09/03/30 第12回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第12回)議事録       日時 平成21年3月30日(月)15:00〜17:40 場所 専用第18〜20会議室 ○寺野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬害肝炎事  件の検証及び再発防止ための医薬品行政のあり方検討委員会」の第12回を  開会いたします。   委員の皆様には、大変お忙しい中、御出席いただきましてありがとうご  ざいます。   本日も、公務のお忙しい中、舛添大臣に出席いただきますが、後半とい  うことでございます。御了解をお願いします。   本日は今年度最後でございまして、委員会の提言の取りまとめに向けた  審議を予定しております。   では、まず事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 まず、友池先生は本日、急きょ御欠席という  ことでございます。  それから、間宮委員は10分ほど遅れるということでございます。   配付資料でございますけれども、議事次第と座席表、名簿のほかに資料  1として研究班の中間報告書(案)ということで、これは5分冊、1−1か  ら1−5まで5冊ございます。従来のアウトプットイメージと題した資料  の更新であります。   資料2ですけれども、提言の案ということで前回のものを御意見を踏ま  えて修正したもので、ちょっとわかりにくいのですが、溶け込んだものが  2−1で、見え消しにしたものが2−2になっております。表紙で言うと、  30日が見え消しになっているのが2−2でございます。   資料の3と資料4、パワーポイント形式のものはその参考資料というこ  とです。   資料5で1枚紙ですけれども、来年度以降に残された課題ということで、  これは事前には委員の皆さんにお送りしていなかった資料でございますけ  れども、お配りをしてございます。   このほか、委員から提出されました意見書ということで、坂田委員から  のものと水口委員からのものをお配りしてございます。   不足等がありましたら御指示いただければと思います。また、乱丁、落  丁等がありましたらその都度御指示をお願いいたします。 ○寺野座長 それでは、議事に入りたいと思います。   本日は、前回に引き続きましてこの委員会で5月から12回にわたって議  論してきたことに基づく提言の取りまとめのための議論をお願いしたいと  思っております。委員の皆さんには資料を事前にお送りしてあるのですが、  時間は短かったと思いますけれども、まず事務局から簡潔に説明していた  だいた後、提言案の最初から順に確認しながら議論を進めていきたいと思  っております。   ただ、その前に研究班の検証作業の状況につきまして堀内委員から御報  告をお願いしたいと思います。今日も、研究班の報告書案についてお手元  に厚い資料が配付してございます。   それでは、堀内委員、よろしくお願いします。 ○堀内委員 それでは、班会議の方から報告をさせていただきます。   資料といたしましては、資料1−1から1−5までということでござい  ます。従来、アウトプットイメージというような形になっておりますが、  年度末でありますので中間報告書(案)とさせていただいております。資料  1−2から5までにつきましては、これまでに幾つかに分けて検証を行っ  てまいりました内容をできるだけ詳しくまとめてございます。検証2に「薬  害肝炎拡大の被害の実態」、検証3が「薬害肝炎の発生・拡大に関する薬務  行政の責任」、検証4が「薬害肝炎に関する血液製剤製造会社の責任」、5  が特に医療現場の問題ということでございまして、実態を踏まえた上で行  政あるいは製薬会社、医療現場、それぞれについての問題点と責任を検証  してまいりました。   1−1がその全体としてのまとめでございますので、主としてこちらを  ごらんいただいた方が、ページ数が少ないので見やすいかと思いますが、  全体の班会議としてのまとめ、それから現在の段階での中間的な結論とい  うものを載せてございます。   この委員会は、第三者の立場で薬害肝炎事件の経過と詳細を明らかにし  て今、申しましたような点について検証をしていったわけでありますけれ  ども、既に事件が発生してから45年ということで、なかなか十分な資料が  ないのは御存じのとおりでございますが、その中でも極力これまで残って  いる資料をできるだけ集めて検証を行ってきたというところでございます。  検証をする期間が半年しかなかったために、ヒアリングだとか、アンケー  トとか、そういうようなことによる検証ができませんでしたが、これにつ  いては来年度も引き続き続けていくということでございます。   やり方としましては2ページのところをごらんいただきたいと思います  が、ここに研究班の名簿と、それから主として担当した項目が書いてござ  いますけれども、班会議をこの半年間で13回くらい行いました。それから、  それ以外のときはお互いに全体像を把握しているということを考えまして、  皆にその時々の議論をしている内容が伝わるというような形で極めて頻繁  にメーリングリストを使いながら検証をしております。   それからもう一つは、実務的な部分、データの収集とか整理、あるいは  図表をつくっていただいたり、いろいろなことにつきましては野村総合研  究所に委託をいたしまして、こことの連携を密にしながら行ってきたとい  うことでございます。   3ページ以降に、研究の全体のまとめが書いてあります。これについて  は全体をやっていくと時間がかかりますので省略をさせていただきますが、  特にこの項目、それからその元になるデータが先ほど申しました資料2か  ら5にございますので、また御意見があればできるだけ早くいただければ、  またそれを反映させたいと思っております。特にここ数日はいろいろな御  意見をいただいてかなり頻繁に文書の訂正等も行っておりましたので、こ  のまとめと提言については今日初めてお目にかけるということになりまし  た。   来年度でございますが、これについては前回もお話をいたしましたが、  班を継続するということでございますけれども、特に来年度は患者の被害  者の被害実態、それから特に被害者が身体的、精神的、経済的、社会的に  どのような被害を受けていたかということと、それから被害者救済等に関  しても実態調査を行って検証をしていくということでございますので、新  たに分担研究者としてこの委員に出ていらっしゃる坂田委員と泉委員に入  っていただいております。それから、その分野で検証をする、データの解  析等をやっていただく研究協力者として東大大学院生の山本由美子さんに  協力者として入っていただくということで考えています。   それから、先ほど申しましたように、これは第三者の立場でできるだけ  客観的に科学的に検証をしていくということを旨にしておりまして、結果  としてそれがどういう方向になるかというのはまた事実に基づいたところ  で出てくることだと思っておりますので、そういう面で製薬企業の方にも  分担研究者として入っていただき、その企業の立場から御意見をいただく  ということを是非やりたいと考えております。以上でございます。 ○寺野座長 堀内先生を始め、堀内研究班で本当にこの1年間、大変な仕事  をしていただきましてこの報告書をまとめていただきました。今は時間が  ありませんので簡潔におまとめいただいたわけですが、委員から何か御質  問、御意見がございましたらどうぞ。   では、坂田委員どうぞ。 ○坂田委員 今日の進行のことで意見があるんですけれども、2点、絶対に  今日最初に話し合っておきたいことがあります。   まず、前々回から討議されてきたことですけれども、コンセンサスがき  ちんとしているのに何も決まっていないように読めるというか、第三者機  関による監視体制の部分です。意見が羅列されているだけで、きちんと書  かれていない。合意に達したかが、この提言案では読めないと思います。  まず、それが1点です。   それから、来年度をどうやっていくか。きちんと組み立てをやるという  か、月に1回なのか、それともまず何を重点的にやるのかとか、そこら辺  をやはり今日のうちに決めていただきたいと思います。   それから、前回とてもマイクの聞こえが悪かったということをちょっと  聞いたんですけれども、今日はいかがでしょうか。聞こえますか。 ○寺野座長 どうですか。        (会場より「聞こえません」と声あり) ○坂田委員 聞こえないそうですので、すみませんが、調整をお願いできま  すか。前回はほとんど聞こえなかったということなので、是非お願いしま  す。 ○寺野座長 後ろの方は聞こえにくいですか。では、調整できる範囲内で調  整してください。   マイクの調整は今してみますが、先ほど言われた第三者評価の部分と、  それから来年度の方針については議論の中に入れておりますので、皆さん  御協力いただいて、そこの部分をある程度議論したいということであれば  時間の余裕を持ちたいと思いますのでよろしく御協力をお願いします。   今から議論に入りますけれども、今の質疑というのは堀内委員の今の報  告に関しての質疑です。   では、水口委員どうぞ。 ○水口委員 研究班から今日配付された報告書を拝見しています。この研究  班と検証会議の関係の位置付けについて論点を提示していただいて、そし  て私どもの委員会の提言に盛り込むべきではないかという御示唆もいただ  き、私もなるほどと思って委員会の提言案の中に私の意見も入れさせてい  ただいたところはたくさんあります。けれども、研究班が独立して提言を  出すというイメージを持っていなかったので、そこの点について座長から  御説明いただけますでしょうか。 ○寺野座長 この委員会は、御存じのように検証と、再発防止に関すること  で医薬品行政という2点があるということは初めから御納得いただいてい  ると思うのでありますけれども、その辺りをどういう関係で持っていくか。  この委員会そのものはC型肝炎中心ですけれども、そのほかの薬害もある  わけですね。そういうものをすべて含めた意味での医薬品行政の見直しと  いうことになりますので、検証とその行政の在り方の検討という2本の柱  であることは確かなんです。   それで、前からもちょっと言っているんですけれども、この検証という  ものをこの委員会の医薬品行政の在り方にどこまで活かし切れるかという  ことが一つの大きな問題点だと私は思っています。ですから、今、御指摘  いただいたように、この中に研究班としての提言もあるわけですけれども、  これはあくまでも委員会の中の一つの考え方という形で把握して、完全に  委員会と独立したものとは私は考えていません。   これについて、堀内委員から御意見をお願いします。 ○堀内委員 それでは、できるだけ大きな声でやります。   本来ならば、ここに班会議での検証結果がもう少し早くこの検討会に活  かされればいいと思いましたけれども、何せ膨大な資料もありまして今に  なってしまった。ただ、来年度も続くということでありますので、ここで  出された中間報告書に書かれた内容を検討会での議論に活かしていただけ  れば私たちとしてはありがたいと思っています。   提言が出てきたのはなぜかということでありますけれども、検証をして  いるとやはりそこからいろいろと当時の問題、それから当時起こっていた  ことで現在でもまだ改善すべき余地があるような問題というものを班会議  として問題にしたこと等がございますので、それを提言という形で少しサ  マライズをしてまとめさせていただきました。これは、あくまでも班会議  の中での独自の考え方でございますので、これを全部取り入れるというわ  けでもございませんが、班会議の意見ということで御理解いただければよ  ろしいかと思います。   班会議自体は検討会と独立した存在だと思っておりますので、いろいろ  な御意見をいただきましたが、そのかなりのところを反映させていただき  ましたが、すべてを取り入れているわけではありません。これは弁護団、  患者の方々、あるいは行政、すべてに対して同じでありまして、いろいろ  参考にさせていただいておりますけれども、必ずしもそれがすべてこの報  告書にそのまま入っているということではございません。 ○寺野座長 よろしいでしょうか。完全によろしいかどうかは別として。 ○水口委員 内容自体については、先ほど申しましたように大きな問題があ  るとも思いませんし、適切な指摘もあるとは思っているのですが、問題は  この検証委員会の提言と研究班の提言の関係ですね。外から見ると、2つ  の提言が出てきているというわかりにくさというのは、やはり整理してい  ただきたい。   もちろん、本来は、御指摘があったように、事前に早く出していただい  て私どもの提言に盛り込める部分はきちんと盛り込むというのが理想的な  形ですが、両者の関係の整理は、必要なのではないかと私は思っておりま  す。 ○寺野座長 提言という言葉が2つ重なったので誤解というか、混乱がある  のかもしれませんが、表現は考えてみてもいいですね。趣旨はおわかりい  ただいていると思います。   では、泉委員どうぞ。 ○泉委員 再確認をさせていただきたいのですが、この堀内先生の研究班が  していただいたのは、この委員会に対しての報告に近い、いわゆる提言と  いう意味ですね。 ○堀内委員 最初に、この委員会の下に班会議をつくるということでした。  ただし、それは第三者委員会としてつくるんだというお話がありましたの  で、お受けしているわけです。ですから、その趣旨の下にずっとやってお  りますが、ただ、この委員会の下につくっております。   それから、最初にその中途段階でも委員会に報告してほしいという要望  がありました。それで、3月31日にぼんと報告書を出すというのが班会議  などの普通のやり方でしょうけれども、できるだけその時々のある面では  中途段階のものを御提示してきたということでございます。 ○泉委員 それでは、座長が先ほど言われたように、大変恐縮ですけれども、  「提言」という言葉を改めて「途中報告」というような形にしないと、や  はり外部の方から見るとこの検証委員会が提言するはずだったんじゃない  のか。これはどういうことなんだということになりますので、その御配慮  を恐れ入りますが、よろしくお願いします。 ○堀内委員 これについては、後で製本をする予定になっておりますので、  今日の御意見をいただいて、それを基に最終的に「案」を取った中間報告  書にいたしますので、その段階で考慮させていただきたいと思います。 ○寺野座長 ちょっと表現を変えた方がいいでしょうね。要するに、「提言」  という言葉が二重になっていることには誤解を生じるので、研究班の方の  「提言」という表現を考えさせていただくということです。入り口のとこ  ろで時間がかかってしまっておりますが、よろしいでしょうか。また意見  がありましたら、改めて後で申し上げますように来年度の委員会もござい  ますので、そこでも議論をいただきたいと思っております。   それでは、堀内先生、本当に今年度も大変でしたけれども、来年度もま  すます大変かと思いますが、ひとつ新しいメンバーも含めてよろしくお願  いしたいと思います。   では、続いて委員会の提言案についての議論に入ります。まず、事務局  から前回の会議からの修正点を中心に簡潔に説明をしてください。