 省令の改定など、数多く繰り返されてきていることもございまして、大変、複雑でわ かりにくい。また、文書が郵送されてきても、法律用語が多くて「読んでみよう」と いう気になれないという声も聞いてきておるところでございます。  そういったことから「わからないから不安で相談したい」と。しかし、電話やイン ターネットでは知りたいこと、聞きたいことを十分にやりとりはできないと。だから こそ、この年金相談をわかりやすく、また不安に感じているという実態を知るために は、我々はその不信やあきらめを生み出す状況を何としても改善されなければならな いということでございます。  2ページ目に入らせていただきます。そこで提案をさせていただきます年金相談で ございますが、対面相談による相談・アドバイスの重要性ということで、国民の皆さ んからの相談という内容につきまして主に取り上げてみますと、年金給付の種類や加 入記録の確認、受給資格要件、年金見込額など、多くございますが、特に国民の立場、 あるいは目線に立ってみた場合に、懇切丁寧でわかりやすい説明をしてあげることが 必要であると。  また、保険料の納付状況などにつきましても、これを高めていくということにおい ては、保険料の仕組み、あるいは年金相談を知ってもらい、わかってもらうことで安 心してもらうということが重要であるということでございます。  そのためには、国民の皆さんがじっくり対面相談できる窓口が身近にあることが重 要であって、それには日本年金機構の直轄機関である、現在は社会保険事務所でござ いますが、年金事務所に変わりまして、それがスタートするに当たって、私ども社会 保険労務士が運営する街角の年金相談センターを全国各地に配置し、国民が無料で安 心して対面によるきめ細かな相談やアドバイスを受けられる体制をつくることが必 要だろう。こういう考え方を持っております。  対面相談による国民の安心と安全ということでございますが、それにはまず個人情 報に密接に関連する。このことは大事であり、守秘義務が課されている私ども社会保 険労務士は国家資格者としてそれを担当することで、国民の皆さんに安心と安全とい うことは確保できると思っております。例えば離婚時の年金分割など、身内にも話せ ないような相談ができるということでございます。  「ねんきん定期便」に関する相談、これにつきましても、今回、配布されておりま す誕生月ごとの「ねんきん定期便」は、従来に比べて非常にわかりやすくなっており ますが、それでも裁定請求、再裁定請求の手続、あるいは身近に相談できる窓口があ るということが便利になるということでございます。  したがいまして、この対面相談を年金改革、財政的な面での改革も大変重要ではあ りますけれども、国民の立場に立った場合には、この対面相談ということを改革の一 環として充実させていただく必要があるのではないかと。つまり、国民の目線に立っ た対面相談が国民の安心を生み出し、その積み重ねが年金制度の信頼の回復につなが る。このように考えております。  次の3ページにおきまして、私どもは新たな年金相談体制の構築についてというこ とで、年金の専門家としての立場からきめ細やかな対面相談のイメージをもって、国 民の皆様に示していきたいと。  この図表を見ていただきますと、相談者、国民の皆様が、一方、左の方に日本年金 機構と全国社会保険労務士会連合会、矢印で結んでおりますが、日本年金機構と連合 会が業務委託契約を行うことによって、現在、直轄されております年金事務所、312 か所、これはそのまま継続されるようでございますけれども、全国27都道府県、51 か所についての年金相談センターは、22年1月からその運営の業務を連合会に委託し ていただくという方向でお示しをいただいていると理解しております。  私ども、連合会のもとに、47都道府県に街角の年金相談センター、そして更に地域 ごとにその本店、支店という形で対応をしてまいりたい。いずれにしましても、日本 年金機構の職員の方によるきめ細やかな対面相談と、私ども、年金の専門家である唯 一の国家資格者としての社会保険労務士がきめ細やかな対面相談を行うことによっ て、国民の皆様に年金に対する信頼の回復を取り返す。こういうことができると信じ ておるところでございます。  次、4ページでございますが、国民の利便性向上と組織体制、研修、学会制度とい うことで、まず、当然のことではございますが、日本年金機構と全国社会保険労務士 会連合会、ここには街角の年金相談センターの運営本部を設置いたします。その両者 の協力のもとに年金相談実務者学会(仮称)、これを設置するということでございま す。この構成員は「年金マスター」を構成員とする。  更に公的年金制度に精通されている学者の先生方、あるいは学識経験者、及び年金 の実務経験豊富な方たちの参画を得て、我が国の年金相談実務に関するシンクタンク としての機能を備えていく。そういったものを設置していきたい。  なお、連合会の置きました街角の年金相談センター運営本部の中には、日本年金機 構の年金相談センター、27都道府県、51か所、それから連合会におきますところの 年金相談センター本店、そういったところが一緒になって、そして更にその市区町村 等に、当初は約1,000か所以上の施設を開設する。  この相談センターにおいて相談に対応する者につきましては、現在、社会保険労務 士が専門家ということでやっておりますが、国民の皆様方に更に信頼をもって対応す るためには、いま一度、年金相談実務者研修制度を設けまして、その研修を修了した 者については連合会が「年金マスター」として認定をする。そして、その認定された 者を各社会保険労務士会が運営する街角の年金相談センターに置いて、活動を行う。 そういうような構想を考えております。  これによって、国民の利便性向上として、最寄りの相談窓口で全国統一の対面相談 ができるということ。二つ目には年金制度を知って、理解をして、安心することがで きる。つまり、日本年金機構と全国社会保険労務士会連合会が協力して新たな年金相 談体制を構築することで、今、申し上げたような利便性向上につながっていくと考え ております。  最後になりますが、5ページでございます。5ページは統一したサービスの提供と いうことで、ただいま御説明をさせていただきましたような組織体制、そして最後に なりますが、統一したサービス内容ということは、国民の皆様方に対しては無料で相 談を行うと。相談運営費用は日本年金機構との業務委託契約による。  業務の内容は年金に関する各種相談、年金加入記録の確認、受給資格要件、年金見 込額と、そして裁定請求、再裁定請求など、申請書類の確認、作成、取次ぎ。もう一 つは「ねんきん定期便」などの確認、回答書類の作成、指導。こういったことに対応 していこう。こういう考えでございます。  以上、基本的な考え方を申し述べさせていただきました。ありがとうございました。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。ただいまの説明に対しまして御質問 等がございましたら、御発言をお願いいたします。どうぞ。 ○岸井委員 どうもありがとうございました。どちらにしても、新しい体制構築とい うことですから、いろんな困難な問題もあろうかと思います。そういう点で、現時点 で想定される障害とか、解決しなければならない大きな課題はどんなものでしょうか。 簡単に御説明をいただきたいと思います。 ○大槻会長 やはり、費用対効果ということになるだろうと。この辺のところにつき ましては、今後、こちらの委員会、あるいは関係省庁との協議をしていく。このとこ ろで、十分、御理解をいただくという必要があることが課題だと思っております。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○岩瀬委員 一つ、二つ、質問があります。今、これは社会保険庁との間でいろんな 話し合いをされていると思いますけれども、具体的にどこまで話が詰まってきている のかというのと、1,000か所、相談センターをつくるとなると、人とお金が相当かか ると思いますけれども、今のところ、どれぐらいの規模、予算規模をお考えになって いて、その辺の話が社会保険庁とどこまで詰められているのか。それを教えていただ けませんか。 ○大槻会長 そのまま申し上げますと、社会保険庁の方からは、今、51か所の年金相 談センターについての委託が実際に受けられるか、受けられないかということが中心 であって、私どもがそれと併せてやっていこうとする街角の年金相談センター、ここ のところについてまではまだ踏み込んでいません。  