09/05/25 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成21年5月25日(月)  14:00〜 厚生労働省専用第18〜20会議室 2.出席委員(13名)五十音順   ○池 田 康 夫、 庵 原 俊 昭、 岡   慎 一、 守 殿 貞 夫、     清 水 秀 行、 田 村 友 秀、 土 屋 友 房、 濱 口   功、    早 川 堯 夫、○堀 内 龍 也、 前 崎 繁 文、 溝 口 昌 子、   山 添   康  (注)◎部会長 ○部会長代理    欠席委員(4名)   新 井 洋 由、 飯 沼 雅 朗、 竹 内 正 弘、◎吉 田 茂 昭    3.行政機関出席者    岸 田 修 一(大臣官房審議官) 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、 豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 松 田   勉(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)、 成 田 昌 稔(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、 赤 川 治 郎(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは、ただ今から薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催させ ていただきたいと存じます。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがと うございます。現在のところ、当部会委員17名のうち12名の委員の御出席をいただいて おります。庵原委員、飯沼委員におかれましては遅れて御出席という御連絡をいただいて おりますが、いずれにいたしましても定足数に達しておりますことを御報告申し上げま す。  はじめに委員の交代について御紹介申し上げます。山口一成委員が退任されまして、そ の後任として国立感染症研究所血液・安全性研究部長の濱口功委員が御就任されておりま す。本日も御出席いただいております。  なお、本日は新井委員、竹内委員、吉田委員より欠席との御連絡をいただいております。 したがいまして、部会長代理の池田委員に議事進行をお願いしたいと存じます。それでは 池田委員、以後の進行をよろしくお願いいたします。 ○池田部会長代理 池田でございます。吉田先生が御欠席ということで私が代わりに議事 進行を務めさせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。  それでは早速、本日の審議に入りたいと思いますけれども、いつものように事務局から 配布資料の確認と審議事項に関する競合品目と競合企業リストについての報告をお願い したいと思います。よろしくお願いいたします。 ○事務局 それではまず、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座 席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載しております資料1〜4ま でを事前にお送りしております。このほか、本日配布いたします資料といたしまして、議 題、その他に関わります資料5「医薬品サレドカプセル50の製造販売承認について」、 資料No.6「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料No.7「競合品目・競合企 業リスト」を配布しております。  続きまして、資料No.7、本日の審議事項に関します「競合品目・競合企業リスト」につ いて御報告いたします。本日の審議品目、カルムスチン脳内留置用製剤の希少疾病用医薬 品の指定でございますが、この資料No.7にお示ししているとおり本剤は脳腫瘍切除時の腫 瘍切除腔に留置する局所化学療法用剤であり、他に類薬はなく、既存の薬物療法である全 身化学療法に付加的に用いられることから、競合品目はないとしているところでございま す。以上でございます。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明に何か先生方、 御意見ございますでしょうか。資料等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、 この部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、先生方の御了解を得 たということで進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとう ございました。それでは、委員からの申出状況について報告をお願いいたします。 ○事務局 各委員からの申出状況につきまして御説明いたします。議題1のカルムスチン のオーファン指定につきましては、退室委員、議決には参加しない委員、ともにいらっし ゃいません。また、議題2の生物学的製剤基準の一部改正等につきましても、同様に退室 委員、議決には参加しない委員はいらっしゃいません。以上です。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。本日は先生方、お手元のアジェンダにあり ますように審議事項が2議題、そして報告事項が2議題、その他、ということになってお りますので要領よく進めさせていただきたいと思います。