09/03/26 第15回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会議事録 第15回 今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(議事録) 1.日 時:平成21年3月26日(木) 15:00〜17:30 2.場 所:全国社会福祉協議会・灘尾ホール 3.出席構成員: 樋口座長、伊澤構成員、伊藤構成員、上ノ山構成員、大塚構成員、尾上構成員、 小川構成員、門屋構成員、坂元構成員、品川構成員、田尾構成員、寺谷構成員、 長尾構成員、中島構成員、長野構成員、野沢構成員、広田構成員、町野構成員、 三上構成員、山根構成員、天賀谷参考人、藤原参考人   厚生労働省: 福島精神・障害保健課長、塚本障害保健対策指導官、林課長補佐、野崎課長補佐 4.議 事 (1)今後の進め方について (2)精神科救急医療について (3)ケアマネジメント・ACTについて (4)危機介入について 5.議事内容 ○樋口座長  皆様こんにちは。どうもしばらくでございました。  今回から第15回の「今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の再開でございます。  ただいまより、15回の検討会を開催いたしますが、構成員の皆様におかれましては、大変お 忙しい年度末にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  本日の出欠状況等について事務局の方からお願いいたします。 ○野崎課長補佐  事務局の野崎でございます。11月以来の再開となりますが、医療の議論となりますので、引 き続きよろしくお願いいたしたいと思います。  このたび就任される構成員の方々を紹介いたしたいと思います。  国立精神・神経センター社会精神保健部長の伊藤弘人構成員でございます。  毎日新聞社夕刊編集局長の野沢和弘構成員でございます。  安田構成員が人事異動により構成員を御辞退されておりますので、併せて御紹介させていただ きたいと思います。  続きまして、本日の出欠状況等について御報告いたします。  佐藤構成員、末安構成員、谷畑構成員及び良田構成員より、御欠席との御連絡をいただいてお ります。  坂元構成員と、尾上構成員から、都合により遅れて出席との御連絡をいただいております。  事前に座長に御報告させていただきまして、佐藤構成員の代理として、日本総合病院精神医学 会理事の藤原参考人に、末安構成員の代理として日本精神科看護技術協会常任理事の天賀谷参考 人に御出席をいただいております。  木倉障害保健福祉部長、蒲原企画課長につきましては、所用につき欠席させていただきますの で、あらかじめ御了承いただければと思います。  また、昨年11月にとりまとめていただきました「中間まとめ」につきまして、それをどうい った形で施策において反映したのかという状況につきましては、法律改正事項につきましては、 現在、障害者自立支援法等の一部を改正する法律案が、与党の手続中でございますので、それが 最終的に閣議決定をされた段階で御報告をさせていただきたいと思います。  また、法律改正事項以外でも平成21年度の報酬改定であるとか、平成20年度補正予算によ る基金事業における対応において、中間まとめの内容に対応しているものもございます。こちら も併せて障害者自立支援法の改正法案の閣議決定が行われ次第まとめて御報告させていただき たいと思いますので、次回以降の御報告となることを御了解いただければと思います。  事務局の方からは以上でございます。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、早速議事に入っていきたいと思いますが、本日のテーマでございますが、議事次第 に書いてございますけれども、「今後の進め方について」「精神科救急医療について」「ケアマネ ジメント・ACTについて」「危機介入について」という4つでございまして、本日の進行でご ざいますけれども、こういった多くのテーマがございますので、大きく前半と後半に分けて議論 をさせていただきたいと思います。  前半の方は、「今後の進め方について」と「精神科救急医療について」ということで、最初に 事務局からこの資料等についての説明をしていただいた後、議論の時間を設けさせていただきた いと思います。  後半の方は「ケアマネジメント・ACTについて」と「危機介入について」ということで、こ れについても同様に事務局より説明をしていただいた後に、議論の時間を設けさせていただきた いと思っております。  それでは、早速「今後の進め方について」及び「精神科救急医療について」ということで、お 手元の資料1及び資料2に基づきまして、事務局の方から説明をお願いしたいと思います。 ○野崎課長補佐  それでは、私の方から資料1について御説明を申し上げたいと思います。本日はお手元に資料 1の差し替え版としてお配りしております1枚の紙をご覧いただければと思います。  「検討会の今後の予定」ですが、本日が第15回になります。  第16回から、訪問看護、早期支援、普及啓発。  第17回は認知症、身体合併症について(総合分の在り方も含む)という形でございます。  第18回において、デイ・ケア、統合失調症・認知症以外の各種疾患について。  第19回から「入院医療の在り方について(精神病床の在り方を含む)」の議論をしていただ きたい。また「地域医療体制の在り方について」、「医療の質の向上について」ということで、第 19回にまとめてという意味ではございません。第19回以降順次議論をしていきたいと思ってお ります。  今年の夏ぐらいを一つの目途にこの検討会での議論をしていただきたいと考えておりまして、 最終的に本検討会としての報告を取りまとめていただきたいと考えております。  一番下の※のところに書いてございますが「今後の本検討の検討状況を踏まえ、開催回数や議 題等を調整する」とさせていただきたいと思いますので、必ずしも19回で終わるとか20回で 終わるということではございません。  事前に御説明差し上げた際には、第16回を4月9日、第17回を4月23日ということで御連 絡を差し上げておりましたが、もともと障害者自立支援法の改正法案が3月の上旬を目途に閣議 決定という予定でございましたので、閣議決定が遅れていることや、それに伴って人事異動にち ょうどかぶってしまうということもございまして、若干16回以降の日程について、直前にも御 連絡を差し上げたわけでございますが、再調整という形にさせていただければというふうに思っ ております。  4月9日、4月23日については改めて調整させていただきますので、一般予定から落として いただいて構わないということでございます。  その御連絡については後ほど追って事務局の方からさせていただきたいと思いますので、よろ しくお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、資料2も続けてお願いいたします。 ○林課長補佐  資料2の「精神科救急医療について」を引き続き御説明をさせていただきたいと思います。  1ページ、論点整理から抜粋をいたしておりますけれども、最初の2つにつきまして、まず1 つ目は精神科救急医療、都道府県による体制確保制度上位置づけることについて。  2つ目は、一般救急医療と、精神科救急医療との連携について制度上位置づけることについて。  これらについては昨年のうちに御検討いただきまして、中間とりまとめにも御反映いただいた ところでございます。  3つ目の、総合病院における精神医療の提供をはじめとして、救急医療を含む一般医療と連携 した精神医療の提供体制における位置づけについて、4つ目の精神科救急の機能評価や、精神科 救急医療にふさわしい人員・構造基準のあり方等、精神科救急の質の向上に関する議論につきま して、本日御検討をお願いしたいと考えております。  2ページ目が中間まとめの内容でございまして、先ほど申し上げましたように、都道府県によ る精神科救急医療体制の確保、モニタリングの実施等についての制度上の位置づけ、精神科救急 医療と一般救急医療の連携の制度上の位置付け、これらについて御提言をいただいておりますの で、今後、制度の位置付けについて事務局の方で調整を図ってまいりたいと考えております。  3ページ目からが本日の本体の資料でございます。  大きく分けると3つの論点がございます。精神科救急のシステムの問題、精神科救急の医療機 関の問題、一般救急との連携の問題でございます。  1つ目の救急システムについて御説明させていただきます。  3ページ目は「精神科救急医療体制整備事業」ということで、これまで予算事業で行ってきて いるものでございます。精神科救急医療法センターを置き、救急医療経費ごとに、常時対応型施 設や、病院群や施設等の組み合わせによって救急医療を確保するという事業でございます。  平成21年度予算においては、この予算について増額を図らせていただいておりまして、救急 情報センターや救急医療施設における精神保健福祉士の配置、あるいは空床確保料の引き上げに よる病床の確保といったことを行うために予算の増額を図っております。  4ページ目がこれまでの救急事業の変遷でございますが、平成7年度から精神科救急システム 整備事業、17年度から救急医療センター事業ということで、初期救急、2次救急、3次救急と 言って概念の中で補助事業を行ってまいりましたが、平成20年度から地域の実情に合わせて医 療体制を更に充実させるために精神科救急医療体制整備事業という形に組み替えまして、3ペー ジ目で申し上げましたような形の事業を運営しております。  診療報酬につきましても平成14年に、精神科救急入院料がつくられ、平成20年度には精神 科救急合併症入院料というものがつくられて救急の質の向上が図られております。  5ページ、精神科救急医療体制の都道府県別の状況、特に圏域の設定に関しての資料でござい ます。圏域の設定につきましては、各地域の実情に応じて行われております。医療圏域が都道府 県全体になっているような県、例えば宮城県とか神奈川県といったところもございます。その一 方で、精神科救急医療圏域の数がかなり多く設定されている、例えば島根県のような県がござい ます。どちらがいいというわけではなくて、地域の実情に応じて今のところやっていただいてい るというものでございます。  6ページ目が「精神科救急医療システムの全国の状況」、これは縦軸が入院率、横軸が人口万 対策年間受診件数、これは外来を含むものでございますけれども、こういうふうにプロットをさ せていただくと、地域によっていろいろな運用の状況があることが見えてまいります。  左上の方の山梨・東京を含むような○のところでございますが、このグループは受診件数が少 なく入院率が高い。すなわち重症の患者さんが公的なシステムの中で受診をしているというもの でございます。  右側の方の○につきましては、受診件数と申しますのは、各医療機関の受診件数ということで はありませんで、公的な医療システムが把握している受診件数ということでございますので、そ の受診件数が多いということは、公的な救急医療システムの中に網羅されている部分が多く、入 院率が低いということは、その中の一部が入院をしているということでございます。  このことを模式的に示したのは7ページの図でございます。  卵のような形で、右上の方が特に重症、措置入院、緊急措置入院といった入院。次いで医療保 護、任意入院等となっておりまして、左下の方が外来対応するようなもの、すなわち時間外の受 診には重いものから軽いものまでさまざまなものがございます。  このような時間外の診療を公的な救急システムの中で手当しているか。あるいはそれぞれの医 療機関の医療体制の中で時間外の診療等でやっていただいているか。このことを、この平田先生 の資料では、マクロ救急・ミクロ救急というふうに呼んでいらっしゃいますけれども、千葉県に おいては人口万対の数字で公的な救急でカバーしている部分が上側、人口万対2件、下側の一般 の医療機関の時間外の対応等で対応している部分、ミクロ救急の部分が11.3件ということで、 横線が引かれております。  都道府県によってはこの線の位置がもっと高いところ、重症の方だけ公的救急でやっていただ いている場所、あるいは先ほどもありましたように、外来での対応を含めて、公的救急のシステ ムが使われている県がございます。  8ページ、「精神科救急医療体制の全国の状況」でございます。  輪番制や基幹病院を置いていただいている都道府県がそれぞれ44と15。  精神科救急情報センターの対応時間につきましては、かなりばらつきがございまして、24時 間、365日対応していただいているところが11あるのに対して、「ない」というところも12あ るわけでございまして、かなりばらついている状況でございます。  精神科救急事業の精神障害者御家族にどれだけ認知をしていただいているかという、認知度で ございますけれども、公共の精神科救急窓口の利用方法について、「よくしている」「まあまあ知 っている」というのが左側、真ん中の薄いところが「あまりよく知らない」「全く知らない」と いうところでございますが、御家族でも「あまりよく知らない」「全く知らない」という方が6 割、本人を入れると7割以上ということでございます。  利用を経験もほぼ同様でございまして「ない」という方が6割あるいは7割といった形で、救 急事業の認知度は、極めて低い状況が判明しております。  消防本部におきまして、同じようなアンケートを行ったところ「精神科救急事業の存在につい て」救急本部であっても知らないというところが18%。医療経験がないというところは約半数 を占めているという状況でございます。  11ページ以降は医療機関の状況についての資料でございます。  「精神科救急に係る診療報酬と主な要件」としてはこのようなものがございます。精神科救急 入院料あるいは精神科救急・合併症入院料、これらは診療報酬点数も1日3万円以上ということ でかなり手厚く確保されているものでございますけれども、職員の配置のほかに、高度設備、時 間外診療、措置入院等の件数、あるいは在宅移行の割合といったかなり厳しい要件で設定がなさ れております。  このほか、精神科急性期治療病棟入院料というのがございまして、これについても一般の精神 病棟入院基本料よりは、手厚く診療報酬が設定されております。  このほか精神科身体合併症管理加算といたしまして、病棟に専任の内科・外科の医師が配置さ れている場合には加算が設けられているという仕組みがございます。  その中で一番診療報酬が手厚く設定されている精神科救急入院料の施設が21年2月末現在で 56施設ございます。合併症型、すなわち、精神科救急・合併症入院料を算定しているところが このうち3つ、徳島県立と済生会横浜、成田日赤というふうになっております。  精神科救急入院料の算定をしている病棟がどのような運営をされているかという平均的な像 を調べたものでございます。  病床数が平均的に51.7床をあるところに、1年間に390件余りの入院が入ってくる。うち93% は在宅から、6%は院内の他病棟から入ってくるということでございます。病床の中で11床が 隔離室、個室が約19床で多床室が21床ということでございます。  大体1年間に8回転くらいしているわけでございますけれども、平均在院日数が44日、退院 先としては在宅に行かれる方が65%、院内の多病棟が32%、転院される方が6%という形でご ざいます。  スタッフは医師が5名余り、うち指定医が3.2名、看護師が27.8名となっております。  治療プログラムとしては、SST、OT、心理教育などが行われているほか、ECTも1施設当 たり1年間で261件行われているということでございます。  