09/05/18 第2回社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会議事録 社会保障審議会 第2回介護給付費分科会調査実施委員会議事録 1 日時及び場所:平成21年5月18日(月) 午後3時半から5時半          厚生労働省 17階 専用第18会議室 2 出席委員:池田、田中、千葉、藤井、堀田、村川 3 議題  (1)介護従事者処遇状況等調査における調査票等について  (2)関係団体ヒアリング  (3)その他 ○鈴木老人保健課長より、委員の出席及び意見陳述人の報告が行われた。 ○田中座長より挨拶。 ○鈴木老人保健課長より資料1から5について説明。 (田中座長)  委員の方々から何か質問や意見があったらお願いする。   (藤井委員)  資料2の2ページを見ると、施設を抽出した後に職員を抽出するという構造になっ ていると思うが、そうすると、今説明いただいた資料3−1などの7ぺージ、8ぺー ジをどこまで抽出して書いていただくかということになると思うが、これをどういう ふうにサゼッションするのか、教えていただきたい。 (鈴木老人保健課長)  質問は、各施設でどのように抽出をするかということか。 (藤井委員)  そうである。 (鈴木老人保健課長)  これは統計的にまた相談したいと思うが、恐らく、例えば誕生月とか、もしくは、 あいうえお順の1番から1、5、10とか、そのような形で無作為にきちんと選べるよ うな形で提案をしたいと思っている。調査票を記入される皆さん、同一の方法でやっ ていただいた方がいいかと思う。 (藤井委員)  別途指示があるということか。   (鈴木老人保健課長)  そうである。 (藤井委員)  わかりました。 (田中座長)  基本的に無作為になるよう、事務局である程度指示を出すようである。  他の点で質問、意見があったらお願いする。   (千葉委員)  調査票だが、介護老人福祉施設票でいえば問1であるが、ここで給与を引き上げた かどうかと聞いている。同じく、交付金のところの問6の(2)、ぺージでいうと5 ぺージだが、ここでもやはり同じような質問があるが、この切り分けはどのようにな っているのか。 (鈴木老人保健課長)  これは後でまた相談したいと思うが、後段は、交付金の支給条件としての給与引き 上げであるので、基本的には介護職員だけ。最初の方は介護職員に限定されずに全て の職員ということであるので、具体的にどうきちんと書き分けるかというのは相談を したいと思うが、交付金の支給要件を満たすための処遇改善をどうしたかというとこ ろが後段である。 (田中座長)  よろしいか。 (千葉委員)  了解した。 (堀田委員)  これは確認であるが、それぞれの設問の対象の範囲について、資料4を見ていると、 問1から問4は、例えば介護老人福祉施設であれば、介護老人福祉施設以外の事業を やっている場合、ほかの介護保険サービスを含めて答え、問6もそれ以外を含めて答 え、問7以降については、介護老人福祉施設サービスに限定して答えるという理解で よいか。そうすると、集計結果を示すときに、例えば問1から問4については、同じ 敷地内で他の事業をやっているところとやっていないところのクロスをかけないと、 介護老人福祉施設だけを取り出してみることができないということになるかと思う が、あえて問1から問4と問6は調査対象サービスだけではなくて同じ敷地内の他の 介護保険サービスも含めることにしている趣旨はどういうことか。 (鈴木老人保健課長)  資料4の一番冒頭にあるように、問1から問4、問5、問6と、問7から問10に ついて考え方が違うというのは指摘のとおりである。これは前回も説明しかと思うが、 もちろん理想的には各事業所が各サービスごとの費用、それから投入資源というのを きちんと把握し、その切り分けごとにきちんと書いていただければ、全く問題は起き ないのだが、実は、特に小さな事業所等、もしくはいくつか併設している事業所等で なかなか会計が分けられていない場合もある。その場合、大きく分けると法人、事業 所、各種サービスという3層構造になっているが、今回は、基本的には人については 対象となったサービスについてお聞きをする。収支については、恐らく事業所単位に 調査をし、その上で按分について、事業所側に書いていただくとかなり大変になるの で、そこはある程度我々の方で類推できるように、様々な形で聞かせていただき、も ちろん個別の事業所で見ると、ある事業所は少し比率が違うので実際には、当てはま らないということがあると思うが、全体として見れば、ほぼいろいろな組み合わせと いうのは余り大きく変わらないということだと思うので、これは個別事業所の評価で はないので、そういう形で考えさせていただけたらと思っている。 (堀田委員)  そうすると、問4の按分が難しいので、それと合わせて見るということで、問1か ら問3も調査票に示されている対象事業単体で見るのではなくて、その敷地全体で答 えていただくことにしたという趣旨か。 (鈴木老人保健課長)  そうである。 (堀田委員)  了解した。   (藤井委員)  そうすると、調査票を受け取った方へどうサジェストするかによると思うが、訪問 介護のところへ送られてきて、同じ敷地内の特養まで書けといっているのか。訪問介 護だけで分かれていれば訪問介護だけで書けるか。これが、例えば3ぺージの問4で 同一敷地内にあるもの全部を書いてくるとは限らないと思うので、そのあたりの切り 分けがどうであるか。 (鈴木老人保健課長)  そこは、実は今日、各団体の方からもおっしゃっていただけると思うが、ここは今 回お配りした調査票から各意見を入れて少しバージョンアップをしたいと思ってい る。できるのであれば、同一敷地の中でも会計が分けられているのであれば、その当 たったサービスだけについて書いていただくということを優先させていただけるよ うな形で調査票を整理したいと思っている。その方が実態に即したものにはなる。た だ、堀田委員からの質問にお答えしたように、分かれていない場合もあるので、その ときに、それも按分してからやってください、と申し上げるとなかなか大変なので、 それはこちら側でやれる仕掛けを作りたいということで、ちょっと複雑にはなるけれ ども、会計が分けられていれば、切り分けられた厳密なものだけ回答いただければ、 その他のところは結構である。分けられない場合には、付随情報もいただき、こちら の方でモデル的に按分をして全体としてお示しする、こんな感じで考えている。 (田中座長)  今のロジックでよろしいと思う。分けられるならば、分けられる方を優先する、分 けられなければ、やむを得ずということである。今日は決して最終バージョンの決定 ではなく、事業者の方々の意見を伺って、説明についてもまだもう少しレベルアップ するかもしれない。  では、池田委員、どうぞ。 (池田委員)  資料2で、平成19年10月1日現在の介護サービス施設事業所調査が出ている。こ れについて2〜3点お聞きしたい。まず、ここに出ている看護職員から介護支援専門 員はダブリはないか。つまり、介護職員が介護支援専門員と兼務するなど、職種的に は重なることがある。 (鈴木老人保健課長)  若干、生活相談員等を兼務しておられる場合があるようなので、そこはちょっと考 えたいと思う。 (池田委員)  了解した。  それからもう1つは、手元にちょうど平成18年度のこの調査を持っているが、平 成18年の10月1日現在、介護老人福祉施設の総数は24万人となっている。31万人 というのは7万人も増えているのか。この人材不足と言われている中で、そんなに極 端に人間が増えているのか。ちなみに、介護職員は平成18年は15万6,000人だった のが、平成19年は19万1,000人である。   (鈴木老人保健課長)  確認をさせていただくが、これは実人員数であり、常勤換算数ではない。 (池田委員)  常勤換算していないということか。 (鈴木老人保健課長)  そうである。今回は非常勤の者、常勤の者の両方をそれぞれ聞くので。 (池田委員)  了解した。 (鈴木老人保健課長)  今回は実人員になっているので、恐らく常勤換算と実人員の違いが出ているのだと 思う。 (池田委員)  その違いであろう。そうすると、これは常勤換算の数字もあるということか。 (鈴木老人保健課長)  もちろんある。 (池田委員)  では、それをいただきたい。  それからもう1つ、これは直接この調査票とは関係ないが、最近考えて少しわから なくなったので教えてほしい。例えば施設介護報酬の40%が人件費と出ているが、こ の場合の40%は、9割給付の40%なのか、1割の自己負担を入れた40%なのか、ど ちらなのかというのがよくわからなかったので、教えてほしい。  それからもう1つは、対象は看護・介護職員だったか。40%の対象というのは、直 接処遇職員全部を対象にしているのか。 その2つ、改めて確認したい。 (鈴木老人保健課長)  2つ目の質問からお答えすると、今、池田委員がお尋ねになったのは、介護報酬の 際の人件費に何を入れたかということか。 (池田委員)  そうである。 (鈴木老人保健課長)  基本的には直接処遇職員プラス基準で規定している職員を全部入れているので、看 護・介護職員だけではない。  それから、人件費の分母だが、これは介護報酬というのは基本的には入と出を両方 勘案した上でその損益を出すことになっているので、介護報酬の9割部分だけとか、 1割部分を乗せたものだけではなくて、食費・居住費とか、いろいろなものを乗せて 分母にしている。そういう意味では全体の収入に対して人件費が、先ほど申し上げた 直接職員プラス基準でいった場合の人件費がどのぐらいかかっているか、というのが あの数字である。 (池田委員)  ということは、40%というのは、分母は1割自己負担もひっくるめた総収入という ことか。 (鈴木老人保健課長)  1割自己負担だけでなくて、食費・居住費なども入れての総収入である。 (池田委員)  今、何を入れてとおっしゃったか。 (鈴木老人保健課長)  食費・居住費である。 (池田委員)  了解した。 (田中座長)  千葉委員、どうぞ。 (千葉委員)  細かい話だが、先ほど調査区分の話で、法人全体、事業所、サービスごとと3層あ るという話があり、基本的に分けようがないものは無理して分けてもらうのは大変だ というのは理解できる。その場合、分けられない範囲というのを、これはレアなケー スなのかもしれないが、介護保険サービスというところに限るのかどうか。例えば通 所介護などでは、障害の関係が一部混ざってしまっているケースがあると聞いたこと がある。そういう場合、そこを入れるかどうか、細かい話なのでおそらく誤差に入る のでいいと思うが、介護保険だけは含めるけれども、それ以外は除くというふうにや ると、結局そこだけ按分が残ってしまう可能性があるという気がしたということが1 つ。  2点目だが、先ほど池田委員の話の中で、事業活動収入という中で、介護保険収入 が入るというのはわかった。その中に、利用者負担金もあるし、介護報酬収入もある。 それ以外に利用者等利用料収入という利用者の利用料の部分があるし、あと、自治体 によっては借金の返済の償還補助金とか、いわゆる事業活動とは関係ないというか、 通常、PLには出てこないような収入分が計上されてしまう場合が、特に社会福祉法 人会計基準ではあり得る。指導指針の方であればないが。要は、事業活動収入はどこ まで排除するのかどうかというところ。この2点を質問させていただく。   (鈴木老人保健課長)  そこのところの詳細についてはまた事業者団体とも相談したいと思うが、基本的に は、事業活動収入と、そのうちの介護収入を聞いているので、事業活動収入の方は広 めにとった上で、介護収入についてはきちんと定義どおり取るということではなかろ うかと思う。ただ、そこの判断基準が記入者によって違うということでは困るので、 そこは相談した上で、きちんと記載要領の中に定めたいと思う。 (田中座長)  他はいかがか。  では、また何かあったら事後的にでも言ってほしい。  それでは、お待たせしたが、これからヒアリングに移る。  今回は調査対象となった施設・事業所の関係6団体からそれぞれヒアリングをさせ ていただく。事業者団体の皆様方から、調査票の記載に関して、何か問題点、ここは 問題だと感じたり、あるいは調査票に対する要望等があればお伺いしたい。せっかく お越しいただいて誠に恐縮だが、1団体5分間で、しゃべり始めると皆さん30分し ゃべりそうな論客が多いが、5分でお願いしたい。全ての意見陳述が終わった段階で、 まず最初に、もし皆様方からの質問が含まれていれば、課長からお答えいただく。あ とは委員とのディスカッションと思っている。  では最初に、全国老人福祉施設協議会からお願いする。 (桝田意見陳述人)  今回の調査票の件だが、まず介護報酬の収入の部分で、今回、基本サービス費のア ップではなく、加算体系によるアップになった。しかも、3ヶ月平均等を使った少し 時間がかかる加算申請の形になっているので、4月から9月は各施設の収入が非常に 変動していく状況の中にある。それで、今回の4月からの給与改善という部分は、平 成21年の2月、3月あたりに21年度の給与改善を決めている。なので、非常に不確 定な要素の中で給与改善を行なっている。実際に今日お配りした資料の中で、2月、 3月段階でどの程度の、いわゆる給与改善のための財源が確保できているかというと、 3%以上確保できたという施設は17.8%ぐらいしかない。82%の施設は2%以下の増 収にしかならない。その中で給与アップ等を行なうというのは、未定のところを除い て、何らかの意思表示ができているところでは、82%の施設は給与アップを行なうと いうことになっているが、その中で特筆的な部分は、いわゆる基本給を上げるという のは今回の場合、非常に無理がある。不確定要素が強過ぎて、給与アップは手当です る。それから、状況を見ながら、一時金的ないわゆる賞与によって反映させようとい う意向が非常に強い。なので、今回の調査票で、9月段階で収入と支出の部分を見て、 いわば給与改善の数字を見ると、収入は9月段階でどうにか21年度の平均的な数字 まではもってこられるだろうけれども、支出面の給与改善面というのがまだ態度を決 めかねている状況の中で、最初に設定した4月からの給与アップ分が織り込まれてい るだけである。一時金的な賞与あたりの部分が、この部分でなくて、個人の調査の賞 与の部分でしか出てこないといった問題点が出てくる。そうすると、実際に給与改善 を行なう意向があって、その準備をしていても、調査票に記入してみると、ほとんど 収入があった分に対して給与改善に使われた費用が、かなり少なく出てしまうのでは ないか。  それともう1つ、給与改善等を行なわないという回答をする施設も結構出てくるの ではないか。その中に、しないという結果だけで、あとは個人の調査等の方になるが、 しない理由というのを正確に調査していただきたい。その中に、例えば19年度の段 階で給与改善を行なっているので、他の施設に比べたら、給与水準が高いからオーケ ーなところ。それから、収支が非常に大きな赤字を出していて、そこまで回らない施 設というのがもちろん存在する。ただ、赤字施設の場合は、人件費比率が高いために ほとんど赤字になってしまうので、いわば一人ひとりの給与水準が高くなっているた めに赤字になっている。ですから、今回の改善というのは既に織り込み済みという状 況が考えられます。その辺りの部分の調査というのを少し詳しく見ていただきたい。  それと、介護職員の処遇改善交付金の問題が出てきたが、この部分は4月段階では なかなか織り込みができるような問題でなかったが、この部分について出てきたため に、介護職員の部分で、一時金的に今度8月段階で織り込むについても、非常に不確 定な要素が出てきた。8月のいわゆる賞与に織り込んだ分が処遇改善交付金として見 なされるかどうかという見解は今時点では出ていない。10月以降でないと、見なされ るかどうかもわからない。ですから、調査票自体が今現在に決めかねる問題という部 分が少し出てきてしまうのではないか。その辺りの部分と、個人個人の給与問題の点 については、いわゆる変動的な給与、例えば夜勤手当とか、時間外手当などは、夜勤 の回数によって非常に左右されるので、前年との比較をしても、単価比較をしないと 実態に織り込めない。