09/03/23 第13回診療報酬調査専門組織平成20年度DPC評価分科会議事録 平成20年度第13回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年3月23日(月)15:30〜17:30 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、相川直樹委員、        池上直己委員、伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、        小山信彌委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、        嶋森好子委員、辻村信正委員、松田晋哉委員、山口俊晴委員、        山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等の検討について         ○ これまでに検討された項目の整理         ○ 松田研究班からの報告        2 その他  (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから、平成20年度第13回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催 させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は難波委員が御欠席でございます。その他 の委員の皆様は御出席でございますが、松田委員が少し遅れるという連絡が入っておりま す。  では、資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○中田補佐  お手元に議事次第、委員名簿がございます。資料D−1−1「DPC評価分科会での新 たな『機能評価係数』に関する検討の経過報告[2](案)」、資料D−1−2「具体的な項 目の提案等について」、資料D−2、こちらは松田研究班からの報告でございますが、 「病院機能係数の考え方について[7]」でございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、これまでに検討された項目の整理につきまして議論をお願いしたいと思いま す。事務局から説明をお願いします。 ○中田補佐  お手元の資料D−1−1、「DPC評価分科会での新たな『機能評価係数』に関する検 討の経過報告[2](案)」をごらんいただきたいと思います。  こちらにつきましては、前回の分科会で御議論いただきまして、その議論の結果を踏ま えまして整理させていただいたものでございます。  Iの概要でございますが、DPCにおける新たな「機能評価係数」に係るこれまでの議 論ということでございまして、[1]につきましては、これまで同様、別紙にございます「新 たな『機能評価係数』に関する基本的な考え方」に沿って検討を進めているところでござ います。  [2]、[3]につきましては、前回同様でございますので省略させていただきたいと思います。  このたび、[4]といたしまして、中医協・基本問題小委員会、こちらは2月25日に実施 されたものでございますが、この議論も踏まえて、以下の点を考慮して評価すべき項目の 絞り込みを行っているところでございます。  アでございますが、新たな「機能評価係数」に関する基本的考え方との合致。  イでございますが、現行の「DPCの影響評価に関する調査」、以下「DPCデータ」 といたしますが、こちらの活用。  ウでございますが、現行の機能評価係数や出来高部分と評価が重複する可能性がある項 目の整理等でございます。  IIでございますが、具体的な項目の提案等でございます。  こちらにつきましては、上記Iの[4]を踏まえまして、DPC評価分科会としてこれまで に提案された具体的な項目について検討し、今後は具体的なデータ分析を行うことから、 DPCデータ利用の可能性から整理を行ったところでございます。  なお、新たな「機能評価係数」として直ちに評価は困難であっても、医療の質等に関し て重要な項目については病院ごとに当該データを入力及び公開すること等による評価が可 能かどうか検討したらどうかという提案もあった。  以下を参考に、中医協基本問題小委員会において、御検討いただくことをお願いすると いうことでございます。  以下、まとめたものでございますが、1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの というものでございます。  こちらにつきましては、お手元の資料D−1−2、委員のお手元にはA3判の大きいも ので示させていただいておりますが、こちらに具体的な提案等の内容をまとめさせていた だいております。こちらにつきましては、前回の資料では、意見交換のときの意見を別に 示していたところでございますが、そういった意見をすべて溶け込ませて整理させていた だいたものをここで示させていただいております。こちらの資料の見方でございますが、 この資料D−1−2の大きいものにつきまして、上に、1.DPCデータを用いて分析が 可能であるものにつきましては、このIIの具体的な項目の提案等の見出しと一致している ところでございます。従いまして、データ分析の可能性から、整理させていただいており ます。  委員からの意見等につきましては、前回とほぼ同様でございますので、詳細な説明は省 略させていただきたいと思います。  右の基本的な考え方との合致につきましては、これまで別紙で示しております基本的考 え方、これのどの項目に該当するのかと、こちらは事務局のほうでまとめさせていただい たものでございます。  DPCデータ等の活用につきましては、この資料がもともとDPCデータを用いての分 析の可能性について整理したものでございますので、特段のことわりがある場合のみ記載 させていただいております。また、重複評価等の可能性、その他につきましても、特段の ものがございましたら記載しているものでございます。  必要に応じて、この資料D−1−2を見ながら御議論いただければと思います。  まずは、資料D−1−1にお戻りいただきまして、こちらから御説明申し上げたいと思 っております。  1ページ目の1.DPCデータを用いて分析が可能であるものでございます。こちらに つきましては、ここにある点につきまして、事務局でまとめさせていただいております。  [1]DPC病院として正確なデータを提出していることの評価、具体的には、正確なデー タ提出のためのコストや、部位不明・詳細不明のコードの発生頻度、様式1の非必須項目 の入力割合等を評価してはどうかというものでございます。  [2]効率化に対する評価でございます。具体的には、効率性指数、アウトカム評価と合わ せた評価等につきまして、評価してはどうかといったものでございます。  [3]手術症例数または手術症例割合に応じた評価をしてはどうかというものでございます。 こちらにつきましては、※印でございますとおり、一部の手術につきましては、施設基準 として一定数以上の症例数が算定条件となっており、出来高で評価されている部分もある ということを留意事項として付け加えさせていただいております。  おめくりいただきまして2ページ目でございます。  [4]複雑性指数による評価。[5]診断群分類のカバー率による評価。[6]高度医療指数(診断 群分類点数上位10%の算定割合)による評価。[7]救急・小児救急医療の実施状況による 評価。[8]患者の年齢構成による評価、以上のものがDPCデータを用いて分析可能である ものということで整理させていただいております。  続きまして、2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、または医療機関の負担 が少なく、速やかにデータを把握することが可能なものでございます。  こちらにつきましては、ここに5点ございますとおり、[1]診療ガイドラインを考慮した 診療体制の確保の評価。[2]術後合併症の発生頻度による評価。[3]医療計画で定める事業に ついて、地域での実施状況による評価。[4]産科医療の実施状況の評価。[5]医師、看護師、 薬剤師等の人員配置(チーム医療)による評価でございます。これらについて委員からの 具体的な意見等につきましては、D−1−2の4ページ目以降をごらんいただければと思 います。  3番目でございますが、その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるものでござ います。  こちらは、論点を4点に分けてございます。  まずは、(1)でございますが、既にDPCとしての機能評価係数として評価されてい るものでございます。こちらにつきましては、[1]特定機能病院または大学病院の評価。[2] 地域医療支援病院の評価。[3]臨床研修に対する評価。[4]医療安全の評価。こちらのものに つきましては、既存の機能評価係数の係数として存在しているのではないかといったもの でございます。  (2)でございますが、こちらは、既に診断群分類の分岐として評価されているものと いうことでまとめさせていただいております。  こちらにつきましては、[1]標準レジメンによるがん化学療法の割合の評価。[2]副傷病に よる評価。[3]希少性指数による評価、こちらは難病や特殊な疾患等への対応状況の評価で ございます。  (3)でございますが、出来高で評価しているものでございます。  こちらは、[1]退院支援の評価。[2]地域連携(支援)に対する評価。[3]望ましい5基準に 係る評価。これにはそれぞれ論点として、ア、ICU入院患者の重症度による評価、イ、 全身麻酔を実施した患者の割合による評価、ウ、病理医の数による評価、エ、術中迅速病 理組織標本作製の算定割合による評価、オ、病理解剖数による評価といったものがござい ます。[4]高度な設備による評価。[5]がん診療連携拠点病院の評価。こちらにつきましては 出来高で評価されているのではないかということでまとめさせていただいております。  また、(4)その他でございますが、これら以外に分類できないものにつきましては、 ここでまとめさせていただいております。  [1]後発医薬品の使用状況による評価。[2]治験、災害等の拠点病院の評価。[3]入院患者へ の精神科診療の対応の評価といったものがございました。  続きまして4番目、医療機関の負担が大きく、速やかにデータを把握することが困難で あるもの、またはDPCにおける急性期としての評価が困難であるものでございます。こ ちらの具体的な意見につきましては、資料D−1−2の11ページ目以降で記していると ころでございます。  [1]重症度・看護必要度による改善率。[2]合併症予防の評価。[3]再入院の予防の評価。[4] 救急医療における患者の選択機能(トリアージ)の評価。[5]全診療科の医師が日・当直体 制をとっていることの評価。[6]地方の診療所や中小病院へ医師を派遣することに対する評 価。[7]在宅医療への評価。[8]新規がん登録患者数による評価。[9]高齢患者数の割合による 看護ケアの評価ということで、主に4つの点で事務局としてまとめさせていただいておる ところでございます。  この度は、こういった区分でよろしいのかどうか、また、この区分に従いまして妥当に 分類されているのかどうかにつきまして御議論いただければと思っております。  簡略でございますが、資料の説明といたしましては以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして、御質問・御意見をいただきたいと思いますが、この中 で一応、4つに分けていただいておりますので、まず、それぞれの項目で御議論いただき まして、それでまた、さらにそれぞれの項目で、例えば4から3に上げるとかといったよ うなことがありましたら、そういった御意見もちょうだいするという形で御議論いただき たいと思いますが、それでよろしいでしょうか。  ではまず、1番目のDPCデータを用いて分析が可能である8項目が上がっております が、これにつきまして御意見をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○山口(俊)委員  3番の手術症例数、それから手術症例割合に応じた評価というのがまた出てきています けれども、この手術症例数というのは術式によって随分違うと思うんですね。それぞれの 術式にこれ以上あれば本当にいいんだという根拠がないといけないのであって、前にもこ ういう施設基準が出ましたけれども、全然根拠なしに数字をぽっと持ってこられるのは大 変まずいと思います。きめ細かくやるのだったら、本当にエビエンスのあるものだけにつ いてやっていただきたいということが強く要求されます。