精神科救急医療算定病棟における主な診療指標の推移でございます。  これは年によって病棟の数も増えてきておりまして、調査対象施設が一定しておりません。そ の中でも在宅移行率が徐々に上がっている、あるいは3次救急率が少し下がっているという傾向 がございますが、精神科救急入院料算定病棟のすそ野が少し広がってきているということも反映 しているのではないかと考えております。  15ページ「精神科救急医療体制整備事業における報告事項」。これは国の方で救急医療施設ご と、あるいは都道府県を通じて報告を求めている事項でございまして、救急当番の日や日数、受 診件数、入院件数。あるいは相談件数、相談者の内訳等について報告を求めておりますが、この ような指標でモニタリングすることでよいか。あるいはもっとほかにもモニタリングする指標が あるかといったことを御検討いただければと考えております。  ちなみに救命救急センター、これは精神科ではなく、一般の救命救急センターでございますが、 これにつきましては、充実度段階評価というのが行われております。各救命救急センターからの 報告結果を点数化して、充実等をABCとして3段階に区分いたしておりまして、評価結果が施 設の運営費補助金あるいは診療報酬の加算に反映される仕組みでございます。  施設の運営費補助金は、充実段階がAであれば100%。Bであれば90%。Cであれば80%が 交付されますし、診療報酬についても、充実段階がAであれば、1日当たり500点が加算される ということになっております。  17ページにその具体的な指標がございますが、重症患者数、在院日数、病床利用率、診療点 数といったもの。あるいは評価項目として、さまざまな構造、プロセスに関する評価指標が並ん でいるということでございます。  診療報酬改定では、こういった救急の充実のためにいろいろな取組みをいたしておりますけれ ども、平成20年の診療報酬改定では、例えば精神科救急入院料で在宅へ移行する患者が高い施 設の評価の引き上げを行ったり、あるいは救急・合併症入院料を創設する、身体合併症管理加算 の創設、さらに救命救急センターに、精神保健指定医が診療に出向いた場合の救命救急入院料の 加算、こういったものを平成20年度から手当させていただいているところでございます。  19ページ以降は一般救急と精神科救急の連携に関する話題でございます。  19ページは、模式的に示したものでございますが、実際に発生する患者さんは身体の傷病と 精神疾患のさまざまな組み合わせを両方持っていらっしゃる方々がいらっしゃいます。自殺企図 で一命を取り止めたが、その後、精神疾患が残って精神症状が残っている方もいらっしゃるでし ょうし、例えば依存症の方で肝臓が悪いという方もいらっしゃいます。救急搬送時に、一般救急、 精神救急のいずれかに振り分けるという判断が難しいという問題がございますし、またその判断 をしたとしても対応できる医療機関が不足しているという問題がございます。  更に一般救急、精神科救急のどちらかの仕組みに入ってしまうと、片方の診療が完了した後も う片方の診療をしたいときに、患者さんを紹介することはなかなか難しいという課題もございま す。  平成21年度予算では精神科救急情報センターや、精神科救急医療施設にPSWを配置するた めの予算措置を行う予定でございまして、連携の確保に努めておりますが、まだまだ今後も対応 する必要があるのではないかと考えております。  20ページ「身体合併症を有する精神疾病患者の疫学」でございます。  東京都内の調査では救命救急センター入院患者の12.3%に精神医療の必要性があり、そのう ち18.5%、全体の2.2%で身体・精神ともに入院治療が必要であるという調査結果があります。  あるいは岩手県高度救命救急センターの全受診件数中、9.5%が精神科救急患者であったとい う調査結果があります。  横浜私立大学高度救急救命センターでは、搬送者の15〜18%が自殺企図の方であったという 調査結果があります。  更に、身体疾患、精神疾患ともに入院治療を要するような水準の患者さんが人口10万対で25 件程度発生しているという調査結果がございます。  21ページは「自殺企図患者への精神的ケア体制充実の必要性」ということで、東京都下の救 急告示医療機関338か所にアンケートを行った結果でございます。  この中で、精神科のケアを充実させる必要があるというお答えが57%ございましたが、その ために必要と考えることとしては、救急医療機関と精神科医療機関のネットワーク、あるいは自 殺企図患者に対応できる精神科医療機関のリスト整備など、一般救急と精神科との連携を挙げる お答えが多くなっておりました。  また、現状のままでよいというお答えも、中を見てみますと、連携できる医療機関がわからな いとか、院内に精神科医がいないということで、決して十分であるということではなくて、なか なかやることが難しいということが原因になっているようでございます。  22ページは、総務省消防庁が行いました「救急搬送における医療機関の受入状況等詳細結果」 の報告から抜粋したものでございます。1週間に東京消防庁管内で、救急搬送された全事例の調 査から全体の数字、そして「精神疾患を背景に有する者」となっておりますが、これは救急隊が、 呼ばれた理由にかかわらず、その方が精神的な疾患を背景に有していると判断をし、更に医療機 関に伝えたものでございます。  こういったデータをまとめたものでございます。  したがいまして、身体の疾患で救急車を呼んだけれども、精神疾患も持っているという方もこ の中には含まれております。  医療機関に受入れの紹介を行った回数でございますが、全体では1回で行き先が決まったとい う方が7割くらいを占めているのに対しまして、精神疾患を背景に有している方の場合は、1回 で決まったのが34%。6回以上かかったという方も18%、11回以上でも6%という形で全体よ りもなかなか搬送先が決まらないという状況が見て取れます。  「図2.現場滞在時間」につきましても、全体では9割ぐらいが30分以内に決まっているわ けでございますけれども、精神疾患を背景に有する場合は30分で決まるのは半数程度で、悪い 場合には60分以上あるいは90分以上という方も相当程度いらっしゃるということでございま す。  これを受けまして、消防庁の方では消防審議会の答申として、「消防機関と医療機関の連携の あり方について」、救急搬送と受入れに関するルールをつくっていくこと。それを決めるための、 地域ごとの協議会をつくっていくという提案をされております。  24ページに3月3日に提出されました「消防法の一部を改正する法律案の概要」を挙げてお りますけれども、この中では救急搬送受入れに関する協議会の設置、消防機関、医療機関等で構 成されるわけでございますけれども、これを置いて実施基準や、傷病者の搬送・受入れの実施に 関して必要な事項について意見を述べるということが提案されております。  また救急搬送・受入れの実施基準の策定につきましては、例えば傷病者の状況に応じた適切な 医療の提供が行われる医療機関のリストをつくり、消防機関がリストの中から搬送先の医療機関 を選定するための基準、更に、消防機関が医療機関に対し傷病者の状況を伝達するための基準、 速やかに決定しない場合に受け入れる医療機関を確保するために、消防機関と医療機関との間で 合意を形成するための基準、こういったものを策定し、公表するというものでございます。  25ページはイメージ図となっております。  26ページ以降は医療計画について解説をさせていただく資料でございます。  医療法30条の4におきまして、各都道府県が医療計画を策定することとされておりますが、 この中で法的に必ず策定しなくてはいけない4疾病、5事業というものがございまして、ここに 書かれているような内容については、必ず医療計画に明示をしなくてはいけないということにな っております。  精神科の関連では、救急医療の中に一部精神科救急医療及び一般救急と精神科救急の連携とい ったことが盛り込まれる形になっております。  その具体的な内容は27ページでございまして、その基本方針の中で、第4の2の2の(1)で ございますが、精神科救急医療について輪番制による緊急時における適切な医療及び保護の機会 を確保するための機能、重度の症状を呈する精神科急性期患者に対応する中核的なセンター機能 強化することが求められるといった記載がございます。  救急医療以外の精神医療に関しましては、医療計画作成指針の中で、その下にありますが、4 疾病、5事業以外で、都道府県における疾病の状況等に照らして、特に必要と認められる医療等 については考慮して記載するという、「その他」の中の位置付けで、都道府県の判断で記載する という形になっておりまして、その中に精神保健医療対策というものが位置付けられているとい う構成になっております。  28ページは、救急医療の部分について、さらに具体的な通知でございますけれども、この中 では精神科救急医療体制と一般救急医療機関との連携についても、充実を図るといったことが記 載をされております。  これらを踏まえまして「課題と検討の方向」として2枚の資料をまとめさせていただきました。  1つ目、精神科救急医療体制の確保についてです。  課題といたしまして、現在の精神科救急医療体制整備事業においては、地域の実情に合わせた システム整備を規定しているが、精神科救急情報センターの整備、あるいは医療機関の受入体制 の確保、システムの周知・活用等が不十分な地域があるという問題意識を持っております。  検討といたしまして、まず1つ目、これは再診や比較的軽症の外来患者への対応など、資料の 中ではミクロ救急といった言葉が出ておりましたが、一次的な救急医療について地域の精神科医 療施設が自ら役割を担うとともに情報窓口の整備・周知等を図り、夜間休日を含めた精神医療へ のアクセスの確保を図るべきではないかということです。  2つ目は、精神科救急医療システムの問題でございますけれども、その基礎的な機能について、 都道府県等がモニタリングを行い、適切にシステムを運用するよう国が指標を設定し評価を行う べきではないか。  更に、都道府県等が基礎的な機能を超えた優れたシステムを構築する際にも、財政的な支援が できるよう充実を図ってはどうかということ。  次は、医療機関の問題でございますけれども、常時対応型施設については、救命救急センター を参考に、施設の機能評価を行い機能の向上を図るべきではないか。そのための指標の作成を学 会等と連携して進めるべきではないかとういうふうにまとめさせていただいております。  次のページは「一般救急と精神科救急の連携」についての課題と検討の方向でございます。  課題といたしまして、精神科救急と一般救急との連携が十分ではなく、特に身体合併症を有す る精神疾患患者の診療体制の確保が困難であるという課題。  救急搬送においても、精神疾患を有する患者の救急機関への受入体制が課題となっているとい うことを挙げさせていただいております。  精神・身体合併症を有する救急患者の適切な医療体制の確保は、自殺予防対策のためにも重要 であります。  これらを踏まえまして、検討の内容といたしましては、精神科救急情報センターが精神科救急 と一般救急との連携・調整や、精神・身体合併症患者の紹介の機能を果たせるよう、機能強化及 び医療関係者への周知を図るべきではないかということ。  2つ目といたしまして、救急搬送・受入に関する消防機関・医療機関等の関係者の協議会を設 置するための消防法改正法案が提出されていることを踏まえ、救急搬送患者の地域における受入 ルールの策定に精神・身体合併症患者も対象とするよう促すことについて検討するべきではない か。  3つ目として、精神病床の身体合併症に対する対応力を大幅に向上させるとともに、総合病院 精神科の確保や機能強化を重点的に行うべきではないか。これは資料1でもお示ししましたよう に、恐らくは次々回の検討のテーマとさせていただきたいと考えておりますが、こういった3つ の論点を、検討の方向性としてまとめさせていただきました。このような方向について御議論・ 御検討をいただければと考えております。  以上でございます。 ○樋口座長  ありがとうございました。  精神科救急医療についてということで、前半これから御議論をいただきたいと思います。  ただいまの資料説明にございましたように、最終的なところは検討課題と検討の方向として最 後の29ページ、30ページにまとめといいますか、課題とその検討事項が、サマライズされてお ります。それも含めて御議論をいただきたいと思いますが、時間としては後半のこともございま すので、およそ40分から50分ここで議論をさせていただきたいと思います。  今回も申し上げますけれども、できるだけ多くの方に御発言をいただきたいと思います。二十 数名参加しておられますので、お1人2分発言をされたとしても、それだけでもいっぱいになる と、それをどうぞ頭に置いていただきまして、できるだけ簡潔な御発言をお願いしたいと思いま す。  それでは、どなたからでも結構でございますので御発言をお願いいたします。 ○小川構成員  救急医療の5ページの資料ですが、一番右の欄に「1 精神科救急圏域辺り施設数」というの がございますが、これは平均ということで考えていいと思いますが、恐らく1圏域辺りこのよう にバランスよく平均的に施設があるかどうかというと、地域の偏在というものも考えられると思 いますが、都市部においては地価が高騰しているというか高いということもあって、なかなか精 神病院の設置がされていないということで、救急体制についても、支障があるということもある かと思います。  そういったところで都市部に総合病院が整備をされているということもあるので、総合病院の 精神科のベッドをできるだけ支援をしていくような体制を、別途検討するということになってお りますけれども、この救急医療の問題においても、単に身体合併症の絡みだけではなくて、より 精神科救急医療の地域偏在の解消のために総合病院の精神科を支援していくということが必要 ではないかと思いますので、その辺の論点も加えていただければと思っております。  あと、今後の検討の在り方にも絡むのかもしれませんが、救急医療というと、措置入院とか、 医療法入院、応急入院という入院形態の問題にも恐らくなってくると思います。そこは第19回 に入院医療の在り方についてということになっておりますので、そこでの検討になるかどうかと いうのを1つ質問させていただきたいと思います。  今回の人員配置の問題の検討していただきたいという話もありましたけれども、では措置入院 の施設基準が現状のままでよいのかといったことがここで検討されるのか、次回検討されるべき 事項なのかということについても教えていただきたいと思います。  医療観察法の省令が最近あったと思いますけれども、十分周知もされていなくて、応募期間を 短くて、パブリック・コメントを受け付けるといっても、周知方法・期間等から見て、パブリッ ク・コメントと言えるかどうかわかりませんけれども、医療観察法が施行されて、措置入院の在 り方がどう変わったのかということがもし検討ができるのであれば是非していただきたい。  医療観察法は一般の精神医療の底上げにつながっていくということと、地域の福祉の充実と車 の両輪であるということで施行されてきたわけですので、その医療観察法の施行前後で措置入院 がどういうふうに変わったのか。そこも十分今後検討していっていただければと思います。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。今御質問いただいた点について、お答えいただくことがございます か。 ○林課長補佐  御指摘の入院形態、あるいは措置入院等の問題につきましては、第19回以降、1つは入院医 療のあり方についてというところにも絡むかもわかりませんけれども、医療の質の向上について というところでも精神保健福祉法に関する制度上の問題を、どこまで議論できるか今の段階では わかりませんが、議論する機会を準備したいと考えております。 ○樋口座長  そのほか医療観察法との関連、措置入院かどう変わったかという辺りについては、いずれデー タが出てくることはありましょうか。 ○林課長補佐  少し調べる必要があると思いますけれども、経年的なデータというのがある程度提供できるか どうか調べてみます。医療観察法との関連についてどうかということについて、どこまで言える かについては今の段階でわかりませんので、調べた上で検討したいと思います。 ○野崎課長補佐  医療観察法につきましては、施行後5年の見直しの規定がございまして、平成22年での状況 で施行状況について国会に報告するということになっておりまして、それに向けてどういった形 で国会に報告するということにしていくのか、その辺りも含めて整理をしていきたいと思います。 ○藤原参考人  小川さんから今、御指摘いただいたように、総合病院の精神科というのは、特に救急において は、身体的に非常に衰弱している患者さんの身体管理能力であるとか、特に鑑別診断とか、そう いうことで総合病院の精神科が救急において役割を果たすというのはとても大きいことです。実 際には私どもの学会のデータでは、ベッドのある精神科の約半数は常時救急に対応している。つ まり、一般救急に連動して、何らかの形で精神科医が関わっているという状況があります。  偏在化という問題で言うと、有床の総合病院があるのが2次医療圏の3分の1、外来しかない ところが3分の1、両方ないところが3分の1ということで、偏在化があるわけです。それがま た進んでいるという要因の一つに、診療報酬上の問題というのが1つはあります。それと総合病 院の医師離れという問題がもう一つあります。  診療報酬問題については、お手元の資料の11ページにも書いていただいているのですが、こ れら特定入院料も実はごらんになっておわかりのように、総合病院の精神科が、今回初めて救急 合併症が取れたのですけれども、これは総合病院の中では数施設、現在は3施設で、現在でもこ こ数年の間に5〜6施設くらいまでに増えればいいかなということで、全国的に普及するにはか なり時間がかかります。  ここにある急性期治療病棟というのは、施設算定要件の中に、病床全体の7割以上、200以上 が精神病床でなければならないということで、総合病院の精神科ではこれは取れないわけです。 ですから、総合病院の精神科における救急におけるとか、急性期の役割というのは診療報酬上ほ とんど評価されてこなかったというのが一つ大きな問題なので、これは是非、是正していただき たいというふうに考えます。  それと、一般科との連携でも、先ほどの消防の問題にもありましたように、これは地域におい て基幹病院で皆さんがお住まいの病院で、あそこの病院に行けば何とかしてくれるというのが総 合病院です。その中に本来精神科があるべきで、その中で連携がということで、今回の診療報酬 改定でも入院時管理加算といって、産科、小児科が備えられているとか、勤務医の負担軽減がな されているとか、精神科医でも提供できるということで、14日間で120点点数が付いたわけで す。  最終的にはその部分で、精神科がほかの病院との連携でも構わないということになっているわ けです。そうなると実際に機能している総合病院の精神科に対しての評価には余りつながってい ないという現状があります。実際に精神科がない施設が約半数それが取れているということがあ るので、もう少しきめ細やかに総合病院の精神科を何らかの形で評価していただきたいというこ と。  一定の医療圏の中で、いかに医師を確保するか。診療所の医者が増えている中で、例えば総合 病院の精神科の外来に協力するとか、1次、2次救急に関して協力するとか、何らかのシステム をつくるように進めていただきたいと思います。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。 ○田尾構成員  きめ細やかな話の後に大ざっぱな話で申し訳ありませんが、いつも思うのですけれども、精神 障害者だけいつも別物として扱われているという印象を持ちます。何故一般科と同じ、先ほど総 合病院の話が出ていますけれども、普通の救急と同じ救命救急センターで精神科も対処してもら えないのか。本来はそれが一番理想的なのではないかというふうに私は昔から思っていました。  私たちの地域で見ていても内科的な問題が明らかでも、精神障害者とわかると救急で見てくれ る病院が非常に少なくなるという経験をたくさん持っています。  20ページの資料からですと救命救急センターで12.3%に精神医療の必要があるとなってい ます。ですから、これは精神科救急だけではなく、救命救急センターにも例えば精神保健福祉士 のような精神科の専門家を配置するということで、救急の搬送先がなかなか見つからないとかい う現状は少し変わるのではないかと思います。  12ページのいわゆるスーパー救急と言われるところですけれども、実は私今朝6時ころ松沢 病院に受診ができないかと電話をしてみたいわけです。そうしましたら、ひまわりの電話番号教 えてくれました。  本来、いつでも診察をするとうたっているスーパー救急の指定で、実際は夜間は救急情報セン ターに流してしまっている。ひまわりは入院の必要な患者だけトリアージをして、医療機関に紹 介しますから、救急で外来だけを受診したい人たち受けるサービスは東京にはないということに なります。  今の東京の現状ですと、日中でさえ急に入院が必要な状況の患者さんに入院先を見つけるのは 非常に難しいというのが現状です。  私も入院勤務中にどうしても自分の病院で入院が受けられないときにほかを探しましたけれ ども、専門家の私ですら、何か所も電話しなければ見つからないという状況がありました。  例えば4時以降くらいの入院以来になってくると、5時過ぎの入院になるので、病院職員との 軋轢が出てくるケースも多々ありました。5時過ぎまで待ってひまわりに電話しろというような 指示を受けた人たちは東京の中では少なくないと思います。  救急の公的な機関は非常に嘆かわしい現状だと思いますので、それを何とかしようという話が 今回なのだと思いますけれども、もう一つ、精神科の救急の公的な体制を整えることが非常に大 切なのですけれども、それ以上に、どこに搬送されるかわからないような救急に頼るだけではな くて、その前の手だてとか準備、それから教育の連携の必要性を非常に感じます。  かかりつけの医療機関が、例えば診療以外で入院とか、外来の対応をしようという気になるく らいの診療報酬の加算を付けるなどの配慮があれば、もう少し身近な医療機関で対応できるケー スが増えてくるのではないかと思います。  最後に、26ページの4大疾患ですけれども、これに精神病あるいは精神疾患という形で精神 科の病気がいかに国民的な疾患であるかということを加えていただいて、もっと啓発していただ きたいなと思っております。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。 ○町野構成員  今の御質問の中でもありましたけれども、どうして消防法と切り分けてやらなければいけない か。前この体制が走り出していることは確かなのですけれども、基本的にその点は、元に戻るこ とは不可能なのか。この体制の方がいいのかということについて御説明いただけたらと思います。 ○樋口座長  いかがでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長  質問の御趣旨は、救急について消防と我々厚労省が分かれていることについてそのものでござ いますか、それとも精神についての救急が分かれているということについてでございましょうか。 ○町野構成員  両方でございまして、平成7年のときから、この問題は確か議論され、私もその中にいたと思 いますけれども、その時点で消防法で対応するということをまず最初に考えられたと思います。 結局そちらの方には行かずに、その後移送の問題が生じ、それからこういう問題になってきたと 思うのですけれども、これは最初のところで、ボタンをそうかけたわけですけれども、現在もう 一度かけ直すとか、別に部署が分かれているということは連携さえ取れていれば別に問題はない わけです。それが合理的であるかということ。  先ほどの御質問にありましたとおり、どうして精神科だけが別なのかという基本的な疑問です。 それらについてどのようなお考えかということです。 ○福島精神・障害保健課長  基本的に我々はできるだけ一体化してもらいたいと思っております。何故、別になっているか ということから言えば、消防の救急搬送が生命に危険があるものを運ぶというのが原則にまずが あって、それが精神が除かれている最も根底にあります。平成7年当時、救急の仕組みを精神に 導入しようとしたときに、精神も消防で一緒に運んでもらいたいということで、その当時からい ろいろ話をしていたはずだと思います。  現実には、現場では、十分にそうなっていない現状にあり、それを解決すべきだという認識は 持っていまして、先ほどの資料でもお示しをしているように、消防機関と医療機関の連携のあり 方について、今協議がされていますので、その中で、精神も併せてきちんと議論をしてもらいた いということを入れていきたいというのが我々の今の希望です。  それぞれの根拠法があり、救急搬送は消防の所管であり、消防はもともと自治消防として生ま れてきたもので総務省、消防庁が所管しているということなので、省庁を超えた連携というもの をしないといけないというのは御指摘のとおりだと思いますけれども、直ちに組織を一本化し、 法律を一本化していくというのは現実的には難しく、我々としては実態的な運用上それをどうや って担保していくのかということを目指すべきではないかと思います。 ○樋口座長  ほかにはいかがでしょうか。 ○大塚構成員  今の観点で1つなのですが、先ほどから出ていますように、自殺未遂者のことが大変搬送の中 でも大きく上げられているということが、結構知見として上がってきているわけですから、これ はまさに生命の危機ということに関連するわけで、自殺予防対策は内閣府ということで省庁横断 になっているわけですから、そこはかなり強く根拠法が別ということではなくて言っていけるの ではないかと思うので、是非その辺を推し進めていただけたらいいなと思うのが1つです。  それと、先ほど田尾構成員からも出ましたけれども、一般救命救急の方に是非ソーシャルワー ク機能というものを置いていただきたいと思います。これは今の厚生労働省科学研究費の方でア クションJということで17大学病院ぐらいか何かでやっていると思いますが、横浜市大等々で 自殺未遂者の対応というところでは、背景にある社会的要因の改善であるとか、家族の方とか、 周辺の方への支援というものがとても大きいということですので、この辺は精神科救急の方には 書いてありますけれども、是非一般救命の方にも置いていただきたいと思います。  もう一つ、田尾構成員と重なるのですが、先ほど4時になったら5時で待ってひまわりへとい うのは、東京ではよくある話でした。私がいるときにもそう思ったのですが、ミクロ救急な話が 出ていて、一時的な救急の話がありましたが、ここについては例えば各医療機関の開業の仕方と いうか、経営の在り方というか、営業時間の取り方とか、そういうところとの兼ね合いがすごく 大きなと感じているのですが、ここを診療報酬で変えていこうとするのか、もしくは一般救命救 急に関するような機能評価というか、実施基準をつくって、例えば圏域内でそれぞれの救急に関 する運営のあり方をきちっと情報共有をして、役割分担をしていくという仕組みがないと非常に 難しいだろうなというふうに感じた次第です。  もう一つ、できれば情報としていただきたいなと思いましたのは、情報センターの整備体制に ついて、なしが12とか、夜間・朝までやっているとか、いろいろ格差があるわけですが、その 格差の理由とか、何故そこの圏域では体制整備ができないのか。していないのか、要らないと思 っているのかという辺りの背景に関するデータ等がもしあればありがたいなと思いました。 ○樋口座長  ありがとうございました。ほかにはいかがですか。 ○長野構成員  システムの話がずっと来ているのですが、私たちの田舎もそうですし、全国あちこちあると思 うのですが、一般救急も医師不足で完全に疲弊をしてきている。我々の町でいくと7,000件の救 急を12人の医者が年間でずっと診ている。完全に疲弊し切っているという状況が一般救急の中 にもあります。  精神科救急も全く同じで、精神科救急を担う医師の確保、先ほど総合病院の話がありましたが、 精神科救急を担う医師の確保策が同時並行、さらに先行して医師確保が進められないと、完全に 絵にかいた餅になるのではないか。医学教育から始まって、臨床研修の中で何かできないか。そ こをないがしろにしていってしまうと、とてもやれると思えないというのが1つあります。指定 医の協力の話もありましたけれども、たとえ仕組みができても中を回す人がいないということが あり得るのではないかと思います。  ミクロ救急のところを制度化する際に、常時対応型とかいろいろ縛っていくようになるのか、 評価していくようになるのか心配しています。小さな地域では1人、2人の精神科医が常に24 時間、365日対応しているという事実はたくさんあると思うのです。  ミクロ救急と定義されているものが、これから制度が導入されるときにぎりぎりでバランスを 保っているものを壊さないような「地域の実情に応じた」というふうに考えていただいていると 思うのですが、これがないと元々何とかぎりぎり回しているのに、制度が入ったがためにやれな くなったということが絶対ないようにしてほしいと思います。  以上、2点です。 ○樋口座長  ありがとうございました。それでは、広田構成員どうぞ。 ○広田構成員  何人かの方がおっしゃっていますけれども、何故精神科救急を一般救急と分けるのか。それが 1点です。  前にも話していますけれども、11年前に医療を必要としている患者が警察の保護室に長時間 いる。警察の保護室というのは24時間までで、それ以上を超える場合には裁判所に届出なけれ ばならない状況だけれども、届けを出して一晩以上警察の保護室にいる現状があるということを 知って、私は驚き、おかしいと思い、この11年間警察の現場と救急隊の現場をずっと勉強して います。  そういう中で警察法と警職法の中に、いわゆる国民の生命財産を守るということと、言葉はき らいですけれども、精神錯乱者を保護するという条文が警察にあるために、警察がやり過ぎてし まっている。本来精神科救急のニーズが、いわゆる救急隊とかいろんなところに出てくるはずだ ったのが、警察に集約されて、現在もほとんど多くの都道府県の警察はやり過ぎていると思って います。  それを普通の医療にしていくにはどうしたらいいかということになりますと、30ページに出 ていますように、精神科搬送患者の地域における受入ルールの策定に、精神身体合併患者も対象 とする。福島課長が先ほど一般救急と一緒にすることに対して消極的な発言をなされましたが、 大塚構成員が言ったように自殺対策基本法ができ、自殺という問題が国家的課題である中で、そ ういう意味で言えば亡くなった方に失礼になるかもしれないけれども、ピンチはチャンスですか ら、精神科救急を一般救急と同じように入れてくれと言うときが来ていると思います。  精神科救急をややこしくしているのは、一般の救急車や自分でいく、ソフト救急とさっきお話 しした警職法で保護した人の中で警察官通報に基づくハード救急があって、そこが非常にややこ しくしている。  例えば横浜市救急課が言っていますが、「広田和子さんが救急課に現れて、横浜市救急課は初 めてオフィシャルに精神科救急を取り上げている」ということで、横浜市の救急隊は年間4千人 もの搬送者を受け入れてくださっています。  