したがって、踏み込んでいないということは十分なる協議をまだ行っていないとい うふうに理解しております。  したがいまして、1,000か所、これについての人と予算の関係につきましても、ま だ具体的には決まっていませんけれども、やはり、社会保険労務士がやるにしまして も、今ある年金相談センターで、実際に私どもも何か所か視察をしてまいりました。  そうしましたら、本当に相談員の方はある箇所においては昼食もままならないとい うほどに、繁盛といいますか、非常にその相談対応の件数が多いということでござい ますので、それが51か所すべてなのか、どうなのか。また、中にそういう差異が相 当あるのか、どうなのか。  この点も一つですし、今は何と言いましても、27都道府県にしかない。あと、やは り20県下へ、ここに一か所ずつぐらいないと、やはり国民全体のサービスといいま すか、そういう利便性といいますか、そういうところにつながらないということでご ざいます。したがって、その意味では、ひとつ、よく協議をしなければならないこと が一つです。  もう一つは、やはり実際にその相談の対応をされている方たちも、私どもは大いに 今後の体制の中でかんがえていかなければならないと。それに当たっては、官民人材 交流センターというところを通さなければならないということで、私どもも既にその 手続上のことは教わりまして、出していますけれども、まだそこのところも進んでい ないということでございますけれども、私ども、連合会側としてはきちっとしたどう いう体制で、どれぐらいのコストであればいけるかということは持っております。  ただ、今、協議を進めていないので、今、金額がどこまで進んで幾らなのかは申し 上げる状況にないということです。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○大山委員 今日はありがとうございました。システムの関係をやっているもので、 教えていただきたいことがあるのでお聞きします。5ページ目のところに「年金見込 額」というのが出ていて、言葉を選べば、そのとおり「見込額」なのだろうとは思い ますが、国民視点のお話とか、いろいろ、その前に書いてあることから見ると、例え ば自分に当てはめた場合、本当に知りたいのは見込額の確度です。  もちろん、本当に知りたいのは正しい額ですが、現在の再裁定の状況等を聞くと、 かなりの時間を要しているようです。社会保険労務士さんたちが、もしおやりいただ いた場合に、これらの点に関して、すなわち見込み額と、実際に裁定で決まってくる 額との間に違いが出てしまう可能性がまだまだあるとお考えか、かなりの可能性で正 しい額が出せるとお考えなのかを、教えていただきたいと思います。 ○大槻会長 では、もし補足があったら言ってください。現在、窓口装置、通称、我々 は「ウインドマシン」と言っていますが、よくよく聞いてみますと、そこまでの機能 は持たされていないというのが現状でございますが、今の機能の中でも、年金見込額 を出しておられるわけです。  社会保険労務士が対応するところには、まだそこまでできないようなことですけれ ども、しかし、今度、この街角の年金相談センターをやるとなった場合には、47都道 府県にそれを置いて、そしてそこから先は47都道府県のそこへ通して、そして解決 していくと。  その見込額について、どれだけの、どういう違いについて考えているかということ につきましては、ちょっと私どもの大山の方から説明をさせていただきます。 ○大山副会長 今、会長が申し上げましたけれども、現在でも社会保険庁、並びに私 どももいろいろお手伝いをしておりますが、そこは今申し上げたウインドマシンで計 算されている見込額をお話ししておりまして、相当な確度で、ずれはないと思います。 若干、データが入っていないものとか、勿論、記録が漏れていれば別ですが、これに ついては、確度については社会保険庁さんに聞いていただければ。同じ能力のものを、 今後、やらせていただこうというふうには思っています。そういうことでよろしいで すね。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○山崎委員 街角年金相談センターは街角年金相談所というイメージかなという気 がいたします。現在、312の年金事務所に対して、1,000から3,000ということでござ いまして、3,000ということになりますと10倍ということになりますし、それから、 1,000ということになると、かなりの市町村をカバーする。市町村の数が全部で1,700 ですから、かなりの市町村をカバーするということになります。  国民の側に立つと非常に便利なものができるということになりますが、会長が「一 つの大きな論点は費用対効果だ」とおっしゃいましたが、恐らく、ここまで広げると なると、年金事務所の相談機能の相当な部分を引き受けることになるのではないかと いう気がいたしまして、そうすると、極端な話をしますと、この構想が全面展開する ことになれば、この相談機能はもう事実上、こちらの社労士会の方にお願いすること になるのかなという気がいたします。  そうすると、費用対効果の計算の仕方も随分変わってくるのかなという気がいたし ます。ですから、日本年金機構の相談機能については、かなり縮小されることになる のかなという気がいたしますが、いかがでしょうか。 ○大槻会長 私どもも日本の公的年金は日本年金機構が運営に当たっていかれると。 このことについては全面的な協力体制でやっていきたいと。その設立されるまでの過 程において、少なくとも日本年金機構自らも、全部、丸投げではなくして、相談対応 ができるようなものを残さなければいけないよというお考えもあったようでござい ますので、私どももすべて何が何でも、全部、我々がということではなくして、当面 312か所の年金事務所で相談業務をおやりになるということについては、それはそれ でいいのではないでしょうかと。  そして、お互いにいい意味での競争が出てくるのであれば、それもそれでいいでし ょう。お互いに知恵を出し合ってやっていきましょうということでございますので、 もし、これをそういった312か所も含めてということであっても、私どもはそれはそ れなりの対応をしていきたい。当然、費用対効果の算式も変わってくるであろう。こ のように思います。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。  ちょっと私から質問ですが、この社会保険労務士の資格を持った方は全国に何名ぐ らいおられるのでしょうか。 ○大槻会長 社会保険労務士の資格を持つということにつきましては、試験に合格し まして、実務経験2年以上、そして連合会の社会保険労務士名簿に登録する。この3 つの要件を備えることになりますが、その人数は約3万4,000名でございます。  そのうち、開業をしているのが約2万1,000人強、あとは勤務等でございます。「勤 務等」というのは企業に勤めて資格を使われている、あるいは持っておられる。ある いは役所にお勤めになっている方が社会保険労務士で登録されているというのが、実 態でございます。 ○奥田委員長 そうすると、この一番下に書いてある、要する街角年金相談センター を全国に1,000とか、ここに書いてございますけれども、ここに常駐される方は要す るに労務士の資格を持った方がやられる。 ○大槻会長 はい。当然、相談対応をする、実務対応をする者はいわゆる社会保険労 務士が対応をするということになります。それは開業社会保険労務士が交替制で当た ったり、あるいは勤務、そこへ勤務するというケースもございます。 ○奥田委員長 あとはございますか。どうぞ。 ○野村委員 大変わかりやすく御説明いただきまして、ありがとうございました。ち ょっと、一般論の話になるかもしれませんが、どうも、この年金相談という概念が多 様な内容を含んでいる感じがしております。もともと、本来の年金相談はやはり年金 制度そのものについて必ずしも承知していない国民が「自分の将来の年金は幾らぐら いもらえるのか」とか、制度の説明を聞くというものだと思うのですが、今、世の中 で言われている年金相談の大部分は、年金記録の確認ということにかなりウエートが 置かれていますよね。  後者の方は本質的にはイレギュラーな仕事でありまして、これが恒常的な仕事かど うかというのは、よく考えていかなければいけないのではないかと思います。  