そうでないと、前と同じ議論を しなければいけなくなって、大変まずいと思います。  例えば1,000床の病院と500床の病院、それぞれ手術数が同じ割合であったら、 同じようなことをやっているのにもかかわらず、1,000床の病院のほうがよいという 評価になってしまいますので、これはまことに愚かな評価の仕方だと私は思います。  だから、結論としては、これは外したほうがいいんじゃないかという意見です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  この手術症例数に関しての御意見は事務局のほう、どうぞお願いします。 ○中田補佐  こちらにつきましては、お手元のファイルにございます12月1日の第6回DPC評価 分科会資料D−4の資料をご覧下さい。  この資料では、例えばプロセスについての中で、手術症例数が多い場合に、この平均在 院日数や抗生剤使用量が一定に集約する、いわゆる標準化や効率化傾向が見られているこ と、症例数の増加によって標準化や効率化が進んでいるのではないかという検討があった というように認識しておりました。これについて、さらに必要なエビデンス等を詰めてい く必要があるのか御意見等をいただければと思っております。 ○山口(俊)委員  というのは、手術症例数が多いということは、既に評価されているんですね。つまり、 効率よくやっていて、しかも評判がよくて、たくさんの症例が集まっているということは、 既に評価されているので、それにさらに評価しなくてもいいんじゃないでしょうか。つま り、地域によっては非常に患者さんの数は少ないところがもともとありますから、そうい うところは苦労してやったら認めないというのは、これはなかなかおかしなことであって、 余計なことだと私は思いますけれども。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  そのほかに、どうぞ、池上委員。 ○池上委員  6番目の高度医療指数というのなんですけれども、改めて調べましたら、診断群分類点 数上位10%ではなく、25%でないと……。すみません、大体20%ということで、そ のくらいでないと、10%ではちょっと数が不足するんじゃないかというのは、大体6分 の1ぐらいが必要ではないかという。 ○西岡分科会長  それは特に10%に固執するわけではございませんので。 ○中田補佐  これはもともと、池上委員から提出いただいた資料でこのようになっておりましたので、 このように記載したものでございますので、またそのような御意見があれば直させていた だきたいと思います。 ○池上委員  そのように訂正したいと思います。 ○中田補佐  具体的に何%というのではなく、上位の算定割合ということにして、今後この割合につ いては検討していくという考え方でございましょうか。 ○池上委員  さようでございます。 ○中田補佐  はい、分かりました。 ○西岡分科会長  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  [7]の救急・小児救急医療の実績情報ですけれども、これは、DPCデータを用いて分析 可能ということですが、ちょっと質問ですけれども、昼間の時間で救急車で来た再診患者 の場合にも算定のデータがあるんでしょうか。 ○中田補佐  救急車で来れば、様式1に入っております。また、それは再診だけに限るかどうかは、 再診料の算定があるかどうかで合わせてみれば、解析可能です。 ○相川委員  普通の昼間の診療時間帯でもすべて入っていると。 ○中田補佐  はい、時間外加算とか、そこの定義を用いれば……。 ○相川委員  例えば休日でない月曜日の午前11時に救急車で来たこともデータに入っているという ことですか。 ○中田補佐  具体的に11時なのか12時なのかと、そういった時間単位でのデータはございません。 ○相川委員  それは結構ですけれども、平日の診療帯でも。 ○中田補佐  時間外加算が付いていない時間帯ということであれば可能かと思います。 ○相川委員  普通の時間帯ですね。救急車ありなしで情報が入っている。 ○中田補佐  ええ、それは情報が入っています。 ○相川委員  ありがとうございました。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  質問なんですが、[5]番の診断群分類のカバー率による評価というのは、これはどういう 意味なんでしょうか。診断群分類を担当している者としてちょっと知っておきたいんです が。 ○中田補佐  こちらは、以前、松田研究班のほうから資料として提出されていたかと思いますが、い わゆる病院の総合的な機能を評価できるのではないかといったことで、それぞれMDC分 類がある中で、複数の診断群分類を算定している医療機関であれば、総合的な評価ができ るのではないかという評価をしているところです。 ○齊藤委員  つまり、そうすると1つの疾病だけを持っているような単純な疾病群を扱っている病院 は評価が低くなるけれどもと、そういう構造ですか。 ○中田補佐  そのとおりでございます。 ○齊藤委員  どうもありがとうございます。 ○小山委員  山口先生にちょっとお聞きしたいんですけれども、眼下に評価する必要はないと言われ ちゃったら何とも言いようがないんですけれども、外科の手術の数は確かに先生がおっし ゃったように、1,000と500では違うだろうと分かりますけれども、その病床数に 対する手術の数の割合っていうのは、もしかして評価する価値があるんじゃないかと思う んですよ。つまり、それだけの手術をするだけの体制を病院が整えていなければならない。 それは昼も夜もという形になりますので、ここのところの割合に関しては評価に入れても いいような気がするんですけれども、いかがでしょうか。 ○山口(俊)委員  病院の機能の中で、手術の件数というのは、もう手術室の数で決まるわけです。ですか ら、その手術室の利用率とか、そういうことから勘案してある程度の評価をするのは可能 じゃないかと思います。 ○小山委員  一般の病院、がんセンターみたいなのとちょっと違う、いわゆる救急をやっているとい う病院にとって、その手術がいつでもできる体制をとっていて、その手術の割合が多いと いうことは、やっぱりそれだけの人的配置も、それから物的な配置も非常に重くなってく るので、この手術数が眼下に関係ないと言われてしまうととても困ってしまうので、でき れば、確かに数に関しては先生のおっしゃるとおりで、数で比較してもしょうがないだろ うというのは確かに事実だと思うんですけれども、その割合ですね、どのぐらい入院して いる患者さんのどのぐらいのパーセンテージの人が手術をしているか、していないかとい うのは、僕は評価の対象にしてもいいのではないかという考えであります。 ○山口(俊)委員  それは、一理あるんですけれども、幾つかの御意見がありましたけれども、やはりそれ だけ体制を整えていても、それだけの患者がいない地域では、患者数が少なくても、手術 数が少なくても用意しなくちゃいけないのです。そういうところは、逆さまに言えば、手 術数が少ないほど評価してあげなくちゃいけないわけです、つまり、単に数だけというこ とでやっちゃうと、そういうものの評価ができませんし、そこは大変難しいところで、単 純に数だけでやるのは私はちょっと難しいんじゃないかと思います。 ○小山委員  割合でもだめですか。 ○山口(俊)委員  だから、割合の低いところこそ、実は例えば地域の病院では、こんなに準備して待って いるんだけれども、これぐらいしか救急は実は来ないんだと。でも、そのためにも用意し ておかなくちゃいけないんだというところは、機能に対して実際の患者の数は少ないわけ ですよね。そういうところはやっぱりだめだという評価はちょっとおかしいんじゃないか と思います。 ○小山委員  この評価は結局、プラスの評価しかしませんから、だめだという評価ではなくて、その 地域の数は少なくても、その役割をしていくというのは、ほかのものの係数で持ち上げよ うとしているわけですから、だからといって、入院している患者さんに対する手術の割合 が多いということも、やっぱり1つの評価として、プラスの評価として僕は入れてもいい んじゃないかなというふうには考えます。 ○山口(俊)委員  ですから、そのときにベースラインを何%かに置くかというところが問題になってくる と思います。それがなかなか難しい作業じゃないかと私は思いますけれども。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  先ほどの、診断群分類のカバー率による評価ですが、比較的単一疾患、例えば急性心筋 梗塞をたくさん診ているとか、そういう病院はカバー率としたら、余り上がらないのかな という気がするのですが、複数の病気を持っている患者を多く診ている病院のカバー率が 高くなって高い評価を受けるということの整合性がちょっと理解しにくいんですが、なぜ でしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局。 ○中田補佐  この新たな機能評価係数の考え方については、前回の当分科会でも議論があったかと思 いますが、例えば、この1つの新たな機能評価係数で、すべてのDPCの特性を評価する のかという議論がございました。逆に言えば、ある1つの機能評価係数では、ある医療機 関を適切に評価できるというものであれば、例えば1つの医療機関が複数のものを取る、 また例えばこの中のどれかのものを取れば、その特色のある医療機関を評価できる、そう いった評価の仕方もあるのではないかということで、必ずしもこの1つの係数だけですべ ての病院を全部満足することまで求めるのかどうかという議論はございました。 ○齊藤委員  これは一般的に病院機能評価係数のとき、なるべく多くの病院にアプライできるような、 納得できるようなものである、あれもこれもとたくさん詰め込むと、何か非常にややこし くなって理解しにくいパターンになっていくような気がするので、ちょっとこの[5]番のカ バー率というのは、そういう点で若干疑問なしとしない評価ポイントかなという気はしま す。 ○相川委員  手術数に戻ってよろしいですか。山口委員の御意見も小山委員の御意見も両方とも一理 あるんですが、その中で小山委員の御発言があったんですが、例えば「緊急手術に応需で きる体制を整えていく」、これは非常に費用もかかりますし、また体制を整えておいても 空振り、つまり実際には使われない、評価されないということもあるので、これは救急と 一緒にするかどうかは別として評価すべきと思います。緊急手術の定義の問題もあります けれども、例えば救急車で運ばれてきて何時間以内ですとか、何日以内とか、そういう定 義での緊急手術に対する評価に関しては先ほどの山口委員の問題も起こらないと思うんで すいますが、いかがでしょうか。 ○山口(俊)委員  私に質問でしょうか。私もちょっと救急は詳しくないので、はっきり申し上げられませ んが、そうだろうと思います。 ○相川委員  それは、特に世間で今、救急患者の受け入れ要請に対して、手術中という理由で断るの が随分あるんですね。それはしょうがないことですけれども、そのようなときにも手術の 必要な患者さんを受け入れて手術できることは、救急のほうで評価するか、手術数で評価 するかは別として、手術数に関連して評価できる可能性があるのかなと思います。 ○山口(俊)委員  ぜひ救急のほうで評価していただいたほうがいいと思います。 ○西岡分科会長  何か御意見は。よろしいですか。 ○小山委員  恐らく立っている場所によって違うと思うんですよね。私とか相川先生というのは、ど ちらかというと救急をどうしてもやらざるを得ない病院と、そうでない立場と、やっぱり そこら辺が少し、考え方に少しずれがあるんだと思うんですね。  基本的にはプラスの評価しかしていないということですから、評価できるものはやっぱ り評価していったほうが僕はいいんじゃないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今の齊藤委員のカバー率に関して、そのまま結論が出ていないんですが、何かこれに関 しまして御意見はございますでしょうか。例えば、専門病院みたいな場合をどういうふう に評価してあげるかということの御意見など。どうぞ。 ○酒巻委員  そのとおりでして、つまり、単一の疾患を非常に高いレベルで診ている病院というのは 当然あるわけですから、この診断群分類のカバー率による評価というのを入れるのであれ ば、それと等しいような何か別な評価軸というのを持ってこざるを得ないんじゃないでし ょうか。それを一体何に、例えばこの中で言ったらば希少性の……希少性じゃないな、何 でしょうかね。何かの方法をやっぱりとるということでいかがでしょうか。  私は、なるべくいろんな軸があったほうがいいと思うんですね。