09/05/20 第144回中央社会保険医療協議会総会議事録 09/05/20 中央社会保険医療協議会          第144回総会議事録 (1)日時  平成21年5月20日(水)10:00〜11:54 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員        小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代 清水) 伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       大島伸一専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        小野保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 平成20年度診療報酬改定の結果の検証について       ○ 後発医薬品の使用促進について       ○ 医療機器の保険適用について       ○ 臨床検査の保険適用について       ○ DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について       ○ 医療経済実態調査について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第144回中央社会保険医療協議会 総会を開催したいと思います。  まず、委員の出席状況についてご報告をいたします。本日は藤原専門委員がご欠席です。 また、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられます。  それでは、議事に移ります。  まず、平成20年度診療報酬改定の結果検証についてを議題といたします。本省部会の 庄司部会長より御説明をお願いいたします。 ○庄司部会長  それでは、お手元の中医協総−1−1をごらんいただきたいと思います。  この結果のまとめには、特に検証部会としての評価という項目を入れておりますので、 私のほうからはこの5つの調査について、調査方法及び調査の概要というところと、それ から検証部会としての評価というところを御報告させていただきたいと思います。  2ページをごらんください。  病院勤務医の負担軽減の実態調査の結果について。この調査は、(2)にございますよ うに、施設調査と医師責任者調査、医師調査がございます。施設調査は入院時医学管理加 算、医師事務作業補助体制加算、ハイリスク分娩管理加算のいずれかの施設基準の届け出 をしている病院を対象としております。それから、医師のほうの調査は調査対象の病院の 診療科責任者及び医師、そしてそれぞれ各診療科につき1名の医師責任者、そして3名の 医師を対象としております。対象数及び回収状況等は以下省略させていただきます。  そして、ちょっと飛びまして5ページをごらんいただきたいと思います。  検証部会としましては、この調査は医師の勤務状況、勤務時間、当直回数、処遇状況、 負担軽減策実施状況等について大変貴重な情報を得ることができたと考えております。な お、結果を見るにあたり、この調査対象がこの3つの加算のいずれかを算定している施設 ということですので、そのことを前提に読んでいかなければいけない、つまりこれらの施 設というのは比較的医療資源に豊かさがあると、そういうふうに思われます。ですから、 これはすべての医療機関を代表するというふうには読めないということを前提にしており ます。  結果ですが、1年前と比較して医師の個人の勤務状況が医師責任者の場合には13.2 %、そして医師の場合14.3%が「改善した」、「どちらかといえば改善した」の方向 で回答されておりますが、他方、「悪化した」、「どちらかといえば悪化した」について 医師責任者で37.8%、医師で34.8%と、こういう結果が出ておりますから、病院 勤務医の状況がよいとは決して言えない。これは真摯に、深刻に受けとめなければいけな いと考えました。  それから、病院勤務医の負担軽減については、いろいろな項目について当たっておりま すが、その中で効果が認められる項目というのが幾つかございますので、これを参考にす る必要があると思います。特に負担軽減策の取り組みの有無という点では余り医師の業務 負担に大きな差異がない結果でございますけれども、少し細かいところを見ますと、たと えば静脈注射等々というような一つ一つの細かい項目では、ある程度効果が認められると いうものもございますので、こういうものを特に医師が非常に負担だと思っている、そう いう業務を具体的に個別に軽減していくということが有効なのではないかと、そういうふ うに考えます。全体として現場の医師のほうが医師責任者よりもこうした業務分担改善の 効果が小さいというふうに受けとめられているということがありますので、そのことも考 慮しなければいけないと考えます。  それから、入院時医学管理加算の届け出数がここでは20年7月ですが、88施設と非 常に少ないという問題がございます。この施設基準の要件の見直しというのも病院勤務医 の負担軽減につながるような形で検討する必要があると考えます。  それから、この負担軽減に関する計画は医師責任者、医師ともに認知度がまだ非常に低 いということが分かりました。これを少し改善していかなければいけないと思います。な お、経済面の処遇改善ということで申しますと、医師責任者では、基本給、勤務手当が増 額されたという回答がそれぞれ1割前後ありました。また、傾向としては基本給よりは手 当を充実させているという施設が多く見られました。おおよそこんな傾向です。  それでは、2つ目の調査にまいりたいと思います。  7ページ目、外来管理加算の意義づけの見直しの影響調査でございます。  調査対象は、施設調査では病床数200床未満の病院の無作為抽出、それから一般診療 所の無作為抽出です。患者調査のほうは、施設調査の対象施設の算定ありを2名、算定な しを2名、計4名を調査対象としてお願いしております。  10ページをごらんいただきたいと思います。検証部会としての評価がございます。  まず、病院診療所への調査では、この外来管理加算の意義づけの見直しによって加算を 算定した施設は全体としますと減少しております。内科がふえた一方で、眼科、耳鼻咽喉 科が減少したと、そういう状況で総数では減少しております。ただし、病院では内科を中 心に算定施設が微増していると、こういう結果です。診療内容について変化が見られたと するのが二、三割で、患者では診療内容に変化があったとは感じていないということがう かがわれました。しかし、変化の見られたという選択肢のうち、施設調査のほうでは患者 に説明をより分かりやすく丁寧に行うようになったというような回答がやや多くなってお りますので、医師の意識面でこういう影響、変化が見られたのではないかというふうにう かがわれました。  他方でしかし、一人当たりの診察時間が長くなった、診療時間の延長が多くなった、患 者の待ち時間が多くなった、長くなったといったようなところを回答しているものも多く て、つまり施設及び患者の負担が増したというふうに考える、そういう施設もあることが 分かりました。この時間の問題ですが、時間の目安について、患者のほうは3割強は時間 の目安が必要としておりますのに対して、6割弱が時間の目安は必要でないとしている。 そういう意味では、患者から見ますと時間というよりは内容や質を重視しているというふ うに、ある意味で当然といえば当然ですが、そういう回答になりました。また、患者の属 性によって必要、必要でないということがいろいろトータルでは拮抗した状態になってお りますけれども、やはりこの患者の属性あるいは患者の置かれている状況に着目するとい うことは大切と考えます。  それからさらに、算定要件の中に望ましい懇切丁寧な説明ということが具体的に示され たわけですけれども、これにつきましては、医療側、患者とも全項目とか毎回ということ には10%しか希望していないということが分かりました。それから、この毎回の項目と いうのも施設側と患者側で行われるべき懇切丁寧な説明の内容というのは少し違うのだと いうことが分かっております。特に最後のところにございますように、患者から見ますと、 自分が求めたときに実施してほしいということで、これはまさに患者側のニーズというこ とになると思います。この辺は算定ありの患者で悩みや不安の相談に答えてほしいという ニーズが感じられました。  次いで、12ページをごらんください。  3本目の調査、後発医薬品の使用状況調査の結果です。この調査は、施設調査、医師調 査、患者調査がございまして、施設調査は保険薬局、診療所、病院、そして医師調査のほ うは、調査対象病院の診療科の異なる2名の医師を対象としています。患者調査のほうは 保険薬局に65歳以上、65歳未満それぞれ男女1名、計4名に対象となっていただいて おります。  そして、15ページをごらんいただきたいと思います。  15ページの一番下のほうからの検証部会としての評価ですが、後発医薬品への変更不 可に処方医の署名等がない処方箋で、1品目でも先発医薬品を後発医薬品へ変更したとい うその割合が6.1%ということですから、この使用の広がりは余り進んだとは考えられ ないと言えるかと思います。33.5%の薬局がこの後発医薬品調剤について余り積極的 には取り組んでいないと回答しております。特にその理由ですが、品質に疑問がある、安 定供給体制が不備、近隣医療機関が使用に消極的という回答が多くなっております。  それからさらに、医師のほうで変更不可に署名した理由としては、5割が品質が不安と いうところに回答しておりまして、全体として見ますと、薬局も、医療機関、医師も、ま だ後発医薬品に対する理解不足、不信があるのではないかとうかがわれました。  それから、医療機関、医師に関しましては、医師の処方行動としては必ずしもこの後発 医薬品に消極的という印象はないのですけれども、一部の医療機関、医師では非常に強い 意思で後発医薬品を使用しないというふうな姿勢がうかがわれています。これは保険医療 機関、保険医療養担当規則等ではこういった後発医薬品の使用を考慮する努力義務という のが規定されているわけですから、こういう規定の周知、それから指導ということが必要 と思われます。  それから、この変更不可に署名した医師がその理由として、やはり品質への不安、効果、 副作用といったようなことに懸念を持っているということは大変重大なことであり、今後 検討を要すると思います。  それから次に、薬局でございますけれども、薬局ではこの後発品に1品目でも変更した 処方箋の割合というのはまだ高くないということは言えますが、しかし、以前よりは高ま っていると、そういう評価はできるかと思います。ただし、医師の署名がなく、特に患者 が希望しないわけでもないと、そういう意味ではそういう理由がないにもかかわらず、薬 局が後発医薬品に変更していないという割合が74.8%もあると、これはやはりかなり 高いと見ることになるかと思います。ですから、この理由として、在庫がなかったとか患 者に説明しなかったということで患者も特にそれを希望しなかったあるいは知らなかった というようなこともあると推測はされますけれども、この辺の本当の理由はまだ十分明快 にはなっていないと思います。ですから、薬局が余り後発医薬品に積極的に取り組まない というそこのところが本当はどうなのか、この辺の原因を究明していく必要があるかと思 います。  なお、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則におきましては、こうした後発医薬品に関 して説明義務及び調剤の努力義務というのが規定されておりますから、そういう点では先 ほどの医療機関、医師に対してと同様、この規定の周知、それから指導などの対応が必要 と言えるかと思います。  次に、17ページをごらんください。  