先日この委員会があるということを知った救急救命士が会いたいということで、意見を伺いま したが、実際には先ほど大塚構成員とか田尾構成員が、PSWをそこに置けばいいという話をす るのですが、とにかく国の審議会でもここに出る人も思うのですけれども、障害者とか患者のた めの施策ではなくて、事業者とか専門職の職域拡大のための委員会かなというふうにずっと思っ ているのですが、申し訳ないけれども、神奈川のソフト救急の窓口にいるPSWはとても下手で す。私が行った方がよほど早い。初診がどうしたとかこうしたとか、今どういう状態ですかから 始まる問題なのに、長過ぎて、電話がつながらないから「救急隊はソフト救急の窓口を知ってい ても使い物にならない」と言っているし、私も使い物にならないと認識している。  PSWという前に、その国家資格案がどうなったか知らないが、精神病院に宿泊研修してくだ さいと私は発言しました。PSWの学校に行ってみると、病状ばかり勉強して、社会性も市民性 の何もない。病状知ってそれが専門性だと、それが現状です。  そういう現状をまずあなたたちのような、力のあるPSWは何とかすることが先で仕事の改革 は後ですというふうに申し上げておきます。  そういう中で、救急救命士はこう言っていました。「どこかの病院に誰か窓口の人と知り合い になることが大事だ」と。  たまたま昨日も窓口らしい人に菓子折りを持っていった。その後5人患者を連れていった。そ うしたら窓口でお菓子をもらった人が、さっきもらったお菓子はこの5人分ですかと言われたと いうので、笑い話になるくらい本当に一人ひとり、横浜市には60台の救急車があります。70台 にしたいんだけれども、中田宏さんが、私から見ると大きなことばかりに目が行って、地道なと ころの政策に取り組まない市長です。  まず行き先がないのです。行き先がないからそれをどうしたらいいかということです。  それと、ソフト救急だったら個室でなくてもいいでしょうという話を前回もしています。  行き先がないということと、私と一緒に精神保健指定医をちゃんとやるために、いわゆる精神 保健指定医の更新に、私はきらいな言葉で全国の患者もきらいな措置診察をやったことがある人 を義務規定にしましょうというふうに、声高に叫んでいた坂元さんが今日まだ来ていないで、意 図的か偶然か知らないけど。  そこなんですよ。行き先がないことと、たとえ精神科救急のところに、情報センターに入るの かもしれませんが、ソフト救急で行く場合でも、私がいろんな相談をやった場合に、ソフト救急 に運よくとつながった場合に、初診がどうとか、「そんなことはどうでもいいからこういう状態 です。ソフト救急のニーズのある人がここにいる何とかお願いします」と言って「本人を電話に 出してください」といわれ、本人が出る。そうすると「広田さん」と本人が私に電話をわたす。   「任意で入りますけれども、医療保護になる可能性があるから保護者も必要だ」ということで、 私は保護者を呼んで、そして救急隊を呼んで行き先を言うと、緊急隊が、「保護者を呼んで行き 先まで決めてもらえば、こういうケースだったら救急隊一番ありがたい」と言うのだけれども、 医療保護入院も全国の患者は反対です。私も、精神医療サバイバーとして、すべてが任意入院で いけたらいいなと思うけれども、そうではない実情も把握しています。  そうしたときに、精神保健指定医がソフト救急でも必要なわけです。医療保護になる可能性が ある。ところが、ベッドがない、行き先がない。精神保健指定医不足に尽きると思います。  点数などは総合病院もおっしゃっています。患者の脱精神病院化はできないわけです。この瞬 間にも7万人とも10万人とも15万人とも言われる社会的入院の、入院治療の必要でない人が 病院の中にいながら、一方では本当に医療を必要として、緊急に医療を必要としている人が行き 先がないという、これが問題になっているわけです。  PSWがどうのこうの、そうではないんです。  前回も言いましたが、ソウルなどは25の総合病院に精神科がありますから、合併症の対応が できるわけです。  そういう意味では、クリニックじゃないですよ。病院の方です。医師不足、精神科医不足、精 神保健指定医不足なんです。そこからすべてか起こっている。  それから、何とか情報を知っていますかという、こういうふうなアンケートをどこにしたか知 りません。 ○樋口座長  少しまとめてください。 ○広田構成員  これから言うのです。20数名の構成員がいるから、2分程度にしてくれと最初に言われてし まうと、みんな手が挙がらないんです。  そういう意味で言うと、1日に4本も一遍にやらないでと。これは事務局に対してです。2分 と言われてしまうと、私はしゃべっていますけれども、こちらが精神科救急が必要になってしま います。 ○樋口座長  中島構成員、どうぞ。 ○中島構成員  広田さんの後なので早く済ませたいと思います。長野構成員のおっしゃっていた、今、必死で やって、ぎりぎりでもっているところが壊れないような施策というのはとても大切なことだと思 いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  書いていらっしゃることはとてもオーソドックスで、あとは予算がどう確保できるかというこ とだと思います。それは前置きとして、全体の流れの中で精神科救急システムにおいて診療所の 果たすべき役割というものがちょっと薄いのではないか、もう少し前面に押し出していっていい のでは、と思うのです。  その理由は、精神科診療所だけが今どんどん増えています。総合病院の精神科はどんどんつぶ れていっています。つぶれていなくても力は弱り切っている。こういう状況があるわけです。  病院の医師もどんどん開業されていなくなっている。疲弊し切っている中で、この救急をやる ためには、やはり診療所の先生方とどう一緒にやっていくかということが計画の中に入ってこな いとうまく回らないだろうと思います。  とにかく何らかの役割を診療所が担うことを義務付けていくということが、法制度上必要なの ではないか。もし、義務付けるということが無理であれば、少なくとも診療報酬上の差別化を行 う必要があるだろうと考えております。過激ですけれども、そう思います。  勿論、診療所ごとにさまざまな特性を持っていらっしゃいますので、その特性に応じた地域に 合ったものをつくる必要があると思いますけれども、そこが1点抜けているのではないかと思い ます。  もう一点は、いろんな補助事業を行われるわけですが、現在自治体は非常に財政的に破綻状況 というか疲弊しておりますので、国が例えば3分の1、県が3分の1、市町村3分の1という分 け方をしますと、県か市町村が出せないと、事業自体ができないという形になります。  ですから、この前ありましたような、国が3分の1、県は3分の1以内、事業所が3分の1以 内というような補助の付け方を是非していただきたい。全国に広めるためにはそれが必要であろ う。そうでなければ自治体の財政状況を一挙に改善するような総務省の抜本的な改革が必要では ないかと思います。  以上です。 ○樋口座長  上ノ山構成員、どうぞ。 ○上ノ山構成員  せっかく診療所の話に振っていただきましたので、一言お話しさせていただきます。  救急の問題のときに精神科の診療所が伸びているということと、一緒に話をされてしまうと、 問題の本質が少し見えにくくなるのかなという気がします。  基本的に精神科医師不足なわけです。絶対的に不足しているわけです。そういう中で、精神科 診療所にもいろいろありますけれども、それなりに地域に出て、街中で救急を担いたいという気 持ちで開業なさっている先生も多いと思います。かなりその地域の救急に積極的に参加して、貢 献なさっている先生方も多いと思います。それを一まとめにしてしゃべることはできない。  現に私の地域で、市立病院というのがありまして、心療内科が精神科を代わりにやっていたわ けですが、そこが閉鎖になりまして、地域に1,000人の患者さんをどっと放り出してしまう。私 の近くの総合病院の中の精神科のベッドが100床あったのが、医師が離れていって、半分にベッ ドが縮小されている。  現実に、ここは後ほど議論になると思いますけれども、ACTみたいな状況が地域で進行して いっているわけです。つまり、ベッドで働く医師がいなくなってしまって、地域で何とか一生懸 命受け入れていかざるを得ない状況になっている。  そういう意味で、救急医療に関して取りかかる場合には、外来医療の充実に関して、積極的な 提案がないと、日常の外来診療体制自体が崩壊寸前になっているということなわけです。  私も県の精神科救急体制に参加してくれと言うことで、協力を要請されているわけですが、夜 間・平日、1日救急当番しましても、その日1日延びても、その人が翌日受ける診療所・病院が ないわけです。つまり、予約制とか2〜3週間待ちとか、何か月か待ちとなってしまう。1日診 療しても、その後の2日目の診療が何か月先とかいうような状況では、これでは救急体制が確立 しているとは言えない。  マクロ救急全体の話がよく言われますけれども、夜間・休日の救急体制が言われますけれども、 日常の救急体制自体が、診療体制自体が既に非常に危機的な状況になっている。そこで、普段の 受入体制をきちっとしていなければいけないということを強く主張したいと思います。  話が外れて申し上げないですけれども、精神科救急入院料に対して、地域移行率とか、在宅移 行率に関する分析が14ページにされていますけれども、これをどう評価するかということなんで すが、いわゆるスーパー救急ができることによって、その地域の救急の患者さんを一手に引き受 ける感じになります。  そうすると、その地域の救急の連携体制というのを逆に崩壊させていく恐れがあるという意味 で、在宅移行率とかいうことを強調してしまったりするのは逆にまずいのではないか。後方病院 と連携をどういうふうにつくっていくのかという意味で連携が、これからのキータームではない かと思います。  合併症に関してもそうですけれども、合併症もどういうわけか在宅への移行ということが条件 になっているようですし、鑑定に関する条件も付いているようです。  しかし、我々が普段困っているのは、自殺企図をしてリストカットしたり、そういう人たちが 一般病院に入院した後、もう少し見てくれたらいいのに、すぐに精神だからといって放り出され てしまって、あとどうしていいかわからないということです。結局見てくれるここはなくて、ま た重症化してしまうということで、すぐに連携できる体制というものを考えていかないといけな い。鑑定件数であるとか、在宅率だとかいうことで、合併症対応施設を決めてしまうと、非常に 対象範囲が狭くなってしまって問題ではないかと思います。  以上です。 ○樋口座長  長尾構成員、お待たせしました。 ○長尾構成員  いろいろ出ておりますが、6ページ、地域によって精神科救急医療システムの運用が全く異な るということで、受診件数が少なくて入院率が高いところ、受診件数が多くて入院率が低いとこ ろ、これはある部分で当然と言えば当然かと思いますし、一概に受診件数が少ないところがハー ドな部分だけを担っているのかというと、一概には言えない部分もあるかと思います。どのよう な形で受診に至っているか。その過程がきちっと分析されないとこれは一概に言えないのではな いかと思いますので、もう少し内容を分析していただきたい。  それから、相談窓口が随分出てきておりますけれども、電話相談とかによってトリアージをし て、相当受診に至らないケース等も結構あるわけです。そういうものがどこまで機能しているの か、それによっても受診している件数とかが随分違うと思いますので、もう少し内容をきちっと 分析しないと、これは一概に悪いという話ではないと思いますので、その辺りをもう少し分析し ていただいた上で、わかるものならば出していただきたい。  兵庫県におきましても、受診に至る人は結構入院率が高いと思いますけれども、そこまでに至 るまでに相談で7割くらいは、受診に至らないで済んでいるケースというのは結構あると思いま すので、その辺りは十分勘案してもらいたいと思います。  先ほどから、広田さんに若干同意したいというのは、医師不足、精神科医不足、指定医不足を ちゃんと言っていただいたのは非常にありがたいと思いますけれども、根底は、医師不足が一番 にあることだと思いますし、医学部の定員が若干増えたということで増加するのは期待しており ますけれども、効果が出るのは10年先。その中で産科、小児科というのが、非常に医師不足で 危機的な状況にあると言われておりますけれども、精神科も非常に少ない。特に病院の精神科の 医師不足というのは深刻化して来ているのは事実ですし、その中でも指定医をきちっと確保して いくというのもなかなか難しい状況になっている。  その中で、救急体制をいかに確保していくかというのは、本当に真剣に考えなければいけない わけですけれども、スーパー救急ができて、先ほど上ノ山構成員が一極集中化してしまうのでは ないかというようなことを言われましたけれども、それほどはないだろう。地域によっても相当 の差がありますし、そこへ集中せざるを得ない部分のところもあるかもしれませんけれども、輪 番救急とかも含めた機能のすみ分けということもしなければいけない地域もありますし、地域に よって相当の体制の形というのは差がありますので、この辺はやはり地域ごとのありようという ものをきちっと踏まえながら体制づくりをされなければいけないと思いますので、その辺をしっ かりとしていただきたい。  先ほど長野構成員も言われたように、地域であるパターン化をした形の救急システムというも のを、各地域に押し付けるのではなくて、それぞれの地域特性に応じた形をきちっと生かせるよ うな形をつくっていかなければいけないと思います。  その中で先ほど出た常時対応型の施設にしても、スーパー救急のところが多くは担っていくの だろうと思いますけれども、余りにそこへ集中していくことについても、これも担わなければい けない部分もある反面、余り集中していくと疲弊を起こしてしまうということもありますので、 そういったいろいろな面で、体制というものを考えていって欲しいと思います。  指定医の話も前回の検討会の中で診療所の指定医の方の出務協力ということも出ていました し、そういったことも今後も含めながら体制づくりというものを担っていかなければいけないと 思っています。  もう一点は、19ページ、精神科の救急と一般救急の連携というのはこれから大切になってく ると思いますけれども、精神科救急で受けても身体合併症を伴っている人、時には精神症状を呈 してくるけれども、その原疾患として、脳炎であったり、脳疾患があって、精神症状で最初はな かなか鑑別できにくいけれども、しばらくして、そういう身体疾患の方であろうということが出 てくる場合も結構あるわけなんです。  そういう場合に、救急を受けてから、一般病院へ転院するということも出てきます。これも県 によって、県単事業として、救急の転院先に対して、ある程度の補助金を出しているところもあ るかと思いますけれども、そういうシステムを国としても考えていくことも必要ではないか、身 体合併症もしく身体的疾患によって起こっているような場合に、搬送先の方もある程度の、何ら かの期間の間に搬送された場合は、救急の何らかの報酬を受けるということも必要ではないかと 思います。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、三上構成員に発言していただいて、その後、長野構成員に短くいただきまして、そ れでもって前半を終了させていただきたいと思います。 ○三上構成員  救急の切り口というのはいろいろあると思います。