09/03/19 第20回予防接種に関する検討会議事録 第20回 予防接種に関する検討会   議事録         日 時:平成21年3月19日(木) 10:00〜12:00         場 所:厚生労働省共用第8会議室 ○山田課長補佐 それでは、定刻を少し過ぎておりますけれども、これより第20回「予防接種に 関する検討会」を開催いたします。本日は、御多用のところ「予防接種に関する検討会」に御出 席いただき、誠にありがとうございます。  本日の検討会でございますが、9名の委員のうち6名の委員の御出席をいただいておりますの で、本会は成立していることを申し述べさせていただきます。なお、岩本委員、廣田委員、宮崎 委員より、御欠席の御連絡をいただいております。  さて、続きまして、参考人として御参加いただいております先生を御紹介させていただきます。  倉根一郎様、国立感染症研究所ウイルス第一部長でございます。  石川豊数様、財団法人阪大微生物病研究会理事でございます。  福田仁史様、財団法人阪大微生物病研究会東京事務所長でございます。  また、本日、医薬食品局血液対策課、安全対策課からも御出席いただける予定となっておりま す。  それでは、開会に当たり、梅田局長よりごあいさつ申し上げるところでございますが、現在、 電車が遅れているということで、まだ、到着しておりません。到着し次第ごあいさつをさせてい ただきたいと思っております。  その間に資料の確認を先にさせていただきたいと思います。お手元に配付させていただいてい る資料でございます。  資料1「予防接種に関する検討会 委員名簿」でございます。  資料2「日本脳炎定期予防接種に関する提言(案)」でございますが、5ページ目の差し替えを お願いします。申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。  参考資料として、予防接種法、予防接種法施行令及び予防接種実施規則、関係部分抜粋(改定 案)というものを付けさせていただいております。  以上でございます。不足等ございましたら、事務局の方にお申し出ください。  それでは、早速でございますけれども、上田健康局長よりごあいさつを申し上げます。 ○上田健康局長 済みません。電車の遅延のために遅れてまいりました。一言ごあいさつを申し 上げます。  本日、御出席の委員の皆様方には、御多用にもかかわらず、本検討会に御出席をいただいてお ります。ありがとうございます。予防接種の在り方に関しましては、新しいワクチンが薬事承認 を受け、我が国における使用が可能になる中で、疾病の罹患状況やその重篤性、ワクチン製造能 力、またはまれであるが発生が起こり得る重篤な副反応など、複数の考慮すべき要因が存在して おります。どのような形での接種が望ましいのか。このようなことについて、関係各方面から高 い関心とか期待も寄せられているところでございます。  前回、2月下旬の検討会におきましては、細胞培養による新しい日本脳炎ワクチンの定期予防 接種上の扱いについて、御議論をいただいたところでございますが、今回の検討会におきまして は、今後の日本脳炎における定期予防接種への在り方について提言をいただくという形でとりま とめいただきたいと考えているところでございます。  つきましては、本日、各委員の皆様方から活発な御議論をいただけることを期待しております。 よろしくお願いしたいと思います。  以上です。 ○山田課長補佐 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせて いただきます。よろしくお願い申し上げます。 (報道関係者退室) ○山田課長補佐 この後の議事の進行につきましては、加藤座長にお願いしたいと存じます。加 藤座長、よろしくお願いいたします。 ○加藤座長 おはようございます。年度末のお忙しい中、朝早くからありがとうございます。  それでは、早速、本日の議題でございます。「日本脳炎の定期予防接種の進め方に関する提言(案) について」に入りたいと存じます。本検討会におきましては、昨年の7月から3回、日本脳炎予 防接種につきましての議論を重ねてまいったところでございます。前回は、細胞培養による新し い日本脳炎ワクチンの薬事承認を受け、その予防接種法上の取扱いについて議論がなされてきた ところでございます。  本日は、今後の日本脳炎の定期予防接種の在り方に関して、本検討会においてこれまで議論し てまいりました内容を踏まえ作成されました「日本脳炎定期予防接種に関する提言(案)」を資料 として御用意させていただいております。