例えば、今現在、4,000円の夜勤手当を5,000円にアップした と。でも、逆に回数が減ってしまっている方の場合は、個人の調査票からマイナスが 出てくる可能性がある。その辺りの固定的な給与の部分についても少し様式を変えて いただかなくてはならないのではないか。  あと、個々の問題については、意見書の方に1つずつ細かな部分で疑問点とか問題 点を書いているので、それを見ていただきたいと思う。とりあえず時間がないので、 それだけの説明で終わることとする。   (田中座長)  次は、全国老人保健施設協会からお願いする。   (内藤意見陳述人)  全老健の内藤と申します。今回の処遇改善の調査は、私どもにとっても非常に大切 な調査であろうというふうに考えているし、全老健としても、できるだけ会員の協力 を得ていきたいと考えている。  ただ、現実的には、今回の介護報酬改定というのが、先ほどもあったように、基本 サービス費というよりも、加算の積み上げというのが非常に特徴的である。この間、 介護報酬の改定について、全老健としても、さまざまな説明会を行なってきたけれど も、現場としては非常に混乱している。まだまだ加算について、経営状態の把握にま で到底至らないだろう。加算がどの程度取得できるのか、できないのか。あるいは、 それが経営状態にどの程度反映されるのか。その辺を見通すためには、やはり少なく とも1年程度の期間が必要ではなかろうかと考えている。そういう意味で、今回の処 遇改善ということで、会員の施設からは9月には到底まだ目途が立ちそうにもないと いう声が非常に大きくなっていることを1つ申し上げたい。  それから、2つ目については、やはり老健施設も開設主体が様々である。特に課税 法人が多いということ。あるいは、都道府県によっては規模のばらつきがある。また、 開設年次が浅い法人が、多大な借入金を背負っているという実態もある。あるいは、 地域によっても、旧来型の今回の介護報酬に使われた地域区分が本当に地域の特性を 表現しているのかということも現場からは声として上がってきている。そういう意味 での規模、あるいは経営状態というバックグラウンドを十分踏まえた調査となれば大 変ありがたいと思っている。  また、会計区分のことでいうと、入所と、それから短期入所、療養介護というのは ほとんど一体的に運営されており、これは区分ができない。通所リハに関しても、で きるだけ通所は通所という格好で区分できるような格好はとっているけれども、今回 の介護報酬改定でも、通所サービスの間の人員配置の問題もあり、なかなかその辺の 按分が、特に規模の小さいところでは会計の専門家がなかなか確保できないというこ とも含めて、困難な状況が起こっている。 ただ、その辺も含めて、全老健としては、 できる限りきちんとしたデータを集めるために協力をしていきたいと考えている。  それから、処遇改善交付金については、介護職員のみということなので、これにつ いて今回の介護報酬改定、あるいは介護事業者処遇状況の問題と、処遇改善交付金と いうのは少し扱いが違うのではないか。介護職員のみに、この交付金を手当として支 給する方策としては、具体的にどういった方策が考えられるのか。その辺は今後、私 どもの立場としても検討していきたいと考えている。 (田中座長)  次は、日本慢性期医療協会からお願いする。   (安藤意見陳述人)  日本慢性期医療協会の安藤です。本日は、このような機会をいただき、ありがとう ございます。  慢性期医療協会としては、介護療養型医療施設の特殊性ということで、総論と各論 に分けてお話をさせていただきたいと思っている。  まず総論の方であるが、介護療養型医療施設の中では、リハビリテーションを多く やっているところは逆に−1〜2%ということがございまして、そういう状況の中で 給料を上げることも大変な状況があるというのが1つである。  もう1つは、療養病床をやっている中では、介護保険の療養病床と医療保険の療養 病床、両方ともミックス的にやっているところ、あるいは一般病棟をもっているとこ ろがある。そういう中で、介護保険の療養病床だけのヘルパーさんの給料を上げるの も少しきついかなと。 そういうような前提がある。  次に各論であるが、大変細かいが、1つは記入上の留意点のところで経験年数のこ とが書いてあるが、設問中にこれに当てはまる項目がないので、そこら辺もまた見て いただければと思う。  それから、施設票の問2(2)の5だが、勤務時間の要件という中で、当直をやっ ているか、やっていないかによっても評価が大分違ってくるので、そこら辺があると いいかなと思っている。  それから、施設票問4の(4)だが、その中で介護費用と医療の費用の区分ができ ていない状況があり、この把握も大事じゃないかと思う。集計後の評価時に費用の取 り扱いについて何か把握ができるようなところがあるとよいのではないかと思って いる。  それから、問7だが、複数の病棟がある場合の記載方法ということだが、介護保険 の療養病床の場合は、病棟によって夜勤が多くできる方のところは加算が取れる、そ うでないところは取れないというところがあるので、その辺の特殊性があるので、そ こら辺もまた考えていただくと、より現実的ではないかと思う。  それから、従事者票のだが、これも細かいところであるが、決まって支給する給与 の手当のところの4の通勤手当だが、これも毎月ごとに払っているところと、6ヶ月 定期のところもあるので、6ヶ月であれば6分の1にするとか、あるいは、この項目 をやめてしまうとか、そういうふうなことをやった方がよいのではないかと思う。  あと、従事者票が各個人ごとで結構細かく、作業量が大変多いので、そこら辺を何 か配慮していただければと思う。  それから、施設票問6の介護職員処遇改善交付金についてだが、鈴木老人保健課長 からも話があり、また別途ということだが、この辺については、我々マネジメントを するところとしては大きいことなので、逆に提案であるが、(3)として基本給や手 当を引き上げた場合、今後の財源についてどう考えいるか、ということで、例えば施 設の自助努力で確保するとか、交付金の継続を希望するとか、次回の介護報酬の改定 時に考えてみるとか、そういうのがあると大変ありがたいかなと思っている。   (田中座長)  次は、「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会からお願いする。   (馬袋意見陳述人)  「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会です。  まず全体なところで、今回の介護報酬につきましては、介護従事者の処遇改善とい うことではあるが、実態として、そもそも事業者の経営が継続的にできるのかという 不安定な状況の中での介護報酬の見直しであった。実際は、加算による改定というこ とで、加算の実績が出てくるのが3ヶ月以降になってしまうというようなこともあり、 経営実態として、9月までにどれぐらい処遇できるかというのが、非常に不安である というのが事業者の多くの意見である。  それから、今、政府の方で交付金の案件が出てきた。訪問介護であれば訪問介護員 のみ対象の給与交付金である。私たち介護はチームケアをしている。そういう意味で は、その特定の従事者の給与だけをどのように上げたかというよりは、私たちチーム ケアの職員の給与全体がどのように上がったのかということが、チームケアをするた めに必要ではないのかということもあるため、交付金の支給の仕方と、現在これから 検討しないといけない他の職員の給与基準をどのように鑑みるかということを整理 しなければいけなくなったというのが実態で、9月の段階でどのように反映できてい るかというのが、この調査の時点では、かなりばらつきが出るのではないか、という 疑問をもっている。それが全体の意見である。  今回、提示された調査票について、詳細にわたりますところを何点か確認というか、 御質問等をしたい。  訪問介護の施設・事業所票の1ぺージ目の問1であるが、そもそも問1の給与を引 き上げたという前提の部分は4月1日からとあるが、では、どこからの起点として上 げたのかという起点が必要であろう。