私はやはり社会保険労務士の方々は、前者のような意味での社会保障制度そのもの についての専門家として、広く国民の相談に乗るということにはふさわしい気がいた しますが、年金記録という、今、どこに行ったのかわからないというものについて、 場合によってはその倉庫まで依頼をして紙を見てきてもらうとか、そういう、ちょっ と中で行われている実務のようなものについて、これが果たして社会保険労務士の 方々のお仕事として、十分、できるものなのかどうかというのが、やや疑問の残ると ころであります。  勿論、そこも担っていただかなければ、今の問題が解決しない。そういう背景もあ るのでしょう。むしろ社会保険労務士の先生方は「社会貢献として、そこも担おう」 というお考えで名乗りを上げておられるという形もあるのかもしれませんので、そこ の部分を明確にしていただいて、もし、後者のようなお仕事を担っていただけるのだ とすれば、かなりの部分で社会保険庁の現在のバックの方にある、さまざまな記録や 制度というものとの連携を図っていかないと実現できないのではないかと思うので すが、この辺り、どういうイメージの相談を考えておられるのか、教えていただけれ ばと思います。 ○大槻会長 前者の制度論、そういったことにつきましては、最近、教育関係、いわ ゆる高校であるとか、中学であるとか、小学校とか、そういったところで教育の面の 中で年金制度ということを、依頼を受けて出前講座のようなことをやっております。  当然のことながら、社会保険労務士はそういう意味では制度についても相談に応じ る。今、私どもが非常に大事だというのは、今、先生がおっしゃったような、年金と いうのは一人ひとりでございますから、また一人ひとりの記録とか、その給付の額な どもほかの人のが知りたいわけではない。自分のが知りたいという個別対応でござい ます。  この個別対応に我々はそのサービス展開をしていこうということでございますの で、今、先生がおっしゃいましたような方向を目指しているということで、お答えし たいと思います。 ○奥田委員長 あとはございませんか。大熊委員から文書で御意見が出されておりま すので、事務局から御紹介をお願いします。 ○八神大臣官房参事官 資料の一番後ろ、最後になっているかと思いますけれども、 大熊委員より「年金相談に関する意見」という一枚紙がございます。ございましたで しょうか。  簡単に御紹介をいたします。第二段落から御紹介をいたします。「我が国の年金制 度は制度の仕組みも手続も複雑であり、年金相談の充実が急がれてきた」と。「特に 年金記録問題により、社会保険庁の年金相談だけでは対応不可能となってしまってい る」と。  「こうしたときに、社会保険労務士の方々がこうした複雑な制度をわかりやすく説 明をしてくださることは、大変、有意義であり、来年1月から年金相談センターの運 営を委託されるということに大いに期待をしている」。これが1点目でございます。  2点目ですが、その次「デンマークを例にとりますと、結婚したり、あるいは職場、 住所が変わっても、受給開始年齢が近づくと申請をしなくても、自動的に年金の受給 見込額が届く」と。「あるいは、制度上のさまざまな選択肢も丁寧に文書で説明をさ れる。このため、年金相談そのもののニーズがないというふうに聞いています」。  最後のところ、これは読みます。「年金記録問題に端を発する国民の不安を解消す るため、時期を限って年金相談の充実にも力を入れる必要がありましょう。しかし、 今後の方向性としては、むしろ年金相談に頼らないで済むような仕組みづくり、すな わち政府の方から国民一人ひとりに安心、納得できる年金情報と選択肢を提示するシ ステムを充実させることこそが肝要ではないでしょうか」。こういった御意見でござ いました。 ○奥田委員長 ありがとうございました。それ以外に御意見はございませんか。御質 問。どうぞ。 ○山崎委員 大熊委員がおっしゃっているデンマークは所得制限なしの税方式の年 金が基本でございまして、二階に上乗せが若干ありますが、これも職域の違いなく、 確か単純な所得比例年金だったと思いますので、日本の現状の仕組みとは極端に違う ということだと思います。  日本の年金制度につきましても、抜本改革をして税方式に移るという提案もあるわ けでございますが、民主党も言っておりますように、その場合も20年から40年、経 過措置が必要だということになりますと、恐らく、近い将来において相談が不要にな るようなことはあり得ないと私は考えております。 ○奥田委員長 今の件について、社会保険。どうぞ。 ○大槻会長 私どもは学説とかそういうことではなくて、実務家でございますが、実 務家の立場からしますと、確かに日本もこういうふうな形になればいいと思います。 しかし、今、先生がおっしゃいましたように、例えばドイツ辺りになりますと、逆に 相談業務を充実させているということも一つはあるということで、私どもは今、現在、 これから先、やはりなくなるというふうには理解しておりません。  そして、やはり、ちょっと余計になるかもしれませんが、なくなれば、その分、コ ストもかからないではないかということになるでしょう。しかし、なくせない、なく ならない限りはそれなりのコストも人員もやはり必要になるということであろうと 思いますので、是非、そのコストの件については、社会保険庁の方でも、あるいは日 本年金機構の方でも、それなりのことを適正なコストということで、私どもと御協議 をいただきたいと思います。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○野村委員 済みません。先ほど、私が御質問したことに対してお答えいただいたこ とを受けて、一言だけ申し上げさせていただきます。年金記録問題に関して相談が行 われているというのは、なるべくならば、早いうちにそういった相談がなくなること が望ましいということだと思います。  そうだとしますと、今、そのことに実効性のある形で連携が取れることをまずあり 得るのかどうか、ここをきっちり詰めていただかないと、ただ窓口を広げても余り意 味がないと思います。  したがって、業務委託の中に例えば紙の記録についてアクセスするときにはどうい う指示を出せばやってもらえるのかといったようなことまで、きめ細やかな申し合わ せができない限り、委託をしても余り実効性がないだろうと思います。  そして、更に言えば、この相談は早晩、なくなることが望ましいということであり ますから、恒常的な制度というよりは、そこでピンポイントでマンパワーを提供する という形になるのかなという感じはしております。  もし、恒常化を目指していかれるのであれば、また、別なコンセプトでどのような 形の協力関係があるのかというのは、切り分けて整理をしていただいた方がいいかな と思います。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。それでは、時間の関係もございますので、 この辺りで全国社会保険労務士会連合会からのヒアリングは終了いたしたいと思い ます。先ほどから気になっておりますが、今後とも社会保険労務士会と社会保険庁と の間で、例えばコストの問題、あるいは期間の問題、こういうことについてもよく協 議を行っていただきたいと、このようにお願いをしたいと思います。皆さん、お忙し いところ、どうもありがとうございました。 ○大槻会長 どうもありがとうございました。 (全国社会保険労務士会連合会関係者退室) ○奥田委員長 続いて、なお、社会保険労務士会との関係以外にも、前回の委員会で は「市町村との関係についても議論をしてはどうか」と、こういう意見が出ておりま すので、別途、懇談会を開催したいと思います。事務局で日程調整等を行っていただ きたいと、このようにお願いします。  それでは、議事を続けます。次に「制裁規程」でございますが、資料2を事務局か ら説明をお願いします。 ○西辻管理官 それでは、日本年金機構の制裁規程について御説明をさせていただき ます。資料2と資料3でございます。まず、資料2の1ページでございます。  制裁規程の位置づけでございますが、日本年金機構法におきまして、年金機構は制 裁規程を作成し、大臣の認可を受けるということになっており、特に機構設立時の制 裁規程につきましては中ほどより下のところの条文にあるとおり「設立委員が定めて 大臣の認可を得る」とされております。したがって、制裁規程は、設立委員会の議決 事項ということになります。  制裁規程の内容でございますが、機構の役職員が法令等に違反し、または機構の役 職員にふさわしくない行為を行った場合に制裁を科すということで、労働基準法では、 制裁を科す場合には、就業規則の中に明示するとされておりますが、機構の場合はそ れを取り出して、制裁規程として位置づけているということでございます。  