一般救急と精神科救急、これをシステムと して支援しろという話がありますけれども、疾患として違うので、システムが一緒でも違うもの であると認識する必要がある。  あとマクロとミクロという言い方、あるいはハードとソフトという言い方とか、先ほど休日・ 夜間の救急と、平日・昼間帯の救急という意味合いがある。すべてのところで問題があると言わ れましたけれども、一番大きなのは、夜間・休日の、いわゆる措置を扱うハードの部分が非常に 難しいのではないか。それは指定医の不足とかもあるので、基本的には役割分担、公と民という か、マクロとミクロでうまく役割分担をしながら、バランスよくその地域に合った救急体制をつ くるということが必要ではないか。  それがうまくいくためには、診療報酬がそれぞれに公平にというか、バランスよく診療報酬を 振り分けないと、一部のスーパー救急だけ手厚くするということになると、やはり壊れてしまう 可能性があるので、その辺は十分配慮していただきたいと思います。 ○長野構成員  2回目で恐縮ですが、19ページで21年に一般医療と精神科救急の連携を補うのにPSWと書 かれています。ナースでもいいということではあるのですが、連携というのは相手の状況をよく わかって初めてよく連携が取れると思います。PSWの中に身体疾患の救急であったり、一般救 急の現場がわかられている方がどれくらいいらっしゃるのだろうか。ここの連携というのが、例 えば一般救急の実習とか、研修体制をきっちり組まないと、逆にここにPSWが入ることで連携 が遠ざかる可能性があるのではないかと真剣に思います。  やはり身体疾患への基礎教育の不十分さをぬぐえないPSWが本当に適当かどうかというこ とも検討しながら、また、そこを補うためにはきちっと研修しなければ、本当に一般医療との連 携がますますうまくいかなくなるという話になりかねないと思いますので、最後に発言させてい ただきました。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは後半の方へ進ませていただきたいと思います。  後半は資料の3と資料4でございまして「ケアマネジメント・ACTについて」、それから「危 機介入について」、この両方を先に事務局の方から説明をしていただいた後に御質疑をいただき たいと思います。 ○林課長補佐  続きまして資料3「ケアマネジメント・ACTについて」御説明させていただきます。  1ページ目、論点整理におきましては、緊急時の相談支援やケアマネジメント機能の充実、訪 問看護等在宅医療の充実を踏まえて、精神症状が持続的に不安定な患者を含め、地域生活を営む 精神障害者に対する複合的なサービス提供のあり方について、これまでの研究成果にも留意しつ つ検討すべきではないかという論点整理になっております。  これを踏まえて、ケアマネジメントという側面、更に包括的なサービスとしてACTというも の、連続的な部分もあると思いますので、一つの資料として御説明させていただき、御検討いた だきたいと思います。  ケアマネジメントとはということは、申し上げるまでもないことではございますが、さまざま なサービスを、適切に結び付けて調整を図り包括的かつ継続的なサービス提供を可能にするとい うことでございます。特に精神障害者の方は、言うまでもなく福祉のサービスと医療のサービス を両方必要とされているということでありまして、どちらかだけではいけないというところが一 つの特徴でございます。  次の精神障害者の現状という紙にもございますが、福祉のサービスを使っていらっしゃる方の 数、通院医療を使っている方の数、デイ・ケア等を使っていらっしゃる方の数を見比べていただ きますと、福祉サービスを使っていらっしゃる方は増えてはきているものの、医療サービスだけ を使われている方も数多くいらっしゃるということも見て取れるかと思います。  これまでの議論、中間まとめにおきましては、相談支援体制の充実強化として、一般的な相談 について、拠点的な機関を設置するということ、それから、ケアマネジメント機能の充実に関し ましては、サービス利用計画作成費について病院等から、地域生活への移行、地域での自立した 生活を営むことを目指すものを含め、その対象者を拡大するなど充実を図るべきということでご ざいます。  また、サービス利用計画の作成手続について、支給決定後に作成することになっている取扱い を見直すとともに、作成後において継続的にモニタリングを実施する仕組みとすべきといったこ とをまとめていただいております。  障害者部会の報告でも、これを受けまして、サービス利用計画作成の対象者をすべての障害者 に拡大するとともに、ケアマネジメントに基づいて市町村が支給決定をする仕組みを導入すると いう提言をいただいております。  当然ながらサービス利用計画の中には、その福祉サービスだけではなくて、医療サービスを含 めて、マネジメントをしていくわけでございますけれども、この議論の対象となっているのは、 少なくとも1つは、福祉サービスを使っていらっしゃる方について、すべての障害者に拡大する といった議論でありまして、医療サービスだけを使われている方については、ここにはなかなか 含みがたいというものでございます。  6ページ目以降はACTについて、これは昨年8月に伊藤順一郎参考人にお越しいただきまし て、御説明いただきましたので、そのときの資料を再度提出させていただいておりまして、簡単 に改めて御説明させていただきますが、ACTの基本的な構造といたしましては、頻回な在宅訪 問、生活の場での協働作業など、アウトリーチを主体とする、看護師・PSW・OT等の多職種 がチームを形成する、関係づくりから、さまざまな多彩なサービスを提供する、チームの精神科 医がいらっしゃるということ、24時間週7日対応を原則として危機介入にも対応する、ケアマ ネジメントを用いて、包括的なケアプランを作成して、ニーズに合致したサービスの提供をする といった基本的構図がございます。  標準のサイズとしては、7〜10人のスタッフで70〜100人の利用者の支援、ケースロードは 1:10、夜間や休日のオンコール体制も含むといったことが提唱されております。  対象者としては、精神科医療のheavyuser、特に重症な方であるということが提唱されている わけでございます。  日本の中でも幾つかの取組みがございまして、市川で行われておりますACT−Jというもの でございますが、ここは設立の主体が訪問看護ステーションでございまして、このほかに国府台 病院の精神科の医師が1名加わっておられ、ステーションには、看護師、作業療法士、精神保健 福祉士、この精神保健福祉士は県のモデル事業として、人件費が賄われているという構成になっ ております。  京都で行われているACT−K、これは民間で行われておりますが、訪問型の診療所、それか ら訪問看護ステーション、NPO法人が設立の主体であります。  精神保健福祉士、薬剤師、看護師、作業療法士、それから、診療所の医師という構成になって おります。  精神保健福祉士は診療所の方に、看護師はステーションの方に所属しているという形になって おります。  財源としては、訪問型診療所の収益、訪問看護ステーションの収益ということで、保険診療の 収益で賄っているものでございます。  ACT−おかやま、これは精神保健福祉センターで行われているものでございまして、チーム の構成としては同様に、精神保健福祉士、作業療法士、看護師、保健師、臨床心理士という、多 職種のチームになっておりまして、精神保健福祉センターの医師がチームの精神科医になってお ります。ここに関しましては、公的な場所でございますので、保険診療のほか、県の財政負担が あるということでございます。  ACTの効果についての研究成果のレビューを簡単にまとめたものでございますが、入院期間 の短縮、地域生活の安定、患者の満足度、こういったことに関しまして、海外の文献でございま すが、良好であるといった報告が多く見られます。  また、症状の軽減であるとかQOLの向上、この辺りに関しましても「良好」「不変」といっ た報告両方ございますけれども「良好」といった報告もかなりあるということでございます。  これらを踏まえまして、現状及び課題として12ページにまとめておりますが、障害者自立支 援法の見直しに合わせ、サービス利用計画作成費の対象者の拡大等を行い相談支援の拡充を図る こととしております。  精神障害者の利用するサービスは障害福祉、保健医療、就労支援等の多岐にわたっております。 利用者の状況によっては、障害福祉サービスを中心に利用する場合や、医療サービスを中心に利 用する場合もございます。  病状が特に不安定な精神障害者については、状態の変化を把握して極めて迅速に医療サービス 等の実施に反映することが求められるわけでございます。  また、重症精神障害者の地域生活を支える仕組みとして、ACTが提唱されており、国内でも モデルとなる取組みが行われております。  これらを踏まえ、精神障害者のさまざまな状況に応じて、適切にマネジメントを行うことがで きる体制の確立が求められております。  他方、迅速性だけを配慮すればいいということではなくて、その際サービス提供事業者からの 中立性にも配慮が必要であるということで、この両方を見ながらトレードオフの関係もございま すが、どのような体制を築いていくのが一番いいのかということを検討する必要があると考えて おります。  「検討の方向」といたしまして、13ページに案を提示させていただいておりますが、精神障 害者の地域生活支援のための基本的な体制として、指定相談支援事業所が、医療機関と連携を図 りつつ、マネジメントを実施する体制の確立が求められる。  これは次の14ページの例1の図に模式的に示しておりますけれども、福祉サービスについて 相談支援事業所が、障害福祉サービスのマネジメントをしつつ、医療機関との間で、紹介・情報 提供を行いながら、利用者の支援をしていくということでありまして、安定した精神障害者、地 域移行された患者さん方などを含め、かなりの多くの部分はこの形で担っていただけるものと考 えております。  2つ目の○でございますが、入院を繰り返す方、重症の精神障害者の地域生活支援に当たりま しては、訪問看護ステーションや医療機関がマネジメント又はその一部を担うとともに、多職種 が連携することにより、精神障害者の状態の変化に応じて迅速かつ適切に支援できる仕組みとす るべきではないか。  これは14ページ、15ページの図で見ると、例2あるいは例3といったところに当たるもので ございますが、例2のように、相談支援事業所と医療機関が十分な連携を図り、あるいは医療機 関が相談支援事業者の指定を取られるという場合もあると思います。医療の観点からのモニタリ ングなども、ケアプランに迅速に反映させて支援をしていくといったあり方があるのではないか。  あるいは例3のように、そもそも保健医療サービスを中心に利用して生活されている方に関し ましては、医療機関あるいは訪問看護ステーションの方でケアマネジメントについてきちんと担 っていくべきではないかということがございます。  13ページの方に戻りまして、中でも極めて重症なものについては、重点的かつ包括的に支援 を行う仕組みの構築を図るべきではないか。このような支援の対象者は受診中断者や未受診者な ど危機介入を行うべき対象者とも重複することから、後で資料4で御説明いたしますが、危機介 入の体制とも連続性のある、もしくは一体的な仕組みとするべきではないか。  次の15ページの図で言うと、例の4でありまして、包括的なサービス提供主体が、ケアマネ ジメントとして生活支援、医療サービスを含めて、一体的に提供するといった仕組みが、極めて 重症な方については必要ではないかということでございます。  これらの仕組みの導入に当たっては、具体的な体制のあり方について検討が必要でございます し、また重症な方について重点的なサービスが行われるような対象者の明確化を図るべきではな いか。このようにまとめさせていただきました。  続いて資料4に基づきまして「危機介入について」御説明させていただきたいと思います。  1ページ「地域における重症の精神疾患患者の危機介入と継続支援のための主な制度」という ことで簡単にまとめさせていただいております。  「1.強制力を伴わないもの」として保健所等の訪問指導等がございます。これは本人、家族 の同意のもと、あるいは保健所長が必要と認めた場合にも行うことができますが、自宅を訪問し て、受診の勧奨、医療、服薬の継続の重要性についての相談指導を行うということで、地域保健 活動の一環として、都道府県等が実施主体となっております。  「2.強制力を伴うもの」といたしましては「措置入院」「34条移送」といったものがござい ます。これらはいずれも御本人の自発的な受診ではないということ。移送して御本人を強制的に 入院させる仕組みであるというものでございます。  「3.基盤整備や調整を行うもの」として、前半で御議論いただいた精神科救急医療体制整備 事業というものがございます。  順に少し詳しく見てまいりたいと思いますが、まず「訪問指導」についてです。  保健所が実施した精神保健福祉相談等の実施状況等でございまして、2ページ目の右側が、訪 問指導の実施者数。「実人員」「延人員」、平成11年度〜18年度まで書いておりますけれども、 実人員で8万3,000人〜6万4,000人、延人員で21万人〜16万人余りということで徐々に減少 して来ております。  背景としては保健所数が減ってきておりまして、地域の中で保健所が距離的に遠くなってきて いるということ。  こういった役割のある部分を、市町村が担うようになってきているということが挙げられるの ではないかと思います。  3ページ目は、これをグラフにまとめたものでございまして、下の網かけ部分が訪問指導の実 人員で、平成11年度〜18年度まで、徐々に減少しているということでございます。  4ページ目は「保健所が受ける困難事例の内訳」ということでございます。  右側のグラフを見ていただきますと、保健所で受けている困難事例と考えられていらっしゃる ものについてどんなものがあるかということでございますが、多いのは「地域・近隣で他害・迷 惑行為」。  次に多いものとして「医療の継続性、医療中断、受診行動」といった問題。  更に「家族内暴力・自傷・ひきこもり」といった問題が挙げられます。  これらについて、現在は保健所が訪問指導、あるいは相談支援といったことで対処し、結果的 に自発的に受診していただくということに結び付けるということが主な対処の方法ということ でございますけれども、この点について、どう考えるかということが、今回御議論いただきたい ことでございます。  精神保健福祉業務については、5ページのような通知が出ておりまして、今、申し上げたよう な形で実施がなされているものでございます。  6ページ「法第34条に基づく移送について」簡単に解説をさせていただきますと、これは指 定医の診察の結果、直ちに入院させなければその者の医療及び保護を図る上で著しく支障がある 精神障害者であって、任意入院が行われる状態ではないと判断されたものについて、保護者の同 意の有無に応じて医療保護入院または応急入院をさせるため、応急入院指定病院に移送すること ができる制度でございます。  実施までの流れとしては、さまざまな相談があるわけでございますけれども、このようなもの の中で、直ちに入院させなければいけないというものについて、緊急避難的に行うため事前調査 を十分に行うということ。そして指定医が診察をして入院相当、医療保護入院または応急入院相 当との判断があれば、都道府県・指定都市が移送して、応急入院指定病院に入院していただくも のでございます。  実績といたしましたが、1年間で全国で64のうち28の自治体で実績があって、合計で200 件となっております。  