この内容につきましては、追って事務局から御説明さ せていただきますが、まず、私の方から、前回までの検討会における議論の概要についておさら いをさせていただきます。  前回までにおける論点でございますが、大きく5つほどに整理できると考えております。まず、 第1に、承認された乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンを、速やかに定期接種で使用できるワクチン とする必要があること。ただし、2期接種については、薬事法に基づく承認の評価に照らし合わ せますと、直ちに定期に位置づけるワクチンとすることは困難であること。2期の接種として使 用できるように、この新しいワクチンによる2期の接種についての有効性、安全性についての知 見を早急に集積する必要があること。  第2に、供給量などの実施体制の整備に時間がかかる等から、積極的勧奨の差し控えの撤回に は至らないのではないか。当面、従前の取扱いを継続せざるを得ないこと。  第3に、多くの方々への接種の安全の確保のために、まず1つには、重篤な副反応を迅速に把 握、評価できるよう、関係者で体制を構築する必要があること。  2番目には、予防接種後副反応報告を活用するなど、対応が考えられること。  3番目には、どのように接種者数の把握を行うか検討する必要があること。  4番目には、接種機会を逃した者に対する経過措置に関しましては、来年に向かって引き続き 検討する必要があること。  5番目には、マウス脳による製法のワクチンに関しては、引き続き定期の予防接種として実施 できるよう、位置づけておく必要があるであろうということでございます。  以上が前回3回までに行われた討議の中でまとめられたものと考えてございます。  これに基づきまして、提案というものをおつくりさせていただいておりますので、事務局から 「日本脳炎定期予防接種に関する提言(案)」の御説明をお願いいたしたいと存じます。よろしく お願いいたします。 ○大坪課長補佐 そうしましたら、資料2をごらんください。「日本脳炎定期予防接種に関する提 言(案)」でございます。ページをおめくりいただきまして「目次」になってございます。  「1.はじめに」。  「2.現状」。  「3.今後の予防接種の進め方」。  以上の3つの項目に分けてございます。  次をおめくりいただきまして「日本脳炎の予防接種の進め方に関する提言(案)」になります。 こちらは5ページほどになりますので、通しで読み上げさせていただきます。 (「日本脳炎定期予防接種に関する提言(案)」のうち1〜5ページ 「日本脳炎の予防接種の進め方に関する提言(案)」部分読み上げ)  以上が提言の原案文となります。よろしくお願いいたします。 ○加藤座長 どうもありがとうございました。ただいま、事務局より「日本脳炎定期予防接種に 関する提言(案)」を御説明いただきました。今、御説明いただきました提言につきましては、事 前に各委員には事務局から連絡をさせていただいておるところでございますので、御承知おきの とおりと存じますけれども、これを機会に何か御意見などがございましたらば、御質問、御意見 を承りたいと存じます。  御意見がおありの委員の方、どうぞ。  飯沼委員はお時間がないということですので、もし御意見がございましたら、どうぞ。 ○飯沼委員 1ページの「2.現状」の(1)の3行目、ウイルスが増殖された後というのは、 ちょっと表現がおかしいと思います。 ○加藤座長 ただいまの御質問は、資料の1ページ目「2.現状」「(1)日本脳炎について」の 3行目で、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖された後、そのブタを刺したコガタアカイエ カなどがというところに関しての御質問ですね。 ○飯沼委員 そうです。 ○加藤座長 倉根先生、いかがでしょうか。 ○倉根参考人 文言だけかと思いますが、ウイルスがですので、増殖したという。失礼しました。 実際にはブタなどの動物の体内でウイルスが増殖し、そのブタを刺し感染したコガタアカイエカ などが正しいと思います。 ○加藤座長 倉根先生、もう一回お願いします。 ○倉根参考人 ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖し、そのブタを刺したコガタアカイエカ などが感染した後、ヒトを刺すことによってというのがよろしいと思います。 ○加藤座長 ありがとうございました。  そのほかに、どうぞ。 ○倉根参考人 確認なんですけれども、1ページの最初の行ですが、ワクチンを打っている目的 としては、ここには発生及びまん延を防止する。個人の発生を防止するというのは、これはそう だと思うんですが、目的のところのまん延という言葉は、流行というか、そこの御説明と。