09/03/30 第60回労働政策審議会職業安定分科会議事録 第60回労働政策審議会職業安定分科会 1 日時  平成21年3月30日(月)19:15〜21:15 2 場所  厚生労働省議室 3 出席者 委員 (公益代表)           大橋分科会長、大沢委員、清家委員、征矢委員、宮本委員 (労働者代表)           斉藤委員、徳茂委員、成瀬委員、野田委員、長谷川委員、           古市委員、堀委員 (使用者代表)           荒委員、市川委員、上野委員、高橋委員       事務局 大槻職業安定局次長、及川審議官、           岡崎高齢・障害者雇用対策部長、宮川職業安定局総務課長、           小川雇用政策課長、水野雇用開発課長、坂口雇用保険課長、           鈴木需給調整事業課長、石坂高齢者雇用対策課長、           吉永障害者雇用対策課長、川中地域雇用対策室長、           高野職業能力開発局育成支援課長、           定塚雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課長 4 議題   (1)労働力需給制度について (2)雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について (3)その他 5 議事内容 ○大橋分科会長 ただいまから「第60回労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたし ます。 (出欠状況報告)  それでは議事に入ります。本日の議題は「労働力需給制度について」、「雇用保険法 施行規則等の一部を改正する省令案について諮問」、及び「その他」です。最初の議題 は労働力需給制度についてです。これにつきましては前回3月25日に当分科会において ご議論いただいた際、詳細な検討は労働力需給制度部会に委ねるということにしており ましたが、26日木曜日に開催されました労働力需給制度部会において報告が取りまとめ られたということですので、清家部会長からご報告をお願いいたします。 ○清家委員 それでは私からご報告申し上げます。労働力需給制度部会において3月25 日に当分科会から審議の依頼を受けたことを踏まえ、派遣元事業主が講ずべき措置に関 する指針の一部を改正する告示案要綱、及び派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部 を改正する告示案要綱について検討を行いました結果、告示案要綱につきましてはおお むね妥当と認めるとの結論に至ったことをご報告いたします。私からは以上です。 ○大橋分科会長 それでは本件につきましてご質問、ご意見等がありましたらご発言を お願いいたします。 ○成瀬委員 部会でどういう議論があったのか詳細にはわからないのですけれども、先 日の分科会で私が申し上げた意見については検討いただけたのかどうなのかをお聞きし たいのが1つと、それから27日金曜日に29日締め切りということで急遽パブリックコメ ントを求めたようですが、それについてはどういう意見があったのかをお聞きしたいと 思います。 ○需給調整事業課長 まず1点目の26日の部会の議論ですが、当然こちらの分科会の議 論を踏まえてご審議願いましたけれども、その際には特段、前回のご意見につきまして は常用型派遣について記載するべきということと、休業の前に教育訓練をということで したが、それについて特段深まった議論はありませんでしたので、それも踏まえておお むね妥当ということで部会の報告としてまとまったと私どもは認識しています。  それからパブリックコメントにつきましては、ご指摘のようなパブリックコメントを 求めて昨日までに4件のご意見がありました。これにつきましては当審議会のご結論、 答申いただきました答申と合わせて検討させていただいて、最終的な告示の改正につな げてまいりたいということです。とりあえず以上です。 ○成瀬委員 部会のほうで深まった議論にならなかったということですので、再度意見 を申し上げて分科会委員皆さん方のご判断もお願いをしたいと思います。  前回もご出席いただいた方には繰り返しになって非常に恐縮ですけれども、今回見直 し対象となっています派遣元指針、派遣先指針ですけれども、本来これらの指針は登録 型派遣労働者だけでなく常用雇用型派遣労働者も共通して対象とすべきものであると考 えます。実際そのようなものとして位置づけられているわけですが、しかしながら今回 見直し対象となっている箇所については、どうも登録型派遣労働者だけを想定している のではないかと思われる節がある。今回の改正に当たっては登録型派遣労働者だけでな く、常用雇用型派遣労働者も共通して対象とするものとなるよう、改正案を修正すべき であると考えます。  特に労働者派遣契約の中途解除に当たっては、まず新たな就業機会の確保を図るべき であることは当然だとしても、これができないときには派遣元事業主は、まず休業等を 行うのではなく、その前に休業せず当該派遣労働者に教育訓練を受けさせる、あるいは 派遣元事業主における社内の業務をさせるなどの措置を講ずるべきであると考えます。 そのうえで、それらの措置を講ずることができない場合に限り休業等を行い、さらにや むを得ない事由によりこれができない場合でなければ当該派遣労働者を解雇することは できないことを明確にすべきであると考えます。その点から、派遣元指針、派遣先指針 共にそのような修正をすべきであると考えます。  