合わせ  て、資料5が今日配られたわけですが、来年度に残された課題、これは先  ほど坂田委員からもありましたが、これについても御説明をお願いします。 ○安全対策課長 それでは、説明としては見え消し版の資料2−2の方を使  って説明をいたします。   変更点ですが、第1に「はじめに」のところでございます。目次のとこ  ろの次の数字が書いてあるところの3ページに21年度の安全対策強化の  取組み等に関するフォローアップということについての記載を追加いたし  ました。   それから、「第2 薬害肝炎事件の経過から抽出される問題点」です。前  回の委員会でも検証のためにどの時点の視点かという議論がありましたが、  4ページの冒頭でその整理について記載いたしました。   以下、「(1)フィブリノゲン製剤に関する主な経過に対応した整理」に  ついては、堀内先生の研究班の作業状況や、各委員からの御意見を基にし  まして、12ページまでの記載の見直しを行っております。   それから、第3になりますが、「これまでの主な制度改正等の経過」でご  ざいます。これは16ページ辺りのところで、16、18、20という辺りにな  るかと思いますが、医薬品行政組織の変遷について、これは行政組織の現  状等の評価も行うこととするという記載をしております。それから、一般  用医薬品のリスク分類というものを新たに設けたということについても追  記をしてございます。   それから、第4に移ります。「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直  し」というところでございますが、22ページをごらんください。ここには  基本精神や責務の明確化の追加、それから「体制の強化」では地方自治体  の体制整備等を追記してございます。   それから、24ページをごらんください。ここの教育の部分ですが、薬害  を学ぶということや、消費者教育の観点といった点を追記してございます。   それから、このページの下の方ですが、御指摘のあった「治験」に関す  る項を追加してございます。   次に、26ページをごらんください。こちらの「添付文書」の項ですが、  「ア 添付文書の在り方」の部分に添付文書を承認事項としている欧米の  制度を参考に位置付けや手続基準を明確にするということを追記いたしま  した。   外国の添付文書の在り方につきましては、本日お配りしております資料  3、参考資料と書いてありますが、これを1枚めくった2ページ目に「米  国・EUの添付文書に係る承認の要否について」ということで参考情報と  して記載をしてございます。   それから、同じ26ページの効能効果及び適応外使用については、前回の  御議論を踏まえまして効能効果がエビデンスから科学的に設定され、明確  に記載されるべきということ。それから、適応外使用につきましても個々  の医師のみの判断で実施されるのではなく、医療機関、学会等の判断に基  づいて実施されるべきものであるということを基本とした修正を行ってお  ります。これについては、本日、更に御意見をいただいているところでご  ざいます。   それから、少し後ろに飛びます。32ページをごらんください。こちらで  は、御本人への伝達のところで診療の明細書の患者様御本人への交付につ  いても追記をいたしました。   それから、同じ32ページの適正広告に関しても記載を整理してございま  す。   それから、33ページをごらんください。(9)の「個人輸入」というところ  でございます。このページの次の34ページの方になりますけれども、コン  パッショネート・ユースの制度の導入というものにつきまして記載をしま  した。コンパッショネート・ユースはどんなものなのかということで、前  回御指摘のあった個人輸入に関する実態の調査については、先ほど紹介し  ました資料3の参考資料の方に更に追記をしてございますので、こちらも  御参考にしていただければと思います。   それから、同じ33ページの健康被害救済の項に、胎児の健康被害の取扱  いというものを追記してございます。   それから、(6)で「医療機関における安全対策」の部分でございますが、  この34ページにカルテの長期保存につきまして、それから35ページに薬  剤師の生涯学習等について記載をしてございます。   更に、(8)の医薬品行政を担う組織につきまして、これは前回も活発に  御議論いただきましたところでございますが、これが38ページ、39ペー  ジのところに追記をしてございます。   これに関連して、審査組織における医師等の処遇につきまして、その問  題点についての記載もしておりますが、御議論の参考のためにこの医師の  処遇についての資料というものが資料4の25ページに給料、報酬について  の金額の具体的なものが載っております。   それから、組織の見直し案というものについて幾つかのオプションがあ  るわけですが、そのそれぞれの比較というものを同じ資料4の26ページの  方に整理をしてございます。これも御参考にしていただければと思います。   それから、40ページに飛んでください。「(4)医薬品行政の評価機能等に  ついて」でございます。前回までの御議論を、40ページの最後から41ペ  ージにかけて記載をしてございます。第三者評価機関というものについて、  引き続きその在り方について検討をするという記載になっております。こ  の点について、冒頭御意見が出ているところでございますが、引き続き御  検討いただければと思います。   それから、これに関連しまして資料4の33ページの方に消費者庁に関す  る議論というものを少し追記してございますので、これも参考にごらんい  ただければと思います。   それから、41ページになります。「今後の検討について」というところ  でございますが、厚生労働行政の在り方に関する懇談会での検討も踏まえ  つつ、平成21年度以降もこの委員会の活動を継続するということにしてお  ります。   21年度の本委員会での検討課題というものにつきまして、冒頭に資料の  御説明ということで御紹介いたしましたが、資料5の1枚紙でございます。  これについての御意見ということで、主なものと思ったところをまず書き  出してございます。この資料5についても含めて御議論いただきたいと思  いますが、今は3点、21年度に行われる検証作業ということと、それから  21年度における厚生労働省やPMDAの市販後安全対策の進捗状況のフ  ォローというか、評価でございます。それからもう一つ、医薬品行政組織  の在り方という点です。とりあえずこの3つを挙げてございますが、21年  度にやるべき点については引き続き御議論いただきたいと思います。   以上、資料の説明でございました。 ○寺野座長 ただいま、資料2−2、それから資料5に基づいて御説明いた  だきました。時間の関係で簡潔な御説明でしたが、前もって配付してあり  ますのでお読みいただいていると思います。   それで、これを順番に今から確認をして議論をしていきたいのですが、  文章で御意見いただいた方も水口委員、坂田委員といらっしゃいますが、  それもそれぞれの箇所で参考にしながら御発言いただければと思います。   それで、時間がやはりいつものとおり限られておりまして、17時ごろに  舛添大臣はいらっしゃると思うんですけれども、できれば17時ちょっと過  ぎくらい、最大17時半には終わりたいと思っておりますので、その点は御  協力をお願いします。最後ですので議論が大変なものだと思うので、皆さ  んできるだけ協力していただかないと座長としても困ってしまいますので、  多くの方にできるだけ簡潔な御発言でお願いをしたいと思いますので、よ  ろしくお願いします。   それでは、まず第1に「はじめに」というところから御意見をいただき  たいのですけれども、この部分に余り時間をかけるわけにもいきませんの  で、よろしくお願いします。 ○水口委員 審議の順番について要望ですけれども、前からずっとやってい  くと、毎回後ろの組織の話について、時間がなくなってしまって、前回も  非常に大きな論点であるにもかかわらず、討議時間が不足したわけです。   ですから、今日は組織の中で、特に私も意見を出させていただいたんで  すけれども、監視組織の件について、これまでの討議の到達点というもの  についての認識が、今回配付されている案で皆さんよろしいのかどうか、  これだと、何も決まっていない、いろいろな意見が出ただけだというふう  に読めますので、これでよいのか、せっかく今までも時間を取って議論し  てきたところですので、ここを先に議論するという順番を御検討いただけ  ないでしょうか。 ○寺野座長 皆さんの御意見がそれでよろしければ、順番に関して変えるこ  とは何ら問題ないのですが、皆さんどうですか。「はじめに」というところ  から始めると本当に時間がなくなってしまうのは事実で、いつもそうなん  です。   では、大平委員どうぞ。 ○大平委員 今、水口委員のおっしゃられたことについてですけれども、こ  れだけではなくてある程度方向性が定まったところの議論、例えば今後の  組織の在り方とか、そういうところなども積極的な議論と余り積極的でな  かった議論について、それが同じような形で評価されているというのは、  このまとめ方としては適切ではないと感じました。   ですから、そこをきちんと配慮していただくのと、評価機関については  私も前回のときにコンセンサスはもうとれていると思っておりまして、そ  れを発言して、そしてそれについての異論はなかったはずですが、それに  ついて最終的にいろいろな方向性を示したような各論みたいなものが例示  されているというのは大変遺憾なことだと感じております。   ですから、きちんとある程度評価が定まった方向で、では何を議論する  かというところに今日は論点を移していただいて、そしてまとめに入って  いただきたいと思っております。今、特に評価が定まっておらずにそのま  ま羅列されているものについては、きちんと今日はある程度の方向性を示  してここに載せていただきたいと考えています。 ○寺野座長 いろいろな意見がありまして、それの軽重と言うと言葉が悪い  んですけれども、今、大平委員が言われたようなこともあると思います。   ただ、これはすべてを載せるわけにはいかないので、これが中心の議論  であったということと、それからそれぞれの意見が出たところのものを、  この夏のときの中間報告でも付けましたけれども、やはり意見書は出すべ  きだろうと思うんです。それぞれの皆さんの意見を公平に出す。ただ、そ  の中の主な意見として提言の中に出すということにまとめたいとは思って  います。   泉委員、どうぞ。 ○泉委員 「はじめに」のところでとおっしゃいましたので、それと今、大  平委員の言った内容に入っていきますけれども、「はじめに」の2つ目のパ  ラグラフに「国は」とありまして、真ん中辺りに「再発防止に最善かつ最  大の努力を行うことを誓ったところである」と書いてあります。そして、  最後の方で2パラグラフの後ろの方に「二度と薬害を再発させないことを  目標とする抜本的改革に着手する必要があるし、国は、政府全体として、  この改革に取り組むべきである」と記載されています。   ということは、前回あるいはそのもう一つ前の中で大平委員が言われた  ように、やはり第三者機関はつくるべきというコンセンサスは私も得られ  ていたと思います。にもかかわらず、先ほどの資料の4を見てくださいと  いうふうに安全対策課の方が言われましたが、ここの内容ではPMDAが  どうのこうの、あるいは消費者庁がどうのこうのということであって、違  いますよね。   実際に薬害を阻止するためにどうしたらいいかということを皆さん提言  されてきて、その一つには勧告の権限をどうするかとか、どういった組織  体制にするとか、評価機能をどうするかという具体的なところまで踏み込  んだじゃないですか。なのに、どうしてこの取りまとめの案にはそれが入  っていないのでしょうか。   平成21年度の会議はそれに向けてやるということを座長もおっしゃっ  たし、私たちも同じ意見、認識でここに来ているわけですから、勝手に変  えてもらっては困りますし、この内容に関してはやはり全部変えてもらい  たい。最初の「はじめに」で国が約束していることを私たちは取り組みま  しょうよというところまで行き着いたわけですから、こういう意見があっ  た、ああいう意見があったではなくて、こういうふうにすべきという具体  的な案が出ています。ですから、それをこれからやっていかなければいけ  ないという意識が統一したところで、そういうまとめ方にしていただきた  いと思います。 ○寺野座長 花井委員、どうぞ。 ○花井委員 今の点ですけれども、私の理解でも審査安全監視をする本体に  関しましては多分合意形成はなされていなかったと思います。公務員型、  PMDA、現状を踏まえ、いろいろありましたけれども、これに関しては  確かに論点になっており、合意形成はなかった。   この(4)に関しては、ここで消費者庁等のことをごちゃごちゃ書くために、  それがあたかも消費者庁をつくるのはいいことを言っているとか、そうい  う話になって座長がおっしゃられたいろいろな意見ということになるので  すが、私の理解では水口委員の意見書を今、読んだんですけれども、むし  ろこれでいいんじゃないか。   この水口委員の意見書のようなことで、私はこれに賛成ですけれども、  この勧告権限とか、調査権限とか、これに関してはもしかしたらそこまで  やると萎縮するとかという議論もあるのかもしれないので、それであれば  外してもいいのかなと。私は反対ですけれども、合意形成ができないので  あれば外してもいいと思うんですが、何らかの第三者機関が必要だという  ことについては合意形成があるという理解は今、何人かの委員の発言にも  ありましたし、それは明確に書いてしまっていいんじゃないかと思うんで  す。   その上で、それが消費者庁に向けるんじゃないかとか、そういうイメー  ジがあるものだからかえって議論が混乱するのであって、審査する本体と  は別の第三者的な、この新しい文案では評価機能とありますね。監視機能  と言うと、またこれは強い表現だから緩めたんだと思いますけれども、そ  れはいいです。評価で合意ができるのであれば評価機能でもいいんですが、  それを新たに外挿して第三者的につくるんだということに異論がなければ、  この辺りで最大限合意形成をここに書いてほしいと思います。   それで、よければ勧告権限、さっき大平さんが言った話だと思います。  勧告権限、調査権限を有するのかどうかというところについては、確かに  コンセンサスがあったかどうかというのは微妙かもしれません。そこを確  認していただいて、最低限書けるところは外装する第三者機関の必要性と  いうふうにちゃんと記述するべきだと私は思います。 ○寺野座長 ありがとうございました。私は余り発言すると怒られるので余  り意見は出しませんが、まとめという意味から言うと、さっき水口委員が  言われたように2−1の方の39ページの「医薬品行政の評価機能等につい  て」という点について、まず議論をするということでよろしいですね。ま  ず、ここの点について議論させていただく。そして、今いろいろ意見を言  っていただいておりますので、これに関して皆さんの御意見をお聞きした  いと思います。 ○大平委員 今、座長がおっしゃられた議論をするというのは、ある程度コ  ンセンサスが得られた内容について議論をするという話ですか。それとも、  そのコンセンサスが得られているかどうかについて議論するということで  すか。 ○寺野座長 両方です。それに関してコンセンサスが得られている。それと  似たようなことを前のときにも言ったんですけれども、皆さんそれに反対  がなければ第三者のそういう評価機関をつくるということについてはコン  センサスがあるということをまず前提として、そして具体的な問題をどう  いうふうに持っていくかというのは、その前提としての花井委員が言われ  たような問題もあるわけですね。A案、B案とか、そういうものも全く決  まっていないわけですし、それから具体的な問題としては今、基本的な方  向を確認すれば来年度も続けるということですから、恐らくこの組織論と  いうのはかなり中心になると思うので、ここで具体的には考えていくとい  う前提としてはそれはある。   ただ、ここの段階で最小限必要だというものを確認していただければと  結構だと思います。もうそれ以上は言いません。   では、水口委員どうぞ。 ○水口委員 本日、私は意見書を出させていただいたんですけれども、まず  第三者性を有する機関を設置するということはコンセンサスを得ていると  思います。   それと、もう一つは「評価」という言葉なんです。「監視」というものが  何となくイメージがよくないということで、言葉は別の表現でも結構です  よということを私は申し上げましたし、「評価」という言葉はどうかという  御意見も出たということは記憶しております。   しかし、その「評価」という言葉に変わった途端に中身が変わってしま  ったのではないかというふうに私は危惧しております。もしそんなに中身  が変わるんだったら、「監視」という言葉をきちんと、少なくとも今のとこ  ろは機能ということで話しているわけで、その組織自体を最終的にどうい  うネーミングをするのか。それは、また追って考えればいいことで、機能  という意味で言えば単に「評価」といいますと今、行われている一般的な  行政評価というふうなことをイメージしてしまうし、現に今回出てきてい  る内容はそういうふうにすり変わっているわけです。   しかし、少なくとも今までの議論や、提案させていただいた私の立場か  ら言えば、それは行政一般を評価するという話だけではなくて、安全対策  そのものについて具体的に個別の問題を含めて全般に意見を言うことがで  きる。もっと言えば、勧告できるというような、まさに監視というイメー  ジで最初に提案して議論をしてきたと思いますので、そこのところは混乱  がないようにするべきだと思います。 ○寺野座長 そのほか、御意見はございますか。今、言葉として「評価」と  いうのはどうか。機能だったら「監視」の方がいいんじゃないかという御  意見ですね。   小野委員、どうぞ。 ○小野委員 私は、やはり「監視」という言葉を残しておかないといけない  んじゃないかと思います。そんなにきつい言葉でしょうか。それほどでは  ないわけで、実際にやることは監視的な意味合いが強いわけですから、そ  れは残しておいた方がいいんじゃないかというのが1点です。   それから、議論が飛ぶ前に1つ確認しておきたいのですが、行政の監察  というか、監査みたいな話には、アメリカなどでやっている行政監査みた  いなもので、この間えげつない、にせの会社をつくってそれを厚生省が認  めるかどうかなどという法律すれすれのようなことをやって、それは認め  られたんです。実は、厚生省とかIRBとかの審査を平気でパスしてしま  った。これはどうなっているんだというようなことをやったエージェント  が、スパイ映画みたいな話ですね。そういうことまでやっている監査組織  がアメリカにはあるんですけれども、そういうものなどはまさに行政の仕  組みがちゃんとファンクションしているか。機能しているかという意味で  監査というか、監視ですね。   それとは別にもう一つ、ちょっと話がそれたら申し訳ないのですが、オ  ンブッズの話をここに書いていただいているんです。ちらっとこの(4)の中  に盛り込んでいるのですが、これは本来は別の話なんです。オンブッズと  いうのは苦情処理ですね。どう見ても苦情処理で、困った人とか、頭にき  ている人とか、あるいは内部告発で、うちの厚生省の上司は悪いことをし  ているなどという人が垂れ込みをするところですね。こういうものをきち  んとつくるという話で、これはもしコンセンサスが得られていないんだっ  たらこの会で是非御意見をいただきたいと思います。前回、私は提案した  のですが、こういう話まで評価というところで全然違う意味に用いられて  いるというのは、読んでいて非常に違和感を覚えるところであります。   ですから、行政の政策がちゃんと動いているか、あるいは今後の政策が  どうかというようなところの話ですね。監査、監察みたいな話と、それか  らオンブッズという言葉を正しく使って困った人とか、垂れ込みとか、あ  るいは今だったらマスコミとか、そういうところが騒いでくれて、弁護士  さんとかがついてくれて、国会議員さんが騒いでくれて、そうしないと当  局の人たちは会ってくれないという構図になっているんです。こういう構  図ではなくて、オンブズパーソンに気楽に会いましょう。いつでもどうぞ  という形で、それで商売をやっているお役人の人がいるという仕組みをつ  くっていただくということを前回、提案したところです。   この2つを是非、盛り込んでいただきたいと私は思います。以上です。 ○寺野座長 オンブズマン的なものは、日本語で言うとどういう表現なんで  しょうか。 ○小野委員 苦情処理人ですね。正確に言うと苦情受付窓口でしょうか。   これは、ないですね。あるとおっしゃると思うんですけれども、それは  御説明を聞きたいのですが、実質上はないと私は思っているんですが、い  かがでしょうか。 ○寺野座長 何か御意見はありませんでしょうか。水口委員の方は、監視・  評価機関という表現はどうかということで、その中に入ってしまいますか。 ○水口委員 私のイメージとしては、国民に開かれたというところにいろい  ろな意味を込めたわけです。構成メンバーに専門家以外の方も含める、被  害者や市民の代表の方も含めるという意味と、それからいろいろな問題提  起をきちんと受け止めるという意味です。   オンブズマン、いわゆる「苦情」の問題かというふうに言うと、苦情で  はないわけですね。   例えば、私はNGOの事務局長をしておりますけれども、この薬につい  てこういう点の対応が問題であるとか、こういうことをもっときちんと実  態調査すべきであるとか、いろいろ提言させていただいているわけですが、  きちんと御返事いただくことはほとんどないわけです。こういうものに対  してもきちんと対応していただけることが必要です。それは、苦情という  枠組みで考えると、ちょっと違うかなと。   小野委員のイメージがどうなのかというのはちょっとあるんですが、苦  情でも何でもいからとにかく言いたいことがあったらここに来なさいとい  う部門を1つつくるというのは賛成です。だけれども、この監視組織に、  いわゆる苦情ではない。苦情とは評価されないいろいろな提案とか、提言  とか、問題提起とかというものをきちんと受け止める機能は、きちんと持  たせるべきであると思っております。 ○寺野座長 どうでしょうか。確かに苦情処理という名前が出てくるのは文  章としてはいいんですけれども、機能、機関というのはどうかという気も  少ししますが、監視・評価機能ということで水口委員から言われているん  ですが、これの中に一応入れて、そして来年度のところで今のオンブズマ  ン的な機能をどういうふうに付与するかという議論をしていくということ  でいかがでしょうか。ちょっと言い過ぎですか。 ○水口委員 並列でも構わないと思うんです。いわゆる苦情処理は苦情処理  で、あとの監視組織はもっと提言するとか、その整理は今後の課題かもし  れませんけれども、絶対監視組織一本でなければいけないということでも  ないかもしれません。そこら辺は、私もまだ整理できておりません。 ○寺野座長 間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 監視というのが大事だと思うんですけれども、今は行政の監視  というようなイメージでだけなんですが、私はもっと広い意味での製薬業  界の動きとか、そういったものを含めて製薬業界と行政との関わりなども  あるので、その辺りの監視も含めてという意味だと、本当に監視というも  のが前面に出てくるべきなのではないかと感じています。 ○寺野座長 小野委員、どうぞ。 ○小野委員 機能が2つある。それを両方盛り込んでいただくのが必要なの  ではないか。後者の方は要らないと。会ってくれる人たちをつくりましょ  うというのが簡単に言うと私の提案なのですが、もし積極的に委員の方々  が、それは要らない。そんなものはアメリカにあればよくて、日本などで  はなじまないと言うんだったら、それはそれで結構ですが、もしそうでな  いのならば2つ両方機能として必要だ。   オンブズマンをここで多分このまま出したら、これは一般の方々が非常  に違和感のある報告書になって、オンブズマンというのは違うんじゃない  のと明らかに言うと思いますので、そういうところは直していただきたい  ということです。 ○水口委員 アメリカのオンブズマンなのですが、提供された資料が誤解を  招くような資料かと私は思います。間違っていたらまた訂正していただき  たいのですが、各部署にオンブズマンがいて、そしてそのオンブズマンの  センターがあって、またそれを取りまとめるというような形ですので、各  部署にいるオンブズマンは独任制の組織機関で、その後、それを全体にま  とめるというのがあるのかなというふうな理解をしているのですが、機能  としてそういうことをする人が要らないということをおっしゃる方はいな  いんじゃないかと思います。   そのことで足りるわけではなくて、先ほど申し上げましたように調査権  限を持ち、勧告権限も持つ管理組織が必要で、恐らくそれと今言った、ど  こからが苦情で、どこからが提言で、どこからが問題提起かという線を引  くのは非常に難しい部分はあるわけです。ですから、そこはうまくリンク  して有機的に機能するというようなイメージの組織をつくることができた  らいいのかなと今、思いました。 ○寺野座長 座長としては、一応こういう機能を置くということについての  コンセンサスはあるんだと、それに対する反論はありません。ですから、  これはこういう機能を持つということについては文章としてはっきりと水  口委員の提言に準じた形でいいと思います。   ただ、今のお話のように監視・評価機能と苦情処理を全く別に(5)として  立ち上げるか。あるいは、(4)の中に入れておいてもいいのかということを  決めていただかないと困ります。 ○大平委員 水口委員のおっしゃられた監視機能というのは、ここの中間報  告の中で予防原則というものがきちんと貫かれていると考えるんです。そ  うしますと、そのリスク評価とか、リスク管理とか、そういうものは行政  とかいろいろなところでもリスクについてやっていかなくちゃいけないん  ですけれども、スピーディーに、ではそれをどういうふうに評価して、そ  して不確実な要素について不確実な被害の発生を予測するとか、そういう  ことについてもそういう監視機能の中で賄うのかどうかというところとか、  そこがかなり規模の大きさとか、そういうものに関わってくる問題だろう  と思うんです。   ですから、そういう観点からいきますと、苦情処理の方の問題について  は確かに私たちHIVのときに最初に疾病対策課、昔のエイズ対策課です  ね。そこに苦情処理委員会みたいなものを設けてもらって、何かあったと  きに患者の苦情とか、そういうものをわかるようにしてほしいということ  を言って、そして一応は置いておいたんですけれども、薬事全体の問題と  しましたらやはりもう少し規模は大きくなると思うんです。   ですから、別項目立てでもいいんじゃないかと私は思っていて、それが  どういうふうにいろいろな行政との結び付きとか、そういうことでどんど  ん発言ができるような仕組みができていくということは大事なんだろうと  思いますので、機能としては少し分かれているのではないかと思いますの  で、別項目立てでこういうものも検討すべきだというような形で置いてい  ただければと思います。 ○寺野座長 いわゆる監視・評価機能になるんでしょうか、それは置いて、  苦情処理というものを独立させるかどうかということですけれども、これ  はどうでしょうか。(4)のA、Bとかという形で(4)の中に2つ立てる方が余  り違和感がないのかもしれないと思うんですけれども、もしそれでよろし  ければそういう形でこの苦情処理という問題を提起させていただいて、小  野委員が言われるように皆が必要ないなどと思っているわけではないので、  皆、必要だと思っているわけですから、そういう形にさせていただければ  と思います。   そのほか、この点に関していかがですか。大熊委員、どうぞ。 ○大熊委員 私は「苦情処理」という言葉が嫌いでして、昔からそういうも  のはなかったことにしてどこかへごみ処理みたいにしてしまうので、これ  は「苦情解決」であろうと思います。   前回、私は確かに大平委員がこの方向で皆さんよいですねと言って、皆  がうなずいたということを覚えておりますので、何で厚生省の事務局がこ  んなだらだら書いたのか、非常に不思議で、どこから圧力がかかるとこう  いうことになるのかという推測もできずに迷っておりましたけれども、名  称については監視・評価というふうにすることで少し強さが薄まりますし、  水口委員くらいにきりっと短く書けばそれでよいように思います。 ○寺野座長 私もそういうふうに提案しているので、そういう形でまとめさ  せていただくんだけれども、今の「苦情解決」でもいいですね。小野委員、  それでもいいんでしょう。それを(4)のBという形で表現させていただいて。 ○大熊委員 場合によっては、一緒になるかもしれない。苦情というのは素  人にもわかることであり、監視の方は素人が気が付かなくても本質的な問  題をいち早くやると。 ○寺野座長 では、この点だけの議論もしていられませんが、花井委員どう  ぞ。 ○花井委員 ここは行政、事務局が一番腰が引けるところなので、ちょっと  くどいようですけれども、大事なのは勧告権限とか調査権限なんです。こ  れを有するべきであると書くと、これは今回の報告書の中の目玉になるく  らい大変な内容なんです。   恐らくこれは一番事務局が書きたくなさそうな内容なので、先ほど私は  どちらでもいいと言ったのですが、異論がなければこの権限の方ですね。  機能の方は今の委員の皆さんの意見でいいと思いますが、権限が重要であ  ります。この勧告権限とか調査権限ですが、是非これを有したということ  を、問題なければ書いていただきたい。間違いなく書いていただきたい。 ○寺野座長 その点は、いろいろプレッシャーを受けてどうこうなどという  話も出たけれども、なかなか表現しにくかったと思うんです。それで、私  が読んでわかりにくいところもあるかなとは思ったんですけれども、今日  御意見を聞いてと思ったのですが、今のような調査権限、勧告権限という  のは文章の中にも出ていますので、これを正面切ってと。 ○花井委員 新しい一つの権限ですね。