患者調査でございますけれども、患者側のほうから申しますと、やはり後発医薬品の認 知がまだ十分進んでいないのではないかと、そういうふうにうかがわれます。特に年齢が 高い患者ほど認知度が低いという傾向が見られますので、後発医薬品に関しては医師や薬 剤師からの説明というのは非常に重要な意味を持つということになると思います。  それから、患者においても後発医薬品に対する完全な信頼というのはまだない、漠然と した不安があるのではないかというふうに感じられました。しかし、使用経験ありの患者 では、できれば後発品を使いたいという割合がなしの患者よりも高いというところを見ま すと、やはり実際に利用してみるということが今後の積極的な利用につながるのではない かと思われます。薬代が安くなったという患者にとって意向が高いということが分かりま すので、やはり実際に使っていくということが非常に重要ということになります。そうい う意味で、この後発医薬品に対する効果とか副作用とか、つまり信頼性ですけれども、こ れが非常に重要であるということがうかがわれました。  最後に、この保険者側が被保険者に対して現在ジェネリック希望カードというのを配布 しておりますので、これも継続的に関心を払いつつ、後発品の使用が進まない原因をきち んと明らかにしていきたいと考えます。  それでは、次に参りまして、18ページ目です。  4つ目の調査、後期高齢者にふさわしい医療の実施状況調査1のほうをごらんください。  この調査は、施設調査のほうが後期高齢者診療料の届け出を行っている医療機関です。 そして、患者のほうはその調査対象施設に5名分調査票を配布させていただいております。  検証部会としての評価は20ページをごらんいただきたいと思います。  この後期高齢者診療料の届け出を行っている医療機関に調査をしたわけですけれども、 実際には9割が算定していなかったという数字です。その理由ですが、患者がこの後期高 齢者診療料を理解することが困難、それから患者家族から後期高齢者診療料の算定につい て同意を得ることが困難、その他周囲の医療機関との調整が難しい、あるいはコストなど、 いろいろな理由が指摘されております。在宅療養支援診療所での算定割合の比率が高いと いうのは、やはり75歳以上の患者が外来に多いこと、そして、他の医療機関との連携が 積極的に行われているということではないかとうかがわれます。施設調査では、これを算 定している場合で、総通院回数、検査回数の頻度か変化なしというのが七、八割を占めて おりました。患者調査でも算定前後で特にこの通院階数、通院施設数、検査回数、処方薬 数、診療時間いずれについても変わらないという回答が多く見られました。  なお、施設調査では、検査の回数が減少したとか生活機能検査や身体計測の増加が見ら れたという増減の変化がありました。患者調査で、この算定後よかった点を聞いてみます と、「病状などの説明が分かりやすくなった」ということもあるのですけれども、「よか ったと思うことがない」という割合も多く、要するにそれぞれの回答が混在しています。 満足度についても患者の71.4%は「変わらない」というふうに回答しております。 「不満」、「とても不満」は余りありませんでした。  患者調査では、説明があれば定期的に書類をもらわなくてもいいという回答が多く、施 設調査では計画書の記載に要する時間が具体的に出ております。平均12分弱ということ で、これなどは今後の検討には大変有益な情報だと考えております。一部では受療制限等 患者の不利益が懸念されていたようですが、それは確認されませんでした。他方、患者に 対するメリットというのも余り具体的には出てこなかったということになります。これは まだ制度発足から間もないということもありまして、もう少し一定期間、医師・患者関係 が継続する中でどういう変化が見られるかを見ていく必要があると思われます。  最後に22ページ、後期高齢者にふさわしい医療の実施状況調査2のほうを申し上げま す。  この調査は、施設調査及び事例調査では、全国の病院、在宅療養支援診療所内科系診療 科目を標榜する診療所からの抽出で、これらに施設調査票と合わせて事例調査票への回答 をお願いしております。意識調査のほうは一般国民意識調査でございまして、年齢で層化 した後、人口構成比で抽出している20歳以上の男女ということです。  検証部会としての評価は25ページになります。  まず、一般国民に対する意識調査で終末期の治療方針等について話し合いを行いたいと いう割合が84.7%と非常に高く出ております。他方でこの公的医療保険から相談料と して払われるということについて「好ましい」とするものが34.1%、好ましくない」 27.5%、「どちらともいえない」36.2%と、こういうふうにほぼ3分しておりま す。好ましいと答えたものの69.2%は、年齢区分は必要ないと答えていることもこれ は大変注目に値するところだと思います。この話し合いが行われることで患者や家族の不 安が軽減された、よりよい決定に生かされるようだ、とプラスの影響を挙げていることも 指摘できました。しかし、実際に話し合いへの参加という点で申しますと、患者本人の参 加は17.7%と高くはありませんでした。話し合いの実際とこの国民一般の意識調査と では少し乖離が見られます。国民に対する意識調査での文書の提供を希望する者の割合は 72.3%と高いのですが、施設調査のほうでは文書は提供していない割合のほうが高い と、そういう意味でもここにはずれが見られます。  なお、この施設調査で後期高齢者終末期相談支援料について尋ねました。点数のことで すが、点数が低過ぎるという選択肢を選んだ割合は、話し合いを実施している機関でも病 院23.4%、在宅療養支援診療所15.2%、その他診療所で7.1%と、こんなふう に出ておりまして、医療機関の種別、それから実施の有無などの実態でいろいろ分かれて いるようです。回答施設の属性で評価が分かれるという傾向がございました。  なお、この後期高齢者終末期相談支援料というのは、御存じのように凍結措置が講じら れておりまして、この国民に対する意識調査ではこういう相談料が支払われるという形に ついて「好ましい」、「好ましくない」、「どちらともいえない」というのが拮抗してい るということがございましたので、今後とも引き続き検討を行っていく必要はあるかと思 います。この制度が現在凍結されているかどうかということとは別に、この調査自体の意 義大変大きいと考えますので、このデータを貴重なものとして今後に生かしていきたいと 思います。  おおよそ私のほうからは以上のようなことです。 ○遠藤会長  庄司部会長、ありがとうございました。この報告書作成に当たりましては、公益委員が 検証部会の時間だけでは十分に議論ができない部分もあったものですから、公益委員の中 でまた意見交換をしながら、特にこの検証部会としての評価というところをまとめていっ たということもございまして、私自身公益委員なので言いづらいのですけれども、会長と して申し上げますと、庄司部会長をはじめ、公益委員の皆様方の御努力に感謝申し上げた いと思います。  以上が御報告でありますので、これにつきまして何か御意見ございますでしょうか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  まず、莫大な資料を時間をとってこのようなまとめをしていただきました。検証部会の 皆さん方に感謝いたします。  ただ、少し辛口の意見になるかもわかりませんけれども、20年改定は医療の現場にこ の検証の部分5つだけ見ますとほとんど影響を与えなかったのではないかというふうに私 は感じます。診療報酬だけで受診者あるいは診療の現場が変わるということは本来多分な いだろうとは思っておりますけれども、それにしても病院勤務医の負担の軽減等はほとん ど悪化に歯どめすらかかっていないというふうに私は思います。その中で入院時医学管理 料の88カ所、四国の札所の数と同じですが、これは今余りにも少ないと私は以前から申 し上げております。1万近い9,000以上の病院が88カ所しかとれないような入院時 医学管理加算では何の突っ張りにもならないような気がいたします。  それから、ほかの制度とも絡み合ってもう少しやはりこの病院医療の危機を診療報酬の 中でも最重点に置いて次の改定に向かっていただきたいというのが私の意見でございます。 よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。今後の議論の中で非常に重要な一つの方針の案として打ち出し ていただいたわけですけれども、検証部会のここに書かれている内容につきましては、ま さに邉見委員が言われたように、勤務医対策として必ずしも有効ではないということと、 それから加算の要件について厳し過ぎるのではないかということは盛り込んでおりますの で、そのような趣旨であることは御理解いただきたいというふうに思います。また、これ を踏まえてまさに今、邉見委員が言われたように、今後の議論をしていくということだと いうふうに思います。  ほかにございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  外来管理加算の意義づけの見直しについて診療側として意見を申し述べたいと思います けれども、おまとめになられたように患者の調査では算定の有無で診療内容の変化を9割 が感じていないという結果であります。また、時間の目安につきましても、6割弱が時間 の目安は必要ないとされております。さらに懇切丁寧な説明につきましても、10%台に しか求められていないということで、改めて今回の見直しが余り意義のあるものではなか ったのではないか。現場には負担感だけ残しながら意味が薄かったのではないかというふ うに思うわけなんですけれども、先ほどの部会の評価という中で外来管理加算の算定回数 の変化については触れられておりませんが、今回の見直しが財源移譲という形で、それを この外来管理加算の意義づけの見直しという一つの意義づけの見直しをツールとされた、 それについて言及がないのは私どもとしてはいささか不自然かなというふうに思うわけで す。それはともかくとしまして、先般の基本小委の中で支払い側は外来管理加算の影響額 の試算につきまして、実は若人を除いた数値だというふうな指摘をされまして、というこ とは私どもが試算したものにつきましては対象外、対象の範囲が違うのではないかという ことになりますけれども、さらにこのことにつきまして厚労省も追認されたということで あります。  しかしながら、このことにつきまして、私どもそれを聞いて正直驚いたのですけれども、 支払い側と厚労省に対しましてお尋ねしますが、トータルの影響額について実際どう思わ れていたのか、また、そのことについて試算された内容についてお伺いしたいと思います が。 ○遠藤会長  ただいま御意見と質問が出たわけでありますけれども、まず外来管理加算について今回 は、ただいまやっておりますことは検証部会の報告についての御意見ということでありま すので、それについてはまず金銭的な財政的な問題についての言及がなかったのではない かという趣旨が最初にあったと思いますので、これは直接ただいま議論していることと関 連がありますので、それについて公益委員の一人として私の意見を申し上げさせていただ きますと、基本的にこれは同じ調査をこの調査の中で本当に算定回数、過去と現在とでと いう聞き方はしていないわけですね、この調査そのものは。ということがあることと、そ れからそもそもが従来この検証部会の調査というのはダイレクトの財政影響ということを 言及することはしてこなかったと。参考にやってきたことはジェネリックによってどのく らい薬剤費が下がるかということを参考事例として出したことはありますけれども、それ 以外はやってこなかった。なぜならばそれはより精度の高い、財政的にはより精度の高い 社会医療個別調査というものがありますので、もしそこを議論するのであるならばそれを 使うべきだろうと、このような解釈をしておりましたので、検証部会としては今回はその ところにはあえて触れていないということであります。  