具体的には派遣元指針、別紙の1で掲載がありますけれども、その第1でいいますと第 1の4行目、「当該労働者派遣に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされる」 とありますが、ここについては「当該派遣労働者を雇用の維持を図るため教育訓練を受 けさせること等、あるいは休業させること等を余儀なくされる」に修正すべきであると 考えます。第2の部分については裏面の1行目の下から、「新たな就業機会の確保ができ ない場合は、まず休業等を行い」とありますけれども、「新たな就業機会の確保ができ ない場合は、まず教育訓練を受けさせる、あるいは当該派遣元事業主における業務をさ せる等を行うこと、これができない場合でも休業等を行い」と修正すべきであると考え ます。  派遣先指針においても具体的な文言は述べませんが、同様な修正を行うべきであると 考えます。派遣先指針の第1については派遣元指針の第1と同様、派遣先指針の第2につ いては具体的に述べますと第2の表面最終行、「派遣労働者を休業させること等を余儀 なくされたことにより」という部分については「派遣労働者に教育訓練を受けさせる、 あるいは休業させること等を余儀なくされたことに」と修正すべきであると考えますし、 裏面の1行目、「例えば、当該派遣元事業主が当該派遣労働者を休業させる場合は」と ある部分については、「例えば、当該派遣元事業主が当該派遣労働者に教育訓練を受け させる、あるいは当該派遣元事業主における業務をさせる等の場合は賃金に相当する額 以上の額について、これができないときで当該派遣元事業主が当該派遣労働者を休業さ せる場合は」と修正すべきであると考えます。以上、ぜひご検討いただきたいというこ とが1つ。  それからもう1つは、そもそも論になりますけれども派遣元事業主が当該派遣労働者 の雇用を維持する場合は、当該派遣元事業主において、賃金や休業手当以外に法定福利 費及び法定外福利費が発生するため、賃金や休業手当等の相当額では不足すると考えま す。本来的には損害賠償額は中途解除された労働者派遣契約の残存期間の派遣料金相当 額とすべきであると考えます。この点については今回は難しいかもしれませんが、今後 の課題としてぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。以上、よろしくお願いしま す。 ○需給調整事業課長 いま2点ありましたが、まず前回もご説明しましたが、より正確 にご説明しますと、いま委員がおっしゃられました、例えば派遣元のほうで、いわゆる 派遣元の内勤の仕事を確保してそこに就かせる、後は教育訓練もいろいろありますけれ ども、賃金100%払いつつ業務命令として教育訓練を受けさせる。これは解釈としては、 当然派遣元での就業であってもそれは派遣労働者の新たな就業先でありますから、これ についてはそもそも休業等の前段階の派遣労働者の新たな就業機会の確保に当たります ので、それについては例えば新たな派遣先の確保と並び派遣元での就業機会の確保であ りますとか、派遣元における業務命令としての教育訓練ということで読めると考えてお り、これについては例えば派遣元指針の第2の4行目の「等」の部分、それを受けて新た な就業機会の確保というところで読んでいるつもりです。  例えば派遣元での就業機会すら確保できなかった場合は、それは仕事がないわけです から通常は休業に入るという形かと。それについて例えば他の「等」の部分も含めて明 示すべきではないかということも考え得るわけですが、私どもとしては基本的にはこれ については確かに常用型派遣というケースもありますけれども、派遣契約がなくなった 場合につきましては、やはり通常の場合は他の派遣を探すということがいちばんポピュ ラーなものですので、そこを例示してそれ以外のものを排除するつもりはありませんけ れども、指針の中ではこういう形の例示をさせていただいてこの文面でやらせていただ けないかなと考えています。  それから解雇予告手当とかそれ以外、当然確かに福利厚生費、もしそれが仮に派遣先 の中途解約に伴う相当因果関係がある損害だということになれば、それについてはこの 指針の中ではこれは派遣元における実損額の賠償ですから、それは当然入ってくること かと考えます。したがって派遣先指針の第1の6行目ですけれども、「休業手当、解雇予 告手当等」ということでこれはあくまでも例示であって、それ以外のものについても 損害の賠償をということで1行前ですけれども、「休業させること等を余儀なくされる ことにより生ずる損害」ということで、あるいは包括的に受けた上でそういったものも 含んだ形で書いているつもりです。  ただし、委員がおっしゃられますように派遣料金の残りの部分をすべてとなりますと、 これがそもそもすべて労働者の賃金等に使われるわけではありませんので、イコールそ れが損害額ということにはなりませんので、逆にいうとそれは例示としては不適切かな ということです。ということで結論としては現行でもおっしゃられる内容については基 本的に入っているということで、この案文でご理解いただきたいと思っているところで す。 ○成瀬委員 いまのご答弁の例示だから「等」に入っているという部分については、確 かにそう読めないことはないと思いますけれども、本来的にはやはりまず休業の前に休 業しないで就業させるということがあるわけですから、書き方としてはいかがなものか なと思います。  そのうえで答弁の最後の部分で損害賠償額の関係ですが、派遣料金すべてが確かに派 遣労働者の賃金になるわけではない、それはもっともです。