よろしくお願いします。 ○寺野座長 これは文章の中にもあるわけですからね。   では、坂田委員どうぞ。 ○坂田委員 私も賛成です。絶対譲ってほしくないのが勧告権限、調査権限、  そしてあと一つは国民の声を反映させる仕組みを整え、第三者的な立場か  らの勧告を行える機関、これは絶対譲っていただきたくないと思います。 ○寺野座長 わかりました。   山口委員、どうぞ。 ○山口委員 最後に余計なことを申し上げるかもしれませんけれども、今ま  で先生方がおっしゃっていた第三者的な勧告、監査機関は非常に結構だと  思うんですが、以前に堀先生も多分おっしゃっていたと思うんですけれど  も、外だけではなくてまず中で審査、あるいは安全性対策のプロセスがき  ちんと行われているという前提でないと、はっきり言って外からの監視、  監察というのは私は意味がないと思います。   だから、こういう議論は確かに結構だと思うんですけれども、中できち  んと自分たちで審査とか、あるいは安全性対策とか、その他もろもろの業  務がプロセス管理されていて、その上でという前提のところが、そういう  組織とまでは言いませんが、きちんと中でチェックできるような機構を中  につくっていただきたい、あるいは表に出ししていただきたいということ  です。そこがないと、外から幾らいろいろ勧告したり何かしても無駄だと  思います。   臨床試験だって、外からGCPの査察でがあがあ言っても、中でプロセ  スに従ってちゃんと実施されていない限り、ウェルコントロールされた臨  床試験というのはできないわけで、そこの議論が抜けた上での外部の監査  機構とか第三者機構というのは私は意味がないと思います。   ですから、先生方の今までの議論は非常に結構だと思うんですけれども、  そこの中の部分をもうちょっとしっかり見直さなければいけないというと  ころをきちんと書いていただきたいと思います。 ○寺野座長 内部からのそういう監査・評価機能が必要だということを書く   ことはできると思いますけれども、山口委員、具体的にどういうことです  か。 ○山口委員 例えば、中に各審査プロセスとか、チェックできるような部署  を設けて、中の人間がいいのか、あるいは外からだれか専門家を呼ぶのが  いいのか、その辺は議論があると思うんですけれども、きちんとそういう  中で日ごろの業務が妥当なプロセスによってちゃんと行われているかどう  かをチェックする、あるいは審査官同士でチェックするということでもい  いのかもしれませんけれども、そういう部署なり何かを設けてほしいとい  うことです。 ○泉委員 山口先生の言われる「中」というのは、どこのことを言っていま  すか。 ○山口委員 現在であれば、医薬品医療機器総合機構の一部署ということで  す。 ○泉委員 PMDAですよね。現実にPMDAが下ろした幾つかの形で薬害  も起きているということを考えると、もちろん先生のおっしゃることはわ  かるのですが、そこの体制を強化しないと外からのものはつくれないよと  いう話は、私はちょっと違うと思います。 ○山口委員 少なくとも、現在の体制の医薬品総合機構になってからは、今  回議論しているような肝炎のような薬害が起こったとは私は思っていませ  ん。 ○寺野座長 今の外か内かというのはなかなかあれで、ちょっと収拾も必要  なのですが、大平委員、簡潔にお願いします。 ○大平委員 今、山口委員のおっしゃられたことについては、もう少し議論  は整っているのかなと思っていましたので、とても残念です。きちんとそ  の機能を立て直すというのは内部努力の問題と、それからまたもしここで  必要でしたらそういうものについてどういう組織体制がいいのかというの  はまた議論をして、そしてここに盛り込むということが当然だろうと思う  んですけれども、リスク管理の在り方とか、それからまた何遍も言います  けれども、予防原則に立脚した安全対策ということを考えていきますと、  それは当然審査機関ですとか、そういうところも含まれた話になっていて、  そこについて、ではどういう形がいいかというのは具体的に今後の検討の  中で評価していく。   それで、特に機構の問題について言及しなくちゃいけないような問題が  あるとしましたら、それは書き込むというのは必要ですけれども、機構全  体のシステムがそこに書き込むところまでいっているのかどうかというと  ころはちょっと知りませんので、何とも言いかねるところはあります。 ○山口委員 それは、いい意味で取ってよろしいということでしょうか。 ○寺野座長 内部化、外部化というのは非常に定義も難しいところがあると  は思うんですが、実際にここの40ページにもちょっと表現は甘いと言われ  ていますけれども、第三者評価機能を外部、内部に置いた場合は云々とい  うふうなこともあるので、これは文章は変えますが、内部的なものも含め  た意味で来年度のところで、一体現状はどうなのかということを解析して  いないわけだから、それをした上で考えましょう。   ちょっとしゃべり過ぎてごめんなさい。 ○花井委員 そうすると、ややこしくなると私は思うんです。今の評価自体  が内部か、外部かという議論ではなくて、外装する監視機構という新しい  機能と、それから権限を付与したものをつくる話と、今、山口委員がおっ  しゃられた話に私は全く賛成で、それこそが本当は木の幹なんです。   それを本当はここでまとめたかったんだけれども、ここはまだまとまっ  ていませんねという話で、今のPMDAでやるのか、新しい庁をつくるの  か、もしくは昔の審査センターみたいな枠組みでやるのかはわかりません  が、内部にももちろんそういうものは必要だと考えているんです。これは  両方要る話であって、同じ機能を内部と外部のどちらに置くかという議論  ではなくて、内部に必要な相互監視機能、それはメインの木の幹に置くも  のである。それで今、議論をしてコンセンサスを得たと言っている話は、  山口委員が言ったようなちゃんとしたものをつくった上で、更に外挿する  こういう機能と権限ですよと、こういう理解です。   だから、泉委員は山口委員が外部を否定したような発言と受け取られた  ようですが、私はそうは聞かなかったんです。木の幹をちゃんとつくるの  は前提なんだけれども、木の幹の議論は間に合わなかったねという話が私  の理解です。木の幹に今は間に合わなくても、山口委員の意見を反映して、  そのような木の大きな幹に入れるということには私は大賛成ですし、現状  も一応その努力をしていることは知っていますし、それをちゃんとシステ  ム化するということは今後の課題です。   だから、それはもともと議論が違うんです。ですから、そういう整理は  せずに、やはり内部における相互監視のファンクションと、それから今、  言っている外装する組織のファンクションは違うものというふうに理解し  ないと、せっかく今、整理した(4)がぐちゃぐちゃになると思いますので、  よろしくお願いします。 ○寺野座長 今、PMDAそのものにも評価的な組織はありますよね。だけ  ど、それはそれとして来年度にそれを具体的にやろうということにしない  と、これは収拾がつかないので、外か内かという議論だけで……。   では、どうぞ。 ○水口委員 山口委員は、第三者組織の監視機関が要らないとはおっしゃっ  ていないわけです。自らチェックする機関もその大前提として必要だと言  っておられるわけです。ですから、まだその中身の議論はできていないけ  れども、それも必要だとただ書けばいいんじゃないでしょうか。それで、  その内容については今後検討する。要するに、自らチェックする機関は必  要である。それと合わせて第三者の外部の機関も必要であると書く。この  ことで、解決できると思っています。   加えて、第三者機関が機能するためには内部がちゃんとしているという  ことと、外部からのチェックがちゃんとできるように、その組織が透明性  を持って説明責任を果たせるような組織であるということが重要で、その  ことを両方書き込めばいいだけのことだと理解しています。 ○寺野座長 私もそう理解しています。   高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 私も同じような意見で、ここの提言に書かれている内容を国な  りPMDAがしっかりやれば、おのずから結果が出てくるだろうと思いま  す。それに加えて外部でどの程度の監視組織なり、評価組織をつくるかと  いうところを考えていけばいいと思っています。 ○寺野座長 では、堀委員、どうそ。 ○堀委員 山口委員の件については花井先生と水口先生がきれいにまとめて  くださったので、そこは私も同意見なのですが、第三者の委員会の方も確  かに総論としては必要ですけれども、逆に私も意見を聞いていて、現実的  に、ではだれがどういうふうにこういう難しい作業をやっていくんだろう  ということを考えたとき、ここの第三者の機関というのも責任はかなり重  大になってきますね。   決して人ごとではなくて、その方たちも当事者としてまさに今後の薬害  の発生を予防するための非常に重要な責任を担ってくるわけですから、そ  この在り方というのも来年度以降、継続審議するのであれば、そこについ  ても組織の枠組みだけではなくてちゃんと議論していった方がいいかと思  います。 ○寺野座長 ありがとうございます。   では、ここの議論は今、水口委員、花井委員から言われましたように、  内部的なものも含めて当然のことながら外部的な第三者監視・評価機構も  つくるということについてコンセンサスがあったということでまとめます。  そういうことでよろしいでしょうか。それで、具体的には来年度に組織議  論をする中でこれをやっていかざるを得ないと思います。その辺は皆さん、  よく考えておいていただきたいと思います。   それでは、大分時間も過ぎましたので、そのほかの点について、これは  「はじめに」から順番というのはどうこうという話がありましたので、こ  こがポイントだと思われる方はそれで結構です。ただ、時間内には終わる  必要があるので御協力をいただきたいと思います。どなたからでもどうぞ。   坂田委員、意見書を出されていますが、たくさんあるのでまとめてお願  いします。 ○坂田委員 では、要点をまとめます。   まず「はじめに」のところの最後に、やはり座長の名前を書いていただ  きたいということです。私の意見書の7ページですけれども、ちゃんと検  討会の寺野座長の名前をきちんと入れていただきたいということがまず1  点です。   それと、この文章全体に主語がないんです。だれが何をしたのかという  ことですね。だから、厚生省とか、厚生労働省とか、旧ミドリ十字とか、  いっぱい私が付け加えました。   それと、専門用語がぽつぽつ出てきますので、最後に用語解説というも  のを是非つくっていただきたいと思います。やはりだれが見てもちゃんと  わかる文章というものが提言書だと思いますので、そこを是非お願いしま  す。   それから、今回は赤で書いていただいているのでとてもうれしかったん  ですけれども、私の意見書の17ページの(3)番です。「学会並びに医療現場  での情報活用」という形に是非書き換えていただきたいと思います。   あとは、18ページの上から5行目です。この間、私は削除していたと思  うんですけれども、また付け加えてあったんですが、「不必要と思われる投  与もなされていた可能性があった」としてあります。すみませんが、今回  ここは訂正し忘れたんですけれども、「投与もなされていた」です。実際に  出血もほとんどないのにフィブリノゲンを投与されたという方もいらっし  ゃいますので、ここは「なされていた」に是非よろしくお願いします。   それから、25ページの(1)の「基本的な考え方」で(1)。ここに、薬事法  の見直しを是非入れていただきたいと思います。  26ページにいきますけれども、「検討する」ではなくてやはり「薬事法  の見直しを行う」。そして、きちんとした薬害の定義を明記していただきた  い。   それから、第1条ですけれども、目的のところの「品質、有効性及び安  全性の確保」というものの順番を変えていただきたいと思います。   それから、1点訂正ですけれども、29ページです。上から10行目で、  CROのことです。「開発業務委託期間」というのは字を間違って変換して  しまいました。ここは「機関」です。それで、ここのGCP調査ですけれ  ども、治験というものを今回入れていただいて本当にありがとうございま  す。やはりヘルシンキ宣言にあるように、きちんと人権というか、被験者  の人権を守るということを是非入れていただきたいと思います。   それから、41ページです。医療機関とか行政が求められるものというの  はいろいろ書いてあるんですけれども、いわゆる企業に求められる基本精  神というものが抜けているんです。だから、ここは企業に求められる基本  精神ということで、いわゆる2010年問題とか、そういったことで今からま  すますコンプライアンスとか、企業モラルがとても大切な時期にくると思  いますので、ここをきちんと入れていただきたいと思います。   それから、提言からちょっと離れるんですけれども、3月25日の北海道  新聞によりますと、旧ミドリ十字社の子会社、バイファ社が血液製剤の承  認時のデータを改ざんしていたという件が載っていましたが、あれだけ問  題を起こした会社がまだこんなことをやっている。こういうことがあれば、  製薬会社すべてが信頼できなくなります。バイファ社と親会社である田辺  三菱製薬に対する処分は、厚労省としてどのように考えられているのでし  ょうか。今回、毅然とした態度で処分をしていただかないと、また同じこ  とが起こるし、薬害にもつながる可能性があると思います。これは質問で  す。 ○寺野座長 最後は質問ですから、何か答えはありますか。 ○監視指導室長 監視指導室長でございます。今、坂田委員から御指摘のご  ざいました田辺三菱あるいはバイファ社が公表した件でございますが、厚  生労働省といたしましてはきちんと調査を行政として始めておりまして、  その調査結果に基づきまして厳正に対応をする予定でございます。今、作  業を進めているところでございます。以上です。 ○寺野座長 坂田委員からはかなり詳しい意見書をいただきまして今、簡単  に説明していただいたのですが、今、指摘されたところは御議論があれば  御議論いただいて、ほぼそうかなと私は思うんですけれども、今、指摘さ  れたところはきちんとチェックしておりますので、そういう方向で考えて  いきたいと思います。   何か今の坂田委員の御意見に質問はありますか。 ○泉委員 追加でお願いしたいことは、11ページの(2)にPPSB−ニチヤク  の最後の行に「臨床試験は11例のみだった」とあります。それで、元に戻  ってもらって4ページの(1)の(1)、上部の方に「臨床試験の資料は、症  例数は最小限の数に合わせたもので」とありますけれども、これは2例く  らいだったように思うのですが、もしわかっていたらここの症例数は一緒  に書いていただけますでしょうか。 ○寺野座長 それはわかりますか。11ページの真ん中くらいの「11例のみだ  った」というのと、4ページの「最小限の数に合わせたもので」という症  例数ですね。 ○泉委員 それから、5ページです。(2)で名称変更に伴う承認取得のところ  の5行目に、「新たな資料提出が求められることなく承認された」とありま  す。