それから、そもそも基本問題小委の中での議論で、一つの藤原委員はまさにこの財政影 響がどうあったかということを非常に注目されておられるわけですけれども、一方で一つ の改定の効果がそこだけの財政影響だけの議論にしていいのかどうかという議論が一方で あるわけでありますので、そういう意味で中医協としてそこのところの統一がまだとれて いないということもありまして、この調査の中ではそのような形の言及はしていないとい うこと、それが私のお答えだというふうに思います。  それから、もう一つがこれはやや直接これとは関係ない話でありまして、前回言いまし た財政効果の母集団といいますか、もともとの分母は何だったのかということの話であっ て、前回も少し議論になったところなわけですね。若人だけなのか全体なのかというとこ ろの話であったんですが、これを今の段階で議論するというのは、いずれまた外来管理加 算の話があると思いますので、そのときに御議論をするというのではいかがでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  この問題については、当協議会でも私しつこいと思われるぐらい申し上げてきました。 それほどこの外来管理加算の意義の見直しについては現場に大きな影響を与えているとい うことで理解して下さい。私がここで意見を述べる都度、検証部会においてそれは検証す るのでという回答でした。今、検証部会ではありません、これは総会に上がりましたけれ ども、そういったお話でありましたので言及しているところです。それで検証ということ ですがこれは影響額も含めて全体の懇切丁寧な診療の内容ということはもちろんなんです が、影響額も含めて検証すべきというのが私の認識でおりますので、それを含めて検証し て頂きたいというふうに思うわけです。  それから、前後の関係が見えないということですが、一応そういったことはこれまでも 慣習といいますか、前回の算定の回数と今回の算定回数を見ればおおよその検討がつくは ずなので、それが余りにも試算とかけ離れた実態ということが出てくれば、これはエビデ ンスに基づいてこの総会におきましても期中での見直しもあるというふうなことも言われ たやに私は記憶しておりますので、そういったことで私はここで議論してもやぶさかでは ないと考えたわけであります。、それにしましても、基本小委で問題にされました試算の 240億円について余りにも見解が違うので、これは恐らく多くの方がそういう認識でな かったというふうに思います。これについては改めて支払側と厚労省についてここのとこ ろはきちっと言っていただいて、その中で私は次に議論するならするでいいと思いますの で、ぜひそこだけは共通の認識とさせていただければ……。 ○遠藤会長  分かりました。そうしますと、総会であれば全員参加ということもあるということもあ るので、ただし、これはとりあえず藤原委員の御意見としてはこの場でそこら辺を明確に してほしいという御意見なのですが、一方具体的に1号側から出た議題でもありますので、 これは1号側の御意見も聞きたいかと思いますので、対馬委員、今ただいまの藤原委員か らあのようなことが言われておりますけれども、それについてここでつまびらかにすると いうか、どういう話であったのかということを明確にしたいということをこの場で議論し たいということですが、御意見いかがでしょうか。 ○対馬委員  この外来管理加算については、全体的には基本小委の中で議論してきた。それで、総会 の場でどこまで議論するかということはまた別途あるのだろうというふうに思いますが、 そこは置いておいて、先程の藤原委員の意見は言い間違いだと思うのですけれども。若人 を除いたと言われましたけれども、そうではなくて老人を除いて若人を対象にしてという ことですよね。 ○藤原委員  そうです。若人のみというふうな……。 ○対馬委員  という話でよろしいんですね。そういう意味では少なくとも対象範囲については共通の 認識のもとで議論すべきであろうというのが1点です。  それから、議論として240億なのか200億かというのもあるんですけれども、仮に 240億円に対して若人はたしか医師会の調査だと、400数十億とか500億とかその ぐらいだったんじゃなかったんでしょうか。私もつまびらかにはしませんけれども、個別 項目ごとに大体このぐらいであったろうということに対して、実際にはどうであったかと いうところをかなりきっちりやったというのはこれまで余りないんです。ただ、それでも 例えば18年度改定のときにコンタクトレンズ等について大体1,000億規模の削減と いうことでしたけれども、眼科医会あたりの方などのを話を聞きますと、400億ぐらい しか下がっていなかったんじゃないかというふうな話もございますので、やはり個別項目 については調査の仕方にもよるのですけれども、アンケート調査で積み上げていって本当 にいいのかどうかということもあります。いずれにせよ、多少のばらつきは出てくるとい うことであろうかと思います。  ですから、前々から申し上げていますので、余りくどくどしくは申し上げませんけれど も、それを取り上げて期中改定をするということにはならない。ただ単に減収になったと いうことではなくて、それ以外の項目での影響であれば議論するにはやぶさかではありま せんけれども、単純に項目が200億と思ったのが400億だったじゃないか、500億 だったじゃないかということで、ここで何度も何度も議論するというのはいかがなものか というのが私どもの見解です。 ○遠藤会長  ちょっと待ってください。今のお話をまとめますと、対馬委員は従前から同様のことを おっしゃっておられるわけでありますけれども、要するに個別項目ごとの財政的影響とい うことは過去も議論としては出てきたけれども、思ったほどの効果がなかったというよう なこともあったということがありますので、したがってこれだけを取り上げてやるのは必 ずしも適切ではないと。そうなると全体として若人だけなのか、トータルなのかというこ ともおのずと余り意味がなくなることになるので、ここでは議論をする必要がないと、そ のように理解してよろしゅうございますかね。ということです。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  私が申し上げたいのは、影響額の結果について言っているわけではありません。ただい ま質問したのは、試算がどうであったのか。結果についてはまたいずれ検証する場がある かもわかりませんけれども、試算についてそもそもどうであったかということをお聞きし たいということです。この間は若人のみで240億試算したんだという話だったので、こ れは私ども知りおかないことですので、これは支払い側に対しても、あるいは厚労省もそ れを追認されたわけですから、厚労省についてもそもそもの試算はどうだったのかという ことをお聞きしたわけです。 ○遠藤会長  なるほど。前回改定のときの議論の進め方ですね、ある意味では。そのときの試算とい うものは何を考えていたのかということですね。これについてはむしろどういたしましょ うか。そのプロセスですので、これは事務局にお聞きしたほうがよろしいかと思いますけ れども、では事務局、お答えをお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございますけれども、私どもの理解としてちょっと今日この場のこの総会と いうこと、それから検証部会における結果の検証ということで申しますと、私ども自身は 検証部会の議論、またその前段となります、前提となります調査そのものにはある程度ち ょっとこういう言い方が妥当かどうか分かりませんけれども、ある程度限界があるという ふうに理解をしております。それは基本的にはアンケートを中心としたものであるという ふうにまず理解をしておりました。ですから、この総会のこの場においては少なくとも検 証部会ないしその前提となったデータから得られる範囲内で御議論をいただくものとまず は承知をしておりました。  一方で、しかし、この間いろんな議論があって検証部会の結果を踏まえてもう少し総合 的に御議論いただきたい、あるいは御議論したいという意見があったことも承知をしてお りましたので、これは私ども遠藤会長と相談をして、まさに前回の基本問題小委がそうだ ったわけですけれども、検証部会のデータを早めにといいますか、多少前倒しに活用して もらって、そして基本小委で議論しようということで前回があったというふうに理解をし ております。ですから、その中で問題提起があったことは必要に応じて基本小委なりで私 ども議論していただくのが自然な流れかなと、こういうふうに考えておりました。  そういう意味でもう一遍整理をいたしますと、この検証部会とその調査だけでそこから 敷衍して今の御質問のようなことが議論として起こってきて、そして、それをこの場で議 論するのかということで仮に御質問があるとするならば、私ども自身はもう少し場所、場 面があるのかなという気がまずしております。  それから、もう少し先の話をしますと、診療報酬というのは単にアンケートのようなも のあるいはいろんな御意見、あるいは現場の御意見だけではなくて、もし財政影響という ことになると、やっぱり社会医療診療個別調査というものに寄らざるを得ません。そうい うことでいうと、そういった幾つかの材料が集まって、初めて総合的な議論ができるのか なという気がしております。  それから、少し長くなって恐縮ですけれども、それはそれとして、では社会医療診療個 別調査が始まるまで何もしないのかなということではないと思いますので、それはそれで 何度も申しますように、前回ぐらいから早めにこの検証部会のデータを使いながら、総合 的かどうかは別として、もう少し幅の広いと申しますか、踏み込んだ議論にしていただけ ればと思っておりました。また、さらに追加をいたしますならば、今この時点で財政的な 影響までということになると、私どもの自信を持ってと申しますか、ある程度信頼のおけ る数字をもって出すとすると、メディアスのデータということになります。御存じのよう に、このメディアスのデータの中にはいわゆる院内調剤的な部分が含まれていたりするの で、そうした影響をある程度推計をしながら出していくというと、必ずしも正確なデータ かどうかが分からない部分があるので、その辺は少し事務局としても内部的には検討をし ていたと、このことだけ最後に付言をしておきたいと思います。 ○遠藤会長  分かりました。ただいまの藤原委員がおっしゃられたことというのは、財政上の問題に ついてはもちろん言いたいことはあるけれども、この場ではとりあえずは言わなくて、そ うじゃなくて20年改定を行ったときのそのときに議論されていたものが若人だけの医療 費を分母としているのか、全体の医療費を分母としているのかというようなところがどう も1号側と2号側の認識のずれがあるというので、その実態はどうなのかということを聞 きたいと、そういう御意向だったわけですが、それに対してはあれですか、やはりこの場 でやるよりは別途基本問題小委でやるほうが適切であると、そういうような回答か、ある いはそもそもが個別の財政影響の議論をすること自体が従来から余りやってこなかったの であるから、そうであればそもそもの対象としている医療費が全体であろうが若人だけで あろうが、それは余り意味のあることではないと、そういう意味なのか。ちょっとその辺 のところで、恐らく藤原委員としてはそのことを一言言いたいんだろうと思いまして、で はどうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  事務局が余り踏み込んだことを申し上げてはいけないので婉曲に申しましたけれども、 私どもとしてみれば議論したいとおっしゃっているのであれば、資料も準備をするし、そ のための下ごしらえもするというふうに考えております。ただ、それにしましても、今ま さにそういう御議論があると思ったからこそ繰り返しになりますけれども、検証部会のデ ータを早めに使わせていただいて議論も始めたしということだろうと思います。