3月なのか、昨年からなのか。そもそも交付金 による給与支給の内容が決まるのは最も早くても10月末〆11月中旬なので、例えば 20年の9月30日というところと比べてはどうか、というような対比でないと、給与 の部分というのはなかなか難しいのではないか。  それから、問2の(3)であるが、この書き方の中で、時間外手当というのが記載上、 残業との区分を誤解して記載する可能性もあるので、注記をされるといいと思う。そ れから、移動手当ですが、後で従事者票にも出ているのですが、移動は移動時間の労 働に対する手当であり、交通費を移動手当と記載されているが、これは交通費実費支 給の場合もあるので、手当ではないのではないかと思う。  2ページ目の問3のところであるが、介護従事者に対する処遇のところで、質問の 処遇全般の(A)のところは職員の増員と書いてある。上記では介護従事者と書いてあ る。どちらも含むのか、職員とは事務員を含めて書くのかというところで誤解がある ように思う。それと、労働時間・労働日数の適正化の適正とは何を基準に適正という のか、というのが疑問として出ると思う。  次に、3ぺージ目。職場環境の部分であるが、(N)の出産・子育ての部分につい ては、できれば、ここに、介護・看護の介護休暇について、制度としてあるので、そ れも入れてはどうかと思う。  それから、同一敷地内のところで、収入のところの問の何割程度の割というのはか なり大ざっぱになるので、100%法をお使いになってはどうか。  次に、4ぺージ目の全体の収入の部分であるが、訪問介護においては、介護保険、 障がい支援というものがある。ここは、どこまで含めるのかを書いておかないと、ば らつきが出ると思う。  それから、同一敷地内の中で給与総額というと、本社を併設している事業所の場合 と、事業所と他の事業所を2ヶ所以上併設している場合、ただ事業所1ヶ所でやって いる場合の差があるので、これを調査し、後でどのように区分するか非常に疑問であ る。  それから、5ぺージ目であるが、介護職員処遇改善交付金の件は先ほど申し上げま したところである。  それから問8だが、国保連の請求額のもとになっている回数といった際に、介護保 険及び障がい支援について整理をしておかないと、事業者は全ての回数を入れる可能 性があるので、明確にした方がいいと思う。  それから、7ぺージ目。訪問介護のところにおいてだが、サービス提供責任者を含 む訪問介護員ということだが、管理者もサービス提供責任者を兼務していることが多 いのが実態。そういった内容がわかるように区分をしてはどうかと思う。  あとは、勤務年数については、例えば3年と書いてあるが、3年1ヶ月と3年11 ヶ月の差というのは大きいのではないかと思うので、月数も入れてはどうかと思う。 詳細は他にもあるが、あとは事務局の方に資料をお渡しをしたいと思う。  それから、8ぺージ目であるが、これが訪問介護の中では非常に差が出る部分であ るが、賃金の支給の状況である。賃金の支払いが日給及び時給の場合だが、そもそも ケア内容によって支給額が違う設定をしている事業所が多くある。その場合の支給の 仕方というものについてかなりばらつきが出るのではないかということで、ここにつ いては考察が必要かと思う。 (田中座長)  引き続き、日本在宅介護協会からお願いする。   (稲葉意見陳述人)  日本在宅介護協会です。  今、馬袋意見陳述人の御発言の中で、ほとんど重複してしまっているところがある ので、それを外して3点ほど申し上げさせていただきたい。  今回の調査というものは、この4月に行なわれた介護報酬改定と給与・処遇改善の 結果がいかに結びついているか、それを調べる目的であるので、まず質問の中で、例 えば施設・事業所票の1ぺージ問1であるが、給与を引き上げたのか、上げる予定な のか、というものがあるが、今回の報酬改善によって行なわれるものなのかどうか。 あるいは、毎年行なわれている定期昇給のようなものなのか、そこがうまく把握でき た方が、報酬改定の内容を見直す上ではよいのではないかと思う。その関係を探る問 をした方がよいのではないか、というところが1つ疑問に残る。そうであれば、例え ば今後は定点観測的なことを行いながら、定期昇給部分と思われることを除いたもの を把握できるような仕組みを構築するべきではないかとまず思った。  2点目。まず法人としては、法人全体での収支結果をもとに職員の処遇を考えると 思う。介護サービス部門であっても、収入が増えた部門もあれば、そうでない部門も あるが、増えた部門にのみ処遇を大幅に改善するということは恐らくできないであろ うから、全体のバランスを考えて調整を図ると思う。例えば聞いたところによれば、 居宅介護支援事業所で特定事業所加算も取得したので、その事業所は大幅に収入が増 えた。他の部門は余り増えなかった。けれども、居宅介護支援事業所のケアマネージ ャーの報酬はもともと比較的高めに設定されていたので、そこはそれほど上げずに、 訪問介護であるとか、デイサービスであるとか、そういった部門の処遇改善にあてた という話も聞いたことがある。つまり、部門ごとにこの調査を行なっても、全体とし ての収入を把握した上で、収入がどのぐらい増えたのか、それから各部門の収入がど れだけ増えたのか、ここを正確に把握した上で評価を行なった方がよいのではないか と思った。  3点目。今の馬袋委員の意見と少し重複するが、訪問介護の従事者票について申し 上げる。例えば8ぺージの時間給で働く職員の中には、身体介護で働いた者と生活援 助で働いた者との間の時間給の差異が設けられているという方がいるので、そのよう な方は平均値をとるようにするのか、あるいは別々に項目を設定するのか、または割 合が多い身体介護同士を比べるのか、生活援助同士を比べるのかなど、調査票を記入 する者が答えやすいような内容にした方が、実態をより正確に把握できるのではない かと思った。 (田中座長)   では、最後になったが、全国認知症グループホーム協会からお願いする。   (木川田意見陳述人)  全国認知症グループホーム協会代表理事の木川田です。  資料に基づいて、介護従事者処遇状況等調査について、当協会の意見を4点にまと めたので述べさせていただく。  今回の介護報酬改定は、全体で3%アップの改定率とされたが、全てのサービス事 業者にとって3%アップにはなっていないのが現状である。そのため、この度の介護 従事者処遇改善等調査は、本体の介護報酬改定が経営状況に与えた影響をサービス事 業者ごとに検証しなければ、介護事業者の処遇改善の対応を検証することは困難であ ると考えている。単に介護従事者の処遇改善の対応状況を調査し、介護報酬改定が処 遇改善に与えた影響を評価するのではなく、各事業所の経営状態に応じた処遇改善の 対応に係る理由を検証するための調査が必要と考えている。  具体的には、次のぺージにあるのでおめくりいただきたい。第1に、介護報酬改定 においては、地域区分の変更の影響が大きく、法人種別によって税制、会計区分等の 違いがある。調査は、サービス種別、法人種別、地域区分を明確にし、介護従事者に 対する処遇に関しての対応が可能であるだけの増収だったのか、減収だったのか。ま た、加算を取得することが可能であったか。可能であって、取得したのかどうか。加 算を取れるのに取らないなど、加算を取った理由、取らなかった理由、取れなかった 理由など、具体的な理由の記載が必要であると考えている。  第2に、介護報酬改定に伴い、加算取得のための新規採用、人事異動が行なわれる 可能性があり、事業所全体の人件費の増減状況変化を考慮する必要があると思われる。 介護報酬改定によって、増収分を介護従事者の処遇改善として賞与等の特別手当とし て支給する場合も想定されるため、ある1ヶ月の給与のみの比較では全体が見えない。 年収の比較を行なう必要があると考えている。  第3に、単に給与比較だけで行なうのではなく、介護従事者処遇全体で調査する必 要がある。