制裁規程のポイントでございますが、制裁の種類は、既に昨年末の設立委員会で御 了承いただいたところですが、一つには国家公務員の現在の懲戒の種類と比較いたし まして、降格と諭旨解雇というカテゴリーを追加したということでございます。  もう一つは、国家公務員法の懲戒処分ではない、いわゆる矯正措置である注意、あ るいは訓告といったものを今回は制裁規程の中で制裁の一つの類型として位置づけ たということでございます。  具体的な内容についてですが、過去の年金業務への重大な信用失墜となった社会保 険庁職員の非違行為の類型、具体的には年金個人情報の目的外閲覧、あるいは違法な 組合活動ですが、これらにつきましては、当然制裁の事案に該当するわけですが、あ えて独立の項目として規程に明確に定めたということでございます。  2ページでございます。制裁の種類でございますが、これも一部は、既に設立委員 会で御了承いただいているところでございますが、職員、役員に分かれておりまして、 職員につきましては注意から懲戒解雇までの処分、同様に役員につきましては注意か ら解任までの処分ということになります。国の懲戒処分や矯正措置と機構の制裁処分 が、大体、どういう量定のイメージなのかが、一番下の関係図に示されております。 これも既に御了承をいただいている部分でございます。  3ページでございますが、具体的な制裁事由についてでございます。3ページと4 ページに書かせていただいております。  3ページの最初のカテゴリーが第3条第1項のケース、これは職員が法律、つまり、 仕事をする上でよりどころとなる主な法律、厚生年金保険法、国民年金法、その他の 法律、または大臣の処分、あるいは機構が定める業務方法書等に違反した場合でござ います。  これは機構法に明記されている制裁事由ということで、独立させて、ここに設けて おります。この場合の処分量定は、最も軽い注意から最も重い懲戒解雇まで、行為の 態様によるということでございます。  続いて第3条第2項、3ページの真ん中のカテゴリーですが、ここでは、解雇、解 任には至らないもの、すなわち職員であれば注意から降格までが、どういった事由に よるものなのかを示してございます。  網かけをしておりますところが、先ほど申し上げた過去の社会保険庁の非違行為に 着目して特出しした項目ということで、一つが個人情報の目的外閲覧、もう一つが違 法な組合活動でございます。次の4ページ、第3条第3項は、解雇、解任に該当する 事由ということでございまして、ここでも個人情報の問題と、違法な組合活動の部分 に網掛けをしております。  具体的な制裁事由の項目についてですが、国家公務員の懲戒処分の指針、これは人 事院から出されているものでございますが、そこで取り上げられているものを、文言 等は整理をしておりますが、基本的にはすべてすくい上げるとともに、民間の会社の 懲戒指針のようなものは情報公開されておりませんので、経済団体が作成したモデル で記載されているものを併せて取り込むことにより、制裁事由をそれぞれ3ページ、 4ページのとおり整理したところでございます。  基本的には3ページの方が相対的には軽いもの、4ページの方が重いものというこ とではありますが、4ページの一番下に注で書いてございますとおり「制裁は、情状 により、軽減し、又は免除する場合がある」ということでございます。公務員の場合 でもそうですし、それから、民間のモデルでも同様ですが、これらの事由に該当した から必ずここに書いてあるような解雇や注意から降格までのいずれかに該当するわ けではないということでございます。  他方、4ページの第3条第3項の(16)、下から二段目でございます。「前項各号 の一に該当し、その情状が重いとき」、つまり、前項である第3条第2項は解雇まで には至らない制裁事由として整理しておりますが、そこに該当するものであっても、 個別に見ていったときに、その情状が重いときには解雇ないしは解任もあり得るとい うことでございます。  5ページを飛ばしていただいて、最後の6ページでございますが、制裁の手続につ いて書いております。  職員の制裁規程と役員の制裁規程の基本的な構造は同じでございます。職員の制裁 の手続についてですが、まず制裁の事由に該当する疑いがあると認められる事案が発 生したときには、コンプライアンス担当部署の長、機構設立時はリスク・コンプライ アンス部長ということになるかと思いますが、ここが調査を指示いたします。  前々回の委員会における内部統制の資料で、年金事務所、ブロック本部からの制裁 関連の通報や内部通報窓口の受け皿はリスク・コンプライアンス部であり、また、外 部通報の窓口の弁護士のカウンターパートも、リスク・コンプライアンス部というこ とで、ここですべての事案を把握し、調査を指示することになります。  調査の実施者は制裁調査報告書を作成し理事長に提出し、理事長はその報告書を見 て、制裁事由に該当すると思料したときには、職員制裁審査員会に審査を付託すると いうことで考えております。  4.に職員制裁審査委員会について書いてございますが、委員会の委員長は副理事 長をもって充て、ほかの委員は理事長が指名する、委員の一人は外部の有識者という ことで、例えば弁護士を考えておるところでございます。  制裁審査委員会におきましては、付託された事案の審査を行う、あるいは必要に応 じて自ら調査を行うということで、速やかに審査の結果を理事長に報告することにな ります。制裁処分の決定は、制裁審査委員会の報告を踏まえて、理事長が行うという ことでございます。  以上が職員に対する制裁の手続の概要であり、役員の方も大体同じ構造ですが、制 裁の事由に該当する疑いがあるときの調査、これは役員の場合は理事長または監事が 行うということで考えております。  それから、役員制裁審査委員会のメンバーは、職員の場合と異なり、2名置かれる 監事と非常勤の理事、それから外部の有識者ということで考えております。  処分の決定は、職員の場合と同様、理事長が行いますが、理事長自身に対する処分 を理事長が行うというのは違和感がありますので、これは理事会が決定をするという ことにしております。  ただし、理事長、監事につきましては、解任の権限は主務大臣である厚生労働大臣 のみにありますので、仮に解任が適当であるという制裁審査委員会の判断があった場 合には、機構の中で処理するのではなく、厚生労働大臣に報告をするということで考 えております。  最後に、公表についてでございますが、次のいずれかに該当する制裁処分について は公表するということで、まず、職務遂行上の行為またはこれに関する行為というの は、すべて公表するということで考えております。しかしながら、現在の社会保険庁 の公表の基準は職務遂行上や職務関連のものであっても、懲戒処分ではない、注意や 訓告については公表の対象になっておりません。そういう意味では、ここは現在より も公表対象が広くなるということになろうかと思います。  職務に関連しない行為に関しましては、これは戒告以上の制裁を公表するというこ とで考えており、これは現在の取扱いと同じということになります。  いずれの公表につきましても、行為の概要、制裁の種類、程度、そういうものがわ かるような形で、かつ個人の識別はされないような形で公表することを基本として考 えているところでございます。  ただ今ご説明した資料2を条文の形にしたものが、資料3の職員制裁規程および役 員制裁規程でございます。説明は以上でございます。 ○奥田委員長 資料3は、これは御参考ということでよろしいのですね。 ○西辻管理官 今、説明させていただいた内容を条文化した制裁規程ということでご ざいます。 ○奥田委員長 ただいまの説明に対しまして、御質問、御意見等がございましたら。 どうぞ。 ○間瀬委員 2点あるのですが、職務遂行上の行為等ではよく出るのが注意と訓告と いうことになると思いますけれども、まず、そのすべてを、逆に言うと、そこらの軽 微と言ったら語弊があるかもしれませんが、今の国家公務員の状態で言っているその 訓告とか戒告等についての状態については、全部、この委員会まで行くのか、それと も理事長のところで決裁していただくという形がいいのではないかと、ちょっと感じ ます。  それから、もう一つ、公表につきましても、先ほどございましたけれども、現在の 公表している戒告以上のもの、特にこの1番の職務遂行上の行為のところでございま すけれども、こちらについてもその注意、訓告、そういうものについてまで本当に公 表しなければいけないのでしょうかというのが、ちょっと疑問に思っておりますので、 ちょっと教えていただきたいなと思います。