また、必 ずしもこれも事務局が申し上げるのは妥当かどうか分かりませんけれども、財政影響の話 をするのが不適切だとも一概には言えないんじゃないかと。感想に近いものですが、そう いうふうに思っています。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  この総会でこれ以上議論を突っ込むのはもう時間のこともありますので止めますけれど も、必ずこれは資料を出して小委員会なりでしっかり検討、これはしっかり検討というよ りもこれは試算ですから、そんなに難しい話では私はないと思いますし、中医協の総会で も昨年、原前課長もちゃんとその内容について申し述べられているわけですから、それに ついてちょっと違いがあったのではないかという認識で今日質問しただけの話なので、そ んなに時間もかからないと思いますけれども、もう総会という場を考えまして、次の小委 員会において必ずその試算について示していただきたいというふうに思います。この件に ついてはこれでいいです。 ○遠藤会長  御要望でありましたが、これは1号側からも出てきた議論でありますので、その20年 改定のときにどういう試算のもとで議論がされたのかということについて何らかの資料を 事務局から提出していただくということについては、御同意はいただけますか。それとも その必要はないと考えられますか。これはもともと1号側から出てきた議論だと思います。 一応御意見はお聞きしますので、その後で。 ○対馬委員  1号側から出た意見というのではなくて、実態がそうではなかったのかと、こういう話 をして事務局にも確認して、事務局が基本的にはそのとおりだと、こういう話ですよね。 ○遠藤会長  分かりました。ということでありますので、これは2号側と1号側がそのときの試算の 前提については必ずしも同じ考え方を持っていなかったという話でありますので、それは 実態がどうなるのか私は分かりませんが、したがってもう一度確認の意味でどういう試算 がされたのかということについて、これ資料はお出しすることは可能ですか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  紙にした精緻な資料になるかどうかは別として、ものの考え方というようなことはお示 しはできるかと思います。 ○遠藤会長  分かりました。ではそのような形で御報告をいただきたいと思います。これは基本問題 小委でよろしいですね。基本問題小委でお願いいたしたいと思います。ありがとうござい ます。  では、竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  別なことで確認をしたいんですが、先ほど邉見委員からも発言がありましたが、病院勤 務医師の負担軽減ですね。これにつきまして前回の診療報酬改定の中でははっきり言いま して、病院の勤務医の皆さんの疲弊といいますか、立ち去り型現象、そういうことを防ぐ というようなことで一丸となってそっちのほうに配分を行ったという経緯がございます。 そういう中で、5ページの検証部会としての評価を庄司部会長が御説明になりましたけれ ども、はっきりさせておきたいのは、この記述の内容の真ん中辺の、医師責任者の場合で も医師個人でも勤務医師の場合でも、要するに改善したと考えられる方が14%しかいな いと。いないということは、これははっきり改善されていないというふうに認識しますが、 まずそれでいいかどうかということですね。検証部会としてのいわゆる総括をまずお尋ね したい。  それから、下から6行目、これも関係ありますが、「引き続き診療報酬においても」と ありますね。「も」とあるということは、ほかに何か必要であるということ、それは検証 部会の御論議の中で出てきたと思うんですが、どこからかの財源とかそういう御議論があ ったかどうかですね。こういう意見を申し上げるのは、中医協の場でふさわしいかどうか 分かりませんが、しかし、財源というものが全体にはっきりしなければ中医協の中でいろ んな議論もできないということで、従来から言っておりますが、我々がはっきり資料とし て持っているのは2002年から2006年までの5年間ですね。これは正確に出ており ますが、社会保障費にして例の年2,200億円削減ですね。是は毎年同じではありませ んが、機械的に。年間で1.1兆円の社会保障費のマイナス。65%が医療費ですから、 医療費は6,800億円下げられてきたということでしょう、自然増を乗っけても。そう いうことでございますので、こういうところをしっかり扱わないと診療報酬だけではでき ないということだと認識しますが、そういう解釈でよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  それでは、庄司部会長、お願いいたします。 ○庄司部会長  検証部会を代表してお答えできるかどうかは分かりませんが、この数字はやっぱり最も 深刻な数字だと思います。効果がなかったという言い方が必ずしも当たっているかどうか はちょっと分かりませんが、軽減策の一定の効果を上回るさらに何か加速的に一層悪い条 件が出てきている可能性もあるのではないか。これは全く具体的にお答えできないんです けれども。ですから、数字として、改善したと言っている人よりも悪化したと言っている 人が多いということについては、この軽減策によって悪化したのではないだろうというこ とは言えると思うんですね。つまりそういうことでは間に合わないような何かがさらに起 こっていると、そういうふうに解釈するのがむしろ常識的なのではないかというふうに思 います。  あと、診療報酬以外でというのは、これはもともとそういう認識があったのではないで しょうか。診療報酬による改善というのは非常に限定的、限界がある。私はそういうふう に認識しておりました。何か補足があれば会長のほうから。 ○遠藤会長  ありがとうございました。では中川委員、手短にお願いいたします。かなり時間をオー バーしております。 ○中川委員  総会の場であえて申し上げますが、邉見委員から今回の改定はほとんど変化がなかった と、影響がなかったというのはまさにそのとおりだと思います。また、診療報酬改定で勤 務医の疲弊が解消される、されないという言い方もそれは正しいのですが、この0.42 %プラス診療所からの400億円というごくわずかな、本当にわずかな財源でだれも改善 されるという予想はしていなかったのではないでしょうか。そのことをまず確認したいの です。財源だけでは改善されないけれども、財源がなければ改善されません。そのことを しっかりと総会の場で認識していただきたいなと思うのです。2002年から2006年 度までに伸びるべき医療費が8兆円も削減された中で、その結果としてもわずかな財源で 勤務医の疲弊に手当してもだめだということが明確になったというのが今回の検証部会の 結果でありますから、次期改定に向けた、年末に向けた議論はぜひしっかりとした引き上 げ財源をもって次期改定に臨むべきということを総会の場で認識できたのではないかと思 います。  以上です。 ○遠藤会長  御意見として承っておきます。  では小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  調査の結果から1点申し上げたいと思いますが、後発医薬品の使用状況に関してですけ れども、後発医薬品の使用の促進については、国を挙げて今取り組んでいる中で今回の調 査の結果、これは大変残念な結果だと考えております。やや個別の話になりますけれども、 私どもとしては保険者として本年度ジェネリックの推進のために広報とか希望カードの配 布、それからジェネリック医薬品に切りかえた場合の自己負担軽減額の通知、この3本柱 で取り組んでいこうということにしておりまして、まず7月の下旬から自己負担額の軽減 額の通知を広島でパイロット事業として実施するよう準備を進めております。関係団体に おいては、既に御理解とか御協力、これをいただいておりますけれども、今回の調査の結 果を見ますと、薬局における説明が不十分であるという感が否めないということでありま して、特に現場においてこういった取り込みにつながるように、さらに協力をお願いした いと思います。  それから、調査の結果において安定供給体制が不備だという声もありますことから、流 通体制も含めた環境整備、これについては国においてもよろしくお願いしたいと考えてお ります。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  では、手短にお願いいたします。 ○藤原委員  ただいまの後発医薬品の件なんですが、私どもとしても協力にやぶさかではありません し、実際今回の調査におきましても、詳細なデータの中で医師が後発品に変えてよいとい うような処方箋が約66%という実態がありました。しかしながら、これでもなお進んで いないというのは医師側だけではなく薬局も、あるいは国民も品質等について不安を感じ ているという証左にほかならないと思います。このことについてやはり行政は生保のほう からとかよくありますけれども、そうじゃなくて、国公立病院であるとか、あるいは官僚 の方々あるいは政府の方々、そういった方々がきちんと使っていただければこういった流 れは自然にできるものだと私は認識しておりますので、ぜひとも国を挙げての体制という のを築いていただきたいと私は思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは北村委員、どうぞ。 ○北村委員  簡潔に今の問題に関連しまして、御存じのような経済状況がますますここ一、二年厳し くなると思いますので、やはり企業だけではなくて国民の方全員の生活がさらに厳しくな ると思いますね。そうすると、やっぱり医療費を払うことも大変難しくなる。ですから、 ジェネリックの費用というのも大変重要ですので、ぜひここにいる皆さん力を合わせてそ の改善に取り組んでいただきたいなというふうに思います。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは山本委員、どうぞ。 ○山本委員  このところずっと薬局が悪いという批判を受けておりまして、一言申し開きといいまし ょうか、言いわけをさせて頂きます。後発医薬品に対する問題は必ずしも薬局だけの責任 ではないというのは皆さん方に御理解いただいておりますが、たまたま説明が十分でない という数字が出ているのではないかということであります、薬剤師会ではおりにふれて十 分な説明をするような指導をしておりますし、今の小林委員がおっしゃったように国がや っているのと同じように私ども進めております。ただ、実態として今皆さんがおっしゃっ たように、国民の中で後発品をどうとらえるかという理解や認識が必ずしも等しく行き渡 っていないということもありますので、説明不足につきましては、十分に私どもそのご指 摘を真摯に受けておりますけれども、ぜひ全体として進めるような方向をしていただきた いと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。まさに次の議題がその後発品の使用促進の話になるんですが、 勝村委員、どうぞ手短にお願いいたします。 ○勝村委員  今の話についても意見を言いたいんですけれども、時間がないのでそれは置いておいて、 先ほどの話なんですけれども、今回、検証部会の結果が出たという機会ですので、ちょっ と発言させていただきたいんですけれども、もう私が中医協の委員になったのは中医協改 革と呼ばれたときだったんですけれども、それからもう次の改定は3回目の改定になりま すけれども、私にとっては最初の改定のときから病院の勤務医は大変なんだという議論が ありました。そのときのいろんな発言を覚えていますけれども、勤務医がしんどくて大変 だから、しかも給与の問題もあって、やめて開業医になっていく。その流れによってます ます悪循環している状況でした。