今回の介護報酬改定で導入した有資格者比率、常勤率、勤務年数及び利用 者1人に対する職員割合で比較するべきであり、また、介護報酬改定前後のみではな く、今までの職員の加配、資格取得、キャリアパス、定着化、給与水準等に努力して きたことと関連づけて調査すべきであると考えている。今回の介護報酬改定の趣旨に 反して、有資格者や常勤率などを上げるために、人員を減らすことで加算を取得する ことが考えられ、人員減や加算取得による増益分を職員の給与増に反映させたとして、 処遇改善と言えるのか。これらもチェックする必要がある。また、介護職員処遇改善 交付金の申請に関しても、介護職員1人当たり1万5,000円を支給するための社会保 険料などの事業者負担も考えると、その対応に関する理由の記載が必要である。  第4に、主に認知症グループホームに関してになるが、今回の介護報酬改定に伴う 地域区分の見直しのみに着眼すると、特別区、特甲地など、認知症グループホーム事 業所全体の15%以上の事業所が減収となる。今回の減収を加算取得で補いきれない事 業所は、消防法施行令等の施行に伴い、今年度より設備投資、スプリンクラー等の防 火設備であるが、必要となっている事業所など、処遇改善の対応に係る要因をしっか りと調査する必要があると考えている。  最後になるが、今回の短いヒアリングで事業者の意見聴取を終わらせることなく、 調査項目などの細かい事項を再度調整していただきたいとお願いし、当協会からの意 見陳述を終わらせていただく。   (田中座長)  では、それぞれの方に何かお答えになることがあれば、課長、お願いする。   (鈴木老人保健課長)  御指摘事項がかなり多岐にわたっているので、必ずしも詳細に一つ一つのお答えと いうわけではないかもしれない。また、紙でいただいている部分もあるので、そのよ うなところは個別に団体に御回答させていただく、もしくは記入要領でしっかりと記 載をさせていただくという部分もあろうかと思うが、今御指摘いただいたうちのいく つかの主な点について、私どもの考え方をお示ししたいと思う。 まず、全国老人福祉施設協議会からは、総論的に、例えば一時金の変化もきちんと 把握をすべき、赤字もしくは給与がそもそも高いというような要件についても考える べきだと意見を頂戴した。これは、まさにそのとおりだと思う。我々でも、4月から 9月という前提付きではあるけれども、一時金の把握をし、赤字を含めた経営状況、 それから、既に給与が一定程度以上払われているかどうかということも、少し定性的 ではあるけれども、調査し、それを含めて分析をしたいと思う。 それから、全国老人福祉施設協議会だけではなく、交付金については、具体的な 支給の方法等についてさまざまな御意見があった。これは、現段階でいろいろ御意見 があるということであるが、10月に向けて、この調査を実施するまでには具体的な手 続、要件については、きちんと定められるので、その辺については齟齬が生じないよ うに、疑問点がないようにさせていただく。 それから、民介協の方と共通しているところかもしれないが、育児休暇だけでな くて、介護休暇についても含めるべきではないかというご指摘があった。これはまさ に御指摘のとおりなので、調査票を変えて、介護休暇も含めるようにさせていただき たいと思う。 それから、全国老人保健施設協会からは、サンプリングの点、地域区分の点、そ れから法人課税、補助金、有利子負債等の点、それから按分の観点での御指摘があっ た。サンプリングについては、これは層化無作為抽出ということで、少なくとも各地 域区分ごとに概ね同じ割合で抽出をさせていただきたいと思う。また、抽出したもの について、各施設の間で回答率に違いがあると、結果として違いが出てきてしまう場 合もあるが、基本的には、全体的に全国の様子が反映できるように、かつ必要であれ ば、それを地域的に分析するということもさせていただきたいと思う。それから地域 区分そのものについては、今回の介護報酬改定については分析をする、もしくは改定 をする時間的余裕はなかったが、次回に向けてはきちんと考えるべきだ、という御意 見をいただいているので、それについては、しっかりしたいと思う。  それから、法人種別については調査する予定であるし、経営モデル等で有利子負債 等の考え方を示させていただきたいと思っている。  それから、補助金等の話も、先ほど申し上げたように、介護収入以外の収入の中に 入っているので、一定程度は把握できると思うが、 またこの辺のところは、もしか すると概況調査なり実態調査の中でどうするかというところを御相談させていただ きたいと思う。  それから、通所リハ等について、もちろん前提からすれば区分会計というのが原則 ではあるけれども、特に小規模事業所等で分けられていないところがあるということ で、今回、我々はまさにそういう事業所もあることを前提として、分けられていれば、 それは分けてあたったところだけお答えいただき、分けられない場合には、全体をお 答えいただいた上で、こちらで按分の概略的な考えで分けさせていただき、個別の評 価ではなくて、全体として評価をさせていただくということである。  それから、日本慢性期医療協会からは、リハビリテーションの問題、それから医療 保険との按分の問題等について意見を頂戴した。経験年数については、具体的に数字 でお書きいただくのは難しいであろうと思う。 それは給与の引き上げ要件の方に入 っているが、具体的に数字ではお聞きしていない。それから、当直の有無を入れるべ きだというのは、まさにそのとおりだと思うので、それは入れさせていただきたいと 思う。  介護費用と医療費用の区分、これはなかなか難しくて、特に法人が一緒である場合 に、この按分を調査対象側でやってくださいということになると、そこがボトルネッ クとなり、なかなかお答えいただけないところがあろうかと思うので、今回は介護費 用及び医業収益にて把握をした上で、あとは病床数ごとに介護と医療で、これは必ず しも正確な按分にはならないというのはわかっているが、一定程度、代替的に活用す るということを考えている。  それから、病棟によって加算の種類があるというところは、御相談をし、どういう 書き方であれば一番誤解なく書けるか、というのを考えさせていただきたいと思う。  それから、民介協の方からは交付金の話、加算の話があった。引き上げの時点は明 示的に書かせていただき、書かれる方により相違がないようにしたい。それから、時 間外手当と残業についても、記載要領に書いて誤解がないようにする。  それから、移動手当と交通費、確かに訪問介護の場合には全く違うということがあ るので、そこは誤解のないように記載要領に記載したいと思う。それから、職員と従 事者も同様に明記する。適正化という言葉も、人によっていろいろ違う場合があるの で、具体的に何かということは、言葉を改めるか、もしくはきちんと記載要領に書く ということにさせていただく。  それから、パーセントで表す方がいいかということも検討する。また、障害サービ スとの仕分けであるが、これは我々としては、障害サービスは含まないということを 明示的にしたい。もし個別の事業所等で障害分をどうしても分けられないという御事 情があるということであれば、先ほどの医療と介護と同じように、全体をとりあえず お書きいただいた上で、あとは概ねの回数なりの割合で按分したらどうなるか、とい うようなところを御相談したいと思っている。  あとは、勤続年数の月数についても御指摘があった。  それから、稲葉陳述人からご指摘があったように、規模の大きい、もしくは複数の サービスを実施している事業所では、法人全体の収支の状況と、各サービスもしくは 事業所の処遇改善が必ずしもパラレルでない場合があるということは確かにそのと おりだと思う。ただ、そこを細かく分断してお聞きすることにすると、特にたくさん サービスを実施しているところは、調査票が厚くなってしまうということもある。サ ービスごとの全体の収入アップと報酬がリンクしていない状況を細かく分析すると いうことになると、やはり法人単位で全部調査をするのかということになってしまう ということもある。全体として、前年と比較をするという観点においては、それほど 前年と今年でサービスがそれほど大きく違わないということであれば、そこの前年と の違いは見られるのではないかと我々は考えているが、もしまた違った御配慮があれ ば教えていただきたいと思う。  