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○西辻管理官 2点御質問をいただきました。まず1点目の、結果的に量定が相対的 に軽微である注意、ないしは訓告といったものについても、制裁規程の枠組みに則っ て制裁審査委員会に付託する必要があるのかという御質問であったかと思います。  機構設立後、どの程度の事由が注意になるのか、訓告になるのか、あるいは戒告に なるのかということは、今の段階では判断することができません。多分、間瀬委員が 御懸念されているのは、件数が多いときに本当にこの手続にのせられるのかといった ことではないかと思いますが、機構ができてから、ある程度、制裁の案件がいわゆる 判例としてたまってきて、こういったものはもう少し簡略化した手続でいいのではな いかといったことが、ある程度、はっきりした後には、ご指摘のような手続の変更も あり得るのかなと思っております。  また、規程上は、制裁審査委員会はすべて集まって開催ということではなくて、持 ち回りによる開催も含めてスピーディな処理を想定しておりますが、いずれにしまし ても、どの程度の事由がどの程度の量定になるのかということがちょっとはっきりし ていない現段階では、すべて制裁審査委員会に付託するということで提案をさせてい ただいているということでございます。  2点目の公表に関してですが、特に職務上、あるいはその関連のものについて、す べて公表するということがかなり煩雑になるのではないかということは、原案を作成 する段階でも、議論のあったところですが、国家公務員の場合は懲戒処分と矯正措置 という形でその性格が異なるので、それを公表・非公表の切れ目にすることが説明し やすい反面、制裁規程の場合は先ほど御説明したように、注意・訓告も含めて、同じ 制裁であることから、「軽いものは公表しませんよ」ということがどうなのかという ことで原案のような形で提案申し上げたわけです。公表数はおそらく今よりも増えて、 事務的には煩雑になると思われますので、設立委員会において、従来どおりでよろし いのではないかということであれば、見直したいと思っております。 ○奥田委員長 公表と言われたけれども、公表というのは具体的にどうするのでしょ うか。 ○西辻管理官 6ページの最後の公表のその※印のところに書いてございますが、ど ういった制裁を行ったかにつきまして、事由の概要、制裁の種類、程度、の制裁を受 けた職員の所属や職名。こういったものを公表するということでございます。規程の 中では、その都度公表するという方法と、ある程度まとまってから公表するという方 法の両方ができるような形で記載しております。 ○奥田委員長 いや、私が言ったのは公表のやり方。 ○西辻管理官 公表は基本的に今の社会保険庁でやっている方法と同様だと思いま すが、マスコミへの情報提供、いわゆる「投げ込み」という形が基本かと思います。 ○奥田委員長 「投げ込み」。 ○西辻管理官 はい。資料を配布するということでございます。 ○奥田委員長 プレスに配布する。 ○西辻管理官 そうです。 ○奥田委員長 プレスに配布するということですか。 ○西辻管理官 はい。あと、ホームページに掲載するということも、併せてやること になると思います。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○小嶌委員 資料3ですが、まず、1条の職員、この定義でいいのかという感じがし ました。もう少し限定する必要があるのではないか。  つまり、基本的には制裁規程全体を見渡しますと、正規職員が対象であって、有期 雇用の人については例えば降格は考えにくいということになると、準用のような形に なるのではないかと思います。そうすると「期間を定めて雇用される職員を含む」と いう書きぶりでいいのかという疑問があります。  それから、4条のところで制裁の減軽、軽減について規定しておられますけれども、 少なくともこの3条の1項と2項については、ここでいう「免除」はあり得ると思い ますが、3項については免除はあり得ないと思いますので、その辺りを少し書き分け た方がいいのではないかと思います。  それから、5条ですが、「教唆犯と実行犯は同じ制裁を行う」と書いてありますけ れども、これでいいのかどうか、いささか疑問があります。  次に制裁審査委員会ですが、これは公務員時代と同様に不服申立を事後的に行うの か、それとも懲戒の過程で弁明の機会を与える方法を取るのか、そのどちらにされる のか。この案はどうも事後的に不服申立を行うという考え方のように見えますけれど も、場合によっては、制裁審査委員会の規程の中に被処分者に対する弁明の機会の付 与に関する定めがあってもいいのかなという感じがしました。  それから、役員の規程です。細かい点ですが、7ページの3条3項で「人事異動又 は出向」と書いてありますけれども、これは職員についてはあり得ると思いますが、 役員についてもあり得るのかどうか。  それと理事長が制裁について決定するというのはよろしいと思いますけれども、基 本的には公法人、法人格を持っていますから、処分は機構が行うのであって、理事長 が機構の名において行うというのが正確なのではないかと思います。さきほど、御説 明のときには「処分を行う」とおっしゃいましたので、そこはちょっと違うのではな いかという印象を持ちました。以上です。 ○西辻管理官 それでは、回答させていただきます。  まず、第1条の職員の定義のところで、有期雇用の職員の書きぶりということです が、基本的には正規職員だけでなく、準職員、それから特定業務やアシスタント等の 有期雇用職員もすべてこの制裁規程の対象になると整理をしております。ちょっと、 書きぶりを修正した方がいいのかどうかというところは、先生から具体的な御教示を いただければと思っております。  2点目の第4条でございますが、「軽減又は免除」のところで第3条1項、第2項 について免除はあるけれども、第3項に関してはあり得ないのではないかということ ですが、具体的なケースが想定されているわけではないのですが、一応、第1項、第 2項だけではなく、第3項も免除の余地があり得るのではないか、免除はできないと 整理するのではなくて、免除はあり得るという前提で原案を作成しております。  3点目、5条のところで、教唆等につきまして同じ制裁を行うということは、これ はやや縛り過ぎなのではないかという御指摘かと思いますが、御指摘を踏まえて、も う一度、検討をさせていただきたいと思います。  4点目の職員の制裁審査委員会でございますが、不服申立を事後的に行うのかどう かということでしたが、基本的には事後的な不服申立の制度を設けるということは、 考えておりません。むしろ審査の過程で必要に応じて、弁明の機会を与える、ないし はその前段階の調査の過程で調書を取るといった形で、本人の主張を審査会の審査に 反映させていくということで考えております。  5点目、役員制裁規程における人事異動と出向に関してですが、担当替えだけでな く、出向があるのかというご質問かと思います。役員の人事ですので、理事長がお決 めになることではありますが、例えば民間企業や国から役員の出向を受け入れた後、 また企業や国に戻るということがが実際にあるかどうかはともかく、想定はされるの ではないかと考えて出向を入れたということでございます。  最後は、理事長が決定するということを規程上どういった書きぶりにするのかとい うことだったかと思いますが、書きぶりについては御相談させていただければと思っ ております。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。 ○小嶌委員 はい。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○磯村委員長代理 制裁規程とは全く関係ないのですが、何か今度の機構職員の数は 減らされるは、仕事はどんと引き継がなければいかんは、何かあるとこの制裁規程で ちょっとしたことでもいろいろおとがめがありそうだ。えらい暗い職場になりはしな いかと。  ついては、普通、おとがめがあるのであれば、お褒めもあるわけです。何か少しで も明るさを出すために、褒める部分をもっとしっかりやれというふうに、この設立委 員会の段階で職員のために何らかの骨組みのようなものをちょっと御検討いただく というのは、いかがでしょうか。  