これ が仮に流行ということであれば、流行を防止するということをここに書いてしまってよろしいの かということ。現実にはそうだと思いますが、このワクチンの使用の理由の確認だけでございま す。 ○加藤座長 ありがとうございました。この発生及びまん延の防止というのは恐らく、ちょっと 確認してみますけれども、法律の中に書かれている文言でございまして、幾つかの病名が日本国 では、その疾病の発生及びまん延を防止しなければいけないという病名が書かれてございまして、 その中のうちの1つに日本脳炎が入っているというふうに解釈いたしますので、こういう表現に させていただいたということでございます。 ○倉根参考人 そういうことであれば、承知いたしました。 ○加藤座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○倉根参考人 引き続き、2ページの5行目ですが、日本脳炎を発症した場合、20〜40%が死亡 に至るというのは、恐らく教科書的にはこう書いてありますので、これは正しいとは思うのです が、日本で国立感染症研究所の情報センターとの共同解析によりますと、現在ここ30年で17%だ ったと思います。  一般論として書けば20〜40というのは、世界的には恐らく正しいのだと思いますので、ここを 一般論として書くということであればこれで結構ですし、日本ではと書くと約20%ぐらいという 方が正しいと考えます。 ○加藤座長 ありがとうございます。  岡部先生、どうぞ。 ○岡部委員 この数字は、実は相談もいただいたんですけれども、不顕性者の数も含めて、いろ んな数字が、いろんなところで出てきている。必ずしも統一されたものではないんですけれども、 一応感染研の出している感染症の話、あるいはISR等を参考にしていただいて、先生のおっし ゃる教科書的な数字という意味で、これの方がわかりやすいかなということで数字の提示をしま した。  ただ、もし現在のというのが入ると、実際は感染者数が非常に少ないのでわからないと思いま して、医療の状況によっても差があるということは、一応前提にしてこの教科書の数字というこ とでは、いかがでしょうか。 ○加藤座長 どうぞ。 ○倉根参考人 委員会の先生方が、これは一般論の話であるということであれば、特に異を唱え るものではありません。ただ、確認ということでございます。 ○加藤座長 ありがとうございました。そういう意味で、20〜40%が死亡に至る病気であると規 定されておりませんで、考えられておるというところに意味合いを踏めていただきたいと考えて おります。  どうぞ。 ○倉根参考人 それから、同じページですが、(2)の2つ目の○の(2)のところも、加藤先生おっ しゃるように、考えられておりと最後に書いてあるので、ここで言った方がいいのかちょっとあ れなんですが、私どもの昆虫医科学部の小林睦生部長に言わせますと、保有率が本当に低下して いるかどうかというと、きちんとした調査が余りないんです。今でも比較的高い保有率がある部 分もあるということなので、特に発生数、保有率が下がっているということの証明は、まだきち っとされていないというのが現状だと思います。ただ、現実的には恐らく下がっているんだと思 いますが、データとして下がっているんだという論文を出せといわれると、非常にきついといつ も小林部長から聞いております。  それから、ヒトとの接触機会の減少と、(4)のヒトの住環境の変化ということを、恐らくこれは ヒトを主語にすれば、ヒトの住環境の変化のところに、むしろ蚊との接触機会の減少と入れた方 が、主語としては、同じことを言っているんだと思いますが、蚊がヒトに接触する機会が減少す るという、蚊を主語にするか、(4)のところにヒトの住環境の変化によってヒトが蚊に接触する機 会が減少するかという、ヒトを主語にするかの問題で、本質的には同じことを述べておると思い ますが、ヒトの病気ですので、私は(4)に入れた方がいいのかなというふうに考えました。  (3)、これも言葉ですが、ブタの養育というのは、飼育ではなくて養育で、農林水産省の言葉と しては構わないんですねという確認です。 ○加藤座長 ありがとうございました。今、倉根先生からは、基礎系の先生ですので、ヒト中心 ではなくという御意見が出たと思いますが、予防接種法で行いますのはヒト中心でございますの で、この書きぶりでよろしいかと私は思いますが、ブタの養育と飼育に関しては私もわかりかね ますが、一般的には飼育でございますか。 ○倉根参考人 私はそう思ったんですが、もし獣医系では養育が正しいということであれば問題 ないと思いますが、飼育の方がどうかと思ったものですから。 ○加藤座長 それでは、事務局から御意見を伺えますか。 ○江浪課長補佐 申し訳ございません。こちらは、過去にこの検討会の方に出されました資料の 中から抜いたものでございますが、過去の通知なども見ますと、一般的に飼育を使っているとい うことでございますので、飼育に訂正させていただきたいと思います。 ○加藤座長 それでは、この点は飼育ということで変えさせていただきたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○倉根参考人 3ページ目の(2)の最初の○ですが、これも言葉の問題かと思いますが、2行 目に「現段階においては積極的に勧奨する段階には至っていないと考える」という文言なんです けれども、逆に言いますと、現在、行われている積極的な勧奨の中止を解除するには至っていな いということかというふうに、この前の委員会では、むしろ勧奨するには至っていないんではな くて、積極的勧奨の中止は行わないという議論だったように思われますが、ここは同じことを右 から見るか、左から見るかの問題かと思いますが、現在の積極的な勧奨の中止を解除するには至 っていないと考えというような文言の方が、適切なのかなとは思いますが、この辺はいかがでし ょうか。 ○加藤座長 ありがとうございました。ここのところに関しましては、文面の中に先生がお話に なったことがところどころに盛り込まれてございますので、この部署はこの部署でよろしいかと 考えておりますけれども、事務局はいかがでしょうか。  確かに先生おっしゃるとおりでございますけれども、これは裏を読んでいただくということで ございます。 ○倉根参考人 言っていることは同じことです。 ○加藤座長 よろしいですか。どうぞ。 ○江浪課長補佐 この部分の書きぶりでございますけれども、前回の検討会での御議論の中でも、 積極的勧奨の差し控えの理由としまして、前回のマウス脳による細胞培養ワクチンの積極的勧奨 差し控えというのは、ADEMによって起こったんだろうと。そことの関連がございまして、積 極的勧奨の差し控えを継続するということになりましたときに、では理由は原因となったADE Mによるものなのかという形で、積極的勧奨差し控えの理由が異なるのではないかという御議論 があったことも踏まえまして、積極的に勧奨する段階には至っていないというような表現にさせ ていただいたところでございます。 ○加藤座長 よろしゅうございますか。 ○倉根参考人 ただ、私の理解では、積極的勧奨を中止したのは、あくまでも重篤なADEMが あったから、そしてADEMは日本脳炎ワクチンによると認めたからであるというふうに私は理 解しております。それが、科学的に証明されたかどうかは別としても、行政としてはそれはAD EMであるというふうに、ワクチンによるものであると認めたからであるというふうに理解して おったんですけれども、そこは違いますか。 ○加藤座長 倉根参考人のおっしゃるとおりでございます。したがいまして、ここには詳しくそ れを書かれていないということです。  竹本委員、どうぞ。 ○竹本委員 私も「定期接種対象者全員の必要量に満たないこと等」と書いてあるんですけれど も、これは数の問題であって、今までどおり副反応が出たからやめたのに対して、またこれを継 続するということになりますと、一般の人が受ける印象としては、やはりこのワクチンも危ない のかなと受けるので、この辺のところはもう少し文章をはっきりさせなければいけないという感 じがします。  その後に、Q&Aということが書いてありますけれども、この辺のところは詳しく書いていた だかないと、末端に行くに従ってだんだん曲がって解釈されてきて、最終的に市民が保健所に電 話したときには、中止ですという言葉が出てきてしまうので、この辺のところはもう少し考慮し て書いていただかないと、混乱を起こすんじゃないかという感じがします。 ○加藤座長 ありがとうございました。貴重な御意見でございます。その件に関しましては、座 長と事務当局との間で十分話し合いをいたしました。どの程度まで提言に書き込むかということ でございますけれども、今、竹本委員がおっしゃったとおり、その下のただし書きのQ&Aを正 しく使う、うまく運用することによって、そのような誤解を解く、そして普及に努める、または 適切な地方自治体の対応を求めるということを、Q&Aにわかりやすく記載していただいて、周 知徹底させていただき、竹本委員の疑問点に対してお答えしていくスタンスでございます。よろ しくお願いいたします。