09/03/30 第94回労働政策審議会雇用均等分科会議事録 第94回労働政策審議会雇用均等分科会 第94回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録 日時:2009年3月30日(月) 15:00〜16:00 場所:経済産業省 別館 1014号会議室(10階) 出席者:  公益代表委員   林分科会長、今田委員、佐藤委員、田島委員、樋口委員  労働者代表委員   岡本委員、齊藤惠子委員、斉藤千秋委員、山口委員  使用者代表委員   遠藤委員、吉川委員、山崎委員  厚生労働省   村木雇用均等・児童家庭局長、北村審議官、定塚職業家庭両立課長   安藤雇用均等政策課長、松本育児・介護休業推進室長、堀井総務課調査官   代田短時間・在宅労働課長、大地均等業務指導室長、 議題:     1. 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)     2. その他 配付資料:   資料No.1  雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱   資料No.2  育児・介護雇用安定等助成金制度の改正について   資料No.3  両立支援に取り組む事業主への助成金(平成21年度予算案)   資料No.4  事業所内保育施設に係る助成制度について   資料No.5  出先機関改革に係る工程表  参考資料No.1-1 次世代育成支援対策推進法が改正されます!  参考資料No.1-2 認定基準の見直しについて  参考資料No.1-3 行動計画策定指針 参考資料No.2  現下の雇用労働情勢を踏まえた妊娠・出産、産前産後休業及び育児         休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正         な対応等について 議事: ○林分科会長  定刻となりましたので、ただ今から「第94回労働政策審議会雇用均等分科会を開催い たします。本日は、奥山委員、鴨委員、川崎委員、山本委員が欠席されております。斉 藤千秋委員は少し遅れるというご連絡がありました。吉川委員も、まもなく来られると 思います。  では、議題1に入ります。議題1は、平成21年度予算に盛り込まれた事項に係る案件で ある「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」についてです。  これについては、3月24日、厚生労働大臣から労働政策審議会長あて諮問が行われまし た。これを受けまして、当分科会において審議を行うこととしたいと思います。  まず、事務局から説明をお願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  資料No.1でございますけれども、こちらは諮問文と省令案要綱でございます。具体的な 内容は資料No.2以下の方がわかりやすいと思いますので、資料No.2をご覧いただきたいと 思います。今回の改正点は、大きなものが二つございます。まず1点目でございますが、 事業所内保育施設の設置・運営等助成金についてでございます。こちらは従来、両立支 援レベルアップ助成金のメニューの一つという形で「事業所内託児施設設置・運営コー ス」を実施しており、財団法人21世紀職業財団において支給を行っていたところでござ いますが、今般、事業所内保育施設設置・運営等助成金を創設いたしまして移行すると いう内容のものでございます。移行後の支給機関は都道府県労働局で、窓口は雇用均等 室となります。中身につきましては、運営費につきまして従来助成の期間が5年間でござ いましたが、これを10年間に延長するという内容でございます。詳細については、後ほ ど説明させていただきます。また、地域開放を可能とする要件の緩和を行うこととして おります。  2点目は、両立支援レベルアップ助成金の中で、従来「職場風土改革コース」と「男性 労働者育児参加促進コース」がございました。こちらにつきましては、お手元に机上配 布しております「両立支援レベルアップ助成金のご案内」の14ページ、15ページをご覧 いただければと思いますけれども、職場風土改革コースは、まさしく企業内の職場風土 を改革するための助成金といたしまして、平成19年度から支給を行っているところでご ざいます。モデル的な取組を行う事業主を選定いたしまして、取り組んでいただいて、 その結果として職場風土改革が進んだ場合に助成金を支給するものでございます。  また、「男性労働者育児参加促進コース」は男性の育児休業取得促進等に取り組んだ 際に助成金を支給するというものでございまして、こちらの方は平成17年度から支給し てきたところでございます。