それでは、議題1に入りますけ れども、早速議題1について事務局から概要の説明をお願いします。 ○事務局 それでは、カルムスチン脳内留置用製剤を希少疾病用医薬品として指定するこ との可否につきまして資料1に基づいて説明させていただきます。医薬品医療機器総合機 構が事前評価を取りまとめておりますので、指定案件である対象者数、医療上の必要性、 開発の可能性の三点について御説明申し上げます。  品目の名称はカルムスチン脳内留置用製剤、予定される効能・効果は悪性神経膠腫、申 請者はノーベルファーマ株式会社でございます。悪性神経膠腫は脳腫瘍のうち、脳内の神 経膠細胞から発生する原発性腫瘍の中で、WHOの悪性度グレード分類III、又はIVに分類 される悪性度が高い腫瘍です。  まず、対象者数についてですが、日本病理学会の脳腫瘍全国統計委員会の調査によりま すと、脳腫瘍のうち神経膠腫の国内患者数は4,000人以下と推定されております。そして、 同調査における神経膠腫の病理組織別患者数の内訳を考慮しますと、悪性神経膠腫の患者 数は3,000人以下と推定されております。以上から希少疾病用医薬品の指定要件である5 万人以下を満たすものと考えております。  次に医療上の必要性について御説明します。悪性神経膠腫は発生部位より周辺部位に浸 潤拡大傾向を示すため圧迫症状として多彩な症状を呈します。治療が困難なことが多く、 5年生存率は25%以下と極めて予後不良でございます。既存の治療方法として、原則、 全症例に対し、外科的な摘出術が考えられますが、この腫瘍は組織浸潤性が高いため、手 術により完全摘出が困難な場合が多いことから摘出術後に放射線療法、全身化学療法等が 追加されます。しかしながら、併用療法である放射線療法は上限があること、また、全身 化学療法は血液-脳関門より他の臓器の悪性腫瘍に比べて腫瘍部位で十分な有効濃度を到 達しにくい可能性があること等により、術後の残存腫瘍細胞を完全に除去することは困難 です。本剤はDNAアルキル化剤であるカルムスチンと重合体化合物(ウェハー)からな る局所徐放性製剤です。本剤を切除後の切除腔の大きさに合わせて1〜8枚留置すること によりまして、摘除術の術後から高濃度のカルムスチンを腫瘍細胞に直接曝露させること が期待できます。海外における臨床試験として、初発の悪性神経膠腫患者240名を対象と したプラセボ対照二重盲検試験におきまして、有意な全生存期間の延長が確認され、また、 再発の悪性神経膠腫患者を対象としたプラセボ対照二重盲検試験においても良好な結果 が得られております。副作用はプラセボ群と同等な発現状況で忍容性はあると考えられま す。また、本剤は欧米等20か国以上で承認されております。  以上のことから本剤の医療上の必要性は高いと考えられ、希少疾病用医薬品としての要 件を満たすと判断しております。それでは、御審議の程、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。議題1はカルムスチンという抗悪性腫瘍剤 を重合体の化合物であるウェハーというものに固相化して、そして徐放性にして、それを 脳内に留置するというような、そういう製剤で、これを神経膠腫の希少疾病用医薬品とし て指定することの可否についてということでございますので、委員の先生方から御意見、 御質問を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。  ただ今患者さんの数、それからこの医薬品の位置付け、必要性について説明をいただい たわけですけれども、いかがですか。何か御意見、ございますでしょうか。  ちなみに、米国ではFDAから1996年に、再発時の手術との併用で適応症が取れてい るということでございます。それで、欧米を含めて海外20か国以上の国、地域で承認を されているということでございますが、いかがですか。特に問題はございませんでしょう か。よろしいですか。これは、ウェハーという重合体化合物に薬を付けて、それを徐放性 にするということで、そのものを留置するということについても、これまでの欧米での経 験として安全性は確認されているということでしょうけれども。守殿委員、どうぞ。 ○守殿委員 この徐放剤の薬剤が腫瘍細胞に取り込まれるということは、腫瘍等、何らか の炎症等がある場合、ブラッドブレーンバリアのようなバリアがあるとすると、そのバリ アが壊れているのでがんの組織へ薬剤が到達する。そういうふうな仕組みなのですか。 ○事務局 そのように考えております。 ○池田部会長代理 脳内にそのまま留置するのですよね。 ○守殿委員 薬剤がそのままどうして腫瘍細胞に取り込まれるのか、ということなので す。例えば、膀胱でしたら膀胱の腫瘍に対する膀胱内注入療法があるのですが、薬剤は腫 瘍細胞等の膜を、ダイレクトに浸透していくのですが、どういう原理かということです。 ○池田部会長代理 取りきれなかった悪性腫瘍のところにこれを貼るような形になるん ですね。何枚というふうに書いてありますからね。絵がありますか。何ページですか。 ○事務局 添付資料をお付けしております。青い紙が何枚か入っておりますが、2枚開け ていただいて、ウ「当該薬品を使用する理論的な根拠となる資料」という資料の中の2ペ ージ目のところに図ウ-4として使用例がございます。 ○池田部会長代理 堀内委員、どうぞ。  ○堀内部会長代理 これは、ニトロソウレア系の抗がん剤ですから、違う細胞と同じよう にこの神経細胞でも細胞膜はあとで通過します。