施行から8年間で位相件数は1,445件にとどまっておりまして、実績がないという自治体もあ ります。  実績が少ない理由といたしましては、適用の判断の難しさ、指定医の確保、あるいは車両の確 保等があるかと思いますが、実施体制の確保の難しさなどが考えられます。  国の予算の事業としては、移送経費を補助対象としております。  実際に移送までを行うとすると、実際の業務がどんなふうに行われるかという調査研究で行わ れた一つのモデルでございますけれども、相談があってから、家族など相談者への説明をして、 移送対象の基準に該当しているかどうかを担当者が御判断をされる。その上で関係機関との連携 の上、事前調査を行い、検討会議が行われます。さらに診察が必要となれば、保護者等の同意が 書面で取られ、連絡調整会議が開かれ、指定医の診察が行われ、移送が必要となれば、入院指定 病院への搬送が行われるという、基本的にはこのようなかなり入念な仕組みが取られておりまし て、実際に移送が行われるまでにはかなりの時間を要しているということでございます。  9ページ、10ページは、これらの根拠となる条文でございます。  このような患者さんへの対応について、ほかにどのような方法を取り得るかということで、8 月に西田、岡崎参考人からヒアリングを行いました際に、参考となるような資料が提示されてお りましたので、ここで改めて御紹介をさせていただきます。  イギリスの訪問型保健・診療チームの中には、例えば積極的アウトリーチチーム、先ほど説明 させていただきましたACTのようなものもございますが、このほか危機解決・家庭支援チーム というものが提示をされてございました。  12ページにもありますように、これは地域精神保健チームの対象と、急性期病棟の対象の間 のような部分を占めるものでございまして、13ページにはACTの御紹介でございますが、14 ページにございますように「危機解決・家庭支援チーム」としては、急性入院の代替の役割をす る、毎日、多職種チームによる評価と治療、家族などケアする人の支援を行う、レスパイトアパ ートパートも活用できる、地域精神保健チームとも関わりを継続する、初回精神病エピソードの 患者さんにも最初に関わることが多い、こういったチームを派遣できる体制を持っているという 御紹介がございました。  我が国でもこのような仕事をACTのチームで行われている例がございまして、「ACTおか やま」の例を見ますと、ここは県の精神障害者包括的地域支援検討会議というところで対象者の 受理決定を行うと、御本人からの依頼があるわけではございませんので、診療報酬の請求の対象 とはならない訪問であっても、県の業務として行うということが行われておりまして、その中で 入院を開始したり、どうしても入院が必要ということで入院を判断されたりということが行われ ております。  16ページはACT−K、これは京都の例でございますけれども、民間の診療所及び訪問看護ス テーションではございますが、保健所からの紹介に基づいて訪問されている方が28%に上って いるということでございまして、この方々の状況としては、医療中断、主な問題として、弄便・ 失禁、昏迷、とじこもり、迷惑行為、拒絶、家族への攻撃などということで、GAFで言うと 30以下くらいの非常に重症な方を、保健所から紹介されて訪問されている。  また「未治療」の方についても、とじこもり、失禁、迷惑行為、ゴミ屋敷状態、寝たきりとい った方々について、訪問が行われている。こういった危機介入の訪問を継続的に行われるといっ たことでございます。  今申し上げたような内容をまとめたものが17ページでございます。  地域の精神保健においてさまざまな精神障害者の情報が、警察官を通じて、あるいは近隣から、 児童相談所、生活保護窓口、あるいはひきこもりのさまざまな支援の中で、あるいは学校や家族 からももたらされるわけでございます。  この中で措置通報として位置付けられているものについては、自傷他害の恐れの有無について の措置診察が行われ、措置入院ということで、これは制度上もきちんと行われる仕組みができて おります。  他方、そこまでは重症ではないが、先ほど出てまいりました保健所における困難事例とされる ような医療中断、他害迷惑行為、家庭内暴力、ひきこもりといったような問題に関しましては、 現状としては訪問指導等の医療支援により自発的な受診を促すという対応が図られておりまし て、保健所においてもかなり御苦労をされているというふうに認識をしております。  これらを踏まえまして、18ページが「現状及び課題と検討の方向」でございますけれども、 自発的に受療しない重症精神障害者を強制的に受療させる仕組みとしては、その症状に応じて措 置入院や、34条移送等が規定されております。  また、これらに該当しない患者さんに対しては、地域保健活動の中で受療を促す支援等が行わ れております。  しかしながら、措置入院には該当しないものの受療支援に難渋する困難事例や、受診中断によ り入退院を繰り返す事例等の対応を図るためには、現在行われている地域保健活動よりも積極的 な支援・介入方策を要するのではないか。このような課題があると考えております。  このために未受診者や受診中断者が強制入院を要する状態に至らないよう、在宅の患者さんへ 訪問診療を含む支援体制を強化すべきではないか。すなわち、強制的に移送して入院させるか。 あるいは自発的な入院を促すか、そのどちらかだけではなく、その中間に位置するような、医師 が出向いて訪問診療を行うような仕組みが必要ではないかということでございます。  このため、保健所、精神保健福祉センター等行政機関が機能を一層発揮するほか、重点的・包 括的な訪問診療・支援を行う医療機関・訪問看護ステーションとの連携を図り、職種チームによ る危機介入等の支援体制の整備を進めるべきではないか。  資料3で示したような、ACTのような仕組みが、できればそのような資源も活用しながら多 職種チームによる危機介入の支援ができるようにすべきではないか。このように検討の方向を提 示させていただきました。  これを含めまして、この2つの論点について御議論いただければと思います。  以上でございます。 ○樋口座長  ありがとうございました。それではただいまの御説明にありましたように、資料3の「ケアマ ネジメント・ACTについて」。そして資料4の「危機介入について」。特にこれを分けずに、両 方についての御意見をいただいていくことにいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいた します。 ○山根構成員  京都ACTに関わっています。まだ試みの状態なのですが、ACTの資料11ページ目の効果 の項目に、救急ということがないのですが、実際には危機介入の16ページの資料を見ていただ くとわかりますように、京都ACTでは医療中断とか、未治療のケースをかなり受けています。  確かにハード救急になりますと、それなりのシステムが必要なのですが、このハード救急を避 けるという意味で、ACTはかなり重要な役割ができると思うのです。  保健所から依頼を受けて実際に訪問をして、関係をつくってということになりますので、そう いう意味ではソフト救急も含めて、ハードな救急に至る事態を避ける意味でのACTの機能とい うことを考えてもいいのではないかと思います。  ただ、今のような形ですと、民間ですので、どのように法的にきちんとしたシステムとして組 み込むかということが課題になっています。  実際に試みて不足していると思うのは、ショートステイなど、入院にまで至らなくても、少し 休める場所があればいいということです。民間のACTとして自分たちが抱えることはできませ んので、地域の中の一つのシステムとして整備されればと思うのです。  また、いろんな診療所がありますが、まだ診療所との連携も十分にできていません。診療所そ のものをハード救急に組み込むにはかなりの課題はあると思うのですが、ハード救急に至る前の サポートに、たくさんある診療所をうまく組み込むシステムを考えてもいいのではないかなと思 います。  ACTでも、ケアマネージャーは非常に大切で、うまく利用してつないでくれれば、もっと対 象が広がると思います。しかし、ケアマネジメントは、システムや理念としてはいいが、正直に 言って十分機能していないというのが実状です。  というのも、ケアマネージャーが、マネジメント出来ないのです。優秀な人もいらっしゃるの ですが、医療も保健も含めてマネジメントするには、センターとか事業所のようなところで、総 合的にマネジメントができるようにしないと、ケアマネージャーひとりに任せるという形では難 しいように思います。  特に退院なさってきた人たちをどのように地域で支えるか、地域移行にあたって、医療側から の適切な情報が少ない。対象者の情報も少ないが上に、社会資源の情報をちゃんとつかまえてい ないという状況でケアマネジメントが行われているというのが今の実状かなと思います。  問題点というよりも、いい形でマネジメントするための整備とシステムづくりが課題だろうな と思っております。 ○天賀谷参考人  先ほどの山根さんのお話と重複するところがあると思うのですが、ケアマネジメントの13ペ ージのところで、重症の精神障害者の地域生活をするに当たっての、いわゆる訪問看護ステーシ ョンのマネジメントの一部を担うということについてなのですが、現在の訪問看護ステーション については、非常に精神科領域に特化した看護師が少ないというところがありまして、その必要 性を非常に痛感しているところであります。  なお、重症の精神障害ということを重点的にやるのであれば、やはり精神科の臨床経験等を持 っている看護師がどうしても必要になるのではないかと思います。  それを支えていくということであれば、なおのこと訪問看護だけではなくて、チームとして支 えていくということが必要になるのではないかと思います。  以上のような訪問看護ステーションのあり方というのは、危機介入の訪問看護ステーションも 同様に考えられるのではないかと思います。  以上です。 ○品川構成員  ACTを実施している同じところで、地域の福祉の方を担っている者なんですが、相当なベッ ドが地域の中にあったんですが、本当にベッドの削減があって、ほとんど地域に出ることなく、 ACTの方で相当引き受けていただけたというお話を聞いております。  ただ、地域との連携ということに関しては、本当に重症なので、私たち地域の関係者とあまり 接することがないのかもわかりませんが、余りその辺は連携が図られていないと思います。  それと、私たちの地域は、決められた病院の入院患者を対象とされておりましたので、入院さ れない地域の重症の方というのもいらっしゃいます。そのときは医療が必要ではないということ で、そのままACTの対象にはならないという方が、地域の福祉が引き受けるという形も出てき ております。  先ほど山根構成員さんの方からもお話がありましたが、ケアマネジメントの位置づけなんです が、例1の図が一番多いのではないかという御説明があったのですが、医療との紹介・情報提供 というところが、医療と福祉のパワーバランスが、医療側の方が御承知のとおりにとても大きく、 私たち福祉の者は感じておりますので、その辺の情報提供・紹介等も連携がうまくいっていない ので、これが理想どおりなケアマネジメントができるかというのは本当に御指摘のとおりだと思 いますので、その辺、何か私たちにも力を与えていただけるような方策があればと思っておりま す。 ○樋口座長  ほかにいかがでしょうか。 ○大塚構成員  このテーマの議論が、今ひとつ私の中で焦点が定まらない感じがしていまして、いまだにそう なのですが、ケアマネジメントとかACTとか危機介入とか、先ほどやった救急ということを議 論していくときに、ややもするとACTがどうだとか、危機介入はどこがやるのかという話にな ってきたりして、保健所の機能なども出てきていると思うのですが、論点整理とか、前回の中間 報告のところで、相談支援をかなり充実強化したものの、福祉サービスだけではなくてかなり医 療的なケアが必要とされる人とか、非常に複合的、包括的にサービスを提供する状況をもしくは 状態がどのくらいの期間なのかという話は出なかったような気がしましたが、対象者の設定の問 題がかなり大きく実は根底にあるのだろうと思っているわけです。  重症の患者さんと言われる方なのか、支援が非常に複合的に一定期間必要な人ということなの か。他機関のサービスが必要だということなのか。そういうことによってここの考え方が、もう 自立支援法に関連するところは終わったわけですから、医療との兼ね合いでどういうふうにシス テムとして考えていくかということだと思うのです。  そうすると、対象者の設定とシステムの問題なのかなというふうに考えているのですが、そこ がぐるぐる回っていまして、先ほどの救急体制とも絡んで整理ができなくて、何のコメントにも ならないのですが、困っています。 ○樋口座長  どうぞ。 ○山根構成員  今の大塚構成員のお話ですが、医療に今まで全然関わっていなくて、どう関わっていいかもわ からずに御家族と一緒に困られている対象とか、医療にはかかっているけれども、遠ざかってい る人とか、そういう形で整理すれば、別にばらばらにはならないと思うのです。混乱されている ということがどうしてかがよくわからないのです。 ○大塚構成員  今の山根構成員のお話でちょっと整理できました。多分危機介入のところでも出ていたと思う のですが、保健所の混乱事例の中で見てみると、例えば未治療とか、治療中断とか、入退院を繰 り返す方とか、そういう方が出ています。  一方で、社会生活困難というか、近所との関係であるとか、社会生活上の問題も出ているわけ です。  医療的な側面から考えるのであれば、未治療の方とかひきこもりの方とか、治療がなかなか継 続しない方とか、何回も入退院を繰り返してしまうとか、それこそ医療観察法の対象者であるよ うな方々とか、そういうところに対して考えていけばいいというのであれば、先ほど説明の中に あった相談支援との連携のパターンに4つの図がありましたけれども、そこがもう少し違う形に なってくるのではないかなと思ったのですが、医療面のことと生活面のことと、果たして本当に 対象規定が、今やられていることを前提として考えていいのだろうかというところがいまひとつ しっくりこない。 ○樋口座長  伊藤構成員お願いいたします。 ○伊藤構成員  私は、精神科医療の政策管理研究を行って参りました。危機介入について、12ページのイギ リスの精神保健システムをモデルとして考えますと、1つは先ほどおっしゃられたように、重度 精神障害の方で服薬中断や未治療の方々に対しての濃厚で期間を限定しない訪問の仕組みが必 要です。ACTはこのモデルになります。  もう一つ、統合失調症の患者さんで、早期発見早期治療すると、予後がいいという研究が最近 大変多くなされています。できるだけ早い時期に本人にコンタクトを取り、初発の患者さんを対 象に3〜5年という期間を限定して支援をするという仕組みが必要と言われております。  機能で考えますと、訪問型の支援は必要です。その場合に重度な方の支援と、比較的発病早期 の方の支援いう2つが必要です。今の議論を聞きながら改めて考えました。 ○樋口座長  長野構成員、どうぞ。 ○長野構成員  危機介入のところの18ページの最後なのですが、検討の方向のところは全くこのとおりだと 思うのですが、危機にならない関わりが何よりも大切という観点と、危機にならないような関わ りをした人が危機対応のときも関わりを続けることが、その危機を大きくしない、御本人の恐怖 を大きくしないということで一番大切だと思います。  その中で、ここに精神保健福祉センターなど行政機関が機能を一層発揮するという方向があり ますが、現実的にこれがなされるのかということが現場では心配をしておりまして、保健所の施 策そのものが統廃合で保健師さんたちがどんどんいらっしゃらなくなって、地域に全く出られな い状況、危機のときだけ出ていらっしゃるとなってくると、危機対応ができるはずがないと思う わけです。