逆に、都市部なんかだったら、開業医をやめて勤務医に 集まる、病院に集まるぐらいの逆の流れができるぐらいの診療報酬改定をしていかないと、 救急医療にはローテーションが要るわけですし、ハイリスク医療にはチーム医療が要るわ けですし、そういう方向になるような意味のある動きを作っていかなきゃいけない、ダイ ナミックな改定をしてほしいとずっと言い続けてきて、もう2回終わって、やはりこんな 結果のままで、おっしゃるとおり余り状況が変われていないというのは非常に歯がゆい思 いをします。  だから、そう言う状況のままであることに、自分たちの責任はないという感じじゃなく て、中医協としてできることは限られていてほかにも必要なことがあるという考えは分か りますけれども、中医協としてもっとダイナミックにいろいろ中身の議論で、例えば外来 管理加算の問題でも、初再診療の診療所と病院の間の格差の問題はどうなのかとかを含め て、相対的にどうなのかというところで、何に価値を置くべきなのかということを、単価 の議論をしているわけですから、もっと厳密にやっていくべきだし、やっぱりまた次回の 改訂後も余り変わりませんでしたねということにならないように、やはりきちんとそうい う意味では自分たちの試算が甘いわけですから、きちんと結果が出るだけのダイナミック な議論をしていってほしい、今度こそしたいなというのが僕の感想です。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。恐らくただいまの勝村委員の御発言にもいろいろと御意見も あるかと思いますけれども、時間がありませんので、ちょうど後発品の話というのが出て まいりましたので、ただいまの検証部会の結果につきましては、来年度の改定に向けて十 分活用したいと思いますので、続いて後発医薬品の使用促進について議題としたいと思い ます。  事務局から資料が出されておりますから、御説明をお願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。ちょうど今、後発医薬品のお話もございましたので、その関 係についての御説明をしたいと思います。資料は中医協総−2でございます。後発医薬品 使用促進についてという資料でございますが、今もいろいろ御議論もございましたけれど も、平成20年度の診療報酬改定におきまして療養担当規則等の修正をいたしまして、保 険医におかれましては、投薬等を行うに当たりまして後発医薬品の使用を考慮する努力義 務、それからまた、保険薬剤師につきましては変更可能な処方箋を持参した患者さんに対 しては、後発医薬品に対する説明の義務及び調剤の努力義務といったことについてその規 則で規定をしたところでございます。具体的な規定ぶりにつきましては、その裏のページ、 2ページ目に記載がございますので、御参照いただければというふうに思います。  今の検証の結果から、今も御議論がございましたけれども、一部の方ではございますけ れども、なかなか後発医薬品を使用しないというような意思表示を強くされておられる医 療機関、保険医の方、またそれから患者への説明ですとか調剤に積極的でない薬局の方、 そういった方々も一部おられるというような状況かと思います。そういうことにつきまし て、私ども今もいろいろお話がございましたけれども、毎年度、毎年度後発医薬品の使用 促進策をいろいろ打っているところでございますけれども、それについてちょっと簡単に 今も御意見もありましたので、御説明をしたいと思います。  3ページの別紙でございます。  特に平成21年度に実施する後発医薬品の使用促進策についてということでございます が、そこの最初にアクションプログラムの話もございます。特に平成21年度におきまし ては、今先ほど小林委員からお話もございましたけれども、保険者サイドの取り組みとい うことでジェネリック医薬品希望カードの配布ですとか、それから後発品に切りかえた場 合の自己負担の差額の通知ですとか、そういったものの取り組みを促進すると。それから、 医療関係者にいろいろお願いする事項、施策といたしまして、特にこれは薬剤医師会にお 願いをしているところでもございますけれども、やはりどうやって後発品をちゃんと使っ ているのかということのリストを使っていくということ、それから、先ほどからなかなか 信頼がないというようなお話もございましたけれども、いろんな御指摘をいただいており ますので、そういった品質に対する懸念が示されたものにつきましては速やかに厚生労働 省で試験検査を実施するなどして、実際どういう問題があるのか、そういったことをきち っと言ってみれば一種の検証をして、その結果を公表していくと、こういったことも進め ていきたい。また、都道府県レベルにおきましては、後発医薬品使用促進協議会というも のを全県に設けまして、地域、地域での取り組みというものについても加速をしていきた い。また、それから先ほどから医師、薬剤師の方々に対しての後発品への信頼がないとい うことについて、どういった品質確保がされているのか。こういったものについてのシン ポジウムの開催なども考えていきたいというところでございます。  それから、次の裏でございますが、先ほど安定供給のお話なんかもございましたので、 ちょっと簡単に申し上げますと、後発医薬品安心使用促進アクションプログラムという中 では、特にメーカーサイドの対策を先行して実施しているところでございますが、今申し 上げた安定供給の問題につきましても、特に医療関係者のほうからなかなか頼んでも来な いとか、そもそもどこに頼んだらいいんだと、いろんな苦情がございますけれども、そう いったものもきちっと私ども受けとめまして、受けつけた途端にメーカーのほうに必要な 事実関係の確認ですとか必要な指導を行っているところでございます。また、メーカーの ほうでは実際に配送の時間を短縮する目標も立てましてやっておるところでもございます し、また、その前提としての在庫の確保ということもメーカーのほうでは対策をとるとい うことで、こういった内容をアクションプログラムとしてまとめているところでもござい ますし、先ほどの品質確保についても従前よりその品質に関しての試験検査の実施とか結 果の公表、それから、メーカーに対する、工場に対する一斉監視の拡充、試験検査、それ から関連文献調査、こういったものもやっておるところでございまして、とにかく医療関 係者、国民に対する信頼の確保という点であらゆる面から進めているところでございます。  1ページまた戻っていただきまして、こういったいろいろ各種の使用促進策の一環とい たしまして、このような取り組みに加えまして、今年度、先ほどの検証部会の結果も受け まして各地方厚生局が行います医療機関、薬局に対する調査や指導いろいろございますけ れども、そういった機会をとらえまして、このような療養担当規則での規定ぶりについて の周知徹底ですとか遵守状況の確認、それから必要な場合については指導を行うこととさ せていただきたいというふうに思っているところでございます。  医科、歯科につきましては、この調査指導の際に後発医薬品の使用状況はどういう状況 かということをいろいろ確認、聴取をさせていただくとともに、この規定がありますので、 そういったことについてきちっと周知徹底をさせていただきたいと。必要な場合について は指導をさせていただきたいということでございます。また、薬局におきましては調査、 指導の際に同様でございますけれども、患者さんへの説明の状況ですとか調剤の状況を確 認させていただきまして、このような規定の周知徹底と必要な場合についての指導をさせ ていただきたい。特に説明につきましては、なかなか認知度もございますので、なるべく 患者さんに分かりやすい丁寧な説明をしていただきたいということについての指導を進め ていきたいということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。後発品使用促進のために平成21年度はただいま御報告いただ いたようなことをするということの御説明でしたけれども、これについて御意見、御質問 はございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  この取り組みについては前向きに評価したいと思いますが、ただ、品質の確保という中 で私少し疑問に思うのですが、納入価格が市場では後発品については物すごくばらつきが あるんですよね。先発品と同じように20%を切るようなものもありますし、中には50 %以上値引きのものもあると。そういった中で本当に安心して使えるのか。どうしてその 差が出てくるのだという思いがあります。そういった意味では実態調査をきちんとやって いただいて、なぜその差が出てきているのか、その辺をやっぱりはっきりしていただかな いと、検証部会からもやはり他の要因があるのではないかというようなおまとめもあった かと思うのですけれども、まさしくそれも他の要因の一つではないかと私は思っておりま す。  それから、今も指導の話が出ましたけれども、指導というのは病院の勤務医ならまだし も、診療所というのはつまるところまさに個人に係るわけで、物すごくプレッシャーを感 じます。だからこのことについては、やはりもう少し指導といっても個人、個人の指導で はなくて、全体的なプロパガンダというような形の指導にとどめていただきたいと私は思 いますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。 ○遠藤会長  ただいま2つの御要望というか御意見ということでありますけれども、これについて何 か事務局ありますか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今のこの指導につきましては、基本的には藤原委員おっしゃるように、いわゆるこうい った規定があるので、極力後発医薬品の使用について考えていただきたいということが基 本というふうに私ども理解しております。ただ、ケースによりまして、例えば病院におき ましては、もう頭から全部変更不可にするとか、例えばもう全く絶対後発品は使わないと かそういった極端なケースもございますので、そういった点については御説明をいろいろ 順次させていただきながら御理解を賜ると、そういった趣旨での指導ということで言葉遣 いをさせていただいているところでございます。 ○遠藤会長  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  検証部会の検証の結果をしっかり踏まえて議論をすべきだと思うのですが、16ページ、 先ほどの部会長の御説明にありました中に、一つはっきりさせておきたいのですが、この 16ページの上から7行目ぐらいに一部の医療機関や医師において後発医薬品を使用しな いとの強い意思表示をしていることが見受けられる。文章は大変難しいので、こういう方 向であるとかどうとかというふうな説明になるかもしれませんが、非常に重大なところな ので、これがどの程度統計上あったかということを事務局でいいですか、教えてください。  それから、ここで示されましたように、医療機関、それから薬局、それから最後17ペ ージ、患者さんのほうに対しても共通したところはやはり品質の信頼というところがみん な最初に上がっていますよね。だから、ここのところでお願いしたいのは、やはり広報の あり方、患者さんがよく解りやすいように、まずそれをやるべきで、馬を水辺に連れてい って飲みたくないのに飲めとかというのをやってもこれは無理なんですね。だから、やっ ぱり飲みたいなと、あるいは水がきれいだと飲むのに値するというふうなものですかね。 例えがちょっと適当かどうか分かりませんが、広く、分かりやすい広報をやっていくとい う努力がまだまだ足りないのではないでしょうか。そういうことでお願いしたいと思いま す。 ○遠藤会長  ありがとうございます。広報が重要であるということが1点、これは御意見ということ で、申しわけないです、ちょっと質問があったものですから、先ほどのこの文章上に出て くるジェネリックに切りかえないという医療機関、その割合についての御質問だと思いま すけれども、事務局、お願いいたします。