しかし派遣労働者の賃金に なる部分以外に法定福利費、これは社会保険料事業主負担分が中心ですけれども、そう いうものがあるわけで、これはコストとして雇用を維持する場合には実際かかるわけで す。というのは、これはやはり実損額ではないかと思うのが1つ。それから休業すると なったときに当該派遣労働者が、ケースによっていろいろあるでしょうけれども年次有 給休暇を保有していて、年次有給休暇の取得を申請した場合、有期の残存期間全部休業 だといった場合には、当然ながら年次有給休暇を取得申請した時期変更権はかなり制約 されると思いますけれども、その場合は賃金は全額払われるはずですので、そういう意 味でも休業手当を例に出すのはどうかなと。むしろ賃金、つまり休業しないでいたとき の賃金相当額のほうが本来的にはいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○需給調整事業課長 それは確かにごもっともな発言ですけれども、結局そう考えます といろいろなケースでいろいろな賃金ないし福利厚生費ないし手当なりが対象になる。 それ以外に例えば就業規則でいろいろな手当が付いてくる場合はその手当、そういうの も含めて損害になる場合、ならない場合があろうかと思います。  これを全部挙げるのはまず無理ということもあって、今回の指針については実損額と いうことで実際に損害が生じたものをバスケットクローズで出したうえで、特に今回の 改正の契機となりましたのが、まさにその派遣切りに伴い派遣先から仕事がなくなって 派遣元で解雇をされているということ、それも休業にすらいかずに解雇されているとい うことから解雇の場合と、それからさらには、いま政策としていちばん推奨しているの が、そういった場合は解雇ではなくて少なくとも休業という格好で、また補助金等を使 って雇用の維持をやってくれというところで、それに基づく労働基準法上の、これは必 ず休業する場合は生じますから休業手当、ここを典型として挙げ、それ以外には「等」 なり「生ずる損害」という表現ですべて読める形にしたわけです。指針の場合には書け ば書くほど詳しくなるという反面、文書が長くなってわかりにくくなるという2つの側 面があり、私どもとしてはこのぐらいの書き方がいちばん事業者にわかりやすく、現状 からすると妥当な記述かなと考えております。 ○成瀬委員 実損額だということですね。そこだけ確認をさせていただきたいと思いま す。 ○需給調整事業課長 そのとおりです。 ○斉藤委員 解釈をお聞きしたいのですけれども、中途解約だけでなく派遣先の一時帰 休等でやむを得ず結果的に派遣労働者も休業せざるを得ないような場合が出てくると思 うのですが、そういう場合は、ここの指針の中ではどのような解釈をすればよろしいの でしょうか。 ○受給調整事業課長 一時帰休ということは契約からすると派遣契約の一部中途解除に なろうかと思います。実は部会のほうでもお話が出ましたけれども、典型例として完全 な中途解除を書いてありますが、結局契約の変更ないし解除に伴う損害賠償というのは、 それに伴って派遣先の責めに帰すべき中途解除、契約変更に伴って派遣元に生じる損害、 これは先ほど成瀬委員のご質問にもありましたけれども、実際に損害が出た場合にそれ を損害賠償するということですので、派遣契約の一部中途解除という形で同様の考え方 で読み込めるのではないかなと考えています。 ○斉藤委員 同様の考え方で読み込めるということですね。 ○需給調整事業課長 はい、そうです。 ○大橋分科会長 それでは、これまでのご議論を踏まえ、当分科会におきましては厚生 労働省案はおおむね妥当と認め、労働力需給制度部会の報告の内容で労働政策審議会長 にご報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 ありがとうございます。それでは報告文(案)の配布をお願いいたし ます。 (報告文(案)配布) ○大橋分科会長 お手元に配布していただきました報告文(案)により、労働政策審議 会長あて、ご報告する形でよろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。次の議題の雇用保険法施 行規則の一部を改正する省令案要綱について、事務局よりご説明願います。 ○総務課長 資料No.2-1、2-2、2-3を使ってご説明申し上げます。この内容につきまし ては去る27日に平成21年度予算が成立しまして来年度、すなわち4月1日から新たな雇用 保険法施行規則に基づく雇用保険二事業を実施するための諮問内容です。No.2-2にあり ますのが今回の助成金の一覧表ですが、No.2-3と2-1を使って概略ご説明申し上げたいと 思います。  No.2-1が諮問文ですが、1枚開けていただいて1頁以下が省令案要綱です。No.2-3をご覧 いただきたいと思います。縦長になっていますが左側が現在の状況、右側に平成21年度 の助成金の状況です。数字に○が付いておりますところが今回ご諮問させていただくと ころですが、網掛が入っているところについては雇用均等分科会並びに職業能力開発分 科会ですでにご議論いただき、ご了解いただいているところです。  それではNo.2-3を1枚めくっていただき、ページが入ってなくて大変恐縮ですが定年 引上げ等奨励金の見直しからご説明申し上げます。要綱ですと第1-1の(1)以下1頁です。 