特に男性労働者の方は平成17年度からということで4年間 経っておりまして、今般、職場風土改革コースに一本化するということを考えておりま す。その理由といたしましては、職場風土改革コースであっても、男性の育児休業取得 促進や男性の働き方の見直しには、ぜひ取り組んでいただきたいと考えておりまして、 職場風土改革コースに取り組む小さい企業の中で取組を進めていただきたいという面も 考慮して一本化を決めたものでございます。  こちらのコースの支給要件でございますが、下に書いてありますとおり、必ず取り組 む事項というものが幾つかございます。この一つに「雇用する労働者が両立支援制度を 利用しやすい職場環境の改善及び男性の育児休業の取得促進等に関する課題の把握」を 必ず行っていただくということを予定しています。また、選択的な取組事項といたしま しては、「男性の育児休業の取得の促進等を効果的に実施するための計画の策定及び同 計画の実施」を追加したいと考えております。また、助成金の対象となる事業主の要件 についてでございますが、現行制度では子育て世代の労働者数が50人以上ということで、 「20歳以上39歳以下の労働者数が50人以上であること」を要件として施行してまいりま したけれども、このために50人以上いない場合には実施できないという声もございまし たので、今般要件緩和をいたしまして「雇用する20歳以上49歳以下の労働者数が総労働 者数の4割以上であること」という形での要件緩和を予定しております。  その他の改正点でございますけれども、両立支援レベルアップ助成金の支給要件につ いて、従業員301人以上を雇用する事業主については、次世代法の改正施行に伴いまし て、計画の公表と周知が新しく義務となりますので、この義務は果たしていただかなく ては困るので、義務について要件に追加しております。また、中小企業子育て支援助成 金でございますが、こちらも従業員100人以下の中小企業を対象としておりますけれども、 次世代法の計画の策定と届出を従来は支給要件としておりましたので、今般公表と従業 員への周知を追加することを予定しております。  以上が改正点でございまして、次のページの資料No.3に、今ご説明した内容の変更点、 をお示しています。具体的には、両立支援レベルアップ助成金の中の一番下でございま すが、事業所内託児施設設置・運営コースの経過措置分だけはレベルアップ助成金に残 しますけれども、その他の新しい部分については、事業所内保育施設設置・運営等助成 金とするということ。また、その上の「職場風土改革コース」に「男性育児参加促進コ ースを統合し、男性の育児参加の要素を盛り込む。これが今回、ご審議いただきます平 成21年度予算案の改正点でございます。なお、先月審議会を開いた際には、その上の 「育児・介護費用等補助コース」それから一番下の「中小企業子育て支援助成金」の充 実について、前回ご審議をいただいたところでございます。  次のページ、資料No.4をご覧いただきたいと思います。事業所内保育施設設置・運営 等助成金の具体的な支給内容でございます。左側が現行制度で設置費、増築費、保育遊 具等購入費、運営費という4種類の助成を行っております。設置費、増築費、保育遊具 等購入費、これらについての費用や助成限度、助成率は平成20年度と同様に平成21年度 においても実施する予定でございます。運営費につきましては、こちらにありますとお り、左側の従来のものは5年間で、助成率につきましては大企業が2分の1、中小企業が 3分の2でございましたが、こちらを10年間に延長して託児施設の設置・運営、特に運営 の安定化を図ることをねらいとしております。助成率については、大企業・中小企業と も6年目以降は10年目まで3分の1ということを予定しているところでございます。  また、地域開放につきましては、ここに詳しく記載はしておりませんけれども、従来 は当該事業主の雇用する労働者を原則として対象としていたのですが、今後は雇用保険 被保険者のお子さんを対象とするという形で原則を変更しますとともに、それ以外のお 子さんについても、空き定員がある場合などは2分の1まで入れて差し支えないという形 での要件緩和をする予定でございます。  今回の平成21年度予算案に関する助成の変更は、以上でございます。 ○林分科会長  ただ今の平成21年度予算案に関する助成金の事務局の説明を踏まえまして、ご意見・ ご質問等がありましたら、お願いします。 ○遠藤委員  2点ほどお伺いさせていただきたいと存じます。今、ご説明がございましたように、 拡充の中身の一つとして事業所内保育施設設置・運営等の助成金ということでお話が ございました。