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○岡部委員 今のことに関連してですけれども、Q&Aとか説明するときに、たしか従来は接種 勧奨中止をしているけれども、これを強く接種を望む人の場合は、重症な副反応があることを承 知の上云々という承諾書があったと思うんですけれども、そこを同じような形では、竹本委員の おっしゃるような、このワクチンは引き続き危険な状態にあるからという印象を与えかねないの で、その辺は十分注意した検討を実際上になるようにしていただければと思います。 ○加藤座長 ありがとうございます。この件に関しましては、この委員会で十分検討されたこと でございますので、岡部委員の御意見の意をくんで、わかりやすい、今までとは違うという要因 を込めたQ&Aを作成していただいて、勧奨していただくということを事務局に強くお願いした いと思います。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○倉根参考人 戻ってもよろしいですか。2ページの(3)の最初の○ですが、差し控えの結果、 3〜4歳での日本脳炎ワクチンの接種率が低くとどまっている。これは正しい。その結果、ヒト の日本脳炎に対する抗体保有状況は、0〜5歳群で、これまでになく低いと。つまり3歳、4歳 は、打たないから低いのは当然だと思うんですが、0歳、1歳、2歳は、この文章でいくと、特 に0歳、1歳が低いのは、ワクチンを打たなかったから低いのではなくて、これは恐らく他の要 因によるものなので、文章の話だけですけれども、ここの書きぶりが少し正しくないのではない かと思いますが、低いことはこの図を見ると低いのですが、恐らく0歳は違う理由によるんでは ないかと思いますし、3歳、4歳での接種率が低いのに、0〜3歳が低いというのは合わないと 思います。 ○加藤座長 ありがとうございました。それは、資料(2)−1を参照して書かれた文章と理解させ ていただきますが、委員がおっしゃいますことも了解できますが、ただ、実際問題として、この ワクチンが開発されて、治験を行うときに、3歳児を対象として血液を採ったときに、治験の対 象者のほとんどが3歳未満の者が抗体を保有していなかったという事実があることもたしかでご ざいます。  どうぞ。 ○倉根参考人 私が言いたいのは、0〜5歳群というのをどう読むかの話だと思うんですが、0 〜5歳、恐らく3歳、4歳、5歳は、ワクチンを打たなかったことによる下がりだと思いますが、 0歳、1歳、恐らく2歳は、本来余り打ってないので、それによる影響ではない、他の要因の方 が強いのではないか。あるいは文章として、3歳、4歳が低くとどまったから、0歳、1歳、2 歳が低くなったというのはおかしくないかということです。 ○加藤座長 わかりました。それでは、(3)、厚生労働省による日本脳炎ワクチン積極的勧奨の 差し控え以降、3〜4歳での日本脳炎ワクチンの保有率が低くとどまっておる。ということで1 回切りますか。 ○倉根参考人 私の意見としては、むしろ、その結果ヒトの日本脳炎に対する抗体保有率は、こ の年代でとかという言葉を使えば、つまり3歳、4歳で打たなかったから低いんだということが 出てくるんではないかと思います。ここは恐らく3歳、4歳で打たないから、そこが低いんだと いうことを言いたいのであるから、3歳、4歳で打たないから、その年代での抗体保有率が低い と。 ○加藤座長 ですから、倉根先生がおっしゃりたいのは、3〜5歳までが低いのは、ワクチンの 接種を積極的に差し控えたことが引き金であろうということであるけれども、0〜3歳児までに 関しては、それに当てはまらないでしょうという御意見ですね。 ○倉根参考人 そういうことです。 ○加藤座長 ですから、そこで私が申し上げたいのは、3〜4歳までの日本脳炎ワクチンの接種 率の低下が低くとどまっているということではだめでしょうか。  しかしながら、0〜5歳児までに、2007年までの0歳児群の日本脳炎に対する抗体保有率は、 確かにこれまでより低いということもまた事実ですから、そこで区切ったらいかがかと思います が、江浪補佐、どうぞ。 ○江浪課長補佐 申し訳ございません。ここの表現のところでございますけれども、現在、国立 感染症研究所感染症情報センターのホームページの方から、日本脳炎のことに関しましてQ&A を出していただいておりまして、その中で日本脳炎に関する日本の状況として、どのような情報 があるでしょうかという問いに対しまして、調査の結果に基づいて抗体保有状況については0歳 からという形で表記いただいているものを活用させていただいているものでございます。  その際の考え方なんだと思うんですけれども、日本脳炎の予防接種に関しましては、これまで 御議論いただいていますとおり、標準的な接種期間としまして、3歳ということでお示しさせて いただいているところでございますけれども、予防接種法施行令上、定期の接種として実施でき る期間は、生後6か月からと規定されていることも踏まえての内容になっているのかなと推測す るところでございます。 ○加藤座長 ありがとうございました。今、江浪補佐は、0歳群のところでは、具体的な数は別 として、法律上は生後6か月からということになっているので、これを0〜5歳に加えてもそご はないのではないかという御意見と賜ってよろしいですね。 ○江浪課長補佐 はい。 ○加藤座長 どうぞ。 ○岡部委員 資料(2)−2を見ていただくと、現在の日本脳炎中和抗体保有状況があるんですけれ ども、今、加藤先生もおっしゃっているように、事実を述べるということであるならば、この図 を見ながら、現在のところは差し控え、3〜4歳での日本脳炎ワクチンの接種率が低くとどまっ ている。多分3歳、4歳は確実に言えると思うんですけれども、その結果、すべてを説明できる かどうかはわからないから、接種率が低くとどまっている現状では、ヒトの日本脳炎に対する抗 体保有状況は低い割合になっているということではいかがでしょうか。そうすると、この抗体の 低いということは、やはり下の方の以前リスクは残っているという説明にはなると思います。 ○加藤座長 ありがとうございました。その方がはっきりしますね。わかりました。  事務局の方はいかがですか。余り大きなあれはございませんけれども、わかりやすくするとい うことで、よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○加藤座長 ほかに御質問ございますか。どうぞ。 ○竹本委員 同じく2ページの「(2)患者発生状況」ですけれども、最初の○で「近年は年間数 名の報告に留まっている」と書いてございますが、資料の方を見ますと、ブタの日本脳炎ウイル ス感染状況が2008年まで書いてあるんですけれども、ヒトの患者数は2005年度でとどまってい るんですが、この3年間に、私のほかの情報から見ると、2けた発生したということも言われて いるので、なぜ、我々は副作用についても早く報告しろという中にあって、厚生労働省の発表は 2005年でとどまっているか、その辺のところをはっきりさせて、2008年までの患者発生状況を知 らせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○加藤座長 岡部委員、どうぞ。 ○岡部委員 これは、提出した資料の中で多分古いのが使われていたんではないかと思いますけ れども、発生状況は2008年までの数は出ています。現在のところで、患者さんの数が急速に増加 している状況がないということも出ていますので、これは資料を入れていただければいいと思い ます。 ○加藤座長 よろしゅうございますか。それでは、資料はその分新しいものに差し替えることに させていただきます。  どうぞ。 ○倉根参考人 3つほどあります。2つは比較的簡単なものです。  4ページの(3)の3つ目の○の1行目ですが、また、報告された云々で、ここは接種数にな っていて、このパラグラフの3行目、市町村は接種者数のとありますが、1行目はあくまで接種 数ということでよろしいのかという確認でございます。 ○加藤座長 これは接種者数が正しいと思います。 ○倉根参考人 それから、一番最後に急にADEMが「ADEM」と出てくるのですが、どこに もADEMの日本語名が、失礼しました、私の間違えでございます。  もう一つ、5ページ目の「なお」から始まる○の7行目ですが、リスクは極めて低いものと考 えられているがということなんですが、前の委員会に出席したときの説明を受けますと、世界の 人口の何回か分ということですね。そうしますと、極めて低いというのは、また何をもって極め て低いかにもよるけれども、むしろほとんどないもののという方が、現実的には数字を考えると ほとんどないという方が正しいのかなというふうに思うのですが、ここはやはり極めて低いとい う文言が適切でございましょうか。 ○加藤座長 日本語の問題でございまして、一般の市民、国民に対して、この報告書を提出する 場合には、先生おっしゃったとおりほとんどないという表現がわかりやすいかとも思いますけれ ども、何か事務局からありますか。どうぞ。 ○江浪課長補佐 こちらの表現でございますけれども、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンが薬事承 認をされました際に、参考資料として添付されております添付文章の中にございます表現をその まま活用したものでございます。 ○加藤座長 そのとおりでございます。倉根参考人の気持ちはよくわかりますけれども、そのよ うになってございます。  ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○加藤座長 それでは、各先生方の御意見を承ったところでございますが、大きな修正点はない と確認されたと私は判断させていただきます。ブタの飼育というところとか、または、先ほどの 3〜5歳の段階でいると、そして現状ではということを加えることとか、また、ヒトの発生例に 関しては、新たな資料を加えるということ、それから接種例は接種者に変えるというような、少 し小さな補正の点があろうかとは思いますけれども、原則としてそれらを微調整をいたしました 上で、本検討会といたしましては、今日つくられました原案の若干一部の言語の変更をさせてい ただきまして、当検討会の最終的なとりまとめにいたしたいと存じますが、よろしゅうございま すでしょうか。 (「はい」と声あり) ○加藤座長 それでは、引き続きまして。  岡部委員、どうぞ。 ○岡部委員 先ほどの竹本委員の日本脳炎の発生者数ですけれども、2005年がここまで出ていま すけれども、その後2006年は7例、2007年が10例、2008年が3例で、竹本先生のおっしゃる2 けたを超えたのが2007年の10例のことだと思います。これはたしか前の資料では出ていると思 いますので、それを引用していただければおわかりになると思います。 ○加藤座長 ありがとうございました。今のお話のとおり、資料の差し替えをいたします。  それでは、引き続きまして、今後のプロセスについて、事務局から御説明をいただきたいと存 じます。 ○江浪課長補佐 それでは、御説明をさせていただきます。承認されました細胞培養日本脳炎ワ クチンを、定期の予防接種に位置づけるためには、省令改正などが必要となります。本日、配付 させていただいております資料の参考資料2として、省令の改正案を添付させていただいており ます。そのため、この省令案につきましては、パブリック・コメントを3月末から募集する予定 でございます。  以上でございますが、定義のとりまとめを受けまして、上田健康局長より一言あいさつを申し 上げさせていただきます。 ○加藤座長 今、ちょうど中座中ですので、梅田課長、よろしくお願いいたします。 ○梅田結核感染症課長 それでは、済みません。緊急に中座をしなければなくらなくなりました ので、代わりまして、これまでの3回にわたる検討会での日本脳炎ワクチンについての活発な御 議論に、まず本当に心から御礼申し上げます。どうもありがとうございます。  先ほど座長がまとめてくださいましたが、若干文言の修正等ございますので、それを修正いた しまして、委員の先生方にはまた確認のため配付させていただきたいと思います。  そして、最終とりまとめということでいただきました今回の提言を踏まえまして、先ほど山田 の方から説明いたしましたようなパブリック・コメント等のプロセスを経て、今後の予防接種の 制度、行政に生かしてまいりたいと思いますので、今後も引き続きよろしくお願いいたします。 どうもありがとうございます。 ○加藤座長 どうもありがとうございました。梅田課長が局長に代わりましてごあいさつさせて いただいたということでございます。  その他の議題といたしまして、事務局の方からございましたらばお願いいたします。 ○江浪課長補佐 先日も御報告申し上げましたけれども、昨年から継続して課題となっておりま す、国のワクチン政策に対しまして、強い影響力を持つ仕組み、あるいは国民に対してワクチン の安全性・有効性について、情報提供する機能の強化など、予防接種に関するアドバイザリー機 能の強化が求められているという座長提言をいただきました件につきましては、引き続き事務局 の方で資料を作成中でございまして、今後の検討会の中で御議論をさせていただければというふ うに考えております。そのことだけ一点御報告申し上げます。 ○加藤座長 どうもありがとうございました。本日予定いたしました議題は、これで終了でござ います。日本脳炎に関しましての御討議、どうもありがとうございました。  それでは、今後のことにつきまして、事務局からの方から何かございましたらば、よろしくお 願いいたします。 ○山田課長補佐 次回の開催についてでございますが、日程につきましては、改めて事務局より 調整をさせていただきたいと考えております。本日は長時間にわたり御議論いただき、誠にあり がとうございました。これをもちまして、終了とさせていただきたいと考えております。よろし くお願いいたします。 ○加藤座長 どうもありがとうございました。終了といたします。 照会先 健康局結核感染症課予防接種係 03-5253-1111(内線 2383,2377)