これは、今日、御返事をいただかなくても結構です。設立までに「こんなところで こんなふうに褒めてやろうよ」という部分を、是非、ひとつよろしくお願いしたいな と思います。以上です。 ○西辻管理官 本日は法律で定められている制裁規程ということで、今、まさに委員 長代理がおっしゃった、どちらかというと職員が暗い気持ちになる方の話かもしれま せんが、一方で、職員のモチベーションを高めて、本当に職員が頑張ろうという気持 ちになるための表彰、褒賞といったものはやはり機構の中においても、これは不可欠 だろうと思っております。  我々としても、そういった仕組みを機構が設立するまでの間に、理事長予定者の御 了解をいただきながら、つくってまいりたいと思っておりますので、またいずれかの 形で御報告はできるかと思っております。 ○磯村委員長代理 ありがとうございます。 ○奥田委員長 あとはよろしゅうございますか。それでは、この制裁規程については さまざまな御意見をいただいておりまして、まだ議論は尽きないと思いますが、事務 局と相談して修正案、あるいは変更案をつくりまして、次回の委員会でお諮りしたい と思いますが、よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○奥田委員長 では、そのようにいたします。それでは、次に報告事項でございます が、日本年金機構法の関係政令案について、事務局から説明をお願いします。 ○長田管理官 失礼いたします。それでは、資料4に基づきまして日本年金機構法の 関係の政令案につきまして御報告を申し上げたいと思います。この日本年金機構法の 施行に必要な政令につきましては内閣の責任におきまして制定・公布をするというこ ととなりますが、今後、そのために必要となる所要の手続を進めていくということか ら、現時点におきます検討案につきまして御報告を申し上げるという位置づけのもの でございます。  具体的には政令案といたしまして、形式上は2つのものに分かれております。一つ は資料4の1ページ目にございますように「日本年金機構法施行令(案)の概要」と 書いてございますが、年金機構法本体に根拠を持つ政令事項について定めるもの。  それから、3ページ以下にございます機構法の施行に伴いまして改正等が必要とな ります関係政令の整備、あるいは経過措置に関する政令案ということで、法形式上は こういった2本のものに分かれるということでございます。  これらの内容につきましては、技術的な内容とか、法律が変わったことによって単 純にその字句を修正するといったような性格のものもございますので、時間の関係も ございますので、要点を絞って御説明をさせていただきたいと思います。  そこで資料4、いきなりページが飛んで恐縮でございますが、まず3ページをご覧 いただきたいと存じます。3ページ、下ほどにございます1のA。「財務大臣への権 限の委任」という部分でございます。  これはいわゆる滞納処分につきまして、国税庁に委任をするものに関します規定で ございます。資料にございますように、法律の規定では、「厚生労働大臣は滞納処分 につきまして政令で定める事情があるため、保険料等の効果的な徴収を行う上で必要 があると認めるときには、当該処分の権限の全部または一部を委任できる」とされて おるところでございます。  この本政令案におきましては、これらの政令の内容を規定するものでございますが、 要は国税庁にどういったケースを委任するのか、その要件を定めるというものでござ いまして、具体的にはおめくりをいただきまして、4ページ。「政令案における規定 の内容」と書いてございます。1つ目の丸にございます。1つは、その納付義務者が 滞納処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしている恐れがあるといっ た悪質性があるということ。  それから、長期間にわたる滞納があることといった困難性といったような事情があ るということを規定することを予定しております。そのほか、手続的なことにつきま して規定をしております。  続きまして、Bの「機構が行う収納」という部分でございますが、法律の規定のと ころでは厚生労働大臣は会計法の規定にかかわらず、政令で定める場合における保険 料等の収納を機構に行わせることができるというふうにされております。  これは具体的にどういうことかといいますと、会計法という法律に基づきまして、 いわゆる国庫金、国の歳入金であります保険料についてはその現金を国の職員、国の 大臣から指定された出納管理等の職員のみが扱えるということになっておりまして、 機構の職員、非公務員たる機構の職員がそういったものを取り扱うためには、この会 計法の特例を設けているところでございます。  ただし、厳格な会計法の特例を設けるケースでございますので、どういった場合に そういった現金を直接扱えるかというのを政令で限定的に定めるというものでござ います。  具体的な中身といたしまして、同じく4ページ「政令案における規定の内容」とい う1つ目の丸にございますが、例えば滞納処分を行って、換価処分をして、実際にそ のお金を収納するといったような場合、あるいは滞納者が窓口に保険料を納付しに来 られたというような場合、あるいは戸別訪問によって、戸別訪問時に保険料を受領す るといった場合につきまして、それに限って機構の職員が現金を扱えるようにすると いったようなことを規定するということでございます。  続きまして、5ページにまいりまして、中ほど、Uの「経過措置」という部分の1 「権利義務の承継」、それから、2の「国から機構への出資」といったような部分で ございますが、まず権利義務の承継につきましては、ここの法律の規定に書いてござ いますように、「機構が行う業務に関して現に国が有する権利・義務のうち政令で定 めるものは、機構が承継する」こととされております。  ここで言います「政令で定めるもの」といたしまして、政令案における規定の内容 に書いてございます社会保険庁の所有する土地・建物で、厚生労働大臣が財務大臣と 協議をして指定するものに関する権利・義務。あるいは、社会保険庁の所有する物品 のうち、厚生労働大臣が指定するものに関する権利・義務等を定めるということで、 ちょっと文章上わかりにくいのですが、端的に言いますと、現に今、使用しておりま す社会保険事務所の土地・建物といったものは、これは当然、機構によって引き続き 使用することになりますので、そういったものを財産出資の対象とし、権利を承継す るものの対象とするということでございます。  ただ、具体的に個々の物件を見て、どれを出資する、しないということについては、 財務大臣との協議が必要ということでございまして、具体的には、今後、財務省の理 財局と協議をして確定をさせるということでございます。  それで2の「国から機構への出資」という部分でございますが、こういった財産の 承継を受けまして、具体的にはその財産承継されたものが国から機構に出資された財 産という位置づけになるわけでございますが、出資されるものにつきましては土地・ 建物のほか、日常、日々使う物品のようなものも含まれますので、その出資財産とし て評価をする、額を評価するといった範囲というものを政令で定めるということにし てございます。  また、その評価額の算定の内容についても、その算定の手続等についても政令で定 めるといったようなこととされております。  具体的に政令で書く中身といたしまして、6ページになりますが、国から承継した 土地と、あるいはその他、厚生労働大臣が指定するものということで、土地・建物、 更に物品については一定額以上のものについてが対象になるということでございま す。  なお、今後の評価につきましては、具体的な出資財産が確定して以降、不動産鑑定 を行い、その不動産鑑定結果をもとに、ここに書いてございます評価委員というとこ ろで評価額を確定させるということになっておりまして、その評価委員のもとでその 出資額が確定をされるということでございます。  それから、飛びまして、6ページの4の「国有財産の無償使用」の部分でございま すが、今の出資と併せまして、「国は機構の成立の際、現に社会保険庁で使用されて いる国有財産であって、政令で定めるものを機構に無償で使用させることができる」 という規定を置いております。これは、基本的に機構が使用する財産は出資をすると いうことを原則としておりますが、何らかの事由によりまして出資をすることが困難 である場合、しかしながら、機構が業務上、使用することが必要であるといった場合 に、国有財産のままで無償使用ができるという仕組みを設けるということでございま す。  