それで、助成期間が5年間から10年間に延長されるということでござい ますけれども、現行の5年までのものを受けている企業の場合、ある意味で無条件とい いますか、優先的といいますか、そういう形で10年目までの助成が受けられると考え てよろしいのかどうかというのが1点です。  それから、自治体によりましては、国が行っている助成金とは別に助成金を持って いる場合があるかと思いますけれども、今般、このような支給の要件を緩和するとい うことが、例えば地域ごとに行われているような都道府県レベルの助成金との兼ね合 いの中で、何か変更を来すようなことが生じ得るのかどうかということが、もしおわ かりになれば教えていただきたいと存じます。 ○定塚職業家庭両立課長  まず、今後は5年間ではなくて6年目から10年目までも支給するという点については、 現在5年間支給されている場合は、ご事情に変更がなければ、そのまま6年目から10年 目まで支給されるということになります。なお、これまでに運営費を受給していて、 既に5年が終わってしまっている場合につきましても、引き続き同様の形で運営をし ている事業所内託児施設を持っている事業主についても、間が空きますけれども、あ と5年間を支給することを予定しています。これは例えば、今もらっていればもらえ るけれども、一昨年に終わってしまったらもらえないということでは均衡を失します ので、バランスを考えまして、支給するということでございます。  また、自治体の助成金につきましては、幾つかの都道府県等におきましては、当方 の助成金に上乗せという形で助成金を出している都道府県もございますが、こちらは、 現在も国の制度としては特段併給調整をかけておりませんので、それによってむしろ 自治体で上乗せすることができるという仕組みになっております。今後についても、 国の制度の方で併給調整をするということはございませんので、あとは地方公共団体 の方でお考えいただきまして、国の制度が6年目から10年目までとなることについて どのように考えるかという整理をしていただくということかと思います。 ○林分科会長  他に、ご意見・ご質問等がございますか。  他にご発言がなければ、当分科会としましては諮問のございました「雇用保険法施 行規則等の一部を改正する省令案要綱」については、「おおむね妥当」と認めること とし、その旨を私から労働政策審議会長あて報告することとしたいと思います。これ について、事務局から案文が用意されていますので、配布をお願いいたします。 (報告文案文配布) ○林分科会長  それでは、報告文はこの案文どおりでよろしいでしょうか。  特にご意見がなければ、この案文でもって政策審議会長に報告いたします。  次に、「その他」ということですが、事務局から報告がございます。 ○安藤雇用均等政策課長  昨年の12月に地方分権改革推進委員会から第2次勧告が出されまして、これを受け て、政府は年度内に工程表というものを策定するとされておりましが、これが3月24 日に決定されましたのでご報告を申し上げます。お手元の資料No.5が「出先機関改革 に係る工程表」でございます。3月24日に総理大臣を本部長といたしまして全閣僚が メンバーとなっております地方分権改革推進本部で決定されたものでございます。 1枚めくっていただきまして、柱書きの最後のところに書いてありますが、この工程 表は今後おおむね3年間の主な工程を示す計画という性格のものであります。 昨年暮れにこの分科会でもご議論いただきまして、1月13日付で見解を出していただ きました都道府県労働局のブロック化に関係する部分ですけれども、「記」の2の 「組織の改革」というところでございます。これにつきましては、2の(1)のアの最 後の行にかけて「第2次勧告で示された出先機関の組織の改革の方向性に沿って検討 を進め、改革大綱に盛り込む」と書いてあります。労働局を含めまして個別の機関 について言及する部分は、この工程表の中にはないのですが、この2の(1)のイ、1ペ ージ目の一番下のところですけれども、この部分でも、検討する際には、「社会経 済・雇用失業情勢の急激な変化への迅速で機動的な対応や、国民に対する直接的な 行政サービス水準の維持など、国の事務・権限が的確かつ確実な実施を確保するも のとする」とされておりまして、特にこの後段の「国民に対する直接的な行政サー ビス水準の維持」というくだりにつきましては、均等行政をはじめ労働局で行われ ている第一線業務を意識して書かれているという説明を事務局からもしているとこ ろでございまして、第2次勧告が公表されて以降、この分科会、本審そしてまた各方 面から示されました都道府県労働局の廃止・ブロック化に対する問題点指摘が考慮 されたものだと考えております。  