左側が平成20年度ですが、中小企業定年引上げ等奨励金、これにつきましては従来65 歳以上までの定年引上げまたは定年の廃止、または70歳以上まで希望者を全員雇用する 継続雇用制度の導入、左側のマル1、マル2及びマル3の内容でありましたが、右側に ありますように見直しをしまして65歳前に契約期間が切れない65歳以上継続雇用制度、 具体的に申し上げますと括弧にあります期間の定めにない労働契約、または65歳以上の 年齢を終期とする労働契約により希望者全員を雇用する、65歳以上まで希望者全員を雇 用する継続雇用制度を導入した事業主を新たに支給対象として追加するものです。また、 併せて一般労働者の週所定労働時間に比べ短い労働時間を選択することができる制度、 これを講じた場合、多様な就業という形で支給額に20万円を加算する内容です。  左側のいちばん下、70歳定年引上げ等モデル企業助成金、これはモデル助成ですが、 計画に基づき70歳以上までの定年引上げ等を行うと、その際に機械設備の導入等を行う 事業主に対するモデル助成金でしたが、これは廃止しまして、右側の真ん中の欄ですが 高年齢者雇用モデル企業助成金として、これは65歳以上までの定年の引上げ等を行った 事業主あるいは高年齢者を新たに雇い入れることにより60歳以上の割合を高める措置を 講じた事業主に対する助成金として成立するものです。  1枚めくっていただき、自立就業支援助成金をご覧いただきたいと思います。要綱で 申し上げますと2頁の2です。これは45歳以上の高年齢者等が3人以上共同して出資して 労働者を雇い入れた場合の助成ですが、原則として自己都合は認めておりません。自己 都合離職者の方は対象にはなりませんが、右側にありますように退職時の年齢が60歳以 上の場合、自己都合の退職者も新たに支給対象とする内容です。  1枚めくっていただきまして地域雇用開発助成金関係です。要綱ですと3頁3以下です。 地域雇用開発助成金につきましては2つの雇用開発奨励金、すなわち雇用開発促進地域 や過疎等雇用改善地域におきます事業所の設置・整備、あるいは雇用開発促進地域にお きます中核的人材の受入れなどによります助成措置が2つの助成金として行われており ましたが、これはどちらも廃止し1つに統合した上で地域求職者雇用奨励金として整理 する内容です。  また、右側のいちばん下にあります地域貢献活動雇用拡大助成金についてご説明申し 上げます。要綱をご覧いただきますと3頁(2)、その中の1行目から2行目にかけて地域貢 献活動分野、定義がありまして、「保健・医療又は福祉の増進を図る活動、社会教育の 推進を図る活動、まちづくりの推進を図る活動その他の地域社会に貢献する活動分野」、 これにおいて活動する事業主のことですが、この地域貢献活動につきましては要綱の4頁 をご覧いただきたいと思います。まず予算措置として、いわゆるモデル事業的に3の(3) ですが、雇用失業情勢の改善の動きが弱い地域におきまして、この地域貢献活動分野で 活動する法人などに対する経営体制の整備、労働者の雇入れに関する支援事業、これは 具体的には中間支援組織としての法人に支援を委託して行っていただくという内容で、 それに伴う雇入れ助成を行うのがこの助成金の内容です。  1枚めくっていただきまして育児・介護関係の助成金をご説明申し上げます。現在育 児・介護雇用安定等助成金ということで、いくつかのコースで行っておりますが、その うち事業所内託児施設設置・運営コースにつきましては右側の真ん中の欄ですが、新た に事業所内保育施設設置・運営等助成金として整理して、併せて運営費の対象を従来の 5年から10年まで引き延ばす内容です。その他いちばん上の○ですが、男性労働者育児 参加支援促進コースと職場風土改革コースを統合する、あるいは様々なコースにつきま して改正次世代法に基づく一般事業主行動計画の公表や周知を、助成金の支給要件に加 えるものです。いちばん下の中小企業子育て支援助成金も、この一般事業主行動計画の 策定及び届出に加え公表及び周知を要件とする内容の改正です。  1枚めくっていただき人材確保関係の助成金です。要綱では7頁の5番ですが、まずい ちばん上の中小企業基盤人材確保助成金、これは中小企業労働力確保法に基づきます 助成金で、経営基盤の強化に資する人材等を新たに雇入れた場合の助成措置ですが、設 備投資要件を300万円以上から250万円以上など、一部要件を緩和する内容です。  2番目の介護基盤人材確保助成金ですが、これにつきましても従来1年後の事業所全体 の雇用保険被保険者の定着率は80%以上を要件としていたところですが、6カ月後の定着 率で80%以上であることに緩和する内容です。  介護雇用管理助成金につきましては左側にありますような助成金ですが、おおむねそ の内容を受けつつ能力評価、処遇改善のための人事管理制度の導入または見直しを行い、 かつ雇用管理改善事業を実施した介護関係事業主に対する助成金として整備するもので す。  いちばん下の中小企業雇用安定化奨励金ですが、これは正社員転換制度を導入した場 合の転換制度導入、及びそれを実施、適用した場合の助成措置ですが、それに加えて右 側の2つ、すなわち新たに通常の労働者と共通の処遇制度を導入して適用した場合、そ れから2番目にありますように共通の教育訓練制度を、Off-JTですが導入して適用した 場合それぞれ助成の対象とする内容です。  つづきまして障害者関係の助成です。要綱では9頁の6です。3つの助成金が新たに加 わりましたが、1つは発達障害者あるいは難治性疾患患者、これらの方々を公共職業安 定所の紹介により雇用する事業主であって、当該雇入れた発達障害者及び難治性疾患 患者の雇用管理に関する事項を把握するという要件の元に助成金を支給する内容です。 