特に腫瘍の残っているところに留置をし ますから、ある面ではかなり高濃度で局所的に細胞に到達するというふうに思いますが。 ○池田部会長代理 よろしいでしょうか。その他は特に御意見ございませんでしょうか。 特によろしいですか。ありがとうございました。  それでは、特に意見がないようですので議決に入りたいと思います。本議題については 希少疾病用医薬品として指定することを可としてよろしいでしょうか。  ありがとうございました。御異議がないようですので、これは希少疾病用医薬品として、 指定を可として薬事分科会に報告させていただきたいと思います。  それでは続きまして、議題2「生物学的製剤基準の一部改正等について」ということで、 議事に入りたいと思いますので、事務局から概要を説明してください。 ○事務局 資料No.2を御覧ください。2ページですが、今回の生物学的製剤の一部改正等 についての概略を示しております。今回の改正案でございますが、生物学的製剤基準、こ れはワクチン等生物学的製剤に関する基準を収めたものでございますが、その中で用いら れております名称であります「沈降新型インフルエンザワクチン(H5N1株)」を「沈降 インフルエンザワクチン(H5N1株)」に改めるとともに、この基準中にあります「新型 インフルエンザウィルス(H5N1株)」を「インフルエンザウイルス(H5N1株)」に改 めるものでございます。なお、併せて、この品目にかかわる生物由来製品の指定について も、同様に変更する予定でございます。  この改正の理由でございますが、本品目であります「沈降新型インフルエンザワクチン (H5N1株)」につきましては、平成16年8月に厚生労働科学審議会感染症部会の小委 員会により策定された新型インフルエンザ対策報告書に示された、このワクチン開発の方 向性に基づき、開発が行われ、その後、日本国内でのインフルエンザワクチンメーカーで あります北里研究所及び阪大微生物病研究会より申請がなされ、平成19年8月に開催さ れた本部会で御審議いただいた後に、平成19年10月19日付けで、H5N1株による新 型インフルエンザの予防を効能・効果として承認されたという経緯でございます。  そして、この承認の際に当該ワクチンの品質確保の観点から、当該ワクチンにかかる基 準として、基準名を「沈降新型インフルエンザワクチン(H5N1株)」といたしまして、 生物学的製剤基準に追加されたものでございます。この本基準に適合する製剤は、プレパ ンデミックワクチンとして、製造・備蓄されておりますが、現在では臨床研究用としても 供給されているところでございます。  このような状況を考慮いたしますと、生物学的製剤基準にあります「沈降新型インフル エンザワクチン(H5N1株)」は基準名として、必ずしも適切ではないと考えられること などから、今回、基準名の改正などを行うものでございます。なお、現在、本年4月28 日付けで、インフルエンザA(H1N1)が、感染症法第6条第7号に規定する新型インフ ルエンザ等感染症として位置付けられたところであります。  三点目、その他でございますが、今回のこの改正に併せて、本ワクチン製剤の製造承認 を受けている2社の製品、それぞれの販売名は「沈降新型インフルエンザワクチンH5N 1『北研』」、「沈降新型インフルエンザウィルスH5N1『ビケン』」とありますが、 今回の生物基準の改正と併せて、これらの販売名につきましても各々「沈降インフルエン ザワクチンH5N1『北研』」及び「沈降インフルエンザワクチンH5N1『ビケン』」 に改めるなどの措置を講じる予定でございます。以上でございます。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。インフルエンザワクチンの名称の変更でご ざいます。これは生物学的製剤基準の一部改正に当たりますので、先生方の御審議をお願 いしたいということでございますが、委員の先生方から何か御意見ございますでしょう か。特にございませんか。よろしいですか。もし、特段御意見がございませんでしたら、 議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。特に御専門の先生方も多くいらっし ゃると思いますが、よろしいですか。  それでは議決に入りたいと思います。本議題について、本基準の一部改正を可としてよ ろしいでしょうか。  ありがとうございました。御異議がないようですので、本基準の一部改正を可といたし まして、薬事分科会に報告というふうにさせていただきたいと思います。ありがとうござ いました。  一応本日の審議事項は、ただ今二つほど先生方に御議論いただいたのですが、以上でご ざいます。続きまして、報告事項に入りたいと思います。報告事項は2議題ございますが、 まずはじめに、アムビゾーム点滴静注用50mgの製造販売承認事項一部変更承認について ということで、御報告をお願いします。 ○機構 それでは、議題1「医薬品アムビゾーム点滴静注用50mgの製造販売承認事項一部 変更承認について」、報告いたします。  本剤は、アムホテリシンBの毒性軽減を目的として、有効成分であるアムホテリシンB をリポソームと呼ばれる脂質小胞の脂質二分子膜中に封入した注射用抗真菌剤であり、現 在は「真菌感染症及び真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症」の効能・効果で承認され ております。