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  企画調査室長でございます。  先ほど竹嶋先生に御指摘いただきました総1−1の14ページの真ん中あたり、上から 3つ目の黒ポツにございます後発医薬品への変更不可欄に署名した処方箋の発行経験につ いて、これらのうち変更不可欄に署名した処方箋の割合が10%未満であった医師の割合 はこれこれ、「一方で」のところでございます。90%以上であった医師の割合が診療所 で38.8%、病院で31.4%であるというところで、変更不可欄に署名した処方箋の 割合が9割以上であるというお医者さんが診療所で38.8、病院で31.4あると、そ ういったところからこういった御指摘が導かれているということでございます。 ○遠藤会長  竹嶋委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。  それでは、大島専門委員、どうぞ。 ○大島専門委員  ジェネリックが本当に安全で品質がよくて安いものであれば、これは国民にとっても国 にとっても、こんなにいいことはないわけですよね。しかし、それが広がらないというの は一体何なのかということを考えたときに、ちょっと不謹慎な言い方になるかもわかりま せんけれども、損得勘定で分けて考えたときに病院あるいは開業医の先生方あるいは薬局 も含めて、これにかかわる方たちがジェネリックに移行することによって損得というバラ ンスで見たときにどういう損得関係になっているかというのがちょっとよく分からないん ですね、それが1点です。  それからもう一つは、本当に安全なのかということについていつもクエスチョンマーク の議論が出てくるわけです。一方でクエスチョンマークの議論が出てきて、一方で安全な んだ、安全なんだ、こういう担保もしているし、こうやっているというようなことをずっ と言い続けていて、結果的にはなかなか進まない現実があります。それでもう一つ質問な んですけれども、安全でないかも分からない、あるいは安全性に問題があると何となくそ ういうムードが漂っている中で、患者さんに何かトラブルが起こったときの責任はどうな るのでしょうか。使った医者にも責任がかかるのか、安全だという前提でもって使ってい るはずですから、そういった責任は一切処方した医者にはかからないと断言してよろしい んでしょうか。 ○遠藤会長  幾つかのお話があったかと思いますけれども、最後のは御質問だと思いますね。つまり 処方医の責任がどうなのかということが1つあると思いますけれども、それ以前のお話に つきましては、これは例えば処方をジェネリックに変えることによるメリット、デメリッ トがよくお分かりにならないというような議論があったかと思いますけれども、これはい ろんな議論が多分できると思います。だけれども、ちょっとこの段階でやるには時間もか かりますので、ちょっとそこのところはまたおいおいの議論という形にさせていただいて、 最後のところだけでよろしいですか、御質問という形で。つまり処方医の責任がどうなの かということで、では薬剤管理官、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の後発医薬を使うときの責任の問題でございますが、私どもとしては、先発医薬品で あっても後発医薬品であっても、これは両方とも厚生労働大臣が承認をしたものでござい まして、その品質有効性、安全性が適切なレベルであるということ、そういう場合に承認 をするということが薬事法の規定にございますので、そういった視点で厚生労働大臣が認 めたものということでございます。あとは薬事法の規定によるわけでございますけれども、 当然それの品質の確保というものについては、またGMPという規定もございまして、メ ーカーがきちっと品質の担保をするということが薬事法上規定をされております。そうい った意味でその品質の確保については、一義的には当該製造した企業の責任ということが 薬事法上は明確にされておるということでございます。また、それについて適切に使用し たにもかかわらず予測できない副作用が生じたような場合については、先発医薬品と同様 に副作用被害救済制度の対象になるということでございまして、御質問としては先発医薬 品も後発医薬品も同じ問題であるということを御理解賜ればというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。よろしゅうございますか。  では、追加的にお願いいたします。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  恐縮でございます。先ほどデータの件で御質問がありましたので、調べているデータだ け御紹介いたしますと、中医協の総1−4が後発医薬品の使用状況調査の報告書でござい ますけれども、そこにおきまして41ページでございます。図表47、これは薬局に対し て後発医薬品の説明、調剤に余り積極的に取り組まない理由というのを伺っておる中に先 ほど御指摘の経済的な便益ということを選択肢で用意しておりましたが、それに対する回 答が25.0%であったというのがここに示されております。  もう一つ、お医者さんに対するものは同じ本の76ページでございます。  同じ冊子の76ページ、図表93におきまして後発品の処方を薦めるための環境をお医 者さんにお尋ねしていることで、幾つかの選択肢の中で後発医薬品を処方する際の診療報 酬上の評価という選択肢も用意しておりましたが、これに対する回答はこの図表93に示 されているとおりでございます。データの紹介だけさせていただきました。 ○遠藤会長  ありがとうございます。大島専門委員、よろしゅうございますか。 ○大島専門委員  私はそういったところには余り詳しくないので、損か得かだけで言っていただければ分 かりやすいと思います。薬局にとって損なのか得なのか、病院にとって損なのか得なのか、 開業医の先生方にとって損なのか得なのか。そのマトリックスが見えれば判断するときに 判断しやすいと思ってこんな疑問を出したということです。 ○遠藤会長  ありがとうございます。恐らく議論をされている先生方の中ではさまざま違うかもしれ ませんが、マトリックスはできているんだろうなというふうに、それで対策が練られてい るということだというふうに思いますけれども、ありがとうございました。  それでは、ほかの方、どうぞ。順番が分からなくなりましたが、こちらのほうで挙がっ ておりましたので、では小島委員、どうぞ。 ○小島委員  では簡単に1つだけ。この使用促進の取り組みについては患者あるいは利用者側の意識 改革も必要だと思っております。資料の3ページにあります都道府県における後発医薬品 の促進協議会の拡充ということがあります。これの設置状況と、それからどういう構成に なっているのかということです。患者に対する働きかけとしては保険者の役割も大きいと 思います。この5ページの、[4]にあります環境整備の中で都道府県レベルで医療関係者、 都道府県担当者等からなる協議会設置ということでありますが、「等」という中には保険 者等も当然入っているのか。 ○遠藤会長  大変重要な御要望、御質問だと思います。設置状況とメンバー構成、どんなふうになっ ているか。お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  すみません、ちょっと経済課長がおりませんので私のほうから御説明をしたいと思いま す。  これは医政局経済課のほうで各県に委託を行いまして実施をしているものでございます けれども、平成20年度で既に実施をしているというものについては47都道府県中29 の都道府県で実施は既にされておりまして、今年度も進めておりますので、私の以前聞い た記憶では、今年じゅうにはたしか全県できるというふうに理解をしているつもりですが、 ちょっと正確なことが今確認できませんのでお答えはできません。  それから、この使用促進協議会、各県でございますが、これの大体構成につきましては 医師、歯科医師、薬剤師、それから製薬の業界、それから消費者の方、それから保険者の 方、それから行政と、こういった面々で若干県によって少しずついろいろ濃淡あるかもし れませんが、基本的な構成は今申し上げた医療関係者、製薬メーカー、消費者、保険者、 行政と、こういった方で構成をされているというふうに聞いております。そこで、実際に 各県ごとにいろいろな問題、医療の問題でもございますが、各県ごとにいろんな状況がご ざいますので、そういった県における後発医薬品の使用がどんな現状にあるのか、それか ら、その地域における関係者の皆さんの問題点ですとか意識ですとか、そういったものを 各県単位で個別にまた検討をしていくというものでございまして、そのほか当然先ほどか らお話がありますが、一般国民向けのガイドブックの作成ですとか、そういった地域住民 の方に対するいろいろな普及啓発、講演会の実施とかそういったものもここの協議会でや っているものということで聞いておるところでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。小島委員、よろしいですか。ありがとうございます。  今度はちょっと2号側から承りたいので、それでは邉見委員のほうが早かったと思いま すので、邉見委員からお願いいたします。 ○邉見委員  これは文科省の方かもわかりませんが、ジェネリックに対する医学部教育あるいは薬学 部教育はどのようになっているのかとちょっとお聞きしたいんですね。といいますのは、 私も北村委員のおっしゃるように、田舎の方なんかは特にお年寄りはタクシーで来るとか でお薬代を少しでも減らしたいということで、私も中医協の委員ということもあって院内 の会議でジェネリックを使おうと言うわけですけれども、そのときに必ず出てくるのは先 ほど大島先生がおっしゃったように、本当にきくのかどうかというふうなこととか、ある いは損か得かというのは、これは事務とか薬剤部がそんな手間をかけて病院にプラスにな るのかどうかと。私は病院にプラスにならなくても患者さんの負担が減ったらいいじゃな いかと言っているんですけれども、なかなか進まないんですね。最後にはやはり診療部の ドクターたちがやっぱりジェネリックというのはよくないんじゃないかと。院長は何か経 営とかそういうことばかり言っているんじゃないかというふうな、何かあいつはにせもの だみたいな感じで私に対して食ってかかってくるわけです、若い先生ほど。だから、それ がやっぱり進まない原因の一つじゃないかと思いますので、医学部教育あるいは薬学部の 教育の中にジェネリックというのをどのように位置付けているのかというのをお聞きした い。 ○遠藤会長  ありがとうございます。それは文科省がお答えすることなのかもしれませんが、逆に言 うと厚労省としてそういう教育プログラムに対してどういうことを言ってきたのか、言っ てこなかったのかということについて、その辺について何かありますか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  実際今どうなのかということに余りお答えできるものでもないんですが、少なくともち ょっと薬学部で申し上げますと、私も薬学部で勉強もいたしましたけれども、基本的にこ ういったジェネリックの問題というのは同じ有効成分でこういう製剤が違う場合にどうい う製剤学的な評価をするかというのが一番基本的な部分の学問的なベースであるわけです ね。いわゆる薬学の分野でいきますと製剤学とか薬剤学と言うんですが、こういったもの は従来より必須の項目でありまして、例えば国家試験でも必須の項目として出されており まして、すべての薬学部ではそういった製剤というものについてどういうふうに評価をし ていくのかということについては勉強をされている、実際に学習がされているというふう に理解をしております。