また3番目ですが、これは事業協同組合を対象として雇用促進事業を実施するものに助 成金を支給するものです。  最後ですが能力開発関係です。要綱では11頁以下、キャリア形成促進助成金ですが、 これにつきましては自発的職業能力開発支援分につきまして従来の経費、労働者を自発 的職業訓練の支援、職業訓練のための休暇の付与ということにつきましての助成の率を 中小企業3分の1、大企業4分の1から、それぞれ中小企業2分の1、大企業3分の1に引上げ ることと併せて、労働者の職業訓練等のための時間的配慮として自発的職業能力開発 時間確保措置として始業、終業時刻の変更、勤務時間の短縮または時間外労働の制限な どを行う、あるいは長期の職業能力開発休暇制度を行うというようなものに対しての 助成制度を創設するものです。  以上で、この省令につきましては要綱12頁、最後ですが4月1日から施行するという 内容です。よろしくお願いいたします。 ○大橋分科会長 それでは本件につきましてご質問、ご意見がありましたらお願いいた します。 ○総務課長 1点飛ばしてしまいましたので、すみません。先ほどある委員からご質問 がありましたので、そこを補足させていただきます。大変恐縮です。No.2-3の下から3 枚目、人材確保等支援助成金の見直し、後ろから2枚目の後ろ側のほうです。人材確保 等支援助成金の介護基盤人材確保助成金をご覧いただきたいと思います。これにつきま しては平成20年度予算額26億円、平成21年度の予定額は8億4千万円になっていますが、 これは左側の介護基盤人材確保助成金が一応廃止という形になっておりまして、その経 過措置分の約10億円、それから介護基盤人材確保等助成金は新規の助成金で、これは初 年度分が8億4千万円で平年度分はこの倍はかかるということですので、併せて従来と同 様の26億円がかかるという内容です。補足として説明させていただきました。失礼いた しました。 ○大橋分科会長 ご質問、ご意見ありますか。どうぞ。 ○市川委員 No.2-2で言いますと、(3)マル2「地域貢献活動雇用拡大助成金創設」とい うことで、これは大変いいことではないかと思っています。地域貢献活動については、 経済産業省においてソーシャルビジネス研究会というものをやっていて、すでに昨年報 告書も出しています。ソーシャルビジネスあるいはコミュニティビジネスと言っていま すが、そこでもその事業の支援について議論がなされていまして、すでに協議会等が発 足をしています。  私どももオブザーバーで出席していましたので、そこでの意見を聞いていますと、NPO 法人は非常に事業費も小さく、かつ従業員を雇うことについては非常に困難になるとい うことですので、こういう形で助成金を交付していただけるというのは彼らの事業促進 に当たってもいいことだと考えています。  また、私ども傘下の企業組合も、こうした地域貢献活動に多大な貢献をしているとこ ろですので、是非経済産業省のソーシャルビジネスの推進と歩調を合わせて、齟齬のな いように運用をお願いしたいと思います。  もう1点はいちばん下の(6)のマル3の事業協同組合等の障害者の雇用促進事業に対す る助成金については、私ども中央会からの、障害者雇用促進法の改正に当たって、是非 こうした仕組みをつくっていただきたいという要望に基づいて、仕組みができたもので すので、是非これをうまく活用させていただきたいと思います。以上です。 ○地域雇用対策室長 先ほどの委員のご指摘の件ですが、この助成金については、コミ ュニティビジネスなどが雇い入れる場合に、1人当たり60万円を助成する措置で考えて いまして、今回の事業はモデル事業なのですが、当然経済産業省が進めているソーシャ ルビジネスと歩調を合わせてやっていきたいと考えています。 ○障害者雇用対策課長 事業協同組合等雇用促進事業助成金ですが、昨年設置した障害 者雇用促進法の中で、新しい形として事業協同組合を活用した障害者の雇用促進ができ ないかということで、それを後押しするために新しく設けたものです。如何せん事業協 同組合の中で障害者を雇用するという事例は、現時点ではあまり多くはありません。こ うした助成金を使いながら、是非とも普及していきたいと思っていますので、中小企業 団体中央会におかれましても、なお一層のご協力を賜ればと考えている次第です。 ○大橋分科会長 1つ質問があります。あくまでもこれは予算額なのですが、20年度と 21年度の助成金の総額はどうなっていますか。 ○総務課長 手元に数字がないので恐縮なのですが、今回の助成金の関係での取りまと めはありませんが、助成金全体としては、当然のことながら雇用調整助成金が大幅に増 えているとか、特定求職者雇用開発助成金もそれなりに増えているということで、いわ ゆる助成金については、前年度に比べて相当増えている状況です。 ○大橋分科会長 ほかにご意見はございませんか。ございませんようですので、当分科 会としては厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会長にご報告申し 上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 それでは報告文(案)の配布をお願いします。 (報告文(案)配布) ○大橋分科会長 お手元に配布していただいた報告文(案)により、労働政策審議会長 あてに報告することとしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 それではそのようにさせていただきます。 ○大橋分科会長 次の議題の「その他」ですが、「雇用保険法施行規則等の一部を改正 する省令案要綱について」です。雇用保険法等の一部を改正する法律については27日に 成立し、本日交付されており、関係する省令案要綱について、本日厚生労働大臣より諮 問がなされました。これについては施行日との関係から、雇用保険部会において予め議 論を行っていただいております。まず事務局より説明をお願いしまして、そのあと清家 委員より雇用保険部会における議論をご報告願います。 ○雇用保険課長 資料No.3-1から資料No.3-3です。資料No.3-1が当審議会に諮問させてい ただく要綱、資料No.3-2がその省令案の概要、資料No.3-3が参考資料です。  省令案要綱の説明に先立ちまして、国会等の審議の経過について簡単にご説明します。 資料No.3-3の6頁をお開きください。雇用保険法の改正法案については、1月に当審議会 からご答申をいただいた後、1月20日に通常国会に提出させていただきました。  その後、衆議院の本会議の質疑を経て、3月18日の衆議院の厚生労働委員会において、 施行期日は平成21年4月1日ということで国会に提出していたのですが、これを平成21年 3月31日に改めることを内容とする修正が行われました。その上で可決されたということ です。年度末に向けての雇止め増加も想定される中での与野党の議論の中での修正にな ったものです。  この修正を経て、参議院に送付され、3月27日に参議院の厚生労働委員会において修 正案の内容を含めて可決されました。  衆参の厚生労働委員会において、附帯決議が付されていまして、7頁から8頁にかけて が、衆議院の厚生労働委員会での採決時のもの、9頁からが参議院の厚生労働委員会で の附帯決議の内容です。これらを経て、3月27日の参議院本会議で可決、成立となり、 本日30日に交付されました。  続いて省令案の関係のご説明です。資料No.3-1が要綱で、資料No.3-2と照らし合わせな がらご覧いただければと思います。  1頁の省令案の第1「雇用保険法施行規則の一部改正」の1「特定理由離職者の範囲」 です。今般非正規労働者のセーフティネットの機能の強化を図るということで、受給資 格要件を緩和するということです。倒産解雇の離職者の方と同様に、労働契約が更新さ れなかったため離職された有期契約労働者の方等について、被保険者期間の12カ月の受 給資格要件を6カ月に改める部分に係るものです。  ここにかかわる特定離職者の範囲として、(1)が雇止めに遭われた方です。(2)が「正 当な理由によって、自己都合により離職された方」をこの対象とするということで、こ の範囲を決めたわけです。  2「特定受給資格者の範囲の改正」です。当分科会にもご報告をしました雇用保険部会 報告にも盛り込まれていますが、基本手当に係る特定受給資格者の範囲について、契約 締結時に更新されることが明示されている方について、一定の範囲について、特定受給 資格者とされているところでしたが、これについて3行目以降にあるように、「労働契 約の期間が1年以上のものである場合及び1年以上引き続き同一の事業主の適用事業に雇 用されるに至った場合」も含めて、特定受給資格者の範囲とすると改正を行うものです。  2頁です。3「基本手当の支給に関する暫定措置」です。今般の法改正によって、特定 理由離職者の所定給付日数の充実を図るということで、暫定措置として、所定給付日数 を特定受給資格者並とする扱いの改正を行ったことに対応する、厚生労働省令で定める 対応者ということです。これについては、1の(1)の理由により離職した者ということで、 雇止めに遭って離職された方と、1の(2)の理由により離職した方の中の一定の方という ことで、被保険者期間が6カ月以上、12カ月未満の方を対象とするものです。  続いて4「給付日数の延長に関する暫定措置」です。今回、給付日数について、「年 齢や地域を踏まえて、再就職が困難な場合に給付日数を60日分延長する」という改正内 容を盛り込んでいる部分の省令にかかわるものです。まず4の(1)です。この給付日数の 延長にかかわる方について、特定受給資格者プラス特定理由離職者の中の一定の方とい うことで、その方について、1の(1)の理由により離職した者ということで、雇止めの方 を対象とすることを規定するとしています。  (2)は、延長給付の対象として、「公共職業安定所長が就職が困難な者と認める場合」 ということで、その省令で定める基準について定める部分です。イ「特に誠実かつ熱心 に求職活動を行っているにもかかわらず、所定給付日数を受け終わるまでに職業に就く ことができる見込みがなく、特に職業指導その他再就職の援助を行う必要があると認め られること」と、ロ「正当な理由がなく、安定所の職業紹介や受講指示を拒んだことが ないこと」を基準とするとしています。  (3)は、今回延長給付の対象とするカテゴライズの中に、年齢以外に、雇用機会が不足 していると認められる地域に居住されている方についても対象とするということで、そ の地域指定の基準を定めている部分です。次のイロハに該当することとしています。イ 「労働力人口に対する有効求職者割合が、全国の平均以上であること」、ロ「有効求人 倍率が1未満であること」、ハ「雇用保険の基本受給率が全国平均以上であること」の 3つの基準を定めることとしています。  要綱の4頁の4の(4)です。もう1つの延長給付のカテゴライズとして、公共職業安定所 長が再就職のための支援を計画的に行う必要があると認めるということがありまして、 その基準です。