今般、大日本住友製薬株式会社から、リーシュマニア症等の効能・効果を追 加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。医薬品医療機器総合機 構における審査の結果、資料3に記載いたしました効能・効果にて、本剤を承認して差し 支えないと判断いたしました。以上です。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。それでは資料4の御報告をお願いします。 ○機構 続きまして、議題2「医療用医薬品の再審査結果について」、報告いたします。 資料4は、一般的名称は「トレミフェンクエン酸塩」、販売名は「フェアストン錠40他」 の医薬品再審査確認等結果通知書です。この品目につきまして、市販後の使用成績調査、 市販後臨床試験、特別調査の成績等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法 第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すな わち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と 判定したものです。以上でございます。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。今の二つについて、最初に先生方の御意見 を伺いたいと思います。最初に議題1からでよろしいでしょうか。報告事項1のアムビゾ ーム点滴静注用の承認事項の一部変更承認についてでございますが、これについて、ただ 今報告をいただきましたが、何か委員の先生方から、御意見がございますでしょうか。 ○溝口委員 溝口でございます。真菌感染症で、新しい菌種として、いろいろな属が認め られているのですが、下記感染症という感染症の方は増えていなくて、かえって添付文書 の1ページの下に「クロモブラストミコーシスに対する本剤の有効性は確立されていな い」と書かれています。この報告書の26と27ページを拝見しますと、黒色真菌による深 在性皮膚感染症のうち、形態からフェオヒフォミコーシスとクロモブラストミコーシスに 分かれていますが、フェオヒフォミコーシスの方は、中枢性あるいは全身性に広がったと きの選択肢として推奨されると書いてありますし、クロモブラストミコーシスの方は、併 用とか、その他で選択肢として可能性があるというようなことが書かれています。  今、イトラコナゾールが有効ですので、こだわらなくていいのかもしれないのですが、 フェオヒフォミコーシスによる深在性皮膚感染症というのもございますし、これは免疫不 全の患者さんで起りやすいものですから、うっかりしていると全身性とか中枢性に広がる ことがございます。下記感染症のこの種類なのですが、深在性皮膚真菌症が入っていない のは、資料が少ないからなのでしょうか。 ○池田部会長代理 いかがですか。 ○機構 医薬品医療機器総合機構よりお答え申し上げます。ファンギゾンなど昔の承認の ものは深在性真菌症という記載をしていたのですが、近年はこのように真菌血症や呼吸器 真菌症など、細かく分類を分けて記載することにしております。今回は真菌症に関しては、 細かい菌属の追加ということでしたので、ここの下記感染症というところの分類について は変えず、追加で有効性が各教科書等で確認された菌種について、記載したというところ です。 ○溝口委員 最初のところがよく聞こえなかったのですが、以前、イトラコナゾールなど ないときは、黒色真菌症はアムホテリシンBの点滴静注ばかりやっていたのですが、その 頃の効果の資料などもお調べになっているのでしょうか。 ○機構 ファンギゾンのときの適応は御指摘のとおり深在性真菌症とされていますが、そ ちらも確認した上で判断しております。 ○溝口委員 それで、余り効かなかったから、黒色真菌症は入っていないというふうに考 えてよろしいのですか。 ○機構 効かないというエビデンスもございません。菌属としては抗真菌活性があったり するのですが、有効性に関する臨床的な使用状態として認められた報告が今回余りなかっ たということです。 ○溝口委員 もう一つ伺いたいのですが、昔といっても30年ぐらい前かもしれませんが、 今回出てきたリポソーム製剤と、以前点滴に使われていたアムホテリシンBが少し形態が 違うので、効果も違う可能性があるというふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○機構 お答え申し上げます。今先生がおっしゃった点についても、エビデンスが十分得 られているとは言えない状況かと思います。私どもといたしましても、エビデンスがある 菌種、感染症につきましては、この機会に効能に加える、適応症、適応菌種に加えること が適切と思いまして、審査を行いました。その結果、少なくとも、このリポソーマル化さ れた製剤については、皮膚感染症に関する適応を有している国が見出せなかったこと、そ れからファンギゾン等で代表される昔ながらのアムホテリシンB製剤については深在性 真菌症という名称でしたので、深在性の真菌症にも、あらゆる適用に使えるというような 状況でございましたが、製剤が異なることから、分布等が異なる可能性、またこの製剤に おいては、皮膚感染症について、症例報告、学会報告、教科書等の記載を見ても十分なエ ビデンスというものが見出せなかったことから、今回は皮膚領域の真菌感染症について は、適応症の中に加えないという結論に至った次第でございます。 ○溝口委員 ありがとうございました。 ○池田部会長代理 そのほか、いかがでしょうか。