厚生労働省のどちらの方が承認されたか、すみませんが、部あるいは  課も含めてここに記載していただきたいと思います。それは、今後のため  であります。 ○寺野座長 そのほか、どうぞ。 ○水口委員 意見書を出させていただきましたので、それをごらんいただき  たいと思います。   監視機関の点については、先ほど申し上げました。   2点目として、適応外処方について前回かなり時間を取って議論をした  のですが、書きぶりの問題として、前回、堀委員や友池委員から出た御意  見も踏まえた内容に原案がなっているとは私は理解しなかったんです。   原案は、個別の医療機関の問題に結局帰着してしまうような書き方にな  ってしまっているのではないかと危惧しましたので、修正の文案を提案い  たしました。御検討いただきたいと思います。   それから、医師主導治験についての支援というのは大事だと思うんです  けれども、その話はむしろ新しい項目に移してはどうか。今回提案された  案には「治験」という項目ができたんですね。しかし、「治験」という一項  目を立てながらものすごく寂しい内容になっているんです。「治験」という  項目を一項目立てていただくことは大変結構だと思うのですが、それをす  るのであれば、この意見書の3番に書きましたように、「知見の適切な集積」  の項に書かれた臨床試験に関連する記述を、前段の「治験」の部分に、こ  の標題を「臨床試験及び治験」というふうに変えた上で移してはどうか。  その際に、表現を、より提案の内容が明確になるように修正してはどうか  ということです。   特に、この点については、書きぶりの問題だけではなくて、内容にわた  る問題もあります。もともとここの部分というのは、私が11回の会議用に  出した意見書に記載した内容を取り入れていただいた部分で、そこにはも  ともと被験者の権利をはっきりさせようという趣旨の記述があったのです  が、今回修正の段階で、なぜか「権利」という文字が消えているんです。  どうしてそこを削らなければいけないのか。書いた上で、委員会で反対意  見があれば削ればいいだけです。人の意見を採用しておくときに、重要な  ポイントだけ削除してぼやかすというのは非常に不誠実なやり方だと思い  ます。ですから、そこは、改めて前よりももっとむしろ明確な形で提案さ  せていただきます。   それから、医師主導の治験の話が前回出て、案にも出ていたのですが、  そういったことを考えますと、やはりもっと臨床試験そのものに対して、  企業がやる臨床試験以外の部分について、きちんと適応外処方の問題を解  決するという趣旨もありますし、また、内容についてきちんと客観性を保  つというためにも、公的資金による臨床試験というもう一つの枠組みを持  つという意味で、積極的に財政的支援をきちんとやるということを、この  際、打ち出してはどうか。公的基金の設立という例示もさせていただきま  したけれども、今日ここでは新しい提案ですので、御同意いただけなけれ  ばまた来年度以降でも結構ですが、提案はさせていただきたいと思います。   それから、4番の「患者からの副作用報告制度」です。ここは、26ペー  ジにいろいろな機関からの情報収集体制について書いてあるのですが、「患  者からの副作用報告制度」のところだけ文末がものすごく消極的です。あ  とは皆、「実施する」とか、「やる」とか書いてあるのに、患者からの副作  用に関する情報を活かせる仕組みのところだけ「検討する必要がある」と、  要するにやるということについて合意をしていないというふうにも読める  ような書きぶりになっているので、ここは今日御異論がなければ、ほかの  ところと肩を並べてきちんとやるんだということを明確にしていただきた  いと思います。   それから、添付文書については元の文案の趣旨がわかりにくい。もとも  とこの文章が入ったのは、研究班の報告書の中に承認事項にしてはどうか  という提案があって、そのことについて意見交換をした。そういうことを  踏まえて、承認時の位置付けについて海外との関係できちんと見直したら  どうかということでは入ったわけです。それをどうするかというのはこれ  からの議論ですが、読んだ人にとって問題意識がわかるようにはっきり書  く必要があるのに、原案はそこの趣旨がくみ取れませんので、もう少し明  確な形でこのような記載をしたらどうかということで、意見書で文章を提  案させていただきます。   あとは、グレー情報の伝達を積極的にやるという項目ですね。全体の含  意としては含まれているのですが、明確な記載とはなっていませんので、  ここをしっかり書くということはこの提言を貫く「予防原則」というもの  を具体化するという意味で必要なのではないかと思います。   それから、コンパショネート・ユースについては、前回、小野委員から  御提案があって文案に入っているわけですが、これを導入することを検討  するということは、既に他の検討会で提案されていることなので、むしろ、  薬害防止のための当委員会としては、導入を検討する際に重要な視点とい  う点で、注意喚起をする表現、文章がこれは適当かということは御意見が  あれば修正していただいて結構なのですが、そこを加えないと、この委員  会で、あえて何か言うという意義がないのではないかということで、文案  を提案させていただきました。   あとは、38ページの「緊急的な取組について」です。ごらんいただくと  1ページ書いてあるのですけれども、これはこの委員会でどなたか言った  ことなのか。書いてあることをやること自体、悪いとは言いませんが、非  常に異質な感じがするんです。つまり、行政とかPMDAの方が何か宣言  しているようで、これを見ていると100人増員したのはこの3件に特化し  てやるためだけかと。100人増員した目的は、ここに列記されている3つ  の事項に収れんされるように読めますが、そのような議論をした覚えはな  いんです。   どの項目も大事で、その優先課題をどういうふうに付けるかということ  であれば、それはこの委員会できちんと議論すべき事項です。ここの記述  は全体としてこれまでのこの委員会の議論を正しく反映させたものとは言  い難く、非常に異質な感じがしますので、全体に再考するべきだと思いま  す。   あとは、標題ですが、継続することがわかっているので、20年度提言と  か、これは第1弾だということがわかるような標題をきちんと付けるべき  だと思います。   1人で余り長くしゃべり過ぎましたので、一度、ここで切ります。 ○寺野座長 ありがとうございました。大事な御意見で一つひとつ重要なの  ですが、これを一つひとつやっていくととても時間がございませんので、  今、水口委員から指摘された問題点について皆さんから御意見があれば、  このままでいいという意見なのか、ここはやはりその意見ではまずいとい  うことなのか。その辺をちょっと議論していただければと思います。ポイ  ントを突いておられるとは思います。   どうぞ、泉委員。 ○泉委員 先生の意見を拝見させていただきました。そのとおりだと思いま  すので、特に標題を変えてもらう件、それから38ページ、39ページの件  も非常に、何でここにこれが出てくるのかなということがありますので、  こちらのところで話し合った内容にそぐうと、先生の言われたとおりであ  りますので、削除するなり、変えるなり、そういう検討をお願いしたいと  思います。 ○寺野座長 そのほか、いかがですか。これは、38ページの標題と、38ペー  ジの100人増員の緊急取組みについてということは、これに関しては要ら  ないということですか。 ○水口委員 データベースなどは私も賛成して大いに意見を言わせていただ  いたので、大事なことだと思うのですが、ここは、100人増員した分がこ  の3点だけでいいというふうにも読めるような書き方なんです。そういう  意味では、紛らわしいので書かなくてもいいんじゃないか。どれもしっか  りやっていただきたいというのが私どもの意見だったんじゃないのでしょ  うか。 ○寺野座長 もちろん全部大切なことなので、まだほかに書くことがあるか  ら加えるべきだということなのか。これはカットするか。予算の問題も多  分あると思いますので、行政の問題はあると思うんですけれども、事務局  の方はこの38ページについてはどうなんですか。 ○総務課長 確かに御意見があったということで、資料2−2ですと40ペー  ジの冒頭のところを水口先生から御指摘いただいているんだと思いますけ  れども、私どもの予算要求といいますか、100人増員の理由がこういう理  由であったということで説明をさせていただいている部分ということであ  りますが、この検討委員会として不要だということであれば別に削除して  いただいて結構かと思います。 ○寺野座長 この問題は、恐らく来年度の実際に今までこういうふうに予算  要求して組織が変わってきたこと、そして今からどう変わるべきかという  ことを総括し、なおかつ方針を出すというところで非常に大きな問題にな  るとは思うんです。ですから、ここへ書いておくか、来年やるんだからこ  れは切ってしまうかという問題ですが、いかがでしょうか。   大平委員、どうぞ。 ○大平委員 これは、かなり作文し過ぎなんじゃないかと思うんです。です  から、やはり端的な指摘があった部分だけを書いておけばよろしいのかな  と思うので、そこの整理としてすべてこの形が現状では方向性としてはベ  ストだよというような感じにとらえられてしまうというのと、それからこ  れまでの見直しの議論の中でここだけかなり具体的かつ予算の面もあるの  でしょうけれども、本当にきちんと書かれ過ぎているのではないかと思い  ました。   それで、これは本当に削除するのか、適宜項目のところだけ必要な部分  だけ抜き出していくのかというような感じで、是非検討していただけたら  と思います。   あとは、ほかの件でもよろしいでしょうか。 ○寺野座長 ちょっと待ってください。この件はどうでしょうか。事務局と  して、これはなくしてもいいのか。あるいは、予算要求した手前、こうい  う文章がなくては困るのか。 ○総務課長 最後の報告書の提言の取り上げ方だと思いますけれども、今、  全く削除した方がいいという御意見と、少しどういう機能といいますか、  そういうことを期待して増員が図られているかということもありますので、  3つに限らず、3つのことを例示するような形で簡単に2、3行で書いて  しまうということも可能だと思います。   ここら辺はまた座長とも御相談をして、削除するよりは少し残した方が  いいということであれば、そういう御提案をさせていただこうと思います。 ○寺野座長 意見はいろいろありますけれども、少しここに力が入り過ぎて  いるという感じが私も読んでいてしたのは確かなんですけれども、これを  少し簡潔に例示する形で出させていただいた方が、今後の予算の問題など  からもいいのではないかと思いますので、その点は工夫をして、2、3行  とは言わないまでもできるだけ簡潔にまとめさせていただいて、後でまた  メール等でお知らせをしたいと思います。   では、どうぞ。 ○大平委員 「はじめに」で、かなり具体的に薬害防止のための心意気とい  うものが反映されて書かれておりますけれども、第4の21ページから始ま  る「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し」というところは、いろ  いろ「基本的な考え方」というものが下にずっと書かれているので、あっ  さりは書いてあるんだろうと思うんですけれども、「薬害の再発防止のため  の医薬品行政等の見直しについて、以下のとおり提言する」というところ  で、もう少し力を入れた語句を入れた方がいいのではないかと思いました。  これは、絶対薬害の再発防止に努めるということを少し強調した語句を入  れていただけたら、もう少し「基本的な考え方」にその精神が伝わってい  くのではないかと思いました。   あとは、23ページの「人材の育成・確保の在り方」の中に、「予防原則  に立脚した施策の提言を客観的に行うことができる組織文化の形成に努め  なければならない」。これは、人材だけではなくて基本的な「医薬品行政に  携わる者に求められる基本的精神」の中の最初の方にそれがあってしかる  べきではないかと思うんです。ですから、位置付けとしては今後の人材育  成とか確保の在り方だけではなくて、本来的に基本精神の中にこれがあっ  て、そしてそれが今、人材育成の中にも反映されているという形でいくべ  きではないかと思いますので、その精神をできれば21ページの中に組み込  んでいけるように持っていっていただけたらありがたいと思います。 ○寺野座長 今の点は、大平委員は初めから人の問題として言われていたこ  とですから、これはメール等で文章をできたら大平委員にお考えいただけ  ますか。 ○大平委員 わかりました。   あとは、31ページに「新たなリスク管理手法の導入」というものが(4)で  ありますけれども、これについては最終的には、製薬企業に自発的に予防  原則に基づき、より一層効果的な迅速に安全対策を講じる体制を確保すべ  きであると、それはそのとおりだと思うんですが、このリスク管理につい  て行政ですとか、それからまた各関係機関のリスク管理についての記述と  いうものがほかに余り見当たらなかったというところで、これは企業だけ  ではなくて行政サイドの予防原則というものがきちんと成り立っていない  と、結局は最終的にはだれが判断してだれが薬の安全な承認、それからま  た何かリスクがあったときには止めるかという判断の根拠にもならないの  ではないかと思いますので、それはどこに置くのかをちょっと考えていた  だきたいと思います。   あとは、リスク管理手法の導入の中にも、医療の問題としてチームでと  いうような記述がほかのところにもありますけれども、チーム医療のよう  な形でいろいろな方たちが関与してリスク管理ができる方策をやはり考え  るべきではないかと思いました。その中に、倫理的な問題も見定めた形と  いうものが具体的な行政のリスク管理の中に置かれるということも必要な  のではないかと思いました。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。基本的にはそういう形でいいではな  いかと思いますが、皆さんその点は異論ないですね。   では、高橋委員どうぞ。 ○高橋委員 業界代表というわけではないんですけれども、この場はなかな  か厳しい立場に置かれている状況で、発言というのもまた難しいんですが、  この内容としては確かに一企業、一部の企業がやったことというところで、  かなりそれを代表して製薬企業は云々という形になってしまっていて、そ  れがすべての製薬企業に当てはまるような文章になっているように、私は  被害者意識的にそういうふうにとらえてしまっています。   具体的には、31ページの(6)の適正広告のところについても、これでいく  と過度にこういう場合があるということは10年、15年前は確かにこうい  うものもあったかもしれませんけれども、最近は例えば概要審査会をつく  って第三者の意見を求めて、そういった審査会で製品概要のチェックをし  たり、各薬剤師の方とか病院の施設の方に意見をもらって直したりという  ようなことで、かなりこういう点について業界としては改善されていると  考えています。   こういう記載にすると、実際上すべての企業が同じようにやっているよ  うにとられてしまうので、そこら辺の書きぶりを御検討いただければと思  います。