狭く狭く、これはみん なすべての医療機関が評価できる項目だからといって上げていってしまうと、もうほとん どのものがだめになってしまうといいますか、これはだめ、あれはだめという格好になり かねませんので、できるだけ幅広く評価軸は持っていって、非常に複雑な幅広い病院を一 緒にDPCの上で急性期病院として評価していくという形を持たないと、うまくいかない のではないかと思いますので、そんな考え方でいかがでしょうか。 ○西岡分科会長  それに関してはこれまでの議論でも、同じような議論をいただいたと思います。ですか ら、ちょうどカバー率で取れる病院はカバー率で取っていただいて、専門性で取れるとこ ろはまた専門性で取っていただくというふうな、ちょっとそういう工夫が必要になってく るかなと思うんですが、そのあたりでよろしいでしょうか。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  まさにそういうことを分析するために多軸分析をやったわけでして、それで出てくるの が、例えば総合性というのが1つ出てくるし、あと、それ以外の専門性が出てくるわけで すから、要するに各病院の機能というのを多層的に評価していくということでいいんだろ うと思います。やっぱり総合性を評価される病院と、専門性、例えばがん診療とか、脳血 管障害とか、手術とか、そういうものを評価される病院と、いろいろあっていいんだろう と思います。だから、評価軸を複数つくるということで、前回のいろんな使用率の結果を お示ししたつもりなんですが、ちょっとそれは説明が悪かったかもしれません。  その中で例えば、その先ほどのカバー率ですけれども、実際の事実としてカバー率が高 くてというのは、14桁レベルで見たDPCの数が非常に多い病院、なおかつ診ている患 者数が多い病院というのは、調整係数が高いという事実がこれはございますので、それは 多分そういう多様な疾患を診るということは、それだけのスタッフもいるし、それからそ れだけの検査機器もいるし、それだけの人員も揃えなきゃいけないということで、やはり 機能として評価すべきことじゃないかなというふうに思います。 ○齊藤委員  例えば、甲状腺専門病院なんていうのがありますね。そうするとそういうところは、非 常に限られたDPCの分類の中に特化してしまって、こういうカバー率という点では非常 に低くなるだろうと思うんですが、今の酒巻委員が言われたように、何かそれに反して、 対立する別の評価軸というのがあり得るんでしょうか。例えば、甲状腺の専門病院とかそ ういうものについて。 ○松田委員  例えばその甲状腺専門病院ということになってくると、悪性甲状腺腫瘍も出てきますし、 いろいろまれな病気も、プラマー病みたいなのも出てくると思うんです。そうすると、実 際そういうのは、今度は複雑性が高くなってくる、限られた疾患の中での平均になります ので、複雑性も高くなるし、希少性も高くなるということになりますので、そういうこと で評価ができるんだろうと思います。またなおかつ、そういう手術、それに対応した手術 というのはかなり難易度の高い手術が多くなりますので、そういう形でもできると思いま すし、使っている薬剤とか、あるいはRAなんかもかなり使いますので、そういう意味で は、専門性の高い病院というのはそれなりにきちんと評価できると思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかによろしいですか。この1番のところは、また戻ることにいたしまして、2つ目の DPCデータによって一部分析が可能なもの、または医療機関の負担が少なく速やかにデ ータを把握することが可能なものという、この2つ目の項目のところについての御議論を お願いできれば。どうぞ、吉田委員。 ○吉田委員  多分これは、去年の12月ぐらいから全国で問題になっていましたよね。診療ガイドラ インが、各医療機関が間違えちゃっていて、ガイドラインに載っているからこの検査も薬 もいいんだと、変な解釈をしているんですね。  それで、質問されたので、薬事法が上ですよと。保険請求では認めませんということを 言っているんですけれども、ほとんどは、ガイドラインに載っているんだからいいんだっ て言ってくるんですね。前に言った全麻と同じようにですね。ですから、余りこれ強調し ないほうがいいんじゃないですかね。勘違いしちゃっているんですね。そういう現状があ りますのでよろしくお願いします。 ○山口(俊)委員  吉田先生のおっしゃるとおりで、ガイドラインというのは、ゴールドスタンダードでは ありません。標準ではないんです。そこのところをこのガイドラインの精神というのをよ く理解していれば、今までも、2回も3回もお話ししたように、こういうことに使うのは 相当難しいです。普通、実務的にそれぞれのガイドラインをちゃんと評価して、どのよう にそれを合致したのはどれと判断することは、作業的に非常に難しいです。ですから、こ れを今回やろうと思ってもできないので、私は技術的に難しいんじゃないかと思います。 そもそもよくないということと、技術的にも難しいというその2点で、これはちょっと外 したほうがいいんじゃないかという具合に思います。 ○西岡分科会長  事務局のほうでは何かこれに関して御意見はございますか。よろしいですか。  確かに、日本でたくさんガイドラインが出ているんですけれども、各学会の専門家がガ イドラインの項目に入れていらっしゃるものですから、その国際的な信用度というところ で、少し問題な部分がかなり出てきているというふうなことも言われております。むしろ ここでは、ガイドラインを使うということじゃなしに、ガイドラインも考慮した診療体制 を取るというふうな考え方で出されているのですが、それもだめでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  それは当然意識してやるべきで、そのためのものだと思いますので、そういう体制を取 っていない病院はちょっとやっぱりペナルティぐらいあってもよいと私は思います。 ○山口(直)委員  何回も議論があって、それで事務局がこの文言で診療ガイドラインを考慮した診療体制 確保の評価ということで、最初に診療ガイドラインを使っているかどうかみたいな議論が あって、それは必ずしも好ましくないだろうと。ただ、吉田先生はガイドラインは学会が 勝手につくったとおっしゃいましたけれども、学会というのは公の機関で、そこが責任を 持ってつくっているというふうな背景もあると思うんですね。勝手につくっているという のはちょっと僕は違うんじゃないかなという気もするので、それは、ガイドラインに書い てあることはすべて正しいからそれ以外はだめだみたいな議論ではなくて、でも、ガイド ラインがこれだけ普及しているのに全くそれに背を向けた診療をしている病院がそのDP Cの病院としてふさわしいのかなということで、それを考慮したような診療ができるよう な体制をつくっているかどうかというあたりで、評価したらどうですかというお話だった と思います。 ○吉田委員  評価はいいと思うんですね。この検査法も治療もいいんだと。薬事法を無視してくるん ですね。だから要するに、保険診療と医学は違うんですよ。だから、各学会でつくるガイ ドラインは結構です、評価するのは。ただ、それを余り表に出しますと、勝手気ままに使 ってきますからね。ガイドラインに載っているからいいんじゃないかと言って、いろんな 適用外の検査とか、治療をやってくるんですね。そういうのが現状あるので、注意を促す 意味です。 ○山口(直)委員  やはり吉田先生のおっしゃったことはとても大事なことだと思うんですが、だからこそ やっぱり、本当の診療ガイドラインの意味というのを、世の中の先生方がもっと深く理解 してというふうな趣旨なんじゃないかなと思います。 ○山口(俊)委員  例えば、がん研は基本的に診療ガイドラインを外してはいけないということになってい ます。もし外れるような症例については、キャンサーボードに出して、みんなの前でちゃ んと議論しなさいと。そこでアプルーブされたら初めてガイドライン以外のことをやって もよろしいと。そういうシステムが整っていれば構わないことであって、例えば、いろい ろ難しい症例が来たときに、キャンサーボードにかかるような症例がたくさんある施設が 決して悪いわけではないわけですね。しかし、そういう体制こそ評価するべきであって、 単に何%守っているからといって評価するのは、、これはなかなか難しいんじゃないかと 私は思います。 ○齊藤委員  これは同じような議論ですが、ガイドラインといっても千差万別で、厚生科学研究なん かで、少人数の人が保険診療とはかかわりなく、あるべき論というようなガイドラインを つくっているものもたくさんあるんですね。だから、そういうものを、それから学会とい っても千差万別で、非常に小人数な学会と称しているものもたくさんあるので、ガイドラ インの質の評価というか、位置付けをはっきりさせることがとても大事かなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかにガイドラインに関する考え方がありますか。どうぞ。 ○伊藤委員  ガイドラインに関しては、確かにガイドラインそのものの問題があるんだろうと思うん ですが、ただ、患者さんにきちんと情報が提供されるという枠組みは重要なのかなという ふうに思います。前に提案したことがあるんだろうと思いますが、例えば、患者さんに渡 されるクリティカル・パス、クリニカル・パスみたいなものがきちんと提示されているも のとかというのは、かわりに評価できるのかなというふうに思ったりするんですけれども、 いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  ガイドラインとクリパスは必ずしも合っていないというのは、多分、今、病院の現状だ ろうと思います。そのガイドラインに関しては、国際的には、例えばそのAGREEとい う評価方法が多分一番、今アプルーブされていると思うんですけれども、そのAGREE のたしか21番目だったと思うんですけれども、モニタリングの項目があります。この疾 患の診療においてはこういうものを行うかどうかということをモニタリングするというこ とがありますので、多分ガイドラインそのものを全般的に評価するということは非常に難 しいだろうと思います。  そうなってくると、そのガイドラインで示して、これは重要だというモニタリング項目 というものを各学会でやっぱり決めていただく。で、それを評価するということはできる と思うんですけれども、ただ現行では、モニタリング項目そのものが定まっていないとい うのが現状だろうと思いますので、そういうのはやっぱり各関連学会のほうでガイドライ ンに関して、AGREEみたいなものを使って評価すべき項目というのを決めていただく という作業が先になるんじゃないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ガイドライン以外のところでいかがでございましょうか。あと術後合併症の。どうぞ。 ○山口(俊)委員  2番目のこの術後合併症の発生頻度ですが、今の診断群分類でいけば、例えば同じ食道 切除でも、普通の食道切除と、それから最近増えてきたサルベージの手術といって、照射 した後にどうしても食べられないのでやってくれというようなのがあるわけですけれども、 圧倒的にそのサルベージ手術の死亡率、それから合併症率が高いわけです。そういう病院、 疾患がたくさん来ると、結局全体としての合併症の実数が極めて高くなってしまいます。 そういうふうな問題があちこちにあるので、これ相当慎重にやらないと、そういう難しい 症例を引き受けている病院の意気がそがれるというか、もううちはやめておくよという話 になって、大変まずいというのもあるんじゃないかなと思います。 ○相川委員  私も全く同じ意見ですし、また手術の種類だけでなくて、患者さんによっては、合併症 を起こしやすい患者さん、例えば高齢者の方とか、あるいは喫煙歴が非常に長い方とか、 術者は、「あなたの手術は厳しいから」といってやめちゃう、手術しないほうにもなって くるといけませんので、やはりこの合併症の発生頻度というものには、いろいろなバック グラウンド、あるいは手術の種類などを勘案して評価しないと、かえって医療が悪い方向 にいく可能性があると思います。 ○山口(俊)委員  それとあと、合併症はやっぱりだれもがなくしたいと思ってやっているわけですし、も し、実際になくなれば、率が低くなれば、在院日数は短くなるわけです。当然そういうメ リットを受けているわけですから、これもやっぱり二重になるんじゃないかなという気も ちょっとします。 ○西岡分科会長  よろしいですか。どうぞ、嶋森委員。 ○嶋森委員  [5]のチーム医療の評価なんですが、これは医師・看護師・薬剤師の人員配置ですよね。 