アムビゾームに関する報告事項につい て、御意見の追加はございますか。 ○清水委員 教えていただきたいのですが、適用のところですが、40〜41ページにかけ てのところで、米国では内臓型のみの承認になっているかと思いますが、今回は皮膚・粘 膜型も含めた承認というふうな議論がなされる中で、このことに関しては41ページの上 の方で「専門協議で議論したい」という書き振りになっているかと思うのですが、審査報 告の(2)の中に、その議論の内容がちょっと読み取れない部分があるように思いますの で、そこを御説明いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○池田部会長代理 どうぞ。 ○機構 医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。米国では内臓型のリーシュマ ニア症のみの適用とはなっているのですが、ロシア等その他の海外では、皮膚型のリーシ ュマニアも承認されておりまして、専門協議でも米国での皮膚・粘膜型のリーシュマニア の用法・用量が特に指定されておらず、文献等では異なるような用法・用量が用いられて いる報告もあるので、専門委員の先生に今回同じ用法・用量で承認することはいかがかと いう議論はいたしました。専門委員の先生からは特段異なる用法・用量としなくてもよい という、この機構の見解を支持する御意見をいただきましたので、審査報告(2)では詳細 には記載しませんでしたが、最初の方の一文に、特に問題ないと判断された、と記載して ございます。 ○池田部会長代理 そのほか、いかがですか。よろしいでしょうか。それでは続きまして、 この議題2の報告事項の再審査結果についてですが、これについては何か御質問はござい ますか。よろしいでしょうか。特にございませんか。  それでは、その他の事項のサレドカプセル50の製造販売承認について、説明をお願い します。 ○機構 4のその他、議題1「医薬品サレドカプセル50の製造販売承認について」、資 料5を用いて、御説明を申し上げます。本申請は、1カプセル中サリドマイド50mgを含 有する半量製剤の規格追加を行うもので、申請者は藤本製薬株式会社です。サリドマイド の服用1回当たりの量は通常100mgであり、患者の状態に応じて、適宜増減するとされま すが、従来1カプセル中、サリドマイド100mgを含有する製剤であるサレドカプセル100 の規格のみでした。  これに対し、サレドカプセル100にかかる専門協議等において、用量の調節等のため、 薬剤師がカプセルを外して調剤し、サリドマイドに曝露する可能性があることから、本剤 型を早期に供給する必要について指摘されておりました。これらを受け本申請にかかる審 査及び調査は迅速に行うように通知してあります。なお本剤形の追加に伴うサリドマイド 製剤、安全管理手順(TERMS)の改定等はございません。サレドカプセル50の承認について、 以上になります。通常、剤形追加は部会報告不要ですが、社会的関心が高い医薬品である ことから、新しい製剤が追加されたことについて、本日部会で御報告させていただきまし た。以上です。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。サリドマイドですが、サレドカプセル50 です。今まで100mgがあったわけですが、半量製剤の製造販売承認について、御報告をい ただきました。これについて、何か先生方、御意見、御質問ございますでしょうか。この 取扱いについてはTERMSという仕組みで取り扱うことになっているということで、それに ついては100mg錠と同様に扱うということで、用量が少ないものが必要とされているの に、なかなか100mgだけだと使いづらいということで、この度、50mgの製剤を承認して ほしいということです。特に御意見ございますか。 ○早川委員 「下記医薬品(規格追加)について」とタイトルが書かれています。これは規 格追加でよろしいのですね。剤形の追加ではなくて。 ○池田部会長代理 「(規格追加)」と書いてありますけれども。 ○審査管理課長 これは同じカプセル剤でございますから、剤形の追加ではなくて、用量 単位を変えるということで、規格追加という言い方がいいかと言われますと、薬価基準の 告示では規格という言葉が使われておりますとかいう、あいまいなことを言うわけです が、用量単位の追加であると考えております。 ○池田部会長代理 よろしいでしょうか。そのほか、特にございませんでしょうか。もし、 ないようでしたら、報告事項二つ、そして、その他としてサレドカプセル50の製造販売 承認、この3つの報告について、御確認いただいたということでよろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは報告事項は御確認いただいたということで、先生方 に御了解いただきました。本日は議題は以上でございます。事務局から何かございますで しょうか。 ○事務局 次回の部会でございますが、既に御案内のように、7月31日(金)午後2時か ら開催させていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長代理 ありがとうございました。先生方、お暑いところ、お集まりいただき まして、ありがとうございます。本日はこれで部会を終了いたします。ありがとうござい ました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 下川(内線2746)