ちょっと愚痴になってしまいましたけれども、そういうことです。 ○水口委員 私は、むしろ最近の問題意識としてここの適正広告について提  案させていただいているわけです。マーケティングの戦略の一環として、  広告なのか、啓発なのかよくわからない文章だけれども、実情は広告であ  るといったものはむしろ多くなっているのではないでしょうか。   実際に具体的な例を挙げさせていただけば、タミフルについて厚生労働  省が10代についての投与を原則禁止したわけですけれども、その禁止の通  知があるにもかかわらず、中外製薬は子どもを表紙に使って、異常行動に  ついての因果関係はよくわかっていません。インフルエンザのときはちゃ  んとお薬を使いましょうと、こういうパンフレットをすべての医療機関、  すべての医師に配っているわけです。   そういう現状があったり、イレッサのときには非常に責任ある立場の方  が、承認前から、製薬企業の広告記事に出て、対談という形式をとりなが  ら非常に効果が高い。副作用が少ない、毒性が少ないと言い切るというこ  とをしているわけです。   その例を挙げてくれと言えば、私はたくさん挙げることができます。そ  ういう問題意識で提案させていただいているんです。ですから、昔のこと  だとおっしゃられると、それは私は違うと思います。業界のすべての企業  がそうではないとおっしゃるということは受け止めますけれども、この記  述が何か不当なものであるというふうには私としては思っておりませんし、  この場を借りて申し上げれば、業界団体の方には業界全体の信用性に関わ  ることですから、もうちょっと内部での自主規制というものを強化してい  ただきたいと思っております。 ○寺野座長 小野委員、どうぞ。 ○小野委員 2点だけですが、今の点については確かに大問題になっていま  す。先生方は御存じでしょうが、アメリカでこれからやばいことが何か起  きそうな領域ベストスリーみたいなものを挙げているんですけれども、監  察局の中で今の話の適正な情報提供ですか。売るときのコマーシャルのチ  ェックが全然効いていない。FDAみたいな何十人もそれ専門の、企業が  どういう売り方をしているかという反則金みたいなものをチェックするよ  うな審査官たちがいるにもかかわらず、チェックが全然足りないと言って、  これから火を噴くかもしれないぞという領域に挙げられているということ  は多分御存じだと思うんですけれども、FDAの中でハイリスクエリアと  いうものを挙げる3つか4つの中に入っているんです。   アメリカですらそういう状況で、アメリカでそれをきちんとやろうと思  ったら100人単位で人が足りないというんです。そういうことなので、こ  れはこれから大きな問題になるかもしれないのですが、ずっとウォッチは  していかなければいけないということだと思います。   それで、私の申し上げたいことのもう一点は、実際にページ数でいきま  すと見え消しで入っている部分の22ページとか30ページ辺りですね。「情  報の円滑な提供」という辺りなのですが、基本的に情報伝達ということで  すね。これはドクターレターだとか、緊急安全性情報だとか、医薬品・医  療機器等安全性情報だとか、危ないことが起きたときの副作用等の伝達、  これはわかるのですが、ほかにもいろいろあるわけですね。いろいろな措  置をとりましたとか、こういうふうに直しましたという通知というもので  すね。事務連絡などもありますけれども、これも委員の先生方は御存じだ  と思いますが、これは今は都道府県にいくんですね。都道府県知事という  ことで、お上から地方のお上にいって、それで地方のお上が国民に周知徹  底してくれといく形になっていて、全然国民向けの直接のメッセージが今  はないような気がするんです。   これは私の認識が違っていたら直していただきたいのですが、メッセー  ジの出し方という意味でも患者さんによろしくだとか、国民の皆さんへと  いうメッセージの出し方で、お上から、中央幕府から地方の藩のトップに、  下々の者に申し伝えてくれというような形ではない情報提供の仕方ですね。   現実にファックスで送っているじゃないか。これはそうかもしれません  が、これは建て前だけの話ではないような気がするので、特にファックス  とかで入れている部分ではない部分です。こういう措置をとりましたとか、  何かしましたとか、事務連絡などというものですね。最近は大分よくなっ  てウェブで見られるようにかなりなっていますけれども、数年前にちょっ  とさかのぼると全然国民はわからないんです。読み取れない。私どもプロ  の研究者ですらデータがなくて、専門の業者さんから本を買わないと厚生  省が何を言ったかがわからないという状況になっていました。   こういうところについて、具体的に言うと22ページとか30ページの辺  りですね。例えば、行政通知の伝達の仕方、発出の仕方を含むとか、そう  いうことを入れて今後どういう形が国民にとって、患者にとってフレンド  リーなのかということを検討していただきたいと思います。以上です。 ○寺野座長 どうぞ、大平委員。 ○大平委員 今、製薬会社の代表の方から被害者意識みたいな感じで、大変  座り心地が悪いのかもしれませんけれども、でも薬というのはやはり大事  な問題なのでここで議論されていると考えています。   ですから、例外的かもしれませんけれども、いろいろ製薬企業の中で問  題を起こしているというところで、こういう薬害の問題ですとか、それか  ら健康被害が起きているということについて、私たちもそのメリットを享  受する中でデメリットとか、そういうものもあるということで、ではこれ  について問題が起きた場合に皆でどういうふうに対処しようかというよう  な方向で議論に臨んでいただくことで、今、小野委員が言われたようなフ  レンドリーなこれからの組織体制というものができていくんだろうと思い  ます。   ですから、製薬会社の方もやはり時代の変遷もあるのかもしれませんし、  社会化していく中で透明性を持って、そしてまた正しい情報とか、それか  らまたリスク、危険があった場合にはどういうふうに対処するかというこ  とで、そういう基本的な体系をこれから考えていこうというところで、是  非被害者意識的な感情ではなくて、一緒になって、ではどういうふうに変  えていこうかというようなところに立っていただいて、そして当事者の話  もきちんと受け止めていただいて、それを製薬企業の安全性とか、それか  らまた健全性に反映していただけるような方向で持っていっていただくこ  とが大切ではないかと思いました。 ○寺野座長 ありがとうございます。   高橋委員、何か反論はございますか。 ○高橋委員 反論は特にありませんけれども、確かに愚痴と言ってしまった  のがもともと問題かもしれませんが、こういう形でよりよい方向で考えて  いくというところは私たちも考えていかなければいけないところかと思っ  ています。   そういった形で、私たちはどこまで対応できるのか。業界としてどこま  でレベルアップをしていくのかという点について、業界で考えていきたい  と思っています。どうもありがとうございました。 ○寺野座長 今からでも積極的に発言されてもちろん結構です。反論すべき  は皆、反論しますので。 ○高橋委員 反論すると、何か集中砲火を受ける状況ですので、なかなか発  言は難しいんですけれども、できるだけ発言したいと思います。 ○寺野座長 間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 追い討ちをかけるつもりはないんですけれども、本当に被害者  は目のかたきにしているわけではないんです。私も病気を持っていますの  で、製剤企業の方にはいい薬を早期につくっていただきたいと希望してい  るんですけれども、ただ、広告の方法などがえげつないことをやっていた  のは10年くらい前の話だというようなことはちょっと聞き捨てならない  ところがあります。   やはり現在のテレビコマーシャルですとか、患者会に対する金品ですと  か、そういったものの供与というものが今後問題にならないようにきれい  にやっていただきたいというところがあります。現在のコマーシャルの、  例えばこういうことがあったらウェブ検索というものが本当に実際にいい  のかどうかということをもう一度業界の皆さんも見直して検討していただ  きたいと思います。   それから、別の話なんですけれども、個人輸入のところで前回、薬監証  明についての情報を早期に電子データ化するということを書いてほしいと  言ったと思うんですけれども、それが書かれていない。これはすぐできる  はずなので、例えば薬監証明に記載された情報を早期に電子データ化して  使用数量とか使用実態ですね。これは、使用疾患ではなくて使用実態とい  うふうに是非書いていただきたい。   それから、その下の未承認医薬品に係る副作用情報に関してではなくて、  情報を積極的に収集しというのを是非入れていただきたいと思います。   それから、薬害教育については23ページで、「例えば、学校薬剤師等に  よる薬物乱用対策の」というようなことが入っているのであれば、私とし  ては例えば学習指導要領に薬害という文言が記載されるように関係行政機  関に働きかけをするということが書けないのかなと思います。ここは関係  省庁というか、関係行政機関と連携し、ということが全然ないので、もし  書けるのであれば書いていただきたいと思います。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。事務局の方、今の指摘はピックアッ  プしていますね。   今の意見について何か御意見はありますか。 ○大熊委員 今の「薬害教育・医薬品評価教育」の4行目に追加していただ  きたいんですけれども、大学の医学部・薬学部教育においてこういうこと  を教育しなければいけませんよというところに続いて、言葉はどうでもい  いんですが、これは医師、薬剤師、看護師の卒後教育、生涯教育について  も更に重要であるとか、特に重要である。実際にここにいらっしゃる方が  薬害を受けたのは、卒後教育がだめなために安易に薬を盛った方によるも  のなので、前回も申し上げましたが。   それから、同じページの「治験」という言葉ですが、水口委員も臨床試  験と治験というふうにしてほしいとおっしゃっていたことに私も賛成で、  余り世の中で「治験」という言葉は普通の生活には出てこなくて、実態が  あたかも治療であるかのごとく装うためにだれかが考え出した言葉ではな  いかと私は思っているので、事の本質を表すためには臨床試験と治験とし、  それから「権利」という言葉を是非とも盛り込んでいただきたいと思いま  す。   まだ厚生労働省は具体的に行動を起こしてくださっていないようですけ  れども、金沢大学病院で副作用を減らす薬を調べるために、わざわざ元の  がんの薬をたくさん投与したということがあり、そういうことについて良  心的に振る舞った人が村八分になるというようなことが現実に起きて厚生  労働省に訴えているけれども、まだ何もしてもらえないというようなこと  もありますので、「権利」ということは是非うたっていただきたいと思  います。 ○寺野座長 ありがとうございます。   高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 先ほどのテレビコマーシャルの件ですけれども、すべてのテレ  ビコマーシャルがだめということなのか。それとも、ここに書いてあるよ  うな過度に期待を抱かせるようなテレビコマーシャルがまずいというのか。  どちらかですけれども、基本的には今、国とも話をした上で、どういう範  囲であればテレビコマーシャルをしてもいいよ、それでいいでしょうと、  広告に値しないという基本線ができていて、それにのっとってテレビコマ  ーシャルをしている中ですので、テレビコマーシャルの中身のそれぞれの  質というところはまた別にあるかもしれませんけれども、テレビコマーシ  ャル自体がいけないということにはならないと業界としては考えています。 ○寺野座長 その辺は、皆さんの御意見はいかがでしょうか。 ○花井委員 今の広告の議論は、水口委員の方からあった認識で私も思って  いるんです。それで、今テレビコマーシャルの話が出ましたが、ここで問  題になっているのはいわゆるアカデミックな情報として存在しているドキ  ュメントが、意外に感想的なエビテンスのない専門家の言説が載っており、  実はそれが適切な情報提供になっていないのではないか。それが広告に実  際になっているのではないかということです。   それで、具体的な話をしますと、32ページの下に「行政は」という主語  で文章を書いてもらって、大分これは反映してわかりやすくなったと思う  んですが、もう一つ踏み込んで、行政がしなければいけないのは製薬企業  等が質の高いMRの育成を通じて質の高い情報提供をするように応援する  ことが1つです。もう一つの問題というのは、広告の適正化と、それから  情報提供の適正化を製薬企業が行うように行政が指導する。この2つのこ  とをここに書かれなければいけないですね。   この読み方だと、そうとも読めるんだけれども、うまく書くなと思って  見ていたんですが、質の高いMRの育成等を行政が指導していればそれで  話が終わっているように読めるんです。   そうとも読めるように書かずに、先ほど高橋委員の方からもございまし  たけれども、テレビCMに関してはそんなことでやっておられると思うし、  それから今後医療医薬品のいろいろな媒体に対するものでも、やはりここ  までやっていいのかとか、この辺は構わないのかというところは相場観と  いうところで今やっているのかもしれませんが、そういうことが行われる  ことの責任は行政がやはり持たなければいけないだろうというところが肝  なんです。だから、行政が主語で、今、薬事法で言われているところの適  正な広告もしくは情報提供の名を借りた広告みたいなものですね。これは  だめだということを言わなければいけないのは行政だとわかる文章で書き  直してほしいと思います。以上でございます。   わかりましたか。2つのことをまとめて書いて、行政が責任をちょっと  軽くしている。そうしないようにしてください。 ○寺野座長 そういうふうに読めるということですね。それはわかりました  ね。ちょっと文章を考えてください。 ○間宮委員 これは、MRのところと別にしたらいいんじゃないですか。 ○花井委員 分けたらいいんですね。 ○間宮委員 MRの教育とか育成というのもやはり大事です。だから、分け  たらいいと思います。 ○寺野座長 それでは、工夫をしてみましょう。   堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 余り時間かなさそうなので、1点だけです。見え消しの26ペー  ジの「添付文書の在り方」の表現です。今日は水口委員も意見を出してい  るのですが、これでも余り明確ではないのですが、班会議の中間まとめ、  資料1−1の25のところにも提言という表現は直しますが、提言5となっ  ておりまして、「添付文書をより公的な文書に位置付ける」というものが出  ております。   