それから、馬袋陳述人からご意見あったが、身体介護と生活援助、これは報酬上の 単価が違うことにより、もしかすると、実際に給与ベースも時間単位で異なっている 場合があるのではないかというのは、まさにそのとおりだと思う。しかし、そこを違 いがわかるようにして、身体介護はどのぐらいで、生活援助はこの人について何時間 だったかという細かいところまで言えるかというと、特に前年の9月等について聞き 始めると、記載上なかなか難しい面もあるかもしれないと思う。また、1人の人が身 体介護だけ、もしくは生活援助だけという場合もあるかもしれないし、また両方やっ ているという方もいると思うので、そこを細かく聞き出すと、記入が難しいのではな いかと思っている。全体として、相当数の事業所を前年との比較で聞けば、前年との 違いも出てくるのではと思う。  最後に、グループホーム協会であるが、地域区分や法人種別等によって、また、サ ービス種別ごとによって異なるというのは、おっしゃるとおりだと思うので、それは 今回、区分ごとに分析ができるようにしている。  それから、もちろん年収で、もしくは年度で比較することがベストだとは思うが、 今回、年度途中で調査をさせていただくということになると、特に前年度の調査とい うことになると全く介護報酬の引き上げと関係ないので、次年度以降の調査において どうするかということを、また検討させていただくが、今回、9月の状況を10月に 調査をさせていただくということは、やむを得ざる部分があるのではないかと思って いる。  あとは、有資格者等の比率であるが、これは実際に従事者票において資格について はお聞きをしている。資格取得の状況等々も、なるべく幅広く聞くようにしているの で、もしお気づきの点があれば、調査票についてご意見いただければと思う。  もちろん、今回、ヒアリングに来ていただき、様々なご意見を頂戴したが、これで フィックスというわけではない。これは介護給付費分科会の下の調査実施委員会であ るので、今日の御意見も入れながら、更に議論をさせていただくし、実際の調査は9 月なので、それまでの間、業界団体の方、もしくはここにおられる先生方とも何遍か やりとりをして、記載要領の中身、記載の項目、考え方等について詳細について詰め させていただきたいということである。ただ、これは官僚機構の中の言いわけになっ てしまうが、承認統計ということで、2ヶ月ぐらい前に総務省と中身について御相談 をしなければいけないということもあるので、それまでの間には、フィックスをさせ ていただきたい。  雑駁ではあるが、以上である。   (田中座長)  これからもまだ意見を言う機会はあるとの情報が大切である。それから、当然なが ら、回答率が低くなるような余りたくさんの質問もできない制約の中でつくったもの なので、付け加えて調べればということが、他にあるかもしれないが、これからもう 少し相談しながら、よりよい統計にしていきたいと思う。  では、今度は委員の方々から、ただいま御発表いただいた各団体について御質問、 御意見があったらお願いする。団体の方に質問しても、団体の方の発言に対しての御 自分の御意見でも結構である。   (馬袋意見陳述人)  訪問介護の調査票で出てくる登録ヘルパーという文言は、実は介護保険法上には何 も出てこない言葉である。基本的には労働契約上の非常勤であるので、この用語は国 としてはこういう形で使っていくのか。私たちとしては、登録ヘルパーというよりは、 非常勤ヘルパーであり、ちゃんと労働者であるという内容の位置づけとしていくには、 この言葉を今後どのようにするか。登録ヘルパーとは一体何か、という定義がされて いない状態で、調査票に記載してよいのかというのは疑問である。 (田中座長)  答えるか。それとも、しばらく考えてからにするか。 (鈴木老人保健課長)  後ほど御相談させていただきたいと思う。 (田中座長)  では、問題提起いただいたこととする。法律用語でないものを公的な調査票に入れ ていいかどうかをめぐる問題提起と承る。 (藤井委員)  座長がおっしゃったように、余り量を増やすというのは回答率を下げることになる が、参考人の方がおっしゃったように、やはり賞与で上げるというケースが比率とし ては多い。個人別の賞与はもちろん把握するが、これがどの程度うまく出てくるかも 見えないので、もし可能であれば、9月分の給与総額を聞くことになっているので、 4月から9月までの間で賞与を支給している場合の賞与総額を書いていただくとい うことは、より実態が見えてくるのではないかと思うので、御検討いただければと思 う。 (田中座長)  すぐ答えをいただくというよりも、提案でよいか。 (藤井委員)  はい。 (田中座長)  実行できるかどうかはわからないけれど、提案として承る。 (堀田委員)   やはり難しいと思うのが、施設・事業所票問4の(4)の収支の把握の仕方である。 経営の体力を尋ねる項目をいろいろと入れた方がいいということはその通りとして、 処遇を決めるうえで法人全体の状況が最も重要であれば法人全体を把握すべきだろ うし、他方で同一敷地内でも按分が難しいというのは団体の方々からもご指摘があり、 最初にもお答えをいただき、一事業単位で書いて頂くのは限界があるだろう。ここは 結構鍵になると考えられるだけに、どういう単位で収支を把握すべきか、書いていた だけるかということについて、もっと御意見をいただきながら検討したほうがよいの ではないか。実際は、事務局で集計上モデル的に按分するというのは、納得がいく形 で実施することは非常に困難だと思う。そもそも、処遇を決める上では一事業単位や 同一敷地単位よりも法人全体の方が重要、ということであれば、按文自体も意味がな くなってしまう。記入の負担もであるが、負担があるにもかかわらず全く使えないも のにしないためにも、どういう単位で、どういった項目の範囲で尋ねるべきかについ て、さらに意見交換をした方がよい。  もう1つ気になったのは、今の段階では、問4の(4)は同一敷地内の全部だけれ ども、この1年間の間の増床や事業の拡大、職員の増加などについては、同一敷地を 単位として尋ねていないので、問4の(4)で例えば給与総額が増えたとして、何に よるものなのか、全くわからなくなってしまう。分析をできるだけ意味があるものに するために、検討すべきことがいろいろとあるところではないかと思った。  それから、これはもし団体の皆さんにあればということであるが、今回、給与や手 当といった金銭面以外を含めて処遇改善の把握をする目的もあり、問3でいろいろな 観点で項目が整理されている。既にいくつか修正のご意見があったが、事業者の立場 でこの項目を御覧になって、報酬改定を受けた対応の中で、主なものが漏れていない か、もしお気づきのことがあれば、今日もしくは、この後でも加えていただけること をぜひ希望する。 (田中座長)  調査のあり方だけではなく、分析の際に、こういった視点が重要だという話しもあ った。お考えいただきたいと思う。それから、 処遇改善の主な事例で抜けている点 があれば御指摘いただきたい。レアな事例は別として、メジャーな項目が抜けている とお気づきだったらおっしゃっていただきたい。今までの御質問に対しては、特にお 答えになるか。 (鈴木老人保健課長)  登録訪問介護員という言葉については、一部課長通知には記載があるが、実際使わ れていない部分も多いと思うので、非常勤という言葉できちんと把握できるのであれ ば、それはあえて分ける必要もないと思うので、担当の振興課とも相談をし、馬袋陳 述人とも御相談をさせていただきたいと思う。  それから、堀田委員がおっしゃった、法人か、事業所か、サービスか、というのは、 これは今回の調査で一番悩ましいところで、もちろん基本的にはサービスごとにきち んと把握できること、これが一番理想的であるが、内藤陳述人がおっしゃったように、 サービスごとに把握していない事業所もある場合にどうするかということと。また、 法人全体とサービス単位、もしくは事業所単位との収益と処遇の改善が必ずしもパラ レルじゃない場合をどう考えるか、というところが、調査もそうであるが、分析もど うするか非常に難しいということである。