これについては、4の(2)のロの基準を満たすということで、先ほどの、 職業紹介や受講指示を拒んだことがないということを満たした上で、次のイロハのいず れかに該当することとしています。イ「離転職を繰り返している」、ロ「産業構造等の 状況から見て、職種の転換が必要であること」、そういったもののほか、ハ「特に誠実 かつ熱心に求職活動を行っており、公共職業安定所の職業指導を受けなければ適切な 職業選択を行うことが著しく困難となることが認められる方」としています。  4頁の5は、今回の改正の内容として、安定した再就職へのインセンティブの強化をす る部分がありますが、雇用保険部会報告にもありました「受講手当の額の引上げに係 る暫定措置」の部分です。これについても、3年間の暫定措置として、当該期間内の受 講手当の日額を500円から700円に増額することとしています。  6は、今回法律上の再就職手当の改正と並んで、常用就職支度手当に関しても、暫定 措置として一定の改正を予定しています。これについて、現在の対象者の範囲を拡大す るということで、3年間については、これまでの障害者等の就職困難者に加えて、安定 した職業に就くことが著しく困難と認められる者であって、安定した職業に就いた日に おいて40歳未満である方を対象とするということと、給付率も10分の3から10分の4に引 き上げることを内容としています。  以上が改正の内容で、第2の「その他」にあるように、施行期日は改正法の施行に合 わせて、平成21年3月31日から施行するものとしています。その他経過措置を定めるこ ととしています。  併せてご報告します。資料No.3-3の17頁です。これは平成21年度の雇用保険料率にか かわる告示についての制定の報告です。前回安定分科会に法律案の諮問をさせていただ いたときに、平成21年度の雇用保険料率について、失業等給付に係る保険料率を1,000分 の4引き下げることにしているということで、そのときに注書きも付していましたが、 二事業に係る保険料率については、19年度決算に基づく弾力条項の適用に基づいて、 1,000分の0.5引下げ、1,000分の3にするということで、要綱に書いています。それに沿 った形で、平成21年度の雇用保険料率を定める必要があるということですので、これを 告示させていただきます。これについても明日交付させていただいた上、平成21年度の 料率として適用させていただきたいというものです。以上です。 ○大橋分科会長 続いて清家委員より、雇用保険部会でのご議論をご紹介願います。 ○清家委員 本件については、本日のこの分科会の前に雇用保険部会を開催しまして、 予め検討しましたが、その結果、内容については妥当であるとの結論に至っています。 私からは以上です。 ○大橋分科会長 それでは本件について、ご質問、ご意見がありましたらお出しくださ い。 ○斉藤委員 地域というのが随分出てくるのですが、いま地域区分というのは全国でど のくらいに分けられているのでしょうか。  それから、雇用機会が不足していると認められる地域として、個別延長給付の対象と なる地域の基準がイロハで書いてありますが、現在のところ全国の地域の中で、どのく らいこれに該当するとなっているのでしょうか。 ○雇用保険課長 地域の点は、省令の要綱の3頁に掲げている部分ですが、今回3頁の(3) のイロハの基準に沿って、各都道府県ごとの区分りで、地域の指定をしたいと考えてい ます。具体的には、(3)のイロハの形での省令となりますと、この省令に基づいて直近の 数字で指定をするとなります。そうすると、現在29の道府県を指定する予定です。 ○大橋分科会長 そのほかにございますか。 ○成瀬委員 2点あります。省令案要綱そのものではないのですが、資料No.3-3の参考資 料についてです。法律案に対する修正案要綱の次に、衆議院及び参議院の附帯決議が添 付されています。そのいずれも第1項で、「衆議院厚生労働委員会において審査中の『求 職者支援法案』の趣旨を最大限尊重しつつ」とあります。この附帯決議がここで配布さ れた趣旨が何なのかにも関係すると思うのですが、この附帯決議で、わざわざこのよう に明確に明記してある以上は、今日は検討の時間はないにしても、今後当分科会あるい は部会等で検討の際に、当然参考とすべき求職者支援法案ということですので、本来的 にはその概要あるいは法案要綱を配布すべきではないのかと考えますが、いかがでしょ うか。これが1点です。  2点目です。12頁に、施行日だけが修正されたわけですが、今回成立を見た雇用保険 法等の一部を改正する法律の概要ということで、1枚の概要のペーパーが付けられてい ます。先ほどの附帯決議の第2項とも関連するのですが、1.の「非正規労働者に対する セーフティネットの機能の強化」に関連して、その3項目めで「雇用保険の適用基準で ある『1年以上雇用見込み』を『6カ月以上雇用見込み』に緩和し、適用範囲を拡大」と ありますが、これに括弧が付けられているのはなぜでしょうか。以上の2点です。 ○雇用保険課長 まず1点目の附帯決議の関係です。今日配布させていただいたのは、 国会の審議の過程でかような附帯決議があったことのご紹介と、いま成瀬委員がおっし ゃったとおり、今後のいろいろな審議会における検討の課題にもなってくることも含め て、参考として配布させていただきました。  この7頁からの衆参の附帯決議をご覧いただいてもわかるとおり、当分科会の範疇を 超えている医療の関係もありますので、今日は具体的な説明というより、このような経 過があったということで、参考として配布したものです。  