ただ、そういったものから波及して、応用問題として例えばジェ ネリックという問題についてどういうふうに見るのかというのはありますが、その点まで かなり踏み込んだことを学部学生にやっているのは若干濃淡があろうかというふうに一部 のいろんな先生方にお聞きしていますと、そんな感じを受けております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  1行でもいいですから、教科書に載せていただきたいと思います。 ○遠藤会長  そういうような要望が中医協の中にあったということを何かの機会で担当省庁のほうへ お伝えいただければというふうに思います。  それでは、相互にやっておりますので申しわけありません。勝村委員、手短でお願いい たします。 ○勝村委員  先ほど大島委員からの指摘は私もすごく感じていることで、やはりもっと率直に、中医 協はお金の問題を議論しているわけですから、その後発医薬品に変えることによって薬局 や診療所がそのことでどういう経済的な形になるのかということははっきり伝えてほしい と思います。その点がやっぱり曖昧なので、先ほど御指摘いただいた調査結果ではそうい うことも意識にはあるということですが、どういう意識なのか具体的な話をやはり出して もらって、そこまで踏み込んだ議論をこの場はする責任があると思うので、率直にやって いってほしいというのが一つです。もう一つ先ほど山本委員の一つ前の議論のときにあっ たんですけれども、この検証部会の結果というのはもっと薬剤師会も厚労省も、今日は緊 急に出しているわけでしょうけれども、深刻に受けとめるべきで、今までどおりずっとや ってきていますという話じゃなくて、この検証部会の結果を受けて新たに薬剤師会は何か しなきゃいけない。その結果どうなった、どんな結果を得たぐらいのことはやらないと、 本当に必要なところに医療費を回していこうという話をしているので、医薬分業というの がすごく成功してきて、それが本当に意味があったかということが問われるところだと思 いますので、やはり独立して自分たちでこれだけやっているということをきちんと出して いってほしいと思いますし、医師会さんのほうでもやっぱり言われている指摘は一緒だと 思いますので、ぜひやってほしいと思います。  質に関してなんですけれども、先ほど藤原委員からあった納入格差にすごく格差がある から不安なんだというような具体的なことが出てきたときには、やっぱりその問題にはき ちんと説明をしていくようにしてほしいし、以前にはこの中医協の場でそういう質問があ って、品質の差には問題ないんですよということを薬剤管理官のほうから詳しい説明を受 けた上でこの議論は始まっていたのですから、もう一回そこの原点に戻ってきてしまって いるわけなんですから、そこの説明もやっぱりきちんとやっていってほしいというふうに 思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。経済的なインセンティブの話につきましては、一般論から言う ならば出来高払いの場合は差益がどっちが大きいかという話になりますし、包括払いの場 合には絶対的な価格が安いジェネリックのほうが有利だと、基本的にはそういう枠組みで 議論ができるわけでありますけれども、山本委員、どうぞ。 ○山本委員  勝村委員の御指摘ですけれども、先回も申し上げましたように、ただ放置しているだけ ではなしに、会員に向けてはさまざまな指導や使用促進に向けた手続を踏んでおります。 そこは御理解いただきたいのと、さらに不足していてということにつきましては、先ほど 申しましたように十分理解をしておりますので、さらにそれに拍車をかけたいと思ってお りまして、そこは御理解いただきたいと思います。もう一点、先ほど竹嶋委員の御質問の 指導の部分と責任の問題について管理官のほうから指導はそういう範囲ですよと、それか ら責任はそもそも厚労省が持っているんだということにつきまして、薬剤師もやはり臆病 ですから指導などというとおびえてしまいますので、規則は規則でありますので、進める という方向は理解いたしますが、その進める上で主旨が実現されるよううまい引っ張り方 をぜひしていただきたい。  それから、後発医薬品を選んだ責任につきましては、私どもとしては十分なデータをも とに先ほど申しましたように、薬剤学も含めた仕事や学問を習ってまいりましたので、そ こにつきましては、余り厳しい指摘がないということで理解をさせていただければと思い ます。  もう一点、ジェネリックは得か損かというお話がありましたけれども、決して私ども損 得で動いているわけではございません。ただ、大変かどうかと問われればこれは極めて大 変であります。在庫をそろえなくてはなりませんので負担は極めて大きいものであります し、それからたくさんの品目の問題もあります。ただ、そのことが経済的にどれほど大き な負担なのかということは理解しながらも、今現在後発品を使うことによって保険制度を 含めた全体のシステムを維持していくということについては十分に理解をしているつもり でありますので、単に損得で動いていると言われますと、いささか反論をしたくなるとい うことでありますので、そこは御理解いただきたいのと、もう一点、今ここで議論してい ますのは処方をする側、調剤をする側の議論で後発品が進まない、あるいは費用を払う側 のほうで後発品を進められないかという議論でありますが、実際に医薬品をつくる側のほ うにも多少の責任がここでの議論ではないと思いますし、責任があると思っております。 そのあたりもぜひメーカーのほうに対しても十分な指導、つまり後発品が使用できるよう な環境をつくるということも含めて御指導いただきませんと、在庫時の経済的に負担にな ってまいりますので、そのあたりも今回の指導の中に盛り込んだ議論があればなと思って おりますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。山本委員がすべての質問にお答えいただいたというか、四面楚 歌になっておりますので、恐らくまたいろいろな御意見があるかと思いますけれども、こ の話につきましてはこれぐらいにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。  それでは、事務局、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今いろいろ御意見をいただきました。この特に規定の周知徹底等必要な指導につきまし ては、今日いただいた御意見も十分踏まえまして、別途地方厚生局にあてて私どものほう から通知を発出することにしたいというふうに思います。  以上でございます。 ○遠藤会長  ではひとつ、よろしくお願いいたします。  それでは、多少遅れておりますので、引き続きまして医療機器の保険適用について議題 としたいと思います。  では事務局、よろしくお願いします。今回は医療区分のA2とBについてであります。 どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料、中医協総−3をごらんいただきたいと思います。  1ページ目にございますように、まず区分Aに特定包括、特定の診療報酬項目において 包括的に評価されている区分。5月1日付で保険適用開始のものでございますが、1ペー ジ目、2ページ目に掲載されておりますように、63件ございます。  続いて区分Bでございますが、3ページ目から5ページ目までの51件でございます。  以上、医科につきましてはA2、B合わせまして114件ということでございます。  続きまして、6ページ目、歯科のほうでございますが、A2はごらんの1件、Bはごら んの8件ということで、歯科については合計9件。医科歯科合わせまして123件という ことでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ルールどおりでありますけれども、何かただいまの報告で御質 問ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。  それでは、本件にかかる質疑はこのぐらいにしたいと思います。  引き続きまして、臨床検査の保険適用についてを議題としたいと思います。  事務局からまた報告をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料、中医協総−4をごらんください。  まず、1ページ目ですが、区分E2、新方法、測定方法が新しい項目としてシアル化糖 鎖抗原KL−6、ラテックス凝集比濁法が出ています。点数120点ということでござい ます。  1枚おめくりいただきまして、2ページのほうに説明がございます。  2ページの下のほうの参考からごらんいただきたいと思いますが、3行目の途中からで すけれども、間質性肺炎において血清中のKL−6というものが健常者や他の呼吸器疾患 に比較して有意に高く、感度や特異度の分析において非常に診断的有用性の高い指標であ ることが確認されていると。さらにその活動性、非活動性の区別にも利用されているとい うことなんですが、上の有用性のほうをごらんいただきたいんですが、この測定について は従来EIA法あるいはECLIA法というものが保険適用になってございましたが、今 回それに加えてラテックス凝集比濁法というものが薬事法の承認がなされたと。このラテ ックス凝集比濁法の場合は、従来の検査方法に比べまして正確性も高く、時間も非常に短 縮される検査法であるということでございます。  続きまして、3ページ目ですが、区分E3、新項目、今度は測定項目が新しいものとい うことで、尿中サイトケラチン8・サイトケラチン18の総量の測定ということでござい ます。測定方法はEIA法、160点ということですが、最後の4ページをごらんいただ きたいと思います。  これは移行上皮膀胱がん患者に使うものでございますが、参考のほうに書いてございま すように、膀胱がんの診断において、膀胱鏡検査というものはございますが、検査費用が 非常に高く、かつ侵襲的検査であると。それから、尿細胞診については感受性が非常に低 いと、こういった問題がございました。現在、薬事法の承認を受けているマーカーとして は尿中のBTAとNMP22というものがございますが、今回サイトケラチン8・サイト ケラチン18の総量というものが測れるようになったということで、薬事法でも承認が得 られたわけなんですけれども、上のほうの有用性に書いてございますけれども、既存のマ ーカー、尿中BTAやNMP22にはない高い感度と特異度を有しており、初期診断マー カーとしてすぐれていると、こういったものでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。新しい臨床検査の保険適用でありますけれども、何か御質問、 御意見ございますか。  よろしいですか。  それでは、本件にかかる質疑はこのあたりにしたいと思います。  引き続きまして、DPCにおける高額な新規医薬品への対応について議題としたいと思 います。  資料につきまして、事務局よりまた説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料、中医協総−5をごらんいただきたいと思います。  1番の点線の四角にございますように、前年度使用実績のない医薬品について、見込み 額が使用していない症例の薬剤費の平均+1SDを超えた場合に出来高から外すと、この ルールでございますが、今回は効能追加の薬事承認がなされた医薬品のうち、2番のほう に書いてございますけれども、アリムタ注射用500mg、それからネクサバール錠20 0mgについて、このルールを適用したところ平均+1SDを超えるということで出来高 算定としたいということでございます。  その下の参考のほうに書いてございますが、アリムタ注射用500mg、これはアスベ ストの副作用などで有名な中皮腫の薬なんでございますが、今回は切除不能な進行・再発 の非小細胞肺がんについても効能が認められたということでございます。