同じような町があると思うので、私たちの町でいくと保健所で5人も6人もの保健師 さんが熱心に関わっていたのが、統廃合で保健所がなくなって、車で1時間以上離れたところか ら、お一人の担当の方が時に地域にいらっしゃる。  正直言うと、現場からはごく限定的な役割以外は期待ができないと思っていますので、これを 行政機関は機能を一層発揮するとするのであれば、保健所施策も併せて根本的に考えないと、こ れこそ絵にかいた餅になるのではないかと思います。  市町村も、健診であったり、さまざまな機能がどんどん保健師にいっていますので、これが今 起きているのは訪問看護であったり、そこに丸投げという形になって来かねないので、危機とい うのは事故の可能性もありますし、責任をきちっとシェアしながらやっていかなければいけない ことを考えると、ここの機能強化というのは、絵に描いた餅にならないような施策を本気でやら ないと、民間の事業所というのはとても背負い切れないというふうに思います。  以上です。 ○樋口座長  門屋構成員、どうぞ。 ○門屋構成員  ACTであるとか危機介入という限られた対象の方々に必要なものというのも大変大事なも のだと思っていますので、それはそれとして、しかしそれを基本的に支えるものというのは、ど なたでも相談に行けるところ、そういうことになりますと精神保健の領域は、今、長野構成員が 言われたように、そうであった保健所がだんだん機能が低下しているという地域の実情があるの だろうと思います。  そこで、私が長年地域で仕事をして来た結果を考えますと、自立支援法の中につくられ、なお かつ12月の社保審の報告にありますように、拠点的な相談体制というか、ケアマネジメントに ついては、個別のシステムという意味でのマネージャーを養成することについては随分やられて きたように思いますが、大きなケアマネージャーと言われているシステムの地域の中でも相談シ ステムは非常に脆弱だったというふうに思います。  そのために、山根構成員が言われたように、マネージャーの質がなかなか向上しないのも、職 業としての成り立ちが、大きなケアマネがないために成り立ってこなかったというところに大変 大きな根本的な問題があると私辺りは考えてきました。  そういう意味で言えば、市町村が基本的に障害者、特に3障害を一元化したわけですから、そ こに相談体制が集約されるということになったわけで、しかし市町村は自分たちではできない部 分を委託するということになりますと、やはり拠点的な相談支援体制を、支援事業者というか、 それを早急につくる必要があると考えています。  そこに働くマネージャー、まさにそこが相談支援事業者がマネジメント機関だと考えています ので、そこのところが医療とどう連携するかという学びも含めて、今後やっていかなければ、あ るいは実績を蓄積していかなければいけないのだろうと思うので、是非そのことについては力を 入れていただきたいというのが1点。  もう一点は、以前の検討会の中でいろいろと議論され、退院促進や、地域移行のこと、受け皿 の問題等がありましたが、私は地域に受け皿の資源というふうに言う場合に、一番大事なのは地 域で支え手となるマネージャーがどれだけ確保されているかということから、その人にとって必 要な資源は何かということが見えてくる。  そこのところを確立しないでハードの資源だけが議論される傾向も非常に強かったと思いま す。  そういう意味では、このケアマネジメントいう言葉に表わされている相談支援の体制について、 ACTもその中の非常に特化した特定の集団に対して、たくさんの支援を必要とする人たちがい ることは、現に皆さんが主張したとおりですので、それはそれとして用意しなければいけません けれども、その下支えの土台の部分は今申し上げたようなところに、是非力を入れていただきた いということを申し上げておきたいと思います。 ○坂元構成員  先ほど自治体の中で、特に保健所の役割というところなのですが、実は保健所の機能の中に、 この精神科の部分の危機介入という項目が明確になっていないように思えます。実は平成12年 に厚労省の方から、保険料は危機管理マニュアルを整備せよという通知が出されました。その通 知が出された背景に東京で起きたサリン事件がありますが、感染症を中心としたものであります。 その中で、メンタルの危機介入の部分は欠落しているということで、それが今も続いているとい うことです。保健所の機能強化が、精神的なものの危機介入というよりは、新型インフルエンザ 等の感染症の危機管理にシフトしてしまっているという大きな一つの動きがあります。もちろん 背景には保健所の統廃合という事実もあります。  どちらかというと、危機介入というのは行政側から考えると、医療の部分です。それは保健所 というより、例えば本庁や精神保健福祉センターが直接警察官通報を受けてやるとか、一気に医 療としてのハード救急の方へ行ってしまっているということです。その前段階的なものがなくな ってきているのかなという感じはいたします。  だから、本格的にもしこういうものをやるのであれば、保健所における危機管理マニュアルと いうものの見直しを行い、その中に新たにメンタルの危機介入ということを入れなければいけな いのかなという気がします。  以上です。 ○門屋構成員  申し上げようと思っていて忘れてしまったことが1点だけあります。  今までの精神保健の領域で言えば、生活支援センターというものが自立支援法が変わることに よって、あそこがきっと地域の中の相談体制、あるいは支援をする場所だったろうと考えていた のですが、そこのところに退院促進、地域移行の委託などが受けられるような相談支援体制がで きてくるわけですが、先ほど市町村が相談窓口になると申し上げた後にこれを言おうと思ってい て忘れてしまいました。  拠点的な相談体制は、市町村が継続的にできるところは非常に少なくて、現に全国的には7割 くらいが委託をした相談支援事業ということを展開しているわけです。  そうなりますと、委託先である精神保健の領域でいくと生活支援センターというものが、今後 町村と力を合わせてその地域の相談体制をつくっていくということになろうかと思いますが、そ のときに、精神に特化しない形の3障害の部分ができてくる可能性があるわけでありまして、そ の部分で言えば、委託は丸投げだけではなくて、直営を持っているところの市町村と連携してき ちっとやるというか、私は一体的になるべきだと思っている部分もありますが、そういうような ものをもって、むしろ医療機関やそれぞれの専門のところとつながりを持つという構想をベース にしていただきたい  私のお願いは、そういう形が成り立つためには、委託がちゃんとできるような委託費がないと 委託を受けて経営が成り立たないと成り立たないわけでして、市町村はお金がなくて委託ができ ないでいる実情がある。  ケアマネジメントがサービス利用計画ということであるとすれば、そこにたくさんのお金をつ けて、委託費プラス出来高でちゃんと成り立つような構造をつくらないと相談支援事業は成り立 たないと思いますので、それを申し上げたいと思います。  もう一点、相談支援専門員という言葉を自立支援法は生み出して、その研修を、それも多様な 専門職をベースにした人たちの人を任用資格のようなものを国はつくっているわけですが、この 資料の中ではケアマネジメント従事者となっていますけれども、今は相談支援専門員という言葉 に置き換えられたらと認識しているわけですが、そこのところにきちっとした研修体制といいま すか。そこに是非力を入れていただきたいとお願い申し上げます。 ○中島構成員  ケアマネジメント・ACTから危機介入、その前の救急医療、この3つをセットで考えながら システムづくりをやらないと、ばらばらでやったのではうまくいかないだろうというのが1点で す。  もう一つは、ケアマネジメントをベースに置きながら、多職種のチームできちんとやっていく というのは、今後目指すべき方向、当然その方向なわけですが、そのことが医師のリーダーシッ プを免罪することになってはいけないと思います。医師自身は、自らがその先頭に立って働くと いう自覚を持った上でこれが実施されないと、形だけつくって魂が入らないものになってしまう。 将来的には多職種が独自に動けるものになるまでの過渡期をきちんとやっていくという決意が 要るのではないかなというのが2点目です。  3点目は、ACTというのは一つの日本で実験的にやってみたものです。あくまで統合失調症 がモデルになっていますから、ACTと思っていると、そこから漏れていくものが出てくるわけ です。  ケアマネジメントの方の資料の7ページで「ACTのサイズ、対象者」という辺りで、こうい うのが出てきますと、主診断として、統合失調症など「重度かつ継続する」と書いておられます けれども、ここには発達障害が抜けているわけです。「重度かつ継続する」に入るのだというの ではなくてもっと前面へ発達障害を入れていかないと、今一番問題になっているひきこもりで大 変困っている人たち、ある市の調査によりますとひきこもりの約60%が、広汎性発達障害だと いうことが言われているくらいですから、もっと力を入れて力点を置いた施策というものを出し ていく必要があるのではないかと思います。  過去2年間の間に複数回の入院歴があるとか、この入院にこだわらないで本当に必要なものを 必要なところへ届けるという、そこに焦点を当てて、重層的な、イギリスのシステムのようなも のが将来的にできればいいわけで、そこへ向けての一歩一歩を今から始めていくのだということ で、今回是非答申案、報告を出す必要があるだろうと思います。  「ACTおかやま」というのがありましたけれども、そのことについて若干補足しておきます と、一定の成果を上げてはおりますが、コストパフォーマンスが非常に悪い。その理由は行政と いうか、自治体直営であるということです。直営でやりますと、必ずそこの職員は転勤等があり ます。熟練することができないわけです。それに嫌気がさしてこの中心を担っていたメンバーは、 4月から開業することになりました。  是非とも、行政直営というのはもうやめて民間でやれるものに、いずれはなっていかなければ ならない。それまでの間は行政がやるという形で、広げていっていただきたいなと思っておりま す。 ○樋口座長  ありがとうございます。  今、中島構成員の言われたACTの対象のところ、これはあくまで伊藤順一郎の研究班で、と りあえず研究対象として絞ったということなので、これが基準だということではないということ。  もう一つ、コメントさせていただくと、皆さん御承知だと思いますが、カナダのパンクーバー 地域でやっている方式を見ていると、ACTは勿論ありますけれども、ACTの前か後かわかり ませんけれども、もう少し広い、要するに超重症の方だけではない地域でのケアも、ケアマネー ジャーが中心となって、例えばACTだと1人が10人くらいの対象にして見ているわけです。 ところが、もう少し大きな広がりの中では、バンクーバーでは、1人のケアマネージャーが50 人くらいを抱えている。その方は超重症ではないので、非常にシビアな状態ではないけれども、 いつでも相談体制ができている。その上にACTが乗っているという重層構造になっているとい うことなので、これだけを独立して考えるというのはなかなか難しいという先生のお考えに賛同 いたします。  では、上ノ山構成員、どうぞ。 ○上ノ山構成員  中島構成員の後でお話しさせていただきますけども、自治体直轄が若干厳しいのではないかと いうのは、確かに財政状況がそうだと思うので厳しいかと思いますが、今日のお話の基本は、3 つとも、それぞれ公的な責任をどういうふうに、このメンタルヘルスの領域において果たしてい くかということが大きなテーマではないかと思うのです。  公的な機能と、現実にある民間の機能等の連携をどのように図っていくかということが大きな テーマかと思います。  私は厚生労働省の施策全般が、いろいろ書くけれども、最終的には民間に丸投げというパター ンがずっと続いてきましたので、精神科病院への入院の問題もそうですけれども、民間依存型で はなくて、やはり、厚生労働省あるいは公的な機関が責任を持ってこのメンタルヘルスの問題に 取り組んでいくという姿勢をまず明確にしてほしい。  その上で、現在既にある民間の施設とどのように連携していくのかということを考えて行くよ うにしてほしいと思います。  ケアマネジメントに関して言いますと、サービス利用計画作成の対象が、全部に拡大したとい うことなのですけれども、実際に現在サービスを利用している人が、この図で見ますと、何万人 かになるかと思うのですけれども、昨年度の資料では千九百何人ということでしたので、サービ ス利用計画作成の対象者が、今後10倍以上に一気にふくれると考えてよろしいのでしょうか。  その場合に、現在の相談支援事業者で相談支援を行っている人たちが、現在の状況でさえきゅ うきゅうとしているのに、その内容がちゃんと担保されていけるのかどうかということが非常に 心配で、そのためには相談支援事業者の質の向上と数の確保ということが大事になってくるので はないかと思います。  ACTに関しては、外国でやっているからいいという考えで、そのまま持ってきて、日本で通 用するかどうかというのは若干疑問があります。日本はやはり、幸か不幸か民間主導でやってき たわけです。民間のないところで公的機関の統廃合の中で、ACTというのが生まれてきたわけ ですけれども、現在日本では幸か不幸か民間主導であって、その民間の力をどのようにうまく引 き出しながらメンタルヘルスをやっていくのかということを考えていかないと、ACTをそのま ま移し替えれば制度として成り立つと考えるのは、ちょっとおかしいのではないかと思います。  そのときに、伊藤順一郎先生の対象者の問題では、「ヘビーユーザー」ということが書かれて いますけれども、ヘビーの中身が入退院を繰り返していたり、サービスの頻回利用者とかいう定 義がなされていましたけれども、それだけでは対象としては少し問題があるのではないかなと思 います。  今、中島構成員の方から、岡山のACTが若干縮小傾向にあるというふうに聞きましたけれど も、私は、すごく期待しておりました。現在も期待しております。  というのは、公的な機関と民間との連携という意味では、現在ある民間の機能にうまくつない でいく機能を公的な機関がちゃんと果たしてくれていれば、かなり回っていくことができるとい うふうに思うわけです。  例えば岡山のACTだと、医療でもなく福祉でもない。いわゆる保健という領域で未受診者と か、ひきこもりの人に対応しているわけです。我々が、医療機関の側から訪問に行ったりすると、 医者にレッテルを張られるということで、かなり防衛的になられるのに対して、公的な機関が保 健という機能を利用しながら入っていくことによって非常にコンタクトしやすくなる。そこから 民間の医療につないでいくような体制をうまくつくっていただければ、それはACTとしてうま く機能していくのではないか。その点については、後半の危機介入の問題に関しても非常に有効 になるのではないかというふうに思います。  それから、医療におけるケアマネジメントの重要性ということに関してもずっと言われていま すけれども、この場合も対象者をヘビーユーザーという形に限ってしまうと、埋もれてしまう可 能性のある部分がある。  前々回の報告で、私どもの平川構成員が精神科診療所に受診しているけれども、一切のサービ スにつながっていない。精神科外来滞留群が50万人いるという報告をされました。  サービスにつなげていく作業というのは、現在の自立支援法の中ではないわけです。そのまま サービスにつながらないまま放置されている。