ご紹介しておきますと、求職者支援法という法案については、民主、社民、国民新党 から提出されているので、現在の衆議院あるいは各党のホームページ等には掲載されて いるということです。  適用基準の概要ペーパーについてですが、ここで括弧書きにしているのは、ここにつ いては通達基準の見直しによって改正するということで、括弧書きにしています。  この法律の概要ペーパーは、説明する際には口頭でいろいろ補いながら、そういった 点にも触れているのですが、例えばいまの括弧書きのところについては、そのような通 達にかかわる部分ということであったり、3の「安定した再就職へのインセンティブ強 化」の2つ目の◎の常用就職手当についての対象範囲の拡大に部分について、下線が引 いていないのは、法律にはかかわらず、今日諮問させていただいている省令にのみかか わる部分ということで、そういうものも混ぜて、ある程度全体像もご提示しながらとい うことでペーパーとしては書いているので、口頭の説明のなかった分については補足さ せていただきます。 ○成瀬委員 1点目の件については、衆議院のホームページないしは野党3党いずれかの ホームページをご覧いただきたいということなのでしょうか。不勉強で申し訳ないので すが、そういうことであれば帰って見てみようと思うのですが。 ○雇用保険課長 今日お配りしなかったのは、附帯決議の内容をご紹介するためという ことで、今日の段階では配布できていないということですので、それについてはこちら でプリントアウトをして送付させていただきます。 ○成瀬委員 わかりました。2点目ですが、先ほど私が聞いた箇所については通達だと いうことですが、衆参の附帯決議の第2項で、「雇用保険法業務取扱要領」とありまし て、これが通達の中身なのかとも思っているのですが、先ほどもう1つ例に出された年 長フリーター層を追加というのは、省令施行規則ということからすると、それですらな いもので適用範囲を決めているということは、いかがなものかと思います。  通達で、今日までは1年以上の雇用見込み、明日からは6カ月以上の雇用見込みとなる 予定のものについては、決裁権者はどなたなのでしょうか。通達というのは厚生労働大 臣ですか。 ○雇用保険課長 端的に申し上げると、通達業務取扱要領は職業安定局長の通達として 発するものです。 ○成瀬委員 そうであれば、たしか3回ぐらい前の分科会でも発言したと思うのですが、 局長決裁の通達であれば、職業安定局ということで、法律改正も省令改正も要しないわ けですから、前向きにご検討いただいて、適用範囲のより一層の拡大に向けて、早急に 手を打っていただきたいと思いますので、前向きかつ迅速なご検討を是非お願いします。 ○雇用保険課長 いまの点は先ほどの雇用保険部会でもご発言のあったところです。附 帯決議にもこのような形で決議されている、あるいは国会での審議もあったということ で、今回の短時間の方について1年の雇用見込み要件を6カ月に緩和することについても、 通達の改正ということですが、雇用保険部会も含めてご議論いただいた結果として、今 回部会報告にもおまとめいただいて、その結果に従って通達基準の改正をすることとし ています。  ただ、いま申し上げましたとおり、附帯決議やら、先ほどもいまもご意見をいただい たことも含めて、まずこの4月1日から適用要件を緩和するので、そこの部分の施行をし っかりすることが肝要だと思いますが、このようなご指摘等々をいただいていることも 踏まえて、労使の方々にもご相談しながら、しっかりと議論していきたいと思っていま す。 ○大橋分科会長 ほかにいかがですか。特にないようでしたら、当分科会としては厚生 労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会長にご報告申し上げたいと思い ますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 報告文(案)の配布をお願いします。 (報告文(案)配布) ○大橋分科会長 配布していただいた報告文(案)により、労働政策審議会長あて報告 することとしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 そのように報告させていただきます。そのほか何かご意見等はござい ますか。 ○職業安定局次長 一言御礼を申し上げさせていただきたいと思います。今日は大変年 度末のお忙しい時期、またこういった遅い時間にご審議をいただきまして、誠にありが とうございます。雇用失業情勢、引き続き厳しさを増しておるところでございます。労 働行政としても、引き続き、また一層雇用対策に力を尽くしてまいる所存でございます。  今日いただきました取りまとめ、ご報告、そしてまた答申になるわけでございますが、 これを踏まえまして、改正雇用保険法の円滑な施行、また2事業による雇用対策事業を しっかりと実施をしてまいりたいと考えておるところでございます。引き続き皆様のご 指導をよろしくお願いいたします。今日は誠にありがとうございました。 ○大橋分科会長 そのほか全般にご意見はございますか。よろしいでしょうか。それで は本日の分科会はこれで終了いたします。 (署名委員指名) どうもありがとうございました。    (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係   TEL:03-5253-1111(内線 5711)