今後のスケジュールでございますが、3枚めくっていただきますと横長の概要とい う絵が出ておりますが、このとおりで、平成21年中に「改革大綱」を閣議決定して、 その後、法律事項については関連一括法案に乗せて提出する。新体制への移行は平 成24年度中となっておりまして、前回のものよりもスケジュールが若干後送りにな っているかなという感じでございます。今回の工程表につきましては改革のスケジ ュールを決めたものでございまして、具体的な結論を決めたものではございません。 具体化に向けての議論につきましては、年内に策定される予定の改革大綱の調整過 程でなされるものと考えております。以上でございます。 ○林分科会長  ただ今の事務局からの、報告につきまして、ご質問等がありましたら、お願いし ます。  特にご質問がないようでしたら、この件につきましては今後も動向を注目してい きたいと思いますので、事務局におかれましては、適宜情報提供をお願いいたしま す。  他に、事務局から何かございますか。 ○定塚職業家庭両立課長  参考資料として4種類の資料をお配りしております。細かくはご説明しませんが、 資料の性格だけ申し上げたいと思います。参考資料1-1は、次世代育成支援対策推進 法が改正されましたので、その内容をご紹介するものでございます。次世代育成支 援対策推進法につきましては、昨年の12月3日に改正が公布されまして、その改正に つきまして、行動計画の公表・従業員への周知につきましては、従業員301人以上の 企業については4月1日から、101人以上企業への規模の拡大については平成23年4月1 日から施行を予定しております。  また、次の参考資料1-2は、次世代育成支援対策推進法の改正に伴いまして、「く るみんマーク」認定基準を取得できる基準の見直しをいたしました。この省令につい ての主な内容を示しております。改正点につきましては、右側の赤字部分でございま して、1点目は行動計画について公表・周知を行っていること。これは当然のことと して盛り込んでおります。  また、もう一つが「男性の育児休業取得者がいること」という部分につきまして、 中小事業主の場合は、なかなか規模が小さくて該当者が出ないというご意見を承りま して、育児休業以外にも「子の看護休暇」あるいは「短時間勤務を男性が取得する」 ということでも差し支えないという整理をしております。  次の参考資料1-3は、同じく次世代育成支援対策推進法関係での行動計画の策定指 針でございます。こちらも3月16日に告示をいたしまして新しい策定指針としており ます。内容については省略いたしますけれども、大きな点としては例えば仕事と生 活の調和(ワーク・ライフ・バランス)といった観点をしっかり盛り込むという内容 を示しております。  最後に参考資料2でございます。こちらは3月16日に記者発表したものでございま して、昨今の経済・雇用情勢を踏まえて、妊娠・出産、産前・産後休業、育児休業 の取得を理由とする解雇その他不利益取扱いの事案の相談・指導について件数を調 査し、それとともに適切な対応を促すための通達を発出したというものでございま す。  参考資料No.2を1枚おめくりいただきますと、資料1で相談・指導状況の数、次のペ ージ以降は、各都道府県労働局長に厳正な対応の徹底ということで通達しました内 容を付けております。  それから資料ナンバーは付けておりませんが、委員の机上のみに配布してありま す資料は、雇用保険法の改正が先週の金曜日に成立しました。この中で育児休業給 付の見直しを行っておりますので、その内容をご紹介する資料でございます。参考 資料は以上でございます。 ○林分科会長  事務局の説明はこれまでということで、本日の議事はこれで終了したいと思いま す。  最後に、本日の署名委員は山口委員と吉川委員にお願いいたします。  山崎委員、どうぞ。 ○山崎委員  確認ですが、資料No.2の助成金制度の改正についてですが、下の下線のところで、 上は「労働者」で、下は「従業員」となっていますが、単なるミスということでよ ろしいのですね。 ○定塚職業家庭両立課長  大変申し訳ございません。「労働者」で統一したいと思います。 ○林分科会長  ありがとうございました。  それでは、お忙しい中お集まりいただきましたけれども、本日の分科会はこれ で終了といたします。 <照会先> 厚生労働省雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課企画係 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 電話(代表)03−5253−1111(内線7856)