この無償使用ができる財産の範囲といたしまして、政令案において機構の成立の際、 現に専ら社会保険庁に使用されている土地等であって、機構に承継されないものとい うことを規定しようというものでございまして、何でもかんでも、全く社会保険庁の 業務に関係ないような国有財産までこの無償使用の対象になるというものではない ということでございます。  それから最後、「健康保険組合の設立」の関係でございます。これも法律の規定に おきまして、機構は設立時におきまして健康保険組合を設けるということとされてお ります。  この健康保険組合の設立に当たりましては、設立委員におきまして「健康保険組合 の規約、その他政令で定める事項について厚生労働大臣の認可を受ける」こととされ ております。政令では、ここで言いますその認可を受けるべき事項として、健康保険 組合の規約以外のものといたしまして、一般保険料率を規定するということ。併せま して、事務手続的なことにつきましても定めるということでございます。  以上、雑駁ではございますが、概要につきまして御報告をさせていただきます。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。ただいまの関係政令案について、質 問等がございましたら、どうぞ。はい、どうぞ。 ○野村委員 済みません。では、先に。会計法の例外として機構が行う収納というの がございました。4ページです。こちらは、機構自体がその保険料に当たるものを取 得するということを記述しているのかなと思ったのですが、どうもそこで説明を伺っ ていますと、そこからもう一段下がって、機構の職員がどういう場合にお金を触って もいいのかというところも併せて考えておられるような感じがするのです。  この問題は、最近、どこの金融機関もそうですけれども、なるべく職員が現金に触 らないようにという努力を続けている中で、やや牧歌的な記述のような感じがします。 訪問先の事業主が「納めたい」と言ったものを現金を預かって戻ってくるのかどうか。 この辺りはもう少し事務的なところのフローを考えた方がいいのではないかと思い ます。  相手方が任意で納めるものについては、振込み等の方法を使って、なるべく現金を 触らないというその事務フローを検討していくことの方が合理的なのかなと思いま すので、ここでのその規定の内容に合っているのかどうかはちょっとわかりかねます けれども、いずれにしましても、機構の収納と機構の職員が具体的にどういう場合に 収納するのかということを分けて、後者の面につきましてはもう少し不正が起こりに くい体制を考案していただいた方がよろしいかなと思います。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○長田管理官 貴重な御指摘をありがとうございます。まず、会計法という法律の体 系自体が「どういう職員が扱えるか」という規定になっておる関係で、そのアナロジ ーで機構の職員についてどうするか、どうできるかということを規定しているという ことが1点でございます。  それから、御指摘をいただいた点はまさしくそうでございまして、基本的には現行 でも、極力、その窓口で現金収納をしないということの方針を既に立てておりまして、 極めて例外的なケースを除きまして、なるべく現金は扱わないようにということは、 既に今も段階を経て、やっている最中でございます。  したがいまして、法律上の仕組みとして、法令上の仕組みとして身動きがとれなく ならないように、できるという仕組みとするということと、先生から御指摘をいただ いた、現実問題、どの範囲、ぎりぎり、その最低限の範囲で扱うかということにつき ましては、今後、御指摘も踏まえて詳細を詰めていきたいと思いますので、よろしく お願いします。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。 ○野村委員 はい。 ○奥田委員長 では、どうぞ。 ○磯村委員長代理 7ページの健康保険組合の設立の関係で、これは今、この場でお 答えいただかなくても結構でございますので、これも数年先の職員の不安なり不審な 気持ちを解消できるような手だてを別途講じていただくということで、半分、確認で ございます。  お話を聞いていますと、どうもこの健康保険組合は強制設立のようですが、それで よいのかどうか。強制設立であれば、機構が発足時の職員の同意は後になるわけです から、そういう意味で強制設立になるだろうと思いますけれども、そういう考え方で いいのかどうか。  2つ目。現在の社会保険庁職員共済組合に、これは短期経理だろうと思いますが、 この健康保険組合相当分の積立金的なものがあるだろうと。これが一体、幾らあって、 これはそこの組合に持っていくのか、持っていかないのか。あるいは現に協会健保の 職員として移籍した人の分も千何百人分か見合いがあるわけですけれども、それから の分はどうなるのか。それから、長期経理の方はどうなるのか。  3つ目に、健康保険組合をつくらなかったとすると、今の積立金的なものはどうな るのか。どこへ行くのか。  4つ目。設立後の保険料は、一体、ここに書いてある、一般保険料率云々というの が書いてありますけれども、構成から見ると恐らく何ミリ%か高くなりそうな気がす るのですが、わかっておられれば、どれくらい高くなりそうなのか。  そうすると、恐らく健康保険組合を設立した後は例えば高くなるであろう保険料分 と一般料率の差額を、積立金相当的なものでなし崩しで賄っていって、何年か先には ということになるだろうと思うのです。その積立金は何年で消滅するのだろうか。そ のときに、では健保組合はそのまま続けていくと、当然、協会健保の一般料率よりも 高い料率の保険料率が必要になってくると思うのです。  そうすると、職員は高い負担を我慢せざるを得ない。将来、そんな高い負担を我慢 せざるを得ないために健康保険組合など、なぜ強制設立でつくるのか。こういう気持 ちになるだろうと思うのですが、その辺はどうなのか。  こういった動機不純的な設立を民間が新設するというのを認めるのか、認めないの か。以上でございます。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○長田管理官 幾つか御指摘をいただきましたが、それぞれ、お答えをいたします。 まず、法律上の仕組みとして強制設立であるのか否かという点につきましては、強制 設立という仕組みといたしております。  共済組合の積立金でございますけれども、大体、現状の試算によりますと、3.数億 円ぐらいという見込みをいたしておりますが、いずれにいたしましても、次回にこの 健康保険組合の関係につきましてはお諮りをしたいと思っておりますので、その際に 正確なところをお示しさせていただきたいと思います。  それから、協会健保分の関係がどうかということ、あるいは健保組合をつくらなか った場合に積立金はどこに行くのかといったようなことでございますが、まず積立金 そのものにつきましては、これが強制設立をした一つの理由になりますが、要は当然、 その権利・義務関係というものは、法律上確定をさせなければなりませんので、それ を今回のスキームの中では機構の健康保険組合に承継をさせるというような法律上 の手当てをしたので、そうなったということでございますので、今の法律の枠組みの もとで健康保険組合をつくらなかった場合、その行くべき財産の先というものが、法 律上、明らかになっておりませんので、どこに行くかということはお答えできないと いうことになります。  協会健保の人の分ということにつきましては、概念的にはそういう側面はあろうか と思いますが、もともと、その機構法を制定した時点におきまして、かなりその積立 金があったという状況を踏まえまして、できる限り、その積立金を減らす、還元する という観点から、この間、保険料率の引き下げというものを行っております。そうは いっても、幾ばくかの積立金は残るという意味では、抽象的な意味ではその協会に行 った職員の分も含まれているという解釈も成り立ち得ると思いますが、この間の保険 料率の引き下げによって、協会に行った人に対する還元は、一定なされているのでは ないかと理解をしております。  保険料率の関係につきましては、現在、その精査をしておりますので、その点につ きましては、次回の設立委員会でと思っております。  