人の数はチーム医療を評価するには非常にいいと思いますが、単に数だけでは、前の7対 1と同じようなことになってしまうので、やはり患者の重症度というか、患者さんの重症 度を評価するような軸を入れないと、また混乱が起きる可能性があるというふうに思いま す。 ○西岡分科会長  これは、かつての7対1、10対1のようなこの基準で幾らという形ではなしに、連続 的な評価になりますので、たくさん人を集めたからいいかというと、今度は人件費がかか ってしまって、その病院が潰れるというのが実際の現状でございます。ですから、ここで はむしろ、それだけのマンパワーを備えて活動していることを評価してほしいというのが 幾つかの病院からの御要望が出ておりましたので、それであれば部分的に調査は可能であ るし、そういったデータも出せるだろうということでございます。  事務局、何か追加はございますか。それでよろしいですか。  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  今の[5]番目のことですけれども、1つはチーム医療の評価ということでもって、医療サ ポートとか、あるいは緩和ケアというのは非常にぜひやっていただきたいと思うんですけ れども、もう一つの方法をやるとして、この前の参考人に来ていただいた方もお話をされ ていましたけれども、今の人数の問題が非常に重要視されてくると思うので、手厚くその 病棟に配置されている人の評価をぜひやっていただきたいと思うんですね。  その中でやはり、僕は前から言っているんですけれども、病棟薬剤師の役割は非常に大 きいと思うんですよ。できれば今、1人置くか置かないかがやっとなんですけれども、で きるならばそれこそ二交代制ぐらいにして、患者さんが起きている間中の薬のことは全部 薬剤師がやるという形の、そのくらいの積極的な評価をしていただいたほうがいいと思い ます。それはちょっと、チーム医療というそういうチームではないんですけれども、病棟 に配属されているということを、少し大きく評価をしていただくようなことがいいんじゃ ないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、佐藤委員。 ○佐藤委員  嶋森委員と小山委員のほうからも出ました、[5]番目について、少し私の意見を述べさせ ていただきます。  非常に、多くの先生から医師、看護師、コメディカルのチーム医療の参画によって医療 の質の向上とか、また、患者ケアへの向上の貢献度が大きいということは言われておりま すが、まさに小山委員が言われているように、なかなか評価が難しいということがあげら れています。多分その理由として、私自身考えているのは、病棟に例えば従事している勤 務時間のデータ集積とかですね。そういうものは、多分コメディカルの中で余りやられて きていないのではないかということです。多分コメディカルの診療上に関するコスト分析 のための基本的なエビデンス不足の原因が、その1つではないかと思うわけです。  それで、ここの5番目の医師、看護師、薬剤師等の中で、コメディカルも多少記載はあ りますが、この評価候補で頭出しされており、また小山先生から出ましたこの薬剤師に関 して、日本病院薬剤師会から、病棟に従事する薬剤師の勤務時間についてのデータ集積を 速やかに行うという調査協力依頼が来ておりますので、できれば近々、それに関するエビ デンス等について、委員である私のほうからこの分科会に御提示できればと思っておりま すので、その点よろしく御検討いただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  この項目に関しては今までの病院調査のところで大体出てまいりますので、そのデータ をうまく利用できればといったような形で話が進められるんじゃないかというふうに思っ ているんですけれども。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  事務局側に少し確かめたいんですけれども、ここに(チーム医療)と書いてあることの 意味は、単純に人員配置だけ、人数だけで評価するわけではありませんよという意味合い を持たせておつくりになったということですか。 ○西岡分科会長  事務局お願いします。 ○中田補佐  こちらの人員配置とチーム医療という人的資源に関する議論が2つありましたので、整 理の一環として両方をまとめて置かせていただいているところでございます。従いまして、 単なる人員配置の数という論点と、そうではなくて、チームとしての医療資源の評価とい うこの2点がこの項目に含まれているところでございます。 ○酒巻委員  多分、後者の部分がある程度はっきりしないと、皆さんが単に人員配置だけにいってし まうのではないかという、そういう心配をするということだと思いますので、夜勤の体制 とか、あるいは救急部に対する配置とか、さまざまなところで、この部分を評価しようと いうのをまた考えていただければありがたいと思います。 ○池上委員  確認ですが、この[3]の医療計画で定める事業についてということですけれども、先ほど の御説明で、さまざまな断面から総合的に評価する、そしてそれぞれの尺度が相互補完的 にあるという、それでそれぞれ普遍的にそれなりに評価すべきであるという、原則論とし ては分かるんですけれども、具体的に医療計画で定められている事項について、東京、大 阪など、それとそれ以外と比べるとなかなか相互補完的な尺度にこれはならないのではな いかという気がしましたので、何をもって、専門病院とすべてを総合的に行う病院とでは、 それぞれが別の尺度によって評価できるという説明はまだ補完的であるのでつくんですけ れども、医療計画について言えば、そういう補完性というのは、何があるかというのはち ょっと疑問に思いましたので、原則論に戻りますけれども多面的評価が本当に多面的であ り、相互補完的な尺度になっているかどうかというのは、これは改めて全体を評価する必 要があるのではないかと思います。 ○西岡分科会長  この項目に関して地域の実施状況というので、これに関しては事務局はお考えはござい ますか。この[3]番のところですが、これは実際には、基本問題小委員会でも、地域でのそ ういった医療計画に定める事業をどれぐらい果たしているかを評価してほしいという御意 見が出ておりましたので、それも踏まえてここに入れてもらったのではないかと思います が、どうぞ。 ○中田補佐  この[3]医療計画につきまして、現段階での具体的な評価のイメージというものにつきま しては、これまで、松田研究班で御提示されたようなデータ以外のものは、現在のところ 持ち合わせておりません。今回、ここでまとめさせていただきましたのは、DPCでの活 用という観点からすれば、その症例数などについては評価が可能でございますし、シェア についても、DPC対象病院だけに限れば、解析が可能といったことでまとめさせていた だいたところでございます。  また、前回の分科会でも、実際にどういった評価ができるのか分析してから評価するこ とでもいいのではないかという御意見もございましたので、ここで置かせていただいてい る次第でございます。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。ほかに御意見がございましたら。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  医療現場における薬剤師の役割というのは大変重要だというふうに思うんですが、ただ 一方で、最近、院内調剤を戻すという動きがある中で、薬剤師が増えることが院内調剤を 戻すということで補完されないような形の枠組みをきちんとしてからでないといけないの かなというふうに思うので、ちょっと一言だけ。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  この、医療計画で定める事業というのは、例えば4疾病5事業とか、そういうものが想 定されているのかなと思いますが、糖尿病などではほとんど外来診療で処理していて、入 院診療という視点からはすっこ抜けてくる可能性があると。そうすると、DPCのデータ はほとんど入院関係になってきますので、その辺の整合性もちょっとお考えいただいたほ うがいいかなという気がします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに、この2番目の項目に関しまして御意見がございましたら。  それでは、3番目の項目の御議論をお願いしたいと思います。その他、既存の制度との 整合性等を図る必要があるものということで、4項目出ておりますが、これにつきまして 御議論をお願いします。最初の部分は、これは既に(1)の部分は機能評価係数がついて いるものでございますし、あるいはDPCの分岐のところでそれが行われているというも の、それから出来高でも評価されているものといったものがあるわけですが、ここのとこ ろにつきまして御意見をお願いできればと思います。 ○相川委員  [3]の臨床研修に対する評価は、確かにこれは機能評価係数として評価されているものの、 今、パブリックコメントを受けているところですけれども、臨床研修の定員やプログラム 等が変わります。これは次年度から変わる可能性があるわけですが、平成16年度に始ま ったときの臨床研修の基本的考え方をしっかり守るというような方向で、見直されている わけですけれども、基本的考え方をしっかりと守っているプログラムをしっかり評価する べきかなと思います。具体的にどうするかということは、最終的にプログラムが出てきた ら検討できると思いますけれども、その辺のところも、今回ではなくても次の改正にかけ て検討していくべきだと思うんですね。 ○齊藤委員  この既存の制度との整合性を図る必要があるというのは確かにそのとおりで、私もそう 思うんですが、物によっては二重評価、三重評価があってもいいのではないかという意見 も病院団体などではあるんですね。特に、例えば、ここで救命救急入院とか、そういうも のを既に算定されているとしても、DPCの特性に照らして、やはりここは重点評価すべ きだというものについては、二重評価、三重評価も避けることなく、しっかり評価してい くというのが、DPCの医療としては好ましいのかなと。どの項目がどうかということは ありませんが、救命救急なんていうのはやっぱり、ある部分で二重評価になったとしても、 しっかり評価をするのは妥当だろうというふうに、私には思えます。 ○小山委員  話は戻るんですけれども、臨床研修の話ですけれども、臨床研修に対する評価なんです けれども、現在はただやっているかやっていないかだけの評価なので、ある程度やっぱり 質というんですか、もっと簡単に言えば人数によってでも、やはり少し差をつけていかな いと、単にやっているかやっていないかだけの評価ではない評価をぜひしていただきたい と思います。  それからもう一つ、[4]番目の医療安全の評価ですけれども、これも余りにも医療安全の ことの評価が低すぎると思うんですよね。ですので、中身は少し検討する必要があるでし ょうけれども、ここには大幅な評価の対象としていただきたいというふうに思います。 ○西岡分科会長  この部分のところ、例えばもう既に機能評価係数になっているところは、機能評価係数 をもう少し上げていただくとか、何かそういうような形での対応というのが必要というこ とでございますね。だから、これをまたもう一度調整係数のもとのところに入れてまたと いうのになると、さらに複雑になってくるかなというふうにも考えるんですけれども、こ れは私だけの考えですが。  だから、もし、だとしたら前々から小山委員がおっしゃっている、医療安全の評価とい うのは確かにこれはもっと係数を上げてもらわない限りは、その病院ではなかなか実施で きないということの現実がありますが、そういうことを御検討いただきたいということに なると思いますが。  あとのところはいかがでしょうか。  それと、もう一つ、かつてこの委員会で、DPC病院として望ましい基準というのを5 項目、[3]のところに括弧したところで、今の表で結構でございますが、出ているんですが、 当時としては、DPCに参加される病院が大体300床以上ぐらいの病院が主でありまし たので、そんなような病院が急性期医療をするとすれば、こういったものを整えなければ おかしいんじゃないかということで、御提案いただいたと思うんですが、今回のようにか なりいろんな病院が入ってきたとき、この望ましい5項目というのをどういうふうに取り 扱いするかというのをもう一度御議論いただけたらありがたいんですけれども。載ってい ますでしょうか、この2枚紙のところの2ページ目のところの下の方に括弧が入っており まして、特定集中治療室管理料の算定、救命救急入院料を……よろしいでしょうか。  どうぞ、吉田委員。 ○吉田委員  前回も言いましたこの[3]の1番から欄外ですね、ア、イ、ウのところのイのところで、 全身麻酔を実施した患者の割合による評価って、これはまた悪い効果がありまして、何で もかんでもやっているんですね、全麻で。一番問題は、今、前立腺がんが増えましたよね。 前立腺の生検は8割方無麻酔でできるんですよ。それはある医療機関によっては部長命令 でもって、全部オペ室でやれと。オペ室でやるに当たって全部全麻でやるんだというひど いのがいるんですね。これ、できれば手術に対する全身麻酔の割合という風に明記してほ しいと思います。  これちょっと保険診療上、難しいんですよ。これ余り表に出ますと、多分さっきの看護 師の問題みたいに、全部全麻に誘導する医療機関があるんですね。手術に対する全身麻酔 と明記しないと、検査や処置でもっていっぱいやってくるんですよ。そういう現状があり ますのでちょっと考えた方がいいんじゃないですかね。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  全身麻酔がちょっと一人歩きしちゃった部分があると思うんですけれども、麻酔、中央 診療部門を評価しようということで、麻酔科をどのように評価したらいいだろうかという ことで、現行の点数評価が取れるものでそれに近いものが全身麻酔だったということで、 一応これを入れているんですけれども、もし、その中央診療部門としての麻酔科をもう少 しよりよく評価できるようなものがあるのであれば、それで代替したいと思います。  それから、5基準というのは一番最初のころに何回も話し合って出したものなんですけ れども、基本的には、急性期病院の場合には中央診療部門が充実していることが重要であ ろうということで、中央診療部門を代表するものとして、とりあえずこの5つを挙げたわ けですけれども、今のいろんな評価の中で、なかなかやっぱり足りない部分だろうという ふうに認識しています。実際いろいろ分析してみますと、例えばがんをかなりやっている 病院というのは、確かに病理のいろんな術中迅速とかいろいろ出てきます。これを外科の 先生とかに聞いてみると、やはりその、術中迅速があるかないかって、それできちんと範 囲が決められるか決められないかということがその手術の質に関係しているということで あれば、がんの手術等に関連してこの病理診断、術中迅速みたいなものをきちんと評価す るということは多分あるのだろうと。かなり技術量的なものだと思いますので。  そういう観点で、いろいろ救急とかICUとか、例えばICUなんかですと、最近、札 幌大学の先生たちが出された論文を見ますと、アパッチスコアは今回初めて、全国的にや らせていただいたわけですけれども、確かにスコアが高い換算の場合には、かなり出来高 換算でやると原価割れするようなことが出てきていますので、そういう重症度を見るとい うようなことがもしどこかでできるようであれば、もしかするとそれが人工呼吸器の装着 ミスみたいなものなのかもしれませんけれども、何かそういうものを反映するものがあれ ば、こういうものも適切に評価できるのかなと。せめて、この中央診療部門をどういうふ うに評価するかということは、やはり少し別の視点が必要じゃないかなと。別に検討が必 要じゃないかなというふうに、個人的には考えています。 ○吉田委員  ですから、レセプト上は全身麻酔があっても、だからKコードの入っている全身麻酔な ら分かるんですよ。それがJとか処置とか検査でもってしかやっていないのに、全身麻酔 を取っている場所があるんですね。だから、Kコードと合わせればできると思いますけれ どもね。 ○相川委員  ちょっとよろしいですか、今、APCHEスコアの話が出ていたんですが、これは、場 合によってはAPCHEスコアをつけなくてはいけなくなりますか。もしそれを算定する となると大変ですね。 ○松田委員  個人的には、今の日本の救急医療部とか、ICUの人員配置で、アパッチスコアをつけ るという作業は非常に大変だと思います。定義で例えば、酸素飽和度なんかを見るときの やつなんか、病態に何マスク使っているか、何やっているか全然違いますので、何かもう 少し重症度を、今やっている医療処置の中から反映できるようなものが代替編としてつく れればいいなというふうに考えています。 ○相川委員  おっしゃるとおりで、APCHEスコアをつけるには、かなりトレーニングと専門的な 知識が必要ですし、また、一定時間内にかなりいろんな検査をしなければ、APCHEス コアは出せませんので、APCHEスコアを今導入するとなると、かえって煩雑になるし、 また間違ったスコアリングが出てくる可能性もある。今、松田委員のおっしゃったように、 APCHEスコアで重症度を判断するというのは、現時点では現実的ではないと思います。 ただ、その基礎資料として、重症度をAPCHEスコアで見て、死亡率なり、投入必要な 医療をみるのは結構だと思いますけれども。  もう一つよろしいですか。関連しているんですけれども、この「救命救急入院料を算定 していること」ということかなり救急の現状って変わってきまして、ER型救急がかなり 認められてきています。実際には救命救急センターに搬入される患者は、本来救命救急セ ンターは、今にも死にそうだとか、超重症だとか、そのようなものを特化して診るのです けれども、今の救急需要は、そういう患者さんは非常に少なくて、むしろそれよりも一段 重症度が低いものに救急の需要があるんですね。  例えば、私どもの大学病院、これは3次救急をやっていますが、救命救急センターを申 請していません。申請していないという理由は、救命センターにしちゃいますと、ほぼ死 にそうな患者さんしか来なくて、医学生の教育にもなりません。また、救命救急センター には、例えば、今高熱が出ているが歩ける人は来ないわけですね。ですが、そういう人に 対する救急は評価されるべきであって、単に救急を「救命救急入院料を算定する」ことだ けで短絡的に定義しないほうがよろしい。また、これからの救急は、救命救急の入院料算 定だけでは評価されないということなので、先ほどの救急の別の項目で提案しているとこ ろで二重評価になるかもしれませんけれども、ここでの評価に関しても、この救命救急入 院料に関しては検討する必要があると思います。 ○松田委員  これも誤解があるといけないんですけれども、このことを考え始めたときに、現行のデ ータから見られるものがこれだけだったということです。そういうことがあったので、I CUと救命救急に関しては、別途調査をさせていただいたわけです。  その結果で見ますと、例えばICUの場合は重症度を何で評価しようかということで、 これは集中治療学会の先生方に御相談したんですけれども、一応日本で一番広く使われて いるものがアパッチ2だったということで、アパッチ2にしたんですけれども、これは説 明会をやったときに、SAPSのほうがいいとか、TISSのほうがいいとか、いろんな 御批判をいただきながら無理してやったものですけれども、ただ、やってみてやはり何か、 もう少し完全に評価できるものがあったほうがいいんじゃないかなということが、僕らの 感想としてあります。これは、臨床の先生から出していただくしかないだろうと。  あと、救命救急に関しましても、そういうことがありましたので、調査をしました。1 次救急、2次救急、3次救急、1次患者、2次患者、3次患者の割合を見てみますと、救 命救急の算定している病院であっても、大体15%ぐらいしか、3次患者はいらっしゃい ません。70%ぐらいが1次患者で、残りの15%が2次患者という結果でした。救命救 急を算定していない病院で救急をやっているところでも、実は75%が1次患者なんです けれども、10%ぐらいは実は3次患者がいらっしゃいます。特に、最近2次救急を引き 受ける病院が地域でどんどん少なくなってきていますので、そういう意味でもどんどんこ の3次のところに行っているという現状があります。そうすると、こういうものをどうい うふうに評価していくかということも考えなければいけないと。  AISでやるというアイデアもあったんですけれども、これもほとんど記入されていな いという現状がありますので、これをやっぱり、現場のあの忙しい状況であのスコアを入 れていただくということを要求するだけでちょっと、かなりお気の毒な状況になってしま うので、これも何か別の指標が必要なのかなと。ただ、先生がおっしゃられたみたいに、 僕はもうER的な運用というものをきちんと評価していく時期にそろそろ来ているんじゃ ないかなということを、これは調査をやっていてそう思いました。ただこの救急点はちゃ んと評価しなきゃいけない部分だと思いますので、それをどうやって評価するかというこ とは、やはり何か別の視点でやってでも評価しなければいけないところではないかなとい うふうに考えています。 ○相川委員  確認ですけれども、そうすると、ですから救命救急を今算定可能な病院は救命救急セン ターですね。そこでは、しかしながら15%ぐらいが3次救急施設で見るべき患者さん。 救命救急センターじゃなくても、10%ぐらいは3次救急患者がいる。しかしそこでは、 救命救急センターとしての算定はできないわけですね。ですから、ほぼ同じ重症度の患者 を扱っていても、救命救急センターという指定があれば評価されて、指定がなければ評価 されないということ自身が、もうそろそろまずい。 ○松田委員  あとそれともう一つ、こういうところにやってくる1次患者の多さをどう考えるかとい う問題だろうと思います。多い1次患者を支えるために、例えば吉田先生のところはされ ているわけですけれども、昭和大学病院なんかは、地域の開業医の先生たちが準夜帯にや ってきて、昭和大学病院の救急外来でずっと1次患者の対応をやるというような、そうい う地域連携をやって、救急をもたせている病院というのは、今、全国にかなり出始めてい ます。そうすると、先ほどのチーム医療という話がありましたけれども、そういう連携体 制そのものを評価するという視点はあっていいんじゃないかと。救急を支えるための連携 体制とか、産科を支えるための連携体制を評価する視点というのはあっていいんじゃない かなというふうに、個人的には考えております。 ○木下委員  各論的なことではありませんが、特に3はそうなのでありますが、今まで議論があった とおり、二重評価となる可能性がある項目が多いと思います。齊藤委員からは、二重評価 でもいいではないかと、それくらい大事なんだという御意見もありました。考え方として、 本当に二重評価をするとすれば、DPC病院以外の病院に対する診療報酬をどう評価する かを考える必要があります。この点に関して非常に項目が多いだけに、基本的な考え方を お示しいただきたいと思います。むしろ二重評価というよりは、その項目を診療報酬の体 制から上げていくという考えもあると思います。そのことも含めて、考え方を伺いたいと 思います。 ○西岡分科会長  これは事務局、よろしいですか。 ○中田補佐  この3の既存の制度との整合性を図る必要があるものというものにつきましては、これ までいただきました御意見のように、既にある評価をどのように組み替えていくのかと。 これはいわゆる既存の制度の見直しというものにつながるようなものや、また、既にもう 診断群分類の中で評価されているようなもの、または、既に出来高として十分に評価され ているのではないのかというものを、ここでまとめさせていただいております。  今、いただきました御意見の中で、例えばその評価が十分でない、また例えば、そもそ も評価の視点をもうちょっとこのように変えるべきではないかといった御意見につきまし ては、これは既存の制度との関連するものでございますので、DPC評価分科会というよ りも、基本問題小委員会でその点を最終的に検討されるものではないかと思います。です から、DPC評価分科会でいただきました意見につきましては、この委員からの意見等の 中で反映させていただきまして、またそれを踏まえて、既存の制度とどうするのかという ことにつきましては、また、基本問題小委員会のほうで御議論いただく必要があると思っ ております。 ○小山委員  先ほどの望ましい5基準の中の病理のことが出ていましたけれども、病理のところはや っぱりぜひ評価をしていただきたいと思います。エのところに書いてあるのは、迅速標本 は、DPCの場合はたしか包括で含まれてしまいますよね。ですので、包括に含まれてし まいますので、そうじゃなくても病理の評価というのは、日常の診療の中でもあんまり高 くないところが、さらにこれで低くなっちゃっておりますので、ここのところの望ましい 基準の病理のところは、ぜひ高く評価していただきたいというふうに考えております。 ○原分科会長代理  病理の追加なんですけれども、病理解剖数による評価というのは、これは出来高で評価 されているものじゃ、本当はありませんよね。  それで、それはともかくとして、ちょっと一言、文言を追加していただいたほうがいい と思うのは、3の(3)の[3]の一番下のオですが、病理解剖数による評価、これは解剖数 だけではなくて、解剖数、括弧でもいいんですが、及びでもいいんですが、率ですね。