これをどうするかということに関しては医療機関 の側がケアマネジメントという機能を発揮しながらやっていく必要があると思いますので、これ は単にヘビーであるかどうかということではなくて、その人のQOLを高めたり、症状を改善し たりするのにさまざまな機関が連携しながら、関わっていくということで有効な機能を発揮する という意味であれば、対象者をヘビーということに限定することはできない。必要に応じてやっ ていくということが重要ではないかと思います。  以上です。 ○中島構成員  自治体病院である私が何か言うと、上ノ山構成員は非常に触発されて、いろいろアイデアが湧 くようでありますが、岡山ACTについては別に縮小するわけではありません。そのまま続くわ けです。ただ別の人が来てやるということになります。  見ていただくとわかりますが、チーム構成は医師以外は常勤スタッフは1名なのです。あとの 5人は非常勤なのです。こんな弱小な体制ではとてもできないということを申し上げたい。  この常勤スタッフが育ってきたらすぐ転勤になるという自治体が持っておる悲哀のようなも のもわかっていただきたいということが1つです。  もう一つは、自治体が何もしないとかは私は全然言っていません。診療所が非常に熱心にやっ ておられることがあるというのも重々知った上での発言なのです。  岡山であればACTという名前を使う気は全くありませんけれども、24時間の危機介入と地 域の生活支援を24時間体制で支えるチームを、私の病院で約20人くらいの体制で組みたいと 思っております。  そういうことをベースに置いた上での発言なので、よろしくお願いします。 ○樋口座長  それでは小川構成員が先だったと思いますので、どうぞ。 ○小川構成員  私も救急から、危機介入はセットで一連の流れで考えていくべきだと思っておりますが、各論 から入っていってしまったので総論が見えない中で、私もイメージが湧かないのです。  医療計画の中で4疾病、5事業の中で追加をするような話も出ていましたけれども、自分たち の町の中で問題が生じたときにどういうふうに対応できるのかということがわかるような、何か 計画みたいなものをつくっていくということをイメージされているのか。海外の事例も出ていま したけれども、公的な枠組みの中でACTをやっているわけで、いわゆる強制力を伴うものと伴 わないものと、連続性というか、グレーゾーンというか、治療は契約する意思はないけれどもA CTの訪問は拒否をしていないとか、そういう事例もあるわけです。  ある日突然強制力が伴うものとかに分けられるわけではなくて、グレーのところで進んでいく ようなケースについては公的な枠組みの中で、診療報酬では契約が取れていませんからできない わけですので、公的な枠組みの中で保健サービス、福祉サービスの一環としてきちっとやるべき ところはやらないといけないと思うのです。  そういう中で、ゴミ屋敷な問題で言えば、市町村などの連携も含めていろんなことが起きてく るわけですので、どういうイメージを持つのか。そこは議論をする必要性はあるのかと思います。 ○町野構成員  私は唯一現場にいない人間で、発言するのはいつもはばかられるのですけれども、先ほどから のお話を伺っていると、なかなかイメージがつかめないのは私だけではないようなあれなので、 恐らく医療が必要な人間でまだ受けていないのに、どのように精神科とか福祉に端緒を与えるべ きかという問題が一つあって、それが継続しているときに、中断とか、いろいろ不都合が生じた ときにどうするかという問題。  言わば危機的な状況になって、危機介入及び救急の事態、それぞれ違うだろうと思うのです。  それらの方たちがどのような障害であるか。発達障害であるか。統合失調症であるかというこ とによっても違いがあるだろう。  そのときにどのような手段が適切であるか。例えば強制を必要とするのか、そうでないのか。 あるいは入院が必要なのか。相談だけで足りるのか。訪問介護で足りるのか。いろいろな問題が あると思うのです。  それらの中で考慮しながら、どのようなチームなり機関が行うのが適当かという問題だろうと 思います。  それらは相互に恐らくオーバーラップすることがあるだろう。先ほどのイギリスの図などを見 てもそうですし、私もイギリスとかバンクーバーに行ったことがありますけれども、そういうと きに同じようなあれがありました。  しかし、オーバーラップするときでも、相互の連携というのは必ず保たれていたという話だろ うと思います。  そういうことだろうと思いますので、1つのACTが最初にあるという問題では私はないよう に思います。 ○樋口座長  先ほど伊藤構成員から手が挙がりましたので、どうぞ。 ○伊藤構成員  町野構成員が、クリアに整理されたと思います。対象者には、幾つかグループがあって、「ケ アマネジメント・ACTについて」の資料の13ページで「検討の方向」として事務局がおつく りになられているとおり、「対象者の明確化を図るべき」ということはとても大事だと考えます。  ACTの話が出ましたので補足しますと、ACTという言葉が今独り歩きしていて、いろいろ な意味で使われていると思います。一番狭い意味では、入院を代替する地域での支援の仕組みと なります。この原則的な意味から、どんどん対象者と意味するサービス内容が広がり今に至って います。  還俗的なACTの普及を図る一方で、ACTという名前に振り回され混乱しないように、訪問 型の濃厚な支援の仕組みを取り入れていくということを検討してはどうかと思います。再入院に は、 薬の中断が最も影響します。これには通院しなさいよという通院措置的な制度も将来的に 必要ですが、13ページにありますように、対象者を明確にしながら、訪問サービスの充実を検 討していくことが不可欠です。 ○樋口座長  あと5分になりました。発言される方はお二方ということで、大塚構成員と広田構成員。 ○大塚構成員  小川構成員が、総論がなかなか見えないという話をされて、私も検討会に不慣れだなと今改め て思ったのですが、今回再開したところが医療のことを議論しましょうということに、どうして も頭が公平にされてしまっていたかなという感じがしています。基本的には精神障害を持ちそう な人も、それから持った方も、診断をまだ受けていない方も、とにかく地域でその人なりに暮ら していくためのトータルな支援の中に、医療があったりいろいろなことがあるのだということを、 そこが総論なのだろうというふうに今日は認識しました。  そう考えると、危機介入の医療のあり方であったり、訪問のあり方であったり、中断した場合 の医療の提供のあり方であったり、複合的にかなり多機関でということがどういうふうな仕組み の中で考えられたらいいかということが議論されることが医療のあり方につながるのだと思っ たのです。  そのときに一つ気になるのが、ACTは幾つかのパターンがあるかと思うのですけれども、包 括的に複合的に何か医療的なものも含めて提供しようとするときに、1機関の中に多職種連携が あったとしても、コストパフォーマンスとか、仕組みとか、かなり厳しいのではないかなと思う ところがあって、いろいろな圏域の中に地域の実情がそれぞれだと思いますが、多機関がそれぞ れの機能を発揮する形で連携していく仕組みの真ん中に、相談支援がどういうふうに充実強化さ れるかという機関の間をどうするかとことは課題だと思いますけれども、そういうことが可能に なっていくことができるといいなと思うのです。  その際に品川構成員がおっしゃっていた医療と福祉のパワーバランスというか、医療も地域の 生活支援の一部であるという中で、多機関連携のチームの中にそういう視点でもって入っていく というところが全体で検討されて、その体制の中に保健所の機能の強化であるとかも含まれて、 全部がセットというふうに言われるときに、今日の4つがセットというよりは、地域生活支援の 相談支援とも絡めながらの全体のセットなのかなというところを考えておかないと、各論の話に 尽きてしまうかなという感じがしました。 ○樋口座長  それでは、最後です。広田構成員、どうぞ。 ○広田構成員  さっきも申し上げたのですけれども、このセットは大事なんですけれど、2時間半でやってい く。大塚構成員の講演会ではないから、イメージが湧かないとか、そういう話はやめていただき たい。  私、危機介入の相談員で、今日神奈川新聞に、明日開かれる横浜市障害者施策推進協議会の障 害者プランに、異義があり、話し相手がいれば何とかなる相談事業などがメインはおかしいとい う投書が出ました。  そういう中で、入院したいという仲間がいたときに、生活保護の場合に、あなたもし、国民健 康保険で3割負担だとしても入院する状況ですか。生活保護は医療費がただだから入院するんで すかというお話をすると、考えさせてもらいますということで、結果的にその方は今就職をして います。  就職をしながら、危機的な状態の電話は24時間かかってくる。寝ているときは着信履歴が残 りますから、朝起きて、あなたの危機の状態を認識しましたという形で、病状を信頼関係が上回 れば、いいということです。医療の中断というのは、インフォームドコンセントがなかったり、 劣悪な精神医療の中で起こってくるわけですから、安心してかかれる精神医療。そして他科の医 療と同じような精神科救急。そのために必要なことはさっき申し上げました。  それと、山根構成員が言ったショートステイ、それも何日先の予約ではなく、すぐ泊まれるよ うにすること。新聞社も当直をやっていれば、いろんな相談があり、新聞社からも警察官からも 救急救命士からも命の電話からも電話があります。  そういう人を電話1本で交番に来てもらってとめること。これはいわゆる駆け込み寺のショー トステイです。相談しないで私の経験と体験と、そういうもので判断してやっています。  いわゆるオウムの被害妄想の方を6か月間泊めたけれども、ある医者が言っていました。「あ の人のオウムの被害妄想を消すには、それこそよだれを流すような薬が必要だ。」そのときに必 要なのは、彼女にとって安心して暮らせる環境なのです。それが1人では暮らせなかったので、 うちに6か月いた。信頼関係が重要です。  上ノ山構成員はきれいな話をしているけれども、神奈川県の精神科救急のシステムで、精神科 救急の利用度はダントツに病院よりもクリニックの方が多いわけです。そこの課題はきちんとや っていただきたいということと、34条とか、23条とか、24条といろいろありますけれども、本 当に救急隊や警察の現場に行って話を聞いてきて目の当たりにすると、例えば保健所へ、「一緒 に暮らしている患者が暴れた」と家族が相談に行くと、「それは暴力事件ですから警察に行って ください」と回してしまうわけです。  保健所の統廃合で、保健所の機能はがたがたなんです。これは厚生労働省の一環した施策がな いということなのです。800もあったものがどんどん統廃合をして来た。しかも9時・5時です。 5時15分にテープレコーダーが回っている。  私この間、いわゆる警察、消防、区役所、生活支援センター、民生委員、連合町内会、弁護士 で、精神障害者の一家を追い出したいという地域の住民の集会にも出ていって、意見を聞いてき ました。そういう中で結局誰が、昼夜逆転している精神障害者御本人に、近づけたかというと、 交番のおまわりさんと広田和子だけだったんです。  そういう中で、本来それぞれが持っている仕事をきちんとやる。そして、コンビニも24時間 やっている時代に、統廃合している場合ではなくて、逆に夜の10時くらいまで開けるとか、24 時間開けるとか、公的な機関が、そういうことをやらないで、民間の相談何とかと言っています が、本当に相談という名の話し相手がいない人がいっぱいいるんです。  言いたいことはいっぱいあるけれども、お金はざくざくと、審議会でも言いましたけれども、 富士山から石油がふってくるわけではない。自分がやっていることに責任を持つ。医療から情報 が来ないなどと言っていないで、本人にインフォームドコンセントされていない情報が福祉に出 ていって、医者の目を当てにして、医者の付けた病状に、福祉職も依存しているわけですよ。そ ういうようなことでは困るわけです。  大塚さんも、少し現場に戻って、PSWを代表しているのだから、行ってきて発言しないと、 これだけ大事なことを、2時間半ではとても無理です。  林さんや野崎さんが幾ら説明をうまくやったとしても、消化不良で、昨日だって私夜中の1時 までいましたよ、説明を受けに。野崎さんや何人かの人が残っている。そこまで一生懸命やって いることをここで2時間半で、何かアリバイづくりみたいに終わらせないで、きちんと消化がで きるように、少なくとも今日は3時間ですよ。このテーマは。  それと、本当にACT、ACTと言うけれども、何度も言いますけれども、職場開拓ではなく て、社会的入院者が出てきて安心して暮らせるのか。この前、日精協の会長、副会長を全部回っ てきました。長尾先生のところにもお伺いました。退院したいという患者さんもいました。長尾 先生に言いました。病床を削減しよう。点数を上げてもらおう。マンパワーを増やそう。それで お金が医療の方で余ったら、福祉に回せばいい。これは私の考え。長尾先生は回したくない。そ の違いだけなのです。  そういうことで、いろんなことがありますけど、とにかく警察に、ソフト精神科救急医療や、 ハード救急医療や、普通の救急医療や、福祉や、話し相手を求めている人が殺到していますから、 その辺の警察に行って、一晩いると、神奈川県警の伊勢佐木署へ行ってもらえばいろんな人がベ ンチに寝ていますよ。  それでいて全国の警察官は26万です。日本の全人口を守っているわけです。命をかけて。  前も言ったけれども、神奈川県警の課題はうつ病です。それをどんどんどんどん他の行政が、 警察へ警察へと。私は逆に24条からの奪回をしているわけです。地域にあそこにおかしな人が いると言われていたら、その人のそばに行ってみるとか、すると、その人の生活の姿が見えると いうことと、いわゆる統合失調症をメインにやっていますが、いろんな社会資源の、職員が悩ん でいろいろ来ます。今一番現場で困っているのは、統合失調症ではない。人格障害が困難事例に なっています。  ですから、それぞれのところがきちんとやって、本当に問題になっていることをここで話し合 う。私はショートステイではなくて、休息入院を選びます。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、時間でございますので、終了とさせていただきますが、事務局の方から連絡等ござ いましたらお願いいたします。 ○林課長補佐  次回の日程につきましては、最初にお話をさせていただきましたとおり、一旦白紙に戻させて いただいて、決まり次第御連絡をさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ○中島構成員  白紙に戻したのはいいのですけれども、4月はこの日程で、もうびっしり詰まっているのです けれども、変えられたら出てこられないということです。 ○林課長補佐  できるだけ早期に開催したいと思っておりますし、開催する際には先生方の御都合を十分に踏 まえて、一旦23日を確保していただいておりますので、それも踏まえた上で決定をしたいと思 っております。 ○樋口座長  それでは、大変お忙しい中を長時間にわたって御議論いただきまして、ありがとうございまし た。  これをもちまして、第15回の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を閉会 といたします。  お疲れ様でございました。 【照会先】  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部  精神・障害保健課企画法令係  電話:03-5253-1111(内線3055、2297)