それから、設立後、健康保険組合をどういう形で維持をするのか、しないのかとい うことでございますが、この機構法に基づく健康保険組合の設立は機構法で定められ た特例で、健康保険法の通常の健康保険組合の手続の特例として設けておるわけでご ざいますが、その後の手続につきましては、一般法である健康保険法の規定によると いうことになりますので、健康保険組合をそのまま維持をするのか、あるいは解散を していくのかといったことにつきましては、健康保険法の規定によって組合員として の判断に基づいてなされるものと理解をしております。 ○奥田委員長 どうぞ。 ○磯村委員長代理 そうしますと、詳しいことは次回お伺いすることにして、今の考 え方としては設立して、機構が発足して3年たったら、結構、高い保険料率になると。 もう、積立金は持ってきたものは底をついたよと。したがって、健康保険組合をつく っていなかったときと比べると、負担が高くなりそうだから、職員の皆さんが判断を して、理事長の御判断で健康保険組合を解散するなら解散したらどうですかと。そう いうふうに聞こえたのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。 ○長田管理官 組合員としての判断になるということでございます。 ○磯村委員長代理 いいですか。 ○奥田委員長 はい。 ○磯村委員長代理 そうすると、たまたま積立金があるために、それを持っていくた めに、できたら3年たって料率が、負担が高くなったから解散します、そういうこと でいいのだということを、どうか、職員の皆さんによくわかるように説明をしておい てあげてください。以上です。 ○奥田委員長 それ以外によろしいですか。  どうぞ。 ○長沼委員 5ページですが、社会保険審査官及び社会保険審査会の関係で、例えば 障害年金の裁定請求を出して、それが却下された場合、認定してもらえなかったとい う場合、今後はその異議申立てだとか、審査請求はどこにするようになるのか、とい うのが1点。  それから、土地及び建物が日本年金機構にその権利が承継されるということになっ た場合、その所有権が日本年金機構に移るということなのか、また、そうした場合、 市町村にその固定資産税を新たに納付するようになるのか、どうか。  あわせて、例えばウインドマシンのような資産について、市町村に償却資産として、 申告する必要性が、日本年金機構にはあるのか、その2点についてお伺いします。 ○説明者(竹林) それでは、1点目。社会保険審査官、社会保険審査の仕組みのと ころについての御質問について、お答えしたいと思います。これは処分の中身によっ て変わるわけですが、大きく分けて給付に関する処分、今、長沼委員から御指摘のあ った、例えば障害年金の認定に伴うその裁定の関係、こういう給付に関する処分につ きましては、これは厚生労働大臣の名前で行うということになりますので、不服審査 の上げ先も厚生労働大臣を被告とするというか、不服審査なので被告ではありません が、厚生労働大臣に対する処分の取消しの訴えを社会保険審査会に上げる。一審目は 審査官、二審目は社会保険審査会ということになります。  社会保険審査官は、今は社会保険事務局に置かれていますけれども、22年1月以降、 機構の発足後は、その人たちは地方厚生局、厚生労働省の地方支分部局である地方厚 生局に身分を移しまして、今までと同じような仕事をされると。  それから、標準報酬の決定とか、被保険者資格の確認という現役時代に対する適用 関係の処分、こちらの方は機構に権限ごと委任されますので、機構を相手、機構を被 告というか、機構に対する処分の取消しの訴えを同じように一審は審査官、二審は審 査会という形で行っていくというのが、日本年金機構法に伴う改正でございます。  それ以外に、現在、国会で継続審査中の行政不服審査法そのものの見直しもありま すけれども、これはまだ提案されただけで通っておりませんので、機構設立に伴う見 直しという意味では、今、申し上げたような形になります。以上でございます。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。 ○長田管理官 よろしいでしょうか。 ○奥田委員長 はい、どうぞ。 ○長田管理官 済みません。2点目の税法の関係でございますが、国税、地方税とも に所要の税制改正措置を財務省と総務省とセットをしておりまして、ちょっと例外的 なものはありますが、基本的には社会保険事務所等の土地・建物につきましては、機 構では年金事務所になりますが、年金事務所の土地・建物につきましては非課税措置 という扱いになると理解をしております。  また、ウインドマシンにつきましては、基本的にはリース資産でございますので、 そういう意味では固定資産税の対象にはならないのかなと理解をしております。 ○奥田委員長 よろしゅうございますか。どうぞ。 ○長沼委員 1点目については了解しました。 それから、2点目ですが、例えば年金事務所などの土地・建物、これは非課税措置、 いわゆる学校法人とか宗教法人と同じように非課税、いわゆる人的非課税ということ で非課税なのか、それとも、いわゆる減免で納付を要しないような形なのか。それが ひとつ。  それから、リースに関しては、その所有者が国だから償却資産について、申告納付 を要しないということなのか。私の知識では、、リースというのはリースを持ってい る人が申告納付をすると思うのです。例えば、志木市でも学校などに、パソコンなど がリースで入っていれば、そのリース会社の法人が償却資産を申告納付していると認 識しています。 ○説明者(三村) 済みません。前段の社会保険事務所ですとか、日本年金機構のそ の土地・建物につきましては、日本年金機構法を制定しまして、それ以降は税制改正 要綱の方で非課税ということに措置をしておりますので、減免というわけではなくて、 法律上でおっしゃられるとおり、非課税の法人と同じ扱いということを税務当局にも 認めていただいているという次第でございます。  あと、そのリースの所有権の関係のところでございますけれども、こちらにつきま しては、ちょっと、今、こちらは直ちにお答えできないので、またそれはお調べして というふうに考えております。 ○奥田委員長 よろしいですか。それでは、時間の問題もありますので、この関連政 令案につきましては、いろいろ疑問とか、あるいは回答を要することが出ております ので、そういった御意見を踏まえて、次回、あるいは次々回の会議でもう一度、報告 をしていただく。それで検討をしていただく。そういうふうにしたいと思いますが、 よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○奥田委員長 事務局、いいですか。 ○西辻管理官 次回ということでございますが、できましたら、今後の政令の関係の 手続等がありますので、今の長沼委員の御質問に対してどういった形で整理をするの かということを個別に各委員の皆様方に御報告をした上で、御了解が得られれば手続 を進めるという形でやらせていただければと思っております。 ○奥田委員長 手続を進めるのはいいのですが、それを最終的にはこのあれに報告し てもらう。結果的には、そういうことになるということですね。 ○西辻管理官 はい。手続を進める前に個別の委員の皆様方に御報告いたしますし、 それから、次回の委員会でも御報告をさせていただきます。 ○奥田委員長 一応、予定の時間が過ぎておりますが、本日の委員会はこれで終了し たいと思います。本日の資料等の取扱いでございますが、委員会規則第9条及び第10 条の規定に基づきまして、会議資料及び議事録は公表とさせていただきます。次回の 日程等について、事務局から説明をお願いします。 ○八神大臣官房参事官 次回の日程につきましては、委員の皆様にあらかじめお時間 をいただいておりました6月29日、月曜日の15時から予定をさせていただきたいと 存じます。後日、正式な御案内を差し上げたいと存じます。  また、先ほど、委員長から懇談会を開催するように御指示がございましたので、別 途、日程、内容等を調整させていただきたいと思います。  本日の議事録につきましては、後日、事務方より皆様にお送りし、お目通しをいた だいた上で公表させていただく予定ですので、よろしくお願い申し上げます。事務方 からは以上でございます。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。  それでは、本日の委員会はこれで終了といたします。どうもありがとうございまし た。 (連絡先) 厚生労働省年金局総務課 03-5253-1111(内線3315)