何が問題かといいますと、いわゆる提案の中では製薬企業には承認審査  時以降も最新の治験を反映することを義務付けるということになっている  んですけれども、行政については行政が定めた基準に基づき事前に確認事  項を行うことを明確にした制度とすべきであると、この中に行政の義務と  いうものが入っているのかもしれませんけれども、極めて不明確である。  もう少しこれはやはり公的な文書にして、きちんと行政の責任もこの中に  あるんだということを明確にした文章にしていただきたい。   といいますのは、この間の肝炎のフィブリノゲンの添付文書を見てきま  すと、行政からの指摘というものが極めてあいまいで長い間、不適切な表  現が続けられているということですので、現在かなり改善されているとい  うことは十分わかりますけれども、この文章だけだと行政の方の立場が明  確でないのでそれを入れていただきたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございました。その点はいいですね。クリティカル  という言葉も、余り言葉としてよくないかもしれないですね。   そのほか、ございますでしょうか。西埜委員、どうぞ。 ○西埜委員 第2回の会議でも少しお話をしたかと思いますけれども、資料  の2−1の方の35ページ、(8)の「医薬品行政を担う組織の今後の在り  方」のところですが、(1)の本文の4行目、かぎ括弧で「最終的には大臣が  全部責任を負う」ことが前提となっているとあります。   ここにいらっしゃる方はこれがどういう意味であるかというのは十分承  知だと思いますけれども、これが外部に出ていきますと、大臣が責任を負  うというのはどういう意味なんだろうと疑問を感じる人がいるかもわかり  ません。大臣が責任を負えるとすれば、せいぜい政治的な責任を負うとい  うくらいであって、そのほかの法的な責任は大臣は負えないと思います。  ですから、ここはもし大臣を残すのであれば、次の36ページの1行目のa  のところに「国(厚生労働大臣)」となっていますから、せいぜいこの程度  にした方がいいんじゃないかと思います。大臣となると、政治的、道義的  な責任は負えるでしょうけれども、恐らくここでの責任というのは損害賠  償の責任だと思いますから、これは大臣は負えないということになります。   それから、a案もb案もそうなのですが、最後に審議会が大臣へ答申す  るとなっているのですが、何を答申するか書いていないんです。これは、  承認すべきか否かということについて答申するということではないかと思  いますが、これも前後を見れば推測はできますけれども、2字ほど加える  だけのことですから、はっきり何を答申するのかということを入れた方が  いいんじゃないかと思います。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。   大臣は17時10分ごろということでもうすぐいらっしゃるので、そのと  きの方がよかったかもしれないですけれども、最終的に大臣が全責任を負  うというのは夏休み前のときの話でもa案、b案というものが出たときに、  最終的には損害賠償を含めたところで大臣が責任を負うのですから、私も  負いますというふうな話でこういうものが出てきたと思うんです。    ですから、これが要らなくて、その次のページのaだけでいいというこ  とであれば、それはそれでもいいのかなとは思いますけれども、事務局の  方の考え方としてはどうですか。 ○総務課長 2つの問題点がありまして、まずここで書かせていただいてい  るのは夏の7月31日におまとめいただいたものを引用しながら書いてい  る部分でありまして、なかなか過去のファクトを書くということであると  非常に加工しにくいという技術的な問題があります。   それから今、西埜先生が御指摘いただいた、大臣が責任を負うという意  味合いです。確かに、損害賠償ということになりますと国庫というか、国  という形になりますけれども、一定の行政処分を問うという形になります  と、それは組織のとらえ方によってまさに厚生労働大臣が責任を負うとい  う形にもなります。   そこら辺のことも踏まえますと、ここでの書きぶりは夏のものを引いた  という形でもございますので、このままにさせていただけると大変ありが  たいかと思います。   ただ、少し何を答申するのかという辺りについてうまく説明ができるよ  うであれば、そこは付加的に書き込むというような形にさせていただけれ  ばと思っております。 ○寺野座長 あのころというか、あの当時、やはり大臣の意気込みというか、  そういうものは今ももちろんあるんですけれども、すごく強く出たところ  で、これが前提ですよということで話が進んだのでこういう文章が出たか  と思います。大臣が全責任を負うのは当たり前と言えば当たり前なんです  けれども、それが文章として出てきたということで、前のものを加工しに  くいということもあるので、その辺はちょっと御勘弁いただいてもよろし  いですか。その後の文章は修正させます。   いかがでしょうか。大臣がいらして多分5分くらいお話になると思うの  ですが、あとは半までには終わらせたいということを最初に申し上げまし  たけれども、もう一つ、来年度、21年度の委員会に残された課題というこ  とで、資料5がございます。そこに簡単に3つ挙げてあるんですけれども、  多分これに関しては次回、第1回でどういう方向をとるかということの議  論はいたしますが、次はこういう方向でやってもらいたいということがあ  りましたら、加えるなり修正するなり、そういう議論をしていただければ  いいんじゃないかと思います。大臣が来られてからも、またその議論があ  っていいと思いますが。   では、坂田委員どうぞ。 ○坂田委員 来年度からの件ですけれども、被害者の立場からお願いです。  第2回の委員会で被害者3人のヒアリングを行いましたが、やはり実際に  どういう被害を受けているのかということで、新年度から毎回5分なり10  分で構いませんので、是非ヒアリングの時間を設けていただければと思い  ます。この検討会で被害実態もやるわけですので、やはり実際の被害とい  うものを皆さんにわかっていただきたいと思います。いががでしょうか。 ○寺野座長 御意見をどうぞ。研究会の方でもヒアリングはやるわけですね。 ○堀内委員 研究班の方では、来年度は主として被害者関連のことについて  ヒアリングとかアンケートとかで、特にヒアリングだけではないんですけ  れども、実態を明確にしたいと考えておりますので、どういたしましょう  か。 ○寺野座長 研究班でヒアリングをした結果を報告していただくか。一回一  回この委員会に出てきてもらいたいということですか。 ○坂田委員 そうです。委員会に出てきていただきたいです。   それから、私たち自身も被害者なんですけれども、家族や子どもたちが  どう思っていたかとか、そこら辺で御家族の方にも是非出ていただければ  と思っております。 ○堀内委員 そのヒアリングと班会議のヒアリングとの関係はどのようにお  考えですか。 ○坂田委員 私の意見としては、やはり委員の先生方に本当に被害というも  のを知っていただく。それです。だから、向こうのヒアリングとはまた別  物と私は認識しております。 ○寺野座長 ちょっと検討させていただきますけれども、事務局どうぞ。 ○医薬品副作用被害対策室長 ちょっと打合せをしていて最初の方は聞いて  なかったもので申し訳ないんですけれども、今おっしゃっているのは被害  者の方の被害実態をこの場でということで、この委員会の第2回のときに  お越しいただいた、あれをもう少しちゃんとお伺いする場が要るのではな  いかということですか。 ○寺野座長 毎回5分か10分いただきたいという意見です。事務局としては、  いかがですか。 ○医薬品副作用被害対策室長 その話は、多分研究班の話とは独立して、こ  の委員会で検討いただいていいのではないかとは思いますけれども。 ○寺野座長 そういうことが可能ならば、家族のこととか、いろいろな周囲  の状況もお話いただけるかもしれませんので、皆さんの御異議がなければ  そういう方向で考えたいと思います。よろしいですか。   では、水口委員どうぞ。 ○水口委員 賛成です。ただ、毎回5分、10分というやり方が適切なのか。  もう少しきちんとまとまった時間を取った方がいいのかという辺りは検討  した方がいいと思うんです。被害実態については研究班にお任せして研究  班の報告書の取りまとめという分析的な視点でヒアリングするというので  はなく、私ども委員が、被害実態をいつも念頭に置いて、この委員会の議  論に臨むという趣旨で、工夫をした上で、賛成です。 ○寺野座長 毎回にするか、少しまとめてヒアリングをするか。それは、ま  た第1回目のときに考えましょう。   間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 ヒアリングは大いに賛成なんですけれども、第2回のヒアリン  グが終わったときに質問が全然なかったというのはすごく寂しいなと思っ  て、自分自身も質問できなかったというのは非常に反省するところであり  まして、それぞれその被害実態というのは委員の先生方も御存じないとこ  ろあるのでしょうから、やはり突っ込んだ質問というものをできるように  準備してお呼びするべきではないかと思います。 ○寺野座長 どうぞ、堀内委員。 ○堀内委員 5分、10分で今の話が十分できるとは、表面的というか、大体  の流れしか聞けないだろうと思うんです。ですから、本当にその実態を把  握するというのであれば、もう少しそこに特化したような時間を取る。毎  回やるのがいいかどうかはあれですけれども、そうでないといつも流れと  いうか、表層的なことだけを聞いても余り十分ではないことになってしま  うのではないかと思います。 ○寺野座長 泉委員、どうぞ。 ○泉委員 これは既に厚労省の中で審議された先生方からお教えいただいた  件なんですけれども、紙ベースではなくてそれぞれの方の被害と、家族に  被害者がいることによる被害、これを二次的被害というふうに言いますが、  そういうたくさんの話があるということを私も意見書で出して、私自身は  被害者ではありませんが、話を聞いて絶句するような話もいろいろありま  した。   そういうようなことを踏まえて、私たちは薬害を防止しようとすること  を今、担っているわけですので、是非できましたら1人、2人の方が毎回  出てこられて、そしてこの委員会で話をされたものをまた委員の方に質問  してもらったりすることで、研究班でやる以外に委員の先生に私も含めて  実態をわかりたいと思いますので、坂田委員の話は賛成したいと思います。 ○堀内委員 私は、別に反対しているわけではないんです。   だけど、5分か10分でできますか。十分ですか。だから、せっかくやる  んでしたら議論がありますから毎回はできないでしょうから、集中してや  る方がよろしいんじゃないですかということを申し上げているんです。 ○泉委員 毎回ということにするのか、それともまとまってするかというの  は事務局も含めていろいろ話をすればいいことかと思うんですが、とりあ  えずここの場で話を聞きたいということです。 ○寺野座長 わかりました。もちろん研究班の方でもヒアリングをするわけ  ですけれども、またそれとは別の次元でいろいろお話を聞くという機会は  設けるという基本線はコンセンサスがあると思います。ですから、毎回5  分か10分にするのか、特に30分を取ってそのときに少しまとめた形でや  るのか。来られる方も大変だと思うんです。5分か10分のために九州とか  北海道から来られるのは大変だから、そこら辺も事務局とよく相談して決  めたいと思います。   そのほかに御意見はございますか。 ○水口委員 「平成21年度の委員会に残された課題」ですけれども、これを  拝見しますと「検証作業を踏まえた検討」となっていて、これだと検証作  業が進まないと、あとは進捗状況を聞くことと組織の検討とにかなり限定  されてしまう。今回の報告書はかなり多岐にいろいろな論点にまたがって  いますし、非常に協議の時間が不足していて組織論だけではなくて基本的  な考え方しか示せなかった部分もあるので、そういった全般にわたって更  に具体化したり、深めたりする議論をやるということを想定した項目を追  加していただきたいと思います。それが1点です。   それから、先ほど出たのですが、私たちが出す報告書ですから標題ぐら  いここでちゃんと確認しておいた方がいいのではないかというのが1点で  す。   それともう一つは、来年度の進行についてやるということは決まってい   ますけれども、どのぐらいの頻度でどういうイメージでやるのかというこ  とについて、できればここで少し意見交換をしておいていただきたい。も  ちろん来年度の第1回でも議論すべきことかもしれませんが、日程の調整  等もあるでしょうから、それもお願いしたいと思います。   以上、3点をお願いいたします。 ○寺野座長 まず、このタイトルですね。「薬害再発防止のための医薬品行政  等の見直しについて(提言)」ということですけれども、これは平成20年  度とするか、中間とするか、1次とするか、いろいろな名前が付けられる  と思うんですが、御意見をどうぞ。   これは、来年度は継続するということに決まっておりまして今、議論し  ていただいているんですけれども、その来年度の議論がどこまでいって、  来年度で本当の最終提言ができるのかどうかという問題もあるんですね。  それは、今、水口委員が言われたような頻度の問題とか、1回の時間が2  時間では足りないんじゃないかということもあるかもしれません。これは  私が勝手に言っているんですけれども、そういうことも含めて考えなけれ  ばいけないですが、このタイトルは前々から議論にはなっているのですが、  どういう御意見があるか。まず御意見をお聞きしたいと思います。どうぞ。 ○泉委員 例えばですけれども、年度を入れて「平成20年度薬害再発防止の  ための医薬品行政等の見直しについて(途中経過報告)」とか、ちょっと長  くなりますが、途中経過ですから提言というふうに、それも外すかどうか  ということはありますけれども、途中経過の報告だということがわかるよ  うに明確に入れていただきたいと思います。   それからもう一つ、大変恐縮なのですが、資料5の3つの残された課題  のうちの最後に「今後の医薬品行政組織の在り方(評価機能を含む)」と書  いていますけれども、これは先ほど水口委員の方からここの内容をもうち  ょっと踏み込んだ形でコンセンサスができたものを入れるべきというお話  がありましたので、もう少し具体的な言葉に変えて入れてもらって、この  議題をするんだというようなことをはっきり明確にわかるようにしていた  だきたいです。 ○水口委員 私は、「提言」という言葉は入れた方がいいと思います。 ○寺野座長 「報告」ではなくてですか。 ○水口委員 はい。やはり提案の中には、すぐに実行できる内容も含まれて  いるわけですから。「提言」ということは明確にした上で、これが最終提言  ではありませんということがわかるようにですね、そういう意味では、見  直しに関する第1次提言とか、あるいは平成20年度提言とか、何か提言の  前に一言入れてはどうか。   ただ、座長が先ほどおっしゃった「中間」というのでは、既に中間報告  書を出していますので、ちょっとわかりにくいかなということで、「中間」  という言葉はやめた方がいいかと思います。 ○寺野座長 第1次とすると、2次、3次、どこまで出るのかということも  わからなくて、第1次の次が最終になってしまうというのもいかがなもの  かというところもあるし、平成20年度とすると21、22と続くのかなとい  う期待もあるかもしれないし、その辺の表現の仕方というのは一応案を出  していただいて、またメール等で相談しますけれども、何らかの形のもの  を付けたいということではコンセンサスがあると思います。   今のところ、「中間」はだめということになりますと、第1次、平成20  年度という辺になってしまいますね。「提言」という言葉は使ってほしいと  いうことですね。何か名案はないですか。別に今すぐでなくてもいいんで  すが、大体この辺は一応コンセンサスがあった方が、なかなかメールだけ  ではできないと思います。   事務局の考え方はどうですか。 ○総務課長 すみません。ここはお決めいただきたいと思います。私どもも  先ほど研究班との関係で、研究班は「提言」は使わないという話がありま  したので「提言」という言葉がいいと思いますが、第1次、20年度、そこ  ら辺はまさにこの検討委員会でお決めいただければ私どもはありがたいと  思います。 ○寺野座長 では、2次、3次になるかどうかはわかりませんし、次が最終  になるかもわかりませんが、第1次提言でよろしいですか。   では、そのようにさせていただきます。   それで、次の問題はどれぐらいの頻度でやるかとか、そういうスケジュ  ールの問題でしたか。 ○水口委員 課題がかなりあるので、年に数回でいいというふうには私は考  えておりません。毎月やるか、せいぜい延ばしても隔月とか、大体同じよ  うな頻度でも十分討議すべき課題は残されているかとは思います。検証作  業がそこまで進むというのはなかなか難しいと思いますけれども、検証の  進捗にかかわらず、今回時間不足で議論し尽くせていない、具体化できて  いない論点はあるわけですから、その点について討議するということは十  分可能だし、やるべきではないかと考えております。 ○寺野座長 毎月、確実にやるというのもなかなかお約束しにくいのですけ  れども、今年は12回ということになりました。だから、平均すれば月1回  になるのですが、その中間くらいの回数は何とかやりたいということで、  検証作業はまた別ですね。 ○堀内委員 今の検証作業というのは、班のことですか。 ○寺野座長 そうです。研究班です。 ○堀内委員 班の基本的なところはここに500ページくらいの報告書があり  ますので、大まかには終わっているのでそれを参考にしていただければと  思います。   ただ、患者被害と救済の問題、それから外国との関係ですね。国外の状  況についての調査、この辺はまだ十分ではありませんので、それについて  は進めてまいります。ですから、議論をする題材としてはかなりあるので  はないかと思っております。 ○寺野座長 水口委員の最初の質問で、「検証作業を踏まえた」というのでは  消極的過ぎるのではないかという御意見でした。もちろん今、言われたよ  うに更に進めるところもありますし、膨大な資料を報告いただいているの  で、これをやはり検討し、今日は「提言」という言葉はよくないというお  話なので別の表現にしますけれども、そこら辺もやはり我々としては検討  する必要があるというふうなことを入れると、「検証作業を踏まえた」とい  う表現でいいかなとは思うんですけれども。 ○水口委員 「検証作業を踏まえた」ということを削れという趣旨ではない  のです。これは残した上で、具体的に提案しますと3点目の「今後の医薬  品行政組織の在り方についての更なる検討」という文章ですね。医薬品行  政組織の在り方を含め、本年度討議したことを更に深める検討とか、全体  にわたって更に討議すべきことがあるんだということがわかる表現に3点  目をしていただくということでいかがでしょうか。 ○寺野座長 それは工夫できますね。わかりました。それで、3つの質問は  いいんですね。           (舛添厚生労働省大臣入室) ○寺野座長 それでは、ただいま厚生労働大臣がいらっしゃいました。お忙  しいところをありがとうございます。   では、一言よろしくお願いします。 ○厚生労働大臣 どうも皆さん大変お待たせしました。5月23日、昨年この  検討会が発足して1年近く、12回にわたって御議論を賜りました。本当に  お忙しいところ、毎回おいでいただいてありがとうございます。   この肝炎の検証によって二度と薬害を起こさないということで、医薬品  行政の在り方も含めて検討しようということで大変な御議論をいただきま  した。   まず、肝炎の検証ですけれども、堀内先生を班長とした研究班で本当に  膨大な資料と作業をやっていただきましてありがとうございました。坂田  さんも泉さんもおられますけれども、これは読むだけでも大変で、坂田さ  んからも御指摘がありましたので4月以降も作業を続けようということで、  薬害肝炎の被害者の方にも入っていただくということで更に続けていきた  いと思っています。   それから、医薬品行政の在り方についていろいろな御議論がありました。  今もそれをおやりになっていたんだと思いますけれども、1つはPMDA  の職員の数が足りないということで、職員の数を拡大いたしました。それ  で、今度はその数だけではなくて質をどう確保するかという問題もありま  すし、それから厚生労働省本省の医薬食品局と医薬品医療機器総合機構、  PMDA、それぞれどういうふうな形で仕事をするんだろうかということ  で、皆様方の御意見をいただいて改善されたところもあれば、まだまだ改  善しないといけない点もありますので、この点についても更に議論を進め  たいと思います。   引き続き、来年以降も皆様方の活発な御議論をお願いしたいと思います。  本当にありがとうございました。 ○寺野座長 どうもありがとうございました。   それでは、議論を続けたいと思います。来年度の課題ですね。大体議論  が出たと思いますけれども、まだ更に加えたいと思われる方は御発言をお  願いします。 ○間宮委員 素朴な疑問なんですけれども、今年度みたいに中間を出して、  また予算に向けてどうのこうのという話があるのかどうかということをお  聞きしておきたいと思います。それがもしあるのであれば、その頻度など  にも関係してくるような気がします。 ○間宮委員 おっしゃるとおりです。事務局、お願いします。 ○総務課長 今回、提言をおまとめいただきましたら、その提言をできるだ  け予算要求あるいは制度改正、それは法律もあると思いますが、それに私  ども事務方として反映をさせていくということは必要であろうと思ってお  りますので、その途中経過をいろいろ報告させていただいて、この委員会  で御議論いただくということはあると思うんですが、例えば7月の初めに  報告書をまとめていただかないと来年度といいますか、22年度の予算要求  の作業ができないということで大分方向をまとめていただいておりますの  で、その方向で事務方としてはやっていきたいと思います。 ○厚生労働大臣 今の問題は、私も今、国会が忙しくてなかなか出られませ  んが、できるだけ出てきますので、こういう問題がありますよということ  をいつでもこういう場や、その他の場所でおっしゃっていただけば、それ  は次の年度の予算という形で反映させることは十分考えたいと思います。 ○寺野座長 去年の夏までは慌てて、ちょっと議論が粗雑だったので、そう  いうことがないようにという間宮委員の意見だと思います。   そのほか、御意見はございませんでしょうか。どうぞ、泉委員。 ○泉委員 大臣が来られたから申し上げるわけではないのですが、今日のこ  れまでの話、そして反省も含めて前回、前々回から監視体制をつくる。そ  れでなければ、再発防止の本当の機能がどうだろうかというところまでコ  ンセンサスは委員の皆さんで得られたわけですから、是非次年度はそれを  やるとすれば、例えば調査の権限なり、それから勧告の権限ということで  あれば、かなり踏み込んだ形で法律的にもやっていかなければいけない。   医薬品のそういった法律にも関係してくるということを考えると、月1  回くらいやっていかないと、また次年度ということになる。それでも次年  度になるかもしれませんけれども、とりえずそういう方向づけでやるとす  れば、まさにこれから正念場の議論を闘わせなければいけないのではない  かと思います。 ○寺野座長 ありがとうございました。先ほど言いましたけれども、やはり  その組織論といいますか、医薬品行政の在り方ということにかなり焦点が  絞られると思うんです。ですから、それは一つの議論の成り行きによって  その頻度も変わってくる可能性がありますし、場合によっては本当に2時  間では足りないんだということであれば時間を延ばすということですが、  皆さんの都合もいろいろありますのでなかなか予定を組みにくいというこ  ともあるので、その辺の全体を考えて予定を組んでいきたいと思います。  御意見はよく承っておきます。   そのほか、御意見はないでしょうか。坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 私も泉委員と一緒です。やはり年に12回というのを是非確保し  ていただきたいと思います。薬害肝炎事件のいわゆる検証の項目だけでも、  第9因子を入れても11項目あります。一つひとつ丁寧にやりたいというの  が私の希望でありますので、是非よろしくお願いします。 ○寺野座長 研究班と役割分担しながらやっていきたいと思いますので、御  希望は承りました。もしほかに御意見がございませんようでしたら……。   神田委員、いいですか。 ○神田委員 はい。 ○寺野座長 それでは、今年度といいますか、第1次といいますか、この委  員会は最後になりました。12回、本当に長い間、夏くらいの激論からその  後、堀内研究班の検証作業、膨大な内容で本当に御苦労様でした。心から  感謝を申し上げます。   今後は、今日の議論、今までの議論を全部勘案しまして、修正すべきと  ころは何か所もありますので、これは事務局の方に作業をさせまして、そ  して修正を行ったものを私の方で確認した上で皆様にメール等々でお送り  して確認していただく。そして、修正していただくということで、最後の  提言として出すものに関しては、座長である私にお任せいただくしかあり  ませんので、よろしくお願いしたいと思います。   そういうことで、昨年5月から1年間でございましたが、本当に御苦労  様でした。御参加いただいた皆様にも感謝申し上げます。また、事務局の  方も本当に大変な苦労をしてきたわけですが、ありがとうございました。   これは、大臣の御意思で来年度もこの委員会を続ける。恐らく組織、医  療行政、医薬品行政というものが中心になるかと思いますが、それと同時  に研究班でもヒアリング等々をやっていただくということでございますの  で、大変な作業だと思いますけれども、また今後とも御協力をお願いした  いと思います。 ○厚生労働大臣 1点、今、消費者庁設置法案を衆議院の特別委員会で議論  して、私も先般、厚生労働大臣として出ました。   その中で、幾つかの法律を消費者庁の管轄にするかどうかという中でペ  ンディングになっているものに薬事法もたしか入っていたと思います。そ  れから、例えばクリーニング業界をどうするか。こういうものも入ってい  ますが、直ちに結構ですよ、もう消費者庁は全部おやりくださいとは言え  ない。やはり国民の健康に関わることで、規制しないといけないもの規制  しなければいけないと思います。   ただ、そこで消費者の立場から見た薬の問題というのも議論されている  と思いますので、是非国会における消費者庁設置法案について、つまり消  費者庁の設置についての御議論もどこかでちょっと御注意なさっていて、  皆様方の立場でちょっとこういう方向はおかしいんじゃないかとか、そう  いうこともまたこれからの検討に反映させていきたい。   一厚生労働省だけではなくて政府全体でこの問題に取り組まないといけ  ないと思っていますので、その点もひとつお願いをしておきます。ありが  とうございました。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○堀内委員 今の話で、薬事法が消費者庁の管轄になるということだと、こ  れは極めて大きな問題だと思います。医薬については薬事法でかなり大き  な部分を規制していると思うので、これはちょっとではなくて大変な違和  感を覚えますが。 ○厚生労働大臣 国会では大変な違和感を覚える旨を私はきちんと話したと  記憶しておりますが、確かにペンディングになっている中に入っています。  引き続き移管を検討するというのはかなり多くの法律が掲げられておりま  すが、閣議決定でそういう検討事項の中に入っています。   ですから、今、堀内先生がおっしゃったように、それは問題ですよとい  うことはきちんと指摘しないといけないので、是非皆さん方にも消費者庁  の設置に関わる国会での議論を御注意願いたいというのは、そういう意味  も含めてでございます。 ○水口委員 完全な移管というのは適当ではないと私も思いますが、今ちょ  うど監視組織の議論をしたわけです。それで、これをどこに置くかという  議論は、今年度は煮詰まっておりません。そこの議論の展開いかんによっ  ては、消費者庁という選択もあり得るかもしれない。   でも、それは、まだ私どもの中では、これからの議論です。医薬品行政  は、まずきちんと厚生労働省が責任を持っていただきたいという意味で、  薬事法を基本的に管轄するのは厚生労働省であるとは思いますけれども、  その一部分について消費者庁が共管するという選択肢は完全になくしてし  まっていいのだろうかという点はあるということは申し上げておきたいと  思います。 ○厚生労働大臣 なるほど、そういう考え方もありますね。ありがとうござ  います。 ○寺野座長 これも含めて、また来年度の議論にしたいと思いますので、よ  ろしくお願いします。   では、坂田さん、簡単にお願いします。 ○坂田委員 質問ですけれども、この提言案を今回書き換えられますよね。  それは全委員に必ず回ってくるということですね。それからまた訂正を加  えてもいいということですね。 ○寺野座長 余り大きく変えられますと、これは皆のコンセンサスが得られ  ませんので、それは最小限にしてほしいと思います。 ○坂田委員 わかりました。ありがとうございます。 ○水口委員 その修正の方法ですけれども、今回明確に記載したことがあえ  てあいまいになるとか、議論の趣旨とちょっと違うんじゃないかというも  のがありましたので、座長が責任を持ってそこは見ていただきたい。はっ  きり議論をしてはっきり決まったことははっきり書くということを是非お  願いしたいと思います。 ○寺野座長 また御指摘もいただきたいと思います。  それでは、先ほどと同じようなことをもう一度言いますけれども、本当に  御苦労様でした。   事務局の方からアナウンスは何かございますか。 ○総務課長 特にございません。 ○寺野座長 それでは、第1次の提言ということでまとめをさせていただき  ます。皆さん、本当に御協力ありがとうございました。   それでは、これで終わります。ありがとうございました。 ○厚生労働大臣 どうも皆さんありがとうございました。                                (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111