私どももかなり、例えば訪問介護事業所と 介護老人福祉施設という施設と、比較するというのは難しいと思っている。むしろ前 年と今回でそれぞれどう違うのか、というところを大きく分析する方がよいのではな いかと思っているが、実際、今、6つの調査票の案を提示したが、今日お話しいただ いたことはできるだけ入れさせていただくが、その上でもう一度、詳細に各団体とも 御相談をして、こういう場合はきちんと書けるのか、書いていただいた場合に、我々 として趣旨に基づいた分析ができるのか、ということの一定程度の確からしさを御相 談させていただき、それができるということになれば、調査票を最終形に向けて詰め ていきたいと思うが、今の段階では、堀田先生もおっしゃいたが、分けて取っておら れる場合にはもちろんそれで取るいうことである。ただ、分けていない場合には、少 し外縁を取った上で、分け方については一定のルールに基づいてやる、ということが、 ベストではないけれども、次善の策としてはやむを得ないところがあるのかなと思っ ている。 (村川委員)  今、課長から、後日、各団体から詳しく修正意見等についての相談といったような こともあったが、この場で私なりに各団体の御説明の中でもう少し聞いておきたいと いうことがあったので、3点 教えていただきたいと思う。  まず、馬袋陳述人の関係で、訪問介護事業所の問8に関連して、介護保険と、更に 障害者分野、自立支援給付か、そういったことへの参入ということもおっしゃってい たが、これは各法人事業所によって実態は様々かと思うが、障害の方の参入状況等が どのような状況かというあたりの御感想なり、あるいは区分を入れる、もちろんこの 場は介護報酬のことに限定して我々としては聞きたいという趣旨であるが、そういっ たあたりのところを補足していただければというのが第1点である。  2点目に、稲葉陳述人から、これは先ほど課長も言っていたが、訪問介護の中で、 身体介護、それから生活援助の区分があり、これもやはり法人事業所によって、1人 の方が両面おやりになるという場合も多いのかなと推測でき、あるいは、かなり役割 分担等を明確にされている場合、いろいろな事業実態もおありかと思うが、そういっ たあたりのところをもう少し補足していただけるとわかりやすいかと思った次第で ある。  それから、3点目であるが、内藤陳述人の御説明の中で、確かに今回の調査対象、 調査区分としては、通所リハビリテーションを独自に置いているというわけではない と。そういう中で、介護老人保健施設の中での通所リハの区分について少し御意見が あったようなので、もう一度そのあたりのところについて何か御意見なり提案があれ ばおっしゃっていただければと思った。   (田中座長)  では、名前の出た順に、最初に全国介護事業者協議会からお願いする。   (馬袋意見陳述人)  介護保険と障がい者自立支援法の障がい者の方に対するサービス部分の割合であ るが、これは極論であるが50・50%ぐらいから全く障がい者へのサービスを実施して いないと事業所が多くあるのが実態であるが、事業所ごとに様々である。ただ、今回 この調査でどういうところに聞くかによってもばらつきがあるので、多分、収益上は 一緒に収益を上げているし、人件費をどう分けるのかというのは非常に難しい。障が い者の方の対応分の人件費をどう分けて、介護保険の対応分の人件費をどう分けるか というのでばらつきが出てしまう。障がい者への割合はどれぐらいか、という設問で 整理し、人件費までちゃんと分けて記載することまでは、非常に複雑なものになるの ではないかということである。 (田中座長) 次に、日本在宅介護協会からお願いする。 (稲葉意見陳述人) 例えば、訪問介護の時間給、いわゆる登録型と言われている方や非常勤の方もそう であるが、身体介護や生活援助が介護報酬上の単価にも差異があるように、時間給単 価にも差異を設けている事業所は結構あると思う。ただ、同じヘルパーが身体介護の 仕事をしたり、生活援助の仕事をしたり、その割合も月によって変わってくるのでは ないか。つまり去年と今年を比べて、もし身体介護の割合が減って生活援助が増えて いるとすれば、それぞれの単価が上がったとしても、下がったかのような結果になら ないかというとこになりかねないので、単純に平均を事業所単位で出し、それを記述 するというのも少し危険ではないかと思う。むしろ項目数を増やすか。それが難しけ れば、今回、身体介護の割合が一番多ければ、それを書いていただき、同じように前 年も身体介護の単価を記載いただく。そうすれば、単価だけの記述の問題であると思 う。1時間当たりの単価だけの問題だと思うので、恐らく事業所によってある程度統 一はされているか、ある程度の階級等によって数種類分かれている程度であるので、 書けないことはないのではないかと思う。   (田中座長)  全国老人保健施設協会、お願いする。 (内藤意見陳述人)  通所リハビリテーションとか、施設は結局、事業所単位か、サービス単位か、法人 単位かという問題と共通すると思う。今回の介護報酬改定の流れを受けると、どうも 通所リハビリテーションに少し加算がつくのかなと。ただ、それにしても時間はかか るであろうと思うが、そうすると、入所の部分と通所の部分をきちんと按分できれば、 正確な影響がわかるだろうと思うが、その辺が実際に調査を受ける会員施設を見てみ ると、難しい面もあるかなと思う。 (田中座長)   他はいかがか。  それでは、一応団体からの発表に対する質問はここまでとし、こちらの調査につい ては更に詰めることにする。  今までのまとめについては、これからしばらく事務局でしなくてはならないが、本 日いただいた御意見、御要望を踏まえて、また更に団体からもお聞きする機会がある と思う。調査票については、次はどこかの日程で開催される介護給付費分科会に報告 しなければならない。そこに報告する案については、事務局がいろいろと調べた上で、 最後は座長一任の形にさせていただいてもよろしいか。委員の方々も、何かお気づき があれば事務局に言う機会はあると思うが、再度集まっての会合はなかなか難しいか もしれないので、個別の意見を伺った上で、最後は事務局と座長に一任させていただ いてもよろしいか。  では、議題3である、資料6について事務局から説明をお願いする。 ○鈴木老人保健課長より資料6について説明。 (田中座長)  議題が「その他」になっている割に、重要な提案であった気がしないでもないが、 介護事業経営実態調査、概況調査についての調査設計などもこの委員会で討議するこ とになっている。今日、結論を出すわけではなく、こういう方向で検討を始めてよい かということだと思うが、先生方から何か御意見があればお願いする。   (藤井委員)  大きい点はいくつかあるが、特に概況調査に関して、月単位にしていたものを年度 単位にするということだと思う。年度単位で書く方が楽なものを、これまでは月単位 で書いてきたという実態があると思うが、それぞれ月単位で今までやってきたという 理由なり根拠なりというものがあったと思うけれども、その点について少し御説明い ただき、月を年度にするということで何が起こるか、どの様に考えているのか、少し お聞きしたい。 (鈴木老人保健課長)  これは、もちろん年度単位で把握をすることができれば、その方がよい場合が多い とは思う。例えば一時金なり、その他の費用についても、先ほど交通費等の支給につ いても6ヶ月分まとめているというところもあった。ただ、1年分の記載を全てして いただくということになると、やはり相当程度負担がかかるのではないかということ がある。  それから、調査の時期も、比較的前年の4月なり、10月ということで実施してきた ので、そのような面で年単位もしくは年度単位での把握はなかなか難しいということ ではあった。それからもう1つは、確かに藤井委員の御指摘のように、月単位の統計 から年単位もしくは年度単位の統計ということになると、2つを比べるということは、 なかなか難しい部分があるのではないかと思う。