解 剖数・率による評価と入れたほうが。だから、解剖の数だけではなくて、解剖率というの も、解剖数というのは、全部治したすごい病院は解剖なんかないんですけれども、死亡者 に対する数も大事なんだけれども、率も大事だと。だから「・」で率による、あるいは括 弧でも結構ですが、入れられたほうがいいんじゃないかと思います。 ○熊本委員  この大きな3番としては、既存の制度との整合性ということで、今御意見がありました ように、特に(1)は、既に機能評価係数として評価されているというんですけれども、 これは、でも出来高のことを換算して点数化されているということですよね。ですから、 ヒアリング等いろいろなことを今までやってきて、この大きく[1]、[2]、[3]、[4]と4つ大き く取り上げられているんですけれども、特にまた、医療安全評価等はヒアリング等でもい ろんな先生方からも御意見があって、特にチーム医療という観点からもこういったことは 評価すべきだということがありました。ですから、もちろん、診療報酬請求制度の出来高 の制度の中でも高い評価を望みますけれども、それプラスに、やはりDPCの病院の中で もこういったことに人員配置等、いろんなことで力を入れているわけですから、ここの[1]、 [2]、[3]、[4]は、特に[4]も含めてですけれども、やはり二重評価と言われるよりももっと評 価すべきということで、今議論されているんじゃないかなと考えます。 ○西岡分科会長  熊本委員にお伺いしたいんですけれども、これを二重評価でもいいから評価しろという のか、今の機能係数を上げろというのか、どっちですか。 ○熊本委員  やはり二重評価になるかもしれませんけれども、これはやっぱり今までのヒアリング等 を考えると、評価すべきということ自体上がってきているんじゃないかと考えますけれど も。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○嶋森委員  私も医療安全のところですが、先ほどの(3)の望ましい5基準の評価のところです。 ここは先ほど松田委員が、中央診療部門の評価と言いましたが、医療安全は望ましい基準 の中に入れるべきではないかなと思います。安全の面では、診療所も含めて、感染等の問 題があります。全身麻酔をやっている病院でも医療安全加算をとっていない病院というの があり得るわけですよね。基本としてある程度、侵襲性の高い医療を行うところは安全を 確保する必要があるので、望ましい基準に入れたほうがいいのではないかと考えますが、 いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  この5基準をつくりましたのも大分前のときだったので、こういった条件だけは整えて ほしいというので出したので、この5基準をさらに望ましい条件として広げるというわけ じゃなしに、これをいろんなところの、新しい機能係数のほうに導入できればということ、 あるいは、今まであるような機能係数のところにあれば、その係数を引き上げてもらうか というような形の話でないと、少しまたこの望ましい5基準を6基準にするというのでは 話の進みがバックしてしまいます。むしろ医療安全のほうは、この一番上のところの3の (1)のところにちゃんと上がっておりますので、それはその項目として、何らかの形で 評価していくということになるかなと思うんですけれども、それじゃやっぱりまずいので しょうか。 ○嶋森委員  そういう方向でしたら了解しました。今見直しが必要かどうかというふうに聞かれたよ うな気がしましたので、いずれにしても医療安全については、点数を上げるだけではなく て、きちっとした医療をやるところは、少なくとも医療安全管理加算をちゃんととった医 療機関がやるという形にするべきではないかと思いました。 ○西岡分科会長  分かりました。  どうぞ。 ○相川委員  先ほど原委員からの病理解剖数のところで、死亡数を分母としてでしょうか、解剖率と いうような、率というような話があったのは、それは賛成ですが、そもそも病院の機能を 種々に評価するときには、病理解剖数とそれからCPCの開催というのはどこでも出てく る病院の機能の指標だと思うんですね。一部の人は誤解しているかもしれない、つまり出 来高で評価されているものといっても、病理解剖は一切病院の持ち出しですね。つまり、 病理解剖しても診療報酬で払ってもらえませんし、完全に病院の持ち出しで病理解剖をし て、その科学的知見から医療がだんだん進歩する。これはその病院にとっても良いことで すし、むしろ社会に対しても良いことです。だれでも分かっていることだと思いますけれ ども。  それからCPC自身もCPCを開催したからといって、保険で払っていただけないとい うことですが、まさに病院の機能ですから、私はこのオのところの病院、これは出来高で 評価されていないんですけれども、病院の病理解剖数・率のほかに、CPCの開催数、こ れも例えば死亡例を分母として、死亡例の何%CPCをやっているかというようなことに 関しても、機能評価としては入れるべきだと思っています。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○山口(俊)委員  相川先生と全く同じ意見なんですけれども、それともう一つは、病理の医者の数がやっ ぱり少ないんですね。医学部の定員を幾ら増やしても、なかなか病理医の数は急には増え ませんし、外科医とか産科医も大事ですけれども、それ以上に実は大変な状況になりつつ あって、しかも、病理学会が病理医を増やすことに関して具体的なアクションを起こして いないのです。ぜひここは、特に病理医が必ず必要だとか、数があったほうがいいという インセンティブを病院に与えて、要求する方からも少し、病理医をやっぱり育てなくちゃ いけないということをもう少し盛り上げていかないと、近い将来とてつもない事態が起き るのではないかと思って危惧していますので、ぜひ高く評価していただきたいと思います。 ○西岡分科会長  3つ目の項目に関しては、大体よろしいでしょうか。  どうぞ。 ○佐藤委員  その他の項目でよろしいでしょうか。3つございますけれども、2番の治験関連のとこ ろは、少し考え方の整理ということも含めてお話したいのですが、よろしいですか。  私どものいわゆるDPC対象病院というのは、大体地方を含めて、特定機能病院や、い わゆる拠点病院などにおいて、薬物療法に関してすごく新しい治療をやるということがあ ります。DPCが入ったもので、コスト管理を考える、矛盾する医療をやらされている立 場としてお話し致します。治験ですと、新しい薬をつくる際に、もちろん医師も必要であ りますが、実は看護師、薬剤師、検査技師、その他コメディカルのいわゆる治験コーディ ネーターとしての役割、そのプロトコル管理などをすることにより、薬物治療に対するレ ベルが上がるということがあります。また、それを入れながら、同時にDPCのコスト管 理を考えながら、看護師、薬剤師、その他職種が薬物の治療に関与する場合に、先ほど伊 藤委員もおっしゃいましたように、いろいろなクリニカルパスをうまく使うことで、先発 薬品、もしくはジェネリック医薬品の利用数を高めていくことを行っております。そうす ることをするのが、私はDPC対象病院のいわゆるコメディカルの1つの役割だというふ うに考えております。  その中で、新規薬品の使い方と、そのジェネリックの使い方に関して、欧米は二十数年 前から包括治療をしているところがありますがうまく行っているところは、院内独自の医 療用薬品の使い方の院内プロトコルも独自に作成してきて、それをうまく活用していると いうことがあります。例えばハウスプロトコルとか、医薬品フォーミュラリーという形で も既に定型化されています。ですから、日本にも、今後包括医療の中では、同時にこれら を入れていったほうがいいのではないかと思います。しかし、残念ながらなかなかそうい うところを行ってるのは極めて少ないということがございます。できればコメディカルの 薬物治療に対するサポートによる医療の質への貢献とか、そういうものを行うためのトレ ーニング、教育に対しては、かなり手間暇もかかります。それに対する治療効果が多いの で、こういうものを総合的に評価するような係数というものも何か考えていただければと いうのが、私の提案です。 ○小山委員  その他のところの[3]のところに、精神科診療が書いてありますけれども、これ実は僕の 提案では、救急のところにぜひ入れてほしいと。つまり、精神科の患者さんを救急対応で きるところもとても大事なところなので、そこの対応をぜひ入れてほしいので、この入院 患者への精神科診療の対応の評価だけじゃなくて、救急入院に対する精神科の評価ですか、 あるいは総合病院の中にある精神科の評価というんですか、そういうものを、もしあれだ ったら救急のほうに入れてもよろしいんですけれども、ぜひそこら辺のところの評価をし ていただきたいと思います。以上です。 ○相川委員  その意見に全く賛成です。 ○西岡分科会長  それもお伺いしておくということでよろしいでしょうか。そういったことの御意見があ ったというのは、基本問題小委員会にはお伝えしたいと思っております。  それでは、あと4つ目の項目でございます。これは、医療機関の負担が大きく速やかに データを把握することが困難であるもの、またはDPCにおける急性期としての評価が困 難であるものということで、ここに9項目上がっております。これは、これまでの議論を いただいたところで、データを出すのは今のところ難しいんじゃないかということで、す ぐに次回の診療報酬改定のところにはかかってこないんだけれども、次にデータを整え次 第、対象にしていくというふうな形で出されたものでございますが、これはこんなところ でよろしいでしょうか。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  新規がん登録に関しては、ぜひ積極的に取り上げていただきたいと思います。これは、 がん診療ということで、4疾患5事業の中にも入っていることですし、新たにデータをと ることが困難であるというふうなあれかもしれませんけれども、当然さまざまな病院でが ん登録はやっているというふうに思っていますので、必ずしもデータを取ること自体が困 難であるというふうには思わないんですが。 ○相川委員  この、[5]の全診療科の医師が日・当直体制をとっていることの評価ですね。これも質と してはかなり大事ですね。病院によっては、内科系1名、外科系1名という当直体制で、 外科系の患者さんがくれば、たとえば、整形外科の医師、別の日では婦人科の医師が外科 疾患も脳外科のことも診るということもありますし、一方、病院によっては、脳外科の医 師もいれば整形外科の医師も当直しているという病院もあるので、やはり機能を評価する には非常にいいんです。しかし、この全診療科ということがかなり難しいと思うんですけ れども、例えばこれは、そこで標榜している診療科、あるいは、その病院が扱っているD PCでの入院患者が多い、トップの幾つかの診療科に対してとか、そのようなことをすれ ば、すぐには不可能かもしれませんけれども、データはとれると思います。当直している かしていないかとの届け出でいいと思うんですよね。そうすれば、今回でなくてもいいで すけれども、将来的には検討することによって、いわゆる日曜や夜間の救急医療体制の機 能としてよくなりますので、機能評価につながると思います。 ○嶋森委員  1番目の重症度・看護必要度に関する改善率ですが、すぐにデータとして取るのは難し いということですが、私どもは平成19年度から20年以前までに、看護必要度の評価者 研修を約3万人ぐらいの看護師にしていまして、そのうちの半数以上は、10対1の病院 の看護師が評価者研修に出てきていまして、ですから7対1しか取れていない、看護して いるけれどもやっていないということをここに書いてありますけれども、多分10対1で も十分、今やり始めている病院がありますので、それを使ってどういうふうに変化してい るかというのをデータとしてとることは可能だと思うんですね。看護の場合、なかなかそ の看護必要度と看護師の数という、そういう合わせた評価はできていませんので、できれ ばそういうデータを今後取っていきながら、それを生かせるようにしていただきたいなと いうふうに思っています。 ○池上委員  今の[1]と[9]に関連して、既に申し上げたことですけれども、[1]は重症度、[9]は高齢患者 の割合に関しては、これは既に申し上げたことですけれども、介護認定を受けている割合 というほうが、公の機関における客観的評価につながるのでありますので、また容易に病 院として把握できるはずですから、前回も提案申し上げましたけれども、再度提案申し上 げます。 ○西岡分科会長  ほかにはよろしいですか。一応、こういった4つの段階でまとめさせていただきまして、 その中で幾つかは、上の方に入れてほしいという御意見があったので……どうぞ。 ○小山委員  今まで全く出ていなかった評価項目の提案なんですけれども、病院機能評価ありますよ ね。機能評価の受診がありますよね。これが今のところ、保険上のその評価が緩和ケアの 点数がとれるとか何とかという程度しかありませんので、これもやっぱり病院の質を評価 するという意味では、この受診というのは非常に大きな項目だと思いますので、今回は無 理だとしても、その項目の中にぜひ入れておいていただきたいと思うんですが、いかがで しょうか。 ○西岡分科会長  これに関しましてはどうでしょうか。どうぞ。 ○山口(俊)委員  私も賛成です。先ほど言ったガイドラインの体制とかそういうことも含まれていますし、 取るのに大変我々も苦労しますし、なかなかこれはいいものだなと私自身は痛感している ので、ぜひ評価していただきたいと思います。 ○嶋森委員  私も賛成です。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○松田委員  フランスとかイギリスとか、欧米でも病院機能評価の受診というのはそれなりに評価さ れているんですけれども、そのときにけっこうそれぞれの病院がホームページ上でどうい うところを指摘されて、それに対してどういう改善プランをとるのかというところまで踏 み込んだことをやるような形になっているんですけれども、これは単に受診をしたという ことだけでよろしいんでしょうか。 ○小山委員  もしそれを望むのならば、データを公開していることを条件づけたと思います。病院が オーケーすれば、そのデータはホームページ上に載っていますので、見られますので、さ らにそれを積極的に、自分たちはここを指摘されたというのも1つの考え方かもしれませ んけれども、とりあえず今、余りにもすごく負担がかかるにもかかわらず、全くと言って いいぐらい評価されていないのがこの評価じゃないかということを、あちこちの病院で実 は言われまして、そういえばそうだなと思って、けっこう莫大なお金がかかる割には評価 が十分でないし、これは患者さんにとって非常にプラスのことがいっぱいありますので、 ぜひこれは、今さらと言うと怒られそうなんですけれども、間に合えばぜひ入れていただ きたいなと思って言わせていただきました。 ○西岡分科会長  これに関しては、事務局はお答えすることはできますでしょうか。 ○宇都宮企画官  今のお話ですね、以前にも時々聞いたことがあるんですが、ちょっとその問題は一民間 団体の評価ということにどうしてもなってしまいますので、それをそのまま、こういった 診療報酬に直結ということができるかどうか、松田先生の指摘されている事項を公開する という、そういうアイデアもございますし、ちょっとその辺については事務局のほうで可 能か不可能かとか少し検討させていただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。じゃあ御検討いただくということになりましたので、一応この 診調組D−1−1の資料に関しましては、議論を以上とさせていただきますが、よろしい ですか。  ありがとうございました。  それでは、続きまして、「病院機能係数の考え方について[7]」というのが出ております、 これにつきまして松田委員より御説明をお願いします。診調組D−2でございます。 ○松田委員  これまで、研究班としてどういう分析をやってきたのかということをいろいろと御説明 してきたんですけれども、ちょっと僕の説明が足りない部分もあって、どうしてあのよう な変数が選ばれたのかとか、そういうところに関して、もう少しもとのデータをどういう ふうに細かく分析するのかということを説明してほしいという意見を大分いただきました ので、その根っこのところでどういう分析をやったのかということを簡単に御説明したい と思います。  分析そのものは、皆さんからいただいた、拡大施設調査というものを前、どういう項目 かということはお示ししたと思うんですけれども、そのそれぞれについていろんな分析を しています。例えばこの1ページを見ていただきますと、これはその分析の1つなんです けれども、今回の機能係数を決めるという話が、調整係数のかかわりということになりま すが、例えばその調整係数との関係がどうなのかということを分析したりをしています。  例えばこの2ページ目のところの上のところでいきますと、ここ数字が出ていますけれ ども、この数字は施設の番号ではありません。これはあくまで、表計算ソフトで、行の番 号が入っているだけですので、施設を特定するようなものではありませんので、誤解がな いようにお願いします。  例えば、1、2、3、4、5、6、7とこれは調整係数のカテゴリー、今までも何回も お示ししているものですけれども、そのカテゴリーごとに、例えば外来の患者さんの数が どのぐらいであるのかとか、院内処方箋の発行率はどのぐらいであるのかとか、あるいは 次のページにいきますと、分娩数がどのくらいであるのか、こんなことを見ながら評価す べき項目というものを見ております。  3ページ目の下のところ、真ん中に老人性痴呆疾患療養病棟とあります、これは認知症 病棟の誤りですので、ところどころそういう誤りがありますけれども、それぞれで例えば そのカテゴリーごとに、どういう病院がどういうものを取っているのかということで、分 析をしております。例えば、3ページ目の下の表でありますと、地域医療支援病院みたい なところですと、カテゴリーで言うと、3、4ぐらいのが非常に多くてというような、こ んな感じで分析をしています。  こんな感じでずっと分析しているんですけれども、主だったものだけ見ていきますと、 例えば6ページ目を見ていただけたらと思うんですが、調整係数の高い病院というのは、 明らかに一般病床数とか総病床数が多いということで、非常に規模が大きい病院であると いうことがここから見てとれます。  それから、ICU関連ですと、傾向としては確かに、調整係数のカテゴリーが多いとこ ろで高い傾向があるんですが、それ以外のところでも外れ値としてかなり高いものをもっ ている病院があります。  そういう形でずっと分析していきまして、例えばあとは、いろいろと議論がありました、 10ページ目を見ていただきたいと思うんですが、先ほど山口委員のほうから、手術室数 で手術件数が決まるという話がありましたけれども、確かに調整係数が高い病院というの は手術室数多い、それから隣が麻酔機器がありますけれども、麻酔管理機器数が多い病院 が多いという形で、かなりそういうものと関係しているんだろうということは分かります。  1ページめくっていただきますと、次は体外衝撃波とかいろいろありますけれども、こ ういうのは余りどうも設置数とは関係ないようです。  ずっと見ていただきまして、今度は16ページになりますけれども、これはCT台数ご とに、例えば一般病床数とか外来患者数がどうなっているか見たものです。これは当たり 前ですけれども、確かにCT台数が多いところでは一般病床数も、一般病床数が多いとこ ろでCT台数も多いとか、そういう傾向が見てとれます。  あと、17ページになりますけれども、CT台数が多いところでは、確かに傾向として は放射線診断医の常勤換算の数が多いという傾向はありますけれども、少ないところでも かなりあるところはあります。これもなかなか分かりません。  次のページですけれども、18ページの下になりますけれども、これは何をやったのか というと、1日にCTの検査数がどのぐらいやられているかというと、調整係数から見る と、これも一般的傾向としては、調整係数が高い施設では検査数が非常に多いというよう な、そういう傾向があると思います。病床数が多くて患者数が多い病院で調整係数が高い ような、そういう傾向が見てとれます。  次は、19ページからが、医師の常勤とか、いわゆるスタッフィングを見たものですけ れども、これも一般的な傾向としては、医師の常勤の数が多いところ、それから次をめく っていただきますと、薬剤師、それから看護師とありますけれども、やはり薬剤師も多い ですし、看護師も多いところが調整係数が高いという、そういう傾向が見てとれます。  理学療法士とか作業療法士とかは余り差がないんですが、ずっとめくっていただきます と、28ページですが、やはり大規模病院が多くなるからだと思いますけれども、調整係 数が高い病院では診療放射線技師が多いですし、臨床検査技師が平均的に多いですし、そ れから臨床工学技師が多いという、そういう一般的な傾向が見てとれます。  あと、これも当たり前と言えば当たり前なんだろうと思いますが、事務職員というのは、 やはり調整係数が高いような病院で多いと。大規模病院が多いということがあると思いま すが、ただ、診療情報管理士で言いますと、余りそういう傾向はないということは、かな り大規模病院の診療情報管理士の方は、多分大変な状況なんだろうなという、そういうこ とをうかがわせるデータかと思います。  あと、33ページにいきますと、先程来、問題となっています、病理の医師の換算が出 てきます。やはり平均的な傾向としましては、調整係数の高いところで病理部門の常勤医 師の数が多いということになりますので、こういう傾向があるのかなと思います。放射線 科も全く同じ傾向です。次のページを見ていただきますと、麻酔科も同じ傾向があります し、それから手術後の専属の看護師の数というのも同じような傾向がございます。  それと、先ほど相川委員のほうからお話があった、いわゆる当直医の数ですけれども、 確かに調整係数が高い病院では、平均的にやはり当直している医師の数が多いということ も見てとれます。  すみません、また1つ誤りがあるんですけれども、37から、ずっとこれは取っている 加算とか管理料と調整係数の関係を見ているものですけれども、見ていただきますと分か りますように、大体、急性期に関連しているようなものですね。例えば38ページの上で 言いますと、救命救急入院料になりますけれども、入院料とか、特定集中治療室管理料と か、そういうのがありますけれども、必ずしも調整係数が高いところであるというわけで はないんですが、3、4、5のあたりのところが一番多くなっているという、こういうデ ータになっています。  こんな感じで一応分析をやりながら、調整係数に今回の分析をするに当たって考慮すべ き変数というものを選んで、それを用いて多次元分析をやったということです。細かい説 明を1つずつやり出すと非常に大変なことになりますので、あれと思うんですけれども、 後でまた見ていただけたらと思います。  あと、ちょっと僕もうかつだったんですけれども、一番最後のページのところで、43 のところで見てみますと、後発医薬品調剤体制加算とか保険薬局の無菌製剤処理加算とか 薬局等のみで取れるものが出てしまっているので、ちょっと聞き方の問題もあるかと思い ますが、ちょっとこの辺はデータの精査をしてみたいと思います。  いずれにしても、こういう形で皆さんからいただいたデータと、例えば調整係数という のを感じとか、あとは病床規模との関係なんかを分析しながら、あるいはその、相互の関 係を見ながら変数を選択させていただいて、放射線機器とか治療用の光学機器なんかは、 それ自体をまとめて1つの変数をつくるという形で、因子分析をやるための変数として分 析をしたということでございます。  一応、こんなことをやっているんだということを御参考までに御紹介させていただきま した。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。非常に貴重なデータでございますが、松田委員の御説明に関 しまして御質問等ございましたらどうぞ。  これに関しましてはまたじっくり眺めていただくことになるのかなということと、それ から今お示しいただきましたように、かなりこれまでの調整係数と平行というか、きっち り平行しているのかどうか分かりませんが、比較的平行した項目が上がってきているとい うことで、これも何らかの形で参考になるんじゃないかというふうに思っております。  よろしいでしょうか。  それでは、ちょっと早めになっちゃったんですが、ここでぜひとも言っておかなければ というところの御意見の方、いらっしゃいますでしょうか。大体、御意見をお伺いしたつ もりでございます。  どうぞ。 ○中田補佐  事務局から何点かちょっと確認事項がございます。ただいまの資料D−1−1の議論に つきまして、基本問題小委員会に提出する際に、予め確認させていただきたいと思います。  この1番目のDPCデータを用いて分析可能であるものということで、この[3]の手術症 例数や手術症例割合に応じた評価といったことは、さまざまな議論があったところでござ いますが、これは、これまでいただいた意見を加えまして、ここの項に置いておくのか、 それともこの4番目、最後のDPCにおける急性期としての評価が困難であるものとして、 最後のところで整理するのか、こちらにつきまして御意見をいただければと思います。 ○西岡分科会長  そうですか。これでは一応、御意見の上では、もしこのまま残すとすれば、手術症例割 合のほうにすべきでないかという御意見が主だったように思うんですが、いかがでしょう か。手術数というよりも手術割合という。 ○中田補佐  分かりました。それでは手術症例数というのは落として、割合にいたしまして、いただ いた意見を加えさせていただくこととします。  もう1点確認事項がございまして、2ページ目の2のDPCデータによって一部分析が 可能なものの部分でございますが、この術後合併症の発生頻度についてもさまざまな議論 がありまして、それも同様にここに残しておくのか、それとも4の部分に移すべきなのか、 こちらも御意見をいただければと思います。 ○西岡分科会長  これに関しましてはどうでしょうか。 ○相川委員  やはりいろいろな意見があったように、私は繰り返し言いませんが、まだ現時点で「合 併症の発生頻度が少なければ機能が良い」というのはなかなか難しく、さらにいろいろな 調査が必要ではないかと思っております。ということは、ここに残さないというのが、私 1人の意見でございますが、ほかにも山口先生も。 ○小山委員  基本的に賛成なんですけれども、多いととても大変だから評価してほしいという考え方 もあると思うんです。両方だと思うんですよね。少なければ、うん、上手だねと、多けれ ば大変だねという評価になっちゃうんで、両方になっちゃうので、僕はこれ確かに4番の ところの評価しにくいほうに入れてもいいんじゃないかと思うんですけれども、ただ、こ れが出てきた経緯が、やはり先ほどの高齢者とか、いろんな併発症を持っている患者さん の手術というのはとても大変だから、そこは評価してほしいという要望事項の項目として 載っかっていると思うんですね。これをそちらに移すんだとしたらば、重症な患者さんを 手術している評価をどこかで入れないと、これ、ぽんと抜くだけではちょっと片手落ちに なっちゃうと思うんですよね。だからこの議論になったとおり、重症の患者さんを集めて やればやるほど大変だから、合併症の多いものを評価してほしいという意見もあったし、 逆に今度は軽症患者だけ何しろ数をやればいいという評価と相反しちゃうので、これはた だ外すんじゃなくて、何か一工夫して外さないと、ただ外しちゃうとちょっと片手落ちか なという思いがするんですけれども。 ○西岡分科会長  あるいは、小山委員の御意見からすればもちろん、入院時合併症ということになります でしょうか。 ○小山委員  ここに1つは年齢のことが載っていましたよね。ただ、年齢は余り、松田委員はふさわ しくないという言い方をされるんで、年齢のところは特に言わなかったんですけれども、 ADLを使うか、そこら辺のところを使うかの工夫はしないと、ただこれぽんと外しちゃ うと、ちょっと片手落ちなので、何かの工夫をしていただきたいと思います。 ○宇都宮企画官  今回の整理は、特に来年度の改定に向けて係数をつくるとした場合どうかということを 念頭に置いているということなので、来年度は何しろ初回ですし、時間も余りありません ので、余り議論を呼ぶようなものとか難しいものは、今回はどちらかというと優先順位を 下げたほうがいいのかなと。今回優先順位が下がったからと言って、永遠に係数にならな いというわけではなくて、これはまた今後の議論ですけれども、その後でということも十 分あり得るのかと。この辺については基本問題小委のほうでも御議論いただく必要がある と思うんですが、そういうことですので、なかなか難しいものを無理やり今回突っ込んで という感じにはしないほうがよろしいのかなというふうに思いますけれども。 ○西岡分科会長  木下委員。 ○木下委員  松田先生はデータのことで、詳しくはお話になりませんでしたが、調整係数の高いとこ ろというのは、当然のことながら機能を大変多く持っているということであり、また規模 的にも今、伊藤先生からも御指摘いただいたように、大病院のほうが圧倒的に調整係数は 高いということになっているわけです。一方、中小病院というのは深刻な状態です。無論、 大病院もそうでありますけれども、そういうときにむしろ病床数が少ないようなところ、 中小病院のところで、多くの機能係数がついていた病院は余りないということになります と、そこに新しい機能係数が張りつくファクターが少なくなっていくことは当然考えられ ますが、その辺をどういうふうにしていく考えなので、実際に係数化された時に大きな差 が出てくる可能性が心配されます。そういうことの配慮をいかにしていくかということは 大事な問題だと思います。病院の全体像を考えて対応することは大事な視点だと思うので、 単に機能が多い病院は、それはそれとして大事なことだと思いますが、そうじゃないとこ ろに対して、どう守っていくかを明確にしていただきたいと思います。この問題は、今日 のデータでははっきり出ているような気がしますので、その辺の考え方を整理していただ きたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。多分、そういった問題は、基本問題小委員会のほうでも御議論 いただけるんじゃないかと思っています。  今、松田研究班のほうから出たデータをそのまま新しい機能係数を全部入れるというわ けではございませんので、こういった傾向があるということをお示しいただいて、その中 でそれを整理していくというような形になるのではないかというふうに思っています。  先生の御意見、どうぞ。 ○松田委員  調整係数が低いということは、今の出来高で評価している点数、出来高換算で評価した 点数と、DPCの点数との差が少ないということになります。要するに調整係数を計算す るのに、出来高換算でもう一回計算し直して、それとDPCとの点数を比較して、DPC の係数を評価しきれていない部分を調整係数でやっているという形になりますので、です から、このデータで調整係数が低いこと、イコール、その調整係数にあった病院が不利益 な扱いを受けるということではないだろうと思います。 ○木下委員  例えば6ページ目の病床総数とか、一般病床数を見ますと、当然低いところが、そうい うふうには読めないでしょうか、病床数の少ないところのほうが調整係数は低いカテゴリ ーに入るようなものであります。 ○松田委員  ですからそれは、調整係数が1に近いということは、現行の出来高の換算の点数と今の DPCの点数がほぼ一致しているということを意味するわけです。逆に調整係数の高い病 院というのは、今の出来高の点数で評価しきれていない部分があるということですので、 それを今までの議論の中では、その部分にかなり機能を評価するものが入っているんじゃ ないかということですので、中小病院が不利になるような係数をつけるということではな いと思いますけれども。 ○木下委員  分かりました。そうあってほしいと思いますが、今まで議論していたところは、その機 能係数のいろんなパラメータについて、何を入れろ、かにを入れろという話でありました。 大病院にはそれだけの機能があるわけです。しかし、中小病院にはありません。大病院と 中小病院の差が出ないようなことに配慮いただきたいということです。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今の件ですか。 ○酒巻委員  そういうことにならないための工夫として、たしか係数を段階的といいますか、連続的 に評価するという部分があって、初年度である点数がついたとしても、それは後ろ側では 努力が可能である、あるいは機能をアップさせることによって評価が上がっていくという 部分が、多分今回は工夫されるんだろうと思いますので、そういうこともどの部分を段階 的に行うかということによって、中小病院にとってもある意味でメリットのある部分がで きるのではないかというふうに思っていますけれども。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ちょっと先ほどの事務局からの御質問の答えがまだ出ていない ものですから、ちょっとそちらのほうに戻させていただいてよろしいですか。  この術後合併症のほうは、今後検討するという項目のほうに移しますか。それでよろし いでしょうか。 ○松田委員  ちょっと僕らの怠慢でもあるんですけれども、術後合併症のデータが実は取れています ので、多分今までの話は、データがないところで議論していてもしょうがないと思います ので、一応、今回こういう形でおまとめいただきましたので、僕たちのほうで分析できる ものは分析させていただいて、それを踏まえてからの議論でもよろしいんじゃないかなと いうふうに思います。  術後合併症は、小山委員がおっしゃられたように、多分2つの面があると思いますので、 そういうものを少し見ていきたいと思いますし、年齢に関してはある程度分析していって、 年齢の効果はかなりいろんな手技で吸収されているのかなというふうに思っているんです が、ただ、それと逆の問題として、実は小児の問題を余りやっていなくて、むしろそっち が大きいのかなという印象も出てきていますので、少し今回こういう形でまとめていただ きましたので、研究班のほうで少し、先ほどの木下委員の御意見なんかも踏まえて少し、 新しい視点でデータ分析をさせていただきたいと思います。  僕はそういう意味で入れていって構わないと。 ○西岡分科会長  それではこのままの形で残していただきまして、データを出していただいたところでど うするかというのを御判断いただくという形ですね。  それからあと、今の続きですか。どうぞ。 ○松田委員  それで、分析をする立場として非常にやっぱり思いますが、今日いろいろと指摘いただ いたような項目というのは、様式1の非必須項目のところにかなりあるんですけれども、 最近やはりそこの部分の記載が非常に少なくなってきているという現象があります。例え ば福祉保健に関しても非常に少なくなってきておりますので、まだ来年僕たちが、研究班 が続くのかどうかまだ分からないですけれども、もし続いた場合はその辺のところをきち んと分析したいと思いますので、ぜひ、大変だと思うんですけれども協力していただく施 設にはできる限り多くのデータを入れていただくように御協力いただけたらと思います。 ○西岡分科会長  これは実際には、このDPCがスタートしたときから、少しずつ項目を増やしていって、 途中で大変だということで、非必須項目になってしまいました。やはりこのDPCという のは医療の質がこれから重要な課題になってまいりますので、むしろそれを全部入れてい く、あるいは場合によってはさらに様式1の項目が増える可能性があるということになり ます。そういった意味で正確なデータを出しているというようなところで、非常に大きく 評価していただくという形になってくるんじゃないかと思っています。やはり、医療の質 のデータが出ない限りは説明性がなくなってしまいますので、そういった方向をぜひとも お願いしたいというふうに思っております。  ほかに。どうぞ。 ○中田補佐  最後でございますが、5つの望ましい基準に係る評価のところで、病理CPCのお話が 出たかと思いますが、こちらにつきましては、臨床研修指定病院等の基準とも重複してい る部分等もございますので、またその書きぶりにつきましては分科会長と相談させていた だきまして、まとめさせていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  そういった形で、この5項目に関してはかなりオーバーラップしているところがござい ますので、それぞれの項目に移していくという形にさせていただきたいと思います。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。ただいま各委員からい ただいた意見につきましては、事務局と相談の上、当資料に追加させていただきまして、 これを基本問題小委員会、明後日に開催されますので、そこに御報告させていただきたい と思います。それは私のほうにお任せいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いし ます。  事務局のほうからほかに御連絡事項ございますでしょうか。 ○中田補佐  次回の日程につきましては追って連絡させていただきます。以上でございます。 ○西岡分科会長  それでは、平成20年度第13回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させ ていただきます。本日はお忙しい中ありがとうございました。                    −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)