計算しましたと ころ、標準的な費用約48万円ということで、一番下に平均+1SDの数値がございます が、4万6,067点に比べて高いということで出来高算定とするということでございま す。  続いて2ページでございますが、ネクサバール錠200mg、これは腎がん、腎臓のが んの薬でございますが、今回切除不能な肝細胞がんについても効能が認められたというこ とで、やはり同様に計算したところ、平均+1SDを超えるということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ただいまの高額医薬品の適用に伴いまして、このような対応を すると。ルールどおりの対応でありますけれども、何か御質問、御意見ございますでしょ うか。  よろしいでしょうか。  これは確認ですけれども、次回以降はこの薬を使った場合に別な診断群分類になって高 い点数がつくのが1つできるということになるんでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  これはあくまで次期改定までの暫定的な措置ということですが、次期改定のときに別の ツリーになるのか、あるいは既存のもので値段が高くなるのかというのは、そのときのデ ータの状況によってまた異なるということでございます。いずれにしても、次期改定のと きには基本的に包括の点数になるということでございます。 ○遠藤会長  そうすると、一つにまとまってしまうと、これを使うとちょっと不利益になるというこ とはある可能性もあるわけですね。今は出来高で評価されて。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  ですから、今申し上げましたように、こういう薬を使うということがメーンになってそ ういう点数で独立するという可能性もございますし、そうではなくて、やはり既存の枠の 中でちょっと点が上がるだけと。それはですからケース・バイ・ケースでございますので、 現時点では何とも言えません。 ○遠藤会長  ありがとうございます。私だけが知らなかったのかもしれませんので、ちょっと確認を させていただきました。ありがとうございます。  それでは、特に御意見がないということであれば、これは中医協として承認したいと思 いますけれども、よろしゅうございますか。  ありがとうございます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、引き続きまして医療経済実態調査につきまして議題としたいと思います。  これは医療経済実態調査の特にサンプルの選出につきましての議題でありますけれども、 この件につきましては、まず調査小委の小委員長であります私のほうから口火を切らせて いただきます。  医療経済実態調査につきまして調査客体の抽出につきましては、調査実施小委におきま して無作為抽出の公平性について御意見がありました。より明確に無作為抽出を行う必要 があるのではないかということで、その一環としまして調査客体の抽出作業に公益委員が 立ち会ってはどうかという提案がありました。この提案を受けまして、4月15日午後1 時から厚労省の統計情報部企画課の審査解析室でこの調査客体の抽出作業が行われました が、調査小委の委員長であります私がそれに立ち合わせていただきました。調査客体の抽 出作業は基本的にはコンピューターの中で行われるわけでありますけれども、まず基本的 にこの作業をおやりになりますのは、統計情報部の職員の方がおやりになるということで、 医療経済実態調査の調査事務局であります保険局医療課の職員は直接関与していないと、 全く関与していないということを確認いたしました。  それと、調査客体の抽出につきまして、コンピューターの中にデータが入っているわけ でありますけれども、それはあくまでも病院のデータでありまして、個々の病院の財務デ ータは入っていないと、リンクされていないということであります。そういうことから判 断いたしまして、財務状況によって恣意的な抽出が行われるということはまずないという 確認を得ました。  以上、これ報告をさせていただきたいと思います。  引き続きまして、事務局から資料も出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  中医協総−6でございますが、今、遠藤先生から御説明いただきました流れについてち ょっと図示したものだけ用意しておりますので、簡単に御説明いたします。  (1)と書いてございます調査客体抽出依頼というのを私どもから統計情報部にいたし ます。依頼する際にはこの総会でも御了解いただきました層化の方法なども示した要綱と いうものをお示しして、このとおりやってくれという依頼をします。それに基づきまして、 (2)で向こうでコンピューターのプログラムをつくります。イメージが右側の四角の点 々の中に書いておりますけれども、それぞれの層化の状況に応じて細かく枝分かれをつく っていくというところでございます。その条件をいろいろ設定していって、枝分かれのそ れぞれの部分から病院であれば5分の1、それぞれの抽出率に基づく抽出を無作為にやる というプログラムをつくります。調査客体の抽出は、そのプログラムに基づきましてデー タベースからワーッとやるわけです。そこの作業に調査小委員長に立ち会っていただきま した。その上で調査客体の抽出が終わりましたということで連絡をもらうと。その結果が この裏面にあります調査客体抽出後の名簿データのイメージということでございます。こ の左側にありますような形でまずは(3)の作業が終了した段階で選ばれるわけでござい ます。これはちょっと施設番号だけでございまして、どこの病院か、北海道とか九州とか は分かるわけでございますけれども、それしか分からない。それについてどこの病院あて に調査票等を発送したらいいかということで、最後に右側にありますような施設名、郵便 番号というのをこの施設番号とマッチングさせる形で名簿をもらうということになってお ります。  その結果がホチキスでとじてあります参考資料2でございますけれども、参考資料2、 事務連絡、4月16日となっておりますけれども、統計情報部からの返事といたしまして、 これの2ページ目以降にそれぞれの層ごとの抽出の状況が示しております。例えば2ペー ジ目でいいますと、病院の属性別の内訳、母数が8,244の中から標本を1,648選 びましたというものでございまして、ほぼ抽出5分の1になっているかというふうに見て みいただければと思います。同様のものが一般診療所、歯科診療所、保険薬局で示してお りまして、それぞれ抽出率に基づいた抽出サンプル数が選ばれていると。  さらに6ページ目でございますけれども、これは1分の1で抜くものがこの特定機能病 院等3種類ございます。これについての属性についてもお示しした資料でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。この件につきまして何か御意見、御質問ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  ここまで抽出されるに当たって御丁寧にしていただいたことに敬意を表したいと思いま す。それで、繰り返しになるかもしれませんけれども、過去にあったということで気にな って、今後はないほうがいいと発言させて頂いたのは、医師会さんなり歯科医師会さん、 薬剤師会なりが、この対象になっている医療機関を何らかの形で把握するということです。 厚労省からデータが行っているとか、または会員が自ら医師会のほうに申し入れていくと か、対象になったということを報告して上がっていくようなシステムがあるのかよく分か りませんけれども、いずれにせよ、団体が把握するということが過去にあったということ がないようにしてほしいということで、その担保をとってほしいということです。もう一 つは回答率を上げてほしいということなんですけれども、今このデータを見させてもらっ たら参考資料2ですよね。こういうデータがつくられるのであれば、せめて回答しなかっ た医療機関と、した医療機関でできるだけ僕は回答率の低さが変な影響を与えていないか というのも気になるし、ここに書くのがいいのかどうか微妙なんですけれども、改めて要 望したいのはもう皆さん医師会さん、歯科医師会さん、薬剤師会のほうで回答率を上げる ような御努力をぜひお願いしたいなというふうに思っています。 ○遠藤会長  御要望はよく分かりました。ありがとうございます。そのような回答率を上げるように 御努力をいただきたいということでありましたけれども、これはそのように御協力すると いうお話も前に……。  山本委員、どうぞ。 ○山本委員  今の勝村委員御指摘の点ですが、直近の調査で私どもに関して新聞等出されたことが御 記憶にあるだろうと思いますけれども、当方で事実関係の調査をした結果、そうしたこと はございませんでした。今のような御懸念につきましては、もしあるとすれば大変困った ことだと思っておりますが、ただ一方で、回収率を上げるとすれば、一体どこが対象なの かがはっきり分からない状態で、個別の状態は知らせるな、バイアスはかけるな、ただ回 収率を上げろというのはなかなか難しい話です。もし回収率を上げるのであれば、2号側 ではなしに厚労省のほうにお伝えいただいたほうが筋としては正しいと思います。私ども に向けられても相手が分からないものですから、一々督促もできないというような気がす るんですが、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  では勝村委員、一言だけ。 ○勝村委員  そのために把握してもらうというよりは、僕は何か過去にあったというよりも把握して いたということが疑念を招くんじゃないかと思いますので、李下に冠を正さずという意味 で把握はされないほうがいいんじゃないかと思いますので、回収率を上げる指導をするた めには把握しなきゃいけないということだったら、僕は把握はされないほうがいいと思い ます。その上で、できる範囲の中で回収率を上げる努力をやっていただきたいということ で、厚労省のほうでそれを努力してもらうということが筋というのならば、それでも結構 です。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  回収率のお話が出ておりますので、私どもとしてもぜひとも上げるべく努力をしてまい りたいと思いますが、特に今日ギャラリーでもいろいろマスコミの方がいらっしゃられる と思いますので、私どもの広報予算も限られているものですから、ぜひとも読者の皆様に 対して届いた場合には御協力をという報道のほうもお願いできればありがたいなというふ うにこの場をかりてお願いを申したいと思います。 ○遠藤会長  それでは、ギャラリーの皆さん、よろしくお願いいたします。  ほかに。渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  今の点について、前回うちの取り組みとしては本会の会報あるいは都道府県歯科医師会 の会報等あるいは広報等にしっかりそういう調査の依頼があった場合の協力をお願いして います。前回はたしか68%ほどの高い回答を出していただけたと思いますけれども、こ れからもそれを進めていきたいというふうに考えています。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  それでは、時間もありませんので、このような形で客体抽出いたしましてからこのよう な形で調査を進めていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして事務局からお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  6月中旬を予定しております。調整でき次第、また連絡をさせていただきます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)