ただ、簡略化した上で、相当程度有 効回答率を上げるという観点で、こういう言い方を私がすると少し語弊があるかもし れないが、概況調査と実態詳細調査を同じ方法で6ヶ月の間でやるというよりは、む しろ年度単位で把握をしたもので、報酬の基本設計をどうするかというところを議論 させていただき、具体的な数字については、より詳細な直近の調査でさせていただく 方が、合理性があるのではないかということで提案をさせていただいている。   (藤井委員)  私が理解したのは、まず按分をこちらでやるといった際に、年度にすると按分の係 数が非常にとりにくいではないかということを思った。それから、経営実態調査に関 して言うと、実施時期が時期ですので、まだ決算をやっていない。本当はこれを機に 年度にそろえるというものを、実態調査に関しては、後ろのスケジュールの観点から は4月にしかしようがないということでなかったのではないかと思ったが、そのあた りはいかがか。 (鈴木老人保健課長)  まさにおっしゃるとおりで、実態調査も、もし改定の時期が通常の4月ではなくて、 もう少し遅い、時間的余裕があるということであれば、それは年度会計が出た段階で 調査をさせていただく方がよいかもしれないが、そこは難しい側面もあると思う。も ちろん、今から改定の時期をいつだと言うわけではないが、年末の予算設定の時期も あり、やはりどうしても単月で直近のものをとることが、確かにベストではないけれ ども、次善の策としてはやむを得ざるところがあるではないかということである。 (藤井委員)  もう1点。いずれにしても、これまでも実態調査と概況調査で結果に差が出ている ことはあったと思う。今度から仮に期間を変えるとなると、この差をどう解釈するか ということがあると思うので、事前にどういう差が出得るかということは十分に、こ の場や、直接厚労省の方でいろいろ御検討いただければと思う。 (田中座長)  この提案に対して御意見を伺いたいと思うが、他はいかがか。 (千葉委員)  負荷を減らすということを考えると、大切なことかと思う。それで、1つ、例えば 按分とか、そういうものを別のデータでというような話しであったが、それは本当に できるのか。どういうイメージか、具体的にお聞きした上でないと、その是非という のは言えないかと思う。あるサンプルの中に、按分の情報を1つのレコードでもって 集計した方が確かに確実な按分ができるが、全く木に竹を継いだデータでこうではな いかと推計することは、どれぐらい精度が落ちるかわからないというところがあり、 にわかにイメージがつきにくい。無理してそこまでする必要があるかということがち ょっと気になった。  ただ、そうは言っても、回収率を上げるとか、決算データを取るというのは、私に とっては非常に進歩というか、先ほど藤井委員の方からは年間だと按分しにくいとい う話もあったかと思うが、逆に、年間決算だからこそ按分で決算書に出すという作業 をしている場合も結構あるかと思うので、むしろ決算書の方が按分としては正しい数 字が出ているのではないかという感じもしている。その辺をどう捉えるかというとこ ろがある。  あとは、つなぎみたいたなもので、概況調査と実態調査を特定のサンプルだけかぶ せながら、その差というか、開きみたいなものを検証するようなやり方というのも何 か工夫するとか、方や月、方や年度という齟齬のようなところを、どれぐらい開きが あるのかを検証できる術をもっておけば、決算にすることは賛成で、よいことではな いかと感じる。 (田中座長)  御質問が1つあった。お願いする。 (鈴木老人保健課長)  按分に関しては、確かに決算書の中で按分に役立つ情報が既にあるのであれば、そ れを使うのが一番いいと思う。それぞれのサービスの中で、通常の、例えば社会福祉 法人会計とか、そういうものの中でどのような数字が上ってきているのか。もしくは、 今、厚生労働省が実施している介護サービス施設・事業所調査から、通常はどのぐら いの按分率になっているのかというところを、代用した場合に精度はどのぐらい変わ ってくるのかというところを統計学的にも検証したいと思っている。 (堀田委員)  2点ある。1点目は細かい点であるが、概況調査は年度で把握するというときに、 集計のときであるが、年度の途中で事業を始めたところと、その年度を通して事業を やっていたところが仕分けられるようにすることも重要ではないか。  それからもう1点。同じ時期にいろいろな調査が行なわれるということになってい て、大変な御負担だと思うが、処遇に関して検討する材料という点では、職員の属性 や確保・定着・育成の取組みについては、安定センターの介護労働実態調査で詳細に 聞いていて、一方で経営概況調査や経営実態調査は、会計についてはかなり細かく聞 いている。本来は、介護労働実態調査と、経営概況調査・実態調査を結びつけて、労 務構成や雇用管理と経営、人にかかわる費用などを関連づけた分析ができるようにす れば、より意義があると考える。継続して実施するのであれば、各調査単体でそれぞ れこうでしたということももちろん重要だが、一部でもリンクして分析できる設計に できれば、より実りのある検討材料になるのではないか。   (鈴木老人保健課長)  御指摘のとおりである。実は次回以降に御相談しようと思っていたが、これからの 調査のやり方で2点考えるべきところがあるかと思っている。  1つは、いわゆるクロス集計ということで、これは1つの調査を平たく見るだけで はなく、例えば事業所番号等で重ね合わせられる場合があるので、例えば離職率はあ る調査でしかとっていないが、クロスすることで、離職率の分布と実際の処遇の状況 というのがきちんとわかるような集計ができる場合があるので、そういう各調査を単 独にやるのではなくて、これは私どもの局だけではなくて、全省的にやらなければい けないが、クロス集計をして、なるべく御負担を減らしながら、かつ今までなかなか 捉えられなかったところを、単に項目数を増やすのではなく、クロスをすることによ って把握をするというやり方をどうするかということが1つ。  それからもう1つは、先ほど千葉委員がおっしゃった定点のようなもので、これは もちろん基本的には層化無作為抽出なので、基本的には同じところがあってはいけな いという前提には立っているが、さはさりながら、一定の数、定点のような形で、そ れが例えば今回の改定によって、どのように変化していくのかということも把握する 必要があるのではないか、ということを検討の視野に入れているので、 具体的にど ういう形でクロスなり定点把握をしていくのかというのは、これからまだもう少し時 間があるので、調査の設計について議論をさせていただく段階でまた御相談をしたい と思う。   (田中座長)  いずれも調査設計について貴重な御提案があったので、どこまでできるかわからな いが、そのような方向も検討していきたい。  まだ検討する時間はあるので、持ち帰り、それぞれ考えることがあれば、次の回に 発言するか、あるいは直接課長に連絡していただきたい。本日はこれでよろしいか。  では、ここで本日のこの会議を閉会させていただくが、事業者の方々には、わざわ ざお越しいただき感謝する。  では、今後の日程について、事務局から連絡をお願いする。   (鈴木老人保健課長)  確認だが、今日、さまざまな御意見、それから御質問等があったので、6つの調査 票について、次のようにさせていただきたいと思う。各事業団体の方にもう一度、か なり細かく話をさせていただき、その上で修正案を作成する。その修正案を各委員の ところにお届けをした上で、それを盛り込んだ形で座長と御相談をし、それを介護給 付分科会に御報告するということにさせていただきたいと思う。  それから、次回であるが、基本的にこの調査実施委員会については、おそらく実施 された後、その分析の第1回目のような形で御議論いただくものと、それからもう1 つは、今申し上げた次回の実態調査なり概況調査に向けて検討していただく。どちら が先かわからないが、いずれかの段階で、また日程について御相談をさせていただき たいと思う。 (田中座長)  では、本日はこれにて閉会する。   照会先 老健局老人保健課 調査係 TEL:03(5253)1111(内3960)